『米軍が債権者に敗れる日 成長策、覇権維持を左右 編集委員 梶原誠』(1/23日経朝刊)、『世界鳥瞰 米孤立主義が招いた戦争の教訓』(1/23日経ビジネス)、『トランプの反中は「本物」、異常なプーチン愛は「戦略」だ』(1/23ダヤモンドオンライン 北野幸伯)について

麻生副総理兼財務大臣が安倍首相と一緒に訪米するのは、ペンス副大統領との会談だけでなく、トランプ政権が中国との本格的な対決に備え、中国の米国債売却の脅しがあれば、日本が引き受けるという事を打ち合わせるのでは。下の写真によると1兆$くらいですから、問題なく引き受けられるでしょう。中国は人民元暴落を防ぐため、$売り・人民元買いをしていますから、真水の外貨準備を減らして、貿易面で締め付けるのに手段として使われると思います。

また、小坪しんや氏のブログでは「今年安倍首相とトランプ大統領とが一緒にアーリントン墓地に献花、その後靖国に一緒に参拝する」予想を語っています。中国、北・南朝鮮が日本に仕掛けて来ている歴史戦を粉々に粉砕してくれるでしょう。

https://samurai20.jp/2017/01/donald-john-trump-4/

日経ビジネスの記事では、筆者の見方は固定観念に基づいて論理展開しています。「米国が孤立主義を取ったことで、ドイツのナチスと帝国主義に走った日本が侵略行為を激化させ、全世界を危機にさらした点だ。」なんて植民地を持って搾取していた米国を棚に上げて良く言うよと思います。少なくとも日本は欧米の「植民地主義」ではなく、「統合」(搾取するのでなく、できるだけ日本と同じ扱いか、投資についてはそれ以上)の位置づけだったという事実すら知りません。まあ、戦後の日本人の大部分も洗脳されて、そういう事実を知らないのですから、外国人がそう思い込んでいても仕方のない面もありますが。国際社会では主張しなければ相手の言い分を認めたことになりますので。

ルービニ氏はアメリカの保護主義に力点を置いて説明していますが、軍人を置く登用していることから分かる通り、オバマが弱体化させた軍の強化をするつもりです。そのための財源として同盟国にも応分の負担を求めるという事でしょう。AIIBの加入を勧めたウールジー元CIA長官が政権から遠ざけられたのも、むべなるかなです。中国はAIIBが昨年一年間融資したのが9件で単独融資が3件とプアな実績しかなくて、困っていろんなルートを使って日米に加入を勧める論調作りをしています。そういう議論を展開しているのは中国から金を貰っている手先と看做して間違いありません。

英国のメイ首相はEUの単一市場からの撤退を明言したのは、トランプ大統領と良く打ち合わせた結果なのでは。中国と強く結びついているEUの盟主のドイツに打撃を与えるためとも思われます。真田幸光氏によれば『世界の富の99%を動かす英国王室、その金庫番のユダヤ資本』としての力が働いたのでは。ユダヤ人のジョージソロスは中国ベッタリのヒラリーを応援して負け組に入りましたが、同じくユダヤ人のクシュナーが今後采配を振るって、中国に対峙していくのでは。中国は英国との一帯一路で中国の貨物が英国に着いたと喜んでいますが。

1/23宮崎正弘氏のブログによれば、習近平は軍の上層部を身内で固めたとのこと。権力基盤の安定の為だけでなく、米国との決戦に臨むために急いだ部分もあったのでは。キナ臭くなってきています。ただ実力的には横綱と幕下力士くらいの差があります。どこまで頑張れるか。

http://melma.com/backnumber_45206_6477567/

日経記事

20日、米大統領に就任したトランプ氏は昨年11月の当選以降、ロッキード・マーチンをはじめとする米軍需関連企業の株価を振り回してきた。

国防強化を掲げる同氏が選挙を制した後、株価は急騰を重ねた。だが12月、同氏が大統領専用機エアフォースワンや、最新鋭ステルス戦闘機F35の価格を「高すぎる」と批判したのをきっかけに急落に転じ、方向感を失った。

ウォール街には今、不安が渦巻いている。「財政的な制約で、国防費が増やせないのでは」と。

トランプ氏は選挙戦を通じ、米軍の駐留費の肩代わりを駐留先の日本、ドイツ、韓国に求めた。外国の紛争への関与を「米国は世界の警官ではない」と避ける姿勢も示している。

米国の台所事情は確かに厳しい。米議会予算局(CBO)によると、社会保障費などの増大で債務が2016年からの10年間で64%増え、年間の利払いは2.9倍に膨れる。国防費の24%増をはるかに上回るペースだ。

歳入に占める利払いと国防費の割合、つまり両者による予算の「奪い合い」をグラフ化すると、ウォール街の不安は真実味を増す。利払いが増える分、国防費への配分率が削られ、26年には肩を並べる。

象徴的なのが、翌27年にも予想される事態だ。利払いが国防費を上回る。大統領や議会にしてみれば、債権者の方が軍隊より支出先として大きな存在になる。

利払いと異なり、国防費は政府や議会が動かすことができる「裁量的支出」だ。債権者が「利払いのために、国防費を削減すべきだ」とワシントンに迫れば、軍事力を背景にした米国の覇権は揺らぐ。

米軍が債権者に敗れる日。こんな悪夢を7年前、米軍の最高幹部が警告していた。

「我が国の安全保障上、唯一最大の脅威は債務だ」。10年、当時の統合参謀本部議長、マイケル・マレン氏は語っている。巨額の利払いが続けば、肝心の北朝鮮にもテロにも対処できないからだ。

「状況は悪化している」。同氏は今も危機感を強めている。債務は昨年までの6年間で5割以上も増えたもようだ。「このまま債務が制御できなければ、インフラにも教育にも安全保障にも十分にお金が使えない。米国はいずれ、別の国になってしまう」

米国防費は年間約6000億ドルと、2位の中国以下10カ国の合計に匹敵する。紛争を押さえつけてきた強大な力が揺らげば世界は不安定になる。

「これまでの経験上、大きな産油国で有事となれば、原油価格が1バレル120ドルぐらいには簡単に上昇する」。日本エネルギー経済研究所の豊田正和理事長は、中東における米国の「力の空白」を前提に、油価が現在の2倍以上になるリスクシナリオを描いている。

原油の値動きは、ファンドなどの値ざやを狙う投機家が増幅してきた。主要な石油施設がテロなどに襲われるだけで価格は急騰し、日本やインドなど純輸入国の経済を傷つけるだろう。

米国にとってやっかいなのは、影響力を増す債権者の上位に中国が名を連ねることだ。米国債の約40%は外国人が保有するが、このうち40%近くを日本と中国が分け合っている。中国は日本と異なり米国の同盟国ではない。

09年、当時のクリントン国務長官が対中外交について「銀行を相手に強く出られるか?」と嘆いた――こんな逸話が翌年報じられて話題をさらった。

実際、台湾や通商などを巡って米中の緊張が高まるたびに、中国による米国債の売却が取り沙汰されてきた。米国債の価格が急落すれば、米長期金利が急騰して米経済は傷つく。

米中央情報局(CIA)は5年ほど前、米国債が中国に握られている問題を分析している。大きな脅威にはならないというのが結論だったという。

当時のCIA長官で、トランプ政権の国務長官候補にもなったデビッド・ペトレアス氏は今も自信を見せる。「中国が米国債を売却しても、大勢の国家や機関投資家が喜んで買ってくれるはずだ」

だがもっと注目すべきなのは、買ってくれる条件だ。「米経済が世界で最も強固である限り」。同氏はこうクギを刺す。

だからこそトランプ政権の成長策は、米国が超大国としての地位を保つために重い意味を持つ。税収を増やし、財政が健全であると市場に信じてもらう必要がある。そうすれば米国債が売られても新たな買い手が吸収する。金利も抑制され、利払いも軽くなり、マレン氏が危惧する様々な投資も可能になる。

「Gゼロ」という言葉が流行したように、長期的には米国1強の時代も終わるだろう。トランプ政権が、中国をはじめ今後大国の仲間入りする国々と平和的な外交関係を築けるかは、世界の安定を左右する。

だが、市場は軟着陸を許さないかもしれない。投資家が米国の成長を見限れば、米国債の買い手はいなくなり金利が跳ね上がる。利払いは一段と膨らんで国防費を侵食し、債権者が米軍を倒す日も早まる。

新政権の成長策、「トランプノミクス」がいよいよ動き出した。それは、世界の地政学リスクの変数でもある。

日経ビジネス記事

1920、30年代に米国が孤立主義を取ったことが日独の暴走を招き、第2次世界大戦をもたらした。トランプ新米大統領が再び孤立主義の方針を取れば、米国が戦後築いてきた世界秩序は崩れ去るだろう。現在の野心的新興国の台頭を許せば、世界は今以上に深刻な紛争に向かう。歴史はそれを証明している。

ノリエリ・ルービニ氏

ニューヨーク大学スターンビジネススクール教授兼、経済分析を手がけるRGEモニターの会長。米住宅バブル崩壊や金融危機到来を数年前から予測したことで知られる。   米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の勝利は、グローバル化へのポピュリズム的反発が高まっているという証しだけではない。「パクスアメリカーナ」の終焉の予兆とも言えるかもしれない。

パクスアメリカーナとは、第2次世界大戦後に米国が同盟諸国と築いた、自由な貿易と相互安全保障を基本とする国際体制だ。これにより戦後70年間、繁栄が維持されてきた。

具体的には、貿易の自由化や資本移動の拡大、適切な社会福祉政策など市場を重視する原則の上に成り立ち、米国が北大西洋条約機構(NATO)など様々な同盟を通じて、欧州や中東、アジアにおける安全保障を確保することで裏付けられてきた。

ところが、トランプ新大統領が進めようとしているグローバル化を敵視した、保護主義的でポピュリズム的な政策は、貿易を妨げ、労働や資本の移動を制限する可能性がある。

トランプ氏はさらに、米国の同盟国に対し、自国を防衛するための費用負担を増やすよう求めていくとしており、米国が築いてきた安全保障体制の在り方にも疑問を投げかけている。

彼が本気で「アメリカファースト(米国第一主義)」を貫く方針なら、米国は地政学的な戦略を転換させることになり、孤立主義や一国主義に傾き、米国の国益のみを推進していくことになる。

米孤立主義が独日暴走招く

米国は1920~30年代に同様の政策を展開し、結果的に第2次大戦の種をまくことになってしまった。保護主義的な政策が、貿易上の報復措置や通貨戦争を招き、大恐慌をさらに悪化させた。その始まりが、何千という品目の輸入品に高い関税をかけたスムート・ホーリー法だった。

さらに重要なのは、米国が孤立主義を取ったことで、ドイツのナチスと帝国主義に走った日本が侵略行為を激化させ、全世界を危機にさらした点だ。

米国のかつての孤立主義が真珠湾攻撃を招いた(写真=AP/アフロ)

そうした孤立主義を正当化させたのは、米国は太平洋と大西洋によって守られているという誤った考え方だった。1941年12月の日本海軍による真珠湾攻撃で、米国はようやく現実に目を向けざるを得なくなったのだ。

今回、米国が再び孤立主義に陥り、自分たちの国益のみ追求するようになれば、いずれ世界規模の争いが起きてもおかしくはない。

しかも、米国が欧州から身を引くまでもなく、既に欧州連合(EU)とユーロ圏は空中分解しつつあるようだ。英国の2016年6月のEU離脱を決めた国民投票や、イタリアの憲法改正を否決した同12月の国民投票はその表れだ。

加えて今年はフランスやイタリア、その他の欧州諸国で、極左または極右の反EU政党が政権を握る可能性がある。

米国が欧州での存在感を縮小すれば、ソ連時代の勢力の復活を狙うロシアが動き出すだろう。ロシアは既にウクライナやシリア、バルト諸国、バルカン半島諸国で、米国やEUを挑発している。

今後、EU崩壊の可能性の拡大につけ込んで旧ソ連圏諸国での影響力を拡大したり、欧州内の親ロシア勢力を支援したりするかもしれない。欧州が米国の「安全保障の傘」を次第に失うことで、誰よりも得をするのはロシアのウラジーミル・プーチン大統領である。

イスラム過激派の思うつぼに

トランプ氏の政策は、中東情勢も悪化させる可能性がある。同氏は米国をエネルギー面で完全に自給自足させると公言している。このことは中東における米国の権益を放棄し、温暖化ガスの排出を伴う米国産の化石燃料への依存を高めることになる。

しかも、トランプ氏は、好戦的なイスラム過激派だけではなく、イスラム教そのものが危険だと言い続けている。安全保障担当の大統領補佐官に指名されたマイケル・フリン氏も同じ考えだ。これでは、イスラム過激派が描く「文明の衝突」のシナリオにまんまと乗せられてしまうだろう。

一方、トランプ政権の「米国第一主義」は、サウジアラビアとイランの代理戦争となっているスンニ派とシーア派の長期にわたる戦いも激化させるだろう。米国がスンニ派の同盟国への支援を保障しなくなったら、イランやサウジ、トルコ、エジプトなど中東で力を持つ国は、自衛には核武装するしかないと考えるかもしれない。そうなれば、紛争や対立はさらに悲惨なものになる。

アジアでは、米国の経済力と軍事力のおかげで数十年間、安定が維持されてきた。だが、台頭する中国が現状を変えようとしている。バラク・オバマ前大統領の「アジア回帰」戦略は、12カ国が参加するTPP(環太平洋経済連携協定)の成立に重きを置いていたが、トランプ氏は即時離脱を確約している。

中国はアジアや太平洋地域、南米で経済関係を急速に強化しており、それを実現すべく広域経済圏構想としての「一帯一路(新シルクロード)」、アジアインフラ投資銀行(AIIB)や新開発銀行(通称BRICS銀行)の設立、そしてTPPに対抗する中国独自の域内自由貿易協定の成立を目指している。

フィリピンや韓国、台湾などアジアにおける同盟国・地域を米国が見捨てたら、そうした国々は中国にひれ伏すしかない。日本やインドなどその他の同盟国は、軍事力を増強し、公然と中国に対抗することを余儀なくされるかもしれない。つまり、アジアから米国が撤退すれば、いずれ軍事衝突が起きる可能性は高くなるということだ。

世界に組み込まれている米国

1930年代、米国の保護主義的かつ孤立主義的な政策が世界の経済成長や貿易を妨げ、その結果として、侵略的な新興勢力が世界戦争を勃発させる舞台を準備してしまった。今、同じような政策を進めれば、新たな大国が米国主導の国際秩序に対抗しようと、その弱体化をもくろむことになりかねない。

孤立主義の方針を取るトランプ政権は、ロシアや中国、イランなど覇権を拡大しようとしている国々は自分たちへの直接の脅威にはならないと考えているかもしれない。東西に横たわる大海を見渡せば、自分たちは安全であるかに思えるだろう。だが、米国は今も互いに深く結びついた世界における経済大国であり、金融大国である。

これらの国々は、歯止めが利かなくなれば、米国の国内外における権益や安全保障を根幹から揺るがすことになるかもしれない。特に、核兵器やサイバー攻撃の能力を高めれば、その脅威はさらに大きくなる。保護主義や孤立主義、米国第一主義は、経済的および軍事的な惨事を招くということだ。歴史がはっきりとそう示している。

ダイヤモンドオンライン記事

ドナルド・トランプが1月20日、米国大統領に就任した。全世界が、「彼はどんな政策を行うのだろう?」と注目している。特に、他国に影響を及ぼす「外交政策」は重要だ。今回は、トランプ新大統領がどんな外交をし、世界のパワーバランスがどう変わるのかを考えてみよう。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

米中37年間の慣習をぶち壊した!トランプは「本物の反中」

大統領選に勝利してからのトランプの言動を見て、はっきりわかる重大事がある。トランプは、「反中」である。

彼が反中であることは、選挙戦中から知られていた。しかし当時、トランプの中国批判は、為替操作など「経済面」に限定されていた。トランプは、「ビジネスで中国と関係が深い」と言われ、「反中はフリだけ」という意見も多かった。

新政権人事を丁寧に見て行くと、トランプの反中は「フリではなく本物」、そして「プーチン愛」も異様に強いことが良くわかる。その裏には、どんな事情があるのだろうか? Photo:REX FEATURES/AFLO

ところが、大統領選で勝利した後の言動は、彼が「本物の反中」であることを示している。

トランプは昨年12月2日、台湾の蔡英文総統と電話会談し、大問題になった。なぜか? いうまでもなく、中国は台湾を主権国家と認めていない。「台湾は中国の一部である」としている。そして、米国にも「一つの中国」原則を守るよう要求し、歴代大統領は、律儀にそれを守りつづけてきた。

米国大統領と台湾総統が電話で話すのは、1979年以降、一度もなかった。つまりトランプは、米国と中国の間の37年間の慣習、合意事項を、あっさりぶち壊したのだ。

中国政府は衝撃を受け、厳重抗議した。これに対するトランプの反応はどうだったのか?彼は12月4日、ツイッターに、こう投稿した。(太線筆者、以下同じ)

「中国は彼らの通貨を切り下げること(つまり米企業の競争を困難にすること)、中国向けの米製品に重税を課すこと(米国は中国製品に課税していないのに)、南シナ海のど真ん中に巨大軍事施設を建設することなどに関して、われわれに了承を求めたか?そうは思わない!」

歴代の米大統領は、異常なほど中国に気をつかってきた。共産党の一党独裁国家・中国が、あたかも「道徳的権威」であるかのごとく。しかし、トランプは、「おまえたちにあれこれ言われる筋合いはない!」と、きっぱり態度で示したのだ。

そして、重要なポイントは、トランプが「南シナ海の巨大軍事施設建設」に言及したこと。彼の「反中」は「経済面だけではない」ことがはっきりした瞬間だった。

トランプがつくったのは「中国と対決するための政権」

人事を見ても、トランプは、「対中強硬派」に重要なポストを与えている。たとえば、新設される「国家通商会議」のトップは、超の付く反中の人物だ。

<トランプ氏、新設の「国家通商会議」トップに対中強硬派を指名   
AFP=時事 12/22(木) 20:38配信 
 【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は21日、中国批判の急先鋒(せんぽう)として知られるピーター・ナバロ(Peter Navarro)氏を、貿易・産業政策を担う新たな組織「国家通商会議(White House National Trade Council)」のトップに指名すると発表した。>

カリフォルニア大学教授のピーター・ナヴァロには、「米中もし戦わば」という著書があり、現在日本でもベストセラーになっている。またトランプは、通商代表部(USTR)のトップに、これも反中のロバート・ライトハイザーを指名した。

この人事に、中国は慌て、共産党系メディアはトランプに「警告」した。

<中国共産党系メディア、トランプ氏に警告-次期USTR代表人事で   
Bloomberg 1/5(木) 18:39配信 中国共産党系の新聞、環球時報は5日の論説で、トランプ次期米大統領が貿易戦争を起こそうとしたり米中関係の緊張を一段と高めようとした場合、トランプ氏は「大棒」に遭遇するだろうと警告した。 中国語の大棒は太いこん棒、力や脅しを意味する。 トランプ氏が米通商代表部(USTR)の次期代表に対中強硬派のロバート・ライトハイザー氏を起用すると発表したことを受け、同紙は「中国商務省の門の周りには花が飾られているが、扉の内側には大棒も隠されていて、その両方が米国民を待っている」との文章を掲載した。>

また、新国防相に指名されたジェームス・マティスは「狂犬」と呼ばれる人物。15年1月27日、米議会で中国について、こう語っている。

「中国が南シナ海やそのほかで、いじめのような強硬路線を拡大していくなら、現在のわれわれの取り組みと並行して、中国に対抗するための政策を構築して行く必要がある」

このようにトランプは、「中国と対決するための政権をつくった」といえる。

「異常なプーチン愛」を示すトランプの目的とは?

一方、外国から見ると、まったく理解できないのが、トランプの異常なまでの「プーチン愛」だ。

彼は選挙戦中から一貫して、「プーチンとの和解、協力」を主張してきた。ヒラリー陣営は、これを利用した。彼女は、「トランプは、プーチンの傀儡だ」と主張した。

オバマ政権や、ヒラリーを支持するメディアは、1.プーチンは悪魔のような男 2.トランプは、悪魔(プーチン)の傀儡 3.だからヒラリーに投票するべきーーという論法で選挙戦を戦ってきた。それでも、トランプの言動は、変わることがなかった。

最近では、「ロシアがサイバー攻撃で米大統領選に介入した」ことが、大問題になっている。トランプは、「介入」を認めた上で、驚くべき発言をした。それでも「反ロシア派」は「バカ」だというのだ。

<【米政権交代】トランプ氏、反ロシア派は「馬鹿」 選挙介入認めるも
   BBC News 1/9(月) 13:54配信   米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏を有利にしようとロシア政府が民主党本部をハッキングするなど、選挙に介入しようとしたという米政府の報告書公表を受けて、トランプ氏は7日、それまでの主張を翻して介入があったことは認めたものの、ロシアとの良好な関係維持に反対するのは「馬鹿」で「愚か者」だと連続ツイートした。>

なぜトランプは、「親プーチン」「親ロシア」なのか?彼の論理は、「対ISでロシアと協力できるから」である。

トランプは、オバマのシリア政策を軽蔑している。オバマには、シリアに「アサド」「IS」という2つの敵がいた。オバマは、「ISをせん滅する!」といったが、それができない事情があった。

しばしばテロを起こすISは、一方で米国と同じく「反アサド」なのだ。つまり、オバマとISは、「反アサド」で利害が一致していた。そのため、米国と有志連合の空爆は「手抜き」で、ISは弱まることがなかった。

トランプは、オバマの優柔不断を「馬鹿げている」と考えている。では、トランプの「アサド、IS観」はどのようなものなのか?彼は、「アサドは悪だが、ISはもっと悪い」と語っている。なぜなら、「アサドが政権にとどまっていても、米国に実質被害はない。しかしISはテロを起こすので、米国の実質的脅威である」と。

極めて合理的である。この「アサド政権を容認し、ISをせん滅する」というのは、プーチンと同じ立場である。だからトランプは、プーチンと和解したいというのだ。

「プーチンの親友」が米国の国務長官に!

トランプの「親ロシア」ぶりは、人事にもあらわれている。マイケル・フリン大統領安全保障担当補佐官は、退役中将。12年~14年、オバマ政権下で国防情報局長官を務めたが、「ロシア寄り」の姿勢が問題視され、辞任に追い込まれた人物である。

そして、トランプ「親ロシアの象徴」は、国務長官に指名されたレックス・ティラーソンだろう。ティラーソンは、石油大手エクソン・モービルの前CEOである。その近年の言動を振り返ってみよう。

2006年 エクソン・モービルCEOに就任。  2012年 ロシアの国営石油会社ロスネフチと、北極海・黒海における共同開発で合意した。  2013年 ロシアから「友好勲章」を授与された。  2014年 欧米による「対ロシア制裁」に反対した。

「プーチンの親友」ともいわれる人物が、米国の国務長官を務めるのだ。これは「驚愕の事態」といえる。ちなみにトランプは、ウォール・ストリート・ジャーナル1月13日付のインタビューで、「対ロシア制裁解除の可能性」と「『一つの中国』の原則を見直す可能性」について言及した。

これらすべての事実からわかることは、トランプ政権は、「反中国、親ロシア」であるということだ。トランプ外交の基軸は、「ロシアと和解し、中国を叩く」になるだろう。

以前から予想された「米中対立」「米ロ和解」

実をいうと、新政権が「反中親ロ政権」になることは、以前から予想されていた。いつ予想できたかというと、「AIIB事件」が起こった15年3月からである。「AIIB事件」とは、英国、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、イスラエル、韓国などの親米諸国群が、米国の制止を完全に無視して、中国主導「AIIB」への参加を決めたことを指す。 「親米諸国、同盟諸国群が、米国ではなく中国の言うことを聞く!」

この衝撃は大きかった。米国支配層は、中国が既に「覇権一歩手前」まできていることを自覚した。この事件で、親中反ロだったオバマすら変わった。筆者は、15年4月28日付の記事で、「米国は中国に逆襲する」「ロシアと和解する」と書いた。  予想通り、米国政府は中国の「南シナ海埋め立て問題」を大騒ぎするようになっていった。そして、オバマは15年9月、訪米した習近平を露骨に冷遇し、世界に「米中関係悪化」が知れわたった。

一方、オバマは、ロシアとの和解に乗り出した。ケリー国務長官は15年5月、「クリミア併合」後はじめて訪ロし、「制裁解除の可能性」について言及している。米ロ関係が改善されたことで、ウクライナ問題は沈静化した。

同年7月、米国とロシアは協力し、歴史的「イラン核合意」を成立させた。さらに16年2月、米ロの努力で、シリア内戦の停戦が実現している(しかし、後に崩壊したが)。このようにオバマは、短期間でロシアと和解し、ウクライナ問題、イラン核問題を解決。シリア問題もロシアとの協力で、解決にむかっていた。

しかし、大統領選が近づくにつれ、オバマは再び「反ロシア」になっていった。既述のように、これは「ヒラリーを勝たせるため」だろう。

このように、「AIIB事件」以降、米国にとって最大の敵は中国と認識されるようになった。もしヒラリーが勝っても、米国が反中路線を歩むことは避けられなかっただろう。ただ、ヒラリーは、「中国との黒い関係」があるため、トランプほど反中にはなれなかったかもしれない。(「黒い関係」の詳細は、こちらの記事を参照)

そして、中国の脅威に立ち向かうために、米国がロシアと和解するのも、また必然的な流れである。

米国はかつて、ナチスドイツ、日本に勝つために、「資本主義打倒!」「米英打倒!」を国是とするソ連と組んだ。そして、第二次大戦で勝利すると、今度は敵だった日本、ドイツ(西ドイツ)と同盟関係になり、ソ連と対峙した。それでもソ連に対して劣勢だった1970年代初頭、米国はなんと中国と和解している。

「最大の敵に勝つために、その他の敵と和解する」

これが常に米国の戦略の根底にある。だから、米国が「中国に勝つために、ロシアと和解する」のは必然なのだ。

「米中冷戦」時代における日本のポジション

トランプは、「米中冷戦」「米中覇権争奪戦」を始める。すると、日本はどうなるのだろうか?

日米関係は、「米ソ冷戦時代」のごとく、良好になっていくことが予想される。米国にとって、「GDP世界3位の軍事同盟国」の存在は大きい。しかし、米ソ冷戦時と違い、今の米国は弱体化が著しい。トランプが以前から主張しているように、日本の負担増が求められるだろう。  日本は、米国の要求に従って、軍備を増強するべきだ。「外圧」を使って、「軍事的自立」に近づいていくのだ。

そして、トランプ時代の4年、あるいは8年は、日本にとって正念場になりそうだ。中国は、もはや高度成長時代には戻らない。「中国は、共産党の一党独裁だから世界一の経済成長を達成できる」という、中国国民を酔わせてきた「正統性」「神話」は、すでに崩壊しつつある。

それで、習近平は、新たな「正統性」を探さなければならない。もっとも「ありがち」なパターンは「外国の強敵」を設定し、「共産党だけが、敵から国民を守れる」とプロパガンダし、「正統性」を確保することだ。

そして、韓国同様、中国国民を一体化させるもっと簡単な方法は、「反日」なのだ。日本は、米国、インド、欧州、ロシア、オーストラリア、フィリピン、ベトナムなどとの関係をますます強化し、中国が尖閣侵略に動けない状態をつくりあげていく必要がある。

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『李克強が落胆「ボールペン球珠輸入問題」の波紋 1年後に国産化成功も、市場なく「過剰生産」に?』(1/20 日経ビジネスオンライン 北村豊)について

ボールペンを中国語で「圆珠笔」と言いますが、“球珠(ボール)”を今まで中国で生産できず、やっと生産できたと思ったら、これを輸出の武器として考えることしかできない所に中共支配の限界が見えるのでは。中国の経済的豊かさは砂上の楼閣と言えます。技術の蓄積がなく、パクリや盗みで利益を得て来たからです。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」、賄賂社会で本来淘汰される企業が生き残り、「悪貨が良貨を駆逐する」繰り返しが中国の歴史です。

本記事を読んでソ連を思い出しました。ソ連の商品は共産主義圏でしか流通しないし、計画経済で競争がないため、全然消費者の利便を考えないものが作られました。重さで評価されるとなると、運ぶのに重い机や燃費の悪い車が大量生産されます。東独の車の「トラバント」がそうです。軍事大国のソ連が民生用商品ではサッパリだったですが、中国も日米の支援を受けて経済も大きくなったにも拘わらず、ソ連と同じく民生用の技術が蓄積されず、アセンブリーな製品だけに止まっています。アセンブリーでしたら、別に中国である必要はなく、もっと人件費の安い国に生産を移管すれば良いでしょう。

ただ、中国は日本以上に厳しい市場競争があります。相手が潰れるまで価格競争をしますので。でも、公正な競争ではありません。賄賂と有力者の庇護がある方が勝つことになっています。それが本記事の内容です。

米国は、トランプの国内投資、雇用拡大、賃金上昇が上手く回っていくかですが、米国人労働者の学力レベルが相応しいものになっているかどうか疑わしいという議論があり、教育の問題がボトルネックになっているとすれば、トランプが8年在任していたとしてもそれでは成果を上げるのには間に合わないでしょう。どう解決していくのか。やはり海外生産は認めざるを得なくなるのでは。但し、儲けた金を米国内に還流させ、株主に分配するだけではなく、米国内労働者に分配するようにするのが良いのでは。これは日本も同じですが。米国の投資はニューデイールではありませんがインフラ投資に注力すべきです。

記事

中国政府“国務院”総理の“李克強”は2016年の仕事始めである1月4日に、山西省の省都“太原市”で自身が主宰する「鉄鋼、石炭業界の生産過剰を解消し、困難を脱して発展するための座談会」を招集した。

過剰生産解消に檄

座談会の参加者は以下の通りだが、この陣容はめったにない構成で、生産過剰の解消がいかに重要な課題であるかを示していた。

【1】国務院副総理の“馬凱”、“国務委員”の“楊晶”を筆頭に、“発展改革委員会”、“財政部”、“商務部”、「工業・情報化部」、“国土資源部”、「人力資源・社会保障部」、「住宅・都市農村建設部」、“国有資産監督管理委員会”、“国家安全生産監督管理総局”、“国家能源局(国家エネルギー局)”、“国家税務総局”、“海関総署(税関総署)”、“国家質量監督検験検疫総局(国家品質監督検査検疫総局)”、“中国人民銀行”、“中国銀行業監督管理委員会”など15の部・委員会の責任者。 【2】生産過剰が著しい4つの一級行政区(山西省、河北省、内モンゴル自治区、山東省)の責任者。 【3】全国の鉄鋼および石炭業界大手24社の責任者。

座談会の席上、李克強総理は次のように述べた。すなわち、過剰生産を解消するには、“壮士断腕(躊躇せず即断即決)”の精神で改革を深化させ、企業を再編し、合理化による結合を行うことが必要である。それには、必ず改革の観念を強く堅持し、中央と地方双方の積極性を発揮し、企業の主体的精神を発揮しなければならないし、市場化の運用方法に十分注意して生産過剰の解消を図らねばならない。また、生産過剰の解消と同時に、既存の生産能力の合理化も必要である。昨年、我々は鉄鋼生産量が深刻に過剰な状況下にありながら、一部の特殊な高品質の鋼材は依然として輸入に頼っている。その一例を挙げれば、我々はまだ“圓珠筆(ボールペン)”の“筆頭(チップ)”に使われる“球珠(ボール)”を含む金型用鋼材を生産する能力を備えておらず、目下は依然として輸入しなければならない。これらは全て構造調整が必要である。

かつての中国で筆記用具といえば“鋼筆(万年筆)”が主流で、国産ブランドの“英雄(Hero)”は多くの人々に愛用されていた。しかし、時代が進むにつれて、“圓珠筆(ボールペン)”の便利さが知られて普及するようになり、いつの間にかボールペンが万年筆に取って代わった。確か1995年頃までだったと思うが、商談で中国へ出張する時には廉価な日本製ボールペンを持参して中国の顧客へ手土産として贈ると、非常に喜ばれたものだった。しかし、1996年以降はボールペンが中国国内で普及したため、ボールペンは手土産には不適切なものとなり、安価なボールペンを贈ると、「馬鹿にしているのか」と反感を買う代物になり果てた。

最先端を走っているはずが…

それにしても、中国は2003年10月に宇宙飛行士の“楊利偉”を搭乗させた宇宙船「神舟5号」で有人宇宙飛行を成功させたのを皮切りに、2016年10月に打ち上げた「神舟11号」までに6回も有人宇宙船の打ち上げに成功し、宇宙滞在経験を持つ宇宙飛行士は延べ14人に達している。また、2016年6月にドイツのフランクフルトで開催された「スーパーコンピューティングに関する国際会議(ISC)」で発表されたスーパーコンピュータの処理能力ランキング「TOP500」で第1位に輝いたのは、100%中国製の「“神威・太湖之光”」であり、その計算速度は1秒間に9京3000兆回であった。このように今や科学技術分野で最先端を走っている中国が、李克強が言うように、ボールペンのチップに組み込まれるボールすらも国産できず、輸入に頼っていたとは驚き以外の何物でもない。

香港誌「動向」が伝えたところによれば、2015年3月に李克強が中国の機械設備輸出に関わる書類に目を通していた時に、港湾のガントリークレーン、クレーンのワイヤロープ、自動車エンジンの主軸、飛行機の胴体フレーム用アルミ合金などの非常に多くの製品が依然として輸入を必要としていることを知って驚愕した。この時、李克強は書類の該当部分に3本の赤線を引き、5分ほどの間その部分を呆然と見詰めていたという。これが上述した座談会における李克強のボールペンの「ボール」発言につながったものと思われる。

さて、中国には3000社を超える筆記具製造企業があり、その就業人口は20万人に及んでいる。中国国内におけるボールペンの年産量は400億本以上で、中国はすでにその名に恥じないボールペン製造大国であるが、この誇るに値する数字の背後には、核心の技術と材料を輸入に頼っているだけでなく、品質の悪い偽物が氾濫するという厄介な状況が存在しており、ましてやボールペンのチップに組み込まれる“球珠(ボール)”を大量に輸入せざるを得ないのが実情である。

核心の技術が欠けている

2016年1月初旬に“中国製筆協会(中国筆記具製造協会)”名誉副会長の“陳三元”がメディアに語ったところでは、中国の筆記具製造産業は非常に早い時期に形成されたが、2011年に核心材料と設備の国産化計画が開始されるまでは、快削鋼(free cutting steel)の線材やインクなどから加工設備までの全てを輸入に依存していたという。“筆頭(チップ)”とインクはボールペンの中核で、そのうちチップは“球珠(ボール)”と“球座(ボール受座)”で構成される。目下、“球珠”は炭化タングステンを加工したタングステンボールが国内外で最も広く使われているが、“球珠”、“球座”の生産は、設備も原材料も長期にわたってスイスや日本などの国々の掌中に握られていて、中国はそれらを輸入せざるを得ないのが実情である。

“球珠”を例に挙げると、中国は需要の90%近くを輸入しており、そのために毎年2億米ドルの外貨を費やしている。統計によれば、1本のボールペンはスイス製の“筆頭(チップ)”とドイツ製のインクが生産コストの50%以上を占めており、国内メーカーが1本のボールペンを生産することによる“毛利(粗利益)”はわずか0.012元(約0.2円)に過ぎない。上記の陳三元によれば、ボールペンの“筆頭(チップ)”は20以上の工程を経て作られているが、中国で生産されるステンレス鋼の線材は適用できないばかりか、これに組み合わせるインクもドイツや日本などから輸入しなければならないのだという。

この問題について中国国営通信社の「新華通訊社」は次のように述べている。すなわち、表面的にはボールペンという非常に小さな問題に見えるが、その実は多岐にわたる領域の中国製造業が普遍的に直面している問題なのである。“万宝龍(モンブラン)”や“派克(パーカー)”といった著名な国際ブランドの筆記具製造企業は全て中国にOEM(Original Equipment Manufacturing)生産工場を持っているが、それは中国国内にある一部の有名企業が技術水準では国際ブランド企業と大差なく、国内企業に欠けているのは核心の技術だけであることを証明している。この点について先述の陳三元は、「中国はすでに快削鋼の線材やインクなどの技術では新たな進展を実現しているが、企業が必要としているのはさらなる向上を目指す匠の精神を育成することである。これは中国が一つの筆記具製造大国から筆記具製造強国になるためには欠かすことのできない条件である」と述べている。

2016年1月4日に李克強がボールペンの“球珠(ボール)すらも輸入に頼っている中国の情けない現状に苦言を呈してから1年後の2017年1月9日、上海市に本拠を置くニュースサイト「界面新聞(jiemian.com)」は「世界最大のボールペン生産国の中国が遂にボールペンのチップを生産可能に」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

待望の国産化成功

【1】1月9日、“太原鋼鉄(集団)有限公司”(以下「太鋼集団」の公式サイトは、山西衛星テレビの報道を引用する形で、「最早ボールペンのチップ市場が国外勢によって独占されることはない。大綱集団傘下の鉄鋼を主体とする子会社“山西太鋼不銹鋼(ステンレス)股份有限公司”(以下「大綱ステンレス」)は国産化による生産を実現した。

【2】この技術は実際には第12次5か年計画(2011~2015年)期間中に開発されていたが、大量生産ができていなかった。その後、技術改造と工程改良を経て製品性能の安定性を高め、昨年9月に社内検査をパスして正式に販売を開始した。太綱ステンレスの会長秘書室によれば、同社はボールペンのチップ用鋼材を生産可能にしただけでなく、線材を引き延ばして鋼線に加工できるので、筆記具製造工場で最終加工を行えば良いという。

【3】チップ用スチールの市場規模はさほど大きくなく、世界中で1000トン前後に過ぎず、中国市場はそのうちの約80%を占めている。「太鋼ステンレスは今まで数百トンを販売していた」と会長秘書室は述べたが、具体的な数字は表明しなかった。しかし、今や太綱ステンレスが新製品として市場へ参入したことにより、市場価格は下落を始めている。また、太綱ステンレスは国産のチップ用スチールを海外へ輸出することを検討している。

【4】山西衛星テレビの報道によれば、中国が海外から輸入するチップ用スチールの価格はトン当たり12万元(約200万円)だが、中国国内の価格はすでにトン当たり8万~9万元(約130万~150万円)まで下がっており、海外製品の独占を打ち破ったことで、輸入価格も引き下げを余儀なくされている。

太鋼集団が“球珠(ボール)”を生産するための“筆尖鋼(チップ用スチール)”の国産化に成功したことは、中国メディアによって大きく報じられ、李克強が提起したボールペン問題は解決を見たと、中国社会は喜びに沸き返った。ところが、中国人民放送局のウエブサイト「“央広網(ネット)”」は1月15日付の「チップ用スチール開発成功に大手筆記具製造企業は冷水を浴びせる」と題する記事を掲載したのだった。その概要は以下の通り。

川下企業は?市場は?

(1)中国最大の筆記具製造企業である“貝発集団(Beifa Group)のトップである“邱智銘”は、チップ用スチールが国産化されたことは結構なことだが、川下の企業がそれについて行けなければ、せっかくの研究開発も宝の持ち腐れになると、中国国内の現状を喝破した。

(2)貝発集団の“筆頭(チップ)”生産工場の中では、設備が高速で運転され、切断、研磨、鑽孔など18の工程を経て、直径3mm以下のステンレス製ボールが生産されている。チップの品質を決定するのは、生産設備のみならず、最も重要なのは材料である。同集団の材料切断は2~3万回転の高速設備で行われるので、材料が硬くてもダメでし、軟らかければ変形する。従い、国産のチップ用スチールを川下企業が的確に使いこなせるかどうかが課題である。

(3)邱智銘は感慨深げに次のように述べた。「以前我々が世界各企業のODM(Original Design Manufacturing)生産工場であった時は、委託者からチップはスイス、インクはドイツ、あれは日本と指定を受けて10数年を過ごした。今はそれと全く異なり、自分のブランドで勝負し、それが中国の良い筆記具の基準となっている。我々は外国企業を引き込み、外国企業を研究して、最後に外国企業を超越した」

(4)しかし、長年にわたって中国筆記具製造協会の副理事長でもある邱智銘は、次のように述べてチップ用スチール開発の喜びに沸く国内業界に冷水を浴びせることを忘れなかった。すなわち、国内国外を問わず、“中国製造(Made in China)”は非常に長い期間“廉価”、“低品質”の烙印を押されて来た。たとえ材料が良くても、市場が無ければ始まらない。大綱集団の溶鉱炉が5000トンから1万トンのチップ用スチールを生産することができ、我々筆記具製造企業がそれを使ってボールペンを生産したとしても、市場はそれほど大きいだろうか、また、企業は採算が取れるだろうか。

太鋼集団がチップ用スチールの国産化に成功したことは事実だろうが、果たして川下の企業がそれについて行けるのか、また、同スチールの品質が各企業の設備に十分対応するものなのか。李克強のボールペン問題の懸案事項は表面上解決できたことになるが、それが一朝一夕に“球珠(ボール)”の輸入阻止につながるとは思えない。

ところで、中国が生産できない、あるいは生産できても品質不良の製品は極めて多い。このため、多くの中国人は海外旅行の機会をとらえて、国外でブランドバッグ、化粧品、衣類、家電などを購入する。日本では中国人観光客が、電気釜、温水洗浄便座、紙おしめ、医薬品、サプリメント、日用品などを大量に買い漁ったことから、旺盛な購買を意味する「爆買い」が2015年の新語・流行語大賞を受賞した。しかし、2016年4月に中国税関が海外で購入した商品に対する関税率を突然引き上げたことから、中国人観光客の購買意欲は沈静化し、爆買いは失速して今日に至っている。

上述したように爆買いの主因は、中国国内で生産不能、あるいは国産品の品質不良である。一般的に中国の製造業が低品質の製品を主体に生産しているのに対して、輸入品はコストが高いことにより高価格で庶民には手が出ない。その間隙を縫って出現したのが正規品を模造した“山寨品(偽物商品)”で、中国国内に氾濫しただけでなく、遠く海外にまで輸出された。この結果は火を見るよりも明らかで、ただでさえも低級品とされていた中国製造(Made in China)の名誉をさらにおとしめた。こうした中国製造に対する評価は中国国内に跳ね返り、中国国民の外国製品に対する信仰を高める結果となったのだった。

李克強が提起したボールペン問題から見えてくるのは、闇雲に国産品を開発して輸入依存の製品を抑制するのは意味がないということである。それよりも、中国企業が自社製品の品質向上に努力し、目先の利益だけを考えることなく、「匠の精神」を持つ技術者を養成し、国民に信用される高品質で耐久性のある製品を製造することが先決ということではないだろうか。但し、「悪貨は良貨を駆逐する」のことわざ通り、それが極めて困難であることは中国が一番良く知っているはずである。

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『South Korea Illegally Held Prostitutes Who Catered to G.I.s Decades Ago, Court Says』(1/20 NYT)、『韓国裁判所「米軍基地村『慰安婦』に国家が賠償すべき」』(1/21ハンギョレ新聞)について

1/22のTV「報道2001」でいろんな人がいろいろと言っていましたが、石平氏が一番的確と思って聞いていました。特にキッシンジャーとトランプの関係について「習・キッシンジャー会談の時に、トランプ・蔡電話会談をしたのは明らかにキッシンジャーの面子を潰すため」と話したのは、多分その通りでしょう。中国に「俺はキッシンジャーの言う通りにはならない」と言うのを見せつけたのでしょう。またキッシンジャーはヒラリーと同じく中国から多額の金を受け取っているというのも知っているのかも知れません。トランプがやろうとしているのは「変革者」の役割で、既存の仕組みを壊さないと「強いアメリカ」の復活はできないという事です。だからグローバリズムを推進してきて甘い汁を吸ってきた国際金融資本やメデイアが反発して米国民を煽動してデモに走らせているのではと思っています。

本記事を読みますと、米国は韓国を見捨てたというのが分かります。而も書いたのがNYTで、韓国人か韓国系米国人でしょう。「南京虐殺」のアパ事件と言い、今回の「朝鮮戦争後の60・70年代に、韓国政府が外貨獲得の為もあり、米国の命令により、慰安婦を集めて、逃げないよう監禁していた」記事(「南京虐殺」・「従軍慰安婦」の捏造と言うのは、日本では既に発表されていましたが、大事なのは英語で且つ日本人以外の人に書いて戴くのが良い)を日本政府と民間組織は最大限に活用してほしい。「韓国がやってきたことだから、当然日本もやって来ただろう」というのは中国の「南京虐殺」と同じ構図で、自分達の犯してきた罪を潔白な日本に押し付けようとする意図があります。目良浩一教授のGAHT USA CORP“The global alliance for historical truth ”も今回の報道や韓国の判決を利用できるのであれば利用してほしいと思います。今、GAHTは米国連邦最高裁で米国にある韓国の慰安婦像の撤去を求めて裁判を起こしていますので、「自分を棚に上げて、日本を糾弾するとは何事」と言う裁判官の心理になるのではと思われます。

https://gahtjp.org/

Henry Scott Stokesの“Fallacies in the Allied Nations’ Historical Perception As Observed by a British Journalist”も活用していったらどうか。戦勝国、特にアメリカは嫌がるかもしれませんが。APAホテルはこの本も置けば良いのに。他のホテルもスコットの本を置けば良いのです。間違った歴史認識を持った外国人は素直な頭を持てば理解してくれるでしょう。また、中国政府の言いなりになる人の魔除けともなります。中国人は中共政府を信じているとは思えませんので、英語本だけでなく中国語版も誰か翻訳して出してほしい。反日教の信者たる韓国民を除けば、普通の理性を持っていれば理解できるはずです。その前に大部分の日本人に読んで貰い、「南京虐殺」も「従軍慰安婦」も中国のプロパガンダと言うのを理解してほしいです。日本語版が2013年に出版されていますので。『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄(祥伝社新書)』です。英語版(2016年出版)より日本語版の方が先に出た形です。

米国に居るガリガリ左翼のダデン教授にもNYTの記事を送りつけたい気がします。彼女の主張は現在の価値観で過去を断罪するもの。それであれば米国のインデイアン虐殺、黒人奴隷、植民地獲得、原爆投下を米国政府に謝罪させねばおかしな話。韓国の金に転んだとしか思えません。まあ、この裁判も北が裏で策動していて、保守派の朴正煕のイメージダウンを図り、娘の朴槿恵を追い落とし、保守派の一掃を狙い、北主導での統一を図るのが透けて見えますが。

朝日新聞は自分に都合が悪い主張は、中国同様、右翼や修正主義者のレッテルを貼ったりしてきました。今こそその欺瞞を打破するときです。トランプが大統領になり、世界が変わろうとするときこそ、日本も変わりうるチャンスだという事です。戦後70数年の敗戦国としての桎梏を解放するときです。幸い昨年末には真珠湾にて日米同盟の絆を確認できました。まず、ニュークリアシエアリングで核に慣れることから始めましょう。

なお、NYT記事について、今回は翻訳している時間がありませんでしたので、一部の訳のみです。

NYT記事

By CHOE SANG-HUNJAN. 20, 2017

A woman named Bae, seen in a photograph from 2008, once worked as a prostitute near an American military base in South Korea. Former prostitutes say that few of their fellow citizens knew how involved their government once was in the sex trade. CreditJean Chung for The International Herald Tribune

SEOUL, South Korea — In a landmark ruling, a South Korean court said on Friday that the government had broken the law during the 1960s and ’70s by detaining prostitutes who catered to American soldiers, and by forcing them to undergo treatment for venereal diseases.

Dozens of former prostitutes brought a lawsuit to press the government to admit that it had played a hand in creating and managing a vast network of prostitution in camp towns, called gijichon, where poor Korean women worked in bars and brothels frequented by American troops.

In the ruling by a three-judge panel of the Central District Court in Seoul, the women did not win that admission or the apology they sought.

Yet the ruling was still a victory: For the first time, the court said the government had illegally detained gijichon prostitutes for forced treatment for sexually transmitted disease, and ordered it to pay 57 plaintiffs the equivalent of $4,240 each in compensation for physical and psychological damage.

“This was a serious human rights violation that should never have happened and should never be repeated,” Judge Jeon Ji-won, speaking for the panel, said of the detention and forced treatment.

Judge Jeon said the prostitutes had been “comfort women for the United States military,” touching on one of the country’s most delicate historical issues by using the same euphemism for prostitutes the Japanese have applied to Korean and other women who were forced into sexual servitude by its soldiers during World War II.(これは正確な表現ではない。日本軍は性病管理はしたが、韓国のように女性を強制的に集め、監禁して強制的に売春させたことはない)

The plaintiffs had encouraged that comparison, arguing that it was hypocritical for South Korea to condemn Japan for its historical wrongdoings while not acknowledging its own role in ensuring that foreign soldiers had access to Korean prostitutes.

“They say we walked into gijichon on our own, but we were cheated by job-placement agencies and were held in debt to pimps,”(これは戦時中もこの通り遣られたのです。韓国人女衒に騙されたり、親が売ったのです) Park Young-ja, 62, one of the plaintiffs, said after the ruling on Friday. “I was only a teenager and I had to receive at least five G.I.s every day with no day off. When I ran away, they caught and beat me, raising my debt.”

She added, “There was no one speaking for us, and we were abandoned by the state.”(「我々は国に見捨てられた」と言ってますがその通りでしょう。)

The Justice Ministry, which represented the government in the lawsuit, did not immediately react to the ruling on Friday.

In the destitute years after the Korean War of 1950-53, the dollars that prostitutes in the camp towns earned were a valued source of hard currency in South Korea. Former prostitutes have testified that government officials had urged them to earn more, calling them “patriots.”

At the same time, the women said, the health authorities cracked down on prostitutes who tested positive for sexually transmitted diseases, less out of concern for the women than to protect American soldiers. Newspaper accounts and parliamentary documents from the time referred to the prostitutes as “comfort women.” The court said on Friday that some of the women had been sold into the camps through human trafficking, while others appeared to have chosen prostitution to make a living.

Scholars who have studied the issue have said that the South Korean government was motivated in part by fear that the American military, stationed in the country to provide a defense against North Korea, would leave.

The American military became involved in attempts to regulate the sex trade to minimize the spread of disease among soldiers, those scholars said. The United States military command in Seoul has said that it did not condone or support prostitution or human trafficking.

The South Korean government has never formally acknowledged involvement in the camp towns or taken responsibility for abuses there. The women kept quiet for decades, partly because the military governments that ruled South Korea until the late 1980s enforced silence about issues that could be seen as detrimental to the alliance with the United States.

In addition, South Korean society has an extremely negative view of prostitutes, especially ones who had been paid by foreign soldiers. Prostitution is and has always been illegal in South Korea.

In 2014, however, more than 120 former prostitutes filed a lawsuit demanding compensation and a government apology for their detention and forced treatment. Only 57 of the plaintiffs were awarded compensation on Friday, because the court said there was not enough evidence that the others had been detained illegally.

Kim Jin, a lawyer for the women, said the verdict on Friday was significant because it was the first official acknowledgment that women in the camp towns had been subjected to illegal treatment. But Ms. Kim said the women would appeal the ruling, seeking an official apology, greater compensation and a finding that the government was responsible for creating and running the camp towns.

“We are not doing this for a mere 5 million won,” a woman who declined to give her name shouted outside the courtroom, referring to the compensation in South Korean currency each woman would receive. “They told us to earn as many dollars as possible, and now they want us to keep our mouths shut.”

Shin Young-sook, an advocate for the women, welcomed the court’s use of the term “comfort women” to refer to the former prostitutes.

For decades, bars and brothels have lined the streets of neighborhoods around American bases in the country. But the former prostitutes involved in the lawsuit said that few of their fellow citizens knew how deeply their government had been involved in the sex trade in the camp towns in the past.

They say the government not only sponsored classes for them to learn basic English and etiquette, meant to help them sell themselves more effectively, but that the American military police and South Korean officials also regularly raided clubs looking for women who were thought to be spreading diseases.

They added that the police would then detain those women, locking them up in so-called monkey houses with barred windows. There, they said, the women were forced to take medications until they were well.

They never sent us doctors even when we were so sick we almost died, except they treated us for venereal diseases,” Ms. Park said. “It’s clear that they treated our venereal diseases not for us but for the American soldiers.”

ハンギョレ記事

根拠のない性病感染者の強制収容は「違法行為」と判断  「被害者57人に49万円ずつ賠償」判決  「基地村の設置・管理が違法」との主張は認めず

 
朝鮮戦争は、韓国の女性たちにも癒えることのない傷を残した。米軍基地村女性122人は国に対し被害賠償請求訴訟を起こすことにした。2014年7月25日、ソウル大方洞のソウル女性プラザビル4階で開かれた訴訟記者会見の様子=カン・ジェフン先任記者//ハンギョレ新聞社

国が米軍基地村「慰安婦」被害者に対して損害賠償をすべきとする裁判所の判断が出た。裁判所は国家が性病の管理のため、彼女らを隔離施設に強制収容したのは違法だと判決した。

ソウル中央地裁民事22部(裁判長チョン・ジウォン)は20日、L氏など基地村「慰安婦」被害者120人が国に対して起こした損害賠償請求訴訟で、「国が被害者57人に対して500万ウォン(約49万円)を賠償せよ」とする原告一部勝訴判決を下した。

裁判所はまず、国が法的根拠もなく、性病に感染したり、感染者と疑われた被害者たちを「落検者収容所」に強制隔離収容して治療したのは、違法だと判示した。裁判所は「収容された慰安婦」たちは完治したと判定されるまで、収容所外に出られず、収容所から脱出を試みて負傷した場合もあったとみられる」と指摘した。また、「(治療の過程で)ペニシリンショックによる副作用に悩まされたり、死亡した被害者もいた」と述べた。

裁判所はまた、5年の消滅時効が完了したという国の主張も認めなかった。消滅時効は、一定期間権利を行使しなければその行使を制限する制度で、国は米軍「慰安婦」の国家賠償の消滅時効が終了したと主張してきた。しかし、裁判所は「権威主義統治時代と当時米軍慰安婦などに対して閉鎖的だった国民感情、男性中心的で家父長的に形成された社会文化などを考慮すれば、(被害者たちが)権利を放置したとは評価できない」と述べた。また、「国家権力機関の国民に対する不法収容など、過酷行為は決してあってはならない違法行為」だと判断した。隔離収容の対象となる伝染病を明示した施行規則が制定された1977年8月以前に隔離し収容された「慰安婦」被害者57人に対する国家の賠償責任が認められたのだ。

ただし裁判所は、「国が売買春が容易に行われるよう基地村を作ったのは違法」という被害者たちの主張は受け入れなかった。裁判所は「被害者たちが基地村内での売春を強いられたり、やめられないほどの状態にあったと見ることはできない」として、このように判断した。また、「政府が『浄化運動』などを展開して基地村の売買春を管理したのは違法行為」という主張に対しても、「このような指針は売買春関係者に対する性病検診・治療などの公益的目的を達成するためのものとみられる」との見解を示した。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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『トランプへの期待は禁物、米軍は尖閣にやって来ない 「次期国務長官が尖閣防衛を確約」は手前勝手な解釈だ』(1/19JBプレス 北村淳)について

1/20(米国現地時間)、米国でトランプ大統領が誕生しました。メデイアは反対派のデモや店舗のウィンドウを蹴破る様子を映し出していましたし、TV「ウエークアップ!ぷらす 」では宮家が出て来て、相変わらず腐れ外務省的発想でグダグダ言っていましたし、村田も好意的評価ではなかったです。レーガンだって最初は米国内で散々な評価でした。でも最後にはソビエト共産主義を打倒した戦後一番の偉大な大統領との評価を獲得しました。(2007年2月9日~11日、1006人の成人を対象にしたギャラップ世論調査)

  1. エイブラハム・リンカーン (18%)
  2. ロナルド・レーガン (16%)
  3. ジョン・F・ケネディ (14%)
  4. ビル・クリントン (13%)
  5. フランクリン・ルーズベルト (9%)
  6. その他、該当無し、意見なし (8%)
  7. ジョージ・ワシントン (7%)
  8. ハリー・S・トルーマン (3%)
  9. ジョージ・W・ブッシュ (2%)
  10. セオドア・ルーズベルト (2%)
  11. ドワイト・D・アイゼンハワー (2%)
  12. トーマス・ジェファーソン (2%)
  13. ジミー・カーター (2%)
  14. ジェラルド・フォード (1%)
  15. ジョージ・H・W・ブッシュ (1%)
  16. リチャード・ニクソン (0%)

トランプも中国共産主義を打倒すれば、名大統領としての歴史的評価が定まります。レーガンと同じく中国の共産主義を打倒してほしい。米中の争いは第四次大戦(二度目の冷戦)と言われていますが、冷戦だけで止まるかどうか、ギャンブル好き・虐殺好きの中国人に合理的判断ができるかどうか?ロシアとはMADが成立しても、毛沢東のように「中国は人口が多いので二~三千万人ぐらい死んでも構わない」とポンピドーに言ったような行動を取る危険性があります。天安門に毛の写真が飾られているような国ですから。

トランプの4年間の目標は

①豊かな中間層の復活(経済力)

②強い軍事力の復活(軍事力)

にあると思います。これを具体的にどう肉付けしていくかです。結果が出せれば、次の4年間も決まったようなものでしょう。

北村氏の指摘は当然のことと思います。自国を守るのは基本的に自国民です。守る気概のない国民では奴隷にされるだけです。勿論、日英同盟のように英国は日露戦争時に同盟国として、日本に有利になる動きをしてくれました。日米同盟も同じように、中国に対し、言葉に因る抑止力となっていることを忘れてはならないと思います。永遠の敵もなければ永遠の同盟もないのは、日英同盟が証明しています。日米同盟を強固にすることが日本の安全には必須です。隣に狂信的に軍拡を進める中国と反日しか脳内には存在しない韓国があります。キチガイが傍に入るようなものですが、遠く離れることは出来ません。日米同盟だけでなく、真田幸光氏や平間洋一氏が主張する「新日英同盟」を結んだほうがより安全性は高まると思います。大英連邦(Commonwealth of Nations)は現在53国からなるそうです。それらを味方につければ。中国の「南京虐殺」や「従軍慰安婦」のプロパガンダにも丁寧な説明をしていけば良いでしょう。APAホテルの問題もあり、世界にキチンと説明する良いチャンスと思わねば。今の戦わない外務省を何とかしたいのですが、良い手がありません。余りに腐り過ぎていますので。

記事

米上院外交委員会の公聴会で証言するレックス・ティラーソン氏(2017年1月11日撮影)。(c)AFP/SAUL LOEB〔AFPBB News

トランプ次期大統領が国務長官候補に前モービルエクソンCEOのレックス・ティラーソン氏を指名した。1月11日、そのティラーソン氏に対する指名承認公聴会が、アメリカ連邦議会上院外交委員会で開かれた。

公聴会では、尖閣諸島に中国が侵攻してきた場合の対処方針についての質疑もなされた。

ティラーソン次期国務長官は、「尖閣諸島は日米安全保障条約の適用範囲であるため、アメリカは条約の規定に従って対処する」と述べた。共和党政権・民主党政権を問わず伝統的にアメリカ外交当局高官が表明してきた通りの発言である。

アメリカ当局の伝統的な模範解答

日本政府や多くのメディアは、アメリカ政府高官が尖閣問題について言及すると一喜一憂するのが常である。今回もその例に漏れず、主要メディアはこぞってティラーソン氏の“尖閣発言”を取り上げていた。

それらの記事の中には「指名公聴会で次期国務長官が尖閣防衛を確約」といった内容のものまであった。だが、これぞトランプ次期大統領が口にした“フェイクニュース”に類する報道姿勢とみなさざるを得ない。

このような見出しの文言から多くの日本国民が受ける印象は、「アメリカは尖閣諸島を防衛する義務を負っており、万が一にも中国が尖閣諸島へ侵攻してきた際にはアメリカが防衛義務を果たすことを次期国務長官は確約した」ということになる。

しかしながら、ティラーソン氏は、「中国が尖閣諸島を占領するために軍事侵攻した場合に、アメリカが軍事力を行使して中国の侵攻を阻止する」と明言したわけではない。「日本とは長年の同盟関係にあるアメリカは、日米安全保障条約の取り決めに従って対応する」と述べただけである。

このような尖閣諸島に対するアメリカ政府高官の表明は、オバマ政権下においてオバマ大統領やヒラリークリントン国務長官が発言してきた内容とまったく同じであり、アメリカ外交当局の伝統的な模範解答ということができる。

すなわち、 (1)尖閣諸島の領有権が日本に帰属するということに関しては触れずに「現状では、尖閣諸島は日本の施政下にあると理解している」との米側の認識を繰り返し、 (2)「日本の施政権下にある以上、尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲ということになる」という原則論を述べ、 (3)「条約の適用範囲にある尖閣諸島に中国が侵攻してきた場合、アメリカは日米安保条約第5条に即して対処する」 という、条約が有効な限り当たり前のことを述べているのだ。

この模範解答を「中国が尖閣諸島へ侵攻を企てた場合には、日米安保条約に基づいて、アメリカが日本救援軍を派遣して中国と対決する」と理解するのは、日本側のあまりにも身勝手な解釈である。

日本救援軍派遣の前に高いハードル

日米安保条約第5条の規定よれば「日本の施政権下にある領域が武力侵攻を受けた場合、アメリカはアメリカ合衆国憲法上の規定および手続きに従って対処する」ということになる。

ここで明確に理解しておくべきなのは、アメリカ政府による“対処”は、日本防衛のための部隊を派遣して中国侵攻軍と対決することを意味しているわけではないということだ。

もちろん、そのようなオプションがあり得ないわけではない。1973年に成立した「戦争権限法」によると、アメリカの国益を大きく左右するような極めて重大な緊急事態が勃発した場合に、アメリカ大統領は議会の事後承認を得ることを前提として、アメリカ軍最高指揮官としての大統領権限においてアメリカ軍を海外へ派兵することが可能である。この場合、大統領は軍隊派遣決定から48時間以内に連邦議会に報告し、戦闘期間は60日間を越えてはならず、その間に連邦議会からの承認を取りつけなければならない。

このような大統領権限があるものの、ホワイトハウスが軍隊を動かす場合には原則として連邦議会の承認を取りつけてからというのが原則である。まして中国の尖閣侵攻に際して日本救援軍を派遣するような場合は、当然のことながら米中戦争を大前提とした軍事行動ということになる。そうである以上、「戦争権限法」に基づいて大統領が独断で日本に救援軍を派遣するためのハードルは、極めて高いものとなる。

米国は日本のために中国と闘うか?

さらに、中国軍による尖閣諸島侵攻というシナリオは、日本にとっては「国土と領海を奪われてしまいかねない国家の最重大危機」であるが、アメリカにとっては「アメリカ国民の誰もが知らない東シナ海に浮かぶちっぽけな岩礁を巡って日本と中国が対立しており、とうとう中国が武力に訴えた」というだけのストーリーであり、アメリカにとっての危機と捉えられる類いの紛争ではない。

このことは、フォークランド戦争勃発前に同盟国イギリスから支援要請を受けたアメリカ政府の態度からも容易に類推可能である。

(レーガン政権の幹部たちは、南大西洋の絶海に浮かぶちっぽけな島を巡って軍事衝突など馬鹿げているという姿勢を示した。イギリスのサッチャー首相はその対応に激怒した。もっともイギリスと対立していたアルゼンチンもアメリカの同盟国であった。)

たとえ、トランプ新政権が中国の軍事力行使に対して(オバマ政権とは違って)強硬な姿勢を示す方針を貫くとしても、大多数のアメリカ国民の目からは、尖閣諸島は“ちっぽけな岩礁”としか理解されない。そんな岩礁を巡る日本と中国の軍事衝突にアメリカが本格的に軍事介入し、米中戦争に突入することは(100%に限りなく近く)あり得ない。

第5条解釈の手前勝手な垂れ流しは危険

日米安保条約のどこを探しても「日本が軍事攻撃をされた場合に、アメリカは軍隊を派遣して日本を救援しなければならない」という趣旨の文言は存在しない。したがって、中国が尖閣諸島への侵攻を企てた場合に、アメリカ軍が中国人民解放軍と戦闘を交えなくとも、条約を履行しなかったという批判を受ける理由はない。

「アメリカ第一主義」を表看板に掲げるトランプ政権が誕生した現在、日本政府もメディアも、あたかも「尖閣有事の際にはアメリカが本格的軍事介入をなして日本を救援する」といったニュアンスを日本国民に植え付けるような言動はいい加減に差し止めなければならない。

むしろトランプ政権の誕生を機に、日本国民を欺くような手前勝手な日米安保条約解釈に頼ろうとするのではなく、少なくとも日本の領域は自国の国防力で守り切るだけの態勢を構築する努力に邁進する必要がある。

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『混乱するビットコインの「管理」目論む中国 暴落危機、偽札横行に苦しむ人民元より期待大?』(1/18日経ビジネスオンライン 福島香織)について

通貨は元々バーチャルな存在で、通貨そのものに本質的な価値はありません。国民(or地域民)が貨幣を信用して流通させることが前提です。物々交換に依らない交換手段と言うものでしょう。但し、各国の中央銀行はFRBを筆頭に民間銀行ですが、政府が関与しています。でも普段から支払いに使ったり、預金したりしていますので、価値の尺度としての機能は皮膚感覚で分かります。

これがビッコインになると、理解が難しくなります。何となくゲームセンターで使うようなコインをイメージしてしまいます。国家から信用を与えられていないコインにどれだけ価値を見出せるかです。P2Pの相対取引はビットコインだけではありません。P2Pで不動産屋や車の売買した時に瑕疵担保責任の問題が発生する可能性があります。そのときにキチンとした補償が受けられるかです。

ビットコインは瑕疵担保の問題と言うよりは、詐欺の温床になりやすいのでは。本記事にありますように、資金を集めたら、会社を閉じて持ち逃げしてしまうパターンです。これはビットコインだけでなく中国ではよく使われる手口です。小生が中国在勤時代(97~05年)の法律では、日本の取締役の欠格条項と言うのがなく、会社を計画倒産(債権者詐害目的)させ、役員が同じ名義で新しく別な会社を立ち上げていたりしていました。まあ、中国では賄賂さえ贈れば何とでもなる国ですから、法律など気にしないのでしょうけど。

ビットコインの9割の交易が中国で行われているとのこと、バクチ好きの中国人が投資機会が無くなりつつある中国の不動産市場や株式市場の代わりにしている面と、不正蓄財のマネロンの為と言うのがありそうです。また、確かに人民元の暴落に備えてと言うのもあるでしょう。ただ、ビッコインに対する信認がないのでは。人民元の代わりにビットコインで持っていても、中国国内で使えるだけ(それも怪しい?)でないでしょうか。買物には、やはり現金かカードの支払いが要求されると思います。蓄蔵価値があるとは思えません。キャピタルゲインを狙ったバクチなのでは。日本人は株式投資がまだまだ少ない状況にありますのでビットコインにまで手を出すことはないと思います。

次は田村秀男氏の中国の外貨流出の記事です。一昨日の本ブログで真田幸光氏が「中国は仮想敵国である日本にスワップを要請している。如何に困っているか」という内容を紹介しました。中国の3兆$の外貨準備と言っても、借入金も含めてで、真水がどれだけあるかは統計の作者しか分かりません。実質底を突きそうなのでは。トランプが中国を為替操作国に認定し、$高(トランプは逆のことを言っていますが、FRBの金利を上げ、中国からのキャピタルフライトを促すべき)にして中国経済を崩壊させた方が良いでしょう。

12/24産経ニュース<【田村秀男のお金は知っている】自滅の道に踏み出した中国経済 トランプ氏きっかけに資金流出が大幅加速、人民元の下落も止まらず

高騰する中国の市場金利と人民元安

中国共産党は1972年2月のニクソン大統領(当時)以来、歴代米大統領に対して台湾を中国の一部とみなす原則を一貫して認めさせてきた。トランプ次期米大統領は「それに縛られない」と明言する。習近平国家主席・党総書記の面子(メンツ)はまるつぶれである。(夕刊フジ)

北京は何か報復行動をとるかとみていたら、19日にフィリピン沖の南シナ海で米軍の調査用無人潜水機を奪取した。20日には米軍に返還したが、時間をかけて潜水機のデータを調べ上げた。露骨な国際法違反である。粗野でぞんざいなふるまいを見せつけることが、相手の面子をつぶすと考えるところは、魯迅の『阿Q正伝』そのものだ。

中国はみかけのうえでは国内総生産(GDP)や対外純資産規模で世界第2位の経済超大国でも、中身は悪弊にまみれている。慢心すれば必ず失敗する。人民元の国際化を例にとろう。

昨年11月には習政権の執念が実り、国際通貨基金(IMF)が元をSDR(特別引き出し権)構成通貨として認定させた。限定的ながら金融市場の規制を緩和し、人民元の金融取引を部分自由化した。同時に中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創立し、国際通貨元を世界に誇示しようとした。

ところが、昨年8月に人民元レートを切り下げると、資本が逃げ出した。当局が規制しようにもどうにも止まらない。

この11月までの12カ月合計の資金純流出額は約1兆ドル(約118兆円)、このうち当局の監視の目を潜った資本逃避は約5000億ドルに上ると米欧系金融機関のアナリストたちは分析している。

特徴は、11月8日の米大統領選後の11月9日を機に、資金流出が大幅に加速していることだ。当選したトランプ氏が減税とインフラ投資という財政出動を通じて、景気を大いに刺激すると期待されるために米国株が急上昇し、中国に限らず世界の資金がニューヨーク・ウォール街に吸引される。

中国に対して強硬姿勢をとるトランプ氏にチャイナマネーがおびき寄せられ、トランプ政策に貢献するとは、習政権はここでも面目なしだが、もっと困ることがある。

グラフを見よう。米大統領選後、元安と市場金利上昇にはずみがついた。いずれも資金流出による。中国人民銀行は元暴落を避けるために外貨準備を取り崩し、ドルを売って元を買い上げるが、それでも元売り圧力はものすごく、元の下落に歯止めをかけられない。商業銀行の手元には元資金が不足するので、短期市場金利である銀行間金利が高騰する。すると、金融引き締め効果となって、莫大(ばくだい)な過剰設備を抱える国有企業を苦しめる。地方政府も不動産の過剰在庫を減らせない。企業や地方政府の債務負担、裏返すと銀行の不良債権は膨らむ一方だ。

トランプ政権発足を目前に、中国は経済で自滅の道に踏み出した。経済超大国としての要件を満たしていないのに、対外膨張を図ろうとしたからだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)>(以上)

記事

ビットコインをめぐる混乱が中国を中心に起きている。

2017年1月5日未明、ビットコインの対人民元相場は1BTC(ビットコイン)9000元に接近するまでに高騰したあと、あっという間に暴落、13日午前までに5100元台に落ち込んだ。ビットコインはボラリティの高いことで知られるが、最近の乱高下は人民元の不安定化と合わせ鏡のようになっている。この機会にビットコインと人民元の関係、そしてその未来について考えてみたい。

大暴落、聞き取り、立ち入り、詐欺報道…

この大暴落後の1月6日夜、中央銀行(人民銀行)の関係部門が公告を発表、ビットコイン交易プラットフォームの責任者に対してプラットフォーム運営状況について聞き取り調査するとのこと。OKコイン、ビットコイン中国、火幣ネットの3大交易プラットフォームの代表を呼び出して、ビットコイン交易において、無許可の信用貸付、支払い、為替取引などの関連業務を行っていないか、市場操作行為がなかったかどうか、資金洗浄制度に反する行為がなかったかどうか、資金安全に問題がないかどうか、などについて聞き取りを行った。さらに11日には、当局の監督管理部門が前出の3大交易プラットフォームに立ち入り検査を行った。また中央銀行は、「ビットコインは特定の仮想商品であり、法定通貨のような法的な保障性や強制性はない」という見解を再度強調した。

こうした立ち入り調査に続いて、ビットコイン詐欺事件の報道が続いた。

1月10日、北京商報によると、交易プラットフォームの一つ、ビットコインアジア閃電交易センターが1月5日までに突如閉鎖し、取引を停止。投資者から集めた1億元相当の資金を持ったまま連絡がつかない状況になった。同センターは9カ月前から、SNSの微信を通じて個人投資者を募り、資金を集めてビットコイン市場で運用し、一日あたり1.4%のリターンを約束していたという。元金はいつでも返金できるということだった。

同センターに350万元を投資していた男性が1月3日に利子の償還が滞っていることに気づき、元金を取り返そうとしたが、連絡がつかなくなったため、警察に通報した。同様の被害者は440人以上おり、警察は詐欺容疑で捜査を開始。また被害者は集団訴訟の準備をしているという。

ビットコインがなぜ高騰し暴落したか。

ビットコインは2017年1月1日から4日までの間、毎日10パーセント前後の上昇率で値上がりし、この3年の間で最高額に達した。

小金持ちが元の暴落を恐れ、元をつぎ込む

背景には人民元自身の問題もある。トランプ政権の登場で、中国経済の先行きの見通しがさらに悪くなり、人民元の大暴落が噂されていること。その噂によって、キャピタルフライトラッシュが加速し、外貨準備高が3兆ドルを切りそうなまでに急減していること。外貨準備高3兆ドルラインを守るために、中国の外貨管理が一層厳しくなって、庶民の不安をあおっていることなどがある。

例えば、中国では外貨の持ち出しは年間5万ドルに制限されている。その制限額自体に今のところ変化はないのだが、その持ち出しに対する理由証明が年末年始ごろから格別厳しくなった。持ち出し額が5万ドル以下であっても、個人外貨購入証明書にその用途が何であるか、証明書を添付しなければならない。また、海外の不動産、株式、生命保険といった投機性のあるものの購入には使わないという証明書も添付しなくてはいけないという。

これは中国人だけが対象ではなく、北京に駐在していた日本人が帰国に際して、中国の銀行に生活費用として預けていた数百万円の日本円ですら、使用目的が不明だ、という理由で送金をさし止められる例も聞いている。

こういう当局側の厳しすぎる外貨管理に、不穏なものを感じた中国の小金持ちたちは、ますます人民元大暴落は本当に起こり得ると心配になって、資産価値を守るために、人民元を、外貨管理規制対象になっていない仮想のビットコインにつぎ込んだのが、年末以来の高騰の理由だとみられている。

ここでビットコインについて今一度、簡単に説明しておこう。

博打好きの中国人の好みに合う?

P2Pのシステム、つまり中央のサーバを介さずに端末と端末のネットワークで取り引きされる仮想通貨で、2009年に誕生した。法定通貨のように中央銀行のような管理者は存在せず、国家的機関も関わらないので法的な補償性や強制性はないが、権力サイドによる為替操作や取引の追跡、偽札の問題もない。

中央支配機関が存在しない代わりに、ネットワーク参加者がその信用を担保する格好になっており、帳簿の管理は、ブロックチェーンと呼ばれる分散型のデータベースに取引の記録が維持されることで行われるという。ブロックチェーンに取引情報の書き込みと演算を行うマイニングという作業を行うマイニング企業、マイニンググループが存在し、その作業の報酬として新規のビットコインが受け取れる、という仕組みらしい。らしい、という言葉をあえて使うのは、私自身がビットコインを使っていないので、説明をいくら受けても、どういうものか、どうもピンと来ないからである。

マイニングというのは演算であるから、コンピューター設備と電気消費が必要になる。ビットコインが増え、取引が増えれば演算は複雑になり、マイニングもそれなりの企業・グル―プの規模が必要となる。このマイニングにかける時間は10分となっており、演算能力からの逆算によってビットコイン発行上限数は2100万以下と決まっているそうだ。ちなみにこの上限に達するのは2140年で、現在は1200万くらいが流通しているらしい。

2009年、ビットコインが登場したとき、1300BTCが1ドルの価値に相当した。ところがあれよあれよという間に急上昇し、2013年には1BTC=1200ドルとなった。

一方、2013年ごろから中国でもビットコイン交易がさかんになってきた。当初1BTC=110人民元程度だったが同年11月に1BTC=8000元近くにまで高騰した。この異様な高騰に、人民銀行は12月5日、「ビットコインは仮想商品であり、法定通貨のような法的保障性や強制性はもたない」と宣言し、金融機関がビットコインを取り扱うことを禁止。民間決裁機関に対しても利用しないように指導した。このため、1BTC=2700元台にまで暴落した。

しかしながら、この乱高下の大きさは、博打好きの中国人の好みに合った。しかも、2015年夏に中国の株式市場が大暴落して、その信用性が大失墜。不動産バブルは誰が見ても崩壊寸前。中国一般の小金持ちたちの資金は行き場を失っていたところだった。さらに2015年暮れに、人民元のSDR入りが決まると、誰もが人民元暴落を予想するようになり、資産価値防衛に誰もが頭を悩ませるようになった。こういった流れで、2000元台で比較的安定していたビットコインは2016年半ばごろから再び急騰してきたわけだ。

“地下換金システム”の役割も

中国の主だった決裁機関では、ビットコインは取り扱っていないものの、ビットコインは2100万BTCという上限がある総量固定の資産という意味で、中国人は金やダイヤのように投機性があると考え始めた。さらに、今のように外貨管理が厳しい状況では、ビットコイン交易は事実上の地下換金システムの役割もある。2013年の大暴落のときは、一部の専門的な投資家たちが主役だったが、今回の高騰の背景には、一般投資家から少額資金を集めて、一定のリターンを約束するビットコイン理財(資産運用)商品の増加もあった。

こうして、ビットコインが外貨流出の一つのルートになったことに当局が気づいたのと同時に、詐欺事件なども起こり、今回の中央銀行の公告、引き締めとなったわけだ。暴落は当局の動きを事前にキャッチした大手投機筋がビットコインの投げ売りをやったということもあるだろうし、その直前に行われた、人民元基準値の5年ぶりの切り上げを受けての反応という面もあるだろう。

人民元の切り上げについては、トランプ政権発足前に、少しでも人民元の安定を図ろうという思惑が指摘されている。

さて、では今後、ビットコインと人民元はどうなっていくのだろうか。

ビットコイン相場は、6000元台に戻っている。2013年の大暴落に比べると傷は浅いといえるし、中国人のビットコインに対する信頼度は、例えば2016年夏の株価乱高下の時の政府介入で傷つけられた上海株式市場への信頼度に比べればまだましなのかもしれない。

交易の9割、マイニング企業の7割が中国

目下、中央銀行は、ビットコイン管理を一括して行える第三者機関の設立について、業界関係者と討議しているらしく、おそらくはビットコインをうまく管理して、中国の利益を誘導したい考えかもしれない。

というのも、ビットコインの交易の9割は中国で行われており、マイニング企業の7割も中国企業が占めているという点では、もはやビットコイン相場を支配しているのは中国当局、人民元相場であるということも言えるのだ。

中国のマイニング企業の中には、ビル全体を演算用コンピューターと冷却装置に改造した施設をいくつも持っているような大企業も登場、月間1億8000万円相当のビットコインを採掘していた様子などをBBCが報じている。

ビットコインは特定の管理者がなく、ネットワークでその信用性を担保するというシステムが、「自由な通貨」としての可能性を示す壮大な実験だったが、採掘も交易も中国に集中している現段階では、中国当局の公告や人民元相場がビットコイン相場に連動する、あるいは翻弄される状況になっている。

仮に中国当局が今後、「第三者的」管理者を設立し、国内のビットコイン管理を一括するようになれば、これはビットコインに対する中国当局の管理、コントロールがさらに強まるということになるのではないだろうか。

1月16日のフェニックステレビで「ビットコインへの投資は黄金への投資よりも有利」といった市場分析を報じているところを見ると、中国当局としてはビットコインに対してはまだまだ期待を寄せているようでもある。国内の資産が海外の不動産や証券、保険商品に逃げるよりも、そのほとんどが国内で採掘され交易されているビットコインに流れる方が、中国にとってもまだまし、ということかもしれない。

いまだに偽札がATMから普通に出てくる人民元も、その人民元に翻弄されるビットコインも、その未来は、あんまり期待ができるという風には思えないのではあるが。

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『「エレファントカーブ」がトランプ現象を生んだ 3つのグラフが示唆する「激変する世界」』(1/16日経ビジネスオンライン 御立 尚資)について

習近平がダボス会議で演説しました。中国経済が崩壊しようとしているので、カンフル剤としての世界各国からの投資を目論んだものと思われます。でも「自由貿易」を声高に主張するのであれば、「言論の自由」、「表現の自由」を自国民に認めてから言ってほしい。中国人特有の「自分を棚に上げて」の発言でしょう。面の皮が厚い中国人・韓国人だから平気でできるのでしょう。

まあ、ダボス演説は中国国内向けで、習近平が「世界にこれだけ大国なんだ」と主張したというのを見せるためだと思います。しかし保護貿易を非難するとは、過剰在庫を世界にダンピング輸出してきたことをコロッと忘れているのでは。習近平は健忘症なのか?相手の弱みを最大限に突き、自分の利益はしっかり守ろうとしているのだから、世界の人々は習の言い分は割り引いて聞かなければ。翻って、日本は主張が弱すぎると感じます。もっと世界にアピールしろと言いたい。

1/18日経電子版<習氏「貿易戦争は共倒れ」 ダボス会議で演説、存在感アピール 

【ダボス(スイス東部)=原克彦】中国の習近平国家主席は17日、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に中国の国家主席として初めて出席した。トランプ次期米大統領の保護主義的な政策を念頭に「貿易戦争では共倒れになる」と警告し、自由貿易の重要性を主張した。米の政権移行期を突いて注目度の高い会議に参加し、中国批判を繰り返すトランプ氏に反撃した。

17日、ダボス会議で演説する中国の習近平国家主席=ロイター

「経済のグローバル化は世界経済の成長に強力な力を提供した」。習氏は主要国首脳としては最初に登壇すると冒頭で強調した。失業や移民、格差是正の問題に触れ「喫緊の課題は経済の低迷から抜け出すことだ」と訴え、世界から批判を受ける鉄鋼などの過剰な生産能力を削減する姿勢を示した。

最近の経済成長の貢献度の30%以上は中国だとも主張し「中国はグローバル経済の受益国であり、貢献国だ」と話した。そのうえで「明確に保護主義に反対する」と宣言。中国製品への高い関税などトランプ氏が繰り返し主張してきた保護主義的な政策を厳しく批判した。

中国はこれまでダボス会議には経済担当の首相や副首相を派遣してきた。慣例を破って習氏が出席したのは、トランプ氏が米大統領に就任する前の空白を利用する狙いがある。トランプ氏は中国製品に対して高い関税を主張しているほか南シナ海の軍事拠点化など経済、政治両面で中国を厳しく非難してきた。

習氏はこの日の演説で、国際社会に経済活動の自由度をアピールして、次期米政権をけん制した。ただ中国市場には保護主義的な政策も多い。海外の自動車メーカーは50%以下出資の合弁会社を通じての中国進出しかできないうえ、エネルギーや通信分野などでは国有大手が市場を牛耳る。

国家間の外交関係が悪化すると、中国共産党の指導による不透明な方法で海外企業の中国ビジネスに悪影響を与えることも少なくない。「中国共産党のトップから、米国を念頭に保護主義反対のアピールを受けるのは皮肉なものだ」と中国の大手法律事務所に務める米国人は漏らす。

習氏の出席には、今秋に最高指導部を刷新する共産党大会が控えるなか、注目度が高い国際会議で大国の指導者ぶりを国内に向けアピールし、人事の主導権を握る目的があったとの見方もある。

共産党機関紙、人民日報(電子版)は16日付で「習主席はダボス会議という“大舞台”を利用して世界経済が苦境から抜け出る道を探し、国際社会に成長への自信を持たせる」との有識者の論文を紹介。習主席も16年の中国の国内総生産(GDP)伸び率が前年比6.7%になる見通しを明らかにした。

ダボス会議には米次期政権の関係者が出席しており、中国側の代表団と接触する可能性もある。実現した場合、中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」政策の見直しを示唆して揺さぶりをかけるトランプ次期米政権に、台湾問題では取引することはないとの中国の立場を伝えるとみられる。

習氏は18日には国連欧州本部を訪問し、1日に就任したばかりのグテレス国連事務総長のほか、世界保健機関(WHO)のチャン事務局長、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長ら国際機関トップとも相次ぎ会談する。>(以上)

「人口変動」で注意しておかなければいけないのは、中国の人口侵略と思います。1/18日経で「高度人材」について、1年での永住権付与と言うのは、法務省は国の安全について配慮しているとは思えません。中国には国防動員法があり、中共の指令で、日本国内で簡単にテロが起こされます。そんな危険人物を簡単に永住させるのはダメでしょう。少なくともテロリスト予備軍の敵国人、中国人と韓国人の永住権禁止と言うか一般人も入国制限のビザ強化をしてほしい所です。

1/18日経電子版<「高度人材」最短1年で永住権、3月実施へ省令改正 

法務省は17日、一定の要件を満たした研究者や技術者などの外国人に対し、日本への在留期間が最短1年で永住権を認める制度を3月にも実施する方針を決めた。現行制度での最短期間は5年で、大幅に短縮する。18日からパブリックコメント(意見公募)手続きを始め、意見を踏まえたうえで省令などを改正する。

日本で暮らす外国人の在留資格には期限があり、原則10年居住すると永住権が取得できる。現在は学歴や職歴、年収などでポイントを加算していき、70点以上の外国人は「高度人材」として5年間で永住権を認めている。今回、この居住期間を3年に短縮し、さらに80点以上の外国人については1年にする。

高い技術や知識を持つ外国人材が日本に来やすい環境をつくり、経済成長につなげる狙い。IT(情報技術)などの成長分野に従事する人材や高額投資家、トップ大学の卒業者らに対しては新たにポイントを加算する措置も設定する。>(以上)

アパホテルの客室には「南京虐殺は中国のプロパガンダ」という主張の英語・日本語版の本がおいてあり、アホな米国人女子学生がyoutubeにアップして話題になっています。この学生にHenry Scott Stokesの“Fallacies in the Allied Nations’ Historical Perception As Observed by a British Journalist”を読んでみなさいと言いたい。裏に中共の影が見えますね。アパは「どこが間違っているのか教えてほしい、撤去はしない」との姿勢。「中国人旅行客が減るぞ」と中共からの警告でしょう。まあ、中国お得意の経済への恫喝です。こんな国とまともに付き合うことはありません。中国人は公共道徳のない民族ですから、日本の国土が汚れるだけ。来て貰わなくて結構。アパの姿勢を高く評価します。

http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-6531.html

http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-6530.html

ボルトン次期国務副長官候補が沖縄の在日米軍の一部を台湾に移管することを提案しています。日本の左翼は賛成するでしょうね?あれだけ米軍基地の負担が重いと主張しているのですから。主人の中国様の怒りに触れるでしょうけど。日台で中国の西太平洋進出を阻むようにすれば良いでしょう。台湾国軍の本省人化が待ったなしでしょうけど。

1/18産経ニュース<「在沖縄米軍の台湾移転を」 ジョン・ボルトン元米国連大使が提言

ジョン・ボルトン元国連大使=2016年12月(AP)

ジョン・ボルトン元米国連大使は17日付のウォールストリート・ジャーナル紙に寄稿し「米軍の台湾駐留によって東アジアの軍事力を強化できる」と述べ、在沖縄米軍の台湾への一部移転を提案した。ボルトン氏は強硬派として知られ、トランプ次期政権での国務副長官起用が取りざたされている。

ボルトン氏は「台湾は地政学的に東アジアの国に近く、沖縄やグアムよりも南シナ海に近い」と指摘。海洋進出を強める中国への牽制に加え、沖縄米軍の一部を台湾に移すことで「日米摩擦を起こしている基地問題を巡る緊張を和らげる可能性がある」と述べた。

「海洋の自由を守り、一方的な領土併合を防ぐことは米国の核心的利益だ」と強調。台湾との軍事協力の深化は「重要なステップだ」とした。トランプ次期大統領は、中国と台湾は不可分とする「一つの中国」原則を見直す可能性を示唆しており、中国が反発している。(共同)>(以上)

記事

「グローバル化」「デジタル化」「人口変動」の影響とは

遅ればせながら、どうか本年もご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。

さて、年の初めなので、これからの時代を短・中・長期と複数の時間軸でとらえていくために重要な視点とは何か、という少し大きなテーマで書いてみたい。もちろん、さまざまな切り口があるのだけれど、私が選んだのは、以下の3枚のグラフ(■図表1、■図表2、■図表3)が提供してくれる視点である。

結論から申し上げると、3枚それぞれが、グローバル化、デジタル化、人口変動という極めて本質的な潮流3つについて、その屈曲点を示しているのだ。

グローバル化により先進国で中産階級の所得が伸び悩んだ

■図表1 エレファントカーブ

注:1988年~2008年において、実質所得がどれだけ伸びたか(縦軸)を所得分布階層(横軸)によって整理 出所: 世界銀行リサーチペーパー 2012.12

まず、1枚目はエレファントカーブ(■図表1、先進国で特に中産階級の所得が伸び悩んだことを示したことで知られる曲線)。ご存じの向きも多いだろうが、世界銀行のエコノミストの手になる分析で、グローバル化の進展で誰が豊かになったのか、を示したものだ。世界中の人を豊かな順に並べ、1988年から2008年までの20年間に、どの層の実質所得が伸びたかをグラフ化している。

荒っぽくまとめてしまえば、世界の中での超高収入層、すなわち先進国の富裕層、そして新興国の(新)中間層が所得を伸ばした、というのが結論だ。一方、日本を含む先進国の中間層の収入は伸びておらず、一部の層は20年の間に実質収入が減っている。

一方、新興国では経済発展により中間層が所得を伸ばした

この期間は、世界的にはグローバル化が進み、世界の貿易量が増えるとともに、新興国の工業化が大きく進展した時期にあたる。先進国の消費者は、新興国で生産される商品を比較的安く手に入れるという恩恵を得た。一方で、製造業を中心に先進国の中間層の雇用が新興国に移転し、彼らの所得が伸び悩むこととなった。

(なお、この分析は、リーマンショック以前のデータを基にしたものであり、また世界各国の異なる調査データをもとにした推計である。さらには、1988年と2008年の2ポイントで、まったく同じサンプルの人々を調査したものではないこと、など留意すべき点はあるが、こういったあたりを含めて、さまざまなエキスパートが再検証した結果、おおむね妥当な分析だと考えられている。)

「エレファントカーブ」と呼ばれるグラフは、世界の富裕層が所得を伸ばす一方で、先進国の中間層だけが伸び悩んでいることを示している。まさにこの現象が、「反グローバリズム」を掲げ米国民の支持を集めた、トランプ現象を生んだと言える。(写真:ロイター/アフロ)

自由貿易のメリットには異論はないが…

自由貿易がもたらすメリットについては、経済学者の間でもほぼ異論がないところだが、世界全体としてプラスであったとしても、メリットよりもデメリットを被ることが多い層が先進国の中間層に存在したわけだ。彼らをターゲットとした所得再配分の仕組み、ないしデメリットを上回るメリットを実感できる状態。これがないと、先進国の中での勝ち組、負け組のギャップが拡大し、従来型の政治体制を許容できないところまできてしまう、ということだろう。

この点から、このグラフは昨今のBREXITやトランプ現象の根本原因である中間層の不満を理解する上で欠かせない分析だとも評されている。

グローバル貿易の限界か?

一歩引いて考えると、第二次大戦後進んできたグローバル貿易の促進という流れが、ひとつの屈曲点を迎えたと言ってもよいかもしれない。興味深いことに、リーマンショック後、世界の輸出入の総額は低下し、その後もピークレベルには戻っていないという事実も存在する。

豊かになった新興国、たとえば中国は、グローバル化の恩恵を被って、購買力を大きく伸ばした。この結果、もともとは輸出拠点であった地域が、需要の存在する地域となり、現地生産されたものが現地で消費されるようになってきている。もちろん、より人件費の安い地域への製造業のシフトは続くだろうが、超人口大国である中国がそのポジショニングを変えてきたことは重要だと思う。

グローバル化の流れがひとつの頂点に達し、一方で先進国の政治を揺らし、他方で世界貿易の拡大傾向が鈍化している。

グラフが示唆する世界の大変動の行方

こう見ていくと、今後中国でどのような変化が起こるのか、インドはどういうインパクトを世界の政治経済に与えることになるのか。はたまた、先進国の中間層の反乱と言ってもよい動きは、米国一極集中から多極化へとシフトする世界の国際政治と安全保障にどのような影響を与えるのか。

このグラフが考えさせてくれる論点は、これから数年、ないし数十年を見る上で、避けて通れない本質的なものだと思う。

圧倒的なペースでデジタルデータが増加中

さて、1つ目のグラフを見ながら、これからの政治経済の変動について思いを致していく際に、きちんと考慮しないと方向性を見誤るポイントがある。それは、次のグラフが示すデジタル化、もっと言うと、第3次産業革命の工業化のパラダイムから、人工知能(AI)やビッグデータ、ロボットの活用など第4次産業革命のデジタル化へのシフトだ。

■図表2 世界の情報貯蔵量 デジタルデータの量が爆発的に増加し、人類が蓄積してきたアナログデータの量を大きく上回るようになった

出所: M Hilbert & P Lopez: The World’s Technological Capacity to Store, Communicate, and Compute Information Science Feb 2011、BCG分析 Copyright(c)2017 by The Boton Consulting Group,Inc. All rights reserved.

■図表2にあるように、21世紀の最初の10年の間に、後世の歴史家が「大きな変化だった」と振り返るようなことが起こった。有史以来、人類が蓄積してきたアナログデータの量を、デジタルデータの量が大きく上回ったという事実だ。

日々、新聞は発行され、書籍も出版されている。アナログデータも増え続けているわけだ。しかし、それを圧倒的に上回るスピードで、デジタルデータが増え続け、あっという間に有史以来の蓄積量を上回ってしまった。しかもその多くはIPアドレスがついていて、ネットを通じて再利用できる形になっている。

データ爆発が来るべきデジタル革命へ導く

これから本格的に始まるデジタル革命の時代は、データの時代だと言ってもよい。ビッグデータ分析やAIといったソフトウェアの進化も、膨大なデータが使えて初めて、価値を生みだすことができる。その意味で、ムーアの法則で示されるコンピューティングパワーの増大、通信速度と帯域の急激な向上、これらと組み合わされて、このデータ爆発が来るべきデジタル革命を端的に表していると思う。

さて、これが1つ目の視点である「グローバル化と先進国中間層の不満蓄積」とどう関連するのか。

最初のグラフを単純に解釈すると、「先進国の製造業雇用を取り戻すために、新興国製品に高額の関税を」とか「新興国に生産拠点を移そうとする企業にペナルティを」といった極論が出てきがちだ。しかし、グローバル化の流れが変化しつつあると同時に、付加価値を生む産業の構造自体が変化する新たな産業革命が進展していることが重要だ。

第4次産業革命の恩恵を中間層に

デジタル革命の中で先進国が考えるべきなのは、「どうやって第4次産業革命の恩恵を、中間層が享受できるようにするか」ということであって、「第3次産業革命、すなわち付加価値の高い製造業を有する国が豊かになる、という前提で、中間層対策を考える」だけでは不十分だと考える。

この2つのグラフを組み合わせて考えていくと、以下のような様々な論点が生まれてくる。

── 先進国中間層がサービス・財の受益者となる医療や介護等、生産性の低さと費用の急激な増大が問題となるヘルスケア領域。ここにデジタル化によってイノベーションを起こし、中間層の受け得るヘルスケアサービスの費用対効果を大きく伸ばし、結果的に彼らのQOL(生活の質)をまったく違う次元に高めることはできないか。

── 先進国中間層の子供たちが来るべき時代に恩恵を被る側に入れるように、公的教育におけるデジタル領域(たとえば、AIやデータアナリティクス)を無償で提供できる体制作りを行えないか。

── 既存中間層のうち、デジタル技術を身につける意欲がある人たちに、スキルシフトのための訓練を早く、しかも徹底的に行い、彼らのジョブシフトと国としての競争力向上につなげられないか。

これらの論点は、単純に分配政策を変えよう、というのとは相当違った流れだと思う。

世界の人口は今世紀末、約110億人前後でピークに

■図表3 国連人口予測(2012年 revision) Population of the world, 1950-2100, according to different projections and variants

出所: Population Division of the Department of Economic and Social Affairs of the United Nations Secretariat (2013); World population prospects: The 2012 revision. New York: United Nations

さて、最後の3つめは、以前にも紹介したことのある長期のグローバルな人口変動だ(■図表3)。

これは、2012年の国連推計だが、要は(甘く見ても)今世紀末には地球上の人口は、約110億人前後でピークを打ち、その後は減少していくということだ。今世紀中のより早い時期に、100億前後でピークに達するという見方もある。

20世紀は人口爆発の世紀でもあった。これは、1つ目のグラフにあるグローバル工業化が進展する中で、一定以上の一人あたりGDPを超えた先進国と新興国で、衛生・栄養状況が改善し、乳幼児死亡率が劇的に低下したことがその大きな要因だ。

(もちろん、化学肥料が工業的に膨大な量生産可能となり、人口増を支える食料生産増が行われたこともグローバル工業化の一部に含まれる。)

一人あたりGDPが増えると、社会は「人口減少」「高齢化」へ

面白いことに、さらに一人あたりGDPが増えていくと、カップル当たりの子供の数、すなわち合計特殊出生率が2を割るようになっていき、高齢社会化、人口減少社会化が進む。移民による人口増政策を取っていない日本は、その先頭を走っているのだが、これが豊かになってきた新興国にも広がっていくと、世界中が今世紀中に、高齢社会化、人口減少社会化が進むことになる。

よく知られているように、経済成長の要因を因数分解すると、人口(働き手の数)、資本(設備投資など)、TFP(全要素生産性)の3要素の増分が経済成長につながると考えられる。この3要素のうち、人口部分の増(人口ボーナス)に頼った経済成長を果たすことが、世界全体でできなくなってくる。こう考えてもよいだろう。

経済成長をあきらめれば、開発途上国が豊かになる機会を奪う

遅かれ早かれ、TFP(全要素生産性)を第2のグラフにあるデジタル化でどう高めていくことができるか、が世界全体の経済成長のカギになる。

もちろん、現在のGDPという指標自体が、第3次産業革命までのパラダイムに適したもので、個々人の人生の豊かさを含め、モノではなくデータの活用で価値が生まれる時代には、別の指標が必要になる。

ただ、そうだとしても、世界にはGDPの増で、より人生を豊かにできる新興国、開発途上国がまだまだ存在するわけで、従来型の経済成長をあきらめてしまうと、彼らが豊かになる機会を奪うことになりかねない。

成熟先進国とデジタル時代に即した経済指標とは

こういった視点で、成熟先進国とデジタル時代に即した経済指標、途上国と工業化に即した経済指標をどう併用し、使い分けていくか、ということも、これら3つのグラフから出てくる論点である。

いささか話があちこちへ拡がってしまったが、ことほどさようにこれら3つのグラフは、本質的な論点を抽出し、考え続けていく上での大事なスタートポイントになり得る。

今年も、皆さんとご一緒にいくつかのポイントを考えていければと思っていますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

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『「百害あって一利なし」の日韓スワップ 真田幸光教授に「慰安婦像への対抗措置」を聞く(1)、「中国側に寝返る韓国」にスワップは追い銭 真田幸光教授に「慰安婦像への対抗措置」を聞く(2)』(1/16・17日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『世界の富の99%を動かす英国王室、その金庫番のユダヤ資本』(真田 幸光著)について

韓国人というのは乞食民族のくせして、日本に対し何時も上から目線でモノを言う哀れな民族です。儒教の序列で中国が親、韓国が兄、日本が弟なんて孔子が言ってる筈もない。孔子は日本の存在すら知らかったのでは。徐福以前の時代ですから。思い込みと言うか勘違いも甚だしい。儒教が国教と言っても、裏切り者の李成桂が1392年に開いた李氏朝鮮からでしょう。今やキリスト教信者が1/3を占め、海外移住するときに便利と言う理由で宗教を選んでいます。そんな現世利益追求の宗教なんてカルトでしょう。ヘル朝鮮だから海外に出る人が多い。そのくせ、海外で故国に気に入って貰うためにか、反日活動に勤しみます。中共統治の中国もヘル中国だから反日に勤しむのでしょうけど。

岸田外相は外務官僚の振り付け通りにしか動けません。無能としか言いようがない。日本人としての気概がなければパペットで終わりでしょう。とても総理の器ではありません。青山繁晴氏は安倍総理の後は中山恭子氏が良いと言っているのを、ブログ「ぼやきくっくり」で読んだことがありますが、確かに保守派の中で安倍氏の後継ができるのは中山氏くらいしかいないのかとも思います。ただ、自民党ではなく「こころ」であることと、自民党の中に、男のジェラシーで足を引っ張るのが出て来るのでは。石破のように平気で後ろ足で砂をかける手合いは、総理はダメでしょう。稲田氏はまだまだ安倍総理の手法を勉強した方が良いと思います。

日本人の優しさを、韓国人は「自分には力があるから日本人も言う事を聞く」と勘違いすると呉善花氏は言っています。こういう話を聞くと日本人と言うのは本当に国際化していないと感じます。日本的発想で何でも物事を処理しようとするから、相手に足元を掬われるのです。語学ができれば良いという話ではありません。如何に社益、国益を主張できるかにかかっています。

http://blog.goo.ne.jp/think_pod/e/6096ff93b5ee111a0c9168a8f395017e

韓国がクーデターで軍事政権になるのか、赤化政権になるのか、日本にとってはどちらでも良く、『非韓三原則』で臨むだけ。軍部がクーデターを起こし、戒厳令を敷いても、北の反乱分子が事を起こすでしょうから内乱になると思います。同じ民族同士で争うのは勝手ですが、反日教育で歪んだ思想を持つ人間に、日本人は虐殺される可能性があります。韓国駐在員の早期の帰国を勧めます。

安倍総理は「大使の早期帰任」について否認しています。今選挙をやれば自民党は勝てるでしょう。朝日新聞は慰安婦問題に自ら火を付けたにも拘わらず、自分の責任には頬かむりして、政府を批判し、韓国の味方をします。倒錯・異常者の考えでしょう。いい加減朝日の購読者は読むのを止めませんと。

赤化したら、在日は朝鮮半島にお返ししましょう。どうせ、半島の日本の資産は返って来ないでしょうから、日本国内の在日の資産も接収すべきです。東レやみずほ銀行はどうするのでしょうか?愚かな経営者を持つと従業員が不幸になる典型では。真田氏が言うように一企業の為に日本が韓国にスワップすることはありません。そんなことをすれば自民党は選挙でボロ負けするでしょう。あの二階ですら今回の韓国への制裁を認めたくらいですから。選挙が近づくにつれ、強硬な対抗措置になると思います。

記事

1月4日、釜山の日本総領事館前。慰安婦像の前で安倍首相のお面を付け、ひざまずくパフォーマンスが(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

「そもそも韓国とのスワップは日本に必要なのか」――。真田幸光・愛知淑徳大学教授と話し合った(司会は坂巻正伸)。

「冷静さ欠く」と朝日が批判

—慰安婦合意を覆し始めた韓国政府。さすがに日本政府も怒り、1月6日に「4つの対抗措置」を発表しました(「『民衆革命』は軍事クーデターを呼んだ」参照)。

■日本の「慰安婦像」への対抗措置 ・長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山総領事の一時帰国 ・通貨スワップ再開に向けた協議の中断 ・次官級による日韓ハイレベル経済協議の延期 ・釜山総領事館員の釜山市関連行事への参加見合わせ

真田 幸光(さなだ・ゆきみつ) 愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授(研究科長)/1957年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒。81年、東京銀行入行。韓国・延世大学留学を経てソウル、香港に勤務。97年にドレスナー銀行、98年に愛知淑徳大学に移った。97年のアジア通貨危機当時はソウルと東京で活躍。2008年の韓国の通貨危機の際には、97年危機の経験と欧米金融界に豊富な人脈を生かし「米国のスワップだけでウォン売りは止まらない」といち早く見切った。

真田:ソウルの日本大使館前と釜山の日本総領事館前の慰安婦像を韓国が撤去するまで、日本は「4つの対抗措置」を粛々と進めるべきです。

韓国側は「いずれ日本は対抗措置を取り下げる」と考えています。実際、日本側にも「日本のやり方は大人げない」と言う人がいて、政府がどこまでこの措置を貫くかは疑問です。

—「大人なげない」などと言う人がいるのですか?

鈴置:朝日新聞は1月7日の社説「韓国との外交 性急な対抗より熟考を」で「ここまで性急で広範な対抗措置に走るのは冷静さを欠いている。過剰な反発はむしろ関係悪化の悪循環を招くだろう。日本政府はもっと適切な外交措置を熟考すべきである」と主張しました。

それに日本が1月9日に実行に移した「大使らの一時帰国」も「一時帰国」であって「招還」ではありません。いずれ大使らは韓国に戻ります。

真田:対抗措置を最後まで貫かないのなら、むしろ中途半端に拳(こぶし)を挙げない方がよいと考えています。日本政府は自国民を意識してこうした措置をとった側面もあるでしょう。

それは理解できますが、でも中途半端なやり方は韓国に舐められてしまいます。逆効果になります。発表した以上はきちんと貫いていただきたい。

鈴置:同感です。韓国人は「日本に対しては何をやってもいい。本気で反撃してはこない」と考えています。

「対抗措置」を下手に取り下げたら、その認識をますます強化してしまいます。すると韓国はさらに日本を侮蔑する行為に出るでしょう。

苦しみ続ける韓国

—「4つの対抗措置」は実際に効果があるのでしょうか。

鈴置:「大使らの一時帰国」は韓国人を驚かせはしました。でも、仮にそれが長引いても「大使がいなくても別段、実害はないではないか」との認識が広がるでしょう。日本の大使には失礼な見方ですけれど。

真田:しかし「通貨スワップ中断」は効きます。米国の利上げにより今後、世界からドルが米国に引き上げられていきます。

これによる新興国の金融破綻が懸念されています。テール・リスク――可能性は高くないけれど起こったら大ごとになる、という危険性が高まっています。

韓国はいざという時に外国からドルを借りられる通貨スワップ協定を積み上げておく必要があります。これは「保険」なのです。

2016年8月に日本との通貨スワップ協定の協議再開を決めたのも、それが目的でした。というのに、韓国は日本とケンカしてスワップは宙ぶらりんになりました。

韓国は苦しみ続けることになります。テクニカル・デフォルト(債務不履行)を起こす可能性が高まりました。韓国の銀行は恒常的なドル不足に悩んでおり、邦銀などからドルを借りてしのいでいます。

何かの拍子に、オーバーナイトの貸し出し――翌日渡しの当座貸し出しを受けられなくなったら、ドルの「超短期の借金」が返せなくなります。

これがテクニカル・デフォルトです。銀行が1行でもデフォルトすると、韓国すべての金融機関が取引を打ち切られてしまう可能性が高い。もちろん、貿易にも支障をきたします。

日本が幇助したウォン安

鈴置:国際金融市場が大きく荒れれば「日本に見捨てられた韓国」は狙い撃ちにされるでしょう。ウォンが売られたうえ、ドルの貸し渋りが始まる。

今のところはまだ、大量のウォン売りは出ていないようですが。日本政府は「対抗措置」と呼んでいますが、はっきり言えば「スワップ交渉中断」は制裁措置なのです。

—「ウォンが急落したら日本の輸出競争力が落ちる。だからスワップを結んでウォン安を食い止めるのだ」とメデイアは説明してきました。

鈴置:官僚や政治家は真顔でそう言うのですが、大いなる誤解です。国際金融市場が荒れた際、韓国は死に物狂いでウォンの価値を守ろうとします。ウォン安政策をとり続ければ、制御不能になって暴落――通貨危機に陥りかねないからです。

でも、日本とのスワップがあればウォン安政策をとってもウォンは売り浴びせられない。いざという時にドルを供給する日本が後ろに控えているからです。韓国は安心してウォン安誘導できる。それを日本が幇助するわけです。2008―2012年がまさにこの状態でした。

経団連はムシロ旗を

—とは言え、スワップを与えず韓国が通貨危機に陥ったら、極度のウォン安になるでしょう。

鈴置:その際は韓国の金融システム全体が破壊され、企業倒産が多発します。韓国がいくら安い通貨を武器に輸出ドライブをかけようにも、モノを作る工場が消滅してしまうのです。1997年から1998年にかけてこの状況が現出しました。

日本がマレーシアやインドネシアにスワップを付けても問題はありません。これらの国と日本は産業構造が異なるからです。

しかし、日本を真似して成長してきた韓国にスワップを与えると、日本が損害を受けることが多いのです。ウォン安とは、すなわち円高だからです。

ウォン安・円高になるといかに日本経済が疲弊するか――。2013年1月14日に日経新聞がそれをデータで裏付けた記事を載せています。「『最強連動通貨』と日本株の不思議な関係」です。

この記事によると、日経平均株価とウォン・円レートはほぼ完全に連動します。円に対しウォンが安くなるほどに日経平均は下がるのです。相関係数は何と0.98。少なくとも「この頃は完全連動していた」と言い切ってよいでしょう。

つまり日本政府はスワップにより、自国経済を弱体化させながら韓国経済を支えてきたのです。2016年8月に財務省が韓国とのスワップ協議再開を発表しました。その時、本当なら経団連がムシロ旗を立てて財務省に押し掛けるべきだったのです。

恩を仇で返す国

—韓国との通貨スワップは「百害あって一利なし」ですね。

真田:経済的な損害だけではありません。韓国はいくら助けても「日本のスワップなど意味はない」「日本のせいで通貨危機に陥った」と吹聴して回ります。恩を仇で返す国なのです。

1997年の通貨危機の際、事実上破綻していた韓国に邦銀は最後までドルを供給しました。それなのに韓国人は「日本が逃げたから通貨危機が起きた」と言い張っています。

米国や欧州の銀行が早々と韓国を脱出した後、孤軍奮闘、韓国に踏みとどまったのは邦銀です。最後まで残っていたからこそ、IMFの救済金融を求めることを内定した際、融資を打ち切らざるを得なかったのです(「『人民元圏で生きる決意』を固めた韓国」参照)。

—最近も中央日報の日本語版で「日本のせいで通貨危機になった」という記事を読みました。

鈴置:イ・ジョンジェ論説委員が書いた「韓日通貨スワップは政治だ」(1月12日、日本語版)ですね。以下のくだりがあります。

  • (国際金融専門家の)S氏は「日本は一度も韓国が絶対に必要な時、望む時に助けてくれたことがない。むしろ最初にお金を抜き出し、不意打ちを食らわせた」と話した。通貨危機が押し寄せた1997年、(日本は)真っ先に韓国からドルを抜きだした。

真田:当時、韓国の内実を知る金融界の経営陣は、最後まで踏みとどまった我々に深く感謝していました。ところが今ではこのありさまです。

加害者は言うことを聞け

—なぜ、こんな言説がまかり通るのでしょうか。

鈴置:危機を起こした金泳三(キム・ヨンサム)政権が、責任逃れのため「日本のせいだ」と言い出したのです。ただ20年前は、もちろん専門家は事実を知っていました。政権の言い訳を批判した議員もいました。

2008年に通貨危機に陥った際、韓国人は日本にスワップ締結を要求しようと「1997年の通貨危機は日本のせいで起きた。加害者であることを反省して、今度はさっさとスワップを寄こせ」という理屈をひねり出した。

それが今や「定説」となりました。まあ、韓国では「何か問題が起きたら日本のせい」にするのが常道なのですけれど。

—疲れますね。

鈴置:だから、米国のアジア専門家も「韓国疲れ」(Korea Fatigue)と言い出しているのです。中国だけは韓国を取り込んでやろうと、脅しつつ付き合っていますが。

左派政権なら中国からスワップ

—表「韓国のスワップ」を見ると、完全に「中国頼み」です。

韓国の通貨スワップ(2017年1月15日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約560億ドル) 2014年 10月11日 2017年 10月10日
豪州 50億豪ドル/5兆ウォン(約45億ドル) 2014年 2月23日 2017年 2月22日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約100億ドル) 2014年 3月6日 2017年 3月5日
CMI<注> 384億ドル 2014年 7月17日  

<注>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。 資料:ソウル新聞「韓国の経済体力は十分」(2015年2月17日)など

真田:でも、その中国と関係が悪化しスワップを延長してもらえるか、不安になった。そこで韓国は日本に頼んできたのです(「『中国のスワップ』を信じられなくなった韓国」参照)。

ただ、中韓関係はまた状況が変わりそうです。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領への弾劾で、政権交代が早まる見込みです。

今年前半にも左派政権が誕生すると思われます。そうなったら中国から「心配するな。スワップは続けるから」と言ってもらえると韓国は考えています。

左派のすべての候補者が在韓米軍へのTHAAD(地上配備型ミサイル防衛システム)配備に関して反対か、見直しを主張しています。中国との関係悪化はこのTHAADが原因でした。

次期政権が米国に対し「THAAD配備を認めない」と言えば、中国とのスワップは確保できるというのが韓国の目論見でしょう。

(次回に続く)=1月17日掲載予定

トランプ次期米大統領は「従中」を加速する韓国に何を求めるのか。それとも見捨てるのか(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

「義のない国は見捨てられる」――。真田幸光・愛知淑徳大学教授の韓国を見る目は実に冷ややかだ(司会は坂巻正伸)。

食い逃げの達人

鈴置:前回は、韓国に左派政権が登場しそうだ。すると中韓関係が一気に改善されるので日本との通貨スワップなど不要になる――と韓国は踏んでいる、との話で終わりました。真田先生の御説です。

—となると「韓国が中国側に行くのを防ぐために、日本は韓国にスワップを付けるべきだ」と言う人が出そうです。

鈴置:荒唐無稽な理屈です。日本がスワップを与えるかどうかに関係なく韓国には左派政権が登場し、ますます「離米従中」します。韓国の大統領選挙を左右する力など日本にはありません。

それどころか韓国にスワップを与えると「日本から獲れるものは獲った」と考えて、ますます「やりたい放題」になるでしょう。韓国には食い逃げの実績が多々あるのです。

2012年8月、李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹島に上陸しました。さらに天皇陛下に謝罪も要求しました。

その前年の10月に日本にスワップを700億ドルに積み増してもらい、辛うじて通貨危機を乗り切った直後のことでした(「5年前、韓国は通貨スワップを『食い逃げ』した」参照)。

「約束破る」と宣言

2015年12月に結んだ慰安婦合意も同じです。「慰安婦像の撤去」に動かないことを理由に、日本が10億円を支払わないのではないかと韓国政府は心配していました。

ところが、撤去もしないのに2016年8月、日本が10億円支払うことに合意した。その瞬間、韓国は手のひらを返しました。国会議員10人が竹島に上陸するなど、国を挙げて「卑日」に邁進しました(「『慰安婦の10億円拠出合意』直後の動き」参照)。

  • 「慰安婦の10億円拠出合意」直後の動き(2016年8月)
12日 日韓両外相、慰安婦合意に基づく10億円拠出で合意
15日 韓国与野党の国会議員団10人、竹島に上陸
19日 ソウル中央地裁、元徴用工裁判で新日鉄住金に1億ウォンの支払いを命令
25日 ソウル中央地裁、元徴用工裁判で三菱重工業に14人の遺族に1人当たり9000万ウォンの支払いを命令
27日 日韓財務対話で、通貨スワップ再開に向けた協議開始で合意

「ここまで来れば、何をやっても韓国のせいで慰安婦合意が壊れたとは言われない」と考えたのです。

というのに8月27日、日本は「スワップ協議再開」で合意しました。韓国はその思いをますます強めました。

9月6日、外交部の林聖男(イム・ソンナム)第1次官は国会答弁で「政府も国民世論を把握しながら動くため、今の段階では政府が前に出てこの問題を推進する考えはない」と述べました。堂々と「約束は破る」と宣言したのです(「5年前、韓国は通貨スワップを『食い逃げ』した」参照)。

日本の扇動に乗るな

—韓国は慰安婦合意を初めから守る気などなかったのですね。

鈴置:その通りです。2017年1月6日に日本が「4つの対韓措置」をとって以降、以下の説明が広まっています。

■日本の「慰安婦像」への対抗措置 ・長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山総領事の一時帰国 ・通貨スワップ再開に向けた協議の中断 ・次官級による日韓ハイレベル経済協議の延期 ・釜山総領事館員の釜山市関連行事への参加見合わせ

  • 韓国では朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が国会で弾劾され職務停止処分となった。今は大統領の権限代行しかいないので、韓国政府は釜山の慰安婦像設置に適切な処理がとれなかった。

でも、これは韓国側の言い訳に過ぎません。さきほど言いましたように、韓国政府はそもそも合意を本気で守る気はなかった。

朴大統領が「少女像(慰安婦像)の撤去など、合意の中で一切言及されていない問題だ。(日本は)そんなことで扇動してはならない」と公言していたからです。

—「一切言及されていない」のですか?

鈴置:完全に事実に反します。慰安婦合意に関する尹炳世(ユン・ビョンセ)外相の発表に以下のくだりがあります。日本の外務省の発表(日本語)でも韓国の外交部の発表(韓国語)でも読めます。

  • 韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する。

声が大きい者が勝つ

—なぜ、こんなにはっきりと言及しているのに「一切言及されていない」と主張するのですか?

鈴置:朴大統領がそう説明を受けていたのか、そう思い込んだのか、あるいは「撤去の約束」に対し韓国で批判が高まったので居直ることにしたのか――。それは分かりません。

—居直ると言っても、これだけはっきりと約束したのですから……。

鈴置:韓国では嘘でも大声で主張すれば真実になるのです。声の大きい者が勝つのです。ことに大統領が「約束などしていない」と言えば、下僚は「日本や米国が怒ってくるだろうな」と思っても、従うしかありません。

ただその意味では、朴大統領の不在が続く現在の方が、役人は慰安婦像の撤去に動きやすくなったはずです。大統領から叱責される危険性は減りましたからね。

野党も「大統領の食言」を批判

—朴大統領はいつ「一切言及されていない問題」と言ったのですか。

鈴置:2016年4月26日、韓国メディアの編集・報道局長との懇談で語りました。同日付の聯合ニュースの記事「朴大統領 言論懇談会③」(韓国語版)がこの発言を伝えています。

翌27日、菅義偉官房長官は「日韓それぞれが今回の合意を、責任を持って実施することが重要だ」と述べ発言を批判しました。が、朴大統領は馬耳東風でした。

9月12日に与野3党代表と会った際にも、全く同じ発言をしています。同日付の中央日報「朴大統領『少女像撤去など日本の言論操作に丸めこまれては』」(韓国語版)で読めます。

なお、「大統領の食言」は韓国で政争の材料になりそうです。大統領レースの先頭を走る文在寅(ムン・ジェイン)「共に民主党」前代表が「日本と裏合意したのではないか」と朴政権を追及し始めました。

—「裏合意があった」とは?

鈴置:日本政府に対し「日本大使館前の慰安婦像は世論が落ち着いた後、どこかに移す」と韓国政府がこっそりと約束したに違いない、との批判です。

が、「こっそり」も何も「努力する」とはっきりと約束しているのです。先ほど引用した尹炳世外相の発表を普通に読めば誰だって「日韓両国は可能な限り、移す方向で合意した」と見なします。「裏合意」などと陰謀が企まれたかのようにおどろおどろしく表現するのは、国民を扇動するためです。

聯合ニュースの「慰安婦合意は『無効』=韓国次期大統領候補の文氏」(1月11日、日本語版)は文・前代表の以下の発言を伝えています。

  • (日本との間で)裏合意はなかったか、堂々と公表すべきだ。国民をだましているのではないか、疑わしい。

中国は韓国を助けられる?

–騙す方も騙す方ですが、騙される日本政府も相当なものですね。

鈴置:ええ、誠に残念ながら。さて、真田先生に質問です。中韓スワップはウォンを担保に人民元を借ります。いざという時、ドルではなく人民元でウォン防衛が可能なのでしょうか。

真田:実際に韓国がドル資金を調達せざるを得ない状態に陥ると、中韓スワップは絵に描いた餅に終わる可能性が高いと思います。

前回に申し上げたテクニカル・デフォルトを防ぐにはドルが要ります。韓国の外貨建て債務もほとんどがドル建てです。人民元を貸してもらっても意味はありません。

鈴置:中国から借りた人民元をドルに転換すればいいのでは?

真田:韓国が必要になるであろう数百億ドル規模のドルへの交換は一気にはできません。そんなに大きな人民元のマーケットはないからです。

それに今、中国自体が資本逃避――人民元売りに悩んでいます。外貨準備が急速に減っているのがその証拠です。

人民元を防衛するために中国は「人民元売り・ドル買い」取引の規制をもっと強化しようとしています。そんな時に、韓国にだけ大量の「人民元売り・ドル買い」取引を許すのか甚だ疑問です。

鈴置:中国は仮想敵の日本にまでスワップを頼んできています。よほどドルが欲しいのでしょう。韓国を助ける余力があるとは考えにくい。要は人民元のスワップである限り、韓国にとって中国とのスワップは効力がない、ということですね。

IMFに行けばよい

—「一部の邦銀が韓国に貸し込んでいる。だから韓国がデフォルトしないよう、スワップを与えるべきだ」という人もいます。

真田:理屈になりません。それは民間金融機関の個別リスクです。韓国の危険性を見落とした銀行の責任なのです。

日本の金融機関の韓国への債権が不良債権化し、それが日本国経済を著しく毀損するという場合を除いて、そうした議論が出ることはあり得ません。私の認識するところ、今はそんな状態にありませんので、理屈にならないと申し上げたのです。

鈴置:デフォルトを起こせば金融だけでなく貿易取引もできなくなり経済全体が崩壊します。韓国だってそれは避けたいでしょう。本当に困ったら、IMF(国際通貨基金)にドルの緊急貸し出しを頼めばいいのです。

IMFも1997年のように厳しい条件は付けないでしょう。処方箋を間違えて韓国などの状況を悪化させた、と批判されましたから。

—米国が日本に対し「韓国とスワップを結んでやれ」と言ってこないでしょうか。

真田:まずないと思います。米国だって、中国に鞍替えしようとしている韓国に甘い顔はしません。

在韓米軍を守るためのTHAAD(地上配備型ミサイル防衛システム)配備を拒否し、米国が苦労してまとめた日韓GSOMIA(軍事情報包括保護協定)や慰安婦合意を蹴り飛ばす――。そんな韓国を助けるほど米国はお人好しではないと私は見ています。

万が一、私の見通しが外れて、米国が韓国とスワップを結んでやれと言って来たなら、その時はおもむろに再締結すれば済むことです。

鈴置:仮想敵の陣営に走る国の危機は助けない、ということですね。当たり前の話で、日本もそうあるべきです。

真田:むしろ今後、日本が韓国にスワップを与えようとしたら、米国は止めてくるかもしれません。1997年の通貨危機の際もそうでした。

鈴置:あの時、日銀が韓銀にスワップを付けようとした。すると直ちに米国が「やめろ」と言ってきました(「米国は『日韓スワップ』を許すか」参照)。

邦銀は最後まで韓国にドルを供給していた。しかしその邦銀に対しても、日本政府経由ですが米国政府が供給を止めさせました。

もう、米韓同盟は持たない

—なぜ、米国はそれほどに厳しい姿勢をとったのですか?

鈴置:米韓関係が悪化していたからです。でもこれから、当時とは比べものにならないほど関係は悪くなります。米韓同盟の打ち切りもあり得ます(「『キューバ革命』に突き進む韓国」参照)。

真田:1月20日、トランプ(Donald Trump)政権がスタートします。就任前から、実利を徹底的に追っています。

トランプ氏はツイッターを通じ、米国企業やトヨタのメキシコへの工場移転を露骨に牽制しました。前例のない話です。そんな米国にとって韓国は経済面でさほどプラスになる存在ではありません。

軍事的には完全なお荷物です。ニクソン(Richard Nixon)政権(1969―1974年)の時から、在韓米軍の縮小・撤収が米国の課題でした。トランプ政権はそれを加速する可能性が高い。

この政権は軍人が支えることになります。その軍が韓国に極めて厳しい。米国はこれまで以上に韓国に冷たい姿勢で対することになるでしょう。

鈴置:2010年頃から「米韓同盟はもう、長くは持たない」との米軍幹部のつぶやきが日本にも伝わって来ました。

中国と敵対の度を強める米国。一方、恐怖心から中国との関係をとにかく良くしたい韓国――。米韓の間で主敵が完全に異なったのです。韓国が在韓米軍へのTHAAD配備を長い間、拒んだのも米韓同盟のきしみの象徴です。

興味深いことに、同じ頃から米国の機関投資家が韓国株を手放し始めた。ペンタゴン(国防総省)だけではなく、ウォール街も韓国と距離をとり始めたのです。

真田:そこが注目点ですね。米国の軍と金融界は地下茎でつながっていて、この2つが外交の中軸です。

そもそも「義」のない国は信用されません。いくら国際政治が利害で動くといっても、平気で約束を破ったり、同盟国の仮想敵にすり寄る国は見捨てられるものです。

日本の鼻をあかせ

—韓国人はそこをどう見ているのでしょうか。

鈴置:韓国紙にはいまだに「日本など相手にせず、スワップは米国に頼もう」という記事があふれています。

前回に引用した中央日報の「韓日通貨スワップは政治だ」(1月12日、日本語版)もそうです。この記事は「米国に上手に根回しすれば、スワップを勝ち取れる」と檄を飛ばすのが目的でした。日本語を整えつつ、その部分を引用します。

  • 日本にとって韓国は大した考慮の対象ではない。THAADをめぐる葛藤に巻き込まれた今、中国も活用するのが難しい。2017年10月に満期となる韓中通貨スワップの存続をむしろ心配するべきだ。
  • 結局、残るのは米国だ。そのズボンの裾にしがみついてでも、トランプ大統領に食い込まなければならない。
  • トランプ氏の大統領在任期間中、米国との間で300億―500億ドルの通貨スワップを維持するだけで、韓国の外国為替・金融市場は大いに安定する。
  • それに成功すればついでに、我々が厳しい時に常に裏切る日本の鼻をぺしゃんこにできるのだ。

真田:うーん。これを読む限り、米国の冷ややかな視線に韓国人はまだ、気がついていないということですかね。この記事は米国に対するアピールかもしれません。いずれにせよ、米国が今の韓国にそこまでの価値を見出しているとは思えません。

(次回に続く)

本の内容

P.144~149

1997年、アジア通貨危機が襲った

1984年、私は東京銀行の韓国語トレーニーで、語学とその国の経済を学ぶために延世大学とソウル大学を行ったり来たりしながら聴講生として講義を受けていました。そのような時、ある大きなパーティーに参加しました。

多くの著名人が参加するパーティーでしたが、その中にアメリカの大企業の韓国駐在のトップの方がいました。その方が私に次のように話してくれたのです。 「アメリカはね、真田君。これから韓国の動脈に注射針を入れていくよ。そして、韓国がグーッと伸びてきたら注射針から血を抜くよ、逆に我々の意図にそぐわない動きをしてき たら、毒を盛るからね」

と。その時は、つたない英語力しか持たなかったこともあり、聞き間違えたかと思いました。

そうこうしているうち、1997年、アジア通貨危機が起こったのです。韓国経済は危機に瀕しました。その時、最初の引き金を引いたのはアメリカです。「韓国は危ない」といって最初に資金を引き上げたのはアメリカの銀行です。そして、韓国で通貨危機が始まりました。日本の銀行は最後の最後まで韓国を助けようと資金供給を続けましたが、結局どうにもならなくなり、最後に資金を引き上げます。そしてアジア通貨危機が決定的になりました。多くの韓国企業が倒産していきました。日本は悪役になってしまったのです。 しかし、張本人はアメリカです。

それまでアメリカは韓国の主要産業に資本を投下していました。金融や通信やマスコミに入り込んでいきました。そして、そこから収益を上げていたのです。

私はその時、パーティーでアメリカの大企業のトップが話していた内容にやっと気づきました。彼のいった「動脈」とは韓国の主要産業であり、「注射針」とは投下した資本です。そして、毒とは「資金の引き上げ」だったのです。

私はその時、背筋の寒い思いをしました。それが経済の裏の仕組みなのです。

「ザラバ」を仕切るユダヤ資本

国際金融の場で仕事をしている多くの人は、その裏の仕組みに気がついているでしょう。そういえば属国論を繰り広げている副島隆彦氏も、英国の銀行に出向していた経験を持っています。国際金融の中心にいるのは明らかにユダヤ資本です。

先述しましたが、アメリカの紙幣を発行しているのはFRB=連邦準備制度理事会で、それは日本とは違い民間の機関です。そしてそのFRBの株主が、ユダヤ資本のロスチャイルド系とロックフェラー系の銀行で占められているのです。このことは世界の通貨であるアメリカの紙幣発行にかかる利権は、すべてこれらのユダヤ資本が牛耳っているということに近いと考えてよいでしよう。

これは氷山の一角でしかありません。ユダヤ資本が牛耳っているのはアメリカの紙幣だけではありません。世界覇権を握る4つの要素のひとつであるエネルギーは、ロックフエラーが握っていました。石油で一大財閥になったロックフェラーは石油市場を仕切ったのです。現在、原子力に関する利権を享受しているのはアレバというフランスのユダヤ資本です。

それだけではありません。ユダヤ資本は歴史上のさまざまな場面に登場し、歴史をも動かしています。幕末のとき、倒幕側に武器を提供したのはロスチャイルド系のジャーデイン・マセソン商会で、その指示の下、グラバーが武器を坂本龍馬を通して売り歩いていたのです。ジャーデイン•マセソン商会は、イギリスの東インド会社を最終的に牛耳っていたロスチャイルド系の企業であり、アヘン戦争の立役者でもありました。現在でも存在し、ロスチャイルド系の世界最大級の多国籍企業です。

これらについて、一つ一つあげていたら切りがありませんし、常識と化しているので、 この辺にしておきますが、ユダヤ資本が国際金融や主要産業の中心にいるのは間違いありません。そして、ユダヤ資本に限らず、多くのプレーヤーがこのような「ザラバ」で蠢いています。そして、この「ザラバ」の上にいて、その仕組みを作り出したのが、英国王室を中心とした王族・貴族たちなのです。

王室を尊敬と羨望のまなざしで見る「ザラバ」のプレーヤーたち

私がこのような「英国王室などの現人神が頂点」にいると感じたのも、国際金融の場、香港でした。

ある時、「ギルド」の連中とそれぞれの家の話がテーマとなり、その際に私の名前の由来を話すことになってしまいました。「SANADA」って何だということです。その時、私は、私の名前の「真田」が戦国武将であり、私自身が長野・松代藩主の末裔であり、天皇家よりかつて「伯爵」の爵位をもらっていたことを紹介したのです。すると、彼らの雰囲気が一変しました。

それまでは、アジアのアセット・イー夕—の一人としてバカにしていた彼らが、突然、水戸黄門の印籠を目にした代官のように、表情と態度が少しの尊敬と信頼に変わったのです。それ以来、私は「ギルド」の中の話を少しだけ聞くことができるようになりました。

そこで感じたことは、欧米人の、それも上流階級の王室の捉えかたが、現在の日本人と まったく違うということでした。日本にも英国王室よりも長い歴史を持つ天皇家があります。私の家はその天皇家から爵位を拝領していたということによって、私への見方を少しだけ変えたのではないかと思いました。しかし、現在、天皇はGHQによって象徴とされてしまいました。第二次世界大戦前であれば、天皇は現人神だったわけです。欧米人の上流階級では、この現人神と同じような尊敬と畏怖が、現在の王室に注がれています。

それは“王だから尊敬する”というものではありません。王が世界を治めるシステムを作ったからです。それが現在も続いているからです。ロスチャイルドが財を成したのは、所詮、王の資産と、何よりもその胥後にある「dignity」を運用したからであります。

ロスチャイルドが財を成すきっかけは1801年、当時神聖ローマ帝国の領邦国家だった後のヘッセン選帝侯ヴィルへルム一世の資産の管理を任されたからです。ヴィルへルム一世の資産は世界最大級のものでした。彼はその膨大な資産を運用して(他人に貸し付けて)利益を上げます。それがロスチャイルド家の始まりでした。

王の資産がなければ、現在のロスチャイルド家は存在しなかったのです。では、王族はどのように、世界のシステムを構築してきたのでしようか。それをこれから見ていきたいと思います。

P.161~162

大英帝国の誕生、イギリスが言語のスタンダードを握る

エリザベス1世の時にイギリスは、世界一の大国、大英帝国の道を歩み始めます。しかし、海洋では力を発揮しても、まだまだ、ヨーロツバ大陸では最強とはいえませんでした。フランスとは百年戦争に敗れたままです。

そのイギリスがヨーロツバ随一の大国になり、ということは世界一の大国になり、世界の覇権を握るのは、それから200年の時が必要でした。

世界の覇権を取るには、言語、通貨、法律、製造基準、会計基準のスタンダードを握る必要があります。さらにそれを支える軍事力が必要です。そしてそれらの背景には、水と食糧、エネルギーと原材料を持っていることが大切になるわけです。

それらを、どのようにイギリスが握っていったか、順番に見ていきましょう。 まず言語です。この当時、世界に英語が普及していきます。理由はイギリスが世界に植民地支配を広げていったからです。現在、インド、アメリカ、カナダ、オーストラリア、フイリピン、ケニア、タンザニア、カメルーンなど62カ国と27の地域が英語を公用語あるいは事実上の公用語としています。それらは、ほとんどが元植民地です。

さらに英語は比較的覚えやすい言語です。日本人にとっては文型(主語、述語などの位置)がったため、どうしても難しく感じますが、アルフアベツトは文字が26しかなく、フランス語やドイツ語に比べて語形変化や、冠詞の変化が極めて少ないのです。植民地支配を広げていく過程でも、その国や地域の人にとって、覚えやすかったという利点もあったのでしよう。

P.190~191

そして、これらは、決して目立たず、粛々清々と行い(すなわち、覇権争いを決してしない!!)、謙虚な中で日本の良さを世界に浸透させていくことがポイントとなります。その具体策としては、

★新•日英同盟の締結。これにより、表の秩序の管理人は、歴史と経験、ノウハウを持ち、日本が敵にしては決していけない国である英国に任せ、日本は実体経済で、汗を流して世界のお役に立つ立場を貫く。

★見た目は小国ながらも技術力と資金力を持ち、また、情報戦も含めた軍事力では世界有数の国々である、スイス、イスラエル、シンガポールと緩やかな連携を取り、デイールバイデイール、ケースバイケースでこれら3力国のいずれか、あるいはすべてと連携をする。

★米国や中国、あるいはロシアといった、いわゆる大国とは決して戦わない。しかし、一定の距離を保ちつつ、日本のアイデンテイテイを守るとなります。

P.178~179

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『トランプは「アジア回帰」踏襲、軍事色強める 中国のAA/ADに対抗し「米全軍統合構想」を本格化』(1/13日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『トランプ新政権は中国の冒険主義的な行動をもう許容しない』(1/15ZAKZAK)について

マイケル・グリーンが中国と台湾と米国の関係を述べていますので、紹介します。Facebookから取ったものです。

<Bonnie S. Glaser& Michael J. Green

What Is the U.S. “One China” Policy, and Why Does it Matter?

On January 11, Rex Tillerson, President-elect Donald Trump’s nominee for secretary of state, reaffirmed the U.S. commitment to Taiwan, based on the Taiwan Relations Act (TRA) and the Six Assurances, at his Senate confirmation hearing. He also indicated that he is not aware of “any plans to alter” the U.S. “one China” policy.

Q1: What is the U.S. “One China” policy? Why does it exist?

A1: When the United States moved to recognize the People’s Republic of China (PRC) and de-recognize the Republic of China (ROC) in 1979, the United States stated that the government of the People’s Republic of China was “the sole legal Government of China.” Sole, meaning the PRC was and is the only China, with no consideration of the ROC as a separate sovereign entity.

The United States did not, however, give in to Chinese demands that it recognize Chinese sovereignty over Taiwan (which is the name preferred by the United States since it opted to de-recognize the ROC). Instead, Washington acknowledged the Chinese position that Taiwan was part of China. For geopolitical reasons, both the United States and the PRC were willing to go forward with diplomatic recognition despite their differences on this matter. When China attempted to change the Chinese text from the original acknowledge to recognize, Deputy Secretary of State Warren Christopher told a Senate hearing questioner, “[W]e regard the English text as being the binding text. We regard the word ‘acknowledge’ as being the word that is determinative for the U.S.” In the August 17, 1982, U.S.-China Communique, the United States went one step further, stating that it had no intention of pursuing a policy of “two Chinas” or “one China, one Taiwan.”

To this day, the U.S. “one China” position stands: the United States recognizes the PRC as the sole legal government of China but only acknowledges the Chinese position that Taiwan is part of China. Thus, the United States maintains formal relations with the PRC and has unofficial relations with Taiwan. The “one China” policy has subsequently been reaffirmed by every new incoming U.S. administration. The existence of this understanding has enabled the preservation of stability in the Taiwan Strait, allowing both Taiwan and mainland China to pursue their extraordinary political and socioeconomic transitions in relative peace.

Q2: What is the U.S. position on who has sovereignty over Taiwan?

A2: In the San Francisco Treaty of Peace of 1951, Japan renounced “all right, title and claim to Formosa and the Pescadores.” Neither the Republic of China nor the People’s Republic of China were parties to the treaty, and thus neither was declared a beneficiary of the Japanese renouncement.

While President Richard Nixon’s private notes show him willing to recognize the status of Taiwan as determined and part of China, subsequent U.S. documents and statements show the United States as having no position on the Taiwan sovereignty question.

The U.S. position regarding sovereignty over Taiwan remains steady and consistent with its “one China policy”: both sides of the Taiwan Strait should mutually and peacefully agree to a resolution of this as yet unsettled issue. The United States doesn’t agree with Beijing’s claim to sovereignty over Taiwan, nor does it agree with Taipei that the ROC is an independent, sovereign state.

Q3: What is the Taiwan Relations Act, and what role does it play in U.S. policy toward Taiwan?

A3: After the Jimmy Carter administration recognized the PRC, Congress passed the Taiwan Relations Act in 1979 to protect the significant U.S. security and commercial interest in Taiwan. The TRA provided a framework for continued relations in the absence of official diplomatic ties. It also set out U.S. commitments regarding Taiwan’s security and empowered Congress to oversee various aspects of U.S. Taiwan policy. The law required that the president inform Congress promptly of any anticipated danger to Taiwan and consult with Congress to devise an appropriate response. The TRA also authorized the continuation of commercial, cultural, and other relations between the people of the United States and the people on Taiwan. Each subsequent Congress has reaffirmed the TRA to ensure that the absence of diplomatic ties does not negatively affect the continued strong, substantive relationship enjoyed by the United States and Taiwan.

The TRA sets forth the American Institute in Taiwan as the corporate entity dealing with U.S. relations with the island; makes clear that the U.S. decision to establish diplomatic relations with the People’s Republic of China rests upon the expectation that the future of Taiwan will be determined by peaceful means; considers any effort to determine the future of Taiwan by other than peaceful means, including by boycotts or embargoes, a threat to the peace and security of the Western Pacific area and of grave concern to the United States; mandates that the United States make available defensive arms to Taiwan; and requires that the United States maintain the capacity to resist any resort to force or other forms of coercion that would jeopardize the security, or the social or economic system, of the people on Taiwan.

The TRA also reaffirms unequivocally that the preservation and enhancement of the human rights of all the people on Taiwan are objectives of the United States. The TRA gives the United States the legal means to continue relations with Taiwan in economic, cultural, and security dimensions. In lieu of official exchanges, all programs, transactions, and relations are conducted and carried out by a nonprofit corporation under contract of the State Department&#8212;the American Institute in Taiwan (AIT). AIT and its counterpart, the Taipei Economic and Cultural Representative Office (TECRO), handle interactions between Taiwan and the United States. Together, these two private organizations carry out the unofficial relationship between the United States and Taiwan, but neither operates in an official capacity as an embassy.

Q4: What are the Six Assurances?

A4: In the third U.S.-China communique signed on August 17, 1982, the United States stated “that it does not seek to carry out a long-term policy of arms sales to Taiwan”; “that its arms sales to Taiwan will not exceed, either in qualitative or in quantitative terms, the level of those supplied in recent years since the establishment of diplomatic relations between the United States and China”; and “that it intends to reduce gradually its sales of arms to Taiwan, leading over a period of time to a final resolution.”

Concerned about the possible impact of the communique on Taiwan, President Ronald Reagan placed a secret memorandum in the National Security Council files that stated that U.S. willingness to reduce arms sales to Taiwan was conditioned upon the continued commitment of China to the peaceful solution of cross-Strait differences. The memo underscored that the quantity and quality of weapons provided to Taiwan must be determined by the threat posed by the PRC.

Reagan also took the additional step of asking the head of AIT, James Lilley, to deliver orally, in the president’s name, six assurances regarding U.S. policy toward Taiwan. Those assurances are that the United States:

Had not agreed to set a date for ending arms sales to the Republic of China;

Had not agreed to hold prior consultations with the PRC regarding arms sales to the Republic of China;

Would not play a mediation role between the PRC and the Republic of China;

Would not revise the Taiwan Relations Act;

Had not altered its position regarding sovereignty over Taiwan; and

Would not exert pressure on the Republic of China to enter into negotiations with the PRC.

Q5: Why is Taiwan important to the United States?

A5: Taiwan ended martial law in 1987 and held its first direct democratic presidential election in 1996. Today, Taiwan is a fully functioning democracy, respects human rights and the rule of law,

and has a open economy that, in 2015, made it the ninth-largest U.S. trading partner, with bilateral trade between the United States and Taiwan reaching $66.6 billion. As such, Taiwan is a vital partner for the United States in Asia, a robust, prosperous, free, and orderly society with strong institutions that stands as a model for the region.

Taiwan and the United States are engaged in joint programs, under the Global Cooperation Training Framework, working together to expand their already robust cooperation to address global challenges in such areas as international humanitarian assistance, public health, environmental protection, energy, technology, education, and regional development.

In 2012, the two countries jointly launched the Pacific Islands Leadership Partnership, and in 2014 the United States joined as a founding partner of the Taiwan-initiated International Environmental Partnership program. The partnership is also highlighted by recent cooperative efforts of Taiwan and the United States in response to pressing issues ranging from the Ebola and MERS epidemic to the humanitarian refugee crisis in the Middle East. Taiwan has proved to be a vital partner not just for the United States, but for the region.

Taiwan’s government is committed to maintaining the peace and stability that currently exists across the Taiwan Strait, a top U.S. priority for the region. The United States’ adherence to its long-standing commitment to the people of Taiwan remains important for maintaining U.S. credibility throughout East Asia.

Q6: What are U.S. obligations and commitments regarding the defense of Taiwan?

A6: The Mutual Defense Treaty between the United States and the Republic of China was in effect from March 3, 1955, to January 1, 1980. The termination of the treaty ended the obligation that both parties had to provide the other with aid and military support in the event of an attack. Some of the content of the treaty was included in the Taiwan Relations Act. The TRA states that any effort to determine the future of Taiwan by other than peaceful means, including by boycotts or embargoes, is a threat to the peace and security of the Western Pacific area and to be considered of grave concern to the United States. It also establishes that the U.S. decision to establish diplomatic relations with the People’s Republic of China rests upon the expectation that the future of Taiwan will be determined by peaceful means.

The TRA set forth a policy of providing Taiwan with arms of a defensive character, but the specific decisions regarding weapons sales are left up to the president, who is obligated to notify Congress of pending arms sales. In the last 10 years, the United States has approved $23.7 billion in arms to Taiwan. The TRA also requires that the United States maintain the capacity resist any resort to force or other forms of coercion that would jeopardize the security, or the social or economic system, of the people on Taiwan.

Q7: Why is China so fearful of Taiwan becoming independent?

A7: With the return of Hong Kong to Chinese control in July 1997, Taiwan remains one of the few areas over which Beijing claims sovereignty but does not control. It is widely viewed by Chinese on the mainland as the last vestige of the century of humiliation that began with the Opium Wars in the middle of the nineteenth century. The persisting separation of the mainland and Taiwan is also portrayed as a hindrance to China’s reemergence as a great power, which President Xi Jinping has dubbed the great rejuvenation of the Chinese nation. The Chinese Communist Party’s legitimacy is linked to its pledge to achieve reunification of Taiwan with the motherland. A commonly held view on the mainland is that no Chinese leader could remain in power if he allowed Taiwan to separate from the PRC and be recognized by the international community as an independent sovereign state.

The Anti-Secession Law, adopted by Beijing in 2005, sets forth three conditions under which China would be justified in using “non-peaceful means and other necessary measures to protect China’s sovereignty and territorial integrity: 1) Taiwan independence forces cause Taiwan’s secession from China; 2) Major incidents entailing Taiwan’s secession from China occur; or 3) possibilities for peaceful reunification are completely exhausted.

Bonnie S. Glaser is a senior adviser for Asia and director of the China Power Project at the Center for Strategic and International Studies (CSIS) in Washington, D.C.

Michael J. Green is senior vice president for Asia and holds the Japan Chair at CSIS.

『台湾の声』 http://www.emaga.com/info/3407.html>(以上)

トランプがプーチンと手を結び、中国を抑えるようにしてほしいと願っています。ルトワックが言っていますように、中国封じ込めにはロシアの力が必要になります。シーパワーのアメリカが海上封鎖してもロシア経由でモノが入ってくるのであれば効果が減殺されます。中国はミャンマーのチャウピュ港を、中国が海上封鎖されても大丈夫なように用意していると思いますが、米国がミャンマーに圧力をかければ中国の港湾使用は難しくなるでしょう。でなければミャンマーも海上封鎖されます。やっと米国の経済制裁が解除されたばかりなのに、元の貧しい生活に戻ることは考えられません。パキスタンのグワダル港も同じです。

ZAKZAK記事にありますように、オバマ時代と違い米国は中国と対決する道を歩むと思います。先ず、中国を為替操作国に指定し、反ダンピング関税を強化、中国からの輸入を減らして、中国を経済的に締め上げるでしょう。ピーター・ナバロが主導的役割を果たすと思います。

中国の共産党統治を崩して、台湾、チベット、ウイグル、南モンゴル、香港が独立できるようになれば良いでしょう。ただ、中国に民主主義が根付くとは思えません。賄賂社会で、選挙をしても買収のオンパレードでしょう。日米欧と比べ、教育レベルが違いすぎます。やはり、中央集権政治か連邦制になるのか分かりませんが、せめて今の中共のような人権弾圧がなく、言論の自由を持った国に生まれ変わってほしいと願っています。

高濱記事

—ドナルド・トランプ氏は、米大統領への就任前から波乱含みですね。大統領選を狙ったロシア情報機関のサイバー攻撃を巡って、米情報機関と鞘当てをしています。トランプ大統領はいったいどのような外交を展開していくのでしょう。

高濱:同氏がツイッターを使って発する「140字メッセージ」のために、世界中が一喜一憂している感じです。

この男がカギを握る。国家安全保障担当大統領補佐官に指名されたマイケル・フリン氏(写真:ZUMA Press/アフロ)

トランプ氏は1月11日、大統領当選後、初めての記者会見をしました。アジア関連では、中国や日本との貿易不均衡には触れたものの、具体的なアジア太平洋地域外交の青写真は示しませんでした。

同じ日、次期国務長官に指名されているレックス・ティーラーソン前エクソンモービル会長は米上院外交委員会の承認公聴会で証言。同氏は中国が南シナ海で人工島などを建設していることを「違法だ」と批判しましたが、これに米国がどう対応すべきかには触れませんでした。

米主要メディアの国務省担当記者の一人は、筆者にこう解説しています。「どのような外交政策を立案し、実施に移すかは、今トランプ氏の超側近グループが水面下で協議している最中だ。1月20日の就任演説でも明らかにはならないはず。片鱗が表れるのはずっと後だよ」

そんな中で、トランプ氏の外交の行方を占うカギを見つけました。筆者がワシントン読売新聞の特派員だった頃から親しくしてきた二人の米政治ジャーナリストが教えてくれたのです。ホワイトハウスの高官人事です。これを見ると、トランプ氏の外交政策決定メカニズムが浮かび上がってくるというのです。

二人とも、リチャード・ニクソン第37代大統領の頃から歴代政権の閣僚・補佐官人事を見てきた米主要紙のベテラン・ジャーナリストです。

その二人の話を筆者が聞いて整理すると、以下のようになります。「トランプ氏はビジネスマン国務長官や軍人国防長官を指名した。これはあくまでも表向きの人事だ。トランプが彼らに外交や国防の主導権や決定権を与えるとは思えない。重要案件はすべて自分、つまりホワイトハウスで決めるつもりだろう。ホワイトハウスの陣容をみればそれが手に取るようにわかる」。

「この陣立てはニクソンのそれに似ている。ニクソンは、大統領首席補佐官に選挙参謀だったH・R・ハルデマン、次席補佐官にジョン・エーリックマンという側近を侍らせ、すべての政策面を統べるトラテジスト(戦略担当)にした」

「国家安全保障政策では、ネルソン・ロックフェラー(元ニューヨーク州知事、のちに副大統領)の知恵袋だったヘンリー・キッシンジャー(当時ハーバード大学教授)を借りてきた。キッシンジャーこそニクソン自身の外交理念を構成できる人物とみたからだ」

「ニクソンは国務長官にはウィリアム・ロジャーズ(司法長官)、国防長官にはメルビン・レアード(下院議員)を指名した。言葉は悪いが二人とも『お飾り』的存在だった。実際の外交国防政策を立案し、決定したのはニクソン=キッシンジャー・ラインだったからだ。それを可能にしたのはハルデマンとエーリックマンという『壁』だった。国務省や国防総省の官僚たちに有無を言わせなかったのはこの二人だった」

「おそらくトランプもこの手法を取るに違いない。ハルデマン役はスティーブ・バノン大統領上級顧問、エーリックマン役はケリアンヌ・コンウェイ大統領顧問、キッシンジャー役は、ちょっと荷が重いかもしれないが、マイケル・フリン国家安全保障担当補佐官といったところだ」

「ただトランプ氏の場合、ニクソンと一つ違うことがある。大統領上級顧問に指名された娘婿のジェレッド・クシュナーの存在だ。トランプの信頼も厚いし、頭脳明晰、若いのに人心掌握術に長けている。トランプ氏に影のようにつきまとい、政策全般で重要な役割を演じそうだ」

「帝釈天・トランプ」を支える「四天王」

ご参考までに1月7日現在、決定したホワイトハウスの陣容と記しておきます。

*大統領上級顧問(上級戦略担当) スティーブ・バノン(元保守系メディア経営者) *大統領上級顧問 ジャレッド・クシュナー(娘婿、クシュナー不動産オーナー、オブザーバー・メディア社オーナー) *大統領顧問(戦略全般担当) ケリーアン・コンウェイ(保守系コラムニスト) 大統領首席補佐官 ラインス・プリ―バス(共和党全国委員長) *国家安全保障担当補佐官(兼国際テロ対策担当、国家安全保障会議=NSC=事務局長) マイケル・フリン(元国防情報局長) NSC首席スタッフ ジョセフ・ケロッグ(退役陸軍中将) NSC担当副補佐官 キャサリーン・マクファーランド(元国防総省高官) NSCアジア担当上級部長 マット・ピッティガー(元ウォールストリート・ジャーナル中国特派員、退役海兵隊大佐) NSC上級戦略コミュニケーション部長 モニカ・クロウリー(保守系コラムニスト) 国土安全保障担当補佐官(兼国内テロ対策担当) トーマス・ボサード(元大統領国土安全保障担当副補佐官) 国際交渉特別代表(新設) ジェイソン・グリーンブラット 国家通商会議議長(新設) ピーター・ナバロ(カリフォルニア大学アーバイン校教授) 大統領報道官 シーン・スパイサー(共和党全国委員会コミュニケーション部長) 戦略コミュニケーション部長 ホープ・ヒックス(選挙対策本部報道官)

*印をつけたバノン上級顧問、コンウェイ顧問、フリン国家安全保障担当補佐官と、娘婿のクシュナー氏の4人は、言ってみれば、「帝釈天」であるトランプ大統領を支える「四天王」です。トランプ氏が当初「泡沫候補」「億万長者ピエロ」などと言われていた当時からトランプ氏の勝利を信じて忠誠を誓ってきた「忠臣」です。

プリ―バス氏は、肩書こそ大統領首席補佐官であるものの、共和党保守本流からきた「外様」。ホワイトハウス内では微妙な立場に置かれそうです。

国務、国防両省を睥睨する「ニクソン型NSC」

—ということは、外交安全保障政策の立案では国務、国防両省よりもホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)の方が重要な役割を演ずることになりますね。

高濱:そう思います。ニクソン時代のNSCは、国務省や国防総省といった管轄官庁を差し置いて主導権を握っていました。ニクソン大統領は12人だったNSCスタッフを一挙に34人に増員。そしてNSCの事務局長を務めるキッシンジャー補佐官の下、各省庁から人を集めたワーキンググループや国家安全保障政策検討グループを設置、NSC指令やNSCメモランダムを作成させるなど外交安全保障政策立案の主導権を与えたのです。トランプ大統領がこうした方式をとることはまず間違いなさそうです。

(“President Nixon and the NSC.” A Short History of the Department of State, Office of Historian, Department of State)

(“National Security Council Structure and Functions,” Richard Nixon Presidential Library and Museum)

—そのトランプ・ホワイトハウスは、オバマ政権が外交政策の基軸としてきた「アジア回帰」政策を継承するのでしょうか。

高濱:イエス・バット・ノー(Yes but No)です。つまり継承はするでしょうが、その中身はかなり変わるということです。

確かに「アジア回帰」という言葉はオバマ政権が言い出しっぺですが、アジア重視というのはオバマ政権以前から米外交の方向性としてありました。国際テロ組織「アルカイダ」の台頭で、ジョージ・W・ブッシュ政権の軍事外交能力は中東地域にそがれましたが、21世紀の米国にとって通商貿易、安全保障の両面からアジアほど重要な地域はありません。中国の軍事力増強や北朝鮮の瀬戸際外交は、「太平洋国家・米国」にとって死活的に重要な意味を持っています。

「アジア地域に米国の国益、米国の成功がかかっている」

したがって、「アジア重視」のスタンスは、大統領が共和党のトランプ氏になろうが、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官であろうが変わりません。

アントニー・ブリッケン国務副長官が1月5日の記者会見で次のように言い切っています。ビル・クリントン、オバマ両政権で中長期的な外交方針を決めてきた核となる人物です。

「トランプ政権を代弁することはできないが、米国の国益を考えた場合、アジア太平洋地域ほど重要な地域はないというのが米国の認識だ。米国が『アジア回帰』政策を推進してきたのは、この地域に米国の将来、米国の成功がかかっていると見ているからだ。この地域は世界人口の3分の1以上、世界全体の国内総生産(GDP)の3分の1以上を占める。米国の同盟国5か国がこの地域に存在する。今後10年間に世界の中産階級の3分の2、世界経済の3分の2がこの地域に集積する」

(“Joint Press Availability with Japanese Vice Foreign Minister Shinsuke Sugiyama and Republic of Korea First Vice Foreign Minister Lim Sung-nam,”Antony J. Blinken, Deputy Secretary of State, 1/5/2017)

変貌した「アジア回帰」の練り直しを模索

「アジア回帰」政策の立案に参画し、実行に移したのは元々、国務長官だったヒラリー・クリントン氏です。同氏は「アジア回帰」政策の骨格として、以下の点を「フォーリン・ポリシー」誌(2011年10月号)への寄稿で挙げていました。①アジア地域の新興勢力との実務的協力関係強化、②アジア地域との貿易・投資の促進、③アジア同盟諸国との軍事同盟の強化、④アジア地域での広範囲な米軍事プレゼンス強化、⑤アジア地域の民主主義と人権主義の促進、⑥アジア地域の多国間機関への関与。

(“America’s Pacific Century,”Hillary Clinton, Foreign Policy, 10/11/2011)

ところがクリントン氏が国務長官を辞めたあと、後継者のジョン・ケリー国務長官は「アジア回帰」政策の中の安全保障面、つまり「米軍事プレゼンス強化」を疎かにしてしまったという指摘があります。気候変動問題や北朝鮮の核開発阻止などで中国の協力を得ようとして中国に気を遣い過ぎたというわけです。

大統領選の最中、クリントン陣営には、クリントン氏が大統領になった時に取り組む「アジア回帰」政策では軍事的側面を前面に押し出すべきだ、という主張がありました。

(“So Long Deployment, Hello Employment: Redefining the Rebalance to Asia,”Shannon Tiezzi, The Diplomat, 11/6/2014)

クリントンの「改定版」とトランプの「改訂版」の共通項

皮肉なことですが、「アジア回帰」政策に取り組むうえで、トランプ氏もクリントン氏も同じような修正を考えていたようです。軍事面にもっと力点を置くべきだという点で両者は一致していました。

トランプ政権にも影響力を及ぼす保守系シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ政策研究所」のマイク・オースリン上級研究員は、その点についてこう述べています。

「トランプ氏が『アジア回帰』政策を踏襲するとすれば、オバマ大統領よりももっとアグレッシブに推し進めるだろう。中国の台頭、北朝鮮の核の脅威に対抗するために『アジア回帰』政策の柱だった日韓豪との軍事同盟関係をさらに強めるに違いない。選挙中には日韓との同盟関係に疑念を表明したこともあるが、当選後はそうしたスタンスは影を潜めている。安倍晋三首相と会談したり、豪韓比首脳らと電話会談したりしているのはその変化のシグナルと見ていいだろう」

(“What Future for the Asia Pivot Under Trump?” Michael Auslin and others, Expert Roundup, Council on Foreign Relations, 12/14/2016)

中国の「AA/AD」に「JAM-GC」行使

—中国は海洋利権拡大に向けた露骨なデモンストレーションを続けています。2016年末には、空母「遼寧」を太平洋に進出させました。南シナ海では人工島を築き軍事化。東シナ海では、尖閣諸島周辺の日本の領海を侵犯。軍事色を強めるトランプ流の「アジア回帰」政策は、中国に対して具体的にはどのような行動に出るのでしょう。

高濱:トランプ氏の対中軍事政策ブレーンの一人、ハリー・カズアニス博士は具体的な対応についてこう指摘しています。同博士は「センター・フォア・ザ・ナショナル・インタレスト」(ニクソン大統領が設立)で国防研究部門の主任研究員を務めています。

「オバマ政権の『アジア回帰』政策は安全保障面をないがしろにしてきた。その結果、過去10年、中国はアジアでやりたい放題のことをやってきた。南シナ海の公海上に人工島を作り、そこを軍事化するのを米国は手をこまぬいて見ていた」

「米国は中国の海洋進出に対抗するだけでなく、アジアにおける米国の抑止力がなんであるのか、中国に明確に理解させる必要がある。中国は、『接近阻止・領域拒否』(AA/AD)*戦略を採用し、東アジアにおける米軍力を無力化しようとしてきた」

*『接近阻止・領域拒否』とは、①西太平洋海域で中国軍が行う軍事作戦に対する米軍の介入を阻止、第2列島線(伊豆諸島を起点にグアム・サイパン・パブアニューギニアに至るライン) 以西の海域で米軍による自由な作戦展開を阻害するという中国の作戦構想。

「中国は、米軍が万一、台湾や南シナ海・東シナ海における紛争に軍事介入すれば、米中戦争となる。そして米軍は空母を失い、多くの米兵が犠牲になるというシナリオを描いている。冷戦終結以後、こんなシナリオを米国が突き付けられたのは初めてだ」

「これに対抗するために米国は『JAM-GC』(Joint Concept for Access and Maneuver in Global Commons=国際公共財におけるアクセスと機動のための統合構想)*を策定した。ところが策定後2年たったものの、詳細は決まっていない」

(“How Donald Trump Can make the Pivot to Asia Great Again,” Harry J. Kazianis, The National Interest, 11/14/2016)

*:『JAM-GC』とは中国の『接近阻止・領域拒否』作戦構想に対応し、陸海空・宇宙・サイバー空間のすべての作戦領域において四軍部隊の能力を統合するための作戦構想。2015年1月まで『エアシー・バトル』(Air-Sea Battle)作戦構想と呼ばれていた。

—そうなれば、西太平洋を舞台に米中が軍事対決する可能性が出てくるということですか。

高濱:トランプ政権としては、無論そこまではいかない手前のところで、中国に脅しをかけることになるのでしょう。ただし、中国がどう出るか。いずれにしても「西太平洋波高し」という事態が皆無とは言えません。

国務省OBの一人が今年送ってくれた年賀Eメールには葛飾北斎の「富嶽百景 神奈川沖浪裏」が添付されていて、「今年の西太平洋は米中対決の巨大な波に翻弄される」と書かれていました。

ZAKZAK記事

著書『中国4.0』が話題のエドワード・ルトワック氏は、トランプ新政権で米中関係が大きく変わると予測する。変質する「米中関係」を産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏が聞いた。  2017年にはトランプ政権登場により米中関係が一変し、アメリカは東アジアでの軍事力を強化して、中国の力の膨張を抑え、さらに中期、長期には中国を封じ込めるようになるだろう。順を追って説明しよう。  ドナルド・トランプ氏は新大統領として、米軍を中東とアフガニスタンから撤退させる意思をすでに表明している。その結果、アジア・太平洋での米軍の存在が自動的に比重を増すことになる。  アメリカが欧州でも中東でも関与を減らせば、自動的にアジア・太平洋での関与が増加できるわけだ。このほぼ自動的な流れに加えて、トランプ氏は中国を封じ込めたいと意図している。  「封じ込め」とは、これまでのアメリカの政権のように、中国が海洋に新たな島をつくり、その島に軍事施設を建てるのを、まるで観光客が火山の噴火を眺めるようにただ見ているのではなく、抑止のための行動を起こすということだ。  トランプ氏はこの基本の政策はすでに公式に表明した。中国が無法や不当な膨張の動きをとった場合には、アメリカも実際の行動でそれを抑えるという政策だ。同氏はこの政策を繰り返し述べており、大統領として確実に実行するだろう。

トランプ次期大統領は必要に応じて中国と対決するという政策をすでに示している。中国が紛争海域で無法な行動を取り、他国の権利を侵し、軍事力で威嚇する際は、アメリカの新政権はその威嚇された国を擁護し、艦隊や軍用機をその海域に送って、中国の膨張を抑えるだろう。  中国はこれまでその種の威嚇的な拡張を続け、なんの代償も払わないままできた。トランプ新政権は中国の冒険主義的な行動をもう許容しない。中国が軍事力を前面に出して対決してくれば、アメリカも対決を辞さない。その場合、必ずや後退するのは中国側だろう。だから実際の戦争にはならない。  だがアメリカは最初から中国と対決を求めはしない。中国が無法に進出してきたときだけ断固として反応するということだ。これが封じ込め戦略だ。中国の膨張に対しては、これまでのオバマ政権の単なる警告や消極的な「航行の自由作戦」ではなく、アメリカ海軍を出動させ、積極的な武装パトロールを実行するだろう。  トランプ陣営がもう一つ、強い不満を抱いているのは、中国が北朝鮮への経済制裁を履行せず、結果として北朝鮮の核武装や人権弾圧を助長している実態だ。中国は北朝鮮と取引する国営企業の利益を北の核武装阻止という目的より優先させている。  中国側の北朝鮮に接する吉林省や遼寧省の経済利益を優先させているのだ。その結果、北朝鮮は韓国や日本を一気に破壊できる核兵器の開発へと前進する。トランプ新大統領はそんな中国の行動をもう許容しないだろう。

オバマ大統領は中国とうまく接触することで中国のあり方を変えられるという「中国形成可能論」をとってきたと言える。中国との対決や衝突はすべて避けて、中国の出方をじっくりと眺めようというわけだ。アメリカ側の対応次第で中国という国家の本質をも変えられるという論だった。  だがトランプ氏はまったく違う。中国が押してくれば必ず押し返すという姿勢なのだ。  【PROFILE】1942年、ルーマニア生まれ。ロンドン大学、米ジョンズ・ホプキンス大学で学び、国防省長官府任用。現在は戦略国際問題研究所(CSIS)上級アドバイザー。『自滅する中国』『中国4.0』など著書多数。  ※SAPIO2017年2月号

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『北京「高級ナイトクラブ一斉取り締まり」の意味 腐敗一掃の陰で江沢民派への一撃、雷洋事件の幕引きも』(1/13日経ビジネスオンライン 北村 豊)について

中国で共産党は別にして、一番腐敗しているのは軍、二番目が公安です。実権が大きければ大きいほど腐敗しますので。政府を批判する自由、言論の自由のない国ですから。それと、中国の歴史上「清官三代」と言われるくらい、贈収賄は社会にビルトインされていますので。身分の上下に関係なく、受け取る額の問題だけです。

公安の腐敗ぶりは中国国民も分かっているでしょうけど、自分達もやっているので文句が言えない所です。列の割り込みと一緒。自分も力を持てば、金を受け取る側になります。社会が腐敗を許容しているとも言えます。そこは押えて中国を見ておきませんと。

保利集団は人民解放軍が経営していることで有名でした。兵器の横流しをやって儲けていた記憶があります。日本の企業では佐川急便が中国で保利と合弁しています。保利とは明記されていませんが、兵器の横流しの記事がありましたので紹介します。

http://www.sankei.com/world/news/130530/wor1305300027-n1.html

“賈慶林”は北京市長も経験しました。97年~2002年まで北京市長、その後政治局常務委員に選出されて党内序列第4位になりました。頼昌星のアモイの遠華事件への関与が有名です。頼は豪華接待所をアモイに作り、密輸できるよう権力者を接待していました。2011年7月27日日経ビジネスオンラインの福島香織氏の『汚職摘発は政争とセットになっている 頼昌星の中国送還、ターゲットは習近平氏か』の中に触れられた部分があります。

その記事中に、「役人や軍人を接待する場所として通称「紅楼」と呼ばれた赤茶色の7階建のビルが用意された。その中で、党の幹部や高級官僚や軍人は選りすぐりの美女の“特別接待”を受け、その美女らとのあられもない姿を盗撮し、協力要請を引き出す材料にしていたと言われる。」とあります。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110725/221662/?P=1

王小洪は政敵を倒すためだけに選ばれたのでしょう。中国在勤時代、ナイトクラブやカラオケ経営者が公安にみかじめ料を払うのは当り前で、視察に来る警官の飲食も当たり前でした。暴力団と何ら変わらないというか、権力を握っている分もっと悪いといえます。本記事の最後にありますように、王小洪は敵に恨みを買ったので暗殺される可能性もあります。習近平にしては使い捨てでしょう。代わりはいくらでもいますので。

北京駐在時代、北京市にある人民解放軍の研修施設では売春が行われていました。公安も踏み込めないので、軍施設での売春が安全と言われていました。これこそ、従軍慰安婦です。自分達が今やっていることを朝日新聞や韓国を使い、嘘の従軍慰安婦で日本を世界的に貶めてきました。騙され、洗脳されて来た日本人にも問題があります。「従軍慰安婦」について異議を述べると、右翼とかのレッテルを貼り、主張できなくしてきたメデイアの主張を鵜呑みにして来ました。河野洋平だけの問題だけではありません。インターネットが発達した現在、いろんな情報がタダでとれるのですから、自分で取りに行けば、正しい判断ができると思います。メデイアの発する情報や記者に権威を認め、盲従することは危険です。朝日新聞は戦前、売上を伸ばすために戦争を煽った前科があります。情弱が一番悪い。

記事

12月23日夜、“北京市公安局”は大規模な“掃黄(性的不道徳一掃)”行動を行い、違法犯罪の売買春を行っている容疑で“夜総会(ナイトクラブ)”の一斉取り締まりを行った。対象となったのは3軒の著名なナイトクラブで、いずれも北京市を代表する絢爛豪華な最高級ナイトクラブであった。その内訳は以下のとおり。

【1】“保利倶楽部(保利クラブ)”: 所在地:北京市東城区東直門南大街14号の21階建ビル“保利大厦”内にある“北京保利大厦酒店(Beijing Poly Plaza Hotel)”の3階

【2】“藍黛倶楽部(藍黛クラブ)”: 所在地:北京市海淀区板井路39号にある“世紀金源大飯店(Empark Grand Hotel)”の地下2階

【3】“麗海名媛倶楽部(麗海名媛クラブ)”:  所在地:北京市海淀区大鐘寺東路9号にある“京儀科技大厦”A棟内の“京儀大酒店(Jingyi Hotel Beijing)”の地下1階

江沢民グループの資金源?

12月25日、“北京市公安局”は中国版メッセンジャーアプリ“微信”に持つ公式アカウント「@平安北京」に、12月23日夜に行われたナイトクラブの一斉取り締まりに関して次のような報告を掲載した。

群衆からの告発に基づき、周到な偵察を経て、12月23日夜、北京警察当局は法に照らして“売淫嫖娼(売買春)”の違法犯罪活動を行っている容疑で複数の社交場に対する取り締まりを行った。現場は東城区東直門南大街の保利クラブ、海淀区板井路の藍黛クラブ、海淀区大鐘寺東路の麗海名媛クラブで、売買春の容疑で数百人を逮捕した。目下、事件はさらなる調査を行っている。

これら3軒の高級ナイトクラブは多数の“紅二代”や“太子党”<注1>と深い関係があると言われているが、そのうち麗海名媛クラブは中国共産党元総書記“江沢民”のグループに属する前党政治局常務委員“賈慶林”の資金源であると考えられている。

<注1>“紅二代”は「革命世代の中国共産党高級幹部を父祖に持つ子弟」を指し、“太子党”は「中国共産党の高級幹部の子弟等で特権的地位にいる者たち」を意味する。

ところで、北京市では2010年5月11日にも今回と同様に当時の北京で知らぬ者がいない程に有名な四大ナイトクラブに対する一斉取り締まりが北京市公安局によって行われた。この時も“掃黄(性的不道徳一掃)”行動の一環で、名目は法令で禁止されている“有償陪待(有償で席に着いて接客する行為)”と消防安全規定違反の容疑であったが、実質は違法犯罪である売買春行動の容疑であった。この取り締まりの結果、四大ナイトクラブは6か月間の強制的な営業停止処分を受けた。

この四大ナイトクラブとは、“天上人間”、“名門夜宴”、“凱富国際”、“花都”であるが、このうち名実ともに群を抜いて“京城第一夜総会(北京No.1ナイトクラブ)”と呼ばれていたのは、北京市“朝陽区”の“北京喜来登長城飯店(The Great Wall Sheraton Hotel)”の1階西ホールに所在した“天上人間夜総会”であった。

客は政府機関の幹部たち

“天上人間”の“小姐(ホステス)”には容姿端麗な大学生やモデルが多数在籍し、文化程度も高く、客のどのような会話にも対応できる学識を持っていたと言われている。また、ホステスは厳しく管理されており、5月11日の一斉取り締まりでも“有償陪待”はあったが、売買春の事実が確認されることはなかった。なお、天上人間を含む四大ナイトクラブの客はそのほとんどが政府機関の幹部たちで、自由自在に接待費を使っていた。天上人間では一晩で10万元(約169万円)を消費するのは容易なことだったという。天上人間は60日間の営業停止を受けた後に廃業となり、新たに営業が再開されることはなかった。

2010年5月11日に四大ナイトクラブの一斉取り締まりを強行したのは当時北京市公安局長の地位にあった“傅政華”である。1955年3月に河北省“灤県(らんけん)”で生まれた傅政華は1970年12月に15歳で労働に参加したが、北京市公安局に職を得てからは出生街道を一歩ずつ着実に進み、2010年2月には北京市公安局の局長兼党委員会書記の任命を受け、北京市公安局のNo.1となった。その就任からわずか74日後に実施されたのが四大ナイトクラブの一斉取り締まりであった。傅政華はその後も順調に出世を続け、2013年8月に北京市公安局長兼党委員会書記の職に留まったまま中央政府“公安部”の副部長となり、2016年8月に定年退職するまで公安部副部長の地位に留まった。北京市公安局長に就任した直後に天上人間を廃業に追い込んだことは、傅政華の輝ける業績の一つとされている。

高級ナイトクラブで豪遊する人々に対し、庶民は微かな羨望を覚えると同時に強い憎悪を抱いている。このため、公安局が高級ナイトクラブの取り締まりを行った結果、多数の官僚や企業経営者が売買春の容疑で逮捕されると、庶民はこれを拍手喝采し、日頃の貧しい生活の中で蓄積された鬱憤を解消する一助とするのである。

さて、話は現在に戻る。12月23日に北京市公安局の一斉取り締まりを受けた3軒の高級ナイトクラブのうちで、かつて“京城第一”とされた天上人間の後を継ぐナイトクラブは何と言っても保利クラブである。保利クラブは「天上人間なき後、最高級で商売が良いのは唯一保利クラブだけ」と豪語していたのだった。人々は保利クラブが北京保利大厦酒店の3階に所在していることから、同ホテルを経営する中国最大の武器輸出企業である“中国保利集団公司(China Poly Group、略称:保利集団)”<注2>が保利クラブの実質的経営者だと考えた。

<注2>米誌「フォーチュン」の『2016年版世界企業500社番付』で、保利集団は2015年の売上高266.8億ドルで401位(2015年版では457位だった)。従業員は約7万人。

保利クラブは保利集団にあらず?

ところが、保利集団は26日に微信の公式アカウント「保利風采」に、次のような声明を発表したのだった。

【重要声明】社会機構が“保利”の商標を盗用したことに関する声明

中国保利集団公司は著名商標「保利」の保有者であり、“北京保合利佳文化倶楽部有限公司”はこの有名な商標を盗用した「保利クラブ」の名称で社会大衆に向けてサービス・宣伝・推奨を行った。その行為は著名商標の専用権に対する侵害を構成する。

商標保有者は特に以下の如く声明する。すなわち、中国保利集団公司はその他機構に「保利クラブ」の名称を使用する権利を授与しておらず、その他機構が「保利クラブ」の名称を盗用したことによる責任と結果は本集団とは関係なく、本集団は合法的な権益を侵害した責任を追及する権利を保留することを特にここに声明する。

中国保利集団公司

保利集団は“中国人民解放軍総参謀部装備部”と“中国国際信託投資公司(略称:中信公司)”が連合組織した“保利科技有限公司”を基礎として1993年に設立された企業で、2003年には“国務院国有資産監督管理委員会”の指導を受ける“中央企業”<注3>に組み込まれた。保利集団の“名誉董事長(名誉会長)”である“賀平”は“鄧小平”の娘婿であり、現役“董事長(会長)”の“徐念沙”は“中央軍事委員会”前副主席であった“劉華清”の娘婿であり、その他の役員は“紅二代”や“太子党”の人々で構成されている。

<注3>2016年12月末時点における中央企業の総数は102社。米誌「フォーチュン」の『2016年版世界企業500社番付』には中国企業110社が含まれているが、このうち中央企業は50社。

その保利集団が急きょ保利クラブとは無関係であるとの特別声明を出したのである。しかし、保利クラブは保利集団が拠点とする“保利大厦”内にある北京保利大厦酒店の3階に所在する。保利クラブを経営する“北京保合利佳文化倶楽部有限公司”は、2010年1月6日に“北京市工商行政管理局”に経営範囲を「ダンスホール、飲食業」として会社登記を行って“保利大厦”の中で保利クラブの営業を始めており、すでに営業開始から7年が経過している。7年もの間、保利集団は保利クラブが「保利」の商標権を侵害していたことに気付かなかったというのか。それは考えられない。保利集団は「灯台下暗し」であったと言いたいのだろうが、保利集団が保利クラブを“保利大厦”内に容認したのは、両者が背後で結びついていたからであって、決して無関係ではないだろう。但し、その真相は今後も闇の中に隠蔽され、決して公表されることはないだろう。

12月26日付の中国メディアは、一斉取り締まり後のナイトクラブ3軒の状況を報じたが、いずこも門前に高級車があふれていた3日前までの状況は嘘のように閑古鳥が鳴いていたと伝えた。保利クラブ、藍黛クラブおよび麗海名媛クラブの正門にはそれぞれ「事情により暫時営業を停止します。ご不便をおかけすることをお許しください」との通知が貼られていたというが、果たしこれら3軒に営業再開の日は来るのだろか。

追い込んで、知らしめる

さて、12月23日の一斉取り締まりを指揮したのは、2015年3月に傅政華から北京市公安局長の座を引き継いだ“王小洪”であった。福建省“福州市”出身で1957年7月生まれの王小洪は、工員生活を経て、1979年に福建省“閩侯県”公安局員になり、“中国人民公安大学”で学んだのを皮切りに、福州市公安局長、“漳州市”公安局長を歴任し、2002年に45歳で福建省“公安庁”副庁長、2011年に“厦門(アモイ)市”副市長兼市公安局長となった。2013年8月には河南省に転じて省長補佐兼公安庁長、2014年12月に河南省副省長兼省公安庁長となり、2015年3月に北京市副市長兼公安局長となった。2016年5月には公安部副部長に任命された(北京市副市長と北京市公安局長を兼務のまま)。

河南省公安庁長時代には当時省都の“鄭州市”で豪華な高級ナイトクラブとして全国に名を轟かせていた“皇家一号国際娯楽会所”を同省“新郷市”公安局の警官1000人以上を動員して<注4>一斉取り締まりを行い、“皇家一号”を廃業に追い込んだことで、全国にその名を知らしめた。

<注4>鄭州市公安局の警官が“皇家一号”と癒着している可能性があることから、敢えて新郷市公安局の警官を動員したもの。管轄地区の異なる警官を動員することを“異地用警”と言うが、王小洪は福建省時代も“異地用警”を多用し犯罪の撲滅を行っていた。

2011年以降の王小洪は出世街道を驀進していることが見て取れる。それもそのはずで、王小洪は中国共産党総書記の“習近平”の旧部下なのである。習近平は1985年6月から2002年10月に浙江省副省長へ異動するまでの約17年間を福建省で過ごし、福州市党委員会書記、福建省副省長、福建省長などを歴任したが、福州市時代に傘下の公安局に勤務していた王小洪と知り合い、密接な関係を結ぶようになったと言われる。習近平は2012年11月に総書記に就任して実権を握ったが、これに呼応するかのように王小平はとんとん拍子で出世の階段を上り、ついには北京市公安局長から公安部副部長にまでなったのだった。

その王小洪が公安部副部長兼北京市公安局長として指揮したのが、今回の高級ナイトクラブ3軒の一斉取り締まりであった。北京市のみならず中国国内でナイトクラブが問題なく営業を続けるには地元の公安当局の“保護傘(後ろ盾)”が絶対条件であり、「みかじめ料(用心棒代)」を公安幹部に支払うのが通例だという。王小洪は習近平の絶対権力を後ろ盾として、“紅二代”や“太子党”と深い関係を持つと言われる高級ナイトクラブを取り締まることで、北京市公安局内に巣くう不良幹部に一撃を加えたものと考えられる。

雷洋事件から関心そらす?

北京市では2016年5月7日に、修士号を持つ若き研究者の“雷洋”が北京市公安局の警官によって買春容疑で逮捕され、抵抗した末に心臓発作で死亡した事件が発生した。これを「雷洋事件」<注5>と呼ぶが、買春が冤罪であるだけでなく、死因は警官による暴行であったことが明白なものとなり、雷洋の家族が警官5人を告発して大きな社会問題と化していた。しかし、北京市公安局は12月末に家族と秘密裏に和解し、警官5人を無罪とした。一説によれば、家族は和解金として現金2000万元(約3億3600万円)と2000万元相当の住宅を受領して、全ての訴訟を取り下げたという。

<注5>雷洋事件については、本リポートの2016年5月20日付「若き研究者は偽りの買春逮捕の末に殺されたのか」、2016年6月17日付「雷洋事件続報、売春逮捕は警官による偽装が濃厚」、2016年7月15日付「雷洋事件続々報、鑑定は窒息死、暴行に言及せず」参照。

この和解により北京市公安局は体面を守ったが、法の正義を信じていた全国の庶民は失望し、公権力に対する憤りを露わにした。王小洪は今回の高級ナイトクラブ3軒の一斉取り締まりを敢行することで、庶民の目を雷洋事件から転じさせ、世論の圧力を軽減させることを目的とした可能性が考えられる。また、“掃黄(性的不道徳一掃)”の取り締まりを標榜することで、冤罪とされた雷洋が実際に買春を行ったという印象を庶民に持たせることも目的だったのかもしれない。

今後、王小洪によって3軒の高級ナイトクラブからの「みかじめ料」という収入源を失い、後ろ盾としての機能を発揮できなかった北京市公安局の不良幹部たちが、紅二代や太子党の既得権者と結びついて王小洪に報復することは十分考えられる。中国社会の動きからは目が離せない。

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『米中対立、国家資本主義 VS 国家資本主義 「PTA包囲網」による中国封じ込めは危うい選択』(1/11日経ビジネスオンライン 岡部直明)について

軍事が分からない人間のコメント程、害のあるものはないでしょう。日経の論説主幹だっただけに、中国べったりです。何故尖閣や沖縄を強奪しようとしている中国の味方をするのか分かりません。利敵行為であることは間違いありません。金かハニーで籠絡されたかと思ってしまいます。中国を助けることに、論理的な説明がほしいです。中国と戦争を避けるには軍拡を止めさすことです。そのためには中国の経済を崩壊させることでしょう。ソ連が崩壊したように。そんなことすら分からないようであれば、目先の利益で国を売る売国奴と言われても仕方がないでしょう。

地政学で言えばランドパワーの中国は海洋に出て行くとシーパワーの国(米国)に打ち負かされると言われています(海上封鎖、制海権がシーパワーに取られる)。海洋に出て行く中国を肯定的に見る見方は世界の標準からずれているのでは。

また、米国:中国=「国家資本主義」:「国家資本主義」と位置付けていますが、トランプは口先介入だけで、制度的に国家が企業に介入できるようにはなっていません。況してや米国は三権分立が厳格に行われており、議会の助けを借りなければ、大統領のできることは限られます。オバマはそれで大統領令を乱発しました。それで今回議会共和党主導で、2017年予算案の中でオバマケア(2010年上下院で通過した法案であるが)は廃止、代替案の作成が決められました。それを「国家資本主義」と呼ぶのは如何なものか。

中国は「国家資本主義」と呼ぶのも正しくないのでは。「社会主義市場経済」ならぬ「共産主義市場経済」が正しいでしょう。日経出身者が「国家資本主義」と呼び「共産主義市場経済」を埋没させているのは、中国の持つ共産主義(国民に政治的自由を持たせない、人権弾圧、粛清、虐殺のシステム)の悪いイメージを覆い隠そうとしているのでは。中国は世界で最悪の弱肉強食である市場経済システムを取っていますが、民主主義国家ではありません。そう言う国を民主主義と親和性の高い資本主義と言い換えるのは間違っていると思います。

金融グローバリズムに乗せられている人が多いのでトランプをバッシングするのが正義のように刷り込まれていますが、日米メデイアは偏向しています。BBCが一番真面かと。トランプがツイッターを多用するのも、メデイアが歪曲報道するためです。IoTの時代にメデイアの果たすべき姿勢を再定義できない限り、凋落していくことは間違いありません。それに気づいていないメデイア経営者が多いのでは。老害です。

中国に時間の利益を与えることの無いように、早く日米露、岡部氏は「PTA(プーチン・トランプ・アベ)」包囲網と言っていますが、これを作るべきです。岡部氏は「包囲網による中国封じ込めは危うい選択である。中国の海洋進出に強く警告するのは当然だが、不測の事態を招かないよう慎重な姿勢こそ肝心だ。日米同盟を強化しつつ、偶発的事故を防ぐため中国とのパイプを太くする必要がある。」と主張していますが、尖閣に対する中国の航空機や艦船の威圧をご存じないのですか?日本が何もしていないのに、現状変更しようとしているのは中国ですよ。ヤクザが脅しているのに話し合いで解決は出来ないでしょう。多国間の同盟、準同盟で中国包囲網形成、中国経済を崩壊させることが世界平和の為には一番良いと考えます。それによって世界経済がダメージを受けようとも。戦争になるより良いと思います。

記事

ドナルド・トランプ米大統領の登場は世界をリスクにさらすことになるが、なかでも米中対立は最も深刻である。第2の経済大国である中国を為替操作国とし中国の対米輸出に高関税を課すといった対中強硬姿勢は、海洋強国を掲げる中国の海洋進出をあおる恐れがある。経済と安全保障の複合危機を招きかねない。なによりトランプ次期大統領が個別企業への介入主義に傾斜すれば、「国家資本主義」対「国家資本主義」の対立に発展する危険がある。それはグローバル経済を揺るがすことになる。

「資本主義」対「資本主義」から大転換

冷戦終結後、経済システムをめぐる対立は「資本主義」対「資本主義」になった。それは「資本主義」対「社会主義」の対立構造の終わりを意味していた。提起したのはフランスの実業家、ミシェル・アルベール氏で、その著書『資本主義対資本主義』はベストセラーになった。米英によるアングロサクソン型の市場経済と独仏など欧州大陸のライン型(集団や合意を重視、投資において中・長期の展望に立ち、社会貢献にも配慮する共同体型)の混合経済の対立である。日本はライン型に属すると分類された。

もっとも、資本主義の枠内での対立にはそれほど大きな差異は認められなかった。グローバル化が進展するなかで、資本主義のすり寄りが行われたからでもある。経済システムをめぐる論議に衝撃を与えたのは、国家資本主義(ステート・キャピタリズム、国家が資本主義に介入し管理する経済)の台頭である。国家資本主義に寄り掛かる中国が第2の経済大国になるなかで、好むと好まざるにかかわらず無視できない存在になった。「資本主義」対「国家資本主義」の対立である。

トランプ米大統領の登場はこの経済システム論議に異次元の衝撃を与えることになる。市場経済の先頭を走っていたはずの米国だが、トランプ氏は企業の自由という大原則を無視して個別企業の経営にあからさまに介入している。国家資本主義の中国顔負けの介入主義である。米国版の国家資本主義といえるだろう。

冷戦後の「資本主義」対「資本主義」から、「資本主義」対「国家資本主義」になり、いま米中による「国家資本主義」対「国家資本主義」の時代を迎えたといわざるをえない。

トヨタ自動車やフォードのメキシコでの新工場建設への“恫喝”など、トランプ氏のツイッターでの発言により、メキシコでの事業リスクが顕在化してきた(写真:Drew Angerer/Getty Images)

メキシコから中国へ飛び火の危険

トランプ氏の恫喝ともいえる企業に対する介入はいまメキシコに照準を合わせている。メキシコとの国境に壁をつくり、その費用はメキシコに払わせるという大統領選での公約に連動する介入である。まず空調大手、キャリアのメキシコへの工場移転を中止させた。介入は基幹産業である自動車にも広がった。フォードのメキシコでの新工場建設を「恥知らず」となじり、撤回させた。ゼネラル・モーターズにも「メキシコでつくる車には高関税をかける」とすごんだ。

あからさまな介入は米企業だけでなく、ついに日本企業にも及んだ。トヨタ自動車のメキシコでの新工場建設を「ありえない」と語り、高関税をちらつかせている。これに対して、トヨタの豊田章男社長が米国内の雇用に貢献している点を強調し、メキシコでの新工場建設を変更しないとしているのは当然だ。合わせて豊田社長は米国において今後5年間で100億ドルを投資する計画を表明し、トランプ政権への配慮もにじませた。

トランプ氏が主張する北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しが実現すれば、メキシコに進出している多くのグローバル企業のサプライチェーンを分断することになる。それはメキシコ経済だけでなく、米国経済を含めグローバル経済全体に深刻な打撃を与える。米国の雇用拡大どころか雇用悪化を招く結果になるだろう。

もちろん、NAFTAの見直しは米議会の承認が前提であり、簡単には進まないとみられるが、トランプ氏が引き続き大統領権限を振りかざして、個別企業への介入を強化する恐れは消えない。問題は、トランプ流の介入がメキシコから中国に飛び火する危険があることだ。

対中強硬派そろえるトランプ政権

第1の経済大国である米国と第2の経済大国である中国の相互依存は、グローバル経済の土台である。それはウィン・ウィンの関係にあるはずだが、トランプ政権は米中間の貿易不均衡をどう是正するかを最優先しているようにみえる。中国の対米輸出は年50兆円であるのに対して、米国の対中輸出は10兆円にとどまる。「輸出は善・輸入は悪」と考えがちなトランプ流からすると、許せない不均衡ということになる。中国を人民元を安値に誘導する為替操作国と位置付けるのもそこからきている。

トランプ政権の通商布陣は「対中強硬派」で固められている。米通商代表部(USTR)の代表には、ロバート・ライトハイザー氏を起用する。米鉄鋼業界に通じており、中国に対してダンピング(不当廉売)の制裁措置を重ねて求めてきたことで知られる。

新設の通商政策の司令塔「国家通商会議」のトップに就くのは、対中強硬論で名をはせたピーター・ナバロ米カリフォルニア大教授である。商務長官は著名投資家のウィルバー・ロス氏が起用される。いずれも「管理貿易」を支持している。保護主義の風潮は超大国から広がりかねない。

通商チームはトランプ氏が主張しているNAFTA見直し、環太平洋経済連携協定(TPP)離脱とともに、強硬な対中戦略を実践するとみられる。メキシコに続いて中国をめぐって、米企業の進出をけん制する恐れがある。米中間の相互依存が崩れれば、グローバル経済の土台が揺らぐことになりかねない。

経済と安全保障の複合危機

こうしたトランプ氏の対中強硬姿勢に、2017年後半の共産党大会で再任をめざしている中国の習近平国家主席は過剰反応する危険がある。米国の強硬姿勢に対して弱腰と受け止められるのは国家主席として命とりと考えるだろう。

リスクをはらむのは台湾問題である。台湾の蔡英文総統と電話会談し、中国から反発を受けたトランプ氏は「なぜ一つの中国に縛られないといけないのか」と表明した。中国の核心的利益である「一つの中国」を米中経済関係のけん制材料に使うのは危険なかけである。中国の琴線に触れる台湾問題をあえて持ち出せば、貿易不均衡是正へのおどしになると考えるとすれば、外交音痴のそしりを免れないだろう。

海洋強国をめざす習近平政権は、トランプ氏の対中姿勢を読んで、海洋進出をさらに活発化している。空母「遼寧」が南シナ海での発着訓練を行うなど、示威行動を広げている。旧ソ連製空母を改造した「遼寧」は、かつて大連港で見たことがある。いかにも旧式で専門家の間ではこれで軍事行動は可能かといわれていたが、空母を保有するというデモンストレーション効果はあるのだろう。

旧尖閣列島周辺での海洋進出も目立ってきている。中国の海洋進出は硬軟両様のオバマ米政権下で本格化し始めたが、トランプ政権の出方しだいでさらに拡大する恐れがある。それは米中関係をいたずらに緊張させかねない。

中国経済は成長減速の過程で、難題に直面している。トランプ政権から目の敵にされる鉄鋼の過剰生産をどう軟着陸させるかは至難である。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の融資だけでは、需要拡大は望めない。成長減速のおありで不良債権問題も深刻化しかねない。資本流出が続けば、外貨準備を取り崩して、人民元を買い支えざるをえなくなる。

こうしたなかで、トランプ政権が介入主義にもとづいて対中投資の抑制に動けば、中国経済はさらに難題に直面する。それは米国経済を含めてグローバル経済全体にはねかえることになる。

トランプ氏の対中強硬姿勢に、2017年後半の共産党大会で再任をめざしている中国の習近平国家主席は過剰反応する危険がある。「弱腰」と受け止められると命とりとなるためだ。(写真:Feng Li/Getty Images)

米中対立を防ぐ日本の責任

米中対立で最も深刻な打撃を受けるのは、はざまにある日本である。安倍晋三政権にはトランプ政権の誕生を受けて、プーチン・ロシア政権とも組んで、中国包囲網を築こうという狙いが見え隠れする。「PTA(プーチン・トランプ・アベ)」包囲網である。しかし、包囲網による中国封じ込めは危うい選択である。中国の海洋進出に強く警告するのは当然だが、不測の事態を招かないよう慎重な姿勢こそ肝心だ。日米同盟を強化しつつ、偶発的事故を防ぐため中国とのパイプを太くする必要がある。

いま求められるのは、米中対立を防ぐため米中双方に物申すことである。「国家資本主義」VS「国家資本主義」の対立構造をやめさせることが先決だ。トランプ政権には資本主義、市場経済の原則を踏み外す企業への介入をやめるよう申し入れることだ。NAFTA見直しは避け、TPPに戻るよう粘り強く説得するしかない。

中国にも国家資本主義からの卒業を求めることだ。国営企業の改革なしに、中国経済の再生はない。人民元を国際通貨にしたいなら、変動相場制の導入など国家資本主義に寄り掛からない大改革が必要だ。

「国家資本主義」対「国家資本主義」の行きつく先は、保護主義の蔓延によるグローバル経済の崩壊である。保護主義の危険を防ぎ、自由貿易を立て直すには、TPPと東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を結合させるしかない。双方に参加する日本の歴史的使命はかつてないほど重い。

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