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A『”寝そべり族”や反抗的な子どもを強制連行する「矯正施設」が急増…中国版「戸塚ヨットスクール」の実態』、B『中国で1.6兆円市場に広がる「ネット依存矯正」ビジネスの闇…我が子を独房に監禁・虐待する更生施設に引き渡す親たち』(7/28現代ビジネス 上海在住のえいちゃん)について

7/28The Gateway Pundit<REPORT: Harvard Tops List of American Universities Taking Money From Foreign Countries – Including China=報道:ハーバード大学が外国(中国を含む)から資金を受け取っている米国の大学リストでトップに>

日本の大学も調べるべき。2004年国立大学法人化で寄付を募るようになったので。また敵国からの留学生は受け入れないようにすべき。大学は左翼化し、共産国家から喜んで寄付を受ける。

中国を含む外国からの現金受領に関して言えば、ハーバード大学は米国の大学の中でトップに立っている。

これは重大な懸念事項です。国家安全保障上の問題とさえ言えるかもしれません。中国は毎年、米国から数百万ドル相当の知的財産を盗み出しており、高等教育機関は彼らにそれらへの直接的なアクセス手段を与えています。

トランプ大統領の1期目の任期末期、上院共和党はこの問題に重点的に取り組み始めた。そして今、彼らは再びこの問題に着目しており、トム・コットン上院議員がその先頭に立っている。

FOXニュースの報道によると:

ハーバード大学が海外からの資金調達額で全米トップに、コットン氏は中国からの資金提供に関する調査を要求

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/report-harvard-tops-list-american-universities-taking-money/

7/28The Gateway Pundit<CNN’s Harry Enten: Americans Trust Trump to Handle Iran War Despite Best Efforts of Legacy Media – Democrats Are Perceived as “Weak, Weak, Weak” (Video)=CNNのハリー・エンテン氏:既存メディアのあらゆる努力にもかかわらず、米国民はイラン戦争への対応においてトランプ氏を信頼している ― 民主党は「弱腰、弱腰、弱腰」と見なされている(動画)>

CNNですらトランプの対イラン政策を認めている。民主党の嫌われぶりが凄い。

CNNのハリー・エンテン記者は、最新の世論調査結果で、全米の民主党支持者の希望を打ち砕いた。

米国史上最も偉大な大統領であるトランプ大統領と、1000人以上の米国人と数万人の自国民を殺害した邪悪で予測不可能なイラン政権を世界から排除しようとする彼の努力に対する絶え間ない攻撃の後でさえ、民主党は米国民からの支持を失いつつある。

注目すべきは、エンテン氏が、既存メディアの報道はトランプ氏とイラン戦争に対して完全に偏向していたことを認めているにもかかわらず、米国人は依然として、邪悪なイラン政権との戦いを遂行する上で、過激な左派よりもトランプ氏を信頼しているという点である。

https://twitter.com/i/status/2081723610549383250

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/cnns-harry-enten-americans-trust-trump-handle-iran/

https://1a-1791.com/video/fwe2/93/s8/2/q/A/A/K/qAAKA.caa.mp4?b=1&u=ummtf

7/28Rasmussen Reports<Democrats Lead by 12 Points on Health Care=医療問題で民主党が12%リード>

中間選挙まであと4カ月を切る中、民主党は医療問題におけるリードをさらに広げている。

ラスムッセン・レポートが実施した最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の48%が医療問題への対応について民主党をより信頼しており、36%が共和党をより信頼していることが明らかになった。16%はどちらとも言えないと回答した。この問題における民主党の優位性は3月以降6ポイント上昇している。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/democrats_lead_by_12_points_on_health_care?utm_campaign=RR07282026DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

https://x.com/MAHA_Action/status/2082092744483176852/video/1

https://x.com/SpecialReport/status/2081876777324965931/video/1

7/29阿波羅新聞網<美方罕见晒出一张照片!北京看懂了吗=米国が異例にも写真を公開した!北京はそれを見て分かっただろうか?>

北京が台湾周辺海域で海警の活動を通じて、台湾へのグレーゾーン侵入を強める中、在台湾米国協会(AIT)は異例にも、米国沿岸警備隊と台湾海巡署の協力関係を示す写真や、双方の巡視船が一緒に航行する写真を公開した。

在台湾米国協会(AIT)は火曜日(7/26)、フェイスブックのページに中国語で次のように投稿した。「台風シーズンの到来に伴い、米国沿岸警備隊と台湾海巡署は、捜索救助、熱帯低気圧対策、災害救援、海洋資源保護、違法漁労対策、海上での麻薬密輸阻止など、多くの共通の海上目標について緊密に連携している。米国は、海上安全保障における台湾とのパートナーシップを高く評価しており、海上法執行交流や国際協力を含む、世界的な問題に対する台湾の実質的な貢献を引き続き支援していく。」

投稿には、米国沿岸警備隊の巡視船USCGCミジェット(WMSL-757)が台湾海巡署の巡視船台北と並んで航行している写真も含まれていたが、写真の撮影日や場所は明記されていなかった。

米国はドンドン台湾との協力をアピールしてほしい。

https://www.aboluowang.com/2026/0729/2413929.html

7/29阿波羅新聞網<留下子弹打北京!川普突然停火—北京阴影笼罩!13天后美国突然停火=弾丸は北京に残しておく!トランプは突然戦闘を停止した–北京に暗い影が覆う!13日後、米国は突如停戦した>

米国は、イランへの夜間攻撃を13回連続で行った後、25日夜に爆撃作戦を停止した。外界は、米国が弾薬の枯渇を懸念している可能性があると見ている。27日付のBBCの記事は、米国は確かに多くの弾薬を消費したが、イランを攻撃するにはまだ十分すぎるほどの弾薬を保有していると分析している。しかし、台湾海峡の情勢を考慮すると、米国は太平洋地域に「脆弱な窓」を晒したくないと考えている。

BBCによると、トランプ米大統領は27日、米軍が弾薬不足に直面しているとの見方を否定し、「我々は世界で最も多くの弾薬を保有しており、必要量をはるかに上回っている」と強調した。しかし、7月初旬にペンシルベニア州の米陸軍戦争大学で武器商人に向けて行った演説で、彼が伝えた唯一のメッセージは「より多くの武器を、より速く生産せよ」というものだった。

米国政府は、イラン戦争の費用がすでに少なくとも375億ドルに達しており、その大部分が弾薬等購入に費やされていると述べた。ヘグセス長官は先月、物資の減少を否定したが、先週、上院歳出委員会に対し、戦争省は装備の補充を含む「深刻な不足」を補うためにさらに870億ドルが必要だと述べた。

保守系シンクタンク、アメリカ・ファースト・ポリシー・インスティテュートの米国安全保障政策担当ディレクター、ジェイコブ・オリドートは、米軍が弾薬を惜しみなく使う姿勢が抑止効果を生み出していると述べた。「兵器が抑止力となるためには、兵器を保有するだけでなく、それを使用する意思を示すことも重要だ」。米国がイランの軍事力を急速に弱体化させていることは、中国やその他、心に悪を持つ敵対国への警告となっている。

今回の米イ戦争は中共の冒険主義の抑止になっているということ。

https://www.aboluowang.com/2026/0729/2413888.html

7/28阿波羅新聞網<超狂!美军首曝”狼群无人机”!自主猎杀,全程不用人指挥=信じられない!米軍が「狼の群れドローン」を初公開!自律型狩猟で、人間の指示は一切不要>

米軍は、自律型ハンテイングチェーン「狼の群れドローン」を初めて公開した。カリフォルニア州で行われた演習「コンバージェンス」では、複数のドローンが偵察、標的設定、通信、攻撃といった任務を分担し、その過程において人間の介入はほとんど必要とされなかった。このシステムは敵の防空網を突破できるため、パイロットは安全地帯となる離れたところから作戦を指揮することが可能となる。2027会計年度には陸軍航空旅団への配備が予定されており、AI支援型戦争が実用段階に入り、戦争の未来を完全に塗り替える可能性を示唆している。

悪の枢軸国より先んじることを願う。

https://www.aboluowang.com/2026/0728/2413708.html

7/28阿波羅新聞網<重磅!泽连斯基最新发声:三大生死威胁来袭=重大!ゼレンスキー大統領の最新声明:3つの生死に関わる脅威が迫っている>

ゼレンスキー大統領は、「本当の大きな問題は、中共がロシアと全面的に協力し始め、ロシア軍に衛星や様々な技術を提供して、ウクライナへの攻撃をより正確に行えるように支援していることだ」と強調した。さらに、「これは未来の仮説ではなく、今まさに起こっている現実だ!イランと北朝鮮は既に我々に対して攻撃を開始している」と指摘した。

このインタビューは、ロシアとウクライナの戦争が4年以上続き、北朝鮮が既に部隊を展開し、イランがドローンやミサイルの供給を続けている2026年7月下旬に行われた。ゼレンスキーの発言はすぐに国際的な注目を集め、多くのメディアで転載された。アナリストは、北朝鮮、イラン、中共によるロシアへの支援は事実上の「枢軸」連動を形成しており、戦況を大きく変え、西側諸国に大きな戦略的圧力をかける可能性があると指摘した。

悪の枢軸国の経済をダメにしよう。

https://www.aboluowang.com/2026/0728/2413814.html

「王紅と鄧瑜」は「王虹と鄧煜」の誤り。

上海在住のえいちゃん氏の記事では、中国の歴史で親子関係がおかしくなったのは中共が天下を取って以降ではないか。中共は党に対する忠誠を肉親の情より優先させる教育をしてきた。大義滅親で家庭内でも党への密告が奨励された。有名なのは①林彪の娘の林立衡が父の亡命を周恩来に密告、亡命機は墜落し林彪は死亡②文革時代、習の母親斉心は我が子習近平を公衆の前で批判③収監されていた習近平は看守の目を盗み、脱走。家に戻るが斉心はその場で当局に息子を通報した。

共産主義と言うのは倫理道徳を無視、人間が産まれながらに持つ感情を抑圧する恐ろしいシステムである。A記事でもB記事でも日本の常識人から見れば狂った中国人の例としか思えないが、ビジネスとしてなりたつのだから、中国人から見ると特異な例ではないのかもしれない。

1970〜80年代の「戸塚ヨットスクール問題」や「引き出し屋」を以て、中国が日本の先例をなぞっているとは言えない。中国では「子どもの矯正」ビジネスは1.6兆円産業にもなっているのに、「戸塚ヨットスクール問題」は単発で話題になっただけ、「引き出し屋」は違法と裁判所で当然ながら認定された。日本で人権蹂躙は産業化されない。まあ、真似が得意な中国人だから、ヒントにした可能性はあるが。

A記事

暴走する700億元の「子どもの矯正」ビジネス

2026年3月、現地メディア「南方人物周刊」によって報じられた、北京の有名大学に通う女子大生が両親および親族らによって騙され、河南省にある矯正施設に監禁された事件が世間を騒がせた。

教え子宅へピアノのレッスンに向かった被害者女性は、待ち伏せていた親族に突然拘束された。親族は「従兄弟が事件を起こした。警察の捜査に協力しろ」と理由を捏造。地下駐車場に待機させていた車両に女性を押し込み、車内に待機していた矯正機関の職員と協力し女性を拉致したのである。

女性は矯正施設へ連れていかれ、私物や外部への連絡手段を没収された。自由な排泄・入浴も許されず、泣いて抵抗すると衣服を破られた。そして1年間の強制収容を正当化するため、大学の休学届へのサインも強要された。

写真はイメージ/Photo by Gettyimages

女性を施設に送り込むことを決めたのは実の両親だった。彼らは、これまで素直で成績優秀だった娘が成長するにつれて自分の意志を持つようになり、自分たちのコントロールから外れ、言うことを聞かなくなってきたと感じていた。

そして、娘の交際相手を両親は強く嫌悪しており、「娘はこの男にだまされている」と交際を絶対に認めなかった。施設に送り込んだ目的は、彼氏との関係を断ち切らせ、親の管理下・指示通りに動く「かつてのいい子」に矯正しようとしたのである。

被害者女性からの連絡は失われたものの、その異変に気付いた交際相手の懸命な捜索によって、事件の発生から11日後、女性は施設から救出された。

この事件は結果として一時的なハッピーエンドを迎えることができたが、悲惨な結末を迎えた事件は後を絶たない。

「寝そべりやネット依存、不登校になった子どもを矯正します」

近年の中国では過酷な受験戦争や就職難を背景とし、このような謳い文句を掲げる“ネット依存矯正施設”(戒网瘾学校)が数多く存在している。

ある試算によると、こうした矯正施設の市場は2017年には400億元(約8000億円)に到達していたが、2025年には矯正施設やトレーニングキャンプに加え、教育系のショート動画、オンライン教材販売などが積み重なり、業界全体の年間売上高は700億元(約1.6兆円)を超えているという。

かつて日本社会が経験した「戸塚ヨットスクール問題」や「引き出し屋」という社会現象を、現代中国の家庭も追体験している。

本稿では、こうした矯正施設に代表される現代中国の教育の行き詰まりと、暴走する親の愛情。そして、それにつけ込むグレー産業の拡大を紹介する。

母親を餓死させた少女

冒頭で紹介した連れ去りのような事例は決して特別なものではない。親による子どもへのネット依存矯正施設への連行と、それに伴う悲惨な事例は中国で頻発している。

北京青年報によると、2016年、黒竜江省のマンションで、45歳の母親が椅子に縛り付けられ、餓死しているのが発見された。

翌日、実の娘である16歳の少女が警察に出頭、自首した。娘は母親を8日間にわたり監禁。一切の食事を与えず、さらに電磁警棒(スタンガン)などで暴行を加えていた。

写真はイメージ/Photo by Gettyimages

当時、世間は「ネット依存の不良少女による殺人」と激しく非難した。しかし、裁判で明かされた真相は全く異なっていた。この事件は親の過度な支配と矯正施設による人権侵害が少女の精神を崩壊させ、狂気の復讐へと駆り立てた痛ましい悲劇だったのだ。

かつて少女はスマホ依存を理由に、親によって矯正施設へ送られていた。施設内で彼女は糞便の横で食事をさせられるなどの虐待を受け、帰宅後も家族から一切の理解や協力を得られなかった。

その結果、精神を崩壊させた彼女は、母親を自宅の椅子に1週間縛り付けて絶食・絶水させ、結果的に死亡させたのだ。

教官による性暴力

新浪新聞によると、2023年には、河南省の矯正施設に入所させられていた15歳の少女が、同施設の教官から性暴力を受ける事件が発生した。

ある日、少女は自宅で眠っている際に突然押し入ってきた施設の教官らによって身体を拘束され、そのまま車に放り込まれて矯正施設へと連行された。実質的な拉致・監禁である。彼女は不登校、同性愛、喫煙、親への反抗などを理由に実母によって入所を決められた。

その後、施設内では日常的に教官からビンタを張られ、催涙スプレーを噴射されるほか、トラックのタイヤを背負って走らされるなどの虐待が続いた。

ある日、少女は言葉巧みに教官の宿舎へと連れ込まれ、性的暴行を受けた。少女は教官を突き飛ばして歯で噛みつくなど、できる限りの激しい抵抗を試みたが、圧倒的な体格差の前に蹂躙された。

写真はイメージ/Photo by Gettyimages

事件発生後、施設側がとった行動は被害者のケアではなく、徹底的な情報封鎖だった。事件の発覚を防ぐために外部への連絡を検閲・統制し、少女を精神的な孤立状態に置いた。少女は事件から2ヵ月後、父親と直接面会できる機会が訪れるまで、希死念慮を抱えながら恐怖の中で耐え忍ぶことを余儀なくされたのだ。

この事件は最終的に少女の告発によって発覚し、この矯正施設は閉鎖された。

我が子を拉致してまで施設に放り込む親たち。そして繰り返される暴力。なぜ、これほど残酷な産業が、現代の中国社会で1.6兆円規模になるまで暴走しているのか。

後半となる次回は、この産業が拡大している要因と、かつて日本社会が「戸塚ヨットスクール」や「引き出し屋問題」で経験した共通点について解説する。

・・・・・・

【つづきを読む】中国で1.6兆円市場に広がる「ネット依存矯正」ビジネスの闇…我が子を独房に監禁・虐待する更生施設に引き渡す親たち

B記事

本稿では前後編に分けて、700億元(約1.6兆円)に拡大した中国のネット依存矯正関連ビジネスを紹介する。

前編では矯正施設の悲惨な実態と、そこで繰り返し発生する事件について説明した。後編となる今回は、なぜこのような事態が繰り返されるのか、その社会的な背景について解説する。

前編記事『”寝そべり族”や反抗的な子どもを強制連行する「矯正施設」が急増…中国版「戸塚ヨットスクール」の実態』より続く。

写真はイメージ/Photo by Gettyimages

中国版「戸塚ヨットスクール」事件

こうした矯正施設のビジネスが拡大する理由、それは親の焦燥感だ。

日本の更生施設「戸塚ヨットスクール」と同様に、中国でも「豫章书院」事件が大きな社会問題となった。

上遊新聞によると、2013年に設立されたこの学校は、「わずか10日間の時間さえあれば、親が送り込んできたどんな反抗期の子どもでも、学校を愛し、両親を敬う良い子に変えてみせる」という教育方針を掲げていた。学校側は10日以内に効果が現れなければ、学費を全額返金するとまで約束していたのである。

ここに送り込まれるのは親から反抗的・引きこもり状態とみなされた子どもたちである。彼らは施設に到着するやいなや、即座に「静心室」と呼ばれる部屋へと監禁された。

「静心室」と言えば聞こえは良いが、実態はただの独房である。窓もベッドもなく、座る場所すらない。

送り込まれた子どもは従順になるまで、このゴキブリやネズミが這い回る「静心室」に閉じ込められた。食事の時間になるとドアの隙間から食事が差し込まれたが、その内容はとても喉を通らないほど酷いものだったという。

写真はイメージ/Photo by Gettyimages

そして2017年、この施設で行われている数々の暴力・虐待問題が明らかになったあとも、一部の親たちは「この学校こそ子どもを救ってくれる」と横断幕を掲げて支持したのだ。

この施設が閉鎖されると、親たちは「じゃあ次はどこの施設に預ければいいのか」と口にし、自分が当事者として子どもと向き合うことを頑なに拒み続けた。

親世代の教育の焦燥感

前編の冒頭で紹介した女子大生の事例では、彼女の両親が矯正機関に依頼した動機は、娘が親の言うことを聞かなくなったこと、および親が認めない交際相手と付き合い始めたことだった。

同じく前編で紹介した母親を餓死させた少女は、幼少期から日常的に体罰を加えられ、学習を強要された。家庭内に居場所を失った少女は、街の小さなカフェを第二の家庭と慕い、そこで手伝いをすることで心の平穏を得ていた。しかし両親はこれを「悪い大人にそそのかされている」と決めつけ、最終的に矯正施設への強制連行を決めた。

厳しい受験競争が常態化する中、我が子の不登校や反抗期に直面した親たちは、どう対処していいか分からず強い焦燥感を抱いている。

写真はイメージ/Photo by Gettyimages

もう一つは、ネット依存矯正施設(戒网瘾学校)という言葉が象徴するように、子どもが情報を得る手段が多様化したことによって、中国の家長主義的な家庭内の権威が崩壊したことだ。子どもの自主性が強くなり、無条件に従わなくなったことも、多くの親をいっそう不安にさせている。

そして親世代が持つ価値観も原因となっている。少なくない親は「叩かなければ立派な人間にならない」「厳格な管理こそ正義」という古い教育観に囚われており、子どもがおとなしく従順になれば、それが良い子どもとなった証拠だと勘違いする。

こういった親たちが金を払い、養育の責任を第三者機関に丸投げしているのが、矯正施設ビジネスの実態だ。

親の不安を吸って肥大化するグレー産業

こうした親の焦燥に付け込んだ矯正施設側は、ショート動画などを通じて「短期間で矯正」「100%ネット依存克服」といった広告を配信し、親の不安をさらに煽り、藁にもすがる思いで我が子を入所させる親を呼び込んでいる。

しかし、これらの動画内で生き生きと活動している子どもたち、その多くは施設によって強制的に演技させられている「やらせ」である。

なぜこうした施設は虚偽広告を用いてまで、親の興味を引き込もうとしているのか。それはこのビジネスが持つ圧倒的な収益性にある。

写真はイメージ/Photo by Gettyimages

これらの施設は多くが辺鄙な場所にあり、設備や人件費などのコストは極めて低く抑えられている。それに対し、学費は数万元(数十万円〜百万円)と非常に高額であり、グレー産業でありながら莫大な利益を生んでいるのが実情だ。

この高利益に惹かれて、社会からあぶれた多くの素行の悪い人間が業界に流入し、新たな施設が次々と誕生している。

日本社会を追体験する現代中国

景気の見通しが不安定となり、社会全体の焦燥感が広がるにつれ、一部の機関は募集対象を未成年者から成人へと拡大した。その対象は、大学卒業後に就職せず実家で寝そべって(躺平)暮らす若者などへも広がっており、市場規模をさらに肥大化させている。

こうした矯正施設の氾濫は、家庭教育に対する公的支援の不足、商業資本に利用される社会的な焦燥感が絡み合った、根深い社会的病理の現れである。

写真はイメージ/Photo by Gettyimages

そして現代中国で起きている機能不全は、かつての日本社会の歩みと重なり合う。手に負えない我が子を荒療治で叩き直そうとしたり、孤立した若者を暴力的に社会の歯車に戻そうとしたりする。こうした現代中国の「更生ビジネス」は、それらと驚くほど一致している。

現代中国は、かつての日本と同じく不動産バブル崩壊を体験した。そして、その後の日本社会も追体験している。私たちにとって、この悲劇は「遠い異国の出来事」として映らないはずだ。

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『大洪水が揺るがす習近平の「天命」…崩れ始めた「大躍進ダム」、5000基のダムに危険信号 』(7/28JBプレス 福島香織)について

7/27The Gateway Pundit<Stephen Miller Says Democrats Dropping in Polls Because They’ve Been Exposed: ‘They Are Radical Left, Crazy Communists’ (VIDEO)=スティーブン・ミラー氏、民主党の支持率低下は暴露されたためだと語る:「彼らは過激な左翼で、狂った共産主義者だ」(動画)>

左翼の考えが如何におかしいか。

トランプ大統領の側近であるスティーブン・ミラー氏は今夜、ショーン・ハニティの番組に出演し、民主党の支持率が低下している理由は、彼らが過激な共産主義者であることが暴露されたためだと述べた。

DSA(民主社会主義者)の人たちのインタビューを見たことがある人なら、ミラーが何を言っているのか分かるはずだ。

ミラー氏は、民主党はこれまでメディアに守られてきたが、米国民は今やそれを見抜いていると指摘する。

彼はまた、刑務所を空にして法を遵守する人々を危険にさらすといった、彼らの常軌を逸した政策についてもいくつか挙げている。

オーバートン・ニュースによる文字起こし

ミラー:「もちろん、民主党が常に持っていた最大の強みは、この国の狂信的な左翼メディアからの均一かつ全面的な支持だ。」

「彼らは常に大手放送ネットワーク、新聞社、そしてケーブルテレビの大部分からの支援を受けてきた。」

「米国民は学びつつあり、それは世論調査にも反映されている。」

「民主党の支持率はかつてないほど低い。」

「そしてその大きな理由は、トランプ大統領が彼らの正体を暴いたからだ。」

「彼らはリベラルではない、単なる左翼でもない、過激な左翼、狂った共産主義者だ!」

「彼らは個人経営の食料品店を潰すために、政府運営の食料品店を開設している。」

「彼らはこの国の刑務所と拘置所の制度を廃止しようとしている。そうすれば誰もが街の捕食者のなすがままに生きることになる。」

「国境も、移民税関執行局(ICE)も、警察も、法執行機関もいらない。」

「税金を天井知らずに引き上げる。規制によって企業を潰し、規制によってエネルギー産業を潰し、経済を粉々に打ち砕く。」

「風車さえあればラッキーだよ、ショーン。」

https://twitter.com/i/status/2081922849627857158

DSAの過激左派には良い点もある。それは、彼らが我々が知る米国を破壊するという意図を完全に正直に表明していることだ。

こうした人々は、この国の権力の中枢に決して近づくべきではない。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/stephen-miller-says-democrats-dropping-polls-because-theyve/

7/27The Gateway Pundit<BOMBSHELL: Investigative Reporter Claims Dozens of American Journalists Are on China’s Payroll=衝撃のニュース:調査報道記者が、数十人の米国人ジャーナリストが中国の給料を受け取っていると主張>

日経も中国ヨイショが過ぎるから賄賂を受け取っているかも。

バノン陣営の一員である調査報道記者のナタリー・ウィンターズは、数十人の米国人ジャーナリストが中国から報酬を受け取っていると主張する衝撃的なレポートをSubstackに掲載した。

ウィンターズ氏によると、これらのジャーナリストは中共の資金援助を受けて中国へ渡航し、中国に有利な報道を行う見返りとして賄賂を受け取っているという。

彼女の報道が正確だとすれば、多くのことが説明できるのではないでしょうか?

Substackより:

暴露:中国から報酬を受け取っている主流メディアのジャーナリストたち

外国代理人に関する届出書類によると、中共と関係のある影響力工作機関に所属する工作員が、「好意的な報道」が得られる可能性を根拠に米国人ジャーナリストの無料旅行を計画し、北京に関する「肯定的なメッセージを効果的に広める」ことを目指していたことが明らかになった。

しかし、提出された書類には、アクセス権を与えられた記者が誰なのかは明確に記載されていなかった。

この調査では、提出された書類と、アーカイブされたニュースレター、年次報告書、当時の記録を照合することにより、米中交流財団(CUSEF)が企画または資金提供した中国旅行に参加した著名な米国人ジャーナリストの名前が明らかになった。

名簿には、NYT、CNN、MSNBC、ワシントン・ポスト、NPR、AP通信、Vox、アトランティック誌、ロサンゼルス・タイムズ、シカゴ・トリビューンなど、米国の主要報道機関の現役および元ジャーナリストが含まれている。

いくつかのケースでは、これらの訪問後に、中国政府の政策を擁護したり、トランプ大統領の対北京対立を批判したり、米国の製造業の衰退は避けられないものだと主張したりするコラムや報道が掲載された。

ウィンターズはTwitter/Xで名前をリストアップした。

これらの人々はどうなるべきでしょうか?

職を失うことは、その第一歩となるだろう。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/bombshell-investigative-reporter-claims-dozens-american-journalists-are/

7/27Rasmussen Reports<Vance, Rubio Lead 2028 Republican Field=バンス氏とルビオ氏が2028年共和党大統領候補争いをリード>

JD・ヴァンス副大統領は依然として共和党の2028年大統領候補指名争いの最有力候補だが、マルコ・ルビオ国務長官の人気も高まり続けている。

ラスムッセン・レポートが実施した最新の全国電話・オンライン調査によると、共和党予備選の投票予定者のうち、もし今日予備選が行われた場合、ヴァンス氏に投票すると答えたのは39%だったが、これは4月の47%から減少している。ルビオ氏に投票すると答えたのは27%で、4月の20%から増加している。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/vance_rubio_lead_2028_republican_field?utm_campaign=RR07272026DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

7/28阿波羅新聞網<颠覆!接管战场 美军亮出最新大杀器—空战规则改写 美军亮出未来杀器=革命的だ!米軍は戦場を制圧するにあたり、最新の恐るべき兵器を発表した–空中戦の常識を覆す――米軍、次世代の強力な兵器を公開>

ロッキード・マーティンとその子会社シコルスキーは、新世代のクロスプラットフォーム自律戦闘システムを披露した。無人航空機ブラックホークS-70UAS「U-HAWK」は、飛行中に小型ドローン「Vulture」を放出し、偵察や目標捜索を行うことができる。共通のAI自律ソフトウェアにより、戦闘機、ヘリコプター、ドローン、そして将来の海上車両が機能を共有することが可能になり、共同作戦の効率が大幅に向上する。また、米軍における有人・無人プラットフォームの統合を促進し、CCAおよびJADC2といった将来の戦闘システムを支援する。

AIを軍事に組み入れた方が優位に立つ。

https://www.aboluowang.com/2026/0728/2413483.html

7/28阿波羅新聞網<【微博精粹】4字警告!中国牛马紧急呼叫王虹=【微博精髄】4字で警告!中国の牛馬が王虹を緊急に要請>

何故フランスで研究するのか?

静かな環境で研究したいから。

それが数学への自信となる。

王虹は家族が中国にいる。国はこれを利用して彼女を戻し、貢献させよ。

戻って来るな。

戻って来るな。

いつも家族を人質に取る中共。こんな国で研究すれば、人殺しの片棒を担がされる。

https://www.aboluowang.com/2026/0728/2413591.html

「劉申磊磊、金可宇、王紅」は「六神磊磊、金刻羽(金立群の娘)、王虹」の誤り。

「王紅と鄧瑜」は「王虹と鄧煜」の誤り。

https://x.com/OldApeTalk/status/2081547115432439908/video/1

福島氏の記事で、中国は紀元前250年頃、李冰・二郎親子が四川省都江堰に水利施設を造ったと言われ、土木工学では先進的だった。小生も中国在勤時代、旅行で九寨溝や黄龍へいく前に立ち寄りました。

中国のダムが脆弱なのは賄賂とも関係している。予算があっても中抜きされて賄賂になり、足りない分を誤魔化すから手抜き工事・おから工事となる。賄賂文化を持つ中華文明の宿痾である。治ることはない。

人民の命は鴻毛より軽しと思っている中共政府だから、ダムと村落の崩壊どちらを選ぶかとなると、役人にとっては村落の崩壊を選ぶ。自分の失点にならないから。こういう自己中の連中が発言するのを、あなたは信じますか?過去の歴史についても嘘と思った方が良い。

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台風「メイサーク」の豪雨で六藍ダムが決壊し、濁流が流れ出した(写真:VCG/アフロ)

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今年も中国は大水害の季節に突入した。7月26日、台風12号「ノウル」が広東省東部に上陸。すでに71万5000人が強制避難させられた。7月上旬は台風10号「メイサーク」が中国広西チワン族自治区で記録的な被害を出している。湖北省では台風の影響で竜巻が発生し、水害と竜巻により200万人が被災した。

なぜ、中国は毎年、これほどひどい大規模水害を繰り返すのか。その中で注目されているのが中国の水利政策の問題点だ。

たとえば、7月6日、広西チワン族自治区南寧市横州市の六藍ダムが決壊したことで、中国の「危険ダム」問題がにわかにクローズアップされた。この六藍ダムはいわゆる「大躍進ダム」で、1960年の「大躍進」時代に作られたもの。中国ではこの時代に作られたダムが、現在稼働中のダムの半分を占めるらしい。体制内の専門家の中にも、こうした大躍進ダムのリスクを指摘する声が出ている。

決壊した「大躍進ダム」

六藍ダムは、台風10号「メイサーク」による記録的な豪雨により堤頂を越水し、ダム本体で2カ所が決壊し、その長さは計約50メートルに及んだ。総貯水量9552万立方メートルの水が、土砂を巻き込み、下流の村々を飲み込んだ。

中国当局の発表によると、7月9日午前11時の段階で、六藍ダムの決壊による洪水で26人が死亡、7人が行方不明、被災者は5.5万人と発表された。

六藍ダムは1958年に着工し、1960年に竣工して以来、実に66年間稼働してきた「大躍進」ダムだ。

毛沢東の大号令によって1958年から61年にかけて進められた経済・社会改革運動「大躍進政策」は、根拠のないエセ科学を信じ、無理な生産目標を掲げ、一気に中国経済・社会の近代化を進めようとした大失敗政策。結果的に大規模な飢饉が引き起こされ、反対派の弾圧・迫害もあって大量の犠牲者を出した。農作物と鉄鋼製品の増産政策が有名だが、この時期、人海戦術で大量のダムや水利施設が建設されたことでも知られている。

大躍進の失敗の責任追及で追い詰められた毛沢東が自分の権力を守るために仕掛けた闘争が1966年から十年続く文化大革命となる。

この大躍進時代から文革期に造られたダムは、設計も施工基準もずさんで技術も未熟。多くは人民が人力で土砂を運び叩き固めて造られたものだ。六藍ダムも、粘土質の土を突き固めて作られた。表面には切石を並べセメントモルタルで目地を埋めているが、内部に鉄筋やコンクリートを使った枠組みなどはないという。

1958年から1965年の間に全国で4万5410基のダム(うち210基が大型ダム)が建設され、これらダムは、現在稼働中の約9万5000基のダムのおよそ半分を占めているという。さらにいえば、現在稼働中のダムの8割以上が1950年代から70年代にかけて建設されたものだ。

もちろん、こうした大躍進ダムの多くは、その後、何度も多額の予算をかけて補修や強化工事がされている。

補修しても消えない危険ダム問題

六藍ダムは現在も、灌漑、発電、洪水防止のために稼働している。下流域の農村17万人が暮らす農地を潤す横州最大のダム(中規模)だ。

2009年に危険箇所の補強工事、2023年に灌漑区域の改修、2024年に標準化管理の導入が行われ、特に2023年の改修には3億人民元が投じられたという。2025年6月には地元官製メディアが、六藍ダムは「問題のあるダム」から「模範プロジェクト」へと変貌を遂げ、「施設が整備され、節水効率が高く、管理体制も科学的で、生態環境が良好」との評価を受け、スマート監視センターも建設された、と報じていた。

この六藍ダムの当初設計には決壊予防のための「非常放水路」が設けられていた。だが、のちにこの水路の場所に人々が不法占拠で住みつき、事実上放水路として機能しなくなっていたという。

7月7日の『新京報』によれば、決壊箇所は約100メートルまで拡大し、CCTVもダムの破損状況は「極めて深刻」と報じていた。

一方横州市緊急管理局は「ダム全体の崩壊ではない」とし「主ダムの防滲構造は依然として無傷である」と、これら報道を否定。広州市の週刊紙「南方週末」は7月14日、決壊前には、水門の故障や気象警報の通信途絶など、ダムとしての「機能不全」が発生していたと報道している。さらに、実は2025年に報じられた「モデルプロジェクト」はでたらめで、竣工検査に一度も合格していなかったことなど重大な人為的要因や工事上の問題点を指摘した。だが、その翌日には同記事が公式サイトおよびWeChat公式アカウントから削除されていた。

実は体制内の専門家たちの間では、中国のこうした古い危険ダムの存在は長らく問題視されていた。

2021年、水利部の魏山忠副部長は、中国には依然として3万1000基以上のダムが規定の期限内に安全診断を受けておらず、一部のダムでは管理・維持が不十分で、修繕も適切に行われていないため、「不具合が蓄積して危険に発展する」問題が存在することを公に認めている。

その後「第14次五カ年計画」(2021~2025年)期間中、中国当局は1万8000基近くのダムに対して危険除去・補強工事を実施したと発表したが、六藍ダムの決壊とその後の報道と当局発表の齟齬からみても、この発表が信じられるかという疑念が中国社会で沸き起こっている。

水利政策の失敗が水害を拡大させた?

2024年末、水利部は国家発展改革委員会と共同で『全国病危険ダム除險・補強実施計画』を公布し、2025年から2027年にかけて、さらに200基余りの大・中規模ダムと4800基余りの小規模ダムに対して安全対策や補強を実施し、その投資額を350億元余りと見積もった。いずれにしろ、中国には手当の必要な危険ダムが5000基前後はある、ということだ。

こうしたことから、中国の大規模な水害の背景には、中国の水利政策の失敗があるとの見方が中国社会にも広がっている。特に習近平政権になってから、その政策の失敗によって、台風被害・豪雨被害の規模が毎年のように拡大してきているとの印象が広まった。

例えば、2023年8月の河北省涿州を襲った大洪水は、習近平国家主席の独りよがりな新特区政策「雄安新区」を守るために人為的に起こされた洪水だったと言われている。河北省の雄安新区が作られた場所はもともと湿地帯で、北京など都市部を洪水から守るための遊水池の役割を負っていた。

だがそこに新区を創設したために、洪水の水の逃げ場所がなくなり、地方都市の涿州を水没させることになった。この雄安新区はほとんど人が住んでおらず機能していない張りぼて都市であったことから、習近平のメンツのためにゴーストタウンを守り、人民の暮らしを犠牲にしたとみられたのだった。

2024年7月の洞庭湖決壊も、地元官僚は決壊を予期していたものの、習近平政権になってから官僚粛清が増えて、現場官僚が現状に即した素早い対応がしにくくなったことや情報統制が厳しくなったことなどが背景にある人災説が高まった。

2025年7月も北京市で死者30人以上を出す大洪水が発生している。

治水は中国政治を映す鏡、だとしたら習近平政権は?

長江、黄河という大河が流れ、干ばつと洪水を繰り返す広大な土地からなる中国は伝統的に治水を成功させることが為政者の権力の象徴とみなされてきた。毛沢東が大躍進でダムを造りまくったのも、江沢民が専門家の反対を押しのけて三峡ダム計画を推し進めたのも、巨大水利工事が権力を強化できると考えたからだ。

さらに習近平は、チベット自治区のヤルンツァンポ川に総工費1兆2000億元(約25兆円)を投じる世界最大級の水力発電ダムの建設を2025年7月にスタートさせた。工期10年の予定で、完成後は三峡ダムの三倍以上の発電量が期待されるだけでなく、下流のインドの水資源をコントロールするという意味では、領土問題などを有利に運ぶ国際戦略上の武器としての「水爆弾」という見方もある。

一方で、台風や大洪水に見舞われ被害が拡大し続けると、それは中国の為政者の天命が尽きた、つまり為政者が天下を治める正統性を天帝(神、自然の秩序)が認めなくなったことのシグナルだと受け取られてきた。水利事業は権力の象徴だが、その失敗は、中国の為政者としての資格が問われるものなのだ。

最近発表された中国気候変動青書によれば、中国の水害の大規模化、頻発化は、世界の気候変動に伴う海洋の温暖化のせいであるという。だが、中国の変化の大きさは国際平均を超えている。

中国の気温上昇率は世界平均より高く1961年から2025年の間に10年あたり平均0.31℃上昇。世界平均では、直近30年のデータで、10年あたり0.21℃の上昇だ。

今年に関していえば、中国の雨季(洪水期)は例年より8日も早く、7月10日に始まった。洪水期のピークは8月15日ごろまで続くとみられるが、すでに9号、10号、12号の台風が中国に上陸し、主要河川で20件以上の大規模洪水が発生し、600以上の河川が警戒水位を超えている。警戒水位を超えた河川の数は平年より35%増えているという。さらに今後も例年より20~50%増の降水量が続くとみられている。

もともと中国の洪水対策の基本は、為政者の権威や大都市を守るために、貧しい地域に洪水区、遊水池を設け、大雨のたびに農村を水没させることもいとわない残酷なものだ。都市に電力を送るダムと発電所を守るために、あえて水門をあけて、ダム湖の水位を下げ、下流の農村を犠牲にする判断もある。農民には事前に退避命令が出るが、そのたびに底辺の人々の日常は奪われてきた。

ここに、習近平の党ガバナンスや監視統制強化の政策が、地方の水利事業や防災政策に悪影響を与えているという見方が加われば、習近平の為政者としての「天命」は失われかねないだろう。

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『米国企業のAI利用量6割が中国製、トランプ政権の締め出しが自国産業を傷つける逆説  【生成AI事件簿】制裁・開示義務・調達規制でも止まらない、中国製オープンモデル拡散の現実と規制の壁』(7/25JBプレス 小林 啓倫)について

7/26The Gateway Pundit<China Was Running Biden After All=中国は結局バイデンを操っていたのだ>

バイデンは所詮民主党のオートペン。民主党は中共の選挙介入もあって、中共支配を許してきた。

結局、中国はバイデン氏を操っていたのだ。

2020年後半、私たちは2020年の選挙における中国の影響力について報道しました。そして、バイデン氏を支えているのは誰なのかという疑問を投げかけました。

Real Robertは、2020年12月のGateway Punditの記事を思い出させてくれた。

2020年12月の記事で、ジム・ホフトは中国が2020年の選挙転覆に関与していたと報じた。ゲートウェイ・パンディットは、中国の工場が特注した偽の投票用紙を依頼する電話の様子を中国語で録音した動画が公開されたと報じた。製造元は中国の広東省にあると伝えられている。

https://x.com/Real_RobN/status/1934834079201177934/video/1

2025年に、FBIが中国による米国選挙への介入計画に関する情報を入手していたにもかかわらず、それを隠蔽していたことが報じられた。今、カシュ・パテルは説明を求めている。

@FBIDirectorKashと@FBIDDBonginoによる新たな透明性の開示によると、クリス・レイFBI長官は、バイデン氏への不正な郵便投票のために偽造IDを作成する中国の陰謀に関する情報を集め、その後CBP(U.S. Customs and Border Protection)はプリツカー・イリノイ州知事のシカゴで2万枚の偽造IDを押収し、その後FBIは情報を破棄するよう命じた。

2020年の選挙後、バイデン政権は中国に不利になるようなことは何もしなかった。まるでこの4年間、中国が米国を支配していたかのようだった。

これでこうなりました。

衝撃のニュース🚨 調査報道ジャーナリストのキャサリン・ヘリッジ氏は、ジョー・バイデン氏の家族が中国から脅迫を受けていた証拠を発見したと述べ(証拠書類も提示)、主流メディアはこの証拠を無視した。

「記録の公開に関して、メディア、特に既存メディアには、意図的な見て見ぬふりがあったように思います。彼らは記録を見ようとしなかったのです。ほんの数時間調べればよかったのに。私は中国による恐喝について書かれた記録を見つけました。それはバイデン大統領の毎日のブリーフィング資料でした。おそらく彼の家族を標的にしたものだったと結論づけることができると思います。」

彼女は先に、民主党の政権維持のために、FBI、CIA、そしてメディアがこれらすべてを無視し、隠蔽したと説明している。

https://x.com/WallStreetApes/status/2081026686599008541/video/1

結局、バイデン政権を操っていたのは中国だったのだ。

https://joehoft.com/china-was-running-biden-after-all/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=china-was-running-biden-after-all

https://x.com/nexta_tv/status/2081035599264276718/video/1

第三次世界大戦への道?

7/27希望之声<拒绝矽谷回国被「圈养」?杨植麟重走50年代海归老路,Kimi K3爆火背后的致命陷阱!=シリコンバレーから中国への帰国を拒否すれば「拘束」される?楊植麟は1950年代の海外帰国者たちの古い道を辿り、キミK3の爆発的な人気の背後にある恐ろしい罠に迫る!>

2026年7月、中国のAIコミュニティで世界を揺るがす一大イベントが発生した。「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」社が、次世代オープンソース大規模モデル「キミ K3」を発表したのだ。パラメータ数が2.8兆に達するこのモデルは、世界のテクノロジー大手企業に直接的な衝撃を与えた。国内の公式メディアはたちまち大々的に報じ、創業者である楊植麟を絶賛し、シリコンバレーのトップ企業からの高額な報酬を拒否して中国に帰国し、自らの事業を立ち上げた「愛国的な模範」と称え、キミ K3は米国のAI覇権を打ち破る「中国の解決策」だと主張した。これは、中国が自信に満ち溢れ、米国がコンピューティング能力への不安に苛まれるという、新たな大国の台頭を描いた壮大な物語のように聞こえる。

しかし、こうしたネット上の祝賀ムードの中、ある人物が真夜中に極めて鋭い叫び声を上げた。それは誰だったのか?環球時報の元編集長、胡錫進だ。彼はネット上に記事を公開し、DeepSeekの創業者である楊植麟と梁文鋒に厳しい警告を発した。その核心的なメッセージは、「今後は絶対に米国に行ってはならない。そして、絶対にファイブ・アイズ同盟国に行ってはならない」というものだった。

これは非常に興味深い。表面的には太鼓と銅鑼が鳴り響く祝宴だが、その裏では恐ろしい脱出警告が発せられている。中共の最高幹部とその代弁者は一体何を恐れているのか?人工知能を研究する若い科学者が、なぜ突然海外渡航の自由を失う危機に直面しているのか?今日は、この華やかな表向きの姿の裏に隠された、キミK3の驚異的な成功の裏にある、恐ろしい体制上の罠とは一体何なのかを探ってみよう。

視聴者の皆さん、こんにちは!「ザ・ビッグ・ピクチャー」へようこそ。

米国追跡およびエンティティリスト

まず、胡錫進が実際に何を恐れているのかを検証してみましょう。彼の恐れは根拠のないものではありません。ここ数日、米国の政財界からは非常に強い反応が出ています。WHの技術顧問であるマイケル・クラツィウスは、ダークサイド・オブ・ザ・ムーンAIプロジェクトが、いわゆる「蒸留」技術を用いて、クロード・フェイブル5などの米国のトップAIモデルを「大規模に盗んだ」と公に主張しました。また、ダークサイド・オブ・ザ・ムーンは、タイなどの海外ノードにある最先端のNvidia GB300サーバーへの制限付きアクセスをユーザーから不正に取得し、そのアクセスを利用してモデルを訓練した可能性があると指摘しました。

これを受けて、ベッセント米財務長官も声明を発表し、米国はこのAI競争で絶対に負けるわけにはいかない、中国のリードがもたらす破壊力は想像を絶するものだと警告した。同長官は、米国政府はこの米国知的財産の窃盗に対し、制裁措置や「エンティティリスト」への掲載を検討していることを明確に述べた。

これが胡錫進が深夜に投稿した直接の理由である。彼は孟晩舟のカナダでの拘束事件を引き合いに出し、米国政府が「知的財産権侵害」や「国家安全保障上の脅威」を口実に、中国のトップAI科学者たちを直接標的にするのではないかと懸念を表明した。実際、公式メディアは「飛躍的発展」を盛んに喧伝しているが、いわゆる技術的ブレークスルーの多くは、西側のオープンソース技術のグレーゾーンでの悪用、リバースエンジニアリング、あるいは露骨な盗用を伴うことが多い。自由世界の開放性と善意を利用して権威主義体制の技術力を強化すれば、自由世界のルールと規制による全面的な反発に直面することは避けられない。

ダークサイド・オブ・ザ・ムーンが正式に米国のエンティティリストに追加されれば、コンピューティング能力とクラウドサービスの完全な混乱に直面するだろう。Nvidiaの最新チップも、MicrosoftやAmazonといった海外のクラウドプラットフォームからのホスティングサポートも得られなければ、キミK3の技術バージョンは致命的な打撃を受けることになる。これは単なる商業競争ではなく、文明とルールの衝突なのだ。

ダークサイド・オブ・ザ・ムーンは当然制裁されるべき。

https://www.soundofhope.org/post/938919

7/27阿波羅新聞網<DeepSeek创始人重大泄密!—梁文锋内部交流泄密 坐实美国对中共指控=DeepSeekの創業者による重大な情報漏洩! 梁文鋒の流出した内部通信は、米国による中共への非難を裏付けるものとなった。>

2026年7月25日、DeepSeek創業者・梁文鋒と投資家らの内部協議とされる会議議事録がネット上で出回った。しかし、この議事録は、予想外にもゲームの本当の実力を明確に露呈した。この議事録は米国にナイフを手渡したと非難する声もある。問題はナイフが手渡されたかどうかではなく、中共のAI開発の方向性が、米国が支配する標的のプロファイルと極めて一致している点にある。泥棒でないなら、なぜ密かに窃盗の経験を交わし、窃盗のビジョンについて議論するだろうか?

つまり、違法またはグレーなルートを通じてNvidiaの高度なコンピューティングチップを入手し、蒸留と効率的なトレーニング技術に頼ることでギャップを縮め、オープンソースとエコシステム協力によって限られたコンピューティング能力の恩恵を中国のAIネットワーク全体に拡大し、最終的には最先端の大規模モデルにおける米国の世界的なリーダーシップに挑戦しているという構図である。

「騙す(盗む)ほうが賢く、騙される(盗まれる)方が馬鹿」と考える民族。アカウントを徹底的に調べ、怪しい中国系人物にはモノを渡さないことです。でも他国人を使うことは予想されますが。

https://www.aboluowang.com/2026/0727/2413124.html

7/27阿波羅新聞網<决裂华为!梁文锋、杨植麟、闫俊杰,踏进欧美就被抓?=華為との関係を断つ!梁文鋒、楊植麟、閻俊傑は欧米入国時に逮捕?>

アジア・ファイナンスの張朝陽は、中国企業の盗作率が非常に高く、そのほとんどが米国からのコピーだと述べた。アントロピックは、中国のAI企業3社(DeepExploration、Lunar Dark Side、Xiyu Technology)が24,000の偽アカウントを使用して、クロードと1,600万回以上やり取りしたと主張している。張朝陽はまた、梁文鋒、楊植麟、閻俊傑がヨーロッパや米国に入国した場合、逮捕されるだろうかと?張朝陽は、中国のテクノロジー企業は自主的なイノベーション率が極めて低く、主に米国からの盗作に依存していると考えている。これは、法律違反のコストが極めて低いためである。張朝陽は、中国企業間の盗作はさらにエスカレートすると予測している。関係者筋がアジア・ファイナンスに語ったところによると、メモリーチップメーカーの長鑫メモリテクノロジーズ(CXMT)は最近華為との関係を断ち、華為が出資する機器メーカーのエンジニアに対し、CXMTの中核的な研究開発分野で作業していた場合、直ちに道具をまとめて工場区域から退去させ、関連する研究現場への再立ち入りを禁止するという断固たる措置を取ったという。

中国人同士でも当然盗みは行われる。

https://www.aboluowang.com/2026/0727/2413143.html

7/25阿波羅新聞網<大吃一惊!Kimi K3有多恐怖?美中情局长戳破—权威智库测试Kimi K3 结果让人大吃一惊=衝撃的!キミK3はどれだけ恐ろしい?CIA長官が真実を明かす–権威あるシンクタンクがキミK3に対して行ったテストの結果は驚くべきものだった。>

7/23(水)、欧米の権威あるシンクタンクは、予備テストの結果、中国のスタートアップ企業である ムーンショットAIの最新モデル「キミ K3」が、米国の主要な最先端AIモデルよりも著しく性能が劣ることを発見した。

英国のAISI(英国人工知能セキュリティ研究所)と米国のCAISI(人工知能標準・イノベーションセンター)によるキミ K3の共同評価では、初期のネットワーク機能評価において、キミ K3のネットワーク機能は、特に安定性と成功率の面で、最新の最先端米国モデルよりも著しく低いことが示された。

具体的には、キミ K3は平均して32ステップの攻撃経路のうち17ステップしか完了しなかったのに対し、米国で最も強力なネットワークモデルは平均28.5ステップを完了した。GLM-5.2は平均11ステップしか到達できなかった。

7月中旬、CIA長官のジョン・ラトクリフは、ペンシルベニア国防イノベーションサミットでの講演で、中共の支配下にある中国に対して米国は制度的に優位にあると述べた。なぜなら、中共の体制下では、個人は党と国家にしか従うことができないからである。

「彼らは盗み、模倣し、国の補助金を利用する。それが彼らの『成功』モデルだ」と彼は述べた。

中共の情報戦。騙されてはいけない。

https://www.aboluowang.com/2026/0725/2412448.html

https://x.com/mubeitech/status/2081411932561526909/video/1

小林氏の記事では、中共はコストリーダーシップ戦略を取り、世界中の企業の持つデータを盗み取ろうと考えているのかもしれない。その手に乗るとレアアースと同じ道を辿り、サプライチエーンまで中共の独占を許したようになるかもしれない。レアアースを政治的締め付けの道具として使うのが分かっているのだから、世界の企業はコストが高くても中共企業のレアアース使用はできるだけ避けるべき。

中共は山寨版(海賊版の事)が溢れ、儲かれば何をやっても良いという社会である。中華文化は模倣・偽物文化と言われても仕方がない。ハードだけでなくソフトでも起こりうるということ。ハードで言えば、日本の高級農作物の種苗や和牛の精液が無断で持ち出されたりした。ソフト面では2009年の製品認証でソフトウェアのソースコード開示を目論んだ騒動があった。盗むのが彼らの文化と思わないと。付き合わないのが一番良い。

AI企業もタダで文献を利用しようとするのは間違い。AIで利用料をはじき出させればよいのでは。

日本企業はコストが安いからと言って、中国製山寨版を平気で使えるのか?データを取られるかもしれないのに。

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上海で開かれた世界人工知能大会(WAIC)で存在感を示した中国の習近平国家主席(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

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2026年7月21日、スコット・ベッセント米財務長官はFOXビジネスの番組でこう警告した。「海外のAIモデルがわが国の偉大な企業から盗んでいると分かれば、その窃盗を理由に制裁を科す能力が我々にはある」。標的が中国のAIモデルであるのは明らかだった。

もっとも、同じ週、Bloombergが報じた1つの数字が、この威嚇の実効性に疑問を投げかけた。AIモデル仲介プラットフォームのOpenRouter上で、米国企業によるトークン使用量(AIモデルの利用量を示す指標)の約6割をすでに中国製モデルが占めていたのである。果たしてトランプ政権の「中華モデル締め出し」は狙い通り進むのだろうか。

財務長官の宣戦布告

7月21日朝、FOXビジネスの番組「モーニングズ・ウィズ・マリア」に出演した同長官は、中国のAIモデルが米国モデルから「蒸留」されていないかを政権として調査する方針を明らかにした。蒸留とは、強力なAIモデルの出力を教師データとして、より小型のモデルを訓練する手法である。他社モデルの出力を無断で使えば、規約違反や知財侵害の問題が生じ得る。

CNBCの報道によれば、同長官は「多くの中国モデルに米国の大規模言語モデルのウォーターマーク(モデルの出力に残る痕跡)が見つかっており、容認できない」と述べ、今後数日から数週間でこの問題を精査すると予告した。

Bloombergに対しては、中国AIを利用する米国企業に開示義務を課す可能性にも言及し、「偽造品は使うことができない」と言い切っている。同日にはジェイミソン・グリアUSTR(米通商代表部)代表も「中国がどのようにAI開発を普及させているのか、我々は非常に注意深く見ている」と足並みを揃えた。

この強硬姿勢には伏線がある。Anthropicは6月10日付で上院銀行委員会のティム・スコット委員長とエリザベス・ウォーレン筆頭理事に書簡を送り、中国のテクノロジー大手アリババとその傘下のAI研究部門Qwenの関係者が「既知で最大の蒸留攻撃」を実行したと訴えた。

CNBCが確認した書簡によれば、4月22日から6月5日までの間に約2万5000の不正アカウントを通じて、Claudeとの間で2880万回のやり取りが行われたという(アリババ側は不正行為を否定している)。

さらに7月16日には、中国のスタートアップMoonshot AIが2.8兆パラメータのオープンウェイトモデル(訓練済みパラメータを誰でもダウンロードできる形式のモデル)「Kimi K3」を公開した。以前の記事で解説した通り、Kimi K3は全体性能では米最上位モデルに一歩譲るものの、コーディングやエージェント処理の一部ベンチマークでは上回ったという。

公開直後には香港市場で中国AI関連株が急落し、「第2のDeepSeekショック」とも呼ばれた。窃盗の告発と、性能の急伸。この2つが重なったところに、ベッセント発言は飛び出したわけだ。

安価な中国モデルは米企業に深く浸透

だが、締め出しを論じる前に直視すべき数字がある。冒頭で触れた通り、Bloombergによれば、OpenRouter上で米国企業によるトークン使用量の約6割をすでに中国製モデルが占めている。CNBCが7月上旬に報じた調査では2月8日以降シェアが毎週30%を下回らず、7月第1週には63%に達したとの集計もある。1年前には10%に満たなかった数字だ。

この浸透を促しているのは、イデオロギーではなく経済合理性である。

OpenRouterでデータ分析を担当するジャスティン・サマービルはCNBCに対し、中国のオープンソースモデルはAnthropicやOpenAIの主力モデルより「60〜90%安く運用できる」と述べている。実際、AIアシスタント開発のLindy AIは、Anthropicのモデルから中国のDeepSeekへの切り替えで推論コストを90%削減したと報じられた。

Bloombergによれば、DoorDashやAirbnbといった大手企業も、米国製モデルの低コストな代替あるいは補完として中国モデルをすでに採用している。シリコンバレーのスタートアップや研究者にとって、カスタマイズ自在な中国モデルはもはや開発基盤の一部なのだ。

重要なのは、依存の矢印が逆向きになり始めたという点だ。安価な中国モデルは米国のスタートアップ、研究者、AIインフラ事業者の業務に深く組み込まれつつあり、ワシントンがその紐を断とうとすれば、脆弱になるのは米国企業の側だという構図である。

かつての米国は、電気自動車に関税を課すことができた。ファーウェイの5G機器を禁止することができた。しかし、一度公開されればダウンロードも改変もローカル実行も可能なソフトウェアに対し、同じ戦術を用いることはできない。米研究機関MATS Researchのフェロー、クリスティ・ロクはBloombergにこう語っている。「これは2018年のファーウェイ5G禁止とはまったく異なる。別の世界の話だ」。

習主席の基調講演に込められたもの

封じ込めには、もうひとつの前提が要る。同盟国の同調だ。

ファーウェイ排除の際、米国は日本を含む各国政府に通信網からの中国製機器の除外を働きかけ、一定の成功を収めた。だが今回は勝手が違う。企業が自由にダウンロードし、改変し、ローカルで運用できるオープンウェイトモデルに対して、国家安全保障上の脅威という主張を維持するのは難しい。カリフォルニア大学サンディエゴ校の客員研究員マーク・ウィツキは「重要インフラに組み込まれる中国製ハードウェアと、民間企業が使う調整可能なオープンソースモデルの間には違いがある」と指摘している

その間隙を、北京は確実に突いている。

7月17日、上海で開かれた世界人工知能大会(WAIC)の開幕式に習近平国家主席が初めて対面で登壇し、基調講演した。習主席は「オープンソースと開放、協力と共有」の奨励を訴える一方、AI分野において国家安全保障の概念を過度に拡大し、自国の安全を他国の安全より優先させる行為に共同で反対すべきだと表明した。米国を念頭に置いた発言なのは明らかだろう。

習主席は今後5年間で途上国に5000人分のAI研修枠の提供も表明し、前日にはカザフスタンやロシアなど29カ国が創設メンバーとなる政府間組織「世界人工知能協力機構(WAICO)」の設立協定に署名した

「AI for All(すべての人にAIを)」という旗印の下、フロンティアAIを自前開発する資源を持たない国々を自陣に引き込む布石である。米国が締め付けを強めるほど、「開放する中国」対「囲い込む米国」という対比は説得力を増していく。

外交日程も米国の手を縛る。Reutersの報道によれば、米中両政府は9月24日に予定される習主席の訪米に先立ち、トランプ政権下で初となる政府間AI対話を開催する方向で調整している。米国側の代表は、ほかならぬベッセント長官だ。対話の直前に制裁を発動すれば交渉の前提を壊しかねず、発動を先送りすれば「数日から数週間で精査する」という威嚇の信憑性が失われていく。

残された手は「不確実性の武器化」

では、米政権に打つ手はないのか。そうとも言い切れない。前述のマーク・ウィツキがBloombergに示した見立ては示唆的だ。「個々の措置の中身は、規制の不確実性が生み出す全体的な空気ほどには重要でないかもしれない」。つまり全面禁止ではなく、中国製AIモデルを扱う企業の法的・レピュテーション上のコストを引き上げ、採用を萎縮させる戦略である。

「中華モデルを使っていたら、何かトラブルに巻き込まれるかもしれない」と企業に感じさせたら勝ち、というわけだ。

Axiosが7月20日に報じた政権内部の議論も、この読みを裏付ける。同メディアによれば、商務省は複数の中国AIラボをエンティティリスト(米国との取引を制限する対象リスト)に追加することを検討した経緯があり、政権に近い関係者は、禁止令ではなく「より遅いが、より持続的な」手段──政府調達ルールや世論圧力──が進行中だと証言している。金融業界などの規制産業、あるいは政府調達の領域では、この種の萎縮効果は確実に効くだろう。

だが、この戦略にも2つの限界がある。第1に、「蒸留は窃盗だ」という論理は米国自身に跳ね返る。CNBCが指摘する通り、Anthropicは2025年9月、書籍データの無断利用をめぐり著者らと15億ドルで和解しており、OpenAIとMicrosoftは2023年にニューヨーク・タイムズから著作権侵害で提訴されている。学習データの無断利用を断罪する論理は、9月の米中対話で確実に切り返されるはずだ。

第2に、萎縮が効くのは米国の経済圏内だけであり、しかもその中ですら一枚岩ではない。MIT Technology Reviewが報じたように、Kimi K3への対応をめぐり、政権の現職・元職のAI政策関係者はこの週末、公然と非難の応酬を繰り広げた。

3月までホワイトハウスのAI・暗号資産政策責任者を務めたデービッド・サックスは7月19日、X上で「AIモデルの収益面ですでに事実上の寡占状態にある有力な“クローズド型”AI企業は、政府に対し、オープンソースという競合勢力を排除するよう求めている」と大手AI企業を批判。元AI顧問で現在はOpenAIに籍を置くディーン・ボールは、政権は米国企業に中国モデルの利用を恐れさせる「ソフトパワー」で対処するだろうと予測した

そして7月22日、対立は産業界の組織的な反乱へ発展する。

中国モデル禁止で弱るのは米国のスタートアップ

Politicoによれば、ProtonやYコンビネーターを含む約200社のシリコンバレー企業が、新設の業界団体「リトルテック・アソシエーション」を通じ、トランプ大統領やラトニック商務長官らに宛てて中国製オープンウェイトモデルへのアクセスを遮断しないよう求める書簡を送った。幅広いスタートアップ層が、この論争に集団として関与するのは初めてだ。

書簡は「米国のリーダーシップには、世界をリードする米国製オープンウェイトモデルと、すでに世界中で入手可能なオープンモデルへの米国開発者の継続的なアクセスの2つが必要だ」と訴え、全面禁止ではなく的を絞った安全策を求めた。

禁止しても拡散は止まらず、米国のスタートアップが弱るだけだ。AIインフラ企業Particle創業者のスハイル・ドシは「何百社もの企業が即死する」と警告し、「Anthropicにとっては素晴らしいことだ。我々は皆、Anthropicに金を払わされる」と皮肉った。

城内の反乱を抱えたまま、城外への拡散を止められるのか。前述のクリスティ・ロクは率直なコメントを述べている。「実現は非常に難しいだろう。中国モデルはいずれにせよ拡散していく。世界の他の国々は使い続ける」。

この動きが最も重い意味を持つのは、米中双方の市場と規制に同時に晒される日本の大企業・グローバル企業だろう。半導体や通信機器でなじみとなった経済安全保障の論理が、AIモデルというソフトウェアにまで拡張されようとしている。経営陣がいま検討すべきことを、3つに絞ってみたい。

地政学を無視できない日本企業への提言

第1に、AIモデルの系譜を調達管理の対象に格上げすることだ。

米国企業ですら、自らのAI利用の6割が中国製モデルに依存していると気づいたのはつい最近である。利用中のSaaSやAIサービスが裏側でどの基盤モデルを呼び出しているか。ファインチューニング(既存モデルの追加学習)の過程で、第三国のモデル出力が混入していないか。ソフトウェア部品表(SBOM)のAI版である「AI-BOM」を導入して自社のAIサプライチェーンを棚卸しし、ベンダー契約には基盤モデルの開示義務と変更時の通知義務を盛り込む。米国で開示義務や制裁が現実になってから調べ始めては間に合わない。

第2に、特定モデルへのロックインを避け、切り替え可能性を設計に組み込むことだ。

前述のLindy AIの事例が示す通り、モデルの切り替えは技術的には十分に現実的である。だからこそ、米国の規制で中国系モデルが使えなくなるシナリオにも、コスト競争で米国系モデルが劣位に立つシナリオにも対応できる企業が優位に立つ。これは技術部門だけの課題ではない。モデル切り替えに伴う性能検証や再学習のコストを経営が把握していなければ、地政学リスクを定量的に語ることはできないからだ。

第3に、経済安全保障の所管部門とAIガバナンスの所管部門を接続することだ。

多くの日本企業では、輸出管理や制裁コンプライアンスを担う部門と、AIの利活用やリスク管理を担う部門が別系統で存在してきた。だが本稿で見た通り、両者の守備範囲はすでに重なり始めている。エンティティリスト追加や制裁指定は一夜にして起こり、猶予は長くない。9月の米中AI対話と習主席の訪米は、その最初の分水嶺になるだろう。

規制産業と政府調達では米国系、コスト重視の市場とグローバルサウスでは中国系──。そんな二層化した世界で、両方の市場に立つ日本企業は、どちらの技術圏にどう軸足を置くのか。ファーウェイ排除のときのような「米国に倣えば済む」という単純な解は、今回は存在しない。締め出しの成否が判明するより先に、私たちの選択が問われることになる。

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『なぜトランプ政権はイラン戦争を終わらせられないのか?外交機構の空洞化が生む戦争終結能力の欠如 【ワシントンから眺める東アジア】国務省職員の大量流出と大統領への忠誠審査で埋まらない重要ポスト』(7/24JBプレス 佐々木れな)について

7/25The Gateway Pundit<Alan Dershowitz: There Is No Question in My Mind – Democrats Are the EVIL Party, Very Similar to What We Saw in Germany in 1932″ (VIDEO)=アラン・ダーショウィッツ:「私の心には疑いの余地はない。民主党は邪悪な政党であり、1932年のドイツで見たものと非常によく似ている」(動画)>

民主党は南北戦争時の南軍で、KKKは南軍敗残兵が創設したもの。元々人種差別を持っていた人達。それがケネデイあたりから人種差別に反対するリベラルな政党へ転換した。ダーショウィッツ氏はユダヤ人。

元民主党員のアラン・ダーショウィッツ氏は、最近WABCラジオのマイケル・コーエン氏とのインタビューで、民主党を激しく非難した。

ダーショウィッツは米国の弁護士であり、元ハーバード大学法学部教授、そして作家でもあり、米国憲法と刑法に関する専門知識で知られています。長年、彼は率直な民主党員でしたが、今はもう違います。

共和党に入党したことを誇りに思っていると認めるダーショウィッツ氏は、危険で邪悪な民主党を1932年のドイツになぞらえ、容赦なく軽蔑の念を露わにした。明らかに、彼は民主党のユダヤ人に対する露骨な憎悪について言及しているのだ。

ダーショウィッツ氏は民主党を「悪」と断じたが、これは我々がザ・ゲートウェイ・パンディットで数年前から認識していたことだ。

アラン・ダーショウィッツ: 見てください、民主党は、もう完全に行き詰まっています。問題は、彼らが中間選挙で勝つ可能性があるということです。もし勝てば、事態はさらに悪化するでしょう。私は昔からの民主党員として、民主党が中間選挙で勝つのを阻止するために全力を尽くしています。私は共和党が中間選挙で勝つことを望んでいます。

私はAOCが省庁の委員長になることを望まない。私はリズ・ウォーレンが委員会の委員長になることを望まない。私はバーニー・サンダースがもっと権力を持つことを望まない。

それを実現する唯一の方法は、共和党に投票することです。もちろん、共和党の政策すべてに賛成しているわけではありません。彼らの政策の中には気に入らないものもありますが、結局は二つの悪のうち、ましな方を選ぶしかないのです。

そして、今日私の心の中では疑いの余地はないが、民主党はアメリカにおける邪悪な政党だ。 彼らは、1932年のドイツで見たものと非常によく似ている。全員ではないが、一部の党員はそうだ。フェッターマンのような人物がいる。もし彼が民主党員だったら、私は民主党に多額の寄付をしていただろう。しかし、彼はもはや民主党員ではない。

そして実際、彼は昨日、民主党を離党すると述べた。ペンシルベニア州選出の上院議員である彼自身も、民主党が反イスラエル政党になった場合、離党するだろうと語った。そして、民主党はまさにそうなりつつあるのだ。

彼らはトランプ錯乱症候群にかかっている。トランプがすることはすべて間違っている。トランプに反対することはすべて正しいに違いない。

それは米国民の利益にならない。だからこそ、私は民主党を離党したことを誇りに思う。共和党に入党したことを誇りに思う。

ジェイソン・コーエン氏による動画はこちらです。

https://twitter.com/i/status/2081038815188103557

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/alan-dershowitz-there-is-no-question-my-mind/

https://x.com/BulwarkOnline/status/2080844661162233857/video/1

7/25阿波羅新聞網<2国秘密出手 罕见直接报复伊朗=2つの国が、イランに対して異例の直接報復攻撃を秘密裏に開始した>

WSJは24日、情報筋の話として、バーレーンとクウェートがイラン国内の標的を攻撃するために秘密裏に戦闘機を派遣したと報じた。これはテヘランに対する初の直接的な報復であり、戦争が続く中でアラブ諸国が直面している困難な状況を反映している。

イランは数週間にわたり、米軍基地が所在するバーレーンとクウェートへの報復攻撃を続けている。情報筋によると、両国とも空軍規模は比較的小さいものの、米国製および欧州製の戦闘機を保有しており、イランが攻撃を無防備に続けることを容認するつもりはないという。

関係筋によると、今月初めに両国が実施した空爆は、ドローンやミサイル貯蔵庫などの軍事施設を標的としたものであり、戦争初期にイランを複数回攻撃したアラブ首長国連邦は、標的情報と防衛航空支援を提供した。これは、イランとの戦いにおけるアラブ諸国間の協力が芽生え始めていることを示している。

クウェートの駐米大使は、報道発表後、クウェートがイランを攻撃したことを否定し、クウェートはイランに対する軍事作戦に参加したことも、自国領土を利用して近隣諸国への攻撃を承認したこともないと強調した。バーレーン政府の報道官は問い合わせに回答しなかった。

バーレーンとクウェートが直面しているジレンマは、湾岸アラブ諸国全体の苦境を象徴する縮図と言える。これらの国々は、望んでもいない戦争に巻き込まれただけでなく、はるかに規模が大きく、敵意を抱く隣国イランとも対峙しなければならない。両国は戦争を通してイランから受けた攻撃の大部分を担っており、今や国家安全保障と経済を脅かす長期にわたる膠着状態に直面している。

湾岸アラブ諸国政府は当初、戦争の早期終結を望んでおり、経済再建に注力できると考えていたが、紛争は5ヶ月目に突入し、どちらの側も譲歩する意思も能力も示していない。オマーンやカタールなどは、長年にわたりイランと西側諸国の間でバランスを保ち、テヘランとの対立にはほとんど関心を示してこなかった。関係筋によると、サウジアラビアは当初、アラブ首長国連邦(UAE)と共にイラン攻撃に参加したが、現在は自国の立場を再検討しているという。

報告書は、アラブ諸国政府が重要な貿易ルートを開放するために、より積極的な措置を講じる必要があるかどうかを検討していると指摘している。バーミンガム大学で湾岸地域の地政学を研究するウマー・カリム氏は、湾岸諸国はこの戦争がしばらく続くことを認識し始めており、最終的にはイランと公然と対決せざるを得なくなるかもしれないと考えている。

彼は、世界中の政府がテヘランの政権交代を検討し始めていると述べた。「なぜなら、このイラン政権と同じ地域に居続けることは、事実上イランの覇権に屈服することを意味するからだ」と彼は語った。

イラン神権独裁政治を終わらせるよう湾岸諸国は協力すべき。

https://www.aboluowang.com/2026/0725/2412539.html

佐々木氏の記事では、トランプが部下に忠誠を求めるのは第一期の失敗があったから。政治家に人脈がなかったトランプは共和党が推薦する人物をそのまま登用し、結局彼らはDSの一員でトランプを裏切った。特に酷かったのは不正選挙を認めなかったビル・バー司法長官。忠誠を第一に考えるのは当たり前。

外交畑でも同じように民主党支持者はメデイアにリークするので信用できない。本来は党派を超えて外交に当たらないといけないが、現実は裏切りを考えると難しい。中間選挙がどういう結果になるか?議会で法案が通らなくなり、レイムダックになるかもしれない。戦争も制限されるでしょう。選挙を考えると早く停戦したほうが良いが、神権独裁のイラン政治を終わらせてほしい気持ちもある。

記事

米国ではガソリン価格が再び上昇している(写真:AP/アフロ)

「遠い戦争」が家計の問題になった

目次

米国の選挙で、外交政策は通常、それ自体では主要争点になりにくい。米国の有権者にとって重要なのは、物価は上がっていないか、仕事はあるかという日々の生活の問題である。

7月のワシントン・ポスト/イプソス調査でも、中間選挙で重視する争点として「経済・物価高」を挙げた登録有権者は54%に上った。これに対し、イラン、イスラエル、外交政策を挙げたのは20%だった。米国では、外交そのものより生活費の方がはるかに票を動かしやすい。

ただ、外交政策の失敗がガソリンスタンドの価格表示やスーパーのレシートに反映されれば、話は別である。

AP通信によると、イランとの戦闘が再激化した7月20日、全米のレギュラーガソリン平均価格は再び1ガロン4ドルを超えた。前年同期は約3.14ドルだった。5月には一時4.50ドルを超え、6月の暫定合意後に下落したものの、戦闘再開とともに上昇に転じた。

戦闘再開によるガソリン価格の再上昇の前の6月25日のギャラップ社の調査でも、全体で67%の回答者が、ガソリン価格上昇が家計に困難を与えていると回答し、特に低所得者層では77%の回答者が家計に非常に大きな困難を与えていると回答している。

米労働統計局によると、6月の消費者物価は前年同月比3.5%上昇した。中でもエネルギー価格は15.7%、ガソリンは26.7%上昇している。食品価格も3.0%上昇した。ホルムズ海峡の混乱は、原油だけでなく、トラック輸送、航空運賃、肥料、食品などを通じて米国の家計全体に波及する。

イランで何が起きているのかを詳しく知らない有権者でも、給油にかかる金額が増えたことには気づく。同調査では、米イラン交渉によってガソリン価格が正常化すると「確信していない」と答えた人が59%に達した。遠い中東の戦争は、すでに中間選挙を左右する生活費問題になっている。

特に、米国は自動車社会であり、交通機関を使わず自家用車で通勤・通学する市民も多い。この傾向は、民主党寄りの沿岸部の大都市以外、すなわちトランプ大統領の本来の支持基盤となる地域でより顕著であり、トランプ大統領の政治基盤にも直結する問題である。

スーパーに値下げを求めるトランプ大統領

これに対してトランプ大統領が前面に出しているのは、外交的な出口戦略よりも、目に見える価格をただちに下げるための圧力である。

トランプ氏は、原油価格の下落がガソリン価格に十分反映されていないとして、石油企業による「便乗値上げ」を批判してきた。だが、米国内の多くの識者は、トランプ氏がその根拠を示していないと指摘している。

確かに、米石油精製会社の利益率は過去最高水準にある。しかし背景には、単純な価格操作だけでなく、イラン戦争による国際的な燃料不足がある。米国のガソリン在庫は開戦後に4200万バレル以上減少し、7月には同時期として2012年以来の低水準となった。

精製会社が、より利益の大きいディーゼルやジェット燃料を優先していることも、ガソリン不足を深刻化させている。市場の専門家は、精製会社にガソリン増産を促すには、むしろ当面は価格上昇が必要になる可能性があると指摘する。

トランプ大統領は小売業界にも値下げを迫っている。7月には、ウォルマートが政権の要請を受け、牛ひき肉などを値下げしたと主張した。実際、同社は一部の牛ひき肉を1ポンド6.74ドルから5.94ドルへ、約12%値下げした。

トランプ大統領の必死さはこれにとどまらない。7月20日には、ピッツバーグを拠点とするスーパーマーケット・チェーンのジャイアント・イーグルが9月9日まで300品目以上の商品の価格を下げたことを称賛し、他社がこの動きに続くことへの期待をにじませた。

ただし、スーパーの一部商品を一時的に安くしても、戦争、原油、輸送、農業供給網をめぐる構造的問題が解決するわけではなく、その場しのぎの対策にしかならない。

根本的に米国内の物価上昇圧力を弱めるには、イランとの停戦条件を詰め、仲介国や同盟国と調整し、合意の履行を監視する必要がある。ところが、第2次トランプ政権では、そのための外交能力自体が著しく低下している。

その背景にあるのが、外交・安全保障人事の中央集権化と停滞である。

戦争省と国務省で止まる人事

トランプ政権は2025年9月、大統領令によって国防総省に「戦争省」という副称を導入した。法令上の正式名称は引き続き国防総省だが、政府の公式サイトや対外発信では「戦争省」という呼称が広く使われている。

その戦争省で影響力を強めているのが、ワシントンで通称「P」と呼ばれる政策担当戦争次官室である。Pは国防戦略の策定に加え、同盟・パートナー国との関係、省庁間調整、危機対応、国際交渉への参加まで幅広く担う。第2次トランプ政権では、Pをはじめとする少数の有力な政治任用者に、政策決定と人事の権限が集まる傾向が強まっている。

筆者が複数のワシントン関係者に聞いたところ、こうした権限集中を進めようとする政策部門と、それを警戒する国務省、戦争省、ホワイトハウスの人事部門との間で、対立が深まっているという。

政治任用ポストの採用は、政策部門が候補者を選び、面接で合格させただけでは完結しない。省内の人事部門とホワイトハウス側の人事部門の双方が候補者を承認する必要がある。

政策担当者などに多いSchedule Cのポストでは、ホワイトハウスの大統領人事局、Office of Presidential Personnel(PPO)の事前審査を経たうえで、省庁が人事管理庁(OPM)に申請し、正式な任用権限の承認を受ける。

したがって、採用を希望する部局が候補者の能力や専門性を高く評価していても、省庁側とホワイトハウス側の双方の人事担当が「Yes」と言わなければ、正式な採用には至らない。

第2次トランプ政権では、この複数段階のプロセスの途中で手続きが止まる例が相次いでいる。面接を通過してから半年近くたっても採否が伝えられず、候補者が宙に浮いたままになることも珍しくないという。

さらに、本人の能力が十分に高く、採用部局も受け入れを望んでいるにもかかわらず、ホワイトハウスと各省の対立や、政治的な適合性を巡る判断によって、最終的に採用が見送られる例もあるとされる。

トランプ政権が戦争を終わらせられない理由

PPOの審査は、単なる経歴や資格の確認ではない。候補者の投票行動、政治献金、過去のSNS投稿まで調べられ、「いつMAGAに目覚めたのか」と質問された事例も報じられている。

政権側は、大統領の方針を実行する人材を選ぶのは当然だと説明しているが、政府内では専門性や政策遂行能力よりも、トランプ氏本人への忠誠やMAGA路線への政治的な適合性が重視されているとの懸念が広がっている。

こうして重要ポストが埋まらない一方で、政策判断はさらに少数の政治任用者へ集中する。政府関係者からは、複数の政策案を論理的に比較し、大統領に選択肢を示す従来型の政策形成よりも、トランプ氏のSNS投稿を常時モニタリングし、そこで示された方針を実行可能な政策へ変換する作業が優先されているとの不満も聞かれる。

人材不足は、適任者が存在しないために起きているのではない。専門性を備えた人物がいても、採用の意思決定が政権内部の権力争いと忠誠審査によって止まり、必要なポストを埋められなくなっているのである。

国務省の状況も深刻である。ロイター通信の調査報道によると、2025年には米国内勤務の国務省職員約3000人が退職または解雇され、国内人員の約15%が減少した。2026年5月時点では、世界195カ所の大使級ポストのうち109カ所が空席だった。

とりわけイラン危機への影響は小さくない。イランと国境を接する7カ国のうち5カ国、湾岸6カ国のうち4カ国で米国大使が不在だった。通常の外交ルートが細る一方、外国政府は大使館や国務省よりも、トランプ氏に直接アクセスできる側近や特使との裏ルートを重視するようになっている。

軍事攻撃であれば、大統領の決断と限られた指揮系統で始められる。しかし、戦争を終わらせるには、イランの政治体制を理解する専門家、過去の核交渉を知る外交官、制裁を扱う実務者、同盟国や仲介国との調整担当者が必要である。

外交官が減り、人事が止まり、専門性より忠誠心が重視され、交渉が少数の側近に依存すれば、米国には攻撃する能力が残っても、軍事的圧力を持続可能な政治合意へ変える能力が失われていく。

放置される外交機構の空洞化

もちろん、人事の混乱だけでイラン戦争のすべてを説明することはできない。しかし、外交的な選択肢を作り、停戦を制度化し、再衝突を防ぐ能力の低下が、戦争を終わりにくくしている一因であることは否定できない。

トランプ政権は、石油企業を批判し、スーパーに値下げを求め、「戦争はまもなく終わる」と発信する。しかし、外交機構の空洞化を放置したままでは、停戦を発表することはできても、それを維持することは難しい。

外交は通常、票にならない。だが、外交の失敗によってガソリンが4ドルを超え、食品と輸送費が上昇すれば、それは中間選挙の中心問題になる。

そして、トランプ政権が選挙前に必要としている物価の安定を妨げている一因こそ、自ら引き起こした米国外交能力の低下である。

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『「ホルムズ依存度95%」は本当か、ロシアと石油報道の誤謬を読み解く  ウラル原油からスラブの語源まで、専門家も間違えるロシア論の落とし穴』(7/23JBプレス 杉浦敏広)について

7/24The Gateway Pundit<UNBELIEVABLE! RINO John Thune FUMES at Karoline Leavitt After She Says Trump’s Patience Is “Running Out” — Tells White House to “Get on the Phone and Get the Votes!”= 信じられない!RINOのジョン・トゥーン議員が、カロライン・リービット氏が「トランプ大統領の忍耐力が「限界に達している」と発言したことに激怒し、WHに「電話をかけて票を集めろ!」と指示した。>

無能な人間ほど既得権を護持しようとする。フィリバスターを無くすのが特権を失うことと思っている。

上院多数党院内総務のジョン・トゥーン議員(共和党員、サウスダコタ州選出)は木曜日、WH報道官のカロライン・リービット氏が、共和党が多数を占める上院に対し、ドナルド・トランプ大統領の重要な「SAVE America Act」を可決するよう公に求めたことを受け、リービット氏を激しく非難した。

木曜日のWH記者会見で、リービット氏は、上院が画期的な選挙の公正性を確保するための法案の審議を遅らせ続けていることを受け、トランプ大統領のトゥーン議員に対する忍耐が限界に達しつつあるのかどうかを問われた。

リービット氏は、大統領はチューン氏の無策をこれ以上容認しないだろうと明言した。

「大統領は昨日、この件について直接言及しました。彼の忍耐は限界に達しています。彼は8月の議会休会までに、できる限り法案の通過を望んでいます」とリービット氏は述べた。

「彼は昨日、各地を巡回中にこの件について話したところ、聴衆、つまり一般の米国民から大きな拍手が起こりました。なぜなら、有権者ID制度は常識だからです。彼らは選挙で市民権の証明を求めており、大統領もそのことを強く主張しています。」

彼女は続けて、「付け加えておきたいのは、米国民は圧倒的に共和党員を大統領に選出したということです。WHだけでなく、下院と上院も共和党が率いることになった。下院は職務を全うしました。上院も職務を全うする必要があります」と述べた。

責任を受け入れ、票獲得のために戦うことを誓う代わりに、トゥーンは激怒し、リービットとWHに自分の仕事を代わりにやってくれと告げた。

「まあ、彼女か他の誰かが電話をかけて票を集めるべきだよね?」

チューン氏は続けてこう述べた。

「共和党を非難するのではなく、議場で法案を阻止している民主党議員を攻撃することを考えてみるべきだ。そして、もし説得できそうな共和党議員がいるなら、電話をかけて賛成を取り付けよう。」

信じられない!

こちらは上院多数党院内総務のはずです。

チューン氏は、共和党議員に圧力をかけたり、反対派に圧力をかけたり、上院の会期を維持させたり、民主党議員に有権者ID制度への反対を公に弁明させたりすることを約束するのではなく、WHの報道官に対し、他の誰かが電話をかけるべきだと述べた。

トゥーン氏のメッセージは明確だ。「私にリーダーシップを期待するな。君たちが仕事をしろ。」

これは、何ヶ月も言い訳ばかりして、必要な票がないと主張し、議事妨害を阻止することを拒否し、自分以外の全員を非難してきたジョン・トゥーン議員と同じ人物だ。その間にも、下院はすでにSAVE America Actを複数回可決している。

ジョージア州で支持者に向けて演説した際、トランプ氏は「皆」にジョン・トゥーン議員に電話をかけ、上院に議事妨害を廃止させ、SAVE法案を含む「すべてを承認する」よう要求するよう促したことは記憶に新しい。

トランプ大統領が演説している最中の水曜日、下院はSAVE法案を4度目に上院に送付し、 国防権限 法 (NDAA)に付帯させて上院に送った。

「マイク・ジョンソン氏と議会は素晴らしい仕事をしてくれたと言わざるを得ないが、上院では苦戦している。彼らのやっていることは全く正しくない」と、トランプ氏はジョージア州マリエッタでの集会でSAVEアメリカ法案について語る際に聴衆に語った。

「議会はまたそれを可決するだろう。彼らはすでに3回も可決している。また可決するだろう。まるで上院は、法案を葬り去りたいときに送り込む場所のようだ。」

トランプ氏は続けて、「もうこれ以上我慢できない。我慢できないんだ。私は親切にしようとしている、本当に親切にしようとしているんだ」と述べた。

「いいか、彼らがすべきことは非常に簡単だ」とトランプ氏は述べ、共和党が多数を占める上院に対し、議事妨害を廃止するよう要求した。「民主党がそうするつもりだからだ!」

「民主党は機会があればすぐに議事妨害を廃止し、プエルトリコとワシントンD.C.を州として承認するだろう。そうすれば上院議員が4人増え、下院議員も12人増え、選挙人票も40票ほど獲得するだろう」とトランプ氏は付け加えた。

「もし彼らがそうすることを許されるなら、その頃には私は家に座っているでしょう。私はあまり泣くタイプではないし、皆さんも私が泣くところを見たくないでしょう…でも、泣いているかもしれません。私は家にいて、『私は彼らに言ったのに』と言うでしょう。」

トランプ氏はさらに、「みんな、上院議員のジョン・トゥーンに電話してくれ。彼は共和党のリーダーだ。そして、この法案を承認するように伝えてくれ!」と要求した。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/unbelievable-rino-john-thune-fumes-karoline-leavitt-after/

7/24Rasmussen Reports<Election Integrity: Most Voters Concerned About Issues Raised in Trump’s Speech=選挙の公正性:有権者の大多数がトランプ氏の演説で提起された問題に懸念を抱いている>

中国による米国の選挙制度への不正侵入に関する暴露は、先週のドナルド・トランプ大統領の演説を受けて、多くの有権者の間で不安を引き起こしている。

ラスムセン・レポートが実施した最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の52%が、7/16のトランプ大統領の演説をテレビまたはソーシャルメディアで少なくとも一部視聴したことが明らかになった。NBCとABCが生中継を拒否したため、43%は演説を全く見ていない。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/election_integrity_most_voters_concerned_about_issues_raised_in_trump_s_speech?utm_campaign=RR07242026DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

7/25阿波羅新聞網<中共王牌失灵!日本挖到宝!—日本挖到稀土王牌!直指中国供应链=中共の切り札は効果なし!日本は大当たりを引いた!―日本、レアアースの「切り札」を発掘!中国のサプライチェーンを直撃>

7/24、海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、深海探査船「ちきゅう」が東京都小笠原村の南鳥島近海で実施した希土類元素採掘実験において、採取した沈泥から様々な中・重希土類元素が検出され、採取した希土類元素全体の約54%を占めたと発表した。

同団体は、中・重希土類元素は、電気自動車の駆動モーターに使用される高性能磁石などのハイテク製品に不可欠なキーリソースであると説明した。今回の試験では、イットリウムの含有量が最も高く、次いでガドリニウム、ジスプロシウムの順で、残りの約46%はネオジムなどの軽希土類元素であった。さらに分析した結果、イットリウムが約29.9%、ガドリニウムが約4.9%、ジスプロシウムが約4.6%を占め、汚泥からは放射性物質や有害物質はほとんど検出されず、周辺環境への影響リスクが低いことが示された。分析対象となった汚泥は、2026年1月から2月にかけて実施された試験採掘作業(水深約5600~6000メートル、採取量約50トン)から採取されたものである。

経済産業省などは、日本のレアアース輸入の大部分が中国からのものであることを指摘した。中共はレアアースの輸出規制を政策手段として利用しており、安定供給の確保は日本にとって喫緊の課題となっている。高市早苗首相は6月29日、海洋政策本部会議において、海外からの依存度を低減し、将来的な商業利用に注力するため、工業規模での開発と検証を迅速に進めるよう指示を出した。

上記の試験結果に基づき、2027年2月に同海域で約1ヶ月間、本格的な採掘試験を実施し、1日あたり約350トンのシルトを採掘することを目標とする。採掘されたシルトは南鳥島に輸送され、脱水処理後、本州で希土類元素に精製される。日本政府は、2028年3月末までに、費用評価を含む成果の商業化に関する協議を行う予定であり、本格的な採掘を実現するため、航空機などによる人員輸送方法も検討される。南鳥島周辺の排他的経済水域における希土類資源の推定埋蔵量は約1600万トンである。

早く実用化してほしい。コストが高くなってもしょうがない。それこそ補助金で補填すればよい。

https://www.aboluowang.com/2026/0725/2412323.html

杉浦氏の記事は、長すぎて読むのは大変。メデイアや専門家と言われる人たちの解説は信用できないことが良く分かった。

記事

プロローグ/ロシアの正式名称は?

目次

戦争は華麗なる虚飾で満ちています。

戦争を巡る大手メディアの報道も、いわゆる大本営発表を鵜呑みにしたかのような誤解が見受けられます。

世の中には正確さに欠けるロシア論や石油・ガス談義も横行しており、権威ある学者や知識人が書いたり話したりしている解説の中にも、往々にして誤解・誤謬が潜んでいます。

もし、友人から「日本の専門家を紹介します」と言われて、日本専門家と称するその外国人が上梓した本を調べ、「日本の正式国名は日本共和国です」と書かれていたら、あなたはその専門家を信用できますか?

最近特に顕著な疑問点は、ホルムズ海峡封鎖を巡る日本の大手メディアのホルムズ依存報道です。

本稿では、最近発表された旧ソ連邦諸国に関するエネルギー論やホルムズ海峡封鎖関連記事、石油・ガスに関する疑問点の実例をご紹介します。

ただし、人の揚げ足を取ることや間違いを揶揄することが目的ではなく、その疑問点を整理して、より正確なエネルギー論とロシアの実像に迫りたいと考えております。

なお、本稿で言及する疑問点には共通項があるので、本稿の結論を先に申し上げます。

筆者は、下記のポイントを押さえるだけで、現在日本の大手メディア等にある誤解や誤謬の類は雲散霧消するものと考えております。

  • ロシア国家の生い立ちは、ヴァリャーギ(ヴァイキング)・ルーシ族による王朝(有力な説)。
  • 「スラブ」の語源は「slave(奴隷)」ではない。
  • 現在の「ロシア」の正式名称は「ロシア連邦」。
  • 原油の性状(品質)は鉱区ごとに異なり、油種により油価は異なる。
  • ロシア連邦の現行石油ガス税収の大部分(9割超)は炭化水素資源採取税(輸出税ではない)。
  • 2022年2月24日のロシア軍によるウクライナ侵攻後、ロシア・ウラル原油の油価は下落。
  • 日本の原油輸入に占める「中東依存度」と「ホルムズ依存度」は異なる概念。
  • 日本の「中東依存度」は資源エネルギー庁が毎月公表しているが、「ホルムズ依存度」は同庁が公表する正式統計項目としては確認できない。
  • 米原油・カザフスタン産原油・アゼルバイジャン産原油等は中東原油の「持続的代替供給源」にはなり得ない。
  • 中国やインドはロシア産原油を輸入しているが、相場より安く輸入している。

本稿では過去の日本の大手メディア記事やTV情報生番組で解説された実例を具体的に幾つか列挙して、問題点を整理していきたいと思います。

ご高覧いただければ幸甚です。

第1部:2油種(北海ブレント・ウラル原油) 週次油価動静(2021年1月~2026年7月)

最初に、2021年1月から2026年7月までの代表的2油種の週次油価推移を概観します。北海ブレントはスポットFOB、ロシア産ウラル原油はロシア黒海沿岸ノヴォロシースク港出荷FOBです。

(注:FOB:Free on Boardの略/商品本船積み込み価格)

この2油種は品質が異なり、北海ブレントは軽質・スウィート(硫黄分0.5%以下)、ウラル原油は中質・サワー(同1%以上)です。

品質差による両油種の正常な価格差は1バレル当たり約2ドルゆえ、これ以上の価格差は主にロシアに対する経済制裁や決済、保険、輸送、販路変更などの要因と考えられます。

米国は2022年3月8日の大統領令でロシア産石油(ウラル原油と重油)の輸入を停止。一方、日本が同年6月以降原則輸入停止しているロシア産原油3油種(S1・S2原油・ESPO原油)はすべて軽質・スウィート原油です。

油価は2021年初頭より22年2月まで上昇傾向でしたが、ロシア軍のウクライナ侵攻後、ウラル原油は下落開始。

バルト海ウスチ・ルガ港とプリモールスク港から出荷されるウラル原油の主要輸出先は欧州(オランダのロッテルダム港)でしたが、開戦後欧州向けは激減。

輸出市場を喪失したウラル原油は暴落し、北海ブレントとの価格差は一時期最大1バレル当たり42ドルまで拡大しました。その後、インドという新規市場が出現。

昨年10月まで価格差は1バレル約12ドルで推移していましたが、米国が10月22日に石油会社ロスネフチとルークオイルを経済制裁対象企業に追加すると、油価急落。ロシア鉱区井戸元生産原価を割り込みました。

今年2月28日の米国とイスラエル軍によるイラン攻撃後に油価は急騰しましたが、今年5月以降、停戦交渉進展に伴い油価下落開始。

直近7月6~10日のウラル原油週次油価は1バレル45ドルに急落、北海ブレントとの価格差は1バレル当たり約30ドルに拡大。現行のロシア原油推定輸出原価はFOBが1バレル56ドル、鉱区推定生産原価の53ドルを割り込んでいます。

ちなみに、中国が輸入しているロシア産原油は主にESPO原油(軽質・スウィート)にて、長期契約に基づき原油パイプライン(PL)で輸入しています(一部スポット取引はロシア極東コズミノ出荷基地から中国に海上輸送)。

参考までに、ロシア産原油鉱区生産原価とウラル原油週次油価推移は下記の通りです。

注:黒色縦実線:2022年2月24日/紫色横実線:ロシア産原油推定FOB原価/赤色数字:油価実績

第2部:2油種(北海ブレント・ウラル原油) 年次・月次油価推移(2021年1月~26年6月)

次に、北海ブレント(スポットFOB)とロシア産ウラル原油(ロシア黒海沿岸ノヴォロシースク港出荷FOB)の油価推移を概観します。

下記グラフをご参照ください。2022年2月24日のロシア軍によるウクライナ全面侵攻後、ウラル原油の油価は下落していることが一目瞭然です。

ウラル原油上昇の契機は、今年2月28日の米国とイスラエル軍による対イラン攻撃とイラン側によるホルムズ海峡封鎖作戦発動によるものです。

出所:米EIA(米エネルギー情報局)統計資料、他資料より筆者作成

第3部:日本の原油輸入に占めるホルムズ依存度

資源エネルギー庁は、月次石油統計の正式項目として「中東依存度」を公表しています。一方、「ホルムズ依存度」は同統計の定例項目ではありません。

ただし、同庁は2026年3月の審議会資料で、財務省貿易統計などを基に、2025年のホルムズ依存度を93.0%と示しています。筆者が関係者に確認したところ、これは月次の正式統計系列として公表している数字ではないとの回答でした。

日本の1972年1月以降の中東原油依存度月次推移(%)は下記グラフの通りにて、直近では今年4月87.6%、5月は73.9%でした(本件、後述)。

第4部:ロシア連邦予算執行状況(2026年1~6月度)

今年上半期(1~6月)のロシア連邦予算執行状況を概観します。

ロシア財務省が7月9日に発表した今年1~6月度連邦予算執行状況は下記一覧表の通りにて、注目すべきは下記2点です。

今年1~6月度の時点で、期首予算案年間想定赤字(3.8兆ルーブル/GDP比1.6%)を既に大幅に超え、5.7兆ルーブルの赤字(同2.5%)になりました。

もう一つ注目すべきは「政府調達」の項目です。

これが何を指すのか明示されていませんが、長引くウクライナ戦争からみて兵站補給用武器弾薬等の戦費が多く含まれている可能性があります。

ロシア政府は油価下落により石油・ガス税収が減少したので、2025年は非「石油・ガス税収」(法人税や個人所得税等)を増税。さらに、今年1月からは付加価値税(消費税)を従来の20%から22%に増税しました。

なお、石油・ガス企業が支払う利潤税や従業員が支払う所得税などはすべて非「石油・ガス税収」です。

これらの増税措置に伴い、非「石油・ガス税収」は伸びていることが一目瞭然となります。

筆者は油価上昇により、今年上半期のロシア連邦予算執行状況は徐々に改善していると予測しましたが、あにはからんや、ロシア財政状況はさらに悪化。理由は戦費増大によるものでしょう。

換言すれば、油価上昇がなければ石油・ガス税収も非「石油・ガス税収」もさらに減少しており、赤字幅のさらなる増大は不可避だったことになります。

(参考 :  ロシア財務省発表/2026年1~6月度ロシア連邦予算執行状況概観)(注:現在1ルーブル約2円)

上記の表で、石油・ガス税収=地下資源採取税(鉱区税)+輸出関税+その他(追加税・調整金・補助金等々)です。ロシア財務省発表の一覧表には「石油・ガス税収」のみ記載されていますが、ここでは参考までにロシア財務省発表の「鉱区税」と「輸出関税」を追記しておきます。

税収としてはマイナスになる補助金などの記載がないので、石油・ガス税収が内訳である地下資源採取税よりも少なくなっています。

第5部:スラブ国家の成立

人は皆、心の内に故郷の原風景を持っています。

ロシア語とウクライナ語はともに東スラブ語群に属し、中世ルーシの歴史を共有しています。一方、ロシア人とウクライナ人は、その後それぞれ異なる歴史をたどり、別個の民族・国民として形成されました。

また、ロシアの歴史叙述では、キーウが中世ルーシの重要な起点と位置付けられてきました。

ロシア人の祖先、原スラブ民族は森の民でした。

原スラブ人は古代末期から中世初期にかけての移住と地域的分化を経て、後に東スラブ族(現在のロシア人・ベラルーシ人・ウクライナ人等)、西スラブ族(ポーランド人・チェコ人など)、南スラブ族(セルビア人・ブルガリア人など)の言語・文化圏が形成されました。

東スラブ族はドニエプル川流域に定住しましたが、バルト海よりヴァリャーギ(ヴァイキング)が南下。東スラブ族はヴァイキング(ノルマン人)に支配されました。

9世紀中葉、東スラブ族は支配者ノルマン人を追放。すると、支配者のいなくなった東スラブ族では、卑弥呼亡き後の倭国のごとく、国が乱れました。そこで、東スラブ族はどうしたのか?

12世紀初頭に成立したロシア版の古事記ともいえる「過ぎし歳月の物語」(「原初年代記」/露語 “Повесть временных лет”)には不思議なロシア建国物語が記されています。

「ノルマン人に支配されたスラブ民族はヴァリャーギを追放した。その後国が乱れたので、ヴァリャーギ・ルーシ族に使者を派遣、『我らが大地は豊饒なるも、秩序に欠ける。公として来たりて、我等を治め給え』と、またヴァリャーギに統治を願い出た」(筆者仮訳)。

「原初年代記」によれば、そこでルーシ族から3人の兄弟が派遣され、長兄リューリクは862年、ノーヴゴロドにリューリック朝ルーシを建国。リューリク公の後継オレーグは882年、ドニエプル川中流のキエフにキエフ・ルーシを建国しました。

英国やフランスを征服したノルマン人と同様、リューリック朝ルーシやキエフ・ルーシのノルマン人たちも時と共にスラブ社会に同化。やがて、現在のロシア民族が形成されたと考えられています。

ドイツ語でロシアをRussland(ルスラント)と言います。名は体を表す。文字通り “ルーシの地”。

英語のRussiaも語源は「ルーシ」です。

すなわち、欧州諸国にとり、ロシアはあくまでも「ルーシ族の地」となります。

ロシア人歴史家の中には、原スラブ国家がこのノルマン人ルーシ族の征服王朝であることを否定する人もいますが、現在ではこの「原初年代記」の記述は概ね正しいというのが有力な説になっているようです。

次に、「スラブ」の語源を検証したいと思います。

中世のギリシャ人はスラブ人を「スクラボス」と呼んでいました。

キエフ・ルーシを建国したヴァリャーギは、南のビザンチン帝国やイスラム教徒たちにスラブ人を商品(奴隷)として交易しました。

そこで、ギリシャ語の「スクラボス(スラブ人)」から派生した言葉が英語のslaveであり、このslaveが「奴隷」の意味で使われるようになったと言われています。

上記の通り、「スクラボス」から派生した英語がslaveであっても、誇り高き民族が自ら「我こそは奴隷民族なり」というはずはありません。

「スラブ」の語源は諸説ありますが、「スローボ(言葉)が語源」という説が有力です。

スラブ人が商品(奴隷)として扱われた結果として、英語ではslaveになりました。

しかし、繰り返しとなりますが、英語のslaveが「スラブ」の語源となったのではありません。

ギリシャ語の「スクラボス」が英語slaveの語源であり、因果関係が逆です。

第6部:大手メディア報道を検証する

ロシアや石油ガス関連の日本の大手メディア報道には正確と思えない部分も多いので、幾つかの実例を列挙します。

実例 ① 「モスクワはロシア連邦共和国の首都」(『ロシア・ショック』/講談社/2008年11月刊)

「モスクワは言うまでもなくロシア連邦共和国の首都で、人口1047万人(2008年1月時点)のロシア最大の都市である」(同書60ページ)

著者は高名な評論家ですが、ロシアの正式名称は「ロシア連邦共和国」ではなく、「ロシア連邦」です。

実例 ② 「(現在の)国名はロシア共和国」「スラヴの語源は英語のslave」(『民族でわかる世界史』/宝島社/2026年4月30日刊/増補改訂版40ページ):

旧ソ連邦の正式名称は「ソビエト社会主義共和国連邦」です。ソ連邦は15の民族名を冠する共和国から成る「社会主義共和国連邦」にて、ソ連邦最大の構成共和国が「ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国」でした。

ソ連邦は1991年12月26日に消滅し、ソ連邦を構成する15の民族共和国は名実ともに独立しました。

ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国は新生「ロシア連邦」として独立。ロシア連邦初代大統領には、B.エリツィン・ロシア共和国初代(そして最後の)大統領が就任しました。

「国名」とともに「スラブ」の語源に関しても誤解が多いので、ここで言及したいと思います。

筆者は昔、ある著名な評論家の講演会に参加した時、その評論家は前後の脈絡なく、唐突に「スラブ民族は自らをslaveと名乗る卑しい民族である」と発言。聴衆は留飲を下げた様相にて、筆者はこの光景に接し、「日露関係は日暮れて途遠し」と痛感した次第です。

しかし、世界広しといえども、自らを「我こそは奴隷民族なり」と名乗る民族は存在しません。

上述の通り、英語slaveの語源はギリシャ語「スクラボス」であり、「スラブ」の語源が「slave」ではありません。

実例 ③ 「ウクライナ侵攻後の石油価格の上昇で、石油輸出によるロシアの収入は大きく伸びた」(2022年9月3日付け「朝日新聞」 朝刊第7面):

本稿第1部・2部の油価推移グラフをご参照ください。

2022年2月の全面侵攻後、国際原油価格の上昇に伴ってウラル原油価格も一時上昇しましたが、その後、欧州市場の縮小や制裁、輸送・保険・決済上の制約によって、北海ブレントに対する値引き幅は急拡大しました。

2022年6月には一時期、北海ブレントとウラル原油の価格差は1バレル当たり42ドルまで拡大しました。

その後インドという新規市場が出現したため価格差は縮小しましたが、ウラル原油は今年5月以降再び急落。現在、両油種は約30ドルの価格差水準で推移しています。

一方、「石油輸出によるロシアの収入は大きく伸びた」ことは事実です。

しかし、これは油価上昇による収入増ではなく、前年同期比で油価(ウラル原油)水準自体が底上げしたことに起因します。

実例 ④「LNG生産過程で出る原油の存在価値」(2026年5月27日付け「朝日新聞」朝刊第6面):

筆者は入社後、石油ガス鉱区の採掘現場で油井やガス井を掘削して、採取する事業に従事していました。

原油を採取すると、地下数千メートルから採取される原油(crude oil)は多くの不純物を含んでおり、その代表的な不純物が水です。

水は地上の一次処理施設で分離後、原油が採取された油層に戻すことが一般的です。

随伴ガス(associated gas)が出てくることも多く、昔は鉱区現場で燃やされる(フレア)ことが通例でしたが、今は有効利用を目指しています。

昔、モスクワの空港を夕方出発するとウラル山脈を越える頃に暗闇となり、(雲がない日は)しばらくすると、眼下に西シベリア石油鉱区で随伴ガスを燃やす火が延々と続く光景が展開していました。

天然ガス鉱区では、天然ガスを採取すると液体留分(軽質炭化水素)が出ることもあります。

業界用語では、液体留分が多い天然ガスをウェットガス(濡れたガス)、少ない天然ガスをドライガス(乾いたガス)と言い、この液体留分は「ガスコンデンセート」と総称されています。

ガスコンデンセート量が多いと、コンデンセートの方がカロリー高く、価格も高くなるので、コンデンセート専用PLを建設する場合もあります。

しかし、一般的にPL建設費は高いので、通常は原油(crude oil)PLに混入されます。

サハリン島(樺太)北東部沖合の「サハリン-2(S-2)」天然ガス鉱区(ルニ鉱区)では、コンデンセートはS-2原油PLに混入されて、南端のプリゴロドノエ出荷基地までPL輸送されています。

また、ロシア・ガスプロムの「S-3キリン」鉱区で生産されるコンデンセートもこの原油PLに混入されるようになると、ガスコンデンセートが多くなり、S-2原油は「サハリン・ブレンド」と改名されました。

現在、日本に時々輸入されているS-2原油はこの「サハリン・ブレンド」(軽質・スウィート原油)です。

ここで少し脱線します。

S-2ピルトン・アストフ海洋鉱区で生産される原油は、当初「ヴィーチャジ(勇士)原油」と命名されました。命名者はサハリン州のI.ファルフトジーノフ州知事(当時)です。

彼は当時、プロジェクトの利益配分を巡りモスクワ中央政府(B.エリツィン大統領)と対峙しており、彼は自分の姿を原油名に託した次第です(本件、筆者は本人から直接そう聞きました)。

閑話休題、本題に戻ります。

天然ガスを生産するとガスコンデンセートが出ることはありますが、LNG生産過程で商業化できるほどの原油が出ることはあり得ません。

実例 ⑤ 「日本の原油輸入に占めるホルムズ依存度は95%である」(ある中東専門家のTV解説):

最近の日本の大手メディアでは、ホルムズ海峡封鎖に伴い、日本の原油輸入に占めるホルムズ依存度は「90%です、93%です、95%です」との解説が多くなりました。

ある民間TV情報生番組では、著名な中東専門家が「ホルムズ依存度は95%です」と解説していました。

資源エネルギー庁は毎月末に中東依存度を公表していますが、ここには「ホルムズ依存度」はありません。

「ホルムズ依存度xx%」と解説している人には、ぜひ数字の出典を明記していただきたいものです。

ご参考までに、資源エネルギー庁公刊資料による、2020年以降の日本の中東依存度は下記グラフの通りです。この表を見れば、ホルムズ海峡封鎖による対日影響は一目瞭然となりましょう。

出所:資源エネルギー庁統計資料より筆者作成

上述通り、資源エネルギー庁は毎月末に石油輸入速報を公刊しており、今年6月30日に公表された5月度石油統計資料によれば、5月度の中東依存度は73.9% でした。

日本の5月度原油輸入の特徴は次の4点です。

  • 中東依存度が低下したこと。
  • サハリン2原油(サハリン・ブレンド)が76万バレル入荷したこと(1キロリットル≒6.3バレル)。
  • アゼルバイジャン産アゼリ・ライト(軽質・スウィート)が日本に初入荷したこと。
  • 米国産原油(WTI)輸入が増えたこと。

筆者はこのエネ庁公開資料を毎月分析していますが、ここで一つ疑問が湧きます。繰り返しとなりますが、原油輸入に関する「日本の中東依存度」は毎月公表されていても、筆者の知る限り「ホルムズ依存度」の記載はありません。

それなのに、エネルギー評論家や中東専門家が「日本のホルムズ依存度は90%です、95%です」と民間TV等で解説している人がいます。

このような解説を聞くと、「どの資料に基づく数字なのか」と筆者は疑問を感じざるを得ません。ぜひ出典を知りたいものです。

念のため、一つ指摘しておきたいと思います。中東依存度=ホルムズ依存度と思っている方がいるかもしれませんが、両者は異なる概念です。

「中東依存度」は文字通り、日本が輸入する中東産原油輸入量の割合です。

一方、「ホルムズ依存度」とは、日本が輸入する原油輸入量のうち、どの程度がホルムズ海峡を通過しているのかという指標です。

例えば、日本が輸入している油種別輸入量の割合では、アブダビ産マーバン原油(軽質・低硫黄原油)がほぼ毎月トップです。

この原油はアブダビ陸上鉱区から多くが全長約400キロの陸上原油PL(口径42インチ)でフジャイラまで輸送され、ホルムズ海峡外側のフジャイラから出荷されています。

IEAによれば輸送能力は当初1.5mbd、現在は1.8mbdに達しているようです(mbd=百万バレル・日量)。平時の利用は約1.1mbdで、ホルムズ海峡が閉鎖された場合には0.7mbdの追加輸送が可能になります。

すなわち、アブダビ産マーバン原油は中東原油でも多くはホルムズ海峡を通航していません。

一方、アブダビ産原油の海洋鉱区には「ダス原油」(軽質・サワー原油)や「アッパーザクム原油」(中質・サワー)という油種もあり、日本にも定期的に出荷されています。

この海洋鉱区原油は海上輸送されているので、ホルムズ海峡を通過します。ところがUAEでは、ホルムズ海峡を迂回してフジャイラへ原油を輸送する新たなパイプラインが建設されており、2026年5月時点で工事は約50%まで進み、2027年の稼働が予定されています。

これが稼働すれば、日本が輸入しているアブダビ産原油の多くはホルムズ海峡を迂回して日本に輸送されることになり、この場合、日本のホルムズ依存度はさらに低下します。

サウジアラビアでは、全長約1300キロの2系統の東西接続PLが稼働しています。IEAによれば、原油PL(輸送能力5mbd)とNGL(天然ガス液)PL(同0.3mbd)です(mbd=百万バレル・日量)。

上記の通り、複数のホルムズ海峡迂回PLが稼働しているので、その分、「ホルムズ依存度」はこの「中東依存度」から低い数字になります。

実例 ⑥ 「中央アジアのアゼルバイジャン産原油、日本到着 中東情勢の悪化後初めて」(2026年5月12日の日テレNNN報道/同日、TBSも同様内容報道):

次に、「中央アジア」のアゼルバイジャン産原油に言及します。

アゼルバイジャン産原油が日本に初入荷した時、民間TVは下記のように報じました。

「中東情勢の悪化後、初めてとなる中央アジアからの原油が12日、日本に到着しました。神奈川県横浜市の製油所に到着したのは、アゼルバイジャン産の原油およそ4.5万キロリットルです。国内で1日に消費される量のおよそ1割にあたります。貨物のデータなどを分析する調査会社ケプラーによりますと、原油は、アゼルバイジャンからパイプラインでジョージアに送られた後、4月初めに出港し、黒海から地中海に出てスエズ運河を通過し、紅海を通り日本に運ばれたとみられます。(以下、略)」

民間TVは「中央アジアのアゼルバイジャンから原油が初入荷しました」とニュースで報じていました。

中央アジアとは旧ソ連邦構成国のカザフスタン・ウズベキスタン・トルクメニスタン・キルギス・タジキスタンの5か国を指し、地理的概念ではアフガニスタンも中央アジアに入ります。

一方、コーカサス諸国はアゼルバイジャン・ジョージア(グルジア)・アルメニアの3か国であり、中央アジアにアゼルバイジャンという国は存在しません。

今回のアゼル産原油はインペックスのカスピ海ACG(アゼリ・チラグ・グナシリ)海洋鉱区の権益原油で、ブランド名は「アゼリ・ライト」(軽質・スウィート原油)といいます。

この原油は首都バクーから南方約40キロに位置するカスピ海沿岸サンガチャル陸上処理施設からBTC(バクー・トビリシ・ジェイハン)原油PL(口径42インチ/全長1768キロ/輸送能力1mbd)でジョージア経由トルコ地中海沿岸ジェイハン出荷基地までPL輸送され、トルコ・ジェイハンから世界中(主に地中海沿岸諸国)に輸出されています。

この「アゼリ・ライト」は過去日本に出荷された記録はなく、今回が日本向け初出荷になります。

今回のアゼル産原油輸入は苦肉の策の「緊急輸入」であり、「持続的代替供給源」にはなり得ません。

理由は簡単。アゼル産原油は生産量自体少なく、中東産原油減少量の補填は不可能。かつ、輸送距離が長すぎて、海上運賃も高くなり継続的輸入は困難です。

付言すれば、中央アジアのカザフ産原油(カザフ産CPCブレンド原油)はコロナ禍以前、ほぼ2カ月に1回の割合で日本に入荷していました。

余談ですが、7月26日からドラマ「VIVANT」第2シーズンが放送開始予定です。放映が始まればアゼルバイジャンがどこに位置するのか、日本でも知れ渡ることになるでしょう。

一方、アゼル産原油やカザフ産原油同様、サハリン原油や米国産原油も中東原油の持続的代替原油になることは困難です。なぜなら、潜在的追加輸出可能量は少ないからです。

あくまでも、供給源の多様化という観点からの供給源と位置付けることが大切だと思います。

現在、米国産原油の主力はシェールオイルです。シェールオイルは生産コストが高く、2026年の米EIA(エネルギー情報局)発表によれば、主要生産地パーミアン盆地の新規井の掘削を採算に乗せるために必要な平均原油価格は1バレル61~62ドルでした。

ただし、これは既存井の操業費ではなく、新規掘削の損益分岐価格であり、企業や鉱区によって異なります。

米D.トランプ大統領が「掘って、掘って、掘りまくれ」と言っても、米国の石油生産は主として民間企業が担っているので、採算に合わなければ増産はしないでしょう。

ゆえに、日本が米国産原油を大量かつ持続的に追加原油輸入することは簡単なことではないと思います。

この意味でも、今回の代替輸入はあくまでも「持続的代替輸入」というより「緊急代替輸入」と考えた方がよいのではないでしょうか。

実例 ⑦「中国のロシア産原油輸入価格に関する誤解」

最後に取り上げる記事は2023年4月26日付「zakzak」(現zakⅡ)記事です。このネット記事の要旨は「中国はロシア産原油を相場より約20ドル高く輸入して、対露財政支援をしている」という内容です。

この記事には中国がロシア産原油を輸入している油価とウラル原油油価と北海ブレント原油の油価推移グラフ(「原油の国際相場と中国のロシア産原油輸入価格」)が掲載されており、油価推移対象時期は2021年3月から23年3月までの月次油価推移です。

グラフに記載されている油価推移は事実ですが、中国が輸入しているロシア産原油とは、大部分がESPO(東シベリア・太平洋)原油です。

中国が輸入しているロシア産原油がウラル原油であれば、「中国はロシア産原油を(ウラル原油の)相場より高く輸入して、ロシアを財政支援している」という記事は理解できますが、油種は異なるのです。

このzakzak記事を受け、ある著名な政治評論家は民間TV情報生番組で「中国はロシア産原油を相場より高く輸入して、ロシアを軍事支援している」と解説していました。

しかし、繰り返しとなりますが、中国が輸入している主要なロシア産原油はウラル原油(中質・サワー)ではなく、ESPO原油(軽質・スウィート)です。

ロシアESPO原油と北海ブレントは共に軽質・スウィート原油ですから、FOBの油価水準はほぼ同じ水準になります。

中国は確かに、ウラル原油よりも高い水準でロシア産原油を輸入しています。しかし、中国が主にロシアから輸入しているESPO原油と油種の似た北海ブレントよりは安い油価で輸入しているのです。

下記グラフをご覧ください。

ロシア政府が過去公開してきたロシア全鉱区の平均生産原価を基に、鉱区の西シベリアから極東コズミノ出荷基地まで約4000キロに及ぶ輸送コストなどを加えてFOBを推計、そこからCIF(商品価格+保険+輸送費)価格を筆者が算出したものが黒点線です。

この推定コストに利益を加えたものが中国の輸入価格に近くなると思われますが、実際の輸入価格はもっと低い黒実線になっています。

もっとも、筆者の推計を用いなくても、ESPO原油と似た油種の北海ブレントよりも安い価格で輸入していることは分かると思います。

上記zakzak記事は、黒実線(ESPO原油CIF)と赤実線(ウラル原油FOB)を比較して、「中国は相場より高い価格でロシア産原油を輸入している」と解説しているのではないかと推察します。

出所:中国通関統計より筆者作成

エピローグ/プーチン・ロシアの墓標

古今東西、大本営発表は華麗なる虚飾で満ちています。

最近のロシア大統領府発表や米ホワイトハウス発表も例外ではないのではないでしょうか。

ウクライナ戦争では昨年、「ロシア軍特殊部隊は天然ガスPLの中を通って、ウクライナ軍の背後に回り、ウクライナ軍を制圧した」というロシア軍側の主張が日本の民間TVで放映されました。

2025年3月、ロシア部隊が使用停止中の天然ガスパイプラインを利用してスジャ周辺に浸透したことは、ウクライナ軍側も確認していると報道されています。

一方、参加人数、進入口と退出地点、作戦の戦果については双方の主張に隔たりがあります。

日本のテレビ報道では作戦の概要が紹介されたものの、使用停止後の管内状況や部隊がどの地点から地上に出たのかについて、十分な説明はありませんでした。

侵攻初期のロシア軍の作戦からは、短期間でキーウを制圧し、ウクライナ政権を交代させる意図があったと広く分析されています。

しかし、戦争は長期化・泥沼化し、祖国防衛戦争だった独ソ戦、ロシアでいう「大祖国戦争」(1941年6月22日~1945年5月9日)の期間を超えたウクライナ戦争になって戦費は増大、ロシア経済は弱体化し財政も悪化しています。

「滅びに至る道は広く、命に至る道は狭い」(新約聖書『マタイによる福音書』7章13~14節)

核の威嚇と「大本営発表」的な情報発信に彩られたウクライナ戦争は、プーチン体制の墓標にならんとしています。

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