宮崎氏の述べていることは、小生のずっと述べてきたことと同じです。小生がだから偉いというのではなく、歴史を真っ直ぐに見据えればそうなるということでしょう。左翼リベラルと言われる人たちには見えないというか、敢えて見ないようにしているのでは。既得権を守ろうとしているだけです。口を開けば「平和」と言いますが、「平和」を守る覚悟もない連中です。或は外国の手先でしょう。現実に起きている事象、ISILによる日本人人質殺害事件、中国の尖閣奪取行動を見て「平和」と唱えるだけで「平和」が守られていますかと聞きたい。「平和」には相互確証が必要でそれがバランスオブパワーです。「抑止力」を持たない限り、悪の帝国にやられてしまいます。日本はABCD包囲網を敷かれて、負けると分かっていても戦争せざるを得ませんでした。あの当時植民地を持って収奪していたのは欧米列強の白人です。Cの蒋介石は自分が天下を取りたくて日本人と手を組むことを拒絶、孫文の側近だった汪兆銘の南京政府と対抗しました。西欧のお先棒を担いだだけです。この敗戦から日本が学ぶことは「正義が勝つ」とは必ずしも言えない、力のある方が勝つ、同盟が物を言うという所です。
今中国は傍若無人に好き勝手やり出しました。日清戦争前の北洋艦隊の軍艦定遠・鎮遠の長崎での暴行事件みたいになってきています。そもそも「定遠」は「遠くを定める」、「鎮遠」は「遠くを鎮める」の意ですから、昔から侵略体質を持っていたということです。中国の言う「平和的台頭」なんてありえません。偽計に決まっています。
アメリカは「先が読めない国」でありますが、「中国封じ込め」のために中心となって動いて貰わないといけないです。オバマはルトワックの本を読んで研究しないとダメですね。
記事
考えてみれば歴代アメリカ外交は誤断に基づくとてつもない見込み違いを繰り返し、結果的に取り返しの付かない失敗に繋がることの連続である。
近年ではサダム・フセインが大量破壊兵器を開発しているという理由でイラクに戦争を仕掛け、あげくにスンニ派のバース党を解体させ、シーア派政権をバグダッドに樹立させた。
その揺れ返しがISILという「アルカィーダ」よりも残酷なテロリスト集団を誕生させた。もとはと言えば米国の失策から誕生したのだ。アルカィーダもアフガニスタン戦争の結果が産んだ化け物である。
1930年代後半から日本の台頭に不快感を抱いたルーズベルトは心底からの親中派で、共産主義に深い同情と理解を示した。
もっとも彼の周りはコミンテルンのスパイばかりだったため、あろうことか中国を支援し、日本をくじいた。ヤルタの密約で、宏大な利益をソ連に差し上げたのもルーズベルトだった。
味方と考えてきた蒋介石への援助を中断し、毛沢東に結局シナ大陸を支配させた。「誰がチャイナを失わしめたか」とリチャード・ニクソン等は後年、ルーズベルト外交を攻撃した。
こんにち真珠湾攻撃はルーズベルトの仕掛けた罠であったことも証明されている。が、米国でこの真実を言うと「修正主義」のレッテルを貼られる。
朝鮮戦争で恩を仇で返すかのように毛沢東は朝鮮半島に義勇軍を送り込んできた。米国は爾来、ソ連と中国を一枚岩の共産主義同盟と誤認し、封じ込めを計った。
40年代の政策を逆転したのである。
中ソ対立が起きていたことを鉄のカーテンの向こう側の政局激変をしらずにいた米国は、ある日気がついた。それは敵の分断、内訌を促進する作戦である。
米国と自由世界の主要敵であるソ連を封じ込めるには、むしろ中国を駒として利用することが得策であり理にかなっていることに米国は活路を見いだした。
ニクソンの安全保障担当補佐官だったキッシンジャーは中国の軍事同盟国=パキスタンを訪問し、三日ほどホテルで病気と称して引きこもった振りをして、イスラマバード経由で北京に密かに飛んで周恩来と密談をなし、米中関係の劇的な再生に結びつけた。
ニクソン・ショックと呼ばれる米大統領の北京訪問が発表された。
この間、米国は徐々に中国へてこ入れを開始し、1971年のニクソン訪中から、79年の国交回復の期間に台湾と外交関係を断ち切り、スポーツ文化交流から軍事交流への道を突っ走る。
もし中国がソ連と軍事衝突し、それが長期化した場合、米国は装備などの支援のほか、ソ連軍の動きを分析した情報の提供もほのめかし、中国軍の脆弱性を補完するなど中国軍の近代化に側面的援助をなした。
それが布石となって今日の中国軍はおばけのような凶悪な存在となった。
米中雪解けを商業的に先読みした日本は中国に急接近するために台湾を弊履の如く捨て、異様な金額を注ぎ込んで、中国の経済発展を助けた。
将来を不安視する声を、日本のマスコミは黙殺し、企業は中国への投資を進めた。戦前のコミンテルンのごとき代理人役を果たしたのが、日本の主力メディアだったのだ。
やがて中国が経済力をつけると、それが軍拡になって将来日本への脅威となることを当時の日本の政治家も財界人も考慮した形跡がない。だから米国の歴代政権同様に日本も愚かだった。
しかしソ連が崩壊し、新生ロシアが米国の脅威とみなされなくなると、米国の対中態度はがらりと変わる。
なにしろ米国の軍事力に挑戦しようというライバルの出現に敵対的になるのは大国として当然である。
したがって現状を分析すれば、「ロシアを中国から引きはがすことは、あたかも1970年代にソ連から中国を引き離したときにように、アジアに於ける力の均衡において好ましい影響をもたらすことになる。ヨーロッパにおけるロシアの報復主義を阻止しながらも、アメリカ政府はこの可能性を排除してしまうような行動はいっさいとらないようにすべきであろう」(アーロン・フリードバーグ『支配への競合』、佐藤亮監訳、日本評論社)
だがオバマは間違えた。
オバマはルーズベルトと同じ過ちを犯し、ロシアを『あちら側』に追いやってしまうという愚を、歴史の教訓を考えずに、周囲の反対も聞かずに押し切って将来の歴史家から愚昧な大統領として評価されるしかない道を選んでしまった。
▼ロシアの反撃が始まった
すでに多くの点で米国の思惑は大きく外れ、中国の敵対的行動は、とうとう米国の目の前に現れたのだ。
ニカラグア運河の建設が始まった。
「米国の裏庭」で中国は、米国の大きな権益があるパナマ運河に対抗するため膨大な建設費を投じてニカラグアの東西を貫通させる運河を建設し、数年で完成させると息巻いている世紀のプロジェクトだが、はたして『ニカラグア運河』が完成するか、どうかは高見の見物だろう。
世界の情報筋も、これを半信半疑で見ている。
ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は先ごろ、このニカラグラ、ベネズエラ、そしてキューバを訪問した。
いずれも中国が大々的な投資をおこなっている国々だが、もとはと言えばソ連時代の「あちら側」だった国々である。
キューバはソ連の代理戦争を各地で闘ったほど、反米のあまりにソ連衛星圏の中核的存在だった。オバマは、そのキューバへの制裁を徐々に解除しはじめ、将来の国交回復を述べた。
ニカラグアのサンディニスタ独裁政権はソ連の後ろ盾で革命に成功した。
セルゲイ大臣はニカラグアでソ連軍艦寄港の弐国間取り決め交信にサインし、また将来、ニカラグア運河完成のおりは、ソ連の軍艦が通過するとした。
「これは重要な案件であり、ソ連の軍艦が太平洋からメキシコ湾へ入れることを意味する。ロシア海軍は長距離巡航ミサイルを装備した艦船を保有しており、これらがキューバの近海で遊弋すれば、米国の下腹部をいつでも襲撃可能となる。これこそはロシア周辺国に米国と連携した軍隊の展開に対してのロシアの回答である」。
米国のキューバへの急接近はキューバ側が要求しているグアンタナモ基地の撤収が最初になされて以後、本格化するかも知れないが、ロシアは国防大臣を送り込んで、米国の急な接近を牽制する。
ただしキューバでラウレル・カストロ議長と何が話し合わせたかは発表がなかった(英語案プラウダ、2月16日)。
ベネズエラでは火砲、戦車、機械化装置など軍事物資の購入に関して打診し、また共同の軍事演習についてつっこんだ話し合いがもたれたという。
インドはモディ首相の登場以来、たしかに親米路線に外交方針を変えたが、それでもプーチンをあたたかく迎え、対米外交との均衡をとる。なぜならインドの武器システムはソ連時代から露西亜製で体系化されており、短時日裡に米軍システムに切り替えは不可能だからだ。
ニカラグア、キューバはインド同様な境遇にあり、中国がいかにしゃかりきになろうともラテンアメリカ諸国の武器、防衛体系は一朝一夕に中国のシステムに二者択一というわけにはいかないだろう。
ともかく中南米でおきているのはロシアのクリミア併合に端を発し、ウクライナの戦火拡大に抗議してとられた欧米の対ロ経済制裁が、ロシアをして、こうした報復的行動を採らせてしまった。
最大の脅威=中国にロシアは依拠せざるを得ない環境をつくりだしたわけであり、オバマのロシア制裁はあまりにも拙速だった。