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『トランプと会うのが怖くなった金正恩 「所領」を安堵されても保証人がいない』(5/22日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について
5/21宮崎正弘氏メルマガ<トランプの「イラン核合意」からの離脱、次に起こることは何か? 仏トタルが撤退すれば「イランのガス油田開発利権」はCNPCが引き継ぐ>流石中国、抜け目がありません。イランも経済制裁で苦しくなれば、石油を買ってくれるところにはどこでも売るでしょうし、鉱区開発権も売るでしょう。ですから制裁を実効あらしめるためには取引する欧州だけでなく中国も制裁しないと駄目という事です。北朝鮮と同じ構図です。中国の邪魔を排除しませんと。
http://melma.com/backnumber_45206_6685722/
5/21ダイヤモンドオンライン 北野幸伯<北朝鮮も警戒、米国の「嘘つき癖」が世界を不安定にしている>確かにトランプは敵を作り過ぎています。中国だけでなく、ロシア、イラン、欧州と。でも常識的な人間には、改革は出来ません。常識人は出来るだけ敵を少なくするでしょう。しかしトランプの多数の敵づくりは真の敵・中国を攪乱するためかもしれません。キッシンジャーのような中国に思い入れがある人間と言うか金も貰っているような人間が邪魔するでしょうから。米国議会が、トランプがロシアとの関係を修復するのを認めてくれるのが理想です。
http://diamond.jp/articles/-/170456
5/21ダイヤモンドオンライン ロイター<米朝首脳会談は実現するか、失敗の歴史を振り返る>過去の交渉のおさらいです。
http://diamond.jp/articles/-/170583?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor
5/22ZAKZAK<米韓首脳会談を前に韓国“孤立化” 世界の脱北者が文大統領を糾弾! 米当局関係者「韓国は用済みだ」>金正恩の体制保証より、本記事にあります4月末に米カリフォルニア州で設立された「北朝鮮亡命政府」が政権を握った方が北朝鮮国民にとって遙かに幸福になります。そのためには米朝戦争になり、金を排除しないと無理です。でも文在寅のような共産シンパを大統領に選ぶ韓国民も韓国民です。残酷無比の金王朝の北と統一された後のことを考えたことがあるのかと言いたい。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180522/soc1805220001-n1.html
5/22ZAKZAK<北朝鮮で幹部の亡命が相次ぐ…金正恩氏の「親戚」も>幹部と雖も毎日命の危険に晒されているという事です。金正恩は実の兄や叔父を殺せる人間ですから、況してや幹部クラスなぞ虫けら以下としか思っていないのでしょう。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180522/soc1805220009-n1.html
鈴置氏記事は、金正恩が米朝首脳会談をキャンセルすることもありうるとしています。でもそうなると待っているのは米軍の北への攻撃です。中国はそうなっても米中貿易戦争で身動きが取れないでしょう。中国がヘタに北を支援すれば、米国は高関税、取引禁止、金融制裁等多段階で中国経済を締め上げることができます。進退窮まっているのは金正恩でトランプではありません。トランプは司法省にトランプ政権内に司法省やFBIのスパイを潜入させたかどうか調査するよう指示しました。ステイール文書での民主党の偽装工作やオバマ・ヒラリーのベンガジ・メールサーバーの闇が白日の下に晒されるかもしれません。
記事

米朝首脳会談開催に暗雲が漂い始めてきた(写真/AP/アフロ)
(前回から読む)
6月12日に予定される米朝首脳会談。本当に実施されるのか、疑問視する向きが増える。
核放棄を強要するな
—5月16日、北朝鮮が米朝首脳会談を開かない、と言い出しました。
鈴置:北朝鮮は「米国が一方的に核放棄を強要するなら、首脳会談は再検討するしかない」との金桂官(キム・ゲグァン)第1外務次官名義の談話を発表しました。
北朝鮮の対外宣伝サイト「わが民族同士」の「朝鮮外務省第1次官が談話を発表」(5月17日、日本語版)で全文を読めます。
なお同じ5月16日未明に、北朝鮮は同日に予定されていた南北閣僚級会談もキャンセルしました。5月11日から始まっていた米韓合同の空軍演習「マックス・サンダー(Max Thunder)」が自分に圧迫を加えているとの理由をあげました。
これを通告したのが朝鮮中央通信の「朝鮮中央通信社が朝鮮に反対する大規模の連合空中訓練を行った米国と南朝鮮当局を糾弾」(5月17日、日本語版)という記事です。
記事の最後には「米国も、南朝鮮当局と共に繰り広げている挑発的な軍事的騒動の局面について考えて、日程に上っている朝米首脳の対面の運命について熟考すべきである」とのくだりがあります。
「こっちは本気だ。南北閣僚級会談もドタキャンした。米朝首脳会談だってやめたっていいのだ」と、この記事を通じても米国に肩をそびやかして見せたのです。
電光石火で非核化
—「一方的に核放棄を強要」とは?
鈴置:先ほど引用した記事からその部分を拾います。
・ボルトン(John Bolton)をはじめホワイトハウスと国務省の高官らは「先核放棄、後補償」方式を流しながら、いわゆるリビア核放棄方式だの、「完全かつ検証可能で、不可逆的な非核化」だの、「核、ミサイル、生物・化学兵器の完全廃棄」だのという主張をはばかることなくしている。
2003年12月、サダム・フセインの逮捕を見てショックを受けたカダフィ大佐は米英の情報機関に核放棄を通告しました。すると両国は直ちにリビアに査察チームを送りこみ、電光石火の早業で核施設を国外に持ち出しました。ミサイルや化学兵器に関しても同様です(「米朝首脳会談は本当に開かれるのか」参照)。
ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はこうしたやり方――リビア方式を北朝鮮でも実施させると宣言しています(「『米韓同盟破棄カード』を切ったトランプ」参照)。
一方、北朝鮮は「打開的な解決」を主張しています。譲歩するかに見せて見返りをかちとり、最後はうやむやにしてしまう、これまでの成功を再現したいのです。
- 非核化の約束を5度も破った北朝鮮
| ▼1度目=韓国との約束▼ | |
| ・1991年12月31日 | 南北非核化共同宣言に合意。南北朝鮮は核兵器の製造・保有・使用の禁止、核燃料再処理施設・ウラン濃縮施設の非保有、非核化を検証するための相互査察を約束 |
| →・1993年3月12日 | 北朝鮮、核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言 |
| ▼2度目=米国との約束▼ | |
| ・1994年10月21日 | 米朝枠組み合意。北朝鮮は原子炉の稼働と新設を中断し、NPTに残留すると約束。見返りは年間50万トンの重油供給と、軽水炉型原子炉2基の供与 |
| →・2002年10月4日 | ウラニウム濃縮疑惑を追及した米国に対し、北朝鮮は「我々には核開発の資格がある」と発言 |
| →・2003年1月10日 | NPTからの脱退を再度宣言 |
| ▼3度目=6カ国協議での約束▼ | |
| ・2005年9月19日 | 6カ国協議が初の共同声明。北朝鮮は非核化、NPTと国際原子力機関(IAEA)の保証措置への早期復帰を約束。見返りは米国が朝鮮半島に核を持たず、北朝鮮を攻撃しないとの確認 |
| →・2006年10月9日 | 北朝鮮、1回目の核実験実施 |
| ▼4度目=6カ国協議での約束▼ | |
| ・2007年2月13日 | 6カ国協議、共同声明採択。北朝鮮は60日以内に核施設の停止・封印を実施しIAEAの査察を受け入れたうえ、施設を無力化すると約束。見返りは重油の供給や、米国や日本の国交正常化協議開始 |
| ・2008年6月26日 | 米国、北朝鮮のテロ支援国家の指定解除を決定 |
| ・2008年6月27日 | 北朝鮮、寧辺の原子炉の冷却塔を爆破 |
| →・2009年4月14日 | 北朝鮮、核兵器開発の再開と6カ国協議からの離脱を宣言 |
| →・2009年5月25日 | 北朝鮮、2回目の核実験 |
| ▼5度目=米国との約束▼ | |
| ・2012年2月29日 | 米朝が核凍結で合意。北朝鮮は核とICBMの実験、ウラン濃縮の一時停止、IAEAの査察受け入れを約束。見返りは米国による食糧援助 |
| →・2012年4月13日 | 北朝鮮、人工衛星打ち上げと称し長距離弾道弾を試射 |
| →・2013年2月12日 | 北朝鮮、3回目の核実験 |
目の上のたんこぶ
—北朝鮮にとって、ボルトン氏は目の上のたんこぶですね。
鈴置:だから、北朝鮮はトランプ(Donald Trump)大統領に対し「ボルトンを外せ」「外さないと、対話は進展しないぞ」とも威嚇しました。金桂官次官の談話はこう続きます。
・われわれは、すでにボルトンがどんな者であるかを明白にしたことがあり、今も彼に対する拒否感を隠さない。
・トランプ行政府がこれまで朝米対話が行われるたびにボルトンのような者のため紆余曲折を経なければならなかった過去史を忘却して、リビア核放棄方式だの何のと言う、えせ「憂国の士」の言葉に従うなら今後、朝米首脳会談をはじめ全般的な朝米関係の展望がどうなるかということは火を見るより明らかである。
—トランプ大統領はどう答えましたか?
鈴置:「非核化に応じれば、体制は保証する」と頭をなでました。一方で「首脳会談に応じないと強硬策――空爆という意味でしょうが――に出るぞ」と脅しました。
5月17日のホワイトハウスでの会見で「ボルトン氏が主張するリビア方式が北朝鮮を怒らせたが」との質問が出ました。トランプ大統領は「北朝鮮にリビア方式を当てはめるつもりは全くない」と答えました。
・the Libyan model isn’t a model that we have at all, when we’re thinking of North Korea.
そして、「米国はリビアを滅ぼした」「カダフィ体制を維持するとの取引はなかった」などと付け加えたのです。
・In Libya, we decimated that country. That country was decimated. There was no deal to keep Qaddafi. The Libyan model that was mentioned was a much different deal.
2011年のリビア方式
—話が変ですね。
鈴置:その通り、話がずれているのです。2003年、米国はリビアを攻撃しなかったし、滅ぼしもしなかった。では、大統領の言及した「リビア方式」とはいったい何なのでしょうか。
CNNの「President Trump dismisses “Libyan model” on North Korea」は、トランプ大統領が語ったのは「2011年のリビア方式」のようだと解説しました。
中東で独裁打倒運動が盛り上がった「アラブの春」――。2011年にはリビアでもカダフィ政権が転覆しました。当初は内戦でしたが、途中から米英仏などが「反政府派への弾圧」を理由に、政府軍を空爆するなど軍事介入しました。
・But while Bolton was referring to the dismantling of Libya’s weapons of mass destruction program, Trump appeared to refer to the “Libyan model” as the subsequent military intervention in Libya years later that removed Moammar Gadhafi from power.
トランプ大統領は金桂官談話が「2003年のリビア方式」を持ち出したのを利用して、独裁者カダフィが殺された「2011年のリビア方式」に話を振った。そして、対話に応じず滅ぼされたカダフィになりたいか、と脅し返したのです。
単に勘違いしただけだったかもしれませんが、結果は同じことです。
「リビア」という単語を使ってトランプ大統領の真意を説明すれば「2003年のリビア方式を拒否するのなら、2011年のリビア方式を適用するぞ」ということになります。
—トランプ大統領は譲歩したわけではないのですね。
鈴置:もちろんです。譲歩したとの誤解が広まったのは、2つの「リビア方式」をごっちゃにした記事が流れたからです。
例えば、AFPの5月18日の日本語版の記事の見出しは「トランプ氏、北朝鮮非核化の『リビア方式』否定」でした。
「リビア方式否定」との見出しを付けるのなら「トランプ氏、空爆を実施した『2011年のリビア方式』を否定」とすべきだったのです。
この記事の更新された本文では、2011年のリビアの状況にも触れていますが、トランプ大統領の「リビア方式」がそれを指すとははっきり書いてない。そこで編集者は「非核化のリビア方式」との見出しを付けたままにしたのでしょう。
猫なで声と棍棒
—「一方的な核放棄には応じない」と言い出した北朝鮮に対し「だったら空爆するぞ」と言い返した……。
鈴置:ただ、トランプ大統領は棍棒を見せるだけではなく、猫なで声でささやきもしました。以下です。
・ The Libyan model that was mentioned was a much different deal. This would be with Kim Jong-un ─ something where he’d be there, he’d be in his country, he’d be running his country.
・His country would be very rich. His people are tremendously industrious.
「言及された(2011年の)リビア方式は、取引とはほど遠いものだった。一方、金正恩氏には取引を持ちかけている。それに応じれば彼は国に留まり、国を統べ続けることになる」と誘ったのです。
金正恩氏に体制存続の保証を与えた――所領を安堵したのです。加えて「国は豊かになるし、工業化も進む」とニンジンも提示しました。
—猫なで声というか、脅しと言うか……。
鈴置:猫なで声を使うからこそ、棍棒に凄味が出るのです。さらにトランプ大統領は、カダフィやイラクのサダム・フセインになりたいのかと金正恩委員長を問い詰めました。
・We never said to Qaddafi, “Oh, we’re going to give you protection. We’re going give you military strength. We’re going to give you all of these things.” We went in and decimated him. And we did the same thing with Iraq.
我々はカダフィには「保護を与えるし、軍事的な強みも渡す。何でもだ」などと言わなかった。我々は彼を滅ぼした。同じことはイラクでもやった――。これを聞いた金正恩委員長は震えあがったことでしょう。
米朝同盟はあり得るか
—核放棄の見返りとして示した「軍事的な強み」とは?
鈴置:会見に出た記者は「在韓米軍の削減」を指すと考えたようです。「Reduce U.S. troop level is a possibility in South Korea?」と聞いています。
大統領はそれに対し「今は明かせないが十分な保護だ」「かつてない取引だぞ」などと、思わせぶりな回答をしています。
・Well, I’m not going to talk about that. We’re going to say that he will have very adequate protection, and we’ll see how it all turns out. I think this: The best thing he could ever do is to make a deal.
トランプ大統領は「朝鮮半島すべての非核化」つまり「米韓同盟の廃棄」の可能性を示唆するようになりました(「『米韓同盟廃棄カード』を切ったトランプ」参照)。
「核を捨てたら、米韓同盟を廃棄してもいい」とまで持ちかけている可能性が高い。北朝鮮に対するこれ以上の保護はないのです。
もちろん、米朝が同盟を結ぶという手もありますが、それはさすがに中国が許さない。一方、米国内からも強い反対が起きるでしょう。北朝鮮は名うての人権蹂躙国家だからです。トランプ大統領自身も2017年11月8日の韓国国会演説で、金正恩政権の悪行の数々を列挙しています。
■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(1)
北朝鮮の人権侵害を具体的に訴え
10万人の北朝鮮人が強制収容所で強制労働させられており、そこでは拷問、飢餓、強姦、殺人が日常だ
反逆罪とされた人の孫は9歳の時から10年間、刑務所に入れられている
金正恩の過去の事績のたった1つを思い出せなかった学生は学校で殴られた
外国人を誘拐し、北朝鮮のスパイに外国語を教えさせた
神に祈ったり、宗教書を持つクリスチャンら宗教者は拘束、拷問され、しばしば処刑されている
外国人との間の子供を妊娠した北朝鮮女性は堕胎を強要されるか、あるいは生んだ赤ん坊は殺されている。中国人男性が父親の赤ん坊を取り上げられたある女性は「民族的に不純だから生かす価値がない」と言われた
北朝鮮の国際的な無法ぶりを例示
米艦「プエブロ」の乗員を拿捕し、拷問(1968年1月)
米軍のヘリコプターを繰り返し撃墜(場所は軍事境界線付近)
米偵察機(EC121)を撃墜、31人の軍人を殺害(1969年4月)
韓国を何度も襲撃し指導者の暗殺を図った(朴正煕大統領の暗殺を狙った青瓦台襲撃未遂事件は1968年1月)
韓国の艦船を攻撃した(哨戒艦「天安」撃沈事件は2010年3月)
米国人青年、ワームビア氏を拷問(同氏は2016年1月2日、北朝鮮出国の際に逮捕。2017年6月に昏睡状態で解放されたが、オハイオに帰郷して6日後に死亡)
「金正恩カルト体制」への批判
北朝鮮は狂信的なカルト集団に支配された国である。この軍事的なカルト集団の中核には、朝鮮半島を支配し韓国人を奴隷として扱う家父長的な保護者として指導者が統治することが宿命、との狂った信念がある
「人間のくず」が語る真実
—結局、北朝鮮は取引に応じるのでしょうか。
鈴置:北は核を簡単には手放せない。金正恩委員長にとって核は権力の基盤です。手放せば権力も維持できないと考えているはずです。
2016年、北朝鮮から韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)という外交官がいます。駐英大使館公使でした。2018年5月16日、ソウルの国会議員会館で講演し、以下のように語りました。
ハンギョレ新聞の「『人間ゴミ』…北朝鮮がテ・ヨンホ元公使を猛非難した理由は?」(5月17日、日本語版)から発言を引きます。
・北朝鮮が要求する「体制安全保障」は結局、金日成(キム・イルソン)家門の世襲統治が永遠に存在できるようにすることだ。
・核廃棄の過程が北朝鮮の絶対権力構造を崩す過程につながることは絶対に受け入れられない。(真の核廃棄のような)そんな奇跡は起こらないだろう。
韓国では、南北閣僚級会談のドタキャンはこの発言も関係したとの見方があります。先ほど引用したハンギョレの記事もそう書いています。
確かに「朝鮮中央通信社が朝鮮に反対する大規模の連合空中訓練を行った米国と南朝鮮当局を糾弾」は、名前をあげませんでしたが、太永浩元公使を「人間のくず」と決めつけ、韓国政府を非難しています。
・天下にまたといない人間のくずまで「国会」に立たせてわれわれの最高の尊厳と体制を謗り、板門店宣言を誹謗、中傷する行為を公然と強行するように放置している。
「金正恩除去」で困る国はない
—図星を突かれると、狼狽して怒るものです。
鈴置:体制維持のためには核はなかなか手放せない――。それはトランプ大統領もよく分かっている。だからこそ「お前を殺すことに躊躇しないぞ。核を握りしめて死ぬつもりか」と脅すわけです。
—殺されることへの恐怖から、核放棄を受け入れませんか。
鈴置:それが一番、平和的な解決法です。ただ、「殺されない」選択を選ぶにしろ、金正恩委員長には問題が残ります。
核を放棄したら本当に、米国が「保護」してくれるのでしょうか。トランプ大統領が約束を守る保証はどこにもないのです。
イラン核合意だって、国益に反すると判断したトランプ政権は世界の反対を押し切って離脱しました。米朝首脳会談を準備する最中のことでした(「北朝鮮の非核化を巡る動き」参照)。
北朝鮮は人権蹂躙国家だし、約束を破り続けている。米国がそんな北朝鮮を攻め滅ぼしても、非難する国はないでしょう。抑圧されている北朝鮮の人々も大喜びします。
—自業自得です。
鈴置:困るのは、金正恩政権とスクラムを組んでいるつもりの――北朝鮮から見れば「使い走り」の文在寅政権だけ。あとは韓国や日本、米国の北朝鮮支持グループぐらい。
- 北朝鮮の非核化を巡る動き(2018年)
| 1月1日 | 金正恩「平昌五輪に参加する」 |
| 1月4日 | 米韓、合同軍事演習の延期決定 |
| 2月8日 | 北朝鮮、建軍節の軍事パレード |
| 2月9日 | 北朝鮮、平昌五輪に選手団派遣 |
| 3月5日 | 韓国、南北首脳会談開催を発表 |
| 3月8日 | トランプ、米朝首脳会談を受諾 |
| 3月25―28日 | 金正恩訪中、習近平と会談 |
| 4月1日頃 | ポンペオ訪朝、金正恩と会談 |
| 4月17―18日 | 日米首脳会談 |
| 4月21日 | 北朝鮮、核・ミサイル実験の中断と核実験場廃棄を表明 |
| 4月27日 | 南北首脳会談 |
| 5月4日 | 日中と中韓で首脳の電話協議 |
| 5月7-8日 | 金正恩、大連で習近平と会談 |
| 5月8日 | 米中首脳、電話協議 |
| トランプ、イラン核合意から離脱を表明 | |
| 5月9日 | ポンペオ訪朝、抑留中の3人の米国人を連れ戻す |
| 日中韓首脳会談 | |
| 米韓首脳、電話協議 | |
| 5月10日 | 日米首脳、電話協議 |
| 5月16日 | 北朝鮮、開催当日になって南北閣僚級会談の中止を通告 |
| 5月16日 | 北朝鮮、「一方的に核廃棄要求なら朝米首脳会談を再考」との談話を発表 |
| 5月20日 | 米韓首脳、電話協議(米東部時間では5月19日) |
| 5月22日 | 米韓首脳会談 |
| 5月23~25日 | 北朝鮮、米韓などのメディアの前で核実験場を破壊 |
| 6月8-9日 | G7首脳会議、カナダで |
| 6月12日 | 史上初の米朝首脳会談、シンガポールで |
| 「米朝」の後、日米中南北の間で2カ国首脳会談か | |
習近平に60度のお辞儀
—米国による所領安堵の保証人に、中国はなれないのですか?
鈴置:金正恩氏もそれに期待して、40日の間に2度も訪中したのでしょう。3月の訪中時には習近平主席の発言にメモをとって見せるなど恭順の意を示しました。
5月の訪中では、同行した妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が習近平主席と握手した際、60度ほど腰を曲げてお辞儀をしました。4月27日の南北首脳会談の際、文在寅大統領と握手した金与正氏は頭を全く下げなかったというのに。
中央日報の「文大統領と直立で握手した金与正氏、習近平主席に腰曲げてあいさつした理由」(5月13日、日本語版)は頭の下げ方が完全に異なる2枚の写真を並べて載せました。金正恩一家はなりふり構わず、中国に保証人になってくれるよう土下座したのです。
—効果はあるでしょうか?
鈴置:ないと思います。北朝鮮は自分が困った時はヘコヘコと頼んできますが、状況が変わるとすぐに掌を返します。そんな国を信用するほど中国はお人好しではありません。
それに、中国には金正恩体制を支える積極的な理由がないのです。今は、米国が怒り出して空爆に踏み切らないよう「後ろ盾になるから米国との首脳会談に臨め」と金正恩氏の頭をなでている。
でも、北朝鮮が核を放棄した後は「金正恩体制存続」のメリットは中国にない。強権的で常に不安定さをはらむこの政権よりも、もっと自分の言うことを聞く政権を押し立てたいと願うでしょう。
もし米国が金正恩体制の打倒に乗り出せば、そのどさくさにまぎれて中国が朝鮮半島での影響力拡大に動く可能性が極めて高い(「しょせんは米中の掌で踊る南北朝鮮」)。
誰もが五里霧中
—その中国の本心を北朝鮮も分かっている?
鈴置:もちろんです。だから金正恩氏は米朝首脳会談に容易には踏み切れない。これまで北朝鮮は「核をやめる」と周辺国を騙しては、援助を取り付けてきた。
今度もそのつもりだったのでしょうが、「何をするか分からない」トランプ大統領が相手ではそうはいかないことにようやく気が付いた。下手に交渉すれば、我が身を滅ぼしかねないのです。
会談まで1カ月を切る5月16日になって「首脳会談などしなくたっていい」と言い出したことからも、北朝鮮の困惑ぶりがうかがえます。
トランプ大統領も5月17日の会見で「何が起こるか見守ろう(we’ll see what happens. )」と述べています。誰しもが五里霧中なのです。
(次回に続く)
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『無人カラオケボックスが中国で急成長する理由 日本企業のノウハウに期待集まる』(5/21日経ビジネスオンライン 西村友作)について
5/19看中国<深沉大略 成吉思汗因何横扫欧亚大陆?(图)=内に込めた大戦略 ジンギスカンは何故ヨーロッパやアジア大陸まで征服したのか>何故遠征したかの理由ははっきり書いていません。広大な帝国を作ったと結果だけです。中国人は満州族が作った清帝国の版図を引き継いだ形となり、内蒙古もウイグルもチベットも中国人=漢族の仲間と思っているようです。モンゴル人もウイグル人もチベット人も漢族と一緒になりたいとは思っていないのに。楊海英氏の『「中国」という神話 習近平「偉大なる中華民族」のウソ』の中に、王昭君や文成公主の例を挙げ、漢民族は嫁に差し出した民族も中華民族の一員と思う節があるとありました。平和的に暮らせればそれでも良いでしょうが、大体漢族はそれを許さず、搾取するだけです。
この記事ではジンギスカンも中国人と思って書いているのがありありです。日本人にはすごく違和感があります。歴史の改竄ではと。耶律楚材の例を挙げて、用兵の妙を謳い、優しい人間のような書きぶりですが、そんな優しいだけでは版図は広げられなかったでしょう。以前読んだ本で、ジンギスカンの征服した土地の統治のやり方として、逆らえば皆殺し、恭順の意を示せば少数の行政官を置くだけで、後はその土地に合ったやり方を認めたと記憶しています。多分、こちらの方が正しいかと。

ジンギスカンが死んだときの版図。中国の大部分は入っていません。万里の長城以北でしょう。
https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/19/857067.html
5/20阿波罗新闻网<国产航母奇怪设计曝光 4艘航母网友仍称“航母垃圾大国”=国産空母のおかしな設計が白日の下に ネット民は4隻の空母に対し「空母ゴミ大国」と>何がおかしいかというと操舵室に沢山の柱があるのは倒れないように慮かってとのことであるが、非人道的。強度が足りないから柱が多くなった。名前もおかしくて、4隻の空母の名前が、「瓦良格号=ヴァリャーグ号」、「山寨号=偽物号、もともとの意味は山賊の砦」、「明斯克号=ミンスク号」、「基辅号=キエフ号」で「ミンスク号」は南通で空母公園となり、「キエフ号」は天津でホテルになっている。もし、米軍と戦えば100%の確率で撃沈される。もし船の名前を「中南海号」とか「北京号」、「共産党号」としたら海に出られないのでは。米軍の空母と性能、装備、兵器の差が歴然としている。
http://www.aboluowang.com/2018/0520/1117016.html
5/21日経電子版<米財務長官「制裁関税は当面保留」 中国、輸入拡大>
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30745910R20C18A5MM8000/
北朝鮮問題が解決するまでは中国の協力度を見て制裁をかけるかどうか決めると言う所では。
5/21日経電子版<無人店、中国を席巻 飲食店やカラオケで続々
【杭州(浙江省)=原島大介】中国でレジなどに人を配置しない「無人」サービスが広がっている。ネット通販最大手、アリババ集団は外食企業と組みレストランやベーカリー店を展開。ホテルやカラオケボックスにも広がり、4年後に市場規模は16兆円を超えるとされる。日本では人手不足が深刻だが、中国ではスマートフォン(スマホ)決済を土台に人件費削減を狙う。

客はスマホで注文、支払いを済ませ、通知が来ると料理を取りに行く(浙江省杭州)
浙江省杭州のオフィス街。昼すぎに中華ファストフード店に入ると、周辺で働く会社員でごった返していた。だが店員の姿は見当たらない。客はスマホを操作し、5分ほどで約40のロッカーが並ぶ場所へと向かう。客が再びスマホを触ると、ロッカーの扉が開き、中から料理を取り出した。
この店は1月末にアリババ傘下で外食店向け支援サービスを手掛ける阿里口碑のシステムを導入して改装オープンした。アリババのスマホ決済アプリ「アリペイ(支付宝)」で店内のQRコードを読み取れば、注文や支払い、料理完成の通知までスマホで完結する。
もともとは従業員が13人いたが、改装を機にレジ担当などを減らして6人にし、年60万元(約1千万円)だった人件費は半分以下になる見通し。一方、効率化で客の滞在時間が短縮され、売り上げは改装前より4割伸びた。週1~2回訪れる会社員、章遠強さん(27)は「前は昼時は外まで並んでいたけど、今は待つ必要がなくなった」と歓迎する。

口碑は同店の結果を踏まえ、4月から対象を他の業態に拡大。浙江省内にある高速道路のサービスエリア内にファストフード店を2店開いたほか、北京や上海、深圳でも調理場などを除き無人のベーカリー店やデザート店、火鍋店を開く計画。口碑の担当者は「業態や立地ごとの消費者の需要を把握し、さらに広げる」という。
中国では昨年以降、「無人店」の開発競争が進む。当初はスタートアップ企業が中心だったが、ネット通販大手の京東集団や蘇寧雲商集団といった小売大手も参入。コンビニや衣料品店などの小売店が大都市で続々と無人店を開業するほか、商業施設には無人のカラオケボックスがすでに3万カ所に広がった。
無人化の対象は幅広い。浙江省杭州にはロボットがミルクティーを提供する店がオープンした。価格は1杯10元(約170円)程度と、店員のいる店の3分の1だ。また内陸の四川省成都にはフロントがないビジネスホテルが登場。予約時に身分証の画像をネットで送れば、ホテル内のカメラで顔を認証し、チェックインできる仕組みだ。

ロボットがミルクティーを作る店も登場した(浙江省杭州)
中国では経済成長に伴う家賃や人件費の高騰が続いており、実店舗の運営者は商品の販売価格にコスト上昇分を上乗せせざるを得ない。この結果、割安なネット通販にさらに客を奪われる悪循環を招いており、コスト対策は喫緊の課題だ。
このため、目に見える効果が期待できる無人化への期待は高い。中国の調査会社、中商産業研究院によると、中国の無人店市場は小売店だけでも22年に9500億元と、18年の30倍に成長する見通しだ。
■日本、なお実証実験レベル
人材不足に悩む日本でも無人店への期待は高いものの、依然として実証実験レベルにとどまる。中国が日本以上のスピードで実用化が進む背景には、スマホなどのネット決済と従業員サービスに対する両国の考え方の違いがある。
中国の調査会社によると、スマホ決済の利用者は全体の7割に達し、16年時点で決済額が39兆元(約660兆円)に上る。沿岸部の都市では露店や市場でも利用可能で、最近では会計をする際に現金を出すと、店員にしかめ面をされるほどだ。
中国ではそもそも偽造紙幣が多く流通している。事業者にとってはネット決済の方が確実に料金を回収できるメリットがある。ただ、消費者にとっては銀行口座と決済アプリをひもづけるため、不正利用などのリスクは残る。このためメイン口座とは別にネット決済用の口座を設けリスクに備える消費者も多い。
日本では「店員がいる方が安心できる」という考えが根強い。これは接客サービスへの期待値が高く、かつ従業員の水準も高いためで、ネット通販よりも近くの小売店を選ぶ遠因ともなっている。
一方、中国の小売店やレストランでは一部を除き、丁寧な接客サービスを受ける可能性は低い。そもそも中国の消費者は従業員に対して良いサービスを期待しておらず、無人の方が不快な思いをしないで済むと考える。
事業の継続性や経営リスク、消費者の安全よりも、まず行動に移す中国の国民性も大きい。こうした両国の考え方の違いが、無人サービスの普及スピードの差につながっているようだ。>(以上)
阿里巴巴は千夜一夜から取ったのかもしれませんが、漢字の「阿里」は台湾の「阿里山」から取ったのかもしれません。厭らしいです。アリペイは螞蟻金服(金融服務)(アント・フィナンシャルサービスグループ)が運営しているサービスです。螞蟻は日本語で蟻の意味です。CEOの馬雲は日本語も少しはできるのかも。
https://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20141121/Searchina_20141121142.html
中国は人口が多く、消費市場が大きいのが売りだったのに、無人化を進めていけば、雇われない人も増えていき、今でもジニ係数が0.73(北京大学調べ)と言われているのに、格差は広がるばかりになるのでは。富の分配を公平にしないと臨界点を迎え、革命が起きることになるのではと感じます。
中国は良いことばかりではありません。先日知人からメールを貰い、そこには「日本から中国入国時に、広州空港で両手10本の指の指紋を取られた」との不満が書かれていました。大事な個人情報ですが、共産党にとって外国人と中国人留学生はスパイの可能性が高いと思っているのでしょう。経済発展に釣られて中国に仕事に行くのは避けた方が良いです。米中の行方もどうなるか分かりませんので。先ずは北の問題でしょうけど。
記事

休み時間にスマホでコーヒーを購入する対外経済貿易大学の学生。
北京市北東部の幹線道路・四環路の南に位置する対外経済貿易大学。最近コーヒーやジュースの入った紙コップを持ち歩く学生をよく見かけるようになった。
その購入先は、教室の横に設置されたコーヒーと生絞りオレンジジュースの自動販売機。私がこの大学に来てから16年経つが、キャンパス内に自動販売機が置かれたのはこれが初めてだ。
北京のオフィスビルではお弁当の自動販売機も登場。大気汚染がひどくなる冬場にはPM2.5対策用マスクの自動販売機も地下鉄駅に出現した。
近年中国では、自動販売機の設置台数が急拡大しており、今後もそのすう勢が続くと見込まれる。自動販売機大手の富士電機は、「中国における自動販売機の市場出荷台数が2015年度の約4万台から18年度には約17万台、20年度には34万台まで伸長する(16年7月28日付同社ニュースリリース)」と予測する。
中国の自動販売機は歩道で見かけることがほとんどなく、バス停や駅などの交通拠点、学校、病院、スーパー、オフィスビルなど施設内での設置が中心となっている。
消費現場を変えたモバイル決済
少し前まで北京では自動販売機を見かけること自体、ほとんどなかった。硬貨の流通量が少なく、紙幣も多くが破損しているため、自動販売機の普及に適した環境でなかったためだ。北京の地下鉄の切符販売機には今も、紙幣を硬貨に交換するために駅員が常駐している。
しかし、スマートフォン(スマホ)人口の急増に伴うモバイル決済の爆発的普及により状況が一変した。現在新しく設置されたほとんどの自動販売機はモバイル決済に対応しており、中には現金支払いができないものまである。
2010年代、インターネットアクセス手段の主役はパソコンからスマホへと大きくシフトした。中国互聯網絡信息中心の統計によると、スマホによるインターネット利用者は06年末では1701万人でネット利用者全体の12.4%にすぎなかったが、17年末には7.53億人と全体の97.5%にまで高まった。
スマホの急速な普及に伴い、これまでパソコン上でしか使用できなかったオンライン決済がスーパーやレストラン等の実店舗でできるようになった。
中国のモバイル決済市場は、インターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が独自のスマホ向けチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」に決済機能をつけた「微信支付(ウィーチャットペイ)」で本格参入して以降、急拡大が続いている。中国人民銀行の統計によると、17年のモバイル決済額は前年比28.8%増となる202.9兆元に達し、5年間で21.1倍拡大した。また決済回数についても、17年は前年比46.1%増の375.5億回で、13年の22.4倍となっている。
モバイル決済状況

(出所)中国人民銀行より筆者作成
17年にはスマホで入店、決済ができる無人コンビニが話題になったが、最近では無人レストランも登場した。従業員は厨房のみで、注文から商品の受け渡し、決済まで全てがセルフサービスとなっている。
小売り以外のサービスも無人化へ
自販機やコンビニ、レストランなどの小売り以外でも、様々な無人サービスが登場している。その一つに、ミニカラオケと呼ばれる1~2人用の無人カラオケボックスがある。
私も最寄りのショッピングセンターに出向きこのミニカラオケをチャレンジしてみた。今回試したのは業界大手の「友唱」。
まずはウィーチャットで登録し、スマホ側で料金プランを選択する。今回は最も安価で時間が短い20元(約350円)/15分を選択、ウィーチャットペイを使ってその場で支払いを済ませるとサービスが始まる。中国語の曲以外にも、英語や日本語、韓国語といった海外の曲もある。歌い終えると、登録したウィーチャットに自分が歌った楽曲の履歴と録音された自分の歌声が送られてきた。これまで歌った楽曲をまとめてアルバムを作ったり、ネット上にアップして共有したりできるようだ。

最寄りのショッピングセンターに設置されているミニカラオケ「友唱」に初挑戦する筆者
このミニカラオケが多く設置されているのがショッピングセンターなどの商業施設で、ちょっとした隙間時間での利用がメインとなっている。私が試したミニカラオケも、ショッピングセンター内の映画館やレストランの横に設置されており、映画や食事の待ち時間を利用した顧客が多いようだ。
手軽に暇つぶしができる点がうけ、中国のミニカラオケ市場は急拡大している。調査会社iiMedia Researchが発表した「2017年中国ミニカラオケ産業白書」によると、17年のミニカラオケ市場は35.2億元(約600億円)に達し、19年には140億元(約2400億円)に達する見通しとなっている。
カラオケ以外でも、トレーニングジムや図書館などの無人サービスが登場しており、無人化の波は着実に押し寄せている。
期待される日本企業のノウハウ
小売りやサービス業での無人化が進んでいる中国の無人消費市場は今後更なる拡大が期待されている。中商産業研究院が発表した「2017年中国無人販売市場展望研究報告」では、中国の無人消費は17年の100億元(約1700億円)から22年には100倍の1兆元(約17兆円)に達し、ユーザーは2.4億人を超えると予想している。
中国無人消費市場に参入を始めた日本企業もでてきた。イオンの子会社であるイオンディライトは、中国のIT企業ディープブルーテクノロジー(深蘭科技)と合弁会社を設立し、無人店舗の開発に乗り出す。
これまでの無人コンビニは、無人化技術に偏重しており品揃えの悪さを指摘する声が多かったが、イオンの小売りのノウハウとディープブルーの技術力とのシナジー効果が期待できそうだ。
モバイル決済の普及や人件費の高騰を背景に急拡大する中国の無人消費市場。小売りやサービスなどの従来型ビジネスにおいては多くのノウハウを持つ日本企業と、AIや顔認証などの先端技術に長けた中国新興企業との異業種間による提携が今後増えてくるかもしれない。
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『高齢化控える中国「老人の世話は…」発言の波紋 約束した「年金による老後の生活保障」は反故か』(5/18日経ビジネスオンライン 北村豊)について
5/18希望之声<“中兴案”似难翻身 美众议院禁止取消制裁=ZTE制裁案件は引っ繰り返すのは難しいだろう 米下院は制裁取消を禁止する>17日下院は「ZTE制裁保持修正案」を提出し、商務省がZTEへの輸出禁止令を取消すのを禁じた。下院通過後、上院で可決されれば、法案成立となる。下院での投票は6月中に行われる見込み。法案提出後トランプはZTEに言及することはなくなった。マルコ・ルビオ議員はFOXニュースに「私はZTEとか華為とかいう会社に済まないという感情は持たない。中国政府が支持してきた企業が既に多くの我が国の会社を倒産させてきた。彼らはこのようにして経済的、ネポテイズム(中国企業に米国高官及びその縁者を雇用の意味?)を利用して、国家の安全を危険に晒している。我々は彼らを助けるべきではない」と。
https://www.soundofhope.org/gb/2018/05/18/n1792512.html
5/20日経朝刊<中国、米製品の購入拡大 両国合意 1日遅れで声明>共同声明は「米国が検討する対中制裁の撤回には触れておらず、両国は「高いレベルで引き続き貿易問題の解決策を探る」としている。」とあり、駆け引きが続きます。次は王岐山の出番でしょうが、ポールソン人脈がどの程度生きているかでしょう。ゴールドマンサックス繋がりで言えば、ムニューチンですが、前回北京での会合時にもムニューチンが譲歩する様子は窺えませんでした。次はラリー・クドロー辺りに焦点を充てるのかもしれませんが、トランプの思惑と外れることはできないでしょう。米中貿易摩擦は米国の対中高関税で終わるというか、次には金融制裁が待っているという気がします。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30740300Q8A520C1000000/?nf=1
5/18日経ビジネスオンライン<中国頼みだったスクラップ処理が危機に 日本資源戦略の危機、サントリーが放つ一手とは 馬場 未希>中国が環境保護を意識してスクラップの輸入を減らし、国内でのリサイクルを強化するとのこと、うまく行くかどうかです。まあ、中国人に分別回収は難しいのでは。何でも道路に捨てる公衆道徳のない人が大半なので、上の号令があるからといってすぐにできるかというとそうはならないのでは。北京市の石炭使用禁止令のようにガス供給が間に合わなくて撤回に追い込まれたように、企業の原料が調達できなくなって撤回に追い込まれることは充分考えられます。しかし日本ではもっと国内でゴミを資源として活用する方向に行かないと。中国だけでなく世界にスクラップを輸出するのはどうかと。勿論、中古の物は良いと思いますが。ゴミと中古の線引きが難しいかも。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16eco/042500006/051700009/?n_cid=nbpnbo_mlpum
5/20日経朝刊<中国の「ダム攻勢」、メコン川流域の東南ア諸国を翻弄
カンボジア北東部ストゥントレン州の稲作農家のサム・イン氏は2016年、東南アジア最長の河川であるメコン川の支流沿いにあった家から立ち退いた。今年後半に本格稼働すれば、発電能力400メガ(メガは100万)ワットと同国で最大規模のダムになる「セサン2」建設に伴い、村が水没するためだ。

メコン川でのダム開発は漁獲量の減少を招くという(支流のカンボジア・トンレサップ川で魚を捕る漁民の親子)
10年ほど前にダムの計画を聞かされた際、サム・イン氏ら村民は反対した。カンボジア政府は、ダムの発電が国全体に寄与すると説明した。代替地には、政府が約束した灌漑(かんがい)施設も農機具もなく、生産性は以前の半分以下に低下したという。メコン川流域ではほかにも、ダム建設により稲作に必要な川の堆積物が減り、魚も絶滅の危機にひんすると予想される。
カンボジアは12年、中国の支援を得て「セサン2」のプロジェクトを推進した。中国発電最大手の中国華能集団の子会社が、ダム会社の過半数の株を持つ。中国によるダム建設は、メコン川に頼る6000万人規模に上る東南アジアの流域住民の生活を、大きく変えつつある。中国は全長約4800キロメートルの川のうち、自国の上流域を制御し、下流域には摩擦や懸念を引き起こす。一部の専門家は、物流なども含むメコン川流域国のリスクの度合いを、中国による南シナ海の人工島建設と比べる。
米非政府組織(NGO)インターナショナルリバーズによると、中国以外のメコン川本流で計画するダム11カ所のうち、6カ所は中国の支援を受ける。一方、欧米や日本などの投資家は、メコン川のダム開発から撤退しつつあるようだ。日本が最大株主のアジア開発銀行(ADB)は環境への影響を考慮し、メコン川本流での水力発電プロジェクトへの融資を凍結した。
中国政府は、メコン川を使った巧みな外交攻勢を展開してきた。16年の干ばつでは下流域の水流を改善するため、上流域のダムからの放水を発表した。特に緊張が高まっていたベトナムとの関係改善に役立てたかったようだ。タイやラオス、ミャンマーも含め流域国はダムについて、巨大な貿易相手や投資国となった中国への反対は難しいと感じている。中国は15年に発足した、中国を含む流域6カ国の新たな枠組み「瀾滄江―メコン川協力(LMC)」も主導した。16年の第1回首脳会議では、流域開発に100億ドル(約1.1兆円)超の融資枠を設けると約束した。
電力の需要は高まっている。カンボジア政府は、約50%の家庭にしか電気が届かない現状を、30年までに70%まで改善したいとする。ラオスも、電力販売により「東南アジアの電源」となるのを望む。だが電力供給が増えても、環境への悪影響のほうが大きいという研究結果は少なくない。タイのメーファールアン大学の17年の報告書によれば、30年までに計画中のダムがすべて完成すると、下流域の国への悪影響は今後半世紀ほどで73億ドルにのぼる。
東南アジア最大の淡水湖、カンボジアのトンレサップ湖は同国の全漁獲量の半分以上を占める。湖水の約60%はメコン川から流れ込むが、上流のダム開発は魚の回遊を妨げ、漁獲量の減少を招く。漁業を営むオエル・ネイビー氏は「どこかの政府が発電のためダムをつくっていると聞くが、自分に関係があるとは感じられない。生きていくため、もっと魚を捕りたい」と話す。
(バンコク=小野由香子)>(以上)
中国は環境保護強化を謳っていますが、それなら下流の国々に迷惑がかかるダムの建設は止めるべきでは。中国の水源はチベットにあり、元々中国とは別の国です。漢民族お得意の歴史の改竄・捏造です。結局水を政治的に利用し、東南アジア諸国を中国に從わせようという帝国主義的振舞いなのでは。
北村氏記事で感じますのは、中国の年金や医療保険の基金は高級官僚が着服して、全員に給付することはできないのではという事です。それでなくとも低い給付なのに、それすらできないような状況になっているという事です。また、北村氏が言いたかったのは「中国の夢」なる中華帝国を作るための軍拡を止め、その財源をもっと福祉に充てたらと言うものと理解しました。大賛成です。中国の平和的台頭は歓迎しますが、軍拡には反対します。世界の平和への攪乱要素となりますので。でも中国人の性格から言って無理でしょう。自己中で周りを見ませんから。今、井波律子氏の『中国侠客列伝』を読んでいますが、非常に面白い。紀元前まで中国には自分の命を顧みず、他人の為に戦った侠(おとこ)が沢山いたという話です。秦の始皇帝の命を狙った荊軻も含まれています。長い歴史の中で、漢民族は北方民族に圧迫され(北宋時代)、南に下っていき、昔の漢族が残っているは今の広東省や福建省の客家だとも言われています。客家たちでも、昔の侠(おとこ)と言われる人は少ないでしょうが。
記事

一人っ子を失った両親による北京での抗議集会(写真:ロイター/アフロ、2016年4月18日撮影)
5月12日は“国際護士節(国際看護師の日)”である。この日は、1854年に勃発したクリミア戦争に看護婦として従軍し、その目覚ましい働きから「クリミアの天使」と呼ばれ、後に英国の看護教育に貢献して、「近代看護教育の母」と呼ばれたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日であり、これにちなんでスイスのジュネーブに本部を置く国際看護師協会が1965年に「国際看護師の日」を制定した。
国際看護師の日を2日後に控えた5月10日、中国政府“国家衛生健康委員会”(以下「国家衛生委」)は記者会見を行った。それは、2008年1月に公布された『“護士条例(看護師条例)”』の実施10周年と中国が2008年5月に国際看護師の日を初めて実施してから10周年に当たることを記念して開催されたのだった。
この記者会見に出席した国家衛生委“医政医管局”副局長の“焦雅輝”(女性)は以下のように述べた。
【1】『看護師条例』の施行以来、看護事業は急速な発展を遂げ、顕著な成果を納めている。2017年末における、我が国の登録看護師の総数は380万人を超えており、衛生・家族計画専門技術者の42.3%を占めている。彼らの67%が大学卒業以上の学歴を持っている。ここ数年、我々は看護士の労働条件を絶えず改善し、看護師の待遇を保障し、労働と成績に応じた報酬を実現し、看護師の積極性を引き出している。
【2】データによれば、目下のところ、中国の60歳以上の老人は約2.4億人で、65歳以上の老人は約1.6億人であるが、その中には要介護と要支援の老人が相当数含まれている。但し、老人介護と老人看護に携わる看護師は慢性的に不足し、看護師の増員は急務であり、2020年までに全国の看護師を450万人にする目標を達成する必要がある。
【3】これら看護師による優良看護サービスはすでに全ての“三級医院(上級医院)”で実施されており、90%近い“二級医院(中級医院)”でも優良看護サービスが展開されている。しかし、今後さらに増大する老齢人口に対応するためには、これら医院の介護サービスだけに頼っている訳にはいかない。そこで、国家衛生委は人々の看護サービスに対する多様化した複合的な要求に対応すべく、看護師部隊の創設を強化し、新たな看護サービスモデルを創り、看護サービスの供給を増大させ、看護サービス業務の改革と発展を推進する。
【4】現在2.4億人に達している60歳以上の老人は、今後さらに増大するが、我々は積極的に人口の高齢化に対応し、老人介護と老人看護を発展させなければならないが、そのためには「誰が世話をする」、「誰の世話をする」、「誰がカネを出す」などの問題を解決しなければならない。我が国の国情から見て、政府機関による看護は我々の主要な方向ではない。将来、これら老人たちを看護する主体と主要なモデルは“社区(地域社会)”と家庭である。特に地域社会では、現在多くの地方で互助式の“養老(老人をいたわり養う)”が模索されており、都市には老人が集中する老人アパートや地域社会があり、農村には民政部門が推進しているものに似た“養老”のための“幸福院”、または互助の“養老”モデルがある。村の“衛生室(診療室)”付近では、村の医師が日常的に健康サービスを提供している。
【5】誰がカネを出して老人の世話をするのかという問題を解決する件に関しては、日本の経験を参考にして、医療保険の他に長期看護保険があるので、老人の長期医療看護問題は解決できる。我が国では中央政府の人力資源・社会保障部門が先頭に立ち、全国の一部の都市で長期看護保険の試験を行っており、長期医療看護の費用負担問題の解決を図っている。この他に、我が国は民間保険をさらに発展させ、民間保険会社に老人の長期介護と看護に特化した保険を開発して補充作用を発揮してもらわねばならない。
「中国の年金政策は不公平、無責任、不透明」
上述した焦雅輝副局長の発言を受けて、米国の中国語ニュースサイトである“阿波羅新聞網(アポロニュースネット)”は、5月12日付で「人を驚かす社会保障の内幕、中国は約束の履行を拒否して、“養老”を地域社会や家庭に押し付ける」と題する同ネットの記者の筆による記事を報じた。その概要は以下の通り。
(1)数日前、中国版Twitterである“微信(WeChat)”の“朋友圏(モーメンツ)”に“独生子(一人っ子)”という題名の写真が掲載され、大きな話題となった。それは1人の若い男性が2つ並んだ病院のベッドの間に座り、左右のベッドに横たわる2人の患者を見守っている写真であった。ベッドに横たわっているのは病気に倒れた彼の父母で、右のベッドには父親が、左のベッドには母親が、それぞれ憔悴しきった様子で写っていた。“朋友圏”で結ばれた人々は写真を見た後に評価を返信したが、中には涙をこらえきれない人もいた。その写真が表していたのは中国政府による一人っ子政策がもたらした高齢化問題の厳しい現実であるが、中国政府はまたしてもその責任を回避しようとしている。5月10日、中国政府の国家衛生委は、老人医療看護問題の解決を強力に推進するとして、未来の老人看護は主として地域社会と家庭が受け持つことになるだろうと言明した。
(2)最近、写真家の“張審軍”が撮影した“独生子”と題する作品がネット上に繰り返し投稿されたが、これを見たあるネットユーザーは「この写真は人を絶望させる」と述べた。3月8日午後に中国メディアのインタビューに答えた張審軍は、「写真は社会の忌諱(きき)<注1>に触れるかもしれない。それは主として一人っ子政策との時代的な関連性である。この写真を撮影したのは2013年だが、写真の中に写っている母親はすでにこの世を去った」と述べた。
<注1>「忌諱(きき)」とは、嫌って避けること。
(3)時事評論家の“李沐陽”は、「これは今の中国の現実であり、中国が30年以上にわたって推進してきた計画出産政策で生まれた第一世代の一人っ子が40歳前後の中年になった。誰もが知っているように、現在この年代は「“上有老(上に老人)”、“下有小(下に子供)”」の段階にある。一人っ子が直面している家庭構造はどのようなものだろうか。ある学者は現在の家庭構造を「4+2+1」と表現している。すなわち、上には夫婦の両親である60歳を過ぎた老人が4人いて、下には未成年の子供が1人いる。
(4)少し前にネット上に『インフルエンザ下における北京の中年』と題する文章が掲載されたことがあった。それは北京の中産階級の話で、1人の老人がインフルエンザに罹って病気になると、医療費が高いので2カ月も経たないうちに長年蓄えた家財が空っぽになるというものだったが、もしこれが他の地方だったらどうだろう。これは想像したくない問題だが、中国では実際に必ず直面しなければならない問題である。それが“養老”問題だったらどうだろうか。
(5)著名な経済学者である“郎咸平”はかつて文章の中で、中国の年金政策には不公平、無責任、不透明という重大な問題が存在していると指摘した。不公平な問題は2つある。第1は、給料の8%が年金保険料として自動的に天引きされる。第2は、低収入の人々が徴収される年金保険料が割高である。中国政府は月収の最低基準で計算して保険料の納付を要求しているが、月収が最低基準に到達していない人も同じ基準で保険料を納付しなければならず、低収入の人々はそれ以上の負担を求められているのに等しい。退職者の年金はもっと不公平である。公務員の年金は企業職員の年金より数倍も高い。
話は変わるが、年金保険に加入していて保険契約の解除を求めても、思い通りに解除して従来納入した保険料の払い戻しを受けることができた人はほとんどいない。2007年頃、広東省“深セン市”では494万人が年金保険に加入していたが、保険契約を解除した人は83万人に達した。彼らのうち、保険料の払い戻しを受けることに成功したのは9672人に過ぎず、残る82万人が納入した保険料は一銭も払い戻しされなかった。この金額は巨大である。同様に、企業が職員のために納入する年金保険料(給料の20%)は社会統一管理口座に収められるが、その口座に集められた保険料がどのように運用されているか、運用益がどうなっているかは全く知らされていない。
「政府が責任を持つのは不可能」
(6)郎咸平が述べているように中国の年金政策には不公平、無責任、不透明という重大な問題が存在しているというのに、5月10日に国家衛生委の焦雅輝副局長は将来の“養老”の主役は中国政府ではなく、地域社会や家庭だと言明したのである。この点について米国ウイスコンシン州立大学の客員教授で中国人口学者の“易富賢”は、次のように述べた。すなわち、中国の老齢人口が直面する“養老”問題は極めて深刻である。中国政府が過去に計画出産政策を実行した時には、政府は国民の“養老”に責任を負うと約束していたのに、高齢化問題がますます深刻な状況になったら、政府が“養老”に責任を持つことなど根本的に不可能と表明している。これはどう考えても政府の身勝手であると言える。
(7)2015年12月、“失独者(一人っ子を亡くした父母)”の代表が北京に集まり、当時の「国家衛生・計画出産委員会(現:国家衛生委)」に対し、一人っ子の子供が死亡したことにより自分たちの“養老”に多大な負の影響が出ている旨を訴えた<注2>。しかし、国家衛生・計画出産委員会の回答は、一人っ子が死亡した家庭に国家が行政保障を行うとの法的根拠はないというものであった。
<注2>“失独者”の詳細については、2015年12月11日付の本リポート『「一人っ子」亡くし、56歳で出産した母の挑戦』参照。
中国には1996年8月に制定され、2012年12月と2015年4月に改正された『老人権益保障法』という法律があり、以下の条文が明記されている。
【第2章 家庭扶養】
第13条:老人の“養老”は住家を基礎とし、家庭構成員は老人を尊重、重視、世話しなければならない。
第14条:扶養者は老人に対し経済上の扶養、生活上の世話と精神的上の慰めを履行すべきであり、老人の特殊な要求に対応しなければならない。扶養者とは老人の子女およびその他法に照らして扶養義務を負う人を指す。扶養者の配偶者は扶養者の扶養義務の履行に協力せねばならない。
第18条:家庭構成員は老人の精神的要求に関心を払わねばならず、老人を無視したり、冷遇してはならない。老人と別居している家庭構成員は絶えず老人を見舞ったり、ご機嫌伺いをしなければならない。雇用組織は国家の規定に基づき扶養者が帰省休暇を取る権利を保障しなければならない。
【第3章 社会保障】
第28条:国家は基本年金保険制度を通じて、老人の基本的生活を保障する。
第29条:国家は基本医療保険制度を通じて、老人の基本医用の需要を保証する。最低生活保障を受ける老人と低収入家庭の条件に符合する老人は、参加する新型農村協力医療保険と都市住民基本医療保険が必要とする個人の納入する保険料を政府が補助する。
ところで、2012年12月に改正された同法は2013年7月1日に発効したが、その発効当日に江蘇省“無錫市”の“北塘区人民法院(下級裁判所)”で公開審理が行われた親の扶養を巡る裁判は、原告である親が、家庭内紛で家を出て、親との関係を絶った娘と娘婿を被告として訴えたものだったが、判決は被告に対し親に一定の経済的保障を与えるほかに、少なくとも2カ月に1回は親を見舞うことを命じた。第18条は2012年12月の改正で修正が加えられた条文で、この判決が親を定期的に見舞うのを命じた最初の判例となった。
不足する施設や看護、介護スタッフ
話は本題に戻る。上記の条文からも分かるように、中国政府は国家が年金制度を通じて老人の基本的生活を保障すると約束したはずである。しかし、郎咸平が述べている不公平、無責任、不透明な年金政策と乱脈な年金運用による結果かどうかは分からないが、2017年4月時点で“清華大学”の報告書は国民から集めた年金資金が4.7兆元(約80兆円)も不足していると指摘しているし、2017年12月に中国政府の報告書が多数の一級行政区(省・自治区・直轄市)で年金資金の不足が急を告げていると述べている。中国政府は年金資金不足を懸命に否定し、年金財政は健全であると公言しているが、すでに中国の年金制度は破綻したと公言する学者もいるのである。
そうした状況下で国家衛生委の焦雅輝副局長が「今後、“養老”の主体は国家ではなく、地域社会と家庭である」と言明したことで、中国の年金制度が危機的状況にあり、社会保障全般に問題があるのではと、国民が危機感を募らせる結果となったのである。
中国には養老施設が2017年末時点で15.4万カ所存在しているが、正式に登録されているのは約2.9万カ所にすぎず、これら施設のベッド数は700万床しかなく、とうてい現在2.4億人いる60歳以上の老人の中で介護や看護を必要とする人々を収容できる態勢には程遠い現状である。また、国家資格を持つ介護士は2万人しかおらず、今後必要となる介護士1000万人を養成するには相当な年月を必要とする。
“養老”を地域社会や家庭が主体となって行うにしても、要介護や要看護の老人を世話するのには限度がある。限度を超えた段階では、国家が彼らを受け入れる必要があるが、それが期待できないとなれば、現在の日本で問題となっている親の介護を理由とする退職や老々介護が増大することになるだろう。中国の高齢者は2050年には4.8億人となり、予測される総人口13.6億人の35%を占めることになる。
世界第2の経済大国となった中国は、習近平が提唱する「中国の夢」を実現して世界に覇を唱えようとしているが、超高齢社会(65歳以上の人口が全人口の21%以上)が到来することを念頭に今から万全な対策を取り、地道な努力を積み重ねないと、悲惨な未来が待つことになるだろう。
中国の史書『戦国策』にある“燕策”の故事から出たとされることわざ「先ず隗(かい)より始めよ」(意味:遠大な事業や計画を始めるときには、まずは手近なところから着手するのがいい)の精神は、今の中国にとって不可欠なものではないだろうか。
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『リムパック参加の中国軍、次は何をしでかすのか?国際ルールを無視して米軍機に高出力レーザー照射』(5/17JBプレス 北村淳)について
5/17看中国<习近平到军科院发声 毛新宇再次被关注(组图)=習近平は軍事科学院で声を上げた 毛新宇はまた注目を浴びた>毛沢東の嫡孫で朝鮮での自動車事故で亡くなったと韓国で報道されていた毛新宇は生きていたようです。習はZTEの問題で焦って中国軍の科学技術力を上げるよう5回の会議を通じてはっぱをかけたとのこと。会議が終わった後の宴会で習は毛新宇を見て見ぬふりをしたと。毛新宇は軍事科学院戦争研究院副院長の肩書きを得たとも。(下記URLでは記事が出ないようなので、表題をコピペして検索ください)
https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/17/858895.html
5/14Share News Japan<琉球新報「レーザー照射や凧揚げは市民の抗議行動。米軍機はそれで墜落するほど脆弱なのか」>ここまで言われりゃ米軍もレーザー照射や凧揚げする人間に機銃掃射でも浴びせて見たら。被害が出たら文句は琉球新報に言えば良いでしょう。まあ、冗談ですが。沖縄は無法地帯になっています。国民の関心が行かないので、敵に付け込まれやすいという事です。翁長が膵臓癌で辞任するかも知れず、自民党は早めに沖縄県知事候補を立てた方が良いというのが小坪慎也氏の意見です。彼は安里繁信氏を応援しています。翁長も元々は自民党沖縄県連の幹事長だったのに、結局共産党に魂を売った変節漢です。前例がありますので自民党だからと言って安心はできませんが、安里氏は翁長よりは100倍以上に良いでしょう。県警本部長の交代を具申して、違法デモやストライキを厳しく取り締まらないと。福島瑞穂が出て来たら、ネットで目一杯、晒してやれば良いでしょう。国会議員の不逮捕特権は国会開会中だけです。いくらアホでも閉会中に変なことはしないと思いますが。
https://snjpn.net/archives/51254
https://samurai20.jp/2018/05/asato/
左翼の発想は似通るようで、①ルールを守らない②自己中心の人の集団です。ジブチの人民解放軍と沖縄の反基地運動をしている人間の行動の何と似ていることか。両方とも米軍パイロットに何かあれば、戦争勃発や日米同盟の崩壊に繋がりかねません。まあ、敵はそれを狙っているのでしょうけど。平和を唱え、暴力反対をスローガンに掲げる人が一番その反対の行動をするという分かり易い事例です。違法な反対運動をしている人間を日本政府が取り締まれないなら、米軍に頼んで取り締まって貰ったら。米軍が反対派を基地に引きずり込み、グアンタナモまで連れて行って、水責めにでもしたら良いでしょう。ハスペル氏は上院公聴会で拷問は再開しないと答えて、CIA長官として上院で承認されましたが。まあ、米軍が取り調べれば、簡単に裏の活動資金がどこから出ているか簡単に明らかになるでしょう。中国と朝鮮半島でしょうけど。敵はそうできないことを知悉しているので歯がゆい思いをします。
リムパックに中国を参加させる必要はないと思います。貿易摩擦とも絡めて、国際ルールを守れない国は、参加資格はないと断れば良いでしょう。時間が迫っているからというのは関係ありません。中国なんかギリギリになって態度を豹変するのを何度も見ました。そうすれば相手が代替を探すのに時間やコストがかかるだろうと踏んで、足元を見て吹っかけてくるわけです。それに負けては駄目。日本人はその点が甘すぎです。
記事

ジブチにある米軍基地キャンプ・レモニエで軍用機に乗り込む海兵隊や水兵ら。米国防総省提供(2013年12月24日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / US DEPARTMENT OF DEFENSE / US Marine Corps Staff Sgt. Robert L. Fisher III〔AFPBB News〕
紅海とアデン湾を結ぶ海上交通の要衝に位置するジブチの首都ジブチ市周辺には、かつて宗主国であったフランス軍の基地をはじめ、大規模なアメリカ軍基地、ドイツ軍、イタリア軍、スペイン軍の施設、それに自衛隊初の海外基地などが存在している。それらに加えて昨年(2017年)夏には、中国軍初の海外基地も開設された。
ちなみに、フランス、アメリカ、日本、ドイツ、イタリア、スペインの軍事施設はいずれもジブチ国際空港に位置している。その中で最大の施設はアメリカ軍のキャンプ・レモニエであり(滑走路はジブチ国際空港と共用)、それと隣接してフランス軍と自衛隊の基地が設置されている。中国軍基地はキャンプ・レモニエからジブチ市街を挟んで10キロメートルほどの海岸にある。

ジブチは紅海とアデン湾を結ぶ海上交通の要衝に位置する(出所:Googleマップ)

ジブチで、中国軍事基地の開設式に参加した中国人民解放軍の軍人ら(2017年8月1日撮影)。(c)AFP PHOTO / STR〔AFPBB News〕
米軍機へのレーザー照射で搭乗員が負傷
そのジブチで、4月下旬から5月上旬にかけて、キャンプ・レモニエから発着するアメリカ軍航空機に対して強力なレーザーが照射される事件が連続して発生した。そして5月2日には、米空軍C-130輸送機の搭乗員2名が、レーザーの照射を受けて負傷するという事態にまで至った。
幸いにも失明するような重傷ではなかったものの、ペンタゴン広報官によると「ジブチで頻発している米軍機に対するレーザー照射事件で用いられているレーザーは、極めて高出力であり、市販のレーザー装置から発せられたものではなく軍用レーザーと考えざるをえない・・・場合によっては失明の恐れもあり、極めて危険な行為である」ということである。
米軍機に対する一連の軍用レーザーによる“照射攻撃”は、いずれも中国軍基地付近から発せられていた。そのため、連邦航空局(FAA)は「中国軍ジブチ基地周辺750メートル付近から高出力レーザーが照射された事案が数回発生している。この地域周辺を通過する際には、最大限の注意を払うように」といった警告を航空関係者に対して発した。

各国のジブチ基地エリア
中国政府は米政府の抗議を一蹴
照射事件が起き始めてから数件に関しては、搭乗員たちに直接的被害が発生しなかったこともあり、米側が中国側に抗議することはなかった。しかし、負傷者が生ずるに至って、アメリカ政府は中国政府に対して公式な外交的抗議を申し渡した。
ところが中国側の反応は、米軍当局が予想していたとおり「米軍機に対して故意にレーザーを照射した覚えはない」「基地周辺でのレーザー照射は、鳥を追い払うためと、基地上空に接近する可能性があるドローンを撃退するためである」といった声が聞こえてくるのみであった。中国外交当局も「厳正に事態を調査したが、アメリカの主張は全く根拠のないものである」と米側の公式抗議を一蹴している。
中国によるレーザー照射に米軍が激怒しているのは、失明の恐れすらあるような危険な攻撃を受けたことに対する直接的な怒りだけではなく、中国がジブチおいても国際的取り決めを守らないことに対してである。
中国は高出力レーザーの使用に関する国際的取り決めに参加している。それにもかかわらず、数回にわたって軍用レーザーを米軍機に向けて照射し、そのうえ中国国防当局は「中国は、地域の安全保障と平和維持のために、国際ルールそして現地の法令などに厳正に従って行動している。言われなき外交的抗議は受け付けない」と米国側の抗議を無視する姿勢を崩さない。
「関与政策」のなれのはて
米軍関係者からは、「百歩譲って、米軍機に対する軍用レーザー照射事件が、上部からの命令に従ったのではなく個人が勝手に行ったものであったとしても、海外に駐屯する部隊の統制すらまともに行えない無責任な国際協力部隊の存在は、迷惑なだけでなく危険極まりない」と危惧の念も聞こえている。
そして、今回の高出力レーザー照射事件や、南シナ海での人工島建設のように、中国が国際ルールを踏みにじる行為を繰り返しているのは、アメリカ側にも責任の一端があるという指摘がある。つまり、アメリカ側が「なんとかして中国を国際社会の枠組みに組み込んでしまおう」という、いわゆる「関与政策」をとり続けて来たことの結果だというわけだ。
今年になってトランプ政権は、国際安全保障環境を「大国間の角逐」状況にあると明言するに至った。すなわち、中国との関係は、これまでの協調関係の維持を目指す「関与政策」から一転して、対決に打ち勝つことを前提とした「封じ込め」、あるいはそこまでいかなくとも「封じ込め的政策」へと大きく舵を切ったのである。
「RIMPAC-2018から中国を閉め出せ」
そこで対中強硬派の米海軍関係者たちの間に、レーザー照射事件を機に、またまた浮上してきたのが「RIMPAC-2018から中国海軍を閉め出せ」という声である。
RIMPAC(リムパック)とは、2年に一度アメリカ太平洋艦隊が主催して行われる多国籍海軍合同演習だ。各国の海軍(海兵隊を含む)が参加し、ホノルルを中心に実施される。2014年からは中国も参加するようになり、今年の夏に開催されるRIMPACにも参加することになっている。
なぜ、米海軍を中心とする同盟海軍にとって仮想敵である中国が、合同演習に参加し始めたのか? それは、中国に対する弱腰ともいえるほどの「関与政策」を取っていたオバマ政権が、多くの米海軍関係者たちの反対を押し切って招待したからであった。
しかしながら、1回目の参加(RIMPAC-2014)では、中国海軍は公式に参加した艦艇以外にも電子情報収集艦(スパイ艦)を訓練海域に派遣して情報収集活動を展開するという国際ルール違反を犯した。そして2回目のRIMPAC-2016では、参加国の“仲間”である海上自衛隊に対して公然と非礼を行うという国際的な海軍信義則を踏みにじる行為を繰り返して、主催者である米海軍を困惑させるとともに激怒させた(参考「中国海軍の参加で意味不明となりつつあるリムパック」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50446)。
このため、今回のジブチでのレーザー照射事件を受けて、これまで何度も中国海軍をRIMPACから排除せよと主張してきた米海軍対中強硬派の人々の間から、「これまでRIMPACに参加させることによって、中国軍が国際ルールを尊重するよう促してきたものの、全く効果はない。アメリカの安全保障戦略の基本的スタンスが『大国間角逐』へと方針転換したのであるから、この際RIMPAC-2018から中国を閉め出すべきだ」との声が上がっている。
とはいっても、RIMPAC-2018への中国海軍の参加を間近に迫った現時点で拒絶するのは外交的には困難と考えざるを得ない。そのため、対中強硬派は「中国海軍は今度はなにをしでかすのか?」と身構えるしかないというのが現状である。
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『朝日も読売も優生思想丸出し記事連発の過去、過ちを認めないマスコミ』(5/17ダイヤモンドオンライン 窪田順生)について
国際関連記事ではありませんが、最近読んだ本で面白かった内容と関連していますので紹介します。今も昔もメデイアは自分の所業を棚に上げて批判することしかできない能無しです。彼らは、戦前・戦中は戦争を煽って亡国の一歩手前まで追いやり、戦後は打って変わって外国の手先となって日本を安全保障の面で丸裸にし、外国からの攻撃に対抗できなくして、国を危殆に瀕するように仕掛けています。戦前・戦中・戦後ともメデイアは方法こそ違え国を滅ぼし共産主義化しようとしているのではと勘繰ります。戦後教育でも悪いのは右翼・軍部と日教組が刷り込んでいますが、自分達のアジテーションについては一言も触れません。
筒井清忠氏著『戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道』が読んだ本です。松岡洋右と近衛文麿も国民世論(実質新聞世論)に迎合して、政治の舵取りを誤ったと批判しています。昔からメデイアは無責任だし、下種な発想を煽情するのが得意という事です。でも騙される方も悪いのです。今はインタラクテイブに情報が交換できる時代。時代の利を生かしませんと。情弱ではまともな民主主義社会の構築は出来ません。
「新聞と大衆
次に重要な論点として新聞と(日比谷公園焼き打ち)事件との関連という問題がある。何よりも河野広中、小川平吉ら事件関係者が、暴動の波及が急速となった原因として警察への憤懣が浸透していたこととともに「新聞が是を煽動的に報道せることを挙げて居る」のであるが、取り締まる側もこれを「傾聴に値すると思う」と著していることは見逃せない(社会問題資料研究会〔一九七四〕七五頁)。
この点について松尾尊兊は次のような重要な指摘を行っている。
「調査しえた各種の地方新聞によるかぎり、まず注目すべきは運動の組織には必ずといってよいほど、地方新聞社、ないしはその記者が関係していることである。新聞は政府反対の論陣を張り、あるいは各地の運動の状況を報ずることで運動の気勢を高めただけではなく、運動そのものの組織にあたったのである」(松尾〔ニ〇〇一〕ニ六頁) すなわち、以下のような事例が挙げられる。
八月二十日、九月八日二回にわたる和歌山県民大会。『和歌山実業新聞』『和歌山新報』(政友会系)、『紀伊毎日新聞』『南海新報』(憲政本党系)四社共催
九月三日、五日、十八日 三次にわたる呉市民大会•広島市民大会。地元新聞記者団主催。名古屋市民大会•愛知県民大会。記者団が準備
九月九日静岡県民大会。『静岡新報』(政友会系)、『静岡民友新聞』(憲政本党系)両社と静岡県選出の政・憲両党代議士が発起人
九月十二日新潟県民大会。『東北日報』『新潟新聞』『新潟公友』『新潟日報』四社発起
同日長崎市民大会、九月二十日長崎県民大会。『長畸新報』『九州日の出新聞』『鎮西日報』『長崎新聞』四社と、県会•市会の両議長などが発起人
同日市制施行地でないところでも、愛知県豊橋町や新潟県長岡町などで地方新聞社の発起による町民大会開催
「判明するかぎりのほとんどすべての集会には、新聞記者が発起人あるいは弁士の一員として参加しているのが実状である」(松尾〔ニ〇〇一〕ニ六〜ニ七頁)
こうした新聞の激しい反対運動が日比谷焼き打ち事件を誘発した有力な原因であることは間違いないが、それがのちの憲政擁護運動(護憲運動)•普通選挙要求運動(普選運動)につながったことも否定できない。」(P.30~32)
「日本の行動がよくないと指弾されても、制裁などはないのだから無視してそのまま(国際連盟に)居つづければいいということになるわけである。これは「頰かぶり」論と言われることになる。
十一月三〜七日、松岡はモスクワに滞在したが、リトビノフ外務人民委員から不侵略条約を提議されている。その後、松岡は十一月十八日にジュネーヴに到着した。政府はこの日、 リットン報告書に対する意見書を提出するが、翌日の新聞各紙はリッ卜ン報告書を一斉に非難した。新聞との同調の本格的な始まりである。
十一月二十一日、リットン報告書を審議する国際連盟の第五回理事会が開かれ、松岡と顧維鈞中国代表が演説、さらに十二月六日、総会で松岡と顔恵慶中国代表が演説した。 十二月七日、サイモン英外相が演説し波紋を呼んだ。次のようなものであった。 報告書は両国を正確に批判している。中国に排外感情がないと擁護する向きもあるが報告書は排外感情が疑いなく存在していると結論づけている。中国はワシントン会議の国際協力の道を歩み始めたのだから一〇年間その道を歩んでおればいいものを排外的宣伝の悪意のためにそれを妨げられた。批判ばかりでなく実際的妥協が必要なのである。
中国の激しい運動に苦しめられてきた英国は日本に好意的であったことがわかる。松岡は喜び、中国は憤慨した(臼井〔一九九五〕一四四〜一四五頁)。しかし、松岡にはこれを日本の利益に結びつける工夫に乏しかった。
十二月八日、松岡が著名な十字架演説を行った。日本を十字架上のキリストに喩えたのだが、キリスト教国にプラスであったのか疑わしいところであった。
十二月十五日、一九人委員会は十五日の総会決議に基づき、総会報告案文を日中に提示した。決議案•理由書で構成されているが、和協委員会を設置し、そこに米ソ両国を招請するとし、理由書第九項において「満洲における現体制の維持および承認は解決と見なされない」として満洲国を否認していた。日本代表部は米ソ招請を「快諾」と上申したが、内田外相は紛糾させるだけと拒否した。
十二月十九日、全国の新聞一三ニ紙がリットン報告書受諾拒否共同宣言を出した。これだけの規模と量を合わせた共同宣言はかつてないものであった。ロンドン海軍軍縮条約に賛成で歩調を合わせた新聞メディアは、それをはるかに上まわる対外強硬論で一致したのである。 一九三三年一月一日、山海関事件が起きた。満洲国と中国の国境の山海関を日本軍が占領したのである。これを聞いた対日強硬派のスチムソン米国務長官は、出淵勝次駐米大使に「日本は国際連盟やパリ不戦条約から脱退したほうがよい」と言明した(臼井〔一九九五〕一五〇頁)。
このあと、日本軍は満洲国を固めるため熱河作戦を展開。天皇は国際連盟から除名されることを心配したが、五月の塘沽停戦協定に至る。」(P.196~197)
「このように見てくると、日本が「頰かぶり」主義でじっと黙って待っている戦略を取っていれば、その後の国際情勢の変化のなか国際連盟で生き延びえていた可能性はきわめて高かったと言えよう。勧告を聞きつつ脱退せずにすませるという「頰かぶり」戦略を放棄したことが、日本の失敗の最大の外交的原因であった。
先に見た松岡の文章には「国家の前途は、一に国民精神の如何に依る、断じて一時の便宜、若くは物質的損得に依り決せらるべきものに非ず」とあったが、日米開戦の前にも政府は同種の決断をすることになる。これは政党政治といえば「党利党略を排斥すべきだ」という見方に類似している。外交や政治の主体を「利益」の観点から見ることができない、成熟のない政治観が根本にうかがえるのである。もちろん、「利益」がすべてではない。そこには例えば「価値」「理想」なども必要なのだが、「利益」の追求は合理性を担保することになり、 政治主体が置かれた環境を無視した非合理的行動に走らせないという視点が重要なのである。 それが現実性・合理性を踏まえた外交世論の熟成につながるのである。この視点をたえず保持していた石橋湛山から今日学ぶべきことが多い理由でもある。
ポピユリズム的世諭の問題
松岡は四月二十七日、横浜港に婦国したが、「数万人の山」と言われる大群衆が出迎え万歳の歓呼の声が怒濤のようにわき上がった。「JOAK〔NHK〕のマィクを通じて河西アナウンサーがこの盛観を全国氏の胸へ伝える……官民一同の熱狂歓呼のあらし」(『朝日』四月二十八日夕刊)という有り様であった。鉄道省は横浜駅から東京駅まで「全権列車」を特別編成。東京駅には全閣僚、陸海軍代表らが参列、宮城に向かう車の両側はやはり群衆が万歳を歓呼して迎えたのだった。
著名な外交評論家清沢洌は、このころ松岡に「松岡全権に与ふ」(一九三三年)という文章を書いている。この文章こそ、この問題の本質を最も的確に表現したものであった(緒方〔一九七〇〕)。
清沢は日露戦争後のポーツマス会議と今回のジュネーヴ会議とを比較し、三つの相違点を指摘している。
第一に、日露戦争当時、桂太郎首相と小村寿太郎外相は一体となって、いかに民論による迫害があろうとも断乎として講和会議をまとめる意志があった。これに対し、ジュネーヴ会議の場合には、斎藤実首相、内田康哉外相は民論の赴くままに動くというよりも、むしろ民論に責任を転嫁して、「與論の趨向」「国民の総意」と言って、この蔭に隠れようとした。
第二に、「桂と小村が絶対に、わが国の国際的孤立を避けんとしたに対して、斎藤、内田は寧ろわれから進んで孤立を選んだ傾き」があった。
第三に、日清、日露の戦争中には、「衆論に抗して毅然として立つ少数有力者があった」のに比べ、今回は国家の危機に直面してそうした主張をする者がなかった。「国家の絶大なる難局に面した場合には、暫らく輿論を無視し、国家のために一身を橇牲にするのも国民、殊に指導者の任務」ではなかろうか。かつての日本は小村をはじめこの種の指導者に事欠かなかったが、「今や、こういう国士的矜持を有している者が何処にも見あたらなくなった。
こう主張して清沢は次のように結論づけていく。外交においては「断じて」とか「常に」という断定的な言葉は禁句であり、また結果を急ぐことも外交に求めてはいけない。これまでのいかなる公文書よりはるかに日本の立場を認めたリットン報告書に対して、松岡のやったことは連盟脱退という恫喝と妨害だけであり、戦術として拙劣極まりないものだった。日本で絶賛されている松岡の外交は真の外交ではなく「背面外交」とでもいうべきものだ。背面の国民世論と傍聴席を喜ばせているだけで、肝賢の世界の裁判官席には何も届いていないのだ。
明治末、ポーツマス講和会議から帰国した小村寿太郎は、息子が生きているのに驚いたというほどの轟轟たる国民的非難を浴びたが、これ以上ロシアとは戦えない日本の国力を知っていた小村は、断然講和条約を結んだのだ。満罵を浴びても本当の国民の利益を考えて一身を犠牲にしてまでやり抜くのが真の指導者だ。かつてはわが国には確かにこういう指導者がいた。しかし今こういう「国士的矜持」を持つものがどこにいるか。彼らは「キング・モッブ(群衆王)の前に平伏し、恐怖して、ただその御機嫌を失わざらんことにつとめているではないか」。このように「輿論を懼るる政治家」が闊歩する現状の危険性を、清沢は激しく指弾したのであった。
この違いは言うまでもなく、普通選挙が始まりマスメディアが発達した今日に続く大衆政治の時代と、そうでない時代との政治家の差であった。以後、「群衆王」に突き動かされた日本は日中戦争から日米戦争への道を走る。
清沢は自由主義者として、外交と同じく思想においても左右両極の極論を排した。また、海外経験の長かった清沢は、欧米には老練のジャーナリストが多く、彼らは知力で勝負しており優れた分析力を見せるのに、日本の新聞記者は若者ばかりで、ジャーナリズムは体力で勝負するものだと日本人は勘違いしていると嘆じた。また、欧米のジャーナリズムは厳密な統計など正確なデータに基づいた報道を熱心に心がけているのに、日本のジャーナリズムでは不正確なものが平気で横行しており、ボピュリズムに足を取られやすい危険性の高いことも強く指摘している。
すでに見たように、日比谷焼き打ち事件は日本のポピュリズムの起源となるものだが、それでもそこには小村のような指導者がいた。しかし、国際連盟脱退の時点では下から上まで大衆世論に覆い尽くされていたというわけである。すなわち外交問題における日本のボピュリズムが明治と異なり昭和前期には、ある完成段階に達したことを告げたのが国際連盟脱退事件なのであった。」(P.206~210)
「新聞の無反省
無罪判決の日の『大阪朝日』「天声人語」(一九三七年二月十七日)は次のようなものであった。
「この事件は政界と財界と官界とにわたる複雑なる事件であって、その法律的審理が尽されたとしても、何か割り切れないものが国民の脳裏に残るのであり、部分的には疑雲のはれやらぬものがないとはいえないであろうが、それにしても法律によって罰するには無理であるのを、或る前提されたる観念をもって予めこの事件に対したという印象が、司法ファッシヨの名をもって世間を恐れしめていたのである。
斎藤内閣の総辞職が国家にどれだけの損害をかけたかは、今日において計量し得る限りではないが、十六名の被告が全部無罪となり、一部には国家賠償の途があるとしても、その社会的、個人的の損害は到底補うことは出来ないのである」
事件発覚時に「暴露された株売買の裏面 驚くべき策謀と醜悪な犯罪事実 背任として最も悪質 検察当局の鋭いメス」と「犯罪」が存在したかのごとく書き立てた自らの責任には、まったく何の反省の言も報道事実についての確認もなかった。(今のモリカケ騒動と一緒。進歩していない)
「何か割り切れない」で始まり、自ら同調した検察を「司法ファッショ」などと糾弾して、「斎藤内閣の総辞職」にまったく無関係のごとく書き、「その社会的、個人的の損害は到底補うことは出来ないのである」としたのであった。
すなわち新聞は、当初検察に乗って財界・官界要人を激しく攻撃しておきながら、無罪となると今度は検察を糾弾、自ら内閣を倒したことには無関係を装い、損害に対する補債も無頓着のままやりすごしたのだった。新聞は政党攻撃を開始してから、田中義一内閣攻撃では天皇周辺•貴族院による倒閣を支えた形になり、五・一五事件裁判では陸海軍とともに世論を煽動するなどしてきたが、今度は司法官僚の「社会革正」と組み、無罪の人たちを攻撃し内閣を倒したのだった。
一九三四年に起きた事件の判決が三年後に無罪と出たとしても、内閣が倒れ、天皇機関説事件がありニ・ニ六事件などがあった後では、人々の記憶が大きく修正されるものではないだろう。こうして、この事件は政党•財界の腐敗を印象づけ、正義派官僚の存在をクローズアップさせた事件として記憶に残るものとなった。言い換えれば、政党の後退と官僚・軍部の擡頭の方向へのマスメディアによるポピュリズムに大きくプラスした事件なのであった。」(P.223~224)
「しかし、このような達見の士は、極く少数であり、沸き立っている大衆の耳からは遠く、かすかであった。・・・これを批判したり、水を掛けるようなことを言うものは、袋叩きに会うのである。・・・武藤も、軍務局長として、政府と軍部との連絡役という立場で、いろいろと調整に努めてはいた。しかし、ドイツ大勝に煽られ、バスに乗りおくれるな、という大衆の昂奮や、参謀本部将校団の焦燥感とが、相乗作用を起こすし、沸き立つような「反米内」の風潮の中で、次第に戸迷いを見せていた」(矢次〔一九七九〕下巻)
この気運のなか、六月二十四日、近衛は「新体制確立運動」のため枢密院議長辞職を発表、事実上の出馬表明であった。
七月六日、近衛はブレーンの矢部と軽井沢で会談した。新党は「職能的国民組織」を基礎とし、そのなかから優秀な人材を集めて中核体を作り「挙国的な国民運動」を展開する、という方針にした。内容は明確でないが、中身よりドイツの電撃的勝利による気運に後押しされて、近衛自身もはや引き戻せないのである。
そして、この中身のない気運だけの新党運動にすべての政党が慌てて、それこそ「パスに乗りおくれるな」と合流し、解党していくことになる。この言葉の初出は『朝日』(六月二日)のようだ。」(P.274)以上
5/17NHKニュース5:24<北京で香港のカメラマンが連行される 人権派弁護士を取材中>
こういう場合、中国に対して日本のメデイアは何も発信しません。取材の自由が侵されている同業者との連帯を重視するのであれば、何らかのコメントを出すべきでしょう。そうすれば北京から取材の制限を受けるとか考えて黙るのであれば、窪田氏の言うように「社会の木鐸」とか言う言葉は使わない方が良い。国内で政府が反撃しないことをいいことに、事実を曲げてまでも批判するのはおかしいでしょう。我が身を安全地帯に置いて批判するのは卑怯者のすることです。中国へ行って政府を批判して来たら。大好きな共産主義国ですよ。
窪田氏の記事で、過去の不法行為についての損害賠償は20年の時効にかかるのではと思いますが。96年に法案が廃止されたなら時候の中断がない限り、時効と思いますが訴える側に成算があるのでしょうか?(手術は96年以後も続いた?それなら医者の違法医療行為の問題でしょう。訴える先が違います)況してや当時の医療技術水準が妥当と判断したわけですから。行政訴訟も民事訴訟も同じでしょう。多分アカが嫌がらせで訴訟提起を勧めたものと思われます。窪田氏によれば、自分達が立法化に尽力したくせに自分の責任は頬被りです。まあ、左翼の特徴ですが。オペされた方には気の毒ですが、子供を産みたい気持ちを抑えて20年以上も生きて来たのに今更それを思い出させるのは悪質でしょう。政府の信頼を失わせるためにやっているとしか思えません。こんな刷り込みに乗せられないようにしませんと。
5/16ブルームバーグ<ZTEの技術利用禁じる文言、国防権限法案に残る公算-米共和党議員>
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-16/P8SVK26KLVR601
5/17ロイター<米FBI、中国ZTEのような企業に「深刻な懸念」=長官>
https://jp.reuters.com/article/usa-china-zte-fbi-idJPKCN1IH38E
ZTEの件で、トランプが習に営業再開を約束しても、議会の反対があればできないという事のようです。トランプが国防権限法に署名拒否すれば、軍全体の活動が停止してしまうためです。元々ZTEは経済問題ではなく安全保障問題ですから、議会の言うのが正しく、トランプが取引材料に使うのは間違っています。まあ、トランプは習の気を引くために営業再開について踏み込んで発言したのかもしれませんが。
記事
旧優生保護法問題でマスコミが国を糾弾している。しかし、同法の前身である旧国民優生法の時代から、朝日新聞を始め、マスコミ各社が「優生思想で日本民族を繁栄させる」ことをバンバン喧伝し、世論形成に絶大な威力を振るったことは報じられないままだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
旧優生保護法下の悪行をマスコミはこぞって取り上げるが…

旧優生保護法の前身にあたる旧国民優生法成立後、優生思想礼賛記事をバンバン掲載し、世論形成に大きな役割を果たしたのは他ならぬマスコミ各社。にも関わらず、自らの罪をスルーする厚顔無恥な報道姿勢は醜悪だ
なぜ彼らは、この問題をまったく自分たちに関係ないことのような顔をして平気で報じることができるのか。嫌味とかではなく、本気でその神経を疑ってしまう。
旧優生保護法のもとで、約1万6000人にも上る障害者が不妊手術を強制的に受けさせられた問題を扱う、マスコミの「報道スタンス」のことだ。
戦後間もない1948年、人口抑制や強姦などによる「望まぬ出産」の回避を目的として、旧社会党の女性議員たちが中心となった議員立法で成立した「優生保護法」は、その名の通り「優生思想」を色濃く反映しており、「総則」にも「不良な子孫の出生防止」が掲げられていた。
どんな悪法も、できてしまえば役人は機械的に実行していく。かくして、96年に母体保護法にとって代わるまで、膨大な数の障害者の方たちが、自分の意志に反して不妊手術を受けさせられるという悲劇が引き起こされたのだ。
「そんな非人道的なことを日本がやっていたなんて!」「政府は過ちを認めて被害者の方たちを救済すべきだ!」
そんな怒りの声が聞こえてきそうだが、この問題を扱うマスコミの基本的なスタンスも同様だ。わかりやすいのがNHKの「グローズアップ現代+」で4月25日に放送した「”私は不妊手術を強いられた”~追跡・旧優生保護法~」の番組紹介文である。
《番組では関係者を独自に取材。そこからは「社会のためになる」という国のかけ声のもと、社会に潜む“優生思想”を背景に強制手術が広がった実態が明らかになってきた》
クロ現らしい硬派なスタンスじゃないかと思うかもしれないが、筆者からすると、よくもまあそんな当事者意識ゼロの発言ができるものだ、という驚きしかない。
当時のマスコミは悪法の宣伝役を担っていた!
この法律ができたプロセスを振り返っていけば、「社会のためになる」と喧伝して、社会に“優生思想”を潜ませた「犯人」が誰かは明白である。そう、マスコミだ。
先ほど紹介した旧優生保護法の成り立ちは、この問題を扱うマスコミの解説を真似ただけで、本当のルーツはもっと時代を遡る。実は、この法律には前身となるものがあるのだ。それがナチス・ドイツをはじめ当時、欧州でポピュラーだった、優生学に基づく「断種法」にならって、日本政府が1940年に成立させた「国民優生法」である。
当時のマスコミは一大キャンペーンを行い、国民に「優生学」を啓蒙した。たとえば、1941年7月1日の読売新聞では紙面の半分以上を割いて、厚生省の課長のインタビューをデカデカと掲載。「日本の民族の繁栄へ・優生法實施」「悪質遺傳を減少」「よい子をどしどし産む」と、これでもかというくらいのPRを行った。
中でも特筆すべきは、しきりに「日本の危機」を煽っている点だ。「健全者」と「不健全者」の人口をグラフで示し、30~120年後にかけて「不健全者」が圧倒的に増えていくイメージを見せて、こんな記述をしている。
「国民の素質は現在のままに放置すればだんだん低下する。(中略)現在は不健全者と健全者が同数だとしても百二十年後には図のように真に恐るべき結果を来します。これを防止するためにこそ優生法は誕生したのです」
断っておくが、このような論調は「読売」だけではない。他の新聞やラジオでも当たり前のように、「危機」を煽って「優生法」の重要さを力説した。
つまり、マスコミが国民優生法を重要であると喧伝し、日本社会もそれを受け入れたからこそ、戦後の旧優生保護法につながったわけで、戦後の経緯のみを洗っても、「国が悪い」という極めて近視眼的な結論しか出てこないのである。
問題の本質を読み解くには、戦前のマスコミによる嵐のような「優生学が日本を救うキャンペーン」があり、それを大衆が是としていたという事実を直視しないことには、何も始まらないのである。
「健康優良児表彰」も優生学の一環だった
なんてことを言うと、「いや、それは軍部の命令で仕方なかったんだ」とか、「確かに戦時中、マスコミは優生学を触れ回っていたが、敗戦で反省してガラっと変わったんだ!」みたいなことを言い出す人がいるが、残念ながらそれは「そうであってほしい」という願望というか、「妄想」に過ぎない。
吉田茂、佐藤栄作などの面々を見ればわかるように、戦後復興は、ほぼ例外なく戦前のリーダーたちによって進められた。それはマスコミも然りで、一部の幹部はしばらく公職追放されたりしたものの、戦後の報道スタンスを定めたのは、戦前から報道に携わっていた新聞人たちである。
敗戦、そしてGHQの占領政策という日本人の価値観に影響を与える大きな出来事はあったが、たかだが数年で人間の本質は変わらない。戦前のマスコミが張り切っていた「優生学が日本を救うキャンペーン」も1945年でパタリと終わるわけはなく、戦後も外見だけはリノベーションして続けられた。そのおかげで、優生学の残り香のようなものが、つい現代にまで脈々と受け継がれてしまったのである。
象徴的なのが、朝日新聞社が主催、文部省が後援して1978年まで行われていた「健康優良児表彰」。年配の方は覚えておられるだろうが、全国の小学校で、肉体的、運動能力的に優れた子どもを男女1人ずつ選んで表彰をしたキャンペーンだ。
拙著『「愛国」という名の亡国論 日本人スゴイ!が日本をダメにする』(さくら社)の中で詳しく述べているが、実はこの「健康優良児表彰」というのは「優生学」と非常に密接に関係している。
「健康優良児表彰」がスタートしたのは1930年。その年、「東京朝日新聞社」から世に出た「全日本より選ばれたる健康児三百名」(朝日新聞社編)の中で、当時の副社長だった下村宏氏が、「朝日新聞」を代表してこの表彰を続けていくと宣言して、こんなことをおっしゃっている。
「本日この盛大なる式場に於て表彰された健康児は、本人も家庭もお芽出度い喜ばしい事であります。しかし一面に重い責任を負はされて全国の幼年者の中から選り出されたのであります」(p313)
マスコミ界のスターが堂々と優生学を主張していた
子どもに負わされた責任とはどういうものかというと、ここで選ばれた「健康児」たちは当初、「丁年(20歳)」になるまで経過観察をされるという試みだったのだ。「時代」と言ってしまえばそれまでだが、「健康優良児」は単なる全国一斉小学生スポーツテストではなく、もともとは「富国強兵」や「優生学」という考えに基づいた「調査」の側面もあったのである。
朝日新聞を擁護するわけではないが、これは当時としてはおかしな考え方ではなく、特に世界情勢を知るインテリの間では珍しいものではなかった。「健康優良児表彰」に関わっていた下村氏も、もともと台湾総督府民政長官などをつとめた国際派。1921年に朝日新聞に入社してからは専務取締役、副社長を歴任して経営改革に携わる一方で、ラジオ出演をしたり、全国を回って「日本民族の将来」という題目で講演を行い、国際情勢、そして日本の「危機」について触れ回った。今でいえば、池上彰氏のようなスターだった。
では、下村氏のような当時のインテリはどんなことを大衆に説いてまわったのか。「健康児優良児表彰」が始まった3年後、1933年に児童養護協会が出した「児童を護る」の中で、下村氏はこう主張している。
「私は今日日本の国策の基本はどこに置くかといへば、日本の人種改良だらうと思ひます。この點から見ますると、どうも日本の人種改良といふ運動はまだ極めて微々たるものである。それでは一體その他の改良といふことは日本ではやらんのかといへば、人種改良の方は存外無関心であるが、馬匹改良はやつて居る。豚もだんだん良い豚にする。牛も良い牛にする。牛乳の余計出る乳牛を仕入れる」(p8)
このように、国民優生法ができるほんの7年前、当時のマスコミや文化人は日本の「危機」を克服するために、「日本人の改良」の必要性を説いていたのである。
下村氏はこの後、朝日新聞を退社。貴族院議員となって活動するかたわら、「大日本体育協会」の会長や、「財団法人 日本文化中央聯盟」という団体の理事を経て、1943年には日本放送協会(後のNHK)の会長になった。そして、終戦直後には国民の啓蒙・思想取り締まりを行う内閣情報局の総裁となり、「玉音放送」の実現にも関わっている。
彼が力を入れた「健康優良児表彰」は戦後も続き、優生保護法が成立した翌年の「朝日新聞」(1949年7月25日)でも華々しく募集がなされている。
「自らの過ちはすべてスルー」では社会の木鐸は務まらない
「審査の項目」の中には、こんな言葉も見つけられる。
「家族の状況」
「健康優良児」をセレクトする上で、家族のどのような「状況」を精査するのかは、推して知るべしであろう。
1万6000人の障害者に強制的に不妊手術を受けさせた旧優生保護法問題は、確かに政府の責任だ。救済を行うのも政府だ。だが、そのような法律の成立に大きな役割を果たし、戦後になってもなお、オブラートに包んで優生思想を広めていた者たちがいた事実も検証しなければ、同じ過ちを繰り返すだけではないのか。
今年1月、仙台地裁に60代女性が国に謝罪と慰謝料を求めて提訴したことで、この問題が大きく注目をされた際、朝日新聞が「強制不妊手術 救済に向け調査を急げ」という社説を掲載していた。
『驚くことに、自治体の50年代の冊子には「優生手術千人突破」「群を抜き全国第一位の実績」などの記述まである。手術増を奨励した厚生省(当時)の通達により、都道府県で競いあったのではないか。国家による命の選別が、なぜつい二十数年前まで続いていたのか。負の歴史に向き合うことは、政策を許した社会全体の責任でもある』(朝日新聞2月21日)
自分たちの戦前記事や、当時の副社長の講演をよく精査していただければ、なぜ1950年代の自治体の冊子にそんな驚くような記述があふれたのか、原因がわかるはずだ。
負の歴史に向き合うことは大賛成だが、責任を社会全体へ分散させる前に、まずはご自分たちがどういうことをしてきたのかを、ここらで改めてしっかりと検証してみてはいかがだろうか。
マスコミの「世論誘導力」というものは、マスコミ人が思っている以上に強大で、何十年も尾を引くものだ。なぜ戦後70年以上も経ったのに、戦前のような「日本人は世界一優秀」みたいな歪んだ愛国心が社会に溢れているのか。なぜ社会全体で「平等」や「人権」をうたっているのに、下村氏が主張したようなことをネットで触れ回る人々がいるのか。
これらの問題は、戦前にルーツを持つ旧優生保護法が平成まで続けられていたのと、根っこはまったく同じである。自らのとんでもない過ちに触れるのは辛いことだ。しかし、「社会の木鐸」を名乗っているマスコミのみなさんの「スルー」は許されない。「軍国主義が悪い」「時代の犠牲者だ」みたいなトーンでお茶を濁すことなく、問題の本質に迫るような調査報道を期待したい。
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