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猫魔温泉について
1月21(日)~23(火)まで福島県の猫魔温泉に行ってきました。

ホテル正面、雪がかなり積もっています。

ホテルから見た檜原湖、真っ白でした。
21日に途中(那須高原SA)で陸自の車隊と会いました。スキーの訓練でしたのでしょうか?
草津の陸自の隊員が訓練中に亡くなられたのは残念です。哀悼の意を捧げたく。
『「トランプ批判」こそ真の「親米」だ 世界を混乱に巻き込んだ1年』(1/19日経ビジネスオンライン 岡部直明)、『トランプ政権1年、政治コンサルがつけた通信簿 「内政は及第点、でも外交は…」。ユーラシアグループの評価は?』(1/22日経ビジネスオンライン ジェフリー・ライト ジョシュア・ウォーカー)、『トランプ政権のアジア担当要職に反中のベテラン シュライバー氏の起用でトランプ政権は共和党保守本流路線へ』(1/21JBプレス 古森義久)について
岡部氏の記事はリベラルの代表のような記事です。何故欧米で「国民第一主義」が起きているのか分からないから選挙の予想をはずすのです。“shithole countries”も1/19本ブログで紹介しました堀田佳男氏によれば、誤訳していて「肥溜め」ではなく「汚い」と訳すべきとありました。況してやトランプが本当に言ったのかどうか真偽の程は分かりません。民主党の人間が「言った」と言っているだけです。ロシアゲートと同じく民主党がでっち上げている可能性もあります。
「地球の敵」はトランプのアメリカではなく、人民監視を強化する中国ではないですか。見方がおかしいとしか言いようがありません。1/22宮崎正弘氏メルマガ<「中国のビッグデータは国民を見張っている」と「デジタル・レーニン主義」の名付け親 「もはや中国の監視態勢は『オーエルの世界』を超えた」>とありました。リベラルと言うのはピンクで左翼の隠れ蓑になっています。日経は中国進出を煽っていますから身過ぎ世過ぎの為には中国に反対の論陣は晴れないのでしょうけど、不甲斐ないとしか言いようがありません。
http://melma.com/backnumber_45206_6636627/
ユーラシアグループの記事も自由の真の敵が中国と言う大局から眺めていませんのでコメントが皮相的です。まあ、岡部氏のコメントよりはましですが。
古森氏記事こそ多くの日本人に読んでほしい記事です。日本のメデイアは偏っていて中国に都合の悪い記事は発信しません。日中記者交換協定とかのせいがあるのかもしれませんが、朝日なぞは自ら中共の手先となって、慰安婦やら南京等を事件として捏造してきました。罪深い新聞ですが、何の疑問も持たずに未だ購読している人が一番悪いのです。自覚なく中共の日本侵略を許しているというのに気付いていませんので。
岡部記事

トランプ米大統領は、ハイチやエルサルバドル、アフリカ諸国からの移民を「肥溜めのような国から来た人たち」と侮辱。米国の分断を一層深めた (写真:AFP/アフロ)
ドナルド・トランプ米大統領は最初の1年で、ただでさえ不安定な「主役なき世界」をさらなる混乱に巻き込んだ。その排外主義は欧州に台頭した極右ポピュリズム(大衆迎合主義)と見まがうほどだ。環太平経済連携協定(TPP)離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)見直しなど保護主義・2国間主義を打ち出し、パリ協定からの離脱で「地球の敵」になった。エルサレム首都宣言やイランの核合意批判で、中東危機をあおっている。反イスラムの姿勢は「文明の衝突」を招く危険がある。英国やカナダという最友好国からも批判される有り様だ。そのトランプ大統領に100%の信を置くのは間違いだ。「トランプ批判」こそ真の「親米」なのである。
極右ポピュリズムに通じる排外主義
「米国第一主義」(アメリカ・ファースト)という名のトランプ流排外主義は、欧州に台頭する極右ポピュリズムと通じるものがある。極右のスティーブ・バノン氏は政権を去ったが、大統領本人が排外主義を身をもって実践している。トランプ大統領は欧州の極右ポピュリストと同列視されることを警戒するが、フランス国民戦線のルペン党首やオランダ自由党のウィルダース党首らの反国際主義・自国第一主義と共通項は多い。
むしろ、これら欧州の極右ポピュリストたちが主張を国民に受け入れやすくするよう極端な排外主義を棚上げするなどソフト路線を取っているのに対して、トランプ大統領の言動は、ますますあからさまな差別主義に傾斜している。ハイチやエルサルバドル、アフリカ諸国からの移民を「肥溜めのような国から来た人たち」と侮辱したのは、本音が出たととらえるべきだろう。
なぜ米国の大統領にこうした品格を欠く人物が選ばれたのか。大統領の支持率の低さは戦後最低ではあるが、何と非難されようとトランプ大統領を支持するという強力な基盤があることも事実である。トランプ候補に投票した人の実に82%がまたトランプ氏に投票すると答えた調査もある。中西部の中低所得白人層を中心に、トランプ支持はなお強固だとみておかなければならないだろう。
保護主義・2国間主義の代償
トランプ大統領が打ち出した保護主義・2国間主義の代償は極めて大きい。世界経済が成長テンポを速め、世界貿易も拡大しているだけに、いまのところその影響は見えにくいが、いずれ訪れる世界経済の成長鈍化とともに、深刻な打撃となって跳ね返ってくるはずだ。それは、トランプ大統領を支持してきた白人の中低所得層を直撃するだろう。
最も打撃が大きいのは、NAFTAの見直しである。トランプ大統領の強硬姿勢からみて、NAFTA離脱からNAFTA分解といった事態も想定しておかなければならない。最友好国であるカナダのトルドー政権は米国が相殺関税や反ダンピング関税など貿易制裁措置を乱用しているとして世界貿易機関(WTO)に提訴した。この異常事態は、NAFTA再交渉をめぐる情勢の緊迫化を物語っている。
トランプ大統領に「壁建設」を突きつけられているメキシコでは、7月の大統領選で新興左派勢力のロペスオブラドール氏が優勢になっている。NAFTA再交渉をやり直すと主張しており、米墨関係はさらに悪化する恐れがある。NAFTAの混迷は、自由な北米市場を前提に、メキシコに進出してきた日米欧などの多国籍企業やその関連企業のサプライチェーンを分断することになる。まさに北米版の「ハードBREXIT」(英国の欧州連合=EU=離脱)である。
TPPからの離脱も影響は大きい。米国を除く11カ国で存続することにした意味はたしかにあるが、存在感の低下は隠しようがない。とりわけ、米国と肩を並べようとする中国へのけん制効果は薄れる。この点で、トランプ大統領もTPP離脱が失策だったことを痛感しているはずだ。
TPPだけでなく、米EUの自由貿易協定交渉も宙に浮いたままだ。保護主義・2国間主義を打ち出すトランプ大統領と、「反トランプ」に傾くEUとの溝は深まるばかりである。
こうしたトランプ大統領による保護主義・2国間主義のなかで、唯一の救いは日本とEUとの間で経済連携協定の基本合意が成立したことである。これは保護主義を防止し、自由貿易を推進するうえで大きな防波堤になりうる。自由な世界貿易体制は、日本とEUの連携強化で「トランプ抜き」で動き出している。
「地球の敵」に「トランプ抜き」連合
地球温暖化防止のためのパリ協定からの離脱でトランプ大統領は「地球の敵」になった。パリ協定に加盟していないのは、戦乱が続くシリアなど数えるほどしかない。パリ協定を主導してきたフランスのマクロン大統領は米国の離脱を受けて、「トランプ抜き」の体制作りを構築しようとしている。事実、米国内にはカリフォルニア州などトランプ大統領のパリ協定離脱に反発する自治体は多く、州や市を中心に、温暖化防止に積極的に取り組もうとしているのは、皮肉な「トランプ効果」である。環境意識しだいで資金調達にも響いてくるだけに、米企業も「脱トランプ」の戦略を打ち出さざるをえない。
地球温暖化防止のカギを握るのは「脱石炭」である。トランプ大統領はこの潮流に逆行するように石炭産業への規制緩和を打ち出した。「環境より目先の雇用」を優先したのである。
国際社会からの非難の目は、トランプ大統領だけでなく、石炭火力に回帰する日本にも向けられている。たしかに日本の石炭火力は温暖化ガスの排出抑制につながる技術がほどこされているが、いくら効率がよくても石炭火力は石炭火力である。これでアジアに輸出攻勢をかけるという戦略は、地球温暖化防止の潮流に明らかに逆行する。
環境先進国だったはずの日本が「トランプ抜き」連合ではなく、トランプの側に立つようになれば、地球の将来を危うくしかねない。
中東危機を増幅、「文明の衝突」あおる
トランプ大統領がイスラエルの首都をエルサレムとし、大使館の移転を宣言したことで中東和平は遠のいた。それどころか米国の歴代政権がこれまで担ってきた中東和平の仲介者としての立場を喪失することになった。あえて乱を起こすトランプ流は、サウジアラビアなど中東の親米諸国まで困惑させている。
イランの核合意を批判するのは、米英仏ロ中の国連常任理事国にドイツを加えた6カ国とイランとの合意形成に水をかけ、中東だけでなく国際政治の根幹を揺さぶるものといえる。国連安保理事会でも米国は孤立を深めている。トランプ大統領の登場で、米国は冷戦時代のソ連のように「ノーという国」になってしまったのだろうか。
深刻なのは、白人至上主義で反イスラム色をあらわにするトランプ大統領の登場で「文明の衝突」が深刻化しかねないことだ。「文明の融合」こそが求められる時代にあって、多様性を認めず、寛容さを欠くトランプ大統領の言動は、世界中にリスクを拡散している。
同盟国としてどう付き合うか
そんなトランプ大統領とどう付き合うべきか。11月の中間選挙で共和党はトランプ大統領による混乱で相当な苦戦を強いられるのは必至である。しかし、ロシア疑惑しだいだが、弾劾決議から大統領解任にいたる可能性はそう高くない。だとすれば、トランプ大統領を前提に、友情ある説得を続けるしかない。それが厳しい批判を伴っても当然である。
米国が日本にとって最も重要な同盟国であることは揺るぎようがない。とりわけ北朝鮮が核・ミサイル開発をエスカレートするなかでは、日米韓の連携は死活的に重要であり、中国、ロシアとの協調も欠かせない。この地域に戦争が起きれば、日本が最大の被害国になるのは目にみえている。そうならないように、経済制裁など圧力を最大限に高め、朝鮮半島の非核化をめざして北朝鮮を対話の場に引き出すしかない。
危険なのは、偶発的な紛争が起き、それがエスカレートすることだ。その引き金になりかねない挑発的な言動は慎まなければならない。安倍晋三首相は「圧力」を繰り返すだけでなく同盟国の友人として、この点はまずトランプ大統領に忠告すべきである。
そのうえで、保護主義・2国間主義の防止を強く求めることだ。まず北米市場での日本企業のサプライチェーン確保に直結するNAFTAの見直しに注文をつけることだ。相互依存を深めるグローバル経済の現実を考えるとき、域外の交渉であっても遠慮は無用である。この点でEUと連携することだ。
次に、TPPへの参加を求め続けることだ。先進的な自由貿易の枠組みをアジア太平洋で主導することこそ、米国の国益であることを説き続けるしかない。
地球環境問題では、パリ協定への「復帰」を求め続けることだろう。それには環境先進国として「脱石炭」でトランプ大統領との違いを立証するしかない。
カナダは米国をWTOに提訴し、英国はエルサレム宣言を受けてトランプ大統領の訪問を事実上、拒否した。同盟国、友好国だからこそのトランプ批判である。同じ同盟国、友好国として日本の姿勢が試されている。それを世界が見守っている。
Jライト他記事
2017年1月20日のドナルド・トランプ政権の誕生から1年。看板政策の頓挫や共和党議員との舌戦、税制改革の実現、腹心との絶縁など、トランプ政権はジェットコースターのように揺れ動いた。ツイッターでの奔放な発言を含めた一挙手一投足が話題となるが、この1年間の実績に米国の識者はどんな「通信簿」をつけるのか。今回は政治リスクコンサルティング会社、米ユーラシアグループのジェフリー・ライト米国担当アソシエイト、ジョシュア・ウォーカー・グローバル戦略事業部長の2人に連名で寄稿してもらった。

(写真:代表撮影/UPI/アフロ)
2016年の大統領選で予想外の勝利を果たして以降、トランプ大統領は米国政治のスタイルをひっくり返し、彼の行動に対する人々の意識も変えてきた。いくつかの選挙公約を実現したが、ワシントンに対する理解力不足もあり、頓挫しているものもある。この1年で”ニューノーマル(新常態)”が醸成されたが、選挙の結果がどうであろうと、以前の状況に戻ることはないと認識されている。以下、トランプ大統領が最初の1年で成し遂げたことと2018年の見通し、さらに日本企業に対する影響を見ていこう。

ユーラシアグループ ジョシュア・ウォーカー・グローバル戦略事業部長

ユーラシアグループ ジェフリー・ライト米国担当アソシエイト

国内政策は入り交じった評価
トランプ大統領の優先事項は、国内政策に関しては米医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃だった。共和党の指導部は最初に税制改革をやるべきだと進言したが、オバマケアの撤廃を選択したのだ。
その後、様々なことが起きた数カ月を経て、その努力は一人の上院議員の反対票によって水泡に帰してしまう。トランプ大統領をしばしば批判していたジョン・マケイン上院議員である。
上下両院の多数を共和党が占める状況、共和党には是が非でも政策を実現しなければならないというプレッシャーがかかっていた。オバマケアの頓挫によって、大統領と共和党指導部の不安定な関係は大きな試練に直面したと言える。
ところが、その切迫感が税制改革の原動力になった。
税制改革法案が年末に署名された結果、法人税の大幅な引き下げやレパトリ減税(企業が海外に持つ利益の本国還流にかかる税金の減税)が可能になった。同様に、大半の個人や非公開会社に対する減税、富裕層に対する不釣り合いな恩恵も与えている。
支持者や献金家、さらに大統領自身の圧力にさらされた共和党議員は政策の中身よりも、税制改正を実現させるという政治的な義務を優先させた。税制改革の成功によって、共和党は2018年の中間選挙に向けて大きな実績を手に入れたことは間違いないが、共和党を取り巻く厳しい政治的環境が改善する可能性は低そうだ。
それ以外の国内政策に関して言うと実績はまちまちだ。
1兆ドルのインフラ投資計画は共和党の反対によって法案になる可能性は極めて低い。トランプ大統領は米国に雇用をもたらすとツイッターで盛んに喧伝してきたが、彼が言及した数字は実現していない。
「メキシコ国境の壁」についても議会は予算案に建設コストを盛り込むことを拒否している。トランプ政権は不法移民の国外退去を増加させる一方、物議を醸した大統領令によってイスラム教徒が多数派を占める特定の国の移民をターゲットにしている。
議会を通して法案にする必要のない分野を見ると、トランプ大統領が挙げている成果は多い。オバマ政権の時に導入された規制は多くの業界に影響を与えたが、トランプ大統領は高官の任命を通して規制の緩和や撤廃を進めている。もっとも、その恩恵は金融セクターや石油・ガス、教育サービスなど特定の業界の企業に偏っている。

気まぐれなスタイルは米国の外交政策をひっくり返す
伝統的な共和党の政策を継続している国内政策とは異なり、トランプ大統領は伝統的な外交政策の多くと決別している。
オバマ前大統領は無条件の支援で同盟国を安心させたが、トランプ大統領は同盟国の負担が少なすぎるとして頻繁に批判している。第2次大戦後、米国は国際機関によるリベラルな国際秩序を重視してきたが、トランプ大統領が注力しているのは取引関係に基づく2国間関係だ。
さらに、トランプ大統領は人権の代弁者という伝統的な役割を放棄する一方、外国の指導者とのプライベートな交渉を好む。予算カットや外交官を過小評価することで国防総省に国務省以上の権限を与える半面、「北朝鮮との交渉は時間の無駄」だとティラーソン国務長官に対して警告している。
伝統の逸脱という点では北朝鮮政策を超えるものはないだろう。これまでの大統領は北朝鮮の“口撃”は同国に対処する一部であり、安定のために無視するということを理解していた。ところが、トランプ大統領は“fire and fury(炎と怒り)”と脅した後に、金正恩・朝鮮労働党委員長のことを「小さなロケット野郎」などとツイートしている。
大統領になってすぐ、トランプ氏は核実験やミサイル実験のペースを速める北朝鮮の問題に直面したが、その後のリアクションは北朝鮮との対立をかつてないレベルまでエスカレートさせた。適切な軍事オプションが欠如しているにもかかわらず、軍事行動の可能性をはばかることなくつぶやいている。戦争が起きる可能性は低いが、自分が助長している緊張関係をうまく管理できるかどうかは定かではない。
周辺を見ても、韓国の文在寅大統領との関係は悪化している。貿易に関して中国から譲歩を引き出そうとしているが、一方で北朝鮮での協力を求めており、その効果を減衰させている。
国連制裁を中国が支持したのは平壌に圧力をかけるという点でポジティブだが、それが北朝鮮の行動を変える可能性は低い。トランプ大統領は最終的に北朝鮮が核保有国になることを認めざるを得ないかもしれない。だが、その決定には彼がいまだ見せたことのない忍耐と戦略的思考が必要になる。
世界各国の首脳にとって、トランプ大統領の誕生によってある種の難題に直面している。不人気なトランプ大統領と近いと思われることなく、そういった国々に必須と言える米国との関係を維持できるのかどうか、という問題だ。
安倍首相はトランプ大統領と親しくなる道を選び、日本に招待する前にトランプタワーやワシントン、(トランプ氏の別荘である)マル・ア・ラゴに足を運んだ。中国に対する不信感や北朝鮮への懸念を共有したことで二人は絆を深めた。もっとも、貿易における米国と中国の緊張がエスカレートした場合、あるいは米国でトランプ大統領の人気が大きく下がれば、両国との貿易に依存している日本は試練に見舞われる可能性がある。
アジアの外に目を向けると、トランプ大統領はイランの核合意からの離脱を望んでいるが、米国企業や欧州の同盟国から異論が上がる中で、公約を実現するかどうか中途半端な状況に置かれている。
またトランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都と承認、公約だった大使館移転を実行に移すと発表した。この決定に実際のメリットはほとんどないが、反トランプのコミュニティを糾合させることには成功している。一方、選挙期間中は孤立主義的な傾向を見せていたが、アフガニスタンやイラクにおける米軍のプレゼンスを維持している。
恐らく、最も重要なのはトランプ大統領が多くの政治課題で米国のリーダーシップを放棄したことだ。気候変動に対する国際的な枠組み、パリ協定からは離脱を発表した。米国と世界にとって重要な外交ポストを埋めることも拒否している。
貿易関係の作り替え、その成否はまだら模様
貿易はトランプ大統領が自身と貿易を支持するエリートを分けるために活用されたテーマだった。NAFTA(北米自由貿易協定)や中国との貿易に疑念を持つ労働者との同盟関係を可能にしたのも貿易だ。
だが、「米国の貿易を作り替える」という公約は根本的な試練に直面している。大半の共和党議員や企業は自由貿易を支持しているためだ。貿易に関しては、トランプ大統領の「味方」が制約になっている。
就任式の直後に離脱したTPP(環太平洋経済連携協定)はトランプ大統領が一方的にできる簡単な決断だった。米国市場へのアクセスを期待していた日本や他のアジア諸国との関係は損なわれたが、トランプ大統領は米国で政治的代償をほとんど払っていない。
もう一つの公約、NAFTAの再交渉は状況がかなり複雑になっている。交渉は昨年9月に正式に始まったが、進展はかなりスローだ。今年7月にメキシコ大統領選があるため交渉を急ぐ必要があるが、メキシコとカナダが受け入れ不可能な提案を続けている。
2018年のリスクとして考えられるのは、トランプ大統領がNAFTA離脱の意思を発表することで再交渉のプロセスを大混乱に陥れる可能性だ。あくまでも交渉の駆け引きであり、実際にNAFTAから離脱するかどうかは疑っているが、離脱宣言は果断で劇的な決断という面でトランプ大統領の直感に訴えかけている。仮に離脱を宣言すれば企業や議員の抵抗は激しくなるだろう。
日本にとってとりわけ重要なのは、起こりうる米国と中国の貿易摩擦だ。
トランプ政権の1年目、両者の緊張関係は北朝鮮に対する交渉と協力によって抑えられていた。だが、中国の知的財産侵害に対する通商法301条の調査結果は遠からず出る見込みだ。その報告は中国企業に関税を課すトリガーになるかもしれず、そうなれば北京は米国のテック企業や農産物の輸出業者に報復措置を取る恐れがある。
両国の利害関係は十分にあるので純然たる貿易戦争は始まりそうもないが、トランプ大統領を抑制している穏健派のアドバイザーが政権を去る可能性もある。大統領の「反中国」という直感が2018年に首をもたげてくるかもしれない。
大統領に迫りくる2018年の脅威
2018年にトランプ大統領が立法面で何ができるかという点には曖昧なところが残っている。場合によっては共和党に相反するような動きもあるかもしれない。
トランプ大統領は2018年初めにインフラ投資に関する計画を進めると語っている。だが、共和党は大規模な支出につながる政策を承認することに関心はなさそうだ。また、オバマケアの撤廃に再挑戦することにも関心を示しているが、共和党の議会指導部は中間選挙前に党を割るようなテーマに気乗りではない。
ライアン下院議長は社会保障や医療制度の改革を長期的に推し進めようとしているが、トランプ大統領は選挙期間中、そういったプログラムのカットはしないと繰り返し述べている。
可能性が高いのは、立法面での活動がなくなることだ。移民と教育に関して小規模な動きはでるだろうが、大きなイニシアチブはほとんどなくなる。
2016年の大統領選におけるトランプ陣営とロシアとのつながりを調べているロバート・モラー特別検察官はホワイトハウスを脅かしている。選対の本部長だったポール・マナフォート氏は海外でのロビー活動に関して虚偽の説明をした疑いで10月後半に起訴された。彼は今後、新たな証言を迫られる可能性が高い。
また、前国家安全保障担当補佐官で大統領の友人だったマイケル・フリン氏が捜査に協力すると発表している。これはトランプ大統領にとって危険だ。フリン氏は大統領を失脚させる可能性がある2つの取り調べに直接関わっている。
近い将来という意味で言えばトランプ大統領は安全だ。ホワイトハウスにいる間に刑事責任を問われて起訴される可能性は低い。共和党は議会によるいかなる監視からも大統領を守る意思を持っているようだ。義理の息子のジャレッド・クシュナー氏など親族を含めて。
もっとも、FBIのコミー長官を解任したように、トランプ大統領の衝動的なリアクションが長期的にはダメージを与えるかもしれない。仮に、モラー特別検察官を解任すれば、トランプ大統領の状況は悪化するだけだろう。
トランプ大統領を弾劾するには議会が動く必要がある。政権の内幕を描きベストセラーになったマイケル・ウォルフ氏の『Fire and Fury』でも話題になっているように、様々な不安があるにもかかわらず、議会共和党は大統領を守り続けている。それはトランプ大統領が自分たちよりも支持者に人気があると分かっているからだ。
だが、共和党による議会のコントロールは2018年の中間選挙後に変わる可能性がある。仮に民主党が上下両院の多数派を占めれば、トランプ大統領の弾劾も可能になる。民主党が上下両院を支配するというのはまだ可能性の低いシナリオだが、トランプ大統領の不人気が可能性を高めている。民主党が下院の多数派を占めるのには25議席が必要だ。これは困難だが不可能ではない。一方で上院はより険しい道のりだ。昨年の大統領選でトランプ大統領が勝利した州のうち、民主党の上院議員が再選に臨む選挙区は10あるが、その中で民主党は2議席を取らなければならない。上下両院のねじれというのが最も可能性のあるシナリオだ。
2018年の新常態
全体として、2018年は2017年と同じような年になるだろう。ただ、トランプ大統領に対する期待感は変化し、ワシントンにおける“New Normal”が醸成されている。
トランプ大統領のスタイルは今ほどには報道価値がなくなるかもしれない。2018年は中間選挙モードで大半が費やされるだろうが、北朝鮮問題の進展やモラー特別検察官の調査が2018年のトランプ政権に劇的な影響を及ぼしうる。ワシントンを変えるという過剰な期待はもはや新常態ではない。企業経営者はその状況に対応しなければならない。
古森記事

中国・北京の天安門広場。ランディ・シュライバー氏は中国こそ歴史を捏造、悪用していると非難する
米国のトランプ政権が、国防総省のアジア担当の要職にランディ・シュライバー氏を任命した。シュライバー氏は歴代政権のアジア専門ポストで活躍してきたベテラン戦略家である。共和党保守本流と位置づけられる同氏の起用によって、トランプ政権の対アジア政策は保守、現実志向へと向かうことが予測される。
中国に対する抑止政策の必要性を主張
2017年12月、トランプ政権はランディ・シュライバー氏を国防総省のアジア太平洋問題担当の次官補に任命し、この1月、連邦議会に正式に通告した。議会では上院外交委員会が主体となって人事を審議し、そこで承認されれば最終的な就任が確定する。
現在、民間のアジア安全保障研究機関「プロジェクト2049研究所」の所長を務めるシュライバー氏は、ワシントンのアジア安全保障の関係者の間できわめて知名度が高い。
シュライバー氏はハーバード大学で中国研究の修士課程を終えて海軍士官となった後、民主党クリントン政権下の国防長官補佐官、国務省中国部員や国防総省中国部長、在北京米国大使館武官などを歴任した。その後、共和党のジョージ・W・ブッシュ政権では、政治任命の次官補代理(東アジア太平洋担当)や国防次官補代理(同)を務めている。
シュライバー氏は、ブッシュ政権で国務副長官を務めたリチャード・アーミテージ氏との絆が強く、両氏が共同で2005年に創設した民間のアジア関連コンサルタント機関、「アーミテージ・インターナショナル」の副代表も務める。
政治面では一貫して共和党支持を表明し、共和党議員のアジア政策への助言を続けてきた。自ら創設した「プロジェクト2049研究所」でも、中国の軍拡や領土拡張を主要な研究テーマとして、中国に対する厳しい抑止政策の必要性を主張してきた。同時に対日関係の重要性を強調し、日米同盟の強化を一貫して訴えてきた。また、台湾への支持も顕著だった。こうしたシュライバー氏の基本政策は、共和党保守本流の見解と一致する部分が多い。
それでもシュライバー氏を任命した大統領
ただし、シュライバー氏が親しいアーミテージ氏は、2016年の大統領選挙中に共和党員であるにもかかわらず、トランプ候補を支持せず民主党候補のヒラリー・クリントン氏に投票する意向を宣言していた。当時、共和党主流派の間ではトランプ氏に反対する動きが顕著だった。また、アーミテージ系の共和党の専門家や活動家の間には、トランプ氏の大統領就任後もトランプ政権への参加を拒む向きが少なくなかった。
そんな背景の中で、シュライバー氏は反トランプ宣言こそしなかったが、アーミテージ氏とのつながりからトランプ政権への起用が疑問視される時期があった。
それでもなお、トランプ大統領はシュライバー氏の任命に踏み切った。その背景としては、政権のアジア政策部門を充実する目的に加えて、昨年12月の「国家安全保障戦略」で打ち出した中国への強固な抑止政策の遂行にシュライバー氏のような専門家が必要だったことが挙げられるだろう。
いずれにせよ、この人事は、トランプ政権の対アジア政策、対中政策が保守本流の方向へ確実に舵を切る動きだといえそうだ。
「歴史を悪用しているのは中国」
シュライバー氏は、歴史問題を持ち出して日本を非難する中国に対して手厳しい批判を表明してきたことでも知られる。たとえば2015年10月に「プロジェクト2049研究所」がワシントンで開いた、中国の対外戦略についての討論会では、次のような諸点を指摘していた。
・中国の習近平政権は歴史を利用して日本を叩いて悪者とし、日米同盟を骨抜きにしようとしている。だが歴史に関しては中国こそが世界で最大の悪用者なのだ。中国ほど歴史を踏みにじる国はない。
・中国が歴史を利用する際は、1931年から45年までの出来事だけをきわめて選別的に提示し、その後の70年間の日本が関わる歴史はすべて抹殺する。日本の国際貢献、平和主義、対中友好などは見事に消し去るのだ。
・中国の歴史悪用は、戦争の悪のイメージを現在の日本にリンクさせ、国際社会や米国に向けて、日本は今も軍国主義志向がありパートナーとして頼りにならないと印象づけることを意図している。
・中国はそうした宣伝を、中国と親しく頻繁に訪中する一部の政治家らを巻き込んで日本の一般国民にも訴える。だがこの10年間、防衛費をほとんど増やしていない日本が軍国主義のはずはない。中国の訴えは虚偽なのだ。
・中国は日本に「歴史の直視」を求めるが、大躍進、文化大革命、天安門事件での自国政府の残虐行為の歴史は、教科書や博物館ですべて改竄し隠蔽している。朝鮮戦争など対外軍事行動の歴史も同様だ。
こうした見解を堂々と表明してきた人物が、トランプ政権の国防総省のアジア政策面での実務最高責任者のポストに就く。日本にとって大きな意義があることは明白といえよう。
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『トランプ政権の評価は「良」、よくやっている 発足1周年、保守系シンクタンクのヘリテージ財団副所長に聞く』(1/19日経ビジネスオンライン 篠原匡)について
1/21アンデイチャン氏メルマガ<FBIと司法部の選挙介入>ヒラリー民主党がロシアゲートなるものをFBIと共にでっち上げたと言うもの。議会には資料が解除され、後に国民に解除されるようです。如何にヒラリーだけでなく民主党が腐っているかを表しているかです。でっち上げで作られた事件なので、これ以上の捜査は無意味でしょう。
http://melma.com/backnumber_53999_6636227/
1/19日経朝刊<トランプ減税、米100社超が賃上げ 260万人恩恵
【ワシントン=河浪武史、ニューヨーク=平野麻理子】2017年末に決まったトランプ米政権の大型税制改革を受け、米企業が国内投資と雇用増に一気に動き始めた。アップルは17日、300億ドル(約3兆3千億円)を米国内で投資すると表明。「トランプ減税」を契機に雇用増や賃上げを決めた企業は100社を超える。トランプ大統領は成果を強調するが、景気が過熱し、一段の金融の引き締めを招く可能性もある。

米連邦準備理事会(FRB)は17年12月、減税効果を見越し、18年の経済成長率予測を2.1%から2.5%に引き上げた。三井住友アセットマネジメントの試算によると、米国の税制改革が18~19年の成長率を0.4%分押し上げる。
与党・共和党のライアン下院議長は「賞与や賃上げ、米国内投資といった施策を公表した企業は160社を超す」と語った。賃上げなどの対象となる米労働者は既に260万人を超すという。
アップルが今回表明した投資計画は(1)米国内の人工知能(AI)などの事業に5年で300億ドル投資(2)雇用を2万人積み増し(3)先進製造業への投資基金も50億ドルに増額――が柱。低税率国に2500億ドルもため込んだ海外資金を原資とする。
米国の法人税率はこれまで35%と高く、海外で稼いだ利益も米国に戻した時点で35%を課税する仕組みだった。ただ、17年末に決まった税制改革では18年から法人税率を21%に下げ、さらに海外所得は米国に資金還流しても原則非課税とした。こうした措置が今回の巨額投資の決断を促したのは間違いない。
米国は05年にも時限立法で国内に還流する所得への税率を大幅に引き下げた。この結果、当時の米企業の海外内部留保額の3割にあたる2千億ドルが国内に戻ったとの推計もある。クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は「数年かけて全体の1割程度の2千億ドル超が米国内に戻り、ドルを押し上げる要因になりうる」と指摘する。
減税で浮いた資金を従業員に還元する米企業も相次いでいる。米ウォルマート・ストアーズは最低賃金を時給10ドルから11ドルに引き上げ、最大1千ドルのボーナスも支給する。
日本企業ではトヨタ自動車の北米営業利益は全体の15%に相当し、減税の恩恵も大きくなりそうだ。設備投資が活発になれば産業機械の需要が増え、日本企業の業績を改善させる要因にもなる。
ただ、米経済は失業率が17年ぶりの水準となる4.1%まで下がり、完全雇用に近い。労働市場が一段と逼迫すればインフレにつながり、FRBは利上げを加速して逆に景気を冷やさなくてはならなくなる。
トランプ氏は「大型減税で成長率を3%に引き上げる」と主張する。ただ、米国に企業とカネが回帰すれば周辺国の空洞化を招き、各国との通商摩擦が激化するリスクもある。>(以上)
日経記事は米経済が過熱し、インフレ懸念でFBRが金利を上げるようになるのではとマイナスイメージで捉えています。強い米国の復活は歓迎すべきこと。日本もインフレ目標を2%に定めてずっとやってきましたが、なかなか目標に達しません。企業の投資と賃金上昇が少なく、内部留保にのみ金が退蔵されているからです。日本の企業経営者の責任は大きいです。
カラファノ氏の見方は正鵠を射ています。篠原氏もうまく質問して良い回答を引き出しています。故・筑紫哲也だったらこうはいかなかったでしょう。小生もオバマの8年間は弱腰で、中露に好き勝手やらせてきて評価がFというのも頷けます。いまのトランプ政権はオバマの尻拭いをし、立て直しを図っている所です。メデイアの偏向報道はやればやるほど信用を失うという事です。日本も同じです。
記事
2017年1月20日のドナルド・トランプ政権の誕生から1年。看板政策の頓挫や共和党議員との舌戦、税制改革の実現、腹心との絶縁など、トランプ政権はジェットコースターのように揺れ動いた。ツイッターでの奔放な発言を含めた一挙手一投足が話題となるが、この1年間の実績に米国の識者はどんな「通信簿」をつけるのか。保守系シンクタンクのヘリテージ財団、ジェームス・カラファノ副所長に聞いた。
(聞き手はニューヨーク支局、篠原匡)
—トランプ政権の1年をどう評価する?
ジェームス・カラファノ氏(以下、カラファノ):A(優)、B(良)、C(可)、D(落第寸前)、F(落第)の5段階で評価するとBだ。
外交政策については2つのカテゴリーに分けられる。一つは危機対応で突きつけられた状況への対応。もう一つは慎重に計画されたもので、意図的に実行している政策だ。危機対応に関してはかなりうまくできていると思う。
昨年4月、シリアによる化学兵器の使用があった時は政権を取ってそれほど時間がたっていなかったが、政権は明確な対応をした。北朝鮮が弾道ミサイル実験を始めた時もある程度の対処ができていた。

ジェームズ・カラファノ氏 ヘリテージ財団副所長。2003年にシニアリサーチフェローとしてヘリテージ財団に参加後、他の研究所を経て2012年に同財団の防衛・外交政策チームを率いる。外交・安全保障の専門家としてトランプ政権の政権移行チームに参画した。米軍に25年間の従軍歴がある。
その週に、大統領は中国の習近平・国家主席を含む3カ国の指導者と会合を持った。ティラーソン国務長官もロシアの大統領と初会談を開いている。こういったことは国家安全保障担当補佐官が交替したすぐ後のことだ。政権の危機対応能力を明確に示していると思う。
慎重に計画された政策という観点を見ても、政権は成果を出している。安全保障チームが選挙後に立ち上げられたということを考えればなおさらだろう。
北朝鮮に対する戦略を打ち立て、アフガニスタンへの増派という決定を下した。欧州の同盟国に米国のNATO(北大西洋条約機構)へのコミットメントを再確認してもらうために多くの時間も費やした。
また、トランプ大統領はイランが核合意を順守していないと批判したが、それも敵対強国としてのイランにどう対応するか、という戦略の第一歩だ。イスラム国(IS)やアルカイダに対する戦略、ロシアや中国に対する枠組みもある。政権は外国政策の重要な議題に対して、今後の戦略がどうあるべきかということを決断している。
—議会との連携、税制改革の成立で自信を深めた外交・安全保障政策の課題は?
カラファノ:課題があるとすれば政治任用職が完全に埋まっていないところだ。国防総省と国務省の両方で任命が遅れており、悪影響を及ぼしている。
他国は対話できる上級の窓口を必要としているが、現政権にはその窓口が不足している。誰もが国防長官や国務長官、大統領や副大統領と直接話せるわけではない。だからこそ、次官や次官補レベルの政治任用職は必要だ。政権の動きを制限する要因になっていると思う。
また、撤退するところと積極的に攻めるところのバランスが取れていない。政権はアジアや欧州、中東の平和と安定に焦点を当てており、積極的に関与する必要があると考えている。それは正しいことだと思う。問題は今の軍事力でそれが維持できるかどうかだ。
外交政策は問題ないと思っているが、米軍は20年間、乏しい予算の中で酷使され続けている。軍事力を維持できる水準まで防衛予算を増やす必要があるが、まだそれができていない。
—国内政策についてはどうか?
カラファノ:大統領にとっては政策を法案として実現させることが課題だった。率直に言えば、議会との関係という面ではうまくスタートが切れなかったと思う。大統領のアドバイザーが同じ方向を向いていなかったことが原因だが、大統領の経験不足も影響していた。もっとも、税制改革法案の成立によって政権は議会との連携で自信を深めたのではないか。
—あなたから見て政権のいいところと悪いところはどこか?
カラファノ:外交・安全保障政策という面でいえば、優れたシニアチームの存在だ。とくに国家安全保障会議のスタッフはとてもいい。マティス国防長官、ケリー首席補佐官、マクマスター国家安全保障補佐官はうまく協力して大統領の構想を支えている。
この政権は過去の2政権の間を取るという明確な構想があると思う。ブッシュ政権は重要な問題をすべて解決しようとしたためにアグレッシブになりすぎた。オバマ政権は逆に、引き下がろうとしたために競争相手に空白を与えてしまった。そういう見解を持っていると思う。
トランプ大統領は人気のない人々の中で最も人気がある人物
今の政権は世界の諸問題を解決し、民主主義を促進させるようなことはしないが、世界で不在になるわけではない。米国の利益を守りながら前進していくことになるだろう。
現に、トランプ政権は国益と米国の価値観のバランスを上手に取っている。米国は営々と培ってきた価値観を捨てたと批判されているが、(ミャンマーで迫害されている)ロヒンギャ問題を見れば分かるように、米国は毅然とした対応を取っている。北朝鮮をはじめ人権問題には引き続きタフだ。
正直言って、米国の外交政策は変更されたことよりも継続していることの方が多い。全体として、外交・安全保障政策は正しい方向に向かっている。

—それがなかなか認識されないのはなぜか?
カラファノ:怒りに満ちたレトリックのせいだ。それについてはトランプ政権にも野党と同じくらい責任がある。
大統領選では国民の怒りと分断を加速させるような言葉が行き交った。その状態を選挙後も維持しようと、大統領と野党は考えたのだろう。ある意味で、両者はそれぞれに対する国民の怒りを糧にしている。
大統領支持率が低いと言われるが、高い支持率を得ている人はどこにもいない。メディアも、政治家の大半も人気がない。トランプ大統領は人気のない人々の中で最も人気がある人物だと思う。
恐らく野党は怒りが政権の弱体化につながると考えたのだろう。それは政治的には成功するかもしれないが、コンセンサスの構築や外交政策へのサポートという点では事態を悪化させるだけだ。
レトリックと政策は別物
—怒りのレトリックによって実際の政策が見えづらくなっている、と。
カラファノ:レトリックと政策は別物だとみるべきだ。誰もが選挙中の公約やツイート、怒りに満ちた言葉に注目する傾向にあるが、米国の政策を理解するには実際に実行していることを考察する必要がある。実際、多くの場合でトランプ政権は保守で一貫している。
例外があるとすれば経済政策だろう。トランプ大統領は選挙中にクレージーなことを語っていたが、今のところまだ実行に移していない。NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉の後にどうなるのか。これは現在進行形ということだろう。
—確かに、トランプ政権は選挙中のレトリックに比べれば現実路線にシフトしているように見えます。
カラファノ:私がこう言ったとしよう。「選挙中に話したことと実際に政権を運営する際に実行することは異なります」と。それを聞いた人は恐らくほぼ全員が「もちろん、それはそうでしょう」と言うだろう。日本や韓国、中国でさえも。
だが、米国人は執拗なまでに選挙中の言葉にこだわる。その理由はトランプ大統領がこれまでの政治家とは異なるからだろう。他の政治家であれば、それまでの長い実績があり、その政治家がどういう行動を取るか有権者は分かっている。
例えば、民主党の候補だったヒラリー・クリントン氏は選挙遊説で、私が思うにかなり馬鹿げたことを言っていた。ところが、誰も「オー・マイ・ゴッド」とは言わなかった。国務長官や上院議員、ホワイトハウスにおける彼女の経験をもとに判断しよう、と考えたわけだ。
トランプ大統領の場合はそういう前後関係がないため、人々は意味のない彼の言葉をそのまま受け取ってしまう。選挙後、米国人は相当な怒りを感じているので、大統領の意味のない言葉を無視できない。
これまでの外交政策を仔細に見ると、トランプ大統領の外交政策はブッシュ政権やオバマ政権よりもトラディショナルだということが分かる。
トランプ政権はUNESCO(国連教育科学文化機関)から脱退したが、過去を振り返れば、米国は脱退と再加盟を繰り返している。米国は国連の組織改革には関心を示すが、国連の馬鹿げた振る舞いには我慢できない。その傾向は共和党政権が強く、民主党政権は弱い。この浮き沈みが共和党と民主党の流れだ。
国連でトランプ大統領がやっているのはこの流れの中の話で、国際機関を軽視するというシフトではない。
—トランプ大統領は衝動的にものごとを決断しているという批判もある。外交・安全保障政策について、トランプ大統領の特徴や傾向はあるだろうか。
カラファノ:「アメリカ・ファースト」とたびたび語っているように、大統領が米国の利益を優先しているのは間違いない。米国の利益を守ることは大統領の重要な仕事だ。ただ、「アメリカ・ファースト」は「アメリカ・アローン」ではないとも述べている。
彼が平和と安定を重視しているのも事実だと思う。そして、世界で優先する3つの地域はアジア、中東、欧州で一貫している。そこで米国の存在感を高めたいという意識を持っているが、行きすぎたことはしたくない。また、他国の国家建設や紛争に巻き込まれるようなことも望んでいないが、孤立主義ということでもない。
ある程度の辛抱強さも見て取れる。アフガニスタンは好例だろう。
米国はアフガンに増派するという決断をした。容易な解決策がないということをアドバイザーは明確に示していた。撤退のスケジュールがあるわけでもない。丸8年間、駐留する可能性もある。だが、米国の利益を見据えた合理的な計画であれば前向きに実行すると大統領は語った。
大統領は極端に直線的でもない。一般的な方向で政策を選び、まず動いてみて、その後は反応を確認しながら進める。大統領の対処法には柔軟性と機敏性が見られる。
北朝鮮問題、時間とともに事態は好転に向かう
—北朝鮮は核・ミサイル開発をエスカレートさせている。現政権の北朝鮮対応をどう評価するか。
カラファノ:ある戦略に決めたと思う。それは「力強い封じ込め政策」とでも呼べるもので、核による抑止、ミサイル防衛、通常兵力による抑止、日本と韓国との強固な同盟関係、さらなる制裁のコンビネーションだ。
この戦略は北朝鮮を交渉の場に呼び戻すためのものでなく、彼らの兵器製造能力を阻止することを目的としている。大統領の過激な言葉の大部分は米国が自国を防衛するという意思表明であり警告だ。
時間がたてば事態は安定に向かうと思う。この戦略を継続させることで、核による北朝鮮の脅迫や同盟国への攻撃を阻止し、北朝鮮の兵器開発を遅らせることができる。北朝鮮からの攻撃を防ぐ米国の防衛力と北朝鮮の能力は差が広がっていくだろう。
実際には対立を激化させる道を歩んでいるのではなくむしろ逆。安定した未来への道を歩んでいる。
問題は、多くの人がこの危機を直線的に捉えているところだ。今日、怒りのツイートをすれば、明日はさらに激しいツイートが来る。そうこうしているうちに最終的に戦争になってしまう、と。
私は非直線的な危機だと考えている。北朝鮮の目標は体制の維持であって、戦争を始めればあの国は崩壊してしまう。韓国も多くの犠牲者が出るため戦争を望んでいない。中国も戦争を望んでいない。日本も同じだ。誰も戦争を望んでいない。
次のミサイル実験によって事態はさらに悪化すると誰もが予想しているが、先ほど述べた道のり、つまり制裁とミサイル防衛、核抑止、通常兵力による抑止を進めていけば、時間とともに事態は好転する。
—北朝鮮対応に関して、以前の政権との違いはどこにあると思うか?
カラファノ:違いは一貫性の欠如だと思う。米国が必要としているのは、北朝鮮の予測可能な行動パターンに対応できるだけの一貫性のある戦略だ。今まではそれがなかった。北朝鮮は従来のやり方を踏襲し、他国は北朝鮮をつついてみて、反応があればそれに対応するために様々な戦略を試した。それがこれまでのやり方だ。
—米国は北朝鮮に対する中国のさらなる圧力を期待しているが、中国は北朝鮮の崩壊を望んでいない。米国がすべきことは?
カラファノ:中国は米国との関係を悪化させない程度の最小限の協力をすることになる。米国からの圧力が増せばより協力するだろうし、米国が求めなければそれ以上の協力はしない。結局、米国は北朝鮮への圧力を継続することになる。
米国はこれまで、北朝鮮問題に関してどんな交換条件も出したことがない。米国は北朝鮮への圧力に関して中国に支援を求め、それを主張し、実際に中国の企業に対する制裁を始めた。その際に、「北朝鮮で協力してくれれば台湾については大目に見よう」、あるいは「南シナ海に関してクレームをつけるのはやめよう」などと提案したことはない。
米中の本質的な考え方はお互いは別々の道を進んでいるということだ。台湾の帰属、南シナの領有権、一帯一路、北朝鮮危機――。中国と協調し、対立を避ける方法を探すというより、中国との対立の根源を特定し、それを熟慮していく。お互いの意見が合わない場所を突き止め、そこを強調するわけだ。そうすれば、中国に米国の関心を認識させ、受け入れさせることができる。
対中国戦略、オバマ政権より視野は広い
実際のところ、米中関係は全体的に悪化していくと見ている。ただ、必ずしもエスカレートしていくとは限らない。中国を戦争に追い込むわけではなく、米国が身をひいて中国にやりたい放題させるわけでもない。米国は中国と競争し、利害がぶつかった場合には理解してもらい、米国の利益を守る。こうすることで、長期的に中国と安定した関係になる。
—北朝鮮だけでなく貿易赤字など米国と中国は別の課題も抱えている。トランプ政権はどのように中国と関わろうとしているのか。
カラファノ:先ほど話したように、こうした課題はそれぞれの道筋に沿って進む。それぞれに必ずしも強いつながりが出るとは思わない。北朝鮮にはすべきことをする。経済面では中国に圧力をかけるだろう。南シナ海では航行の自由を主張する。今後、南アジアとインド洋により多くの焦点を当てていくことになるだろう。
—中国に関して、オバマ政権とトランプ政権の間に違いはある?
カラファノ:2つある。オバマ政権の場合、中国により望ましい行動をさせるように対立を避けて中国に合わせるという方法を採っていた。だが、それはうまくいかなかった。この点がまず違う。
もう一つは、トランプ政権はオバマ政権よりも戦略的視野が広い。オバマ政権は中国への方向転換、あるいはアジアへのピボットを進めた。それはある意味で、北東アジアと太平洋で中国との共存を模索するような、視野の狭いデザインだった。
トランプ政権はインド・太平洋について発言している。このことからも、中国との関係を寄り広い概念で捉えていることが分かるだろう。背景には、米国が欧州、中東、アジアに関して慎重にならなければならないということがある。
実際、中国は全地域に影響力を及ぼそうとしており、米国はすべての地域に関与し、そこでの活動を管理する必要がある。インド・太平洋を認識しているということは、アジア地域への米国の関与について広い概念を持っているという証左だ。東アジアだけでなく、東南アジアと南アジアにおける米国の関心と行動を結びつける必要があるので、インド洋の重要性は高い。
—中国の拡大路線をどう見ている?
カラファノ:中国は自分たちの力を過大評価している。アグレッシブで拡張的なビジョンを進めることでアジア太平洋地域に多くの懸念を生み出している。結果として、国々は釣り合いを取るための対抗勢力として米国に関心を示している。
ご存じのように、米国の政策は「米国」を取るのか、「中国」を取るのかという二者択一ではない。ベトナムとタイに、米国の味方になるのか、敵になるのかという選択を迫ることはない。冷戦時代ではないからね。
米国も中国と関係を持っているように、どの国も中国と関係を持つようになると認識している。彼らは二者択一の関係を求めていないが、中国の要求によって主権を割譲するような状況も望んでいない。アジアとの関与を増やそうとしているトランプ政権のやり方はアジアの国々が求めていることに合致していると思う。
—-中東ではイランが影響力を高める一方、サウジアラビアではムハンマド・ビン・サルマン皇太子が権力を握り、湾岸諸国はカタールとの国交を断交した。中東の状況はどう見ているか?
カラファノ:米国が重視している3地域、アジア、中東、欧州の中で中東は最も困難な地域と言える。その困難の源は地域を不安定化させるイランの影響力と核拡散の脅威、そしてISとアルカイダ。つまり国境を越えるテロの脅威だけでなく、その地域の政府と人々に対する脅威、その地域を不安定化させる脅威だ。米国がすべきことは、この2つの課題に焦点を当てることだ。
このタイミングのエルサレム首都承認は疑問
トランプ大統領はイスラエルの米大使館をエルサレムに移すと発表した。賛否両論あるがこの点はどう見ている?
カラファノ:正直言って、私の中でも意見が割れている。イランの勢力を弱め、ISやアルカイダに対処することが米国の政策だとすれば、この地域での他の事項は後回しにすべきだ。エルサレムへの大使館移転という決断がその目標にどう貢献するのかということを考える必要がある。
ここには議論の余地がある。米国とイスラエルの関係を考えれば、米国がイスラエルの首都としてエルサレムを承認することに疑問を持つ人はいないだろう。また、イスラエルとパレスチナの和平プロセスにおいて、米国が真に中立的なパートナーだと信じている人は誰もいない。和平プロセスがうまくいくと思っている人もいない。したがって、大統領の決断が問題だとは思っていない。
ただ、疑問なのはなぜ今なのか。今回の決断によって米国は何ができるようになるのかという点だ。
今回の決断が、国内の政治的な目的を果たすためだというのは考えにくい。選挙中の公約を果たすためだとも思えない。米国とイスラエルの関係が良好だということを示すために、エルサレムを首都と承認する必要は全くない。
単に長年の宿題を片付けただけだという人もいる。誰もがいつかはするだろうと思っていたことだからね。和平プロセスに真剣に取り組むようパレスチナを脅したのかもしれない。間違いなく、衝動的な決断ではなかったと思うが、ここは議論の余地がある。
—イランに対抗するために、サウジアラビアとイスラエルが協力し合うという可能性は?
カラファノ:十分にある。イランが地域の大きな脅威ということはどの国も認識している。問題はどう対処するかだ。
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は上から「アラブの春」を強要しようとしている。他国と同様に、サウジは人口の増加に対して富の分配が拡大できないという問題を抱えている。皇太子はそういった課題にトップダウンで対応すると同時に、イランの影響力拡大に対抗するために各国のパワーバランスをリセットしようとしていると思う。
戦略的な意見で日米首脳は一致している
—現在の日米関係をどう見ているか。安倍首相とトランプ大統領は良好な関係を築いているように見える。
カラファノ:効果的なパートナーシップを結んでいると思う。ある部分では2人の指導者のおかげだが、それだけでなく、アジア太平洋地域の平和と安定に関して、米国と日本の間に戦略的な意見の合致があるからだ。
日本とインドのパートナーシップが拡大していることと、米国とインドのパートナーシップが拡大しているのも同じ理由で、それぞれが世界を同じように見ているためだ。北朝鮮は当面の安全保障上の問題であり、対処しなければならない。中国の勢力拡大も地域の平和と安定を損ねる可能性がある。米国、日本、インドは同じ問題意識を共有している。
—トランプ大統領は日本に何を求めている?
カラファノ:その多くは既に日本がやっていることだ。もちろん、第一には安全保障における真の貢献者になってもらうことだろう。これは日本も前向きだと思う。米国、インド、オーストラリアとともにリーダーシップを発揮して、アジア太平洋地域で中国にうまく対処できるような安全保障の枠組みを作ること、これにも日本は前向きだと思う。
また、大統領は米国と日本で雇用を拡大させたいと思っているだろう。大統領は日本経済の悪化を望んでいない。お互いにとってウィン・ウィンとなるような経済機会を求めている。
—ロバート・モラー特別検察官が大統領選におけるトランプ陣営とロシアとの共謀について調べている。今後の展開をどう見ているか?
カラファノ:分からない。いろいろな声があるようだが、信頼できる予測はできないだろう。何が起きるのか、捜査の展開を待って見届けるしかない。恐らく、トランプ政権は何も悪いことはしていないと信じているのではないか。捜査が終わるのをひたすら待つ。それが彼らの方針だろう。
ロシア疑惑、大統領弾劾はあり得ない
弾劾はあり得ない。大統領を解任するプロセスは政治的なもので刑事上のプロセスは存在しない。そして、大統領を弾劾するだけの勢力を野党が得るような政治状況になることはないと思う。どう考えてもあり得ない。
—この捜査は政治的にダメージを与えると思うか?
カラファノ:今のところはそうは見ていない。なぜかというと、今回の捜査が党派的に偏ったものだと誰もが思っているからだ。この捜査は既に怒っている人々をさらに怒らせているだけ。人々の大統領に対する見方を変えているわけではない。
—政権とメディアの対立も増している。
カラファノ:まず、米国のメディアは概して中道左派だ。それに、批判することで読者の注意を引こうとしているという面もある。大統領もメディアと戦うことで、支持者の信頼を深めている。お互いに利用し合っているだけだ。だが、結果としてメディアの正当性は失われつつある。事実、メディアへの信頼度は大統領よりも落ち込んでいる。
大統領が報道の自由を損ねていると批判する人もいるが、私はそうは思わない。みんな言いたいことが発言できており、憲法上の危機などということはない。馬鹿げている。
大統領はある面で報道のクレディビリティ(信頼性)を攻撃している。それについては2つのことが言える。報道が信頼性を失っているということが一つ、そうしなければ大統領の政治生命が危なくなるということがもう一つだ。大統領は従来型の政治体制から出てきた政治家ではない。大統領の人気は彼の個人的なネットワークが基になっている。
大統領はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通して、あるいはメディアとの衝突を通して、支持者とのつながりを維持している。大統領は自分を憎むメディアによって、支持者とのコミュニケーションにフィルターがかかるというようなことは望んでいない。支持者も大統領の言葉は直接聞きたいと思っている。メディアと大統領の衝突はお互いの目的に合致しており、両者ともに対立を鎮めようと思っていない。
—最後だが、オバマ政権の8年間をどう評価する?
カラファノ:過去8年間を思い出してみれば明らかだろう。米国人は分裂し、大きな怒りを感じている。これは選挙結果によるものではない。選挙前から既に分裂し、怒りを感じていた。
オバマ氏が選出された2007年も米国は怒りを感じていたが、オバマ氏が米国人を一つにまとめることはなかった。不況からの回復にも時間がかかった。彼が経済に素晴らしい貢献したとは言いがたい。外交政策についてもオバマ政権の8年間で米国は欧州や中東、アジアで地位を失った。オバマ氏が大統領を退いた時と就いた時を比べればテロ攻撃も増えている。
もちろん、米国とインドの関係のように過去3人の大統領を通じてうまくいっているところもあるが、概していえば米国は外交でも地位を失った。経済、外交、そして市民社会においても基盤を失ったということを考えれば、どう考えても成功を収めたとは言えない。
—オバマ政権に成績をつけるとすると?
カラファノ:外交政策は「F(落第)」だろうね。北朝鮮は一夜にして核保有国になったわけではない。ISのカリフはオバマ氏が就任した時には存在していなかった。アフガニスタンもオバマ氏が退陣した時はひどい状況だった。またオバマ政権は軍隊を酷使した。外交・安全保障にはいい点はつけられない。
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『髪凍る雲南の少年とあかぎれ留守児童の10年後 大人になっても都会に行ってもついて回る貧困の連鎖』(1/18日経ビジネスオンライン 山田泰司)、『「霧氷少年」が露わにした中国“留守児童”問題 親不在の農村児童が2300万人、改善資金は着服されて…』(1/19 北村豊)について
1/19看中国<外媒:中国数据造假无法反映经济复苏(图)>1/18中国国家統計局の発表した数字は地方政府の改竄数字を基にしているので経済が良くなっているとは言えないと外国メデイア(FTのこと)が報じた。2012~16年北部3地区では数字を水増しした実績がある。経済好転かどうかは石油・石炭・鉄鋼価格に基づいたCO2排出量の数年間のトレンドを見れば良い。BBCは中国経済の原動力は貿易と報道。まあ、嘘で塗り固められた社会ですから、何が真実かを見抜く目を持ちませんと。中共の発する言葉は総てプロパガンダと思えば間違いないです。お人好しの日本人は騙されないように。慰安婦や南京、正定事件等歴史を改竄するのも得意です。
https://www.secretchina.com/news/gb/2018/01/19/847502.html
1/19看中国<美国两党同批中国贪婪的贸易政策>NY州選出の民主党上院議員の チャック・シューマーは1/17上院で「広州汽車集団がデトロイトで発表した計画は中国の貿易規則が明らかに不公平なことを示している。貪欲な貿易政策の典型でもある」と述べた。中国車の米国輸入関税は2.5%に対し、逆は25%である。トランプは「我々は中国の経済建設を助けて来た。両国の貿易で中国を利した面が大きい。中国やその他の国では我が国の製品に50%関税を課しているが我々は何も取っていない。これは不公平だ」と。
https://www.secretchina.com/news/gb/2018/01/19/847499.html

雲南省は「四季如春」と言われて首府の昆明市で世界花博も開かれ、高山地帯(1892m)なので日本のマラソン選手も昆明市でトレーニングに励んだこともありました。また、雲南省にある玉龍雪山は5596mもありますので寒冷な地方もあると思います。山田氏や北村氏の写真の子供は雲南省魯甸県に住むとあります。地図で調べますと麗江と貴陽市(貴州の首府)の中間ぐらいです。上の地図では昭通の所。中国駐在時代、小生はちょくちょく雲南には旅行で行きました。玉龍雪山も見ましたけれど、主には南の方で、昆明、石林、虎跳峡、怒江、瀾滄江、大理、麗江、迪慶(英国人作家ジェームスヒルトンから桃源郷と称された香格里拉)、西双版納等です。西双版納ではタクシーと交渉して一日借切り回りました。少数民族が沢山いて、傣族もいましたから元々民族的にはタイの人ではないかと思われます。
本両記事の感想は、北村氏の「国営通信社の「新華社通信」が1月12日付で配信した記事の表題は、『中国の霧氷少年を見て、外国人はついに中国がどうして強大かを知った』であった。これを見て、筆者はあっけにとられ、中国がどうして脆弱なのかを知ったのだった。」という言葉に表わされています。中共の価値判断のおかしさをいみじくも象徴しています。結果の平等を追求する共産主義で格差がこのように広がり(北京大学の調査ではジニ係数は0.73)、貧しい人々に対する思いやりもなく、富は賄賂と軍拡に使われるだけ。こんなおかしなことが罷り通るのは一党独裁、為政者の勝手が許されるからです。今こそ農民工は共産党打倒の動きを見せないと。でも、習近平は弾圧で臨むでしょう。中国の歴史で徳のある政治家は神話時代の尭舜禹くらいしかいないのでは。後は私腹を肥やし、人民を苦しめるだけの政治が続いてきたような気がします。ですから中国人の性格が悪くなる訳です。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と。だから善意で寄付した金もくすねる輩が出る訳です。日本でも注意しないと。
山田記事

ネットで拡散した髪と眉が霜で覆われた中国雲南の小学生の写真(写真:Imaginechina/アフロ)
今月上旬、寒さで髪の毛と眉毛を霜で真っ白に凍らせて小学校に登校する中国人の8歳の男の子の写真が中国のネットに出回り拡散し、中国で改めて内陸部の農村に住む子供たちの貧困問題がクローズアップされた。その後、Yahoo!JAPANや英BBC、米ニューヨークタイムズ等、日本や欧米のメディアも相次いでこれを伝えたため、この少年の写真を見たという読者も少なくないことだろう。
報道をまとめると、話の概要はこうだ。この少年は雲南省魯甸県の農村に住む王福満くん。自宅から小学校まで片道4.5キロの山道を毎日歩いて通っている。写真が撮られた日の気温はマイナス9℃だったそうだが、写真に写る王くんは、ダウンジャケットどころか綿も入っていないような薄手のシャツジャケットに丸首のシャツという薄着。真冬なのに秋口のような服をまとっている王くんの出で立ちを見れば、彼が厳しい経済事情に置かれていることは容易に想像がつく。
冬になると冷え込む土地とは言え、髪の毛も眉毛も真っ白になるほど凍えることは珍しかったのだろうか、担任の先生が教室に入ってきた王くんを見るに見かねて写真を撮り、校長をはじめ何人かにこれを送って、現地の子供たちの窮状を訴えた。これがSNSやミニブログで転送やいいね!が繰り返され、これをきっかけに中国では、王くんのような厳しい暮らしを余儀なくされている子供たちの存在と、子供の貧困問題についての関心が高まりつつある。
王くんは祖母と姉の3人暮らし。父親は都会に出稼ぎに出ていて、年に数回しか王くんの住む自宅に戻ってこれない。母親は、王くんがもっと小さいころに家を出て行ったまま、帰ってこなくなったのだという。
霜少年も留守児童
中国では、王くんの父親のような農村からの出稼ぎ労働者を「農民工」、王くんのような農村の自宅で親の帰りを待つ子供たちを「留守児童」と呼ぶ。中国国家統計局が2017年4月に公表した統計によると、農民工は全国に約2億8000万人というから、中国の約5人に1人が農民工ということになる。一方、留守児童は、2010年に実施された最新の人口センサスで、全国に6102万人いるとされている。
子供を置いて働きに出ざるを得ない理由は大きく分けて2つある。1つは、出稼ぎ者たちの自宅がある農村部では現金を稼げる仕事がなく、子供を進学させることはおろか、着るもの履くものも満足に買うことができないこと。もう1つは、中国の戸籍制度により、農村で生まれた農村戸籍の子供たちは、戸籍地の高校からしか大学を受験できない、つまり親たちの働く都会で受けることができないためである。
では、都会に出れば十分な金が稼げるのかと言えばもちろんそんな保証はない。
2001年から上海に住んでいる私は、安徽省や河南省といった内陸の農村から上海に出てきて肉体労働やウェーター、物流倉庫等で働いている何人かの農民工と縁あって知り合い、友だち付き合いをしながら10年以上にわたって見てきた彼らの生活を『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』として1冊にまとめた。なので、農民工たちの暮らしぶりについてはいささか知見があるのだが、例えば上海の場合、中卒などの学歴でも働けるビルの清掃の仕事の報酬は現状、月額3000元(1元=約17円)程度。上海の中心部でワンルームのアパートを借りようと思えばこの金額ではもはや無理だ。出稼ぎ先の上海で住まいを自前で借りるのであれば、夫婦共稼ぎで6000元の月収があってようやく幾ばくかの仕送りができる程度しか手元には残らない。母親がいなくなったという王くんの場合は稼ぎ手が父親だけ。上海で働く私の農民工の知人にも、田舎に残した1人娘を家政婦をして女手一つで育てているシングルマザーのチャオさんという女性がいるが、その彼女の境遇や、王くんの出で立ちから想像しても、王くん一家の経済的環境は困窮を極めているだろうと思う。
今まで誰も描くことのなかった中国版ヒルビリー・エレジー 『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』

この連載「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」が『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』として単行本になりました。 各界の著名人から好意的なレビューをいただいています。
- 中国が熱さを忘れつつある中で、中国に対する熱い思いに満ちた本と言えるだろう。さまざまな読み方、活用法がある本と思うが、私には何より著者、山田氏のその「熱さ」が魅力的だった。 (中国問題の研究家遠藤誉氏によるレビュー「執念の定点観測で切り取った、中国農民工の心?」より)
- もうひとつの違いは、ロウソクの味がするパンしか食べられない貧しい農民工たちの心の豊かさだ。外国人である山田氏と友情を築いた彼らは、自分が食べていくことさえ困難なのに、必ず「ご飯を食べに来て」と招待する。そこに、ホロリとした。 (米国在住のエッセイスト渡辺由佳里氏によるレビュー「繁栄に取り残される中国の『ヒルビリー』とは?」より)
- しかし、奇妙なことだが、同書を読後、陰鬱な印象かというと、実はそうでもない。同書には、絶望的な内容があふれてはいる。それなのに、なぜか一抹の希望を感じさせられる。おそらく、それはn=1の農民に愛情を込めて付き添ってきた著者の生き様に、読むものが感動を受けるからだ、と私は思う。 (調達・購買コンサルタント/講演家坂口孝則氏によるレビュー「年収3万の農民に未婚の母、中国貧民の向かう先」より)
あかぎれだらけの手

あかぎれで痛々しい少年の手(写真:Imaginechina/アフロ)
ネットに拡散した王くんの写真には、髪の毛と眉毛を霜で真っ白にしたカット以外のものも何枚かある。その1枚が、王くんの手をアップで撮った写真だ。
あかぎれだらけで赤黒く浮腫んだ、王くんの幼い手。
この写真を見て、私は2007年、ある若い農民工の手を写真に撮らせてもらった時のことを思い出した。10年前の彼は、王くんそっくりのあかぎれだらけの手をしていたのだ。あれから10年後のいま、彼はいったいどんな手をしているのだろうか。
彼の名前はチョウシュンという。安徽省農村出身の1991年生まれ。今年27歳になる一児の父親だ。高校受験に失敗した彼は、15歳で母親が働く上海に出てきて、親戚の紹介で花市場で働き始めた。彼の両親は1965年生まれの私とほぼ同世代だが、2人とも、小学校しか出ていない。15歳で花市場に就職したチョウシュンだったが、仕事の辛さに音を上げて2週間で辞め、父親が農業をして暮らす実家に帰った。その後、東北地方は遼寧省の瀋陽で親戚の子守、浙江省の海沿いの町・寧波の海鮮レストランでウエーター、再び上海に戻ってきて美容師と、職も住む土地も転々とした後、2012年に上海の浦東空港に近い物流倉庫で軽作業の仕事に就いた。給料は残業の度合いで変動したが、平均すると4000元にはなった。
その年、近所の電子機器組立工場で工員をしていたやはり安徽省の農村出身の17歳の少女と知り合い翌2013年に結婚、この年に娘も生まれた。妻の給料と合わせ世帯収入は当時7000元。「仕事でパソコンの操作も覚え、昇給もした。初めて仕事が面白いと思えるようになった」(チョウシュン)。ゆくゆくはマイカーも買って、娘をドライブに連れて行きたい、そのためにはまず免許だと、2015年には1万元をかけて自動車の免許も取得。一児の父親になり、仕事に手応えも感じ始めた。2015年の半ば頃までの2年あまり、すなわち22~24歳のチョウシュンは社会人になって初めて、生活に充実感を覚え、自分の将来に夢も描ける生活を送っていた。
ところが、3年あまり務めた物流倉庫が2015年に不景気で突然閉鎖になり、その後勤めた別の物流倉庫も不景気で半年でクビ、再度見つけた別の倉庫では、給料は前職の2800元から2500元に下がってしまった。過去4年、仕事は一貫して空港の物流倉庫だが、3年前の4500元をピークに下がる一方で、5年前の給料だった3000元になかなか届かないでいた。
チョウシュンは、彼に初めて出会った15歳の時からしばらくの間、いつ会っても赤黒く浮腫んだあかぎれだらけの手をしていた。実家にいたころは、上海で働いている母親の代わりに炊事洗濯など家事の一切を、蛇口からお湯の出ない自宅で15歳の彼が担っていたためであり、上海に出てきてからは、花市場、レストラン、美容師と冷たい水を扱う仕事をしていたためだろう。高校生活を謳歌しているはずの年齢の少年が頻繁に、痛む手をさすり顔をしかめる様子を目の当たりにした私は、農民工を取り巻く厳しい現実の象徴として、さらに何年か後、チョウシュンの状況が好転し「あのころはこんな手をして頑張って働いていたね」と笑って振り返ることができるようにとの願いを込めて、チョウシュンに手を撮らせてほしいと頼んだのだった。
手は白くなったけれど

2007年、上海で再び働き始めたあかぎれだらけの16歳のチョウシュンの手(上)と、26歳になった彼の手
今回、雲南の王くんの手の写真を見て、私はチョウシュンのあかぎれの手を久々に思い出した。そしていつの間にかチョウシュンの手に関心が行かなくなっていたことにも気付いた。おそらく彼の生活が軌道に乗り始めた2012年頃から手が荒れないような生活を送ることができるようになっていったのではないかと思う。ただ、先にも書いたとおり、彼の生活水準は下降線をたどっている。彼と最後に会ったのは去年の4月。チョウシュンは今、どんな手をしているのだろうか。
そう思った私は、雲南の王くんの手の写真を見た数日後の朝、チョウシュンのSNSに、「16歳だった君の手だよ。覚えているよね? できれば、今朝の君の手を写真に撮って見せてほしい」と頼んだ。するとすぐに、彼から写真が送られてきた。赤黒く浮腫んでいたあかぎれが痛々しかったのと同じ手とは思えない、細い指に結婚指輪をはめた白い手がそこにはあった。ピーク時に比べれば給料は減ったのだろうが、少なくとも、いつでも手が荒れていた10年前よりは体に優しい環境に身を置けているのだろう。
チョウシュンから送られてきた写真には、靴を履いた足が写っていた。だから私は、「出勤の途中で撮ってくれたの?」と尋ねた。
彼から帰ってきた返事は、予想だにしていないものだった。
「いま働いてないんだ。『腎積水』になって1カ月前に仕事を辞めて、いまは実家で療養してるんだ」
腎積水、腎臓疾患のネフローゼである。
突然の閉鎖で3年務めた物流倉庫の職を失ったチョウシュンは、それを機に下がり始めた収入を少しでも増やそうと、24時間3交替の倉庫ばかりを選んで働いてきたとのことだった。先週は昼勤、今週は前夜勤、来週は夜勤とすべてのシフトをこなさなければならないため体力的にはキツいが、昼勤のみよりも割がいいのだという。いったいいくら収入が増えるのかと尋ねると、「月額にして200元程度」だと、チョウシュンは答えた。日本円にして3400円である。
成人のネフローゼは、過労とストレスが原因になることが多いのだという。これから子供の教育にお金がかかり始めるというのに収入は20代半ばから減り続けているというストレスや、月額200元を余分に稼ぐために酷使した体がついに悲鳴を上げたのだろうか。収入減で食生活も切り詰めざるを得なかったのかもしれない。
一方で、私にはなかなか理解できない農民工の行動が、このチョウシュンのケースでも起きた。それは、実家で療養する夫に付き添うため、チョウシュンの妻も上海の仕事を辞めてしまったことである。実家にはチョウシュンの両親もいるのだし、妻1人だけでも働いて現金を稼ぐべきではないかと思うのだが、こういう時、彼ら農民工はあっさりと仕事を辞めてしまうことが多いのだ。その背景には、農村の実家には田畑があるため、食べるものは何かしらあるから飢えはしないし、ボロ屋だが住む家もある、という現実がある。ただそれをいいことに働かないと、子供に教育を受けさせるだけのお金は稼げない。結果、子供は進学をあきらめ、親と同じ道をたどる。すなわち貧困の連鎖が続いてしまう。ここに、中国の農村とその貧困を解決する問題の難しさがある。
ただチョウシュンが、手があかぎれてしまう生活を脱して、白い手になろうと懸命に働いてきたのは事実だ。雲南の王くんが大人になるころ、農村の貧困の負の連鎖を断ち切る道筋は見えているだろうか。
北村記事

頭髪が霧氷で真っ白になった王福満君の写真をきっかけに、“留守児童”問題への関心も高まることに(写真:Imaginechina/アフロ)
1月8日、雲南省東北部に位置する”昭通市”に属する“魯甸県”の“新街鎮”に住む小学3年生の“王福満”(8歳)は、同鎮内にある“転山包小学(転山包小学校)”で行われる期末試験に遅れないよう、朝7時50分に家を出た。当時の外気温は零下9℃、家から学校まで山道は4.5km。王福満は舗装されていない泥道を懸命に歩いた。普通なら42分で学校に到着するのだが、この日は非常に寒く、山道は凍って滑りやすく、転ばないように注意して歩いたので、王福満が学校に到着した時には家を出てから1時間が経過していた。
少年の頭髪には“氷花”が
まだ期末試験は始まっていないはずだがと、王福満が心配しながら教室の後ろのドアを開けて中に入ると、すでに着席していた級友たちが一斉に後ろを振り返り、彼を指さして笑い声を上げた。それもそのはずで、薄手の服を着た王福満の頭髪には“氷花(霧氷)”が付着して真っ白くなっていたのだ。頭髪のみならず、眉毛とまつ毛にも霧氷が付着して真っ白だったので、級友たちにはあたかも白髪の老人が突然教室へ入って来たように見えた。一方の王福満は、どうして級友たちが彼を見て笑うのか理由が分からなかった。王福満は学校への道を急いで必死に歩いたから、薄着であっても汗をかいた。頭から出た汗は水蒸気となって蒸発し、外気に当たった水蒸気が瞬時に氷結して頭髪に付着し、霧氷を形成した。少しでも早く学校に到着して期末試験の準備をしようとひたすら先を急いだ王福満には、頭が冷たいという感覚はあったものの、一度も頭に触れなかったため、頭髪に霧氷が付着しているとは思いもしなかった。
当時、教室は期末試験が始まる直前で、級友たちだけでなく、“班級老師(クラス担任の教師)”(以下「クラス担任」)もいた。霧氷を頭髪に付着させて白髪となった王福満を見たクラス担任は、極寒の中を必死で歩いて来たのだと感動を覚え、8時50分に持っていたスマートフォンで王福満の姿を撮影した。そして、クラス担任はその写真を校長の“付恒”に転送すると同時に、感動を分かち合いたいとして同写真に“氷花男孩(霧氷少年)”という題名を付けて、中国最大のSNSである“微信(Wecha)”に投稿したのだった。当該写真は微信ユーザーたちから注目を受け、盛んに転送されて中国全土に知られることとなった。この結果、霧氷少年の写真は中国メディアによって報じられることになり、さらには全世界で知られることになったのである。
“希望小学”に通う“留守児童”
中国メディアが報じた霧氷少年に関する記事の要点を取りまとめると、以下の通り。
【1】王福満の家は赤貧洗うが如しで、古くてボロボロの日干しレンガの家に住んでいる。父親は少しでもカネを稼ごうと省都の“昆明市”へ出稼ぎに行っていたし、赤貧を嫌った母親は家を出て行ってしまっていた。父親は数カ月に1回帰って来るだけなので、王福満は2歳上の姉である“王福美”(10歳)と年老いた祖母の3人暮らしである。“留守児童”<注1>である2人の姉弟は身体の悪い祖母を助けながら明るく日々を送っている。霧氷少年の写真の中の王福満は薄着であったが、それは3着しかないコートを王福満がずっと洗っていなくて汚かったからで、当日は薄い服2着を重ね着して学校へ行ったのだった。
<注1>“留守児童”とは、両親あるいは一方の親が出稼ぎに行き、家に残された学齢期の子供を意味する。
【2】王福満が通う「転山包小学校」は、元の名を“転山包力輝苗圃希望小学”と言い、山間部に建設された“希望小学(希望小学校)”<注2>の一つである。転山包小学校の“付恒”校長は次のように紹介した。すなわち、全校生徒は167人で、彼らの大部分が“留守児童”である。同校には宿舎はなく、全員が通学しており、最も近い生徒で徒歩10分、最も遠い生徒は徒歩で2時間近くかかる。王福満の家から学校までは4.5kmだが、学校まで彼より遠い生徒は30人以上いる。2013年から現在までに、転山包小学校は教室棟、運動場、食堂、実験室などを順次整備し、生徒1人当たり年間800元(約1万4000円)の給食を提供しているが、現状のところ、学校には暖房施設はない。但し、遠距離通学の生徒のための無料宿舎を建設するための寄付をずっと募って来ており、新校舎の建設が完成したので、2月の“春節(旧正月)”以降は学生に宿舎を無償で提供できる予定である。
<注2>“希望小学”は、“中国青年基金会”が貧困地区にいる学校に行けない子供たちを復学させることを目的に、社会大衆から集めた寄付を原資に小学校の新設や老朽校舎の改築を行った小学校。
【3】王福満は算数が得意で、期末試験の算数は99点だった。1月9日付の中国メディアは、付恒校長から提供を受けた、「霜焼けでひび割れ、赤黒く膨れ上がった王福満の両手が、99点を取った算数の答案用紙の上に置かれている写真」を報じたが、そこには日々の暮らしの過酷さや、寒さをしのぐ防寒服や手袋、帽子を持たない貧困児童の悲しい現実が明確に示されていた。一躍有名人となった王福満であるが、彼にはそんな自覚は全くなく、冬休みになったら昆明市へ行って遊ぶのが希望であり、もっと勉強して将来は全国大学統一試験を受けて北京にある大学へ行きたいと夢を語るのだった。
さて、1月9日の夜9時、“昭通市党委員会”副書記で、“昭通市長”でもある“郭大進”が「全市の市民に冬季の生産と生活の安全を保障するためのテレビ会議」を急きょ開催した。地元メディアが報じたその概要は以下の通り。
(1)会議の冒頭で郭大進が「霧氷少年」に関する状況報告を行い、次のように述べた。すなわち、1月7日の夜から強い寒冷気流に襲われた影響で、昭通市は今冬最高の気温低下を来し、多数の県がある高海抜地区では普遍的に“小雪(1日の積雪量が2.5mm以下)”や“中雪(同2.5~5mm)”が降った。調査によれば、霧氷少年は魯甸県新街鎮にある転山包小学校の3年生で、自宅は学校から4.5km離れている。1月8日当日の気温は比較的低く、徒歩で通学した少年が教室に到着した時には、頭髪や眉毛が全て霧氷に覆われていた。その時の写真は8時50分にクラス担任が撮影したもので、学校長に転送された後にネット上に投稿された。当該写真はネットユーザーたちの注目を集め、各メディアによって報じられた。霧氷少年に関心を寄せてくれたメディアと社会各層に対し感謝を表明する。
(2)副市長の“呉静”は、8日当日に現場となった転山包小学校へ出向き、その後に霧氷少年の家を訪問したことを報告し、転山包小学校の在校生全員と留守児童が冬を安全に暖かく過ごせるよう必要な措置を講じるよう指示を出したと述べた。また、魯甸県県長の“馬洪旗”は、副県長の“梁浩波”と共に迅速に転山包小学校と霧氷少年の家に赴き実情を把握したと述べ、市政府から受けた指示を着実に実行中である旨を表明した。
(3)“習近平”総書記の「“以人民為中心的(人民を中心とする)”発展思想」を貫徹し、必要な措置を採り、市民の冬季における生産と生活の安全を保障し、とりわけ、優秀な学生や留守児童が暖かく安全に冬を過ごせるようにする。市の各部門は寒冷地区の学校に対し暖房設備や校舎の整備、医療班による霜焼け治療、道路の安全通行措置などを行うことを決議した。
「寄付横取り」「貧困放置」に抗議の声
一方、霧氷少年の写真を見たネットユーザーが霧氷少年に対する寄付を呼びかけたところ、1月8日だけで20万元(約340万円)を突破する勢いで寄付金が集まった。ところが、このニュースを知った地元の昭通市政府は、「寄付金の受け取りは“中国青年基金会”の傘下にある雲南省および昭通市の“青年基金会”が統一的に行い、当地にいる多数の貧困学生の援助に当てる」との通達を出し、ネット上の寄付呼びかけに歯止めをかけた。
この通達が出されるや、これに反発する抗議の声がネットユーザーのみならず多数の知識人から巻き起こった。知識人2人の発言を例に挙げると以下の通り。
【A】この種の組織は一般的には“清水衛門(甘い汁を吸えない組織)”と言われるが、そこで働く多くの職員は凶悪で、他人の寄付を見れば願ってもないことだと思って私腹を肥やす。君たちは彼らが寄付金の全てを貧困学生に供与すると思いますか。たとえ供与するとしても、それは大幅に減額されるだろう。
【B】地元の政府は霧氷少年を利用して外部から寄付を集めようとし、しかも寄付は青年基金会という組織を通じて行うよう要請した。このニュースを知って、私は真から悪態をつきたいと思った。子供が凍傷になった時、これら政府機関は一体何をしていたのか。王福満の状況は国外では基本的に発生せず、もし発生したなら一大スキャンダルで、地元の県長は引責辞任し、当該県政府は瓦解する。霧氷少年の事件が発生したことについて、政府は長年にわたる人々の生活に対する政策の誤りを反省しなければならない。メディアも今回の事件について貧困という問題の根本原因を追究せず、王福満が将来大学に行きたいと希望しているという美談に方向を転じようとしているが、彼が大学に進学できる可能性があるというのか。
中国農村に留守児童2300万人
ニュースサイト“網易新聞”の“数読(Data Blog)”欄は2017年8月1日付で「中国に留守児童は2300万人」という記事を掲載した。その概要は以下の通り。
(1)最近、公益組織“上学路上(勉学途上)”は『2017年中国留守児童精神状況白書』を発表した。同白書によれば、中国の義務教育段階にある農村の小中学生総数を4000万人と推定して、父母の一方あるいは父母双方が出稼ぎに出ている農村学生の数を計算すると、中国の農村には合計2300万人の留守児童がいることになる。
(2)中国における留守児童の具体的な数は推計方式によって相違が大きい。2013年に“全国婦女聯合会”が、2010年に実施された“第六次人口普査(第6回国勢調査)”のデータに基づき推計した結果は、農村留守児童の総数は6103万人であった。2016年に政府の多部門が連合して展開した「農村留守児童徹底調査」による統計では、全国の16歳未満で、父母双方が出稼ぎにでている農村留守児童の数は902万人であった。
(3)同白書は全国17の省・直轄市・自治区の一部学生に対してアンケート調査を行ったもので、有効回答1万4868部中の82.8%が農村の学校から提出されたものだった。農村学生の中で父母双方が出稼ぎにでている“完全留守状態”にある学生の比率は26.1%を占め、これに父母の一方が出稼ぎに出ている学生を加えると、留守児童の比率は58.1%に達している。
(4)農村地区における完全留守児童の多くは年老いた祖父母の世話を受けたり、親戚に預けられたりして、家庭の温かみを感じることが難しい。10%以上の農村留守児童が1年に1度も父母に会えておらず、3.9%の父親、8.5%の母親がそれぞれ1年に1度も子供と連絡を取っていない。
霧氷少年として一躍有名になった王福満とその姉の王福美には、昆明市へ出稼ぎに行っている父親しかいないが、母親は家を出たので、彼らは完全留守児童である。但し、彼らは決して特別な存在ではなく、上述した白書に基づけば、全国の農村地区には父母双方不在の完全留守児童が1000万人、父母の一方不在の留守児童が1300万人いる計算になる。こうした実情を勘案すれば、昭通市政府が王福満に対する寄付の受け入れ窓口を青年基金会に一本化し、集まった寄付金を王福満だけに限定せず、昭通市内の貧困学生のために使おうとするのは決して間違ったことではない。しかし、人々は感動を与えてくれた王福満のために寄付をするのであり、それは彼を含めた転山包小学校の全校生徒のために使われるべきである。そればかりか、人々は寄付に青年基金会のような公的組織が介在すると、寄付金額が大幅に目減りし、実際の受贈者には微々たる金額しか届かないことを過去の経験から知っている。だからこそ、人々は昭通市政府が出した通達に激しく反発したのだが、この決定が覆ることはないだろう。
“国家級貧困県”にはびこる不正
ところで、王福満が暮らす昭通市の魯甸県は、全国に564カ所ある“国家級貧困県”の1つである。“国家級貧困県”は“国家扶貧工作重点県”とも言い、「国家が資金を供与して貧困人口の救済と自立支援を行う重点県」を意味する。魯甸県は2014年8月3日にマグニチュード6.5の地震により大きな被害を受け、死者617人を出した。当時の統計によれば、魯甸県の人口は41万人で、その中の15万人以上が貧困人口であったが、地震の被害により貧困人口は増大したものと思われる。当然ながら、王福満の家族はこの貧困人口の中に含まれる。
中国政府が国家級貧困県に提供する資金を“扶貧資金”と言うが、この扶貧資金にも不正が確認されている。“国家審計署(日本の会計監査院に相当)”が発表した2018年の第1号公告には、監査結果で問題が発見された34件の状況報告が記載されているが、その中に2012年から2015年の間に雲南省の“硯山県”、“麻栗坡県”など11県の“扶貧辦公室(事務所)”が680万元(約1億1600万円)の扶貧資金を騙し取っていたことが判明し、29人の責任者が処罰されるとあった。
しかし、これは氷山の一角に過ぎない。1月9日付の中国メディアは次のように報じた。すなわち、国家審計署が2016年と2017年の2年間に374カ所の国家級貧困県を抽出して監査を行い、1万8200戸の貧困家庭を訪問して調査を行った結果、これら貧困県に供与された総額738億元(約1兆3310億円)の扶貧資金の中、70億元(約1190億円)以上の資金に問題のあることが判明し、各地に命じて回収などの方式で改善を促している。昨年10月末までに32億元(約544億円)を改善し、970人が責任を追及されている。
国家級貧困県の改善を支援するための扶貧資金が、資金の受け入れ窓口として実務を行う扶貧事務所の人々によって騙し取られていては、貧困人口が削減できるはずがない。本来なら中国メディアは霧氷少年を報じると同時に、留守児童と貧困人口に関する問題を論じるべきだが、国営通信社の「新華社通信」が1月12日付で配信した記事の表題は、『中国の霧氷少年を見て、外国人はついに中国がどうして強大かを知った』であった。これを見て、筆者はあっけにとられ、中国がどうして脆弱なのかを知ったのだった。
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『中国はなぜ「2020年、台湾武力統一」を目指すか 外資企業に“踏み絵”、一気に狭める包囲網』(1/17日経ビジネスオンライン 福島香織)について
1/18ロイター<インタビュー:米大統領、北朝鮮問題でロシア非難 中国に罰金も>米国が中国の知財侵害に対して巨額の罰金を課そうとしていますが、中国は米国債の購入停止を目論んで対抗しようとしています。その時は日本が引き受ければ良いのでは。担保は中国大陸にだけ届く核ミサイルのシエアリング(実質日本の意思で発射できる)密約を結ぶことです。1/15虎ノ門ニュースで、青山繁晴氏は、中国は日本の人口30万人以上の都市に核ミサイルの照準を合わせているとのこと。小生の住む柏市も当然入ります。以前から10大都市に向けて照準を合わせているとは聞いていましたが、やはり日本を敵国としているという事でしょう。「一帯一路」に協力するのはもっての他です。福島氏が言うように日本企業も良く考えませんと。レーニンの言った「資本家は利益の為には、自分の首を吊るす縄さえも売っている」ことにもなりかねません。
https://jp.reuters.com/article/usa-trump-trade-idJPKBN1F700L
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2142.html#sequel
1/19日経朝刊<勢い増す中国、最大のリスクに イアン・ブレマー氏 米ユーラシア・グループ社長
中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は2017年10月、第19回党大会の活動報告で、中国は世界の先頭に立つ国家になるという演説をした。ゴルバチョフ・ソ連大統領(当時)が1991年12月、(自らの辞任に伴う)ソ連の消滅を認めて以来最も重要な演説で、世界的な意味を持つ。

Ian Bremmer 世界の政治リスク分析に定評。著書に「スーパーパワー――Gゼロ時代のアメリカの選択」など。48歳。ツイッター@ianbremmer
5年の任期の2期目に入った習氏は国内の権力基盤を固め、中国の対外環境を再定義し、国内の新しいルールを設定できるようにもなった。政治的な攻撃にさらされ本来の職務に集中できないトランプ米大統領が、伝統的な同盟国や同盟関係への関与を縮小するなか、中国は前に歩み出している。中国には、米国が自ら作り出した力の空白を埋める用意がある。
欧米の指導者は長年、中国の指導者はいずれ新たな中間層の要求に屈し、政治の自由化を余儀なくされると考えてきた。だが今では、包囲されているのは欧米の民主主義のようにみえる。欧米の市民は、グローバリズムが自分たちの生活に及ぼした負の影響に怒り、変化を求めている。政府は求めに対応できないでいる。既成政党や公開情報などへの一般市民の信頼感が薄れ、民主主義そのものが脅威にさらされている。
対照的に中国の指導者は、国内を繁栄させ、世界における中国の重要性を着実に高めた。抑圧や検閲、汚職、公害といった昔からの問題はまだ残っている。しかし生活の多くの分野でかなりの進歩があったことから、中国の人々は、欧米がなくしてしまった指導者への信頼感を失っていない。
こうした流れは、世界にとってどのような意味を持つだろうか。中国は今では、以前ほど抵抗を受けずに国際標準を設定できるようになった。
まず貿易・投資では、中国は世界戦略を持つ唯一といえる国だ。中国は広域経済圏構想「一帯一路」を掲げ、政治的な前提条件を設けずにあらゆる地域の途上国へ進んで投資することにより、野心を強めている。欧州は欧州地域の問題にかかりきりで、米国では、「貿易」が政治における否定的な言葉になってしまっている。アジアや中南米、アフリカ、中東の政府は、中国と連携する可能性が高まっている。
第2に、世界ではテクノロジーを巡る攻防が繰り広げられ、とりわけ米国と中国が人工知能(AI)への投資を競い合っている。米国ではAI分野は民間部門が主導しているようにみえるが、中国では国家が主導し、有力企業や機関に対し国家の利益にかなうようなやり方を指示しているといえる。貿易・投資戦略と同様、国内の社会不安を最も恐れる国々は、中国の発展モデルを魅力的と感じるだろう。小国などのハイテク部門は、中国や中国企業の求める技術標準と連携することになりそうだ。
最後に、価値観の問題がある。中国の魅力はイデオロギーではない。中国の輸出する政治的な価値観は、他国への不干渉という原則だ。経済援助と引き換えに政治・経済改革を要求する欧米に慣れている他国の政府にとっては、魅力的だ。欧州の首脳が多くの問題を抱え、トランプ氏が「米国第一」主義の外交政策を掲げる中、欧米的な価値観に基づかない中国の経済や外交へのアプローチに対抗するものは何もない。
もっとも、中国の国際的アピールに限界があるのは明らかだ。中国の周辺国は、自国付近での中国の軍事力の誇示に懸念を深めている。だが中国が米国のような軍事力を世界に展開できるようになるには、まだ数十年かかる。中国は地域大国にとどまり、米国との軍事支出の格差も縮まっていない。
ただグローバル化が進んだ世界では、経済的な影響力という武器やサイバー空間での不明瞭な勢力バランスが、国家の安全保障の脅威になっている。国際的な影響力の行使について、従来型の軍事力は今までほど重要でない。
18年以降の世界的な事業環境について、中国企業は国内だけでなく存在感を強める。中国政府が影響力を拡大する国においては、中国が推進する新たなルールや標準、慣行に従わねばならなくなるだろう。
中国のアジア太平洋地域における勢力拡大を制限するために日本とインド、オーストラリア、韓国が協力を強めることが予想される。摩擦や紛争のリスクが生まれる。米中関係の状況によっては、トランプ政権がアジア太平洋での活動を活発化させるかもしれない。中国が内外で不名誉な挫折に直面するようなことがあれば、壮大な野心を抱く習氏が、共産党内のライバルから攻撃を受けやすくなる可能性もある。
世界は18年、中国に注目し、中国と欧米のモデルを比較するだろう。欧米にとって、中国のシステムはほとんど魅力がない。ほかの地域の大多数の国に対しては、中国のモデルはもっともらしい、欧米に代わる選択肢を提供する。習氏が選択肢を進んで提供する準備ができていることが、18年の世界最大の地政学リスクだ。>(以上)
共産主義が世界に広がるのは悪夢としか言いようがありません。毛沢東が目指した世界永久革命の名を借りて、習は中華の復興をしようとしているのでは。而も武力だけでなく資本の象徴であるお金の力を借りて。これから見ても結果の平等を目指す共産主義は名ばかりで、中国人が世界制覇して資源を独り占めしようとしているのが分かります。これを防ぐには中国経済を崩壊させる必要があります。渡邉哲也氏が言う金融制裁と海上封鎖で貿易できなくすることです。中国の富の大部分は米国への輸出ですから、それをできなくして軍拡原資を無くすことです。習の反腐敗運動で軍の粛清が続けられ、軍内部には習に対する不満が募り、昨年末には習の9回目の暗殺が企てられたとの話もあります。(1/14ZAKZAK 習近平氏 9回目の暗殺未遂にショックを受け一時入院か)。クーデターが起きるように、軍に金が回らないように、かつ石油も手に入らないように締め上げれば良いのでは。イアン・ブレマー氏の見立てでは習の昨年の党大会の活動報告は世界史的な意味を持つとしていますが、一種の警告だと思います。自由世界に住む人々が中国の陣地取りを許して良いのかどうか、やはり国際ルールと違った行動をする中国は仲間はずれにしなければ。要人に裏で賄賂を贈るかハニーで誑かして、中国に有利な契約を結ぶのはスリランカやパキスタンでも見られました。世界は悪に靡こうとしています。もっと危機感を持って中国と対峙しなければ。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180114/soc1801140007-n1.html
記事

米国系大手ホテルチェーン・マリオットインターナショナルは、台湾を「国扱い」したことを中国に謝罪した(写真:AP/アフロ)
習近平政権がいよいよ台湾統一にむけた攻勢を強化してきた。たとえば、年明けから中国に進出する外資系企業に対する“踏み絵”を踏ませている。マリオットホテル、米デルタ空港、スペインのアパレル大手ZARAなど、中国に大きな市場をもつ外資系企業に対し、台湾、香港、チベットを「国扱い」していることに対して、謝罪を要求し、今後国扱いさせないことを確約させているのだ。台湾と中国の統一世論を国際社会に誘導させようというのが狙いだが、巨大市場を失いたくない中国進出企業は次々と、中国の狙いどおり、謝罪し、「中国の分裂を支持しない」ことを表明。年初に香港英字紙サウスチャイナモーニングポスト上で、華人政治評論家の鄧聿文が、中国に2020年に武力統一を実現する計画があることを指摘しているが、その目標にむかって、国際環境を整えに入っているという見方もある。
「国扱い」で謝罪も「イイネ」で再炎上
1月9日、中国のSNS微博で、米国系大手ホテルチェーン・マリオットインターナショナルが会員向けに出しているメールによるアンケートの選択肢で、香港、マカオ、台湾、チベットを国扱いしている、と中国人会員が告発し抗議した。このことが中国のネットで炎上、「人民の金で儲けているのに、中国を分裂させようとしている!」と不買運動を呼びかけるまでに広がった。
マリオット側は微博公式アカウントですぐさま「深くお詫びいたします。マリオットの中国会員を失望させる過ちを犯したと思い至りました」と謝罪。さらに、上海に所在するマリオットの大中華区責任者が、マリオットの行為が「サイバーセキュリティ法」および「広告法」違反として、上海市黄浦区の市場監督管理当局から立件調査を受ける事態にまでなった。マリオットインターナショナルはすぐさま自主的にサイトおよびアプリケーションソフト上で発表したすべての情報精査を約束し、台湾やチベットを国扱いした記述をすべて消去、アプリも更新し、全面的に謝罪した。
だがその翌日の1月10日、チベット独立支持のNGO「フレンズ オブ チベット」のツイッターオフィシャルアカウントが「マリオットインターナショナルが、チベットを香港、台湾とともに国扱いしてくれたことを祝う」とツイートしたのに対し、マリオットの公式アカウントがイイネ(Like)を押していたことが、やはり中国人ユーザーに見つかり、またもやネットで炎上。マリオット公式アカウントはまたもや「我々は中国の領土や主権を損なういかなる勢力も絶対に支持しません。さらなる誤解をまねく行動については深刻に謝罪いたします」と平謝りさせられた。マリオットはこの一週間の間、実に5回も謝罪させられた。
同じように12日、米デルタ航空のサイトおよびアプリで、チベット、台湾を国家扱いして表記していたことが中国人ネットユーザーに告発されネットで炎上、それに対してデルタ航空が謝罪させられただけでなく、中国の民航局は、中国便をもつすべての外国の航空会社に対してサイトおよびアプリ上でチベット・台湾を国扱いしてないか調査を要求、その結果、ユナイテッド航空、KLMオランダ航空、エアフランス、アエロフロートなど24航空がチベット・台湾・香港などを国扱いしており、記述の変更が命じられた。
サイト上やアプリ上でチベット・台湾を国扱いしたとして中国人ネットユーザーから難癖をつけられ謝罪に追い込まれた中国進出外資企業はほかにも、米メドトロニック、スペインのZARA、仏シャネル、伊ブルガリなど20社以上にのぼったが、ほとんどが謝罪し、記述を国・地域に変更するなどに追い込まれた。
クイズ番組の「三択」でも炎上
また、中国大手ネットライブ配信アプリ花椒直播がクイズ番組で、カナダと並べて台湾、香港の名前を放送したことも、ネットユーザーからの抗議で炎上。「ジョイ・ウォン(台湾人女優)が住んでいるのはどこの国?」という問題の三択の答えに「香港、台湾、カナダ」と並べたことが問題視され、ネット情報管理弁法、ネットライブサービス管理規定に違反したとして番組の全面改正を命じられた。
中国に進出している企業において、顧客アンケートの選択肢などで、中国と台湾を同列の国家扱いで並べて表記することは実際よく見られることで、これまでは、中国は一国二制度や「一つの中国」原則などを打ち出してはいるものの、外国企業に対してはそこまで厳密な取り締まりはしていなかった。またおそらくは外資系企業も、あえて中国の政策に抵抗するというよりは、事実上、中国と台湾が、政治制度も文化も異なる“国”として分ける方が、企業が必要とする顧客資料、データとしては意味があるというところだろう。
だが、習近平政権になって、こうした細かい部分を見逃さなくなってきた。ささいな記述の差であるが、いわゆる“ネット紅衛兵”と呼ばれる愛国的ネットユーザーたちをけしかけることで、主だった企業のこうした“過ち”を見つけ出しては、謝罪させ、他の企業の見せしめとすることで、国際世論に強いメッセージを出している。
中国外交部は定例記者会見で、「香港、マカオ、台湾、チベットが中国の一部であることは客観的事実であり国際社会の共通認識。北京は外国企業の対中投資を歓迎しているが、中国に進出する外国企業は当然、中国の主権と領土の保全を尊重し、中国の法律、民族の感情を尊重してもらわねばならない」と改めて企業に対するイデオロギーチェックの必要性を強く打ち出した。
バチカンと関係修復、戦闘機侵入は倍増
中国がネットなどを通じて大衆をけしかけて、不買運動や抗議活動を起こさせることは依然からちょくちょくあり、たとえば、2017年、THAADミサイルの配備問題で、韓国のロッテ系列のスーパー約80店舗を閉店に追い込んだり、2012年の尖閣諸島国有化で、日系企業への焼き討ち暴動を扇動したりした。一見、民衆の怒りが爆発したようにみえるが、こうした動きは、実際のところ、当局の世論誘導によるものである。これは当局が大衆の言論や暴力を外交圧力に利用しようという政治的意図と同時に、大衆のガス抜き効果も兼ねていた。
だが、習近平政権二期目に入って、韓国や日本との関係改善の必要性が迫られてくると、こうした世論のガス抜きの矛先も、韓国や日本にばかり向けてもいられない。同時に、第19回党大会で強く打ち出した「偉大なる中華民族の復興」の今世紀半ばまでの実現へのファーストステップは、台湾統一に照準を定めるとみられている。
企業などに対する踏み絵だけでなく、その他の外交攻勢も強化されている。中国は目下、台湾と国交があり中国と断交中のバチカン市国との関係修復を模索しており、3月には双方が40点ずつ美術品を交換して展示ツアーを行う美術外交が計画されている。もし、バチカン市国が万一にでも中国と国交を結ぶことがあれば、台湾は最も影響力を持つ国との外交関係を失うことになる。
また解放軍の台湾に対する圧力自体も高まっている。2017年、中国戦闘機が台湾海峡の中間線を越えてきたのは少なくとも20回、2016年の8回の倍以上。また今年になって、中国の民間航空局は、台湾との事前協議なしに、一方的に台湾海峡の中間線より7.8キロしか離れていない民間航空路線の使用を開始、これは明らかに台湾に対する威嚇でもある。昨年は、台湾人NGO職員李明哲が政府転覆容疑で逮捕された事件もあった。
中国の民間シンクタンクに所属する政治評論家で、元中央党校機関紙・学習時報編集者の鄧聿文による論文が1月3日のサウスチャイナモーニングポストに掲載されたが、それによれば、中国は2020年に台湾を武力で統一する可能性がある、と改めて指摘している。
「手ごろな戦争」の現実味は
いわく、これまで曖昧模糊としてきた台湾統一のタイムスケジュールは、第19回党大会の“新時代”目標の一つとして“祖国統一”の実現が打ち出されたことではっきりしてきた。習近平の計画では2050年ごろまでに中華民族の偉大なる復興を実現するということだが、そのためには遅くとも、次の台湾総統選が行われる2020年までに台湾をコントロール下に置かねばならない。台湾統一以前に、“復興”などありえないからだ、という。
さらに、習近平政権は武力統一計画を進めるつもりだという。その要因は、台湾独立派のパワーが以前より高まってきたこと。この数年、経済を切り札に台湾人を取り込もうとしてきたが、むしろ両岸関係は悪化し、台湾人の中国に対するアイデンティティはむしろ淡化の傾向にある。また、たとえ国民党が再び政権に返り咲いたとしても、中台統一を指導するだけの力量はなく、中国人自身が台湾に対する武力統一を望みはじめたこと。政権は表面上、平和統一をスローガンとしているが、事実上、すでにこの理念は放棄している、と指摘している。
2020年というのは、中国が二つの100年計画の一つ「小康社会の全面的実現」目標の期限である建党100周年の2021年より一年前であり、もしこの時点で台湾統一が実現できれば、習近平政権にとっては長期独裁を全党および人民に納得させるだけの効果を持つ歴史的偉業となる。さらに、今は中国に比較的融和的にみえる米トランプ政権だが、昨年末に中国とロシアに対する定義を「戦略的ライバル」とする国家安全戦略を公布し、台湾との緊密関係を維持する姿勢を改めて打ち出したことを受けて、中国としては武力を使ってでも早期に台湾統一計画を実現する必要がある、と考えたかもしれない。
執政党としての正統性や軍の求心力がゆらぐ習近平政権が、そのパワーを回復するために“手ごろな戦争”を行う可能性はかねてから指摘されていたが、米国が北朝鮮問題で中国の協力を要請しているうちに、台湾統一を一気に進めるという考えは十分にありえる。そもそも、北朝鮮の核武装自体、江沢民政権が関与していたと見られているが、その動機は米国と台湾問題で駆け引きに使うためであったという説がある。こうした武力統一論を盛り上げることで、台湾を威嚇する一方で、国際世論の圧力を利用して台湾に“無血開城”させようということかもしれない。
ここで、問われるのは、日本と日本企業の姿勢だろう。
「次は日本だ」の覚悟を
日本では新版広辞苑が掲載地図で台湾を「台湾省」と表記し、台湾当局から強い抗議を受けたが、もともと親中派の岩波書店は記述に誤りはない、と開き直った。日本の場合、台湾の表記に関しては、必要以上に中国寄りになっている企業の方が多いかもしれない。その一方で、台湾シンパの日本人も多く、2020年の東京五輪で台湾をチャイニーズ・タイペイではなく、台湾という正名で参加を求める日本人による署名運動が民間で徐々に拡大している。どういう姿勢をとるかは、個々の歴史に対する理解、解釈とビジネス上の利益との兼ね合いの問題かもしれない。
だが、台湾が“平和統一”であれ“無血開城”であれ“武力統一”であれ、中国の一部となってしまうと、次に脅かされるのが日本の領土、尖閣であり沖縄である、という事は忘れてはならないだろう。価値観を共有する台湾の“民主主義国家”としての存在が、日本の安全保障に不可欠であるということも。
日本企業は、中国を刺激、挑発するような言動をする必要はないが、少なくとも世論が台湾の人々の意に反して中台統一の外交圧力に利用されるような状況に加担するような真似をしないことが、単なるビジネス上の利益以上に、切実な日本人にとっての利益であることを忘れないでほしい。
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