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3/4日経ビジネスオンライン 北村豊『元最高指導者「華国鋒」の銅像に取り壊し命令 サッカー場14個分の陵墓、銅像完工から21日目に』について

3/5池内紀氏の『カント 永遠平和のために ~私が歩んだ戦後70年~』講演会に参加しました。予想通り、岩波・朝日文化人の反権力を標榜するリベラル(自由人)です。戦争は儲かるからやるとの話、それはそうで赤字になるなら誰もしないでしょう。領土奪取・賠償金というメリットがなければ。米国のイラク侵攻も石油と$の基軸通貨維持のためと言われています。日本の戦前のアジア進出も資源確保のためです。物事が起きるのには動機が必要です。それが経済or名誉or倫理なのか千差万別です。石川明人氏の『戦争は人間的な営みである』の中では、確か総力戦となる近代戦では、利益のためだけでは戦えなく、友のためにと言う大義が必要とあったと思います。本の紹介には「戦争は「純然たる悪意」のみの産物ではない。むしろ、愛や、希望や、真心や、正義感があるからこそ、人は命をかけて戦うことができ、戦争を正当化できてしまう」とあります。物の見方は一様でないという事です。自由な国に生まれて良かったという事。中韓のような国でなくて本当に良かったと思います。

プラハの春の時に池内氏はチエコにいて、20年後民主化が実現したことで言論の力を感じたとのこと。言論で共産党支配の状況が変わった訳ではなく、レーガンのSDI計画でソ連の国防費が肥大化して、衛星国の面倒が見られなくなったためです。歴史解釈が現実を見てなく、都合の良い解釈=脳内お花畑になっています。理想で解釈するのではなく、現実(経済的利益面をも考慮)で判断しないと、間違うのでは。マルクス経済学だって「下部構造が上部構造を規定する」と言っているではないですか。そもそもチエコはZB26軽機関銃を開発したことで有名な国です。日本の九六式軽機関銃はそれを模倣して作られました。それだけ東欧諸国の中では技術先進国です。軍事技術が民生技術をリードしてきたのは、インターネットや飛行機を上げるまでもなく、便利な社会を築いてきました。戦争が人類の進歩にも貢献してきた部分もあります。でなければ戦争は国際法違反として禁止されるべきでは。自衛戦争は許容されると言いますが、線引きできないでしょう。中国に言わせれば、南シナ海も東シナ海も自衛だと言い張るでしょう。

ワイツゼッカーの話もドイツは国として謝罪したわけでなく、全部ヒットラーのせいにして言い逃れしている事実についても触れませんでした。ワイマール憲法下で独国民にヒットラーは選ばれたことを今の独国民はどう思っているのか。

難民の受け入れでメルケルの決断を褒めていますが、100万人も受け入れして大きな問題を抱えたため、支持率は極端に下がったことには触れていません。「独メルケル連立政権の支持率が13年以来最低に=ビルト紙

[ベルリン1月19日 ロイター] – 日刊紙ビルト紙が世論調査会社INSAに委託した調査で、ドイツのメルケル首相(キリスト教民主同盟)率いる、保守大連立政権の支持率が2.5%下がり、2013年9月の総選挙以来最低水準の32.5%になった。同紙が19日伝えた。(ロイター)」とあります。

全般的に理念先行型の発想で、その理想を現実のものにするプロセス構築が弱いと感じました。現実把握が正しくできていないせいと思います。また反権力を貫くためには反共でなければならないことを分かっているかどうかです。でないと銅鑼湾書店メンバーのように拉致されますよと言いたい。民主主義と自由は表裏一体で、自由の中には精神の自由だけでなく、経済的自由も含まれるという事です。

本記事のように為政者の一存で物事が簡単にひっくり返る国でなくて良かったと本当に思います。この自由な国を守るためには、ありとあらゆる手段を使う必要があります。世論戦にも負けないような国際広報も考えて行かないと。ATO(Asian Treaty organization)も発足させたい。なお、周も鄧も、後世墓を暴かれるのを恐れて散骨したと言われています。

記事

Mao & Hua Guofeng

華国鋒(右)と毛沢東(写真:AFLO)

 2月18日、山西省“交城県”では3万人以上の県民たちが“県城(県政府所在地)”から北へ約3kmに位置する“呂梁人民英雄広場”に建てられた“華国鋒(かこくほう)”の銅像を取り囲むように集まり、当該銅像の取り壊し反対を唱えて気勢を上げた。高さ約10mの銅像は、2月16日が華国鋒の生誕95周年記念日であることから、交城県の県民たちが資金を出し合って建設したもので、1月27日に完成した。しかし、記念日翌日の2月17日に、地元の“交城県政府”は銅像が建設に必要な申請・承認の手続きを経ていないとして取り壊しを命じた。このため、関係当局は銅像を赤い布で覆い、その周囲には取り壊し作業用の足場を組んで、取り壊し作業を今にも開始しようとした。

遺言を残した毛沢東の座像と同じ理由で

 河南省の“通許県”では、地元の人々の資金で建設された高さ36.6mの巨大な“毛沢東”座像が、同様に必要な申請・承認の手続きを経ていないことを理由に、竣工を間近に控えた1月7日に取り壊された<注1>。メディアの報道を通じてこの毛沢東座像の取り壊し事件を知る交城県の県民たちは、銅像の取り壊し作業が開始されようとしていることに焦りの色を隠せず、交城県は緊迫した空気に包まれた。県民たちは居ても立ってもいられぬ気持ちで、何としても銅像の取り壊しを阻止しようと、大挙して呂梁人民英雄広場へ集まったのだった。

<注1>毛沢東座像の取り壊し事件については、1月29日付の本リポート「なぜ完成直前の毛沢東座像は壊されたのか」参照。

 交城県は、山西省中西部に位置する“呂梁市”の管轄下にあり、黄河を挟んで陝西省と隣接する。交城県の面積は1821km2で日本の香川県(1877km2)とほぼ同じ、人口は約23万人で香川県(98万人)の4分の1に過ぎない。また、同県はこれといった特産品のない平凡な農村地帯だが、中国の重要仏教寺院の一つである“中玄寺”が存在していることで知られる。中玄寺は中国に伝来した浄土宗がその教えを広める起点となったところで、日本の浄土宗や浄土真宗とも関係が深く、日本の仏教界でもその名は広く知られている。

 さて、その交城県が誇りとするもう一つの事柄がある。それは交城県がかつて中国の最高指導者であった華国鋒の出身地であるということである。華国鋒は1976年9月9日に逝去した“毛沢東”の後継者として、1949年の中華人民共和国成立以来で唯一、“中国共産党中央委員会”主席、“国務院”総理、“中国共産党中央軍事委員会”主席を兼任して「党」・「政」・「軍」の最高指導者となった人物である。華国鋒は死に瀕した毛沢東が彼に残したとされる「“你辦事,我放心(貴方がやれば、私は安心だ)”」と書かれた遺言を根拠に毛沢東が定めた後継者であると名乗り出て最高指導者の地位を得た。彼は“葉剣英”(当時は国防部長)などの古参軍人の支援を受け、当時権勢を誇っていた「四人組」<注2>を逮捕して、毛沢東が主導した“文化大革命”を終結させた。

<注2>「四人組」とは、文化大革命の中で実権を握った中国共産党中央政治局委員4人(王洪文、張春橋、江青<毛沢東夫人>、姚文元)を指す。

華国鋒は1976年10月7日から約5年にわたり中国共産党中央委員会主席として最高指導者の地位にあったが、「毛沢東が決めた政策を絶対に擁護し、毛沢東の指示に従う」という通称“両個凡是”と呼ばれる方針に固執し、毛沢東に対する個人崇拝を継続し、鄧小平を始めとする“老幹部”の復活を妨害し、経済政策を急ぎ過ぎたなどと批判され、1981年6月28日に党中央委員会主席の職を辞した。その後は党中央委員会委員の職に形式的に留まったが、ほとんど表面に出ることはなく、趣味の書道に没頭する日々を続け、2008年8月20日に北京市で死去した、享年87歳。

 但し、伝えられるところによれば、華国鋒は2000年頃に中国共産党を脱退しており、その脱退声明には、「現在の共産党は過去の国民党と区別がない。当時の中国共産党は腐敗反対、専制反対のスローガンを唱えて国民党政府を打倒したが、中国共産党が政権を執ってから50年以上にわたる、一党独裁の堅持、人権の抑圧、国民の自由のはく奪、汚職腐敗、司法の濫用などは当時の国民党政府の比ではない」と述べられていたとされる。

孫文をしのぐ陵墓に非難轟々

 それはさておき、華国鋒の葬儀は2008年8月31日に北京市“八宝山革命公墓”<注3>で元国家指導者としての体面を保つ形でしめやかに行われた。華国鋒の遺体は荼毘に付された後、その遺骨は八宝山革命公墓に預けられた。一方、華国鋒は生まれ故郷の山西省交城県に埋葬されることを望んでいたことから、華国鋒の遺族は交城県当局と交渉を重ね、中国政府当局の承認を得て、交城県の景勝地である“卦山(かいざん)”に“陵園(陵墓を中心とした林園)”を作ることを決定した。

<注3>“司局級(局長クラス)”以上の幹部が埋葬される資格を持ち、一般大衆用の“八宝山人民公墓”とは区別される。

 2009年に工事を開始した“陵園”は完工を間近に控えた2011年4月に、メディアの記者に公開されたが、その規模は度肝を抜くものだった。華国鋒の陵墓は卦山の南側半分を占め、敷地面積は10ha(=10万m2:標準のサッカー場14個分)と広く、江蘇省“南京市”の“紫金山”にある“孫文(別名:孫中山)”の陵墓“中山陵(敷地面積8万m2以上)”に匹敵する規模だったのである。孫文は台湾では“国父”と呼ばれるが、中国では“中国偉大的民主革命開拓者(中国の偉大な民主革命の開拓者)”と定義付けられ、革命の先駆者として尊敬されている。華国鋒の陵墓はその孫文の陵墓をしのぐ規模であるばかりか、その総投資額は1億元(約18億円)を上回ると、中国メディアは一斉に批判的な記事を報じた。

後に、交城県当局の関係者は、華国鋒墓陵、華国鋒記念館および華国鋒広場の総工事費は2500万元(約4億5000万円)前後であったと述べたが、当時一般大衆の華国鋒陵墓に対する反発は激しいものがあった。このため、交城県政府は華国鋒墓陵を一時的に閉鎖し、当初予定していた“華国鋒広場”の名称を呂梁市に因んで“呂梁人民英雄広場”に、“華国鋒記念館”を“晋綏革命歴史記念館”<注4>に各々変更すると同時に、華国鋒墓陵は呂梁人民英雄広場の一部分とすることを決めた。交城県政府はこれら変更によって華国鋒墓陵に対する世論の反発を躱し、墓陵の一時閉鎖によって嵐の過ぎ行くのを待つ作戦に出たのだった。

<注4>“晋綏”とは「晋(山西省)」+「綏(綏遠省;現内モンゴル自治区の一部)」を指す。

郷土の誇りを、新たな台座に

 それから半年後の2011年11月初旬、北京市の八宝山革命公墓から移送された華国鋒の遺骨は、華国鋒墓陵内の石室に収められた。本来は逝去3周年当日に当たる8月20日に納骨式を挙行する予定であったが、庶民の反発により2か月延期されたものだった。こうして華国鋒は、1921年2月16日に出生し、少年時代を過ごし、青年時代は日本軍に対するゲリラ戦を展開した故郷の交城県へ戻ったのだった。彼の墓陵の前に置かれた石碑を兼ねた台座は、彼の名前“華国鋒(Hua Guofeng)”の頭文字であるアルファベットの大文字「H」の形状で、彼が国家の最高指導者となった時の年齢である55歳に因んで5.5mの高さだった。本来、台座の上には高さ10mの華国鋒の銅像が据え付けられる計画だったが、庶民の反発を恐れた交城県政府は銅像の据付を取り止め、すでに完成していた銅像は倉庫内に放置された。

 このような状況に心痛めた交城県の県民たちは、郷土の誇りである華国鋒の銅像を本来なら「華国鋒広場」と呼ばれるべき「呂梁人民英雄広場」に建てたいという思いを募らせた。そこで、県民たちは、墓陵前の台座に銅像を据え付けることがいけないなら、呂梁人民英雄広場に新たに台座を作り、その上に放置されたままになっている華国鋒の銅像を据え付ければよいという結論に至った。華国鋒の生誕95周年に当たる2月16日以前に銅像の据付を完成させることを目標に、華国鋒の親友たちが中心となって地元に商人たちの支援を受けて資金集めを行い、呂梁人民英雄広場の中心に台座を建設した。こうして1月27日、呂梁人民英雄広場に新たに建設された台座の上に華国鋒の銅像が据え付けられた。県民たちはその威風堂々たる華国鋒の銅像を目にして、郷土の偉人に対する尊敬の念をより深いものとしたのだった。

 ところが、上述したように、交城県政府は建設に必要な申請・承認の手続きを踏んでいないという理由で、2月17日に華国鋒の銅像の取り壊しを命じたのだった。

取り壊し反対の声は「削除」

 これを知った県民たち1万人以上が「華国鋒の銅像を守れ」の合言葉の下、交城県の県城内のデモ行進を行った上で、呂梁人民英雄広場に集まって「取り壊し反対」の集会を開いた。翌18日には早朝から3万人もの県民たちが呂梁人民英雄広場に集まって「反対」の気勢を上げた。県民たちの一部は当局によって派遣された警察部隊と衝突し、双方に負傷者を出すに至った。同日午後、“交城県党委員会”副書記の“李義祥”は県民の安全を考えて、18日中の取り壊しは行わないと表明した。また、その後、交城県政府は文書を公布して、県民に対して銅像は必要な手続きを経ていないため取り壊さざるを得ない旨の説明を行った。李義祥は、「銅像取り壊しの命令は上部からの指令であり、交城県党委員会ならびに交城県政府は何も言えない立場にある。上部の説明は銅像の建設には手続きが必要であると述べただけだった」とメディアに語ったという。

 2月19日を境に、華国鋒の銅像の取り壊しに関する報道もネット上の書き込みも一切見当たらず、その後の銅像の状況については何も分かっていない。恐らく報道管制が敷かれ、ネットも規制されて、書き込みは削除されているものと思われる。銅像取り壊しが上部からの指令である以上は、たとえどんなに交城県の県民たちが取り壊しに反対を唱えようとも、最終的には銅像は力ずくで取り壊されたと考えざるを得ない。当初、華国鋒の遺族が交城県に陵墓の建設を相談した際に出した条件は、「農地を占用せず、古跡を破壊せず、環境を破壊せず、住民と土地を争わず」の原則で、荒地に埋葬すれば良いというものだったにもかかわらず、交城県が墓陵の規模を必要以上に巨大化したことが、その後に発生した全ての問題の出発点となったのだった。

それなら、華国鋒の銅像が取り壊された真の理由として考えられるのは何か。

習近平以外には考えられない

【1】華国鋒銅像の取り壊しを命じたのは、河南省通許県の毛沢東座像と同様に「上部」であった。華国鋒は毛沢東と同様にかつての国家最高指導者であり、その銅像の撤去を命じることができるのは、現在の最高指導者である中国共産党総書記の“習近平”以外には考えられない。しかも、華国鋒銅像は毛沢東の様に全国各地に多数の像が建てられているのと違い、恐らく交城県の銅像が唯一の物と思われるのに、その像すらも建てることを認めないのはどうしてなのか。

【2】上述したように、生前の華国鋒が中国共産党を脱退していたという事も、一つの要因と言えるのかもしれない。中国共産党を脱退し、その際に中国共産党を批判する声明を発表したことが事実ならば、華国鋒を賛美する象徴となるような銅像を建てることを認めるわけには行かない。

【3】華国鋒には隠された秘密があると言われている。それは彼が毛沢東の隠し子であったという噂である。毛沢東が女癖の悪い人物であったことはすでに周知の事実となっているが、1920年に毛沢東が湖南省“長沙市”に滞在中に知り合った“姚”姓の女性もそのうちの1人であった。この女性は山西省交城県から長沙市へ来ていた「たばこ商人」の娘で、1921年に故郷の交城県で毛沢東の子供を出産した。それが華国鋒であったという。華国鋒は、中華人民共和国成立直後の1951年には毛沢東の故郷である湖南省“湘潭県”の党委員会書記に任命されたのを皮切りに出世階段を駆け上ることとなる。なお、華国鋒の湘潭県党委員会書記在任中に、毛沢東は都合9回湖南省を訪れたが、その度に華国鋒との面会を手配させたという。

【4】これなら、毛沢東が上述した遺言を華国鋒に残した理由が説明できる。また、2002年12月26日、華国鋒が毛沢東の娘たちと共に北京の天安門広場にある“毛沢東記念館”を訪れて、毛沢東の冥福を祈った際に、彼が持参した花輪には「忠実な息子国鋒哀悼」と書かれていたという。花輪はその後すぐに撤去された。

【5】華国鋒が毛沢東の私生児だったとすれば、毛沢東が華国鋒に残した遺言は父から子への政権の世襲を意味することになり、北朝鮮の世襲統治に異を唱える立場の中国にとっては極めて都合が悪い話である。さらに、中国にとって毛沢東は革命の指導者であり、国家の偉人であり、神に等しい存在である。そんな人物なのに、女癖が悪いばかりか、非嫡出子までいたとなっては、国家の体面にも関わる問題となる。それなら、華国鋒には静かに交城県の墓陵で眠ってもらい、人々の目に触れる銅像などは建てないに越したことはないという結論に達するのである。

 なお、話のついでに、中国の国家指導者の死後について述べると以下の通り。

【毛沢東】中国の指導者の中で最初に火葬を推奨したのは毛沢東だったが、その本人の遺体は永久保存処理を施されて毛沢東記念館の中に安置されている。皮肉以外の何物でもない。

【周恩来】生前の遺言「遺骨は保存せず、まき散らせ」に従い、遺骨は4分割され、北京市や天津市など4地点の上空からまかれた。

【鄧小平】生前の遺言「角膜は寄贈、遺体は解剖、遺骨は保管せず、海へまく」に従い、遺骨はその希望である“回帰大海(海に帰る)”を実現して海にまかれた

3/3日経ビジネスオンライン 山田泰司『中国経済異変!昼の町に立ち始めた夜の女たち 城壁廃止議論の中、路地裏文化の勃興か不景気の顕在化か』について

上海では街並みを見るときに「弄」という文字を良く見かけました。「中国上海市长宁区古北路60弄2号501室 200051」=” 2-501, 60 Gubei Road Changning 200051 SHANGHAI P.R. CHINA”と表記されます。200051は邮政编码(郵便番号)です。「弄」はさしずめ日本で言う「丁目」に相当すると思います。上海には「魯迅公園」もあり、「内山完造」も住んでいました。日本と中国が仲が良かった古き良き時代です。

Lu Xun’s home

 

 

 

 

 

 

 

 

魯迅旧居 

Uchiyama Bookstore

                

 

 

 

 

 

内山書店跡

また「社区」というのもあり、本記事にあるようにそこで生活が完結できるような仕組みもありました。監視社会を徹底させるためだと思いますが。

街娼は中国では床屋が多く、近くを通ると女性が呼び込みしていました。当時は10元くらいだったような気がします。汚いので近づかないようにした方が良いでしょう。またホテル(外資系でも)のロビーにそれらしき人が屯しておりました。この人たち以外を外から持ち込むと、通報され、公安による逮捕、パスポートに破廉恥を意味する「恥」のスタンプが押されるという話を聞いたことがありますが、見たことはありませんので真偽のほどは分かりません。

中韓とも今現在売春婦がこれだけたくさんいるのに70年以上の日本の慰安婦を非難します。キチンと反論しなければ汚名を雪ぐことはできません。米軍の7年に亘る調査結果や朝日新聞の誤報で強制性を裏付けるものはない=強制性はなかったことをもっと強烈に主張すべき。従軍慰安婦の概念で言えば、解放軍施設の中に一杯慰安婦はいます。

記事

Street in Shanghai-1

上海の一般的な住宅。通りに面してごく小さな入り口があり、その奥に住居が広がっている。通りからは奥にこれほどの広がりのあるスペースがあるとは想像できない(上海市内)

 日本文学史に残るそうそうたる作家たちが書き残した日本以外の国の町、という点で、上海は他の町を圧倒しているのではないだろうか。

 ロンドンに船で留学に向かう途中に寄航した夏目漱石が、新聞社の視察員として訪れた芥川龍之介が、父の赴任先を訪れた当時17歳の永井荷風が、杭州に駐留する火野葦平に芥川賞を授ける使命を帯びてやってきた小林秀雄が、愛人に傾く妻の気持ちを再び自分に向かせるために夫婦で旅立った金子光晴が、日記、エッセー、小説とスタイルはさまざまだが、当時の上海を記録している。金子光晴が、じっと何かを考え込んで1時間も動かない魯迅を見かけた横浜という名前の橋や、永井荷風が庭園の壮麗さに打たれた豫園など、当時の面影を今も残す場所は少なくない。

 これら作品の収録された文庫本や電子書籍の入ったスマホをガイドブック代わりに散歩するのに、上海は格好の町である。残念なことに最近は、PM2.5等の大気汚染がひどすぎない日ならば、という条件付きだが。

中国には路地裏が存在しない

 ただ、上海、そして中国の町歩きでもの足らないなと思うこともある。それは、裏通りや路地裏、横町を歩く楽しみがないことだ。中国には表通りしかなく、裏通りや路地裏が存在しないのである。

 こう言うと、上海や北京を知っている人の中には、「何を寝ぼけたことを。裏通りや路地裏ならそこらじゅうにあるじゃないか」「北京の胡同こそ裏通りではないのか」と指摘する向きもあろう。しかし、中国の都会にある道路は、道幅が広いか狭いかの違いだけですべてが表通り。上海や北京にも裏通りや路地裏があるという人が頭の中に思い浮かべているのは、ただ道幅が狭いというだけで、表通りに過ぎない。

 中国の町に路地裏や裏通りが存在しない理由は、住宅の構造にある。

 中国は古来、囲う文化である。町全体を城壁で囲い、一族や共同体の住む複数の住居を壁で囲う。町を城壁で囲うことで外の世界と遮断し、住宅の四周を壁で囲むことで、一族以外の人間や、通りがかりの見知らぬ人物の侵入を防いできた。住宅の中に入るにはいったん、通りに面した門をくぐって囲いの中に入り、中庭などを通ってようやく自分の家の玄関にたどり着くというスタイルである。

Street in Shanghai-2

高層の集合住宅の入り口と、中庭の様子。四方を囲む形にして外部と遮断し通り抜けできないようなスタイルにしている(上海市内)

町造りや住居造りにおけるこのような精神やスタイルは、現代に至るまで脈々と受け継がれてきた。こうした住宅群の中には数百戸、数千戸が入居する大規模なものもあるため、囲いの中に学校、スーパー、病院、銭湯、美容院、レストランなど生活に必要なものがそろっていて、壁の外に出なくても最低限の用が足りるようになっている所もある。

 こうした居住区の中にある小さな路地が、壁で囲う文化のない都市における路地裏、裏通り、横丁に相当するものなのだろう。ただ、囲いの中の路地には、閉鎖された他人の空間に入っていくような居心地の悪さと、あくまで壁で守られた生活の空間という予定調和の空気が流れている。無防備に外界にさらされている場所に自然発生的に形成された路地や裏通り、横丁で感じる危うさやスリル、ドキドキ感やワクワク観が、囲いの中には欠如しているのだ。

城壁文化廃止の論争

 さて、住居群を壁で囲って住人以外の出入りを制限する居住区を形成することで困るのは、誰でもが通行でき利用できる一般道の数が少なくなることである。壁や壁代わりの商店で四周を囲った四角い積み木のような居住区をすき間無く敷き詰めた結果、行けども行けども次の道との交差点にたどり着かない町が出来上がってしまったというわけだ。

 その中国で今、壁で四周を取り囲むスタイルの居住区――中国語では「封閉式小区」と呼ぶ――を禁止しようという動きが持ち上がっている。

 提案しているのは中国共産党中央と中国政府だ。今年の2月下旬、これから新たに開発する住宅については壁を設けず、居住区の敷地内を通る道路も、クルマと人の往来を自由にさせようというのがその内容。さらに、既にある居住区についても、段階的に壁を取り払って誰でも自由に通り抜けできるようにしていくことを目指すという。

 当局が理由として挙げているのは、誰でも通れる一般道を増やすことによる交通渋滞の緩和。なかなか解決の糸口がつかめないPM2.5をはじめとする深刻な大気汚染も、交通渋滞が元凶の1つだから、理由としてはごくまっとうなものだと言える。

Street in Shanghai-3

上海市内の住宅。中央の通りを挟んで右側と左側は別の団地。だが、塀と門で遮り、中央の道を一般車両や住民以外の通り抜けをできないようにしている(上海市内)

 ただ、中国の庶民は当局の説明を額面通りに受け止めてはいない。当局の真の目的は土地に課税することにこそあるというのである。それはこういうことだ。現在、壁で囲っているがために公共の場所扱いになっている花壇などの公共スペースを、壁を取り払うことで個人に分け与える。そこを私有財産と見なして課税し税収を増やすことにこそ真の目的がある、というわけである。

 また、人やクルマの通り抜けを認めることで事故の確率が増すなど安全が確保されなくなると反対する声も上がっている。

 壁撤廃の議論は始まったばかりであり、当面見送りとされたり、強い反発に遭って廃案になったりする可能性だってある。ただ、町ごとすっぽり取り囲む城壁は取り壊しても、住居を囲うことだけは頑なに守ってきた中国で、これが撤廃されることになれば、それはやはりエポックメイキングなことだと言えるだろう。自分の周囲を囲うことで培い積み上げてきた文化や思想、習慣にも変化が生じるかもしれない。なにより、壁の撤廃により、路地裏や裏通りの文化が中国に出現するかもしれないのだ。

昼日中の都心に大量出現した街娼の衝撃

 これはなかなか面白いことになってきたと1人興奮した私は最近、壁で取り囲む居住空間を改めて観察してみようと、時間を見つけては地下鉄に乗り、いくつかの住宅を見て回っている。

 そうした最中である。さる都心部の居住区で目を疑う光景を目の当たりにしたのは。日曜日の昼下がり、上海の中心部の住宅街に、街娼が立っているのを見つけたのである。それが1人や2人だったなら恐らく気付かなかっただろうし、その程度の人数なら、高級ホテルの入り口付近で見かけたこともあった。ところがその居住区では、この通りに4~5人、隣の通りに7~8人、その隣りにまた4~5人と、一目でそれと分かるほどの人数が立っていたのだった。

Street in Shanghai-4

街頭で客引きする女性ら(上海市内)

 その後、彼女らの立つ通りを歩いてみたところ、何人かが「遊んでいかない?」と声をかけてきた。料金は最低50元(約850円)から、とのことだった。あまりの安さに衝撃を受けた。年齢は20代と思しき人もいたが、40代前後が最も多いように見えた。

 そこは、再開発が決まって住民の立ち退きが始まり、一部では取り壊しが既に始まっている集合住宅の集まる居住区だった。元々はそこも四周が壁で囲まれていたようだが、囲いの中に出入りするための門が取り払われていた。建物と建物の間の道が人が2人すれ違うのがやっとというほど狭いのでクルマは進入できないが、人は自由に往来し通り抜けているようだった。私はここに2日通ったのだが、2日目には立ち退きを渋る住民を追い出しに来たと思しき目つきの鋭い若者たちが20人ほどたむろしていた。

 それらの光景を見て私はまず、取り壊しのどさくさでこの居住区に不法組織が入り込み、彼らの仕切りで女性たちを立たせて商売させているのではないかと考えた。

地上げ屋の仕切りではない

 ただ、待てよ、である。

 住宅の解体業者で働く友人がいることもあり、私はこれまで、取り壊しが決まって住民が立ち退きを始めた居住区をいくつも見てきた。しかし、そこに街娼が白昼堂々、1人や2人でなく10数人、しかも都心部と言っていいエリアに出現するなど、少なくとも私は初めて見たし、そのような現象が起きたということも寡聞にして知らない。そして、地上げの若者たちが滞在していた2時間ほどの間、街娼たちはどこかに姿を消し、彼らが立ち去ると再び町角に立った。これを見ても、地上げの若者らの組織が街娼たちを仕切っているのではなさそうだ。

 さらに、取り壊しの居住区からワンブロックほど離れた通りで、建物の影に隠れるようにして立ち客を引く何人かの街娼の姿も認められた。そこは、路線バスが通るような大きな通りに面した場所だ。

共産党が厳しく統制している国という印象のある中国、そして上海にも、もちろん(と言うのが適当なのかどうかはさておき)、風俗店はある。日本のように公然と風俗店を名乗ってはいないが、ナイトクラブやカラオケ、サウナ、足裏マッサージ店の看板を掲げている店の中には性風俗のサービスを提供する店がごまんとある。また、中国語圏では一部の床屋が風俗店の役割を果たしていて、町中に点在している。店の外に漏れる照明が薄暗かったり紫色など怪しい色だったり、店の中の様子をのぞけるように入り口のドアの磨りガラスが一部だけ素通しになっていたりするので、風俗床屋だということは一目で分かる。

アフリカ出稼ぎと街娼の共通点

 調べてみたところ、街娼が立っていた居住区からさほど離れていない場所に、風俗店が比較的多いことで知られるスラム街があることが分かった。ただそれらが営業するのは店の中、建物の中でのこと。繰り返すが、上海の都心で昼日中、何十人もの街娼が立つなどということはこれまでに無かった。性風俗に携わる彼女らが、表に出てきたのはなぜか。そうした現象を発生させる何らかの変化が起きているのではないか。

 すると、アフリカで働く中国人のことを調べている研究者からこんな話を聞いた。アフリカで働く中国人の出稼ぎ男性を相手に性のサービスを提供するためにアフリカに渡る中国の女性たちが存在するのだが、半年ほど前から渡航する数が、男性、女性とも増え始めているようだと。そして、その中心がアラフォー世代だということ。そして、増加している背景には、不景気があるようだということだった。

 中国では、高卒や専門卒、あるいはそれ以下の学歴の人たちは、35歳を過ぎると途端に仕事が見つからなくなる。アパレルや飲食店の店員にも採用されない。男性であれば50歳を過ぎると警備員でもなかなかなれない。そうした女性たちの選択肢の1つに家政婦があるのだが、不景気の影響でここ2~3カ月、家政婦の口が減り始めているということは、前々回のこのコラムで書いた。

 囲いが取り払われた居住区の路地に突如として出現した大勢の街娼たち。その姿はまるで、中国経済の軋みでできた城壁のひび割れから押し出されたかのようだが、家政婦の仕事を見つけるのも困難になった女性たちが、ある人は上海の町角に立ち、ある人はアフリカに渡る決断をしているということの現れであり、景気が確実に悪くなり始めていることを示すものなのだろう。さらに、囲いがなくなり往来が自由になると、このような光景の路地裏が中国の他の居住区にも誕生するだろうということを予見させるものでもある。

3/2JBプレス 高濱賛『反日のトランプとヒラリーより世界はルビオに期待 民主党が最も嫌がる男に、共和党主流派が一致団結へ』、3/4日経ビジネスオンライン 高濱賛『スーパーチューズデーの隠れたカギ「特別代議員」 規則変更がトランプの追い風に』について

 

Hiroshi Yamada3/3アミュゼ柏で行われた山田宏氏講演会。京大時代、会田雄次教授から「戦後教育の欠落したものとして①宗教心(何かを畏れる心)②道徳(人の道)③歴史への誇り(先人への感謝)が挙げられる。君達はそれがないから指導者になってもダメになるだろう」と言われたと。また民主党且つ京大の後輩(多分前原)と話した時に、彼が保守と言うので何を守りたいのか尋ねたら、「渡辺京二の『逝きし世の面影』のような社会を作りたい」と答えたので、「それは花であって、幹や根ではない」と言った。でも、自分もその時は分からなかったが、ずっと考えて守るべきものの結論が出た。①皇室②神社③日本語の3つである。以上が簡単に内容を紹介したものです。

3/4日経朝刊には「クリントン氏、はや本選に向け動く 米大統領選

【ワシントン=川合智之】1日の米大統領選候補者選びのヤマ場「スーパーチューズデー」を終え、米メディアでは躍進したヒラリー・クリントン前米国務長官(68)が一段と優勢になったとの見方が強まっている。クリントン氏陣営は、早くも指名獲得後の不動産王ドナルド・トランプ氏(69)との本選に照準を合わせて動き出している。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は2日、スーパーチューズデーはクリントン氏にとって「最善の日になった」と評価。米紙ワシントン・ポスト(電子版)も1日、「サンダース氏が今後、連勝するとは考えにくい」として民主党の指名争いは「終わりに近づいている」と報じた。

 米メディアによると、クリントン陣営のロビー・ムック選対本部長は2日、クリントン氏がサンダース氏より600人以上多い代議員を得たことを踏まえ「2008年大統領選でのオバマ氏のリードよりも大きい」と指摘。指名獲得圏内に入ったと示唆した。

 仮にサンダース氏が5日のカンザス州やネブラスカ州の党員集会で勝っても、黒人に人気があるクリントン氏は南部ルイジアナ州などで優位を保ち、差は縮まらないという読みだ。クリントン氏は2日、ニューヨークでの集会で「昨日は歴史の一ページになった」と述べるなど、トランプ氏との本選対決を見越した発言を繰り広げた。

 一方のサンダース氏は2日、8日投票の大票田ミシガン州で1万人規模の集会を開催。「ますます差は縮まっている」と逆転に望みをつないだ。

 共和党ではトランプ氏が通算15州で10勝と圧倒的リードを保つ。原動力は、暴言を含む過激な発言を武器に、これまで投票したことのない共和支持者を掘り起こしたことだ。トランプ氏は2日、「私のおかげで共和党は数百万人の新たな有権者を得た。注意しないと皆離れていくぞ!」とツイッターに投稿した。

 米公共ラジオNPRによると、1日は11州の共和党予備選・党員集会に850万人が参加。前回の12年大統領選の470万人に比べ8割増え、過去最大となった。特にバージニア州では3.8倍と記録を大幅に塗り替えた。逆に民主は08年に比べ3割減だった。

 一時はトップを走った元神経外科医ベン・カーソン氏(64)は2日、1日の惨敗を受けて撤退を示唆。通算4勝のテッド・クルーズ上院議員(45)、1勝のマルコ・ルビオ上院議員(44)らは選挙戦を続ける方針だ。

 共和指導部はトランプ氏への対抗馬を一本化する構えをみせてきたが実現は遠い。米政治専門サイト、リアル・クリア・ポリティクスが集計した主要世論調査の平均によると、トランプ氏とクリントン氏が本選に出た場合、クリントン氏の支持率が3.4ポイント上回る。一方でクルーズ氏やルビオ氏が共和候補なら、どちらもクリントン氏に勝てるという。一本化の遅れが共和の誤算となる恐れが強まっている。」とありました。JBプレスの高濱氏の記事に詳しい数字が載っています。

共和党はトランプ下ろしが功を奏するかですが、「ここまで来たらもう遅い」との声もあり、WSJもトランプ支持に回るとの観測もあります。コッチ兄弟の「スーパーPAC」によるルビオ支援が間に合うかどうか。ルビオの地盤のフロリダでも世論調査ではトランプに抜かれている状況です。やはり、同じ地元のジェブ・ブッシュが味方にならないことが尾を引いているのでは。ブルームバーグが本選に名乗りを上げ、民主党支持を分裂させないと、共和党は勝てないかも。

JBプレス記事

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米テキサス州ダラスで開いた選挙集会で演説する米大統領選の共和党候補指名を争っているマルコ・ルビオ上院議員(2016年1月6日撮影)〔AFPBB News〕

民主ヒラリー、共和トランプ独走で中盤戦に突入

 「スーパー・チューズディ」を終えて、米大統領選予備選の輪郭がより鮮明になってきた。

 民主党大統領指名レースではヒラリー・クリントン前国務長官が独走態勢に入った。一方の共和党は不動産王ドナルド・トランプ氏が「保守草の根一揆」の波に乗って快走。キューバ系のマルコ・ルビオ上院議員が共和党保守本流の期待を一身に背負ってトランプ氏を追いかけるといった構図になってきた。

 これまでの論争では、外交問題は内政に追いやられて取り上げられてこなかった。が、クリントン氏は、ミネソタ州党員集会を前に地元紙に寄稿し、TPP(環太平洋経済連携協定)に「ノー」を打ち上げた。

 日本が為替操作しているといった難癖までつけている。

 予備選段階での発言は多分に票目当て。民主党の強力な支援団体の労組の顔色を窺うポーズだが、「ヒラリーが大統領になると、せっかく日米で合意したTPPはひっくり返される可能性が出てきた」(外務省筋)と早くも心配する声も出ている。

 では、トランプ氏が大統領になったらTPPはどうなるのか。

 同氏は、日米安保をめぐっては日本の「タダ乗り論」をぶち上げてはいるが、TPPについてはいまだ発言したことがない。

 「まだそこまで勉強していないんだろう」(米主要シンクタンク上級研究員)が、議会共和党はTPP賛成派が多いわけだし、「大統領になればTPPに賛成する可能性が大」(同)というのが大方の見方だ。

 いずれにしてもどちらが大統領になっても反日スタンスになることは不可避。「いろいろ批判されたが知日・親日のオバマが懐かしくなる時が必ずやってくる」(在米日本人商社幹部)のかもしれない。

共和党主流がトランプを嫌がる理由は3つ

 ヒラリー指名はどうやら確実になってきた。だが、共和党サイドはまだ分からない。共和党主流、政財界、主流メディアこぞっての「ストップ・ザ・トランプ」総動員が「発令」されているからだ。

 なぜか。

 共和党保守本流はもとより共和党支持の財界勢力がトランプ氏に嫌悪感を感ずる理由は3つある。今や危機感にまでなり始めている。

 1つは、暴言と無差別的差別発言を繰り返すトランプ氏が指名されれば、民主、共和どちらの党にも属さない「無党派」層が強く影響する本選挙では、共和党はクリントン氏にはまず勝てない、という選挙戦略的な理由。

 2つ目は、万一、トランプ氏が大統領になったとしても、これだけ共和党既成体制を罵倒し、反発してきたトランプ氏の下、秋の上下両院選挙後も両院過半数を維持しそうな議会共和党とうまくいくわけがないと見る政治的理由。

 それよりも何よりも、「政策立案能力ゼロのトランプ氏がいくら共和党系のブレーンを集めたとしても大統領として政治をつかさどることなどまず無理」(共和党系シンクタンクの上級研究員)との判断がある。

 そして3番目には、オバマ大統領が指摘しているように「トランプ氏には大統領としても資格がない」点だ。能力ばかりではない。品位がなさすぎるのだ。

 「アメリカ合衆国の大統領に不可欠なのは思いやりと優しさ。ケネディにもレーガンにもイデオロギーを超えてそれがあった」(前述の上級研究員)

 となれば、共和党保守本流としては、予備選中盤戦に突入する3月中旬から4月にかけて「ストップ・ザ・トランプ」を全開にしなければならない。

保守本流の「切り札」ジェブ・ブッシュは「兄貴の負の遺産」で撤退

 共和党保守本流はこれまでジョージ・W・ブッシュ元大統領の実弟、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事を「ストップ・ザ・トランプ」の急先鋒に使おうとしてきた。トランプ氏に対抗させる強力指名候補として物心両面から支援してきた。

 ところが支持率はてんで上がらず5%前後を低迷。2月下旬には大統領選から早くも撤退してしまった。

 ネオコン(新保守主義派)にそそのかされて国民を裏切り、無謀なイラク戦争突入した兄貴ジョージの「負の遺産」に最後まで足を引っ張られたのだ。

 保守本流はそこで用意していた「2枚目のカード」としてルビオ氏を切らざるを得なくなった。弁護士出身でフロリダ州議会議長を経て、上院選挙に出馬し見事当選したマルコ・ルビオ氏(44)。保守本流から内政、外交、軍事のブレーンが集まっている。

 だが、そのルビオ氏も「スーパー・チューズディ」では、バージニアで唯一首位となったが、トランプ氏を阻止するだけの弾みをつけるところまではいっていない。

トランプには勝てるヒラリーが最も恐れる男

 共和党保守本流がルビオ氏に熱い視線を向けている最大の理由は、まだ中央政界での経験は浅いものの、万一、本選挙でクリントン氏と一騎打ちになった場合、ルビオ氏が勝つチャンスがあるという点にある。

 「若さ、カリスマ性、端正な顔立ちと三拍子そろった保守本流の星。高齢、かつ好感度の低いクリントン氏を相手に絶対勝てる」(共和党選挙対策関係者)と共和党主流は見ている。

 2月2日から17日までに各種世論調査機関が行った支持率平均値によれば、以下の通りだ。

クリントン42.8%:ルビオ47.5%  クリントン44.5%:クルーズ45.3% クリントン45.3%:トランプ42.8%

 事実、クリントン陣営もルビオ氏を警戒している。選挙通で知られるビル・クリントン元大統領は、ヒラリー候補の超側近グループとの数か月前の会合で「ルビオに注意せよ」と警鐘を鳴らしているという。

日本にとっては最適の「日米安保現状維持派・TPP推進派」

 さて、そのルビオ氏とはいかなる人物か。

 同氏はキューバ系移民の3世。フロリダ州マイアミで生まれ、フロリダ大学、マイアミ大学法科大学院を卒業して、弁護士を開業。2000年から2009年までフロリダ州下院議員を務め、一時は下院議長にもなっている。

 2010年には上院議員選に出馬し、見事当選している。その強みは先輩議員、特に長老議員に可愛がられていること。「爺キラー」なのだ。とんとん拍子に出世街道をばく進するルビオ氏を「フロリダのケネディ」と呼ぶものもいるほどだ。

 2012年の大統領選挙の際にはミット・ロムニー共和党大統領候補の副大統領候補の1人に名を連ねたことからも党内ではそのカリスマ性と政治力が評価されてきた。

 上院では1年生議員にもかかわらず、皆が望む商業委員会と外交委員会に属し、後者では東アジア太平洋小委員会のメンバーとして日本にもたびたび訪問している。日米安保の現状については熟知しているし、TPP推進派の1人でもある。

 中国の南シナ海、東シナ海での海洋権益拡大には猛反発している。日本の「安保タダ乗り」論を展開するトランプ氏を一喝しているのも共和党候補の中ではルビオ氏だけだ。

「民主党リベラリズムがアメリカン・ドリームをぶち壊す」

 そのルビオ氏自身が書き上げたのが本書だ。昨年4月に立候補する前に出た自叙伝だ。予備選の推移とともにルビオ氏への注目度が高まるなか、目下ベストセラーになっている。

 タイトルは、「American Dreams: Restoring Economic Opportunity for Everyone”のDreamsは「ドリーム」というだけでなく、「Development, Relief, and Education for Alien Minors」(つまり「外国生まれの未成年者たちへの発育と救済と教育」)の頭文字だ、とご本人は説明している。

 いかにも、1950年代、カストロによるキューバ革命直前にキューバを逃れて、米国に移住した祖父の孫マルコ・ルビオらしいタイトルのつけ方だ。

 祖父が常に言っていたことは、「卑賎で恵まれない出であろうとも誰でもアメリカ合衆国に来れるのだ。そして自らの大きな望みをかなえることができるんだ」。

ルビオ氏によれば、1950年代、祖父が求めた「アメリカン・ドリーム」はその後、達成が難しくなってきた。その理由は、「連邦政府を軸に米国市民を指揮統制するリベラリズム」にあった、というのだ。

 「アメリカン・ドリームを堅持できるか否かは、我々米国民が我が国が他国とは異なる例外的国家(An exceptional nation)であり続けられるかどうかにかかっている。これを明確に定義づけることこそが保守主義運動の根幹であり、真の保守主義なのである」

 ルビオ氏の祖父や父親が享受したアメリカン・ドリームは今怪しげになっている要因は何か。

 ルビオ氏は、第1の原因は公的な教育をごり押しし、伝統的な家族制度を無視したオバマ政権のリベラルな政策であり、第2にはハイテク優先主義を突っ走り、付随的に生じる仕事喪失を生み出しているグローバリゼーションにある、と言い切る。

 「しかしながら私は楽観的だ。アメリカ人は、1950年代に謳歌したアメリカン・ドリームを再び復活させるためにいかにしたら今の新しい現実に対応するかのすべを知っているからだ」

トランプ潰しに「スーパーPAC」がネガティブ・キャンペーン活発化

 共和党主流派は、何とかトランプ氏の勢いを止め、7月の全国党大会前の早い段階でルビオ氏の指名への確実な道筋をつけるべく動き出している。

 ルビオ氏を支援する「スーパーPAC」の「アメリカン・フューチャー・ファンド」(AFF)は、全米ネットでトランプ氏に対するネガティブ・キャンペーンをすでに開始、同氏が2005年に不動産投資術を教えると称して始めた「トランプ大学」が詐欺まがいだったことやトランプ・グループが大量の不法移民を雇っていることと大々的に批判し始めている。

 資金はルビオ指名実現を目指す共和党主流派に近いコッチ兄弟ら億万長者たちとされている。

日経ビジネスオンライン記事

—民主党11州、共和党12州の予備選・党員集会が同時に行われた「スーパーチューズデー」。この結果をどうみたらいいのでしょう。

高濱:どの候補が得票率で勝ったかということばかり取り上げられますが、指名を獲得するのに重要なのは代議員をどれだけ確保したかです。

Trump & Hillary

スーパーチューズデーを制した共和党のトランプ氏(左)とクリントン氏(写真:ロイター/アフロ)

 3月1日深夜(米東部時間)時点での集計では、共和党サイドでは、不動産王のドナルド・トランプ氏が12戦7勝。代議員237人を獲得しました。緒戦4州の予備選・党大会以降2月29日までに獲得した代議員数319人と合わせると、556人となります。

 共和東の代議員総数は2472人。指名を獲得するには、この過半数である1237人が必要です。トランプ氏はこれでその45%を手中に収めたわけです。 (”Election 2016 – Republican Delegate Count,” Real Clear Politics, 3/1/2016) (”Super Tuesday state results,” The Washington Post, 3/1/2016) (”The Green Papers: Presidential Election USA 2016.” 3/1/2016)

共和党保守本流の「ストップ・ザ・トランプ」作戦は失敗

 「反主流派」の一匹狼であるトランプ氏を嫌う共和党主流派は政治資金団体「スーパーPAC」(スーパー政治行動委員会)などが中心となり、「穏健派」のマルコ・ルビオ上院議員を物心両面から応援しました。

 しかし、そのルビオ氏は振るわず。ミネソタ州で一矢を報いましたが、必勝を期していたバージニア、バーモント両州でも、接戦の末、トランプ氏に敗れてしまいました。

 それに比べ、共和党保守本流とは距離を置く「保守強硬派」のテッド・クルーズ上院議員は地元テキサス州とオクラホマ州で勝者となったばかりか、ルビオ氏との2位争いも5勝2敗としルビオ氏を突き放しました。

 スーパーチューズデーの前からトランプ氏が圧勝することは予想されていました。ですから米主要紙のベテラン政治記者は筆者にこう解説しました。「共和党主流派の面々もいよいよ『トランプの現実』(Trump Reality、トランプが本当に指名されるという現実)を考えざるをえなくなってきたようだ」。

 気の早いコラムニストの中には、トランプ氏の副大統領候補は誰それだ、と予測記事を書く者も現われ始めました。 (”Trump is No.1, but who’s his No.2?” Roger Simon, www.politico.com., 2/24/2016)

アメリカ独特の複雑怪奇な代議員制度

—予備選挙が採用している代議員制度というのは日本人にはわかりづらい制度です。代議員が2種類あったり。とくに民主党の場合は候補者が実際に獲得した代議員のほかに別の代議員が加算されたりしていますね。

高濱:確かに、複雑な制度です。まず、代議員には「一般代議員」(Delegate)と「特別代議員」(Super Delegate)とがあります。とくに民主党では代議員の15%が「特別代議員」なのです。共和党のほうは割合少なく4%です。

 一般代議員は、その州に住む18歳以上の党員であれば誰でもなれます。一方、特別代議員はその州選出の連邦上下両院議員、州知事、歴代の正副大統領、党の幹部などいわゆる党内エリートしかなれません。無投票で事前に決まっています。

 クリントン氏が緒戦の4州予備選・党大会後に着実に代議員数を増やしているのは、態度を留保していた特別代議員の中からクリントン支持誓約をする者が続々と現れているからです。

 民主党主流派によるある種の「操作」が働いているわけです。これについてはこれまでにも一般党員から批判がありまし。現にサンダース陣営は今回激しく抗議しています。しかし、党主流派は「伝統的な党是を守るためだ」と突っぱねています。

 一方、共和党の特別代議員の数は民主党に比べると少なく、「党内エリートがトランプ氏の快進撃に歯止めがかけられない要因の一つだ」と、筆者に解説してくれる選挙専門家もいます。

—一般代議員と特別代議員との大きな違いはなんですか。

高濱:一般代議員は、登録する際に自分が支持する候補の名前を明記し、自腹を切って全国党大会に出席し、予備選の際に自分が支持してきた候補者に必ず投票しなければなりません。

 一方の特別代議員は、自分が誰に投票するかを党大会までに決めても決めなくてもいいのです。通常は「スーパー代議員」と呼ばれますが、メディアあるいは選挙専門サイトは「Bonus Delegates」(ボーナス代議員)とか「Unpledged Delegate」(誓約に縛られない代議員)とも呼んでいます。

比例配分の州でも総取りできる

 さらに話を複雑にしているのは、勝敗を決める選挙の方式です。「勝者総取り」(Winner-takes-all)と比例配分方式とがあります。どちらを採用するか、州ごとに異なります。

 共和党は2012年に大統領指名規約の一部を改正しました。比例配分方式を採用する各州に例外条項を設けさせたのです。これを「Rule 40B」(ルール40B項)と呼んでいます。

 その内容は以下の通りです。 1)候補者が50%以上の票を得れば、州全体の代議員を総取りできる。 2)得票率が50%未満でも、他の候補者たちの得票率が20%(あるいは15%)を下回った場合、第1位の候補者が州全体の代議員を総取りできる。 3)連邦下院議員選挙区で50%以上の得票を得る候補者がいない場合は、1位の候補者が2人、2位の候補者が1人の代議員を獲得できる(各州の連邦下院議員選挙区ごとに3人ずつ割り当てられている)。  おおざっぱに言うと、得票率の高い候補に重点的に代議員が割り振られる仕組みになりました。

 12年まで、各州に割り当てられた代議員数は、各候補者の得票に応じて配分されました。つまり実際の投票結果を反映した生の数字でした。

トランプに有利に働いた「例外条項」

—「スーパーチューズデー」が行われた各州はすべて比例分配方式でした。その例外条項はどういった影響を与えましたか。

 スーパーチューズデーでは、アラバマ、ジョージア、ルイジアナ、テキサス、テネシーなど南部州がこの「ルール40B」を適用しています。従ってトランプ氏はアラバマ、テネシーの両州ですべての代議員を手中に収めました。勝者総取りと同じ結果になったわけです。 (”The Real Import of Rule 40 in 2016,” frontloading.blogspot.com, 12/13/2015) (”Dramatic, Little Known GOP Rule Change Takes Choice Of Presidential Candidate Away From Rank And File Republicans And Hands It to Party Elite,” Rich Ungar, Forbes, 4/7/2014)

トランプの「禁じ手作戦」功を奏す

—トランプ氏は同じ共和党のジョージ・W・ブッシュ元大統領を名指しで批判しましたね。それなのになぜこれほどの票を集めているのですか。予備選は党の中での指名争いですから、自分が所属する党出身の歴代大統領は批判しないのが慣例なのでは。

高濱:トランプ氏はサウスカロライナ州予備選前になってブッシュ元大統領のイラク政策を真正面から批判しました。トランプ氏はライバル候補であるジェブ・ブッシュ氏を批判する手段として、ブッシュ元大統領のイラク戦争突入を厳しく批判しました。それだけでなく、01年の東部中枢同時多発テロですら、「大統領がブッシュでなければあのテロは防げた」とその責任を追及したのです。

 民主党でも共和党でも、大統領候補が自分の党出身の歴代大統領を名指しで批判することはしません。その意味では、トランプ氏はまさに「禁じ手」を使ったのです。ところがそれが見事成功しました。

 声を大にしては言いませんが、共和党員の多くもトランプ氏と同じことを思っているはずです。そこをトランプ氏は代弁し、ブッシュ元大統領を批判、返す刀で兄ジョージ氏を弁護するジェブ氏を叩いたのです。結局トランプ対ブッシュの論戦はトランプ氏に軍配が上がりました。

 CNNテレビが行った出口調査でも明らかになったように、共和党員の半数は既成の共和党が自分たちを裏切ったと答えています。その意味で、ブッシュ元大統領およびブッシュ・ファミリーはその格好の標的になってしまったようです。

 自らが所属する党の元指導者や既成政治家を批判して選挙で勝つ手法は、日本でもありましたね。01年、小泉純一郎氏が党総裁選で「自民党をぶっ潰す」と言い放って、党主流派が推す橋本龍太郎氏を破ったことを思い出します。

反既成体制、反権力機運は民主、共和両党に

—民主党のサンダース氏も、クリントン氏に政治資金を提供し続ける民主党系富裕層を批判しています。トランプ氏は右、サンダース氏は左と分かれていますが、ともに既成の権力に対抗している点では共通項がありそうですね。

高濱:興味深い世論調査結果があります。15年9月24日に公表されたウォール・ストリート・ジャーナルとNBCが行った世論調査結果です。

 これによると、回答権者の44%がこう答えています。「今の既成政治システムはウォール・ストリート(金融・経済界)やワシントン(行政府、立法府)の富裕層や権力者たちのためだけに機能しており、一般市民の日常生活のためには全く機能していない。そのことに憤りを感じる」

—一般市民の憤りは、民主、共和両党をクロスオーバーして広がっているわけですね。

高濱:米政治学者の中には、「今回の大統領選の特徴は米国民が4つに分かれていること」と指摘する者もいます。つまり民主党主流、民主党草の根、共和党主流、共和党草の根の4つです。

 こう見てくると、民主、共和どちらのどの候補が大統領になったとしても、次期大統領はこうした一般市民の声を無視するわけにはいかなくなることが予想されます。 (”The establishment’s swan song,” Fortune CEO Daily, 2/20/2016)

ローマ法王の「クリスチャン否定」発言に猛反発

—トランプ氏による批判は共和党既成体制だけではなく、カトリックの最高位、フランシスコ・ローマ法王にも向けられましたね。

高濱:スーパーチューズデーの直前、フランシスコ・ローマ法王のコメントにトランプ氏は激しく反論しました。

 トランプ氏は、予備選の緒戦から「不法移民を入れさせないよう、メキシコとの国境に巨大な壁を作る」と主張していました。これに対し、法王は「あなたはクリスチャンではない」と批判しました。

 トランプ氏は食って掛かりました。「宗教指導者が他の人間に疑問を挟むとは不名誉で、けしからん(disgraceful)話だ」。米総人口の20.8%を占めるカトリック信者が敬愛するローマ法王に口答えしたわけです。

 筆者は当初、カトリックとプロテスタントとの違いはあれ、南部、中西部を中心に米総人口の25.4%もいるエバンジェリカルズの票田に影響は出ないのか、と考えました。ところが、その後に行われた予備選、党員集会でトランプ氏のコメントに対するネガティブな反応は全くなく、投票にはほとんど影響なかったようです。 (”Donald Trump calls Pope Francis ‘disgraceful” for questioning his faith,” Ben Jacobs, The Guardian, 2/18/2016)

 エバンジェリカルズ系の牧師は筆者にこう説明しています。「同じキリスト教とはいえ、プロテスタントの原理主義者にとってカトリック法王は特別な存在ではない。むしろ、南米出身のフランシスコ・ローマ法王が米国の不法移民対策に口を挟んだのを不快に思っている。だからトランプの反発をそれなりに評価している」 (”Right-Wing Media Lash Out At Pope Francis For Suggesting Donald Trump’s Immigration Plans Do Not Reflect Christian Values,” Alex Kaplan, Mediamatters.org., 2/18/2016)

 党の既成勢力だけでなく、どんな権力者や権威をも恐れぬ「一言居士的なトランプ」が共和党員・支持者の間で喝采を浴びていることがよくわかります。

 これが今後の予備選でも持続できるかどうか、その結果がトランプ氏にとって吉と出るか、凶と出るか。

 3月5日にはカンザス、ケンタッキー、ルイジアナ。次いで15日には、勝者総取りを採用しているフロリダ、ミズーリと続きます。代議員数ではフロリダが99人、ミズーリが52人。1位になれば大口の代議員が一気に転がり込みます。

 ルビオ氏などは地元フロリダでトランプ氏を迎え討ち、なんとか雪辱を果たしたいところでしょう。

本命クリントン、指名に必要な代議員数獲得にまっしぐら

—民主党の選挙結果をどう見ていますか。

高濱:いよいよヒラリー・クリントン前国務長官が独走態勢に入りましたね。スーパーチューズデーが行われた11州での勝敗は7勝4敗。バーニー・サンダース上院議員を完全に突き放しました。とくに南部では夫君ビル・クリントン元大統領が黒人層に圧倒的な人気を誇っていることも手伝って、黒人票の大多数を獲得したことが勝因の一つなったといえましょう。

 クリントン氏が今回獲得した代議員数は504人。クリントン氏が3月1日以前の予備選・党集会で確保した代議員数は548人。これを合計すると、3月2日午後現在で1052人になります。指名に必要な代議員数は2383人(特別代議員を含む)ですからクリントン氏は現時点ですでにその44%を手にしていることになります。 “Delegate tracker – Associated Press Interactives,

 一方、サンダース氏は地元のバーモンドのほか、コロラド、ミネソタ、オクラホマの4州でクリントン氏を破りました。善戦したと思います。中西部の民主党員、とくに学生や若い世代が、オバマ政権をはじめとする民主党既成勢力に反発し、クリントン氏への投票をためらったものと思われます。

3/2日経ビジネスオンライン 福島香織『「過去20年で最も厳しい北朝鮮制裁」の意味 真の争点は、米中「アジア争奪」の駆け引き』について

米中主導で北への制裁がまとまりかけましたが、土壇場でロシアのクレームがつき、安保理採択は日本時間3時未明となりました。米中だけで決めさせはしないというロシアの思惑でしょう。中国が本気になって制裁すれば、金王朝はすぐにでも倒れるでしょう。やはり中国にとって、バッファーゾーンは必要だし、金正男に首を挿げ替えても北の人民が従うかどうか不明で、リスクは冒せないと思っているのでは。

韓国の二股外交を逆手に取って、米中が北のみならず、韓国をも懲らしめている構図にも見えます。蝙蝠国民は相応の報いを受けるべしと。韓国は米中を手玉に取った気でいましたがTHHADで手痛いしっぺ返しを受けた形です。その内、戦時作戦統制権も韓国に返還するかもしれません。一気に駐韓米軍撤退はないでしょうけど。朴大統領は益々苦しくなりました。昨年末の日本との慰安婦合意に続いて、THHAD配備検討に米国が梯子を外そうとしているのですから。桂・タフト協定、アチソン声明に続く朝鮮半島切り捨てに繋がるかも知れません。米中で宗主国の言うことを聞かない北と南の扱いを裏で決めている可能性もあります。

北の6者協議復帰は、核とミサイル開発の時間の利益を北に与えるだけです。米国も中国も北の封じ込めはできないと思っているはずです。拉致被害者の帰国については今度の制裁でも難しいでしょう。日本が北と交渉して、単独で制裁緩和は出来ないでしょうから。軍事作戦でしか救出は出来ないでしょう。ただどこにいるか分からないのでは作戦は展開できません。拉致被害者は戦後憲法の犠牲者です。左翼・在日が憲法擁護をして政府の改憲の動きを制約してきました。自分の子供たちが拉致され、取り戻せない現状について想像できないアホな似非学者・似非ジャーナリストが多すぎます。国民も拉致を自分のこととして考えてほしい。問題解決について根本的な部分で考えないと。

中国が一番恐れているのは本記事にありますように、アジア版NATOを作られることです。中国の嫌がることをすることが世界平和のためには必要です。中国の軍事膨張を防ぐためには、封じ込めが必要です。合従連衡策として、日米豪印比越でまずATO(Asian Treaty Organization)を作り、後にその他のASEAN諸国を巻き込むようにすれば良いと思います。

記事

Wang Yi VS Kerry

ワシントンで開催された米中外相会談。「北朝鮮制裁」の裏側で「アジア争奪戦」の駆け引きが続く。(写真:ロイター/アフロ)

 北朝鮮の核実験に対する国連制裁決議をあれほど渋っていた中国が一転、同意した。王毅外相が2月23日から25日に訪米し、ケリー国務長官らと会談、制裁案について合意に至った。報道によれば、50日に及ぶ長期交渉の結果という。ロシアは「検討に時間が必要」と言っているので、採決にはまだ時間がかかるかもしれないが、中国はすでに金融機関が対北朝鮮業務をストップしているという報道もあり、すでに独自制裁に踏み切っているもようだ。中国はなぜ、態度をここにきて変えてきたのだろう。

本気でやれば体制維持に影響も…

 米国が国連安保理に提出した北朝鮮決議草案は、過去20年の中で最も厳しい制裁だと言われている。禁輸措置は石炭、鉄鉱石、金、レアアースなど鉱物資源全般に及び、これらは北朝鮮の対外輸出総額の40%を占める。また、北朝鮮への航空燃料、小型兵器、軽武器などの輸出も全面禁止。同時に制裁参加国国内の銀行における金融資産の凍結を行い、北朝鮮への出国も禁止。北朝鮮を行き来する船舶はすべて厳格な審査を受け、制裁措置の履行を保証する。高麗航空機の国連加盟国領空の飛行も禁止する。また、北朝鮮の非合法活動を行う外交人員の退去も行う。例えば北朝鮮国家宇宙開発局など約30の組織および個人が制裁対象としてブラックリスト入りしている。

 北朝鮮を除く国連加盟国192か国にこれを履行する義務が課され、もし本気でやれば、北朝鮮の核兵器開発を阻止するどころか、その体制維持にすら影響するのではないか、というレベルだ。

 中国は当初、国連の対北朝鮮決議に対してなかなか賛同を示さなかった。核実験直後、米国などが国連による制裁の声を上げた時は、中国は「当面の急務は関係国が共同の努力でもって、北朝鮮を対話のテーブルに再びつかせることだ」と、制裁についての直接の言及を避けた。1月15日の段階で、「安保理が北朝鮮にそれなりの代償を求めることは支持するが、北朝鮮を崖っぷちに追い込むことには賛成しない。対話のテーブルに引き戻さねばならない」との立場だった。ミサイル実験が行われる前の2月初めまでは、強すぎる制裁は北朝鮮の不安定化を招く、として慎重に制裁内容を調整するように働きかけていた。

 その理由は、建前上は正常な中朝関係を損なう、あるいは民生を損なう制裁は人道的にも望まない、というものだったが、本音のところは、中国で報道されている専門家の見解を総合すると、

①国連の枠組みの中で制裁に参加するよりも、中国が独自のハンドリングで北朝鮮をコントロールしたいという思惑があった。 ②北朝鮮の核実験への対応よりも、国内の軍制改革や南シナ海の軍事拠点化を優先させたかった。 ③内心は北朝鮮に対し腹を据えかねていたが、北朝鮮のロシアへの急接近を警戒しており、いそいそと制裁に参加する態度を北朝鮮に見せたくなかった。 ④韓国との緩衝地帯でもある北朝鮮の体制維持は中国にとって必要不可欠であり、体制を弱体化あるいは崩壊させるレベルの制裁には参加したくなかった。 ⑤北朝鮮が不安定化して大量の難民が押し寄せてくることなどを警戒している。 …といったところだろう。

 それが、なぜ急に、このような厳しい制裁に同意するよう、態度を変えることになったのだろうか。これは中国の妥協なのだろうか。

THAAD延期と制裁同意の“取り引き”

 独立系華字ネットメディア・多維は、その理由を次のように報じている。多維はもともと米国に本部のあった反共産党的な報道が特徴であったが、近年はかなり北京の立場に近い報道を行うようになっている。

①制裁決議草案は、対外情報工作を担う朝鮮人民軍偵察総局、核・ミサイル開発を担う原子力工業省、国家宇宙開発局を対象に絞ったものである。中国の「民生を損なうことは人道主義にもとる」という建前の理由は必要なくなった。

②米国と韓国が韓国にTHAADミサイルシステムを配備しようとしたことが、中国の妥協を促した。中国はこれに一貫して反対しており、米韓のTHAAD配備規約締結の延期が発表されたのは、中国が対北朝鮮制裁に合意したことへの米国からの見返りだった。

③中国側は、安保理決議では、半島の核問題は解決しないとしている。最終的には対話のテーブルに戻って北朝鮮と米国の和平協議にもっていくしかない。制裁によって北朝鮮の現体制を崩壊させないこと、また米国側も、先に核放棄しなければ対話もしないという姿勢を軟化する、という感触を得たので妥協した。

 一方、中央ラジオの報道では、これは中国の妥協ではなく、高明なる策略であり、妥協しているのは米国の方だ、と報じている。

 「韓国は、北朝鮮の核実験を口実に、THAADミサイルシステムの配備を画策していた。…これは米国がアジア版NATOをつくろうとしているということではないか?」  「中米の北朝鮮に対する姿勢はもともと明らかな違いがあった。米国は『極めて厳しい制裁』を行おうとし、それを口実に『中国は北朝鮮をかばっている』というロジックでもって、中国を米国の原則に従わせようとしていた。米国は、北朝鮮を崩壊させるまでの制裁に中国を参加させようとしていた。これは中国の国家利益には全く合致しない。中国にとって、制裁は北朝鮮を崩壊させることが目的ではなく、話し合いのテーブルに回帰させることが目的である。中国は最後までこの国家利益のボトムラインを守り抜いた」  「北朝鮮の両弾(原爆と水爆)の軽挙が脅威か、それとも米韓の北朝鮮体制崩壊戦略やTHAAD配備が脅威か」  「王毅は半島の非核化と和平協議の推進を並行して行う考えを提示している。(今回の合意は)その具体的ステップ、プロセスを含めた話し合いである」

Xバンドレーダーによる封じ込めに危機感

 こうした報道を見てみると、中国にとっての脅威は、北朝鮮が核兵器を持つこと以上に、北朝鮮の崩壊であり、米国によるTHAADミサイル配備に象徴される“アジア版NATO作り”である。THAADは最大射程200キロ、ミサイルの探知、追跡、迎撃誘導を行うXバンドレーダーの探知距離は1000キロ以上という、イージス艦もびっくりの性能であり、これが韓国に導入されれば、北京もばっちりレーダー探知範囲に収まってしまう。

 北朝鮮の一発や二発の核兵器は1000発の核弾頭を保有する中国にとってさほど脅威ではないが、THAADのXバンドレーダーで中国のミサイルが封じ込められるのは、明らかに脅威であろう。さらに言えば、中国当局は日本が核兵器を持つと言い出すことを非常に警戒している。世界から孤立する極貧小国が持つ核兵器と、米国の同盟国、世界第三の経済大国の日本が持つ核兵器とは意味が違う。中国に対して、朝鮮戦争の血で固めた友誼を忘れ、嫌がらせのように核実験やミサイル発射を行う北朝鮮は、腹立たしい存在だが、喫緊の脅威ではないのだ。

 そして、中国は核保有の大国論理で、米国も北朝鮮の核兵器など本気で脅威とは思っていないはずだと考えている。米国がかくも北朝鮮の核の脅威を強く言うのは、それを口実に、アジアにTHAADを持ち込み、アジアのNATO作りを進めようとしているからだと警戒している。

 中国が目下、南シナ海の軍事化を急ピッチで進めていることからもわかるように、今、アジアにおいては、米中の軍事的陣取り合戦の真っ最中なのである。中国は南シナ海で軍事拠点化を進め、米国は極東で日米韓軍事同盟の強化を進めている。中国の立場からいえば、南シナ海を軍事問題化しているのは米国の方で、韓国のTHAAD配備問題以前から、米国が中国の南シナ海での脅威を煽るのは、アジアにおけるTHAAD配備の口実にするつもりだという警戒論もある。

本質は「北朝鮮の核問題」にあらず

 中国の立場から今回の件を見ると、問題の本質は「北朝鮮の核問題」ではなく、米中のアジアの軍事化競争における駆け引きであり、今後の展開も、アジアにおける米中対立のシナリオから見た方が分かりやすい。中国側がこれは妥協ではなく、策略だと言っているのが本音であれば、この合意によって中国の方が、アジアの軍事化のコマをより多く進めることができるだろう。実際、王毅とケリーの会談では、南シナ海における中国のミサイル紅旗9配備問題もテーマになったはずだが、こちらの話し合いは平行線に終わったようだ。このまま、南シナ海のミサイル配備やレーダー配備を恒常化し、最終的には防空識別圏の宣言まで行っても、米国は文句を盛大に言うぐらいで、具体的に対中関係を先鋭化させるようなアクションは起こさないかもしれない。

 さらに言えば、北朝鮮の“極めて厳しい制裁”によって北朝鮮が核開発を断念する、という結果を本気で期待しているのは、実際のところ日本ぐらいではないだろうか。繰り返すが、中国にとっては、制裁に効果があるかないかよりも、北朝鮮の核問題を口実とした米国のアジア軍事進出をいかに抑え、そして自らの南シナ海での軍事進出を有利に進めるかの駆け引きの方が重要なのだ。少々、北朝鮮に苦しい思いをさせて、今までの中国に対する舐めた真似を反省させれば、十分であり、北朝鮮の体制崩壊など望んでいない。国連の制裁により、北朝鮮の体制が崩壊すれば、その核兵器の安全を確保するために米軍などが北朝鮮内に派遣される可能性があるが、それは中国としては絶対避けたいシナリオだ。

 とすると、今回の極めて厳しい制裁も、中国として、北朝鮮の体制維持に影響するようなレベルにいかないように、かなり短期間で終わらせたい目算があるのではないか。

 中国は、北朝鮮が対話のテーブルに着くことに同意した時点で制裁をやめるだろうが、その対話のテーブルに着く条件は、米国がもともと主張していた、先に北朝鮮が核開発放棄してからというものではなく、王毅外相の主張する核廃棄と和平協議の同時進行となる可能性が高い。これでは、かつての六か国協議と同じで、北朝鮮に核開発を断念させるどころか、むしろ北朝鮮の核保有準備に時間的猶予を与える結果になろう。

 ちなみに制裁は北朝鮮の党大会が開かれる5月の前に解除されるのではないか、というのが中朝国境で貿易に携わる関係者らの感触である。正式に解除が発表されなくとも、「上に政策あれば下に対策あり」の中国で、中朝国境貿易の現場にはいくらでも抜け道は作れるだろう。もともと密貿易の多い地域である。国境守備の辺境の解放軍幹部がレアアース密貿易に加担していることも多く、北朝鮮の鉱山利権を中国側が握っている例も少なくない。軍制改革はそういった北朝鮮利権と癒着している将校を一掃する目的もあるとは思われるが、朝鮮族の解放軍将校らが遠い北京への忠誠よりも近くの北朝鮮利権の方を重視する傾向はそう簡単には是正されまい。

アジアのNATO化と南シナ海軍事拠点化の間で

 そもそも、中国も「ズボンをはかなくても核兵器を作って見せる」と言って、大躍進と右派運動と大飢饉で人民が飢えている最中に核実験を成功させた国である。そして核兵器を持ったからこそ、国際社会で承認され、今、米国とほぼ互角に渡り合える大国になった歴史がある。少々の経済制裁で開発を断念するはずがないと中国も自分たちの経験に照らしてみればわかっているだろう。

 こうした背景を考えれば、過去20年で一番厳しい制裁というのも、中国が本気で北朝鮮の制裁に参加するというのも、建前の新聞見出しであり、日本は制裁の効果に余り期待しすぎると、がっかりする結果になるかもしれない。それよりも、北朝鮮が核兵器を保有し、米国よる“アジアのNATO化”vs 中国による“南シナ海の軍事拠点化”という陣取り合戦が今後激化するという過程で、日本は自国の領土の主権と安全を守る具体的方策を練り直す必要があるだろう。

3/1日経ビジネスオンライン 堀田佳男『大統領選とカネ:最も集金力のある候補は誰?』について

スーパーチューズデーが終わりました。共和党はトランプ、民主党はヒラリーが予想通り制しました。トランプが大統領候補ではヒラリーに勝てず、民主党からまた大統領が出ることになります。ベンガジ事件等平気で嘘をつき、中国やサウジからの金塗れの人物で、夫と一緒にホワイトウオーター疑惑に関与していたのではと思われる人物です。

http://www.eis-world.com/template/eiscolum/seiron/071204.html

http://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/62684177.html

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150422/frn1504221532006-n1.htm

日本人にとって民主党はFDR(日本と開戦)、トルーマン(原爆投下)、クリントン(ジャパン・パッシング)とイメージが良くありません。無能のカーターやオバマもですが。

トランプがなるにしろ、ヒラリーがなるにしろ「衆愚の極み」というイメージしか持ち得ません。多数の圧制ならぬ多数の横暴のように見えます。

『トクヴィル アメリカにおけるデモクラシーについて』(岩永健吉郎訳)を読みました。訳者が東大名誉教授で文章が硬く、非常に読みにくかったですが。トクヴィルの米国訪問・観察は1831年(『アメリカにおけるデモクラシーについて』は1835年出版、続編を1840年に刊行)、アンドリュー・ジャクソン第7代大統領の時代ですので、200年程前近くなります。ですから述べていることも当然時代の制約を受けます。①trail of tears(インデイアンの強制移住、1838年)②黒人奴隷についてこの本では触れていません。まあ、あの当時白人にとって有色人種は獣以下だったのかもしれませんが。彼が強調していたのは

Ⓐ自由であるが「多数の圧制」を恐れること。米国人は議論の末に多数意見に従うようになる。そうしないと村八分となり、命までは取られないものの精神生活・経済生活面で苦しむことになる。

P.57~59

「全能は、それ自体、悪であり、危険なものと思われる。その行使は、行使者が誰であろうと人力を超えるもののように見える。神のみが全能であって危険がない。その英知と正しさとが、常にその力に等しいからである。しかし地上では、いかなる権威も、それを何らの抑制なく行動させ何の障碍もなく支配させてよい、と私が思うほど、それ自体が尊敬に値する神聖な権利を身に帯びてはいない。万能の権力が何らかの勢力に与えられた場合、その勢力が人民と呼ばれようと、王と呼ばれようと、またデモクラシーであれ、アリストクラシーであれ、さらにそれが君主政で行使されようと共和政で行使されようと、そこに圧制の萌芽があると私は宣言し、他の法制の下に生きる場所を求める。

合衆国に組織された民主政において私が最も強く非難する点は、ヨーロッパで多くの人が主張するその弱体さではなく、反対に、それが抗いがたい力をもつからである。アメリカにおいて私に最も厭わしいのは、そこに支配する極端な自由ではなく、圧制に対する保障が少ない点である。合衆国において個人や一党派が不正をこうむったら、誰に訴えよというのか。世論にか。世論は多数(派)の形成者である。立法の府にか。これは多数を代表し、それに盲従するものである。執行権にか。これも多数によって任命され、それに奉仕する用具にすぎぬ。警察にか。警察は武器をもった多数以外の何ものでもない。陪審にか。陪審とは判決の権利をまとった多数である。いくつかの州では、判事さえ多数によって選ばれる。うけた処分が、いかに不正または不当であろうと、それに従わなければならぬのである。

反対に、多数を代表してはいるが、必ずしもその激情の奴隸にはならないよう構成されている立法部があり、固有の機能をもつ執行権、他の権力から独立した司法権があるとする。これも民主的な政府であろうが、もはや圧制に向かう機会はほとんどなかろう。

現在アメリカにおいて、しばしば圧制が行なわれている、というのではない。圧制に対する保障が全く見られず、法制によりも環境と習俗とに権力の発動が緩和される要因が求められなければ ならぬ、というのである。

Ⓑ「陪審制度」を高く評価していること。

P.93~96

「陪審は各人に、自分の行為の責任にひるむな、と教える。男らしい態度、それがなくては、政治的に立派ではありえない。それは各市民を一種の司法官の職につける。社会に対して果たすベ き義務があるとすべての人に感じさせ、また政治に参与するのだとも感じさせる。陪審は人々を その私事以外のことにかかわらせて、個人の利己主義と闘う。利己主義は社会の錆である。

陪審は、人民の判断力を形成し、知能を拡充するのに信じがたいほど貢献する。私の見解によ れば、この点にこそ最大の長所がある。無料で常時開設の学校、そこで陪審員は、おのおの自己 の権利についてみずから学び、上層階級の中でも最高の教育をうけ最も見識のある人々と日々接し、法を実際的な方法で教わり、弁護士の努力、判事の意見、当事者の熱情さえもが、法を自分に理解のできるものにしてくれる。そのように陪審を考えるべきである。アメリカ人の実学的な知性と政治的良識とは、主として、民事陪審によって長らく培われたものとしなければならない、と私は考える。

陪審は訴訟するものに役立つかどうかわからないが、その裁定にあずかるものには、たしかにきわめて有用である。私は、これを人民の教育に役立つ最も有効な方法の一つと見なす。

以上に述べたところはすべての国民に妥当する。しかし、ここにアメリカの人々に独特のもの、そしてデモクラシーの人民一般に通ずる事情がある。デモクラシーにおいては、法曹、なかでも司法官が、人民の動きを穏健にしうる唯一のアリストクラティックな集団を形成すると前(節)に述べた。この貴族(というべきもの)は何ら物的な権力をまとわず、その影響は人の精神に及ぶのみである。そして、この力の主要な源泉を民事陪審に見出している。刑事訴訟では社会が個人に対して争うが、そのさいに陪審員団は、判事とは社会のカを受け身に示すものと見るようになり、その意見を無視する。さらに、刑事訴訟は全面的に、良識があれば容易に評価されるような簡単な事実にもとづいている。この領域では、判事も陪審員も同等である。民事訴訟においては状況が異なる。判事は、当事者の激情の間に立つ公平な仲裁者として現われる。陪審員は彼の言動に信頼し、その意見を傾聴する。この場合には、判事の知見が全く、陪審員にまさっているからである。彼らの前に、記憶するのに骨の折れる多様な議論を展開するのは判事であり、また、訴訟の迂路を乗り越えていくのに手をかすのも彼である、事実の点で範囲を区切り、権利の問題で出すべき解答を教えるのも、そうである。その影響たるや、ほとんど無限といえよう。

最後に、陪審員は民事においては無能という議論、これに私があまり動かされない理由をいわなければなるまいか(そうしよう)。民事訴訟においては、事実問題に関しない場合は少なくともすベて、 陪審員団は司法機関の外見をもつにすぎない。陪審員は判事が下した判決を発表する。 彼らが代表する社会の権威を判決に付与するのであり、それは理性と法との権威である。

イギリスとアメリカとにおいて、判事が刑事訴訟の運命に及ぼす影響には、フランスの判事のかつて知らぬものがある。この差異の生ずる理由は容易に理解できる。イギリスまたはアメリカの裁判官は民事において権威を確立し、次いでそれを他の場面で行使するにすぎぬ。刑事において何かを獲得するのではない。アメリカの判事は、単独で判決できる場合がいくつかあり、それは、しばしば最も重要なものである。そのさいには、たまたまフランスの判事が通例おかれる (のと同じ)立場にある。しかし、彼の道徳的権能ははるかに大きい。陪審の思い出が彼に付随し、 陪審は社会の一機関であるから、彼の声には社会の力とほとんど等しい力がある。彼の影響は法廷の外にまでひろがる。多忙な政治活動においても、私生活の憩いにも、立法の府においても市の広場でも、アメリカの判事は絶えず人々に取り巻かれている。そして、この人々は、判事の知性には自分たちよりすぐれたものがあると見ることになれている。訴訟で影響力を行使したあとでも、その権威を事件の裁定に協力した人々の心のすべての習性、そして魂にまで感じさせるのである。

陪審は司法職の権能を縮小するかに思われるが、実は、その権威を基礎づけるのである。人民 が司法官の特権を分かちもつところほど、裁判官が強力な国はない。アメリカの司法が私のいう法曹的精神を社会の底辺にまで浸透させるのは、何よりも民事陪審によってである。また、陪審 は人民の支配を確立する最も強力な方法であるが、同時に人民に支配する術を教える最も有効な方法でもある。」

この本の最後にロシア人とイギリス系アメリカ人が台頭してくると予言していました。一方は剣で、一方は鍬で、前者は総ての権力を一人に集中し、後者は個人利益に基づき、個人の力と理性を自由に活動させ東征しないとありました。確かに冷戦まではロシアとアメリカが争いましたが、米国の勝利で終わり、今は米中の熱戦になるかもしれない所です。

記事

米大統領の職はカネで買える―

 米政界で昔から語られているフレーズである。もちろん数百億円を出せば大統領の職を手に入れられるほど簡単なわけではない。ただ、多額の選挙資金なくして大統領選を戦い抜くことはできないことも確かである。

 筆者は米大統領選を「ライフワーク」と位置づけ、長年取材を続けている。最初に大統領選に接したのはロナルド・レーガン大統領が再選された1984年だ。まだ読売新聞ワシントン支局のインターンだった。実際にジャーナリストとして取材を始めたのは92年で、今回で7回目となる。

 これまで大統領選をさまざまな視点から取材してきた。候補の人物像、政策、選挙対策本部、スタッフ、有権者、選挙戦略、選挙の仕組みや歴史、さらに選挙資金などだ。特に最後の選挙資金は、集めた額によって候補の命運が決まると言えるほど重要である。

 実は戦後71年間、集金力に乏しい候補が大統領に当選したことはない。少なくも筆者が取材をしている過去25年間は、より多くの選挙資金を集めた候補が勝ってきた。正比例ではないが、当選と集金力には強い相関関係がある。

集金額トップはヒラリー氏

 連邦選挙管理員会が2月20日に発表した報告書によると、今年の大統領選の主要候補で最も集金額が多いのは民主党ヒラリー・クリントン氏だ。選挙対策本部に献金された金額と外部の政治団体(スーパーPAC)に献金された総額は1億8800万ドル(約215億円)。2位に約100億円の差をつけている。

 2位は共和党テッド・クルーズ氏(テキサス州選出の上院議員)の1億400万ドル(約118億円)。3位が民主党バーニー・サンダース氏(バーモント州選出の上院議員)で9600万ドル(約110億円)。4位が共和党マルコ・ルビオ氏(フロリダ州選出の上院議員)の8400万ドル(約96億円)である。この額は現在の数字で、11月まで勝ち残る候補は1000億円超のカネを集めることになる。

 上記の候補はいずれも選挙戦で上位に残っている人たちだ。ちなみに、報告書には20人以上の候補がリストされている。すでに選挙戦から退いた人もいるが、上位4人よりも多額の選挙資金を集めたまま撤退した候補はいない。つまり、選挙を戦い抜くためには資金が必要であり、資金があるからこそまた上位に残れると言える。

トランプ氏は自己資金で賄う

 例外は不動産王ドナルド・トランプ氏である。利益団体やロビイストなどから多額の献金を受け取っていない。それにもかかわらず、共和党では昨夏から支持率でトップを維持する。スーパーチューズデーでも圧勝する見込みだ。トランプ氏の強さの要因は1月の当欄に記したのでお読み頂ければ幸いである(関連記事:「民主党支持者の票をも奪い始めたトランプ候補」)。

 トランプ氏は選挙を「自己資金でまかなう」と宣言しているが、実は一般有権者からの資金も受け取っている。利益団体やロビイストからの「ひも付き」のカネを受け取らないだけだ。この点はサンダース氏も同じである。

 トランプ氏の選挙対策本部には一般有権者からの献金(2月20日発表)が、2730万ドル(約31億円)集まっている。自己資金をどれほど使っているかは報告義務がないため闇に包まれたままだ。本人は「たぶん3000万から4000万ドル」と述べており、献金額と合わせると少ない額ではない。

論功行賞狙いの献金も

 それではトランプ氏以外の候補は、億円単位の選挙資金をいったい誰から受け取るのか。 昨年から今年2月まで、大統領候補に最も多額の献金した人物の名はすでに明かされている。ロバート・マーサー氏。ニューヨークにあるヘッジファンド企業ルネッサンス・テクノロジーズの経営者だ。

 コンピューター・サイエンスで博士号を持つ同氏はIBMの元社員で、初期の頃の音声認識プログラムを開発した人物だ。93年に同社を起ち上げた。

 資産約1億2000万ドル(約136億円)。死刑復活や経済システムの金本位制を説く保守派の大物だ。マーサー氏は昨年、クルーズ氏に1000万ドル(約11億円)を献金した。

 献金は簡単なことだが、自己資産の約10%を政治献金として捧げることは億万長者でも簡単にできることではない。政治信条が重なる保守派のクルーズ氏が大統領になることを見込んでの献金である。

 マーサー氏はクルーズ氏が大統領になった後、なにがしかの見返りを期待していると考えるのが普通だろう。いわゆる論功行賞だ。たとえば、ジョージ・ブッシュ前大統領が大統領に当選した2000年、同氏に対して最も多額の政治献金をしたのはマーサー・レイノルズ氏だった。レイノルズ氏は石油採掘会社の経営者であり、大リーグ・テキサス・レンジャーズのオーナーだった人物。

 当時は、今のように無制限の政治献金をすることはできなかったため、多数の富裕層に働きかけて、個人献金を集める方法をとる。レイノルズ氏は計約6500万円をブッシュ氏のために集金してきたのだ。当選後、同氏はスイス大使に任命された。スイスとは何の関係もないにもかかわらずだ。ワシントンではよく見られる人事である。

クリントン氏のバックにジョージ・ソロス氏

 現在、民主党のクリントン氏に最も多額の献金をしているのは投資家のジョージ・ソロス氏だ。700万ドル(約8億円)を出している。資産約3兆1500億円を保有する伝説的な投資家である。ハンガリー生まれのユダヤ系米国人で、クリントン家と知己で、オバマ政権につづいて民主党政権が継続することを望んでいる。

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ヒラリー氏に最も多額の献金をしているのは、この人物だ(写真:Imaginechina/アフロ)

 さらにクリントン氏のところには、エンターテインメント業界のチェリル・セイバン氏、金融業界のハーバート・サンドラー氏、IT企業パロマ・パートナーズ社のドナルド・サスマン氏がそれぞれ250万ドル(約2億8500万円)を献金している。

 前述したように、サンダース氏はスーパーPACからの献金を一切受け取っていない。それでも110億円もの選挙資金を集めているのは、1人平均27ドル(約3000円)と言われる小口献金を多数の有権者から集めている証拠だ。

莫大なカネが非難広告に流れる

 それでは、候補たちは何に多額のカネを使うのか。

 米国には「選挙業界」と言われる産業が存在する。大統領選だけでなく、連邦上下両院議員選挙、州知事選、さらには州議会や市議会の選挙など機会が多いため、選挙請負人が職業としてなりたつのだ。

 その業務は多岐にわたる。政策立案、立法サービス、データベース管理、DM発送、選挙区対策、献金コンサルティング、広告、演説訓練、世論調査、オンライン情報サービス、ウェブサイト構築、メディア対策、対抗馬のリサーチ、人工衛星サービス、ビデオ制作などだ。

 さらに全米50州に置かれる選挙事務所の運営費も必要だ。プロのスタッフを何人も雇う必要がある。電話勧誘のための通信費や郵便料金などもかさむ。

 それ以上にもっとも予算を割くのが、テレビとラジオに流す政治CMである。連邦選挙管理委員会はCMの本数や予算、さらに内容に制限を加えていないため、ライバル候補への非難広告を1つのテレビ局で1日100本流しても構わない。

 多数のネガティブ広告がテレビやラジオから流れると、サブリミナル効果によって相手候補のイメージが落ちる。非難された候補はCMを打ち返さないと、支持率が確実に下がる。打たれたら必ず非難広告を打ち返さなくてはいけない。

 例えばサンダース氏がニューハンプシャー州でクリントン氏に圧勝した理由の1つに、クリントン陣営の約3倍に上る金額をテレビCMに費やしたことが挙げられる。インターネット時代でありながら、テレビは依然としてメディア戦略の主軸なのだ。

 トランプ氏が実際にポケットマネーをどれほど使用しているかはわからない。けれども、昨年から勢いが継続していることと支持率の高さを考慮すると、驚くほどの金額を自己資金でまなかっていても不思議ではない。

 たぶん、大統領というポジションが手に入るのであれば、トランプ氏は数百億円の金額でも何の迷いもなく捻出するだろう。