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『金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ 北朝鮮は「米国が核戦争を起こす」と世界に訴え反撃』(9/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

9/26money voice<投資家視点で考える「安倍総理は北朝鮮との戦争を決意したのか?」=伊藤智洋>

http://www.mag2.com/p/money/307595

安倍首相はトランプ大統領から確実に北朝鮮を攻撃する話を聞き、解散を早めたのではという気がします。上記の記事の内、「北朝鮮の核兵器を容認するシナリオ」は日本にとって最悪で、韓国人、日本人に被害者を出しても、「米国に北朝鮮の現在の体制を壊してもらうこと」を安倍首相は覚悟したと見ています。それが正しい見方かどうかは別として、今の犠牲を恐れ、将来自分達の子々孫々が中国や北朝鮮の奴隷として生きていくことを考えれば、当然の帰結であり、政治家たるものその覚悟が無ければ、政治家たる資格がないと言えます。

ここでは米軍の北に対するEMP(電磁パルス)攻撃が挙げられています。確かにこれを先にやれば、北のミサイル発射は防げるのではと思います。

9/27日経ビジネスオンライン The Economist<密売買天国アフリカで荒稼ぎする北朝鮮外交官 犀の角と象牙が金正恩体制を支える>

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/092500143/?n_cid=nbpnbo_ml

北は本当に「ならず者国家」です。北に「第二次大戦中に米国から原爆を落とされた日本の仇討ち」を見る人がいますが、あの当時の日本は白人列強から圧力を受け、先ずはレーベンスラウム(生存圏)を確立し、その副次的効果として「東亜の解放」を目指しました。今の北のどこにそんな気高さがありますか?況してや日本を核攻撃すると脅し、韓国と同じく朝鮮半島の日本統治を否定的に見ている国です。所謂従軍慰安婦問題も挺対協を使嗾して日韓を離間させようとしています。中国同様、世界に悪を広める国です。北への制裁もゆっくりとではありますが効いてくるでしょう。暴発して返り討ちのパターンになるかどうかです。

鈴置氏の記事は、「米国は北に核使用も覚悟した」というものです。本ブログでも何度も言ってきましたようにB61-11(バンカーバスター、小型水爆)で北の地下兵器廠を壊滅させるつもりでしょう。これですと非戦闘員の殺戮はないでしょうから。北の核を無力化するにはこれが一番良いと思います。ハーバード大学のサンドラ・サッチャー教授も戦争は避けることができないので、正しいルールの下で行うべきだという考えでした。それは「非戦闘員の保護」が最重要視される考えで、それを行うものこそが「モラルリーダー」として評価されるという事です。(8/23本ブログ)

http://dwellerinkashiwa.net/?p=6987

記事

9月23日夜、米B1B爆撃機が北朝鮮東方沖を飛行(提供:U.S. Air Force/AP/アフロ)

前回から読む)

核武装の阻止を目指し、米国が北朝鮮を追い詰める。国連演説、金融制裁、軍事力をフル動員して。

「完全に破壊」と「水爆実験」

—米国と北朝鮮の間で緊張が高まりました。

鈴置:確かに激しい言葉の応酬となっています。が、仔細に見ると米朝間で駆け引きが始まっているのが分かります。とりあえずは米国が北朝鮮を追い込んでいます。

まず、トランプ大統領が9月19日、国連で「核武装を放棄しないなら、北朝鮮を完全に破壊(totally destroy)する」と宣言しました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

これに対し北朝鮮は、国連総会に出席した李容浩(リ・ヨンホ)外相に「太平洋上で過去最大の水爆実験をする」と言わせました(日経・電子版「太平洋で水爆実験なら国際法に違反」参照)。

世界のメディアは「戦争になるかもしれない」と大騒ぎしました。ただ米朝双方は、相手を威嚇する際にも状況が悪化しないよう、考えて発言しています。

9月19日のトランプ大統領の国連演説は「北朝鮮を攻撃する際は核兵器も使う」と宣言したのも同様でした。核をちらつかせての最後通牒です。米国は、北朝鮮の挑発のエスカレートを抑え込むにはこの強烈な威嚇しかないと考えたと思います。

核の使用は米軍の専門家の間では当然の選択肢でした。北朝鮮のすべてのミサイル発射台の正確な位置を把握できない以上、一部には広い範囲の地域を叩ける戦術核も一部で使うしかない、との判断です(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

そうしなければ米国や韓国、日本は、北朝鮮に核ミサイルなどで反撃されてしまします。

核攻撃を辞さない

北朝鮮はすでに米国や韓国を先制核攻撃すると何度も宣言しています(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

米軍は、そうした国への先制核攻撃を躊躇しません。だから米国の安保関係者が口を揃えて「戦争になったら悲惨な目に遭うぞ」と北朝鮮に警告してきたのです。

9月3日にもマティス(James Mattis)国防長官が「米国やその同盟国を攻撃すると脅すなら、大量の軍事的対応で悪漢国家を全滅(total annihilation)させることもある」と語りました(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

もちろん、核を使うぞと示唆したのです。核兵器を使わなければ「北朝鮮は全滅」しません。

9月18日には「(ソウルへの反撃は)防げる。ただし、その方法には言及しない」と記者に語りました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

これまた「核を使用する」と言ったも同然です。それ以外に「ソウルへの反撃を完全に防ぐ方法」はないからです。

ただ、軍関係者以外には核攻撃――事実上の先制核攻撃になるのでしょうが――を実施すれば、国際的な非難を浴びると反対する向きも米国にはあります。

そうした声を増すため北朝鮮は首都、平壌の国際空港から弾道弾を発射するようになったと思われます。人口密集地にも弾道弾は配備している。そこに核を使う勇気はあるのか、と捨て身で威嚇したのです(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

そこでトランプ大統領が9月19日に……。

鈴置:世界の首脳が集まる国連総会で、米国の統帥権者として「完全に破壊(totally destroy)」との言葉を使って「核使用」への決意の確かさを示したのです。

北朝鮮に「次に核・ミサイル実験をすれば、戦争になるかもしれない」と考えさせるためです。トランプ発言は核放棄を迫るのが最終的な目的ですが、核開発を現状で止める効果も期待できるのです。

史上最高の超強硬措置

—でも、世界を騒がせました。

鈴置:この発言は一部から「戦争を引き起こす」と非難されました。でも現実を見ると、逆に北朝鮮を抑止する効果も発揮し始めました。

—「抑止効果」ですか? 北朝鮮は強く反発しました。

鈴置:9月22日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の「超強硬対応措置を断行する」との声明を発表しました。

「朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会 委員長声明」です。その部分を朝鮮中央通信・日本語版から引用します。

トランプが世界の面前で私と国家の存在自体を否定し、侮辱し、わが共和国をなくすという歴代最も暴悪な宣戦布告をした以上、われわれもそれに相応する史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮するであろう。

普通の人が聞いたら「北朝鮮はさらなる挑発に乗り出す」と思うでしょう。しかし「史上最高の超強硬対応措置の断行」の後に「慎重に考慮」とあるのです。北朝鮮が「慎重に」を使った場合、「やらない」か、「少なくとも当分はしない」ことが多いのです。

8月9日、北朝鮮が米領グアムの周辺にミサイル4発を撃ち込むと宣言しました(「ついに中立を宣言した文在寅」参照)。

この時の発表文にも「朝鮮人民軍戦略軍は……『火星12』型でグアム島周辺に対する包囲射撃を断行するための作戦方法を慎重に検討している」と「慎重」という言葉が入っていました。そして、今に至るまで、グアム周辺への弾道弾発射は実施していません。

腰が引けてきた北

—しかし、北朝鮮の李容浩外相は9月21日、「超強硬対応措置」について「私の考えだが、過去最大の水爆実験を太平洋上ですることではないか」と語りました。

鈴置:あくまで「外相の私見」として語ったのです。そこがポイントです。正式に発表したわけでなし、実行しなくとも面子は失わない。

北朝鮮の指導部は「核の使用も辞さない」とのトランプ演説を聞いて震え上がったと思います。米国がその気になれば、北朝鮮を「完全に破壊」するのは簡単なのです。もっとも「言われっぱなし」というわけにもいかない。

そこで史上初の「金正恩委員長声明」を発表して対抗したのでしょう。ただこの声明に「太平洋上での水爆実験」を盛り込めば、それを理由に米国から先制攻撃されかねない。そこで「外相の私見」として明かしたのだと思います。

—北朝鮮は腰が引けた、と……。

鈴置:その通りです。少なくとも今の局面では。そもそも、北朝鮮が本当にトランプ発言に対抗するつもりなら「史上最高の超強硬対応措置の断行」などという抽象的な言い方をしないはずです。

「北朝鮮を全面的に破壊する」と言われたのですから「米国全土を焦土化する」くらい言い返さないと、バランスがとれない。

個人攻撃で快哉叫ぶ

これまではそんな威勢のいいことを言ってきたのです。例えば、8月6日の労働新聞は「米国が核と制裁を振り回せば、本土が想像もつかぬ火の海になる」と宣言しました。

でも今や「トランプが本気になって潰しに来た」のです。米国を刺激するのは控えざるを得ない。ただ、罵倒し返さないと気が晴れないので「怖じ気づいた犬」「政治門外漢」「政治異端児」「老いぼれ狂人」などと、トランプの個人攻撃に力を入れたのでしょう。

もちろんこの部分は、トランプ大統領に「ロケットマン」(rocket man)と揶揄されたことへのお返しでもあるので、念を入れたのでしょうが。

—李容浩外相は9月23日の国連演説でも米国に凄んでみせました。

鈴置:「もし米国とその従属国が我々の本部への“斬首”作戦や我が国への軍事行動の兆しを見せたら、無慈悲な先取行動による予防措置を取る」と李容浩外相は述べました。

でも、あくまで「米国などが攻撃の姿勢を見せたら自衛措置をとる」と、当然のことを言っているに過ぎません。少し前までの「先制核攻撃するぞ」といった、米国に開戦の言質を与える発言とはかけ離れています。

ボディ・ブローとなる金融制裁

—要はトランプ大統領の威嚇により、北朝鮮は身をすくめたということですね。

鈴置:そうです。米国が使った威嚇の武器はトランプ演説だけはありません。米国は9月21日、独自の追加制裁を発表しました。

その柱が「北朝鮮と取引のある金融機関を米国の金融システムから排除する」です。中国を標的にしたもので、これは効果があると思います。

「米国の金融システムから排除」されたら外国為替取引はできなくなりますし、ドル調達も極めて不自由になります。そして中国の大手銀行で「北朝鮮と取引のない」銀行はないでしょう。

米国はいつでも中国の金融システムを破壊できる体制を整えたのです。もちろん、中国の大手銀行を制裁すれば米国も返り血を浴びます。

ただ、自国の安全保障のためならトランプ大統領は躊躇しないと思われます。だから中国政府も、直ちに自国の金融機関に北朝鮮との取引中止を命じたのです。

北朝鮮は貿易決済が相当に困難になる見込みです。この制裁の効果は今日明日に出るわけではありません。が、過去の制裁の抜け道をふさぐ効果もあり今後、北朝鮮経済はボディ・ブローを打たれ続けることになります。

暗殺用爆撃機が出撃

米国はこれに加え、軍事的にも対北圧力のレベルを上げました。9月23日夜、米国の爆撃機と戦闘機が朝鮮半島に沿って日本海を北上しました。国防総省は「21世紀に入ってから最も非武装地帯(DMZ)の北側に入った飛行だった」と発表しました。

爆撃機はグアムから飛び立った2機のB1B、戦闘機は沖縄を発進した6機のF15CだとWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)の「Tensions Rise as U.S. Warplanes Skirt North Korean Coast, Pyongyang’s Envoy Sharpens Threats」(9月23日)が伝えました。

B1Bは地下に潜む金正恩委員長を暗殺するためにも使われるとされています。海上とはいえ、軍事境界線の北まで進出され、金正恩氏はさぞ、肝を冷やしたことでしょう。

9月25日、李容浩外相がニュ―ヨークで「米国の戦略爆撃機が我が国の領空に入らなくとも撃ち落とす権利を持つ」と語ったのもその恐怖を示しています。

反米包囲網を呼び掛け

—北朝鮮は追い込まれた……。

鈴置:が、やられっ放しではありません。「米国が核戦争を始めようとしている」と世界に訴え始めました。トランプ大統領の「過激な国連演説」を逆手にとり、危機を訴えて反米包囲網を作る作戦です。

9月24日、最高人民会議は世界各国の国会に向けた書簡を発表しました。「最近、米大統領トランプの不法無道な妄言により朝鮮半島に核戦争の危険が刻一刻と迫っている」と主張しました。

—呼応する国はあるでしょうか。

鈴置:ロシアのラブロフ外相が9月24日、同国のテレビで「米国は絶対に北朝鮮を攻撃しない。核兵器を保有していることを確信しているためだ」と語りました。米星条旗紙のサイトで読めます。

核戦争になりかねない、と米国に自制を求めたのです。戦争になれば北朝鮮からロシアに難民がなだれ込むのは確実です。ロシアは北朝鮮の北東部の不凍港に利権も持っています。北朝鮮の宣伝がなくとも「軍事行動は止めよ」と米国に言い続けるでしょうが。

北朝鮮の宣伝に最も踊るのは韓国かもしれません。また「親北」の動きに出たのです。事実上の中立化宣言を発して米国から厳重注意を受けたばかりなのに(「韓国の無神経な『中立宣言』に米軍が怒った」参照)。

また裏切った韓国

—また、韓国がやらかしたのですか?

鈴置:9月21日、韓国統一部は北朝鮮への人道支援を正式に決めました。米国と日本が国連を舞台に北朝鮮と戦っている最中のことでした。

日米が「世界が力を合わせて北を圧迫する時に、いくら人道支援とはいえやめるべきだ」と繰り返し忠告したので最後には、援助の時期に関しては未定、と発表しました。しかし、対北包囲網を破ったことに変わりはありません。

人道支援を発表した9月21日、ニューヨークでの日米韓首脳会談で、文在寅大統領は北朝鮮への圧力を強めることに合意しました。その裏で韓国は北朝鮮にすり寄っていたのです。怒った米国は韓国の頭を小突きました。

(次回に続く)

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『空中戦のルールを変える最新鋭ステルス戦闘機 「F-35AライトニングII」の技術的優位性を解説』(9/25日経ビジネスオンライン 井上孝司)について

安倍首相の9/25記者会見の模様をNHKニュースでみました。<首相「消費税の使途や北朝鮮対応で信を問う」>。『国難突破解散』という割には、経済問題から入るのは違うのではと言う印象です。勿論、景気が上向いているという実感を国民が持てていないのはありますが。9/26朝のNHKニュースで小峰隆夫氏がその理由として「給料等の伸びがないため」と言っていましたが、その通りです。名目成長率が延びない限り景気が良くなったという実感を国民は持てません。9/23田村氏講演で「日本の企業はストックで内部留保を400兆円も貯めこんでいる」とのことでした。消費税2%増税が5兆円の収入見込みであるなら、麻生副総理の言う内部留保税を1%かければ良いのでは。その方が消費には全く影響を与えません。本来なら今次解散は北朝鮮との戦争対策解散でしょう。それをもっと前面に出さないと国民は何時まで経っても安全保障のことを考えません。まあ、国民のレベルからして反発を受け、票を減らしたくないという気持ちも分かりますが。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170925/k10011155671000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_056

http://www.sankei.com/politics/news/170926/plt1709260010-n1.html

9/26朝のNHKニュースでは北朝鮮のリ・ヨンホ外相が「アメリカが宣戦布告をした」と述べたのに対し、米国は否定、グテレス国連事務総長の仲介も成功していないとの報道です。いつ戦争が起きてもおかしくありません。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170926/k10011156071000.html?utm_int=all_side_ranking-social_001

9/26ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一氏記事<習近平は対北朝鮮政策の転換を国家主席就任前から考えていた>。加藤氏は相変わらず中国共産党の喉と舌の役割を果たしています。そもそもであれば外国人、特に日本人に大事な情報を共産党が流すはずがありません。プロパガンダかデイスインフォーメーションでしょう。無自覚なまま利用されているのか、分かったうえで工作員として活動しているのか。北を利用しているのは間違いなく中国です。たとえ瀋陽軍+江派であっても。習近平は慌てて人民銀行に北との金融取引をさせないようにしました。中国に対し米国の金融制裁がかけられるのを恐れたためです。如何に金融制裁が恐ろしいかを知っているからです。人民元では誰も取引してくれないでしょう。中国のことですから、米国とデイールするにしても高く売りつける筈です。裏では米国の一極支配を打破するため、北を利用しているというのに。米国は北の問題が解決したら、中国に彼らが軍事的野心を持って行動する限り、全面的に金融制裁をかけるべきです。

http://diamond.jp/articles/-/143453?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

井上氏の記事は、ステルス機に対する理解が深まりました。でも、電波でデータのやりとりをするとなると、ハッキングやEMP(電磁パルス)攻撃には脆弱ではと思われます。超音速機による攻撃だと迎撃ミサイルより早く飛べるから安全?技術的なことは分かりませんが。科学技術を大事にしていかないといけませんが、前川のような人間がいる文科省が牛耳っているようではだめでしょう。文科省から科学技術庁を独立させるべきです。

2016/3/21<ステルスはもう古い? 飛行機は「極超音速の時代」へ>

https://trafficnews.jp/post/49614/

記事

今年度から日本で本格的な配備が始まった最新鋭ステルス戦闘機「F-35AライトニングII」。「忍び」という意味のステルス性能を生かし、これまでの戦闘機とは異なる競争軸を打ち立てた。北朝鮮や中国の脅威が高まる中、F-35の技術的優位性を軍事研究家が解説する。

(日経ビジネス2017年7月17日号より転載)

(写真=米ロッキード・マーチン)

今年6月5日、三菱重工業・名古屋航空宇宙システム製作所(愛知県豊山町)で米ロッキード・マーチンのステルス戦闘機「F-35AライトニングII」が日本で初めて披露された。

日本政府がF-35の導入を決めたのは2011年の暮れ。発注は12年度から始まり、「次期防衛力整備計画(19年度以降が対象)」まで含めると全42機を配備する計画だ。最初の4機を除く、38機が三菱重工の小牧南工場で組み立てられることになっている。同工場は機体整備の拠点としても活用される。

戦闘機にステルス性能が備わる最大のポイントは「先制発見・先制攻撃」が容易となること。戦闘機同士の空中戦では、双方が相手の存在を認識して真正面からやり合うとは限らない。理想は、相手が自機を発見する前に死角に回り込んで撃墜することだ。

従来であれば、相手に気付かれないように死角に回り込むのは、パイロットの能力に依存する部分が多かった。それをもっとシステマチックに実現したのが、ステルス戦闘機である。

一般的にステルス技術とは対レーダーステルス、つまりレーダー探知を困難にする技術を指す。敵レーダーが発信した電波が、発信源の方に戻らないようにすれば、敵に居場所が知られることがない。ステルス技術も万能ではないが、少なくともレーダー探知を遅らせる効果は期待できる。

一方、自機が優れた探知能力を備えていれば、発見のタイミングが相対的に早まる。先制発見できれば、長射程の空対空ミサイルを撃ち込むなど先制攻撃につながる。つまり真正面から斬り付けるより、忍者のように忍び寄って必殺の一撃を放つのがF-35の理想とする戦い方だ。

となると、航空自衛隊が主力としてきた「F-15(通称:イーグル)」とはおのずと役割も変わってくる。F-15は「ドッグファイト」と呼ぶ空中戦を得意とする戦闘機だ。「日本の空を守る」という任務は不変でも、それを実現する手法は同じではない。

F-35はそのステルス性能を生かした敵基地攻撃能力にも注目が集まる。6月26日付の読売新聞は、日本政府がF-35に射程300kmの空対地ミサイルを配備する検討を始めたと報じた。

あくまでも国内の離島有事に備えるのが主目的であろうが、実現すれば自衛のために敵国の軍事拠点を攻撃する能力を持つことを意味する。ステルス戦闘機が敵の防空システムや戦闘機戦力を減殺できれば、後に続く攻撃作戦の遂行も容易となる。

こうした従来にない交戦形態や任務を実現するには、パイロットの訓練内容も変わっていく可能性が高い。そうなると、先輩格となる米国、あるいは同じF-35導入国である英国、オーストラリア、韓国などの国との間で、定期的に情報交換する場を設けて連携を密にしていく必要があるだろう。それは必然的に、共同作戦を円滑に進めるとか、相互運用性を向上させるとかいう話につながる。

反射波を散らすので見つかりにくい ●「F-35」のレーダーステルス性能

  1. 相手が発したレーダー電波が発信源に戻らなければ自機の居場所は捕捉されにくい。そのため主翼や水平尾翼は相似形にして角度をそろえることでレーダー電波の反射方向を限定したり、 2. 垂直尾翼や胴体側面を傾斜させて側方からのレーダー反射を抑え込んだりする。これらはレーダーステルス技術の基本といえる。 3. ミサイルなどの突起物が付いたまま飛行するとレーダーに探知されやすくなるため、飛行中は胴体下面の兵器倉に収容しておく。兵器倉には2000ポンド(約907kg)の爆弾が入る (写真=1. 2. 米ロッキード・マーチン、3. 米国防総省)

実際、今年3月にはアジア太平洋地域のF-35導入予定国(米日豪韓)の関係者がハワイに集まり、情報交換のための会合を開いた。今後も同様のイベントが開催されるだろう。

地上レーダーからの情報も統合

軍事の世界では、「状況認識(SA : Situation Awareness)」という言葉がある。敵や味方がどこにいて、何をしようとしていて、どんな状況にあるのかを把握するという意味だ。前述した「敵機が死角に回り込んできていたのに気が付かない」とは、状況認識ができていないと言い換えることができる。

状況認識を改善するには、信頼できる探知手段が必要である。戦闘機の場合、目視、レーダー、赤外線センサー、敵のレーダーが出した電波の方位や種類を知る逆探知装置などが挙げられる。最新鋭のF-35には、もちろんこれらの機材が標準で装備されている。

さらに近年では、外部の探知手段から情報を受け取る方法も一般化した。地上や艦上のレーダー、あるいは大型レーダーを搭載したまま飛行するAWACS( Airborne Warning And Control System、早期警戒管制機)が捉えた情報も戦闘機に送られる。

1991年の湾岸戦争の頃までは、AWACSに乗る管制員は無線機を使い、戦闘機のパイロットに口頭で情報を伝えていた。パイロットはそれを基に、自分の頭の中で状況を組み立てていた。しかし現在はデータリンクという便利な機能がある。AWACSなどから戦闘機の搭載コンピューターに、最新の情報が刻々と送信されるのだ。

情報が多くなると別の問題が生じる。スペースが限られたコックピットの中で「AWACSから来た情報を表示するディスプレー」「自機レーダーの探知情報を表示するディスプレー」「レーダー発信源の種類と方位を示すディスプレー」などをバラバラに設置するのは不可能だ。そもそも情報源が増えるほど、パイロットの負担は増す。音速を超える速さで飛ぶ戦闘機では、判断の遅れは致命傷となる。

そこで重要な要素となるのが、「センサー融合・データ融合」という概念だ。一言でいうと、「さまざまな探知手段で得たデータをひとまとめにして、単一の状況図を生成する」ということだ。

F-35が搭載するレーダーより、AWACSが装備するレーダーの方が探知距離は長く、識別能力にも優れている。だから、AWACSのレーダー情報を受け取って自機のレーダー情報と融合すれば、自機のレーダーだけを使って捜索するより遠方まで目が届くことになる。

また、F-35が装備する逆探知装置を使えば、敵機が発したレーダー電波を受信したときに、発信源の方位や種類を識別できる(ただし、逆探知装置が発信源の正体を知るには、事前に電子情報を収集してデータベースを作っておく必要がある)。

レーダーだけなら「誰か」がいることしか分からないが、電波発信源の逆探知と組み合わせることで機種まで分かる可能性が高まる。つまり、「どこに」「誰が」いるかが分かることにつながる。

こうした課題を解決するためにF-35に採用されたのが、パイロットの正面に配置されたタッチスクリーン式の大型液晶ディスプレーだ。複数の情報源からもたらされた情報を融合して一目で分かる「一枚の状況図」として表示する。タッチスクリーンや画面の大きさは、その状況図を見やすく、操作しやすくするための手段にすぎない。

人工複数の情報を統合して「一枚図」で表示 ●F-35のコックピット内部

  1. F-35はパイロットが1人で操縦する単座型戦闘機。米国以外の軍隊でも導入するため、大柄な男性でも小柄な女性でも座れるように配慮されている。 2. 大型レーダーを搭載したまま飛行するAWACS(早期警戒管制機)、 3. 地上の警戒管制レーダーなどからの情報も無線通信で刻々とF-35に送信される。 4. 複数の情報を「一枚図」として統合して表示するのが、操縦席前面の大型液晶ディスプレーだ。最新式の戦闘機では、アナログの機械式計器類はほとんど見当たらない。パイロットはタッチスクリーンを操作して、敵の戦闘機やレーダーの位置、自機の状況、地図、センサー映像などの情報を呼び出せる。燃料タンクごとの残量や燃料移送もタッチスクリーンで指示する。 5. パイロットがどちらを向いていても情報が見えるようヘルメット装着型ディスプレー装置(HMDS)を採用。 6. 機体周囲に設置された全周カメラの映像が滑らかにつながり、向いた方向の映像をバイザーに表示する (写真=1. 4. 6. ロッキード・マーチン、2. Roger-Viollet/アフロ、3. 読売新聞/アフロ、5. ロックウェル・コリンズ)

下を向いたら床が「素通し」

自動車教習所では、運転する際には「死角に注意するように」と教わる。戦闘機も事情は変わらない。機体の陰になる真後ろから後下方にかけての範囲は、特に用心する必要がある。

だからこそパイロットは「Check Six」を訓練中にたたき込まれる。この場合のSixとは6時の方向、つまり真後ろを指す。気付かない間に敵機が真後ろから忍び寄ってきて撃たれる危険性が高いので、警戒を促しているわけだ。

F-35にはこうした課題を解決する最新装備も搭載された。それが「EO-DAS(Electro-Optical Distributed Aperture System)」だ。従来の戦闘機にはない「全周視界」を実現している。

EO-DASは、機体の周囲6カ所に取り付けた赤外線センサーの映像を、ヘルメットの前面についているバイザーに投影するシステムだ。センサーがパイロットの頭の向きを常に検出しており、パイロットが見ている方向の映像を表示する。

例えばパイロットが真下を見ると機体の真下の映像が表示される。つまり床が素通しになったのと同じである。こんなことができる戦闘機は史上初めてだ。赤外線センサーを使用しているので、昼夜・天候を問わずに視界を確保できる利点は計り知れない。

EO-DASは、パイロットが見ていない方向を自動的に監視して警報を鳴らしてくれるわけではないので、「Check Six」の重要性は変わらない。しかし、従来にない全周視界を、しかも昼夜・天候に関係なく実現してくれるだけでも、空中戦における状況認識は大きく改善できるだろう。

なお日本向けのF-35で使用するレーダーとEO-DASは、一部の部品を三菱電機が製造している。またエンジン部品をIHIが提供しており、航空機産業の育成を目指す日本にとってF-35の存在は小さくない。

「鈍重」でも問題なし

冒頭で紹介した「相手に気付かれないように死角に回り込んで撃ち落とす」ことを、ベテランだけでなく新人や中堅のパイロットでも実現できるように、システムや環境を整備する。それがF-35の狙いである。

各種のレーダーやコンピューターなど電装部品を大量に積み込んだ結果、F-35の総重量は約35トン(燃料満タン時)と単発戦闘機としてはかなり重い。その結果、「速度」や「機動性」という指標で他の戦闘機と比べると、「鈍重」と酷評を受けることもある。

だが、F-35は俊敏さを極めるのではなく、情報面の優越を実現するところに注力した。「速度」「機動性」がモノをいう格闘戦にもつれ込む前に、先制発見・先制攻撃でケリをつけてしまうという、新しい空中戦のルールに書き換えてしまおうという考え方だ。

ビジネスの世界では、既存のルールで相手の土俵に乗って戦う代わりに、新しいルールを作って、そちらに相手を引き込んで勝利する事例がいくらでもある。スポーツの世界ならもっと露骨に、「誰かが一人勝ちしているときに、その誰かが不利になるようにルールを書き換えてしまう」ことは頻繁に起きる。それと同じことを航空戦の世界で実現しようとしているのがF-35だ。同機が「空のゲームチェンジャー」と呼ばれるゆえんである。

井上 孝司 テクニカルライター、軍事研究家

日本マイクロソフトを退職後、1999年にテクニカルライターとして独立。主に技術解説記事を手掛け、IT分野から鉄道・航空・軍事まで幅広くカバー。近著に 『日本のステルス機 F-35ライトニングII』、 『図解入門 最新 ミサイルがよ~くわかる本』がある。

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『スパイの実態も暴露!米ロが外交官追放合戦 大統領選への対抗干渉恐れるプーチン政権』(9/22日経ビジネスオンライン)について

「日本のこころ」が小池新党に吸収合併されるというニュースは驚きでした。共産シンパで反原発の小島敏郎元都顧問を新党の事務総長にするようなトップの所です。小池は鵺的存在で利用できるものは利用するといった日和見主義者です。右翼・左翼関係ありません。フェースブック上では中山恭子氏の「夫の為の新党参加」という意見もありました。自民党宮崎県連が彼を追い出したため、自民党には戻れないためです。思想上は自民党が一番ピッタリくるのでしょうけど。それで和田政宗議員だけ先に自民党へ移った訳が分かりました。勿論政治家ですから妥協も必要でしょう。特に地方で「日本のこころ」で議席を得ている人もいるでしょうから、此のままジリ貧でいたら党の消滅と考え、地方議員を慮っての決断だったのかもしれませんが。

安倍首相は2019年10月の消費税増税を、使途を変えることで法律通り実施するようです。間違いなく景気は悪化するでしょう。9/23講演会で田村秀男氏は「消費税増税には反対。(産経新聞社内でも増税反対は唯一人だそうで、如何に財務省の手が伸びているかです)。使途を教育にと言うのであれば教育国債を発行すれば良い。建設国債同様赤字国債ではないのだから」と仰っていました。財務省の天下り先確保のための増税には反対です。高橋洋一氏の論評では「統合政府の考えによれば日銀の国債買い入れによって国の借金は減っているし、官僚の天下り先の出資金、貸付金を組織解散して戻せば借金は大幅になくなる」というもの。国民だけが知らず、そうでなければ円がこれだけ買われることは無いでしょう。少し考えれば分かるはずです。また、2%のインフレ目標には達していないときに増税するのは経済の足を引っ張ることになると思います。

https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%B2%A1%E6%94%BF%E5%86%8D%E5%BB%BA%E3%81%AF%E3%80%8C%E7%B5%B1%E5%90%88%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%80%8D%E3%81%A7%E8%A6%8B%E3%82%8C%E3%81%B0%E3%82%82%E3%81%86%E9%81%94%E6%88%90%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B/ar-AAnelUP

米ロ関係が悪化したのはオバマのせいもありますが、共和党のマケインが議会を動かし、トランプにロシアと手を結ぶことをできなくしました。「対ロシア制裁法案」です。真の敵は中国と言うのが分かっていません。英雄も年をとればただの老害にしかならないのかと思いました。

http://www.bbc.com/japanese/40749366

中国は人民銀行経由で商業銀行に北との新規口座開設凍結と送金停止を命じましたが、果たしてその通り行くかどうか。「上に政策あれば下に対策あり」の国ですから。銀行経由せず、密輸で現物交換の約束で取引することはあると思います。

https://mainichi.jp/articles/20170923/k00/00m/020/154000c

金三胖が太平洋に花火を打ち上げると息巻いていますが、米国の全面的報復攻撃を受けることになり、どこで「やった振り」するかです。でも北の技術が優れていなければ日本に落ちる可能性もあり非常に危険です。9/19ダイヤモンドオンライン<元海将が指摘「北のミサイルは狙った所に飛ばない可能性がある」>とあります。

http://diamond.jp/articles/-/142570

9/25ダイヤモンドオンライン<北朝鮮への米「軍事オプション」の可能性は捨てきれない>。朝日新聞オピニオン編集部次長 兼 機動特派員 尾形聡彦氏の記事です。「日本の楽観の空気は危うい ミサイル防衛では守りきれない」と朝日にしては真面な論調です。自衛隊OBが、NEOがないから戦争にはならないなんて強調するより、国民に真剣に国防を考えるキッカケにする方が大事では。

http://diamond.jp/articles/-/143240

戦争になってもロシアは介入しないでしょうし、中国も地上部隊(斬首部隊を除く)を送り込まない限り介入しないでしょう。悪いのはどう見ても国際法違反を続ける北朝鮮ですから。助ける大義がありません。シンシアリー氏の『韓国人による北韓論』によれば、北の金日成憲法に九次目の改正(2009年)で「主体思想」と「先軍政治」が統治理念として追加されたとあります。(P.72)「核」こそが最強の「先軍」で、それによって「主体」が実行できる(P.79)と考えているようですから、世界を敵に回しても核開発は止めないでしょう。どこかで米軍とぶつかるのは間違いありません。

「戦争は起きない」と思わず、今できることは何か、避難訓練、テロ対策、偽装難民対策、総連や朝鮮学校のことなど沢山でてきます。準備してなければ慌てふためくだけです。

記事

米ロ関係が一段と冷え込んでいる。米政府が大統領選への干渉を理由に対ロ追加制裁を発動したのに対し、ロシアは米国人外交官の大量退去を要求。これに対抗して今度は米側が領事館閉鎖を求めるなど、外交官の事実上の追放合戦に発展した。

「人件費が減り、彼には心底から感謝している」――。プーチン政権が7月末、ロシアに駐在する米国人外交官の大幅な削減を求めたのに対し、米国のトランプ大統領が8月になって冗談とも、本気とも受け取れるような発言をした。感謝するとした相手は当然、プーチン大統領だ。

プーチン大統領は、中国のアモイで開かれたBRICS首脳会議閉幕後の記者会見で、米国への不満をぶちまけた(写真:代表撮影/Russian Look/アフロ)

プーチン政権が打ち出した措置は、ロシアに駐在する米外交官らの総数を9月1日までに、米国に駐在するロシア外交官と同数の455人に削減するよう求めたものだった。米外交官の大量退去を実質的に通告したもので、プーチン大統領は「755人がロシアでの活動を停止しなければならない」と述べていた。

ところがだ。トランプ大統領の本音はともかく、米政府もただでは引き下がらなかった。9月1日の退去期限を前にした8月下旬、モスクワの米大使館はロシア国内での米国入国ビザ(査証)の発給を8月中は停止するとともに、9月1日からはモスクワの大使館領事部でのみ発給すると表明したのだ。

米大使館は「我々のロシアでの主要な外交業務は米国市民の利益を守ることだ」とし、プーチン政権による米外交官の大規模な退去措置によって、ロシア人に対するビザ発給を含めた他の業務を縮小せざるを得なくなったと説明した。

米政府は従来、ロシア国内ではモスクワの大使館領事部と、サンクトペテルブルク、エカテリンブルク、ウラジオストクの各総領事館でビザを発給してきた。ロシア紙によれば、2016年にロシアで発給された米国入国ビザ(移民ビザを除く)は約18万3000件。このうち13万6000件超はモスクワでの発給だったが、サンクトペテルブルクで約2万7600件、エカテリンブルクで1万1500件、ウラジオストクでも7000件以上が発給されたという。

9月からはこうした地方での発給業務がなくなり、希望者はわざわざ首都モスクワまで出向いて手続きをしなければならなくなったわけだ。当然、ビザ申請から発給までにかかる期間も長引くとみられ、「半年ぐらいは待たなければならなくなる」(コメルサント紙)といった悲観的な見方さえ出ている。米国への渡航を計画する一般市民への影響は避けられそうにない。

堪忍袋の緒が切れたプーチン大統領

ロシアは当然、嫌がらせと受け止めた。ラブロフ外相は「こんな決定(ビザ発給の制限)をした米国の立案者のもくろみは、ロシア政権の行動をロシア市民の不満拡大に結びつけることにある。定番の試みであり、我々にとっては見え透いた論理だ」と非難した。

ロシア外務省情報局も「あたかも外交・領事業務に携わる米国人の陣容削減によって引き起こされた問題だと認識させ、ロシア市民の不満を募らせようとしているのは明白だ」と批判。昨年、イタリアは16人の領事関連の要員で47万8000件、スペインはわずか5人の要員で87万7000件のビザをロシア人に発給したのに、大規模な領事部を持つ米国はわずか18万数千件しか発給できなかったと指摘し、米国の対応を痛烈に皮肉った。

そんなロシアの反発をよそに、米国はさらなる措置に踏み切った。米国務省は8月末、米国内のロシアの総領事館など3つの外交施設を9月2日までに閉鎖するよう求めたと発表した。ロシア外務省の報道資料では触れていないが、閉鎖要求はティラーソン米国務長官が8月30日にラブロフ外相と電話会談した際に伝えたという。ロシアはこれにより、サンフランシスコ総領事館と首都ワシントンの大使館別館、ニューヨークの総領事館別館の閉鎖を余儀なくされた。

ロシアはこれまで、米国内ではサンフランシスコのほか、ニューヨーク、シアトル、ヒューストンに総領事館を置いていた。今回の措置で総領事館が3カ所に減ったが、米国が従来、ロシアで置いている総領事館もサンクトペテルブルク、エカテリンブルク、ウラジオストクの3カ所。外交官の数で「同等」を要求したロシアに対抗し、米国は領事館の数を「同等」に減らさせたわけだ。

あの手、この手で対抗策を繰り出してくる米国に、プーチン大統領もさすがに堪忍袋の緒が切れたようだ。9月5日、中国のアモイで開かれたBRICS首脳会議閉幕後の記者会見の場だった。

米国でのロシア外交施設の閉鎖問題を聞かれたプーチン大統領は先にロシア側が取った措置に触れ、「実はロシアも米国も外交官の数を同等にすることで合意していた」と説明。ロシアに駐在する米外交官が1300人に上り、米国駐在のロシア外交官が455人だったので455人に合わせただけだと述べ、米国に対する措置の正統性を主張した。さらに大統領は続けて、米国に駐在するロシア外交官455人の中には国連本部などで働く155人が含まれていると明かしたのだ。

プーチン大統領は「彼らは厳密に言えば、米国務省に登録する外交官ではなく国際機関で働く外交官だ」と強調。かつて米国が国連本部をニューヨークに誘致した際、国連での活動を保証すると確約した経緯まで持ち出したうえで、「同等」の原則を厳密に適用すれば、ロシアに駐在できる米外交官の数は「455人ではなく、155人がマイナスされる」。つまり300人まで減らせると脅したわけだ。

米ロは泥沼の外交官追放合戦に発展しかねない状況に陥ってしまった。

ロシアが米国に経済制裁を課すことができない事情

一連の経緯はそもそも、オバマ政権(当時)が昨年末、米大統領選へのサイバー攻撃を理由に米国に駐在していたロシアの情報機関職35人を追放したのが発端だ。だが、ロシアが米外交官の大幅な削減を要求したきっかけは、トランプ政権下で対ロ経済制裁の強化が打ち出されたことにあった。ロシアにしてみれば、同じく経済分野で対抗する方法もあったわけだ。

だが、いまやロシアの経済規模は米国の約15分の1に過ぎない。ロシアの今年上半期(1~6月)の国別の対外貿易をみても、米国との貿易額は、最大の貿易相手国である中国との貿易額の4分の1程度に過ぎない。経済分野で報復措置を打ち出そうとしても、その影響は極めて限定的と判断せざるを得なかった。政権内ではロシアと取引のある米国のエネルギー産業を制裁対象にする案が浮上したものの、自らの首を絞めかねないとして却下されたという。

こうした中、米国に大きな打撃を与える対抗策ということで米外交官の削減が浮上したようだ。もっとも、「同等」の原則まで持ち出して「755人」(プーチン大統領)もの大量削減を打ち出した裏には、来年3月の大統領選挙を見据えたクレムリンの強い意向が働いたとされる。どういうことか。

女装した男性の米外交官が公衆トイレで着替え?

今年6月、米国で「ザ・プーチン・インタビュー」という番組がテレビで放映された。米映画監督のオリバー・ストーン氏が複数にわたって重ねた大統領インタビューをもとに制作したものだ。この中でプーチン大統領は「2000年も、2012年も、米国はロシアの選挙に干渉してきた。干渉はいつもあった。特に2012年は激しい干渉があった」と述べている。いずれも自らが出馬した大統領選を指しているのは明らかだ。

大統領はさらに「(米国の)外交官がロシア国内の選挙戦に精力的に関与し、反体制勢力を結集させて財政支援し、反体制派のあらゆる集会を駆け回るという行動は、我々の想像を超える」と批判。「外交当局はもっと別のこと、つまり国家間の良好な関係づくりの調節に尽力すべきだ」と苦言を呈していた。

大統領に限らず、駐在する米外交官への不満はロシア国内で強まっていた。例えばラブロフ外相。今年1月の記者会見では、モスクワの米大使館に勤務する米外交官が「スパイ活動に加え、反政府集会などに何度も参加している」と非難し、その“活動”の実態までいくつか暴露していた。

いわく……

  • 変装しカツラ、付けヒゲ姿の米外交官が身分証明書を提示せずに米大使館内に入ろうとし、制止しようとしたロシアの保安職員を殴った
  • 女装した男性の米外交官が、公衆トイレで元の姿に戻るべく着替えをした
  • 米大使館付きの駐在武官が目立ちにくいロシアナンバーのレンタカーを使ってロシア国内の各地を飛び回っている もっとも、両国の外交官追放合戦が続くようなら、プーチン大統領のいう「良好な関係づくりの調節」もままならなくなる。米ロの冷たい関係をさらに決定的に悪化させかねない危うさが見え隠れしている。
  •  真偽の程は定かではない。いずれにせよ、米大統領選へのサイバー攻撃をプーチン政権が指示したとみる米国が、来年3月のロシア大統領選に積極介入してくる可能性は十分にある。そうした試みを未然に防ぎ、プーチン大統領の再選をより確実にするには、米外交官の大量退去が欠かせなかったというわけだ。

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『分娩直前に投身自殺、産婦に何が起こったのか 中国の因習に原因?飛び交う憶測、遺族と病院は一転和解』(9/22日経ビジネスオンライン 北村豊)について

9/23は「防人と歩む会」の講演会に出席しました。講師は産経新聞の田村秀男氏です。緊迫する朝鮮半島情勢について説明がありました。「国連制裁決議で石油輸出が200万バレル/年というのは尻抜け。今までも中国の最大輸出数量は200万バレル。中国が北への最大の輸出国であるので何も変わらない。また中国らしく足元を見て市場価格より2割も高く売って儲けている。石油代金の支払いは鉱物資源等」、「米軍情報将校に米中戦争について聞いて見た所、戦争はないだろうとのこと。マテイスは軍人だから兵士の命を奪う戦争を避けようとする」と。講演終了後の懇親会時に田村氏に「中国の北への経済支援のやり方はスリランカと同じ。阿片戦争で清国が列強から受けた仕打ちと同じことをしている」、「もし米国が北と戦争しなければ、中国は増長して(弱い北とも戦争できないのでは)東シナ海、南シナ海に出て来るでしょう」と意見を述べました。

9/23産経ニュース<「米は北の核保有認めない」 ペトレイアス元CIA長官インタビュー>

http://www.sankei.com/world/news/170923/wor1709230040-n2.html

9/24産経ニュース<【北朝鮮情勢】中国の対北輸出25%増 1~8月に石油関連拡大、制裁骨抜き>

http://www.sankei.com/world/photos/170924/wor1709240005-p1.html

9/23日経<米中、対北朝鮮の金融封鎖で足並み 制裁強化、過去には効果>

https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM22H2M_S7A920C1FF8000/

「戦争をしない」というのもカモフラージュかもしれません。勿論、その前に国際社会が結束して北に経済制裁を課し、武器に回る金を少なくする努力が大切です。でも、相手は国民を餓死させても平気な独裁者ですから。

9/20Newsweek日本版<「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」>

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/post-8489.php

大躍進・文革を通しての大虐殺者「毛沢東」と同じことをしています。李 志綏 著「毛沢東の私生活」を読むと分かります。

facebook記事<トランプの国連演説に中国ネットで称賛の嵐 20170921>

https://www.youtube.com/watch?v=D4ei0X3w0_Y&feature=share

新唐人电视台(=TV局)=New Tangren Dainshitaiは法輪功ですから江沢民派に厳しいので、どれだけ真実の声が上がっているかです。注意して見ませんと。共産党当局が許したかどうかは確認が取れません。

北村氏の記事で、病院と妊婦の遺族の主張は確かに『羅生門』の「藪の中」で真実はどこまで行っても分からないでしょう。何せ平気で嘘がつける民族で不信社会ですから。

でも、痛いからと言って5階から飛び降りることができる妊婦の気持ちは理解できません。日本では胎児を殺すことは殺人罪には該当しませんが、同等の重みがあると考えるべきでしょう。無理心中と同じです。

また夫が金のかかる帝王切開を嫌がったのだとしたら、妻が当てつけで飛び降りしたのかもしれません。でも中国人の発想では新しい妻を娶れば良いで終わりでしょう。ただ一人っ子政策で結婚適齢女性が少ない中国ではそんなに簡単に相手が見つかるかどうかです。

記事

陝西省の最北端に位置する“楡林市”は、省都の“西安市”から直線で445kmの距離に所在する。楡林市は隣接する内蒙古自治区と境を接し、“鬼城(ゴーストタウン)”で世界的に名高い同自治区の“鄂爾多斯(オルドス)市”までは“毛烏素(ムウス)砂漠”を跨いで直線で140kmしか離れていない。楡林市は石炭、石油、天然ガス、岩塩などの鉱物資源が豊富で、同市の経済発展は鉱物資源産業によって大きく支えられている。

自然分娩を断固要求

その楡林市を代表する“三甲医院(大型医院)”である“楡林市第一医院”の“綏徳院区”<注1>で、8月31日の20時過ぎに、出産間際の産婦が5階分娩室の窓から飛び降り、胎児を道連れに死亡する事件が発生した。子宮口が大きく開いて分娩直前の産婦が医院の分娩室から飛び降り自殺したという特異な事件は、中国メディアによって大きく報じられ、世論を沸騰させた。メディアが報じた事件の詳細を取りまとめると以下の通り。

<注1>楡林市第一医院は、楡林市内にある“楡林院区”と市に属する“綏徳県”にある“綏徳院区”から構成された「一院両区制」を採っている。なお、規模は“綏徳院区”の方が大きい。

【1】産婦の“馬茸茸(ばじょうじょう)”は綏徳院区が所在する綏徳県の“吉鎮鎮張家峰村”の村民で26歳。馬茸茸は夫の“延壮壮(えんそうそう)”と2年前に結婚し、最初の子供を出産しようとしていた。彼女は8月30日の15時半過ぎに綏徳院区を訪れ、「出産の目安となる妊娠41週を1週間過ぎたので入院して産気付くのを待ちたい」と表明して入院を希望した。初歩的な診断を行った結果、(1)初産の妊娠42週目であり、(2)胎児が巨大化していることが判明した。そこで入院前検査を行ったところ、胎児の頭部が大き過ぎて<注2>、自然分娩は危険性が高いと診断されたので、産婦と家族にその旨を説明し、“剖宮産(帝王切開)”を提案したが、産婦も家族も明確にこれを拒否した。

<注2>一般に臨月の胎児の頭の横幅は90mm前後だが、当該胎児は99mmであった。

【2】彼らは陣痛促進ホルモンで子宮収縮を促して自然分娩することを断固要求し、『産婦入院時のインフォームドコンセント』の書類に署名した後、同書類上に「自然分娩を要求する」と明記した。また、彼らは医院側の要求により委任者を馬茸茸、受任者を延壮壮とする“授権委托書(委任状)”に署名し、「治療に当たっては患者本人の同意書を優先し、患者が正常な判断ができない状況下では受任者が患者に代わり同意書に署名する」旨を確認した。

予備の出術室の窓から

【3】8月31日10時頃、馬茸茸は5階にある“婦産科(産婦人科)”の分娩待合室へ入った。分娩待合室で待機中に陣痛は始まったものの、刻一刻と時間が過ぎて行くだけで、一向に産気付かない。夕方になって陣痛が激しくなり、馬茸茸は痛みに耐えかねてじっとしていられない様子だった。5階の産婦人科のホールには監視カメラが設置されていたが、綏徳医区は事件後に当日の18時過ぎからの映像をメディアに公開した。そこに映っていたのは次のような映像だった。

18:05 馬茸茸が分娩待合室から苦しそうな様子でホールに出て来て、夫のいる方向へ歩いて画面から消える。
18:09 馬茸茸が夫に支えられて分娩待合室へ戻る。その直後に夫と姑(夫の母)と共に再びホールへ出て来た馬茸茸は、痛みに耐えかねて夫にすがって座り込む。
18:12 夫が馬茸茸を抱き起し、何かを言い聞かせてから、分娩待合室へ連れ戻す。
18:14 馬茸茸が夫と姑と一緒に分娩待合室からホールへ出てくる。数メートル歩いた所で激痛を感じたのか、馬茸茸は夫に支えられながら座り込む。これを見て数人の看護師が駆け寄るが、馬茸茸は涙を流して苦痛を訴える。
18:16 馬茸茸は看護師たちに支えられながら分娩待合室へ戻される。
19:19 馬茸茸は腹を抱えて痛みに耐えながら分娩待合室からホールへ出て来たが、医療スタッフに制止されて検査室へ連れて行かれる。
19:27 馬茸茸は夫と姑に伴われて分娩待合室へ戻る。

【4】一般に自然分娩の産婦は出産までの時間が長く、分娩待合室で待機する間にホールへ出て家族と話をしたり、歩き回って時間をつぶす。但し、馬茸茸の場合は上記からも分かるように陣痛の痛みを感じる度合が激しかったようで、短時間に何回も落ち着きなく分娩待機室を出たり入ったりして夫と姑に苦痛を訴えていた。これは馬茸茸が他の産婦と比べて痛みに対する忍耐力が不足していたということか。事件が発生した20時頃の分娩待機室には馬茸茸を含めて5人の産婦がいたし、当直の看護師および産婦の世話をする看護助手がそれぞれ1名いた。丁度この頃、産婦の1人が出血し、看護師が彼女を分娩室へ移動させたので、看護助手がこれを助けて動き回ったために、馬茸茸から目を離した。馬茸茸はその隙をついて密かに分娩待機室を抜け出し、廊下を隔てた向こう側にある予備の手術室へ入り込んだ。

【5】手術室に入った馬茸茸がその後の10分間程をどう過ごしたかは不明だが、最後には床から1.13mの高さにある窓を開けて飛び降りようとした。丁度その時、たまたま手術室に立ち寄った看護師が窓から身を乗り出している人影を発見して駆け寄ったが、一足遅く、その人は窓から墜落した。この時、時刻は20時13分だった。人が墜落するのを目撃して動転した彼女は頭の中が真っ白になり、手足がマヒして動けなかった。意識がはっきりしてから彼女は、「手術室の窓から人が落ちた」と叫び声を上げた。これを聞いた看護助手が分娩待機室の産婦を認した結果、馬茸茸がいないことが判明した。

【6】まさか出産直前の産婦が5階の窓から身を投げるとは誰も思わないから、産婦人科のスタッフと馬茸茸の家族は手分けをして馬茸茸を探し回ったが、どうしても見つからなかった。もしかすると窓から落ちたのは馬茸茸かもしれないという話になり、6名のスタッフが1階へ降りたのは20時30分頃、彼らは懐中電灯を手にして5階の予備手術室の下に到ると、駐輪中の三輪車の荷台に横たわっている馬茸茸を発見した。彼らが馬茸茸を発見したのは20時35分、そして呼ばれた救急車が馬茸茸を300m離れた救急センターへ運んだのは20時36分であった。救急センターで懸命の救命措置が施されたが、薬石効なく馬茸茸ならびに胎児の死亡が確認された。

馬茸茸の死亡は自殺と判断されたが、馬茸茸の家族は担当医師の対応が原因であると主張した。すなわち、馬茸茸が耐えがたい陣痛に苦しんでいたから帝王切開をしてくれるよう要請したのに、担当医師がこれを拒否したために、馬茸茸は苦痛に耐えられずに自殺したというのである。最初は自然分娩とするように要求したが、分娩待機室に入ってから長時間経っても分娩が始まらず、馬茸茸が陣痛で苦しむので医師に帝王切開に切り替えるよう依頼したが、医師はすでに子宮口が10cm開いているから間も無く分娩が始まるし、今から帝王切開を行うことはできないと拒否したのだという。

遺族と病院、互いに反論

これに対して綏徳医区は9月3日に発表した「状況説明書」の中で次のように反論した。

(1)入院時点で馬茸茸と夫の延壮壮が署名した『産婦入院時のインフォームドコンセント』には、産婦側が自然分娩を要求する旨が書かれていた。これは胎児の頭が大き過ぎるから危険性があるとして帝王切開を薦めたのに対して、産婦ならびに夫が拒否して自然分娩に固執したものである。

(2)監視カメラの映像には馬茸茸が夫にすがって座り込む場面が2回映っている。これは馬茸茸が痛みに耐えかねて帝王切開にして欲しいと要望していたものだが、夫はその都度自然分娩を主張して馬茸茸の依頼を拒否していた。この結果、産婦の診察結果を記入する「看護記録」には、馬茸茸から聴取した内容として3回にわたって家族が帝王切開を拒否した旨が明記されている。

(3)子宮口が10cm開けば、分娩は間もなく始まる。その時点で家族側から帝王切開に切り替えたいと言われても、対応は不可能である。さらに、委任状の受任者である夫からは書面による帝王切開への切り替え依頼は提出されなかった。

馬茸茸の夫と姑は取材に殺到したメディアの記者に、中国版のLINEである”微信(WeChat)”を通じた夫と馬茸茸の会話記録を公表して、夫が妻をいかに愛していたかを示すと同時に、綏徳医区が産婦側の意向を無視したと訴え続けた。さらに、馬茸茸が2回もひざまずいたのは、痛みに耐えかねただけで、帝王切開に切り替えるよう要求したものではないと言明した。

ネットには憶測が飛び交う

この陣痛の痛みに耐えかねた産婦が分娩直前に投身自殺したという前代未聞の事件がメディアによって報じられると、世論は沸騰して馬茸茸の自殺原因について論じ合った。それは次のような内容だった。

【1】夫と姑が帝王切開の費用を出し惜しんだ。  自然分娩と帝王切開の費用は地域や医院の等級によって異なるが、綏徳医区のような三甲医院では、前者が4000~5000元(約6万4000円~8万円)、後者が6000~7000元(約9万6000円~11万2000円)となっている。入院が長引けば費用はさらに増える。両者の差はたかが数千元の話だが、地元の農民と思われる延壮壮には帝王切開となった場合の出費増は大きな負担になる。

【2】“吉時未到(吉日が到来していない)”からだ。  中国では“黄道吉日(大安吉日)”は万事が順調に行く日とされ、この日に出産することは「吉(きち)」とされる。特に農村地帯ではこの考え方が依然として深く信奉されている。このため、2017年3月にも湖北省で5回目の人工授精で妊娠に成功した女性が不規則な子宮収縮が始まったにもかかわらず、4月2日の黄道吉日の出産を希望して、3月28日に帝王切開を行うことに同意せず、医院に来ることを拒否する事件があった。最終的には医師が十数回電話を入れて説得した結果、予定通り3月28日に手術を行って母子ともに無事で出産を終えたが、来院しなければ母子の生命に関わる問題が発生した可能性が高い。一方、馬茸茸が入院した8月30日は黄道吉日だったが、当日に出産できなかったので、次の黄道吉日である9月2日まで出産を延ばそうとした疑いがあり、延壮壮と姑がこの因習にとらわれていたことが馬茸茸の自殺につながった可能性は否定できない。

【3】馬茸茸が自殺を図った原因は何だったのか。  陣痛がどれほど痛いものなのかは女性にしか分からないが、馬茸茸の子宮口はすでに10cm開いていていたのだから、分娩は時間の問題だった。これは個人差があるのだろうけれど、馬茸茸は1~2時間痛みを耐えれば分娩が始まり、出産が終われば苦痛は消え失せたはずである。馬茸茸がそれを我慢できなかったのはどうしてなのか。その答は馬茸茸に聞くしかないが、馬茸茸が落ち着かない様子で、再三にわたって分娩待機室からホールへ出て来て夫に苦痛を訴えていたことを考えると、馬茸茸は何度も帝王切開にしてくれるよう頼んでも拒否し続ける夫と姑に憤り、頭に血が上った結果、衝動的に自殺を図ったのではなかろうか。中国人は感情を抑えるのが苦手だから、衝動的な行動を取った可能性は十分考えられる。

和解合意、真相不明

9月7日、楡林市政府はこの事件に関する初歩的な調査結果を公表した。そこには「産婦入院時の診断は明確、インフォームドコンセントの手続きも完全、診療措置も合理的、救命措置も診療基準に適合と判断された。但し、今回の事件を通じて、綏徳医区のスタッフに突発事件防止の意識が乏しく、患者の看護が不十分であることが露見した」と書かれていて、完全に綏徳医区に軍配を上げた内容であった。なお、事件関係者によれば、9月9日の夜に綏徳医区と馬茸茸家族の間で行われていた和解協議が合意に達したという。補償金額を含む和解内容の詳細は不明だが、馬茸茸の家族がメディアのインタビューを受けない旨が条件に含まれていた。

話しは変わるが、中国は帝王切開の比率が高いことで知られている。世界保健機関(WHO)の2010年報告には、中国の帝王切開率は46%で、WHOが警戒ラインとする15%を大きく上回っているとあった。一方、2017年1月に発表された“北京大学”の“劉建蒙”教授の研究論文によれば、「中国の帝王切開率は、2008年に28.8%だったものが年々上昇を続け、2014年には34.9%になった。これは米国の32.2%よりも若干高いだけで、世界一のブラジル(56.0%)より遥かに低い」と述べている。このいずれが正しいかは不明だが、中国政府は帝王切開率の高さを認識し、“順産指標(自然分娩指標)”を各医院に指示して、帝王切開の件数を抑制しようとしていることは事実のようである。

馬茸茸事件では、綏徳医区が“順産指標”に対応するため馬茸茸に対する帝王切開を拒否したとの見方も一部の人々から出ているが、これは誤りと考えてよいだろう。

ところで、一部のメディアは馬茸茸事件を報じる記事の表題に「陝西省産婦飛び降り事件 “羅生門” 医院と家族が互いに非難」と書いた。“羅生門”と言えば芥川龍之介の小説の題名だが、中国でも1951年にヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞した三船敏郎主演の映画『羅生門』を通じて多少は知られているようだ。この“羅生門”という言葉は、芥川の小説から転じて、現代の中国では「それぞれが自分に都合の良い話をして、真相不明で、何が何だか分からない」という意味で使われているという。馬茸茸事件は医院と家族の間で和解が成立して決着したが、医院も家族も自分に有利な主張を展開して相互に非難し合った。これこそ正に“羅生門”で、馬茸茸が自殺した真相は死んだ本人に聞かなければ分からない。

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『北朝鮮に「最後通牒」を発したトランプ 「斬首作戦」契機に韓国では左右対立が表面化』(9/22日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

9/22産経ニュース<金正恩氏が初の直々声明「米国のおいぼれを必ず火で罰する」 トランプ米大統領の「完全破壊」演説に対抗 米朝首脳が名指しで罵倒合戦>

http://www.sankei.com/world/news/170922/wor1709220014-n1.html

これにトランプがtwitterで応戦。<Kim Jong Un of North Korea, who is obviously a madman who doesn’t mind starving or killing his people, will be tested like never before! 3:28 – 2017年9月22日>

9/23北野幸伯氏メルマガソウルは火の海にならない論~犠牲者は100万人ではなく1000人?

先日、こんな記事をご紹介しました。

米国防長官「ソウル危険ない」軍事手段検討 対北朝鮮 朝日新聞 9/19(火) 12:10配信

マティス米国防長官は18日、核・ミサイル開発で挑発を続ける北朝鮮への対応について、「多くの軍事的選択肢がある」と語った。「選択肢」には、北朝鮮による報復攻撃で韓国の首都ソウルが危険にさらされない方法も含まれていることを強調した。>

<北朝鮮による報復攻撃で韓国の首都ソウルが危険にさらされない方法も含まれている>そうです。

この記事を読んだ読者のYH様から、メールをいただきました。興味深い内容でしたので、シェアさせていただきます。

【メール転載ここから▼】

<北野先生はもうお読みでしょうか。平成の天才軍師・軍事学者 兵頭二十八先生の所論です。YH。

2017年09月09日 09:05

〈北朝鮮軍は核を使わずとも38度線越しに京城[ソウル]市を砲撃しただけで100万人の死傷者が出るから、米国には北に対する軍事オプションはあり得ない〉といった根拠不明な論評を聞く。

典型的な、左傾韓国人と平壌政府の「政治的な合作」である。これに、退役後の年収に満足できていない元米軍高級将校らが加担して、米国向けの世論工作が成立する仕組みがある。

極東に関するマティスの知識レベルではこの嘘は見抜けない。

そこで、この場を使い、それがいかにデタラメな数値なのかをわたしが検証しておく。

まず北朝鮮軍砲兵部隊の装備品で、DMZ(38度線の非武装地帯。

幅5km)の北側に点在する硬化陣地(その場所はほぼ把握されている)から京城市(いちおう京城駅前が市心とみなされるが、市域は漢江[ハンガン]のはるか南までも拡がり、昼間の人口は900万人以上)を攻撃する任務が与えられているのは、「240mm自走多連装ロケット発射機」と「170mm自走砲」しかない。

北朝鮮軍には「300mm自走多連装ロケット発射機」もあるのだけれども、数が少なく貴重で、京城よりも100km ほど南に位置する米空軍の烏山[オサン]基地の運用を妨害するという重要任務が与えられている。

だからこれが京城[ソウル]に降ってくることはない。

また口径240mm未満のロケット弾だと京城市心に届かず、性能も情けないほど不良だ(2010年11月23日に韓国の延坪島を狙って122mmロケット砲弾が288発発射されたが、島の陸地部に着弾したのは80発のみで、損害も軽微)。

2014年3月4日に北朝鮮は海に向けて240mmロケット弾3発を発射し、それは55km飛翔した。既知の砲兵陣地で近いものは京城市心から北に45kmの位置にある。このロケット弾だけが「使い物になる」のである。

ではこの240mmロケット弾は 何発あるのか?トラックの荷台に発射機を載せた形状の発射車両には新旧の2タイプがあり、旧型は12連装、新型は22連装。新旧を合わせて総生産数は200台強ということであるが、ここではすべて新型だとし、かつまた、そのすべてが京城市攻撃用に集中されたと仮定する。すると4400発が斉射されるだろう。統計学的にはその数割がまともに飛翔せず、着弾したものの1割は不発となると信じられるが、全部がうまく着弾し、信管も正しく作動するとしよう。

240mmロケット弾には炸薬が45kg充填されている。4400発で198トンの炸薬だ。第二次大戦中、京城と同程度に不燃都市であったロンドンに向けて、ドイツは1358基の「V-2号」弾道ミサイルを発射し、うち517発が着弾し、それによる死者は2754人だった。「V-2号」の弾頭炸薬はちょうど1トン。その1トンで5人強が死んだ計算だ。198トンならば1000人くらいが死ぬであろう。ふつう、死者1名に対しては負傷者も5人くらい出るので、別に5000人も負傷する だろう。むろん現実にはこれよりずっと少ない着弾・爆発しかないはずである。

ロケット弾を発射機に再装填してまた射ってきたらどうなるかは、考えなくてよい。というのは、再装填には何十分もかかる。次の斉射が落下してくる前に、京城市民は最寄の地下避難所へ移動しているから、それ以上に死傷者が増えることはないのである。京城市の地下鉄には市民用のガスマスクまで用意されており、定期的に市民の防空訓練も反復演練されていることも周知だろう。日本の都市とは違うのだ。

次に「170mm自走砲」の破壊力を試算する。もともと第二次大戦中に鹵獲したドイツの173mm砲(弾重68kg、射程30km弱)をソ連が北朝鮮へ 贈与。それを参考に北朝鮮が自前で射程40kmの長距離砲をこしらえ、中共製戦車の車体に載せたという。1978年いらい、何門が製造されたのかは不明だ。現在DMZ沿いに配備されている数としての最多の推測値は「500門」である。

じつは米陸軍も1950年代に、ソ連軍の後方燃料貯蔵所を破壊できる射程32km以上の「175mm自走砲」(弾重65kg、充填炸薬14kg)を開発して1980年まで524門生産した経験があるので、このクラスの長距離砲を完成するのがいかに難しいかは熟知している。米国製175mm砲の場合、流線形砲弾は銅帯の他にナイロン緊塞帯も巻くことで、発射ガスを逃がさぬようにしてある。そうして砲身内にかかる圧力は3150バール。もし、圧延鋼の砲弾の底部に僅かなヒビ割れがあれば、そこからこの高圧ガスが入り込んで砲身内で砲弾が自爆した(砲弾の底にもう一枚、厚さ1.5ミリの金属ディスクを溶接して解決)。弾薬工場で溶填した炸薬が冷えるときに底部にごく微小な剥離空間でもできてしまうと、発射衝撃でそこが圧縮され、信管と関係なく炸薬が自燃し、腔発事故が起きた(そこでX線で砲弾を全数チェックするようになった)。鍛造砲身にも僅かでも疵ができると、砲身破裂事故が起きた。砲身命数(寿命)は初期にはたったの300発だった。焼蝕による擦り減りが早いのだ(終末ロットでは寿命を700発以上に延ばしている)。

北朝鮮 製の170mm自走砲は、イラン軍装備の1門をイラク軍経由で米軍が手に入れて調査している。その詳細(特に砲弾の諸元)は未公表ながら、最大射程が40kmというから、米軍の175mm砲よりも腔圧は大なのだろう。RAP弾(小型ロケットを取り付けた砲弾)を使えば射程が60kmに延びるというけれども、その精度は必ず通常弾よりも悪くなってしまう。

次弾の再装填には5分かかることも判明している。10分以上モタモタすると米軍からのお返しの誘導兵器が飛んで来る(DMZからロケット弾が飛んできた場合、米軍砲兵は4分後にはその射点に向けて返礼弾を集中できるように、訓練を積んでいる)ので、北朝鮮の自走砲はさっさと陣地を移動しなくてはならない。だから4発目のことは考えなくてよい。

170mm砲弾の炸薬量も公開されていない。が、米軍の175mm砲弾の炸薬量14kgより少ないことは確実。そのうえRAP弾は通常弾よりも炸薬量を減らさねばならぬ。ここでは多目に12kg充填されているものと仮定する。500門で最初の10分に1500発。タマがすべて届いてしかも炸裂したとしても、トータルの炸薬量は1800kgだから「V-2号」の2発分に足りない(砲弾も必ず1割は不発になるが、ここでは無視しよう)。

1973年の第四次中東戦争でイスラエル軍は米国製175mm自走砲を使い、シリアのダマスカス市を砲撃した。また「イランvsイラク戦争」終盤の1987年にイラ ンは北朝鮮から170mm自走砲を輸入して、射程60kmのRAP弾を使ってクウェート(当時イラクに戦費を援助していた)の油田に対してイヤガ

ラセ射撃を加えている。どちらも「砲撃で火の海になった」という報道はなかった。

そんなものなのだ。北朝鮮軍の170mm自走砲はじっさいには200門未満、ひょっとすると数十門しか使える状態にはないとも疑える。この火砲による京城市民の死傷者数は、誰もが意外に思うほど

に少ないであろう。

http://sorceress.raindrop.jp/blog/2017/09/#a001878

在韓米軍を日本その他へ引っ越しさせてしまえば北は核を放棄してくれるのではないか── という阿呆記事(があるが)。

※演習用の砲弾・銃弾すらなくなっている北鮮が、このうえ核兵器を放棄したなら、それこそ丸裸になっちまう。普通の弾薬とありふれた燃料が無いために「対抗演習」ができなくて負けてくやしいから、TV宣伝で米韓演習のたびにぎゃあぎゃあと わめいているのだ。

http://sorceress.raindrop.jp/blog/2017/09/#a001886

http://sorceress.raindrop.jp/blog/2017/09/#a001886  >

【転載ここまで▲】>(以上)

小生が2005年に中国・丹東市に行って、対岸の北朝鮮側を見ると遊園地の観覧車がありましたがエネルギー事情で動いておらず、その上を北朝鮮軍のプロペラ機が旋回していた状況でした。左翼の連中が北を大きく描いて米国と対話させようとしているのでは。でもここまで来れば米国、北共に後には引けなくなっています。

文在寅大統領は国際社会が大使召還、北の外交官追放をしている時に、人道援助として9億円を北にプレゼント、これは今までも国民に渡ったことはありません。それでなければ何で200~300万も餓死するのですか?完全な利敵行為です。韓国は10/10に中国との通貨スワップが切れれば、国では豪州のスワップしか残りません。部材を輸入、完成品を輸出で稼ぐ経済で輸入代金を豪$では受け取らないでしょう。日本も韓国に甘い顔をしてはダメです。10/22衆院選時に韓国のスワップはさせないように政治家に圧力をかけないと。

http://www.mag2.com/p/money/30943/2

鈴置氏の記事で青瓦台と軍の間がうまく行っていないようです。軍がクーデターを起こすかもしれません。それでも反日は続くでしょうから関わらないことです。文大統領もストレスの余りに円形脱毛症になっているようですが。

http://www.sankei.com/world/news/170920/wor1709200048-n1.html

記事

第72回国連総会でトランプ米大統領が初演説。北朝鮮に核放棄を厳しく迫った(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

トランプ大統領が国連演説で北朝鮮に対し事実上の「最後通牒」を発した。というのに韓国では、金正恩(キム・ジョンウン)暗殺計画を契機に軍と左派政権の対立が表面化した。

北を完全に破壊する

—9月19日のトランプ大統領の国連演説。「北朝鮮を完全に破壊する」とまで言うとは。驚きました。

鈴置:もちろん、発言には「北朝鮮の脅威により米国が自国や同盟国の防衛を迫られれば」との条件が付いていますから宣戦布告ではありません。が、最後通牒と言っていい。北朝鮮の核問題は極めて重大な局面に入りました。

原文は米政治誌「POLITICO」の「Full Text: Trump’s 2017 U.N. speech transcript」(9月19日、動画付き)で視聴できます。「完全に破壊」部分は以下です。

The United States has great strength and patience, but if it is forced to defend itself or its allies, we will have no choice but to totally destroy North Korea.

—条件を具体的に言えば?

鈴置:非核化です。核を早急に放棄しないと攻め滅ぼすぞ、とトランプ大統領は宣言したのです。米国が北に突きつけた選択肢は2つ。核を完全に廃棄するか、戦争か、です。「非核化」部分の原文は以下です。

It is time for North Korea to realize that the denuclearization is its only acceptable future.

イエスかノーか

—「第3者に核・ミサイルを売らなければ、北朝鮮の核武装は黙認する」といった妥協案は?

鈴置:専門家の間でそんなアイデアが語られたこともありました(「北朝鮮にはもう、対話など必要ない」参照)。あるいは、米国に届くICBM(大陸間弾道弾)さえ持たなければ核を認める――などの妥協案も。

しかし米国は中途半端な取引はしない姿勢を鮮明にしました。イエスかノーか、です。トランプ大統領は演説で北朝鮮を「邪悪」(wicked few)、「悪」(evil)と見なし、正義の側(righteous)に立って戦うよう世界に呼びかけました。

If the righteous many do not confront the wicked few, then evil will triumph.

演説では、北朝鮮を旅行中に拘束され死ぬ直前になって米国に戻された大学生や、日本から拉致された横田めぐみさんらにも触れました。金正恩体制の存在を許すべきではないと訴えたのです。

We were all witness to the regime’s deadly abuse when an innocent American college student, Otto Warmbier, was returned to America only to die a few days later. We saw it in the assassination of the dictator’s brother using banned nerve agents in an international airport. We know it kidnapped a sweet 13-year-old Japanese girl from a beach in her own country to enslave her as a language tutor for North Korea’s spies.

こんな演説をした以上、トランプ大統領は「米国まで届かない核なら持っていい」などと妥協できません。「あの演説は何だったのか」「邪悪な体制に核を持たせたままでいいのか」と、米国が非難されてしまいます。

トランプ政権は北朝鮮が核を完全に放棄しない限り、徹底的に戦うハラを固めたのです。演説に先立ち、幾人かの政府高官がテレビを通じ、同じメッセージを一斉に発しました。北朝鮮に米国の意思を間違いなく伝えるためでしょう。

北朝鮮も同様です。米国にまで届くICBMを手放せば、米国との核の均衡が作れません。核武装の意味がないし、下手したら攻め滅ばされてしまいます。もう、中途半端な取引はできないのです。

取引にはワナがある

—米政府高官とは?

鈴置:9月17日、マクマスター(H.R. McMaster)大統領補佐官(国家安全保障担当)はABCのインタビューで「金正恩が核兵器を手放さない時、トランプ大統領は攻撃するか」と聞かれ「トランプ大統領はこの点に関し大変に明快だ。すべての選択肢が机の上にある」と答えました。先制攻撃の可能性を示唆したのです。

「何らかの取引で解決すべきか」との質問には「交渉には大きなワナがある。北朝鮮は約束をしては破ることを繰り返してきた」とはっきりと否定しました。

同じ日、ティラーソン国務長官はCBSのインタビューに答え、米国の公約である「4つのNO」を改めて強調しました。それに加え「外交的な努力が失敗すると、ただ1つ残るのは軍事的な選択肢だ」と明言したのです。

「4つのNO」とは、北朝鮮が核開発を放棄するなら(1)体制変更は求めない(2)金正恩政権の崩壊を目指さない(3)朝鮮半島の統一を加速しない(4)38度線(軍事境界線)を越えて北進しない――です。

5月3日、国務省職員への演説で表明したものですが、8月1日の会見でもこれに言及し「平和的な解決」を北朝鮮に呼び掛けた経緯があります(「中国にも凄んで見せたトランプ」参照)

変容した「4つのNO」

—「4つのNO」は言い続けているのですね。

鈴置:ええ。しかし、その意味をガラリと変えました。9月17日のCBSとのインタビューでは「4つのNO」を「平和的な圧力作戦」(peaceful pressure campaign)と意義付けました。

これまでは「核実験を中断すれば対話を実施する」など、何らかの取引も念頭に置いていたので、北に対話を誘うため「4つのNO」を提示していた。

ところがもう、対話は期待できなくなった。そこで「核・ミサイルを放棄しないと攻撃するぞ。地上軍で侵攻はしないけれどな」との威嚇に使うようになったのです。もちろん中国とロシアに向けた、軍事攻撃の覚悟を示すメッセージでもあります。

さらに同じ9月17日、ヘイリー(Nikki Haley)国連大使はCNNのインタビューで「我々は外交的手段で解決する責務を負うが、うまく行かない時はマティス(James Mattis)国防長官の出番となる」「北朝鮮が邪悪な行動を続ける限り、破壊されることになる」と語りました。

そのマティス長官は翌9月18日、「(北朝鮮を先制攻撃した際)、ソウルへの反撃を防げるのか」との問いに「防げる。ただし、その方法には言及しない」と答えました。

「ソウルを火の海にする」といった北の脅しに屈するな、と韓国人に訴えたのです。ロイター通信の「Mattis hints at military options on North Korea but offers no details」(9月19日、英語版)が報じました。

攻撃はいつ?

—北朝鮮が核を放棄しない場合、米国はいつ攻撃に出ますか。

鈴置:「今すぐ」ではないと思います。なぜなら、トランプ大統領は国連演説で、金正恩が敵対的な姿勢をとるのを止めるまで国連加盟国は北朝鮮への経済制裁をより強めるべきだと訴えたからです。

But we must do much more. It is time for all nations to work together to isolate the Kim regime until it ceases its hostile behavior.

北朝鮮を圧迫する余地はまだある。徹底的に圧迫しよう。ただ、それでダメなら軍事力を使う――と言っているのです。

日本も安倍晋三首相がインドを訪問して北朝鮮との貿易を止めるよう頼みました。河野太郎外相もUAEに北朝鮮の労働者の数を減らすよう要望しました。米国と足並みを揃え、経済制裁を極限まで強化する方針です。

メディア含め国を2分

—韓国も各国に北朝鮮に対する制裁を強めるよう、頼んでいるのですか?

鈴置:それどころではありません。韓国では軍と青瓦台(大統領府)が対立し始めました。

北朝鮮問題が煮詰まるに連れ、米軍と一緒に北に強く出たい軍と、北朝鮮に近い人々が要所を押さえる青瓦台の関係がおかしくなっていました。

戦術核の再配備問題でも、宋永武(ソン・ヨンム)国防長官がマティス国防長官との会談でそれに触れたと説明すると、青瓦台が直ちに全面否定しました(「ミサイル乱射の中、『親北』に突き進む韓国」参照)。

その宋永武国防長官が9月19日、青瓦台から厳重注意処分を受けました。左派で北朝鮮と近い、大統領・統一外交安保特別補佐官の文正仁(ムン・ジョンイン)延世大学特任名誉教授との対立が原因です。

対立点は金正恩委員長ら北朝鮮首脳部の暗殺を実行する「斬首部隊」です。北朝鮮の6回目の核実験の翌9月4日、宋永武長官は国会で「今年12月1日付で斬首部隊を設立する」と語りました。これに対し「北朝鮮を刺激するな」と文正仁教授が反発したのです。

厳重処分の理由は「文正仁教授に対する言葉遣いが悪かった」ということです。が、文正仁教授の言葉も相当に乱暴なので、世間はそうは受け取りません。「大統領は『斬首部隊』など対北軍事作戦に反対する親北左派の手をあげたな」と思ったのです。

韓国は政党とメディアを含め、大きく2つに割れました。野党の自由韓国党と朝鮮日報など保守派は当然、軍の肩を持ちました。一方、与党「共に民主党」やハンギョレ、キョンヒャン新聞といった左派は文正仁教授――親北派を支持しました。

第2次朝鮮戦争がいつ起きるか、と世界が固唾を飲んでいる時に、韓国では世界とともに北朝鮮と戦うか、あるいは北の側に付くかで内輪もめが始まったのです。

(次回に続く)

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