『中国で「日本のバブル崩壊」に注目が集まる理由 米国との貿易戦争で、日本の轍を踏まずに済むのか』(5/9日経ビジネスオンライン 福島香織)について

5/8ビジネスジャーナル 小山内未果/弁護士<新聞社の「押し紙」、公取委が放置で販売店を見殺しに…部数水増しなら詐欺行為>

http://biz-journal.jp/2018/05/post_23260.html

5/2小坪慎也ブログ<【歪んだ新聞の壊し方】押し紙問題が全国の弁護士に暴露【シェアすると新聞社が泣くエントリ】>

https://samurai20.jp/2018/05/oshigami-14/

5/6デイリー新潮<社を出禁になったOBが語る「森友文書スクープ」でも朝日新聞がはしゃげない事情>

https://www.dailyshincho.jp/article/2018/05060701/?all=1

5/8井戸端会議・瓦版<朝日新聞の “販売部数” は500万部台であり、「400万部を切った」というのは “実配部数” なのではないか?>

http://vox.hatenablog.com/entry/2018/05/08/175154

いよいよオールドメデイアが立ち行かなくなる兆候が表れて来たと思います。押紙問題で追い込まれて来ました。後は新聞が経営するTVです。やはり、民放は入札制度を採り、NHKはスクランブル化すべきです。まあ、それが叶う前に情弱老人が死んでしまうくらい時間がかかるのかもしれませんが。民主主義ならぬ愚民主義です。政府に対する捏造された不正に怒るのであれば、情報操作し、左翼に有利な報道をするやり方に怒るべきです。

5/9看中国<澳洲勇敢说“不” 中共威胁改台湾等名称(图)=オーストラリアは勇敢にも中共の台湾の名前不使用の脅しにNoと言った>ジュリー・ビショップ外相は「中共は脅すやり方は止めた方が良い。我が国の航空会社に対し中国の政治に合わさせようと迫るのは思いとどまったら。航空会社が目的地をどのように呼ぶかは航空会社の自由である。政府が航空会社に圧力をかけることは絶対できないし、もしそんなことをすれば正常な運航に影響を与える。これは我が国の国内の話であって、他国が口を差し挟む話しではない」と。

昨日の米国のホワイトハウスの話に続いての話です。翻って日本はどうか?ニュースが流れて来ないですね。大事な話だと思いますが。取材していないのか、「報道しない自由」の行使をしているのか?いずれにせよ既存メデイアは信用できないというのがハッキリしてきています。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/09/858090.html

5/9看中国<港电视台疑跟百度翻译 川普说自由变“特权”(组图)=香港のTV局は、百度が「トランプが言った自由という言葉を特権」と翻訳していると疑っている>“我们相信我们的自由(→特权),是来自造物主(→法庭)「我々には自由があることを信じる、それは神の与えたもうものだからなり」を「我々には特権がある、それは法が認めたものだから」”と訳した。トランプが言ったのは“We believe that our liberty is a gift from our Creator. ”である。ネット民は捏造ニュースではと。百度が誤導させようとしているのは、「米国の核心的価値は自由であり、中共が最大の敵と思っているのは米国だから」である。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/08/858077.html

5/10NHKニュース7:18<マレーシア選挙 野党連合が勝利 初の政権交代が実現へ>

マハテイールの勝利でナジブは1MDBの収賄とフォーレストシテイの払い下げで逮捕されるか、亡命するかになるのでは。マレーシア国民は賢明な選択をしたと思います。売国奴は地獄に落ちるようです。ASEAN諸国に反中の機運が高まれば良いのですが。日本は日中韓サミットを開いて喜んでいる状況ではないのに。どうせ2国に利用されるだけです。

福島氏の記事を読んで、相変わらず中国人の発想は自己中心としか思えません。日本のバブル時代の対応を教訓とするのは良いですが、日本と米国は同盟国と言う視点が欠落しているのでは。日本のバブル崩壊の対応で不味かったのは大蔵省・日銀の政策です。金本位制に戻した井上準之助と同じくらいの失政でしょう。今やセクハラ研修を受けるくらい落ちぶれた省庁になり下がりましたが。

米国は中国の覇権奪取を拱手傍観することはないという強い意志を持っています。中国は「中華民族の偉大な復興の夢」とか言って国際ルールを守らないで来ました。「虎の尾を踏んだ」訳です。中国はバブル時代の日本と違って独立していると安心しているようですが、昨日の本ブログで紹介しましたように、SWIFTやFATCAの金融覇権をがっちり押えています。米国と取引を望む国はその2つのシステム内に入らざるを得ず、また米国は敵になれば貿易できないようにそこからオミットすることも可能です。中国は気が付いていないのでは。中国は米国と軍事でも圧倒的な差があり、軍拡しているとはいえ、その原資は米国への輸出で稼いだものです。米国の言う通り貿易黒字を2000億$減らせば当然軍事費を減らさねばならず、人事で痛めつけられてきた解放軍のコントロールが効くかどうか。習打倒のクーデターが起きるかもしれません。米国はそれを狙っているのかもしれませんが。共産主義が世界に蔓延する前に叩き潰すのが正解だと思います。

日本が中国の有利になるようなことはしない方が良いでしょう。安全保障を米国に頼っているからというだけでなく、残虐な一党独裁国の中共の野望を助けることになるからです。

記事

日本のバブル時代に今、中国人が関心を寄せている(写真:Fujifotos/アフロ)

中国の知り合いの編集者が、中国で日本の80年代、90年代、バブル時代をキーワードにした雑誌を出したい、と相談してきた。なぜなら、中国では今、日本のバブル時代に非常に関心が高く、タイトルに「失われた20年」だの「日米貿易摩擦」だの「プラザ合意」だのがつくと、けっこう読まれるのだという。つまり、米中貿易戦争に突入した今の中国が、まさに当時の日本と重なるのだ、という。日本のバブル崩壊はどのように起きたのか、当時の社会情勢はどうだったのか、とにかく当時の日本に関することはなんでも知りたいのだと。今の中国は本当に、日本のバブル崩壊期に相似しているのだろうか。中国人の間で米中貿易戦争の末、バブル崩壊に直面するという予測が広がっているのだろうか。

5月初め、申万宏源証券が出したリポートに、「1981年の日米(中国語表記では米日の順)通商代表東京会談を回顧する」というのがあって、ちょっと興味深かった。筆者である申万のアナリストが日本で講演会を開いたときに、当時の日本がどのように日米貿易摩擦に苦しんだかを、日本の投資関係の専門家らに教えられて、そこから教訓を読み取ったという話である。

そのアナリストは日本のQFII基金の関係者から「“NO”と言える日本」が当時に与えたセンセーションと、1985年のプラザ合意以降の日本経済に強いられた苦難を説明した。その苦難はさかのぼれば1981年のウィリアム・ブロック(米USTR代表)と田中六助(通産相)の東京会談による自動車輸出の自主規制合意から始まっており、その歴史を振り返れば、今の米中貿易戦争における中国の取るべき策略の参考になる、としている。そして非常に詳しく、日米貿易戦争やプラザ合意が及ぼした影響について紹介している。

結論としては日米が特殊な両国関係であり、中国は当時の日本よりよほど高度な自主権があり、当時日本ができなかったことが中国にはできるとして、中国は日本の轍を踏まない、米中が共同で新たなグローバル貿易秩序を制定していける、と結ぶわけだ。

当時の日米経済関係との相似点

中国の専門家たちは、もともと日本のバブル崩壊に至る経緯やその後の政策、社会状況についてかなり研究しているのだが、確かに4月以降、一般読者の目につく形でのこの種のリポートがネットニュースなどに増えたような気がする。

「米中貿易戦争は膠着が続くのか、中国は第二の日本になるのか?」(4月10日)「歴史の相似に驚く:30年以上前の日米通商摩擦とプラザ合意」(4月22日)「中国は日米貿易摩擦からいかなる啓示をうけたか」「再びプラザ合意をやる気か? 日本の二の舞を踏むな」(4月10日)

博鰲(ボアオ)アジアフォーラムに合わせて、日本の元首相・福田康夫(同フォーラム理事長)が人民日報に寄稿したコラム「人類運命共同体理念はすべての人に幸福をもたらす」で、「貿易戦争において中国は日本の教訓を汲め」(4月9日)と訴えたあたりから増えた気がする。

その多くは、プラザ合意が日本の衰退の始まりであり、日本円の大幅な切り上げが日本の輸出競争力を低下させ、製造業を委縮させ、この円高不況に対応するために打ち出した日本の大幅金融緩和などの通貨政策が不動産バブル崩壊を招いた、とされるが、プラザ合意とはむしろ日米貿易戦争の結果である、だから中国は今の米国との貿易戦争に負けたり妥協したりするわけにはいかない、といった内容だ。

ちなみにどのくらい今の米中経済関係が当時の日米経済関係と相似的であるかというと、おおむね次のようにまとめられている。

①長期に渡って大幅な対米黒字を継続している。②AI、IT機器などハイテク製品を含め中国製造業がすでに米製造業の脅威となっている。③不動産バブルが崩壊寸前まで膨れ上がっている。④中国が最大の米国国債保有国である。⑤当時の米大統領レーガンも偉大なるアメリカの復活をうたった。トランプのスローガンと同じである。

なかでも、中国が2015年に打ち出した「中国製造2025」(イノベーション指向の産業構造改革)への米国側の強い危機感が、当時のジャパンアズナンバーワンを恐れた米国とかぶる、というわけだ。

米中貿易戦争の状況について改めて整理すると、米国側が対中巨額赤字削減を目的として、通商拡大法232条および通商法301条に基づいた追加関税の方針を発表し、中国側も大豆などの農産品や航空機、自動車に追加関税をかけて対抗する方針を発表し、米中貿易戦争に突入。これに加え、中国が顔色を変えたのは、なんといっても中興通訊(ZTE)に対する米国製品の販売を7年間禁止すると決定したことだろう。

中国側が危惧する米国の最終目標

これはZTEがイランや北朝鮮に対し通信機器を違法に輸出していたことへの制裁というのが表向きの理由である。ZTEが北朝鮮やイランに通信機器を輸出していたことはZTEも認めており、罰金も科されていたが、その後も虚偽の報告を重ねていたので、こうした息の根を止める措置をとった、ということである。中国商務部は法規に従って処理することを望むと比較的冷静を装ってはいるが、国内におけるZTE製の携帯電話のネット販売は全面的に停止となり、このままではZTEの破綻は避けられない状況となった。

ZTEは世界の通信端末・設備シェアの10%、中国の30%を占める中国経済の要企業の一つだ。華為と並んで、2020年から商用化が始まる5G技術開発で競合他社と破格の安値で大量受注を狙っているとの前評判もあった。ちなみにZTE問題に続いて、米FBIは中国通信最大手・華為に対しても対イラン制裁違反容疑で捜査を開始した。捜査結果次第では華為も取引停止措置をとるかもしれず、世界シェア第3位の華為が市場から締め出される可能性も出ている。華為については米国の情報当局が1月、その技術やサービスをスパイウェアの脅威など安全保障上の理由から使用しないように警告しており、徐々に米国市場からの締め出しを始めている。

こうした米国の中国への強烈な圧力は米中貿易戦争で中国の妥協を引きだすことが目的だとも、あるいは5Gスマホの最大ライバル国である中国を封じ込めることが目的だともいわれているが、その先には、ひょっとすると習近平の掲げる「中華民族の偉大なる復興」つまり「今世紀半ばに米国と肩を並べる大国となる夢」を今のうちに完膚なきまでに叩き潰そうというのが目的かもしれない、と中国サイドは危惧している。

実際、中国はトランプ政権の登場で米国世論が二分されているスキを狙い、着々とサイバー覇権、技術覇権にむけた戦略を打ち出し、巨大市場を武器にあたかもグローバル経済の新たなリーダーのようにふるまい、国連、EU(ドイツ)を中心に国際世論を親中に誘導しようとしている。中国が米国の覇権を奪う、という仮定がまんざら夢物語ではないのではないか、と米国側も思い始めた。

米中貿易戦争開戦当初は、この戦争はトランプが次の中間選挙を有利にするための期限付きのパフォーマンスではないか、という期待が中国側にもあり、ボアオ・アジアフォーラムでは輸入自動車の大幅関税引き下げはじめトランプサイドに譲歩の姿勢をみせたのだが、5月3日に米財務長官・ムニューシン、商務長官ロス、USTR代表ライトハイザー、通商製造政策局長ナヴァロらの「スーパー代表団」が北京に赴き行われた米中通商協議の感触では、どうやらこの戦いはそんな甘いものではないらしい、と中国も思い直しているようだ。

不確定要素が多い勝敗の行方

特に、対中強硬派で「米中もし戦わば」(邦訳、文藝春秋)の中で中国の脅威を強く警告するナヴァロが表舞台にでてきたことは、トランプ政権の本当のねらいが、表向きの対米黒字2000億ドル削減目標といったものにとどまらないことを示唆している。

中国にとって覇権の野望「中華民族の偉大なる復興」が挫折することは、習近平政権そのものの存続にもかかわる。となると、習近平側は何を犠牲にしても、この貿易戦争で負けるわけにはいかないのだ。中国がZTEを救うために米国との交渉で妥協姿勢を示さないのも、華為が「米国市場を捨てても我々がナンバーワンだ」と息巻いて英国・EU市場への投資を加速させているのも、この貿易戦争に妥協しない、という意思のアピールかもしれない。

では、中国はこのまま米国との貿易戦争に応戦し続けることができるのか。中国のアナリストたちは、当時の日本と今の中国では米国との関係性が根本的に違うので、日本のようにはならない、と主張する。

その理由として①今の中国は当時の日本ほど米国市場に依存していない。当時の日本の輸出の4割を米国が占めていたが、中国においては対米輸出は全輸出総額の1割あまり。②日本は安全保障上、米国に隷属的であったが中国は完全に独立、自立した大国である。国際的に対等に交渉できる地位がある。③日本と中国では政治状況が違う。日本は政権が不安定で首相が7年の間に7回変わったこともあるが、中国の政治体制はその点優勢であり、肝心かなめの時にパワーを集中させて自身の核心的利益を守ることができる。

私がここに補足するとしたら、中国の独裁政権体制は西側民主主義国と違って、どれほど国民に無体を強いても恐怖政治で異論を封じ込めることができる強みもある。貿易戦争にかぎらず戦争は常に双方に犠牲・痛みを伴うが、その痛みに対する不平不満を封じ込めることがより可能なのは中国である。

そういう意味では、この貿易戦争において、米国側が圧倒的に有利とはいえない。痛みや犠牲に先に音をあげるのが米国側である可能性も当然あるのだ。しかも、半島問題や一帯一路戦略を含めたその他の駆け引きと並行しての“戦”であるから、実のところ、どのように決着がつくかは、不確定要素が多すぎて予測できない。

国際世論が決着の行方を左右?

最終的には、米中だけではなく国際情勢、国際世論というのが相当大きく影響するのではないか、と思う。これは個人の意見ではあるが、ここ最近になって「日本の80年代から教訓を」といったリポートが一般向けメディアに頻繁に表れ、日本と中国がともに米国の経済制裁で苦しんだ経験をもつ同志的な親近感をアピールしているのは、形を変えた日米離反戦略かもしれない。

中国に比較的甘かったオバマ政権時代は、米中がともに「世界反ファシズム戦争」の勝利者であり、かつて日本軍と戦ったという立場で米国との親近感をアピールし、日本に軍国主義の台頭イメージを植え付ける歴史戦で孤立化させる形で日米離反を画策していたが、その戦略を転換してきた。つまり、トランプ政権はオバマ政権とちがって中国の台頭を許すつもりはなく、その最終目標が「中国の覇権の野望を完膚なきまでに潰す」にある可能性を考えれば、日本を中国側に取り込まねばならない、ということだろう。

さて李克強首相がまさに来日中であり、日本政府もメディアも日中関係改善への期待で盛り上がっているところだろう。政治的リップサービスとしての日中関係改善はおおいに結構だが、日本は今後、米中対立先鋭化の中で、重要なキー国となりうることを自覚して動いた方がいい。米国に追い込まれた中国が日本に秋波を送ってきたとき、日本がどう対応するかで、米中貿易戦争の勝敗も一帯一路戦略の成否も変わりうるし、それはつまり今後の国際秩序の枠組みにも影響しよう。

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『米中通商協議に透ける、米国の焦りと混乱 “オールキャスト”交渉が招く長期化の必然』(5/8日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

5/8看中国<美使馆转发白宫声明 批中国政治正确(组图)=米国駐中国大使館はホワイトハウスの声明を転送掲示 中国の政治に合わせることに批判>中国民間航空管理局が先月、36の外国の航空会社に出した「澳門・香港・台湾を国と扱ってはならない」という通知に対し、5/5米国ホワイトハウスは「ジョージ・オーエル(全体主義的ディストピア)式のバカなこと。中国が、米国人や自由世界に対し、貿易審査制度や中国の政治に合わせるようにさせることは、やがてボイコットされるだろう」と。5/7米国駐中国大使館はこれを掲載し、更に「中国のネット規制は世界に名だたるもの。中国は米国航空会社と米国市民を脅すのを止めよ」とも。中国の微博(chat)ですぐに20000人のフォロワーが出たが、即刻削除。これに対し中国のネット民の不満は大きい。5/7午後米国駐中国大使館はワシントンのフォーリンアフェアの記事を引用しながら「米国は先ず、我が国と米国人の安全を確保するのと同時に、数世紀堅持して来た世界各地への使命を果たし続けなければならない。それは自由を守り、隷従からの解放と人間尊重である。これは我々が世界の隅々まで強大な外交力を駆使して初めて可能となる」と微博にアップした。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/08/857982.html

5/7大紀元<台湾と断交したアフリカ・マラウイのその後>金に転ぶ国や人には過酷な運命が待っているという事です。相手が「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観を持った漢民族ですよ。要人を賄賂かハニーで手なづけるのはどこの国へでも同じ。引っかかるリーダーを持った不幸を呪うかクーデターを起こすかです。

http://www.epochtimes.jp/2018/05/32998.html#.WvDueShdCgA.twitter

5/9日経電子版<トランプ米大統領、イラン核合意離脱を表明 経済制裁再開へ>トランプはイランにも北朝鮮にも核を持たせない強い意志を示したのでは。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30241060Z00C18A5000000/

5/9日経朝刊<中朝、米にらみ蜜月誇示 正恩氏、首脳会談控え焦りか>ポンペオやボルトンが言うようになったPVID=“permanent, verifiable, irreversible dismantling”でCVID=”Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement“との違いがあります。金三胖が追い込まれて来たのでしょう。中国に助けを求めても、中国自体が米国に圧迫を受け、助ける余裕はありません。もし中国が助けるそぶりを少しでも見せたら、中国への制裁強化として撥ね返り、やがて暴動・革命へと繋がるかもしれませんので。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30232820Y8A500C1EA2000/

5/9日経朝刊<米朝、スパイが操る交渉の糸  本社コメンテーター 秋田浩之

史上初の米朝首脳会談に、トランプ大統領は突き進もうとしている。北朝鮮には約25年にわたる対米交渉の経験があるが、トランプ氏は外交の素人だ。欺かれないためには、よほどの用心と事前の調整が必要になる。

 ところが、トランプ氏は開催の期限を6月上旬に区切るなど、どこか会談を急いでいるようにみえる。金正恩(キム・ジョンウン)委員長に足元を見透かされないだろうか。そんな不安は、米政府内の一部からも漏れる。

 これまでの言動から、正恩氏はトランプ氏に次のような約束をするとの観測が流れている。

 ▼朝鮮半島の完全な非核化に応じる。

 ▼大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発をやめる。

 ▼軍事挑発をしない。

 ▼平和協定を結ぶ交渉に入る。

 一見大きな譲歩のように映るが、必ずしもそうではない。北朝鮮はこれらの履行にさまざまな条件をつけるにちがいないからだ。

 たとえば半島の完全非核化では、米国が韓国に提供している「核の傘」もなくすよう求める。軍事挑発をやめる代わりに、米韓演習の停止も迫るつもりだろう。

 正恩氏がこのような提案を持ちかけてきた場合、トランプ氏には2つの選択肢がある。

 ひとつは「これでは不十分だ」と説き、期限付きの非核化を迫る道だ。拒まれたら、ひとまず合意は見送り、ワシントンに戻る。

 もう片方の選択肢は、会談の「成功」を最優先し、漠然とした内容のまま、非核化などの合意を交わすというものだ。具体策の詰めは実務者の協議に委ねる。

 こちらは、会談の成功を取り繕うことはできるかもしれないが、極めて危ない対応だ。北朝鮮は具体策の協議を長引かせて時間を稼ぎ、核ミサイルを完成しかねない。そうなれば、米国やアジアの安全保障に大きな禍根が残る。

 残念ながら、このままだと、後者の展開に近づいていくような気がする。「数日中に発表できるだろう」「日時と場所は決まった」。トランプ氏は会談についてしきりにこう発信している。

 水面下の折衝で、十分な譲歩を取りつけられているならよいが、米政府内にはそんな痕跡はうかがえない。11月の中間選挙をにらんで功を焦っているとすれば、北朝鮮の思うつぼだ。核放棄の決意が本物だと分かるまで、首脳会談に応じるべきではない。

 手柄を急ぐトランプ氏の姿勢は、異例な交渉スタイルからもうかがえる。米政府の外交ブレーンによると、北朝鮮との事前折衝はいまに至るまで、米中央情報局(CIA)が主導している。ポンペオCIA長官(当時)が3月末に極秘に訪朝し、正恩氏と会談したのに続き、CIA幹部が北朝鮮側と接触を重ねているという。

 内情を知る米外交専門家は明かす。「本来なら、過去の経緯に精通し、外交交渉のプロである国務省に事前折衝を引き継ぐのがふつうだ。ところが、国務省が深く関与している形跡はない」

 ホワイトハウスの安保スタッフは最近、米朝折衝に加わっているようだが、国務省で北東アジア政策を束ねるソーントン次官補代行は、ポンペオ氏の訪朝チームにすら入っていなかった。

 CIAはいわば、スパイ機関だ。テロリスト暗殺、敵対国の反政府グループへの支援……。こうした秘密工作も担い、目的のためなら超法規的な行動にも出る。

 厳しい任務を短期でなし遂げる瞬発力や、敵との駆け引きにも強い。2014年11月には、CIAなどの情報機関を束ねるクラッパー国家情報長官が訪朝し、米国人の人質を連れ戻した。

 裏返していえば、辛抱強く協議を重ね、非核化という精緻なジグソーパズルを組み立てる仕事は、必ずしも向いてはいない。CIAは同盟国と密に情報を共有するより、隠密な行動も好む。ポンペオ長官の訪朝は事前には、日本に知らされなかったという。

 それでも、トランプ氏がCIAを重用するのは、2つの理由がある。まずは、国務省への不信感だ。国際協調や民主化の推進を掲げる同省を、彼は好きではない。就任してから約1年半、一度も国務省に足を踏み入れなかった。

 第2に、米朝首脳会談を早く開くには、国務省よりCIAに準備を任せた方がよいと思っているのだろう。外交のプロ集団である同省に委ねたら、細部にこだわるあまり、調整に時間がかかる。

 CIAを使って6月上旬までに正恩氏との会談を開き、非核化の大枠で合意する。細部はその後、国務省に交渉させればいい。米政権内の情報によると、トランプ氏はこう考えているフシがある。

 彼はポンペオ氏を国務長官に任命し、4月下旬にCIA長官から横滑りさせた。正恩氏とのパイプを築いたポンペオ氏に国務省を委ね、米朝首脳会談後の協議を指揮させれば、北朝鮮を非核化できると踏んでいるようだ。

 しかし、それは大きな間違いだ。北朝鮮との交渉は細部に悪魔が潜んでいる。トランプ氏がいったん会談に応じたら、せっかく引き締めた対北包囲網も緩んでしまう。国連制裁は保たれても、韓国はその枠内で対北交流を加速し、中国も経済支援をじわりと再開するとみられる。

 圧力が減れば、正恩氏は非核化を遅らせるだろう。そうなれば、米朝首脳会談はトランプ氏の偉業ではなく、北朝鮮に欺かれた汚点として外交史に刻まれかねない。>(以上)

米国は中国との貿易戦争を取引材料にして北の非核化を実現しようとしているのでは。秋田氏の心配は杞憂のような気がします。

5/8日経電子版<中国スマホ市場、出荷台数16%減 1~3月期>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30238290Y8A500C1FFJ000/

5/8日経電子版<ZTE、中国でのスマホ販売が事実上停止 米政府制裁で>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30212860Y8A500C1MM8000/

5/8日経朝刊The Economist<米の企業制裁の威力と問題点>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30208200Y8A500C1TCR000/

このエコノミストの記事に「米国は01~03年にかけて、国際銀行間通信協会(スイフト)が運営する銀行間の国際決済ネットワークの送信情報を入手する権利も得た。かつては機密性が守られていたこの情報を手に入れることで、米国は敵の足取りを追えるようになった。そうなると、たいていの銀行は、間接的であっても、第三者が何重にも間に入っていても、米国が敵とみなす相手との取引は控えるようになる。ドル決済を禁止される恐れがあるからだ。ドル決済を禁じられたら、国際的な金融業を営む銀行には命取りになる。」とあります。米国は軍事覇権だけでなく金融覇権も手に入れたという事で、乱暴な国に対しては$決済させないようにいつでもできるということです。中国に早くこれを適用すれば良いのに。

「第3は、各国はいずれ米国の制裁を逃れる方法を見つけるという点だ。ZTEとルサールの現状を見れば、米国のお墨付きが得られなくても生き延びるために何が必要かがよく分かる。つまり、半導体にグローバルな通貨と決済システム、格付け機関、商品取引所、大量の国内投資家、そして海運会社だ。中国は今、これら全てを手に入れようと画策中だ。米国は新型兵器を使うことで、その威力を誇示できても、同時にその相対的な衰退をも加速させることになるだろう。」とも述べています。勿論、絶対というのはありませんから中国が画策している別な道はあるのかも知れませんが、少なくとも中国の貿易で一番稼いでいる米国と取引を失い、また西側諸国も同調せざるを得ないことを考えるとかなり難しいでしょう。

5/8WebVoice<渡邉哲也 日本は米中経済戦争の部外者ではない 貿易問題の本質は政治的対立>

https://shuchi.php.co.jp/voice/detail/5105

本記事の細川氏の見方より、渡邉氏の見方の方が適っている気がします。上述の看中国の記事のように米国は自由を守るための闘いに入っているという事です。経済だけで捉えるのは矮小化し過ぎです。米国はキューバ、イラン、北朝鮮と中露が裏で動かしている独裁国に先ず制裁をかけ、外堀を埋めて後、本丸の中露に切り込むのでは。でも、イラン制裁復活で原油価格は上昇が見込まれ、ロシア経済は一安堵では。イランと取引できなくなった部分の全部はカバーできないでしょうがサウジは増産するとのことで急激な価格上昇はないのでは。中国とか日本とかの石油輸入国は富が流出します。早めに原発を稼働させておけばよいのに、左翼の煽動に乗せられて愚図愚図しているから。

中国との通貨スワップ3兆円分は金額が少なくとも中国を助けることになります。米国が中国と戦闘モードの時に如何なものか?

https://jp.reuters.com/article/oil-opec-saudi-idJPKBN1IA02L

渡邉哲也氏ツイターにFATCA(Foreign Account Tax Compliance Act)についてのコメントが載っていました。FACTAはテロ対策は勿論のこと、平和を乱す国の支援をする国や企業の口座へ金融制裁をかける武器としての役割も果たすのではと思います。米中貿易戦争が最終局面になれば、米国財務省が把握している中国の米国内は勿論、米国外の口座にも金融制裁をかけ実効あらしめるのでは。前述のSWIFTのデータ同様強力な武器です。

http://shosuzki.blog.jp/archives/59827021.html

「米国は2014年からFATCAの運用開始 https://www.eytax.jp/services/fatca/  それ以外の国も2018年までに国際基準に合わせた体制を作り、国際的な情報交換システムに連結させなくてはいけない。この基準を満たすにはマイナンバーが必要 @SltYg5lvIXKwP4E

20:44 – 2017年4月8日

テロが国際化していますから、国際社会としては国際的な封鎖網を作りたいわけです。穴があれば穴を使って金融取引を行ったり、穴に逃げ込むことができる。ですから、穴を作らせないことが重要で、そのためにパレルモ条約などに批准していない国を批判しているわけです。

20:49 – 2017年4月8日

パレルモ条約や国連決議に基づくテロ対策の基準 若干流動的ですがこれを満たさなくてはいけないとされている期限がおおむね2020年であり、法案成立から施行までの準備期間(1年程度)を考えると、もう時間がないわけです。

20:58 – 2017年4月8日

はい、民主党政権で3年遅れましたから RT @3pachi4: 2014年6月にFATFは「資金洗浄やテロ資金供与対策の法整備を早急にしないさい」と日本に対してのみ声明を出した。法整備がされない場合、日本が「ハイリスク国」として国名https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/research/r141201keyword.pdf … https://twitter.com/daitojimari/status/850673807056449536 …

21:21 – 2017年4月8日

JAFICに時系列による情報が載っています。 https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/index.htm … https://twitter.com/StarGateErhu/status/850678856495149056 …

21:05 – 2017年4月8日」(以上)

記事

米国側は“オールスター”で交渉に挑んだ。写真右はロス商務長官、左はムニューチン財務長官(写真:AFP/アフロ)

 先週、米中の貿易摩擦を巡る初の閣僚協議が終了した。米中の激しい応酬が繰り広げられ、具体的な進展がないまま、協議は長期化するようだ。当然の帰結だろう。

 その背景には、攻めているはずの米国側に焦りと混乱がある。

中国の狙い通りの“揺さぶり効果”

 今年に入って、米国は鉄鋼・アルミニウムでの通商拡大法232条、知的財産権での通商法301条に基づき、一方的制裁の拳を振り上げた。これを脅しに相手から譲歩を引き出すという、1980年代の常套手段を中国に対して復活した。

 これに対して中国も、自動車の輸入関税引き下げなど市場開放で歩み寄りを見せつつ、同時に報復関税で対抗措置を講じて一歩も引かない構えだ。

 巨大な国内市場というレバレッジを持ってパワーゲームができる中国は報復関税という対抗措置も強力だ。その対象とされている大豆などでは、米国内の農業関係者からトランプ政権のやり方への反発さえ生んでいる。中国の狙い通りの“揺さぶり効果”が出ているわけだ。

 80年代に日本に対して、半導体や自動車で一方的制裁を振りかざしていた時とは戦いの構図が当然違う。当時、日本は米国に安全保障を依存するだけに報復をする力もなかった。かつて日本に対米鉄鋼輸出自主規制を飲ませた成功体験を持つライトハイザー米通商代表部(USTR)代表も勝手が違うようだ。

オールキャストの米側参加者が物語るもの

 しかも、そこにトランプ政権の中国に対する2つの“ゲームプラン”が混在している。今回の閣僚会議の米国側の参加者が、オールキャストになっている理由はそこにある。

 まずはトランプ氏の頭の中はどうだろうか。今秋の中間選挙に向けて支持層にアピールできる目に見えた成果が欲しい。貿易赤字の大幅削減や自動車、金融などの市場開放といった、いわばオールドエコノミーの分野だ。これを担うのが、ムニューチン財務長官、ライトハイザーUSTR代表、ロス商務長官である。

 他方、米国議会を中心に、もっと本質的で根深い深刻な問題がある。通信などハイテク分野での技術覇権だ。中国が2015年に策定した「中国製造2025」への警戒がここ1年で議会、産業界で急激に高まっている。今回の会議直前にも中国IT大手のファーウェイとZTEからの通信機器の政府調達を禁止する大統領令を出すなど対中攻勢を強めて、交渉前に牽制球を投げている。これを担うのが、ナバロ大統領補佐官やクドロー国家経済会議委員長だ。

 この2つの混成部隊というのが、米国側のオールキャストの意味するところだ。そして今回はこれらが整理されずに、混在したまま中国側に要求をぶつけてきているのが実態である。

 全体としての対中ゲームプランの司令塔が不在で、「船頭多くして」の感が否めない。しかもワンマン経営者の前で、お互いに手柄を競い合っているだけに厄介だ。トランプ大統領が「オールスターだ」と胸を張るようなものではなく、内情はお寒い限りだ。ここにトランプ政権の構造的問題がある。

「米中貿易摩擦は中間選挙まで」と見るのは表層的

 当然、この2つのテーマは時間軸が違う。前者は中間選挙に向けた短期での成果を求める。トランプ氏自身の関心、政治的思惑はもちろんここにある。

 しかし、だからと言って、「米中貿易摩擦は中間選挙まで」と見るのは早計だ。後者は米国議会、産業界の間に相当広がっている最大懸念であることは、米国に行けば肌身を持って感じるだろう。根深い問題だけに、トランプ政権の短期的取引だけで収束させられるようなものではない。中間選挙までで収束すると見るのは甘すぎる。中国も習近平政権の看板政策で国の基本方針だけに、おいそれとは応じられないので、当然長期化するだろう。

 中国側としてはまずは反発、応酬をして米国の出方を見定めるという、定石としての「様子見」に出た。今回の中国側の参加者が実質、習近平主席の信頼厚い劉鶴副首相だけ(商務相は陪席)だったことがそれを物語っている。そして同時に国内の強硬世論を意識して、弱腰との印象を与えないよう、米国へ逆要求することも怠りなくしている。

 当初、中国側は、トランプ氏が前者にしか関心がないことから、前者についての落としどころを探る方針だった。4月10日のボアオ・アジアフォーラムで自動車や金融の市場開放、輸入拡大を打ち出したが、これはそのための瀬踏みをしたものだ。事態を収束させたい中国としては、この限りではコントロール可能と見ていたようだ。

 ところが後者の問題がより前面に出てきて、ナバロ大統領補佐官、クドロー国家経済会議委員長まで訪中する事態にまでなったのは予定外だった。

 中国としてはトランプ氏の短期的関心にだけ対応すればよいのか、この問題の深度と対応の必要性を推し量っている最中である。

日本は高みの見物なのか

 まず前者のオールドエコノミーの分野では、中国が切ってくる市場開放のカードは基本的には歓迎すべきだ。ただし、それが米国企業だけを優遇する差別的なものにならないか、注意深く見ていく必要がある。保険など金融市場の開放でも中国では不透明な運用が十分予想される。この点で欧州連合(EU)との連携も大事だ。

 後者の「中国製造2025」関連については、日本はもっと直接的な当事者だ。例えば、新エネルギー自動車の生産では強制的に技術移転させられる恐れがある。この分野の死命を制する電池産業でも日本企業の優位性を奪うべく、中国企業からの調達を強制しようとしている。

 日本企業が国際競争力を有する産業用ロボットの技術は、中国にとって垂涎の的だ。海外企業の買収や政府ファンドによる大規模な補助金で、一気に凌駕することを狙っている。知的財産権についても要注意だ。中国は今後、保護を強化して“プロパテント”に舵を切ったかのように言うが、中国企業を差別的に優遇する実態があり、日本企業も要警戒だ。これらについては別途、詳述することにしたい。

 これらの問題は単に米中間の技術覇権の問題と捉えると本質を見誤る。むしろ国家主導の市場歪曲的な政策による異質な経済秩序と捉えて、腰を据えて対処すべきだ。

 中国を動かすには米国の圧力が不可欠であるが、米中二国間だけで解決できる問題でもない。クドロー国家経済会議委員長も最近、対中有志連合の必要性を唱える理由はそこにある。この点は、かつて私も指摘した点である(参照:中国と米国の「一方的制裁の応酬」という悪夢)。問題はトランプ氏の頭に入るかどうかだ。

 いずれにしても米中間の応酬に連動して、日米欧が連携して多国間の仕組みの中で、中国に是正を求めていく動きが不可欠である。

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『統一は「かなわぬ夢」か、南北朝鮮がドイツになれない訳』(5/8ダイヤモンドオンライン ロイター)、『南北会談を自画自賛、韓国・文大統領「浮かれすぎ」への懸念』(5/8ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)について

5/4ZAKZAK<歴史が教える「朝鮮半島に深入りすると日本は必ず失敗する」>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180504/soc1805040003-n1.html?ownedref=articleindex_not%20set_newsList

5/5デイリーNKジャパン<日本は金正恩氏の対話路線を「徹底的にじゃま」すべきだ>

https://dailynk.jp/archives/109873

5/8デイリーNKジャパン<北朝鮮メディア「外部勢力に依存しては統一できない」…韓国世論に揺さぶり>

https://dailynk.jp/archives/109956

5/7看中国<韩国媒体:川金会6月中旬在新加坡举行(图)=韓国メデイア:米朝首脳会談は6月中旬にシンガポールで行われる>6/8,9とカナダでG7が開催されるため、ぶつからないようにした。(但し、情報源がはっきりしていない)

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/07/857979.html

ZAKZAK記事で重村氏が言うように朝鮮半島と関わると碌なことにならないのは歴史の証明する処です。事大主義で強きに靡く習性を持つ民族です。信用できません。中国、朝鮮ともに平気で嘘をつき、ロシアは約束破りの名人です。こういう倫理観のない国家に囲まれ、あまつさえ核で脅されている訳ですから、日本はもっと真剣に安全保障について考えなければ生き延びれません。生き延びれたとしても、奴隷になるかです。

金正恩の対話路線は目くらましに過ぎず、日米は騙されてはなりません。圧力路線こそが、金の路線変更を促す道です。日本も国連をもっと使ってアピールすることをしなくては。嘘つき中国や嘘つき南北が国連を舞台に嘘をばら撒いているのに反撃しない外務省は無用の長物です。河野大臣の改革の手腕に期待せざるを得ません。

5/8デイリーNKジャパンの記事は、金正恩の焦りを感じます。いよいよ危うくなってきて頼れるのは同じ民族しかいないと。でも虐殺がお得意なので、統一しても意に沿わないのは簡単に殺し、国家としてのパワーアップには繋がらないでしょう

メデイアの世論調査の数字のおかしさは世界的なものです。①サンプルに偏りがある(固定電話のみ等)②回答データ数が少ない③回答拒否者の意思が汲み取れていない④誘導質問が多い⑤結果を改竄する等、真剣に取り合う必要はなく、傾向値として見るくらいで良いのでは。ブレグジットもトランプ当選もメデイアは予想をはずしました。願望を記事にし、その方向へ誘導しようとする意図が窺われます。下図は琉球新報の「辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動4月23〜28日」の結果で、沖縄県内の人が多いと言う記事です。沖縄県はそんなに左翼が多いのでしょうか?沖縄タイムズも琉球新報も朝日以上に左翼とのことですから、中共同様数字の改竄は当り前なのでしょうけど。

文大統領の83%という支持率(5/5日経)も信用できるかどうかです。保守派の数字が表れていません。但し、米朝会談がうまく行かなくて、(多分うまく行きません。金がCVIDを呑むとは思えませんので)元の緊張状態に戻れば、高転びに転ぶのでは。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30137430V00C18A5EA2000/

ロイター記事にあるように、統一に550兆円もかかるのであれば、韓国民は二の足を踏むでしょう。日本の支援を当てにするなと言いたい。日中で通貨スワップの話が持ち上がっているので「韓国にも」と言っているようですが、慰安婦像と徴用工像をカタしてお詫びしてからの話。今は▲100くらいの所に韓国はいて、プラスにするには相応の努力をしなくてはダメということ。

真壁氏の記事で、本音はなかなか書けないのでしょうけど、文在寅は北の手先ですから、北の最高指導者の金と会えば、舞い上がってしまうのは当り前のことです。これが韓国民の不幸の始まりなのでしょうけど。まあ、選挙で選んだのも韓国民ですから、自業自得ですが。

日本は米朝会談がうまく行かなかったときの対応①米朝戦争(在韓邦人・米人救出、拉致被害者救出)②経済制裁強化(自衛隊派遣、ニュークリアシエアリングを米国と交渉、憲法改正、スパイ防止法制定)、やることが沢山ありますので充分シュミレートしておいてほしい。

ロイター記事

4月25日、南北統一は解決策なのか、あるいはそれこそが問題なのか──。北朝鮮と韓国の最近の緊張緩和によって、1950年代から分断している南北の統一に新たな可能性が浮上している。写真は、韓国の文在寅大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長のポスターを掲げる統一を支持する学生ら。ソウルで26日撮影(2018年 ロイター/Jorge Silva)

[ソウル 25日 ロイター] – 南北統一は解決策なのか、あるいはそれこそが問題なのか──。北朝鮮と韓国の最近の緊張緩和によって、1950年代から分断している南北の統一に新たな可能性が浮上している。

統一という言葉は、東西ドイツを隔てるベルリンの壁が崩壊して家族が再会し、軍が武装解除したときのことを思い起こさせる。

韓国と北朝鮮は平和的な統一を繰り返し訴え、韓国で開催された平昌冬季五輪では統一旗を掲げて共に入場行進を行った。また最近にK─POP歌手らの一行が北朝鮮を訪問した際、彼らは北朝鮮人と手をつなぎ、「われらの願いは統一」を歌った。

だが70年にわたり緊張状態が続く朝鮮半島において、「統一」の理念はますます複雑さを増し、非現実的だと考えられるようになった。両国の格差がかつてないほど広がる中、少なくとも韓国ではそのように捉えられていると、専門家や当局者は言う。

韓国はテクノロジーが発達し、民主主義の下で活気に満ちた主要経済大国となった。一方、北朝鮮は金一族の支配下にあり、個人の自由がほとんどない、貧しく孤立した国である。

1990年に再統一した東西ドイツとは異なり、朝鮮半島の分断はいまだ解決されていない同胞同士の内戦に基づいている。韓国と北朝鮮は朝鮮戦争を終結するための平和条約に署名しておらず、お互いをまだ正式に認めていない。

それ故、27日の南北首脳会談では、平和と核武装解除が韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最優先事項になると、大統領府の文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は説明。統一は2000年と2007年の過去2回の首脳会談において主な議題だったが、今回はそれほど時間がさかれることはないとの見通しを示した。

「平和が実現しなければ、統一もない」と、同補佐官はロイターに語った。

過去には、北朝鮮の独裁政権が崩壊し、韓国に吸収されるという前提に基づいた統一計画を描く韓国の指導者もいた。しかしリベラルな文政権はそうしたアプローチを和らげ、最終的に統一へとつながるであろう和解と平和的共存を強調していると、現旧当局者は語る。

3つのノー

韓国では、統一を支持する世論も低下している。韓国政府系シンクタンク・韓国統一研究院(KINU)の調査によると、2014年には70%近くが統一が必要と回答したのに対し、現在は58%に低下している。1969年に政府が実施した別の調査では、90%が統一を支持すると答えていた。

統一した場合、韓国が被る経済的損失は大きすぎると、首都ソウルの男性会社員(35)は言う。

「統一には大反対。同じ民族だからという理由だけで統一すべきとは思わない。現在の緊張状態から開放されて暮らしたいだけだ」

敵対意識を緩和するには、「政府は、中国や日本のような平等な隣国として北朝鮮を認識すべきだ」とこの男性は語った。

統一にかかる費用は最大5兆ドル(約550兆円)と試算されており、そのほとんどが韓国の肩にのしかかることになる。

昨年7月にベルリンで行ったスピーチの中で、文大統領は「朝鮮半島平和構想」について説明。北朝鮮の崩壊を望まない、吸収による統一を追求しない、人為的な方法による統一を追求しない、ことを明らかにした。

「求めているのは平和だけだ」と、同大統領は語った。

最重要課題

両国とも、統一についてそれぞれの憲法で明記しており、北朝鮮は「国家の最重要課題」と表現している。

韓国統一省のように、北朝鮮にも「祖国平和統一委員会」がある。北朝鮮からの報道を集めたウェブサイト「KCNAウオッチ」の記事をロイターが分析したところによると、国営メディアは2010年以降、統一について2700回以上言及している。

北朝鮮は1月、声明で「国内外にいる全ての朝鮮人」に共通の目的を目指すことを呼びかけ、「お互いの誤解と不信感を払拭(ふっしょく)し、全ての同胞が自身の責任と国家統一の原動力という役割を果たすべく、南北間における連絡や移動、協力や交流を広範囲で可能にしよう」と訴えた。

北朝鮮人は、韓国にいても北朝鮮にいても統一を支持しているようだ。韓国にいる脱北者の95%以上が統一を支持すると回答している。

北朝鮮「建国の父」である金日成主席は1993年、祖国統一のための「10大綱領」を発表。その中には、国境は開放しつつ、2つの政治体制を残す提案が含まれていた。

北朝鮮は1970年代まで、憲法でソウルを首都と主張していた。一方、韓国は現在に至るまで、北朝鮮に占拠されたままだとする「以北五道」に象徴的な知事を任命している。

「統一は結局、非核化であろうと人権問題であろうと、あるいは、単に南北間で安定したコミュニケーションを築くことであろうと、喫緊の短期目標の多くを達成困難にする」と、韓国シンクタンク「峨山(アサン)政策研究所」のベン・フォーニー研究員は語った。

つまづき

両国は、開城(ケソン)工業団地のような小規模の協力でさえ、問題にぶつかってきた。北朝鮮の核兵器開発を巡る緊張が高まる中、2016年に閉鎖されるまで、この工業団地では両国の労働者が共に働いていた。

最近では、両国は離散家族の連絡事業再開で合意には至らなかった。

不信感は根強い。朝鮮半島を支配するための長期計画の一環として、北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は核兵器を開発したと、一部の韓国人と米国人は信じ続けている。一方の北朝鮮は、韓国の駐留米軍について、金氏の転覆を狙った侵略部隊だと懸念している。

1990年に東西ドイツが統一したとき、朝鮮半島のモデルになることを期待する向きもあった。

だが、東西ドイツの場合は内戦を経験しておらず、東ドイツは北朝鮮と比べて国民に対する統制がはるかに弱かったと、元韓国統一省の当局者は2016年のリポートで指摘した。

最も大きな障害は、金正恩氏自身かもしれない。平和的な統一に必要な妥協を受け入れる動機が、同氏にはほとんどないと専門家は言う。韓国も、同氏に実権を許すような取り決めに合意する可能性は低い。

北朝鮮を独立国として、また米同盟国である韓国との間の緩衝地帯として維持することに、中国も既得権を有している。

長期的に見れば、完全な統一を強硬に求めることを放棄すれば、両国は関係を修復できる可能性があると、朝鮮半島情勢について複数の著書があるマイケル・ブリーン氏は指摘する。

「矛盾しているようだが、統一はある種、ロマンチックで、健全で、民族主義的な夢として考えられている」と同氏は言う。「だが実際には、問題の多くはそこから生じている」

(Josh Smith 翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)

真壁記事

韓国の文大統領の楽観的な言動に懸念を持つ人たちは多い

朝鮮労働新聞ホームページより

4月27日の南北首脳会談では、北朝鮮の金正恩委員長が韓国の文在寅大統領の手を取り、38度線を越えて北朝鮮側に入るなど、従来は想像できなかった友好ぶりがアピールされた。北朝鮮の強硬姿勢が融和的なものに豹変したことを受け、少なくとも表面的には、北朝鮮への警戒感は和らぎつつある。

そうした楽観的ムードを醸し出している、最大の要因は韓国の文大統領かもしれない。韓国国内のメディアでも、文大統領は首脳会談が北朝鮮の非核化への道を開いたと自らの成果を誇り、過剰反応しているとの声すらある。

ここは、冷静に状況を分析することが必要だ。国際社会にとっての最重要課題は、北朝鮮に最終的かつ不可逆的な核放棄を遵守させることだ。その取り組みを国際社会全体でモニターしなければならない。それを実現するまでには、なお長い道のりがあると見ておいた方がよい。

今回、北朝鮮の金書記長のスタンス豹変の背景には、中国の北朝鮮に対する厳しい姿勢があったと見られる。重要なポイントは、関係各国が、北朝鮮の勝手な核武装に対してこれまで以上に厳しい態度を最後まで維持することができるか否かだ。

韓国の文大統領の楽観的な言動を見ていると、朝鮮半島問題の本当の意味での解決に懸念を持つ人たちは多いだろう。「トランプ大統領はノーベル賞に値する」などの指摘をする前に、北朝鮮に対する姿勢をさらに明確化すべきだ。

融和ムードに過剰反応する韓国・文大統領

27日の南北首脳会談の中で印象に残ったのは両首脳の表情だった。金委員長は文大統領の笑いを誘うなど、“和やかな場”の演出に努めた。ただ、時折、同委員長の表情から微笑みが薄らぐ場面もあった。同氏の緊張した表情の背景には、中国との関係修復への不安、米国からの圧力への恐怖心などがあったのだろう。

それ以上に印象的だったのは、韓国の文大統領の表情だった。

目を輝かせる同氏の表情には、首脳会談の開催によって悲願が達成されたという満足感、充足感が表れていたように見えた。嬉々として会談に臨む様子は、同氏がかなり問題解決に向けて楽観的なスタンスを持っているとの印象を与えた。

文氏にとって、北朝鮮との融和はマニフェストの最重要事項だ。会談の実現によって支持率が高まり、為政者としての威信を高められる計算があったのだろう。それが同氏の過剰反応ともいえる表情に出たのかもしれない。

もう一つ、文大統領が“過剰反応”と指摘される理由がある。

それは、会談後に両首脳が署名した“板門店宣言”の中で、最も重要な記載が抜けたことだ。誰が、非核化を行うか、主語が記されていない。本来であれば、“北朝鮮が”非核化を行うと明記されなければならない。主語がない以上、北朝鮮が非核化に取り組むと論じるのは尚早だ。

文大統領にはこの重要なポイントが理解できていない。

「ノーベル平和賞は、トランプ大統領が受賞すべき」と述べるなど、発言が行き過ぎていると考える専門家もいる。文大統領はトランプ氏を持ち上げ、自らの主張への配慮を得たいのだろう。そのトランプ大統領も、北朝鮮の態度が豹変したことを受けて、やや浮かれているように見える。トランプ氏は人から評価されると、すぐ気を良くする。それが米朝首脳会談に影響する可能性もある。

首脳会談の開催を自画自賛する韓国大統領の言動は、国際社会にとってのリスク要因ともいえる。韓国メディアの論説を見ると、拡声器の撤去は時期が早すぎると指摘するなど、比較的冷静だ。野党は北朝鮮が非核化を行うことが明記されなかった点を批判している。韓国世論が冷静に、必要な取り組みを政権に求められるかが重要だ。韓国民主主義の実力が問われているといってもよい。

本当に北朝鮮の実態は変わったのだろうか?

現時点で冷静に考えなければならないことは、本当に、北朝鮮の核問題が解決に向かっているか否かだ。この問題の解決は、最終的かつ不可逆的に北朝鮮が核を放棄するということだ。

現在の情勢を判断すると、北朝鮮が核を放棄することには疑問符が付く。将来も、核兵器の保有こそが金王朝の存続を支える基礎となるだろう。北朝鮮問題の実態は変わっていないかもしれない。

これまでも北朝鮮は自国の状況が窮すると、中国に恭順の意を示し、韓国には「ほほえみ外交」を仕掛け、米国には対話を求める。これが北朝鮮外交の常套手段だ。2000年、2007年と北朝鮮は韓国と首脳会談を開き、南北朝鮮の融和、北朝鮮発展に向けた支援などを協議してきた。また、金日成、金正日、現在の金正恩体制下で核の放棄、あるいは実験中断などが発表されてきたが、いずれも破棄された。

これまでと異なるのは、金正恩委員長が“中国の警告”を真剣にとらえたことだ。中国は、同委員長の暴走に痺れを切らし、“金王朝崩壊後の北朝鮮”を視野に入れ始めたとの指摘もある。加えて、米国は韓国への報復攻撃を回避しながら北朝鮮への先制攻撃を行うことも可能と表明してきた。金委員長は米・中の圧力を真剣に受け止めざるを得なくなった。そのため、表向きの態度を融和的なものに変えたとも考えられる。南北首脳会談はそれをアピールする場だった。

注目されるのは、板門店宣言に“核のない朝鮮半島”との文言が含まれていることだ。額面通りとらえると、北朝鮮は在韓米軍の完全撤退を求めていると解釈できる。それに加え、米朝首脳会談で北朝鮮は、制裁の解除、金独裁体制下での北朝鮮の経済発展への支援、体制維持への保障なども要求するだろう。板門店宣言の内容が実現するためには、米国の譲歩が必要だ。

一方、米国にとって譲れないのは、完全に北朝鮮が核を放棄し、その検証を行うことである。今回の宣言内容が、米朝の交渉、今後の北朝鮮問題への対応を一段と難しくする恐れすらある。

米朝首脳会談がどのように進むかは見通しづらいが、現在の状況の中で米朝が歩み寄り、核の放棄と金体制下での開発支援が合意されることは難しいだろう。成果がないのであれば、会談中にトランプ大統領が席を立つかもしれないと報じられているのはそのためだ。

求められる国際社会全体の冷静な対応

とりあえず、今、朝鮮半島は事態の改善につながっているように見える。ただ、それを、本当に信用してよいかは今後の展開次第だ。必要以上に懐疑的になる必要はないものの、過剰反応の楽観主義はさらに悪い。

世界に求められるのは、冷静に現状を把握し、必要な対策を準備することだ。ポイントは、中国を含めた世界全体にとって望ましい形で北朝鮮の非核化に向けた意見を形成することだ。

中国にとって、北朝鮮は米国との直接対峙を回避する緩衝国であり、失いたくはないはずだ。北朝鮮の非核化の見返りに、中国が安全保障を強化・保障することも考えられる。中国の主導で北朝鮮問題を解決することは、結果的に朝鮮半島を巡る米中の覇権争いをし烈化させる可能性がある。必要なことは、国際世論に基づいて、北朝鮮の最終的かつ不可逆的な核放棄を求めることだ。

今後、わが国は、能動的にアジア各国に外交を展開し、インフラ開発や環境保全などの支援と引き換えに賛同を取り付けるべきだ。まず、米国との安全保障関係を基礎に、北朝鮮の核放棄を求めることだ。

そして、さらに重要なことは政治経済面でアジア諸国との連携だ。TPPなどの多国間の経済連携を進めて自由貿易経済圏を整備し、競争に関するルールの統一化を図る。それは、政治経済の側面から対中包囲網を形成し、中国の海洋進出などを抑止することにもつながる。

アジア各国などとの関係を強化し、北朝鮮の核開発に断固反対する陣営を形成する。そうした取り組みを進めることができるか否かが、将来のわが国の進む道を明確にする。北朝鮮問題の解決に向けた議論に出遅れたとの見方を払拭するためにも、能動的にアジア各国との関係を強化し、対北朝鮮政策への見解を共有することが求められる。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

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『「一帯一路は中国が世界に提供する公共財だ」 最も重要なのは、正しい「義利観」に則って展開すること』(5/7日経ビジネスオンライン 李 向陽)について

5/6<北朝鮮外務省「制裁続けるなら対話を白紙にする」>北のデブがまた何か吠えていますが無視するに限ります。核放棄しないなら米軍の攻撃が待っていることを覚悟すれば良い。

https://snjpn.net/archives/50465

5/7宮崎正弘氏メルマガ<フェイクメディアは意図的に伝えなかったが トランプ大統領支持率は51%(共和党員の支持は81%)>日本だけでなく米国でも「報道しない自由」が行使されているようです。ドンドン既存メデイアの信頼性が落ちていくでしょう。今度の中間選挙の予想も外すのでは。日本のメデイアも同じです。その内、押紙問題と売り上げ減で立ちいかなくなります。良い傾向です。洗脳される人たちが少なくなる訳ですから。安倍三選は、細田・麻生・二階三派の足並みが揃っている以上、確実でしょう。

http://melma.com/backnumber_45206_6679500/

5/6facebook

中国人のお馴染みの風景、機上の人となる前に糞尿を済ませ、機内ですることのないようにする。これは国家のイメージにマイナスの影響を与える。

李向陽氏の記事で「義」とか「利」とか言う前に、中国人には基本的な躾が必要と言うのが上の写真で分かるでしょう。これは特殊なケースではありません。小生が97年に北京にいたとき、王府井広場は今のようなビル街ではなく、屋台が軒を連ねるような状態でした。そこでは辺りかまわず、小便・大便させていました。子供のズボンは真ん中が割れていてズボンを脱がなくても其の儘用がたせるという代物でした。

そもそもで言えば社会科学院は共産党のプロパガンダの意味付け・論理付けをする機関です。理屈は貨車に乗って後からやってくると言われますように、何でもでっち上げるのが得意です。「義利」という言葉は渋沢栄一の「論語と算盤」を思い出させます。先人の知恵を拝借し、別な言葉に置き換えることによって新奇さを出そうとしただけでしょう。しかし、「騙す方が賢く騙される方が馬鹿」という国から説教されても・・・。

「義」は新渡戸稲造の『武士道』の英語では“rectitude”と表されています。辞書には「正直、廉直、正確、まっすぐなこと」とあります。今の日本人の思う「義理」とか「義務」とかの意味ではないようです。新渡戸によれば「義理」は元々の意味は「正当な理由」であったのが、「義務」を表すようになったとのこと。“Rectitude is the power of deciding upon a certain course of conduct in accordance with reason, without wavering;—to die when it is right to die, to strike when to strike is right”(義は躊躇うことなく、理に適った振舞いを決意させる力がある。死ぬべきときには死に、攻めるべきときには攻めるように)ともありました。

「義」を分解すれば「羊」と「我」になり、「我は(子)羊なり」というのがキリスト教的解釈で、人間の為に犠牲になったキリストを信じれば罪の許しが得られると考えているようです。でも漢字文化のない西洋文明の中にあっては取って付けた解釈のような気がします。

http://www2.biglobe.ne.jp/~remnant/108kanji.htm

中国的解釈では「この漢字を分解すると、“羊”と “我”になる。羊は、とてもおとなしく、従順で親切な動物だ。また、羊の肉は美味で栄養があり、福と繁栄の象徴とされてきた。義は、単純に解釈すれば“我は羊なり”という意味だ。人々が羊の肉を捧げ、神を畏れ敬うように、古代中国には、“義”のためならば自分の命を捧げることも厭わないという英雄、聖女の物語がたくさんある。中国漢字の“義”は従って、私たちにどうやって人生を送り、己を捧げて人に尽くすことができるか、ということを教えてくれる」と。小生には、中国人は犠牲的精神が欠けているようにしか見えませんけど。中国だから何でも食べ物に繋がって行く気がします。「羊」に「大」で「美」です。これは羊が丸々太っていておいしいそうに見えるのが「美しい」となった訳です。宗教的な意味合いはなく、食欲から来たものでしょう。

http://www.epochtimes.jp/jp/2008/07/print/prt_d38224.html

5/4本ブログで楊海英氏の本の中に、「シルクロードはドイツ人がデッチ上げたもの」とあるのを紹介しました。中国はご都合主義で何でも利用します。それが歴史とならないように、声を上げていきませんと。

スリランカ、モルデイブ、マレーシアの事例をみれば、中国の言いなりになる事は国を売ることに繋がるというのが分かります。タイがTPPに入りたがっているのは、中国の悪巧みを察知したからでしょう。返済能力のない国に貸し込んで、担保の土地を奪うやり方は、サラ金の手法に似ています。大陸と朝鮮半島は発想が似ているという事です。

記事

2013年に中国の習近平国家主席が提唱した「一帯一路」構想は、海と陸の2つのルートから、アジアから欧州までを結ぶ大胆かつ巨大なプロジェクトです。

中国のイニシアチブによって開発途上国に道路や橋や港湾、鉄道が建設される目的は何でしょうか。これについては中国の過剰生産能力の解消手段として輸出市場を確保する狙いがあるとも言われています。開発途上国にとって、自力では困難なインフラ整備が可能になるという利点がある一方、経常収支の悪化や対外債務拡大というリスクを抱え込む恐れがありそうです。

ただ、そうだとしても、トランプ政権ですっかり内向きになった米国が、関税引き上げで世界の自由貿易体制を脅かしているのとは対照的に、中国の「一帯一路」は開放的なものとして映り、開発途上国にとって抗しがたい魅力を持っているのではないでしょうか。

今回のコラムは、中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の李向陽院長による「一帯一路」に関する論考です。これによると、「一帯一路」の目的は、開発途上国における単なるインフラ建設ではなく、大国であることを自覚する中国が、「その価値観と理念を諸外国と共有する」ことにもあるようです。トランプ政権が国際秩序を壊す一方、中国は「一帯一路」によって、着々と新たな国際秩序を構築しつつあるようにも見えます。その中核となる「一帯一路」が、中国側にとってどのようなものなのか。その本質を知るために役立つでしょう。解説を挟みながら、掲載します。

(大和総研経済調査部 齋藤尚登主席研究員)

李向陽(リ・シアンヤン)氏
中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院院長。1962年12月河南省に生まれる。前中国社会科学院世界経済・政治研究所副所長。研究分野は、国際経済学、中国対外関係論。現在、中国南アジア学会会長、中国世界経済学会副会長、中国アジア太平洋学会副会長、中国外交部経済金融諮問委員会委員、中国商務部国際発展合作専門家委員会委員を兼任。

この5年間、「一帯一路」(海と陸のシルクロード経済圏)建設は大きく進展している。しかし、新しい概念としての「一帯一路」とは何か、何をするのか、どのように実施するのか、という最も基本的な問題については、様々な見方が示され、中には誤解もある。

国際社会では、「一帯一路」を中国の戦略的拡張の一つの手段と見做す人が少なくない。例えば、「一帯一路」を「中国版マーシャル・プラン」、開発途上国で展開する「新植民地主義」、中国周辺地域で構築が企図される「新時代の朝貢システム」と見做すことなどである。

こうした見方に対して、我々は「一帯一路」とは、第一に、一種の地域経済協力メカニズムであると認識している。しかし、これは従来型の地域経済協力メカニズムとは一線を画し、発展主導という際立った特徴を有する新しい地域経済協力メカニズムである。第二に、「一帯一路」の目標と位置付けは、中国の一方的な利益に資するものでも、沿線国の一方的な利益に資するものでもなく、中国と沿線国双方の利益が集積するものである。「一帯一路」の展開については、実践の中から模索するほかはないが、その中で最も重要なのは、正しい「義利観」に則って展開することである。

李向陽院長は、「一帯一路」は地域経済協力メカニズムの一種であるが、「発展主導型」であることが新しいと主張しています。これは、既存の国際協力協定等が「ルール主導型」であることと対比しています。

ちなみに、「一帯一路」関連の政策文書には2015年3月に、国家発展改革委員会、外交部、商務部が発表した「シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの共同建設推進におけるビジョンと行動」がありますが、これは文字数にして8000文字程度のものです。

また、「義利観」とは聞きなれないかもしれませんが、出典は論語です。李院長は「義」を理念や道義、倫理、「利」を利益、互恵・ウィンウィンといった意味で使っているようです。

1.「一帯一路」とは何か:発展主導型の地域経済協力メカニズム

開かれた国際協力メカニズムとしての「一帯一路」の対象国はどこなのか。これについて中国政府は明確な境界を定めていない。

「一帯一路」の最終目標は、すべての国をカバーするマルチ協力メカニズムの構築であろうが、初期段階においては、一種の地域協力メカニズムであるとみてよいだろう。従来の地域経済協力メカニズムと比べると、「一帯一路」は特殊性を持っている。

従来型のそれを「ルール主導型」と定義すれば、「一帯一路」は、「発展主導型」と定義することができる。このため、我々は現行の地域経済協力メカニズムの分類を「一帯一路」に適用することはできない。「一帯一路」は自由貿易区でもなければ、関税同盟、共同市場、経済共同体などでもない。「一帯一路」の発展の方向性は、具体的に以下の5点を挙げることができる。

第一に、「一帯一路」は古代シルクロードがモデルであろうが、それに限られない。「一帯一路」はオープンであるという特徴を有し、これが従来の地域経済協力メカニズムとは明らかに異なる点である。従来型の多くは開かれていると主張するが、実際には様々なアクセス条件が設けられている。「一帯一路」の開放性は、沿線の開発途上国、とりわけ最も発展が遅れた国々が国際経済協力に参加することを可能にしている。

第二に、インフラ整備による相互連結は「一帯一路」の前提あるいは基礎である。従来の地域経済協力メカニズムでは、通常、インフラ整備による関係国間の相互連結を前提とはしていない。しかし、「一帯一路」沿線国の多くは開発途上国であり、インフラの未整備が経済発展を妨げる大きなボトルネックになっている。インフラ整備をコア事業とする相互連結は、沿線国の経済成長を促すだけでなく、沿線国間の貿易・投資自由化を促進することになる。

各国の事情に合わせて異なる協力方法を採る

第三に、協力メカニズムの多元化は「一帯一路」の突出した特徴である。「一帯一路」の枠組みには、自由貿易区のような協力もあれば、小区域内協力や経済回廊などの協力もある。これは「一帯一路」にしかない特徴であり、そのメリットは、各国の事情に合わせて、異なる協力メカニズムを構築できるところにある。言い換えれば、沿線国の経済発展とウィンウィンという目標の達成を促進するのであれば、どのような協力メカニズムでも選択肢となりうるということである。これは、「白い猫であれ、黒い猫であれ、ネズミを捕ればよい猫だ」という(鄧小平氏の)理念と一致する。

第四に、「義利観」は「一帯一路」の中核的な理念である。「義利観」は中国儒教が掲げた治国の理念であり、孔子をはじめ、歴代の儒教先哲は、「利」よりも「義」を優先すべきとの基本理念を強調してきた。中国の指導者は儒教文化の「義利観」を継承・発展させ、国際交流に応用し、中国の特色ある経済外交の理念としてきた。「一帯一路」の建設にあたり、正しい「義利観」に則ることは、中国が平和的な台頭を実現するために担う大国の責任を体現している。

第五に、責任共同体、利益共同体を土台とする運命共同体の構築が、「一帯一路」の目指すところである。従来の地域経済協力メカニズムは、貿易と投資の自由化をその中核的な目標としている。これに対して、中国が掲げる運命共同体という目標は、その内包するものも外延するものも従来のものを遥かに超越している。「一帯一路」における「五通」を例にとると、インフラの連結や貿易円滑化、資金の流れの強化にとどまらず、経済分野以外を含む政策協調や国民の心を互いに通い合わせることにも言及している。

以上を踏まえ、「一帯一路」に次のような定義付けを試みたい。すなわち、「一帯一路」とは、古代シルクロードを原型とし、インフラによる相互連結を基礎とし、多元的協力メカニズムと「義利観」を特徴とし、運命共同体の構築を目標とする発展主導型の地域経済協力メカニズムである。

李院長は「一帯一路」について、学界でも定義が定まっていないと言います。キーワードは、古代シルクロード、開放性、インフラによる相互連結、多元性、義利観、運命共同体、発展主導型の地域経済協力メカニズムです。

「一帯一路」は中国を起点としていますから、その範囲を示す地図に日本は含まれていません。ただし、李院長は今回とは別のインタビューで、「日本が『一帯一路』に参加することは個人的には大いに賛成」としていました。

次に、「白い猫であれ、黒い猫であれ、ネズミを捕ればよい猫だ」は、鄧小平氏の有名な「白猫黒猫論」です。これは1962年7月に共産主義青年団に対して語った言葉とされ、物事に捉われず、臨機応変に対応し、結果を残すことが重要、といった意味です。

最後に、運命共同体は、習近平国家主席の「人類運命共同体」が意識されています。習近平氏は、「平等な扱いを受け合い、互いに話し合い、互いに理解を示し合うパートナー関係を築くことが、運命共同体を実践する主要な方法。公正・公平で、共に建設し、共に享受する安全な構造を築くことが、運命共同体を築く上での重要な保障。また、オープンでイノベーションを重視し、包容的で互恵を満たす発展を追求することが運命共同体の基本原則」としています。

2.「一帯一路」で何をするのか:中国と沿線国の相互利益の探求

「一帯一路」は、東洋文化の色彩が濃いものであるが、中国一国の利益追求だけを反映しているものではない。習近平国家主席が喩えた通り、「一帯一路」は、中国一国の独奏曲ではなく、国際社会の協奏曲である。従って、「一帯一路」の目標と位置付けについて議論する場合、中国と沿線国の相互利益を探求するという基本原則を忘れてはならない。相互利益を求めることこそが「一帯一路」の目標である。

第一に、「一帯一路」は中国の全方位対外開放の新たな措置である。

過去40年間の中国の対外開放は、4つの段階に分けられる。①1978~1992年の第1段階は、全面的だが無秩序な開放であった。②第2段階は、1992年に行われた鄧小平氏の「南巡講話」をスタートラインとする。目標はWTO加盟であり、WTOの定めたルールに従い開放を推進した。③中国は2001年にWTOへの正式加盟を果たし、この年から第3段階の開放が始まった。この段階の主要な目標は、WTO加盟の事前承諾事項を履行することであった。④2011年にWTO加盟の事前承諾事項の履行が完了し、2012年の第18回党大会の開催が、開放の第4段階の始まりとなった。

開放の第4段階の時期に、主要先進国の対外政策のトレンドは、多国間主義から地域主義へと転換した。さらに、トランプ政権発足をきっかけに、アメリカは地域主義から単独主義へと傾いた。中国国内では、東・南部沿岸地域と中・西部内陸地域との間の開放レベルの格差が、地域発展の不均衡の最大の要因となっていた。そこで、新しいラウンドの全方位的対外開放政策として「一帯一路」が打ち出されたのである。

「一帯一路」は中国の必然的な選択であり、同時に沿線国の利益追求とも合致するものである。中国の開放レベルが高くなるほど、沿線国にもたらされるチャンスも大きくなる。

第二に、「一帯一路」は、新時代に入った中国の周辺外交戦略の重要な拠り所である。

長期にわたり安定的かつ良好な周辺環境を創造することが、中国の周辺外交戦略の目標である。過去20年余り、中国と周辺国との貿易・経済関係はますます緊密になり、中国は多くの周辺国にとって最大の貿易相手国、最大の輸出国、さらには貿易黒字と外資の源泉国となっている。

しかしながら、率直に言えば、経済関係は日々緊密化しているものの、周辺国の中国の平和的台頭に対する認知は、これと歩みを同じくして高まっているわけではない。「近いが親しくない」というのが、中国と周辺国の間の一種の気まずい関係を表している。

2013年に中国指導部が開催した周辺外交活動座談会において、習近平国家主席が提出した「親・誠・恵・容」が、周辺外交戦略の新しい理念となった。この理念を実践するために、新たなプラットフォームの構築が必要とされ、この機運に乗じて「一帯一路」構想が誕生したのである。

「一帯一路」の第1段階で建設する6つの経済回廊のうち、5つは周辺国を対象としている。それは、①中国・モンゴル・ロシア経済回廊、②中国-インドシナ半島経済回廊、③バングラデシュ・中国・インド・ミャンマー経済回廊、④中国・パキスタン経済回廊、⑤中国-中央アジア-西アジア経済回廊である。「親・誠・恵・容」理念に基づく安定的かつ良好な周辺環境の構築は、とりもなおさず周辺国の利益にもなるのである。

第三に、「一帯一路」は中国が推進する経済外交のプラットフォームである。

経済外交は新しい概念ではないが、近年になって、ようやく中国の対外政策の一環とされるようになった。経済外交とは、簡潔に言えば、経済のための外交、あるいは外交のための経済であり、最終的に中国の平和的台頭と(中華)民族の復興に寄与する必要がある。

習近平国家主席は、多くの場面で経済外交の重要性を強調してきた。これは長年にわたり、経済のための外交のみが強調されてきたのと比べると、重大な変化である。「一帯一路」の枠組みの下、「親・誠・恵・容」理念であれ、運命共同体、「義利観」であれ、いずれも経済外交の要請に応じるものである。「一帯一路」は、経済と外交を有機的に結合させるプラットフォームであり、これは沿線国、特に開発途上国に歓迎されるはずである。

第四に、「一帯一路」は、グローバルな貿易と投資の自由化を促す新しい手段・方法である。

地域経済協力メカニズムの存在の意義は、多国間貿易メカニズムを促進できるか否かにかかっている。国際貿易論の第一人者であるアメリカの経済学者ジャグディーシュ・バグワティ コロンビア大学教授の言葉を借りると、後者にとって、前者はその礎にも、障壁にもなる可能性がある。

礎となるか、障壁となるかは、地域経済協力メカニズムが真に開かれているかどうかが鍵となる。中国が提唱する「一帯一路」は、従来のどの地域経済協力メカニズムよりも開放的であり、西側諸国において、反グローバリゼーションが日増しに高まっている中、「一帯一路」が内包する公共財としての特性はいっそう際立つのである。

ここでは、「一帯一路」と中国の外交政策について論じています。「一帯一路」は、(1)中国の全方位対外開放の新たな措置、(2)新時代に入った中国の周辺外交戦略の重要な拠り所、(3)中国が推進する経済外交のプラットフォーム、(4)グローバルな貿易と投資の自由化を促す新しい手段・方法、との見方が示されました。

(1)では主要先進国の外交政策が、多国間主義→地域主義→(米国は)単独主義へと傾く中で、「一帯一路」が打ち出されたことの重要性が強調されます。さらに、中国国内ではこれまでの対外開放が東部と南部の沿海地域に集中し、中部と西部が相対的に出遅れていたことの反省が、「一帯一路」の出発点の一つであることが示されました。鄧小平氏が主導した東部・南部を中心とする改革・開放の段階から、習近平氏が主導する新しい時代に移行するキーワードの一つとして、中部・西部を中心とする「一帯一路」が位置付けられているのです。

(2)では「親・誠・恵・容」という習近平国家主席の外交理念が示されました。日本語では「親しい、誠実、恵みを与える、包容力を持つ」ということになります。

(3)の経済外交では、従来の経済のための外交のみならず、外交のための経済という考え方が示されました。「一帯一路」では、大国であることを自覚する中国が、その価値観と理念を諸外国と共有しようとしているように見えます。もちろん、双方がこれを望むのであれば良いのでしょうが、そうでない場合、例えば、外交が経済によって人質に取られるような懸念はないのでしょうか。こうした懸念はありつつも、(4)で改めて示された「開放性」は開発途上国にとって抗し難い魅力を持っているのかもしれません。

3.「一帯一路」構想はいかに展開されるのか:正しい「義利観」に則る。

繰り返しになるが、「一帯一路」建設における最も重要な原則は、正しい「義利観」に則ることである。

「義利観」と「一帯一路」の関係については、様々に議論されているが、学術界に定説はまだない。例えば、①「義」を優先した上で、「義」と「利」を両立させる。②他国に多くの「利」を与え、自国は「利」を少なく取る、あるいは与えるだけで取らない。③先に他国に「利」を与え、後で自国が「利」を取る。その際に長期目標に重きを置く。④ミクロ的には、投資した企業が投資収益を受け取り、マクロ的には、国家の名声、レピュテーションの向上を確保する、などである。

要するに、「義」は中国が「一帯一路」を推し進める核心的な目標であり、「利」は「一帯一路」が持続的に発展していくための必要条件である。「義」がなければ、「一帯一路」の存在価値が失われ、「利」がなければ、「一帯一路」は単なる対外援助プロジェクトになってしまう。理論的には、正しい「義利観」に則るには、以下の問題をうまく解決する必要がある。

第一に、政府と市場との関係、政府と企業との関係を調和させることである。政府が求める目標は「義」であるのに対し、企業の主な目標は「利」である。政府の「一帯一路」建設への関与は非常に重要であり、特に初期段階においては、政府の関与がなければ、「一帯一路」は絵空事であったであろう。政府は市場を基礎に企業の参加を呼び込み、国家の戦略目標に寄与させる必要がある。

沿線国と共に模索していく

第二に、中国と沿線国との利益分配をうまく調和させることである。西側諸国が持つ経済外交理念と比べ、「義利観」は中国の特色ある経済外交理念である。なぜなら、「義利観」はウィンウィンがゼロサムゲームに取って替わり、義と利の結合がアメとムチに取って替わるためである。もちろん、国際協力の中で、どのようにして「義利観」を以て国家間の利益分配を行うのかは、今後の探索が待たれる重要な理論と実践の問題である。

第三に、正のスピルオーバー効果あるいは外部経済効果を有する協力メカニズムとプラットフォームを構築することである。経済学では、異なる国、異なる企業の協力では、外部経済効果が発生する可能性も、外部不経済効果が発生する可能性もある。当然のことながら外部経済効果を有する協力メカニズムとプラットフォームだけが、「義利観」の目標を達成することができる。

実際、中国は「一帯一路」沿線国とともに、経済回廊やグリーン・シルクロードなどのプラットフォームを通じて、正の外部経済効果を有する協力メカニズムの構築を模索している。

総じていえば、「一帯一路」のガバナンスや建設の道筋について、参考になる既存のモデルはない。このため、中国と沿線国は「共商(共に議論する)・共建(共に建設する)・共享(共に享受する)」という原則に基づいて模索していく必要がある。

最後は、「義」と「利」の関係について論じています。李院長は別のインタビューで、「義」と「利」の両立が難しい場合は、「『義』を優先させる。ただし、民間企業が『義』を優先させるのはあくまで一時的な話である。仮に国家の要請等により、企業利益が長期的に損なわれる場合は、国家による補償がなされる必要も考えられる」としていました。

さらに、「一帯一路」が直面する問題点について、李院長は「①第一段階は国有企業が主体のインフラ建設がメインであり、資金調達に大きな問題はなかった。第二段階では民間企業が主体の個別ビジネスがメインとなるが、民間企業の資金調達や投資回収には高いハードルがある、②多くの沿線国は「一帯一路」を中国による対外支援と捉え、「待つ」、「頼る」、「求める」という傾向が強い、③日本や米国は「一帯一路」を中国版マーシャル・プランなどと捉え、警戒感が強い」ことを挙げていました。

①と②に関連して、一部の沿線国ではアジア開発銀行などの貸付限度額を超過している国もあるほか、返済が難しい場合は、例えば鉱山の利権などで支払うケースもあります。「義利観」と「一帯一路」の関係について学術界で定説はまだない、とのことですが、沿線国の不安ならびに日米欧の主要先進国からの懸念にどう応えるのか、「一帯一路」の実践が注目されるところです。

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『トランプ政権を誕生させた選挙請負人、マレーシアでも 英国のEU離脱にも一役買ったケンブリッジ・アナリティカの恐るべき手口とは』(5/4JBプレス 末永恵)について

5/3日経<マレーシア警察、マハティール元首相を調査 偽ニュース対策法で 下院選控え与野党の応酬激化>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30121160T00C18A5FF8000/

5/6日経朝刊<マレーシア下院選挙(9日) マハテイール氏台風の目

マハティール氏は連日街頭に繰り出し、 政権交代に執念をみせる=ロイ夕—

マレ—シアの連邦議会下院選挙(定数222、任期5年) が5月9日に投開票日を迎える。与党連合•国民戦線を率いるナジブ首相に、野党連合・希望連盟の首相候補となったマハティール元首相が挑む。1957年の独立以来、 政権交代の起きていないマレーシアだが、92歳の元首相の出馬でこれまでの与野党対決の構図は様変わりしている。 「ブミプトラ(土地の子)」 と呼ばれるマレー系優遇政策をとるマレーシアでは、人口 の7割を占め既得権益を持つマレー系が与党連合を、変革を求める中華系などマイノリティー(少数民族)が野党連合を支持する傾向が強かった。前回13年の総選挙でも、与党連合は中華系の比較的多い都市部で苦戦したが、マレ-系の多い地方で議席を積み上げ、過半数を確保した。

今回は03年まで22年間の首相時代にブミプトラ政策を推進したマハティ—ル氏が野党側に転じたことで、マレー系の有権者の一定割合が野党連合に流れる見通しだ。マハティール氏が立候補する北部のラン力ウイ島に住む夕クシー運転手のサイード•フツシンさん(65)は「マハティール氏が復帰すれば、この国は良くなる」と期待する。

世論調査機関ムルデ力•セン夕-が4月の下院解散直後に実施した調査では、54%がマレーシアは悪い方向に向かっている」と答え、「良い方向に向かっている」との回答(38%)を上回った。南部のジョホール州や首都近郊のセランゴール州といった有力州でマレー系の与党連合への支持率が、13年に比べ20ポイント程度減るとの結果も出た。

マハティール氏が現状に不満を持つマレ-系の受け皿になり、野党連合が広範な民族からの支持を得れば、初の政権交代も現実味を帯びる。

一方で、マハティール氏が前面に出ることで、従来の野党支持層がかえって離れると指摘する声も多い。首相時代の少数派への強権的手法を快く思わない中華系の国民はいまだに少なくない。与党連合はそこに照準を定める。

観光資源の豊富なボルネオ島のサバ州•サンダカン。ナジブ首相は4月末、中華系住民を前に、「中国人旅行者がこの島に来なくなれぱ、地元のホテルはつぶれる」と訴えた。中国との関係見直しを唱えるマハティ-ル氏を念頭に、野党連合の危うさを突いた。与党連合の一角の中華系政党、マレーシア華人協会のリオウ•ティオンライ総裁も日本経済新聞の取材に「申華系の有権者は今回は与党連合に戻る」と自信を示す。

選挙の行方を読みにくくしている要素はほかにもある。有力なイスラム主義政党、全マレーシア.イスラム党(PAS)が今回は野党連合に加わらず、独自候補を擁立する点だ。地元紙によると、その結果、全222の小選挙区のうち9割近192選挙区で 3人以上の候補者が争うことになる。野党支持者の票が割れれば、組織票の多い与党連合が有利な展開となる。

マハティール氏が、かつて追い落としたアンワル元副首相と野党連合で共闘するという話題もあり、選挙戦は首相、 元首相の対決にばかり注目が集まる。他方で肝心の政策は与野党とも、低所得層向けの現金支給の増額などぱらまき策が中心。成長戦略など骨太な政策論議は深まらない。

マレーシアはマハティール氏が首相の時から20年の先進国入りを目標に掲げる。技術革新に即した新産業育成の仕組みなど中長期の成長ビジョンが伴わなければ、与野党のどちらが政権をとっても国民は明るい未来を描けない。 (クアラルンプール=中野貴司)」(以上)

マレーシアの下院選の話ですが裏にあるのは中国との関係をどうするかという事です。ナジブのように1MDBの借金の肩代わりを中国にして貰い、その見返りとしてフォレストシテイなる中華街の(治外法権?)都市をマレーシア国内に造らせています。ナジブは売国奴です。それをマレーシア国民が分かっているかどうかです。ナジブは末永氏記事にありますようにマハテイールが出馬できないように飛行機を飛ばさせないようにするなど平気で選挙妨害しました。とても公平な選挙とは言えません。選挙監視団のメンバー国もお笑いそのものです。

本記事のケンブリッジ・アナリティカ(CA)がどの程度ブレグジットやトランプの大統領選に威力を発揮したのかは分かりません。自分を大きく見せるために、誇大広告を打っているような気がします。先進国で、そんな簡単にCAの誘導に引っかかるのかと。

マレーシアでは選挙不正が横行していますので、効果の分からないCAのことよりもこちらを問題にしたほうが建設的でしょう。

記事

マレーシア与党連合「国民戦線」の牙城、(マレー半島の南端)ジョホール州は、今回の総選挙で激戦区の注目の選挙区。与野党の攻防が最高潮に達している。同選挙区で注目の華人系を支持基盤にする野党、民主行動党(DAP)の主砲候補、リュー氏の選挙事務所。与党の華人系、マレーシア華人協会(MCA)のウィー副総裁とのアエヒタム選挙区での一騎打ちが注目されている(ジョホール州、筆者撮影)

文中敬称略

「本選挙は、不正、不公正、不公平が全くない“自由でクリーン”なものになるだろう」と選挙戦真っ只中の政治集会でマレーシアの首相、ナジブは強調する。

1957年の独立以来、初の政権交代で注目されるマレーシアの総選挙(5年に1回。下院定数222、5月9日投開票)まで1週間を切り、元首相のマハティール率いる野党連合が猛追する中、与野党の白熱した選挙戦が展開されている。

与党は、歴史的な敗北を喫した2008年、史上最低の議席数に甘んじた(得票数では野党に屈した)2013年と、政治腐敗や汚職疑惑で求心力と支持率を失ってきた。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52715(マレーシアの総選挙に中国の影 民主化遠く)、http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52946(昭恵夫人も顔負け マレーシアの超弩級暴走妻)

政権交代は今回が最後のチャンス

しかし、苦戦を強いられながらも、ありとあらゆる手段を講じ、選挙攻略を図り、辛うじて、政権を維持してきた。

どの世界でも政治は汚い。

政府系投資会社「1MDB」の不正公金流用疑惑の国際的マネーロンダリングスキャンダルに加え、3年前導入のGST(消費税)による物価高騰で、支持基盤である多数派のマレー系にも政府への不満があふれ出している。

そんな状況にソーシャルメディアも後押しする本選挙では、内外の専門家が「政権交代は今回が最大で最後のチャンスだろう」と注目する。

しかし、東南アジア諸国連合の優等生と言われ、域内の経済を牽引してきた近代国家マレーシアで起きていることは信じがたい、の一言だ。

下院解散後の4月、マレーシアの選挙管理委員会は、自由でクリーンな選挙を図るため国際的監視団を諸外国に要請した。

諸外国の多くは、国連など国際的機関など政治的に中立な監視団を招くのが主流だが、マレーシアが招聘を確認した国は次の7カ国(4月中旬現在)。

アゼルバイジャン、キルギスタン、モルジブ、東ティモール、インドネシア、タイ、カンボジア。

英国の高級誌「エコノミスト」を経営するエコノミスト・グループの傘下「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」の分析によると(https://en.wikipedia.org/wiki/Economist_Intelligence_Unit)、これらの国々は独裁国家や民主化発展途上の国だとされている。

これらの国々がマレーシア総選挙の民主的で自由でクリーンな選挙戦をどう監視するのか、注目するところだ。

マレーシアの選挙にも関わったとCA幹部が証言

さらに、世界を揺るがした2016年の米大統領選でドナルド・トランプの勝利を導き、「陰の立役者」となった英の政策調査コンサルティング会社「ケンブリッジ・アナリティカ」(CA)が、マレーシアの選挙にも関わったとする事実が先頃、CA幹部の証言で明らかになった。

https://youtu.be/mpbeOCKZFfQhttps://jp.reuters.com/article/facebook-cambridge-analytica-trump-idJPKBN1GW33Yhttp://www.bbc.com/japanese/43650517

2016年の米大統領選では、トランプ陣営が雇った同社が、約9000万人のフェイスブックユーザーの個人情報を不正に収集されたといわれている。

米国では、「内外の専門家による分析に反し、2016年の大統領選でトランプ氏が当選したのは、このCAの“功績”といわれ、米政界では『常識』とされている」(筆者の知人の米政冶アナリスト)。

米国では、同事実が発覚してからフェイスブックの株価は10%ほど急落、約370億ドル(約4兆円)の時価総額をうしなった。

CEO(最高経営責任者)のマーク・ザッカーバーグも約51億ドル(約5500億円)という巨額の資産減を強いられ、米議会の公聴会に弁明証言せざるを得ない企業の危機的事態を招いた。

一方、海を隔てたマレーシアの総選挙への関与に関しては、CAの幹部は、「マレーシアの総選挙の依頼を受け、選挙結果を成功裏に収めた」と、英メディアの独自取材で明らかにしている。

ここでいうマレーシアの総選挙とは、得票数で野党に甘んじながらも、議席数で勝利を収めた2013年の選挙のことだ。

マレーシアでは、米国などより早くから、CAを使い、選挙戦攻略で勝利を果たしてきたことになる。

2016年の米大統領選で勝利したトランプ陣営が、当時、ソーシャルメディア戦略をコアに選挙戦を有利に導いたことは知られているが、実は世界を驚かせた英国のEU離脱でもCAの貢献があったとされている。

CAが打ち出す選挙必勝法とは

欧州懐疑主義運動のパイオニアで、EU離脱で陰の主導的役割を果たした英国の独立党の元党首(欧州議会議員)、ナイジェル・ファラージらの政治的活動に寄与したと言われているのだ。ただし、その実態はいまだにミステリアスだ。

トランプ政権誕生や英国のEU離脱の陰の立役者とされるCAの選挙攻略とはいった、どういうものなのだろうか。

CAが打ち出す手法は「サイコグラフィックス」というもので、主に選挙関連の情報収集と広告などの配信だ。

個人情報であるソーシャルメディアの利用履歴を分析し、多種多様の個人の情報を組み合わせることで、選挙でいう個人個人の「有権者」の“顔”を明らかにしていく。

違法に情報を売るブローカーなどから得た個人情報は、有権者個人の人種、宗教、性別、年齢や、政党支持や投票の履歴、さらには買い物の消費者動向履歴も含まれるといわれている。

有権者の様々な嗜好をくすぐる選挙情報や広告を配信することで、クライアントの政党などが当選、勝利するように、成功を収めるように政治的コンサルティングを行うものだ。

ナジブ率いる与党連合はこの事実を否定する。しかし、これまでにも選挙攻略で米のボストンコンサルティングなどの名前が挙がっており、事実なら上記の様々な個人情報の入手と選挙戦への流用は不正行為に相当する。

しかも、正当な外部献金からではない場合、党利党略のためのCAへの巨額報酬は「公金流用」の可能性が疑われる。

CAによる明らかな選挙攻略だけでなく、マレーシアの選挙では不正、不公平疑惑のある選挙システムや行為が目立つ。

例えば、選挙結果に関係なく与党に有利に展開する不公正で度重なる選挙区の区割り改正、不正な賄賂攻勢、集票システム(開票会場での停電後の集票の食い違い、投票締め切り後に大量の投票箱が新たに持ち込まれるなどの不正疑惑)などだ。

外国人への選挙権貸与疑惑も浮上

さらには、外国人への選挙権貸与疑惑(東部のサバ州などで顕著。それ以外に半島都心部でも、出稼ぎ労働者のバングラデシュ人が、マレーシア国民のみ所有のIDカードを持参し、投票?)も浮上。

外国人への選挙権貸与疑惑に関しては、投票所に浅黒い肌のバングラデシュ人が、華人系の名前が記載されているIDカードを持参したことで発覚した。このようなケースが他の有権者の指摘で明らかになってきた。

また、与党政府による不公正、不公平な野党への「ハラスメントや仕打ち」も後を絶たない。

4月7日の下院解散の直前になって、マハティールが率いる野党の登録を無効にし、野党連合が連合旗を選挙戦で使用することを禁止。

「ナジブよ逮捕するなら、逮捕しろ」と自身の党のTシャツを着て、猛反発する92歳(今年7月で93歳)の老兵に、熾烈な仕打ちを展開。

さらには、選挙戦告示前に、選管が選挙戦ポスターなどには「党の党首のみの顔写真使用」とこれまでの規定を改正。しかし、与党連合のポスターには、党首でない与党の事務総長の顔が大きく印刷されたポスターが張り巡らされている。

4月29日には接戦が展開される与党の牙城であるジョホール州で、マハティールの顔写真が印刷された野党のポスターが、さらにペナン州でも、同様にマハティールと野党のカリスマ指導者、元副首相のアンワルの写真が撤去された。

その数日前には、マハティールが告示日に選挙登録ができない事態に遭遇。選挙区の地元、ランカウイ島への飛行機が突然、機体の不備でクアラルンプールから飛行できなくなった。

告示は翌日の朝9時からで10時には締め切られる。そのため「与党の画策に間違いない。私が選挙登録できなければ、与党が勝利できるから」とマハティールは抗議し、報道声明を出したほどだ。

瞬時の対応で、友人にプライベートジェットを貸与してもらい事なきを得たが、危うく、選挙戦に不出馬となる惨事になるところだった。

https://m.kinitv.com/video/60093O8

こうした選挙攻略の手法までもCAが絡んでいるかは定かではない。

しかし米国に関しては、再選を狙うトランプ陣営が、2020年の大統領選を見込んで選対責任者に任命されたデジタル戦略指揮のブラッド・パースケールが、「CAと組んで、すでに情報広告配信を始めた」(先の政冶アナリスト)ともささやかれる。

一方、マレーシアでは、与党がCAとの関与は「(当時与党。今回野党からケダ州出馬の)マハティールの三男、ムクリズがもともと始めたものだ」と責任転嫁するが、与党としての関与は全面否定していない。

これらの真意は定かではないが、マレーシアの5月の本選挙でもCAが関わっている可能性は否めない。

“選挙のプロの影”がマレーシアにも忍び寄っている――。

(取材・文 末永 恵)

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『朝鮮半島の融和ムードをよそに、台湾を恫喝する中国 台湾の防衛は日本の防衛、他人事ではない台湾海峡情勢』(5/3JBプレス 北村淳)について

5/5中国禁聞網<华尔街日报:美中贸易谈判 料是一场“持久战”=WSJ:米中貿易交渉は持久戦になる見込み>中国政府は交渉の引延しを考えていて、決めかねている。ただ、金融サービスと自動車の門戸は広げる積りである。中国の高官は「中方は既に善意を見せた。双方が交渉する余地はある。我々は相手の意図をまず理解してから、交渉に臨む」と。ライトハイザーUSTR代表もムニューチン財務長官も交渉結果を明らかにしていない。ライトハイザーは「我々は1年かけて検討して来た。交渉は時間をかけて初めて両国の意見の違いを解決できる」と。中国の広報官は「中国は持久戦の準備はできている」と述べた。大きな問題は中国の産業政策にあり、国営企業が有利になっている点。米国は懲罰関税と割当で対抗するがボトムラインが奈辺にありやは分からず。そうなれば、中国は米国の農産品に報復関税を課すつもり。特に大豆で米国の輸出額は120億$である。中国はアルゼンチンからの輸入増と中国北部での作付面積を増やすことで対抗する。米国のアイオワ州が最大の輸出地で打撃を受ける。

米国が文句を言っているのは、中国政府は国内企業に対し、財務上や補助金の形で支援していることと米国企業に中国の巨大市場に参入するなら技術移転を迫ること。これに対し中国は否認した。中国はローエンド商品を作り、米国はハイテク製品を作っていると。ライトハイザーは「国家資本主義を認めれば、我々の技術を買い、我々の将来の経済に影響を与えることになる。それは愚かなことだ」と言った。

https://www.bannedbook.org/bnews/topimagenews/20180505/937573.html

5/4看中国<美中贸易谈判前夕中国人行压低人民币=米中貿易交渉前夜、中国人民銀行は人民元を下げた>ムニューチンが劉鶴と交渉する前日、人民銀行は人民元を1$6.367元まで下げ、値下げ率は0.44%とした。メリルリンチ香港駐在が言うには「ここ2、3カ月は、人民元は低落基調で6.5くらいまで行く。しかし人民銀行は急速な下落はさせない。外資が逃げだすから。そうなれば収拾がつかなくなる」と。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/04/857651.html

5/3希望之声電台<美政府官員將親前往新疆過問張海濤情況=米国政府の役人は自ら新疆に赴き張海濤の状況について聞く予定>张海涛はWikiによれば、人権活動家で「国家転覆煽動罪」で15年の刑を言い渡され、収監されているとのこと。奥さんが米国・国務省役人と会い、「無罪釈放」を訴えた。

http://www.soundofhope.org/b5/2018/05/01/n1741119.html

5/3希望之声電台<美国警告中共在南沙群岛军事化要承担后果=米国は中共に南沙諸島の軍事基地化は重大な結果を招くと警告>CNN の報道によれば、サンダース報道官が「中共が南シナ海を軍事基地化しようとしているのは分かっている。それは短期的にも長期的にも悪い結果を齎すだろう。我々は関連情報をアップデートし続ける」と述べたと。最近中共はスービ礁、フェイリークロス礁、ミスチーフ礁で今回初めてロケット砲の演習をした。米国・国防省の役人は「これが暫定的な措置なのか、演習終了後に部隊を人工島に配備するのか当面分からない」と。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/05/03/n1747662.html

矢板明夫氏『習近平の悲劇』の中に、「主席夫人の政治介入

2015年10月以降、中国政府を批判する書籍などを出版、販売する香港市中心部の 「銅鑼湾書店」の関係者5人が次々と失踪し、国際社会の大きな注目を集めた。「あれは『彭弁』の指示だったらしい」。北京の中国共産党関係者の間で、こんな話が出回った。

「彭弁」とは国家主席の習近平の夫人、彭麗媛(18歳で軍に入隊、国民的歌手として活躍。1987年に習:近平と結婚)の名を冠した弁公室(事務所)をさす。共産党関係者によれば13年に設置されたファーストレディーのための機関だ。が、その存在は公表されていない。」(P.109)、「薄の直属の部下だったため重慶市の職を追われ、昔の仲間とも縁遠くなったという冒頭の男性が言った。 「薄氏は結局、紅衛兵から脱皮できなかった」。共産党の長老、薄一波の次男である薄熙来は文化大革命が起きた1966年には高校生だった。全国が大混乱に陥るなか、薄は幹部子弟の仲間らと紅衛兵組織を立ち上げた。「命をかけて毛沢東思想を守る」との合言葉の下、教師をつるし上げ、知識人に三角帽子をかぶせ、街頭で引き回すといった“造反活動”に加わった。薄は軍用ベルトを振り回して人を殴るなど、特に乱暴だったと同級生が振り返る。 翌年春、父親の一波が失脚した。薄は「親子の縁を切る」と宣言し、批判大会では壇上の父親に跳び蹴りをして肋骨を3本へし折ったという。文革後、親子は和解し、薄は復権した父親らの力を借りて出世したが、「暴カを信仰する紅衛兵的なやり方は最後まで変わらなかった」と証言する者もいる。

習近平指導部の主要メンバーは、文革中に青春時代を過ごした紅衛兵世代に当たる。薄より4歳年下の習近平は文革開始時、中学1年生だった。副首相を務めた父、仲勲がその数年前に失脚したこともあり、紅衛兵組織の正式メンバーではなかったが、「紅外囲」と呼ばれる周辺者として造反活動に参加したとされる。

紅衛兵組織のリーダーを務めた後、米国に留学した元大学教授は、「世界の多様な考え方を知り、文革の恐ろしさを理解できたが、党組織に残って出世した薄や習らは、多感な10代に味わった経験こそ政治の本質だと考えてきたのだろう」と語った。

元党幹部の子弟だった紅衛兵らの場合、親の復権に伴って文革中の行いが伏せられ、党内で出世した者が多い。国有企業、中信グループの総裁を務めた孔丹のように財界で成功した元紅衛兵もおり、横の連携を強めて国を動かしている。

党幹部の長老は、「2012年の党大会で(習に代表される)紅衛兵世代が表舞台に本格的に登場し、国の雰囲気が変わって個人崇拝や言論統制などが復活した」と語る。民主化を求める学生らが弾圧された大安門事件から27年となる16年6月4日、北京では厳戒態勢がしかれ犠牲者の遺族や人権活動家ら数十人が拘束された。」(P.173~175)

とありました。日本の左翼がモリカケで忖度を問題にしていますが、あちら中国では堂々と組織的にファーストレデイが自由を弾圧しています。彭麗媛も根っからの共産主義者なのでしょう。第二の江青になるかどうか。紅衛兵は毛の権力簒奪の手段として使われましたが、民族ヒステリーでしょう。中国大陸と朝鮮半島は似ています。日本は同調主義が色濃いと言われますが、こんなキチガイじみた真似は到底できないでしょう。でも習が紅衛兵を政治の原点に置いているとすれば限りない暴力主義を是認することになるでしょう。中国が今採っています対外膨張主義(革命の輸出、戦争も辞さずの姿勢)、と厳格な国内治安対策は毛の大躍進・文革を思い出させます。自由主義国は共同して中国を封じ込めませんと。

北村氏記事では、台湾を侵略しようとする中国の膨張政策が描かれています。でも台湾国民の国を守る意思の堅固なことに羨ましさを感じました。翻って日本はどうでしょう。“Heaven helps those who help themselves”は言わずもがなでしょう。左翼に洗脳されている情弱者を減らしていかないと亡国になります。

記事

中国海軍の海上演習で、空母「遼寧」に駐機されたJ15戦闘機(2018年4月撮影)。(c)AFP PHOTO〔AFPBB News

朝鮮半島では南北間の融和ムードが生じているが、時期を同じくして台湾海峡では中国側による台湾に対する軍事的恫喝が行われた。これに対して台湾側も、中国の侵攻に対して一歩も引かない姿勢を示すと共に、国民に防衛の意志を強固にするように呼びかけた。

台湾を威嚇する中国軍

水陸両用上陸部隊を含む中国人民解放軍は、4月18日、台湾海峡で実弾演習を実施した。

中国人民解放軍は3月下旬に、南シナ海で空母や駆逐艦、それに潜水艦を含む40隻以上の艦艇を繰り出す“海軍示威パレード”を実施している。それに引き続いて執り行われたこの軍事演習は、アメリカに対する海軍力のデモンストレーションではなく、台湾に対する軍事的威嚇と考えられている。海軍を中心とする軍事演習に加えて、台湾周辺上空には爆撃機を含む中国軍用機が接近飛行を繰り返し、空からも威嚇を加えた。

3月下旬の中国大艦隊演習(写真:Planet Labs)

一方、中国軍の実弾演習に対抗して台湾軍も金門島や台湾本島各地で実弾演習を実施した模様である。

さらに台湾軍当局は、きたる6月4日から5日間の予定で、中国側の軍事的威嚇に対抗して、大規模な軍事演習を実施する予定である。これは「漢光演習」と呼ばれる軍事演習で、毎年台湾軍が中国軍の侵攻に対する備えを誇示するために実施されているものだ。今年の「第34号漢光演習」は蔡英文総督が指揮を執り、スケールアップされて実施されるという。中国軍の実弾演習は、直接的には第34号漢光演習に警告を発する示威運動と考えられる。

4月26日には、再び多数の中国軍航空機が台湾周辺上空を“回遊飛行”し、台湾に威嚇を加えた。この軍事戦闘演習には、中国の数カ所の航空基地を発進した戦闘機、早期警戒機、偵察機、そして新鋭のH-6K爆撃機も加わっていた。中国軍当局によると、H-6K爆撃機は「中国の統治権と領域の一体性を確保するため」の各種訓練を台湾周辺を回遊飛行しながら実施したという。

中国軍のH-6K爆撃機(写真:中国軍)

そして中国軍当局は、上記のように台湾を恫喝すると共に、台湾の背後に控えているアメリカ軍への威嚇のために、「グアムキラー」と呼ばれている東風26型中距離弾道ミサイル(DF-26)の運用を開始したとの声明を発した。核弾頭も通常弾頭も搭載可能なDF-26は、台湾有事の際にアメリカ政府が台湾救援を決心した場合に、アメリカ航空戦力の拠点となるグアムの米軍施設を攻撃するための弾道ミサイルである。

アメリカは誰でも助けるわけではない

以上のような中国軍による一連の台湾海峡や台湾周辺空域での軍事的威嚇に対して、台湾政府は断固として中国の侵攻をはねのける決意を表明すると共に、台湾国民にも国民一人ひとりが中国の軍事侵攻と対決する意思を強固にするよう呼びかけた。

中国軍の飛躍的戦力強化、とりわけ長射程ミサイル戦力、海洋戦力、そして航空戦力の強化が急速に進んでいるため、台湾の防衛戦力は大きく劣勢を強いられつつある。

「台湾関係法」を堅持しているアメリカは実質的に台湾を軍事的に支援する立場を取っているが、1979年に失効した米華相互防衛条約のように相互に防衛義務を課している軍事同盟国ではない。そのため、万が一にも中国が台湾への軍事攻撃や軍事侵攻を実施した場合に、アメリカが軍隊を派遣して台湾を支援するかどうかは定かではない。

では、アメリカ政府・連邦議会にとって、アメリカ国民の少なからぬ犠牲を前提としてでも軍隊を投入する最大の要素になるものは何か。それは、「台湾軍はもちろん、台湾の人々に自ら中国の軍事的脅威に立ち向かう意思がどれほどあるのか?」であろう。

実際に少なからぬ米軍関係者たちは、「アメリカ国民は伝統的に、『自由を守る』という名目の下にアメリカ軍を世界中に派遣して、圧迫されている国を支援してきた。しかし、自ら圧迫と対決し戦おうとしない人々を支援しようとは思わない」という趣旨の言葉を口にする。つまり、台湾国民に「防衛の意思」あるいは「防衛戦の戦意」すなわち「Will to Fight」が乏しく、はじめからアメリカに頼りきっているような場合には、中国による台湾攻撃が実施されたとしても、アメリカ国民の血を流すことが前提になる軍事的支援は行わないということだ。

実際のところ、台湾国民の戦意はどのような状態なのであろうか?

最近、台灣民主基金會が実施した世論調査によると「もし中国が台湾併合のために軍事力を行使した場合、あなたは戦うか?」という問いに対して、39歳以下の台湾国民(世論調査に返答した人々に限られるが)の70.3%が「戦う」と答え、26.5%が「戦わない」と答えた。そして40歳以上の場合には、66.1%が「戦う」、24.9%が「戦わない」と返答したという。これらの数字だけで台湾国民の「防衛の意思」の精確な姿を計り知ることはできないが、大ざっぱな傾向として「Will to Fight」は比較的低くはない、と考えることができる。

日本国民の「Will to Fight」は?

欧米のメディアでは、北朝鮮情勢の沈静化と反比例して、台湾海峡情勢が悪化しており、今後ますます軍事的緊張が強まるといった論調が増えつつあるが、日本にとっても決して人ごとではない。台湾軍事情勢は日本の安全保障に直結しているからだ。中国人民解放軍が、九州から南西諸島を経て台湾へと連なる島嶼ラインを「第一列島線」と称して国防戦略の重要な基準に据えているからには、台湾の防衛は日本の防衛であると言っても過言ではないのだ。

日本も台湾も、完全な島嶼国家である。また、日本も台湾も、中国の極めて強力な長射程ミサイル戦力や海洋戦力、そして航空戦力により軍事的劣勢に直面しつつある。そして、日本も台湾も中国との武力衝突の際にはアメリカによる軍事的支援を頼みにしている。このように、日本と台湾は似通った軍事環境に置かれている。

だが、日本国民の「Will to Fight」はどうであろうか?

日本国防当局は当然のことながら日本国民の一人ひとりが、「万が一にも外敵が軍事攻撃を仕掛けてきた場合には、自らの方法(組織化されていない非戦闘員が武器を手にして戦うことはできない)で外敵に立ち向かう」という強固な「防衛の意思」あるいは「防衛戦の戦意」を持ち合わせていなければ、アメリカが日米安保条約を根拠として日本に援軍を送り込むことはないであろう。

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『米朝首脳会談が失敗に終わったら何が起きるのか?米国の朝鮮問題専門家が予測する最悪のシナリオ』(5/2JBプレス 古森義久)、『シリア爆撃による米露関係の悪化が阻害する日露関係 「米露悪化」と「中露関係の緊密化」が日本に影響を及ぼす』(5/3JBプレス 新潮社フォーサイト)について

5/1中国禁聞網<红色旅游朝鲜车祸传毛新宇死,金正恩致电习近平=中国共産党の朝鮮旅行団のバス事故で毛新宇(毛沢東の孫)が死んだと伝えられる 金正恩は習近平に電話をする>4/22中国の抗美援朝(米国に抗い朝鮮を助ける)戦争(朝鮮戦争のこと)勝利(勝利していません)65周年記念訪朝団は、バス事故で34人が死亡した。その事件を4/28ニューヨークの「世界時報」が次のように伝えた。参加者は主に歌舞団で朝鮮戦争時の将軍の子女が多かった。その中に毛新宇がいて死亡したと。毛新宇は以前本ブログでも紹介しましたように天然ボケというかトロイので第二の毛沢東を目指す習近平としては、毛沢東の名を汚す毛新宇をなきものにしようとして、擦り寄って来た金正恩に頼んで殺したのではという説もあります。

https://www.bannedbook.org/bnews/cbnews/20180501/935640.html

http://dwellerinkashiwa.net/?p=6279

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7248

5/4NHKニュース7:45<ノーベル平和賞の劉暁波氏 当局監視下の妻 窮状訴える音声公開>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180504/k10011426941000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_016

5/4変態唐辛子氏「ワシントンの地下鉄の中で撮った籠の鳥状態の劉霞のポスター」

中共が如何に人権蹂躙しているかが分かります。共産主義や中共が好きな日本の野党やメデイアは日本をこういう社会にしたくてたまらないと思っていることに気付かないと。

5/3NHKニュース23:41<「北朝鮮に拘束の米国人3人 解放」見通し示す 米大統領側近>金正恩も米国の攻撃をかわそうと必死なのが分かります。でも米国人3人の帰国が為されれば日本人拉致被害者の帰還は難しくなるのではと危惧します。金は巧妙に日米分断を仕掛けて来ています。5/4ワシントンでボルトンが韓国高官と米朝首脳会談の露払い協議をするそうです。「CVIDのリビア方式」を堅持することを望みます。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180503/k10011426731000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_042

古森氏記事では、ニクシュ氏の言うように日本も戦争が起こりうる前提で準備をし、慌てふためくことがないように。混乱に乗じてテロを起こす輩が現れるかもしれません。治安維持が大事かと。国民も平和ボケからいい加減目が醒めませんと。ただラリー・ニクシュ氏は朝日の慰安婦の謝罪を知りながらも慰安婦の強制性について認めている人物ですから知的誠実さは持ち得ていないと思います。

5/2時事<日中、新通貨協定締結へ=融通額3兆円軸に-日銀・人民銀>どうして安倍政権は敵に塩を送るのか分かりません。憲法改正が宿願と言うのであれば、裏で日本のメデイアや野党を使って邪魔しているのは中共ではないですか。そんな保証を中国にするのであれば、まだロシアを米国了承の下救った方が良いのでは。日本には北方領土の問題がありますし。財務省が共産主義に甘いのは考えものです。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018050201069&g=eco

名越氏の最後の段の「日米離間を図るロシアの立場からすれば、後継者には、自主防衛を唱える石破茂元自民党幹事長あたりが望ましいかもしれない。」というのは反対です。別にロシアのご機嫌取りをする必要はありません。

古森記事

軍事境界線上の板門店で、南北首脳会談に臨む韓国の文在寅大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(2018年4月27日撮影)。(c)AFP PHOTO /Korea Summit Press Pool 〔AFPBB News

韓国と北朝鮮の両首脳による南北会談が終わり、朝鮮半島をめぐる激動の行方はもっぱら米朝首脳会談に焦点が絞られてきた。米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談はここ数週間内に開かれることが確実視されている。

だが、果たして米朝首脳会談は米側の求める北朝鮮の核兵器放棄という合意を生み出すことができるのか? 会談が失敗や不調に終わった場合、なにが起きるのか、米国のベテラン朝鮮問題専門家のラリー・ニクシュ氏に見通しを尋ねてみた。

席を蹴って退場するかもしれないトランプ大統領

ニクシュ氏は、最悪シナリオとして、北朝鮮が米国や日本を威嚇する形で核とミサイルの開発をさらに進め、イランなどへの核・ミサイル売却もありうると予測する。一方で米国は北の核の拠点に対する限定的な軍事攻撃に一段と傾くだろうと述べた。

4月27日に韓国の文在寅大統領と会談した北朝鮮の金正恩委員長は、これまでの軍事強硬姿勢を一転させ、もっぱら融和や友好の態度を示した。しかし肝心の北朝鮮の核兵器や長距離弾道ミサイルについてはなにも触れなかった。長文の「板門店宣言」でも単に「朝鮮半島の非核化」という記述を入れただけで、その具体的な実現方法は明らかにしていない。この結果は、北朝鮮の非核化という最大の課題を米朝首脳会談へ先送りしたことを示している。

トランプ大統領と金正恩委員長との首脳会談は、まさにこの北朝鮮の非核化を議題として5月末以降に開催するとみられている。同会談で、米側が求める北の核完全破棄への道が開かれるのか、それとも会談が不調、あるいは失敗に終わるのか。トランプ大統領は、会談の成り行きによっては途中で席を蹴って退場するとも述べている。両国が合意に至らず、会談が失敗に終わるというシナリオは十分にあり得るというわけだ。

そんな観点から、ワシントンで長年、北朝鮮ウォッチを続けてきたラリー・ニクシュ氏にインタビューして見解を尋ねた。同氏は米国議会調査局や国務省で朝鮮問題専門官を長年務め、現在はジョージワシントン大学教授や戦略国際問題研究所(CSIS)研究員という立場にある。

北朝鮮は核兵器の「完全な放棄」に合意するのか

米朝会談が不調の場合の米朝両国の動きについて、ニクシュ氏は詳しい予測を語った。ニクシュ氏との一問一答の内容は以下のとおりである。

ラリー・ニクシュ氏(出所:CSIS)

――米朝会談が開催される背景をどうみますか。

ラリー・ニクシュ氏(以下、敬称略) 米国からの圧力が強まったために金正恩委員長がトランプ大統領との会談を求めてきたことは明白だと思います。トランプ政権による経済制裁の強化や、軍事攻撃の示唆に対して自らの政権存続への不安を高めたのです。

――とはいえ、北朝鮮は既存の核兵器をすべて放棄するという意思はまったく表明も示唆もしていません。このままだと会談では、トランプ大統領が求める核兵器の「完全で検証可能で不可逆的な放棄」に対し金正恩委員長が応じない可能性もあります。そうなると米朝首脳会談が失敗する結果にもなりかねません。

ニクシュ 確かに金委員長が核兵器の放棄に踏み切るという見通しは、現段階ではまったく不確実のままです。だから米朝会談が失敗する事態を考え、それに備えるべきです。

北朝鮮はこれまで、米国本土に届く核弾頭とミサイルの両方の開発を急いできました。首脳会談が不調に終わった場合、北朝鮮は全力を挙げて大陸間弾道ミサイル(ICBN)火星15号を完成させ、30基ほどできた段階で1基を実験発射し、日本上空を通過させて米国本土に近い太平洋の海域に撃ち込むことが考えられます。米本土に核弾頭をミサイルで撃ち込める能力を誇示することで、改めて米側から譲歩を引き出そうとするでしょう。

――しかし、北朝鮮が今後も米国との軍事対決を続けようとしても、すでにこれまでの米側の経済制裁強化などで弱体となっている側面もあるのではないでしょうか。

ニクシュ 確かに北朝鮮は米国主導の経済制裁で深刻な影響を受け、今年末ごろには外貨が枯渇してエリート層の生活を致命的に圧迫するという見通しもあります。

ただし、北朝鮮はそうした苦境からの打開策として、イランに準中距離ミサイルのノドン、核兵器技術、あるいは核弾頭そのものを売り、巨額の外貨を得るという危険な動きに出ることもありえます。イスラム系テロ組織とされるハマスやヒズボラに短距離ミサイルのスカッドを売る見通しも考えられます。

軍事衝突が勃発、エスカレートする可能性も

――米朝会談が不調だった場合、北朝鮮は外交面でどのような行動に出ると思いますか。

ニクシュ 外交面では韓国への融和策を進めるでしょう。米朝会談の不調も米国のせいだと声高に主張するようになるでしょう。そして米韓同盟の弱体化に一段と努めるようになると思います。

――一方、米国はどのような行動に出るでしょうか。

ニクシュ 米国と国連が主導する現在の経済制裁をさらに強化すると同時に、軍事オプションへの傾きが顕著となると思います。当面、トランプ政権が考えるのは、北朝鮮の核関連施設1~2カ所への限定的な軍事攻撃でしょう。「鼻血作戦」と呼ばれるこの作戦は、北朝鮮側を威圧して核開発を断念させることが目的です。大規模な軍事衝突はできるだけ避けたいという意向があります。

――しかし現実には、米国側の軍事攻撃が限定的でも、北朝鮮側は限定的ではない反撃に出る可能性が高いとする米側の専門家たちが多いですね。

ニクシュ はい、軍事的手段がエスカレートする危険性は明らかに存在します。しかし基本的には、米国側はあくまで全面戦争を望まず、北朝鮮の核兵器と長距離ミサイルの破壊に限定した攻撃を進めようとするでしょう。

ただし、その前提として北朝鮮の対空砲火を無力にするための大規模空爆が必要になる可能性もあります。そうなると北朝鮮が全面反撃に出る可能性が高くなるわけです。

――米側の軍事オプションが現実味を帯びてくればくるほど、日本も自国への影響を深刻に考えざるをえなくなりますね。

ニクシュ その通りです。もし北朝鮮が米軍や韓国を全面攻撃すれば、米軍の発進拠点や後方基地となる日本への攻撃も起きうることになります。そのため日本は、自国民の拉致事件の解決とはまた別に、国家安全保障の見地から北朝鮮問題に真剣に取り組むことが避けられません。

ニクシュ氏が語る以上のような北朝鮮問題の最悪シナリオを、日本は決して他人事として受け止めてはいけないということだろう。

新潮社記事

米国との関係が悪化する一方、中国との関係を強化するロシア。中国・北京の人民大会堂で、文書の署名後に握手するロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左)と中国の習近平・国家主席(2016年6月25日撮影)。(c)AFP/GREG BAKER〔AFPBB News

(文:名越健郎)

米英仏3国が2018年4月14日に実施したアサド・シリア政権への巡航ミサイル攻撃は、昨年4月の米軍による巡航ミサイル攻撃よりも規模が大きく、英仏両国が参加したことに特徴がある。これに対し、ロシアは「主権国家への侵略」(ウラジーミル・プーチン露大統領)と激しく非難し、欧米との関係が一段と悪化した。前回との違いの1つは、昨年は国連安全保障理事会決議の採択で棄権した中国が、今回はロシアに同調したことだ。米国から貿易制裁を受ける中国がロシアと連携を強めるなら、わが国の戦略環境は一段と厳しくなる。

対立泥沼化は互いに回避

アサド政権が化学兵器を使用した疑惑が広がり、ドナルド・トランプ米大統領が制裁攻撃を予告してから実際の攻撃までに約1週間かかったが、この間、クレムリンでは米軍のロシア軍基地攻撃があるのでは――とパニックが起きたという。『ノーボエ・ブレーミャ』誌(4月14日付)は、「1962年のキューバ危機のような緊張が走った」と書いた。テレビの討論番組では保守派の学者らが、ロシアが報復攻撃をすべき米国の標的まで想定していた。

3月の英国での元ロシアスパイに対する神経剤襲撃事件で、欧米とロシアは外交官を相互追放するなど関係が険悪化した直後だけに、シリア攻撃で一触即発の事態も憂慮された。米英仏3国が化学兵器関連施設3カ所に対し、巡航ミサイル計105発を撃ち込んだ後、プーチン大統領は声明で、「主権国家への侵略行為で、国際法違反だ。化学兵器の使用は一切確認されていない」と厳しく非難し、国連安保理の緊急会合を求めた。

しかし、それ以上の緊張は回避された。米英仏軍はロシア軍施設は攻撃せず、仏軍は事前にロシアに攻撃情報を提供していた。ロシア側もシリアに持ち込んでいる最新の対空ミサイルS400を使用せず、報復措置もとらなかった。対立の泥沼化を防ぐ暗黙の了解が働いた模様だ。

ただし、ロシアのブログでは、外交官追放、シリア空爆と欧米にやられっ放しだとし、プーチン政権の「弱腰」を批判する書き込みが少なくない。

ロシアで起こった「ブラック・マンデー」

この間、ロシアにとってはシリアどころではなかった。実は4月9日の月曜日、モスクワの株式市場が一気に15%も暴落する「ブラック・マンデー」が起きた。米財務省が4月6日、プーチン大統領周辺の新興財閥(オリガルヒ)の関係者24人と14組織を対象に追加制裁を発表したことが市場を直撃したのだ。

大打撃を受けたのは、「アルミ王」オレグ・デリパスカ氏が率いるアルミ大手「ルサル」。同社の米国内資産が凍結され、米国との取引が禁止されたことから、一気に経営危機に陥った。通貨ルーブルも下落し、その後も神経質な展開が続いている。株価と通貨の暴落は、2014年のウクライナ危機以来の規模という。

反政府活動家のアレクセイ・ナバリヌイ氏は「米国の標的リストは、腐敗したオリガルヒを最も困らせるものだ」と歓迎した。その後、米英仏3国のシリア空爆も重なり、外貨の逃避が続いている。『インタファクス通信』は、「ルーブルの下落はインフレにつながる。国内経済の低迷を長期化させ、国民を不安に陥れた」と書いた。

米国は昨年8月に成立したロシア制裁強化法に基づき、断続的に対露制裁を実施しているが、今回の市場直撃は、米国の国内総生産(GDP)の約8%にすぎないロシア経済の脆弱性を見せ付けた。4選を決めたプーチン大統領は5月7日の就任式を控え、厳しい船出となりそうだ。

『ロイター通信』によれば、プーチン大統領は4月19日、トランプ大統領に米露関係改善の新たなチャンスを与えるため、反米レトリックを抑制するよう指示したという。大統領は当面、欧米との対決路線を回避したいようだ。

中国との関係強化に動く

シリア空爆でロシアが安保理に提出した非難決議案をめぐり、ロシアの同盟国カザフスタンは棄権したが、中国は「軍事行動は支持できない」として賛成に回り、ロシアに同調した。昨年4月、フロリダ州での米中首脳会談の最中にシリア攻撃を知らされた習近平中国国家主席は米軍の攻撃に「理解」を示し、安保理決議案では棄権していた。中国の変心は、トランプ政権が対中貿易制裁を発表し、貿易戦争の様相を呈するなど、米中関係の悪化が背景にあろう。

一方で、孤立するロシアはますます中国との関係強化に動いている。プーチン大統領は4月初めに訪露した中国の王毅外相と会談し、「現在の国際情勢は、中露の関係強化の必要を一段と高めている」と述べ、包括的戦略パートナー関係の拡充を提唱した。王外相も「中露関係は現在が過去最良であり、両国は国際的地位の向上を図る互いの立場を支援すべきだ」と応じた。4月には、中国の魏鳳和国防相も訪露し、軍事協力拡大で合意した。

中露首脳は今年も数回首脳会談を予定しているが、ともに長期政権を確立しただけに、国際舞台で連携を強めそうだ。ウクライナ危機後、孤立するロシアは中国一辺倒外交が目立ち、中国はロシアの油田、ガス田の権益を次々に獲得している。両国の学者には、「中露同盟」を支持する意見も多い。

中露の関係強化は、両国を「戦略的競合国」と位置づけて敵対姿勢をとり、中露離間を進めなかったトランプ外交の失敗ともとれる。

米露関係の悪化が日露関係進展を阻害

中露関係の緊密化は日本外交にとって伝統的に脅威であり、5月26日の安倍晋三首相の訪露にも影響しそうだ。安倍、プーチン両首脳の会談は21回目となるが、平和条約交渉が進展する可能性は少ない。

日本政府は英国の神経剤事件で、外交官追放に参加せず、ロシアに配慮を示した。ロシア側もこれを評価しており、モスクワでの「日露友好病院」整備計画も発表され、雰囲気は好転している。

ただし、両首脳の個人的親交を平和条約の突破口にしたい安倍首相に対し、プーチン大統領は対米関係を中心とした世界戦略の枠内で対日関係を位置づけており、米露関係の悪化が日露関係進展を阻害している。トランプ大統領と会談を重ねる安倍首相の親米ぶりにも一定の不満があるはずだ。

ロシアは交渉相手の足元を見る習性があり、森友・加計問題で安倍首相の支持率が低下していることも注視している。日米離間を図るロシアの立場からすれば、後継者には、自主防衛を唱える石破茂元自民党幹事長あたりが望ましいかもしれない。

名越健郎
1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。

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『「民族の祭典」に酔いしれた韓国人 南北首脳会談の批判は許されなかった韓国メディア』(5/2日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『トランプ氏、「途中退席」覚悟で米朝首脳会談へ 金正恩と文在寅に「空爆カード」を取り上げられ、目算狂う』(5/2日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

漢民族の阿漕さ・嘘つきさを内蒙古出身の楊海英氏が『「中国」という神話 習近平「偉大なる中華民族」のウソ』に書き表しています。今で言うハニトラと賄賂にトルコ民族のルーツも誑かされたという事です。ドイツは中国との関係が昔から深く、中国が喜びそうなことをしてきました。

「ウイグル人の伝説的な父祖の地はモンゴル高原にある。モンゴル高原の中央部、ホシヨ―チャィダムという草原に石碑が一体、立っている。世界の学界では「突厥(トルコ)の碑文」として名高い。八世紀半ばに建立した石碑には次のようなシナとシナ人が登場する。

シナの民はその言葉甘く、その絹柔らかき。甘き言葉と柔らかき絹を以て来て欺き、遠き民を近づけてありき、彼ら。甘きその言葉に、柔らかきその絹に欺かれて、多きトルコの民、死せり。

これは、トルコの先人が「あまねく子孫たち」に刻み残した警世の名言である。古代トルコ系の人々が、美辞麗句と豪華な絹布で周辺の民族を騙すシナとシナ人を邪悪な存在だと理解していた証左である。厳密にいうと、この碑文が語る「シナ人」も中国人ではなく、「中国化した鮮卑拓跋系の人々」を指す。唐が、鮮卑拓跋系の王朝だったことは、今や常識である。だが、鮮卑拓跋系であっても、「シナ化」することは、内陸アジアの諸民族に極端に嫌われていたのも事実である。そうした感情を私たちは碑文から読み取れよう。 」(P.200~201)、「「一帯一路」と「シルクロード幻想」

ニ〇一七年五月に、中国の首都北京で「一帯一路フォーラム」が開催された。世界ニ九カ国の首脳をはじめ、一三〇カ国からの一五〇〇人が参集したと報道されている。「一帯」とは「アジアとヨーロッパを繫ぐシルクロード経済べルト」で、「一路jは「南シナ海やインド洋を結ぶニ一世紀海上シルクロード」だと宣伝されている。

このいわゆるシルクロードは単なる幻想に過ぎない、と歴史学者は以前から批判してきた。ことの発端は一九世紀末、ドイツの地理学者リヒトホーフエンが「ザイデンシユトラーセン」(絹の道)と書いてしまった「失敗」からこの空想は生まれた。中国特産の絹が西方ローマの貴人たちの体を飾っていたらいいな、との天真爛漫な発想だった。しかも、 リヒトホーフエンは中国の土地•物産を遅れてきた帝国ドイツが如何に手に入れるかについて、調べていた。西洋列強の新参者であるドイツの中国進出を促そうとして、この実態にそぐわない空論を出しただけである。以来、シルクロードというキャッチフレーズは各国の読書人に持てはやされ、中でも特に日本人はありもしない「絹の道」に壮大なロマンを抱くようになった(杉山正明『遊牧民から見た世界史–民族も国境もこえて』一九九七年)。 当の中国人は、自国の絹が洋の西にまで運ばれていたという美しい夢を見てこなかったし、東西文化の交流に関するユニークな学説も出したことはなかった。自国を天下の中心と思いこむ中国人はそもそも異国にさほど関心を示してこなかったからだ。」(P.215~216)

次はFacebookより取った写真。中国人が平和を愛する民族と誰が信じますか?おれおれ詐欺と同じで騙される方が悪いと思わなければ。ただ気になるのは、横断幕は繁体字(台湾・香港で使用)で書かれています。簡体字(大陸で使用)では沖縄県民が分からないと思ったのか?左上には簡体字で「米尔社区」と書かれていますから、中国国内向けに報道するために作ったのでしょう。裏で中国が金を出しているでしょう。「沖縄は中国のモノ。最初は自治区を作って」と中国国民に刷り込むためと思われます。姑息なやり方です。

こちらも4/30facebookから

贾国希‎ 中國公義民主黨=賈国希 中国公義民主党

中共49年后干了四件大事:中共は中華人民共和国建国の1949年以来4大事件を引き起こした。
一,以革命的名义杀人 革命の名を以て人を殺した
二,以公有名义抢劫  公有の名の下、掠奪をほしいままにした
三,以改革名义分赃  改革を標榜して不当な権利の分配をした
四,以维稳名义封口  安定を大義名分に口封じをした
还有很多,篡改历史,毁灭文化,砸毁公检法,拆解汉字,计划生育。。。中共的罪行1001夜也说不完。=まだまだ沢山ある。歴史の改竄、文化破壊、公安と人民裁判による法の毀損、簡体字の使用、一人っ子政策等中共の罪悪は千一夜でも語り尽くせない。

共産主義者の金と共産主義シンパの文が会ったことがそんなに嬉しいことなのかが小生には分かりません。朝鮮戦争で亡くなった4万とも言われる米軍の英霊は何と見るかです。朝鮮半島の自由と民主主義を守るために彼らは戦ったのでは。今のやり方はそれに逆行しているように見えます。日本は『非朝鮮半島三原則』で行きたいですが、安全保障と拉致問題とがあり、完全に無視を決め込むわけには行きません。

ハンギヨレと言うのは左翼新聞なので朝日新聞同様、平気で嘘がつける新聞です。嘘は左翼の有力な武器で、プロパガンダとして使います。でも騙される方も騙される方です。真贋を見抜く鑑定眼を持たなければ。

文は気に入らない報道をしたら免許取り消しするぞと脅したらしいですが、松本龍が震災復興大臣の時にメデイアに言ったのと同じです。左翼は権力を持つと自分に都合の悪い報道はさせないようになるという事です。一方、今の日本のオールドメデイアの報道の偏向ぶりは目に余るものがありますが。事実に基づく自由な報道の保証こそが大切と考えます。

高濱氏の記事では北の核放棄だけでなく、イランとの核合意破棄も交渉中とのこと。両方とも非核化の道を歩ませねば。オバマが宥和政策を取ったのがまずかったと思っています。北の核放棄ができなければ日本も核保有をしなくては。憲法改正と違い法的問題はありません。政治的決断だけです。

鈴置記事

南北首脳会談の様子を報じるソウル駅の街頭テレビに見入る人たち(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

韓国メディアは南北首脳会談を「民族の祭典」としてうたいあげた。批判は許されなかった。

平和を開く板門店宣言

—4月27日に板門店で開かれた南北首脳会談。韓国紙の反応は?

鈴置:左派系紙は手放しで褒めあげました。ハンギョレの社説の見出しは「板門店の春、平和・繁栄の時代開く」(4月28日、日本語版)。韓国語版も全く同じです。

ハンギョレは文在寅(ムン・ジェイン)政権に近く、北朝鮮との関係改善を重視する新聞です。日本語版からポイントを引用します。

両首脳は分断線を手を握って共に越え、また乗り越えた。全世界が見守る中で、予定になかったパフォーマンスを通じて分断を越えて平和と統一に進もうという南北の意志を明確に示してくれた。

両首脳は「板門店宣言」を通じて、朝鮮半島にこれ以上戦争のない新しい平和の時代が開かれたことを明らかにした。

今回の首脳会談は11年ぶりに再び開かれた南北首脳会談という意味を越え、朝鮮半島の平和定着に劇的な転換点となる事件として記録されるに値する。

……と、まずは「歴史的事件だった」と強調しました。次のくだりでは「金正恩(キム・ジョンウン)委員長が率直な人であり、北朝鮮を正常な国家へと導いている」と訴えました。

金委員長の夫人リ・ソルジュ女史が、晩餐で文大統領とその夫人のキム・ジョンスク女史と同席したことも正常な国家とする意志をはっきり示したものと言えるだろう。

金委員長は率直に破格の姿で登場した。文大統領と会った瞬間、軍事境界線を共に行き来したことからして破格的だった。金委員長が北の道路事情は良くないということを率直に打ち明けた姿も印象的だった。

実力以上の虚勢はなく、足りない点は足りない通り話すことができる姿は、信頼を植え付けることに役立つ。偽りのない姿ほど相手を信頼させるものはない。

信頼できる金正恩

—金正恩氏が「いい人」に見えてきますね。

鈴置:北朝鮮は「非核化」の約束を何度も破ってきた。当然、金正恩委員長が何を約束しようが信用されません。それに対しハンギョレは「約束を破った祖父や父親とは異なるタイプの人物だ」と強調したのです。このくだりの後には、やはりというべきか、以下の文章が続きました。

焦眉の関心事であった朝鮮半島の非核化の点で両首脳は「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」と発表した。

これまで北朝鮮は非核化の意志はないのではないかという話が出ていたが、今回の宣言を通じてこのような疑問ははっきりと払拭されることとなった。

金正恩委員長は信頼できる。だから非核化の約束も信用できる――という論理展開になっているわけです。北と南の当局が仕組んだ「平和ショー」の筋書きをなぞったと言われても弁解できません。

1つの証拠が「軍事境界線を手を握って共に越え、また乗り越える、予定になかったパフォーマンス」という部分です。

普通の記者なら「このパフォーマンスは予定になかったと政府は言うが、予め発表しなかっただけだろう。そちらの方が驚きを持って迎えられ『平和ショー』が引き立つからだ」と考えます。でも、ハンギョレは「予定になかった」と政府発表そのままに書いたのです。

政権のラッパ手

—そんな簡単なトリックに韓国人は騙されるのですか?

鈴置:この記事を素直に信じた人もいました。韓国語版の記事には「『朝鮮半島の春』となり、世界平和の『太平聖代』が来ることを祈ります」と書き込んだ読者がいました。

一方で、「平和の春だって?!」「権力の犬」「政権のラッパ手」といった厳しいハンギョレ批判も書きこまれました。

野党第1党で保守派の自由韓国党党首、洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は自身のフェイスブックでこう呼び掛けました。

南北首脳会談は金正恩と文在寅政権が合作した南北偽装平和ショーにすぎない。

北朝鮮の核廃棄は一言も引き出せず、金正恩が声をあげたものをそのまま受け入れて書いたものが南北首脳会談の発表文だ。

偽装平和ショー

—「偽装平和ショー」とは?

鈴置:まず、洪準杓代表が指摘した通り「板門店宣言」では北朝鮮の核廃棄は明確にうたわれなかった。それどころかこの宣言は米国の核廃棄要求をそらし、時間を稼ぐための術策に満ちたものでした。

韓国政府が発表した日本語の報道資料「韓半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言」から、関係する部分「3―④」を引用します。

南と北は、完全な非核化を通じて核のない韓半島を実現するという共通の目標を確認した。

北は、北側が取っている主動的な措置が韓半島の非核化のために非常に意義があり、大きい措置だという認識を共にして、今後それぞれ、自己の責任と役割を果たすことにした。

南と北は、韓半島の非核化のための国際社会の支持と協力を得るために積極的に努力することにした。

「核のない朝鮮半島」という目標を実現するために国際社会の協力を得る――つまり、北朝鮮を非核化したいなら、米国も韓国との同盟を破棄せよ、との宣言です(「『文在寅の仲人口』を危ぶむ韓国の保守」)。

「北朝鮮の非核化」ではなく「朝鮮半島の非核化」と表現したのがミソです。韓国も米国との同盟により核の傘を持っている。それを捨ててこそ半島全体が非核化できる、との含意があります「中朝首脳会談、『米韓同盟揺さぶりで一致』」参照)。

これを巡る話し合いに入れば時間がかかります。米韓同盟廃止という重大事に関わりますから、韓国内だけでも結論はすぐにはまとまりません。その間に、北朝鮮はちゃっかり核武装を進めるでしょう。

南北共闘を明文化

—要は「時間稼ぎ」ですね。

鈴置:その通りです。北朝鮮と韓国が仕掛ける「段階的な妥結」というワナの一環です(「米朝首脳会談は本当に開かれるのか」参照)。

板門店宣言のこの部分は「北朝鮮の時間稼ぎに協力する」と韓国が差し出した証文でもあります。「北側が取っている主動的な措置」とは4月20日に朝鮮労働党が採択した「決定書」を指します。

これは「核・ミサイル実験の中止」宣言として報じられましたが、本質は米国に対する「北朝鮮を核保有国として認めよ」との要求です(「しょせんは米中の掌で踊る南北朝鮮」参照)。

「板門店宣言」の「南北はこの措置の意義を認め、それぞれが役割を果たす」というくだりにより、韓国は「北の対米要求に賛同する」と約束したのです。

南北の「時間稼ぎ共闘」を明文化したのです。米朝首脳会談に備え、北朝鮮は交渉力を増したつもりでしょう。

一方、米国は韓国をはっきりと北朝鮮の使い走りと見なしたはずです。親米派の洪準杓代表が「板門店宣言」を「金正恩の言いなり」と非難するのも当然です。

北朝鮮はまともな国家に

—保守系紙も激しく、今回の首脳会談を批判したでしょうね。

鈴置:それが、そうでもないのです。中央日報の社説の見出しは「文在寅―金正恩、非核化の大長征の扉を開く」(4月28日、日本語版)。韓国語版も全く同じで、見出しから手放しで称賛したのです。

本文を見ても今回の首脳会談に対する批判らしい批判はありません。「金正恩委員長から具体的な非核化発言を引き出せなかった」くらいです。それどころか、ハンギョレ同様、「北朝鮮がまっとうな国家の道を進んでいる」と書いたのです。

何よりも今回の会談で注目されるのは、北朝鮮が正常国家のイメージを得ることになったという点だ。

金正恩委員長は残忍な独裁者、狂ったロケットマンから、開放的で率直でユーモアもある合理的イメージを得ることになった。

双方の夫人までが同席した夕食会で北朝鮮は正常国家にさらに一歩近づいた。

峰打ちで叩く

東亜日報の社説も見出しは「北『完全な非核化』 新しい歴史、初めのページを書いた」(4月28日、韓国語版)でした。

見出しだけだと、左派系紙のハンギョレと変わりません。本文では「(板門店宣言の『非核化』が)国際社会が強調する『完全で検証可能で不可逆的な非核化(CVID)』であるかは分からない」などと批判はしました。

ただ「板門店宣言」が時間稼ぎに使われるとの本質的な批判には踏み込みませんでした。急所は突かず、峰打ちで叩いている感じです。

朝鮮日報の社説(4月28日、韓国語版)の見出しは「北の核は『米朝』に任せ、対北支援に本腰入れた南北首脳会談」と批判をにじませました。

本文でも問題点は指摘しています。しかし「北の核廃棄に対し、本当に深い論議があったかは疑問だ」などと微温的な批判に留めました。これも峰打ちです。

洪準杓代表が指摘した「偽装平和ショー」に関しては触れませんでした。韓国保守を代表するメディアを自負し、左派政権の国益毀損を舌鋒鋭く追及するのが朝鮮日報なのですが……。

独裁時代がよみがえった

—韓国紙は激しい言葉を使ってののしることが普通なのに……。

鈴置:4月28日の東亜日報はもう1本、社説を載せました。「『政府発表を基に報道せよ』…『新報道指針』を下した放審委」(日本語版)です。以下が骨子です。

放送通信審議委員会(放審委)は4月27日、南北首脳会談の取材報道と関連して、「政府発表を基に報道せよ」という注意事項を発表した。客観性、出所明示、誤報訂正のための特別モニタリングを実施したいとしたうえで強調した内容である。

事後審議機関である放審委が言論の自由を萎縮させる事前介入の脅しをしたことになる。過去の独裁時代の「報道指針」の陰湿な亡霊がよみがえったようだ。

放審委の傲慢な措置は、自分たちが行う審議・制裁が3~5年ごとに行われる放送局の再許可承認のいかんに直結されることを意識したものである。

朝鮮日報も同じ趣旨の社説「放審委、今や報道指針まで」(4月28日、韓国語版)を載せています。

要は、文在寅政権が「南北首脳会談で気に入らない報道をしたら、免許を取り消すぞ」と放送局を脅したということです。

韓国の保守系大手3紙は放送局を持っていて、収益の柱になりつつあります。政権は免許改廃という武器を振り回すことで放送局に加え、保守系大手紙も脅したのです。

TV朝鮮を廃業させろ!

—保守系紙の奇妙な弱腰。この脅しに怯んだのですね。

鈴置:韓国のメディア関係者ではそう見る人が多い。ちょうど与党議員の不正疑惑報道に絡み、青瓦台(大統領府)が朝鮮日報系のテレビ「TV朝鮮」を存続させるべきか否かの検討に入ったところでした。

聯合ニュースの「『TV朝鮮の許可取り消し』 青瓦台への請願 20万超す」(4月23日、韓国語版)によると「虚偽、誇張、ねつ造報道により、国民の知る権利を毀損するTV朝鮮の廃業を請願する人が1カ月で20万人を超えた。青瓦台は法律に基づき請願に回答することになった」というのです。

保守派は、この20万人が政権の息のかかった20万人と見ていますが。

—文在寅政権はどんな手を使ってでも、南北首脳会談や板門店宣言の怪しさを指摘されたくないのですね。

鈴置:首脳会談はすぐに透けて見える薄っぺらい台本を基に演じていますので、誰かが「猿芝居ではないか!」と叫んだらお終いなのです。ただ、国民の中にも「猿芝居とは思いたくない人」がいるのも事実です。

韓国人なら、できれば「金正恩は本当はいい人なのだ」「彼は本気で核兵器を捨てる気だ」「平和が来る!」と信じたい。

世論調査会社、リアルメーターが4月27日に「北朝鮮の非核化と平和定着の意思に関し、会談前と後で見方が変わったか」を聞きました 。

会談前から「信頼していた人」は14.7%。それが会談後には64.7%に急増しました。一方、「信頼しない人」は78.3%から28.3%に激減しました。

そんな読者を抱える新聞社は「南北首脳会談はペテンだ」と決めつけにくい。保守系紙の筆の甘さは自主規制からも来ていると思います。

「民族」が12回

—甘い現実認識が広がれば、国益を毀損します。

鈴置:「民族の敵」のレッテルを貼られたくないとの懸念も、韓国メディアにはあると思います。植民地支配を受けたうえ、内戦で分裂したままの朝鮮半島では「民族」が極めて重要なキーワードです。

民族主義が強すぎて戦争を起こしたと反省する日本人とは反対に、韓国人は「民族に対する忠誠心のない指導者が恥ずかしい歴史を作ってきた」と考えています。

文在寅政権は今回の首脳会談を「民族の祭典」と位置付けた。「板門店宣言」は日本語ベースで約2000字。その中に「民族」という単語が12回、「同胞」は2回出てきます。

南北首脳会談は民族の和解劇として演出されたのです。北朝鮮とスクラムを組んだ韓国はこの先、奈落の底に落ちるかもしれない。でも、今この瞬間は、人々は「民族の団結」に酔っていたい。

そんな時、メディアが「猿芝居」と批判したら「民族の反逆者」の烙印を押されかねないのです。そして政権を批判するメディアを失った韓国という国は、どんどん北朝鮮側に寄って行くことでしょう。

(次回を読む)

高濱記事

—ドナルド・トランプ米大統領は南北首脳会談をどう評価していますか。

高濱:トランプ大統領は、南北首脳が会談で朝鮮戦争終結に向けた決意を示し、朝鮮半島の「完全非核化」で合意したことを前向きに評価しています。そして6月初旬までに予定されている米朝首脳会談で非核化を実現したいとの意向を改めて表明しました。

(写真:AP/アフロ)

しかしその一方で「南北朝鮮にしてやられた」と思っていることは隠しきれません。トランプ大統領は28日、こう述べています。「米朝首脳会談で私は前任者たち(歴代大統領)のようにうまく操られることだけはしない。オーケー? 必ずや取引(deal)を成功させてみせる。できなかったらどうする。それでも結構(fine)だ」

今回の南北首脳会談は歴史的出来事だと世界中が称賛しています。が、南北朝鮮統一問題にしても「非核化」にしても、具体的にどうするのかは「板門店宣言」に書かれていません。ロードマップがあるわけではありません。

金正恩・朝鮮労働党委員長は、その「板門店宣言」を引っ提げてシンガポール(米朝首脳会談の開催地として有力視されている)に乗り込みます。もっともトランプ大統領は4月30日に「開催地は板門店が象徴的」などとツイートしており、そうなると金委員長は板門店を再訪問することになります。

南北首脳会談は儀礼に彩られたパフォーマンス

トランプ大統領の今の心境はこうでしょう。「金正恩は、同胞愛を強調する儀礼に彩られたエモーショナルなパフォーマンスを首脳会談の場で見事にやってのけた。金王朝の存続を韓国に約束させ、非核化の中身は懐に秘めたまま、文在寅と示し合わせて、米国の軍事力行使を封印してしまった」(米主要テレビのコメンテイター)。

—どうして、米国の軍事力行使を封印したことになるのですか。

高濱:南北朝鮮の指導者が「もう戦わない」と宣言してしまったからです。朝鮮半島の直接の当事者が無条件で「不戦宣言」をしてしまったら「助っ人」である米国は、「サージカル・アタック」(核施設だけを狙う限定的攻撃)などはできなくなってしまうではありませんか。

AP通信でピョンヤン支局長を務めるエリック・タルマージ氏はこうコメントしています。「金正恩は、トランプにこう言い放つでしょう。<私は文在寅と朝鮮戦争終結に向け、当事者の南北朝鮮、米国、中国と四者で話し合おう、朝鮮半島の『完全非核化』(complete denuclearization)を実現しようということで合意した。米国はどうする>」。

「空爆を含め、あらゆる選択肢を保持して、保有している核の完全放棄を金正恩に要求しようと目論んでいたトランプにとって、米朝首脳会談の前に切り札の一枚を取り上げられてしまったようなものだ」

(”AP Analysis: Korea summit put nuclear ball in Trump’s court,” Eric Talmadge, AP, Washington Post, 4/28/2018)

—トランプ大統領は米朝首脳会談にどう臨むのでしょう。

高濱:トランプ大統領は、これまで口を酸っぱくしてこう言ってきました。「北朝鮮に核ミサイル開発を中止させるだけでなく、すでに保有している核兵器やミサイルも放棄させる。北朝鮮がそう確約しなければ首脳会談などやっても意味がない」。

ですから首脳会談をやるからには「核兵器放棄」の約束を北朝鮮から取り付けようとするでしょう。

米国内では、強面なトランプ大統領への期待が、かつて北朝鮮の核開発阻止交渉を担当した専門家たちからも高まっています。バラク・オバマ政権下で国防副次官補だったエイブラハム・デンマーク氏は、「金委員長に会うからには口約束だけでなく、核放棄に関する詳細なロードマップを提示させるべきだ」と注文をつけています。

(”Why Trump’s Boasts About the Korea Summit are Premature,” Robin Wright, New Yorker, 4/27/2018)

ジョージ・W・ブッシュ政権下で朝鮮半島担当特使として「朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)」に参加したジョセフ・デトラニ氏は、こう進言しています。「非核化のために与える猶予は数年といった長い期間ではなく、半年や1年以内が好ましい。核放棄の検証では、あらゆる核兵器、核施設、核施設勤務の科学者などを申告させる必要がある」。

(参考:米元特使、南北首脳会談評価も「非核化の具体化が課題」、NHK、4/28/2018)

北朝鮮はこれまで膨大なカネとエネルギーを使って核開発、ミサイル開発をしてきました。ですからトランプ氏の要求をすんなり受け入れるかどうか。米朝首脳会談は難航し、決裂するかもしれません。トランプ大統領は会談の途中、机を蹴って退席する可能性が十分ありそうです。

イラン核合意からの離脱、期限は5月12日

—決裂が最初から分かっていてもトランプ大統領は金委員長との首脳会談に行くのですか。

高濱:トランプ大統領は3月21日、米朝首脳会談の延期を示唆しました。4月19日には「実りのない会談なら行かない」と発言。これまでにも何度も否定的なことを言っています。トランプ政権内部ではジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官などが米朝首脳会談に否定的なようです。

しかしトランプ大統領としては、この期に及んでキャンセルなどできないでしょう。南北朝鮮にここまでお膳立てされてはやらざるを得ません。世界の目がトランプ大統領の一挙手一投足に注がれています。

実は現在、トランプ大統領は、二つの「潜在的核保有国」と核放棄交渉をやっているのです。一つは北朝鮮。もう一つはイランです。

トランプ政権は4月30日、イランとの間で2015年に結んだ核合意からの離脱を示唆しました。5月12日までに判断する意向です。4月に仏独両首脳が相次いで訪米したのはトランプ大統領に離脱を思いとどまらせるためでした。

国務長官に正式就任したばかりのマイク・ポンぺオ氏が急遽、ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)に向かったのも、イラン核合意からの離脱を欧州首脳と最終協議するためです。

米国は依然、北朝鮮の「嘘つき」を警戒

—南北首脳会談後、文在寅大統領はじめ韓国国民は金正恩氏に親近感すら持っているように見えます。米国民の金正恩観も変わりましたか。

高濱:米国民はそれほどエモーショナルじゃありません(笑)。それにコリアン同士の和解ドラマに米国民がそれほど感情移入することもありません。もっとも在米コリアンたちは大騒ぎですけど。

それに、ついこの間まで金委員長は「大陸間弾道ミサイル(ICBM)で米本土を攻撃する」と言っていたのですから。米国人の金正恩観が激変したとは思えません。

トランプ大統領の人物評価は猫の目のように変わります。かっては金委員長を「ロケットマン」などと揶揄していましたが、最近では「立派な人物だ」と言い出しています。米朝首脳会談が決裂すれば、金委員長に対してまた罵詈雑言を吐くかもしれません。

—金委員長に対する米国の警戒心はまだやわらいではいないのですね。

高濱:実は米情報機関は南北首脳会談の前後、北朝鮮が<嘘つき>であることを立証する事実を掴んでいます。ロイター通信は、米情報機関筋の話としてこう報じました。「金委員長が韓国特使に対し『核実験場を閉鎖した』と告げていた豊渓里の施設の一部が閉鎖されないまま残っている。今も使用可能だ」

(”North Korea test site still usable, closure easily reversed–U.S. Intelligence,” Jonathan Landay and John Walcott, Reuters, 4/28/2018)

もっともこの報道の後、北朝鮮は閉鎖した核実験場を米韓の専門家やメディアに公開すると言い出していますが……。

米軍の活動は何ら変わっていません。米軍は、英国、オーストラリア、カナダ軍と共同で、東シナ海の公海上で北朝鮮が繰り返している密輸取引(瀬取り)の警戒監視活動を強化しています。その拠点は沖縄県の嘉手納基地で、自衛隊も情報収集などで連携しています。

(”Canada, Australia to send military aircraft to monitor North Korean ships,” CBC, 4/28/2018)

いずれにせよ、これからの2週間、何をやり出すか想定困難なトランプ大統領と、したたかな金委員長との「前哨戦」が活発化しそうです。米朝首脳会談はすでに始まっているのです。

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『南北会談は「政治ショー」で非核化に進展なし、元駐韓大使が論評』(5/1ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)、『北朝鮮が突然、核開発・外交スタンスを豹変させた理由』(5/1ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)、『日本が過小評価する南北宥和が狭める米の選択肢 四者協議の対象は休戦協定にとどまらない』(5/1日経ビジネスオンライン 森永輔)について

4/27NewsWeek 遠藤誉<金正恩の心を映す、中国が描く半島非核化シナリオ>

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/04/post-10062_1.php

5/2日経朝刊<米国防次官補「核の傘、米朝協議の対象外」 アジア太平洋フォーラム

【シリコンバレー=永沢毅】日米の有識者が安全保障の課題を話し合う「第2回アジア太平洋地政経済学フォーラム」が30日、米カリフォルニア州スタンフォードで開かれた。ランドール・シュライバー米国防次官補は講演で、今後の米朝協議では日本や韓国への「核の傘」の提供を含む「拡大抑止」は議論の対象にはならないとの認識を表明。そのうえで「拡大抑止を強化しないといけない」と訴えた。(関連記事国際面に)

シュライバー氏

拡大抑止とは同盟国が攻撃を受けた場合に自国への攻撃とみなし、核戦力による反撃も含めて報復する意思を示すことで第三国に攻撃を思いとどまらせる考え方だ。「朝鮮半島の非核化」を唱える北朝鮮は今後の米朝協議で自らの核放棄にとどまらず、在韓米軍の撤収や韓国への「核の傘」の提供までやめるよう求めてくる可能性が指摘されている。核の傘がなくなれば、東アジアでの米軍の抑止力は著しく減退する。

シュライバー氏は「北朝鮮は『非核化』を広い意味で使ってきた」と指摘。そのうえで「私たちの同盟国防衛に関する決意は少しも揺るがない」と強調し、こうした懸念が生じないよう努める姿勢を示した。核放棄を実現するまで「最大限の圧力」を維持すべきだと訴えた。

フォーラムは日本経済新聞社、米フーバー研究所の共催。石破茂元防衛相、長島昭久元防衛副大臣らが出席し、北朝鮮情勢やアジアの通商政策などを巡って議論を交わした。>(以上)

本日はいろんな記事を載せていますので、コメントは短くします。遠藤氏は「中朝韓で米軍の北への攻撃をかわし、中国の経済支援で北の経済を発展させると中国が考えている」との記事ですが、日経記事では米国は中朝の思い通りにはさせないという意思を感じました。そもそも国際法に反することをしてきた方が悪いのであって、だから国連が経済制裁してきたのではないですか?非核化もせず、今までのかけた時間とコストを北の核保有の正当化の理由にする時点で中国の自己中心さが窺えます。

CVID(Complete, Verifiable, Irreversible Dismantlement))に基づく北の核放棄が前提での米朝交渉で経済制裁緩和なぞもっての他です。共産国の好き勝手にはさせないことが重要です。5/2朝のNHKニュースではドミニカが台湾と断交したと言っていました。札束外交です。共産中国を富ませると碌なことになりません。米国の対中姿勢は正しいです。

森記事の中で「日本は蚊帳の外」というのは、左翼の論調です。昨日の本ブログで高橋洋一氏が論破していました。武貞氏はいつも思うのですが「日本ファースト」でなく「朝鮮半島ファースト」です。どんな国民でも普通「自国ファースト」となると思うのですが、ならないというのは日本人ではないのか、影響を与える女性がいるのか分かりませんが不自然な気がします。そう言えばシュレーダー元首相が韓国人男性に民事訴訟を提訴されました。不名誉なこと。韓国人と付き合うと碌なことにならないという典型です。4/30中央日報<シュレーダー元独首相パートーナーの韓国人前夫が1億ウォン求める訴訟「婚姻破綻に責任」>

http://japanese.joins.com/article/992/240992.html

武藤記事

板門店宣言に署名した後、抱き合う金正恩委員長と文在寅大統領 Photo:代表撮影AP/AFLO

「主演・金正恩、共演・文在寅」の政治ショーだった南北首脳会談

世界が注目する中、4月28日に行われた「南北首脳会談」は、「主演・金正恩、共演・文在寅」の“一大政治ショー”だったといえる。

確かに、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長について、新しい側面を見みることができたのは事実であり、その意味では新鮮だった。

まず、軍事境界線での出会いの折、韓国の文在寅大統領を北朝鮮側に招いたことは、演出効果として満点。首脳会談冒頭の発言は、北朝鮮のテレビ放送を通じて見る単調な演説スタイルではなく、時折、冗談を混ぜながら語り掛けており、人間味を感じさせた。そして、朝鮮半島の非核化を目標とする「板門店宣言」を文大統領とともに発表したことも好感を与えた。

これにより金委員長は、叔父の張成澤(チャン・ソンテク)や、異母兄の金正男(キム・ジョンナム)を殺害し、多くの国民を苦しめる“残忍な独裁者”のイメージを改善させることに成功したといえる。

また、多くの韓国人に「南北の平和共存に希望を持たせた」という意味では、率直に評価すべきかもしれない。

今回の会談を通じ、これまで頑なに非核化を拒否してきた北朝鮮が、「核ミサイル完成」をうたって以来、初めて非核化に言及し、しかもそれを「板門店宣言」に明記した。加えて、より広い視野で平和共存のための枠組みを提示するなど、朝鮮半島の緊張緩和に向けて前進したと見ることができるからだ。

では、首脳会談でどのようなことが話し合われたのだろうか。その中身を具体的に見ていくことにする。

まず、年末までに休戦状態に終止符を打つため、「休戦協定」を「平和協定」に転換し、恒久的で堅固な平和構築に向けた「南北米3者会談」、もしくは中国を加えた「南北米中4者会談」を積極的に推進していくとした。

そして、南北首脳会談の定例化と、直通電話を通じた信頼関係の強化により、朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けたいい流れを拡大していくために努力していくとした。その第1弾として、文在寅大統領は今秋、平壌を訪問することになった。

また、国防長官会談を始めとする「軍事当局者会談」を頻繁に開催し、軍事的緊張の緩和を図るとともに、地上、海上、空中すべての空間で、軍事的緊張と衝突の根源となる一切の敵対的行為の全面中止にも合意した。

最大の焦点だった北朝鮮の非核化

今回の首脳会談は、「米朝首脳会談」への橋渡し役を担う意味合いがあった。そういう意味では、「非核化」の問題がどのように取り上げられるかが最大の焦点だった。

首脳会談は、午前と午後に予定されていたが、実質的な会談は午前の1時間40分だけ、午後は板門店宣言の合意を確認するだけだった。当初、宣言の中身は事前の調整でほぼ合意されており、非核化の問題だけを首脳同士で議論すると言われていた。それだけ、非核化の議論が時間を要すると考えられていたからだ。しかし、それが短時間で終わったということは、ほとんど議論しなかったことの表れと見ることができる。

午後に入って、両首脳は植樹の後に散歩を行い、橋の上で報道陣を遠ざけ2人だけで、30分強話し合った場面があった。もしかしたら、ここで非核化について議論したのかもしれないが、お互いの立場を乗り越えて激論を交わしたようには見えなかった。

文大統領も金委員長同様、米朝首脳会談が決裂し、米国が攻撃するような事態は避けたいという“共通の利害”を有している。そういう意味で、米朝首脳会談が円滑に進むよう、文大統領が金委員長に知恵をつけたのではないかとの疑念を抱いたのは私だけだろうか。

とはいえ、南北首脳会談で非核化をめぐる議論に進展がなかったのは、想定の範囲内だ。というのも、北朝鮮にとって非核化の問題は「米朝首脳会談」で解決すべき問題であり、仮に何らかの譲歩を行う意図があっても、それは米朝首脳会談に取っておくのが定石だからだ。

「完全な非核化」に向けた実質的な前進はない

このように見ていくと、今回の首脳会談を通じて日米が求める「北朝鮮の完全な非核化」に向けて前進があったとは、到底言えそうにない。

確かに首脳会談後に両首脳が署名して発表された「板門店宣言」には、「完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現する共同目標を確認」という文言が盛り込まれている。韓国側は、この「完全な」という表現にこだわったと言われる。

しかし、「核のない朝鮮半島を実現する共同目標を確認する」という文言からも分かる通り、あくまで“確認”しただけであり“合意”したわけではない。しかもそれは、北朝鮮側が主張している「朝鮮半島の非核化」の丸のみであって、「北朝鮮の非核化」ではないからだ。

そもそも、韓国人には珍しく、非常に回りくどい表現だ。なぜ、直接的に「完全な非核化」に合意したと言えなかったのだろうか。おそらく非核化をうやむやにした上で、日米韓との関係を進めたいという北朝鮮の意を汲んだからだろう。

今回、北朝鮮は非核化を除けば、かなり譲歩して見せた。休戦協定の平和協定への転換を始め、南北会談の定例化、敵対的行為の全面中止に合意したのも、相当な譲歩だ。会談を前にした21日の朝鮮労働党中央委員会総会でも、「核実験とICBM発射実験を中止する」「威嚇のない限り核兵器を使用しない」と表明している。

これは、裏を返せば、北朝鮮が追い込まれているということだ。米軍による攻撃の脅威が現実のものとなったこと、そして経済制裁が効果を発揮し、経済的に行き詰まってきたことがある。そして、非武装地帯周辺が平和地帯になり重火器が削減されれば、北朝鮮の防備は核ミサイルに頼らざるを得ないのが現実。だからこそ、それ以外は譲歩してでも核ミサイルだけは保有し続けたかったのだ。

トランプ大統領は「いいことが起きつつある」

こうした南北首脳会談の結果について、トランプ大統領は「歴史的会談」と評価した上で、「いいことが起こりつつあるが、時のみぞ知る」とツイートした。

トランプ大統領は、北朝鮮の非核化が実現するまでは、圧力をかけ続ける方針を示した上で、ドイツのメルケル首相との共同記者会見の場で、北朝鮮の非核化は「現職の米大統領である私の肩にかかっている」と述べ、米朝会談成功への自信をのぞかせた。

確かに、北朝鮮のさらなる譲歩を引きだすためには、圧力を維持し続けることが不可欠であり、そういう意味ではトランプ大統領の肩にかかっている。

北朝鮮の非核化を巡って、米朝は水面下で交渉していると言われる。ポンペイオ新国務長官がCIA長官として訪朝し、金正恩氏と会談。その中身は不明だが、何らかの“肯定的感触”が得られたのではないかという憶測がある。そうだとすれば喜ばしい。それを踏まえてのトランプ大統領の反応であることを期待する。

中韓の歩み寄りには懸念、国際社会が一体となる必要あり

筆者はこれまで、北朝鮮や文政権に対して厳しい指摘を続けてきた。だが、多くの有識者同様、北朝鮮が非核化に応じてくることについては期待している。しかし、中国や韓国が北朝鮮に歩み寄っている現実に対し、強い懸念も持っている。国際社会が一体となり、北朝鮮に強く非核化を迫っていくことを期待する。

北朝鮮は、米国が北朝鮮敵視政策をやめること、そして北朝鮮経済の立て直しのための支援を求めている。これに対し文大統領は、圧力と同時に、対話の重要性も強調する。

確かに、こうした問題について対話の中で取り上げていくことも重要だ。しかし、それはあくまでも北朝鮮が非核化の道に進むことが前提だ。こうした問題を全体としてどのように進めていくのか、北朝鮮と話し合っていくことが必要だといえる。

(元在韓国特命全権大使 武藤正敏)

真壁記事

驚くほど豹変した北朝鮮の対外的スタンス

朝鮮労働新聞ホームページより

3月下旬以降、北朝鮮の対外的なスタンスは驚くほど豹変した。これまでの頑強な核開発に対する積極姿勢が、少なくとも表面的には和らいでいる。

これまで北朝鮮は、米国を射程に収めるICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射技術を確立し、核の脅威を強調することで体制維持や制裁緩和などの譲歩を米国に求めてきた。4月20日、その北朝鮮が核実験場の廃棄とミサイルの実験中止を発表し、「経済開発を優先する」と政策を修正した。中国はこの発表を歓迎し、北朝鮮への圧力重視の考えを後退させつつある雰囲気になっている。

北朝鮮が方針を豹変させた重要な理由は、中国への「恭順の意」を示すことだ。金正恩政権が独裁体制を維持するには、どうしても後ろ盾である中国との関係を改善し、その関係を維持する必要がある。

昨年の複数回に及ぶミサイル発射および核実験の結果、中国は北朝鮮への懸念を強めてきた。中朝国境地帯での50万人規模ともいわれる難民収容施設の設営や、大規模な軍事演習は、ある意味、中国から北朝鮮への警告とも受け取れる。

もう一つは、制裁措置が徐々にではあるが、北朝鮮を窮状に追い込んでいることがある。北朝鮮のイカ釣り漁船が東北地方沿岸に漂着したことや、洋上での積荷引渡し(瀬取り)の横行にみられるように、制裁は北朝鮮をかなり疲弊させてきた。

こうした状況が続くと、民衆の不満が高まり体制維持への不安が出るだろう。その中で核開発を続ければ、中国からの警戒は一段と高まる。その結果、金委員長は独裁体制を維持することが難しくなる可能性もある。

当面、北朝鮮は強硬姿勢を封印して対話を重視する可能性が高い。それは、中国からの配慮を取り付ける“点数稼ぎ”だ。その一方、北朝鮮が本気で核の能力を放棄するとは考えづらい。北朝鮮の態度は冷静に分析することが重要だ。

中国に恭順を示すため対話重視に転じた北朝鮮

3月25~28日、金委員長は非公式に中国を訪問し、習近平国家主席らと会談の場を持った。これは、国際社会からの制裁に加え、軍事演習などを通した中国からの圧力を受けて、金委員長が自らの将来に対して不安を強めたことの表れと考えられる。中国の庇護(ひご)を受け、体制を維持していくことが、訪中とミサイル発射の中止表明などの理由だろう。

突き詰めていえば、「命綱」の確認だ。制裁などによる米中からの圧力を受け、金委員長は“米・中に殺される”と恐怖を覚えているとの報道や分析もある。その真偽を確認するすべはないが、中国の対北朝鮮政策は同委員長に恐怖心を植え付けたはずだ。

近年、中国は北朝鮮の核開発に対して懸念を表明することはあったが、国境地帯での演習を実施するほどに警戒感を示すことはなかった。韓国メディアによると、演習中、人民解放軍の兵士には「止まれ」などのハングル語の教育も実施されているという。中国は朝鮮半島での有事の発生、体制の不安定化による難民の大量発生を想定している。

長期の支配基盤を築きたい習国家主席にとって、難民の流入や金政権の体制維持が困難となり米国との直接対峙(たいじ)を強いられる状況は、何としても避けたい。中国にとっては、北朝鮮という緩衝国があるからこそ、米国との対峙という緊張状態を回避することができる。それを分かっているから北朝鮮は、中国の顔色をうかがいつつ核開発を進めて体制の維持を目指してきた。

問題は、金日成、正日の時代に比べ、若い独裁者である正恩氏が中国への配慮を軽視し、傍若無人にふるまってきたことだ。中国が保護してきた金正男氏の暗殺、中国からの対話に関する提案の拒否など、金委員長は聞く耳を持たない独裁者との印象を中国に与えてきたといえる。言い換えれば、金委員長はようやく自らの言動の危うさに気づき、中朝関係の改善の重要性を認識し始めたということだろう。

中国がうまく利用した米国の強硬姿勢

中国とともに対北朝鮮対策で重要な役割を持つのが米国だ。トランプ大統領は度重なる北朝鮮からの軍事挑発を非難し、先制攻撃も辞さない考えを示してきた。マクマスター前大統領補佐官は、“ブラッディー・ノーズ(鼻血)作戦”の存在を否定したが、軍事作戦の臆測が高まったということは、政権、あるいは共和党内で北朝鮮への強硬な対応が必要との主張が出たことの裏返しだろう。それも北朝鮮に相当の危機感を与えたはずだ。

トランプ大統領の言動は、中国にとっても利用価値のあるものだと考えられる。北朝鮮を巡る米中の対応を見ていると、まず、トランプ政権が強硬な姿勢を示した。それに対し、当初、中国は慎重姿勢をとった。つまり、金委員長に一定の配慮を示し、対話の余地を確保したわけだ。

その後、北朝鮮の挑発が増加するにつれて米国の強硬姿勢が強まった。それに合わせるようにして、中国も圧力をかけた。同時に、中国は韓国にも圧力をかけて融和姿勢を重視させ、北朝鮮が“ほほえみ外交”に方針を修正するチャネルを確保したといえる。

以上をまとめると、中国は米国の北朝鮮への圧力をうまく利用して、北朝鮮を自らの意に従わせる環境を整備してきたと考えられる。この見方が正しいとすれば、強硬論者をそろえるトランプ大統領に比べ、習国家主席の対北朝鮮政策の方が上手だ。ある意味では、国際政治の常識をわきまえないトランプ大統領がいたからこそ、こうした状況がもたらされたともいえる。

中国の動きを受けて、米国も極東政策にエネルギーを傾け始めた。ハリス太平洋軍司令官が駐韓大使に指名されるとの報道は、米国が極東の安全保障に一段のコミットメントを示し、中国をけん制しようとしていることの表れだ。

北朝鮮はミサイル発射の中止を表明し、中国の庇護を受けようとしている。米国は、北朝鮮問題が中国主導で解決されることを食い止めようとしている。6月上旬までに開催されると見られている米朝の首脳会談の注目点は、米国が非核化に向けた取り組みを北朝鮮から引き出し、査察受け入れなど国際社会全体での問題解決への道筋を示すことができるか否かだ。

北朝鮮に核を放棄する意思はない

4月20日を境に、一部では北朝鮮が本当に核を放棄するのではないかとの期待、臆測も出始めているようだ。この点は、今後の展開を注視しなければならず、断定的なことは言えない。

ただ、歴史的にみても、北朝鮮が核兵器の開発や攻撃能力の保有を完全に放棄することは想定しづらい。なぜなら、金独裁政権にとって核兵器の保有こそが体制維持のための必須手段に他ならないからだ。

金日成、正日の時代も北朝鮮は非核化を宣言した。しかし、いずれも国際社会との協約が順守されることはなく、秘密裏に北朝鮮は核攻撃能力を開発してきた。その延長線上に、今日の金正恩委員長があるわけだ。表向きは対話を重視して国際社会からの圧力を減殺しつつ、核兵器を捨てなかったことが独裁政権を支えてきたのである。

リビアのカダフィ政権は核を不可逆的に放棄したが、それは内戦に米欧が軍事介入を行う余地を作った。もし、リビアが核を保有し続けていれば、状況はかなり違ったとの見方もできる。

北朝鮮が同じ轍を踏むことはないだろう。地下や山中に場所を移して、核兵器の開発が続けられる可能性はある。一部では、すでに北朝鮮が運用可能なミサイル発射技術を確立したとの指摘もある。そう考えると、対話は体制を立て直す時間稼ぎにすぎないといえる。

22日に起きた中国人観光客を巻き込む交通事故への対応で、金委員長は初めて中国大使館を訪問した。同氏は、かなり中国に気を遣っている。あくまでも、北朝鮮が目指しているのは当面の社会を安定させるための支援を中国から取り付けることだ。そのために北朝鮮は核施設の廃棄を示したのだろう。

今後、米国の役割が一段と重要になる。米朝の首脳会談で北朝鮮が最終的かつ不可逆的な核放棄の意思を示さなかった場合、トランプ大統領が会談の席を立つことも想定される。それは、交渉を一段と困難にし、朝鮮半島情勢の緊迫感を高めるだろう。中間選挙を控える中でトランプ氏は強硬姿勢を示すことで有権者の支持を得たい。

それだけに、米国が中国などと協力し、対話を進めつつも従来の制裁を維持して一切の妥協を許さない姿勢を粘り強く北朝鮮に示すことができるか否かが問われる。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

森記事

金正恩委員長(左)と文在寅大統領はともに軍事境界線を越えた(写真=アフロ)

約11年ぶりに南北首脳会談が開かれた。金正恩委員長と文在寅大統領は満面の笑みをたたえてハグし合い親密ぶりを示した。米朝首脳会談を米国が決裂させることができない条件が出来上がった。日本は東アジアの安全保障議論で蚊帳の外に置かれつつある。

(聞き手 森 永輔)

—4月27日、約11年ぶりに南北首脳会談が開かれました。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は満面の笑みをたたえて何度もハグ。金正恩委員長が文在寅大統領を軍事境界線の北側に招き入れるサプライズも含めて、両者は親密さをアピールしました。一方で、「完全な非核化は『目標』にとどまった。具体的な施策は何もなし」と批判する向きもあります。武貞さんは今回の会談のどこに注目しましたか。

武貞:今回の会談には3つの柱がありました。①朝鮮半島の統一、②朝鮮半島の平和体制構築、③非核化です。中でも比重が重かったのが①と②です。そもそも③は南北だけで決められる問題ではありませんし。

武貞 秀士(たけさだ・ひでし)氏
拓殖大学大学院特任教授。
専門は朝鮮半島の軍事・国際関係論。慶應義塾大学大学院修了。韓国延世大学韓国語学堂卒業。防衛省防衛研究所に教官として36年間勤務。2011年、統括研究官を最後に防衛省退職。韓国延世大学国際学部教授を経て現職。著書に『韓国はどれほど日本が嫌いか』(PHP研究所)、『防衛庁教官の北朝鮮深層分析』(KKベトスセラーズ)、『恐るべき戦略家・金正日』(PHP研究所)など。

北朝鮮のメディアが、板門店に向かう金正恩委員長一行の車列を放映しました。いくつもの対戦車障壁をくぐって進む。壁の1つには大きく「自主統一」の文字が躍っていました。「自主統一」の文言を共同宣言に書き込むために、金正恩委員長は板門店に向かっている、ということを北朝鮮国内にアピールしたかったのです。

日本ではこの①②が持つ重み、さらに、これらが6月に予定される米朝首脳会談にも影響することが理解されていないようです。日本は東アジアをめぐる安全保障の議論に参加できず、不利な環境に置かれる可能性があるのです。

前回のインタビューで、まさに①朝鮮半島の統一こそが主題になるとうかがいました(関連記事「南北会談の主題は「非核化」ではなく「統一」」)。南北が親密であることを、米国や中国に示すことができるか否かが重要になると。ご指摘の通りになりました。

武貞:今回、署名された「板門店宣言」を見てください。最初の文に始まり、全体の分量のうち5分の4以上は①と②が占めています。非核化は最後の最後に登場するだけ。

北朝鮮と韓国が半島を「自主」「統一」することを再確認したことこそ特筆すべきなのです。「自主」は米国の関与を排除するという意味。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領のときの南北首脳会談で署名された共同宣言に盛り込まれた表現を再度挿入し、「外国の介入を遮断して南北対話で統一する」という悲願達成を誓うものです。

これから米韓北の間で起こる事象を理解するためにこの構図を説明することは大事です。「南北で」という原則に基づいて北朝鮮は韓国に対し、たたみかけるように援助を要求するでしょう。

そして南北交流を進めれば、米国は「なぜ韓国と北朝鮮が勝手に事を進めているのだ」と苛立ちを強める。特に、休戦協定を平和協定に転換しようとすれば、一方の主役は国連軍を代表していた米国です。文在寅大統領は米国と北朝鮮の両方に良い顔を見せなければなりません。

米韓の間には既に微妙なすれ違いが見て取れます。南北首脳会談の翌日、ホワイトハウスのある高官が「北朝鮮と韓国だけで問題が解決できるものではない」と皮肉に満ちた発言をしていました。

文氏を北側に招き入れ、「イーブン」な関係を示す

南北首脳会談は、米朝首脳会談の“前座”であるとの見方があります。板門店宣言の最後の最後で非核化に触れているので、南北首脳会談が米朝首脳会談につながるというのは確かにそうです。しかし、これは非核化の詳細な議論は米朝首脳会談に任せるというだけのことです。

そうであるにもかかわらず、日本では非核化について北朝鮮がどのような表現を用いるかに関心が集中していました。北朝鮮と韓国の指導者は「南北が主役である」「緊張緩和と信頼醸成に努めよう」と語り合い、統一にむけてのプロセスを相談したのです。

前回のインタビューで、「南北が親密であることを示すことで、北朝鮮は米国や中国にプレッシャーを与えることができる」とうかがいました。この視点から見ると、今回の南北首脳会談の採点は……

武貞:韓国と北朝鮮にとっては100点満点だった。テレビでの生放送、共同記者会見、晩餐会――いずれも親密度をアピールするものでした。

金正恩委員長が文在寅大統領を軍事境界線の北側に招き入れたのは圧巻。金正恩委員長は事前に考えていたフシがありますが、文在寅大統領にはサプライズだったので一瞬、戸惑った様子が放映されました。

この行為は米中に対するアピールであるのと同時に、北朝鮮の国内に向けてのメッセージでもありました。「金正恩委員長が韓国の軍門に下り、境界線の南側に足を運んだ」といった見方を否定し、文在寅大統領も北側に来たので、南北の関係はイーブンであると印象づけることができるからです。

—過去2回の南北首脳会談はいずれもピョンヤンで行われました。その時に北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は国民に「南側の指導者が北に教えを乞いに来た」と説明していました。この流れで今回の南北首脳会談を見ると、金正恩委員長が板門店に足を運んだことを北朝鮮の国民がどう見るのか、気になっていました。きちんと手は打ってあったわけですね。

武貞:はい。金正恩委員長は国内向けにさまざまなアピールをしていたと思います。余裕綽々の振る舞い。文在寅大統領のものより立派な専用リムジン。12人のイケメンからなる警備陣。世界レベルの警備体制を敷けることをアピールしました。

非核化を約束していないのに莫大な援助と投資へ

—板門店宣言の内容をどう評価しますか。前回2007年の南北首脳会談の時の共同宣言と比べてどうでしょう。

武貞:「既に採択された南北宣言や全ての合意などを徹底的に履行する」とうたっています。したがって板門店宣言は2007年宣言を包含したものと言える。そして、2007年宣言で挙げた経済協力を「実行するぞ」と高らかに宣言した。

前回お話した「市場統合」につながる勢いのあるものだと思います。文在寅大統領が自ら口にしているように、同氏は任期がまだ4年ありますから。2007年の南北首脳会談は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の任期が終わる直前にあり、仕事ができずに終わってしまいました。その時とは異なるのです。

具体的には、韓国から北朝鮮に相当の投資と援助がなされるでしょう。「民族経済の均衡的な発展」とはそういう意味です。

北朝鮮はまだ核兵器を放棄すると明言してはいません。それにもかかわらず、韓国はこれだけのことを板門店宣言に盛り込んでしまいました。米国は穏かではいられないでしょう。

—金正恩委員長が橋の上で2人だけ会談を持ちました。あそこではどんな話をしたと思いますか。板門店宣言には盛り込めない秘密の話をしたのでしょうか。

武貞:あのような形の会談を持ったことが、まずもって「異例」です。対北朝鮮制裁の緩和・解除。朝鮮戦争の「終戦」に伴う在韓米軍の撤収――戦争が終われば軍事境界線を守る米軍は必要がなくなります。その先にある米韓同盟の修正・終焉。南北統一の形態――連邦制か、連合制か。こうしたテーマを話し合ったのではないでしょうか。

日本人拉致の問題も話し合ったとしたら、この時でしょう。日本人としては期待したいところです*。

*:共同通信が4月29日、安倍晋三首相と文在寅大統領との電話会談の中で、同大統領が「拉致問題について提起し、安倍首相の考えを伝えた」と説明したと報じた

四者協議の議題は平和協定だけではない

—今、言及された「終戦」について。この言葉は初めて聞きました。

武貞:朝鮮戦争をめぐっては、初めて登場した言葉だと思います。

—朝鮮戦争の休戦協定は、北朝鮮の朝鮮人民軍と中国人民志願軍、そして国連軍との間で交わされました。韓国は署名していない。このため、北朝鮮と韓国との間の「休戦」を「終戦」と呼ぶのでしょうか。

武貞:多くの人が同様の認識を持っていますが、それは間違っています。

—え、そうなのですか。

武貞:はい。韓国は休戦協定の当事者です。朝鮮戦争の休戦協定は北朝鮮、中国、国連の間で交わされました。米軍の司令官が国連軍を代表して署名しました。そして、この国連軍に韓国軍も参加していました。この開戦直後に韓国軍は「指揮権」を国連軍に譲っているので、国連軍司令官は韓国軍をも代表して休戦協定に署名したのです。

ただ、16か国からなる国連軍の中に韓国軍が編入されたのではないために、多くの人が勘違いしているのです。

それに北朝鮮は70年代、「韓国は休戦協定に署名していないので平和協定の当事者でない」と説明し始めた。そして誤解が拡散してしまったのです。

—北朝鮮はなぜ、韓国は休戦協定の当事者ではないと主張したのですか。

武貞:休戦協定の平和協定への転換を米国と直接話し合い、在韓米軍の撤退に「うん」と言わせるためです。休戦協定に従って、中国義勇軍は1954年と58年に撤収しました。しかし在韓米軍は韓国に駐留し続けた。

こうした経緯があったので、北朝鮮は今になって「韓国は休戦協定の当事者である」とは言いづらい。そこで、北朝鮮と韓国の間で新たに「終戦を宣言」することにしたのです。

南北で終戦を宣言したあとは、国連軍を代表した米国と中国と北朝鮮が休戦協定を平和協定に転換する。その先に平和体制の構築が始まります。板門店宣言は、日本とロシアも役割を果たすべき平和体制構築のプロセスまで含めて、南北米の3者、もしくは南北米中の4者が話し合おうと言っています。日本とロシアは完全に蚊帳の外です。

—ちょっと待ってください。日本は朝鮮戦争の当事国ではありませんでした。同戦争をめぐる平和協定の議論に参加できないのは仕方がないことなのでは。

武貞:確かにそうです。しかし板門店宣言は「今年、終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制を構築するため、南北米三者、または南北米中四者会談の開催を積極的に推進していくことにした」とうたっています。

3者もしくは4者による会談は平和協定だけでなく、そのあとに続く「恒久的で強固な平和体制」の構築も議題にするのです。ここに誰も気づいていない。安倍晋三首相は日本が蚊帳の外に置かれることはないと発言していますが、無理があるのではないでしょうか。

今回の南北首脳会談は、南北の首脳が膝を交えて協議をして、これだけのことを話し合ったのです。それにもかかわらず、いま日本にあるのは「前座は終わった。さあ、これから本丸である米朝首脳会談だ」という見方だけです。これでよいのでしょうか。

南北が親密度を高めたことで、米国は、①最大限の圧力をかけ北朝鮮に非核化を迫ること、②条件が合わなければ米朝首脳会談を決裂させることのリスクを負うことになりました。圧力を強めても韓国が制裁を緩和し支援を増やせば効果は薄まってしまいます。仮に米朝首脳会談を開かない、もしくは決裂させれば、北朝鮮と韓国をさらに近づけることになる。中国は北朝鮮にさらに支援を申し出るでしょう。

こうした環境は米国にとって当然好ましいものではありません。今後、米国内で「南北が宥和したのなら、米国の若者を朝鮮半島に駐留させておく必要はない」と議論が起こることも予測されます。金正恩委員長はこうした環境をうまく作ってきたと言えるでしょう。

—日本はどうすればよいのでしょう。

武貞:例えば、ピョンヤンに連絡事務所を設置する。私はこれを4年前から主張していますが実現に至っていません。

—北朝鮮と直接話をするためのチャネルを維持しないと、本当に蚊帳の外になりかねないわけですね。

武貞:その通りです。多くの日本人がここに気付いていません。

南北首脳会談が始まるまで、日本は周回遅れの状態にありました。今は2周遅れです。米朝首脳会談が終わった時には3周遅れになりかねない 。幸い、安倍晋三首相は文在寅大統領との電話会談で金正恩委員長に対して日朝首脳会談を開催する意思があることを伝えてほしいと述べたようです。日本の巻き返しが始まりつつあります。

トランプ氏は「完全な非核化」の意味が分かっていない

—今回、板門店宣言に「完全な非核化」という表現が盛り込まれたことが注目されています。この点をどう評価しますか。

武貞:日米が求める「完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄(CIVD)」に応じる準備があるとトランプ大統領向けに発信しているのでしょう。ただし、米国にも同様に「完全」を求めている言葉です。同盟国への「核の傘」の提供中止を求めています。B1、B2といった核兵器搭載可能な戦略爆撃機を朝鮮半島に飛来させない約束を含みます。米韓演習もやらせない。

—「あらゆる敵対行為を中止し」とあるのは米韓演習を指すわけですね。

武貞:はい、そうです。朝鮮半島への米軍の関与を一切のやめさせるという意味です。当然、在韓米軍の撤収 も含みます。トランプ大統領が「(南北首脳会談の結果に)勇気づけられた」と発言して歓迎していますが、北朝鮮が「完全な非核化」に込めた意味に気づいていないからでしょう。彼は専門家ではありませんから。

一気に上がる、文在寅の支持率

—これまで3回の南北首脳会談はいずれも韓国進歩派政権の下で行われてきました。文在寅政権が任期を終え、次に保守の政権ができた時、現在の親密な南北関係がひっくり返ることはないでしょうか。

武貞:これまでの韓国を振り返って考えると、ひっくり返るでしょう。

ただし、その前に、今回の会談の結果を受けて文在寅大統領の支持率が高まりつつあります。現在も75%程度で、就任から1年経った韓国大統領の支持率として史上最高の高さです。これが80%を超える可能性がある。

金正恩委員長に対する評価も高まるでしょう。仮に、韓国民に「統一後の大統領」の候補を問えば、上位に上がってくると思います。2000年に金大中(キム・デジュン)大統領(当時)と金正日総書記(同)が会談した後、金正日氏への期待が高まりました。

また文在寅政権の今後の4年間を想像してみてください。南北間で鉄道網がつながり、行き来が増す。米国などの介入を防ぎつつ、民族の力量を世界に示すわけです。韓国民が持つナショナリズムを満足させる。そうなれば、次の大統領選挙で、誰が保守勢力に投票するでしょうか。

金与正氏の出席は暗殺を恐れなかった証

—南北首脳会談の出席者について伺います。今回、金正恩委員長の実妹、金与正(キム・ヨジョン)氏が会談に同席しました。暗殺の危険などを考えると、この二人が同席するのは考えづらいことだと思います。北朝鮮はそうした懸念を持たなかったのでしょうか。

武貞:まったく警戒していなかったようです。橋の上で金正恩委員長と文在寅大統領が2人だけで会談した時、屋外に設置された椅子を消毒したという話は聞こえてきません。韓国側が準備した料理を毒見したという話も耳に入ってきません。

—芳名帳に署名するとき、韓国側が用意したペンを使わなかったことが話題になりましたが。

武貞:使い慣れたペンで署名するのは珍しいことではない。テレビに映るところで世界の基準に合わせて行動したのでしょう。

—映像を見ていると、たくさんのドローンが上空を飛んでいたようです。金正恩委員長と文在寅大統領が軍事境界線をまたいだ時も、2人だけで会談した時も。

武貞:準備段階で、北朝鮮側が安全を理由にドローン使用を拒否することはなかった。2人がドローンを警戒する素振りをみせることもありませんでした。それくらい信頼を深めた上で南北首脳会談に望んだのだと思います。 ――最後に、北朝鮮の市民や朝鮮人民軍は今回の会談をどう評価するでしょう。 武貞:市民は歓迎すると思いますよ。「指導者が支援を乞うために南に行った」とは見ないでしょう。「朝鮮戦争に米国が軍事介入して韓国を支援したために統一が先送りとなり、北朝鮮は貧しい生活を余儀なくされた。そうした生活に終止符を打つチャンスが到来した」と考えるでしょう。

生活向上のために、金正恩委員長を先頭に押したてて米国を追い払い、韓国の融和政策を引き出し、北朝鮮への投資を呼び込む必要がある――と考えていると思います。

軍は、独自の意見を持っているわけではありませんが、歓迎しているでしょう。金正恩委員長は韓国軍から栄誉礼を受けましたから。栄誉礼には2つの意味があります。1つは敬意を表すること。もう1つは栄誉礼を受ける人が敵ではないことを示すこと。今回の栄誉礼はフルではありませんでしたが、韓国軍が金正恩委員長に敬意を表し、「敵対関係ではありません」といって、振り上げていた拳を降ろしたわけです。

—北朝鮮はこれまで核開発に力を入れてきました。この方針を変えることに北朝鮮人民軍は不満を持つことはありませんか。北朝鮮のメディアは板門店宣言の内容をすべて報道しており、軍は「完全な非核化」の報道を知っています。

武貞:ないでしょう。米国が提供する核の傘の廃止と、自分の核兵器放棄のプロセスについて、細部を米国と合意することは可能です。しかし、米朝不可侵協定が成立し、在韓米軍が撤退したあと、統一するまでは北朝鮮は核兵器を廃棄する気はありません。前回お話しした通りです。

北朝鮮のロジックはこうです。北朝鮮の最終目標は朝鮮半島統一です。統一の過程で米国は核兵器の使用もほのめかしながら軍事介入することは明白だから、介入をあきらめさせるために、米政府の中枢を核攻撃する手段(ICBM=大陸間弾道ミサイル)を保有するということです。軍事介入には大きな犠牲が伴うと米国が判断すると、米国は中立の立場を取ると北朝鮮は計算しています。南と北だけで統一を実現したい北朝鮮にとって、戦争をしないで統一するために、「使える」核兵器が必要なのです。

「完全な非核化」という抽象的な文言と引き換えに、韓国からの支援の道を開いた板門店宣言は、非核化問題の解決を米朝首脳会談に委ねました。米朝首脳会談は、トランプ大統領が「統一のための核」という北朝鮮の核戦略を読み取り、北朝鮮の体制を保証する具体案と引き換えに北朝鮮が核兵器を放棄するロードマップを作成する場なのです。

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『北朝鮮非核化交渉「日本は蚊帳の外」論は大きな間違いだ 本質を見誤ってはいけない』(4/30現代ビジネス 高橋洋一)、『「米朝会談」トランプが席を蹴って立つ可能性 米仏会談で見えた「強硬派」の存在感』(4/28現代ビジネス 歳川隆雄)について

4/30NHKニュース 7:38<北朝鮮はリビア方式で非核化実現を ボルトン大統領補佐官

アメリカのボルトン大統領補佐官は、アメリカが求める北朝鮮の非核化について、かつて大量破壊兵器計画を放棄したリビアを前例に、国際社会の制裁を維持しながら北朝鮮が、まずは非核化を着実に実行することが欠かせないと強調しました。

ホワイトハウスで安全保障担当のボルトン大統領補佐官は、29日、アメリカのFOXテレビの「FOXニュース・サンデー」などに出演しました。
この中でボルトン補佐官は、北朝鮮が、核を放棄する重大な決断を実際に行ったか現時点ではわからないとしたうえで「米朝首脳会談で、北朝鮮側が核の放棄という決断の証拠を示せるのか確認したい。歴史的な合意となる可能性もあるし、ならない可能性もある」と述べました。
そのうえで、アメリカが求める北朝鮮の非核化について、2003年に大量破壊兵器計画の放棄を表明し、実行に移したリビアを前例に挙げ、国際社会の制裁を維持しながら北朝鮮が、まずは非核化を着実に実行することが欠かせないと強調しました。
そして、ボルトン補佐官は「リビアでは、アメリカとイギリスの監視団がすべての核関連施設への立ち入りを認められたので、リビアへの疑念が消えていった」と述べ、北朝鮮に対する国際社会の疑念を払拭(ふっしょく)するためにも、核開発計画の完全な申告と検証が重要だと説明しました。
一方、ボルトン補佐官は、北朝鮮に拘束されている3人のアメリカ人について、「トランプ大統領の最優先事項だ。解放すれば首脳会談に向けて誠意を示すことになる」と述べ、北朝鮮の決断を見守る姿勢を示しました。

「リビア方式」核放棄を先行

リビア方式とは2003年に大量破壊兵器の放棄を表明し実行に移したリビアを前例に、核の放棄を先行させ、その後に制裁解除などの見返りを与える考え方です。
リビアでは2003年の12月に当時のカダフィ政権が、核兵器や弾道ミサイルなどの大量破壊兵器の開発計画を放棄すると表明しました。
そして、放棄を表明した直後の2003年12月末にIAEA=国際原子力機関の査察チームを受け入れたほか、表明から1か月後の2004年1月には、遠心分離機など核兵器を開発するための機材や弾道ミサイルの開発を記した文書など、合わせて25トン分をアメリカ側に引き渡しました。
これを受けて、アメリカの当時のブッシュ政権は2004年2月からリビアへの制裁を段階的に緩和。2年後の2006年にはリビアをテロ支援国家の指定から外し、大使館を開いて国交正常化を実現しました。
当時、ブッシュ政権でこのリビアの大量破壊兵器の放棄に軍縮担当の国務次官として関わっていたのが、ボルトン大統領補佐官です。ボルトン補佐官はリビア方式に基づいて、まずは北朝鮮が核開発計画の完全な申告と査察などの検証を受け入れるよう主張しました。
しかし、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は「段階的で歩調を合わせた措置を講じれば朝鮮半島の非核化の問題は解決できる」と先に述べるなど、米朝の同時並行的な措置を主張していて、立場の大きな違いが浮き彫りになっています。>(以上)

歳川記事にありますように、米朝首脳会談にボルトンが出席するのであれば、トランプが金に懐柔されることはないと思います。戦争にならずリビア方式で決着してほしいと思っていますが、核兵器を隠蔵する可能性の除去(米軍が北に入り、徹底調査、かつ秘密裡に他国に運搬、特に中露に運んで預かっていて貰うことの防止)と生物化学兵器の除去もしてほしいです。勿論、拉致被害者の全員帰還もです。

4/19本ブログで武貞秀士氏は「北の目的は朝鮮半島の統一にあり、それまでは非核化はしない。その間は在韓米軍の駐留を認める」と言っていました。でもマテイス長官は在韓米軍撤退も議論の対象にと言いましたから、武貞氏の読み通りの展開にはならないのでは。戦争の可能性もあるという事です。日本人は平和ボケしていないでもっと真剣に戦争と平和について考えるべきです。念仏を唱えていても戦争はなくなりません。戦争と平和の繰り返しは人類の歴史そのものです。そう言う意味で「戦争は人間的な営み」と言えます。思考停止が一番頭脳を退化させます。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=8762

日本が蚊帳の外と言うのは左翼とか在日が日本を何とか北への支援をさせたくて使っている言葉です。日本の朝鮮半島へのスタンスは不関与政策です。『非韓三原則』ならぬ『非朝鮮三原則』にしなければ。勿論、拉致被害者の全員帰国に際しては、経済的見返りは必要でしょう。身代金支払いの様で腹が立ちますが仕方のないことです。それ以外、朝鮮半島人の性悪さを日本人は嫌と言うほど見て来ましたので近づかないことです。日本にとって必要なのは軍備の充実と軍人の育成、憲法改正、スパイ防止法の制定等やることは沢山あります。野党が審議拒否している間にドンドンいろんな法案を通過させれば良いでしょう。でも職場放棄している野党議員を許す日本国民と言うのは如何なものか?民間であればすぐクビです。次回の選挙では落としてほしい。5/1NHK朝のニュースで、連合も今回のメーデーのイベントには加藤厚労大臣は呼んだが、野党議員は呼ばなかったとのこと。日本を侵略しようとしている国の手先となり、メデイアと一緒になって政権の弱体化を図っている議員なぞ必要ありません。次の参院選挙で連合は野党を押すのを止めたらどうですか?政治活動に血道を上げて、労働者の権利・福利の向上に無頓着なようでは本末転倒です。

高橋記事

まず、板門店宣言をどう評価するか

4月27日、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は板門店で首脳会談を行った。両国の首脳会談は2007年10月以来、実に11年ぶりだ。これまでは、韓国の大統領が平壌に訪れていたが、北朝鮮トップが韓国入りしたのは初めてだ。

これに対して、内外の新聞の社説は次の通りだ。

朝日新聞「南北首脳会談 平和の定着につなげたい」(https://www.asahi.com/articles/DA3S13471671.html?ref=editorial_backnumber

読売新聞「南北首脳会談 非核化の道筋はまだ見えない」(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180427-OYT1T50153.html

毎日新聞「11年ぶりの南北首脳会談 非核化への流れ、止めるな」(http://mainichi.jp/articles/20180428/ddm/005/070/110000c

日本経済新聞「板門店宣言を北の完全非核化につなげよ」(https://www.nikkei.com/article/DGXKZO29974940Y8A420C1EA1000/

産経新聞「南北首脳会談 微笑みより真の非核化を 米朝会談に向け圧力継続せよ」(http://www.sankei.com/column/news/180428/clm1804280001-n1.html

東京新聞「南北首脳会談 非核化宣言を行動へ」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018042802000153.html

朝鮮日報「非核化より経済協力の話が目立った南北首脳会談」(http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/04/28/2018042800434.html

中央日報「文在寅-金正恩、非核化の大長征の扉を開く」(http://japanese.joins.com/article/973/240973.html

ウォール・ストリート・ジャーナル「南北首脳会談の高揚感に惑わされるな」(http://jp.wsj.com/articles/SB10920515820464333357004584191323619797070

ほぼすべて同じ論調であり、一言で言えば、両国の友好ムードは演出でき、扉は開かれたが、具体的な話はまだないというところだ。

韓国紙はすでに報じているが、板門店宣言文(https://www3.nhk.or.jp/news/special/inter_korean_summit_2018/)を読むと、「南と北は、完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した」の中で「完全な非核化」という言葉は新しく出たものだが、全体としては過去の6ヵ国協議での共同声明より後退している。

つまり、2005年9月の共同声明では、北朝鮮は「すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに、核兵器不拡散条約及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束した」と明記され、さらに「朝鮮半島の検証可能な非核化」についても明記されていた(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/ks_050919.html)。確かに、後退していると評価されても仕方ない。

一方、トランプ大統領は27日に、

「KOREAN WAR TO END! The United States, and all of its GREAT people, should be very proud of what is now taking place in Korea!」「朝鮮戦争が終わる!アメリカと全ての偉大な人々は朝鮮半島で今、起きていることを非常に誇りに思うべきだ!」(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/989820401596366849

と、この板門店宣言を歓迎した。

トランプ大統領は、非核化についてはコメントしていないが、南北首脳会談はあくまで米朝首脳会談の露払いであるので、非核化については、米朝首脳会談での自分の出番と考えているから、このような「歓迎コメント」を出したのだろう。新聞報道によれば、トランプ大統領は「非核化は私の責務」と語ったという。トランプ大統領としては珍しい言葉だ。

米朝首脳会談は、3~4週間以内に開催するとされている。場所は、シンガポールとモンゴルの二箇所に絞り込まれているようだ。どのような展開になるのか、注視していきたい。

さて、3月25日の中朝首脳会談、4月17日の日米首脳会談、27日の南北首脳会談、5月の米朝首脳会談の一連の首脳会談の中で、日本だけがこの流れから取り残されているという「蚊帳の外」論が、日本の左派系メディアから頻繁に流された。

「蚊帳の外」論はどこから出てくるのか

こうした情報を流すのは、ただ単に安倍政権の外交を貶しめたい人もいるし、一方で日本政府を慌てさせたい他国が、いわば陽動作戦の一環として行っている場合もある。外交では、こうした情報戦がしばしば行われ、自国政府に反対する人がその情報戦の先兵として利用される。

安倍首相は、そうした批判に対して、実際の外交実績から堂々と反論している(https://www.sankei.com/world/news/180429/wor1804290006-n1.html)が、ここでは、「蚊帳の外」論を外交論から検討してみよう。

北朝鮮の非核化を国際社会が主張するのは、国際社会にとって、今の「核不拡散体制」の堅持が重要だからだ。特に朝鮮半島の場合、1950年に戦争が勃発、現在も、休戦状態にありながらも続いていることが、その深刻度をさらに大きなものとしている。つまり、北朝鮮の非核化はもちろんのこと、朝鮮戦争を終結させることも必要になってくる。

さて、朝鮮戦争を振り返ると、これは米軍を中心とする国連軍と中朝連合軍の戦いだったことが分かる。それは、休戦協定からも明らかだ。休戦協定には以下の5名が署名している。

・金日成、朝鮮人民軍最高司令官
・彭徳懐、中国人民志願軍司令員
・クラーク国連軍総司令官
・南日 朝鮮人民軍代表兼中国人民志願軍代表
・ウィリアム・K・ハリソン・Jr 国連軍代表

この手続きから、朝鮮戦争を本当に終戦に導くためには、アメリカ、北朝鮮、中国は必ず含まなければまずいだろうことが分かる。

韓国であるが、実は国連軍の一員として朝鮮戦争に参加している。国連軍に参加したのは、米韓を含めて22カ国である。朝鮮戦争開戦当時、日本は占領下であったので参戦国とされていないが、国連軍の要請で特別掃海隊を派遣し、死者も出ている。

日本が果たすべき役割

以上の経緯からみれば、朝鮮戦争の終結のために必要なアクターは、アメリカ、北朝鮮、中国のほか、戦場となり、国連軍の主要部隊だった韓国ということになるだろう。

そのため、板門店宣言では、

「南と北は、休戦協定締結65年になる今年、終戦を宣言して停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築のために、南・北・米の3か国、または南・北・米・中の4か国の協議開催を積極推進することになった。」

と書かれている。

こうした経緯からみれば、朝鮮戦争について、日本は、米、韓国、北朝鮮、中国の4カ国からは、もともとやや距離があるのは、外交論や歴史的な経緯から考えれば当たり前のことである。

あえていえば、米国、韓国、北朝鮮、中国の4カ国に、日本とロシアを加えた「6カ国協議」があるが、日本とロシアはこの4カ国からは似たような距離感なのだろう。これまで、4カ国間の首脳会談はあっても、ロシアを入れた5カ国のものはない。北朝鮮がロシアに接近することもあるだろうが、ロシアは米・韓と日本の距離に近いだろう。この意味で、日本は「蚊帳の外」になっていないと言える。

さらに日本は、4カ国の中に、米・韓を介在して入り込もうとしている。それは、「拉致問題」を軸とした「人権」という新たな切り口である。

この作戦は、今のところ功を奏している。今回の南北首脳会談において、文大統領は金党委員長に対し、「日本が北朝鮮と対話する意思を持っていて、過去の歴史清算に基づいた日朝の国交正常化を願っている」と伝えると、金氏は「日本と対話する用意がある」と返したという。

文氏の「過去の歴史清算」というのがやや気にかかるが、日本が「蚊帳の外」というわけではないだろう。

南北首脳会談の後、安倍首相は、トランプ大統領と文大統領とそれぞれ電話会談して、南北首脳会談の内容を聞いている(http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page4_003964.html 、http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page1_000519.html)。この意味からも、日本は「蚊帳の外」ではない。

こうした多国間での交渉では、できるだけ仲間を作った方が自国に有利である。米韓も日本をある程度組み入れた方が自国に有利になるので、日本を「蚊帳の外」に置くことは得策ではないのだ。

日本は、軍事オプションではまったく役に立たないが、平和では大きな貢献ができうる。2002年には、日本と北朝鮮の間で日朝平壌宣言が行われている。当時の小泉純一郎首相と金正日氏の日朝首脳会談の際に調印されたもので、拉致問題の解決、植民地支配の過去の清算、日朝国交正常化交渉の開始などが盛り込まれている。日本からの1兆円を超えるとも噂される経済援助の約束もあった。

しかし、この日朝平壌宣言は、その後の北朝鮮の核・ミサイル実験により有名無実化した。

日朝平壌宣言の枠組みには批判があるが、実効可能性はある。しかも北朝鮮が喉から手が出るほどほしい経済援助を「武器」にするのは、日本らしい方法だ。経済援助とともに、北朝鮮の(非核化も含めた)監視を行うことこそ、日本が非軍事的な面で貢献できる分野だ。もちろん外交交渉であるので、相手がこの日本の関与を欲しがるような手順が必要なのはいうまでもない。

とにもかくにも「蚊帳の外」論は、実は外交にとって有害無益である。そして今回の「蚊帳の外」論は完全に状況を見誤っている。これを言っている人の意見は信じられない、といっても過言ではないことを指摘しておきたい。

歳川記事

ボディランゲージに見る「対日」「対仏」の温度差

ドナルド・トランプ米大統領は、実に分かりやすい人物である。その仕草、いわゆるボディランゲージから同氏の心情を推しることができるからだ。

トランプ大統領は4月17日午後(米国東部標準時間)、フロリダ州パームビーチの大統領別荘「マーラ・ラゴ」正面玄関で安倍晋三首相を出迎えた際、シャッグ(シェイク&ハグ)をしなかった。

安倍、トランプ氏両首脳はやや硬い表情で握手をしながら互いの左手を相手の右手二の腕の上側に添えただけ。昨年2月10日にホワイトハウス正面入口で出迎えた時はシャッグだった。トランプ氏の頭に瞬時、その後行われる首脳会談で通商・貿易問題で安倍氏にとって耳の痛い話をしなければならないという想いがよぎったからではないか。

そして次のシーンは同24日の米仏首脳会談。ホワイトハウス正面入口で待ち受けたトランプ大統領は、何と国賓で迎えたエマニュエル・マクロン仏大統領とシャッグを交わしたのである。大統領就任後1年3ヵ月間、トランプ氏は数多の海外要人と会談しているが、親愛の情を表すシャッグをしたのは安倍氏に次いで2人目である。

マクロン仏大統領と「シャッグ」を交わしたトランプ米大統領(Photo by GettyImages)

米仏首脳会談前の各国メディアの報道を見ると、「イラン核合意巡り溝」という論調が主流であった。2015年7月、国連安保理常任理事国(P5)の米英仏中露+独の6ヵ国がイランの原子力関連の活動を制限する代わりに、対イラン制裁緩和することをイランと合意したのが所謂「イラン核合意」である。

トランプ氏は米大統領選当時から、オバマ前政権が進めた同合意は「破滅的な欠陥がある」と批判してきた。そして大統領就任直後の昨年1月12日、イラン核合意からの離脱を前提に120日間の猶予期間を設定、その間にイランの弾道ミサイル開発の規制を盛り込む修正案提示を、米国を除くP5側に求めた。

その設定された期日が5月12日である。これまで国際社会ではイランが合意を遵守しているというのが共通認識だったが、トランプ氏が非妥協路線に転じたことを憂慮したマクロン氏の指示を受けた仏外交当局は水面下で対米折衝を続けてきた。

そして、マクロン氏が「お土産」を持参してワシントン入りすることを事前に知らされていたが故にトランプ氏はシャッグで出迎えたのである。

結局、採用された「強硬派」の判断

案の定、マクロン大統領はトランプ大統領に対イラン新合意案を提示したのだ。すなわち、(1)イランの核開発を長期にわたって抑制する、(2)イランの弾道ミサイル開発を停止する、(3)イランの中東での影響力拡大を阻止する――という現行の核合意にない三つの要素が含まれる(「読売新聞」26日付朝刊)。

一方、当該のイランは「新たな争点は米国が合意を履行してから議論すべきだ」(ローハニ大統領演説)とした上で、核拡散防止条約(NPT)脱退を示唆するなど、反発を強めている。

そうした中で、トランプ大統領が下した判断はやはり「イラク核合意」からの離脱だった。対イラン強硬派のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)がマクロン大統領提案に強く反発、これまでの非妥協路線の堅持を進言したことが大きかったとされる。

今回のイラン問題に関する米仏首脳会談は、6月上旬までに行われる北朝鮮の金正恩労働党委員長との米朝首脳会談が、どのような進展を見るのかを予測する上で参考になる。

米朝首脳会談は「ボディランゲージ」にも注目

会談場所は諸説ある。(1)米朝ともに大使館を置くモンゴルの首都ウランバートル、(2)米朝ともに国交締結のシンガポール、(3)金正恩氏が幼少期を過ごしたスイスの国際都市・ジュネーブ、(4)南北を分断する板門店の軍事境界線の北朝鮮側にある「板門閣」、(5)北朝鮮最大の港湾都市・元山沖合の公海に停泊させるクルーズ船上――などだ。

そして筆者の関心は、果たしてトランプ氏は金正恩氏と初対面した時にどのようなボディランゲージを示すのかである。よもやシャッグすることはないが、するとしても中国の習近平国家主席にしたリスペクト・シェイク(相手を敬する握手)ではないか。

習近平国家主席と握手を交わすトランプ大統領(Photo by GettyImages)

トランプ氏がマクロン氏との共同記者会見でつかったワーディング、「get rid of nukes」(核兵器を捨てる)ことに金正恩氏が同意をしなければ、トランプ氏が会談の席を立つことも十分にあり得る。なぜならば、米朝首脳会談にボルトン氏が同席するからだ。

トランプ・金正恩会談の先行きを見通すことは、あまりにも不確定要因が多くて難しい。トップ会談のイニシアチブを決める会談場所、対北朝鮮強硬派のボルトン氏の存在、非核化の定義とその検証方法、金体制の保証の中身(文書化、条約化)などだ。

大型連休後には、現在水面下で進行中の米朝協議の内容が少しずつ表面に出てくるはずだ。詳細な見立ての開陳には猶予をいただきたい。

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