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『中国・党代表名簿、「毛沢東の孫」落選の意味 英雄の子孫「紅二代」を警戒する習主席、軍権掌握へ大量排除』(9/20日経ビジネスオンライン)について

9/20中国観察<昨港媒放風王岐山退休 習中央今天就閃電回應了!?——還再點鐵帽子王>

これによると香港メデイアは①王岐山は19大後、退職②政治局常務委員7人の内5人は退職。5人の空席を7人で争う。名前は8月に日本のメデイアが流したものと違う③胡錦濤は政治拡大会議の中で江沢民の提唱した「三が代表」と胡錦濤が提唱した「科学発展観」を19大で削除、党章を変えるように提案した、最近の情報では④19大後、習は曽慶紅・周永康に握られて来た国家安全情報部門の入れ替えを中央規律委員会に行わせる⑤「習思想」が党章に盛り込まれるかは「江派追い出し」が成功するかにかかっている。⑥19大後、王岐山が残るにしても去るにしても、中央規律委員会書記にはならない。香港メデイアは栗戦書だろうと見ている。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/09/19/372216.htm%E3%80%90%E7%BF%BB%E7%89%86%E5%B0%8E%E8%AE%80%E3%80%91-%E6%98%A8%E6%B8%AF%E5%AA%92%E6%94%BE%E9%A2%A8%E7%8E%8B%E5%B2%90%E5%B1%B1%E9%80%80%E4%BC%91-%E7%BF%92%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E4%BB%8A.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

9/22日経<王岐山氏が退任の意向 中国の反腐敗指揮、習氏は慰留 

【北京=永井央紀、高橋哲史】中国の習近平国家主席の腹心で反腐敗運動を指揮してきた王岐山・中央規律検査委員会書記が、10月の共産党大会で退任したい意向を周囲に伝えていることが分かった。複数の党関係者が明らかにした。習氏は慰留しているもようだが、党内には留任に慎重な意見も多い。1カ月後に迫った党大会で選出する新たな指導部の人事が大詰めに入った。

中国共産党は5年に1度の党大会で指導部人事を入れ替える。69歳の王氏は党大会時点で68歳以上が退任するという定年ルールに従えば今回の党大会で引退する。習氏はこのルールは明文規定ではないとして王氏の留任を検討しているが、関係筋は「王氏自身は体調の問題があり、これまでの反腐敗運動の成果を花道にしたい考えのようだ」と語る。

王氏は習氏と半世紀近い付き合いとされ、習指導部が発足した2012年に党トップ7の政治局常務委員となった。当時、党内に強い影響力を持っていた江沢民・元国家主席に近い周永康・元政治局常務委員ら幹部の汚職を次々と摘発。汚れ役を一手に引き受け、政敵を排除し、習氏が短期間に権力基盤を固めるのを支えた。習氏が王氏にこだわるのはその手腕への期待からだ。留任で定年ルールが覆れば習氏自身の3期目も視野に入る。

王氏を巡っては米国に逃亡した中国の富豪、郭文貴氏が春先から王氏の妻ら親族と複合企業の海航集団との「癒着」を批判している。王氏の去就に影響するとの見方が出る中、王氏夫妻は今月7日、妻の父親である姚依林・元副首相の生誕100年記念座談会に出席。李克強首相ら4人の政治局常務委員も参加したことで、「習指導部は郭氏の主張する問題は党内情勢に影響しないとの立場を示した」(関係者)。

習氏はこうした状況を踏まえて慰留を図っているが、汚職を厳しく摘発してきた王氏の留任には反発も強く、党内調整は簡単ではないという。

ただ、仮に王氏が退任しても、習氏の政権基盤が大きく揺らぐことはないとの見方が多い。

党政治局は18日の会議で党大会で党規約を改正し、習氏が1期目の5年間に掲げてきた政治思想・理念を追加する方針を確認した。既に党内で別格の指導者であることを指す「核心」の称号を得ている習氏の権威が一層強化されるのは確実だ。

習氏は党大会での人事刷新によって胡錦濤・前国家主席や2代前の江氏に近い幹部を指導部から外し、自らに近い人材で過半数を固めて党運営の主導権を握る構え。反発の強い王氏の留任をあきらめる代わりに、側近の栗戦書・中央弁公庁主任や、重慶市トップの陳敏爾氏を最高指導部に引き上げられれば大勢には影響しない可能性が高い。

一方で、王氏が退任すれば、「習氏が人事を押し切れなかった」との認識が党内に広がるとの指摘もある。栗氏や陳氏は王氏に比べれば中央での経験や実績が乏しく、王氏の代わりが務まるかは不透明だ。習氏が期待するほどには求心力を高められない可能性がある。

こうした事態を避けるため、習氏は王氏の留任を探るとみられる。王氏はもともと中国人民銀行(中央銀行)の副総裁などを歴任した経済の専門家。08年秋の金融危機の際は金融担当の副首相として中国経済をV字回復に導いた。「習氏は2期目の課題を経済とみて、王氏を経済担当で使おうとしている」との見方も残る。>(以上)

王岐山が経済担当になっても中国のGDP神話は崩せないでしょう。それは取りも直さず、人民元を増刷して(普通はインフレになる所ですが、ならないとすれば政府が価格統制しているから?)、バブルの額を膨らますことしかできないでしょう。解決方法は戦争して勝利するか、中国の国土を売るくらい(それだけの価値があるかどうかですが)しかないのでは。

9/20中国観察<曾慶紅大秘玩“捧殺”被批?港媒:中南海禁十九大宣傳“搶跑”>では江派の大番頭で習を総書記に推した曽慶紅の秘書の施芝鴻が規律違反で批判されたと。7/26習の講話は記録も許されない講話であるにも拘らず、施は8/7「北京日報」に7/26の講話の精神である「4つの偉大」を発表、而も褒め殺しをして習への反感を煽ったもの。これは中央宣伝部がフライング禁止令を出した原因である。習は曽慶紅や劉雲山等の江派が中央宣伝部を利用し、褒め殺しの手に打って出るのを防ぐようにした。中央規律委員会は江派の家族を含めた腐敗問題を曽慶紅も含め、晒すつもりである。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/09/20/372290.htm%E6%9B%BE%E6%85%B6%E7%B4%85%E5%A4%A7%E7%A7%98%E7%8E%A9%E6%8D%A7%E6%AE%BA%E8%A2%AB%E6%89%B9%EF%BC%9F%E6%B8%AF%E5%AA%92%EF%BC%9A%E4%B8%AD%E5%8D%97%E6%B5%B7%E7%A6%81%E5%8D%81%E4%B9%9D.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

次はNHKニュースで安倍首相とトランプ大統領の国連演説を遠くから写したもの。まあ、撮り方だから仕方がないのでしょうけど、安倍首相の演説時には聴衆が少ないというのを見せるNHKの悪意を感じました。

次は国連主催の昼食会で、トランプ大統領は隣が安倍首相でなければ出席しないと要求したとのネット情報です。

世論調査の内閣支持率の推移です。盛り返したとはいえ内閣支持率+自民党支持率の青木率は100から遠いと思います。(1月は105%)それでもここで解散しなければならない理由があり、それは正しく北朝鮮問題です。12月以降の米軍の北朝鮮の攻撃に備えてでしょう。NEO(non-combatant evacuation operation)はやるとばれるのでやらずに全面攻撃すると思います。

福島氏の記事にありますように、習は「紅二代」(共産革命二世代目)を恐れているのは間違いないでしょう。9/20本ブログで何清漣の論考を紹介しました。「紅二代」はその血筋から、富を掠奪してきたものが多いという話でした。富=金で裏切り者がそれを利用して反旗を翻すことをなくそうとの思いでしょう。薄熙来や周永康のように習の暗殺を考えないとも限りません。

習の狙いは共産党一党独裁ではなく、共産党一人独裁でしょう。党のトップに歯向かうものは粛清する、北の金三胖とやっていることは一緒です。好戦的で国際ルールを守らない所も一緒です。北の制裁にかこつけて、米国は中国の銀行も金融制裁した方が良いでしょう。真の敵は中国ですから。

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第19回党大会に出席する党代表の名簿に毛沢東の孫・毛新宇の名前はなかった(写真:AP/アフロ)

10月18日から開かれる第19回党大会に出席する党代表名簿が出そろった。特に話題になったのは解放軍・武装警察選出の303人の代表名簿だ。前海軍司令の呉勝利が失脚と一時報道されたが、その呉勝利は名簿に名前が残っていた。前空軍司令の馬暁天も動静不明ではあるが、名簿に名前が残っており、どうやらこの二人の政治生命はつながっているもようだ。その一方で、聯合総参謀部総参謀長の房峰輝、政治工作部主任の張陽という胡錦涛の信任が高い二人の現役上将の名前がなかった。また、毛沢東の孫の毛新宇はじめ、解放軍内の紅二代・太子党がごっそりと落選していた。党大会前、軍内では、激しい人事更迭の嵐が吹き荒れており、毛沢東ファミリーですら、習近平の軍内粛清から逃げることができないようだ。

失脚説から一転否定が示す、大混乱

産経新聞、共同通信などが前海軍司令の呉勝利が党の規律違反で取調べを受けているとして、失脚説を報じたが、その後の9月6日に発表された党代表名簿には呉勝利と馬暁天の名前が残っており、この二人の”無事“が確認された。その後、9月8日に天津で行われた中国全国運動会の閉会式に呉勝利が登場し、自らの健在をアピールした。呉勝利は72歳で、すでに海軍司令職を引退、党中央軍事委員会に名前は連ねているが、次の党大会で円満引退する可能性はある。だが、どうやら政治生命が完全につぶされる事態は避けられたもようだ。ただ、過去二度ほど汚職の噂が出て取調べを受けたというのは本当らしく、今後も絶対安全というふうにも言いきれない。

空軍司令を解任されたばかりの馬暁天の名前も残っていた。岳父含めて三代にわたる軍人家系のサラブレッド、馬暁天が更迭された、という報道も産経新聞によるものだ。すでに68歳だから空軍司令引退は更迭というより円満退職とも言えるのだが、その動静が一時不明であったことで憶測を呼んだ。習近平から特に信任が厚いといわれた馬暁天と呉勝利が失脚したという説がいったん流布して、その後にそれが否定されるということは、それは軍内権力闘争が相当混乱しているということだろう。

呉勝利・馬暁天の習近平派二人の上将が“生き残った”こと自体よりも、軍・武装警察選出の名簿で話題になったのは、毛沢東の孫、毛新宇の名前がなかったことだ。

習近平が鄧小平よりも毛沢東を尊敬し、その演説やしぐさ、ファッションにいたるまで毛沢東を意識していることは周知のことだが、毛沢東の孫に対しては冷ややかな扱いであったということか。

毛沢東は大好きだが…

毛新宇は毛沢東の二男、毛岸青と女性カメラマン邵華の一人息子。一応、中国人民大学歴史系卒業で、修士号、博士号をもつが、インタビューなどの受け答えをみると、実際のところは知的に相当問題があるらしい。毛沢東の孫というだけで、最年少で少将に出世したといわれ、“祖父の七光り”極まれりという印象だが、インターネット・ユーザーの間では、ユーモラスで笑いを提供する存在として結構人気もあった。

だが習近平は、おそらく相当、彼を嫌っていたと思われる。たとえば軍のパーティで習近平が参加の将校たちと次々ワイングラスをあてて乾杯しているとき、目の前にいる毛新宇だけをすっと無視して立ち去るといった様子が動画でネットにあがっている。

もともと実力でのし上がったのではなく、毛沢東の名前だけで党代表になっていた毛新宇が党代表に落選した理由があるとしたら、習近平が嫌った、という理由しか思えない。しかし習近平は、毛沢東が大好きで、毛沢東の「実践論」「矛盾論」の勉強会を各省の党委員会で行うように指示するほどだ。

毛沢東が大好きな習近平はなぜ毛新宇が大嫌いなのか。考えられるのは尊敬する毛沢東の子孫が、毛新宇のような、メディア取材を受けながら鼻をほじるような人間であること自体に不快を感じている、という可能性。毛新宇はその立場上、いつも、公式の場にでれば、取材記者たちに囲まれるが、祖父・毛沢東の自慢話をよくする。我こそは毛沢東の唯一の後継者、といわんばかりの態度である。しかし、習近平は自分が我こそは毛沢東思想を受け継ぐ、毛沢東の後継者にならんとしているので、この見た目も中味も毛沢東の後継者にふさわしくない毛新宇が毛沢東の孫であることを鼻にかけるのが許せないのかもしれない。

もう一つは、毛新宇自身が、習近平の指導イデオロギーを「習近平思想」と呼ぶことに対して、反感をもっていることが習近平に伝わった可能性だ。毛新宇は軍事学院の研究職が本職であり、その研究テーマは「毛沢東思想」。彼の研究業績がどれほどのものかはさておき、農村革命から建国に至るまでの実践で裏付けられた毛沢東思想と、わずか5年、党と国家を指導しただけの習近平の指導イデオロギーが、同じ「思想」で並び称されるとしたら、おそらくはほとんどの「毛沢東思想」研究家は抵抗を感じるだろう。この毛沢東信奉者のトップ2であろう二人が、本音のところでは仲が悪いのは十分想像はできる。

だが、これが単に個人の好悪の結果だけでないと考えるならば、この党代表名簿から毛沢東の孫が落選したことが示す“サイン”は結構不穏だ。

実は、毛沢東だけでなく、今回、党代表名簿から落選した中には、紅二代、つまり革命戦争に参加した英雄の子孫たちがかなり含まれているのだ。

「怖い紅二代」を軒並み排除

具体的には、胡耀邦(元総書記)の女婿の劉暁江(退役上将)、張震(開国中将)の息子の張海陽(退役上将)、劉少奇(元国家主席)の息子の劉源(退役上将)、李先念(元国家主席)の女婿の劉亜洲(空軍上将)、建軍の父・朱徳の孫の朱和平(空軍指揮学院副院長)ら、軒並みビッグネームの紅二代たちが落選しているのだ。

代表名簿に名が残っている紅二代・太子党の高級将校は、王寧(武装警察部隊司令員、岳父が建国に功労のあった南京軍区指令員・杜平)、武装警察部隊参謀長の秦天(元国防部長・秦基偉の二男)、習近平ファミリーと深い関係の装備発展部長の張又侠(建国上将・張宗遜の息子)、それに失脚の噂もあった馬暁天。この四人はいずれも、習近平のお気に入りで知られる。

軍部の党代表からここまで徹底して紅二代・太子党を排除したのは、おそらく習近平の意思である。それはなぜなのか。

これはもう推測でしかないのだが、しかしながら私だけの推測ではない。結構多くの人がそう考えている。つまり、習近平は紅二代・太子党を恐れているのだ。

習近平自身が紅二代・太子党であり、習仲勲の息子として、かなりの高下駄を履かせてもらって出世してきた。

官僚としてのスタートラインは河北省正定県だが、このとき、習近平は当時の河北省の書記であった高揚から「親の七光り」をずいぶんいじられたことがある。正定県の書記になって間もなくのころ、習仲勲が、けっこう親ばかで、心配してわざわざ高揚に「息子のことをよろしく」と電話をしたそうだ。だが、高揚は親の七光りに甘んじる習近平の態度が気にくわないので、会議の場で、「習仲勲から電話を受けたが、たとえ政治局員(習仲勲)からの直々の頼みでも、えこひいきはしない」と発言して、習近平はえらく恥ずかしい思いをしたことがある。

このエピソードは、紅二代・太子党がいかに最初から特別扱いされているか、ということの証左でもある。高揚は特別潔癖で公正な人物であったから、習近平をえこひいきしなかったが、普通なら紅二代・太子党は特別扱いされて、取り巻きに恵まれるのである。そして、習近平自身、総書記になれたのは、八大元老の中でも最も尊敬された一人、習仲勲の息子であったという理由以外にない。

つまり、紅二代・太子党は、それだけで人脈があり、その人脈は軍内はもちろん、党中央から国有企業、民営企業など経済界にまで広がる。このことが、実は習近平には脅威に感じられたのではないだろうか。紅二代・太子党の軍人が、もし習近平のやり方に不満をもったならば、彼らの周りには、すぐ同調して力を貸す党内および経済界の人脈が集まるのだ。実力不足とささやかれた習近平が、太子党であるが故に総書記にまで出世できた。では、習近平よりも人望も実力もあり、兵力を動かせるような紅二代・太子党子弟が、習近平を批判しだしたらどうなるだろう。

「独裁の野望」阻む力を削ぐ

しかも、習近平の反腐敗キャンペーンは、紅二代・太子党にまで向かい始めている。たとえば鄧小平ファミリーが後ろ盾にいる安邦保険集団のCEO・呉小暉を失脚させた。このことは紅二代・太子党たちの不安と不満を誘ったことだろう。紅二代・太子党は、生まれながらの“貴族”として様々な利権にあずかるのが普通だったから、もちろん汚職・党規律違反など探せばいくらでもでてくる。紅二代・太子党同士には、家族同様の絆があるのだが、それも親の代に築かれたもので、習近平がその絆をきっちり受け継いでいるかというとそうでもないらしい。

たとえば胡耀邦と習仲勲はイデオロギー的にも似通っており、母親同士が親友であったため、習近平も胡耀邦ファミリーとはもともと家族ぐるみの付き合いがあった。だが、習近平が総書記になってからしばらくして、双方ファミリーは距離を置きはじめている。胡耀邦の妻・李昭が3月11日に死去してからは、習近平と胡耀邦ファミリーをつなぐものはもう、なくなった、という人もいる。

紅二代・太子党は、習近平がのぞむ独裁の野望を阻めるだけの政治実力、影響力をもっている。それを恐れた。だから軍という、兵力を動かせる部分から紅二代・太子党の排除を開始したのではないだろうか。

軍権掌握か、フルシチョフの轍か

実は房峰輝失脚の背景にも、きな臭い噂がある。今年6月中旬から2か月余り、中印国境で両軍がにらみ合って一側触発にまで高まった中印国境危機において中印両軍が「撤退協定」を結ぼうとしたとき房峰輝が反対した、という噂であり、それが原因で失脚させられたという話である。

裏の取りようもない話なのだが、もしも、この噂に多少の真実が含まれているとしたら、房輝峰が中印紛争再発の危機を党大会前にあえて招き、習近平政権の安定を崩そうとした、という可能性があるわけだ。確かに9月3日にBRICS首脳会議が予想されているのに、中印国境が緊張してインド首相が会議を欠席するような事態になれば、習近平のメンツは丸つぶれだ。軍人は、たとえ習近平に真向から刃向かわなくとも、こんな風に習近平政権の安定を揺るがすことはできる。

強軍化路線を進めている習近平にとって、軍のコントロールを失うことは、失脚の直接的な原因となる。フルシチョフも軍制改革によって軍権の掌握と強軍化を目指したはずが、逆に軍のコントロールを失い軍事的メンツを失って失脚に至った。

この軍・武装警察選出の党代表名簿から、習近平が今の段階では軍権掌握に自信をもっておらず、強い恐れを感じていることが、読み取れないだろうか。

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『元海将が大胆予測、米朝チキンゲームの先にある「二つのシナリオ」』(9/20ダイヤモンドオンライン)、『トランプ政権はレッドラインを決めた グアムを狙えば米国は自衛権行使で報復攻撃

マスメデイアは今回の衆院解散について「解散の大義がない」と喧しいですが、杉浦氏の言うように勝てるときに選挙をするのは常道でしょう。負けると分かっていて勝負をするのは馬鹿なだけ。任期までの追い込まれ解散であれば負けると分かっていてもやらざるを得ません。憲法45条で衆院議員の任期が定められていますし、首相の解散権も憲法7条で定められています。「権利の上に眠る者は保護に値せず」の格言もあります。況してや護憲をずっと主張してきている左翼メデイアは二重基準の謗りを免れません。どうしても解散をストップさせたいのであれば、田崎氏の言う「憲法改正」してから文句を言えばと思っています。

9/20杉浦正章氏ブログ<解散の「大義は後から貨車で来る」>

http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「エコドライブ日記」ブログより<9/18TV「ひるおび」の中で、八代英輝氏「憲法には解散に大義を要するとは一言も書いてない。郵政解散はワンイシューで国民生活の全てを決める乱暴なやり方。総選挙は国民投票とは違う。これまでを評価しこれからを託す議員を選ぶもの」、伊藤惇夫氏「北朝鮮情勢緊迫中、政治的空白(選挙期間)があっても良いのか?」、八代英輝氏「(今回の選挙は)今までの緊張状態についての対応の評価の場でもある」、伊藤「総理に自由に解散権を持たせても良いのか?」、田崎史郎氏「じゃあ、憲法改正しますか」、伊藤「そうね」>

9/19「ぼやきくっくり」ブログ<9/18放送 DHCシアター「真相深入り!虎ノ門ニュース」>で青山繁晴氏が解散の件や首相のインド訪問について解説しています。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2104.html#sequel

伊藤俊幸氏と高濱氏の記事で、伊藤氏は米国の外交努力に力点を置いて見ていますが、高濱氏の方は軍事力行使もありうるとの見立てです。外交と軍事力行使は国益を賭けた戦いの車の両輪です。もう既に戦争は始まっていて、ただ軍事力行使がまだと言うだけです。国際社会が経済制裁を北朝鮮に課し、北朝鮮の外交官の追放(メキシコ、クウェート、ペルー、スペイン)や北朝鮮からの大使召還(イギリス)まで進んできました。これらが奏功し、北の核開発やミサイル開発が一時的に止まることがあれば、米国も攻撃を様子見するでしょう。ただ金正恩は国民を餓死させても核・ミサイル開発に突き進むのでは。米朝戦争は不可避でしょう。同盟国を守るにはトランプの言う“totally destroy North Korea”しかありません。小生はB61-11や「あらゆる爆弾の母」を使用するのではと思っています。マテイス長官も「ソウルを危険に晒さぬ軍事手段「ある」」と言っていますし。これしか方法はないのでは。ただ今回、<核兵器禁止条約 国連で署名式 50の国と地域が署名>しました。これがB61-11の使用に影響を与えるかどうかです。地下核施設の破壊に使われたとしても。核兵器禁止条約は左翼に利用されるのであれば、国家の安全は担保できなくなると思っています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170921/k10011150101000.html

ダイヤモンドオンライン記事

核・ミサイル開発を続ける北朝鮮と、「予防攻撃」を示唆して抑え込もうとする米国との「チキンゲーム」はエスカレートするばかりだ。その行方はどこなのか──。

北朝鮮の核開発や「9・11」後のテロ対策などを、在米防衛駐在官や情報部長時代などに経験し、朝鮮半島情勢や安全保障政策を熟知する元海将の伊藤俊幸・金沢工業大学院教授は「二つのシナリオが考えられ、どちらも日本には難しいことになる」と話す。日本を覆う朝鮮半島リスクとは何なのかを聞いた。(聞き手 ダイヤモンド・オンライン特任編集委員 西井泰之)

>>前編『元海将が指摘「北のミサイルは狙った所に飛ばない可能性がある」』はこちら

「核保有」と「核放棄」 米朝で前提が違う

──金正恩・北朝鮮労働党委員長と、トランプ米大統領の威嚇合戦が止まりません。

 実は、北朝鮮も米国も、お互い対話がしたいのです。北朝鮮が懸命に核を開発しているのは、米国と平和条約交渉をし、米国の「不可侵」を約束させたいからです。

 というのも、朝鮮戦争はまだ終わっておらず、平和条約を締結していないから心配で仕方がないのです。先代の金正日氏もそうでした。米国を、平和条約の交渉のテーブルに着かせるには、米国に届く核兵器を持つことだと。軍事介入を許して体制が崩壊したリビアのカダフィやイラクのフセインにならないように、米国と対等に交渉できるというのが、北朝鮮の根っこにある考え方です。それを受け入れるかは別にして、北がそう思っていることをベースとして理解する必要があります。

しかも金正恩政権になって、「核保有国になる」という国家方針が一段と明確にされました。

 昨年、36年ぶりに開かれた労働党大会で金正恩委員長は、核開発と経済発展を追う「並進路線」をぶち上げました。「並進」というのは、核を持つことで米国と軍事的に対等の立場に立てるので、その分、通常兵器にかける予算を普通の経済活動に向けられるという意味です。つまり、核と経済発展は国家建設の“両輪”なのです。

 だから北朝鮮としては、まずは核保有国になることが最優先で、この国家方針は簡単には変えられない。それに対し米国は、北朝鮮が核を放棄したら交渉に応じるという姿勢です。

 双方が対話を求めていても、前提が「核保有」と「核放棄」で全く違うのですから交わりようがありません。底流には、こうしたせめぎあいがあって、ここにきて両方の綱引きが先鋭化している状況です。

 ミサイルが発射されたり、空母が出動したりすると、それイコール戦争と捉えられるのですが、いま米朝が展開しているのは、交渉のテーブルに載せるための「外交手段」として、軍事力行使を選択肢として見せている。  つまり、「条件闘争のための軍事外交」という表現ができるかもしれません。

6回目の核実験で 吹き飛んだ対話ムード

──しかしそれが行き詰まっているわけですね。

 北朝鮮が挑発的行為を一時中断したら、話し合いに乗ってもいいという「中間案」を、韓国の文在寅大統領が唱えたこともありました。北がミサイル実験をいったん中断したら話し合いを始め、そこから核放棄を実現しようという思惑でした。

 この提案は、今年6月の米韓首脳会談でトランプ大統領からダメ出しをされるのですが、その後、マティス国防長官やティラーソン国務長官が、これに近いことを言い出します。米国が、北朝鮮との話し合いのハードルを、「核放棄」から「挑発行為の中断」に下げたというので、一時、対話ムードが強まりました。

 この「モラトリアム(一時中断)」の提案は、中国もロシアも乗れるわけです。

 ところがその後、北朝鮮が6回目の核実験をやってしまったので、対話ムードは吹き飛んでしまった。トランプ大統領は、それ見たことかと、圧力をかけて北を抑え込む方針に戻ってしまいました。

 国連も、石油輸出制限などの制裁強化を決議しましたが、北朝鮮の武力挑発をやめさせるのは難しいでしょう。

米国は北の「核保有国」化を 前提に動き出している

──今後の展開をどう予想しますか。

 一つは、「チキンゲームが続いて、何も解決しないまま緊張が続き、下手をすれば戦争に発展する」というシナリオです。

 もう一つは、「米国が北朝鮮を『核保有国』と認め、それを前提に、北の核攻撃を封じる核抑止体制を作る」というシナリオです。どうも米国は、裏で後者の方向で動いている気がします。

 というのは、インドやパキスタンも6回核実験をして、結局は核保有国として認められました。北朝鮮も同じ回数の核実験をやっていますので、理由はともかくとして認めざるを得ないと、米国は考え始めていると思います。

 米韓両国は、2013年に北が3回目の核実験をした際、短距離ミサイルの「スカッド」に積めるぐらいの大きさの核弾頭が作れるようになったと、認識しています。

 だから、韓国国内への「THAAD」(超高高度迎撃ミサイル)の配備や「5015」という新しい作戦が策定されたのです。

 それまでの作戦計画は、北の先制攻撃を受けて、韓国側がいったんは押し込まれるものの、そこを耐えて押し返すという「通常兵器」による戦争シナリオでした。

 しかし、北が核兵器を持ったことで前提条件が変わった。押し返すまでの間に、核戦争で壊滅的な被害にあってしまう。そこで、相手が戦争を始める兆候を見つけたら、先にミサイルや核施設をたたく先制攻撃を基本とした計画に変更されたのです。

「斬首作戦」も、戦争を指揮する金正恩氏への通信系を遮断し、孤立させた後に捕捉、あるいは殺害するという、新しい作戦の附随作戦としてあるわけです。

 米国が新しい作戦計画に切り替えたのは2015年、オバマ政権と朴大統領の時ですが、正恩氏にとってはかなりのプレッシャーになっています。だから米韓合同演習が行われるたびに、ミサイルを発射するなど、過敏に反応するわけです。

「核シェアリング」による核抑止 NATOでの成果を朝鮮半島に

──しかし、米国が北朝鮮の「核保有国」化を認めるとなれば、影響が大きいのではないですか。

 韓国国内では、「北の核保有を認めるなら、自前で核を持つべき」という議論が強まることになるでしょう。今は米国の「核の傘」の下にあって、韓国が核ミサイル攻撃を受けることになれば、米国が核兵器を使って応じる。そうなると、攻撃したら自分も致命的な打撃を受けるので、北も核を使えない。韓国にしてみれば、「自国優先を掲げるトランプ大統領が、本当に核ミサイルを撃って守ってくれるのか」という思いがあるわけです。

 それなら、自分たちで核を持てば、南北間で「相互確証破壊」ができるわけですから、北の核を、「使えない核」にすることができるという考えです。しかし、NPT条約もあり、米国が許さないでしょう。代わりに米国が提案すると思われるのが「核シェアリング」です。

──「核シェアリング」とは何ですか。

 これは、米国の開発した核爆弾を韓国国内に置いて、管理は米国が行うものの、使う際には韓国の空軍機に載せて使わせるという手法です。これは、旧ソ連を封じ込めるためにNATOで行われた方法です。

 米国は、欧州に中距離核(INF)を配備して、欧州とモスクワで相互確証破壊が成り立つようにしました。それまでは、遠く離れたワシントンとモスクワとの間で相互確証破壊が確立していたわけですが、モスクワにとってはすぐそばの欧州との間で、相互確証破壊の状況になってしまった。しかもこれに対応するための軍拡自体が非常に重荷になっていました。それで当時のゴルバチョフ大統領は、INF撤廃条約締結に動き、最後は旧ソ連自体が崩壊することになりました。これと同じことを米国は朝鮮半島で行う可能性があるのだと思います。

「非核3原則」見直しで 国論が二分される事態に

──日本への影響はどうですか。

 同時にこの動きを見ている日本も、「核シェアリング」の問題を突きつけられるでしょう。先日、石破茂・元防衛相が、テレビ番組で「非核三原則」の問題に言及しました。「米国の核の傘で守ってもらうといいながら、日本国内に置かないという議論は正しいのか」と。発言が唐突に出て来た印象を受けましたが、日米間で、水面下で「核持ち込み」の議論が出ているのかもしれません。

 日本の場合は、核を「持たず、作らず、持ち込ませず」の方針をどうするか、大変な議論になるでしょう。

 当然、自分らも核を持つという議論は出てくると思います。核を持たないで「核保有国」北朝鮮との交渉になれば、日本は何事も従属的な立場に立たたざるを得なくなると。元気のいい人たちは、核武装論を言い出すでしょう。

 「核シェアリング」論は、そうした強硬論を抑える側にあるわけです。

「持たず」「作らず」を変えるとなれば、3原則の根幹を変えることですから、それこそ大議論になります。そこで「持ち込ませず」に絞って議論する。

 それでも難しい判断になると思います。米軍の核が日本本土に置かれるとなると、中国やロシアも反発を強めるでしょう。

 戦略的、論理的に議論をするなら、北が「核保有国」になれば、日本も米軍に核の持ち込みを認めて相互確証破壊の形を採ることで、北が日本に核・ミサイルを撃てない状況を作るべきでしょうが、広島・長崎を経験した日本としての感情論などからは受け入れられないということになり、国論を二分する議論にならざるを得ないでしょう。

伊藤俊幸(いとう・としゆき)/1981年に防衛大卒業後、海上自衛隊入隊。潜水艦「はやしお」艦長などを務めた後、在米日本大使館防衛駐在官、防衛省や海上幕僚監部の情報部長として、北朝鮮の核開発、「9・11」テロなどの安全保障、危機管理を担った。海上自衛隊呉地方総監を最後に2016年退官。現在は金沢工業大学虎ノ門大学院教授(リーダーシップ論、安全保障論)

高濱記事

(写真:KCNA/UPI/アフロ)

—金正恩・朝鮮労働党委員長は、9月15日の中距離弾頭ミサイル(IRBM)発射を成功させ、「核戦略の完成がほぼ終着点に達した」と高らかに謳い上げました。国連安全保障理事会(安保理)の制裁決議も何のそのといった感じですね。

高濱 北朝鮮に核ミサイル開発を放棄させるためには、米国は北朝鮮に対して、経済面で死活的なダメージを与えるしかありません。その障害になっているのが中国なら、その中国を制裁するしかありません。

 となると、北朝鮮問題は米中貿易問題へと発展せざるをえません。

 米中間には為替、貿易、投資、知的所有権問題など摩擦要因が既にいくつもあります。これらは北朝鮮問題があるなしかかわらず、既に交渉の俎上に乗っているアジェンダです。

 米国が北朝鮮に絡んだ対中制裁措置を打ち出せば、中国も報復に出るでしょう。経済制裁とは、まさに兵器を使わぬ「戦争」です。

 ワシントンでは、日本や韓国に対して「高度に洗練された軍備の導入を支援」(トランプ大統領が示唆)する問題、韓国への核兵器再配備、日本との「ニュークリア・シェアリング」(核兵器の共有)構想*などが注目を集め始めています。これに一番敏感に反応しているのは中国です。

 米国は、北朝鮮がこのまま「核保有国」となれば日本も韓国も黙っちゃいないゾ、と脅しているのでしょう。米国はこうした「軍事的要素」を経済的制裁に絡めて、中国を揺さぶろうとしているのです。

 現に、中国の崔天凱駐米大使が15日、「中国が北朝鮮を核保有国とみなすことは決してない」と発言しました。

*自民党の石破茂元幹事長が9月7日、米国が核兵器を日本に配備することについて議論するよう提起。北朝鮮の核・ミサイルへの抑止力を強化する方策として「非核三原則」の見直しを促した。米軍事専門家の間でも注目を集めている。 (参考:「自民・石破氏、米核兵器の配備議論を=非核三原則見直し、政府「考えず」、時事通信、9/5/2017)

ホワイトハウスは一体

—これまで米国が取り得る選択肢は、軍事行動を除けば、制裁と対話。そして、「第三の道」が取りざたされてきました。「第三の道」とは、米国が有する軍事力、外交力、経済力、発信力などすべてを同時並行的に使ったものです(関連記事:「北朝鮮、対話でも制裁でもない『第三の道』)。

高濱 そうです。日米の常識ある軍事外交専門家のコンセンサスは、「米国は軍事行動を口にするけれども、実際に北朝鮮を先制攻撃することはできない」だと思います。もっと言えば、北朝鮮も韓国も中国、ロシアもそう思っている。その意味ではトランプ大統領は舐められているのです。

 米議会の外交、軍事各委員会の幹部議員たちが9月6日、ジェームズ・マティス国防長官、ティラーソン国務長官、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長、ダン・コーツ国家情報長官を招いて、対北朝鮮戦略についてブリーフィングを受けました。かん口令が敷かれているので詳しい内容は明らかになっていません。

 しかし、会合の後、議員たちが記者たちに漏らしたコメントを総合すると、「トランプ政権の外交軍事最高責任者たちは極めてプロフェショナルで、『bluster』(北朝鮮に対する恫喝)を行う考えはなかった」「大統領の過激な発言と閣僚たちの冷静な発言とは表裏一体のものだということがわかった」というものでした。

 つまり「サージカル・アタック」(外科手術的攻撃=核・ミサイル関連施設の一部を攻撃)とか、「斬首作戦」(金正恩委員長暗殺)といった「恫喝」をする気はないということです。 (”Trump officials brief lawmakers on North Korea,” Rebecca Kheel, The Hill, 9/6/2017)

ボルトン元国連大使が大統領の「北朝鮮攻撃命令」を暴露

—金委員長は、「先制攻撃したいがそう簡単にはできない」という米国の本心をお見通しなのでしょうか。在京の北朝鮮ウォッチャーの中には、金委員長は米国の出方を冷静に分析しながら危険なゲームを続けていると見る向きがあります。米国ではどうみていますか。

高濱 さて、それはどうか。

 朝鮮情勢に詳しい元米政府高官の一人は、こう指摘しています。「金委員長及びその側近たちが、民主主義国家の政策決定、つまり戦争に関する大統領の権限、米国と同盟国との軍事同盟関係などについて、完全に理解できるとは思わない。国際情勢のイロハをそれほど知っているとは思わない。国体護持(つまり金王朝護持)、国家存続が世界から見て絶対的価値などないことを知らない」

 「核戦力を手に入れること以外に国体を護持できる道はないと考えているのだろう。核兵器を保有して米国と対決できると信じていたイラクのサダム・フセイン大統領(当時)やリビアのカダフィ大佐(当時)が無残な最期を遂げたのを『他山の石』している。だが、国家経済が破たんし、国民が餓死する国家が滅亡した歴史は数限りない。今やっている瀬戸際外交はギャンブルに過ぎない」

—しかし現実問題として、北朝鮮が今のペースで核ミサイル開発を続ければ、半年後には米本土に届くICBMを手にすることになります。それよりも今、金政権を一撃のもとに粉砕すべきだ、という声が米国内にあるのではないですか。

高濱 トランプ政権の外交国防チームの一人、ジョン・ボルトン元国連大使が9月9日、保守系ニュースサイト「ニューズマックス」とのインタビューでこう発言したのです。「(北朝鮮が米領グアム沖への「火星12」発射計画を発表した)8月10日、トランプ大統領は激怒し「米国の国益を脅かす北朝鮮のミサイル攻撃に対しては常に軍事行動をとるようにマティス国防長官に命じた。北朝鮮がグアムへの発射を取りやめたので実際には軍事行動はとられなかった。米国の領土を脅かす北朝鮮のミサイルに対抗して軍事行動をとることは明らかな自衛権の行使である」

 「大統領は、北朝鮮が韓国及び日本を危険にさらす事態が起こった際にも、同盟条約上の義務を遂行するために、日韓を狙うミサイルを米軍が迎撃することを検討している」 *北朝鮮は、グアム沖へのミサイルは発射せず、8月26日には短距離ミサイル3発を、同29日には北海道上空を通過する「火星12」を発射した。いずれも日韓を標的にしたものではなかった。 (”Report: Mattis Gets Trump’s OK to Blast N. Korean Missile Out of The Sky, ” Jack Davis, www.westernjournalism.com., 9/9/2017)

米主要メディアは、なぜか、ボルトン氏が暴露した大統領命令について報道していません。

 それはともかくとして、トランプ大統領が考えている北朝鮮に対する「レッドライン」がこのボルトン発言からおぼろげながら分かってきます。つまり北朝鮮がグアムを含む米国領土に向けてミサイル攻撃すれば、軍事行動をとる。グアム攻撃は「レッドゾーン」だというわけです。

報復攻撃なきサージカル・アタックを模索

—軍事行動とは、具体的にはどのようなものですか。

高濱 ボルトン氏は言及していません。米軍事関係者の何人かに聞くと、次の三つのケースが浮上します。

(1)北朝鮮がグアムを狙ってIRBMを発射すると同時に、陸上と海上に配備している迎撃ミサイルで撃墜する。

(2)北朝鮮がグアムを狙ってIRBMを発射する兆候が察知できた時点で、発射基地に対し、陸上および海上に配備した弾道ミサイルを撃ち込む。

(3) (1)の場合も(2)の場合もミサイル発射基地だけでなく、北朝鮮の核ミサイル施設や通常兵器配備の基地に対する「サージカル・アタック」を断行する。

 トランプ大統領がどのケースを想定してマティス長官にスタンバイの命令を出したのか。ペンタゴンは、すべてのケースを想定して準備万端整えているはずです。

—これはボルトン発言と直接結びつく話ではないのですが、ご指摘の(1)(2)のケースは北朝鮮が報復攻撃に出る可能性が大ですね。となれば、ソウルが焦土化したり、米軍基地のある日本本土が狙われたりします。同盟国である日韓が犠牲になっても米国は先制攻撃を仕掛けるのでしょうか。

高濱 米国は先制攻撃はしない、と考えるのは早計だと思います。

 筆者が何人かの米軍事専門家と話をしていて感じるのは、米国はやはり「米国第一主義」の国だということです。国益を守るために必要とあらば、同盟国が多少損害を受けても躊躇せずに軍事行動に出る。純軍事上の認識が非常に強いことを思い知りました。

 無論、北朝鮮からの報復攻撃を同盟国が受けることなく「サージカル・アタック」が実行可能かどうか、ペンタゴンは以前から検討しています。

 例えば、「サージカル・アタック」の標的を核・ミサイル施設だけでなく、北朝鮮軍の主要基地、さらには最高指揮官・金委員長のいる中枢機関まで含めて「同時多発的に攻撃」することです。瞬時に国家機能をマヒさせてしまう。イラク攻撃がこのケースでした。

 北朝鮮が「レッドライン」を踏み越えた、あるいは踏み越えようとした瞬間に米国がどのような軍事活動に出るか。米主要紙の政治コラムニストは筆者にこうアドバイスしています。「大統領がトランプだけに何をするかわからん。今のワシントンは『Trump Derangement Syndrome』(トランプ錯乱症候群)に罹っている。固定観念に問われていると危険だよ」

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『「南の核」の矛先が向くのは北か 「戦術核の再配備」が開けるパンドラの箱』(9/20日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

9/19産経ニュース<ソウルを危険に晒さぬ軍事手段「ある」 マティス米国防長官が言明>

http://www.sankei.com/world/news/170919/wor1709190053-n1.html

9/20ロイター<トランプ大統領、北朝鮮の「完全破壊」を警告 初の国連演説で>

http://jp.reuters.com/article/nk-un-total-0919-idJPKCN1BU27C

2つのニュースは「米国が本気で北朝鮮に全面攻撃をかけるかもしれない」と世界に思わせるニュースです。そう読み取れないとしたら脳がやられていると思った方が良いのでは。ただ、それが何時起こるのかは分かりません。11/4~6のトランプ大統領の訪日まで攻撃はないと思います。米国は「核放棄」、北は「核保有」を主張しているのでどこまで行っても平行線です。時間の利益を北に与えることを米国はしないでしょう。全面攻撃あるとすれば12月以降になるのかもしれません。衆院解散・総選挙のスケジュールを首相の思い(来年総裁選後の解散)から早めたというのはそれが為ではと。

http://biz-journal.jp/2017/09/post_20652.html

勿論、米国による北の「核保有」を認める外交的解決のシナリオもあります。そうなれば、日本も核保有を主張しなければ。何時も言っていますように、少なくともニュークリアシエアリングは実現しなければなりません。左翼は日本を中国か北の属国にすることを狙っていますので大反対の論陣を張るでしょうが、日本が日本でいられるかどうかの分水嶺になると思います。愚民民主主義で日本がなくなることは避けたい。「奴隷の平和」か「危険な自由」どちらを選択するかの瀬戸際に来ているのでは。似非平和主義者“pacifist”に騙されないように。

鈴置氏の記事にあるように、韓国が核を持てば日本に核を落とす可能性が大です。小生は「韓国は日本の敵」とずっと言ってきました。反日教育をあれだけして、所謂「従軍慰安婦」や「徴用工」等捏造した歴史で日本を屈服させようとしている訳ですから。それが見えないようでは「あきめくら」と言われても仕方がありません。日本の左翼メデイアの責任も大きいですが、この情報化時代にいつまでも既成の権威の言うことを有難がって鵜呑みにする人は戴けません。情報弱者の典型です。昔の熊さん、八っつぁんの時代と比べても落ちるのでは。昔は庶民レベルで為政者を信じていましたが、今は反体制を気取るのがかっこよいと思っている薄っぺらな人が増えていると感じます。自分を知識人orそれに近いと思っている人に多いように見受けられます。朝日新聞なんて左翼新聞の典型で平気で嘘を書きまくっているのに、まだ読んでいる人が結構いる所に問題の深さが窺われます。まあ、本当の危機が我が身に降りかからないと気付かないのでしょう。これを想像力の欠如と言います。真の知性とは危険を先読みし、あらゆる手段を用いて予防する、それができる勇気をもつことと思います。東大に代表される学力偏重のエリートには、これが一番欠けているのでは。

9/19JBプレス 伊東乾<香港、中国、シンガポール、韓国に負ける日本の大学 この10年間で追い越され引き離される事態を招いた本当の理由>

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51095

を読みますと、日本の大学が「象牙の塔」内で身内意識に凝り固まっているというのが分かります。ランキングはこちらの記事。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51030

ランキングは国際性や留学生がポイントとして入っているので、高低をそれ程気にする必要はないと思っています。小生は安易に敵国からの留学生を受け入れるべきでない、少なくとも反日教育をしている国からの留学生の受入には断固反対します。北の核技術だって、在日がその一翼を担ったと言われています。これは愚かとしか言いようがない。ただ、学界には世界に向けて発信する努力が足りないのでは。英語でも中国語でも日本の存在を高めるor日本の主張を堂々と述べる学者が何人いるのかと思ってしまいます。9/19本ブログに、9/11のEast Asia Forumへ賈慶国・北京大学教授が英語で寄稿したのを紹介しました。共産党統治の中で北京大教授と雖も党の意向に背いた意見は述べられません。言論の自由の問題は別として、それでもこのように世界に中国の主張を堂々と述べています。翻って日本の学者でこのようにできる人がどのくらいいるかです。反体制を気取れば講演の口がかかり、本も出版できて稼げるからというのが日本の所謂知識人と言われる人に多いのでは。これではダメで、本当に知の世界で外国語を用い戦ってほしいと願っています。ないモノねだりかもしれませんが。

鈴置記事

北朝鮮の6回目の核実験を受け、9月11日にソウルで行われた抗議デモ(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

北朝鮮を追って、韓国も核武装を目指す。その矛先は北に向くのか、東南に向くのか。

訪米団も署名運動も

前回は、韓国の保守が戦術核兵器を再び韓国に配備するよう米国に求め始めた、という話でした。実現しますか?

鈴置:北朝鮮の核武装は極めて深刻な段階に至りました。今後、何が起こるか、予断を許しません。これまではあり得ないと考えられていた戦術核の再配備も、ないとは言い切れません。

保守政党で野党第1党の自由韓国党は9月13日「再配備」を説得するため、訪米団を派遣しました。

朝鮮日報の「『戦術核配備』要求に訪れた野党議員団に米『核の傘を信じよ』」(9月16日、韓国語版)は「米国務省は『核の傘を信じよ』との原則的な立場を崩さなかったが、韓国民の不安に新たな対策が要ることは共感した」と誇る訪米団の談話を報じました。

これに対し左派の与党「共に民主党」は「(外国の力を引き込んで政争に勝とうとする)事大主義」と批判しました。

自由韓国党は9月16日には、再配備に向け1000万人署名運動を開始すると宣言しました。中央日報の「自由韓国党代表『南北核均衡成し遂げるまで1000万署名運動』」(9月17日、日本語版)で読めます。

—国内対立が米国に飛び火したのですね。

鈴置:韓国ではあまり指摘されないのですが、再配備は軍事的には意味がない、というのが定説です。保守派の再配備要求は「北朝鮮が米国まで届く核ミサイルを保有したので、米国はいざという時に守ってくれなくなる」との懸念からです。

専門用語で言えば「拡大核抑止が働かなくなる」――米国が自分の国に核ミサイルが撃ち込まれるリスクを冒してまで韓国を防衛しはしない、との恐怖です。

しかし核の引き金を米国が握る以上は、核兵器をどこに置こうが関係ない。マティス(James Mattis)国防長官も9月13日、再配備に関する記者の質問に答え「核抑止力に配置の場所は重要でない」と答えています。やり取りは国防総省のサイトで読めます。

NATO式の「核共有」も

—再配備した戦術核の「引き金」を韓国が持つ可能性はないのですか?

鈴置:あり得ます。NATO(北大西洋条約機構)の一部の国と、米国が実施している核シェアリングという方式があります。

例えば旧西独は「いざという時は米大統領の許可を得て、自国に配備された米国の戦術核兵器を使える権利」を確保しました(「米国も今度は許す?韓国の核武装」参照)。

韓国の再配備論者は当然、これも考えていますし、米国でも「やむなし」と表明する専門家が出始めました。

CNAS・アジア太平洋安全保障プログラムのクローニン(Patrick Cronin)シニアディレクターは8月21日、朝鮮日報の姜仁仙(カン・インソン)ワシントン支局長に、以下のように語りました。

戦術核の話を切り出すこともできなかったワシントン 『NATO式核共有』検討も」(9月15日、韓国語版)から引用します。

万が一、北朝鮮が核兵器を配備する水準まで行けば、韓国も核兵器を持つしかない。不幸なことだが、それが論理的な結論だ。NATO式のデュアル・キー(dual key)方式も考えられる。

ただ「デュアル・キー」つまり「核シェアリング」はあくまで「鍵は2つ」です。韓国が核を使うのには、もう1つの鍵を持つ米国の許可が要るのです。

核抑止論が専門の矢野義昭・元陸将補は「核シェアリングは象徴的な権利に過ぎない」と評しています(「米国も今度は許す?韓国の核武装」参照)。

日本を脅す核に

—韓国はシェアリング方式で核を再配備させた後、米国に「鍵を寄こせ。自分1人で使う」と言い出しませんか?

鈴置:保守はそれも念頭に置いていると思います。まずは再配備、そして核シェアリング、最後に核使用権限の完全な移管――。

韓国が一挙に「自由になる核」を持つと、中国からいじめられます。それなら段階を踏んで、というわけです。先ほど再配備は軍事的に無意味と申し上げましたが、こういう目標があるのなら「合理的」です。

もっとも最後の段階まで行くと、韓国は日本に対し「俺は核を持ったぞ。言うことを聞け」と言い出しそうです。

米国はそれもあって、自前開発を含め韓国に核を持たせたくない。「北を向く核」のはずが、いつのまにか「日本に向ける核」になる可能性が高いのです。

—それにしても、韓国保守の再配備へのこだわりようは異様です。

鈴置:情緒的な理由も大きいと思います。理屈では米国のICBM(大陸間弾道弾)に守られている。しかし、目と鼻の先の北朝鮮が核兵器を持った以上、身近に核を置いた方がより安心できるのです。

隣の家に強盗が住んでいる。いざとなれば交番から警察官が駆けつけてくるはずだけど、自分の家にもピストルぐらいは置いておきたい、との心情です。核アレルギーの強い日本ではそこまで考えない人が多いのでしょうけれど。

68%が再配備に賛成

—韓国の世論は?

鈴置:韓国社会世論研究所(KOSI)が戦術核の再配備に関し、国民に意見を聞いています。調査期間は2017年9月8―9日。それによると、68.2%が再配備に賛成、25.4%が反対でした。

—核武装論、つまり自前の核を持とうとの主張も高まっているのですか。

鈴置:高いのですが、厳密に言うと「高止まり」です。韓国ギャラップ2017年9月第1週の調査によると「核保有に賛成」が60%、「反対」が35%でした。調査期間は9月5―7日です。

しかし、いつもだいたいこんな数字なのです。グラフ「韓国人の核保有に関する意識」をご覧下さい。いずれも北の核実験の直後に聞いていますが、大きな変化はありません。

なお、こうした世論を背景に韓国軍はいつでも核武装できるよう、着々と準備を進めてきました(『孤立する韓国、「核武装」に走る』参照)。

—今回の核実験で核武装論者が急に増えたわけでもないのですね。

鈴置:その通りです。逆に言えば、北が核実験を何度しようが、30%前後の人が核武装に反対し続けているのです。これの方がニュースかもしれません。

強盗ではなく親戚

—どういう人たちでしょうか。

鈴置:北朝鮮は韓国を攻撃するつもりはないし、核も使わないと信じる人たちです。核を使えば同じ民族を殺し、自らの国土を荒らすことになる。同胞がそんなことをするはずがない――との思いです。

—先ほどの例えで言えば……。

鈴置:隣に住むのは強盗ではなく親戚、と考える人々です。韓国ギャラップは2017年9月第1週の調査で「北朝鮮は戦争を仕掛けてくるか」も聞いています。

「可能性がある」が37%。一方「可能性がない」が58%にのぼります。25年前の1992年6月には69%が「可能性がある」と答え、「可能性がない」とした24%を大きく上回っていました。

南北関係の変化に応じ、微妙に上がったり下がったりしますが、長期的には「北は攻めてこない」と考える人が増えてきました。朝鮮戦争(1950―1953年)の記憶が薄れたことに加え、2000年と2007年に南北首脳会談を実施したことが影響していると思います。

朝鮮の核武装は人類史の功績

北朝鮮も韓国人の安心感を増す努力を重ねています。保守に言わせれば「油断させるための努力」ですが。

北朝鮮は日米分断に全力をあげる」で紹介した、朝鮮中央通信の「朝鮮アジア太平洋平和委員会 敵対勢力の新たな制裁圧迫を非難」(9月7日)。

この記事は米国に対しては自分を核保有国として認めるよう要求し、日本には「米国に追従するな」と核で脅しました。ところが韓国にはやけに「優しい」のです。

韓国を揶揄する表現で満ちていますが「核攻撃するぞ」と脅す文言は一切ありません。それどころか、北の核武装により朝鮮半島が平和になるぞ、との懐柔用のくだりまであるのです。その部分を翻訳します。

朝鮮の水爆実験成功により、朝鮮半島をはじめとする極東地域とアジア太平洋地域での米国による核戦争の危険性が大きく抑制され、世界平和と安定を保障し得る信頼への担保が備わったことは、世界の人が激賞すべき人類史的な功績である。

—「人類史的な功績」ですか……。

鈴置:他の人類にとっては「厄災」です。が、「核さえ持てば米国に攻撃されない」と信じている、北朝鮮やその支持者にとっては「功績」です。

戦争狂の米国の方が危険

—でも現実には、核武装したからこそ攻撃されそうになっている。

鈴置:北朝鮮の指導層は今を乗り切って米国に核保有を認めさせれば――米国との間に核均衡を作り出せば、明るい未来が待っていると国民に教えています。自分たちもそう信じたいのでしょう。

—それを信じる人が韓国にもいるのですか?

鈴置:北朝鮮を支持する人たちはそう、信じています。そこまで信じなくとも「米国は戦争狂だ。朝鮮半島で戦争をやりたがっている。北朝鮮よりも危険だ」と考える人は韓国に結構います。

2017年3月23日に韓国で出版された『運命から希望へ』という本があります。分析心理学者のイ・ナミ・ソウル大学医学部外来兼任教授が当時、大統領選挙に出馬する意向を固めた文在寅(ムン・ジェイン)氏に所信と政策を聞きました。要は選挙対策用の本ですが、イ・ナミ兼任教授は以下の質問をしています。

ところで我々、普通の人の考えでは、トランプ(Donald Trump)はあまりに保守的で企業に好意的なようで、武器商らと関係があるようです。彼らは戦争をすれば米国経済がよくなると考えるでしょう。我が国で局所的な戦争をすれば武器も売れ、米国経済の助けになるので、いつかは戦争を起こしてやろうと考える人もいませんか?(246ページ)

イ・ナミ兼任教授は北の核武装が「人類史的な功績」とは言っていません。でも、米国が戦争を起こしかねないと信じています。そんな人の耳には「北の核は朝鮮半島の核均衡を通じ、平和をもたらす」との論理は、ある程度の正当性を持って響くと思います。

北の核は民族の核だ

—その質問に、文在寅氏はどう答えましたか。

鈴置:1994年の核危機の例を挙げ、米国は北爆を計画したが、こちら側の被害も大きいので断念した――との趣旨で答えています。

「米国は戦争好き」との発言を暗に認めたうえで「だから対話しかない」と自説の正しさを訴えたのです。

—対話で北朝鮮は核を放棄すると未だに考えているのでしょうか?

鈴置:文在寅大統領は「対話で解決する」との旗印を降ろしていません。トランプ大統領に叱られたので「圧力強化」などと言ってみせていますが(「トランプは満座の中で文在寅を叱った」参照)。

左派の発想からすれば、韓国が北朝鮮との関係を改善すれば、その核は危険ではないのです。上手くすれば「民族の核」として共有できると考えているのです。

ムクゲノ花ガ咲キマシタ

その夢を描いたのが小説『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』(1993年)です。南北が協力して核兵器を作り、日本に核ミサイルを撃ち込んで侵攻する、という粗筋です。日本語版では侵攻部分は削られていますが。

書いたのは左派の作家、金辰明(キム・ジンミョン)氏。100万部のベストセラーとなり、映画化もされました。よほど韓国人の心に響いたのでしょう。

日本では「反日小説」として受け止められました。もちろんそうなのですが「民族を分裂させて自分たちを支配する米国」への怒りを表出した作品でもあります。

左派に限らず、韓国人の心の奥深くにある米国に対する複雑な感情を代弁する一方、この本は人々を民族和合と自主独立へと駆り立てました。

文在寅大統領のスローガンが「自主国防」です。米国の軍事力のくびきから脱し、北朝鮮の同胞と手を取り合う――のが大方針です。

南北和合がそんなにうまくいくのかなあ、と思いますが、とにかく左派は「米国との同盟」よりも「民族の団結」が大事なのです。

原潜保有に動く韓国

—「核を否定しない左派」ということですか?

鈴置:「左派は核に反対する」というのは日本だけの発想です。日本にだって少し前まで「米国の核はいけないが、ソ連の核は防衛用だからいいのだ」と真顔で唱える左派がいたではないですか。

文在寅政権は核武装に不可欠な原子力潜水艦の保有に動いています。これを見ても大統領が反核派でないことが分かります。

原子力潜水艦がないと、核武装は完成しません。敵の先制攻撃で核ミサイル施設を打撃されたらお終いだからです。原潜は長期間、水中に隠れることができるため、先制攻撃を受けた後にも反撃できる貴重な「第2撃能力」を有します。

8月7日の電話協議で、文在寅大統領はトランプ大統領に原潜保有を打診しました(「ついに『中立』を宣言した文在寅」参照)。

9月17日の米韓首脳の電話協議に関連、朝鮮日報は「今週(国連総会の場で)開かれる米韓首脳会談で、韓国の原潜計画推進に向け、両国が協力するとの原則で合意される模様」と報じました。

韓米首脳が電話協議 800万ドルの対北支援問題は事前協議で回避」(9月18日、韓国語版)で読めます。

米国離れする韓国に対し、米国が本気で協力するとも思えませんが、とにかく文在寅政権は「原潜一直線」なのです。

「文在寅の原潜」は北朝鮮製の核を搭載するのかもしれませんし、自前の核を積むのかもしれません。いずれにせよ、その核が北を向かないことは確かです。

米韓同盟がなくなれば

—左派も保守派も韓国は核武装の準備を進めている……。

鈴置:その通りです。違いは、保守は米国との同盟を維持しながら核を持つ。左派は北の同胞と手を握りつつ核を持つ――点です。

—では、保守派の核なら日本に向かない、ということですか?

鈴置:とりあえずは。しかし韓国が米国から見捨てられる可能性が増しています(「『韓国は中国の一部だった』と言うトランプ」参照)。

米国との同盟を失った韓国は自主国防を目指すか、中国にすり寄ってその衛星国として生きるかの選択を迫られます。が、いずれの場合も韓国は自前の核が欲しくなります。

前者の場合、通常兵力だけでは中国の脅威に耐えられない。後者の場合も核を持たないと中国に飲み込まれてしまうからです。

米国との同盟を失って、仮に自主独立の旗を掲げても中国の勢力圏に引きずり込まれていく韓国を、日本は仮想敵と見なすでしょう。韓国もまた、日本をそう見るでしょう。その時は「韓国の核」が日本を向くことになります。

現在、日本は北朝鮮の核武装という死活的な問題に直面している。でも実は、それに伴う韓国の核武装にも目配りする必要に迫られているのです。

北朝鮮がもう1つ

—韓国の核武装を論じた、矢野義明・元陸将補との対談の見出し。「10年後には『北朝鮮』がもう1つ?」としました。2015年6月の記事でしたが、まさにそうなってきました。

鈴置:見出しの方向は正しかった。しかし「10年後」は楽観的過ぎたかもしれません。

(次回に続く)

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『習陷政治對手纏鬥 紅二代不費分文合法成億萬富豪股東——何清漣: 中國經濟公私之變:國家資本主義為國本從未改變=習近平は政敵と混戦に陥る 革命二世代目はタダで合法的に億万長者の株主には成れず 何清漣:中国経済セクターの変化について 国家資本主義が主であることにに変化なし』(9/16アポロネット)について

Facebook記事の記事から引用します。

<央视说,这是邪教,遇到请报警。可是俺不敢报警,俺怕我一报警中共国保就会把我逮起来以”煽动颠覆国家政权罪”或”颠覆国家政权罪”关押重判我,或把我病死了!因为全世界都知道哪国的共产党才是世界上最大的邪教组织……

CCTVによると, これはカルトで、警察に通報しなければ。しかし、警察に通報するつもりはない。中国共産党が私を”国家政権扇動転覆罪”や”国家政権転覆罪”で拘禁・重罪で逮捕するか病死させるかだ。世界は彼の国の共産党が世界で最も大きなカルト集団だというのを知っている。>と。

9/19日経には中国の旅行予約サイト最大手、携程旅行網(シートリップ)の孫潔・最高経営責任者(CEO)に訪日客についてのインタビューした記事が載っていました。それによると、記者が「福建省など一部の地方都市で訪日団体を制限する動きがある」と聞いたのに対し、答えは「その件は把握しておらず、コメントできない」と。白々しいことができるのが中国人です。これは、外貨流出規制が一般庶民にも及んできているという事でしょう。外貨準備が相当減っているのでは。関連する記事が9/16東京新聞夕刊にありました。<中国、訪日団体旅行を制限 爆買いで資本流出警戒?>

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201709/CK2017091602000251.html

本記事は「深圳法制報」の記者で江沢民に睨まれ米国に亡命した何清漣女史の記事です。出て来る数字は少なく感じますが、中国の問題の深さは見えます。米国が「強欲資本主義」とすると、中国は「掠奪社会主義」と言う事ができるのでは。これが「結果の平等」を目指す共産国の宿痾と言うもの。三権分立していないから、為政者は「悪」を好き勝手できます。邪魔になるのは粛清するだけです。弱者に慮り等必要がないという世界です。中国の官僚は庶民を抑圧するための機関です。

本記事には中国が経済的に崩壊すると断言していませんが、何清漣・程暁農・(訳:中川友)著『中国-とっくにクライシス、なのに崩壊しない“紅い帝国”のカラクリ』の中で「中国は直近(20~30年)に経済崩壊することはないが長期的に見て衰退していくだけ。資本主義と違い倒産の概念が違い、国家が総てコントロールできるため。膨大な債務の問題も人民元増刷で乗り切ろうとする」と解説しています。そもそもこの本の原題は『中国:潰而不崩的紅色帝国=中国:潰れそうで潰れない共産党帝国』ですから。ただ、筆者たちが注意喚起しているのは「中国が外に向けて負の影響を撒き散らすプロセスでもある。例えば、海外への中国人の大量移住、環境汚染の外国への流出、国内の矛盾から目を逸らせるために対外的な衝突を仕掛ける等々」(P.21~22)です。これは小生が本ブログで何度も採り上げてきました。亡命中国人が想像しているという事は、中共はその通り動くという事です。日本のチャイナタウン、水問題、尖閣での戦争を考えておかないと大変なことになります。

記事

十九大前,中國經濟政策最顯眼的變化,是讓民營資本入股國企,但卻不享有話事權。有人驚呼,這是在倒退。這解釋過於皮相。

與毛澤東時代消滅一切私有經濟活動的計劃經濟體制不同,鄧小平開創的共產黨資本主義並不堅持制度教條主義,對企業所有制的方針靈活多變,只有一點未變,即從未放棄國有經濟的主導地位,對私營企業則視政治需要調整政策。理解這一點,必須理解中共極權統治“三個壟斷”的特點:政治壟斷(一黨專制)、資源與經濟壟斷、文化壟斷(控制媒體、教育和宗教)。其中資源方面的壟斷是土地、礦產、森林、水源全歸國有;經濟上的壟斷是指堅持以國有經濟為主導,重要企業必須國有,放棄經濟壟斷,就無法維持政治壟斷與文化壟斷。

1、壟斷國企成“特殊利益集團”

如前所述,1990年代後期,國有企業無法產生效益並成為包袱之時,朱鎔基在“建立現代企業制度”的國企改革中,始終堅持的“抓大放小”這一方針,通過對中小國企的改制養成了一批共產黨員資本家;與此同時,通過政策傾斜對大型國企進行資產重組,造就了一批控制國計民生的超大型國有壟斷企業,如鐵路、金融證券、電力、交通、能源、房地產等行業,形成了一批經濟寡頭。在2001-2010的這段時期內,這些通過壟斷形成的經濟寡頭成為中國政府的主要經濟支柱。在各種政策的強力扶持下,這些國企早就成了中國的經濟寡頭,能夠對中央政府的經濟政策施加強有力影響。這些國企中,政商勾兌尋租成為一個相當普遍的現象。一些具有官員背景的強勢民營企業依附於這些壟斷型國企,以公權力為靠山和保護傘,肆無忌憚地賺取超額利潤,甚至尋求非法資本回報。比如周永康的兒子周濱就利用其父在石油系統任職的關係網,從事各種與石油有關的生意謀取暴利。

胡錦濤於2003年接任中共掌門人之後,對私營經濟的政策與實踐開始分裂。國務院在2005年就制定了“非公經濟36條”,承諾凡是競爭性產業,都允許民營資本進入;凡屬已經和將要對外資開放的產業,都允許對內資民營經濟開放;並允許非公有資本進入壟斷行業和領域。但實際上,也就是在那段時期,在不少有利可圖的領域內開始了“國進民退”,民航業是國進民退現象最典型的一個行業。國務院國有資產監督管理委員會又主導了一輪“國進民退”,讓國有資本進駐一些競爭性行業並逼退民營資本,民用航空業是這輪“國進民退”的重點領域。2009年,中國首家獲批的民營航空公司鷹聯航空由四川航空公司斥資2億元持掌鷹聯航空76%股份,成為首家退出民營陣營的航空公司。

與習近平時期相比,胡溫時期的言論空間相對寬鬆,民營資本與他們的黨內代理人及部分知識精英一道,發起了一場批評國企經濟寡頭是特殊利益集團的討論。不少人撰文批評以“兩桶油”(中石油、中石化)為代表的壟斷型國有企業,認為這些企業利用壟斷資源與壟斷經營的優勢,以及政府賦予的定價權,排除競爭,高成本,低服務,是推動價格上漲的罪魁禍首,比如以地產、石油、電力等壟斷企業為代表的“特殊利益集團”,聯手推動價格上漲。還有人批評國有壟斷企業無償佔有公共資源,利用政府給予的壟斷地位獲取超額利潤,但最後只有這些企業本身與政府能夠分享其利,公共資源的真正主人――民眾除了通過別無選擇的消費貢獻銀子之外,利潤與民眾福祉無關,這些國企連為社會創造的就業機會也遠遠低於民營資本。

在長達幾年的批評聲中,國企成了腐敗、壟斷、低效的代名詞。北京理工大學經濟學教授胡星斗將這場輿論戰的內容加以總結,寫了篇《壟斷企業十宗罪》:1、阻礙了中國現代化的實現。2、支撐了集權與人治,破壞了法治。3、破壞了市場經濟秩序,形成官僚市場經濟、權力市場經濟。4、造成了嚴重的腐敗。國際組織曾經對154個國家進行調查,結論是國有經濟比重越大的國家越腐敗。5、形成了分配不公,擴大了貧富差距。6、妨礙了老百姓致富。壟斷國企對私人企業產生擠出效應。7、催生了既得利益集團,阻礙了改革。8、導致了經濟低效率。9、形成了重複建設、產能過剩的巨大浪費。10、扼殺了民族創新能力。在上述各種問題當中,批評意見的焦點主要是與其他行業相比,壟斷型國企收入太高,國企領導層年收入逾百萬外加分紅、公款高消費,胡星斗提供的數據是:“壟斷國企的職工佔全國職工的8%,但其工資總額佔全國的65%。國企老總利用公共資源創造的財富,成了其個人揮霍的錢庫,比如中石化原老總陳同海受賄近兩億,平均每天消費4萬多元。

當政者的反駁也非常多,《人民論壇》“特別策劃”組推出《李榮融困局——當前國企十大爭議話題剖析》專題報道是代表作。國有資產管理委員會首任主任李榮融認為,國企承擔的重大使命與特殊地位,讓它在輿論的風口浪尖上飽受煎熬。民眾罵聲一片,一是經驗層面的評價,二是媒體的誤解曲解。至於國進民退、與“民”爭利、效率低下、分紅太少都是偽命題。在一一批駁以後,李榮融強調,以公有製為主體的基本經濟制度是社會主義制度的基石,否定國企,實質就是要否定公有制,而否定了公有制,自然否定了社會主義制度,否定了社會主義制度,則黨的領導地位則隨之喪失。

2、國有企業成為吞食資源、虧損腐敗的經濟怪獸

中國政府之所以要維持大型國企的政治經濟地位,主要出於政治需要。國家控股的大型企業被視為“共和國長子”,政府給予各種政策傾斜加以扶持。例如,政府通過壟斷土地、礦產等資源和壟斷重要行業,讓國企擁有產品定價權,攫取巨額利潤輸送給中央財政。在中國經濟的鼎盛時期,中國國有資產管理委員會發布的《國務院國資委2009年回顧》顯示,從2002到2009年中央所屬企業上繳稅金年均增長21.6%,國企的稅負均值是私營企業稅負綜合平均值的5倍多,是股份公司稅負平均值的2倍。同時,國企也是政府對外援助和對內實施政治及社會控制所需經費的小金庫。例如,中國高層官員去外國訪問時,經常隨帶大量採購合同或援助項目,這些支出往往通過國企支付。

此外,國企的工資、福利和工作穩定性都遠遠優越於私營企業和外資企業,到這樣的企業就業,幾乎成為中國人職業選擇時僅次於公務員職業的次優選擇,因此,國企往往成為官僚、權貴親屬的謀職之地。美國彭博社的一篇報道揭露,共有103位在國企任高管的紅二代,曾用MBO(經理人持股)的名義讓自己致富,他們領導或運營的國企2011年總市值為1.6萬億美元,相當於中國年度經濟產出的1/5強。在21世紀前十年的國企改革中,這些紅二代通過MBO的方式,不費分文攫取了大額股份;在資產數億或者數十億的超大型國企中,持股哪怕不到1%,也是一塊巨型蛋糕。

國企與紅色家族之間既然形成了家國一體的利益輸送管道,這些被管理層大肆攫利的企業不可能經營良好。隨着近年來中國經濟的衰退,國企的黃金歲月結束了,成為銀行壞賬的主要源頭,拖累了中國的國有銀行。自2014年以來,中國媒體上大量出現“殭屍企業”一詞,指那些嚴重虧損、依賴銀行貸款在維持運轉的國企。截至2015年底,在中國股市上這樣的“殭屍企業”就有266家,佔10%,集中於鋼鐵、煤炭、水泥、玻璃、石油、石化、鐵礦石、有色金屬等八大行業。中國進入“世界500強”的企業有100家,其中16家是虧損企業。例如,“中國鋁業”號稱“A股虧損之王”,2014年度凈虧損為163億元人民幣;“鞍鋼集團”有800億銀行債務,2015年凈虧損43.76億,“渤海鋼鐵”債務達1,920億。這些進入“世界企業500強”的大型國企長期處於低效虧損的狀況,使得中國金融系統有如得了敗血症的病人,這頭剛為國企輸入紅色的新鮮血液(注入資金),那頭就流出黑血(即壞賬)。

屈指算來,這是中國1978年改革開放以來的第三輪壞帳了。三輪壞帳的形成各有原因,但有一個原因是不變的,即國企靠銀行不斷輸血維持。興業策略研究報告估計,如果在兩年內這些殭屍企業全部倒閉,70%的有息負債成為壞賬,影響債務約10,671億,年均5,300多億。其中10%為債券,90%為銀行債務。

2012年是中共十八大權力交接的敏感時期,習近平雖然接掌了中共最高權力,但陷入政治對手的纏鬥之中,國企問題暫時退出公共視野。胡溫時期那輪有關國企的爭論所指出的各種弊端,只有國企管理層與員工的巨大收入差距被列入解決的清單位之中。2016年1月,央企開始執行國企高管降薪資方案,把負責人與普通員工的收入差距從12倍調整為7-8倍,全國各地的國企高管平均降薪30%。全國25個省份公布了國企高管降薪方案,大多數將國企老總的基本年薪限制在了普通員工的2倍以內,把總體年薪限制在8倍以內;限制幅度最大的寧夏,將高管的總體年薪限制在了普通員工的5倍以內。2017年9月15日,官方宣布“多地推進國企改革細化方案”,要點就是“國企市場化薪酬改革提速”。

可以預見,只要國企的運行機制不改,民營資本在政治壓力下入股國企,只是讓國企獲得了“免費貸款”,除了國企經理層薪酬過高獲得解決之外,所有問題依舊,對政府來說,唯一的意義就是將銀行的負擔轉嫁到民營企業頭上。

來源:美國之音博客

第19回共産党大会前に、中国の経済政策で最も目立った変化は、民間資本を国営企業に投入、但し株主権は行使できずと言うもの。驚いて言うには、「(改革の)後退」ではないかと。これは皮相的な解釈に過ぎる。

毛沢東時代の私的経済活動を一切認めない計画経済体制と違い、鄧小平が切り開いた共産党資本主義は制度の教条主義をなくし、企業所有制を認め変化を活発にしたが、変わらないことはただ一点、国有企業の経済的な主導的地位を放棄せず、私営企業に対しては政治的に政策調整する必要があると看做したことである。この点を理解するには、中国共産党の“3つの独占”を理解する必要がある。:政治(一党専制)の独占、資源と経済の独占、文化の独占(メディア、教育と宗教を支配)。そのうち、資源の独占は土地、鉱物、森林、水源等全部国有である。経済の独占は国有企業を主とする経済にするため。重要な企業は国有でなければならず、経済の独占を放棄することは政治と文化の独占もできなくなるという事である。

1.国営企業の独占は“特殊な利益集団”を産む

前述のとおり1990年代後期に、国有企業は収益を伴わず、お荷物になった時、朱鎔基の“現代的企業制度の建設”の国営企業の改革中に言われたのは、 “大企業は監督し、小企業は規制緩和する”で、中小企業の制度改革により共産党員の資本家を育てようとした。これと同時に、大型国営企業に資本再編をする傾斜方式を採り、国家経済と民生を制御する超大型の国有企業を作り、鉄道、金融証券、電力、交通、エネルギー、不動産などの業界のように、経済的寡占を形成した。

2001-2010の時期に、経済的寡占が中国政府の主たる経済的支柱になった。各種の政策の強力な支援の下、これらの国営企業はとっくに中国の経済的寡占になって、中央政府の経済政策に強く影響を与えることになった。これらの国営企業の中には、政商やレントシーキングが混ざり合い、普遍的な現象になった。役人の中には民営企業に対し強気なのがいるが、独占型国営企業に属し、公権力の保護を当てにして、ほしいままにふるまい、超過利潤を受け取り、更には違法な資本回収を求めることも。周永康の息子周浜が、父が石油閥にいた時には、石油関連の商売に従事して暴利を得た。

胡錦涛は2003年に中国共産党総書記となったが、私営経済政策とその実践において分裂し始める。国務院は2005年に “公営企業でないための36条”を制定し、競争できる産業を許し、民間資本が入ることを許可した。過去や将来における外資への開放できる産業は、国内の民間資本にも開放することを許可すると。かつ公営でない資本が独占業界に入ることをも許可する。ただ実際には、その時期には、少なからず “国進民退(国有が民間所有を締め出す)”が起きていて、航空業界がその典型である。国務院・国有資産監督管理委員会は“国進民退”を主導し、国有企業を競争から守り、民間企業を追いやった。民間航空業界は“国進民退”の重点領域だった。2009年に、中国で初めて民営航空会社となった鷹聯航空は、四川航空が2億元を投資して鷹聯航空の76%の株を持つことで、民営航空会社から追い出された。

習近平の時期と比べ、胡温の時期の言論空間は相対的にゆったりとしていた。民営資本と彼らの党内代理人と一部の知識人達はいっしょに、国営企業の経済寡占が特殊な利益集団を産むことへの批判もしたりした。多くの人が “両桶油”(中国石油と中国石化のこと)を独占型国有企業の代表として批判した。これらの企業は資源を独占、かつ独占経営の優位性の利用を考え、政府が与えている価格決定権により、競争を排除、高コスト、低サービスなのに、価格上昇させた張本人である。例えば不動産、石油、電力など独占企業の代表としての“特殊な利益集団”は共に手を携えて価格上昇を推進した。更に、国有独占企業は無償で公共資源を占有し、政府の与えた独占的地位を利用して超過利潤を得、最後にこれらの企業と政府が利潤を分かち合う時に、公共資源の本当の主人である民衆は別に選ぶこともなくお金を使い貢献することを除いて、利益と民衆の福祉は関係なく、これらの国営企業は社会を創造する就業機会でさえ、民営資本より遙かに低いと言って批判する人もいる。

長く数年にも亘る批判の内、国営企業は腐敗、独占、非効率の代名詞になった。北京理工大学経済学教授の胡星斗は輿論戦の内容に加えて《独占企業の10の原罪》を書いて総括した。:1、中国の現代化の実現を阻害した。2、集権と人治を支え、法治を破壊した。3、市場経済の秩序を破壊して、官僚の市場経済・権力の市場経済を形成した。4、激しい腐敗を引き起こした。国際組織は以前に154の国家に対して調査を実施し、結論は国有の経済的比重が大きい国家は益々腐敗すると。5、分配の不公平は、貧富の差を拡大した。6、庶民が富むことを妨害し、独占国営企業が私企業を追い出す効果を生じさせた。7、既得権益の集団を産んだことは、改革を阻害した。8、経済の低い効率を引き起こした。9、重複投資をし、過剰設備により巨大な浪費を齎す。10、民族の創造開発能力を扼殺した。

上述の各種の問題のうち、批判的な意見の焦点は、主に他の業界と比べて、「独占国営企業は売上が多く、国営企業の役員は年収が百万元を越え、更には配当もあり、公金で贅沢をし、胡星斗が提供するデータでは“独占国営企業の職員は全国職員の8%を占めるが、給料総額では全国の65%を占める。国営企業のトップは公共資源が作る富を利用して、その個人の金庫として金を湯水のように使い、例えば中石化のトップの陳同海は2億近く収賄し、平均すれば毎日4万元以上消費できる。”」と。

政権担当者の反論は非常に多く、《人民フォーラム》“特別企画”として《苦境の李栄融――現在の国営企業の十大争点の分析》として報道したのが代表作である。国有資産管理委員会の筆頭主任の李栄融は、「国営企業が引き受ける重大な使命と特別な地位は、輿論という風が最も強く波が最も高いところで、苦しみをいやというほど受ける。民衆の罵声は、一つは経験に基づく評価で、二つ目はメディアの誤解・曲解である。国進民退において“民”と利を争い、非効率、低配当というのは全て偽である」と。一つ一つ反駁して、李栄融は「公有制を主体的な基本的経済制度とすることは社会主義制度の礎石で、国営企業を否定することはイコール公有制を否定することである。公有制を否定すれば、自然に社会主義制度を否定することとなり、党のトップの地位も失われることになる」と強調した。

2、国有企業は資源を呑み込み、赤字で腐敗した経済的怪獣である

中国政府が大型国営企業の政治経済的地位を維持することは、主に政治的必要からである。国が株主の大企業は“共和国の長男”と見なされ、政府は各種政策を通じ、助けている。例えば、政府は土地を独占することを通して、鉱物資源と独占且つ重要な業界は、国営企業として製品価格決定権を発揮させて、ぼろ儲けをし、中央の財政に組み込む。中国の経済が盛んな時期には、中国国有資産管理委員会が発表した《国務院国有資産監督管理委員の2009年回顧》によれば、2002年から2009年の中央に属する企業の税金納付の年平均上昇率は21.6%も伸びて、国営企業の税負担平均値は私営企業の税負担平均値の5倍も多い。それは株式会社税負担平均値の2倍だ。同時に、国営企業は、政府が外国に対する援助と国内に対して実施する政治的社会的な経費の出どころである。例えば、中国高官が外国訪問する場合、よく大量の仕入契約あるいは援助プロジェクトを手土産にするが、これはよく国営企業によって支払われることとなる。

また、国営企業の給料、福祉と仕事の安定性は私営企業と外資企業と比べ遙かに優越している。このような企業に就職することは、中国人が職業を選ぶ際には公務員に次ぐ選択になり、これがため、国営企業はよく官僚になったりして、権力者の親族のネポテイズムとなる。米国のブルームバーグ社の報道によれば、「国営企業の革命二世代目の高級幹部103人はMBO(マネジメントバイアウト)を使い、自分の懐を潤した。彼らが指導・運営する国営企業の2011年の総市場価格は1兆6千億ドルで、中国の年間の経済的な産出額の1/5強に相当する。21世紀になる前の十年にあった国営企業は改革中で、革命二世代目のMBOの方式によって、コストもかからず、多量の株を強奪した。資産が数億、あるいは10億の超大型の国営企業の中で、持ち株がたとえ1%としても、それは巨大になる。」と。

国営企業と赤い一族の間には国・家族一体の利益を運ぶシステムが作られている以上、管理層がいくら頑張っても経営が良くなることはない。近年の中国経済の衰退は、国営企業の黄金時代が終わり、銀行の不良債権となり、中国の国有銀行の足手まといともなっている。2014年から、中国のメディア上に “ゾンビ企業”の文字が大量に現われた。夥しい損失を出しても、銀行ローンをジャンプさせて、国営企業が維持できるように依頼する。2015年末まで、中国株式市場の “ゾンビ企業”は266社になり、10%を占め、鉄鋼、石炭、セメント、ガラス、石油、石油化学、鉄鉱石、非鉄金属などの8大業界に集中する。

中国は“フォーチュン誌の企業500社番付”の企業に100社も入るが、そのうちの16社は赤字企業である。例えば、“中国アルミ業”は“A株の赤字王”として有名で、2014年の純損失は163億元である。“鞍鋼集団”は800億元の銀行債務があり、2015年の純損失は43.76億元、“渤海鉄鋼”の債務は1,920億に達する。これは“世界企業上位500社”に入っている大型国営企業が長期に亘り、非効率・赤字に陥っていることを表し、中国の金融システムを敗血症の病人のようにさせて、国営企業のために頭に赤い新鮮な血液(資金注入)を輸血すると、直ぐにその頭は黒い血を流し出す(即ち赤字)。

指折り数え、これは中国の1978年の改革開放以来の三輪の不良財務諸表である。三輪の不良財務諸表の形成にはいろんな原因があるが、1つの原因は不変である。即ち国営企業は銀行により絶えず輸血して貰い維持する。興業政策の研究報告によれば、もし2年以内にこれらのゾンビ企業がすべて倒産すれば、有利子負債の70%は不良債権になり、約10,671億の債務に影響して、年に直せば5,300億である。そのうちの10%は証券として、90%は銀行債務である。

2012年は中国共産党第18回大会があり、権力争いで微妙な時期でした。習近平は中国共産党の最高権力を握っていても、政敵との闘いに陥っている。国営企業の問題は一時的に視野からはずされる。胡温の時期に、国営企業の論争に関して指摘された各種の不正行為は、ただ国営企業管理層と従業員の巨大な所得格差が解決されたというだけで終わる。2016年1月、中央の企業は国営企業上級管理職減俸案を実施し、責任者と一般従業員の所得格差を12倍から7-8倍にするため、全国各地の国営企業の上級管理職は平均で30%減俸することにした。全国の25省は国営企業上級管理職減俸計画を公表して、大多数の国営企業のトップの基本的年収は一般従業員の2倍に制限し、全体の年収の差が8倍以内に制限される。制限の幅が最大なのは寧夏回族自治区で、上級管理職の全体年収は一般従業員の5倍内に制限される。2017年9月15日、政府筋は“多くの国営企業の改革推進案”を宣言した。要点は “国営企業の市場化のため給与の改革を加速する”である。

予見できるのは、国営企業の運営体制を変えなければ、民営資本は政治的圧力の下、国営企業に組み入れられ、国営企業に“無償の銀行ローン”を獲得させて、国営企業の経営層の高報酬問題を解決する以外、すべての問題は依然として残り、政府について言えば、唯一の意義は銀行の負担を民営企業に転嫁しただけである。

来源:ボイスオブアメリカのブログ

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『ミサイル乱射の中、「親北」に突き進む韓国 文在寅は「核再配備」という踏み絵を蹴り飛ばした』(9/18日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『ミサイル開発の一方で、暗くて寒い北朝鮮の暮らし 統計データから見えてくる北朝鮮のエネルギー事情』(9/18JBプレス 川島博之)について

9/15宮崎正弘氏ビジネスジャーナル記事<米国内で日本と韓国の核武装容認論が急浮上…中国への核攻撃も議論>

http://biz-journal.jp/2017/09/post_20608.html

9/13ZAKZAK<核の黒幕暴く!北最強制裁採択の裏で注目される支援国家の存在 米紙「海外で技術吸収する科学者の卵」>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170913/soc1709130006-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsPhoto

9/16産経ニュース<北朝鮮への軍事行動、米国民の58%が支持 「平和解決できない」25ポイント大幅増 ギャラップ世論調査>

http://www.sankei.com/world/news/170916/wor1709160020-n1.html

今度の総選挙で野党は「解散の大義名分がない」と言っていますが、大ありです。これだけ北の脅威が迫り、「日本の4つの島を核爆弾で海中に沈める」と言っている訳ですから、宣戦布告と思ってよいでしょう。憲法改正や国防の装備(ニュークリアシエアリングも含めて)向上のための予算措置等、国民の意見を聞いた方が良いと思います。安倍首相の判断一つでしょうが。ただ、緊迫した情勢の中にあっても、10/22or29の選挙であれば戦争は起きないとの判断からです。11/4~6にトランプ大統領の訪日がありますのでそれまでは米軍の攻撃はないと思います。

何時もいっていますように「朝鮮総連」、「朝鮮高校」はテロの拠点になり得ます。本来総連の建物は明け渡しを強制執行すべきと思うのですが、やりません。これを口実にして北がミサイルを日本に撃ちこむことを恐れているのでしょうけど。でもそれだと、米朝間で戦端が開かれたときに、日本人の犠牲者が増えるのでは。そうなってからでは遅いのですが、今の日本人は教訓を与えられないと気付かないのでしょう。まあ、まだメデイアの洗脳にドップリ浸かったままですから。

鈴置氏の記事で、文大統領が西側社会に対する裏切り者というのがハッキリして来ました。でも選んだのは韓国民です。ワイマール憲法下でヒットラーを選んだドイツ国民と同じような歴史的評価を下されるかもしれません。二度の世界大戦を戦ったドイツ国民と、日本と共に第二次大戦を戦ったのに戦勝国と詐称する韓国民を一緒にしてはドイツ国民に失礼かも知れませんが。

川島氏記事は途中で切れています。ただ北朝鮮の一人当たりエネルギー消費量が北方にあるにも拘わらず低いということは分かります。民生部門が核やICBMの犠牲になっていることが分かります。本来であれば国民が革命を起こし、金正恩の斬首をすれば良いのでしょうけど、近代にいたっては火力の差が軍と庶民の間では開き過ぎました。軍を味方につけなければ革命は無理でしょう。結局、国際社会が金王朝を打倒しなければ北朝鮮人民に安寧は訪れないという事です。国際社会と言っても中露は米国一極支配を邪魔するため、金一族に力を貸している状況ですから、西側自由社会の圧力・軍事力で金王朝を打倒するしかないでしょう。

9/15ヤフー記事<北朝鮮の「無謀な」ミサイル発射に「世界規模での対応を」、NATO事務総長>

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170915-00000044-jij_afp-int

9/11East Asia Forumの賈慶国(Jia Qingguo)北京大学教授の寄稿を読みますと、「米中戦争が起きる前提で、中国は不測事態対応計画を立てないとダメ」と言うもの。中国も戦争は不可避と見ているのでは。ただ彼(中国?)が要求するのは5つ。

①北の核の戦後処理。誰が管理するのか。北には持たせられない。米軍が核不拡散を建前として管理するのは反対。一方、米軍が38度線を越えて朝鮮半島に出るのにも反対。バランスが良いのは中国が北の核の管理をすること。

②北朝鮮の難民が中国に押し寄せる対応として、PLA(人民解放軍)が北朝鮮内に入り、安全地帯としてのキャンプを作り、そこで管理する。

③戦後治安は誰が担うのか?韓国軍、国連平和部隊、他の部隊?中国は米軍が38度線を越えて出て来るのは反対。

④戦後、朝鮮半島の統治形態をどうするのか?国際社会は、新しい北朝鮮政府にするのか、国連主体で統一朝鮮半島政府の準備の為に国民投票を実施させるのか?

⑤THAADの在韓米軍配備の撤回

http://www.eastasiaforum.org/2017/09/11/time-to-prepare-for-the-worst-in-north-korea/

流石に中国人だけあって抜け目のない要求をしています。まあ、北よりは中国の方がMADの信頼度の確率は上がるでしょうけど。でも最終的な敵は人権を抑圧する共産主義国です。忘れないように。

鈴置記事

9月15日、北朝鮮が日本越えのミサイルを発射(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

北朝鮮が日本を越える弾道弾を撃つ中、文在寅(ムン・ジェイン)政権が「反米親北」路線を突き進む。戦術核兵器を韓国に再配備する構想を蹴り飛ばしたのだ。韓国の保守からは「大統領は国を守る気があるのか」と悲鳴があがる。

日本列島を海の中に押し込む

—9月15日朝、北朝鮮がまた日本越えのミサイルを撃ちました。

鈴置:8月29日の弾道弾と同様、北海道の上空を通過しました。北朝鮮は威嚇を日常化することで、日本人を屈服させるつもりです。

日本は米国とともに経済制裁や軍事的な圧力をかけ続けてきた。それを止めないと核を撃ちこむぞ、と脅しているのです(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

9月13日の朝鮮中央通信は、以下のような朝鮮アジア太平洋平和委員会の声明を伝えました。日本語版からそのまま引用します。なお、文中の「島国夷」「ウェノム」「チョッパリ」は日本人に対する侮蔑語です。

米国の制裁策動に便乗して軽率に振舞った日本の島国夷に対する指弾の声も激しく出ている。

千年来の敵であるウェノムのざまを見るほど目に火がつくようだ、わが人民に千秋にすすげない罪を犯しておきながらも謝罪をまともにせず、米国の「制裁」の笛に踊りながら憎らしく振る舞う奸悪なチョッパリらをそのまま放っておけない、日本列島の上空を飛び越えるわれわれの大陸間弾道ロケットを見ながらもいまだ気を確かに持てず、意地悪く振る舞う日本のやつらにはっきり気概を示すべきだ、取るに足りない日本列島の4島をチュチェの核爆弾で海の中に押し込むべきだ、日本はこれ以上われわれの近くに置く存在ではない、これがわが軍隊と人民の激昂した声である。

韓国は取り込んだから次は日本

—相次ぐ日本越えのミサイルは明らかに「米国との共闘を止めろ」というメッセージですね。

鈴置:その通りです。日米両国政府はしばしば「日米韓の北朝鮮包囲網」と言いますが、韓国はすでに切り崩されました。次は日本、ということです。

文在寅大統領は9月14日、CNNとのインタビューで「北朝鮮の核の脅威に対抗するために、韓国が核兵器を独自に開発するとか、戦術核兵器を再配備することに賛成しない」と述べました。

聯合ニュースの「文大統領『核保有で朝鮮半島の平和を保障できず』……核開発・再配備に反対」(9月14日、韓国語版)が伝えました。

北朝鮮の核武装が現実のものとなったため、韓国では保守の野党や保守系メディアが在韓米軍への戦術核の再配備を訴えています。

「再配備」と呼ぶのは、1990年頃まで米軍は韓国に原子砲や航空機搭載用の小型核爆弾を配備していたからです。韓国と北朝鮮は1991年12月に南北非核化共同宣言を合意しました。これに伴い米軍も核兵器を撤収したのです。

米国はどこに核兵器を置いてあるかは確認しない政策をとっているので、代わりに韓国の大統領が「すでに核兵器は存在しない」と宣言することで「撤収」を担保しました。

なお「ソウル五輪(1988年)の頃にはすでに韓国から核兵器はなくなっていた」と言う専門家もいます。当時、在韓米軍の訓練科目から「核防御」がなくなったためです。

保守党は党論に

—非核化宣言ということは……。

鈴置:南北双方が核兵器を製造、保有、使用せず、さらには核燃料再処理施設、ウラン濃縮施設を持たないことを約束したのです。当然、北朝鮮の核武装はこの宣言に完全に違反しています。

今、韓国には「核兵器の独自開発を進めよう」との意見が高まっています。ただ、すぐには実現できないなどの理由から、保守は「再配備」を求めているのです。

野党第1党の自由韓国党は8月16日「戦術核の再配備」を党論に定めました。聯合ニュースの「韓国党『朝鮮半島への戦術核の再配備を党論に採択』」(8月16日、韓国語版)が詳しく報じています。

9月3日の6回目の核実験を受け、第2野党で中道の「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表も9月6日「再配備」に関し「今後、皆で論議して方向をお話したい」と述べ、含みを持たせました。

聯合の「安哲秀、『THAAD配備に他策なし』・・…米戦略資産も常時循環配備」(9月6日、韓国語版)が伝えました。

青瓦台と国防部にできた溝

—文政権は反対ですね。

鈴置:そうです。ただ、青瓦台(大統領府)と国防部の間には溝が生まれ、なおかつそれが表面化しています。

8月30日、宋永武(ソン・ヨンム)国防長官がワシントンでマティス(James Mattis)国防長官と会談した際に戦術核の再配備にも言及した、と報じられました。

聯合ニュースの「韓国への戦術核・原子力潜水艦配備にも言及=韓米国防相会談」(8月31日、日本語版)で読めます。

これに対し青瓦台は「再配備の要請はしなかった」と直ちに否認しました。聯合の「戦術核の再配備、検討したことない=韓国大統領府高官」(9月1日、日本語版)によると、以下です。

(青瓦台の)高官は「政府は国際的な核不拡散体制を尊重しており、その規範内ですべての政策を維持してきた」と説明。

宋氏の発言に対し「われわれの自主国防力強化に向けた国内の状況を説明する過程で戦術核に言及したもの」との認識を示した。

宋氏本人からも、戦術核の配備が望ましいとの趣旨ではなかったことを確認したという。

ワシントンから強力な援軍

—宋永武国防長官は青瓦台に叱られたでしょうね。

鈴置:そう思います。しかしこの後、軍や保守党には強力な援軍が到来しました。9月8日、米NBCが「Trump Team Prepping Aggressive Options for North Korea」で「韓国への戦術核の再配備も排除しない」との匿名のホワイトハウス高官の談話を報じたのです。原文は以下です。

In addition, the administration is not ruling out moving tactical nuclear weapons to South Korea should Seoul request them, a White House official said, though many consider such a move a nonstarter. It would break with nearly three decades of U.S. policy of denuclearizing the Korean Peninsula.

これで勢いづいたのが韓国の再配備論者です。韓国党はトランプ大統領に再配備を要請する手紙を送ることを決めたほか、国内政局の争点に浮上させるため、世論喚起に動きました。

東亜日報の「最大野党自由韓国党、『戦術核再配備』要請でトランプ大統領宛て書簡へ」(9月11日、日本語版)が伝えています。

保守系の2紙も9月11日、改めて社説で再配備を米国に求めるよう主張しました。東亜日報の社説は「米国で出てきた戦術核再配備論、THAADを記憶せよ」(日本語版)、朝鮮日報は「文政権はどんな対案があって国民を守る機会を見逃すのか」です。

9月10日には米国防族の大御所、マケイン(John McCain)上院議員が「数日前、韓国の国防長官が核の再配備を求めた。これを真剣に検討せねばならぬ」とCNNに語りました。

発言は「John McCain: North Korea must know price for aggression is ‘extinction’」によると以下 です。

“The Korean defense minister just a few days ago called for nuclear weapons to be redeployed,” McCain told anchor Jake Tapper, adding he thought “it ought to be seriously considered.”

首脳会談で約束したではないか

さらに米政府が運営するVOA(アメリカの声)が、戦術核の再配備を拒否する文在寅政権を暗に批判する記事を載せました。

国務省、『朝鮮半島に戦術核配備を検討』との主張に『全ての手段で北を圧迫と約束』」(9月12日、韓国語版、談話部分は英語と韓国語)です。

国務省のチェ(Grace Choi)東アジア・太平洋担当報道官の「トランプ大統領と文在寅大統領は北朝鮮に最大の圧迫を加えるため、すべての手段を動員しようと合意した。両大統領は連合戦力の強化も約束している」という談話から始まっています。

“President Trump and President Moon Jae-in agreed to maximize pressure on North Korea using all means at their disposal. They also pledged to strengthen joint military capabilities.”

確かに米韓首脳は6月の米韓首脳会談で「北朝鮮に対抗するための連合戦力の強化」を約束しています。共同宣言にも入れています(「『戦闘モード』に韓国を引き込んだ米国」参照)。

VOAは再配備に関し、米政府がどんな方針かは報じませんでした。が、チェ報道官の発言を読んだ人は「米国は再配備に前向きだな」と思います。「文在寅がまた、米国を裏切ったな」と考える人もいるでしょう。

韓国を揺さぶる朝鮮中央通信

—THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)の追加配備を認めたので、文在寅政権は「反米親北」を棚上げしたかと思っていました。

鈴置:追加配備は認めました(「トランプは満座の中で文在寅を叱った」参照)。しかしそれはあくまで「臨時配備」です。

本格的な環境影響評価を今後実施することになっていて「環境を悪化させることが判明したから、THAADは持ち帰れ」と米軍に言える余地は残してあるのです。

朝鮮中央通信はこのところ、連日のように「THAAD配備を認めた南の傀儡(かいらい)」を非難しています。9月13日には「THAAD非難記事」を3本も載せました。

しつこく非難するのは、状況が変化すれば文在寅政権がTHAAD撤収を米国に要求すると北朝鮮が考えているからでしょう。

一方、戦術核は一度、再配備したら撤収は容易ではない。国民の反対運動が起きるのは間違いありません。韓国では6割前後の国民が核保有に賛成しているのです。反対は約3割です。「戦術核の撤収」は政権が倒れるほどの政争になりかねません。

—配備したままにしておけばいいのでは?

鈴置:そんなことになったら「米国の核の傘」にもっと深く取り込まれ、北朝鮮との軍事対立の構図が固定化すると文在寅政権は考えているのでしょう。

目先の話で言っても、南北対話を北に応じてもらえなくなります。南北和解こそはこの政権の存在意義です。だから米国にどれだけ叱責されても北に対話を懇願するのです

米国のカードをまたも潰した

—米政府は「戦術核再配備」を公式に言い出すのでしょうか。

鈴置:文在寅大統領がはっきりと反対した以上、言い出しにくくなりました。米韓の亀裂を世界に見せることになってしまいます。

文在寅大統領がCNNを通じきっぱり断ったのも、米国からの「再配備の声」を止める目的だったと思います。野党が調子づくのを防ぐためです。

なお、米国の「非公式の再配備論」は、強力な国連の北朝鮮制裁に応じるよう、中国とロシアに圧力をかける目的もあったと思います。米国は国連安保理での北朝鮮制裁決議の「尻」を9月11日に切っていました。それを前に、脅し材料を見せたのです。

—「再配備」がブラフに過ぎないなら、米国に実害はなかったのでは?

鈴置:大ありです。韓国の大統領が否定したことで、米国は「再配備」を中ロ向けの交渉カードとして使えなくなりました。韓国が嫌がるというのに米国が無理やり戦術核を持ち込むわけにもいきません。

韓国が北朝鮮との対話を言い続けることで、米国が主導する「対北圧力」の力を弱めてきたのと同じ構図です。そして「再配備」は米国が韓国に突き出した「踏み絵」にもなっていた。それを文在寅大統領は蹴り飛ばしたのです。

8月15日、文在寅大統領は事実上の中立宣言を発し、米国の対北攻撃を牽制しました(「韓国の無神経な『中立宣言』に米軍が怒った」参照)。

9月1日、北の6回目の核実験が予想される中、青瓦台が「米韓両首脳は電話協議で北朝鮮との対話が大事だと再確認した」と発表し、トランプ大統領からツイッターで叱責されました(「トランプは満座の中で文在寅を叱った」参照)。

9月14日には韓国政府は北朝鮮への人道支援を検討すると発表しました。「再配備拒否」はこれら一連の「反米親北」政策の一環なのです。度重なるサボタージュに、米政府は怒り心頭に発していることでしょう。

激化する国内対立

保守系紙は9月15日も社説で文在寅大統領に対し「戦術核の再配備拒否」など北朝鮮の顔色ばかりうかがう政策を改めるよう要求しました。

朝鮮日報の社説「文大統領は『戦術核に反対』、政府は北支援を検討」(韓国語版)は「我が国の安保状況は足元に火が付いた状況だ。というのに他人事のように語る、安保の責任者の発想には驚くしかない」と断じました。

東亜日報の社説「米、北の金蔓(かねづる)断つ『セカンダリー・ボイコット』で圧迫せねば」(韓国語版)も「戦術核が不要と言うのなら、国家と国民を守る方法は何なのか、軍の統帥権者はこの場で語らねばならない」と厳しく指弾しました。

米国との同盟を大事にするか、同じ民族同士で共闘するか――。韓国の分裂が本格化します。

(次回に続く)

川島記事

北朝鮮・南浦の西海閘門ビーチ周辺で修繕工事をする作業員(2017年7月22日撮影、資料写真)。(c)AFP/Ed JONES〔AFPBB News

北朝鮮の人々はどのような暮らしをしているのだろうか。日本ではもっと経済制裁を強めろとの大合唱だが、そんな状況下での庶民の暮らしぶりを探ってみたい。

アントニオ猪木議員の訪朝などに伴って平壌の映像が流れるが、あれは北朝鮮特に豊かな地域を写したものだろう。北朝鮮を訪れた報道関係者が伝える情報は、平壌の中心部に限られている。それは永田町と銀座を見て日本人の生活について語るのに等しい。

ここでは、もっとマクロな観点から北朝鮮の現状を推定してみたい。食料事情については、先に本コラム「統計データから見えてくる北朝鮮の意外な食料事情」で触れたから、今回はエネルギー事情について見てみたい。

電気は貴重品、エネルギーの5割は石炭から

国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)は北朝鮮についてもデータを発表している。図1に民生部門における1人当たりのエネルギー消費量を示した。ここでは全消費量から工業部門と輸送部門の消費量を除いたものを民生部門とした。

図1 民生部門でのエネルギー消費量(2013年) (単位:石油換算トン、出典:IEA)

北朝鮮の1人当たりのエネルギー消費量は石油換算で1年間に0.13トン。図に示した国々の中では最も少なく、日本や韓国の6分の1でしかない。日本や韓国ではエネルギー源として電気の割合が高いが、北朝鮮は電気の割合は低い。電気だけを見れば日本の19分の1である。

北朝鮮では森林面積が急速に減少している。1990年には820万ヘクタールあったが、2013年は516万ヘクタールになった。23年間に37%の森林が消失した。熱帯雨林の減少が問題なっているブラジルのアマゾン川流域でも、このような急激な減少が観察されることはない。

北朝鮮の農村など地方に住む人々は、エネルギーが不足しているために山の木を伐採して燃料にしているようだ。それは1990年頃から進行し始めた。そのため、現在、多くの山が禿山に変身している。

通常、森林から薪を採取してもまた新たな木が育つために、適切な伐採を続ければ、森林面積が減少することはない。しかし、北朝鮮の人々は森林の持続性を考える余裕もなく、森林を伐採し続けているようだ。

だが、禿山が出現するほどの伐採を行っても、そこから得られるエネルギーは石油換算で年間0.03トンに過ぎない。それは中国の0.14トン、ベトナムの0.13トン、インドの0.11トンに比べて著しく少ない。その理由は、北朝鮮は寒冷でかつ降雨量も少ないために、樹木の成長速度が遅いためだろう。中国の南部やベトナム、インドは雨量も多く気温も高いために木材の成長が速く、容易に薪炭が得られる。

森林面積の急速な減少は降雨時の山崩れなど災害をもたらす。しかし、冬の暖房に事欠く人々は、そのようなことにかまっている余裕はない。明日の燃料の方がより大切だ。森林面積の急激な減少は、地方に住む人々がかなり切羽詰まった生活を強いられていることを物語っている。

先のレポートでも述べたように、北朝鮮の庶民は飢餓に苦しむことはないが、肉や卵はたまにしか食べられない生活を強いられている。そして、暖房用のエネルギーにも事欠いている。多くの庶民は毎年冬の寒さに震えながら、心底では1日も早く圧政から解放されることを祈り続けているのだろう。

日本より韓国のエネルギー消費量が若干多いが、これは冬が寒く暖房用に多くのエネルギーを必要とするからと考えられる。北朝鮮は韓国よりも寒いが、北朝鮮の消費量は、国土の多くが熱帯や亜熱帯に位置し、暖房に多くのエネルギーを必要としないインドやベトナムよりも少ない。

アジアではいまだに多くの人が農村に暮らしている。ベトナムはなんども訪れたことがあるが、農村部の庶民は決して豊かではない。エネルギー消費量から類推するに、北朝鮮の農村部の人々はベトナム農民よりも貧しい暮らしを強いられている。

ベトナムの状況から想像すると、北朝鮮の農村部では冷蔵庫のある家は少なく、家庭電気製品は電灯とテレビだけと思われる。北朝鮮のテレビ局が面白い番組を放送しているとも思えないので、一般家庭での視聴時間は短く、水爆実験の成功を伝えるニュースの時などだけ一家そろって見るのだろう。図1を見れば分かるように、北朝鮮の庶民にとって電気は貴重品である。“ながら視聴”のような無駄遣いはできない。

北朝鮮の家庭が使用するエネルギーの54%は石炭に由来する。寒冷な北朝鮮において、石炭は主に暖房に使用されていると考えられる。

北朝鮮は多くの石炭を産出する。2013年の生産量は1860万トンにもなる。ただ、外貨獲得の手段の乏しい北朝鮮は、その約半分を輸出している。国内消費量は885万トンだが、その中の133万トンは発電に使用し、工業部門も570万トンを使用している。それはミサイルや原水爆を作るために使われているのだろう。その結果、民生用に回る石炭は175万トンに過ぎない。これは全生産量の10%以下である。

これでは暖房だけでなく、煮炊きのエネルギーにも困るだろう。そんな困難な状況が意外なデータから確かめることができる。

北朝鮮で森林面積が急減している理由

図2は北朝鮮の土地利用を示したものである。図中、森林の面積はFAO(国連食糧農業機関)の専門家が衛星画像などを用いて推定したものだ。

図2 北朝鮮の土地利用 (単位:100万ヘクタール、出展:FAO)

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