3/11日経ビジネスオンライン 宮澤徹『モンゴル人こそ真のグローバル人材 日本企業は早く彼らを採用するべきだ』記事について

確かにここに書かれていますように日本企業は何でも本社中心で判断します。決裁権者が、判断が遅れるのはまだしも、現場の実態を知らないため、日本での自分の経験をもとに判断してそれを押し付けてくることが問題です。或は無難に済まそうとして先送りする、或は本社の言うことを聞いておけば後で責任を追及されないから言いなりに動こうとか、正しい行動を取ろうとしません。海外と国内では商売のやり方が全然違うことを頭に入れて行動しないと。

ブランド管理、品質管理、財務管理(特に与信)、コンプライアンス以外は現地に任せればよい。そうすれば「本社が」という言い訳もできなくなり、現地経営者の能力も見切れるでしょう。

本社の経営陣も身内で固めるだけでなく、外部の厳しい目を入れないとダメだと思いますが、外部の取締役には情報を与えないような会社もあるようです。

でも、ここにあるように国や会社に関係なくというのは行きすぎだと思います。欧米企業だって困ったら国が前面に出てきます。時には人質事件の時のように国が武力行使して国民を救出しようとします。戦後の日本人は軍事力に対する考えがスッポリ受け落ちているからこういう発想になるのだと思います。欧米のグローバル基準で考えを合わせるなら、そこも合わせて行かないと。確かに転職する人は多いでしょうが、国籍を移す人は少ないと思います。

日本人の強みは団結力です。ヘタに欧米人のマネをしても勝てません。海外に出たら「日本人として恥ずかしい真似はできない」と思って行動すれば間違いなくグローバル人材になれます(欧米基準ではないかもしれませんが)。言葉は話せた方が良いですが、あくまで手段です。誇りを持って戦い、説得する経験を積んでいけば大丈夫と思います。

モンゴル人については知りませんので論評できません。

記事

—武田薬品工業が社長をはじめ役員や部長を続々と外国人に入れ替え、トヨタ自動車が外国人を副社長にすることを決めるなど、日本企業も外国人材を積極的に活用するようになっています。何が変わり始めたのでしょうか。

上久保:日本人が主体のままでは、企業がグローバル化に対応できなくなっているのです。本当の意味でのグローバル人材が、日本人には極めて少ないからです。例えば、立命館大学も含めた日本の大学を出た人が、外国生まれの多国籍企業で働けるかといったら、それは難しいでしょう。実際、日本の大学を卒業した後に海外で就職する人の比率は、有力大学ですら1%に達していません。

 1人で日本から飛び出して、米国や英国で就職しているような日本人は、ビジネス界にはとても少ないのです。経営陣を続々外国人にしている武田薬品などで今起こっている現象は、日本人の働き口がだんだんなくなっていくという意味では、日本人にとって危機的な状況かもしれません。

 そのうち、会社のヘッドクオーターが海外に移ったりすれば、もう本当に日本人はいらないということにだってなりかねません。

—企業のグローバル化を担える人材が日本人からなかなか生まれないのはなぜでしょう。

上久保:グローバル人材の意味が、正しく認識されていないことに一つの原因があると思います。日本では、企業が海外へ出て、そこでうまく物を売り込める人のことを、グローバル人材と呼んでいます。東京の本社が中心になって、日本から物を輸出していくというモデルです。これは私が商社に勤めていた20年前と何ら変わっていません。グローバルの経済環境がその間、激変したのにもかかわらずです。

 日本の本社を軸に何事も考えるため、日本企業は海外に進出しても、現地にそれほど入り込んでいません。現地の人たちというよりも、日本人のネットワークで完結してしまう。これでは、今のグローバル化時代には対応できません。

—では本当のグローバル人材とはどんな人たちなのですか。

上久保:国や人種、企業といった枠組みには依存しない人たちです。例えばアフリカや中東などの出身で、自分の国はもう崩壊しているから、そこでは仕事ができない人がいます。自国には頼れないから、米国や英国に留学して、世界に通用するスキルを磨く。それを武器に、どんな場所であっても勝負していこうと考えるのが、グローバル人材なのです。

覚悟が違いますよね。日本人にそうした覚悟を持つ人がどれだけいるでしょうか。平和な故郷があり、事実上の終身雇用である企業に属しているような環境で、グローバル人材は育ちません。

 日本人というブランドが通用しない経験をすると、グローバル人材とはどういう人たちなのかが見えてくるはずです。「日本人」を捨て去るぐらいでないとだめなのかもしれませんね。

—では、日本企業はどうやってグローバル人材を育成すればいいのでしょうか。

上久保:日本企業がグローバル人材を育成し、それを活用していくという考え方は、そもそも逆説的です。どこかの会社の人間などと規定してしまうと、その瞬間に本当のグローバル人材ではなくなってしまう。なぜなら、会社や国に縛られずに世界で活躍する人こそがグローバル人材だからです。

 いずれ会社を飛び出していってしまうということをあらかじめ分かった上で、育成できるかどうかでしょう。

—グローバル人材を確保にするにはどうすればいいのでしょう。

上久保:海外で、その土地の商売に最も適合する人材を人種、国籍を問わず採用するべきです。日本人であるとか外国人であるとかいう発想は二の次になるはずです。

 グローバル人材は、個人として世界を浮遊していますから、それをいかにうまく見つけ出して捕まえるかです。日本企業がグローバル化しようと思ったら、そういう人を逃さないことが大切です。

 会社への忠誠心なんていらないじゃないですか。あるミッションを決めて、どういう成果に対していくら支払うという契約をすればいいんです。

—グローバル人材を多く輩出する国はあるのでしょうか。

上久保:私は最近、モンゴル人こそが真のグローバル人材だと思うようになりました。中国とロシアという大国の狭間にある小国ではありますが、海外に出るとものすごく力を発揮する人がたくさんいます。

 モンゴル人は、何かに縛られることなく、完全に個人で動きますから。もともと遊牧民族であるということも、影響しているかもしれません。相撲だって、日本にたくさんやってきて、実績を残しているじゃないですか。

 立命館大学にもモンゴル人の留学生が多いですが、いずれもとても優秀です。グローバルな考え方などの面で、とても高いポテンシャルを感じます。立命館で学んだ後に、米国の大学などへ飛び出していく人も多い。

 米シリコンバレーのようなところでも、これからモンゴル人が増えていくでしょう。日本企業は、そういう人たちを早くキャッチした方がいいでしょう。

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