『“歴史に名を残す”ために尖閣を狙う習近平 「中華民族の偉大な復興」のための3つの課題とは』(9/1 JBプレス 阿部純一)について

本記事中にありますように、中共帝国の領土的野心は(1)台湾回収(事実は違います。台湾不是中国的一部份、台湾就是台湾・中国就是中国です。華僑の末裔で成るシンガポールを中国の一部とは言わないでしょう。中国人の蒋介石が台湾に逃げ込んだだけです)(2)南シナ海の内海化(3)尖閣回収で、以前言われていましたのは尖閣より台湾を先に取りに行こうとするだろうというもの。毛VS蒋が戦争した因縁で、鄧小平が台湾回収を遺言として残しましたから。それが戦争及び休戦しやすい観点から(3)尖閣回収が第一に来ると言うものです。確かに、日本は憲法9条の制約はありますが、自衛権は否定していません。中国が侵略行為をすれば、自動的に自衛権行使=参戦となります。福田赳夫が日本赤軍のダッカ・ハイジャック事件の際には、超法規的措置もやりました。制約は制約であって、現実にできないという事ではありません。憲法守って国滅ぶなんてまともな日本人だったら誰も望まないでしょう。本記事中の米中が事前に擦り合わせて尖閣攻撃をするというのも可能性としては低いのでは。同盟を裏切ることになり、世界で米国を視る眼が変わります。確かにルトワックも「無人の小さな島に米軍の若い命を差し出すことはできない」と言っていますから、日本単独で当初は戦わないといけないと思います。日本国民には「自分の国は自分で守る」覚悟を持ち、自衛隊員を督励し、身分保障もして、自衛隊に協力しませんと。米国も強襲揚陸艦を尖閣周辺に配備しましたのは中国の狙いを見透かしたからではと思います。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160831/frn1608311140001-n1.htm

9/1放送 DHCシアター「真相深入り!虎ノ門ニュース」で、青山繁晴氏は「中国は東シナ海のメタンハイドレートも狙っている」との記事もありました。(ブログ「ぼやきくっくり」から転載)。利に敏いというか、日本が余りにボヤボヤし過ぎているのでしょうけど。官僚が劣化し過ぎです。特に財務省と外務省。戦後の日本を悪くしてきたA級戦犯です。しかしまあ、中国と言うのは、如何に自分勝手な連中か分かるというもの。彼らが狙っているのは尖閣だけではありません。太平洋の西半分、次には世界制覇です。どこかで止めねばなりません。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1938.html

古くなりますが、8/26中国時報の記事を紹介します。麗澤大学の図書館で撮ったものです。

Cai's approval rate

5/20蔡英文・台湾総統が就任して100日目で、支持と不支持が拮抗してきたというもの。日本や欧米のメデイアと同じく偏った記事と思います。台湾は「自由時報」以外、国民党系ですから。「中国時報」は中国に進出して菓子大手となっている旺旺集団傘下です。民進党を良く書くはずがありません。アンケート統計も誤魔化しが入っているのでは。

Cai's approval rate about China relationship

表題で分かる通り「両岸の関係が冷却したため、57%が米・日と連携して大陸に対抗することに反対」とあります。まあ、外省人でしょうね。台湾に住んでも中国人としての心根は変わりません。平気で捏造します。

Fukuhara Ai's marriage

こちらは柔らかく、福原愛ちゃんと台湾人の江宏傑氏との結婚の行方です。日本の「女性自身」の記事を引用していますので、どれだけ正確かは分かりません。日本の卓球協会が福原の結婚を禁止しているとのこと。東京オリンピックでも活躍してほしいからとのことですが、業務でもあるまいし、かつ芸能人でもないので、禁婚とはおかしな話です。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06743660R00C16A9000000/

記事

Xi's parade at Tian'anmen

中国・北京の天安門広場で行われた軍事パレードで、車から部隊を視察する習近平国家主席(2015年9月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/GREG BAKER〔AFPBB News

8月上旬、尖閣諸島海域で中国の大量の漁船、公船が領海侵犯を繰り返した。1カ月後の9月4~5日に、今年の中国における最大の外交イベントとなる杭州でのG20開催を控えて、外交が大事であるならやるべきでないことを中国は平気でやってのけた。

この時期、中国では「北戴河会議」と呼ばれる夏休みを利用した避暑地での非公式会議が行われ、そこでもG20の成功裏の開催に向けた調整がなされたことはまず間違いない。それにもかかわらず、中国は日中関係をいたずらに緊張させる行動をこの時期に起こしたのである。

7月に常設仲裁裁判所は南シナ海問題に関する中国側の主張を退ける裁決を下した。尖閣諸島海域での挑発的な行動は「裁決の背後に日本の策謀があった」と言いがかりをつけた中国による「逆ギレ」対応とする見方もできる。

だが、中国海軍の最近の動き、例えば6月の尖閣諸島接続水域でのウラジオストクに帰還するロシア艦隊との連携行動や、中国海軍艦船の「無害航行」を口実にした口永良部島付近の航行などの延長で考えれば、様々なやり方で日本側の対応を試していることが分かる。

つまり、8月の尖閣海域での行動も、中国にとっては長期的な尖閣諸島奪取のための準備行動と見ることができるのである。そこには「軍の忠誠」を確保したい習近平がそれを黙認し、軍より格下の外交部は文句をつけることもできないという背景が想像できる。

威信を保つために汲々とする習近平

なぜそういった見方ができるのか。基本的な部分から論じると、1年後の来年秋に中国は第19回中国共産党大会を控えている。5年に一度の開催であり、習近平にとっては政権基盤をより強固なものにするチャンスである。

習近平は2012年の第18回党大会で政権の座について以来、江沢民派排除の権力闘争と連動した反腐敗キャンペーンで権力固めに邁進してきた。江沢民派が影響力を残す党中央政治局常務委員会のこれまでのやり方であった「集団指導体制」を形骸化させ、多くの中央領導小組を作り、自分がトップを務めることで意思決定の「独占」を図ってきた。

そして歴代のトップ指導者が手を付けられないできた人民解放軍の機構改革にも大胆に取り組み、強力な指導力を内外に見せつけてきた。

党内には、習近平に正面から異を唱える人物も見当たらない。その意味で言えば、習近平はすでに党大会に向けて万全の態勢を整えていると言ってもいいのかもしれない。

しかし、その一方で反腐敗キャンペーンは多くの敵を作っているはずであり、習近平に対する暗殺の可能性さえ語られている。腐敗撲滅に合わせて施行された過度な倹約令は公務員の活動を萎縮させてもいる。習近平が言論統制を強化しているのは、「党の権威を守る」ためというよりも政権批判を封じ込めるためである。いかに自分の威信を保つかに、習近平は汲々としているのである。

政権の実績は「反腐敗」だけ

さらに別の観点から見ると、習近平政権の底の浅さが分かる。習近平は、「中華民族の偉大な復興」という「中国の夢」を国家的スローガンとして掲げてきた。それから4年が経過したが、習近平は成果らしきものを何ら実現していない。

中国は胡錦濤時代の2010年に経済規模で日本を抜き、米国に次ぐ存在になった。しかし、習近平時代になって国内経済は成長鈍化を続け、過剰生産能力の削減や赤字を垂れ流し続ける国有の「ゾンビ企業」排除に四苦八苦している。地方を中心とした公的債務の増大も危険視されている。一時期脚光を浴びた習近平の世界戦略である「一帯一路」(陸路のシルクロード経済ベルトと海路の21世紀海上シルクロード)も最近ではトーンダウンの印象がある。

対外関係については目も当てられない状況となっている。とりわけ習近平が重視しているとされる周辺諸国との関係で言えば、内陸の中央アジア方面は別として、北朝鮮、韓国、日本、フィリピン、ベトナムという東シナ海から南シナ海にかけての近隣諸国との関係はことごとく悪化している。

それもすべて中国の対応が原因となっている。北朝鮮の核開発や弾道ミサイル実験に有効な制裁策が取れず、北朝鮮のミサイル脅威に対抗するために韓国が米国の提案する終末高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の在韓米軍への配備決定に同意したら、それが中国の安全利益を脅かすとして強硬に反対し、フィリピンが提訴した南シナ海仲裁裁判では裁定を断固拒否し、国連安保理常任理事国としてはあるまじき国際法廷軽視の態度を取ってきた。もちろん、南シナ海における「航行の自由」を掲げる米国との関係も悪化している。

このように内憂外患が深刻化する状況にあって、習近平が局面打開を切実に望んでいるとすれば、来年の党大会に臨むに当たり、「歴史に名を残す」実績が欲しいのではないか。

厳しい見方をすれば、習近平時代になって権力の集中は進んだものの、政権としての実績は「反腐敗」以外見るべきものがないのが実状だ。習近平自身の求心力を高め、自分の意のままに党大会を乗り切り、盤石の体制を作り上げ、あわよくば政治局常務委員の定年制を改定し政権3期目を目指すとすれば、ぜひとも国を挙げて拍手喝采を受ける成果を上げたいはずだ。

3つの課題の中で最も実行しやすい「尖閣回収」

その文脈で言えば、習近平が掲げる「中華民族の偉大な復興」は、「失われた領土主権の回復」に絡んだ次の3つの課題実現と考えていいだろう。第1に「台湾統一」、第2に「南シナ海の『中国の内海』化」、第3に「尖閣(釣魚島)回収」である。

もちろん、これらを同時に実現することなど不可能だろう。中国革命を完結させる「台湾統一」はますます困難の度を高め、「現状維持」がやっと、という状況にある。オプションとして「武力統一」は残されているものの、それが中国にもたらす国際的ダメージは計り知れない。台湾内部では、自らを「中国人ではなく台湾人だ」と認識する台湾人アイデンティティーの高まりは不可逆的なものであり、「事実上の独立国」だと認識する台湾人が常態化している現実を中国は直視する必要がある。

「南シナ海の『中国の内海』化」は、中国にとってはミサイル原潜を遊弋させるための聖域確保という戦略的要請が背後にあるが、人工島建設など強引な実効支配の拡大は国際的な批判を招いてきた。国際法を軽視する言動とあいまって、南シナ海問題であまりに対中懸念を高めてしまったため、しばらくは習近平政権として強硬策は取りづらいだろう。

問題は「尖閣(釣魚島)回収」である。前ニ者と比べ、中国側にもたらす利益は小さい。しかし、日中国交正常化以来の懸案を「解決」したという実績は大きい。中国の一般民衆が「釣魚島は中国のものだ」と信じて疑わない現実に照らせば、「尖閣(釣魚島)回収」の国内的な政治効果はとてつもなく大きいことは間違いない。しかも、ここ1年以内に実行が可能であることも指摘しておくべきだろう。

そうであるとすれば、これは習近平政権にとって実行する価値があることになる。

尖閣危機は十分に「起こりうる危機」

ただし、当然ながらリスクを伴う。最大のリスクは、回収に失敗することである。失敗すれば、場合によっては習近平の政治生命に関わるだろう。

尖閣海域を含む東シナ海での中国海軍の行動が「尖閣(釣魚島)回収」のための準備であるとすれば、日本側の反応を探ることでリスクを最小化するための努力の一環であることは間違いない。

また、中国にとってもう1つ重要なのは、米国と話をつけ、米中戦争にエスカレートさせるのはお互いの利益とならないことを説得し、事態を極限化することを条件に米国から暗黙の了解を得ることである。米国は尖閣諸島を日米安保条約の適用範囲内であるとしてきたが、実際に尖閣有事となった場合、無人の島を守るために米軍がわざわざ介入することも考えにくい。米国に話をつけ、「口先介入」に留めることができれば中国側のリスクはクリアできる。

米国と話をつけるならば、事を起こす直前となるはずだが、年内に日中韓首脳会談の日本開催が実現しそうな状況下で中国が事を起こすのは可能性として大きくはないだろう。しかし、11月の米大統領選挙で誰が当選しようが、来年1月下旬の大統領就任から政府高官の人事が固まり切るまでにおよそ半年かかる。米国の新政権が意思決定しづらいこの時期が中国に取ってのチャンスかもしれない。

実際の回収作戦がどのような形になるかは分からないが、きわめて短期間の局地戦で中国が勝利し、兵員を上陸させ実効支配態勢を取り、尖閣諸島上空の制空権を確保できれば「中国の勝利」ということになる。いかに海上自衛隊が精強であっても、作戦の時間と場所を自分で設定できる先制攻撃が中国を優位に立たせることは間違いない。

唯一、有効な対応策があるとすれば、それは「自衛隊の尖閣諸島常駐」しかないかもしれない。しかし、そこから生じる政治・外交的リスクは、「中国に尖閣諸島攻撃の口実を与える」ことも含め、きわめて高いものとなることを覚悟しなければならないだろう。

上記のことを杞憂だと考えるのはその人の自由だ。しかし、世界各地で無秩序化が進む中で、「考えられないことが起こる」事態でさえも備えなければならない。いや、尖閣危機は十分考えられる「起こりうる危機」だと肝に銘じる必要がある。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『G20で中国は「外交的勝利」を得るのか あるいは主要国は中国の「野望」を封じ込められるのか』(8/31日経ビジネスオンライン 福島香織)、『王毅外相の微笑と言い訳の落差  編集委員 中沢克二』(8/31日経)について

日本はホスト国への礼儀として、東シナ海や南シナ海を取り上げないとしたのでしょう。王毅の首とは関係ありません。9/1日経には「米印、南シナ海問題で中国けん制 G20控え」とありましたが、流石に米国もホスト国の習の顔に泥を塗ることはないでしょう。それができるオバマでしたら、とっくに中国に経済制裁か海上封鎖しています。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM31H4Q_R30C16A8FF1000/

G20では成果が出ないから中国は温暖化対策を目玉にしようとしています。CO2排出量の多い米中2大国がやっとパリ協定に批准するようです。我儘大国2国の行動が少しはまともになると期待したいですが、中国はお得意の数字を改竄した報告をするのではと思っています。

http://www.sankei.com/world/news/160827/wor1608270020-n1.html

8/30にはキルギスで中国大使館向けに自爆テロが引き起こされました。漢人のウイグル人弾圧の凄まじさはムスリムであれば承知の所です。犯人はウイグル人なのかキルギス人か、或はISから流れて来た人間かは今の所、不明です。中国の言う「一帯」が危なかしいというのを世界に印象付けたと思います。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160831/frn1608311206006-n1.htm

そう言う中で、AIIBにカナダも参加するとのこと。損しないと分からないのですね。中国はどうせ帳簿もいい加減につけるでしょう。外国人は中国国内では3重帳簿が当たり前というのを知らなさすぎです。投資運用先としては失敗に終わるのでは。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM31H3T_R30C16A8FF2000/

中国の嘘が少しずつ暴かれて言っています。8/31産経ニュース「習近平氏が「日本の暴行暴いた」と称賛した英国人記者、「南京事件」の現場に居合せず 在職記録もなし」の記事です。如何に彼ら(韓国人もですが)は平気で嘘がつけるかです。彼らの主張と日本人の主張とどちらが正しいかは生活態度を見ていれば分かるはずです。戦後GHQの洗脳で、日教組や偏向マスコミの言い分を刷り込みさせられてきましたが、いい加減目を覚ますべきです。情報弱者では正しい判断はできません。ネットの中味は玉石混交ですが、良い情報が沢山タダで手に入ります。佐藤優は「米・情報将校の言うのに『機密情報の98%は公開情報から得られる』と。」言っていました。主体的に情報を得る努力をしませんと。

http://www.sankei.com/politics/news/160831/plt1608310011-n1.html

古いですが、レコードチャイナの記事です。中国人は「北海道は日本の領土じゃない!中国ネットの主張に「北海道が日本から独立することを望む」「北海道も沖縄も日本の領土ではなく、独立国家だ!」と言いだしているとのことです。遅れて来た帝国主義国です。21世紀にありながら、領土的野心を隠そうともしません。沖縄も北海道も独立後、中国が吸収、本土も然る後中国領とするつもりでしょう。植民地獲得競争は第二次大戦後の独立運動で幕を閉じました。時代錯誤も甚だしい。米・露ですら直接侵略は控えています(ウクライナ問題は米国の東方進出しないという約束破りが原因)。

http://www.recordchina.co.jp/a143324.html

福島記事

conferential place at G20

G20が開催される会議場。中国は「外交的勝利」に向けて準備を進めているが、その行方やいかに(写真:ロイター/アフロ)

来月早々に浙江省杭州市でG20サミットが開催され、主要20カ国・地域の首脳が一堂に会する。このサミットを仕切るのは習近平国家主席であり、2014年の北京APEC以来の大国際イベントとして相当気合が入っている。

「非難の嵐」は回避、伊勢志摩G7より盛大に

目下の中国の報道や専門家の発言をみると、最大の懸案であった「G20サミットの場で南シナ海のハーグ国際仲裁裁判所裁定を持ち出されて参加国から非難の嵐」という事態は、先に行われた日中韓外相会談での年内日中韓首脳会談実現、国連安保理の北朝鮮非難声明にもったいぶった末に同調したことへのバーターとして、避けられる見通しになったようだ。

共同通信や毎日新聞の日本報道を引用して、中国側は日本がG20で南シナ海や東シナ海の問題に触れないと決定した、と報じている。これは中国側にしてみれば、安倍に妥協させたという外交勝利であり、それを引き出した王毅外相は来年の2017年秋の党大会前になんとか首の皮一枚つながったという感じではないだろうか。南シナ海のハーグ裁定が出た後のASEAN外相会合をはじめ国際会議において中国が自分に対する非難を封じ込めた外交手腕もさすがというべきだろう。

とりあえず最大の懸念が抑え込めたという感触をもっている中国は、この習近平政権2回目の大国際政治イベントをいかに完璧に成功させるか、ということに全精力を注いでいるといった様子である。少なくとも、5月末に行われた日本がホスト国となったG7伊勢志摩サミットよりも盛大に、成功したという印象を国際社会に与えなければならないという強い意欲が感じられる。どういった下準備をしているのか、中国内外での報道をもとに整理しておこう。

G20サミットの運営準備で、一番力をいれているのは治安維持である。各国首脳が集まるのだからテロの標的にされる可能性もあるし、習近平自身が恐れているのは中国国内のアンチ習近平勢力による暗殺だろう。また、社会不満を抱えている中国庶民による陳情や抗議デモを各国首脳の前でやられて習近平のメンツがつぶされることも絶対さけねばならない。

杭州市民は強制旅行、ウイグル料理店は営業停止か

このため、とにかく会場近くから一般庶民を遠ざけることが重要で、杭州市民には一週間の長期休暇が出され、無料の航空券などが配られて、ほぼ強制的に旅行に行かされることになった。また杭州市周辺のリゾート地や景勝地のホテルなどは値下げが命じられ、そうした市内から追い出された杭州市民の旅行者を積極的に受け入れるよう通達が出されているという。

一方で杭州および広州など周辺の都市の安価なホテルではテロ対策として、9月からアフガニスタン、パキスタン、トルコ、イラク、シリアの5カ国からの旅行客の宿泊を受け入れないように通達がでているようだ。香港英字紙サウスチャイナモーニングポストが広州の関係筋の話として報じている。

サミット会期中は、学校は休み、スーパーなども休業体制にはいり、レストランやタクシーの営業も大きく制限されている。特にウイグル料理の店は営業停止命令が出され、門は施錠するように通達されているとか。また営業自体は許可されている有名飲食店も、食材運搬車が交通規制によって入れないので極端に品薄になったり、休業がやむを得ない店も多い。

G20会場周辺の老朽家屋は見栄えと治安維持のために突如取り壊され、住民の抵抗運動もおきた。ナンバープレートを偶数・奇数にわけた乗用車の使用制限もとられ、少なくともサミット期間は市内で正常な市民生活を送ることは困難となっている。市民はこの時期は市内から脱出するか、あるいは食糧を買い込んで自宅に引きこもるかどちらかである。

また北京APECのときと同じように青空演出は絶対とされ、8月下旬から杭州のある浙江省ほか安徽省、江蘇省、江西省、上海市、山東省でも数百工場の操業停止、操業制限がかかっている。とくに長江沿岸の石油精錬工場の操業制限は夏の洪水被害とも重なって中国の石油業界に大打撃を与えるとみられている。

テロ対策を徹底、元の国際化をアピール

浙江省はキリスト教徒の多い地域だが、宗教活動家が外国からの賓客の目に触れないように教会の一時閉鎖も通達されている。7月から28000人の警官を省外から増員してサミット警備に当てるほか、80万人の治安維持要員が市内各地に配置される。上海では27日、近年最大規模の反テロ総合演習が行われ、G20の治安維持準備をアピールした。

8月20日以降、杭州市のG20会場近くに百以上の装甲車、戦車まで配備され、一部報道によれば、中国当局が東トルキスタン独立勢力がG20をターゲットに破壊工作を準備しているという情報をつかんだため、過去に例をみない大規模対テロ配備を指示しているとか。

東部戦区には一級戒備令が出ており、少なくとも武装警察機動師団二師団が杭州市内で三重、市外で三重に配備されており、正規軍の精鋭部隊も出ているという。空軍および戦略ミサイル軍が杭州防衛体制に入り、また下水道からの侵入などを防ぐために鉄柵がすでに設けられている。一部では、テロ対策というのは表向きで、G20の機会を借りて、習近平が軍制改革後の作戦運営を念頭に置きながら、部隊の演習を行っているのではないか、とまでいわれている。

市民にしてみればとんだ迷惑なG20だが、中国がこのG20で期待する成果は少なくない。

一つはこのサミット開幕直前に世界銀行が、上海に拠点を置く銀行を引受先としてIMFの仮想通貨SDRに基づく債権を発行することで、このG20で人民元の国際化推進がアピールできるという点だ。

この債券は3年が満期でドル換算で7億ドルに相当する5億SDR。今年10月から5番目の通貨として人民元のSDR入りが予定されており、償還時のSDR価値は人民元を加えた5通貨で計算されることになる。このタイミングの世銀の中国向けSDR発行は米国の杭州サミットに対する祝砲、と言う風に中国サイドは受け取っており、南シナ海で険悪化した米中関係の改善のシグナルという見方もある。

G20では、人民元のSDR市場に対する戦略的意義なども討論のテーマになるとみられている。中国がこの場を借りてIMF改革の推進を呼びかけ、中国がグローバル金融の監督管理システムに一層食い込もうとするのではないか、とみられている。

また中国が推進する「グリーン金融」も新たなG20のテーマとして注目されている。

グリーン金融(緑色金融)とは、環境問題克服のための金融活動のことであり、特に環境保護と生産過剰産業の再編成という中国の重要な内政課題を、国際金融機関によるグリーンボンドなどの発行によって解決していく方法論だ。

グリーン金融、BIT、多極外交

中国自身がすでに年初に1200億元のグリーンボンドを発行しているが、グリーンボンド市場のリスク分析や管理の在り方の研究が重要になってくる。このグリーンボンド市場開拓によって事実上、暗礁に乗り上げているアジアインフラ投資銀行(AIIB)にてこ入れしたいと考えているのが、うっかりAIIBに加盟してしまった英国で、グリーンボンド市場開拓に積極的のようだ。

中国の環境問題は、国内の鉄鋼などの過剰生産産業の構造改革とも深く関係しているが、この過剰生産の建築材などを消費する目的などもあって、習近平政権は一帯一路構想(陸のシルクロードと海のシルクロード経済一体化構想)をぶち上げた。その資金調達機能を期待して創設されたのがAIIB、新開発銀行(BRICS銀行)、シルクロード基金などだが、現在のところほとんど機能していない。G20の場で、こうした中国主導の国際金融機関を再度軌道に乗せるための金融協調提案などが行われるとみられている。

中国が打ち出したいもう一つのテーマは、貿易投資協定だ。特に2008年から交渉が始まり、その後リーマンショック問題で長らく中断していた、米中投資協定(BIT)の締結にむけた動きが期待されている。TPPの先行きに黄信号がともっている一方で、米国のBITに対する期待の重みが変わってきている、というのが中国サイドの受け止め方だ。

中国の報道をみていると、あたかも中国が外交力によって、南シナ海問題を言い出そうとする日米を封じこめ、自国に有利なようにG20のおぜん立てをしているかのように見える。あるいはG20後は従来の全方位敵対外交を改め、鄧小平時代以来の多極外交に路線を戻すかのようなそぶりで各国の態度軟化を引き出しているようにも見える。国際社会の方でも、今の全世界的経済不況の突破口として中国の役割に依然期待する向きは少なくないようだ。

だが、本当に今の状態を中国の外交的勝利の結果とみるかどうかは、もう少し俯瞰してみる必要があるかもしれない。

実際のところ、韓国のTHAADミサイル導入は決定事項であり、これは明らかに中国の外交的敗北であった。南シナ海のハーグ判決も中国の外交的失策だとして習近平は北戴河会議で相当立場を悪くしたようだ。

豪英の中国離れ、日本の有効打、いかに対するか

また従来、親中政策をとっていた英国、オーストラリア両国がにわかに中国と距離をとり始めたのも事実だ。オーストラリアは100億豪ドル規模の通信網構築プロジェクトの国際競争入札に中国企業の参入を拒否したし、英国は中国の投資による原発新設計画の再検討を発表した。

さらに、日本については、東シナ海尖閣周辺の漁船大量来襲という恫喝を受けて、防衛大臣の8月15日靖国神社参拝を回避させるなど、いかにも中国に譲歩したように見せかけてはいるが、米国報道官にこのタイミングで「尖閣諸島に対する日本の施政権を傷つけようとするいかなる一方的行動についても米国は反対する」といった発言をさせたことは、安倍政権の対米外交の一つの成果ではなかったかと思う。

あれほど蜜月ぶりを見せつけていた中韓の決裂を決定的にしたのが2015年12月の日韓合意であるし、ナイロビの第6回アフリカ開発会議(TICAD6)で示した対アフリカ新戦略など心底中国の嫌がることを丁寧にやっている。

中国側は、伊勢志摩サミットの機会に広島の平和記念公園を訪問し献花したオバマ米大統領に、G20の機会に南京大虐殺記念館への参観を再三要望していたが、これをオバマがきっぱり拒否したのも“安倍のせい”と悔しがっていると、現地の記者から聞いた。中国側は結局、9月3日の反ファシズム・抗日戦争勝利記念日の公式行事を見送った。建前は国際協調をアピールする、ということらしいが、それなりに日本に対しても配慮を迫られている、と解釈してもいいだろう。

世界の枠組みが大きく変わろうという今の時代で、誰が外交勝利者となるのか、まだわからない。G20の行方は、その一つの指標になるかもしれない。本当に中国が予想するように、南シナ海や東シナ海の問題に一切触れず、中国の思惑どおり人民元の国際通貨化がG20の協力によって後押しされ、AIIBや一帯一路が軌道に乗り、中国の外交勝利が確認されるのか。あるいは日米外交の成果によって、従来の中国の全方位的敵対外交が封じ込められ、多極協調路線に転換していかざるを得なくなるのか。

これだけ中国地元民と経済に犠牲を強いて行われる国際政治イベントなのだから、少なくとも習近平の自己顕示だけで終わらずに、きちんと外交的経済的成果が打ち出されることを私も願っている。

中沢記事

中国国家主席、習近平の下で外相に就任して3年半。駐日大使を務めた「知日派」の王毅が8月末、初めて来日した。その表情には大きな変化があった。4月末、北京で外相の岸田文雄と会談した際は“大国”の外交担当者とも思えぬけんまくでかみついたが、今回はまったく違った。

8月24日、王毅は日中外相会談の冒頭撮影時こそ表情を崩さなかったものの、終了後に日本の記者団らの質問に答えた時は、初めから表情は柔和。微笑さえたたえていた。

■全てG20のため、国営テレビも王毅の微笑放映

注目すべきは、この王毅の“ぶら下がり”記者会見での微笑は、中国国内でも放送された事実だ。国営の中国中央テレビのニュース番組やインターネットニュースである。見出しが極めて面白い。

Kishida,Wang,Yun

日中韓外相会談の冒頭、撮影に応じる(左から)中国の王毅外相、岸田文雄外相、韓国の尹炳世外相(8月24日、東京都港区の飯倉公館)

杭州20カ国・地域(G20)首脳会議の準備は全て順調――。

驚くことに、王毅来日、日中外相会談、日中韓外相会談がメーンのニュースではない。王毅が日本の記者団を前に「G20の準備は整っている」と微笑をたたえて答えた部分を放映したのだ。

この場で王毅は、日中間の懸案である偶発的衝突を防止する「海空連絡メカニズム」の協議が前進した事実にも触れた。そして、小さな問題は残っているものの早期に合意できる、との見通しまで示した。この重要ニュースを中国国営テレビは伝えていない。

ここに中国側の意図が透ける。王毅来日は、政治的には全て9月4、5日のG20首脳会議のためなのだ。大きな使命は、習近平の晴れの舞台となる杭州G20を盛り上げることだった。

中国国営テレビによる王毅の微笑の放映は、厳しかった対日関係が底を打ち、上向いているという雰囲気を中国国民に示す「世論操縦」でもあった。

最近まで中国の国営系メディアは、首相の安倍晋三の動きを批判的に報じ続けていた。急に態度を変え、いきなり日中首脳会談まで実現してしまうと、戸惑いが広がるばかりか、中国外務省への批判が起きかねない。

日本での日中韓外相会談、日中外相会談の実現は、G20盛り上げのための手段。王毅は、習近平の露払いにすぎなかった。

中国と韓国との関係も揺れている。中国は、韓国が米軍の地上配備型高高度ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備を決定したことに大反発している。裏では事実上の経済制裁までちらつかせる。

それでもG20がある以上、習近平は、韓国大統領の朴槿恵(パク・クネ)と簡単には“離婚”できない。北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイルの発射を巡る国連安全保障理事会の非難声明に、中国が一転して同調したのもそのためだ。

それでも王毅の権限は限られている。中国軍の艦船、多くの海警局の公船、230隻もの漁船が沖縄県・尖閣諸島に押し寄せた問題の詳細をかみ砕いて日本側に説明する権限は持っていない。

王毅は、中国共産党指導部を形づくる25人の政治局委員の一人でもなければ、国務委員という副首相級の人物でもない。200人以上いる中央委員の一人にすぎない。

China coast guard in Senkaku

沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国海警局の船(8月6日、第11管区海上保安本部提供)=共同

中央軍事委員会、軍や農業・漁業部門と連携する海警局、「海上民兵制度」と関わる漁船の動きについて、中国外務省はいわば門外漢である。つまり、日本側が、中国外務省に抗議しても「のれんに腕押し」なのだ。

■まやかしの説明の理由

王毅の微妙な立場が透けたのは、8月23日夕の来日第一声だった。羽田空港で王毅を待ち受けていた日本の記者団は、中国の漁船、公船が尖閣諸島の領海、接続水域付近に押し寄せた事件について説明を求めた。

「半分は漁期だから。半分は誇張である……」

王毅はじっと考え込んだ後、言葉を選ぶように答えた。そこには迷いが見て取れた。「漁期だから、魚を捕るという目的のために漁船が尖閣に集結したにすぎない」という説明は、奇妙だ。まやかしと言わざるをえない。

それは過去の事例でも明らかだ。1978年春、日中平和友好条約の締結交渉の際も中国漁船100隻が尖閣に押し寄せ、長期間、とどまった。2012年の尖閣を巡る日中摩擦の際も、大量の漁船が浙江、福建両省の港から出港した。中国は日本に圧力をかける目的で時期を選んで動いている。

78年の事件の際、日本政府の抗議に対して中国側は「偶然、発生した」と説明していた。今回、王毅が口にした「漁期だから」は、言葉こそ違うが、構造は似ている。説明できない、という意味なのだ。

説明できないのは、中国外務省出身の駐日中国大使、程永華も同じだった。程永華は8月10日、自民党幹事長に就任した二階俊博の下に就任祝いに訪れた際、尖閣に押し寄せた中国漁船問題について「魚が非常に密集していて豊漁だった」と語っている。「ルールにのっとってもらわないと困る」と指摘した二階とのやり取りだった。王毅と同じ言い訳である。

2014年11月、北京で初会談し、握手する安倍晋三首相と中国の習近平国家主席。杭州G20での会談はあるのか=ロイター

到底、日本国民、国際社会を納得させられる説明ではない。しかし、逆効果と分かっていても、そう説明せざるをえない。それが実態だ。王毅の久々の日本での微笑と、漁船問題での言い訳の落差は、中国外務省の置かれた現状を象徴している。

■尖閣は「既に事態は正常化」

王毅は、漁船や公船が押し寄せた問題について最後にこう語った。

「事態は既に基本的に正常な形に戻っている」

意味はこうである。当初、中国外務省がコントロールできないところで決まった大方針に従って公船、漁船がやってきた。目的をほぼ達成したため、その動きは基本的に終わった。王毅は、上層部から「ほぼ終わった」という事実だけは伝えてよいとの権限を得て来日した。優先事項は杭州G20の成功である。

杭州G20での安倍晋三と習近平の会談に向けた交渉の詰めは、日中外相会談の直後に訪中した国家安全保障局長の谷内正太郎と、国務委員(副首相級)の楊潔篪の会談に委ねられた。

日中首脳会談実現の是非は、最後のギリギリの段階まで分からない。しかし、G20を最大限に盛り上げたい習近平が、それを望んでいるのは間違いない。しかも、メンツが立つ形で。王毅の微笑もそれに沿っていた。(敬称略)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『なぜ日本人ばかりが米国で投獄されるのか? 過去5年、カルテルや談合で30人超』(8/30日経ビジネスオンライン 篠原匡)について

小生の属します「士気の集い」で10/1に里見脩先生を迎えて14:10~文京区シビックセンターにて「   プロパガンダの歴史と概要~なぜ日本人は情報に疎いのか~」と題して講演を行います。申込は https://goo.gl/forms/hwaIOHB1JWG1zvAV2 です。詳しくは本HPのトップページをご覧ください。

FRBのイエレン議長が金利引き上げを示唆しました。早ければ9月、遅くても12月にはあるのではというのが大方の見方です。大統領選があり、金利引き上げは金融引き締め効果があるので、ウオール街をバックにしたヒラリーに不利なようにも見えますが、トランプは大統領になればイエレンを再選しないと明言しています。大統領選に影響を与えない12月引き上げか?

http://www.mag2.com/p/news/217852

http://jp.wsj.com/articles/SB12616845268056034052504582156150746311324

外国でのビジネスに日本人は不慣れと言うべきか。「郷に入れば郷に随え」です。ただ中国のように賄賂が当たり前の国で、賄賂を贈ることは違法かつ不道徳です。日本人の心性から言ってできないでしょうし、やるべきでもありません。小生の8年間の駐在(97年~05年)期間中は勿論贈賄することはありませんでした。役人と飲む機会は多く作りましたが。勿論会社の交際費です。中国では会社から個人に贈る金額が1万元以上が贈賄罪相当と言われています(法律ではなく人民法院の規定)。飲み代は100元/人~高い所で500元/人くらいのものでしょう。宴会文化を重視する中国社会ですから、ここで当方の主張を述べました。これが結構効いていたようです。

米国でも日本人は従順だから、脅せば言うことを聞くと思われているのでは。理不尽な要求には断固として戦わねば。ただ、脇が甘いと、してやられるでしょう。日本では競合の社員と飲みに行くことなど当り前ですが、米国では談合と看做される行為です。反トラスト法が出来たのはロックフェラーのスタンダード・オイルの独占が消費者利益を損ねたためです。日米戦争の大きな原因は、「人種間反目」と「石油確保(日本の当時の石油輸入先は米国で9割を占める。その内の75~80%がカリフォルニア産。1924年の排日移民法成立の中心はカリフォルニア。満州進出も石油確保狙い。ただ出ませんでしたが。渡辺惣樹『アメリカの対日政策を読み解く』P.38~P.40)」でした。歴史を振り返って、米国人の発想に近づく努力をしませんと。

http://www.sankei.com/affairs/news/151004/afr1510040006-n1.html

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E6%B3%95

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB

記事

中国をはじめとした新興国市場が減速した今、個人消費が安定している米国市場は日本企業にとって最大の収益源といっても過言ではない。事実、2015年に日本企業は米国市場から配当などで6兆円近くを吸い上げた。もっとも、そんなビジネスフレンドリーな米国にも落とし穴は存在する。反トラスト法違反における厳しい制裁はその一つだ。

2010年以降、自動車部品メーカーを中心に、価格カルテルの罪に問われる企業が相次いでいる。過去5年で、カルテルや談合で投獄された日本人は30人を超える。つい最近も、日立オートモティブシステムズがショックアブソーバーにおける価格操作を認めて約56億円の罰金を支払うと発表した。他の外国企業も制裁を受けているが、厳しい制裁を受けるのは群を抜いて日本企業が多い。

なぜ日本企業ばかりが反トラスト法で制裁を受けるのか。社員の収監や罰金を防ぐためにどうすればいいのか──。反トラスト法に強いコンスタンティン・キャノンのアンカー・カプール弁護士に話を聞いた。

日本企業が反トラスト法の対象になることが多いのは事実

—2010年以降、数多くの自動車部品メーカーが価格カルテルの罪に問われました。この状況について、率直にどう思いますか。

アンカー・カプール(Ankur Kapoor)氏 コンスタンティン・キャノン・パートナー 反トラスト法の専門家として数多くの訴訟や助言に関わっている。全日空の運賃談合におけるクラスアクションなど、日本企業の弁護にかかわることも多い。(写真:Mayumi Nashida)

Ankur Kapoor-1

アンカー・カプール氏(以下カプール):米司法省が日本企業を特にターゲットにしているというわけではないと思いますが、数字を見れば、日本企業や日本のビジネスパーソンが他のいかなる国よりも反トラスト法の対象になっているというのは事実です。本当に理解しがたい、信じられないほどの数ですよ。

実のところ、私は司法省が発表している規模で価格カルテルが行われていたとは思っていません。対象となっている部品の種類、関与した企業の数、実際にカルテルをしていたとされる期間の長さを考えても、それだけの規模と期間で価格を操作し続けるのはとても難しいと思います。

—司法省が言うほどにはカルテルが存在していないと?

カプール:いくつかの価格操作は実際にあったでしょう。ただ、実際に起きたことのかなりの部分は日本のビジネス文化や慣習と、米国で反トラスト法を執行する際のコンフリクト(衝突)によるものだと考えています。

日本のビジネス文化では、礼儀という面で、あるいは社会的な慣習として、競合他社の人間に会うことは珍しくありません。最近でこそ、競合同士が集まる場所で、価格など特定のトピックを話すべきではないということを理解するビジネスパーソンは増えていますが、仮にセンシティブな話題に出た時に、異議を唱えたり、はぐらかしたりするのは失礼に当たると考える人もまだいると思います。

そういった人々が「確かに、価格が少し安すぎますよね。何か対応を考えた方がいいですよね」と相づちを打ったとしても、それが価格操作に対して同意したということには普通はなりません。明晰な司法省の人々も、きっとそう思うでしょう。ただ、仮に社内を調べる過程で企業が先のようなコメントを見つければ、罪状を認めるという大きなインセンティブになってしまう。

—どういうことでしょうか。

カプール:価格操作の罪を認めて捜査に協力すれば、社員の多くが投獄されたり、巨額の罰金を課されたりするのを避けることができます。企業がカルテルに関与していることを認めれば、司法省に最初に名乗り出て、クラスアクション(民事上の集団訴訟)の原告にエビデンスを提供することに協力すれば、企業は恐ろしいまでの法的責任から逃れることが可能になるんです。

刑事上の罰金は1億ドルか、違反行為によって得た利益総額の2倍のうちの高い方がかされます。クラスアクションを起こされれば、実際の損害の3倍及び弁護士費用を賠償しなければなりません。しかも、当該企業が引き起こした損害だけでなく、そのカルテル全体によって生じた損害の3倍まで責任を背負わされる可能性があります。こういったリスクを考えれば、罪を認めるのは大きなインセンティブです。

「現在の状態は、ちょっと行きすぎ」

—なぜ日本企業ばかりが槍玉に挙がるのだと思いますか?

カプール:それは分かりません。自動車部品に関していえば、自動車部品業界の有力メーカーの大半が日本企業だというのもあると思います。ただ、ご指摘の通り、業界には日系企業以外もあります。金融サービス業界でも同様の反トラスト法違反がありましたが、金融サービス業界で刑務所に入れられた人はいません。

反トラスト法の執行はオバマ政権になって以降、目立って増えました。オバマ政権は過去40年で最もアグレッシブだといっても過言ではありません。私は反トラスト法を執行すること自体はいいことだと思っていますが、同時に正しく執行されるべきだと考えています。反トラスト法違反は経済的な犯罪であり、それゆえに経済的な原理原則の中でバランスを取るべきだということです。

刑事において、価格操作はそれ自体が犯罪です。言葉を換えれば、価格操作があったという事実やその影響を証明する義務が政府になく、企業がカルテルを認めてしまえば、それで反トラスト法違反が確定してしまう。ただ、この状態は法の過剰執行につながりかねず、ちょっと行きすぎです。価格操作それ自体が違法という規定はいずれ廃止されるべきだと私は思います。

Ankur Kapoor-2

「日本のビジネス文化では、仮にセンシティブな話題に出た時に、異議を唱えたり、はぐらかしたりするのは失礼に当たると考える人がまだいる」

—11月に大統領選が控えています。大統領が変われば、反トラスト法の執行も変わるのでしょうか。

カプール:今回の大統領選は不確かなことがあまりに多いですが、どちらが大統領になっても、反トラスト法の執行は増えると思います。

反トラスト法は基本的に外国の企業に執行されるので、仮に共和党のトランプ候補が大統領になればよりアグレッシブになるでしょう。一方で、民主党のクリントン候補は製薬業界に対して厳しい態度で臨むと思われます。

(日本の公正取引委員会に相当する)米連邦取引委員会は企業よりだったブッシュ政権の時でさえ、製薬業界の反トラスト法を積極的に支持していました。その姿勢は、当然オバマ政権でも変わりません。もしクリントン氏が大統領になれば、製薬業界に対する反トラスト法の執行は増えると思います。議会や国民は処方箋薬のコストに高い関心を持っていますので。

ディナーで価格の話題が出たら、グラスを割れ

—日本企業はどう対応すればいいのでしょうか。

カプール:冗談のような話ですが、かつて反トラスト法を専門にする弁護士はクライアントに「その場でグラスを割れ」とアドバイスしました。例えば、競合同士が集まるディナーの場で価格にまつわる話題が出たら、その場でグラスをたたき割って席を立てという話です。ひどく無礼のような話に聞こえるかもしれませんが、価格について話すよりはベターです。

予防的な手段として、従業員に対して反トラスト法を教育することも重要です。メールのやりとりなど自社の社員と競合相手とのコミュニケーションをモニターすることも必要だと思います。極端に感じるかもしれませんが、米国企業は実際にやっていますし、日本企業でも始めたところがあります。

今の時代、競合同士でもビジネス上の関係があるもの。完成車メーカーの要望で、他社に部品を供給することもあるでしょう。その時に、こういったモニタリングシステムは役に立つと思います。すべてのメールをモニタリングするのではなく、特定のキーワードでフラッグを立てるんです。

いろいろとお話ししましたが、日本は米国にとって最も重要なビジネスパートナーです。文化や慣習に根ざしたコンフリクトをなくすために、もっと互いに努力する必要があると思います。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「偽証書」蔓延止まらぬ中国、違法広告も野放し 免許、ビザ、資格証明、軍官証…偽物がネットで手軽に』(8/26日経ビジネスオンライン 北村豊)について

中国社会は狂っています。背徳・頽廃・強欲・賄賂文化です。こういう国が世界制覇したらどうなるのでしょう。人類の眼前には弱肉強食、力を信奉、不正が当たり前の世界が出現します。真面な人間でしたら誰も望まないでしょう。未開の蛮族です。

小生が中国駐在時代(98~05年)偽物は何でもありでした。卒業証明書を筆頭に、偽札、偽酒(メチル入り)、偽煙草、偽バイアグラ、偽ブランド(正規品の横流しもあった)、海賊版DVD(ポルノも多かった) と多種多様。電気製品は必ず動くのを確認してから、金を払いました。日本企業が納品する場合、キャッシュオンデリバリーが当たり前でした。先に製品を送荷してしまうと取りっぱぐれが生じるためです。これが孔子を生んだ国の実態です。不道徳の極みです。

中国は憲法を手始めに立派な法律が揃っています。でもその通り運用された試しがありません。本記事にありますように罰金が軽いというのもあります。況してや賄賂を贈ればどうにでもなる国です。ネット社会になって益々便利になり、不正が安く簡単にできるようになりました。それを受け入れる社会が前提としてある訳です。中国人の割り込みが当たり前のように、不正も当たり前です。中国人ほぼ全員が賄賂を取るのと同じで社会的に許容されている訳です。「武士道」(新渡戸稲造著)の“rectitude”とは程遠い世界です。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国柄です。油断すると足元を掬われます。

日本はこういう悪徳が栄える国を近隣国として対峙せざるを得ません。8/27産経ニュースでは「中国最高人民法院が尖閣での法執行規定、刑事罰明文化、日本船「摘発」根拠に」とありました。日本も負けずに中国船を拿捕しないと実効支配を崩されます。周辺海域で中国漁船が漁をし、日本漁船ができないでいるのは本末転倒です。公務員の常駐、海保・自衛隊員の常駐をすぐにして、米国と不測の事態に対する対応を良く打ち合わせておき、中国が動いたら機敏に対応できるようにしないと。左翼リベラルは戦争反対と寝言を言っていますが、侵略してきているのはどちらかと聞きたい。憲法9条があっても自衛権の発動は認められていますので、整斉とそれをすれば良い。

http://www.sankei.com/affairs/news/160827/afr1608270003-n1.html

中国の「南京虐殺」の世界記憶遺産登録申請に日本のNPO法人「女たちの戦争と平和人権基金 WAM(Women’s Active Museum on war and peace)」が中心になっているという杉田水脈氏の記事が8/27産経ニュースに載りました。この団体にも中共は金を出しているのでは。中国を豊かにすればどんな汚い手を使うか知れません。中国に進出している日本企業、技術支援している日本人は愚かとしか言いようがありません。このNPO法人は「外患誘致罪」で逮捕できないのですかね?東宝の南京を扱った映画を紹介します。「戦線後方記録映画「南京」 1938年東宝文化映画部作品」です。左翼マスコミを信じる日本人は、責任を持って歴史の真実に向き合わないと。

http://www.sankei.com/premium/news/160827/prm1608270016-n1.html

https://www.youtube.com/watch?v=nos2prviBq8

吉田康一郎氏のFacebookより転載します。中国人は自分がやってきたことを他人に追いかぶせようとする習癖があるのが良く分かります。

「鳴霞氏が告発する「中国共産党慰安婦」は、日本の慰安婦が商行為であったのに対し、「性奴隷」に近かったようです。《【重要証言】中国がゼッタイに隠したい「80万人の中国共産党慰安婦」》  2014.10.27 守ろうTV 鳴霞「月刊中国」主幹

実は中国共産党と人民解放軍の慰安婦は80何万人もいます。

今から十数年前に、フランスの専門化が80年代の中国の慰安婦について調査しました。

人民解放軍の兵士たちは独身ばかりで結婚相手がほしかった。

(地方の共産党員や人民解放軍に嫁ぐと)僻地で農作業をしたりすることになるので女性は誰も嫁に行きたがらない。

当時、15歳から20歳くらいの都会の若い女性は農村に下放(一定期間の労働)されていた。

これらの若い女性のうち、無理やり強姦されたり慰安婦にさせられた女性が80数万人もいます。

強姦未遂の女性は800万人くらいいます。

中国共産党は自分たちのやってきた慰安婦のことを隠すために最近になって「何十万もの中国人女性が日本軍に慰安婦にされた」と言ってきたのです。

(ユネスコの世界記憶遺産)に申し込みをすると言う。恥ずかしくないのか。

自分の国民を強姦したり、無理やりにどれぐらいの若い中国人女性をあの時、人工流産させたのか。 どれくらいいるのか。

今まで中国政府は一切報道しません。

慰安婦として、世界中で一番の被害者は中国人女性です。

このことを、今日ははじめて私が日本で言いました。

下放されたこれらの女性たちに対し中国政府からは今まで何の謝罪もないし賠償もないので、病気がちで何の支援もありません。」

https://www.youtube.com/watch?v=Q6Ye2xO9gRw&feature=youtu.be

渡辺惣樹氏の『アメリカの対日政策を読み解く』の中に、「南京虐殺」・「従軍慰安婦」問題で米国が日本を助けず、見直しをしようとすると「歴史修正主義者」のレッテルを貼って非難するのは、FDRの容共政策の失敗を覆い隠すためとありました。アメリカも敵国・中国を利するより、同盟国・日本の名誉を守った方が良いのでは。

P122~130

「フェイは、歴史を修正することに善悪の価値基準を介入させていない。間違った歴史解釈は正さ れる必要があるという、歴史家の素直な考えを述べているに過ぎない。フェイの解釈は歴史専門家だけでなく、一般国民にも次第に浸透した。ドイツだけの責任ではなかった戦争にアメリカは英仏の側に立って参戦し、十一万以上の若者を死なせてしまった。その結果が不安定なベルサイユ体制である。建国の父たちが残した「ヨーロッパ問題に干渉するな」という戒めは正しかった。アメリカ国民の大半がそう考えるようになったのである。

ベルサイユ体制の不正義にドイツ国民は憤っていた。その憤懣がヒトラーの率いるナチス政権の成立につながった。ドイツが、ドイツ系人口が九〇パーセントを超える自由都市ダンツイヒの併合を求めてポーランドに宣戦布告したのは、一九三九年九月のことであった。フランクリン・ルーズベルト大統領は、ヨ— ロッパの戦いに参戦したかった。ウインストン・チヤ—チル首相も繰り返し懇請した。しかし、ルーズベルトは八〇パ—セントを超える国内世論の反対で身動きがとれなくなっていた。アメリカ国民の大多数が、フェイやそれに続く歴史家の訴えた歴史修正を受入れていたからである。誤った歴史解釈は、たとえそれが政府の公式説明だとしても、修正されることは当たり前の時代だった。

ところが、建国の父たちの戒めを再び破ってヨ— ロッバの紛争に介入した第二次世界大戦後の歴史解釈になると、歴史学会の様相が一変した。民主主義国家(連合国)対全体主義国家(枢軸国 )の戦いである、というルーズベルト大統領の公式説明に疑いを持つことが、まるで犯罪であるかのような空気が出来あがったのである。フエイがウイルソン大統領の外交を自由に批判できたことが嘘のようだった。

もちろん第二次大戦後も、フェイと同じようにルーズべルト外交を批判する歴史家はすぐに現れた。その筆頭がジョン・フリンである。彼はその著書『ルーズぺルト神話』 (1948年)の中で、ルーズベルトの実施したニユーデイール政策の失敗を詳述し、その政策実行にあたっていた社会主義思想を持つ官僚群を批判した。

彼らが生み出した巨額な財政赤字。大統領府に権限を集中させ議会を軽視する全体主義的政治姿勢。政敵を葬り、その一方で自身を支える政治家や官僚を手なずける手口。親族のビジネスが有利になるよう大統領権限を行使したネポテイズム。スターリンに手玉に取られた密約(ヤル夕会談) で、東ヨーロッパをソビエトに「差し上げてしまった」取り返しのつかない外交的敗北。これは、 ソビエトを民主主義国家陣営と勘違いしたことによる明らかな失敗だった。フリンはルーズベルトの愚かさを余すところなく暴いた。

フリンの主張が正しいらしいことは、現実の世界情勢を見れば誰にでもわかった。東ヨーロッパはたちまち共産化し、フリンの書の出た翌年には中国も共産化し、さらにその翌年、朝鮮半島では 共産軍との戦いを実質アメリカ1国で戦わざるを得なくなった。建国の父たちの戒めは正しかった。そのようにアメリカの知識人も国民も再び反省して当然だったのである。ところがそうはならなかった。

「ヨーロッバ方面では、ヒトラーは外交交渉でその要求の多くが達成できたにもかかわらず、彼は気が触れたように戦争を始め、太平洋方面では、日本がアメリカを突然に攻撃した。我々は戦うざるを得なかったのだ」とする政府説明は、「完全に正しく、論争の余地なし」とさて、議論すら許 されない空気ができてしまったのである。

政府解釈に疑義を呈する歴史家には、「歴史修正主義者」のレッテルが貼られた。政府が決めた歴史解釈以外認めないという態度は、それまでのアメリカには馴染みのないものであった。一九四五年以降、アメリカに異変が起こった。ル—ズベルト外交を少しでも批判的に語れば、その研究は妨害された。政府資料の閲覧不許可、出版社への圧力、著者への誹謗中傷、出版された書は無視。学問の自由とは程遠い、独裁国家と見紛う状況が生まれたのだった。

アメリカらしからぬ空気の醸成には、主流に属する組織も一役買っている。ロックフエラー財団もスローン財団も「歴史修正主義者」の研究にはけっして資金を出そうとしなかったし、アメリカ外交に現在でも強い影響力を持つ外交問題評議会(CFR)も、ルーズベルト外交を批判的に解釈する「歴史修正」を拒否した。クリントン元大統領、コンドリーザ・ライス元国家安全保障問題担当補佐官、スーザン・ライス国連大使らは、みなCFRの会員である。政治家だけでなく、リチャード・ブッシュ三世のような東アジア外交立案に関与する立場にいる研究者もメンべーである。CFRがいかに大きな影響力を持っている組織かよくわかる。

「ロックフエラー財団もCF Rも、政府のプロパガンダを含む歴史解釈が変更されることを望まなかった。歴史家の自由な意見の発表を嫌った。(中略)その結果、フランクリン・ルーズベルト大統領(FDR)のとった外交方針や政策は批判的分析やネガティブな評価から免れることができた」のである。

アメリカの言論空間はなぜこうした状況に陥ってしまったのか。これを理解しておくことは重要である。アメリカの現代政治を動かす立場にある者の心理をわかっておかなくては、彼らとの対話は難しいからである。私は、そうなってしまったのはFDRの外交政策が余りに愚かだったからである、と考えている。ヨーロッバの戦いへの不介入を公約としたFDRは、「大統領任期は最長二期八年」の不文律を破って史上初の三選を果たした(一九四〇年)。彼はソビエトを友国として扱い、スターリンを徹底的に援助した。共産主義の世界拡散の防波堤となっていた二つの強力な国家ドイツと日本を破壊した。彼の外交は見事なほどに間違っていたのである。

FDRの外交政策の狙いは「世界の警察官」になることであった。米英中ソの四カ国で分割統治すれば世界に平和が訪れる。その途方もなくナイーブな外交政策の結果が「孤独な世界の警察官」という惨めな現実であった。ドイツと日本の降伏は世界平和の実現に何の役にも立たなかった。アメリ力は、共産主義勢カと対峙するために再び若者を戟場に送らなければならなくなった。そんな中で「FDRは愚かだった。ヨーロツバ大陸の載いも、太平洋方面の戦いもアメリカが参戦さえしなければ局地戦で終わった戦いだった。三十万の戦死者と七十万の戦傷者を出したあの戦いは 不要だった」と歴史家に批判されたら国が持たない。戦後アメリカは、そういう厳しい現実に晒されたのである。

次々と共産化する国々を見て、アメリ力は怯えた。その怯えゆえに、FDR外交を疑わせる学問 の自由を認めるわけにはいかなくなった。第二次世界大戦の起源を批判的に語る研究には「歴史修正主義」、その研究者には「歴史修正主義者」のレッテルを貼ることに決めた。歴史解釈に善悪の価値判断を導人し、FDR外交を批判することは悪と決めた。レッテルを貼ることで歷史解釈を極 端に単純化させ、冷静な学問的批判までも封じ込めた。余裕を失ったアメリカの窮余の策が「歴史 修正主義(者)」は悪と決めるレッテル貼りだったのである。このレッテル貼りを指導した者がいるとは思えない。おそらく時代の空気がそのような動きを後押ししたのだろう。

FDRはアメリカの非干渉主義の勢力を根こそぎといってよいほど破壊した。ジョージ•ワシントンらの建国の父が理想とした国家とは似ても似つかない国にアメリカは変貌した。いつ果てるともない東西冷戦の中で「歴史修正主義を許さない」ことがアメリカの「国是」になった。「極悪非道の」日独両国とはアメリカは戦う宿命にあったのだと信じなくてはならなくなった。歴史捏造が明らかな「南京大虐殺」も「性奴隸としての慰安婦」もその「国是」を補強する。冒頭に掲げたワシントン•ポスト紙の記事は、言ってみれば「国策」に沿っている主張なのである。したがって、 「南京虐殺」や「慰安婦性奴隸」説への日本の反論はアメリカの「国是」への挑戦となる。だからこそアメリカは激しく反発するのである。

しかし誤った歴史をそのまま受け入れることはできない。そしてまた、アメリカがその「誤った国是」に固執することはアメリカ自身のためにもならない。東西冷戦は遠い過去のものになった。 アメリカはこの「国是」にもはや固執する必要はない。日本はアメリカの自縄自縛からの解放を助ける重要な殳割を担っている。そのようにポジティブに考えるべきなのだ。こうした歴史的背景を踏まえた上で、日本がいかなる主張を展開すべきかについて、次に私の考えを述べたい。

ソビエトへの無警戒がもたらした惨禍

ルーズベルト外交のあまりの愚かさで、「歴史修正」を許さない空気が生成された過程を詳述し た。ルーズベルト外交を批判的に語らせないという「国是」がどれほど強力なプレッシャーとなっ たかを示すエピソードには事欠かない。

私は、ルーズベルトを激しく非難した彼の同時代の政敝ハミルトン•フィッシユ元上院議員の書 『ルーズべルトの開戦責任』を昨年(二〇一四年)翻訳上梓したが原書の出版は一九七六年であった。ルーズベルトの死(一九四五年)から三十年が経っていた。ハーバート・フーバー元大統領もルーズベルト外交を厳しく批判していたが、その考えを公にせず世を去った。彼のルーズペルト批判の草稿をまとめた『裏切られた自由(Freedom Betrayed) 』が出版されたのは2011年である。

二人の元有力政治家がなぜこれほどルーズべルト批判をためらったのか。それはわずか一国で共産主義の披散に立ち向かわなければならなくなったからだった。先に書いたように、アメリカは再び若者を戦場に送らなければならなくなったのだ。

ルーズベルト外交はあまりにも共産主義に無知で、スターリンに手玉に取られてしまった。体力 も精神力も極端に萎えたルーズベルトはス夕―リンと密約を結んでいた(ヤルタ会談)。東ヨーロ ッパでも極東でもソビエト勢力の拡張を容認していた。

大戦終了からわずか四年後には中国に共産党政権が生まれ、その翌年(一九五〇年)には朝鮮戦争が勃発した。アメリカの危接感がどれほどのものであったかは、この年に作成された国家安全保障会議(NSC National Security Council)の機密文書NSC68号を見れば明らかである。

「このままクレムリンの支配下に入る地域が増え続ければ、彼らとの戦いにおいて同盟を組む相手さえいなくなるだろう。この危機の時期にあって、我が国と我が国民は優勢にあるうちに立ち上がらなけれぱならない。我が国が直面している危機は、我が国の存亡にかかわるだけではない。文明そのものの将来が危うくなっている。我々はいま、あれこれ考えている余裕はない。アメリカ政府と国民はいまこそ断乎とした態度で、運命的な、未曾有の決断を下さねばならない」

これがルーズベルト外交がもたらした厳しい現実であった。アメリカは朝鮮に再び若者を送らざるを得なくなった。いかなる国にあっても戦場に兵士を送り出すには大義が必要だ。共産主義の恐怖を国民に語ることは、それほど難しい作業ではない。しかし問題は、その中心勢力であるソビエトを大戦時には連合国の一員として迎え、徹底的に支援したのはアメリカ自身であったという厳然然たる事実だった。ソビエトを育て、共産主義拡散の防波堤になっていたドイツと日本を破壊したのが自国の大統領だった。日独両国よりもソビエトが危険だと主張する政治家はアメリカ国内に も少なくなかった。しかしルーズベルトはそうした声を圧殺し、スターリンを友人だと考えた。一九四八年八月にはルーズベルト大統領の側近アルジャー・ヒスに対する聴聞会(下院非米活動委員会)の模様がテレビ中継された。聴聞会の中継は史上初めてのことだった。ルーズベルト政権はソ ビエトのスパイに蚕食された見識なき政権だったのである。

共産主義について、とりわけルーズベルトはナイープだった。共産主義思想の悪影響を懸念した 前述のハミルトン•フィッシュ下院議員を議長とする共産主義者の工作活動調査委員会(フィッシュ委員会)は早くも一九三〇年に設立され、翌年には報告書を発表している。しかし、一九三三年 にルーズべルトが大統領に就任すると、それまでの共和党政権が拒否していたソビエトを承認し、 国交を樹立した。これ以後、警成感は薄まってしまった。アメリカには共産主義の本質を真剣に学ぼうとする政治家や実業家は少なかった。戦後アイゼンハワー政権の国務長官となったジョン・フォスター・ダレスは日本でもよく知られている人物だが、彼が共産主義についてまともに学んだのは戦後(一九四八年頃)のことである。

「ジョンはス夕―リンの書いたエッセイや演説内容をまとめた『レーニン主義の問題』 (Problems of Lenisim)を読み込む作業に没頭した。ジョンはこの書を少なくとも六冊は所持していたらしい。職場のどこででも読めるようにするためである。そのすべてに鉛筆で書き込みがなされていた。その結果、初めて共産主義思想がいかに危険であるかを悟ったのである」(『ダレス兄弟』)

荒れ狂う共産主義への危機感は、ルーズべルト外交を批判する研究までをも否定させる強いべクトルとして働いた。CFRに代表される体制主流の組織が研究の封じ込めに加担し、歴史修正を許さない「国是」が形成された。戦後CFR議長職にあったのはジョン・フォスター・ダレス国務長官の弟アレンであり、彼はその後CIA長官となって兄とともにアメリカ外交を牛耳った人物だった

現在、中韓両国が仕掛ける「南京虐殺」事件と「慰安婦(売春婦)」問題は、アメリカの「国是」を利用した外交戦争なのであり、中韓両国の主張とアメリカの主流派に属する政治家や外交専門家 の信条に、完全にシンクロナイズしているのだ。

遠回りになってしまったが、日本はこの歴史戦争をどのように戦うべきなのか。長々とアメリカの歴史解釈の流れを語ったのは、そのことを考えずに、右のニつの歴史問題の虚構性を真正面に訴 えても、アメリカの「国是」の前に簡単に撥ねつけられてしまうからである。ワシントン.ポスト紙の記事を見れば、そのことは言わずもがなである。

この問題を考える場合、重要となるのは、アメリカ自身にこの「国是」を変える意志があるのか否かを見極める視点である。そういう空気がアメリカ国内に醸成されていれば、日本の主張を聞く 層も増えるだろう。まず聞く耳を持つ層への訴えから始めるという戦術もあり得る。

アメリカにとっても、このまま「国是」に拘泥すれば再び敵と味方を誤認するミスを起こしかねない。必要であれば歴史修正も厭わないという、第二次大戦前の良きアメリカに戻ることは、アメリカにとっても必要なことなのだ。その意味で日本の政治家も歴史家も「アメリカを変えてみせる」というくらいの覚悟が求められる。私はアメリカにはそのような新しい空気は生まれているし、「国是」の変更もあり得ると考えている。」

記事

2013年11月3日の午後2時30分頃、浙江省“杭州市”の中心部を走る“体育場路”でナンバープレート「浙A333WF」の高級車ポルシェ・カイエン(Cayenne)が公共バスに追突された。追突したのは公共バスで、責任の所在が公共バスにあることは明らかだったが、“交通警察”による事故処理の過程で、ポルシェを運転していた人物が無免許であることが判明した。その人物とは2013年7~8月にスペインのバルセロナで開催された第15回世界水泳選手権で400m自由形、800m自由形、1500m自由形でそれぞれ金メダルを獲得し、同大会の最優秀選手に選出された“孫楊”だった。

金メダリストが偽造免許

11月5日付の南京紙「現代快報」は、杭州市交通警察部門が無免許運転を行った孫楊に対して罰金2000元(約3万円)および拘留7日間の処罰を下したと報じた。ところが、別のメディア記者が匿名の交通警察官から聴取したところでは、孫楊は事故処理に当たった警官から免許証の提示を求められた際に、偽造免許証を提示して見破られて、警察署へ連行されたという。また、その後の調査で、この偽造免許証は孫楊の友人が彼に代わって2万5000元(約37万5000円)で購入したものであることが判明したとも報じた。恐らく孫楊が偽造免許証を提示したのは事実であろう。そうであれば、孫楊にはもっと重い処罰が下されるはずだが、中国水泳界のホープである孫楊を守るために偽造免許証の所持には目をつぶり、罪状を無免許運転だけに限定して処罰を下したものと思われる。

それにしても、天下の孫楊までが偽造免許証を所持するくらいだから、中国では“假証(偽造証明書)”が容易に入手可能だし、社会に偽造証明書が氾濫しているのが実情である。ネット上で“假証”と検索すると、堂々と偽造証明書の発行を業務とする企業が広告を出している。“北京凱迅辦証公司”という企業が運営する“北京辦証諮詢網(ネット)”という広告には次のような記載がある。

【会社紹介】  北京凱迅辦証公司は中国の政治、経済、文化の都市である北京に位置する。我々の業界は性質を異にすることから、顧客が直接来社して業務手続を行うことを謝絶しているので、証明書を必要とする人は我々のQQ(インスタントメッセンジャー)を通じてあるいは我が社の担当者に電話をかけて連絡を取り、双方で要件を打ち合わせる必要があります。皆さまのご協力に感謝申し上げます。我々の偽卒業証書は、経験豊富な証書作成会社が長年にわたる証明書・刻印作成の経験、一流の設備、ずば抜けた技術と高い信頼に基づいて作成しており、我が社は証明書作成業界、サービスコンサルタント業界では高い知名度を有しています。証明書が有ればどこにでも行けるが、証明書が無ければ一歩行くのも難しい。北京凱迅辦証公司は貴方に成功の鍵を提供し、貴方に成功の門を開いてほしい。万事が思い通り行くことをお祈りします。

【業務範囲】 1. ビザ類:各国の合法的なビザ(主として米国、日本、オーストラリア) 2. 各種証書類:各種学校の卒業証書および学歴証明書、大学卒業資格認定試験証明書、英語・コンピューターなどの等級証明書 3. 各種資格証明書類:物流技術管理士、通関士などの証明書、技術等級証(初級、中級、高級)、会計士、技術士、教員、医師などの資格証など 4. 戸籍類:身分証明書、戸籍簿、香港身分証、未婚・結婚・離婚証明、出産許可書など 5. 自動車書類:免許証、通行証、輸送営業証など 6. 不動者証類:家屋所有権利証、国有土地使用権利証、営業許可証など 7. 印章類:政府機関公印、企業公印、財務公印、個人印章など

違法行為を堂々広告

上記の内容から分かるように、証明書の類ならなんでも偽造すると業務範囲にうたっているのである。これが違法であることは明白だが、それを承知で堂々と広告を出しているのだから開いた口が塞がらない。この種の偽造証明書類の作成業者は全国各地に無数に存在しており、どう見ても野放し状態にある。いくら取り締まっても雨後の筍の様に次から次へと新たな業者が出現するということなのかも知れないが、それは即ち中国社会にそれだけ偽造証明書の需要が存在するということを意味する。

中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」は、8月17日付で「“假証売買調査(偽証書売買調査)”」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

偽の「実習証明」は本物の業者の副業

【1】インターネット時代になり、情報は快速になり、買い物や取引が簡便になった。それは実際の貨物だけでなく、各種証明書がネット上で取引される商品となり、その至れり尽くせりの一貫サービスが人気を集めている。

【2】夏休みが終わりに近付き、雲南省の某大学生である王君は「実習証明」のことを心配し始めた。2か月間を楽しく過ごしたが、大学の課題である休暇中の実習を何もしていなかった。しかし、王君は全く慌てず、「ネット上で実習証明を買うことができる。実習した機関の公印から実習評価まで、あらゆるサービスが全てそろっている」と述べた。記者が知ったところによれば、実習証明のみならず、医院の病欠証明の代理発行、公文書の報告書の代筆、各種証明書の代理修正などまで、ネット上で至れり尽くせりの一貫サービスが提供可能となっている。従い、顧客はネット取引を通じてあらゆる悩みを即座に解決する方法を探し出すことができ、困難に直面しても悩んだり、人に頼んだりする必要はない。但し、この至れり尽くせりの一貫サービスは本当に頼りにしてよいものなのか。

【3】「病欠証明センターは休みを取りたい貴方に唯一の選択」 これは偽造病欠証明書の専門業者がネット上に掲げた広告のキャッチフレーズである。そこには、「病気休暇証明、病欠証明、“三甲医院(一流医院)”診断証明、病歴簿、化学検査証明、費用明細書など、全てそろっているので、“微信(WeChat)”や“QQ”で連絡ください」とあった。そこで記者がQQで連絡を入れて、「休みたいので病欠証明を依頼したい」と伝えると、間もなく「1通で100元(約1500円)、全国どこでも発行可能」と回答が来た。記者が居る場所を伝えると、最寄りの医院3軒の名前を連絡して来て1軒を選べと言う。

【4】調べたところによれば、ネット上の病欠証明は個人の詳細な情報が必要で、販売価格は100~200元(約1500~3000円)であった。記者が購入した病欠証明には、もっともらしくタイトルに「病状証明書」とあり、病人の氏名、診察カード番号、診察日、病状診断、科名、医師名などの記載があり、偽造防止番号まで打ってあった。業者は希望の病名があれば、その通りに記載した病欠証明を発行すると述べ、「病欠証明は医院が発行したものだから、全く問題ない」とその有効性を保証した。各種の病欠証明を調べたところでは、一般的に盲腸炎、椎間板ヘルニアといった病名が多いようだった。但し、彼らが入手した個人情報は保護されるのか。他の業者に売られて別の用途に使われる心配はないのか。

【5】上述した王君によれば、実習証明はもっと簡単で、50元(約750円)を支払えばその当日に受け取ることができるとのことだった。調査したところでは、実習証明の売り手は実際の企業であった。実習証明の販売は彼らの副業で、買い手の需要があれば、即座に自社の社印を押した実習証明を発行して料金を受け取るのである。買い手が必要とする実習証明の業種が自社と異なる場合は、売り手の所在地にある希望業種の企業と協力体制を取り、その企業を協力企業と位置付けて、実習証明を発行するのである。

【6】記者は病欠証明を発行すると連絡を受けた3軒の医院のうちの1軒に連絡を入れて病欠証明について質問してみた。先方によれば、病欠証明には「診察病欠証明」と「入院病欠証明」の2種類があり、前者なら10日前後の休暇証明、後者ならそれ以上の休暇証明になるとのことだった。但し、医院が病欠証明を発行するには厳格な規定があり、正規の病欠証明には担当医師の署名・捺印、さらに担当科名と印章、さらにはその控えの保存が必要となるので、医院内の誰か1人で病欠証明を発行することはできないという。また、たまに個人的関係で頼まれた病欠証明を1~2通を発行することはあっても、ネット上で販売するほどの規模で病欠証明を発行することは不可能である由。先方によれば、ネット上で販売されている病欠証明の大半は偽造であり、たとえ書式が正規のものと同じでも印章は全て偽物なのだとのことだった。

【7】ネット上における病欠証明や実習証明などの販売行為は取引そのものが道徳に反するのみならず、違法である。『治安管理処罰法』の第52条には、「偽造、変造の国家機関、民間の団体、企業、事業組織およびその他組織の公文書、証明および証明書類を売買あるいは使用した者は、10日以上15日以下の拘留に処し、併せて1000元(約1万5000円)以下の罰金に処すことができる。情状が軽い場合には、5日以上10日以下の拘留に処し、併せて500元(約7500円)の罰金に処すことができる」とある。買い手は偽造と承知で偽造証明書を購入しており、一方の売り手は公印を偽造している訳で、取引全体が違法である。弁護士によれば、売り方が医院や企業の公印を偽造していれば、『刑法』第280条規定の「企業、事業組織、民間団体の印章を偽造した罪」により、3年以下の懲役、“拘役(拘禁して15~60日間労役に服せしめる刑)”、“管制(保護観察)”あるいは政治権利のはく奪に処し、併せて罰金に処すことになるという。

【8】“假証(偽造証明書)”が違法な存在であろうとも、ネット上の取引を通じて、50元で実習証明書、100元で病欠証明書が購入できるのであれば、時間と労力の節約になるばかりか、人の助けを求める必要もない。その簡便さが多数の顧客に需要を喚起させ、“假証”業界をはびこらせているのである。簡便さはネット上で“假証”を購入する理由にはならないし、一時の便利さの故に違法な行為を働くことは許されることではない。また、インターネットの検索エンジン業界は審査業務を厳格にし“假証”販売を目的とする宣伝広告や情報を排除しなければならない。

軽い罰則では抑止効かず

中国は“山寨商品(有名ブランドに極めて似せて作られた模造品)”で名高いが、そうした山寨商品の製造企業や製造者はいくら取り締まられても、新たな名義で不死鳥の如く再生する。これは罰則が極めて軽いためで、山寨商品を販売して稼ぐ金額に比べれば、刑罰は屁のようなものと考えられるからである。上述した“假証”商売にもそれと同じことが言える。拘留期間は長くて10~15日、罰金は1000元以下というのであれば、たとえ拘留されたとしても、すぐに釈放となるから、今まで通り“假証”商売を続ければ良いのである。今の中国で1000元は「はした金」に過ぎない。“假証”業界を委縮させるには、刑罰を重く厳しいものとして、長期の懲役刑と高額な罰金を科すことが不可欠と思われる。

2016年8月13日付の江蘇省紙「揚子晩報」は、「“女軍官(女士官)”の演技手順」と題する記事を報じた。その概要は以下の通り。

(1)農村の貧しい家庭に生まれた“熊小妹”(仮名)は、戸籍を持たない“黒戸口”で“居民身分証(住民身分証)”(以下「身分証」)を持っていなかった。彼女は物乞いして得た食べ物で育ち、小学校2年の時に中退して出稼ぎに出た。中国では汽車や飛行機の切符を買うのにも身分証がいる。身分証を持って汽車や飛行機に乗ることが彼女の夢だった。2009年のある日、熊小妹はインターネットで“軍官証(士官証明書)”があれば汽車にも飛行機にも乗れることを知った。そこで、ネット上で“李恵”名義の“軍官証”を購入し、軍官証を入手したその日から“李恵”と名乗ることにした。

(2)後に押収された“軍官証”には、李恵の写真が張られた下に、番号:北No.768216、発行機関:“中国人民解放軍総政治部”、発行日:2013年10月8日、有効期限:2014年10月8日とあり、次のページに、氏名:李恵、生年月日:1981年12月、性別:女、民族:漢族、所属:総政治部兵舎管理局、職務:副参謀長、階級:“上校(上佐)”<注>と記載されていた。恐らく、李恵は“軍官証”を2009年から毎年更新していたものと思われる。

<注>中国の佐官は、大校、上校、中校、少校の4階級に分かれる。佐官は将官に次ぐ高官。

(3)李恵こと熊小妹は、士官の軍服を着た写真を多数撮り、その写真をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて社会に広めることで、多数の友人の獲得に成功した。彼女は分不相応な住宅を借りると室内を豪華な調度品で満たし、壁には軍装写真を飾った。その上で、彼女はSNSで知り合った友人たちを自宅に招待したから、誰もが彼女を本物の士官だと信じた。また、李恵は“国防科技大学”計算機学部の博士号を持っていると自称したが、これも疑う者はいなかった。

(4)2013年3月に、こうした交際を通じて知り合った中央政府機関の“副処長”と結婚した李恵は、毎朝6時に起床して職場へ出勤する振りをしたが、行く場所がないのでレストランでアルバイトをして時間をつぶす日々を過ごした。そうこうする内に、李恵は家族が病気だとか、母親の葬儀だとか種々の理由をつけて友人たちから借金をするようになり、その総額は70万元(約1000万円)に膨れ上がった。2015年8月、李恵は父親が事故にあったという理由で友人から5万元(約75万円)を借りたが、不安を覚えた友人が李恵の所属する政治部総参謀部へ問い合わせたことから、李恵の士官詐称が発覚し、熊小妹は逮捕された。2016年8月12日、雲南省“昆明市”の“盤龍区法院(裁判所)”で熊小妹の士官詐称に関する一審裁判が開廷された。

技術向上で国際的危惧も

この事件もネット上で簡単に偽造の“軍官証”が購入できたことが、熊小妹の人生を狂わせ、犯罪者への道を歩ませたと言える。“假証”が実習証明や病欠証明であるうちはささいな違法行為で済ませられるが、それが運転免許証や卒業証書、さらには士官証となると、交通事故や犯罪を引き起こす可能性が高まることは否めない。偽造技術の向上は偽物と鑑別できないビザの発行を可能とするかもしれず、それは日本を含む諸外国にとっても脅威となりかねない。人民日報が「偽証書売買調査」を報じた背景には、中国が“假証”の蔓延を問題視していることの現れと考えられるが、次の一手はどうなるのだろうか。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「腹心」を相次ぎ更迭…プーチン強権人事の深意 最大の標的は最大手国営石油会社「ロスネフチ」社長か』(8/26日経ビジネスオンライン 池田 元博)について

日韓通貨スワップ協議再開について官邸と自民党に意見を送りました。敵国を助けることに基本は反対ですが、米国の圧力があってどうしてもというのであれば条件を付けるべきです。結果を出して初めてスワップの額が定まるようにしませんと。世界記憶遺産のときのように、約束を守らない国です。中国と同じです。「用日」なんて言われているのに、財務省は無条件で認めることに恥ずかしくないのですか?そうであれば、売国奴の集団としか言えません。読者の方も是非メールをお送り下さい。圧力をかけましょう。

https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html・・官邸

https://www.jimin.jp/voice/・・・自民党

<日韓通貨スワップ協議再開について(小生の官邸・自民党送付原稿)

「何故日本にメリットのないスワップを再開するのか理解できません。韓国は偉そうに「用日」なる言葉で日本を侮蔑して、スワップするのが当然という態度です。竹島上陸、朴大統領の告げ口外交、慰安婦像、強制徴用像、仏像窃盗、旭日旗の扱い、何一つ解決していない中で、日本が韓国にしてやることはありません。最悪スワップしてやるにしても、慰安婦像1体廃棄したらいくら、竹島に政治家・民間人渡航禁止したらいくらと条件を付けるべきです。何もなしでは次の選挙で自民党は支援しません。」.(以上)

8/29日経朝刊には<対中国「もっと強硬に」55% 本社世論調査

20160829Nikkei Survey

日本経済新聞社の世論調査で、中国やロシアとの首脳会談を控える安倍晋三首相の外交姿勢について聞いた。中国公船の相次ぐ領海侵入を踏まえ、中国に「もっと強い姿勢で臨むべきだ」が55%に上った。韓国ソウルの日本大使館前の少女像移転が進まない中、元慰安婦支援を決めたことには異論がくすぶる。秋の安倍外交は国内世論をにらみながらのかじ取りになる。

中国の公船や漁船は終戦の日を控えた8月上旬から尖閣周辺の領海に相次いで侵入。接続水域の航行が常態化し、日本政府は繰り返し抗議している。一方で日中両政府は9月上旬に中国・杭州で開く20カ国・地域(G20)首脳会議の際、安倍晋三首相と習近平国家主席の首脳会談を調整している。

こうした政府の対応について「もっと強い姿勢で臨むべきだ」が内閣支持層で62%、自民党支持層も63%に上った。民進党支持層や公明党支持層は「もっと対話を重視すべきだ」の方が多いが、無党派層は「もっと強い姿勢で」が47%で「対話を重視」の40%を上回る。

日韓関係では、日本側が求めるソウルの日本大使館前に置かれた慰安婦を象徴する少女像の移転について、韓国は昨年末の慰安婦合意で「解決への努力」を約束したが、具体的な動きはみえない。それでも日本は関係改善を促すため、元慰安婦を支援する韓国の財団に10億円を出すことを決めた。

少女像移転が進まない中での資金拠出に「反対」が49%と「賛成」の37%を上回った。内閣支持層、自民党支持層とも「反対」が52%と過半数を占め、無党派層も「反対」48%、「賛成」30%と批判的な見方が多い。

今のところ韓国への姿勢が安倍政権への不満となって表れる状況にはない。韓国は国内世論を見極めながら移転時期を探るが、いつ実現するかは不透明。移転がなかなか具体化しないようだと、日本国内の保守派の不満が高まる可能性がある。

首相はロシアとの北方領土問題を最重要課題に据える。プーチン大統領と9月2日にロシアのウラジオストクで会談し、大統領の年内来日に道筋をつけたい考えだ。

世論調査で北方領土の返還交渉について聞いたところ「一部でも返ってくるよう交渉すべきだ」が54%で「4島すべてが返ってくるよう交渉すべきだ」の36%を上回った。世論は現実的な解決策を求めているともいえ、両首脳が5月に確認した領土交渉の「新しいアプローチ」を具体的にどこまで詰められるかが焦点になる。>(以上)

同じく8/29日経朝刊では「内閣支持率62%に上昇 本社世論調査 マイナス金利「評価しない」47%  日本経済新聞社とテレビ東京による26~28日の世論調査で、内閣支持率は62%と今月9~11日の調査より4ポイント上昇した。60%台に乗せたのは2014年9月の内閣改造直後の調査以来。不支持率は5ポイント低下の27%だった。安倍晋三首相が閉会式に出席したリオデジャネイロ五輪が盛り上がり、4年後の東京五輪への期待が政権の追い風になった可能性がある。」

「東京五輪まで安倍首相」59%    世論調査で、安倍晋三首相に4年後の東京五輪・パラリンピックまで首相を続けてほしいと思うかとの質問に、59%が「続けてほしいと思う」と答えた。「続けてほしいとは思わない」は29%。 8月9~11日の調査で、自民党総裁の任期を延長して安倍首相が続投できるようにすることには「反対」45%、「賛成」41%だった。」(以上)とも。

プーチンも9/2安倍首相との会談で妥協に反対する部下を次から次へと解任しているというのは穿ち過ぎでしょうか。プーチンの支持率が8割もあるのは凄いことですが(中国の習近平もやって見ると面白いでしょう。無記名・自由投票であれば1割も行くかどうかでしょう)、西側民主主義国で62%も安倍首相の支持率があるのも凄いことです。特に日本は朝日新聞を筆頭とした反日左翼新聞が自虐史観を振りまき、何でも政府に反対、日本弱体化の論陣を張りますので。日経の読者も少しは現実を見るようになってきたのかと感じます。強いリーダー同士で話し合い、領土・平和条約問題を進展させ、敵国・中国を封じ込めるようにしないと。中国は暴発しそうなので。戦争を回避するには中国包囲網を完成させ、戦争になれば中国は世界を相手にすることを分からせて、諦めさせなくては。

記事

プーチン大統領が断行している一連の人事が臆測を呼んでいる。大統領の出身母体である旧ソ連国家保安委員会(KGB)人脈を中心に、これまで政権を支えてきた「腹心」を次々と更迭しているからだ。その狙いはどこにあるのか。

Putin in his office

8月12日、プーチン大統領(中央)とワイノ新大統領府長官(右)、イワノフ前大統領府長官がクレムリンで会談を行った。(写真:ロイター/アフロ)

ロシアで最近、プーチン大統領が断行した人事が臆測を呼んでいる。クレムリンの中枢である大統領府を率いるセルゲイ・イワノフ長官(63)を解任したことだ。

後任の大統領府長官には、若手のテクノクラートであるアントン・ワイノ副長官(44)が昇格した。イワノフ氏は自然保護活動と環境・輸送問題を担当する大統領特別代表に任命され、大統領府の安全保障会議のメンバーにも残る。

一連の人事は8月12日に発令された。その直前、プーチン大統領はイワノフ、ワイノ両氏を執務室に呼んで3人で会談している。大統領府によれば、要約するとだいたい以下のような会話が交わされた。

プーチン大統領(イワノフ氏に対して)「我々は長い間ともに働き、首尾良く働いてきた。大統領府長官の職務は4年以上に及んでおり、別の職に就きたいという貴兄の要望は理解できる」

プーチン大統領(ワイノ氏に対して)「セルゲイ・ボリソビッチ(イワノフ氏のこと)が後任の大統領府長官にあなたを推薦した。この仕事を引き受けてもらいたい。これまでと同様、大統領府の仕事が効果的で高い専門性を持ち、できるだけ不毛な官僚主義を排し、具体的な成果に満ち、課題を解決する能力をもつようにしてほしい」

イワノフ氏「まずは17年間に及ぶ私の仕事を高く評価して頂いたことに感謝します。大統領府の創設から25年がたちました。私は11代目の長官でしたが、長官在職期間は4年8カ月に及び、歴代で最長となりました」

ワイノ氏「信頼に感謝します。大統領府の主要な任務は、大統領としてのあなたの活動を万全の態勢で支えることだと認識しております」

会談の発言を素直に受け止めれば、イワノフ氏はかねて激務である長官職の辞職を求め、プーチン大統領が同氏の要望や後任候補の推薦をそのまま聞き入れる形で、今回の人事が発令されたことになる。

対日外交重視との解釈もあるが…

確かにイワノフ氏をめぐっては2年前の2014年11月、ロシア開発対外経済銀行の副総裁だった長男のアレクサンドル・イワノフ氏が保養先のアラブ首長国連邦(UAE)の海岸で〝溺死〟し、その悲劇から立ち直れない状況が続いていたともいわれる。ちなみにこの長男は05年、モスクワで車を運転中に年金生活者をはねて死亡させる事件を起こしている。ただ、刑事事件にはならずに不問に付された。当時は国防相だった父親が裏で画策したとの噂も流れた。

年齢や健康上の問題、こうした家族の事情なども踏まえれば、順当な人事といえないこともないわけだが、臆測を呼んでいるのはやはりイワノフ氏がプーチン大統領の長年の「腹心」の一人だからだ。

両氏は1970年代、旧ソ連国家保安委員会(KGB)のレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)支部で共に勤務して以来の盟友だ。プーチン政権下では国防相、副首相などを歴任した。2008年の大統領選挙では、当選したメドベージェフ氏とともに、プーチン氏が推す有力な後継候補と目されていた。

それだけに、「腹心」の切り捨てともいえる今回の人事に、関心が集まっているわけだ。しかも、後任の大統領府長官となったワイノ氏はエストニアのタリン生まれで、外交官の出身だ。大統領とはもともと、地域的なつながりも職場のつながりもなかった。ただ、プーチン政権の1期目から大統領の下で働き、プーチン氏が首相時代には首相府、大統領時代には大統領府で主に儀典部門を担ってきた。いわば大統領に忠誠を尽くす実務型の部下といえるだろう。

ちなみにワイノ氏は、外交官時代に在日ロシア大使館の勤務経験を持つ日本通でもある。このためプーチン大統領が対日外交を重視して大統領府長官に据えたと期待する向きもあるが、その役割はワイノ氏自身が認識しているように、あくまでも大統領の活動を「下支え」する裏方だ。対日関係とは全く関係がないとみるべきだろう。

支持率低下の中、イメージ刷新が狙いか

話を戻そう。内情はともかく、大統領は全幅の信頼を置く秘書役ともいえる大統領府長官を大幅に若返りさせ、「一家言がある腹心」から「忠誠を尽くす部下」に交代させたのは確かだ。大統領のフリーハンドが高まることは間違いない。

周知のようにプーチン大統領は従来、自らの出身母体のKGBと、出身地のサンクトペテルブルク人脈の盟友らを相次ぎ要職に登用し、政権基盤を固めてきた。故エリツィン元大統領に後継指名され、2000年に初めて大統領に就任した当時はまだ知名度も低く、信頼できる人脈も限られていたためだ。

しかも、こうした腹心らの意見に真摯に耳を傾けたうえで政策を断行するのが、プーチン氏の真骨頂だったとされる。いまでこそ、「強権」「独裁」といった呼称を添えられることが多いが、側近グループと共に築き上げた「集団統治」がプーチン政権の元来の強みともいえた。大統領も腹心の人事にはことさら配慮し、転職させる場合もそれなりの要職を準備するのが常だった。

ところが、今回のイワノフ氏の人事はどうみても降格だ。そこで浮上しているのが、大統領は18年の次期大統領選の再選に向け、斬新な印象を国民に植え付けようと、腹心の切り捨てに徐々に動きだしたのではないかという観測だ。プーチン大統領は依然、80%を超える高い支持率を誇っているが、14年春にウクライナ領だったクリミア半島を併合した直後に比べると、徐々に低下しつつあるのも現実だ。

transition of Putin's approval rate

腹心や旧友を重用してきた弊害として、とくに旧KGB出身者らが国家資産を流用し、私腹を肥やしているのではないかとの疑念は国内で根強い。原油安やウクライナ危機に伴う欧米の経済制裁で国内経済が停滞するなか、腹心の汚職疑惑は次期大統領選の障害になりかねない。そこで人事政策で疑惑の芽をあらかじめ摘み取り、プーチン政権のイメージを刷新しようとしているのではないかというわけだ。

最大の標的はロシア最大手国営石油会社「ロスネフチ」社長

理由はさておき、旧KGB人脈を中心に、プーチン大統領の旧友や腹心の更迭がここに来て相次いでいるのは事実だ。ロシア鉄道を長年率いてきたウラジミル・ヤクーニン氏が昨年、社長職を解任されたのを皮切りに、今年に入ってからもヴィクトル・イワノフ連邦麻薬流通監督局長官、コンスタンチン・ロモダノフスキー連邦移民局長官、エフゲニー・ムロフ連邦警護局長官、アンドレイ・ベリャニノフ連邦税関局長官が相次ぎ更迭された。

とくにベリャニノフ長官の解任に際しては事前に、自宅への家宅捜索で“発見”された多額のドル、ユーロ、ルーブル紙幣の札束が机上に並べられた映像や写真が大々的に公開された。同氏も旧KGB出身で、プーチン氏とはともにKGB職員として旧東独に勤務していた時代に知り合ったとされる。そんな旧友も「汚職まみれの高官」として見せ物にされたわけだ。

プーチン大統領が次期大統領選を視野に、腹心の切り捨てで政権の抜本的な刷新に乗り出したのだとすれば、最大の標的になるとみられるのが、ロシア最大手の国営石油会社「ロスネフチ」を率いるイーゴリ・セチン社長だろう。プーチン氏をサンクトペテルブルク第1副市長時代から支え、大統領の「側近中の側近」といわれる大物だからだ。

セチン氏については最近、連邦政府が財源不足の穴埋めに計画する有力石油会社「バシネフチ」の民営化問題をめぐって、政権との確執も伝えられる。政権側が民間企業への株式売却を想定しているのに対し、国営企業のロスネフチも入札に参加させるべきだと強硬に主張しているからだ。

さらに反政府系の週刊紙「ノーバヤ・ガゼタ」は最近、最低でも1億ドル以上と推定される世界でも有数の超豪華ヨットを、セチン氏の妻が頻繁に利用しているとして、同氏がこのヨットの所有者ではないかとの疑惑を報じた。汚職疑惑まで取り沙汰されたセチン氏は、引き続き大統領の腹心として中枢に残るのかどうか。同氏の去就は今後のプーチン政権の行方を占う試金石となりそうだ。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国北戴河会議で何が語られたのか 注目すべきは常務委員に加えて中央委員人事』(8/25日経ビジネスオンライン The Economist)、『中国は壊滅的打撃受け、今までの発展が水の泡に 米中開戦のシミュレーション、ランド研究所が公表』(8/23JBプレス 渡部悦和)について

今後中国共産党の人事の季節になろうとも、米中戦争が勃発すれば、それは吹き飛ぶでしょう。今すぐ戦争が起きる訳ではないし、キッシンジャーやライスのようにパンダハガーもいます。大体パンダハガーは中国の鼻薬が効いているのが多いと思います。でも彼らは米国の国益を大きく毀損しているのに気づいていないか、気づいていても私欲のために知らんふりしているかです。米国との世界2分割(スペイン、ポルトガルのトルデシャリス条約のようなもの)、その後世界制覇を狙っているのは明らかです。AIIBを作り、基軸通貨を$からRmbに切り替えようとしていますし、膨大な人口を利用し、中国人をドンドン入植させて、自分達の陣地を増やそうとしています。多文化共生なんて彼らの侵略を正当化するためだけです。米国覇権に挑戦するものです。米中どちらが良いかは自明です。「自由、民主、基本的人権、法治」を基本理念として持つ米国(100%そうはなっていなくとも)とその4つ総てない中国と選ぶとしたら自ずから明らかです。中国のチベット、ウイグル、南モンゴルの扱いを見ていれば、中国と組むのは愚かでしょう。

戦争になるとしても、戦闘から始まるよりは、先ずは経済制裁、機雷による海上封鎖から始まるのでは。米国の持つ金融情報(FATCA)を駆使し、世界の中で人民元取引国とは米国は取引しないようにすれば良いでしょう。石油や食料が入らない中国では革命が起きるはずです。海路(一路)から貨物は入らなくなり、陸路(一帯)からになります。陸路ロシアから貨物が入るのを止めるのがキモです。日ロ平和条約を結んで中国を孤立化させないと。

戦争になれば、米国内の中国人はどう扱われるのでしょう?強制収容所送りにするのでしょうか?スパイ活動をしている中国人は全米にいます。予防拘禁するのかどうか?国連(“United Nations)はどうなるのでしょう?第二次大戦後、特権を保持してきたP5の地位も変わらざるを得ません。戦後日本が背負ってきた言われなき捏造史も清算できるかもしれません。

キチガイ毛沢東(毛VSポンピドー会談)を生んだ中国のことですからMADも機能しなくて、核戦争になるやも知れません。核シェルターを早く整備しないとダメでしょう。日本も報復できる核を持たないとダメです。

The Economist記事

ひだ付きの華やかなコック帽をかぶるヤン・ジービン氏は、中国のリゾート地・北戴河にたたずむレストラン「起士林餐庁」の厨房責任者だ。同氏は1971年からここで働いている。中国政界の重鎮は毎年8月、この地に集って密室会議を開く。

Xi in RenDa

(写真=AP/アフロ)

今や料理長となったヤン氏は、この街一番の壮麗さを誇るこのレストランを昔ながらの姿に保とうと努めている。「100年前からメニューに並んでいる料理が20品以上あります」とヤン氏は言う。「私たちはここの伝統的なスタイルを守りたかったのです」。「猴子」(猿の意味)とだけ名乗るある客は、「私がこのレストランに初めて来たのは30年ほど昔のこと。当時に比べて変わったのは料理の値段くらいだ」と語った。

北戴河は北京から東へ280キロのところにあるビーチリゾートだ。まるで時間を切り取ったかのような雰囲気に包まれている。ホテルでは刺しゅう飾りのついたシーツも使われる。

始まりは毛沢東

恒例の北戴河会議が8月16日に閉幕したとき、この町の持つ時を超越したような空気もただの幻想に感じられた。中国の政治は独特な不確実性と緊張をはらむ時期に突入したのだ。習近平国家主席はこれからの数か月間、中国共産党の各レベルの指導層について全面的な人事異動を主導する。

そのハイライトとなるのが来秋に行われる中央政治局委員の選定だ(習主席は引き続き中央政治局の最高指導者となる)。中国では5年ごとに最高指導部の人事が決定される。歴代国家主席と近い関係にある勢力と習主席との熾烈な闘いがそのプロセスに暗い影を落とすことになりそうだ。

それでなくとも中国経済の健全性に対する懸念は高まる一方である。海辺の別荘で過ごす指導者たちは、浮かれた気分には到底なれないことだろう。

北戴河で非公式な会合を開くという伝統を始めたのは毛沢東だ。その狙いは、北京のうだるような暑さと単調な日々から逃れ、現役と長老が顔を合わせる場を提供することだった。1980~1990年代、鄧小平はこの討論の場を大いに利用し、自分の思惑どおりに物事が運ぶよう手を回した。各所の責任者は名目上の存在にすぎなかったのである。

だが習主席は口うるさい党の長老たちを寄せ付けないようにしている(2代前の国家主席だった江沢民氏は8月17日に90歳の誕生日を迎えた。だが今も影響力を持ち続けている)。前任者の胡錦濤氏と違い、習主席は長老たちのために割く時間を持ち合わせていないようだ。

権力の集中を進める習主席

理論上は、指導層の人事を改変するにあたり、習主席が自らの取り巻きを重用するのは比較的容易なはずである。習氏は政治指導者として胡錦濤氏よりもずっと強硬だ。鄧小平氏が築いた「集団指導制」を廃止し、前任者たちより多くの権威ある公的立場を自分のものとしている。

胡錦濤氏と江沢民氏がそうであったように、習主席は中国共産党の総書記であり、国家主席であり、人民解放軍の総司令官だ。だがそれ以上の存在でもある。習主席は自らが率いる「領導小組」制を拡充し、政府や党上部組織の領域とされてきた政策分野についても権限を与えている。

また習主席は厳しい「反腐敗運動」を進めており、官僚の間には恐怖感が広がる。検挙された大物の大半は習主席の政敵だ(最近では、胡錦濤氏の側近だった令計画氏が7月に無期懲役判決を言い渡されている)。習主席が政権に就いた2012年以来、副大臣以上の肩書を持つ177人が取り調べを受けた。

米ワシントンDCに拠点を置くシンクタンク、ブルッキングス研究所のチェング・リー氏によると、習主席は50人を超える軍司令官を汚職のかどで逮捕し、その役職に自分の部下を配置しているという。

中央委員会における基盤は脆弱

たとえそうだとしても習主席の権限はいまだ限定されている。確かに最上層部における習氏の地位は安泰に見える。だがその下の指導層において習氏を支持する者は驚くほど少ない。

カリフォルニア大学サンディエゴ校のビクター・シー氏は、共産党中央委員会の委員205人について仕事関連および個人的な人脈を多岐にわたり追跡した。中央委員会は幅広いエリート層が一堂に会する場であり、習主席の決定事項に印を押す立場にある(最近この委員会で公式な異議が持ち上がったという噂はない)。

だが喫緊の課題である経済改革など、習主席が自らの政策を実行するには、単に挙手するだけでなく熱心に支持してくれる存在が必要となる。シー氏によると、習主席派が中央委員会に占める割合はわずか6%。これでは大きな力にはならない。

この数字は鵜呑みにしないほうがいい。中央委員の多くが誰を支持しているかを知るのは容易なことではない。それに、習主席の派閥でなくても野心や恐怖心から同氏を支持する委員はおそらく数多く存在する。

それでも、中央委員会には習主席が頼れる忠実な支持者は圧倒的に少ない。習主席が今のメンバーを選んだわけではないからだ。現委員は2012年に習氏が党指導者となったのと同時期に選ばれた人々である。そのときの選抜プロセスは当時の最有力人物、つまり胡錦濤氏と、ずっと以前に引退していた江沢民が監督した。

中央委員会の大規模な入れ替えへ

中国では来年、5年に一度の共産党大会が開催され、中央委員会の新たな構成員が任命される。党大会の開催時期はおそらく10月だ。そのときは習主席が選抜プロセスを取り仕切る。さらに、補充する席数が通常より多い。

委員会が定める定年は65歳。通常は5年ごとに40~50人の委員がこの年齢に達し、退職する(ちなみに中央政治局の定年は68歳)。この年齢が変わらないと仮定した場合、2017年には85人の委員が引退することになる。これに加えて7人が汚職を理由に追放されているため、習主席は合計で92人を新たに任命できる計算となる。今年の北戴河会議では、この新人事が初めて検討されたようだ。

空席の一部は年功序列の原則に基づいて補充されるだろう。仮に習主席が新委員の半数を選べるとしたら、中央委員会における習氏への支持レベルは大幅に上昇する。たとえ習氏の忠実な部下が過半数に満たないとしてもだ。そうなれば習主席の権限は拡大する。

ただし絶対的なものとはならないため、同氏はそのことに苛立ちを覚えるだろう。習氏の前任者、胡錦濤氏が中央委員会のトップを引き継いだときも、去りゆく指導者たちが選んだ面々が委員に名を連ねていた。胡氏は指導者としては比較的弱気であり、困難な経済改革に対してあまり意欲を見せなかった。習主席は、少なくとも言葉の上では胡錦濤氏よりも野心的な態度を見せている(従来の慣習に倣えば習氏が退くと見られる2022年以降も、同氏はとどまりたい考えであるとの噂さえ聞かれる)。

人事をめぐるこうした戦いは今後1年ほどの間、閉ざされた扉の裏側で繰り広げられる。起士林餐庁のシェフ、ヤン氏は忙しくなりそうだ。中国の指導者たちは、以前は彼のレストランに足を運んで食事をしていた。だが最近、ヤン氏は彼らのビーチハウスに呼ばれて料理をすることが多くなったという。指導者たちは政敵を出し抜き、押さえ込むための策を巡らせているに違いない。

© 2016 The Economist Newspaper Limited. Aug 20th 2016 | BEIDAIHE | From the print edition

JBプレス記事

P22

韓国・ソウル南郊の烏山空軍基地でステルス戦闘機「F22」の前を歩く米空軍パイロット(2016年2月17日撮影、資料写真)〔AFPBB News

中国が現在陥っている経済的危機の深刻さは、「GLOBAL TRENDS 2030」が予想した「中国が破竹の勢いで国力を増強させ米国を2030年に追い越す」というシナリオが実現しないことを意味している。

私の中国に対するイメージは「手負いの龍」であり、あまりにも無理をして富国強軍を目指したために至る所で綻びが目立っている。

経済的苦境にある手負いの熊であるロシアがクリミア併合やシリアでの軍事行動などの問題行動を引き起こしている様に、手負いの龍である中国も攻撃的な対外政策をとり続ける可能性がある。

ダニエル・リンチが「中国台頭の終焉」*1で指摘するように、「中国台頭の終わりは、日本の台頭の終わりが日本のエリートたちを傷つけた以上に中国共産党を傷つけるであろう。国粋主義的な軍人や野望に満ちた外交の戦略家たちは強圧的で不快な外交政策に明らかに関心を持っているが、それらの政策により中国の状況を支え切れるものではない」のである。

「日米中安全保障関係」をテーマに米国で研究活動を行っていると、大国間の覇権争いの最悪の事態として米中戦争を想定せざるを得ない。

中国の南シナ海や東シナ海における国際法を無視した主張や行動とこれに対する米国特に太平洋軍の対応を見ていると、偶発的事案(例えば米中の航空機同士の衝突など)が米中戦争に発展する可能性や人民解放軍が強調する短期高烈度地域紛争(Short-Duration High Intensity Regional Conflict)の可能性を意識せざるを得ない。

安全保障の本質は、最悪の事態に備えることであり、最悪の事態としての米中戦争を想定し、分析し、最終的には米中戦争をいかに抑止するかを考えることは極めて重要である。

最近(2016年7月)、ランド研究所(Rand Corporation)が“War with China(Thinking Through the Unthinkable)*2” [中国との戦争(考えられないことを考え抜く)]を公表した。

このランド論文は、米中戦争について4つのケースを列挙・分析し、米中戦争が両国特に中国にいかに甚大な損失を与えるかを定量的に明らかにし、その損害の大きさを強調することによって米中戦争を抑止しようという試みである。

ランド研究所が得意とする米中戦争のシミュレーション結果に基づく興味深い論文であり、「戦争は、両国の経済を傷つけるが、中国経済が被る損害は破滅的で長く続き、その損害は、1年間続く戦争でGDP(国内総生産)の 25~35%の減少になる。一方、米国のGDPは5~10%の減少になる。長期かつ厳しい戦争は、中国経済を弱体化し、苦労して手に入れた経済発展を停止させ、広範囲な苦難と混乱を引き起こす」などの興味深い指摘がある。

このランド論文は、米陸軍の委託を受けて書かれたものであり、論文の大部分は秘に指定されて公表されていないと思われる。しかし、今回公表された部分のみでも示唆するところが大きいので紹介する。

*1=Daniel Lynch、“The End of China’s Rise”Foreign Affairs、January 11 2016

*2=David C. Gompert, Astrid Stuth Cevallos, Cristina L. Garafola,“ War with China Thinking Through the Unthinkable”, RAND Corporation

1ランド論文「中国との戦争」

  • 4つのケース

米中戦争について、以下の4つのケース(「短期、厳しい」、「長期、厳しい」、「短期、マイルド」、「長期、マイルド」)を列挙し、各々について分析している。

「短期」は数日から数週間、「長期」は1年程度を意味する。「厳しい」と「マイルド」の決定的な違いは、中国本土の目標を米軍が打撃するか否かであり、「マイルド」では中国本土の目標を攻撃しない。

中国の軍事戦略は「短期、厳しい」戦争を追求するが、米国は勝利の可能性の高い長期の戦争を指向している。つまり、米中は非対称な戦争の形態を追求していて、ここに米中の思惑の違いがある。

その結果として、「長期、厳しい」戦争に対する備えをしなければいけないとランドは主張している。

(1)短期、厳しい(Brief, Severe)

前提:戦争に勝利するという論理とカウンターフォース*3戦略が最初から支配的である。(筆者注:カウンターフォースの具体例は、米軍の場合はエアシーバトル、人民解放軍の場合はA2ADであると認識してもらいたい。エアシーバトルとA2ADの激突が米中のカウンターフォースであると認識してもらいたい)

特徴:

・両者にとって利害関係が非常に重要である。 ・危機はカウンターフォースの圧力のために増す。 ・両国は、あらかじめ策定した軍事作戦構想を直ちに実行する。中国は、米国の空母や航空基地を攻撃するためにキルチェインを使用する。

・米軍は、中国本土に対する選択的な打撃を行う。 ・両国は、選択的なサイバー戦争を実施する。 ・軍事作戦的に切迫した状況は、高速および激烈な戦争に帰結する。

・政治指導者は、紛争を終了する時期についてのみ統制する。 ・紛争は1週間程度継続する。

(2)長期、厳しい(Long, Severe)

前提:戦争に勝利するという論理、明確な勝者が存在しない状況、強い敵意、強い決意に基づいて激しい戦闘が遂行される。

特徴:

・指導者は、戦争を終結できないか、選択することができない。 ・被る損害は、妥協を困難にする。 ・米軍は、中国本土に対する大規模な打撃を実施する。

・非核手段によるエスカレーションが起こる。地理、目標、サイバー戦争、対衛星兵器のエスカレーションが起こる。 ・両国は継続的な大きな損失に直面する。

・両国は、より多くの戦力を投入する。中国は、損失の増大とともに動員を行う。 ・紛争は1年以上継続する。

(3)短期、マイルド(Brief, Mild)

前提:指導者は、敵対行為を制限し、紛争の早期終結に同意する。

特徴:

・敵対行為は、予期せぬ事故または誤算をトリガーとする。その際に、第三者を巻きこむ場合がある。 ・政治的指導者は、迅速かつ強い作戦統制を実施し、直接的に意思の疎通を図り、敵軍攻撃についての大きな統制権を確保し、現状維持で紛争を終了することに同意する。 ・1週間前後で敵対行動を終了する。

(4)長期、マイルド(Long, Mild)

前提:指導者は敵対行動を制限するが、紛争終了には同意しない。

特徴:

・「短期、マイルド」ケースの発展形である。 ・政治的統制により敵対行動を制限する。 ・両国の軍は、増強され、狭いところで作戦する。損害は散発的に、しかし継続的に起こる。

・指導者は意思の疎通を図るが、戦闘終結の時期に関して合意に至らない。 ・低烈度の紛争は、経済的にも政治的にも継続可能で、いずれの側も譲歩を望まないし、損失の大きな戦争も望まない。 ・紛争は1年以上続く。

*3=戦略核理論においては、カウンターフォース(counterforce)は、相手の戦力を破壊するための総力を挙げての試み(総力戦)を意味する。ランド論文は、核戦争を想定していないので、カウンターフォースとは、「通常戦において、相手の戦力を破壊するための総力を挙げての試み」の意味である。例えば、米軍による中国本土に展開する主要なA2AD能力を破壊する試みである。

  • 米国と中国の戦争についての考え

米国と中国は、「米中紛争が激烈なものになる」と考えている。中国は短期の紛争を計画(希望)し、米国は長期の紛争の方が米国の勝利にとって有利だと考える。しかし、米中ともに長期の戦争の影響を系統的に分析していないし、計画的かつ相互に暴力の抑制について考えることもしていない。

中国は、米国との戦争を避け、限定した目的(台湾の独立の阻止、海洋の要求を強制すること)のために軍事力を使用する。しかし、米国との戦争を除外しない。中国本土への打撃、膨大な損失、結果としての敗北を覚悟する。米国の介入を抑止できない、敗北を回避できない場合に備えなければいけない。

中国は、米国の空母および作戦地域に存在する航空基地を主要な打撃目標としている。中国は、米国のアキレス腱をC4ISR(ブログ主注:Command, Control, Communication, Computer, Intelligence, Surveillance and Reconnaissance)だと認識し、そのためにサイバー戦や宇宙戦の対衛星兵器(ASAT)を重視している。

  • 2015年と2025年における米中戦争による損失予測

米軍は、2015年の時点で、人民解放軍よりも長期の激烈な戦争を遂行する能力がある。中国のA2AD能力が米軍を減殺するよりも、米軍は中国のA2AD能力をより早く減殺することができる。

しかし、将来的には、米軍は、中国のA2AD能力により多大の損失を受け、中国軍の損失は少なくなる傾向がある。

図1は、長期の激烈でコストのかかる戦争のケースを示している。中国のA2AD能力が、米軍の打撃力との比較において相対的に向上すると予測している。

図のT0は戦争の開始時点、T1は戦争開始から数日後、T2は1年後を表す。2015年では中国軍の戦争に伴う戦力の低下が米軍の戦力低下よりもはるかに大きいことが分かる。

2025年では中国軍の戦力低下がほんの少し改善し、反対に米軍の戦力低下が大きくなり、2015年に比較して両国の戦力低下の差が縮小する。

diagram about US VS PRC-1

図1「長期激烈戦争における軍事力の低下」 出典:War with China

図2は図1の詳細バージョンである。左が2015年の軍事力の損失、右が2025年の軍事力の損失を示す。緑色の帯は小さな損失、黄色の帯は重大な損失、オレンジ色の帯は重い損失、赤色の帯は非常に重い損失を示す。

米軍の損失は、2015年に比し、2025年では大きく増加していることが分かる。中国人民解放軍の損失は、2015年も2025年も非常に大きな損失を被ることに大きな変化はない(損失の改善がほんの少し見られる)。

diagram about US VS PRC-2

図2「長期激烈戦争における軍事力の損失」 出典:War with China

  • 2015年および2025年の戦争によるGDPの損失

図3は、米中戦争におけるGDPの損失を示している。

左側は戦争により米中2国間の貿易が損失を受けることによるGDPの減少を示し、右側は戦争により米中2国間のみならず全世界の国々との貿易が損失を受けることによるGDPの減少を示している。右図(全世界レベルでの貿易量の損失の影響)における中国のGDP減少が顕著であることが分かる。

diagram about US VS PRC-3

図3「長期激烈戦争におけるGDP の損失」 出典:War with China

図4を見てもらいたい。中央の一番小さな円は米中2国間の貿易を、その外側の円は戦争地域のその他の国々との貿易を、一番外の円は戦争地域以外のグローバルな貿易を表す。

そして、赤色は戦争による非常に大きな影響、黄色は重大な影響、緑色はほんの少しの影響を示す。そして、それぞれの円の大きさは戦争による貿易上の影響の大きさを示している。

例えば、中国の場合、米国との2国間貿易は貿易全体の10%で戦争により非常に大きな影響(赤色)を受ける。

さらに戦争地域近傍の他の国々との貿易は全体の40%で戦争により非常に大きな影響(赤色)を受ける、戦争地域以外のグローバルな貿易は全体の50%で重大な影響(黄色)を受けるので、戦争に対する脆弱性も非常に大きい。

米国の場合は、中国との貿易は全体の15%で戦争により非常に大きな影響(赤色)を受けるが、戦争地域近傍の他と国々との貿易は全体の10%で戦争により重大な影響(黄色)を受ける、戦争地域以外のグローバルな貿易は全体の75%で小さな影響(緑色)しか受けないので、戦争に対する脆弱性は中国に比してはるかに小さい。

diagram about US VS PRC-4

  • 4つのケースの分析結果

(1)短期、厳しい(Brief, Severe)

米中いずれかの政治指導者が、敵部隊に対する激しい打撃を許可すると、非常に暴力的な戦争が勃発する。

2015年では、米国の空母や航空基地の損害は重大なものであるが、中国のA2/ADシステムなどの損害は米側の損害以上になる。数日間における米側に有利な損害の米中ギャップは、戦闘が継続するとさらに大きくなる。

しかし、2025年では、米国の損害は中国のA2/AD能力の向上のために増加するが、中国が被る損害はわずかに減少する。中国の損害は、米国の損害よりも大きいが、その差は縮小する。

米中両国にとって、戦闘の継続が勝利で終わるかどうかは明確ではないが、経済的には、激しい戦争は中国の世界貿易(その大部分は西太平洋を経由する)に大きな影響を与える。

一方、米国の損害は中国との2国間貿易に限定される。国際政治や国内政治には少ないインパクトしか与えないであろう。

(2)長期、厳しい(Long, Severe)

2015年における長く厳しい戦争は、中国にとってさらに悪い結果になる。

しかし、2025年においては、当初の決定的な結果をもたらさない戦闘は、予想される大きな損害にもかかわらず、両国に戦闘を継続するモチベーションを高める可能性がある。

米国の軍事的な勝利の可能性は2015年時点に比して悪化するが、中国の勝利を意味するわけでもない。戦争が継続すると、西太平洋の大部分(黄海から南シナ海まで)における民間の海運や空輸は危険になり、エネルギー供給を含む貿易の縮小が中国経済をひどく傷つける可能性がある。

紛争がより長く激烈になればなるほど、その地域の米国の同盟、国特に日本を巻き込むことになるであろう。

(3)短期、マイルド(Brief, Mild)

迅速な軍事的勝利の見通しの不透明さ、政治的な統制を失う危険性、大きな経済的損失の恐れにより、全面的な打撃を厳しく制限し、低烈度、散発的、決定的ではない、軍事的損害が最小限度の戦闘になる可能性がある。

両国の政治的指導者が妥協に傾き、紛争がもたらす経済的損失や国内及び国際的な政治的動揺が生起する以前に紛争が終了する可能性がある。

(4)長期、マイルド(Long, Mild)

戦闘は封じ込められ、損害は許容の範囲内であり、米中両国が低烈度の紛争を継続することによる政治的コストも小さい。両国が軍事的な優勢を獲得しないと、紛争はしばらく継続することになる。

一方、戦闘は限定されるが、経済的損失が特に中国において増大する。時間の経過とともに、国際および国際的な政治的反応が、「長期で厳しい」ケースの場合ほどではないが、増大する。

これらのケースは、米中両国の通常兵器によるカウンターフォース能力が、当初から制限のない敵対行動の終始を通じて大きな軍事的損害をもたら可能性があることを示している。そして、先制攻撃が有利であるという認識は、両国間の紛争の生起を容易にする要素になる。

中国のA2AD能力の向上は、2025年における米中間の損害のギャップを縮小させる。中国の損害はそれでも大きいが、米国の損害は2015年における損害よりも大きくなる。

米国の軍事的勝利の可能性は低下するが、中国の勝利の可能性も小さい。

両者は、損害を継続して与えることはできるが、敗北を受け入れるわけではない。「厳しい長期の軍事的帰趨のはっきりしない」戦争は、両国を弱体化し、その他の脅威に対して脆弱になるであろう。

  • 非軍事的要因の重要性

戦争は、結局は非軍事的要因で決定される。この非軍事的要因は、現在も未来も米国に有利である。

戦争は、両国の経済を傷つけるが、中国経済が被る損害は破滅的で長く続き、その損害は、1年間続く戦争でGDPの25~35%の減少になる。一方、米国はGDPの5~10%の減少になる。

長期かつ厳しい戦争は、中国経済を弱体化し、苦労して手に入れた経済発展を停止させ、広範囲な苦難と混乱を引き起こす。

そのような経済的損害は、政治的混乱を引き起こし、中国内の分離派を大胆にする。政府や治安部隊は、そのような挑戦に対抗できるであろうが、戦争中における抑圧を強め、中国政府の正統性を減じることになる。

一方、米国内の党派色の強い小競り合いは、戦争努力に影響を与えるだろうが、紛争がいかに長くかつ激しくなったとしても、その紛争が通常戦である限りにおいて、社会的な安定を脅かすものではなく、国家の生存には影響を及ぼさない。

サイバー戦がエスカレートすると、両国にとって有害であるが、中国の経済問題を悪化させ、落ち着かない国民をコントロールする政府の能力を低下させることになる。

国際的な反応も長く厳しい戦争において米国に有利になるであろう。

NATO(北大西洋条約機構)は、欧州におけるロシアの脅威を抑え込み、米国の東アジア同盟国(日本を含む)の米国に対する支持は、中国の軍事的チャンスを害することになる。

日本は、在日米軍基地が攻撃されたならば、参戦することになろう。日本政府の集団的自衛権に関する憲法解釈の変更、日本の軍事力の改善及び日本の参戦は、2025年までの戦争の方向性と結果に変化をもたらすであろう。

これらの事実は、米中戦争が非常に害が大きく、両国はその回避に最高の優先順位を置かざるを得ないことを明示している。

大きな損害が計画的戦争の蓋然性を低くするならば、両国の強い危機管理と軍隊のシビリアン・コントロールが求められる。両国の指導者間のコミュニケーションが重要になる。

米国は、厳しい紛争をコントロールできず、勝つことができず、大きな損害やコストを避けられないかもしれないが、激烈で迅速なカウンターフォースを自動的に実施すべきではない。

それは、軍事計画の遂行に関する大統領の最終的な許可に基づき実施され、指揮官たちは、大統領に実施可能な選択肢を提供しなければいけない。

中国は、A2AD能力の向上にもかかわらず、厳しい紛争の損害を被る。

ハイテクおよびハイスピード戦における軍民協力の経験に乏しい中国の指導者は、軍の現代化のトレンドは「短期戦の勝利である」という間違った助言を受けているが、実際の戦争は、厳しい長期の軍事的に決着のつかない戦争の蓋然性が高い。

そして、米国に有利な経済的政治的および国際的効果を伴う戦争である。中国は、米国と同様に政治的決心により、迅速激烈なカウンターフォース戦略に基づく軍事計画の自動的な遂行を防止すべきである。

  • 米軍のために奨励する行動

中国の米軍攻撃の抑制は、中国による米軍行動の予測に依存する。米軍は、紛争の初期段階において中国のA2/AD能力を撃破する計画に依存すべきではない。

そのような依存は、危機の安定化を阻害し、中国の先制攻撃を促し、当初からの激烈な戦闘を不可避にする。

さらに、米軍は、迅速な通常兵器によるカウンターフォース攻撃という唯一の計画で、大統領の選択肢を制限してはいけないし、代替案の遂行を準備すべきである。長期の高烈度の戦争を計画し、これを中国に知らしめることが安定の強化と抑止にとってより良策である。

兵器の残存性の向上とA2/AD能力(ミサイル、潜水艦、ドローン、ドローンの発射プラットフォーム、サイバー、ASAT)に資金を投資することにより、中国のA2ADに対抗すべきである。

これらのA2/AD兵器は、中国の戦勝の自信を否定し、紛争初期の緊要な時期のみならず全般にわたる安定の改善に資する。しかし、これらの兵器は、米国の軍事的優越性やコントロールを回復し、厳しい紛争における大きな損害や経済的損害を回避するわけではない。

中国との確率の低い戦争に準備する膨大なコストを考えなければいけない。

・激烈な軍事作戦を遂行し、生き残るための能力を改善する。 ・中国周辺の同盟国及び友好国の優先順位の高い軍事的能力を高め、軍事的相互運用性を向上する。

・日本およびその他の東アジア同盟国および友好国と有事計画を作成する。 ・中国との紛争を含む偶発事態及びそれに対するロシアやイランの反応についてNATOと協議する。

・中国製の重要な製品の中断を緩和する方策を採用する。 ・中国にとって戦時重要物資(例えば原油)の輸入を阻止する方策を案出する。

  • 米陸軍への提言

米陸軍は、次のことに貢献できる

・対A2/AD能力、例えば、中国の海空戦力損害を増大するために、機動式の地上発射ミサイル、統合防空を研究する。 ・東アジアの友好国を強くし、アドバイスし、強力な防衛の構築を可能にする。 ・長期の厳しい戦争における需要の大きい兵器と備蓄を評価する。

米国は、米陸軍を含み米中の軍対軍の相互理解および誤認識や誤判断によるリスクを低減するための方策を拡大し深化させなければいけない。

  • 「中国との戦争」の結論

中国の軍事力の向上は、米国の軍事的優位性を低下させ、米中戦争は、激烈で、1年以上継続する、勝者がいない、両国に非常に大きな損失とコストを強いる。そのような戦争が長く続くほど、経済的、国内政治的および国際的な影響が重要になる。

そのような非軍事的な影響が中国を最も激しく打ちのめし、米国の経済を害し、世界的な挑戦(諸問題)に対応する米国の能力を大きく損なう。

米国は、中国との長く激しい戦争を遂行することができるように、賢明な準備をしなければいけない。重要なことは、その計画立案、シビリアン・コントロール、平時・危機時・戦時に中国と意思疎通できる能力により、中国との戦争の規模、激しさ、期間を局限する米国の能力である。

同じように中国にとって、政治的統制、戦時におけるトップレベルの良き意思疎通が不可欠である。

中国の軍事力の向上は、米国に決定的に敗北する危険性を減じているのは事実である。しかし、中国は、短期の戦争を頼ることはできなくて、長期の戦争が中国を弱く、不安定で、不安全で、貧しい状態にするであろう。

米中がお互いを破壊する能力が同等になると、どちらも許容可能な犠牲で勝利する自信を持てなくなる。もしも対立や突発事態が敵対行動にスカレートしたならば、いかに勝利するかではなく、いかにして損害を局限するかを考え抜くべきである。

2 「中国との戦争」に対するコメント

ランド論文「中国との戦争」は、示唆するところの多い、意義のある論文であるが、以下のような評価もせざるを得ない。

  • JAM-GC*4(Air Sea Battleの後継作戦構想)を否定するのか?

「激烈で迅速なカウンターフォースを自動的に実施すべきではない」、「米軍は、紛争の初期段階において中国のA2/AD能力を撃破する計画に依存すべきではない」という表現は、JAM-GC(Air Sea Battleの後継作戦構想)を否定する表現と判断せざるを得ない。

この点がランド論文「中国との戦争」に対する筆者の最大の疑問である。

ランド研究所はいかなるJAM-GCの代替作戦構想を持っているのか。昨年秋にランド研究所が発表した米中戦争のシミュレーションである「米中軍事スコアカード」は、Air Sea Battleを作戦構想とする分析であった。

ただ単に激しい戦争を避け、長期の戦争に持ち込むために、JAM-GCを否定するような表現を使っているのか、疑問である。

  • 日本は厳しい状況を覚悟すべし

米軍が紛争の初期段階における犠牲を避けようとすればするほど、米国の同盟国である日本の被害は大きくなる。

米国が「短期、厳しい」ケースを避けたとすると、日本などの同盟国や友好国は「長期、厳しい」ケースに耐えなければならない。この点は、日本にとって重大である。

  • 米軍に対するA2/AD兵器の推奨

中国のA2/ADに対抗するために、米軍のA2/AD兵器の導入を推奨しているが、あまりに消極的すぎる提案である。

米国防省の第3次相殺戦略で提案されている長距離の打撃力などの中国に勝利する兵器や技術をどのように評価しているのか、疑問である。国防省は、あくまでも「長期、激しい」戦争に勝利する作戦構想および兵器を保有するという考えであろう。

  • 中国の指導者やシビリアン・コントロールについての評価

米中戦争の回避に関し、中国の政治的指導者の統制能力やシビリアン・コントロールに期待しているが、これらに期待できないから米中戦争が生起するのであろう。

中国には民主主義国家に見られるようなシビリアン・コントロールは存在しない。人民解放軍を習近平中央軍事委員会主席が本当にコントロールできるか否かが問題なのである。

  • 米中戦争の抑止

「中国との戦争」は、戦争による損失の大きさを強調することにより、米中戦争を抑止するという観点がある。しかし、損失の大きさは米中戦争抑止の重要な要素にはなるが、それだけでは不十分であり、総合的な抑止の方策が必要である。

*4=Joint Concept for Access and Maneuver in the Global Commons

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『韓国が目論む「2020年の核武装宣言」 北朝鮮を後追い、報復能力を着々と整備』、『二股外交失敗が加速する「韓国の核」 孤独を癒すにも最終兵器が要る』(8/25・26日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

本記事は二股外交の失敗で、米国から見捨てられ、中国からは属国扱いされて、自縄自縛に陥った哀れな韓国が、最後の切り札として核武装に突き進むだろうというものです。反日教育をして日本人を憎むことしかできない特亜3国が核を持ったらどうなるか、平和ボケと笑って済まされる問題ではありません。先ずは米国とのニュークリアシエアリングと潜水艦からSLBMが撃てるように予算・装備・人材育成していくべきでは。日本民族の死活の問題です。

8/26ZAKZAKには<中国で強まる「禁韓令」 テレビで韓国芸能人カット AIIBでも韓国冷遇>と言う記事が載りました。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160826/frn1608261850005-n1.htm

中国に取ってTHHADはキューバ危機(キューバの場合は攻撃用、THHADは防御用)と同じで配備は認められない、でも米国も北のミサイルから米軍を守るためにはTHHAD配備が必要となります。日中韓外相会議で王毅が尹炳世にTHHAD配備中止を求めたといいますが、キューバ危機の時にケネデイが相手したのはフルシチョフであってカストロではありません。中国は文句をつける相手を間違っているというか米国を怖がっているのでは。

8/25ZAKZAK記事では<通貨スワップ問題で韓国に「踏み絵」 メンツか実益か… 麻生財務相は突き放す>、8/26中央日報<韓日財務相会談…韓中関係の亀裂で韓日通貨スワップ再開か>と韓国は日本に通貨スワップさせようと躍起になっています。慰安婦像の撤去もできず(やる姿勢を見せてはいますが、スワップしたいがためだけで、努力したで終わりでしょう。騙されてはいけません)、日本の名誉をずっと傷つけてきたのに、臆面もなく日本に擦り寄ってこれる精神には呆れ返るだけ。通貨スワップはやる環境にないです。真面な人間としての感覚を持たない民族とは「助けない、教えない、関わらない」の『非韓三原則』が正しい付き合い方です。GSOMIAも結ばなくて良かったです。今、韓国は北朝鮮のSLBM発射に慌て日本の支援を期待しているようです(8/26日経「韓国メデイア「韓国メディア「日韓、安保協力強化を」 北朝鮮ミサイルに衝撃」記事『【ソウル=峯岸博】北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射に危機感を強める韓国内で25日、日本との安全保障協力の強化を求めるメディア報道が相次いだ。大手紙の東亜日報は社説で「外交安保戦略を全面的に改編すべきだ」とし「運用・哨戒・機雷敷設面で世界最高水準の対潜水艦抑止能力を持っている日本との緊密な軍事連携戦略が必要だ。時間がない」と主張した。 文化日報は「対潜水艦能力で劣る韓国は日本からの対北朝鮮軍事情報の協力が切実な状況だ」とし「急いで日本と軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を締結する必要がある」との専門家の話を紹介した。フォームの始まり

』)が、旭日旗にクレーム、南スーダンでの自衛隊の韓国軍への銃弾引き渡しの態度など、どの面さげて言えるのでしょうか?本当に自己中な連中です。ロシアの脅威の為、朝鮮半島に進出したことが悔やまれます。8/27財務相会談の結果は再開を検討とのこと。これで竹島、慰安婦、強制労働について何もなく認めるとしたら、自民党・財務省は売国としか言えません。次の選挙で保守派政党に入れねば。反日国家・敵国を何故日本は助けないといけないのか。財務省・官邸はキチンと説明せよ。いくら相手が泣いて頼んできてもその時だけ、裏切るのは今までの歴史が証明しています。もし、助けるとしたら日本人はここまで愚かになったという事。朝日新聞と一緒です。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160825/plt1608251850002-n1.htm

http://japanese.joins.com/article/862/219862.html

http://www.sankei.com/premium/news/151031/prm1510310020-n1.html

歴史の真実世界連合会GAHT代表・目良氏の「米国での慰安婦裁判」について外国人特派員協会での記者会見の模様、 韓国慰安婦像撤去は膠着状態が続くという見通しの韓国語のできる日本人のブログ、毎日新聞のワシントンに慰安婦像設置計画の記事を紹介します。

http://this.kiji.is/141463496944174581?c=39546741839462401

http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/archives/65280989.html

http://mainichi.jp/articles/20160825/k00/00e/030/198000c

韓国は、今後は慰安婦ではなくて強制徴用像を作って日本に強請り・たかりしようと考えているとの話もあります。日本が韓国に甘い対応を取ってきたツケが回ってきたといえるでしょう。

http://blogs.yahoo.co.jp/bonbori098/34338732.html

韓国の家計債務増の記事もありました。中国の経済制裁、日本の韓国離れ、米国の見限り、どれをとっても韓国経済に明るさは見えません。蝙蝠外交、事大主義の為せる業です。自業自得でしょう。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/08/26/2016082600570.html

渡辺惣樹氏の『アメリカの対日政策を読み解く』の中に慰安婦問題の解決で“クロス(cross examination=反対尋問)に晒されない証言は無価値”(P.108~115)で生き証人の主張に対して反対尋問してなければその証言が信用されることはないということです。陪審制度を持つ英米人であれば、FDRが日本を戦争に引きずり込んだという歴史修正主義は信じられなくとも、皆感覚的にクロスがない慰安婦の如何わしさが分かるとのこと。米国の圧力があってクロスができなかったのかどうかですが。米国も日系人強制収容の原罪があり、本来なら改悛すべきところなのでしょうが、やはり人種差別の意識が強く、第二次大戦で米国に逆らったことが心の隅にあるのでしょう。

8/25記事

TV picture in Soel

ソウル駅で北朝鮮のSLBM発射映像に見入る市民。「北の核」が韓国の世論を揺さぶる(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

「核武装宣言」に向け、韓国が着々と準備を進める。目標年度は2020年だ。

潜水艦から弾道ミサイルを撃つ

鈴置:韓国が核武装に向かっています。

—核武装ですか?!

鈴置:厳密に言うと「我が国は核武装する」あるいは「核武装した」といつでも宣言できるよう、準備を進めています。

2016年5月、武器を調達する防衛事業庁が、SLBM搭載型の潜水艦の建造を進めていると明かしました。SLBMとは潜水艦発射弾道ミサイルのことです。

中央日報の「韓国海軍もSLBM保有準備…3000トン潜水艦の製作に速度」(5月18日、日本語版)を要約します。

  • 防衛事業庁は5月17日、慶尚南道・巨済(コジェ)の大宇造船海洋で、3000トン級「張保皐(チャンボゴ)Ⅲ」の起工式を行った。非大気依存推進(AIP)システムなど最新技術を使うほか、垂直発射管を装備する。
  • 海軍は現在、1200トンの209級と1800トンの214級潜水艦を運用している。209級1番艦はドイツで製作、以降も独企業の支援で作ってきた。これに対し3000トン級潜水艦は韓国が初めて独自設計し独自に建造する。
  • 軍当局は3000トン級潜水艦にSLBMも搭載する予定だ。軍関係者は「北朝鮮は最近2000トン級潜水艦に装着するSLBMを開発している。韓国軍も3000トン級潜水艦が完成する2020年代初めには、強力なSLBMを搭載できるだろう」と話した。

3000トン級を9隻体制に

—1隻造るだけですか?

鈴置:聯合ニュースは「次世代潜水艦の建造開始 垂直発射管6門搭載=韓国」(7月1日、日本語版)で、3000トン級潜水艦を9隻体制にする計画と報じています。日本語を整えて引用します。

  • 韓国海軍は2020年から張保皐Ⅲを9隻、戦力化する計画だ。まず2020年から2024年までに1-3番艦を建造し、2025年から2027年までに4―6番艦を建造する。
  • 1-3番艦の潜水艦には、弾道ミサイルを発射できる6門の垂直発射管を設置。射程500キロ以上の弾道ミサイル「玄武(ヒョンム)2B」を搭載するとみられる。
  • 4―6番艦は水中作戦や武装能力に優れたもので、垂直発射管の数も10門に増やす。残り3隻の建造計画はまだ策定されていない。

本当は原潜が欲しい

—なぜ、このニュースから「核武装」が読み取れるのでしょうか。

鈴置:韓国がSLBMを発射できる潜水艦を持つことが確認できたからです。核武装の際には敵国の攻撃に耐え、核で反撃できる「第2撃能力」が要ります。

それがまさに、SLBM発射能力のある潜水艦です。陸上のミサイル基地と比べ、海中に潜む潜水艦なら敵の攻撃は受けにくい。

だからこそ中央日報の記事にあるように、核武装を進める北朝鮮は「2000トン級潜水艦に装着するSLBMを開発している」のです。

いくら北朝鮮が核弾頭の開発に成功しても、それを敵の先制攻撃で破壊されたら終わり。北朝鮮としては「米韓の攻撃を受けた後でも核で反撃できる能力」を持たないと意味が薄いのです。

韓国がSLBMを発射できる潜水艦を造るのも同じ狙いでしょう。本心では原子力潜水艦が欲しいのだと思われます。朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹が2015年5月に持とうと主張しました(「一歩踏み出した韓国の核武装論」参照)。

核ミサイルを搭載するには通常動力型の潜水艦よりも、食料が持つ限り潜航し続けることの可能な原子力潜水艦の方がはるかに有利だからです。

ただ、原潜を造る技術力と予算、時間的な余裕がないので、とりあえず通常動力型の核ミサイル潜水艦の保有に動いたと思われます。

命中精度が低くても……

—SLBMとそれを搭載できる潜水艦が核武装に必要なことは分かりました。しかし、韓国がそれらを持ったからと言って、核武装の準備を進めていると言い切れるのですか。

鈴置:ほぼ、言い切れます。SLBMは核弾頭を積むために保有するのが普通です。SLBMを含む弾道ミサイルは巡航ミサイルと比べ命中精度が低く、通常弾頭を載せたら効果が薄いからです。

すでに韓国海軍は地上攻撃用の巡航ミサイルを持っています。潜水艦の魚雷発射管から撃てます。もし核武装するつもりがないのなら、これで十分。わざわざ命中精度の低い弾道ミサイルを撃つための垂直発射管を備えた潜水艦を造る必要はありません。

—巡航ミサイルに核弾頭を載せればいいのでは?

鈴置:その手もあります。しかし、巡航ミサイルは弾道ミサイルと比べ速度が遅い。弾着までに時間がかかるうえ、撃ち落とされやすいという難点があります。核弾頭を持つ以上はSLBMで撃ちたくなるのです。

SLBMはロシアから導入

—韓国はSLBMを持っているのですか?

鈴置:SLBMの開発も潜水艦の建造と並行して進めています。中央日報が報じています。「韓国型SLBMすでに開発中…4年後に実戦配備」(5月27日、韓国語版)です。ポイントを訳します。

  • 匿名を希望する軍高官が5月26日「SLBMの開発は国防科学研究所(ADD)が主導し、2020年を完成時期に定めている」と述べた。
  • 科学技術政策研究院(STEPI)のイ・チュングン先任研究員は「北朝鮮はロシアの地対空ミサイルであるS-300を応用してSLBMを開発した。韓国は対ロ経済協力借款と引き換えに得たS-400のコールド・ローンチ(cold launch)技術により、北よりも安定的な技術を確保したと聞いている」と語った。

コールド・ローンチとは、潜航中の潜水艦からミサイルを発射する技術のことです。浮上してミサイルを撃つと敵に発見されやすいので、SLBMには必須の技術です。

ミサイルを圧縮空気に包んで水面下から浮き上がらせ、大気中に顔を出した瞬間、エンジンに点火します。北朝鮮は8月24日にSLBMを1発、試験的に発射しました。4月、7月の試験に続くもので2016年に入って3回目です。「コールド・ローンチ」はできるぞ――つまり、第2撃能力は持った、と誇示したいのでしょう。

核弾頭は2年あればできる

—韓国は肝心の核弾頭は開発したのですか?

鈴置:それは分かりません。ただ、「韓国なら2年もあれば開発できる」というのが専門家の間の常識です(「ついに『核武装』を訴えた韓国の最大手紙」参照)。

—では、韓国はある日突然に「核兵器を持った」と宣言するのでしょうか。

鈴置:北朝鮮が核兵器を実戦配備するなど、状況が煮詰まったらそうするかもしれません。その前にも「こういう条件になったら持つ」と予め宣言する可能性もあります。専門用語では「宣言抑止」と言います(「米国も今度は許す?韓国の核武装」参照)。

例えば、北朝鮮が5回目の核実験を実施したとします。その直後に韓国が「北が核を実戦配備したら、こちらも核武装する」と宣言するわけです。

その際、韓国がSLBMやそれを搭載する潜水艦を持っていないと、宣言の「迫真性」に欠けます。核武装は口先だけではないぞと見せつけるためにも韓国は、第2撃能力を持つ必要があるのです。

北朝鮮の核実験はだいたい3年に1度、行われてきました(「北の核実験」参照)。このペースなら、次回は2019年頃に実施と見られます。

  • 北朝鮮の核実験
回数 実施日 規模
1回目 2006年10月9日 M4.2
2回目 2009年5月25日 M4.7
3回目 2013年2月12日 M5.1
4回目 2016年1月6日 M5.1

(注)数字は実験によって起きた地震の規模。米地質研究所の発表による

一方、先ほど引用したように韓国海軍はSLBMも、それを搭載する3000トン級潜水艦も、2020年の実戦配備を目指しています。5回目の核実験に何とか間に合わせたいように見えます。

「宣言抑止」の効果は?

—韓国が「宣言抑止」したら、北朝鮮は核開発をやめるものでしょうか。

鈴置:その可能性は極めて低い。北朝鮮は韓国の核武装宣言に関係なく核開発と実戦配備を進めるでしょう。

ただ韓国としては、米中が北の核武装をより懸命に止めるようになると期待できます。北東アジアの核ドミノの引き金になるであろう韓国の核武装は、米中ともに防ぎたいですからね。

韓国はさらに、米中が北の核武装を阻止できなかった時にも、自分の核武装がより容易になると計算しているでしょう。

韓国がある日突然に核武装したと宣言したら、世界から「北朝鮮と同じ危険な国」と見なされ、同様の経済制裁を受けかねません。北朝鮮と異なり、世界経済と連結度の高い韓国経済は危機に瀕します。

一方、予め「宣言」しておけば、北朝鮮の核に脅される韓国の立場を国際社会も理解し、ある程度は同情的になると思われます。

「核シェアリング」も期待

—「宣言」しておけば、韓国の核武装を米国は許すということですか?

鈴置:それも分かりません。ただ、米国は在韓米軍に原子砲弾などの戦術核兵器の再配備や、北大西洋条約機構(NATO)の一部の国との間で実施している「核シェアリング」を提案し、韓国をなだめる可能性があります。

「核シェアリング」とは、例えば在韓米軍に航空機搭載用の核兵器を配備しておき、いざという時は韓国軍にもそれを使わせる、との約束です(「米国も今度は許す?韓国の核武装」参照)。

使用する場合も米国の許可が要るので、厳密には「シェアリング」とは言い難い。でも、北への牽制力と韓国の安堵感は増します。

それに、核武装を韓国に認めるのと比べれば「核シェアリング」のハードルは低い。米国では議論が始まっているようです。

戦略・予算評価センター(CSBA)が2016年5月31日に発表した「Extended Deterrence in the Second Nuclear Age」もそれに触れています。関連部分を訳します。

  • 韓国が北朝鮮の核武装を相殺しようと決断した時、あるいは日本が台頭する中国に対抗する選択肢がないと判断した時には、核シェアリングを含む欧州と同様の仕組みを造ることも可能だ(34ページ)。

トランプも追い風に

—もし、米国が戦術核の再配備も「核シェアリング」も拒否したら、韓国はどうするのでしょうか。

鈴置:その時の米韓関係や、双方の政権の性格に左右されると思います。状況によっては米国の反対を押し切って核武装すると思います。

「韓国の生き残りがかかった核武装だ。米国が何と言おうと核を持とう」との意見も出ています(「核武装して“奴隷根性”を捨てよう」参照)。

「持ってしまえば米国も廃棄しろとは言わないだろう」との発想も、韓国にはあります(「10年後には『北朝鮮』がもう1つ?」参照)。

共和党の大統領候補、トランプ(Donald Trump)氏が「日韓は自分で国を守れ。それができないというなら自分で核を持て」と発言したことも追い風になるでしょう。

トランプ氏だけでなく、米国の安保研究者の中でもそうした意見が増えているのです(「一歩踏み出した韓国の核武装論」参照)。

習近平が朴槿恵から取った言質

—韓国の核武装に対し、中国はどう出るのでしょうか。

鈴置:何とかして抑え込むでしょう。先ほど言いました核ドミノが起きて、台湾や日本までも核を持ちかねない。中国にとって最も嫌な展開です。

外交面でも、韓国をコントロールする力が弱まります。韓国が中国に従順だった理由の1つが、北の核を中国に抑制してもらおうとの期待からでした。

韓国が核武装すれば、中国に対する安保上の期待感は一気に薄れます。「上手に韓国を手繰り寄せれば、米韓同盟まで破棄させられる」とほくそ笑んでいた中国の皮算用は大きく狂ってしまいます。

だからこそ、習近平主席は朴槿恵(パク・クンヘ)大統領との初会談で「朝鮮半島の非核化」を約束させたのです。北だけではなく南も核を持つべきではない、と韓国から言質をとったわけです(「米国も見透かす韓国の『卑日一人芝居』」参照)。

その約束を破って韓国が核武装を進めたら、中国は相当に強い制裁をかけると思います。対中依存度が極めて高い韓国経済は、直ちに破綻するでしょう。貿易も通貨スワップも、いまや完全に中国頼みなのです(「韓国の通貨スワップ」参照)。

韓国の通貨スワップ(2016年8月24日現在)

 
相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約560億ドル) 2014年 10月11日 2017年 10月10日
UAE 200億ディルハム/5.8兆ウォン(約54億ドル) 2013年 10月13日 2016年 10月12日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約47億ドル) 2013年 10月20日 2016年 10月19日
豪州 50億豪ドル/5兆ウォン(約45億ドル) 2014年 2月23日 2017年 2月22日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約100億ドル) 2014年 3月6日 2017年 3月5日
CMI<注> 384億ドル 2014年 7月17日  

<注>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。

資料:ソウル新聞「韓国の経済体力は十分」(2015年2月17日)

日本を盾に核武装

—韓国はどうするつもりでしょうか。

鈴置:日本と一緒に核武装する、という手口を韓国の核武装論者は考えているようです(「そうだ、日本と一緒に核武装しよう」参照)。

中国も米国を含む世界も、経済力が大きく存在感のある日本に対しては制裁に出ないだろう。だったら核武装には日本を巻き込めばよい――との目論見です。

—日本が韓国と一緒に核武装に動かなかったら、どうするつもりでしょうか。

鈴置:それでも韓国は核武装に突き進む可能性があります。韓国は条件反射的に動く国となっているからです。

(次回に続く)=8月26日に掲載予定

8/26記事

civil of Xingzhou in S Korea

THAAD配備決定に抗議して断髪する星州の市民たち。韓国の国論分裂が進む(写真:Abaca/アフロ)

前回から読む)

「核武装宣言」に向け準備を進める韓国。二股外交の失敗がそれを加速する。

孤立無援の韓国

前回は「韓国が核武装の下準備を着々と進めている」との話でした。

鈴置:注目すべきは朴槿恵(パク・クンヘ)政権の外交的な失敗が核武装を加速しそうなことです。韓国は「米中双方から見捨てられる」と焦り始めました。孤独に悩む韓国に、核武装の誘惑が忍び寄っているのです。

最近の韓国紙を見ると「孤立無援」「四面楚歌」と卑下する記事が目立ちます。米中の間を泳ぎ回って両方から利を得る――という朴槿恵政権の二股外交が完全に裏目に出たのです。

地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)の在韓米軍配備を韓国は認めました。すると中国から「報復するぞ」と露骨に脅され、国中が大騒ぎになりました(「韓国は『唐と戦った新羅』になれるのか」参照)。

一方、「米国に捨てられるのではないか」との恐怖も高まりました。「THAADの怒り」を解こうと韓国が、南シナ海問題では事実上、中国側に立ったからです(「THAADを逆手に取る中国、韓国を金縛りに」参照)。

大統領の傲慢

韓国の現状を「孤立無援」と書いたのは東亜日報のホ・ムンミョン論説委員。記事は「米国か中国か」(8月12日、韓国語版)です。以下が状況認識を披歴した部分です。

  • 今、我々はTHAAD配備を巡り、米国か中国かの二者択一を迫られる。政府の外交政策全般にわたる乱脈をさらけ出したのだ。
  • 米国、日本とはすきま風が吹く。中国からは後頭部を殴られる。北朝鮮に対して使えるカードは何もない。孤立無援である。
  • これは「自分一人ですべてできる」という大統領の傲慢と情勢分析の失敗、戦略不在のイエスマンばかりで構成された外交安保チームの無能による複合的な作品だ。

—手厳しいですね。

鈴置:私も驚きました。「外交乱脈」「大統領の傲慢」「無能」――。表現が激しい韓国紙にしても、異様な大統領批判です。朴槿恵外交の全否定と言っていい。「孤立無援」に韓国人が危機感を深めている証拠です。

米中間でフリーズ

—「米国か中国かの二者択一」とのくだり。違和感を持つ日本人もいると思います。

鈴置:朴槿恵政権がTHAAD配備を正式に容認したので、日本では「韓国は海洋勢力側に戻った」と思っている人が多い。でも、それは誤解です。依然として、韓国は二股外交を続けています。

「米中星取表」をご覧下さい。韓国が米国側に戻ったというのなら、南シナ海など重要案件で米国側に立つはずではありませんか。現実にはTHAAD問題以外では、韓国はますます中国側に引きずりこまれているのです。

案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD(ミサイル防衛)」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 韓国は「要請もなく協議もしておらず決定もしていない(3NO)」と拒否していたが、北朝鮮の4回目の核実験でようやく受け入れた
日韓軍事情報保護協定 (GSOMIA) 2012年6月、中国の圧力もあり韓国が署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げして合意
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の 南シナ海埋め立て 米国の「明確な対中批判要請」を韓国は無視
抗日戦勝 70周年記念式典 米国の反対にもかかわらず韓国は参加
米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2016年8月25日現在)

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

神戸大学大学院の木村幹教授のよく使う「フリーズした」との表現が、米中間で身動きが取れなくなった韓国の現状を見事に言い当てています。米国に怒られTHAADで顔だけ海側に向けた。しかし、片足はちゃんと大陸に残しているのです。

—なぜ、日本では「韓国が海洋勢力側に戻った」との誤解が蔓延しているのでしょうか。

鈴置:外交関係者が「韓国を屈服させ、こちら側に引き戻した」と宣伝しているためでしょう。木村幹教授もそう分析しています(「米中の狭間で『フリーズ』する韓国」参照)。

日本の一部メディアが嫌韓ムードに迎合し「中国寄り外交に失敗した韓国が日本に頭を下げてくる」といったニュアンスで報じていることもあります。

恥知らずの中央日報

—THAAD配備も白紙化する可能性があるということですか。

鈴置:あり得ます。配備予定地では「THAADの強力なレーダーが人体に影響を及ぼす」と激しい反対運動が繰り広げられています。このため韓国政府は他の場所を探し始めましたが、そこでも反対運動が起きています。

—一般の国民はどう見ているのですか?

鈴置:韓国ギャラップが8月9-11日に「THAAD配備」に対する賛否を聞いています。「デイリー・オピニオン 第223号(2016年8月第2週)」(韓国語)によると「賛成」が56%、「反対」が31%でした。

この時点では「賛成」する人が2倍近くいたことになります。ただ、中国が韓国への報復に本腰を入れたら、「反対」が急速に増えると思われます。

7月8日の配備正式容認の後、ハンギョレなど左派系紙に加え、保守系紙の中央日報も連日のように、反対派の寄稿を載せました。

ナショナリストの趙甲済(チョ・カプチェ)氏が中央日報を読んで「だったらTHAADの代案はあるのか。北朝鮮の核ミサイルから国民を守る方法を示せ」と激怒したほどです。

趙甲済氏は自らが主宰するネットメディアに「中央日報の空想」(7月26日、韓国語)を載せ、厳しく批判しました。前文を訳します。

  • 自主国防ができる経済力を持ちながら、勇気や責任感がなく、外国に国防を依存する国家や国民、そしてメディアはどんなことでもする。恥を知らないからだ。中央日報がその証拠である。

「反米」と「恐中」の共闘

—これまた激しい批判ですね。

鈴置:日本の安保不感症のメディアは、趙甲済氏が韓国人で幸いでした。この人が日本人だったら「恥知らず」と毎日、断罪されていたでしょう。

趙甲済氏がこれほど中央日報を手厳しく批判したのも、THAAD配備がいつひっくり返るか分からない状況だからです。

THAADに反対するのが反米色の濃い左派だけなら話はまだ簡単です。しかし保守勢力の中核をなすはずの経済界も、THAAD配備に否定的です。中国が報復の1つに経済制裁を挙げているからです(「環球時報が中国政府に建議した5つの対韓制裁」参照)。

■環球時報が中国政府に建議した「5つの対韓制裁」

(1)THAAD関連企業の製品の輸入禁止 (2)配備に賛成した政治家の入国禁止と、そのファミリービジネスの中国展開の禁止 (3)THAADにミサイルの照準を合わせるなどの軍事的対応 (4)対北朝鮮制裁の再検討 (5)ロシアとの共同の反撃

注)環球時報の英語版「Global Times」では「China can Counter THAAD Deployment」(7月9日)で読める。

中央日報はサムスングループの創業者が設立した新聞で、経済界の利益を重視します。このため親中的で――はっきり言えば制裁を恐れる「恐中派」です。左派のハンギョレとTHAAD反対で歩調を合わせる結果となっています。

現在はTHAAD配備に賛成している保守系紙の朝鮮日報や東亜日報も、中国からもう少し脅されたら、腰くだけになる可能性があります。政府が配備を正式に決めたので追従した側面が強い。それまで明確な姿勢を打ち出さないか、あるいは主張が揺れてきたのです(「『中国に立ち向かう役は日本にやらせよう』」参照)。

仮に、中国の脅しに抗して朴槿恵大統領が「配備」の所信を貫徹できたとしても、賛成派の政治家が次の大統領になるのは難しい。

中国が「賛成した政治家は入国禁止にする」と威嚇しているからです(「習近平の『シカト』に朴槿恵は耐えられるか」参照)。

米国に捨てられ、中国に隷属

—韓国を「四面楚歌」と評した記事もあるとのことですが。

鈴置:保守派の大御所、朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問が書いた「大韓民国の選択」(8月2日、韓国語版)です。以下が書きだしです。

  • 大韓民国はいよいよもって四面楚歌である。

こう続きました。

  • 中国の戦略は単に軍事、外交には留まらず、韓国ののど元である経済的な利害関係まで露骨に絡めるものだ。我々に手を差し伸べてくれるはずの米国も、もはや気を配ってくれるわけではなく、時には自らに都合よく変貌する。
  • つまり我々は、西から押し寄せる中国の覇権主義と、東で頭をもたげる米国の新たな保護主義の間で進退両難の境遇にある。
  • もし韓国がTHAAD配備に失敗し、アジア諸国が中国の南シナ海の掌握にはっきりとした態度を取らないと、米国は最終的には防衛ラインを日本列島に後退させ、アジアを中国に差し出すしかなくなる。すなわち、韓国を放棄することを意味する。
  • 我々が米国か中国かという岐路で中国を選ぶ素振りを見せれば、その瞬間から我々は独立した存在とはなり得ず、中国に隷属する結果を呼ぶ。

「こんなことをやっていると、米国から見捨てられるぞ」との悲痛な訴えです。

青瓦台は無知なのか

—恐ろしいほどの孤独感ですね。

鈴置:これまで「天才的な朴槿恵外交により、我が国は米中双方と史上最高の関係にある」と韓国人は信じてきました。それが一気に逆転したのです。孤独感はひとしおでしょう。もともとさみしがり屋の国民ですしね。

—「進退両難」などと悩まずに、二股外交をやめてさっさと米国側に戻ればいいのではないでしょうか。

鈴置:ええ、朴槿恵政権がそうしないから問題だ、と金大中顧問は怒っています。以下をご覧下さい。

  • 青瓦台(大統領府)は、米国か中国かの問題に本心を見せない「曖昧戦術」を可能な限り取るつもりのようだ。何を隠そうとしているのか、無知ゆえにそうするのか、自信がないのか、敢えてそうするのか――それさえも分からない。

朴槿恵政権は米中の間で身動きが取れなくなってしまった。決断を下せないので「曖昧戦術」という言葉を使って誤魔化しているのだ、と金大中顧問は怒ったのです。

先に引用した東亜日報のホ・ムンミョン論説委員も「曖昧戦術」をやり玉に挙げました。その部分を訳します。

  • 国軍からは「戦略的曖昧さ」という外交用語が出始めた。「戦略的曖昧さ」とは現状維持が必要な時に使う政策であり、THAAD配備には合致しない。

もっとも、朴槿恵大統領とすれば「ここで完全に米国側に戻ったら、中国に手ひどくイジメられるのは確実だ。国民はそれに耐えられるのか」と反論したいところでしょう。

国論分裂を防げ

—結局、韓国はどうすればいい、と韓国のシニア記者たちは主張しているのでしょうか。

鈴置:ホ・ムンミョン論説委員の結論は以下です。

  • 親米派、親中派に分かれ、我々の内部が引き裂かれるようなことがあってはいけない。感情的な、反射神経的な対応を慎み、泰山のように重々しく対処すべきだ。

「国論分裂を防げ」との叫びです。韓国人は「我々は国難のたびに国論が割れ、存亡の危機に直面した」と自戒の念を持っています(「韓国は『唐と戦った新羅』になれるのか」参照)。

それだけに「また内部分裂して、国が滅びるのか」との恐怖感が頭をもたげているのです。金大中顧問の結論部分も同様でした。

  • 国の存亡に関わる重大問題を直接国民に問い、コンセンサスを築くという指導者の姿を見せることが今、大統領に求められている。

大統領がリーダーシップを発揮して国論をまとめよ、との主張です。しかし、その国論が簡単にまとまらないから大統領も困っているのです。

金大中顧問もそれは分かっているでしょう。興味深いことに、このコラムにはさりげなく核武装の主張が盛り込まれているのです。

核さえ持てば全て解決

—外交的な孤立を核武装で打破しよう、ということですね。

鈴置:その通りです。核を持てば、米国から捨てられても北朝鮮や日本に対抗できる。中国も核武装国へのイジメは、少しは手加減するかもしれない――との思惑でしょう。以下、「核武装」部分を訳出します。

  • 米国の著名な政治学者、ブレジンスキー(Zbigniew Brzezinski)博士は著書『戦略的ビジョン(Strategic Vision)』の中で、米国が中国によってアジアから追い出された場合の韓国の生き残る道を3つに要約した。
  • 1つは中国への従属、2つ目は核兵器の保有、3つ目は日本と協力し中国に対抗することだ。
  • 核武装は国際社会によって阻止される。日本との協力は常に中国を選好してきた歴史的な経験から考えて不可能だ。だとすれば、我々の選択は中国の属国になることだ。

—「中国の属国になる」ですか?

鈴置:それは読者を挑発するために書いているだけで、本音はもちろん異なるでしょう。また金大中顧問は「日本との協力」を推薦しているわけでもない。

ブレジンスキー博士は「日韓協力による中国への対抗」が難しい理由として「歴史的経緯」だけではなく「米国のバックアップが期待できないこと」を挙げています。原文(93ページ)を引用します。

  • Japan’s inclination to stand up to China without strong US baking is problematical at best.

いくら日韓が協力しても米国の軍事力の支援――核の傘がなければ中国に対抗できない――というわけです。

金大中顧問は3択のうち中国への隷属も、日本との共闘もダメというのですから「韓国は核武装するしかない」と訴えていることになります。

もう、大国の命令は聞かない

—でも、「核武装は国際社会に阻止される」と金大中顧問は書いています。

鈴置:そう書いて見せているだけでしょう。朝鮮日報は今年2月から露骨な核武装の主張を控えました。社説もシニア記者もある日を期してピタリと書かなくなった。国益に関する何らかの配慮からと見られます。

金大中顧問は北朝鮮の3回目の核実験の直前、2013年2月5日に「北の核実験、見学するだけなのか」(韓国語版)を書きました。そこで核武装を韓国の選択肢の1つに挙げました。

そして「国際社会」つまり、核を保有する大国に対しては、以下のように猛烈に反発しました(「核武装して“奴隷根性”を捨てよう」参照)。

  • 強大国の優越意識丸出しの思考に異議を唱えたい。弱小国や途上国が核を持とうとすると、強大国は「危険性」とともに「核の効率的管理の不在」を指摘した。自分たちにはできるが、私たちには難しいとの指摘だ。

韓国保守の大御所は、いざとなれば「韓国の核武装に対する国際社会の阻止」などケリ飛ばす覚悟と思います。こうなってくると、朝鮮半島から目が離せません。

冷戦終結で孤立した北朝鮮が核武装に乗り出した。こりゃ大変、と見ていたら、今度は冷戦で勝ったはずの韓国が独りよがりの外交を展開して失敗。孤立したあげく核武装の下準備を始めた。

日本は今や、太平洋の覇権を狙う中国と、2カ所で核武装の進む朝鮮半島の双方に同時に対応していかねばならないのです。

(次回に続く)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『リオ五輪「中国不振」の理由を読み解く 洪荒少女、経済悪化、反腐敗、国旗誤発注…』(8/24日経ビジネスオンライン 福島香織)

英会話の先生に聞いたら、英国ではオリンピック選手への報奨金はないとのこと。それでメダル数が米国に次ぐ2位というのは素晴らしい。勿論メダリストには広告価値が出ますので、CMに使われればその分稼ぐことは出来ますが。ソ連や中共のようにステートアマのようになるのは健全とは思えませんが、スポーツ選手に報奨金を払うのは悪いことではありません。選手生命が長くはなく、その後の生活にも関わってきますので。国だけでなく、日本電産のように、国際大会で活躍した自社の選手に対する報奨もあって良いと思います。

「洪荒」を辞書で引くと「太古の時代」と出てきます。「洪荒之力」=「太古の力とは、粒子を動かし変換させ、浄化、調和、調律、調整し、波動を良いものと変化させる力と理解でき、太古の力」と訳した方が「全力を尽くした」と訳すより良いという意見もありました。

福島氏は「中国のオリンピックメダル数の激減」の理由として「中国経済の低迷による報奨金の激減」を上げています。8/23小生のブログでは「ドーピング規制強化」をメダル数激減の理由として挙げました。複合要因でメダルが減ったのでしょう。リベラル米国人は「中国も経済的に豊かになれば、民主的になる」と勘違いしているように、中国人の発想に無理解です。中国人は「先ず銭ありき」です。そのためには不正も厭わず(ドーピングも見つからなければドンドンやるべし、「騙す方が賢い」国ですから)、報酬・報奨が少なくなれば辞めてしまうのも当たり前です。毛沢東の時代のように等しく貧しい時代では職業選択の自由もなく、国が仕事を「分配」していました。今でもその名残で「単位」が勤務先の意味で使われています。“你在哪个单位上班”のように使われます。共産党の語感ではないですか。今は毛時代と比べ、格段に豊かになりました。日米がそれに手を貸したのに、中国は両国に敵対しようとしています。忘恩行為ですが、(中国人に恩を感じさせることは、八百屋で魚を求める行為に等しい)、 如何に日米の政治のセンスがないかです。

金が詰まれば、建築中の建物もストップします。また金ができたら建築再開しますが、建築資材に悪影響を及ぼすことも考えられます。「豆腐渣施工」(豆腐渣=おからの意味)で有名な中国の建設業界ですが、自分で住まない限り、後は野となれ、山となれの精神でしょう。

リオの中国国旗のミスプリの件ですが、福島氏の言うように、「共産党支配への抗議の意味でわざと間違えた」というのは穿ち過ぎかと感じました。単なるミスと思います。チラっとみただけでは気が付きませんし、誰がデザインを提出したかです。外国人に作らせたら、大きな星に向かってというより、大きな星に平行にと直したのではと思います。中国人で国旗を間違って作れば、「侮辱国旗、国徽罪」に問われ、3年以下の有期刑が科せられます。習近平に恥をかかせる意味でやるのでしたら理解できますが。

記事

Fu Yuanhui

競泳背泳ぎ100㍍で銅メダルをとった傅園慧は新世代の中国選手として注目された(写真:ロイター/アフロ)

なんのかんの言っても、やはり五輪は面白かった。日本にとっては獲得メダル数が史上最多を記録し、次の東京五輪に弾みをつけるかっこうとなった。東京五輪については、エンブレムのトラブルやザハ・ハディットが設計した新国立競技場のデザイン変更などいろいろミソがつき、そんなに期待する気分ではなかったが、やはり日本選手が地球の裏側の国でこんなに活躍していると4年後が楽しみになるものである。

リオ五輪はプールが緑になったり、マラソンコースに反政府抗議者が侵入してビラをまいたり、ゴルフコースにワニやカピパラが侵入したり、ナイジェリアの国歌を流すときにニジェールの国歌が流されたり、と五輪運営でこんなことがあるんだ、許されるんだと唖然とするようなアクシデントもあったが、それでも世界のトップアスリートたちがしのぎを削るのを見るのはワクワクするし、なにより日本人選手が思いのほか活躍したのがうれしかった。

ところで、リオ五輪で中国選手が思いのほか活躍しなかった、と感じたのは私だけではないようだ。中国国内外のメディアで、なぜ中国選手が急に金メダルを取れなくなったか、というテーマの記事が散見された。

金メダルは北京大会から半減

北京五輪で金51個、メダル総数100個を記録した中国はリオ五輪では金26個、メダル総数70個に激減。ロンドン五輪では中国は金38個で総数88個。アテネ五輪も北京五輪もロンドン五輪もメダル総数は中国は米国についで2位であり、北京五輪に至っては金メダルの数では米国を抜いていた。だがリオ五輪ではメダルの数でいえば米、英に次ぐ3位となった。

いずれの大会でも日本の金12個、メダル総数41個(リオ五輪)に比べると十分多いのだが、中国人たちにしてみれば、金の数が全盛期の半分になった、英国に後塵を拝している、どういうわけだ!?というところだろう。リオ五輪前、中国は金メダル最高36個も期待できる、との予想もでていたが、それより10個も少ない。特に体操。ロンドン五輪で体操はメダル12個中5個が金。北京五輪ではメダル18個のうち11個が金だった。それがリオでは銅が2個にとどまった。

多くの中国人は選手の実力のせいではなく、選手のメンタルが原因だと思っている。つまりかつてほどハングリー精神、ガッツがなかった。

では、なぜ選手たちにガッツがなくなったのか。

ここで中国メディアをみると、「外国メディアは中国が金メダル至上主義でなくなった、それは大国の自信の表れである、と報じている」とか「スポーツ大国で金メダルが減ることは悪いことではない」といった論評がまず目につく。

これはニューヨークタイムズ(中国版)などが中国の金メダル数が減ったのは、従来の中国のスポーツ選手養成システムの反省からきている、あるいは金メダル至上主義ではなくなったという意味で、真の意味でスポーツ大国に近づいたといった分析記事を出したことを引いている。

「国力増強の指標」に批判の声も

例えば、ニューヨークタイムズの北京駐在記者のクリス・バークリーが書いた記事。中身を簡単に紹介すると、次のような内容だ。

「中国はかつて金メダルの数でもって国力の増強具合の指標としてきた国だった。だが、中国は国際スポーツイベントにおいての成績成就に誇りをもっていると同時に、メダルそのものに選手と納税者たちが、そこまで多大な犠牲を払うほどの価値を確信しなくなった。中国政府の体育管理部門のやり方はもうそうした時代の変化に対応できておらず、そのことに多くの人が批判的である。五輪金メダリストのためにわが子を厳しい訓練の場に送り込む親も減っている。

一般に、地方の小都市・農村で、スポーツ選手になればよい暮らしが送れると信じている親たちが、我が子を体育学校に送り込む。だが、子供の未来に五輪金メダリストの夢をかけるようなそうした親たちは減ってしまい、同時に、余暇、趣味としてスポーツを教えるスポーツクラブや学校のクラブが人気になってきた。

そうすると、中国経済の改革と同じく、スポーツ行政も改革論議が起こるべきなのだが、中国の国家スポーツ育成システムを改革するということは、多数の党員・公務員が飯のタネを失うことになるので習近平主席率いる政府も推進したいかどうか。

こうした状況について、中国スポーツを研究している米人類学者のスーザン・ブロウネルはこう指摘する。…全体の政治改革、腐敗退治、体育制度改革に注意を向けねば、この種の(今回五輪のような)成績の低迷は続いていくだろう、と。

一方で中国の大衆は、かつてのように国家の代理戦争という気持ちで五輪を見ていた時代から、徐々に競技そのものを楽しむように変わっていった、とアテネ五輪金メダリストの劉璇は指摘する。だが、中国の五輪への執着は依然強い。中国の民衆は日本に対し、深い敵意を抱いているので、中国政府は東京五輪で最多の金メダルをとることを選手たちに要求しているらしい。目標を東京五輪に置いているので、リオ五輪に若手選手をより多く参加させたが、その分、成績が悪くなったという意見もある」

こういった論評を裏付けるように登場したリオ五輪の中国選手アイドルが、競泳の背泳100㍍で銅メダルをとった傅園慧(20)だ。彼女は準決勝戦で自己記録を更新したことを聞いて、「えー、私そんなに早かったの!」と、目を輝かせて喜び、翌日の決勝への心がまえを聞かれたとき、「力を超出し切った。もう満足です!」と答えた。その様子は、中国の五輪選手にありがちな金メダルを絶対とらなければならないという政治的任務を背負った悲壮感が微塵もなく、かわりに純粋にスポーツを愛する今時の若者らしい天真爛漫さがあった。

「洪荒少女」がアイドルに

彼女の発言した「我用了洪荒之力(力を超出し切った)」というセリフに使われた「洪荒」というワードは中国のネットで流行語になり、彼女は「洪荒少女」という新しいあだ名を命名された。応援や表彰式で無邪気にはしゃぎ、メディアのカメラに向かって「変顔」を作って見せる。金メダルに届かなかった理由はと尋ねられて「手が短かったから」と返し、率直に生理が始まったことまでテレビカメラ前で告白する傅園慧は、中国の新しい五輪選手のイメージを創った、と言われている。

それまでの中国五輪選手は、全国の地方や農村の貧しい家庭から身売り同然に政府が運営する体育学校に連れてこられてスパルタ式で鍛えられ、篩(ふるい)にかけられるように選び抜かれた才能というイメージ。あるいは、途中で挫折したら(いわゆる普通の学校教育を受けていないので)、人生につぶしが効かない一方で、金メダル候補となれば国家の英雄として有名企業のスポンサーもつき、一躍セレブ、億万長者の仲間入り、というスーパードリームを心の支えにしたメダルへの執着心がものすごい、というイメージ。国家というものを背負わされ、ひたすら結果を出し続ける国家養成サイボーグ選手のイメージなどが付きまとっていた。

実際、勝てば国家的ヒーローだが、結果を出さなければ大バッシングを受けるプレッシャーにさらされ続けた結果、心と体にかなり問題のある選手も、しばしばニュースになった。引退後、お金に困ってネット上で金メダルを売る選手や窃盗などで逮捕される選手、ドーピングや過剰な練習によって身体に障害を負った末、使い捨てにされた選手、またメダルをとったとたん一気にセレブ扱いになり、莫大な金が集まってくることで競技への情熱を維持できない選手などの問題は、五輪の季節のたびに、中国でも社会問題として報じられている。陸上や体操、レスリングといった競技はとくに、そういった中国スポーツ育成システムの宿痾を抱えていた。

そういう中で、傅園慧のような、自分がベストを尽くすことに満足した表情をみせ、五輪をスポーツのお祭りとして楽しむことのできる若い選手が、中国のネットユーザーを中心にアイドルとなったという現象が、欧米社会からみると、メダル数が減少したことも、中国が真のスポーツ大国の階段を昇っていく上で遭遇する踊り場であろう、という分析になるようだ。ちなみに、彼女は浙江省杭州出身で、母親はホテル勤め、父親は運送会社社員という普通の家庭で育ち、喘息を治すために5歳で水泳学校に通い始めたという。

さて私も、こういう論評はその通りであると思っているが、実は、もう一点、重要なことがある。切実に中国経済が悪化していて、金メダリストに対して、かつてのようなバブリーな賞金や企業スポンサーによる副賞がなくなったからだ。

リオ五輪の金メダリストに対する国家体育総局からの奨金は、ロンドン五輪50万元のころの半分以下、北京五輪25万元、アテネ五輪の20万元を下回る19万元に激減した。北京五輪からロンドン五輪への賞金の値上がりがバブルであっただけといえるのだが、さすがに12年前の水準に戻ると、これは選手たちのモチベーションが一気に下がるのも仕方がないのかもしれない。さらにいえば、地方政府とスポンサー企業からの副賞もかなり減った。

金メダルの賞金、奨励金、副賞が激減

騰訊ニュースによると、例えば自転車トラック競技の女子チームスプリントで宮金傑と鐘天使ペアが中国史上最初の自転車競技の金メダルをとったのだが、宮金傑の故郷の吉林省東豊県の書記が、彼女の父親に50万元の奨励金を贈ったことがニュースになった。

比べて北京五輪のとき、卓球選手の王皓が卓球男子団体の金メダルを吉林省初の五輪金メダルとして持ち帰ったとき、彼がもらった奨励金は、吉林省政府から120万元、長春市政府から100万元、さらにスポンサー企業から68万元と豪華マンション一戸。総額にして軽く6倍の差はあるわけだ。

リオ五輪で男子水泳自由形200M、400Mで金、銀をとった孫楊はロンドン五輪のときに金2個銀1個銅1個というメダルを持ち帰ったが、このとき彼が得た賞金、奨励金、副賞の総額はざっと4億元相当だったとか。

もう一つの例を挙げると、ロンドン五輪女子10Mエアライフルで中国初の金をとった易思玲。彼女がこのときもらった賞金、奨励金は、体育総局からの奨励金50万元、霍英東体育基金会など著名基金会などからの奨励金合わせて500万元、故郷の広東省政府から100万元、珠海市政府から80万元、地元の区や鎮政府から8万元。実家に対しても県政府から10万元、区から5万元。客家商会から奨励金50万元、スポンサーの自動車企業2社から65万元、75万元相当の高級車…。

ちなみリオ五輪女子10Mエアピストルで中国に初の金メダルをもたらした張夢雪は全くのダークホースであったことと、その名前が、習近平の福建省長時代に愛人であった地元テレビキャスターと偶然にも同じであったため、ネット上で話題にできなかった。彼女のことは多くの五輪観戦者も知らず、その過去の戦績や生い立ち、逸話を調べようとインターネット上で検索しても、自動検閲に引っかかって例の「法律や政策により表示できません」という文字が出てしまうからだ。

現在は夢雪のワードをいれても、金メダリストの夢雪に関する情報だけがサーチでき、習近平の愛人に関する情報を出ないようにサーチエンジンが調整されているが、数日にわたって、金メダリストの名前がネットNGワードに入るという、国家の英雄・金メダリストに対してはずいぶんひどい扱いとなった。張夢雪が得た賞金・奨励金について今のところ報じられているのは、体育総局の19万元と山東省政府からの奨励金だが、奨励金の額は明らかにされていない。かなり低い額であったらしい。

ざっくりといえば、北京五輪のときは省級政府からの奨励金は100万元から150万元、市級政府で80万元から100万元が相場だった。ロンドン五輪ではそれが、省級政府60~80万元、市級政府40~50万元に激減した。リオ五輪では、さらに激減したようだが、その激減ぶりは明らかにされていない。

その背景には習近平政権の反腐敗キャンペーンが影響していると言われている。地方政府の奨励金が高騰したのは、もともとバブル経済が膨らんでいたというのもあるが、地方の官僚の出世と五輪の成績がかなり関係していた。このため、スポーツ育成は、地方政府、体育当局や体育学校、ナショナルチーム、スポンサー企業らの腐敗、不正、利権の温床となっていた。

習近平政権になってから、地方財政がかなりひっ迫したうえに、いびつな体育行政とそれに伴う腐敗の問題が、反汚職キャンペーンのターゲットとして追及された。2014年ごろから中央規律検査委員会の国家体育総局の本格的立ち入り捜査が始まり、スポーツ行政界隈の腐敗がドミノ式に暴露され、2015年6月には国家体育総局副局長だった蕭天が汚職で失脚、地方や企業の五輪選手育成熱に冷や水をかけた面もある。

中国の選手にとって、得られる賞金・奨励金・スポンサー企業の副賞、その後の安泰な生活への約束がやはり、メダルへの執着を支える大きな要素ではなかったか。中国経済のバブル崩壊とともに、五輪の金メダルバブルがはじけたというのが、リオ五輪の中国不振の大きな背景ではないだろうか。

中国選手やスポーツ観戦客の競技観、五輪観の成熟、中国経済の失速、どちらにしても、国家、共産党政府の与える政治的任務を果たそうと厳しい練習に耐え歯を食いしばって金メダルに執着する選手はますます減っていくように思える。

国旗発注ミス事件の“本音”

今の中国の状況を象徴するのが、例の五輪中国国旗発注ミス事件なので、最後に紹介しておく。

中国国旗・五星紅旗の誤発注があり、間違った国旗がリオ五輪で大会が始まって一週間の間、気づかれずに表彰式など8回にわたって掲揚された。この国旗の意味するところは、大きな星・共産党に向かって小さな星・労働者、農民、知識階級、愛国的資本家の四つの階級がちょうど右手を挙げているような形で放射状に並ぶ。だが誤発注された国旗の四つの星は、共産党に向かって平行に並んでおり、ちょうどそっぽを向いているように見えた。

国旗のミスにようやく気付いた中国政府はこの発注ミスに対して大会組織委員会に猛抗議したのだが、その抗議のトーンが途中で急に弱まった。詳しくは報じられていないが、中国側の提出した国旗デザイン自体に間違いがあった、可能性があるという。しかも、サンプルができた段階で、中国大使館関係者に確認したはずなのに、気づかなかった。だから大会組織委ばかりを責められなくなった、らしい。

いや本当に気付かなかったのか。私は、このデザインが間違った五星紅旗に、五輪に参加するのは中国共産党のためじゃない、という五輪選手や観戦者、そしてスポーツ行政にかかわる中国官僚の本音が隠れているような気がしてならないのである。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『海洋進出で沈む人民元戦略』(8/23日経ビジネスオンライン 岡部直明)について

岡部氏は中国を良く見過ぎです。経済だけの観点で見るから、限界が生じます。尖閣は石油と言う経済合理性だけで中国が出てきている訳ではありません。平松茂雄氏は数十年前から軍事目的で尖閣に進出してきていると主張してきました。中国の中間線内にあるリグは軍事目的のカモフラージュです。平和ボケした日本人が多いことが、国を滅ぼすようになることを心配します。戦前、朝日新聞等が戦争を煽って、それに乗せられて戦争に邁進したのとは逆に、中共への隷従の道を歩んでいるとしか思えません。片や北朝鮮はSLBMを日本海に向けて発射したとのこと。Ostrich policyがどこまで続けられるかです。頭を砂に突っ込んでいる間に尻を食べられてしまうでしょう。

AIIBの設立は別に米議会が人民元のIMF出資比率増を認めなかったからではありません。米議会の話は言い訳として使っているだけで、世界制覇と言う長期的な戦略のもとに中国は動いています。そこが読み取れないのであれば、オピニオン・リーダーたる資格はないと言ってよいでしょう。まあ、日本の言論人は大体そうですが。お花畑か左翼の手先のどちらかです。

岡部氏は「中国経済の停滞は日本経済の凋落に直結する。すでに定着している日中経済の相互依存をさらに深めるしかない。中国が「経済優先」を鮮明にするなら、協力の可能性も開ける。運営の透明性を高めるため、AIIBに米国とともに参加することだ。日米が参加すれば、AIIBは中国主導ではなくなる。将来は、アジア開発銀行との統合も検討していい。」とか寝言を言っていますが、中国の実態が余りに見えていません。まるでハニーにあったか贈賄を受けた人のようです。中国に善意で臨んでも騙されるのがオチ。いつも言ってますように「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国柄です。もっとよく中国人の生態を見よと言いたい。利敵行為は止めてほしい。中国に経済制裁を課すか、国連から追放するか(国際法上できるかどうか不明ですが)の瀬戸際だと思うのですが。

記事

ドルへの挑戦をめざす中国の人民元戦略が行き詰まっている。人民元切り下げから1年を経て、元安に歯止めがかからず、通貨防衛のため、自由化を見合わさざるをえなくなっているからだ。それ以上に、南シナ海から東シナ海に及ぶ海洋進出で中国が国際信認を失墜させていることが大きく響いている。信認なくして国際通貨は成り立たない。海洋進出と人民元戦略を連動させようとする習近平政権の思惑は、大きな矛盾に陥っている。

China coast guard in South China Sea

緊張の高まる南シナ海を航行する中国海警局の巡視船。中国が「海洋強国」への軍事戦略に傾斜すれば、中国の経済再生への道は遠くなる。(写真:ロイター/アフロ)

構想は壮大だが

中国の人民元戦略の構想は壮大である。決済通貨から準備通貨へと30年計画で国際通貨化を進め、基軸通貨ドルに対抗しよう構想である。ドル・ユーロ・人民元の3大通貨の時代が到来することを想定している。

人民元は昨年11月に国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨となることが決まり、国際通貨として「認知」された。ドル、ユーロ、英ポンド、日本円だけのバスケットだったSDRに人民元が加えられたのは、人民元国際化の象徴と考えられている。さっそく、SDR建て債券市場の育成に乗り出している。

合わせて、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を中国主導で設立した。創設メンバーはアジアや欧州など57カ国で、日米などをのぞく主要国がこぞって参加した。本部は北京で、総裁は中国の金立群・元財務次官。理事は北京に常駐しない。中国が出資の約3割を握り、事実上の拒否権をもつ。中国による中国のための国際機関の色彩が濃い。

習国家主席が構想を打ち上げてわずか2年で実現にこぎつけた。第2次大戦後の米国主導のIMF・世界銀行体制に挑戦状をつきつけるものともいえる。中国がAIIB実現に動いたのは、IMFの出資をめぐって、中国が米国、日本に続く第3位になるはずだったのに、いつまでたっても米議会の承認が得られなかったからだ。業を煮やして、中国主導の国際機関創設に動いたのである。

それは「一帯一路」構想と合わせて、アジアから欧州に続く中華経済圏を形成しようという戦略である。アジアのインフラ投資で鋼材需要を引き出す思惑もある。国際通貨としての人民元の地盤を拡大する戦略でもある。

切り下げで国際化足踏み

その人民元戦略は、しかし中国経済の減速と元安のもとで、足踏みしている。中国は2015年8月11日、人民元切り下げに踏み切った。しかし、中国の成長屈折は鮮明で人民元の下落に歯止めがかからない。そこで中国当局は資本流出を防ぐため人民元売りの監視を強化している。これは、人民元国際化に欠かせない自由化の路線に逆行するものである。

そうでなくとも、国際通貨の条件である資本取引の開放はなかなか進まない。人民元を管理相場から完全変動相場制にするのが中国人民銀行の最終目標だが、当面は通貨防衛のため管理相場化を強めざるをえない状況である。

国際通貨の第1段階である決済通貨化も停滞している。2015年8月にはシェアで日本円を抜き4位(2・79%)に浮上したが、最近は2%以下に低迷し、6位まで低下した。

国家資本主義を維持しながら、人民元を国際通貨に仕立て上げる戦略には、構造的矛盾があるといわざるをえない。

海洋進出で信認失墜

それ以上に、中国はいま海洋進出をめぐって国際的な信認を失っている。信認の失墜が人民元の国際化を阻む。国際通貨の基本的条件は、その国の幅広い信認であるからだ。いま人民元戦略は海洋に沈んでいる。

国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの国際仲裁裁判所は7月12日、南シナ海での中国の主権を認めないとの判断を下した。中国が主張する独自の境界線「九段線」は国際法上根拠がないと認定した。南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶと主張する中国の全面敗訴である。中国が埋め立てを進めた人工島も「島」と呼べないとし、南シナ海への進出そのものに疑問を呈した。

これに対して中国は、仲裁判決は「管轄権を持たず無効だ」と強く反発した。日米など国際社会は判決を順守すべきだと主張したが、中国は「部外者が介入すべきでない」と強硬である。東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国への圧力を強めるありさまである。結局、アジア欧州会議(ASEM)首脳会合が採択した議長声明は、南シナ海について言及されなかった。

南シナ海をめぐる対立は、東シナ海に飛び火する。批判の矛先を日本に求める中国は、沖縄県・尖閣諸島周辺での海警局による挑発行動をエスカレートさせた。

「海洋強国」をめざす一連の海洋進出で、習近平国家主席は中国内で求心力を高めるため強硬姿勢を取らざるをえない状況にある。しかし、国際社会の「法と秩序」を無視する戦略は、国際信認を失うだけだろう。戦中の日本が満州国建設で国際信認を失い孤立した悲惨な歴史に重なるものがある。

信認なしに国際通貨なし

習近平政権は、海洋進出と人民元戦略を連動させようとしている。しかし、そこには覇権主義の構造的矛盾がある。歴史が教えるのは「信認なしに国際通貨なし」である。

それは、圧倒的な覇権国家だった第2次大戦後の米国にさえあてはまる。戦後、世界の国内総生産(GDP)の6割を占めた米国ですら、国際通貨体制を長くは維持できなかった。金・ドル本位による戦後のブレトンウッズ体制が崩壊したのは、ベトナム戦争で米国の信認が揺らいだからだった。

第2のベトナム戦争ともいえるイラク戦争は、その後のリーマンショックという米国発の世界経済危機の導火線になる。ドルの信認は失墜することになる。ベトナム戦争、イラク戦争という「米国の戦争」は、過大な軍事費負担で財政を悪化させ、経済を疲弊させた。オバマ政権がイラクから撤退してはじめて、米国経済は再生し、ドルは信認を回復したのである。

第2の経済大国になったとはいえ、中国に軍事戦略と通貨戦略を連動させるだけの底力はない。「海洋強国」への軍事戦略に傾斜すれば、中国の経済再生への道は遠くなる。

中国経済は成長屈折のなかで苦しい転換期にある。過剰設備を抱える鉄鋼、石炭、石油など国有企業は大規模なリストラを迫られている。雇用悪化から消費の低迷を招く恐れもある。中成長の維持すら難しく、10年後には2-3%の低成長に陥るとの観測すらある。不良債権問題は深刻化し、金融不安を招く恐れもある。にもかかわらず、なお海洋強国をめざせば、中国経済は負の循環に陥りかねない。

対峙より協調を

こうしたなかで日本は米国とともに中国に南シナ海を巡って法の順守を重ねて求めるしかない。尖閣諸島での小競り合いに発展することを防ぐため日中のホットラインを確立することが肝心だ。

同時に、中国に対峙するのではなく、経済で協調することをめざすべきだ。中国経済の停滞は日本経済の凋落に直結する。すでに定着している日中経済の相互依存をさらに深めるしかない。

中国が「経済優先」を鮮明にするなら、協力の可能性も開ける。運営の透明性を高めるため、AIIBに米国とともに参加することだ。日米が参加すれば、AIIBは中国主導ではなくなる。将来は、アジア開発銀行との統合も検討していい。

環太平洋経済連携協定(TPP)の実現は、内向きに傾斜する米大統領選のなかで厳しさを増しているが、日中が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と統合することで、アジア太平洋の自由貿易圏が形成できる。日米中の融合関係が深まる可能性もある。

中国は9月に杭州で開く9月のG20サミットで正念場を迎える。かたくなに「海洋強国」への強硬姿勢を取るか、「経済優先」に立ち返るかである。人民元が国際通貨になれるかどうかの大きな岐路でもある。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『なぜアメリカは世界一強いのか? 現地で感じた日本人の強みと弱点』(8/16MONEY VOICE 三浦茜)について

海外に住む一番のメリットは日本を相対化して見ることができるようになることと思います。三浦氏も日本にいただけでは軍事と科学技術の結びつきに関心を持つこともなかったでしょう。ただ米国に3年いれば日本に関心を持たなくなるというのは本当かですが。

海外に長く住めば、その国に適応して、母国を忘れるタイプと、逆にその国との違いに目が行き、母国を思い出しては懐かしむタイプがいると思います。どちらが良いとか悪いとかの話ではありません。小生が中国に8年駐在した時には間違いなく後者でしたが。自由のない中国と自由を満喫できる米国との差はあるでしょう。また、日本の伝統的価値観に長く染まってから海外に出ると、カルチャーギャップを感じ、違和感を持つようになります。それで大体愛国者になって日本に帰って来るのでしょう。

米国では本音の部分での人種差別はあると思います。表面上は「レイシスト」と呼ばれないよう装っている所があるのでは。何せエバンジェリカルが幅を利かし、「選民思想」に凝り固まった人もいます。まあ、汎神論の日本人には理解できない所です。これも善悪の問題ではなく、多文化尊重の姿勢があるかどうかだと思います。左翼の言う多文化共生は侵略のツールと思っていますが。在日問題を覆い隠す手段として使われています。

三浦氏は敬語の問題も取り上げていますが、これこそ日本の伝統文化の一つでしょう。これができなくては日本人とは言えません。台湾では血族との付き合いを大事にするという事を聞いていますが、それを煩わしいと感じて付き合わなければ、仲間と認められません。敬語を含めた日本語を話すから日本人になる訳で、日本人の親から生まれたから日本人に自動的になる訳ではありません。法的にはそうであったとしても。言語は「民族の神聖な記号」であると読んだ記憶があります。日本語が話せなければ、日本と言う国土に住んでいてもデラシネと同じになります。

将来、米国籍を取れば日本語は必要なくなるかもしれません。しかし、日本人として国籍を保持したまま、外国に住むのであれば、日本人としての誇りを持って暮らしてほしい。ただ、外国人でありながら日本で違法な反日活動をする在日、また米国で出身国であった国の為に事実を歪曲・捏造してでも反日活動をする中国系や韓国系の米国人のようになってほしくはありません。

小生も英語と中国語を習い、また自分で勉強もしています。やはり、聞くのは話し手のスピードが速いと聞き取りにくいです。見るのは聞くことより意味が取りやすい。英字新聞よりは中文新聞の方が繁体字、簡体字に関係なく分かり易いです。日本人は漢字を普段から使っているのに対し、英語は表音文字なので意味は暗記していないと分からないためです。日本人でも簡体字の中国語は最初はとっつきにくいでしょうけど、直ぐ慣れます。言葉ができるようになれば、三浦氏の言うように、情報を取る窓口が広がります。また意思疎通も可能になりますし、発想の違いに思いをはせることも可能となります。多文化尊重のベースができます。

日本は良い国なので、海外に住んでいても、最終的には日本に戻る人が多いと思います。祖国に望みなく、脱出した中国系や韓国系の米国人とは違います。祖国には自由がなくor制約が多い社会には帰りたくないと思うでしょう。より良い社会である日本に対するジェラシーもあって反日活動に勤しんでいる部分もあると思います。特に韓国には。中国は軍事的な意味合いが強いでしょうけど。中国人と韓国人の人間としての大きさの差です。1000年も中国の属国として生きて来た民族なので性格が悪くなるのも仕方のないことなのかもしれませんが。ただ、日本人は両国にキチンと主張すべきは主張しないと。先人たちの勇気を思い起こさないと駄目でしょう。そうでなければ臆病な日本人の烙印を押されます。

記事

Miura-1

昨年の同時期に書いた「アメリカに来て1年経っての雑感。日本との違いなど。」が好評だったので、2年目バージョンをかいてみようと思います。ちなみに、アメリカ=私がいま住んでいるサンフランシスコ、日本=私が住んでいた東京がベースになっています。動物たちのラブリーな写真とともに!(『Be Magnetic!』三浦茜)

プロフィール:三浦茜(みうらあかね) まぐまぐ編集長、ライフハッカー[日本版]編集委員などを経て、現在はアーリーステージのスタートアップ企業を支援するベンチャーキャピタル『Scrum Ventures』でマーケティングVPを務める。山形県出身、2014年よりサンフランシスコ在住。

アメリカに来て2年経っての雑感。日本との違いなど。

アメリカは軍事との距離が近い、テクノロジーの発展も軍事に起因している

Miura-2

出典:Flickr

サンフランシスコでは、毎年10月にアメリカ海軍のお祭り「Fleet Week(フリートウィーク)」が行われます。軍艦の一部公開、アメリカ海軍飛行チーム Blue Angels によるアクロバット飛行などが行われ、町中が活気付きます。このアクロバット飛行を「すげー!」とかいいつつ見ているときにふと思いました。アメリカは軍事と民間の距離が近いなと。また軍事があることによるテクノロジーの発展があるなぁと。

インターネットの始まりは、1969年の冷戦時代にアメリカで国防用コンピュータネットワーク構築を主目的に「ARPANET(アーパネット)」と呼ばれるネットワークと言われています。ドローンやロボットなど軍事利用を目的とした技術開発が昔から行われてきました。

【関連】1年ぶりの日本一時帰国時に感じたこと。ふと思ったこと=三浦茜

Scrumのブログにもあるとおり、戦闘、戦争、サイバーテロという非常にシリアスな要件からスタートする様々な研究、コンテスト、投資などが、新しい技術の開発やスタートアップの発展に一役かっているのは間違いありません。

恥ずかしながら日本に住んでいた頃は、こういった技術発展の背景などを意識したことがなかったので、国の歴史による違いって興味深いと思いました。

日本は1つのことを極める美学が強い

Miura-3

出典:Flickr

米国の人はやりたいことを複数やる、かけもちしちゃうんだなぁと思いました。ジェシカ・アルバは女優で起業家、そしてIPO間近だとか、ジャック・ドーシーのTwitterとSquareのかけもちなどは、まあ超人だからかな…と思いますが、この他の業界でもマルチに活躍することが普通に行われています。

米国では有名バスケットボール選手や一流ミュージシャン、俳優、女優などがエンジェル投資家としても活躍しています。日本の有名人も投資家として活躍している方はいらっしゃるのかもしれませんが、私にとっての芸能人の副業って焼肉屋やラーメン屋など飲食店のイメージです。

またアメリカではマルチスポーツが推奨されていることが、Newspicksの河田さんの連載からも読み取れます。

日本だといろんなことに手をだす人は、定まってない中途半端な人扱いで、「二兎を追う者は一兎をも得ず」が教訓とされているイメージです。同じような流れで、仕事に関しては「1つの会社に忠誠を誓う、勤め上げる美学」みたいなものがある気がします(今はだいぶ変わってきていると思いますが)。

もちろん、1つのことを極めるよさもあると思います。でも逆に1つに絞らなくてはいけないような、そんな雰囲気もある気がしました。

日本人は丁寧!と思っていたけど、丁寧さは良いことばかりではないかも…

Miura-4

出典:Flickr

日本人はきめ細かい、丁寧であるところは私が日本人として誇れるところと思っていたのですが、丁寧さはちょっと間違うと非効率なのでは?と思うようになりました。

例えば敬語。最近は日本語と英語でメールを書くようになって、日本語で書くときに「○○していただけますと幸いです」とか「大変恐縮ですが○○」とか正直思ってないのになんで書いてるんだろう?と思います。あと大したことじゃないのに「大変申し訳ございません」って謝りすぎ。敬語って究極的に考えて必要なのかな?と思います。あと「お世話になっております」とか「お疲れ様です」とか。

それから契約書の製本。こちらではデジタル化が進んでおりプリントアウトすらしないので、製本テープを使って製本していた頃がある意味懐かしいですが…。あとハンコ文化。製本もハンコも丁寧さとはズレますが、無駄と丁寧を履き違えているふしがある気がします。

もちろん「日本人の丁寧さを見習ってほしいな…」と思う瞬間もたまにあるのですが、日本人は丁寧なのが良いところ!というのは過信したらいけないなと最近思っています。

アメリカにいると家族が大事!

Miura-5

出典:Flickr

日本にいた時は独身だったこともあると思いますが「家族より仕事が大事」でした。でも、明らかに最近は家族が大事だと思うようになりました。まわりの影響も大きいと思います。

「仕事が忙しすぎて危篤状態の親族に会いに行けなかった」とか、日本では意外とある話だと思うんですよね。今ここに住み始めてからは「絶対ないな」と思うようになりました。ありえん。

仕事は自分の代わりになる人はいくらでもいる。でも、家族にとって自分の代わりはいない。

もしかしたら家族が大事でないというより、日本は求められる「会社への忠誠心」みたいなものが強いのかもしれません。うつ病になっても会社を辞めないとか。こちらもやはり、ありえんと思います。

アクセスできる情報量の差が激しい

Miura-6

出典:Flickr

日本語ベースで生きていると、圧倒的にアクセスできる情報量が少ないと思いました。そんなこと前からわかっていたことではありますが、日本にいた時に英語で情報検索する機会がほとんどなかったので、英語検索するようになって、その圧倒的な差を感じています。

ちなみに私自身、未だ英語は苦手ですが、英語の記事を読む習慣づけをしています。日本の英語教育を受けてる人なら、基本的に英語の記事って読めると思います(英語で話すのはなかなか難しいけど)。慣れによるものが多いと思うのですが、せっかく何年も勉強した英語なので、もっと活用した方がよいなぁと改めて思いました。

日本にいたときは、楽天、ユニクロの英語共通語化の意味がわからなかったけど、今となっては理解できる気がします。

アメリカはボランティアが身近にある!非日常ではなく、日常の一部

Miura-7

出典:Flickr

日本にいたときのボランティアは被災地支援など、ちょっと日常を超えたもののイメージでしたが、こちらにいるとボランティアの機会が日常的にあるなぁと思います。

渡米当初は時間もあったので老人ホーム訪問をしていました。おばあさんと週1回雑談するボランティアです。ボランティアのマッチングサイトがあったり、ボランティアの Meetupグループがあったりと個人でも簡単にボランティアの機会にアプローチすることができます。

11月のサンクスギビングデーの前にボランティアをする習慣があるようで、私も友人に誘われてホームレスに食事を提供している施設に行きました。テレビドラマなどでも、このサンクスギビング前のボランティアは描かれたりしていますし、その時期はセレブがボランティアをしてニュースになったりしてます

身近にボランティアの習慣があるのは良いことだなぁと思います。

離れてみると見えてくる「なんかちょっと変だなぁ~」という日本、そして「色々いいとこあるじゃん!」なアメリカについてまとめてみました。まわりの人に聞くと、3年ぐらい経つと日本への関心がなくなって色々気にならなくなるよーとの事なので、自分はまだまだこちらの生活にある意味なじんでないんだなぁとも思います。

時々日本が恋しくなったりもするけど、また1年新たな発見があるといいなぁと思っています。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。