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『「確信犯」のトランプ、蔡英文との会談で中国挑発 「一つの中国」を揺るがすトランプ次期大統領』(12/14JBプレス 古森義久)、『トランプ対中外交の成否 発言は“素人”南シナ海は米中の代理対決』(12/14ZAKZAK 富坂聰)について
富坂氏の論調はいつも中国の肩を持つように感じます。中国から情報を取っているので、中国の言い分を日本人に広めないと、次から情報を貰えないからかも。彼の学歴は北京大学中文系留学(卒業したかは不明)ですから、中国要人とのコネがあるのかも知れません。彼らの見方を代弁しているような気がします。やはり、米国発の情報の方が信頼に足るのでは。
米・国務長官としてエクソンモービルのCEO、ティラーソン氏が指名されましたが、上院の承認(上下院とも共和党多数にも拘らず)を得るのが難しいとの報道です。ミット・ロムニーは大恥をかかされたことになり、益々議会工作が難しくなって、国務長官人事が宙に浮く形となるのでは。国務副長官候補のボルトンも議会承認が必要ですが、マケインとの関係が良いので承認されるのではないかと思っています。ランド・ポール上院議員は反対のようですが。ボルトンが国務副長官になれば、米国の対中・対台・対日政策も変わる可能性があります。そうなってほしいと願っています。
https://japanese.japan.usembassy.gov/j/info/tinfoj-bio-blinken.html
やはり、軍関係者は、中国問題について、オバマの無能が中国を増長させ、好き勝手やらせてきたという風に思っているのでしょう。「これからは、好き勝手はさせない」、オバマ外交の全否定をして行くのでは。ただロシアとの関係がどこまで深く入っていくのかが分かりません。日本の対ロも米国の対ロも中国包囲網の一環と言う範囲であれば問題ないと思うのですが。
古森記事

台湾・台北で行われた就任宣誓式の際に手を振る蔡英文新総統(2016年5月20日撮影)。(c)AFP/SAM YEH 〔AFPBB News〕
「一つの中国」に懐疑を唱える米国のドナルド・トランプ次期大統領の言動が米中関係に激震を招きそうな気配となってきた。
台湾の蔡英文総統との電話会談に始まったトランプ氏の米中間のタブーを破る動きは、当初は単なる思いつきともみられていた。だが、その後の展開によって、トランプ新政権が対中政策を根本的に変化させて強固な対決姿勢を打ち出そうとしていることが次第に明らかになってきた。
トランプ氏が12月2日に台湾の蔡英文総統と電話で語り合ったことは、ワシントンの政府関係者、外交関係者に大きな衝撃を与えた。1979年の米中国交樹立以来、両国関係の間では「一つの中国」の原則が保持されてきたからだ。
中国側の「台湾は中国の一部であり、中国を代表する唯一の合法政権は中華人民共和国である」という主張を米国も認識していた。だから、まだ大統領就任前とはいえ、米国の首脳が台湾の総統と直接言葉を交わしたことは前例がない。しかもトランプ氏はツイッターで蔡氏を「台湾の総統」と呼んだ。当然、中国側は「一つの中国」原則に違反すると解釈し、激しく反発した。中国政府はすぐに公式に抗議した。
米国でもオバマ政権は即座にトランプ氏のこの言動を批判し、「米国政府は『一つの中国』の大原則を尊重している」と言明した。トランプ陣営でもマイク・ペンス次期副大統領が「従来の外交政策からの逸脱ではない」と沈静化を図る説明をした。
ところがトランプ氏自身は、すぐにツイッターで「中国に命令されるいわれはない」と反発した。そのうえで「中国は、米国製品の輸入に高関税をかけたり、南シナ海で軍事基地をつくるとき、米国側の了解を得ただろうか」という疑問を提起した。中国が台湾総統との電話会談に抗議してくることが不当であると反撃したのである。
「なぜ『一つの中国』に縛られなければならないのか」
トランプ氏と台湾総統との電話会談について、当初、米国では、外交経験のないトランプ氏が米中関係の複雑な経緯や現実をよく知らないまま行動を起こしたのだろうという見方が一般的だった。
ところがトランプ氏は12月11日に、「米国はなぜ『一つの中国』策に縛られなければならないのか」という疑問を正面から表明した。
その結果、さらに大きな波紋が広がった。同氏は米国FOXテレビのインタビューで中国問題に触れ、「私は『一つの中国』政策を完全に理解している」と強調したうえで、「中国との間で貿易関係などでの合意が得られないならば、米国はなぜ『一つの中国』に縛られなければならないのか」と語った。
中国は貿易その他の摩擦懸案で米国の意向に反する行動を取り続ける。それならば、米国側も「一つの中国」政策を越えた対中対応があってもよいではないか、という指摘である。
中国政府は再度すぐに抗議の意を表明した。中国官営新聞の「環球時報」は「米中関係の基本を壊しうる危険な発言だ」として、トランプ発言を「子供っぽく、衝動的だ」と断じ、「トランプ氏は外交経験がないために対中強硬派の影響を受けやすい」と論評した。
トランプ陣営が明らかにするトランプ氏の本気度
だが、トランプ陣営の要人たちによるその後の説明によって、トランプ氏の一連の言動は、実は意外と深い計算や戦略に基づいている事実が明らかになってきた。
トランプ新政権は中国に対して、オバマ政権とはまったく異なる強固な姿勢をとり、米中関係の聖域とさえされてきた「一つの中国」の原則さえも打破しようとしている気配がうかがわれる。
トランプ陣営の枢要メンバーや同陣営に近い専門家たちは、ここ1週間ほどの間に、対中関係や台湾との関係、そして「一つの中国」策について、次のように発言した。
「トランプ氏は、民主的な選挙で選ばれた台湾の最高指導者からの儀礼的な電話に応えたに過ぎない。トランプ氏は大統領として全世界との関与を進めていく。その関与の仕方はあくまで米国が自主的に決める」(マイク・ペンス、次期副大統領)
「オバマ大統領は、多数の国民を殺したキューバの独裁者に接触してきた。一方、トランプ次期大統領は台湾の民主的指導者と接触しただけだ。新政権になって、中国に対する経済政策などは大幅に変わるだろう」(同)
「トランプ氏の台湾総統との電話会談は、トランプ新政権が新しい国際戦略を採用することを意味する。新政権が中国との関係を改善して、米国の労働者を守るようになることは明らかだ」(レインス・プリーバス、次期大統領首席補佐官)
「オバマ政権の台湾に対する扱いはあまりにひどかった。アジアの民主主義の灯台といえる台湾は米国からの武器供与を拒まれ、米国の同盟国やパートナーの間で軍事的に最も弱い存在となってしまった。トランプ新政権はこの状況を変えるだろう」(アレックス・グレイ、トランプ陣営防衛問題上級顧問)
「トランプ氏は中国側に『予測不可能』という認識を抱かせ始めた。台湾総統との電話会談はそうした対応の始まりであり、同時に実際の新対中政策の始まりだろう」(マイケル・ピルズベリー、ハドソン研究所中国研究部長)
「米国の歴代政権の『一つの中国』に基づく対中政策は、結果的に失敗だった。米国の国益は、経済面、政治面、安保面で中国に大きく傷つけられてきた。トランプ新政権が台湾との関係の復活をも含めて、まったく新しい対中政策をとろうとしていることは歓迎すべきだ」(ジョン・タシック、元国務省中国担当官)
以上のような発言から、トランプ新政権が中国に対して、年来の「一つの中国」原則を変えることまでを含めて大胆な新政策を打ち立てようとしている構図がかなり明確となってきたと言えるだろう。そうなると、日本への影響も重大となることは必至である。
富坂記事
トランプ次期米大統領は先ごろ、中国の経済・軍事政策をツイッターで批判した。 「中国が(米企業の競争が厳しくなる)通貨切り下げや、中国に入る米国製品への重い課税(米国は中国に課税していない)、南シナ海の真ん中での大規模な軍事複合施設の建設を、われわれに了解を求めてきただろうか。そうは思わない」 大統領選の期間中にもトランプ氏は中国をターゲットに過激な発言をしていたが、この時期の発信となれば中国が敏感に応じるのではないかと、関係悪化を懸念する声が世界に広がった。 中国の頭をアメリカが押さえつけてくれることを期待する日本だが、この発言にはさすがにもろ手を挙げて喜ぶ声は聞こえてこない。 それはアメリカがたとえ中国と衝突することになったにせよ、結果は必ずしも日本の国益とは結び付かないということを日本人はトランプ氏のこれまでの発言から学習しているからなのだろう。 トランプ外交の船出前の功罪を言うならば、これは「功」だ。日米の利害は、ことアジアにおいても必ずしも一致するわけではないことを、国際社会の非情さを忘れた日本人に痛感させる良い機会であったと思われるからだ。 例えば、「中国製品に45%の関税をかける」としたトランプ氏の発言だが、これは単純な米中摩擦ではないことは、中国がいま「世界の工場」と呼ばれている現実を見れば明らかである。 少し前の日中の貿易構造にこれを当てはめればどうなるだろうか。 日本は対中貿易の絶対的な勝者で、そこには中国がEUやアメリカに製品を輸出して黒字を積み上げれば積み上げるほど日本から部品を調達して対日赤字を積み上げる構造であった。 同じことは中国に工場を大量に移した国のすべてにも当てはめることができる。それは日本の輸出品の競争力が対ドルの円レートよりもウォンやバーツとの比較の方が重要になっていった変化にも重なるものだ。
話を経済から外交に戻せば、トランプ氏は当初から米国と諸外国との関係に「予測不能性」を持ち込む必要性を公言していたので、対米外交に変化が持ち込まれるとの警戒感は各国にあった。 だが、現状を見る限りトランプ外交の中身は、発言が具体的になればなるほど「素人外交」としての色彩が強まっているといわざるを得ない。 それがよく分かるのが冒頭の発言である。なかでも南シナ海に関するものがそうだ。 私は新著『トランプvs習近平』(角川書店)のなかで、南シナ海は単純にフィリピンやベトナムと中国の争いではなく、米中の代理対決が背後にあると指摘してきた。それに対し批判も多かったのだが、今回トランプ氏は自らそれを堂々と言ってしまっているのだ。 オバマ政権が巧みに隠していた実態をこうも簡単にさらしてしまうのは、素人であるからに違いない。だが、だからといってアメリカが中国にとって御しやすい相手になるかといえば、そうではない。むしろ逆になる可能性が出てきたといわざるを得ないだろう。
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『中国の若者は「君の名は。」のどこに共感するか 「金メダル」と「BL」と「村上春樹」と「孤独」と』(12/14日経ビジネスオンライン 福島香織)について
中国人社会は何時も言っていますように「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言うものです。福島氏がいみじくも言っていますように、中国は「人は騙し騙されるものだという前提の社会で、安易に共感しては身ぐるみをはがされてしまう。文化大革命時代などは、家族や夫婦の間ですら裏切りが普通にあった。人はまず疑え、というのが中国人が生きていく上で必要な感覚である。」というのが中国人を理解するうえで大事なポイントです。
岡田英弘氏の『妻も敵なり:中国人の本能と情念 』の中の「中国人・・・妻すら敵と考える民族。なぜ彼らは自分以外の人間を信用しないのか」という部分には<数千年もの間、あの広大な大陸に存在していたのはばらばらの 「個人」 のみ。住民にとって頼りになるのは自分だけ、自分を守ってくれるような国家も民族もなかったから、というのである。 「他人はすべて敵、油断をすればいつ寝首を掻かれるか分からないという考えが、中国人のメンタリティの中に牢固として根ざしている>とあり、一番自分の弱みを知っているのが妻だから、最大の敵は妻という発想です。不信社会もここに極まれりと言ったところでしょう。
文化大革命時には、親を密告・売った子供が沢山いました。紅衛兵を動員した毛沢東のせいです。判断力の劣る子供たちを使って権力闘争するのですから、毛のあくどさが分かろうというもの。二本松少年隊の健気さとは対極にあります。
経済格差が激しいものの、90年代辺りから中国は経済発展し、今や公称GDP世界第二位(米国:18037、中国:11182、日本:4124、ロシア:1320(世界12位、韓国の下)、中国のGDPの数字は信用できませんが)となりました。経済的に豊かになれば中国は民主化するとアホな米国人は思ってきたみたいですが、余りに中国人のことを知らなさ過ぎです。
中国人は自分達の政府が如何に嘘を吹きまくって来たか考えれば分かるでしょう。SARSや新幹線事故の時も隠蔽しようとして、人命を疎かにしようとしました。そんな政府の主張する「南京」や「従軍慰安婦」について、もっと真剣に調べれば良いでしょう。日本人も騙されてばかりいないように。
ただ、豊かになり、ある程度ネットで情報が取れるようになると、若者の考え方も変わっていく可能性はあります。
記事
北京にいく飛行機の中で、この秋の話題の映画「シン・ゴジラ」と「君の名は。」を遅ればせながら見た。「シン・ゴジラ」については、ノンフィクション作家の関岡英之さんから「すばらしい」と強く勧められていたので期待していたのだが、「君の名は。」については使い古されたテーマの焼き直しと軽くみていた。
結果からいうと「シン・ゴジラ」も面白かったが、「君の名は。」の方が印象深かった。陳腐な言い方だが癒しを感じた。アニメという絵の世界であることもあって、普段私たちが見ている東京の街並みや山村の日常がこれでもかというほど美しく、このささやかながら美しく愛おしい日常が突然奪われる喪失の深さに自然と思いをはせた。
実写では人や車で混雑した東京がここまで美しく描けるかわからない。「シン・ゴジラ」も「君の名は。」も東日本大震災が原点にあり、その喪失感を取り戻そうとする人の希望を描こうとした映画だとしたら、日本のこまった政治状況を揶揄することに前半重点をおいた「シン・ゴジラ」よりも、かけがえのない日常を美しく描くことに力を入れた「君の名は。」の方が「共感」力はあるだろう。
ところで、この日本人的「共感」というのは中国人に通じるのだろうか、とふと思った。おりしも、12月2日から中国で「君の名は。」が異例のスピードで公開され、歴代アニメ映画の中ではウォルトディズニーアニメーションスタジオが制作した3Dアニメ「ズートピア」や香港カンフー映画をモチーフにした米国の3DCGアニメ「カンフー・パンダ」あるいは日本の国民的アニメ「STAND BY MEドラえもん」に迫る勢いで興行収入を伸ばしているとニュースになっていた。
「99%あり得ない」格差の壁
そう思ったのは、中国人と日本人の共感ポイントは、実はかなりずれている、と常々感じていたからだ。「君の名は。」は大都会・東京のど真ん中で暮らす男子高校生と現代の秘境と呼ばれる飛騨の山村の女子高生の恋物語であるが、普通に考えて、中国の上海や北京戸籍の重点高校に通うような都会の少年と、四川や雲南の寒村に生まれ育った少女が偶然出会ったとして、恋に落ちる可能性があるだろうか。そもそも、言葉は通じるのか。リアルな視点でいえば、おそらく99%の中国人があり得ない、というだろう。中国人の社会階層における差別感は日本人が想像するより厳然としており、それを乗り越えるラブロマンスがなかなか成立しがたいほどに根深い。
思い出すのは中国の著名映画監督、張芸謀がかつて無名だったころの章子怡(チャン・ツィイー)を主演に撮った「初恋のきた道」という映画(1999年)。これは国際的には高く評価されベルリン国際映画祭で銀熊賞も獲得したのだが、中国では上映されても全く人気がでなかった。実際、中国の映画館で中国人と一緒にこの映画を見た人に聞くと、日本人には理解不能な場面で大爆笑するのだという。
例えば、田舎娘を演じる章子怡があこがれの都会から来た青年教師に会いたくて必死に走るも、道の真ん中ですてん、とこけるシーンとかで爆笑がおきるのだという。なぜ笑うのか、と聞くと、単純に必死で走る女の子のこける姿が面白いから、笑う。あるいは美人女優が小汚い田舎娘の扮装をしているのが面白いから笑うのだという。好きな人を思って必死に走る少女に感情移入する、ということは99年当時の映画館の大衆にはなかったようである。
感情移入できる人物が少ない
私のあまり多くはない中国小説読書体験からしても、中国の小説には日本人読者に共感を訴えるものは少ない。例えばノーベル賞文学賞を獲った莫言やフランツ・カフカ賞を獲った閻連科、彼らと並ぶ小説の名手・余華の作品は物語の壮大な構成力と実験的な文体筆致で読者を圧倒するが、登場人物の一人ひとりに素直に感情移入することは難しい。
登場人物はどこか尋常ではなく、こうした小説を読んで理解するのは中国社会の無情さや残酷さや不条理、奇怪さ、複雑さであり、あまり救いがなく、希望もなく、その中で生きてゆく中国人の強さというものに感慨を覚えても、それは共感とはちょっと違う。彼らの小説の読後は、カタルシスよりも、むしろ何とも言えぬ後味の悪さにとらわれることの方が多い。もちろん、彼らの作品にも情感の漂うものも多々あるのだが、中国人読者自身がそうした作品を小品と評価しがちである。
大衆小説にしても、素直に感情移入できる人物というのはなかなか少なくて、例えばテレビドラマにもなった六六のベストセラー小説『上海、かたつむりの家』(邦訳、プレジデント社)の登場人物にしても、中国の庶民小説の名手といわれる劉震雲の『盗みは人のためならず』(邦訳、彩流社)にしても、なるほどこれが中国人か、という描写にうならされるも、やはり感情移入はできないのである。
こういった話を、中国で発行されている日本テーマ雑誌「知日」の編集者に話してみると、彼女も同じ感想をもっていたようで「中国人はもともと他人に共感しにくいから」という。人は騙し騙されるものだという前提の社会で、安易に共感しては身ぐるみをはがされてしまう。文化大革命時代などは、家族や夫婦の間ですら裏切りが普通にあった。人はまず疑え、というのが中国人が生きていく上で必要な感覚である。
とりあえず「金メダル」
そのような社会で生きている若者たちが「君の名は。」のような物語に果たして、素直に共感できるのだろうか。この問いに編集者は「中国人は“金メダル”が好きなんだよ。日本で、記録的ヒットを飛ばしている映画だという前評判を聞いて、とりあえず見てみよう、という人が多いのではないか」ということだった。
確かに無意識の差別や偏見を戒める子供向け3D映画「ズートピア」が、差別や偏見がシステムとして存在し、多くの市民に肯定されている中国社会でアニメ映画として一番のヒット作品となるのは、話題作だから見てみよう、という「金メダル」志向の中国人の性格のせいだ、といわれるのが一番納得できる。
中国では、改めて説明するまでもなく、農村戸籍と都市戸籍の差別がシステムとして存在している。最近では納税額や投資額、犯罪や規則違反による加点減点によって、個人の社会信用度をスコア化して差別化するシステムも導入されはじめている。この新たな社会信用システムは2020年に完成される予定で、ブラックリスト入りした市民の名前をネットサイトで公開するといったことが既に一部都市で行われており、それを多くの市民は、中国人のモラルの低さはこのくらいしないと直らないと受け入れている。
中国人が「君の名は。」をどう見ているのか、確かめるために12月半ば、北京の西単にある映画館で中国語吹き替えバージョンを実際見て、中国人観客の反応を観察してみることにした。
公開からすでに一週間過ぎていたこともあり、また平日の昼間ということもあって館内は意外にガラガラだった。その少ない観客からは時折、笑い声が上がったが、クライマックスで私のように涙にくれているような人は見かけなかった。上映が終わってエンドロールが流れ始めると、みな余韻に浸ることもなくさっさと席を立って帰っていった。
足早に返ろうとする20歳代ぐらいのカップルに「面白かったですか?」と尋ねると、「面白かった! 日本に行きたくなりました!」と明快に答えてくれたが、泣けたか、というと泣くほどではなかった、という。この映画の感想などをSNSなどで拾ってみると、純粋に男女入れ替わりのドタバタが面白い、という喜劇的要素に反応する声が多かったように思う。次に、日本の風景が美しい、旅行にいってみたい、という反応が目についた。もちろん、時空も身分も超えた初恋という部分がいい、後半30分は泣いた、という声もあるのだが、私と同世代の友人などからは「これ、中国では成立しない物語だよね。都会の男子と地方の農村娘との恋愛なんてありえない」と冷静な意見もあった。
存在感示すライトノベルや「BL」
ただ、もう少しいろいろな世代の人に聞いていくと、80年代生まれ以降の若い世代とそれ以前の世代の間には、日本人と中国人以上に大きな感覚の差異がある、という意見もある。
「80后以降の若者は小さいころから、日本のアニメ、漫画、ドラマに慣れ親しんでいる。90后以降になるとインターネットでほぼリアルタイムで日本のアニメなどを視聴しているので、老世代にはなかった日本人とあまり変わらない恋愛観などは養われている」という人もいる。
そういう傾向が見えてきたのは、日本映画の「Love Letter」(1995年)の異例のヒットあたりからで、この映画以降、中国でも純愛をテーマにした映画や小説などの創作物は確かに増えていた。もっとも中国における純愛創作物モデルは、長い間途絶えていたので、90年代後半から今に至るまで、映画からネット小説にいたる若者の純愛もの創作物の多くは日本の小説や映画や漫画、アニメの影響を感じる。
典型的なのは中国ネット小説界で存在感を示すライトノベルやBL(ボーイズラブ)と呼ばれる青少年同士の恋愛もので、これは明らかに日本のライトノベルや同人誌の創作作法を踏襲している。BLに関していえば、中国の伝統的家族観や共産党的価値観によって虐げられている同性愛を障害を乗り越えて成立する純愛もの、あるいは成立しない悲恋ものとして、むしろ日本よりも感動的な作品が多いくらいだ。中国人にとっては、戸籍や生活レベルの差異を乗り越えた都会っ子と農村少女の恋愛よりも、同じ大学で同室になった同性の学友との恋愛の方が条件的に成立しやすく、共感を呼びやすいのかもしれない。
話を「君の名は。」に戻すと、村上春樹的である、という意見もあった(監督の新海誠自身が村上春樹が好きだとインタビューに答えているようだ)。
百度百家というサイトに寄稿されていたあるコラムは村上春樹の短編小説『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』や『ノルウェイの森』『ダンス・ダンス・ダンス』に通じる共感点について深く考察している。
新人類たちの「孤独」を癒す
いうまでもなく村上春樹は中国の外国翻訳小説の中で異例のロングセラーを誇る日本人作家である。彼の小説が中国で受ける理由の解釈は、天安門事件後の喪失感、傷心に対する癒しを求める若者層に受けた、高度経済成長で形成されたおしゃれな都市生活へのあこがれを体現している、といったものが主流だが、それに加えて最近は、小説に流れる孤独感が、80后以降の孤独感と共通する、と言われている。
このコラムでも次のような指摘がある。
「(「君の名は。」の)細かい描写、情景は実に観客を知らず知らずに現実から超現実に催眠術のように引き入れる寓意的物語である。作品の現実性というのはリアリズムと同じではない。しばしば相反し、細部がリアルであるほど、観衆は寓話的超現実を信じ込める。そうして物欲世界を異化した背後にあるのが、いわくいいがたい現代人の孤独感である」「村上春樹のファンである新海誠監督もまた、繁栄した都会の中の孤独の情緒を描くのに優れている」
「孤独」は、今、中国の若者がもっとも反応する情緒的キーワードの一つだ、と言われる。かつて一人で食事をすることなど考えられなかった中国人の生活だが、今は一人用の食事を提供する中華料理店やチャイニーズファストフードが増え、若者が一人で食事をする風景が普通にある。一人っ子政策時代の若者には兄弟姉妹がなく、厳しい受験競争の学生時代では恋愛どころか友情を築くのもままならない。そんな若者が社会に出れば、コミュニケーションの仕方すらわからない。農村から都市に出稼ぎにきた若者は、誰にも心を開けずに単調な労働にあけくれ、疲弊する。そういう寂しい中国の若者にとって、どこか遠いところに、時空を越えて運命的につながっている名も知らぬ異性がいるのだ、という物語には癒しを感じるのは当然かもしれない。
そう考えると、この広い中国には、中国人同士で信じあえず、疑いあう一方で、日本の創作物のほうにむしろ共感を覚える若者は、少数ながらも徐々に増えているともいえるかもしれない。中国社会はますます、人を信用しないことを前提とした密告システム、ブラックリストシステム、差別化システムを導入し、まるで『1984年』(ジョージ・オーウェル著)のビッグブラザーに監視された社会を彷彿とさせる。そうした中国の厳しい社会になじめない若者たちは、今後どうなっていくのか。淘汰されるのか、それとも中国を少しずつでも変えていく力になっていくのか。
私の考えをいえば、より多くの日本の創作物がそうした中国の”新人類“たちに届けば、多少なりとも彼らを力づけるエールになるのではないかと思っている。
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『なぜ中国のスーパーから淡水魚が突然消えたのか 「禁止薬物検査」告知で浮かび上がった活魚売場の闇』(12/9日経ビジネスオンライン 北村豊)について
下の写真は小生が中国駐在時代に好きでした清蒸桂魚(ケツギョは、スズキ目に分類される魚類)です。非常においしかったです。清蒸の料理方法はおいしくさすが広東料理と言う所です。石斑魚(ハタ)、鲈鱼(スズキ)、黄鱼(イシモチ)とかも清蒸の方が紅焼よりおいしく感じました。

でも共産党政府は賄賂を取るために、平気で法の運用を停止してしまうというのが本記事です。中国国民は政府の言うこと、やることを信じないのは、いつでも誰でも騙すのが当たり前の社会ですから。不信の塊でしょう。でも、誰も騙すのを止めないです。自分だけ「清く、正しく、美しく」生きようとしたら、簡単に殺されるでしょうから。中国人も本音の部分では「南京虐殺」も「従軍慰安婦」もなかったと思っているかもしれません。大嘘つきの共産党政府の発表することですから。でも脅せば日本は認めて金をすぐ出すから、道徳的にも有利になり、世界に日本人は劣った民族と印象付けることができて一石二鳥です。「南京虐殺館」の建設費用は旧社会党が出したとのこと。やはり左翼は徹底して選挙で落とさなければなりません。
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-6478.html
日本に持ち込まれる中国産鰻もマラカイトグリーンに当然汚染されていますので、買わない方が良いでしょう。小生、中国勤務時代から、その話は聞いていましたので。中国製品は使う人のことなどこれっぽっちも考えないで作られています。食品だけでなく、衣料や玩具まで。華威(フアーウエイ)のスマホにはバックドアが仕掛けられていて、情報が中国に送られると言うので、米政府では役人の使用を禁止しました。中国産を使うことは人体に安全でないだけでなく、彼らを富ませ、彼らの軍拡に寄与するという事を念頭に置いて行動してほしいです。
<Cisco互換のぱちもんルーターやルーターモジュールを突如颯爽と発表してその低価格を武器に北米に乗り込んだ
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米軍、国防総省などでもHuawei製品を導入
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不可解なトラフィックやデータ参照が多発
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調べてみるとHuaweiの製品にバックドアがあった
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米軍、国防総省Huawei禁止令、撤去命令出す
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米国連邦政府Huawei購入、使用禁止令をだす
輝かしい実績の持ち主な会社です。>(以上)
記事
2016年11月19日、“北京物資学院”と“中国商業法研究会”が共同で主催する「第11回中国経済・法律フォーラムおよび市場流通法制フォーラム」が、北京市“通州区”にある北京物資学院で開催された。このフォーラムで中国の環境汚染に関する講演を行った“首都経済貿易大学”法学部教授の“高桂林”は、中国が直面する土壌汚染について次のように語った。
毒の環境と毒の米と
【1】中国は世界の9%にも満たない耕地面積で、世界人口の22%以上の人口を養っているというのに、環境問題が絶え間なく出現し、土地面積は絶えず減少している。大多数の農村地区や貧困地区では、その食物は主として地元政府からの配給に頼っている。但し、統計によれば、中国では2015年の食糧不足が3000万トンにも達したのに、土壌の重金属汚染を受けた食糧が毎年1200万トンに上り、その損失額は毎年200億元(約3300億円)に及んでいる。
【2】2014年に発生した湖南省の“鎘米(カドミウム汚染米)”事件<注1>の例を見れば分かるように、現在中国が直面している土壌汚染の問題は、従来から言われている環境汚染や生態破壊といった問題だけでなく、土壌汚染に起因する食品の安全に関わる事故が大衆の健康に危害をおよぼしていることに直接的かつ具体的に反映されている。土壌汚染とは、重金属、農薬、抗生物質や持久性の有毒有機物などの汚染物質が土壌に入り、土壌の自浄能力を上回って、土壌の物理的、化学的、生物的な性質を改変させ、農産物の生産量や品質を低下させて、人体の健康に危害をもたらす現象を指す。
<注1>湖南省のカドミウム汚染米事件は2013年に発生し、翌2014年に改めて問題が発生した。2013年の事件については、2013年5月30日付の本リポート「広東省の人々を不安に陥れたカドミウム汚染米」参照。
【3】土壌汚染は潜伏性と持久性という特徴を持ち、汚染物質が一旦土壌に入ると、土壌の中で数世紀にわたってその属性を持続し、主として皮膚接触、汚染された水、汚染された農作物の3ルートを経て人体に入り、人体細胞に病変を発生させる。土壌汚染の特徴は、これと同時に食品の安全に関わる問題の防止に困難をもたらしている。土壌と大気、水などの自然資源が相互に作用して、汚染速度や範囲を激化させ、汚染処理時にその難度とコストを増加させる。例えば、ごみ埋め立て場が作り出した土壌汚染は雨水を通じて地面に浸透して地下水を汚染し、汚染された地下水は河川へ流入したり、灌漑を通じて灌漑地区の土壌を汚染させる。
香港紙「東方日報」が2015年4月1日に報じた中国の土壌汚染に関する記事には以下の記述があった。
(1)湖南省は、古くから中国の米の主産地として知られ、“九州糧倉(中国の食糧倉庫)”<注2>と呼ばれていたが、今なお米の生産量は全国生産量の約60%を占めている。しかし、湖南省は非鉄金属の生産量が国内最高レベルの省の一つであることから、近年行われている非鉄金属の大規模な無秩序開発により土壌の重金属汚染が深刻化し、一部の米サンプルのカドミウム含有量は国家基準を21倍も上回っている。重金属が土壌に蓄積されると、土壌から放出されるまでには最短でも10年、長ければ100年が必要になる。
<注2>“九州”とは「中国全土」を指す。古来、中国は九つの州に分けられていたことに由来する。
(2)あるネットユーザーは、中国政府は口では「人権の第一要素は生存権だ」と言うが、もし庶民の「食べる」、「飲む」、「呼吸する」という基本的な生存活動すらも脅かされるなら、「人権はどこにあるのか」とインターネットの掲示板に書き込んだ。これを受けて、ある環境保護に関わる人物は次のように述べた。すなわち、“毒大米(毒の米=カドミウム汚染米)”だけでなく、中国の庶民が吸っているのは毒の空気であり、飲んでいるのは毒の水で、庶民は毎日24時間常に毒の環境の中に身を置いており、空気から土壌、さらには水まで汚染され、食道がんや肺がんを引き起こし、中国は総合的な汚染を形成している。
こうして見ると、中国の環境汚染は極めて深刻な状況にあり、土壌汚染によって米を含む食糧や野菜、果物などの食品類は安全性に問題があり、人体の健康に危害をもたらす危険性が高いということが言える。しかし、問題はそれだけにとどまらないのだ。
中国政府“国家食品薬品監督管理総局”(以下「国家食薬総局」)は、11月3日付で『経営面に重点を置いた水産物の特別検査を展開する通知』を同総局のウェブサイトに掲載した。この通知は“食品安全監督管理二司(食品安全監督管理二局)”が、北京市、遼寧省、河北省、山東省、上海市など12の省・市政府の食品薬品監督管理局に宛てたもので、11月から12月にかけて、北京市、瀋陽市(遼寧省)、石家荘市(河北省)、済南市(山東省)、上海市など12の大中都市で、水産物の品質安全およびその経営面における禁止薬物の違法使用に対する重点検査の実施を通知したものだった。
通知を合図に水槽が空に
国家食薬総局のウェブサイトにはこの種の通知が多数掲載されているし、同ウェブサイトは関係者以外で見ている人は少ないので、同通知は一般には知られていなかった。ところが、同通知の掲載から2週間が過ぎた11月17日頃から、北京市内で不思議な現象が出現し始めた。それは北京市内にある“物美(wu mart)”、“京客隆”、“超市発”など、多数の大型スーパーマーケット(以下「大型スーパー」)の“活魚(生きた魚)”売場から次々と淡水魚が消えたのである。活魚は一般に透明な水槽に入れられて販売されているが、その水槽の中に淡水魚は影も形もなかった。この現象は北京市のみならず、済南市でも見られた由で、済南市内の大型スーパー5軒で活魚売場の水槽から淡水魚が姿を消したと報じられた。
中国の海鮮レストランなどでは、水槽の中で泳いでいる魚を客自身が選んだり、店側が選んだ魚を客に見せて了解を取り付けた後に、その魚を調理して客に提供するのが通例である。近年では中国人も海水魚を大量に食べるようになったが、魚が生きていて新鮮であることを確認できる活魚では、何と言っても河や湖に生息する淡水魚が主流であり、今ではその多くを養殖に頼っているとは言え、淡水魚の人気は高い。従い、魚料理が好きな人は活魚の淡水魚を店から買って帰り、自宅で調理して食べる。活魚は“清蒸(調味料を使わずに蒸籠で蒸すこと)”するのが一般的であり、魚が蒸し上がったら千切りにしたネギを乗せ、加熱した油と醤油をさっとかけて食べるのだが、これが非常においしい。
淡水魚には、養殖が容易な“黒魚(ライギョ)”、“鯽魚(フナ)”、“鯰魚(ナマズ)”、“青魚(アオウオ)”、“鯉魚(コイ)”、“草魚(ソウギョ)などと、養殖が難しい“鱅魚(コクレン)”、“鰱魚(ハクレン)”、“鱸魚(スズキ)”<注3>などがあるが、代表的な料理魚として“四大家魚(四大料理魚)”と呼ばれているのは、アオウオ、ソウギョ、コクレン、ハクレンである。
<注3>“鱸魚(スズキ)”は海水魚だが、夏季には河川に入り、淡水魚になる。
さて、活魚売場から淡水魚が消えたことは消費者を驚かせて話題となり、多数のメディアが大型スーパーを取材したが、活魚売場の水槽は空っぽで、淡水魚の姿はそこになかった。これが報じられると、北京市では地元の水域で水質汚染が発生したことに起因するのではないかとの流言飛語が飛び交い、消費者に動揺が広がった。これを知った“北京市食品薬品監督管理局”(以下「北京市食薬局」)は、「北京市の水域に汚染はなく、水産物の合格率は9割に達している」と発表してデマを打ち消そうとしたが、消費者は誰も信じようとしなかった。
11月23日に雑誌「財経」のウェブサイト“財経網(ネット)”が、国家食薬総局から得た情報として、上述した12の大中都市において水産物関連の重点検査を実施する旨の通知が出されていること、国家食薬総局の“食品安全監督管理二司”が北京市内の市場で抜き取り検査の実施を予定しており、その抜き取り検査は家畜・家禽・水産物に対する抗生物質や禁止化合物の使用取り締まり活動の一環であることを報じた。この結果、活魚売場から淡水魚が消えたのは大型スーパーが取り締まりを警戒してのものであることが明らかになった。北京食薬局が言明している通り、北京市水域で産出された水産物の合格率が9割に達しているなら、北京市内の市場で抜き取り検査を行う必要があるのか、また、大型スーパーはどうして淡水魚を活魚売場から撤去したのか。それは北京市内の大型スーパーが販売する活魚の淡水魚には問題があるということなのか。北京の消費者の不信感は募るばかりであった。
原因はマラカイト・グリーン?
ところが、北京市では11月25日になると大型スーパーの活魚売場に淡水魚が突然復活したのだった。一度は活魚売場から姿を消した淡水魚が数日から1週間後に再度姿を現したのはなぜだったのか。消費者には何の説明もなく、その理由は不明のままだったが、唯一明白なことは、国家食薬総局が北京市内の活魚市場で抜き取り検査を行おうとしたのに対して、北京市食薬局は水産物の合格率は9割に達していると防御線を張っており、両者の立場は相対立していることである。
かつて商売をやっていたという北京市民は、メディアのインタビューに答えて、次のように述べた。すわなち、彼は過去に北京市内の多数の市場で商売を行ったが、どこの検査部門も“好処費(賄賂)”を取り、政府の検査があるようなら事前に商人へ連絡する。また、“北京市衛生監督所”は無作為に抜き取り検査するのではなく、全て商人が事前に準備した物を検査していたに過ぎなかった。今回、大型スーパーが活魚の淡水魚を水槽から撤収したのは、北京市食薬局の局員から事前連絡を受けたことによるものだと思われる。市場に需要があれば、カネを儲けたくない商人はいないはずであり、今の様に養殖技術が進み、交通・輸送条件が相当に良くなり、活魚が四季を通じて供給されるというのに、消費者が活魚を購入したくても買えないというのは異常としか言いようがない。
今回、活魚売場から淡水魚が消えた理由は何だったのか。この疑問に対する政府側の説明は一切無かったが、多数のメディアは今回の騒動の原因となったのは“孔雀石緑(マラカイト・グリーン)”の濫用と関係あるのではないかという疑念を報じた。マラカイト・グリーンは青緑色の塩基性有機色素で、着色力が強くて安価な染料として使われると同時に、殺菌消毒作用を持つことから真菌、細菌、寄生虫の殺菌・殺虫剤としても使われる。
カナダ、アメリカなどが禁止した後も
20年以上前には、マラカイト・グリーンは多くの国々で使用され、魚や魚卵の水カビ病に有効であるだけでなく、魚の鰓腐れ病(エラぐされびょう)や旋毛虫症(せんもうちゅうしょう)などにも効果があることから重宝された。だが、1990年代になるとマラカイト・グリーンに強い毒性や残留性があり、がんや奇形、突然変異などの副作用を引き起こすことが確認され、1992年にカナダがマラカイト・グリーンを魚の殺菌剤として使用することを禁止し、1993年には米国のFDA(食品医薬品局)が食用水産物からマラカイト・グリーンが検出されてはならないと規定した。
ところが、中国ではその1993年にマラカイト・グリーンが国内へ導入され、効果が強く、手軽で便利で安価な水産物用殺菌剤として、瞬く間に水産養殖業者の必需品になった。その後、中国でもマラカイト・グリーン使用による弊害が多数確認されるようになり、2002年に中国政府はマラカイト・グリーンを食品使用禁止薬物に指定した。しかし、たとえ政府が禁止しようとも、利益優先の商人たちは相変わらず秘密裏にマラカイト・グリーンを使用し続けて今日に至っている。
中国人は活魚を好むため、魚が活発に飛び跳ねれば跳ねるほど、魚が新鮮だと考える傾向にあるが、養殖で育てられた魚に活発に飛び跳ねることを期待するのは困難であり、一部の活魚は数日かけて省を跨いで運ばれて来るので、市場へ到着した頃には疲れ果てて、飛び跳ねることなど不可能な状態になっている。これでは売り物にならないので、そこで登場するのがマラカイト・グリーンなのである。疲労困憊の魚たちがいる水にマラカイト・グリーンを少量加えれば、あら不思議、息も絶え絶えだった魚たちがたちまち“生龍活虎(元気はつらつ)”に変化するのだ。
しかも、マラカイト・グリーンは購入に何の手続きも必要なく、ネット通販の卸売りで500gの袋入りが20元(約330円)前後と非常に安い<注4>。さらに、マラカイト・グリーンを水に添加した活魚は添加しない活魚に比べて口当たりが良いのだという。但し、水槽にマラカイト・グリーンを投入するのは輸送業者なのか、あるいは運送業者から魚を受け取った後の商人なのかは分からない。
<注4>販売業者の注意書きには、工業用途に限定し、食品・飼料の加工に用いることは厳禁で、これに従わない場合は自己責任と明記されている。
メディアの記者が天津市“溏沽(タングー)区”にある魚養殖場を訪ねたところ、そこの経営者は自分が養殖した魚は恐くて食べたことがないと言い放ち、「養殖池に薬を使わなきゃ、魚は全て死んでしまう」と述べたという。また、天津市にある魚養殖場の周辺には多数の薬瓶が散乱していたと報じている。
中国では全国各地の魚市場で活魚からマラカイト・グリーンが検出されたという新聞報道が散見される。2002年に食品使用禁止止薬物に指定されているにもかかわらず、マラカイト・グリーンは依然として密かに使用されているのが現状である。2016年11月7日に北京食薬局が発表した『2016年国家食薬総局食品安全監督抜き取り検査状況に関する公告(第12期)』には、7~8月に北京市内にある多数の大型スーパーで売られていた活魚に安全基準を超えるマラカイト・グリーン、カドミウム、動物用の抗菌剤である「エンロフロキサシン」が検出されたことが明記されていた。
魚汚染も人災
11月25日以降、北京市内にある大型スーパーの活魚売場が淡水魚の販売を再開したのは、マラカイト・グリーンを含む禁止薬物の使用を停止して、国家食薬総局による突然の抜き取り検査への対処が終わったからと考えられる。それにしても魚養殖場の経営者が絶対に口にしないと断言する魚を食べさせられる消費者は良い面の皮だし、賄賂の見返りに禁止薬物を使う業者に対して抜き取り検査の情報を事前に流す役人の腐った根性には呆れて物が言えない。
中国に行くと“水煮魚(魚を唐辛子と花椒を加えた油で煮る四川料理)”、上述した“清蒸魚”、“紅焼魚(魚を醤油で煮る料理)などの美味しい魚料理を食べるのが楽しみだが、マラカイト・グリーンに代表される禁止薬物に汚染された魚だけは遠慮したいものである。土壌汚染も人災ならば、魚汚染も人災である。中国の庶民は一体何を食べれば安全なのかと疑心暗鬼に陥っている。中国政府が早急に抜本的な改革に取り組まないと、国民の健康はさらに蝕まれ、取り返しのつかないことになりかねない。
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『「日本を殺せ」が米国で大ヒット、東京だった次の原爆 オライリーが描く「逆説の日米戦争」、歴代大統領・大量殺戮の言い訳 』(12/8JBプレス 高濱賛)について
12/12日経夕刊<トランプ氏「一つの中国に縛られず」 中国の反発必至
【ワシントン=吉野直也】トランプ次期米大統領は11日放送のFOXテレビの番組で、米国が台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」という従来の政策を維持していくかは、中国の対応次第だとの考えを表明した。相手を揺さぶりながら交渉を優位に運ぼうとするトランプ流の発言とみられるが、中国の反発は必至だ。

FOXテレビのインタビューを受けるトランプ氏(10日、ニューヨーク)=AP
トランプ氏は同番組で「私は完全に『一つの中国』政策を理解している」と力説。一方で「貿易関係などで(中国と)合意を得られなければ、なぜ『一つの中国』政策に縛られないといけないのか」と言明した。「一つの中国」政策を維持するかどうかを見極める具体的な政策として中国の通貨政策や、南シナ海での海洋進出、北朝鮮の問題での対処を挙げた。
「一つの中国」政策を維持する中で断交を続けていた米台だが、

トランプ氏は2日に台湾の蔡英文総統と電話で協議。米次期大統領と台湾の総統とのやり取りは1979年の断交以来、初めて明らかになった。ペンス次期米副大統領はこれに関して「米国の中台政策に変更はない」と述べ、「一つの中国」政策を維持する方針を示していた。
トランプ氏は次期駐中国米大使に、親中派とされる中西部アイオワ州のテリー・ブランスタド知事を指名した。85年に農業視察団員として同州を訪れた習近平国家主席の「旧友」といわれ、トランプ氏は声明で「中国指導部と相互に有益な関係を築ける」と表明。中国に対しては硬軟両面の姿勢をみせていた。
中国は台湾問題を譲歩できない「核心的利益」と位置づけている。2日の蔡総統との電話協議についてトランプ陣営に抗議したばかり。中国外務省は「台湾問題は米中関係のなかで常に最も重要で、最も敏感な問題だ」と強調し、台湾問題を適切に扱うよう求めていただけに衝撃は大きい。
中国外務省はトランプ氏の出方を見極めるため、正式就任前の言動には抑制的に反応する方針を示している。ただ、外交関係者の中にはトランプ氏の外交政策への不信感が徐々に高まっている。共産党機関紙の人民日報系の「環球時報」(電子版)は「トランプ氏は外交経験がないため強硬派の影響を受けやすい」と警戒感を示した。
トランプ氏は11日放送のテレビ番組で蔡氏との電話協議を「聞かされたのは1、2時間前だ。会話は短時間で、お祝いを受けた。電話を取らないのは失礼」と説明。米中央情報局(CIA)が大統領選でロシアの介入があったと結論づけたとの米メディアの報道には、「ばかげている」と一蹴した。>(以上)
同じく<日韓通貨協定、交渉越年か 韓国経済副首相が示唆
【ソウル=山田健一】韓国の柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相兼企画財政相は11日、金融危機の際に現地通貨を相互に融通し合う「通貨スワップ協定」の再締結に向けた交渉について「引き続き努力しているが、遅れそうだ」と述べ、年内の再締結は難しいとの認識を示唆した。企画財務省が明らかにした。
柳経済副首相は「弾劾案が可決されて以降も、これまでの基本線を一貫して維持する計画だ」と、通貨スワップ協定を含む政策方針に変更がないことを強調した。だが、弾劾案可決で朴氏が職務停止になり、交渉の遅れは避けられない見通し。
日韓両政府は8月の財務対話で、協定の再締結について議論を開始することで合意した。協定は外交関係の悪化で昨年2月に打ち切られた。>(以上)
韓国は慰安婦合意すら守れないのに新たなおねだりをしてくるところが、異常性格と言うか、頭の構造が違う人たちでしょう。まあ、自分達のシナリオ通りに運ばせるためにわざとソウルで発表したか、「こちらが頼んでもやってくれない日本が悪い」と自己弁護するための予防線を張っているのかも。麻生財務相が12/2「誰が話を決めるのか全然分からないので、交渉のしようがない」と述べたとのこと。相手に期待を持たせる必要はありません。さっさと断った方が良いです。戦後レジュームそのものです。韓国は甘やかすとつけあがる民族です。福島の仏像等の破壊を見ても、韓国人は乱暴な人達なのだから、ノービザでは日本に入れないようにすべきでしょう。
高濱氏の記事を読むと、米国人は間違って歴史を教えられているというのが分かります。そもそも、米国人が中国の門戸開放を要求した満洲は漢民族の土地ではなかったし、自分達がハワイ王国を統合したことは棚に上げて要求すべき話ではなかったでしょう。排日移民法案、ABCD包囲網(対日資産凍結や対日石油禁輸)、ハルノートの存在について多分教えられていないのでしょう。普通に考えれば、攻撃を受けるには原因と言うものがある訳ですから。マックス・フォン・シューラー・小林の本によれば、彼の父親に「日本軍によるパールハーバー攻撃を米政府は知っていて、囮にした」と言うと殴られたとありました。「そんな水兵をむざむざ殺すようなことはできないだろう」との思いからでしょう。今や米政府による日本の暗号解読は定説になっている気がします。歴史を正しく解釈するには思い込みでなく、実証的に見て行きませんと。多くの日本人にも当てはまります。いつまでもGHQの洗脳工作に染まったままで良いはずがありません。
http://dwellerinkashiwa.net/?p=2148
トランプは「一中政策」を見直すことをほのめかしています。当然でしょう。自由を建国の理念とする国が、自由のない国・中国に味方してどうするのですか。台湾は自由主義国です。南シナ海問題で中国は、此処まで来ると解放軍の面子もあり、撤退できないでしょう。滿洲事変と同じです。高いバーを中国に要求して、台湾を中国の頸城から放すように持っていければ良いのでは。その上で南シナ海は中国封じ込めの海にすれば良いと思います。国務副長官候補としてボルトンの名前が挙がっていますが、対中強硬派ですから適任でしょう。
記事

米首都ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館で展示されるエノラ・ゲイ〔AFPBB News〕
「パールハーバー」75年目の風景
今年もまた真珠湾攻撃記念の日を迎えた。あれから75年目だ。米各紙はこぞって「リメンバー・パールハーバー」ものを扱っている。
カリフォルニア大学バークレイの歴史学者は筆者にこう指摘している。
「米国民が真珠湾を忘れようとしない理由は2つ。1つは強力な軍事力を持っていても敵はどこから攻撃してくるか、決して油断してはならない、という教訓。いま1つは広島・長崎原爆投下を正当化するための、攻撃してきたから完膚なきまでに日本を打ちのめしたのだ、という言い訳だ」
今年はバラク・オバマ大統領の広島訪問がついに実現した。現職米大統領の訪問はこれが初めてである。加害者としての「謝罪」はなかった。「謝罪」を巡って米国内では反対論が強かったことを配慮してのことだった。
が、「非核」への大統領の祈りの行間には無言の「謝罪」と「反省」の念がにじみ出ていた。少なくとも日本国民の大半はそう受けとめ、オバマ大統領の広島演説を高く評価した。
その後大統領に当選したドナルド・トランプ氏も「謝罪をしないのならオバマ演説は問題ない」と不問に付した。オバマ大統領の勇断は「レガシー」として残るだろうが、トランプ政権でこれ以上前進することはまずないだろう。
ベストセラー「Killing」シリーズに「大日本帝国」が登場

今、米国で「Killing the Rising Sun」(昇る太陽を殺す)というおどろおどろしいタイトルの本が売れている。
「ライジング・サン」とは、日本のこと。
著者は当初ずばり「Killing Japan」(日本を殺す)というタイトルを考えていたという。ストレートすぎて批判を招くとの危惧からタイトルを変更したらしい。
著者は、テレビに著書に大活躍の保守派ジャーナリストのビル・オライリー氏(67)だ。近年「Killing」シリーズを手がけ、本書はその6冊目だ。
これまでに「Killing Abraham Linclon」(エイブラハム・リンカーン第16代大統領の暗殺)を皮切りにジョンF・ケネディ第35代大統領の暗殺、イエス・キリストの処刑、ジョージ・パットン将軍の謎の死、ロナルド・レーガン第40代大統領の暗殺未遂などをテーマにしている。
トランプ当選でますます輝く「フォックス・ニュースの顔」
オライリー氏は、司会者を務めるフォックス・チャンネルのニュース解説番組「ジ・オライリー・ファクター」では歯に衣着せぬ辛口コメントを売り物にしている、今一番脂の乗り切ったジャーナリスト。
自らの政治的、社会的スタンスは、米中産階級の「良識」に基づくとしている。法を遵守し、犯罪を憎み、家族や隣人を大切にし、キリスト教を重んずる、「古き良きアメリカ」こそが自分のよって立つ拠り所だと言い切っている。
その意味では、まさに大統領選でドナルド・トランプ氏を大統領に押し上げた「白人中産階級」の代弁者と言える。保守主義者だが、過激な超保守派とは一線を画している。
ニューヨーク生まれ。カトリック教徒。マリスト大学を卒業後、2年間高校で英語を教えたのち、ボストン大学大学院(BU)でジャーナリズム修士を取得。地方紙記者やラジオ・テレビ局で22年間働いたのち、95年ハーバード大学行政学大学院で行政学修士を取得している。
ジャーナリストとして働く傍ら、近代史の研究を続けており、自宅には数千冊の蔵書があるとも言われている。これまで著した著書は23冊。「Killing」シリーズは毎回100万部は売れているという。
真珠湾攻撃に始まり、原爆投下で終わる日米戦争。そのストーリーを米国人が描いた歴史書では、MIT(マサチューセッツ工科大学)のジョン・ダワー博士の「War without Mercy」(容赦なき戦争、1986年)や「Embracing Defeat: Japan in the Wake of World War II」(敗北を抱きしめて、1999年)の右に出る本はないだろう。
それに挑戦しようというのだからオライリー氏も大変な自信家だ。「Killing」シリーズでは事実関係を調査するためにフリーランサーのマーティン・ドゥガード氏(55)をリサーチャーに雇っている。シリーズはすべて同氏との共著になっている。
日米戦争に詳しい専門家の中には本書にはかなり事実関係の誤認や史実に誤りがあると指摘する者もいる。
だが、それでもなおかつ、本書が売れに売れている理由は、本書が「白人中産階級」の視点に立ち、平易な文章で、人物中心に太平洋戦争を描いている点にありそうだ。それは、トランプ次期大統領の視点に近い、と指摘する向きもある。
長崎の次は東京を標的に考えていたトルーマン
本書を読み解くうちにこれまで見落としていた「新事実」に出くわす。
米英ソの三国は1945年7月、ベルリン郊外でポツダム会談を行う。米国は対日政策を英国に提案し、中国を加えた3国の名で、戦後勝利方針と日本軍隊の無条件降伏を観測するポツダム宣言を発表した。
日本政府が対応に苦しんでいる間に、米国は8月6日広島に、次いで9日長崎に原子爆弾を投下した。8月8日、ソ連は日ソ中立条約を無視して宣戦布告し、満州・朝鮮に侵入した。
日本政府が御前会議で、昭和天皇の裁断によりポツダム宣言を受諾し、連合国側に通告したのは14日。長崎原爆投下から5日。
8月9日午前10時46分。トルーマン大統領はヘンリー・スチムソン国防長官、レスリー・グローブ将軍ら側近と今後の対応を協議していた。
「大統領は長崎への原子爆弾投下が成功したことを知らされていた。日本は台風シーズンに突入、さらに原爆投下を続行するとすれば遅延が予想された。大統領は天候が回復すればできるだけ早期に第3弾を投下すべきかどうか決断を下さねばならない。その標的は東京だった」
もう少し無条件降伏が遅れれば、原子爆弾を東京に落とされていたのだ。
「広島同様、長崎でも多くの非戦闘の民間人が死傷している。大統領は日本国民を抹殺することは望んでいなかった。しかし日本軍部はこれだけの損害にもかかわらず、降伏しようとはしていない」
「日本政府指導者はその強情さのために日本国民の犠牲など全く考えていなかった。大統領と親しいリチャード・ラッセル上院議員は『(原爆を使用したのは)できるだけ多くの米兵の命を守るだけでなく、日本人の女子供に対する人道的な感情があったからだ』としたためていた」
原爆投下を正当化するため、その後トルーマン大統領からは何度か説明が繰り返された。だが、そのトーンはこの時点から終始一貫していた。
日本本土に上陸することで戦闘が泥沼化し、多くの米兵の命が失われかねないこと。と同時に日本の一般市民を巻き込み、多くの日本人の生命が奪われる。それを避けるために原爆を落とし、無条件降伏させたのだという理屈だ。それは今も半数近くの米国民が信じて疑わない。
カーター、ブッシュ父子はトルーマンの決断を支持
原爆投下を命じたトルーマン大統領の決断は正しかったのか――。
世論調査では、54年前、正当化していた米国民は63%だった。それが15年には56%に減少している。今では米国民のうち34%が正当化しない(残り10%とは無回答か、分からない)と答えている。
54年の間に正当化すると答えた米国民は7パーセントポイント減っているが、まだ半数以上は正当化しているのだ。
別の世論調査では、トルーマン大統領の決断を「支持する」とした米国民は1945年には85%だった。それが69年後の2005年には57%になっている。
著者のオライリー氏は執筆段階で歴代大統領に書面でトルーマン大統領の決断について賛否を問うている。回答したのはジミー・カーター、ジョージ・H・W・ブッシュ、ジョージ・W・ブッシュ各大統領だ。大統領直々の書簡が本書に掲載されている。
カーター氏は回顧録「A Full Life:Reflection at Ninety」(充実した生活:90年代を振り返って)に記された文章をそのまま引用し、「私の考え方は変わっていない」と記している。
「私は潜水艦内のラウドスピーカーでトルーマン大統領の原爆投下演説を聞いた。もし投下しなければ陸上戦となり、50万人の米兵および多くの日本人が戦死する、それを防ぐための苦渋の選択だったという演説だった」(日付なし)
ブッシュ大統領(パパ)は、こう回答している。
「トルーマン大統領の決断は正しかった。もし原爆を投下していなかったら大勢の米兵、(太平洋戦争に参戦した)自分も含め、戦死していただろう。もし当時自分が大統領だったらどうするか、私も同じ決断をしていただろう。厳しい決断だったが、正しい決断だった」(2016年1月5日け)
そしてブッシュ大統領(息子)は、こう答えている。
「大統領にやり直しはない。大統領は、自分が正しいと信じたことを実行するしかない。そしてその結果についてはすべて責任を取ることだ。トルーマン大統領はまさにそれをやってのけた」
「私はトルーマン大統領のタフネスさと信念、そして戦略的なビジョンに感服している。トルーマン大統領は米国の国益を第一に国をリードした。後からどのような批判があろうが気にかけなかった」(2016年2月9日付)
10秒間の沈黙、「トルーマンと機長ティベッツとの初対面」
最終章にあまり知られていないエピソードが紹介されている。
1948年冬、トルーマン大統領と広島に原爆を投下したB-29爆撃機「エノラ・ゲイ」の機長、ポール・ティベッツ大佐(のちに空軍准将)との対面場面だ。大統領が広島原爆投下作戦に関わった米軍将兵をホワイトハウスに招いたのだ。
「2人は何も言わずに向き合っていた。大統領は10秒ほど言葉を発しなかった。それから『君はどう思う?』と尋ねた。ティベッツ大佐は大統領の質問の意味を痛いほど分かっていた」
「そして『大統領閣下』と応じ、一息ついて『私は命じられたことを実行に移したまでです』と答えた。大統領はデスクを叩いてこう言った。『その通りだ。君を出動させたのはこの私だ』。そのデスクには『The Buck Stops Here』(全責任は私にある)というガラス製の大統領の座右の銘が置かれていた」https://www.trumanlibrary.org/buckstop.htm
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『韓国国会、朴槿恵弾劾案を可決 混乱はこれからだ』(12/9日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『「美し過ぎた自画像」が呼んだ朴槿恵弾劾 韓国人は「一流国ではありえない事件」に怒った』(12/10日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について
そもそも事後法当たり前の法治国家でない国が、一流国家と思う所に驕りが透けて見えるというもの。片腹痛い。自分を客観的に見えない、「恨」という情緒に左右される民族です。“It is not my fault”としか考えない人達です。基本的に韓国との間合いは古田博司教授の言う『非韓三原則=助けない、教えない、関わらない』で行くべきです。朴槿恵大統領は憲法裁判所で弾劾が否決されても任期は18年2月で終わりです。次期大統領に誰がなろうとも反日を貫くことは間違いありません。日本もしっかりと反韓を貫くべきです。相互主義の原則です。幸い米国もトランプが大統領になり、上・下院とも共和党が多数を占めました。日本が韓国のしてきたことをキチンと説明すれば、日本が助けないことも理解してもらえるでしょう。どうせ昨年末の慰安婦合意は破棄するでしょうから。手切れ金ですし、約束を破った以上、韓国は「嘘つき」という事で「従軍ではない」ということも世界にアピールできるのでは。ついでに「朝日新聞が虚報を流したのが原因」と世界に主張していけばよいでしょう。事実ですから「言論弾圧」には当たりません。廃刊させないと。でもまだ朝日を読んでいる人の気が知れませんが。外務省よ、しっかり仕事をしろと言いたいです。
米国で弾劾・罷免された大統領はいません。この前9月にはブラジルのルセフ大統領が弾劾・罷免され、後任にテメル副大統領が昇格しました。ルセフは左翼ゲリラ出身です。ブラジルはGDPで世界9位、韓国は世界11位の民主主義国家(選挙があるという意味で)です。弾劾は民主主義の成熟度を表すのかどうか?一党独裁で指導者を下野させる仕組みを持たない共産主義国家よりはましとは言えますが。そもそも権力を利用して金儲けをする人間をリーダーとして選んだのは、成熟した国とは言えないでしょう。偏向マスコミのバッシングにあっているトランプは「利益相反」になるので、事業経営から身を引くという事です。身ぎれいにしないと。朴大統領が崔の財団から金を回して貰っていたのかどうか不明です。検察は共謀があったとしていますが、今の所、推定無罪です。憲法裁判所が罷免させるべきかどうか検討する中で、事実が明らかになるのでは。まあ、職務停止して大騒ぎしていて貰った方が、日本におねだりに来れないので非常に良いですが。世界に日本を貶める活動をしていながら、日本を強請ろうというのですから乞食国家、暴力団国家としか言えないでしょう。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2016/12/09/0900000000AJP20161209001000882.HTML
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朴槿恵大統領の弾劾を求める群衆が国会議事堂前に押し寄せる中、弾劾訴追案が可決された(写真:ロイター/アフロ)
(前回から読む)
12月9日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の弾劾訴追案が国会で可決された。韓国の混乱はこれから始まる。
与党から62人が賛成
与党セヌリ党からも128人中、半数近い62人が賛成に回った模様。賛成総数は234票で反対は56票、棄権が2票、無効が7票。セヌリ党の重鎮議員1人が投票しなかった。在籍議員300人の3分の2を超えたので弾劾訴追案は国会を通った。国会議事堂に「弾劾可決」を要求する群衆が押し寄せる中での可決だった。
朴大統領への弾劾の事由は大きく分けて2つ(「弾劾の主な理由」参照)。40年来の友人、崔順実(チェ・スンシル)氏の国政壟断を助けたこと。もう1つは2014年4月の旅客船「セウォル号」の沈没の際に大統領として適切に対応しなかったことだ。
- 韓国国会が掲げた弾劾の主な理由
- 崔順実氏を国政に介入させ、憲法の国民主権、代議制民主主義、閣議に関する規定、大統領の護憲義務などに背いた
- 崔氏が主導して設立した「ミル財団」と「Kスポーツ財団」の資金集めに関与したことは贈収賄罪に当たる
- 両財団に大企業が寄付金を拠出したことに関連、職権乱用・強要罪が成立する
- 青瓦台の機密文書が外部に流出したことは「文書流出および公務上の機密漏えい罪」に当たる
- 旅客船セウォル号沈没事故への対応の不備は生存権を保障する憲法に違反する
弾劾訴追案の可決により朴大統領は職務停止処分となり、黄教安(ファン・ギョアン)首相が大統領の権限を直ちに代行する。
同日午後7時過ぎ、黄首相は大統領権限代行として初めて閣議を主宰。「北朝鮮が核・ミサイル以外にも挑発してくる可能性があるので備えるように」と指示した。
今後、180日以内に憲法裁判所がこの弾劾訴追案が合憲か否かを審理する。合憲判断が出て弾劾が成立すれば、直ちに朴大統領は退陣。60日以内に選挙を実施し、任期5年の新たな大統領を選ぶ。違憲なら朴大統領は大統領職に復帰する。
朴大統領は12月9日午後5時から国務委員懇談会を開き「「私の不徳により国家的混乱を招いたことをお詫びする。国会と国民の声を厳粛に受け止める」と述べた。さらに「憲法と法律の定めた手続きに従い、憲法裁判所の弾劾審判と特別検事の捜査に淡々と応じたい」と語った。
与党の党舎に卵
「違憲→続投」の場合、韓国全土でこれまで以上に激しいデモが巻き起こるのは間違いない。メディアが連日「朴槿恵の悪行」を報じた結果、約80%の国民が弾劾に賛成しているからだ。週末恒例となった「退陣デモ」の参加者数は増える一方である。

デモが過激化すれば、政権は厳しく対応するしか手がなくなる。戒厳令の発動まで検討するかもしれない(「朴槿恵の下野か、戒厳令か」参照)。その際、韓国政治は1987年までの「権威主義体制による抑圧」の時代に逆戻りする。
ただ、憲法裁判所が判断を下す前に、次の大統領選をにらんで政界が動き出す可能性が大きい。それが泥仕合に陥れば、やはりデモが国会を包囲するだろう。
12月3日には、弾劾に反対する与党「セヌリ党」に憤った群衆が同党党舎に押しかけ、卵を投げつける事件も起きている。
大統領代行は超タカ派
野党第1党の「共に民主党」は、少しでも早い大統領選挙の実施を望む。早ければ早いほど、自分に有利だからだ。
憲法裁判所が最長の180日かけて審理すれば、仮に合憲と判断しても選挙は2017年8月にずれ込む。国民がその時まで朴大統領の母体となった「保守」候補への怒りを維持しているかは疑問だ。
そのうえ、保守・中道政党から出馬する可能性の高い潘基文(バン・キムン)国連事務総長が選挙戦への体制を整えてしまう。潘氏の事務総長としての任期は2016年12月末で、それまでは動けない。
さらに、大統領権限を代行する黄首相は検事出身の超タカ派だ。2014年に朴政権が左派の「統合進歩党」を北朝鮮と内通する危険な団体として解散させた際、法務長官として中心的な役割を担った。左派は大統領選挙も控え「何をするか分からない」超タカ派の大統領代行に警戒せざるを得ない。
そもそも、憲法裁判所が弾劾訴追を合憲と認めるかも未知数だ。それには裁判官9人のうち6人が合憲と判断する必要があり、ハードルはかなり高いと見る専門家が多い。
このため、朴大統領を引きずり降ろすのに時間もかかるうえ、不確実な「弾劾」には、共に民主党から出馬すると見られる文在寅(ムン・ジェイン)議員は当初は消極的で「即刻下野」を訴えてきた(「『21世紀最大のデモ』で朴槿恵退陣に現実味」参照)。
その野党が弾劾に動かざるを得なくなったのは「時間稼ぎ」を狙う朴大統領側が、野党を弾劾に誘導する「捨て身の作戦」を採ったからだ(「『弾劾訴追』は朴槿恵の『真田丸だ』」)参照。
「ふてぶてしい」
結局、「共に民主党」は表「4つの『朴大統領処遇案』」のうち、④「弾劾」を選択しながら②「即刻下野」も求めることになろう。12月5日、文在寅議員は「弾劾が議決されれば(朴大統領は)即刻辞任すべきだ」と演説している。
- 4つの「朴大統領処遇案」
| ①権限の削減 | 外交・安保だけは任せる仏型と、象徴大統領の2案 |
| ②即時下野 | 60日以内に選挙。その間、現首相が大統領権限代行に |
| ③秩序ある退陣 | 2017年4月の大統領選挙を想定。改憲を絡める案も浮上 |
| ④弾劾 | 国会で弾劾訴追を決議、180日以内に憲法裁判所が可否判断 |
11月30日に「大統領の疑惑」を調べる特別検察官が任命された。12月中旬から105人体制で捜査する予定だ。
国会の特別調査委員会も設立された。しかし、12月7日の聴聞会に呼ばれた崔順実氏らは出席を拒否。国民は「ふてぶてしい」とますます怒った。
12月6日、ハンギョレは、旅客船「セウォル号」が沈んだ2014年4月16日に朴大統領が美容師を青瓦台(大統領官邸)に呼んで1時間半かけて髪をセットしたと報じた。
「朴大統領、セウォル号沈没時、ヘアセットのために90分を費やす」(12月7日、日本語版)がそれだ。朴大統領は事故発生後の7時間の間、誰の前にも姿を現さず、未だに何をしていたのか明らかにしていない。ハンギョレの報道は国民の憤怒をさらにかき立てた。
同党はこうした怒りも名分に「即時下野」の声を上げることになりそうだ。もちろん膨れ上がるであろう「退陣デモ」も活用するに違いない。
一方、与党「セヌリ党」は③「秩序ある退陣」――党論として決めた「4月退陣・6月選挙」を主張し続けるだろう。もし憲法裁判所が早い段階で合憲との判断を下せば、態勢を整える前に大統領選挙を迎えてしまう。
非朴派から62人の「弾劾」賛成議員を出したものの、彼らとて「国民の怒り」に押されて賛成に回った側面が強く、早期の選挙を避けたいのは同じだ。
中道を自称する野党第2党「国民の党」は「ワイルドカード」になりそうだ。大統領を狙う安哲秀(アン・チョルス)議員が設立した党だが、本人の人気が今ひとつ伸びない。セヌリ党の非朴派との合併案や、潘基文氏を大統領候補に担ぐ案が取りざたされている。
麻生財務相「スワップに動けない」
弾劾訴追案は可決されたが、不透明感は増す一方だ。国会が次期大統領選の駆け引きの舞台となるからだ。国民のイライラは募るだろう。いつまで平和的なデモが続くかは分からない。
韓国人が政争に明け暮れる間、世界は急速に変化する。米利上げを見込んで、ホットマネーが途上国から米国に戻り始めた。
韓国メディアは「第2の通貨危機が来る」と警鐘を鳴らすが、政争の余波で日本との通貨スワップ締結は進まない。12月2日、麻生太郎財務相は「(韓国の)誰が話を進めるのか全然分からないので、交渉のしようがない」と述べた。
北朝鮮は着々と核開発を進め、核武装は目前だ。「トランプの米国」は中国との対決姿勢を強める気配だ。韓国は米中どちら側の国なのか、踏み絵を迫られるだろうが、それを決める人はもういないのだ。
(次回に続く=12月10日公開予定)
12/10記事

写真は2013年2月、朴槿恵大統領の就任式。国民の期待に応えることを誓ったが…(写真:AP/アフロ)
(前回から読む)
韓国人はなぜ、唐突に大統領を弾劾するに至ったのだろうか。
怒りに油を注ぎ続けた大統領
鈴置:12月9日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が国会で弾劾訴追されました。韓国は当分の間、混乱すると思われます(前回を参照)。
—なぜ、弾劾という激しい事態に至ったのか、今ひとつ理解できません。
鈴置:国民の怒りです。大統領に対する怒りが爆発したのです。12月3日の退陣要求デモにはソウルに32万人、全国で43万人が参加しました。警察発表の数字です。主催者側発表では170万と232万でした。
いずれにしても過去最高です。11月20日に検察が崔順実(チェ・スンシル)氏らを起訴した際に「朴大統領も共謀した」と発表したことで怒りがますます燃え上がりました。
さらに11月29日、大統領が3回目の国民談話を発表したことも参加者を増やしました。道義的な責任は認めても「犯罪」は認めなかったからです。
「任期短縮を含め自らの進退は国会に任せる」と下野を示唆する発言もしましたが、意見を集約できない与野党に責任を押し付けて延命する作戦との疑いを呼びました。
在野勢力や野党など左派は、これに対抗するためにも「即時辞任」を求める大型デモを繰り広げたのです。
「いつものこと」では?
—権力者と周辺が思いのままに振る舞う――。韓国では「よくあること」ではないのですか。
鈴置:確かに、韓国では歴代大統領の親戚が必ずと言ってよいほど不正に関与しました。そして、それが理由で弾劾された大統領はいません。だから日本人は「なぜ、朴大統領だけが指弾されるのか」と首を傾げるのでしょう。
- 韓国歴代大統領の末路
| ①李承晩(1948年7月―1960年4月) | 不正選挙を批判され下野、ハワイに亡命。退陣要求のデモには警察が発砲、全国で183人死亡 |
| ②尹潽善(1960年8月―1962年3月) | 軍部のクーデターによる政権掌握に抗議して下野。議院内閣制の大統領で実権はなかった |
| ③朴正煕(1963年12月―1979年10月) | 腹心のKCIA部長により暗殺。1974年には在日韓国人に短銃で撃たれ、夫人の陸英修氏が殺される |
| ④崔圭夏(1979年12月―1980年8月) | 朴大統領暗殺に伴い、首相から大統領権限代行を経て大統領に。軍の実権掌握で辞任 |
| ⑤全斗煥(1980年9月―1988年2月) | 退任後に親戚の不正を追及され隠遁生活。遡及立法で光州事件の責任など問われ死刑判決(後に恩赦) |
| ⑥盧泰愚(1988年2月―1993年2月) | 退任後、全斗煥氏とともに遡及立法により光州事件の責任など問われ、懲役刑判決(後に恩赦) |
| ⑦金泳三(1993年2月―1998年2月) | 1997年に次男が逮捕、懲役2年判決。罪状は通貨危機を呼んだ韓宝グループへの不正融資関与 |
| ⑧金大中(1998年2月―2003年2月) | 任期末期に3人の子息全員が斡旋収賄で逮捕 |
| ⑨盧武鉉(2003年2月―2008年2月) | 退任後、実兄が収賄罪で逮捕。自身も2009年4月に収賄容疑で検察から聴取。同年5月に自殺 |
| ⑩李明博(2008年2月―2013年2月) | 2012年7月、実兄で韓日議員連盟会長も務めた李相得氏が斡旋収賄などで逮捕、懲役2年 |
| ⑪朴槿恵(2013年2月―) | 2016年12月、国会から弾劾訴追される |
2004年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領も弾劾訴追されましたが、理由は選挙の際に中立を保たなかったことでした。
国会が弾劾訴追した後、憲法裁判所は弾劾するほどの罪ではないと棄却したので盧大統領は職に戻りました。なお、この時に訴追の先頭に立ったのは当時、野党の指導者だった朴槿恵氏でした。
後進国を超えたはずだ
—ではなぜ今回、韓国人はそんなに怒ったのでしょうか。
鈴置:韓国人は「今度こそ、そんな不正は起きない」との期待を抱いていた。それを朴大統領によって裏切られたからです。
「朴大統領はすべての近親と絶縁しているから不正は起きようがない」と信じていたのです。結局は親戚の代わりに40年来の友人が不正の温床になったのですけれど。
注目すべきは「期待の源泉」が朴大統領だけではなかったことです。2010年頃から韓国人は「大韓民国は世界に冠たる立派な国になった」との強烈な自信を持つようになった。その自信が大いに裏切られたのです。
デモに参加した人は口々に「これでも国か」と叫んでいます。10年前だったら「我が国はこの程度の水準だ」と自虐的に眺めた事件でも「一流国家」になった以上、許せないのです。
朝鮮日報の朴正薫(パク・ジョンフン)論説委員――東京特派員の経験もある記者が、象徴的なコラムを書いています。「すべてが大統領だけのせいなのだ」(11月25日、韓国語版)です。記事のポイントを訳します。
- 私たちは先進国のとば口まで来たと思っていた。経済力はもちろん、国家の風格も文化水準も開発途上国を超えたと信じていた。それが崩れた。
- 影の権力者の暗躍、政権の恐喝、特権層のやりたい放題……。すべてが後進国の病だ。この惨憺たる実相を前にしても先進国をうんぬんするのなら、厚かましいことこの上もない。
- 先進国にも不正と非理はある。しかし、腐敗が片隅にでも生まれれば、誰かがホイッスルを吹く。我々の場合、崔氏一党がひっかき回している最中、誰も警戒音を鳴らさなかった。
異様な高揚期に
—なるほど。韓国人は「先進国になった!」と信じていたのですね。
鈴置:今回の騒ぎを理解するには、まずそれを知る必要があります。2008年の世界同時不況を韓国はうまく切り抜けた。1997年に通貨危機に陥り、IMF(国際通貨基金)に救済された時とは様変わりでした。
GDPも世界で10位近くの規模に膨らみ「統一すれば世界で5位の経済力を持つ」との見方が広がりました。1人当たりGDPでも日本に追いつきそうになりました。
国際政治の場でも「日本を超えた」と韓国人は確信しました。民主党時代の日本は米国とも中国とも関係を悪化させた。反対に韓国人は、自分は米中双方と極めて良好な関係を築いたと信じたのです。
李明博(イ・ミョンバク)政権時代の話ですが、G20と核セキュリティ・サミットを2010年と2012年に、いずれも日本よりも先に主催しました。
2010年頃から韓国メディアには「一流国家韓国」「世界で尊敬され称賛される韓国」「日本を超えた韓国」との言説が溢れ返るようになりました。
韓国は精神の高揚期に入ったのです。史上初のことでしょう。朴槿恵政権が「米中を後ろ盾に日本と北朝鮮を叩く」外交を展開したのも、こうした背景があったからです。
韓国の主な「卑日」
| 「従軍慰安婦」像設置 |
| 2011年12月14日、韓国挺身隊問題対策協議会がソウルの日本大使館前に「従軍慰安婦」像を設置。日本政府が抗議したが、ソウル市と韓国政府は無視。その後、韓国と米国の各地に相次ぎ設置された。「像」以外に「碑」も世界中で立てられている。2014年1月には仏アングレームの国際漫画祭で、韓国政府主導の慰安婦をテーマにした企画展が開催。 |
| 大統領の竹島上陸 |
| 2012年8月10日、李明博大統領が竹島に上陸。日本政府は抗議し駐韓日本大使を一時帰国させた。同月13日これに関連、李大統領は「日本の影響力も昔ほどではない」と発言。同月17日、野田佳彦首相がこの問題に関し親書を李大統領に送るが、同月23日に韓国政府は郵便で送り返した。 |
| 天皇謝罪要求 |
| 2012年8月14日、李大統領が天皇訪韓について「独立運動をした人に心から謝罪をするのならともかく(昭和天皇が使った)『痛惜の念』だとか、こんな言葉1つなら、来る必要はない」と発言。 |
| 対馬の仏像窃盗 |
| 2012年10月8日、韓国人が対馬の仏像と教典を盗んだ。2013年1月に韓国の警察が犯人の一部を逮捕、仏像2体を回収。しかし韓国・大田地裁は「韓国から盗まれた可能性がある」と日本に返さず。2015年7月18日に1体だけ日本に返還。 |
| 中国人放火犯の本国送還 |
| 2013年1月3日、ソウル高裁が靖国神社放火犯の中国人を政治犯と認定、日本に引き渡さない決定を下した。日本政府は日韓犯罪人引渡条約をたてに抗議。犯人は2011年12月26日の靖国放火の後、2012年1月8日にソウルの日本大使館に火炎瓶4本を投げ、逮捕されていた。 |
| 朴大統領の「告げ口外交」 |
| 2013年2月の就任似来、朴槿恵大統領は世界の首脳やメディアに会うたびに、安倍晋三首相の「歴史認識」など日本を批判。 |
| 産経元支局長起訴 |
| 2014年10月8日、ソウル中央地検が産経新聞の加藤達也元ソウル支局長を在宅起訴。容疑は「大統領に関し虚偽の事実を報じ、名誉を棄損した」。報道の元となった朝鮮日報の記事に関してはおとがめなし。同年8月7日からの加藤元支局長への出国禁止措置は2015年4月14日に解除。同年12月17日に無罪判決、同月に確定。 |
| 安倍首相の米議会演説阻止 |
| 2015年2月に聯合ニュースが「在米韓国人、演説阻止へ」と報道以降、韓国は大統領、外相、国会議長、学者らが世界の要人を対象に、同年4月の安倍首相の米議会演説を阻止する運動を展開した。阻止できないと判明後は、演説に慰安婦への謝罪を盛り込ませるよう米国に要求した。メディアも連日、阻止キャペーンを張った。韓国の国を挙げての筋違いで執拗な要求に、米政界では「韓国疲れ」という言葉が使われた。 |
「日本は下」を訴える聖戦
—なぜ、日本を叩いたのでしょうか。
鈴置:「日本よりも韓国が上である」ことを自ら実感し、世界にも示すには「日本を叩く」ことが必要だったのです。韓国では強い者が弱い者を徹底的に叩きます。その姿を周囲に見せてこそ、本当に強い存在となれるのです。
だから大統領が世界の指導者と会うたびに、若者は留学先の大学で外国人と話すたびに日本の悪口を言うようになったのです。朴正薫・論説委員のコラムに以下のくだりがあります。
- 我々は自らを過大評価してきた。日本と肩を並べたと気炎を吐いた。「地球上で日本を見下す国は韓国だけ」と外国人が驚いた。どれだけ空しい誇大妄想だったのか分かる。
2010年頃から韓国紙やSNS(交流サイト)で「地球上で日本を見下す国は韓国だけ」という言説が目立つようになりました。
「外国人が驚いた」という部分――。朴正薫・論説委員は「韓国人の傲慢さに外国人が驚いた」との意味で引用しています。
人によっては「韓国は日本の上の存在である。しかるにそれを初めて知って驚く外国人もいる。韓国が上になったことを世界に知らしめねばならぬ」との文脈の中で使います(「これが『卑日』だったのか――」参照)。
その頃から始まったジハード(聖戦)とも言うべき「卑日」運動には、そんな願いが込められているのです。
価値観を共有しない国
—「世界に冠たる韓国」という自画像を「他画像」に昇格したいのですね。
鈴置:その美しい自画像をぶち壊したのが朴大統領でした。「先進国ではあり得ない事件」が起きたと考えた韓国人は恥じ入ったのです。
各紙のシニア記者が「外国で朴大統領のために見下された体験」を一斉に書きました。と言っても「大変ですね」と言われたぐらいの話なのですが。メディアには、怒りを煽って大統領を退陣に追い込もうとの計算もあったと思います。
—韓国は「世界の笑い者になった」のでしょうか。
鈴置:自意識過剰だと思います。怪しい政治指導者なら世界中にごまんといます。米国では暴言を吐きまくる人が大統領に選ばれたばかりです。日本だって、意味不明の発言を続ける「宇宙人」を首相にしてしまいました。
そもそも今の韓国を「政権末期のいつもの泥仕合をまた、やっているな」くらいに見ている日本人が多いと思います。韓国を成熟した民主国家――法治国家と見なす人は少ないですしね。
2014年に産経新聞の支局長が朝鮮日報の記事を引用して記事を書いたら起訴され、出国停止処分になりました。韓国の保守系紙は政府のちょうちんを持って「けしからん日本の記者は起訴されて当然」と合唱しました。
「米国との関係が悪化する」と懸念した新聞はありました。しかし無罪判決が出るまでの間、法の恣意的な適用の観点から起訴を批判した韓国紙は私の見た限り、「ハンギョレ」だけでした。「法を尊重する」意識が日本や西欧と全く異なるのです。
この起訴以降、日本政府は韓国に関する公式見解から「基本的な価値観を共有する」との文言を落としました。
米国務省も「韓国の言論弾圧への懸念」を表明しました(「北朝鮮にどんどん似てきた韓国」参照)。だから今さら「世界の笑い者になる」心配はないのです。
—高揚感から突然の自信喪失。韓国は大丈夫でしょうか。
鈴置:大丈夫ではないと思います。
(次回に続く=12月11日掲載予定)
「国政壟断事件」の動き(2016年)
| 7月 | |
| 26日 | TV朝鮮「財界の文化財団『ミル』への486億ウォンの募金に青瓦台幹部が関与」 |
| 10月 | |
| 24日 | JTBC、大統領演説の草稿など機密資料が崔順実氏に漏えいと報道 |
| 25日 | 朴大統領が資料提供を認めて国民に謝罪 |
| 26日 | 検察が崔氏自宅など家宅捜索。外交資料なども漏洩とメディアが報道 |
| 28日 | 朴大統領は首席秘書官全員に辞表を出させる。秘書室長が辞表提出 |
| 28日 | 韓国ギャラップ「朴大統領の支持率が6週連続で落ち、過去最低の17%に」と発表 |
| 29日 | 青瓦台、検察の家宅捜索を拒否。ソウルで1万人強の退陣要求デモ |
| 30日 | 青瓦台、検察に資料提供。朴大統領は一部首席秘書官らを辞任させる |
| 30日 | 与党、挙国一致内閣を提案するも野党は真相究明が先と拒否 |
| 30日 | 崔順実氏帰国、31日に検察に出頭、逮捕状なしで緊急逮捕 |
| 31日 | リアルメーター「潘基文氏の支持率が前週比1.3ポイント低い20.9%に」 |
| 11月 | |
| 2日 | 朴大統領、首相を更迭し、後任に盧武鉉時代に要職を歴任した金秉準氏を指名 |
| 2日 | 野党各党、新首相の就任に必要な国会聴聞会を拒否することで一致 |
| 2日 | 検察、安鍾範・政策調整首席秘書官を緊急逮捕 |
| 3日 | 検察、崔順実氏を逮捕。容疑は「安鍾範氏と共に財閥に寄付を強要した」職権乱用など |
| 4日 | 韓国ギャラップ「朴大統領の支持率は過去最低の5%、不支持率は89%」と発表 |
| 4日 | 朴大統領「検察の捜査受ける」と国民向け談話。野党は「退陣要求運動を展開する」 |
| 5日 | ソウルで4万5000強人の退陣要求デモ。釜山など他都市にも拡散 |
| 6日 | 禹柄宇・前民情首席秘書官が検察に出頭 |
| 7日 | 与党・セヌリ党の金武星議員、大統領に脱党を要求 |
| 7日 | 朴大統領、与野党代表との会談を提案するも3野党に拒否される |
| 8日 | ソウルで4万5000強人の退陣要求デモ。釜山など他都市にも拡散 |
| 8日 | 検察、崔順実氏に関連するとしサムスン電子本社や大韓乗馬協会を家宅捜索 |
| 8日 | 朴大統領、丁世均・国会議長を訪ね「国会が推薦する総理を受け入れ、内閣を任せる」 |
| 9日 | 野党3党、朴大統領の国会推薦総理案を「一考の価値なし。大統領は2線に引け」と拒否 |
| 9日 | 米次期大統領にトランプ氏決定 |
| 11日 | 韓国ギャラップ「11月第2週の大統領支持率は前週と同じ5%。不支持率は最高の90%」 |
| 12日 | 全国で朴大統領の退陣求める集会。ソウルでは26万人参加 |
| 13日 | 検察、「国政壟断事件」でサムスン電子の李在鎔・副会長ら財閥トップを参考人として聴取 |
| 13日 | 青瓦台「昨日、大統領は国民の声を重く受け止めた。国政正常化のため苦心している」 |
| 13日 | 検察、国政壟断事件に関連し朴大統領に15日か16日の参考人事情聴取を要請 |
| 13日 | 金武星・前セヌリ党代表「唯一の収拾策は大統領弾劾」 |
| 14日 | 与野党、国政壟断事件に関する特別検察官の任命で合意 |
| 14日 | 共に民主党、大統領に対する要求を「2線への後退」から「即時退陣」にと強化 |
| 14日 | 秋美愛「共に民主党」代表、早朝に大統領との会談を受諾したものの同日夜に拒否 |
| 14日 | 日韓、東京でGSOMIAに仮署名 |
| 15日 | 文在寅「共に民主党」元代表「条件なき退陣求め在野団体と『非常時局機構』作る」 |
| 16日 | 韓国軍「2017年初めまでにTHAAD工事着工」と発表 |
| 16日 | 朴大統領、釜山の大型不動産開発事業「エルシティ」を巡る疑惑の徹底調査を指示 |
| 17日 | 崔順実氏の国政介入疑惑に関し、特別検察官任命法案と国政調査実施を可決 |
| 18日 | 韓国ギャラップ「11月第3週の朴大統領の支持率は5%、不支持率は90%」 |
| 18日 | 秋美愛「共に民主党」代表「大統領は支持者による衝突と戒厳令を準備している」 |
| 18日 | 青瓦台「東京での韓中日首脳会談の日程が決まれば朴大統領は参加する」 |
| 19日 | 退陣デモ。全国で24万人、うちソウルは17万人(警察発表)。支持デモに1万1000人(同) |
| 20日 | 検察、崔順実氏らを職権乱用共犯などで起訴。「大統領も共謀と判断、捜査続ける」と発表 |
| 20日 | 朴大統領の弁護士「検察は想像と推測で捜査、対面調査には応じない」 |
| 20日 | 青瓦台「検察の発表は遺憾。特別検察官の捜査で無実を証明する」 |
| 20日 | 野党の大統領選立候補予定者ら8人「国民的退陣運動と平行し弾劾推進論議で合意」 |
| 21日 | 青瓦台スポークスマン、退陣を前提とした野党の首相推薦は拒否 |
| 21日 | 第1野党「共に民主党」と第2野党「国民の党」がそれぞれ弾劾推進を決定 |
| 22日 | 朴元淳・ソウル市長、閣議で閣僚辞任要求と日韓GSOMIAへの反対を表明 |
| 22日 | 崔順実疑惑を解明するための特別検察官任命法案を閣議決定 |
| 23日 | ソウルで日韓GSOMIA署名・締結。写真撮影禁止に韓国写真記者が一斉抗議 |
| 24日 | 野党3党、朴大統領弾劾で合意 |
| 25日 | 韓国ギャラップ、11月第4週の朴大統領の支持率は4%、不支持率は93% |
| 26日 | 5回目の退陣要求デモ。参加者はソウル27万人、全国32万人 |
| 28日 | 朴大統領の弁護士「求められた29日までの検察の対面調査は困難」 |
| 28日 | 政界元老集団と与党の「親朴」重鎮議員らがそれぞれ秩序ある退陣を朴大統領に要請 |
| 28日 | 教育部、国定歴史教科書の内容を開示 |
| 29日 | 朴大統領、3回目の国民談話を発表「任期短縮を含め進退は国会にすべて任せる」 |
| 30日 | 野党3党「無条件退陣の要求」と「弾劾推進」で合意 |
| 30日 | 朴大統領、国政壟断事件の特別検察官に元ソウル高検検事長の朴英洙氏を任命 |
| 12月 | |
| 1日 | セヌリ党、「4月退陣」を党論に決定 |
| 1日 | 朴正煕元大統領の生家に放火。犯人は「大統領が退陣しないので火を付けた」 |
| 2日 | 韓国ギャロップ、12月第1週の朴大統領の支持率は4%、不支持率は91% |
| 2日 | セヌリ党非朴派「12月7日午後6時までに退陣時期明言なければ弾劾に賛成」 |
| 3日 | 野党3党、朴大統領の弾劾訴追案を提出 |
| 3日 | 6回目の退陣要求デモ。参加者はソウル32万人、全国で43万人 |
| 4日 | セヌリ党非朴派「4月退陣案への大統領の姿勢とは関係なく弾劾訴追案に賛成する」 |
| 5日 | 青瓦台「『4月退陣・6月大統領選』案を朴大統領はセヌリ党員として受け入れる」 |
| 6日 | 国会で「国政壟断」に関する聴聞会。財閥オーナー9人が証人として出席 |
| 6日 | 朴大統領「4月退陣受け入れる。弾劾可決時には憲法裁判所の審理を見守る覚悟」 |
| 6日 | セヌリ党、弾劾訴追案は自由投票と決定 |
| 7日 | 国会で「国政壟断」に関する聴聞会。証人喚問された崔順実、禹柄宇氏らは欠席 |
| 8日 | 弾劾訴追案、国会本会議に報告。「セウォル号沈没当時の大統領の行為」は削除せず |
| 9日 | 国会、朴大統領の弾劾訴追案可決。賛成は234票でセヌリ党から62人が賛成 |
※注 デモの参加者数は警察発表
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