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青木直人著『日朝正常化の密約』について

昨日に続き本の紹介ですが、長いのでコメントは省きます。

P42~45

まだある。日本の円借款の特徴は、世界でも例のないほど異例な方式を採用している。それが「アンタイドローン」という援助スタイルなのである。

「アンタイド」とは「ヒモが付いていない」という意味である。普通援助は、援助する国がそれと引き換えに被援助国のプロジエクトに自国の企業を参入させる。これが「ヒモ付き援助」と言われているもので、「タイドローン」ともいう。世界を見渡せばこれが通常の援助方式なのだが、日本の場合はそうではなく、日本からの措款だろうが、どの国の業者に仕事を割り振るのかは、相手国が決めることができるのである。

北朝鮮でいえば、日本からの経済支援について、金正恩が事業の決定権を握る。そうなれば仕亊欲しさに内外の企業が賄賂攻勢をかけるのは、目に見えている。なぜ日本だけがこうなのか。

その一因は、諸外国からの圧力である。中国向ODAを始めるにあたって、円借款を 「タイドローン」ではなく、「アンタイドローン」にしろと強要してきたのは米国である。

大平正芳総理が日本から中国に円借款を供与することを明らかにしたのが一九七九(昭和五十四)年十二月だが、そのニ力月前、ワシントンで「日米事務レベル経済協力担当者会議」が開かれている。日本側出席者は外務省、通産省の関係者、米国側は国務省、財務省、商務省、それにエネルギー庁のトップが顔をそろえた。

この場で米国側が日本に突き付けてきたのが、日本からの中国向け借款はすべて「アンタイドロ―ン」にすること、しかもそれを中国との取り決め文書に明記せよという強硬な内容だったのだ。米国は、中国への援助を利用して日本企業が中国市場を独占化するのではないかと懸念した。最後にエネルギー庁の担当者はこう警告したという。 「日本政府がそうしない場合、米国内の不満は高まり、日米間で新たな経済問題の火種に なりかねない」

日本と米国の間では、当時、日米繊維交渉が長い交渉の末に妥結したばかりで、大平政権としてもこれ以上米国とトラブルを起こしたくはなかった。そうした政治的妥協の産物として、中国向け円借款が、日本からのヒモ付きでない形になってしまったのである。

第一次大戦前、中国市場の参入に乗り遅れた米国は、門戸開放宣言で欧米各国や日本に対して、中国における一方的な優位を認めないとした。一九七九年にスタートした日本の中国向け援助もまた、新「門戸開放宣言」を誘発したのだった。 米国政府が期待したように、アンタイドロ―ンという日本のOD Aは米国ピッグピジネスの対中投資の呼び水に活用された。一九九〇年の対中ODAで日本から中国政府に貸し付けられた海南島開発資金のうち、通信近代化プロジエクトを日本のNTTからもぎ取ったのは、当時世界最大の米国通信会社、AT&Tだったのである。諸外国の例にならった通常の援助なら、無条件にNTTが受注できた案件だった。

このアンタイドロ―ンンが、北朝鮮向け援助にも適用されるのである。仮に日本と北朝鮮が国交を樹立した際も、関係国はさまざまな形で日本に圧力をかけてくるはずだ。米国も、ロシアも、韓国も中国も、返済確実な日本のODAにたかろうとしているからだ。

なかでも中国は東北地方から北朝鮮をつなぐ高速鉄道を建設するために、この事業を自国の会社に受注させようと虎視眈々と狙っている。

日本のODAは、日本国民が汗水たらして納めた税金であっても、日本だけのものではない。それは一種の国際共有財とされてしまった。外務省もそれを受け入れ、国際協力機構(JICA)など援助機関もこれに異を唱えない。

円借款の供与方式が変わらないかぎり、日本人は同胞を拉致した北朝鮮という国に、ジヤパンマネーを自由に使えるキヤッシユ力―ドを渡すことになるのである。

P.49~50

具体的には北朝鮮が商品、工業資本財、原材料、肥料、農機具などを日本から輪入する際のリスクを軽減させるものだ。過去北朝鮮は、日本や欧州から輪入したプラントの支払ができなかった。これでは怖くて海外の企業はやってこない。だからそんなことがないように、北朝鮮が資金ショートに直面した場合は、一九七〇年代のようにならないよう、日本が代金を貸しましょうというのが「商品借款」なのである。

北朝鮮が前回のように返済が困難になり、海外の企業に対する支払いができなくなった場合は、この「商品借款」を提供する用意があるというのが「宣言」の趣旨なのだ。 日本政府は、この商品借款を中国に提供した過去がある。一九七六(昭和五十一)年毛沢東が死去し、文革四人組が逮捕された直後、誕生したばかりの華国鋒政権は、経済の実績を上げようとして日本に大量のプラントを発注したものの、ただちに資金ショートに直面、事態は外交問題に発展するに至った。プラント発注企業である日本の新日鐵、神戸製鋼、三菱重工業などトップ企業は、当時の大平正芳総理に泣きつき、その結果、中国に日本の公的資金を貸し付け、その金で日本側に代金を払うという形で事態を処理したのである。

その貨付金が、中国向けODAのうち、一九七九年から八四年まで継続された「商品借款」なのである。これは八ニ、八三、八四年の三年にわたって供与され、総額で一三〇〇億円、この時期は第一次のODA供与の期間(五力年)だったが、そのうち円借款の総額は三〇五五億円。実に商品借款が全体の42%と、半分近くを占める。日本企業は中国からではなく、日本国民の税金で救済されたのだった。関心のある方は、外務省のHPの「ODA」を見れば、よくわかるはずだ。

その中国はいまや世界第二位の経済大国に成長した。外貨準備高も四兆ドルと世界一。だがその中国にして、三〇年前はこうだったのだ。

日朝平壌宣言に書かれている「信用供与|には、中国向けODAという先例があった。この項目が加えられているということは、返済が中断したままふくれ上がった対日未払いのプラント代金を、この商品借款で一括返済するという密約があると思われる。

P.56~61

日本が朝鮮半島に遺した資産の総額とは

日本の北朝鮮経済支援の総額について、外務省は一切あきらかにはしていない。日朝平壌宣言の中にも、金額は明記されていない。もちろん、これは外務省同士の間で今後詰める話であり、最終的に国交樹立の段階である程度の輪郭がわかってくるはずだ。

ただし、ここには日本が北朝鮮に残してきた資産は含まれていない。日本が朝鮮半島に残してきた資産について、産経新聞に掲載された「財産請求権行使なら北の支払い超過『経済協力』転換の要因か」(二〇〇二〔平成十四〕年九月十三日付)という記事がある。この記事の要点をまとめてみると、次のようになる。

一九四五年八月十五日時点で、日本が朝鮮半島に残した総資産額は、連合国総司令部(GHQ)の試算では、八九一億ニ〇〇〇万円に上る。この数字を総合卸売物価指数 (一九〇)をもとに、現在の価格に換算すると一六兆九三〇〇億円に相当する。ただしこの数字は、南北朝鮮を合計したもので、北朝鮮に残した資産に限ると、次のようになる。

水豊ダムなどのインフラが当時の価格で四四五億七〇〇〇万円、軍関連資産が一六億二〇〇〇万円。この非軍事分野と軍事分野の両方で四六ニ億ニ〇〇〇万円。総合卸売物価指数の一九〇を掛けると、現在の金額で八兆七八〇〇億円となる。

ちなみに参考資料として挙げると、韓国政府が一九四九年、米圃国務省に「対日賠償要求調書」を提出しているが、このときの要求総額は三一四億円(一ドル15円)で、現在の価格に換算すると、五兆九六〇〇億円(これは北朝鮮も一部含めた数字)であった。

とすると、日本が半島に残した資産の方が圧倒的に多いということになる

ここに挙げた数字は、日本ではなく米国政府の試算なのである。

サンフランシスコ 講和条約に基づく北朝鮮の国際法上の請求額はこれをさらに下回り、「日本との差額は五兆から六兆円になると推定される」(政府関係者)

さて、話を戻すと日本政府の姿勢はあくまで南北等距離が基本であり、北朝鮮との間でも、一九六五年の日韓基本条約の際の経済支援金額がべースになる。そこで同程度の経済支援をするとすれば、経済協力費は三〇〇億円程度ということになる

ただ、日韓基本条約から五〇年の歳月が経過しているということ、さらに 一九九〇年の金丸訪朝の際、「日本の植民地支配への反省」が三党合意文書に盛られていること(これは日韓基本条約には書かれていない)などから、または北朝鮮に拉致された日本人を取り返すという目的などを勘案すると、ほぼ三倍の一兆円前後という数字が噂されているのである。

人口一四億の中国に対する日本のODAが三兆五〇〇〇億円であったことを考えれば、人口が中国の五十分の一か六十分の一の二四〇〇万人に過ぎない北朝鮮への一兆円という数字は、相当な額といえよう。

一兆円説には、いくつかの根拠がある。まず繰り返し述べているように、韓国に与えた経済支援の額からの類推が第一である。

北朝鮮政権内部のインサイダーの証言もある。張真晟という人物がいる。ニ〇〇四年に脱北した労働党統一戦線部の工作員で、詩人として金正日委員長に接見が許された人物である。彼の著書『金王朝「御用詩人」の告白』(邦訳.文芸春秋)に、小泉訪朝前後 労働党内の動向が紹介されている。それによれば、賠償金として四〇〇億ドル(四兆円: 要求してきた北朝鮮に対し、日本側は戦後から現在まで日本が北朝鮮に残してきた発電所、製鉄所、鉄道などを無断使用してきた費用の支払いを要求して応酬したという。現金支払いについても、核開発に利用される恐れがあり、米国の介入を招くとして、日本側が拒否したとも伝え、「最終的に両国は一一四億ドル規模の物的支援で暫定的な合意に至った」と結論づけられている。

当時の為替レートは一ドル= 一一〇円から一三〇円。これを当てはめると、一兆ニ〇〇〇億円から一兆五〇〇〇億円となり、前述の一兆円をすらオーバーすることになる。

北朝鮮は日本からの金を何に使うのか

北朝鮮は、このジャパンマネーを何に使おうと考えているのだろうか。 金正日委員長が日本からのマネーでまず行ないたかったのは「国内鉄道の複線化」であったと、先の張真晟氏は証言している。

北朝鮮の鉄道は二十一世紀の現在でも、日本との併合時代のものをそのまま使っている。そのため、いまでも単線であり、複線にはなっていない。その結果、対向列車と交換するのに頻繁に駅に停車することにもなる。たとえば中朝国境の新義州から首都平壌までの三〇〇キロ程度が、国際列車でも七時間かかる。また鉄道関連施設も、老朽化したまま手がつけられていない。

このことは、中国との関係においても、微妙に影響を与えている。鉄道は民生にとって不可欠なものだが、同時に軍が最優先に利用する交通インフラでもあるからだ。

中国政府は、中国遼寧省の省都である瀋陽から中国国境の延辺朝鮮族自治州を経由し、豆満江を越えて北朝鮮国内に入り、三八度線を通過して韓国の釜山に至る半島横断鉄道の構想を持っている。そのためには、鉄道の軌道が同.であることが前提となる。

だがそれは同時に、いったん有車となれば中国の解放軍がこの鉄道を使って大量の軍を送りこむことを可能にもする。北朝鮮が恐れるのはここである。

事実、こうした国境鉄道の持つ危険性から、中国と高速鉄道の一本化に反対している国がある。それがベトナムだ。かつては社会主義国として同志であった中国とベトナムは、一九七九(昭和五十四)年、ベトナムの国内華僑追放とカンボジア侵攻を契機に、戦争状態に突入した。その後、数十年の冷却期間をおいて、今では経済をベースに表面的には良 好な関係に戻っているが、今また、南シナ海のスプラトリー諸島の領有をめぐって両国の関係がきな臭い状態に入りつつあるのは、ご存じのとおりである。

そうした歴史的経緯もあるベトナムは、いくら経済的相互依存関係があろうとも、国家の主権と安全保障という観点から、中国との鉄道協力に慎重な姿勢をくずさない。 「鉄道のレールの幅が同じになってしまえば、中国軍がそれに乗ってホーチミンまでやってくる」と。

P.72~74

その代表的な人物がアジア開発銀行の元研究所所長の河合正弘氏(東大名誉教授)である。彼は雑誌などのインタビューでも、援助は、北朝鮮の経済政策の転換が目的であると繰り返している。河合氏は二〇〇二年の日朝平壌宣言の直後、北朝鮮を訪問し、北側の担当者と経済支援の中身について意見を交換した人物である。

こうした開発哲学は、あまりにも単純な経済決定論である。中国や北朝鮮が、経済よりも国家の安全保障に重点を置く非民主主義国家であるという本質的な理解がないのだ。

そして最後に、最大のリスクが、実はあの国の体制のありようである。膨大な軍事費、インフラの老朽化、農業の崩壊、不要な非生産設備への投資、国民のやる気のなさ。そればかりか、日本や西側に対する支払い中断中という事実。これらは皆、現実のこととして、あの国の中に存在する。

この点で頭に入れておきたいのは、建国の父•金日成主席の対外借款についての認識である。彼はすでに自国が海外から輪人したプラントなどの未払い問題が外交問題になっていることを踏まえて、こう居直っている。

「発展途上国の債務は全額棚上げすべきである」

借金を返す必要はない。このように言い切っているのである。その言葉どおり、金日成はソ連、中国など社会主義大国からの借款の多くを踏み倒してきた。日本企業からの返済にもシカトしたままである。いずれ正常化後の日本からの援助についても同じことが起こりうる。日朝平壌宣言には、日本の植民地支配への謝罪が経済支援の根拠であると書か れている。ならば、金日成も金正日も、三代目の金正恩も同じように「債務は全額棚上げにすべき」と居直りかねないのだ。それは日本のODAが、誰がなんと言っても彼らにとっては「賠償金」だからである。北朝鮮も中国と同じように、もらって当然と考えている。

だが、それは北朝鮮だけに限ることではない。朴槿恵の韓国も、習近平の中国も、同根だ。韓国や中国は、日韓基本条約や日中共同声明で賠償問題にはピリオドが打たれたと合意しているにもかかわらず、いまでも延々とカネを出せと言い続けているのである。韓国は従軍慰安婦への補償を、中国は遺棄化学兵器処理のための補償を求めている。日本は 「アジア女性基金」で慰安婦への「おわび」を繰り返し、中国の化学兵器の処理に、ODAとは別枠で予算をあてている。 北朝祥も間違いなくそうなるであろう。「謝罪」と「償.い」は、まだまだ終わることはないのである。

P.77~78

私はかねてより自分の発行するニユーズレター紙で、次のように主張してきた。

第一に、北朝鮮と中国共席党の間には深刻な路線対立があり、「自主経済」の破綻に瀕している北朗鮮は、中国からの経済支援と引き換えに、金日成主席以来の極左的な政策の修正を求められていること。

第二に、労働党内部において近年、中国との援助や貿易分野に関与する政府高官の中に、急速に富裕化する階層が出現し、彼らは中国と利害を共にする政治集団となりつつあること、そのため、先軍政治路線を掲げる金正恩第一書記は、こうした勢力と対決せざるを得なくなるだろう。

というものであった。張成沢の粛清劇は、こうした予想がついに現実化したものといえる。

外部社会からは見えにくいものの、現在では朝鮮労働党の「敵」は中国共産党となっている。労働党政権を脅かすのは、北朝鮮に対して宥和政策を続ける韓国でも、朝鮮半島に戦略的利益を持たない米国でも、拉致以外に格別の関心を持たない日本でもない。日米韓の三力国は、北朝鮮に対してそれほどの関与を行なっていないため、彼らの生殺与奪の 権利を握ってはいないのだ。

経済破綻の危機にあえぐ北朝鮮に対する最大の援助国は中国であり、彼らが北朝鮮国内に流通する商品の70~80%を握っている。北朝鮮の命運は中国の手の中にある。その中国が近年、これまでの気前のいい支援の姿勢を変化させた。タダでカネは貸さないと言い始めたのである。

P.92~94

チヤイナマネーは、張の代わりに、これから金フアミリーと人民軍が独占することで一件落着させようというのである。

だが中国はクールである。金正恩を信頼していない。次は金第一書記体制の中枢、チャイナマネーの恩恵に浴する党と人民軍の中から「第二の張成沢」が出現する可能性がある。政権基盤の、不安要因は払拭できていない。

北朝鮮の未来に残された二つの道

張成沢の粛清劇で、中国の民間企業はすでに及び腰である。経済特区や茂山開発、さらに羅津港拡大計画などが批判の俎上にあげられたからだ。張系列の政府関係者の粛清、 党員の忠誠心と思想点検も続いている。これでは、事業が順調に進むわけがない。

こうした北朝鮮国内の緊張は慢性的に高まり、経済は停滞する。そこでまた指導部内でサバイバルをかけた「政闘」が繰り返されるという悪循環。 労働党の直面している難題。それは中国に経済的に従属しつつ、政治的には自主独立を保つことがはたして可能なのかという問いなのである。

こうした二律背反を、金日成主席なら何とかできた。金正日総書記もかろうじて乗り切ってきた。彼らにはそれだけのカリスマ性と、軍•情報機関から全面的なバックアップがあったからだ。

だが、政治的キャリアもない三十一歳の青年である金正恩が、この二律背反を解決でき得るとは到底思えない。この政権が長続きする可能性は低い。

一九六〇(昭和三十五)年、朝鮮戦争の後、韓国は政情不安と経済困窮のさなかにあった。このとき、韓国軍の一将校だった朴正熙は軍事クーデターに立ち上がり、政治は独裁、経済は開放という国家戦略で、祖国を先進国入りさせた。

北朝鮮の「朴正熙」には、軍を徹底して抑え込み、これまでの鎖国政策を大胆に転換し得る政治力が求められる。そういう人物が登場しない限り、拉致問題の全面解決はむつかしい。

中国が求めるのは、北朝鮮の安定だけである”

仮に北朝鮮で政変が勃発した場合、それが安定を期待しうるとみれば、中国は真っ先に外交的な承認に踏み切るはずだ。そうした中国の選択を米国も最後は追認する。金正恩ファミリーの亡命を中国は受け入れて、政変は終わる。

張の粛清。事件は一枚岩に見える労働党内部において、ついに公然たる反対勢力が登場したことを意味している。彼らの背後には中国がいた。

P.148~150

中国企業は、なぜ北朝鮮から撤退したか

次は中国企業のケースである。

北朝鮮の最大の鉱山である茂山は、金日成が「我が国の宝」と胸を張った場所である。

このことは、繰り返し述べてきた。その茂山鉱山の開発権をニ〇〇五年、中国の天池工業貿易が手に入れる。期限は五〇年。鉄鉱石の推定埋蔵量は三〇億トン。北朝鮮どころか、アジア有数の鉱山である。

経済成長に伴って中国は世界最大の資源輪入国となり、石油天然ガスや鉄鋼の需要も急増した。そこで中国が目を付けたのが、隣国北朝鮮に眠る鉱山だった。なかでも茂山は中朝国境にも近く、採掘した鉄を中国に運び込むのにも好都合な立地条件にある。それでいて北朝鮮には、自力でこれを開発するだけの資金も技術もなかったのである。

だが鳴り物入りで進出したものの、二〇一四年秋の時点で、開発事業は中断したままだ。原因は北朝鮮側がいきなり当初の合意に反して、20%もの採掘料の引き上げや、労働者の賃金や輪送費用の増額を、一方的に通告してきたのである。これを拒否すれば電力供給の停止、労働者のサボタージユという事態が予想された。交渉の余地はない。いやでも受け入れるしかないが、ここで承諾してしまえば、北朝鮮はさらに無理難題を突き付けてくる。これでは事業の継続は無理。こう判断して首脳陣は中断を決断したのである。このままでは、掘れば掘るほど赤字になるからだ。被害に遭ったのは天池工業だけではない。

瀋陽の西洋集団も、ニ〇〇七年から北朝鮮の資源開発ビジネスに二億四千万元(約三〇億円)の投資を行なった。だが事業が軌道に乗り始めると、ここでも北側は取り決めを一方的に破棄、労働者の賃金、借地料、電気・水道代など一六項目の見直しを要求してきたのである。

一年後、西洋集団も事業撤退を決めた。度重なる賄賂要求も、彼らを辟易させた。こうした例を見れば北朝鮮のやり口は一目瞭然である。事業が軌道に乗り、利益が出始めるとそれまでの合意を一方的に破棄、一斉に値上げを要求するというパターンなのである。それは労働党の意向として現場に反映されたものなのだ。彼らは外国企業をタカリの対象としか見てはいないのだ”

P.174~175

ドルに姿を変える中国の富

現在世界一の外貨を保有する中国。その額四兆ドルである。繰り返すが、この膨大な富70%が対米投資などを通じて、ドル資産に化けている。そのうち、40%が先に紹介した 米国国債に充てられている。中国が日本を抜いて外貨準備高で世界.に登場したのはニ〇〇六年だが、それに合わせるように、中国政府のドル投資は加速している。現在でも外貨準備高は第二位の日本の三倍もあり、中国のそうした金融パワーは、米国経済にとっても必要にして不可欠なものとなっている。だが、中国にとっても、ここまで経済金融関係が深くなると、ドル暴落は他人事ではなく、中国経済の崩壊にもつながりかねない。

中国の巨大な外貨は貿易によって獲得されたものだが、その貿易高はニ〇〇一年にWTOに加盟した後、この一〇年で六倍に膨れ上がっている。いまではGDPのうち、実に50 %を貿易が稼ぎだしている。

さてその虎の子の貿易も、米国と依存関係にある。相手国のトップ5はEC、米国、韓国、日本、ASEANとなるが、EUとASEANは地域連合であり、国家単位でいう と、最大の輪出国は米国である。中国にとっても「敵国」米国がいちばんのお得意様、稼ぎ頭なのだ。

米国市場なくして、中国経済の成長も拡大もなかった。それは基本的に今後も変わるまい。対米輸出で稼いだ世界一豊富なマネーは再び米国に還流してドル体制を支える。この 構図が米中経済「同盟」関係なのだ。ここが米中両国の墓軸である。

 

宮崎正弘著『「中国の時代」は終わった』を読んで

 

中国ウオッチで有名な宮崎正弘氏の著作から小生が読者の方に知っておいて戴いた方が良いと思われる部分を抜粋しました。

P.82~84

⑥金持ちの海外逃亡

第六に前から指摘されてきた金持ちの海外逃亡と1兆ドルに達するカネの流出だ。 最近はこれを「教育移民潮」と比喩してかつての「民エ潮」に対比させる。不正な持ち出しに加えて、合法的な海外企業買収というM&A (合併•買収)の手口が顕在化した。いや「合法」を装っての海外逃避かも知れない。中国の2013年のM&A絲計は、じつに9兆6400億円に上る。中国海洋石油のカナダ「ネクセン社」の買収(151億米ドル)を筆頭に合計案件1232件、このうちの41%強にあたる384億ドルが中国の海外企業の買収である。これは合法的な海外流出資金でもあり、それも資源エネルギー分野のみならず海外の不動産物件、金融機関の買収など、これら三つの分野で全体の3割を占める。 中国の経済危機の要因に「移民」による人材とカネの海外流出もある。すでに公式統計だけで930万人が海外へ移住していることが判明している。「無能な人と貧乏人は中国に留まり、有能な人材と富裕層は海外へ出る。移民が改革開放の波にのってブームとなり、いずれ中国はバカと乞食しかいなくなり、残るのは大気汚染だ」という笑えないジョークが聞かれる。世論調査でも、中国人の過半は「中国から出たい」が夢だという。習近平が獅子吼する「愛国主義による中華民族の復興」が「中国の夢」とは天地の懸隔がある。大学でも論文は盗作が多く、教授に取り入れば優秀な成績、あるいはニセの卒業証書を取得して、これらの「ニセ秀才」が官位に就き、あるいは国有企業に入り、従って中国の国家運営もニセモノたちが繕うことになる。統計数字も企業報告もいい加減となり、会計報告はまったく信頼できない。米国系の監査法人が厳格に会計検査を行ったため中国企業幹部が激怒、中国から追放されたという例もある。毒入り食品、ニセモノのミネラル•ウォ―タ―。中国製食品は危ない。名品とされた 「農夫山水」を検査したら水道水より水質が劣化していた。子供が即席ラーメンを食べたら食中毒で三人が死亡、粉ミルクで赤ちゃんの死亡事故もおびただしく、だから日本へ来ると明治粉ミルクを大量に購入するなど富裕層は食材を海外から求める。庶民の不満は体制の矛盾、特権階級の肥大化にあり、本物の改革を希望するのだが、海外で成功した華僑らは、なぜカネをもって帰国し、国家の再建に協力しないのか?それは民族の魂が不在であり、愛国心がないからである。少なく見積もっても930万人(公式発表)の中国人が海外へ出た。実態は2倍近いはずでおそらく2000万人の中国人が世界各地へ散った。才能のある人が活躍できる公平な機会がなく、カネのある人は財産管理の安全に問題があり結局は海外に出るのが得策という判断となる。こうして有能な人材と富裕層の海外脱出を「移民」というタームで一括するのは問題があり、本質に横たわる中国の経済危機の主因の一つはおびただしい「移民」という名の海外脱出である。これがいずれは中国経済に深刻な悪影響をもたらすだろう。金(ゴールド)輸入の外貨上のからくりは、香港へ輸入した金をいったん保管し、中国国内で信用状を開設して国内へ持ち込む場合、金利差を利用して口銭を稼ぐ手口が一般的で貿易統計の水增し同様に、金が書類上何回も香港と中国を往来して嵩上げされ、鞘抜きをしている金融業者、金取引業者の副業が目立つ。

P.87~95

米企業も陸続と中国から撤退

HP(ヒユーレット•パッカ—ド)、J&J (ジョンソン&ジョンソン)、Bスクエア、 IBMなどは世界的規模で大規模な人員整理に踏み切り、とりわけ中国の拠点を縮小するとした。在北京全米商工会議所の統計では29%の中国進出の米国企業が売上げ激減に見舞われ、業務の縮小を検討していることがわかった。世界最大の人材派遣企業「マンパワー」の調べによれば、中国での外国企業の求人は25%の落ち込みを示しているという。いずれも主因に賃金の高騰による経営不振を挙げた。防空識別圏ばかりではない、中国の身勝手な論理は外国企業排斥のために、今度は「独占禁止法」違反を乱発し始めた。米国通信ハイテク企業のクアルコムは売上げの半分を中国で稼ぎ出してきた。2013年11月26日、中国当局は「独占禁止法」の疑いで同社を捜査していると発表した。なんだか胡散臭い。「独占禁止法」って?中国の長厚重大ならびに通信などハイテク分野は国有企業。あるいは私企業を装った国有企業(たとえばレノボ、華為技術など)の独占的な拡大を一方に見ながら、外国企業に独占禁止法を適用するなど、ちゃんちゃらおかしいのである。先般、グラクソ.スミス•クラインが同容疑で当局から捜査され、さらに米国シスコ 社も捜査の対象となった。現象的に見るとHP、IBM、シスコ社など錚錚たる米国企業が中国市場での販売額を激減させている反面、「スパイ企業」と米国から言われる華為技術など中国メ—カーの製品が市場で躍進している。IBMはじつに22%の減収を示した。HPも「これまでの中国での市場とまったく様変わりだ」と直近の市場状況を語っているという。 これらの背景にあるのは華為技術、中国通訊 (ZTE)など中国の国内産業が技術力をつけ、販売を躍進させ、パナソニックが用済みになって追い出されたように、あるいはトヨタもまもなく御用済みとなって市場から追われるだろうが、そろそろ中国にとってはハイテク技術をほぼ盗み終え、これ以上、中国に居続けてもらっては邪魔だからである。簡単なことだ。コンビユ―タ産業ばかりではなく、フランスの飲料企業デノン、米国珈琲チェーンのスタバ(スターバックス)も「独禁法違反」で手入れされそうである。英誌『エコノミ スト』はこの背景には「スノーデン事件」も絡むと分析している(同誌13年11月30日号)。エドワード・スノーデン事件とは2013年6月、CIA工作員、NSA要員だった履歴をもとに秘密情報をコピーして香港へ渡航し、メディアと次々に会見し、米国の情報工作の実態を暴露したスノーデンの秘密漏浅事件を指す。彼が暴露した米国の情報工作実態とは驚くべきもので、①米国は世界の通信を傍受している、②IT企業がNSA、CIAの作業に協力している、③米国の情報機関もハッカー攻撃をかけている、 ④同盟国といえども政治家、企業などの通信を傍受しているという衝撃の内容だった。これらの経緯からスノーデンは米国企業の機密に関しても何かをしやべったのではないかという疑惑がある(現在ロシアに亡命中)。

中国から逃げ出しているのは何も日本企業や台湾、韓国ばかりではない。 スタパは珈琲代が高いと文句を言われ、製薬のグラクソ.スミス•クラインは不正取引(賄賂)ありと裁判に持ち込まれ、豪華奢侈品ブランドは売上げを3割も減らした ことは述べたが、フランスの豪華ブランデイ「レミー.マルタン」も売上げが3割の激減、シスコ社ならびにクワルコムは、スノーデン事件の影響があってハードウエア製品の売れ行きが鈍り、またツイッター、フエイスブック関連は中国の法律(報道管制)のため市場に食い込めず、レブロンとロレアルも中国市場からの撤退、あるいは縮小を検討中。売上げ増をかろうじて示したのはGMとアップルだけだった。海賊版に悩まされ、特許裁判は中国の常勝であり、著作権は支払うと言っても、実際には振り込みがない。そのうちにキヤタピラ-社と同質のブルドーザーやスマートフォンなど、中国企業が独自で製造できるようになり、かつての反日暴動におけるパナソニック、イオン放火事件のように「用済み」になれば、追い出し活動も始まるだろう。予兆ありと見たか、IBMはサーバー事業部門を高値でレノボに売却。売り逃げに成功した—日本企業もこの手があることをお忘れなく。

中国国内の不動産王も投資先を海外へシフト

日本企業の多くが中国からの撤退を開始している。台湾企業は3分の1が撤退した。 韓国企業の多くはとうに山東省から夜逃げした。さらに撤退が加速するだろうとの予測は、2014年4月20日に起きた「三井商船事件」であろう。戦後賠償は日中共同声明で解決済みである。しかし中国側は戦前の補償を求めて個別民間人の訴訟を黙認しており、なんと戦前の用船契約が未払いだとして、それを維続したと見なされる三井商船の船舶を、浙江省の港で差し押さえるという暴挙を演じたのである。1972年9月の「日中共同声明」は「中国政府は日本国に対する戦争賠償の請求を放棄する」と明言している。商船三井は結局、40億円を支払った。さて欧米の金融機関は中国の銀行株をすでに売り逃げており、香港の不動産王らも逃げ腰の態勢だ。中国国内の不動産王らは逆に中国投資から海外へ投資先をシフトしている。中国国内市場に見切りをつけたからであろう。中国最大の不動産デベロッパーは万科集団(英語名VANKE)。すでに欧米各地に豪華マンションを建てた。有力な「SOHOチャイナ」はニユーヨークの豪華物件を購入したが、なかにはブラッド・ピットやレオナルド・デカプリオが人居する物件も含まれる。中国財閥第一位の大連万達集団(王建林社長)は不動産から娯楽産業へのシフトを図り、世界最大の映画館チエーンを狙って全米最大のチエーンを買収した。そのうえ本場ハリウッドに乗り込んで映画製作に乗り出すと表明し、青島に巨大なスタジオを建設して中国最大の「映画村」とする。不動産が本業だった時代に比べると、王建林ははやばやとバブル崩壊を見越して次の時代を先取りしていることになる。王建林は「財産の5分の1は海外事業展開に振り向ける」と豪語した。欧米金融機関の中国からの撤退理由は狂気の投機の結果、中国の至る所に林立した幽霊マンション、ゴーストタウンに恐れをなしたからだろう。ゴーストタウンとしては内蒙古オルダスが悪名高いが、河北省唐山、遼寧省の栄口も巨大都市が完成して入居率はゼ口に:近く、「夜間は真っ暗闇になる」と新華社さえもが伝え始めた。かくして不良債権の爆発は時間の問題となった。「しかるに大都市で不動産価格が不思議に上昇し続けており、また二番目のマンション購入は70%の頭金、しかも20%の税金が課せられるというほど当局は冷却化政策をとっているにもかかわらず、いったい誰が買っているのか?地方の幽霊マンションは地方政府、銀行、そして国有企業がひそかに購入してパランスを取っているようだ」(英誌『エコノミスト』2013年11月16日号)。つまり庶民には手が届かず、中産階級がいかほどの購入をしたかはまったくわからない。中国経済の闇である。大手コングロマリットの「複星国際集団 (英語名FOSUN)」は、ニユーヨークのワンマンハッタンプラザ(複合の摩天楼) を購入し、またSOHOチヤイナはウォールストリ—トに近い地区にあったGMビルも購入した。

中国人は機を見るに敏である

中国国家フアンド(CIC)がダミーのフアンドを豪のシドニーに設立し、盛んに日本企業の株式を買ってきたが、最近、ほぼ売却したことがわかった。謎のフアンド「05オムニバス•フアンド」が日本のトヨタなど有力企業の大株主として名を連ねるなど、 およそ4兆2000億円前後の日本株式を保有していた。その7分の6に当たる株式を市場で売却し残高は7000億円程度という。「名義書換」ではないかとの憶測もあるが、それより「手元不如意」による急ぎ売却だろう。中国の国有銀行が不良債権の爆発に備え預金準備率を引き上げる必要があり、そのためにはなりふり構わず海外資産の取り崩しをしていると考えたほうが理にかなう。 さて中国は「上に政策あれば下に対策あり」の国である。 上が上なら、下はどうする?香港の金製品宝飾品販売の最大手「周大福」は金の売上げが前年比の2倍近くに達したと記者会見した(2013年12月2日)。同社のCEO鄭家純によれば「中国本土からの旅客が猛烈に金製品を買った」とし、2013年4〜9月の半期で460億円になった。香港にはほかに「周生生」や「六福」などの金宝飾大手があり、そろっての増益を発表した。つまり庶民は庶民なりに金融破綻、バブル崩壊、猛烈インフレが近いと直感的に判断し、人民元暴落の事態に備えて金に替えているのである。ビットコインも同じ文脈から人民元の崩壊に備えての行為であろう。安倍首相の靖国神社参拝を中国で騒いだのは共産党関係だけ、庶民はそんなことにまったく無関心である。姑息な紙面作りをしていた『朝日新聞』は安倍首相の靖国神社参拝直後、読者にアンケート調査を実施したところ、あまりのことに13年12月29日の紙面で、誰も気がつかないような小さな記事(なんと30面の下の方にゴミ記事扱い)を配して、「賛成」が60%、「反対」がわずか15%だったことを渋々伝えた。周知のようにヤフーの「参拝を妥当だと思いますか?」という調査では、12月26日から2014年1月5日までに合計48万8731人から回答があり、「妥当」とした人が 37万2861人(実に76.3%)、「妥当でない」と回答したのは11万5879人(23. 7%)だった。

P.105~106

ついに石炭業界も債務不履行に陥った!

後智恵になるが、リーマンショック直後の中国の財政出動は4兆円(当時のレートで57兆円)だった。降って湧いたようなカネに群がり、各地に高速道路、団地、そして新幹線が東西南北に1万キロ !それ以来、つまり2009年から13年までに固定資産(住宅、マンションなど)に投じられたカネは2 600兆円。だからGDPの47%は不動産という中国の歪な変形経済構造が出来上がった。また同期間、成長率より高い通貨供給の増大がみられているが、これは主として「借り換え」のためである。石炭はピークを打った。2000年代に4倍に跳ね上がっていた石炭価格は2〜3割下落した。国際価格は暴落し、鉄鉱石もインドや豪で余りだした。鉄鋼も粗鋼生産6億トンという異常な生産過剰、在庫過多に陥って鉄鋼業界そのものが再編過程、あちこちの鉄鋼場の灯が消えた。中国の石炭業界は大手100社、ほかに数千の民間企業が鉱山を経営してきた。•中でも本場が山西省、遼寧省、黒竜江省だ。大手の一つ「山西振富能源集団」は資金繰りが悪化したため「中誠信託」なる高利の投資信託を売り出し、その商品名は「中誠誠至金開一号」。中国エ商銀行が預金者に販売して70億元(1260億円)をかき集めた。誠意のかけらもなかった。償還がきてもカネはどこかに消えていた。元利保証は詐欺だった。しかし販売した中国工商銀行は責任を取らなかった。2014年1月、債務不履行が生じ、各地で取り付け騒ぎに発展した–これは石炭業界全体を震撼させる由々しき事態だが、突如、「身元不明」の投資家が現れ、元利を保証し た。これから石炭と不動産バブル期に販売した高利の理財商品の償還が本格化する。地方政府の債券も償還時期を迎える。そのうち2割前後しか地方政府は債務保証していないけれど、貴州省などは明らかに地方政府の補償限界を超えていると指摘している。 次の危機に遭遇しても、「身元不明」の投資家が土壇場で現れることも想定されるがおそらくそれは中国の国庫からの緊急融資であろう。

P153~154

不動産価格は68%下落する

さて、中国の不動産価格はどこまで崩落するだろうか?昔から北浜や兜町の相場師が口癖にした下落の原則は「半値・8掛け・2割引」である。つまり68%下落する。日本のバブル崩壊後の株価はまさにそうなったが、中国の不動産価格も同じリスクに直面していると見て間違いない。というのも、新型の「不動産暴落暴動」が起きているのである。毒性の強い化学剤や染料原料、電池の原材料を垂れ流し、地域に奇病が蔓延するために住民が立ち上がった 「公害反対」という新型暴動も頻発しているが、昨今、都市近郊で起きているのは「不動産バブル崩壊序曲」。マンションのモデル展示ショーケースの打ち壊しである。これは暴動前夜の「予行演習」にあたるかもしれない。不動産価格が下落し始めたところ高値で買った居住者が「金返せ」と押しかけ、モデルームや模型の破壊を始めたのだ。日本のマンション販売はモデルルームに内装をすませ、応接セットや調度品を飾ったギャラリ—となっており、そこで商談を進める。ところが中国はコンクリ打ちっ放しの状態で販売する(内装はフロアリングからインテリア、トイレ、水道、電気配線と電球一式が購入者負担)。だから幽霊タウンというのはコンクリートむき出しのまま、窓ガラスも入っていない。このゴーストタウンが中国全土あちこちに出現したことはご承知の通りで、とうとう新華社も写真入りで報道を始めた。高値で購入した人たちは価格が下落すればローンの負担が重荷になり、手放したくとも、もはや買い手がいない。そこで徒党を組んでデベロッパー相手に「金返せ」「値上りしない責任を取れ」などと呼号し、モデル模型展示場へ押しかけて「下落した差額を補償せよ」などとわめいて模型のショーケースをぶち壊すわけだ。不動産バブルが崩落し始めたが、まだまだ序の口。「半値・8掛け• 2割引」となれ 100が32に化ける。極端な話、中国の不動産価格は過去10年で10倍になったから10分の1に戻っても不思議でない。

P.156~158

日本はこんなときロシアを政治利用すべきではないのか

ソチ五輪開会式に飛んでいった習近平と仲良く握手して見せたプーチン(ロシア大統領)だが、中ロが仲良く提携できるのはジエスチヤーでしかなくロシアの中国に対する警戒心は根深い。プーチンは安倍首相とは他の首脳をさしおいても、特別にランチをとったほどだった。プーチンは意外にも日本に親近感を持っており、柔道を通して日本の武士道を理解して いる不思議な人物である。中国が台頭し、軍事的脅威に晒されている状況では、ロシアを政治利用するべきだが、果たして日本の政治家でそれだけの胆力と構想カに富む指導者がいるか。ロシアが疑心暗鬼なのにはいくつも理由があるが、特に2012年に中国が砕氷船を北極探査に派遣したこと、また13年には北極海航路へのアジア側の通過海域であるオホーツク海に中国艦艇が進出したこと、これらを異常に警戒するロシアは周辺海域で海軍の軍亊演習を実施している。 中ロが仲良しと表面的にとるべきではない。ただし後節で述べるように、ウクライナ問題の浮上によって欧米がロシアと対決姿勢に入った反動から、モスクワはふたたび北京に近づいた。これは東郷和彦(京都産業大学世界問題研究所長)が指摘するように「中ロ同盟という悪夢」(『日本経済新聞』 2014年5月4日付)に繫がりかねない危険性がある。とはいうもののシベリアへ潜り込む中国の不法移民にロシアは業を煮やしており、ハバロフスク地方では2012年の1年間だけで「ロシア連邦保安局」(FSB)は1000人以上の中国人不法移民を国境で阻止し追い返した。ナホトカのチャイナタウンはほとんどがらんどうである(空気の綺麗なシベリアへ移住したい中国人の気持ちはわかるなぁ)。同年秋、ロシアはモスクワで非合法の屋台を一斉に手入れし、数百の中国人行商人を追放した。報道されていないが、不法移民の中にはおびただしい数の中国人女性の売春婦が混じっていた。韓国の売春婦の輸出は世界中で有名だが、中国の売春婦たるやダンピング輸出、たとえばニュージーランドなど相場を崩すので既存の業界から総スカンという有様である。

 

12/28産経新聞【あめりかノート】 古森義久氏の外務省の記事について

日本に対する外国の言われなき誹謗中傷に対抗できないのは、国民一人ひとりの自覚が足りないからと思っています。昨年8月4日にブログを始めたときにも書きましたが、日本人は権威に弱いと言うか、偉いと一般に思われている東大とか朝日新聞とかの言うことを疑いもしないで簡単に信じてしまいます。昨年の朝日新聞の慰安婦報道への誤報・謝罪で明らかになったように、彼らは意図的に嘘を長い間日本国内に撒き散らし、自説への反論を許さないで来ました。国民全体がオレオレ詐欺に遭ったようなものです。国民一人ひとりが朝日新聞や日教組が代表する嘘に簡単に騙される左翼脳から事実重視の保守脳に切り変わらないといけないと思います。

もう一つの権威である外務省も害務省と揶揄されるほど機能低下しています。国益を求めて相手国と戦うのが彼らの仕事なのに、軋轢を恐れて小手先のことしかしない先送りの公家集団です。慰安婦について国民に真実が明らかになって、中国・韓国に対する国民の目が厳しくなってきているのだから、国内世論をバックに国際世論を喚起すればよいのにそうしません。中国・韓国からの抗議を恐れ(彼らはヤクザ同様しつこいので相手にしたくない)、米国から「修正主義者」と言われるのを恐れて、戦わないのが得であるという小役人のレベルです。でも東大とか京大出身が多いので自分は頭がいいと思い、必ず民間より上席にするなどプライドだけはやたら高いのです。日本国民を守らず我先に逃げるタイプです。まず相手と戦ってほしい。出来なければ解体して、古株の人事の影響力をそいだ新たな組織にしたほうが良いと思います。

記事

◇慰安婦問題のぬれぎぬ晴らす好機なのに…奇々怪々な外務省の対外発信  

日本国の対外発信がいまほど必要かつ好機である時期はこれまでなかったと思う。慰安婦問題での日本への世紀のぬれぎぬを晴らす緊急の必要性は未来の日本への汚辱を考えるまでもない。南京事件など戦史を利用しての中国の対日誹謗(ひぼう)作戦への対処も終戦70周年の来年の展開を思えば、切迫した必要性が明白だ。尖閣諸島に迫る中国の脅威への抑止の議論も同様である。

慰安婦問題では米国や中韓両国の「日本軍の組織的な女性の強制連行」という糾弾フィクションの虚構がいまほど明白になったことはない。日本国内では朝日新聞の虚報を否定するコンセンサスが確立された。官民が一致して、正確な事実を外部世界に発信すべき千載一遇のチャンスなのだ。ワシントンで長年、強制連行はなかったと説いて、米側の反発はもちろん背後の日本側からの弾丸をも浴びてきた私からみれば、想像もできなかった好機である。

だが対外発信では先導役となるべきわが外務省の姿勢が奇々怪々である。自明の優先順位を逆転させているのだ。オールジャパンの最優先課題は歴史認識や領土問題での関係諸国や国連への日本側の主張の拡散である。米国では国政の場や言論界、学界、一般有識者に直接伝達する。日本側主体の慰安婦問題のシンポジウムを開く。日本の専門家が米側に議論を挑む。新たな調査白書を出す。米側メディアに日本の見解を発表する。ちょっと考えてもできること、すべきことは多々ある。戦争がらみの歴史問題では戦争犯罪は南京事件も含めてとっくに裁かれた事実が大きい。戦後の日本が平和主義に徹してきた実績も大である。

だが外務省の対外発信計画は「ジャパン・ハウス」と仮称される施設の建設が最優先なのである。その発信の主体は和食とアニメだという。計画の詳細について私自身、外務省の担当官らの懇切な説明を2回、しかも長時間受けた。その説明は「戦略的対外発信の強化」をうたっていても、いざ具体策となると、日本の文化や芸術の魅力を広める拠点としての新施設をロンドンやロサンゼルスに開くことが最優先かつ最重要としか思えない。新拠点から歴史や領土の発信もするというのだ。

ところがその拠点はすでに存在する。まず各国の日本の大使館や領事館がその機能を果たせる。ワシントンやロサンゼルスには大使館所管の立派な広報文化センターがある。ふだんは映画の上映や文化の展示しかしていないが、政治的行事を催す能力は十二分にある。だからいまの外務省案は重病の患者に治療や投薬のかわりに、まず病院を建てると告げているような倒錯を感じさせる。ワシントンでは慰安婦問題を含めての日本の歴史問題がテーマとなる討論の催しは頻繁である。だがわが外務省代表たちが日本の主張をきちんと述べるのを聞いたことがない。その場にきてもいない。こんなときに中国の古言を使わねばならないのは残念だが、まさに「まず隗より始めよ」ではないか。(ワシントン駐在客員特派員)

西表島について-4

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マリユウドの滝

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カンビレーの滝

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カンビレーの滝

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ホテルでの演武

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ホテルでの食事の前菜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西表島について-3

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ホテルの正月飾り               ホテルのプライベートビーチ          人を怖がらないチュウサギ

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浦内川マングローブ              浦内川からの海側               キッチンイナバのオリオンビール

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キッチンイナバの魚カルパッチョ       キッチンイナバのガサミ汁           キッチンイナバの社長の三線