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『相次ぐ“政商”たちの受難、習近平の真意は?「共産党員らしい資本家」が抱える大いなる矛盾』(7/26日経ビジネスオンライン 福島香織)について

7/27ロイター<コラム:米中蜜月の終焉、経済戦争突入か=斉藤洋二氏>

http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yoji-saito-idJPKBN1AB08G?pageNumber=3&sp=true

7/27Money Voice<次の暴落の原因。中国が抱える「5000億ドル債務爆弾」はいつ炸裂するか?=斎藤満>

http://www.mag2.com/p/money/269871?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000204_thu&utm_campaign=mag_9999_0727

7/27ロイター<米FOMC、資産縮小「比較的早期に」:識者はこうみる>

http://jp.reuters.com/article/fomc-highlights-idJPKBN1AB2QE?sp=true

中国の共産党大会が終わるまでは、米国は金利上げをせずに債務の大きい中国を助けるという事でしょうか?習近平を助けても、恩義に感じるはずはありません。2012年の反日デモで井戸を掘ったと言われる松下はどう扱われたか、天安門事件の後の西側からの経済制裁にあった中国を天皇訪中までして助けた日本をどう扱ったか、靖国参拝しないで胡耀邦を助けた中曽根総理以降の総理の靖国参拝はどうなったかを考え合わせれば、中国は裏切りが常套手段というのが分かるでしょう。孫子の兵法に「兵は詭道なり」、「兵は詐を以って立ち、利を以て動き、分合を以て変を為す者なり」とあるように、今でも中国人の発想は兵法に基づいています。トランプも騙されないように。斎藤満氏の言うように早く丹東銀行だけでなく、中国銀行にも制裁をかけなければ。

農水省は米牛肉へのセーフガード発動の説明に米国まで行くのこと。22年前の法律(7/27日経朝刊より)をそのまま適用していいものかどうか。こうなる前に法を変えておくべきだったでしょう。米国が中国の鉄鋼の輸入関税をかけようとしている時に。米国からすれば、日本も不公平なやり方をしていると、鉄鋼の輸入関税を正当化するのでは。タイミングが悪すぎです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170727/k10011075891000.html

福島氏の王健林の記事は、習近平に逆らう者or機嫌を損ねる者は誰であっても許さないという事でしょう。まさしく毛沢東以上の帝王を目指していると言ったところでしょうか?でも中国では「政権は銃口から生まれる」と言われています。毛や鄧と違い、習近平は軍の経験はないため、どこかで転ぶ気がします。まあ、経済人も、軍人も習近平を信じているのはいなくなるのでは。クーデターか暗殺でしょう。

7/27宮崎正弘氏メルマガより、<(読者の声2)貴誌が速報した万達集団ですが、王健林は、手持ち財産をかたっぱしから処分しはじめ、となると中国財閥ナンバーワンの位置からすべりおちることは明白。その後の動きはありますか?

(TY生、静岡)

(宮崎正弘のコメント)中国当局が7月10日に「信用調査」を命じて以来ホテルとテーマパークのあらかたを売却する方針が公表され、全額を借入金の返済に充てると発表しました。

ところが売却先の「融創中国」(天津)は同業者で業界七位ですが、手持ち資金はなく、その半分の金額を、王健林が個人財産を担保に銀行から借りて融資するというのですから、奇怪千万です。

案の定、この「見せかけ」売却がばれ、あわてて王健林は売却先を変更し、富力地産(広州)にホテルを、テーマパークを融創集団にと、ふたつに分けての売却とし、さらに後者への融資は行わない旨の発表があった。

それでも万達は子会社の「万達商業地産」の借り入れが3兆2000億円にも上り、株式市場が大揺れとなりました。万達全体の有利子債務は13兆円を超えます。

このままビジネスが萎めば、「第二のダイエー」になることは明らかです。

また海外の映画館チェーンの買収も海外送金が事実上不可能となって中止を余儀なくされており、マレーシアのクアラランプールでの新都心建設プロジェクトへの応札も取りやめました。

習近平一族と親しいとされた万達集団にも規制の網が及んだことは、すでに海外資産買収の勢いが削がれ、同種の買収工作をすすめてきた腹星集団(北海道の星音リゾート買収で有名)、安邦保険などへ波及しています。

中国の景気後退は激甚なのです。

しかし背後にあるのは、外貨保有の急速な落ち込みに急ブレーキをかけてきた当局が、最も効果的な方法とはメディアに突出する中国の有名企業の海外への送金をばっさりと制御し、当局が取り調べの本気度をしめすための「見せしめ」に利用したのではないか、と思います。>(以上)

7/27日経朝刊にも関連記事が載っています。中国、5社標的の深謀 海外M&Aで急成長締め付け 指導部人事巡り闘争のあおり? 

中国当局が海外M&A(合併・買収)で急成長してきた大手企業への締め付けを強めている。経営トップが身柄を拘束され、買収案件の調査も相次ぐ。標的となった5つの大企業の創業者は共産党幹部の子弟との人脈が取り沙汰される。締め付けは金融安定を狙った資金流出規制の一環とされるが、今秋の最高指導部人事を巡る闘争のあおりとの見方も広がる。

金融の安定狙う

「我々と一緒に来てください」。6月9日夜、中国保険大手、安邦保険集団董事長の呉小暉が当局に身柄を拘束された。翌朝、監督官庁の中国保険監督管理委員会(保監会)の幹部が北京の安邦本社に姿を現し資料押収を始めた。当局が海外企業の「爆買い」で急成長した5社を標的にした取り締まりの始まりだった。

中国メディアによると5社とは安邦に加え、復星集団、大連万達集団、海航集団、浙江羅森内里投資。創業者の大半は中国建国に功績があった幹部の子弟である「紅二代」らに近いとされる。紅二代の影響力を背景に金融機関などから巨額の資金を調達し、買収を重ねた。「金融の安定を揺るがしかねない高リスクの融資や資本流出を止めなければ」。危機感を持つ当局がついに動いた。

安邦の呉は副首相などを歴任した陳毅の息子と親しく、鄧小平の孫娘とも結婚していたことで知られる。自動車リースから身を起こし2004年に安邦を設立。総資産額は2兆元(約33兆円)規模にのぼる。

14年の米名門ホテル、ウォルドーフ・アストリア・ニューヨークの買収発表で世界的に知名度が上がった。海外での買収・出資額は直近までで160億ドル(約1兆8千億円)。その6割は内外の大手金融機関からの融資で、買収企業の資産を担保に新たな融資を受けていた。「買収承認などで安邦を優遇してきた」(業界幹部)という保監会主席の項俊波が今年4月に解任され、潮目が変わった。

北海道の「星野リゾートトマム」などを買収した復星は、総資産は5千億元規模だが、負債比率は70%超という。董事長の郭広昌は元国家主席の江沢民を筆頭とする「上海閥」と近いとされる。

「長老」封じ込め

「調査の裏には北戴河会議で長老の発言権を封じ込める狙いがある」。地方政府幹部は声を潜める。北戴河会議とは毎夏に北京近郊の避暑地、北戴河で党長老と現指導部が重要事項を話し合う場だ。今秋の党大会では最高指導部の大幅な入れ替えがある。国家主席の習近平が権力固めのため、対抗勢力に圧力をかけているという見立てだ。

不動産大手の大連万達の董事長、王健林は軍出身の中国一の富豪だ。不動産取引などで「軍や政府の幹部に利益が出るよう配慮した」(関係者)との声がある。海外買収に2千億元以上を投じてきたが、当局の調査開始直後にホテルの大半を売却すると発表した。

イタリアの有名サッカーチーム「ACミラン」を買収した浙江羅森内里も調査対象となった。締め付けも相まって中国企業の対外投資は急減。今年1~6月の対外直接投資は前年同期比45.8%減の481億ドルだった。

今後の注目は海航だ。董事局主席の陳峰は航空会社の運営から買収を重ね、資産規模1兆2千億元の複合企業に育てた。

陳は、腐敗撲滅を担う党中央規律検査委員会書記、王岐山の「老朋友(古い友人)」だ。王が1980年代に中国農村信托投資のトップを務めていた際の部下だった。

今春、米国逃亡中の中国人政商が王の親族と海航の癒着を暴露。一方、陳は7月初めのドイツでの20カ国・地域(G20)首脳会議の晩さん会に習夫妻と参加し、結びつきの深さをうかがわせた。

五大企業の調査は権力闘争の色彩を帯びる。だが経営破綻や解体に追い込まれれば内外の金融機関は痛手を負い、中国の信用リスクにも影響を及ぼしかねない。

=敬称略 (北京=多部田俊輔)>(以上)

記事

7月19日、王健林(写真左)率いる大連万達が、孫宏斌率いる融創中国へ娯楽事業を売却、北京で調印式を行った。政商たちそれぞれの思惑や如何に(写真:ロイター/アフロ)

党大会が秋に控える中、習近平の権力闘争が激化している。だが振り回されるのは、何も政治家だけとは限らない。政権とは近づきながら、政治とは距離を置いてきた“政商”たちの周辺もざわざわしている。いったい何が起きているのか。

権力闘争の視点では腑に落ちない

中国の“政商”とは一般に、政権や力のある政治家に近づき情報や便宜を得る代わりに、政治家や共産党に富、上納金をもたらす資本家、企業家のことだ。彼らは、いち早く政策情報を取得したり株式市場の動きを予測することで、ビジネスチャンスをものにしたり、リスクを回避するための手を打ったりすることができる。

ただし米国の軍産コングロマリットなどと違って、彼らは政治を自らの都合のために動かそうとしたり、政治に介入しようとしたりはほとんどしない。政権には近いが政治には無関心。そして、この政治への無関心が、ときに政策の無視にもつながる。

新たな規制が打ち出されるという情報を、いち早く得ると、その規制に従うのではなく、その規制の網を抜ける対策を立てる。それでも、自分の“親分”である有力政治家にたっぷり上納金を納めれば、見逃してもらえたのだ。なので、企業家の失脚というのは、おおむね彼らがすり寄った政治家の失脚と連動する。政治家同士の権力闘争に、企業家、資本家が巻き込まれるのである。

賢い企業家、資本家たちは、風見鶏のように政治の風向きに忠実で、比較的軽々と“親分”を乗り換える。こうした風向きが読めなかったり、義理を優先したりしてしまうと、生き残れないのが政商である。企業家、資本家が失脚すると、まずその背後の政治家、パトロンが誰なのか、どういう権力闘争において犠牲になったのか、というのを調べるのがいわゆる中国屋の視点である。ところが、習近平政権の昨今の“政商いじめ”は、どうも、こうした権力闘争の視点だけでは、腑に落ちない部分がある。

例えば、王健林である。中国トップ三本の指に必ず入るほどの大富豪でもある大連万達集団の創始者にしてCEO。彼の“親分”はもともと大連市の書記であった薄熙来だった。彼は、鼻が利くので、薄熙来が失脚する前に、薄熙来と喧嘩別れしていた。そして、革命軍人の血統を利用して、太子党(革命参加者の子弟、ファミリー)に人脈を広げ、賈慶林、王兆国ら江沢民派とも、劉延東や温家宝ファミリーの共青団派とも、ビジネス、利権関係を築いていた。当然、習近平の姉夫婦にも近づき、株式の譲渡を通じて蓄財させてやった。最近は、王健林は習近平ファミリーの「ホワイト・グローブ」、つまり蓄財のためのマネーロンダリングや資金移譲を手伝うグレーゾーンの仕事を行う、習近平派の政商ともっぱらみなされていた。

その王健林の足元がこの夏、揺らいでいる。

国内総資産を投げ売り、慈善事業に出資

王健林は7月になって国内のホテル、不動産など国内総産資産の8~9割を投げ売りしたうえ、貴州省に貧困農村に計15億元の貧困救済プロジェクト基金を設立するなどの思いついたような“慈善事業”への取り組みを発表した。貴州省は習近平の弟分、陳敏爾がこの間まで書記をやっていた地方であったので、習近平へのおもねりと解釈されている。

ほぼ同時期、ブルームバーグ、財経などの報道を総合すれば、中国当局は万達に対する融資を銀行に禁止するなど懲罰を開始したもようだ。理由は万達の海外投資などいくつかの案件について規則違反があった、という。党大会前に負債率を削減し金融リスクを圧縮するために、資産を売り払えという圧力があったのではないか、という見方もある。こういう話が流れてくると、貴州の貧困プロジェクトが禊になるのか、果たして、彼の失脚が確定していくのか、万達関連株に虎の子を投じてきた株民たちは気が気ではなかろう。

万達集団については、6月中旬、国家銀行監督管理委員会から「対外投資の勢いが比較的激しく、銀行間のエクスポージャー(出資金や貸付金がリスクにさらされる度合い)が比較的大きい」として調査対象になっていた。この直後、万達集団傘下の企業が6月22日に、ネットで流れた「大手銀行が万達関連の社債売却命令を当局から受けた」という“噂”がきっかけで株価が10%暴落したこともあった。つい一年前まで「打倒ディズニー」を公言し、ハリウッドを買い占める勢いであった王健林が、急激に勢いを失った。国内のソフトパワー強化戦略もハリウッド買収も習近平の好みにあった戦略だと思われていただけに、彼が寵愛を失ったのは、どういうわけなのか、といぶかしがられた。

7月21日に王健林自身が「国家の呼びかけに従い、我々は主な投資を国内に向ける」と中国メディアにコメントしていたが、発言を額面通りに受け取れば、過剰な海外投資が、キャピタルフライトを食い止めようと必死であった習近平政権の方針に背いていると受け取られ、“懲罰”を受けての反省の弁ととれる。

しかしながら、これまでの暗黙のルールであれば、“政商”ならば、他の企業家が許されない行いも、見逃されてきた。政商は、政治には口を出さないが、政治家は資本家たちの金儲けに口を出さないのだった。自分たちにキックバック、賄賂さえしっかり入れば。おそらくは、王健林自身も今年になるまでは、自分は習近平政権から特別扱いされるのだと思い込んでいたのではないだろうか。

ここで、万達のホテル・不動産資産を格安で取得できた融創中国のCEO、孫宏斌が何者であるか、という話になる。孫宏斌は動画大手企業・楽視の会長の座を、創業者・賈躍亭から奪ったことでも話題になった。これは楽視の経営難を、孫宏斌がホワイトナイトとして救済した、と報じられていたが、その中身をよくみれば、乗っ取りというか、王朝の交替である。

賈躍亭はもともと、習近平に失脚させられた令計画と密接な関係を持つ政商であり、習近平のスキャンダルを握ったまま米国に逃亡したとされる令計画の弟・令完成が運営するPE企業からも投資を受けていたと聞く。このことから、胡錦涛政権下のネット戦略の主軸企業の一つと見られていた。令計画失脚後、楽視株が習近平派にかなり暴力的な方法で買い集められていたことは、それなりの筋から聞き及んでいる。この賈躍亭の行く末は、皆がかたずをのんで見守っていたが結局、孫宏斌によって楽視から追い出され、楽視の血液は完全に入れ替えられた。

譲った? 逃亡準備? 先手?

こうしてみると孫宏斌は習近平の寵愛を受け、王健林は寵愛を失った、という風にもみえるが、興味深いのは、この融創中国に万達はホテル不動産76軒、遊園地13個を632億元で売却したのだが、その資金の大半を万達が銀行から融資を受けた金を、融創に融通したのだった。

この背景について、様々な見方が飛び交っている。一つの見方は王健林は習近平から見放されて、圧力をかけられて資産の8割以上を、習近平の新たな政商・孫宏斌に譲った、というもの。あるいは、自分が失脚させられると身の危険を感じた王健林は、できるだけ自分の資産を早く処分して、経済犯罪の証拠を隠滅しようとした、あるいは、逃亡の準備をしている、という見方。

だがこれとは別に、王健林は、その広い人脈によって、習近平が党大会以降に打ち出そうとしている経済戦略の情報を得ており、先手を打って対策を立てている、という見方もある。すなわち、党大会以降、不動産資産が大幅に値下がりしたり、ホテル・映画・エンタメなど娯楽業界が打撃を受けるような政策が打ち出されると王健林は見越して、その損害を減らすために、孫宏斌に協力を仰いだのではないか、と。楽視の新会長に収まった孫宏斌にしてみれば、ワンダの映画館ブランドは利用価値があり、映像エンタメ業界の先輩である万達に運営・宣伝・戦略についてサポートが得られれば、大いに助かる。

党大会後に不動産バブル崩壊がくるのではないか、という噂は、北京不動産業界の雄、潘石屹率いるSOHO中国が6月までの3年間に、不動産資産の大半を処分していることからも、ささやかれるようになった。総額は236億元はくだらない。もはや不動産業の時代ではない、というのが潘石屹の言い分で、今後は「AIの時代であり、そういう時代に不動産は値上がりしない」と証券日報に語っているが、本当にそれが理由なら、彼らは何か根拠になる情報を得ているのかもしれない。

ところで、王健林だけでなく、もう少し政商界隈を俯瞰すると、習近平というのは、どうも従来の“政商”の在り方自体を変えたいようにも見える。

タブーを覆し、アンタッチャブルを拘束

今年の出来事を振り返ってみると、明天系の大富豪、蕭建華の香港における失踪事件がある。

北京五輪プロジェクトでは暗躍した盤古投資の創始者であった“闇の政商”こと郭文貴が、米国に逃亡したあと今年に入って海南航空集団(海航)と習近平政権の反腐敗キャンペーンの陣頭指揮を執っていた王岐山ファミリーとの癒着を暴露して以降、海航も不合理な海外投資を理由とした銀行の調査対象になっている。海航集団の創始者にして会長の陳峰は、7月、習近平のドイツ行きに随行した唯一の中国企業代表。海航がドイツ銀行の最大株主だからだろうが、習近平政権にとって利用価値のあるお気に入りの政商の一人であることも間違いあるまい。それでも調査対象にされているわけだ。

同じ理由で医薬品大手の復星国際集団、小売流通大手の浙江羅森内里も調査対象にされている。復星のCEOである郭広昌は上海のゴッドファーザーの異名をもつ上海閥に近い政商で、これまで江沢民派の庇護を受けていたが、習近平の初訪米に随行した企業家でもあり、習近平との関係も悪くない、はずだった。汚職の噂は絶えず、実際、何度も“失踪”(非公式に当局の取り調べを受けている)しているのだが、その都度切り抜けてきている。浙江羅森は今年4月、イタリアサッカーチームのACミランが買収。サッカー好きの習近平の意向かと思いきや、その情報が習近平の耳に入ったとき、習近平は机をたたいて激怒したとか。

一方、鄧小平ファミリーの威光を利用して、中国二位の保険企業となった安邦保険集団CEOの呉小暉が不正な海外買収を理由に失脚し身柄拘束された。呉小暉は鄧小平の孫娘婿に当たる。紅色企業家と呼ばれる建国に貢献した革命家たちの子孫資本家たちは、不正な融資を受けようが、無茶な投資を行おうが、アンタッチャブル、誰も文句が言えない雲の上の存在だったが、そのタブーを習近平政権は覆した。

こうした出来事を並べていくと、権力闘争と思われるものもあるが、権力闘争の文脈だけでは読み解けない。王健林も陳峰も郭広昌も、習近平に腹を見せておもねっていた忠実な政商たちで、彼らへの懲罰的な圧力の本質は、ひょっとすると、純粋に共産党員にあるまじき、金儲けの仕方や資金洗浄、資金移譲が許せないということかもしれない。習近平は大手民営企業の海外投資を指して「投資家たちが、こんな方法で資金洗浄をしているとはけしからん」と怒っているとか。これが本当ならば、習近平が政商たちに求めるのは、金銭的利益のキックバックではなく、共産党員らしさ、党の方針、指導に忠実であることかもしれない。

とすると、今はイケイケ、ドンドンで海外投資展開をみせているアリババの馬雲やテンセントの馬化騰も、いつ厳しい圧力や懲罰にさらされるともわからない。

“経済音痴の経済統制”の行く先は

しかし、共産党員らしい資本家、ってなんだろうか。そこの時点で大いなる矛盾がある。鄧小平時代以降は、この矛盾をうやむやにする賄賂という潤滑油が利用され、資本家を党員に組み入れてきた。資本家は党員であることを利用してよりよく金儲けできた。だが、反腐敗キャンペーンを掲げる習近平政権は、資本家である党員に贅沢禁止を言い渡し、党のために尽くすように求める。

つまり習近平政権が目指すものは、実のところ経済の発展ではなく、経済のコントロール強化であり、習近平を核心とする党、つまり習近平自身が、金融市場から一企業の海外M&Aに至るまで従えたいということだ。しかも習近平自身は相当な経済音痴といわれている。そういう方向性が党大会以降も、より強化されていくとしたら、中国経済の先行きは相当暗いのではないか。

上半期は、政府の交通インフラ投資など財政出動の影響もあってGDPは通年目標の6.5%を越えているが、この数字も党大会前の経済の安定を演出するためのものだとすれば、秋以降につけが回ってくるかもしれない。党大会後の不動産バブル崩壊説は噂では済まないかもしれないし、資本家たちが国内資産を整理して中国から逃げ出したいと考えるのも無理はないかもしれない。

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『習近平が内外に見せる強権支配はいずれ「しっぺ返し」を受ける』(7/25ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)について

7/26宮崎正弘氏メルマガ<ベネズエラに続いてパキスタンのデフォルトが近い>

http://melma.com/backnumber_45206_6561180/

7/25ロイター<中国が西沙諸島に映画館開設、領有の既成事実化狙い>

http://jp.reuters.com/article/china-southchinasea-entertainment-idJPKBN1AA0WS

7/24日経<ベトナム、南シナ海ガス田掘削中止と報道 「中国が圧力」>

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM24H3A_U7A720C1FF2000/

7/24ロイター<中国、南シナ海の「安定維持」望む=外相>

https://jp.reuters.com/article/china-southchina-sea-idJPKBN1A910J

中国はトランプがロシアゲートでモタモタしている間に南シナ海の内海化を進めようとしています。下院はロシア外交に対する大統領権限を制約する法案を通しました。7/26日経<米下院、対ロ制裁強化法案を可決 大統領権限を制限>と。米国は真の敵が誰かが分かっていないのでは。中国が北を使って米国に牙を向かせているというのに。早く中国銀行に制裁を課すべきです。でないとASEAN諸国は中国に從わざるを得なくなるでしょう。中国の世界制覇の第一歩となります。後から気付いても遅いです。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGT26H0Y_W7A720C1EAF000/

7/26日経電子版米国から「習近平・王岐山連合」を狙う刺客  編集委員 中沢克二 

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞

今、中国のビジネスマンらが親しい仲間と集って一杯飲む場で、決まってヒソヒソ話のネタになる二大テーマがある。一つは米国にいる中国の大富豪、郭文貴。ツイッターやYouTube(ユーチューブ)を通じて日々、最高指導部メンバー、王岐山の家族に深刻な腐敗があると主張し続けている。もう一つは、先に中国で空前の高視聴率をたたき出した連続テレビドラマ「人民の名の下に(人民的名義)」だ。

後者は「反腐敗運動」を進める共産党の正義を宣伝するという、一見するとお堅い官製の勧善懲悪ドラマである。だが、中身はそれにとどまらない。

たとえば企業と癒着した悪役である某省の公安庁(警察)トップは、口封じの殺人に手を染める。自分を捜査する検察特捜チームの責任者を偶然の交通事故に見せかけて殺そうと謀るが、最後は銃を自ら口に突っ込んで自殺に追い込まれてしまう。

■「殺人」や冷蔵庫の札束…官製ドラマが空前の視聴率

別の汚職にまみれた小役人は、秘密の部屋の冷蔵庫の中に大量の人民元の札束を隠し持っていたが、発覚すると「怖くて1元たりとも使っていないんだ」と泣き崩れる。共産党のお墨付きを得て、驚くべき汚職の実態をリアルに描写した大胆さが大いに受けた。

米国から王岐山氏を攻撃し続ける富豪の郭文貴氏(4月30日、ニューヨーク)=ロイター

ドラマには郭文貴とも取引関係にあった中国の富豪、肖建華が失踪した香港の「フォーシーズンズホテル」をもじったエピソードも登場した。香港の架空ホテル「スリーシーズンズホテル(三季酒店)」で、中国国家級指導者の息子が悪事の謀議をするのだ。ドラマではあるが、現実と同時進行だった。

ちまたで話題の二大テーマの共通点は、国家主席の習近平が進めた汚職撲滅の表と裏の話題であることだ。反腐敗ドラマには、秋の共産党大会人事を前に習近平の5年間の政治的業績を国民に宣伝するという意味があった。だからこそ共産党の権威を失墜させかねない、どぎつい腐敗の実態を描写することも特別に許可したのだ。

その習近平の業績宣伝に、米国から水をかけたのが郭文貴だ。北京五輪の頃、不動産などで巨万の富を築いた彼は、関与する北京大学の関連企業の腐敗問題をきっかけに海外に脱出した。民主運動家でもない中国の富豪が海外から顔出しで最高指導部メンバーに絡む腐敗を告発するというのは、かつてない動きだった。

郭文貴は、新進気鋭の中国の航空会社、海南航空に絡む王岐山の妻一族の問題を取り上げて、耳目を集めた。最近は、ドイツも巻き込まれている。メガバンクのドイツ銀行と、その大株主になった海南航空グループの資金問題に関する発言である。

一連の大騒動は、中国内の権力闘争が先鋭化している証拠でもある。もはや、かつての暗闘ではなく、一般人の目にも裏の死闘の一端が触れ始めた。しかも今回は、米国から巨大な火の手が上がり、交流サイト(SNS)などを通じて、情報を遮断するはずの中国内にも浸透した、「劇場型」の闘いである。

たとえば日本で首相や閣僚らに重大な疑惑が浮上すれば、国会の衆参予算委員会で野党が証拠を示しながら繰り返し追及し、マスメディアも検証・報道する。そんな民主的システムがない中国では、思わぬところから指導部攻撃の火の手が上がり、噂が噂を呼んで、波紋が広がっていく。

ちなみに郭文貴は、重慶市トップを解任され、重大な規律違反の疑いで調査を受けていると正式に発表された孫政才を「素晴らしい政治家」と持ち上げていた。2人は共に山東省の出身だ。習近平の後継者レースのトップ集団にいた孫政才は今、郭文貴が攻撃する王岐山の指揮下にある党中央規律検査委員会の調査を受けている。

中国政府お墨付きの反腐敗ドラマでは、汚職に手を染めた某市の副市長が米国に逃亡するが、結局は密航請負組織の蛇頭(スネークヘッド)の監視下で、食堂の皿洗いに身を落とす。最後はアフリカの鉱山に逃亡し、悪役の国家級指導者の息子が雇った敏腕スナイパーに銃殺されるという派手な結末が待っている。

中国政府はドラマのストーリーよろしく、郭文貴を“極悪人”として追い詰めようとする。郭が生出演した米政府運営の公共放送「ボイス・オブ・アメリカ」の番組は、局上層部の指示により途中で打ち切りとなった。言論の自由を揺るがす前代未聞のスキャンダルは「中国政府の圧力」がちらつく。

中国外務省は、国際刑事警察機構(ICPO)が郭文貴に「国際指名手配書(赤色)」を出したと、あえて明かした。ちなみにICPOトップの総裁には中国公安部副部長だった中国人が就いている。

■「マール・ア・ラーゴ」から王岐山氏を攻撃

習近平国家主席(左)に話しかける王岐山政治局常務委員(2016年3月、北京の人民大会堂)

それでも、当の郭文貴本人は、米大統領トランプが持つフロリダの別荘「マール・ア・ラーゴ」のコンドミニアムに陣取るなど、派手に暮らしている。米政府が中国の要求に沿って郭を引き渡す兆しもない。中国政府が追う悪人が皿洗いに身を落とすという、ドラマのストーリーとは正反対の皮肉な展開だ。

権力闘争を巡って注目すべきなのは、習近平の盟友、王岐山に矛先を絞るという戦術だ。王岐山の妻の親族が海南航空に絡んで巨利を貪っていると指摘し、習側の指示を受けて、その疑惑を秘密裏に調べたという。

これは、秋の最高指導部人事で王岐山を「68歳引退」の内規を破って続投させるかどうかを巡って、激しい論争があるという構図を浮き彫りにした。「仮に習主席が望んだとしても、党内からは激しい反対の声があがる」(内情を知る関係者)。反腐敗運動で痛手を受けたライバル勢力や長老らが、その出所だ。

12年に習指導部が発足した後、令計画(前国家主席の胡錦濤の元側近、無期懲役で服役中)ら、有力者の失脚が相次いでいる。その「闇の政局」の舞台裏に関して郭文貴が発する言葉も目を引く。

たとえば「令計画の息子が死亡した高級車フェラーリの大破事故を巡る真相」と称する内容。令計画が隠蔽を図ったフェラーリ事故の処理は、5年前の最高指導部人事の結末を決めた重大な出来事だった。郭文貴は自らを「令計画の息子の事故を発生段階から知っていた数少ない人物の一人」と語る。

北京の書店には、ベストセラーになった反腐敗ドラマ「人民の名の下に」の原作本が積まれている

かつて郭文貴は、スパイ摘発などを担う中国国家安全部の人脈に属していた。郭と関係の深い国家安全部元副部長の馬建は、すでに拘束され、テレビ画面を通じて“自白”もした。彼は国家安全部を仕切った元最高指導部メンバー、周永康(無期懲役で服役中)につながる人物だ。

郭文貴が秘密の一部を知っていた可能性もある。ただし、最近の“暴露話”に関する真偽は確認できない。背後にいるであろう勢力の全容も見えにくい。官製の反腐敗ドラマは完結するまで、最後に失脚する巨悪の国家級指導者の実際の顔が一切表れなかった。たしかに孫政才は消えたが、米国から発信する大騒動の裏にいるとみられる超大物の顔は、ようとしてうかがい知れない。ここでもドラマと現実が重なる。

とはいえ、飛ぶ鳥を落とす勢いの「習近平・王岐山連合」にくさびを打ち込もうとする思惑だけは透けて見える。つまり「離間の計」だ。

危険な郭文貴をどう扱うかは、習指導部にとって非常に難しい問題だ。だから中国メディアも、この問題を正面から取り上げなかった。しかし、状況は7月10日に一変した。国営テレビ、国営通信など主要メディアが郭の違法な情報取得などを大々的に取り上げ、反撃に出たのだ。

■王岐山氏の去就が人事の起点

中国の公式報道には王岐山の名前が登場しないので、郭が追及する問題の核心は見えてこない。そこが「一体、何が起きているのか」と、かえって庶民の関心を引いている。ある意味で、郭の戦略は成功しているのだ。目立てば目立つほど、米国内で自らの安全を確保しやすい。勇気ある告発をしたために虐げられている“政治犯”という地位を固める好機である。

郭の暴露話は、実際に最高指導部の人事に影響を与えるのだろうか。現時点では、習近平と王岐山は固い絆で結ばれている。前週紹介したように、王岐山は重慶のトップだった孫政才の失脚と、習側近である陳敏爾の抜てきに大きな役割を果たした。

とはいえ、習近平が王岐山を最高指導部メンバーに残すには、なお越えなければならないハードルが存在する。「68歳引退」の内規を破るためには、誰もが納得する口実が必要だ。いずれにせよ、王岐山の去就は次期最高指導部人事の枠組みを決める出発点となる。(敬称略)>(以上)

習近平と王岐山には任志強との絡みで不仲説もありましたが、1年以上たっても、王岐山の地位は安泰なので噂に過ぎなかったのでしょう。そうなるとやはり秋の人事で、王岐山の処遇に関しウオッチすれば、習の権力基盤の安定度が見て取れると思います。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/032700037/

真壁氏の記事で、習が毛沢東以上の権力奪取を狙っているという見方は正しいです。毛は中国大陸だけに革命は留めましたが、習は近隣国への野望を隠し立てしていません。宇宙戦争や海洋進出を見ていますと、正しく米国の覇権に挑戦し、世界を赤く染めようとしているのに気づくはずです。世界は中国の野望を押し留めるために、経済制裁と金融制裁と両方で封じ込めるべきです。

記事

Photo:AP/アフロ

例によって中国では、秋の共産党大会を控え、権力闘争が熾烈を極めている。2期目の政権運営を狙う習近平国家主席は、政治ライバルへの取り締まりを強め、主要ポストに自分の息のかかった人物を据える一方、対立する大物政治家を追い落とす姿勢を明確にしている。

権力闘争とは恐ろしいものだ。そうした中国の闘争を見ていると、日本という自由で平和な国に生まれてよかったとつくづく思う。

既に習近平は“中国建国の父”である毛沢東をも上回る権力を手に入れ、終生、中国を支配していこうとさえ見える。今後、同氏は財政出動を中心に国内経済の安定を図り、支持率の一層の上昇を図ることだろう。

一方、対外的には中国の力の外交を推し進めることになるはずだ。中国は、近隣諸国にとっては実に付き合いにくい国になってしまった。ただ、中国の南シナ海での強権的な政策は明らかに間違っている。長い目で見ると、中国が永久にアジアの中心として君臨することは考え難い。いずれかの段階で、現在の強権的な政策に対する”しっぺ返し”を受けることになるはずだ。

熾烈な権力闘争 重慶市トップ拘束の衝撃

習氏は2012年の総書記就任以来、綱紀粛正を掲げ、政治的ライバルの“摘発”を行ってきた。これまでは、江沢民元国家主席や胡錦濤前国家主席らに近いとされる人物が、現役を退いた後に摘発されることが多かった。

ただ今回は事情が違う。重慶市トップの座を解任された孫政才氏は、現職の政治局委員だ。重慶市は共産党の直轄都市であり、発展の象徴である国家中心都市に指定されている。そのトップは25人からなる政治局委員が就任することと決められている。

中枢都市トップの更迭と身柄拘束の報道は、習氏が従来の共産党の運営方針を根本から書き換え、自らを中心とする支配体制の整備に力を入れ始めたことの表れかもしれない。それは、習氏の権力を、これまでになく高い次元に昇華させることを目指した動きといえる。

今後、習氏の息のかかった人物がその後継者候補に挙がるなど、国家主席を中心とした支配体制が強化されていく可能性は高い。習氏が権力闘争を民衆の目に見える形で進め、その支配力の強大さを誇示する展開も考えられる。

中国共産党に詳しい専門家によると、孫氏の解任を受けて、共産党内部にはこれまで以上に習氏に対する畏怖が広がっているようだ。地方の党大会では、中央委員や、その候補にも挙がっていない末端の党員が、地方トップなどの要職に抜擢された。“御恩と奉公”さながらに、習氏は序列の低い党員の登用を進め、求心力と支配力を強化している。

“紅二代”(建国に貢献した共産党や軍幹部の子)への取り締まりも始まった。従来、紅二代は綱紀粛正の対象とはならないとの見方が多かった。しかし、保険会社のトップを務めていた紅二代の一人が摘発された。それに加えて、現職の政治局委員の身柄が拘束されたことも踏まえると、習氏は、自らに忠誠を誓わない者は排除する意思を、明確に、中国全土に示したといえる。

昨年10月の6中全会において、習国家主席は中国共産党の核心に位置付けられた。足元では国営通信社が習氏を軍の“最高統帥”と報じてもいる。突き詰めて考えると、習氏は、終生、中国の支配者であることを目指し始めたようにさえ見える。そこには毛沢東に並び、それを超える力を手に入れようとする野望があるように見える。

支持率上昇を狙う 習政権の財政政策出動

習氏は党の核心である自らを中心に、中国共産党=国家の意思決定を行い、シルクロード経済ベルト(一帯)、21世紀海上シルクロード(一路)を通して、その影響力をアジア、アフリカ、欧州地域にまで及ぼしていこうとしている。中国は長期的な国家プロジェクトとして、自国を中心とするヒト・モノ・カネの流れを整備し、海外の需要を取り込むことを狙っているのである。

「一帯一路」構想の下、中国は鉄鋼などの過剰生産能力をアジアなどの各国に輸出するとともに、人民元の流通範囲を拡大させようとしてきた。東南アジア各国に加え、中国はカザフスタン、モンゴルなどとも通貨スワップ協定を結び、一部ではその期間を延長している。すでに1月には、浙江省の義烏(イーウー)と英ロンドンを結ぶ直通の貨物列車の運行が始まった。

問題は、目先の経済をどう支えるかだ。国内では、過剰生産能力の解消が進まず、不動産バブルへの懸念も高まっている。すでに、民間セクターの債務残高はGDPの200%を超えた。これは、1980年代後半から1990年代にかけてのわが国に匹敵する。わが国の過去の事例を見れば明らかなとおり、バブル崩壊後には不良債権処理とバランスシート調整が不可避だ。

中国はその痛みを恐れ、インフラ投資を増やすことで、経済成長率を人為的に支えている。今後、不動産投資の減少などによって景気の減速懸念が高まった場合には、一段の財政措置が取られるだろう。習氏が支配基盤を強化するためにも、国内の経済が低迷し、民衆の不満が高まる展開は避けなければならない。当面、中国経済が財政政策頼みの展開となる可能性は高まっている。

この状況が続く間、中国経済の需給のミスマッチは放置される可能性が高い。今は収まっているが、将来的に、中国からの資本流出が増える可能性も排除できない。その場合、人民元には下落圧力がかかるだろう。

経済への懸念が高まれば共産党政府は財政出動を増やし、景気支援に注力するだろう。それが一時的な経済の安定にはつながるだろう。問題は、市場が債務リスクや資本の流出圧力に耐えられなくなったとき、世界経済に無視できない影響が発生する恐れがあることだ。

長期的には 中国の強権主義は明らかな誤り

政治・経済に関する不安はあるが、世界第2位の経済規模を誇る中国の動向は無視できない。昨年半ば以降、中国の財政出動は半導体や資源の需要を高め、韓国、台湾などの景気が回復してきた。それに従い、わが国の景気も上向いてきた。

長い目で見れば、近隣諸国に対する強権主義は大きな間違いだ。中国経済が上昇を続け、勢いを保っている間は近隣諸国も表立っては中国との対立関係を明確にしたくはないだろう。しかし、中国経済に陰りが見え始めれば、近隣諸国の態度は変わる可能性が高い。蹂躙された感覚は、いずれ憎しみに変わるかもしれない。そうなったとき、中国は、現在の誤った政策のツケを払うことになるはずだ。

ただ、現在の中国経済には無視できない勢いがある。その意味では、近隣諸国は中国と距離を置くのではなく、うまく付き合うことを考えているはずだ。わが国も、中期的な展望を持って大人の対応をすればよい。

具体的には、全て中国に迎合するのではなく、持続性や公正さを重視しつつアジア経済の発展に関する議論を進めればよい。それと同時に、各国の主権を脅かす中国の動きに対しては毅然とした態度を示す必要がある。

6月、安倍政権は一帯一路に対する慎重姿勢を改め、そのポテンシャルを評価し始めた。この変節を懸念する専門家もいる。しかし、中国との関係が冷え込むと、わが国がアジア・極東地域で孤立するリスクが高まる。北朝鮮問題への対応なども考えると、中国と冷静に対話できるだけの関係を持つことは国益に適うだろう。

昨今のアジア経済を見ても、習国家主席が推し進める一帯一路は、経済面では一定の成果を収め始めている。同時に外交面では海洋進出による領海侵犯など、国際司法の判断に反する問題も多い。そうした懸念からアジア各国には、TPP11などの経済連携に関する議論を進め中国からの影響を回避したい、との潜在的な考えがあるはずだ。

米国が自国第一の政治を重視する今、わが国は一帯一路や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)など、中国が主導する経済プロジェクトに関わっていくべきだ。それによって、アジア各国などの不安をくみ取り、信頼関係を強化することができるはずだ。

それは、わが国を中心とする経済連携を議論するためにも欠かせないと考える。わが国は貿易、投資や競争などに関するルールの統一を公正な観点で進め、アジア経済の連携を強化すべきだ。その中で、わが国の主張に賛同する国には、積極的にインフラ支援などを行えばよい。

こうした取り組みを進めることが、親日国の獲得につながる。親日国が増えれば、国際社会における発言力も増すだろう。わが国は経済連携などの是は是、海洋進出や保護主義などの非は非と、是々非々の立場を明確にし、公正な経済連携の議論に中国を巻き込んでいくべきだ。口で言うほど容易ではないが、それがアジア各国からの信頼獲得や、欧州各国との関係強化にもつながるはずだ。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

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『世界のスーパースターたちの「汚染」が次々と明るみに 米司法省の捜査が佳境に入ったマレーシアの1MDB横領事件』(7/21JBプレス 末永恵)、『中国の「高速鉄道外交」、中止や延期が相次ぐ』(7/22Money Voice)について

マレーシアのナジブ首相は賄賂問題で反米のマハテイールに糾弾されていました。ナジブ首相はマハテイールの陰謀と主張していたようですが。米国は賄賂の有無より反米のマハテイールでない方に肩入れし、15年にはTPP交渉のため、その時点では追及しなかったようです。

http://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Region/Asia/Radar/201507_nakamura_1.html

http://sp.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160601-OYT8T50000.html?page_no=1

米国司法省が米国の芸能人相手に本件を問題にし出したのは、トランプ政権発足が影響しているのかも。ハリウッドは民主党支持者が圧倒的に多いし、デイカプリオのように環境保護で一儲けを企む者もいるでしょう。ヒラリー自体が国の情報を外国に売り、クリントン財団に寄付させていたわけですから。米国も弱体化する訳です。グローバリストは金儲けの為には悪魔とも手を組むし、共産主義者とも手を組みます。ただ、トランプ政権もスパイサー報道官が辞任したりでガタガタの様子。これでは北や中国にぶつかれる訳はありません。上下両議員はロシアとの関係改善を大統領の手から奪おうとしています。グローバリストに騙され、真の敵が見えてないと思われます。第二次大戦で日本を敵にしたのと同じです。

7/24日経電子版米大統領報道官、対ロ制裁強化「政権は支持」 

【ワシントン=共同】米共和、民主両党が一部修正で合意したロシアに対する制裁強化法案について、サンダース大統領報道官は23日、ABCテレビのインタビューで「政権は法案を支持する」と表明した。制裁強化はトランプ大統領が模索する対ロ関係改善の障害になりかねないため、トランプ氏が拒否権を発動するかどうかが注目されていた。

ただ、ホワイトハウスの広報部長に起用されたスカラムチ氏は23日、CNNテレビのインタビューで「大統領は法案に署名するかまだ決めていない」と述べ、サンダース氏と食い違う説明をした。ワシントン・ポスト紙は「混乱を招くメッセージ」として、政権内の意思統一が不十分であることを批判した。

法案はウクライナ情勢や昨年の米大統領選への干渉を受けた対ロシア制裁の徹底を政府に促し、制裁の緩和や解除には議会の審査が必要と定めて大統領の権限を制限した。サンダース氏は「制裁を含め、ロシアへの厳しい対応を支持する」と表明した。

一方、スカラムチ氏はロシアが選挙干渉を行ったかどうかについてトランプ氏が最近「やったかもしれないし、やっていないかもしれない」とスカラムチ氏に語ったと明らかにし、トランプ氏はロシアが関与したと断定した米情報機関の分析を受け入れていないとの見解を示した。

サンダース氏は前任のスパイサー氏が21日に辞任したのに伴い、副報道官から昇格した。AP通信によると、スカラムチ氏は8月15日に正式に広報部長に就任する。>(以上)

7/23日経電子版対ロ制裁 米与野党合意 大統領の権限制限、トランプ氏反発も 

【ワシントン=共同】米上下両院で多数派の共和、少数派の民主両党の指導部は、既に上院を通過しているロシアに対する制裁強化法案について一部修正した上で合意した。複数の米メディアが22日報じた。法案は制裁の緩和や解除には議会の審査を必要とすると定め、トランプ大統領の権限を大きく制限する内容。対ロ関係の改善を目指すトランプ氏は、重要法案で初めて拒否権を発動するかどうかの難しい選択を迫られる。

法案は下院の採決を経て夏季休会前の月内にもホワイトハウスに回される可能性があるという。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、複数の政権高官は、ロシアゲート疑惑の捜査進展で苦しい立場のトランプ氏が拒否権発動に踏み切ることは想像しがたいとの見方を示した。

法案は6月中旬、賛成多数で上院を通過したが、制裁の緩和、解除時の議会審査のあり方などを巡り調整が難航。制裁強化の影響を受ける米エネルギー関連企業も難色を示していた。上院で通過した法案はロシアのほか、イランに対する制裁強化も盛り込まれていたが、今回合意した修正案には既に下院が可決した北朝鮮への制裁強化法案も統合された。フォームの始まり

>(以上)

中国政府がマレーシアの鉄道事業に許可を出さなかったとしたら、余程外貨が逼迫していると思われます。ナジブは親中派のイメージがあり、日本が鉄道事業に協力したとしても、中国の嫌がらせで方針変更されるかもしれません。契約時に破棄する場合の懲罰的損害賠償請求可として契約額の3倍を明記しておいた方が良いと思います。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6203_1.php

Money Voiceの記事も中国の鉄道事業が頓挫している内容の紹介です。「一帯一路」もうまく行っていないという事です。折角のチャンスなので日本も主体的に動けばよいと思いますが、メデイアは加計問題というでっち上げ事件で執拗に政府を攻め立てて、チャンスもモノにできない、北と言う脅威に対応できないようにしています。左翼は北の核ミサイルで日本の人口が激減し、歴史あるものを破壊したくてしようがないのでしょう。

7/23日経電子版の記事では内閣支持率39%に続落 「政権におごり」65% 本社世論調査

日本経済新聞社とテレビ東京による21~23日の世論調査で、安倍晋三内閣の支持率は39%となり、6月の前回調査から10ポイント下がった。不支持率は10ポイント上がって、2012年12月の第2次安倍政権発足以降で最高の52%となり、支持率と逆転した。

学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画や、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題が影響したとみられる。第2次政権以降のこれまでの内閣支持率の最低は安全保障関連法が衆院を通過した15年7月の38%。安倍政権が安保法以来の厳しい局面に入ったことを示す。内閣支持率の前月からの下落幅は、15年6~7月の9ポイントを上回って最大だった。

第2次安倍政権が発足してからすでに4年半以上が経過しており、政権に「おごりがある」とする回答は65%に上った。「おごりがあるとは思わない」は25%だった。

政党支持率は自民党が35%と前回から5ポイント下がった。民進党は2ポイント低下の6%で、民進党が発足した昨年3月以降では最低となった。無党派層は41%と9ポイント上昇した。

調査は日経リサーチが21~23日に全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD方式)による電話で実施。1069件の回答を得た。回答率は48.6%。

>(以上)

敵の憲法改正阻止が奏功している気がします。国会で発議ができても国民投票で国民が賛成に回らないようにするためです。まあ、TVと新聞だけしか見てないとこうなる結果は見えていましたが。日経の読者は仕事が忙しく、ネットで情報を取る暇もないのでしょう。「洗脳」=「Manchurian candidate」がピッタリ当て嵌まります。もっとincredulousにならないと。

JBプレス記事

中国の資産購入ラッシュが続くマレーシア。中国政府の狙いは2つ。まずは、1MDBが手がけるマレーシア最大級の再開発事業「バンダー・マレーシア」の整備地区に開通するマレーシアとシンガポール間の高速鉄道受注への布石を打つこと。もう1つは、米中間の緊張が走る南シナ海紛争でのマレーシアからの支持獲得。1MDBで130億ドル(約1兆5000億円)の巨額の負債を抱え、リンギットの貨幣価値が下がる中、ナジブ政権に貸しを作り、中国支援の拡大を企む(中国中鉄=CREC=が参画のクアラルンプール市内の再開発地、筆者撮影)

スーパーモデル、ミランダ・カーさん(34歳)は、前夫の俳優、オーランド・ブルームさんが熱心な創価学会インターナショナル(SGI)の会員だったことで、当初、自身も創価学会に入信。そんな日本との縁もあり、日本の各企業とCM契約を結ぶなど、日本でも特に人気がある世界のセレブとして知られる。

その彼女が世界のメディアを賑わしている。

5月に、携帯アプリ「スナップチャット」のCEO(最高経営責任者)で総資産50億ドル(約5600億円)、“世界で最年少の億万長者”といわれるエヴァン・スピーゲルさん(26歳)と再婚し話題をさらっただけでなく、6月末には、米司法省に810万ドル(約9億円)相当の宝石を返還したことが明らかになったからだ。

ジョー・ロー氏から贈られた億単位のジュエリー

同宝石は、マレーシアの政府系投資会社「1MDB」の不正流用資金絡みで現在、米国をはじめ、英国、スイス、イタリア、ルクセンブルク、アラブ首長国連邦、オーストラリア、シンガポール、香港、タイなど世界10カ国で、不正疑惑の中心人物として捜査対象となり、刑事訴追がささやかれるマレーシア人の若き大富豪、ジョー・ロー氏(34歳)から贈られたもの。

2014年から1年間ほどミランダさんの恋人だった同氏が彼女にプレゼントした宝石は、ピンクダイヤモンドのペンダント(480万ドル=約5億3800万円)やハート型のダイヤモンドのネックレス(180万ドル=約2億100万円)などで、億単位の超豪華なジュエリーばかり。

いずれも1MDBの公金から不正に購入された疑いが強く、ミランダさんが米当局に引き渡したというわけだ。

1MDB不正流用・横領事件は、日本のメディアで初めて、約2年半前の2015年3月と4月、JBPressの本コラムで報道した「消えた23億ドル~マレーシア政府系投資会社の巨額不正疑惑(1)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43250(2)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43277(3)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43331」(日本貿易振興機構=ジェトロ=の経済産業省所管、国のシンクタンク「アジア経済研究所」が調査論文で参考文献として引用=http://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Region/Asia/Radar/201507_nakamura_2.html)に関連するもので、スイスでは同事件に関わった取引銀行(BSI)がすでに刑事訴追を受けている。

日本のメディアは当時、報道していなかったが、ここ2年間で米司法省の捜査が進み、今回、世界のセレブ、ミランダさんが巻き込まれたこともあり、米国のメディアが一斉に報道。「週刊新潮」(7月13日号。筆者の解説記事掲載=https://www.dailyshincho.jp/article/2017/07170559/?all=1)など日本のメディアも詳細を暴露するなど、ここにきて日本でも関心が高まっている。

そもそも今回のミランダさんの宝石返還は、6月15日に米司法省が起こした民事訴訟で明らかになったもの(参考=https://www.justice.gov/opa/pr/us-seeks-recover-approximately-540-million-obtained-corruption-involving-malaysian-sovereign)。

米司法省は、「1MDB」に関する不正流用疑惑で、米ロサンゼルスの連邦地裁に、約5億4000万ドル(約600億円)の資産差し押さえを申し立てた。

本コラムでも報道した昨年7月の提訴(参照=http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47506 )と合わせ(136ページに及ぶ訴状=参照1=https://www.justice.gov/archives/opa/page/file/877166/download、参照2=https://www.youtube.com/watch?v=_gBNuJCGezY&app=desktop)、1MDB関連の資産の差し押さえ請求額はこれで、合計約17億ドル(約1900億円)にも上った。

今回、米司法省はさらに膨大な251ページの訴状(参照=https://www.justice.gov/opa/press-release/file/973671/download)の中で、45億ドル(約5000億円)以上の資金が、1MDBの幹部などによって横領され、巨額な宝飾品や不動産、さらには世界的に著名なピカソの絵画などが“爆買い”されたと告発。

泥棒政治による米国史上最大の横領事件

「不正流用された資金をマネーロンダリングするため企てられた国際的な陰謀」と厳しく糾弾。この一連の事件が「泥棒政冶(盗賊政冶)による米国史上最大の横領摘発事件」と名指しで、マレーシアのナジブ・ラザク政権を批判。

さらに、同首相が不正資金を流用、“影の最高権力者”でマレーシアのイメルダ夫人と揶揄される大浪費家、ロスマ夫人(参照=http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44463)が、ミランダさんの9億円をはるかに超える約30億円のピンクダイヤモンドのネックレスを受理していたと指摘。

今回、国際的な刑事訴追が噂れる1MDBの投資ブローカー(1MDBの資金運用責任者)のジョー・ロー氏が贈答品を贈っていたのは、ロスマ夫人やミランダだけではない。

ハリウッド映画「タイタニック」の主演で国際的俳優のレオナルド・ディカプリオさんも、前回の訴状では「ハリウッド映画俳優1」と記されていたが、今回の訴状では実名で告発された。

米司法省での記者会見でも言及された上述のピカソの絵画は、ミランダさんより事前に、ディカプリオ氏が司法省に返還したもの(330万ドル相当)。

訴状によると、ジョー・ロー氏は偽名、「エリック・タン」という名前で、ディカプリオ氏にプレゼントしていた。さらに、司法省が同氏に返還を命じた中には、マーロン・ブランドのオスカー像(60万ドル相当)のお宝をはじめ、バスキアのコラージュ(900万ドル相当)やアーバスの写真(80万ドル相当)が含まれるというから、驚きだ。

1MDBの不正資金で設立、運用されていた映画会社「レッド・グラナイト・ピクチャーズ」製作の米アカデミー賞候補、ディカプリオ主演作「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の権利差し押さえも敢行されたが、ディカプリオ氏の“容疑”は、完全に晴れたわけではない。

それは同映画会社の創設者でマレーシアのナジブ首相の義理の息子、アジズ氏(ロスマ夫人の連れ子)やジョー・ロー氏との密接な関係だ。

訴状では、2012年に3人がラスベガスで1週間のカジノ豪遊をするために1100万ドル(約13億円)が1MDBからロー氏の個人口座に振り込まれ、1日に115万ドル(約1億3000万円)が浪費されたことがあったという。

数百万円の高級シャンパンを贈呈

さらに、環境保護団体のディカプリオ財団への寄付の名目で数百万円もの高額なシャンパンが贈呈されたり、南アフリカのワールドカップサッカーに招待されたりと、ディカプリオ氏を巡る疑惑は枚挙に暇がない。

最も特筆すべきは、いまだディカプリオ氏の広報担当も明確にしていない米司法省に差し押さえられたアカデミー賞候補作「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の出演料2500万ドル(約28億円)の返還についてだ。

映画会社の設立、運営資金だけでなく、同会社の100%出資で製作された同映画への出演料。自ら返還し、潔白を晴らした方が今後の俳優人生にも“汚名”を着されずにすむだろうに・・・。

しかし、すでに、暗雲は立ち込めている。

トヨタ自動車の「プリウス」や「レクサスLS」などのエコカーを早くから保有し、アカデミー賞授賞式にはベントレーやベンツで来場するハリウッドスターと一線を画し、プリウスで登場。環境活動家としても知られていたディカプリオ氏の“影”の部分が、1MDBの事件がきっかけで暴露され始めた。

自ら代表を務める環境保護団体「レオナルド・ディカプリオ財団」(https://www.leonardodicaprio.org/)の不透明な資金の運用が明らかになってきた。

同団体は、非営利組織(NPO)でなく、寄付顧問基金(DAF)で、米国では、法的には支出と収入の公開義務はない。しかし、環境活動の慈善事業を実施する組織としている手前、チャリティの運営資金、経費、収益の実態を明らかにする“社会的責任”があると、批判する環境関連団体が出てきた。

その1つが、今回の事件の震源地、マレーシアの熱帯雨林の保護・保全活動を行う環境慈善団体、「ブルーノ・マンサー基金」だ。ディカプリオ氏に、下記の公開状を送った。

同団体は、ディカプリオ氏とアジズ氏およびローとの親密な関係が、熱帯雨林の破壊につながっていると指摘。政治腐敗が深刻なマレーシアでは、賄賂と引き換えに、政府が森を伐採しているからだ。

米大統領選にも影響を及ぼす

「ディカプリオは、世界の環境保全を訴えてきたのに、賄賂と引き換えに森の伐採に“加担”している。不正流用資金で受理した映画のギャラは、我々の税金。我々と使命を同じにするなら、腐敗したお金を受理するのは、恥ずべきことで返還するべき!」と痛烈に批判している。

さらに、ディカプリオ氏の“腐敗疑惑”は、外交や米大統領選にも影響を及ぼしている。

ドナルド・トランプ政権が離脱し、国際問題となっているパリ協定の署名式に熱心な環境問題活動家として招かれ出席したディカプリオ氏。彼のプレゼンスは、各国の政治的な格好の“広告塔”としての役割を担っただけに、国際社会にも大きな影を落とそうとしている。

また、昨年の米大統領選では、ヒラリー・クリントン氏の資金集めのパーティがディカプリオ氏の自宅で開かれるはずだったが、直前になって、著名な歌手のジャスティン・ティンバーレイク氏の自宅に変更されるというハプニングが起きた。

通常は考えられないことだが、「1MDBの事件が、ディカプリオ財団と関与していれば、クリントン氏にとって不利な材料となる可能性があったから」(米政冶アナリスト)という見方が有力だ。

ハリウッドでは、ディカプリオ氏に次ぎ、ミランダさん、「次は自分の番かと」、びくびくしているスターもいるだろう。

ヒルトンホテル創業者の孫、パリス・ヒルトンさんをはじめ、女優のリンジー・ローハンさん、さらには、歌手のアリーシャ・キーさん・・・。驚愕の公金不正流用事件が揺さぶる、米映画界や芸能界を巻き込んだ“余震”は計り知れない。

また、余震は米国だけではない。2年半前の本コラムでも解説(参照=http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43250)したが、1MDBの事件は、日本が受注を目指す2026年開業予定のマレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道の建設計画にも大きな影を落とす。

クアラルンプールの高速鉄道駅は、1MDBが手がける再開発プロジェクト「バンダー・マレーシア」で整備予定の地区に建設されるからだ。同計画は高級住宅街やオフィス街が立ち並ぶマレーシア最大級の再開発事業。

日本が受注目指す高速鉄道事業にも影響

1MDBがもともと同建設予定の土地を所有していたが、2015年末時点で、1兆5000億円以上(マレーシアの国家予算の約20%、GDPの約5%に相当)の負債を抱えていたところ、中国の国有鉄道建設「中国中鉄」などの企業グループが、2015年12月、約74億リンギ(約2000億円)で1MDBの負債と不動産の60%を、肩代わりすることで一旦合意。

中国は、再開発事業に投資することで高速鉄道受注を有利に展開させようと狙っていたと見られたが、今年5月になって突然、交渉は不調に終わり、ナジブ首相は再びスポンサーを募ることを発表。

マレーシア政府は計画が白紙となった原因は、中国中鉄側が支払い義務を履行しなかったこととしているが、「中国政府が中国中鉄に投資の許可を出さなかったため。中国政府は昨今、資本規制を厳重にしており、特に地政学的に利益が得られないと見る事業には慎重になっている」(中国の投資アナリスト)という。

2国間にまたがる高速鉄道は、日中の企業が激しい受注競争を展開しているが、開発全体が遅れることは必至で、日本が受注を目指す高速鉄道計画のスケジュールにも影響する。

高速鉄道の入札を、マレーシアとシンガポールは今年の10月から12月、運行も2026年としているが、遅延になる可能性が高い。

中国が狙っていたのは、そもそも、「事業費約2兆円」ともいわれる高速鉄道事業だったが、1MDBの負債処理の行方が不透明になったことで、「これまで中国が優勢だった高速鉄道受注戦も、日本が勝ちに行く希望が出てきた」(マレーシアの企業投資家)とする見方もある。

マレーシアを震源地とする「米国史上最大の泥棒政冶(盗賊政冶)による横領摘発事件」の“余震”は、まだまだ世界を揺るがすだけでなく、日本が切望する高速鉄道の行方をも左右する事態となっている――。

Money Voice記事

最新の調査で、中国政府の主導する「一帯一路」経済圏構想のインフラ計画の一環である高速鉄道の輸出戦略は、キャンセルが相次いでいることが明らかになった。理由は収益計画の不透明さや現地の経済状況にあわないためだと伝えられている。  英フィナンシャル・タイムスと米シンクタンク国際問題研究センター(CSIS)によると、世界18カ所で約束された中国資本の鉄道建設計画は、総価値1,430億ドル(約14兆円)に達する。うち1件が竣工済み、5件が建設中、12件は計画中だ。  同紙の推計によると、中止されたミャンマー、リビア、アメリカ、メキシコ、ベネズエラでの5件の建設計画の価値は475憶ドル(4.7兆円)に上る。これは、現在建設中の5件の合計249億ドル(約2.4兆円)のおよそ2倍になる。  また、計画中の12件に含まれるインドネシア、セルビア、ラオスなどの3件では、現地の電力配給能力に合わないとして、中止される可能性があると指摘した。  さらに、中止の要因は、中国側の「鉄道外交」に対する不信感との見方がある。2014年、メキシコの中止の決定について、同国のエスパルサ通信運輸大臣は「合法性、透明性を欠く」と述べた。  なぜ、キャンセルされながらも、鉄道外交は推進されているのか。背景には、中国共産党政権による独自の「政商結託」の問題がある。中国政府との強い繋がりと保証を受けられる国営企業は、リスクを顧みず、借金を積みあげて、はばからずに損失を重ねている。計画が成功すれば、共産党や国営企業の幹部の昇進に繋がる。  国有鉄道と高速鉄道プロジェクトを管理する中国鉄道公社は、3.8兆元(約50兆円)の負債を抱えており、ギリシャの政治債務残高をはるかに上回る。同紙が伝える関係者の話では、中国の高速鉄道2万2000キロの多くが、赤字稼働だという。  台湾政治大学経済学教授・荘奕キ氏は大紀元の取材に対し、発展途上国を広大なインフラ計画で貫く「一帯一路」構想のリスクの多さを指摘する。高速鉄道は数百キロと非常に長く、地形の複雑さもあり、運用コストに見合っていないとしている。荘氏は「人口が多い地域でも経済水準は低く、市場規模や購買力も小さく、実質の利益はほとんどない」とみている。  さらに、現地の経済事情に合わない高速鉄道計画を受け入れた国の多くは、中国からの援助や多額の融資を抱えており、中国経済への依存がますます強くなると警告している。 (翻訳編集・佐渡道世)【ニュース提供・大紀元】

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『東アジアで中国海軍と米海軍の力が逆転する日 明確な海軍戦略を描く中国、かつての栄光にすがる米国』(7/20JBプレス 北村淳)、『消えた中国包囲網。日本はこのまま「一帯一路」の野望に飲み込まれるのか?』(7/23Money Voice斎藤満)について

中国の軍拡は止まるところを知りません。専制国家で市民の監視もなければ、予算の制約もないから好き勝手できる訳です。でも、これは米ソ冷戦のアナロジーが適用できるのでは。SDIをレーガンが提唱、ソ連が無理にそれに合わせようとしたため、軍事費が国家予算の40%も占めるようになって米国に降参したわけです。中国のGDPはいい加減な数字で、437兆円以下と上念司氏は言っていますが、世界銀行は11.2兆$(=1840兆円)と言っています。上念氏の数字とは4倍も離れています。

中国とソ連の大きな違いは、西側と東側とが対立して、交易が少なかったことが挙げられます。ソ連は共産国家の盟主として、自分達の陣営での貿易をしていましたから豊かになれませんでした。翻って中国は、自由主義国家の米国がソ連に対抗するため後押ししたため、低賃金での生産物を輸出することにより、WTO加盟以降、急激に経済成長しました。

http://alterfree.blog.fc2.com/blog-entry-34.html

中国の軍拡の息の根を止めるためには、ソ連同様、経済を崩壊させることです。金融制裁して$を使えなくして、人民元だけで取り引きさせるようにすれば良いでしょう。世界の銀行は米国と取引していますので、中国と人民元で取引している銀行の情報も米国はキャッチできると思っています?人民元のSDR入りはそうした思惑があったのでは?

「一帯一路」は中国の滞貨一掃処分と軍事侵攻の道の開拓にあります。関係国は目先の欲得で判断すると後々痛い目に遭います。安倍首相も「一帯一路」に条件付き協力を表明しましたが、中国の透明度や公平性が上がるはずもなく、高いバーを設定した、単なるリップサービスと見るべきでしょう。金融制裁を課せば間違いなく中国経済は死に体になります。戦争を仕掛けて来るかも知れませんが、その時は海上封鎖で石油が入らなくすれば良いでしょう。ロシアがどう動くかですが。

北朝鮮の潜水艦が日本海を潜航したとの記事がありました。SLBMの発射訓練かどうか知りませんが、朝鮮半島から7分で日本にミサイルが着くのであれば、潜水艦から撃つ必要はないので、米国へ向けてでしょう。でも、日本のP3-Cも北朝鮮の領海内(22.2Km)には入れませんが、公海での監視活動はできる筈です。活動範囲を広げる必要があります。そのためには防衛予算増と人員の確保が前提となります。

7/21日経<北朝鮮潜水艦が日本海航行 米報道、異例の動きに警戒 

 

【ワシントン=共同】米CNNテレビは20日、北朝鮮の「ロメオ級潜水艦」(1800トン)が48時間連続で、本国から約100キロ離れた日本海で活動していると報じた。北朝鮮の潜水艦がこれほど離れた海域を航行するのは異例で、米韓両軍は警戒を強めている。複数の米国防当局者の話としている。

CNNによると、ロメオ級はディーゼル式で全長65メートル。米軍はこの潜水艦が母港から遠く離れた海域で航行する能力はないとみていた。沿岸地域で行う典型的な訓練活動とは異なるといい、米軍が偵察衛星から監視を続けている。

北朝鮮のロメオ級は旧式潜水艦で、弾道ミサイルの発射能力は備えていない。>(以上)

また、米海軍は空母ジェラルド・フォードを就役させたとのこと。中国が海軍力を増強する前に、北を片づけ、次には中国を片づけなくては手遅れになります。目先だけでなく、将来のことも併せて考えなければ。

http://www.sankei.com/world/news/170722/wor1707220028-n1.html

北村記事

今年だけでも既に2隻が誕生した中国海軍の054A型フリゲート

トランプ大統領は「強いアメリカの再現」のシンボルの1つとして、大統領選挙中から一貫して大海軍再建を標榜し、国防予算、とりわけ海軍関連予算の大増額計画を打ち出している。

しかしながら、トランプ政権発足後半年を経過した現在まで、大海軍再建の司令塔となるべき海軍長官(海軍と海兵隊の最高責任者でシビリアンのポスト)人事が決定していない(これまでは代理海軍長官としてシーン・スタックリー氏が代行してきた)。トランプ大統領は6月初旬に元投資会社役員のリチャード・スペンサー氏を海軍長官候補に指名し、あと数週間以内には上院で指名認可がなされる見込みとなっている。だが、大海軍再建計画が順調に滑り出すまでにはまだまだ時間がかかる状況と言わざるを得ない。

順調に進んでいる中国の大海軍建設

一方、中国においても、「中国の国益を保護するための大海軍建設」が喧伝されている。共産党独裁国家である中国では、党が打ち出した「大海軍建設」はアメリカと異なり極めて順調に進んでおり、今後も加速度的に海軍力が強化されていくものと思われる。

ちなみに、2017年上半期に誕生した中国海軍艦(小型艇を除く)は以下の10隻である(表)。

2017年の上半期に誕生した中国海軍艦(小型艇を除く)

2016年に大小取り混ぜて30隻ほどの艦艇を誕生させた中国海軍の戦力強化は、少なくとも数の上では目覚ましいものがあるとアメリカ海軍側も認めている。

新鋭艦艇の質に関しては「見かけ倒しではないか」「恐るるに足りない」といった評価を下している海軍首脳も少なからず存在する。だがそれに対して、「確実な情報がない以上、そのように楽観視しているととんでもないことになりかねない」「アメリカも含めて世界中から最先端技術を取り込んでいることを忘れてはならない」と警戒を促す人々も少なくない。

いずれにせよ、対中戦略を専門とする海軍関係者たちは、「敵を過大評価して恐れおののくのは慎むべきではあるが、敵を過小評価するのはさらに良くない姿勢である」との基本姿勢を尊重している。

中国国産の001A型航空母艦

海軍戦略達成のために強化される海軍戦力

人民解放軍は昨年より抜本的再編成を進めている。中国国営メディア(人民日報、環球時報)によると、その一環として陸軍人員数の大幅削減を実施するという。また、海軍、ロケット軍(かつての第二砲兵部隊)、そして新設された戦略支援部隊の人員数は、今後それぞれ大幅に増強するという。空軍は現状維持とされている。

人民解放軍再編成の方針に基づき海軍力増強が推進されていくことは間違いないものと思われる。実際に、2017年上半期だけでも上記のように多数の軍艦が誕生している。

そもそも、中国海軍が近代的海軍(海上自衛隊など西側海軍と肩を並べるような海軍)となりうるきっかけとなったのは、1980年代に鄧小平軍事委員会主席の片腕として活躍した海軍司令員(海軍のトップ)、劉華清が打ち出した防衛戦略である。

毛沢東時代の中国の防衛戦略は、基本的には敵勢力を中国大陸内部に引き込み、ゲリラ戦も交えつつ殲滅していくというものであった。それは自然と陸軍が中心となる戦略であった。当時はアメリカの核恫喝に自力で抵抗するため核搭載大陸間弾道ミサイルの開発運用にも多大な資源が投入された。そのため、海軍や空軍を充実させることは後回しにされ、鄧小平によって国防改革が開始された当初は、中国海軍は沿岸警備隊(それも時代遅れの)に毛が生えた程度の極めて貧弱な海軍に過ぎなかった。

このような状況に対して劉華清は、「鄧小平による経済発展策の根幹となる幅広い交易活動を支えるには強力な海軍戦力が必要である」と力説した。そして、劉華清が打ち出したのが、「近海積極防衛戦略」と呼ばれる海軍戦略であった。

すなわち、日本列島から台湾、フィリピン諸島、そしてカリマンタン島(ボルネオ島)を経てシンガポールに至る、いわゆる第1列島線内の東シナ海や南シナ海に進攻してきた敵(=アメリカ海軍や海上自衛隊をはじめとするアメリカ側海軍)を、それら海域のできるだけ遠方で撃破し、中国沿岸域には敵を寄せ付けない──そして、いずれは第1列島線に接近させないようにする、という戦略である。

「積極防衛戦略」の“積極”というのは、「島嶼や海岸線を防衛するには、待ち受けるのでなく、こちらから出撃しできるだけ遠方洋上で敵を迎え撃たねばならない」という海洋国家防衛の伝統的鉄則を意味している。そこで、その戦略を実施できるだけの実力を持った海軍を建設することが急務となり、1980年代後半から近代海軍建設に努力が傾注されたのである。

海軍建設には少なくとも四半世紀はかかると言われているが、21世紀に入ると中国海軍は近代海軍の呈を成し始め、2010年を過ぎるといよいよ強力な海軍として世界中の海軍から一目置かれる存在になってきた。

そして、昨年から正式に推し進められている人民解放軍の再編成と平行して、海軍戦略も「近海積極防衛戦略」からさらに歩みを進め、「外洋積極防衛戦略」とも表現しうる戦略へとバージョンアップされた。

中国国防当局はアメリカや日本を強く刺激することを避けるため、この戦略を単に「積極防衛戦略」と称している。だが、要するに敵を撃破する海域を東シナ海や南シナ海からさらに遠方の西太平洋へと拡大させた戦略ということになる。

海軍戦略を欠いているアメリカ

このように、中国の軍艦建造の目を見張るほどの勢いは、明確な海軍戦略を達成するために必要不可欠の動きということができる。

ところが、トランプ政権が打ち出している350隻海軍建設は「偉大なアメリカの再建」という政治的目標の道具の1つとはなり得るが、確固たる海軍戦略に基づいているわけではない。

そもそも、「近海積極防衛戦略」そして「(外洋)積極防衛戦略」といった具体的な海軍戦略を策定してきた中国軍とは異なって、アメリカ軍は「エアシーバトル」「マルチドメインバトル」といったコンセプトを打ち出してはいるが、いずれも戦略というレベルのものではない。

達成すべき海軍戦略を構築し、それに向かって海軍戦力増強にいそしむ中国。片や、確固たる戦略なしにかつての栄光を取り戻すために大海軍を再建することを標榜しているアメリカ。これでは、少なくとも東アジア海域における海軍力バランスが逆転する日が現実のものとなってしまったとしても不思議ではない。

斎藤記事

トランプ政権の親中路線はまやかしに過ぎません。日本政府や日本企業も、綺麗事ばかりの中国「一帯一路」構想の誘惑に負けないよう、冷静に判断すべき局面です。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる) 1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

中国の一帯一路構想に協力表明!? 日本政府はどこまで正気なのか

「中国包囲網」はどこへ消えた

米国にトランプ大統領が誕生して以来、日米の対中国戦略が揺れ動いているように見えます。

昨年の米大統領選挙キャンペーンでは対中国強硬論を唱えていたトランプ氏が、今では習近平国家主席を「大好き」と持ち上げ、これまでの強硬論がどこかへ消え去ったかのような印象です。これを受けて日本の対中国戦略も微妙に変化してきました。

安倍総理は第二次安倍政権誕生以来、今や中国こそ最大の脅威と位置づけ、「中国包囲網」を構築すべく、その周辺国を相次いで訪問してきました。

尖閣諸島の領有権を脅かす中国が、東シナ海から南シナ海へと、軍事力を伴った進出を進めているためで、これに対処するには日本としても東南アジアの関係国との連携が必要と考えたからです。

もちろん、これら関係国との連携にとどまらず、中国を取り巻く各国との関係改善を図り、軍事的にもいざという時に日本の味方をしてもらい、ともに中国に対峙する体制を構築する狙いがありました。

そのために、ロシアから中央アジア、インド、東南アジアを歴訪し、まさに日本の「友人」で中国を包囲する形を作ることに専心してきました。

このため、中国が進めるアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、周辺国のみならず欧州各国が参加するのをしり目に、日本は米国とともにこれに参画せず、中国とは距離を置く姿勢を鮮明にしていたのです。

安易に乗ると危ない「一帯一路」

ところが、トランプ政権が対中国戦略を軟化させ、AIIBへの参加を検討すると言い出し、AIIBと対をなす「現代版シルクロード建設」ともいうべき習主席の長期戦略「一帯一路」構想に米国も関心を持ち始めました。

そして今年5月に中国で開催された「一帯一路」構想に関する大規模な国際会議に、米国は代表チームを参加させ、日本も親中派の二階幹事長の他、安倍総理の名代を送りました。知らぬ間に、日米ともに中国の長期世界戦略に巻き込まれていく構図が鮮明となってきました。

そんな中で、日本の企業も、次第に習主席の「一帯一路」構想に関心を持つものが増えています。中国事情に詳しい人物やコンサルタントに、この「一帯一路」構想の内容、ビジネスの観点からの妙味について、質問が増えていると言います。

しかし、この中国の「一帯一路」構想は、中国の苦しい事情、矛盾もはらんでいるだけに、安易にこれに乗ろうとするのは危険なのです。

習近平主席の「野望」と「矛盾」

そこでまず、習主席が提唱する「一帯一路」構想をおさらいしておきましょう。

この構想、もとはと言えば、習主席が2013年9月に中央アジアを歴訪した際に提示した大規模経済開発構想が発端で、それが2015年になり、国家発展改革委員会が中心となって、「シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの共同建設推進のビジョンと行動」として交付されたものです。

その名からも伺えるように、陸路(一帯)と海路(一路)の両方から、現代版のシルクロードを建設し、その大規模なインフラ投資を通じて、中国や当該経路の地域の経済発展を促進し、完成後には中国とユーロッパとの結びつきを強める効果が期待され、いずれも習近平国家主席が歴史に名を遺す一大イベントと位置付けられます。

陸路(一帯)は中国蘇州から西に向かい、新疆から中央アジア、中東、トルコを経て、ドイツなどヨーロッパにつながります。そして海路(一路)は、中国の福州、広州からシンガポール、インド洋のスリランカ、紅海を経てサウジ、エジプト、そして地中海に入りギリシャ、イタリアのヴェネチアへとつながります。

その大規模な構想を可能にするには資金的、金融的な裏付けが必要となり、それを賄うのがAIIBということになります。

つまり、中国が一国で進めるには資金面でも限界があり、広く欧米やアジア周辺国の資金も導入する必要がありました。実物面での「一帯一路」構想と、資金金融面でのAIIBが、セットで進められることになるわけです。

これがアウトラインですが、そもそも習主席が進める最近の経済改革と、この「一帯一路」構想は相容れない面を持ち、さらに周辺国の資金事情や中国が抱える債務問題の深刻さを考えると、この「一対一路」がスムーズに進むのか、その実現には多くの疑問符がつきます。

ロスチャイルド資本が構想を後押しか

「一帯一路」構想は、発展途上国にとっては有効な経済政策ですが、発展段階の異なる地域での進め方を中国が指導できるのか疑問です。そもそも中国はこれまでの発展途上国型経済モデルから転換し、経済や産業の構造改革を進めようとしていたはずです。それを周辺の「途上地域」のために、自ら構造改革を差し置いて以前の成長モデルに戻るのは理解に苦しみます。

それでもあえてこれを進めようとしている裏には、簡単には進まない鉄鋼、石炭、セメントなどの過剰生産能力の削減問題があり、結果としてこれを積極的に「一帯一路」構想で活用して過剰生産能力問題を拡大均衡の中で吸収しようとしている面があります。また、新たな「人民元経済圏」の構築を目指している、との見方もあります。

西側からは中国版「マーシャル・プラン」ではないか、との批判もあります。戦後米国が欧州経済復興に支援の手を差しのべながら、欧州を取り込んでいった記憶が残っているようです。そして中国国内的には、これを契機に、習国家主席が独裁的指導力を高め、「現代の毛沢東」を目指そうとの意図がうかがえます。

さらに、トランプ大統領の背後で影響力を行使するロスチャイルド資本が、積極的に欧州と中国の橋渡しを進めるべく、この構想を後押ししているように見えます。中国だけのインタレストで動いているのでないとすれば、ますますその全貌を理解することが容易でなくなります。

習近平氏の野望はわからないではありませんが、残念ながらここまで金銭的な裏付けが進んでいません。AIIBへの出資も欧州勢が協力的でないために順調ではないようで、事務局は何とか日米の協力を取り込みたいようです。

だからこそトランプ大統領の「親中派」色を利用して今のうちに協力を取り付けたいとの思惑もあるようですが、簡単ではありません。計画の多くが資金面のネックから立ち往生する懸念があります。

トランプの中国接近の意味

この「一帯一路」構想は、その大きな野望とは裏腹に、具体的な計画、準備が進んでいないので、日本企業が慌てて参画しても計画が頓挫し、持ち出しだけで終わるリスクがあります。

それよりなにより、トランプ政権の「親中」路線がまやかしと思われます。そもそも、「黄禍論」のトランプ氏が、黄色人種の安倍総理や習近平主席を好きだということ自体、眉唾物です。

それはさておき、トランプ陣営の中国に対する基本姿勢は「米中冷戦」であって、決して中国にシンパシーを持ったわけではありません。

一見、親中派に転換したかに見えるのは表向きだけで、これは中国に北朝鮮の核ミサイル開発を抑止させるための「アメ」の面と、今後米国が習主席の下で中国と冷戦を進めることを前提に、まずは習主席に秋の共産党大会で絶対的地位を確保させたいがゆえの「協力」の面があります。

このうち、まず北朝鮮の管理は、裏で米国のネオコンやユダヤ系が入り込んで北朝鮮に影響力を行使している面があるだけに、中国の成果は期待しにくい面があります。

ある意味では北の核ミサイル開発を遅らせる「時間稼ぎ」の面があり、しばらくの間、北からイランに核やミサイルの提供がなされないようにする目的が考えられます。最後は「結果が出ない」ことを理由に、対中強硬論に戻る兆しはすでに見られます。

秋以降、トランプの「中国叩き」再開へ

また秋の中国共産党大会で習国家主席の地位が安泰となれば、トランプ氏の目的は達成されたことになり、そこからは遠慮なく中国叩きに戻り、冷戦体制の構築を進めることになります。ウィルバー・ロス商務長官などは、共産党大会が終わるのを待ちきれずに、早くも「米中包括経済対話」のなかで、中国に無理難題を突き付けています。

7月19日の第1回包括経済対話の冒頭で、ロス商務長官は中国の巨額の対米黒字を批判し、早急に米中関係を公正で公平、かつ相互的なものにするよう求め、中国が米国製品をより多く輸入する形での不均衡是正を進めたいとしました。

会議の中で、米国は中国に対して、鉄鋼などの過剰生産能力を解消しろと迫り、中国からの鉄鋼輸入に高率関税をかけると脅しをかけ、さらに中国金融サービスへの米国企業のアクセス、外国企業に対する中国企業への出資上限の引き上げ、撤廃などを迫ったようですが、中国はこれらに難色を示し、共同記者会見も声明文もまとめられないまま終わりました。

つまり、トランプ政権の「親中派」転換は見かけ上のもので、せいぜい一時的で、少なくとも秋の共産党大会後には、改めて対中国の強硬論が復活すると見られます。

その時には巨大な貿易不均衡を力ずくで是正し、市場開放、金融の自由化、国有銀行への出資、経営介入、南シナ海への進出牽制、韓国への「THAAD」配備など、改めて中国攻勢を強めることになるでしょう。

中国の「壮大な公共事業」に潜むリスク

このようにみると、日本企業が「一帯一路」に加わることにはいくつかのリスクがあります。

確かに日本市場は少子高齢化による先行き縮小懸念が強く、これを打破するために「一帯一路」構想に乗ってみたいという気持ちはわかります。壮大な公共事業とも言えるからです。

しかし、話はそう簡単ではなさそうです。

前述のように、「一帯一路」構想については、中国当局のコントロールがどこまで及ぶのか、計画は進めたものの、途中で事業が頓挫するリスクがあります。とりわけ資金面で行き詰まる懸念があります。途中で行き詰まっても、中国の商業慣行では、資金や資源の回収が簡単にできないケースが少なくありません。

また、米国の対中国姿勢の変化により、中国経済、新興国経済に打撃となる事態も予想せざるを得なくなります。

中国共産党大会が終われば、米国は遠慮なく利上げを進める可能性があり、人民元安が新たな資本流出を招く面があり、他の新興国にも同様の問題が及びます。その場合、欧州資本(ロスチャイルド)からの支援で収拾するのか、予断を許しません。

日本は「トランプの次の一手」を読み切れるか

日本政府の外交姿勢も微妙になります。米国追随の日本政府としてはトランプ政権に倣って中国と対峙する面はあるものの、トランプ政権の米国が、世界から遊離し孤立化する面があります。

その米国に追随していると、日本も一緒になって世界から遊離するリスクがあります。

米国が世界の警察機能を放棄し、暗に世界の多極化を促すのであれば、日本としても米国一辺倒ではなく、ロシアや欧州、中国とも外交網を広げる必要があり、トランプ大統領もこれを拒否しないと見られます。

問題は、日本の外交当局が米国の動きを正しく評価し、米国と距離を置きつつ、弾力的に中国やロシアと外交を展開できるかどうかでしょう。

政府も日本企業も、表向きの米中関係に振り回されず、綺麗事を並べた「一帯一路」の誘惑に負けないよう、冷静な判断が必要です。中国は日本マネーを取り込みたいのですが、安易に乗ると、これが不良債権になって回収不能となるリスクがあります。

中国が政治経済面でスーパー・パワー化することも、日本には大きなリスクです。美しいバラには棘があることをお忘れなく。

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『劉暁波の苦難は自業自得? 反体制派が冷笑を浴びる国』(7/16Newsweek ジェームズ・パーマー(フォーリン・ポリシー誌アジアエディター))、『中国当局、タブー破棄か 気功を「国民的スポーツに」』(7/21大紀元)、『美議員羅拉巴克:法輪功學員將世界從邪惡中拯救=米議員のローラバッカーは法輪功を学ぶものは世界を悪から救うと言った』(7/21大紀元新聞網)について

Newsweekの記事を見て、97年に語学留学した北京外国語大学の先生宅をお邪魔した時のことを思い出しました。ご主人は北京大学物理学の教授でしたが、政治の話は避けようと努力していました。自由に話せない暗い国と言う印象を行った早々持ちました。経済発展していても同じでしょう。「物言えば唇寒し秋の風」になることは明らかで、政府批判をネットで発言しても公安がすぐ調べに来る国です。日本の左翼人士に言いたい、日本から出て行って左翼の国に骨を埋めたらどうですかと。

http://www.thutmosev.com/archives/60683850.html

また中国語の授業で台湾人の先生から聞いた話では、今中国で、ネットで使えない言葉は「維尼熊」(=くまのプーさん)とのこと。習近平を揶揄しているからとの理由ですが、やっていることは北朝鮮と変わらないという事です。

http://www.sankei.com/world/news/170719/wor1707190032-n1.html

まあ、中国人というのはどこまで行っても拝金教が止まずと言う所で、体制に擦り寄り、金さえ儲けられれば良いと言ったところでしょう。でもいつ落馬するのかわからないし、逮捕状なしで拘引される国です。中国人も海外に出て行く機会が増えているのですから、相対化して見れば良いと思うのですが、中華思想が邪魔するのでしょう。また「国内の反体制運動は必ず「外国の勢力」と結び付いている」という表現が出てきますが、これは「和平演変」を指すと思われます。中国人的発想では、「自分は総て正しい、悪いのは他人」ですから。

大紀元の記事では法輪功と習近平が手を結び、江沢民派を追い落とそうとしているように見えます。宗教が政治に近づくと碌なことはありません。況してや習近平は侵略の野心を隠さないタイプです。世界の法輪功信者が中国の侵略の先兵ともなりかねません。キリスト教宣教師が植民地開拓の先兵になったように。要観察です。

大紀元新聞の記事では、大事な点だけを説明します。法輪功のワシントン議会前での集会のスローガンは「中共を解体し、迫害を終わらせ、江沢民を法の裁きに」、「二億7000万の中国民衆を支援し、中共関連組織から救い出そう」というもの、ローラバッカー議員(中国の臓器狩りを止めさせる運動の中心人物、国務長官候補にもなった共和党下院議員)の発言のポイントは次の通り。

「中共の今のような態度や価値観では、我々が彼らに譲歩し、このようにコントロールできない状況が続けば、最終的には戦争と混乱を招くだろう。明らかな点は、中共は共産主義を信奉しているのではなく、事実上の派閥政治をおこなって巨大な土地と人口を持つ国を統治している。この派閥政治が人民を攻撃、弾圧するやり方を続け、外交上も南シナ海のような攻撃的な行為が続くのであれば、我々は戦争に直面するだろう。これは我々にとって想像できる最も愚かな状況の一つである」と。悪の帝国、中共を打倒するように動いてほしいし、法輪功が中共を打倒し民主化できるのならそれも良しです。ただ、モンゴルやウイグル、チベットの独立も認めてほしいのですが。

Newsweek記事

体制に反抗しても太刀打ちできないなら、そういう世の中だと割り切ったほうが気楽なのか ZHANG PENG-LIGHTROCKET/GETTY IMAGES

<ニューズウィーク日本版7月25日号は「劉暁波死去 中国民主化の墓標」特集(2017年7月19日発売予定) 。重病のノーベル平和賞受賞者を死に追いやった共産党。劉暁波の死は中国民主化の終わりか、それとも――。この緊急特集から、中国社会の冷めた民衆心理に関する記事を転載する>

中国の民主活動家で作家の劉暁波(リウ・シアオポー)は、天安門事件の首謀者として投獄されたこともある。09年に懲役11年の判決を受けたときの「罪状」は、政治改革を要求する「08憲章」の中心的な起草者だったこと。彼は5月に末期癌と診断されて先月末に仮出所が認められ、今月13日に国内の病院で死去した。

ただし、中国の市民にとって、劉は英雄というわけではない。大半の中国人は名前を聞いたことがある程度で、全く知らない人もいる。知っている人も、私の経験では嫌悪感を隠さない。劉が危篤状態だと報じられていた頃、ある知人は、「タダで治療してもらえるのだから政府に感謝しろ!」とネットに投稿した。

中国の中流階級は、比較的リベラルな人々さえ、反体制派を軽蔑している。最初の反応は、何かしら非難する理由を見つけることだ。悪いのは被害者であって、彼らを逮捕し、拷問し、牢屋に入れる人々は悪くない。そういう社会なのだから、と。

そんな考え方に最初は衝撃を受けたが、次第に分かってきた。これは生き延びるための自己防衛であり、独裁主義に順応する1つの方法なのだ。

悪いことが起きるのは、本人に相応の理由があるはずだと、私たちは意識的にせよ無意識にせよ考えがちだ。公正な社会では全ての正義は報われ、全ての罪は罰せられるという、いわゆる「公正世界仮説」のためだ。祈りが足りないから癌になった、よく知らない街をうろうろしたからレイプされた、警察官にもっと敬意を表していればそんな扱いを受けなかったのに、といったものだ。

明らかに、そして恐ろしく不公正な世界を前にしたとき、人間は精神的な防衛機能として、世の中は公正だと思い込もうとする。自分がクモの糸で炎の上につり下げられていることに気付かないふりをして、他人の苦しみを正当化する理由を探し、自分は大丈夫だと根拠もなく安心したくなる。

しかも、中国の人々が本能的に見過ごしたくなる相手は、不公正な社会だけではない。不公正な政府という、より差し迫った恐怖がある。

公正世界仮説では、受け入れ難い現実に直面すると、精神的に許容できる物語に変えようとする。不公正をあからさまに否定するのではなく、肩をすくめて犠牲者のせいにする。社会の摂理にあらがっても仕方がない。嵐に向かって傘をさすようなものだ。

ほかの独裁国家と同じように、多くの中国人は、どんなときも権力が自分たちに対してすることに抵抗したくない。政府が市民を鎮圧するなら、犠牲者が悪い。どんな仕打ちを受けるのか分かっていたはずだ。戦おうと思うのが傲慢過ぎる。

「一線を越えるな」という教訓

従って中国政府は、劉のようにあからさまに体制を批判する人々については、話題にすることも比較的容認する。服役中の劉がノーベル平和賞を受賞したときも、政府の報道統制による1週間の沈黙を挟んで、中国メディアは一斉に受賞決定を非難した。

劉のような人物は、格好の教訓になる。一線を越えれば破滅する、それは自分の責任なのだ。一線を越えたらどうなるかは明白だが、問題は、不注意で越えてしまうまで危険なラインが分かりにくいことだ。

私の友人のおじは建設会社を経営していたが、ある入札で、素性も知らず競合した相手が実は、地元の役人とマフィアが関わる会社だった。彼は誘拐されて工事中のビルの屋上に連れて行かれ、両脚を切り落とされ、放置されて出血多量で死亡した。彼の兄は冤罪で逮捕された。

中国では、国家にとって不都合なタイミングで不都合な場所にいたというだけの理由で、市民はとてつもないダメージを被る。そのような行為は、政府にとって最も危険な不正なのだ。

市民が無関心から目覚めることができるとしたら、歯に衣着せぬ活動家ではなく、普通の犠牲者によって突き動かされたときだ。従って、当局とのありふれた衝突が悲劇に発展した事件の多くは、国内で報道が許されるのは一瞬だけ。事件直後に注目を集めた後は、 議論にさえできなくなる。

一方で、政治的糾弾のプロセスは大々的に宣伝される。例えば、中国政府は13年に、盛り上がり始めたオンライン社会を抑圧すると決めた。そして、中国版マイクロブログ新浪微博(シンランウェイボー)の有名ブロガーだった薜必群(シュエ・ビーチュン)が買春容疑で逮捕され、ブログで人々を扇動した「罪」を自白する姿がテレビの生放送でさらされた。

番組を見た後、知的でリベラルな中国人女性の同僚が私に言った。「彼は警告を受けていたはずよ」

気功集団の法輪功が弾圧を受け始めた頃も、最初は多くの市民が同情的だった。しかし、創設者や幹部が国との対立姿勢を強め、99年に大勢の信者が北京の役所を取り囲む事件が起きると、共感は消え去った。

中国には昔から、人間の運命は現在ではなく過去の罪によって決まるという考え方がある。劉はかつて、中国は「300年間の植民地支配」を経て、ようやく香港と同じくらい文明化されるだろうと書いた。アメリカの対テロ戦争に繰り返し支持を表明し、時には欧米の欠点にあえて目をつぶった。

中国の多くの知識人は、このような過去の言動を引き合いに出して彼を非難した。しかし、大胆な発言や純粋な姿勢が、なぜ長年の迫害と懲役を正当化する理由になるのかは、誰も説明しなかった。誰かを批判して、その口実が見つかれば、自分は安らかな気持ちでいられる。

劉や、人権活動家として知られる現代美術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ)のような反体制派について中国の人々は、欧米での注目やカネを目当てに、欧米に擦り寄っていると捉えることが多い。

共産党機関紙の人民日報系のタブロイド紙である環球時報は、民主化運動は「賭けに負けた」と書いた。このような風潮は、国内の反体制運動は必ず「外国の勢力」と結び付いているという、政府の徹底したプロパガンダの成果でもある。

一方で、反体制派に対するこのような感情は、中国社会の皮肉な世界観で全てを片付けるすべでもある。社会制度に盾突く人は欧米のカネが目当てだと思っていれば、自分の日々の妥協と堕落を正当化できる。

80 年代に青年時代を過ごし、一度は理想主義を掲げた人々は、特にその傾向が強い。自分たちは妥協したのに、いつまでも頑固な奴らはどうしてできないのか。今は誰もが、少なくとも教育を受けて都会で専門職に就いている自分たちは、うまくやっているのに、というわけだ。

いつの日か劉が、より公正で、より良い、より優しい中国を目指した多くの殉教者の1人として、人々の記憶に刻まれてほしい。だが、それはかなり先の話だろう。今は多くの中国人が、彼の運命に肩をすくめている。あんなことをすればどうなるかなんて、分かっていたじゃないか、と。

大紀元記事

気功愛好者(LILLIAN SUWANRUMPHA/AFP/Getty Images)

中国最大のスポーツの祭典「全国運動会」(日本の国体に相当)に、「健身気功」が初めて競技種目に追加され、気功がふたたび国民的な習慣として定着する風向きがある。気功については、1999年に江沢民政権が「法輪功」を弾圧して以降、禁忌の話題として中国社会のなかで避けられてきた。この伝統的な鍛錬法に再びスポットがあたったのは、国策が転換する兆候ではないかの見方がある。

10日付き中国メディア・新浪網などによると、第13回全国運動会の一般部門コンテストは7月9日、天津濱海新区の大港スポーツセンターで開催され、健身気功を初めて新たな競技種目として追加した。

中国国家体育総局の健身気功管理センターのトップ・常健平主任は新浪網メディアの取材に対し、気功の「神秘性」については否定するものの、全国運動会の競技に追加されたことは「画期的意義を持つ」と強調し、「2020年までに愛好者数を1000万人に増やしたい」と述べた。

米政府系「ラジオフリーアジア(RFA)」は13日、気功が新種目として追加された中国当局の動きの背景には、法輪功への弾圧政策の終結を裏付けるものとの分析を示した。

中国政府系シンクタンクでも気功修煉の講座

今回、全国運動会の競技種目として追加される前から、これまでのタブーを破って、気功に注目が集まった出来事がある。今年6月10日、中国政府系シンクタンクの中国科学院の朱清時・院士が北京医薬大学で、気功修煉に関する講座を開いたことだ。

朱氏は『身体を通じて真気と気脈を観察する』と題した講座のなかで「漢方医学の経絡を含む真気が仏学と同じ、中国伝統文化の真髄である。疑似科学ではない」と論じた。

中国官制メディアも、中国科学院のこの講座について肯定的に報道している。中国青年網は「修煉は太古の『黄帝内経』から三教(儒教・仏教・道教)まで、五千年の中華文明を貫いている」と報じ、「修煉文化」について言及した。

習政権 腐敗と汚職を一掃 伝統文化の尊重目指す

習近平政権は発足から、積極的に反腐敗を推進させ、汚職蔓延の「元凶」とされる江沢民派の影響力を払拭し続けている。同時に習政権は「伝統文化の尊重」を政策に取り組んできた。実際に、政府系シンクタンクが、以前は忌避されてきた「真気」や「修煉」といったテーマを取り上げて1カ月後、気功を国民的なスポーツ大会の一競技に取り入れた。

中国民主活動家・元山東大学教授の劉因全氏は、気功の良さを広めることは、弾圧政策により国営メディアから汚名を着せられた「法輪功」の名誉挽回のための事前準備と見ている。「最高指導部では民主化の道を歩む『開明派』が優勢となり、法輪功弾圧を肯定した江沢民派の勢力は失われつつある」と述べた。

1980年代から90年代にかけて、中国全土で気功ブームが巻き起こった。そのなかでも、1992年に伝えだされた法輪功は、身体の健康と道徳の向上に顕著な効果がみられたとして、中国政府も推奨していた。政府は法輪功に「学際科学進歩賞」など6つの賞を授与している。体育当局の統計では、弾圧前の1999年まで 1億もの人々が愛好していたという。

(翻訳編集・王君宜)

大紀元新聞網記事

來自加州的資深國會議員達納‧羅拉巴克(Dana Rohrabacher)在720法輪功反迫害集會上發言。(大紀元)

2017年7月20日,美國東部部分法輪功學員在美國首都國會山前,舉行大型集會,要求“解體中共、結束迫害、法辦江澤民”,同時“聲援二億七千萬中國民眾退出中共和相關組織”。多位美國國會議員和非政府組織代表到場發言聲援。

來自加州的資深國會議員達納‧羅拉巴克(Dana Rohrabacher)在集會上發言,他表示法輪功學員將全世界善良正義的民眾聯繫在一起,努力將世界從邪惡力量中拯救出來,法輪功學員所信仰的美好理念也會使世界變得美好。

以下是他的發言全文:

“你們是非常重要的,你們中的每一個人,今天來到這裡,都是一個重要歷史使命的一部分。這使命不僅是關於廣傳法輪功學員信仰的真、善、忍理念,你們的使命也是幫助世界人民維繫和平。

事實上,中共現在這種態度與價值觀,如果我們讓他們如此持續下去並失控的話,最終我們會面臨戰爭和混亂。現在非常清晰的一點就是,中共也並不信奉共產主義,他們實際上是一種幫派性質,控制着如此巨大的一片土地和全世界人口最多的國家。這種幫派政府,如果繼續以這種方式治國,繼續以這樣攻擊打壓人民的方式持續下去,同時在外交方面,也表現出我們在南海看到的攻擊性行為,我們就有可能面臨戰亂。這是我們能想像的最糟糕的情況之一。人們會互相殺戮,不相識的人們會互相殺戮。

感謝上帝,我們有像法輪功群體這樣的人在發聲。在美國,我們理解和尊重人民的權利,並在全世界試圖追尋和平,這是高尚的努力。

今天,我感謝你們所有人與美國善良的人們同在,共同進行這高尚的努力,將世界從邪惡力量中拯救出來。感謝你們的努力,你們讓我們意識到,全世界善良的人們都是一個整體。

現在美國的商界,為了快速獲取利益,為了在他們已有的大量財富上掙取更多錢財,願意跟中國做生意——和鎮壓自己人民並威脅全世界的中共合作。

但我們這裡也有善良的好人結成的同盟,在中國也有正義人士結成的陣營。法輪功學員將我們聯繫在了一起,願上帝因此保佑你們。

美國善良的人與你們站在一起,我們會為人類贏得這場戰爭,而法輪功學員和全球每一位善良、正直的民眾都相信的那些美好的理念,也會幫我們讓這個世界變得美好。

非常感謝你們今天允許我表達對你們的支持。”#

【大紀元2017年07月21日訊】(大紀元美國華盛頓DC記者站報導)

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