『中国「北極シルクロード」の野望を読み解く 「極地国家」が資源と海路の先に見据えるのは北海道?』(1/31日経ビジネスオンライン 福島香織)について

1/28台湾の声<【「掃黒除悪」闘争】文化大革命の再来か>林健良氏は薄熙来>習近平のように捉えていますが、薄は落馬したのでそうとは言えないでしょう。でも、いずれにせよ日本人、台湾人から見て両方とも英雄からは程遠いのでは。大衆が怒り、天安門の時のように政権打倒の夢は起きないのでしょう。中国人を中途半端に豊かにし過ぎたのです。でも格差は広がるばかりです。本ブログでも何度もお伝えして来たとおりです。まあ、昔と違い、中国人を習語録で大衆動員して虐殺するようなことがあれば、今は世界がリアルタイムで気付くでしょうけど。

http://ritouki-aichi.com/vot/%E3%80%90%E3%80%8C%E6%8E%83%E9%BB%92%E9%99%A4%E6%82%AA%E3%80%8D%E9%97%98%E4%BA%89%E3%80%91%E6%96%87%E5%8C%96%E5%A4%A7%E9%9D%A9%E5%91%BD%E3%81%AE%E5%86%8D%E6%9D%A5%E3%81%8B/20180128

1/31ゲンダイ<日米外交史の専門家が心底危惧する、日本の「尖閣無策」 「もちろん、決めるのはあなた達だが」 ロバート・D・エルドリッヂ>日本人の政治家がダメなのは国民の責任です。国民にその自覚がないから衆愚と言われるのです。自分に選んだ責任はないとか、左翼政治家は選んでないとか。しかし、偏向メデイアの言いなりになっているだけではないですか。それが生き易いといえば生きやすいからです。抗えば損になること分かっているからです。確固たる信念を持ち合わせての話ではないです。自分が追い込まれた場面で、自分の頭で考えない限り、分からないのでは。大衆の数の力or権力で、真実を追い求める人間をなきものにしようとするのが今の日本です。私がいた企業然り、拉致被害者や沖縄を放置する社会然り、三島が47年前に絶望を感じたのも郁子なるかなです。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54252

1/30記録中国<廣東梅州某村土地被強徵,人打死三個月沒人責任?因為惡勢力是症腐的打手,共慘黨天下無法無天。=広東省梅州のある村の土地は強制的に奪われ、人が殴り殺されて3 ヶ月経っても誰も責任を追及されない。悪の勢力が腐敗の手先となっているので、共惨党の天下は法もなければ神もいない“That’s China”なのです。如何に共産主義が恐ろしいか、日本人はもっと真剣に考えた方が良いでしょう。敵の策略に乗って思考停止に陥るのでなく。

https://www.facebook.com/jiluzg/videos/571187196565930/

2/1ダイヤモンドオンライン<中国人観光客「成田空港騒乱」でわかった中国世論の“常識度” 莫邦富>まあ、中国人ですから遅れりゃ騒ぐのは当り前ですが。小生が中国駐在の時はしょっ中カウンターへ行って抗議している人間を見ました。遅れが1時間たって飲料水と弁当を出さなければ、中国人は怒るというのは分かりますが、①LCC②外国でそれをやるのは常識がないと言われても仕方がありません。まあ、中国人で日本人の常識に適う人は珍しいと思いますが。こんな人たちがPax-Sinicaを目指すって?止めてほしいだけです。

http://diamond.jp/articles/-/157917?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

2/1宮崎正弘氏メルマガ<中国の「理財商品」の焦げ付きが次々と表面化   残高900兆円、四割が潜在的不良債権だとすると。。。。。。{?}>早くトランプが中国に貿易できなくすることを願っています。貿易の富を軍拡に使っている訳ですから。李克強が日本に対し猫なで声になっているのは米国に対して危機感を持っているからです。安倍首相は「モリカケ危機」より「一帯一路危機」を真剣に考えた方が良い。敵に手を貸すなと言いたい。

http://melma.com/backnumber_45206_6640497/

福島氏の記事で思うことは、米国はやはり真剣に中国を敵と思っていないのではという事。トランプの一般教書演説で中露を槍玉に上げるのは何も考えていない証拠。敵の中国は日米韓の分断を図ろうと施策を巡らしてきているのに。少なくとも中露の分断を図り、ロシアの中立化を画策したらどうという気がします。況してや北極海航路はロシアのお膝元なのに、分断するには最適でしょう。誰もトランプに言わないのですかね?

記事

中国の北極科学調査隊は「長期観測基地」を建設、着々と地歩を固めている(写真:新華社/アフロ、2010年8月19日撮影)

中国国務院新聞弁公室・外交部が1月26日に発表した中国初の「北極政策白書」はなかなか興味深い。中国の海洋覇権の野望が北極海航路にまで及んでいることを隠さなくなったということでもある。昨年の党大会で党規約に盛り込まれた一帯一路戦略の中には、すでに「北極シルクロード」の創設構想も含まれているのだが、この白書発表によって、具体的なプロジェクトがいよいよ始動すると見られている。北極シルクロード構想とはどんなものなのか、北極海沿岸国家でもない中国が極地国家を名乗りはじめ、北極海に食指を動かしている本当の狙いは何なのか、整理してみよう。

「極地国家」中国の重要責任

白書では、経済グローバル化に伴う一体化構想の一環として、北極が経済上、科学研究上、環境保護上、そして航路と資源開発の方面で、その価値が急激に高まっていると指摘。中国も陸地の一部が北極圏に接近している極地国家の一つであり、さらには国連安全保障理事国であり、グローバル貿易国家であり、エネルギー消費大国である中国は、この北極の価値を守る重要責任がある、としている。

いわく、北極の自然環境変化が中国の気候および生態環境に重大な影響をもたらしているのだから、中国が北極問題にもっと関与していくことが当然だ。また国連海洋法などに基づけば、中国は北極海に接する北極国家でないけれども、北極海の公海の航行、飛行、資源開発などの権利がある、と。北極の価値に目を付けた中国が本格的に北極国家事務に干渉していこうと公式に打ち出した、ということだ。

建前上、科学研究および環境保護への貢献を筆頭に挙げているが、その本当の狙いは、軍事と資源だと見られている。国務院新聞弁公室の記者会見では、米国人記者から、中国の北極政策の本当の狙いは、軍事戦略的なものではないか、という質問も出た。もちろん、当局側は全面否定だ。しかし、一帯一路戦略自体が、そもそも軍事戦略的な意味合いが強いことを考えれば、「北極シルクロード戦略」と名付けた時点で、中国にとっては軍事上の意味合いを持っていると受け取られても致し方ないだろう。北極海はそもそもシルクロードと無縁なのに、なぜシルクロードとこじつけているか、不思議ではないか。

「シルクロード戦略」とは、単なる国際経済協力の枠組みではなく、中国を中心とした、中国の秩序・ルールによる経済圏構想であり、地政学的軍事戦略的な狙いも含まれている。そこに参与する国は、だから、かつての中国の冊封体制のようなイメージで、中国を中心とした「新型国際関係」で結ばれることを意味している。北極海沿海国もそうした枠組みにいれていこう、ということだろう。

「南シナ海の今日は、北極海の明日の姿」

台湾の国家政策基金会副研究員の李正修は、ラジオ・フリーアジアに対してこう指摘していた。

「北極は、気候条件が厳しいので開発は緩慢だが、豊富なエネルギー、資源が存在する。中国の領土は北極となんら関係ないのに、突然北極政策白書を発表した。2016年、中国とロシアは北極問題研究センターを共同で設立し、すでに第一次共同調査を終えている。その後ロシアと中国は北極地域の液化天然ガス共同開発プロジェクトを発表し、2019年までに正式に生産する予定だ。もし、このプロジェクトが実現すれば、中東情勢によってエネルギー備蓄が影響を受けにくくなる」

「中国の軍事力にとっては、目下北極地域において、軍事基地もなく軍事行動を遂行できる能力もない。だから中国は今のところ、国際社会のルールに従い、北極の非軍事化利用の要求を遵守する姿勢をみせている。だが、中国の対外行動のこれまでのやり方をみれば、これはいわゆる”韜光養晦”であり、実力と条件が成熟すれば、おそらくは北極に軍事基地を建設しようとするのではないか」

中国の脅威を正しく分析する学者たちが、こうした懸念を持つのは当然で、中国はすでに国際社会の共通ルールであった宇宙の非軍事利用の原則を無視して宇宙衛星破壊実験を行い、国際協力ではなく独自で月面開発や宇宙基地建設プロジェクトを進めているのも、軍事利用目的であることをほとんど隠していない。ドイツ華字ニュースサイト、ドイチェ・ベレは「南シナ海の今日は、北極海の明日の姿だ」と警告する。中国は南シナ海を中国の内海化すべく、ベトナムやフィリピンとの係争地の島々の実行支配を武力によって奪い、ハーグの国際法廷の判決を無視して、奪った島々の軍事拠点化を進めている。

北極海の軍事的重要性は、今更説明の必要はないだろう。かつて米ソ冷戦時代、ここは東西の戦略ミサイルが密集、対峙する地域であった。なぜなら、北極海を越えれば米ソが最短距離でお互いに核をぶち込めるのだから。

米国を中心とするNATOはアラスカとグリーンランドに軍事基地を置き、カナダとともに北米防空司令部を組織していた。一方、旧ソ連はムルマンスクに世界最大規模の空海軍基地を建設していた。今、ロシアは米国にとって、かつての旧ソ連ほどの脅威ではないかもしれないが、中国は、確実に近い将来、米国との対立を先鋭化させる。米中新冷戦時代に突入する。とすれば、中国がロシアと組み、北極海を挟んで再び東西の戦略ミサイルが対峙する状況が起きないとも限らない。

「第二の中東」に

記者会見では外交部副部長の孔鉉祐がロシアとの協力関係をことさら強調していたが、そのことが、米国の警戒感をさらに呼んでいる。米国外交関係協会(CFR)が以前「北極を軽視するなかれ:米国の第四海岸戦略を強化せよ」というリポートを発表していたのだが、その中でも「北極海航路の開通が米国の国家安全において突出した重要性を持つ、すなわち、北極において中ロが共闘して米国の国家安全利益に挑戦する可能性である」と強く警告されている。

ちなみに北極海の資源も中国にとっての大きな狙いだろう。石油埋蔵量は900億ガロン、液体天然ガス埋蔵量は440億ガロン、世界の4分の1の石炭埋蔵量がある。ヤマル半島における中ロの液体天然ガス共同開発プロジェクトは中国に毎年400万トンの液体天然ガスを供給する予定だ。地球温暖化は、氷壁に阻まれていた資源を採掘・輸送可能にしたが、そのことは、北極を第二の中東にする可能性ももたらした。

中国のもう一つの狙いは、北極海路の利用だ。中国政府は中国企業に北極海航路のインフラ施設建設および商業テスト航海への参入を奨励している。中国遠洋海運集団(COSCO)の貨物船は2017年秋、ノルウェーから北極海航路を通り北海道苫小牧港に初寄港した。

まずは「科学調査」で

北極海は2005年以降、気候変動による氷の減少により、北極海沿岸を通過する新たな航路「北東航路」通称「北極海航路」が開通した。それまでロシア(旧ソ連)が原子力砕氷船で軍事上の目的のために切り開いてきたこの航路は、にわかにアジアとヨーロッパを結ぶ商業航路としての期待を集めるようになった。日本の商船三井も2018年から世界で初めての定期航路運行を開始するという。

北極海航路の魅力は、まずマラッカ海峡を通りスエズ運河を通る南回り航路と比べると、航行距離にして7割前後短縮され、燃料費が大幅に削減される点。砕氷船のエスコートが必要なため、速度はかなり落ちるが輸送日数も、例えば北海道発・オランダ行きの輸送船ならば南回り航路より約10日の短縮となる。さらに、海賊がうようよいるソマリア沖やマラッカ海峡、テロの危険があり中東情勢いかんによっては封鎖されかねないホルムズ海峡を通らなくて済むという意味で政治リスクも低い。

北極海は公海なので、公海自由の原則が適用されるが、氷に覆われた地域は沿岸国が特定のルールを設定してもよいことになっている。このための、北極海航路の運航ルールは今のところ、最大の沿岸国であるロシアが主導しており、事前の届け出と原子力砕氷船のエスコートを義務づけている。

中国は民国時代の1925年、スヴァールバル条約(ノルウェーのスヴァールバル諸島の地位に関する条約、加盟国は等しく経済活動を行う権利を有する)に加盟したが、本格的に北極に関与しはじめたのは1990年代。ウクライナから購入した砕氷船を改造した中国初の砕氷船「雪龍」によって1999年に初の北極海調査航海を行った。

2004年、スヴァールバル諸島に「中国北極黄河ステーション」を建設、ここを拠点に科学調査を行うようになる。2012年には中国船として初めて北東航路(北極海航路)の通過に成功。さらに2019年には、初の中国産原子力砕氷船「雪龍2号」が完成する予定で、当面は、雪龍、雪龍2号で「科学調査」を中心に、北極海に乗り出していこうとしている。

白書では「一帯一路の枠組みのもと、北極地区の相互の協力連携を促進し、経済社会の持続可能な発展をもたらす協力機会にしたい」という。ロシア北極海沿岸の投資だけでなく、グリーンランド、スウェーデン、アイスランドへの投資攻勢も目覚ましい。2012年から2017年7月までの間に中国の北極海沿海国への投資は892億ドルを超える。この地域全体の経済規模が4500億ドル程度だから、これは相当の影響力だ。主な投資先は交通、エネルギーのインフラ建設プロジェクトだ。またアイスランドとは自由貿易交渉も進められている。

「北海道を32番目の省に」

こうした中国の北極海への野望は、実のところ、日本の安全保障にとっても他人ごとではない。

たとえば、北極海航路のハブの一つになると目されている北海道の土地が、近年中国人に集中的に買い占められているという問題もある。産経新聞などが集中的に報道していたが、それは単に、中国人金持ちが自己資産の海外移転のために購入しているだけでなく、中国政府・共産党としての戦略的目的もあると見られている。

特に北極海航路の拠点港として釧路に注目しており、影響力を強めるために中国当局、地方政府関係者らが積極的に調査、視察、交流に訪れている。中国の北極シルクロード構想には「北海道を中国の32番目の省にする」ことも含まれている、というのは冗談でもなんでもなくて、中国の本音かもしれないのである。

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『平昌で「米日VS南北」の戦いが始まる 軍事演習廃止を要求する北朝鮮、それを支える韓国』(1/30日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

1/30日経<憲法9条2項「維持」47% 自衛隊明記で「削除」は15% 報道各社、聞き方で差 本社世論調査

日本経済新聞社とテレ ピ東京による26〜28日の世論調査で、憲法への自衛隊明記について3つの選択肢で聞くと「(戦力不保持を定めた)9条2項を維持し、明記すべきだ」が47%で最多だった。

「9条2項を削除し、明記すべきだ」は15%、「そもそも憲法に明記する必要はない」は24%だった。報道各社の肖衛隊明記をめぐる世論調査結果に違いが出ている。

9条2項を維持し、自衛隊を明記する憲法改正案は、安倍晋三首相が昨年5月に提案したもの。 自民党内には戦力不保持を定める2項を削除し、自衛隊を戦力として明確に規定すべきだとの意見がある。立憲民主党や希望の党は首相案に反対している。

日経調査では、自民党支持層では「2項維持」が55%と過半に達し「2項削除」は24%、「明記 の必要ない」は11%だった。無党派層は「2項維持」が44%、「2項削除」が8%、「明記の必要な い」が27%。立憲民主党支持層は「明記の必要ない」が5割を超えた。

憲法改正の国会発議はいつが望ましいかも聞いた。「いまの通常国会」が20%、「今年秋召集の臨時国会」が14%で、あわせて34%が年内の発議に賛意を示した。これに対し「2019年中」が 14%、「20年以降」が13%、「そもそも発議する必.要はない」が19%で、あわせて46%が年内の発 議に否定的だった。

自衛隊明記に関する世論について、自民党憲法改正推進本部の保岡興治特別顧問は日経の取材に「『戦力不保持』を削ることに抵抗感が強い人が多いのだろう。2項を維持して自衛隊を明記する案が現実的な落とし所だ」と話した。

ただ、報道各社の調査をみると質問文や選択肢の微妙な違いで異なる結果が出ている。日経で「明記する必要ない」とした選択肢について、NHKは6〜8日の調査で「憲法9条を変える必要はない」とした。すると38% がこの選択肢を選び、2項維持と2項削除を抑えて最多だった。

「2項を削除し自衛隊を明記すべきだ」の選択肢についても差が出た。読売新聞のじ日の調査では「2項は削除し自衛隊の目的や性格を明確にする」としたところ、 これが34%で最多だった。毎日新聞は20〜21日の調査で「2項を削除して自衛隊を戦力と位置付ける」としたところ、12 %にとどまった。

埼玉大の松本正生教授 (政治意識論)は聞き方の違いに加え「憲法改正の質問の直前にどんな内容を聞いたか、という点も結果に影響する」と話す。例えば安倍政権の経済政策に関する質問を聞いた後に憲法について聞くと、経済政策に比べれぱ憲法改正の優先順位が低いと思われ、改憲に慎重な意見が増える可能生があるという。

調査結果の違いに関しては「まだ明確な主張を持っていない国民が多いのだろう」(公明党幹部)との見方もある。松本教授は「各社の結果の違いは、有権者のなかにまだ憲法改正のリアリティがないことを示している」と分析する。

>(以上)

1/31日経<安倍氏、改憲なぜ急ぐ 国会発議、まず年内めざす 不調なら来年の二段構え

憲法改正を巡り自民党内の動きが慌ただしくなってきた。3月の党大会までに党独自の改憲案を取りまとめる方針だ。改憲を急ぐ裏にはどんな戦略があるのか。安倍晋三首相が9月の党総裁選に勝てば任期は2021年まで。自らが打ち出した20年の新憲法施行の目標から逆算して18年にまず国会発議を目指し、不調なら19年にする二段構え戦略とみられる。

衆院予算委で答弁する安倍首相(30日)

首相は改憲論議を党に任せるとの姿勢を繰り返すものの、改憲日程を首相官邸がコントロールするのは公然の事実。その首相らがこれまで視野に入れていたのは19年夏の参院選に合わせて憲法改正の投票を実施する「ダブル投票」だった。改憲の是非だけが焦点となる国民投票単独での実施よりも、集票の相乗効果が見込める。野党への批判票も改憲賛成票として上積みできるとの計算があった。

ただし19年は天皇陛下の退位や改元、参院選、日本で開く20カ国・地域(G20)首脳会議など大きな行事が相次ぐ。日本で初めての国民投票が、こうした窮屈な日程の合間を縫って実施されるべきではないとの声が永田町で広がる。

「ダブル投票」の制度的な難しさを指摘する声も強まる。参院選の選挙活動を制約する公職選挙法よりも国民投票法での国民投票運動に関する規制の方が緩いためだ。

例えば、参院選公示後の選挙期間中は、公職選挙法では戸別訪問が認められず、ポスターなどの配布制限もある。国民投票法に基づく国民投票運動だと主張すれば、戸別訪問やポスター配布も制約されない。せっかくの国民投票が大混乱しかねない。

もっともこうした政治日程や国民投票の制度的な課題などはある程度は織り込み済みで、それでも利点の方が上回るとみて官邸が照準を合わせていたはず。日程の前倒しに動くのは別の理由がある。改憲への世論の想定以上の慎重論だ。

日本経済新聞社の1月の世論調査では首相が提案する「9条2項を維持し、自衛隊を明記する」との案への賛成は47%と最多。それでも5割に満たない。

NHKの同月の調査では「9条を変える必要はない」が38%に上った。公明党は「参院選までは選挙で勝つことを優先すべきだ」と訴え、政府高官は「このままでは参院選後へ先送りされかねない」と懸念する。

そもそも参院選とのダブル投票に照準をあわせてきたのは参院選後に先送りはできないとの判断があった。国会発議には与党や改憲勢力を合わせて衆参両院で3分の2の賛成が要る。参院選で自民党が議席を減らせば、3分の2を割り込む事態もあり得るからだ。

しかし「ダブル投票」に合わせてスケジュールを進めていくと慎重な世論や公明党の反発でずるずると先延ばしされ、改憲そのものができなくなる恐れがある。「ダブル投票」という節目は視野に入れつつも、もう少し前に照準を合わせる二段構え戦略が浮かび上がる。

具体的にはこうだ。まずプランAとして参院選前の19年初めまでに国民投票を実施するシナリオを描く。世論が盛り上がり、野党も改憲論議を避けられない状況になれば、そのまま国会で改憲を発議し国民投票を実施する。

改憲への理解が思うように深まらなければ、プランBとして参院選に合わせた国会発議や国民投票をうかがう。二段構えで備えるなら「今から議論を本格化させて損はない」というわけだ。

国民投票は国会での改憲発議から60日以後180日以内に実施する。19年初めまでに実施するには、遅くとも秋に臨時国会を開いて改憲を発議する必要がある。首相や改憲に積極的な議員らは、秋の臨時国会が改憲の山場になるとみて、今国会から雰囲気づくりを進める。自民党が3月の党大会までに党独自の改憲案をまとめようと動くのも、そのためだ。

17年10月の衆院選は、当初は18年後半が本命とみられていたのを首相が1年前倒しして圧勝した。国民投票は、衆院解散と違って首相の決断だけで時期を選べないのも確か。今国会で改憲論議をどこまで詰められるかが、首相が表明した20年までの新憲法施行の実現を左右する。(島田学)>(以上)

ジェイソン・モーガン著『日本国憲法は日本人の恥である』を読みますと、「アメリカはなぜソ連と同盟を結んだのか。その背景には、ともに伝統をぶち壊すことを目的とするという共通項があったからである。

そもそもソ連の誕生はロシアの伝統(特にロシア正教会とその習慣)をぶち壊す運動の結果だった。ロシア国内では、激しい反ロシア運動が起こり、最終的にレ—ニンが登場してボルシエビズムが登場した。

一方、アメリカの連邦政府はアメリカの伝統に対して非常に否定的だった。特に南北戦争の後、連邦政府の使命はアメリカ大陸に残るあらゆる伝統を壊滅させることだった(連邦政府の先住民族に対する扱いはその古典的な例である)。

このように伝統に対する考え方の面では、アメリカの連邦政府とソ連は瓜二つだったのである。そういう意味で、私は第二次世界大戦(ほんとうの名前は、「第二次反伝統世界大戦」だと言ってもいい)で、両国が同盟をつくったのは自然なことだったのだ。

伝統を壊すという意味では、宗教を潰すことも重要だった。それはアメリカのリベラルは、伝統と宗教が堅固に存在しているとなかなか落ち着けないからだ。

なぜ落ち着けないのか。それは、リベラルが描く人間像が虚像にすぎないからである。」(P144~145)

「またその一方で、宗教をぶち壊すことに必死になった。宗教的な存在(天国、神様、教会、天使など)は政府の力などを簡単に超越してしまうからである。

ちょっと脱線するが、今の中国には政府の許可のないチべット仏教の頂点に立つダライ・ラマ(法王)の“生まれ変わり”を禁止するという、笑ってしまう法律があるそうだ。しかし、アメリカの連邦政府も同じような目で宗教を見ている。国民を思うがままに操りたい政府にとって、宗教は最も嫌いな存在なのだ。

実はアメリ力が太平洋戦争で日本を徹底的に攻撃した大きな理由のーつにこの宗教問題があったとも言える。日本はすばらしい伝統と宗教の両方を兼ね備えていた。アメリカの連邦政府にとっては、それが許しがたかった。だから、アメリカは、日本との戦争で日本の伝統と宗教を完膚なきまで粉々に壊さなければ気がすまなかったのである。

しかしその目的は、武力だけで達成できるものではなかった。そこでアメリカは日本の軍隊を滅ほしてのち、すぐさま次の戦争を始めた。日本人洗脳作戦だ。

アメリカは、占領政策を推し進める中で歴史を捏造して太平洋戦争を日本による一方的な侵略だと書き換え、日教組などを通じて、「日本」という許しがたい存在を消し去ろうとした。それは、かつてアメリカの先住民族に対して行い、彼らの伝統、宗教、過去、そしてアイデンテイテ-まで奪った方法とまるで同じだった。

そして、すべてを失った日本(言い換えればすべてをアメリカの連邦政府に奪われた日本)は、「アメリカ連邦政府という偶像を拝めば、日本の安全を保障する」という条件で、 メイド•イン.アメリカの憲法を受け入れ、アメリカの傘下に入ったのである。

つまり、今の日本国憲法はまるで偶像を崇拝しているようなものだと言っても言い過ぎではないのだ。

アメリカの連邦政府は天国や神様を忘れてしまい、神様の代わりに自分の”理性”を拝むようになっている。それはまったくの偶像にすぎないのだが、それこそ「啓蒙思想」の最終的な姿である。

そして、神様を天国から追い出したアメリカ帝国は、他国に対して自らを崇拝の対象にすることを求め、偶像崇拝の「応募者」を必死に探し、応募者が見つからなければ、戦争を起こしてでもむりやりにでもそれを実現しようとする。そういう意味では、日本国憲法は、アメリカンイデオロギーという偶像を崇拝するためのインストラクシヨン•シート(指示書)であり、そこには個人を尊重するという考え方はまったく存在していない。」(P.146~147)米国が日本を戦争に嵌めたのはFDRの個人的な性格に依るものと思っていましたが、それだけではないようです。ローマがカルタゴに押し付けたのと同じように、武力放棄の意味で憲法9条を日本に押し付けたと思っていましたが、宗教や伝統を破壊するためもあったと言うのは新しい発見です。この本は米国の歴史学会の実態も余すところなく暴いていて、読んでいて面白いです。是非ご一読を。

1/31日経ビジネスオンライン<「自衛隊」ではなく「自衛権」を憲法に定める 改憲に関するアンケートを開始 森 永輔>

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/071000146/012500019/

小生もアンケートに参加しました。実現可能性は考慮に入れず、「9条2項削除」「自衛権の行使を追加」に〇しました。

憲法改正に反対している人に聞きたいのは、北の脅威にどう対応したら良いのか教えてほしいです。金正恩は「話せば分かる」タイプではありません。日本に核投下されて全滅の道を選ぶのか、はたまた北の奴隷となって生きる道を選ぶのかのどちらかになるだけです。まあ、反対している人の大部分は深く考えず、左翼メデイアのプロパガンダに洗脳されているだけと思いますが、いい加減覚醒したらと思います。

鈴置氏の記事で2/9ペンス副大統領と安倍首相が文大統領と会って話すのなら、「これ以上北との宥和政策を採るなら、韓国がどうなろうと知ったことはない」と日米で韓国に最後通牒を突き付けてほしい。平昌パラが終わり次第、米軍は北を単独で攻撃してほしいと願っています。自衛隊は拉致被害者の救出に向かいますが、敵の陸軍の動向も見なければなりませんから慎重にやらないと。在韓邦人救出は他の諸外国と協力してとなるでしょう。

記事

平昌五輪で韓国と北朝鮮は女子アイスホッケーの合同チームを編成。「平和ムード」を演出するが…(写真提供:大韓体育会/Lee Jae-Won/アフロ)

前回から読む)

平昌(ピョンチャン)冬季五輪を期に、韓国と北朝鮮が共闘体制に入った。敵は米国だ。

演習は永遠にやめよ

—平昌五輪を前に平和ムードが盛り上がっています。

鈴置:表面的には「平和ムード」ですが、実態は韓国と北朝鮮による「米国追い出し作戦」です。米韓合同軍事演習の再延期、あるいは完全な廃止に向け、南北は手を携えて動いています。

まず北朝鮮が「演習を永遠にやめよ」と言い出しました。朝鮮中央通信の「朝鮮政府・政党・団体連合会議」(1月24日付、日本語版)という見出しの記事から引用します。

最高指導者金正恩委員長が今年の新年の辞で提示した祖国統一課題の貫徹のための朝鮮政府・政党・団体連合会議が24日、平壌で行われた。

(報告者と各討論者は)南朝鮮当局が米国との戦争演習を永遠に中断し、南朝鮮に米国の核戦略資産と侵略武力を引き込む一切の行為を中止すべきだと強調した。

「戦争演習を永遠に中断せよ」――延期した米韓合同軍事演習を実施に移さず完全にとりやめよ、と北朝鮮は要求したのです。

合同演習は例年、3月上旬から約2カ月間実施されます。しかし、今年は1月1日の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の平昌五輪への参加表明を受け、米韓が急きょ延期しました(「『五輪休戦』で金正恩の窮地を救う文在寅」参照)。

偽装平和攻勢に反撃した米国

—北朝鮮の要求に対し、米国はどう反応しましたか。

鈴置:直ちに反撃に出ました。朝鮮日報の「米『北に変化はない……軍事パレードは国際社会への挑戦』」(1月27日、韓国語版)が、米国の反撃ぶりをまとめています。

ネラー(Robert Neller)海兵隊総司令官は1月25日にワシントンのCSIS(戦略国際問題研究所)の講演会で「(朝鮮半島での演習は)相手に『我々は準備を終えた。我々と争わない方がいいぞ』と理解させるためのものだ」と述べた。合同演習を中断する考えはないということだ。

マティス(James Mattis)国防長官も1月25日、「1953年以降、軍事オプションは残っており、今も存在している」と述べた。北朝鮮との対峙の状況に変化はない、という意味だ。

米国防総省と韓国の合同参謀本部が1月25日、同時に五輪後に直ちに合同演習を再開すると発表したのも、五輪を利用した北朝鮮の偽装平和攻勢を事前に食い止める目的と見られる。

1月26日、ナッパー(Marc Knapper)駐韓米大使代理は「(北朝鮮による合同演習の永久中断の要求は)話にならない。とても受け入れることはできない」「演習は五輪終了後に必ず再開する」と述べた。

助太刀に出た韓国

—一斉射撃ですね。

鈴置:すると、韓国が北朝鮮の援護射撃に出たのです。1月26日、趙明均(チョ・ミョンギョン)統一部長官がソウル市内で講演し、合同演習が平和の邪魔物であるかのように語りました。

朝鮮日報の「統一部長官『韓米訓練再開で昨年に逆戻り』『北、2月8日に脅威与える軍事パレードを準備中』」(1月26日、韓国語版)から、その発言を拾います。

韓米合同軍事演習を再開すれば、北朝鮮は当然、猛烈な強度で反発するだろう。北朝鮮が挑発に出る可能性が高い。

すると再び北朝鮮に対する追加制裁を科すという悪循環に陥り、昨年と一昨年のような(緊張)状況に急速に戻る可能性が高いというのが現実的な見通しだ。

—合同演習を厄介者扱いしましたね。

鈴置:朝鮮日報の記事も触れていますが、米韓の軍当局はパラリンピック(3月9日―18日)終了後、直ちに合同演習を実施すると宣言しました。何と言われようと、やめるつもりはありません。

ブルームバーグの「U.S. Military Drills With South Korean Planned After Olympics」(1月25日)が以下のように報じています。

韓国国防部の崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官は1月25日、米韓合同軍事演習は平昌五輪・パラリンピックの後、3月末に“普通”(“normal” )に実施されると会見で明かした。

米国防総省もそれに声を合わせた。マッケンジー(Kenneth McKenzie)中将は記者らに「五輪期間中に一時中断したものであり、演習は五輪が終われば直ちに実施する」と語った。

「普通」(normal)に――とは、演習の規模や期間は縮小せずに、との意味でしょう。開始時期は3月25日ごろと見られています。

軍事パレードで危機感あおる

—「演習は少し後ろにずらしただけ」という姿勢ですね。

鈴置:そこで北朝鮮と韓国の「親北」政権は、揺さぶりに出ました。趙明均長官は1月26日の講演で、五輪開会式の前日に実施されると見られる北朝鮮の軍事パレードを材料に、危機感を煽ったのです。

北朝鮮が2月8日、大規模な軍事パレードを準備している。かなり大きな規模の兵力と、北朝鮮が持つほとんどの兵器をこのように(動員)することで、相当に脅威のある軍事パレードになる可能性が高い。

北朝鮮は今年、政権樹立70周年の建軍節(軍創建記念日)を迎える。金正恩委員長は後継者の立場を完全に固めるため、党や国家が主催する行事を大々的に展開している。

—緊張を激化する合同演習はやめろ、と言うのですか?

鈴置:そこまで露骨には言っていませんが「米朝は取引できる」と謎をかけたのです。趙明均長官の本心は「北朝鮮が軍事パレードを中止する代わりに、米国は合同演習をやめるか再延期すべきだ」ということと思われます。講演で以下のように語っています。

時間内に(合同演習が始まると見られる3月25日ごろまでに)北朝鮮と米国の間で対話が始まるよう、誘導するのが重要だ。

米朝対話が始まるなら、合同演習は再延期される可能性が高い。というか、再延期しないと北朝鮮は米国との対話は受けない。

一方、北朝鮮が平昌五輪の開始前日の2月8日に軍事パレードを実施した場合、面子を潰された米国は対話に応じないでしょう。

文在寅(ムン・ジェイン)政権は米朝対話の開始を名分に、軍事パレードの中止と合同演習の再延期を取引させたいのです。

ウソ臭い2月の建軍節

—そんなに上手くいくのですか。

鈴置:難しいと思います。韓国の主張は、要は北朝鮮への圧力を弱めろ、ということです。合同演習を含め軍事的な圧力は経済制裁と並び、北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させるための貴重な手段です。

北朝鮮は米国まで届くICBM(大陸間弾道弾)を実用化する直前の段階まで来ています。今、圧力を弱めれば、状況は米国や日本にとって一気に悪い方向に傾きます。

その方向に韓国が持って行こうと画策しているのですから、米国の目には当然「南北が組んで米国をだまし、時間稼ぎしている」と映ります。そもそも「2月8日の軍事パレード」というのがウソ臭い。

北朝鮮の建軍節は1978年以降、4月25日と定められており、この日に軍事パレードを実施したこともありました。それが、今年から建軍節は2月8日――五輪開始前日――だと1月22日に突然、言い出したのです(日経・電子版「北朝鮮、軍創設の記念日 2月8日を指定」参照)。

2月の平壌(ピョンヤン)は極寒で、屋外活動には不向きです。「合同演習と取引するためのカード」を急きょ作ったな、と思うのが普通です。

「闘争しろ」と北から指令

—米国が韓国を疑うのも無理はない。

鈴置:趙明均長官も1月26日の講演で、それをポロリと漏らしました。先ほど引用した朝鮮日報の記事によると、以下のように語ったのです。

現在、進行中の状況(南北対話)に関し米国は支持しているが、憂慮しているのも事実だ。米国が我が国の政府に対し様々の疑いを持っているとの指摘もある。そんな点にも神経を使っている。

—趙明均長官も、韓国が米国や日本から疑いの目で見られていることは分かっている……。

鈴置:でも、だからと言って北朝鮮との共闘をやめるわけにはいきません。文在寅政権の中枢部――青瓦台(大統領府)では北朝鮮と極めて近い、親北派の活動家が要職を占めています。

冒頭に引用した朝鮮中央通信の「朝鮮政府・政党・団体連合会議」という記事に以下のくだりがあります。

(報告者と各討論者は)北と南、海外の全同胞は北南関係の改善を妨げ、情勢を緊張させようとする内外の好戦勢力の北侵戦争策動に反対する闘争を繰り広げなければならないと述べた。

北朝鮮から「北侵戦争策動に反対する闘争を繰り広げろ」と指令が下りたのです。米韓合同軍事演習は何が何でも阻止せねばなりません、親北政権としては。

奥の手は南北首脳会談

—でも、米国は「もう演習は延期しない」と言っています。

鈴置:南北には首脳会談を開くという奥の手があります(日経・電子版「北朝鮮、次の『時間稼ぎ』は南北首脳会談」参照)。

平昌五輪で平和ムードを盛り上げたうえ、パラリンピック閉幕(3月18日)の後に韓国と北朝鮮が首脳会談を開く、と発表するのです。1月26日の講演で、趙明均長官はそれを示唆する発言もしています。

(五輪・パラリンピックが終わった後の)4月にも(南北関係が)続く動力を確保し、6月以降も引き続く状況をいかに醸成するかが我々に与えられた課題だ。

「南北関係が続く」最大の原動力は首脳会談です。南北の間で何らかの合意を成すには、これ以上の対話はありません。

世界の多くの国も南北首脳会談の開催を歓迎するでしょう。北朝鮮の核武装とさほど関係ない国は、偽装の平和であっても目前の軍事衝突が避けられればいいのです。

それに専門家でない限り、普通の人は文在寅政権が親北派に動かされていることを知りません。普通の人は、対立していた南北が話し合うのだからいいことに決まっている、と思います。

そんな中「米韓合同軍事演習を予定通りに実施する」と米国が言い続けられるでしょうか。米国の中からも北朝鮮の核問題に関し「南北首脳会談の進展を見守ろう」といった声が出るのは間違いありません。

子供だましの時間稼ぎ

—普通の米国人はともかく、事情を知る指導層までも「核問題の解決は南北に任せよう」と考えるでしょうか。

鈴置:韓国は米朝対話をエサに南北首脳会談を飲ませる作戦です。米国に「南北首脳会談は米朝対話を実現するためのものだ。文在寅大統領が金正恩委員長に会ったら、米国と話し合う機会を持つよう説得する。米国は北と直接話し合っては核を放棄させればよい」と持ちかけている模様です。

1月27日にハワイで開かれた米韓国防相会談の冒頭、宋永武(ソン・ヨンム)国防長官が「南北対話は究極的に北朝鮮を米国との(非核化)対話に導くためのものという文在寅大統領の発言に関し(マティス国防長官と)意見を交換する」と語っています。

中央日報の「マティス国防長官『南北間の五輪対話は核問題解決できない』」(1月29日、日本語版)などが報じました。

なお、この記事の見出しから分かるように席上、マティス国防長官は「五輪対話では核問題は解決できない」と改めて韓国にクギを刺しています。

—米朝対話が実現したとして、北朝鮮は核を放棄するのでしょうか。

鈴置:その可能性は極めて低い。どんなに早急に米朝会談を開くとしても数カ月先。そのころ、北は米国まで届くICBMを完成しています。

米国から少々脅されても「ワシントンが消滅してもいいのか」と脅し返せるようになるからです。そんな子供だましの時間稼ぎ作戦に米国が乗るとは思えません。

原潜寄港を拒否した韓国

—韓国は、北が核武装してもいいのですか?

鈴置:いいのです。北朝鮮の核は「民族の核」です。日本や米国に落とす核であって韓国には落ちて来ない――と多くの韓国人が考えています。北の核に必死で反対するのは保守の一部だけです(「『南北共同の核』に心踊らす韓国人」参照)。

「同盟よりも民族」を象徴するエピソードがあります。韓国メディアは「米攻撃型原潜が1月18日に釜山に寄港する予定だったが、南北関係への影響を懸念する韓国政府が断った」と報じました。

聯合ニュースの「米原潜、釜山港に入港しようとしたものの計画変更」(1月17日、韓国語版)などで読めます。

韓国は、北朝鮮に軍事的に脅されるたびに米国に対し「同盟国の義務」として爆撃機や原潜など「戦略資産」を派遣するよう求めてきました。

その韓国が、北朝鮮の顔色を見て原潜の寄港を断ったというのです。「寄港拒否」を社説で批判したのは朝鮮日報ぐらい。ほかの保守系紙はさほど反応しませんでした。

「原潜の寄港を認めて北を怒らせたらどうするのか」「民族の和解の舞台となる五輪に水を差すな」といった読者の反応が怖かったのでしょう。韓国人にとって、核を持つ同族との良好な関係が、米国との同盟よりも重要になってきたのです。

『米韓同盟破棄』を青瓦台高官が語り始めた」で、第2次朝鮮戦争は「米日VS北朝鮮」の戦いだ、と述べました。いざという時に、韓国が中立を宣言する可能性が高まったからです。

しかし、平昌五輪を契機に韓国が北朝鮮側に付いたので、それは「米日VS南北」に変化しました。朝鮮半島の対立の構図が根本から変わったのです。「米日韓VS北朝鮮」という図式など昔話です。

安倍に「SOS」の米国

—構造の急変に韓国人は気がついているのですか?

鈴置:一部のメディアが報じ始めました。中央日報の1月26日の解説記事の見出しが「平昌五輪、『韓VS米日』の対決の場に変質か」(日本語版)でした。

韓国語版の元記事(1月25日)の見出しは「『安倍、平昌に一緒に行ってくれ』とペンス米副大統領がSOS」ですが、サブ見出しが「平昌が平和の祭典? 『韓VS米日』の対決の場に変質か」でした。

筆者はソ・スンウク東京特派員。安倍晋三首相が五輪開会式に出席することにしたのは、訪韓するペンス(Mike Pence)副大統領とスクラムを組んで南北朝鮮の対話ムードを牽制するためだ、と分析した記事です。

なお、ソ・スンウク特派員はその1日前にも「平昌行きを『大決断』という安倍首相、彼が来る本当の理由は…」(1月24日、日本語版)を載せています。

この記事では「ペンス副大統領が率いる米国の訪問団が平昌を訪問する中、日本だけが疎外されることを懸念した可能性もある」と書いていました。「韓米がスクラムを組み、日本がのけ者になる」と見ていたのです。

五輪をハイジャックした金正恩

—なぜ、1日で見方が変わったのでしょうか。

鈴置:ペンス副大統領の訪韓の目的は五輪の開会式出席という儀礼的なものではなく、北朝鮮が五輪をハイジャックして宣伝戦の場にするのを阻止するためだ、と報じられたからでしょう。

ロイターの「Pence aims to counter North Korea ‘propaganda’ at Olympics: White House」(1月24日)によると、匿名の米政府高官が以下のように語りました。

金(正恩)が平昌五輪をハイジャックし、その発するメッセージを思い通りにするとペンス副大統領は非常に懸念している。

北朝鮮は前々から、そうした操作が天才的に上手い。非常に危険な国だ。ペンス副大統領は訪韓中にメディアの取材を受ける。

ペンス副大統領は――たぶん安倍首相も、韓国で「北朝鮮の偽装平和攻勢に騙されるな」と呼びかけるのでしょう。

民族の和解を恐れる日本

—北朝鮮と文在寅政権は、それにどう対抗するのでしょうか。

鈴置:すでに「民族の和解を米国と日本が壊そうとしている」と韓国人に、あるいは世界に向け宣伝し始めています。

朝鮮中央通信は1月24日付で「日本は朝鮮民族の和解雰囲気がそんなにも快くないのか」 (日本語版)という見出しの論評を配信しました。以下が書き出しです。見出し同様に、日本語が少しおかしいのですが、そのまま引用します。

全世界が朝鮮半島情勢の緩和に支持と歓迎の声を高めている時、米国に劣らず意地悪く振る舞って邪魔する国がある。狭量のことで政治小国と指弾を受ける日本がそうである。

五輪により南北の友好ムードが高まるにつれ、こうした視点で報じる韓国紙が出てくるでしょう。すでに韓国語のネット空間には「米国と日本が民族分断を画策する」との声が登場しています。

北朝鮮を胡散臭い国と見る韓国人は多い。でも、彼らも「大国によって同民族が仲たがいさせられる」ことには憤りを覚えます。

試合を通じ反米・反日感情が高まるのではないかと警戒する韓国の親米保守派もいます。例えば、女子アイスホッケーで南北合同チームと日本が対戦し、米国人が審判を務めるケースです。

もし、合同チームにとって不当な判定が出たと思えば「民族の和解を嫉妬する米国と日本の陰謀だ」と騒ぐ韓国人が出ると思います。

騒ぎを起こせば南北の勝ち

—ソウル五輪(1988年)でも騒ぎがありました。

鈴置:ボクシングの試合で、判定に不服でリングに座り込んだ韓国選手がいました。会場の係員も照明を落とすなど騒ぎを大きくし、一部の新聞も民族感情を煽りました。

平昌で「大国の横暴」を思わせる事件が起これば、北朝鮮や文在寅政権にはしめたものです。「米国に頼らず我々、血を分けた兄弟だけでやっていこう」「まずは米韓合同軍事演習を拒否しよう」といった声がSNS(交流ソフト)などで噴出すると思われます。

もちろん、こうした事件は偶発的なものですから、起こるとは限りません。ただ、平昌五輪が「米日VS南北」という対立構造への分岐点となるのは間違いない。五輪を期に韓国が、国の基本姿勢を「同盟」から「民族」へと大きくカジを切ったからです。

そんな韓国に、ペンス副大統領や安倍首相が出かけて行って「偽りの平和」を批判する――。それは「民族分断を画策する悪役」を演じることを意味します。

(次回に続く)

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『トランプが最も恐れる男、バイデン前副大統領 「三度目の正直」で大統領を狙う民主党重鎮の「回顧録」』(1/29JBプレス 高濱賛)、『相手がトランプだと頭に血が上るエリート記者たち 「中立」原則はどこへやら? 軒並み外れた政権の将来予測』(1/28JBプレス 古森義久)について

1/30希望之声電台<疑與習近平決裂 金正恩突然發出一罕見指令=習と決裂は疑うが、金正恩は突然あまり見ない指令を発した>韓国メデイアによれば、北は中国からの工業品以外は輸入禁止にしたと。昨年の国連決議による北京の制裁に対する金の抗議の意味で。それでもロシアに石炭を運び、それをロシアは日本や韓国に売却している。明らかな制裁決議違反であるが。これは今でも続いている。

http://www.soundofhope.org/b5/2018/01/28/n1491380.html

1/30産経ニュース<トランプ大統領、TPP政策逆転のワケ 「中国の略奪的な経済慣行」で再認識か 古森義久>この中に「デービッド・マルパス財務次官がトランプ演説直後に述べた説明である。 「TPP政策のシフトの理由はここ1年間に起きた状況の変化だが、最大の要因といえるのは中国の経済的侵略がグローバル規模で激しくなったことだ。トランプ政権としての中国の略奪的な経済慣行へのより深い理解が、TPPの効用を再認識させるにいたったといえる」」とあります。トランプもいよいよ中国と対決の覚悟が出て来たのでは。ただ、復帰はそんなに簡単ではないでしょう。11か国で取り決めたのに米国が従うならまだしも。TPPが中国包囲網を形成するためと言うのであれば、お互い譲れるところはあるかもしれませんが。

http://www.sankei.com/world/news/180130/wor1801300011-n1.html

高濱氏の記事で、2020年の民主党のバイデンが大統領候補で勝てるかなあという気がします。良く言えば老獪で議会運営巧者なのでしょうけど、インパクトが無いです。共和党主流派に通じる民主党主流派でチエンジはできないでしょう。「チエンジ」で名を売ったオバマはオバマケアを実現しましたが後は口先だけ、中露に足元を見られ、侵略を許しました。これに連なることを思えば、大統領選に出ても勝ってほしくありません。アンデイチャン氏によれば、民主党はロシアゲートをでっち上げ、トランプのせいにしていますが、元々はウラニュウムワン疑惑でヒラリーの問題だったとのこと。クリントン財団やらサーバー問題やら、ヒラリーとオバマは汚辱に塗れています。まあ、バイデンの代わりに若い颯爽とした人物が民主党から出るかもしれませんが。それでも、自分の党の不始末はキチンと片づけなさいと言いたいです。

古森氏の記事を読みますと、メデイアは第四の権力と言われますが、実は第一の権力なのではと言う思いがします。キャンペーンをはって日本では国権の最高議決機関たる国会の議員を簡単に落とせるのですから。而もトラブルがあっても責任を取らなくていいという恵まれた身分です。ですから勘違い男・女がこの業界には多くいる印象を持っています。所詮虚業の世界。玉石混淆の情報の中から正しい情報を掘り当てる作業を購読者ができるようになりませんと。本当にフェイクが混じっています。中共のプロパガンダと同じものもあります。識別能力を持つようにしませんと。

高濱記事

米ホワイトハウスでバラク・オバマ大統領から大統領自由勲章をかけられるジョゼフ・バイデン副大統領(2017年1月12日撮影)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM〔AFPBB News

「株価と雇用」を自画自賛するトランプ

ドナルド・トランプ米大統領は、就任2年目に入り、株価の上昇や低い失業率など好調な経済状況を政権の成果と自画自賛している。

しかし、それをまともに受け止めるのは大企業と共和党支持の白人層だけ。支持率は30%台を低迷している。主要メディアは執拗に大統領の品格のなさを批判し続けている。

主要政策では、議会共和党、民主党は真っ向から対立し、予算は会計年度が始まる2017年10月から4か月近く経った今も成立せず。暫定予算でしのいでいるが、20日には新たな暫定予算が認められず、一時は政府機関の一部閉鎖にまで追い込まれた。

そんな状況の中で、メディアは<2020年大統領選挙にいったい誰れがトランプ大統領の対立候補になるか>と予想し始めている。

リベラル派よりも中道派を模索する民主党

トランプ大統領が再選に意欲を見せている。周辺は勝つと強気だ。

一方、挑戦者の民主党では、エリザベス・ウォーレン上院議員やバーニー・サンダース上院議員といった著名政治家のほか、成長株、カマラ・ハリス上院議員の名前が挙がっている。

しかし、いずれも「リベラルすぎる」ことから党内には難色を示す向きもある。

そうした中で、今注目されているのが、中道派超ベテランのジョン・バイデン前副大統領(74)の存在だ。

上院議員歴36年、上院司法、外交両委員長を歴任。副大統領を2期務めた、文字通り民主党の重鎮だ。年齢的にもトランプ氏よりも年上。

すでに「過去の人」と陰口も聞かれるが、いくつかの世論調査では、「トランプ再選を阻む最有力候補はバイデンだ」と答える米国民が半数近くに上っている(参照=https://poll.qu.edu/national/release-detail?ReleaseID=2513)。

余談だが、大統領候補と言えば、超人気テレビ司会者のオプラ・ウィンフリーさんへの大統領選出馬への待望論が出ている。

司会業のほか、ケーブルチャンネルやダイエット企業の株を持ち、資産額は28億ドル(約3100億円)の黒人女性の億万長者だ。

トランプ氏と大統領選を争えば、52%対39%でウィンフリーさんが勝つとの世論調査結果も出ている。

その半面、66%が「政治音痴のセレブが大統領になるのはトランプでこりごり」と答えている。このウィンフリー待望論はどうも「話のタネ」の域を出ていない。

今、「回顧録」を出した理由

“Promise Me, Dad: A Year of Hope, Hardship, and Purpose,” by Joe Biden, Flatiron Books, 2017

そのバイデン氏が2017年末に出した「回想録」が今ベストセラーになっている。

2015年、息子のボー氏(享年46歳)を脳腫瘍で亡くしている。

バイデン氏は1972年、30歳の若さで上院議員に当選した直後、妻のネイリアさんを交通事故で失った。

同乗していた3人の子供のうち長女も死亡。2人の息子ボー氏とバート氏は瀕死の重傷を負う。

亡くなったボー氏は、その後、政界入りし、デラウェア州政府の司法長官を2期務めていた。将来、大統領になる器だと、地元紙は書いていた。

本のタイトル、「Promise me, Dad」(パパ、僕に約束してくれ)は死ぬ直前にボー氏が父バイデン氏につぶやいた一言だった。

「息子は言った。『僕は何があっても大丈夫だ。だから約束してほしい。僕にどんなことがあってもパパは大丈夫だと言ってくれるかい』。私は『大丈夫だよ。ボー』と答えた」

「息子は言った。『それだけじゃだめだ。1人のバイデンとして言葉に表してくれ。パパ。<約束する>と言ってほしいんだ』。私は『分かった、約束する』と答えた。ボーは、父である私にも死んでいく自分と同じような心の安らぎを与えようとしてたのだ」

副大統領としてバラク・オバマ大統領を支えてきた多忙の日々。その激務中で最愛の息子が父を置き去りにして去っていく悲しみ。その悲しみを乗り越えて重職を全うし、翼を休めたかに見えるバイデン氏。

「回想録」に描かれた家庭を愛するバイデン氏の姿は多くの人々感動を与えている。

だが、生き馬の目を抜くワシントン政界の読み方は異なっている。行間には2020年出馬への秘めた決意が滲み出てとみる向きが少なくないのだ。

それにはそれなりの理由がある。昨年夏頃からバイデン氏の周辺も慌ただしくなっている。

2017年6月にはバイデン氏出馬を前提にした政治行動委員会(PAC)「American Possibilities(アメリカの可能性)」を設立。同委員会の責任者にオバマ氏の選挙キャンペーンに2度も携わったグレッグ・シュルツ氏が就任している。

行間ににじみ出ている2020年出馬への「決意」

そう思って本書を通読していくと、その「決意」が何か所か出てくる。

バイデン氏は、2015年7月、アンドルー・クオモ・ニューヨーク州知事と5時間話した時、同知事は、父親のマリオ氏が大統領選出馬を断念した時、言っていたことをまず回顧している。

「マリオ氏はアンドルー氏にこう述べた。『決断を下す時大切なことは後で後悔しないことだ。なぜならその決断は自分に一生ついて回るからだ』と。マリオ氏はその年の後半、他界した」

バイデン氏はこれまでに2度大統領選に出馬したが、2度とも途中で撤退している。1度目は1988年、予備選の最中に行った演説が英労働党党首の演説の内容を盗用したとの疑いが持ち上がり、撤退に追い込まれた。

2度目は2008年の予備選前半のアイオワ州で第5位、ニューハンプシャー州では第6位と振るわず、諦めた時だ。

今度出るとすれば、まさに「三度目の正直」ということになる。

2020年大統領選出馬への「決意」は、バイデン氏が尊敬するドイツの哲学者、イマヌエル・カントの言葉を引用することで示唆しているようにも思える。

「カントは言う。『幸福になるためのルールは3つある。何かをすること。誰かを愛すること。そして何かに希望を抱くこと』」

「私が2016年大統領選に立候補しなかった理由は息子ボーの死別と無関係ではなかった」

「出馬するか否かは、すべてボーのこと、そして目標、希望ということと絡み合っていた。出馬を断念したことはまさにボー(のこと)を忘れてしまうと言っていると同義語だった」

「私は残りの人生をどう過ごしたいのだろう。できるだけ長い時間家族と過ごすこと、そして米国という国を変化させ、世界をより良い場所にしたい」

「そのためにやるべきことは、自分が目的とするものよりも大きい。その責務は自分に希望を与えてくれるだろう。将来に向けて私をノスタルジックにさせてくれるのだ」

「運命を尊ぶが、何が起こるか分からない」

バイデン氏は、大統領選出馬について、本書が出た直後のNBCテレビのインタビューでこう述べている。

「(大統領選に立候補するという)扉は閉じていない。私は(政界には)長いこと関わり合いを持ってきた。私は運命というものを尊ぶ。けれどもこれから1年半後に何が起こるか誰も分からない」

「私のアイルランド系の母親は私によく言っていた。『生きている限り、一生懸命努力する責任があるわ。神様と目と目が合うまであなたは死んではいないのよ』。まさにアイルランド人の真骨頂とでもいうものかもしれないね」

(参照=https://www.nbcnews.com/politics/politics-news/former-vp-joe-biden-says-he-s-not-closing-door-n820156

日米関係を知り尽くしたバイデン

暴露本(「Fire and Fury」=「炎と怒り」)のお陰でトランプ氏の大統領としての素質が問題視されている。

大統領選挙中、同氏を身近に見てきた選挙参謀の1人は、「トランプ氏は自分の知らないことが何であるかは知っている。しかしその知らないことを知る必要性は全く感じていない」と述べている。

トランプ政治の問題点はまさにそこにあるのだろうが、政権2年目に入ってもそれを変える意図は全くないようだ。

バイデン氏は本書ではトランプ大統領については一切触れていない。しかし、昨年12月13日のCBSとのインタビューでは、トランプ政権の最大の欠陥は、外交政策にあると指摘している。

「今米外交の最大の懸案は東アジアだ。トランプ大統領の外交スタンスもさることながら外交の司令塔であるレックス・ティラーソン国務長官は国務省に綺羅星のごとくいる外交のエクスパートを使いこなせていない。これではまともな外交などできっこない」

(参照=http://www.cbs.com/shows/cbs_this_morning/video/q2OP4R_JHw4YQBjMlMg9kma5OFelgDFI/joe-biden-on-promise-me-dad-and-his-journey-to-regain-hope-and-purpose-/

バイデン氏は内政・外交に精通したオールラウンド・プレーヤーだ。

選挙中トランプ氏が日本の核武装に言及した際には、「日本が核を保有できないとする日本国憲法を作ったのは米国なんだぞ」と一蹴。(参照=https://www.apnews.com/af44536131b34653a146b1b1807086d7

また中国の習近平国家主席が「中国人民解放軍は米国が中国を包囲しようとしていると考えている」の述べたのに対し、「米中の連携がなければ、日本の核保有はあり得る。日本が核兵器を保有したら中国はどうする、日本は一晩で核兵器を保有する能力がある」との認識を示している。

(参照=https://www.forbes.com/sites/timdaiss/2016/06/25/japan-could-go-nuclear-virtually-overnight-joe-biden-tells-chinese-president/#20c1e992161

品格といい、政治経験といい、トランプ氏にはないものすべてを兼ね備えているバイデン氏。その一挙手一投足に目が離せない。

古森記事

スイス・ダボスでの世界経済フォーラム年次総会で演説するドナルド・トランプ米大統領(2018年1月26日撮影)。(c)AFP PHOTO / Fabrice COFFRINI〔AFPBB News

米国のドナルド・トランプ大統領が就任2年目に入り、世界各国でトランプ論が再び盛り上がっている。そのなかで私の目を引いたのは、イギリスの大手紙記者がトランプ大統領に対する評価の誤りを認めた記事だった。

欧米の主要メディアはトランプ大統領を就任当初から「米国の大統領であってはならない人物」と非難し続け、政権が倒れることを予測してきたが、倒れることはなかった──記者は自分の判断が間違っていたことを、こう素直に認めている。

トランプ大統領を前に吹き飛ぶ「中立」原則

イギリスの大手紙フィナンシャル・タイムズ(1月23日付)に、外交問題主筆のギデオン・ラックマン記者による「ドナルド・トランプと天才という言葉の多数の意味」と題する長文のコラムが掲載された(日本語訳は日本経済新聞の1月25日朝刊に掲載された)。

この記事はまず、ラックマン記者や欧米主要メディアの記者たちがトランプ氏をいかに辛辣に評しているかを記している。欧米メディアの記者たちはトランプ大統領を「どうしようもない馬鹿」「悪の天才」などと断じているという。ラックマン記者自身も、トランプ氏は白人優先の人種差別主義者であり、政治には無知、恐怖と憎しみを利用して選挙に当選した、と述べる。ラックマン記者はトランプ氏を統治者の資格のない人物だと断じ、一日も早く大統領の座を離れることが望ましいと願っているのだ。

欧米の伝統的なジャーナリズムは客観主義や中立原則を標榜している。一国の政府や政治指導者を論じるときには、論者は中立の立場をとり、反対派、賛成派の両方の見方を紹介するのが建前になっている。

だが、ことトランプの論評となると、とたんに論者の主観が前面に飛び出てきて、トランプ氏は大統領であってはならない人物だと断じるところから記事が始まる。ラックマン記者のコラム記事は期せずしてその典型例となっていた。

ちなみに日本経済新聞が日本語に訳して転載した同記事の見出しは「憎しみ操るトランプ氏」「意図的に嘘・攻撃 裏をかく『天才』」となっていた。トランプ氏が果たして憎しみを操っているのか、意図的に嘘をついているのか、それは誰にも証明できない。ラックマン記者の主張は、言ってみれば反トランプ勢力の主観的な見解である。

私は長年欧米のメディアの政治報道に接し、記者たちとも接触してきたが、彼らは基本的にジャーナリズムの客観性や中立性を尊重する良識ある人たちだと感じることが多かった。ところがその記者たちがトランプに対しては冷静さを失い、感情的な言葉でとにかく叩きまくるのである。

この反応にはいろいろな理由があるだろうが、報道の受け手側が気をつけねばならないのは事実判断である。トランプ政権はこのまま存続していくのか、それともすぐ倒れてしまうのか。その予測や判定は、記者のトランプ氏への好き嫌いではなく、あくまでも事実を基にすべきである。

軒並み外れた大手メディアの予測

ラックマン記者はこのコラムで自らの誤りを次のように認める。

<主流メディア(筆者もその立派な一員だ)は何度も、「大統領は今度こそやり過ぎたので、もはや命運は尽きた」と公言してきた。しかし、その都度、トランプ氏はメディアの予想を覆し、むしろ自信を深めてきた。実際には、同氏を政治的に葬り去ることができなかった問題、特に人種差別と女性蔑視が同氏の力を深めてきた。>

ラックマン記者は、自分をはじめとする主流メディアの記者たちがトランプ大統領について何度も何度も公言してきた「トランプの命運は尽きた」という予測はみな間違っていた、というのだ。

そういえば、米国大手メディアの反トランプ陣営であるワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズ、CNNテレビなどは「トランプ大統領の退陣」「トランプ政権の崩壊」などという予測を何度報じたことだろう。

日本でも主要メディアが、「トランプ政権の終わり」を、米国メディアの論調をなぞるように頻繁に伝えてきた。だが、それらの「予測」は見事に外れてしまっている。この大きなミスを、イギリス大手紙のベテラン記者、ラックマン氏があっさりと認めたというわけだ。日本のトランプ大統領研究も他山の石とすべきだろう。

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『米ロ対立の深刻化で「核軍縮合意」も風前の灯に 中距離核戦力(INF)廃棄条約めぐり非難合戦』(1/26日経ビジネスオンライン 池田元博)について

1/29日経朝刊<ロシア大統領選「ノー」 プーチン政権抗議デモ、各都市で 当局、主導者ら拘束

【モスクワ=小川知世】首都モスクワなどロシア各都市で28日、プーチン政権への抗議デモがあった。3月の大統領選への出馬を却下された反体制派指導者、アレクセイ・ナワリニー氏が選挙のボイコットを訴えて開催を呼びかけた。同氏はデモ中に当局に身柄を拘束された。プーチン大統領の4選は動かない見通しだが、国民の「プーチン疲れ」を映した大規模デモで当局が多くの拘束者を出したことで、影響は長引く可能性がある。

28日、モスクワ中心部の広場はデモに集まった市民で埋め尽くされた

ナワリニー氏(中)はデモ参加直後に当局に拘束された(モスクワ)=AP

モスクワ中心部の広場には午後、若者らが集まり「これは選挙じゃない」とシュプレヒコールをあげた。治安部隊が広場から出るよう繰り返し警告。参加者は「去るのはプーチンだ」と声を張り上げ、大統領府があるクレムリンへと行進した。行進は黙認された。モスクワでのデモ参加者は数千人規模とみられる。

ナワリニー氏はデモ参加中に拘束された。同氏は自身のツイッターで「(拘束は)無意味だ」と抗議運動の続行を呼びかけた。現地メディアによると全国では250人以上が拘束された。デモに参加した大学生のニキータさんは「選挙の結果は変えられなくても抗議を諦めたらロシアはさらに悪くなる」と訴えた。

ナワリニー氏陣営によると、デモはサンクトペテルブルクやウラジオストクなど110都市以上で計画された。街頭運動で大統領選ボイコットの世論を高めて投票率を下げ「国民が真の選挙と受け止めていない」(同氏)ことを示す狙いだ。28日はホームページでも各地のデモを中継。警察がモスクワの同氏の事務所に押し入り、中継が中断する様子も映し出した。

ロシア中央選管は2017年12月にナワリニー氏の大統領選への立候補申請を却下した。過去に受けた有罪判決を理由としたが、同氏は「プーチン政権は(対決を)恐れて出馬を阻止した」と政治的判断だと反発している。欧州連合(EU)も「民主的選挙の見通しに深刻な疑いがある」と声明で懸念を表明した。

選挙を控え、プーチン政権は反体制派への圧力を強めている。ナワリニー氏や陣営の拠点を警察が何度も捜査し幹部らを拘束。モスクワの裁判所は22日、同氏の活動を支援する基金の閉鎖を命じる決定を出した。

大統領選は当選が確実視されるプーチン氏の事実上の信任投票となる見通し。実質的な対抗馬は不在で国民の関心は薄い。政権は目標とする「投票率7割、得票率7割」を達成し、高い支持を内外に印象づける狙いだ。

1999年の首相就任以来、プーチン氏はロシアを20年近く率いてきた。同氏を引き継ぐ指導者の不在を政治的停滞とみる世論は一定数ある。今回のデモへの対応が政権への失望を招き大統領選での投票率や得票率が下がれば、プーチン氏の指導力に疑問符がつく。

ナワリニー氏は政権汚職を追及するブロガーで、17年3月と6月に呼びかけた反政府デモは全国に広がった。過去のデモでも同氏や多数の参加者が一時拘束された。>(以上)

1/29ダイヤモンドオンライン北野幸伯<絶対権力者プーチンの再選が決して「楽勝」とは言えない理由>

http://diamond.jp/articles/-/157404

中国が民主化した暁には、今のロシアと同程度の民主主義になるのではと想像される記事です。敵を立候補させないのは香港と同じやり方です。プーチンは投票率70%、投票率70%目指すとしていますが金正恩ではあるまいし、そんなに高い支持率が必要なのかどうか。1/29日経朝刊に依れば安倍内閣の支持率は55%、不支持率は37%とのこと。これでも普通の民主主義国では支持率は高い方でしょう。長期政権になればなるほど支持率は下がりますから。

北野氏の記事で、共産党のグルディニンが対立候補として2位につける可能性は高いとのこと。メドほどではなくてもプーチンも隠し資産があるような気がしますが。それが暴露されない限りプーチンは安泰と言う所でしょう。

池田氏記事でロシアのラブロフが「イージスアショア」で日本に文句を言ってきているとのことですが、「自衛の権利は各国が持つ」し、「そもそもロシアは日本を標準にした核ミサイルを撤去すべき」、「イージスアショアは防御用武器」というのを強く主張しないと。

1/29JBプレス 渡邊 光太郎<ロシアなしでは日本も世界も自動車を作れない 世界の自動車産業はスターリンの遺産に依存する>「ノリリスクの鉱脈が特殊なのは、含まれる白金族元素の量が通常ではあり得ないほど多いことである。」「パラジウムは1つの狭い地域で世界の40%を超える産出量をもたらしており、ノリリスクの鉱山は世界最良のパラジウム鉱山と言ってよい。

 なお、パラジウムはプラチナと類似の性質を持つ白金族元素で、化学的に安定、触媒として機能するという性質を共有する。」「例外的な時期を除き、プラチナの方がパラジウムより高価なのだが、現在は価格が逆転し、パラジウムの方が高価である。」「そんな立派な資源が全くない日本からするとひたすら羨ましい話である。もっとも、ノリリスクは金属産業による汚染により、ロシアで最も汚染された町と呼ばれているというオチがある。」「窒素酸化物は還元、有機物や一酸化炭素は酸化という真逆の反応で無害化するが、触媒コンバーターには酸化・還元の両方を一度に行う三元触媒という優れものの触媒が仕込んである。この触媒に白金族元素のプラチナ、パラジウムなどが使われている。」「プラチナというと宝飾品のイメージが強いが、2016年のリサイクルを含めた世界のプラチナ需要量244トンのうち、自動車触媒用は102トンを占めている。

 一方宝飾品は68トンであり自動車用よりも少ない。パラジウムでは需要量304トンのうち、自動車触媒用は229トンであり、4分の3が自動車産業によって消費されている。 ちなみに、日本の自動車産業は2016年にプラチナ10.3トン、パラジウム26.7トンを使用した。」「プラチナ産出量は1位南アフリカ、2位ロシア、3位ジンバブエである。南アフリカだけで産出量の7割を超え、ロシアが加わると8割を超え、ジンバブエが加わると9割を超える。 もちろん日本やその他工業国でのリサイクルもあるが、リサイクルによる供給量はプラチナ供給量の2割ほどなので、世界はプラチナの7割を南アフリカ、ロシア、ジンバブエに依存しているのである。」「パラジウムでは、産出量1位ロシア、2位南アフリカ、3位カナダである。しかし、カナダはロシアと南アフリカに比べると5分の1程度の産出量しかなく、ロシアと南アフリカだけで産出量の7割5分、リサイクル分2割を足してもロシアと南アフリカに供給量の6割を依存している。」

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52179

いくら資源があっても、資金と技術が無ければ宝の持ち腐れでは。価格が高騰すれば中国のレアアースと同じく代替品開発競争が激しくなり、使用されなくなる可能性もあります。

1/28日経朝刊<欧州、強まるポピュリズム 独仏は下院選の得票20%超 イタリアでは第1党うかがう>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26239490X20C18A1SHA000/

1/29宮崎正弘氏メルマガ<チェコ大統領に「反移民」、「反EU」、「反NATO」のゼマン氏が再選

中欧に政治の地殻変動が始まっている。>

http://melma.com/backnumber_45206_6639180/

欧州は反EUの流れは止まらないのでは。そもそも難民受け入れに甘く、自国民の犠牲が大き過ぎます。日経は相変わらず大衆迎合主義(ポピュリズム)とか極右とか言って非難じみた言葉を使ってイメージを貶めようとします。でも選んでいるのは国民だという事をお忘れなく。記者が高みに立って論評する話ではないでしょう。共産主義国に住んでいる訳でもないのに。国民の選択が第一です。

記事

米ロ関係はトランプ米政権発足後も一向に改善の兆しがみえない。米大統領選へのロシアの介入疑惑の影響がやはり大きいが、ここにきて一段と関係を冷え込ませかねない懸案が持ち上がっている。核戦略を中心にした安全保障問題をめぐるあつれきだ。

1987年12月、当時のゴルバチョフ・ソ連共産党書記長(左)とレーガン米大統領(右)は中距離核戦力(INF)全廃条約に調印した(写真:ロイター/アフロ)

「現在のような複雑な国際環境にあって、ロ米間の建設的な対話は世界の戦略的安定強化に欠かせない」――。プーチン大統領は昨年末、米国のトランプ大統領に宛てた新年のメッセージで、関係改善への期待を示した。

米大統領選でロシアとの関係改善の必要性を訴えたトランプ氏が大統領に就任してから1年。米国では大統領選への介入の有無を含めたロシアとトランプ政権の不透明な関係をめぐる「ロシア・ゲート」疑惑への追及が続き、関係改善どころではない。トランプ、プーチン両大統領による公式の首脳会談も、ドイツのハンブルクでの国際会議の場を利用して昨年7月に一度開かれただけだ。

ロシアでも対米関係修復への期待は急速にしぼんだ。プーチン大統領も昨年末の記者会見では、いわゆる「ロシア・ゲート」疑惑の影響を指摘しつつも、トランプ大統領が今でもロシアとの良好な関係を望んでいるのか、あるいは希望を完全に失ってしまったのかは「本人に聞いてみなければわからない」と述べていた。

一方で、関係正常化によって米ロが「共通の脅威」に立ち向かう必要性も強調。その具体例として国際テロや環境対策、大量破壊兵器の拡散防止、中東や北朝鮮など世界各地で起きている危機の克服を挙げていた。こうした自らの意向をトランプ大統領への新年のメッセージにも込めたわけだ。

当然、外交辞令の要素は無視できないが、ロシア大統領選後の今年5月からの次の任期を踏まえれば、極端に冷え込んだ米ロ関係をそのまま放置しておくわけにもいかないという思いもあるのだろう。

とはいえ現実は厳しく、米ロの確執は今後一段と先鋭化しかねないのが実情だ。米政界を揺るがす「ロシア・ゲート」疑惑もさることながら、両国の国益に直結する安全保障問題をめぐる対立が鮮明になりつつあるからだ。

トランプ政権の「核兵器重視」で「核軍縮」が台無しに

トランプ米大統領は昨年12月、安保政策の指針となる「国家安全保障戦略」を発表した。新戦略は中国とともにロシアを、米国の国益や国際秩序に挑戦する「修正主義国家」と断じ、競争勢力と位置づけた。ロシアについては軍備力も再び蓄積しているとし、強い警戒心もあらわにした。

国家安保戦略の発表を受け、米国防総省は今年1月中旬に「国家防衛戦略」を公表。中ロを「戦略上の競争相手」とし、大国間の競争が最優先の懸案になるとして核抑止力やミサイル防衛といった米軍の体制増強を進める必要性を強調した。ロシアが核戦力の増強・近代化を進めていることもあえて指摘した。

トランプ政権はさらに、米国の核戦略の指針となる「核体制の見直し(NPR)」を近くまとめる予定だ。米メディアなどの報道によれば、「核なき世界」を唱えたオバマ前政権が2010年にまとめた前回のNPRを大幅に修正し、核兵器を再び「重要な要素」と位置づけてその役割を拡大する方針を明記。核戦力の優位性を保つことで、中国やロシアの脅威に対抗する姿勢を強調するという。

冷戦時代に米ソが核軍拡を競った名残で、世界の核弾頭の9割以上をいまだに米ロが保有する。経済規模、国防支出額、生活水準、国際社会への影響力などほとんどの分野で米ロ間に圧倒的な差が生じるなか、核戦力はほぼ例外的に双方の力が均衡する分野だ。両国間の核軍縮交渉は当然、最重要の懸案となり、緊張緩和と関係改善を印象づける象徴ともなる。

ところが、トランプ政権が中国とともにロシアを「戦略上の競争相手」とみなし、特に核戦略の分野でロシアへの対抗姿勢をむき出しにするようなら、核軍縮に向けた米ロの歩み寄りは望み薄だ。それどころか、両国間の既存の核軍縮合意の継続もおぼつかなくなる。既にその兆候が垣間見られている。

米国務省は昨年12月、ソ連時代の1987年に米ソ間で締結し、翌88年に発効した中距離核戦力(INF)廃棄条約についての声明を出し、ロシアが条約に違反していると非難。今後のロシアの対応次第では対抗措置として、米国も中距離ミサイルの研究開発に乗り出す意向を示した。

INF廃棄条約はアイスランドのレイキャビクでの首脳会談を経て、レーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長(いずれも当時)がワシントンで調印した画期的な核軍縮条約だ。射程500~5500キロメートルの短・中距離の地上配備の弾道、巡航ミサイルを発効から3年以内に全廃すると規定したもので、欧州の緊張緩和とその後の東西冷戦終結に向けた大きな一歩となった。

米国務省の声明は、その歴史的な核軍縮条約の調印からちょうど30年の節目に合わせて出された。米政府はオバマ前政権時代からロシアの条約違反を指摘。トランプ政権も昨春、ロシアが欧州向けに新型の地上発射型巡航ミサイル「SSC8」を実戦配備したとし、INF廃棄条約に抵触すると非難してきた経緯もある。ただ、米国が今回の声明通りに中距離ミサイルの開発に着手するようであれば、INF廃棄条約の形骸化は避けられない。

ミサイル防衛を巡る米ロの対立が日ロ関係に飛び火

プーチン大統領は昨年末の記者会見で、こうした米国の批判に真っ向から反論し、「我々は国際安全保障の要である主要な軍縮条約から脱退することはない」と断言した。逆に米国はかつて、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約から一方的に脱退しており、INF廃棄条約についても「米国が離脱に向けた情報・宣伝工作をしている」などと非難した。

米ソ間で1972年に締結したABM制限条約は、弾道ミサイルの迎撃を目的としたミサイルシステムの開発を厳しく制限したものだ。米国はブッシュ政権下の2001年末、ミサイル防衛(MD)計画の障害になるとして一方的に脱退を宣言し、同条約は2002年に失効している。INF廃棄条約もまた、米国の一方的脱退という形で失効せざるを得なくなる懸念があると警告したわけだ。

それだけではない。プーチン大統領は「彼ら(米国)は何とかして我々を叱責し非難しようとするが、自らは一体何をしているのか」と苦言を呈し、米国が2016年5月にルーマニア南部で運用を始めた地上配備型の迎撃ミサイル発射基地をやり玉に挙げた。

ルーマニア基地のシステムは米国が主導する欧州でのMD計画を構成する一部となっているが、プーチン大統領は弾道ミサイルを追跡する艦載イージスシステムを地上に設置したものだと強調。迎撃ミサイルの代わりに短・中距離の弾道、巡航ミサイルを装備するのは容易で、「米国は既に実質的にINF廃棄条約から離脱している」と主張した。

プーチン大統領は昨年末に開いた国防省幹部との会合でも同様の主張を展開し、米国の行動は「欧州や世界の安全を損なう」と非難。米国がもたらす潜在的脅威に適切に対処する必要性も強調している。

ロシアが米国のMD構想とINF廃棄条約問題を絡めて批判し始めたことで、思わぬ影響が日ロ関係にも飛び火している。ラブロフ外相は今年1月の記者会見で、日本政府が導入を決めた地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」について、ルーマニアなどに配備されたシステムと同様、「攻撃兵器も装備できる万能型の発射システム」とみなしていると明かした。

日本政府はイージス・アショアを日本が運用する、巡航ミサイル「トマホーク」などの装備は不可能だ、などと説明するが、ロシア側は全く納得していない。そもそもイージス・アショアの導入は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対処するためだとする日本の主張も、ロシアでは説得力を欠く。むしろロシアや中国を標的にした米国の世界的なMD網配備の一環とみなしている。

いささか古いが、政府系の全ロシア世論調査センターが昨年5月の世論調査で、ロシアに対して核兵器など大量破壊兵器を使う恐れがある国・組織はどこかを聞いたところ、回答者の50%が米国を挙げ、北朝鮮は13%にすぎなかった。こうした日ロの認識の差異も背景にあろうが、イージス・アショアの日本配備に警戒を強めるロシアが今後、INF廃棄条約の無力化に加担しているとの主張を軸足に据えて日本批判を強める恐れは十分にある。

話を米ロに戻そう。核戦力をめぐる対立が今後激化するようだと、INF廃棄条約だけでなく、米ロが2010年に調印した新戦略兵器削減条約(新START)の行方にも負の影響を与えかねない。両国が配備する戦略核弾頭数を大幅に制限した同条約は2021年に有効期限が切れる。最大5年の延長が可能だが、トランプ大統領は「悪い合意」「一方的な取引」などとしばしば批判している。

プーチン大統領は「もし米国が新STARTからも一方的に離脱するようなら、世界の安定と安全の維持という観点から大きなマイナスになる」と警告するが、先行きは一段と不透明さを増す。米ロの長引く冷たい関係は、両国が長年にわたって積み上げてきた核軍縮合意も台無しにしかねない危うさを抱える。

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『これからのジャーナリズムを考えよう The Future of Journalism』(1/29日経主催学生応援プロジェクト)について

表題にあるセミナーに参加しました。初めて安田講堂に入りましたが、思ったより小さめでした。学生が前の座席且つ日経社長が東大・慶應・早稲田・上智・其の他の学生と紹介したのを見て、人気のないメデイアの募集活動の一環なのではという気がします。写真を見て分かる通り、林香里東大大学院教授が司会で出ていました。朝日新聞の慰安婦問題の第三者委員会で悪名を轟かせた人物です。こんな人がフェイクニュースについて論評できる資格があるかどうかです。もっと言えば東大大学院教授にレベルが低い人物を選んだ感があります。まあ、東大はアカの巣窟だから仕方がないのかもしれませんが。

<朝日新聞第三者委員会で特にひどいのが林香里東京大学大学院情報学環教授だ。2015/3/15 花田紀凱 >

https://news.yahoo.co.jp/byline/hanadakazuyoshi/20150315-00043859/

小生はAIに興味がなかったので、18:00前に出ました。全文英語で聞き通しましたけど分かり易かったです。コル・コロンビア大学ジャーナリズム学院長の話は、話すのが早かったけどクリアに発音していましたので。またトランプについて抑制的に話していたのも好感が持てました。元WPの記者とのこと。バーバーFT編集長の話はユーモアがあって面白かったです。日経の話は20年先なら兎も角、日本は宅配制度があり紙媒体もしっかり守られるのではというニュアンスでした。「押し紙はどうした」とツッコミを入れたいところです。「押し紙」を放置しておいてフェイクも糞もないと思いますが。自分達のやっていることが客観的に見えないのでしょう。まあ、本人達もマスゴミと呼ばれている自覚はありましたが。

コル氏「米国憲法で保障されている報道の自由が危機に直面している。この20年で地方紙が消え、SNSに取って代わられた。フェイクで汚染されている記事もある。今学校がメンターになり、メデイアに就職した人間の支援をしている。ファクトベースで、ミスをなくすようにと指導」

バーバー氏「FTはデジタルが91万部。ウチの娘も読んでいるからエリート向けとは言えない。問題なのは記者がPCに向かって仕事をしている。現地取材に行って人の話を聞かない。フェイクの防止として2つの独立した見方でチエックしている。個人の見方がブランドとなる。特集として、中国は海軍大国になり、南シナ海への進出もハリウッドを利用したソフトパワーの活用、プロパガンダをしている」とのことでした。

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『中国「6歳の宅配少年」は美談ではない 父は死去、母は再婚、無戸籍で学校へ行けず…』(1/26日経ビジネスオンライン 北村豊)について

1/26看中国<百年謊言:“華人與狗不得入內”(組圖)=百年の戯言:”中国人と犬は入るべからず“>「“此公园建筑之初,西人亦本有中外与共之意,因华人既人数众多,占其良好之坐位,复因无公德心之华人,箕踞眠卧,遍地吐痰,以致见憎于西人。”この公園(上海の外滩(バンド)公園)が建った当初は西洋人も中国人と共にと思ったが、中国人は数が多く、良い場所を取り、且つ公徳心がなく、地べたに座ったり寝たり、所構わず痰を吐き(今でもそうですが)、西洋人にとっては見たくないこと“

好吧,极有可能是华人素质较低,公德心较差,就像和今天出国旅行时“爱国放水”、“偷马桶盖”、“随地便秘”、“浪费自助餐”的某些国人类似,其行为习惯破坏了公园的环境与秩序,所以被洋人下了逐客令。在1903年,公园将这一限制写入公园的规则以明文规定,这也许就是“华人与狗不得入内”谣言的雏形,原文是这样的:そう、中国人の資質が低く、公徳心もなく、まさに今時の海外旅行時の「愛国放水」(王楠(卓球選手)が愚かにも日本のホテルで水を流し放しにして夫がSNSで愛国行為と叫んだ)、「ウオッシュレットの窃盗、2016年に名古屋の東横インに泊った中国人が自分の部屋のベッドの下に部屋のウオッシュレットがあったので持出(?)、東横インから旅行団に連絡、次の場所から宅急便で東横インに返送」「所構わず大小便をする(便秘でなく便溺では?)」「バイキングの無駄な取り方」でどこかの国の人がすること同様、その行為習慣は公園の環境や秩序を破壊し、西洋人に中国人を追い出す命令を出させた。1903年に公園規則で中国人の入場制限したのが「中国人と犬は入るべからず」の雛型になったのかもしれない。原文は次の通り。

第一条,自行车及狗不得入内;第一条、自転車と犬は入園禁止 …… 第五条,除外国人佣仆外,华人一概不准入内;第五条 外国人の使用人を除いて中国人は入園禁止 まあ、西洋人にしてみれば中国人はこの上なく汚く見えたのでしょう。日本は貧しくともこぎれいにしていていつも楽しそう、子供が愉快に遊びまわっている情景が西洋人からも評価されていたと渡辺京二の『逝きし世の面影』にあったと思います。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という社会と「和と信用を重んじる」社会とどちらが暮らしやすいかです。でも、もっと日本人は「世界には悪い奴が沢山いる」と気づかないと。日本の学界・メデイアはその悪人の手先になって日本人を洗脳しています。民主主義は強い個人が多くならなければ衆愚に陥るだけです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/01/26/847779.html

1/28日経朝刊<日中韓首脳会談、迫る「リミット」  河野外相訪中 政権浮揚へ春開催探る

【北京=地曳航也】河野太郎外相は27日、中国の王毅外相らとの会談のため北京に到着した。日本で早期開催をめざす日中韓首脳会談の日程を調整する。安倍晋三首相は日中韓首脳会談を契機に首脳往来の再開を狙う。2018年秋の自民党総裁選や憲法改正の実現に向けた政権浮揚につなげたい考えだ。ただ中国側がどう出るかは不透明な部分も残り、望ましい政治日程の幅も狭まっている。

河野氏は28日に王毅外相のほか、李克強(リー・クォーチャン)首相、中国外交トップの楊潔篪国務委員とも会談する。日中韓首脳会談の中国側メンバーである李氏には直接、早期来日を要請する見通し。首脳往来を巡っては安倍首相が17年11月、ベトナムでの習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談で相互訪問を提案。習氏は「首相の訪中やハイレベルの往来を重視する」と応じた。

「今年は中国だ」。首相周辺は指摘する。対中関係は内閣支持率の向上に結びつく数少ない外交案件だ。北朝鮮による日本人拉致問題は北朝鮮の核・ミサイル開発で交渉の糸口がみつからないままだ。ロシアとの間で抱える北方領土問題も大きな進展がない。中国との関係改善は日本の経済界の期待も大きい。

首相は18年秋に自民党総裁選、19年夏に参院選を控える。早ければ19年初めに憲法改正の国民投票も狙うとみられ、大きな政治イベントを前に、日中関係改善を政権浮揚につなげたい意向だ。首相は「関係が大きく改善したと両国民が認識できる年にしたい」と語る。

ただ、日中関係改善を総裁選や憲法改正に向けての支持率向上につなげたいと考えれば、期待されるスケジュールは限られてくる。日中韓首脳会談と、安倍首相の訪中、習氏の来日をタイミングよく日中両国の政治日程の間に埋めていかなければならないためだ。

まず先延ばしになっていた日中韓首脳会談については、政府は4月ごろの開催をめざしている。日本では18年度予算案の国会審議、中国も3月の全国人民代表大会(全人代)が終わり、両国の政治が落ち着いた時期に、李氏が初来日する段取りを描く。

続く首相の訪中は秋までの実現を狙う。12年12月に第2次政権を発足させて以降、国際会議以外で中国を訪れたことはない。2国間訪問として中国を訪れ、習氏に来日を招請する方針だ。首相官邸には総裁選の時期に近づけて訪中する案もある。他候補との「格」の違いを見せつけ、選挙戦を有利に運ぶ思惑がある。

習氏の来日は年内か19年初めをめざすとの見方が強い。19年は日本で20カ国・地域(G20)首脳会議を開き、習氏も来日する見通し。G20の時期は政府内で検討中だが、来日がずれ込むと、中国が会議とセットにしようとする可能性がある。国際会議出席での来日では意義が薄まりかねない。

憲法改正の国民投票や参院選の前までに習氏の来日を実現できれば、支持率向上への効果は大きいと想定される。政府関係者は首相が狙う9条改正について中国側に「中国を念頭に置いたものではない」と説明し理解を得ているとしている。>(以上)

相変わらず日経は中国様様の姿勢ですね。戦後の経済界は短期志向で、国との運命共同体であることを忘れてしまったようです。軍事に疎い人間がリーダーになり、彼らが後任を選んで来たわけですから、リーダーの縮小再生産が行われて来たと見るべきでしょう。金儲けだけに励んで、精神陶冶して来なかったのが今の経済人です。米中と同じ。況してや中国なぞ臓器摘出等の犯罪や人権侵害を国家ぐるみで行っている国です。どこが良いのか小生には分かりません。敬して遠ざけるべきというか自由の敵であるので叩き潰すべきです。彼らが言う「南京」や「慰安婦」をそのまま信じている日本人は愚かとしか言いようがありません。日本は反論材料を沢山挙げていますが、メデイアは報じません。自分でネットや書籍で調べればすぐ分かることです。自分で調べずに、「あった」と思っている日本人は既に洗脳にドップリ浸かっているのに、その自覚すらない人達という事です。

北村氏記事では、中国メデイアも共産党の指導を受けるので、都合の悪いことは書けないという事です。少なくとも自主規制或は「忖度」して書いているのでしょう。「軍事費を減らして貧困家庭に愛の手を」とか「賄賂の分を貧者へ配分せよ」とか書いたら、間違いなく牢屋行です。まあ、記者も自分で賄賂を沢山取っていますから。日本のブラックジャーナリズムと一緒です。近頃の日本のメデイアはブラックジャーナリズム以下ですが。

日本人はこういう記事を読んだら、こういう国が世界にのさばって来たら大変なことになると危機意識を持たないと。「朱に交われば赤くなる」です。中国人民が共産党を打倒し、民主化できるようにした方が良いでしょう。

記事

6歳の少年が凍える手で大きな荷物を運び回る…子どもたちの辛苦は美談ではなく社会が抱える課題だ

1月9日から10日にかけて、中国メディアは雲南省“昭通市”の“魯甸県”に出現した8歳の“氷花男孩(霧氷少年)”<注1>に関する記事を挙って報じた。そのほとぼりが冷めやらぬ1月14日から15日にかけて、中国メディアは山東省“青島市”に出現した6歳の“快逓男孩(宅配少年)”に関する記事を一斉に報じたのだった。8歳の少年の後は6歳の少年、中国メディアがこれら少年に関する事項を報じるのは大いに結構だが、彼らはそこに含まれる問題点を掘り下げることをせず、最終的に美談で終わらせるのが常である。

<注1>霧氷少年の詳細は、2018年1月19日付の本リポート『「霧氷少年」が露わにした中国“留守児童”問題』参照。

凍える手とチェスセット

さて、“快逓男孩(宅配少年)”が報道される契機となったのは下記の経緯だった。

1月9日の夜、山東省“青島市”に住む“王青偉”は、自宅のドアがせわしなくノックされる音を聞いた。何事だろうとドアを開けた王青偉がそこに見たのは、荷物を載せたカートの横に立つ少年だった。少年は「おじさん、王青偉さん宛ての宅配荷物です。サインをお願いします」と言うと、伝票を差し出した。不審に思った王青偉が「君は何歳だい」と尋ねると、彼は「6歳だよ」と答えた。王青偉がふと彼の手を見ると、その小さな手は凍えて真っ赤になっていた。

これを見かねた王青偉は、少し暖まって行くようにと少年を自宅へ招き入れた。暖房が効いた室内で一息ついた少年は、テーブルの上に置かれている奇妙な物に目を止めて、「おじさん、これは何」と尋ねた。王青偉が「これは西洋の“象棋(将棋)”で“国際象棋(チェス)”<注2>という物だよ。君はチェスができるかな」と聞くと、少年は「できないよ」と答えたので、「将棋は好きかい」と尋ねると、少年は「うん、将棋は好きだよ」と応じた。王青偉が少年に「それじゃあ、君にチェスのセットを1組あげよう」と言うと、少年は「おカネが要るの」と心配そうに尋ねた。王青偉が「おカネは要らないよ。君にプレゼントするよ。先ず君に駒の動かし方を教えないといけないね」と言うと、少年は「わーい、面白そう」と言ってにっこり笑った。

<注2>チェスを中国語で“国際象棋”あるいは“西洋棋”と呼ぶ。チェスは中国でスポーツに数えられており、“中国国際象棋協会(中国チェス協会)”は中国の半官半民の全国的スポーツ組織である。

王青偉が「暇な時にお父さんと一緒に習いにおいでよ」と言うと、少年は「うん、だけどもう家へ帰らなくちゃ。今は仕事がなかなかはかどらないから」と答えた。そこで、王青偉が「故郷はどこなの」と尋ねると、少年は「山東省の“棗荘市”だよ」と答えた。王青偉が「そうなのか。チェスが習いたければ、私の所へおいで。君の故郷の棗荘市にも知り合いの先生がいるから紹介するよ」と言うと、少年は「うん、ありがとう。僕はまだ配達があるから、これで失礼します」と答えるとドアを開けて外へ出た。一緒に室外へ出た王青偉が見送っていると、少年は慣れた手つきでカートを押して去って行ったが、その手にはチェスセットの入った袋が大事そうに握られていた。

王青偉は“中国国際象棋協会”に属する“青島国際象棋協会(青島チェス協会)”の会長である。従い、彼の自宅にあったチェス盤と駒に少年の目が留まり、少年が「これは何」と尋ねたのは極めて自然の流れだった。王青偉はわずか6歳の少年が宅配便の配達員をやっていることに違和感を覚えると同時に同情を禁じえず、思わずチェスセットを贈呈し、チェスを教えることを申し出たのだった。少年が去った後、王青偉は少年に対する同情を友人たちと共有しようと、中国最大のSNSである“微信(WeChat)”のグループ情報サービス“微信群”に上述の内容を簡潔にまとめた文章を“快逓男孩(宅配少年)”という題名を付けて投稿した。

小長江のために

この投稿は人々の注目を集め、「わずか6歳で宅配便の配達員、考えただけでも心が痛む」、「感動した」、「貧乏人の子供は早く独り立ちするのには理由がある」、「昔、農村の学校で教員をした時に、農村の子供は物事の理解が都市の子供より早いと感じた」、「こんなに小さいというのに働くなんて本当に切ない」などのコメントが多数書き込まれた。一方、王青偉がチェスを教えている生徒の親からは「その子が団地内で宅配荷物を運んでいるのを何度も見ているし、私の同僚がその子の“大爺(おじさん)”を知っている」との連絡があった。連絡を受けた王青偉は、あの子はどうしておじさんと一緒なのかと疑問を覚え、あの子に何かしてやれるのではと考えて、生徒の親に少年の叔父さんへの連絡方法を探してくれるよう依頼した。

すると、翌10日の朝に生徒の親から“微信”で、「あの少年の名前は“長江”と言うのだそうです。彼のおじさんの電話は○○○です」という連絡が入った。王青偉は早速に長江のおじさん宛てに“微信”のチャットで呼びかけたところ、間もなく「私が宅配少年のおじです。時間があればお会いしたい」という返事が来た。そこで、王青偉が「長江君に何か困ったことがあるのなら、助けたいと思っています。ところで、彼の父親は青島市にいますか」と問いかけると、おじさんからは「あの子の父親はすでにこの世にいません」と回答があった。王青偉が「そうなんですか。それなら貴方から簡単に事情をお話しいただけませんか」と打診すると、おじさんからは「時間を調整しますのでお待ちください」と返事があった。

王青偉が長江少年のおじさんを探し出すまでの経緯を書いた文章を彼自身が持つ“微信”の公式アカウントで発表すると、当該文章は“微信”の各種機能を通じて拡散され、「6歳の宅配少年」の存在は瞬く間に世間に知れ渡り、青島の各メディアが注目するところとなったのである。1月12日の夜、地元の“青島電視台(青島テレビ)”は、長江少年を特集した「6歳の少年が寒冬に宅配荷物の配達」と題するドキュメンタリー番組を放映した。そこで報じられた内容の概要は以下の通り。

両親は失踪、戸籍もなく

【1】1月12日の午前11時、青島市の気温は氷点下8℃。記者は厚いダウンのコートを着ていても寒く感じるのに、薄い外套しか着ていない少年が1人で黙々と宅配荷物を団地内の住宅へ配達している。少年の名前は“長江”、今年6歳の子供なので“小長江”と呼ばれている。小長江は彼が“大爺(おじさん)”と呼ぶ“顔世芳”と一緒に暮らしているが。今の小長江にとっては、顔世芳だけが身近にいる唯一の“親人(身内のように親しい人)”なのである。

【2】顔世芳は小長江の父親ではない。顔世芳と小長江の父親である“李連龍”は“工友(仕事仲間)”で、2009年に彼ら2人が山東省棗荘市にあるブライダル業界で働いていた時に知り合った。当時、彼らは結婚式の会場で主に演奏や奇術、歌を歌ったりするのが仕事で、収入は不安定だった。李連龍とその妻は共に孤児で、それぞれ小さい時から赤の他人に育てられた。顔世芳と知り合って以降、李連龍とその妻はずっと顔世芳の家に住み、李連龍は仕事があるとあちこちを転々としていた。

【3】その後、李連龍夫妻には江西省の“蓱郷市”で子供が生まれた。それが小長江だが、李連龍には戸籍がなかったので、顔世芳も小長江の正確な年齢を知らない。結婚後、李連龍は長らく身体を悪くしていたが、好きな酒を止められなかった。その妻は日に日に体調の悪化を来す李連龍をずっと世話していた。しかし、2013年冬のある日、李連龍の妻が抱いていた小長江を顔世芳に手渡し、「貴方がこの子の面倒を見てくれれば、私は安心だわ」と言ったので、顔世芳はてっきり冗談を言っているのだと思っていたが、数日後に彼女は小長江を残して失踪して連絡が取れなくなった。

【4】それから3か月後、李連龍は失踪した妻を探しに行くと言い出し、何度止めても聞かずに、小長江を顔世芳に預けて出て行ってしまった。最初の1カ月が過ぎた頃に、李連龍から電話がかかって来たが、その後は連絡が途絶えた。当時、李連龍の病状は相当に悪かったので、誰にも世話してもらえずに、どこかで死んだ可能性が高い。こうした訳で、小長江は法的な婚姻関係にない男女間に生まれた“非婚生子(私生児)”であり、なおかつ父親の李連龍も戸籍を持たなかったため、6歳になった現在まで戸籍登録ができず、小学校にも通えず、顔世芳に頼って活きるしかないのが実情である。

【5】その後も顔世芳は棗荘市にある結婚式場を転々として働いていたが、過去2年間は仕事がうまく行かず生活が苦しかった。遂には妻と離婚して子供が1人残され、顔世芳は自分の子供だけでなく、小長江の面倒も見ながら棗荘市で暮らすことを余儀なくされた。2017年7月、友人の紹介で、顔世芳は青島市“徐州北路6号”にある宅配業者の“申通快逓点”で責任者の職を得た。こうして、棗荘市を離れた顔世芳は、2人の子供を連れて青島市へ移り住んだ。宅配便の仕事は毎月約3000件の荷物を配達して、平均4000元(約6万8000円)の収入になる。

【6】戸籍を持つ顔世芳の子供は小学校に通えているが、無戸籍の小長江は小学校に通えない。小長江を家に残そうにも、世話をしてくれる人がいない。仕方なく、顔世芳は宅配荷物の配達をする時に小長江を帯同し、忙しい時には配達を手伝ってもらうようになった。それがいつの間にか常態化し、今では小長江が戦力となって配達を手伝ってくれている。この間、顔世芳もただ手をこまねいていたわけではなく、小長江を小学校に通わせようと手づるを探したが、今に至るも何も見つからずにいる。

青島テレビが小長江の特集番組を放映した翌日の1月13日、番組を見て関係状況を知った所轄の“青島市北公安分局敦化路派出所”の警官が、顔世芳に小長江を連れて派出所へ出頭するよう命令を出し、派出所で関連事項の確認を行った。初歩的調査の結果、顔世芳がテレビ番組で述べていたことは基本的に事実であることが確認され、顔世芳に対する児童誘拐の嫌疑は晴れた。一方、警察は、顔世芳が提供した氏名や年齢などの情報に基づき、小長江の両親を探すべく調査を行ったが、父親の李連龍が無戸籍であったため、調査は困難を極めた。最終的に、李連龍に関する情報は何も見付からなかったものの、母親については棗荘市に在住し、すでに再婚して子供がいることが判明した。警官が入手した母親の写真を小長江に見せたところ、小長江は一目で自分の母親であると認めたが、すでに3年間も会っていない母親に対する小長江の気持ちは醒めたものだったという。

1月14日を誕生日に

1月14日夜、青島市“北区人民政府”の広報部門は公式ブログを通じて次の内容を発表した。すなわち、今年7歳<注3>と自称する小長江は、父親が世を去り、母親は再婚している。父親の生前に仕事仲間であった顔世芳は小長江を連れて故郷の棗荘市から青島市へ出稼ぎに来て、市内徐州北路6号にある申通快逓点に住んでいる。状況把握後の1月13日、青島市北区人民政府は直ちに救助プロセスを開始し、1月14日には、小長江を“青島市児童福利院(青島市児童福祉園)”に収容し、専任の付き添いを手配した。15日には、小長江の小学校入学手続きを行い、同時に北区の関係部門が棗荘市の派出所および母親と連絡を取り、法に基づき小長江の後見と戸籍の問題につき協議を行う予定である。これより前に北区は小長江の学校生活を適切に手配し、同人の心身の健康を確保する。

<注3>北区人民政府が発表したブログには「今年7歳と自称する」とあり、6歳とは書かれていない。

青島市北区“民政局”の職員は新聞記者に対して上記の情報を確認した上で、小長江を収容した後の措置について、「国家戸籍属地化管理の関係政策」に基づき、原籍のある棗荘市で通学することになるだろうと述べ、結局のところ、母親は依然として小長江の第一後見人なのであると言明した。なお、青島市児童福祉園に収容された14日当日、小長江は王青偉に招かれてチェスの養成クラスに参加したが、王青偉はこの日を小長江の誕生日とみなし、チェス仲間で小長江を囲んで彼の誕生日を祝ったのだった。

小長江が青島市福祉園に収容され、小長江が注目される発端を造った王青偉が彼をチェス養成クラスに参加させた上で誕生日を祝ってくれたということで、中国メディアの報道はハッピーエンドの美談で終わっている。果たしてメディアとしてそれで良いのだろうか。

誰のための最善策か

2017年12月20日付の「新華網(ネット)」は、中国政府“公安部”から得た情報として、2010年11月1日に行われた“第6次人口普査(第6回国勢調査)”を通じて判明した1300万人余りの“無戸口人口(無戸籍人口)”の問題は、基本的に解決されたと報じた。これは、2015年12月9日に,中国共産党中央委員会の“全面深化改革領導小組(改革の全面深化指導グループ)”第19回会議で採択した『無戸籍人口の戸籍登録問題解決に関する意見』に基づいて、無戸籍人口に新たな戸籍登録を行った結果とされる。

しかし、無戸籍人口が1300万人余りというのは推計であり、専門家によれば、その実数は3000万人とも5000万人とも言われていて、依然として無戸籍人口は大量に残存しているものと思われる。さらに、小長江のように父親が無戸籍(母親が無戸籍かどうかは不明だが)である子供は、父親が死亡や行方不明、あるいは家族離散により、依然として無⼾籍のまま放置されている可能性が⾼い。

小長江の場合は、王青偉という奇特な人物が年端もいかない子供による宅配荷物の配達に不審を抱いたことが発端で道が開けたが、他の人々は配達を行う小長江に何も違和感を覚えなかったのである。それは中国には小長江のような子供の労働者が依然として当たり前のように存在していることを意味しているのかもしれない。毎度繰り返しになるが、中国は世界第2位の経済大国である。その経済大国で霧氷少年や宅配少年の出現が大々的に報じられることは、中国人が最も恐れる“丟面子(面子を失う)”の事態なのではないだろうか。

考えてみれば、報道管制がますます厳しくなる中国では、霧氷少年や宅配少年の事件を美談で終わらせ、そこに隠された問題点を追究しないことが、中国でメディアが生き残るための最善の策なのかもしれない。

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『米国が静かに進めている北朝鮮「軍事攻撃」の準備 グアム島に集結する主力爆撃機、日本も心の準備を』(1/25JBプレス 北村淳)について

1/27アンデイチャン氏メルマガ<FBI内部の秘密結社>やはりロシアゲートをでっち上げた頭目はオバマではないかと言う推論です。最初は違ったとしても自分が罪を受ける可能性があり、「臭いものに蓋」と考えたのかも。或は最初から旗振りしていたのかもしれません。モラー特別検察官のトランプ周辺の捜査は止めるべきです。民主党に焦点を充てた捜査をすべきです。そうしなければ正義は実現できません。

http://melma.com/backnumber_53999_6638731/

facebookの記事から。昨日に続いて中国の神をも恐れぬ所業について。こういう国に侵略されたら日本国民はどういう扱いを受けるか想像して見て下さい。沖縄県民は良く自覚することです。

悪魔の取引—-中共は法輪功信者の臓器を生きたまま摘出

1.退勤時に違法に拉致→2.強制採血、移植に適するかチエック→3.いつ移植するかとの問いに医者は10日以内に患者を探すと返事。病院と労働教養所がグルになり、暴利を貪る→4.臓器摘出→5.遺体を火葬(闇で処理するため、行方不明のまま永遠に見つからない)

北村氏の記事で、地上戦は必至とありますが、本ブログで何度も紹介した通り、中国との話し合いが進んでいれば、地上部隊派遣は中国が請け負うことになるのではと。米軍は空からGBU-57大型貫通爆弾or戦術核B61-11かB61-12を投下して地下深くある核施設のみを破壊するだけにすれば良いのでは。狂人三代目の豚の為に、米国人の血を流す必要はありません。

攻撃はあるとすれば、平昌パラが終わった3/18以降となるでしょうが、北も身構えるでしょう。4月の米韓合同演習は取りやめて、米軍は先制攻撃に移るかもしれません。今度のペンス・安倍VS文の結果がトランプの最終判断の基礎になるのかもしれません。まあ、文は裏切り者ですから、トランプは韓国がどうなろうと知ったことではないでしょうが、在韓米国人・日本人・外国人の救出をどうするかです。最大限の努力をしなければ国際世論を味方につけられないでしょうから。

記事

米空軍のB-1B爆撃機。グアム島アンダーセン空軍基地にて(2017年2月撮影、資料写真、出所:米空軍)

北朝鮮が韓国文在寅政権に対して平昌オリンピック参加を餌に揺さぶりをかけることにより、南北直接対話が開始された。その結果、アメリカ軍による挑発的な軍事圧力や軍事攻撃(予防戦争)は一見して遠のいたかに見える。日本のメディアによる北朝鮮騒ぎも、ひとまず下火になっているようである。

しかしながら、北朝鮮が、アメリカ本土を直接攻撃可能な核搭載長距離弾道ミサイル(ICBM)を取り揃えようとする限り、トランプ政権が対北朝鮮軍事オプションを放棄することはあり得ない。

実際、昨年(2017年)末から現時点にかけても、米軍では来たるべき対北朝鮮「予防戦争」発動に備えた訓練や具体的準備が静かに進められている(もちろんペンタゴンとしては、できうる限り避けたい事態であるのだが)。

地上軍の投入が必要

アメリカ国防当局が決して望まない事態であるとはいえ、トランプ政権が決断を下した場合には、米軍による対北朝鮮軍事攻撃は現実のものとなる。

この「予防戦争」の戦端を開くのは、ICBMを中心とする核・弾道ミサイル関連施設に対する米空軍爆撃機部隊、戦闘攻撃機部隊によるピンポイント猛爆撃であり、それとタイミングを合わせて着弾するように米海軍艦艇からも大量の長距離巡航ミサイルが発射される。引き続いて、空軍爆撃機部隊の第二波爆撃と共に、海軍や海兵隊の戦闘攻撃機による爆撃も実施され、韓国内からも巡航ミサイルや長射程火砲による砲撃が実施される。この段階で、「予防戦争」の戦争目的である北朝鮮のICBM戦力や核戦力は壊滅することになる。

だが、それらの目標を空爆しただけでは目的を完遂することにはならない。海兵隊の少数精鋭部隊を先鋒として、それに引き続く大規模な陸軍侵攻部隊が北朝鮮領内に侵攻して核施設を接収していかなければ「予防戦争」は終結しない。

このように地上軍を投入しなければならないという点が、米軍首脳が「予防戦争」実施を躊躇する大きな要因の1つである。

訓練を開始した米陸軍

米軍は過去10年間以上にわたってイラクやアフガニスタンでの戦闘に従事してきたが、主たる敵はテロリスト集団が組織する武装勢力であって、いわゆる国家の軍隊ではなかった。そのため、猛爆撃により大打撃を与えた後とはいえ、北朝鮮に侵攻して朝鮮人民軍(以下、北朝鮮軍)という正規の陸軍部隊と戦闘を交えるのは米軍陸上部隊にとっては久しぶりということになる。

もっとも、あらゆる状況下でアメリカの尖兵として敵地に乗り込む役割を負っている海兵隊は、海岸線沿岸地帯の敵勢力を撃破し、後続する陸軍部隊を迎え入れる、といった類いの訓練は常に実施している。だが、米陸軍がこれまで対処してきたのは、イラクの砂漠、アフガニスタンの荒野や山岳地帯でのテロリスト武装集団や非正規叛乱軍などの武装蜂起やテロ攻撃である。北朝鮮に侵攻して、テロリスト武装集団より格段に訓練が行き届いた正規陸軍と戦闘を交えるためには、これまでとは異なった訓練を実施しなければならない。

そこで昨年暮れには、ノースカロライナ州で48機の攻撃ヘリコプターと輸送ヘリコプター、それに多数の将兵が参加して、実弾砲撃の中で陸軍部隊と大型兵器資機材を移動させる実戦さながらの訓練が実施された。それに引き続いて、米陸軍の精鋭部隊である第82空挺師団は、ネバダ州で100名以上の隊員による夜間降下侵攻訓練を実施した。これらの限りなく実戦に近い訓練が北朝鮮侵攻を念頭に置いたものであることは明らかである。

そして間もなく、1000名もの米陸軍予備役将兵が参加する、緊急時における予備役動員訓練が実施されることになっている。また、平昌オリンピック・パラリンピック開催期間中には、韓国に駐屯している米陸軍特殊部隊を大幅に増強する予定も明らかになった。それらの特殊部隊は、予防戦争勃発と共に北朝鮮領内に侵入して、空爆目標の誘導や各種破壊活動などを実施する役割を持っている。

大型貫通爆弾で地下施設を攻撃

前述したように、米軍による対北朝鮮「予防戦争」は、空軍爆撃機部隊による北朝鮮のICBM関連施設への奇襲空爆によって開始される。この第一波攻撃で、アメリカ領域を攻撃できるICBM関連施設を破壊しなければ、アメリカ本土に対する報復核攻撃が実施される可能性もある。

北朝鮮のICBMをはじめとする弾道ミサイル関連施設や移動式ミサイル発射装置は、いずれも地下施設や山岳地帯の洞窟式施設などに潜んでいる。そのため、先制奇襲攻撃では、地下深くの攻撃目標を破壊するために開発されたGBU-57大型貫通爆弾(MOP:最大60メートルのコンクリートを貫通した後に爆発し目標を破壊する)を使用する必要がある。

巨大なMOPを搭載することができる爆撃機は、B-52戦略爆撃機とB-2ステルス爆撃機のみである。米空軍爆撃機部隊が北朝鮮攻撃の主たる前進拠点としているグアム島アンダーセン米空軍基地に常駐しているB-1B爆撃機には、MOPを搭載することはできない。よって、B-2ステルスを奇襲攻撃に投入し、B-52とB-1Bが共に第二波攻撃で大量の各種爆弾を投下する役割を担うことになる。

グアムに15機の主力爆撃機が勢揃

いずれにせよ、米軍による対北朝鮮軍事攻撃が敢行される場合には、グアム島アンダーセン米空軍基地に、B-1B爆撃機、B-2ステルス爆撃機、それにB-52戦略爆撃機が集結していなければならない。B-2もB-52も、アメリカ本土から北朝鮮上空に飛来して爆撃を実施し、日本やグアムの基地に帰還することは十二分に可能であるが、攻撃のタイミングや兵員の疲労などを考えると、できるだけ多くの爆撃機を、できるだけ攻撃目標に近い基地から発進させる必要がある。

そのため、アンダーセン空軍基地や、場合によっては日本の米軍基地などにも、B-2やB-52が展開している状況を作り出し、予防戦争開始のタイミングを敵にも味方にも悟らせないようにする準備態勢作りが肝要になっている。

米太平洋空軍がグアムに展開したB-2ステルス爆撃機(出所:米太平洋空軍)

実際に、1月8日には、ミズーリ州ホワイトマン空軍基地から3機のB-2ステルス爆撃機と200名の関係要員がアンダーセン航空基地に展開し、現在配備されている6機のB-1爆撃機部隊と合流した。超高価なため米空軍といえども20機しか保有していないB-2ステルス爆撃機を前方に配備するのは、専門スタッフの配置も必要であることから、まさに実戦を想定した動きに近いといえる。

引き続いて1月16日には、ルイジアナ州バークスデール空軍基地から6機のB-52H戦略爆撃機と300名のスタッフがアンダーセン航空基地に到着した。これによってグアムには、合計15機の3種類のアメリカ空軍主力爆撃機が勢揃いしたことになる。

B-52戦略爆撃機(出所:米太平洋空軍)

これらの爆撃機部隊増強は、平昌オリンピック開催期間中の不測の事態を抑止するための威圧目的で、期間限定の展開とされている。ただし、上述したように、対北朝鮮「予防戦争」を念頭に置く米空軍、そして米太平洋軍司令部としては、奇襲攻撃が迫りつつあるサインを北朝鮮側に悟らせないためにも、今後恒常的にB-2ステルス爆撃機やB-52をアンダーセン航空基地に展開させるものと思われる。

このように、南北会談や平昌オリンピック・パラリンピック開催といった動きと平行して、静かながらも着実にアメリカによる「予防戦争」実施準備は推し進められている。現実に「予防戦争」が開始された場合、北朝鮮軍による報復攻撃として弾道ミサイルの飛来が十二分に予想される日本としても、心の準備を怠ってはなるまい。

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『トランプ大統領のこの1年は「幸運」だったのか? 反トランプの保守派重鎮が政権につけた“複雑”な通信簿』(1/24JBプレス 古森義久)について

1/27facebook記事<朱雪琴

看看城管怎麼執法的?與老人過不去,老、幼、殘是這個社會最需要幫助與關愛的。老人腰都伸不直出來賣菜維生,是這個社會的恥辱。貪官貪污千萬、億萬計,可百姓生活步步為艱,連好好過日子的權利都被剝奪,房屋遭強徵,買賣經營遭干擾亂收費,共慘黨還給老百姓一條活路嗎?

市工商局の法執行のやり方を見てください。老人を困らせ、高齢者・幼児・障害者は、社会で最も助けやいたわりが必要な人達です。この老人は腰が伸ばせず、野菜を売って生計を立てているのに、これは社会の恥です。腐敗した役人は、千万、億と賄賂を取っているのに大衆の生活は少しずつ困っていき、しっかり生きていく権利さえ奪われています。建物は強制収用され、取引には地方が勝手に税を課し、共惨党は大衆に生きる術を与えてくれているのでしょうか?これは中国で普通に行われていることです。前に何度も説明していますが、中国では自由にものを作って売ることができません。営業許可証が必要となります。個人の場合であっても同じです。登録には時間が懸るうえ、登録料を取られます。早くかつ安く済ますには役人に賄賂を渡すしかありません。それでも貧しい人々にはそんな金すらないのです。共産主義システムは貧しい人々を虐待するシステムです。

https://www.facebook.com/100013649473166/videos/386572861807693/

1/26facebook記事<土屋 たかゆき ·

「中国における臓器移植を考える会」設立記念シンポジウム 参議院議員会館 に参加しています。 政界からは 山田宏参議院議員 田沼隆元衆議院議員が参加 【中国では党主導のもとで、年間6万から10万の移植が行われている。外国では議会も動いている。生きたままの移植は無条件で停止される。この「犯罪」を止める為に我が国も積極的に発言しなければならない】

1/26facebook記事<Lee Hang

The sale of children’s organs(CHINA) 兒童器官盜賣 器官買賣不是菜市場交易,還必須有醫師和醫院的配合 可是在中共統治下,死的永遠是老百姓, 躲在後面操控這一切的黑手仍然逍遙法外!!

子供の臓器の販売(中国) 子供の臓器の売買 臓器取引は食品市場の取引ではなく、医者と病院が必ずや協力している。 しかし中共の統治の下では、死ぬのは常に大衆である。 後ろに隠れ操っているヤクザは依然として不可罰である。

https://www.facebook.com/99gogo123/videos/1563894096992034/

法輪功信者の臓器摘出が訴え続けられてきましたが、日本人には信用されて来ませんでした。以前は議員会館前に行けば毎日のように法輪功信者が信者の臓器移植ストップをアピ-ルしていました。大多数の日本人は信じられないでしょうがこれこそがチャイナです。金を儲けるためには何にでも手を染めます。悪の権化です。

1/27日経朝刊<中国 北極海でも「一帯一路」 権益拡大へ白書発表>中国の領土拡張の野心が北極海にも表れて来たという事です。ロシアがこれをどう見るかです。日米ともに中露分断のいいチャンスなのですが。トランプはロシア・ゲートで苦しんでいます。米議会とマスメデイアが愚かと言うか、中国の金に籠絡されている可能性があります。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26195000W8A120C1EA1000/

1/27産経ニュース<トランプ米大統領、TPP復帰検討を表明>

http://www.sankei.com/world/news/180127/wor1801270002-n1.html

トランプは悪の帝国・中国と戦おうとしています。古森氏記事のコーエン氏の評価が何であれ、今までの発想の延長線上では中国と戦おうとはしないでしょう。それが共和党主流派の限界です。先ずは北朝鮮の非核化、これは軍事攻撃も厭わずという姿勢を見せ続けてきました。次には中国と裏切り者韓国に対するセーフガード発動をし、じわりじわり中国への経済制裁の道を歩んでいるように見えます。TPPに復帰の可能性と言いますが、無条件での復帰はあり得ず、また11カ国も今更米国の言い分を聞く訳もないので、単なるアピールだけに終わるのでは。加入するにしても何年か先になるのでは。

記事

ドナルド・トランプ米大統領。首都ワシントンで(2017年12月18日撮影)。(c)AFP PHOTO / SAUL LOEB〔AFPBB News

ドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任してから1年が経った。米国では、大統領のこの1年の働きについて、さまざまな総括がなされている。

内政、外交の両面で大方の予想を上回る成果をあげたようにみえるのはたぶんにラッキー(幸運)だったからに過ぎず、2年目はもっと苦しい局面に遭遇するだろう――。こんなやや屈折した評価を下したのは、保守派重鎮の国際政治学者である。

同学者は基本的にトランプ政権の政策全般に反対の立場をとるが、同政権のこの1年の軌跡に対しては「幸運」という表現で結果的には前向きな評価を与えている。

反トランプ宣言に署名したコーエン氏

ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際関係大学院(SAIS)の教授、エリオット・コーエン氏といえば、ワシントンでは共和党保守系の大物国際政治学者として名高い。ハーバード大学教授としても国際政治や外交戦略について多数の著作を発表し、注視を集めてきた。共和党のジョージ・H・W・ブッシュ大統領時代に国務長官顧問となり、クウェートを占拠したイラク軍の撃退作戦や、その後の米国によるクウェートの国づくりの立案にも深く参画した。

コーエン氏はこうした活動の結果、共和党保守主流の国際問題専門家として歴代共和党政権から重用されてきた。

しかしトランプ政権の誕生にあたっては、トランプ氏の外交政策が共和党保守派の思考から離れ過ぎているとして反対を表明した。2016年後半には「トランプ政権が誕生しても、政権には加わらない」という反トランプ宣言に、他の共和党系安全保障関連の学者、専門家約50人とともに署名した。

そのコーエン氏が、1月下旬に発行された大手外交問題雑誌「フォーリン・アフェアーズ」(2018年3・4月号)に「トランプ氏の幸運な1年」と題する論文を発表した。

コーエン氏はこの論文で、就任から丸1年を迎えたトランプ大統領の対外政策を分析し、批判していた。副題に「トランプ大統領の幸運な流れは就任2年目には消えるのか」とあるように、この1年は幸運だったと総括し、ただし2年目以降はその幸運は続かないだろうと予測する。以下では、同論文の概要を紹介しよう。

保守主義の主流派が指摘するマイナス面

まずコーエン氏は、この1年のトランプ大統領の軌跡のうち対外面でマイナスとみられる部分を次のように指摘する。

・トランプ大統領はツイッターで外国の指導者たちを侮辱し、国務長官との信頼関係を毀損し、FBI(連邦捜査局)やCIA(中央情報局)を攻撃した。

・エジプトのシーシー大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領のような独裁者を賞賛した。

・北大西洋条約機構(NATO)が集団自衛権を行使するNATO条約第5条の支持を、ある時期まで明らかにしなかった。

・トランプ政権全体として孤立主義や反ユダヤ主義ではないと否定しながらも、強硬な「米国第一主義」を唱え続けた。

これらは反トランプ陣営側の批判としては、ほんの氷山の一角だろう。だが、コーエン氏は、民主党支持の典型的な反トランプ論者ではなく、基本的な思考は保守主義で共和党支持という点がユニークである。米国の保守主義の主流派が、就任後1年のトランプ大統領をどうみるかというところもコーエン論文の面白い点といえよう。

認めざるをえない「幸運な1年」

一方、コーエン論文はさらに以下の諸点を指摘していた。

・トランプ大統領は欠点が多いとはいえ、第3次世界大戦を引き起こすような大きなミスはなかった。

・トランプ統治は、共和党の正統派からすると、気まぐれ、不快な面が多い。とはいえ、国防強化、必要な際の力の行使、同盟諸国への防衛誓約の保持などは確実に遂行した。

・トランプ大統領は経済政策でも米国の利益優先が過剰である。とはいえ、全体としては共和党の伝統的な政策の範囲内に留まっている。

・トランプ大統領は自分を天才だと称し、この1年間の実績を最高だと自賛している。だが単に幸運だっただけという側面があることは間違いない。

コーエン氏はトランプ大統領のこの1年の実績はまあまあだったという評価を与えながらも、その結果は単にトランプ氏の運がよかったからだろう、と主張する。そのうえでコーエン氏はトランプ大統領の今後に対して以下のような警告を述べていた。

・トランプ大統領にとって2017年という年は重大な危機がたまたまなかっただけだともいえる。2001年の同時多発テロや2008年の経済大不況というような事態は何も起きなかったのだ。

・同大統領はこの1年は真の試練にさらされなかったが、米国の主要な外交問題をみると、2018年はより深刻な課題が明らかに危機を深めながら迫ってきている。

・しかし、悪化が確実視される国際情勢に対して同大統領が2017年よりも巧みに賢く対処する能力を身につけたという形跡はない。2018年にトランプ大統領の立場がより危うくなることは確実だろう。

コーエン氏はこんな警告を発する。しかしその背後には、トランプ大統領が就任後の最初の1年でなんとか無難な統治をしてきたことを渋々ながら認めるという態度も浮かんでいる。まさに屈折した総合評価といえそうである。

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『米中激突を予感させるマティスの「国防戦略」 2018年米国国家防衛戦略を読み解く』(1/24JBプレス 渡部悦和)について

渡部氏の見方に賛成です。いくら良い国防戦略ができても実行できなければ何もなりません。特に真の敵は中国ですから、それに対抗するものとして封じ込めを考えれば良いのでは。そのためには

①軍事同盟国を増やす。(ネットで調べましたらNATOに加盟していない米国の同盟国は「MNNA(Major non-NATO ally)はアフガニスタン アルゼンチン オーストラリア バーレーン エジプト イスラエル 日本 ヨルダン クウェート モロッコ ニュージーランド パキスタン フィリピン 韓国 タイ チュニジア 自由連合盟約国 パラオ マーシャル諸島 ミクロネシア連邦、 同盟国は中華民国 スウェーデン サウジアラビア カタール バーレーン ジブチ」とのこと)。ここにインドやASEAN諸国を入れれば良いのでは。

②ロシアを中国に対し中立化する努力をすべきでは。

③中国に金融制裁をして$で貿易決済できなくする。最悪の所まで行けば機雷による海上封鎖。

中国は貿易で自由かつ民主主義国からの便益を最大限利用し、富を得てそれを原資に世界各国へ配って陣地取りに勤しんでいます。国の要人に賄賂やハニーを仕掛けるやり方です。中華世界では通じることができても、それが21世紀に生きる人類の普遍的な価値や理念とすべきかと聞けば誰も賛成しないでしょう。

本ブログで何度も報じています通り、中国国内では人権弾圧が平気で行われ、富の格差は広がるばかりです。自由の敵・中国を如何に封じ込め、中国国民を中共の魔の手から救うかが今世紀の世界の最大の課題です。自由主義諸国は連帯して中国封じ込めに協力しませんと。

1/26首相官邸と自民党に「首相の平昌オリンピック出席反対の件」としてメールしました。内容は「首相は平昌オリンピックに出席の意向と報道されています。文政権と慰安婦合意について念押しするためとのことですが、いくら話し、約束しても裏切る民族であることは歴史が証明しています。そもそも慰安婦合意は先人たちの名誉を汚したのに、韓国に配慮して今回出席することは恥の上塗りになるだけです。韓国は日韓首脳会談に消極的と言われているのに、のこのこ行くのでは韓国に折れたからとの印象をまた世界に植え付けるだけです。首相に聞きたいのは行くことの成果は何でしょうか?はっきり言って文政権が日本の言い分を飲むとは思えません。米軍の北朝鮮攻撃で韓国に犠牲が出ても仕方がないとでも伝えに行くのでしょうか?その際は邦人救出を優先し、韓国人の難民は引き受けませんとでも言うつもりでしょうか?或は完全に慰安婦問題で強制性はなかったことを世界に発信するつもりなのでしょうか?そういうつもりがなければ行くのは止めた方が良いと思います。」というもの。

首相官邸

https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

自民党 

https://www.jimin.jp/voice/

記事

ジェームズ・マティス米国防長官(2017年11月28日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / JIM WATSON 〔AFPBB News

米国防省は1月19日、「2018年米国国家防衛戦略(2018 National Defense Strategy)」(以下「国防戦略」)を発表した。

2008年版の国防戦略が発表されて以来10年間のブランクを経て久しぶりに発表された2018年版の国防戦略(NDS)は、私にとって気持ちよく読める文書であった。

バラク・オバマ政権の8年間において、国防戦略が発表されなかったことを考えると、ドナルド・トランプ政権下でまっとうな国防戦略が発表された意味は大きい。

私は、昨年末に国家安全保障戦略(NSS)が出されるまで、「トランプ政権は戦略を持たず、海図なき航海をしている」と批判してきた。

しかし、国家安全保障戦略と国防戦略が公表され、今後、「核戦力体制の見直し」や「弾道ミサイル防衛見直し」も矢継ぎ早に出されるという。もはや、トランプ政権に戦略がないと批判することはできない。

今後の焦点は、この国防戦略をいかに具体化するか、特に米国に並ぶ覇権国家を目指す中国に厳しく対処できるか否かだ。

以下、国家安全保障戦略の公表バージョンである“Summary of the 2018 National Defense Strategy of The United States of America ”とジェームス・マティス国防長官のジョーンズ・ホプキンス大学での講演を中心に記述していきたいと思う。

2018国防戦略を読んでの感想

  • 「America First」や「Make America Great Again」などのトランプ色の強いスローガンが全く入っていないために、違和感なく受け入れやすい国防戦略になっている。

12月末に発表された国家安全保障戦略では、わざわざ「アメリカ・ファースト国家安全保障戦略」と命名したために、トランプ色が付きまとうNSSになってしまった。

マティス国防長官は、トランプ大統領の不規則発言とは一線を画す、プロ好みの国防戦略に仕上げた。

  • 大統領就任後1年を経てもカオス状態にあるトランプ政権にあって、着実に任務を遂行している組織が国防省であることを改めて認識できる国防戦略となった。

トランプ大統領は、国防省のことについてはマティス国防長官にほぼ全権委任していて、そのために国防省は、マティス国防長官という優れたトップの存在もあり、トランプ政権下にあって数少ない安定感のある組織である。

気になるのは、国防省とは対照的に評価の低い国務省である。本来ならば、外交と軍事が混然一体となって機能すべきところではあるが、そうなっていない。

  • 戦略的環境に関する認識において、「米国と中国およびロシアとの大国間競争への回帰」を明示したことは高く評価できる。今後、中国とロシアに対しては厳しく対応することを期待したい。

バラク・オバマ政権下においては、中国への過度の配慮のために、「米国と中国の大国間の競争」という言葉を使うことはタブーであった。

当時のスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官は、この言葉を国防省が使わないように露骨に干渉した(JBpress記事「大国間競争を否定するホワイトハウスの大問題」参照)。この中国への過度な配慮が、中国の南シナ海人工島建設などの問題行動を許す要因となった。

  • 同盟国と友好国(パートナー国)との連携を重視した多国間主義は適切だ。

「互恵的な同盟やパートナーシップは、米国の戦略にとって必要不可欠なものであり、米国の競争相手やライバルが追随できない戦略的利点を提供する」と適切な記述となっている。

これは、トランプ大統領の対外政策が消極的な「対外不干渉主義」から米国単独でも軍事力の行使をいとわない「単独主義」に大きく振れる傾向を是正するものである。同盟国や友好国(パートナー国)との協調により諸問題を解決しようとする多国間主義の表明は妥当だ。下図参照。

マティス国防長官のジョンズ・ホプキンズ大学での講演

マティス国防長官は、1月19日にジョンズ・ホプキンズ大学において国防戦略について講演をしたところ、国防戦略を理解するうえで参考になるので紹介する。

  • 2018国防戦略の特徴

・2018国防戦略は、新しい国防戦略は時代に合致したものである。 ・単なる防衛戦略ではなく、米国の戦略である。

・昨年末に発表されたトランプ大統領の国家安全保障戦略を根拠としている。 ・中国およびロシアとの大国間競争への回帰を強調している。しかし、他の脅威(ならず者国家である北朝鮮とイラン)についても触れている。

  • 米軍の任務

・米軍は、我々の生き方を守るが、思想の領域も守っている。地形を守っているだけではない。この国防戦略は、すべての領域における努力の指針となるものだ。

・軍事の役割は、平和を維持すること。平和をあと1年、あと1か月、あと1週間、あと1日平和を維持すること。問題解決にあたる外交官に力を背景とした解決を可能にさせ、同盟国に米国に対する信頼感を付与すること。

・この自信は、外交が失敗したとしても、軍が勝利するという確信に裏打ちされている。

  • 脅威認識

・過去に発表した戦略の時代から脅威は変化している。ロシアと中国が出現し、グローバルな移ろいやすさ、不確実性が増大している。

・テロリズムではなく、大国間競争が米国の国家安全保障の焦点だ。

・我々は、修正主義大国である中国とロシアからの増大する脅威に直面している。中国およびロシアは、全体主義的なモデルに一致する世界を作ろうとし、他の諸国の経済的、外交的及び安全保障上の決心に拒否権を行使しようとしている。

・北朝鮮とイランは、ならず者国家であり続けている。イスラム国(ISIS)の物理的な実体はもはや存在しないが、他の過激主義組織が憎悪の種をまいている。

  • 米軍の現状と改善の方向

・米国の軍事力はいまだに強力ではあるが、米国の競争における優越性はすべての作戦領域(空・陸・海・宇宙・サイバー空間)において劣化し続けている。

・16年間のテロとの戦い、急速な技術的変化、国防費の上限枠、絶え間ない決議のために、伸び切った軍隊、資源の欠乏した軍隊になっている。

・米国の軍事力の卓越性は、当然の前提ではない。もしも国家が自らを守るためには、より強力な軍隊を持たなければいけない。

・もっと強力な統合軍を構築すること、古い同盟を強化し、新たな同盟を構築すること。国防省のビジネス慣行を改革すること。

・成功は、新技術を開発した国ではなく、それを統合し、より迅速に戦い方に応用した国に与えられる。

  • 議会への要望

・この国防戦略は、資源が与えられないと意味をなさない。いかなる戦略も、必要な予算、安定し予測可能な予算なくして成立しない。軍隊を近代化しないと、過去には勝てた軍隊も今日の安全保障には不適になる。

・16年間にわたる対テロ戦争において、米軍の即応性を傷つけたのは、予算統制法による予算削減とそれに関係する多くの議会決議だ。

・米軍は、議会が通常やるべきことをやらなかったために、不十分で不完全な資源(人・物・金)にもかかわらず、休むことなく任務を遂行している。

・我々は、自らの命を懸け、自発的に白紙の小切手にサインをする軍人たちに誠実であるべきだ。議会は、予算決定の運転者席に座るべきで、予算制限法による自動的な削減の傍観者の席に座るべきではない。

・我々は予算が必要だし、米軍の卓越性を維持するのであれば、予算の予測可能性が必要だ。

2018国防戦略の概要

  • 国防省の任務

国防省の変わらない任務は、戦争を抑止し、国家の安全を保障するに必要な信頼できる戦闘能力を備えた軍事力を提供することだ。

もし抑止が失敗したとしても、統合軍は勝利する準備ができている。

米国の伝統的な外交ツールを補強しつつ、国防省は、大統領と外交官が「力を背景とした立場」で交渉するために軍事的選択肢を提供する。

今日、我々は、米国の軍事的競争における優位性が劣化していることを認識する時代つまり「戦略的衰退(strategic atrophy)の時代」を生きている。

我々は、長期的なルールに基づく国際秩序の後退が特徴である、グローバルな無秩序に直面している。その無秩序が、安全保障環境を過去に経験した以上により複雑かつ流動的にしている。

テロリズムではなく、大国間の戦略的競争が米国の国家安全保障の主要な懸念になっている。

  • 戦略的環境

・中国

中国は、戦略的競争相手である。

中国は、軍事の近代化、影響作戦、略奪的な経済を使い、近隣諸国を脅し、南シナ海における軍事化を推進している。また、インド太平洋地域の秩序を自分に都合のいいように再編している。

中国は、引き続き経済的、軍事的台頭を続け、挙国一致の長期的戦略においてパワーを強調し、引き続き軍事近代化計画を推進し、近い将来にインド太平洋地域の覇権を追求し、米国を追い出し、将来におけるグローバルな卓越(global preeminence)を獲得しようとしている。

中国やロシアは、システムの内側から、その利益を利用しながら、同時にその諸原則の価値を貶め、国際的な秩序を密かに傷つけている。

米国の国防戦略の最も遠大な目的は、米中両国の軍事関係を透明で、非侵略的な道に導くことである。

・ロシア

ロシアは、NATO(北大西洋条約機構)を害し、欧州と中東の安全保障及び経済の構図を自国に有利になるように変えていこうとして、隣接国の政治的、経済的、外交的、安全保障上の決定を拒否する権力を追求している。

ジョージア、クリミア、東ウクライナにおける民主的プロセスを貶め、転覆するために最新の技術を使うことは大きな懸念であるし、それが核戦力の拡大および近代化と結びつくとその脅威は明らかだ。

・北朝鮮

ならず者国家である北朝鮮やイランは、核兵器の追及やテロリズムを支援することにより地域を不安定にしている。

北朝鮮は、政権の生き残りの保証および核・生物・化学・通常及び非通常兵器を追求することによる影響力の増大に努め、また弾道ミサイル能力の向上により韓国、日本および米国に威嚇的な影響力を及ぼそうとしている。

  • 国防省の目標

・国土を攻撃から守る。 ・統合戦力の軍事的優位性を全世界及び重要な地域において保持する。

・米国の死活的に重要な国益に対する敵の侵害を抑止する。 ・国防省と関係の深い他省庁による米国の影響力および国益を増進する努力を援助する。

・インド太平洋地域、欧州、中東、西半球における地域的な力の均衡を有利に保つ。

・同盟国を軍事的侵略から防護し、脅迫に対してパートナー国を支援し、共通の防衛の責任を公平に担う。

・敵性国家や非国家組織が大量破壊兵器を獲得し、拡散し、使用することを思い止まらせ、予防し、抑止する。

・テロリストが米国本土、米国市民、同盟国、友好国に対して作戦を実施したり、支援したりすることを予防する。

・国際的な公共ドメイン(宇宙、サイバー空間など)をオープンかつ自由にする。 ・継続的に国防省の思考態度、文化、管理システムを変えていく。

・21世紀の国家安全保障上のイノベーション基盤―効果的に国防省の作戦を支持し、安全と財政を付与する基盤―を確立する。

  • 戦略的アプローチ

・戦略的に予測可能ではあるが、作戦的には予測不可能であれ。 ・米国の各省庁の能力を統合して、国力のすべてを活用せよ。

・威嚇や破壊に対抗せよ。 ・競争的な思考態度を涵養せよ。

①より強力な統合軍の建設による即応性の再建 ②新たな友好国との同盟関係の強化 ③より大きなパフォーマンスと適正な費用負担のための国防省ビジネス改革

  • より強力な軍事力を整備する

①戦争準備に優先順位をつけよ。 ②中核となる能力を近代化せよ。

・核戦力

核の三本柱および核の指揮・統制・通信・支援インフラを近代化する。核戦力の近代化は、競争相手の威嚇的な戦略(脅迫のための核戦力の使用または戦略的な非核攻撃)に対抗するための選択肢の開発も含む。

・戦争遂行領域としての宇宙及びサイバー空間

強靭性、再編成、米国の宇宙能力を確実にするための作戦に対する投資を優先する。サイバー防御、強靭性、全スペクトラムの作戦にサイバー能力を継続的に統合することに投資する。

・C4ISR

戦術レベルから戦略計画レベルまでの強靭で残存性が高いネットワークと情報エコシステムの開発を優先する。

・ミサイル防衛

多層のミサイル防衛および戦域ミサイルと北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対処する能力に投資を集中する。

・混沌とした環境下における統合致死能力

統合戦力は、機動可能な戦力投射プラットフォームを破壊するために、敵の防空及びミサイル防衛ネットワークの中に存在する多様な目標を打撃することが可能でなければいけない。複雑な地形における近接戦闘致死性を強化する能力が含まれる。

・前方展開戦力の機動及び体制の強靭性

敵の攻撃間における全てのドメインにおいて展開し、生き残り、作戦し、機動し、再生することができる陸・空・海・宇宙戦能力に優先して投資する。

・先進自律システム

国防省は、軍事競争を優先し、自律システム、人工知能、機械学習の軍事への幅広い適用及び迅速な民間のブレークスルー技術の適用のために投資をする。

・強靭で機敏な兵站

前方事前集積物資・弾薬、戦略機動アセット、友好国及び同盟国の支援を優先する。

③革新的な作戦コンセプトを作り上げる。 ④強力で敏捷で強靭な戦力態勢および運用を開発する。 ⑤全構成員の能力を開拓する。

  • 同盟を強化し、新たなパートナー国を引きつける

互恵的な同盟やパートナーシップは、米国の戦略にとって必要不可欠なものであり、競争相手やライバルが追随できない長続きする非対称な戦略的利点を提供する。

・相互の尊敬、責任、優先順位、説明責任を支持する。 ・地域的協議メカニズムや共同計画を拡大する。

・インターオペラビリティ(相互運用性)を深化させる。 ・インド太平洋地域の同盟とパートナーシップを拡大する。

・NATOを強化する。 ・中東において持続可能な連合(coalition)を形成する。

・西半球における優位性を維持する。 ・アフリカにおける重大なテロリストの脅威に言及する関係を支持する。

トランプ政権は中国に毅然と対処できるか?

トランプ大統領は、選挙期間中の公約を律儀に一つひとつ実現しようとしてきた。

移民の規制、メキシコとの国境沿いの壁の建設、オバマケアの廃止、税制改革などであるが、1つ全く手をつけていないのが中国に対する通商問題や安全保障面での厳しい対応である。

国防戦略で横暴な中国との対峙を明示したが、本当に強敵である中国と対峙できるか否か、トランプ政権の真価が問われている。

習近平主席の野望は、2013年に中国の国家主席に就任した時に掲げた「偉大なる中華民族の復興」である。

彼は、昨年10月の第19回党大会における演説の中で、20回以上も「強国」という言葉を使い、建国100周年に当たる2049年頃を目途に「総合国力と国際的影響力において世界の先頭に立つ『社会主義現代化強国』を実現する」と宣言した。

そして、「2035年までに、国防と人民解放軍の近代化を基本的に実現し、今世紀半ばまでに人民解放軍を世界トップクラスに育成する」と強調した。

彼の野望は、まず米国と肩を並べる大国になること、そして最終的には米国を追い抜き世界一の大国として世界の覇権を握ることである。

彼の野望に待ったをかけるのは米国と日本をはじめとする同盟国や友好国との連帯である。米国が今回発表した国防戦略に則り毅然とした行動をとることを期待する。

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『中国の「反貧困キャンペーン」はどこへ向かうか 「苦い銭」のリアルと「脱貧困」統計への称賛、その狭間で』(1/24日経ビジネスオンライン 福島香織)について

1/21facebook投稿記事<城管追擊 “人民警察愛人民,人民警察保衛人民的財產安全。中國是全世界最安全的國家,中國是一個把人民權益寫進憲法裡的,你們都沒有來過中國,沒有權利對中國說三道四,中國人民最有發言權。”這些話熟不熟悉?感不感動?

“人民警察は人民を愛し、人民警察は人民の財産や安全を守り、中国は世界で最も安全な国であり, 中国は人民の権益を憲法に定めている国家である。あなたたちは中国に来たことがないし、中国につべこべ言う権利はない。中国人民のみ発言権がある。知っていましたか? 感動しましたか?>ウイグル人を暴行する中国官憲です。逮捕状なしかつ冤罪の現行犯逮捕の可能性が高いです。

https://www.facebook.com/groups/235420070250956/permalink/562312607561699/

1/22facebook投稿記事<城管追擊 青岛一个强拆户,对政府的控诉!青島市が1/20夜に1コミュニテイ全棟を強制解体 政府に訴え相変わらずの人権無視。共産主義は私有財産を認めないからです。土建国家でGDPを上げるため造っては壊し、造っては壊しするだけです。その度毎に役人に賄賂が入る訳ですから。

https://www.facebook.com/Jfartptihecas.2.0/videos/2047864372161185/

1/23ダイヤモンドオンライン 谷崎光<中国社会の深い闇、極貧から這い上がったあるエリート社員の死>自殺でなく他殺の可能性を匂わせています。何より筆者の最後の文が「現在、日本では“中国スゲー論”が勃興しているとか。事実、中国のIT関係の発展のすさまじさは、北京に17年暮らす私も認める。しかし、その“中国スゲー”は、さまざまな“中国コエー(怖えー)”に支えられていることをお忘れなく」とありますので。中国に進出している企業、これから進出しようと考えている企業は社員の安全に十分配慮すべきです。行かないのがベストですが。

http://diamond.jp/articles/-/156774?page=6

1/25日経朝刊 春秋「最初は驚き、やがて、怖くなる。最近、中国発のニュースで伝えられる人工知能(AI)やインターネットを駆使した監視システム「天網工程」のことだ。14億人の身分証などを中心としたデータベースと、全国各地の2千万台もの街頭カメラがその根幹をなしている。

▼個人を識別する機能で、信号無視といった違反の取り締まりや犯罪者の摘発に威力を発揮するそうだ。それだけならまだしも、スマートフォンの位置情報や買い物の履歴から、市民の日常もつかめるようになるらしい。北京市の公園のトイレには顔認証でぺーパーが出る仕組みまで導入されたと聞けば、空恐ろしくもなる。

▼雑踏に投網を打つような情報収集は、人々の幸福な暮らしに役立つものなのだろうか。「習近平国家主席の思想を憲法に書き込む方針」といったニュースを合わせて耳にすると、事態は正反対のようだ。政権にたてつく人物や予備軍をマークする目的が見え隠れする。ネットでの検閲対象語「敏感詞」も増加の一途という。

▼人間を労役から解放し、情報格差をなくすはずのAIやネットが、人の自由を縛りつつあるとみえる。歴代の王朝は国内の統治や思想の統制に知恵を絞ったが、今、現れ始めたのは、電脳の宝刀を手にした新たな装いの国のようだ。手法を学ぼうという指導者が出てくるかもしれない。願わくは、世界の標準にならぬよう。」(以上)

日経も中国進出の煽り記事だけでなく、少しは真面な記事も載せるようになったのかどうか。アリバイ作りの可能性もありますが。

福島氏の記事を読んで感じることは、習近平が貧困の撲滅を唱えるのであれば「軍拡」と「賄賂」を止めて、貧困家庭に金が行き渡る工夫をしなければ。農民に学を求めても無理で、工場労働者にはなかなかなれないでしょう。土地をただ同然で強制収用すれば明日からの生活に困窮することになります。共産党幹部がその上に建物を建てれば賄賂が入り、GDPが上がるので出世も叶うことになります。縮軍は益々習の暗殺の可能性を増やし、反腐敗を推し進めていけば役人のサボタージュに合い、バブルが弾ければ革命が起きる公算が高くなります。安倍首相はそれでも「一帯一路」に協力するのでしょうか?敵が自壊するのに手を差し伸べるのは愚かなことです。平昌オリンピック出席同様。

1/25宮崎正弘氏メルマガ<トランプ、「グローバリズムの巣窟」=ダボス会議に乗り込む>の中に書評として「ジェイソン・モーガン『日本国憲法は日本人の恥である』(悟空出版)」が載っています。小生は麗澤大学の聴講生としてモーガン先生の授業”international relationships overviews”(英語)を取ってきましたが、本日で終了です。翌年度も取る予定ですが。なお、「幼少の頃より、親の押しつけるカソリックの価値観に馴染めなかったという出発があるのだが」というのは事実と違うようです。

http://melma.com/backnumber_45206_6637791/

記事

第73回ヴェネチア映画祭で王兵監督の「苦い銭」はヒューマンライツ賞と脚本賞を同時受賞した(写真:Shutterstock/アフロ)

2月3日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムなどで全国ロードショーが始まる王兵監督のドキュメンタリー映画「苦い銭」のサンプルDVDを先日見た。これは貧困農村から地方都市に出稼ぎにでてきた農民たちの「働けど働けど楽にならざりけり」という厳しい現実に密着取材したフィルムだが、その登場人物たちの言葉や表情が非常にドラマチックだとして、ヴェネチア映画祭ではドキュメンタリー映画としては異例な脚本賞をヒューマンライツ賞と同時に受賞した。改革開放40年目を迎え、世帯資産増加スピードが世界二位とも言われる中国の「貧困」のリアルを突きつける秀作だと思うので、機会があれば、ぜひみてほしい。

この映画がことのほか、私にとって印象深かったのは、ちょうど習近平政権二期目の政策の柱の一つとして“反貧困”が掲げられており、大晦日の習近平の祝辞の中でも「2020年までに農村の貧困人口の脱貧困を実現する。一諾千金」と強い調子で宣言していたことが頭に残っていたからだった。

習近平政権は、長期独裁政権を実現するために国防・軍事に軸足を置いているが、本当のところ最大の鍵は「経済」であろう。それは単純にGDPを増やすという事ではなく、中国の根深い貧困を撲滅することができるかどうか、という点にかかっている。仮に、GDP成長率が多少鈍化しても、大衆の中にある貧富の差に対する不満や、まだ各地に残る絶対的貧困を解消することができれば、大衆の政権に対する支持は高まり、共産党体制の正統性は留保されることだろう。

だが、もし、習近平政権になってさらに人々の暮らしが悪化し、貧困を切実に感じるようになれば、どれほどスローガンで「中華異民族の偉大なる復興」を掲げても、習近平政権の求心力は失われ、その足元から揺らいでいくだろう。今回は、中国の「貧困」の現実について考察したい。習近平の宣言どおり貧困は撲滅できるのか。

「大晦日の大号令」で全国的キャンペーン

2017年12月31日、中国国家主席として習近平は新年の祝賀メッセージを発表した。そこで、彼は次のように語った。

「2020年までに我が国の規定する水準以下の農村貧困人口を貧困から脱出させることを厳粛に約束する。一諾千金である。2020年までわずか3年しかないが、全社会で行動を開始し、全力で戦い、緻密に政策を行い、新たな勝利を勝ち取り続けるのだ。3年後に脱貧困を勝ち取れば、これは中華民族数千年の歴史の中で初めて完全に貧困現象が根絶されるということであり、我々がともに中華民族、いや全人類にとって重大な意義のある偉業を完遂したということである」…

これを受けて、中国全土で新年早々から具体的な貧困撲滅目標や計画が次々と打ち出されている。例えば遼寧省は、2017年に25.3万人の貧困人口の脱貧困を実現し、566の貧困農村および4つの貧困県の貧困問題を解決したので、2018年はさらに15万人の貧困人口を貧困から脱出させ、500の貧困農村と6つの貧困県から“貧困”の二文字をとると、表明した。また江西省は2018年には269の貧困農村で道路建設を重点的に行い、年末までには貧困村の孤立を無くし、脱貧困および郷村振興のために省として援助を行う、としている。このように習近平の“大号令”によって、各省、自治区では貧困対策を打ち出し、全国的に「反貧困キャンペーン」が展開されつつあるのだ。

この背景には今年が改革開放40周年という節目であること、2020年までに所得倍増を掲げた「二つの百年」計画の一つ、建党100年目の2021年までに「小康社会を実現する」という政権としての約束のリミットまで期限が迫っているということ、がある。2020年までに「脱貧困」を実現しなければ二つの百年計画の一つが失敗に終わった、ということになってしまい、習近平としてはメンツがつぶれることになる。

工場のオーナーになっても

では現状はどうなのか。王兵のドキュメンタリー映画をみれば、少なくとも、農村の貧困は今なお深刻であるばかりか、都市部の新たな貧困問題が、一層人々の社会に対する不満と絶望を生んでいることに気づかされるだろう。

「苦い銭」は、雲南や安徽など貧困省から浙江省湖州という、子供服の生産拠点と知られる地方都市に出稼ぎに出てきている労働者たちの姿を追ったドキュメンタリー。撮影時期は2014~16年であり、ほとんど今現在起きている話だ。

出稼ぎ労働者たちは、それぞれの事情でこの町に出稼ぎにきた。中には子供を故郷において夫婦で出稼ぎに出ている者もいる。農村に残された子供に会いに行きたくともお金がなくて帰れない。夫婦はいつも金の問題で激しい夫婦喧嘩を繰り返している。縫製工場では厳しい納品ノルマに追われる労働者たちが深夜11時までミシンを踏み続けるが、それでも得られる金は知れている。一日の稼ぎが70元(約1200円)しかノルマをこなせない男はクビになり、1日に150元(約2500円)稼げる人間を羨みつつ自分を卑下する。

では人からうらやまれる1日150元稼げる労働者は生活に余裕を持てるレベルだろうか。一カ月30日間、休みなく働いても10万円にも満たない給料ではないか。

アイロンがけの重労働が時給16元。工場長は最低でも12元はかかる一枚の子供服の製造費を9元でやれ、と迫られる。その値段で利益がでるわけがないが、渋れば他の工場に仕事の発注を奪われる。工場オーナーになっても決して経済の勝ち組には入れない。

いや、この地方都市の経済に従事しているほとんどの人たちが誰も勝ち組ではない。世界の子供服の大半がメードインチャイナである背後に、「苦い銭」に一喜一憂する中国の労働者の貧困、中国経済の限界が浮かび上がっている。こうした風景は私自身、地方都市を歩き回る中で目撃した姿であり、誇張でも過剰表現でもない。

もちろん、ドキュメンタリーに登場する労働者たちはみなスマートフォンを持ち、身ぎれいで、一見、そこそこ、暮らしに余裕があるように見えるかもしれない。わずか60年前には飢餓で数千万単位で人が死に、人肉にも手を出すこともあったほど壮絶な貧困があったことを思えば、中国はすでにある程度の「小康社会」を実現した、と言うこともできるかもしれない。

だが、この映画から見て取れるのは、飢餓で生存が危ぶまれるような農村の絶対的な貧困問題とはまた違った次元で、都市の出稼ぎ者が味わう人としての尊厳が傷つけられるような貧困もまた、絶望を深くし、そうした相対的貧困はむしろ中国経済・市場の拡大とともに深まっているということだ。皆がスマートフォンを持つ時代に、スマートフォンを持たないことは耐えがたい貧困だ。皆が飢餓に苦しんでいた時代に、わずかながらの食糧を手に入れられれば、それは至福をもたらすこともある。

農民VS都市民から地方居民VS大都市民へ

中国における現在の貧困人口定義は、2016年に定められた中国貧困標準ライン(年収3000元)以下をさすが、2017年6月当時の報道を参考にするとおよそ4335万人いるという。年初の国務院新聞弁公室の記者会見によれば、2012年から2017年の5年間で6600万人を貧困から脱出させ、その数字はおよそ貧困人口全体の三分の二にあたるとしているので、1億人いた貧困人口が今は3000万~4000万人にまで減っているということになる。

統計上の貧困人口激減は農村人口の急減とセットになっているといえる。中国の実質農村人口は2011年末の段階で史上初めて都市人口を下回り、2018年1月の国家統計局の発表では5.7億人にまで減っている。ただし、これは農村戸籍を持ったまま都市居住している人口も都市人口に含めたものである。いわゆる流動人口は2.4億人いるので8億人前後が農村戸籍かそれに類する居民戸籍ということだ。

いわゆる中国の二元社会構造・搾取構造の元凶といわれている農村戸籍・都市戸籍を区別した1958年以来の戸籍制度は農村の都市化にともなう農村戸籍者の都市戸籍への転籍や、2014年以降に一部都市で導入された都市出稼ぎ者への居住証(グリーンカード=地元都市民と同等の待遇を保証する)制度、また統一居民戸籍導入を求めるように国務院としての意見が発表されたことを受けて一部省・市・県で統一戸籍導入が段階的に始まったことなどから、その区別、対立は以前よりは緩和されたように見えている。農村戸籍者数自体は確実に減っている。

だが、農村戸籍がたとえ居民戸籍に統一されても、流動人口2.4億人の暮らしが安定するというわけではない。農村戸籍者だけでなく地方居民戸籍者の移動の自由にも大きな制限があり、農民VS都市民ではなく、地方居民VS大都市民のような形で対立の形が変わるだけだ。その証左が、北京市人口抑制政策として地方からの出稼ぎ者を「低端人口」として強制退去させる当局のやり方に表れているといえるだろう。

貧困標準線以下の人口ゼロを実現するために、たとえば貧困村の村民全員を都市部に移住させたとしても、実のところ、彼らの暮らしが豊かになったといえるかは、微妙であろう。物価の高い都市部での地方居民、出稼ぎ農民が増えれば、今定められている貧困標準線は事実上もっと上に設定されなければならない。数字がゼロになったかどうかでは、貧困が撲滅されたと簡単には言えないだろう。

偉業と讃えられるデータの陰で

クレディ・スイスが2017年11月に発表した2017年度版グローバル・ウェルス・リポートによれば、中国の世帯資産額の伸びが前年比6.3%で米国に次ぐ世界二位。2000年から計算すると世帯資産増加はこの17年で6倍という。同リポートは資産(不動産、車を含む)1万~10万ドルを中産階級と定義しているが中国の中産階級は2017年段階で世界11億人の中産階級人口の実に35%、およそ3.85億人。さらに所有資産100万ドル以上の富裕層もすでに200万人で世界の富裕層の5%を占める。

こういうデータをもって、中国が経済発展した、中国は豊かになったという人がいるのは不思議ではない。日本の4倍にあたる巨大市場こそ、世界経済のけん引力であると期待する声も当然あるだろう。だが、同時に気づいてほしいのは、中国の世帯資産急増の原動力は、実は不動産(土地)の高騰であり、その不動産高騰の背後には農地を奪われた失地農民(もちろん、潤沢な保証金をもらった農民がいなかったとは言えないが)と、土地を失って都市に出稼ぎに出ざるを得ない流動人口が存在する。そして、その出稼ぎ者たちが超低価格で都市インフラ・サービスを底辺で支えるからこそ、中国4億人の中産階級は、さまざまな圧力に押しつぶされそうになりながらも、なんとか中産階級らしいややゆとりある暮らしを享受できる。

だが、実はそのバランスは非常にあやうい。バブル崩壊、金融のシステミックリスクで根こそぎ崩れる可能性もある。その一方で、留守児童問題に象徴されるように、農村社会は事実上の崩壊の危機に直面している。単純に貧困人口が統計上減少した、中産階級が増加した、ということをポジティブに受け取めきれない、中国社会構造のいびつさがそこに垣間見えている。経済成長が農村の伝統的な貧困を破壊する代わりに、都市部の新たな貧困と搾取構造を生んでいる。

中国の貧困を2020年までに根絶するという目標については、昨年から米クリスチャンサイエンスモニター紙はじめ欧米メディアが好意的に報じ、中国から本当に貧困がなくなるかも、という楽観的な見方をする学者もいる。世界銀行も中国のこれまでの8億人に上る脱貧困を偉業だとして讃えている。絶対的貧困が中国からなくなる、ということ自体を批判するつもりは私にも毛頭ない。

ヒリヒリするような不安の中で

だが、私はここにきて「貧困撲滅」のスローガンが繰り返されることに、むしろ不穏なものを感じる。2020年の所得倍増を達成するために出したGDP目標を実現するために、必要のない都市開発や鉄道インフラに資金を投じ経済統計数字を引き上げた結果、農村にゴーストタウンや赤字を垂れ流す高速鉄道網が建設され、農村社会を崩壊寸前に追い込んだ。

こうしたメンツを重視して目標を設定して、それに向かって指導者が大号令をかけて邁進するやり方は、かつての大躍進のときと同じく、そのやり方が誤っていても誰もブレーキを掛けられない。共産党の徹底したヒエラルキー構造のなかでは、現場が上部組織に問題を提起したり、大衆の不満を政府機関がくみ上げて政策に反映させる器用さがない。年末に北京を揺るがした「低端人口強制排除」問題と同様、手段を択ばない貧困撲滅運動はむしろ、深刻な人権問題を引き起こしたり、搾取するものと搾取されるものの対立を先鋭化させたりするのではないか。それは実際に年末に中国の北京や地方都市を訪れたときに、そこで出会う人々の不満やヒリヒリするような不安を体感した私の直感にすぎないのだが。

本当の「貧困を脱した」と「小康社会」と言える状況は、おそらく、どのような貧困な状況にあっても希望が持てる社会のことを言うのではないか。たとえ、何かの理由で働けなくとも、最低限の生活保障と教育の機会を奪われない。人としての尊厳を踏みにじられない社会。実はそれはトップ指導者の大号令に従うだけでは叶えられない、社会全体のもっと有機的な作用が必要なのだと思う。今の習近平政権のやり方では、それが叶えられるとは私には思えない。

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