『中国、党大会で異例「北朝鮮問題の重大決定」か 米ロとの駆け引き本格化、日本も独自プランを』(10/11日経ビジネスオンライン 福島香織)について

10/12日経の衆院選各党議席獲得予想です。自民党は20議席減くらいかと。北朝鮮問題がある時に、安倍内閣が動きやすいようになっていてほしい。麻生財務大臣、菅官房長官、小野寺防衛相、河野外相は留任でしょう。

10/12宮崎正弘氏メルマガ<あのバノンが、郭文貴と二回、ワシントンとNYで面談していた>。バノンとキッシンジャーとどちらの意見をトランプは採り入れているのでしょうか?

http://melma.com/backnumber_45206_6595021/

10/12聯合ニュース<統制権移管後の「合同軍司令部」編成案 今月末確定へ=韓国国防部>。在韓米軍撤退の始まり?案を受けNEO(non-combatant evacuation operation)を実施するつもりでは。12月以降に韓国の守りは韓国に任せ、米軍が北朝鮮を攻撃する布石では。韓国は中国との通貨スワップもなくなり、一途に滅びの道を駆け足で行っているようにしか見えません。愚民が愚かな大統領を選んだせいでしょう。でも総て他責にする民族ですから、文大統領を選んだのも日本のせいと言いだしかねません。

http://m.yna.co.kr/mob2/jp/contents_jp.jsp?cid=AJP20171012001700882

10/12宮崎正弘氏メルマガ< ティラーソン国務長官を更迭、ジョン・ボルトンと交替か>。ボルトンは台湾に沖縄の海兵隊を持って行くかもしれません。

http://melma.com/backnumber_45206_6595163/

福島氏の記事で、9/19本ブログで9/11East Asia Forumの賈慶国氏の記事を載せました。英文でも読めます。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7218

賈教授の言う「解放軍が中朝国境をまたぐ地域に安全区を設置し、難民に対して臨時の保護を提供し、中国への大量の難民流入を防ぐ」というのを参考に、日本も北や韓国からの難民は済州島で自衛隊が難民を管理するようにすれば良いと思います。ただ数が足りなければ警察と合同でこれに当たるようにします。

日本が金正恩なき後の北の核管理をと言うのは露骨に中国が嫌がるでしょう。一番は、核兵器は米ロが削減した経験があるので、兵器として無力化し、費用を日米中ロ韓で分担すれば良いのでは。政治体制としては国連軍管理として、中ロ米と共に日本も自衛官を送って協力する体制を採るのが良いのでは。

記事

米国と北朝鮮の関係が緊迫化する中、中国では党大会で異例の「北朝鮮問題の重大決定」があるのではと噂される。北朝鮮利権にはロシアも虎視眈々。駆け引きは激しさを増している(写真:ロイター/アフロ)

中国の共産党大会は、一般に中国の最高指導部人事と内政問題を議論し決定する、きわめてドメスティックな会議なのだが、今大会は例年になく国際問題に関する重大決定が行われるのではないか、という噂が絶えない。いうまでもなく北朝鮮問題に関する決定である。その“噂”の根拠を今一度整理してみたい。

党大会に合わせ、発射実験を?

10月6日のロシア・スプートニクス通信が報じていたのだが、ロシアの軍事専門家・ヴァシリー・カシンは、北朝鮮が中国の党大会に合わせて、日本上空を通って太平洋北部の目標に向かう“火星14号”ICBMの発射実験を行うのではないか、という予測を含めた論評を発表した。

論評によれば、北朝鮮は米大統領トランプの想像の斜め上をいく強烈なリアクションをとり続けてきたが、その危機の先鋭化は、おそらく党大会かあるいは党大会直後に行われる一中全会のあたりがピークではないか、という。一中全会では、次の五年の最高指導部および軍組織の人事が承認される。つまり中国が、内政でてんやわんやのときに、思いっきり中国を挑発するような行動をとって、中国はもはや北朝鮮をコントロールなどできないのだ、とはっきりと世界に知らしめようとする、というわけである。

「半島情勢は党大会における重要な変数。いったん軍事摩擦が激化すれば、党大会の日程にも影響し、最悪の場合、重大決定が下される」とカシンは言う。

論評はさらに、こう指摘する。中国は目下の(北朝鮮)情勢から脱する妥当な方法がなく、中国ができることは、関係国に自制心を持つよう呼びかけることくらいだが、それは各国の行動に何の影響力も与えない。一方、たとえ北朝鮮の要因がなくとも米国のファースト主義によって、米中関係は複雑化してきている。北朝鮮と米国がハイレベルで直接対話することだけが、こうした情勢のネガティブな展開を防ぐことができるだろう、と。

カシンの論評に客観的な根拠があるかどうかは示されてはいないのだが、海外の独立系華字メディアの多くが、この論評を引用転電しており、注目している。

もう一つ、注目されているのが、10月2~6日に北朝鮮を訪問してきたばかりのロシア議員のアントン・モロゾフの発言で、10月6日のロシア通信(RIA)が報じている。「北朝鮮は近い将来、長距離ミサイル実験を再び行うだろう。全体的に言えば、北朝鮮は好戦的ムードに包まれている」「北朝鮮はトランプの国連総会での発言(北朝鮮は完全に破壊される)を米国の宣戦布告ととらえている」。次の北朝鮮のミサイル実験は、ミサイルが西海岸に届くことを証明するためのものらしい。

党大会でなにか北朝鮮に対する重大決定がなされるのではないか、という予測は、たとえば中国の専門家の発言なども根拠となっている。

「米韓と緊急協議すべきだ」

よく知られるのは、北京大学国際関係学院長・賈慶国の最近の発言。ポスト金正恩政権の対応について中国は米韓と緊急協議すべきだという内容で、日本の朝日新聞がインタビューしたものを含め、注目されている。

9月に、賈慶国によるオーストラリアの「東アジアフォーラム」への寄稿には、こうある。要約すると…

「最近の北朝鮮情勢によって、米国の北朝鮮に対する先制攻撃の可能性が増しているとはいわないが、いずれにしろ米国の北朝鮮制裁は強化されており、軍事演習規模も拡大している。これによって、米朝の軍事衝突の可能性は増大しており、同時に北朝鮮が暴発する可能性も増大している。もし本当に戦争になったならば、中国は米国と韓国と緊急に対応プランを討論せねばならないだろう。長きにわたって、米韓は中国に対応プランを検討するよう説得してきたが、中国は北朝鮮を孤立させることを恐れて、それを拒絶していた。しかし、目前の状況を考慮すれば、米韓と緊急協議する以上に、中国にとってましな選択はない」

「この緊急協議において、北京として討論したい問題は、まず、誰が北朝鮮の核兵器を管理するか、である。というのも、これらの兵器がもし政治混乱の最中に、北朝鮮軍の手に落ちると非常に危険だからだ」

「中国はおそらく米軍が管理することに反対はしない。理由は二つあって、まず核拡散防止の観点。そして第二に北朝鮮の核兵器は中国にとってなんら技術的な価値はなく、管理費はむしろ高くつくからだ」

「しかしながら、中国にとって心配なのは米軍が38度線を越えて北朝鮮に進軍してくることであり、これは中国人にとって1950年代の戦争を思い起こさせる。このある種の均衡を保つために、中国はやはり自分で北朝鮮の核兵器管理を行いたいと望むだろう」

「核不拡散と費用のこの二つの問題のために、米国も解放軍が北朝鮮において核兵器管理のための行動をとることに反対すまい」

「中朝国境に安全区設置、難民流入防ぐ」

「中国にとってのもう一つの問題は、北朝鮮難民。中国はおそらく米韓に対してこのような提案をするだろう。解放軍が中朝国境をまたぐ地域に安全区を設置し、難民に対して臨時の保護を提供し、中国への大量の難民流入を防ぐ、と」

「さらに緊急協議で話し合うべき三つ目の問題としては、いったん北朝鮮危機が暴発したとき、だれが北朝鮮国内の秩序を回復するのか?ということだ。韓国軍なのか、国連の平和維持部隊なのか、あるいはその他のパワーなのか? 中国としては、米軍による北朝鮮管理には反対だ。それは米軍が38度線を越えるということだからだ」

「国際社会の支援によって半島に一つの新しい政府、あるいは国連が半島で全民投票を行う形で、朝鮮半島の統一を進める準備をしておかねばならない」

「この北朝鮮の核問題が解決すれば、米国・韓国は半島からTHAADミサイルを撤去するだろう。北京としては、半島のTHAADミサイルこそが中国の安全を脅かすものであり、これを撤去するように米韓に促し続けていた」

「中国としては北朝鮮の危機にかかわることは望んではいないのだが、核戦争および政治の不安定化、難民など予測不可能な状況下で、半島情勢が悪化すれば、北京としても最悪の方法をとる以外、他に選択肢はないのだ」

以上はVOA(ボイスオブアメリカ)の抜粋転電をもとに訳出した。

賈慶国が指摘する、この中国の“最悪の場合の中国の選択肢”は、北朝鮮がBRICS首脳会議開幕日に水爆実験を行って後、急に世界各国で紹介されるようになり、習近平政権の一種の観測気球、あるいはシグナルと受け取られている。9月末の米国務長官ティラーソン訪中時にも、トランプ訪中の地ならしだけでなく、こういった中国側のプランについて意見交換したかもしれない。

トランプの嫌がらせか失策か

一般に賈慶国は米国の立場の代弁者と受け取られているが、このプランは習近平政権にとってはかなり理想的な落としどころとなっている。

つまり、北朝鮮の核兵器管理は解放軍を通じて中国が行う。一方で米軍が38度線を越えることは断固反対。北朝鮮の安定化は、解放軍を中心とした国連軍が行い、国連の名のもと、中国の主導で公民投票を経て半島統一を行う。その中国の功労をもってして、米韓からはTHAADミサイルを撤退させる。うまくいけば在韓米軍の撤退も望めるだろう。半島の米軍プレゼンスは大いに縮小される。習近平政権は北朝鮮問題解決の立役者として国際社会から評価されるであろうし、習近平の軍制改革によって不安定化していた軍内部は“実戦”を経て、強化される。軍内の反習近平派(主に旧瀋陽軍区)の将校は危険な最前線に送り込まれ、排除される。

北朝鮮危機が中国にとってはチャンス、という見方は他にもパリ国際関係戦略研究機構のバートレイミ・グールモン研究員が指摘している。FRI(フランス国際放送)が報じている。いわく「もし北朝鮮が崩壊すれば、中国にとって必ずしも不利益ばかりではない。とくに経済領域。もし北朝鮮で平和裏に政権交代が行われるとすれば、中国が北朝鮮の立て直しの最前列にくるわけだ」。北朝鮮は、中国経済の停滞を一気に吹き飛ばす、経済フロンティア。“朝鮮特需”につながる可能性もあるわけだ。

過去、このコラムでも言及したが、中国の最大の懸念は、北朝鮮の核ミサイル自体ではなく、半島における米国とのパワーバランスである。北朝鮮の崩壊を嫌がっていたのは、それを口実に米軍、あるいは米国の同盟国である韓国軍が38度線を越えてくるかもしれないという恐れがあるからだ。だが、もし米国をはじめ国際社会の要請を受けて国連の名のもとに中国主導で半島が統一されれば、THAADはおろか在韓米軍自体が必要なくなるし、今の韓国は親中反米政権だし、半島は一気に中国の勢力圏下に入る。中国にとって北朝鮮有事勃発は、デメリットよりもメリットが大きい、むしろ一石四鳥、五鳥ぐらい、おいしい。

ただ、このプランが米国のアジアにおける急激な影響力低下を招き、独裁的帝国主義的指向の強い習近平政権の後押しをし、世界のパワーバランスの大変革につながりかねない、という意味では、米国にとってはあまり喜ばしくない結果を招くことになる。

トランプは4月の米中首脳会談において習近平に説得される形で、北朝鮮の核兵器問題の解決のゲタを中国に預けることにしたいきさつを自らメディアに語っているが、なぜ、そのような中国に圧倒的に有利な条件で、米国が譲歩したのかは私には理解不能だった。一部親トランプ保守派論者によれば、中国が北朝鮮を放棄するわけがないと見越して、できないことをあえてやれというトランプ特有の習近平政権に対する嫌がらせである、らしい。しかしながら、中国が北朝鮮を放棄するメリットは上記の研究者たちが指摘するように、デメリットより大きいと私も思う。米国が中国に北朝鮮問題への軍事介入を要請するようなことが、本当にありうるのか、私は今もってよくわからないのである。

ただ、はっきりと中国のこのプランを警戒している国がある。ロシアである。

半島の核管理、プーチンより日本が

プーチンは今や中国以上の金正恩の擁護者の立場にあり、石油禁輸を含む制裁のエスカレートに反対し続けている。「北朝鮮は草を食んでも、核ミサイル実験を継続するだろう」と言い、制裁ではなく米朝の直接対話を模索すべきだという立場で、対欧州外交などを展開中だ。ちなみに、トランプ政権の中でも親ロシアとみられるティラーソンも北朝鮮との直接対話派だ。

プーチンは六カ国協議が始まる以前の2001年の段階で、金正日に核兵器と“簡単なミサイルシステム”保有の事実を打ち明けられていたことを公表しており、おそらくはミサイル開発にも力を貸していたと思われている。北朝鮮の核問題は、ロシアにとっては北朝鮮利権に食い込む格好のチャンスとしてとらえていた向きがある。

そう考えると、中国のポスト金正恩政権のこのプランには、ロシアが思いっきり抵抗するだろう。そうなったとき、どういった妥協案がでてくるだろうか。たとえば、核兵器管理については中ロによる共同管理、などだろうか。

ところで、このプランで、おそらく一番不利益を被るのは日本である。半島に中国主導で反日的統一国家ができ、米軍のアジアにおけるプレゼンスは縮小され、日米安保に頼り切ってきた日本としては不安でしかない。しかも、半島の国の核兵器を管理しているのは、毛沢東路線回帰に走る習近平政権の可能性が高い。

となると、日本は日本に不利益にならないような独自プランをきちんと練って米ロを説得できるくらいの準備は必要だろう。個人的には、非核国の日本が、半島の核を管理するのに最適な国だと思うのだが、どうだろう。

世界は何が起こるかわからない不透明時代に突入したのだから、過去にありえないと思われたことにも対応できる国にならなければならない。中国の党大会とほぼ同じ時機に行われる日本の総選挙は、そういう国にするための選挙だ。心して候補者を吟味しよう。

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