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『「君の名は。」大ヒットを喜べない中国の光と闇 創作は中国マネーに屈するのか』(12/8日経ビジネスオンライン 山田泰司)について
12/10ぶるー3(すりー)氏の【中国おもしろ珍道中】メルマガにも「君の名は。」の中国展開の記事が出ていました。それによると「興行成績の歴代一位に輝きそう」とのことです。この中(下記URL)のyoutubeの映像によれば、日本での公開3ケ月後に中国で公開されるのは異例とのこと。自由のない国・中国でそんな異例な取り扱いをするのは裏に何かあるとすぐ勘ぐるのは中国駐在8年間で、中国の悪い所をずっと見て来たせいでしょう。中国は市場経済国に認定されなかったため、すぐ報復するような国です。2010年の尖閣での中国漁船拿捕でのレアアース禁輸は記憶に新しい所です。中国は外貨準備高が急激に落ち込んできているので、日本に通貨スワップして$を融通してほしいのでは。12/10、9、8の宮崎正弘氏のメルマガには中国の外貨準備の記事が載っています。下記URLを参考にしてください。福田康夫が日本側団長の「日中韓賢人会議」で「通貨スワップ拡大」が取り上げられたのが怪しいと思わねば。日本国民は韓国・中国に対するスワップ阻止の声を官邸や自民党に届けて下さい。
http://www.aandm-china.com/chineselife/2016/12/post-589.html
http://melma.com/backnumber_45206_6459890/
http://melma.com/backnumber_45206_6459268/
http://melma.com/backnumber_45206_6458898/
12/10日経記事<中国、日米欧けん制 「非市場経済国」に反発
【北京=原田逸策】日米欧が中国を世界貿易機関(WTO)協定上の「市場経済国」と認めなかったことに、中国が反発している。同国商務省は9日、他国が中国の鉄鋼製品などが不当に安く輸出されていないか調べる際に従来と同じ手法を使えば、対抗措置をとる構えをみせた。中国と日米欧の貿易摩擦が高まる可能性が出てきた。
「不当廉売(ダンピング)調査でこれまでの方法を続ける国には、中国はWTO協定に基づき必要な措置を取り、自らの合法的な権益を断固守る」。商務省の沈丹陽報道官は9日の記者会見でこう強調した。
中国はWTO加盟からちょうど15年となる11日に自動的に市場経済国に移行するとの立場だ。これに対し、中国との貿易総額で計4割弱を占める日本、米国、欧州連合(EU)はいずれも認めていない。認めると中国製品が安値で流入しても反ダンピング課税などの措置をとりづらくなるからだ。
中国はいま「非市場経済国」なので、中国以外の国の価格をもとに不当廉売かどうか判断できる。中国は先進国より物価が低く、先進国の価格を基準にすれば反ダンピング課税をかけやすい。
だが、市場経済国になると中国の輸出価格が中国の国内価格より大幅に安いと調査で証明できなければ課税できない。日米欧は原則としてこれまでの調査手法を続けるとみられる。
特に問題になっているのは、中国が過剰生産能力を抱える鉄鋼分野だ。中国の国内価格が急上昇して価格差が縮まったとはいえ、いまだに中国の鉄鋼製品は先進国よりも安い。中国は1~11月、鉄鋼製品だけで16カ国から計41件もの不当廉売やセーフガードなどの調査を受けた。
中国の鉄鋼輸出は09年の2400万トンから15年は1億1200万トンに急増し、日米欧の鉄鋼メーカーの業績が悪化した。国内の公共事業拡大で足元の輸出はやや減ったものの、他国による反ダンピング課税が難しくなれば、再び輸出を増やしやすくなる。
中国は20年までに鉄鋼の生産能力を1億~1.5億トン減らす方針だが、約4億トンとされる過剰生産能力の解消はほど遠い。日米欧は中国が輸出拡大で問題解決を図るのではないかと疑う。
次の焦点は、どの国が従来の第三国価格を基準にしたやり方で中国製品の不当廉売を調査するのか。トランプ次期米大統領は保護主義的な政策を打ち出しており、中国との一時的な貿易摩擦もいとわない可能性がある。
中国は対抗措置としてWTOへの提訴などを検討する見通し。中国社会科学院の倪月菊研究員は「WTOの枠組みならば訴訟をする。中国もどう訴訟すればいいか学んだ」と話す。
▼市場経済国 世界貿易機関(WTO)協定では政府が為替相場や生産活動を統制する国を「非市場経済国」と位置づけることができる。貿易相手国は反ダンピング(不当廉売)課税などの対抗措置を取りやすい。
中国は2001年のWTO加盟から15年間は非市場経済国の扱いを受け入れたが、15年経れば自動的に市場経済国になると主張。日米欧は個別に判断するとの立場だ。中国を市場経済国と認めた国は80カ国以上あるとされる。>(以上)
同じく、12/10日経には「鴻海・シャープ、中国に世界最大級の液晶工場検討」(投資額8000億円超)とありました。日本の工場は技術を盗まれて、中国の工場に技術移転されれば、用済みで弊履のように捨てられるだけです。外省人の郭台銘の考えそうなことです。シャープの戴正呉社長は2018年東証1部に復帰したら日本人に経営をバトンタッチすると明言していますが、日本人経営者になっても、中国大陸での生産を優先させれば日本の工場が傾くのは自明です。日本人技術者は早めに退職した方が良いのでは。
97~2005年の中国駐在時代に、「中国人常常骗人是他们的本性」と言うのを、嫌と言うほど見せられてきましたので。
山田氏の記事は、中国国民のレベルについて、以前より民度が上がっているとの印象を受けました。まあ、彼は中国人との付き合いも長いし、裏表を全部呑み込んでいるのでしょうけど。中共政府=悪VS中国国民=善とは単純に決められないでしょう。この親にしてこの子ありと思います。まだ海賊版DVDが出回るくらいですから。中国駐在時代には、路上で海賊版DVDが1元で売られていました。欧米のハードコアまでです。中国人の発想では、自分が儲かれば何をしても良い、違法であっても、と言う所です。何せ、中国で封切り前に海賊版が出る国ですから。紙幣も偽札が先に出る国です。リッピング禁止何て誰も何とも思わないでしょう。
気になるのは、中国がハリウッドに手を突っ込んできていることです。万達集団の王健林董事長が映画会社を買収しました。反日映画が作られるのを危惧します。そう言う意味で、中国の金塗れになっているヒラリーでなく、トランプが次期大統領になるのは良いことだし、安倍首相が真珠湾に行って和解を演出することは、中国の思惑をはずすことになります。
次はマットデイモン主演の「万里の長城」についての12/6BBCの記事。時代設定が宋と言う所がミソ。漢族政権のため。蒙古族統治の元や満州族統治の清は出さないのでは。『ミッションインポッシブル/ローグネイション』でも挿入されたオペラは「トウーランドット」でした。世界に中国をアピールするつもりでしょうが、日常から捏造が多い国なので心配です。
http://www.bbc.com/news/world-asia-38227997
記事
「君の名は。」の快進撃が中国でも続いている。
12月5日には日本国内での興行収入がついに200億円を超え、歴代では邦画で2位、アニメで3位、映画全体でも5位に浮上した(興行通信社調べ)。
公開5日で興収56億円

「急な公開決定で上映館でもポスターが間に合わなかったところがあった」(関係者)とのことで、「結末に安心した」と話す中国人夫婦が観た上映館にはポスターがなく、仕方なく「ハリー・ポッター」のポスター前で記念撮影
12月2日の金曜日から公開された中国でも絶好のスタートを切った。中国紙『新聞晨報』(12月5日付)によると、公開前日の時点で、初日分の前売りは3000万元(4億9500万円)を突破し、「STAND BY ME ドラえもん」の初日の興収2711万元(4億4731万円)を抜いてしまった。初日の興収は最終的に7591万元(12億5251万円)となり、中国で上映された邦画アニメの初日の記録を更新。公開後最初の週末(金土日)では2億8774万元(47億4771万円)に達した。公開5日目まで、興収はいずれも当日の首位を維持しており、計3億4365万元(56億円)に上っている。
中国の過去の興行収入と比べると、歴代首位は2016年2月公開で香港スターのチャウ・シンチーがメガホンをとった中国映画「美人魚」の33億9000万元(559億円)で、10位でも14億3900万元(194億円。中国映画「夏洛特煩悩」)となお距離がある。ただ、2016年に限れば2位が15億3000万元(252億円。米映画「ズートピア」)、10位は9億8000万元(161億円。米映画「ジャングル・ブック」、以上、糯米電影、電影票房調べ)。12月上映の映画としては大健闘で、今後どこまでランクを上げていくのかが楽しみである。
私自身はと言えば、日本で1回、中国で1回の計2回観た。主人公の2人が高校生、しかも普段ほとんど観ないアニメということもあり、観るつもりは無かったのだが、先月の日本滞在中に、中国でも上映が決まったということを知り、その時点で既に日本映画の興収記録を塗り替える可能性が取りざたされていたこの大ヒット映画に中国人がどのような反応を示すのかに興味がわき、それならば日本でも観ておかなければと離日前日に慌てて横浜みなとみらいの映画館へ駆け込んだのだ。
中国では公開2日目の土曜日に、20代前半の中国人夫婦を誘って上海の映画館に観に行った。夫(25歳)も妻(20歳)も日本のアニメには子供のころから親しんできたが、新海監督のことは2人とも知らず、妻は日本でヒットしていることは知っていたが、夫は「君の名は。」の存在も知らないなど、両者ともアニメファンではない。2人からあらすじを尋ねられたが、主人公の男女の魂が頻繁に入れ替わったり、両者の時間がズレたりとなかなかに複雑な内容を中国語で説明するのが面倒だったので、「中国でも公開初日の昨日、興収トップの映画だから、観ておいて損はない。映画代はオレが持つからさ」と丸め込んだ。
そこで彼のスマートフォン(スマホ)でチケットを予約しようとしたのだが、土曜午後4時の時点で、行ける範囲として選んだ10あまりの映画館は、どの時間も予約済みを示す赤でほぼ染まっている。席の予約状況を見たこの時点で友人夫婦は、「おお、ほんとにヒットしてるんだな」とがぜん観る気になったようだ。中国の映画館も昨今、シネマコンプレックスが主流でキャパの小さなスクリーンが複数ある形体が多いのだが、その中でも564席と比較的席数の多い映画館で午後7時半の回にようやくのことで3つ並んだ席を確保した。ちなみに料金はネット割で1人47元(775円)だった。
観客は8分ほどの入り。年齢層は20代が中心のようだったが、10代が少ないように見えたのは、夜の回という時間も影響していただろう。女性同士の連れも目立つが、男女の比率は4対6というところで、若い男性の姿も少なくなかった。ただ、シニア世代はほとんど見かけず、ひょっとすると51歳の私が最年長だったかもしれない。一方、日本では平日の夕方の回だったので、観客は学校を終えた女子中高生と高校生、大学生と思しき男女のカップルが中心だったが、シニア世代もちらほら見かけた。男女比は3対7で、一目瞭然で女性の方が多いのが分かった。
中国観衆の素直な反応に感激

観衆は20代の男女が中心(上海市内の映画館)
「君の名は。」を観た中国の観衆の反応を簡潔に言い表すならば、「反応が素直」、これに尽きると思う。
笑う所では声を立てて笑い、涙を誘う場面ではよく泣く。女の主人公と体が入れ替わってしまった男の主人公が、自分の体に乳房のあることに驚いて両手でムギュっとつかむ場面。女の主人公が体は男の主人公のまま、破れたスカートに少女チックなかわいらしい刺繍を施す場面。何かのインタビューで新海監督が、前半では笑いの要素を多く入れた、というようなことを語ってるのを読んだが、恐らく監督が「笑って欲しい」と意図して入れたシーンで、横浜の観客たちはほとんど笑っていなかったが、上海の観客たちはどの場面でも漏れなく、そして楽しそうに笑っていた。
これは、映画館における中国と日本のマナー、マナーと言うと非難するような響きのみが強調されてしまうので、習慣と言い換えるが、映画館における習慣の違いによるところも大きいのだろう。
初めて中国の映画館で映画を見た時のことを、私は今でも強烈な印象として鮮明に覚えている。あれはいまから28年前の1988年のこと。語学留学した中国内陸部の大学で開かれた留学生と中国人学生との交流会で知り合って友達になった日本語学科の男子学生、リュウくんが、中国での生活が2カ月目に入ったころ、映画を観に行かないかと誘ってくれたのだ。訪れたのは、大学から徒歩15分ぐらいの所にある体育館のような映画館。映画館だから暗いのは当たり前だが、中国有数の炭鉱を抱える省にあったその映画館は、煤煙や石炭の粉に長年燻されたためだろうか、外観も煤けて薄汚れていた。
始まったのはルーマニアのギャング映画で、中国語の吹き換えだった。とある民放が午後2時ぐらいから毎日放映していた吹き替えのB級映画の中にありそうな、有り体に言えば退屈な映画だった。それでも、日本にいるとなかなかルーマニアの映画など見る機会がない。ベルリンの壁が崩壊する前年のことで、ルーマニアでも、その翌年に公開処刑という衝撃的な最期を遂げるチャウシェスク大統領の独裁政権が続いていた。私は、社会主義の国では思いがけないものが観られるものだと珍しがっていたのだが、珍しいのは映画そのものだけではなかったのだ。
映画が終盤に近づいたころ。ヒーローがマシンガンをぶっ放し、悪党どもを皆殺しにした。すると、隣りに座っていたリュウくんが「イヨーッ!!」という奇声と共に、バネに弾かれたように椅子から飛び上がり拍手した。他の観客も同時多発的にリュウくんと同じような反応をして奇声を上げ飛び上がっていた。子供映画ならいざ知らず、平日の昼下がり、その映画館にいたのはほぼ成人男性だけだった。
それまでの23年間、「映画館では静かにするものだ」と教えられてきた、あるいは思い込んできた私は驚きつつ、「なんだ中国人っていうのは、マナーが悪いんだな」と思った。ただ同時に、「映画館で大人たちが感情を爆発させてもいい国もある」ということを知り、「うーむ、世界には知らないことがたくさんあるんだな」、とも思った。
そして映画が終わり、エンドロールが始まると同時に照明がつき、そこでフィルムが止まった。「映画館では、エンドロールが終わるまで着席し余韻に浸るもの」とやはりその時まで思い込み、実際、映画の善し悪しにかかわらず映画館でのその時間が何よりも好きだった私は、宙ぶらりんになった気持ちのやり場に戸惑いながらも、とうの昔に立ち上がっていたリュウくんに気圧されて席を立った。
通路に向かいながら明るくなった足下を見ると、床が見えないほどびっしりと種のようなものが敷き詰められていた。これは何だとリュウくんに尋ねると、「あれはヒマワリの種です。中国語では瓜子(グアツ)と言います」と日本語の教科書の例文のような日本語で教えてくれた。リュウくんが食べていなかったので気付かなかったが、映画を観るときはポップコーンでなく、中国ではヒマワリの種を食べ、しかも床に吐き散らかしても構わないのだという。「映画館で出したゴミはゴミ箱に、あるいは持ち帰ること」というほど当時の日本のゴミマナーは良くもなかったが、それでも座席の足下の目立たぬように置くぐらいのことはしていたので、このゴミの扱いにも驚いたのである。
「安堵」と「感動」、反応分かれた結末
そして今日。少なくとも上海の映画館では、床が食べ散らかしたヒマワリの種だらけということはなくなったし、感情が高ぶり奇声を上げたり飛び上がったりする人も見かけない。ただ、観劇中の物音については、日本に比べれば許容量は大きい。「君の名は。」でも、ストーリーの中で昔と今が前後したりと内容がいささか複雑だったせいもあるのだろうが、ひそひそ声、よりはもう少し大きなボリュームで今観ているシーンについて、連れとリアルタイムで質問し合い、おしゃべりする光景がどこにでも見られた。
ただ先にも書いたが、それが中国の映画を観るスタイルなのである。そして、男の主人公が、女の主人公の名前を思い出すことができず絶望するシーンでは、すすり泣きや嗚咽が四方八方から聞こえてきた。いささか賑やかではあるが、作品に揺すぶられた感情を笑い声、泣き声、おしゃべりで素直に表している中国人の観衆の様子は、とても気持ちのいいものだった。
「君の名は。」に対する反応で、日本と中国で最も違うなと思ったのは、観終わった後の様子だろうか。ネタバレになるので詳しくは書かないが、大まかに言えばハッピーエンドに終わる結末に、横浜の観客は「感動した」という面持ちだったのに対し、上海の観客らは「安堵した」「ホッとした」という顔をしていた。一緒に行った夫婦の感想も「ああいう結末で心底安心した」(夫)、「ハッピーエンドじゃなかったら面白くない映画になっていた。ハッピーエンドでホッとさせてくれたから、すべてOK」(妻)というものだった。一途な思いや苦労は報われるべきだということを、中国ではまだ思える社会であり時代にあるということなのかもしれない。
浮上した「写真加工アプリ」問題
さて、中国のメディアには早くも、「君の名は。」が中国でもヒットした理由を探る論評が出始めている。それらの意見をまとめると、大まかに3つに分けることができるようだ。そのうちの2つは、(1)新海誠監督の作品は「秒速5センチメートル」「星を追う子ども」「言の葉の庭」等、アニメ好きを中心に中国の若者たちの間では有名。その監督の作品が中国で初めて劇場公開されるということで期待が高まった。(2)日本で空前のヒットを記録中だという話題性、である。
そして3つ目なのだが、これが今、いささか問題になりつつあるのだ。それは、(3)写真加工アプリとソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用した宣伝が奏功した、というもの。
今回、「君の名は。」の中国での反応を調べていくうちに、中国メディアや個人のブログの中に、「新海誠風」という言葉を時々見かけることに気付いた。最初は「君の名は。」がいかにも新海監督のテースト溢れる作品だということを言っているのかなと思ったのだが、どうやらそうではない。
そこでなお調べると、「自分の手持ちの写真を『新海誠のアニメ風』に加工できるアプリ」があるということが分かった。そして、「君の名は。」中国公開初日の10日前、すなわち11月22日ごろから、このアプリで加工した写真をSNSで「朋友圏」、日本ならLINEで言うところのグループで発表し合うのが流行り始め、この遊びをやらないと友人らの話題について行けぬため新海誠風に写真を加工する人の輪がどんどん増殖したのだが、この新手とも言える宣伝手法が、映画ヒットにつながった、という指摘をする人が複数いることが分かったのである。オンラインメディア『中関村在線』(11月24日付)や中国紙『法制晩報』(12月6日付)によると、これら記者や評論家らは、この宣伝手法を「濾鏡営銷」すなわち「フィルター営業」と名付けている。
このアプリの名前は中国語で「時光相冊」、英語名は「Everfilter」という。試してみようと探してみたところ、iPhoneのiOS用と、Android用のほか、インストール不要でブラウザ上で加工できるものもある。むやみにアプリをインストールしたくないので、ブラウザ版で加工してみたのが掲載した写真。オリジナルの写真は上海がPM2.5で深刻な大気汚染に見舞われていた2013年12月、私が上海都心部で撮影したもので、歩道橋の奥に見える超高層ビルがスモッグで霞んで見えるし、手前の通行人は手で口元を覆っているのが分かる。ところが、このアプリを使って「新海誠風」に加工すると、ドブネズミ色に染まっていた空が、まるで「君の名は。」に出てきたような青空と白い雲に一変するのである。

「新海誠風」にできるアプリのブラウザ版を使って加工した写真。オリジナルは上海が過去最悪の大気汚染に見舞われた2013年12月の都心部
宣伝か著作権侵害か
ところが、「君の名は。」の中国公開後にこのアプリの日本語版が出ると、新海監督の作品を無断で使用したものなのではないかとの指摘が日本で出始めた。すると、12月4日になって、Everfilterがフェイスブックで「運営一同」名で、「中国国内の使用については著作権者よりライセンスを受けていたものの、誤って海外版にも使用してしまったことが発覚した」「著作権元である新海誠氏へも連絡した」「誠心誠意、本問題に対応する所存だ」等と投稿。さらに、12月7日付では、「12月3日のリリース後、コンテンツの著作権について指摘を受け、12月4日、アプリ内及びSNS上で使用されていた『君の名は。』のコンテンツ及び新海誠氏の作品の使用を停止、謝罪と経緯説明のため新海氏に連絡した上、著作権に対する認識の甘さが引き起こした今回の件に関し深く反省し、謝罪の意を込めて、本日、日本、韓国を含むリリースした全ての地域でApp Store、Google Playでの配信の一時停止を決めた」と表明した。
この件について12月7日、配給の東宝に聞いたところ「当社としてはライセンスを供与した事実はない。詳細は現在調査中」(宣伝部)との回答だった。
Everfilterや東宝の反応を見る限り、中国側の勇み足だった可能性が高いように思えるが、全貌についてはまだ分からない。いずれにせよ、先にも触れたように、複数の中国のメディアは11月22日前後から、このアプリによる写真加工とSNSでの拡散があることを伝えており、これが「君の名は。」の宣伝手法の1つだとの認識が定着してしまっている。
さらに、Everfilterがフェイスブックで一時停止を宣言した12月7日の午後の時点で、ページのトップに「君の…名前は…?」と大書されたブラウザ版ではなお、新海誠風の加工ができるようになっている。ただし、このサイトがフェイスブックで一時停止の声明を出したEverfilterと果たして本当に同一の組織なのかは不明だ。
このように、中国国内における新海監督のコンテンツ使用について、どこかでこれを認める経緯があったのかどうかは、これを書いている現時点でなお分からない。ただ、この問題は、コンテンツ産業が中国市場に進出するあたっての難問が表出したものでもある。
難しい中国の二面性
先に、「君の名は。」の上海の上映館における中国人の観客らの反応には気持ちのいいものがあった、と書いた。ただ、非難されてしかるべき行為が相変わらず無くなっていないことにも言及せねばならない。それは、上映中のスクリーンをスマホで写真や動画に撮り、その場でSNSに上げている人が1人や2人ではなかった、ということである。

市内に早くも出回っている「君の名は。」の海賊版DVD
繰り返すが、写真加工とその拡散が許可を受けての宣伝だったのか否かは現時点ではなお不明だ。ただ、上映中のスクリーンを撮影しSNSで拡散するという行為を、ネット時代の宣伝の1つとして割り切って中国市場をとるのか、あるいは創作を生業とする者の生存と根幹に関わることだとして、そのような行為が横行する国には背を向けるのか。二者択一はいささか乱暴だが、いずれにせよ、理解を深める努力をする必要はあるし、自らの立場と考えは、ハッキリ示すべきだと思う。
スクリーン撮影、海賊版DVD、無断利用による写真加工など中国における著作権に関する問題には、この問題に対する認識の甘さの他、最近は国マネーを背景に「いずれにしても中国市場は捨てられまい」という傲慢さが支えている部分が出てきているように思う。ただ一方で、「君の名は。」に笑い、泣き、ホッと安堵のため息を漏らす中国の観衆の素直な反応には感動した。光と闇のようなこの2面性が、著作権にかかわらず、様々な問題や局面につきまとうのが中国を理解する上での難しさ。私はそのことを再認識させてくれた映画として、「君の名は。」を記憶することだろう。
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『トランプの大統領就任とNATOの運命』(12/8日経ビジネスオンライン 熊谷徹)について
12/8中国観察の看中国の記事<川普時代的美中關係將進入戰略互疑階段(圖)

川普觸碰了美中關係最敏感的神經?
12月2日,即將上任的美國總統川普和台灣總統蔡英文通了一個10分鐘的電話。消息傳出,美中兩國的政界和外交界立即炸了鍋。川普此舉到底是無心而為還是有意之舉,兩國的專家們吵的不可開交。
美國方面的無心派認為,川普和蔡英文通電話,是川普不了解兩岸問題的複雜性而犯下的無心之過。這派以外交界和政界的政策研究者、制定者和執行者為代表。他們擔心川普會由於缺乏準備和不願聽取意見,稀里糊塗地引發危機。《外交政策》雜誌(Foreign Policy)總編戴維•羅特科普夫(David Rothkopf)表示:“我們需要認識到的是,我們正在進入一個口無遮攔的外交政策的時代。所有這些電話都顯示了無知和某種不成熟政策立場的結合。”白宮和國務院為川普不按牌理出牌、只憑感覺行事的做法而整天提心弔膽。
美國方面的有意派則認為,川普了解台海關係和美中關係的複雜性,和台灣通電話根本不是無心之失,而是有備而來。這派以川普的競選大將、現川普團隊的高參康威(Kellyanne Conway)、經常往來台灣的布希時代的國安官員葉望輝(Stephen Yates)和《華爾街日報》為代表。康威說,川普完全明白“美國對中國政策是怎樣的”;葉望輝披露,台灣早就被川普交接團隊列入了要聯絡的外國領袖名單;《華爾街日報》認為,此事是深思熟慮之舉,川普的強勢立場對未來美中較量應是好的開始。
從川普團隊、《金融時報》、《世界日報》和《華爾街日報》等披露的消息來看,川普和蔡英文通電話顯然不是誤入敏感區。第一,這是雙方互搞“小動作”、互相精心策劃的結果。第二,川普事先知道並且同意通話。第三,這個安排的背後,由共和黨內的鷹派人物操盤,包括美國傳統基金會創辦人佛納(Edwin Feulner),川普未來的白宮幕僚長蒲博思(Reince Priebus)、前美國駐聯合國代表波頓(John Bolton)和納瓦羅(Peter Navarrro)等。
最值得關注的是,一些主張對中國採取強硬立場的資深中國通和學者,異口同聲地提出警告,美國不能再對中國綏靖下去。川普的中國政策幕僚白邦瑞(Michael Pillsbury)出了一本新書《2049百年馬拉松:中國稱霸全球的秘密戰略》,其基調就是,美國不能再被中國的“不稱霸”說辭所欺騙了。政治學者約翰•米爾斯海默(John Mearsheimer)認為,美國在歐洲和波斯灣沒有足夠強大的對手,只有崛起中的中國才會挑戰到美國霸權。
中國方面當然希望這個通話只是川普的無心之失,而不是有意之舉。所以一開始中國外交部長的反應是,僅僅指責台灣方面在搞“小動作”。但是現在中國方面明白了來龍去脈,因此而感到非常不安。這反映在《人民日報》前天發出的威脅意味十足、矛頭直指川普陣營的狠話上:給中美關係製造麻煩,就是為他們自己製造麻煩。
川普顯然是觸碰了美中關係最敏感的神經。這對中國意味着什麼?中國如何應對呢?一些中國鷹派精英認為,這是美國方面針對中國的新鷹派態度。這些中國鷹派精英主張對抗。清華大學國際關係教授閻學通說,隨着軍事力量的不斷增長,作為世界第二大經濟體的中國大體上能夠想怎麼做就怎麼做。上海復旦大學國際關係學教授沈丁立說,如果這種美國和台灣的接觸在川普就職之後仍然繼續下去的話,中國應該與美國斷絕外交關係。“要是我的話,我會關閉我們駐華盛頓的大使館,撤回我們的外交官”。
毫無疑問,中國開始意識到,不按牌理出牌的川普會讓中國的日子很難過。所有曾在奧巴馬後期發展起來的戰略互疑,在川普還未執政就開始膨脹。一些川普的中國大陸粉絲曾經非常欣賞川普的率性而為,但現在他們對川普的態度變了。用不了多久,中國不管是官媒還是微信群,就會掀起對川普的排山倒海一樣的抨擊。
現在可以肯定的是,和台灣通話,為川普時代的美中關係拉開了戰略互疑新階段的序幕。在這個新階段,美中關係會不會發展到實質性對抗,非常值得關注。【看中國2016年12月8日訊】>(以上)
長いので赤字のポイントの部分だけ訳します。
<トランプ時代の米中関係は戦略的互疑(互恵でなく)の段階に入る
米国の(今回のトランプVS蔡の電話の)故意派(過失で無いの意味)は「トランプは台中、米中関係の複雑性について理解しているし、台湾との電話は全く間違えてしたことではなく、周到に準備したものである。
トランプは米国の対中政策を完全に理解している。ステファン・イエーツは「トランプは台湾をとっくに連絡を取るべき外国のリーダーのリストに入れていた」と述べた。WSJは「これは熟慮を重ねて為されたもので、将来の米中の立場を比較してもトランプの立場を強め、良い出だしとなった」
トランプの対中政策のスタッフであるマイケル・ピルズベリーは『China 2049 100年のマラソン 中国の世界制覇を唱える秘密戦略』と言う本を出した。その基調は「米国は中国の覇を唱えずというのに騙されることはない」というもの。政治学者のミアシャイマーは「米国には欧州と中東で対抗できる国はなく、現在台頭中の中国のみが米国の覇権に挑戦できる>
米国の対中政策が大きく変わる予感がします。ゆっくりであろうとも。トランプはオバマと違い、軍事を強化し、米国の栄光を取り戻そうとしているように見えます。NATOや日本、韓国に防衛費負担増を言いだしたのは、単に金の問題だけでなく、同盟が片務的になっているからです。それはそうです。米国にケンカを売る国は中国以外ありませんので。核で自由主義国は守ってやるが、通常兵力での戦争は「自分達でやれ」という事と思います。
確かに、本記事にありますようにバルト三国はロシアに蹂躙される可能性もあります。ヤルタ密約のようにトランプ・プーチンで何らかの取引が為される可能性もあります。NATOはソ連と対峙するためだけに置かれた訳でなく、日本と同じく、敗戦国ドイツの監視用に置かれていたと思われます。それ故、完全撤退はないでしょう。アングロサクソン同盟の英国のNATOでの立場も弱くします。
NATOの事務総長のストルテンベルグが不安を感じるのは当然です。米国から今までと違った対応を求められているのですから。日本はそう言う意味で危機感が足りないのでは。米国は日本を見捨てないと安易に思っているのではと心配になります。マイケル・フリンが長島昭久議員に会った時に、「日本は『中国が脅威だ』とか『北朝鮮が脅威だ』とか言っているわりには20年間ほとんど防衛費が変わっていない。ちょっとおかしいのではないか」と言ったとされます。もし、防衛費2%になると、10兆円ですから、一気には無理でしょうけど、中国の脅威と言う外部環境の変化に合わせて、防衛費を増やしていくのは当然です。中国に肩入れする朝日新聞を筆頭に反日メデイア、反日日本共産党や反日民進党が大騒ぎするでしょうけど、無視すれば良いです。彼らは人権を弾圧する中国共産党の手先ですから。日本はこういう内なる敵とも戦わないといけないのがつらい所です。世界では愛国者こそが高い尊敬を受けるのに、日本に限っては売国奴が評価されるという倒錯が起きています。日本国民よ、しっかりせいと言いたい。
日本は人的・財政的に軍事的能力を高めて行くことは必須ですが、直接の戦争を避けるには、中国の経済を崩壊させるのが一番です。自由主義諸国で結束して中国に経済制裁するのが一番です。日本が課せられたABCD包囲網を中国にする訳です。各国の対中貿易で儲けたいという思いがあってなかなか難しい面がありますが、中国の侵略に対してはロシア同様制裁を課すべきです。日本も愚かなことに日中韓通貨スワップなどしたら、反日国中国と韓国を助けるだけ。それが戦争を引き起こす可能性について真剣に考慮すべきです。日本にとって、経済的・軍事的に何も良いことはないと胆に銘じるべきです。
記事

NATOの演習に参加する東欧諸国の兵士たち(写真:熊谷 徹)
世界最大の軍事同盟を覆う憂鬱
ブリュッセルの北東部に車を走らせると、世界最大の軍事同盟・北大西洋条約機構(NATO)の巨大な本部が目に飛び込んでくる。
米国を盟主とするNATOは、ソ連の脅威に対抗するため1949年に創設された。その本部は当初ロンドン、そしてパリに置かれたが、1967年にブリュッセルに移転。約半世紀にわたり使用したブリュッセル本部の建物が老朽化したため、NATOは2010年、隣接した敷地に新しい本部ビルを建設する工事を開始した。この建物は今年ほぼ完成し、2017年初めに移転作業が始まる。
旧本部は実用性だけを重視した、四角いコンクリートの箱を並べたような、地味な灰色の建物だった。これとは対照的に新しい本部ビルは、曲線とガラスの壁を多用し、近代的で軽快な印象を与える。
NATOは、「新しいビルは、未来を念頭に置いてデザインされた。目まぐるしく変化するNATOの任務に対応するために、オフィス・スペースの柔軟性を重視し、最新の情報通信システムを導入した。1960年代には加盟国が15カ国だったが、今では28カ国と大幅に増えたので、新しいビルが必要になった」と説明している。
約4000人が働く本部棟の総面積は25万4000平方メートル。6年間の建設工事にかかった費用は、11億ユーロ(約1320億円)にのぼる。
NATOの事務総長イェンス・ストルテンベルグ(57歳)は、ノルウェー人。2014年からNATOの事務方トップの座にある。1993年にノルウェー議会の議員に当選して以来、23年にわたり政治家としての道を歩み、首相や財務大臣を務めたこともあるベテラン政治家だ。ストルテンベルグ、そしてNATOの職員たちにとって、2017年は、新しい本部棟での勤務を始める記念すべき年となるはずだった。
だが最近、ストルテンベルグの表情は冴えない。こめかみに白髪が目立つストルテンベルグは、記者団の前でも時折中空に視線を泳がせ、不安に耐えているような顔つきを見せる。今ブリュッセルのNATO本部は、緊張した空気に包まれている。
NATOに批判的な初めての大統領
その理由は、共和党の異端児ドナルド・トランプが大統領選挙に勝利し、第45代米大統領として2017年にホワイトハウス入りすることが決まったからだ。「アメリカ・ファースト」を旗印とするトランプは、選挙戦の期間中に、NATOに対する批判的な発言を繰り返した。NATOは、TTP(環太平洋経済連携協定)とともに、トランプが最も頻繁に槍玉に挙げる、国際的な枠組みとなった。
NATOの最大の任務は、ソ連を頂点とする軍事同盟・ワルシャワ条約機構軍を抑止することだった。NATOは、圧倒的な地上兵力を持つワルシャワ条約機構軍が西欧に侵攻し、この攻勢を通常兵力で支えきれなくなった場合、米国の核兵器で反撃することになっていた。このため、NATOの軍事部門の最高司令官のポストには、必ず米軍の将軍か提督が就任する。
1991年にソ連が崩壊し、東西冷戦は西側の勝利に終わった。砲弾を一発も撃つことなく冷戦に勝ったNATOは、世界で最も輝かしい成功を収めた軍事同盟と呼ばれてきた。
だが今やNATOに批判的な人物が、米国の次期大統領になろうとしている。67年に及ぶNATOの歴史で一度もなかった事態だ。トランプはNATOの存在意義に疑問を投げかけることで、共和・民主の両党が第二次世界大戦後、党派の壁を越えて守ってきたNATO支持の伝統と訣別した。NATOは、同盟のトップに立つ人物からのこのような「奇襲攻撃」を想定していなかった。盟主・米国の変節はNATOにとって、創設以来最大の危機である。
「欧州はコスト負担が不十分」
トランプがNATOを批判する際の最大の焦点は、コスト負担である。彼は2016年9月に行なわれたテレビ討論の中で「NATO加盟28カ国の大半は、米国に比べると、応分のコスト負担を怠っている。私は、これを不満に思っている」と述べた。同氏はビジネスマンらしく、コスト・パフォーマンスを重視しているのだろう。トランプは、「NATO加盟国が他国に攻撃された場合、その国がNATOに対する貢献を十分に行っていない時には、米国はこの国の防衛に参加するべきではない」と発言したこともある。
NATOでは、ある加盟国が他国から軍事攻撃を受けた場合、他の加盟国はこれを自国への攻撃と同等に見なし、反撃する義務を負う。この集団自衛の原則は、NATOの存在基盤である。だがトランプは、米大統領候補として初めて、この集団的自衛権に疑問を投げかけた。共和党の一部の議員たちは、「この発言はNATOを根底から揺るがしかねない」と考え、トランプを批判した。
トランプ発言の背景にあるのは、米国とそれ以外のNATO加盟国の間に横たわる、防衛支出の大きな格差だ。
米国は2015年に、GDP(国内総生産)の3.33%を防衛予算に充てた。これに対し、他の27カ国のうち、2%を超えているのは、ギリシャ(2.38%)、ポーランド(2.23%)英国(2.09%)、エストニア(2.07%)の4カ国だけ。このため米国はこれまでも、他のNATO加盟国に対し、防衛支出を少なくともGDPの2%に増やすよう求めてきた。
たとえばドイツはEU最大の経済パワーだが、防衛支出の対GDP比率は1.19%と米国の要求にほど遠い。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、ドイツの2015年の防衛支出の絶対額は394億ドル(約3兆9794億円)で、英国やフランスよりも少ない。この額は、米国の約15分の1である。
ストルテンベルグは、「米国が他国に防衛支出の増額を求めるのは、当然のことだ」と理解を示しながらも、「現在これらの国々も防衛支出を増やそうと努力しているところだ」と述べ、2%の目標達成までにはまだ時間がかかるという見方を打ち出した。
いずれにせよトランプが2017年1月に大統領に就任すれば、防衛支出を大幅に増額して2%の目標値を一刻も早く達成するようNATOの他の加盟国に強く求めてくるのは確実だ。その圧力は、歴代の政権を上回るだろう。
図1 2015年の主要国の防衛支出

出所:SIPRI
対テロ戦争への関与の低さも批判
またトランプは、欧州情勢よりも中東での対テロ戦争に強い関心を示している。過激派組織イスラム国(IS)の最大の標的の一つは、米国だからだ。トランプは「NATOはISとの戦いに熱心ではない」と批判。「我々は、NATOの尻を叩いて、中東での戦いに参加させるべきだ」と言ったこともある。現在フランスやドイツは個別に有志国連合に加わり、シリアにあるISの軍事拠点への空爆を実施している。これに対しトランプは、個別の国だけではなくNATO全体が、イラクやシリアでの対テロ戦争に、積極的に加わるべきだと考えているのだ。
これに対しストルテンベルグは、NATOは対テロ戦争に消極的だというトランプの批判に次のように反論した。「米国が2001年9月11日にアルカイダの同時多発テロの被害にあった時、NATOはこれを初めてNATO全体への攻撃とみなして、アルカイダに反撃した。NATOはアフガニスタンでの戦争にも米国とともに参加した。最近もISを監視するため、中東に偵察機を投入している」。
バルト三国で高まる不安
さてNATO加盟国の中で、トランプ大統領の誕生に最も強い懸念を抱いているのが、バルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)とポーランドである。現在NATOとロシアの間の緊張は高まりつつある。ロシアが2014年、クリミア半島に戦闘部隊を送って強制併合するとともに、ウクライナ東部における内戦で分離独立派を軍事的に支援しているためだ。
欧米の軍事関係者の間では、ロシアが次に併合の対象にするのはバルト三国だという見方が強い。焦点となるのが、ポーランド北東部に位置するスバルキという町だ。欧米の外交官や軍事関係者の間では「スバルキ・ギャップ」という言葉が頻繁に飛び出すようになっている。
ロシアは、バルト海に面したカリーニングラード周辺に飛び地を持っている。この町には、同国海軍の重要な軍港がある。飛び地の北にはリトアニア、南にはポーランド、南東にはロシアの友好国ベラルーシがある。
ロシア領土の飛び地とベラルーシの間の距離は、わずか100キロメートル。この地峡部がスバルキ・ギャップだ。NATOは、「東西間の対立が高まった場合、ロシア軍の戦車部隊がベラルーシからカリーニングラードの飛び地に向けて進撃する」と推測している。こうすれば、ロシアはバルト三国を他のNATO加盟国から切り離すことができる。
バルト三国は第二次世界大戦の初期にソ連、次いでナチス・ドイツ軍に占領された。戦後はソ連の一部に編入されたが、1990年~1991年にソ連から独立して、21世紀に入りEUとNATOに加盟している。最大の問題は、ウクライナ東部やクリミアと同じくバルト三国でも、ロシア系住民の比率が高いことだ。ラトビアのロシア系住民の比率が25.8%。エストニアでは25.1%。これはソ連が多くのロシア人を移住させたためである。
つまり「ロシア系住民の権益を守る」というプーチンがクリミアで振りかざした大義名分は、バルト三国についても使われる可能性がある。
ロシアは2013年、カリーニングラード周辺に7万人の兵士を動員し「SAPAD2013」という大規模な軍事演習を実施した。またロシア軍は、カリーニングラード周辺にSA400型対空ミサイルを配備したほか、2016年10月に、核弾頭を装備できる地対地ミサイル「イスカンダー」も配備している。
一方NATOは、ロシアの脅威に対抗するため、ポーランドとバルト三国にそれぞれ1000人規模の戦闘部隊を駐屯させることを決めた。またNATOは2016年夏、3万1000人の兵士を動員した軍事演習「アナコンダ」をポーランドで実施。その数日後に、エストニア領内の、ロシア国境から約150キロの地域に約1万人の部隊を投入して、軍事演習を実施した。
NATOが、かつてソ連に属していた国に戦闘部隊を配置し、ロシアを仮想敵国とした演習を実施したのは、初めてのことだ。ロシアによる反NATOのプロパガンダはエスカレートしており、1980年代の東西冷戦期を想起させる雰囲気が高まっている。たとえばロシアのあるメディアは、NATOの新しい本部ビルの航空写真をネットマガジンに掲載し、「NATO本部のビルは、空から見ると、ナチス・ドイツの親衛隊が襟につけていたルーン文字の『SS』の形をしている」と主張。NATOが、ロシア攻撃を企てる危険な軍事同盟だという印象をロシア国民に与えるためだ。NATOをナチス・ドイツと結びつけるプロパガンダは、冷戦の時代にソ連が頻繁に使った常套手段である。
今年11月27日にはドイツの通信企業ドイッチェ・テレコムのルーターがハッカーによる攻撃を受け、約90万人が数時間にわたってインターネットや電話を利用できなくなった。ハッカーは「ミライ(未来)」という有害なソフトウエア(マルウエア)を市民のルーターに忍び込ませ、この数10万台のルーターから、膨大な量のデータを政府機関や企業などに送り付けて業務を麻痺させようとした。10月に米国のネット企業ダインが受けた、いわゆるDDOS攻撃という戦法である。
マルウエアを注入する過程でルーターがクラッシュしたため、犯行が発覚した。ドイツの首相メルケルは、「一般的にロシアはサイバー攻撃を行うことで知られている」と述べ、この攻撃にロシアが絡んでいる可能性を示唆した。ドイツなどEU諸国では、政府機関、発電所や病院などについて、サイバー攻撃に対する防護措置の強化を求める声が強まっている。
米国が率いる軍事同盟がバルト三国の「保険」
ソ連の「衛星国」とされていたバルト三国など中東欧諸国は、ソ連が崩壊した後、NATOへの加盟を迅速に申請した。
中東欧諸国は過去100年間、ドイツとソ連(ロシア)という2つの軍事大国に挟まれ、運命を激しく翻弄されてきた。たとえばこの地域では、ヒトラーとスターリンが1939年に結んだ独ソ不可侵条約の記憶が今も強く残っている。独ソの2人の独裁者はこの条約によって、バルト三国とポーランド東部をソ連の領土、ポーランド西部をドイツの領土にすることを決めた。これらの国々の市民の民族自決権は、軍靴によって踏みにじられた。東欧諸国はこうした苦い経験から、欧州の外に存在する超大国・米国の核の傘の下に入ることが、生き残るための最善の道だと選択したのだ。
米国は多大な犠牲とコストを払って、欧州大陸をナチス・ドイツの圧制から解放した。戦後は、「自由と民主主義の防衛」を大義名分として掲げ、欧州に大兵力を駐屯させて、ソ連の脅威から守ってきた。ベルリンがソ連によって封鎖された時には、食料、燃料から小型発電所まであらゆるものをベルリンに空輸することで、この町を兵糧攻めから救った。
つまり中東欧諸国にとって、米国が率いる軍事同盟に入ることが、生き残るために不可欠の保険(reinsurance)だった。だが2016年11月9日の米大統領選挙を境に、この保険が大きく揺らいでいる。
バルト三国をめぐる東西間の緊張が高まる中、NATOを「obsolete(古臭い)」と形容する大統領が米国で生まれることは、バルト三国、さらに隣接するポーランドにとって安全保障上の重大な「脅威」だ。
たとえばトランプを支持する一人、元米下院議長のニュート・ギングリッチは、2016年7月、米国のメディアに対し「ロシアのサンクトペテルブルクに近いエストニアのような国を守るために、ロシアとの核戦争のリスクを冒すべきだとは思わない」と発言した。この発言は、トランプ政権がバルト三国の防衛について、歴代の政権よりも消極的な姿勢を取る可能性を示唆している。
米国の独り歩きへの危惧
さらにトランプは選挙運動の期間中に、プーチンとの関係を改善する可能性も示唆した。クリミア併合をめぐる経済制裁や原油価格の下落のため、ロシアのGDPは大幅に低下した。トランプの大統領就任はプーチンにとって、西側陣営の結束に楔を打ち込むための福音となる。プーチンはトランプが当選した後、いち早く祝辞を送った。
トランプやギングリッチの発言は、ロシアに対して強硬姿勢を取っているNATOとEU諸国にとって、梯子を外されるようなものだ。トランプが海外での軍事介入について消極的な姿勢を強め、プーチンに対し懐柔的な態度を取った場合、米国の核兵器によって裏打ちされたNATOの抑止力は、大幅に弱まる。抑止力の低下は、バルト三国併合という賭けに踏み切ろうとするプーチンへの誘惑を高めるだろう。バルト三国にとって、米国とロシアが自分たちの頭ごしに話し合い、宥和路線に転換することは最悪のシナリオである。
私はNHKのワシントン特派員だった1989年以来、NATOの変貌について取材してきた。1996年には、ミュンヘンのヨーロッパ戦略研究所のウーヴェ・ネアリヒ所長にインタビューした。ネアリヒは、ドイツ政府の安全保障問題に関する諮問機関「エーベンハウゼン研究所」で約30年にわたり、米国と欧州の同盟関係について研究してきた。
ネアリヒは「冷戦後の米国は、外交の比重を多国間関係から二国間関係に移しつつある。私は、30年後には米国が多国間関係へのかかわりを形式的な物にとどめ、国際政治への関与を減らして、単独で行動する傾向を強めると考えている。その頃に、米国とヨーロッパが共同で意思決定を行うための、防衛協力のメカニズムが残っているかどうか、私には確信が持てない」と語った。ネアリヒの不吉な予言は、トランプの大統領就任によって、現実になるのかもしれない。
自己防衛能力の強化を目指すEU
さてトランプ大統領の誕生後、EUは「米国に頼ることなくEU加盟国だけで、欧州やアフリカで生じる局地紛争に対処するための軍事能力の確保」に向けて努力を続けている。ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)で連邦議会院内総務を務めるフォルカー・カウダーは11月13日に「欧州諸国は安全保障に関して、これまで以上に自己責任を負わなくてはならない。各国は連帯して、ヨーロッパ軍の創設へ向けて第一歩を踏み出すべきだ」と発言した。
同国の国防大臣ウルズラ・フォン・デア・ライエン(CDU)も「NATOは将来、欧州の安全保障に関する全ての課題に取り組むことはできないだろう。だが現在EUの軍事能力はバラバラで、弱い」と指摘した。ただしフォン・デア・ライエンは、「NATOに競合するEU軍を創設することには反対だが、EU加盟国が軍事問題をめぐってこれまで以上に協力関係を深めるために、安全保障・防衛連合をめざすべきだ」と述べている。
EUがどのようにして独自の防衛体制を強化するかは未知数だが、トランプの大統領就任が、欧州の安全保障に関する地図を大きく塗り替えることだけは、確実である。米国の核の傘の下にいる我々日本人にとっても、トランプ当選がヨーロッパ人たちに与えた戸惑いは、決して他人事ではない。今後ヨーロッパ人たちが、安全保障をめぐって、どのように自分たちの運命を切り開いていくのかを、我々はしっかりと見極める必要がある。
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『真珠湾訪問に込めた安倍首相の思い キーワードは「戦後に終止符」と「同盟関係の維持」』(12/7 日経ビジネスオンライン 安藤毅)について
12/7産経ニュースでは首相は『「戦後政治の総決算」を模索し続けた…そこに横やりを入れたのはオバマ側近のあの女だった』と言う記事を載せ、スーザン・ライスを槍玉に上げています。国務長官候補に挙げられましたが、ベンガジ事件のTVでのミスリード発言から議会承認が得らないと思いオバマは安全保障担当の大統領補佐官にしました。G2論とか米国の国益より、人権弾圧国家・中国の国益を優先する典型的なパンダハガーです。中国から金でも貰っているのでしょう。
http://www.sankei.com/politics/news/161207/plt1612070002-n1.html
安倍首相のパールハーバー訪問は、確かに「謝罪外交」にしなければ(オバマの広島訪問時、謝罪もしなかったのだから、当然と言えば当然。外務省は、自分のチョンボで開戦通知が遅れたのを糊塗するために謝罪の原稿を作成するとしたら、恥の上塗りになることを良く自覚するように)、中韓の「歴史カード」を封殺することになります。
中国は早速、「南京にも来い」とか偉そうに言っていますが、嘘で塗り固められた中国の記念館に行っても国益を損ねるだけ。軽神輿、眉毛爺や鳩ポッポのような売国奴は日本人ではありません。
日本人も中国人を見かける機会が増え、公衆道徳の少ない民族と言うのが分かって来たでしょう。「大声で騒ぐ」「ごみのポイ捨て」「どこでも痰を吐く」「列に並ばないで割り込みする」など。会話する機会が無ければ分からないでしょうが、韓国同様「息を吐くように嘘がつける」民族です。蓮舫は安倍首相に向かい、強行採決の件で、同じように言いましたが、流石中国人です。自分の二重国籍問題を棚に上げて中傷するのですから。中国人の価値観で言えば、「白を黒と言い、黒を白と言いくるめる」ことは賢い証拠となるでしょう。日本人はこういう態度を一番忌み嫌います。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161205-00000160-jij-cn
韓国の朴槿恵大統領の弾劾が議会で本日可決されるかどうかです。可決されてレイムダックになった方が良いと思っています。日本にとって韓国の政治が混乱していれば、通貨スワップの話は進められないでしょう。その間に益々韓国経済は落ち込んでいくでしょうから。ヘル朝鮮が現実のものになっていきます。憲法裁判所の判断は180日以内という事で、4月辞任でなく、うまく行けば明年6月辞任となります。憲法裁判所が政権寄りでギリギリまで判断を伸ばすか、国民情緒に寄り添って弾劾を認めるのか?その間、もしかしたら、トランプは金正恩と対話するかも知れませんが。中国と北朝鮮との間に楔を打ち込むことになるかもしれません。そうなれば、拉致被害者も帰ってくると良いのですが・・・。秘密を知り過ぎている可能性もあります。中国の瀋陽軍の動きもあります。いろいろ複雑な方程式を解いていかないとなりません。まあ、韓国民はヘル朝鮮の一歩手前にいることに気付かず、国内で大騒ぎしている未熟な民族としか言いようがありませんけど。
記事
安倍晋三首相が12月下旬に米ハワイ・真珠湾を訪問することになった。現職の首相として初めての訪問を決めた背景には、日米両国の信頼を深めて「戦後」に終止符を打つ機会にするとともに、トランプ新政権や国際社会に日米協調をアピールする狙いがある。
安倍晋三首相が12月26、27両日に米ハワイを訪問し、オバマ大統領とともに真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊することが決まった。現職首相の真珠湾訪問は初めてのことだ。今年5月にはオバマ氏が被爆地の1つである広島を訪問しており、日米首脳が太平洋戦争の象徴的な場所を訪問し合う歴史的な年になる。

2016年5月、広島市の平和記念公園で献花し、共同会見に臨む安倍首相とオバマ米大統領。(写真:Atsushi Tomura/Getty Images)
「日米の和解の価値を発信したい」
「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。その未来に向けた決意を示したい。同時に日米の和解の価値を発信する機会にもしたい」。安倍首相は5日、真珠湾訪問についてこう語った。
今年は1941年の旧日本軍による真珠湾攻撃から75年の節目にあたる。安倍首相とオバマ氏は旧日本軍の攻撃で沈没した戦艦アリゾナの上に立つ記念館でそろって献花し、所感を述べる予定だ。また、安倍首相はオバマ氏との最後の首脳会談も行う。
オバマ氏は5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の際に現職の米大統領として初めて広島の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花。被爆者らの前で核廃絶への決意を改めて強調した。
日米両国の間では、歴史問題を巡る和解の意義をアピールする機会として、安倍首相の真珠湾訪問がかねてより検討課題になっていた。
政府関係者によると、現地時間の12月7日に行われる追悼式典に合わせて安倍首相が訪問する案も浮上していた。ただ、「謝罪の有無」に焦点があたる懸念があるうえ、臨時国会が延長されたことなどを踏まえ、休暇中のオバマ氏と合流する形とする12月末の訪問が固まったという。
安倍首相がこのタイミングで真珠湾訪問を決めたのには幾つかの思惑がある。
まずは、第2次政権発足以降、「戦後」に終止符を打つために着実に積み重ねてきた試みの一環という意味合いだ。
「真珠湾訪問は昨年4月に米議会で演説したころから考えていた」。安倍首相は関係者にこう漏らす。
安倍首相はこの時の演説で「歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです」と表明し、「深い悔悟」を口にした。同時に、日米同盟を未来志向の「希望の同盟」と名付け、日米間の和解を強く印象づける内容は米国内でも一定の評価を受けていた。
その後、2015年8月の戦後70年の首相談話では、中国や韓国などにおわびを繰り返す「謝罪外交」に区切りをつけたい意向をにじませつつ、未来志向で世界の平和と繁栄に貢献する考えを強調した。
日米関係をトランプ氏にアピール
この年の12月には韓国との間で、従軍慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的な解決」で合意している。安倍首相はさらに、ロシアとの北方領土交渉の前進にも強い意欲を示している。
「一連の取り組みは、将来を見据え、積み残されてきた外交課題を解決し、日本外交にとっての障害を取り除いていきたいという安倍首相の強い思いの表れだ」。安倍首相に近い自民党議員はこう語る。
オバマ氏の広島訪問に続く自らの真珠湾への訪問には、かつて敵対していた日米がお互いの信頼関係を深めるとともに、折に触れて蒸し返されてきた「歴史問題」に明確な区切りを付ける機会にしたいとの狙いがある。
それにより、中国、韓国など「歴史カード」を駆使しがちなほかの国に対し、日米と同様に未来志向の関係構築を目指すべきと主張できる効果も見込んでいる。
真珠湾訪問のもう1つの大きな目的は、堅固な日米同盟関係を世界にアピールすることでトランプ新政権との安定的な関係維持につなげるとともに、中国などをけん制することだ。
トランプ氏は大統領選の期間中、「米国第一」を掲げ、日米安全保障条約を批判して在日米軍の駐留経費の日本側の全額負担を提唱するなど日本を含む同盟国との関係見直しを示唆する発言を繰り返してきた。
また、経済政策では保護貿易主義の立場を鮮明にし、トランプ氏が撤退を主張するTPP(環太平洋経済連携協定)は漂流の危機にある。
こうした中で、安倍首相はオバマ氏との会談で、堅固な日米同盟関係がアジア太平洋地域の安定や米の発展に不可欠なことを確認する方針だ。
それにより海洋進出を急ぐ中国や核実験などを繰り返す北朝鮮を改めてけん制しつつ、トランプ氏側に安定的な日米2国間関係の維持が極めて重要とのメッセージを伝えたい考えだ。
今回の真珠湾訪問が実現したのは、安倍首相が安定した政権基盤を維持していることも大きい。保守層の一部から「謝罪外交」などと批判される可能性もある中で安倍首相が決断した背景には、高い内閣支持率と「安倍1強」と称される政治状況がある。
来年は米でトランプ新政権が発足し、欧州では大統領選や議会選などが相次ぐ。世界的に不透明感が増す中、安倍首相は長期政権の強みを発揮しながら、引き続き戦略的な外交政策を推し進める構えだ。
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『キッシンジャー訪中とトランプ蔡英文の電話会談 「丁寧な嫌がらせ」の先の先を読め』(12/7 日経ビジネスオンライン 福島香織)について
12/3大紀元には<次期国務長官有力候補ローラバッカー氏「中国の臓器狩り止めさせる」

中国関連の問題で自分が第一にやるべきことは、囚人や臓器提供を望まない人から臓器を摘出することを阻止することであると自らの決意を語った ( Chip Somodevilla/Getty Images)
トランプ新内閣の国務長官候補に上がっているダナ・ローラバッカー(Dana Rohrabacher)下院議員は11月28日、ロサンゼルスで新唐人テレビのインタビューに応じた際、もし自分が国務長官になることがあれば中国政府による法輪功学習者からの臓器狩りを止めさせ、多くの人が信仰の自由を持てるようにしたいと述べた。

ローラバッカー氏は新唐人テレビのインタビューに答え、もし自分が国務長官になることがあれば中国政府による法輪功学習者からの臓器狩りを止めさせ、多くの人が信仰の自由を持てるようにしたいと述べた
動画リンク先 http://jp.ntdtv.com/files/2016/12/17612.mp4
ローラバッカー議員は、良心の囚人からの臓器摘出を止めるよう中国政府に求めた米議会343号決議案の起草者の一人である。議員はインタビューの中で中国関連の問題で自分がまず第一にやるべきことは、中国政府が如何なる方式によるかに拘わらず、囚人や臓器提供を望まない人から臓器を摘出することを阻止することであると自らの決意を語った。
現在、下院外交委員会の支部主席を務めているローラバッカー議員は、「我々は邪悪や独裁者に味方することはできない。独裁者が自国の民を弾圧し虐殺している時に、無言でいることは絶対にできない。」と述べ、自国民を弾圧するような独裁政府が、我が国との2国間関係を、他の民主国家と同様に享受することを アメリカは許さないと主張している。
またローラバッカー議員は中国の人権蹂躙により一層注目し、中国統治階級と権力や金銭での取引を行うことはないとの態度を表明した。そして自分が国務長官として中国を訪問する際は、政治犯や法輪功学習者やその他の苦しんでいる人々に必ず会うことを約束すると力強く述べた。
ローラバッカー議員は、一部のアメリカ人は徐々に信仰を失っているため、中国で信仰への弾圧が行われていることに関心を持たなくなってきていると指摘した。そして 自分が国務長官であっても、議員であっても、あるいは一般国民であっても、さらに多くの人が信仰の自由を勝ち取れるように力を尽くしてゆきたいと述べた。>(以上)
12/2BBCは<China and the Church: The ‘outlaw’ do-it-yourself bishop

Carrie GracieChina editor

Image caption Dong Guanhua is one of many religious leaders unrecognised by Church or state
Dong Guanhua is a thorn in the side of both the Vatican and the Chinese state. Without the Pope’s permission, or Beijing’s, this 58-year-old labourer from a village in northern China calls himself a bishop.
China and the Vatican are believed to be close to a historic agreement governing the selection of bishops for 10 million Chinese Roman Catholics.
Such an agreement would be the first sign of rapprochement between a mighty state and a proud Church since the Communist Revolution of 1949.
Media captionFather Dong Guanhua has been kicked out of the Chinese Catholic church for calling himself a bishop
The last thing either side wants at this delicate moment is a do-it-yourself bishop like Dong Guanhua getting in the way.
There are about 100 Catholic bishops in China. It’s a muddled and troubled picture with some approved by Beijing, some approved by the Vatican and, informally, many now approved by both.
Outlaw
After seven decades of conflict, both Church and state would like to bring order to this fractured patchwork. But China’s Roman Catholics are not privy to the details of the deal under negotiation and Dong Guanhua fears it will only make divisions worse.
“I respect the Pope but I don’t support this. The Church will be harmed because this hardline government will not bend. It actually wants to create chaos in the true Church. The more chaos the better in the government’s mind.”

Image caption Christianity, like most religions, has long been repressed in China
Dong Guanhua has long been an outlaw in Beijing’s eyes. The lifelong Catholic from Zhengding County in Hebei Province has refused to register with the state’s Patriotic Catholic Association, because it does not acknowledge the authority of the Pope and, in turn, is not recognised by the Vatican.
Instead he cleaves to the so-called “underground church” – the community which recognises only the spiritual legitimacy of Rome.
But as the Vatican draws closer to Beijing, it too has now denounced Dong Guanhua’s decision to call himself a bishop as a “grave crime”. In other words, Dong Guanhua has become an outlaw twice over.
He says he’ll answer to his conscience and shrugs off critics from both powerful camps who say his behaviour is crazy.
“There are people who say Jesus was crazy too. Sometimes the government gives rewards to people who yield. I don’t covet those rewards. I’m not afraid of anything because my conscience is clear.”

Image caption The pews are quiet in the government-sanctioned church near Father Dong’s unofficial one
Dong Guanhua has no church. Instead he preaches at home, with farming families in quilted jackets huddled in his front yard. Under an open sky they chant the responses of the Mass, a pale sun filtering through toxic haze and tangled power lines to illuminate their faces.
Despite the freezing temperatures and the fear of police harassment, there are far more worshippers here than in the big local government church across the road: Dong Guanhua’s congregation unwilling to let the state get between themselves and their God.
“If there was religious freedom, we would go to the state church. We don’t want to be out in the cold,” he says.

Image caption “Above ground” churches have accepted state supervision
Above ground
Some 200 miles (320km) away, a very different Sunday service in being held.
Beijing’s magnificent South Cathedral is not a church for outlaws but part of the state-approved Catholic faith. There every pew and every aisle is full, old and young gazing through clouds of incense towards a statue of Christ flanked by vases of green bamboo stems.
Generation to generation, these “above-ground” Catholics too have held onto their faith, while accepting state supervision.
Asked how they feel about the prospect of an agreement between their government and the Pope, many are unwilling to comment.
But some are cautiously optimistic and one woman declares defiantly that if the Church in China could be led by the Pope without government involvement, it would “make the faith more pure”.
Pope Francis clearly yearns for the opportunity to heal this long-divided Church and to be recognised as spiritual shepherd of the above-ground flock as well as the underground flock.
An agreement with Beijing which allowed this, and which achieved a compromise on the selection of bishops, would also be a first step to re-establishing diplomatic relations between the Vatican and China.

Image captionMany worshippers at Beijing’s Cathedral of the Immaculate Conception (South Cathedral) were reluctant to comment
For Beijing, the prize is also great. Agreement with the Vatican might help impose order on a troublesome and conflicted community, leaving outlaws like Dong Guanhua marginalised.
Globally, it would also enhance China’s prestige. At last, the world’s rising superpower engaging with the world’s super soft power.
Treading carefully
Many are hopeful. Father Jeroom Heyndrickx is a Belgian priest who has spent 60 years trying to help China’s Catholics and says that despite doubters and obstacles on both sides, this is the best opportunity in his lifetime.
“For 2000 years in China, the emperor was emperor and pope at the same time and this also applied to communist China. But China has changed and the Church has changed and this is what constitutes a new opportunity for this dialogue to succeed.
“China knows that globalisation is happening. Now it openly professes itself to be a country ready to have a dialogue with all different kinds of ideology.”
Pope Francis is doing his utmost to make dialogue succeed. He has been careful to avoid criticising China on religious freedoms or human rights.
He has met groups from the state-backed Chinese church on their visits to Rome.

Image caption it is unclear what an agreement would mean for underground or over ground churches
As a result, some underground Catholics complain that he risks betraying the memory of those who suffered and died for their loyalty to Rome, and abandoning today’s true believers to the control of a communist state.
They also point to tightening control in many areas of Chinese public life and worry that a deal between Beijing and the Vatican may result in less religious freedom not more.
‘No compromise’
One leading sceptic is Joseph Zen, the retired cardinal of Hong Kong.
In a recent interview he told the BBC: “A bad agreement makes the situation worse. Without an agreement, we have to tolerate many things but that’s OK. Our faith tells us that we have to suffer from persecution. The communist regime never changes its policies. They don’t need to compromise. They want a complete surrender.”
China’s religious authorities declined all requests for interview.

Image copyrightAFPImage caption President Xi Jinping has centralised power in himself and cracked down on rival ideologies
Back in the yard of the outlaw bishop, with the open-air service over and the congregation departed, Dong Guanhua draws a red curtain around his altar to protect it from the elements.
The last dry leaves whisper from winter branches and a couple of chickens look on from a corrugated iron roof.
Asked what message he has for Pope Francis on the threshold of a historic agreement, he replies: “I would tell him to be careful. If the deal goes well, God will be pleased, but if it doesn’t, the Pope will be punished. Compromise is a bad thing. It breaks the integrity of our faith. Ninety percent of believers here share my opinion.”
The first flakes of winter snow swirl down and Dong Guanhua goes inside to pray. The yard is empty and night is falling fast.
The silence seems to hold a thought – that deals between a mighty faith and a mighty state are only one recurring theme in Christian history, and that individual conscience is another.>(以上)
米国では信仰の自由を楯に中国を叩く動きがあるにも拘らず、バチカンは中国と司教の任命権を「共産党が指名した者をバチカンが任命する」と妥協してしまいました。チベット亡命政府が認めていない中国が指名した偽のパンチエン・ラマと同じでしょう。真の信仰、プリースト“priest”とは程遠い世界です。フランシスコ法王は間違った決断をしてしまいました。地下教会の人達は本ニュースにあるように迫害され、「天主教愛国会」に入らなければ秘密裡に殺されると思います。「宗教は阿片」という共産主義の恐ろしさを感じていないからです。人口の多さ=金の多さに目が眩んで真の信者を切り捨てたことになります。
http://www.christiantoday.co.jp/articles/22515/20161108/china-vatican.htm
キッシンジャーと習近平との会談、蔡英文とトランプの電話での祝意伝達が、どのような意図で行われたのかは読み解けません。ただ福島氏記事にありますように、トランプが中国への丁寧な嫌がらせを続けて行き、台湾を国際的に国として認めるように動いて行って貰いたいと思っています。台湾は、実質独立国であって、残るは国際的な認知だけなので。そうすれば中国の第一列島線突破は難しくなり、日米台の安全保障上も大きなメリットがあります。軍拡中国を抑えるには中国包囲網を敷くしかありません。左翼リベラルの話は焦点がずれていますので聞かないことです。特に日本の偏向メデイアは。
記事

キッシンジャーは習近平が満面の笑みで迎える数少ない米国人の一人。写真は2015年11月の訪中時(写真:ロイター/アフロ)
キッシンジャーの訪中のタイミングで、次期米大統領のトランプが台湾総統の蔡英文と電話会談した意味について、中国内外の専門家たちがあれこれと分析している。元国務長官にして国際政治学者、米中国交回復のきっかけとなったピンポン外交の仕掛け人、アメリカを親中路線に導いてきた人物である。キッシンジャー訪中前に、トランプは彼と面談し、対中政策について「対立より協力からはじめよ」とアドバイスを受けたという報道もある。キッシンジャーは、あの不遜なトランプが「尊敬している」と公言する数少ない人物である。トランプの台湾総統との直接電話会談というメガトン級の対中嫌がらせと、キッシンジャー訪中が同時に行われた背後には何があるのだろうか。米中関係の行方にどのような影響があるのだろうか。
「中国の古い友人」と習近平の満面の笑み
新華社によると2日、習近平と93歳のキッシンジャーは人民大会堂で会見した。
キッシンジャーといえば、70年代初め、対中秘密外交によって、ニクソン訪中を実現し、米中関係正常化を導いた人物。つまり米台断交を決定づけた外交官でもある。習近平はかつてキッシンジャーのことを「中米関係の開拓者にして生き証人」とその歴史的地位を称賛したことがある。
会談のとき、キッシンジャーは習近平に対し「中国の古い友人である私に、再び会ってくれたことを感謝する」とあいさつし、米中関係の発展には再び貢献できることに感謝をのべたとか。習近平との面会は習近平が指導者となってから少なくともこれで3度目、その前から数えると7度目となる。
習近平政権になってから、キッシンジャーは習近平の「二つの100年計画」(共産党建党100年および建国100年に達成を目指す中国の国家目標)について注目しており、米中間のパートナーシップを大きく飛躍させるとポジティブな意見を言ったこともある。今回の訪問でも、習近平の反腐敗キャンペーンについて、「注目すべき成果を得た」と称賛の発言をした。
いつも仏頂面の習近平も、キッシンジャーに対しては満面の笑みをみせており、「キッシンジャー博士のおっしゃることはいつも新しい観点を私に教えてくださる」などと、賛辞を惜しまなかった。
米中関係に関しては「持続的に健康で安定的な発展こそ米中両国人民の根本利益に合致し、太平洋地域と世界の平和と安定と繁栄にも有利だ」と、言い古された表現で両国の協力関係推進で意見が合致。米国のきたる政権交代については、習近平は「両国ともに努力をして、新しい出発点から安定的発展を継続させ、両国関係の新章を書きましょう」と提案。「中米新型大国関係」という言葉も繰り返し、「中米双方とも正確にこの戦略意図を理解する必要があります。ゼロサム思考を放棄し、衝突せず対抗せず、相互に尊重し、ウィンウィンの協力をし、中米新型大国関係を建設しましょう」と習近平は訴え、両国間の意見の不一致と対立点を建設的な方法で妥当に処理していくことを提案した、とか。
新華社の報道というのは、中国の公式報道、つまり政治的プロパガンダであり、中国に都合のよい部分しか報じていないのだが、習近平がキッシンジャーを大好きであり、このタイミングの訪中を非常に歓迎していたことは間違いない。だが、もう少し、この訪中の狙いや意義について、掘り下げてみたい。
「トランプのメッセージ」はあったのか?
新京報などは、キッシンジャー訪中は、トランプが次期国防長官に狂犬のあだ名もある、元海兵大将のマティスを指名したことなどが影響しているのではないかという推測を含ませている。マティスだけでなくトランプ政権には少なからぬ対中強硬派が含まれており、中国の当初の期待に反して軍事的にも貿易・通貨政策的にも対中強硬姿勢を固めているのではないかという憶測も洩れ伝わっている。こうした噂に対する中国側の不安を抑えるために、米国きっての親中派知中派で習近平との関係も悪くないキッシンジャーが送り込まれたという見方もある。また、キッシンジャーとしては、トランプ政権が思いのほか南シナ海政策で強硬的になる可能性を事前に中国側に説明しにきたという見方もある。
一方、香港の独立系メディア、香港01は、今回のキッシンジャー訪中は、トランプが特使として送り込んだのではなく、中国が請うてキッシンジャーに来てもらったという見方を報じている。つまり、中国は、トランプ政権がかなりの対中強硬政権をつくるのではないかと気づき、これを阻止すべく、古くからの友人のキッシンジャーを頼ったという見方だ。
だとすると、キッシンジャーが訪中直前にトランプと面会したのは、トランプの中国へのメッセージを預かるためではなく、対中強硬姿勢のトランプを中国の意向を受けて説得するためであった、という推測が成り立つ。だが、その直後に蔡英文との直接電話協議を行ったことを考えると、トランプは尊敬するキッシンジャーの面会は受け入れたものの、けっして説得されたわけではない、ということになる。
ちなみにキッシンジャーは11月18日にトランプと面談し、中国に対する知識がほぼ白紙のトランプに対して、おおむね次のような話をしたといわれている。まず、二つの提案をした。
一つ目は、中国の歴史・文化に理解の深い人間をトランプチームに入れること。米国人の思考と中国人の思考は決定的にちがう。中国的思考を理解できる、米国と中国の政府間の連絡役となるようなメンバーを入れること。これまで米中間に発生してきた問題について、一貫性を重視するためにこうしたパイプ役が必要なのだ、と説明したのだという。
もうひとつの提案は、「米国の指導者として、国家の根本利益とは何かをはっきりと確認すべきである」ということらしい。米中間にある紛争の種だけに視線を遮られず、どのような影響があるかという角度から物事を見るように、という。
「大統領としてすべきは、両国間の貿易問題や南シナ海の問題についてだけでなく、ほかのその他すべての部分についての対立議論の進行や決定についても、大統領として信頼するキーマンたちとよく問題を話し合うことだ。我々の目標は何なのか、どのように結果を得るのか、何を防ぐべきなのか。そのあとで中国側の指導者と対話の展開を試みるのがいい。そうでないと、おおむねある危険に陥る。すなわち、現在の米中の貿易問題のように、対立ばかりが表面化し、それが正確な視野の妨げになる」
ようするに、中国とは対立だけでなく、相互利益を得ることも視野に入れて、中国とのコネがある人間を政権内に組み入れ、争いよりも協力を優先させよ、と強く勧めたようである。キッシンジャーとしては、中国との協力関係は米国の国家利益にかなう、ということである。
トランプと蔡英文、電話会談の意味
キッシンジャー自身が、最近のインタビューなどでもこう述べている。「習近平とはパートナーシップを築き、対抗せず、現実的なウィンウィンでいくことに賛成する。今よりも信頼できる国際秩序を打ち立てる努力をし、さらに安定的なバランスのとれた国際秩序のもと、米国がいかに中国のようなウルトラ級大国と対峙するかは一つの巨大な挑戦である。目下のように、二つの大国が複雑に影響しあうような経験はこれまでになく、どのようにうまくこの関係を処理していくかは政治的に巨大な挑戦である」(ボイスオブアメリカ)。こうした発言から考えるにトランプに対しては中国との対立をエスカレートさせないように釘をさしたようであるし、中国に対してはトランプの危険性を警告したのではないか。ちなみに、キッシンジャーが指摘する米中の協力領域はシルクロード構想、アフガン問題及び海賊退治などの国際平和維持行動などだ。
そう仮定すると、キッシンジャー訪中にあわせたトランプ蔡英文電話協議は、トランプサイドの、キッシンジャーのアドバイスに対するある種の答え、というふうにうがってみることもできる。
トランプと蔡英文の電話会談は2日夜11時(台湾時間=北京時間)、蔡英文側からの要望で行われたという。
ニューヨークタイムスによれば、双方は「米国と台湾の経済、政治、安全保障面での緊密な結びつき」を確認。米大統領(予定者)が、正式に国交のない台湾の総統に直接接触することは、中国への配慮を優先してきた米国にしてみれば、異例中に異例で1979年以来初めて。しかもトランプのツイッターでは、蔡英文を「プレジデント」を呼んでいる。これには、中国はそうとう衝撃をうけたようで、3日になるまで公式報道を差し止めていた。3日になって、外交部として正式に厳正なる抗議を米国に対して行ったが、これはトランプ政権御しやすしと期待していた習近平政権に冷や水を浴びせかけるに十分であった。
トランプ・蔡英文の電話会談は10分以上におよび、双方が互いに、大統領・総統選選挙への勝利に対する祝辞を述べ、アジア地域情勢について意見交換をした。
同じ日、トランプはツイッターで「プレジデントオブタイワンから電話もらって、大統領当選おめでとうといってもらった。サンキュウ!」とツイート。
報道差し止め、トランプ政権に警戒
これについて王毅外相は「(米台指導者直接電話会談など)小細工であり、国際社会が既に形成した中国の地位を変えることはできない」「米国も長年堅持していた『一つの中国政策』を変えることはなかろう。『一つの中国政策』は中米関係の健康的な発展の基礎であり、これを少しでも破壊したり損なうことを我々は望んでいない」とかなり感情を抑えたコメントを出した。
しかし、この「小細工」に中国は今までずいぶんこだわって、恫喝を繰り返してきたことを思えば、不自然なほど冷静。「トランプは外交に無知なだけ。台湾と中国の問題をわかっていない」「相手が女性だから鼻の下を伸ばしたのだ」「まだ大統領就任前なのだから目くじらを立てるほどのことはない」といった理由を挙げながら中国としてはあえて冷静を装ったといえる。それだけトランプ政権に警戒して、トランプの出方を見極めようとしているともいえる。
中国が嘯くように、確かに米国が「一つの中国」政策をすぐさま変更するとは考えにくいのだが、トランプが、心を込めて中国に嫌がらせをし、その反応を見てやろうという底意地の悪い性格である可能性は高い。
だが、これをもって、キッシンジャーのアドバイスを無視してトランプ政権は対中強硬路線に一直線に行く、と期待するのは時期尚早だろう。
たとえばトランプ政権にはイレイン・チャオ(ブッシュ前政権での労働長官)という中国系女性が運輸長官として入閣する。ミッチ・マコーネル上院議員の妻である彼女はなかなかの曲者という評判だ。
中国名は趙小蘭で、1953年台北生まれ。台湾人ということで、トランプ政権の台湾重視を反映しているのかと思われがちだが、その父親の趙錫成は上海交通大学卒で元中国国家主席の江沢民の学友で、イレイン・チャオも足しげく北京に通い、自身も江沢民と昵懇だ。それだけでなく慈善家として父母の生まれた中国に対しても愛着をもっており、長年慈善事業を通じて地方の指導者らとも人脈を築いてきた。その中には習近平の子飼いの部下といわれている李鴻忠(現天津市書記)らをはじめ、習近平にかなり近い人物も含まれている。また米中貿易推進の華人ロビー活動にもかかわってきた。
「丁寧な嫌がらせ」から始める
そういう意味ではトランプはキッシンジャーのアドバイスを聞き入れて、中国とのパイプになりうる人物を政権チームに入れている。こういう人事をしてくるところをみれば、トランプが対中外交に関してあながち無知であるとも軽くみているともいえず蔡英文をプレジンデント呼びするといった中国に対する思い切った挑発は、むしろ中国人的性格をわかったうえでの揺さぶりにも見える。
だいたい習近平のような、いかにも北京的な性格の中国人政治家は、弱腰の人間に対しては、舐めた横柄な態度に出て、むしろ攻撃的な人間に対してはより慎重に丁寧な扱いになりがちだ。オバマ政権が中国に舐められたのは最初から親中モードですり寄ってきたからであり、習近平が最初のオバマとの会談であえて不遜な態度をとったのは、第一印象で舐められては対等な関係にならない、という中国的な発想からだろうと思われる。だとすると、トランプの丁寧な嫌がらせから始める対中外交は、意外に中国人の好みにあうかもしれない。米中関係の成り行きを見ながら、日本も先手の外交を打ってほしいところだ。
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『マティス国防長官、「狂犬」は蔵書7000冊の読書家 IS、北朝鮮で現状打破を狙う米次期政権』(12/5日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『トランプ・蔡英文電話会談は周到に準備されていた?』(12/5newsweek 遠藤誉)について
米国がずっと中国を大事にするかは米国の国益によって判断されるというのを、中国は意図的に忘れようとしているのでは。中共はアルバニア提案を裏で画策し、中華民国から安全保障理事会の常任理事国のポストを奪った後、米国はソ連との対抗で台湾を犠牲にして、中国と国交を結びました。現在の中国は、軍事的(南シナ海・東シナ海)、経済的(AIIBやBRICS銀行)に米国の世界覇権に挑戦しようとしています。「両雄並び立たず」です。米国がソ連を崩壊させたように中国を崩壊させようと思うのは極自然なのでは。台湾を支援するようになるのも自然の流れです。何せWTOや国際仲裁裁判での国際ルール破りをそのままにしたら、世界秩序は守れません。変化するのが「今でしょ」となったのでは。安倍首相は来月12日~16日まで豪越比に訪問とのこと。中国包囲網の形成でしょう。どんどん進めるべきです。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016120500579&g=pol
日中韓三賢人会議で通貨スワップ拡大を決議したようですが、中韓は賢人でしょうが、日本は愚人としか言いようがありません。尖閣を奪いに来る中国と世界に慰安婦像を建てて日本を貶めようとしている韓国を経済的に助けてどうするのですか。余りに国民感情から離れた話です。トランプ現象の分析が全然できていないという事です。こんなことを言うから日本は舐められるのです。馬鹿の頂点は福田康夫ですが、金で転んだのか、女で転んだのか、それ以外で中韓有利の政策を推し進めようとするのは本当に愚人としか言いようがありません。中韓とも経済崩壊が言われていて、崩壊させた方が戦争にならなくて済みます。何でこんな簡単なことが分からないのでしょう。彼らはエセ平和主義者です。
安倍首相のパールハーバー訪問について、以前大前研一氏が寄稿していた記事を挙げます。大前氏とは意見が合わないときが多いのですが、この時は珍しく彼の意見に納得しました。基本は米国の歴史教育の問題と思います。日高義樹氏によると、米国民はパスポートを持たない人が多いとのこと、またコミュニケートも英語で済むため外国のことをそれほど真剣に考えてる人は国民レベルでは多くないと思われます。
5/22ZAKZAK<安倍首相は真珠湾に行ってはいけない オバマ大統領の広島訪問とは別問題だ
オバマ米大統領は今月下旬の伊勢志摩サミットに出席後、27日に広島を訪れる。米国の現職大統領の広島訪問は初。米政府は「この訪問が過去の原爆投下に対する謝罪だと解釈するのは誤り」と主張している。ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)もテレビのインタビューで「私たちはいかなる状況でも謝罪しない」と語っている。 日本人としては、「謝罪のひとつもあってほしい」と言いたいところだろう。しかし、オバマ氏が広島で謝らないというのは、ある意味、理解できないわけではない。 オバマ氏は「核なき世界」を提唱した2009年のプラハ演説でノーベル平和賞に輝いたものの、その後、「核の脅威」は依然として続いている。そんな状況の中、大統領在任8年間の締めくくりとして、広島で第2次世界大戦の全犠牲者への追悼と「核なき世界」への取り組みを訴える。人類の将来が関係しているから、「謝罪」がなくても、それなりに成り立つのだ。 謝罪をすると、「どちらが悪かったのか」という議論も出てくる。中国や韓国は「日本はオレたちに謝罪しないのか」と騒ぎ出すだろう。だから、ここはオバマ氏の好きなようにさせればいいのではないか。献花するだけでも、心の中に感じるものがあるだろう。 先月、広島の原爆資料館などを訪れた米国のジョン・ケリー国務長官は、「すべての人は広島を一度は訪れるべきだ。そのすべての人の中には、米国大統領も含まれる」という非常に良心的なコメントをした。謝ってはいないが、広島である種の良心の呵責も含め、何かを感じたと思う。私はこれで十分だと思う。
ただ、ホワイトハウス(たぶん、タカ派のライス補佐官)はオバマ氏の広島訪問と安倍晋三首相のハワイ・真珠湾訪問をセットにする提案をしていたという。日米開戦の舞台となった真珠湾を訪れる案は、日本政府内でも検討された。戦争の象徴的な地を日米両首脳が交互に訪問することが、日米両国の一層強固な同盟関係を国際社会にアピールできると判断したからだ。 しかし、安倍首相は絶対に真珠湾に行ってはいけない。 米国人は日本が「スニークアタック」(だまし討ち=宣戦布告なき開戦)をしたと思い込んでいる。真珠湾はその象徴だ。安倍首相が真珠湾に行って、謝らずに帰ってきたら、米国人は収まらないだろう。当時、被害に遭った傷痍軍人もまだ多数いる。真珠湾に行ったら、謝らないわけにはいかない。 ホワイトハウスはずうずうしくも、そんな案を考えていた。こんなことがセットでいいわけがない。広島と真珠湾は全然事情が違う。日本政府や自民党の中にも「真珠湾に行くべきじゃないか」と言っている人がいると聞くが、とんでもないことだ。絶対に行ってはダメだ。 真珠湾は日本人が永遠にかぶっていかなければならない汚名の象徴。真珠湾に眠る戦艦アリゾナと同様、真珠湾のことは静かに眠らせるのが一番。いわゆる「地政学」(地理的な環境が政治、国際関係に与える影響を研究する学問)というのはそういうことを即座に判断する学問なのだ。 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。>(以上)
外務省の御膳立てなのか、オバマの広島訪問とバーターの密約があったのか分かりません。でも、外務省主導はヒラリーとだけの面談のように失敗するのが当たり前のようになっています。今回も日本が謝罪したら、騙し討ちとして歴史的評価が確立してしまいます。パールハーバーも明らかに通知が遅れた外務省のチョンボでしょう。かつまた暗号を米国に傍受されていたというのですから無能の集団です。ただ、昨年、小生の息子の結婚式でハワイに行き、パールハーバーに行ったときの説明では、スニークアタックではなく、サプライズアタックと言っていました。それはそうでしょう。真面に歴史を見れば、西漸運動の果てに中国大陸進出を狙い、中国大陸の門戸開放を主張し、日本の日清・日露戦争の勝利をなきものにし、ABCD包囲網やフライングタイガー、ハルノートで日本を戦争に追い込んだわけです。チャーチルとFDR合作の陰謀に乗せられた日本が愚かと言えば愚かですが。米国での慰安婦訴訟も日本人に偏見を持った判事が高裁でも否決しました。ただ、慰安婦が従軍であったという事を認めた訳ではないというのが救いです。全米の歴史学会の見方に影響されているとしか思えません。
http://gahtjp.org/?page_id=171
少なくとも日本人はヘレン・ミアーズの『アメリカの鏡・日本』や、レジナルド・ジョンストンの『紫禁城の黄昏』、ラルフ・タウンゼントの『中国暗黒大陸の真実』は読んで、歴史認識を堅固に持つべきと思います。
ただ、12/6宮崎正弘氏メルマガによれば、「安倍首相の今度のパールハーバー訪問はひょっとして、トランプ次期大統領が訪日の際は、広島・長崎訪問はもはや不要となったので、残るはアメリカ大統領の靖国参拝ではないのか。その布石を打ったのではないのか」という見方をしていました。ただ、外務省にそんな能力があるとは思えず、希望を述べたものと思われます。宮崎氏もそれが、実現する確率は高いと思っていないのでは。それが実現すれば、安倍首相は戦前を含め歴代1位の首相の名誉に浴するのでは。何せ反日朝日新聞主導で、天皇の靖国参拝ができなくなったことに道を拓くのですから。まあ、小泉政権のとき、ブッシュ(息子)が靖国参拝すると言った時に外務省は止めた前科がありますから。少なくとも外務省主導であれば、靖国までは考えていないと思います。外務省の音頭に乗って昨年合意した慰安婦問題が漂流しそうになっているのと同様、米国並びに世界にどう受け止められ、どう報道されるか注目したいと思います。それにより政治家安倍晋三の真価が問われると思います。これにより、1月冒頭解散もあるとの報道がありますが、TPP、年金、酒税等難しい問題を決着させようとしている所を見ると、ないのでは。ただ、民進党+共産党の態勢が固まらない内に選挙するのが勝利の常道でしょう。それをどう読むかですが。
高濱記事

トランプ次期大統領(左)と、国防長官に指名されたマティス将軍(写真=ロイター/アフロ)
—いろいろ取りざたされていたトランプ政権の国務、国防両長官のうち、まず国防長官が決まりましたね。退役海兵隊大将のジェームズ・マティス将軍(66)が任命されました。この人事をどう見ますか。
高濱:全米が驚いています。国防長官に職業軍人が選ばれたのは1950年にジョージ・マーシャル退役陸軍元帥が任命されて以来65年ぶり。第二次大戦後の欧州復興の原動力となった「マーシャル計画」を提唱したあのマーシャル将軍です。
マーシャル将軍が国防長官になるまで、職業軍人が国防長官になることは法律で禁じられていました。それをトルーマン大統領(当時)が法改正して国務長官を務めたことのあるマーシャル将軍を国防長官にしたのです。
“反オバマ”の退役軍人と相次いで面談
トランプ氏は選挙中、「私を支持している退役将軍は90人近くいる」と何度か言っていました。これら約90人の退役将軍たちはトランプ支持を表明するとともに、公開状で「われわれは米軍という組織の在り方を見直すべき時期を失してきた」と米軍の組織改革を訴えていました。その中心的人物がマティス将軍でした。
トランプ氏の政権移行チームは米メディアに、数人の国防長官候補の名前をリークしていました。ジェフ・セッション上院議員(すでに司法長官に任命)、ステファン・ハドリー元大統領国家安全保障担当補佐官、 米下院のマイク・ロジャーズ元情報特別委員長らです。
トランプ氏は数人の退役将軍たちを自宅兼事務所のある「トランプ・タワー」に呼び寄せて「面接」してもいました。マティス将軍のほか、ジャック・キーン退役陸軍大将、ジョン・ケリー退役海兵隊大将たちです。彼らに共通しているのは、オバマ政権下のアフガニスタン、イラク戦争で第一線の最高司令官をしていたことです。しかもオバマ大統領の中東戦略に疑義を唱えていました。
そしてトランプ氏が白羽の矢を立てたのがマティス将軍でした。ビジネス経営と同じように、最後は自分一人で決めたようです。
トランプ政権の要となる国防長官人事を見て思い出すのは、トランプ氏が1987年に著した「The Art of the Deal」(商売のコツ)の中の以下の一節です。「私は複雑な計算をする機械(人間)を雇わないし、気まぐれな市場調査も信じない。私は自分で調査し、自分で結論を出す」(”I don’t hire a lot of number-crunchers, and I don’t trust fancy marketing surveys. I do my own surveys and draw my own conclusions.”)。
将兵にアラブ学を奨励してきた「狂犬・マティス」
—マティス将軍はどんな人物ですか。
高濱:同将軍は2007年以降、米統合戦力軍(USJFCOM)、米中央軍(CENTCOM)の司令官を歴任。アフガニスタン、イラク、シリアでのテロ組織掃討作戦を指揮した筋金入りの軍人です。
ニックネームは「狂犬・マティス」(Mad Dog Mattis)。トランプ氏もツィッターで同将軍のことを「狂犬」と呼んでいます。精悍な顔立ち。意見の食い違う相手と論議する時には敵意をむき出しにして相手を睨みつけるところからこのニックネームがつけられたそうです。出身である海兵隊のイメージは「勇猛果敢」。西部開拓時代の騎兵隊の流れを組む米軍組織最古の軍隊です。
独身を貫いており、これまでの半生は「読書と戦争」に費やされてきたと言われています。戦争史や軍隊に関する蔵書は7000冊超。中東での戦闘に米国が「介入」する上で、イスラム文化やアラブの風習を学ぶ必要があると決意して猛勉強。その一方で、派遣される米兵にアラブの文化・習慣を学ぶよう奨励してきたそうです。
—来年早々に動き出すトランプ政権にとって、安全保障面での最重要アジェンダは、過激派組織「イスラム国」(IS)、シリア情勢への対応、そして核実験とミサイル実験を繰り返す北朝鮮への対応だと思います。
高濱:マティス将軍は中東戦争の最前線で実際に指揮をとった経験の持ち主です。厳しい対応を取るでしょう。ただし、非常に現実的な認識を持っています。
同将軍はかってこんなことを言っています。「アフガニスタンには、ヴェールをかぶらなかったとして5年間も女性たちを殴り続けた連中がいる。女性を虐待する、男の風上にも置けない奴らを標的にするのは死ぬほど痛快だ。戦うのは楽しい。私はケンカが大好きだ」(2005年2月1日、カリフォルニア州サンディゴの討論会で)。
その一方で、中東における戦闘で米軍と共に戦うサウジアラビアやアラブ首長国連邦との同盟関係を高く評価しています。「われわれの同盟国がフリーライダーだなどと言う大統領は馬鹿者だ」と言い切っています。この点では、同盟関係の見直しを主張しているトランプ氏と一線を画しています。
マティス氏はジョン・ケリー国務長官のこれまでの中東政策を高く評価しています。
トランプ氏が批判しているイランとの核協定についても「不十分な協定だが、今さら反故にもできない。今回の合意はあくまでもイランの核開発中断が対象であって、核開発の全面停止ではない」と現実的な発言をしています。
北朝鮮との直接対話の可能性も
—日本も重大な関心を持っている対北朝鮮政策について、オバマ政権とは異なる政策を打ち出すのでしょうか。
高濱:トランプ政権の対北朝鮮政策に一定の影響力を及ぼす可能性のある超党派のシンクタンク、「北朝鮮に関する全米委員会」(National Committee on North Korea=NCNK)が、次期新政権が北朝鮮にどう取り組むべきかをまとめた文書を11月21日に公表しています。
この中で、オバマ政権が終始貫いてきた「戦略的忍耐」政策からの転換、つまり北朝鮮との直接対話を促す「提案」をしているのは、注目に値すると思います。
「中国は、北朝鮮にとって必須の暗梁となっている。北朝鮮の対外通商の9割は対中貿易だ。中国は、北朝鮮の非核化よりも、北朝鮮を不安定にする動きを避けることを最優先に考えている。つまり北朝鮮の核開発阻止よりも北朝鮮の統御に集中している」
「米議会、行政府の当局者たちの間では、北朝鮮にいつ、どのように関与(engaging)するかをめぐって様々な意見が出ている。ある者は『北朝鮮と無条件で交渉することが好ましい。北朝鮮が核開発計画をスローダウンさせる、あるいは後退させるチャンスを作ることにつながる』と考えている。また別の者は『北朝鮮が非核化を真剣に考えるようになるまで直接対話は控えるべきだ』と主張している」
トランプ氏は選挙中、金正恩・朝鮮労働党委員長(国務委員長)について以下のことを言っています。「この若者は25~6歳の時に父親が死んだあと、次々と政敵を倒して政権を守ってきた。遊んできたわけじゃない。真剣そのものだった。褒めてやる価値はある。我々はこの男を侮ってはならない」。
「いずれはどこかで会って話をすべき時がくるだろう。この若者とハンバーガーでも一緒に食べて、打ち解けて話したいもんだ」
首脳会談を行なうかどうかはともかくとして、トランプ政権が対北朝鮮政策でなんらかのブレークスルー(突破口)を目指すことは十分に考えられそうです。
遠藤記事
2日、トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統と電話会談した。1979年に国交断絶をして以来のことだ。「一つの中国」を踏みにじると中国は激怒。同日、キシンジャー氏と会っていた習近平国家主席は顔に泥を塗られた形だ。
「一つの中国」原則を破るのか?
アメリカ時間の12月2日、トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統と電話会談をした。1979年の米中国交正常化に伴い、アメリカと「中華民国」が国交を断絶して以来、初めてのことだ。国交正常化に当たり、中国が「中華人民共和国」を「唯一の中国」として認めさせ、「一つの中国」を堅持することを絶対条件として要求したからである。
それ以降、アメリカは「中華民国」を国として認めないことを誓い、「中国の一地域である”台湾″」と呼び、国家の指導者同士が接触しないことを守ってきた。
しかし、トランプ次期大統領は電話会談という手段を通してその原則を破っただけでなく、蔡英文総統を ”The President of Taiwan” と呼んだのである。
その全文には ”The President of Taiwan CALLED ME today to wish me congratulation on winning the Presidency. Thank you!” とある。
訳すまでもないとは思うが、日本語では”台湾総統は今日、私に電話をかけてきて、総統選に勝利したことを祝ってくれと言ってきた。ありがとう!”となる。ここでは”CALLED ME”(電話をかけてきた)が重要で、「自分からかけたのではない」と弁解したいわけだ。ツイッターでは、この部分だけが大文字になっている。
それでも、タブーとされていた「直接会談」を「相手を総統と認めて」受けたということは前代未聞で、中国(大陸、北京政府)にとっては転変地変の大事件だ。
おまけに両者は「経済、政治、安全保障での緊密な関係が台湾と米国の間にある」と確認し合ったという。台湾メディアおよびトランプ陣営が報じた。この中に「安全保障」という言葉があるのが、キーポイントである。
王毅外相抗議
これに対して王毅外相は3日、つぎのように抗議した。
「台湾がやった小細工だ」「これによって、アメリカが堅持してきた”一つの中国”の原則を変えることはできない」という旨の発言をした。「2016年国際形勢と中国外交政策シンポジウム」が終わった後に、香港の鳳凰(フェニックス)の記者の問いに答えたものだ。
中国外交部(外務省)のスポークスマンは「慎重、適切に台湾問題を処理し、中米関係の大局が不必要な干渉を受けないよう求めた」ことと、「トランプ陣営側に直接、抗議を申し入れた」と発表した。
また国務院台湾弁公室のスポークスマンも3日、「台湾の小細工が国際社会で普遍的に認められている「一つの中国」の大原則を変えることなどできない。台湾独立には断固反対していく」という趣旨のことを述べている。
そして中国政府の通信社である新華社(12月3日電)は、「ホワイトハウスの国家安全委員会は”一つの中国”という対中政策は不変だ。台湾地区の平和安定はアメリカの根本的な利益にかなっている」と述べたと報道した。
顔に泥を塗られた習近平――曲芸を演じた「忍者外交」の名手キシンジャー
さて、これは本当に「台湾の小細工」なのだろうか?
だとすれば、トランプ・蔡英文電話会談が行われていた、そのほぼ同時刻に、なぜあのキッシンジャー氏は人民大会堂で習近平国家主席と会っていたのだろうか?
キッシンジャーと言えば、「忍者外交」で有名だ。
当時、ベトナム戦争(1960年12月~1975年)の長期化と泥沼化に手を焼いていたアメリカは、中ソ対立が激しい中国に接近し、米ソ対立におけるアメリカの立場を有利に持って行こうというもくろみもあり、水面下で北京と接近していた。
ニクソン政権時代に大統領国家安全保障問題担当大統領補佐官および国務長官などを務めていたヘンリー・キッシンジャー氏は、1971年7月、パキスタン訪問中に体調不良と称して一日だけ姿を消し、極秘裏に北京を訪問した。ニクソン大統領以外はニクソン政権内の者も知る人が少なく、もちろん同盟国・日本の頭越しの訪中であったことから、「忍者外交」として全世界に衝撃を与えた。
このキッシンジャー氏が、又もや「曲芸」を演じたのである。
新華網(12月3日電)によれば、12月2日、93歳になるキッシンジャー氏は人民大会堂で習近平国家主席と仲良く対談していたという。互いに相手を絶賛しあい、米中関係の強化を確認していた。
これに関しては中央テレビ局CCTVだけでなく、中国共産党の機関紙の電子版「人民網」も「中国共産党新聞」で大きく取り上げ、中国では大々的に、そして「誇らしげに!」報道されていたばかりだ。
そこに飛び込んできたトランプ・蔡英文会談。中国では大きくは報道しなかった。
習近平国家主席のメンツ丸潰れで、すっかり顔に泥を塗られた形になってしまったからだ。
周到に準備されていたトランプ・蔡英文電話会談――陰にはトランプ陣営大物
キッシンジャー氏の北京訪問を「曲芸」と名付けたのには、理由がある。
実はペンタゴンにおける軍事戦略などのシンクタンクの役割も果たしているヘリテージ財団のエドウィン・フュルナー氏がトランプ当選後の10月13日、秘密裏に台北を訪れ蔡英文総統と面談していたのだ。
11月10日、台湾の三立新聞などが「台米関係は緩和か?トランプ幕僚フュルナー秘密訪台 蔡英文とは20年来の仲」というタイトルの報道をした。このページでは、まず宣伝が出てくるが、15からゼロまでカウントダウンしていき、最後に「×」印が出てくるので、この「×」をクリックして宣伝を消せば、タイトルの情報が出てくる。
フュルナー氏はヘリテージ財団の総裁を長いこと(2013年まで)務めていたが、今年8月にトランプ陣営に入った。
ヘリテージ財団というのは、1973年に設立された保守系シンクタンクで、アメリカの伝統的な価値観や国防の強化などを掲げているため、中国語では「米国伝統基金会」という訳し方をしている。
蔡英文総統とは、彼女がまだ台湾で国家安全委員会諮問委員会の仕事をしていた時期に接触があり、二人は20年来の知己であるという。
アメリカの大統領選挙中、蔡英文側はヒラリー候補と緊密な連携を持ち続けたと言われている。トランプ氏が「世界の警察にならない」と宣言し、アジア回帰を否定していたからだ。それは安全保障上、台湾に大きな不安を与え、ヒラリー・クリントン氏が当選してくれる方がいいと応援していたのだ。
トランプ当選が決まったとき、蔡英文総統は記者の問いに青ざめていたと、台湾メディアは報道している。そのため10月13日にトランプ陣営の大物、フュルナー氏が20年以上の仲である蔡英文総統に会いに行ったものと推測される。
一方、トランプ氏は当選後まもない11月17日に、キッシンジャー氏に会い、外交問題に関して話しあったと、アメリカメディアが報道した。会談後トランプ氏は「キッシンジャー氏を非常に尊敬しており、意見交換ができて、うれしい」と語ったとのこと。
両氏は「中国、ロシア、イラン、欧州などの問題について話し合った」と報道されたが、当然このときに、「一つの中国」問題や台湾問題に関しても触れたことだろう。
この報道を知ったとき筆者は、10月13日にトランプ陣営の顧問的役割をしているフュルナー氏が訪台し蔡英文総裁に再会していることを反射的に連想した。
「何かあるにちがいない」とは思ったが、それはこの、「タブーを破った、次期米国大統領と台湾総裁との電話会談」だったわけだ。
「アメリカのTPP(環太平洋パートナーシップ協定)離脱により、中国の一人勝ちにはさせないよ」という、来るべきトランプ新政権の狙いの一つだろう。しかも電話代以外はかけずに、習近平政権には衝撃的な楔(くさび)を打つ。キシンジャー・習近平会談を誇らしげに報道しただけに、北京側としてはトランプ・蔡英文電話会談をそう大々的に批判報道するわけにもいかない。習近平の歯ぎしりが聞こえる。
予測不能なトランプ外交ではあるが、みごとなものだ。今後は米台関係と米中関係を、この視点からも注視していかなければならない。
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