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『中国の青年が金正恩に感服する意外な理由 「世界一ストレスフルなのにいつも笑顔」と感心する背景にあるもの』(6/29日経ビジネスオンライン 山田泰司)について
7/1桜内文城氏ブログ<【裁判闘争記】「慰安婦=性奴隷」説の上告人に最高裁で勝訴確定!!!>で従軍慰安婦の嘘を朝日と共に世界にばら撒いた吉見義明中大名誉教授の上告棄却の経緯の報告です。これを是非世界にアピールしていってほしいし、日本国民も韓国の嘘吐きを許さないような運動に結び付けられればと思います。なお、桜内文城氏は宇和島東高→東大法学部→大蔵省→「みんなの党」参議院議員1期(愛媛県選出)→「日本維新」衆院議員1期(愛媛県選出)→現在はフリーです。
http://ameblo.jp/sakurauchi/entry-12288695874.html
同じく慰安婦がらみの訴訟で2016年6/22産経ニュースは<元慰安婦側が敗訴 米連邦地裁、産経新聞などの主張認める
韓国の元慰安婦の女性2人が日本政府や産経新聞社などの日本企業に原告1人当たり2000万ドル(約21億円)の損害賠償を求めて米サンフランシスコの連邦地裁に起こした訴訟で、同連邦地裁は21日(現地時間)、全21被告に対する原告の請求をすべて退ける判決を下した。これで第1審は終結した。被告のうち産経新聞社については昨年11月にいったん原告の訴えを却下するとの決定がなされたが、その後、原告が証拠開示手続きを求めたため、審理が続いていた。(ロサンゼルス支局)>と報じています。韓国の嘘が世界に知れ渡ればよい。
7/1自由時報(台湾)に<郭文貴再爆:王岐山睡了范冰冰>という記事が載り、米国逃亡中の郭文貴が「虎も蠅も叩く」と豪語している王岐山と女優の范冰冰は関係があったと暴露したという報道です。王岐山は多くのスターと浮名を流しているが、郭文貴は王岐山と范冰冰のセックスビデオを見たことがあり、王岐山は全部で18部のセックスビデオを作ったとのことです。まあ、男女の仲は仕事とは関係ないでしょうけど。范冰冰の写真を下に載せます。

http://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/2117824
本記事を読んで思ったことです。中国も北朝鮮も共産国家=専制国家で「言論の自由」=政府を批判する自由がありません。特に中国は主席に習近平がなり、彼は第二の毛沢東を目指していますので、個人の人権、自由に対して大きく制約がかけられています。香港の独立は許さない=武力鎮圧するぞという脅しをしたり、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波の入院を遅らせたりと。北は日本統治時代に民主選挙を一度は経験していますが(1933年に朝鮮半島で選挙が初めて行われた)、中国大陸の歴史の中で真の民主選挙が行われたことは一度もありません。ですから専制国王と言ってよい金三胖を中国人が賞賛するのでしょう。自国民を虐殺しているというのに。
日本人のストレスですが、これは飲む機会が減っていることが大きいと思います。昔は会社の同僚や大学時代の友人と飲みに行き、会社の上司の悪口を言い、憂さを晴らせばストレスの大部分は解放されました。今は若い人が、会社の仲間と連れ立って飲みに行くのが少なくなっているそうです。まあ、気の合わない人間と飲みに行ってもつまらない気持ちは分かりますが。それと、新自由主義の影響で、会社が運命共同体でなく、利益共同体になり、簡単に解雇できるようにしたのも大きいでしょう。会社からは忠誠を要求され、その代り終身雇用はないのでは社員も不安や不満が溜ります。アメリカナイズの弊害でしょう。
記事

(写真=KCNA/新華社/アフロ)
新聞で、雑誌で、テレビで、ラジオで、ネットの記事で、ツイッターで。日本において、「ストレス」という文字を目にし耳にしない日は1日たりともない。ただ、肉声で「ストレスがひどくて」と誰かが話しているのを実際に聞く機会というのは、意外に少ないものだ。例えば職場や学校で「実はストレスが……」と同僚や同級生に打ち明けるとすれば、それはストレスが相当な程度にまで進んでしまった時ではないだろうか。10代や20代の子供や学生であれば、「だりぃ~んだよ~」「やってらんね~よ~」というのと同じ調子で「まじストレスやべぇ~」ぐらいは言うだろう。ただ、大人になると、ストレスを感じていてもなかなか人前でそれを公言はしないものだ。
翻って中国。ストレスのことを中国語で「圧力」と書く。発音は「ヤーリー」だ。「ストレスがひどい」は「圧力很大」で「ヤーリーヘンター」と発音する。中国ではこの「ヤーリーヘンター」を肉声でつぶやく声を聞かない日は1日たりともない。職場で、食事に入ったレストランで、休憩に立ち寄ったカフェで、地下鉄を待っている駅のホームで。どこにいてもどこからともなく、友人に、同僚に、電話の相手に「ヤーリーヘンター」と話している声が耳に入ってくるのである。
ストレスを感じる内容については、日本も中国もそう変わらない。仕事のこと、上司のこと、家族関係、家のローン等々。だから、中国人がストレスを感じている問題については、共感できることは多い。ただ一方で、上海で働き始めて4、5年のころまで特に共感できなかったのは、まるで口癖のようにストレス、ストレスとわめき愚痴をこぼすその態度だった。特に会社勤めをしていたころは、同僚や部下がさして難しくも複雑でも期限が差し迫ってもいない仕事をしながら、「ヤーリーヘンター」を連発するのを見て、「まあ分かるけど、いちいちストレス、ストレス言わずにやれよ、大人なんだからさ」と心の中で何度つぶやいたことだろう。
ただ、中国での生活が長くなってくると、すぐに愚痴をこぼすのは、ストレスを極限までためないための知恵なのではないかと思い始めた。それに気付いたのは帰省先の日本でである。当時は年に1、2回しか日本に帰省しなかったのだが、東京ではJRや地下鉄のホームで、スーツに身を固めた中年の男性が人目をはばからずに号泣していたり、1点を見つめてブツブツつぶやきながら歩いていたりするのに毎回のように遭遇した。大の大人が人目もはばからず泣くほど追い詰められてしまうのは、まだ大丈夫、まだ耐えられる、と思ってストレスをため込むうちに限界が来てしまっているのではないかと思った。
そして、痛ましい姿になんともやり場のない気持ちを抱えながら、そういえば、中国で大人の男がストレスをためて泣いている姿に遭遇したことなどないということを思い出した。それは、日本の、とりわけ東京のサラリーマンがより屈折したストレスを抱えているという事情もあるのだろうが、一方で、中国人のように早い段階でストレスを抱えていることを公言するのは、こまめにガス抜きをすることで、取り返しのつかないところまでストレスを蓄積しない効果もあるのではないかということを考えた。それ以来、中国の大人がストレスを口にすることを私は少なくとも否定はしなくなった。
ところが先月のこと。中国の大手Q&Aサイト「知乎」で、ストレスに関するある回答が話題を集めたのを見て、私は再び、中国人のストレス感を考えさせられることになった。
一人っ子世代が興味を持つ金正恩
質問は、「金正恩は、世界で最も成功した80後か?」というもの。「80後」とは、1980年以降に生まれた中国人のことを指す。2年前の2015年に事実上撤廃されるまで、中国では1979年から37年間にわたって一組の夫婦の子供を1人に制限する「一人っ子政策」が実施されていた。同政策施行後に生まれた中国人のことを、それ以前の世代と区別して「80後」と呼ぶ。
一人っ子世代の子供を抱える家庭の問題に「421家庭問題」と呼ばれるものがある。一人っ子政策が始まったばかりのころは、家族の愛を文字通り一身に受けることから、一人っ子たちは祖父母と親の分を合わせて「6つの財布を持つ」と言われたものだ。ところが、21世紀に入って一人っ子世代の親や祖父母の高齢化問題が顕在化してくると、今度は、一人っ子は「2人の親」と「4人の祖父母」の老後を「1人で支え」なければならないと言われるようになる。一人っ子政策が廃止になったのも、若年層を増やさなければ早晩、高齢化問題で中国が破たんするとの危機感からのこと。421家庭問題は、それ以前の世代が抱えたことのない、80後特有のストレスだと言われる。
話を戻そう。「金正恩は、世界で最も成功した80後か?」という質問がQ&Aサイトに立った5月は、北朝鮮が毎週のようにミサイル発射実験をしていた。表面上、北朝鮮最大の友好国である中国でも北朝鮮情勢についての関心は当然高い。このQ&Aサイトでも、「朝鮮」が独立した質問のカテゴリーとして設けられていて、「仮に朝鮮半島統一なら、日本を凌ぐ存在になるか」「北朝鮮の生活はどんな感じ?」「北朝鮮が軍事パレードで披露した新型武器をどのように評価するか」等々、無数の質問が並んでいる。金正恩・朝鮮労働党委員長が80年代生まれだということがなぜ話題になるのかは、外国人にはなかなか分かりづらいが、「一人っ子政策前・後」で社会が大きく変わった中国人にとって、1984年生まれで今年33歳の金正恩氏を「80後」という切り口で見るのは興味深いことなのだろう。
「成功」という、見る角度や価値観によって様々に評価でき、これという正解も出ないだろうキーワードを設問に立てたのだから、回答にも当然、様々な意見が並んだ。ある意味、陳腐な質問で、普通であれば、数多の質問の中に埋もれて消えてしまってもおかしくない類のものだったはずだ。
ところが、ある回答が、この質問に輝きを与え命を吹き込んだ。この回答を機にこの質問は注目され転送が繰り返され拡散した。私がこの質問の存在を知ったのも、Q&Aサイトそのものではなく、SNSで何人かの友人が拡散しているのを目にしたことからだった。それも、友人らが拡散していたのは、「金正恩は、世界で最も成功した80後か?」という質問そのものではなく、「最も人気のある回答」の方だったのだ。
それは、金正恩氏のストレスを切り口にした回答だった。
「最も成功しているか否かについて、確かなことは言えない。ただ、彼が世界中で最も大きなストレスに晒されている80後であることは間違いないのである」と強調。その上でこの回答者は中国の読者を、こう叱咤したのだ。
「おい、『ストレスがひどい、ストレスがひどい』ばっかり言ってるんじゃないよ。80後のこの小僧(金正恩)を見よ。両親は共に亡く、兄貴ももはや亡い。世界最強の敵に対峙し、内憂外患で亡国や命の危機にさらされながらなお、弾けるように笑っているではないか! これこそ真の男だ。それに比べて、お前たちのストレスなんて、ストレスのうちに入らんわ!」
ストレスを笑い飛ばす姿に憧れ
そして文章の下には、ネットから拾ってきたのだろう、視察先の工場、ミサイル実験場、海岸、農場と思しき場所で老将、市民、美女らに囲まれ、時に1人で、しかしすべて豪快に笑っている金正恩氏の写真がこれでもかと貼り付けられていた。さらにこの回答に対するコメントや、私の友人たちが転送したものには、「おっしゃるとおり」「親がいないのによくやってる」「よく笑う男の運気は悪くない」「楽しい。それが一番大切」「確かに大変なストレスだろう。見習いたい」等々、意見を肯定するコメントが並んだのである。半面、「背負わなければならない親や祖父母がいなくて気楽じゃないか」というような意見は見当たらなかった。

約束の時間に間に合わず、エレベーターの中でパニックになって泣き出してしまった青年。中国に暮らす人々にも日本と同じように、大きなストレスが日々襲っている。
「世界最大のストレスを抱えているのにいつも笑っている」という指摘の善し悪しについては置く。私には、ストレスを愚痴らず笑い飛ばす人間を肯定する中国人の姿が新鮮だった。
ただ、中国もストレスで大の大人が泣き出さないという社会ではもはやない。以前この連載で触れたが、デリバリーサービスの青年が約束の配達時間に間に合わず、少ない給料の中から罰金を取られる悔しさと悲しさでパニックになって泣き出してしまい、その様子を映したエレベーターの監視カメラの動画がネットで広まり話題になるというご時世である。
ストレスを小出しにして爆発させないためとはいえ、今までのようにまるで呼吸をするように「ストレス、ストレス」と簡単に愚痴っていたら、乗り越えられない類のストレス社会に中国が入ったのだということを、中国人がおそらく無意識のうちに感じ始めた。金正恩氏の笑い顔に集まった賛同は、それを裏付けるものなのではないか、というのが私の推論である。
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『「韓国の鳩山」に悲鳴をあげる保守系紙 韓国人が選ぶのは「同盟堅持」か「自主外交か」』(6/29日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について
6/30産経ニュース<THAAD配備「覆さず」 韓国・文在寅大統領、トランプ米大統領との会談前に表明>
http://www.sankei.com/world/news/170630/wor1706300012-n1.html
同じく6/30産経ニュース<文在寅氏がトランプ氏を「北核解決で偉大な大統領に」と最大級の持ち上げ THAADの不満はくすぶり続け>
http://www.sankei.com/world/news/170630/wor1706300049-n1.html
文在寅大統領がTHAAD配備「覆さず」といっても、沖縄同様デモで工事を遅らせているではないですか。また、配備は認めても運用は認めるとは言っていないという意見もあります。(ただ、米軍内部にTHAADが配備されれば、韓国がストップできる手段はないのではという気がしますが)。慰安婦像も(ソウルだけでなく釜山でも)条例で中央政府は撤去できなくなりました。中央政府が法律を作って慰安婦像を禁止すれば良いだけです。地方自治体の条約より優先されるので。韓国政府はハナからやる気がないのは見え見えです。こういう中央と地方とを分けたセコイやり方が通用すると思っているのですから、その内痛い目に遭うでしょう。
また文大統領はトランプ大統領を持ち上げたというのは、韓国民の「強きに擦り寄り、弱きを挫く」事大主義そのものです。事大主義のDNAが長い歴史の中で組み込まれたのでしょう。商人が揉み手をして武士に近づく卑屈さを感じさせます。それでいて唯我独尊なのですから、日本も相手に痛みを感じさせないと分からないでしょう。経済面での支援(生産財や部品供給も含む)は韓国には禁止することです。
6/30産経ニュース<釜山の慰安婦像も市の管理下に ソウルに続き条例制定 日本の要求を完全無視>
http://www.sankei.com/world/news/170630/wor1706300059-n1.html
7/1産経ニュース<韓国の丁世均議長が大放言! 「平昌五輪、日本人観光客少なかったら東京五輪に1人も行かせない」「日本企業は韓国の若者を引き受けろ」…大島理森衆院議長らと会談で>。こういう傍若無人な振る舞いにきちんと対応しないから、相手はつけあがるし、日本は舐められるだけです。大島議長も行政府ではないからと責任逃れをするのではなく、相手も議長なのだから、「アナタの言い分は分かりました。首相に伝えます。自分としては東京五輪に韓国人が来なくても困らない。慰安婦合意を守らないような国にあれこれ言われたくない。日本も韓国へのスマホの部品供給を止めることもできるんですよ。反論は聞きたくない」くらい言って席を立ち、帰って来たらどうですか。
http://www.sankei.com/world/news/170701/wor1707010005-n1.html
西村 幸祐・ケント・ギルバート『トランプ革命で甦る日本 「日米新時代」が見えてきた!』の中でケント氏は「地政学上、中国と日本の緩衝地帯として韓国は必要。朝鮮半島を統一させて中国に譲り渡すのは誰が米国大統領になろうとも許さない。朝鮮戦争で米軍は36000人の死者を出している。韓国で働いている米国人も多く、韓国を大事にしたいと思っている」(P.198~199)。「韓国と関係断絶して米軍が撤退すれば、朝鮮半島への影響力が失われる。引き揚げは難しい。米国の退役軍人は「何をやっているんだ」となる。もし、撤退したら中国が何を言いだすか分からない。ドイツにオーストリアを譲ったことが第二次大戦を誘発したという歴史を無視する訳にいかない」(P.203~204)。これに対し西村氏はもう韓国は見限っても良いのではというニュアンスでした。この本の出版は今年の1/27ですから、対談は昨年中に行われたと思います。もう既にそれから半年たち、状況は変化しつつあります。
ケント氏が考えているレベルから米国は離れている気もします。韓国の対応(大使館デモ、北が拉致した米大学生の死亡後の文の北宥和策)はトランプ及び米軍をも怒らせているのでは。戦時作戦統制権も韓国に返すかもしれません。その前に、在韓米軍は規模を縮小し、日本or台湾へシフトすれば良いと思っています。長谷川慶太郎氏の『世界が再び日本を見倣う日 「トランプ砲」は恐れる必要なし』に「在韓米軍は陸軍なので兵を動かすには米国議会の承認が必要。海兵隊は大統領令で動かせる。朝鮮戦争が始まれば最初に動くのは沖縄の海兵隊では」との記述がありました。
韓国は北と一緒になって核で日本を脅すつもりなら、米国から核を買い、その間に自前の核を用意すれば済むことです。最大の敵は朝鮮半島ではなく中国ですから、日本の核武装を進めるうえで良い口実となります。
記事

6月24日、THAAD配備反対派がソウルに集結。デモ隊の「米国大使館包囲」を裁判所が認可したのは初めて(写真:AP/アフロ)
(前回から読む)
米国との同盟を維持するのか、北朝鮮と手を握るのか――。北朝鮮の核問題が煮詰まる中、韓国が岐路に立つ。
中朝に屈する米韓
鈴置:韓国の保守系紙が悲鳴をあげています。文在寅(ムン・ジェイン)政権が米国と激しく対立し始めたからです(「『米韓合同演習』を北に差し出した韓国」参照)。
最大手紙の朝鮮日報が先頭に立ちました。同社顧問で保守の大御所、金大中(キム・デジュン)氏が「北の核・ミサイルに韓米は膝を屈するのか?」(6月5日、韓国語版)を載せました。以下が書き出しです。
THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)を巡る韓国・米国・中国の間の葛藤がこのまま続けば、最後は在韓米軍の撤収と韓米同盟の瓦解にまでつながる可能性が大きい。
結局、米国のアジアの防衛線は日本列島を境界とする「アチソンライン」に後退し、朝鮮半島は中国大陸圏に編入される状況も起こり得る。
世界からの非難と制裁にもかかわらず核とミサイル開発にかけた北朝鮮の戦略と、中国の二重プレーの前に韓米が膝を屈する格好だ。
同盟を売り渡す
—朝鮮日報の金大中顧問はしばしば「アチソンライン」を例えに「米国から見放される」と警告しますね。
鈴置:大統領選挙の前にも「左派政権ができたら、米国は再びアチソンラインに後退する」と書きました(「文在寅が大統領になったら移民する」参照)。
ただ、今回はその時以上に必死です。まず、文在寅政権が反米の「本性」をあらわして、在韓米軍へのTHAAD配備を邪魔し始めたからです(「『THAAD封鎖』でいよいよ米国を怒らせた韓国」参照)。
もう1つの理由は、米国の外交専門家が「米韓同盟を中国に売り渡す案」を真剣に語り始めたからです。金大中顧問が注目したのはニューヨーク・タイムズ(New York Times)への寄稿でした。
ハーバード大学ケネディスクールのアリソン(Graham Allison)教授が書いた「Thinking the Unthinkable With North Korea」(5月30日、英語)です。
金大中顧問はこの寄稿の「同盟売り渡し」部分を引用しながら論を進めました。
4月の米中首脳会談で習近平主席が「北朝鮮がミサイル発射を中断する見返りに、米国は韓国内の軍事活動(たぶんTHAAD配備など)を凍結するよう」提案したとアリソン教授は言う。
「もし中国が金正恩(キム・ジョンウン)政権を取り除き、非核化を達成するとの責任を果たせば、米国も基地を撤収し韓米軍事同盟を破棄したらどうか」との提案だったということだ。
これが事実なら(日米がフィリピンと韓国の支配権を相互に認め合った)「桂―タフト密約」である。
キューバ危機の再来
—今ごろ「売り渡し」に驚いているのですか?
鈴置:確かに韓国の反応は遅い。トランプ(Donald Trump)大統領が「習近平主席によると、韓国は歴史的に中国の一部だった」と語った時、鈍感な日本でさえ、専門家は「米国は韓国を見捨てる伏線を張り始めたな」と考えました(「『韓国は中国の一部だった』と言うトランプ」参照)。
「朝鮮半島全体が中国の勢力圏である」との習近平主席の主張を、トランプ大統領が認めたということですからね。
しかし、韓国人は「我が国が属国だったと米中首脳が話し合った」ことに怒りを爆発させてしまい、発言に込められた意味に思い至らなかったのです(「米国に見捨てられ、日本に八つ当たりの韓国」参照)。
—アリソン教授は米韓同盟をも材料にした「米中の取引」があり得るというのですか?
鈴置:「多くの米大統領にとってはあり得ない案だ。しかし、トランプは独創的だ」と書いています。つまり「あり得ない話ではない」と予測したのです。
アリソン教授は1962年のキューバ危機の例を挙げています。米ソは核戦争の危機を目前にして、双方が歩み寄りました。
ソ連はキューバからミサイルを引き上げました。当時は秘密にされていましたが、米国はソ連を狙っていたミサイルをトルコから撤収しました。危機に直面した大国はそれまでの常識を越え「大きな取引」に出たのです。
「日本の良心」の失敗
—金大中顧問は「THAADなどでつまらぬ嫌がらせをしていると、今度こそ米国に見捨てられるぞ」と言いたいのですね。
鈴置:その通りです。同じ朝鮮日報の鮮于征(ソヌ・ジョン)論説委員は「日本の失敗」を例に挙げ「見捨てられ」に警鐘を鳴らしました。「米国はこんな韓国を理解するか」(韓国語)です。ポイントを訳します。
鳩山元首相は韓国に来てはひざまずいて謝罪する「日本の良心」だ。しかし日本では「戦後最悪の首相」である。
首相になると、自民党政権が米国に約束していた沖縄・普天間基地をサンゴ礁に移すとの約束を覆した。「自然への冒涜だ」と言ったが、それこそ米国への冒涜だった。
米国側は「同盟の意味は特定の基地の場所を巡る問題よりも大きい」とコメントした。これを日本政府は「沖縄の基地問題が同盟を揺るがすことはない」と受け止めたが、間違っていた。
米国の真意に気づいた鳩山首相はあたふたと自民党が合意した案に戻ったが、一度ヒビの入った米日関係は元に戻らなかった。
「THAADを弄ぶ文在寅大統領は韓国の鳩山になる」ということです。
無神経な文在寅政権
—「韓国史上最悪の大統領になる」わけでもありますね。
鈴置:保守派としては、そうです。もっとも、文在寅大統領はこうした批判に馬耳東風。THAAD以外でも「反米親北」路線に突き進んでいます(「文在寅政権の『反米親北』の動き」参照)。
文在寅政権の「反米親北」の動き
| 5月10日 | 文在寅大統領就任 |
| 5月中旬 | マケイン米上院議員が文大統領に面談を要請。青瓦台は1週間返答せず(韓国各紙の報道による) |
| 5月30日 | 文大統領、THAAD発射台4基の追加配備に関し真相究明を指示 |
| 6月7日 | 青瓦台、環境影響評価を理由にTHAADの4基の発射台増設先送りを示唆 |
| 6月12日 | 文大統領、訪韓したインファンティーノFIFA会長に「2030年ワールドカップは南北中日で開催したい」 |
| 6月15日 | 文大統領、南北首脳会談記念式典で「挑発を中断すれば無条件で対話する」 |
| 6月16日 | 文正仁・大統領特別補佐官、ワシントンで「核・ミサイルを中断すれば米韓合同軍事演習を縮小できる」 |
| 6月20日 | 文大統領、米CBSに「北朝鮮を対話に引き出す方法には様々の意見がある。トランプ大統領と話し合う」 |
| 6月20日 | 都鍾煥・文化体育観光相、北朝鮮の馬息嶺スキー場に関し「活用方法を探す」と平昌五輪共催の検討を表明 |
| 6月24日 | 文大統領、平昌五輪での南北合同チームの結成を呼び掛け |
| 6月24日 | THAAD反対を唱える左派のデモ隊が在韓米国大使館を19分間包囲。裁判所が史上初の許可 |
| 6月29日、30日 | ワシントンで米韓首脳会談 |
米国と日本が北朝鮮に完全な核放棄を求め、経済に加え軍事的な圧力までかけている時に「核とミサイル実験の凍結だけで対話する」と宣言してしまった。
さらには大統領の特別補佐官――大統領と似た名前ですが、文正仁(ムン・ジョンイン)氏が米国まで行って「米韓合同軍事演習の縮小」に言及。大統領もそれを事実上、支持しました(「『米韓合同軍事演習』を北に差し出した韓国」参照)。
1年間半も北朝鮮に拘束されたあげく、6月13日にようやく釈放された米国の大学生が帰国後6日で死亡。米国の世論が激高している時に、韓国の大統領は2018年の平昌五輪の南北共同開催を呼びかけた……。
史上初の米国大使館包囲デモ
—無神経ですね。
鈴置:ここまで来ると、無神経というよりもわざと――米国の反韓ムードを盛り上げる目的でやっているとしか思えません。6月24日にはソウルの米国大使館を取り囲むデモが敢行されました。政府の認可したデモとしては史上初です。
主催者発表によると3000人が「THAAD反対」を訴えて米大使館の周囲を巡るコースを行進。「人間の鎖」で包囲した、と誇ったのです。
ウィーン条約により各国政府は外国公館の安寧を守る義務があります。が、裁判所は「韓国の法律では大使館の機能と安寧が守られれば可能」として左派のデモを認めたのです。
日本大使館はともかく、米国大使館に対し歴代の韓国政府はデモを認めませんでした。今回、裁判所が国内法を理由に許可したのも、反米政権の顔色を見てのことと韓国では見なされています。
ワシントンは馬鹿ではない
—保守系紙の悲鳴は……。
鈴置:高まるばかりです。各紙のワシントン特派員は現地の反韓ムードを丹念に伝えています。例えば、東亜日報は米国の識者の「ワシントンは馬鹿ではない」との声を紹介しました。
「米国は文在寅政権を金大中、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の太陽政策の継承者と考えている」(6月21日、韓国語版)はクローニン(Patrick Cronin)CNAS所長にインタビューした記事です。
「太陽政策」とは1998年から2代、10年に渡って続いた左派政権が実施した親北政策のことです。両政権は南北首脳会談を開いてもらう代わりに、北朝鮮に多額の援助を送りました。
韓国の保守派や日本、米国の多くの専門家はそのカネで北朝鮮が核武装した、と極めて否定的に韓国の左派政権を見ています。
クローニン所長も文在寅政権が太陽政策を再開すると警戒しているのです。しかも、北朝鮮に核を放棄させようと米国が死に物狂いになっている時に。
—「ワシントンは馬鹿ではない」とは?
鈴置:先ほど言及した、大統領の特別補佐官が米韓合同軍事演習の縮小をワシントンで唱えた事件(「『米韓合同演習』を北に差し出した韓国」参照)。
青瓦台(大統領府)は「個人としての発言」「特別補佐官には言動を注意した」と弁解しました。が、クローニン所長は「嘘つけ」と言い放ちました。以下です。
特別補佐官の発言は文在寅大統領が選挙当時から言っていたこととほぼ同じだ。問題は外交安保政策を助言すべき人が政権をとった後にワシントンで、それも米韓首脳会談の直前に語ったことだ。憂慮が深まるばかりだ。
ワシントンの人間は馬鹿ではない。特別補佐官はセミナーで米国の専門家と議論を交わした後、韓国大使館の関係者を陪席させたうえ「私の発言を書き取ったか」といちいち指示していた。自分の発言と反応を、外交部を通じ大統領に伝えようとしていたのだ。
猿芝居が好きな韓国人
—「猿芝居をするな」ということですね。
鈴置:韓国はそれをやるから嫌われるのです。異なる国なのですから意見に違いがあるのは当然です。でも、すぐに透けて見える小細工を堂々とやって本人は悦に入っている。嫌われるというか軽んじられるのです。
この指摘には東亜日報も恥ずかしく思ったのでしょう。社説でも取り上げました。「米国務省の高官たちが10月を心配する」(6月22日、日本語版)です。
中央日報も2日続けて、社説で特別補佐官を批判しました。いずれも日本語版で読めます。6月19日には「文正仁特別補佐官の不安な韓米同盟観」、翌6月20日には「青瓦台特別補佐官の軽率な発言で揺れる韓米同盟」を載せました。
興味深いことに左派系紙のハンギョレも社説「論議呼んだ文正仁特補の『対北対話』発言」で、特別補佐官の発言内容は「解決策の1つ」と評価しながらも「韓米首脳会談の10日前に表明するのは慎重でない」と、首を傾げたのです。左派系紙にも「米韓関係が破壊されるのは見ていられない」と考える人がいるのです。
左派系紙でそれぐらいですから、保守系紙の社説欄には毎日のように、「反米親北」批判が載ります。
朝鮮日報は1日に3本、週に18本の社説を載せます――日曜日は休刊なので。6月19日から24日までの6日間で、うち5本が「反米親北」批判でした。6月22日には1日に2本も載せたのです。
朝鮮日報も借りてきた猫
—よく書くネタがありますね。
鈴置:あります。この政権が本性をあらわし、急速に「反米親北」色を濃くしたからです。6月24日の「米大使館包囲デモ」に関しても朝鮮日報が社説「韓国大使館がデモ隊に包囲されたらどんな気がするか」(6月26日、韓国語版)を載せました。
「THAADを配備して韓国を守ろうとする米国の大使館にはデモをし、THAADで韓国に嫌がらせする中国の大使館にはデモをしない韓国人」を憂えたのです。
まあ、朝鮮日報も米国や日本を批判する時と比べ、中国を批判すべき時は借りてきた猫のように大人しくなりますが。
同じ日には中央日報が社説「『6・25』韓国戦争記念日の騒々しい韓国社会」(日本語版)で、翌6月27日には東亜日報が社説「韓米同盟の未来、文在寅―トランプ会談にかかる」(韓国語版)で、いずれも米大使館包囲デモに触れ、米韓関係への悪影響を懸念しました。
THAADが守るのは日米
—「反米親北をやめろ!」の大合唱ですね。
鈴置:でも、文在寅政権はこの路線を突っ走る可能性が高い。まず、80%前後の高い支持率を維持しているからです。
確かに「反米親北」に不安を感じる人もいるでしょう。ただ、普通の人は外交よりも内政、それも経済で政権を評価します。「バラマキ」が始まっている中、この高い支持率は当面、続きそうです。
もう1つは「反米親北」に拍手する韓国人も結構いることです。THAAD反対のための「米国大使館包囲デモ」を報じたハンギョレの「“韓国初”のアメリカ大使館前合法集会、平和的に終了」(6月25日、日本語版)から引用します。
この日発言に立ったパク・ソグン韓国進歩連帯常任代表は「米国や日本を防御するためになぜ朝鮮半島が火だるまになる必要があるのか。韓米首脳会談で、文在寅大統領はTHAAD配備を撤回させなければならない」と主張した。
—THAADがあるとなぜ「半島が火だるまになる」のでしょうか。
鈴置:米国はTHAADで在韓米軍や在日米軍を北のミサイルから守る。すると米軍は北朝鮮を心おきなく攻撃できるようになる。この結果、第2次朝鮮戦争が起きて火だるまになる――との理屈でしょう。
与党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表も6月27日「THAADのために戦争が起きかねない」と語りました。
「THAAD配備が米中間の葛藤と南北の誤解を呼ぶ」からと説明しました。中央日報の「韓国与党代表、『THAADのために戦争になることも』」(6月28日、日本語版)が伝えています。
左派にとっては「THAADを追い出すことこそが半島の平和を守ること」なのです。
南北共同軍が日本を核で脅す
—THAADは「韓国も」守るのではないですか?
鈴置:その質問に対し彼らは「同じ民族の北朝鮮と仲良くすればミサイルは飛んで来ない。これが平和を守る一番いい方法だ。南北を仲違いさせているのは米国だから、THAADだけではなく米国も追い出せばすべてが解決する」と答えるでしょう。それに、THAADもなくせるから中国との関係も一気に改善する……。
—米国を追い出しても、北朝鮮の核問題は解決しません。
鈴置:北朝鮮との関係を正常化することで「南の経済力と北の核」を合わせ持つ、強力な統一国家を作れると信じる人もいます。
「民族ファースト」です。周辺大国の言いなりになって生きてきた。いつかは民族が1つになって自分の意思を通したい――。これが左派、保守を問わず韓国人の夢なのです。
ベストセラーになった『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』(1994年刊)はそんな夢を描いた近未来小説です。この話の中では、統一には至りませんが「南北共同軍」を組織し、日本を核で脅します。
反米の裏返しの「民族共助」
—いくらなんでも「北朝鮮と組むよりは米国と組んだ方がいい」と考える人の方が多いのでは?
鈴置:今現在はそうです。でも、韓国ギャラップの2002年12月の世論調査では、米国を肯定的に見る人が37.2%。それに対し、北朝鮮は47.4%と大きく上回っていました。
一方、「米国」と「北朝鮮」を否定的に見る人はそれぞれ53.7%と37.9%でした。「米国よりも北朝鮮が好き」だったのです。
米軍装甲車の事故で韓国の女子中学生2人が死んだ事件の影響です。事件が起きたのは同年6月。米軍の軍事法廷が11月に無罪を言い渡した後、反米感情が高まり、韓国全土でデモが繰り広げられました。
この勢いに乗って、同年12月の大統領選挙では文在寅大統領の盟友である盧武鉉氏が当選したのです。
—そんな時代もあったのですね。
鈴置:今後もあるかもしれません。反米感情をかき立てる何らかの事件が起きるたびに、韓国では「反米」とその裏返しの「民族共助」が叫ばれてきたのです。
事件が発生しなくても、米国に思うように操られていると韓国人が考えれば、反米感情が盛り上がります。例えば、第2次朝鮮戦争の足音が聞こえてくれば、普通の韓国人も「米国は出て行け」「戦争を起こすな」と言い出すと思います。
すでに左派の間では「米国は北朝鮮との戦争を始めるつもりで、それに韓国を引き込もうとしている」との見方が広まっています。だからこそTHAAD反対デモが起きるのです。
本家・鳩山は挫折したが
—「米国は出て行け」と普通の人も言い出すでしょうか。
鈴置:その証拠が保守系紙の「反米親北」批判です。詳しく説明したように、連日の紙面は親米的な社説であふれています。ただ、保守系紙は「このままでは米国に捨てられる!」と悲鳴をあげはしますが「北朝鮮と戦おう」とは書かない。
「戦争になってもいいのか」という批判と「同じ民族よりも米国が大事なのか」との非難を恐れているのです。
保守系紙が覚悟を固めていないぐらいですから、米朝関係が際どくなれば、韓国の世論は米国との同盟を打ち捨てて、中立に傾く可能性が高い。
今でも「我が国が中立化すればミサイルは日本にだけ飛んでいく。高みの見物だ」と日本人に言ってくる韓国人もいます。
それに韓国が「米国は出て行け」と言う前に、米国が韓国を見捨てる可能性もあります。それを韓国人が自覚すれば、親米派の「同盟を堅持しよう」との主張は説得力を失います。
「韓国の鳩山」は「本家の鳩山」とは異なって「反米路線」を貫徹する可能性があります。もちろん、トランプ大統領の出方次第ですが。
(次回に続く)
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『“紅色企業株”6月暴落と「経済政変」の行方 中国経済は“魔の木曜日”以降も暴風雨やまず』(6/28/17 日経ビジネスオンライン 福島香織)について
6/30日経朝刊<アジア投資銀、最高格付け 米ムーディーズ

第2回年次総会の開幕式であいさつするAIIBの金立群総裁(16日、韓国・西帰浦)=共同
ムーディーズは「ガバナンス(企業統治)の強固な枠組み、妥当な自己資本、流動性の高さを考慮した」と説明した。格付けの見通しは「安定的」とした。AIIBは2016年1月の開業から1年半で、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)など他の国際開発金融機関と同じ高い格付けを得た。
AIIBは自己資本が1千億ドル(約11兆円)と「同じ格付けの他の開発金融機関よりも厚い」(ムーディーズ)。6月末の投融資は約25億ドルと資本の2.5%にとどまり、大半が低リスクの世銀などとの協調融資だ。手元資金の管理も「他の開発金融と同等かそれより厳格」(同)とした。
今回の格付けには2つの「驚き」がある。
1つはムーディーズという国際大手の格付け会社から得たこと。海外市場で債券を発行しやすくなる。ドルなど人民元以外の資金も調達が容易になる。中国がロシア、インドなどと運営する新開発銀行(通称BRICS銀行)は審査の甘さが指摘される中国の格付け会社からしか「投資適格」の格付けを得ていない。債券発行も中国国内市場での人民元建てだ。
2つ目は格付けが最上級だったこと。低い金利で債券を発行できるので、低金利での融資が可能になる。日本政府内では「最上級は難しい」との見方があった。約3割と最大出資国の中国の国債が今年5月にムーディーズから格下げされたこともAIIBの格付けに響くとの指摘もあった。
AIIBの金立群総裁は6月の年次総会後の記者会見で「17年中に3つの格付け会社から格付けを取得できる」との見通しを示した。他の格付け会社からも格付けを取る可能性が高い。
格付け取得によりAIIBの国際開発金融機関としての体制整備はさらに進む。ムーディーズがリスクや財務の管理を評価したことで、AIIBは国際的な「お墨付き」を得たとアピールする可能性が高い。
ただ、ムーディーズはどのような場合にAIIBが格下げになるかにも言及した。融資審査やリスク管理が甘くなったり、中国など主要出資国からの支援が弱まったりした場合を挙げた。これまでのように堅実な運営を続けられるかどうかが高格付けを維持するカギを握る。
日本の財務省幹部は「民間企業の判断にコメントしない」としつつ、AIIBへの参加には慎重な考えを改めて示した。参加の是非を巡ってはAIIBの公正なガバナンスの確立などの条件が満たされるかを重視するという。>(以上)

上の写真は6/30日経朝刊に載った新刊紹介です。著者は上念司氏で「中国のGDPは437兆円以下で、日本のGDP522兆円に次ぐ3位」というもの。以前から中国の発表するGDPは日本以下という噂はありましたが。白髪三千丈の世界、捏造改竄が得意な中国だけのことはあります。何も根拠なく、中国のGDPの数字を挙げている訳ではないと思います(まだ読んでいませんので詳細は分かりません)。中国がこれに数字を挙げて反論するのを期待したいところですが、彼らは嘘がばれるのを恐れて何もしないでしょう。日本の左翼や反日民進党・共産党同様大手メデイアを押えておけばよいとの発想です。ですから、国民の情弱こそが問題になります。大手メデイアだけでなく、ネットを利用していろいろ情報を集める努力をしませんと。大手メデイアは中共の手先と思って見れば間違いありません。
高橋洋一氏も中国の公表するデータで唯一信頼できるのは貿易統計だけと言っています。誤差脱漏があっても相手のあることなので、大きくずれることはありません。以前は李克強指数(鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費)が割と正確と言われていましたが、人口に膾炙し出すと、これもまた偽りの数字で発表されるようになりました。
http://ytanaka.g.dgdg.jp/chinaeconomy/newpage30.html
6/29日経朝刊<華為が日本に通信機器大型工場 中国勢で初、技術吸収
通信機器大手の中国・華為技術(ファーウェイ)が初の日本生産に乗り出す。年内にも大型工場を新設し、通信設備や関連機器を量産。日本の技術と人材を取り込み、日本や他の先進国で受注を増やす。事業買収や研究開発拠点の設置が中心だった海外企業による対日投資が生産まで広がる。中国企業が日本に本格的な工場を新設するのは初めて。

華為はスマートフォン販売の世界3位で、2016年12月期売上高は8兆円超。日本で初となる工場は、千葉県船橋市にあるDMG森精機の工場跡地と建屋を転用する。生産設備を導入し、早ければ年内に稼働する。当面の投資額は50億円程度とみられ、今後も追加投資を検討する。
華為はルーターなどのネットワーク機器が主力。高速通信網の整備を急ぐソフトバンクなど大手通信会社向けに販売が伸びている。新工場による現地生産で日本市場への供給力を高める。
中国企業による日本進出は00年代後半から目立ち始めた。業績が悪化した日本企業の買収が増えたためで、09年には中国の家電専門店大手がラオックスを買収した。本間ゴルフやレナウンなども相次いで中国企業の傘下に入った。
最近は研究開発拠点を設置する動きも広がる。自動車大手の長城汽車は16年に拠点を設け、電気自動車(EV)や自動運転の研究を開始。中興通訊(ZTE)もあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の拠点を都内に開設した。
すでに研究拠点を持つ華為はさらに生産まで乗り出す。日本は人件費の高さが課題だったが、中国の人件費が上昇して差が縮小。日本の割高感が薄まり、華為は新工場で生産管理の人材を多く採用する予定。中国流の低コスト大量生産と組み合わせ、品質と価格競争力を両立させる。
中国は「世界の工場」の役割を担ってきたが、国内の景気減速で海外市場の開拓が急務だ。日本の製造業が低コストを求めて中国に進出する動きが一巡する一方、今後は逆に中国の製造業が日本に進出する動きが活発になりそうだ。>(以上)
華為は深圳で起業した人民解放軍と関係が深い企業と言われ、商品にはバックドアが仕込まれ、米国での政府系機関に導入することを禁止する法律ができており、市場から締め出しを喰っています。いつも言っていますように二国間では互恵主義が基本で、日本は中国の土地を買えないのに(小生は買いたいとは思いませんが)、どうして中国が買えるようにしているのはおかしいと思います。彼らが買った土地に官憲は容易に踏み込めず、外交官特権のクーリエで持ち込んだ小型核や毒ガスだって工場地下に眠らせておくことは出来ます。2015年天津で起きた大爆発は記憶に新しい所です。あれも違法に化学物質を保管していました。中国人ですから何でもありです。
https://ssl.bsk-z.or.jp/kakusyu/pdf/25-8shousassi.pdf
福島氏の記事に出てきます「ホワイトグローブ」の意味は、「白手袋、汚れた手を隠すために白手袋をする人、金融の裏仕事請負人」の意味です。
本記事の最後に「帰国して投資しようと考えている海外華僑のみなさん、目をしっかり見開いて見ていてください。国内には頼りになる法治はありませんよ。やってくれば、虎の口に自らつっこむ羊みたいなものです」とネットで書かれています。上記のAIIBの格付けの記事は日経が喜んで記事にしましたが、いい加減中国礼賛は止めた方が良いでしょう。日本企業のミスジャッジを誘います。ムーデイーズや日経のトップは中国のハニトラか金を貰っているのか疑われても仕方がないでしょう。AIIBの融資実績は9件しかなく、しかも大半がADBや世銀との協調融資です。何故最高格付になるのか分からないというか、おかしいでしょう。安倍首相が「一帯一路」に条件付き参加を認める発言をした後、北京の日本商会が「中国からの撤退手続きの迅速化」を求める声明を出しました。まあ、撤退は難しいでしょう。早くとも2年はかかるのでは。AIIBは「一帯一路」を実現するための金融的な裏付けをする機関です。日本企業は戦争の可能性のある国には近づかないことです。
http://shinjukuacc.com/20170207-01/
6/21日経<中国進出の日系企業、「一帯一路」で協議会
【北京=原田逸策】中国に進出した日系企業でつくる中国日本商会は21日、中国独自の広域経済圏構想「一帯一路」の連絡協議会を設立した。会員企業間で一帯一路に関する情報を共有するほか、商談会やセミナー、講演会なども開く。
また日本商会は同日、中国政府に対して事業環境の改善を求める意見書も公表した。日系企業が中国から撤退する際に税務処理などの事務負担を軽くするよう求めた。>(以上)
記事

6月13日、中国に名をとどろかす紅色企業(革命に参加した主要ファミリーが経営や資本に関わっている企業)・安邦保険集団のトップにして、鄧小平の(元)女婿である呉小暉が失脚したことが明らかになった。9日に民生銀行から融資を受けた1000億元を横領した疑いで、身柄を拘束された、らしい。これに伴い安邦株は大暴落だ。
6月22日には、飛ぶ鳥を落とす勢いであった政商・王健林が率いる大連万達集団の株価も暴落。これに伴い王健林失脚の噂が流れた。22日午後には、中国のバフェット級投資家でもある郭広昌率いる復星集団の株価が暴落。「星野リゾートトマム」買収で日本でも知られるようになった郭広昌は2015年12月に失踪(上海市公安当局に贈賄容疑で身柄拘束されていたらしい)したが、無事復帰していたところだった。
中国経済の雄・万達、復星の株価暴落は、あまりに突然であり、22日は“魔の木曜日”と呼ばれた。その前に、米国に逃亡した闇の政商・郭文貴の暴露発言で、王岐山との癒着が噂された海航集団(南海航空集団)の株価も暴落している。
「ホワイト・グローブ」をめぐって
上記の企業に共通しているのは、政治的な強大な背景があり、その株価が鉄板と思われていた“紅色資本”であり、いずれも海外のM&Aに積極的であり、海外に巨額の資本を所有し、いずれも「ホワイト・グローブ」と呼ばれる、共産党中央の官僚・政治家の資金洗浄などを請け負っていた政商たちである。
この前に、やはり大富豪で政商であった蕭建華が香港で拉致され行方不明(北京に秘密裡に拘束されているという噂)となる事件があり、これら一見、関係ないようにも思える政商の拘束や紅色株の暴落は、実のところ関連しているとみられている。“経済政変”という言葉も飛び出している。中国経済界で一体何が起きているのか。
一連の件は、習近平の金融・保険業界の整理整頓の動きとして理解される向きも多いだろう。すでにこのコラムでも紹介したように、中国株価を自在に操る資金力を持つ大投資家・蕭建華が今年1月に、香港の五つ星ホテルから拉致され行方不明、中国北京で拘束され、取り調べを受けているといわれている(関連記事「蕭建華失踪事件から読む『習近平vs曽慶紅』暗闘」)。
彼が拉致された理由はいろいろと憶測が飛んでいるが、曽慶紅や江沢民ら太子党、上海閥の政治家・官僚たちの資金洗浄なども請け負っていたということ、また2015年6月の上海株の乱高下事件にも関わったという疑いが持たれている。習近平にとっては政敵の金庫番のような存在であると同時に、習近平の指導する金融業界整理やキャピタルフライト防止にとっては邪魔な存在であったということだ。
積極介入、積極管理の通達
4月に入ると中国保険監督管理委員会主席(閣僚級)の項俊波が失脚。そのあと、習近平は政治局会議を招集し、金融市場の活性化と安定を求める通達を出した。この通達は六つの具体的項目があったが、その六番目は「党の金融業務に対する指導を強化し、党中央委員会による集中・統一化された指導を堅持し、党が主導する金融業務の体制メカニズムを改善し、金融方面の政策決定の科学化レベルを引き上げる」。つまり金融市場の党の積極介入、積極管理の通達だった。
5月に入ると、中国保険監督管理委員会保監会は安邦保険集団傘下の安邦人寿保険株式会社に対して、三カ月の新規製品の発売禁止処分を決定。これは安邦人寿の発売する安享5号というハイリスクユニバーサルライフ保険が、規制・監督を逃れて市場秩序を乱しているなど、二種類の保険商品に違反が見られたことに対する処罰ということになっている。だが、本当の狙いは、キャピタルフライト防止しようとする習近平の意向を顧みずに海外資産買収にいそしむ怖いもの知らずの鄧小平ファミリー企業を見せしめ的に締め付けたのではないか、という見方もあった。このころから呉小暉失脚の噂が流れはじめた。そして6月についに呉小暉失脚が確定。安邦保険集団と呉小暉が中国においてどういった存在かは、過去のコラム「鄧小平一族の企業『安邦』、急ブレーキの意味」を参照していただきたい。
そして魔の木曜日事件だ。22日午前中だけで、万達集団の債券が投げ売り状態になり、2%超えの下落。深圳市場の映画関連最大手上場企業である万達電影院線は9・9%の下げ止まりとなった。この日蒸発した、王健林の資産は40億元という。
「ネットの噂」を引き金に
なぜ万達の債券投げ売りが起こったのかというと、インターネット上で、中国建設銀行など万達の主要取引銀行に対して、当局から保有する債券をすべて売却するよう通達があったという、情報が流れたからだ。万達サイドは、すぐに「銀行側に問い合わせたが、そういう通達は出ていない」として、ネット情報がデマであると火消しにまわったが、多くの人々が、王健林の失脚が近いのではないか、という予感を持った。
万達集団がハリウッド進出を目指して、無謀ともいえるような米映画関連企業の買収を行い、銀行に多額の借入金があり、財務状況が悪化していることはかねてから欧米のコンサル企業からも指摘されていた。また、米国のエンタメ業界に入れ込む姿勢は、一つ間違うと、中国独自のソフトパワー政策を掲げる習近平の不興を買う可能性もありそうだ。王健林は軍人出身であり、その父親も長征参加の革命世代。習近平ファミリーにも株を融通していたことは知られており、王健林の積極的なハリウッド買収や海外スポーツ関連の投資、買収なども習近平の意向に沿っているとも思われていた(関連記事「中国はハリウッドを乗っ取るのか」)。
だが元大連駐在記者で薄熙来失脚の内幕を暴いたことでも知られる亡命ジャーナリストの姜維平はラジオ・フリー・アジア(RFA)サイトに「王健林はひょっとして終わりか?」というコラムを寄せていて、彼が薄熙来や最近失脚した福建省の不動産王・黄如論らとも関わりが深いことを考え合わせ、失脚の確率がかなり高いのではないかとの予測を語る。
復星国際株は22日午後、8.5%という創業以来最大の暴落を経験。やはりネットの噂が引き金だった。今のところ、暴落した株価は回復したが、一時は2015年6月から始まったあの株災の再来か、と市場関係者は震え上がったことだろう。
前触れはあった。中国銀行監督管理委員会は6月半ば、大手銀行に対して、万達、安邦、海航、復星、浙江羅森などの民営企業を含む数社に対するリスク分析を行うよう要請、特に近年の猛烈な海外投資の比率などが調査対象だといわれた。こうした当局の姿勢が噂となって、この五大企業は“やばい”という心理がすでにあった上に、ネットの噂が直撃したということかもしれない。
6月上旬にルパート・フーゲワーフ研究院が発表した「2017年中国企業の越境M&A報告」によれば、中国企業が昨年海外で行った投資及びM&Aは金額にして前年比150%増、買収先は米国が一番人気で、香港、ドイツと続いているという。海外資産買収額が多いのは海航、安邦、万達…。
6月20日、中国共産党メディアの微信公式アカウント「学習小組」が、習近平の発言を流していのだが、それによると習近平は「いつの時代も権力を掌握しているのは社会の少数であり、権力の周辺には既得利益集団が集まっている。これら既得利益集団は“権力中心”に接近し、資源を独り占めし、巨大な利益を得ている。彼らは権貴階層かもしれないし、ホワイト・グローブかもしれない。…近水楼台先得月(水辺の建物では月がよりよく見える=権力に近いと得をする)、“権力が金銭に変わるゲーム”というルールを許してはならない」と語ったそうだ。習近平がわざわざホワイト・グローブに言及したことが、話題になった。
これを多くの人たちが、習近平のホワイト・グローブに対する警告、宣戦布告と受け取った。そう考えると、呉小暉失脚も、万達、復星の株価暴落(あるいは揺さぶり)も、習近平のホワイト・グローブ、既得権益層に対する攻撃、という風に理解できるだろう。
「2015年の株災」暗闘と反撃
ただし、これが純粋に習近平政権の経済政策上の現象かというと、かなり政治的な意味合いも強いと思われている。「経済政変」という言葉が出てくることからもわかるように、これは政変、つまり権力闘争とみる意見も少なくない。
香港経済日報(6月21日)がこう報じている。「最近の習近平政権が行っている金融関連政策の動きは、尋常ではなく、背後には第十九回党大会への考慮が隠然と見えている」。
報道によれば、習近平は2015年夏の株災について、経済問題ではなく、習近平に対抗する国内権貴族が、経済・政治利益を習近平から乗っ取ろうとした“経済政変”が発動した、と信じていたようだ。
“経済政変”説とは、2015年の株災は江沢民、曽慶紅、劉雲山ら上海閥の共産党金融機関のトップや、蕭建華、呉小暉ら投資家が関与し、習近平から経済・金融の操縦桿を奪おうという狙いだった、とする。目的は金融危機を通じての株民(個人投資家)の財産一掃、実体経済の悪化、大規模失業といった経済混乱を引き起こし、習近平指導部への経済界や大衆の恨みを引き起こして総書記の座から引きずり下ろすことであった、という説もある。習近平は今年に入って、そうした動きに反撃すべく、保険業界のトップの入れ替えを行い、金融市場の介入、管理強化を通達し、江沢民派、曽慶紅ら太子党の牛耳る投資企業集団をターゲットに揺さぶりを仕掛けた、という見方だ。
その黒幕こそが、呉小暉はじめ、紅二代実業家たちだという。呉小暉が横領したといわれる、民生銀行から借りた1000億元というのは、まさしく2015年の株災を引き起こした株の空売買に投入された、という話も。ちなみに民生銀行は、共青団系の初の民営銀行である。
亡命華人学者の何清漣の言葉を借りれば、中国の存在する数百に及ぶ紅色企業は、鄧小平、江沢民、胡錦涛の統治が習近平に残した政治的遺産だ。共産党は胡錦涛政権までは、資本と党を結びつける紅色企業に頼ることで、共産党の執政党としての求心力を経済成長に求めることができた。
ところが習近平時代になって、この経済成長は限界を迎え、党の執政党としての権威や求心力に利用できなくなってきた。反腐敗キャンペーンは、むしろ党内を牛耳っていた資本家を追い出す方向への転換ともいわれている。党内の資本家たちの代表は、太子党。となれば、習近平自身が習仲勲という革命世代の建国元老の息子であり太子党サラブレッドであるはずなのだが、ついに幼馴染や親戚同然の太子党ファミリー企業家を敵とみなす政策を取り始めた、ということになる。
太子党、紅二代の資本家たちは、習近平の反腐敗キャンペーンをしばらく観察した結果、紅色ファミリーを経済・金融市場から退場させようというのが習近平の最終的な狙いであると気づきはじめたのだろう。それが2015年夏の”経済政変”を仕掛けた動機であり、今年に入って習近平サイドが反撃に出ている、というわけだ。
このストーリーは一つの仮説であって、実際のところ、何が起きているのは判然としない。習近平ファミリーだって、少し以前までは紅色企業の利権にあずかる立場であったはずだ。どこか本当に太子党、紅色企業を敵に回すはずがない、という思い込みが中国ウォッチャーたちにもある。単に政権安定のために、行き過ぎたキャピタルフライトにブレーキをかけ、海外流出した資本の還流を目的とした一時的締め付けの可能性も当然残る。
「内部で殺し合いが始まっている」
しかし、もし習近平が本気で太子党権貴族、紅色資本家たちを排除し、金融や保険、株式市場の操縦桿を「習近平を核心とする党」が取り戻すというつもりなら、中国経済がこれまで進めてきた民営化、市場の自由化が一気に逆流することになるかもしれない。
ネットの天涯サイトの掲示板で、こんなコメントがあがっていた。
「内部で殺し合いが始まっている。相対的弱者がやられて、勝者が資産を山分けする。帰国して投資しようと考えている海外華僑のみなさん、目をしっかり見開いて見ていてください。国内には頼りになる法治はありませんよ。やってくれば、虎の口に自らつっこむ羊みたいなものです」
党大会まで(あるいは党大会後も?)、中国経済予報は雷雨暴風雨が続く模様である。
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『米国の没落が急加速!「アメリカファースト」政策の大失敗』(6/27ダイヤモンドオンライン 北野幸伯)について
6/27ZAKZAK<【米中激戦!】「支持率低い」はつくられた? 米大手メディア、情報操作でトランプ氏たたきの理由

日本のマスコミでは、ドナルド・トランプ米大統領が「ロシア・ゲート」疑惑で弾劾されるとか、あるいは近い将来、辞任に追い込まれる、というような、まったく誤った情報が蔓延(まんえん)している。
これは米大手メディア(=メーン・ストリーム・メディア、一般に『MSM』と略称されている)が意図的に流している情報を、日本のマスコミが無自覚に垂れ流しているからだ。トランプ氏が弾劾される、あるいは辞任に追い込まれる可能性はほとんどない、というのが現実である。
ただ、トランプ氏がMSMに嫌われているのは事実である。それは彼が本格的な米国社会の革新を実行しつつあり、それに既成勢力の一部であるMSMが徹底的に抵抗しているからである。
「トランプ氏の支持率が低い」との報道もあるが、これもMSMがつくっている数字である。もし、彼らの世論調査が正しいとすれば、トランプ氏は昨年11月の大統領選で大敗北を喫していたはずだ。そして、ヒラリー・クリントン元国務長官が大統領に当選していたはずである。
昨年の大統領選で間違った情報を流したというよりは、情報操作で「クリントン勝利、トランプ惨敗」を意図的に実現させようとしたマスコミや世論調査会社が、まったく同じことをやっているのである。日本の左派マスコミによる、安倍晋三首相攻撃と似ている。
トランプ氏のスローガンは「アメリカ・ファースト」であり、「米国をもう一度、偉大な国にしよう」だ。彼は共和党の指名受諾演説で明言しているが、彼の政治的使命は「国民国家・米国の再建」なのである。「新しいナショナリズム」といってもよいだろう。
このナショナリズムに反対する左派リベラルが、多国籍企業・無国籍企業などと連携して「トランプたたき」を行っている。米大手メディアも、この「リベラル=無国籍企業」連携の一部である。国民国家・米国の再建に反対する勢力が手を組んでいるのだ。
米国で生まれても、多国籍化・無国籍化した企業は、さらなるボーダーレス・エコノミー化を推進しようとする。「ヒト、モノ、カネ」が国境を無視して自由に動くような経済が彼らの理想である。このボーダーレス化に反対し、国民経済という単位を重視しようというのが、トランプ氏の基本政策である。
ボーダーレスでなく、ボーダーを強化して、米国国民の利益を第一に考えるのが、トランプ政権である。ボーダーレスを理想とする無国籍企業からすれば、民主政治に基礎を置いて企業活動を規制しようとするトランプ氏のようなナショナリストは、敵以外の何ものでもないのである。
リベラル勢力はもともと、「アンチ・国家」であり、「国家の枠組みを破壊する」ことを使命としている。ここで無国籍企業派とリベラル派が手を組んで、国益重視のトランプ氏を引きずり下ろそうとしているのだ。単純化していえば、「グローバリスト対ナショナリスト」の対決である。
■藤井厳喜(ふじい・げんき) 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問、明治大学などで教鞭をとる。現在、拓殖大学客員教授。著書・共著に『最強兵器としての地政学』(ハート出版)、『米中激戦!』(ベストセラーズ)など。>(以上)
北野氏の記事に出てきますペドゥート・ピッツバーグ市長は民主党です。14年に初当選しましたが、1934年~今までずっと民主党が市長を担ってきました。(Wikiより)。ずっと民主党が岩盤の地域だったのに、ピッツバーグはラストベルトと呼ばれ、民主党は何もしてこなかったので、ピッツバーグの属するペンシルベニア州はスウイングステートでもあり、トランプに勝利を齎したのかと思いました。しかし、野口悠紀雄氏は違うように書いています。では何故トランプが勝利できたのかについては触れていませんが、やはり既存の政治家のやり方では国民は満足できなくなったという事ではないでしょうか。
藤井氏の言うグローバリストとナショナリストの闘いを、トランプは「アメリカ・ファースト」という事で分かり易くしました。北野氏が言うように自分ファーストを広言する人は嫌われるのはその通りでしょう。でも、本音は皆そうで、次の人や国にどういう手を打つかという選択の問題でしょう。トランプも貿易を止めるつもりもなければ、安全保障上の同盟の責任も果たすとしていますので。既存の枠組みを見直す時に、「アメリカ・ファースト」を訴えるのは、国民にとって納得しやすいでしょう。グローバリズムの手先のメデイアに対抗するためには彼らの意に反することも、ドンドン進めて行かなければなりません。グローバリズムが善だと単純に信じ込むことはナイーブ過ぎです。今の日本も全く同じ状況です。憲法改正という戦後の垢を落とすためには、国民投票で過半数を取らないとなりません。日本の反日左翼メデイアはそうさせないよう、あらゆる面で次から次へと事件化を図っています。大きく見ればグローバリズムとナショナリズムの闘い、守旧派対改革派の闘いです。情弱では正しい判断ができません。
北野氏は「習近平は、「地球ファースト」の「フリ」をして、名声を高めている。」と述べていますが、その通りです。劉暁波の緊急入院の情報で、毛沢東が周恩来の膀胱癌での入院治療を認めず、最後になってやっと認めたときには手遅れという故事を思い出させてくれました。人権弾圧が当り前の中国の中でもそれが際立っている習近平です。いずれ馬脚を現すと思います。言う事とやることが違うのが中国人、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という社会なので、付き合ってみればすぐに分かります。それでも付き合おうとするのは人口に幻惑され、経済的にメリットを受けられるのを思ってのこと。でもリスク管理をしっかり(約束違反は懲罰的ペナルテイを多国間で課すようにしないと)しないと駄目でしょう。中国が世界の救世主になると思ったら大間違いです。30兆$もの債務を抱えているので、いずれバブルははじけるでしょうし、中国の軍事暴発を防ぐためには、北野氏の「事実をあるがままに見る姿勢」ももちろん大事ですが、それ以上に日本主導の多国間での中国封じ込めの行動を起こしていくことかと。
https://ameblo.jp/yorikawa/entry-12073037590.html
ヘリ空母いずもが大活躍中です。日本のマスメデイアももっと報道しなければ。
http://jp.reuters.com/article/angle-izumo-idJPKBN19E0Z5?sp=true
こちらは、東大の新入生の政治姿勢についての記事です。直接本記事とは関係ありませんが、面白いので載せて見ました。やはり若くなればなるほど、ネットから情報を取って、メデイアの発信する記事は信じるに足りないと思っているのでは。メデイアの「報道しない自由」と「フェイク」とがあり、左翼の「目的の為には手段を選ばず」という姿勢が不信を買っているのでは。反日民進党・共産党のメデイアとグルになっての自民党攻撃はネットを読めば如何にひどいかが分かりますので。
https://www.businessinsider.jp/post-34482
記事
トランプ米大統領が孤立している。国内では「ロシアゲート」で、国際社会では「パリ協定離脱」でバッシングされている。「アメリカファースト」を掲げ、「わが道」を行くトランプ。しかし「米国を再び偉大にする」という願いとは正反対の結果になっている。(国際関係アナリスト 北野幸伯)
G7で「俺流」を貫き メルケルに見放されたトランプ
トランプは5月、多くの国々を訪れた。大統領就任後はじめての訪問先に選んだのは、サウジアラビア。5月20日、彼はここで、大きな実績を出した。なんと1090億ドル(約12兆円)の武器輸出契約を結んだのだ。これは、日本の防衛予算の倍以上にあたる、膨大な金額だ。オバマは、サウジアラビアを冷遇し、米サウジ関係は冷え込んでいた。トランプは、両国関係を修復することに成功した。

EUの盟主・ドイツのメルケル首相は、他国とのコンセンサスにまったく興味を示さないトランプ大統領に幻滅したことを隠さない。今や米国は、世界中から孤立してしまった Photo:REUTERS/AFLO
トランプは22日、イスラエルを訪問。オバマはイランと和解することで、米国とイスラエルの関係を悪化させた。今回の訪問で両国は、「イランは、共通の脅威である」ことを確認。関係は改善された。トランプの中東訪問は、「成果があった」といえるだろう。
問題は、その後だ。
トランプは5月25日、ブリュッセルで開かれたNATO首脳会議に出席。彼はここで演説し、NATO加盟国がGDPの2%という防衛費の目標を達成せず、「米国の納税者に損をさせている」と非難した。要するに、「守ってほしければ、もっと金を出せ!」と要求したのだ。
次にトランプは、イタリア・タオルミナで開かれたG7サミットに出席。彼は、ここでも「俺流」を貫く。結果、G7声明は、米国以外の6ヵ国が「パリ協定を迅速に実施する強固なコミットメントを再確認する」という、奇妙なものになってしまった。つまりG7は、「米国と他6ヵ国」で「分裂している」ことを、世界に示したのだ。
ドイツのメルケル首相は、他国とのコンセンサスにまったく興味を示さないトランプにとことん幻滅したらしい。NATO首脳会議とG7サミットの後、米国への「決裂宣言」ともいえる発言をしている(太線筆者、以下同じ)。
<米英はもう頼りにできない、メルケル独首相が警告 AFP=時事 5/29(月) 14:02配信 【AFP=時事】 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は28日、ドイツ南部ミュンヘン(Munich)での選挙集会で、英国の欧州連合(EU)離脱やドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の就任で欧米の同盟関係に亀裂が走る中、欧州は「その運命を自ら握らねばならない」と訴えた。>
メルケルだけじゃない!世界中から批判の声が殺到
さらにメルケルはこうも述べた。
<「われわれが他国を完全に頼りにできた時代は終わりつつある。私はそれをこの数日間で経験した」。 聴衆に向けてこう述べたメルケル氏は、ドイツも欧州も米英との友好関係維持に努める一方で、「自らの運命のため闘わなければならない」と主張。>(同上)
この発言を見るに、メルケルはトランプを見限っている。これは、「重大事件」といっていい。2016年、世界GDPの21.8%をEUが占めた。そしてドイツはEU最大の経済大国で、最も影響力のある国である。実際、「EUの実態は『ドイツ帝国』だ」と主張する人もいる(例、フランス人の人口学者エマニュエル・トッド)。そのドイツの首相が、「もう米国は頼りにならない」と宣言したのだ。
トランプは6月1日、「パリ協定からの離脱」を宣言した。彼は以下のように語った。
< 私が選挙で選ばれたのは、ピッツバーグの市民を代表するためです。パリではありません。パリ協定は、ワシントンがまたしても、アメリカに不利な協定に参加した最新の例にすぎません。受け入れがたい法的リスクを押しつけ、われわれを世界の他国に対して、決定的に不利な状態に追いこみます。 われわれは、他国の指導者や国に、これ以上笑われたくない。これでもう笑わないはずだ。もう笑わない。今こそパリ協定を離脱すべき時だ。そして、新しい合意を追求すべきだ。環境とわれわれの企業を守り、われわれの市民とこの国を守る、新しい合意を>
トランプは、「ピッツバーグの市民を守るために、パリ協定離脱を決めた」かのような演説をした。しかし、同市のペドゥート市長は、即座に「ピッツバーグは、世界とパリ協定を支持する!」と宣言した。「トランプと同類にされたくない」ということだろう。
今やトランプは、世界中から批判されている。フランスのマクロン新大統領はパリ協定を守ることで、「地球を再び偉大にする!」と宣言。これは、「米国を再び偉大にする」のトランプを皮肉ったのだ。
マクロンは、トランプのオウンゴールを利用した巧みなパフォーマンスで、大いに人気を高めた。そのマクロン、メルケル、イタリアのジェンティローニ首相は1日、「米国の決断を残念に思う」との共同声明を出した。そして3首脳は、トランプが求める「再交渉」には「応じない」としている。
ロシアのリャブコフ外務次官は、パリ協定が「米国を含まない一部の国だけ優先しているというのは間違い」だと指摘。インドのモディ首相は2日、「気候変動に関してインドは責任ある国家だ」と語り、パリ協定を順守する決意を示した。国連のドゥジャリク事務総長報道官は、離脱発表は「大きな失望」とする声明を発表している。
「アメリカファースト」がトランプを孤立させた元凶
そして、非常に重要なポイントだが、米経済界からもトランプの決定に反対する声があがっている。BBCニュース、6月2日から。
<米経済界も声高に、協定残留を求めていた。 グーグル、アップル、化石燃料メーカーのエクソンモービルなど、何百もの企業が大統領に協定に残るよう要請していた。 エクソンモービルのダレン・ウッズ最高経営責任者は自ら大統領に手紙を送り、米国は協定に参加したままでも「十分に競争できる」し、協定に残れば「公平なルール確保のために話し合いの場に参加できる」と力説した。>
トランプが世界のみならず、自国内でも「孤立している」ことは、明らかだろう。
トランプは、なぜ就任半年で、これほど孤立したのか?彼に敵が多いのは確かだ。野党である民主党はもちろん、与党・共和党内の「反ロシア派」、マスコミ(特にCNN、ABC、ニューヨーク・タイムズなど)、CIAなど諜報機関、国際金融資本など。これらの勢力は、執拗にトランプバッシングをつづけている。
しかし、トランプがNATO加盟国の全首脳に、「もっと金を出せ!」と演説したり、「パリ協定離脱宣言」するのは、「彼自身の決断」だろう。なんといっても、これらは大統領選挙戦中からの「公約」なのだから。彼の言動は、彼の「思想」を反映しているだろうから、問題は「彼の思想」ということになる。
トランプの思想とは、なんだろうか?そう、「アメリカファースト」(米国第一主義)だ。
トランプのおかげで、「〇〇ファースト」という言葉が、流行している。「ジャパンファーストでいこう」という政治家もいるし、「都民ファースト」という言葉も、しばしば耳にする。「米国の大統領が使うから」と、あまり考えずマネをする人が多いのは、危うい傾向だ。
もし「私は、『私ファースト主義者』です。自分の利益を最優先させます!」と宣言する人がいればどうだろう?この人は、人々から愛され、会社でトントン拍子に出世していくだろうか?そんなことはないだろう。
「私ファースト」のことを、一般的な言葉で「エゴイスト」(自己中心主義者)という。「エゴイズム」は、世界のどこでも「悪いこと」とされ、嫌われる運命にある。
では、ある企業の社長が、「『わが社ファースト』でいきます。お客さまのことよりも、わが社の利益を最優先させます!」と宣言したらどうだろう?普通、そんな会社から買いたいとは思わないだろう。
「自国ファースト」を掲げた国は次々にボロボロに
トランプの「アメリカファースト」は、「米国民の利益を最優先させる」という意味もあるだろう。会社でいえば、「従業員第一主義」だろうか。トランプが、「米国民の利益を最優先させる」といえば、アメリカ人が彼を支持する理由もわかる。これは「国内世論」的には正解だが、「国際世論」を味方につけることは、まったくできない。
実際、彼は「米国企業を守るため」という理由で、「パリ協定離脱」を宣言したが、国際世論を完全に敵にまわしてしまった。一方、フランスのマクロン大統領は、「地球を再び偉大にする!」といって、国内外の名声を高めた。
そして、国際社会から孤立してしまえば、実は米国民たちも不利益を被る。それをよく知っている米経済界はパリ協定離脱に反対したが、トランプは押し切ってしまった。「アメリカファースト」は、決して自国民に有利な戦略でもないのだ。
このように、トランプが孤立する理由は、「アメリカファースト」という彼の思想自体にある。筆者は2016年4月、「トランプ大統領誕生なら米国は覇権国家から転落する」という記事を書いた。残念ながら、米国は予想通りの方向にむかっているようだ。
実際、「自国第一主義」的スローガンや言動で、孤立したり叩かれたりする例は、トランプ以外にもある。たとえば安倍総理は12年、「日本を取り戻す」というスローガンを掲げて再登場した。中国は13年、熱心に「安倍は右翼」「安倍は軍国主義者」「安倍は歴史修正主義者」というプロパガンダを展開。結果、13年12月に総理が靖国を参拝すると、世界規模で「安倍バッシング」が起こった。
「靖国参拝を批判したのは、中国と韓国だけ」というのは、事実と異なる。実際は中韓に加え、米国、英国、EU、ロシア、台湾、シンガポール、オーストラリアなどが参拝を非難している(ここでは詳細に触れないが、「ウソだ!」と思う方は、是非本連載バックナンバー「“恐怖の大王”プーチンが日米関係を変えた 日米vs中ロの新パラダイムをどう読むべきか」を参考にしていただきたい)。
プーチンは、「ロシアの国家イデオロギーは、『愛国主義』だ」と語る、「自国第一主義者」だ。彼のもっとも好きな言葉は、「ナツィオナリニー・インテレス」(国益)だろう。14年3月、プーチンは「クリミア併合」を決断した。ロシア国民はこれを熱狂的に支持したが、欧米日はロシア制裁を決めた。その結果、ロシア経済はボロボロになってしまった。
習近平は12年、「中国の夢」という「自国第一主義」的スローガンを掲げて登場した。オバマが、シリア、ウクライナ、ロシアとの争いで多忙だったことから、しばらく問題はなかった。しかし、15年3月の「AIIB事件」後、オバマは、中国を激しくバッシングするようになっていく。
結果、15~16年にかけて、中国経済はボロボロになってしまった。16年1月、ジョージ・ソロスは、「中国経済のハードランディングは不可避」と発言し、世界に衝撃を与えた。
バリバリのナショナリストだった 習近平はグローバリストに豹変した!
このように「自国第一主義者」は、叩かれる運命にある。しかし、「方向転換」することも可能だ。
たとえば、安倍総理は、もはや「日本を取り戻す」と大声で主張しない。「日本は、自由主義のチャンピオンありたい」などと、グローバリストを喜ばせる発言をしている。その一方で「憲法改正」にむけて、布石を打っている。これは、バランスをとっているのだ。
もっとひどく「豹変」したのは、習近平だろう。彼は、トランプが「アメリカファースト」で孤立している様を見て、「逆の道を行く」ことにした。
今年1月に開かれた「ダボス会議」は、「お通夜のようであった」という。ここに集まるのは、世界のエリートで、大抵はグローバリストである。なぜ彼らがナーバスになっていたかというと、世界最強国家・米国で、「ナショナリストの大統領」が誕生したからだ。
習近平は1月17日、ダボス会議に乗り込み「グローバリズム絶対支持宣言」演説をし、グローバリストを味方につけた。さらに、1月18日、習はジュネーブの国連欧州本部で演説。なんと「核兵器のない世界実現」を呼びかけた。6月1日にトランプが「パリ協定離脱」を宣言すると、中国は、即座に「パリ協定を順守していく」と声明を出した。
現状の世界を見るに、トランプは「アメリカファースト」によって孤立している。一方、習近平は、「地球ファースト」の「フリ」をして、名声を高めている。
「日本には尖閣だけでなく沖縄の領有権もない」と宣言している国が、影響力を増している。中国の脅威に怯える日本人には、受け入れたくない事態だろう。しかし、世界で起こっていることの事実は、日本に都合のいいことも、悪いことも、「あるがまま」に知っておく必要がある。
「世界で起こっていること」の「事実」を知らずに、適切な対応策を考えることはできないのだから。
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『相次ぐ下院補選敗北、米民主党はどこへ行く 苦境に立つトランプ大統領を攻めあぐむ?』(6/27日経ビジネスオンライン 高濱賛)について
6/28日経<軍事研究と大学(下)政府調達てこに技術革新 常設の司令塔で機能強化 角南篤・政策研究大学院大学副学長
2045年には人工知能(AI)が人間の能力を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れるとされる。それが現実になるかどうかは分からないが、すでにIoT(モノのインターネット)は私たちの生活環境を大きく変え、新たな産業構造への転換(第4次産業革命)による期待と不安が、経済社会から安全保障に至るまで様々な課題を突き付けている。


第4次産業革命は、宇宙、サイバー、海洋などの空間を一体化させる巨大な情報インフラだ。これらの空間はかつて人類が未踏だった領域で、科学技術の発展により、主要国の覇権争いが今後激しさを増すと予測される。また安全保障と民生の双方で必要とされるデュアルユース(軍民両用)技術のインパクトが最も顕著な空間であり、こうした技術を開発・獲得して「技術的優越」を確保することは、国際社会における新たな秩序の構築に大きな影響力を持つことになる。
それゆえ主要国は「核心的技術」の獲得に向けたイノベーション(技術革新)システムの構築に心血を注いでいる。AI、ロボット、無人機、3Dプリンター、脳波で機械などを動かすブレイン・マシン・インターフェース(BMI)といった核心的技術は、新しい産業構造を支える基盤であり、国家の安全保障においても重要な影響を与える技術群といえる。
最先端技術で技術的優越の確保を明確に重要視してきたのが米国だ。第2次世界大戦の直後は、航空、レーダー、暗号解読、原爆開発の成功で世界をリードした。ところが1957年にソ連が人類初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げ、技術分野でライバルに先を越されてしまった。その上、自分達の手の届かない上空から敵に見下ろされるという恐怖は、最先端技術で競争相手国に敗れることが直接の脅威につながるということを実感させた。
スプートニク・ショックを2度と繰り返してはならないとアイゼンハワー大統領が58年に設立したのが国防高等研究計画局(DARPA)だ。ここから誕生した技術がインターネットや全地球測位システム(GPS)などで、いずれも世の中の常識をひっくり返す斬新な「ゲームチェンジャー」だった。
米国は現在、次のゲームチェンジャーとなりうる最先端技術の研究開発で、敵の軍事的優位を相殺することを目的とした第3のオフセット(相殺)戦略を展開している。戦略のキーワードは外部の技術やアイデアを研究開発に生かす「オープンイノベーション」だ。情報通信技術(ICT)などの民生技術を安全保障にも使う「スピンオン」へのシフトを意味している。
一方、中国も建国当初から核心的技術の開発に力を入れ、改革開放が始まるまでは原子力や宇宙分野などの技術開発に取り組んだ。政府、人民解放軍、国有企業が連携し、例えば政府の宇宙・サイバー技術を国有企業にスピンオフして民生部門の競争力強化につなげていくあたりは米国のモデルに近い。
今後は先端技術で社会生活を豊かにする「超スマート社会」をリードするため、ロボット技術やAIなどを融合し宇宙空間を利用した情報通信インフラを広域経済圏「一帯一路」に展開する方針だ。習近平政権は宇宙、原子力、船舶のほか、量子通信、ロボット、バイオメディカルなどに重点投資する2兆円超の官製ファンドを立ち上げ、中華民族の偉大な復興という「中国の夢」を先端技術開発でも実現しようとしている。
日本も第4次産業革命を推進し、コネクテッドインダストリー(つながる産業)の創出を通じた超スマート社会「ソサエティー5.0」の実現を目指している。言うまでもなく、核心的技術の獲得による技術的優越の確保は重要な課題である。ただ、この取り組みで世界をリードしてきた米国とは、いくつかの重要な点で違いがある。
米国は国防総省が大きな役割を担っており、基礎研究から開発までを支援したり、中小企業技術革新制度(SBIR)などを活用した政府調達で需要サイドからイノベーションを引き起こしたりしている。一方、日本は防衛部門に同様の役割はそもそも存在せず、軍需工場も持たない。防衛関連の企業も収益などは民生事業に依存している。
こうした現実を前提として、ハイリスクだがゲームチェンジャーになるような核心的技術を創出するために、日本ならではのイノベーションのエコシステム(生態系)の構築が求められている。そこで、核心的技術の源泉となる長期的な基礎研究や基盤的研究を担う大学や国の研究開発法人への期待が大きい。
一方、大学や研究開発法人の先端性を確保するには、国際的にも開かれたオープンで研究者の自由な発想を引き出す研究環境が必要不可欠だ。そうした研究成果を企業との産学連携で実用化につなげていき、その過程においても大企業と中小ベンチャー企業との効果的なマッチングが常態的に発生するよう、大学、研究開発法人、産業界それぞれにかかわる制度改革を後退させてはならない。
今後とりわけ重要になるのは、政府が需要サイドからイノベーションをけん引するために調達制度を見直し、企業の予見可能性を高めてハイリスクな研究に産学で取り組みやすい環境を作ることである。我が国でも、DARPAを参考にした内閣府の「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」など、核心的技術に関して研究開発から産業化まで視野に入れた新しいエコシステムを構築する取り組みが始まっている。
2015年には防衛装備庁が基礎研究に資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」も創設された。こうした取り組みが我が国の基礎研究力の向上につながるように、課題領域の設定や運用について、国内外の専門的知見を最大限活用することが肝要だ。
今後は、核心的技術の動向を把握して技術開発戦略を展開する一方、新しいシステム全体を管理する司令塔機能の強化が求められる。例えば、多義性のある技術について調査・分析・評価や提言をする有識者委員会を政府内に設け、その上で時限のImPACTを発展させた真のDARPAのようなプログラムを常設する。さらに、情報収集・分析機能を担う本格的なシンクタンクも必要である。
技術的優越を確保する上で最も重要なのは、国際標準の獲得である。新しい核心的技術が社会に実装される過程で、それを規定するさまざまなルール形成に関わることは、産業競争力に大きな影響を与える。外生的に与えられたルールに適応するためのコストは大きく、グローバル経済における市場獲得戦略の一つとしてもルール形成を有利に動かすことが重要である。
戦略的な国際標準化活動の推進は、最先端技術が切り開く新たなサイバーや宇宙空間でのガバナンス(統治)の在り方にもつながる。イノベーションが経済活動や安全保障に与える影響が極めて高いことからも、規制も含めた国際的なルールやガバナンスのメカニズムの構築が急がれる。
新しい産業構造の創出による経済発展のためにも、技術的優越の確保は欠かせない。我が国でも核心的技術の開発を軸にしたイノベーションシステムの構築が急がれる。
〈ポイント〉 ○第4次産業革命で技術的優越の確保急務 ○米は安全保障で民生技術の活用にシフト ○新しい核心的技術の国際標準獲得が重要
すなみ・あつし 65年生まれ。コロンビア大博士。専門は科学・産業技術政策論>(以上)
軍産学の共同研究についての提言です。米中と言うか世界各国では当たり前のように行われていることが戦後の日本では行われてきませんでした。GHQの呪縛から脱し切れていないという事です。況してや日本学術会議はアカに乗っ取られて「大学の軍事研究反対」声明を出す始末。自分たちの生存を他者に依存するのでは奴隷と何ら変わりがありません。日教組や日弁連もノイジーマイノリテイに押されて、マジョリテイはサイレントの役を演じてきました。そろそろこういう態度は止めて、マトモに国防を考えるようにしないと。日経に本記事が載るようになったのも、メデイアの論調の変化の兆しかも知れません。政策研究大学院は左翼・リベラルが多い印象を持っていましたが、そうでもないようです。角南篤氏は米国の大学・大学院を出ていますので、イデオロギーではなく、現実を見据えた対応を考えることができる人物と思います。こういう人が学会で主流になってほしい。
トランプの勝利は選挙だけでなく、6/27ロイター<入国制限の米大統領令、最高裁が一部容認 秋以降に最終判断>という記事にありますように、トランプの大統領令の「6ケ国からの一部入国差し止め」を最高裁が認めました。 4/7にニール・ゴーサッチ氏が最高裁判事に選ばれ、保守派判事が9人中5人を占めた効果が出たためです。トランプを支援した故フィリス・シェラーフリー女史は正しかったと思います。
https://jp.reuters.com/article/usa-court-immigration-idJPKBN19H2AD
https://matome.naver.jp/odai/2147428507352178601?&page=1
本記事にありますように、共和党の岩盤はそう簡単に崩れないでしょう。ケント・ギルバート氏が言っていますように、米国メデイアはリベラルばかりですが、カリフォルニアやNYの論調だけ見ると、そうなります。去年の大統領選で日本のメデイア、評論家が読み間違えたのも、それが理由です。左翼リベラルは日米問わず、世論を誘導すれば政治家選出も何とでもなると言った驕りを感じさせます。民意はそんなに簡単には動きません。日本でも「一度民主党にやらせてみれば」とメデイアがキャンペーンをうって政権を取らせましたが、失敗の連続でした。国民も分かっていますので、反日民進党は、復活はおろか、解体の憂き目に遭うのでは。森友・加計・豊田・豊洲問題があっても反日民進党は低支持率なのが、それを暗示しています。
記事
—「ロシアゲート」疑惑の影響もあってドナルド・トランプ米大統領の支持率は30%台に低迷しています。にもかかわらず6月20日に行われた米下院の補選で、民主党は二つとも負けてしまいました。なぜですか。
高濱:理由は簡単です。サウスカロライナ州第5区とジョージア州第6区はともに共和党の金城湯池だったからです。

米ジョージア州の下院補選で当選したカレン・ハンデル氏。共和党の筋金入りの保守層に対象を絞った選挙戦が功を奏した(写真:ロイター/アフロ)
で、その選挙結果をどう見るか。二つの見方があります。
「6月20日に行われた補選の選挙区は共和党の牙城だから負けても当然なところを、よくここまで共和党候補を追い詰めた」(ニューヨーク・マガジンのジョナソン・チャイト記者)という見方。 (”This Might be the Worst Democratic Freak out Ever,” Jonathan Chait, New York Magazine, 6/21/2017)
もう一つは、「民主党は、ジョージア州第6区ではなんとしてでも勝って18年の中間選挙に向けて弾みをつけようと臨んだ。接戦だったが負けは負け。共和党は『トランプ・アレルギー』を超えて党勢を維持すべく、党主流とトランプ支持の反主流が連帯感を持ち始めたようだ」(ジ・アトランティックのデイビッド・フラム記者)という見方です。 (”It’s Trump’s Party Now,” David Frum, The Atlantic, 6/21/2017)
補選はトランプ政権の信任問うリトマス紙
トランプ政権が発足して以降に行われた下院補選はこれで5回(カンザス、モンタナ、カリフォルニア、ジョージア、サウスカロライナ)。共和党の4勝1敗*となりました。 *:民主党の1勝はカリフォルニア州第34区。民主党現職議員が州司法長官に就任したため補選が行われた。本選は民主党候補同士の一騎打ちとなり、ジミー・ゴメス州下院議員が当選した。
6月20日に下院補選が実施された2選挙区について詳しく見ます。
サウスカロライナ州第5区は、ミック・マルバニー議員が行政管理予算局長(OMB)に就任したため欠員となりました。
同区は同州北部の農村地帯で、人口の67%は白人、黒人は29%。白人の多くはトランプ氏を当初から支援していた「中流の下」の農民・労働者層です。草の根保守「ティーパーティ」(茶会)支持者の多い選挙区です。
一方のジョージア州6区はトム・プライス議員が厚生長官に転出したため欠員となった選挙区です。同区はアトランタ市の近郊で、日本流に言えば「ベッドタウン」です。人口の72%は白人、黒人13%、ラティーノ(中南米系)12%で、有権者の多くは「中流の中」です。16年の選挙では、プライス氏が投票総数の61%を得て当選しています。
—トランプ大統領が閣僚や連邦判事に指名した下院議員は選挙が強い人ばかりなのでは? そうしないと下院における共和党の議席が減ってしまうからですか。
高濱:その通りです。ただ問題なのは、大統領は支持率30%台に低迷しています。その大きな要因は「ロシアゲート」疑惑です。いくら共和党が強い選挙区でも、また強力な候補者を立てたとしても、大統領自身がネガティブ要因をばらまいているわけですから(笑)共和党候補が絶対勝つとは言えない状況にありました。
つまり今回の下院補選はトランプ大統領への信任を問うリトマス試験紙のような意味合いを持っていたのです。
共和党候補はトランプ天敵の保守強硬派
—サウスカロライナ州の補選にはどんな候補が立候補したのですか。
高濱:共和党は、地元不動産会社の経営者を経て、08年から州下院議員を務めているラフル・ノーマン氏(64)を立てました。保守強硬派で、当選すれば「フリーダム・コーカス」(自由議員連盟)*に入ると断言しています。つまり「親トランプ」でないことだけは確かです。
ノーマン氏は選挙戦中、トランプ大統領についてはほとんど触れず、「医療保険制度改革」(通称オバマケア)の破棄一本に焦点をしぼりました。
*:フリーダム・コーカスは共和党下院の保守強硬派40人前後からなる議員連盟。トランプ大統領が提案したオバマケアの代替法案に反対するなど「トランプの天敵」とされている。
民主党は、司法省の税担当検事や下院歳入委員会スタッフなどを歴任した中道派のアーチー・パーネル氏(66)を立てました。同氏は「ロシアゲート」追及をキャンペーンの軸に据えました。
5月中旬段階での世論調査では、共和党ノーマン氏(53%)がパーネル氏(36%)を大きく引き離していました。しかし終盤でパーネル氏が猛追。結果はノーマン氏が僅差で当選しました。同氏の得票率は51%、パーネル氏は49.9%。票差はわずか2836でした。
サウスカロライナ州民主党支部で働く幹部の一人は、筆者にこう語りました。
「わが民主党は、共和党の金城湯池であるこの選挙区でもこれだけやれた。いま中間選挙をやればば勝てる。『ロシアゲート』で国民の信頼を失った共和党は中間選挙で必ず打ち負かせる」
「『トランプ政権はめちゃくちゃで任しておけない。政権があと4年続くというなら、まず議会に<民主党政権>を作らねばダメだ』という有権者の声がはっきりと表れた。この声はいずれ全米で『ツナミ』を起こすはずだ」
民主党、ジョージア州補選に2250万ドルを投入
—ジョージア州第6区のほうはどうでしたか。
高濱:同区は、民主党がカネとエネルギーを最もたくさん投入して戦った補選でした。民主党の戦略チームは、やれば勝てると踏んだのでしょう。
この選挙区は、トランプ大統領の盟友、ニュート・ギングリッチ元下院議長の地盤です。ですから民主党、ここで勝つことは、16年大統領選で負けた屈辱を晴らす絶好のチャンスと掛け声をかけていました。
共和党の候補は、カレン・ハンデル氏(55)。40年間、共和党ジョージア州支部で党勢拡大のために働いてきた女性です。一方の民主党候補はジョン・オーフソ(33)という全く無名のドキュメンタリー作家兼ジャーナリスト。選挙区に住んだことが一度もない「落下傘候補」です。
二人の戦いぶりは対照的でした。ハンデル氏は、共和党支持者を集めた小規模な会合や、メディアをシャットアウトした個人集会に専念しました。確実に票を入れてくれる共和党支持者に標的を合わせた戦術でした。ハンデル氏の狙いは72%いる白人のうちの筋金入りの保守層だけを狙った捨て身の作戦だったわけです。かつて小沢一郎氏(現自由党代表)が自民党時代に盛んにやっていた徹底した「どぶ板作戦」に似ていますね。
一方、オーソフ氏は若さをいかして、票のあるところならどこへでも赴くキャンペーンを展開。共和党系の会合にまで顔を出して支持を訴えました。
これに対して民主党本部は、まさに全米規模のメガ作戦を展開し、大物を応援に送り込みました。民主党全国委員会、議員選挙対策委員会をはじめとする民主党系PAC(政治活動委員会)が一丸となって選挙資金を集め、2250万ドルの資金も集めた。下院選にこれだけの選挙資金を集めたのは史上初だと言われています。まさに「金権選挙」(と言ってもカネを不正に有権者にばらまくわけではありません)です。
オーソフ陣営は、潤沢な選挙資金を使って運動員100人を雇ったほか、全国各地から1万2000人のボランティアを集めました。テレビ、ラジオ、インターネットなどに掲出した政治広告の費用は1100万ドルに上ったそうです。
共和党のほうが「金持ち」のイメージが一般に強くあります。しかしハンデル氏が集めたカネは、オーソフ氏の13%、310万ドルにとどまりました。
—トランプ大統領の政治手法、とくに「ロシアゲート」疑惑は選挙にどの程度響きましたか。
高濱:ハンデル氏も、サウスカロライナ州のノーマン氏と同じようにトランプ大統領についてはほとんど触れずしまい。「真実の解明こそ国民の知る権利だ」との抽象論に終始しました。つまり勝つためには、「トランプ隠し」が一番と考えたのでしょう。あとは共和党主流が主張してきた伝統的な保守政治の推進と経済政策に絞りました。
一方の民主党のオーフソ氏の「錦の御旗」はトランプ攻撃でした。「私は、トランプの疑惑を解明する、皆さんのエージェント(代理人)になる」と宣言し、折からの「ロシアゲート」疑惑を追い風にして戦いました。
突き崩せない共和党の南部中西部の「岩盤」
—それでもオーソフ氏は勝てなかった。民主党内には失望感がひろがっているのではないですか。
高濱:オーソフ氏自身は選挙結果を受けてこう言っています。「運動員の皆さん、支持者の皆さん。皆さんは『希望のたいまつ』を高く掲げてくれました。そのたいまつは、ジョージア州民を照らすだけのものではありません。世界中の人々へ示したたいまつです。この戦いは今始まったばかりです。『希望のたいまつ』は燃え続けます」
これまでジョージア州第6区では、大統領選でも上下両院選でも、共和党候補が60%の票を獲得してきました。12年の大統領選では、ミット・ロムニー共和党候補(当時)がバラク・オバマ民主党候補(同)に23%差をつけました。
それが今回の補選では、民主党のオーフソ候補と共和党のハンデル候補との差は3.8%、得票数の差は1万と拮抗しました。
リベラル系オンラインメディア「デイリー・ビースト」のパトリシア・マーフィ記者はこう解説しています。
「ハンデル氏は、これまで40年間積み上げてきた地元保守層との絆と政治的実績をアピールすることでかろうじて勝利した。『トランプ政治』を切り離したことが奏功した。一方、民主党は全党を上げて総力戦を繰り広げたが、今一歩及ばなかった。民主党が18年の下院選挙で過半数をとるには、岩盤のように固い南部・中西部の共和党支持基盤を崩さねばならない。中間選挙に向けて民主党の課題は残った」 (”Jon Ossoff’s $23 Million Loss Shows Dems Have No Idea How to Win in the Age of Trump,” Patricia Murphy, The Daily Beast, 6/21/2017)
民主党若手から首脳部批判も
—トランプ政権が発足して以降に行われた補選で民主党は1勝4敗。党首脳部への批判などは出ていませんか。
高濱:出始めています。下院の若手議員は補選で連敗した理由についてこう言い出しています。
「旧態依然とした民主党のイメージがトランプのイメージよりも悪いからだ」(ティム・ライアン下院議員=オハイオ州第13区)
「イメージを変えるためには今の党首脳を刷新することが必要だ」(キャサリン・ライス下院議員=ニューヨーク州第4区)
下院議員にとって来年は、生きるか死ぬかを決める中間選挙です。それだけ神経質にならざるをえません。
これに対して、ナンシー・ペローシ下院院内総務は、声を荒げて弁明しています。「ジョージア州第6区という共和党地盤で数%差まで追い詰めることができたのは大成果だ。私は党内での支持基盤に自信を持っている。私がどれだけ院内総務のポストに留まるかどうかは、あなたたちが決めることではなく、私自身が決めることだ」
ノースカロライナとジョージアの補選が終わり、次の下院補選は11月7日に実施されるユタ第3区です。現職のジェイソン・チヤフィッツ共和党議員が6月30日に辞任するからです。健康上の理由とのうわさがもっぱらです。この選挙区も94年以降、共和党候補が圧勝してきました。
「ユタの補選は中間選挙まできっかり1年という区切りの時期に実施される。ここで民主党がどこまで戦えるか。中間選挙を占う上で極めてカギ」(米主要紙の政治担当論説記者)となりそうです。
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