2/9日経『政府、ミサイル防衛強化 3段階の迎撃検討』、『「衛星」 周回軌道に投入成功か』について

守備だけでは激しい攻撃には耐えられません。数百発の核ミサイルが日本に飛んで来たら防衛ミサイルだけでは間に合いません。その意味で本当の脅威は北朝鮮ではなく中国です。日本の主要都市に向けて核ミサイルの照準を合わせていることは公知の事実です。(2009年5月の、読売新聞の報道では、中距離ミサイルを、沖縄の米軍基地や日本の主要都市に照準を合わせて配備していると報じています)。

特に中国が内乱状態に陥った時に、狂った人間が日本に向けて発射しないとも限りません。反日教育をずっとしてきたのですから、そういう人間が出ないとも限りません。日本政府がずっとクレームを付けずに見返り(中国への経済支援)を与えて来た咎めです。照準を一時的に外させ得たとしても、いざと言うときには簡単にロックオンできると思いますので、報復できる力を持たないと安心はできません。やはり、抑止力としての核は必要かと。ただMAD(mutual assured destruction)の考えを中国の為政者が理解できるかですが。何せ毛沢東はポンピドーとの話し合いで、

ポンピドー「ソ連からICBMを大量に輸入しているようだがアメリカと戦争する気ですか?」

毛沢東「戦争になったら私たちは水爆の使用も辞さない」

ポンピドー「そんなことしたら中国人もたくさん死にますよ」

毛沢東「人口が多いので二~三千万人ぐらい死んでも構わない」と言ったと。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110203/chn11020312410001-n1.htmというのもあります。

中国人の手前勝手な考えが推し量れます。ほぼキチガイと言ってよい。いかに中国人の生命が軽んじられているか。実際毛は大躍進、文革で2000万人~1億人の中国人の命を奪ったと言われています。こういう民族の国が隣にあるのですから。とても仲良く付き合うことはできません。

米国だってイザと言うときに日本を守るかどうか分かりませんので、①日本も核を持つ②ミサイルを撃ち落とすレーザー技術の確保③ミサイルの誤爆誘導できる技術の確保(発射した地点での爆発誘導)辺りが軍事技術について素人ですが小生の考えです。

勿論、記事にあるように守備の層を厚くすることにも賛成です。

記事

撃ち漏らし防ぐ 

 北朝鮮による事実上の弾道ミサイル発射を踏まえ、政府はミサイル防衛システムの強化に乗り出す。より高高度の迎撃が可能な海上配備の次世代型ミサイルを米国と共同開発し、2017年度の生産開始をめざす。同時に現在は2段階となっているミサイル防衛システムの迎撃のタイミングを3段階に増やすことを検討する。ミサイルの脅威が増しているとみて、撃ち漏らすリスクを減らす。

 日米が共同開発している新たな海上配備型の次世代迎撃ミサイルは、イージス艦に搭載する「SM3ブロック2A」。今秋に米ハワイ沖で海上実験を行い、命中精度を初めて測定する。19年度の配備を目指す。

missile defence

SM3による迎撃の最高高度は地上300キロメートル程度とされる。新型SM3は現行型より推進力が大きく、最高高度1千キロメートル以上での迎撃が可能となる見通し。防衛省は「迎撃の高度が高ければ高いほど落下予想地点の守備範囲の面積は広がる」(幹部)と説明する。

 新型を搭載したイージス艦の防空範囲は1千キロメートル程度と現在の数百キロメートルよりも大きく広がる。従来は日本の領域全体を守るのにイージス艦3隻が必要だったが「新型SM3を搭載すれば2隻で十分」(同)という。

 一方、政府はミサイルの迎撃精度を高めるため、米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の導入も検討する。菅義偉官房長官は8日の記者会見でTHAADについて「現段階で自衛隊への導入計画はない」とする一方、「国民を守るため米国の装備品を研究しつつ、検討を加速する」と語った。

 THAADは大気圏内に再突入した最終段階のミサイルを迎撃するもので、最高高度は地上から約150キロメートル。航空自衛隊に現在配備されている地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の最高高度は地上から約20キロメートルのため、迎撃のタイミングとしてはSM3とPAC3の間に位置する。ただ、防衛省幹部は「導入経費が極めて高額」と指摘しており、慎重に判断する。

 THAADをめぐっては在韓米軍への配備計画が進むなか、中国が反発を強めている。背景には中国内陸部のミサイル基地の情報が米軍レーダーに捕捉されるとの懸念が中国側にあるとみられる。このため、日本がTHAADの導入に踏み切れば、配備する地域によっては中国側が反発する可能性もある。

ミサイル防衛システム 弾道ミサイルの発射を探知し、着弾前に迎撃・破壊するシステム。日本の場合、米国の早期警戒衛星などがミサイル発射を捉えると直ちに防衛省などが連絡を受ける。この情報をもとに海上自衛隊のイージス艦や国内レーダーなどでミサイルを追跡し、イージス艦に搭載しているスタンダードミサイル(SM3)が大気圏外でミサイルを撃ち落とす。現在は撃ち漏らした場合、地上配備のパトリオットミサイル(PAC3)が迎撃する2段構え。

aegis cruiser

 

 

 

 

 

 

米軍が確認 

【ワシントン=川合智之】米戦略軍は7日、北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイルの発射後、2個の物体が高度約500キロメートルで地球を回る軌道に乗っているのを確認したと明らかにした。北朝鮮が打ち上げたとする人工衛星と、多段式ミサイルの3段目とみられる。周回軌道への投入成功は、北朝鮮のミサイル技術の精度が高まったことを示す。

 朝鮮中央テレビは「地球観測衛星『光明星4号』の軌道投入に完全に成功した」と報じている。米軍が観測した軌道は北朝鮮の発表と近く、想定通りの軌道に精密に投入できた可能性が高い。

 大同大学の沢岡昭学長は「衛星は地球を南北に回る極軌道に投入されたようだ。ロケットとミサイルは表裏一体なので、衛星を軌道に投入できる技術はミサイルを目標地点に精密に飛ばす技術につながる」と話す。

 米メディアなどによるとミサイルの射程は最大1万3千キロメートル、積載重量は500キログラム。南米を除く全世界が射程圏内だ。米ランド研究所のブルース・ベネット防衛上級研究員は「核兵器をほぼ搭載可能な打ち上げ能力となった」とみる。

orbit of artificial satellite

 ただ実際に弾道ミサイルとして使う場合は宇宙空間から大気圏に戻ってくる。ベネット氏は「大気圏再突入の際に高温に耐えるという別の課題がある」と指摘。核ミサイルとして使用できる段階には至っていないとみる。

2/8ダイヤモンドオンライン 嶋矢志郎『中国が発表する経済成長率は本当に“偽り”なのか?』、2/9日経ビジネスオンライン 上野泰也『「リーマンショック2」は来るのか 中国「不信」・原油「底なし」、2つのビッグリスク』2/8日経『中国外貨準備、減少続く 元買い介入で1月末378兆円』、2/9ZAKZK 大前研一『中国発の大恐慌は不可避 行き先は超元安とハイパーインフレ』について

やっとメデイアもまともに中国の経済リスクを取り上げるようになったかと言う気がします。日本の報道は欧米の後追いで中国進出を煽るだけという気がずっとしていました。特にヒドかったのが日経。その日経ですら中国の経済危機を報道せざるを得なくなりました。嶋谷氏は日経記者OBです。小生の中国8年間の駐在経験から言って、中国は「何でもあり」「数字の誤魔化しは当り前(財務諸表は少なくとも3通り)」「賄賂は上から下に至るまで受け取る文化」「平気で嘘をつく」「偽物文化(卒業証書、発票=公的領収書)」「破廉恥・反人道主義」なのを目の当たりに見てきましたので、この国はいつか、どこかで頓挫するだろうと思っていました。ただ、こんなに早く経済発展するとは思っていませんでしたが。1997年8月末に北京空港に降り立った時に夜の余りの暗さと道路の大きさにビックリした覚えがあります。車は少なく、自転車が多かったです。帰国時の2005年の時も豊かになったとは言ってもまだまだでした。ただ、2002、3年頃、上海では渋滞で浦西と浦東とのトンネルをナンバープレートの奇数・偶数で通れる、通れないの交通整理をしていましたから、やはり2001年のWTO加盟が効いていたのかとも思います。上海は江沢民の地元でしたので。でも、無理な背伸びをしすぎてコントロール不能まで来ました。何の裏付けもなく借金を重ね、過剰な設備投資して、需給を無視した過剰在庫を抱えるようになりました。世界の産業を潰すまでになりました。崩壊するしかありません。世界平和のためには良いことです。

本4記事は、田村秀男氏や高橋洋一氏がずっと言ってきたことと同じ見方になってきたなあと感じました。上野氏はみずほ証券勤務だからリーマンみたいにはならないと言っていますが。しかし、心の中は違うのでは。あの中国進出を煽り、薄熙来の経済顧問までした大前研一氏までが小生が前から言ってきましたように「打つ手なし」です。如何に中国から遠ざかるかが痛手を少なくする道です。中国と関係の深い企業の株価は激しく下落するでしょう。間違っても中韓を助けることをしないように。特に通貨スワップをすれば大ヤケドくらいでは済まず地獄まで道連れになります。

中国のデフォルト・ショックが起きたときにどうなるのか予想できません。澁谷司拓大教授は「中国には1日600円以下で暮らす貧困層が10億人いる」と仰っていました。この層が革命を起こすかもしれません。天安門事件のようなことが起きるかですが、衛星が発達した現在、かつ解放軍兵士が貧乏人に銃を発砲できるかです。日本人のように組織に帰属意識を持たない民族ですので。反共産党クーデターが起きるかもしれません。中国大陸の歴史は動乱の歴史=易姓革命の歴史ですので、大量の難民が発生するかもしれません。欧州を対岸の火事とせず、対応策は考えておかないと。在中邦人救出とスパイの可能性のある中国人の日本上陸を阻止しないと。

嶋矢記事

中国の常識は世界の非常識?王国家統計局長はなぜ失脚したか

Dong fang ming zhu ta

王保安事件の真相は何か。中国の統計に対する信頼が揺らげば、世界に与える影響も大きい。

 中国共産党の中央規律検査委員会は、国家統計局の王保安局長を「重大な規律違反」で調査していると発表した。王局長は1月19日には世界が注目していた昨年2015年の中国のGDP(国内総生産)を発表し、同26日には中国の経済情勢に関する記者会見に臨み、終了後も取り囲む記者団の質問に気さくに受け答えしていた。その直後の連行、失脚である。

 習近平指導部としては、電撃的な摘発により、「重大な規律違反」への厳しい姿勢を国内外に強く印象づける狙いがあったに違いない。

 その「重大な規律違反」とは何か。肝心の内容が何も明らかにされていないが、一部海外メディアによると、統計データを取り扱う国家統計局のトップである同局長が、事前に外部に情報を漏らしてその見返りに金品を受け取っていたのではないか、という疑惑が浮上しているという。

 さらに今回の事件については、中国の国内外の消息筋から、「本当のデータを公表したら処罰され、捏造のデータを発表したら規律違反では、立つ瀬がない」などと揶揄する声も、筆者の耳に届いた。何らかの目的により、王局長が統計データを改竄していたのではないか、という見方もあるわけだ。

 様々な憶測が飛び交っており真相は不明だが、いずれにせよ、今や世界第2位の経済大国となった中国の統計データを取り扱うトップの汚職がもし真実だとすれば、世界の金融市場に波紋を呼びかねない。今回の報道は、かねてより指摘されていた中国の統計データに関する課題を、筆者に思い起こさせた。それは、統計データの信憑性に関する課題だ。これを機に、それを検証してみたいと思う。

 中国政府が国内外へ向けて正式に発表する統計データの多くは、偽装された「真っ赤な嘘」ではないか――。今回の事件とは直接関係なく、そんな疑惑は以前からずっとあった。今や「知る人ぞ知る常識」として語られている雰囲気もある。真偽のほどは別として、問題はそうした疑惑があるという事実を、いつの頃からか当事者の中国だけでなく、国際社会も暗に認めてきたということだ。

 上海株の大暴落をはじめ、人民元の対ドル為替相場の切り下げ、全国各地で廃墟と化している工業団地や商業施設、主要業種に広がる深刻な過剰設備、さらにはおよそ2億人分に及ぶとされる不動産の余剰在庫など、中国経済の憂々しき実態が次々と顕在化している。中国経済は今、どこまで失速しているのか。全世界が注目する中で、2015年の実質GDP(国内総生産)の成長率が発表されたが、データの信憑性が怪しいことを知る者の中には、公表された数値を信じない人もいたのではないか。

 公表されたGDPの数値は、想定内の前年同期比6.9%増であった。ちなみに、中国政府の目標値は7%である。これに対し、国内外の消息筋の事前予測では、おおむね数字の操作を織り込んで6.8%前後と見られていたが、案の定、その中間に落とし込んできたと思える苦肉の策であった印象は拭えない。

 発表した時点も、昨年末からわずか3週間以内の1月19日である。これ自体が信じ難い早さで、不自然ではある。自由経済圏の場合、最も早い米国でも締め切り1ヵ月後であり、EUや日本では大体、同50日後である。

 GDP統計は、一般に各種統計を加工した、いわば二次統計なので、その算出には一定の手間暇がかかる。先進国の場合は、関係各省庁が英知の粋を集めた複雑な計算式の下で算出し、産業連関表などを駆使して、算入が重複しないよう、縦横斜めの試算を繰り返してから公表するため、これ以上は短縮できないという日時を要してから公表する。中国の場合はこの精査工程を省略して、「算入の重複を削除しないまま公表しているのではないか」と疑われてもやむを得まい。仮にそうだとすれば、GDPは水増しされ、成長率は上振れすることになる。

信じられないGDP統計発表の早さ 「李克強指数」が信頼される理由

 中国の経済政策の司令塔である李克強首相は、前職の遼寧省共産党委員会書記であった2007年当時、すでに「中国のGDP統計は人為的であるため、信頼できない」と喝破して憚らず、「経済指標として信頼できるのは貨物輸送量、電力消費量、銀行融資残高の3指標だけである」と公言した。それ以来、中国ではGDP統計よりもこれら3指標による「李克強指数」の方が信頼され、跋扈しているのが実態である。こうした状況に鑑み、統計作業を透明化、改善しようという声も聞こえてこない。GDP統計による公表データの同6.9%増を、この李克強指数で試算し直した修正値もある。それによると、実際は半分以下の同2.8%増だという。

 前述の3指標よりも誤魔化せないという点で、実態により近い指標が貿易統計である。中国側の輸入は相手国の輸出であり、輸出は相手国の輸入になるため、偽装が不可能だからである。とりわけ、輸入の伸び率とGDPの成長率は正の相関関係にあるため、一方が増えるときは共に増え、一方が減るときは共に減って、同じ方向へ連動するため、少なくとも大きな誤魔化しは不可能に近い。

発表によると、輸入は同14.1%減となっており、これは尋常な減り方ではない。輸入が前年比14.1%も減っていながら、GDPだけ6.9%も伸びることは、まずあり得ないだろう。逆に、GDPが6.9%も伸びていながら、輸入だけが前年比14.1%減ることも、まずあり得ない。どちらに疑問があるかと問われれば、明らかにGDPの方である。

輸入が二桁マイナスなのに GDP6.9%成長はあり得るのか?

 ちなみに、李克強指数と同じく、輸入が同14.1%減であった場合、GDPの成長率はどうなるか。単純な回帰分析で試算すると、成長率はなんと、おおよそ▲3%近くになる。中国政府が「GDPの成長率が同6.9%増、輸入同14.1%減であっても、共に真実の数値であり、両者の相関関係には矛盾はない」と言い切れるならば、「輸入とGDPは必ずしも正の相関関係にあるとは限らず、負の相関関係になることもあり得る」ことを立証する義務があるだろう。

 中国のGDP統計を「信頼できない」と思っていたのは、李首相だけではない。元来、中国の経済統計の信頼性には、国内外から疑問視する声が広がっていた。中国全土の各地、各省で集計した総和が、中国統計局が発表する全中国のGDP統計の数値を大きく上回る珍現象が毎年のように繰り返され、常態化していたからである。全国の各地、各省の末端から中央へと数値を集めてくる集計過程でも、申告者が常に正しく申告するとは限らない。収穫や生産の自己申告が業績や昇進などの評価、採点に直結していれば、なおさらである。

 人間の心理上、評価、採点にとってマイナスとわかる結果を自ら奨んで報告する人は少ない。結果として、常に過大な申告になりがちである。とりわけ社会主義経済圏の下では、これが避け難い仕組みであることは、旧ソ連や毛沢東による大躍進時代の中国の名残といえ、その悪弊は歴史が証明している。李克強指数が誕生し、信頼され、跋扈してきた背景でもある。

 ただし国際社会も、中国の経済統計の捏造疑惑を決して看過してきたわけではない。IMF(国際通貨基金)は昨秋、中国に対し、経済統計に関する「質」的な向上の必要性を呼びかけている。中国が経済構造の質的転換を進めていることに対し、その構造転換の成果が経済統計にも正しく反映されるよう、経済統計を「質」的に飛躍させる必要がある、と指摘している。

世界銀行も、「中国の政策決定者は市場への介入を自制できないでいる。これが市場に混乱をもたらし、市場に対する信頼感の低下を招いている。中国が2015年に史上最大の資本流出を経験したのは、政府の介入が要因の1つである公算が大きい。市場は予測可能性と透明性を必要としている」(マデリン・アントンシック前副総裁)として、経済政策の透明性の確保に厳しく注文を付けている。

実際はマイナス成長もあり得る? チャイナショック回避への期待

 習近平主席とその指導部が、二桁台の高度成長から一桁台の安定成長へと経済成長ペースを軌道修正しながら、いわば経済成長よりも構造改革を優先し、7%成長を死守する「新常態」化路線を宣言して走り出してから、まだ間もない。それが早くも7%割れを余儀なくされたため、金融緩和を急いででも経済成長を優先すべきか、経済成長は後回しにして構造改革を優先すべきか、という二者択一を迫られ、大いに迷っているに違いない。

 しかし、データ偽装が真実ならば、実態は7%割れどころか、3%割れやマイナス成長であることも考えられる。世界第二の経済大国である中国経済の実態が、実は想像以上に失速しているとなれば、それだけでも2008年のリーマンショックならぬ「チャイナショック」を引き起こしかねない。影響が国際社会の隅々へ及ぶことは必至である。

 そうなれば、隣国の日本も想定外の経済的な激震に見舞われないとは言い切れない。景気減速や外貨準備高の減少を不安視する習近平が、人民元の流出を食い止めるため、3月開催の全人代において、富裕層に対する「爆買い禁止令」を通すのではないかという見通しも浮上している。それが最悪シナリオへと通じるアリの一穴になるかもしれない。

 これから世界は、中国発の世界同時不況を引き起こしかねない可能性とその誘因因子を、徹底的に洗い出す必要があるのではなかろうか。とりわけ中国と経済上のつながりが深い日本は、中国やアジア諸国と協力しながら、チャイナショック防止を議論するための戦略プロジェクトチームを発足させるなどして、中国の体制整備に力を注ぐべきであると、筆者は提案したい。

上野記事

昨年から今年に持ち越した「3つのリスク」(①中国経済不安、②下げ止まらない原油価格、③米利上げ後の新興国を含むマネーフロー変調)のうち、③は、米国の利上げに打ち止め感が出れば、とりあえず歯止めがかかるリスクと言える。

 だが、残りの2つはかなりの難物だと筆者はみている。年明け以降の市場で大きな不安材料になり続けている①と②をスピーディーに消し去ることができ、しかも現実味のある解決策は、筆者には思い当たらない。

 まず、①中国経済不安は、昨年夏~秋の局面よりもはるかに事態は深刻であり、中央政府が財政政策を用いて景気を刺激すれば市場の不安心理が沈静化する、というような生易しいものではなくなっている。

「不安」から「不信」へ

 市場のセンチメントは、「不安」と形容されるレベルから、中国当局による経済政策運営や人民元という通貨そのものに対する「不信」「信頼感の喪失」へと、悪い方向に一段シフトした。最近出てきた中国問題関連の要人発言などをいくつか挙げた上で、筆者のコメントを加えてみたい。

◆マルコ・ルビオ米上院議員(共和党の大統領候補指名争いで3位につけている有望株) 「中国が国内で深刻な危機に面している。バブル経済には、別のバブルで埋め合わせをしてきたが、ついに危機がやってきた」(2016年1月7日)

~ この見方に筆者も賛同する。「リーマンショック」後の危機局面で大規模な景気刺激策を実施したことが、不動産バブルを膨らませた。これが崩壊したものの、抜本的な政策対応を怠り続けた結果、政策面で手詰まり感が強くなり、市場の不安感のみならず不信感をも招いている。

◆中国の銀行不良債権、2015年の増加幅は前年の倍以上(2016年1月12日 ロイター)

「中国の銀行が抱える不良債権の2015年の増加幅は前年の倍以上となった。匿名の関係者2人がロイターに明らかにした」 「関係者によると、2015年の不良債権の総額は1兆9500億元(2968億ドル)」 「2014年の不良債権は2574億元(391億9000万ドル)増の1兆4300億元であったため、15年の増加幅は5000億元以上とみられる」 「銀行業監督管理委員会はロイターのコメントの求めに応じていない」

~ 日本の経験からすると、不良債権問題を解消するための切り札は、「徹底したディスクロージャー(情報開示)」と「公的資金の大規模な投入」の2つである。だが、中国の当局はいずれにもまだ取り組んでいない。そうした実情をあらためて確認できる報道である。

◆中国の中央財経指導グループ弁公室の韓俊・副主任(2016年1月11日 ニューヨークの中国領事館で)

「(人民元が対ドルで一段と大幅に下落すると想定するのは)ばかげている」「人民元に対する経済ファンダメンタルズに大きな変動はみられない」「人民元を空売りする試みは成功しないと思う。投資家は人民元を信頼すべきだ」

~ 人民元の対ドル相場下落(=人民元からドルへの資金流出)の問題で、事態の全体像を人民銀行など中国の政策当局がどこまで把握してコントロールできているのかに、市場は疑念を抱きつつある。

 IMF(国際通貨基金)がSDR(特別引出権)の構成通貨に人民元を新たに採用することを決定した後で、無理に通貨価値を支える必要性はもはや薄れたという考えから人民銀行が元安ドル高に誘導し始めたというような、単純な話ではなさそうである。

 人民元の下落を当局が容認していることへの不信感から、「草の根」レベルで中国から海外への資本逃避(キャピタルフライト)が起こっており、人民銀行は外貨準備を大量に使ってドル売り人民元買い介入などをしてなんとか食い止めようとしているのではないかという見方が浮上している。

 中国の外貨準備高(金やSDRなどを含まないベース)は、昨年12月末時点で3兆3304億ドル(前月比▲1079億ドル)。12月の月間減少幅は過去最大で、このペースが続くと3年もたない計算である<図1>。そして、中国の外貨準備高は1月も995億ドルという巨額の減少になったことが、直近データから明らかになっている。

■図1:中国の外貨準備高

2015China's foreign currency reserves

(出所)中国国家外為管理局(SAFE)

 仮に、中国の外貨準備高の急ピッチの減少が今後も続くようだと、中国は自国通貨の防衛を継続できなくなって人民元はフリーフォール状況に陥るのではないかといった見方が市場で広がりかねない。

日本の20年前に似た雰囲気

 また、最近の中国の政府当局者の市場に関する言動を見ていると、「上から目線」を感じることが多い。日本でも少なくとも20年ほど前まではそうした雰囲気が漂っていたと記憶している。だが、内外経済におけるマーケットの影響力の大きさが政治の世界でもよく知られるようになる中で、日本の当局者の姿勢は大きく変わり、マーケットの動向を重視して、参加者の意向を尊重するようになっていった。

中国でも金融市場は自由化されていく流れにある。当局者の姿勢もまた、いずれ変わらざるを得なくなるだろう。また、市場はいわゆる「大本営発表」を安易に信用しない。情報発信の手法などにおいても、中国でいずれ大きな変化が出てくるのではないか。

 だが、これらはいずれも長いタイムスパンの話である。中国当局による「市場との対話」は今のところ、それが存在しているのかどうかさえ定かではなく、世界の金融市場を不安定化させる原因の1つになっている。

 もう一つの大きなリスク、②原油価格はどうか。原油の価格は崖から落ちるように下落してきており<図2>、この問題は「出口が見えない袋小路」に入った感が強い。サウジアラビアとイランの関係が悪化して外交関係断絶にまで至ったことで、石油輸出国機構(OPEC)が減産に動く可能性はかなり小さくなったというのが、筆者の見方である。

■図2:OPEC原油バスケット価格

the price of crude oil

 原油の減産に動くための前提条件として、サウジアラビアは以前から、ロシアなど非OPEC(OPECに加盟していない)産油国との協調減産の必要性を強調している。だが、OPECと非OPECの協調減産が実現するかどうかのカギを握るとみられるロシアのノバク・エネルギー相は、その実現に否定的なコメントをたびたび発している。

 1月15日にテレビ出演したノバク氏は、「OPECの全加盟国が(減産で)合意することさえ見込めない。いわんや非OPECとの協調減産もあり得ない」と指摘。「石油輸入国が世界市場からの輸入を減らしており、現段階では輸入国の影響力が大きい」と述べた。また、同エネルギー相はロシアの石油企業にとって「カギとなる原油価格の水準は、生産コストの水準、すなわち1バレル=5~15ドルだ」と話した。

 仮に、最近報道されているように、経済がかなり苦しくなったベネズエラなど一部加盟国の要請をうけてOPECが2月に緊急会合を開催し、ロシアも参加して協調減産を協議する場合でも、合意までこぎつけるのは至難の業だろう。

 欧米などから経済制裁の解除をうけて原油の増産・輸出増加に動き出しているイランは、このタイミングでは減産合意には乗りにくい。イランの増産を認めつつOPEC全体で減産しようとする場合は、主にサウジアラビアが自国の生産枠について、イランの増産分を上回る規模で引き下げを受け入れるという話にならざるを得ない。

 だが、両国の関係が悪化している中では、サウジアラビアが一方的に損をかぶる形になる生産枠調整は、実現する可能性がきわめて小さい。イスラム教スンニ派の盟主であるサウジアラビアが、シーア派の盟主である国であるイランに対し、いわば敵に塩を送るような形になるからである。

 また、サウジアラビアは市場におけるシェアを重視し続けており、原油価格下落を容認して米国のシェール会社(総じて原油生産のコストが高いとされる)の市場からの退場を促す「持久戦」を、このままさらに続ける意向を示唆している。同国のヌアイミ石油相は1月17日、国際石油市場で供給過剰が続く中、市場安定には「ある程度の時間」がかかると述べた上で、今後について楽観的な見方を示した。

リーマンショック2にはつながらない

 株価に話を転じよう。「グローバルな金あまり」状況の継続に鑑みた場合、リスク要因が多い中であっても、内外で株価が一方的に下げ続けることまではないと予想するのが順当だろう。

 米国の利上げが続きにくいこと(当コラム1月26日配信「昨年末の米利上げは2000年の日本そっくり」参照)、各国の規制監督当局が金融システムの安定維持に注力していることも考え合わせると、「バブル崩壊でサヨウナラ」的な一方的な株価暴落や、先進国の金融システムへの甚大なダメージは発生しにくいと、筆者は考えている。その意味で、年初からの市場の大きな混乱が「リーマンショック2」につながるとは予想されない。

 とはいえ、「中国」と「原油」という2つのビッグリスクが早期に払しょくされそうにない状況下、内外の金融市場の動きは今後も不安定なものにならざるを得ない。したがって、株式の押し目買いなど「逆張り」で投資家が動く際には柔軟性が必要で、無理は禁物である。

日経記事

ピークから2割減 【北京=大越匡洋】中国の外貨準備高が過去最大規模の減少を続けている。中国人民銀行(中央銀行)は7日、1月末の外貨準備高が3兆2309億ドル(約378兆円)で、前月に比べ995億ドル減ったと発表した。減少幅は過去最大だった2015年12月の1079億ドルに次ぐ大きさだ。中国の通貨、人民元への下落圧力が強まり、人民銀がドルを売って元を買う為替介入を繰り返していることが大きな要因だ。

 中国の外貨準備高はなお世界最大で、2位の日本の約2.6倍の規模がある。ただ、15年は23年ぶりに通年で減り、減少幅は5千億ドル以上に達した。4兆ドル近くにのぼったピーク時の14年6月からみると、足元ではすでに約2割減った。

2014・15China's foreign currency reserves

ユーロ安などで評価額が目減りしたり、中国企業の海外進出の支援に活用したりした減少分はあるものの、中国の外貨準備が大幅に減っている大きな要因は為替介入だ。

 中国の景気減速に加え、米国の利上げで海外への資本流出が加速し、市場では人民元の下落圧力が増している。人民銀は急激な元安を食い止めるため、為替介入で元を買い支えている。その分、外貨準備で持つドル資産を売却し、外貨準備の減少につながっている。

 元買い介入は、国内の金融政策にも影を落とす。元買い介入で市中に出回る元を吸い上げることになるため、流動性が目減りし、景気下支えのための金融緩和の効果をそぐことになるためだ。一方で、追加の金融緩和に動けば、利上げに動いた米国など海外へのマネーの流出に拍車をかけ、元安圧力が一段と強まるというジレンマを抱える。

 人民銀は6日発表した四半期に1度の金融政策執行報告に載せたコラムで、主な金融政策手段である預金準備率について「引き下げれば緩和期待が強まり、人民元安の圧力や資本流出の増加、外貨準備の減少を招く」として、一段の引き下げに慎重な姿勢を示した。

 実際、7日に始まった春節(旧正月)の大型連休を控え、人民銀は市場が期待していた預金準備率の引き下げは見送り、公開市場操作(オペ)や特定の金融機関に資金を供給する「中期貸出制度(MLF)」などの手法で大量に流動性を増やした。

 人民元の先安観は依然として強く、景気の先行きも不透明だ。景気のてこ入れには金融緩和が避けられないが、「通貨安競争」と受け止められかねない過度の元安を回避したい思惑も働き、人民銀は金融政策の難しいかじ取りを迫られている。

大前記事

中国経済はもはや破綻が起きるか否かが問題ではなく、いつ起きてもおかしくない状況なので、もはや経済政策の打ち手はないと経営コンサルタントの大前研一氏はいう。それでも危機を回避するにはどうしたらよいのか、大前氏が解説する。 かつてアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領が世界恐慌(1929年~)を克服するために行なったニューディール並みの政策で有効需要を創出しようと思っても、すでに中国では高速鉄道、高速道路、空港、港湾、ダムなどの大型インフラはあらかた整備済みで、乗数効果のあるインフラ投資の領域は見当たらない。  しかも、一人っ子政策を続けてきたせいで今後は高齢化が急速に進展するが、介護や年金などの社会保障を支える人材・予算が大幅に不足している。  さらに「理財商品」という隠れた爆弾もある。これは短期で高利回りをうたった資産運用商品で株式ブームの前に人気となり、集まった資金が主に地方政府の不動産開発やインフラ整備などの投資プロジェクトに流れたとされる。今後はそれらの投資プロジェクトが行き詰まり、理財商品を発行した「影の銀行」が損失を受けてデフォルト(債務不履行)を起こす可能性があるのだ。日本のバブル崩壊でノンバンクが次々に倒れたのと同じ現象だ。  そして、中国国内で投資先を失ったお金のエクソダス(大脱走)が加速している。人民元は個人は年間約120万円しか海外に持ち出せないが、中国本土から人民元を香港などに違法に送金する「地下銀行」を運営していた300人余り、総額8兆円近くが摘発された例もある。資金の海外流出は必然的に人民元安と株安につながる。

鳴り物入りでスタートした中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)も、中国にはプロジェクトを審査して遂行していく能力があるマネジメント経験者がいないから、ことごとく失敗するだろう。

 以上が中国トラブルの一覧だが、まるで先進国がこの100年間に経験してきたことを10年間に凝縮したかのようだ。しかも、その規模は10倍に膨れ上がり、対する政府の能力は100分の1ぐらいしかないといった状態である。

 もはや中国は習近平政権に限らず、誰をもってしてもコントロールできなくなった。コントロール・フリークが、コントロールしてはいけないものをコントロールしたから、そうなったのである。行き着く先は、超元安&ハイパーインフレしかないだろう。

 いずれにしても、もう中国は「詰んで」しまった。中国発の大恐慌は不可避であり、導火線に火がついてじりじりと燃えている状態だ。これまで中国は世界の景気を支えてきたが、それが全部ひっくり返って日本もその他世界も大混乱に陥る。その余波はサブプライム・ショックやリーマン・ショックよりはるかに大きく、アメリカ発の世界恐慌と同じぐらいか、もしかするとそれ以上かもしれない。

 その危機に備えよと言っても、何が起きるか予想がつかないので、備えようがない。世界恐慌が軍需景気を待望して第2次世界大戦につながった歴史の教訓に学び、中国の動向を注視しながら諸外国に対する攻撃の口実を与えないよう柔軟に対応するしかないだろう。

 ※週刊ポスト2016年2月12日号

2/8日経ビジネスオンライン 鈴置高史『北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射 日・韓の「核の傘」を揺らす一撃に』について

ジェブ・ブッシュは大統領選の討論会で、「北朝鮮のミサイルへの先制攻撃」について言及していましたが、「衛星かミサイルか」人工衛星で撮った映像で分かるのであれば兎も角、分からなければ無理でしょう。地下にミサイルを隠して発射時にだけドームを開いてと言うのは007の映画でも良く出てきます。やはり、ミサイル防衛システムが必要となってきますし、有事の際に反撃できる姿勢を確保できることこそが相手の抑止力になります。米国は勿論抑止力を持っています。日本海にも核を搭載した原潜が遊弋している(対北ではなく対中・対露では)と思われます。日本も早く憲法を改正し、いつでも反撃できるようにし、自衛隊にはネガテイブ・リストだけにすればそれだけでも相手国に対する強大な抑止力になります。それはそうでしょう。攻撃側が中段突きしか出せないと分かったら、それを流して上段突きを出せばよいのですから簡単です。何が来るか分からないようにして初めて相手が言うことを聞くようになります。

中国は外交上の蹉跌を繰り返しています。ルトワックが言っていた通りの道を歩んでいます。北への制裁もいつもどおり「圧力をかけると暴発する」と消極的です。周辺諸国は中国がまた邪魔をしていると思うだけです。国連は無用の長物と益々思われるでしょう。北朝鮮を中国のバッファ・ゾーンにという思いは勿論あるでしょうが、北京軍と瀋陽軍の権力争いもあり下手すればクーデターになることを恐れているのかもしれません。金正恩だって後ろ盾がなければあんなに狂気じみたことはできません。2/9日経には「マカオのバンコ・デルタ・アジアの口座を凍結後、関連口座は複数に分散され、実態がつかみにくくなった。中国から北朝鮮の原油輸入は統計上ゼロ。実際は中朝国境付近の鴨緑江に埋設された約11キロのパイプラインを通じて北に送油」とありました。でなければ経済的に息の根を止められて金王朝はすぐにでも崩壊するでしょう。イランとかは米国と国交回復(共和党大統領が出て来たらどうなるか分かりませんが)する予定なので、イランも北を応援することはしにくいでしょう。やはり中国が鍵です。でも北の主体思想は中国からの「主体」=中国の言いなりにはならないという考えです。朝鮮半島人は相手を利用することしか考えません。

今度はその韓国。2/8日経には「韓国国防相が「検討」 日本との防衛秘密共有

 【ソウル=峯岸博】韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相は7日の国会答弁で、日本と直接、防衛秘密を共有するのに必要な軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結について「日本が何度も要求しているので、政府内で他の要素を一緒に見ながら検討していこうと考えている」と述べた。日韓のGSOMIAは2012年に署名直前で韓国側の要求により棚上げされた。日本は北朝鮮への対応に欠かせないと締結を求め続けている。」とあり、2012年にサイン直前でキャンセルした非も詫びずこれですから。如何に厚かましい民族かという事です。韓国を切れないという甘えと言うか足元を見ているのでしょう。Yahooニュースでは否定する一幕も。変わり身が早いのでしょう。この国の民は信用できません。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160208-00000036-yonh-kr

南スーダンで、自衛隊から弾薬1万発を借りたのに韓国国家としてお礼も言わず、「韓国側から要請したことはない」「不足していたわけではない予備的に借りただけ」とか見え透いた嘘を言う連中です。

また、韓国は米国ともTHAADで方針転換し配備を検討とありましたが、これも中国の恫喝でどうなる事やら。中国に振り向かせるために(女が男に気を持たせるような焦らし作戦のような)、やっているのでしょう。米国も韓国を信じてはTHAADの技術・情報が中国に流れると見ていいです。米軍基地内に配備し、韓国人はオフリミット、韓国シンパの米国軍人もオフリミットにしなければ。日本もTHAAD配備について新たに検討と2/9日経記事にありましたが、金が高くても買うべきです。自衛隊基地の中に置いて研究すべきです。

記事

北朝鮮が2月7日午前9時31分頃(日本時間)、北西部の東倉里(トンチャンリ)から長距離弾道ミサイルを発射した。米国をも核ミサイルの射程に入れたと誇るのが目的だ。韓国や日本に対する米国の核の傘を揺るがす一撃となる。

「衛星打ち上げに成功」

 北朝鮮の朝鮮中央テレビは午後0時半(同)に特別重大報道を放送し「地球観測衛星『光明星4号』の衛星軌道進入に完全に成功した」と伝えた。

 朝鮮日報のユ・ヨンウン軍事専門記者は「軍、『北のミサイル(による)人工衛星、宇宙軌道進入に成功』」(2月7日、韓国語版)で以下のように報じた。

  • 北のミサイルによる人工衛星は宇宙軌道進入に成功したと推測される、と韓国国防部は公式発表した。
  • 米本土に到達できる射程距離1万―1万3000キロのICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発が、ほぼ成功段階に至ったことを意味する。

ミサイル実験で何が変わる?

—北朝鮮の狙いは?

鈴置:「米国にまで届く核」を持ったと示すことです。1月6日には4回目の核実験を実施し「核弾頭を着々と作っているぞ」と示しました。

  • 北朝鮮の核実験
回数 実施日 規模
1回目 2006年10月9日 M4.2
2回目 2009年5月25日 M4.7
3回目 2013年2月12日 M5.1
4回目 2016年1月6日 M5.1

(注)数字は実験によって起きた地震の規模。米地質研究所の発表による

 2月7日の長距離ミサイル実験で、今度は「その核弾頭を米国まで打ち込めるようになったぞ」と見せつけたつもりでしょう。

 韓国人が米韓同盟への疑いを深めるのは間違いありません。例えば、北朝鮮の通常兵器による挑発で南北が衝突したとします。大規模な戦闘に至れば、米軍が韓国軍を支援することになります。

 が、今後は北朝鮮が「介入すれば、米国を核攻撃する」と脅す可能性が高まります。すると、そうなる前から――平時から、韓国人は「米国人が自分の国への核攻撃リスクまで冒して、果たして自分を守ってくれるのだろうか」と悩むようになるわけです。

 こうして韓国人に米韓同盟への不信感を持たせたうえで、北朝鮮は米韓同盟の弱体化に本腰を入れるでしょう。すでに「米韓合同軍事演習を中止すれば核実験を凍結する」などの誘い水を韓国に向けています(「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」参照)。

 もしこの取引が成立すれば、北朝鮮は次には「在韓米軍撤収」や「米国との平和協定締結」を言い出し、米韓同盟を廃棄に追い込むシナリオを描いていると思われます。

5月の党大会で「実績」誇示

—今回実験したのは長距離弾道ミサイルだから、韓国と日本にはあまり関係ない、という人もいますが。

鈴置:日韓は北朝鮮がすでに保有している短・中距離弾道ミサイルの射程に入っています。確かに、今回の実験により直接的な脅威が増すわけではありません。

 ただ、韓国はある意味でそれ以上の脅威――米韓同盟への信頼性が大きく減じるという大問題に直面するのです。

 北朝鮮は「米国まで届く核」をかざして、日本に対しても強腰で挑むようになる可能性が大です。

—北朝鮮の労働党大会との関係は?

鈴置:労働党は5月に党大会を開きます。36年ぶりの党大会でして、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の権力基盤を固めるのが目的です。

 30歳代前半の若い指導者だけに実績が必要です。当然、4回目の核実験と合わせ今回のミサイル実験を、第1書記の権威付けに使います。

 「米国に届く核」を完成し、米国と対等に付き合えるようになった――と国民や韓国の親北派に向け、宣伝に乗り出すでしょう。

韓国は軍事行動に出るか?

—韓国はどう出ますか?

鈴置:手の打ちようがありません。中国はもちろん米国も、軍事力まで使って北から核ミサイルを取り上げてはくれません。

 経済制裁も、北朝鮮との輸出入を100%断つといった完全なものなら効果があります。が、原油の90%以上を供給するなど最大の貿易相手国である中国が消極的です。

—韓国自身が軍事力を使う手があるのでは?

鈴置:韓国人にそこまでハラは固まっていないようです。軍事行動に出れば、第2次朝鮮戦争になりかねませんからね。

 もちろん保守の中には、今春実施する米韓合同演習の際に一気に北進し北朝鮮を吸収合併するしかない――と主張する人もいます。戦争を始めてしまえば、米軍も韓国を助けざるを得ない、と説明してくれます。

 あるいは金正恩第1書記を暗殺しよう、と主張する人もいます。ただ、常に隠密行動をするリーダーの暗殺は、口で言うほど易しくはありません。

 そもそも軍事行動を唱える韓国人も、朴槿恵(パク・クンヘ)政権にはそんな思い切った手は打てないだろうとあきらめ顔です。大統領は「国民の目を意識して発言は強気一本やり。だが実は、度胸はない」と言うのです。

 せいぜい、対北支援のトンネル機関、開城工業団地の一時閉鎖程度の「強硬策」しか打てないだろうと見る韓国の専門家が多い。

ソウルに「核武装」の垂れ幕

—国民はフラストレーションがたまるでしょうね。

鈴置:核武装論がさらに盛り上がると思います。4回目の核実験の直後、保守系紙は「核武装を検討せよ」と書き始めました(「やはり、韓国は核武装を言い出した」参照)。

 その後も、米中など国際社会が早急な対北制裁に乗り出さないので、韓国の核武装論者の声はボルテージが上がる一方です。

 「日本と一緒に核武装に動けば米中も本気になって北を叱ってくれるだろう」との意見も出ています(「そうだ、日本と一緒に核武装しよう」参照)。

 さらには保守の大物政治家も、核武装を呼び掛けるに至りました(「FIFA元副会長も訴えた『韓国の核武装』」参照)。

 ソウルの繁華街には「核武装」を訴える垂れ幕が掲げられ始めたようです。保守サイト、趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに金泌材(キム・ピルジェ)記者が書いています。

 「愛国党、ソウルのあちこちで『NPT脱退、自ら核武装』の垂れ幕掲げる」」(2月3日、韓国語)という記事で、写真付きです。

国論は分裂へ

—韓国の世論は核武装論一色になるのでしょうか。

鈴置:左派は核武装論に乗りそうにありません。反対に、北朝鮮との対話で解決しようという人が目立ちます。先ほど説明した「米韓合同軍事演習と核実験凍結の取引」に応じよう、といった意見です。

 驚くべきことに、保守の中からも「米中が談合して北の核を認めそうだ。この状況を根本から変えるために、在韓米軍撤収と北の核廃棄を取引する手もある」との意見が飛び出しました(「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」参照)。

 韓国の核武装は実現性が低いから、何とか他の手段も考えよう、ということでしょう。

—「韓国の世論は割れる」のですか?

鈴置:そちらの方向に向かっています。

—米国は?

鈴置:打つ手がないでしょう。韓国同様に、軍事力を使うつもりはないからです。4回目の核実験後から、中国と対北制裁を話し合ってきましたが、合意に至っていません。今後も、制裁強化に向け中国の説得に動くでしょうが「北の核」廃棄は難しい。

 今すぐではありませんが、韓国の左派や一部保守までが言い始めた「北朝鮮との取引」に応じる可能性もあると見る人が増えています。ベストの解決策ではありません。が、軍事力を使わないとの前提下では、これがベターに見えるからです。

「米韓同盟」消滅を待つ中国

—では、米韓同盟は緩んでいくということですね。

鈴置:そういうことです。中国にとっては願ってもない状況です。中国が「北の核」の解決に熱心でないのは、北という緩衝地帯を失いたくないからだ、というのが定説です。

 もちろんそれは正しいのですが「北の核」の存在により、米韓同盟を消滅させられると見ていることもあるでしょう。

 今回の北の長距離弾道ミサイルの実験は、単に「ミサイルの射程が伸びたかどうか」といった話ではないのです。東アジアの安全保障の構造を大きく変える事件なのです。

2/4JBプレス 織田邦男『あまりに稚拙な「日本が5日で敗北」シミュレーション 冷戦時のデジャブ、「コミットメント・パラドクス」の罠にはまる?』、2/7日経『米中が取り合う「へそ」』について

ランド研究所と言えば保守派(wikiには「1946年にアメリカ陸軍航空軍が、軍の戦略立案と研究を目的とした ランド計画Project RANDとして設立したのが始まり」とあります)のシンクタンクで有名ですが、この程度の論文を出すと言うのは、本文中にあるようにランド研究所にも中国の金かハニーが絡んでいるのかも。澁谷司拓大教授は「英国MI6曰く、ISよりも中国の「ハニー・トラップ」の方が恐ろしい」と仰っています。小生思うにこれはオズボーン(英国のAIIB参加に熱心だった)のことを言っているのではと思った次第。

確かに織田氏の言うように、現代の戦闘では政治要素を別にすれば、小生は制空権>制海権>陸上占領(制空権がなければ制海権も手に入らず、ましてや陸の占領はできないという意味で)と考えます。日本の航空自衛隊の存在を無視した戦闘を考えて予想するのは為にする議論としか思えません。やはり中国の三戦の内、米国への世論戦に挑戦しているのでしょう。孫子の戦わずして勝つことを実践しているのでしょう。日本は情報戦が弱いから「南京」や「慰安婦」でも負け続けです。外務省が無能ですから。やはり官邸に海外発信を移すと言うことをやっていかないと外務省は何もしないでしょう。

日経の記事もこのランド研究所の論文を米軍関係者にインタビューして否定的に報道しています。ただ問題は米国大統領が戦争と言う重い決断ができるかどうかと。オバマであれば望み薄でしょう。でもこの記事にありますように、小さい芽の内に叩いていれば損害が少なかったのも事実でしょう。チエンバレンの宥和政策がヒットラーの野心を膨らませたのと同じことが起こります。別に戦争をするのでなく、経済制裁から始めればよい。南シナ海の新南群島は日本の領土だったですが、サンフランシスコ講和条約で領有権は未定のままです。台湾と同じ構図です。米国の曖昧戦略の咎めが出て来ています。米国には台湾、新南群島の問題解決をする義務があります。国益からと言って、逃げることは許されません。世界の覇権を握っていた国がそれを放棄した瞬間に地域覇権国に転落するでしょう。今の米国であれば、中国を簡単にねじ伏せられます。衛星から指示を受けない魚雷入り自動浮上するタイプの機雷を中国沿岸に敷設するだけで中国は経済的に干上がるでしょう。後は大統領の決断だけです。

織田記事

Liang Ning as a aircraft carrier

中国東北部・遼寧省大連港に係留された同国初の空母「遼寧」〔AFPBB News〕

 1月15日、米国の外交専門誌「Foreign policy」は、ランド研究所が実施した尖閣諸島を巡る日中衝突のシミュレーション結果を公表した。その結果は「日本は5日で敗北」という衝撃的な結末だった。

 冷戦時、筆者は現役自衛官だったが、「日本は極東ソ連軍に1週間で完敗する」とか、「航空自衛隊は開戦後15分で消滅する」とかよく言われたせいかデジャブ感を覚えた。

 シミュレーションの詳細が不明なため(「Foreign Policy」はシナリオと結果のみ報道)、この評価は難しい。

 「5日」の正否はともかく、日中が直接ガチンコ勝負になれば、結果は同じようになるかもしれない。さりとて、複雑な要因が入り乱れる国際社会の中で、こんなに単純にはいかないというのが率直な感想だ。

 それより、ランド研究所は今、なぜこういう衝撃的な結果を発表したのだろう。筆者はその思惑の方に興味をそそられる。

次々発表される「コミットメント・パラドクス

 最近、米国では中国系シンクタンクが「コミットメント・パラドクス」を相次いで発表しているという。「コミットメント・パラドクス」を簡単に言うとこうだ。

 米国は同盟国へのコミットメントとして、ジュニアパートナーにあまり肩入れし過ぎない方がいい。さもなければ軍事大国との全面戦争に巻き込まれることになる。それは決して人類にとって幸せなことではない。

 つまり尖閣諸島と言った無人島の領有権を巡り、米国はあまりコミットすべきではない。米国にとって何の価値もない無人島にコミットし過ぎると、中国との紛争に巻き込まれる可能性がある。

 日中間の紛争に巻き込まれたら、米中核戦争にエスカレートする蓋然性もゼロではない。それは米国の国益にとって決してプラスにはならないという助言を装った一種の警告である。

 中国は台湾、南シナ海のみならず、尖閣諸島も「核心的利益」として位置づけ、領有権に関しては一歩も引く気配はない。だが、米国のバラク・オバマ大統領が「尖閣は安保条約5条の対象」と明言したことにより、身動きが取れないでいる。

27年間で41倍という驚異的な軍拡を図ってきた中国も、いまだ米軍だけには歯が立たない。だから中国は決して米国とは事を構えたくないと思っている。もし日中間で小競り合いが起こっても、何とか米軍が動かない方策を探し求めている。

 人民解放軍の高官が語っている。「我々にとって最良の日米同盟は、ここぞという絶妙の瞬間に機能しないことだ」と。この言葉に中国の本音が透けて見える。中国にとっては、米国の宿痾とも言える「引きこもり症候群」を再発するのが一番好都合に違いない。

 今回のランド研究所の公表内容は「コミットメント・パラドクス」そのものである。近年、米国の有名大学やシンクタンクに莫大な額のチャイナマネーが流れているのは公然たる事実である。

 あるシンクタンク関係者が語っていた。公正中立を標榜する有力シンクタンクでも、莫大なファンドを寄付する顧客の意に沿わない報告書はなかなか出せないと。「ランドよ、お前もか」ともよぎるが、「天下のランドだから、そんな」との思いもある。

 オバマ大統領は2013年9月、「米国はもはや世界の警察官ではない」と明言した。その後も同発言を繰り返している。これが今後の米国外交方針の潮流ならば、この流れに迎合する「時流迎合型」報告書なのかと考えたりもする。

ランド研究所の思惑とは

 ランド研究所がこれを公表した12日後、ハリス(ハリー・ビンクリー・ハリス・ジュニア)米太平洋軍司令官は、沖縄県尖閣諸島について「中国からの攻撃があれば、我々は必ず(日米安保条約に基づき)防衛する」と公開の席上で述べ、米軍の軍事介入を言明した。この発言を見る限り、潮流の方向性が定まっているとも思えない。

 では、冷戦時によくあった、日本の防衛力増強を強要するための警鐘なのだろうか。

 だが、オバマ政権はこれまで、日本に対し際立った防衛力増強の要求はしてこなかった。これを考えると、首をひねらざるを得ない。正直に言って今回のランドの思惑は筆者には分からない。

 なぜ、思惑について興味を引いたかというと、シミュレーション内容がランド研究所にしては、あまりにも稚拙で、一方的だったからだ。(シミュレーションの詳細が不明なため、「Foreign policy」の記事からのみ判断していることをお断りしておく)

 シナリオは日本の右翼活動家が魚釣島に上陸したことから始まる。中国は直ちに海警を派遣し、これを逮捕、拘束する。2日目、日本政府は周辺海域に護衛艦や戦闘機を展開。米国も日本の要請に応じ、駆逐艦や攻撃型潜水艦を派遣する。中国側も海軍艦艇を展開したため、周辺海域は一触即発の緊張状態となる。

3日目、中国の海警が日本の漁船と衝突、沈没させたことにより事態はエスカレート。中国フリゲート艦が30ミリ対空機関砲で空自機に発砲したことで、日本側も応戦し、一気にテンションは高まり、交戦状態となって海自艦艇2隻が沈められる。

 ここまでが交戦に至るまでのシナリオであるが、どうも素人っぽい。勉強不足の学生が書いた未熟な卒論の感が否めない。実態と乖離し過ぎると、シミュレーション自体の信頼性が失われる。

 2日目に海自艦艇や空自戦闘機を展開したとあるが、根拠は何だろう。海警による上陸日本人の逮捕、拘束は、武力攻撃事態とは言えない。当然、防衛出動は下令されていないはずだ。

 治安出動、海上警備行動がその根拠かもしれない。2日目だったら、時間的余裕なく、ひょっとしたら、海自、空自部隊の展開は「行動」ではなく、防衛省設置法の「調査研究」を根拠にしているかもしれない。

あり得ない前提条件

 いずれにしろ、防衛出動が下令されない限り、展開した海自、空自は武力の行使はできない。仮に攻撃を受けた場合でも警察権に制約された武器の使用しかできない。だとしたら、海自指揮官は中国艦艇からは距離を置き、防護体制を整えて被攻撃を避け、行動の監視を命ずるだけだろう。

 まして中国フリゲート艦の30ミリ対空機関砲の威力圏内に空自戦闘機を飛ばすことなど、まずあり得ない。また海上保安庁の巡視艇が中国海警に「放水」して対抗とあるが、日本の海上保安庁は法律上、他国の公船に対して放水はできないし、するはずもない。以上だけでも、シナリオの未熟さが分かる。

 現実的には、米国が駆逐艦、攻撃型潜水艦を派遣した時点で、中国は矛を収めざるを得ないだろう。人民解放軍は近代化されたとはいえ、いまだ米軍には歯が立たないことは、人民解放軍自身が一番よく知っている。

 1996年、初の台湾総統選挙を妨害するため、中国は台湾近海に4発のミサイルを撃ち込んだ。だが、ビル・クリントン大統領が即座に2隻の空母を派遣した途端、矛を収めざるを得なかった。

 人民解放軍はこの屈辱をいまだに忘れてはいない。だが、中国軍にこの屈辱を覆せるだけの実力は今なお備わっていないのが現実だ。同じ屈辱を味わうようなバカなことはするはずはない。

 中国の軍事行動の蓋然性は、国際政治の観点も考慮しなければならない。現在の中国の最優先課題、つまりコアな国益は、

(1)共産党一党独裁体制の存続 (2)国内社会秩序の維持(分離独立の排除、治安維持) (3)経済成長の持続

 である。特に(3)は(1)と(2)支える必要条件であり、至上命題となっている。

 グローバル経済に依存する中国にとって、(3)のためには、国際社会から糾弾されるような行動、つまり経済成長に悪影響を及ぼすような行動は慎まねばならない。

 2014年、中国が西沙諸島で石油掘削作業を一方的に実施した時の対応が象徴的である。ベトナムは漁船にNHK、CNN、ABC各記者を乗船させ、警備にあたる中国船が、ベトナム漁船に衝突を繰り返す動画を全世界に配信させた。

 中国の暴虐無道ぶりに対し国際社会で一斉に非難の声が上がった。途端、中国は掘削作業を取りやめた。ベトナムは中国が国際社会の非難には敏感だという弱みをうまく利用したわけだ。

 だからこそ、中国は「核心的利益」であっても、国際社会から糾弾されるような通常戦や熱核戦は回避し、「不戦屈敵」を最善とする。これが「三戦」つまり「心理戦、世論戦、法律戦」を重視するゆえんであり、目立たないで実利をとる「サラミ・スライス戦略」を遂行するわけだ。

米本土が攻撃されても怒らない米国人?

 こういう中国が、先に空自戦闘機に攻撃を仕かけ、海自艦艇を沈めて、500人の犠牲者を出すようなシナリオにはかなり無理がある。  シナリオに戻ろう。3日目、海自艦艇撃沈を機に事態はエスカレートし、米海軍も中国艦艇2隻を撃沈する。

 4日目、中国は米国に対しては、本格戦争へのエスカレーションを避けるため、サイバー戦に限定し、ロサンゼルス、サンフランシスコなど大都市を停電に追い込む。証券取引所にもシステム妨害を実施して莫大な損害を与える。大被害を受けた米国は日本に対するコミットを下げていくという。

 このシナリオにも相当無理がある。

 米本土の国民に被害が及んだ時点で、第2の「真珠湾攻撃」となり、米国民の怒りは頂点に達するだろう。さらにサイバー攻撃なら軍事的反撃は制約されるという前提そのものに誤謬がある。

 サイバー攻撃については、米国は「サイバー空間国際戦略」( International Strategy for Cyberspace 2011)を公表し、方針を明確にしている。

「合衆国は、他の国々と共に、責任ある行動を促進し、ネットワークとシステムを破壊しようとする者に対し、悪意のある行為者を抑止・抑制すると同時に、国家の重大な財産を必要かつ適切な範囲で防衛する権利を留保する」とし、国家の固有の権利である自衛権はサイバー空間においても適用され、自衛のための軍事力を展開する権利を有すると明言している。

 米国防総省が公表した「サイバー空間作戦戦略」(Department of Defense Strategy for Operating in Cyberspace 2011)でも、サイバー空間における敵対行為に対する自衛権及び軍事力行使の可能性を明示している。

 米国民が激昂すれば、コミットを下げるどころか、本格的な対中戦争にエスカレートする確率が高いことは、中国が一番知っているはずだ。本格的な米中戦争で勝てる確信がないまま、米中戦争の誘因になる作戦を遂行するほど中国は愚かではあるまい。

 同盟国に対する米国のコミットメントにより、米国が多大な損害を受けるという結論が先にあるために、荒唐無稽なシナリオを重ねているような感じがする。これで最終日を迎えるが、無理の上に無理を重ねているため、軍事的に見ても非常に奇妙なところが出てくる。

航空機優勢獲得の戦いはどこへ

 5日目、尖閣周辺海域の海自艦艇は弾道ミサイルと巡航ミサイルの攻撃を受け、海自戦力の5分の1を喪失。中国はさらに日本への経済中枢へも攻撃を開始する。

 日本政府は米国政府に策源地攻撃を要求するが、米国はこれを拒否。その代わり、潜水艦と戦闘機を増派して海自の撤退を支援する。これでゲームは終わり、中国が尖閣諸島を確保するというシナリオだ。

 日本の軍事基地や政経中枢へのミサイル攻撃などというが、これでは明らかな日中全面戦争である。国連を含め国際社会の中国非難は高まり、中国のリスクは相当なものになる。

 もしこのリスクを冒すとしたら、先述のコアな国益、つまり(1)共産党一党独裁体制の存続、または(2)国内社会秩序の維持が本当に危うくなった時だけであろう。

 百歩譲って、こんなこともあり得ると仮定して軍事的に見てみよう。これは組織的、計画的な武力攻撃であり、当然防衛出動は下令されるだろう。であれば空自戦闘機も戦闘に参加しているはずだ。このシミュレーションでは航空優勢獲得の戦いが見えない。

 シナリオは海上戦闘が主とはいえ、航空優勢の帰趨に大きく勝敗が左右される。周辺海域の制空権を握らずして、1~2日で海自艦艇の20%を喪失させることは難しい。

日経記事

囲碁では、2人が白と黒の碁石を交互に盤上に置き、囲い込んだ「領土」の広さを競う。大国の行動も、これに似ている。経済力や軍事力を使い、自分の縄張りを少しずつ広げたがる本能があるからだ。

China aims to be South China Sea as a inland sea

 南シナ海でせめぎ合う米中も同じだ。中国は7つの人工島をつくり、空港やレーダーをしつらえた。

 米軍内では「一度に2隻の軍艦を人工島に送ったり、爆撃機を接近させたりして、圧力を強める案が出ている」(関係者)という。オバマ大統領が承認するかはともかく、緊張は高まりそうだ。

 この対立は一見すると、「航行の自由」をどこまで中国に尊重させるかという国際法問題のようにみえる。だが、本質は、アジア太平洋の覇権をめぐり、米中が熱い縄張り争いに入ったということだ。

 なぜなら南シナ海はただの海ではなく、世界の勢力図を左右する「へそ」だからである。地政学に精通した米戦略家の解説に耳を傾けてみよう。

 米国が南北アメリカ大陸を支配できたのは、19~20世紀初めにかけて欧州の勢力を退け、中心点にあるカリブ海を抑えたからだ。南シナ海もそんな要所にある。中国に支配されたら、アジア太平洋の覇権を奪われかねない――。

 2つの地図を見ていただきたい。いずれの海もちょうど、真ん中に位置している。つまり、南シナ海はアジア太平洋の覇権を決する「カリブ海」なのだ。当然、米中の首脳もそのことは分かっているはずだ。

 こうしたなか、気になる警告が米側から飛び出した。「南シナ海は2030年までに事実上、中国の『湖』になってしまう」。米戦略国際問題研究所(CSIS)は1月下旬、こんな報告書をまとめた。

 根拠のひとつは、中国が数隻の空母機動部隊をもち、南シナ海にいつでも展開できるようになること。米ランド研究所も昨年10月、アジアの米軍優位が崩れていることを示す、詳しい分析を発表した。

 ところが、米政府や米軍関係者にたずねても、返ってくるのは正反対に近い反応だ。「中国軍は増強されているが、米軍の優位は決して崩れない」「中国の成長は鈍っており、軍拡の勢いもいまがピークだ」

 いったい、どちらが本当なのか。米太平洋軍司令官を経て、米中央情報局(CIA)などインテリジェンス機関を統括する国家情報長官も務めたデニス・ブレア氏(元海軍大将)に、疑問をぶつけてみた。

 「そこまで悲観的な状況だとは、まったく思わない。台湾や南シナ海で中国軍が勝つには数週間、制空海権を保つ必要がある。それにより侵略後に拠点を築き、米軍の反撃もはね返さなければならない。中国軍は近年、そうした軍事作戦の経験がないが、米軍にはたくさんある」

 中国軍は新兵器をいっぱい買い込んでいるものの、長年の実戦で鍛えられた米軍の能力には到底、かなわないというわけだ。

 むろん、彼は現実を甘く見ているわけではない。印象に残ったのは、最後に語ったことばだ。自身が太平洋軍司令官だった約15年前なら、米軍はわずかな損害で中国軍に勝てた。だが、そんな時代はすぎたという。「(戦争になれば)こっちにも損害や死傷者が出る。しかし、最後には米国が勝つ」

 アジアで紛争が起きたとき、多くの米兵の命を危険にさらしてでも、介入するか。米大統領はそんな決断を、より切実に迫られる時代になった。この現実は米国だけでなく、アジアにも重くのしかかる。(編集委員 秋田浩之)

2/4、5日経ビジネスオンライン 鈴置高史『そうだ、日本と一緒に核武装しよう 嫌いだけど「風よけ」に使える日本』、『FIFA元副会長も唱えた「韓国の核武装」 否定する朴槿恵、ほくそ笑む中国』について

北も南も朝鮮半島人というのは似たような行動をします。北は中国を、南は米国を手玉に取って喜んでいる幼児性を感じます。平気で嘘をつき、歴史を改竄・捏造するのは大陸譲り、事大主義は長い歴史の産物でしょう。地政学上自国が手離されることはあるまいとの思いで我儘し放題です。でもいつ虎の尾を踏むか分かりません。特に北のミサイル発射を強行しようとする姿勢は米中合作で政権転覆を図ることに繋がりません。北の核開発を支援しているのは、北京軍に対抗している瀋陽軍と澁谷司先生の講演で触れられていました。(ただ長谷川慶太郎氏の14年の本では「金正恩が張成沢を銃殺したのは瀋陽軍区と北朝鮮の深い結びつきを北京に戻すためにやった」と述べていましたが、これはハズレでしょう)。やはり、中国軍部も1枚岩ではないという事です。澁谷先生は中国軍部の中で瀋陽軍は核を持っていないためと言っていました。まあ、東北3省は旧満州で日本の統治を受けた地域、もっと言えば漢族の土地ではなく、満州族の土地なので、いつ裏切られるか分からないので核を持たせていないのでしょう。今般の7軍区から5戦区に変えるのも瀋陽軍対策の狙いがあります。

韓国は用日とか言っていますが、今までも日本に対し北の脅威を言って利用してきました。その癖、裏では国民に反日を刷り込みしてきて、今や政府がコントロールできないレベルにまでなりました。自業自得と言うもの。通貨スワップは勿論、TPPも認めず、ニュークリアシエアリングも日米で話合うべきです。米国も朝鮮半島人はいつ裏切るか分からないから日本と同程度の民生用の核開発を認めて来なかったのでは。日本は「非韓三原則」で行くべき。民主主義、基本的人権、法治の概念のない国とは付き合わないことです。

キッシンジャーは反日ユダヤ人の典型です。先日はロシアに行ってプーチンと話をしてきたようですが。5月に安倍首相が訪ロする話も流れている所を見ると、シエールガス産出で世界一の石油産出国となった米国は、中東はロシアと欧州に任せ、中国と向かい合うのではと淡い期待を持っています。安倍首相はロシアのG8復帰を持ちかけるのではとも囁かれています。本記事のキッシンジャーの発言は45年前のもので数年前から「日本が核を持つのは見たくないが、(持っても)驚くに当たらない」と言う風に日高義樹氏のTV番組で発言していたと思います。米国保守派に蛇蝎のように嫌われているキッシンジャーですら日本の核について消極的賛成をしているのですから、後は日本国民の問題です。抑止力の問題を国民一人ひとりがもっと真剣に考えないと。それこそが国民主権でしょう。

記事

 韓国で「日本に核武装を唱えさせよう」との声が上がる。「日本の核」で脅せば中国も「北朝鮮の核」を本気で阻止するはず、との計算からだ。もちろん、日本を風よけにして自分が核武装しようとの思惑もある。

「核武装権」を日韓で主張

鈴置:親米保守の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が1月25日「緊急提案・韓日が助けあい『朝鮮半島の核ゲーム』のルールを変えよう」(韓国語)を発表しました。

 趙甲済氏は「世界が北の核武装を黙認するのなら、韓国も核武装するしかない」と呼び掛けてきました(「ついに『核武装』を訴えた韓国の最大手紙」参照)。

 この記事では北朝鮮の核武装はもう、国際社会頼みでは阻止できず、自主的な戦略を練らねばならない――と主張しました。戦略の1つとして訴えたのが「中国を圧迫するための韓日共助」です。趙甲済氏の記事の日本関連部分は以下です。

  • 北朝鮮の核の脅威に晒される韓国と日本が協力し「自衛的核武装」や「NPT(核拡散防止条約)脱退」といった果敢な対応策を打ち出すべきだ。(北の核の除去に乗り出さない)中国を変えるには、韓国が変わるしかない。
  • 韓日がNPTの改正を通じ、条件付きの自衛的核武装の権利を主張するほか、台湾とも連携して「非核3カ国共同体」を作れば、中国も大きな脅威を感じるだろう。

 日本や韓国など、NPTに加盟する非核兵器保有国は新たに核兵器を開発できません。そこで日韓が一緒に脱退して核保有に動くか、あるいは緊急時には核を持てるよう、両国でNPTを改正すべきだと訴えたのです。

台湾も加えて対中圧力をより強化

—なぜ今になって、日本との共闘体制が語られるのですか?

鈴置:中国が北の核の除去に動かないことがはっきりしたからです。そこで「韓国がいくら核武装論を唱えても中国から無視されるだけだ。日本にも核武装を唱えさせよう」との判断に至ったと思われます。

 韓国の一部の核武装論者は21世紀に入る頃から「米国の核の傘が信用できなくなった時には、同時に核武装に走ろうではないか」と日本の保守派に持ちかけていました。

 これに耳を貸す日本人はいなかったのですが「北の核武装が現実のものとなった今なら、日本人も応じるかもしれない」と考えもしたのでしょう。

—日本が「核武装論」に賛同すれば、効果が増すのでしょうか?

鈴置:「中国は仮想敵である日本の核武装を最も嫌がっている」と見られていますから、韓国だけで核武装を唱えるよりも効果が遥かに大きいと判断したと思います。

 そして対中圧力をさらに増すため、これまた異なる意味で中国の嫌がる「台湾の核武装」も加えたということでしょう。

米国説得にも日本が要る

 趙甲済氏の主宰するサイトで、匿名で外交を論じるヴァンダービルド氏も「日韓同時の核武装」を主張しました。「冷や水浴びせた中国、残るは自救策のみ」(1月28日、韓国語)です。

 興味深いのは、日本の核武装論は対米圧力に使えると論じたことです。「日韓協調」の目的も、実現が難しい「北の核廃棄」よりも「韓国の核武装」に置いています。つまりブラフの要素は一切なく、日韓で一緒に核武装しようとの明快な主張です。以下です。

  • 自衛的核開発のためには同盟国である米国の説得と、韓国同様に北朝鮮の核の被害者である日本との相互協力が重要だ。
  • 技術的にはまず日本を説得して同じ舟に乗り、それから米国を説得するのが容易だろう。
  • 日本は韓国単独の核開発に反対する可能性が高い。そこで「韓日共同開発」か「韓日がそれぞれに開発する」ことを日本に提案し、その支持を得れば両国はすぐさま同志となる。
  • 国際社会での影響力が相対的に大きい日本が、韓国と協力して米国と国連など国際社会を説得し、北の脅威に晒されている特殊性を認めてもらえば意外と可能ではないか(第3国の支持を得るために日本が支援などを提供する方法もあり得る)。

韓国人は信用されない

—なるほど、本気の「日韓同時の核武装論」ですね。

鈴置:韓国の指導層には「我々は米国に信用されていない」との思いが根強い。例えば前回の「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」で紹介した、以下のニクソン(Richard Nixon)大統領の発言は韓国ではとても有名です。

  • 朝鮮人は、北も南も感情的に衝動的な(emotionally impulsive)人たちです。私たちは、この衝動と闘争的態度が私たち(米中)両国を困らせるような事件を引き起こさないよう影響力を行使することが大切です。

 1972年2月に訪中した際に周恩来首相に語ったものです。『ニクソン訪中機密会談録』の100ページに出てきます。原文は「Nixon’s Trip to China」の「Document 2」の17ページですが、1994年に公開されてからというもの「韓国人が米国に信用されていない証拠」として韓国紙でしばしば引用されてきました。

日本の核は絶対許さない

—それにしてもなぜ、嫌いな日本と「核武装で共闘しよう」との意見が出るのでしょうか。

鈴置:韓国は1970年代に核武装計画を米国に潰されたからです。当時、それを率いたのは朴正煕(パク・チョンヒ)大統領。現在の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領のお父さんです。

 そのため、韓国人は日本人とは異なった形の核コンプレックスを持つようになりました。「核兵器を持とうとしても、どうせ米国に潰される」との思いです。

 だから核武装を目指すには宿敵たる日本と組んで――もっとはっきり言えば、日本を風よけにして――との発想が生まれるのです。

 もっとも、ニクソン訪中の地ならしをしたキッシンジャー(Henry Kissinger)大統領補佐官の周恩来首相に対する発言(1971年10月)を見れば、日本だって危険な存在と見なされていたことが分かります。

 「NEGOTIATING U.S.-CHINESE RAPPROCHEMENT」のDocument13から要約して引用します。

  • 日本人は文化的な均質性により、他者に対する配慮ができない。日本を強くすれば、われわれが望む方向に進むと考える人もいるが、とてもナイーヴな発想だ(23ページ)。
  • もし我々が日本を解き放ち、自らの足で立つようにすれば、日中間の緊張は高まるだろう。そうなれば中国も米国も共に被害を受けることになる(24ページ)。
  • 我々は日本の核武装に反対している。仮に、こうしたことに権限のない役人が何を言おうともだ。もっとも、これまで誰かがそんなことは言ったわけではないが(24―25ページ)。

日本の復讐を恐れる

—日本に核武装など絶対にさせない、との決意が伝わってきますね。

鈴置:これは45年も前の話ですし、キッシンジャー氏の対日警戒論には独特のものがあります。ただ、今でも米国人の「日本の核」に対する警戒心が強いのは変わりありません。

 核兵器を持たせたら米国に復讐してくるとの恐れもあるでしょうし、核で自信を付けた日本が中国と紛争を起こし米国が巻き込まれるかもしれない、との懸念もあるでしょう。

 だから、日本と一緒になって“核武装クラブ”に強引に入ろうとする韓国人の思惑が裏目に出る可能性もあります。そもそも日本が、韓国発の「日韓同時核武装論」に乗る可能性は極めて低いと思います

3回目の「核社説」

—「日韓が組んでの核武装論」に対する韓国人の評価は?

鈴置:それが予想外にいいのです。朝鮮日報が1月28日に社説「米中が北の核に異なる声、今や「核開発」の公論化を避けられない」(韓国語版)を載せました。

 1月6日の北の核実験以降、核武装を訴えた社説はこれで3回目です(「やはり、韓国は核武装を言い出した」参照)。

 3回目の「核社説」は1月27日の米中外相会談で北の核に関し、意味ある進展がなかったのに失望して書かれました。結論は以下です。

  • 北朝鮮の核兵器による最大の被害者は米国でも中国でも日本でもなく、大韓民国と大韓民国の国民だ。何の根拠もなく核主権を放棄し、核武装論を禁断の金庫に封印するわけにはいかない。

 朝鮮日報はこれまで以上に強い口調で核武装を呼びかけました。なお「日本との連携」には全く言及していません。というのに、結構多くの読者がこの社説の投稿欄に「日本と一緒に核武装しよう」と書き込んだのです。

 編集者に削除されたものを含め、書き込み総数は1週間後の2月4日明け方の時点で113本。うち8本が「日本と、あるいは日・台とともに核武装しよう」との意見。また3本は「韓国が核武装すれば日本や台湾も付いてくる」との、日・台との結果的な連携論でした。

静かに広がる核武装論

 趙甲済氏ら核武装論の影響が静かにですが、韓国社会に広がっていることがよく分かります。「趙甲済氏の記事を読め」との書き込みも、1本ですがありました。「核武装するかを国民投票にかけよう」といった趙甲済氏の持論と同じ主張も見られました。

 1月31日、趙甲済氏は「核の日韓連携論」の新たなバージョンを打ち出しました。「米国の戦術核の韓・日による共同使用」です。米国の核の引き金を韓国と日本も握ろう、との意見です。

—そんなことが可能なのですか?

鈴置:NATO(北大西洋条約機構)では実施しています。次回に説明します。

(次回に続く)=次回は2月5日に掲載予定

前回から読む)

 韓国で噴出する核武装論。それを黙って見つめる国がある。中国だ。

ベルギーほど重要でない韓国

前回は、核武装を唱える韓国保守の大物が「米国の核を日韓は共有すべきだ」と訴えた――という話で終わりました。

鈴置:親米保守の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が1月31日に「米国の核の傘は絵に描いた餅」(韓国語)で訴えました。

 「北の核廃棄」が難しいという現実の前で、いかにしたら韓国が核を持てるか考え抜いた末の意見でしょう。以下が前文です。

  • 米国の善意に(韓国人)5000万人の安全を託せない。欧州の5カ国のような「韓米日の核共有制度」を紹介する。

 本文では「核共有制度」(Nuclear Sharing)を欧州の例を引いて説明したうえ、韓国への導入も訴えました。ポイントを訳します。

  • NATO(北大西洋条約機構)に加盟するドイツ、イタリア、オランダ、トルコ、ベルギーの5カ国に、米国は200個前後の核爆弾を置いている。平時は米空軍が管理するが、戦時にはこれら5カ国と共同運営する。ドイツにある核兵器は独空軍の戦闘機やミサイルに搭載される。
  • 韓国は米国に以下のように提案せねばならない。「我々は米国の核の傘の約束に5000万人の安全を任せ、ひたすら待つわけにはいかない。韓国に米国の核兵器を再配置し、欧州5カ国とのような共同管理体制を作ろう。その核は韓米連合司令部のコントロール下に置き、韓国も核兵器を使用する過程に共同で参加できるようにしよう。韓国の安全はベルギーほど重要ではないというのか?」

緊急時には使える核

 なお、核抑止論が専門の矢野義昭・拓殖大学客員教授(元・陸将補)は「米国も今度は許す?韓国の核武装」で「核共有制度」について、旧・西ドイツを例に次のように説明しています。

  • 緊急時には米大統領の承認を得たのちに核兵器を譲り受けて使用する権利です。「核の引き金」は米大統領が握っているので真の「シェアリング」とは言えず、象徴的な権利に過ぎません。それでも西ドイツは、緊急時には核を使える可能性を確保したのです。

—趙甲済氏はこの記事では日本の「核共有」にどう触れたのですか?

鈴置:触れたのは先ほど引用した前文だけで、本文では触れていません。NPT(核拡散防止条約)脱退と同様、日本と共同歩調をとった方が実現性が高いとの判断から「韓米日の核共有」としたのでしょう。

 趙甲済氏は日本人の核に対する強烈なアレルギーをよく知っています。だから、日本に共闘を呼び掛けるにしても「日韓同時の核武装」では実現性が薄い。米国の手持ちの核に日韓が一緒に乗る「核共有」なら可能性がある――と考えたと思います。

「NPT脱退」掲げ大統領に?

—1月31日には、FIFA(国際サッカー連盟)副会長だった鄭夢準(チョン・モンジュン)氏もNPT脱退を検討すべきだと発言したようですが。

鈴置:日本ではワールドカップを韓国に誘致した人として有名ですが、国会に当選7回の保守の大物政治家です。投票日の前日に候補者一本化のため降りましたが、2002年の大統領選挙にも出馬しました。現代グループの創業者、鄭周永(チョン・ジュヨン)氏の6男でもあります。

 鄭夢準氏は2013年に北が3回目の核実験をした直後から、核武装を主張してきました(「今度こそ本気の韓国の『核武装論』」参照)。

 1月31日にブログに発表した「北の核の前で我々は何ができるか」では「北の核には核でしか対抗できない」と主張したうえ、事実上の核武装論であるNPT脱退論を改めて訴えたのです。

 米国の核の傘をどこまで信用できるか分からない、との思いからです。「北の核の前で……」(韓国語)はこちらのリンクで読めます。

 一部の韓国メディアは「NPT脱退論を掲げて2017年末の大統領選挙に出馬するつもりか」とも報じました。例えば朝鮮日報の「核開発を持ち出した鄭夢準」(2月1日、韓国語版)です。「核武装すべきかどうか」が、国民の論議の対象に浮上しつつある証拠です。

 北朝鮮が米国まで届くような長距離弾道ミサイルの実験でも実施すれば、世論に一気に火が付くかもしれません。長距離弾道ミサイルこそが米国の核の傘に穴を開ける、と韓国人は見なしているからです。

否定して見せた朴大統領

—現政権は核武装をどう考えているのでしょうか?

鈴置:朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は1月13日の会見で、記者の質問に対し次のように答えました。通信社「ニュース1」の「朴大統領の談話後の会見 1問1答―上」(1月13日、韓国語)から引用します。

  • 我々も戦術核を持つべきではないかとの声が出ています。しかし私は国際社会でこのように強調してきました。「核のない世界を朝鮮半島から始めなければならない」。
  • また、朝鮮半島に核があってはならないと考えています。戦術核を持たねばとの主張は理解しますが、それでは国際社会との約束を破ることになります。
  • 一方、韓米相互防衛条約で米国から核の傘を提供されています。2013年10月からは韓米オーダーメイド型の抑制戦略によりそれに共同対処しているため、核が必ず要るとは考えません。

政府の代わりにメディアが唱える

 政権としては仮に考えていたとしても、現段階で「核武装」を匂わすようなことは一切、発言できません。今それを下手に言えば、韓国も国際社会から制裁を受ける可能性が大だからです。米国からも何をされるか分かりません。

 現政権はこの問題を極めて慎重に扱うはずです。朴槿恵大統領の父親である朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺された直後の韓国では、犯人の背後に核武装を懸念した米国がいたとの噂が流れましたし。

 ただ、政権は核武装へと盛り上がる世論を米中への説得材料に活用していくと思われます。核武装を語る人の中にも「自分では言えない政府の代わりに、メディアなど在野の人間が核武装を唱える必要がある」とはっきり言う人もいます。

 もっとも、在野の核武装論が政権のコントロールを外れ、独り歩きする可能性もかなりあると思いますが。

織り込み済みの米国

—米国は韓国の核武装論をどう見ていますか?

鈴置:織り込み済みでしょう。1月19日に発表された米CSIS(戦略国際問題研究所)の「Asia Rebalance 2025」の156ページに以下のくだりがあります。

  • 核の影がこの地域に色濃く差すに連れ、日本と韓国は米国の核の傘の確かさへの信頼性を心配することになる。現時点でも、北朝鮮は核とミサイルの能力を開発、拡大し続けており、その確かさが極めて重要になっている。
  • もし、安保状況が悪化したり、核不拡散の体制が弱体化すれば、あるいは米国の供する安全保障への信頼性が危機に陥れば、日韓双方の国内で同盟国をより安心させるに足る、核兵器の能力向上を要求する政治的な圧力が高まるだろう。
  • 日韓ともに民生用の原発が(民生と兵器の)2つの目的に使えるものであることを十分に承知している。最近合意した米韓原子力協定では、韓国にウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理を許可することは何とか防いだ。しかし韓国は日本と同様のウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理という潜在的な核兵器開発能力を持ちたがっている。

「日本並み」を米国に要求

 最後の「日本並みの潜在的な核保有国」への希求。北朝鮮の4回目の核実験の後に韓国の専門家らは、これをはっきりと要求し始めています。この辺が米韓間で新たな駆け引きの舞台になるのかもしれません。

 例えば、統一研究院長を歴任したキム・テウ氏は朝鮮日報に寄せた「北の核の前で裸でいろということか」(2月1日、韓国語版)で「米国は核の傘を提供する代わりに、NPTが禁止してもいないウラン濃縮や再処理を禁じる“苛酷な”措置をとってきた。しかし、もう無理だ」と書きました。

 朝鮮日報の軍事専門記者、ユ・ヨンウォン論説委員も「核武装選択権を持とう」(1月11日、韓国語版)で「核武装はせずとも日本のように、決心さえすればいつでも核兵器を作ることができる潜在能力を持つという、核選択権(Nuclear Option)戦略も積極的に検討すべきだ」と書いています。

 やはり、米国から制限されているウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理の権利と能力を「日本並み」に引き上げよう、との主張です。

「中国の傘」は破れていない

—中国は韓国の核武装論をどう見ていますか?

鈴置:表立っての反応はありません。でも、内心「しめしめ」と考えていると思います。

—「しめしめ」ですか?

鈴置:よく考えて下さい。韓国が独自の核を持ちたがるのは、米国の核の傘が信じられないからです。ロサンゼルスを核で攻撃されるリスクを冒してまで、米国が韓国を北朝鮮から守ってくれるか――と韓国人が疑うからです。

 では、北朝鮮は中国を核攻撃するでしょうか。通常兵器による攻撃だって北はできないでしょう。食料や原油など国家が生きていくための物資の多くを中国に頼っているからです。要は韓国人は、中国の核の傘なら「破れていないか」と心配する必要はないのです。

「属国に戻れ」と命じる中国

—言われてみると、そうですね。「北の核」を防ぐには、韓国は米国ではなく、中国と同盟を結んだ方がいいわけだ。ただそれは、日本にも言えるのではありませんか?

鈴置:確かに、日本が中国と同盟を結びその核の傘に入ったら、北朝鮮の核攻撃からは逃れられるかもしれません。でも、それは中国に従属することです。「沖縄を寄こせ」くらいは言ってくるでしょう。日本人がそんな同盟を受け入れるとは思えません。

 半面、朝鮮半島の歴代王朝は千年以上にわたって中国に朝貢していました。韓国人だって、中国に属国扱いされることはうれしくはないでしょうが、慣れてはいるのです。

—でも今、韓国人は「大統領が天安門の軍事パレードを参観するなど忠義を尽くしたのに、ちっとも大事にしてくれない」と中国に不満を抱いています(掌返しで『朴槿恵の親中』を批判する韓国紙」参照)。

鈴置:中国からすれば、片腹痛い話です。たかが軍事パレード参観ぐらいで恩着せがましいと、せせら笑っていることでしょう。

 韓国は中国と同盟を結ばず、それどころか中国の仮想敵の米国と同盟関係にあるのです。「味方してほしかったら、我が国と同盟を結べ」と言いたいところでしょう、中国にすれば。

北も日本も叩いてもらえる

 まとめますと、中国は韓国の核武装論が収まるのをじっくりと待つ。その後、韓国人に「中国と米国のどちらの核の傘が有効か考えろ」とささやけばいいのです。

 中国は2013年以降、着実に伏線を敷いています。国際政治の専門家である閻学通・清華大学国際関係研究院院長は、韓国紙の記者に「中国と同盟を結べ」とはっきりと申し渡しているのです(『同盟を結べ』と韓国に踏み絵を迫る中国」参照)。

 2014年には、中国の政府関係者が韓国のカウンターパートに「朝貢外交に戻ったらどうか」とも言い放っています(「ついに『属国に戻れ』と韓国に命じた中国」参照)。

 今は「北の核」で韓国人は熱くなっていいます。「核武装論者の中には、腹立ち紛れで言い出した人もいる」と鄭夢準氏も先に挙げたブログで語っています。しかし、韓国人が冷静になった時、中国と同盟を結ぶ方が合理的だと思い至る可能性も高いのです。

 北朝鮮の核実験は短期的には韓国を米国側に押しやります。北の核の脅威を今の時点で防いでくれるのは米軍だからです。実際、米韓両国政府は終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の在韓米軍への配備を検討し始めたようです。

 でも、それでは北の脅威を完全に消し去れない。結局、米国を離れ中国を頼るのが一番、ということになってしまうのです。「おまけ」も付いてきます。中国の下で「いい子」になれば北朝鮮を後ろから羽交い締めにしてもらえますし、宿敵である日本を叩いてもらえます。

根腐れした米韓同盟

 韓国の親米保守は今、何が何でも核武装しようとしています。もちろん「北の核」という安全保障上の脅威から逃れるためです。

 同時に、もしここで「北の核」が現状追認の形で存在することになると、韓国人全体が心情的にも外交的にも中国側にずるずると引き寄せられてしまうと恐れているからでしょう。趙甲済氏は時々「韓国人には中国に対する属国のDNAがある」と自省します。

 そもそも米韓同盟は根が腐り始めていました。米国の仮想敵が中国である半面、韓国のそれは北朝鮮であって絶対に中国ではない。仮想敵の異なる同盟は容易に揺らぎます。

 米韓は同盟をだましだまし続けてきたわけですが今、「北の核」という暴風にさらされました。よほど上手に管理しないと、米韓同盟はどさっと倒れてしまうでしょう

2/5ZAKZAK 田村秀男『国益度外視の「親中」ぶり 日銀はチャイナバブルを膨張させたいのか?』、2/6ZAKZAK 高橋洋一『中国経済もはや重篤なのか 食い止められない資本流失』について

財務省・日銀はハニーにかかっているのかキックバックを貰っているのか?外務省と並ぶ売国役人です。どうして敵国を助けなければいけないのか分かりません。英国はAIIBに参加しているので中国を助けたいという気持ちは分かりますが、入っていない日本が助ける必要はないでしょう。『百年のマラソン』を書いたピルズベリーですら日本の中国へのODAは余分だったと言っています。「南京」や「慰安婦」で日本人の名誉を貶めている連中をどうして助けようとするのか分からない。金かハニーぐらいしか思い浮かばない。

1/31小生ブログで「黒田日銀総裁は中国は資本規制をすると読んでいるようですが、人民元のSDR採用に反するのでは。中国経済の崩壊は中国の軍事膨張をストップし、かつ実体経済の良い日本に資金が戻ってくることを意味します。中国に肩入れしてきた日本企業は咎めを受けますが仕方がありません。戦争になるよりはマシでしょう。」と述べましたが、田村氏と考えは同じです。

2/6日経1面に日本企業=実体経済の良さを裏付ける記事が載りました。

上場企業、増益を確保 今期、内需が下支え 米欧勢と比べ底堅く

上場企業の2016年3月期業績は、経常利益が小幅ながら増益を確保できそうだ。新興国景気の減速と資源安が逆風になり素材や機械などの企業は苦戦しているが、好調な内需と自動車をはじめとした米国向けの輸出を支えに2期連続で最高益になる公算が大きい。米国やドイツの主要企業は減益になっており、日本企業は相対的に底堅さを保っている。

comparison with Japan,US,Germany and China about profit

 15年4~12月期決算は5日までに社数で全体の64%、株式の時価総額ベースで78%の企業が発表を終えた。これから発表する企業を含めた5日時点の予想では、今期の経常利益は前期比3%弱の増益になる。ただ、10~12月の3カ月でみると経常利益は前年同期比で5%減となり、伸び率が鈍化している。

 主に国内で稼ぐ内需企業がけん引している。NTTドコモはスマートフォンの通信サービス収入が増加した。東日本旅客鉄道(JR東日本)は訪日客需要を取り込み、通期の純利益が前期比4割増になる見通しだ。森本雄司常務取締役は「新幹線を使った長距離輸送が好調」と話す。

 米国は原油安を追い風に新車市場が拡大しており、日本企業も恩恵を受けている。富士重工業は北米を中心に多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調だ。「米国は勢いが強い状態が続く。先行きは悲観的ではない」と高橋充最高財務責任者は自信をのぞかせる。

 一方で新興国経済の不振は業績に影を落とす。神戸製鋼所は今期、3年ぶりの最終赤字に転落する見通しだ。アジアで鋼材価格が下落し、新興国で油圧ショベルの販売が減少する。梅原尚人副社長は「中国は16年も17年も建機需要が回復しそうにないので、工場の人員を減らす」と話す。日立製作所も新興国でのプラント設備や建機が不振で今期の業績見通しを下方修正した。

 資源安も逆風だ。総合商社は原油や銅などの資源開発で損失が相次いで発生している。出光興産は原油価格の大幅な下落で在庫評価損が膨らみ、最終損益が2期連続の赤字になる見込みだ。

 海外の主要企業は既に減益に転じている。QUICK・ファクトセットと米トムソン・ロイターの調べでは、15年12月期の主要企業の純利益は米国が前の期比1%減、ドイツが7%減になった。中国は14年に9%増益だったが、15年は2%減益へと失速した。

 米キャタピラーは資源安と中国景気の減速で建機販売が落ち込み、純利益が4割減った。オーバーヘルマン最高経営責任者(CEO)は「資源価格の急回復は望めない。16年も困難続きになる」と警戒する。

 中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄も純利益(速報値)が前の期比で8割減った。「中国国内の鋼材価格の下落や為替差損で大幅減益になった」(同社)という。」とありました。

中国、ロシア、サウデイ、資源輸出国の経済がガタガタになり、日本も影響を一時的には受けると思いますが、勤勉な国民である以上跳ね返す力があると思います。これこそ労働(知的活動を含む)価値を重視することと考えます。

田村記事

黒田東彦(はるひこ)日銀総裁によるマイナス金利政策導入は英断だが、気になることがある。黒田総裁は先の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)最終日の23日、資本逃避が止まらない中国について、「私見」と断りつつ、外貨準備取り崩しよりも資本規制強化のほうがよいと示唆した。  英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は1月26日付社説で、黒田案を引用し「中国には資本規制が唯一の選択肢」だと論じた。国際通貨基金(IMF)も規制容認に傾いている。

Soros declared the collapse of China economy

Kroda's picture 黒田発言より2日前、ダボスでは為替投機で知られるジョージ・ソロス氏が「中国のハードランディングは不可避だ」と言い、中国の3兆ドル(約360兆円)規模の外貨準備などを踏まえ、ハードランディングを「乗り切ることは可能」と付け加えた。これに対し中国国営の新華社通信は、「人民元の空売りを仕掛ける極端な投機筋は多大な損失に見舞われるだろう」と応酬した。

 黒田総裁がソロス氏に脅かされる中国への支援を意識したかどうかは不明だが、北京の資本規制強化を勧めるのは、共産党指令による市場統制の肯定である。  IMFは中国金融市場の自由化を条件に、昨年11月の人民元のIMF特別引き出し権(SDR)構成通貨への組み込みを承認した。資本規制強化はその約束に逆行するので、北京のほうからはそうしたくても、大っぴらにはできないし、SDR通貨元を擁護したIMFもFTも自由化しなくてもよい、とは言い出しにくい事情がある。黒田発言は図らずもだろうが、北京と親中の国際金融勢力にとって格好の助け舟となった。

考えてもみよ。資本規制強化で中国の市場危機が収まるとでも言うのだろうか。そもそも、危機は中国の過剰投資、過剰設備と日本のバブル期をはるかに上回る企業債務とその膨張から来ている。資本逃避は人民元資産に見切りを付けた中国国内の企業や投資家、預金者が海外に持ち出すことから起きている。資本規制の強化は当局の強権によって封じ込める。外貨準備に手を付けずに、人民元をドルにペッグさせる管理変動相場制の堅持を意味する。

 管理変動相場制こそはチャイナバブルの生成装置である。北京は資本流出の統制によってバブル・マシンを温存し、過剰生産能力の調整を最小限にとどめ、安値輸出に拍車をかけるだろう。自由化の義務から逃れた人民元は今秋にはSDR通貨となって、習近平政権が対外膨張の武器として使用するだろう。資本統制強化こそは、日本にとって中国脅威の増大を許す最悪の選択である。

 それにしても、日銀の「親中」ぶりは際立っている。日銀はかのアジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の参加に前向きだし、外貨資産の急減に悩む中国人民銀行との間では、通貨スワップ協定再開協議に応じている。政府から「独立」していようが、日銀が国益とかけ離れてよいはずはない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

高橋記事

日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が個人的見解としたうえで、中国の人民元について「国内金融政策に関して一貫性があり適切な方法として、資本規制が為替相場の管理に役立つ可能性がある」と述べたと報じられた。  物やサービスの移転を伴わない対外的な金融取引のことを資本取引という。日本の外為法では、居住者と非居住者との間の預金契約、信託契約、金銭の貸借契約、債務の保証契約、対外支払手段・債権の売買契約、金融指標等先物契約に基づく債権の発生等に係る取引、および証券の取得または譲渡-などが定められている。  このほかにも、居住者による外国にある不動産もしくはこれに関する賃借権、地上権、抵当権等の権利の取得、または非居住者による本邦にある不動産もしくはこれに関する権利の取得も、資本取引とされている。  こうした取引は、金融機関を通じて行われるので、資本取引を規制しようとすれば、金融機関を規制することとなる。規制の方法としては、全面禁止、取引許可、取引届出、取引報告などがあり、前者から後者にいくにつれて規制が弱くなる。  黒田総裁が指摘した、為替管理と資本取引の関係を理解するには、「国際金融のトリレンマ(三すくみ)」を知る必要がある。それは、「独立した金融政策」「固定為替相場制」「自由な資本移動」のうち、2つまでしか同時に達成することはできないというものだ。

この法則に従うと、資本取引規制によって自由な資本移動をあきらめれば、独立した金融政策と固定為替相場制を達成できる。つまり、国内物価の安定のために金融政策を使うことが可能となり、為替相場も安定させられるというわけだ。

 中国の資本規制は原則として許可制で、先進国が原則として報告だけなのに比べて格段に規制が強い。それでも香港などを経由した資本流出の動きを食い止められないようだ。

 もっとも、中国が本気になれば規制強化は容易だろう。なにしろ、中国では、問題を起こしたとして摘発された場合、政治的失脚までありえるからだ。

 筆者はかつて中国でのコーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する国際会議に出席した際、強烈な思い出があった。国有企業ばかりの国で、コーポレート・ガバナンスなんて所詮無理と思っていたところ、中国政府関係者が「中国では粉飾は死刑にもなります」と説明したのだ。さすがに、この発言には度肝を抜かれた。その延長線で、資本流出を勝手に行えば、重罰というのもあり得るだろう。

 先進国では、貿易自由化の後に資本を自由化するというのが一般的な流れだ。しかし、中国の場合、貿易の自由化を進めたが、ここに来て資本規制が必要となったことで、貿易も規制せざるを得なくなるかもしれない。

 すでに水面下では強烈な資本取引規制が行われているともいわれている。それでも資本流出が続いているのであれば、中国経済はかなり重篤だろう。 

2/3日経ビジネスオンライン 堀田佳男『トランプの戦術ミス! 緒戦アイオワ州を軽視』について

トランプは、2/4日経電子版『トランプ氏、投票やり直しを要請 アイオワ州党員集会で

【ワシントン=川合智之】米大統領選に向けた1日の共和党のアイオワ州党員集会で2位だった不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は3日、首位のテッド・クルーズ上院議員(45)陣営に不正行為があったとして投票のやり直しを求めた。トランプ氏は「新たに選挙するか、クルーズ氏の結果を無効にすべきだ」とツイッターに投稿した。

 クルーズ氏の選挙スタッフは1日、クルーズ氏と支持層の重なる元神経外科医ベン・カーソン氏(64)が撤退すると示唆し、支持者にクルーズ氏にくら替えするよう暗に呼びかけたという。クルーズ氏は誤りを認め、カーソン氏に謝罪した。カーソン陣営は謝罪を受け入れたが「汚い手口だ」と批判した。』と党員集会無効を主張しています。話題作りとはいえ敗北を素直に認めないのは如何なものか。デイスインフォメーションでどれだけカーソンからクルーズに移ったのか分からず、普通投票人は本当に撤退したかどうか確認して投票するでしょう。トランプの焦りの表れです。不正は糾弾しても良いですが、結果は受け入れないと。選挙不正が行われたと噂されるケネデイVSニクソン、ブッシュ(息子)VSゴアも敗者が素直に認めたではありませんか。潔くありません。

トランプは破産の危機にあり、「トランプ氏は今まで事業で5回倒産し、6度目の倒産が迫っていたが、大統領選という妙案を思い付き、実行してみたら大当たりし彼のジャンクボンド(信用度が低い社債)は飛ぶように売れ倒産を免れた。だからテッド・クルーズ氏が勝ったことでトランプ氏とテッド・クルーズ氏はそれなりにほっとしただろう。もともとトランプ氏はアメリカの大統領などと言う器でないことはご本人が一番よく知っている。あり得ないことだが、仮にトランプ氏が大統領になって一番困るのはご本人。」という話もあります。

トランプ支持者だけでなく、「トランプを絶対に大統領にしたくない」人を投票所に向かわせたトランプのエネルギーは凄いものがあります。このように共和党支持者を投票所に向かわせ、最終的に共和党候補の一本化が図られ、本選で民主党に勝利するのを望んでいます。

記事

昨年7月から支持率トップを維持してきた米共和党のドナルド・トランプ候補(以下トランプ)がアイオワ州党員集会で“負けた”。

1月31日にアイオワ州内で開かれた集会で話をするトランプ

Trump in Iowa

 予備選が始まる直前まで不敵な自信をみなぎらせていたトランプは、いったいどうしたのか。勢いに陰りが見え始めたのか。有権者がようやくトランプの資質に疑問を抱いたということか。

 民主党サイドでも、昨年末までヒラリー・クリントン候補(以下ヒラリー)が圧勝すると思われていたが、今は、1年前までほとんど無名だったバーニー・サンダース候補(以下サンダース)に互角の戦いを強いられている。ヒラリーはいったいどうしたのか。

トランプはなぜ高い支持率を維持できるのか

 まずトランプである。筆者は、米アイオワ州に向けて取材に発つ前から抱き続けていた問いがあった。

「半年以上も悪態をつき続けるトランプは、なぜ高い支持率を維持できるのか」

「有権者はトランプを真剣に支持しているのか」

 インターネットを使えば数え切れないほどの関連する新聞・雑誌記事が読める。ユーチューブなどでは動画も眺められる。米国の選挙関連情報は捨てるほど入手できるが、筆者の疑問に明解に答えてくれる資料はなかった。現地で取材するしかない。1月下旬に同州に入り、都市と地方を回って多くの有権者と話をした。専門家とも意見を交換した。

 日本人からすれば、トランプがメキシコからの不法移民を「レイピスト(強姦魔)、犯罪者」と呼んだり、「イスラム教徒の米国入国禁止」を口にしたりすると、ほとんど「振り切れてしまった危険人物」といった印象を受ける。多くの方は大統領には相応しくない人物と思うだろう。

 だが、アイオワ州で負けた後も、全米レベルの支持率を見るとほとんどの世論調査でトップを維持している。

トランプ効果で投票者が5割増し

 アイオワ州でも党員集会が行われる前日まで、トランプはトップを走っていた。コネチカット州にあるクイニピアック大学が実施した世論調査ではトランプが31%で首位。2位のテッド・クルーズ候補(以下クルーズ)は24%だった。

 そして2月1日の投票日、「トランプ効果(筆者はこう呼ぶ)」が起きた。

 効果は2点ある。1つは「トランプだけは共和党の代表にしてはいけない」と思った有権者を投票所に向かわせたことだ。

caucus of Republican

2月1日午後7時過ぎ、共和党党員集会の様子

 州都デモイン郊外の投票所で、人材派遣会社に勤務するマイケル・クラウダーさんが早口で語った。「実際の投票日が来るまで、誰に1票を入れるか決めかねていました。トランプ以外であれば誰でもいいと思っていたのです。投票日になって、絶対にトランプを大統領にしてはいけないと思ってやってきました」

 クラウダーさんはクルーズに投票した。トランプ反対票だ。

 もう1つのトランプ効果がある。こちらはトランプを支持する人々を投票所に向かわせた。建設会社を経営するケドロン・アッシュブレナーさんはこう述べる。「私が党員集会に来たのは1988年以来、初めてです。なぜ来たのか? トランプに投票するためですよ。彼は私の心をかき立てるだけの価値がある候補です。口だけの政治家とは異なるビジネスマンの行動力に期待します」。

 相反する2つの作用をなす「トランプ効果」によって、アイオワ州共和党の投票者数は前回比50%以上も上昇した。2012年は12万1000人、今回は18万人超である。

 ただし、トランプは負けこそしたが、得票率ではクルーズの27.7%に対して24.3%と、大差で敗北を喫したわけではない。トランプ効果に戻れば、「大統領にしたくない」人に及ぼした効果の方がわずかに大きかったということだ。

ドブ板運動が勝敗を分けた

 トランプには別の敗因もある。米国は広大な国だが、アイオワ州やニューハンプシャー州、フロリダ州といった激戦州では今でもドブ板選挙が行われている。過去25年にわたって米大統領選を追ってきた筆者の経験から言えることだ。

 日本の国政選挙のように街宣車が町中を走るわけではないし、顔写真がついた選挙ポスターを町中に貼るわけでもない。しかし米国では戸別訪問が許可されており、ボランティアの運動員が地域の家屋をすべて訪ねるくらいは普通である。それだけではない。フォンバンキング(電話勧誘)といった古典的な手法もいまだに有効だ。

 トランプはそんなアイオワ州での選挙活動に出遅れた。昨夏まで、全米で最初に党員集会が開かれるアイオワ州を飛ばして、次の戦場であるニューハンプシャー州に力を注いでさえいた。トランプ陣営は予備選最初の州であるアイオワ州が持つ重要性を見直し遊説を始めたが、トランプ選挙対策本部の関係者は「同州で遊説に費やした期間は計36日でしかなかった」と明かす。

 数多くのメディアに登場して政策を述べたり、候補の印象を高めたりすることは大事だが、それ以上に、地を這うような運動ができたかどうかで得票に差がでる。

 加えて、トランプは同州でテレビ・ラジオ広告を今年になるまでまったくしなかった。過去30年を振り返ると、テレビ広告をまったく打たないで支持率トップを維持した候補はいない。

 億万長者だがカネをあまりかけず、テレビ広告も流さない。選挙対策本部の組織力は弱い。ボランティアによる投票の勧誘もクルーズの選対と比較すると弱いと言われた。

 一方のクルーズはドブ板的な運動を着実に行った。アイオワ州にある99の郡すべてを訪れている。トランプが収容人数の多い大会場を借りるのに対し、クルーズは小さな町のカフェで有権者と話をしたりした。文字通り草の根のキャンペーンが効を奏した。

 加えてクルーズは、オンラインを利用した「ミクロ・ターゲット」と言われる手法を使って、有権者の心に巧みに影響をおよぼしたとされる。英ガーディアン紙によると、クルーズの選対はケンブリッジ・アナリティカという企業に300万ドルを支払い、有権者の決断を左右する試みをした。フェイスブックの利用者が書き込む内容を巧みにデータベース化し、条件に合った特定の利用者にクルーズ支持を促す政治広告を流したのだ。

ヒラリーは新鮮さに乏しい

 最後になったが、民主党のサンダースは社会格差の是正を訴える。しかも「新しい中流を作りたい」との考えで、「信じられる未来」を実現したいと言う。

 ヒラリーを体制派と捉えると、サンダースは間違いなく反体制派の候補である。ルイジアナ州立大学のロバート・バー教授は「サンダースとトランプはワシントンの体制派とは違う場所から生まれた。そこに有権者は共感を覚える。4年前には見られなかった現象だ」と指摘する。

 ヒラリーはすでに体制派になってしまっている。新鮮さに乏しく、新しいメッセージや変革を担う候補とは思えない。上院議員や国務長官として確実に職務をこなしてきた経験はあるが、大統領になって米国を新しい場所に導けるかどうかは疑問だ。クリントン家に対する辟易感が一部の国民に生まれているのも確かだ。

 いずれにしても、来年1月に大統領になるのは民主党の2人と、トランプを含めた共和党の3人、計5人にほぼ絞られた。

 5人による本当の戦いはこれからだ。

2/3青山繁晴のインサイトコラムから『消費税増税凍結、財務省の倒閣運動、衆議院選』について

2/1小生ブログでのコメント『日銀のマイナス金利導入は株価底上げ効果があります。これは衆参同日選か時期をずらした衆院選が今年中にあるという事です。本記事(日経)に「日銀がマイナス金利の導入に踏み切ったきっかけは中国を起点とする新興国経済の減速懸念だ。」とあり、消費税増税も「中国発のショックを予防」するため再延期して自民党は選挙に臨むのではという気がしています。』と書きました。青山氏も同じ見立てをしています。

2/3青山繁晴氏のコメント(「ぼやきくっくり」のラジオ「インサイトコラム」からの書き起こし)

『青山繁晴

「で、あの、僕なりに、今現在、世の中騒がしい中ですけども、一番根本的な、この増税、えー、総理、あるいは、今の官邸ですね、どう考えてるかってことを、これもあえて申しますが、ま、総理は増税を、凍結しようと、狙ってます」

櫻井浩二

「え、現時点ではそうなんですか。凍結しようとしてるんですか」

青山繁晴

「そうです。これあの、僕の責任で、あくまで僕の責任で申します。あの、RKBの責任でもなくて、あくまで僕の、個人的見方ですけれども、しかし、全て裏を取り、根拠を持ってお話ししてます」

一同

「ほぅ~」

青山繁晴

「で、えー、ですからその安倍総理が今、国会答弁で、おっしゃったりしてることは、今までの公約通りにおっしゃってるだけであって、政策変更っていうのは当然、特に経済は情勢の変化に応じて、むしろやるべきですし」

櫻井浩二

「うーん」

青山繁晴

「それから、公約、破る、あるいは変えるんであれば、衆議院の解散をして、国民に信を問うっていうことも、場合によっては必要ですし」

櫻井浩二

「そうでしょうね」

青山繁晴

「はい。したがって総理は、その国会での発言を含めて、今、何も、表面上はスタンスを変えてないだけであって」

櫻井浩二

「ははぁ」

田中みずき

「うーん」

青山繁晴

「で、実はですね、そのアベノミクス、全体の動きを安倍さんは今、総点検に入ってまして、で、その中で起きた、実は根っこでつながってる話が、日銀の、黒田総裁が突然、マイナス金利っていう、今までの事なかれ主義のかつての日銀からしたら、絶対あり得ない」

櫻井浩二

「うーん」

青山繁晴

「ことをやってのけたっていうのは、実は安倍さんも公約破りの、消費増税凍結を考えてるから、なんですね」

櫻井浩二

「そことつながってるんですか」

青山繁晴

「つながってるんです」

櫻井浩二

「はぁ、はぁ」

青山繁晴

「で、黒田さんっていう人自身が、安倍さんが総理に、再登板しなかったら、これも絶対、日銀総裁にならなかった人ですからね」

櫻井浩二

「はい、はい」

青山繁晴

「アジア開発銀行、ADBの総裁っていうまあ大変えらい人ではありましたけれども、でもそれは、要するに日本から外へ出されてしまってるっていうことであって、本流には、乗れない、もう外された存在でもあったんですね」

櫻井浩二

「ほぉ~」

青山繁晴

「で、それを安倍さんが、いわば、事実上強権を発動して、財務省の反対を押し切って、えー、日銀総裁に据えまして」

櫻井浩二

「うーん」

青山繁晴

「で、こないだのマイナス金利っていうのは、要するに銀行からしたら日銀に、銀行と日銀の間でですね、えー、普通の銀行が日銀にお金を預けてると、逆に、今まで手数料もらえてたのが逆に、手数…、あ、ごめんなさい、今までは、金利をもらえてたのが、今までと逆に、手数料を払わなきゃいけないと」

櫻井浩二

「そういうことですね」

田中みずき

「うーん」

青山繁晴

「まああの、常識では考えられないことやりましたから、つまりこれ、一言で言うと、これからは何でもありだってことなんですよね」

櫻井浩二

「はぁはぁはぁはぁ、はい」

青山繁晴

「政府も日銀も、一体、えー、独立性、日銀の独立性を保ちながらも、何でもありですよって宣言なんですね」

一同

「うーん」

青山繁晴

「で、その中に実は、公約破りも入っていて、消費増税の凍結をしたいっていうことなんですね」

一同

「ほぅ~」

青山繁晴

「で、これはもちろん、内閣総理大臣が、あそこまで、景気の動向に関係なく、今度は、10%に、予定通りしますと、言ったんですから」

櫻井浩二

「ええ」

青山繁晴

「たとえ衆議院解散をして、その結果、総選挙で国民の信を、仮に、得られたとしても、これは本来、禁じ手ですよね」

櫻井浩二

「うーん、そりゃそうですね」

青山繁晴

「はい。で、そこに安倍さんが、ま、これも、もう一度言います、僕の見方では、やはり凍結しようと、固めていってるのは、もう、実は安倍さん、まあ予防線というか、ある程度言ってまして、海外要因によっては考えるってこと、何度も、あの、おっしゃってますよね」

櫻井浩二

「リーマン・ショック並みのね、何か経済的要因があるとかそういうことは言ってますよね。はい」

青山繁晴

「そうなんです。いつもいつも、リーマンっていう話をされるんですけれども、しかし今、世界で起きてることは、中国経済の崩壊現象。で、それだけではなくて、ひょっとしたら今年は、中国、ロシア、サウジアラビア、こういう国々が、ま、国家破産に近い状態になるんじゃないかっていうことが、あくまで最悪のケースですけれども、考えられてるんですね」

櫻井浩二

「ほぅ~」

青山繁晴

「で、これは実はリーマン・ショックよりも、非常に桁外れに大きな出来事になります、もしそういう最悪のケースになっていけばですね」

櫻井浩二

「そうなんですか。うーん」

青山繁晴

「で、リーマン・ショックっていうのはあくまで、このリーマンって名前で分かるように、基本的にはリーマン・ブラザーズっていうひとつの大きな、金融会社が破綻して、そこからいわゆる金融工学ってやつで、バーッと津波のように、世界に影響が広がったということなんですけれども、あくまで金融といえば金融なんですよ」

櫻井浩二

「はい」

青山繁晴

「ところが、中国では今、工場の閉鎖が相次いでいまして、えー、日本ではなかなか報道されませんけれども、いわゆる実体経済が、ダメになりつつある。で、ロシアも、資源を売って生きのびてきたのが、その資源がもうとめどなく安くなっていく。それはサウジアラビアも同じことですね」

櫻井浩二

「同じですね。うん」

青山繁晴

「で、こういう実体経済、しかも世界のあちこちで、それも巨大な経済が傾くっていうのはですね、安倍さんの言ってる海外要因には十分、当てはまるわけですよね」

櫻井浩二

「はぁはぁはぁ…」

青山繁晴

「で、しかし一方で、財務省は、これに、ま、全面的に抵抗してて、えー、水面下での、このせめぎ合いっていうのは、あの、安倍さんの淡々とした国会答弁から全く想像できない激しさになってます」

櫻井浩二

「はぁ~、そうですか」

青山繁晴

「で、これも、今朝は踏み込んで申しますが、その財務省の田中さんっていう事務次官、現役のトップだけではなくて、勝栄二郎さんっていう、元の事務次官ですね、えー、この方が、まあ非常に大きな影響力を、持ってるんですけれども」

櫻井浩二

「はい」

青山繁晴

「この勝栄二郎さんの、意思を受けて、えー、財務省全体として、非常に安倍政権に否定的になってるんですね」

一同

「うーん」

青山繁晴

「で、これも公平に言わなきゃいけません、言わなきゃいけませんが、たとえば官邸の中枢であったり、あるいは、自由民主党の中枢部分、えー、それから公明党までを含めた、少なくとも与党側の見方、で、本当は、野党の民主党の認識もですね、えー、財務省は、この勝さんをはじめ、OBも、連携して、一種の倒閣運動に入ってると」

田中みずき

「ふーーーん」

櫻井浩二

「ははぁ、そうですか」

青山繁晴

「ええ。これはもちろん財務省は政府の一角ですから、軽々に申してはいけませんけれども。ただ今まで、えー、内閣を倒してきたもの、一番は世論ですけれども、実は影の存在として、アメリカや、財務省があったっていうのは、ま、公然たる事実なんですよね」

櫻井浩二

「ふんふんふん、はい」

青山繁晴

「で、この倒閣運動の中で、たとえば甘利さんの辞任が起きたり、それから安倍さんが吐血したってこれは嘘なんですけれども、そういう報道が流れたり」

櫻井浩二

「はい、はい」

青山繁晴

「えー、このことが財務省の責任、あるいは勝さんの責任ってことはまさか、申しませんけれども、しかし、大きな広い意味で、その、一方で倒閣運動が起きていて、その倒閣っていうのは逆に、えー、消費税を予定通り、増税するという内閣に差し替えたいと、いう動きが、その、財務省を中心に、政府の中に起きてるっていうことなんですね」

櫻井浩二

「うんうん」

青山繁晴

「で、これはやはり世界で、何が起きようとも、どんなに騒がしく世の中がなろうとも、私たちの生活と経済を直撃しますから。さっき申しました通り、僕は反対ですけれども、賛成の方も含めてですね、その、私たちの議論をまず、しっかりやると。安倍さんにお任せしない、財務省にお任せしないと、いうことが、えー、大事だということを、今日は最後に申しておきたいと思います」

櫻井浩二

「はい。分かりました。青山さん、ありがとうございました」』とありました。

本年は間違いなく参院選だけでなく、衆院選もあると思います。次は選挙.comの予想。参院選ですらも自民党が圧勝するなら衆院解散して、内閣の基盤を益々強固なものにしようと考えるはず。また2/3首相は稲田議員の質問に答える形で憲法9条改正も明言しました。憲法改正は衆参の2/3を確保しなければならず、衆院解散もして機動力を発揮させれば参院選も選挙.comの予想以上行くと思います。参院の現有議席は自民115、公明20、改選議席は自民50、公明9です。選挙.comの予想を加えると自民(115-50+64=)129、公明(20-9+14=)25で合計154となり、参院の2/3は242×2÷3=162議席。残り8議席は「大阪維新」や「こころ」「新党改革」で確保できるのでは。民主は同じように(59-42+22=)39とボロ負け、一緒になって出直しを図ろうとしている「維新」は(5-4+0=)1と惨憺たるもの。やはり、左翼・リベラルが日本をダメにしてきたことを国民レベルで理解・浸透してきたという事でしょう。リストラをし出した朝日新聞の凋落もこの流れの中にあります。

2/2『日本一の選挙データベースが導き出した2016年参議院選挙 獲得議席予想 | 選挙ドットコム編集部』について

 選挙ドットコム編集部では、2016年の参議院選挙に向けて、選挙ドットコムが保有する日本最大の選挙データベースから、過去の参議院選挙、衆議院選挙、そしてここ3年の地方選挙の結果等を分析し、世論調査の結果を加味した独自の議席予想を行いました。

Expectation of Upper House's election in 2016    

【選挙区分析】

・1人区(32選挙区)  参議院選挙の勝敗を決定づける1人区では、岩手・沖縄を除く30の選挙区で自民党候補が優勢。合区となった島根・鳥取、高知・徳島も、自民分裂がなければ安定勝利か。  ・2人区 4選挙区  2人区では自民・民主で議席を分け合う形が予想されるが、注目は前回2013年の参院選で、自民・共産が議席を獲得した京都選挙区。2月に行われる京都市長選挙の結果も影響か。  ・3人区 5選挙区  北海道、千葉では自民が2議席を獲得する見込み。埼玉、福岡では自民・民主・公明で議席を分け合う。兵庫では自民・公明が2議席をおさえ、最後の1議席を民主とおおさか維新が争う展開と予想。  ・4人区 3選挙区 6人区 1選挙区  神奈川は自民、民主、公明で3議席を確保し、最後の1議席は自民推薦の無所属か。大阪では、自民・公明・おおさか維新が3議席を確保し、最後の1議席を民主・共産・おおさか維新で争う展開。おおさか維新が2議席をとれるかどうかに注目。今回から定数4となった愛知は、3人区であった2010年に民主が2議席を獲得している。まだ候補が出揃っていないが、自民・民主の2人目やおおさか維新の候補にも議席獲得の可能性があり混戦模様。  定数が6となった東京選挙区も、同じく候補者が出揃っていないが、自民2議席・民主・公明・共産が1議席を獲得する見込み。残る1議席を、おおさか維新か無所属の候補が争う展開か。 

【比例区分析】

比例区でも自民党の一強は揺るがない。2010年の参議院選挙は、民主党政権の時代であり、自民党は野党であった。今回は全国的に票を持つ組織の自民党回帰が見られ、自民党の比例候補は充実している。さらに政権の高い支持率を拝啓に、無党派層を取り込める著名人候補を立てることで、議席を伸ばすと予想。  公明党は毎回の選挙で確実に議席を獲得しており、今回も前回並みの獲得議席となる見通し。  民主党は選挙区で苦戦を強いられるが、全国比例では候補者数、組織ともに野党では頭一つ抜けており、多少は自民批判票の受け皿として機能する可能性がある。  維新の党は比例区で議席を獲得できる目処は立たない。  共産党は躍進した2013年7月時よりも政党支持率は伸びており、昨年4月の統一地方選挙においても躍進。自民党一強時代において、確かな野党として存在感を発揮しそうだ。  おおさか維新は、統一地方選挙でも結果を残した関西で一定の比例票を獲得すると予想。鍵を握るのは橋下徹氏の動向。橋下氏が参議院選挙にどう関わるかによって、獲得議席は変動する。  社民党、生活の党、日本の心を大切にする党、新党改革など存在感のない小政党は比例で議席を獲得できない。 

野党共闘で選挙結果は変わるか

32ある1人区を細かく見ていくと、野党共闘によって与党候補に野党候補が勝てる可能性のある選挙区も存在する。ただし、共産党が候補者擁立を見送るだけで、民主候補が自民候補を上回れるほど単純ではない。共産党と組むことによって無党派層の票が離れる可能性もあり、野党共闘の「顔」の存在などがなければ大きな風は起こらないと考えられる。 

第3極の消滅

2010年、2013年の参議院選挙で一定の議席を獲得していたみんなの党の解党、維新の党の分裂によって第3極を支持していた票はどこへ行くのか。編集部が独自に分析した結果では、自民党・おおさか維新・共産党へ流れ、民主党へはほとんど流れていなかった。第3極は、民主党という第2極への批判から生まれたものであるため、支持層が民主党へは投票しないという結果になったのではないかと考えられる。 

注目の18歳選挙権の影響は限定的

18歳・19歳の有権者数は全国で約240万人だが、2013年参院選における20〜24歳の投票率は31.18%で、全年齢平均を20%以上下回る。仮に18〜19歳の投票率が同程度であった場合、約75万票が新たに投じられると推測されるが、全投票者に占める割合は少なく、かつ18〜19歳に強く支持される政党はないことから、選挙戦への影響は限定的。 

投票率は前回を下回る

1990年代以降、参議院選挙の投票率が60%を超えたことは一度もなく、過去2回の選挙でも投票率は下降傾向になる。昨年4月の統一地方選挙でも全国的に投票率は下がっており、大きな争点もなく自民一強のまま、野党共闘など枠組みが変わる動きがすすまなければ、前回52.61%を下回ると予想される。  選挙ドットコムでは今後も参議院選挙の議席獲得予測、全選挙区の当落予測を行いますのでご期待ください。 

2/3日経ビジネスオンライン 福島香織『弾圧と低賃金と闘う「中国新聞労働者」の受難 不安の中、ネットで地方ネタ探し、週100本執筆…』について

米大統領選・党員集会で、アイオワ州ではサンダースが僅差で敗れました。ヒラリーが勝ったのは残念。共和党はトランプがクルーズに敗れました。TVCM等の空中戦だけではだめで、戸別訪問という地上戦を地道にこなさないといけないという事です。マルコルビオが三位に入ったのは良かった。

さて、本記事ですが80后(一人っ子政策以降に生まれた人たち)の記者が多いとのこと。当たり前で、老齢の記者は引退していきますので。でも週100本も記事を書かないといけないというのは辛いですね。出来高制と言うのは如何にも中国らしいです。剽窃は当り前の世界です。まあ、元々中国・韓国はパクリの文化ですから、何とも思っていないでしょうけど。

以前中国勤務時代に新華社の記者との付き合いがあり、工場建設でのトラブルを解決して貰いました。競合相手が役人を味方につけ、金が行き詰まる工作をしていました。「それを書く」と役人を脅したらすんなり資金の入金が認められました。その記者は当然見返りを要求してきましたが。新華社系は力を持っており、公安や国家安全部との繋がりもあり、外国特派員はスパイと思っていますが。ただ、一般の記者でも、昔は開業式のイベント等に招待するときは、お車代を払わないと記事にしてくれませんでした。

最後の「日本の記者のような恵まれた環境で、簡単に報道圧力に屈したり、報道モラルを見失ったり、捏造したりしては、一分の言い訳もできないと思う。」と言う部分に強く共感します。朝日新聞の慰安婦捏造報道や左翼系メデイア(毎日、東京、共同、北海道、琉球新報、沖縄タイムス等)は日本を貶めることに精力を傾け、中国の人権弾圧や軍事拡張については知らんふりするという二重基準の報道を続けています。TVでも、国谷、岸井、古舘が降板とのこと慶賀の至りです。でも購読したり、視聴する人がいるから経営が成り立つわけで、見ないことが肝要です。不買こそが相手に一番ダメージを与えることができます。そもそも左翼メデイアを見続ければ脳内に刷り込まれ、お花畑になり、リアルポリテックスが理解できなくなります。記事を見るときは我がことのように置き換えてみないと。そうすれば解説者の言っていることに違和感を覚えるでしょう。

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 中国の記者たちが日本やその他西側諸国の記者たちよりも、給料も少なく、権力からの圧力も強く、報道の自由もほとんどない厳しい環境に置かれ、”新聞民工”(ニュース労働者)と呼ばれる状況の中で奮闘していることは、拙著『中国のマスゴミ』(扶桑社BOOKS新書)でも紹介しているが、先月に米PRニュースワイヤー社が出した「2016年中国記者工作者の生存状況と業務習慣」というリポートが、なかなか考えさせられるので紹介したい。

 これは2015年11月から2016年1月にかけて、PRNがオンラインで中国の2万人の記者にアンケートをとって1477人から得た回答をもとにまとめたもの。この回答の少なさが、中国の記者の発言の不自由さを物語っているような気もするのだが、それでも西南大学新聞メディア学院など研究機関の協力や、数十人の大手メディアの著名記者らの聞き取りなども加えて、少なくとも労働環境の様子は垣間見える。

辞める理由は、収入の低さと未来の暗さと

 それによると、現在の中国の記者たちの主力は1985年以降に生まれた若者である。67.9%の記者が北京、上海、深圳、広州の4大都市出身で、うち北京出身の記者は41%を占めている。また男性が62.7%を占め、男性を中心とした業界である。

 80.6%が月収1万元(18万5000円)以下で、うち3割が月収5000元以下だという。このほか、6~10年のキャリアの記者と11~20年のキャリアの記者の間には、明らかな年齢やキャリアによる収入差がなく、31歳から50歳の記者で月収が2万元以上となるのは5%以下という。入社2年目の駆け出し記者の月収は2000~5000元で、社会部(総合)記者、教育・リクルート部門の記者収入は相対的に低い。

 記者を辞めたいとすれば、一番の理由は収入の低さであるという回答が58.8%に及ぶ。次に業界の未来に期待できない(43.6%)、報道の理想を実現できない(26.7%)と続く。多くの記者が給与に満足していない一方で、将来5年は記者稼業を続けたいとする回答は68.7%に上った。

 どのような取材技能を磨きたいかという質問では、深く掘り下げたストーリー報道のテクニックと答えたのは52.5%、数字データなどを使った可視化報道のテクニックと答えたのは43.1%、カメラの撮影テクニックと答えたのは38.3%だった。

13.9%の記者は週100本の記事を執筆

 また記者が情報を取得する方法としては、QQ、微信などのネットの通信ツール、業界サイト、微博、ブログなどのネットメディアがいずれも50%を超えており、次に電子メール(47.2%)、オフライン活動・記者発表会(43.5%)と続く。39.1%の記者がスマートフォン・携帯電話のニュース配信などで情報や報道のきっかけをつかんでいるという。

 また報道記事を書く際に、87.1%の記者がオフィシャルな報道通稿(新華社などが配信する記事)を信頼できるソースとする、と答えており、次に企業・機関の高官、報道官からの情報(51.7%)、オフィシャルなSNSメディアのアカウントが配信する情報(41.6%)、企業・機関のオフィシャルサイト(39.7%)が続いている。

 また74.2%の一線級記者らは毎週5本以下の独自記事を書き、うち65.7%の記者が記事を1本書くには、平均2~5時間、資料を収集し精査するという。

 66.5%の記者は毎週少なくとも30本以上の企業ニュース記事を書いており、うち13.9%の記者は週に100本以上の記事を書いている。

 31%の記者が毎日、6社以上の企業の広報担当と自主的に連絡をとっているとも。

 この調査リポートを私の経験などと照らし合わせて解説してみると、確かに中国の記者は全体的に若い。20代後半でデスク、30代で編集長は当たり前だ。若年化しやすいのは、中国において記者の仕事が大変な割には収入が低いことも大きい。昔、友人の中国人記者からこう言われたことがある。「年をとって新聞記者を続けているのはばかですよ。普通は取材中にできたコネを使って、株でもうけたり、起業したり、ジョブホップするんです。いつまでも記者をやっているのは、中央宣伝部入りを目指す官僚志向か、記者しかできない人だけですよ」。確かに、記者からコンサルタントや宣伝・広告、貿易、不動産などの企業家になっているケースは少なくない。

 中国のネットメディアTMTPOSTが、中国記者の状況と日本の記者などと比べているが、日本の記者は厚生労働省の職業別平均収入ランキングでいえば第6位に入り、弁護士、歯科医、建築士などの伝統的高収入職業と匹敵する。正直いえば、大手テレビ局や大手新聞に所属する記者を基準にしているために平均収入が跳ね上がっているだけであり、私が昔所属していた新聞社などは、この平均収入のよくて6がけぐらいでなかったかと思う。だが朝日新聞記者は、終身雇用で20代で年収1000万円を超えるのが当たり前、30代で1200万円、40代で1300万円から1400万円…、と紹介されている。

給料は歩合制、ネットや広報資料からネタを

 ちなみに週に100本記事を書く日本人記者に私はお目にかかったことがない。比較的出稿量が多いと言われた私もまともに取材すれば、1日3本が体力的気力的に限界だった。年収1500万以上の大新聞記者様になると週1本、たいしてうまくもないコラムや解説を書いているだけ、といった人もけっこういる。もっとも日本が特殊なのであって、英国も米国も記者の給料というのはそう高くないようである。2015年の英国の新人記者の平均年収は1万2000~1万5000ポンドぐらいで、タクシー運転手や配管工とほぼ同じ水準だという。2015年のミドルクラスの米国記者の平均年収は3万7813ドルという。

 中国人記者が週100本記事を書く、というのは多少の誇張はあるかもしれないが、仕事量はざっとみても日本の記者の5、6倍はありそうである。特にネットメディア記者の仕事量は半端ではない。中国の記者は固定給ではなく、書いた原稿の本数に応じて給与が出る歩合制が多いため、とにかく記事の出稿量が多い。CCTVや新華社など潤沢な取材費が用意されている国営メディアは別として、普通の地方紙は取材費も限られており、しかも常に政治的に問題がないかを考えなければならないので、なんでも手あたり次第取材できるというわけではない。週100本記事を書く場合は、結局、ネットのSNSでネタを拾ってそのまま書いたり、企業の広報資料の書き写し程度のものが多い。また、政治ニュース、大きな事故・事件ニュースは原則として独自取材は禁止なので、新華社配信や公式発表を縦のものを横にする程度で出稿するしかないという事情もある。

だが、そういう発表もの書き直し記事は原稿料が低いし、なにより読者がついてこない。こうして、非常に限られた環境の中で、読者受けをする企画ネタも書かなければならないのだから苦労する。

 そこで原稿料が比較的高く、また政治的にも当局から圧力を受けにくい経済記事が多くなる。読者受けするのは、消費者の立場に立った企業のスキャンダル、不祥事記事。こうした不祥事記事は、主に”タレこみ”と呼ばれる関係者やライバル企業からのリークを基に取材を進めていくので、日ごろから企業回りが重要となっていく。毎日、6社以上の企業関係者と連絡を自主的に取っているというのはあながち誇張ではなかろう。

 だが、企業不祥事ニュースも、ものによっては政治が絡み、報道した記者が逮捕されることもある。以前、「中国・新快報記者はなぜ逮捕されたのか」で紹介したとおりである。習近平政権では、企業不祥事もタブー入りしかけている。

狙い目は、ネットにあふれる地方の小さな事件

 アンケートからも分かるように、インターネットのSNSが発達した昨今は、ネットからネタを拾う取材法が増えている。ネット上では、地方の都市や農村で起きた小さな事件のネタがあふれている。これは記者の筆力次第で、多くの読者の共感を呼ぶカバーストーリーとなる。たとえば、甘粛省永昌県の女子中学生がチョコレートを万引きしたのを責められて自殺した事件。

 昨年12月28日、甘粛省の田舎町で、13歳の女子中学生が、ひもじさからスーパーでチョコレートを万引きした。店主がこれを見つけて、他の客の前で罵りだした。ついには母親を呼び出し、罰金150元を払えという。だが貧しい母親はそのような大金は持っておらず、金をかき集めているうちに、その娘はショッピングセンタービルの17階から飛び降り自殺をした。

 この事件について、両親はスーパーの無慈悲な対応が自殺の原因となったと主張、これに同調した数千人の群衆が28日、29日とスーパーを取り囲んだため、武装警察が出動した。ネットに流れた動画には、暴徒化した群衆に武装警察の車両がひっくり返された様子などが映っていた。こういう事件は、背後に、13歳の少女の境遇を書き込むことで社会の共感を大いに呼び、また貧困問題という背景について掘り下げることもできる。しかも、批判の矛先は地方政府なので、中央政府を批判するよりは政治リスクが少ない。30日には、中国各紙がこの記事を社会ニュースとして報じた。

 だが、この事件を1月に入っても追跡取材していた蘭州晨報の張永生記者ら地元紙3社3記者が、突然失踪。やがて地元公安当局に逮捕されていることが明らかになった。容疑は当初、「買春」と発表されていたが、途中で「政府に対する恐喝」に変わった。張永生は地元市中心部で行われた防災訓練中に周辺の建物に火が燃え移り火事となった事件を取材するために、市当局の「取材するな」という警告を無視して現場に行ったところを拘束されたという。これは記者の不祥事事件ではなく、明らかな報道弾圧だと見られている。

地方でも報道弾圧、問われるモラル

 甘粛の3記者逮捕については、記者ら所属の新聞社が公開書簡を発表し、地元政府の対応を批判している。矛先が中央政府に向いていないので、世論の盛り上がりによっては、中央政府は新聞社側を擁護するかもしれない。この事件はまだ先が見えていない。

 習近平政権になってから、もともと厳しい記者稼業の環境はますます悪化していると言えそうだ。少ない給料に長時間労働、そして厳しい弾圧、冤罪逮捕の恐怖と隣り合わせ。そういう環境の中で失われてしまうモラルの問題。「新聞民工」と呼ばれる中国記者の境遇を少しでも知れば、日本の記者のような恵まれた環境で、簡単に報道圧力に屈したり、報道モラルを見失ったり、捏造したりしては、一分の言い訳もできないと思う。

2/1JBプレス 加谷珪一『台湾の政権交代を後押ししたTPPという存在 民進党圧勝の裏側と中台問題の行方を読み解く』について

1/30「士気の集い」澁谷司先生講演会で、先生は「台湾独立は中華民国からの独立を標榜していたのであって、中国からの独立を意図したものではなかった。元々中国とは別な政治実体として存在していたので。いつの間にか中国からの独立にすり替わってしまった」とのこと。中国国民党はありもしない「92年共識」をでっち上げ、台湾を共産中国に売り渡そうとしていると小生には見えます。流石蒋介石が連れてきた連中の子孫と言うべきか。リアル中国人です。陳舜臣が日経の私の履歴書に書いていた「黄河の花園口の堤防決壊」も日本軍のせいにする卑怯な連中です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E6%B2%B3%E6%B1%BA%E5%A3%8A%E4%BA%8B%E4%BB%B6

加谷氏は「中国のTPP加入は確実」と書いています。国民党が思っているのか、加谷氏の思いか分かりませんが、中国がTPPに加入することはないでしょう。オバマですらTPPについて「我々は中国のような国に世界の経済のルールを書かせない」と言っています。中国を国際社会に関与させてもルール破りが常態となっています。WTO然り。AIIBを作り、米国の覇権に挑戦する姿勢も見せています。幸いTPPに欧州は入っていませんから、AIIBのように欧州が加盟して中国を助けるようなことは起きないでしょう。共和党の大統領になればもっと中国に厳しくなります。

蔡英文は昨年の訪日時に「日本との産業同盟」を提起していましたが、澁谷先生によれば「台湾との経済的結びつきは深くならないのでは。経済界とも話ししているが、見込み薄。関心がない。チャイナの影響を受けている」とのこと。今の財界は安全保障について関心がないのは畸形ですが、日本の戦後教育自体が畸形だったからというのはあります。でもこの辺で遮断しないと。ハリス米太平洋軍司令長官が「中国から攻撃があれば尖閣は守る」と明言してくれました。共に戦う姿勢を見せないと。日本人はもっと真剣に国防を考えないと。

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総統選挙で勝利した民進党の蔡英文主席(2016年1月9日撮影)。(c)AFP/SAM YEH〔AFPBB News〕

 台湾で1月16日、総統選挙(大統領選挙)が行われ、独立志向の強い野党・民進党の蔡英文主席が圧勝した。民進党は立法院(議会)選挙でも過半数を獲得しているが、総統選挙と立法院選挙の両方で民進党が勝利したのは1949年の中台分離以後、初めてのこととなる。

 台湾はかつて、民進党の陳水扁氏が総統に就任し(2000~2008年)、独立の機運が高まった時期があったが、結局、独立運動は尻すぼみになってしまった。

 最近になって再び独立運動が活発になってきたのは中国の台頭が原因だが、そこにはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉をめぐる諸問題が複雑に関係している。経済という視点を切り口に台湾の歴史を紐解き、今後の台湾について考察してみたい。

米国との国交は失ったがアジアのハイテク基地として躍進

 台湾はよく知られているように、中国本土から分離する形でスタートした。中国は清王朝が支配する帝政国家だったが、1911年の辛亥革命によって中華民国が成立した。しかし中国の内政は安定せず、太平洋戦争を挟んで国民党と共産党との間で内戦(国共内戦)となり、勝利した中国共産党は1949年、中華人民共和国の建国を宣言し、中国は共産国家となった。内戦に敗れた国民党は台湾に避難し、そこで中華民国政府を継続している。双方は、自らが正統な中国政府であるとの立場を譲らず、国際的には2つの中国が併存する状態となっていたわけである。

 米国には台湾(国民党)を支持する華僑が多く、チャイナロビーと呼ばれる強力な政治勢力を形成してきた。しかし1972年にニクソン大統領が電撃的な訪中を実現したことから、台湾の国際的な立場は大きく変わることになる。米国はその後、間接的には台湾を支援しながらも、中華人民共和国を正式な中国とみなす立場を取ってきた。日本政府も同様に、日中国交正常化以降、中華人民共和国を正式な中国としている。

もっとも台湾は、米国や日本との正式な国交は失ったものの、半導体のファウンドリビジネス(設計を行わず、製造受託に特化するビジネス)やパソコンのOEM(相手先ブランドによる生産)など、米国経済との連携を強め、アジアのハイテク基地としてめざましい経済発展を遂げた。

 中国は文化大革命によって内部がズタズタになってしまったことから、思うように経済を発展させることができず、台湾との経済的な格差はなかなか埋まらなかった。毛沢東氏の死後、最高実力者に登り詰めた鄧小平氏は、積極的に改革開放路線を進めたが、その成果が本格的に出てきたのは、だいぶ後になってからのことである。

内省人である李登輝氏が付けた民主化への道筋

 台湾の独立運動は、台湾経済のめざましい成長と軌を一にして発展してきた。

 台湾には、国民党員を中心とした中国大陸から渡ってきた人たち(外省人)と、もともと台湾にいた中国人(内省人)の対立がある。国民党は独裁的な政治を続け、内省人を冷遇してきたので、内省人は長く政財界の要職には就けなかった。このため起業家として身を立てる人が多く、こうした人材が台湾のハイテク産業を支えてきたという側面がある。世界最大のコンピュータ・メーカーのひとつに数えられたエイサー創業者の施振榮(スタン・シー)氏も内省人出身の起業家の一人である。

 ハイテク産業をエンジンとして、台湾の経済が発展するにつれ、内省人の発言力は強くなり、これに伴って独立を目指す動きも活発化していった。独立運動が最高潮となったのが、独立志向の強い野党・民進党の陳水扁氏が総統に就任した2000年頃のことである。

 1990年における台湾の1人当たりGDPは中国の24倍に達しており、中国の加速度的な成長が始まった2000年時点でも16倍の格差があった。中国は人口が多いのでGDPの絶対値こそ中国の方が多いが、豊かさという点では台湾経済は中国経済を圧倒していたのである。

実は民進党に政権交代する直前の台湾総統は、国民党の李登輝氏であった。李氏は国民党員ではあるものの、内省人であったことから、密かに台湾独立の布石を打ってきたといわれる。自身が総統に登り詰めることで、台湾民主化の道筋を付け、民進党への政権交代の道を開いたのである。その意味では、陳氏は満を持しての総統就任ということになる。

中国による台湾財界人の取り込み工作

 陳氏は、初代総統である蒋介石氏の名前を冠した「中正国際空港」の名称を変えるなど、独立色を強めていったが、独立運動は思いのほか盛り上がらず、次の総統選挙では再び国民党に政権の座を譲ってしまう。

 陳氏自身に金銭スキャンダルが浮上したことや、立法院で民進党が過半数を取れず、政策をことごとく国民党に妨害されたことが直接的な理由だが、何より台湾国内に慎重論が多かったことが、独立が進まなかった最大の原因である。

 当時の台湾では経済に対する強い自信があり、わざわざ独立運動で政治を不安定化させなくても、実質的に中国からの独立を実現できると考えた人も多かった。だが時代はそれとは逆の方向に進み始めることになる。総統選挙の結果、国民党の馬英九氏が新しい総統に就任し、国民党は再び政権の座に返り咲くが、このあたりが中台関係の大きな転換点となった。

 中国はその前後から驚異的な経済成長を実現し、同時に台湾経済人の中国への取り込み工作を本格化させている。台湾の財界人で中国進出を希望する人には、最大限の補助を行い、多くの財界人が中国に渡っていった。

 iPhoneやiPadの製造を一手に引き受け、シャープの液晶事業の買収を狙っている鴻海精密工業の創業者・郭台銘(テリー・ゴー)氏は、こうした新しいタイプの経済人の典型である(郭氏は外省人)。鴻海は台湾企業でありながら、中国に積極的に進出し、大連や成都に巨大な工場を設立した。

 中国本土では、一時期、台湾出身の実業家をあまりにも優遇することから、国内の経済界から反発の声が上がっていた。それくらい、中国の台湾取り込みは積極的だったのである。

 こうした工作の結果もあり、親中派の財界人に支えられる形で、国民党は、宿敵であった中国共産党との融和路線に舵を切ることになる。それ以降、国民党は急速に中国との距離を縮めていくことになるのだが、この動きが、中国を嫌う台湾人からの反発を強める結果となり、今回の敗北につながった。

TPPの存在が国民党を共産党に近づけた?

 それにしても国民党は、かつては内戦まで行った中国共産党に対して、なぜ、そこまで接近する必要があったのだろうか。こうした動きの背景にはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の存在があるといわれている。

 TPPは2015年10月、5年の歳月を経て、24カ国による基本合意が成立した。中国は今のところTPPに参加していないが、中国がメンバーに加わることはほぼ確実といわれている。台湾もTPPに参加する方向性で国内の調整を進めているが、ここでやっかいな存在となるのが中国である。

 TPPが無事スタートすれば、次の焦点は中国がどのような形で参加するのかという点に絞られてくる。もし中国が先にTPPに加盟してしまうと、台湾はTPP加盟交渉を、米国に対してだけでなく、中国とも行わなければならない。そうなってしまうと、台湾の外交的な立場は一気に弱体化してしまうだろう。

 このため国民党内部では、まず中国との経済協定を急ぎ、米国が中国と交渉を行う段階で、台湾も自動的に同じ交渉のテーブルに乗るべきだとの意見が強くなった。その結果として中国と合意に至ったのが「中台サービス貿易協定」である。

中国があまりにも大きくなりすぎた

 だが、この協定合意がかえって国民党の敗北を決定付けることになった。2014年4月には、協定に反対する学生が立法院(国会)を占拠するという事件が発生し、馬政権は対応に苦慮する結果となった(ひまわり運動)。このままでは台湾が中国経済に飲み込まれてしまうという危機感が、今回の選挙結果につながった可能性は高い。

 では、圧倒的な支持で政権の座についた蔡氏は、中国との対話を閉ざし、一気に独立の方向に舵を切るのか?

 おそらくそうはならないだろう。その理由は中国があまりにも大きくなりすぎたからである。

 かつては中国に肉薄していた台湾経済だが、ハードウエア産業の凋落によって、最近では成長率の鈍化に苦しんでいる。ハードウエアに依存していたという点においては、日本企業が陥っている苦境と似たところがある。

現在、中国のGDPは台湾の20倍の規模があり、1人あたりGDPは台湾の半分まで近づいた。台湾は経済的に中国に対抗することが難しくなっているというのが現実だ。また、米国チャイナロビーの影響力も最近は低下が著しいといわれ、米国の政界関係者の中には、公然と台湾への支援を停止すべきと発言する人まで現れている。中国との交渉材料という点では台湾の存在は有意義かもしれないが、米国が本気で台湾独立を支援するメリットは少ない。

 台湾国内の雰囲気もずいぶん様変わりした。ひまわり運動に立ち上がった学生は、確かに台湾人としてのアイデンティティを強く持っているが、かつての独立運動とは立ち位置が異なっている。

現実主義者の蔡氏は「現状維持」

 彼等が発するメッセージには、強大な中国から台湾の中小企業を守る、あるいは、ようやく育ってきた台湾の民主主義を守るという意識が強く出ている。中国に対抗した独立運動というよりも、強大な中国の存在を前提にした、国内の民主化運動という位置付けに近い。

 台湾の経済力が絶頂であった2000年当時において独立運動が思いのほか盛り上がらず、台湾と中国の立場が逆転した今、こうした運動が再び盛り上がっているのは何とも皮肉だが、これは日本国内の世論も同じである。

 2000年当時、日本の世論は台湾に対して冷たく、独立を積極的に支持する論調はあまり見られなかった。だが最近では中国への反発からか、台湾独立を支持する論調が強まっているようにも見える。だがタイミングとしてはすでに遅すぎた可能性が高い。

 蔡氏は徹底した現実主義者といわれており、当面の中台問題におけるスタンスは「現状維持」である。まずは独立問題よりも、経済の立て直しや、民主化の推進など内政問題に集中することになるだろう。中国に対して最終的にどのように振る舞うのかは、台湾経済の今後と、自由貿易構想の中での台湾の役割によって大きく変わってくる。

 中国は基本的に国際社会において高い地位につきたいとの願望が強く、台湾を武力で強引に併合するような強硬手段に出るとは考えにくい。これまでと同様、自国の経済圏の中に台湾を緩やかに取り込む形で、中台問題を終結させようとするだろう。

 日本もこうした現実を踏まえた上で、台湾との付き合い方を考えていくことが重要である。