『ロシア人を今も蝕み続けるオウム真理教・麻原彰晃の幻影 「謎」の覆面兵士があふれるシンフェローポリで目撃したのは…』(7/14ダイヤモンドオンライン ハフポスト日本版)、『「責任の押しつけ」で延命図るプーチン氏 懸案の年金制度改革で逃げ腰貫く』(7/13日経ビジネスオンライン 池田元博)について

7/15阿波羅新聞網<泼墨女孩父亲和艺术家华涌被抓 网上直播引发关注=習の肖像画への墨掛け少女の父親・董建彪と芸術家の華涌は逮捕される ネットで生放送して注目を集める>「由于公开呼吁大陆当局释放「泼墨女孩」董瑶琼,艺术家华涌和董瑶琼的父亲董建彪,被湖南株洲及云南香格里拉国保联手抓捕。整个抓捕过程在网上同步全球直播,引爆国内外的关注。」=墨掛け少女・董瑶琼の釈放を当局に呼びかけたため、芸術家の華涌と少女の父親・董建彪は湖南省株洲市と雲南省シャングリラで国家安全保衛に連携して逮捕される。逮捕の全過程がネットで生放送されたため、国内外で注目を集める。

http://www.aboluowang.com/2018/0715/1143836.html

7/15阿波羅新聞網<政变解决习近平?北戴河时间 中南海硝烟再起=政変が習近平を解決する?北戴河会議開催が中南海を再び硝煙に>香港の「アップルデイリー」の7/14の報道によれば、「北戴河会議が8月初めに開催される。李鵬以外の前常務委員全員の要求で、近日中に中央政治局拡大会議が開かれ、19大以降の活動を除き、“比較的大きい誤り”について討議され、会議は中共中央のリーダーの問題を解決することになるだろう。習の個人崇拝の問題も含まれると。

中共中央内部で分裂が見て取れる。7/11には新華社が2年前の「華国鋒主席が誤りを認めた」記事を転載した。大陸では江沢民、朱鎔基、温家宝等連名で政治局宛に文書を提出。「19大以降左傾と個人崇拝が現れ、政治局拡大会議の開催を要求する」と。7/12ツイッターネームがアリお嬢さんの発したツイートは「中共幹部の決議の全文:北戴河の情報は①王滬寧は解任、米中貿易戦争の責任をとらして②胡春華を常務委員にして次の総書記に③2回憲法改正したが、再度国家主席の任期制をいれる」と。

ネット民の「福安康」はコメント。「中米の貿易戦争は北戴河の老人たちを座ったままにしておくことができなくし、主席の政敵は機を伺い、蜂起するだろう。①墨掛け少女が、海南航空は習の物と言ったのは必然であり②芸術家の華涌が墨掛け少女の父親を訪ねたのを生放送したのは偶然ではない③華国鋒がこの時期に出て来るのは不自然④党のメデイアが習の名を出さないのは不自然

ネット民の「魂を持つ中国難民」は「弔鐘が鳴り響いているだけでなく、速まっている」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0715/1144057.html

7/16阿波羅新聞網<双普会在即 川普点名中国、俄国与欧盟是「敌人」=トランプ・プーチン会談が間近 トランプは中国・ロシア・EUを敵と呼んだ>7/14トランプはCBSのインタビューを受け「我々は多くの敵がいる。EUも敵で貿易上の競争相手、ロシアはある方面で敵、中国は経済上の敵である。でも彼らが悪者と言う意味ではない。敵は何も代表しておらず、競争相手というだけ」と述べた。EUのトゥスク大統領は「トランプが何を言おうとEUは米国の最も良い友人である。我々が敵と言うのは、フェイク・ニュースを撒き散らしているだけ」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0716/1144100.html

ハフポストの記事では、いつかロシアのオウム信者と日本のオウム残党が手を結んでテロを起こすかも知れないという気がしました。オウム残党は宗教団体ではなく、テロリストグループです。厳重な監視が必要です。日本もテロを防ぐために監視カメラは増やしませんと。

池田記事ではロシアも年金の支給開始年齢を段階的に引き上げていくとのこと。長寿化していけばそうせざるを得ないでしょう。まあ、メドがいつも割を食うようになっているようですが。トランプとの会談で何が出て来るか?勿論大事な部分は伝えられないでしょうけど。自由の敵・中国を封じ込めるための協議であってほしいです。モラー特別検察官はわざわざこの会談直前になって、ロシア疑惑で情報機関当局者ら12人を起訴しました。明らかな政治的動きです。米国がロシアと近づかないようけん制するためです。民主党、グローバリストの差し金でしょう。

ハフポスト記事

街は異様な雰囲気だった。覆面をかぶり、所属部隊を示す紀章もつけていない「謎」の兵士たちがあちこちでにらみをきかせる。

2014年3月。ウクライナ領であるはずのクリミア半島に突如、正体不明の軍隊が現れ、街は騒然としていた。彼らに守られるように、一部の住民たちは公然とクリミアの独立を路上で叫んでいた。

突如、クリミアに出現した覆面姿の兵士=2014年3月

ウクライナでの政変をきっかけに始まった「クリミア危機」は、燎原の火のごとく半島を包んでいった。独立派が議会や路上で急速に存在感を高め、それに呼応するように覆面の兵士たちが続々と姿を現した。ウクライナ兵士たちは抵抗できずに基地を明け渡した。

クリミアに上陸した正体不明の部隊。彼らの一部は取材に対し、ロシア兵であることを認めた=2014年3月
そんな状況を取材するため、当時朝日新聞モスクワ支局員だった私は半島の中心都市シンフェローポリに入った。

覆面姿の兵士らは、当初からロシア軍だと噂されていた。ロシアのプーチン大統領は頑なに否定していたが、私がある兵士に恐る恐る声をかけると、あっけらかんとこう答えた。

「俺たちモスクワからやってきた。そんなことより、慌ててきたんで金がないんだ。ロシアの銀行のキャッシュカードがここで使えなくて困ってる。なんとかならんか」

政権がどんなに「強権的」になろうとも、「末端」をコントロールしきれないのは、実にロシアらしいと思った。

「クリミアよ、ロシアとともに」と書かれた旗に賛同の署名をする男性=2014年3月、シンフェローポリ

ロシア軍が介入するのには、わけがあった。

ウクライナは建国以来、東西を二分する形で対立していた。西部は地理的に近い欧州連合(EU)への接近を望んでいた。一方、東部はロシア寄り。27年前までは巨大国家「ソ連」のもと、同じ国民として暮らしていた。その絆は東部でより強かった。

2013年になると、ロシア寄りのヤヌコビッチ大統領(当時)が、EU(欧州連合)との経済連携を寸前で見送った。これに激怒した西部を中心とする勢力が首都キエフの中心部を占拠し、ヤヌコビッチ氏は大統領の座を追われた。

ヤヌコビッチ政権に反対する集会参加者(奥)と衝突する警察隊(手前)=2013年12月、キエフ

反政府派から大統領の座を追われ、ロシアに出国後、記者会見するヤヌコビッチ氏=2014年2月、ロシア・ロストフナドヌー

代わってヨーロッパ寄りの新政権が誕生したが、今度は東部で反発の動きが起きた。旧ソ連を自国の「勢力圏」と考えるロシアもまた、次第に危機感を募らせていった。それがクリミアで爆発したというわけだ。

プーチン大統領は国際社会の反対を押し切って、クリミア半島をロシアに編入すると宣言した。大国が武力で国境線を変更する不条理を目の当たりにした。

クリミアで見たオウムの影

そんな世界史的な動きを取材する一方、私にはもう一つ、自分なりの「ミッション」があった。少し前から関心を持ち始めたテーマの関係先が、たまたまシンフェローポリにあったのだ。

そのテーマとは、オウム真理教に関係する問題だった。ロシアとオウム真理教とのつながりは強い。ソ連が崩壊した次の年にあたる1992年9月、モスクワ支部が設立された。上祐史浩氏をトップに勢力を拡大し、信者は3万人とも5万人とも言われている。

アメリカと張り合っていた自国が突如解体し、12の国々に分裂したことによるロシア人の喪失感と、経済的な困窮は計り知れなかった。ソ連時代は宗教は否定され、弾圧されてきた。そんな中、「理想」と言い聞かされてきた社会主義、共産主義が夢散し、人々は精神的な支柱を失った。

そんな心の隙間に入り込んだのが、オウム真理教だった。教団側はテレビやラジオで盛んに宣伝、有力政治家たちに接近していった。入信者は後を絶たず、日本と同じように、自宅や金など、なけなしの財産を教団に納めた。

一方、教団はロシアからカラシニコフ自動小銃や軍用ヘリなどの武器を調達した。こうしてモスクワ支部は布教、教団の「武装化」の両面で重要拠点となり、信者の数でも海外拠点で最も多くなった。

オウム真理教の麻原彰晃(本名・松本智津夫)代表(当時)が1995年に逮捕されると、ロシアでもオウム真理教は禁止された。一部のロシア人信者たちは活動拠点を求めて海外へと出た。その一つが、ウクライナのシンフェローポリだった。

シンフェローポリでは、ロシア海軍の関係者だった男性信者が1998年ごろ、オウム真理教の教義を引き継いだ宗教団体を設立した。教義のほとんどがオウム真理教と同じ、と捜査当局は見ていた。クリミア危機の最中、私はこの拠点を訪ねた。

住宅が並ぶ静かな路地を進む。目的の住所にたどり着くと、古ぼけた大きな屋敷が現れた。高い壁に囲まれて中はうかがい知れない。ドアをノックしたが、誰も出てこない。近所の人に聞いてみると、以前は複数の人が出入りしていたが、宗教関係者かどうかはわからないという。

オウム真理教の競技を受け継ぐ宗教団体が入っていた家屋=2014年3月、シンフェローポリ

取材は空振りに終わった。無理もない。なにしろ団体はその10年ほど前、すでに拠点をモスクワへと移していたからだ。信者の不審死をめぐってウクライナ当局から捜査を受けたことが移転の理由とされていた。

移った先は、モスクワ西約400キロにあるニジニ・ノブゴロド郊外。ニジニ・ノブゴロドと言えば、サッカー・ワールドカップの会場の1つになった場所だ。

移転後、団体の名前も変え、活動を再開。ロシアではオウム真理教は禁じられているため、そのつながりを団体側が認めることはなかった。

「理想郷」出現で騒然

そしてこの団体は再び、耳目を集めることになる。クリミア危機が起きる前年、信者らの「理想郷」をつくろうとしているとして一部の地元メディアが騒ぎ出したからだ。

広大な土地に白い荘厳な寺院などが建てられていた。ある女性信者の子どもが不審死を遂げるなどの「事件」も起きた。私がシンフェローポリの関係先を訪ねたのは、こうした事情があったからだ。

結局、クリミア取材に追われた私はそれ以上、この宗教団体を調べることはできなかった。その上、クリミアから戻ると間もなく人事異動で帰国することに。「時間切れ」となった。

だが、その後の地元メディアによる報道によると、この団体は設立した宗教共同体に人々を力づくで入れようとした容疑で、捜査機関の摘発を受けたという。

オウムを継ぐロシア人

この団体だけではない。モスクワでは2018年5月、モスクワやサンクトペテルブルクでオウム真理教の布教をしていた疑いで別の男が逮捕された。

捜査機関の調べによると、日本にいる指導者の指示を受け、2010年に宗教グループを設立。オウム真理教の教えを説きながら勧誘していたという。ほかにもオウム真理教関連で摘発される人は後を絶たない。

日本では7月6日、ほかの元教団幹部6人とともに麻原死刑囚の死刑が執行された。元幹部の死刑囚はまだ6人いるほか、後継団体「アレフ」や、そこから分派した「ひかりの輪」や「山田らの集団」は活動を続けている。松本死刑囚の遺骨の引き取りをめぐり、家族間で対立も起きている。

日本で、ロシアで、オウム真理教の問題は続く。

池田記事

通算4期目に入ったロシアのプーチン政権がついに、国民に痛みを強いる経済改革に乗り出した。年金の受給開始年齢の引き上げだ。中高年者層を中心に早くも反発の動きが広がるなか、プーチン大統領はこの難局をどう乗り切ろうとしているのか。

ワールドカップ開幕の前日にFIFA総会でスピーチするプーチン大統領(写真=ユニフォトプレス)

「ロシアで初めて開かれる壮大なスポーツイベントだ。我々は非常に喜ばしく思っている」「すべてのチームが成功を収め、ファンの皆さんに忘れ得ぬ感動を与えるよう期待する。ロシアにようこそ」――。6月14日、首都モスクワのルジニキ・スタジアム。プーチン大統領はサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の開幕式に出席し、誇らしげに歓迎の辞を述べた。

ロシア社会が世界的なスポーツの祭典の自国開催に盛り上がるなか、どさくさにまぎれて国民の不満を抑えようとしたのだろうか。ロシア政府がW杯の開幕式の当日、国民に大きな衝撃を与える発表をした。長年の懸案だった年金の支給開始年齢の引き上げを打ち出したのだ。

「年金システムの変更はかなり以前から差し迫っていた課題で、不可避のものだ。システムを変更しなければ我々は前にも進めないし、人々の生活や社会保障の向上、さらには経済発展も望めない」。この日開かれた政府会議。会議を主宰したメドベージェフ首相は年金制度改革の必要性を強調した。

ロシアでは現在、年金の受給開始年齢が男性は原則60歳、女性が同じく55歳となっている。これを来年以降、1年ごとに半歳ずつ引き上げ、男性は10年かけて最終的に65歳、女性は16年かけて最終的に63歳にしようというのが政府の年金制度改革案の骨子だ。

今の年金制度はソ連時代の1930年代に設定された。当時は国民の平均寿命が約43歳で、女性55歳、男性60歳という年金の支給開始年齢よりも格段に短かった。ところが現在は平均寿命がおよそ73歳まで上昇しており、このままでは早晩、年金財政の破綻が避けられなくなっている。

年金制度改革はメドベージェフ首相が指摘しているように、持続的な経済成長を達成する上でも欠かせない。ロシアは深刻な生産年齢人口の減少に悩んでおり、労働力の確保が喫緊の課題となっているからだ。

年金の受給開始年齢が引き上げられれば必然的に、本来は年金生活入りするはずだった人々の就労期間が延びるとみられる。経済発展省の試算によると、政府案通りに年金制度改革を実施すれば、改革を行わないシナリオと比べて、2019年には30万人、2024年には180万人も雇用者数が増えるという。

だが、プーチン政権は国民に痛みを強いる改革を長らく控えてきた経緯もあり、中高年を中心に年金制度改革への反発はかなり根強い。

国民は年金制度改革に猛反発

民間世論調査会社のレバダ・センターが6月後半に実施した調査によると、年金の受給開始年齢引き上げに反対する声が9割を占めた。適切な受給開始年齢についても、「男性は60歳」「女性は55歳」と現状維持を求める回答がそれぞれ87%、84%に上った。

街頭での抗議集会やデモも徐々に広がりつつある。野党勢力の間では、国民の不満を政権攻撃の材料として利用しようという動きも浮上。反政権派ブロガーとして知られるアレクセイ・ナワリヌイ氏は、年金の受給開始年齢の引き上げに反対する集会を各地で開くよう呼びかけている。今後の動向次第では市民の大規模な抗議行動に発展しかねない。

では、プーチン大統領はこの難局にどう対処しようとしているのだろうか。政府が年金受給開始年齢の引き上げ方針を発表した当日、当の大統領は政府会議には出席していない。何をしていたのか。

パラグアイのベニテス次期大統領、パナマのバレラ大統領、北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子……。プーチン大統領はW杯ロシア大会の開幕式出席のためにモスクワを訪れた外国の賓客と、次々と個別会談を重ねていたのだ。

同日夜にはモスクワのルジニキ・スタジアムで開かれた開幕式典に出席。その後も引き続きサウジアラビアのサルマン皇太子らとともに、開幕ゲームとなったロシア対サウジアラビア戦を観戦した。

自らは主に外交を担い、国内の経済運営は政府を率いるメドベージェフ首相に委ねるということなのだろうが、国民に不人気な年金制度改革への関与を意図的に避けているようにもみえる。

実はプーチン大統領は以前、「自分の任期中は年金の受給開始年齢は引き上げない」と公言したことがある。当時は首相時代も含めて20年近くも政権の座に居座ると想定しなかったのかもしれないが、実質的に国民向けの公約を破ることになるだけに、なるべく触れたくないテーマなのかもしれない。

確かに年金制度改革をめぐっては、最近もプーチン大統領の煮え切らない発言が目立っている。

例えば昨年12月の大規模記者会見。年金問題への対処を問う質問に対して「非常に敏感で非常に重要な質問だ」と指摘。すべての欧州諸国に加え、ベラルーシやカザフスタン、ウクライナといった周辺諸国がこぞって引き上げを決めており、「残っているのは我々だけだ」と説明する半面、「まだ最終的な決定は何もしていない」と国民を安心させるような発言をしていた。

さらに政府発表の1週間前の6月7日に行われた国民との対話番組「プーチンとのホットライン」。ここでも年金問題が取り上げられたが、プーチン大統領は「年金制度改革の本質的な課題は、年金生活者の福祉と所得を格段に向上させることにある」と強調。その一方で「この懸案解決のために政府がどのような提案をするか。我々は近く知ることになるだろう」と、他人事のような言い回しに終始していた。

実際、年金制度改革の発表はメドベージェフ首相が主導した。大統領府は「プーチン大統領は決定に関与していない」と公言している。

責任はメドベージェフ首相に押し付け

内実はともあれ、大統領が年金制度改革と極力距離を置こうとしているのは、国民の不平や不満がどこまで噴出するかが予想できず、場合によっては政権の不安定要因になりかねないという危機感が背景にあるのだろう。

国民の不満の大きさは、直近の世論調査をみれば歴然としている。政府系の全ロシア世論調査センターによると、プーチン大統領への信頼度(支持率)はかつて80%を優に超えていたが、年金制度改革の発表後に急落。直近では60%台前半まで落ち込んでいる。メドベージェフ首相の場合はさらにひどく、直近の支持率は30%を割り込んだ。

大統領と首相の支持率

出所:全ロシア世論調査センター

プーチン大統領がことさら「無関係」を装っても、支持率低下が避けられないのだから、仮に改革の陣頭指揮に当たっていたら、さらなる急落は避けられなかったはずだ。

大統領が年金制度改革の主導権を政府に委ねたのは恐らく、国民の不満が爆発して社会混乱に陥るような事態になれば、メドベージェフ首相に責任を押しつけて自らの延命を図ろうという思惑もあるのだろう。

年金制度改革に限らず、4期目に入ってからのプーチン大統領は自らの責任を回避するような“安定走行”の政権運営が目立っている。

典型例が先にテレビで生中継された「プーチンとのホットライン」だ。国民が様々な悩みや苦情を大統領に直接申し立てられる高視聴番組で、今回で16回目を数えた。大統領がほぼすべての質問に自ら答え、責任をもって苦情への対処を約束するのも人気の秘訣だった。

ところが今回は、主要な経済閣僚や地方知事・首長らといつでもテレビ中継でつなげるようにし、質問の内容に応じてプーチン大統領が随時、担当する閣僚や地方知事・首長を指名して回答を代弁させた。大統領府は「新たな試み」としているが、大統領の責任や負担を極力弱め、イメージを傷つけないようにする意図が見え隠れする。

政府は来年からの年金制度改革とともに、付加価値税を現行の18%から20%に引き上げる方針も打ち出している。いずれも長期的な財政の健全化に欠かせない政策だが、国民の不満をどこまで抑えつけることができるのか。

お茶の間を賑わせてきたサッカーW杯でのロシア・チームの快進撃もベスト8で止まり、今後、経済改革に対する国民の不満が吹き出す恐れがある。「無関係」を装うプーチン大統領にも火の粉が及び、ひいては政権の屋台骨を揺さぶる事態にもなりかねない。プーチン政権の行方を占ううえでも、こと年金制度改革をめぐる動向から当面目を離せない。

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