ブログ

サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

『中国がアジア太平洋貿易圏を主導する日は来るか 「米国TPP離脱」の意味と、日本の「不幸」』(11/30日経ビジネスオンライン 福島香織)について

保護貿易は国の経済を貧しくすることは間違いないでしょう。北朝鮮、ミャンマー、キューバ等国を閉ざしor閉ざされていた国が貧しいのは現状見れば分かります。旧ソ連も、改革開放前の中国もそうでした。小生がいました1997年~2005年の内、97年の北京では広い道路が銀輪部隊で埋まっていました。やはり2001年中国のWTO加盟から経済が大きく伸びたと思います。加盟に寄与したのは日米ですし、中国への投資を積極的にすることで、経済成長の離陸を確実なものにしました。結果は、軍事膨張を続けるモンスターを作ってしまいました。日米ともに中国人の民族的特質を理解していないと言えます。人口の多さに目を眩ませ、誑かされて来たという所でしょう。米国は戦前からそうでした。

国際分業は国を豊かにするというのは経済学では定理のようなものになっています。況してや基軸通貨国で$を印刷すれば世界各国からモノが何でも入ってきます。この特典を活かさない手はないと思います。要は米国人の雇用と生活水準の向上を目的とすれば良い訳で、それを関税ブロック化で成し遂げようというのは方向が間違っています。小生が言わなくても、賢いトランプは分かっているでしょうけど。トランプは大統領選で役者を演じただけでしょう。ただ、その発言をどう軌道修正して豊かで強い米国の姿を作っていくかがポイントです。

そのためには、米国内での投資を歓迎、法人税減税もその一つでしょうし(財政赤字は膨らみますが)、軍事支出増大(日本の兵器近代化も要請される、防衛費のGDP1%の枠は、外部環境変化に併せ撤廃)、インフラ整備、多国籍企業への米国での一定の投資義務化、自由主義国からの投資の特典化等考えられることは何でもやれば良いと思います。

トランプもTPPは中国への経済的封じ込めというのが分かれば、大統領就任初日にTPP撤退宣言をしても、別な形で残そうとするのでは。二国間協議にするとしても、米国以外は受けないでしょうけど。ロス氏を商務長官にしたのはそういう狙いがあるからと思います。トランプはオバマが大嫌いなので、やってきたことを全部否定したいと考えているでしょうけど、中国に経済のルール作りの主導権は握らせたくないと見ています。WTOに入れても中国ほど国際ルールを守らない国はなかったし、国際仲裁裁判の南シナ海判決を「紙屑」とまで言う国ですから。仲間はずれにするのが、一番良いでしょう。米国企業が中国から撤退しやすいよう情報戦を展開し、中国経済を崩壊させるのが近道ですが。世界平和の一番の特効薬です。

記事

xi-in-ecuador

習近平はエクアドルを初訪問。ペルー、チリも歴訪し、米国の裏庭・中南米の取り込みを狙う(写真:AP/アフロ)

米国のトランプは政権発足後すぐさまTPPを離脱すると言明した。本当にそうなるのか、実際のところわからない。たしか副大統領に指名されているマイク・ペンスはTPP推進派だ。TPPは経済的な意味以上に、米国にとって中国経済覇権の拡大封じ込めという外交的意味が大きかった。

米国はこれまで中国経済のグローバル化を後押ししてきた。中国が米国と国際秩序に挑戦しない国だと思っていたからだ。経済がグローバル化すれば、中国のような国も市場経済国となり、政治も民主化していくと考えたのだ。だが習近平政権になって、その本心が米国に成り代わって国際・経済秩序のルールメーカーになりたいのだ、という野心であることに気付き始めた。中国は、民主化するつもりもなく、米国とは全く違う価値基準や秩序をもって、国際社会を米国と二分していこうというG2時代を夢見ている。そう認識したオバマ政権はそれまでの親中路線を転換し、中国包囲戦略に切り替えた。

それがアジアリバランス政策であり、TPPは単なる自由貿易の枠組みから、政治的な意味を持つようになった。少なくとも、中国の官僚、知識人たちはそう考えていたので、トランプのTPP離脱宣言は、中国にとって朗報である。

ペルー・リマで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で、習近平は、早速中国が世界貿易をリードしていく強い姿勢を訴え、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の早期妥結、RCEPを土台にAPEC全体の自由貿易圏となるアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構築に意欲を見せた。これを、米国中心の経済・貿易秩序を中国主導の経済貿易秩序に変えていく好機とらえたのだ。

だが、いまだ市場経済国認定もされていない中国が、グローバル経済を米国に代わって主導する国家になりうるのだろうか。中国が目指す、中国式グローバル経済の青写真を考えてみたい。

米中の立場が逆転してきたかのような錯覚

トランプは、選挙運動中から保護貿易政策を打ち出しており、中国に対しては最高45%の懲罰関税をかけるとも言ってきた。これに対して中国側は、そうなれば米国をWTO(世界貿易機関)に提訴する、と言っている。トランプサイドは、もし中国に対する懲罰関税がWTO違反になるならばWTO離脱もありうるとまで、言っていた。これまで、中国が不当廉売などのWTO違反を米国サイドに訴えられるケースが多かったことを考えれば、まるで米中の立場が逆転してきたかのような錯覚を覚える。

トランプはさらに北米自由貿易協定(NAFTA)離脱にも言及している。メキシコ製品に対する関税を35%に引き上げるとか、メキシコ国境に移民流入の壁を建設するとか、かなりの暴言も吐いた。

米国の雇用を奪っているのは安価な中国とメキシコの製品の大量流入であるというのがトランプの主張だ。重ねていうが、本当にトランプが有言実行するのかはまだわからない。冷静に考えれば無茶だと思うが、グローバル経済が米国内の貧富の格差を増大させ、米国民のほとんどがグロバール経済に反対だとすれば、民主主義の国のリーダーは保護貿易主義にならざるを得ない。この傾向はEUなどでも拡大している。

一方、中国は米国主導のグローバル経済の波にうまく乗ることで大国化を果たしたが、実際のところ、鄧小平が自国の人民を安い労働力として多国籍企業に捧げて、外国の投資を国内に呼び込んだことが成長の鍵であり、中国経済のグローバル化は中国人労働者の搾取であり、また中国の山河や大地の汚染も引き起こした。貧富の格差は猛烈に拡大し、汚職がはびこり、本当に利益を得たのは多国籍企業と汚職官僚と中国政府で、人民全体がハッピーであるかというと異見もある。

庶民の不満を無視できないトランプと、無視する中国

ただし、中国の場合は民衆が指導者や執政政党を選ぶわけでもなく、また言論の自由も報道も西側諸国よりよほど厳しく統制されているので、庶民の不満を軽く無視して、国家は国家としての戦略性でのみ政策を決めていく。そう考えると、今国際社会で一番経済のグローバル化に積極的なのは中国である、ともいえる。

今更ながら、簡単に説明しておくと、TPPは日米主導でアジア太平洋地域の貿易・投資のルールを統一化し、包括的な自由化を目指すもの。今のところ12か国が参加している。だが、域内GDPの9割以上を日米2国が占めるわけだから、ある意味、日米の自由貿易協定といっても過言ではないだろう。特に日本にしてみれば、米国による米国のための枠組みにも見え、医療や食品安全など洗練された日本のサービス基準をグローバル基準に規制緩和することが果たして国民の暮らしや日本的農業、中小企業にプラスになるのかと疑問視し反対する声も強い。そこを、中国封じ込めという外交的意義の兼ね合いの中でどこまで妥協するか、というのが日本にとってのTPPの議論の焦点だった。

なので、米国がこれを抜けるとなると、TPP自体の成立意義を失うし、トランプの宣言が本当に実行されるのならば、TPPは頓挫する、ということになる。ちなみにトランプのTPP反対理由は日本の反対派とほぼ同じである。

知財権や環境保護基準、薬価上限など国家主権として設けられている基準が、TPPの取り決めに違反して企業の収益を損なっているとされれば、企業が国家に賠償金を求めて提訴することができるというISDS条項は国家主権の侵害であり、TPPは米国国家国民の利益にはならず、得をするのは多国籍企業、大企業のみだということである。

そもそもトランプ的な保護貿易主義政策を実行するなら、TPPに参加していては米国が提訴されまくりの日々となる。米国内の1パーセントの富裕層が残りの庶民の富に勝る金融資産を独占している激しい貧富の格差は経済のグローバル化のせい、というのがトランプを支持するプア・ホワイトと呼ばれる人たちの意見なのだから、TPPに反対しなければ支持者有権者に対する裏切りである。

米主導のTPPに対して、RCEPは最初に中国が言い出し、中国が主導してきた。ASEANが日中韓印豪NZら周辺諸国と個別に結んできた自由貿易協定をまとめるという考えで、目下16か国が参加している。中国にしてみれば、中国包囲網形成という目的のTPPに対抗するという政治的意味合いもある。RCEPはTPPほど関税の撤廃を要求しておらず、また環境規制なども特に設けていないことから、日本の中ではTPPよりRCEPの方を支持する人も少なくなかった。ただ中国の脅威を認識しはじめた日本、オーストラリアをはじめ、RCEPとTPP両方に参加する7か国はTPPを優先させており、2016年内発効予定だったのが延期されている。

FTAAPはRCEPとTPPの両方を包括するAPEC地域の自由貿易圏構想だ。これは貿易摩擦が最も激しく対立している米中をともに含むことになる。実現は簡単ではないが、米中ともにこの貿易圏で自らが主導権をとることを目標にしており、日米はTPPをベースにしてFTAAPを実現したいと考え、中国はRCEPをベースにしてFTAAPを考えていた。2014年の北京APECでそのロードマップが採択された。

ペルー、チリ、エクアドル…米国の裏庭を刈る

こういう状況で、トランプ政権の米国がTPPを降りるとなると、RCEPがFTAAPのベースになる展望が開けてくる。つまりアジア太平洋貿易圏の経済秩序が中国主導で形成される可能性がでてくる。

習近平はAPEC首脳会議に先立って行われたAPEC工商関連サミットで「アジア太平洋地域は規定路線を歩み続け、グローバル経済により多くの活力をもたらさねばならない」「中国は世界に対し門戸を開放している、この門はさらに大きく開かれる」と強調し、FTAAP構築こそ、アジア太平洋地域の悠久の繁栄をもたらすために戦略的に重要な意義を持つと強調し、FTAAP推進を呼びかけた。

TPP参加国のペルー、チリはさっそく、中国との自由貿易促進で一致。チリのバチェレ大統領は早期にアジアインフラ投資銀行(AIIB)に加盟したいとも表明している。TPP参加国でもAPEC加盟国でもないが、習近平は23日までの南米歴訪でエクアドルにも初訪問。両国関係を全面的戦略的パートナシップ関係と位置付け、金融、インフラ面での20の協定に調印している。トランプの保護貿易主義的政策に乗じて、中国式グローバル経済圏は米国の裏庭・中南米の取り込みを加速していこうとしている。

習近平がリマでアピールしたことは、中国が大幅に外資参入制限を緩和し、APECメンバーの間でハイレベルな準自由貿易圏を設立し、中国が国際標準にあった商業環境を確保し、一つのフェアな市場を形成するのだという点だ。では、中国はどういった貿易経済秩序を打ち立てようとしているのか。

中国は目下、投資戦略を転換していこうとしている。かつては経済発展計画にそってエネルギーや基礎インフラ分野への投資を、国家の基金を通じて実施するというスタイルだった。これをサービス、高付加価値産業分野へ、民間資本で行っていく方向にもっていきたい。このためにはプライベートエイクイティファンド(PE)や機関投資家の役割を増強していきたい考えがあり、自由貿易協定や多極主義の拡大が中国の投資戦略のこうした転換に利すると考えている。

もう一つの狙いは人民元の国際化だ。無事、特別引出権(SDR)入りを果たした人民元だが、実際のところ人民元に対する信頼が向上したわけではない。中国の投資・貿易政策と人民元国際化プロセスは不可分であり、中国としては南米国家との貿易協定拡大や、FTAAPへの推進を人民元国際化に利用していきたい考えがある。

市場経済国ではない国に市場を主導できるか

要するに人民元による決済、人民元による投資が可能な経済貿易圏の形成だ。米国の国際社会の影響力は軍事と通貨・金融が担保している。米ドル一極の基軸通貨体制を覆すことが、中国の覇権を実現するためには欠かせない。AIIBの設立も人民元のSDR入りもその目標に向かっての布石である。通貨を制するものが世界を制する、グローバリズムの頂点に立ち、国際社会のルールメーカーになるには、海洋覇権などと並んで通貨覇権を実現することであると考えているわけだ。

だが、中国の野心は野心として、中国自身がグローバル経済の秩序の中心となる条件を備えていると言えるだろうか。

中国は、いまだ市場経済国ではない。そして実際の経済政策は自由主義経済とは違う方向に動いている。中国が目指すのは国家資本主義、つまり国家、共産党政府が完全に指導・コントロールできる資本主義だ。小国ならいざ知らず、あの規模の市場を抱える中国に、そんなことが可能なのか。企業の利益よりも、共産党の政治的判断が優先され、政府は市場ルールの頭越しに行政指導を入れてくる。しかも、そういう共産党指導の資本主義を周辺国に拡大しようという考えで、国家資本輸出主義、などという言い方もある。

一般に自由貿易を主導するなら自由市場経済と民主的政治体制が必要だと思われてきた。だが、中国式グローバリズムはそうではなく、共産党がコントロールできる市場経済と、一党独裁体制のままで自由貿易の主導者となろうというわけだ。

それがどういう世界なのか。フェアな市場といいながら、共産党が牛耳るグローバル経済。ダライ・ラマ14世の訪問を受け入れるだけで経済制裁をほのめかす国が世界貿易のルールメーカーになるとしたら、なかなか恐ろしくはないか。

日本の不幸は自らルールを決める発想がなかったこと

さて、今考えるべきは日本の身の振り方である。日本はまだTPP発効に望みを持っているようでトランプを説得中らしい。だが、TPPがダメならRCEPというムードが既に広がっている。オーストラリアもRCEPに軸足を移しはじめた。日本もRCEPの中で、中国の主導権を牽制できるというならRCEP推進に切り替えるという考えもありかもしれない。

しかし、日本にとって一番不幸なのは、トランプ政権がTTPを反故にしようとしたことではなくて、今後の世界貿易秩序をだれが主導するか、どんな青写真を描くのか、というテーマに対して、米国に頼るのか、中国主導につくのかという選択肢だけで考えて、日本が新たなルールメーカーになるという発想をいままで持てなかったという点にあると思う。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『共産党の「核心」になっても続く習近平の権力闘争 “誰も挑戦できない権威の象徴”ではなくなった核心の座』(11/29JBプレス 阿部純一)について

中国の歴史は権力闘争の歴史です。決して民主化することはありませんでしたし、これからも長期に亘って民主化することはないと思われます。為政者側の腐敗がひどく、権力を握れば必ずや富を独り占めしようとします。人民は収奪の対象でしかありませんし、侵略の先兵として弊履の如く捨てられる運命にあります。中国人に高貴な精神を求めても無駄と言うもの。“対牛弾琴”というやつでしょう。孔子だって世の中に受け入れられなかったというのは中国社会が如何に弱肉強食で動いているのかを表しています。日本も徳川幕府時代、朱子学を武家の道徳と定めたので、論語の影響を受けて、中国人というのは公共道徳を守る優れた民族との思い入れがあったと思います。小生が中国から帰国した11年前に中国の実態を話したら、「国粋主義者」とか「人種差別主義者」とか罵られたものでした。今は日本にも中国人が沢山来て、その民度の低さが目に見えるようになったので、今話せば誹謗されることはないと思います。日本人が如何にメデイアという権威に弱いのかと言う証左にもなります。メデイアは左翼・リベラルの巣窟で自分の都合の悪いことを主張されると声高にラベル貼りをするか、完全に無視します。左翼人士は須らく、スターリンや毛、ポルポトの人民虐殺の歴史を直視すべきでしょう。そうすれば、左翼ではいられなくなるはずなのに。誠実さが足りない連中で、軽蔑・唾棄すべき人間です。

習近平は狡猾で、敵を打倒するのにいろんな手を打つでしょうが、敵は日本人のように甘くはありません。足をどのようにして引っ張るか知恵を巡らしている筈です。人事の問題こそが彼が権力を握れるかどうかの分水嶺になるのは間違いありません。①王岐山の定年延長②習自身の定年・任期延長です。でも本文にありますように、下剋上はありますし、下台(=step down)すれば、韓国大統領のように法の裁きを受ける可能性が高いと思われます。反腐敗運動をやりすぎ、恨みを沢山買ったためです。言ってみればこれも易姓革命の一つなのかも。権力者が如何に法を守らず、人治で政を行ってきたかという事です。人民の生命など鴻毛の如く考えているのでしょう。こういう国に生まれなくて良かったと思い、中国のような国にしないためには、中国の侵略に対抗して、日本の防衛を強化しなければなりません。左翼が良く言っています「中国が攻めてくることはない」というのは尖閣の現実を見ない議論です。騙されないように。何時も言っていますように中国人の基本的価値観は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言うものですから。

記事

xi-in-beijing

中国・北京でジャンマルク・エロー仏外相(写真外)と会談を行う中国の習近平国家主席(2016年10月31日撮影、資料写真)。(c)AFP/FRED DUFOUR〔AFPBB News

習近平政権は来年秋の第19回党大会に向け、内政・外交ともに正念場を迎える。

内政では10月に開かれた「6中全会」(中国共産党第18期中央委員会第6回全体会議)で党における「領導核心」の座を手に入れ、権力基盤をさらに固めた。とはいえ、党大会で自分の裁量による指導体制を作り上げるために、やるべきことはまだ多い。

外交では、米国で誕生するトランプ新政権への対応が重要な課題となる。習近平政権にとっては、トランプ新政権の外交・安全保障政策がどう変化するかを見極め、トランプ新政権とどう折り合いをつけていくかが問われることになる。

(参考・関連記事)「習近平がどうしても『核心』の座が欲しかった理由

トランプ新政権への期待

米大統領選挙でのトランプ候補の当選は、中国でも予想外の事態であった。しかし、同候補の掲げた「アメリカ・ファースト」に基づくTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の否定や、同盟関係の見直しといった政策が中国にとって好ましい部分があることは確かであり、トランプ政権の誕生は中国で好意的に受け止められている。

たしかに、TPPや「アジア・リバランス」といったオバマ政権の政策は、中国の台頭を経済と軍事の両面から封じ込めようとするものだった。それを否定するトランプへの期待が中国で湧き上がったとしても不思議ではない。

しかし、トランプ新政権が中国の都合のいいように動く保証はない。オバマ政権の政策の逆を目指すにしても、トランプ政権がオバマ政権よりもむしろ中国に厳しい対応を取る可能性は排除できないからだ。

習近平政権が求心力を高めるために「愛国主義」というナショナリズムを称揚しているように、トランプ新政権も「米国を再び偉大な国にしよう」というナショナリズムを表面に押し出してきた。トランプのナショナリズムが「孤立主義」とイコールであるとは限らないのである。

トランプ政権の対中外交がどのようなものになるかは、時間が経つにつれて明らかになっていくだろう。しかし、それがどのようなものであれ、習近平政権は、オバマ政権に提示してきた、米中が対等の立場に立つ「新型大国関係」の構築を目指すことになろう。

主席制の復活を画策か?

習近平政権にとって、むしろ問題なのは内政である。

習近平は10月の6中全会で、党における「核心」の座を手に入れ、1980年に鄧小平が主導して作られた「党内政治生活に関する若干の準則」(以下「準則」)を大きく書き換えた。

1980年の「準則」のキーワードは「集団指導(集体領導)」であった。毛沢東の個人独裁がもたらした「文化大革命」の過ちを繰り返すことのないよう、「集団指導体制」が謳われたのである。これに沿って、翌1982年に開催された第12回党大会では、「党中央委員会主席」が廃止され「党中央委員会総書記」となった。

中国では1949年の建国以来、「党中央委員会主席」が党における最終的な意思決定者だった。毛沢東は、まさにその役割を担ってきた。しかし、「党中央委員会総書記」は党中央委員会の最高指導者と位置づけられるものの、意思決定は党中央政治局常務委員会における多数決に委ねられる。主席制を廃止することによって、党中央で毛沢東のような独裁を再現できないようにする工夫であった。

習近平は、10月の6中全会で新たに採択された「新情勢下の党内政治生活に関する若干の準則」で、この個人独裁回避のための「集団指導」を大きくトーンダウンさせてしまった。

より正確に言えば、1980年の準則では独立した項目として「集団指導」を取り上げていたのが、新しい準則では「集団指導」を「民主集中制」を構成する要素の1つとしている。この書き換えは、「領導核心」を「集団指導」よりも優先したと受け止めることもできる。

それをもって、習近平が主席制の復活を画策していることは十分に考えられる。領導核心に位置づけられた以上、自分が党における最終意思決定者であることの制度的保証として、総書記ではなく主席の呼称こそがふさわしいと判断しても不思議ではないからである。

江沢民派を一掃したい習近平

しかし、主席制の復活には当然のことながら党内に強い抵抗が予想される。おそらく、そこまで露骨な権力の集中を進めることはないと考えるのが自然である。

党内で権威を増した習近平が目指すものは、他にあるはずだ。それは第1に、個人の権限強化による「内規の改定」であろう。

内外の報道によると、「七上八下」という内規(いわゆる「潜規則」)、すなわち党中央政治局常務委員に選任される人物は「67歳以下ならOKだが68歳はダメ」という原則を見直すべきだとの声があがっているという。たとえ68歳を超えていてもその人物が余人を持って代えがたい能力があるなら、任務を継続できるという論理である。その「余人を持って代えがたい能力」を持つ人物とは、習近平のもとで反腐敗に辣腕を揮う王岐山である。

もう1つ目指すものがあるとすれば、党中央政治局常務委員会の人事刷新であろう。

胡錦濤時代は9名の常務委員がいたが、習近平時代になって7名に減った。理由は明示されていないが、裏で画策したのが「第3世代の核心」であった江沢民だとすれば、江沢民派のための多数派工作で人事を動かした可能性が高い。

胡錦濤時代、常務委員の中で純然たる「非江沢民派」は、胡錦濤総書記と温家宝総理だけだった。習近平時代にしても、江沢民の息のかかっていないのは共青団出身の李克強総理だけである。次期党大会で2期目を迎える習近平にとって都合のいい常務委員会人事とは何かといえば、まずは江沢民派を一掃することであり、反腐敗で辣腕を揮った王岐山の留任であろう。

王岐山の留任が実現すれば、「次の次」である2022年の第20回党大会を69歳で迎える習近平自身の「3期続投」の可能性も出てくる。習近平は3期続投を現実のものとするために、かつて鄧小平が1982年に現行憲法を決めたように国家主席の「2期10年」という憲法の定めを書き換えるかもしれない。

後継者を決めなければ求心力を保てる

もし「3期続投」を目指すとすれば、習近平はさらなる権威確立のために、“次期常務委員会で後継者を指名しない”ということも考えられる。

胡錦濤や習近平は、ともに総書記の後継者として国家副主席と中央党校の校長を兼務する形で常務委員会入りし、4中全会ないしは5中全会で中央軍事委副主席となり、総書記に就任するための研鑽を積んだ。もし習近平が後継者を決めるなら、同様の処遇で対応することになる。

しかし、後継者を決めれば習近平への求心力が徐々に低下するのは間違いない。そこで、あえて後継者を決めないままにしておき、求心力を保つというわけである。

しかも、それはきわめて簡単にできる。政治局常務委員のポストを5つに絞り、総書記、国務院総理、全人代常務委員長、全国政協主席、紀律検査委書記に限定することによって、後継者の入る余地をなくしてしまえばいいのだ。

同時に、習近平、李克強、王岐山が留任するとして、残りの2ポストの1つを習近平の側近である栗戦書・党中央弁公庁主任にあてがえば、それで習近平側が3名となり過半数を占めることになる。そうすることによって、習近平は「領導核心」の権威を振りかざすことなく、従来の「集団指導体制」を維持して多数決で意思決定をすることが可能になる。「個人独裁」を批判されることなく、自分の思うような政権運営が可能になるというメリットもある。

誰かに剥奪されても不思議ではない核心の座

しかし、このようなシナリオ通りに物事が進むかどうかは分からない。

そもそも習近平自身が、「領導核心」の座を江沢民から奪い取っているからである。

具体的に言えば、習近平は領導核心の座を得るために、「腐敗撲滅」を理由に周永康や徐才厚、郭伯雄といった江沢民につながる人脈を摘発することで江沢民の権力に挑戦し、ついに核心の座を奪い取った。

だが、このことによって、中国共産党の指導における核心の位置づけは「絶対的」なものから「相対的」なものになってしまった。もはや、核心は、誰も挑戦できない権威の象徴ではなくなっている。これは習近平が想定していなかった現実だろう。

振り返ってみれば、江沢民の核心の座も自らが絶対的な権力を行使して手に入れたものではなかった。鄧小平が「毛沢東が第1世代の核心であり、第2世代は自分が核心なのだろう」と言ったとき、その「核心」は、誰もが挑戦することをはばかる権威の象徴だった。だが、「第3世代の核心」はそうではない。鄧小平は、1989年の天安門事件後、軍歴も権威もない江沢民を党中央の指導者に祭り上げるため「第3世代指導部の核心」に任じた。江沢民が核心に値する指導者であるかどうか以前に、天安門事件で大きく動揺した中国共産党の指導体制に求心力をもたせる必要があったからであろう。

習近平は、その江沢民から核心の座を剥奪し、自分が取って代わった。その核心の座を、また他の誰かが剥奪してもけっして不思議ではない。その意味で言えば、習近平の権力闘争はまだまだ続くことになる。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国が期待する米中蜜月関係』(日経ビジネス2016年11月28日号 The Economist)、『「大統領」狙う強権 習氏に死角 トランプ現象は中国でも 編集委員 中沢克二』(11/28日経朝刊)について

「エコノミスト」の記事は中国にまだ幻想を持っている記者が書いていると思われます。社会主義や共産主義が悪と言うのが分からないとすれば、知的誠実さを疑うし、そうでなければ単なる愚鈍なだけでしょう。「サルトル」は「マオイスト」だったと楊海英著『モンゴル人の民族自決と「対日協力」 いまなお続く中国文化大革命』の中にあります。日本でもサルトルを持ち上げていた時代がありますが、彼は毛沢東主義者=虐殺肯定派だったのでは。欧州知識人と言っても、現実を見ないで理想化したのでしょうけど。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というのが漢民族の基本的価値観と言うのが分かっていれば、少しは違ったかも知れませんが。況してや戦後何でも白人の言うことが善だと信じ込んだ日本人の程度も知れます。アカは、虐殺は不可避と考えます。スターリン、毛沢東、ポルポト、日本の連合赤軍、自国民を殺しまくったキチガイです。自分に逆らうものは全部殺戮してしまうというのは狂気以外の何物でもありません。

毛沢東は「百花斉放、百家争鳴」で民主派の批判が高くなったので慌ててブレーキをかけるために反右派闘争に切り替えたと一般的には言われていますが、楊氏の本の中では最初から敵(知識人、毛の批判者)を炙り出すための罠(陰謀ではなく陽謀)だったとありました。如何に毛沢東と言うのは狡猾、腹黒いかです。反右派闘争は文化大革命への嚆矢であって、而も漢人の敵を打倒してから少数民族へのジェノサイドを展開するよう考えていたというのですから。日本も五族協和何て考えていたのが如何に甘かったかという事です。

トランプが中国にどういう態度を取るかはまだ分かりません。言えることはオバマ以上に中国の横暴を許すことはないとだけ言えるのでは。軍事予算を増やすのは中国に対する牽制と読めます。ただ、ブッシュ(息子)も最初は中国に威勢が良かったですが、国務省辺りに騙されて、軌道修正していきました。中国は要人には金を配っているでしょうから。

トランプがAIIBや「一帯一路」を認めることは世界にとって最悪です。悪を世界に蔓延させることになります。そうならないことを祈ります。

中沢氏の記事では、中国は子供騙しの選挙をして見せたとのこと。事情が分かっている人は騙されないでしょうけど、TVだけでしか情報を取れない人は簡単に騙されるでしょう。中共はそれを狙っていると思います。でなければ香港の立法会選挙で揉めることもないでしょう。台湾こそが民主主義社会と言えます。悪の帝国・中共支配の国と台湾は全く別の国です。

The Economist記事

中国政府は、トランプ氏が大統領に就任すれば米中関係は好転すると見ているようだ。同氏が示す保護主義は実現しないと見る。中国は米国のインフラ投資を支援できるという。だが米中関係には不確定要素が多い。仮に蜜月が到来しても長く続くことを期待してはならない。

xi-trump

中国の習近平国家主席(左)とトランプ氏は、同氏が米大統領に就任した後の首脳会談でどんな話をするのだろうか(写真=2点:ロイター/アフロ)

2016年の政治は、大きな番狂わせが相次いだ。さらに、ここにもう一つ思いがけない予想がある。「中国は、米中関係がこれから黄金期を迎えると考える」というのだ。これは、最近現実となったいくつかの予想外の出来事と同じくらいとっぴな考えだ。だが、それほど的を外したものとは言えないだろう。

米国の成長に中国は不可欠

ドナルド・トランプ氏は選挙期間中、中国を名指しでこう非難していた。「赤ん坊からキャンディーを取り上げる」ように米国から雇用とビジネスを奪い取った主犯であると。さらに同氏は、貿易戦争に臨む姿勢もにおわせた。大統領に就任したら即日、中国を為替操作国に認定し、中国からの輸入品に45%の懲罰的関税を科すと公言した。

その上、トランプ氏は、バラク・オバマ大統領と中国の習近平国家主席が9月に署名した地球温暖化対策を巡る合意も破棄すると明言した*1。この合意は、米中関係における数少ない外交的な成果だったのだが。

*1=パリ協定を指す。米中が同協定に署名したのは2016年4月。両国は同協定を9月に批准した

加えて、トランプ氏の政権移行チームが混乱の渦中にある中、対中政策担当者として取りざたされている名前を見てみるといい。中国首脳は安心などできないはずだ。

国務長官の候補として、元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏と、国連大使を務めたジョン・ボルトン氏の名前が挙がっている*2。ジュリアーニ氏は対中外交の経験がほとんどない。ボルトン氏はタカ派で、対中強硬派だ。

*2=両者に加えてミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事の名前も挙がる

それでも中国は明るい面に目を向け始めている。中国政府内で楽観論が高まりつつある背景には次の推測がある。「米国の雇用と成長を本気で考えるなら、トランプ氏は最終的に中国への関与*3と貿易を重視するだろう」。

*3=米中関係では、「中国包囲」の対義語として用いられる

要するに、保護主義は「米国を再び偉大な国にする」というスローガンと整合しないのだ。ここから、トランプ氏が選挙期間中に繰り返した威嚇的な発言は基本的にこけおどしである、という結論が導かれる。少なくとも中国政府はそう期待している。

確かに、トランプ氏が中国を為替操作国に正式に認定する可能性は高い。しかし、そこから調査を開始し、結果を公表できるのは1年後だ。さらに、結果が出ても、ただちに影響が生じることはまずないだろう。

加えて、中国首脳はトランプ氏の中に、自分たちと同じ特性が潜んでいることを見抜いているかもしれない。民主主義の美点には敏感でなく、何より発展と成長に関心を抱いている点だ。

トランプ氏と習氏は11月14日に電話で初めて会談した。中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」は、通常は米国に対して批判的な姿勢を示すが、この電話会談は高く評価し、次のように報じた。協調を求めた習氏に対してトランプ氏は、「外交的に申し分のない」言葉を返した。これにより、両大国間の今後4年間の関係に対する「楽観」が強まった。

同紙はさらに、トランプ氏こそが「恐らく、大国間の関係を現実的な手法で作り直していく米国の指導者だ」と評価した。同氏が「事業家の視点や草の根的な視点」を持っており、「ワシントンの政治エリートに取り込まれていない」ことを理由に挙げた。

米国のインフラ建設支援か?

中国のタカ派が主張する楽観論は、明らかに別の推測に基づいている。トランプ政権は結局混乱して機能せず、米国の力を損なうというものだ。この事態は米中が演じる長期的な勝負の中で中国に有利に働き、米国は没落し、中国は興隆していくというわけだ。

環球時報は、ほんの1週間前には「トランプ氏がどのような混乱をもたらすかを見ていよう」と書いていた。

中国の首脳は、オバマ大統領の任期満了を歓迎している。同大統領が進めるアジアへの「ピボット」(アジア重視)政策を嫌っているからだ。

中国政府はオバマ氏の姿勢を次のように辛辣に批判する。習氏は2013年、両国間の「ウィンウィン」の協調を含む「新型大国関係」という素晴らしい提案をした。ところがオバマ氏は米中関係を「どちらかが勝ち、どちらかが負けるゼロサムの関係」と捉え、この提案を受けいれることができないというのだ。

オバマ氏は、この新たな関係は詰まるところ東アジアの覇権を中国に譲り渡すことだと考えている。どうしてそのように考えられるのだろうか、と。

従って、トランプ氏が大統領に就任して最初の米中首脳会談で何が話し合われるのか、想像するのは難しくない。“建設長官”を自認する同氏は大統領選の勝利演説の中で、「高速道路、橋、トンネル、空港、学校、病院」など多くの公共事業に取り組むと約束した。

習氏は、公共事業について自身も相当な専門家であることをアピールするだろう。総延長1万8400kmを超える高速鉄道が走る広大な国を率いているのだから、同氏がそうした専門知識を持ち合わせていても不思議ではない。

一方、米国に長大な高速鉄道網は存在しない。長江の三峡ダムは、米国のフーバーダムと高さはほぼ同じだが、幅は6倍ある。

習氏はトランプ氏に、米国のインフラ建設のため資金と専門技術を提供すると申し出て、米国の雇用創出に中国が貢献できると強調するに違いない。

トランプ氏がお返しに好意を示すことは容易だろう。例えば、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加しないというオバマ大統領の方針を撤回することが考えられる。

あるいは、習氏が提唱する「一帯一路」構想を、もう一歩踏み込んで支持することもできる。この構想はアジアと欧州を結ぶインフラを建設するもの。トランプ氏の政策顧問は、こうしたカードを切る可能性を既に示唆している。

米中の将来は見通せない

こうなれば、ほとんど誰も予想することのなかった米中の蜜月関係が到来する。中国は間違いなくそれを望んでいる。

習氏は今、対外関係を平穏に保つことが極めて重要な時期にある。これから1年をかけて、党の指導部を全面的に刷新する考えだ。同氏は権力基盤を固め、後継者選びを主導したいのだ。このためには、国内に意識を集中する必要がある。

ただし、米中蜜月が長く続くと考えるのは間違いだ。まず、中国はトランプ氏が身につけている商売人としての本能の強さを恐らく過小評価している。また、仮にドル高が続き、中国の通貨管理が難しくなった場合、中国政府は対米政策を見直すかもしれない。

米国の友好国はトランプ氏が当選したのを受けて慌てふためき、米ニューヨーク・タイムズ紙の表現を借りれば、「まもなく自由主義世界の指導者となる人物に連絡を付けようと、トランプタワーに闇雲に電話を入れた」。

とはいえトランプ氏は、東アジアの同盟関係に対する保障を同氏流のやり方で高めている。第2次世界大戦後の東アジアにおける米国の影響力が、この同盟関係によって強化されてきたのは事実だ(本誌=英エコノミスト=が印刷に回される時点で、日本の安倍晋三首相が外国の首脳として初めて、次期大統領となるトランプ氏と会談しようとしている。安倍首相は、日本が自国防衛において果たす役割を拡大すると約束するものと見られる*4)。そして中国はこの同盟関係に対して敵意を抱いている。

*4=安倍首相とトランプ氏は11月17日に会談した。話し合いの詳細は明らかにされていない。ただし同首相は「信頼関係を築いていくことができると確信した」と発言

世界で最も重要な2国間関係、すなわち米中関係は、何によってかき乱されるか予断を許さない。2001年には中国の戦闘機と米国の偵察機が空中で衝突し、米中関係が緊張した。最近は、両国首脳を脅かすこうした危機は発生していない。しかし、論争の絶えない南シナ海や東シナ海で同様の事件が起こることは十分に考えられる。

このようなレベルの外交危機に対処する能力が一切試されていないのは、トランプ氏だけではない。これを忘れてはならない。この点では習氏とて同じなのだ。

©2016 The Economist Newspaper Limited Nov. 19-25, 2016 All rights reserved.

日経記事

英国の欧州連合(EU)離脱、米国のトランプ旋風、そして別格の指導者を指す「核心」の地位をつかんだ中国国家主席の習近平。今年の3つの動きのキーワードは、グローバル化の反動である地域優先主義と、強権主義だ。中国の変化はわかりにくい。だが、それは今後、アジアと世界に大きな影響を及ぼす。

strong-leader

習が得た「核心」の地位の本質は何か。中国のネット空間では今、勝手な解釈が自動的に削除されている。その微妙な問題の解釈を一人だけ許された人物がいる。習が心を許す側近で、来年、最高指導部入りも噂される栗戦書だ。彼は、習が建国の立役者の毛沢東、経済大国への道を引いた鄧小平に並び立つとした。

前任の胡錦濤が10年かかっても手が届かなかった地位を習は4年で得た。それは必ずしも権力の盤石さを意味しない。既得権を持つ共産党が一党独裁を続けるにはひとまず習を「核心」とし、締め付けるしかないと判断したのだ。統治の危機はそこまで来ている。

習は力学を読みつつ、長くトップにとどまろうとするだろう。現憲法は国家主席の任期を2期10年までとする。党トップの総書記の任期に明文規定はないが、国家主席の規定に準じてきた。68歳になれば引退する内規も定着している。

3選禁止を破る手は色々ある。習に近いとされる学者らが観測気球を上げるのが「総統制」の導入だ。「国家主席に代わる総統を創設し、習主席が2022年の次々回の共産党大会以降、中華人民共和国第1代総統に就けばよい」。こんな声がじわり広がる。

集団指導を形骸化する総統制は形ばかりの選挙を経る。とはいえ米大統領制とは全く違い、一党独裁が前提だ。今も国営メディアは国家主席の英訳に「プレジデント」を使う。憲法改正で国家主席を総統に変えても大差ない。米国との対等さを気にする中国の新制度として見栄えも良い。

「あれはその予行演習だよ」。北京の識者が指摘したのは、習が恭しく一票を投じる姿を報じた16日の中国各紙のトップ記事だ。

党推薦候補から区の人民代表を選ぶ投票箱は、執務地の「中南海」に置かれた。いかにも中国的だ。立候補の自由さえない仕組みは小学校の学級委員選挙にも劣る。だが米大統領選の直後に中国でも選挙があると宣伝する意味はあった。

面白いことに抵抗勢力が現れた。投票用紙には印刷済みの推薦候補名にない名を書ける空欄がある。不満分子はトランプの名を書いたという。形だけの選挙への静かな抵抗だった。

共産党を取り巻く情勢は厳しい。米国では上位1%の層が全米所得の2割弱を占める実態に白人労働者層の不満が爆発し、トランプ旋風を生んだ。富の偏在は中国でも目立つ。なにせ将軍、人民代表の地位まで巨費で取引されていたのだ。

中国の巨大格差はいつ生じたのか。1999年、福建省代理省長だった若き習は本紙のインタビューで焦点の世界貿易機関(WTO)加盟について「利が弊より大きいなら入る」と語った。2001年の加盟後、約10年間、中国は2ケタ成長に沸く。グローバル化を進めるWTO体制の世界最大の受益者になったのだ。

本来、競争は経済の自由化を促す。だが、共産党は巧みに阻止した。グローバル化は外づらだけ。逆に市場を占める国有企業の一人勝ちとなり、幹部の給与も不当に跳ね上がった。

自由貿易と民主主義の親和性を信じる人々には想定外だった。「中国の特色ある市場経済」ならぬ、中途半端に開かれた中国だけの「権力市場経済」が、格差と汚職を生む元凶だった。

WTO加盟から15年を経た今、習はツケを払わされている。中国の国有企業は共産党内の定期人事異動体制の中にある。党組織が強い国有企業群を本気で潰せば独裁体制は弱まる。本当の改革は土台、無理だ。

一方、習は苛烈な汚職撲滅運動に踏み切った。それは権力固めにも使える利器だ。とはいえ他党や独立組織の監視機能がない以上、「反腐敗」は定着しない。習は新たな監督体制の導入を探るが、極めて難しい。格差を是正できないなら、いずれ不満が爆発する。

もう一つの問題は地域優先主義だ。来年、返還20年を迎える香港では議会選で中国からの独立を唱える「本土派」が躍進した。台湾では中国と距離を置く蔡英文政権が誕生し、独立を口にする新世代政党「時代力量」の台頭も著しい。

主役は10~20代の若者だ。これは今後、竹のカーテンで仕切られてきた中国大陸内にも影響を及ぼす。EUの揺らぎ、トランプ現象は他人ごとではない。

中国経済は、習の側近が認めたように当面「L字型」で推移する。習体制は低成長の下、民衆の不満、地域優先主義の2大潮流に対処する必要がある。「核心」の地位をふりかざす強権だけで、その流れに抗するのは時代錯誤である。

ペルーでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)で習は微妙な軌道修正を迫られた。敵視する台湾の蔡英文が送った野党党首の宋楚瑜、不人気の香港トップ、梁振英、南シナ海問題でやりあった日本の首相、安倍晋三と次々会ったのだ。近隣の面々とあえて地球の裏で話す「全方位接触」には、強権への道を歩む習の悩みが透ける。

(敬称略)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『死刑執行停止の世論を無視して執行された銃殺刑 “悪徳役人殺害犯”に庶民は同情、英雄視したが…』(11/25日経ビジネスオンライン 北村豊)について

中国の臓器移植の闇は今でも続いていると思われます。何せ平気で嘘がつける民族で、裏で悪いことは何でもできる社会です。マスメデイアは共産党の「喉と舌」でプロパガンダ機関ですから、党・政府に都合の悪い記事・報道は為されません。一党独裁の非常に悪い所です。北京で現地スタッフが交通事故で亡くなった時に、交通警察から言われたことは、「早く遺体を火葬するように。理由は①臓器売買される②労働争議の材料にされる」と。その後遺族との賠償交渉で「会社に遺体を運ぶ」と脅されましたが、「どうぞ」と答えて屈しなかった思い出があります。

http://www.epochtimes.jp/2016/08/26079-2.html

http://www.epochtimes.jp/jp/2015/03/html/d61618.html

生きたまま臓器摘出された人も多くいるのでしょう。多くは法輪功の信者のようですが。とても日本人には信じられないようなことが中国では平気で行われます。

本記事の賈敬龍のような問題は中国のどこにでも転がっています。ですから次の黒延平も出てきたのでしょう。報道はされなくともSNSで今は繋がる時代です。削除されても、口コミでは伝わっていきます。

「拆迁=拆遷」の問題は共産党統治が続く限り、解決できません。土地は共産党の所有になっている訳ですので。役人が私腹を肥やす対象になっています。「没有共産党就有新中国」にしなければ中国人民が幸せになることはないでしょう。新たな革命を起こさなければ。ただ人民解放軍を味方につけなければなりませんが、軍も腐敗の極みにありますので、望み薄です。

記事

2016年11月15日午前8時40分、河北省の“石家荘市中級人民法院(地方裁判所)”(以下「中級法院」)は、“最高人民法院院長(最高裁判所長官)”が署名した死刑執行命令書に基づき、“故意殺人犯”<注1>である“賈敬龍”に対して銃殺による死刑を執行した。死刑執行に先立ち、同日早朝に中級法院は賈敬龍に父母と姉との最後の対面を許可したが、対面の終了直後に死刑は執行された。賈敬龍は享年30歳だった。

<注1>“故意殺人”とは、殺意を持って行われた殺人を意味し、故意殺人罪の最高刑は死刑。

10月18日付で最高人民法院が中級法院による賈敬龍に対する死刑判決を承認したことが知れ渡ると、賈敬龍の境遇に同情する世論が沸き上がった。中国のネット上には多数の法学者や弁護士が死刑判決の見直しを求めて、「賈敬龍の死刑執行停止を求める嘆願書」への署名運動を呼びかけ、「“刀下留人(斬罪執行に待ったをかけること)”」を求める世論は盛り上がりを見せたが、最高人民法院に死刑執行命令の取り消しを促すまでの影響力を及ぼすことはなかった。

11月17日、賈敬龍の家族は中級法院から送付された“領取骨灰通知書(遺骨受け取り通知書)”を受領した。その内容は以下の通り。

河北省石家荘市中級人民法院・遺骨受け取り通知書

犯罪人の賈敬龍は故意殺人罪により法に照らして死刑判決を受け、2016年11月15日に死刑が執行された。“死屍(死体)”はすでに火葬されたので、家族は本通知書を持参して2016年12月14日以前に“石家荘市火葬場”へ出向き遺骨を受け取ることができる。期限を過ぎて受け取りがない場合には、遺骨は火葬場によって処理される。

河北省石家荘市中級人民法院 2016年11月15日

遺骨の引き渡し、引き延ばしか

上記通知書の日付が11月15日となっていることから考えて、賈敬龍の遺骸は11月15日の死刑執行当日に荼毘に付されたのだろう。遺骨の受け取り期限は12月14日となっており、死刑執行から丁度1か月後になっているが、通知書を額面通りに受け取って、家族が速やかに火葬場に出向いても、火葬場は種々の理由を付けて遺骨の引き渡しを引き延ばす可能性が強いと思われる。その理由は賈敬龍が報復目的で悪徳村役人を殺害したことにより庶民から英雄視されているからで、ネット上で行われた死刑執行停止を求める署名運動の沈静化を図り、遺骨引き取り後に行われる賈敬龍の葬儀に大挙して参列する可能性がある庶民の数を少しでも抑制しようという政府側の魂胆をうかがうことができる。

話は変わるが、中華人民共和国では1949年の国家成立から一貫して死刑は銃殺方式で執行されてきた。しかし、1997年に刑事訴訟法が改正され、銃殺方式と薬物注射方式の2本立てになったが、処刑後の遺体から移植用の臓器を取り出す関係から銃殺方式が大勢を占めていた<注2>。また、1980年以前には銃殺に使った銃弾の費用が家族に請求されたというが、法改正によって銃弾費用は国家負担となった。

<注2>中国では死刑囚の遺体から移植用の臓器を取り出すことは公然の秘密であり、死刑囚の臓器を用いた臓器移植ビジネスが横行していた。それが国際社会から問題視されたため、中国政府は2015年に死刑囚の臓器を使った臓器移植を禁止した。

閑話休題。それにしても、本来ならば通知書には、死者に敬意を払って“遺体”と書くべきなのに、“死屍(死体)”という言葉を使っているところに、死刑囚に対する冷淡な扱いが表現されている。さらに、賈敬龍の家族は死刑執行後に遺体と対面することも、火葬に立ち合うことも許されなかった。このため、多くのネットユーザーは火葬場から引き渡される賈敬龍の遺骨が本物だという保証はあるのかと、疑問を投げかけている。

立ち退き拒否の末…

さて、賈敬龍が死刑囚となった経緯は何か。その詳細については、2016年10月28日付の本リポート「横暴な権力者を殺害した男の死刑は止められるか」を参照願いたいが、最高人民法院“刑三庭(刑事第3法廷)”の責任者がメディアに語ったという事件の概要は以下の通り。

【1】本事件の被告人である賈敬龍は河北省石家荘市“長安区”内の“北高営村”の村民で、父母と共に同村の南華路6号に居住していた。2009年11月28日、村民代表大会は表決を経て北高営村の“拆遷改造(住民を立ち退かせて住宅を取り壊して村を改造する計画)”の実施を決定し、2010年6月に石家荘市人民政府の批准を得た。住民の立ち退きと住宅の取り壊し作業は北高営村の村民委員会が統一的に計画し、各戸同一基準で実施した。

【2】2010年11月10日、南華路6号の世帯主である“賈同慶(賈敬龍の父)と村民委員会は立ち退き協議書に調印し、協議内容に基づき賈同慶は村民委員会から低価格分譲住宅1戸と代替住宅1戸の配分を受けて、旧宅から引っ越した。但し、賈敬龍は父母や恋人などの忠告を聞かず、旧宅からの移転を拒否した。

改造釘打ち機で頭蓋骨を貫通

【3】2013年5月7日、北高営村村民委員会は村の改造計画と賈同慶との間で締結した立ち退き協議に基づき、賈同慶の旧宅に対する取り壊しを実施し、取り壊し部隊と賈敬龍の間で衝突が発生した。旧宅を取り壊されたことで、賈敬龍は北高営村の党支部書記兼村民委員会主任の“何建華”に恨みを抱き、何建華に報復することを計画した。

【4】2014年10月、賈敬龍は釘打ち機3台、模造拳銃1丁、釘打ち機用の火薬などを購入した。その後、賈敬龍はくぎ打ち機を改造して厚さ1cmの木の板を打ち抜けるようにした。

【5】2015年2月19日(“春節”:旧暦の元旦)朝4時頃、賈敬龍は車で北高営村の春節祝賀会場の付近まで行き、乗ってきた車を近くに駐車してから徒歩で借家へ戻った。当日午前9時頃、賈敬龍は釘打ち機3台と模造拳銃1丁を携えて借家から春節祝賀会場へ向かった。賈敬龍は、祝賀会場で村民たちに新年の挨拶を終えてひな壇から下りた何建華の後頭部に改造した釘打ち機で釘を打ち込んだ。釘は何建華の頭蓋骨を貫通し、何建華は頭蓋脳損傷により死亡した。

【6】犯行後、賈敬龍は事前に祝賀会場付近に止めておいた車で逃走しようとした。村民の“張瑞国”はこれを阻もうとしたが、賈敬龍は車を止めることなく張瑞国を跳ね飛ばして逃走した。村民の“金慶昆”、“何志輝”、“何志軒”などが車で追走し、賈敬龍が運手する車に車を衝突させることで停止させた。車を降りた賈敬龍は大声を上げて抵抗し、拳銃を構えて村民たちを威嚇し、拳銃を1発発砲した。後から追いついた村民たちが賈敬龍を取り押さえ、急行した警察官が賈敬龍を逮捕した。

表面的な事実を取りまとめれば、確かに上記の通りである。しかし、賈敬龍が何建華を殺害するに至った経緯を考えれば、以下のような同情すべき点があるのである。

脅迫、新居破壊、婚約破棄、自首も認められず

(1)父親の賈同慶が村民委員会との間で立ち退き協議を締結したのは、賈同慶の母、すなわち賈敬龍の祖母の社会保険(年金)支給を停止すると脅かされたためであり、決して納得してのものではなかった。この事実を知っていた賈敬龍は村民委員会およびその主任(責任者)である何建華に反感を持ち、協議締結という事実を認めていなかった。

(2)2013年5月7日に賈敬龍が住み続けていた旧宅は村民委員会が組織した取り壊し部隊によって取り壊されたが、この日は賈敬龍にとって27歳の誕生日の6日前であっただけでなく、恋人との結婚式の18日前だった。賈敬龍は大金を投じて自力で旧宅を結婚後の新婚住宅に改造していたが、全ては破壊され、甘く楽しい新婚生活の夢は消え去った。取り壊しをせめて賈敬龍の結婚式が終わり、新婚生活を始めるまで待ったやることはできなかったのか。村民委員会の1人が証言しているところでは、旧宅の所在地は緊急に取り壊す必要のない場所だったという。

(3)悲劇はそれだけでは終わらなかった。賈敬龍が村民委員会と抗争状態にあることを知った恋人の父親は、賈敬龍と関わり合いになって村八分にされることを恐れて、娘に賈敬龍と手を切るよう命じた。このため、恋人との結婚約束は取り消され、彼女は賈敬龍のもとから去り、後に別の人と結婚した。

(4)賈敬龍は犯行後に現場から車で逃走したが、それは付近の派出所へ自首するためだった。ところが、後から追走してきた村民たちに捕まり、殴る蹴るの暴行を受けて大腿骨を折られ、その後急行した警官によって逮捕された。賈敬龍の携帯電話には知人に宛てた「これから自首する」というメール原稿が残されていたが、発信されてはいなかった。裁判官は当該メール原稿を証拠採用せず、賈敬龍に自首する意思はなかったと判定したが、自首する意思が認められていれば、賈敬龍に死刑の判決が下されることはなかったものと思われる。裁判官が自首の意思を認めなかったのは、当初から賈敬龍を死刑にすることが決まっていたのではないだろうか。

最高人民法院が死刑執行停止を求める世論を無視して賈敬龍の死刑執行を強行させた背景について、ある中国の作家は次のように述べている。

【1】中国の農村で農民の住民居住地や農地を強制収容して得た土地は、不動産開発業者に売り渡すことで、農村にとっての貴重な収入源の「土地譲渡収入」を獲得することができる。また、売り渡された土地は開発業者によって工業団地や宅地に造成され、工場や新たな住民を招き入れることにより、地元の繁栄につながる。これは省政府や市政府の規模でも行われていることであり、土地譲渡収入が政府歳入に占める比率は30~40%にも及んでいる。

【2】中国政府が土地譲渡収入に依存する地方政府の在り方を真っ向から否定して、土地の強制収容を容認しない立場を取るならば、最高人民法院は世論の高まりを謙虚に受け入れて賈敬龍の死刑執行停止を認め、賈敬龍に再審の機会を与えたかもしれない。しかし、土地の強制収容を許容する姿勢に変化がなければ、それに逆らう者への見せしめとして賈敬龍は“該死(死刑判決を下すべき)”の存在だった。賈敬龍の死刑が執行されたことで、土地の強制収容は今後も継続されようが、第2、第3の賈敬龍が出現する可能性は存続することになった。

予言通り「第2の賈敬龍」

上述した作家の予言は正しかった。11月16日の午後、陝西省“延安市”の管轄下にある“延長県”内の“七里村鎮”に属する“曹渠村”で、土地の強制収容に起因する問題で刀を持って村長一族を襲撃した犯人によって3人が斬殺、5人が重軽傷を負う大事件が発生したのである。

中国の官製メディアが報じた所によれば、曹渠村の村民“黒延平”は村長の“曹英海”と強制収容された土地の補償問題でもめていた由で、地元の延長県政府もこれを知っていたという。11月16日には前任の曹渠村村民委員会主任の娘が嫁に行くのを祝う事前祝賀会が催されたが、黒延平もこの祝賀会に参加していた。祝賀会の終了後、黒延平は刀を持って村長の曹英海の家へ乱入し、続いてその親戚の家2軒へも乱入して、家人を手あたり次第に刀で切り付けて8人を死傷させた。死亡したのは村長の曹英海、曹英海の長兄の嫁“郭忠芳”、曹英海の五男“曹徳民”の3人であった。曹英海の妻“蘇延梅”、息子の嫁“李蓉蓉”、甥の孫(3歳)の3人は重傷で、延安市内にある“延安大学付属医院”の集中治療室で懸命の救命治療が行われた。曹英海の孫(1歳)と甥の嫁“李瑞”の2人は軽傷で“延長県人民医院”において治療を受けた。

上記の事件に関する報道は規制されており、これ以上の詳細は不明である。すでに述べたように、中国では“拆遷(住民を立ち退かせて住宅を取り壊す)”問題が全国各地で次々と発生しており、土地の強制収容を受けた人々の怨嗟の声は社会に満ちている。曹渠村の8人殺傷事件の発生を知った中国のネットユーザーたちは、犯人の黒延平が賈敬龍事件を知って鬱憤を晴らすべく模倣事件を引き起こしたものと推定しているが、この種の事件は今後も止むことなく、発生し続けるだろう。

ある評論家は、「賈敬龍の死は中国の“拆遷”制度の下では必然的に発生する悲劇である」と喝破している。土地を二束三文の価格で強制収容しておきながら、公定価格で買ったかのように装い、差額を懐にいれる不届きな地方役人がいなくならない限り、この種の悲劇はなくならない。賈敬龍もその被害者の1人であると思われる。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「鴻海会長、総統選に意欲」が示す台湾の危うさ 驚異の支持率8割も「地方の一指導者」に転落必至』(11/24日経ビジネスオンライン 山田泰司)、『蔡政権は「なぜ日本に対してこれほどまでに卑屈なのか!」、一部で不満も=台湾報道』(11/24サーチナ)について

鴻海に買われたシャープの行く末は厳しいものとなるでしょう。郭台銘会長は外省人で言ってみれば中国人と一緒。偶々台湾にいるだけです。だから、ブラック企業の名に恥じず、2010年には鴻海傘下の富士康深圳工場で、14人もの投身自殺が相次いだわけです。如何にも中国人のやりそうな労務管理です。

http://www.epochtimes.jp/jp/2010/11/html/d31624.html

また2013年には鄭州工場で3人の自殺者が出ました。これだけ自殺者が出るというのは普通に考えて労務管理に問題があるという事でしょう。電通もブラック企業でしょうけど桁が違います。電通の企業体質も問題と思っていますが、一番悪かったのは上司でしょう。部下の努力を認めなかったわけですから。

http://www.afpbb.com/articles/-/2944859

シャープの凋落の原因は経営者にあります。町田社長の無謀な液晶への一本足投資と、その前の佐々木副社長の韓国への技術流出が原因です。従業員はたまったものではありません。

http://www.data-max.co.jp/2012/09/07/post_16448_dm1701_1.html

http://bu-imp-mba.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-a81d.html

シャープは中国に技術を盗まれるほどの技術が残っているかどうかですが、少なくとも生産技術において、歩留まりを上げる技術は持っているのでは。台湾企業とはいえ、工場は殆ど大陸です。敵国・中国に技術移転する必要はありません。真剣に転職を考えた方が良いでしょう。

11/25日経朝刊に<シャープ、中国事業の統括会社を新設 鴻海の工場内に 

シャープは24日、中国事業を統括する新たな現地子会社、夏普科技(仮称)を2017年1月3日付で設立すると発表した。シャープの完全子会社として、場所は台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の広東省深圳市にある龍華工場内に設ける。統括機能を鴻海の中国拠点に置くことで両社の連携をより密接にして中国での事業を拡大する。

新会社の董事長には、鴻海による買収交渉でシャープ側の窓口となった藤本俊彦常務が就く。人数などは今後詰める。

シャープは現在、中国事業を北京市内の夏普(中国)投資が統括している。17年1月3日以降は新会社が管理する。

新会社のもう一つの目的は子会社間の連携強化だ。戴正呉社長は「One SHARP」をスローガンに掲げ、事業部間の協力を訴えている。中国には家電やコピー機など9カ所の拠点があり、新会社がそれぞれの経営資源を互いに活用できるよう促していくとみられる。業務効率を高めるため今後、拠点の統廃合が浮上する可能性もある。>(以上)

いよいよもって、シャープの大陸化が始まるという事です。日本の工場もやがては閉鎖されるのでは。

郭氏が総統選に立候補するのは勝手でしょうが、国民党候補として中国に台湾を売り渡すのに手を貸すことになります。台湾国民もそう言う選択はしないと思います。

サーチナ記事は蔡英文総統に悪意を持った中傷としか読めません。所詮、外省人のプロパガンダ紙の中国時報の記事ですから。蔡総統は日本に卑屈な外交をしているというのなら、国民党は大陸に卑屈な外交を続けてきたではないですか。だから、太陽花学運が起こり、民進党に政権が移りました。蔡総統の支持率低下は生みの苦しみの状態であり、民主主義国では普通の事です。安倍内閣の支持率も50%ちょっとくらいですから。悔しかったら大陸でも選挙をして支持率を調べてみるのが良いでしょう。習近平主席など朴槿恵大統領程度ではないですか。その前に当選することはないでしょうけど。

日本と台湾の強い結びつきを示す記事がありましたので紹介します。

http://hk.on.cc/hk/bkn/cnt/lifestyle/20161025/bkn-20161025121658687-1025_00982_001.html

山田記事

guo-mingtai

台湾の次期総統を狙っているといわれている鴻海精密工業の郭台銘会長(写真:ロイター/アフロ)

不動産王のドナルド・トランプ氏が米次期大統領就任を決め市場が株高で沸き立つ陰で、アジアでも、ある実業家のトップ就任の可能性が取りざたされ始めている。シャープを買収した鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)会長の台湾総統就任だ。

発端は、台湾の週刊誌『壹周刊』(2016年11月16日付)の報道。同誌が鴻海幹部らの話として伝えた記事の内容はこうだ。

トランプ氏が当選を決めた当日の夜のこと。郭氏は側近中の側近4〜5人に招集をかけ会議を開いた。彼らが集まったのは、台湾市新北市にある鴻海本社の1室で、社員たちから「神秘の501号室」と呼ばれている部屋。幹部の中には、鴻海の財務を握り、その実力者ぶりがジャニーズを牛耳るメリー喜多川副社長を彷彿させるとも言われる「鴻海的銭媽媽」(鴻海の金庫番の女帝)こと黄秋蓮氏の姿もあった。

その日の議題は、トランプ大統領誕生後の情勢分析と鴻海のとるべき戦略について。ただ、実業家で戦前劣勢が伝えられていたトランプ氏が当選したという事実を受け、幹部らの情勢分析に静かに耳を傾けていた郭氏の胸の中で、ある思いが急速に膨らんでいた。そして会議も半ばにさしかかったころ、郭氏はおもむろに口を開き、幹部らに尋ねた。

「2020年の総統選、どう思う?」。郭氏が総統選出馬の意向を示した瞬間だった。そして会議後、郭氏のもとに、1本の電話が入る。トランプ当選の結果を受け、総統選出馬を打診する最大野党、国民党からの電話だった。

郭総統待望論を生むもの

記事自体は出来過ぎの感が否めず、眉に十重二十重につばを付けて読みたい話ではある。選挙戦中、トランプ氏は「アップルはiPhoneを米国で造って雇用を生み出すべきだ」などとして米国企業が中国などアジアで製造することを批判していた。このため、まさにiPhoneの製造を中国で行っている鴻海のトップである郭氏がトランプ氏当選当夜に幹部を集めて行った討論の内容は、現実味が増してきたiPhoneの米国製造の話題に終始したと考える方が自然である。

ところが台湾では必ずしも、郭氏総統選出馬のこの記事がキワモノ扱いされておらず、それどころか、郭氏の総統就任の是非を真面目に検討する動きが出てきているのである。

「郭氏出馬に意欲」の報道が出た当日、台湾の有力紙『聯合報』が自社サイトで、「郭氏が2020年総統選に立候補したら投票するか」についてアンケートをとったところ、「投票する」が12万5000票あまりで回答者の82.5%を占め、「投票しない」の1万7000票あまりを大きく上回った。同じ日に、壹周刊と同じ壹媒体が経営する日刊紙『蘋果日報』が行ったネットのアンケートでも、「2020年の総統選に郭台銘氏と現職の総統で民進党の蔡英文氏が立候補したらどちらに投票するか」の問いに、回答者の68.29%が郭氏に投票すると回答し、31.71%の蔡氏を大きく引き離した。

郭氏自身は記事の出た翌日の11月17日、訪問先の中国浙江省烏鎮で香港の衛星テレビ『鳳凰衛視』対し、「(総統選に出馬する)そのような考えは元々全くない。メディアがデタラメを言ってるだけだ。冗談としてなら面白いが」と述べ、報道を否定している。

しかし、郭氏が現職の蔡氏を大きくリードした先の2つの調査結果を受け、台湾では郭氏の総統選参戦を巡る報道や議論が一気にヒートアップ。壹周刊の記事で、トランプ氏当選の夜、郭氏に電話をかけて出馬を打診したとされる国民党では、立法委員(国会議員に総統)の許毓仁氏が総統選出馬を支持すると表明。そればかりか与党である民進党でも、党の重鎮で前立法委員の林濁水氏が、「蔡氏の支持率が下がり続ければ、郭氏に対する待望論が高まるだろう」と述べ警戒感を示した他、民進党を離党した前立法委員の沈富雄氏は、「期待に値するリーダーだ」などとして郭氏出馬への期待を示した。

トランプ支持とダブる背景

この林氏が指摘したように、台湾で「郭氏総統選出馬」のうわさが出、議論が盛り上がりを見せているのは、郭氏本人に対する市民の期待の大きさと言うよりもむしろ、就任半年が経過した現職の蔡総統に対する失望が表出したという意味合いの方が大きいようだ。台湾の日刊紙『中国時報』(11月19日付)で台湾当局系のシンクタンク台湾工研院のアナリスト杜紫宸氏も、「既得権益を持たない層の現状に対する不満がトランプ大統領を誕生させたが、台湾もいま、似たような状況が生まれつつある」と指摘している。

今年1月の総統選で56.12%の得票率で、当時、与党だった国民党、親民党候補に大差をつけて当選した蔡氏だったが、支持率は下落傾向にある。シンクタンク台湾世代智庫が就任1カ月、100日、2016年9月、同10月に行った支持率調査では、「満足している」が62.1%、53.0%、49.0%、50.6%と推移してきたが、11月21日に発表された就任半年の最新調査では43.8%とこれまでで最低となった。

前総統の馬英九氏は、「中国と緊密な関係を築けば台湾の経済も好転する」とし中国との接近を図った。しかし、一部の既得権益層を除けば庶民の大半は給料も上がらなかったことから、中国との自由貿易協定の締結を強引に進めようとした馬氏と国民党に市民が反発。これが、中国との間に一定の距離を取る民進党の蔡氏当選の大きな要因の1つになった。

ところが、蔡氏就任後の支持率調査に伴う庶民の声を見ると、経済や生活に漂う閉塞感、停滞感は前政権時代と大差なく、一方で、民進党政権の誕生で台湾に対する態度を硬化させた中国との関係が極度に冷え込んでしまったことを心配するものが目立つ。半面、先の就任半年目の支持率調査では、「2025年に原発ゼロ」を目指す法案を提出したり、同性婚合法化の審議を進めたり等の政策が評価され、「蔡総統は今後の台湾を正しい方向に導いてくれる」との意見が51.6%に上った。

一方で郭氏は、「民主主義ではメシは食えない」「台湾の労働者は休み過ぎ」など、ブラック企業の経営者を思わせるような発言が物議を醸してきた人物。ただ半面、町工場から一代でシャープを買収するような巨大企業を作り上げた経営手腕や中国工場で100万人を雇用する中国での実績は高く評価され、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)の随行役として習近平国家主席との会見を果たすほどの中国当局との関係の深さも一目置かれている。

大筋ではなお蔡氏に対する期待は大きいものの、経済的に明るい先行きが見えないことに対する苛立ちも膨らんでいる。とは言え、国民党の政治家に蔡氏に対抗できるような人材も見当たらない。郭氏待望論は、このようなところから出ているものなのであろう。

「習主席と緊密」は諸刃の剣

ただ、郭氏の中国との関係の深さは、台湾にとって危うさをもはらむ。

2013年4月のこと。中国海南省で開催された国際会議に出席した習国家主席が、台湾代表団と会見した。台湾側の1人ひとりとにこやかに、しかし儀礼的に握手を交わしていた習氏だが、ある男の前にさしかかると「やあ、また会えたね」と親しげに声を掛けて歩み寄り、肩を抱いた。目の当たりにした中国側の幹部らは、「ほぉ」と小さなため息を漏らした。この様子を伝えた台湾のある記者は、幹部らのため息の意味を「『この男、乗り切ったな』というどよめきだったのでは」と解説する。幹部らに嘆息を上げさせたこの男こそ、郭氏である。

乗り切った、というのには伏線がある。2012年3月、中国の最高指導部入りを目指していた重慶市の薄煕来書記が解任された。解任前に一時姿を消したことで失脚がうわさされた薄氏が同2月末、再登場して健在ぶりをアピールする場に選んだのが、郭氏との会見だった。薄氏と親密な関係にあるとの印象を持たれた郭氏は、同社が生産拠点の大半を置く中国でのビジネス展開が難しくなるとの観測が流れた。

それから1年。「やあ、また会えたね」と習氏に肩を抱かれるという「お墨付き」を得て、郭氏は習主席と対立して失脚した政治家と親密だったというイメージを払拭してみせた。

この一連の出来事は、中国における郭氏の影響力の大きさを示すものだ。ただ郭氏本人は、政争に利用されるほどの存在になったことをむしろ、自らの弱みとして認識したのではないかと思う。

「ごとき扱い」される台湾

さらに、巨大な雇用を生み出し、巨額の税収をもたらす企業のトップとして、現状は中国当局から歓迎されている郭氏だが、これはあくまで郭氏がビジネスマンだからである。万が一、台湾の総統になった場合、中国での位置付けは、アップルのCEOに随行して習主席に会い、ビジネスを対等に語り合えるほどの立場から、「地方政府の一指導者」へと「格下げ」になるだろう。

私がそう考えるのには理由がある。中国人が台湾の総統のことを語る時、それが政府の役人、大学の教師、学生、民間企業の経営者、サラリーマン、隣家のオヤジ、八百屋のおかみさんにかかわらず、ある人は憤りを込めて、ある人は鼻で笑いながら「あんなちっぽけな台湾ごときの指導者が偉そうにすんなよ!」という態度を取る人が圧倒的だからだ。

中国の書店には立志伝中の人物として郭氏の伝記が並ぶなど、中国の国民の間でも経営者としての評価は高い。ただ、台湾の指導者になった途端、「ごとき」の扱いになる。これは台湾全体についてもそうで、エレクトロニクスなど台湾の産業のレベルについては高く評価するのに、台湾という存在のことになると、たちまち、「あんなちっぽけな島ごときが」とやはり「ごとき」扱いになるというのが私の印象だ。

つまり、蔡氏でも郭氏でも、だれであれ台湾の総統が中国からごとき扱いされるということには変わりはないことになる。経済成長を期待して郭氏を推したはいいが、中国との関係が良好な郭氏が「ごとき」に格下げされるのを目の当たりにし、誤算だとなる可能性は大いにあると言えよう。

サーチナ記事

台湾の蔡英文政権による対日外交が一部の台湾人の不満を招いている。台湾メディアの中時電子網は20日、台湾のメディア関係者の見解として、蔡政権は「なぜ日本に対してこれほどまでに卑屈なのか」と批判する記事を掲載した。  記事は、蔡政権が福島原発事故を理由に輸入を禁止していた日本産の食品に対し、福島県産を除いて輸入禁止を解除する見通しであること、さらには日台海洋協力対話で「沖ノ鳥島を岩礁と見なさなかった」ことなどが、一部の台湾人の反発を招いていると紹介。  こうした蔡政権の態度は、日本の外交的な支持を獲得したいがための行動であると主張しつつも、「蔡政権が日本に対してこれほどまでに卑屈なのは、対日崇拝と日本に対して引け目を感じているからにほかならない」と主張した。  続けて、台湾で2014年に大ヒットした映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」を取り上げ、「映画に登場する偽物の日本人に騙されるな」と主張。映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」は、日本が台湾を統治していた時代の1931年に台湾の嘉義農林高校野球部が甲子園に出場して奇跡の準優勝を果たした実話を描いたものだが、この映画は日本が台湾を統治していた時代を懐かしむ「懐日」ブームと呼ばれる現象に火を着け、懐日ブームは特に台湾の若者たちの間で広がった。  しかし記事は「KANO」に登場する日本は真実の日本とは「まったくかけ離れており、同様に当時の日本人の真の姿を描いていない」と主張したうえで、日本による台湾統治を美化している作品だと主張。

こうした作品が映し出す「偽物の日本」に惑わされている蔡政権は、今後も日本に対して卑屈な外交を展開するだろうという見方を示した。  仮に「KANO」の中で描かれている日本人が当時の日本人の実際の姿と異なっていたとしても、台湾の人びとが好感を抱いているのは、主に現代の日本人や現代の日本文化であるという点を見失ってはならない。蔡政権の対日外交に不満があるのであれば、現代の日本と台湾の友好関係にひびを入れない建設的な形で、正しいと思える外交政策を提言すべきではないだろうか。(編集担当:村山健二

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。