ブログ
ブログ一覧
『中国「一帯一路」サミット、米国参加の狙いは?“中国の天敵”ポッティンガー代表派遣の思惑を読む』(5/17日経ビジネスオンライン 福島香織)について
“一帯一路”関係のニュースを集めて見ました。
先ずは5/18宮崎正弘氏のメルマガ<インドは欠席した。じつはプーチンも「一帯一路サミット」に不快感 ユーラシア横断鉄道はロシア通過部分があまりにも少なすぎないか>。プーチンも甘いとしか思えません。利に敏い中国人は、中国人が困ってロシアに助けを求める場面でしか、ロシアに分け前を与えることはないでしょう。況してやシベリアは大清帝国の土地だったのをロシア帝国に奪われた訳ですので。満州族の土地でしたが、強欲な漢族は自分達の土地と思って取り返したいと思っている筈です。
http://melma.com/backnumber_45206_6530005/


ネルチンスク条約締結後(1689年) キャフタ条約、アイグン条約、北京条約締結後(1860年)
次に、5/18自由時報<印度日本合推「自由走廊」 抵制一帶一路=インドと日本は「自由回廊」を協力推進 一帯一路はボイコット>。アフリカ、イラン、東南アジアに両国が協力して、投資をするとのこと。中国に転びそうなスリランカにも手を差し伸べるそうで、払込資本も少ない虚業の銀行であるAIIBではなく、しっかりした審査能力のあるADBと日本の民間金融機関の協調融資で堅実な発展を促していけば良いでしょう。何時も言っていますように中国の一帯一路の重要目的は「すべての道はローマに通ず」で軍用です。余剰生産物の処分の意味だけではありません。簡単に中国の侵略を許すことになります。
http://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/2069424
5/17産経ニュース<「一帯一路」貿易文書、英仏独など署名拒否>。流石に欧米は良く見ているという事でしょう。ただAIIBに参加したり、IMFのSDR入りを認めたりと、自分達もお零れ頂戴を狙ったのでしょうが、中国人を知らなさ過ぎです。
http://www.sankei.com/world/news/170517/wor1705170003-n1.html
5/17 新唐人電視台<朝鮮出席一帶一路刻意低調 不料與美代表撞臉=北の一帯一路会議参加につき工夫を凝らして目立たないようにしたにもかかわらず、何と米国の代表団と鉢合わせ>
欧米は北朝鮮が会議に参加することには、反対していたようです。でも習近平は世界に向けて面子を失いました。でも加治俊樹氏に依れば北のミサイルは中国製なので打ち上げ時に暗証番号を教えて貰わないと駄目とのこと。瀋陽軍がミサイルを与えている?
http://melma.com/backnumber_190875_6510430/
米国はポッティンガーを送り込んでも、トランプの足元が揺らいでいる状態では、中国に対しいろんな仕掛けは出来ないでしょう。米国の国益を損ねることをしているということがメデイアは分かっていません。日本もそうですが。知的頽廃が起きているのが今の時代でしょう。
記事

米国代表団を率いたのはマット・ポッティンガー国家安全保障会議アジア上級部長。ウォールストリートジャーナルの元中国特派員で“中国の天敵”だ(写真:新華社/アフロ)
習近平政権の今年最大の国際政治イベント・一帯一路(シルクロード経済圏構想)国際協力サミットが5月14日、15日に行われた。陸のシルクロードと海のシルクロード沿線国約60カ国を中国主導で一つの経済圏とするという大風呂敷の構想の実現に向けた初の国際会議だ。開幕日に北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を行うという嫌がらせに遭遇するも北朝鮮も代表団は派遣しているし、本来利害が対立するはずのロシアの大統領プーチンも参加している。なにより、オバマ政権時代は徹底無視であった米国が代表団を派遣したことが、世界を驚かせたことだろう。資金ショートの問題などがあり、暗礁に乗り上げかけているかに見えた一帯一路だが、トランプ政権の方向転換、親北親中派の韓国新大統領の登場もあって、国際社会の風向きは中国に有利なように変化しているようにもみえる。一帯一路の行く先を今回のサミットから占ってみたい。
習近平への“朝貢”を喧伝
今回の“一帯一路サミット”の目的は、一帯一路の推進以前に、習近平が党大会前に、国際社会の自分への肯定感をアピールして国内権力闘争を有利にもっていきたいという狙いが大きい。こういう国際イベントを盛大に開き、あたかも中国が国際社会の中心であるというイメージを中国人民および党員たちに印象づける。習近平の下にあたかも朝貢国のような国々の元首が集うという構図をCCTVなどを通じて国内に喧伝することは、習近平個人のメンツを満足させるだけでなく、今後の権力闘争の追い風にもなるのだ。
国家元首が参加するのは29カ国・組織でG7の中では、今年のG7サミットの議長国・イタリアのジェンティローニ首相だけ。だがこれをもって一帯一路に先進国が関心を寄せていない、といえるかというとそうでもなく、およそ130カ国・組織が今回のサミットに代表団を送り込み、しかも、当然無視すると思われていた米国や北朝鮮まで代表団を派遣したことは、国際社会の予想を上回った規模になったということだろう。
日本は自民党幹事長・二階俊博らに首相親書を託して派遣した。二階は事前に香港フェニックステレビの単独インタビューを受け、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に参加する選択肢にも言及。これは二階の個人プレー的発言というよりは、政権としての発信ではないかと私は感じている。日本がAIIBに加盟しない方針は、オバマ政権からの強い要請もあった。今、日本の態度に変化が生じているということは、米国のAIIBや一帯一路に対する態度の変化を受けてのことではないだろうか。
AIIBと一帯一路構想の関係についてはかつてこのコラム欄の「中国主導のアジアインフラ投資銀行の行方」で取り上げたので、参考にしていただきたい。実際のところAIIB、シルクロード基金、一帯一路構想は全部つながっており、全体で「中国版マーシャルプラン」といったとらえ方もされている。担当省庁が違うから、関係ない、別物という見方をしている専門家もおられるようだが、中国の場合は、担当省庁が違う複数のプロジェクトが、国家的戦略的プロジェクトとしてリンクしながら進められることは非常によくあることである。
「日本のたくらみ」に警戒も
一帯一路構想が成功するか否かの鍵はAIIBやシルクロード基金が機能するか否かにあり、そしてAIIBが機能するか否かは日本や米国が参与するか否かにかかっている。そういう意味で、二階の言葉は中国で大々的に歓迎的に報道される一方で、ほんとなのか?どんなたくらみがあるのか?という懐疑的な声もあがるわけである。
中国から懐疑的な声があがるのは、本質的には一帯一路構想の戦略的意味は、米国に対抗する目的で練られた面もあるからだ。例えば米国主導のTPPが環太平洋というシーパワー国のチームだとすると、一帯一路はユーラシア大陸を中心としたランドパワー国チームという構造で、世界の経済秩序を二分して、対抗しようという発想がある。TPPに中国包囲網的意味があったように、一帯一路にも、それに対抗する地政学的戦略的意味があった。それがわかっていたから、米オバマ政権はこれをドル基軸の米国一極集中型経済秩序に対する中国の野心的な挑戦ととらえて、日本や韓国に加盟しないことを強く求めたのである。
韓国はともかく、日本は典型的な海洋国家、シーパワー国家であり、中国を中心とするランドパワー国家勢が勢力を拡大し、海のシルクロード(南シナ海、インド洋、ペルシャ湾から地中海世界への海上ルート)まで支配されてしまうのは、大変まずい。だから、日本がポジティブな意味でAIIBに加盟したり、一帯一路に参与してくることはあり得ないのではないか、というのが中国専門家たちの疑いである。中国の報道の中に「日本は何か戦略的な目的をもっているのではないか」という見方が出てくるのも当然だ。
しかし、一帯一路サミットにおいて、やはり最大のサプライズは米国が代表団を派遣したことだろう。開催二日前の突然の参加発表だ。これは、日本の態度変化の原因は、米国の態度変化であろう、という中国メディアの予想の根拠の一つともなる。米国は本当に態度を変化してきたのだろうか。
米国はインフラ建設に興味
中国青年報オンラインによれば、米国企業はすでに一帯一路プロジェクトに参加する用意はできているのだと在北京米大使館は宣言している。4月のマールアラゴでの米中首脳会談の場で、習近平がトランプに米国の一帯一路への参加を熱心に誘い、米中は5月11日に十項目にわたる貿易協定に合意。米国が一帯一路サミットに代表団を派遣すること、および、中国が6月の米国投資サミットに参加することにも合意した。
ただ興味深いのは米国代表団を率いるのは、マット・ポッティンガーであることだ。現在は国家安全保障会議のアジア上級部長だが、中国屋にはおなじみのウォールストリートジャーナルの元中国特派員だ。中国の闇の部分、負の部分も知り尽くす元敏腕記者。彼は特派員時代にはさんざん中国当局に拘束されたり暴行されたりしながら、中国の暗部取材を果敢に行ってきた。記者を辞めてからは米海軍に入り、アフガニスタンなどで従軍経験を持つ真の愛国者。つまり中国にとっては天敵みたいな人物なのだ。
この中国の手口も裏も知り尽くす知中派の曲者をこのポジションに据えて送り込んできたのだから、中国も米国が単に一帯一路でビジネスチャンスだけを模索しにきたとは考えていないだろう。
14日、このサミットの分化討論会上で、ポッティンガーはこんなことを言っている。「この一帯一路プロジェクトのライフサイクル全体において、米国企業は必要とされる価値を持つ最もよいサービスと商品を提供するだろう」「米国企業はグローバルなインフラ建設領域において、長期の良好なデータを持っている。すでに米国は一帯一路プロジェクトに参与する準備はできている」「米大使館は一帯一路工作チームをつくり、中国と協調して一帯一路プロジェクトの協力的なプラットフォームを作りたい」…
ポッティンガーによれば、米国が興味を持っているのはインフラ建設の分野なようだ。
彼は、プロジェクトは投資方と受け入れ国の需要と供給にマッチすることが大切で、そのために四つの目標を提示している。
まず、高いレベルのアセスメント、融資および建設と維持を心掛け、プロジェクト実施国の債務負担が重くなりすぎないようにする。入札のプロセスの透明化と私営企業の公平な競争入札を約束し、投資と収益の偏りを避け、より多くの企業の入札を可能とすること。三つ目に、実施国の建設能力を助け、相互利益の発展を心掛け、対外投資を増やすことを支持する。四つ目に、プロジェクトを開放し、私営企業の広い参与を求め、予算オーバーや工期の延期などのリスクを避ける。
主導権狙いか、ビジネス模索か
この発言をみるに、やはり一帯一路を中国の思惑通りにやらせてなるものか、というニュアンスも感じられる。そもそも中国を知り尽くす安全保障の専門家、中国の天敵のようなポッティンガーを送り込んできたこと自体が、単純に経済協力の文脈だけと思えない。
オバマ政権時代はTPPでもって中国包囲網を形成するつもりだったが、トランプ政権になってTPPを放棄した代わりに、一帯一路の内部に入り込み、その主導権を中国と争う、ということだろうか。一帯一路の鉄道インフラ建設は港湾建設とともに、もともと中国には軍事建設的意味合いがあり中国企業が全面的に請け負うつもりがあったようだが、もし米企業がコミットすれば、お得意のマルウェアを仕込んだり、いざというときのための仕掛けができるかもしれない、と考えているのだろうか。
もちろん、そうではなくて、トランプの本質が商人であり、一帯一路構想の“ケーキ”の相伴にあずかりたいだけ、純粋にビジネスチャンスの模索だ、という見方もある。新浪ニュースセンターの報道によれば、中国グローバル化シンクタンク(CCG)主任の王輝耀は「このサミットをきっかけに米国が“一帯一路”で具体的に協力するなら、これは巨大なチャンスになる。…現在の国際的枠組み、例えば国連、世銀、国際通貨基金などほとんどが米国主導だ。米国の経済、軍事、科学技術力がより多くの協力のプラットフォームを提供することになる」と言う。
つまり、トランプ政権のディール式外交路線によって、価値観やイデオロギーに影響されない実質的な経済利益を追求する「一帯一路枠組み」というものが米中の前方に広がっているのではないか、という期待を寄せている。
いずれにしろ、米国の態度、戦略はオバマ政権とは180度変化してきている。日本もその変化に応じて、自国の利益や立ち位置を考えながら新しい戦略を考えなければならないだろう。
もう一つのサプライズは北朝鮮が代表団を送り込んだことである。これに米国代表団がかなり強く反発し、しかも開幕日に北朝鮮が弾道ミサイル実験まで行ったものだから、北朝鮮代表団は非常におとなしく、ほとんど注意をひかないようにふるまっていた。どうやら、金正恩政権はとことん中国の言うことを聞くのが嫌なようである。中国としては北朝鮮に招待状を送ったのは、金正恩政権を見捨てない、というサインのつもりであったろうが、そういう中国のサインを結局、金正恩はミサイル実験という嫌がらせで拒否したことになる。
こんなことをするならば、なぜ北朝鮮は代表団を送り込んだのか。金正恩の判断自体が揺れているのかもしれない。中国としてはそれでも、韓国代表団と北朝鮮代表団の会談をセッティングし、北朝鮮のコントロール維持に努力を続けるつもりのようではあるが。
プーチンがこのサミットに出席したことも驚きである。一帯一路構想は、ある意味ロシアとは微妙に利益対立する部分がある。米国の動きもみて、ロシアも一帯一路の主導権を取りにくる可能性もある。
日本はまず、TPPから足場を
それぞれの参加国の、本当のところの思惑はまだよくわからない。しかし「一帯一路」構想自体が、単なる自由貿易や経済協力を目的としたものでないことは、このコラム欄でも以前に紹介した通りである。これは非常に軍事的意味も持ち、世界秩序・ルールの再編成につながる機能もある。つまり一帯一路の最終的な目的が、中国主導でユーラシア大陸チームが一つの経済・軍事戦略圏を形成するというところにあり、それがEU・NATOやロシアとどのような関係になるのか、本来、利害が対立すると考えられる日本や米国ら環太平洋の海洋国家チームが、どのようにかかわっていくかによって、中国の赤い帝国主義国家化を助長することにもなれば、中国の野望を抑え込むことにもなるだろう。
ちなみに私の個人的な考えをいえば、依然この一帯一路構想に日本が深くかかわるのはあまり良いとは思えない。AIIB加盟も急ぐ必要はないだろう。そもそもトランプ政権が何を考えているのか、まだはっきりしないし、トランプ政権自体がきちんと任期を全うできるかもわからない。かかわるならば、中国の野望を打ち砕くつもりでかからねば、こちらが餌食になりそうだが、日本にそこまでの絵は描けていまい。日本は、日本の戦略をもって、まずは米中がかかわっていない、日本主導のTPP早期発効という地味なところから足場を固めてほしいところである。
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。
『FBI長官解任劇と米大統領執務室の録音疑惑 「ウォーターゲート」事件を彷彿させる「トランプゲート」』(5/16日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『トランプ大統領が弾劾される可能性は50% FBIコミー長官の解任で一気に着火が早まった時限装置』(5/15JBプレス 堀田佳男)、『バイアスがかかっている米国の「FBI長官解任」報道 日本人も知っておくべき米国メディアの政治的スタンス』(5/17JBプレス古森義久)、『ロシアに機密、同盟国亀裂 トランプ氏漏洩疑惑』(5/17日経朝刊)について
ニュース報道を見ていますと、トランプを追い落とししたい連中がアメリカ国内にワンサカいるという感じがします。そもそも、トランプがロシア外相と話した話が簡単に外に漏れることの方が、問題が大きいはずです。確かに同盟国に事前了解を取らずに、機密を第三国に漏らすのはマズイと思いますが、トランプが同盟国(イスラエル)から得た情報かどうかも知らなかった可能性もあります。政権内部に潜む敵の炙り出しをして、政権内部の大事な情報が漏れないようにしませんと。
米国・民主党はユダヤ・グローバリズムに染まってしまったのでしょう。本来は、ヒラリーこそ国家反逆罪で刑務所入りさせねばならないのに。スコット・トローやジョン・グリシャムを読むと、知識人は民主党を応援するのが当然というような書きぶりです。ユダヤに支配されたメデイアの影響と思われます。日本でも、反日民進党(旧民主党)が朝日新聞を筆頭とした反日左翼メデイアの寵愛を受けています。森友問題だけでなく、加計問題でも共同謀議を巡らしたのではと思われます。まあ、日付、所属、文責も書いていない文書は組織の中ではありえません。民間企業においても、責任の所在が分からなくなりますので。今回の文書も、同和の菅野完辺りがでっち上げたものでしょう。左翼はデッチアゲが得意です。田中上奏文(ソ連)、南京虐殺(中共)、慰安婦(北が裏で糸を引く挺対協)等を見れば、左翼に牛耳られたマスメデイアの言説を鵜呑みにするのは愚かと言うもの。加計問題は「第二の永田メール事件」になるでしょう。こういう氏素性の分からない怪文書の類で、貴重な国会審議の時間を費やすことは職務怠慢の謗りを免れません。民進党議員の賃金カットをしたいです。
高濱氏も堀田氏も米国民主党や共和党主流派のメデイアからだけ情報を取っているのでは。トランプ側近へのパイプが無いと思われます。ですからトランプが大統領選で勝利するのを予測できませんでした。堀田氏は予測が外れたため、丸坊主になったこともありました。弾劾ができなかったら、また丸坊主になる羽目に陥るかも。それに比べて、古森氏は共和党のトランプに近い筋から情報を入手しているのではと思います。毎日を辞めて産経に入社したくらいですから、事実に基づかない報道をする左翼ジャーナリズムを憎悪する気持ちは人一倍あると思います。やはり、事実を基に判断するのが大切かと。
高濱記事

米連邦捜査局(FBI)長官を突然解任されたジェームズ・コミー氏(写真:ロイター/アフロ)
食い違う解任理由の説明
—ドナルド・トランプ米大統領が5月9日 、ジェームズ・コミー連邦捜査局(FBI)長官を突然解任しました。いろいろな憶測が飛び交っていますが、解任の本当の理由は何だったのですか。
高濱:解任の理由や経緯についてトランプ大統領と側近の説明が食い違っていて、メディアの報道も二転三転しています。整理してお話ししましょう。
シーン・スパイサー報道官ら側近が記者団に当初語っていたのは、こういうことでした。トランプ大統領は、ジェフ・セッションズ司法長官ら から「コミーFBI長官は、ヒラリー・クリントン元国務長官の私用メール問題に関する捜査情報を明かすなど重大な誤りを犯した。解任に値する」との進言を受け、それを受け入れた。
セッションズ司法長官が解任を進言した理由は、部下のロッド・ローゼンスタイン司法副長官(17年1月13日にトランプ氏に任命され、4月25日に就任したばかり)からの一通のメモランダムだったそうです。
ホワイトハウス側近筋によると、このメモランダムにはこう書かれていた。「メール問題に関するコミー長官の対応は検事や捜査官が絶対にしてはならないと教わる典型的な誤りだった。しかも、その後の議会証言でも、この誤りを認めようとしなかった。長官はFBI内の信頼を完全に失っている」
—つまり大統領がコミー長官解任に踏み切ったのは、自分の意思ではなく、司法省やFBI内部からの批判の声を受けての判断だった、というわけですね。
高濱:そうです。ところがトランプ大統領はNBCテレビ(5月11日放映)とのインタビューで「解任を決めたのは自分自身の判断。誰からの進言でもない」と言い出したのです。
—トランプ大統領得意の朝令暮改ですか(笑)。
高濱:というよりも、ホワイトハウス内部の情報管理が混乱しているように見えます。ホワイトハウス内で、コミー長官解任に関する意思の疎通ができていなかったのか。側近たちもつじつま合わせをするために右往左往しているんですね。
録音テープの存在を示唆して“前長官口封じ”
さらにトランプ大統領は12日、ツイッターでこんなことを言い出したのです。「ホワイトハウスがつねに完璧で正確な情報を提供すると期待しないほうがいい。そんなに正確な情報が欲しいのであれば、報道官による毎朝の定例記者会見なんか止めて週2回くらいにしよう。そのうち1回くらいは私が直接質問に答えてもいい。あるいは記者会見など止めてしまい、質問には書面で回答するのが一番いいかもしれない」
ホワイトハウス記者会は、「説明責任や透明性、米国民の知る権利を低下させる」として抗議声明を発表、トランプ政権との対決姿勢を露わにしています。
さらに米ニューヨーク・タイムズが「大統領はコミー長官(当時)に会った際に、大統領への忠誠を誓わせた」と報ずるや、トランプ大統領は直ちに反論。「コミーとはこれまでに3回話をしている。1回目は夕食を共にしたいという誘いを受けて応じた。あと2回は電話だ。『FBIが進める捜査の対象に私が入っているか』と質すと、3回とも入っていないと言っていた。コミーは長官に留まりたいと私に頼んでいた。私は考えておこうと答えた」
まるでマフィアのボスがライバルを脅す時に使うような捨て台詞すら吐いています。「ジェームズ・コミーよ、俺たち二人の会話を録音したテープがこの世に存在しないなどとゆめゆめ思わないほうがいいだろう」
この発言はまさに「やぶへび」もいいところです。大統領執務室に録音装置を持ち込み、そこでの会話や電話の内容を録音していると仄めかしたのですから。FBI長官の解任という電撃行動が、40年前のリチャード・ニクソン第37代大統領時代に起きた「サタディ・ナイト・マサカー」(Saturday Night Massacre=土曜日夜の虐殺事件)*を彷彿させて、世間を騒がせていた矢先のタイミングでした。 *:サタディ・ナイト・マサカーは、ニクソン大統領が73年10月20日、ウォーターゲート事件究明のために任命されたアーチボルド・コックス特別検察官を解任した事件。これに反発したエリオット・リチャードソン司法長官とウィリアム・ラッケルズハウス司法副長官が辞任した。
ニクソン大統領以後の7人の大統領は、録音テープなど残しておくと、いつ裁判所や議会が提出を要求するかもしれないと止めていたんです。これに対してトランプ大統領は就任後4か月というのに録音装置を仕掛けていた可能性を自らばらしてしまった!メディアが騒がないほうがおかしいわけです。
ニクソン大統領の場合、この録音テープの存在が明らかになったため、コックス特別検察官がそのテープの提出を求めました。ニクソン大統領はこれを拒否したものの、結局、最高裁がテープの提出を命じました。
その結果、ニクソン氏がウォーターゲート事件のもみ消し工作を側近に指示していることが明らかになります。このあと、議会での弾劾決議、そして辞任(74年8月)と、急な坂道を転げ落ちるように動きが加速しました。
ウォーターゲートよりもマグニチュードは大?
—疑惑を捜査する捜査機関の最高責任者の首を切ったり、大統領執務室に録音装置を仕掛けたりする。トランプ大統領は、ニクソン氏と相通じるところが大ありですね。
高濱:その通りです。「ウォーターゲート事件」を長年研究してきたテキサスA&M大学のルーク・ニヒター教授はこう述べています。「ニクソンは誰にも分らないように秘かに自分のテープに録音していた。(トランプ大統領は録音していることを正々堂々示唆している点で)ニクソンの録音テープ(が政治と社会に与えた影響)よりも比較にならないほどマグニチュードが大きい」。録音テープの存在を仄めかすだけでなく、そのテープを、解任したコミー氏の口封じに使うことを示唆しているわけですから。同教授は、トランプ大統領の神経の図太さにあきれ返っているわけです。 (’”Trump Warning to Comey Prompts Questions on ‘Tapes’” Peter Baker and Michael D. Shear, New York Times, 5/12/2017)
これに対してコミー前長官も黙ってはいません。NBCテレビの質問に答えて「私は何らやましいことなどない。トランプ大統領と私との会話を録音したテープがあるというなら結構なことじゃないか」と発言し、一歩も引く気配を見せていません。 (”Trump’s warning to Comey deepens White House crisis,” Jordan Fabian, The Hill, 5/12/2017)
FBI長官の後任候補に上院共和党ナンバーツーら6人の名
—今後は、どのような展開になるのでしょう。いわゆる「ロシア・コネクション」(トランプ政権とロシアとの怪しげな関係)疑惑の追及はどうなりますか。
高濱:トランプ大統領はあくまで強気で、FBI長官の後任人事に取り掛かっています。
大統領側近筋によると、後任リストにはジェームズ・マッカビーFBI長官代行、上院共和党ナンバーツーのジョン・コーニン院内幹事、アリス・フィッシャー元司法副長官、マイケル・ガラシア元ニューヨーク控訴裁判事、マイク・ロジャー元下院議員、レイ・ケリー元ニューヨーク市警コミッショナーの6人の名前が上がっています。
元FBI高官の一人は、ロイター通信の司法担当記者に「後任リストはカタストロフィック(Catastrophic=破滅的)だよ」と述べています。
おそらく、「カタストロフィック」はダブル・ミーニング(掛詞)だと思います。一つは、トランプ大統領がこのリストの中から誰を任命したとしても、後任長官として議会が承認するかどうかわからない、という意味。
もう一つは、このリストは、「ロシア・コネクション」疑惑をめぐり、トランプ政権がカタストロフィックな状況に陥る可能性をシンボリックに暗示しているという意味です。つまり、大統領に忠誠を誓って任命された後任長官が議会の承認を得るには「ロシア・コネクション」疑惑を解明すると宣誓せざるをえません。となれば、新長官は議会・世論と解明阻止を狙う大統領との「板挟み」になってしまいます。宣誓した通りに職務を遂行すれば、大統領を裏切ることになる。すると、トランプ大統領は新長官をまた解任する。トランプ政権そのものがカタストロフィックな状況に陥るでしょう。 (”The Coming Comey Succession Crisis,” Steve Valdeck, Just Security, 5/11/2017)
トランプ大統領が目の敵にしてきた主要メディアの雄、ニューヨーク・タイムズは、ここぞとばかりに疑惑の徹底究明を求めています(5月11日付け社説)。
「トランプ大統領は、多くの疑問点があるにもかかわらず、トランプ政権とロシアとの関係を取りざたするのは『完全ないたずら』(total hoax)だと主張している」
「これまでに指摘されている具体的な疑問点は以下の通りだ。①トランプ・ファミリーのロシア関連ビジネス。②以下の人物たちとロシアとの関係――マイケル・フリン元大統領国家安全保障担当補佐官、ジェフ・セッションズ司法長官、ポール・マナフォート前トランプ選挙対策委員長、カーター・ページ外交政策顧問、ロジャー・ストーン氏(非公式な相談役)。FBI当局はこれらの人物について徹底的に調査する責務がある。米国民は真実を知る権利がある」 (”The Trump-Russia Nexus,” Editorial Board, New York Times, 5/11/2017)
上下両院の情報委員会は、FBI関係者を召喚して「ロシア・コネクション」の実態調査を引き続き続ける予定です。
—トランプ大統領の一連の言動について、共和党支持者の間でも厳しい意見が出始めているようですね。
高濱:マック・ブーツ外交問題評議会 上級研究員は、ウォーターゲート事件当時のことを思い起こして共和党議員たちに次のように呼びかけています。同氏は、ジョン・マケイン上院議員やマルコ・ルビオ上院議員の外交政策アドバイザーをかって務めた生粋の共和党良識派エリートです。
「共和党は小さな政府、自由貿易主義、伝統的なアメリカの価値観、道義に基づいた外交政策、米国憲法を重んずる政党であり続けた。ところが今ホワイトハウスで政治を司る御仁のやっていることはことごとくこれに反している」
「74年、下院司法委員会に所属する6人の共和党議員は、21人の民主党議員に賛同してニクソン大統領の弾劾決議案に賛成票を投じた。その年、ベリー・ゴールドウォーター上院議員、ヒュー・スコット上院共和党院内総務、ジョン・ローズ下院共和党院内総務の3人はホワイトハウスに押しかけ、もうこれ以上は守り切れないとニクソン大統領に最後通告を突きつけた。この3人のように、党に対する忠誠心よりも党に対する献身的な愛情を重んじる者が今の共和党にはいないのだろうか」 (”When Will Republicans Stand Up to Trump?” Max Boot, New York Times, 5/12/2017)
トランプ大統領は、「捜査対象に入っていない」との証言をコミー氏から3回にわたって得ていると豪語しています。そうなのになぜ、「ロシア・コネクション」疑惑解明に全力投球してきたコミー氏を解任したのか。
きしくも録音装置の存在まで仄めかして「サタディ・ナイト・マサカー」を思い出させ、ウォーターゲートならぬ「トランプゲート」の様相を呈してきました。トランプ大統領の出方次第では、疑惑解明の火の手はさらに燃え上がりそうです。トランプ城の本丸にまで迫る勢いです。
堀田記事

米上院司法委員会の公聴会で証言する連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官(当時、2017年5月3日撮影)〔AFPBB News〕
当選直後から言われてきたことが、にわかに現実味を帯びてきた――。
ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が弾劾裁判にかけられるかもしれない、ということだ。弾劾裁判は裁判所ではなく連邦議会上院で行われるが、まず下院の司法委員会が弾劾裁判を開くかどうかを決める。
そのためには、国民の声が醸成されなくてはいけない。そして司法委員会が調査を始めるべきかの決議案を採択させるところからスタートする。
最初からシステムの話で恐縮だが、実は米国ではトランプを大統領から引きずり下ろす動きがすでにある。複数の反トランプ派の市民団体はネット上で弾劾裁判を求める署名活動を始めている。
コミー長官解任前に96万5568人の署名
例えば「インピーチ・ドナルド・トランプ・ナウ(トランプを今すぐ弾劾せよ)」という団体は、5月13日時点で96万5568人の署名を集めている。
署名者の多くはFBIのジェームズ・コミー長官の解任ニュース以前にサインをしており、今後はさらに数字が増えるとみられる。
ここで注視すべき点は、「トランプ嫌い」の市民による感情的な動きだけではトランプを弾劾できないということだ。法的にトランプを罷免させるに足る十分な証拠と議論を尽くせるかが焦点になる。
トランプはコミー長官解任について、「コミー長官はいい仕事をしていなかったから」とホワイトハウスで述べた。この理由は説得力がないばかりか、解任を正当化できる言説になっていない。
別の理由として、ヒラリー・クリントン氏のメール問題の扱いが不適切だったこと、セッションズ司法長官とローゼンスタイン司法副長官がコミー長官解任を進言したことも報道されたが、後づけという印象を拭えない。
それよりも、FBIが選挙中のトランプ陣営とロシア政府の密接な関係を捜査していたため、トランプは捜査を止めさせるためにコミー長官を解任にしたとの見立てが最も整合性が取れている。世界中のメディアが伝える通りである。
ロシア政府が選挙結果に関与したとの疑惑は、ワシントンポスト紙が昨年12月9日に報道している。同紙は情報元を公表していないが、「CIA(米中央情報局)はロシア政府がトランプ勝利に関与したと結論づけた」と断定的に伝えた。
ニューヨーク・タイムズ紙も同時期、ほぼ同じ内容の記事を掲載しており、CIAの関係者が両紙に情報をリークしたとみるのが妥当だろう。
それではFBIはこの時点で、どういう見方をしていたのか。
当時、FBIはロシアの関与については「結論づけることはできない」としていた。結びつけるだけの自信がないというのだ。昨年末の時点で、FBIはロシア関与説においてはCIAに抜かれた感がある。
探られ暴かれたくない事実
しかしは最近になって、コミー長官の音頭のもと、FBIは予算を増額してロシアの関与を捜査しようとしていた。その矢先、トランプは長官を解任したわけだ。
冷静に考えると、トランプにやましい点がなければ長官解任は必要なかっただろう。静観していても状況は変わらないからだ。トランプにとって、探られたくない、暴かれたくない事実が隠されていると推察する方が自然である。
現時点で、ロシア関与の詳細は公表されていない。選挙結果を揺るがすだけの策謀をロシア政府が行ったかは分からない。
昨年11月の大統領選の投票率は54.7%で、総得票数は1億2883万票。ヒラリー氏の方が286万票も多かったが、選挙人システムのせいで、トランプが勝利を収める。ロシアが選挙結果を左右するだけの力があるとしたら、何なのか。
ロシア政府がサイバー攻撃によって選挙結果をゆがめられるとすれば、思いあたるのはウィスコンシン州、ペンシルバニア州、ミシガン州の3州である。
奇しくも、民主党クリントン氏が勝つと思われた州で、一部で電子投票が取り入れられていた。ヒラリー氏が3州で勝っていればトランプ大統領は誕生していない。仮説の域を出ないが、3州において、ロシアの関与が最も疑われている。
実は昨年末、3州で得票の再集計が行われた。だがヒラリー氏に数十票の加算があっただけで、最終的な結果はひっくり返らなかった。
コミー長官が解任された直後、FBI職員には衝撃が走ったという。トランプが今後、論理的な解任理由を公表する可能性が少ない以上、多くの職員はトランプのロシア疑惑を徹底的に捜査するはずだ。
第2のウォーターゲート事件に進展する可能性は現段階では50%というのが、筆者の見立てだ。少なくとも、FBIやCIAを含めた諜報機関、メディア、そして連邦議会は捜査を続行させるだろう。
ウォーターゲート事件の時は逮捕者が出た。だが、トランプの「ロシアゲート」ではまだ事件性は認められない。今後、諜報機関やメディが物証を含めた違法性のある証拠を入手できるかがカギになる。
時限爆弾の時計が1時間進んだ
それでも連邦議会、特に民主党議員の中にはすでにトランプを弾劾に追い込むつもりの者もいる。
コネチカット州選出のリチャード・ブルーメンソール上院議員はCNNとのインタビューで、「コミー長官の解任は、ニクソン大統領の時のような弾劾裁判へと進む可能性がある」と述べた。
また同じく民主党のマーク・ポーカン下院議員(ウィスコンシン州)は述べている。
「トランプを弾劾裁判にかけるための時限装置を設置すべきだ。時計はすでにチクタク動きはじめている。少なくとも、コミー長官解任で1時間は時計が進んだはずだ」
世論調査によると、トランプを支持する共和党員の7割以上はコミー長官解任劇があっても、トランプを支持しつづけている。しかし、全有権者の半数以上はトランプへの猜疑心を増幅させている。
民主党全国委員会のトム・ペレス委員長は、「ニクソン政権時の『土曜日の夜の虐殺』(独立検察官の解任)よりも、(トランプにとって)状況は悪いかもしれない。選挙時のトランプ陣営とロシア政府が共謀して選挙結果に影響を与えたことは明らかだ。別に宇宙工学を学んでいなくとも、誰でも分かるはず」と、弾劾へと時計が動き始めている点を指摘した。
次の流れとして重要なのは、ジョン・マケイン上院議員(共和)が推している独立調査委員会の設置だろう。
トランプ弾劾へと動く潮流はゆっくりしているが、トランプ政権第1期が終わる前に、トランプはホワイトハウスを去らざるを得なくなる状況が来るかもしれない。
古森記事

2016年米大統領選へのロシア政府介入疑惑について米下院情報特別委員会の公聴会で証言するジェームズ・コミーFBI長官(2017年3月20日撮影)。(c)AFP/Nicholas Kamm〔AFPBB News〕
米国でトランプ政権と民主党寄りの大手ニュースメディアが対決している状況については、たびたびこのコラムでも伝えてきた。
米国のメディア界では、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストといった大手新聞、CBS、NBC、ABCのテレビ3大ネットワーク、そして日本も含めて国際的な影響力を発揮するようになったCNNテレビなどが、国内政治を報じる際に民主党寄りのリベラル派を支援する姿勢を強く打ち出している。
一方、共和党保守派を代弁するドナルド・トランプ大統領に対する報道姿勢はきわめて厳しい。トランプ大統領の政策を徹底的に糾弾し、トランプ政権を有利にする動きやトランプ支持層の主張などは軽視もしくは無視しようとする。
だから日本でそうしたメディアの情報だけに接していると、トランプ大統領は明日にも弾劾され、辞任に追い込まれるかのようにもみえてくる。米国民の大多数が同大統領の退陣を望んでいると思っている人も多いかもしれない。
ところが実態は決してそうではない。
トランプ大統領を支持する米国民は間違いなく多数存在するし、大統領の弾劾を決める立法府の連邦議会もトランプ大統領にとっての与党、つまり共和党が多数の議席を占めているのだ。
FBI長官の解任は不当で違法?
こうした状況のなかで、トランプ政権が新たな攻撃にさらされている。
今回の騒動の原因は、トランプ大統領がFBI(連邦捜査局)のジェームズ・コミ―長官を突然解任したことである。
反トランプの大手メディアは、トランプ大統領が完全に不当で違法な解任措置をとったかのように報じている。その伝え方は、まるで国家の危機が起きたかのような事態の深刻さを感じさせる。
具体的には、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNNなどがこぞって以下のような解説をしている(いずれも大統領選中からトランプ陣営を叩いてきたメディアである)。
「FBIは、2016年の大統領選でトランプ陣営とロシア諜報部が共謀して民主党のクリントン候補を不利にする工作をした疑いを追及していた。トランプ大統領は、その捜査活動を妨害する意図でコミ―長官を解任した」
メディアの中には、ニクソン大統領を辞任させたウォーターゲート事件の再現のように報じるところもある。日本のメディアもそうした米国大手メディアの解説を転用する形で、「トランプ大統領が不当にFBI長官を解任した」「ウォーターゲート事件の再来」と報じている。
「解説」の3つの大きな欠陥
だが、こうした解説をそのまま受け止めるのは危険である。
ワシントンで、反トランプキャンペーンを展開する大手メディア以外の情報を注意深く追ってみると、この「解説」の欠陥がすぐに浮かび上がる。
第1に、「トランプ陣営とロシア諜報部が共謀して選挙結果を操作した」という主張にはなんの具体的な根拠も示されていない。
FBIはこの疑惑の捜査を2016年7月に開始した。もちろん捜査当局が捜査中の事件の内容を明らかにすることはない。だがこの種の重大テーマの捜査や調査がこれほど長く続けば、非公式のルートを通じてなにかが出てくるのが普通である。だが10カ月ほどが過ぎても、具体的な証拠はなにも示されていない。民主党も大手メディアもなんら証拠を示すことができていないのだ。
またFBIが、大統領の地位さえも揺るがしかねない重大捜査を始める際は、単なる「疑惑」の段階を越えて、捜査の必要性を裏づける有力な証拠が必要である。だがその証拠はまったく提示されなかった。本当にそんな証拠が存在するのかという疑問さえも浮かんでくる。
第2に、コミー長官の解任は「トランプ大統領がFBIの捜査を妨害するため」とされているが、コミー氏には解任されるべき別の理由があった。
トランプ大統領は、FBI長官の解任を提案したのは(コミ―長官の直接の上司となる)セッション司法長官とローゼンスタイン同副長官だと断言している。
解任提案の内容は公表されている。コミー長官の行動で問題視されているのは、昨年の大統領選の終盤段階で、コミー長官が民主党のヒラリー・クリントン候補のメール不正使用事件に関する刑事訴追の適否に関して二転三転の声明を出したことだ。
コミ―長官は当初「クリントン氏は刑事訴追にはならない」と言明した。ところがその後すぐに新た証拠が出たとして「刑事捜査を再開する」と宣言する。だが、その後に「クリントン氏は刑事訴追の対象にはならないだろう」と再び発言を覆したのである。
この二転三転の談話は主に民主党側の怒りを買った。議会でも民主党の下院院内総務のナンシー・ペロシ議員、上院院内総務のチャック・シューマー議員がこぞってコミー長官を批判し、「FBI長官としては不適格だ」と述べた。
反トランプメディアの代表格であるニューヨーク・タイムズは今回のコミー長官解任の原因について、「コミ―長官がロシアの選挙介入事件の捜査の経費増額を求めたため、トランプ大統領は捜査の進展を恐れて同長官の解任に踏み切った」と報じた。だが、FBIのマカベ長官代行は公式の場で「この事件の捜査経費はすでに十分にある」と否定している。
第3は、ウォーターゲート事件と今回のFBI長官解任を比べると、政治状況が大きく違っている点である。
米国の大手メディアは今回のFBI長官解任をウォーターゲート事件になぞらえる。1973年10月、ニクソン大統領はウォーターゲート事件を担当するコックス特別検察官を解任した。この解任は内外で大きな反発を招き、一気に大統領の弾劾、辞任へとつながった。
だがウォーターゲート事件では、コックス特別検察官解任の時点で、ニクソン大統領の不正を裏づける具体的な証拠がすでにいくつか浮かんでいた。その種の証拠がまったく出ていない現状とは、明らかに異なっている。
しかも、当時の連邦議会は、共和党のニクソン大統領を糾弾し弾劾を目指す民主党側が上下両院とも多数を占めていた。一方、現在の上下両院は与党の共和党が多数を占めている。司法の究極の柱となる最高裁判所も、トランプ大統領が任命した新判事により保守派が多数となってしまった。こうした状況から、今回のFBI長官の解任がトランプ大統領の弾劾、辞任につながる可能性はきわめて低い。
どのメディアがどんな姿勢で報道しているのか
以上のような事実関係や状況の分析は、現在の米国の大手メディアからはなかなか出てこない。
ワシントン・タイムズやFOXテレビといった保守派寄りのメディアはこうした情報を報道しているが、日本の多くのメディアは、どうしても民主党寄りの米国メディアの報道に流されがちのようである。
言うまでもなく日本としては、トランプ政権の実態をリアルタイムで正確に知っておくことが必要である。そのためには、一体どのメディアがどんな姿勢で報道しているのかを観察する姿勢が必要だ。民主党寄りメディアの報道にばかり依存しない多角的な視線が欠かせない。
日経記事
【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領が過激派組織「イスラム国」(IS)に関する機密情報をロシアに漏らした疑いが15日、浮上した。米国と同盟国の情報機関の連携に支障をきたしかねない。外交・安全保障の機密情報は「インテリジェンス」と呼ばれ、政策立案の基礎になるだけに中東のIS掃討など国際秩序の安定を揺るがす可能性も出てきた。

トランプ米大統領は10日のロシア外相との会談で機密情報を漏らしたとされる=ロイター
米紙ワシントン・ポスト(電子版)などによると、トランプ氏が機密情報を漏らしたのはホワイトハウスで10日に会談したロシアのラブロフ外相とキスリャク駐米大使。「私は素晴らしい情報について毎日説明を受けている」。トランプ氏は自慢げに、同盟国から受け取ったISの機密情報を明かしたという。
トランプ氏は16日、ツイッターの投稿で大統領の正当な権限だとしたうえで「テロや航空安全に関する事実をロシアと共有したかった」と釈明、情報を伝えたことを実質的に認めた。マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)は同日「大統領の会話は適切だった」と記者団に語った。 インテリジェンスの世界では、同盟国から受け取った情報を別の第三国に提供する場合、提供した国の了解を事前に得る暗黙のルールがある。米国は今回、その了解を得なかった。米政府高官は「米国からロシアに情報が了解なく漏れたことを同盟国が知れば、その国との関係は打撃を受ける」との危機感を示した。

トランプ氏が漏らしたISに関する機密情報はどの国から提供されたものかは明らかではない。航空機に持ち込んだパソコンを使ったISのテロ計画の詳細、米情報機関の協力者がテロの脅威を探知したIS支配地域の都市の名前など、機微に触れる情報を伝えたとの見方がある。
ISの情報収集に関与している協力者の活動地域などがロシアを経由してISに把握されれば、その人物が危険にさらされかねない。米国は有志国連合でISを掃討しているが、このIS包囲網にほころびが出る可能性もある。ロシアは有志国連合に参加していない。
米国はシリアやイラクなどでISの動向を上空から常時監視。IS戦闘員の動きを見極め、リーダーらを特定しようとしている。その作業は現地の協力者が不可欠で、秘密保持は重要だ。
ISにとどまらない。米国は英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの英語圏5カ国で「エシュロン」と呼ばれる共同の通信傍受システムを構築。電話やメール、ファクス、無線、衛星通信などを傍受し、機密情報を共有している。日本も中国やロシアの潜水艦のスクリュー音などを米海軍と共有・分析し、情報を蓄積している。
米国が同盟国の機密情報を第三国に無断で伝えれば、米国や同盟国がどの程度の情報収集能力を持っているのか、相手に推測させることにつながる。ロシアはクリミア半島の併合後、米国と同盟を結ぶ大半の欧州諸国にとって脅威になっている。与党・共和党重鎮のマケイン上院議員は「強く懸念している」と語り、元米政府高官は「機密情報や安全保障を扱うことにどんな重みがあるか。あまりに無自覚だ」とトランプ氏を批判した。フォームの始まり
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。
『米中の「密約」 漂う危うさ 本社コメンテーター 秋田浩之』(5/17日経朝刊)、『3人の日本人議員が米国で訴えた北朝鮮以上の脅威 日本が最大の脅威とみなすべき国は?』(5/14JBプレス 古森義久)について
トランプの行動はなかなか読めないと言ったところでしょう。でも、相手に簡単に出方を予想されてしまうこと程、「与し易し」という印象を与えます。金正恩が偏執狂というのは合っていますが、トランプは違います。アメリカ・ファースト、セイフテイ・ファーストです。北の打ち上げたミサイルは、ハワイやアラスカは今は無理でも、今グアムに届くのであれば、いずれ米大陸まで届くのは時間の問題です。米国は黙ってはいられないでしょう。秋まで待つこともないのでは。
日本にとって目先の脅威は韓国を含む朝鮮半島です。日本単独ではこの脅威の除去は出来ません。米国と共に、半島の非核化、生物・化学兵器の除去をしませんと。早めの外科手術が必要と思っています。大多数の日本人は平和ボケし過ぎです。昨日の本ブログにも書きましたが、スイスと日本では核シェルターの保有率が全然違います。まあ、永世中立国で、男子は徴兵義務のある国ですから。
朝鮮半島の問題を片づければ、真の敵中国と向き合わなければなりません。北朝鮮は継戦能力がないため、核や生物化学兵器に頼らざるを得ませんが、中国は違います。石油は需要を賄うほど採掘できなくても、海外から購入できます。一帯一路がその役目を果たすと考えています。AIIBは中国を利するだけなので、日本の加盟には反対です。東シナ海や南シナ海での侵略行為は中国の帝国主義の野望の第一歩です。ここを許せば、ドンドン侵略の矛先を広げ、世界を中国のモノにするつもりです。米国が中国の野望に気付き、早いうちにストップをかけませんと。奇しくも、防衛大臣や防衛政務官経験者3人が米国のCSISで「中国こそが真の脅威」というのは正しく合っています。
2016/3/31日経<凍り付く油田の街・大慶 中国石油失速、現地を歩く 5万人一時解雇の観測も 成長に急ブレーキがかかった中国石油天然気(ペトロチャイナ)など中国国有石油大手。膨張するエネルギー需要をまかなおうと各社が掘り進めてきた中国国内の油田に異変が起きている。その代表格が中国東北部の黒竜江省大慶市に広がる「大慶油田」だ。3月中旬、現地を訪れると、稼働を止めた石油掘削機が「墓標」のように並び、人々は不況の影におびえていた。
ススキ野原の向こうに音もなく静かにたたずむ石油掘削機が見えた。1年前まではモーター音を響かせ地下から石油をくみ上げていた大慶経済の屋台骨。地元住民の張さん(39)がつぶやく。「あいつら、間もなく取り壊されるんだ」
数万基の石油掘削機が点在する大慶市。今ではその半分近くが稼働を止めている。「習大大(習おじさん)が来てからすべてがおかしくなった」。張さんが声を潜めて言う。
習近平国家主席が中国東北部を視察に訪れたのは昨年7月。黒竜江省幹部との会議で習氏はこう発言したという。「そんなに多くの掘削機を動かしても電気の無駄遣いだ」。景気減速で原油需要が細り価格も下がっている。それでも原油をくみ上げ続ける大慶油田の非合理性を習氏は指摘した。
それから急激な変化が大慶市を襲う。市内の掘削機が次々に緊急停止し、油井が閉められていく。2015年の大慶油田の生産量は3838万トンとピーク時から3割減った。油田運営会社の売上高は964億元(約1兆6700億円)と前年比で半減。同社を傘下に持つペトロチャイナの業績悪化の主因にもなった。
大慶市は域内総生産(GDP)の6割を油田に頼る。270万人の人口の1割が油田運営会社の社員で、その家族や関連産業も含めれば、石油に携わる人たちは人口の半分に達する。原油減産が地元経済に与えるインパクトは計り知れない。
「去年の今ごろは月に80~90台は売れていた。それが今は半分だ」。日産自動車系の「東風日産大慶易嘉店」の営業担当者が顔を曇らせる。油田関係者が現金一括払いで新車を買う例も珍しくなかったが、昨夏以降は客足がぱったり止まった。
市中心部で威容を誇る市政府ビル。「政府は我々の生活を保障しろ」。3月中旬、40人以上のタクシー運転手が大声を張り上げていた。不景気でタクシーを利用する人が急減。その不満のはけ口を政府に求めた。一時は武装警察が出動する騒ぎになったという。
市内最大級の商業施設に入店する米系コーヒーチェーン「スターバックス」では連日苦情が絶えない。「コーヒー1杯22元は高すぎる。こんな時なんだから、安くすべきだ」。収入が減った市民が訴える。
大慶市は270万人の人口のうち半分が石油に携わる
市政府も手をこまぬいていたわけではない。1年半前にはスウェーデンの高級車大手ボルボ・カーの乗用車工場が本格稼働。売れ筋のSUV(多目的スポーツ車)などを生産し、部品メーカーの誘致も活発だ。それでも新たに生んだ雇用は1千人程度にすぎない。
「市民の半分が不眠症にさいなまれている」。21日付の地元紙「大慶晩報」はこう報じた。仕事のストレスが原因という。不安に拍車をかけるのが、大慶油田が今夏に実施するという5万人規模のレイオフ(一時解雇)計画だ。
「あと3年で定年なんだ……」。寒空の下、油井の改修にあたるベテラン作業員(52)に出会った。プレハブに泊まり込み、昼夜問わず働いてきたという。だが今、周囲に連なる石油化学工場で煙を出しているのは半数程度。「何とか30年やってきたんだがね」。あきらめにも似た表情でそうつぶやくのがやっとだった。
▼大慶油田 1959年に発見された中国最大の油田。ロシアに接する黒竜江省のハルビンとチチハルの間に位置する。海外技術に頼らず中国独自に開発をなし遂げた模範職場として、かつて「工業は大慶に学べ」とのスローガンが全国で流行した。最盛期には日本の原油輸入量の3割に相当する年5千万トン以上の生産量を誇った。失脚した共産党の元最高指導部メンバー、周永康氏ら「石油閥」の出身母体としても有名だ。>(以上)
トランプもメデイアやグローバリスト、政府内部の敵と戦っている最中です。でも岩盤支持層が94%もいますので。習近平も江派との戦いの最中です。ただ、一党独裁だけあって、メデイアは習の見方です。ただ、人事については、党主席の思い通りには行かず、政敵・団派の胡春華広東省書記を持ち上げざるを得ませんでした。内なる敵はトランプ・習共に存在するという事です。トランプが敵を打ち破って、中国と対峙することを期待して止みません。
https://www.houdoukyoku.jp/posts/10882
http://www.sankei.com/column/news/170504/clm1705040006-n1.html
日経記事
ここまであからさまに態度を変えるとは……。思わずこう言いたくなるほど、トランプ米大統領の対中姿勢が融和に傾いている。
1月の大統領就任前は、通商や外交問題でことごとく中国の対応を批判していたが、ここにきて目立つのは習近平国家主席をほめちぎる発言やツイッターだ。
「われわれの相性はすごくいい。互いに好意を持っている。私は彼のことがとても好きだ。彼の妻も素晴らしい」
「彼はとても聡明(そうめい)だ。順応性と呼んでもいい」
4月12日、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙の取材で、習氏をこう持ち上げてみせた。
必ずしも外交辞令だとばかりはいえない。公表されていない外国要人との会話でも、習氏を評価しているからだ。

トランプ氏の対中姿勢が大きく変わる転機になったのは、4月6~7日の習氏の訪米だ。フロリダ州の別荘に彼を招き、計7時間にわたって会談した。
いったい、どんな「密約」が交わされたのか。米中の関係者らによると、おおむね次のようなやり取りが浮かび上がる。
習氏はフロリダに対米貿易黒字を減らすための行動計画を携えていった。それに先立つ3月下旬、中国は実はひそかに、米製品の購入拡大などの計画を並べた即効策を打診したが、米側から「もっと根本的な解決案を」と突き返されていた。そこで、構造改革を含めた本格的な対策を用意し、訪米の手土産にしようとしたのだ。
ところが中国側の当ては外れた。トランプ氏の関心は「9割以上」、北朝鮮問題にあったからだ。
会談初日。トランプ氏はシリア攻撃にもふれ、いざとなれば、北朝鮮への軍事オプションを排除しない姿勢をにじませた。かなり激しく圧力をかけたという。
「まだ、何も(成果を)得られていない。まったく何もだ」。その日の夜、テレビカメラの前でトランプ氏はこう吐き捨てた。
そうして迎えた2日目。習氏は中国首脳としては極めて異例の「賭け」に出た。側近に席を外させ、サシの会談を中心に北朝鮮問題を話したのだ。彼が説いたのは、主に2つの点だったという。
第1に、中朝の歴史をひもとき、北朝鮮がいかに大国同士の対立をうまく利用し、生き残りを図ってきたかを説明した。
米ソ冷戦下の1950年、北朝鮮は中ソの支援を当て込んで韓国に侵攻した。60年代に入り中ソが対立を深めると、北朝鮮は双方に近づき、競わせるように援助を引き出そうともした。
習氏はこうした事例を念頭に、米中がぎくしゃくすれば北朝鮮の思うつぼになってしまうとして、大胆な連携を訴えた。
むろんこれだけでトランプ氏が納得するはずがない。そこで第2に、中国としても北朝鮮の核武装は決して認めないと強調。6回目の核実験を阻むため、圧力を強めると約束した。具体的な制裁案にふれた可能性もある。
トランプ氏が習氏への賛辞をしきりに発信するようになるのは、この後だ。習氏を公然と褒め、約束通りに北朝鮮へ圧力を強めるよう迫っている面もある。
だが、フロリダ会談を経て、2人が取引関係によって結ばれようとしていることも事実だ。具体的には、次のような「ディール」が交わされたとみるべきだ。
北朝鮮問題で中国は石油供給の一時停止も含む制裁を検討する。その代わり、米国は北朝鮮の崩壊を恐れる中国に配慮し、圧力だけでなく対話のメッセージも送る。
これを裏付けるように、ティラーソン米国務長官は5月3日、北朝鮮に侵攻したり、政権を転覆したりする意図はないと表明した。
北朝鮮対策で米中が連携を深めることは好ましい。が、トランプ氏に不安も感じざるを得ない。中国の協力を得るためなら、なりふり構わず他の問題での取引に応じる姿勢がうかがえるからだ。
「中国が北朝鮮問題で我々と連携している時に、なぜ私が中国を為替操作国と呼ぶことがあるだろうか」。4月16日のツイッターで彼はこうつぶやき、中国を為替操作国に指定するという、選挙中からの公約を棚上げした。

秋田浩之(あきた・ひろゆき) 政治部、北京支局、ワシントン支局などを経て、外交・安全保障担当の編集委員兼論説委員。近著に「乱流 米中日安全保障三国志」
台湾問題でも同様だ。「いま、習氏が困難に陥るようなことはしたくない」。4月27日、ロイター通信にこう語り、北朝鮮問題で中国が尽力しているうちは、台湾の蔡英文総統との2度目の電話会談を手控える意向を示した。
トランプ流の交渉術なのかもしれないが、こうした政策は2つの側面で大きなリスクをはらむ。
短期的には、対北政策で協力しさえすれば、他の懸案では米政権が自分たちに譲歩してくれる、と中国側が思いかねないことだ。
特に気がかりなのは南シナ海問題である。中国外交筋からは「もはや米国は南シナ海でうるさいことは言わない」との声が聞かれる。実際、中国の人工島付近を航行する作戦を米軍が実行しようとしたところ、国防総省が3回、却下したとの報道もある。
中期的には、取引外交はいずれ収支が合わなくなり、行き詰まる恐れがある。
中国は結局、米国が期待するほどには北朝鮮を追い詰めず、トランプ氏が不満を爆発させる。南シナ海では、新たな危機が起きる。来年秋の中間選挙が近づけば、トランプ氏は通商問題で中国に手心を加えづらくなる……。
ちょっと考えただけでも、さまざまな破綻のシナリオが浮かぶ。
古森記事

中国・北京の天安門広場で行われた抗日70年行事の軍事パレードで閲兵する習近平国家主席(2015年9月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/GREG BAKER 〔AFPBB News〕
日本の防衛政策について高い見識をもつ国会議員3人がワシントンで開かれた討論会に出席し、日本への脅威や日米同盟の課題などついてトランプ政権に説明した。
現在、北朝鮮のミサイルや核開発が日本にとっても切迫した危機のように見える。しかし3人とも、北朝鮮よりも中国の脅威に重点をおいて米国側に訴えていたことが印象的だった。
3人が揃って中国の脅威に言及
5月1日、ワシントンの大手研究機関「戦略国際問題研究所(CSIS)」が「トランプ政権への日本の戦略」と題するパネル討論会を開いた。パネリストとして招かれたのは日本の中谷元前防衛大臣、小野寺五典元防衛大臣、長島昭久元防衛政務官の3人である。いずれも現職の国会議員であり、防衛問題に関して日本でも有数の権威とされる政治家たちだ。
討論の進行役は、CSIS副所長で日米の安全保障の専門家、マイケル・グリーン氏が務めた。この討論会の目的は、「日本がトランプ政権と防衛や外交の諸問題に取り組むうえでの国家安全保障戦略や外交について思考を深め、論じる」ことである。会場には米国側の200人以上の関係者が集まり、盛況となった。
司会役のグリーン氏は中谷、小野寺、長島の3議員を防衛問題に関する「日本のベスト・アンド・ブライテスト」(最良で最も聡明な人たち)と紹介した。

左よりグリーン氏、中谷氏、小野寺氏、長島氏。(CSISサイトのイベント報告ページの動画より)
討論会では、まず中谷氏が次のようにスピーチした。
「北朝鮮の金正恩委員長は、政権の存続を賭けて核兵器と長距離弾道ミサイルの開発を急いでおり、日本にとっても切迫した深刻な脅威となっています。トランプ政権はその脅威を阻止するために、軍事的な対応を含めてのすべての手段のオプション(選択肢)を検討しているようですが、日本はその米国の努力を全面的に支持します」
中谷氏は10分ほどのスピーチの最後に、日本が平和安保法制関連法を成立させ、新しい防衛ガイドラインを採択したことに触れ、日本の安全保障の最大の対象は中国であることを強調した。
小野寺氏も、まず北朝鮮の脅威について語った。
「北朝鮮の弾道ミサイルは、地上配備のミサイルに固形燃料が使われて発射準備の時間が短くなったことや、潜水艦発射のミサイルの開発の進展で、脅威がさらに増大しました。日本側にも、北朝鮮からのミサイル攻撃に対する防衛策はいろいろありますが、決して十分ではありません。日本は北朝鮮からミサイルを撃ち込まれたら即座に反撃して、さらなるミサイル発射を防ぐ攻撃能力を保持する必要があります」
小野寺氏は、このように日本の防衛強化について、これまでの路線を越える大胆な提案を行った。しかし、やはりスピーチの後半では中国に触れ、中長期的には北朝鮮よりも中国の軍事的脅威が重大な意味を持つと強調した。
長島氏は、自分が4月に民進党を離党したことを述べ、民進党の防衛政策に不満があったことも離党の理由の1つだったと説明した。そのうえで北朝鮮の脅威について次のように語った。
「トランプ政権が『力による平和』の原則に沿ってアジア・太平洋地域で軍事抑止力を保つことは、北朝鮮の脅威への対応として歓迎します。トランプ政権が掲げる、北朝鮮を完全に非核化するという目標も支持します。北朝鮮の核は全廃させることが必要であり、核開発の“凍結”を目標とすることはできません」
そして、長島氏もやはり中国の脅威について詳しく語った。
「日米同盟で最重要なのは、やはり中国の軍事的脅威の増大に対する共同の対処です。とくに中国側の『接近阻止・領域否定(A2/AD)』戦略への米軍の対応を日本も支援すべきです。中国軍は東シナ海での活動も強め、尖閣諸島に対する水陸両用作戦の実行能力も急速に高めています。尖閣をめぐる有事はいわゆるグレーゾーンの事態の発生も予測されるため、日本は米軍の協力を得て対応態勢を強化せざるをえません」
北朝鮮より中国のほうが重大な脅威
3人の議員のスピーチや報告が終わった後、討論会は質疑応答の時間となった。その際、会場のある男性が「日本は、そもそも北朝鮮と中国のどちらをより大きな軍事的脅威とみなしているのか」と質問した。その男性は、米国の大手安全保障シンクタンク「ランド研究所」の研究員だという。
注目すべきなのは、中谷氏、小野寺、長島氏の3人とも、中国のほうが日本にとってより重大な脅威であると答えたことである。
3人はそれぞれ次のように答えた。
「日本にとっては、やはり中国の軍拡による膨張が最も恐れるべき対象です。海洋で領土を拡張する動きは日本の尖閣諸島にも向けられており、いま、尖閣をどう守るかが国家をあげての重要課題となっています」(中谷氏)
「中国の南シナ海での軍事拡張は、日本への海上輸送路への悪影響を考えても重大な脅威です。断じて許容できない行動です」(小野寺氏)
「日本の安全保障にとっては、やはり中国の動きに最大の懸念を感じます。中国の南シナ海での領土拡大に対しては、日本も米国に協力して今まで以上に積極的で大規模な抑止の行動をとるべきだと思います」(長島氏)
以上のように3議員とも、中国の軍事的脅威に対する警告をトランプ政権に発信したのである。討論会は北朝鮮の脅威への対処に終始するだろうと予測していただけに、3人が口を揃えてこの場で中国の脅威を訴えたのは意外だった。
日本は一体どの国を最大の脅威とみなして安全保障政策を立てていくべきか。その指針が3人の議員によって示されたと言えそうだ。
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。
『北朝鮮のミサイル発射が増幅する米韓の不協和音 北の「先手」に操られる文在寅政権』(5/14日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について
韓国は2月に慰安婦合意見直しを国連条約組織に、黄大統領代行時代に申請したとのことです。北の影響を受けたNGOが裏で蠢いたのでしょうが、韓国政府の知らない所では動けないはずです。合意も守れないで日本を一方的に非難するのは許せません。キチンとその都度反論していかないと。経済的・軍事的にも助けることをしないように、国民がもっと怒りませんと。
http://www.sankei.com/politics/news/170514/plt1705140006-n1.html
http://www.sankei.com/politics/news/170514/plt1705140049-n1.html
国連拷問禁止委員会はスイスのジュネーブにあります。川口マーン惠美氏の『世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン』によれば、スイスは自国民の人権を弾圧してきた歴史があります。そんな国が日本を批判するのに手を貸すことはできないでしょう。勿論、韓国が裏で金を出していることは間違いないと考えます。
「P.86~91
一九七〇年まで続いた奴隸市場
二〇一六年四月ニ七日、スイスの下院は、かつて国家が強制労働をさせた子供たちに対して補償金を支払うことを決めた。
この強制労働は、戦時下に外国人の子供をこき使ったという話ではない。被害者はれっきとしたスイス国民で、スイスは一八〇〇年から一九七〇年ごろまで、なんと一六〇年以上も貧困家庭や離婚家庭の子供たちを教育という名目で強制的に「保護」し、孤児院に入れたり、「里子」として斡旋したりしていた。
これはもっと侮蔑的な「Verdingkind =子供召し使い(?)」という言葉で呼ばれていたのだが、この差別的雰囲気をうまく日本語に訳せないので、ここでは「里子」としておく。 「里子」の引き取り手は、主に安い労働力を欲していた農家などだったが、ときに炭鉱で働かされたり、薬物実験に回されたりする子供もいたという。
いくつかの州においては、「里子」を取引する市場が定期的に開かれた。そこで子供たちは家畜のように吟味されたというから、まさに奴隷市場だった。
ただし、本当の奴隸市場とは違い、引き取り手はお金を支払うのではなく、「里親」として国から養育費をもらった。競売とはちょうど反対で、養育費を少なく要求した人から順に、子供をもらえたのだという。そして子供の人権は一切剥奪され、実質的には、「里親」 となった人間に生殺与奪の権利が与えられた。
こうなると、子供たちの運命は「里親」によって決まる。多くの子供たちは四、五歳ぐらいから、賃金も小遣いももらえないまま、ただ、働かされた。戦後は、最低限の義務教育は受けさせてもらったが、それより以前は学校などとは縁がなかった。
虐待は日常茶飯事で、さらに運の悪い子供たちは、飢えや寒さや性的虐待にも見舞われた。妊娠すれば堕胎させられ、断種や強制避妊も行われた。しかし、虐待がわかっても、警察や行政はほとんど介入することはなかった。
要するに、子供たちは社会のクズのような扱いを受け、お金がないのでいつまでたっても自立できず、農奴の状態を抜け出せぬまま一生を終えることも稀ではなかった。
一九一〇年には、スイス全土で一四歳未満の子供たちの四%もが、「里子」に出されていた。歴史家マルコ・ロイエンベルガーによれば、児童労働は国家の政策として、組織的に行われていたという。
首都のあるべルン州ではとくに多く、「里子」の割合は子供の約一〇%に上ったそうだ。 一九六〇〜七〇年代には、数万人いたと見られており、もちろんその多くはまだ生きている。
子供の強制収容が中止された年は
驚くべきことに、この「里親」制度が正式に中止されたのは一九八一年である。この年ようやくスイスは、これまで行ってきた子供の強制的な収容や「里親」への引き渡し、 手術や堕胎、強制的な養子縁組などを停止した。
そのあとニ〇〇五年には、法務省の指示で過去の「里親」制度にメスが入れられ、下院が法改正を提案したが、いつの間にかうやむやになり、六年後には立ち消えになってしまった。
それ以後、政府の動きはなかったが、そのうち被害者を支援する市民グループが立ち上り、国民イニシアティブの署名を集め始めた。それを見て、知らぬ存ぜぬでいられないと知った政府はニ〇一三年、法務大臣の名で公式に謝罪。いまではかつての「里子」は被害者という名前に変わっている。
翌二〇一四年には、民間の組織が補償基金を設立し、四〇〇人の被害者に一人約八〇〇〇スイスフランの補償を支払っている。そして同年、十一万の署名を集め終えた前述の市民グループが、被害者のための新たな五億スイスフラン規模の補償基金の設立を国民イニシアテイブとして発議した。
それに対して政府は、この発議が国民投票に持ち込まれるのを防ごうと、慌てて対案を下院に提出した。そして、補償規模が三億スイスフラン程度に切り下げられたこの対案が、この章の冒頭に書いたように二〇一六年四月、下院で可決されたわけである。
これを市民グループ側が了承すれば、国民投票なしで一件落着である。その場合、補償を受ける被害者の数はおよそ六五〇人で、一人当たり二万から二.五万スイスフランの額になるという。
スイスで根絶されるべき人種とは
スイスのやり方は、ロマに対しても徹底的に過酷だった。ロマとはいわゆるジプシー(差別語)で、東欧やパルカン半島に多く住んでいる。それらの国では、ロマはいまでも激しい差別を受けているが、その対応の仕方は、基本的に「無視」である。早い話、ロマはいないものとして社会が構成されている。
社会が受け入れないから、ロマたちはもちろん、ちゃんとした職にも就けない。多くの町のあちこちで物乞いをしたり、ゴミを漁ったりしているが、普通の人の目には、その姿さえ見えないも同然なのだ。
アルバニアでもブルガリアでも、現地ではそれを如実に感じた。「ロマがいるから、ハンドバッグに気をつけて」と注意してくれる人の目には、ロマは煩わしい害虫と変わりがなかった。なるべく遠くの集落に住み、なるべく社会に害を与えずにいてくれればそれでよいのだ。ロマの人権はもとより、状況の改善などを本気で考える人は、政治家にもほとんどいないというのが、私の印象だった。
ところがスイスは違った。ロマは根絶されるべき人種だというのがこの国のエリートの考えであったようだ。それゆえ、無視はせず、赤ん坊が誘拐のように連れ去られ、施設に閉じ込められたり、「里子」に出されて強制労働に従事させられたりした。収容施設では寒くて薄暗い独房に閉じ込められ、親に会わせてもらうことも一切なし・・・そんなロマの子供たちがたくさんいたという。
また子供だけでなく、大人も多くが強制的に施設に収容され、断種が積極的に行われた。スイスのロマは、生まれてから死ぬまで犯罪者のように扱われたのだ。
ロマの子供の「保護」は、一九一二年に設立された「青少年のために」という公共団体の主導のもとに行われ、とくに一九二六年からは浮浪児援助の部局が設けられ、ロマ対策に当たり、スイス政府も一九三〇年ごろから積極的に協力し始めたという。
ここら辺の事情は、福原直樹氏の著書『黒いスイス』に詳しい。同書から少し引用させていただく。
<スイスでは司法当局が詳細な「誘拐計画」を作成し、内務省が団体(筆者註:「青少年のために」)に助成金を出し始めた。同年(筆者註:一九三〇年)の団体への政府助成金は一万五〇〇〇スイスフラン。この政府の助成は一九六七年まで続き、団体の誘拐部局の経費の七〜ニ五%が、政府の助成で賄われていたという。ちなみにこの年に助成金が打ち切られたのは、問題への反省からではなく、当時の財政引締め策の一環だった>
同氏によれば、「青少年のために」は現在も、チューリヒで活動を続けているということだ。
P.146~148
日本の核シエルター普及率の衝撃
スイスではいまも「有事」という言葉が現実味を伴っている。国民は有事には蜂起する覚悟らしい。
彼らの国防意識は、危機感の高さにも表れている。第二次世界大戦ごろから、アルプスの深い山中には岩山をくりぬいて頑丈な要塞:が築かれ、軍事基地が隠されていた。数年前までは機密だった要塞だ。
冷戦後、少しずつ解体されていったが、もちろんすべてを放棄したわけではない。いまなお機密のものもあるだろう。国境を越える橋やトンネルには、有事の際、速やかに国境を封鎖する準備が整っている。
また、つい最近までは、スイスの家は必ず地下に核シェルターを備えなければならないという法律もあった。ドイツではどこの家にも地下室があるので、そのようなものを少し強化した防空壕かと思ったら、そうではなく、本当にコンクリートと金属でできた頑丈な核シエルターが各戸に設置されていた。
しかも、非常食、衛生設備、酸素ボンベなどを完備し、ニ週間は暮らせるものでなくてはならないなどと決められている。自治体の担当の部署から、抜かりはないか見回りに来ることもある、という話だった。
そこまで設置を徹底していた核シエル夕—だったが、ニ〇一二年、ついに法律が改正され、自治体に一五〇〇スイスフランを払って、最寄りの公共シエルターに家族分のスペ―スを確保すれば、自宅には設けなくても済むことになった。一九六〇年より続いてきた国防対策の一つが、ようやく緩和されたのである。
公共シエルターは、全国に五〇〇〇基あまり。病院や学校といった公共の建物の地下にあるシエルタ—と合わせると、その数は三〇万基にも上るという。全人ロの114%の収容が可能だ。
ところで世界での核シェル夕―の普及率は、イスラエルが100%、ノルウェーが98%、アメリカが82%、ロシアが78%、イギリスが67%、シンガボールが54%、そして日本は0.01%だそうだ。
もっとも、広島の原爆投下時の状況について様々な知識のある日本人にしてみれば、核シエルタ—と聞いてもあまりピンと来ない。いつ駆け込むのか、いつ出るのかなど、様々な疑問が湧いてくる。しかし、それはさておくとして、やはりいちばん衝撃的なのは、日本人は危機感が完全に欠落しているという事実に気づかされることではないか。」(以上)
渡邉哲也氏は開城工業区を再開すれば、米国は韓国にも金融制裁する可能性があるとのこと。米国も躊躇することなく、制裁を課し、経済的に韓国を崩壊させればよいでしょう。裏切りを常とする民族ですので。
韓国は北が核を持てば、半島統一後、自前で核を持ち、日本に落とせると考えているようです。日本もそうであれば核を持つべきです。米国かインドから買えば良いでしょう。その後、電磁レールガンやレーザーの研究をするのは勿論、敵基地攻撃できるミサイルを持つようにしませんと。
でも、その前に、北に核とICBMを持たせるわけには行きません。ソウルが火の海になろうと、米軍は北を是非攻撃してほしいです。秋まで待つ必要もないでしょう。ロシアのプーチンも北の核保有に反対とのことですし。
http://melma.com/backnumber_45206_6528935/
http://melma.com/backnumber_45206_6528917/
記事

北朝鮮のミサイルが発足直後の文在寅政権を揺さぶる(写真:AP/アフロ)
(前回から読む)
米韓の間で不協和音が生じた。北朝鮮との対話に動く文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対し、トランプ(Donald Trump)大統領が「待った」をかけたのだ。状況を見切った北朝鮮は5月14日、弾道ミサイルを発射、韓国を揺さぶり始めた。
「焦るな」とトランプ
鈴置:トランプ大統領は5月12日、米NBCのインタビューに答え「文在寅大統領は(南北)対話に前向きだ。対話には反対しないが、条件が整ってからすべきだ」と語りました。
米議会が設立した自由アジア放送(RFA)の記事「トランプ『南北対話は適切な条件下でのみ可能』」(5月12日、韓国語版、韓国語と英語の音声付き)はトランプ大統領の発言を原語でも報じています。以下です。
- He’s more open to discussion. I don’t mind discussion. But it’s under certain circumstances.
RFAは「北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄する意思を見せる前に南北対話をすべきではない」との米国のメッセージだと解説しています。
要は「北朝鮮との対話を焦るな。焦るといい結果は出ない」と、文在寅大統領を諭したのです。トランプ大統領は「1、2カ月待てばもっといい答が得られる。様子を見よう」とも文在寅大統領に呼び掛けました。
- I could probably give you a much better answer to that in a month or two months. We’re going to see what happens.
米国が軍事的な圧力を、中国が経済的圧力をかけているのでいずれ北朝鮮は譲歩するだろう、と見通したのです。
カネを北に送りかねない韓国
—わざわざ文在寅大統領にクギを刺したのは?
鈴置:韓国の新政権は米国でも「反米親北」と見なされています。放っておくと「南北対話」と称して北朝鮮にカネを送りかねない。せっかく世界に呼び掛け、実行している圧力が無になると懸念したのです。
文在寅大統領は「当選したら米国よりも先に北朝鮮に行く」と宣言していました。国連の対北経済制裁に応じて閉鎖・中止した開城工業団地と金剛山観光事業に関しても「再開する」と公約していました。
在韓米軍基地に配備されたTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル防衛システム)も「政権をとったら見直す」と約束していました。
選挙期間中に発言の一部は軌道修正して見せましたが、韓国世論は「偽装転向」と疑っています(「文在寅が大統領になったら移民する」参照)。
本性をあらわした文政権
実際、5月10日に文在寅政権がスタートすると、すぐにその「本性」があらわれました。
翌5月11日、韓国の統一部は開城(ケソン)工業団地の再開は国連制裁に違反するか」との記者団の質問に対し「検討する必要がある」と答えました。
聯合ニュースの「開城団地再開は国連制裁に違反か 韓国統一部『検討が必要』」(5月11日、日本語版)などが一斉に報じました。
文在寅政権発足前、統一部ははっきりと「違反である」と記者に答えていました。RFAの「統一部『開城工業団地の再開は、国連制裁に違反』」(2月7日、韓国版)が報じています。
自由アジア放送も対韓牽制
それが突然、後退したのです。もちろん、統一部の姿勢が変わったのは文在寅大統領への「忖度」からです。
新大統領は再開を公約し、それは国連制裁違反には当たらないと明言していました。役人ごときが逆らうわけにはいきません。
朝鮮日報の「文『開城工団は国連の対北制裁にない・・・大量の現金は国際制裁と歩調を合わせればよい』」(韓国語版)は、文在寅氏が4月28日に「開城工団は対北経済制裁に含まれていない」と述べていたと報じています。
米国のRFAは執拗にこの問題をウォッチし、韓国語版で報じ続けています。「韓国の新政権がどうするか、米国は見ているよ」ということでしょう。
5月11日にも「『開城工団再開』が安保理制裁違反かどうかに注目」(韓国語と英語の音声付き)で「統一部の変節」を報じました。
さらに米国の専門家の「文在寅大統領が米国だけでなく国連の制裁と調整せずに再稼働すれば、今後の大きな悩みの種(troublesome)となる」との意見を紹介しました。
THAADで軍事主権放棄
—米国が韓国を疑いの目で見るのも当然ですね。
鈴置:THAADの問題でも文在寅大統領は米国を裏切って中国側に行くのではないかと疑われています。5月11日、習近平主席と電話会談しましたが、そこにも微妙なくだりがありました。
朝鮮日報の社説「四面楚歌という安保の現実を示した米中日トップとの通話」(5月12日、韓国語版)は以下のように書きました。
- 習近平主席は異例にも当選を祝う電話をかけてきて「(THAADに関わる)中国の重大な憂慮事項を(韓国が)重視し、実質的な行動をとるよう期待する」と語った。
- 文大統領はこれに対し「北朝鮮の追加の挑発がなければTHAAD問題の解決は容易になる」と答えた。両国の発表を見れば、北朝鮮が追加の挑発さえしなければ、中国の希望通り、THAADを撤去するかのように聞こえる。
- もし実際にそうなったなら、北の核・ミサイルに対する軍事的な備えを放棄したことになり、外国が我が国の軍事主権に介入する道を開く先例となる。
中国に安保代表団
こんな批判に文在寅大統領は馬耳東風。習近平主席との電話会談を受け、直ちに中国にTHAADと北朝鮮の核を議論する代表団を送ることを決めました。
左派系紙のハンギョレは当然のことながら、前向きに報じました。「韓中関係復元に向け『THAAD外交』始動」(5月12日、日本語版)から要約しつつ、引用します。
- 文在寅大統領が11日、習近平国家主席との電話会談で「THAADおよび北朝鮮核問題を議論する代表団」を中国に派遣する計画を明らかにするなど、THAAD外交を始動させた。
- 前日の就任演説でTHAAD問題について「米国、中国と真剣に交渉する」と明らかにしたことから一歩踏み込み、中国との対話準備に本格的に乗り出した。
- 文大統領は、国内的に国会批准同意の過程を通じて公論化過程を経るものと見られる。外交的には公論化過程で確認された国民世論をもとに、米国、中国などとの協議に乗り出すものと予想される。
国会でTHAAD配備に確実に賛成するのは第2党の自由韓国党(107議席)と第4党の「正しい政党」(20議席)。全議席は300ですから「配備賛成法案」が可決する可能性は低い。
仮に第3党の「国民の党」(40議席)が賛成に回っても国会を通りません。韓国には与野対決法案は5分の3の180票の賛成がないと採決に回せないという奇妙な法律があるからです。なお、与党の「共に民主党」は第1党で120議席です。
国会がTHAAD配備を認めなければ、これを「国論」として米国には撤去させる一方、その実績をテコに中国には北朝鮮の核などで韓国に有利に動いてくれと言うつもりでしょう。
米韓は信頼の危機
—韓国の保守は?
鈴置:悲鳴をあげています。北朝鮮専門家の李東馥(イ・トンボク)氏が趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに「文在寅政権の出帆と目に見えるようになった韓米間の『信頼の危機』」(5月12日、韓国語)を書きました。
- 米国務省のアダムス(Katina Adams)報道官が「韓国の新政権と変わらない協力を期待している」「THAADの配備は同盟国間の合意」と強調した。
- 「期待する」との発言の底には「現実にはそうはならない可能性がある」との不安感がある。「同盟国の合意」の強調には「合意したことは履行すべきだ」との警告が含まれている。
- 文在寅政権が韓米間の信頼の危機の原因を提供しているのなら、国民的な次元で必要な措置を考えねばならない。
韓国の新政権に対するアダムス報道官の発言は聯合ニュースの質問に答えたもので「State Department: U.S. looks forward to continuing close cooperation with S. Korea’s next president 」(5月9日、英語版)で読めます。
—トランプ政権も「警告」していたのですね。
鈴置:もちろんです。文在寅氏の「反米親北」は公知の事実でしたから。ホワイトハウスも当選を祝うメッセージ(5月9日)の中で「両国の同盟を引き続き強化したい」と表明し「同盟をないがしろにするなよ」とクギを刺していたのです。
「非核化の機会」逃す文政権
—でも、文在寅大統領は米韓同盟をないがしろにし始めた。
鈴置:それだけではありません。北朝鮮の核武装を事実上、認める方向に動く可能性があるのです。
韓国の元外交官の千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島未来フォーラム理事長が東亜日報に「文大統領は平和的な非核化の機会を逃してはならない」(5月11日、韓国語版)を書きました。要約します。
- 即興的な言動で多くの国で嘲笑されるトランプ大統領。だが、韓国にとっては転がり込んできた宝物になりうる。これほどに北朝鮮の核問題を熱心に解決しようとする米国の大統領はいなかったし、今後も出そうにない。
- 米国と協力し、北朝鮮が核を放棄せざるをえないほどに圧迫の強度を高めてこそ北は非核化交渉に出てくるし、南北対話の条件も熟す。
- 軍事的オプションに反対することを、戦争の危機から国を救う選択と間違いやすい。先制攻撃に対する信頼性を失わせる言動は、北が制裁に決然と対抗するよう煽るだけだ。
- 南北対話の再開に焦るあまり、窮地に追い込まれた北に息をつかせれば、千金のような非核化の機会を逃す。米国と中国でさえ難しい非核化を、南北首脳会談を通じて実現しようなどという幻想を捨てるべきだ。
日本が恐れるべき「中途半端な解決」
—南北首脳会談は対北制裁の輪を壊す、ということですね。
鈴置:仮に韓国により制裁の輪が壊されても、米国が黙って引き下がるとは思えません。ただその際、完全な核問題の解決には至らず、中途半端に終わってしまう危険性を千英宇氏は訴えています。
- トランプ大統領が非核化を事実上放棄し、核・ミサイル実験の中断と凍結を目指して北朝鮮との交渉にはいってしまうかもしれない。それは北の核武装の正当化を意味しかねない。
こうなったら日本も非常に困るのです。北朝鮮が米国に届く核ミサイルは放棄するものの、日本に届く分に関しては保持してよい、ということになるからです。
韓国に保守政権が誕生していれば日韓で力を合わせ、米国が「中途半端な結末」に走らないよう防ぐことができたかもしれません。
—保守政権ならできましたか?
鈴置:確かに難しかったかもしれません。そもそも韓国には米国と軍事的にも協力し、北朝鮮の核を完全に解決しようとの空気が乏しいからです(「米国に捨てられ、日本に八つ当たりの韓国」参照)。米国と完全なスクラムを組もうという李東馥氏や千英宇氏はいまや少数派です。
そして韓国では「米国から軍事攻撃を教えられたら北に相談する」という文在寅政権が誕生してしまったのです(「米国に捨てられ、日本に八つ当たりの韓国」参照)。
対話したければカネを出せ
—北朝鮮の弾道ミサイル発射に対し、文在寅大統領も非難しました。韓国も軌道修正して米国側に戻りませんか?
鈴置:大統領の「非難」に惑わされてはなりません。政権発足後初の北朝鮮のミサイル発射を受け、5月14日朝、青瓦台(大統領府)は国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開きました。
そこでの文在寅大統領の発言のうち「対話」関連部分を聯合ニュース「文大統領 北の挑発に断固対応=『態度変化あってこそ対話可能』」(5月14日、日本語版)から拾います。
- 北との対話の可能性を開いてはいるが北が判断を誤らないよう、挑発に対しては断固たる対応をとるべきだ。対話可能性を探るからといって誤判するな。
- (北朝鮮との対話については)北側の態度に変化があったときに可能になるということを示すべきだ。
要は(1)対話路線は変えない(2)弾道ミサイル発射を中断するなど、北朝鮮が穏健路線に転じれば対話――つまりは開城工業団地などを通じた対北送金の再開に踏み切ってもよいということです。
韓国の大統領がこう表明したため、北朝鮮は今後「弾道ミサイルを撃つぞ」と脅すことで、韓国から様々の譲歩を引き出せるようになったのです。北は韓国に以下のように言えばよいからです。
- 「ミサイルを撃ったら対話しない」などと偉そうなことを言っていいのか。我々が対話にこだわっているのではない。対話ができなければ困るのはお前ではないか。対話など意味がないと言っていた保守派から大笑いされるからな。「対話」を不可能にするミサイル発射が嫌なら、俺が要求するモノをさっさと持ってこい。
主導権を北に握られた韓国
初めから「対話」を掲げてはいけないのです。足元を見られてしまいます。主導権を北朝鮮に握られた韓国は、どんどん振り回されていくでしょう。そんな韓国をトランプ大統領は「やれやれ」といった顔で見ていると思います。
(次回に続く)
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。
『西洋格闘技に20秒で惨敗した中国伝統武術の現実 「伝統武術はどれも詐欺だ」…勝者の挑発、真の意味は』(5/12日経ビジネスオンライン 北村豊)について
小生が太極拳に持つイメージは健康体操で、少林拳のような武術とは違っていると感じていました。太極拳はゆっくりした動きがベースとなり、相手に対する受けも攻めも間に合いません。Wikiで調べますと“快架”と呼ばれる速い動きのものもあるそうですが。
ボクシングと太極拳では戦わずして結果は見えていたのでは。ボクシングVS少林拳でやるべきでしょう。下の映像は当日の闘いの映像です。徐暁冬はグローブを嵌めていないのが分かります。本記事中、「“李連傑(ジェット・リー)”は、太極拳が徐暁冬の挑戦を受けて再戦することを支持すると表明した。」とありますが、李連傑は少林寺出身なので、少林寺の精鋭を出して試合させた方が良いのでは。ただ、異種格闘技はアリ・猪木戦のようにルールも違うので、プロレスのようにショー化しやすいでしょう。プロレスを本気でやれば死人が出ますので。木村・力道山の試合も後味が悪い結果となりました。まあ、興業としてやればどうしてもショー化します。金儲けの手段になりますので、武道の真髄を極めるやり方からは遠くなると思います。勿論、生活がありますので、道場を開き、教えることで対価を得ることは賛成です。
中国はなんでも「金」「金」の世界です。強欲なのはグローバリズムを世界に展開して、富を収奪しようとするユダヤ人と一緒です。宗教であっても、金の世界から逃れられません。習近平は「一帯一路」を使って世界制覇を企てていると見て良いでしょう。習の言う「中華民族の偉大な復興の夢」というのはそう言うことです。スリランカを見ていればよく分かるでしょう。
http://melma.com/backnumber_45206_6528385/
http://dwellerinkashiwa.net/?p=6097
日本は、強欲な世界から引いて生きて行った方が良いと考えます。日本には昔から三方良し、「売り手良し」「買い手よし」「世間良し」の考えがありました。米国のやり方が良いとは思えません。日本企業も「三方良し」を現代風にアレンジした公益資本主義の生き方を目指した方が良いと思います。原丈人氏の『「公益」資本主義 英米型資本主義の終焉』を読了しましたので、参考になる部分を紹介します。
「P.20~21
グローバル化による格差とテロの拡大
「グローバリズム」とは、決して美しいものではありません。米国などの大国が、自分の文化、言語、ビジネス慣習などを他国に押しつけるための口実にすぎません。
ですから、「グローバル化の波に乗り遅れてはならない」「日本の企業も、英米型の経営を見習うべし」といった掛け声を耳にする度に、「ちょっと待って欲しい」と違和感を覚えます。「グローバリズム」という美名の下で、世界や日本で起きていることを直視できていないと感じるからです。
アメリカの主要企業のCEOの年間報酬は、1936年から80年代初頭まで、 100万ドル(約1億1000万円)で推移していました。ところが80年代半ばから急激に増え始め、2008年のリーマン•ショックの直前には、1400万ドル(約15億 4000万円)にまで達していました。その一方で、あまり知られていないのは、アメリカの30代男性の年収の中央値が、 74年から04年までの間に12%も下がっていることです。平均値は上がっているのに、中央値が下がっている。その意味するところは、格差の拡大です。GDPが増えて国の経済が成長し、富裕層への富の集中が加速する陰で、中間層から下に位置する人たちの収入は減り続けているのです。
CEOの報酬はうなぎ上りなのに一般従業員の給料は下がり、雇用も失われていく。 これが、英米発のグローバル化と金融の自田化がもたらした現実です。 格差の拡大は、アメリカだけの問題ではありません。
2017年1月、オックスファムというNGOの組織が、「世界で最も裕福な8人と、 世界人ロのうち経済的に惠まれていない半分に当たる36億7500万人の資産額がほぼ同じだ」とする報告書を発表しました。8人の資産の合計が4260億ドル(約48兆7000億円)にも達し、世界人口73億5000万人の半分の合計額に相当するというのです。また、1988年から2011年にかけて、下位10%の収人は年平均3ドルも增えていないのに対し、上位1%の収入は182倍になったとも指摘しています。
格差は不満を生み、不満は紛争の種となり、世界を不安定にします。日本でも格差が広がり、子供の貧困も大きな問題になっています。
P.236~241
あとがき
経済は文化をつくり、技術は政治をつくる。しかし人間の本質は変わらず。
今後世界の人口は、途上国を中心にさらに30億人程度増加すると予想されているが、地球上のすべての人々が、平和で豊かに暮らせる世界を望んでいるはずである。
こうした世界を実現するには、経済の新しい仕組みが必要となる。資本主義自体も、 いずれ新しい仕組みにとって代わられるだろう。
しかし当面の間は、資本主義が続くことも間違いない。ならば理想論にとどまらず、まず現実的に世の中を変えることが重要だ。その原動力となり得るのが、本書で論じてきた「公益資本主義」だ。そう私は確信している。 「公益資本主義」の理念を実際の経営で実現するには、次の3つがポイントとなる。 第1に企業が持続的に発展し、社会に貢献するために、亊業を中長期的に捉える経営をしなければならない。
第2に、企業が持続的に発展するには、果敢にリスクを取って、新しい事業に挑戦しなければならない。
同じ事業を繰り返すだけでは、企業は存続できない。企業には、「創業者魂」とか「企業家精神」などと称されるチャレンジング・スピリットが常に求められるのである。会社規模が大きくなり、その歴史が長くなっても、その点は決して変わらない。
第3に、利益は、会社の成功に貢献した「社中」(注:ステークホルダーのこと)のすべてに公正に分配しなければならない。
自由闊達に新しい事業を創造し、大いに利益を上げて社員を豊かにし、社会に貢献することが、会社の重要な使命だ。そして会社の発展には、未来への投資のために内部留保を適正に蓄えることも肝要となる。内部留保を嫌う株主もいるが、内部留保からなされる未来への投資こそ、次なる事業の基盤となり、やがて利益を生みだし、結果的に株主も潤うのである。
「会社は株主のものだ」と思い込んで、株主が白己利益を最大化しようとして会社を動かす米国式の時代は終わりつつある。まもなく大きなパラダイムシフトが起き、「会社は社会の公器である」という考え方が、「今世紀の常識」となるはずだ。
世界中の「国家」と「企業」を区別せずに、経済規模を比較すると、いまや上位の半数近くが民間企業だ。国連加盟国は196力国あるが、50力国強しか上位100にランクインしていない。この傾向は加速する一方で、国家より経済力のある民間企業の数は、今後 ますます増えるだろう。こうした状況で、株主だけを優遇すれば、貧富の格差はさらに拡大する。
「会社は株主のものだ」と信じる投資家は、同額の利益なら、できるだけ短期間で実現するよう求める。こうして事業サイクルは、ますます短期志向となり、長い期間を要する研究開発事業よりも、米国の金融ファンドのような投機的事業がもてはやされることになる。 そして短期成果を狙う事業再生ファンドのようなアクティピストが、実体経済を支える企業が時問をかけて蓄積してきた富を収奪する。これほど「効率の良い」ビジネスモデルはない。しかも「合法的」だ。しかし、こうしたビジネスモデルには、多くの人が理不尽さを感じているはずである。
かつての奴隷商人も同じであった。
英国の奴隸商人は、「合法的」に「素晴らしいヒジネスモデル」を生みだし、莫大な利益を得た。英国からガラス玉や武器をアフリカへ持ち込み、アフリカから黒人をアメリカへ輸出し、アメリカから穀物や綿を英国に持ち込むという「三角貿易」は、当時の「最先端の高収益ビジネスモデル」であった。
現在は人身売買は、「非合法」で、いくら利益率が高くとも、「みずから誇れるビジネス」として成立しないが、往時はそうではなかった。彼らがどれほどみずからのビジネスを誇らしく思っていたかは、奴隸貿易商の本拠地であったリバプールに行けば一目瞭然だ。鎖をつけられた黒人奴隸のレリーフが、いまだ往時を象徴する建物のファサードに飾られているのである。
極端なアクティビストや莫大な規模で投機的金融を操る者たちは、今は「合法的」でも、 いずれ奴隸商人と同じ運命を辿ることになろう。歴史に汚点を残さないためにも、根本的な事業理念を見直すベきだ。
証券金融市場で投機的取引が大半を占めるようになれば、市場は過熱化し、バブルが生まれ、金融がゼロサムゲーム化し、富の.二極分化が進む。バブルは必ず破裂するが、その時、中間層は貧困層に落ち、富裕層はますます富み、スーパー・スーパー富裕層が生まれるのだ。
莫大な規模で投機を仕掛ける米英へッジファンドと彼らに資金を提供する超富裕層は、 途上国通貨を空売りし、暴落させ、その国民を貧困のどん底に落とすことによって巨万の富を得る。そして、その莫大な利益のごく一部のみ国際機関や大学やNPOに寄付することで、栄誉ある賞や資格を得る。
これは超富裕層による完全なマッチポンプの茶番劇だ。世界中の一般層は、こうした状況に辟易し、「人類の平等を目的とする民主主義はもはや機能しない」と諦めかけている。
1990年代初頭から始まった金融規制の自由化の下で、一国の経済規模をも上回るような莫大な資金を動かす投機家が、ICTテクノロジー(情報通信技術)の力を利用しながら、瞬時に国境を越えて跋扈するようになった。その結果、先進国で中間層が激減したのである。
民主主義が機能するには、中間層が不可欠だ。その中間層が没落することによって、今日、民主主義は、機能不全を起こしているのである。
「民主主義国家」の代名詞とも言える英米でさえ、かつての中間層が貧困化している。そこで有権者は、「将来のこと」よりも「今日明日のこと」、「建設的な前向きの意見」よりも「現状の不満」を基準に投票するようになってしまった。英国EU離脱の国民投票も、 米国大統領選挙も、こうした市民の不満や怒りの表われだ。
おそらく、皆さんが本書を手に取ってくださる頃には、我が国政府が、「四半期決算短信における業績予想の様式」を削除する方針を決定し、発表しているであろう。
2005年に財務省参与に、その後、内閣府参与に就任して以来、「企業経営における短期主義の是正」をー貫して主張してきたが、その実現に向けて、ようやく第一歩を踏み出せそうだ。
約3500社ある日本の上場会社のすべてが、四半期ごとに要求される業績予想義務から解放されることには、極めて大きなメリットが期待できる。四半期決算のための费用と時間を節約できるだけでなく、経営者や中間管理職の経営観を短期主義の呪縛から解き放つからだ。」
記事

(Barcroft Media/Getty Images)
4月27日に四川省“成都市”のある“武館(武術道場)”で“格闘狂人”こと“徐暁冬”と“太極大師”こと“雷雷”の“約架(決闘)”試合が公開で行われた。38歳の徐暁冬は中国伝統の格闘技“散打(さんだ)”出身で、自称「中国総合格闘技(MMA:Mixed Marshal Art)の第一人者」。これに対して雷雷は、公称42歳、本名は“魏雷”、“陳家太極拳”と共に太極拳の双璧をなす“楊氏太極拳”の継承者であると自称し、自ら興した流派“雷公太極拳”の創始者である。2人の対決は、太極拳を含む中国伝統武術と西洋格闘技の雌雄を決する一大イベントとして注目を集めた。
成都市は雷雷の居住地で、北京市を本拠とする徐暁冬は飛行機で成都入りした。半ズボンにサンダル履きで試合会場入りした徐暁冬は、黒色で両肩に赤色を配した半袖シャツと黒色の半ズボンに着替え、赤色の運動靴を履いて入場した。一方の雷雷は、白色の“太極拳服”に黒色の“太極褲(パンツ)”を履き、伝統的な格式を備えている風情を漂わせ、右手の掌で2個の胡桃(くるみ)を擦り合わせながら威風堂々と入場した。入場した雷雷は用意した“功夫茶(中国茶道)”のお茶を決まり通りの小さな茶碗で飲み、自分が太極拳の達人であるということを所作で示そうと懸命の演出を試みていた。
2人が入場すると、司会者が両者の名前を呼び上げて2人を観客たちに紹介し、それに続いてレフリーが紹介された。レフリーは2人を呼んでルールを説明し、それが終わると2人は握手を交わした後に離れて対峙し、レフリーの試合開始の合図を待った。会場には格闘技の試合で使われる常設のロープを張ったリングはあったが、太極拳に敬意を表した徐暁冬が譲歩してリングを使わず、リング横に格子柄のマットを敷いた床が試合場となった。
最初のジャブから血まみれKOまで、わずか10秒
レフリーが試合開始を宣言すると、徐暁冬は両拳をボクシングスタイルに構え、雷雷は両手の5本の指を軽く開き、右手を下段、左手を上段に構えて相対した。観衆が固唾を呑んで見守る中、両者はにらみ合いながら試合場を左回りに一周した後、徐暁冬が先制の左ジャブを打ち込み、雷雷がこれを避けようとした刹那、徐暁冬の右フックが雷雷の左顔面に炸裂した。雷雷はパンチを食らって茫然自失となり、この機を捉えた徐暁冬が一気呵成にパンチを浴びせて攻め込むと、雷雷は横向きに倒れ込んだ。徐暁冬は倒れた雷雷の頭部にパンチを連打し、雷雷は身動きできず、レフリーが試合の中断を宣言した。試合開始から試合中断までわずか20秒、徐暁冬の圧勝であり、雷雷は完膚なきまでに打ち負かされた。
試合中断により立ち上がった雷雷は血まみれの顔面をタオルで拭いながら、苦痛に顔をしかめて立ちすくんでいた。その後、レフリーから試合を再開するかと問われた雷雷は再開を断念する旨を表明し、徐暁冬の勝利が確定した。レフリーを真ん中に右に徐暁冬、左に雷雷が並び、レフリーは徐暁冬の右手を挙げて徐暁冬の勝利を宣言した。徐暁冬が最初のジャブを放ってから、レフリーが試合の中断を宣告するまではわずか10秒だった。それが中国伝統武術と西洋格闘技の雌雄を決する一大イベントの結果であった。「大山鳴動して鼠一匹」とはこのことか、実に呆気ない幕切れだった。
さて、上記の試合はインターネットの“視頻(動画)”サイトを通じて全国に配信された。徐暁冬は従前から「太極拳を始めとする伝統武術はどれも詐欺だ」と公然と言い募り、“武術打假(武術の偽物を撲滅する)”と述べて、中国の伝統武術に対し宣戦布告を行っていた。これは伝統武術を飯の種としている武術の道場主や師範たちにとって、生活を脅かす由々しき問題である。危機感を覚えた武術家たちはネット上で徐暁冬と論戦を繰り広げたが、確固たる信念を持って発言する徐暁冬と激論を戦わせてもらちが明く話ではない。そうこうするうちに、徐暁冬に戦いを挑む者が現れた。これは徐暁冬にとって「飛んで火にいる夏の虫」であり、望む所であった。挑戦者として名乗りを上げたのが、成都市で雷公太極拳の道場を営む太極大師こと雷雷であった。雷雷が徐暁冬の挑戦者として名乗りを上げ、4月27日に成都市で“約架(決闘)”試合が行われることはネットを通じて全国に広く知れ渡っていたのだった。
西瓜を果肉を破壊、鳩を飛べなくする秘技
「伝統武術はどれも詐欺だ」と断言した徐暁冬が、決闘試合では雷雷をわずか20秒でKOした。徐暁冬は試合前に「“太極拳不堪一撃(太極拳はひとたまりもない)”」と豪語していたから、言葉通りの結果になった。徐暁冬が雷雷を挑戦者に選んだのには理由があった。それは2015年11月24日に国営テレビ局“中央電視台(中央テレビ)”のチャンネル4「体育在線」の特別番組「“体験真功夫(本当のカンフー体験)”」の楊氏太極拳特集に成都市在住の武術家として雷雷がゲスト出演したことに起因する。
同番組の中で、雷雷は中国の十大武術師範の1人と位置付けられ、「雷雷は北京出身で、タイの格闘技“泰拳(ムエタイ)”と朝鮮の“跆拳道(テコンドー)”を学んだ後に楊氏太極拳に転向した。ムエタイとテコンドーの段位は低かったものの、実戦に長けていたため、その経験を活かして太極拳で格段の進歩を遂げ、今では楊氏太極拳の創始者“楊露禅”の継承者になった」と紹介された。番組では雷雷の道場の練習風景を紹介した後に、雷雷が中国武道の“形意拳”を学んだ外国人エリックと練習試合を行い、雷雷がエリックを圧倒して勝利した。次に雷雷が丹田に集めた気を西瓜に向けて吐き出しながら軽く西瓜の表面を押さえると、表面には何ら変化がないのに、中身の果肉は破壊されていた。その次に雷雷は“雀不飛”という秘伝の技に挑戦する。これはハトが飛ぼうとして脚を踏ん張る瞬間に、その力を消失させて飛ばせなくするという秘技で、雷雷はいとも容易にハトが飛翔するのを抑制してみせた。
「体験真功夫」が中国の十大武道師範の1人と報じた雷雷が、決闘試合で徐暁冬にわずか20秒でKOされたことに中国国民は大きな衝撃を受けた。決闘試合の後で、メディアのインタビューに答えた徐暁冬は、雷雷が出演した「体験真功夫」の楊氏太極拳特集について次のように述べた。
【1】試合の後で、私が「体験真功夫」に出演していた記者に連絡を入れたところ、記者は泣きながら次のように述べた。すなわち、西瓜は布団をかぶせて上からたたいで果肉を破壊しておいたものだし、ハトは脚を透明のプラスチック紐で手にくくり付けて飛べなくしたもので、いずれも脚色したインチキな映像だった。
【2】そこで、私があんたたち中央テレビはこともあろうにインチキをやるのかと言うと、記者は「中央テレビを侮辱することは許さない。我々は中央テレビと契約を結んでいる外部組織で、中央テレビではない」と答えた。これに対して私が、「それならあんたたちは中央テレビの4チャンネルで馬鹿な番組を放送しているということか」と返すと、記者は放送するしないの権限は我々にあるわけではなく、中央テレビのトップが決めることだと答え、「放送した番組中で視聴者は誰もハトの脚をプラスチック紐で結んでいたことには気付かなかったじゃないか」と述べた。
中国武術の各流派へ公開挑戦状
「体験真功夫」という真の中国武道を紹介する番組がインチキな内容を放送していた事実は、徐暁冬が主張する「伝統武術はどれも詐欺だ」を裏付けるものであり、その思いをますます募らせるものとなった。試合後に判明したところによれば、雷雷は自身の“微博(マイクロブログ)”に20年のフィットネス経験を持ち、40歳で100kgのベンチプレスを挙げることに成功したと自慢気に書き、自身が持つ“高級保健按摩師”の証明書を掲載していた。
証明書は2008年3月4日付と2013年1月29日付の2通で、そこには出生:1978年6月8日<注1>、“文化程度(学歴)”:“大専(高等専門学校)”とあり、職業欄には“保健按摩師(等級:技師)”とあった。武術師範だけでは食べて行けないからか、雷雷の本業はマッサージ師であったのである。
<注1>公称は42歳だが、実年齢は38歳であった。
決闘試合で徐暁冬が雷雷をわずか20秒でKOしたことにいきり立ったのは、伝統武術を詐欺呼ばわりされた上に、雷雷の敗北で面子を失った全国の伝統武術家たちであった。一方の徐暁冬は“武術打假(武術の偽物を撲滅する)”の旗印の下、ネットを通じて3人の武術家を指名すると同時に武術の各流派に対して公開の挑戦状を送り付けた。その3人とは、 “李天金”(アリババ集団会長“馬雲(ジャック・マー)”の護衛)、“王占軍”(陳式太極拳第12代継承者、太極拳世界大会優勝者)、“一龍”(少林寺第一武僧と名乗る武闘家)であった。また、各流派とは、少林寺、崑崙(こんろん)派、峨眉(がび)派、青城派、崆峒(こうどう)派、武闘派、陳家溝太極拳などであった。彼らはそれぞれ徐暁冬の挑戦を受諾する方向で検討を始め、先行して陳式太極拳の王占軍が挑戦を受ける旨を表明した。
各流派が徐暁冬の挑戦を受けようとする風潮に慌てたのは国家認定の非営利組織“中国武術協会”だった。中国武術協会は中国武術の発展、普及、技術向上を目的とする全国的な社会団体である。5月3日、中国武術協会は徐暁冬と雷雷の“約架(決闘)”事件に関し、「中国武術協会は“約架”などの法律・規則違反の行為に断固反対する」旨の声明を発表した。その概要は以下の通り。
(1)徐暁冬と雷雷の“約架”事件はメディアや社会の注目を集めているが、中国武術協会はこの種の“約架”行為が“武徳(武術のモラル)”に背(そむ)くものであり、違法の可能性があることから断固反対する。
(2)武術は中華民族の伝統体育項目であり、民族の優秀な伝統文化であり、体を強くし、自分の身を守り、修行を積む功能を備えている。伝統武術は武術の根源であり、伝統武術の継承と発展には武術界各位の努力が必要である。各省、区、市の武術協会および関連組織は類似の“約架”事件が再発しないよう有効な措置を採っていただきたい。
「決闘」を禁止する協会の役員は…
ここで問題となるのは、中国武術協会の役員構成である。協会役員は、主席3人《“栗勝夫”(中国武術9段)、“李成銀”(中国武術9段)、“朱天才”(太極大師)》、秘書長1人《耿軍(中国武術7段、少林武術9段)》、副秘書長3人《“張東武”(中国武術7段)、“白安有”(中国武術6段)、“楊暁明”(不詳)》の合計7人で構成されている。これら7人の中の李成銀と楊暁明の2人を除く5人は、河南省“焦作市”の管轄下にある“温県陳家溝”を源流とする陳氏太極拳および河南省“登封市”にある少林寺の関係者である。突き詰めて言えば、彼ら5人は、少林寺“方丈(住職)”の“釈永信”と親密な関係にあるということができる。釈永信は少林寺住職であるだけでなく、“中国仏教協会”副会長、“河南省仏教協会”会長であると同時に、中国の国会議員に当たる“全国人民代表大会代表”でもある。 釈永信は少林寺をカネ儲けの手段として利用し、多数の企業を設立して商業化を図り、稼いだカネをばらまくことで権力者と密接な関係を築き、現在の地位を得たとされる。今や絶大な権力を有する釈永信は、職権濫用、派手な女性関係などから破戒坊主として少林寺関係者から度々告発されているが、巧妙に危機を乗り越えて今なお地位を保っている<注2>。
<注2>釈永信については、2015年8月7日付の本リポート『ネットで告発「少林寺住職は生臭坊主」』参照。また、少林寺の商業化については、2008年10月31日付の本リポート『お金はいりません「大悲寺」 商魂たくましい「少林寺」』参照。
少林寺は北魏太和19年(495年)創建の古刹で、“少林武僧(少林寺の僧兵)”が研究発展させた“少林功夫(少林カンフー)”で名高く、『“天下功夫出少林, 少林功夫甲天下(天下のカンフーは少林カンフーを起源とし、少林カンフーは天下第一)”』と言われている。その少林寺の関係者が中国武術協会を牛耳っているのが現実だが、果たして役員の肩書にある中国武術や少林武術の高段位は本物なのか、一体誰が彼らの高段位を認定したのか。この疑問は中国武術の各流派にも共通するのかもしれないが、徐暁冬にとって最終的な標的は中国武術協会を牛耳る役員たちではないのか。
偽物の撲滅か、道場の宣伝か
それが徐暁冬が主張する「伝統武術はどれも詐欺だ」の真の意味であるように思える。徐暁冬はメディアのインタビューを受けた際に、「自分は決して中国伝統武術を否定するものではなく、中国武術界にはびこる偽物を、“太極大師”などと名乗る輩(やから)を含めて撲滅したい」と述べている。
中国武術の歴史は“商”(紀元前1600年~紀元前1046年)、“周”(紀元前1046年~紀元前249年)に遡ると言われ、数千年にわたって伝承されて来た。武術は攻撃するための技である反面、精神面の修養を重視し、安易に人を傷付けたり、名利を求めて演技することは固く戒められていた。ところが、1949年に中国共産党が政権を執り、中華人民共和国が成立すると、真の中国武術は根こそぎ消滅を余儀なくされ、一部の武術家は反動的であるとして銃殺された。その後、“国家体育委員会(後の“国家体育総局”)”の管轄下に置かれた中国武術は伝統武術が持っていた“内涵(内面の修養)”を失い、見せ掛けだけの武術に変質し、偽物の武術家が大手を振るって闊歩するようになったのである。
徐暁冬がこうした中国武術の変質に不満を感じ、改革の狼煙を上げたのかどうかは定かではない。徐暁冬は、自身が運営する武術道場を宣伝する目的で、雷雷との一戦の勝利を活かして“炒作(メディアを通じての宣伝)”を行っているに過ぎないとの説も一部では囁かれている。徐暁冬の挑戦を受けた中国伝統武術の各流派は今後どのように対応するのか。中国の庶民は“約架(決闘)”試合の実現を楽しみにしているが、各流派は中国武術協会からの通達を無視して“約架(決闘)”を行うことができるのだろうか。果たして、その結果はいかに。
2013年8月7日付の全国紙「中国青年報」によれば、中国には健康のための武術愛好家が7000万人以上存在し、段位取得目的の武術学習者は100万人を超え、有段者はすでに25万人以上に達しているという。また、中国武術は69の国と地区に普及し、外国人の有段者は3409人に上っているという。
中国武術大会で1975年から1979年まで5年連続の優勝という快挙を成し遂げ、1982年に映画「少林寺」で主役を演じてカンフー俳優としてデビューした“李連傑(ジェット・リー)”は、太極拳が徐暁冬の挑戦を受けて再戦することを支持すると表明した。
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。

