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『元駐韓大使が占う「北朝鮮4つのシナリオ」、最善は内部崩壊か』(12/11ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)、『平昌五輪「選手団派遣は未定」と言い出した米国 「五輪休戦」訴える文在寅、「決意」固めるトランプ』(12/12日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について
12/10中国観察<中朝邊境出現大批軍人 距離開戰還有多遠? 希望之聲電台=中朝国境に軍が派遣される 開戦地からどの程度遠い 希望の声TV>「吉林省延辺で多くの軍人が派遣されていた。写真撮影禁止だが遠回りに撮った。ここは北の豊渓里核試験場から近いので、朝鮮半島情勢と関係あるのでは。英国メデイアによれば、CIAはトランプ大統領に3月になれば北のICBMが米国に届くので先制攻撃すべきと報告したと」
12/12中国観察<專家警告:朝鮮若開戰 中國有三大目標或受核攻擊 希望之聲電台=専門家の警告:朝鮮が開戦となれば、中国には3つの標的があり、核攻撃を受けるかもしれない 希望の声TV>「朝鮮のミサイル技術は中国の軍事目標を正確に攻撃できるとは限らないが、膨大な非軍事目標を攻撃するには充分である。第一に、北京・上海・三峡ダム、第二に、中国内の全部の原発は北の射程距離内にある、第三は、人口百万以上でミサイル防衛システムのない都市である。
米国が北の核施設を正確に攻撃できたとしても、北の周辺に近い地方は核汚染され生態に影響を与える。
毛沢東の時代から中共はタダで北に石油を送って来たし、中国に留学生も受入、核技術や原材料も与えて来た。また国際社会の非難にも守って来て、金一族の核兵器技術の最大貢献をしてきた。習近平になってから外交政策を改め、国連と歩調を合わせて制裁したが時既に遅しである」と。飼い犬に手を噛まれた気分でしょう。でも、日米が中国に感じるのと同じです。中国があそこまで発展することに協力してやったのにと言う気分でしょう。中国と朝鮮半島は裏切りの歴史と言うのが日米の為政者・経営者とも分かっていません。況してや中国は核拡散防止条約違反をしてきたのを公言したようなものです。如何に中国・朝鮮半島が嘘をついてきたか分かるでしょう。南京や慰安婦も彼らの嘘・プロパガンダでしかありません。彼らを信じるより我々の父祖を信じる方が合理的でしょう。
12/11増田俊男の時事直言には「極秘情報だが、来年起こす中東戦争前の3月20日までにトランプは北朝鮮に先制攻撃をかけなくてはならなくなった。」と。
https://www.youtube.com/watch?v=vLpwbpnQQYQ&feature=youtu.be
12/11Money Voice<米軍、在韓米軍家族の退避を否定、専門家「北朝鮮にサインと見なされる」>
NEO(non-combatant evacuation operation)はしないとわざわざ言っているので、益々クリスマス・新年休暇で家族・本人が帰っている時に開戦する可能性が高いのでは。
ただ、12/12笹川平和財団主催の「地政学から見た海洋安全保障」セミナーで奥山真司講師は、イスラエル人と話した時に、「トランプが軍事介入するかどうかは3つの点から見れば良い。①アメリカファースト②アメリカグレイト③それ以外は“I don’t care”」と教わった。北の問題は政治問題ではなく、軍事問題。米議会がイランと違って北には厳しくしてこなかったので米国攻撃はないのではというニュアンスでした。
武藤氏記事と鈴置氏記事は、米国の攻撃についてやはり外務省出身と民間人との差があると感じました。
武藤記事

北朝鮮の金正恩委員長は、2018年も挑発行動を繰り返すのか (「労働新聞」より)
各国の立場・対応がバラバラで北朝鮮問題の解決の道筋は立たず
北朝鮮の核問題は、いまだ解決の道筋が立っていない。
これまでの経緯を見ると、北朝鮮が核ミサイルの完成まで突き進む断固たる意志を有していることは間違いない。これに対し、日米はこれを断固阻止すべきとの立場。韓国の立場は、軍事行動は絶対阻止すべきであるが、どこまで非核化に強くコミットしようとしているのかは疑問が残る。中国とロシアは、基本的に現状からの大きな変革は望んでいない。
このように各国の立場はバラバラであり、今後、解決に向けてどのような道筋をたどるべきなのか、正直なところその方向性さえ見当がついていない。ただ、2018年は北朝鮮の核問題が、どういう方向に向かうのかを決定づける”鍵”となる年であろう。そこで、2017年の締めくくりとして、いくつかのシナリオを取り上げ、その可能性とともに、日本にとってのメリットとデメリットを分析してみたい。
シナリオ1 制裁をさらに強化し、北朝鮮の体制崩壊を狙う
ここ1〜2年に実施された北朝鮮に対する制裁は、これまでになく強化されたものとなっている。特に今年9月の制裁は、輸出の9割をストップし、石油製品の輸入も3割減らすという厳しいものだった。加えて、北朝鮮大使を追放したり、貿易を停止したりする国も増えている。その結果、平壌市内ではガソリン価格が高騰している。
だが、北朝鮮には、核ミサイルを放棄する意思などない。むしろ開発を急いでいる。資金が枯渇する前に完成させ、それを逆の圧力として制裁をやめさせようとしているのだ。
そもそも、制裁が効果を発揮するまでには時間がかかる。しかも北朝鮮は、これまで何十年にもわたって制裁をかけ続けられており、そうした環境下でも生き延びる術を学んでいる。つまり、制裁だけで開発をやめさせることは難しいといえるのだ。
金正恩政権は、国内的にも核ミサイルの開発をやめることはできない。というのも、恐怖政治によって国民を黙らせ、たとえ数十万人が死亡しても核開発をやめなかった。それを今になってやめてしまえば、政権の弱さが露呈し、国民の不満が爆発して政権が崩壊しかねないからである。
それでなくても北朝鮮では、穀物生産が今年の初期段階で3割も減少している。また、金正恩政権になって側近の粛清が相次ぎ、国民の間では不満が高まっている。つまり、クーデターが起きる”下地”は整いつつあるのである。
北朝鮮当局は国民に対し、核ミサイルを開発するまでの辛抱だとして我慢を強いてきた。それが、核ミサイルが開発されても、制裁が解除されずに国民の窮乏に一層の拍車がかかった場合にも不満が爆発してしまう可能性は否定できない。問題は、北朝鮮は核ミサイルを開発すれば、それをてこに、制裁解除を求め挑発を強めるだろう。その時に、日本を始めとする国々が制裁を維持できるかである。
このように考えていくと、日本にとって最も好ましいシナリオは、北朝鮮国内で何らかの動きが起きて、金正恩体制が崩壊することだろう。
シナリオ2 中国に金正恩政権の交代を主導させる
これまで、北朝鮮に対し有効な対策を取れなかったのは、国連安保理の常任理事国である米中ロが逃げ腰だったためである。米国は終始この問題に取り組んできたが、オバマ政権時に「戦略的忍耐」と称した戦略で時間を無為に費やしてしまった。一方の中国とロシアは、国連安保理がさらに強力な制裁決議を可決することを妨げてきた。
中でもロシアは、北朝鮮の核技術者をロシアの研究所に招いたり、ウクライナ製のロケットエンジンが北朝鮮に流れていることを黙認したりしているといわれる。ロシアのこうした行動は、「米国を北朝鮮に釘付けにすることで、中東における影響力を強化する意図がある」と分析されている。したがって、ロシアの変化を促し、北朝鮮への圧力強化とすることは難しいかもしれない。
となると、北朝鮮との貿易の9割を占める中国の役割が重要となる。
中国はここ最近、一帯一路の国際会議を開催している最中に北朝鮮から挑発行為を受けるなど、再三にわたって国家の威信を傷つけられてきた。そのため徐々にではあるが態度を変化させ、北朝鮮に対する制裁強化に協力し始めている。
そうした姿勢に対し、北朝鮮の高官からは「中国はもはや血盟関係の盟友ではなくむしろ敵である」「ロシアはいろいろ助けてくれる友人である」といったコメントが出ているが、これは北朝鮮との協力関係に関する変化の表れだ。
そもそも中国は、北朝鮮が核保有国となることは望んでいない。そのため習近平国家主席は、米中首脳会談を受けて、中国共産党大会の結果報告を口実に宋濤政治局員を特使として北朝鮮に派遣、対話説得を試みた。しかし、金正恩委員長は面会にも応じず対話提案を事実上拒否、中国の試みは失敗した。
一方で、中国は北朝鮮が崩壊し、中朝国境地域が不安定化することや、在韓米軍が中朝国境まで北上することは絶対に避けたいと考えている。北朝鮮問題において中国に協力させるためには、こうした中国の懸念を和らげ、金正恩政権崩壊後の将来像について米朝で話し合い、一定の理解に至ることが不可欠である。
また、米国が、金正恩政権を必ず倒す意思を明確にすれば、中国としても北朝鮮に対する影響力を保持し、米国の単独行動を阻止するため動くかもしれない。
このように考えていくと、中国が金正恩政権の交代に一定の役割を果たすことは、北朝鮮暴発の危険を和らげるという意味では好ましいことである。だが、その結果として、中国の影響力が拡大してしまうことは将来的に問題となろう。
シナリオ3 全面非核化は断念し開発凍結などの妥協を模索
米国の一部、主として前政権の民主党関係者の間には、北朝鮮の核開発を止めることはできず、現状で凍結させるべきとの主張がある。韓国にも、北朝鮮は非核化には応じないので、核は現状で凍結してICBMの開発を止めさせることができれば、米国にも妥協の余地があろうとの主張がある。
別の視点から、「トランプ大統領は実業家であり、最初は交渉戦術として強い姿勢を示すものの、最終的には交渉によって最も有利なところで妥協を図る人だ」との見方もある。
しかし、こうした「現状凍結・追認案」の欠点は、北朝鮮が核ミサイルの完成までは開発をやめないとの現実を無視していることである。北朝鮮が仮に対話に応じてきても、これまでの交渉がすべて失敗に終わったのと同様、”時間稼ぎ”のために行っているのである。
その時には、日米韓の側が、制裁を大幅に緩和するなどの大きな代償を求められ、結果的に北朝鮮の核ミサイルの完成を”手助け”したことになると考えておかなければならない。
われわれが肝に銘じるべきことは、「北朝鮮はこれまで約束を守ったことがない」という事実である。そして、合意検証も北朝鮮の妨害に遭ってきたということである。そんな北朝鮮は、次々に挑発や要求を高め、最終的には在韓米軍撤収、韓国の赤化統一を模索するだろう。
このシナリオは、一時的には戦争被害を避けることができるという意味で、好意的に考える人はいると思う。だが、中長期的に見れば、金正恩委員長の絶大な影響力の下に置かれるという意味で最悪のシナリオかもしれない。
シナリオ4 武力で金正恩政権を消滅させる
これは、北朝鮮を非核化させるための最も確実な方法である。クリントン大統領時代に一度検討されたが、米韓が北朝鮮を攻撃すれば報復を受け、韓国の首都ソウルは軍事境界線と近いだけに、首都だけで数十万人の犠牲者が出るとして断念した経緯がある。
北朝鮮の核ミサイル開発が完成間近まで進んだ現在では、仮に核弾頭を搭載した弾道ミサイルが東京に着弾すれば、最大200万人の犠牲者が出るという推計もある。したがって、日本としても絶対に避けなければならないシナリオである。
そうした中でも、米国は軍事行動を取る可能性はあるのか。以前、マティス国防長官が「ソウルの犠牲を大きくしない方法はある」と述べたことがある。トランプ大統領は「北朝鮮を完全に破壊する」と述べた。
こうした発言から想像すると、米国が攻撃する時は、金正恩委員長を一撃の下に殺害し、かつ北朝鮮が報復の愚挙に出られないよう瞬時に大打撃を与えることを想像しているのであろう。しかし本当にそのようなことができるのか疑問だ。
いずれにせよ、核ミサイル施設への限定攻撃は報復の危険性が高く、あり得ないと思われる。また、同様の理由から、米軍は金正恩委員長だけを狙った”斬首作戦”も取らないであろう。
確かにトランプ大統領は、国連演説やツイッターなどで、金正恩委員長を挑発する言動を繰り返しており、つい最近も空母3隻による朝鮮半島周辺での演習を行うなど、北朝鮮に対する軍事的揺さぶりをかけている。また、公式的にも「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」とし、軍事的選択肢を排除していない。
しかし、本音を言えば軍事行動は避けたいであろう。そもそも米国民は朝鮮半島にそれほど関心を抱いているわけではない。特にトランプ大統領の支持層は、あまり関心がないはずである。大きな犠牲を払ってまで北朝鮮を攻撃するメリットについては疑問符が付く。
そう考えると、現在のトランプ大統領が行っている威嚇は、北朝鮮や中国を追い込むことで非核化への道筋を付けたいとの意図であろう。しかし、北朝鮮が現実に核ミサイルを保有するに至った時、米国がどのような行動に出るかが軍事行動の有無を決めるであろう。
反対の当事者である北朝鮮も、本気で米国と戦闘に進もうと考えているとはとても思えない。いったん戦闘が始まれば、北朝鮮という国自体が崩壊することは目に見えているからである。北朝鮮の挑発的言動も脅しによって米国の圧力を弱めようとの意図であろう。
気がかりなのは偶発的な出来事による軍事衝突
ただ、一つ気がかりのは、偶発的な出来事によって軍事衝突に至る事態である。
米国は11月29日の北朝鮮のICBM発射を受け、北朝鮮の海上における臨検などを輸出禁止品目などに広げる制裁を検討しているようであるが、北朝鮮船舶が逃亡したり抵抗したりした場合に、現場で軍事的対立が生じないとも限らない。また、遮断だけでは効果が上がらず、拿捕や撃沈を含む海上封鎖に至れば、それは軍事的行動となる。こうした事態が全面戦争に至らないよう願うのみである。
日本としても、北朝鮮の報復に備えておく必要があるかもしれない。そのためにもミサイル迎撃態勢を点検し、イージスアショアの早期導入を含め対策を急ぐ必要がある。北朝鮮のような国を相手にするときには、「敵地攻撃能力」も備えざるを得ないであろう。北朝鮮による生物化学兵器を使ったテロも懸念材料である。
韓国からの邦人退避は、戦闘が始まる前の事前退避が重要である。日本政府も事態を注視し、少しでも戦闘の懸念があれば危険情報を出すことも検討するが、各国とも日米の動向を見ているので、こうした情報が発せられたときには各国も追随し、空港や港湾はごった返して退避は困難になろう。
したがって、日本人はこうした事態になる前に、少しでも早く動くことが肝要である。また、危険が迫った際には、どこ行きの航空機でも構わないから乗り、とにかく急いでソウルを離れることを考えるべきであろう。
日韓関係が対立していれば邦人の退避などに支障が出る
そして、仮に戦闘が始まってしまえば、まず砲弾が止むまでは防空壕に退避し、これが収まってから退避となるが、基本は米国人と行動を共にすることである。ソウル近郊の空港などは、軍が使用しているので南下することになろうが、その場合にも途中の道路は検問などで自由に動けない。その時、助けてもらうのは米軍である。米国人もいったん韓国から日本に退避することになるので、日本人もこれに加わるという形になる。
いずれにせよ、北朝鮮の核ミサイル開発問題は、出口のない問題である。日本としては米国と緊密に連携しつつ、韓国がこれに協力するようあらゆる努力をしていくことが肝要だ。このとき、日韓関係が歴史問題で対立し協力できないような状況になれば、邦人の退避などに支障が出よう。
重要なことは、あらゆる状況に対応する準備である。最善の結果となればこれに越したことはないが、期待値で判断することは避けるべきであろう。軍事行動の可能性も想定すれば、「日本が平和国家に徹すれば安全」という考えは捨てるべきである。いずれにせよ、来年は朝鮮半島から目が離せない年になりそうである。
(元在韓国特命全権大使 武藤正敏)
鈴置記事

サンダース米大統領報道官は平昌五輪への選手団派遣を明言しなかった(写真:AP/アフロ)
(前回から読む)
平昌(ピョンチャン)冬季五輪が開催できるのか、怪しくなってきた。
ロシアに続き、米国も不参加?
鈴置:韓国の平昌五輪が予定通りに開催されるのか、疑問符が付きました。米政府が選手団の派遣に関し、口を濁し始めたからです。
開催時期は2018年2月9日から25日まで。パラリンピックは3月9-18日です。ちょうどそのころ米国が北朝鮮を攻撃する可能性があります(「『北に先制核攻撃も辞さず』と言明した米国務省」参照)。
第2次朝鮮戦争の「戦地」となる韓国に、選手など派遣できません。米国が不参加を決めれば、多くの国がならうでしょう。
すでにロシアの選手団がドーピング問題で締め出されています。そんな五輪を開催すべきなのか、首を傾げる人も増えると思います。
11月29日に北朝鮮がICBM(大陸間弾道弾)を試射しました。これにより北朝鮮が米本土まで核攻撃できる能力を持ったか、近く持つと見なされました(「じり貧の北朝鮮、『核武装の総仕上げ』急ぐ」)。
米国は北朝鮮への先制攻撃を露骨に匂わせ始めました(「『北に先制核攻撃も辞さず』と言明した米国務省」参照)。
国務省報道官が「核を使う先制攻撃も辞さない」と語ったほか、トランプ(Donald Trump)大統領に近い上院議員が「在韓米軍の家族を韓国から呼び戻せ」と主張しました。
トランプ政権こぞって「戦争間近」の空気を醸し出したのです。もちろん北朝鮮を徹底的に脅し、核を放棄させるためです。
「参加は未定」の大合唱
そんな中、米国のヘイリー(Nikki Haley)国連大使が米選手団の平昌五輪への参加に関し「まだ決まっていない」と語ったのです。
12月6日、FOXのインタビューに答えました。「2018 Winter Olympics an open question due to North Korea threat」で視聴できます。
「米選手団派遣は決まったのか?」との質問に、ヘイリー大使は「決まっていない。それに関し私は聞いていないが、いかにして米国市民を守るのか、政府は議論するものだ」と答えました。
There’s an open question. I have not heard anything about that, but I do know in the talks that we have — whether it’s Jerusalem or North Korea — it’s about, how do we protect the US citizens in the area?
「決まっていない」(There’s an open question)との言葉は米国人にとって衝撃的でした。韓国への選手団派遣を躊躇するほどに朝鮮半島情勢は緊迫しているのか、と誰もが思ったのです。
翌12月7日のホワイトハウスの記者会見で「平昌五輪への参加」が問われました。するとサンダース(Sarah Sanders)報道官も「まだ正式に何も決まっていない」(No official decision has been made on that.)と答えました。
同じ日の国務省の会見でも「参加問題」が俎上に載りました。ナウアート(Heather Nauert)報道官は「ヘイリー大使とホワイトハウスがすでに米政府の立場を明らかにした。我々はこの五輪に参加することを楽しみにしている」と答えました。
記者に執拗に問われましたが、最後まで「参加する」とは言いませんでした。原文は以下です。
I think Ambassador Haley and the White House further clarified our position on this. We look forward to being a part of the Olympics —
文在寅政権も脅す米国
—ポイントは政府関係者の誰もが「参加する」と言わないことですね。
鈴置:そこです。要は「五輪などに関係なく、戦争すべき時はする」と米国は決意を表明したのです。
—北朝鮮への威嚇ですね。
鈴置:もちろんそうですが、同時に韓国も脅したのだと思います。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は平昌五輪を人質にして米国の先制攻撃を阻止しようとしています。それに対し「小細工してもダメだぞ」と米国は言い渡したのです。
文在寅政権は来年2月の五輪と3月のパラリンピックを名分に、例年3月から4月にかけて実施する米韓合同演習の中断を狙ってきました。それを糸口に北朝鮮と対話ができるかもしれないとの期待からです。
北朝鮮の選手を強引に平昌五輪に参加させようとしたり、国連総会で五輪期間中の停戦を呼びかける決議を採択させたり。いろいろと画策しました。
もっとも政権が発足して以来、続けてきた対話作戦は空振りに終わっています(「早くも空回り、文在寅の『民族ファースト』」参照)。
北朝鮮にとって韓国と対話する意味などないからです。放置しておくほどに韓国は焦ってますます顔色をうかがうようになりますから、金正恩(キム・ジョンウン)委員長は文在寅大統領を泳がせてきたのです。
「五輪休戦」を画策する韓国
ただ、11月29日のICBM試射により「核武装をしたと自信を深める北朝鮮に、いくら対話を申し入れても無駄だ」との声が韓国国内でも高まりました。
中央日報は「レッドラインを超えた北朝鮮…揺れる文大統領の『平昌構想』」(11月30日、日本語版)で、対話政策が挫折したと評しました。
ところが文在寅政権は「五輪休戦」をあきらめません。12月6日、韓国の宗教界指導者らと会談した大統領が「現在、極度に高まっている緊張も時間の問題で(いずれ)解決する。その過程に平昌五輪がある」と述べたことからも分かります。
発言は聯合ニュースの「文大統領『先制攻撃で戦争になることは決して認めない』」(12月6日、韓国語版)で読めます。
米国の目には、この期に及んでも「五輪休戦」などと言っている文在寅政権は北朝鮮の回し者に映ったはずです。世界が声をそろえて北に圧力をかけるべき時に、その主軸である軍事演習を中断しようというのですから。
そこで米国は韓国に対し「五輪を名分に北朝鮮の核武装を幇助するつもりなら、五輪そのものを潰してやるぞ」と脅したのだと思います。
韓国外相に「ダチョウ」
—確かに、文在寅大統領の挙動不審が目立ちます(「文在寅大統領の『反米・親北』の言動」参照)。
- 文在寅大統領の「反米・親北」の言動(2017年)
| 4月13日 | 大統領選挙の討論会で「(米国が先制攻撃を準備する場合)北朝鮮にホットラインを通じて直ちに連絡し、挑発を中断するよう要請する」と発言 |
| 5月10日以降 | 「手続きが不透明」としてTHAADの追加配備を認めず。6回目の核実験(9月3日)後の9月5日になって配備容認を決定 |
| 8月15日 | 「朝鮮半島での軍事行動は大韓民国の同意なくして誰もできない」と米国の先制攻撃に反対 |
| 9月21日 | 「時期は未定」としつつ、800万ドルの対北人道支援を発表 |
| 9月27日 | 国連総会第1委員会で、北朝鮮の非核化も念頭に置いた「核兵器廃絶決議案」を棄権 |
| 9月28日 | 「戦時作戦統制権を早期に米国から韓国に移す」と国軍の日の記念式典で演説 |
| 11月29日 | 北朝鮮のICBM発射直後に「米国が先制攻撃を念頭に置く状況にならぬよう防がねばならない」と発言、米国を牽制 |
鈴置:11月29日のICBM試射の直後には、米国の先制攻撃に反対する姿勢を打ち出しました(「高笑いする金正恩、挙動不審の文在寅」参照)
12月6日の宗教指導者との会談では「先制攻撃で戦争になることは決して認めない。韓国の同意なくして朝鮮半島でのいかなる軍事行動も許さないと米国に断固として通告してある」と、さらにはっきりと米国を牽制しました。
韓国は北朝鮮と裏でつるんでいる、との認識が米国で広がっています。先に引用した12月7日の国務省の会見でも「文大統領は北朝鮮に対する米国の先制攻撃を認めないと語ったが、どう考えるか」と聞いた記者もいました。ナウアート報道官は「その事実は知らない」とはぐらかして逃げましたが。
同じ会見で「韓国政府はテロ国家を――核ミサイルで脅し続ける金正恩政権を(五輪に)招待している。どう考えるか」との質問も出ました。
米国の著名な記者が康京和(カン・ギョンファ)外相とインタビューした際に「砂に首を突っ込むダチョウ」(heading in the sands like ostriches)――現実から目をそらす――と、韓国政府をからかう“事件”も起きました。
米国時間の12月4日、CNNのアマンプール(Christiane Amanpour)国際担当首席記者が康京和外相とテレビ電話で会見した際のことです。「South Korea doubts North Korea’s ability to launch nuclear ICBM」(12月6日)の開始2分11秒あたりからです。
米国の敵を弁護する韓国
—なぜ、ダチョウ扱いしたのですか。
鈴置:康京和外相が「北朝鮮は(核武装の)最終的な段階には至っていない」「だから北朝鮮を核保有国として認めるわけにはいかない」と語ったからです。開始1分30秒後からの発言です。
they have not reached the final completion stage yet.
North Korea will never be accepted as a nuclear power,
要は「北朝鮮は米国を攻撃できる核をまだ持っていない。だから、米国は先制攻撃するな」と暗に主張したのです。
現時点で北が米国に届く核ミサイルを実用化したかは見方が分かれます(「高笑いする金正恩、挙動不審の文在寅」参照)
しかし早晩、その能力を持つのは確実です。というのに韓国政府はそれに目をつぶって軍事行動に反対する。だからアマンプール記者は「砂に首を突っ込むダチョウ」に例えたのです。
このインタビューを見た米国人は「ダチョウ」よりも「裏切り者」という言葉が頭に浮かんだと思います。同盟国というのに外相が、米国に刃を向ける国を「害がない」とへ理屈をこねて弁護するのですから。
金正恩の思うままに
—韓国での反応は?
鈴置:保守系紙は「ダチョウの平和」に危機感を表明しました。中央日報の社説「米中とかけ離れた韓国政府の北核認識が不安だ」(12月9日、日本語版)の結論が以下です。
誰もが北の核を「差し迫った脅威」と見なして迅速に対応しているが、なぜ我々だけが目の前で起きていることに背を向け続けるのか。
政府の失敗は5000万人の国民の命を担保にしているという点を一時も忘れてはいけない。
朝鮮日報の社説「ダチョウのように砂に頭をうずめている」(12月8日、韓国語版)はもっとはっきりと書きました。
文在寅政権が「ダチョウ」を続けるのは無能のせいではなく、北朝鮮の核武装を認めるつもりであろう、と指摘したのです。
政府と与党関係者からは、核武装を完成したとの北の主張を南北対話再開の契機にしようとの主張が相次いでいる。文大統領の(宗教界代表者らとの会談での)「夜明けが一番暗いものだ」との発言も、南北対話を期待する現れだ。
韓国政府が北の核ミサイル完成という厄災から目をそらし、北と「平和の対話」をすれば、すべてが金正恩の戦略のままにされてしまう。
対北制裁はうやむやになり、我々の頭上の核爆弾はあたかも存在しないように我々は自らを欺いて暮らすことになる。ダチョウが砂の中に頭を突っ込んだら次に何が起きるか、誰でも知っている。
「エルサレム」効果も
—「ダチョウ発言」が効きましたね。
鈴置:ええ。「ダチョウ」に加え「五輪参加は未定」「在韓米軍の家族の撤収」など米国が相次ぎ発信する警告に、韓国人もようやく気づきました。
韓国には「戦争は絶対に起きない」と信じる人が多かった。希望的観測もあるでしょうが何よりも、これまで北朝鮮がいくらやりたい放題やっても米国が我慢してきたからです。
でも米国が青筋を立てて怒っているのを見て、さすがに韓国人の根拠なき確信も揺らいできました。
米国が「イスラエルの首都はエルサレムだ」と認めたことも、韓国人の対米認識を変えるでしょう。「首都認定」にはイスラム世界だけではなく、欧州からも批判が高まっています。米国内でも「余計な波乱を起こす」と問題視する人が多い。
でもそうした批判をものとせず、トランプ大統領は選挙時の公約を実行したのです。「金正恩に核ミサイルを絶対に持たせない」も同様に公約です。世界が何と言おうが、トランプ政権は力ずくでも北の核武装を阻止するだろうな、と考えるのが自然です。
北朝鮮もぞっとしたと思います。もちろん「首都認定」の結果、世界のあちこちで反米デモが起きるでしょう。が、北を包囲する空母を外して中東に転用することにはなりそうにない。
—トランプ大統領は北朝鮮をさらに脅すために、このタイミングを選んで「首都認定」を発表したのでしょうか。
鈴置:それは分かりません。でも、結果的にその効果はあるでしょう。かといって金正恩委員長が白旗を掲げるとは思えませんが。
(次回に続く)
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『プーチン政権の“恥部”映す元側近の泥仕合 前経済発展相の汚職疑惑で“日本との関係”に注目も』(12/8日経ビジネスオンライン 池田元博)について

NHKは12/12朝のニュースで、姑息にもたばこ税増税報道の中に「自衛隊明記の憲法改正」の世論調査結果を紛れ込ませていました。賛成派が多い事実を知られたくなかったのでしょう。結果が逆に出れば、勿論大々的に報道したと思います。「どちらとも言えず」が35%、反対派を含めると半数以上いる現状では北の危機を認識していない人が多いという事です。これだけミサイルが飛んできているというのに。戦う人に敬意を持ちえないのですかね。自分勝手な日本人が増えたという事でしょう。左翼の刷り込みを信じ、自分の頭で考えないからです。
次は内閣支持率と、政党支持率の結果です。立民と共産、民進、社民、自由と左翼政党が合計14%もあります。GHQの呪縛が70数年経っても解けていないというか、敗戦後利得者が既得権益を手放さないようにしているからでしょう。マッカーサーは1951年、上院軍事外交委員会で「日本は自衛の為に戦った」と言ったのに。左翼思想に染まった60年・70年安保世代がいなくならない限りは難しいのかも。それでは中国の侵略に対抗できず、手遅れになるかもしれません。


12/11日テレニュース<小野寺防衛相 ロシア軍の参謀総長と会談>この時期に参謀総長の来日の意味を考えますと、米国の北攻撃があってもロシアは参戦しないように擦り合わせしたという見方もあります。
http://www.news24.jp/articles/2017/12/11/04380227.html
10/3産経ニュース<シベリア鉄道の北海道延伸を要望 ロシアが大陸横断鉄道構想 経済協力を日本に求める>中国の「一帯一路」の「一帯」に対抗してロシアが考えたものでしょうが、サハリンと北海道・稚内間の宗谷海峡に橋またはトンネルを建設し欧州まで繋げると言うもの。「総ての道はローマに通ず」を中露とも考えているのかも。ローマの道は軍の迅速な移動と、戦争になれば石畳を立て、通行できなくする役目もあると本で読んだ記憶があります。軍事に関して深い考察力もない日本は危ないと感じます。極東の発電所から電気を海底ケーブルで北海道または本州に運ぶ「エネルギー・ブリッジ構想」についても、前にも言いましたが、将来メタンハイドレートや核融合が実現できれば無用の長物となります。ロシアとはルトワックが言ったように、中国に近づけない、中立の立場を採って貰う程度の協力の仕方で良いと思います。北方領土は返す気がないでしょう。
http://www.sankei.com/politics/news/161003/plt1610030005-n1.html
本記事のウリュカエフ被告は囮捜査に引っかかったのですから、クロと見て間違いないのでは。何故政権内部の人間をそこまでして追い込んだのかが理解できません。プーチンとトラブルがあったのかどうか、そちらの方が興味があります。しかし、元共産国のソ連と現共産国の中国共に賄賂社会と言うのが分かります。貧しい国では当たり前のようにあるでしょうけど、豊かになってまでも賄賂を取るというのは、三権分立のない共産主義の宿痾なのか、民族的特質なのか、小生は両方と思っていますけど。
12/12Money Voiceには<トランプとプーチンは知っている?「次の金融危機」そのキッカケは何になるか>という記事がアップされていました。いろんなところできな臭くなってきています。日本は世界の大波乱の中で生き延びられるかどうかです。
記事
ロシアのプーチン政権で対日経済協力の窓口も務めていたアレクセイ・ウリュカエフ経済発展相(当時)が収賄容疑で逮捕されてから1年。裁判所では依然、収賄の有無をめぐる泥仕合が続き、図らずも政権の恥部をさらけ出した。

収賄罪で起訴されたロシアの前経済発展相・ウリュカエフ被告(写真:ロイター/アフロ)
「中身は超高級ワインだと思っていた」――。
巨額の収賄罪で起訴されたウリュカエフ被告は今年11月末、モスクワの裁判所での陳述で、多額の現金を賄賂として受け取ったと主張する検察側の主張に真っ向から反論した。
ウリュカエフ被告は経済発展相だった昨年11月14日、国営石油最大手「ロスネフチ」のオフィスを訪問し、イーゴリ・セチン社長から現金200万ドルが入ったカバンを受け取った。その現場にあらかじめ待機していた治安機関の連邦保安庁(FSB)職員らが押し入り、ウリュカエフ氏は拘束された。
ウリュカエフ氏は政府による中堅石油会社「バシネフチ」の民営化(政府保有株の売却)で、本来は民営化の趣旨にそぐわない国営企業のロスネフチが経営権を取得できるよう便宜を図り、その見返りに多額の賄賂を要求してきた、というのがロスネフチ側の説明だった。
一方、ウリュカエフ氏は民営化で便宜を図れるような権限は自らになく、賄賂を要求したことも一切ないと反論、根拠のないおとり捜査によってセチン社長にはめられたと主張した。プーチン大統領はウリュカエフ氏にすべての非があると断じ、拘束直後に経済発展相から解任していた。
ウリュカエフ氏はプーチン政権の主要経済閣僚のひとりで、2013年から経済発展相の職にあったが、どちらかと言えば地味な存在だった。対するセチン社長はプーチン大統領のかつての「最側近」。大統領府副長官や副首相を務めたのち、活躍の場を産業界に移したものの、ドル箱の国営石油最大手を率いる辣腕経営者として今でも大統領と太いパイプを維持しているとされる。大統領がウリュカエフ氏を切り捨てたのは当然だったともいえる。
それから1年。多額の収賄罪で起訴されたウリュカエフ被告はなお、その否定に躍起になっている。「超高級ワイン」をめぐる最近の発言もその一つ。しかも、陳述した内容は極めて具体的だ。
いわく、時は同被告がおとり捜査で拘束される1カ月前の2016年10月15日。場所はBRICS首脳会議が開かれたインド南部のゴア。当時、経済発展相として出張に来ていたウリュカエフ氏は会合の合間に、ホテルのロビーでビリヤードに興じるセチン社長とアンドレイ・コスチン・ロシア対外貿易銀行頭取の姿を見つけた。
あいさつをしないのも変だし、政府の民営化計画の期限が迫っていたロスネフチの19.5%の政府保有株売却の話もしようと、ウリュカエフ氏はセチン社長に近づいた。するとセチン氏は「バシネフチ」の買収がうまくいったことで上機嫌の様子で、「君には今までの人生で一度も飲んだこともない(最高級の)ワインをごちそうしよう。君はいい仕事をしたからね」と述べたという。ロスネフチの株式売却問題はモスクワで改めて話すことになった。
モスクワに戻って以降、全く連絡のなかったセチン氏から初めて電話が入ったのが11月14日。自ら折り返した電話で同日夕に会うことになり、ロスネフチのオフィスに行くと、セチン氏から「たぶん15キログラムぐらいはあった」という重いカバンを渡された。セチン氏からはこれまでも度々、時計やお酒などの贈り物をもらっており、「一度も飲んだことのない例のワインだ」と思って中身を確かめることもなかった――。
裁判で食い違う主張
裁判所はセチン氏に再三、証人としての出廷を求めているが、同氏は「多忙」を理由に応じていない。このためウリュカエフ被告の陳述に対するセチン氏の反応は公になっていない。ただ、セチン氏は検察の取り調べに対してはウリュカエフ被告の説明とは全く異なる話をしているという。
まずはインドのゴアのホテルでの会話。セチン氏によれば、ウリュカエフ氏は「バシネフチ」の民営化の話を始め、ロスネフチにとって好ましい決定を下したことへの謝礼を求めてきた。具体的な額は、指を2本掲げるジェスチャーで200万ドルだと示唆したので、「検討する」とセチン氏は答えた。次に11月14日の電話。セチン氏によると、電話してきたのはウリュカエフ氏のほうで、「賄賂を再び要求する電話だ」と確信したという。
ことほどさように、2人の主張は完全に食い違う。ただし、ウリュカエフ被告がロスネフチのオフィスに自ら出向いてカバンを受け取り、その現場でFSBの職員らに拘束された事実は否定しようがない。プーチン大統領が即座に経済発展相から解任したこともあり、ロシアの世論も総じてウリュカエフ被告に冷たい。
政府系の全ロシア世論調査センターが今年8月に実施した世論調査では、ウリュカエフ被告を「有罪」とみなす回答が57%に上り、「無罪」とする7%を大きく上回った。しかも、裁判所でのやりとりを含めて事件を良く知っていると答えた人々に限れば、「有罪」とする見方が79%に達した。
ウリュカエフ被告は有罪か無罪か

出所:全ロシア世論調査センター
検察側は今月4日、「200万ドルの賄賂を受け取った罪は明白だ」としてウリュカエフ被告に禁錮10年、罰金5億ルーブル(約9億6000万円)を求刑した。被告本人も弁護団も引き続き現金による賄賂の要求はなかったと必死に反論していくとみられるが、「超高級ワイン」のくだりを含めた陳述は図らずも、プーチン政権の閣僚が高級な贈り物を日ごろから当然のように受け取っていた実態を浮き彫りにした。政権の恥部が露呈されたといえるだろう。
この事件をめぐる裁判ではちなみに、おとり捜査当日にセチン社長が盗聴器で録音したウリュカエフ氏との会話記録まで公表されている。例えばオフィス到着後、2人の間では以下のような会話があったとされる。
セチン社長「まずは、依頼案件の履行が遅れて申し訳ない。出張に出かけていたもので……」
ウリュカエフ氏「そうだね」
セチン氏「あちこちで額を集めていたのでね。さあ、これで任務は達成されたと考えて良いだろう?」
ウリュカエフ氏「うん」
これを検察側は、賄賂の現金授受の際の会話とみなしている。一方、ウリュカエフ被告側は「依頼案件」「任務」について、プーチン大統領が当時、政権に課していたロスネフチの政府保有株売却の問題を意味していると反論する。真偽は藪の中だが、盗聴器を通した会話記録は収賄問題とは別に、ロスネフチ株の売却をめぐる意外な事実も表ざたにした。
盗聴された会話に安倍首相も登場
とくに注目されたのが日本との関係だ。会話の中でセチン氏は日本ともロスネフチ株の売却交渉をしていると明かす。ウリュカエフ氏は「安倍(晋三首相)はいつもロシアに譲歩していると言われているので、何かを示さなければならない。(彼は)10年先を見越したエネルギー調達を保証する非常に興味深い資産を調達したと公言できる」とし、日本にとっても有益なディールだと指摘する。
セチン氏は具体的に、まずはロスネフチ株の一部を取得し、その上で生産、輸送、共同市場開拓の合弁企業を設立する。油田の開発権も認め、自然災害の際には原油を独占的に日本に供給する――といった条件を日本側に提案したと述べている。
日ロ間では当時、安倍首相の提案した8項目の対ロ経済協力プランを具体化すべく、様々な協力構想が浮上していた。その一つに日本政府が独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じてロスネフチ株の10%程度を最大1兆円で取得するという案も出ていた。セチン氏の話はこの構想を意味しているのではないかとみられる。
一方でセチン氏は「彼ら(日本人)は相当な実利主義者だ」と強調。「彼らは自分たちにとって主要な課題、すなわち領土という政治的な得点を得ようとし、交渉でその問題を提起してきたので、我々は拒否した」と明かしている。同氏はまた、アジアでは日本以外に韓国とも交渉中とする一方、中国やインドは「もはや相乗効果は見込めない」と述べ、対象外との認識を示していた。
結局、ロスネフチの政府保有株の売却に関しては2016年12月、スイスの大手資源商社グレンコアとカタール投資庁が共同で19.5%の株式を102億ユーロ(約1兆2400億円)で取得するとの発表があった。プーチン大統領が日本を訪問する直前のことだった。
さらに今年9月、今度は中国の民営石油大手の中国華信能源が、当のグレンコアとカタール投資庁から1兆円近い価格でロスネフチの株式14.2%を買い取ることで合意したとの発表があった。セチン社長自らが「相乗効果が見込めない」としていた中国企業が最終的に取得したことになる。
日本への売却交渉はどこまで真剣に進められたのか。北方領土問題は果たして障害になったのか。ウリュカエフ被告の裁判は図らずも、ロスネフチの政府保有株売却をめぐる不透明な経緯も浮き彫りにしたことになる。
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『習近平「トイレ革命」は“結婚と観光”を救うか さらば「ニーハオトイレ」、都市部では「顔認証」付きも』(12/8日経ビジネスオンライン 北村豊)について
12/10中国観察<傳三亞基地核潛艇全部離港 金正恩突造訪中共國恥地 阿波羅網=海南島・三亜海軍基地から核搭載の潜水艦が全部出航したと伝えられる 金正恩は中共の為した国恥の地を突然訪問 アポロネット>「核搭載の潜水艦6~7隻が出航したのは朝鮮との関係では?軍事機密を伝聞の形で報じさせたのは当然許可あってのこと。周恩来が60年代にミャンマー、ネパール、朝鮮、パキスタン、アフガンと領土交渉、協定を結んだ。共産主義者は世界革命を目指したせいか、国家や民族の概念は無かった。(それなら扶清滅洋、滅満興漢の概念はどこから出たのか、漢族はご都合主義では。今や中華民族の偉大な復興の夢で世界制覇を目論んでいるくせに)。周恩来が領土割譲と言う売国的行為をしたのは、長白山(朝鮮では白頭山)が金日成の抗日ゲリラ活動を起こした聖地だから譲歩したのだと。そこを孫の金正恩が訪れたとは、領土割譲は盗人に追い銭ではないか」との記事。
宮崎正弘・藤井厳喜両氏による『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』には、中共の崩壊について論じられていました。藤井氏は「中国に対する経済制裁→オフショアコントロール→エア・シー・バトル。(中国のSLBM搭載の原潜は総て米軍が把握している)」(P.188)とのプロセスを辿り、宮崎氏は「中国の崩壊は経済破綻から始まる。習は党内でも軍部にも人気がない。「一帯一路」も挫折。AIIBは69ケ国が出資国として名を連ねているが、議会の承認が必要な場合が多く、前途多難。BRICS銀行も原油価格の低迷により事実上の業務停止状態に陥っている」と。(P.196~214)やはり、米国の金融制裁(基軸通貨$を使わせず、貿易できなくする)と海上制裁が効くのでは。トランプも早く北の問題を解決して中共打倒に動いてほしい。
北村氏の中国のトイレの記事について、11/29本ブログでも同じように取り上げました。
http://dwellerinkashiwa.net/?p=7693
顔認証(中国語で“刷脸”と言います。顔をスキャンするイメージです)付きトイレまで造る必要があるのかどうか。トレペ盗難対策と言うのが笑わせます。中国のオフイスではトイレに鍵を持って行かないと用が足せない所もありました。北村氏の言いますように、その前に中国人の「公衆道徳革命」が必要なのでは。
6/24のサーチナの記事に<訪日できて嬉しくても・・・「これは絶対やっちゃダメ」=中国報道>の中で「痰吐きはダメ」、「割り込みもダメ」と教えているとのこと。まあ、それでも大声で話したり、自分勝手に振る舞う姿を日本人が見て、「同文同種」ではないとやっと気付くようになったのでは。
http://news.searchina.net/id/1638441?page=1
2015/9/20のレコードチャイナの記事には<中国人観光客の10の「非文明的行為」を列挙―中国メディア>とありました。まず自己中を無くすように教育的指導が大切ですが、賄賂塗れになっている中共幹部が言っても誰も言うことは聞かないでしょう。
http://www.recordchina.co.jp/b119156-s0-c60.html
記事

中国の公衆トイレで「顔認証システム」を導入。その理由とは…(写真:AFP/アフロ)
2017年3月3日、中国最大のSNSである“微博(Weibo)”の「“南寧人不知道的南寧事(南寧人が知らない南寧の事)”」という表題のブログに掲載された動画がネットユーザーの注目を浴び、動画の再生回数は翌4日の午後2時までに360万回を突破した。
「それで嫁になれだって?」
その動画は南寧市の繁華街“悦薈広場”にある“奶茶街(ミルクティ街)”で撮影されたもので、多数の人々が見守る中で30歳過ぎと思われる男性と小太りの女性が1m程の間隔を空けて向き合っていた。どうやら男性が女性に求婚したらしいのだが、これに対して女性は周囲の人々に聞かせるかのように大声で男性に向かって、「あなたの家にはトイレも無ければ、入浴する場所もない。それで私に嫁になれだって。あんたおかしいよ」と罵声を浴びせた。男性は返す言葉もない様子で、ひたすら女性にぺこぺこと頭を下げるばかりだった。
動画はただそれだけの短いもので、現場を目撃した人が撮影して投稿したもののようである。当該ブログは一般大衆から投稿された動画を掲載するもので、ブログの管理人はこの動画に「私が南寧全市の公衆トイレの運営を請け負ったら、嫁に来てくれるかい」と嫌味のコメントを書き込んだ。動画を見たネットユーザーの1人は「この女は“勢利眼(地位や財力に媚びる人)”だ」とコメント欄に書き込んだし、別のネットユーザーは「この男性は多くの人々の面前で結婚を迫って、自ら恥をかいた」と書き込んだ。求婚された女性の身になってみれば、トイレもなければ入浴する場所もないような家に好んで嫁に行くはずないと言うのはもっともな話である。一方、この男性は貧乏で家にトイレがないということなのだろうが、大衆の面前で求婚した女性に「家にトイレもない」と大恥をかかされては、さぞかし悔しかったに違いない。
2015年4月にメディアが報じたところでは、海南省“白沙黎族自治県七坊鎮”にある東方小学校には240人の児童が在籍しているが、県財政のひっ迫で予算がなく、長年にわたって同小学校にはトイレがない状態で、児童たちは便意や尿意を催すと校舎の周囲にあるゴムノキ林の中で用を足すのだという。調査によれば、白沙黎族自治県にはトイレがない小学校は少なくなく、七坊鎮だけでも東方小学校を含めて7校あり、全てが100人以上の在校生を擁しているという。
排泄は人間の営みの中で欠くことのできない重要な行為である。その重要な行為を行う場所が“厠所(トイレ)”であり、排泄された便や尿の臭気を抑え、簡便にかつ衛生的に処理する度合が高いほど、文明が発達していると見なされる。従い、トイレは文明発展のバロメーターという事ができる。この点、中国のトイレは歴史的に汚くて臭いことで定評があり、庶民のトイレには1本の溝があるだけで、仕切りがなく、顔見知りの人々が溝を跨いで用を足しながら挨拶することから、日本では「你好(ニーハオ)トイレ」と揶揄されている。
2017年11月30日付の「人民日報」は、中国農村部の従来のトイレを“一塊木板両塊磚, 三尺柵欄囲四辺(1枚の木の板と2つのレンガ、3尺の柵で四方を囲む)”と描写した。地面に穴を掘り、その上に真ん中に孔を開けた木の板を掛け渡し、孔の両側にレンガを置く、その四方を柵で囲んだのが伝統的な農村のトイレだった。3尺は約1mだから柵の高さ1mということになるが、レンガの上に足を乗せ、しゃがんで用を足せば、柵の上から頭が見える。かつての農村ではこのような“露天坑(屋外の穴)”と呼ばれる方式のトイレが一般的だった。この種のトイレは汚くて臭いし、蛆がわき、ハエがたかるが、それが当たり前だと思って使い慣れれば、何の不満も感じなくなるし、不衛生だと思わなくなるのだ。
13億人の24%が「不衛生トイレ」
2015年12月1日発行の「中国環境統計年鑑2015年」に掲載された「中国農村部“衛生厠所(衛生トイレ)”カバー率」のグラフによれば、農村部で2000年に45%程度であった衛生トイレのカバー率は、2014年には73%程に上昇したとある。また、2009年に採択された国連(UN)の「ミレニアム開発目標」に基づく調査によれば、1990年から2015年の間に中国の都市部と農村部の“厠所質量(トイレ品質)”は大きく改善され、衛生トイレのカバー率は都市部で68%から87%へ、農村部では40%から64%へ、それぞれ上昇したとある。農村部の衛生トイレカバー率が、前者は2014年で73%程なのに対して、後者は2015年で64%を大きく異なるが、それはともかくとして2016年11月に広州紙「南方都市報」の質問に答えた北京科技大学環境工学部教授の“李子富”は、「中国の13億人の人口のうち実際にはまだ24%の人々が衛生要件を満たしていないトイレを使用している」と述べている。
それでは“衛生厠所(衛生トイレ)”とは何か。中国版ウィキペディア「互動百科(Hudong)」には次のように定義されている。
衛生トイレの正式名称は「無害化衛生トイレ」。衛生トイレはその基本要件に合致するものを指し、“糞便(し尿)”の無害化処理施設を備え、基準に基づき使用管理が行われるトイレ。衛生トイレの要件は、壁と天井があり、「し尿溜(た)め」はにじまず、漏れず、蓋で密閉されており、トイレは清潔で、ハエや蛆が無く、基本的に無臭で、し尿は規定に基づき浄化して流す必要がある。
2004年から2013年までに中央政府は82.7億元(約1046億円)を地方政府に配分して農村部のトイレ建設を推進した。衛生トイレを建設することに同意した農民には補助金が支給されたが、地方政府の役人は農民に衛生トイレの建設を説得するのに難渋したという。しかし、上記の統計数字を見る限り、衛生トイレは着実に普及しているように思える。
5.7万カ所に「観光トイレ」を
2014年10月、河北省“⽯家荘市”に属する“正定県”で“全国愛国衛⽣運動委員会”主催の「全国農村トイレ改造作業推進会議」が開かれ、同時に『農村のトイレ改革をさらに推進することに関する通知』が発行されたことで、農村における“厠所革命(トイレ革命)”の動きが巻き起こった。同年12月には,中国政府“国務院”が『新たな愛国衛生運動作業を一層強化することに関する意見』を提出したことで、農村のトイレ改造の歩みはさらに速度を上げた。
こうした動きを捉えた中国政府“国家旅游局(国家観光局)”は、2015年3月17日に局長の“李金早”が同局のウェブサイトに『“旅游要発展, 厠所要革命(観光は発展が必要であり、トイレは革命が必要である)”』と題する署名入りの文章を発表した。その文章の中で李金早は下記のように述べた。
海外生活が40年以上の華僑で、かつては飛行士であった人物が李金早に手紙をよこし次のように伝えて来た。すなわち、2013年の秋に、“長江(揚子江)”の三峡へ旅行した際に100人程のドイツ人旅行団と一緒になった。言葉を交わす中で彼らはさまざまな面で中国を絶賛したが、唯一彼らを困惑させたのは観光地の“公厠(公衆トイレ)”の問題だった。その中の1人のドイツ女性は清潔な洋式便座が無いと言って、尿を直接ズボンの中に漏らして見せたが、私は言葉にならない苦しさを感じた。
李金早はこの話を引用して、「トイレに行くのが困難なこと」が中国観光業の発展を長期にわたって阻害している理由の1つであると見なすことができるとし、中国国内の観光地が毎年受け入れる観光客は延べ37億人以上だが、観光客は1人平均8回トイレに行くので、全ての観光客がトイレに行く回数は延べ270億回以上になると述べた。
2015年4月1日、“中国共産党中央委員会”総書記の“習近平”は、中国政府“国家旅游局(国家観光局)”が提出した李金早の文書に指示を与え、“厠所革命(トイレ革命)”に力を入れ、観光の質を向上させるよう命じた。これを受けて国家旅游局は5日後の4月6日に『“全国旅游厠所建設管理三年行動計劃(全国観光トイレ建設管理3年行動計画)”』を発表し、2015年から2017年までの3年間に資金補助などの方法を通じて、全国の“旅游厠所(観光トイレ)”5.7万カ所の新築・増築を推進し、観光トイレの数量が十分にあり、清潔で臭いがなく、無料で使用され、管理が有効に行われるという目標を実現すると表明した。
一方、2015年7月16日に吉林省“延辺朝鮮族自治州和龍市東城鎮”の“光東村”を視察した習近平は、田畑に下りて作物の生育状況を聴取し、“村委員会”で老人舞踏チームの練習を見た後に民家を訪れるなどして、同村で長時間を過ごした。この時、習近平は農民たちが依然として伝統的な“旱厠(旧来のトイレ)”を使っていることを知り、新農村建設を絶え間なく推進する中で“厠所革命(トイレ革命)”が必要であり、農村の群衆に衛生的なトイレを使わせなければならないと指摘した。
“下放”時代から大改造
文化大革命(1966年~1976年)時代に“下放(幹部や知識分子、またその子弟を思想改造のため農村や工場へ行かせること)”された習近平は、1969年1月から1975年10月までの7年間を陝西省“延川県文安驛公社”の“梁家河大隊(後に“梁家河村”)”で過ごした。首都の北京市で比較的恵まれた生活をしていた習近平が直線距離で700km以上離れた辺境の山奥へ送られたのであるから、その文化程度の差に強烈な衝撃を受けたに違いない。その最たる物は男女の区別もなく、汚くて臭い伝統的な農村のトイレだっただろう。2017年8月に「“中国共産党中央党学校出版社”」から出版された習近平の下放時代を知る人々の証言集『習近平の知識青年7年の歳月』によれば、習近平は伝統的な農村のトイレを取り壊して、男女が分かれた公衆トイレを建設して、村人たちから喜ばれたという。また、1982年に河北省定正県の党委員会副書記(1年後に書記となった)に赴任した習近平は、農村ではトイレと豚小屋が一体化した“連茅圏”<注>が一般的であるのは不衛生であるとして、1984年にトイレの大改造に着手したという。
<注>人の排泄物を豚が待ち構えていて餌として食べる仕組みになっている。
上述したように2015年7月16日に習近平が吉林省の東城鎮光東村を視察した際に発動したトイレ革命の大号令は、観光地の公衆トイレ、農村部の衛生トイレのみならず、都市部の衛生トイレの普及促進も含むものだった。そして、瞬く間に全国各地でトイレ革命の呼び掛けに答える運動が沸き起こり、各地に“厠所革命工作領導小組(トイレ革命作業指導チーム)”が発足し、トイレ改造の作業業績が人事考課に反映されるまでになったのだった。
2015年12月31日までに全国で新築・改築された観光トイレは2万2009カ所で、2015年の計画であった2万1028カ所を上回り、計画達成率は104.67%に達した。観光トイレの新築・改築はその後も順調に推進され、2015年4月の『全国観光トイレ建設管理3年行動計画』の発表から3年を経ることなく、2017年10月末までに計画目標は達成された。その詳細は“国家旅游発展基金(国家観光発展基金)”による累計10.4億元(約177億円)の拠出資金と各地が手配した資金200億元(約3400億円)により、3年間で6.8万カ所の観光トイレを建設し、当初の計画目標であった5.7万カ所に対する達成率は119.3%であった。
ところで、2017年11月19日は国連(UN)が2013年7月に制定した「世界トイレデー(World Toilet Day)」であった。同日、国家旅游局は『全国観光トイレ建設管理新3年行動計画(2018-2020)』を発表し、当該3年間に全国で観光トイレ6.4万カ所の建設を行うと表明したが、その内訳は新築4.7万カ所、改築1.7万カ所であった。一方、11月28日に中国政府「国家衛生・計画育成委員会」が発表したところによれば、2016年末時点で全国の農村部における衛生トイレの普及率は80.3%に達し、東部の一部の省では90%以上に達しているという。同委員会は、農村部におけるトイレ革命は、農民の健康、生態環境、経済および社会で次第に効果を表わしていると述べている。
なぜ、トイレに「顔認識」?
トイレ革命は都市部でも着実に推進されている。12月5日付の北京紙「北京晩報」は、北京市内“西城区”の“胡同(横丁)”で進むトイレ革命を報じた。西城区では2017年に20カ所以上の2級公衆トイレに通風除臭システムを設置し、2018年には区内にある2級以上の公衆トイレ全てに通風除臭システムを設置するとしている。北京市全体ではすでに公衆トイレ500カ所に通風除臭システムが設置されているという。同記事によれば、北京市内の一部の公衆トイレにはハンドドライヤーや電気暖房機が設置されているところもあるという。北京市内には顔認識装置付きのトイレットペーパー自動供給機が試験的に設置されたところもあるというが、これはトイレットペーパーの盗難を防ぐために、顔認識した上でペーパーを供給するもので、再度ペーパーが必要となっても同じ顔では10分間経過しないと供給しないという代物。公衆トイレに無料のトイレットペーパーが置かれると、不届き者が次々と持ち去ってしまう中国ならではのトイレ設備である。
日常の生活から外出や旅行まで、トイレは人々の生活に必要不可欠な施設であり、トイレは全ての人々にとって常に身近な存在である。11月27日付の「新華社通信」は、先ごろ習近平がトイレ革命に関する重要指示を出した旨の記事を配信した。同記事によれば、習近平は、「トイレ問題は小さな事ではなく、都市・農村の文明建設にとって重要であり、観光地だけでなく、都市部でも、農村部でも取り組まねばならず、都市・農村振興戦略の具体的任務の一つとして推進し、この人々の生活の質に影響する弱点を努力して補わねばならない」と指示したという。
中国という国家および中国国民にとって、トイレ革命が重要であることは疑いのない事実であるが、世界第2の経済大国である中国の最高指導者が「革命」と銘打ってまで推進する必要のあることかどうかは議論のあるところだろう。しかし、中国が2020年までに「“小康社会(ややゆとりのある社会)”」の全面的実現という目標を達成するには、トイレの改善は避けて通れないし、「革命」という言葉を使って推進しなければ前に進まないことは確かである。
ただし、トイレそのものは革命により改善されたとしても、それを使う人々の意識が変わらず、管理が行き届かなければ、改善されたトイレはいつの間にか汚れて悪臭を放ち、元の木阿弥となる可能性は否定できない。これを防止するには中国国民に“社会公共道徳(公衆道徳)”を根付かせる必要があり、そのためには習近平主導の“公衆道徳革命”が不可欠と思われる。
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『なぜ“張陽上将”は「自殺させられた」のか “クーデター”説、汚職説が交錯、「無茶な粛清」の行方は』(12/6日経ビジネスオンライン 福島香織)について
12/5中国観察<張陽秘事:“六四”後得意 獲三大綽號 曾與郭伯雄互“咬” 希望之聲電台=張陽の隠された部分:「天安門事件に鎮圧部隊の一員として参加後、昇進を重ね得意満面 広州軍区時代に「有名な腐敗役人」、「麻袋政治委員」、「張と言う大きな麻袋」という三大綽名を賜る かつては郭伯雄に賄賂を贈り巻き添えにしたことがある 希望の声TV>2015年に郭伯雄が打倒された後は立場を翻し、上級者を検挙した。張陽は郭伯雄に2500万元贈ったと郭伯雄が説明、友人の所に1700万元を隠し、深圳、東莞、北京で女郎買いをして数十万元払った」と言うもの。中共一流の用済みの人間への貶め方でしょう。ただ軍内部でも出世するには賄賂を贈らなければできませんので張陽が潔白であったとは思えませんが。
12/9中国観察<張陽自殺的四個疑點(圖) 看中國=張陽の自殺についての4つの疑問点 看中国>「①何故家で自殺したのか?『双規』の時は決まった場所、時間に党の取り調べが行われる。これは、薄熙来等も含め例外はない。②家で軟禁している場合でも、24時間の厳戒監視態勢が採られ、一人で家にいさせない。③何故自殺しなければならなかったのか?あの法外な賄賂を受け取った周永康ですら死刑にならなかったのに。自殺だとすれば圧力がかかったせいだろう。④新華社はなぜ公開報道したのか?武警司令官の王建平の自殺は伝聞という形で伝えられ、官方は正式に発表していない。公開報道すれば軍内部の人心が動揺し、社会的な議論を巻き起こすのに。中共はいつも隠すことが得意なのに、どうして今回だけマイナスとなるのが分かっていて出したのか。いつもと違う。記者の見立てでは①張陽の自殺は新華社の報道のように簡単ではなく、背後に黒幕がいる。②習近平はまだ権力基盤が安定しておらず、権力闘争は激烈・苛酷になっていると。」
12/6西村眞悟の時事通信<大東亜戦争顕彰・・・今こそ、尖閣が危ない>海軍の横暴極まれりと言う所でしょうか。省益あって国益無し、「軍部大臣現役武官制」、「統帥権干犯」以外に軍部がおかしくなった原因に「戦時大本営条例の改正」があったとは。陸軍と海軍の意思疎通ができてなくてでは戦争は勝てないでしょう。中国が尖閣を取りに来ようとしているのは明らかなのに、政府は中国と尖閣衝突回避策で合意と言うのでは。騙されるのに決まっています。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という中国人の本質を政治家・官僚共に分かっていません。
http://www.n-shingo.com/jiji/?page=1389
12/7日経ビジネスオンライン<中國が海外の先端技術を買いあさる「軍民融合」 ドイツの「KUKAショック」で先進国は震え上がった 細川昌彦
中国の「軍民融合」戦略に対する警戒感が高まっている。企業買収や貿易を通じて先端技術を獲得し、軍事転用する可能性があるからだ。先進諸国は法改正などで脅威への対応を急ぐが、中国は今や世界を「規制する側」に立とうとしている。

中国企業によるドイツの産業用ロボットメーカーKUKAの買収は、先進諸国の当局者に大きな衝撃を与えた(写真:ロイター/アフロ)
海外の先端技術に狙いを定めた軍民融合戦略
中国の軍民融合の脅威が確実に押し寄せている。
中国は「製造強国」を目指して、2015年5月に「中国製造2025」計画を発表した。そこに明記されているいくつかの戦略の中で、最も警戒すべきは「軍民融合戦略」だ。すなわち、軍事・民間の融合を促進して、製造業の水準を引き上げる戦略である。そして、そのターゲットとして次世代IT、ロボット、新材料、バイオ医薬など、10の重点分野を掲げている。
露骨に、軍事力強化のために、海外の先端技術を導入した民生技術を活用することをうたっているのだ。
炭素繊維や工作機械、パワー半導体など、民生技術でも機微な(センシティブな)技術は広範に軍事分野に活用されており、「軍民両用(デュアル・ユース)」の重要性が世界的に高まっている。例えば、炭素繊維は、ウラン濃縮用の高性能遠心分離機やミサイルの構造材料に不可欠だ。そういう中で、中国の場合、海外の先端技術に狙いを定めているから特に警戒を要する。
海外の先端技術を狙う中国の手段が、対外投資と貿易だ。ターゲットとなる日本や欧米先進国は、まさに守りを固めるのに躍起になっている。
中国による海外企業買収を巡る攻防
近年、資金力に任せた中国企業による外国企業の買収が急増している。世界のM&A(合併・買収)における中国の存在感は年々大きくなってきている。その結果、日本や欧米各国は軍事上の観点で、機微な技術が中国に流出することを懸念しなければいけない事態になっている。
そこで、このような事態を安全保障上の脅威と捉えて、各国は相次いで投資規制を強化する動きになっている。地理的に離れていることから、これまで中国に対する安全保障上の懸念には無頓着だったドイツなど欧州各国でさえそうだ。英国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)では早々に中国に接近したものの、原発へ中国資本が投資したこともあって、懸念が高まり規制強化に動いた。
2016年5月に中国の美的集団がドイツの産業用ロボット・メーカーであるKUKAを買収して実質子会社化するとの発表は、世界に衝撃を与えた。KUKAは世界4大産業用ロボットメーカーの1社である。
当然、KUKAは欧米各国で軍需向けにもロボットを提供している。美的集団の傘下に入ってからは、中国での生産能力を4倍に拡大する計画で、中国は一挙にロボット大国になることを目指している。
そのほかにも、米国の半導体メーカーの買収やドイツの半導体製造装置メーカーの買収など、何とか阻止できた案件もいくつかあったが、KUKAのケースで各国の警戒度は一気に高まった。その後も、中国による海外企業の買いあさりはとどまることはない。欧米の工作機械の多数のブランドが中国資本の傘下に次々入っている。
日本も機微な技術の流出を阻止しようと、この秋、改正外為法が施行された。これまで無防備だった日本も安全保障上の危機感から、国の安全を損なう恐れが大きい技術分野を規制対象になるように拡大した。
今後、中国の攻勢はますます増大すると予想され、先進各国における先端技術を巡るせめぎ合いは一層激しくなるだろう。
中国の新・輸出管理法は運用次第で企業秘密が流出するリスクも
もっと厄介なのは貿易だ。今、中国は新たに輸出管理法を制定しようとして、先進各国は危機感を抱いている。
輸出管理の歴史を振り返ると、かつての冷戦期に共産圏への技術流出を規制する対共産圏輸出統制委員会(COCOM=ココム)から始まっている。その後、通常兵器関連だけでなく、核、ミサイルなど大量破壊兵器関連の国際的な枠組み(国際輸出管理レジーム)も整備された。
これらの国際的レジームは、先進国が保有する高度な製品、技術が北朝鮮、イランなどの懸念国に渡ると、国際的な脅威になることから、これを未然に防止しようするものだ。当然、メンバーは先進国を中心とした有志連合で、各国で輸出管理を実施してきた。
しかしメンバー国以外であっても、経済発展著しいアジアの国々でも技術進歩の結果、高度な製品を生産できるようになってきた。そうすると、これらの国々も規制に協力しなければ規制の実効性が確保できないことになる。中国はまさにその代表格だ。
世界第2位の経済大国となった中国が世界の安全保障に協力すること自体は歓迎されるべきことだ。輸出管理法という法制度を整備することは大国としての責任とも言える。
問題はその法制度がどう運用されるかである。運用次第では本来の目的とは違って、軍民融合戦略の手段にもなり得るのだ。
現に、法案の目的には、「平和と安全」という安全保障の輸出管理本来の目的以外に、「産業の競争力」「技術の発展」といった産業政策的な要素も規定されている。
最も懸念されるのは、中国から輸出しようとすると、中国当局から輸出審査において企業秘密にあたる技術情報の提出を要求されることだ。
例えば、日本からキーコンポーネントを中国に輸出して、これを中国で組み込んだ製品を第三国に輸出するケースを考えてみよう。
中国での輸出審査の際に製品が機微かどうか判定するのに必要だとして、組み込んだ日本製キーコンポーネントの技術情報を要求される恐れもある。その結果、関連する中国企業にその技術情報が流出する可能性さえある。
現に、かつて中国において別の法律の運用で、要求された企業秘密の技術情報が中国の競合他社に流出してしまった事例がある。法治国家では「法律の目的外使用」は禁止されるのが当たり前だが、そういう常識が通用しないのが中国だ。
中国からの輸入においても問題がありそうだ。法案には現地査察の規定がある。日本において中国製品を使用したり、製品に組み込んだりしている生産現場に、中国当局が最終用途を確認するために現地確認をする権限を規定している。これは国際法上、主権の域外適用にも当たり、センシティブな問題を引き起こしかねない。生産現場に対して濫用されると、機微な技術情報も流出することも懸念される。
中国が「規制される側」から「規制する側」へ
これまで長年、先進各国は中国に対して、軍事に用いられる可能性の高い「機微な」ハイテク製品・技術の輸出管理をしてきた。その中国が「規制される側」から「規制する側」になろうとしている。
まさに世界秩序の質的転換とも言えよう。そして中国が輸出管理という手段をどういう使い方をしてくるかが不透明だ。
制度の導入に大義名分があるだけに、それが目的外に使われないか注意し、中国政府に適正運用を強く求めていく必要がある。その際には、日本だけでは歯牙にもかけられないだろう。欧米各国とも国際的な連携をとることが不可欠である。
今、中国は軍民融合を目指して、あらゆる使える手段を駆使して、海外の先端技術の獲得にまい進しようとしていることを忘れてはならない。>(以上)
中国は宇宙を含め世界制覇を目指しているという事です。どんなに時間をかけようとも。パクスシニカは血塗られたものになるでしょう。その前に力を削ぎ、分裂させて野望を留めねば世界は不幸になるだけです。被害妄想ではありません。今「そんなことはない」と思って傍観している人は臍を噛むことになります。米国が真剣に中国との関係を見直さないと動きませんが。
12/5レコードチャイナ<中国の「一帯一路」がピンチ?大型プロジェクト取り消す国が相次ぐ― 米華字メディア>いい傾向です。こういうニュースがどんどん流れ、一般人の知るところとなれば良いのですが。
http://www.recordchina.co.jp/b226406-s0-c20.html
福島氏の言うように習の粛軍のやり方は軍内部に不満を齎し、クーデターか暗殺事件が起きるのでは。「政権は銃口から生まれる」のが中共の歴史です。習はそれを忘れてはいまいか。況してや軍の経験もなく、閲兵式で左手で敬礼するような人間を軍人が評価するとは思えません。
記事

前中央軍事委員会政治工作部主任の張陽氏。自殺の真相は?(写真:Featurechina/アフロ)
前中央軍事委員会政治工作部主任の張陽上将が11月23日、北京の自宅で首つり自殺をした。これがどうやら「自殺させられた」のだと聞くと、いったい解放軍に何が起きているのか、と思うことだろう。張陽の死は、自殺後5日経って国内で報道された。「腐敗の罪を恐れて自殺した」と報じられた。しかし、香港メディアによれば、直前に一人の警備員が、「治療を行う」と言って張陽の部屋に入っていったのだという。その後、自殺しているのが発見された。張陽はなぜ自殺させられたのか、事件の背後に何があるのか。飛び交う噂を一度整理しておこう。
「胡錦涛派エース級」が突如
張陽のことを知らない人のために少し説明しておこう。
彼は胡錦濤時代に上将に出世した、軍内の共青団派の軍首脳として知られる。習近平政権の軍制改革前の解放軍総政治部で最後の主任を務めた後、軍制改革後の中央軍事委員会政治工作部主任職を継続した。2004年に旧広州軍区政治部主任、07年に旧広州軍区政治委員に昇進。このころ共青団派の政治家・汪洋が広東省の書記を務めており、2008年1月の春節時機に起きた記録的な中国南部大雪害の折は、汪洋の要請に従って最前線の現場で、リスク管理の指揮をとった。
また同年の四川大地震での救援活動、五輪の香港会場の安全管理などでも活躍しているほか、深圳市の郊外の村に小学校を建てたり、故郷の河北省武強県の貧しい村に衣類などの支援物資を送ったりする支援活動にも積極的だった。2010年には上将に出世、2012年には総政治部主任となって中央軍事委員会入りした。
この経歴を見れば、一点の曇りもない。貧しい農村の小学校への寄付活動を積極的に行い、暴動に発展するやもしれない緊張をはらんだ南部大雪害の被災者対応や、過酷な四川の山奥での救援活動で成果を上げてきた有能さは、広く評価されてきた。
その共青団派エース級の軍首脳であった張陽が2017年夏、突如姿を消した。そして9月には彼が汚職容疑で拘束中であることが、香港メディアの報道で明らかになった。
このとき、元中央軍事委員会連合参謀部主任参謀長であった房峰輝も汚職容疑で拘束されていると報じられている。房峰輝は2007年に北京軍区指令となり七大軍区最年少司令の記録を作り、2009年の建国60周年記念の胡錦濤による解放軍大閲兵式の指揮も務めた胡錦濤の愛将である。二人とも胡錦濤派といわれ、国際交流の現場にもよく出るため、その思考は開明的で軍内改革派であったともいわれている。
2017年秋の党大会前に胡錦濤派軍人二人が揃って失脚したことについて、多くのチャイナウォッチャーらが、いよいよ習近平の軍内粛清が胡錦濤派に及び始めた、というふうに受け取っていた。そして党大会後、早々に張陽の“自殺”騒動である。
張陽はなぜ死なねばならなかったのか。
中国国内では、張陽は習近平に2014年に失脚させられた解放軍長老の重鎮中の重鎮・徐才厚と密接な関係があり、徐才厚の汚職に連座していたことをほのめかす報道がされている。また、張陽は広州軍区時代、多くのビジネスマンから賄賂を受け取り、別荘のリフォーム代など300万元などを支払ってもらった、などと一部報道で伝えられている。
確かに徐才厚は長年総政治部主任を務めており、同じ政治部系の道を歩む張陽にとっては上司である。だが「博聞ニュース」など香港情報によれば、張陽は、米国に逃亡中の闇の政商・郭文貴に2000万元および200丁の銃を与えていたという説もある。のちに北京郊外で、これら銃が発見されたが、郭文貴はこの銃の来歴を一切説明していない。張陽は軍の規律検査委からの取り調べに対して、これらの銃を北方工業公司で購入し、アフリカの某国の名義で一度海外に集荷した後、再び国内に返送させ、北京郊外の某所に隠しておいたことを自白したという。張陽は“クーデター”計画にかかわっていた、というのである。
どの“クーデター”か
では、この“クーデター”とはいつの“クーデター”のことなのか。実は習近平政権になってから“クーデター”騒ぎの噂はいくつかあるのだ。
有名なのは2012年3月19日の解放軍と中央警衛局と公安警察が複雑に絡み合う“3・19政変”の噂だ。この夜、北京の公安大楼付近で何があったのかは真相不明。ただ、銃声が聞こえ、装甲車が出動する異変が起きていた。
その前日未明には令計画(胡錦濤の側近、失脚済)の息子のフェラーリ事件が起きている。令計画の息子・令谷が運転する黒のフェラーリが北京市内で事故を起こし、死亡した事件だ。同乗していたチベット族幹部の娘2人とともに裸で発見された衝撃的な事件で、当時は緘口令が敷かれたが、目撃者が多すぎて、隠し通せなかった。
この翌日に“3・19政変”と呼ばれる異変が起き、これは薄熙来失脚を受けて、薄熙来とともに政変計画を立てていた周永康が起こしたアクションだといわれている。令計画の失脚は、表向き周永康の汚職に連座していたことになるが、フェラーリ事件が令計画を陥れるための謀略であったという説、令計画を守るために、胡錦濤(当時中央軍事委員会主席)が中央警衛局や38集団軍を出動させ、それに周永康が指揮する公安及び武装警察が対峙した、という説など、入り乱れている。
ちなみに私は、令計画と周永康が共謀して習近平を失脚させようとした、という通説は疑っている。令計画は周永康と結託していたという濡れ衣でもって習近平に失脚させられたのではないか。
ちなみに“3・19政変”の騒ぎに連座する形で、多くの軍幹部、武装警察幹部、公安幹部、中央警衛局幹部が取り調べを受け、あるいは失脚している。
王建平との関係は…
その中で、大きなニュースとなったのは元中央軍事委員会連合参謀部副参謀長、元武装警察司令だった上将、王建平の失脚である。彼は2016年1月、新設された連合参謀部副部長に昇進したそのおよそ半年後の8月26日、四川省成都を視察中に突然、軍の規律検査委員会に連行され、同年末には汚職容疑で立件された。現役上将の失脚は文革後初めてである。それまで失脚した軍長老の徐才厚、郭伯雄らはみな退役上将だった。さらに衝撃的だったのは、王建平は2017年4月、北京の看守所で、箸を頸動脈に突き刺すという苛烈な方法で自殺を遂げた。
この王建平が“3・19政変”でどういう役割を担ったのかは、“3・19政変”自体に諸説あるので、やはり不明なのだが、このとき公安大楼の前に出動した武装警察を指揮していたのは王建平であったといわれている。当時の公安警察・武装警察トップは周永康であるので、王建平が周永康の命令に従って出動したとはいえる。もっとも、その現場で、王建平は周永康の命令に従わなかった、という説もあり、だからこそ、その後2016年1月までは順調に出世を遂げたともいえる。
では、房峰輝、張陽の失脚も、この“3・19政変”にかかわっているのだろうか。あるいは王建平と何らかの関係があるのだろうか。
博聞などは、房峰輝、張陽、王建平らは、“3・19政変”とはまた違う形の、習近平の身柄をいきなり拘束して退陣を迫る、1976年の四人組逮捕方式の政変を企てていたという。だが、その企ては早々に発覚した。そして、この企てには郭文貴も一枚かんでおり、郭文統が党大会前に、米国からインターネットで暴露情報を発信する行動もその計画の一部だとか。その計画が予定通り行われたのであれば、第19回党大会当日に大事件が起きたかもしれない。
「裏で汚職」で隠蔽?
ここで房峰輝の失脚にまつわる一つの噂が思い出される。2017年5月以降のブータン・中国の係争地ドクラム高地で中印両軍がにらみ合い、一触即発の危機が生じたのは、房峰輝の命令による解放軍のドクラム高地での軍用道路建設がきっかけで、しかも彼は中印撤退協定の調印にも最後まで抵抗していたがため、参謀長を解任された、という噂である。習近平は、房峰輝に謀反の心ありと疑ったといわれる。つまり、胡錦濤派軍首脳で最も力のある房峰輝、張陽の二人が連携して、中印国境危機に乗じて、政変を仕掛けようと準備をしていたのではないか、という憶測がある。
また別の香港筋は、2016年、2017年と北京をはじめ中国全土頻発している退役軍人デモを裏で画策していたのは、張陽、房峰輝の二人で、退役軍人デモに乗じて政変を計画していたという。
もし“クーデター”説が正しいなら、この“クーデター”計画には、真の首謀者たる党内最高指導部か長老の後ろ盾があり、張陽が自殺させられたのは、その秘密を自白させないためではないか、という疑いが出てくる。となると、房峰輝も今後「自殺させられる」可能性がある。
こうした政変疑惑とは別に、中国国内報道では、張陽は徐才厚閥で、房峰輝は郭伯雄(失脚済)と利益供与関係にあり、二人ともひどく腐敗しており、だから、失脚したともっぱら喧伝されている。
張陽は2014年以降、解放軍報への寄稿や軍内の公式会議の場で実に13回も徐才厚、郭伯雄を批判している。張陽が江沢民のお気に入りの贾廷安を押しのけて総政治部主任の座に就いたのは、間違いなく南部大雪害の活躍を強く推した胡錦濤の力であり、張陽はこの後、ことあるごとに胡錦濤派としての忠誠を表明してきた。
徐才厚は軍内の江沢民の代理人であり、胡錦濤の軍権掌握をずっと妨害してきた人物であり、構図的には江沢民派の徐才厚とは対立関係にあったはずだ。張陽と徐才厚が結託していた、という話には無理がないか? だが中国メディアは、口先では徐才厚らを批判しておきながら、裏では汚職でつながっている、と報じている。この汚職説は、張陽と房峰輝の本当の失脚理由を隠蔽するための目くらまし報道であると私は見ている。
「失脚160人、自殺17人以上」の異常
張陽らが本当に“クーデター”を計画していたかどうかはさておき、確実に一つ言えることは、張陽も房峰輝も、習近平の軍制改革には内心強い不満を抱いていたらしい。それぞれ総政治部主任、総参謀部参謀長という軍内で極めて強い権限を持つ地位から、中央軍事委員会主席の習近平の秘書レベルにまで事実上格下げになったわけだから、面白いわけがない。
しかも、彼らの直属の上司の習近平は左手で敬礼してしまう軍のしきたりに無知な人間だ。こうした軍内の不満は、実のところ、積もりに積もって、軍の機能にも影響するほどだとも言われている。中央軍事委員会のメンバーが11人から大幅に縮小した7人になったのは、習近平が望んで「スリム化」したわけでなく、「粛清」のし過ぎで、経験と地位ともども中央軍事委員会入りするに足る高級将校が足りなくなった、とか。
香港誌「前哨」10月号によれば、二人は軍の実力派首脳として、習近平の徐才厚・郭伯雄派閥の将校の徹底排除に抵抗したという。このことが、習近平の逆鱗にふれたようだ。だが、これは二人が徐才厚・郭伯雄派閥として腐敗していたための保身の言動ではなく、むしろ軍内の不満を代弁し、部下たちを守ろうとした、というふうにとる方が普通だろう。軍内で過去5年に失脚させられた高級将校は160人。うち少将以上で自殺した者が、17人以上。おそらくもっと増える。戦闘以外で軍の高級将校がこれほど多く死ぬのは明らかに異常である。
習近平はこんな無茶な粛清を続けていて、本当に軍権を掌握できるのだろうか。今世紀半ばに世界一流の人民軍隊建設を実現すると打ち出す習近平政権だが、世界一流どころか、“クーデター”を絶対起こさないと安心できる、政権に不満を持たない軍隊にすることがまず課題である気がする。
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『セクハラ候補を擁護するトランプの賭け 政権運営の混乱に追い打ちをかける「トランプ・セクハラ疑惑」が再燃も』(12/5日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『唐突に「エルサレム首都」を宣言したトランプの真意が見えた 世界の混乱より選挙ファースト』(12/9ゲンダイイスメデイア 歳川 隆雄)について
トランプが今度のアラバマ補選の為に必死なのは、高濱氏や歳川氏の記事から分かります。12/8日経に「【ワシントン=永沢毅】1941年の日本軍の真珠湾攻撃から76年を迎えた7日、トランプ米大統領は攻撃から生き延びた元米兵をホワイトハウスに招いた。真珠湾攻撃について「邪悪な急襲だ」と批判し、「米国のために戦った勇敢な戦士たちを決して忘れない」と称賛した。トランプ大統領はこれに先立ち、ツイッターに「リメンバー・パールハーバー(真珠湾を忘れるな)」と書き込んだ。」ともありましたが、現在の彼の行動は正しく選挙対策と言えるでしょう。まあ、トランプのことですから平均的米国人の歴史観に染まっており、コミンテルンの存在やFDRの人種差別については何も深くは習っていないのでしょう。でも日本としては、中国の歴史捏造との闘いは微力であってもしていきませんと。トランプの選挙対策の意味で言えば、北朝鮮への攻撃もその一つとして使われる可能性もあります。今回のアラバマ補選には間に合わないでしょうけど、来年の中間選挙に向けてでしたら充分にあり得ます。
セクハラで米国セレブは訴えられてきました。あのケビン・スペーシ-までがです。でも米国では男女はくっつくのが当り前、不倫は普通のように映画やTVで描かれていて、男女平等が進んでいるためか女性から不倫を持ちかけているケースもフィクションとはいえ多いです。今回のセクハラ騒動で女性が槍玉に挙がらないのは、権力を利用して迫ると言うケースは、女性は少ないという事でしょうか?女性一人が名乗りを上げると次から次へと「私も」、「私も」と出て来るのは訴訟を見据えてのことでしょうか?日本も朝日新聞の捏造による慰安婦問題で簡単に謝罪したから、国際世論が賠償をキチンとしろと言って来るのです。韓国のようなタカリ屋はどこにでもいます。ただ、実際に権力を行使してセクハラしたのであれば、それは日本の慰安婦の強制性がないのとは違い、キチンと謝罪と賠償をすべきです。11/21アンデイチャン氏のAC通信の記事を紹介します。
http://melma.com/backnumber_53999_6612621/
そもそも民主党のFDRやケネデイ、ビル・クリントンなぞは女性にだらしないことで有名でした。ムーア氏が潔白かどうかは分かりませんが、民主党が選挙対策で出してきたのは分かります。真実でなくとも選挙戦でダメージを与えられるでしょうから。
またモラー特別捜査官はアンデイチャン氏によればFBI長官時代、売国行為をしたヒラリーやオバマの罪を見逃しているというではありませんか。米国同様、日本のメデイアの報道も偏っています。
http://melma.com/backnumber_53999_6600877/#calendar
http://melma.com/backnumber_53999_6603160/#calendar
高濱記事

アラバマ州上院補選に共和党から立候補しているロイ・ムーア元同州最高裁長官にセクハラ疑惑が浮上(写真:AP/アフロ)
—トランプ政権をめぐるロシア疑惑を捜査しているロバート・モラー特別検察官が1日、トランプ大統領の片腕だったマイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)を偽証罪で刑事訴追しました。昨年の大統領選中にトランプ陣営がロシアと共謀した疑惑の解明がいよいよ、トランプ大統領が率いるホワイトハウスの中枢に迫ってきましたね。
高濱:フリン氏は昨年12月、米連邦捜査局(FBI)に対して、駐米ロシア大使と接触して対ロ制裁について協議した事実はないと否定していました。それが嘘だったことが判明したのです。モラー特別検察官とは司法取引(Plea Bargain)*をしたようです。そうなると、トランプ氏に関する疑惑の解明で虚偽の証言はできなくなってきます。フリン氏を訴追したことで、捜査はさらに一歩、トランプ大統領自身に迫るわけです。
*:司法取引とは被告人と検察官が取引をし、被告人が罪を認めるか、共犯者を法廷で告発するか、捜査に協力することで、求刑の軽減、またはいくつかの罪状の取り下げを行う制度。
もう一つ、「トランプ大統領がレックス・ティラーソン国務長官を数週間のうちに更迭する」と、米主要メディアが11月29日に一斉に報道しました。12月1日になってトランプ大統領自身がこれを否定。反響の大きさに驚いたトランプ氏が撤回したのか、どうか。
ティラーソン氏のほか、ゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)議長や娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問らを更迭するのではないかという憶測も出ています。いずれにせよ、ホワイトハウスは大揺れです。
セクハラ疑惑、ハリウッドから政界へ
—政権内のごたごたもさることながら、トランプ政権にとって今、最大の国内問題はセクハラ疑惑ではありませんか。告発はハリウッドから政界、マスコミ界にまで広がっているようですね。セクハラ問題は世界的に大きなうねりになってきました。日本でも最高裁が47年前の判例を変更しました*。
*:最高裁は11月29日、強制わいせつ罪の成立要件について「性的な欲望を満たす目的でなければ罪は成立しない」という1970年(昭和45年)の判例を変更。「被害の有無や内容に目を向けるべきで、行為の目的を一律に要件とすべきではない」との判断を示した。
高濱:その通りです。米マスコミは、セクハラで新しく告発された人物を実名で連日のように報じています。
もうすでに報道し尽くされた感もありますが、問題の端緒は米映画界の超大物プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏によるセクハラ疑惑発覚でした 。その後セクハラ追及はニューヨーク・タイムズやCBS、NBCの大物ジャーナリストにまで広がり、政界では数人の上下両院議員が対象になっています。逆に同僚議員からセクハラを受けたと公表した女性下院議員が2人います。
12月12日に迫るアラバマ補選
そのさなか、12月12日にアラバマ州で実施される上院の補選が全米レベルで注目されています。司法長官になり退任したジェフ・セッションズ前上院議員の議席を補充する補選です。
この補選に共和党から立候補しているロイ・ムーア元同州最高裁長官(70)にセクハラ疑惑が浮上。38年前に当時14歳だった女性が「私はムーア氏にわいせつ行為を受けた」と告発したのです。その後、複数の女性が被害に遭ったと名乗りを上げました。この選挙は「セクハラ候補を選ぶか、否か」というリトマス試験紙になってしまいました。
この議席をどうしても死守したい共和党議会首脳部は、選挙戦から撤退するようムーア氏を促しました。しかし同氏はセクハラ疑惑を全面否定し、撤退を拒否しています。
膠着状態が続く中、トランプ大統領は「彼は完全否定している。彼の言い分を聞くべきだ」と発言。「疑わしきは罰せず」とばかりにムーア氏を擁護。一時は、アラバマ入りして応援演説をするとまで息巻いていました。さすがにこれは諦めましたが…。
—終盤の選挙情勢はどうなっていますか。
高濱:ムーア氏をめぐるセクハラ疑惑の影響を受けて、民主党候補のダグ・ジョーンズ元州連邦検事(63)が俄然有利となり、一時はリードしました。しかし11月下旬に実施された世論調査ではムーア氏が盛り返して逆に5%引き離しています。まだまだ流動的です。
(“Roy Moore gaining steam amid sex misconduct claims: Poll,” Mark Moore, New York Post, 11/28/20017)
(“Latest Election Polls,” Real Clear Politics, 11/29/2017)
全米レベルでは6割強が「セクハラ候補に投票せず」
—米有権者は、セクハラ疑惑を受けた議員をどう見ていますか。セクハラ疑惑と政策のどちらを重視しているのでしょう。
高濱:全米レベルの世論調査では、「セクハラ行為を告発された候補には絶対投票しない」と回答した有権者が62%(「投票を考慮する」と答えた者は27%)もいます。ただ東部や西部に比べると、南部は男尊女卑の風土がまだまだ色濃い。とくにアラバマ州はちょっと違うのか。今回の補選でそのへんが明らかになりそうです。
(“60% of U.S. Women Say They’ve Been Sexually Harassed, Quinninpiac University National Poll Finds,”Quinnipiac University National Poll, 11/21/2-17)
共和党の予備選段階ではスティーブ・バノン氏(前首席戦略官兼大統領上級顧問)がアラバマ入りし、ムーア氏を精力的に応援しました。共和党執行部は別の候補*を支持したため、激しい選挙戦が繰り広げられた。結局バノン氏が共和党執行部に勝ったのです。
*:共和党執行部は、ルーサー・ストレンジ元同州司法長官を推薦・支持したが、同氏は予備選でムーア氏に敗れた。ケイ・アイビー同州知事がセッションズ氏の暫定後継者としてストレンジ氏を指名していた。
—今だにトランプ大統領に強い影響力を持つとされるバノン氏がそれだけ応援しているということは大統領の意向が大きく働いているということですね。
高濱:そうだと思います。大統領は予備選段階で、党が選んだストレンジ氏を表向きは支持していましたが、どうも「心ここにあらず」といった感じでした。
ムーア氏のセクハラ疑惑が表面化し、党執行部の腰が引けるや、トランプ大統領はにわかにムーア擁護に動き出しました。
「セクハラ容疑を本人は否定している。判断するのは有権者だ」 「アラバマ州で民主党を選んだら、犯罪や国境管理がおろそかになる。民主党候補はすべてに弱腰だからだ」
ツイッターで激しく民主党候補を攻撃し始めました。まるで自分のことのように、ムーア氏のセクハラ疑惑否定を支持しているのです(笑)。
セクハラでトランプ氏を訴える被害女性は13人
—トランプ大統領はなぜそんなにセクハラ候補のムーア氏を擁護するのですか。
高濱:理由は二つあります。
一つは、自分自身のセクハラ疑惑がくすぶり続けているからです。ワシントン・ポストの調査によると、トランプ氏に体を触られたり、嫌がるのにキスをされたりしたことを公にした女性は13人います。これにはソーシャルメディア(SNS)でそのことを明らかにした女性やミスコンテスト(トランプ氏が主催し、司会を務めたミスユニバース・コンテスト)に参加した女性たちは含まれていません。ワシントン・ポストはこの13人を実名で報じています。
つまりムーア氏がセクハラ行為で告発されるようなことがあれば、トランプ氏にもその火の粉が降ってくる可能性が十分ある。ムーア擁護は即、自己弁護になっているのですね。
もう一つは、上院の党勢、つまり議席です。現在、上院100議席のうち共和党は52議席、民主党は48議席(うち無所属2)を得ています。確かに共和党は上院を制覇しているのですが、共和党議員のうち2人が造反すれば、法案は可決できません。現に医療保険制度改革(オバマケア)改正案をめぐって共和党議員の中から造反が出たため、トランプ提案は挫折しました。税制改革法案もなかなかすんなりとは通りません*。
*:米上院は2日、減税法案を51対49で可決した。
今でさえそうなのですからアラバマ補選で敗れるようなことになれば、議会運営はますます難しくなります。そこでどうしてもこの議席は死守したいのです。ちなみに、アラバマ州はもともと共和党の金城湯池。現在共和党は上院議員2人、下院議員7人中6人を占めています。
英国では国防相が辞任、米国では辞任した政治家は目下ゼロ
—政治家のセクハラ疑惑は米国だけでなく、英国でも政治問題化していますね。
高濱:前述の米プロデューサー、ワインスティーン氏によるセクハラ被害者の中に英女優がいたことから、騒動は英国にも飛び火しました。政界でも女性記者へのセクハラを指摘されたマイケル・ファロン国防相が11月1日辞任しました。テリーザ・メイ首相は議会内にセクハラ問題専門機関を設置するよう要請しています。ファロン氏のほか、セクハラ疑惑のある現職議員は与党・保守党だけで36人いるとされています。
米政界でのセクハラ騒動は現時点で共和党2人、民主党2人。共和党ではジョージ・H・W・ブッシュ元大統領(父)が6人の女性にセクハラ行為をしていたことが発覚しています。民主党サイドでは元コメディアンのアル・フランケン上院議員(ミネソタ州)やジョン・コンヤーズ下院議員(ミシガン州)などの名前が上がっています。ことセクハラに関しては超党派なのですね(笑)。
果たしてアラバマ州の有権者はセクハラ候補を選ぶのか。それともトランプ大統領の「疑わしきは罰せず」に賛同するのか。
アラバマ州で発行されている地元紙の記者は筆者との電話インタビューでこう言っています。「セッションズ氏の強固な地盤*で共和党候補が負けるようなことになれば、まさに『アラバマのクーデター』ですよ。セクハラ追及の矢は、(セクハラ疑惑だらけの)トランプ大統領に向けて一斉に放たれるでしょう。この選挙に勝つか負けるか、トランプ大統領にとっては大きな賭けになりそうです」
*:14年の上院選挙で、セッション氏は全ての投票の97.3%を獲得し、再選された。
歳川記事
中東和平への期待から一転、何が起こったのか
12月6日の東京株式市場の日経平均株価終値をiPhone画像で見て目をむいた。
前日比445円34銭安の2万2177円04銭で引け、今年最大の下げ幅となった。
この暴落の要因は幾つかあるが、最大の理由は同日午後(米東部標準時間)にドナルド・トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都として公式に認め、米国大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転すると、米メディアが一斉に報道したことである。

パレスチナを拠点とするハマスはトランプ大統領の決定に激しく反発している(Photo by GettyImages)
トランプ大統領は5月、就任後の初の外遊となった中東訪問でサウジアラビア、イスラエル、パレスチナなど各国を訪れた。
同大統領がイスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長と相次いで会談したことから、イスラエルとパレスチナの中東和平交渉が急速に進展すると期待感が高まった。
だが、今回のエルサレム首都認定によって、これまでサウジアラビア、ヨルダン、エジプトなど親米路線を明確にしてきた国々を含めイスラム圏諸国が猛反発。
エルサレムを首都と認めていない英国、フランスを始め欧州主要国からも批判の声が上がっている。
中東情勢が一気に緊迫化する兆候が見えてきた。
すべては上院補欠選挙のためだけに…
トランプ大統領の現在の関心事は、支持率が低迷するなかで昨年秋の大統領選公約「大使館移転」実現を通じて自らの支持層である保守系キリスト教徒へのアピールをすべてに優先することである。
具体的に言えば、日本のメディアはほとんど報じていないが、12月12日に実施される強固な保守基盤であるアラバマ州の上院補欠選挙を念頭に置いたものだ。
かつては大統領の最側近で、超保守イデオローグとして知られるスティーブン・バノン前首席戦略官が共和党執行部に対抗して推しているのが、元同州最高裁判所判事のロイ・ムーア候補。
だが、同氏の「レイプ疑惑」が発覚、民主党のダグ・ジョーンズ候補に肉薄されて、選挙戦終盤で両候補が大接戦を演じている。
トランプ大統領はムーア氏支持を明らかにしている。
しかし、同氏が敗れるようなことになれば、現在の米議会上院の共和党52人、民主党48人という勢力構図が崩れてしまうのだ。
何としても避けたい「弾劾決議」
先に税制改革法案は僅差で上院成立をみた。
だが、実はトランプ大統領が見据えるのは来年11月の中間選挙ではない。
ロバート・モラー特別検察官が進める「ロシア・ゲート」捜査次第によっては現実味を帯びる、将来の大統領弾劾議会採決なのだ。
上院で1議席であっても減らすことは何としてでも避けたい。
「イスラエルの首都エルサレム」を求めるキリスト教福音派がアラバマ州に圧倒的に多いのである。現下の直面する上院補選を中東外交に優先させたのだ。

イスラエル側ではトランプ大統領の決定を歓迎する看板も。中東での対立は急激に高まっている(Photo by GettyImages)
目先の議席を追って中東・ロシアとも関係悪化か
と同時に、このイスラエル傾斜路線への転換は、シャトル外交を通じて中東和平交渉を主導してきたトランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問の「限界」を露呈したとも言える。
やはりクシュナー氏はユダヤ教正統派の頸木から逃れられないのだろうか。
だとすれば、サウジアラビアのムハンマド皇太子とイスラエルのネタニヤフ首相の仲介役を自任し、両国間の関係改善を進めてきたが、こちらの方もまた先行きが不透明になる。
なぜならば、今年の6月以降、原油市場安定で協調するサウジアラビアとロシアの急接近が、ムハンマド皇太子主導でロシア最大の国営石油会社ロスネフチの子会社株取得まで進展している中で、米国とロシアの関係修復にも大きく影響を与えるからだ。
一言でいえば、中東情勢に暗雲が立ち込めてきたことがニューヨーク証券取引所のダウ平均株価の109.41ドル安の下落を招いたのである。
そして日経平均株価の大幅安の要因は「トランプ・ファクター」なのだ。
安倍晋三政権が期待する来年3月末の株価2万5000円のカギを握るのは、「賃上げ3%」ではなく、予見不能のトランプ大統領自身である。
ワシントンでは今、「Trump is Trumpier」という言葉がよく使われる。
「トランプはトランプ以上」とは、度が過ぎるトランプ大統領を予測することはできない、という意味である。
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