『「右翼台頭」「対中傾斜」の4選メルケルは何処へいく』(10/5JBプレス 新潮社フォーサイト)について

Kazuo Ishiguro(石黒一雄)氏がノーベル文学賞を受賞しました。読んだことがないので論評できませんが、10/6朝のNHKニュースで「私はイギリスで育ったが、私の両親は日本人であり、世界を見る、私の芸術的なアプローチの大部分は、日本的なものだ」、「自分をイギリスの作家や日本の作家と意識したことはありません。作家は一人孤独に作品に向き合うものだからです。もちろん私は日本からもイギリスからも影響を受けてきましたから、自分自身を国際的な作家と考えたいです」、「日本の読者の皆さん、とりわけ日本の社会にはありがとうと伝えたいです。私がどのように書いて世界をどう見るかは、日本の文化の影響を受けていると思うからです。日本と日本人に非常に感謝しています」、「川端康成さんや大江健三郎さんに続く作家になれることを喜ばしく思います。ノーベル賞といえば村上春樹さんの名前が浮かび、申し訳ない気持ちになります」と話していました。村上春樹は、ノーベル賞は取れないと思います。彼はパレスチナを攻撃するイスラエルを公然と非難していました。政治的に偏る人間の作品は、選考委員は嫌うのでは。三島もそれが為にとれなかったのではと小生は考えています。ドナルド・キーンは「日本には年功序列があるので、三島を先に受賞させると文壇が揉める」との思いもあったようです。村上は『騎士団長殺し』でありもしなかった南京虐殺で40万人も殺したと書いたとのこと。中国のプロパガンダ以上の数字を挙げて中国に擦り寄り、読者数でノーベル賞獲得を狙ったとしか思えません。GHQの洗脳を受けた敗戦後利得者の一人です。

http://www.asahi.com/special/09001/TKY200902160022.html

10/6日経朝刊ドイツ議会選後のEU(上) 板橋拓己 成蹊大学教授 政権弱体化、独仏連携に影

ポイント ○AfDの躍進は既存政党への不満を映す ○ドイツの「自覚なき覇権国」改善は期待薄 ○首相は受け身の姿勢を改め大胆さ発揮を

「退屈」と形容された選挙戦だった。無理もない。自国ドイツの経済は好調で、メルケル首相の4選も確実。直近の米仏の大統領選と比べれば「退屈」だっただろう。

だが蓋を開けてみれば、結果は深刻だった。今回の選挙はドイツ政治史上のひとつの「区切り」となった。そしてそれが今後のドイツ政治、ならびに欧州連合(EU)の将来に与える影響は大きい。

結果の確認から始めよう。まず大連立政権の与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)とドイツ社会民主党(SPD)の二大政党が支持を落とした。とりわけ中道左派のSPDは戦後最低の得票率(20.5%)を記録した。またメルケル首相率いる中道右派のCDU・CSUも投票日直前で失速し、32.9%の得票にとどまった。

年頭にシュルツ党首がSPDの首相候補に決定した際の同党支持率の急浮上とその後の急降下を考えると、中道二大政党の支持基盤の「あてにならなさ」があらわになった。

一方で、右翼ポピュリスト政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が12.6%を得票し第3党に躍り出た。前回選挙で5%阻止条項により議席を失った自由民主党(FDP)も、リントナー党首の指導のもと復活を果たした(10.7%)。極左の左翼党(9.2%)、環境重視の緑の党(8.9%)を含め、ドイツ政治は「6党体制」の時代に本格的に突入した(図参照)。

◇   ◇

AfDの躍進は重要だ。もともとAfDは新自由主義的な経済学者を中心に、ユーロ危機のさなかに脱ユーロを掲げて結成された政党だった。しかし内部闘争を経て右翼グループが権力を握ると、反ユーロ政党の色は薄れ、右翼政党に転じた。さらに2015年の難民危機を背景に反移民・難民、反イスラム、治安重視といったテーマに傾斜し、より排斥的かつポピュリスト的性格を帯びて現在に至る。

ただしAfDの躍進をもってドイツ社会の「右傾化」あるいは「ナチの復活」と断じるのは早計だ。確かに党エリートの中に極右的な人物は多い。けれどもAfDに票を投じた有権者の中で同党の主張に「納得」している者は31%にすぎず、実に60%の人が「他党への失望」から票を投じている。さらに55%が、同党が「極右から十分に距離をとれていない」と考えている(いずれも世論調査機関インフラテスト・ディマップによる)。

AfD投票者の多くは必ずしも同党の過激主義に共鳴したわけではない。むしろ既成政党への不満、そして「自らの生活が変わってしまうことへの不安」から票を投じた。

いうなればAfDは、長期にわたるメルケル政治が生んだ「鬼子」である。その原因として3点を指摘したい。

第1にメルケル首相は、自らが保守でありながら、12年にわたりリベラルな政策を推進してきた。メルケル首相のもとでCDUはいわば「社会民主主義化」し、ドイツ政治全体の「中道化」が進んだ。そこで右側にできた隙間にAfDが滑り込んだのである。

第2に右記とも関連するがメルケル首相の政治スタイルに関わる問題だ。メルケル首相は、決して自ら主義主張を唱えたり立場を固定したりすることはせず、世論の動向を注視しながら、可能なら他党の政策も取り込むことをいとわない。脱原発への決断や最低賃金制度の導入が好例だ。

こうしたメルケル首相の政治スタイルは、既成政党間の対立軸を著しく曖昧なものにした。これが冒頭の「退屈」の一因でもある。そうした中でAfDが良くも悪くも明確な対立軸を打ち出し、有権者に刺激を与えた面がある。

第3にメルケル首相の寛容な難民政策だ。15年夏以来、ドイツは100万人超の難民を受け入れた。そうした大きな変化への不安がAfD票となった。実のところAfDは移民・難民の少ない旧東独地域で大きな支持を集めた。これは欧州各国に共通した傾向だが、移民の少ない地域でこそ、自らのコミュニティーが脅かされることへの不安がかき立てられるからだ。

ともあれナチの歴史を抱えたドイツでAfDが議席を得た意味は大きい。ワイマール共和国およびナチ政権の反省から、連邦共和国(冷戦期は西ドイツ)には、5%阻止条項の導入や憲法敵対的政党の禁止など、安定した政党政治を志向する制度が備えられている。しかしこうしたハードルを越える「洗練された極右」政党がドイツに登場した。

◇   ◇

ではAfDは今後ドイツ政治に根づくのだろうか。まだ確定的なことは言えない。ただドイツの従来の極右政党は一定の成果を上げても、党内対立から自滅するのが常だった。AfDも他党との連立といった「現実路線」を掲げた指導者ペトリ氏が選挙戦直前に党内闘争に敗れ、選挙後に党からの離脱を表明した。つまり連邦議会進出により、様々な特権を手にするものの、AfDは常に分裂含みだ。

いたばし・たくみ 78年生まれ。北海道大法卒、同大博士(法学)。専門は国際政治史、欧州政治史

いずれにせよAfDは、目下の焦点である連立政権の構成に直接的な影響を及ぼさない。SPDが下野を決意したため、現在のところ連立の有力な選択肢は、CDU・CSUとFDPと緑の党から成る「ジャマイカ連立(3党のシンボル色と同国国旗の連想)」だ。ただしこの連立は、企業重視・市場重視のFDPと環境政策重視の緑の党を抱え、一体性に欠ける。EUの将来も極めて厳しいものとなる。

そもそも今回の選挙戦で国際的に注目されたのは、ドイツのEU政策の行方だった。最大の論点は、マクロン仏大統領が提示したユーロ圏改革構想(ユーロ圏の共通予算や財務相の創設)にどう応じるかだ。しかし欧州議会議長を務めてきたシュルツ氏率いるSPDが敗北し、反ユーロのAfDを議会に抱え、自国の資金を他国のために用いることを嫌うFDPを連立相手に選ぶとなると、新政権が大胆なEU政策に踏み出す可能性は一段と低くなった。

このことは「親EU」を正面から打ち出し、極右の国民戦線(FN)のルペン党首に勝利したマクロン大統領の挑戦を挫折させることになりかねない。そしてそれは、次期仏大統領に極右を召喚することにつながる恐れすらある。

しかしこの点は選挙戦で論じられなかった。ドイツは今やEU諸国の内政も左右する存在となったが、自らはその権力性に無自覚だ。パワーの大きさに比して、それに応分の働きをしない「自覚なき覇権国」といえる。そしてメルケル政権の基盤が弱体化した現在、こうした面が改善される可能性は低い。当面注目すべきは、財政規律の権化であり、他国に構造改革を迫ってきたショイブレ氏が退任した後の財務相ポストの行方だ。

◇   ◇

一方でドイツ経済は依然好調を保っている。世界最大の経常黒字国となり、失業率も低く、国家財政は健全だ。しかしその陰で実は国内問題も山積している。財政均衡に固執するあまり公共インフラ投資は不足している。社会の高齢化・人口減少は深刻だ。また低賃金労働が所得格差を広げている。そして難民・移民をいかにして社会に統合していくのか。これらはいずれも放置すれば不満が爆発しかねないが、これまでのメルケル政権のような受け身の姿勢では抜本的改善は見込めない。

後世から「メルケル時代」はどう評価されるか。それはこの4期目にどれだけメルケル首相が、EU政策にせよ国内政策にせよ、大胆さを発揮できるかにかかっている。>(以上)

メデイアは「難民」や「移民」の受入に反対する人や政党を極右呼ばわりして貶めようとしますが、それは国民の自然な感情では。異質なものが入ってくれば免疫反応を超すのは当然です。閾値を超えてしまえば国民の拒否反応は当然です。キリスト教徒とイスラム教徒の両一神教では猶更です。世俗国家と言っても、相手のイスラム教徒は原理主義者かも知れませんし。

「移民」の受入と言う意味ではイスラエルの入植はどうなのでしょう?形を変えた「移民」にも見えますが。勿論相手国への侵略の一方法でしょう。中国のブータンへの入植はどうなのでしょうか?イスラエルは非難され、中国は黙認されています。二重基準と思うのですが。

「移民」拡大を許せば、中国の人口侵略は止められません。共産国は国民に自由を与えない代わりに、自由主義諸国の自由を逆手に取って、自国有利の政策を享受します。日本は「移民」の受入を今以上に制限し、帰化条件を厳しくすべきです。反日国家の中国と韓国のビザ免除も止めるべきです。

EUの今後ですが、グローバリズムはナショナリズムの力によって勢いが削がれるのでは。今度のAfDの議席獲得がそれを表しています。トランプ大統領の誕生もそうでした。ポピュリズムと言ってメデイアは非難しますが、国民の選択を上から目線で非難することはできません。それこそ「ドイツ国民の選択肢」でもありましたので。

9/26宮崎正弘氏メルマガ<ドイツ常識派「ドイツのための選択肢」、いきなり第三党に躍進 ゼロから94議席、メルケル与党は65席も激減の敗北>

http://melma.com/backnumber_45206_6588070/#calendar

10/2宮崎正弘氏メルマガ<どこまで間抜けで、莫迦なドイツなのか 腐敗する中国からの投資を歓迎し、人権批判は口だけという醜態>

http://melma.com/backnumber_45206_6590550/

今度のAfDの議席獲得は、反移民だけでなく反EUの動きに繋がる一歩かも知れません。

記事

ドイツのウォルフガング・ショイブレ財務相の75歳の誕生会に出席したアンゲラ・メルケル首相(2017年9月18日撮影)。(c)AFP/THOMAS KIENZLE〔AFPBB News

(文:中村登志哉)

【ベルリン発】 9月24日投開票のドイツ連邦議会選挙(法定定数598)は、与党第1党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党の座を維持し、アンゲラ・メルケル首相の4選が事実上確定した。ドイツ戦後史上、最長のヘルムート・コール首相の在任16年と並ぶ長期政権を視野に入れる。

衝撃的だったのは、社会民主党(SPD)との大連立与党は、得票率が前回比13.8ポイントの大幅減(選挙管理委員会暫定最終結果)となったため、メルケル首相にとっては、手放しで喜ぶことのできない「ほろ苦い勝利」だったことである。

次期政権の枠組みは今後の協議次第だが、第2党のSPDが早速、大連立の継続を拒否する姿勢を見せたため、当面はリベラル派の自由民主党(FDP)と、環境保護政党「90年連合・緑の党」との3党連立を軸に進むとみられる。だが、政策調整は容易ではなく、連立協議は難航する可能性がある。

特筆すべきは、結党からわずか4年の右派ポピュリスト政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が初めて国政進出を果たし、いきなり第3党に躍り出たことである。今回の選挙結果がドイツ、あるいは国際社会、欧州にとって意味するものとは何だろうか。AfDを中心に、現時点の材料を基に考えてみたい。

右派ポピュリスト政党の議会初進出

メルケル首相の続投は、ユーロ危機や難民問題などはあったものの、財政黒字やほぼ完全雇用に近い失業率3.7%(今年7月)に象徴される、好調なドイツ経済、第2党のSPDとの安定した政権運営が一定評価されたとは言える。しかし、CDU・CSUの得票率33%は、前回比で大幅減というのはもちろん、1949年(31%)以来の低い水準の得票率で、勝者というよりは敗者の位置づけだ。

メルケル首相は9月25日の記者会見で、国内外のメディアを前に「(第1党に選ばれたことは)有権者からの負託を受けたということであり、その責任を果たしていく」と語ったが、勝利とは程遠い、硬い表情が目立ったのは無理からぬことだった。

この敗因の1つは、間違いなくメルケル首相の難民政策だ。中東から大量の難民が押し寄せ、その数はピークの2015年に約100万人に達した。これほど多数の難民受け入れに対し、財政負担や治安への不安から、与党内からも難民受け入れの規制を求める声が上がったが、メルケル首相は基本法(憲法に相当)が規定する難民に対する庇護権を理由に、難民を歓迎する姿勢を変えなかった。その結果、昨年8月下旬に実施された世論調査機関「エムニド(Emnid)」による調査では、メルケル首相を首相候補とすることに50%が反対するほど人気は一時低迷した。

ところが、欧州連合(EU)とトルコとの協定により難民流入が落ち着くと、メルケル首相の人気は徐々に回復したのである。

メルケル首相の難民政策に対する批判を追い風に受け皿として急伸したのが、今回の選挙で連邦議会への初進出を果たしたAfDである。連立与党が失った分にほぼ匹敵する12.6%の得票率を記録した。

一枚岩ではない「AfD」の内情

2013年に結党されたばかりの同党は当初、経済学者のベルント・ルッケらが反ユーロを旗印に設立したが、難民問題を背景に、フラウケ・ペトリら党内右派が次第に実権を握り、反難民、反イスラムの主張を掲げるようになった。結党からわずか4年の間に、全16州のうち既に13州の州議会にも進出を果たし、着実に政界に足場を築いて、ついには国政における発言権を確保した。

結党以来、担当記者として同党を観察してきた時事週刊誌『シュピーゲル』のメラニー・アマン氏は、今年刊行した著書『ドイツにとっての不安』で、共和党やドイツ国家民主党(NPD)などの極右政党が浮かんでは消え、結局、連邦議会進出までには至らなかったことと対比し、AfDがなぜ州議会に根を張り、連邦議会進出を窺うまでになったかを論じている。

すなわち、創設者の1人であるルッケは、ハンブルク大学教授で経済学者という社会的地位の高い人物で、これまでの極右政党とは一線を画し、十分なカリスマがあったと評価する。しかしそれだけではAfDの躍進を説明することは困難で、同党を大きく飛躍させたのは難民の大量流入だった、とも指摘する。

ユーロ危機以来、経済不振に苦しむ南欧諸国の肩代わりをさせられるのではないかというドイツ市民の懸念に加え、大量流入する難民、特にドイツに同化する姿勢がみられないイスラム諸国からの難民に対する潜在的な不安感は既に広がっており、それが今般の難民問題で一気に噴出したというのである。

ドイツにおいては、ナチスへの反省から、排外主義的言論が許容されてこなかったが、いまやそれを受け入れる土壌が整えられていたというのが同氏の見方だ。『Angst für Deutschland』という同書の原題の頭文字をとるとAfDであり、右派ポピュリスト政党AfDがドイツにとっての不安になっている、ということを示唆している。

事実、投票日当日の9月24日夜には、AfDの選挙パーティーが開かれていた旧東ベルリンのアレクサンダー広場に数百人から1000人の若者らが集まって抗議デモを展開。「ナチスは出ていけ」「人種差別主義は選択肢にならない」などとシュプレヒコールを上げ、排外主義を掲げるAfDが連邦議会に初めて進出することへの強い反発や不安を裏付けた。抗議デモはハンブルクやフランクフルトなどドイツ各地で行われた。

ただし、急速に膨張した同党も一枚岩とは言い難い。同党幹部らとともに選挙結果に関する25日の記者会見に臨んだペトリ党首は冒頭、多数の記者団を前に、「私はAfDの院内会派に所属するつもりはない」と言い放って途中退席し、その後、離党の意向を表明、同党が分裂含みであることを強く印象付けた。

なるほど大政党は同党を連立協議の対象とはしていないので、同党の政策が政府の政策に直ちに影響を与えることはない。しかし、第3党となった同党からの批判圧力にさらされ続けることにはなる。副党首のアレクサンダー・ガウランドのように、過去にCDUに在籍していた者もおり、同党やその分派がいずれCDUなどと連立を組む可能性はあり得ると、アマン氏は指摘する。

いずれにしても、同党の国政進出はドイツの政党地図を大きく塗り替えた。

「対中傾斜」の可能性

大量の難民受け入れがピークに達した2015年、メルケル首相は米誌『タイム』で「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、自由世界のリーダーに擬せられたことがある。西側世界の重要なリーダーの1人であることは疑う余地がなく、今後も国際舞台で欧州のリーダーとして君臨するだろう。

しかし、メルケル首相を取り巻く国際環境は変化した。今年5月26、27両日にイタリア南部シチリア島タオルミーナで開催された主要国首脳会議(G7)から帰国したばかりのメルケル首相は、ミュンヘンでの選挙集会で、「われわれ欧州人の運命を他国に委ねる時代はある程度終わった」と述べ、その真意を巡って国際的波紋を広げた。「他国」に、トランプ大統領率いる米国が念頭にあることは明らかだった。

北大西洋条約機構(NATO)加盟国に国内総生産(GDP)2%相当の防衛支出を求める米国に対し、ドイツは1.2%と大きな溝がある。加えて、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した米国には批判的だ。さらには、シリアなどからの難民受け入れを拒否し、ドイツに対して対米貿易黒字の改善を求めるなど保護主義的立場のトランプ大統領に対し、大量の難民を受け入れ、自由貿易体制の重要性を訴えるメルケル首相の立場は対照的だ。

他方で、ドイツはシュレーダー政権以降、中国との関係を深め、特に経済関係の深化は目を見張るものがある。連邦統計庁が発表した2016年の貿易統計では、中国は輸出国として第5位、輸入国としては第1位で、ドイツの最大の貿易相手国はいまや、前年首位だった米国を抜いて中国である。

メルケル首相は毎年のように、企業経営者らを引き連れ、訪中を繰り返してきた。ドイツ企業による対中投資や輸出がドイツの現在の好調な経済に大きく貢献していることは疑いの余地がない。

中国側も、ドイツ企業の買収やドイツ進出を積極的に進め、経済の相互依存は大きく進んだ。一方的に貿易収支の改善を求める米国との間でますます溝が広がるようであれば、ドイツが経済的にも一層の対中傾斜に動く可能性が懸念される。

中国への警戒感

しかしながら、ここへきて、ドイツやEU側は中国に対して警戒感を強めている。中国側が、とりわけ安全保障上必要な技術を持つ企業を狙って買収を進めている可能性が疑われるからである。欧州委員会は9月14日、中国など域外企業による欧州企業買収に対する審査強化案を発表した。情報技術、軍事、宇宙分野など戦略的に重要な企業やその技術が外国、特に政府系企業の手に渡ることを防ぐことを目的としている。

背景には、中国企業が昨年、ドイツの産業用ロボット大手メーカーの買収を発表するなど、安全保障に影響を与える企業買収に対する懸念の声がドイツ国内に出てきたことがある。ドイツはこうした事実を踏まえ、EUに対して買収規制の強化を求めていた。

また、ガブリエル外相は8月30日、訪問先のパリでの講演で、「もし私たちが、たとえば統一された対中戦略の構築に成功しなければ、中国は欧州の分断に成功するだろう」と述べ、中国に対する警戒感を示した。

近年では中国の欧州における主要な投資先になっているギリシャが、中国の人権状況を批判する国連人権理事会におけるEUの声明発表を阻止したほか、南シナ海における領土紛争に関する常設仲裁裁判所の判決を拒否した中国に対し、一部のEU加盟国が厳しい姿勢を取ることに反対したことを挙げ、中国側が経済力を利用する形で欧州の分断を試みることへの警戒感を示したのである。

中国への行き過ぎた傾斜は、南シナ海や東シナ海における中国の帝国主義的行動への批判を控え、黙認する姿勢に陥りかねない可能性がある。事実、メルケル首相は2005年の就任当初は、シュレーダー前首相とは違って、中国における人権の尊重や言論の自由について言及していた。にもかかわらず、近年は発言を控えるようになり、ドイツ国内からも批判が出ている。

こうした外交姿勢は、米国や日本、豪州やインド、東南アジア諸国などからも疑念を招く可能性がある。メルケル首相が経済一辺倒ではなく、国際秩序安定の観点から、よりバランスの取れた対中関係が求められていることを認識するかがカギと思われる。

ちなみに、中国における経済進出という面では、日本はドイツと競合関係にあるが、G7などの場を通して、北朝鮮の核・ミサイル問題で緊張が高まるアジアの秩序安定の意味からも、日本はドイツ側との意思疎通を深め、相互理解を図ることが今ほど重要なことはない。

ユーロ改革「独仏協議」難航か

欧州レベルでは、フランスのマクロン大統領との独仏協調を軸に、欧州統合の進展を目指すことになる。最大の課題は、ユーロ危機の再来を防ぐべく、ユーロ改革にどう取り組むかである。しかしながら、今般の選挙戦を通して、EUあるいはユーロなどの欧州レベルの課題が議論されたとは言い難く、関心も高いとは言えなかった。

ユーロ改革に関しては、マクロン大統領が経済相在任中の2015年、ドイツのガブリエル副首相(当時)と独仏共同案として、ユーロ圏予算の立ち上げとユーロ圏財務相の新設を提案したことがあり、財政移転を含むユーロ圏の統合深化の方向を初めて示した。

しかしながら、ドイツはギリシャ危機の際にそうであったように、ギリシャに対し厳しい財政緊縮を求め、財政移転には極めて慎重な姿勢を取ったことで知られる。ドイツは好調な経済もあって財政黒字だが、それでもドイツの血税を経済不振の南欧諸国に振り向ける財政移転には抵抗が極めて強い。メルケル首相もこれまでは財政移転に否定的なため、マクロン大統領との調整には曲折が予想される。

さらに今回の選挙結果を受け、ショイブレ財務相が留任するのか交代するのか、あるいは連立パートナーから後任を出すのかなどによっても変わる可能性がある。特にFDPのリントナー党首は、経済的に厳しい加盟国にはユーロ圏からの退出をしやすくすべきだという、ユーロ圏の財政統合深化とは逆の方向性を打ち出しており、もしFDPを含む連立政権になった場合には、独仏両国の政策調整はより難航する可能性がある。

英国離脱後のEUでの役割

トランプ大統領が「EUはドイツの乗り物」と発言したように、欧州における1人勝ちといわれる経済と、メルケル首相に象徴される政治力とにより、欧州におけるドイツの覇権論が議論されるようになった。

長らくフランスの政治力、ドイツの経済力が両輪となって欧州を率いてきたが、英国の歴史家ティモシー・ガートンアッシュによれば、かつてフランスのミッテラン大統領は、東西ドイツ統一を支持する見返りに、ドイツの強さの象徴だったドイツ・マルクを捨てさせ、ユーロの導入を求めた。ところが、ユーロ導入によって利益を得たのは図らずもドイツであり、ヨーロッパの運転席に座ったため、フランスは最前席から放り出された、という見立てである。

ナチスの過去を持つドイツは、これまで前面に出る形で、EUにおいて政治的なリーダーシップをとることに慎重だった。だが、英国もEUを離脱し、EU内のパワーバランスが変わっていく中で、果たして英国離脱後のEUでどんな役割を果たしていくことになるのか、世界が注視している。

中村登志哉 名古屋大学大学院情報学研究科教授、附属グローバルメディア研究センター長。1960年生まれ。メルボルン大学(豪州)政治学研究科博士課程修了、Ph.D.(政治学)。共同通信社外信部記者・ウィーン支局長、長崎県立大学教授、名古屋大学大学院国際言語文化研究科教授を経て、2017年4月より現職。著書に『ドイツの安全保障政策―平和主義と武力行使』(一藝社)、編著に『戦後70年を越えて―ドイツの選択・日本の関与』(一藝社)、共著に『Power Transition an International Order in Asia: Issues and Challenges』(Routledge, 2013)、『Strukturen globaler Akteure: Eine Analyse ausgewählter Staaten, Regionen und der EU』(Nomos Verlag, 2010)、訳書に『ドイツ統一過程の研究』(ゲルトヨアヒム・グレースナー著、青木書店)などがある。

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『トランプ大統領、中国に失望して本来の対決姿勢へ 北朝鮮を制裁しない中国に堪忍袋の緒が切れた』(10/4JBプレス 古森義久)、『米海軍・太平洋艦隊司令官の退役を笑って喜ぶ中国 北朝鮮情勢を機に中国が一人勝ち』(10/5JBプレス 北村淳)について

10/2NHKニュース政党支持率世論調査

<希望の党の政党支持率が民進党より低い結果にwww 共同通信「希望4% 民進12%」 朝日新聞「希望3% 民進6%」~ネットの反応「もうない政党に入れてるのは一体……」>

http://anonymous-post.com/archives/13310

10/5ダイヤモンドオンライン北野幸伯氏記事<希望の党政権誕生ならその実態は「元民進党内閣」になる>。北野氏は希望の党が第一党になることもケースとして想定していますが、上記の世論調査を見る限り難しいのでは。一番問題なのは、希望の党に移った元民進党議員が選挙後にまた民進党に戻るかもしれないとの話があります。比例復活であっても今次選挙で「民進党」の名前を出さなければ、戻るのは可能と渡邉哲也氏はfacebookで述べていました。これは「党名ロンダリング」です。「民主党」から「民進党」へ名前替えしたのも、民主党政権時代の悪政のイメージを払拭しようとしたためでした。今度もその手を使うつもりでしょう。希望の党の入党誓約書なんて移れば関係なくなるし、希望の党で元民進党議員が増えてくれば数の力でなかったことにするでしょう。最悪です。いい加減国民も騙されないように。

http://diamond.jp/articles/-/144675

また小池は石破と手を組む可能性もあるようです。週刊文春の中吊りには<自民単独過半数割れで小池政権 石破大連立の現実味>。ただ今の所の支持率、「都知事を辞めるのは無責任」との声を聞くと、自民党の過半数割れはないのでは。しかし石破の裏切りの可能性が取りざたされるということは、「火のない所に」でしょう。1度裏切った人間は何度でも裏切ります。選挙前にこんな記事が出るようでは、利敵行為で除名すべきです。本来北朝鮮危機に政党を挙げて対処すべき時に、自分の野心の為に動こうとしている連中です。希望の党を含め、間違ってもこういう連中に投票しないでほしいです。

古森氏記事を読みますと、台湾の頼清徳行政院長が国民党議員から質問を受け、「個人的立場であるが台湾独立派だ」と言って今バッシングを受けていることと関係している気がします。中共と国民党が連携して民進党独立派を封じ込めようとしている構図です。トランプガ中国にキツクなり、台湾独立に手を貸す前に台湾内の独立派を委縮させようと言うもの。台独≒親日派なので、やがて尖閣で踏み絵を踏ませようとするでしょう。頼院長はトランプを信じ、中国と米国が対峙するときまで辛抱強く待った方が良いと思います。台湾単独では中国と戦争しても勝てないので。勿論、日本も継戦能力に限りがありますので、海上封鎖しない限り勝てません。(核戦力は除外)

http://www.sankei.com/world/news/170927/wor1709270013-n1.html

北村氏の記事ではスウィフト司令官の退任は残念です。人事の巡り合わせで、不運としか言いようがありません。艦艇の事故が多すぎました。水兵に疲れが溜っていたのではと言う記事を以前に見ましたが、上司ですから責任は追及されるでしょう。裏に中国の影があっても今のトランプ大統領は古森氏記事のように言うことを聞かないでしょう。イバンカ・クシュナーが中国に取り込まれないことを祈ります。

古森記事

ドイツ・ハンブルクで開催されたG20首脳会議に合わせて会談を行った米国のドナルド・トランプ大統領(左)と中国の習近平国家主席(2017年7月8日撮影、資料写真)。(c)AFP/SAUL LOEB〔AFPBB News

米国と中国の関係が新たな様相をみせ始めた。

トランプ政権下の米国が、中国に対して、オバマ政権時代とは対照的に守勢から攻勢に転じる構えを鮮明にしてきたのだ。中国の軍事面や経済面の行動を横暴と断じて、正面からの対決も辞さない姿勢である。米中関係の構造的な変換ともいえるだろう。

南シナ海で軍事演習も

この変化の実例としては、9月冒頭に米国防総省が明らかにした南シナ海での「航行の自由」作戦(FONOP)の新方針が分かりやすい。

中国は南シナ海のスプラトリー(南沙)、パラセル(西沙)両諸島周辺を勝手に「領海」と宣言し、造成島を建設した。米国はその海域への米海軍艦艇の航行を「今後、数カ月で2~3回実施する」と明示したのである。しかもその際、米艦の上空に同時に軍用機を飛ばして演習も行うという積極果敢な作戦活動の予告だった。

オバマ政権も、2015年10月から翌年10月までに計4回、「航行の自由」作戦を実施している。だがいずれも事前に方針は明らかにせず、内容も軍艦1隻だけの静かな航行だった。その軍艦も航行中は兵器使用を可能にするレーダーを切っていたという。

一方、トランプ政権は、今年5月から8月までに合計3回の「航行の自由」作戦を実施した。しかも中国側の「領海」内での軍事演習も含めての進入だった。そのうえに今後も定期的に続けるという宣言をしたのである。当然ながら中国政府はこのトランプ政権の動きに激しい反発を表明した。

従来の中国非難を一気に実行に

また、「経済戦争」とも呼べる、経済面での猛烈なせめぎ合いも始まる気配が強くなってきた。その最初の主戦場は、日本にも関係の深い知的所有権の分野となりそうである。

トランプ大統領は8月中旬、米通商代表部(USTR)に、中国による米側の知的所有権の侵害や窃取の実態を本格的に調査するよう命じた(この動きについては2017年8月21日付の本コラム「中国の『パクリ』征伐に乗り出したトランプ政権」でも詳しく報じた)。

トランプ大統領はこの調査命令を出す際に以下のような声明を出した。

「中国によるアメリカの知的財産の侵害は、毎年、米側に数百万人の雇用と数百億ドルもの資金の損失をもたらしている。だがこれまでアメリカ政府は長い年月、なんの対策もとらなかった。私はもう黙視しない。この防止策は私の選挙公約でもあるのだ」

トランプ氏は大統領選挙中に中国に非難を浴びせていた。当初は中国の巨大な対米貿易黒字や米国企業を不当に扱う不公正貿易慣行、そして知的所有権の侵害など、経済分野での非難だった。その非難は、中国の南シナ海での無法な領有権の主張に対しても広がっていった。中国が米国に対して浴びせるサイバー攻撃についてもトランプ氏は糾弾していた。

トランプ氏は、こうした従来の中国非難を、大統領就任後8カ月以上が過ぎたいま一気に強め、実際の行動に移し始めたのである。

「中国には失望した」とトランプ大統領

では、なぜいまになって中国と対決する姿勢を強めているのか。

その理由は単純だ。トランプ大統領は北朝鮮の核兵器開発を阻止するにあたって、中国の協力が必要だった。そのため、対中批判を当面、差し控え、ミニ蜜月を演出していた。

トランプ大統領は今年4月の習近平国家主席との会談で、北朝鮮への石油輸出の停止などを要請した。北朝鮮は国内で必要な石油の9割以上を中国から輸入している。北朝鮮にとって、中国の石油輸出停止は致命的ともなりかねない。

トランプ大統領は、中国が対北制裁を実現するまでの期間として100日間という期限を設けた。だが中国はその期間が過ぎても、アメリカの要求をまったく聞かなかった。その結果、トランプ政権は中国にすり寄ることを止めて、従来の対決路線へと戻ることになったのである。

その背景には、北朝鮮が7月にICBM(大陸間弾道ミサイル)と豪語する長距離ミサイルの実験発射を2回も断行した事実があった。トランプ大統領は「中国には失望した。アメリカの政治指導者たちはこれまで中国の対米貿易黒字の巨額な膨張を許容して、中国側に利益を与えてきた。それなのに、中国はアメリカの要請を受けても北朝鮮に圧力をかけもしない。この状態を続けることはできない」と激しい中国非難を打ち上げた。

トランプ大統領の対中非難に呼応するようにCIA(中央情報局)のマイク・ポンペオ長官もアメリカの一部メディアとのインタビューで、「アメリカにとって中期的、長期的に最も深刻な脅威は中国だ」と語った。

ポンぺオ長官はさらに「経済面でも軍事面でも、アメリカにチャレンジする最大の能力を持つ国は中国だ。南シナ海でも東シナ海でも、中国はアメリカやその同盟国側の利益を侵し続けている」とも述べた。トランプ政権の対中観の本音を映し出すような発言だった。

中国側でも国営新華社通信がこのポンぺオ長官の発言を詳しく取り上げ、「アメリカは自分たちの責任で生まれた危機を中国のせいにしている」と激しく反発した。

「一つの中国」原則も対中政策のテコに

トランプ政権は中国側が最も嫌がる台湾への武器売却にも踏み切った。7月はじめ、同政権としては初めて、台湾向けに総額14億ドルほどの早期警戒レーダーやミサイル部品などの輸出の手続きを開始したのだ。

国防総省の報道官は、この武器売却が「一つの中国」路線の変更を意味するわけではないと説明した。だがトランプ氏には、就任前に台湾の蔡英文総統と電話会談し、「一つの中国」への疑問を呈した軌跡がある。

トランプ政権のこうした動きについて、長年、国務省やCIAで対中政策を担当したロバート・サター・ジョージワシントン大学教授は次のように論評した。

「オバマ政権はとにかく中国との摩擦や衝突を避け、中国側の無法で攻勢的な行動にも正面から抗議しなかった。だが、現在のトランプ政権は強く押し返して、中国を守勢に立たせ始めた。しかも『一つの中国』の大原則までを対中政策のテコに使おうとする姿勢は歴代政権でも前例がない」

サター氏はトランプ政権の対中政策の特徴として、「中国が南シナ海で不当な領土拡大をすれば、台湾など他の領域で武器売却などの報復措置をとり、中国に代償を払わせるというリンケージ(連結)策をとっている。オバマ政権では、まず絶対になかったことだ」とも述べた。

米中関係のこうした険悪化は、結果的に日米同盟の強化にもつながることとなる。アメリカは中国への抑止のために、在日米軍の基盤となる日本との同盟関係をより重視するようになるからだ。

北村記事

中国・北京の人民大会堂で会談するレックス・ティラーソン米国務長官(左)と中国の習近平国家主席。ティラーソン長官は「独自のチャンネル」を通して北朝鮮と直接対話していると述べた。しかし北朝鮮側は核兵器放棄に向けた対話への関心を示していないという。(2017年9月30日撮影)。(c)AFP/Lintao Zhang〔AFPBB News

トランプ大統領は北朝鮮に対して軍事的オプションをちらつかせての恫喝的“口撃”を繰り返している。だが、先週の本コラムでも指摘したように、現実にはアメリカからの先制攻撃はそう簡単には実行できない。

トランプ政権は北朝鮮との直接交渉も模索しているものの、結局のところ、北朝鮮の核・ICBM開発を制御するには中国に影響力を行使してもらうことを期待するしか手はない状態が続いている。

アメリカにとっての不運、中国にとっての幸運

習近平主席が訪米したときから、トランプ政権はすでに北朝鮮問題で中国の協力を当てにするようになっていた。だが、アメリカ側の期待に反して、中国の対北朝鮮圧力が目に見える形で功を奏することはなかった。そのため、トランプ政権はさらなる中国側の対北朝鮮圧力を引き出すために、中国の南シナ海侵出を軍事的に牽制するポーズをとる必要性に迫られた。

そこで、アメリカ海軍太平洋艦隊に南シナ海でのFONOP(航行自由原則維持のための作戦)をはじめとするパトロールの強化を命じた。というよりは、太平洋艦隊の方がこうした軍事的圧力の実施の許可を強力に求めていたので、ホワイトハウスが太平洋艦隊に「命じた」というよりは、「許可した」と言うほうが正しい。

いずれにせよ、アメリカ海軍は南シナ海でのパトロールを強化するとともに、5月下旬にはFONOPを再開し、7月、8月と、オバマ政権下ではなかった毎月1回という早いペースでFONOPを繰り返すかに見えた。

ところが8月のFONOPを実施した米海軍駆逐艦ジョンS.マッケインがシンガポール沖でタンカーと衝突し大破、10人もの乗組員を失う事故を起こしてしまった。この事故の2カ月前には、米海軍駆逐艦フィッツジェラルドが伊豆沖でコンテナ船と衝突し大破、7名の乗組員を失ったばかりであった。そのため、ようやく太平洋艦隊が望んでいた中国の海洋侵出に断固たる態度で臨む機運が生じた矢先に、艦艇の行動が制約されてしまう事態に陥ってしまったのだ。

太平洋艦隊所属艦艇の事故は、合わせて17名もの犠牲者を出したジョンS.マッケインとフィッツジェラルドの衝突事故以外にも、巡洋艦レーク・シャンプレインが韓国漁船と衝突した事故、巡洋艦アンティータムが母港横須賀港沖で座礁した事故と、今年に入ってから4件にものぼっている。

このことが、太平洋艦隊にとってさらなる不運、そして反対に、南シナ海や東シナ海への軍事的侵出を強力に推進している中国にとっては幸運、をもたらした。

突然の退任勧告を受けたスウィフト司令官

かねてより対中強硬派の米軍関係者たちは、ハリー・ハリス太平洋軍司令官の後任にスコット・スウィフト太平洋艦隊司令官が就任すれば、今後の太平洋艦隊そしてアメリカ海軍は鬼に金棒となるものと期待していた。

ハリス太平洋軍司令官は、太平洋艦隊司令官そして太平洋軍司令官と歴任し、中国に対して強硬な態度をとり続けてきた。そして、スウィフト太平洋艦隊司令官も、やはり中国に対し断固たる態度をとるべきであると主張し続けてきた。

スコット・スウィフト太平洋艦隊司令官。パールハーバーにて(2017年9月11日、U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Daniel Hinton/Released)

多くの太平洋軍司令部関係者や太平洋艦隊司令部関係者たちは、スウィフト太平洋艦隊司令官が次期太平洋軍司令官に就任するものと考えていた。なぜならば、スウィフト司令官は理論家的な学者肌の側面と断固とした決断をなす軍事リーダーの側面を併せ持つ人物であり、多くの米海軍や米海兵隊幹部たちから人望を得ている理想的な太平洋艦隊司令官であったためである。

筆者自身が9月12日にスウィフト司令官と面会した際にも、提督が語った日本をはじめとする東アジア情勢の話の節々から、次期太平洋軍司令官としての意気込みが感じられた。

このように、9月24日までは、誰もがハリス太平洋軍司令官の後任にはスウィフト太平洋艦隊司令官が就任するものと考えていた。

しかしながら、9月25日、突然海軍作戦部長(米海軍最高位の軍人)リチャードソン大将がスウィフト司令官に対して、「次期太平洋軍司令官に貴官を推薦することはない」と直接言い渡したのである。これは実質的な退任勧告とみなすことができる。

自他ともに疑っていなかった太平洋軍司令官へのステップが突然絶たれたスウィフト司令官は、太平洋艦隊司令官の職責を全うし次第、退役する旨を申し出た。スウィフト司令官の退役の時期は「6週間後になるか、6カ月後になるか」定かではない。いずれにしてもスウィフト提督が太平洋艦隊司令官の職をもって海軍から去ることになり、対中強硬の期待は潰えたのである。

中国が何らかの形で影響力を行使?

リチャードソン海軍作戦部長がスウィフト司令官に事実上の退役を促したのは、「2017年に入ってから太平洋艦隊所属軍艦の重大事故を4件も起こしており、合わせて17名もの将兵を失ってしまっている」ことが表向きの理由と考えられている。つまり、「事故を起こした艦艇や第7艦隊司令部関係の幹部6名がすでに処分を受けているのだから、総責任者である太平洋艦隊司令官も引責せざるを得ない状況である」というわけだ。

しかしながら、対中強硬派の海軍関係者や海兵隊関係者たちの間では、「中国が何らかの形での影響力を行使したのではないか?」あるいは「ホワイトハウスやペンタゴンにはびこっている政治的配慮が、ハリス司令官以上に対中強硬派の重鎮とみなされているスウィフト司令官の人事決定の背後に横たわる理由ではないか?」と考えているものも少なくない。

これまで中国の南シナ海や東シナ海での軍事的冒険主義に対して“最後の牽制”を加えてきたスウィフト司令官が、太平洋艦隊司令官(海軍だけの司令官)から太平洋軍司令官(海軍・海兵隊・空軍・陸軍・特殊作戦群など全ての司令官)へと昇格したならば、中国にとっては極めて好ましくない状況となるわけである。実際に中国は、対中強硬派の頭目とみなしていたハリス太平洋軍司令官を罷免するようにワシントンDC筋に圧力をかけたこともある。そのため、スウィフト司令官の昇格の妨害もしかねないと対中強硬派の人々は危惧していた矢先であった。

このような状況下で、スウィフト司令官に対する実質的退役勧告がなされたのだ。そのため、「このままスウィフト司令官が太平洋軍司令官に就任せずに退役してしまった場合、得をするのは中国だけだ」といきり立っている人々も少なくない。

中国に吹く追い風

もちろん、リチャードソン海軍作戦部長がスウィフト司令官の昇格を却下する過程で「中国に対する政治的配慮」が少しでもなされたのかどうかは分からない。しかしながら、そのような影響力とは全く無関係に人事が決定されたものであったとしても、対中強硬派の人々の間で人望の高いスウィフト海軍大将が太平洋軍司令官のポストを得られなかったという、中国人民解放軍が望んでいた筋書きが実現したことは事実である。

太平洋艦隊が事故を連発してしまったために、FONOPをはじめとする南シナ海での対中牽制活動は勢いを失ってしまい、“最後の切り札”と期待されていたスウィフト太平洋軍司令官の誕生も露と消えた。まさに、南シナ海を巡る米中攻防戦では、中国側に強運の女神が微笑んでいるということができる。

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『党代表選挙の異変は「中国大統領選」への布石か 習近平、主席から“皇帝”への野望に必要な要件は』(10/4日経ビジネスオンライン 福島香織)について

10/3中国観察<習近平找人替代金正恩? 三胖遭重大挫折 ——川普叫蒂勒森別對朝談判了=習近平は金正恩の代わりを探している?三代目の豚は重大な挫折に遭う。トランプはテイラーソンに「北とは交渉するな」と言う。>この記事によると①英国のシンクタンクRUSI (Royal United Services Institute)のMalcolm Chalmers教授は「金正恩を中国が暗殺する計画がある」②それに対し米国のメデイアの一員は「それは誇張し過ぎ。中国は金漢率(金正男長男)への庇護を拒絶したではないか」③北の潜水艦からのSLBM発射実験失敗で技術者が傷亡、正恩には痛手 と。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/10/03/373935.htm%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E6%89%BE%E4%BA%BA%E6%9B%BF%E4%BB%A3%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%EF%BC%9F-%E4%B8%89%E8%83%96%E9%81%AD%E9%87%8D%E5%A4%A7%E6%8C%AB%E6%8A%98-%E5%B7%9D%E6%99%AE.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

陳破空氏の『米中激突 戦争か取引か』の中で、金正男暗殺での中国の採った態度の可能性は3つ挙げられています。(P.186~187)「可能性その一。中国政府の保護能力のなさが金正男暗殺を招いた。もしそうであれば大国として無能さを曝け出したに等しい。習近平は、陰に陽に繰り広げてきた金正恩との戦いで連戦連敗を喫している。ニ〇一三年に、中国と密かに通じていた親中派の張成沢(金正恩の叔母の夫)が金正恩によって処刑され、そして今また、中国が長期にわたって保護してきた金正男が毒殺された。中国政府、情報機関、国家安全部の面子は、丸潰れである。

可能性そのニ。中国共産党内部の問題に起因する。習近平の反腐敗運動による粛正に不満を抱く者が、金正恩側に情報を漏らし、金正男のスケジュールが把握され暗殺された可能性だ。かつてニ〇一〇年一〇月、当時、政治局常務委員だった周永康が平壌を訪問した際、周が、金正日・正恩父子に、中国政府が張成沢を北朝鮮の統治者に担ぎ上げようとしている極秘の計画をばらした、という内部情報がある。そのため金父子は警戒するようになり、金正日の死後、後を継いだ金正恩は、突如、汚職の罪で張成沢を逮捕し、処刑した。 こうして張成沢を北朝鮮の「鄧小平」にしようとの中国の夢は断たれた。周永康は、失脚 した直後に習近平に逮捕され投獄された。周永康に対する起訴状の三つの罪名の一つが、「国家機密を故意に漏洩した罪」である。これは、すなわち金正日・正恩父子に機密を漏 洩したことを指すと考えられる。

もし中国共産党内部の人間が北朝鮮側に情報を漏らしたために金正男が殺されたのだとすれば、中国共産党内部の権力闘争が一段と激しさを増し、分裂•混乱状態に陥っていることを示す。食うか食われるかの残酷な派閥争いでは、敵の戻にはめられることに誰もが恐怖を感じ、不安にかられている。金正男は、不運にも中国共産党内部の派閥抗争の犠牲となったのかもしれない。

_可能性その三。アメリカに対抗するため、金正恩との冷めた関係の改善を急いだ習近平が金正男を見殺しにした。金正恩の要求を受けて金正男に対する保護を取りやめたために暗殺された、というものだ。もしそうであれば、習近平は、大馬鹿者の誹りを免れない。 なぜなら大国の指導者ともあろう人問が、なぜいとも簡単にこんな重要な切り札を捨ててしまえるのか。将来、北朝鮮の現政権が崩壊した際、金王朝ニ代目の長男(金正男)は、非常に7重要な役割を担ったはずである。中国は、ただその日が来るまで待てばよかった。」と。

10/2Newsweek 遠藤誉<中国が北朝鮮を攻撃する可能性が再び—-米中の「北攻撃」すみ分けか>10/18中国共産党大会に北が大きな花火を打ち上げれば中国の北攻撃の可能性は大きくなるでしょう。3度目の正直です。米中で下打合せができているのでは。でも11月のトランプ訪亜が終わってからになると思います。環球時報やEast Asia Forumに意見を載せて様子見してきましたから。確かにこの方法は日本にとって被害が少ないと思いますが、金三胖が怒って中南海に核ミサイルを落とす可能性もあります。それを考えると中国が動くのは米軍の空爆後、北のミサイルを無力化してからでしょう。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/—–10.php

10/4宮崎正弘氏メルマガ<西太平洋の親日島嶼国家パラオもテニアンもサイパンも   いつの間にか中国資本が日本に替わって資本を投下している>。相変わらず中国は抜け目なく軍事拡張しようとしています。日米ともに中国を放置し過ぎでしょう。北を解決したら中国と対峙です。

http://melma.com/backnumber_45206_6591555/

福島氏記事にありますような「中国に西洋型選挙による議会制民主主義」にはならないと思います。習近平自体が一人独裁を望み、共産党を統治の手段として活用しようとしていますから。政敵は強権の下、弾圧すれば良いので。そもそもジニ係数が0.73(北京大学2014年調べ)では、選挙をすれば共産党が政権を担うことはできないでしょう。北朝鮮と同じく記名式選挙で銃剣を突き付けてやらせる選挙しかできないはずです。まあ、世界の笑いものになるだけです。黒子や文盲、買収の問題も明らかになるでしょう。

http://n-seikei.jp/2014/07/post-23313.html

記事

習近平主席の野望はどこまで続くのか(写真:AP/アフロ)

党大会に参加する党代表名簿が最終決定した。2300人の定員のはずが、発表された名簿は2287人。13人の名前が消えている。これは一体どういうわけか、と香港あたりのメディアがいろいろ分析している。折しも、中国中央メディアでは党代表がいかに民主的なシステムで選ばれているかを白々しいまでに説明している。この党代表の選抜自体になにか政治的メッセージがあるような。

重慶市、孫政才一派を排除

党代表は昨年11月9日に選抜工作に関する通達が出され、定員2300人、全国で40におよぶ選挙単位(省・自治区・直轄市、軍部などの組織)によって選出されることが決定された。だが党大会直前になって27人の資格が急きょ取り消された。14人は補選によって再選出されたが、13人は間に合わず、第19回党大会の代表は2287人になったという。

で、誰が資格を取り消されたのか。まず重慶市の代表が少なくとも14人、資格を取り消された。その中には党籍剥奪という厳しい処分が明らかになった孫政才のほか、重慶市の党常務委員会メンバーである曽慶紅(江沢民の側近の大物政治家とは同姓同名だが無関係、女性、元重慶組織部長)、王顕剛(市委秘書長)、劉強(政法委書記)、陳緑平(常務副市長)、陶長海(統戦部長)、盧建輝(大渡口区委書記)、劉文海(重慶市委副秘書長)、李洪義(涪陵区委書記)、何平(武隆区委書記)といった名前が出ている。

このうち陳緑平、劉強、陶長海は孫政才の引きで出世した腹心だ。つまり、孫政才を失脚させるだけでは安心できず、重慶の孫政才周りの主要官僚を軒並み連座させた、ということである。5月下旬の段階で選出された重慶市の党代表は本来43人なので、実に3分の1近い代表が資格をはく奪されたということになる。4人が補選で補われたものの、重慶市の党代表団は33人に減ったわけだ。これは、たとえば日本の国会で、同じ党派の議員がいきなり10人議員資格をはく奪されたようなイメージで考えてもらうと、インパクトが理解できるのではないか。

軍部、企業系、四大直轄市も

重慶市以外に資格剥奪が目立ったのは軍部だ。中央軍事委員会後勤保証部政治委員の張書国、国防科技大学前政治委員の王建偉、武装警察副政治委員の張瑞浄らの名前が名簿から消えている。いずれも中将だ。

ほかに資格が取り消されたのは、中央規律検査委員会駐財政部規律検査組の元組長であった莫建成、公安部政治部主任で江沢民と関係が深いといわれた夏崇源、中国聯通(チャイナ・ユニコム)董事長の王暁初。ともに今年6月に党大会代表に早々に選抜されていたはずだった。莫は8月下旬、重大な規律違反容疑で失脚。夏もどうやら“不測の事態”に遭遇した、と伝えられている。王暁初の代表資格取り消しの原因は不明ながら、江沢民派の利権企業であった中国聯通はいわゆる国有企業改革で、いろいろ揉めており、その責任を問われた可能性がある。企業系の資格取り消しは他にも、河鋼集団董事長の于勇、山東威高集団董事長の陳学利がいる。

さらに吉林省政治協商会議主席の黄燕明、黒竜江省委統一戦線部副部長の林寛海。このあたりは習近平の嫌う北朝鮮利権閥のからみもあるかもしれない。他に安徽省馬鞍市委書記の魏尭、甘粛省甘南州長の趙凌雲。

このほか、天津市、北京市、上海市も多くの市委常務委員が代表落ちしており、四大直轄市が若干格下げになった印象だ。以上、香港紙明報や香港新興メディアの香港01がまとめていたので参考にした。

いったん選出された党代表が、党大会直前に代表資格を取り消されるという異様な状況を言い訳するように、新華社はじめ中央メディアが、「党代表はどのように選抜されたのか」というテーマの記事を一斉に発信した。そこで強調されているのが、党代表は“厳格に党規約と中央の代表選挙工作の要求に従い”段階的な選挙による方法で選出された、ということだ。つまり、選挙というシステムで、民主的に選ばれたのだ、ということを強調している。

ちなみに党代表選出の選挙システムとは、まず組織の上層部が候補者をリストアップし、組織での考察を経て、代表候補名簿を確定したのち予備選挙を行い、会議選挙を行うという五段階を経て代表が選出される。しかも、その投票は信任・不信任を投票するのであって、複数の候補者から選抜するものでもないので、まったくもって民主的な選挙とは別物だ。しかしながら、重慶市は重慶市で、軍部は軍部で、そうやって組織として選んだ代表を送り込んでくるという意味においては、それなりの党内民主というものがあった。今回の党代表選挙は、そうした共産党の従来の党内民主というものを無視し、習近平の仕掛けた権力闘争に相当かき回されたようにみえる。

選出場所の不文律も打破

ちなみに今回の党代表選挙では、党中央指導者たちの選出場所が、祖籍地や勤務地という従来の不文律も打破された。

例えば習近平は第18回党大会は上海で党代表に選ばれた。それは習近平が上海市の書記だったからだ。胡錦涛は江蘇省で選ばれた。胡錦涛の出生地が江蘇省だからだ。温家宝も出生地の天津で選出された。だが今回、習近平は貴州省で選出されている。李克強は広西チワン族自治区、張徳江は内モンゴル、兪正声は新疆、劉雲山は雲南、王岐山は湖南、張高麗は陝西…。政治局常務委員全員が、祖籍や勤務地とまったく関係ないところで選出されており、これは異例といえる。

指導部を地縁政治から切り離そうとする習近平の意見ではないか、という見方がある。もちろん、習近平が貴州を選んだのは、代表選出時、自分がかわいがる子分の陳敏爾が書記を務めおり、必ず全票当選できる環境があるからではあるが、他の政治局常務委員たちには、あえてゆかりのないところで選出させ、全票当選させないようにしたのかもしれない。また、政治局常務委員たちの選出場所がいずれも貧困地・辺境と呼ばれる地域で、習近平の掲げる“一帯一路”戦略にかかわりのある土地にしたことに、政治的メッセージがあるという意見もある。

その建前はともかく、習近平が今回の党大会に参加する党代表選出のやり方において、従来のルールを変えてなにかしらの主導権と影響力を発揮しようとしていることはうかがえる。

こうした動きが、習近平は将来的に選挙というものに非常に関心を持っているのではないか 将来的には国家指導者選びも選挙制を導入するつもりではないか、という憶測のもとになっているわけだ。

選挙制導入の“噂”

これは昨年あたりからさんざん流れている“噂”ではあるが、習近平が長期独裁政権を打ち立てる正統性を得るためには選挙制度を導入するつもりらしい、という。

ラジオ・フリーアジアの評論家・高新や明鏡新聞創始者の何頻らが、しばしば指摘しているのだが、習近平が独裁者のそしりを避けつつ、国家指導者として長期君臨し続けるためには、2022年の第20回党大会で、党の統治システムを根本的に変える必要がある。たとえば政治局常務委員制度を廃止するか権限を制限して、党主席制度を導入する、あるいは国家主席権限を強化する。そして強権を持つようになる国家主席は選挙で選出する。あるいは、国家主席職を廃止して大統領制を導入するしかない。

そのためには、第19期の六中全会(2021年秋)あたりに、民間に習近平神格化世論を盛り上げて、民間からの習近平続投要望の公開書簡を出させるなどの世論誘導を行う。そのとき選挙制度を提案すれば、中国の民間には選挙に対するあこがれはもともと強くあるので、すんなり受け入れられる。たとえば反腐敗キャンペーンの成果や、南シナ海の島々の実行支配ほか、何かしらのわかりやすい成果で国民の熱狂的支持を得ることができれば、習近平は選挙で選ばれて、国民に選ばれた指導者として強権をふるうことができるわけだ。

もともと習近平は共産主義の元老・元勲が持つ威厳と資質に欠けている。毛沢東のように共産党の核心として長期君臨し続けるには無理がある。となると、選挙で選ばれて、党の核心ではなく万民の核心として指導者の地位を確立させるしかない。

もっとも大統領制を導入したら民主主義なのか、というと、基本共産党の一党独裁が変わらなければ、その本質は宮廷政治。大統領ではなくて皇帝に近いイメージだろう。袁世凱やチャウシェスクみたいな感じだ。だが、それでも、党中央委員会が絞った複数の候補から国民が一人選ぶとなれば、その指導者の正統性は説得力をもつ。

習近平にとっての問題は、大統領選挙を行って、果たして勝てるか、ということである。

社会主義を放棄できるか

何頻などは、今の方向性のままでは難しいと見ている。最大の原因は経済政策の失敗である。鄧小平路線を逆走する共産党による経済コントロールの強化では、中国経済は回復できない。そのつけは、中産階級だけでなく低所得層にもいくのだ。

また、エリート、中産階級、知識人たちを弾圧してきた習近平に対するイメージは相当ネガティブで、知識層、中産階級層が主流のインターネットユーザーの間では習近平の評判は低い。農村、労働者などは、習近平の反腐敗キャンペーンや核心キャンペーンに洗脳される人も多そうだが、若者に関していえば、今や出稼ぎ労働者もスマホでSNSのやり取りに参加する時代であり、実はそんなに簡単にプロパガンダに乗せられるほど“情弱”でもないのだ。

なので、習近平が大統領になることを望むのであれば、その路線は毛沢東回帰ではなく、改革開放であり、自由化であり、特に政治改革、司法の独立や法治の徹底に踏み込まなければならない。

次の5年で、習近平にそれができるかどうか。それができれば、毛沢東も鄧小平も胡耀邦も趙紫陽も得られなかったチャンスを習近平はつかむことになる、というわけである。

中国が党大会でざわついている間に、日本でも総選挙を迎える。昨日まで護憲を主張して安保法制に体を張って反対していた人が選挙に勝つためなら改憲派に変わるのを情けない、という人もいるだろうが、有権者の求めるように国や社会を変えていくのが政治家の務めなら、有権者に合わせて信念やイデオロギーが変わるのも、また民主主義の特性ともいえる。

というわけで、習近平にも、ぜひ日本の政治家のような、身軽な信条変更、路線変更を見習ってほしいところだ。民主主義という名の大衆迎合主義のほうが、実はイデオロギーよりも、長期独裁政権確立への近道であるかもしれないのだから。

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『ハーバード大が授業で新渡戸稲造の「武士道」を教える理由 アンドルー・ゴードン教授に聞く(上)』、『日本が目指すべき品格ある国家とは?ハーバード大教授が提言 アンドルー・ゴードン教授に聞く(下)』(10/2・3ダイヤモンドオンライン 佐藤智恵)について

反日民進党が分裂して、リベラルを結集、立憲民主党を作るとのことです。保守VS リベラルの構図としてメデイアは報道していますが、リベラルではなく左翼と考えた方がよいでしょう。保守VS リベラルと言うと違いが分かりません。愛国VS売国、親日VS反日と言う構図で捉えれば分かり易くなります。売国・反日政党は勿論日本共産党、社民党、自由党、立憲民主党、民進党です。

「アメリカはなぜ日本を見下すのか?」を著した “Jason Morgan”先生の ”International Relationships Overviews”の英語の授業を9/22より麗澤大学で受講しています。先生によれば“Liberalism”の考えは1648年の「ウエストファリアの平和」から出たとのこと。「人は平等で王は要らない」という事でした。その定義で行けばリベラルでも間違いはないのでしょうが、革命政党であることは論を俟たずです。

立憲と付けた政党は立憲改進党と立憲政友会とがありましたが、憲法制定や立憲君主制を目指す政党でした。左翼が立憲を使うのは違和感があります。単なる護憲(頑迷固陋な守旧派、その実日本を外国に売り渡そうとする手先)政党でしょう。

ゴードン教授は「品格ある国家とは、自らの過ちを認め、それを改めることでさらに強くなっていく国家のことです。」と言っていますが、米国歴史学会はFDRの誤りを認めず、それに異論を唱えると「歴史修正主義」のレッテルを貼って、米国の正しさを強調しているではないですか。本記事を読むとゴードン教授に言いたい。先ずは自らの誤りを認めてから、他人に要求しなさいと。彼はcourt historianでJason Morgan先生はtrue historianでしょう。

ハフィントンポスト<世界の日本研究者ら187名による「日本の歴史家を支持する声明」の背景と狙い>の記事にもゴードン教授の名前が出てきます。

http://www.huffingtonpost.jp/emi-koyama/historical-revisionism_b_7253936.html

この記事は、マスメデイアは洋の東西を問わず、異論を許さない、特に米国が日本を戦争に導いたことなどは触れようともしません。

レコードチャイナ<安倍政権が焦って推進する新安保法制は憲法違反=歴史修正主義指摘の研究者への「反日」レッテル貼りもやめよ!―米ハーバード大教授が記者会見>

http://www.recordchina.co.jp/b112159-s136-c10.html

にも登場しますので、筋金入りのcourt historianでしょう。ダデン教授同様、チャイナや韓国の手先と思ってよいのでは。

流石NHK出身の佐藤智恵氏だけあって、中立を装いながら、かつハーバードの名前を使い、日本の歴史を貶めようとしているように見えます。引っかからないように。

渡辺惣樹氏の本を読めば分かります。

(上)記事

「日本の200年――徳川時代から現代まで」の著者として世界的に有名なアンドルー・ゴードン教授。本書は、世界各国の大学で「日本の近現代史の教科書」として活用されている。ハーバード大学の日本史の授業では、「世界との関わりの中で日本史を見る」ことを徹底的に教える。ゴードン教授が授業で「新渡戸稲造」「岡倉天心」「ラビンドラナート・タゴール」を取り上げているのはなぜなのだろうか。(2017年4月18日、ハーバード大学にてインタビュー)

日本が世界に与えた影響

佐藤 日本史の授業「アジアの中の日本、世界の中の日本」では、長い歴史の中で日本が世界に与えてきた影響についても教えています。

アンドルー・ゴードン教授

ゴードン 19世紀ごろまでは、日本は世界にそれほど大きな影響を与えていなかったと思います。奈良時代から日本は中国や韓国と貿易していましたし、使節も送っていましたが、それらはもっぱら両国から様々な制度や文化を取り入れることを目的としていました。日本が両国に与えた影響は限定的だったと思います。

ところが19世紀の明治維新以降、様相は一変します。ヨーロッパの人たちが日本の文化や芸術に価値を見出しはじめるからです。

授業では、1920年代の「モダンガール」を調査した研究についても教えていますが、それを見ると、欧米とアジアがお互いに影響し合っているのがよくわかります。つまりファッションは、欧米からアジアへと一方的に入ってきただけではなく、日本や中国のファッションもまた欧米に影響を与えていたのです。文化の伝播は一方的ではなく、複数の方向性を持つことを物語る資料です。

佐藤 19世紀から20世紀にかけて、日本の文化が世界を席巻したということですね。

ゴードン 日本文化は、西洋の知識人の好奇心を刺激しました。政治、経済よりも、日本は芸術、文化、思想で海外に影響を与えてきた国なのです。

思想でいえば、新渡戸稲造の「武士道」についても教えています。1900年にアメリカで出版された「武士道」は、セオドア・ルーズベルト(1858~1919)に感銘を与えました。ルーズベルトは、「日本人の男性に脈々と受け継がれている精神を理解することはとても重要だ」と考え、「武士道」を自ら何冊も購入し、「これを読めば日本がよくわかる」と言って、友人などに配ったと言われています。ルーズベルトにはハーバード大学卒の日本人の友人もいましたし、ホワイトハウスに相撲の力士を招待したこともありましたから、日本のファンだったのは間違いありません。

そのほかにも、エドワード・モース、ウィリアム・ビゲロー、アーネスト・フェノロサなど、日本文化に多大な影響を受けて、日本文化の素晴らしさを母国に伝えた人たちがいました。

佐藤 授業では、日本の近代化について学ぶ回で岡倉天心(1863~1913)をとりあげています。岡倉天心といえば東京美術学校(現・東京芸術大学)の設立に寄与し、ボストン美術館の東洋部長として日本美術の振興に尽力したことで有名ですが、授業ではどのようなことを教えているのですか。

ゴードン 岡倉天心については、「東洋の理想」「茶の本」など英語の本を出版したこと、アメリカに長く住んでいたのでネイティブスピーカー並の英語力の持ち主だったことなど基本的な情報を伝えた上で、こんな面白いエピソードも授業で披露しています。

岡倉には、「アメリカでは日本の着物を着て、日本では洋服を着る」というこだわりがあり、アメリカの街を歩くときも常に着物を着ていたそうです。1900年代初頭、岡倉と弟子たちが羽織・袴という装いでボストンの街を闊歩していると、地元のアメリカ人から「お前たちは何ニーズ?チャイニーズ?ジャパニーズ?ジャワニーズ?」(中国人?日本人?ジャワ人?)とからかわれました。すると岡倉は「私たちは日本の紳士です。あなたこそ何キーでしょうか? ヤンキー? ドンキー? モンキー?」(アメリカ人?ロバ?猿?)と流暢な英語で言い返した、という話です。

この話が興味深いのは、当時のアメリカには人種差別主義的な考えを持っていた人がいたこと、岡倉が西洋化の波の中にあっても日本人としての誇りを失っていなかったことを同時に象徴しているからです。また、冷やかしを英語のジョークで返した岡倉の英語力と機転の良さには感心するばかりです。

佐藤 岡倉天心とともに、インドの思想家、ラビンドラナート・タゴール(1861~1941)についても教えているのはなぜでしょうか。

ゴードン 岡倉天心とタゴールは近しい間柄にあり、お互いに影響を与え合いました。彼らはともに「西洋の文明は高い理想を掲げているが、その本質は権力、金銭、物質をひたすら追い求めることだ」と批判しました。

タゴールについて教えているのは、日本が他のアジア諸国に与えた精神的な影響について学生に知ってもらいたいからです。帝国主義のもと、アジア諸国が次々にヨーロッパの植民地になっていく中で日本は独立を保っていた数少ない国の一つでした。

授業では、まずインド独立運動の指導者ネルーが、日露戦争で日本が勝ったことにどれほど勇気づけられたか、について話します。ネルーはのちに「日本の勝利は『アジアを元気づける刺激剤』であり、自分の民族意識を呼び覚まし、インド独立のために戦おうと決意した契機になった出来事だった」と述べています。

タゴールもまたネルーと同じように日本に刺激を受けた指導者でした。日本は、彼らに西洋の帝国主義国に対して立ち向かう勇気を与え、インドという国に非常に大きなインパクトを残しました。

日本の200年[新版] 上―― 徳川時代から現代まで アンドルー・ゴードン

佐藤 日清戦争、日露戦争を経て、インドだけではなく、アジア各国で日本から学ぼうという機運が高まり、多くの留学生が来日したそうですね。

ゴードン 1900年から1910年末まで、日本で教育を受けたいという若者たちが、中国、台湾、朝鮮、ベトナム、インド、フィリピン、ビルマなどから殺到しました。中国からは数千人規模の留学生がやってきました。

ところが、残念ながら、希望を持って来日した留学生たちは、「結局のところ、日本は西洋の帝国主義国と変わらないじゃないか」と失望することとなります。日本政府が表では「世界の侵略からアジアを守る」と言いながらも、裏では欧米諸国と密約を交わし、アジア人を排斥することにしたからです。たとえば、1907年、日本はフランスと「相互の植民地を侵さない」という協約を結び、日本に住むベトナム人留学生を国外退去処分にしました。

1930年代から第二次世界大戦にかけて、引き続き日本は「アジア人のためにアジアを解放する」という名目のもと、植民地支配を拡大しました。しかしながらそれを本気で信じたのはインドだけでした。なぜならインドは日本から地理的に遠かったため、日本軍から直接攻撃されなかったからです。インドネシア、ベトナム、フィリピンなど東南アジアの国々の多くの人々は日本の帝国主義に落胆し、「日本は自分たちの独立のために戦っている」とは思っていませんでした。

佐藤 日本はインドの独立にプラスとなる精神的な影響を与えたけれども、日本の行為は東南アジアの人々に不信感を抱かせる結果となったということですね。

ゴードン 確かに、第二次世界大戦は西洋の帝国主義を終焉させる契機となりました。戦後、アジア諸国は次々に独立し、植民地支配から解放されていきましたが、日本が戦時中、現地住民の民族運動を支援したことが、独立への原動力の一つになったことも事実です。しかしながら、日本の軍事行動が、アジア諸国に負の遺産を残したこともまた、紛れもない事実なのです。

岡倉が「東洋の思想」の冒頭で記した「アジアは一つ」という言葉は曲解され、岡倉が描いた「東洋の理想」は実現しませんでした。岡倉天心、タゴール、ネルーについて教えているのは、こうした歴史の二面性を伝えたいからなのです。

>>続編『日本が目指すべき品格ある国家とは?ハーバード大教授が提言』は10月3日(火)公開予定です。

アンドルー・ゴードン (Andrew Gordon) ハーバード大学教授。専門は日本史(近現代史)。アメリカにおける日本史研究の第一人者。ハーバード大学では学部生を対象に日本史の授業「アジアの中の日本、世界の中の日本」を教える。特に日本の近現代の労使関係史、社会史、政治史を中心に研究。元エドウィン・O・ライシャワー日本研究所所長。2014年旭日中綬章受章。「ミシンと日本の近代―消費者の創出」(みすず書房)、「日本の200年―徳川時代から現代まで」(みすず書房)、「日本人が知らない松坂メジャー革命」(朝日新書)など著書多数。 佐藤智恵(さとう・ちえ) 1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、2000年退局。 2001年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。コロンビア大学経営大学院入学面接官、TBSテレビ番組審議会委員、日本ユニシス株式会社社外取締役。主な著者に『世界のエリートの「失敗力」』(PHPビジネス新書)、『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)、『スタンフォードでいちばん人気の授業』(幻冬舎)、最新刊は『ハーバード日本史教室』。佐藤智恵オフィシャルサイトはこちら

(下)記事

トランプ大統領の誕生した今年ほど、「国家の品格」「リーダーの品格」が問われた年はないだろう。アンドルー・ゴードン教授は、日本とアメリカの両国で「実体のない品格」(empty dignity)をもった国民が増えつつあることに警鐘を鳴らす。真に品格ある国家とはどのような国家だろうか。前回に続き、ゴードン教授に聞いた。(2017年4月18日、ハーバード大学にてインタビュー)

日本が持つ強さと課題

佐藤 日本が現在抱えている課題は何でしょうか。

ゴードン 日本は、少子高齢化、人口減少、経済停滞などの問題に世界で最初に直面する国です。アメリカ、西ヨーロッパ、韓国、中国などもいずれ、日本と同じような問題に直面することでしょう。

日本は、「大きな社会的な動乱を起こさずに、課題を解決していく方法はある」ということを示す世界のモデル国となれると思います。日本では、アメリカや中国ほど、貧富の格差が広がっていません。もちろん格差は広がりつつありますし、非正規雇用者の数も増えてきていますが、他国ほど貧困の問題は深刻化していません。そのため、革命や動乱がおきることもなく、人口問題や経済問題に集中して取り組むことができるのです。

佐藤 経済停滞の問題を解決するにはどうしたらよいと思いますか。

ゴードン 一つめは現実的に考えることです。私は歴史家なので未来は予測すべきではないですが、ただ確実に言えるのは、歴史的に見ても、経済成熟国が再び3~4%の経済成長率を達成した例はないことです。トランプ大統領や安倍首相は、高い経済成長率を目標に掲げていますが、それでは国民に過度な期待を抱かせるだけで、課題解決へとつながりません。

二つめが、政治的リーダーが嘘の公約をしないことです。ご存じのとおり、アメリカの大統領は選挙中、多くのでまかせを言って当選しましたが、これはとても危険な兆候です。

三つめが、もっと国全体を開国することです。島国である日本には、物理的な壁だけではなく、文化的な壁もあります。アメリカは日本よりも多様性があり、それがアメリカ経済の強みとなっています。

日本人にとって、日本はとても快適な国です。言語も行動様式も同じ人たちといれば、快適に暮らせるのは当たり前です。人種や民族の違う人々とともに生きれば、不快な思いもします。お互いのことを理解できずに対立することもあるでしょう。しかしながら、こうした議論や対立こそがイノベーションの源泉であり、新たなビジネスや文化的風習を生み出すのです。

日本と世界との間にさらに多くの人々が行き来すれば、日本にとっては大きなプラスとなるでしょう。日本の大学は留学生の受け入れを積極的に進めていますが、それだけでもよい効果が出てきていると思います。

佐藤 なぜ日本は、「鎖国」とまでは言わないまでも、内向的な国家になってしまったのでしょうか。

ゴードン 20世紀の前半の大日本帝国の時代は内向きではありませんでした。残念ながら岡倉天心が掲げた「アジアは1つ」という理想は、多民族国家を形成することにはつながりませんでしたが、少なくとも、この時代、日本は積極的に海外へ進出しようとしていました。

第二次世界大戦後、「単一民族国家としての日本」という考え方が広まりましたが、これは、島国国家の特徴でもあると同時に、「大日本帝国が失敗した」ことへの反動でもあると思います。海外に出ていくと我々は失敗してしまう。だから、同じ文化を共有する民族が住んでいるところのまわりに境界線を引いてしまえ、という考え方です。

佐藤 ゴードン教授は「日本は品格ある国家をめざすべきだ」と提唱されていますが、それはどのような国家でしょうか。

ゴードン 私が言う「品格ある国家」とは、日本の皆さんが考えるイメージとは異なるかもしれません。国民が「我が国は特別でも完璧でもなく、我が国にも暗い歴史はあるのだ」と認めた上で、自国を誇りに思う――これこそ品格ある国家の姿です。

若い人には、自国の良いところばかりを教えて、愛国教育を施す。これでは、「偽りの誇り」と「実体のない品格」(empty dignity)をもった国民ばかりになってしまいます。品格ある国家とは、自らの過ちを認め、それを改めることでさらに強くなっていく国家のことです。「我が国には恥ずべき歴史など何もない」と考えることは、虚構の中に生きることになります。それでは品格も尊厳も身につけられません。

私は、自国の暗い歴史を知らずして、世界の人々と本当に理解しあえることはできないと思います。なぜなら「自分の国は他の国よりも優れている」と刷り込まれていれば、謙虚さを失ってしまうからです。「尊厳」と「謙虚」は表裏一体のものなのです。

佐藤 アメリカは品格ある国家でしょうか。

ゴードン 私はアメリカ人ですが、今のアメリカは品格ある国家とはいえません。品格なきリーダーがトップになってしまったからです。トランプ大統領やその周りの人々に「品格」があるとはとても言えません。トランプ大統領の支持者はなぜ彼に投票したのか。それもまた「実体のない品格」からです。

私が危惧しているのは、世界中に「実体のない品格」を求める人たちが増えてきていることです。「自分の国は他国よりも優れている」「自分の国には良い歴史しかない」と若者に教えて、愛国的な国民をつくろうとする。こうした動きが日本、アメリカだけではなく、ヨーロッパ、中国、韓国などにも広がってきています。これは非常に危険な兆候です。

佐藤 なぜ私たちは、自国の負の歴史を認められないのでしょうか。

ゴードン 自国の過去の非を認めるのには、とても大きな勇気が必要だからです。たとえばアメリカには、長く「奴隷制」を続けてきた暗い歴史があります。アメリカにはいまだ奴隷制に端を発する負の遺産がたくさん残っています。有色人種に対する差別は根強く残っており、アメリカがこの差別問題を克服したとは思えません。そもそもアメリカという国は高い理想を掲げていますが、奴隷制を前提として建国された国家なのです。多くのアメリカ人は品格ある国民であり、奴隷制は間違っていたことを認めているのに、国のリーダーが歴史の負の遺産を否定するような言動をしている。なぜなら現大統領にはそれを認める勇気がないからです。

日本についても同じようなことがいえます。戦争で多くの日本人が犠牲となり、国は壊滅状態となりました。しかしながら、戦争の被害を受けたのは日本だけではありません。現代の日本は、日本国民だけではなく、隣国の国民の犠牲のもとに成り立っているのです。「彼らだって過去の過ちを認めていないじゃないか。なぜ我が国だけが反省する必要があるのか」と考えるのは、品格ある国民ではありません。

過去の失敗を認めるよりも、否定するほうがずっと簡単です。しかし、アメリカも日本も自国の負の歴史に向き合う勇気をもってほしいと願います。

佐藤 日本が本当の意味で品格ある国家となれば、さらに世界に貢献できるということですね。

ゴードン そうです。そのような行動は、他国に勇気を与え、「日本のような国になろう」と追随する国が出てくるはずです。実体なき品格を誇示する国家に対しては「恥を知れ」という態度で臨めばよいのです。

世界の中では、ドイツがお手本になるでしょう。唯一、自らの負の歴史を認めている国だと思います。アメリカ、韓国、中国はいまだに国家主義的な傾向が強いです。たとえば中国は大躍進政策(1958~1961)と文化大革命(1966~1976)の過ちを認めていません。現在の中国は、そんな歴史があったことさえも否定しているように思えます。それではいくら経済大国になっても、品格ある国家にはなれません。

日本にはイノベーション、テクノロジー、環境政策などの強みがありますし、高齢化社会の問題をどのように解決していくのかという意味でも世界から注目されています。日本がリーダーシップをとれる分野はたくさんあると思います。そのためにも、世界からさらに尊敬される国になってほしいと願っています。

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『開戦時の韓国の被害は? 注目集める12年前の予測 「韓国が壊滅的な打撃を受けることはない」とする理由』(10/2JBプレス 古森義久)について

10/2NHKニュース<トランプ大統領 国務長官の北朝鮮接触は「時間のむだ」>

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171002/k10011164631000.html

10/2宮崎正弘氏メルマガ<米国は「北朝鮮と直接対話するチェンネルがある」 ティラーソン、何もしない中国に苛立ち。制裁はザル>

http://melma.com/backnumber_45206_6590784/

NHK報道と宮崎氏の記事を比較しますと、大統領と国務長官で役割分担して北朝鮮を追い込もうとしているように見えます。中国の制裁破りは当り前で、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族ですので。米国は国内世論だけでなく、国際世論をも味方につけるため、テイラーソンに努力しているように見せているだけでしょう。このまま膠着状態が続けば時間の利益を北に与えることになります。北は核保有、米国は北の非核を目指していますので折り合うことは無いでしょう。

古森氏の記事は2005年の北攻撃の記事で、それでも韓国人の犠牲者数は10万人に止まっています。それ以降変わった点は北が核を10→60発持って弾頭の小型化に成功したとみられること、ICBMの技術を上げたこと、それに対して米国はハッキングや電磁パルスで北のミサイルを無力化でき、B61-11等バンカーバスター型小型水爆使用も躊躇わないこと等が考えられます。

米国の真の敵(=日本の真の敵でもありますが)は中国です。北を潰せなくて、中共を潰すことはできません。EUの盟主ドイツが中国やロシアとの関係を深め、反米の動きを強めているという記事が10/1宮崎正弘氏メルマガ<どこまで間抜けで、莫迦なドイツなのか 腐敗する中国からの投資を歓迎し、人権批判は口だけという醜態>にありました。米国議会も対ロ制裁など止めて、中国包囲網を構築するようにした方が良いでしょう。CIA、民主党が邪魔しているのかもしれませんが。

http://melma.com/backnumber_45206_6590550/

記事

韓国・慶尚北道の星州で、北朝鮮の核およびミサイルの脅威に対抗するために高高度防衛ミサイル(サード)が配備されたゴルフ場(2017年9月4日撮影、資料写真)。(c)AFP/YONHAP〔AFPBB News

米軍はまず空爆によって北朝鮮の核兵器関連施設を破壊する。北朝鮮の地上軍大部隊が南下して反撃してくるが、米韓両軍の迎撃で阻止する。ただし北朝鮮軍のロケット攻撃などにより、最初の数日間で少なくとも10万人の韓国軍民の死者が出る――。

これは、米国の専門家集団が12年前に実施した米朝戦争開戦のシミュレーション(模擬演習)の結果である。このシミュレーションがいま改めてワシントンの政策研究機関の間で注目されるようになった。

今なお多い軍事攻撃への反対論

ワシントンではいま、北朝鮮の核兵器と長距離弾道ミサイルの開発の脅威にどう対応するかをめぐって政策、戦略が本格的に議論されている。

トランプ大統領は、北朝鮮の核武装を阻止するための「軍事的手段を含むすべての選択肢がある」と宣言し、軍事攻撃の準備もできたと語る。だが、「北朝鮮の全面反撃による韓国側の被害があまりに大きすぎる」といった理由から軍事攻撃には今なお反対論が多い。

そんななかで、「全面戦争が起きても韓国が壊滅的な打撃を受けることはなく、北朝鮮の国家態勢を破壊できる」というシミュレーションの結果が改めて注視されるようになった。

このシミュレーションは、国防総省の軍事模擬演習の専門家らが、米国の総合雑誌「アトランティック・マンスリー」から委託されて、2005年4月に実施した。

現在、北朝鮮問題の研究に正面から取り組む戦略国際問題研究所(CSIS)やピーターソン研究所の関係者たちが、このシミュレーション結果を今後の対策を講じる際の有力な資料とみなしている。

北朝鮮の核兵器への懸念が高まっていた2005年

米国は1994年に北朝鮮との間で米朝核合意枠組みという協定を結び、北朝鮮に核兵器開発の放棄を誓約させた。だが北朝鮮は秘密裡に核武装への歩みを進め、2003年には核拡散防止条約(NPT)から脱退して、核武装への意図を公然と表明していた。そして、2005年2月に核兵器保有を公式に宣言したのである。

つまり、このシミュレーションが実施された2005年4月は、米側で北朝鮮の核兵器の脅威への懸念が非常に高まっていた時期である。米国は実際にその対処として軍事攻撃まで検討していた。

「アトランティック・マンスリー」は2005年8月号に、同シミュレーションの概要を「北朝鮮=ウォーゲーム」という記事として公表した。米国が北朝鮮の核兵器開発や保持を阻止するために軍事手段を行使した場合、なにが起きるか、というシミュレーションである。

民間主体の模擬演習とはいえ、その中心人物は、国防総省直属の国防大学で長年、軍事模擬演習を専門としてきたサム・ガーディナー大佐だった。同大佐はイラク戦争、アフガン戦争などでも国防総省の軍事模擬演習を頻繁に主宰してきた実績があった。さらに、クリントン政権で北朝鮮核問題交渉の主役となったロバート・ガルーチ氏、中東での実戦経験の長い米空軍のトーマス・マキナーニー中将、歴代政権で軍事管理を担当してきたケネス・エーデルマン氏、イラクの大量破壊兵器の査察を実施したデービッド・ケイ氏など実務経験の豊富な専門家たちが、大統領や国防長官をはじめとする政府高官の役割としてシミュレーションに加わった。

韓国ではどれだけの死者が出るのか?

この時点における米国側の認識としては、北朝鮮はすでに10個前後の核爆弾を保持しているものの、米国本土への核弾頭搭載の長距離ミサイルはまだ開発していない。米国が北朝鮮への直接の軍事攻撃に踏み切るレッド・ラインとしては、「北朝鮮が自国の核兵器を、国際テロ組織を含む米国にとって危険な他の諸国に移転(売却)することが確実となった時点」とされていた。

その状況におけるシミュレーション結果の概要は次のとおりだった。

・米軍の北朝鮮に対する軍事攻撃は、大規模な空爆を主体として、当初は1日4000回の爆撃出撃(1機が1回出撃して帰還する動きを1回の爆撃出撃とする。イラク戦争の当初の段階では1日最多800回だった)の規模となる。

・爆撃目標は北朝鮮の核関連施設、ミサイル、長距離砲、ロケットなどである。当初の数日間でそのほとんどの破壊を達成する。

・北朝鮮は地上の大部隊を南下させて反撃に出る。だが、この反撃は米軍と韓国軍の共同作戦により確実に阻止できる。

・ただし、北朝鮮の砲撃などにより、開戦当初の数日間に韓国側の軍民に少なくとも10万人の死者が出ることは防げられない。

この内容について現在の米側の専門家たちがひそかに注視しているのは、「韓国軍民の10万の死者」という部分のようだ。この数字はいま米側で一般に語られている「数百万」という推定死者数よりもケタ違いに少ないからだ。

この理由について、当時の「アトランティック・マンスリー」の記事は以下の2点を挙げていた。

(1)最初の大規模空爆によって、北朝鮮が南北境界線付近に集中して配備した攻撃用火力を、かなりの程度まで骨抜きにできる。

(2)北朝鮮軍が南下する際に火砲やミサイルによってソウルへの徹底攻撃を実施すると、その後の戦闘で用いる弾薬や兵器が不足してしまう。そのため、ソウル攻撃の規模を小さくする見通しが強い。

いずれにせよ、緊迫をきわめる北朝鮮軍事情勢に関して、米国では12年前にすでに具体的な軍事衝突のシナリオが描かれていた。その要点が現在、改めて今後の戦略の有力指針とされているというわけだ。

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『金正恩氏「急遽作った極秘ルート」で最後はロシアに亡命か すでに「隠れ家」も用意されている…?』(9/29現代ビジネス)について

国際政治は奥が深いというか、言われていることで、何が真実かは良く見えません。本記事は「北の影にロシアあり」です。米国の一極支配を終わらせたいとロシアが思うのは自然ですが、それで国際世論を敵に回すようなことを敢えてするのかどうかです。金三胖のロシアへの亡命は戦争を避ける意味で国際世論も賛成するでしょうが、その後の北の政治を誰が仕切るのか、核の管理をどうするのか見えていません。北の核を残したままで誰かが統治するとなると日本への脅威も残ったままになるので賛成できません。米中露中心の国連軍管理として、核爆弾は廃棄処理するのが良いかと。米ロはSALTⅡで核爆弾を減らした実績がありますので。中国に引き渡すのはおかしいでしょう。日本への脅威は減りませんので。

9/13ブログ「みずきの女子知韓宣言」には<【韓国の反応】ロシア「サハリンと北海道を鉄道で繋ぎたい。日本とパイプライン事業をしたい。韓国は除外したい」>とありました。日本へのパイプラインの敷設には将来のエネルギーミックスの観点からずっと反対してきました。メタンハイドレートや核融合が実用化されると思っているからです。50年以内には商用化されるのではと思っています。韓国の邪魔を日本がしなくとも通貨スワップもできなくなりますので、滅ぶのは目に見えています。関わらないでいるのが一番。今度の衆院選では「通貨スワップに賛成」するのか「反対」するのか聞いて見るのが良いでしょう。保守の看板を掛けていても、本質が左翼リベラル派は賛成するでしょうから。良い踏み絵になります。

ただ、ロシアが北朝鮮経由で韓国にパイプラインを敷いても戦争のリスクがあるので、投資回収できなくなる恐れと韓国経済を見限ったことで、中止するのは合理的と思います。

http://oboega-01.blog.jp/archives/1067738216.html

金三胖の後ろ盾がロシアだとすれば、次の暴発は10/18中国共産党大会の日では?習近平の顔も潰せます。これで三度目となりますが。怒った習が瀋陽軍に金の討伐を命じるかもしれません。その時瀋陽軍はどう出るでしょう?北と一緒になって習に反旗を翻すかどうかです。中南海に北の核ミサイルが飛ぶかもしれません。中国は精度の高いミサイル防衛システムは持っていませんので、反撃して北を核攻撃するしかありません。「血で固められた友誼」の行く末がどうなるか楽しみです。太平洋に水爆を落とせば米軍が出動するかもしれませんが、ロシアに亡命するようなことを考えているようですので、流石に虎の尾は踏まないでしょう。

記事

水爆実験にミサイル発射と、もはや歯止めが利かなくなった北朝鮮の恫喝外交。国連総会も北朝鮮問題一色となった。そんな中、プーチン&金正恩政権の「密約」について、専門家が語り尽くした――。

北朝鮮はプーチンランド

中村 いまの北朝鮮は、言ってみれば「プーチンランド」と化してます。

近藤 プーチンランド? 何だかディズニーランドみたいですが。

中村 そう。ディズニーランドに行けばミッキーマウスに会えますが、北朝鮮に行けば、随所にロシアの「痕跡」が見られます。もはや金正恩政権は、ロシアの傀儡政権と言っても過言ではない。

近藤 たしかに、解放記念日(8月15日)の『労働新聞』に、金正恩委員長がプーチン大統領を称えた書簡が大きく掲載されていて驚きました。

中村 私もロシアの有力紙『モスコフスキー・コムソモーレツ』(9月7日付)を読んでいて、興味深い記事を発見しました。17kmあるロ朝国境近くに位置するハサン村のルポで、村の事務所には、金日成・金正日・プーチンの3人の写真が、並んで掲げられていたのです。

近藤 平壌最大の目抜き通り「栄光通り」が、「スターリン大通り」と呼ばれていた時代を髣髴させますね。そもそもソ連極東軍88旅団所属の金成柱を、ソ連が「金日成将軍」に仕立て上げて平壌に連れてきたのが、北朝鮮の始まりですからね。

Photo by GettyImages

中村 70年近く経て、またもとに戻りつつある。ロシアの最新の世論調査によれば、米朝対立の原因が北朝鮮にあるという回答は、わずか12%。ロシアは北朝鮮の味方です。

3日の水爆実験も、プーチン政権の影を感じます。なぜなら5日前の8月29日に、ロシア政府がハサン村の住人約1500人に突然、避難命令を出しているのです。

羅先とウラジオストクを結ぶ北朝鮮の貨客船『万景峰号』も、8月24日に突然、運航中止となった。

日本のメディアは、「北朝鮮がウラジオストクの港湾使用料を未払いだったため、ロシア側が停泊を拒否した」と報じていましたが、とんでもない誤解です。あれも水爆実験の被害を避けようとした措置ですよ。

近藤 そうだとすると、3日の水爆実験は、北朝鮮とロシアによる「合作」のようなものですね。ちなみに実験場所からわずか100kmしか離れていない中国には、事前通告さえなかったそうで、習近平政権はカンカンです。

そもそも、広島型原爆の10倍規模の威力もある高度な水爆技術を、北朝鮮がこれほど短期間で独自に持てるはずがない。

中村 その通りです。カギを握るのは、ウラジオストクに本社がある「ロシア極東山岳建設」という会社です。元はソ連の国土交通省の一組織で、プーチンが大統領になって平壌を訪問した2000年に民営化されました。

近藤 まさに「プーチン系企業」ですね。

中村 そうです。この会社が、北朝鮮のインフラ整備にフル稼働しているのです。中でも、最も得意とするのが山岳地帯のトンネル建設なので、豊渓里の核実験場の工事を請け負ったのではないか。

近藤 坑道を800mも掘ったり、人間の大腸のような複雑な構造にさせたりして、放射能漏れを防いでいる。とても北朝鮮の技術とは思えません。

鉄道の地下にトンネルが

中村 このロシア極東山岳建設は、坑道建設ばかりか、ロ朝間の鉄道建設も請け負っていますよ。

近藤 羅先-ハサン間54kmの建設ですね。

この鉄路建設は、先代の金正日総書記が、’01年から’02年にかけて2年連続でロシアを訪問する中で決めたものです。

その後、建設が延期され、’08年に、ロシアが羅津港を49年間、租借することと引き換えに着工。’13年9月に、羅津港で開通式が行われています。

中村 開通式には、ロシア鉄道のヤクーニン社長も、モスクワから駆け付けました。

近藤 その際、一つ不可解なことがありました。計画から着工まで7年もかかったのは、北朝鮮側が建設費用の負担を渋ったからでした。かつて100億ドルも北朝鮮に債務不履行されたロシアが、二の足を踏んだ。

ところが、着工から竣工までも、丸5年もかかっているのです。もともと植民地時代に日本が敷いた鉄路があって、しかもわずか54kmなのに、長くかかりすぎです。

中村 フフフ……。

近藤 意味深な笑いですね。何か大事な訳でも?

中村 再度言いますが、ロシア極東山岳建設の最も得意な分野は、地下トンネルの建設です。おそらく鉄路の地下に、有事の際、金正恩一族が亡命するためのトンネルを建設したのだと思います。

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近藤 ナルホド!! それなら工事に5年かかっても不思議ではない。

加えて、両国を結ぶ鉄道建設という名目なので、アメリカのスパイ衛星も警戒心を抱かない。

中村 その通りです。この鉄路によってロシアとの貿易が急増すると同時に、トップの身の安全も図れる。北朝鮮にとっては、まさに一石二鳥です。

中国からは見捨てられた

近藤 これも金正日総書記時代の話ですが、ある高位の亡命者に、有事の際の金ファミリーの亡命ルートを教えてもらったことがあります。

平壌の金正日官邸の地下から、黄海の南浦まで、60km近く秘密の地下道が繋がっているそうです。南浦からは空路か海路で中国に亡命すると聞きました。

しかし、いまや習近平政権は、犬猿の仲の金正恩ファミリーを受け入れるはずもないので、このルートは使えません。

中村 それでロシアルートを作ったのでしょう。実は、この金正恩ファミリーの亡命ルートの話には続きがあるんですよ。

近藤 と言いますと?

中村 アメリカから攻撃されて、金ファミリーが、羅先から地下トンネルを伝ってハサンまで逃げたとします。そこから一路、軍港があるウラジオストクまで行くに違いない。

しかし極東にいたのでは、いつアメリカ軍に襲われるか気が気でないはずです。ロシアとしても、独裁者を匿っていると国際社会から非難を浴びる。

近藤 そうでしょうね。

実は中国政府も、かつて金正日ファミリーの亡命について、密かに内部で検討したことがありました。’02年にブッシュJr.大統領が、北朝鮮を「悪の枢軸」と非難して、米朝関係が悪化した頃です。

その時の結論は、「ファン・ジャンヨプ方式にする」というものでした。北朝鮮の序列26位だったファン・ジャンヨプ書記が、’97年に北京の韓国領事館に亡命を申請した時、中国政府は、3ヵ月以内に出国することと、米韓以外の第三国に向かうことを条件に、身の安全を保障しました。

同様に金正日ファミリーに対しても「3ヵ月以内の滞在」しか認めないとした。やはり厄介者扱いです。

中村 ロシアもそのあたりは熟考したはずです。

それでロシアの結論は、金正恩ファミリーを、ウラジオストクから北極海に面したムルマンスク軍港まで軍用機で運び、そこから約1000km離れたスヴァールバル諸島に、亡命先を用意してあげることだったのです。

この任務を担うロシア保安庁(旧KGB)の特殊部隊RSBが、すでに金ファミリーのボディガードを務めています。

北極海に浮かぶ島

近藤 スヴァールバル諸島?

中村 北極海に浮かぶ群島です。第一次世界大戦の頃、ロシア、ノルウェーなど、多くの国が領有権を争ったため、大戦終結後のパリ講和会議で、スヴァールバル諸島を、永久非武装地帯としました。

このスヴァールバル条約には、ロシアやアメリカなど40ヵ国以上が加盟していますが、島内にはロシア人居住地区があり、ロシアの法律が適用されています。

近藤 いまから100年近く前の条約ですね。

中村 そうです。1920年代から’30年代にかけて各国が加盟しました。

ところが昨年になって突然、このスヴァールバル条約に、ロシアの後押しを受けて、北朝鮮が加盟したのです。

近藤 北朝鮮は北極海になど、何の縁もないのに。金ファミリーの亡命目的としか思えない……。

中村 そうでしょう。しかも現在、島内のロシア人居住地区で、大邸宅の建設が始まっていることまで分かっているんです。

近藤 恐れ入りました!

金正恩委員長が強気、強気でいられる理由が、ようやく理解できました。いざとなればロシアが逃がしてくれるという「保険」があるんですね。

中村 そう思います。プーチン政権は、核の技術もミサイルの技術も提供したあげく、亡命先まで用意した。これほど頼もしい庇護者はいません。

しかもプーチン政権には、シリアがあれほど激烈な内戦のさなかにあっても、6年半にわたってアサド政権を守り続けてきたという実績がある。

近藤 プーチン政権がそこまで金正恩政権に肩入れする理由は何ですかね。やはり極東におけるアメリカと中国という両大国への剥き出しの牽制なのでしょうかね。

中村 それはあると思います。「3大国」とは言うものの、ロシアの経済力は米中に較べて圧倒的に脆弱です。極東には600万人くらいしかロシア人が住んでおらず、強い危機意識を抱いています。だから「東アジアのシリア」を作りたい。

もう一つは、天然ガスのパイプラインを、韓国まで引きたいという野望があります。

9月6日、7日にウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムに、プーチン大統領と韓国の文在寅大統領が揃って参加し、この話を詰めています。気をよくした文在寅大統領は、北朝鮮に800万ドルの人道支援を表明した。

これも、人道支援を大義名分にしてシリアを支配したプーチン大統領の入れ知恵でしょう。

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近藤 ロシアから韓国に天然ガスのパイプラインを引く計画は、’08年に李明博大統領がロシアを訪問した際に盛り上がった話です。ロシアのハバロフスク、ハサンから北朝鮮の元山を経て、韓国の仁川まで約2000kmを結ぶ壮大な計画です。

北朝鮮にはパイプラインの通行料として年間1億ドルを支払う予定でしたが、韓国の命脈を北朝鮮に握られるという懸念からご破算になりました。

中村 その計画を、9年ぶりにロシアと韓国、北朝鮮で復活させようというわけですね。

そんな「密談」が進んでいるところへ、安倍首相が出かけて行って、プーチン大統領に「北朝鮮への圧力」を説いた。本当に外交オンチです。

近藤 これだけ北朝鮮が日本に対する脅威になっていながら、日本だけが外交交渉でカヤの外に置かれている。厳しい現実ですね。

近藤大介(こんどう・だいすけ) (本誌編集次長)アジア取材をライフワークとする。新著『大国の暴走』(渡部恒雄氏、小泉悠氏との共著)他、24冊の著書がある 中村逸郎(なかむら・いつろう) (筑波大学教授)専門はロシア政治。『ろくでなしのロシア-プーチンとロシア正教』他、著書多数。テレビの名解説も人気を博している

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『金正恩の耳元でつぶやくトランプ 「イランとつるむな」「イスラエルに刃を向けるな」』(9/30日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

先ずは、昨日のブログに続き、「希望の党」の論評から。

9/29JBプレス池田信夫氏<なぜ民進党は小池百合子氏に「身売り」したのか 「吸収合併」で政党をリセットする政治的イノベーション>

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51212

9/29藤岡信勝氏のfacebookから。「9月28日は日本の政治にとって画期的な、記念すべき日だった。民進党という、反体制・容共政党が崩壊した日だったからだ。衆議院が解散すると同時に、野党第一党の民進党も事実上解散してしまった。前原代表だけは残務整理で残り、民進党は形式的にはまだなくなっていないかのようだが、それはただの移行過程にすぎない。菅直人、辻元清美も含む全議員が賛成し、つまり誰一人反対する者もなく、満場一致でみずから解党して消滅し去った。集団自殺のような光景だ。

これで米ソ冷戦期の産物で、負の遺産として日本政治のメインステージにデンと居座っていた容共政党がなくなる。これはまさに歴史的な、実に凄い出来事だ。こういう角度からの論評があまり見られないのは不思議だ。我々が目にする政治評論は、あまりに目の前の細々とした出来事に拘束されていて、大きな視野を見失っているように思える。

1990年代以降の日本政治を振り返ってみよう。そもそも民主党は鳩山由紀夫がつくった政党で、その機能は選挙互助会だった。綱領もない。つくろうとすると分裂するから長いことつくらなかった。その後民進党にかわったが、民主党も民進党もその客観的な役割は社会党と同じだった。その証拠に、2015年の安保法制騒動の中心になった。日本の政治の最大の課題は、国民の生命と財産の安全の確保だが、そのための政策に絶対に反対する政治的DNAを持った勢力が政界に根を張っていたのだ。

今回の小池新党もまさに選挙互助会だが、客観的機能は政界からの容共政治家の排除である。憲法と安全保障問題で左翼思想の人物は受け入れない、と小池は旧民進党議員受け入れの基準を明示している。昨夜(28日夜)前原から小池に、民進党から受け入れて欲しい立候補希望者の名簿を渡した。これを全部認めるというつもりは「さらさらない」と今朝のぶら下がり記者会見で小池は断言した。

今後のことはわからない。しかし、事態は、小池党首の国政選挙出馬を待望する声が大きくなり、10月5日の都議会終了後、立候補するという流れで進む可能性が高い。総理大臣になること以上に重要な案件はない。メディアは都政を放り出すのは無責任だと気違いのように批判するだろうが、その逆風が反対に有利に作用することもありうる。選挙結果は、希望の党だけで過半数をとることは難しい。他方、自民党も相当の議席を減らすだろうが、必死にがんばって、自公で過半数を維持するだろう。結果として、北朝鮮危機という国難に対処するために、大連立政権をつくるかもしれない。

結局、小池新党は、日本で初めて、保守二党体制が実現するきっかけになる。日本の政治は、自民党、希望の党、公明党、共産党の4つの政党に単純化されて行くだろう。北朝鮮危機を通して安全保障問題に国民が目覚めるように啓蒙すれば、戦力保持と交戦権を明記した憲法をつくる可能性が生まれる。一見、安倍首相と小池党首は対立し、互いに相手を批判することで選挙戦を盛り上げるだろうが、小池新党の登場は、自民党にとっても究極のセイフティ・ネットになっている。共産党と社民党は、小池新党を「自民党の補完勢力」と非難しているが、事実認識は私と全く同じである。真の敵こそが真実をより知っているのかも知れない。

今後、政局は激動し、予想外のことがおこり、紆余曲折を経るだろうが、大局は日本にとってよい方向に進んでいる、というのが私の観察である。政治的出来事の評価に当たっては、一切の感情論を排除して、政治的結果に着目し、大局的に観る必要があると改めて思う。」(以上)

藤岡氏は「希望の党」を評価しています。中山成彬氏が民進党の議員の選別をするとの話もあります。そうなれば左翼リベラルは連合の支援を受けなければ当選できません。無所属ですから比例復活もできません。良い傾向です。連合の神津里季生会長は篩い落とされた民進党議員は政策が一致すれば応援すると言っていますが、原発政策はどう考えるのでしょう?電力総連は当然アンチ反原発です。「希望の党」は小泉の影響を受けて反原発です。連合を離脱した化学総連は自民党支持です。連合も総評と同盟の2つに分かれた方が分かり易い。

9/27杉浦正章氏ブログ<米紙「金体制孤立化のターニングポイント」>には「サイバー攻撃によってミサイルや核開発を不可能とし、通信機能を麻痺させる作戦だ。次に「心理戦」だ。北の幹部はみな携帯を所有しているから、その携帯に向かって情報を流したり、“戦後の優遇”を保証して工作をさせる方式。さらには実験で発射するミサイルを片っ端から撃墜して、金正恩を心理的に追い込む。これらの作戦は既に机上で固まっており、後はトランプの指示を待つばかりであるようだ。」とあり、マテイス長官の「韓国の犠牲ない軍事選択肢はある」(当然日本もですが)との発言を裏付けるものです。

http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2017-09-27

9/29中国観察<金正恩走後門 找美專家探川普虛實(圖)=金正恩は別ルートでトランプの考えを探る>。でも北が当たった人間に拒絶されたとありました。金三胖もトランプに困り果てている様子が窺えます。時既に遅しでしょう。自分が助かりたいなら亡命しかありません。オバマと違い軍事力の行使も躊躇わないトランプだから外交ができると言うもの。NFLの黒人は国家・国旗に対し敬意を払わなければ、米国民を止めるべきです。昔のことを持ち出しても、進歩がないでしょう。人種差別と論理をすり替えるべきではありません。世界共通で左翼リベラルの得意とするところですが。日本の日教組・左翼教師も日本人を止めて中国人か北朝鮮人になればよい。愛する祖国の土を踏んだ途端スパイ容疑で射殺されるかもしれません。安全な日本で人権抑圧する共産主義活動をするなと言いたい。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/09/29/373320.htm%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E8%B5%B0%E5%BE%8C%E9%96%80-%E6%89%BE%E7%BE%8E%E5%B0%88%E5%AE%B6%E6%8E%A2%E5%B7%9D%E6%99%AE%E8%99%9B%E5%AF%A6%E5%9C%96.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

鈴置氏の記事を読みますと、北の包囲網は着々と敷かれている印象を受けます。中国への金融制裁の脅しが効いたため北との銀行取引取りやめ、イラン絡みでのイスラエルの反北、NATOもICBM開発で脅威が他人事でなくなって来た状況があります。それが上述の「中国観察」の記事となったのでしょう。

日本が気を付けるべきは戦争にならなくても「朝鮮総連」や「朝鮮学校」の存在があり、彼らがテロを起こす可能性があるという事です。国交がない国の組織に補助金を出すのは止めるべきですし、パチンコも球出し規制なんて甘い対策でなく、全面禁止すべきです。

記事

香港の地下鉄での広告でスマホをいじる偽委員長と、覗き込む偽大統領(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

トランプ(Donald Trump)大統領の激しい表現のツイッター。金正恩(キム・ジョンウン)委員長に直接、語りかける狙いもありそうだ。下からの情報に惑わされず、自分の目で世の中を見ろ、と。

ロケットマンへの直言

—トランプ大統領の「過激なツイート」が話題になりました。

鈴置: 9月23日につぶやいた「小さなロケットマンの先は長くない」が「金正恩氏を刺激する」と批判されました。

ロケットマンとはトランプ大統領が金正恩委員長に付けたあだ名です。そんな物言いは軍事的な衝突を起こしかねないから削除すべきだ、との声も起きました。原文は以下です。

Just heard Foreign Minister of North Korea speak at U.N. If he echoes thoughts of Little Rocket Man, they won’t be around much longer!

9月22日、金正恩委員長が声明を通じ「超強硬対応措置の断行」を宣言しました(日経・電子版「金正恩氏の21日の声明」参照)。

同日、それについてニューヨークに滞在中の李容浩(リ・ヨンホ)外相が「過去最大の水爆実験を太平洋上ですることではないか」と解説したのです(日経・電子版「太平洋で水爆実験なら国際法に違反」参照)。

さらに9月23日、李容浩外相は国連総会で「最終的な目標は米国と(核戦)力で均衡を作ること」などとも演説しました。

演説内容は聯合ニュースの「北の李容浩『斬首・攻撃の気配あれば、先制行動で予防措置』(総合2報)」(9月24日、韓国語版)で読めます。

この演説を受けて「小さなロケットマンの先は長くない」はつぶやかれたのです。

報告はちゃんと上がるか

—トランプ大統領はなぜ、北朝鮮に対し物議を醸すようなツイートをするのでしょうか。

鈴置:金正恩委員長に直接、語りかける目的もあると思います。大統領は9月19日の国連演説で「このまま行けば、ロケットマンもその政権も自殺行為になるぞ」と、核を放棄するよう警告しました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

Rocket Man is on a suicide mission for himself and for his regime.

でも、その演説がきちんと金正恩委員長に報告されたかは疑問です。部下が「国連で米国の老いた狂人が妄言を吐きました。核を持った我が国が恐ろしくて、口先で意気がっているのです。絶対に攻撃されません。予告通り、次は太平洋上で水爆を実験しましょう」などと具申した可能性が大きい。

もし「トランプが戦争のハラを固めたようです。ここは少し大人しくしましょう」とでも言おうものなら「腰抜け。お前は米国のスパイか」と、粛清されかねないからです。

ツイッターを使えば改竄されず、警告はそのまま金正恩氏に届きます。41分間もの長いトランプ演説を視聴しなくても、ツイッターくらいは覗くと思われます。金正恩氏は西側で教育を受けましたから。なお、普通の北朝鮮国民はツイッターにアクセスできません。

仮に本人がツイッターを見なくとも、部下は「ひょっとして親分がツイッターを見て『なぜ、報告しなかったのか』と怒り出すかもしれない」と恐れ、渋々「トランプが『先は長くない』とつぶやいています」と報告せざるを得ない。

小さなロケットマンの先は長くない」の中に「北朝鮮外相のスピーチが小さなロケットマンの意向を反映しているのなら」とあるのも、ツイッターによる「直接対話作戦」を思わせます。

北朝鮮のような国で、外相が最高指導者の意向と異なる発言はできません。なのに、最高指導者と周辺の間に外交方針に差があるかもしれないことを念頭にツイートする。少し変なのです。

やりたい放題やっても罰はな

—「部下に騙されているぞ。核の均衡など夢想するな」と耳元でつぶやいた……。

鈴置:部下も「騙す」というよりも「引っ込みがつかなくなっている」のだと思います。これまで北朝鮮はやりたい放題。それでも国際社会から罰を受けなかった。

アジア安保の専門家、ニューシャム(Grant Newsham)米海兵隊・退役大佐は「北朝鮮がなぜ、自殺行為に及ぶのか」との疑問に対し、以下のように答えています。

Asia Times の「North Korea: Doesn’t Kim Jong Un understand ‘suicidal’?」(9月2日)で読めます。

米国、日本、韓国など国際社会は、行いを改めるとの約束と引き換えに食糧、カネ、石油、果ては原子炉まで与えてきた。

(というのに)北朝鮮は、ラングーンで韓国の閣僚を爆弾で殺す。韓国の戦闘艦を潜水艦で撃沈する。日本人を拉致する。ミサイルを発射する。核兵器を作っては試験する。人で混み合う(マレーシアの)空港では白昼堂々と義理の兄弟を毒で殺す。

なぜか?(やりたい放題やっても)何も起きなかったからだ。

国全体がそんな「成功体験」に酔っている時に「いいかげんにしとかないと、そろそろ殴られますよ」と意見具申する部下はまず、いないのです。

日本からもお祝い

—会社も同じです。

鈴置:在日朝鮮人のグループが9月19日、建国69周年を祝う手紙を金正恩委員長に送っています。朝鮮中央通信の「在日本朝鮮人祝賀団メンバーによる手紙」(9月21日)が報じました。日本語版から、その一部を引用します。

世界を震撼させた大陸間弾道ロケット装着用水爆実験の大成功と9月の祝日をより意義深く輝かした各軍民慶祝大会を通じて共和国の強大無比の威力を全身で痛感しながら金正恩委員長が居て朝鮮革命の最後の勝利は確定的だという鉄の真理をいっそう心に深く刻み付けた。

北朝鮮の核ミサイルの標的となっている日本からも「水爆実験成功のお祝い」が寄せられるのです。金正恩氏ら指導部はさぞ、高揚した空気に包まれていることでしょう。

—北朝鮮の『「空気」の研究』ですね。

鈴置:こういう空気の下では、判断を誤り続けます。北朝鮮の指導層は「我が方が核で反撃するのを恐れ、米国は先制攻撃して来ない」と信じている、あるいは信じたがっているのです。

邪悪な存在にも警告はする

—でも米国が反撃を封じるために、核兵器も使って先制攻撃してきたらどうするのでしょうか。

鈴置:「米国は先制核攻撃しない」とも、なぜか信じ込んでいるのです。集団幻想です。

これまで北朝鮮のように外国に向かって「核で先制攻撃するぞ」と脅した国はありません。北朝鮮は2015年頃から、核による先制攻撃を何度も宣言しています(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

そんな国は、先制核攻撃されても文句は言えません。というのに、北朝鮮ではそこを読めなくなっている。だからいまだにやりたい放題なのです。

そこで最高指導者に直接「目を覚ませ」と……・

鈴置:大統領の国連演説で、北朝鮮は少し腰が引けました(「金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ」参照)。でも、核を放棄する気はもちろんない。

トランプ政権は「こっちは本気だ。戦争する覚悟はあるんだよ」と、畳みかけておこうと考えたのでしょう。

国連演説で大統領は北朝鮮を「邪悪(wicked)」な存在と決めつけました。でも、そんな国だって「完全に破壊(totally destroy)」する前に「完全な警告」はしておきたいものです。いくら悪漢でも、撃ち殺したら寝覚めが悪い。

イラン・コネクション

そして今は「ツイッター」という直接対話の道具がある……。

鈴置:そこです。新しくできた便利な道具を利用しない手はないのです。昔だったら敵の指導者に密書を送るところです。でも密書は途中で握り潰されることも、改竄されることもある。

ツイッターならそんな心配はない。それに文章の長さに制限はあるけれど、何本も送ることができる。

小さなロケットマンの先は長くない」と同じ日に、トランプ大統領は北朝鮮関連のツイッターをもう1本、発信しています。「イランがイスラエルに届く弾道弾を撃った」です。

Iran just test-fired a Ballistic Missile capable of reaching Israel. They are also working with North Korea. Not much of an agreement we have!

9月23日、イランが「射程2000キロの多弾頭の新型弾道弾『ホラムシャハル』の試射に成功した」と発表しました。米英仏はイランのミサイル開発は国連決議に違反すると批判しています。

このツイートは弾道弾の試射を非難したものです。3番目の文章をご覧下さい。これだけでは分かりにくいのですが、2015年にオバマ(Barack Obama)政権が結んだ、イランに核兵器開発を凍結させる合意は意味がないと指摘したのです。

トランプ政権はこの核合意を破棄したくてしょうがない。合意ではイランの核武装を食い止められないとの判断です。大統領は9月19日の国連演説でも北朝鮮に続き、イランを非難しました。以下です。

We face this decision not only in North Korea. It is far past time for the nations of the world to confront another reckless regime — one that speaks openly of mass murder, vowing death to America, destruction to Israel, and ruin for many leaders and nations in this room.

「邪悪(wicked)な存在」の2番目にイランを挙げました。「虐殺と米国の壊滅、イスラエルの破壊を公然と誓う向こう見ずな政権」と規定し、北朝鮮と同様に世界は対処を迫られていると訴えたのです。

イスラエルが強く批判

—なぜ、核合意の見直しを今になって言い出したのですか。

鈴置:もともと米国では、実効性が疑わしいこの合意を結ぶべきではないとの意見が根強かった。イスラエルが核合意を強く批判していたこともありました。

しかしオバマ政権はイスラエルを見捨てる格好でイランと妥協した。2017年1月に、イスラエルと近いトランプ政権が発足し、見直しの声が高まったのです。

もう1つ理由があります。安全保障専門家、あるいは北朝鮮や中東の専門家の間では、北朝鮮とイランは核・ミサイルを共同開発しているというのが常識でした。

ツイート「イランがイスラエルに届く弾道弾を撃った」の2番目の文章「イランは北朝鮮と一緒に働いている」はそれを指します。

北朝鮮が弾道弾を乱射するのを見て「よくカネが続くな」と首を傾げる人が多い。でもイランが北朝鮮に資金を提供していると考えれば納得できます。ことに核合意により、イランは経済制裁を解除されたのです。

そこに北朝鮮の「水爆実験」(9月3日)。イスラエルはもちろん、同国を支持する米国人も、さらには欧州各国も危機感を強めました。イランが北朝鮮と一緒に核武装する可能性が高まったからです。

「イラン・北朝鮮コネクション」に、ようやく注目が集まりました(日経・電子版「北朝鮮とイランに協力疑惑 核・ミサイル開発」参照)。北朝鮮とイランの2つの核問題は、一体のものとして検討されるようになったのです。

局面が変わった

—金正恩氏がトランプ大統領のツイートを見たら、どう考えるでしょうか。

鈴置:このツイートは米国民や世界の人々に「イラン・北朝鮮コネクション」の存在を認識させたうえ、北の核開発阻止に全力をあげるとの決意を示したものです。

金正恩氏が注意深く読んだら「局面が変わった。相当にまずいな」と思ったはずです。核武装してしまえば世界が追認するはずでした。米国はいざとなれば自分の核で均衡を作り、対抗できる。欧州にとって北朝鮮は遠い国で、直接的な脅威を感じないからです。あとは日本と韓国を脅して認めさせればいい。

でも、イランが北朝鮮製の核を持つ可能性が高まると、米政界で強い力を持つイスラエルが「北の核」潰しに動くのは目に見えています。

イランが開発に成功したという射程2000キロの「ホラムシャハル」に核弾頭を載せれば、イスラエルは日常的に核の威嚇にさらされます。

もし、イランが射程4000キロの弾道弾を持てば――北朝鮮の「火星14」は8000キロ以上の射程を持つとされています――英国までが攻撃範囲に入ります。

NATO(北太平洋条約機構)加盟国も安穏とはしていられません。結局、北朝鮮の核を巡り世界が妥協する可能性は急速に減ったのです。

米国の外交界には「米本土まで届く弾道弾は作らないと約束させたうえで、北の核は黙認しよう」とのアイデアもありました。が、それを受け入れる空気は急速にしぼむでしょう。

—北には「核兵器を輸出しないから核保有を認めてくれ」と言う手がありませんか?

鈴置:そんな妥協案が受け入れられるかは疑問です。北朝鮮は信用がありません。これまで約束を破り続けてきたからです。

もし北が誠実に約束を守ってきたら、今頃は米国や日本との国交も樹立し、朝鮮半島は核のない地域になっていた可能性が高い。

安倍晋三首相が9月20日の国連総会の一般演説で、北朝鮮の数々の約束違反を列挙しました。韓国や米欧に残る「対話で解決すべきだ」などという、現実を無視した主張を潰す目的もあったのでしょう。

ガソリンが足りなくなるぞ

—トランプ大統領は金正恩委員長の耳元でつぶやくことで、軍事的な圧迫の威力を増そうとしている……。

鈴置:経済制裁の威力を増す狙いと思えるツイッターもあります。9月17日の「北朝鮮のガソリンスタンドには列ができる」です。

I spoke with President Moon of South Korea last night. Asked him how Rocket Man is doing. Long gas lines forming in North Korea. Too bad!

北朝鮮が経済制裁の強化に対応するため、ガソリンの販売規制を始めたとの情報がありまして、それをもとにつぶやいたものと思われます。

9月11日に採択された制裁案では原油の全面禁輸は盛り込めず、現行水準で凍結するに留まりました。ただ、ガソリンなど石油精製品の輸出は年間200万バレルの上限を設けました(日経・電子版「国連安保理 北朝鮮追加制裁決議の要旨」参照)。

そこでトランプ大統領は「ガソリン不足に陥るぞ。さあ、どうする」とつぶやき、金正恩委員長に北の厳しい未来を思い起こさせたのです。

「ガソリンスタンドに列」との情報が金正恩氏に上がっていない可能性もあります。その際これを読めばさらに動揺するとも計算したのでしょう。

「世界」だけでなく「相手の統治する国」の情報も伝えることが独裁者の説得には有効なのです。

(次回に続く)

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『党代表名簿から消された「毛沢東の孫」の光と影 偉大な祖父には一度も会えなかった、との噂も』(9/29日経ビジネスオンライン 北村豊)について

“希望(xi1wang4)之党馬上就変成失望(shi1wang4)之党“。中国語普通話では「希望」と「失望」は似た発音です。日本人では聞き分けが難しいでしょう。今次選挙(衆議院&都知事?)で希望の党を選べば確実に失望に変わります。小池・前原は保守を標榜していますが真っ赤な嘘でしょう。二重国籍の蓮舫元代表も泥舟を捨てて乗り換えるのですからどうしようもない。参院議員ですが。この三人には責任感と言うものが微塵も感じられません。反安倍だけで集結するとか言っていますが、国民の生命を守る気概を持ったのはいません。インチキ政党です。人を批判するだけで仕事ができない無能の人の集団です。中山恭子氏も小池の野心の為に保守の看板として利用されているだけです。自民党に復党した方が良いでしょう。まあ、希望の党は本当に左翼・リベラルを加入させないというのであれば、それは歴史的意義のある存在となるでしょうけど。小沢・枝野・岡田・辻元・有田・白真勲・福山・小西・小川・赤松等は当然入れないのでしょうね?(今回の前原の決断は小沢がシナリオを描いたという説もありますが)。

本記事の毛新宇について福島香織氏も論評していましたので9/23本ブログでも取り上げました。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7248

習近平が毛新宇等太子党メンバーの名を共産党大会の名簿から外したのは、太子党は自分を守ってくれる味方だとは思わず、反旗を翻す力を持った存在と見ているという事でしょう。金三胖が実の兄である金正男を殺害したようなものです。一人独裁は猜疑心が強くなり、周りが総て敵に見えます。スターリンやヒットラー、毛沢東もそうでした。蒋介石も228事件を引き起こし、台湾人民に中国人に対する怨嗟の感情を持つようにさせました。

習の政敵を早めに粛清するやり方は相手の恨みを買い、どこかで高転びに転ぶ気がします。また、金三胖の相手が無能のオバマでなく、トランプである限り、殺害されるか亡命するかのどちらかでしょう。亡命するにしても世界の笑いものになってでも生きることを欲するかどうか。また亡命に成功しても暗殺の可能性もありますし。やはり米朝戦争まで行くのではと思っています。

9/28宮崎正弘氏メルマガに<「考えられないことを考える」と、中国が北朝鮮を攻撃するのではないか 米国の介入を事前妨害の動きなく、しかも米朝開戦なら「中立」と放言>とあります。この中で宮崎氏は「「掌握できていない旧瀋陽軍区を北朝鮮攻撃に際して先頭に立たす」とどうなるか。軍権を掌握できるから「一石三鳥」となるかもしれないではないか。」と書いています。朝鮮戦争時、毛沢東が投降した国民党軍を前線に立たせ壊滅させた故事を彷彿とさせます。

http://melma.com/backnumber_45206_6589058/

9/19本ブログでもEast Asia Forumに賈慶国(Jia Qingguo)北京大学教授が寄稿した記事を紹介しました。それによると北の難民の管理の為、PLA(人民解放軍)を北に派遣することが米軍攻撃の一条件でした。米軍と連携して、中国が北を攻撃することは充分あり得ます。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7218

習が毛新宇を大事にしないのは、毛沢東時代の北朝鮮との「血で固められた同盟」はありえないという意思表示なのかもしれません。

記事

中国共産党“中央軍事委員会”の機関紙「解放軍報」は9月6日付で、「“中国人民解放軍”(以下「解放軍」)と“武装警察部隊”(以下「武警部隊」)が中国共産党第19回全国代表大会に出席する代表を選挙で選出」と題する記事を掲載した。同記事は、「解放軍と武警部隊の31選挙単位が“党代表大会”あるいは“党代表会議”を招集して共産党の第19回全国代表大会に出席する代表303名を選挙で選出した」と報じ、選出された代表の名簿を姓の画数順で公表した。303名の内訳は、解放軍253名、武警部隊50名であり、そこには女性が前者に26名、後者に1名含まれていた。

中国共産党の全国代表大会とは、中国の政治を指導する中国共産党の最高指導機関であり、日本の国会に相当する“全国人民代表大会”より上位に位置付けられ、5年に1回開催される。今年はその開催年に当たり、中国共産党第19回全国代表大会(以下「第19回党大会」)が10月18日から約1週間の予定で挙行される。第19回党大会に出席する代表は合計2300名で、全国の40選挙単位から選挙によって選出される。代表は中央選出と地方選出の2つに区分されており、中央選出は(1)党直属機関、(2)国家機関、(3)企業系列、(4)金融系列、(5)解放軍と武警部隊からなり、地方選出は、(a)直轄市<4市>、(b)省級行政区<台湾省を含む23省>、(c)民族自治区<5自治区>からなる。

太子党優遇の常識、もはや通じず

さて、9月6日付の「解放軍報」が303名の解放軍と武警部隊の代表名簿を報じると、香港の日刊英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)」は「“太子党”<注1>の中で毛沢東の孫は第19回党大会に選出されず」と題する記事を掲載して次のように伝えた。

<注1>太子党とは、中国共産党の高級幹部の子弟たちで特権的地位にいる人たちを指す。

32歳の時、祖父・毛沢東について書いた自著を持つ毛新宇氏(写真:ロイター/アフロ)

毛沢東の孫である“毛新宇”少将、元国家副主席“朱徳”の孫で“空軍指揮学院”副院長の“朱和平”など、中国軍隊内部の太子党の看板と言える人物たちが、第19回党大会の代表に選出されなかった。解放軍と武警部隊が最近発表した303名の第19回党大会代表団の中に毛新宇と朱和平の外に、元国家主席“劉少奇”の息子で元“上将(大将と中将の間)”の“劉源”、元国家主席“李先念”の女婿で“国防大学”元政治委員の“劉亜洲”、元共産党総書記“胡耀邦”の女婿“劉暁江”の名前がなかった。彼ら5人は2012年11月に開催された第18回党大会では党代表であった。

彼らが“習近平”政権の第2期指導部の陣容と新たな指導部による中国最大の政治活動を決定する党大会の代表に選出されなかったことは、彼らが権力の中枢から排除され、事実上今後の軍隊内部における昇進対象から外されたことを意味する。今まで革命元老の子弟に党代表の資格を付与するのは当然の事とされていたが、習近平の政権掌握後は、この政治的背景が影響力を発揮しなくなった。この点について、マカオ国際軍事学会会長の“黄東”は「彼らがそろって党代表に選出されなかったのは、習近平が党元老の子弟の影響力を故意に抑制しているからではなく、習近平が彼らを信頼できない人物、あるいは軍隊を率いる能力がないと考えたからだろう」と述べた。

祖父の威光で最速出世も、陰では…

そこで、「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」紙が当該記事の表題にその名を挙げた毛沢東の孫である毛新宇に焦点を当てて、黄東の言葉を検証してみると以下の通り。

【1】毛新宇は1970年1月17日生まれの47歳。彼は毛沢東の次男“毛岸青(もうがんせい)”を父、その妻“邵華(しょうか)”を母として北京市に生まれた。“族譜(家系譜)”に登録する際の名前である“譜名”を“毛世新”という。後述するが、彼は毛沢東の唯一の“嫡孫(嫡子とその正妻の間に生まれた男子)”という運命を背負って生まれた。2014年3月にメディアの記者が目測したところによれば、毛新宇の体格は身長178cm、体重110kgというから巨漢である。写真で見る限り、彼は幼少期から肥満気味であったが、青年期になるとその体躯はますます肥満の度合を強め、30歳を過ぎる頃に相撲取り同様の体躯に成長して、現在に至っている。

【2】毛新宇は1988年7月に北京第六十七中学を卒業し、1992年7月に“中国人民大学”の“歴史系(歴史学部)”を卒業した。専攻は“明清史(明朝・清朝の歴史)”であったが、“不修辺幅(服装に頓着しない)”ので汚いことで知られ、巨体の彼はどこにいても分かるほどだった。実は、中学卒業時点で、母親の邵華が“北京大学”校長の“丁石孫”を訪ねて、⽑沢東の孫だから北京大学に⼊学させろとごり押ししたが、丁石孫に体よく断られた経緯があったという。その後の毛新宇は、1992年9月から1995年5月まで“中央党学校”の“理論部(理論学部)”修士課程で学び、1993年に中国共産党へ入党、2000年に“軍事科学院”の博士課程へ進学し、それと同時に解放軍へ入隊した。その後順調な軍隊生活を送った毛新宇は2008年7月には軍事科学院戦略部の副部長に抜擢され、2003年7月に博士学位を獲得したが、3500字の博士論文は2005年の全国優秀博士学位論文に選ばれた。2008年には“胡錦濤”総書記の推薦を受けて第11期全国政治協商会議全国委員に選出され、2009年に39歳でこの時点の解放軍内で最も若い少将に任命された。

【3】こう見てくると毛新宇の人生は順風満帆そのものだが、そこには隠された秘密があった。中国の庶民は毛新宇を陰で“猪八戒”と呼ぶ。そう、中国古典小説『西遊記』に登場する“猪八戒”である。西遊記の中で“猪八戒”は“猪臉人身,黒猪模様(豚の顔に人の身体で黒豚の様)”と形容され、“孫悟空”には常に“呆子(間抜け)”と呼ばれ、コミカルな人物として描かれている。毛新宇の写真を見れば分かると思うが、巨漢の彼は誰が見ても“猪八戒”そのものなのである。

【4】毛新宇はその不可解な言動がしばしば注目を集める。彼の揮毫(きごう)好きは有名で、頼まれると喜んで色紙などに様々な文句を書いて署名するのだが、その文字が余りにも幼稚かつ悪筆で、小学校低学年並みと人々から嘲笑されている。あるネットユーザーは毛新宇の文字を“果真, 字如其人(やっぱり、文字は人を表す)”と評している。人々は彼の体形や言動などを総合して、人民大学卒業や党学校修士課程と軍事科学院博士課程の修了は全て毛沢東の孫としての特別待遇によるものであり、全国優秀博士論文に選ばれた博士論文は他人が代筆したものと考えている。そんな彼に解放軍の少将が務まるとは誰も思っていないが、毛沢東の嫡孫であるために公然と文句を言う人間はいなかった。

毛家を絶やさぬために

【5】さて、毛沢東には4人の妻がいた。最初の妻、“羅氏”との間には子供はいなかった。2番目の妻、“楊開慧”との間には3人の息子、“毛岸英”、“毛岸青”、“毛岸龍”を授かったが、毛岸龍は4歳で死亡したため、成人したのは毛岸英と毛岸青の2人だった。3番目の妻、“賀子珍”との間には3人の息子と3人の娘が生まれた。しかし、5人を行方不明や病死で無くし、成人したのは3女の“李敏”だけだった。4番目の妻、“江青”との間には4女の“李訥(りとつ)”が生まれた。要するに、毛沢東には10人の子供がいたが、成人したのは毛岸英、毛岸青、李敏、李訥の4人だけであり、毛家を継げるのは毛岸英と毛岸青の2人だった。

【6】ところが、長男の毛岸英は朝鮮戦争中の1955年11月に解放軍部隊(中国人民志願軍)の司令部付ロシア語通訳として派遣されていた朝鮮で、米軍機の爆撃を受けて死亡した。これには諸説あるが、米軍機の襲撃時に毛岸英は悠然と卵入りの炒飯を作っていたが、米軍機はそこから立ち上る煙をめがけて爆撃を行ったのだという。とにかく、毛岸英は朝鮮戦争従軍中に28歳で戦死し、後に残されたのは次男の毛岸青であった。しかし、毛岸青は30歳頃から精神分裂症を患い、“中南海”<注2>内の医院に入院した後、大連市で療養生活を送っていた。このままでは毛家が絶えると考えた毛沢東は、1960年1月に毛岸英の妻“劉思斎”の妹の邵華(当時21歳)を毛岸青(当時37歳)の嫁として向かえ入れた。当時、邵華は北京大学の学生だった。

<注2>中南海は北京市中心部にある中国共産党や中国政府の重要機関や要人の住居がある場所。

孫に会わなかった理由は

【7】邵華と結婚はしたものの、精神分裂症が進行していた毛岸青には妻と性交渉を行うことができず、子供が生まれる可能性は絶望的だった。一説によれば、この状況を心配した“国務院総理”の“周恩来”が、解放軍301医院に命じて人工授精を行わせ、二回目で成功した結果、1970年1月に毛新宇が生まれたという。しかし、中国で最初の人口受精は1983年に“湖南医学院”で成功したとされており、この説には説得性がない。毛新宇誕生の報告を受けた毛沢東は、全く興味を示さずにこれを無視し、2回目の報告を聞くと読書中の手を休めて、他人事のように「ああ、世界に飯を食う口がまた一つ増えた」と述べたという。毛新宇という名前は毛沢東が命名したというが、不思議なことに、毛沢東は1976年9月9日に亡くなるまで、嫡孫である毛新宇と会うことはなかったという。一方、毛新宇は生前の毛沢東と何度も会ったと吹聴しているが、これは多くの人が嘘と断定している。

【8】毛沢東はどうして待ち望んだ跡取りである嫡孫の誕生を喜ばなかったのか、また、亡くなるまでの6年9カ月の間に毛新宇と会わなかったのか。その理由は不明だが、毛沢東は毛新宇を毛岸青の子供とは認めていなかった可能性がある。ある説によれば、以下の理由によるという。

(1)21歳で毛岸青の妻となった邵華には当時1歳違いの恋人がいた。それは解放軍大将“徐海東”の息子の“徐文伯”であった。しかし、邵華の母親の“張文秋”は2人の仲を引き離して、邵華を無理やり分裂症の毛岸青に嫁がせた。この結婚を邵華がどれほど嫌がっていたかは想像できる。邵華は毛岸青に嫁いだものの、若い身空で夫との性交渉もない生活を余儀なくされた。そして嫁して10年後の1970年に邵華は毛新宇を産んだ。上述の通り、当時の中国には人口受精の技術はなかったというのなら、邵華はどうやって身籠ったのか。

(2)肥満体である毛新宇の頬はパンパンに張っていて、毛沢東のように垂れ下がっていない。もし彼が毛一族の血を引くのならば、頬も垂れ下がっているはずである。これに対して邵華との仲を引き裂かれた徐文伯は肥満体であり、その頬は毛新宇と同様にパンパンに張っている。「これは徐家の太り方であって、毛家の太り方ではない」と情報筋は語っている。

(3)2008年に邵華が69歳で死亡すると、毛新宇は翌年(2009年)12月26日の毛沢東生誕116年式典に、母親が在世中と同様に叔母に当たる李敏と李訥および“堂叔(父のいとこ)”である“毛遠新”と一緒に参加しようとしたが、彼らから拒否されたという。ここから見えてくるのは、毛家では毛新宇を一族とは見なしていないと考えられるのである。

(4)なお、徐文伯は1937年生まれで、現在80歳。邵華とは北京大学で学部は違うが先輩後輩の関係にあった。1990年から1999年まで中国政府“文化部”副部長を務め、その後は全国政治協商会議全国委員を2期(10年)務めた。

【9】話は変わるが、毛新宇は2回結婚している。最初の結婚は1997年12月で、彼が27歳の時だった。相手は旅行の途中で立ち寄った山東省“泰安市”にあるホテルの食堂でウエイトレスをしていた“赫明莉”(当時25歳)であった。一介のウエイトレスと嫡孫の毛新宇とでは全く釣り合わないが、毛新宇が赫明莉に“一見鐘情(一目ぼれ)”して強引に押し切ったと言われている。しかし、この結婚は長く続かず2000年に離婚した。

【10】毛新宇の2回目の結婚は2002年で、相手は当時25歳で解放軍医療従事者の“劉濱”(当時25歳)であった。毛新宇は2000年に赫明莉と離婚したすぐ後に、友人の紹介で劉濱と知り合って恋に落ちたという。劉濱は毛新宇との間に2003年12月26日の毛沢東生誕110周年の記念日に男児“毛東東(もうとうとう)”を、2008年8月に第2子となる女児“毛甜懿(もうてんい)”を出産した。2005年2月には毛東東の満1歳を記念した郵便切手が発行された。なお、最初の妻であった赫明莉は2002年に毛新宇が劉濱と結婚した直後に、秘密裏に北京市内の“秦城監獄”へ収監されたという。そして、赫明莉は毛東東が誕生した2003年12月26日の3日後に同監獄内で突然死を遂げたと言われている。その原因は、赫明莉が毛新宇の性的不能という秘密を外部に漏らしたためという説があるが、これが正しければ、劉濱は2人の子供を人工授精で出産したことになる。

さらなる大鉈を

毛新宇が毛沢東の嫡孫かどうかはDNA鑑定を行えば、簡単に判定結果が出るだろうが、中国の国家としての面子に関わることだから、敢えてそれが行われることはないだろう。上記の諸点を考慮すれば、毛新宇が解放軍の少将として相応しいか否かは明らかであり、習近平が第19回党大会の解放軍代表名簿から毛新宇を外したのは言わずもがなの事と言えるのではないか。大した能力もなく、努力もしないのに太子党という特権階級にあぐらをかき、解放軍内でスピード出世を果たす輩(やから)を野放しにすれば、解放軍内に腐敗が蔓延するのは必定で、深刻な戦力低下を来すことは間違いない。それを防止するために、習近平は太子党からの激しい反発を覚悟で無能者や不満分子に大鉈(おおなた)を振るったのではないだろうか。

中国の古典『淮南子』に「“見一葉落, 而知歳之將暮(一葉落ちて天下の秋を知る)”」とあるが、これを前触れとして、習近平は太子党に対してさらなる大鉈を振るうことになるのだろうか。

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『共青団「偽ツイッター」は習政権への宣戦布告か 党大会目前、猛攻に晒されるエリート集団の反撃策は…』(9/27日経ビジネスオンライン 福島香織)について

9/28JBプレス 阿部純一<中国共産党「党大会」、注目すべき4つのポイント 第2期習近平政権が狙う「成果」は何か>の中で、習が狙うのは「台湾統一」で、而も米海軍艦艇が台湾寄港するのを口実にしてとのことです。中国のA2ADがどれだけのものか、プロパガンダに過ぎないと言う意見もあります。台湾海峡が不穏になれば、海上封鎖できる機雷を、日米合同で中国沿岸の沖合に敷設すれば良いのでは。魚釣島にオスプレイと自衛官も配備すべきです。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51156

その前に米国は中国に金融制裁を課して貿易で人民元しか使えなくすれば良いでしょう。ユーロは米国の脅しに遭い使えなくなるのではと思います。協力しなければ米国は「NATO脱退する」となるでしょうから。

9/28テイラーソン国務長官が訪中して、11月トランプ訪中の露払いをするとのこと。10/18共産党大会前だから習近平は騒ぎを起こしてほしくないと思っているので、米国の言うことをある程度聞くのでは。そうしないと制裁関税、悪くすれば二次的制裁でなく中国の銀行に金融制裁をかけられる可能性もありますから。

https://jp.reuters.com/article/usa-china-tillerson-idJPKCN1C2003

9/23宮崎正弘氏メルマガ<バノン、北京で王岐山と秘密会談>。王岐山は本当に経済担当になるのかどうか。またトランプがバノンを派遣したのかどうか。バノン単独での行動だとすれば狙いは何か、疑問点はいくらでもあります。まさかキッシンジャーの差し金ではないと思いますが。王岐山は郭文貴の引き渡しを要求したと思います。中国No1美人女優として名高い范冰冰との関係を郭文貴に暴露されましたので。

http://melma.com/backnumber_45206_6586904/#calendar

9/27CNN<アラバマ上院補選の共和党予備選、バノン氏擁立の候補が勝利>。共和党内の予備選の結果です。福音派の力が大きかったという事でしょう。

https://www.cnn.co.jp/usa/35107888.html

福島氏の記事は、習は団派も敵として追い詰めつつあるという事です。三国志同様、これにより団派+江派となるかどうか。お公家集団の団派は下放を経験した習の敵ではないでしょう。中国では毛沢東のように簡単に人を殺せる人間が英雄として祀られ、統治します。胆小な周恩来は毛の言いなりでした。躊躇いは自分がやられることを意味します。習の清華大学卒などは裏口入学でしょう。下放で勉強などできなかったと思います。胡錦濤が江沢民への恨みを晴らしたいという気持ちは分かりますが、自分の力では江沢民を押さえつけることができなかったのも事実。団派はこれから生き延びるにはたいへんでしょう。でも知的エリートを大事にしない習の性格は日米にとってはプラスです。中国経済の衰退に手を貸し、軍拡も勢いが止まるでしょうから。

記事

本物か、偽物か、反撃か、ひやかしか

9月15日、共産主義青年団(共青団)がツイッターにオフィシャルアカウントを持ったので、ツイッターユーザーたちが驚いた。Vマーク(本人認証)はついておらず、なんとなく疑わしいとは思いつつ、海外メディアも記事で取り上げた。9月18日に中国のSNS微博の共青団中央アカウントが「ツイッターでの共青団アカウントは偽物だ」と発表したのだが、それでも、ツイッター上でそのアカウントは取り消されていない。それどころか、本当に無関係なのか、なにか中国国内の権力闘争と関係あるのではないか、と今度は逆に疑われている。というのも現在、党大会を前に習近平派と共青団派の権力闘争が目に見えて、激化しているタイミングだからだ。

どちらが本物?

共青団のツイッター・オフィシャルアカウントを名乗るのは「共青団中央」@ccylchina。当初、ツイッターユーザーたちはこれを本物と思い込んで、一部華人ユーザーたちは、ツイッター社に「共青団の情報は“有害”だ」と凍結申請を出したという。彼らは、これは習近平政権の対外プロパガンダであり、国外のイデオロギー領域に対する中国の侵略行為だと考えたのだ。そもそも、一般市民に対し、ツイッターにアクセスすることを許可せず、共産党組織がツイッターを政治利用するなど、自由社会のツイッター民からすれば許せない。華人ユーザーたちは抗議の意味も含めて「共青団中央」の名前を騙った別アカウントをつくって、共青団の発信を妨害しようともした。

ところが、中国のSNS微博の共青団中央アカウントはその三日後に、ツイッター上の共青団中央を名乗るアカウントはすべて偽物、ねつ造だ、と発表した。こんどは微博ユーザーが、「共青団中央はなぜ、ツイッターにそんなアカウントがあることを知っているのだ」「違法に壁越えしたのか?」「ツイッターって何? 説明してごらん」「(ツイッターと微博)どっちのアカウントが偽物のなんだ?」といった皮肉コメントでかみついた。

ツイッターと微博、どっちのアカウントが偽物なんだ?というのは、けっこういい突っ込みだと思う。というのも、ツイッターの共青団中央アカウントは、当初は実に本物らしい、共産党プロパガンダを展開しているのだ。ほとんどが、人民日報記事の転載などの公式発表の内容で、型通りの習近平礼賛、中国礼賛を行い、フォロー先もいわゆる国連やTIMEといった外国の大手機関、大手メディアのアカウント、あるいは人民日報やCCTVなど同じ中国系公式アカウントである。元天安門事件の学生リーダーの周鋒鎖までが、ラジオフリーアジア(RFA)に「これは習近平の対外宣伝戦略だ。自由と専制の戦場であるツイッターに対し、“赤い旗を挿しに来た」とコメントを述べていたほどだ。

だが、だんだん、奇妙な発信を行うようになってきた。

政治アンケートに皮肉続々

たとえば、「米トランプ大統領が北朝鮮を殲滅せよと叫んでおり、これは世界平和秩序に対する挑戦行為であり、さらに中国の脅威に対する行為だとしている。もし、米国が北朝鮮に対して進軍を決め、わが国も出兵を決めたとき、君は国家の安全のために中国人民志願軍に参加するか?」というアンケート式のツイート。この返答は「ムリ」が93%、「志願する」が7%という結果になった。ツイッター上で、こういうアンケートを取るのは、きわめて政治的に敏感なことで、党機関のオフィシャルアカウントでは普通ありえない。やはりこのアカウントはおかしい、ということに、ネットユーザーも気づき始めた。だからこそ、なのか、この発信に対するイイネも結構多くて、360以上のコメントには「紅二代、紅三代(革命戦争参加者の子孫)から行け」「どうせ北京戸籍は免除だろう」「米軍が北朝鮮を攻めたあとは、中南海を攻めてほしい」といった辛辣な皮肉の効いたものが連なった。

ほかにも「君は香港独立を支持するか」というアンケートが発信されており、これも79%が「支持する」、13%が「支持しない」と、中国共産党にとっては大変残念な結果となっている。このツイートについても370以上のコメントがついており、「中国全省が独立して米国のような連邦国家になることを支持する」「香港だけでなく、台湾、チベット、新疆。内モンゴルの独立を支持する!最後に北京も独立せよと真面目にいいたい」「司法も独立すべきだ」といった、皮肉コメントが連続してついている。

ここまでくると、このアカウントの中の人は誰?と、多くの人が疑問に思うだろう。単なる、中国政治オタクの悪戯なのか。少なくとも、共産党的文法をよく熟知した人間であることは、うかがえる。発信やコメントの中に、中国語とくに共産党的文法、用語がよくわからない人には、意味が解りづらいものもある。

ツイッター上にはもともと、中国当局サイドの五毛(雇われオンラインコメンテーター)が大勢いる。また、海外のへの中国人留学生らの中には、海外に出たことにより、愛国心が強まり、習近平が目指す偉大で強大な祖国を素直に誇りに思い、外国からの中国批判に対して躍起になって反論する「小粉紅」と呼ばれるネットユーザーがいる。彼らはネット紅衛兵という名で呼ばれることもある通り、中国に批判的なコメントをすると、集団で執拗に絡んで、炎上させることもある。

アカウントの中の人は、そうした五毛や小粉紅だろうか。いや彼らは、比較的忠実な習近平支持者だ。だが、このアカウントは、中国共産党を礼賛しているようにみえて、巧妙に習近平政権の問題点や矛盾をあぶりだすような、発信をおこなっているようでもある。とすると、アンチ習近平派、本物の共青団派による場外権力暗闘ではないか。グレートファイヤーウォールの外から習近平政権を攻撃しているのではないか、あるいは共青団に濡れ衣を着せて、党内の立場を悪くさせようとしているのか、とも思えてくるのだ。

習近平のエリート潰し激化の中…

そのように思えるのは、アカウントが登場したタイミングもある。

党大会まで一か月前後のタイミングで、習近平の共青団に対する攻撃がますますあからさまになってきたのだ。まず9月6日に発表された党大会参加の党代表名簿から共青団第一書記の秦宜智が落選したことは、習近平が仕掛けた共青団への権力闘争の一つの結果だといわれている。

秦宜智は9月19日に、国家質量監督検査検疫総局副局長に任命され、共青団第一書記の任を解かれた。これは事実上の更迭だ。共青団第一書記は本来ならば、地方行政トップの経験を積み、胡錦涛や李克強や胡春華のように、党中央政治局入りし、指導者候補となるほどのエリートコースだった。そうならなかったのは習近平が、共青団そのものの権威をおとしめようとしているからだ。

9月10日に出版された「習近平の青少年と共青団の工作についての論述集」では、習近平の共青団に対する不満、批判がこれでもかと盛り込まれている。

この論述集は習近平政権5年間の共青団に関する講演、発言などをまとめたもので、一部は初めて公にされた内容も含まれる。この中で習近平は共青団のことを、「形骸化している」「スローガンを無駄に叫ぶだけ」などと批判している。2015年7月に共産党史上初めて、党中央が共青団や婦女連合会、紅十字会(赤十字)などの各共産党機関を招集して開催された「党の軍団国策会議」上で、習近平が共青団を「いかなる機能も発揮できない四肢マヒ状態」などと激しい文言で非難していることもこの論述集で明らかにされた。また習近平は一部共青団幹部に対しても、「科学についても話ができない、文芸についても話ができない、仕事についてもダメ、生活も正しくない、官僚的な発言を繰り返すだけだ」などと批判している。

思い出すのは、2016年4月、党中央規律検査委員会は公開で、共青団がシステム化、行政課、貴族化、娯楽化していると批判し、同年8月に「共青団中央改革法案」の実施が発表されて、共青団幹部のリストラ、整頓が着手されたことだ。これに伴い、共青団書記処の周長奎ら幹部が国務院の下部機関や地方の専門業種に格下げ異動となった。今回の共青団批判および人事は、習近平の共青団つぶしがいよいよ佳境に入ったということを示すものではないだろうか。

習近平がこのように、激しく共青団をこき下ろし、共青団のホープであった孫政才を失脚させ、秦宜智を党代表から落選させたのも、その最終的な狙いは、おそらく共青団エリートを党中央の最高指導部層から排除していくことである。確かに共青団出身の官僚は、あまりに官僚的であり、慎重でシステムに従って働くことに慣れており、間違いを犯すのがいやで積極性にかけ、進取の気概にかけている部分があるという欠点を指摘されることもある。だが、血統に関係なく、中国の主要大学を実力で卒業しており、親の七光りで清華大学を卒業させてもらい出世コースに乗せられたと陰口をたたかれている学歴コンプレックスが強い習近平にしてみれば、自分の権力の座を脅かす脅威のエリート集団ともいえる。そして、今、もっとも習近平が脅威を感じているのは、今度政治局常務委員会入りするかどうかが注目されている共青団派エース、広東省委書記の胡春華だろう。

反撃か、いたずらか

ツイッターに共青団中央アカウントが登場したのは、こうした習近平からの攻撃に対して、国外から微妙なロジックで批判することで反撃することではないか、というのが、たとえばラジオ・フリーアジアなどの当初の見立てであった。

ツイッターの件が、なにか政治的意味があるのか、あるいは単なるいたずらなのかは、ひとまず置いておくとして、習近平の共青団攻撃は、単なる権力闘争以上の意味があると思う。

共青団とは、本来、党中央ハイレベルの主要職を担えるだけのエリートを育成するための人材養成機関としてつくられた。血統や家柄に関係なく、高い学歴さえあれば、経験を優先的に積ませてもらえ、党中央最高指導部にも上り詰めることもできる。茶葉売りの息子の胡錦涛も、うだつの上がらない地方下級役人の息子の李克強も、貧困農村に育ち履く靴もなかった胡春華も、そうしてのし上がってきた。共青団というシステムがあったからこそ、太子党・紅二代のサラブレッドである習近平と肩を並べて仕事をすることができたわけである。だが、習近平はそうした、広く共産党に優秀な人材を供給するシステムを壊そうとしている。

真の破壊者は?

習近平の建前は、共青団はすでにエリート化し貴族化してしまったから、そんな形骸エリートではなく、もっとたたき上げの人材を登用するのだ、ということらしい。だが、それはあくまで建前だ。むしろ、毛沢東がその強いコンプレックスと自分の政敵予備軍を潰すために、徹底的に知識層を弾圧し、知識青年を農村に下放させ、大学入試をやめさせた文革に近いものを感じるのは私だけではないだろう。毛沢東が知識層を恐れ嫌ったように、習近平も知識層を恐れ嫌っているのだと思う。それが、人権弁護士迫害や共青団潰しに表れている。だが、文革時代の知識層弾圧がその後、どれほどの中国の知的停滞を招いたかを考えれば、エリート養成機関共青団弾圧が党の知的衰退を招くのは必至ではないだろうか。

ならば、習近平は中国の強国化をめざしているようでいて、真の意味での共産党体制の破壊者となる可能性もあるのではないか、と興味深い。

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『金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ 北朝鮮は「米国が核戦争を起こす」と世界に訴え反撃』(9/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

9/26money voice<投資家視点で考える「安倍総理は北朝鮮との戦争を決意したのか?」=伊藤智洋>

http://www.mag2.com/p/money/307595

安倍首相はトランプ大統領から確実に北朝鮮を攻撃する話を聞き、解散を早めたのではという気がします。上記の記事の内、「北朝鮮の核兵器を容認するシナリオ」は日本にとって最悪で、韓国人、日本人に被害者を出しても、「米国に北朝鮮の現在の体制を壊してもらうこと」を安倍首相は覚悟したと見ています。それが正しい見方かどうかは別として、今の犠牲を恐れ、将来自分達の子々孫々が中国や北朝鮮の奴隷として生きていくことを考えれば、当然の帰結であり、政治家たるものその覚悟が無ければ、政治家たる資格がないと言えます。

ここでは米軍の北に対するEMP(電磁パルス)攻撃が挙げられています。確かにこれを先にやれば、北のミサイル発射は防げるのではと思います。

9/27日経ビジネスオンライン The Economist<密売買天国アフリカで荒稼ぎする北朝鮮外交官 犀の角と象牙が金正恩体制を支える>

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/092500143/?n_cid=nbpnbo_ml

北は本当に「ならず者国家」です。北に「第二次大戦中に米国から原爆を落とされた日本の仇討ち」を見る人がいますが、あの当時の日本は白人列強から圧力を受け、先ずはレーベンスラウム(生存圏)を確立し、その副次的効果として「東亜の解放」を目指しました。今の北のどこにそんな気高さがありますか?況してや日本を核攻撃すると脅し、韓国と同じく朝鮮半島の日本統治を否定的に見ている国です。所謂従軍慰安婦問題も挺対協を使嗾して日韓を離間させようとしています。中国同様、世界に悪を広める国です。北への制裁もゆっくりとではありますが効いてくるでしょう。暴発して返り討ちのパターンになるかどうかです。

鈴置氏の記事は、「米国は北に核使用も覚悟した」というものです。本ブログでも何度も言ってきましたようにB61-11(バンカーバスター、小型水爆)で北の地下兵器廠を壊滅させるつもりでしょう。これですと非戦闘員の殺戮はないでしょうから。北の核を無力化するにはこれが一番良いと思います。ハーバード大学のサンドラ・サッチャー教授も戦争は避けることができないので、正しいルールの下で行うべきだという考えでした。それは「非戦闘員の保護」が最重要視される考えで、それを行うものこそが「モラルリーダー」として評価されるという事です。(8/23本ブログ)

http://dwellerinkashiwa.net/?p=6987

記事

9月23日夜、米B1B爆撃機が北朝鮮東方沖を飛行(提供:U.S. Air Force/AP/アフロ)

前回から読む)

核武装の阻止を目指し、米国が北朝鮮を追い詰める。国連演説、金融制裁、軍事力をフル動員して。

「完全に破壊」と「水爆実験」

—米国と北朝鮮の間で緊張が高まりました。

鈴置:確かに激しい言葉の応酬となっています。が、仔細に見ると米朝間で駆け引きが始まっているのが分かります。とりあえずは米国が北朝鮮を追い込んでいます。

まず、トランプ大統領が9月19日、国連で「核武装を放棄しないなら、北朝鮮を完全に破壊(totally destroy)する」と宣言しました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

これに対し北朝鮮は、国連総会に出席した李容浩(リ・ヨンホ)外相に「太平洋上で過去最大の水爆実験をする」と言わせました(日経・電子版「太平洋で水爆実験なら国際法に違反」参照)。

世界のメディアは「戦争になるかもしれない」と大騒ぎしました。ただ米朝双方は、相手を威嚇する際にも状況が悪化しないよう、考えて発言しています。

9月19日のトランプ大統領の国連演説は「北朝鮮を攻撃する際は核兵器も使う」と宣言したのも同様でした。核をちらつかせての最後通牒です。米国は、北朝鮮の挑発のエスカレートを抑え込むにはこの強烈な威嚇しかないと考えたと思います。

核の使用は米軍の専門家の間では当然の選択肢でした。北朝鮮のすべてのミサイル発射台の正確な位置を把握できない以上、一部には広い範囲の地域を叩ける戦術核も一部で使うしかない、との判断です(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

そうしなければ米国や韓国、日本は、北朝鮮に核ミサイルなどで反撃されてしまします。

核攻撃を辞さない

北朝鮮はすでに米国や韓国を先制核攻撃すると何度も宣言しています(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

米軍は、そうした国への先制核攻撃を躊躇しません。だから米国の安保関係者が口を揃えて「戦争になったら悲惨な目に遭うぞ」と北朝鮮に警告してきたのです。

9月3日にもマティス(James Mattis)国防長官が「米国やその同盟国を攻撃すると脅すなら、大量の軍事的対応で悪漢国家を全滅(total annihilation)させることもある」と語りました(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

もちろん、核を使うぞと示唆したのです。核兵器を使わなければ「北朝鮮は全滅」しません。

9月18日には「(ソウルへの反撃は)防げる。ただし、その方法には言及しない」と記者に語りました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

これまた「核を使用する」と言ったも同然です。それ以外に「ソウルへの反撃を完全に防ぐ方法」はないからです。

ただ、軍関係者以外には核攻撃――事実上の先制核攻撃になるのでしょうが――を実施すれば、国際的な非難を浴びると反対する向きも米国にはあります。

そうした声を増すため北朝鮮は首都、平壌の国際空港から弾道弾を発射するようになったと思われます。人口密集地にも弾道弾は配備している。そこに核を使う勇気はあるのか、と捨て身で威嚇したのです(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

そこでトランプ大統領が9月19日に……。

鈴置:世界の首脳が集まる国連総会で、米国の統帥権者として「完全に破壊(totally destroy)」との言葉を使って「核使用」への決意の確かさを示したのです。

北朝鮮に「次に核・ミサイル実験をすれば、戦争になるかもしれない」と考えさせるためです。トランプ発言は核放棄を迫るのが最終的な目的ですが、核開発を現状で止める効果も期待できるのです。

史上最高の超強硬措置

—でも、世界を騒がせました。

鈴置:この発言は一部から「戦争を引き起こす」と非難されました。でも現実を見ると、逆に北朝鮮を抑止する効果も発揮し始めました。

—「抑止効果」ですか? 北朝鮮は強く反発しました。

鈴置:9月22日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の「超強硬対応措置を断行する」との声明を発表しました。

「朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会 委員長声明」です。その部分を朝鮮中央通信・日本語版から引用します。

トランプが世界の面前で私と国家の存在自体を否定し、侮辱し、わが共和国をなくすという歴代最も暴悪な宣戦布告をした以上、われわれもそれに相応する史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮するであろう。

普通の人が聞いたら「北朝鮮はさらなる挑発に乗り出す」と思うでしょう。しかし「史上最高の超強硬対応措置の断行」の後に「慎重に考慮」とあるのです。北朝鮮が「慎重に」を使った場合、「やらない」か、「少なくとも当分はしない」ことが多いのです。

8月9日、北朝鮮が米領グアムの周辺にミサイル4発を撃ち込むと宣言しました(「ついに中立を宣言した文在寅」参照)。

この時の発表文にも「朝鮮人民軍戦略軍は……『火星12』型でグアム島周辺に対する包囲射撃を断行するための作戦方法を慎重に検討している」と「慎重」という言葉が入っていました。そして、今に至るまで、グアム周辺への弾道弾発射は実施していません。

腰が引けてきた北

—しかし、北朝鮮の李容浩外相は9月21日、「超強硬対応措置」について「私の考えだが、過去最大の水爆実験を太平洋上ですることではないか」と語りました。

鈴置:あくまで「外相の私見」として語ったのです。そこがポイントです。正式に発表したわけでなし、実行しなくとも面子は失わない。

北朝鮮の指導部は「核の使用も辞さない」とのトランプ演説を聞いて震え上がったと思います。米国がその気になれば、北朝鮮を「完全に破壊」するのは簡単なのです。もっとも「言われっぱなし」というわけにもいかない。

そこで史上初の「金正恩委員長声明」を発表して対抗したのでしょう。ただこの声明に「太平洋上での水爆実験」を盛り込めば、それを理由に米国から先制攻撃されかねない。そこで「外相の私見」として明かしたのだと思います。

—北朝鮮は腰が引けた、と……。

鈴置:その通りです。少なくとも今の局面では。そもそも、北朝鮮が本当にトランプ発言に対抗するつもりなら「史上最高の超強硬対応措置の断行」などという抽象的な言い方をしないはずです。

「北朝鮮を全面的に破壊する」と言われたのですから「米国全土を焦土化する」くらい言い返さないと、バランスがとれない。

個人攻撃で快哉叫ぶ

これまではそんな威勢のいいことを言ってきたのです。例えば、8月6日の労働新聞は「米国が核と制裁を振り回せば、本土が想像もつかぬ火の海になる」と宣言しました。

でも今や「トランプが本気になって潰しに来た」のです。米国を刺激するのは控えざるを得ない。ただ、罵倒し返さないと気が晴れないので「怖じ気づいた犬」「政治門外漢」「政治異端児」「老いぼれ狂人」などと、トランプの個人攻撃に力を入れたのでしょう。

もちろんこの部分は、トランプ大統領に「ロケットマン」(rocket man)と揶揄されたことへのお返しでもあるので、念を入れたのでしょうが。

—李容浩外相は9月23日の国連演説でも米国に凄んでみせました。

鈴置:「もし米国とその従属国が我々の本部への“斬首”作戦や我が国への軍事行動の兆しを見せたら、無慈悲な先取行動による予防措置を取る」と李容浩外相は述べました。

でも、あくまで「米国などが攻撃の姿勢を見せたら自衛措置をとる」と、当然のことを言っているに過ぎません。少し前までの「先制核攻撃するぞ」といった、米国に開戦の言質を与える発言とはかけ離れています。

ボディ・ブローとなる金融制裁

—要はトランプ大統領の威嚇により、北朝鮮は身をすくめたということですね。

鈴置:そうです。米国が使った威嚇の武器はトランプ演説だけはありません。米国は9月21日、独自の追加制裁を発表しました。

その柱が「北朝鮮と取引のある金融機関を米国の金融システムから排除する」です。中国を標的にしたもので、これは効果があると思います。

「米国の金融システムから排除」されたら外国為替取引はできなくなりますし、ドル調達も極めて不自由になります。そして中国の大手銀行で「北朝鮮と取引のない」銀行はないでしょう。

米国はいつでも中国の金融システムを破壊できる体制を整えたのです。もちろん、中国の大手銀行を制裁すれば米国も返り血を浴びます。

ただ、自国の安全保障のためならトランプ大統領は躊躇しないと思われます。だから中国政府も、直ちに自国の金融機関に北朝鮮との取引中止を命じたのです。

北朝鮮は貿易決済が相当に困難になる見込みです。この制裁の効果は今日明日に出るわけではありません。が、過去の制裁の抜け道をふさぐ効果もあり今後、北朝鮮経済はボディ・ブローを打たれ続けることになります。

暗殺用爆撃機が出撃

米国はこれに加え、軍事的にも対北圧力のレベルを上げました。9月23日夜、米国の爆撃機と戦闘機が朝鮮半島に沿って日本海を北上しました。国防総省は「21世紀に入ってから最も非武装地帯(DMZ)の北側に入った飛行だった」と発表しました。

爆撃機はグアムから飛び立った2機のB1B、戦闘機は沖縄を発進した6機のF15CだとWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)の「Tensions Rise as U.S. Warplanes Skirt North Korean Coast, Pyongyang’s Envoy Sharpens Threats」(9月23日)が伝えました。

B1Bは地下に潜む金正恩委員長を暗殺するためにも使われるとされています。海上とはいえ、軍事境界線の北まで進出され、金正恩氏はさぞ、肝を冷やしたことでしょう。

9月25日、李容浩外相がニュ―ヨークで「米国の戦略爆撃機が我が国の領空に入らなくとも撃ち落とす権利を持つ」と語ったのもその恐怖を示しています。

反米包囲網を呼び掛け

—北朝鮮は追い込まれた……。

鈴置:が、やられっ放しではありません。「米国が核戦争を始めようとしている」と世界に訴え始めました。トランプ大統領の「過激な国連演説」を逆手にとり、危機を訴えて反米包囲網を作る作戦です。

9月24日、最高人民会議は世界各国の国会に向けた書簡を発表しました。「最近、米大統領トランプの不法無道な妄言により朝鮮半島に核戦争の危険が刻一刻と迫っている」と主張しました。

—呼応する国はあるでしょうか。

鈴置:ロシアのラブロフ外相が9月24日、同国のテレビで「米国は絶対に北朝鮮を攻撃しない。核兵器を保有していることを確信しているためだ」と語りました。米星条旗紙のサイトで読めます。

核戦争になりかねない、と米国に自制を求めたのです。戦争になれば北朝鮮からロシアに難民がなだれ込むのは確実です。ロシアは北朝鮮の北東部の不凍港に利権も持っています。北朝鮮の宣伝がなくとも「軍事行動は止めよ」と米国に言い続けるでしょうが。

北朝鮮の宣伝に最も踊るのは韓国かもしれません。また「親北」の動きに出たのです。事実上の中立化宣言を発して米国から厳重注意を受けたばかりなのに(「韓国の無神経な『中立宣言』に米軍が怒った」参照)。

また裏切った韓国

—また、韓国がやらかしたのですか?

鈴置:9月21日、韓国統一部は北朝鮮への人道支援を正式に決めました。米国と日本が国連を舞台に北朝鮮と戦っている最中のことでした。

日米が「世界が力を合わせて北を圧迫する時に、いくら人道支援とはいえやめるべきだ」と繰り返し忠告したので最後には、援助の時期に関しては未定、と発表しました。しかし、対北包囲網を破ったことに変わりはありません。

人道支援を発表した9月21日、ニューヨークでの日米韓首脳会談で、文在寅大統領は北朝鮮への圧力を強めることに合意しました。その裏で韓国は北朝鮮にすり寄っていたのです。怒った米国は韓国の頭を小突きました。

(次回に続く)

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