『混沌としてきた国際秩序、「高みの見物の猿」はロシアか中国か 中ロ首脳会談「共同声明」を読み解く』(2/17JBプレス 福島香織)について

2/16The Gateway Pundit<Maria Bartiromo: Was Hysteria Over Russia a Ruse to Take Attention Away From What Hillary Clinton Did? (VIDEO)>

バルテイロモはバイデンがロシア・ウクライナで騒いでいるのは、ヒラリーがやったこと(情報機関を含んで、トランプをスパイ監視したこと)から目を逸らすためかと。

https://www.thegatewaypundit.com/2022/02/maria-bartiromo-hysteria-russia-ruse-take-attention-away-hillary-clinton-video/

2/16The Gateway Pundit<Devin Nunes: “They Spied on – the President of the United States – When They Didn’t Find Anything They Made It Up and Framed a Sitting President” (VIDEO)>

如何に民主党とその支持者(主流左翼メデイアとSNSを含む)が間違っているか。NSA(国家安全保障局、国防総省傘下)がスパイを助けたとも。

https://www.thegatewaypundit.com/2022/02/devin-nunes-spied-president-united-states-didnt-find-anything-made-framed-sitting-president-video/

2/17希望之声<川普吁解密“通俄门”所有调查 朱利安尼:希拉里构陷川普=トランプはすべての「ロシアゲート」の調査の機密解除を要求する ジュリアーニ:ヒラリーはトランプを嵌めた>弁護士のルディ・ジュリアーニは最近ニュースマックスに、「ジョン・ダーラムの調査の最新の法廷文書は、ヒラリー・クリントンと民主党員がトランプ前大統領を“陥入れ”ようとしていたことを示している」と語った。

ジュリアーニは火曜日(2/16)のニュースマックスで次のように述べた:喜ばしいのは、私と同僚が多くの事、“嘘をつき、ロシアの偽情報を流し、ロシア人との協力”とかで批判されてきたこと、それは真実でなかったことが証明されただけでなく、私が最初から主張してきたことであった。これはでっち上げであると。

「それは単なる思い違いだけではなく、彼(トランプ)はロシアとの共謀で告発されている:これらは犯罪であり、ヒラリー・クリントンと一緒に働いた人々が作り上げたものである。彼女はそれに金を払った。外国の情報を買う、–それは彼らが告発した犯罪である」と彼は言った。

「今や彼らは、1/6が9/11よりもひどいと言っているのは、別の詐欺であり、すべてトランプを駄目にするためである」と言った。

ジュリアーニは言った:「米国人はそれを理解した」。民主党は、トランプが就任する前に、トランプを「転覆」させようとしてきた。

火曜日(2/15)に、米国のエージェンシー「メディアリサーチセンター」などのメディア評論家は、国民に思い出させるために、「再度の報告」を発表した:親クリントンの左派メディアが「スパイに従事したことなし」の嘘を言いふらしているのは真実からほど遠い。メディア研究センターはまた、トランプ前大統領に対するメディア攻撃の35の事例を示した。

トランプは、特別検察官のダーラムが最新の法廷文書を提出した後、司法省はトランプ-ロシアの調査に関連した残りの記録を「絶対に」機密解除すべきだと述べた。

トランプはフォックスニュースに次のように語った:「彼ら(司法省)には機密解除命令があり、特に今起きていることや、今明らかになったことを考えると、絶対に機密解除する必要がある」

2019年5月、特別検察官のロバートミューラーの調査が終了した後、トランプは当時の司法長官ビル・バーに2016年のトランプ選対の監視の関連記録を機密解除するよう指示した。

ミューラーの調査では、2016年の大統領選挙中にトランプ選対とロシア当局者との間に犯罪陰謀の証拠は見つからなかった。

「我々は機密を解除した、人々はそれらを見た、そして私はあなたが何か大きなものを見るだろうと思う。文書は“巨大な不正と腐敗”を明らかにしている」とトランプはフォックスニュースに言った。

上院議員チャック・グラスリーとウィスコンシン州のロン・ジョンソンも火曜日に司法長官メリック・ガーランドに書簡を送り、トランプとロシアの捜査に関連するすべてのFBI記録を機密解除するトランプの命令が「まだ実行されていない」と述べた。同時に、ガーランドは3/1までに、「これらの記録を不適切な編集なしに、議会と米国民に提供するため、詳細な回答を提供する必要があると要求した。

バー司法長官時代に機密解除しておけば良かったのに。彼はペンス同様、共和党エスタブリッシュメントで、国民の側には立たない人物でしょう。

https://www.soundofhope.org/post/594499

2/15希望之声<学者:美印太战略报告 台美关系现实质转变=学者:米国のインド太平洋戦略報告 米台関係は実質的な変化>学者たちは、2/15の米国のインド太平洋戦略に関する報告書を分析し、これは台湾と米国の関係が大幅に変化したことを示していると指摘した。

米国が11日に発表したインド太平洋戦略報告は、米国が地域内外のパートナーと協力して台湾海峡の平和と安定を維持し、台湾の自衛を支援するなど、台湾人が、彼らの意志と最善の利益に応じて未来を平和的に決定できる環境を持ち、台湾海峡の軍事侵略の脅威に備えるようにする。

Free Asiaによると、台湾のシンクタンクの頼怡忠執行委員は、この報告書は台湾海峡の安全を国際化するだけでなく、より具体的には、公式文書の形で「台湾は自分の未来を決めることができる」と公に表明したのは初めてであると分析した。

頼怡忠は、報告書が「台湾人が自分たちの意志と最善の利益に応じて平和的に未来を決定できる環境を確保する」と述べていることは、「自決」を直接示すものではないが、台湾に自分達の未来を選択する権利を与えることにかなり近いと述べた。

頼怡忠は、インド太平洋戦略における台湾の独立した地位は重要な変化で、台湾の役割はまだ「同盟国」ではないが、米台関係は「米中関係の下での従属関係でもない」と考えている。

台湾両岸政策協会の譚耀南会長は、2019年に最初に提案された「インド太平洋戦略」と比較して、この報告書は台湾を非常に重要な戦略的位置に導き、米国は「インド太平洋の価値同盟」全体の中に台湾を含めたと説明した。

譚耀南は、台湾は「共同防衛」という名ではなく、「共同防衛」の実を持った「準軍事同盟」に含まれていると考えている。日米豪印戦略対話(Quad)や国防総省の「インド太平洋戦略」全体と連携して、合同軍事演習に参加することも可能である。

しかし、古参メディア人の郭崇倫は、米国と台湾の関係が確立されたという主張に疑問を呈した。彼は、米国とウクライナの関係は依然として米国とロシアの関係から切り離すことはできないというアナロジーを説明した。

確かに文書や口約束がどこまで当てになるかは分かりませんが、一歩前進と捉えても間違いないのでは。

https://www.soundofhope.org/post/593941

2/16看中国<CNN内部调查再引地震 又一高管辞职(图)=CNNの内部調査は又の地震につながり、別の幹部が辞任する(写真)>CNNの内部調査では、ジェフ・ザッカーCNN社長、アリソンゴルスト・マーケテイング本部長、アンカーのクリス・クオモは、ジャーナリズムの基準を含む会社の方針に違反した。ゴルストは続いてすぐに辞任を発表し、クオモとザッカーの辞任に続いてまた別の人事地震を引き起こした。

CNNの親会社「ワーナーメディア」最高経営責任者(CEO)ジェイソン・キラーは、2/15(火)の夜、CNNの従業員にメモを流した。

このメモは、CNNのウェブメディアアナリストであるブライアン・ステルターがSNSに投稿した。ステルターの文:

「ジェイソン・キラーからの真新しいメモ: ‘調査の結果、幹部のジェフ・ザッカー、アリソン・ゴルストー、クリス・クオモが、CNNのニュース基準や慣行などの会社の方針に違反していることが判明した。」

トランプの言うようにセックス絡みは口実で、業績不振で切られたのでは。

https://www.secretchina.com/news/gb/2022/02/16/998071.html

何清漣 @ HeQinglian 8h

「ロシア・ウクライナ戦争」の情報戦、勝者は誰か?

バイデンは2/11の西側指導者の緊急サミットで、ロシアが16日に攻撃を開始することを通知した。

バイデンファンはこれをバイデン外交の大きな勝利と見ている。ロシア外務省の女性報道官のザカロワは、「2022年2月15日は、西側の戦争宣伝が失敗した日として歴史に残るだろう。ロシアは、一発の弾も撃たないのに、屈辱を与えられ、破壊された」と嘲り述べた。

何清漣 @ HeQinglian 4h

この問題についての私の意見は次のとおり。徐州当局者は公に「皆さん、私に少し時間をください」と言った。彼らは本当に時間が必要である。私は内部で責任が追及されているが、最後に確定する一押しが必要と思っている:どの層が捕らえられるのか?誰を逮捕するのか?人身販売業者の役割は何か?

この地方での人身売買は長期的な犯罪であるが、公式の黙認なしでこれまでどのように維持できたのか?これには、すべての勢力の内部バランスが必要で、もちろん、これは村の支部書記が過去を糊塗して処理できないことも理解している。

引用ツイート

何清漣 @ HeQinglian 7h

豊県の地方レベルで十数人以上の役人が最終的には国民の怒りを鎮めるためにクビにされると見込まれている。 twitter.com/williamlong/st…

何清漣 @ HeQinglian 7h

豊県の地方レベルで十数人以上の役人が最終的には国民の怒りを鎮めるためにクビにされると見込まれている。

引用ツイート

月光ブログ @ williamlong 7h

拉致・人身売買された女性が離婚を訴える!豊県裁判所:支持しない。法の死線はどこ? http://news.china.com.cn/2022-02/16/content_78051866.htm

何清漣 @ HeQinglian 9m

子供の誘拐犯罪を初めて聞いて、ショックを受けた時のことを振り返ると、1990年代初頭の報道であり(どの年、どのメディアかハッキリしない)、西安の6/1のこどもの日に、何千もの人が隊列を組み、無言でデモをした。それは、子供が西安とその周辺地域で誘拐され、人身売買された両親達が、政府が子供の誘拐の問題に注意を払うことを期待して、無言のデモをした。

当時インターネットがなかったので、この情報をオンラインで見つけることができなかった。 誰かがこれを覚えていることを願っている。

何清漣はリツイート

萧生客🇺🇸🇨🇦 @ SSK2024 2h

FDAの幹部:バイデンはより多くの人々にワクチンを接種する、あなたは毎年1回それをしなければならない。 製薬会社、食品会社、ワクチン会社は、製品の承認を受けるために審査者を雇い、我々に毎年数億ドル払っても、毎年一人ひとりがワクチンを受ければ、会社にいつもお金が戻ってくる。

プロジェクトベリタスの秘密:なぜ大手製薬会社とFDAは乳児の予防接種を緊急に承認しているのか?

https://mp.weixin.qq.com/s/5V4Ro2yvwRuEpTR2XVN7jQ

福島氏の記事では、中露の繋がりを深めるのはマズイでしょう。バイデンのやり方が良くない。でも、ロシアも撤兵しないのは、領土的野心があるからと見えてしまう。日本軍のシベリア出兵で、撤兵が遅れたときに、そのように見られたのと同じ。21世紀になっても、中露は20世紀に生きているのでは。

福島氏の意見では、中露の抑制にはインドの役割が大きくなるし、日本もと。自由で民主主義の国が強権国家に対抗するため、大同団結するのが望ましい。

記事

北京五輪にあわせて会談した中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領(2022年2月4日、写真:ロイター/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

2月4日のプーチン・習近平会談は、予想を上回るほどの中身はなかったように思える。重要な内容は中ロのエネルギー協力で、中ロ関係がウクライナ問題で具体的に連携するといったものではなかった。この会談に国防情報官僚は参加しておらず、軍事・インテリジェンス協力に関する合意はなかった模様だ。

中国語で7000字に及ぶ共同声明では、ロシア側は台湾が中国の不可分の領土だと改めて確認したが、そのこと自体は新しい内容ではない。中国はNATO拡張への反対を確認しているが、「ウクライナ」には言及しなかった。中国は公式にはクリミア併合を承認していない。お互い、対立する国家の核心的利益の問題は避けて言及せず、米国を名指しで批判するところに関しては団結を強化した印象だ。

プーチンは五輪開幕式で習近平と離れたところに座り、ほとんど居眠りをして、終わったらさっさと帰国した。このつれなさを見ると、やはりこの2人が本当に親密で信頼し合っているとは思えない。

だが、「新型大国関係」という言葉を用いて、新たなグローバルガバナンスのために手を取り合うという方向性を打ち出したことは、やはり気になる動きだ。こうした中ロの反米結束は今後国際社会にどういった影響を与えるのか。歴史上最良といわれる中ロ関係の蜜月が、例えば軍事同盟に発展するようなことはあるのだろうか。

ウクライナから自国民を避難させない中国

まずウクライナ問題に対する中国の立場を整理する。米国が、外交官をキエフから撤退させている一方で、中国は自国民や外交官のウクライナ退避を勧告していないのはなぜか。昨年(2021年)のアフガニスタンの米軍撤退に伴う混乱時は、中国はチャーター便を出して自国民の脱出を手伝った。

米シンクタンク「スティムソン・センター」の孫韻・東南アジア研究主任が米メディア「ボイス・オブ・アメリカ」にコメントしていたところによると、中国はロシアのウクライナ侵攻の可能性を低いとみており、たとえ衝突が起きても限定的だと予想しているからだという。

中国人のネットユーザーたちの書き込みをみていると、ウクライナに中国人を「人質」として置いておくつもりじゃないか、という皮肉的な見方もあった。2月4日のプーチン・習近平会談では、15もの協力合意が調印され、なかでもエネルギー協力に関しては、中国がカザフスタン経由のパイプラインを通じて10年間に1億トン分のロシアの原油を輸入し、また毎年480億立方メートルのロシアの天然ガスを購入するとの合意がなされた。この2つのエネルギー協力の総額は1175億ドル(決済はユーロ)に上る。

ウクライナ問題に米国が長い腕を伸ばしてくる狙いの1つは、ドイツをはじめとする欧州のロシアエネルギーへの依存を阻止するためだ、という見方がある。戦争に発展しなくとも、今回のウクライナ危機を機に、EU諸国がロシアへのエネルギー依存を対米依存に転換する可能性がある。ロシアとしては、この穴を埋めるために中国に大量にロシアのエネルギー資源を購入してもらうわけだから、多少は中国の顔を立て、中国人が撤退しないうちは、攻めてこないのではないか、というわけだ。また、プーチン自身が「ウクライナ侵攻の計画はない」と繰り返しているわけだから、プーチンの「親友」の習近平が自国民を避難させれば、プーチンを信用していない、ということになってしまう。さすがにプーチンの顔をつぶすこともできないかもしれない。

中国の立場からいえば、これまでウクライナには大量の投資をしてきており、ウクライナにおける中国の投資、資産、たとえば租借している農地だとかインフラだとか石炭その他資源を守らねばならない。豊かな農業国で資源国でもある「帝国のスプーン」と呼ばれるウクライナをしっかり口にくわえているのは、実はロシアでも米国でもなく中国だ。

ウクライナ経済は中国に大きく依存し、だからこそ国連のウイグル人権侵害非難の共同声明にウクライナは名を連ねていない。また台湾問題に関しても完全に中国支持の立場だ。今の世界情勢を「開かれた自由主義陣営」VS.「全体主義・権威主義陣営」の対立の枠組みでみるなら、ウクライナはまだ完全に自由主義陣営の仲間入りをするに足る価値観を共有はしていない。そこがリトアニアなどと異なる点だ。

そんなウクライナだからこそ、中国は1994年にウクライナが核兵器を放棄した時、ウクライナが核兵器に攻撃されそうなときは中国がその安全を保障すると約束している。有事になったら、自国民保護の救出などの建前で解放軍を派遣するぐらいのことはするかもしれない。中国の希望は、さっさとミンスク2の合意に戻ってウクライナを安定させてくれ、と言うことに尽きる。

中ロ首脳会談「共同声明」の中身

さて中ロ関係に話を戻して、2月4日の首脳会談後に発表された共同声明をじっくり見てみよう。

「新時代の国際関係と持続可能なグローバル発展に関する共同声明」と題されており、4つのパートに分かれている。

第1のパートでは、中ロとも民主を肯定し、国際社会の共通の価値観としている。民主は(欧米など)少数国家の専売特許ではないとして、(中ロには中ロの)伝統と歴史にはぐくまれた民主があり、どんな国も民主や人権を口実に内政干渉してはならないとした。国連憲章や世界人権宣言の言う民主や人権は、各国の実情に根差した差異のある民主や人権を普遍的に統合したものだ(欧米が押し付けるものではない)と主張。

第2のパートでは中国の主導する一帯一路とロシアの主導するユーラシア経済連合のリンクを打ち出し、国連との協調を強化することで、中ロを中心とした新たな国際社会の枠組みモデルを示している。

一帯一路とユーラシア経済連合はこれまでお互いをけん制する関係にあったことから、ロシアは一帯一路に正式に参加していない。だが一帯一路、ユーラシア経済連合、そして国連で、気候変動対策や先進国が途上国を支援していく仕組み、デジタルデバイドの克服やコロナワクチン開発や防疫協力などを推進していくとした。ちなみにこのパートで申し訳程度に北京冬季五輪の成功を願うという一言が加えられている。

第3のパートは安全保障の構造に関する言及だ。ロシアが中国の「一つの中国」原則と、台湾が中国の領土であることを支持し、台湾独立に反対しているという姿勢を改めて打ち出した。また中国はNATOの拡張反対に同意し、反テロリズムでも一致。

双方とも「アジア太平洋地域の封建的閉鎖的な同盟体制」に反対し、米国を名指しで「インド太平洋戦略が地域の平和安定にネガティブな影響を与える」と批判する。AUKUS(米英豪同盟)についても、軍拡競争を激化し、深刻な核拡散リスクをはらむと非難した。

このパートでは、米国と少数の同盟国による安全保障の枠組みを中ロが構築し直すぞ、という意図を込めた部分で、宇宙空間の軍事利用や生物兵器、化学兵器についてのルール、人工知能ガバナンスやデータセキュリティなどに関する国家行動準則を中ロが中心になって国連の協力で制定する意思を見せている。福島原発事故の汚染水廃棄問題に関して、日本もこのパートで名ざしで非難されている。

第4のパートでは、中ロが国連安保理の2大常任理事国であることを強調し、第2次大戦勝利の成果としての国際秩序の堅持を強調。第2次大戦の歴史を否定、歪曲、改竄する陰謀に反対するとした。

「双方は相互尊重、平和共存、ウィンウィンの新型大国関係の構築を提唱、推進する。中ロの新型国家関係は冷戦時代の軍事政治同盟関係を超越する」「両国の友好には終わりがなく、協力にはタブーがなく、戦略的協力の強化は第三国を標的とせず、また第三国や国際情勢の変幻の影響も受けない」としているが、「新型大国関係」という、かつては米中G2を指した言葉が中ロに使われたこと、そして両国の協力にタブーはない、という意味深な言葉が気になる。タブーがないということは、軍事協力もあり得る、ということか。ロシア、中国、インドが参与する上海協力機構(SCO)に反テロの軍事同盟的機能を持たせることは以前から言及していた。SCO、BRICSなど、中印ロのメカニズム内の協力の継続を強調し、新たな国際社会の枠組み構築において、インドも鍵となる国であると見ていることもうかがわせている。インドがそれに同意しているかは別として。

国際社会の枠組み基盤が経済から軍事に?

このやたら長い共同声明の中には、中ロの核心的な利害対立問題や、ウクライナ問題をめぐる認識についてほとんど言及がない。だが、プーチンが習近平のスローガンである「人類運命共同体の構築」に乗っかる形で、ポストコロナに待ち受ける国際社会の再構築において、中心的ポジション、ルールメーカー的ポジションを狙っていることを公言し始めたという意味で注目すべき声明であったと私は見る。

中ロが思い描く新たな国際社会とは中ロの新型大国関係を中心となった経済枠組み(一帯一路+ユーラシア経済共同体)と、中ロが安保理常任理事国である国連中心+インドを含めたSCOによる安全保障の枠組みなどで構成されるということか。

現在、軍事パワーで国家に順位をつけると米、ロ、中の順番だろう。経済規模だけでみると米、中、日の順番。国際社会の枠組みの再構築をめぐる動きの中で、これまで経済1位と3位の米日が連携し中国を包囲しようという動きがよく論じられてきた。だが、ここにきて軍事力パワー2位と3位が1位の米国に対峙する構造が浮上した。そういう意味ではウクライナ問題は、新たな国際社会の枠組み再構築ゲームの基盤が経済から軍事にシフトした局面と言えるかもしれない。

苦しいパワーゲームを強いられる米国

2019年6月、サンクトペテルブルグのシンポジウムにプーチンと習近平が一緒に参加したときに、「米中貿易戦争についてどう思うか」という質問にプーチンは「谷底の2匹の虎の喧嘩を賢い猿は高みで見物するのさ」と冗談っぽく答えた。自分は賢い猿で高みの見物のつもりでいたプーチンが、今は自ら虎となって米国と喧嘩中。習近平が今、高みの猿の立場になっているのは皮肉というべきか。

ウクライナ戦争が勃発すれば米国のアジアに分散していた兵力は東欧に集中、ロシアも中ロ国境の兵力をウクライナ方面に集中させる。双方とも国力はダメージを受け、賢い猿だけが漁夫の利を得る。

ただ、米中貿易戦でプーチンが高みの猿でいたのは、はっきり言ってしまえば経済パワーゲームに参加できるほどの経済力がロシアになかったからだ。中国の軍事パワーはすでにロシアに匹敵する部分もある。中国もプレイヤーとして軍事パワーゲームに参加できる実力があり、習近平自身はそうしたいかもしれない。その場合中ロ2匹の虎が共闘する、つまり軍事同盟的な関係になるのか、という点においては、この共同声明の内容を見る限り双方にその意思はなさそうだ。ウクライナに関しては、中国はウクライナにおける自国利益を守らねばいけない立場にあり、それは微妙にロシアの利害と対立している。実はカザフスタンなど中央アジア諸国における中ロ利害にも通じる。

ただ、ロシアが干渉しない別の谷(戦場)、たとえば台湾海峡で中国が暴れる場合、プーチンは高みの猿でいるという暗黙の了解があるかもしれない。

この米国に不利なパワーゲームの構造を壊す鍵は、軍事パワー4位のインドの立ち回り方だ。そして実は日本も2020年の段階では軍事パワーランキング5位であり、その意思次第ではそれなりの影響力を発揮できることは思い出した方がよいだろう。

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