『なぜ中国は日本人をスパイ容疑で逮捕し続けるか 「日中友好人脈」潰しの動き、その意図を読む』(8/3日経ビジネスオンライン 福島香織)について

中韓は自分の利益の為には、平気で嘘を言い、歴史を改竄・捏造する民族ということを日本人は頭に叩き込んでおかなければなりません。彼らは荒っぽいことも平気でしますし、裏切ることも良くあります。いくら温情をかけても感謝することはありません。2001年1月の大分老夫婦殺人事件などその最たるものでしょう。中国と韓国からの留学生が、彼らの身元保証人を引き受けてくれていた老夫婦を惨殺したものです。また、2003年に福岡県福岡市東区で発生した、中国人留学生3名による一家四人の強殺事件もありました。未開の部族と同じです。法の支配などある訳がありません。

「自分がするから他人もそうする」という発想で、日本人は中国人・韓国人も日本人同様良い人が多いと思いがちです。ですから騙されたり、挙句の果ては殺されたりするわけです。もっと警戒感をもって彼らを見なければ。中国人・韓国人も当然同じような発想をして、自分達だったら必ずこうするだろうという妄想の挙句、出て来たのが、南京虐殺や従軍慰安婦の問題です。日本人と中国人・韓国人は考え方だけでなく行動も違います。戦後日本は歴史戦でずっと負け続けてきました。河野洋平や加藤紘一、鳩山由紀夫のような政治家を選んだ国民が最終的に責任を負います。やっと通州事件をユネスコに世界記憶遺産として申請しましたが、これも民間の手によるものです。外務省は無能の集団です。

スパイ容疑で逮捕されたのは鈴木英司日中青年交流協会理事長です。元々左翼で中国に貢献してきた人間を逮捕するのですから、中国人に恩義の概念はないという事です。団派と習近平の権力争いの余波が及んだと多くの人が見ているようです。しかし、数十年も中国人と付き合ってきて、その本質を理解できなかったとは不思議です。中国人の基本的価値観は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という事ですので。イデオロギーに染まって目が曇ったのか、贖罪意識に苛まれたのか、或は下々と付き合わず中国人の本質を示す事例にぶつからなかったのかどうか。小生は中国駐在8年間で、4回裁判や労働裁判をしました。やはり、白地で事実に基づき発想することが肝要かと。井戸を掘った人間ですら逮捕拘留されるのですから、そうでない人は猶更です。日本企業の経営者は駐在員を早く中韓から帰すべきです。

8/4宮崎正弘氏メルマガの書評に<石平、陳破空『習近平が中国共産党を殺す時』(ビジネス社)

中国共産党の統治はいずれ斃れるが、自壊するのか、滅ばされるのか、 清朝のように自然消滅か、「問題はどうやって死ぬかだ」という問題意識 からふたりの議論は侃々諤々、はてしなき広がりを見せる。

そうだ、どうやって中国共産党は死に絶えるのか。

長崎へ講演旅行の往路で半分、帰路にのこり半分を機内で読んだ。表題 が表題だけに、あまり他人の目に触れないように気を配りながら(冗談)。

それにしても陳破空氏の展開する奥の院のすさまじいばかりの権力闘争の分析を聞いていると、さもありなんと頷く反面、いったいこれはどこまで本当の話なのかといぶかしい部分が頻出してくる。

陳破空氏は天安門事件のおりの指導者の一人で広東で活躍し獄中数年の 筋金入りだ。いまは米国に亡命し、ニューヨークに住む。

対談相手の石平氏は、こんかいは主に「聞き役」に回り、ときに相づちをうち、ときに異論を差し挟んでいる。

たとえば次のような未確認情報が並んでいる。

  • 2,015年8月、「河北省委員会書記の周本順は北戴河でクーデターを起こし習近平を殺害することを計画していた」(34p)

これは大規模な暗殺計画で習近平のみならず王岐山を含む「全員を亡き者にしようと計画されていた」という。

  • 「習近平は政権を握って3年以上経ったが、いまだに中央宣伝部を把 握できていない」。となると中央宣伝部という党の中枢にある、このプロパガンダ部門をがっしりと握るのは劉雲山で、かれは20年以上を書けて、このプロパガンダ機構を牛耳った。(40p)。
  • 銅鑼湾書店事件の真相も、「桂民海は、よほど欲深い商売人で、彼はいくつもの出版社を経営していたことから、しばらく時間を置き、ほとぼりが冷めたころを見計らって、こんどは書籍のタイトルを『習近平と彼の6人の愛人』に変え、再出版しようとした」(51p)。

実際に評者(宮崎)も香港へ行った折、この銅鑼湾へ行ってみた。場所は高島屋の裏手の商店街ですぐに分かったが、銅鑼湾書店は閉鎖されていた。

これまでの報道では社長、店長以下五人が拉致され、嘘の供述を取られ、つまりは香港から出版の自由がなくなった。一国両制度の約束に反するとして学生市民が立ち上がり数十万の抗議デモも行われたが、じつは銅鑼湾 の社長は先に15万ドルで、習近平と手打ちが出来ており、作者にも5万ドルの『没原稿料』が支払われていたのだというから、そうなるとブラックジャーナリズムではないか。

  • 秘密ファイル事件についても、団派の領袖だった令計画の失脚に関して驚くほどの情報がさりげなく挿入されている。

陳破空氏はこう言うのだ。

実弟の令完成は秘密ファイルを1,700件持ち出してアメリカに亡命したが、その秘密の中味たるや習近平と愛人のセックス録画ではなく、「ひとつは中国の核兵器に関する情報、ふたつ目は、中共指導部とその家族の動向、財産、女性関係、セックステープ。三つめは、未だ明らかになってい ない中南海の配置と政府要人の隠れ場所だ。すべてアメリカに渡っている」(72p)

これ以上書くと、本の営業妨害になるので、止めるが、本書は最初から 最後まで、秘密のベールに包まれてきた中南海の、どろどろとした実態を 余すところなく、語り尽くしている。

しかし検証されない、つまり裏がとれない情報なので信憑性の問題が残る。いや、小説として読めば面白いかも知れない。

最後に石平氏は習近平の最後を、自らが、自分でよってたつところを自らで破壊しているわけで、「必然的に共産党政権も終わる。はたして習近平は自身がどの方向に進んでいるのかを本当に自覚しているだろうか」と 歴史家の目をもっての疑問符をつけて読者の判断に委ねている。>(以上)

これが本当だとしたら、アメリカは情報を小出しにして中国を揺さぶればよいでしょう。戦争は避けられるかも。戦争よりは中国の内乱を望みます。人民解放軍の面子の問題で、南シナ海や東シナ海から何もなしで撤退は出来ないでしょうから。

記事

中国で、また一人、日本人がスパイ容疑で捕まった。中国では日本の諜報戦に対する警戒が高まっている。中国で日本人スパイがそんなに暗躍しているというのだろうか。日本人には想像もつかない中国の報道から見える中国の日本人スパイ観がある。

相次ぐ不当逮捕、また一人…

今回逮捕されたのは、某日中友好団体の理事長(59)。中国で国家安全危害にかかわる容疑で拘束されていることを中国外交部が7月30日に確認した。一部で、実名でも報道されているのだが、私自身、特にこの件について団体側に直接取材していないし、団体側も正式に発表しておらず、彼の安全にかかわることでもあり、あらぬ中傷を受ける可能性もあるので匿名のままでいきたい。

報道を総合するとこの日本人は7月11日、関西経済連合会訪中団のメンバーとして北京を訪問した際に逮捕された。本来なら15日に帰国する予定だった。この友好団体のサイトは現在、メンテナンス中で開けなくなっている。

この団体は2010年に創設されて比較的新しいのだが、彼自身は30年以上、中国とのかかわりをもつ典型的な日中友好人士である。団体の目的は日中両国の青年交流を通じて中国の緑化、植樹活動を支援することである。

彼が中国と本格的に関わり始めたのは1983年。中華全国青年連合会の招待を受けて上海、北京を訪問後、東北の戦争跡地も訪問した。まだハルビンの731部隊跡などが公開される前のことだ。この訪問団は戦後初めて、日中戦争跡地を訪問した日本の代表団だった。

その後、97年から北京外語大学教授、中国社会科学院中日関係研究センター客員研究員などの中国の教育・研究職に、足かけ6年就いていた。思想的には社民党系の左派リベラルだが今年4月から日本衆議院調査局国家基本政策調査室の客員調査員でもあり、中国情勢、朝鮮問題についての分析調査も行っていた。5月には「中国の外交」をテーマに講演を行っていたが、これが今回の逮捕と関係があるのでは、とみられている。

衆院調査局は議員の立法活動に必要な資料や勉強の機会を用意しサポートする部局である。そこから講演やリポートを頼まれることは、専門家ならば普通にある。こんなことでスパイ容疑と言われたら、学者や専門家は普通に中国をフィールドに研究活動することもままならないだろう。私からみれば、昨年から表面化している一連の“日本人スパイ”逮捕と同様、不当逮捕である。

ただ、今回話題にしたいのは、彼が実際に何をしたのか、何かしたのか、ということではなく、近年急激に目立つ中国の日本人スパイイメージに対する喧伝とその裏にある意図について、だ。

彼が植林などの日中友好事業にかかわってきたこともあり、中国では「日中友好の仮面をかぶったスパイが30年も潜んでいた!」といったニュアンスでさかんに報道されている。私自身は「日中友好」という言葉自体はあまり好きではないが、それでも中国との友好に身を捧げていた少なからぬ人たち、中国的に言えば「井戸を掘った人」の功績を踏みにじるような報道がなぜ今、増えているのだろう。まずは、今回の事件についての報道ぶりを見てみよう。

“中国通”スパイは以前から浸透?

例えば新京報紙のウェブサイト版。

「なんとういことか。日本のスパイが中日友好交流団体にひそんでいたのか? 少なからぬネットユーザーは驚き、心ふさいだ。あんなに言っていた友好はどこにいったのだ?

だが実のところ、外交通のあるアカウントは『そんなに驚くことではない。“中国通”を騙る日本のスパイというのは以前から中国に浸透しているのだ』と語る。

最も有名なのは37年間の長きにわたってスパイ活動をしていた日台経済人の会理事長の阿尾博政。彼は経済学者の身分で中国に潜入。

阿尾博政は中国政府官僚のアレンジで少なからぬ軍事施設と武器を視察し、記念撮影を口実に中国最新鋭の軍用車両や最新型戦闘機の写真なども撮った。報道によると1982年から諜報活動を開始し、日本陸上幕僚監部に150編以上の中国に関するリポートを提出。2009年に彼は日本で自身の諜報活動についての書籍を出版している」

ここで引用されている阿尾博政著『自衛隊秘密諜報機関‐青桐の戦士とよばれて‐』(講談社 2009年)は、それなりにその世界を知っている人からすれば、ほとんど創作に近いトンデモ本と評価されている。小説や漫画の資料にするならともかく、メディアとして多くの反証論文もあるこの本を根拠に、日本の諜報活動を語るのは無理があろう。

さらに新京報は、過去に日本のスパイがいかに暗躍してきたかという例を次のように挙げている。

どれだけ日本に凄腕スパイがいるのか?

①2015年5月、50歳代の日本人男性が、中国でスパイ活動に従事したとして浙江省で起訴されている。温州・南麂列島の軍事施設周辺の写真を撮っていたところ身柄拘束され、9月に正式に逮捕された。南麂列島は釣魚島(日本の尖閣諸島)西北300キロに位置する。

②1996年、日本の北京駐在武官が軍事機密を窃取したとして中国から強制退去となった。当時、日本武官と米国武官が海南省に行き、中国海軍の最新潜水艇の情報を探っていたという。中国安全部に逮捕され取り調べを受けたところ、軍事機密を映した写真とビデオが見つかった。

③2002年10月26日には日本の駐在武官、天野寛雅が寧波の軍事管制区で海軍官兵に逮捕された。この後、天野は強制退去となった。

④国家測絵局(測量局)によれば、2011年5月、各地の測量行政主管部門が展開した抜き打ち検査19000回のうち、3000件以上の違法案件が見つかったが、その中で日本国籍者がかかわる件が非常に多いという。

⑤2010年2月、日本人が環境視察の名目でGPSを持ち込み、新疆ウイグル自治区のタルバガダイ地区など85か所にわたる軍事管制区を違法に測量していた。

⑥2014年9月、甘粛省の秦嶺山付近で、日本人国籍の容疑者を拘束。解放軍第二砲兵基地と中国爆撃機工場を秘密に測量する準備をしていたという。

⑦2006年、中国政府は中日経済新聞の創始者、日本国籍の原博文を逮捕。1995年から日本の外務省のために中国情報を収集、指導者の健康状態など大量の中国機密文書のコピーを提供したという。

⑧2013年12月、寧波市象山出身の中国人・陳威が海軍東海艦隊のある倉庫で写真撮影して拘束された後、取り調べで寄田を名乗る日本人男性からの指示を受けての活動であったことを自白。陳威は海外でビジネスを通じて寄田と知り合い、活動費を受け取って寄田の諜報活動に協力していたという。寄田は、写真撮影のほか、浙江省海洋局の職員や海洋研究に従事している人物とのコネクションづくりを要請していたという。

⑨中国社会科学院弁公庁主任助理の陳輝が日本外交官に外交政策に関する国家機密を渡したことで2006年6月、国家機密漏えい罪で有罪となった。彼の逮捕一か月前に、中国社会科学院公共得思索研究センター副主任の陸建華も国家安全にかかわる容疑で逮捕された。

どれだけ日本に凄腕スパイがいるんだ、というような印象の記事だが、このうち、本当の意味で諜報活動と言えるのは②、③くらいではないだろうか。いずれも武官の本来の仕事であり、彼らは退去させられたが、拘束はされていない。ちなみに、近年の駐在武官の方々から話を聞くに、最近はこうした果敢な情報収集活動は行っていないというか、許可されないそうだ。

だがそれ以外は本当にスパイといっていいのか。①の事件に関しては、以前このコラムの「中国のスパイ取り締まり強化に怯むな」でも触れている。この男性以外に、神奈川県在住の元脱北者のNGO関係者、札幌在住の元航空会社社員、東京在住の日本語学校経営者の女性ら4人が相次いで遼寧省や北京で拘束されたことは記憶に新しい。

愛知県男性が起訴されたあと、日本語学校経営者女性も起訴されているが、起訴事実は2人とも明らかにされていない。この4人については、いわゆる情報周辺者(業務上、深い情報を知りえる立場)であり、それを他人に漏らしうる立場かもしれないが、それはスパイとはいえない。

いずれにしろこのレベルをスパイ扱いしていたら、東京でいったい何千人の中国人情報周辺者を拘束せねばならないだろうか。

ポケモンGOもスパイ目的?

また、違法GPS利用の容疑者に日本人が多いといわれているが、トレッキングや登山のために持ちこんだGPSをスパイ利用と言いがかりをつけられて没収されたり、取り調べられているケースもかなり含まれていると思われる。

北京周辺の山岳地帯は万里の頂上跡など地図にも載っていない遺跡も点在しており、トレッキング趣味のある人はGPSを頼りに、こうした山岳地帯に行きがちだ。だが、それは実は違法であり、そうした山岳地帯の思わぬところに軍事施設もあるので、スパイ容疑をかけられやすい。ちなみに中国の地図アプリは、微妙にずらすなど細工をしてある。正確な地形情報、地図情報は中国では国家機密である。だから、中国ではポケモンGOの世界的流行はスパイ目的ではないか、といった言説がまことしやかに流れるのである。

別の記事、人民日報傘下にある環球時報も見てみよう。

「…(今回拘束された日中友好人士をかつて取材したことがある)日本華僑新聞編集長の蒋豊は28日に環球時報の取材をうけてこう語っている。

『日中友好交流団体からスパイが出てくるのは一向に不思議ではない。おそらく、これが日中友好交流団体から出てくるスパイとしては最後の一例ではないはずだ。いかなる団体も、スパイが利用する仮の姿になる可能性がある。』…

たとえ日本政府がスパイを派遣したことを否定しても、日本はこの数年の間に対外人力情報資源(ヒューミント)建設に力を入れており、外務省国際情報統括官組織、内閣情報調査室、公安調査庁などを利用して対外情報収集に力を入れている。昨年4月日本政府は、日本版MI6設立の提案書を提出している。中国は日本にとって一番防備すべき国の一つであり、自然、日本の情報収集の重点対象となるのである」

蒋豊編集長のこのコメントはブーメランである。日中友好交流団体の情報周辺者をいちいちスパイ扱いしていたら、彼自身も明らかな情報周辺者であり、疑われる立場だ。しかも過去に実際、「週刊文春」でスパイ疑惑を報じられたこともある。この疑惑について昔、本人に直接訪ねたところ、大いなる誤解であり、筆者の富坂聰氏にも抗議して了解してもらっていると主張しているが、それならなおのこと、情報の境界にいる善意の人々を陥れるような言動は控えるべきであろうといいたい。

このほかにも、日中友好人士がスパイ!といった見出しの報道があふれ、日本人への警戒感をあおっている。強引な日本人拘束と起訴、さらにまだまだ日本人スパイが暗躍しているようなニュアンスの報道。そんなに日本政府が諜報活動に熱心に取り組んでいれば心強い限りなのだが、実際のところは逆で、日本の対中国情報の収集能力は以前よりも劣化しているように私は思う。スパイ騒動は、むしろ習近平政権の対日外交姿勢の在り方によるものと私は見ているのだが、どうだろう。

目的の一つは、環球時報が触れたとおり、今、日本で外国人による情報収集や特務活動の予防が議論されており、その重点対象が明らかに中国人であることへのけん制があるとみられる。

当局の都合次第で、日本人も、親日派も

さらに、中国社会科学院日本研究所の呉懐中の環球時報へのコメントが興味深い。

「平時、日本人たちと交流しているとき、彼らは中国のいろいろな方面の情報に非常に興味を持ち、いろんな内幕話を聞く。中日双方の関係が比較的良好ならば、こうした方法で中国情報を仕入れるのはさらにたやすいだろう。現在、双方の関係がうまくいっていないので、日本は中国情報の必要性がさらに高まっており、人を利用したスパイ行為もやらざるを得ないのだろう」

このコメントの裏を読めば、日中関係が良好ならば普通にやり取りされる情報も、関係が悪くなった今は、かつては普通の情報のやり取りであったものが、スパイ行為に認定されかねない、という情報周辺者の不安が垣間見える。要するに、もともとスパイ扱いされなかった人たちが、習近平政権になってからはスパイ扱いされる可能性が強まったということでもある。

もう一歩、うがった見方をすれば、私は習近平政権にとって過去に日中が築いた人間関係が邪魔になっているのではないか、と疑っている。

主に80年代から始まった日中の蜜月が培った人間関係は、主に胡耀邦につながる人脈、つまり共産主義青年団人脈が主流だ。今回、拘束された日中友好交流団体理事長も共青団関係組織がカウンターパートになることが多かったようだ。習近平個人には日本政府や民間人との人脈パイプはほとんどない。夫人の彭麗媛は共青団出身であり、80年代の日中青年交流にも参加しているのでそれなりの人脈があるが、習近平周辺ではそれがほぼ唯一といってよい日本とのつながりだろう。

習近平の権力闘争の主なターゲットはすでに上海閥から共青団派に移っているが、その権力闘争と日中間の人脈つぶしは全く関係がないと言えない気もする。昨年に拘束された4人の日本人のうち2人は権力闘争に巻き込まれた可能性も仄聞している。

共青団系の政治家で失脚して汚職と情報漏えいで無期懲役判決を受けた令計画は弟が機密情報をもったまま米国に亡命した。令計画は日本にもそれなりの資産を持っており、妻が日本へ逃亡する計画もあった。

いずれにしても今、スパイ容疑で拘束されている日本人のほとんどが不当逮捕であると私は見ている。日本人が優秀な諜報能力があったのは戦前の話だ。だが、習近平政権の強硬な対日外交や日本への警戒感や権力闘争などを背景に、あいまいなスパイの定義を使って日本人を拘束することは、対日牽制や国内の親日派に揺さぶりをかける一つの手段となっている。

だが、そんな政権の都合で、長きにわたって築かれた日中の民間の交流の成果が傷つけられていいのだろうか。それでより大きな不利益を被るのは日本や日本人よりも、中国と中国人の方ではないだろうか。

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