ブログ
ブログ一覧
5/31伊勢雅臣メルマガ掲載 『地球史探訪: 海洋国家の衰亡への道 ~ 月尾嘉雄『日本が世界地図から消滅しないための戦略』を読む』記事について
月尾氏は東大教授だったにも拘らず左翼に汚染されていません。東大の先生が全部汚染されている訳ではないですが。カルタゴについては昨年9月にチュニジアに行って見てきました。海に面して遺跡がわずかながら残っていました。床がモザイク模様でした。塩野七生の『ローマ人の物語 ハンニバル戦記』と森本哲郎の『ある通商国家の興亡』にカルタゴが出てきます。本記事に書かれているような浮かれた気持ちしか持てない国民は滅ぶしかないという警世の書だったと思います。特に『ある通商国家の興亡』では第二ポエニ戦役でローマが要求した講和の条件は第二次大戦で米国が要求した武力放棄(ローマの命なく戦争してはならない)と酷似しています。
集団的自衛権で後藤とか辻元とか民主党は下らん質問ばかり。中国が南シナ海を手に入れようとしているのに“clear and present danger”と言うのが分からない人達です。「一国平和主義」というのは覇権国アメリカですら難しいのに日本にできる訳ありません。鎖国すればよいのでしょうがグローバルな時代にそれは無理です。民主党は日本に対し「鎖国せよ」とか中国に「隷従せよ」とでも思っているのでしょうか。武力侵攻を喜んでするような国に隷従したら国民がどうなるか分かるでしょう。チベット、ウイグル、モンゴル族が如何に悲惨な目に遭ってきているか、本ブログで何度も書いてきました。多国間同盟で中国を封じ込めるしかありません。
今の日本の経済人は経済にしか目が行きません。金儲けのことだけ。戦後すぐ位は、財界人は「国家と共にある」と言うほどの人物が多かったですが。然るに今は志の低い人ばかり。勿論経済力は軍事力の基礎となりますから、成長させていくことは非常に大切です。しかし、儲かればよいと言って敵に塩を送るのはどうか。三島の諌言、前述の森本の警世など、聞く頭になっていないのでしょう。(今調べて、森本は朝日新聞の編集委員をしていたというのでビックリですが)
オランダの事例で言えば今の米軍に戦闘させて自分は金儲けだけと言うのではアメリカ人の反感を買うという事です。アメリカも日本に多く基地を置いていたのはいわゆる「瓶の蓋」の役目だったのでしょうが、時代と環境が変わりました。日本の基地こそが「自由を守る砦」に変わる訳です。キッシンジャーが周と約束したことは全部裏目に出ました。彼も中国から金を貰っている口でしょうけど。「騙す人が賢く、騙される方が馬鹿」という民族性を知らないためです。中国を恐れ、日本の基地を置き去りにしたらアメリカは末代まで「臆病者」の烙印を押されるでしょう。宮崎正弘氏の言うように「第七艦隊」を日本の持つ米国債で買ってくれとなりますか?
記事
カルタゴ、ベネチア、オランダに見る海洋国家の衰亡への道。
■1.「日本という国家が消滅することはないという幼児のような楽観」
『日本が世界地図から消滅しないための戦略』というショッキングなタイトルの新刊が出た。著者の月尾嘉雄(つきお・よしお)東大名誉教授はもともとは建築学が専攻だが、最近は地球環境問題やメディア政策など幅広い分野で発信をされている。
この本の前書きは次のような印象的な一節で始まる。
国旗掲揚と国歌斉唱に異論のある人々が日本に増加しているようであるが、それをしたくてもできない民族の苦痛を想像してみれば、そのような異論が愚論であることが容易に理解できるはずである。それは日本という国家が消滅することはないという幼児のような楽観を根底とする幻想でしかない。[1,p1]
チベットやウイグルなど、自らの国家を失い、少数民族として圧政に苦しんでいる民族は少なくない。第二次大戦後に消滅した国家は約180にもなるという。
■2.消滅した古代海洋国家カルタゴ
我が国と同様の海洋国家で、長く栄えながら滅んだ国が歴史上、いくつもある。
その一つ、カルタゴは、北アフリカの地中海沿岸、現在のチュニジアの近辺で栄えた古代海洋国家である。紀元前814年に建国されたという伝説を持ち、紀元前6世紀から西地中海の海運交易を握り、エジプトからモロッコ、さらには現在のスペインのあたりまで領土を広げていった。
しかし、イタリア半島から発展したローマと紀元前264年から146年までの120余年間に3度も大きな戦いを繰り広げ、一時はハンニバル将軍が象の一群を率いてアルプスを越えてイタリア半島にまで攻め込んだが、最終的には敗北した。
ローマは通常は「敗者さえも同化する」寛大な政策をとって発展したのだが、ことカルタゴに対しては特別で、1世紀以上の度重なる戦いの報復として、カルタゴ市民を虐殺し、都市はすべて破壊した。カルタゴは地上から消滅し、その遺跡は19世紀まで発見されなかった。
■3.滅亡の第1の要因:傭兵
カルタゴが消滅したのはローマとの戦いに敗れたからであるが、実際にハンニバルのイタリア半島侵攻ではローマ征服の一歩手前までいきながら、最終的にはなぜローマに滅ぼされたのか。
その理由として月尾氏が最初に挙げているのが、傭兵に依存したことである。海洋国家であるから海軍は自国民中心で構成されていたが、陸軍は大半が傭兵であった。傭兵の目的は金銭であり、カルタゴのために命をかけるという志はない。
それに比してローマは当時は共和国であり、市民は祖国のために、子孫のために、命をかけて戦うことを名誉と考えていた。いかに名将ハンニバルが何年か活躍しても、1世紀以上も戦い続ければ当然この違いが出てくる。
傭兵が頼りにならない事は、その後の歴史で何度も実証されている。たとえば、ロシアは日露戦争で当時属領として支配していたポーランド人をロシア軍に含めて送り込んだ。日本軍はポーランドの独立運動と連携して、ポーランド兵の脱走工作を行い、投降したポーランド兵数千人を松山の収容所で厚遇した。[a]
対する日本兵はすべて国民兵であり、家族のため、国家の独立維持のために命を捧げることを厭わなかった。[b]
大東亜戦争でも、日本陸軍は開戦後わずか2ヶ月でマレー半島のイギリス軍を駆逐してシンガポールを占領したが、その成功要因の一つに英軍10万の半分を占めるインド兵に呼びかけて、「インド独立のために一緒に戦おう」と呼びかけたことがある。ここで結集したインド将兵たちが、現在の「インド国民軍」の中核となった。[c]
いくら経済的に繁栄しても、国家の独立を守るのは自前の防衛力である。金で雇った傭兵では、いくら優れた将軍や武器を備えていても、長期的に国家を守る真の防衛力にはならない。
■4.滅亡の第2の要因:経済史上主義
敗戦の第二の原因が経済至上主義である。月尾氏は次の史家の言葉を引用している。
「カルタゴの歴史は文明の浅薄さと脆弱さを示している。彼らは富の獲得だけに血道をあげ、政治的、文化的、倫理的な進歩を目指す努力をしなかった」(J・トゥーテイン)
目先の利益にだけに目を奪われていては、日ごろから防衛のための備えをすることもおろそかにされる。青少年には国家公共のために働くことを名誉とみなす倫理教育もできなかったろう。
そもそも豊かな文化伝統なしに経済至上主義の中で育てられた青少年には、祖国のために尽くし、祖国の危機には立ち上がる祖国愛も育たなかっただろう。
■5.滅亡の第3の要因:ローマの敵意に対する鈍感さ
滅亡の第三の原因として挙げられているのが、ローマの敵意に対する鈍感さである。
第一次ポエニ戦争(紀元前264~241年)の敗戦では広大な領土放棄以外に、年間の農業生産に匹敵する賠償金を24年に渡って支払うこと、さらに第二次ポエニ戦争(紀元前149~201年)では、同程度の賠償金を50年間支払い続けることとされたが、カルタゴは、その通商での経済力でいずれも早めに完済してしまう。
それほどの経済力を持ったカルタゴを危険視して、ローマの政治家たちはカルタゴを滅亡させるべきと決心する。
第二次ポエニ戦争での敗戦にもかかわらず、その後も発展しているカルタゴを脅威とする人々がローマに増加していくが、その中心にあったのがローマの政治家マルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウス(大カト)である。第二次ポエニ戦争に従軍して敗走した経験もあり、カルタゴへの敵愾心に満ちていた政治家であった。
カトはカルタゴから輸送されてきた見事なイチジクを聴衆に見せ、このような立派な農産物を生産する国がローマから三日の航海の距離にあると演説し、その最後を「デレンダ・エスト・カルタゴ(カルタゴを殲せんめつ滅すべし)」と締めくくっていた。この繰返しが次第にローマ市民に浸透し、戦争の気運が高まっていった。これが第三の教訓である。[1,p31]
ローマはカルタゴに、地中海に面した首都を捨て、内陸部に遷都せよ、という無理難題を要求して、ついに3度目の戦争に追い込む。そしてカルタゴを破った後は、その都市を跡形もなく破壊し、住民を虐殺するという、敗者に対して寛容なローマにしては珍しく残虐な措置をとったのも、こういう反カルタゴ感情がゆえであろう。
不思議なのは、カルタゴがこういうローマの敵意に対して、鈍感だったことである。経済至上主義で国の安全に無頓着であれば、他国の脅威に対しても、敏感にはなれなかったのだろう。
■6.ベネチアの繁栄と衰亡
カルタゴと同様に、地中海での通商を握って、長期間、栄えながら滅んだのがベネチアである。海上に浮かぶ小さな人口島を本拠地として、697年の初代元首就任から1797年にナポレオンに征服されるまで、実に1,100年間も独立を維持した[a]。優れた造船技術を武器に、最盛期には地中海最大の海洋国家として栄華を誇った。
ベネチアについては本誌104号[e]で紹介したので、ここでは繰り返さないが、そこで強調したのは、発展の原動力となったのが貴族も平民も国家に尽くそうという強い同胞感だった事だ。この力によって、人口10倍もの大国トルコと250年間も戦い抜いたのは、カルタゴとは大きく異なる点である。
しかし、最後には衰退し、ナポレオンに屈服するのだが、そこでの要因として、月尾氏は以下の3つを挙げている。
第1は技術革新への乗り遅れ。15世紀にポルトガルで3本の帆柱を備えたキャラベル船が開発され、コロンブスのアメリカ大陸到達などの大航海時代が始まった。この船は造船単価が3.5倍にも跳ね上がるが、ベネチアは造船予算を1.5倍にしか増やさなかった。当然、保有する隻数は半分以下となり、海軍力も、交易力も大きく低下した。
第2はアジアとの交易で、アフリカの希望峰周りの航路が開拓され、ポルトガルやスペインなどの大西洋に面した港湾都市が交易の中心となったこと。従来の東地中海から中近東を通る陸上ルートは危険で、コストも高いので廃れてしまった。
第3に、国民の通商意欲の減退と、それを反映した人口の減少。海に向かう進取の気風が失われ、ベネチアの対岸の大陸部分に引き込むようになった。守りの生活に入ると、子どもの増加が財産の細分化につながるため、貴族の家庭で独身比率が高まっていった。16世紀の51%から、17世紀に60%、18世紀には66%と上昇していった。
これは肉体的な精力が減退したというよりは、精神的な意欲の衰退と理解すべき現象である。一八世紀末のナポレオンの恫喝(どうかつ)に戦時問題首脳会議も大評議会も弱腰で右往左往し、簡単に屈服した下地は、二〇〇年近い社会と国民の性質変化によって出来上がっていたということになる。[1,p40]
■7.オランダの海洋覇権がいかにイギリスに奪われたのか
月尾氏の著書にはないが、弊誌で紹介したオランダの盛衰も関連するので、簡単に触れておこう。
大英帝国が築かれる前に、オランダはアフリカの希望峰から、セイロン、ジャカルタ、広東、そして長崎の出島に至るまで植民地や通商拠点を置き、17世紀の世界貿易を握っていた。
オーストラリア大陸はオランダ人が発見し、オランダのホラント州から「ニューホラント」と名付けられていた。ニュージーランドは、同様にゼーラント州から付けられた名前がそのまま残っている。アメリカのニューヨークは、もとはニューアムステルダムだった。
このオランダの海洋帝国は、その後、ほとんどイギリスに奪われ、大英帝国として「上書き」されてしまう。
かつてオランダはスペイン帝国の一領地だったが、自由と独立を求めて同盟国イギリスと共に80年戦争を戦い抜く。戦争の途中、オランダの商人たちが実権を握ると、彼らは金はかかるが利益の少ない地上戦闘はイギリスに任せ、自らは海洋権益の拡大を目指した。こうしてオランダは一大海洋帝国を築き上げた。
しかし、このオランダの姿勢は、イギリスの反感を買った。イギリスの当時の重商主義者トーマス・マンはこう語っている。
__________
オランダ人が東西両インドを征服し、その交易の果実をわれわれからむしり取っている間、われわれはオランダの防衛のために血を流しているのである。[2,p219]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1648年にスペインとの講和が成立するや、わずか4年後には英蘭戦争が始まっている。その最中でもオランダ商人の中には、イギリスに軍艦用資材を売って大儲けする輩(やから)までいて、そんな状態ではオランダは勝てるはずもなかった。こうしてオランダの海洋覇権は次々とイギリスに奪われ、世界貿易の中心はアムステルダムからロンドンに移ったのである。
■8.日本が世界地図から消滅しないために
カルタゴ、ベネチア、オランダと、一時は海洋大国として隆盛を誇りながら、その後、滅亡ないし衰退した国家を見てきた。
これらの国々が発展する過程に共通して見てとれるのは、国民が経済発展を目指して自由に励む姿である。国民が自由に自らの利益を追求する時、個人の創意工夫によって新しい技術が生まれ、新たな航路が切り開かれ、交易が始まる。その活動が海洋大国を築く。
しかし、いざ戦争となると、経済力とは別次元の力が必要となる。カルタゴの例で見たように金で雇った傭兵では、命を懸けてまで国を守ってはくれない。自分の家族、郷土、国家を自らの生命を犠牲にしても守ろうとする祖国愛を持った国民が必要なのである。経済至上主義では、国民一人ひとりが自分の利益を追求するだけで、そのような祖国愛は生まれない。
各自が自分の利益だけしか眼中になければ、他国が敵意を燃やしていても気がつかない。カルタゴがローマの敵意に気がつかず、オランダがイギリスの怒りを買ったのも、経済至上主義の故だろう。祖国を守りたいという姿勢があってこそ、敵国や同盟国の動向・心理にも注意を払うようになる。
また、経済至上主義では、ある程度の豊かさを達成してしまうと、それに満足してしまう。ベネチアのように結婚して子孫を作るよりも、独身のまま今の生活を楽しんだ方が良いと考える。子孫のために、何とか新たな繁栄の道を探ろうという志を持たなくなる。
カルタゴ、ベネチア、オランダの歴史は、現代日本に二つの道を示している。一つは、経済至上主義で高度成長を遂げた現状で満足してしまって、十分な防衛努力もせず、近隣諸国の敵意や同盟国との連帯に注意を払わずに、少子化と経済停滞の道を歩むか。この道では、いざ敵国に攻め込まれたら、滅亡は必至だ。
第二の道は、祖国愛を蘇らせ、自らの国は自ら守るという気概を奮い起こし、防衛の備えを怠らず、子孫のために新たな精神的、経済的発展を志す。
日本が世界地図から消滅しないための岐路に我々は立っている。
(文責:伊勢雅臣)
5/29・30日経の中国の南沙諸島関連記事について
オバマのアメリカは真の敵が読めずにいます。アフガンで借りを中国に作ると言う発想はないでしょう。如何にテロリスト集団と言ったって戦闘レベルの話。中国がアメリカに挑戦しているのは金融、情報、軍事の分野です。タリバンやISの比ではないでしょう。宗教心もなく、拝金、自己中心の民族です。中国が覇権を握ったら、世界を悪に染めようとするでしょう。
中国はオバマが大統領でいる間に取れるものは取ろうとするでしょう。ペンタゴンは目にもの見せんとしても、大統領が軍事忌避で大局観がなく優柔不断であれば、南沙の基地より12海里の進出も難しいかもしれません。中国はそう読んでどんどん既成事実化を進めています。南シナ海が中国の手に落ちれば次に必ずや東シナ海に出て来るでしょう。そして太平洋の西半分を中国のものにとか考えているとアメリカが思っているとしたら甘い。絶対東半分にも出て行こうとします。先ず、その前に中国人を入植させ、いざと言うときにその国で内乱を起こせる準備をするでしょう。選挙のある国には移民をドンドン増やしていくでしょう。
アメリカも日本も中国と言う巨大な怪物を造った製造物責任があります。東南アジアの平和に責任を持たないと。衛星写真を公開したって中国が止まるはずはありません。織り込み済みです。バックパッシングは無責任です。アメリカ、日本、東南アジアが目の前の侵略に何も手を打たないとしたら、未来はもっと悪くなるでしょう。宥和政策は第三次大戦の引き金になります。
日本は早く国連の敵国条項を削除すべきです。中国は国連でそれを主張し、「日本に宣戦布告しろ」と筋違いの発言をして論理のすり替え、目先を変えようとするのでは。常任理事会に入るのに核も持たないのでは発言力なしです。そんなところに金と人力を使うのは無駄です。自民党も愚かと言うかリベラルの意見に引きずられて大局観を持てなくなってしまっています。でも一番罪深いのは日本のメデイアでしょう。不都合な真実を報道せず、中国をここまで大きくしたのは間違いなくメデイアです。高給を食んで日本を裏切った売国奴としか言いようがない。
記事
南沙諸島で活動する中国のしゅんせつ船を映した米海軍偵察機撮影の映像=ロイター
5/30米、中国に仕掛ける消耗戦(真相深層)
日本が中東から輸入する石油のほとんどが通る南シナ海。人工島の造成をやめない中国に、米軍が監視を強め、緊張が高まってきた。オバマ政権はどこまで本気で、中国の行動を阻むつもりなのか。
沖合の艦船から放たれた大きなホーバークラフトが、ものすごい勢いで海岸に近づき、砂浜に上陸した。精鋭部隊がそこから飛び出し、すばやく前進する……。
米海兵隊は19日、ハワイで上陸作戦の演習を実施した。これだけならふつうの光景だが、違ったのは、約20カ国の軍幹部がじっと見守っていたことだ。
17~21日、米海兵隊が日本や東南アジアの指揮官を招き、島しょ防衛に関する初の研修会を開いた。この中での一幕だ。米軍によると、目的は「各国の島しょ防衛力を高めること」。岩礁を埋め立てる中国をけん制するねらいは明白だ。
■激しい議論の末
米軍は今月に入り、偵察機や新型戦闘艦を南シナ海に送り、中国への圧力を強めだした。中国が工事をやめなければ、人工島の12カイリ(約22キロ)以内に、軍艦船などを派遣することもあり得るとも警告した。
背景にあるのは、このままでは南シナ海に中国が軍事拠点を築いてしまうという、オバマ大統領自身の焦りと危機感だ。
4月28日の日米首脳会談。日本側は、オバマ氏の対中認識が昨年の会談よりずっと険しいのに驚いた。「中国をめぐるオバマ氏の発言はかなり、厳しい。日米の対中認識のズレは埋まった」
では、米側がどこまで、軍事圧力をかけるつもりなのか。実は、中国が南シナ海で埋め立てを始めた昨年以来、国防総省や米軍内では、激しい議論が交わされてきたという。内情を知る元米政府高官は明かす。
「軍艦や軍用機を(中国の人工島近くに)送り、けん制すべきだとの意見が海軍首脳から出ていた。ただ、米軍が介入すれば、衝突の危険が高まってしまうとの声が根強く、結局、実行には移されずにきた」
構図が変わったのは今春。猛烈な勢いで埋め立てが進み、周辺国が懸念を深めるなか、オバマ政権も直接関与に転じざるを得なくなった。
ただ、中国との衝突を避けたいのは言うまでもない。そこで米政権が採用しようとしているのが、コスト賦課(Cost Imposing)と呼ばれる中長期戦略だという。政権に近い新米国安全保障研究所(CNAS)などが提唱している。
どんな内容なのか。CNASのパトリック・クローニン上級顧問によると、軍事、外交、宣伝などさまざまな手段を使って、中国の行動に重い代償を払わせ、時間をかけて、強硬策を断念させていくというものだ。いわば、消耗戦略といえる。
■日本の安保左右
米政府筋によると、すでに一部で実施されつつある。たとえば、(1)埋め立て状況を映した衛星写真などをひんぱんに公表し、国際圧力を強める(2)東南アジア諸国などへの支援を強め、島しょ防衛力を底上げする(3)同盟国と協力し、中国の監視活動を広げる――などが、その具体例だ。
すでに写真の公表は増やしている。今月、ハワイで開いたアジア太平洋諸国向けの島しょ防衛研修会は、(2)に当たる。米軍が最近、自衛隊による南シナ海での監視活動に期待感を示しているのは、(3)への布石だ。
もっとも、どこまで効果があるかは分からない。中国が大規模演習で台湾を威嚇した1996年。米国は空母2隻を台湾海峡に送り込むだけで、中国の挑発をやめさせることができた。
それから約20年。中国軍は強大になり、もはや力ずくでは抑え込むのは難しい。米政権内で「コスト賦課戦略」が浮上するのは、そんな厳しい現実の裏返しでもある。
9月には中国の習近平国家主席が訪米する。米中関係筋によると、ホワイトハウス内では、温暖化対策やイラン問題で成果を残すため、「南シナ海で対立しても対中関係全体を損なうべきではない」との意見もある。
勝算がないまま、南シナ海への関与に動くオバマ政権。その成否は、日本の安全保障にも跳ね返ってくる。
(編集委員 秋田浩之)
5/30中国、南沙諸島に兵器持ち込み 米当局者「軍事化反対」
【ワシントン=共同】米国防総省のウォーレン報道部長は29日、記者団に対し、中国が岩礁埋め立てを進める南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島に造った人工島の一つに兵器を持ち込んだことを明らかにした。米メディアによると、砲撃用の装置。
ウォーレン氏は「われわれは(人工島の)軍事化に反対している」と述べ、撤去すべきだとの認識を示した。現在も設置されたままかどうかは不明。
これに先立ち、米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米軍が撮影した人工島の写真で、移動式の砲撃装置二つが確認されたと報じた。
米軍艦船や航空機に脅威を与えるような性能はないが、ベトナムが領有権を主張する近くの島を射程に収めるといい、米当局者は同紙に「(周囲を威嚇する)象徴的な意味合いがある」と批判した。
在米中国大使館の報道官は同紙に対し、兵器持ち込みについて具体的な言及は避けたが「南沙諸島は中国の領土であり、軍事的な防衛のために必要なものを配備する権利がある」と主張した。
5/29中国、ひそかに米に「助け舟」 隠密の仲介工作 編集委員 秋田浩之
南シナ海の岩礁埋め立てをめぐり、米国と火花を散らす中国。ところが、オバマ政権の対外戦略にひそかな「助け舟」を出し、貸しをつくるという、したたかさもうかがえる。
多くのウイグル族がすむ中国新疆ウイグル自治区。その最大都市であるウルムチで今月20~21日、ある秘密会議が開かれた。
出席者は、アフガニスタン政府と反政府武装勢力、タリバンの有力者ら。アフガン和平を促すため、中国政府が両者を仲介する会議を主催したのだ。米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)が25日、独自情報として伝えた。
これだけではない。ロイター通信によると、5月3日、カタールでアフガン政府とタリバンの代表団との直接対話が開かれた。この席にも、米国と並び、中国政府関係者の姿があったという。
従来なら想像もできなかった光景だ。中国はアフガン和平にはほとんど、関与しようとしなかったからだ。いたずらに和平交渉にかかわり、イスラム原理主義勢力の反発を買えば、国境を接する新疆ウイグル自治区にテロが飛び火しかねないからだ。
■オバマ氏の訪中が転機
この姿勢に大きな変化がみられたのが、昨年秋だという。アフガンにかかわる国際機関関係者は明かす。
「中国は従来、アフガンへの投資には関心があっても、和平や復興には興味を示さなかった。ところが、オバマ大統領が訪中した昨年11月ごろから、中国のアフガンへの対応が目に見えて変わった。米政権の働きかけを受け、和平に積極的にかかわるようになった」
米国に「貸し」をつくる狙いが透けてみえる。オバマ政権は、アフガニスタンから米軍の大半を、2016年末までに撤収させると公約している。任期が残り2年をきり、この実現に焦っている。
いまアフガン和平に協力すれば、オバマ政権は評価し、南シナ海や人権問題などで中国に圧力をかけづらくなる――。中国指導部はこう読んでいるのだろう。
米中関係筋によると、オバマ氏の昨年11月の訪中時に、中国はアフガン問題で協力する用意があると伝達。ホワイトハウスも、中国のそうした姿勢を評価したという。
中国を動かすもうひとつの理由は、米軍が本当に撤収したら、アフガンがさらに混乱しかねないとの懸念だ。米軍が足抜けした後、同国に「力の空白」が生じれば、再び内戦が激化し、テロ組織の温床になりかねない。
そうなれば、中国にも重大なテロの脅威が及んでしまう。アフガンがさらに混乱に陥るのを防ぐため、今のうちから米国と協力し、和平に取り組もうというわけだ。
■忠告にじます王外相の発言
日本や東南アジア諸国にとって気がかりなのは、アフガン問題をめぐる米中連携が、南シナ海問題などにどう影響するのかだ。
南シナ海での埋め立てをやめない中国に対し、オバマ政権は今のところ、強硬な姿勢に傾いている。だが、中国側は「米政権は本気で中国と対立するつもりはない」と、米側の足元をみているかもしれない。
今月16日、ケリー米国務長官は北京を訪れ、王毅外相らと会談した。南シナ海問題で激しい応酬を交わしたもようだ。ところが、会談後、ケリー氏と記者会見にのぞんだ王外相は、こう力説した。
「米中関係は最も重要な2国間関係のひとつだ。アフガニスタンの和平、北朝鮮核問題、エボラ出血熱などの国際問題で協議と協力を深めたい」
中国は、米国が重視するアフガンや北朝鮮問題などで、協力する用意がある。これらの懸案を解決したければ、中国とはケンカしないほうが賢明だ。王氏の発言は言外に、そう米側に訴えているように響いた。
5/29 The Economist 『映画「疾風の9日間」がほのめかす中国の意図 習近平の政治的トークを、あの権力者の口を借りて語る』記事について
本記事の第一印象として、「疾風の9日間」は人民日報と同じように中国人民に思われているのでは。今人民日報をまともに読んでいる人民は共産党員と言えど少ないはずです。プロパガンダと分かっているので。また読んでも全然面白くありません。大衆の欲求から離れていますので。中国も言論の自由(政府・共産党を批判する自由)がないだけで、(と言ってもこれこそが自由の権利の中で一番大切なもの)、他は少しずつ緩和してきました。他に面白い新聞が沢山あるのに読まれるはずがありません。
「疾風の9日間」と「アベンジャーズ」最新作を比べるのはハナから勝負にならないのは見えています。方やハリウッド発のSFアクションと鄧小平のプロパガンダでは。鄧小平は毛沢東の権力基盤を削いだ廬山会議に欠席したにも拘わらず、後で出席したように繕ろおうとしました。共産党・国の常套手段です。どうせ都合の悪いことにはダンマリを決め込むのでしょう。
習は毛沢東をマネしていると言われていますが、それだけでは権威付けが足りないと思い、鄧小平も持ち出したかとの思いです。軍のNo2の氾長龍(団派に近い)が習に靡いたとの話もあります。本当に習が安泰かどうか。米国とは南沙諸島でぶつかる可能性大です。オバマはここで立ち上がらなければヒラリー民主党候補の次期大統領に赤信号が付くかもしれません。共和党は黙っていないでしょうから。
記事
中国共産党が米国の最強ヒーローと相まみえることはまずない。だがこの5月、コミックスの中で活躍するスーパーヒーローたちが登場する米国映画「アベンジャーズ」シリーズの最新作が中国の映画館を“襲った”。中国製の記録映画「疾風の9日間」(原題「疾風九日」)の上映開始から数日後のことである。
「疾風の9日間」のテーマは超大国の関係だ。1979年 に米中が国交を回復した直後に鄧小平氏が米国を訪問した。この9日間を描いたドキュメンタリーである。アベンジャーたちは人類を滅亡の危機から救うために戦うが、鄧小平氏は中国の国民を飢餓から救わねばならない。
現政権の主張を鄧小平の口を借りて訴える
この伝記映画には外交上の目論みもある。今年9月に習近平氏が国家主席として初訪米するのに先立ち、中米関係のイメージをアップさせたいのだ。
この伝記映画は、1978~1992年まで中国の指導者だった鄧小平氏の印象を利用することで、自分自身の地位を強化しようとする習近平氏の政策の一環だ。例えば昨年、国営テレビが鄧氏を扱った全48話のドラマを放映した。今回封切られた「疾風の9日間」は中国政府が直接出資したものではないが、作者でもある傳紅星監督は以前、国が支援する中国電影資料館の館長を務めていた。
米中以外が関わる地政学的内容の一部は編集の段階で割愛されたようだ。当時生じつつあった中国・ベトナム間の紛争については、英語による描写はあるものの、中国語には翻訳されていない。
この映画は国内外の観客向けに製作されていて(米国での公開日は今後決定する)、「中国は服従しない」との警告を確固たる態度で発している。鄧小平氏は米国側スタッフに対し、「我々は相手がしかけてこない限り戦争を望んではいない」と宣言する――これは習近平氏自身の外交政策を総括すると言葉と言えるだろう。
習氏は美辞麗句を並べて中国の「平和的台頭」を謳う一方で、南シナ海の一部を埋め立てたり、その他の地域で挑発的な行動を取ったりして好戦的な態度を強めている。だがこの映画は、中国が後に経済成長を実現するに当たって、米国との関係がいかに重要だったかを繰り返し強調している。
外交について隠し立てしない
普段、中国の報道から見えてくるのはきっちりと原稿が用意された会議や取引決定の様子だが、この映画からは、中国が外交関係の限界とリスクを隠し立てしなくなってきた状況がうかがえる。中国製の映画には珍しく、鄧氏の訪問が米国でどれほど物議を醸したか、そして政治家や世論からいかに反対されたかについて、包み隠さず描き出している。中国のソーシャルメディアユーザーの多くは今回初めて明かされた「鄧氏がクー・クラックス・クラン(KKK)のメンバーに襲われかけた」という話に多大な関心を寄せている。襲撃者が所持していたのはスプレー式塗料の缶だったが、映画はこの人物を暗殺者の可能性があった人物として描いている。
鄧小平氏の聖人伝になっている観はあるものの、「疾風の9日間」は他の多くの共産党プロパガンダに比べてずっと出来がいい。90分の間に過去の映像と現代の映像を巧みに織り込み、一部にはアニメーションすら用いている。
興行収入だけで見ると、「アベンジャーズ」は「疾風の9日間」に圧勝した。「疾風の9日間」の公開初日の収入は100万元(約1900万円)で、およそ2万8000人が映画館に足を運んだ計算。一方、「アベンジャー/エイジ・オブ・ウルトロン」の初日の収入は2億2400万元(約43憶円)で、中国における歴代2位を記録した。
5/28宮崎正弘メルマガ『アンディチャンの台湾通信』について
本記事にありますように来年1月の総統選に国民党は誰も名乗りを挙げません。以前見た中国時報の記事では王金平かと言われ、朱立倫が今月習近平と会ったから彼かもとも思いましたが、やはり昨年11月の地方選で国民党が惨敗しているのが尾を引いているようです。負けると分かっていて、選挙に金もかかるので誰も出ようとしないのではないでしょうか。
多分蔡英文が勝つと思われます。でもここに書かれてますとおり、来年1月に行われる立法院議員の選挙は大事です。2012年1月(任期4年)に行われた選挙結果は国民党65に対し民進党は40でしたから。レイムダックにならないためには立法院も民進党が抑えないと。今回ばかりはさすがのアメリカも馬に率いられて中国のいいなりになってきた国民党を応援することはないでしょう。
日本ももっと台湾の動向に注意を払うべきです。台湾海峡かバシー海峡を通って石油は運ばれるわけです。しかも国民党の教育は反日まで行かなくても、蒋介石の抗日を教えていると言われています。反日の中韓に相手をする必要はありませんが、親日国の台湾と交流を深め、今まで採ってきた誤った中国重視政策を改めるべきです。何も日本にいいことはなかったでしょう。軍拡、侵略の巨大怪物を育てただけです。
アンデイチャンは独立のことしか頭にないから民進党が人気がないと言いますが、それは違うでしょう。言いたいけど言えないだけです。金美齢の主人の周英明は「中華」と言う言葉が大嫌いだったと言われますが仕方がない。日本だって言われなき「侵略」「南京」「慰安婦」でも我慢しているではないですか。シンガポールのように政治的に独立を世界に認めさせれるようになるには時間が必要です。中国の自壊を待ちましょう。
記事
台湾の選挙はアジアの平和に大きな影響を持つ。中国の国際法を無視した進出でアメリカも次々と違った方針を打ち出している。来年1月の台湾選挙と、来年11月のアメリカ選挙が大きな変化を齎すに違いない。
来年の1月16日に投票が行われる台湾の総統及び国会議員の選挙があと6カ月余となったが、国民党は有力候補を出せないで焦っている。民進党は蔡英文が立候補したが、民間では民進党の人気がイマイチといった状態である。
しかも57席で国会の過半数を制することが出来る議員選挙では民進党が40区しか有力候補を出せないで困っている。第三勢力と称する民間グループは民進党に協力すると称して民進党が困難な17区に代表を出そうとしたが民進党は協調に乗らない。国会で過半数を取れなければたとえ蔡英文が当選してもレイムダックとなる。
アメリカは2012年の選挙でダグラス・パールを派遣して投票の二日前に国民党の馬英九支持を明らかにし、内政干渉した。米国の干渉で当選した馬英九は急激な中国接近をはじめた。やがて中国の領土主張と尖閣諸島や南シナ海における勝手な領土主張と埋め立て多島々で基地の建設を始め、アメリカはようやくアジアピボットを唱えるようになった。
台湾は第一列島線の中央に位置している。中国が台湾を統一すればアジアの平和は失われる。台湾の将来はアジアの平和に大きな影響を持つ。中国が台湾接近を続けることは危険、つまり台湾の選挙はアジアの平和に大きな影響を及ぼす。
- 民進党が不人気なわけ
国民党は有力候補を出せない。世論調査では国民党の有力候補と言われる朱立倫、王金平と呉敦義の三人で誰が出馬しても蔡英文に勝てないという。
つまり国民党に勝ち目はないと言いう。この三人とは別に洪秀柱が出馬したが彼女の人気は低く、国民党は彼女の出馬に迷惑がっている。
世論調査では蔡英文の当選確実というが、民間では蔡英文と民進党に冷たい。民進党に冷淡な理由は2012年に立候補した蔡英文が「中華民国=台湾、台湾=中華民国」と主張したこと、及び民進党の現状維持、中間路線に反対だからである。
人民は独立を望んでいる、民進党が独立を表明しないから冷淡なのである。民進党を信用しない傾向は海外の台湾人にもっとも顕著で、理由は蔡英文が台湾独立を主張しないからである。
だが蔡英文の懸念は台湾独立を表明したら中国の恫喝を恐れて米国が蔡英文に反対するかもしれないと言うことだ。アメリカは中国の恫喝を恐れる。中国は台湾が独立すれば武力侵攻も辞さないと言っている。だから彼女は2012年の選挙で「台湾=中華民国」と発言してアメリカを慰撫したにも拘らずアメリカは馬英九を支持した。今回も独立を表明すればアメリカが反対するかもしれない。
だが台湾の政治事情は変わった。
ヒマワリ学生運動と中間選挙で台湾人は中国やアメリカを恐れることなく独立願望を表明し、台湾は中国の一部ではないと主張するようになった。世間調査では台湾人の8割は独立を望んでいる。それなのに民進党が独立を表明せず、民間勢力とも協調しないから不満なのだ。
この状況では蔡英文が当選しても国会で過半数を制することが出来ず、蔡英文はレイムダックになるかもしれない。つまり来年の選挙は総統選挙よりも国会議員の選挙に重点があると言ってもいい。
- アメリカの選挙干渉
今は民進党優勢と言ってもアメリカが蔡英文に反対すれば負ける。
2012年の選挙では米国がダグラス・パールを派遣し、投票の二日前に馬英九支持を表明したため蔡英文が落選した。台湾人はアメリカの支持がなくてはならないと知っているが、心の底ではアメリカの干渉に恨みを持っている。
オバマ政権はイスラエルの選挙でもオバマの腹心をイスラエルに送り込んでナタニヤフに反対し、あからさまな干渉を行った。アメリカは台湾の選挙に干渉するなと警告した人は多い。
だがアメリカの現状維持とは反対に現状は大いに変わった。
アメリカは馬英九の中国接近に警戒心を持つようになった。遅まきながら中国の南シナ海における島々の軍事基地建設や、尖閣諸島の領海侵入に警戒心を持ち始めた。中国はアメリカの衰退とオバマの無能を見越してアメリカの警告を無視した暴言を吐くようになり、米中関係は緊張している。
こんな状況の変化にアメリカが台湾の国民党候補を支持するとは思えないが、それでも民進党が独立主張に警戒心を抱いている。
蔡英文が現状維持を主張すればアメリカは干渉しないだろう。国務院の東アジア太平洋地区事務次官ダニエル・ラッセルは、6月初旬にアメリカを訪問する蔡英文を歓迎し、いろいろな問題について意見を交わしたいと述べた。
つまりアメリカは中立路線を取る可能性が高まったが、条件は蔡英文が独立を主張しないことだろう。
また、ラッセル次官は中国の指導者層に対しても台湾の選挙で中立を守るように呼びかけたと言われる。アメリカの呼びかけがどれほどの効力を持つかはわからない。最近の中国は明らかにアメリカを軽視している言動が目立つ。
- 中国の出方
中国が台湾の選挙に干渉するのは避けられない。
中国で働いている台湾人は50万人以上と言う。前の選挙の時も中国は特別機をチャーター、または格安切符で台湾人を投票させた。もちろん国民党に投票することが条件、監視付きである。
だが去年11月の中間選挙で国民党が大敗したあと、中国の恫喝や国民党の宣伝は威力を失った感がある。どのような干渉を行うかはわからないが、中国の恫喝は逆効果となって国民党が惨敗する可能性は高い。
- 総括
以上の状況を総括すれば:
(1)蔡英文は当選するが、国会で過半数を取ることの方が大切。
(2)アメリカは前回のような醜い干渉はしないだろう。
(3)中国の干渉は避けられないが、逆効果になるかもしれない。
台湾の選挙はアジアの平和に大きな影響を持つ。中国の国際法を無視した進出でアメリカも次々と違った方針を打ち出している。来年1月の台湾選挙と、来年11月のアメリカ選挙が大きな変化を齎すに違いない。
(アンディチャン氏は在米コラムニスト)。
5/27渡部亮次郎メルマガ掲載 杉浦 正章『「リスク」と敵基地攻撃が論戦の焦点に』記事について
朝日を筆頭としたメデイアは杉浦氏が言われるように、目の前にある危機についてどう考えているのでしょう。中国が「近海防御」から、「近海防御と遠海護衛の融合」と言っているのは正しく太平洋の西半分を自分のものにするという意思表示です。A2/AD戦略でなく、米国近くまで潜水艦を遊弋させ核搭載のSLBMを発射できるように考えているのでしょう。米軍はとっくに中国大陸を潜水艦で核目標としていますので。日本は周りを核武装した国に囲まれています。日本も核武装を真剣に考えないと。少なくともニュークリアシエアリングは実現させましょう。
そもそもマスコミは今まで自衛隊を継子扱いしてきたのに、今更自衛隊員の命を持ち出すのは卑怯です。男らしさが微塵も感じられない人達です。こういう人たちが高給を食み、エリート臭をプンプンさせるのですから日本の劣化も極まれりです。
人民解放軍の英語名は「PLA=People’s Liberation Army」で陸軍のことです。海軍はこの後ろにNavyを付けます。元々共産党が天下を取るときに海を伝わって敵地に殴り込みをかける発想がなかったというか、日本軍相手に逃げ回っていただけですので。予算も海軍と比べ陸軍が多いし、もっと言えば治安対策の警察の方が予算は多い。如何に共産党が人民を恐れているかです。
敵基地先制攻撃も当たり前で日本に核ミサイルが撃たれるのに何もしないで国民を見殺しにしていいと言うのでしょうか。この人たちは正当防衛なる概念が分かっていませんね。我が身に置き換えて考えればすぐに分かるはずです。そうしないのは中国、北朝鮮に統治して貰いたいという下心があるからでしょう。やはり不買運動で潰さないとダメです。
5/27日経記事
中国国防白書、海軍重視に転換 米国をけん制 日本にも警戒感
【北京=島田学】中国政府は26日、2年ぶりの国防白書を発表した。南シナ海問題を巡る米国との摩擦を念頭に、これまでの陸軍偏重を見直し海軍を重視する戦略を打ち出した。「海上での軍事衝突」の可能性にも初めて言及し、備えを強化する立場を強調。日本の安全保障政策についても警戒感を示した。
「軍事技術の発達で、海上の戦線はどんどん拡大している」。中国軍戦略企画部の王晋大佐は26日の記者会見で「もはや『近海防御』だけでは、国家安全を守る上で有効とはいえない」と主張した。米軍のアジア太平洋回帰への戦略転換を念頭に置いた発言だ。白書でも海軍の基本戦略を伝統的な「近海防御」から、「近海防御と遠海護衛の融合」に改める必要性を強調した。
主に西太平洋を意味する「遠海」が、中国の安全保障にとって極めて重要になるとの認識が背景にある。中国は南シナ海を含む西太平洋で米軍と対立する可能性をにじませるようになった。南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島での岩礁埋め立ては今後の中国の強硬な対応を予期させる。
中国は、米軍が南沙諸島への監視活動を強化しようとするのに反発しているが、中国海軍もハワイ沖に頻繁に監視船を派遣し、米太平洋艦隊の動向を監視し続けている。中国政府は26日、南沙諸島の赤瓜礁(英語名ジョンソン南礁)と華陽礁(同クアテロン礁)で「船舶の安全な航行を確保するため」の灯台を建設したと発表。摩擦は収まりそうにない。
一方、日本については名指しで「積極的に戦後体制からの脱却を追求し、安全保障政策を大幅に調整している」と指摘し、安倍政権に対する警戒感を示した。
陸軍からは不満
中国の軍内に波紋を広げたのは「『陸軍重視、海軍軽視』の伝統的発想からの脱却が必須だ」という白書のくだりだ。軍内で伝統的に強い影響力を持ってきた陸軍では、影響力低下につながるとの不満がくすぶる。
今回の白書では明記されなかったが、習近平国家主席は指揮系統の効率化と迅速な作戦遂行を図るため、現在7つある軍区を5つほどに減らす軍改革を進めたい考えだ。陸軍のポストが減り、さらに海空両軍の影響力が強まることを警戒する陸軍の反対で、改革は思うように進んでいない。
習氏が軍内で進める反腐敗運動では陸軍出身者が拘束される事例が相次いでおり、関係者の反発を増幅させている。
中国軍は対外的に示す強硬姿勢とは裏腹に、内部では改革すべき問題が山積している。習氏による軍の掌握も道半ばだ。
5/27杉浦氏記事安保法制は「覚悟」を伴う問題だ
キンキン声の宍戸梅軒や、仕込み杖の座頭市、太ったクノ一などのあの手この手の斬り込みに、安倍武蔵が兎の毛でついたほどのすきも見せなかったということだろう。
安全保障関連法案が26日の衆院本会議で論戦の火ぶたを切った。ネットで質疑をつぶさに聞いたが、総じて野党の質問は突っ込み不足で、法案を廃案に追い込むほどのきっかけは掴めなかった。
しかし、今後の論争に向けて焦点は絞られてきた。一部野党に主導的役割を果たす朝日新聞の論調を見ると、野党やリベラル派が大きな論点として浮上させたいのは「自衛隊員のリスク」と「敵基地攻撃」の問題だろう。
まず朝日は今日27日の社説で首相・安倍晋三の自民党の役員会における発言に噛みついている。「首相は『自衛隊員のリスクが高まるという木を見て森を見ない議論が多い』と語ったという。事実なら驚くべき発言だ」と大げさに批判した。
しかし、首相発言の全体を見れば驚くに当たらない。続いて首相は「自衛員のリスク以前に安保環境が厳しくなり、国民の安全リスクが高まってきている」と発言している。
国民のリスクをあらゆる手段を講じて低くするのは安全保障の根本思想であり、イロハのイだ。自衛隊員のリスク回避も極めて重要だが、自衛隊が国民のリスク回避のために宣誓して入隊した存在であることを社説子は覚えておいた方がよい。
朝日は「国民のリスクが森を見ると言うことなら、9条を改正して必用な法整備を進めたいと説くのが法治国家の首相の取るべき道であった。その順序は逆転している」と主張するが、我田引水的論理の飛躍だ。
まず朝日は9条の信奉者と思っていたが、いつから改憲論者になったのだろうか。いつから社論が変わったのか。この論説の背景には、国際環境の激変という事態を全く掌握していないか、天から平和が降ってくる一国平和主義のぬるま湯に浸かっている姿が浮かぶ。
論説主幹の立野純二も報道ステーションで「国民のリスクは高まっているという言い方は言葉のすり替え」と口を極めて批判したが、自衛隊員のリスクと国民のリスクはそれこそ表裏一体、密着不可分のものである。
さらに立野は、安倍がホルムズ海峡などでの機雷掃海を海外派兵の例外としたことについて「重大な変化をあたかも規則のように例外があると説明した」と指摘「ごまかしがある」と批判した。
しかし朝日は安倍の言う「国民の生死にかかわる深刻、重大な影響」があり得ないとでも思っているのだろうか。太平洋戦争の歴史をひもとくまでもなく、石油は日本の生死を左右する「生命線」であることくらいは理解した方がよい。
加えて論説主幹は官房長官・菅義偉や防衛相・中谷元が集団的自衛権行使が、敵基地攻撃にまで及ぶ可能性に言及した問題について「外国が日本以外の国にミサイルを撃つかも知れない局面で日本が攻撃を加える事態は、機雷掃海だけが例外ではなく、ほかにも例外があることを物語っている」と言明した。
今後、敵基地攻撃など海外派兵の例外がどんどん出てくると言わんとしているのだろうが、これも安全保障環境の激変を知らない論理だ。 敵基地攻撃論がなぜ出てきたかといえば、紛れもなく北朝鮮の核ミサイル開発である。
日本に届くノドンが200発以上配備され、金正恩がかつて日本の大都市を名指しで攻撃対象とすると表明しており、これが日本に向けて発射の事態となれば、個別的自衛権で敵基地攻撃が可能だ。
一方、米国や米艦に向けて撃たれたケースで基地を攻撃するのは集団的自衛権のカテゴリーだ。これも机上の空論論者は「例外になる」と反対するが、考えても見るがよい。
米国に向けてミサイルが発射されるような事態とは、その3秒後に日本に向けて発射される事態なのであり、「例外反対」などと言っていられる状況ではない。
そもそも国家間の戦争とは何でもありの上に全てが例外であり、例外を実行しなければ侵略できないし、例外を実行しなければ侵略を阻止できないのだ。ただし現在の日本には敵基地攻撃能力はないが、次期主力戦闘機として逐次42機の導入が決まっているFー35Aには攻撃能力はある。
総じて与野党の議論や、リベラル派の議論は、戦後70年の平和がもたらした、安保観欠如に根ざしており、空理空論が幅を利かせている。こうした中で安保法制を支持する立場から元統合幕僚長・齋藤隆が26日NHKで述べた言葉には重みがある。
齋藤は「国際情勢は従来よりはるかにリスクが高くなっているとは思わない。今までもそれなりのリスクはあった。戦死者を出していないのは本当にラッキーだった。そのラッキーだったことに甘えてはいけない。
国家、国民に対して戦死者にどう向き合うかそろそろ考えておく必要がある」と述べているのだ。確かに過去70年戦死者が出ていないのは日本の誇りであり幸運であった。しかしふりかかる火の粉は払わねばならぬ場合もある。安保法制は「覚悟」を伴う問題でもあろう。

