『領土拡張の強欲ぶりが露わに、中国が台湾も囲った最新版「標準地図」を発表 失地回復意識に憑りつかれた本性をむき出し、次は絶対に沖縄を狙ってくる』(9/3JBプレス 譚 璐美)、『「中国式鎖国」への備え 風見鶏』(9/3日経朝刊 桃井裕理)について

9/1The Gateway Pundit<Federal Judge Dismisses Case Trying to Keep Trump Off 2024 Ballot=連邦判事、トランプ氏を2024年の投票から遠ざけようとした訴訟を却下>

民主党は公正な選挙をすればトランプに勝てないのが分かっているから、あらゆる手で妨害しようとする。

連邦判事は金曜日、反乱を扇動したとしてトランプ氏を2024年の投票から追放すべきだと主張したフロリダ州の弁護士が起こした訴訟を却下した。

この法理論は、米国に対する「反乱または反乱に関与した」公務員は公職から剥奪される可能性があると規定する合衆国憲法修正第14条第3条に基づいている。

トランプ氏は米国に対する暴動や反乱に関与した罪で起訴されていない。

フロリダ州南部地区連邦地方判事のロビン・ローゼンバーグ判事は、弁護士のローレンス・キャプラン氏には訴訟を起こす資格がないとの判決を下した。

https://www.thegatewaypundit.com/2023/09/federal-judge-dismisses-case-trying-keep-trump-2024/

9/2希望之声<美方:任何对台攻击都将导致美国的「坚决回应」=米国側:台湾へのいかなる攻撃も米国の「断固たる対応」につながる>米国の軍事費を監督する軍事委員会の共和党副委員長であるロブ・ウィットマン(Rob Wittman)は、代表団を率いて8/31から9/2まで台湾を訪問した。 9/1、ウィットマンは台湾の蔡英文総統と会談し、台湾へのいかなる攻撃も米国の「断固とした対応」につながると強硬な意見を述べた。

AFP通信によると、ウィットマンとその代表団の台湾訪問は、下院のインド太平洋地域訪問の一環である。 今回の訪問は、米国が台湾への直接軍事援助を初めて承認したばかりの時期に行われ、中共の怒りを買った。外交部の汪文斌報道官は、中国側は米国に対し「どんな名目であっても、いかなる方式でも、米台の軍事関係強化や台湾の武装強化もやめること」を要求していると述べた。

米国の発言だけでも中共への抑止力になる。

https://twitter.com/i/status/1697638654942830832

https://www.soundofhope.org/post/751610

9/2看中国<习近平任内犯台机率高?学者:中共害怕“反封锁”(图)=習近平は在任中に台湾に侵攻する可能性は高いか? 学者:中共は「反封鎖」を恐れている(写真)>

黄澎孝「中共は反封鎖を恐れている」

元台湾政治大佐で時事評論家の黄澎孝は番組の中で、「米国の覇権が衰える、つまり“東が台頭し西が衰退”して初めて、論理的に見て、中国は最終的に必ず台湾を攻撃する。台湾を攻撃する確率と時間は近づいている。そうでなければまだ待たなければならないが、生きている間に台湾海峡での開戦は待つことはできないかもしれない」と指摘した。

黄澎孝は、中共は台湾を封鎖できるが、自身も封鎖されることをより恐れていると考えている。台湾は中国に対して一個の独立した抵抗勢力ではなく、集団安全保障の一部であるため、マラッカ海峡、スンダ海峡(インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間の海峡)、台湾南部のバシー海峡で対抗封鎖が実施されれば、中国の石油輸送に問題が生じるだろう。

黄澎孝は、台湾とフィリピンのバタネス諸島の間の距離は200キロ未満で、ミサイルならバシー海峡を完全に封鎖できると指摘した。その結果、共産軍は台湾を東から封鎖できなくなり、米国はバタネスに新たな海軍基地を設立する準備を進めている。

中共の台湾離島占領仮説

余傑は、金門島は中国に最も近いが、中国が金門島を占領すれば台湾と中国との関係を断つことと同じであり、台湾の独立は当然のことになると分析した。したがって、最も危険なのは東沙諸島であると考えている。 「東沙のような小さな島では、人民解放軍は過剰な軍事力を動員する必要はない。占領後は国際社会と台湾の反応を試すことができる。強硬な反応に遭遇した場合、人民解放軍はその後撤退する可能性がある」

黄澎孝は第二次世界大戦を例に挙げ、当時日本の輸送船や商船が最も多く沈没した場所は、東沙と台湾最南端の鵝鑾鼻の間の海域で、1,000から2,000m規模の海溝があった。米国の潜水艦はここで待ち伏せ攻撃し、通り過ぎる日本の船は難を避けるのは難しかった。中共の対潜能力は比較的弱く、水中の状況を制御することはできない。

中国が東沙諸島を占領するために行動をとった場合、米国は行動を起こすだろうか?黄澎孝は、ジョン・アキリーノ米インド太平洋司令官が最近、米軍が「人間煉獄」というコードネームの戦闘計画を持っていると述べた。中共が行動を起こせば、米国は24時間以内に1000の目標をロックし、無人機による全面攻撃を実施する。

アキリーノはかつて、米国大統領が自分に2つの任務を与えたと語った:: 1つ目の任務は中国の台湾攻撃を阻止することであり、2つ目は前の任務が失敗して阻止できない場合、彼の任務は中国を打ち破ることである。

習が自重すればよいですが・・・。

https://kzg.secretchina.com/news/gb/2023/09/02/1044389.html

9/2看中国<50多岁的人成批离世?传中国农村“特别多”(图)=中国で50代の人たちが大量に亡くなっているのを見たか? 中国の農村部は「非常に多い」と言われている(写真)>中国における新型コロナウイルス感染症の流行は依然として深刻だが、この流行による死者数は常に謎に包まれている。 最近、中国の農村部で「異常に多くの」50代の人々が死亡したとインターネット上で報じられ、河北省、河南省、江西省、江蘇省、山東省などのネットユーザーからフィードバックが寄せられ、あるネチズンは70歳まで生きられるのは稀だと述べた。

ツイッター(X)アカウント「新民」は8/30、「最近、中国の田舎で奇妙な現象が起きている。50代の人がたくさん亡くなった。理由は分からない。チャット内の誰かが「ワクチンを打ったからか?」と尋ねた。それが重要である。動画にはチャット記録があり、河北省邢台市大油召三村と思われる場所で、ある人物が「最近、50代の人たちが死ぬのがすごく多い。何故かは知らない」と話した。

河南省のあるネットユーザーは、「私たちの村はほとんど未亡人の村になってしまった。50代、60代の男性がたくさん亡くなり、何が起きているのか分からない」「私も53歳だが、いつもめまいを感じ、いつ死ぬか分からない」と語った。「私たち、1960 年代に生まれた世代は、特に貧しく、疲れていて、困難を抱えている。私たちは年よりも子供もいて、今では疲れて、精神的にも疲れていて、圧力は大きい」

中国の不活化ワクチンは効かないことで有名。死者はワクチンでなく武漢肺炎のせいでしょう。

今年1月13日、上海の病院のアトリウムは武漢肺炎ウイルスの患者でいっぱいだった。 (画像出典: Getty Images)

https://kzg.secretchina.com/news/gb/2023/09/02/1044392.html

9/2阿波羅新聞網<莫言被举报为“文化间谍” 网友: 回来了,全都回来了【阿波罗网报道】=莫言は「文化スパイ」と通報 ネット民:戻ってきた、すべて戻ってきた [アポロネット報道]>アポロネットの秦瑞記者の報道:最近、有名作家の莫言が「文化スパイ」として悪意を持って通報され、相手方の「中傷攻撃があまりにも誇張されていた」ため、莫言は応じて告訴することを余儀なくされた。この事件はネチズンの間で激しい議論を引き起こした。多くのネットユーザーは莫言の状況について懸念を表明し、あるネットユーザーは「戻ってきた、すべてが元に戻った」と述べた。

「戻ってきた」というのは文革が戻ってきて、密告する時代に回帰していると。

https://www.aboluowang.com/2023/0902/1948974.html

何清漣が再投稿

イレーヌ・ユウ @ElaineYuMuMu 13h

スウェーデンは既に制御不能だ。

昨夜、一晩で4回の爆発があった。

– ヨーテボリで爆発2件

– ストックホルムで爆発1件

– ニーショーピングで爆発1件

現在、立ち入り禁止区域(地元住民が足を踏み入れることを恐れている移民区域)が61か所ある。

メディアはこの危機について決して報道せず、気候変動のみに焦点を当てている。

引用

PeterSweden  @PeterSweden7  9月1日

スウェーデンは制御不能だ。

昨夜は一晩で4回の爆弾テロがあった。

– ヨーテボリで爆発2件

– ストックホルムで爆発1件

– ニーショーピングで爆発1件

現在、61の立ち入り禁止区域がある。

メディアはこの危機について報道しない。

何清漣 @HeQinglian 9時間

米下院外交委員会委員長:ロシアと中国の同盟は第二次世界大戦以降で最大の脅威 https://rfi.my/9ti7.T @RFI_Cn経由

コメント:バイデンが国内を虐め、世界に出撃した後、米国冷戦の大師ブレジンスキーらが後の世代に対し、米国をジレンマに陥らせないよう戒めしていたことが出現した:大敵(中国とロシア)と小敵(イラン)が同盟を結んだというものだ。 … もっと見る

rfi.fr

米下院外交委員長:「露中同盟は第二次世界大戦以降で最大の脅威」

欧州訪問中のマッコール米下院外交委員長は、習近平とプーチンの同盟は自由世界にとって非常に大きな挑戦となると考えている。

何清漣 @HeQinglian  9時間

世界はトランプがWHを奪還する可能性に備えている https://cn.wsj.com/articles/CN-BGH-20230830105011?reflink=desktopwebshare_twitter  @ ChineseWSJ経由

この記事は面白い。 感想:

  1. この記事におけるいわゆる「グローバル」とは、西側同盟国を指す。米国国内から世界中で混乱を引き起こし、収拾つかなくするこの兄貴に対して、同盟国はかなり否定的に見ていることが分かる。

cn.wsj.com

世界はトランプがWHを奪還する可能性に備えている

米大統領選挙までまだ1年以上あるが、米国の同盟国と世界中の敵対国はすでにトランプのWH復帰の可能性を検討し始めており、それに対処する計画さえ立て始めている。

何清漣が再投稿

何清漣 @HeQinglian  10時間

返信先:@jbchen2009 、ElaineYuMuMu

以前なら私もこれに同意しただろう。

しかし、米国の状況についてある程度知った今、私は真剣に反対する:事実は次のとおり。

白人左翼の多くは数世代にわたって裕福な中産階級の家庭に生まれ、1968 年以降このようなことをしている。私の言うことが信じられないなら、関連する本を読むべき;一つの例は、『継承の戦い』を読んでください。劇中では、これらの裕福な子供たちは一日中麻薬を吸い、性的に乱れており、人権、特にポリティカル・コレクトネスを気にしている。リアルな描写である。 … もっと見る

https://twitter.com/i/status/1697971281415585891

何清漣が再投稿

文婕放送 @wenjiebc 10h

トランプ大統領は、米国を破壊するための16年間の計画について次のように述べた:

「私は事態を好転させた。そんな計画はあってはならない。計画はヒラリー・クリントンが勝つというものだ。彼女が勝てば、彼女はほとんどの人が見たくないことをするだろう。」

軍事情報機関が米国を破壊するDSの16年計画を阻止 – オバマ政権下で8年、ヒラリー政権下で8年

彼らは彼女が負けるとは予想していなかった・・・。

🌸 購読 http://t.me/wenjiech

何清漣 @HeQinglian  8時間

最も信頼性の高い、手による集計に戻る。

台湾はあらゆる面で米国左翼を真似しているが、これだけは真似しないと主張している。

引用

文婕放送 @wenjiebc 12時間

最新ニュース:大規模な選挙不正が発覚したことを受け、ミシシッピ州ハインズの民主党郡監督官デイビッド・アーチーが予備選挙結果に異議を唱える。

ジャック・アモスが部屋に入り、サムドライブを持ち込み、投票用紙を機械に挿入するビデオテープがある。 twitter.com/chuckcallesto/…

何清漣が再投稿

文婕放送 @wenjiebc 17時間

タッカー・カールソンは、X のフォロワー数が 1,000 万人を超えようとしている。

これにより、タッカーは地球上で最も注目されている独立系ジャーナリストとなった。

X のタッカーの番組は平均 5,000 万回視聴されており、文化面を備え、最新ニュースとの関連性が非常に高い。

マトリックスは打ち破られた。

@TuckerCarlson

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Xが悪に走らないことを祈るばかりである。 時々 Truth Social を見ることを忘れないでください。

引用

ベニー・ジョンソン @bennyjohnson 9月2日

タッカー・カールソンは、X のフォロワーが 1,000 万人を超えようとしている。

これにより、タッカーは地球上で最も支持されている独立系ジャーナリストとなった。

X でのタッカーの番組は平均 5,000 万回の視聴を獲得しており、文化面を備え、最新ニュースとの関連性が非常に高い。

マトリックスが壊れた。

何清漣 @HeQinglian  29m

これは私のツイ友の孫氏への返信である。その内容は重要であり、我々の世代が6・4後にプロの革命家になることを選択するのか、それともまず生計を立ててから革命を選択するのかに関わるものである。次の世代にもこの穴をさまよい続ける人たちがいるので、興味のある方はぜひご覧ください。 … もっと見る

引用

何清漣 @HeQinglian  55m

返信先:@eGUAbe2V7j26GHw

1980 年代、特に天安門事件の後、我々の世代の知識人は皆、「私たちはプロの革命家であるべきか?」という問題について考えていた。

その結果、それをやりたい人もいたが、大多数はまず自分自身を養うためのキャリアを見つけることを選択した。修身斉家治国平天下、その順序は正しい。 … もっと見る

何清蓮 @HeQinglian 3時間

今日、大象公会の会員だった女性が日本で餓死(多分拒食症?)したというツイートをたくさん見かけたが、私は若い世代のことをあまり知らないことに気づき、さまざまな意見が集まる場所を見つけた。 https://zhihu.com/question/620249837

私は「餌を与える」という言葉を学んだ。 … もっと見る

何清漣 @HeQinglian  2時間

Wikipediaで「大象公会」という項目を見つけた。

zh.wikipedia.org

大象公会 – Wikipedia、フリー百科事典

何清漣 @HeQinglian  1時間

今日この AkidIsPoet @akid_poet をチェックした。何百ものツイートと、知乎上で関連する紹介やコメントを経て、私は彼女が餓死したのではなく、無関心と孤独の中で生きていたためだと思う。 性格は運命であり、彼女は自分の将来の人生に希望を持てなかった。 … もっと見る

引用

何清漣 @HeQinglian  4時間

今日、大象公会の会員だった女性が日本で餓死したというツイートをたくさん見かけたが、私は若い世代のことをあまり知らないことに気づき、さまざまな意見が集まる場所を見つけた。 https://zhihu.com/question/620249837

私は「餌を与える」という言葉を学んだ。 … もっと見る

譚氏の記事について、中国は清朝時代の乾隆帝時代が最も版図が大きかった。清は満州人の王朝ですが。

ロシアのプーチンと言い、中国の習と言い、生きている時代が、19世紀から20世紀前半なのではと感じてしまいます。国境を武力によって変えようとするのは、時代遅れ。でも現実には起きてしまう。特に上図の清への朝貢国は危ない。沖縄のほかにベトナム・タイ・ミャンマー・ネパールも入っている。もし、中共が台湾侵攻して負けたら、領土は清の直轄領の内、満州を除いた部分とすべき。勿論、核戦争が起きない前提ですが。

桃井氏の記事では、注意すべきは「10億人を超す市場で」と書き、「14億人」とは書いていない点です。彼女自身人口はその程度と思っているのでしょう。中国語の記事と英語の記事を読んでいればそうなります。

「新華僑」の日本流入は考えておかないといけないですが、できれば入れたくない。一番はスパイが紛れ込むためです。受け入れる前にはきちんとした「スパイ防止法」を作ってからにしてほしい。国会は野党とマスメデイアを恐れて、やるべきことをしていない。自民党政府のPRTV局を作って放送すればよいのに。自民党広報本部がちゃんと考えないと。

また「閉じられた大国「中国」」と述べていますが、閉じているだけであれば良いですが、習は冒険主義に走る可能性がある。譚氏の言うように台湾だけでなく、沖縄まで狙うのは確実。中共が台湾侵攻したら、日本も米国や自由主義国と共に戦わないと日本の領土は守れない。

譚記事

習近平国家主席(写真:新華社/アフロ)

(譚 璐美:作家)

新たな十段線を主張する新地図

8月28日、中国自然資源省が「2023年版標準地図」を発表した。

この地図では、従来主張してきた「九段線」に、台湾を囲った線を一本足して「十段線」とし、南シナ海のほとんどすべての海域が含まれている。

また、ヒマラヤ地域では、中国が「南チベット」として領有権を主張するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州も中国領として記載されていた。

中国政府が8月下旬に発表した新たな国土地図[中国政府系サイトより](時事)

南シナ海では、以前から中国とアジア諸国との間で領有権を巡って紛争が絶えなかったが、今回、中国が突然「新地図」を発表したことで、国際法無視の中国の言い分に、フィリピンやベトナム、インド、台湾など、東アジアの国々が一斉に反発している。

産経新聞(2023年9月1日付)によれば、8月31日、フィリピンは「中国の主権を正当化しようとする試みで、何の根拠もない」と声明を発表。2016年にオランダ・ハーグで開かれた南シナ海での中国の主権主張を退けた裁定を順守するよう、中国に抗議した。

同日、ベトナムも「ベトナムの海域に対する主権、管轄権を侵害している」と声明を発表。台湾の外交部は「(台湾は)絶対に中国の一部ではない」と激しく反発した。

さらに、マレーシアもボルネオ島(カリマンタン島)沖の排他的経済水域(EEZ)と重なる海域を中国領として主張していることに反発。中国との国境紛争を抱えるインドは、「国境問題の解決を複雑にするだけだ」として、即刻中国に抗議した。

各国の反発に「理性的に対応することを望む」の呆れた言い分

こうしたアジア諸国の反発に対して、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は、8月31日の記者会見で、「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」とコメントして、中国の領有権主張を正当化した。

今後、さらに領有権の紛争が激しくなる可能性が高い。9月上旬にアジアで開催が予定されている各種の国際会議で議論の的となることは必定だろう。

私は一昨年、『中国国恥地図の謎を解く』(新潮社、2021年)を出版したが、今回、中国が発表した「2023年版標準地図」は、まさに「幻の記憶」であるはずの国恥地図(こくちちず)を現代に持ち込んだものにほかならないと確信した。

『中国「国恥地図」の謎を解く』(譚璐美著、新潮新書)

「国恥地図」とは、「国の恥を描いた地図」を意味するのだが、過去百年間の戦争によって、列強諸国に国土を奪われたことを「国の恥」とみなし、その国土範囲を示した地図のことである。

作成されたのは1920年代の蔣介石・国民政府時代で、国民に愛国意識を植え付けるために「国恥キャンペーン」を実施した際、文字の読めない国民や子供でもわかるように、清朝時代の版図(はんと)を基準にして赤い線で囲い、1920年代の中国の領土範囲と比較して、失った領土の大きさを示してみせた。

南シナ海に強い関心が集まったきっかけは、1930年代に始まった日中戦争だった。日本に東北地方を奪われたことで国土意識が高まり、フランスやイギリスが植民地にしていた東南アジアの国々が次々に独立するに至って、かつて明の時代に盛んだった海洋貿易を思い出し、執着心に火が付いた。

【参考】
勘違いと願望から「創造された」中国・南シナ海領有権の根拠
「台湾は中国の一部」という『一つの中国』、全面受け入れしている国は少数派
ブータンとの係争地域に入植の中国、領土拡張のお決まりの手法

そして「南シナ海はかつて明王朝が支配していたのに、朝貢国を諸外国に奪われた」という屈辱感と被害妄想が昂じた末に、南シナ海は「中国の庭」であったのだから、当然、中国の支配範囲という「失地意識」が芽生えた。

実にいい加減だった十段線の“根拠”

最初に南シナ海に「線」を描いたのは、1936年、古地図学者の白眉初だった。彼は高校の地図帳を作るよう出版元から依頼されたが、近代地図は得意ではなかったため、国民政府が作成した最新版の南シナ海の地名リストを使った。それは国民政府が英語版の地図から島と暗礁の名前を中国語に翻訳しただけの「中国南海各島嶼(とうしょ)図」だった。

この地図には100以上もの島や暗礁の名前が細かく記載され、複雑に入り組んでいたことから、白眉初は高校生にもわかりやすいよう黒いペンで島や暗礁の名前をざっくり囲ってみせて、自分のアイデアとした。完成した地図は『海彊南展後之中国全図』と名付けた。その意味は、「清朝時代から南へ拡張した中国全図」というになる。換言すれば、「1936年の時点での中国最新地図である」という但し書きをつけた地図なのである。

話はまだ終わらない。白眉初の地図を見た国民政府は、学者先生のお墨付きをもらったと喜び、南シナ海に浮かぶ島や暗礁を黒いペンで囲った実線を、どういうわけか十本の破線(「十段線」)に書き替えて、1943年、さらに中国の最新地図を作った。

なぜ、「十段線」だったのか。今日でも研究者の間では謎とされているが、たまたま描いたのが十本だったというだけで、何の意味もなかったのではないかという研究者もいる。私は、「仮に想定した範囲」を示したかったのかもしれない、とも思う。国民政府が国民の期待に応えて、将来「こうなったら良いな」という希望的観測を示した表記だったのではないだろうか。

妄想交じりの失地回復願望

さて、ここで最も重要な点は、白眉初の作った地図「海彊南展後之中国全図」には、実は台湾は含まれていないことだ! 台湾は日清戦争で日本に割譲されて日本領であったため、1936年の時点では中国領ではないことを、白眉初ははっきり示していたのである。

これが現代に至るまで、中国の南シナ海における領海範囲の主張の「大きなネック」になってきたことはまちがいない。

1949年、中華人民共和国を樹立した中国共産党は、愛国教育を進めるなかで、国民政府が作った「国恥地図」をそのまま利用し、南シナ海の領有権を主張する最大の根拠として、白眉初の「海彊南展後之中国全図」を挙げてきたからだ。しかも南シナ海の海域の中央部だけ地図を拡大して、都合の悪い台湾が入らないよう、地図の右端部分をカットしたのである。

また、1950年、最高指導者だった毛沢東はベトナムに友好関係を示すため、国民政府が地図に引いた破線の「十段線」のうち、ベトナムと広東省の間にひかれた一本の線を消して、「九段線」とした。これが今日まで知られる「九段線」の由来である。

21世紀になり、今や経済大国に成長した中国は自信をつける一方、かつての「国恥」意識が強固な歴史観となって醸成され、大国となった今こそ「失地回復」を目指すべきだという強い怨念に突き動かされるようになった。「百年の大計」だとしばしば中国が口にするのは、このためである。

今回、中国が発表した「2023年版標準地図」では、「九段線」に加えて、台湾東部に新たに一本書き足して、「十段線」とした。これで、南シナ海の領有権の根拠としてきた白眉初の地図の「最大のネック」だった台湾を領土に組み入れたことで、ようやく懸案事項が解決したと考えているにちがいない。

さて、中国の次なる課題は、なにか。中国が「失地回復」の執念を燃やす最後のターゲット――それは、沖縄である。中国が近い将来作成する新地図には、まちがいなく沖縄が中国領に変わっているはずだ。

その時、日本はどうするか。今から心して、対処の仕方を考えておかなければならない。

桃井記事

習氏の画像が映し出されたスクリーンの前に集まる中学生たち(上海市)=ロイター

中国で最近、こんな冗談交じりの話を聞くようになった。「忙しくて仕事をするヒマがない」。何がそんなに忙しいのか。「習近平(シー・ジンピン)の新時代における中国の特色ある社会主義思想」の学習だ。

中国共産党は現在「習思想を徹底学習するテーマ教育」を展開中だ。政府、企業、大学などあらゆる組織で上から下まで勉強会を繰り返す。幹部らは習思想の理解を競う論文執筆に大わらわ。少人数の読書班では習氏の論述集を何冊も読み込み、意見を述べ合う。

中国は今、不動産危機や失業問題、人口減少など様々な難問に直面している。そのさなか中国のエリートらが必死なのは「習思想の学習にどれだけの時間を費やすか」とのアピールだ。

そして政策立案で優先されるのは「中国式現代化」や「共同富裕」など「いかに習氏の教えや党の指導に忠実か」が基準となる。

習政権3期目以降、中国と世界の乖離(かいり)はますます広がった。米国は経済の米中デカップリング(切り離し)を修正したが、中国は対話のための最低限のコモンセンス(共通認識)というべき分野でデカップリングを断行している。

その必要性から最後まで国際化されていた金融分野でも「例外は捨て去る」と宣言した。金融政策を主導するのは党の中央金融委員会という新組織。発言権を持つのは何立峰副首相や鄭柵潔国家発展改革委員会主任、劉昆財政相など習派の厦門大学閥で占められた。

中国人民銀行トップはかろうじて欧米での研究経験を持つ潘功勝氏だがヒラ党員で存在感は薄い。世界の金融界と対話しようとの意思は感じられない体制だ。

中国人民と国際社会を隔てる「ガラスの長城」も厚さを増している。改正反スパイ法施行で中国人と外国人の交流リスクは高まった。同じ土地に暮らしていても別々の空間にいるような浅い関係となってきた。

習政権は今も改革開放や外資の投資拡大を呼びかけているが、中国の人々は他国とは全く違う世界観の中に封じ込められつつある。外に開いたまま実は閉じた「中国式鎖国」の状態だ。

世界と乖離する中国を前に日本は新たな戦略構築を迫られる。まずは「二元論」からの脱却が必要だ。親中か反中か、中国依存か中国離脱か。そんな議論は意味を失いつつあるためだ。

東京電力福島第1原子力発電所の処理水問題を巡る対応からもわかるように、中国は中国の「常識」と「理屈」から出てこない。過去のような「日中友好」を望める時代は過ぎた。

一方で、10億人を超す市場でしたたかに稼がずして経済成長は維持できない。中国との対峙も経済力があってこそ。「リスクをとって日本の成長に寄与する企業」のバックアップ体制を日本政府は米国と連携しながら早急に確立すべきだ。

注意しなければならないのは今後「文革2.0」ともいうべき閉鎖社会を嫌い中国から逃れてくる「新華僑」が増えるであろうことだ。活力あるアントレプレナーを呼び込む環境を整えるとともに、平等すぎる外国人受け入れ制度の改正など事前準備も必要となる。

移民の選別、スパイ対策、不動産購入の制限、各種外国人料金の設定などが検討課題となる。さもなければ早晩、中国からの人口や資金の流入が日本社会に混乱をもたらす時が来る。

我々は世界の経済構造が変動する瞬間を目にしようとしている。閉じられた大国「中国」と世界に広がる新たな「大中華経済圏」――。習氏が力説する「100年に1度の変革の時」にこのシミュレーションは含まれているのだろうか。

(中国総局長 桃井裕理)

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