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『北朝鮮問題、トランプ政権への期待と懸念 ティラーソン国務長官の大失態で日本に降りかかる火の粉』(4/21JBプレス 渡部悦和)について

宿泊先のフロントのwifiが雪害の為、使えずとのこと。光ケーブルがダウンしたとのことです。仕方なくスマホ経由でアップできないか探したら、できました。

「発射前(left-of-launch)」対処で、欧米からの部品を中国を通じて北朝鮮が入手しているという事は、中国も欧米系の部品を使ってミサイルを作っている可能性があります。それであれば、米軍も人民解放軍のA2/ADを恐れることもないのでは。

トランプの選挙中の主張からの変貌は日本にとって良い部分と、悪い部分とあります。TPPには確かに米国は入っていませんが、残り11ケ国で先行実施できることになりました。中国は入れないようにしませんと。元々それを狙っていたわけですから。いつも言っていますように、中国を経済的に富ませれば、軍事力拡張に使いますので、やがてそれが我々の深刻な脅威を引き起こします。愚かなやり方でしょう。

ただ、今回の北朝鮮の問題で中国と取引したとしたら、やり方によっては問題となります。太平洋を二分割して管理するというのを認めたら、日本も台湾もASEANも全部中国が管理することになります。基本的人権の無い、賄賂に染まった国の悪習が日本に持ち込まれます。

テイラーソンが「中国側が「新型大国関係」を説明するのに使ってきた「衝突せず、対抗せず、相互尊重、ウィン・ウィン(nonconflict, nonconfrontation, mutual respect, win-win cooperation)」という諸原則を国務長官として最初の習主席との会談において自ら自発的に発言してしまった。」とのことです。やはり素人国務長官なのでしょうか?国務省の原稿を其の儘中国に伝えたのか、キッシンジャーかスーザン・ライスに吹き込まれたのでしょうか?でもオバマ時代、スーザン・ライス大統領補佐官がG2を認めた発言をしても、オバマが撥ね返した前例がありますので、トランプがどう出るかがポイントです。中国はクシュナーやイバンカを使って影響力を行使しようとするでしょうから、日本も安倍首相だけに頼るだけでなく、人脈を積み上げて行く必要があります。

武道で言えば相手が次に何を仕掛けて来るか分かれば、これは楽になります。それを読んで受けながら攻撃すれば良いだけです。小生はそのレベルには達していませんが。トランプは何が出て来るか分からず、相手にとって嫌な相手となります。状況対応型で不安定と評する向きもありますが、“make America great again”の軸は変わらないわけですので、それに沿って、地政学上と共産主義やグローバリズムの防波堤としての日本の存在をアピールしていけば、うまくやっていけると思います。

記事

北朝鮮の首都・平壌で行われた軍事パレードで披露された種類不明のミサイルとその移動式発射機(2017年4月15日撮影)〔AFPBB News

トランプ1.0からトランプ2.0への変化

米国のドナルド・トランプ大統領は、4月6日を境として自己の主張を180度変えた。米国の戦略家エドワード・ルトワックの著書「中国4.0」ふうに言えば、トランプ1.0からトランプ2.0へ変化したと言える。

周知のとおり4月6日は、米海軍がシリアの空軍基地に対してミサイル攻撃を行った日だ。このミサイル攻撃は、トランプ氏の選挙期間中の主張とは180度違う決断であった。

彼は、選挙期間の終始を通じて「アメリカ・ファースト」を唱え、「外国への軍事介入(例えばシリアへの軍事介入)や政権転覆(regime change)は馬鹿げている」と主張し続けてきた。

大統領の発言は、4月6日を境に選挙期間中の発言と180度違うケースが多い。

例えば、 選挙期間中は中国を為替操作国として激しく批判していたにもかかわらず、あっさりと「為替操作国ではない」と認め中国との関係を重視し始めたし、最近までロシアのウラジーミル・プーチン大統領を異常に高く評価し、ロシアとの関係改善を選挙公約としたが、今やプーチン大統領とロシアを批判している。

トランプ氏は、自らの主張の変化を柔軟だと主張するが、節操がない、知識や見識がなく一貫した戦略を持っていないと批判する者も多い。

トランプ氏のトランプ2.0への変化を現実的な政策を重視する良い変化だと評価する者もいれば、その変化を警戒し批判する者もいる。筆者個人としては、トランプ1.0があまりにも独りよがりで強引であっただけに、トランプ2.0はより現実的になってきたと思っている。

一方で、トランプ政権においては、各省庁の副長官より下の大部分のスタッフがいない状況が続いている。このため、各省庁の政策を準備し実行できない状況が続いている。

安全保障面では、首尾一貫した「国家安全保障戦略」「国家軍事戦略」がないことは明らかである。シリア空軍基地へのミサイル攻撃に関しては国民の57%程度が賛成したが、次の一手が難しく、トランプ政権には首尾一貫した中東戦略がないという指摘が多い。

同様にアジアにおける一貫した戦略も問われている。6日のシリア空軍基地に対するミサイル攻撃に続き、非核兵器としては最大の威力がある大規模爆風爆弾(MOAB)を使ってアフガニスタンのISIS(イスラム国)に対する攻撃を行った。

このMOABは、洞窟や地下トンネルを破壊する能力があり、北朝鮮の地下施設に対する攻撃を連想させるものであった。

6日以降も米国に対する挑発を続ける北朝鮮に対してトランプ政権は、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と軍事行動も選択肢であると断言し、カール・ビンソン機動打撃群を朝鮮半島近くに配置した。一触即発の状況である。

トランプ大統領は、米中首脳会議において中国の習近平主席とディールをしたと思われる。

そのディールとは、中国に北朝鮮を説得させ核・ミサイル開発を断念させる、それに成功すれば中国とのより友好的な関係(中国を為替操作国と呼ばない、貿易などをめぐる敵対的な姿勢を緩和する、THAADの韓国配備延期や中止など)を保証する、というものである。

事実、中国が主体となって北朝鮮を説得する努力がなされていて、その結果が出るまでは米軍の北朝鮮に対する爆撃・ミサイル攻撃・斬首作戦などの軍事行動はないであろうというのが筆者の意見である。

以下、トランプ大統領の変化について、米国の北朝鮮に対する軍事行動について、トランプ政権に対する懸念について記述する。

トランプ大統領の対外政策 対外不介入主義から単独行動主義に変化した

  • 選挙期間中に主張した対外不介入主義(non-interventionism)

選挙期間中にトランプ氏が主張した対外政策は、米国ではしばしば孤立主義(isolationism)と呼ばれてきたが、中西輝政氏が指摘する*1ように対外不介入主義という語句が適切であり、この語句を採用する。

トランプ氏は、米国外の紛争への不介入を主張し、ジョージ・W・ブッシュ元大統領が始めたイラク戦争を手厳しく批判し、米国が軍事力により外国の政権転覆を図ること、その後の国家再建に関与することに大反対してきた。

彼が主張するアメリカ・ファーストの意味するところは、「世界の諸問題には関心がない。米国はもはや世界の警察官ではない。アメリカさえ強く豊かになればいい」ということである。

彼のアメリカ・ファーストの主張は、まさに対外不介入主義であり、2001年から15年以上も続く対テロ戦争にうんざりしていた多くの米国人の支持を得た。

  • 単独行動主義(unilateralism) への転換

トランプ氏の対外不介入主義は、シリアの化学攻撃で苦しむ子供たちの映像が全世界に流された瞬間に吹き飛んでしまい、単独行動主義に転換した。

シリアに対するミサイル攻撃に対しては、スティーブン・バノン首席戦略官の反対を押し切り、リベラルな考えの持ち主のイヴァンカおよびクシュナー夫妻の助言に従って実行されたと報道されている。

今回のトランプ氏の反応は、米歴史学者のエドワード・ルトワックが言うところの「冷静な考えが最も必要とされる瞬間に、突然の感情の激流に人々が襲われてしまう」症状である。

要するに、トランプ氏の対外不介入の主張は確固たる信念に基づくものではなく、当時の激情によって簡単に単独行動主義に転換するものだった。彼は、この転換を柔軟性の発揮だと言うが、節操のなさと批判する者も多い。

  • 軍事力の活用の仕方に関するオバマ政権とトランプ政権の違い

米国は世界一の経済大国、軍事大国である。世界の諸問題の解決においては、この2つのパワーをいかに活用するかがカギとなる。

オバマ政権は、世界最強の軍事力を活用した問題解決が極めて下手であった。オバマ氏は、北朝鮮の核・ミサイル開発問題、南シナ海の人工島建設問題、シリア内戦問題などにおいて、まず軍事力による解決を否定し、それを公言してしまった。

*1=中西輝政、「日本人として知っておきたい「世界激変」の行方」、P76

諸問題の当事国の指導者たちは、オバマ政権が軍事力を使用しないことが分かっているから、米軍の脅威を気にしないでさらに一歩踏み込んだ挑発行為を行ってきた。

まるでオバマ政権のレッドラインがどこかを試すかのような挑発を行うことができた。米国の軍事力を最初から使用しないと宣言するオバマ氏のアプローチが、彼の対外政策の失敗の大きな要因である。

また、オバマ政権下においては、国防省に対するマイクロマネジメント(些細なことまで管理すること)の弊害が指摘されている。

あまりにも軍事作戦の細部にまで関与してくるオバマ氏やスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官(当時)と国防省の関係は良いものではなかった。

一方、トランプ政権は、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と宣言し、軍事力の使用に関しては状況により使用することもあるし、使用しないこともあるという「あいまい戦略」を採用している。

この軍事力の使用を否定しないアプローチこそが相手のさらなる挑発を抑止するために不可欠だ。

また、トランプ政権は、国防省に対し「自由に作戦をしなさい」というお墨付きを与えている。米国内の報道によると、トランプ大統領は、アフガニスタンにおけるMOABの攻撃についてメディアが報道するまで知らなかったという。

ここまで国防省に自由度を与えるのも問題があるが、オバマ政権とは180度違う国防省に対する管理方法である。

米国は北朝鮮に対する軍事行動を実施するか?

  • 爆撃・ミサイル攻撃・斬首作戦などの軍事行動の可能性は(当分の間)低い

現時点(4月17日)では、米軍による北朝鮮に対する爆撃、ミサイル攻撃、金正恩委員長を狙った斬首作戦などを行う確率は低くなってきた。理由は以下の通りである。

・米軍による軍事作戦は、北朝鮮の韓国攻撃や在日米軍を含む日本に対する攻撃を誘発する可能性が高い。この北朝鮮軍の攻撃に対抗するためには大規模な戦力が必要だし準備も必要だが、現在の米軍はそのような態勢になっていない。

・マクマスター国家安全保障担当大統領補佐官は、4月16日に米国ABCテレビに出演し、「平和的に問題を解決するために、軍事的選択を除くあらゆる行動に出るべき時だ。武力衝突に至らない範囲で行動を起こせば、最悪の事態は避けられる」と軍事行動を否定している。

・韓国に所在する米国人を避難させる非戦闘員避難作戦(NEO)が大々的になされたという兆候がない。NEOは戦争開始の重要な兆候だ。

・ワシントンポストは14日、トランプ米政権の公式な対北朝鮮政策として、「金正恩委員長の政権変更(regime change)は求めない方針を固めた」と伝えた。

2か月にわたる政策の検討の結果、北朝鮮に対し、経済制裁や外交手段により「最大限の圧力(maximum pressure)」をかけながら非核化(核兵器の放棄)を迫るとしている。圧力強化に際しては、北朝鮮の後ろ盾である中国の協力に重点を置いたと説明している。

  • しかし、目に見えない軍事行動は常に遂行中である

米軍は、今回は目立った軍事行動をとらないであろうが、米軍は、常に目に見えない重要な作戦を実施している。

つまり、米軍はこの瞬間も、将来の作戦に備えたISR(情報・監視・偵察)活動を行っている。金正恩委員長の動向(居場所、通信状況など)、重要な軍事施設(核関連施設、ミサイル開発施設、陸・海・空軍施設など)、各軍隊の動向などを継続的に情報収集・分析・評価し、将来の作戦遂行に備えている。

また、さらに重要な作戦は、北朝鮮の弾道ミサイル発射を失敗させる米軍の「発射前(left-of-launch)」作戦であるが、日本では馴染みのない表現の作戦なので説明する。

  • 米軍の「発射前(left-of-launch)」作戦が北朝鮮のミサイル発射失敗の原因の1つ?

北朝鮮のミサイル発射における失敗確率が高いと思う方が多いと思う。北朝鮮のミサイル開発・製造技術が低いことも理由の1つであるが、米軍が実施する「発射前」対処の成果の可能性がある。

例えば、北朝鮮のムスダン(中距離弾道ミサイル)の失敗率はなんと88%であるが、ムスダンを構成するソ連製のミサイルのソ連時代の失敗率は13%であった。この圧倒的な差は米軍による「発射前」作戦の成果かもしれない。

米軍が考えている弾道ミサイル対処の1つとして、「発射前(left-of-launch)」対処と「発射後(right-of-launch)」対処という考え方がある。

ミサイル発射を時系列でみると、発射時点を中心として左が「発射前」、右が「発射後」になるのでこのような名称になっている。我が国では、left-of-launchを「発射の残骸」と訳している人*2がいるが、明らかに誤訳である。

まず、「発射後」対処は自衛隊も実施しているもので、イージス艦から発射される「SM-3」や地上配備の「PAC-3」などの運動エネルギー兵器で弾道ミサイルを破壊することである。

周知のとおりSM-3やPAC-3は高額で対処も難しい。もっと安価に、より効率的に、より確実に相手のミサイルを無効化できないかという問題意識で「発射前」対処が考えられた。

「発射前」対処は、相手の弾道ミサイルが発射台を離れる直前までにミサイルを無効化することを狙いとする。

ミサイルが発射される前や発射台にまだ存在する時期はミサイルの弱点であり、この弱点を呈する時期にミサイルを無効化できれば最善である。

しかし、この「発射前」対処は目に見えない作戦で派手さはないが効果的な作戦であり、米軍は極秘裏に行っている可能性がある。

*2=長谷川幸洋、「トランプ政権が画策する対北朝鮮「静かなる先制攻撃」の全容」、現代ビジネス

「発射前」対処の手段については、サイバー攻撃、電子戦(電波妨害など)と記述される場合が多いが、閉鎖社会の北朝鮮でサイバー攻撃を成功させることは難しいと言われている。

それでは、具体的にいかなる手段を使うのか。

可能性があるのは、高周波マイクロ波をミサイル電子部品に照射し熱で破壊する、ミサイルに備わっている電波信号による自爆機構を逆用する、ミサイルの部品に攻撃プログラムを埋め込むこと(これは広義のサイバー攻撃の1つ)である。

これらを実行するためには高度な能力が必要だが、実際に米軍がこれらの手段を使用していることが、北朝鮮の弾道ミサイルの発射失敗が多い原因かもしれない。最近の資料では、ニューヨークタイムズが3月4日に読み応えのある記事*3を書いているので参照してもらいたい。

「発射前」対処の手段として、ミサイルの部品に攻撃プログラムを埋め込むことについて書いたが、4月13日付のワシントンポスト紙の記事*4によれば、2016年2月7日北朝鮮が発射したロケット光明星(カンミョンソン)4号の残骸(特に推進ロケット)を海から回収し分析した結果、その重要な部分はほとんど西側諸国製のものであり、中国企業を通じて入手したことが判明した。

つまり北朝鮮ミサイルのサプライチェインのどこかでミサイル部品に攻撃プログラムを埋め込むことは可能であろう。

中国の北朝鮮説得に対する期待と懸念

  • トランプ大統領の中国活用

トランプ大統領は習近平主席との首脳会談を経て、徐々に中国の重要性、米中関係の重要性を認識するとともに、諸問題の解決特に北朝鮮問題の解決のために中国を活用することを決断したと思う。

トランプ大統領にとっての米中首脳会談の成果は、まず中国に北朝鮮を説得させ、北朝鮮の核・ミサイル開発を断念させるように仕向けたことである。中国としても今までとは比較にならない真剣さで北朝鮮を説得している。

一方で、習近平主席の説明を聞き、中国の北朝鮮に対する影響力が限定的であることも認識したはずである。

中国が金正恩の説得に失敗した場合の対応が難しいが、成功よりも失敗する確率の方が高いと思う。トランプ大統領は、「中国が失敗した場合、米国単独でもやる」と言っているが、実際に米国が単独で何をするかだ。

  • いま中国は北朝鮮に対してどのような説得をしているのか?

最も望ましいのは、北朝鮮が中国の説得を受け入れて核・ミサイル開発を断念し、核兵器を廃棄することである。その際に周辺諸国にとって最も被害が少ない案は、金正恩委員長を説得し亡命させることだ。

「国外に亡命したならば、その後の面倒を見る。拒否すれば米国が攻撃する」という飴と鞭で説得している可能性もある。この説得が成功すれば画期的だが、金正恩がすんなり受け入れるとも思えず、結果はどうなるかである。

また、「中国は北朝鮮への石油の供給を断つ」という脅しをかけているかもしれない。しかし、過去何度も米国などから「北朝鮮への石油の提供を止めること」を催促されても拒否した経緯があり、説得力を持つかどうかだ。

*3=David E. Sanger and William J. Broad、“Trump Inherits a Secret Cyberwar Against North Korean Missiles”

*4=Joby Warrick、“Kim Jong Un’s rockets are getting an important boost from China”

トランプ政権への懸念

  • 新型大国関係を受け入れたティラーソン国務長官

習近平主席は、「偉大なる中華民族の復活」を掲げて中国のリーダーとなった。そして、彼は、2013年6月のオバマ大統領との会談の中で、米中の「新型大国関係」を提案して以来、一貫して米国と中国との新型大国関係を主張している。

中国にとっての「新型大国関係」とは、米中が対等の立場であることを前提として、各々の国益を認めること。特に中国にとっての核心的利益を認めること。つまり、チベットや新疆ウイグル両自治区、台湾などの中国国内問題や東シナ海と南シナ海の領土問題に対して米国は口を出さないこと、手を出さないことを要求している。

しかし、オバマ大統領(当時)は、新型大国関係の危険性を理解し、習近平主席の要求を拒否してきた。このオバマ前大統領の拒絶は当然である。

レックス・ティラーソン国務長官は、習近平主席との会談において、習氏が主張してきた米中の「新型大国関係」を実質的に認める発言を自発的にしてしまった。

つまり、中国側が「新型大国関係」を説明するのに使ってきた「衝突せず、対抗せず、相互尊重、ウィン・ウィン(nonconflict, nonconfrontation, mutual respect, win-win cooperation)」という諸原則を国務長官として最初の習主席との会談において自ら自発的に発言してしまった。

これは由々しき問題であり、この新型大国関係を認めたということは、中国が核心的利益と主張する台湾、チベット、東シナ海、南シナ海について中国の主張を認めるということであり、日本への影響も大きい。いくら新任の国務長官であっても今回の発言はひどい。

ティラーソン国務長官のみならずトランプ大統領以下の閣僚が中国との新型大国関係を認めるとしたならば、我が国はいかに対処すべきか悩ましい事態になる。

  • トランプ大統領はドラゴン・スレイヤー(反中派)なのかパンダ・ハガー(親中派)なのか?

トランプ氏は、選挙期間中は為替操作国であり米国の貿易赤字の元凶であると中国を厳しく批判し、大統領選挙勝利後も一中政策(一つの中国政策)を認めないと発言するなど、ドラゴン・スレイヤーの評価であった。

しかし、日米首脳会談直前に一中政策を認めると発言し、最近では中国は為替操作国ではないと発言するなどパンダ・ハガーに変身したのではないかと思うほど、その発言は急変している。

歴代大統領の中で、当初、中国に厳しい発言をしていたビル・クリントン大統領(当時)やジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)が最終的には中国と親しい関係になったように、トランプ大統領も同じように中国とことを構えない大統領になるのではという懸念がある。

トランプ大統領の誕生に伴い中国はいかにトランプ氏に対処するかを検討した結果導き出された1つの結論が、トランプ大統領の最側近である「イヴァンカおよびクシュナー夫妻を取り込むこと」であり、猛烈な外交攻勢により2人の取り込みが実現しつつあると言われている。

この2人がパンダ・ハガーになれば、トランプ大統領もその影響を受けるであろう。その時に日本は米中に対していかに対応するかが問われる。

おわりに

トランプ大統領は、4月6日のシリア空軍基地へのミサイル攻撃を契機として選挙期間中に主張してきた対外不干渉主義を改めた。

北朝鮮の核・ミサイル開発に対しても「軍事行動を含む全ての選択肢がテーブルにある」と表明し、その解決に向けた努力を行っている。

この対外政策の変化は現段階では望ましい変化だと言えるが、最終的には中国による北朝鮮説得の結果とその後の米国の対応を見て判断したい。

米中首脳会談を受けて中国の北朝鮮に対する姿勢が確かに変化している。中国にとっても北朝鮮の核開発は厄介であり、その核開発を阻止し、朝鮮半島の非核化を達成したいはずである。

中国は、北朝鮮側に立つよりも米国側に立った方が中国の国益に沿うと判断したのであろう。中国と北朝鮮間の定期航空機の運行を一時停止し、中国の港に到着していた北朝鮮の石炭積載船を追い返したのはささやかな努力の証である。

中国の環球時報は4月12日、「北朝鮮は核やミサイルに関連した活動を中止すべきだ。米国が核武装した北朝鮮と共存する気はないことは明白だ」と強調した。また、「北朝鮮は今回こそ過ちを回避すべきだ」とまともなことも書いている。

協調し始めた米中が北朝鮮の核ミサイル問題をいかに解決するかは見ものだが、我が国も当事者として様々な状況を想定し、その状況にいかに対処するかを具体的に詰めなければいけない。

特に米中協調が続くと仮定した場合の日本のあるべき姿を真剣に検討すべきであろう。

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『女子大生を餌食にする中国「裸ローン」の罠 自撮りヌード写真を担保に借金、返済できなければバラマキ』(4/21日経ビジネスオンライン 北村豊)について

『韓国は敵か?味方か?』ブログの4/22に似たような記事がありました。中国福建省で裸の映像を渡した女子学生が自殺したというものです。

http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/archives/70273610.html

日本のサラ金を思い出させる記事です。やはりこういう阿漕な利率で雪だるま式に債務を増やしていき、人生を雁字搦めにして、最後には死ぬしかない所まで追い込んでいきます。サラ金は在日が主体となって経営していましたが、「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」が平成11年にできて、制限利率が引き下げられました。過払い金返還訴訟も多くなり、経営が苦しくなって、今は大手銀行の傘下に入っています。ただ、パチンコやゲームセンターの傍に、サラ金の出張所や看板があって、敗けて熱くなっている人間に金を貸して、更に負けを込まさせようという発想のビジネスです。こんな阿漕なことを考え出すのは、朝鮮半島人です。勿論、サラ金に手を出す人の方が悪いのですが。

女性の裸で融資するなんて言うのは、如何にも中国人です。宗教心を持たない(神をも畏れぬ)民族で、現世利益、拝金教ですので。ですから、葬儀の時に、ストリッパーを呼んで皆で楽しむことができるのでしょう。また冥婚(未婚の男性が死亡した時に、来世でも結婚できないと可哀想というので、一緒に死んだ女性を葬ること。近年はこのため墓を荒らして遺体を売ったり、挙句は殺人まで犯すケースがあるという)や紙銭を燃やしてあの世で、金持ちになりたいというのですから。日本人の無常観と如何にかけ離れているかです。

中国ではこういった犯罪集団を取り締まるべき公安が、賄賂を取り、見て見ないふりをします。彼らもグルである時の方が多いでしょう。歴史的に「清官三代」と言われる中国ですが、共産党になって、かつ経済成長してからの中国の賄賂の額は桁違いです。国民のチエックを受けないシステム(=三権分立していない)、共産主義の本質的な問題です。

記事

“恩施市”は、湖北省の西南部に位置する“恩施土家族苗族自治州”の州政府所在地で、海抜900m以上の山岳地帯にある常住人口75万人の風光明媚な地域である。省都 の“武漢市”からは直線で500kmの距離にあり、自動車なら6.5時間かかる。4月3日、その恩施市の農民である周さんは自分の携帯電話に1通の写真付きメールを受領した。何だろうとメールを開くと、周さんは自分の目を疑った。携帯電話の画面には娘の“小周”(仮名)の“裸照(ヌード写真)”が写っていたのだった。

身分証明書を持って全裸写真を自撮り

4月10日付の湖北紙「楚天都市報」は、『武漢女子大生の“裸貸(裸ローン)”5000元(約8万円)が雪だるま式に増えて26万元(約416万円)に』と題する記事を報じた。その概要は以下の通り。

【1】20歳の小周は、武漢市”にある某職業技術学院大学の2年生である。2016年10月の或る日、大学のトイレに入った小周は、個室のドアに貼ってあった消費者金融業者の広告に目を止めた。当時、小周には買いたい物があったが、懐が寂しく、到底手が届きそうになかった。そうだ、一時的に借金すれば欲しい物が買える。そう思ったら、何かに取りつかれたように、自身のスマートフォン(以下「スマホ」)で広告に書かれていたSNSの“微信(WeChat)”に連絡を入れ、先方の担当者に借金したい旨を伝えていた。

【2】ひとしきりチャットを続けて、カネを借り入れる意向を示すと、消費者金融業者の担当者から身分証の写真、学生証の写真、スマホの通話履歴を微信で送るよう要求された。小周が指示通りの物を送信すると、担当者はさらに次の物を微信で送信するよう要求した。

(1)“手拿借條”:担当者が送信するひな型に通りに手書きした借用書に自分の署名を行い、署名済みの借用書を手に持って上半身を撮影した画像。

(2)“裸條”:“全身赤裸手持身分証自拍(全裸で身分証を手に持って自撮りした)”写真あるいは動画。

【3】欲し物を買いたい一心の小周も“裸條”にはさすがに躊躇した。これを担当者に伝えると、この写真や動画は担保であり、万一返済期日までに返金されなくても、必ず流出する訳ではないので心配不要だと答えた。これで安心した小周は借入額もさほど大きくないので、返金は問題なくできると判断して、担当者の要求通りに(1)と(2)を送信した。

【4】小周の借入金は5000元(約8万円)であったが、審査費、写真の秘密保持費などの費用を差し引かれて、消費者金融業者から小周の銀行口座へ払いこまれたのは2750元(約4万4000円)だけだった。この2750元を何に使ったのか、小周には全く記憶がない。彼女が覚えているのは、毎月の生活費が1000元(約1万6000円)で、常に足りなかったからカネを借りて何かを買ったという事だけで、具体的に何を買ったのかは覚えていないのだ。

30社以上から借金、8万元が26万元に

【5】署名した借用書には借入金を1週間以内に全額返済することが明記され、返済できない場合は、完済まで毎週287元(約4600円)の金利を支払わねばならないと規定されていた。ただでも少ない毎月1000元の生活費に頼るしかない小周に借金を返済する術はなかったが、借金のことを両親に告げる勇気はなかった。そこで、ひたすら友人たちに頼み込んでカネを借りて回ったが、最後には誰もカネを貸してくれなくなった。カネに詰まって苦しんでいると、消費者金融業者の担当者が親切に助言してくれた。それは、インスタントメッセンジャーアプリ「QQ」の借金グループに加入し、別の消費者金融業者から新たにカネを借りて、前の借金を返済するというもので、小周を借金地獄の泥沼に陥れるものだった。

【6】借金の返済に追いまくられて冷静に物を考えられなくなっていた小周は、何も考えずにQQの借金グループに加入し、半年間に30社以上の消費者金融業者からカネを借入れては借金の返済に充てることを繰り返した。この結果、手続き費用を差し引いて、小周が手にした元本の合計は8万元(約128万円)以上に達したが、これに利子を加えた返済が必要な借入れ金の総額は26万元(約416万円)近くに膨れ上がっていた。

【7】2017年の“春節(旧正月)”休暇(1月27日~2月2日)中に、小周はスマホの電源を切って、外部との連絡を絶った。春節休暇中は小周のスマホと連絡が取れなくても仕方ないと考えていた消費者金融業者も、休暇が明けても連絡が取れないことに業を煮やした。そこで小周から事前に受け取っていたスマホの通信履歴にある電話番号宛てに下記のような返金催促メールを発信した。

どうぞ返済するよう忠告して下さい。  小周  身分証番号:4228221997XXX  貴女は2017年1月26日に4万元を借入れたが、明日2月4日の午後6時が返済期限です。ここに約束の時間と金額に基づき貸付金の返済を行うよう注意を喚起します。いかなる理由でも返済金額と期限の変更は認められません。もし詐欺的手段を隠して故意に貸付金を返済しないことが疑われるなら、我々は強大な社会世論の圧力、身近な親友や友人、通信履歴、第三者の借金返済機関を通じ、また、直接住宅を訪ねての催促、地元の住民委員会および地元の尋ね人広告に借金未済を暴露するなどの手段で24時間返済催促を行います。負債を返済するのは当然の道理であり、期限を過ぎて返済しない結果は重大なものとなります。期限超過の罰則は毎日200元(約3200円)となります。この返済催促は貸付側がQQや携帯電話などの常用通信手段を通じて告知義務を履行していることを示しています。

2017年2月3日

【8】父親の周さんは消費者金融業者から届いた催促メールを見て、初めて娘が借金取りに追われていることを知った。周さんは慌てて小周に連絡を取り、借金について問いただしたが、小周は言葉を濁し、カネを借りたと言うだけで、カネを何に使ったのかは口を閉ざしたままだった。愛する娘が困っている。仕方なく、周さんは虎の子の4万元(約64万円)を小周に手渡し、大至急借金を返済するよう言い聞かせた。

親や親戚、友人にヌード写真が届く

【9】ところが、文頭に述べたように、4月3日に全裸の小周が身分証を手にした“裸照(ヌード写真)”が周さんの携帯電話に送信されて来た。これを見て肝を潰した周さんは精神的に崩壊した。まさか娘にまだ借金があったなんて、周さんは考えたこともなかった。“裸照”は小周の“姑姑(父方のおば)”や“姨媽(母方のおば)”、大学のクラスメートたちにも届いていた。急きょ武漢市へ出向いた周さんは小周と会って彼女がはまった消費者金融の罠の全貌を聴取し、4月5日の午後に娘を伴って“武漢市公安局”の“東湖新技術開発区分局関南派出所”に事態を通報した。

【10】小周は今まで経験した事のない恥辱と後悔にさいなまれ、周さんに全てを告白した。借金の元本と利子の合計は26万元だが、父親の援助もあって、すでに16万元(約256万円)は返済済みで、残りの借金は10万元(約160万円)余りだが、その大部分は“裸照”を担保に取られている。かくも膨れ上がった借金の起因になったのは、最初に借入れた5000元であった。その後に借入れたカネを彼女はほとんど使っておらず、その大部分を借金の返済に充てていた。“裸照”付きのメールが大学のクラスメートたちにも届いたことから、小周は面子を失い、大学にいられなくなった。また、さらなる借金取りの出現を恐れて、小周は周さんと共に武漢市を離れ、現在は両親と共に上海市へ出稼ぎに行っている。なお、周さんによれば、彼には小周の他に9歳の息子がおり、上海市では夫婦2人でプラスチック工場の臨時工として働いているが、月収は2人合わせて6000元(約9万6000円)程なので、借金の残額10万元(約160万円)を返済することはどうやってみても不可能だという。

【11】楚天都市報の記者が“借貸(貸借)”、“借銭(借金)”などのキーワードでネット検索を行ってみると、非常に多くの消費者金融業者がヒットした。彼らの数社に微信やQQ、電話を通じて連絡してみると、ローンの月利は8~15%とまちまちであった。月利15%として1万元(約16万円)を借りると、毎月の支払い利息は1500元(約2万4000円)となるが、1か月目の利息は先払いが要求されるのだった。記者が小周にカネを貸した消費者金融業者たちに連絡を取ってみたところ、ある業者は小周など知らないと言って電話を切ったし、またある業者は返済催促業務を外部に委託しているので、もしかすると“裸照(ヌード写真)”を使って催促している可能性もあるかもしれないと答えた。

【12】小周は大学には行きたくないと言っていたが、大学側は小周に対する心理カウンセリングを継続しており、当面は休学扱いとして、一定時間が経過したら復学が可能なように配慮してくれている。周さんは小周を復学させるかどうかを思案中であるという。

【13】小周事件に関する弁護士の意見はどうなのか。湖北典恆弁護士事務所の“陳亮”弁護士は次のように述べている。すなわち、“裸照”を担保として行う貸付は、契約そのものが無効である。なおかつ、我が国の法律が認めているのは年利24%以内の貸借関係だけで、これを超えた部分は法律の保護を受けない。小周の借金は高利貸しに属するものであり、借金1件毎に小周が元本と年利24%の利息を支払っていれば、それ以上の利息を支払う必要はない。余分に支払った利息が36%以上であれば、民事訴訟を通じて返還を求めることができる。

中国では上述したような「“裸照”を担保に取る貸付」を“裸貸(裸ローン)”と呼ぶ。3月7日付で中国国営通信社の「新華社」が報じたところによれば、大学生向けのネット消費者金融の規模は2016年に800億元(約1兆2800億円)を突破し、さらに拡大する傾向にあるという。こうした大学生向けのネット消費者金融を“校園貸(キャンパスローン)”と呼ぶが、“校園貸”は借入がネット完結型で簡便であることが大きな魅力となっている。身分証番号、在学している大学名、学年、学生番号、学部などの個人情報を登録して、身分証や学生証の写真を示して検証し、署名した契約書の写真や動画を送信すれば、わずか10分足らずの時間で数千元から数万元のカネを借入れることができる。このため、“校園貸”はネット消費者金融の中で目覚ましい発展を遂げているのである。

2015年に始まり、各地に波及

しかし、“車貸(自動車ローン)”なら“汽車(自動車)”を担保に取れるし、“房貸(住宅ローン)”なら“房産(家屋)”を担保に取れるが、大学生相手では担保に取るものがない。そこで悪質な消費者金融業者が女子大生を対象として考え出したのが“裸照(ヌード写真)”を担保に取る“裸貸(裸ローン)”であった。キャンパスローンの“裸貸”は2015年に中国南部から始まったとされるが、2016年には山東省、江蘇省、広東省、北京市、四川省などの各地に波及し、急速に全国的な存在となった。

2016年11月30日には、消費者金融プラットフォームの“借貸宝”を経由して“裸貸”を利用した161人の女性たちの個人情報を記録した10ギガ(G)の圧縮データがネット上に流出する事件が発生し、“裸貸”は中国社会で改めて注目を集めることになった。161人中で本籍が流出した者は146人で、その内訳は14人の四川省が最多で、広東省(11人)、江蘇省(10人)がそれに続いた。また、年齢情報が流出したのは144人で、そこには1993~1997年生まれ(23~19歳)が91人含まれ、最年少は1999年生まれの17歳で4人含まれていた。また、学校情報が流出したのは28人であり、借入金額が流出したのは26人で、最高額は2.3万元(約37万円)、最低額は1000元(約1万6000円)だった。

メディアの記者が“借貸宝”を運営する“九鼎集団”に連絡を取ったところ、先方の担当者は、「“借貸宝”は消費者金融の仲介を行っているだけで、金融実務は貸付人と借入人が個人的に行うP2P方式であり、我々は双方の貸し借りには介入しておらず、“裸貸”を行うような不良業者とは全く関係ない」と述べたという。

“裸貸”で借りたカネを返済期日までに返済できなければ、通話履歴に記載された父母や親戚、友人、知人に返済催促のメールが発信され、それでも返済がなされなければ、“裸照”がメールでばらまかれる。さらに返済がなければ、元本に高率な利息を加えた莫大な金額を、彼女たちにその肉体で償わせることになる。2016年11月11日付の甘粛紙「蘭州晩報」が報じたところによれば、“裸貸”を行っている貸付人たちは、返済不能となった借入人の女性たちに肉体による返済方法を提案し、彼らの客である“富二代(富豪の子供)”や“官二代(政府高官や地方幹部の子供)”の放蕩息子などと一夜を共にしたり、愛人になることを強要するのだという。逃げ道をふさがれ、追いつめられた女性たちは自暴自棄となり、春をひさぐ転落人生を歩むようになるのである。

高利貸しの危険、知っていたのは1.75%

キャンパスローンで“裸貸”を主体としている消費者金融業者によれば、女子大学生が借金をする理由は、恋愛や遊びの資金不足、アップルのiPhone購入、ファッションアイテムの購入など、千差万別だが、彼女たちは“裸貸”によって地位や名誉を失うことになるかもしれない危険を負うことなど一顧だにせず、安易な気持ちで“裸照(ヌード写真)”を送信してくるのだという。

4月14日付の北京紙「新京報」は『大学生のネット金融調査報告』を掲載したが、調査結果の概要は以下の通り。

(1)大学生の66%はキャンパスローンの危険性を認識しておらず、年利36%以上が高利貸しとなることを知っていたのは、わずか1.75%に過ぎなかった。

(2)キャンパスローンの利用者は、男子学生が73%、女子学生が27%で、圧倒的に男子学生が多かった。キャンパスローンを利用する目的は、物質生活の改善(デジタル機器、ファッション、化粧品などの購入):54%、基本的な生活支出:36%、娯楽支出(旅行、ゲーム、会合など):24%、などであった。

文頭に述べた小周の場合は、父親の周さんが速やかに公安局へ通報したことにより難を免れたが、違法な消費者金融業者の餌食になっている女性たちが多数存在することは疑いのない事実である。“裸貸”は日本に存在しないと思うが、それにしても、担保に取った女子大生の“裸照(ヌード写真)”を肉親や友人にばらまくとは、人間の皮を被った悪魔の所業で、厳しく断罪されて然るべきである。

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『北朝鮮、パレードで見せたハリボテICBMの意味 「米本土を狙う固体推進剤ミサイルの開発を止めない」と宣言』(4/20日経ビジネスオンライン 松浦晋也)、『日本がICBMよりも目を向けるべき北朝鮮の脅威とは 弾道ミサイル「北極星1号」が日本を狙う』(4/20JBプレス 北村淳)について

23日~26日まで万座温泉に来ており、旅館のフロントのみwifi可能ですので、4日間は簡単に解説をします。

中国もロシアも北朝鮮が崩壊するのを見越して、領土分割の挙に出ようとしています。知らぬは金正恩と韓国人ばかりなりと言ったところでしょうか。本当に阿漕な連中です。

<中国環球時報「韓米が北朝鮮攻撃すれば軍事介入する」>

http://japanese.joins.com/article/360/228360.html

<「北朝鮮利権」奪取へ奔走するロシア>4/14

https://myjitsu.jp

<「日本人シェフが逃げたので店を閉めます」韓国の飲食店の貼り紙が話題に=韓国ネット「サムライ精神はどこに?」[04/20]>

http://sp.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=175866&ph=0

韓国政府は日本政府と日本人の退避について協議に応じる姿勢を示していません。人間の盾にする積りなのでしょう。こんな品性下劣な韓国人の為に、日本人が犠牲になることはないと思います。日本企業の経営者は在韓従業員を早く帰国させた方が良いでしょう。『葉隠』には「たとへば刀の身の如く、切れ物を研ぎはしからして鞘に納めて置き、自然には抜きて眉毛にかけ、拭いて納むるが良し。外にばかりありて、白刃を常に振回す者には人が寄り付かず、一味の者無きものなり。内にばかり納め置き候へば、錆もつき刃も鈍り、人が思ひこなすものなり」と。蛮勇は評価されませんし、過去の歴史の中で見れば、口だけで逃げてばかりいる韓国人とは覚悟が違いますので。退避を非難できる韓国人は一人としていないでしょう。「日本人をさんざん貶めて来て、まさか自分だけ助かるために日本に来るようなことはよもやないでしょうね」と念を押せば良いだけです。

北朝鮮が何故、核やICBMを持っていけないのか論理的に明快に説明は出来ません。第二次大戦の戦勝国のみが持てるというのは、一時的な勝利者が永劫に特権を持つという意味で、考え方としてはおかしいでしょう。彼らが道徳的・倫理的に優れていて、他の国や民族を支配する権利を持つというのは過去の歴史を見れば、あり得ません。ジェフリー・レコード著、渡辺惣樹訳『アメリカはいかにして日本を追い詰めたか』の中に『「恐怖心」や「威信(プライド)」は「国益」と同程度に国家の意思決定に影響を及ぼす』(P.106)とあります。追い込まれれば合理的判断ではなくても、立上るという事です。第二次大戦の日本が正しくそうでした。ですから北朝鮮が暴発する可能性はあります。それが彼らの名誉にかかわるという点で。ただ、戦前・戦中の日本は八紘一宇を実現しようとしていたのであって、植民地収奪をしていたわけではありません。今の北朝鮮のように自国民虐殺、他国を大量破壊兵器で脅すようなこともしませんでした。P5が良いかどうかは別にして、北の現体制は潰すべきです。

松浦記事

太陽節軍事パレードに登場した新型ICBMと運搬車両(朝鮮中央テレビよりキャプチャー)

米国との関係が緊迫する中、北朝鮮は4月15日に平壌で軍事パレードを実施した。

発射実験が最近相次いだことから、メディアの報道はSLBM(潜水艦から発射する弾道ミサイル)に集まっているが、最も注目すべきは、射程1万km級と目される新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)が登場していることだ。

これだけの射程があれば、北朝鮮から北米大陸の大半を射程に収めることが可能になる。

先に言っておくと、このICBMはまず間違いなくモックアップ、実物大の模型だ。では、単なるこけおどしだから心配は要らないのか? そうではない。パレードでのお披露目は北朝鮮が世界に向かって「このサイズのICBMに核弾頭を搭載するまで技術開発を止めない」という言う宣言であり、その意味するところは重大だ。米トランプ政権は、北朝鮮に対して「核兵器開発を止めよ」という圧力を掛けているが、北朝鮮はそれに応じず、「どんどん賭け金をつり上げるぞ」と意思表示をしているのだ。

突如登場、ロシアの「トーポリ」に似た新型ICBM

4月15日は、北朝鮮建国の父とされる故・金日成主席の誕生日で、同国では「太陽節」という最大級の祝日である。パレード会場となった平壌の金日成広場には、金正恩朝鮮労働党委員長以下の国家首脳部が列席した。

今回のパレードで公開された主なミサイルは以下の通り。

  1. 2016年8月に発射に成功した潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)「北極星1号」
  2. 今年2月に発射試験に成功した「北極星1号」の陸上発射型「北極星2号」
  3. 2016年6月に発射試験に成功した「ムスダン」中距離弾道ミサイル(IRBM)
  4. 初公開となる「ノドン」準中距離弾道ミサイル(MRBM)の弾頭に空力操舵面が付いたノドン改良型ミサイル
  5. 開発中の液体推進剤を使用する3段式弾道ミサイル「KN-08」
  6. 初公開の中国の「東風21」MRBMと類似の固体推進剤を使用すると思われるMRBM
  7. 同じく今回が初公開となる射程1万km級と目されるICBM

(※詳しくは「北朝鮮のミサイル、固体推進剤で脅威度急上昇」:2017年2月21日、及び「北朝鮮、ムスダンの開発の異常なペース」:2016年6月30日、を参照。特に、固体推進剤を使うICBMがどれだけ脅威なのかをご存知ない方には、前者をぜひお読みいただきたい)

この中で注目すべきは、7つめの新型ICBMだ。

新型ICBMは、打ち出し用の筒状構造物(キャニスター)に搭載されていたため、ミサイルの外観は不明だが、キャニスター及びキャニスターを搭載する運搬車両が外見、サイズ共に、ロシアのICBM「トーポリ」と酷似していた。

トーポリ(ロシア語でポプラを意味する)ICBMは、旧ソ連が1977年から開発を開始して、1985年から配備したものだ。全長21.5mで固体推進剤を使用した3段式、打ち上げ時重量45トンで、1トンの弾頭を搭載できる。運搬車両から直接発車するので、打ち上げ時は車両の焼損を避けるため、キャニスターから高圧ガスでICBMを空中に射出した上で推進剤に点火するコールド・ローンチ方式を採用している。

ロシアが配備しているICBM「トーポリ」(ロシア語版Wikipediaより)

こちらはトーポリ発展型の「トーポリM」。北朝鮮の新型ICBMの運搬車両は、こちらに類似している。

未完成のICBMを公開したのは米国へのサイン

北朝鮮がこうしたことをやるのは初めてではない。過去に何回も、開発中のミサイルのモックアップをパレードに登場させたことがある。

2012年の太陽節軍事パレードではコード名「KN-08」というICBMを、2015年パレードではその改良型と目される「KN-14」ICBMを、それぞれモックアップで見せつけた。共にムスダンの技術を発展させた液体推進剤を使うICBMと推定されており、全長約16m。射程距離はグアムを狙うことが可能な6000km程度らしい。これらは現在開発中と目されており、使用すると思しき液体ロケットエンジンの燃焼試験映像も公開している。

これらと比較すると、今回の新型ICBMは、全長20m程度と大きい。トーポリと同程度の性能があるなら射程は1万kmで、北米大陸の大半を狙うことが可能となる。

新型ICBMを収めたキャニスター頭部には、開口部の継ぎ目が見あたらない。モックアップと考えられる根拠のひとつである(朝鮮中央テレビよりキャプチャー)

これだけ大型のICBMの発射試験は確実に検知されるので、まだ新型ICBMが完成していない(打ち上げの実験段階に進めていない)ことはほぼ間違いない。また、KN-08/KN-14も開発中の現状で、さらに大型、それも有事即応性に優れる固体推進剤を使用して、コールド・ローンチ可能なICBMを同時並行開発するだけの国力が、北朝鮮にあるかどうかも分からない。

しかし、たとえブラフであったとしても、北朝鮮が射程1万kmと目される新型ICBMのモックアップを軍事パレードに登場させた意味は大きい。米トランプ政権に対して「お前らがどうプレッシャーを掛けようが、米本土に到達するこのICBMに核弾頭を搭載するまで、我々は技術開発を続けるぞ」という明確なサインを送ったのである。

強硬姿勢の表れとして、北朝鮮は翌4月16日朝に半島東海岸の新浦からミサイル1発を発射した(発射直後に爆発)。発射されたのは比較的小型の新型ミサイルと推定されており、「スカッド(ノドン)」改良型ではないかとの報道もある。

また、17日にBBC記者と面会した北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官は、今後ともミサイル発射実験を繰り返すと発言、「米国が軍事行動に出ればすぐに全面戦争になる」と警告した。

ミサイルはパワーゲームの賭け金をつり上げる道具

こうした強気の姿勢は、先代の金正日朝鮮労働党中央委員会総書記以来の瀬戸際外交と考えて良いだろう。北朝鮮は1990年代と同様に、ぎりぎりまで危機感を醸成して、米国や周囲の譲歩を引き出そうとしている。

核兵器は「使わないことに意味がある」という特徴を持つ兵器だ。北朝鮮も米国も核兵器を使えば世界中からの非難を浴び、特に国力で大きく劣る北朝鮮が核兵器を使用すれば、即体制崩壊につながると見て間違いない。だから北朝鮮としては、核兵器開発をいかに高いカードとして売りつけるかに腐心している。「全面戦争だ」と口には出すが、もし全面戦争になれば最初に滅ぶのは、現在の金正恩体制であることを、北朝鮮は熟知しているはずだ。

北朝鮮の望みは、核兵器と、核兵器を米本土に送り込むことができるICBMを完成させ、なおかつそれを実戦に使用することなく恫喝に使って米国を交渉のテーブルに引きずり出し、金正恩体制の継続を米国に保証させること、と考えられる。

北朝鮮の核兵器開発は、米国だけではなく、中国もロシアも、もちろん韓国も日本も朝鮮半島のパワーバランスを崩すものとして危険視している。核兵器開発の鍵を握るのは核実験だ。実験を繰り返すほど、核兵器は完成に近づいていく。

だから米国は、今年3月末に北朝鮮が核実験を実施する徴候が現れてから、様々なラインを使って「北朝鮮が核実験を行うとの確証を得た時点で通常兵器による先制攻撃を行う」という情報をリークし、北朝鮮への圧力を強めていた。

北朝鮮としては、米国という虎の尾を踏むことはできない。かつては後ろ盾となってくれていた中国との関係が悪化している今、核実験を実施して米国が通常兵器による攻撃をかけてきたなら、その後の体制存続のシナリオが描けないからだ。

ここで、瀬戸際外交をさらに推し進める手段として、急浮上したのがICBMだ。

ミサイルだけならば、米国の尻尾を踏まずに掛け金を釣り上げられる、と、おそらく北朝鮮は判断したのだ。太陽節軍事パレードでの新型ICBMモックアップ多数登場や、16日のミサイル発射は、そう考えれば符合は付く。

理性的なら核攻撃はない、が、理性を担うのは個人

今回、日本では北朝鮮がいまにも核ミサイルを日本に打ってくるかのような言説が目立ったが、危機感醸成のために北朝鮮が切ることができる持ち札はまだまだある。よって、いきなり北朝鮮が最後のカード、核ミサイルを発射することはないだろう。

次に注目すべきは、通算6回目となる核実験を北朝鮮が実施するかどうかだ。米国が「実施の確証があれば攻撃」というサインを送っている以上、北朝鮮としては米国が手を出さないという確実な証拠を手に入れない限り、核実験を実施せず、一層のミサイル実験を重ねるはずだ。

ただし、これらの予想は北朝鮮が理性的であるという前提に立っている。

複数の人間がコントロールに絡む普通の国家ならばともかく、現在、北朝鮮という独裁国家の理性は、金正恩という一個人の理性に依存している。個人が強いストレスのために理性を失うことはあり得る。

言わずもがなだが、彼に理性が残り続けることを祈りたい。

北村記事

北朝鮮の首都・平壌で行われた軍事パレードに登場した弾道ミサイル。国営朝鮮中央通信(KCNA)配信(2017年4月16日配信、資料写真)。(c)AFP/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

アメリカ軍による軍事的威嚇の中、北朝鮮で軍事パレードが執り行われた。北朝鮮政府は多数の海外メディアを招き、国際社会に向けて軍事パレードの映像画像を発信した。

このデモンストレーションに関する日本政府のコメントやメディアの報道などをみると、新型「ICBM(大陸間弾道ミサイル)」(とみられるミサイル)に関心が集中していたようである。

もちろん、北朝鮮が核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルを完成させた場合、日本にとっても軍事的脅威は高まる。だが、パレードではICBMよりも直接的に日本にとって脅威となっている兵器を見せつけていたにもかかわらず、日本政府もメディアもそれらの直接的脅威に対しては言及していなかった。

日本にとってICBM開発が危険な理由

北朝鮮は軍事パレードの直後に「IRBM」(中距離弾道ミサイル、日本列島は飛び越してしまうが、アメリカ本土には届かない)の発射テストを実施し失敗した。したがって、新型IRBMやICBMといった長射程の弾道ミサイルが実戦配備段階に至っているとはいまだにみなすことができない。また、それらの弾道ミサイルに搭載する核弾頭も、まだ完成の域に達してはいないものと考えられている。

トランプ政権は北朝鮮の核実験、ICBM試射を強く警戒しているが、アメリカ本土が直接核弾道ミサイル攻撃の被害を被るには、ある程度の時間がかかりそうである。

一方、日本にとって北朝鮮の核実験やICBM試射はどのような脅威があるのか。

もちろん、それらが日本にとっても軍事的脅威にならないわけではない。とはいっても、核搭載ICBMが日本に飛んでくるわけではない。

北朝鮮が開発に成功した場合はもちろん、さらに核実験を繰り返した場合に、アメリカが北朝鮮を軍事攻撃する恐れがあるから、日本に対する軍事的脅威と言えるのだ。

すなわち、本コラムでも繰り返し指摘しているように、トランプ政権が北朝鮮を軍事攻撃したならば、北朝鮮による韓国に対する報復攻撃により多数の在韓邦人が死傷することは避けられず、日本領内に弾道ミサイルが降り注ぐ可能性も高いと考えられている。

パレードに登場したソウルを火の海にするロケット砲

北朝鮮は核弾頭の小型化に成功し保有しているものの、その数は極めて少数とみられる。貴重な核弾頭を対日攻撃用のノドンやスカッドERに装着することは、現時点では現実的ではない。そのため、報復攻撃によって日本に飛来する弾道ミサイル弾頭には、非核の高性能爆薬が装填されていると考えられる。

ただし、それでも日本が甚大な被害を受けることは避けられない。まして、過去70年以上にもわたって軍事攻撃を被った経験も戦闘の経験もない日本では物理的惨状に加えて心理的大パニックに陥る可能性が高い。

日本の最大の脅威は「北極星1号」

北朝鮮が軍事パレードで見せびらかした兵器システムのうち、日本政府やメディアが大きく取り上げるべきだったのは、ICBMよりも“地味”な弾道ミサイル「北極星1号(KN-11)」である。

潜水艦発射型ミサイル(SLBM)のKN-11は、パレードでは他の弾道ミサイルや巡航ミサイルのように地上移動式発射装置に搭載されるのではなく、展示用トレーラーに積載されていた(下の写真)。

パレードに登場した潜水艦発射型ミサイル(SLBM)「北極星1号」

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の写真をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49760

KN-11はいまだに開発途上であり、これまでの試射において達成している射程距離は500キロメートル程度と、目標とみられる1500キロメートルには到達していない。また、発射プラットフォームとなる潜水艦もやはり開発途上であり、いまのところ新浦級潜水艦1隻が確認されているに過ぎない。

だが、KN-11の当面の主な攻撃目標は日本とされている。たとえ飛距離が1000キロメートル以下と短くとも、北朝鮮がKN-11を安定して水中から発射できるレベルに完成させ、より改良を加えた新浦級潜水艦を数隻生み出してしまった場合、日本にとっては、まさに深刻な軍事的脅威が追加されることになる。

たとえば、これまでの試射で達成されている500キロメートルという飛距離のKN-11が搭載された新浦級潜水艦数隻が、実戦配備されたとしよう。日本としては、日本各地を射程圏に納めたKN-11を2基搭載した北朝鮮潜水艦が2~3隻、常に日本海のどこかの海中を潜航していると考えなければならない。そのため海上自衛隊は、なんとしてでもそれらの弾道ミサイル搭載潜水艦を発見し捕捉しなければならなくなる。

これまで、日本海から日本に加えられる軍事的脅威は、対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡を日本海へと通航する中国とロシアの艦艇ならびに航空機に限定されていた。そのため、それらの海峡部において中国軍やロシア軍の動向を見守っていれば、日本海からの軍事的脅威に備えることができた(ただし、満州方面から発射される長射程ミサイルは除く)。

ところが、KN-11を搭載した北朝鮮の潜水艦は、日本海に面する基地から直接日本海へ展開するため、海上自衛隊は広大な海域を警戒監視し続けなければならなくなるのだ。

現在の北朝鮮の潜水艦建造技術から判断すると、海上自衛隊の潜水艦、哨戒機、水上艦を繰り出せば、広大な日本海とはいえ、北朝鮮潜水艦を捕捉することは不可能とは言えない。しかし、日本攻撃用のKN-11、それも核弾頭が搭載されているかもしれない弾道ミサイルを搭載した新浦級潜水艦は、いつ日本に対してSLBM攻撃を敢行するかは分からない。

また、日本と北朝鮮が戦争状態に陥ってでもいない限り、海上自衛隊は新浦級潜水艦を発見したからといって直ちに撃沈してしまうわけにはいかない。北朝鮮潜水艦を発見したならば見失わないように捕捉し、海上自衛隊潜水艦が執拗に追尾し続けなければならない。

海自潜水艦戦力の増強が急務

だが、海上自衛隊にとって問題なのは、中国への対応も迫られていることである。

新たに日本海を動き回る北朝鮮の潜水艦に対処しなければならなくなったからといって、東シナ海や南シナ海からバシー海峡を抜け南西諸島沖に接近してくる中国海軍の動きがなくなるわけではなく、それどころかますます中国海洋戦力の対日圧力が増大していくことは間違いない。したがって、今ですら不足している海上自衛隊の現有戦力では、北朝鮮が近い将来に繰り出してくる北極星1号搭載新浦級潜水艦を発見し、追い回すことは至難の業だ。

幸い日本は、北朝鮮の弾道ミサイル搭載潜水艦にとって最大の脅威となる高性能潜水艦を造り出す能力に恵まれている。よって海上自衛隊の潜水艦戦力の増強は不可能ではない。

とはいえ、いくら潜水艦建造メーカーが2社あるといっても、軍艦建造には時間がかかるし、何よりも増強した軍艦を操る海自要員の育成にも時間がかかる。北朝鮮や中国など日本周辺の軍事情勢のきな臭さが加速度的に悪化している状態に即応して防衛態勢を変化させなければ、手遅れになることは必至だ。

「中期防衛力整備計画」などという“お役所の論理”とは無関係に国際軍事情勢は変化し続けている。そうである以上、安倍政権は前例に縛られずに思い切った手を打たねばならない。

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『混迷する朝鮮半島 朝鮮半島で軍事衝突はない』(4/21日経ビジネスオンライン 重村 智計)、『空母を見れば明らか、米国の北朝鮮攻撃はまだ先だ 「米国はすでに準備完了」が間違っている3つの理由 』(4/19JBプレス 部谷直亮)について

4/22渡部亮次郎氏ブログの中の記事杉浦正章氏 米、北へのサイバー攻撃実施の可能生

16日のミサイル発射失敗が怪しい:NYTやCNNが報道

サイバー攻撃などは宇宙戦艦ヤマトの専売特許かと思っていたが、なかなかどうして米軍では実戦に配備されているかのようだ。とりわけ16日の湿った花火のような北朝鮮のミサイル発射実験失敗は怪しい。

発射後数秒で爆発している。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によるとやはりその可能性が高いようだ。もともと米軍にはオバマ時代から「Left of Launch作戦」(発射寸前作戦)があり、時々北のミサイルにサイバー攻撃やレーザー攻撃を仕掛けているようだ。

もちろんトップシークレットである。サイバー兵器問題を漏らした米軍幹部が処分されている。サイバー攻撃が米軍によって採用されているとすれば、すでに北との“暗闘”が宣戦布告なしに展開されていることになる。この重大な事態を日本の全国紙が掌握していないのか、ほとんど報道しないのにはあきれた。

NYTは米軍から最近までサイバー攻撃について書かないように要請されていたが、15日付の同紙は「北朝鮮と米国の間では、過去3年にわたり、ミサイル計画をめぐる隠密の戦争が行われてきた」と暴露した。

確かに16日の実験の失敗はアメリカによるサイバー攻撃が原因である可能生がある。NYTはこの種の攻撃は少なくとも過去3年にわたって展開されてきた「Left of Launch作戦」だという。

北朝鮮は今年2月から3月にかけて北極星2型およびスカッドERの発射に成功したが、3月以降、ミサイル発射は3回連続で失敗した。今月5日には、新浦から弾道ミサイルを発射したものの、飛行距離は60キロにとどまっている。16日に新浦から発射した弾道ミサイルは、発射後わずか4-5秒で墜落した。

さらにNYTは、北朝鮮が使用しているロシア製ミサイルの発射成功率が低いのは、アメリカが北朝鮮のミサイル関連ソフトを操作したり、北のネットワークを妨害しているからだという。

同紙によると、北朝鮮の失敗が多いのは、ミサイル関連インフラがロシアのそれには及ばないという事情はあるものの、北朝鮮のミサイルがベースとしている旧ソビエト時代のミサイルの発射失敗率が13%だったのに対し、北朝鮮のミサイルは88%もの確率で失敗していると指摘している。

この失敗の確率の高さは、米国が部品の輸入段階でのサプライチェーンを使って欠陥を生じさせている可能性もあるようだ。

16日の実験失敗の経緯について米CNNは来日した副大統領ペンスに空母ロナルド・レーガン上でインタビューしている。サイバー技術などを使った可能性について質問されたペンスは、「我が軍の電子およびIT能力についてはコメントできない」と発言。

「私に言えるのは、(北朝鮮のミサイル発射が)失敗したということだ。あれはさらなる挑発だった。そしてそれは終わらせなければならない」と強調した。「ノーコメント」として否定も肯定もしなかったのだ。

サイバー攻撃は人工衛星や、U2やグローバルホークなど有人無人偵察機、ドローン、スパイ情報、通信情報などを通じて得た情報をクロスチェックしたうえで実施されるようであり、戦時には針の落ちる音すら見逃さない精度があるという。従って新浦での動きは掌握されているのであろう。

新浦に接近しているイージス艦などが攻撃の役割を果たすものとみられる。ひょっとしたら16年には実戦配備されているはずのレーザー兵器を使っている可能生も否定出来ない。

レーザー兵器は、2010年にイギリス国際航空ショーで軍艦に設置された米レイセオン社製レーザー兵器が、約3.2キロ先を時速480キロで飛行する無人飛行機4機を破壊している。

最新の技術情報によれば、ポーランドで遠距離到達も可能な極めて高出力のレーザー衝撃波を生成する技術的なブレークスルーがあり、小型艦船・迫撃砲弾・ロケット弾などへの攻撃・迎撃にも使用可能となっているといわれる。

従って今後北朝鮮の核実験にもサイバー攻撃やレーザー攻撃が行われる可能生も否定出来ない。既に核施設へのサイバー攻撃はイランに対して行われている。2009年にイランの核燃料施設を破壊したサイバー攻撃プログラムは、NSA(米国家安全保障局)のサイバー集団がイスラエル軍と共に作り上げたものだ。

このサイバー攻撃作戦は、大統領ジョージ・W・ブッシュの下で立案され、オバマに引き継がれて決行され、成功している。北は衛星写真向けに、核実験場前の広場で職員にバレーボールをやらせて、「実験はまだしない」と訴えているかのようだが、する兆候が察知されれば攻撃されると覚悟した方がよい。>(以上)

米軍のEMP(電磁パルス)やサイバーアタックで北朝鮮からの核・毒ガスミサイルを防いでほしいと願っています。イージス艦のSM3や地上のPAC3はミサイルの飽和攻撃には脆弱で、撃ち洩らしが必ず出るとのことですから。

4/21時事通信は北欧訪問、一転取りやめ=安倍首相、北朝鮮情勢受け

安倍晋三首相は、北朝鮮情勢が緊迫化していることを受け、今月下旬からの外遊日程を短縮することを決めた。政府関係者が21日、明らかにした。ロシア、英国訪問は予定通りだが、北欧4カ国への訪問は取りやめる。27日に出発し、30日に帰国する予定。>(以上)

首相が4/30に帰国するという事は、5月連休に米軍の北朝鮮攻撃があるかもしれないという事です。青山繁晴氏によれば4月末には打撃群の態勢が整うという事ですから。4/15本ブログで山村明義氏は5月7日~9日が一番危ないと言っていましたのを紹介しました。連休中の韓国への旅行中止は勿論のこと、在韓邦人の日本帰国を企業は、政府の退避勧告がなくとも、促さないと。米軍と自衛隊の活動の足手まといになります。早めに帰さないと、一遍に帰国は出来ないと思います。もし、北朝鮮の韓国攻撃で在留邦人の犠牲が出たら、遺族は会社を安全配慮義務違反で民事訴訟すべきです。分かっていて行動に移さないのですから。そもそも反日国家に投資することが間違っています。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=6114

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042100468&g=prk

重村氏と部谷氏両方とも、米軍の北朝鮮攻撃は、今すぐは無いというだけです。ただ、重村氏の予測は外れることで有名ですが。日本と北朝鮮を対話させたいような話の持って行き方です。朝鮮半島に関与した人間は、朝鮮人の肩を持ちやすい。これは、欧州、米国に長く住むと、日本人であることを忘れる人間が多いのと同じです。それなら、先方の国籍を取って日本人であることを止めれば良いのに。

部谷氏の見方は打撃群が揃い踏みしてからとのこと。織田邦男氏はこれにNEO(noncombatant evacuation operations)が実行されてからと読んでいます。ただNEOが実行されれば、北も気づくでしょうから、北が先制攻撃に打って出る可能性があります。在韓邦人はやはり早めの退避が良いかと思います。また、北と南の難民は済州島に留め置くべきです。テロリストが必ず混じっていますので。

中国はこのところ、米国のシナリオ通りに動いているように見えます。習近平がトランプの言い付け通り動いているのは、首脳会談時にトランプが「令完成の機密資料の中に、習近平のスキャンダル(女性、金)があり、それをニュースで流しても良い」と脅されたのでは。45%の関税という脅しだけで、今まで動かなかった中国が動くのは考えにくいです。

4/22にマンション総会があり、その最後に、内閣官房制作の「武力攻撃やテロから身を守るために」のガイドラインを紹介しました。既に知っている人もいたのかもしれませんが、無関心な人が殆どです。これで戦争が起き、ミサイル飛来やテロが起きれば、物的損害だけでなく、人的損害も大きくなります。少子化どころでなく、人口が大きく減り、GDPも大きく減るでしょう。昨年は「シンゴジラ」が人気を博しました。今回、米朝間が平和的終結を迎えるか、北のミサイルが無力化されたとしても、「X国の先制攻撃(核ミサイルや毒ガスミサイル)を受け、逃げ惑う人や、保護のガイドラインを守って助かった人を描き、再興していく」映画を、どなたか製作してみてはどうでしょうか。内閣官房にも本件で意見を送付しました。

重村氏記事

金日成生誕記念の軍事パレードを閲兵する金正恩委員長(写真:ロイター/アフロ)

米国のドナルド・トランプ大統領は4月6日の米中首脳会談で「中国が、北朝鮮を抑えないのなら、米国単独で行う」と述べた。米国が単独でシリアにミサイル攻撃をした直後のこの発言は、米国は北朝鮮を限定攻撃する意向だと受け止められた。攻撃については、4月15日説や25日説が、まことしやかに流されていた。

しかし、朝鮮半島で軍事衝突や戦争が年内に起きる可能性は極めて低い。トランプ大統領は「中国が北朝鮮の核開発を抑えなければ」と条件をつけており、6回目の核実験をしても米国が直ちに単独攻撃をするわけではない。一方、中国の習近平国家主席は、対北朝鮮向けの石油輸出を禁止すると米国に約束した。北朝鮮の側から仕掛けることも考えづらい。北朝鮮は全面戦争できない国である。

歴史的な石油禁輸の約束

米ニューヨーク・タイムズ紙は4月13日に「習近平国家主席は、北朝鮮が核実験をすれば石油禁輸に踏み切る、とトランプ大統領に伝えた」と報じた。同紙は、国務省当局者にこの事実を確認した。これは中国の歴史的な決断だ。中国政府系の環球時報も同じ内容を報じている。

中国が、対北石油禁輸を約束したのは、これが初めてのこと。安倍晋三首相による働きかけの成果といってよいだろう。同首相は2月11日のゴルフ会談で、有効な対北制裁策をトランプ大統領に説いた。

安倍首相は、北朝鮮向け石油輸出を禁止すれば、同国の軍隊は崩壊し体制を揺さぶることができると説明した。同首相は、米中首脳会談直前にトランプ大統領と電話会談した際にも、対北石油禁輸を習氏に求めるよう改めてアドバイスした。

トランプ大統領は、4月6日の米中首脳会談で石油禁輸を強く求め、習主席がこれに応じた。トランプ大統領は「金正恩体制の崩壊は目標でない」と明言したと報じられている。

米中首脳による合意は、米国が「単独限定攻撃」するにはかなり時間がかかる事実を示している。北朝鮮が、核実験かICBM(大陸間弾道ミサイル)に進めば、中国は北朝鮮への石油供給をストップする。それでも、核開発が止まられなければ、米国は核施設への「限定攻撃」を検討する。トランプ大統領は、「中国に感謝している。習近平国家主席を信じている」と発言した。

わずか年50万トンの石油

北朝鮮は、なぜ全面戦争できないのか。同国は「石油最貧国」で、軍隊の石油消費量は世界最低だ。年間の石油輸入量は、中ロの貿易統計やオイル・タンカーの航行記録を確認しても、最大で年間70万トン程度。過去数年は、50万トン前後にとどまる。戦争をしない自衛隊でも、年間150万トンの石油を使用している。全面戦争は、中国とロシアが無制限に石油を供給しない限り不可能なのだ。

加えて、北朝鮮が使用する兵器は、1960~70年代に装備された旧式だ。米韓の近代兵器には、太刀打ちできない。

だから、北朝鮮は核兵器開発に踏み切ったのだ。米韓両国が「北は戦争できない」とわかれば、攻撃してくると信じている。それを抑えるために核開発を進めたのだから、北朝鮮軍部には核兵器の開発で譲歩する気はない。

国連総会で演説か?

「単独攻撃」にかけるトランプ大統領の気をそぐために、北朝鮮に残された選択肢は多くはない。南北対話か米朝対話、日朝交渉の再開、日朝首脳会談の実現しかない。

北朝鮮は、5月9日に実施される韓国大統領選挙に期待している。革新系の文在寅候補が勝利すれば、直ちに南北首脳会談を呼びかける。投票前に核実験をすれば同候補が落選してしまうから、それまで核実験はしない。

米国は北朝鮮に対抗し、文在寅候補を落選させるための作戦を展開している。5月9日に向けて緊張を高める意向だ。韓国の内政には一切関与しないふりをする一方で、4月25日頃に空母カールビンソンを朝鮮半島近海に到着させる予定。中国の了解を得て、黄海深くまで航行させると見られる。米朝の軍事緊張を一挙に高め、文在寅候補を落選に導く。

このような状況において、金正恩委員長が「今年の国連総会で演説してもいい」と述べ、側近たちを慌てさせたという。中国外交関係者が情報源だから、にわかには信じがたい。それでも、金正恩委員長が限定攻撃を回避し、各国首脳の認知を得る打開策を模索している様子はよくわかる。

習氏は、金委員長の度重なる「訪朝招待」と北京への訪問要請を拒否しており、「それなら国連に行く」と中国に聞こえるように、情報を流したのだろうか。

日朝首脳会談の可能性

故金日成主席の生誕記念行事が行われた4月15日、粛清されたと報じられていた金元弘国家保衛相が、金正恩委員長と同じひな壇に姿を見せた。彼が、なお国家保衛省を担当し、対日政策を担当している様子がうかがえた。

宋日昊・朝日国交正常化担当大使は17日、平壌で取材に当たっている日本人記者団を呼び集め、日本に日朝交渉再開を呼びかけた。宋大使は、①拉致再調査を約束したストックホルム合意はすでに消えた②要望があれば残留日本人問題には応じる③戦争が起きれば日本に一番被害が及ぶ――など高飛車な態度を示した。その言葉からは、話し合いを望む北朝鮮の痛々しい思いが伝わった。

宋大使の発言には、ウソがある。戦争になれば、被害が大きいのは韓国と北朝鮮だ。日本にはほとんどない。日本がお願いすれば「交渉を再開する用意がある」という発言は、こう表現しないと北朝鮮の高官たちが納得しないからだ。

日朝は14年、ストックホルムで「行動対行動原則」に合意した。これは日本外交の失敗だった。この言葉は、北朝鮮外交が昔から駆使する「得意用語」。拉致問題への取り組みを遅延させる一方で、残留日本人の帰国や日本兵の遺骨捜索に協力し資金を手に入れることを意味していた。

外務省は、それに気がつかなかったようだ。安倍首相はこのトリックを知り、「拉致問題解決を最優先にしないと、交渉に応じない」と条件を変更した。北朝鮮は、外交作戦をひっくり返された。

北朝鮮では、秘密警察である国家保衛部が日本への工作と秘密交渉を担当してきた。ところが、2002年に日朝首脳会談が失敗に終わり、日本部局は廃止。ここ数年、担当者は一人しかいなかった。最近の情報では、金委員長の指示で今年初めに日本部局が復活し、20近い人員が働いているという。金委員長は、明らかに「日朝交渉」を目指し、「日朝首脳会談」を視野に置いている。

JBプレス記事

北朝鮮との軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)の警戒所を訪れ、在韓米軍のビンセント・ブルックス司令官(右)と会話を交わすマイク・ペンス米副大統領(中央、2017年4月17日撮影)。(c)AFP/JUNG Yeon-Je〔AFPBB News

普段、安全保障とは縁遠いテレビのワイドショーまでもが北朝鮮情勢を取り上げ、米国政府による北朝鮮攻撃まで秒読みだと論じている。米国はすでに準備が完了していると述べるコメンテーターも少なくない。しかし、本当にそうだろうか。

筆者は“現時点”では、その見解には反対である。米国の先制攻撃の蓋然性はなく、可能性も低いとみている(ツイッター等でも一貫して主張してきた)。以下ではその根拠と、今後どのような場合に蓋然性が高まるのかを述べてみたい。

空母1隻では戦力不足

第1の根拠は、空母打撃群の展開状況である。

現状で西太平洋に展開する空母は、カール・ビンソンただ1隻だ。空母ロナルド・レーガンも横須賀にいるが、これは5月まで整備予定であり、その上、さらに訓練を行わなければ実戦投入は不可能だ。リビア空爆(1986)は空母3隻、湾岸戦争は空母6隻、ユーゴ空爆は空母1隻+同盟国軽空母2隻、アフガン攻撃は空母4隻程度、イラク戦争は空母6隻で攻撃を実行している。ブッシュ政権末期にイラン攻撃がささやかれた際は空母3隻がペルシャ湾に集結した。だが、現状はたかだか空母1隻でしかない。これではいかにも戦力不足である。

というのは、北朝鮮の対空ミサイルを中心とする防衛網は相当強力だからである。航空戦力は無きに等しいが、イラン製の新型フェイズドアレイレーダーを装備しているほか、ロシア製S-300のコピーとされるKN-06対空ミサイルを複数装備している。また、低空攻撃であれば、携帯式対空ミサイルや対空砲が数千門を超える数を展開している。

 

それに対して空母打撃群1個では、明らかに戦力が不足しているし、撃墜された時のパイロット救助もままならない。しかも、北朝鮮の軍事力は山岳地帯をくり抜いた防空壕やトンネルに守られており、トマホークミサイルでは打撃を与えられない。

古い事例だが、1969年にニクソン大統領が北朝鮮への懲罰的攻撃を検討した際は、空母4隻が投入される予定だった。やはり最低でも3個の空母打撃群を展開しなければ、話にならないだろう。

ゆっくり移動している米空母部隊

第2の根拠は、カール・ビンソン空母打撃群の動きである。その動き―特に速度―を見ると、先制攻撃の意図があるとは思えない。

カール・ビンソン空母打撃群は4月8日にシンガポール沖で豪州行きを中止し、朝鮮半島近海(公式声明では北上)への移動を開始した。シンガポール沖から朝鮮半島近海までの距離は、ざっと計算して4800キロメートルである。この距離は巡航速度20ノットであれば5.4日、最大速度30ノットであれば3.5日、駆け足25ノットであれば4.3日で到着する。しかし16日に至るも、カール・ビンソン空母打撃群は到着した気配はない。しかも、17日の声明ではまだインドネシア沖に展開していたという。

これこそが、米政府の意図を明瞭に語っている。つまり、意図的に空母打撃群の展開を遅らせているのである。

歴史を振り返ってみると、1996年の中台危機の際も同様のことがあった。当時、台湾海峡を目指したニミッツ空母打撃群は、「第7艦隊司令部より、ゆっくり移動するように」という事実上の命令を受け、あえて巡航速度よりもかなりの低速で台湾海峡へと向かった。しかも、移動命令は命令の5日後に移動を開始せよというものだった(この経緯の詳細は秋元千明著『アジア震撼―中台危機・黄書記亡命の真実』を参照していただきたい)。

なぜなら、空母打撃群の性能をフルに発揮してアッという間に到着してしまうと、中国政府を焦らせ、冷静な判断力を失わせることになってしまうからだ。米国としてはじわじわと中国を威圧して台湾への威嚇をやめさせることを狙っていたのだという。

今回のカール・ビンソン空母打撃群も、やはり非常にゆっくりとした動きを見せている。また、ちょうど4月11日に錬成訓練が終了し、実戦投入が可能となったニミッツ空母打撃群もカリフォルニア沖から動く気配がない。

これは現在の状況が、あくまでも軍事力による威嚇によって、相手の妥協を迫る「強制外交」(coercive diplomacy)のフェーズでしかないことを意味している。要するに、先制攻撃はまだ先であるということだ。

いまだ整わない報復攻撃への防衛態勢

第3の根拠は、在韓米軍の防衛体制が整っていないことだ。

北朝鮮への先制攻撃の形としては、B-2ステルス爆撃機で高高度から核施設等の一部を叩くという選択肢もあり得る。しかし、それでは北朝鮮の弾道ミサイル等による報復を招き、韓国に居住する多くの米兵とその家族が犠牲になるおそれがある。だが、在韓米軍は自国民保護の対策を取れていない。

実は、迎撃に使用する在韓米軍のパトリオットミサイル2個大隊(96台)は、先月末から更新に入ったばかりである。在韓米軍の説明によれば、3月25日より、韓国に展開する米軍のパトリオットミサイルは、レーダーや指揮システムを含む全てのハードウエアとソフトウエアを最新式に交換する作業を実施しており、製造元のレイセオン等の技術者が長期間滞在して実施するという。報道によれば、在韓米軍の関係者は「海外の米軍の防空部隊を対象にこれだけ大々的な性能改良作業が行われるのは初」としている。今までにない規模のこの改良作業がすぐに完了することはないだろう。

しかも、韓国への高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配備もいまだ途上段階であり、使用可能な状況に至っていない。加えてトランプ政権はTHAAD配備の先送りすら示唆するありさまである。

これでは北朝鮮からの反撃に対して、万全の体制とは言い難い。また、現在、北朝鮮からの報復として懸念されているのは、砲兵部隊によるソウル攻撃だけでなく、小型ドローンにサリンなどの化学兵器を積載してソウルに飛ばしてくることである。その対策として在韓米軍の増強がなされているかも疑わしい。

ちなみに、米軍が北朝鮮に攻め入る際はどれくらいの兵力が必要だろうか。2013年に米陸軍は北朝鮮崩壊時の核兵器等の差し押さえを想定したウォーゲームを実施した。その際の結論は、最終的に2個師団の投入に56日間かかり、9万人の米軍の兵力が必要、というものであった。現在、米韓軍事合同演習が実施されている最中だが、とても数が足りない。

また、この演習での結論としては、(1)オスプレイによる敵中深くへの戦力投射は、すぐに膨大な北朝鮮軍に包囲されてしまい失敗の連続となる、(2)人的情報がとても足りず、偵察衛星や盗聴による技術情報ではとても埋め合わせができず攻撃等に難儀した、というものであった。これも一部のメディアが「近いうちに行われる」とする特殊部隊やトマホーク等による斬首作戦の困難性を示唆している。

北朝鮮攻撃の蓋然性が高まるのはいつか

では、どのような状況になると北朝鮮攻撃の蓋然性が高まったと見なせるのか。

それは、ニミッツ空母打撃群が西太平洋に展開し、ロナルド・レーガン空母打撃群も合わせて3個体制に移行し、パトリオットミサイル部隊の更新とTHAADの配備が終了し、在韓・在日米軍の増強が開始されたときだろう。

無論、現時点でも限定的な攻撃は、米本土からB-2爆撃機を飛ばせば可能である。意外性を好むトランプ大統領の「ギャンブラー」としての性格を考えれば、あり得ない選択肢ではない。

しかし、トランプ氏自身が繰り返し述べてきたように、現政権は首尾一貫して中東重視である。実際にシリアに地上兵力を投入しており、これを15万人に増やすべきという議論も政権内で行われている。

そして、トランプ政権の安保政策の主導権を握っているとされるマティス国防長官やマクマスター国家安全保障担当補佐官は、イラク戦争で苦労した経験を持つ軍人である。後先を考えない楽観主義に基づく戦争の尻拭いを10年以上やってきた彼らが、そのような攻撃の計画をトランプに提案する可能性は低い。

そう考えれば、やはり、米軍による先制攻撃は、少なくとも上記のような態勢への移行がほぼ完了した時点と考えるのが妥当だろう。

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『文在寅が大統領になったら移民する 「米国に捨てられていいのか」と叫ぶ韓国紙』(4/19日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

韓国の大統領選も、日本では「米朝戦争の行方」の方に関心が移り、左程盛り上がっていません。それはそうで、誰が大統領になろうとも反日に邁進するのが分かっていますので。日本のメデイアも韓国大統領選を大きく取り上げたいのでしょうが、それどころではありません。4/20日経には、汝平和を欲さば

北朝鮮情勢が緊迫し、金融市場は地政学リスクに敏感になっている。今も予断は許さないが、今回戦闘状態にならずとも、リスクは消え去りはしない。どんな備えが必要か。

第1に、全国民への的確な情報伝達だ。2004年に国民保護法が制定され、内閣官房には国民保護ポータルサイト、総務省消防庁にもサイトが設けられている。内閣官房作成の「武力攻撃やテロなどから身を守るために」というパンフレットは簡潔に要点をまとめている。消防庁の資料も核兵器による攻撃を受けた後に身を守る方法を具体的に教えてくれる。

だが、こうした情報が浸透しているとは言えない。かつて高齢者がネットを利用しないといわれたのは昔の話になったが、それでも「情報通信白書」によれば、15年末時点で70代以上の高齢者でネットを利用する人は51%にとどまる。また低所得者層ほどネットを利用しないという格差がある。

それゆえ新聞やテレビといった既存のメディアの役割が重要になる。一部のワイドショーなどでは、門外漢があれこれ好き勝手な発言をすることが多いが、事は国民の命に関わる重要事項だ。NHKや民放、主要紙は先のパンフレット内容を周知徹底してはどうか。

第2に、有事への備えだ。具体的には訓練、設備、そして国防になる。内閣官房のサイトによると、政府は弾道ミサイルを想定した避難訓練を各都道府県で実施している。ただ、その記録を見る限り小規模で、大都市部中心地への攻撃を想定して行われた大規模避難訓練は見当たらない。9月1日の防災の日に訓練を行うように、「国民保護の日」の制定と全国規模での訓練実施を勧めたい。

設備面では核攻撃が起きた時に国民を収容する施設、救援体制が十分に確保されているかが課題だ。在外邦人保護体制の確立も急務だ。

第3に、安全保障・国防・軍事に関する研究と教育を推進すべきである。こうした研究は長年日本では半ばタブー視されてきた。だが、「汝(なんじ)平和を欲さば、戦への備えをせよ」という。安全保障への脅威はミサイル攻撃だけではない。既にサイバー空間、宇宙空間、深海で目に見えない戦争が起きている。今こそ備えるべきだ。>(以上)

何度も本ブログで紹介しています小坪慎也氏のHPを貼り付けます。非常に役に立つと思いますので拡散して戴ければ。

https://samurai20.jp/2017/04/j-alert/

政府はパニックを恐れているのかもしれませんが、正しい情報を国民に与え、万一の事態が発生しても、冷静に行動できるように避難訓練をした方が良いでしょう。安倍内閣は憲法改正を悲願としていますが、国民に安全保障を考えさせる良いチャンスなのに。小生の周りでも朝鮮の核・毒ガスミサイル攻撃やテロの脅威が高まっていることについて知っている人は多くいませんでした。知っていても、根拠なしに、「絶対ない」と思っている人が多い。これでは生き延びれないでしょう。

4/19TVモーニングショーで北朝鮮の元外交官韓進明は「北が願っていることは、アメリカとの2カ国対話。最終的には大使レベルでの外交関係を願っている。国民のために文化、経済のレベルを上げようとしていると思う。先制攻撃はありません。北は戦争を願ってはいない。トランプ氏との交渉の接点を模索している。政策決定機関の心理をよく知っている。北の国民性からいうと、絶対に発砲することはありません」と述べました。でも、第一次大戦の勃発、太平洋戦争、朝鮮戦争、湾岸戦争が起きたことを考えれば、絶対戦争は起きないとは言えないでしょう。煽る訳ではありませんが、最悪の事態を想定し、良く準備しておくことが危機管理の要諦です。

https://www.j-cast.com/tv/2017/04/19295951.html?p=all

4/19ZAKZAKには「米紙(WSJ、ディプロマット)が韓国左派一喝「外交政策を人質に慰安婦問題を悪用」 半島有事でも国民感情誘導する報道に批判の目」という記事が載りました。米国知識人も蝙蝠人間の韓国民を厳しく見るようになってきたという所でしょう。勿論WSJはNYTのようなリベラル紙ではなく保守派を代表する新聞ですから。真面な知識人であれば所謂従軍慰安婦は朝日新聞と挺対協、中共の合作だとすぐ気が付くでしょうから。気が付かないとしたら真面でないか、金かハニーに転んでいるかです。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170419/frn1704191530008-n1.htm

鈴置氏の記事では、韓国保守派が「第二のアチソン声明」になるのを心配しているとのことです。「時、既に遅し」でしょう。もう米中で朝鮮半島の管理について取引した可能性があります。昨日の小生のブログで紹介しましたように、トランプは習近平から「韓国は歴史的に中国の一部だったことがある」とツイートしました。朝鮮民族の蝙蝠さとしつこさ、嘘つきにホトホト嫌気がさしてきたのかもしれません。それを考えますと、米朝戦争になっても米国は韓国を守る気があるのかと思ってしまいます。

記事

文在寅(左)と安哲秀、2人の大統領候補は韓国をどこへ導こうとしているのか(セウォル号事故3周年追悼式にて 写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

大陸勢力側に行くのか、海洋勢力側に残るのか――。大統領選挙を目前に、韓国が揺れる。

中国圏に行く韓国

鈴置:「このまま行けば米国から見捨てられる」と韓国の保守系紙が相次いで国民に訴えました。

中央日報のコラムニスト、チョン・ヨンギ記者は「米中に捨てられる韓国」(4月10日、日本語版)を書きました。韓国語版(4月10日)にも同じ見出しで載せています。

5月9日の大統領選挙で左派か中道の大統領が選ばれそうだが、そうなれば米国は韓国から兵を引くであろう、と警告したのです。ポイントを訳します。

  • 近い未来、韓国の自主的平和主義者が描く反米的理想が実現するかもしれない。
  • 在韓米軍へのTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)配備を、次期政権が国会の議決を通じ拒否する可能性が十分にあるからだ。
  • (合わせれば国会の議席の過半数を占める)「共に民主党」と「国民の党」は党論でTHAAD配備に事実上反対している。
  • さらに次期大統領が(北朝鮮への外貨送金パイプとなっている)開城(ケソン)工業団地の再稼働と金剛山(クムガンサン)観光を宣言し、金正恩委員長に首脳会談を提案すれば、韓国は外交的に親中国圏に分類されることになる。
  • 中国はTHAAD配備容認への報復を中断するだろう。しかし韓国は対北朝鮮制裁を細密に規定した国連決議案の違反国になる。北朝鮮の核・ミサイル開発を現金で支援する国として非難される。

次の大統領は左派「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表か、中道をうたう「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)前共同代表のどちらかと見なされています。

4月以降の世論調査で両者がいずれも30―40%の支持率を誇るのに対し、保守系候補の2人はとも数%に留まっているからです。弾劾され下野した朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領への不信感が「保守離れ」を生んだのです。

「反米ごっこ」をやめろ

—「親中国圏に分類され」たらどうなるのですか?

鈴置:チョン・ヨンギ記者は次のように説きました。

  • トランプ(Donald Trump)大統領が韓米同盟の終結を通知しても韓国は返す言葉がない。米軍が撤収し、米国の東アジア防御ラインは韓国の休戦ラインから日本の西海岸に後退するだろう。

つまり「米国は韓国を見捨てる」と断じたのです。決して大げさな見方ではありません。米中二股外交を採用した朴槿恵前政権は米国を裏切り続けてきました(「米中星取表」参照)。

案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD(ミサイル防衛)」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 韓国は「要請もなく協議もしておらず決定もしていない(3NO)」と拒否していたが、朴槿恵大統領の弾劾訴追後の2017年2月28日にようやく米軍への用地提供を決定
日韓軍事情報保護協定 (GSOMIA) 2012年6月、中国の圧力もあり韓国が署名直前に拒否。締結を望む米国に対し、朴槿恵大統領は「慰安婦」を理由に拒否。しかし下野要求デモが激化した2016年11月突然に締結
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の 南シナ海埋め立て 米国の「明確な対中批判要請」を韓国は無視
抗日戦勝 70周年記念式典 米国の反対にもかかわらず韓国は参加
米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2017年4月18日現在)

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

そんな韓国にトランプ政権は厳しい視線を向けています。3月に初訪韓した米国のティラーソン(Rex Tillerson)国務長官は米メディアの前で、日本を「最も重要な同盟国」と呼んだ半面、韓国は「重要なパートナーの1つ」と形容するに留め、露骨に格下げしたのです(「米国から『同盟国』と呼ばれなくなった韓国」参照)。

韓国の保守層は大きなショックを受けました。朴槿恵政権以上にはっきりと反米姿勢を打ち出す文在寅候補が政権をとったら「パートナー」でさえなくなると考えたのです。

「反米左派の文在寅が大統領になったら移民する。米国が守ってくれない韓国には怖くて住めない」と語る韓国人が増えています。

そんな心情を聞かされる日本人もかなりいまして、朝鮮半島研究者の集まりでは、しばしば「韓国人の亡命願望」が話題になります。

チョン・ヨンギ記者は記事の最後で、名指しはしなかったものの文在寅候補らに対し「反米ごっこをやめろ」と要求しました。

  • 韓国の大統領候補は夢から目覚める必要がある。世界の安保状況が韓国の「井の中の蛙」式の「独りよがりの遊び」をあざ笑っている。韓米同盟を固めて国論をまとめ、中国にしっかりと対応していこうと有権者に訴えるのが正道だ。

「アチソンライン」が復活

—「独りよがりの遊び」とは激しい表現ですね。

鈴置:米国との同盟を失いかねないのです。それぐらいの言葉を使いたくなるでしょう。

保守言論界の大御所である金大中(キム・デジュン)朝鮮日報顧問も同じ趣旨の記事を翌4月11日に載せました。「5月9日の選択と韓米関係」(韓国語版)です。

韓国の左派政権の下で韓米同盟関係はどのようになり、韓国の安全保障はこれまでのように維持できるのか――。これが現在の韓国の絶体絶命の問題だ。

楽観的に見て韓米「関係」が維持されたとしても、少なくとも軍事的「同盟」は弱体化する。悲観的に見た際、同盟関係に異常が生じ、米国は日本列島を防御線とする「アチソンライン」にまで後退、韓国は大陸側に放置されるだろう。

「アチソンライン」とは1950年1月12 日に米国のアチソン(Dean Acheson)国務長官が演説で明かした米国の防衛領域を示す限界線です。

「防衛線はアリューシャン列島―日本―沖縄―フィリピンにある」と定め、韓国をその外に置きました。これを聞いた北朝鮮の金日成(キム・イルソン)首相(当時)が「南に攻め込んでも米国は介入しない」と判断、朝鮮戦争を始めたのです。

「アチソンライン」は韓国人のトラウマとなっています。中央日報のチョン・ヨンギ記者も、この言葉は使いませんでしたが「米国の東アジア防御ラインが韓国の休戦ラインから日本の西海岸に後退」との表現で「見捨てられ」の危険性を訴えたのです。

金大中顧問は折に触れ「アチソンライン復活」の可能性を指摘してきました(「日米の『同時格下げ宣言』に慌てる韓国」参照)。しかし、これほどに切羽詰まった感じで書いたのは初めてです。

「名誉革命」などと自らに酔って、保守派の大統領を追い出した韓国人(「『キューバ革命』に突き進む韓国」参照)。でもその結果、米国に見捨てられかけているとようやく気づき、大慌てなのです。

軟化して見せた文在寅

—「見捨てられ論」は大統領選挙に影響を与えましたか?

鈴置:THAADの在韓米軍配備に関し、左派と中道候補がスタンスを微妙に変えました。

4月10日の朝鮮日報とのインタビューで、文在寅候補は「北朝鮮が核挑発を続け、高度化するなら、THAAD配備が強行されることだろう」と語りました。

一貫して「配備は延期すべきだ」「国会の同意が要る」と主張してきたのに「状況によっては容認もあり得る」と軟化したのです。

同日の朝鮮日報のインタビューで、安哲秀候補は「国民の党」が「THAAD配備反対」を掲げていることに関し「大統領選挙の局面で、党は候補の意に沿って党論を定めるしかない」と述べました。これを受け「国民の党」も党論を「容認」に修正する方向です。

安哲秀候補自身はすでに「配備が米国との合意に基づいて実施に移されている以上、国家間の約束は守る必要がある」と容認にカジを切っていました。

両候補のインタビューは「文『北が核挑発継続ならTHAAD強行』 安『THAAD反対の党論撤回に向け説得』」(4月11日、韓国語版)で読めます。

「安哲秀の急追」を意識

—文在寅候補はなぜ、軌道修正したのでしょうか。

鈴置:保守層を取り込んだ安哲秀候補に支持率で追い上げられ、一部の調査では抜かれたからです。

文在寅氏が「共に民主党」の大統領候補に選ばれるまでは、同じ党の安煕正(アン・ヒジョン)忠清南道知事が「文在寅氏よりは現実的で穏健」との理由から保守層の一部の支持を集めていました。

4月3日に「共に民主党」の候補が文在寅氏に決まり、安煕正氏の出馬がなくなった瞬間、同氏への支持の多くが同じ党の文在寅氏ではなく、「文氏よりは穏健な」安哲秀候補に流れたのです。

韓国ギャラップの4月第1週(4-6日)の調査で文在寅候補の支持率は38%。安哲秀候補の35%に肉薄されました。

3月第5週(28―30日)の調査ではそれぞれ31%と19%でしたから、安哲秀候補の急追ぶりが分かります。「楽勝ムード」に酔っていた文在寅陣営には危機感が走りました。それがTHAAD問題での軟化につながったのです。

ちなみに4月第1週の調査で保守候補への支持率は、朴槿恵派の自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補が7%、反朴槿恵派の劉承旼(ユ・スンミン)候補が4%でした。

「次悪」に投票せよ

韓国では「見捨てられ」への警戒が強まるほどに「反米」の文在寅候補を当選させまいとする空気が濃くなるのです。

興味深いことに、左派から「極右」と決めつけられる保守の指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が、保守ではなく中道の安哲秀候補への投票を呼び掛けるに至りました。

当選可能性がほぼない保守系候補に投票しても「死に票」になる。それなら「最悪の文在寅ではなく、次悪の(より悪くない)安哲秀候補に投票しよう」との訴えです。

趙甲済氏の主張は動画「保守の悩み 洪準杓か安哲秀か」(4月7日、韓国語)で視聴できます(「次悪」部分は開始38分30秒後から)。

街頭でも呼び掛け始めました。「趙甲済の清渓広場での演説『候補一本化は有権者の責務』」(4月8日、韓国語による動画)です。

世論調査では「安哲秀」と答えても、投票場には行かない保守が多いと趙甲済氏は懸念したのでしょう。

そこで「とにかく投票しよう」と呼び掛けています。「朴大統領は悔しい。投票所へ皆で行こう。大韓民国を守ろう!」(4月9日、韓国語)でそう書きました。

保守の中には「中道を自称するものの本質は左翼」と安哲秀候補を嫌う人もいます。安哲秀氏は2012年12月の大統領選挙では文在寅氏を支持しました。それに2014年3月から2015年12月までは、文在寅氏ら左派と統合新党を結成していたからです。

趙甲済氏は「今は米韓同盟解体の危機を乗り越えることが急務」と考え、苦渋の「安哲秀支持」を打ち出したのです。

次の王を首実検

—朝鮮日報のインタビューで、文在寅と安哲秀の両候補は安保政策で軌道修正しています。それでも保守は安心できないというのですか?

鈴置:2人の「軌道修正」は選挙用の「偽装転向」ではないかと疑う向きも多いのです。朝鮮日報の社説「安と文の2人の安保政策は本当に信頼できるのか」(4月12日、韓国語版)は見出しからしてその疑いを露わにしています。

それに「軌道修正」に対しては、中国が黙ってはいません。4月10日に訪韓した中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表が、各党の代表に会って意見を交換したと報じられました。

米国側に戻らないよう、ネジを巻きに来たと言った方が正確と思います。朝鮮朝の次の王様は誰がいいか、清朝の皇帝のお使いがやってきて首実検した感じでもあります。

韓国が海洋側に残るかは、まだ流動的なのです。

(次回に続く)

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