『対米報復はロシア自身の首を絞める 経済規模は15分の1。反撃できないプーチンの悩み』(4/27日経ビジネスオンライン 池田元博)について

4/28には「士気の集い」のコンスタンチン・サルキソフ先生の講演会に出席しました。北方領土問題では「56年重光葵外相時代、2島返還で決着しようとしたが、米国がそれでは沖縄は返さないというので潰れた。今は2島返還も難しくなっている。ロシアはそこに米軍基地を造られるのを嫌がっている。日本に造らないことを確約できるかと聞いたら、それはできないとの返事だったので」とのこと。エリツインは6回も日本人を抑留したことに謝罪したとのこと。会場からの質問で、「ロシアのクリミア侵攻の論理は、クリミアはロシアの領土というものであった。であるなら北方領土も日本の固有の領土なのだから返還すべきでは」との問いに、「クリミアの件は、頭では乱暴すぎる、国際法に準ずべきと思っても、心は喜んでいる。サンフランシスコ条約の第2条には「(c) 日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。」とあり、ロシアは北方4島も千島列島に入ると主張し、日本は北方4島は南千島で千島列島に入らないと主張している。1875年にサンクトペテルブルグ条約(樺太・千島交換条約)が結ばれ、これで日露の国境線が確定した。このときに樺太はロシアに、千島18島は日本の領土とした。2島返還を固有の領土と主張すれば可能性はあるかもしれない」とのことでした。先生は、ユダヤ人と並び優秀と言われるアルメニア人の血が入っているという事で、頭脳明晰かつ流暢な日本語を話し、偏頗な見方がないダンデイな紳士でした。

自由世界の敵は共産党が支配する中国と思うのですが、何故かロシアを目の敵にしています。中国はやり方が上手いのでしょう。金の配り方や女のあてがい方、オリエンタリズム(異国趣味)も、白人でクリスチャンであるロシアと違い、興味をそそられるのでしょう。脱線しますが楊海英氏の『「中国」という神話 習近平「偉大なる中華民族」のウソ』の85頁には「他者の実態には全く無関心で、専ら自らのイメージで異文化について語り、描き、そして歪曲することをオリエンタリズムという。このオリエンタリズムという概念はパレスチナ出身のエドワード・サイードが出した概念」とありました。中国人と朝鮮半島人を見て定義したのではないかと思われるほどピッタリです。

4/28産経ニュース<優先監視国に中国など12カ国 米、知財保護の強化要求>

https://www.sankei.com/world/news/180428/wor1804280040-n1.html

やっと、中国にも制裁を課すような動きになってきましたが、ロシアへの動きと比べると緩慢です。南シナ海を侵略しているのですから、ロシアのクリミア侵攻と同じでしょう。民主党や共和党主流派、デイープステートが中国の賄賂攻勢にしてやられているとしか思えません。トランプはエスタブリッシュメントに対して頑張っていると思います。

池田氏の記事にありますようにロシアは米国の1/15のGDPしかないのだから、核を除き恐れることはないでしょう。米露で中国を封じ込める方が米国の覇権を長持ちさせると思うのですが。

記事

米ロ関係が大きく冷え込む中、米国のトランプ政権が今度はロシアの新興財閥も標的にした対ロ経済制裁を発動した。通算4期目の任期入りを控えたプーチン政権にとって大きな打撃となる。対米報復を唱えているものの、有効な策を打てずに二の足を踏んでいるのが現実だ。

対米報復制裁に二の足を含むロシアのプーチン大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

米国のトランプ政権は4月6日、ロシアが世界で様々な「悪意ある行動」を繰り返しているとして、新たな対ロ制裁措置を発動した。昨年8月に発効した対ロ制裁強化法などに基づく措置で、ロシアで「オリガルヒ」と呼ばれる大手新興財閥の経営者など企業家7人、その傘下企業や国営の兵器輸出企業など14社、政府高官17人を制裁対象とした。

制裁対象となった企業家は、大手天然ガス会社「ガスプロム」のアレクセイ・ミレル社長、「ガスプロムバンク」のアンドレイ・アキモフ頭取、大手石油会社「スルグトネフチェガス」のヴラジミル・ボグダノフ社長、ロシア対外貿易銀行のアンドレイ・コスチン頭取、複合企業「レノヴァ」グループを率いるヴィクトル・ヴェクセルベルグ氏、世界有数のアルミニウム会社「ルサール」などを実質支配するオレグ・デリパスカ氏らだ。

一方でヴラジミル・コロコリツェフ内相、ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記など、治安関係を中心にした政府高官も多数含まれている。

今回の特徴は何といっても、プーチン大統領に近いとされる大手新興財閥の経営者デリパスカ、ヴェクセルベルグ両氏が制裁対象となったことだろう。両氏が実質支配する企業も制裁対象になっており、とくにデリパスカ氏の場合は「ルサール」、大手自動車会社「GAZグループ」、複合企業「En+グループ」など複数の企業が制裁リストに加えられた。制裁対象となった個人や企業は米国内の資産が凍結され、米国企業や銀行との取引なども禁止される。

トランプ政権はロシアによる「悪意ある行動」の例として、ウクライナ領クリミア半島の占領継続、ウクライナ東部の紛争と制圧、シリアのアサド政権に対する軍事支援や武器供給、西側の民主主義排除の試み、敵対的なサイバー攻撃などをあげている。要はクリミア併合に始まり、シリアへの軍事介入、さらには米大統領選を始めとする米欧の民主選挙への介入疑惑へと至るプーチン政権の一連の「悪事」に対する報復というわけだ。

では、プーチン政権の一連の外交政策とは一見、無関係なようにみえる新興財閥の経営者が制裁対象に含まれたのはなぜか。

財閥経営者も制裁対象になった理由

米財務省はプーチン政権が「オリガルヒや政界エリートの利益を過度に重視した政策を行っている」と指摘。オリガルヒらはそれによって巨万の富を築き、資金の一部がアサド政権への軍事支援など、ロシアの「悪意ある行動」に利用されていると批判した。

デリパスカ氏については、「私自身は国家と切り離すことはできない」と自ら公言しており、ロシアの外交旅券の保有も認めていると強調。さらに同氏はマネーロンダリング(資金洗浄)、ビジネスライバルへの脅迫、政府高官に対する不法な盗聴などの嫌疑がかけられているほか、政府高官への贈賄、ビジネスマンに対する殺人依頼、暴力犯罪組織(マフィア)とのつながりなどの疑惑も取り沙汰されていると指摘している。

トランプ大統領は昨年8月、議会の上下両院で採択された対ロ制裁強化法に署名した。これを受けて米財務省は今年1月末には、プーチン大統領に近い人物を列挙した「クレムリン・リスト」を公表している。リストはロシアの各省庁の閣僚、大統領府幹部を含めた政府高官や国営企業経営者114人と、大手新興財閥など大富豪の実業家96人の合計210人を列挙していた。

米財務省は当時、クレムリン・リストは「制裁リストではない」と強調していた。だが今回、デリパスカ氏やヴェクセルベルグ氏らを制裁対象としたことで、「クレムリン・リスト」に載っている誰もがある日突然、新たな制裁対象となり得ることも暗示した。海外企業などがこうした実業家との取引を控える傾向は今後さらに強まるとみられ、ロシアに与える経済的、心理的な打撃はかなり大きいと言えそうだ。

米政府がデリパスカ氏とその傘下企業の「ルサール」を制裁対象としたことは、国際的にも大きな波紋を広げている。米国による二次制裁を恐れて、世界の多くの企業がルサール社製アルミの調達を停止。ロンドン金属取引所(LME)や米国のシカゴ・マーカンタイル取引所も同社製アルミの取り扱いをやめ、アルミの国際価格が急上昇した。

ルサールとの取引が多いドイツやフランスなどでは、制裁の適用除外を求める声も強まった。予想外の影響に慌てた米財務省は、米企業とルサールとの取引停止の期限を今秋まで延期したほか、デリパスカ氏との関係が切れれば同社を制裁リストから外す可能性も示唆した。とはいえ国際的な市場混乱は当面、避けられそうにない。

ロシア国内でもルサールを中心に制裁対象企業の株式が急落。通貨ルーブルの下落にも拍車がかかるなど、影響が広がっている。政府系世論調査会社の全ロシア世論調査センターが直近で実施した調査でも、米ドルやユーロに対してルーブルが下落している理由について、回答者の23%が「対ロ制裁」の影響だと分析している。

ロシアではすでに、米国の制裁対象となったロシア企業を政府が全面支援すべきだとの意見が広がっている。マントゥロフ産業貿易相は「我々はさらなる支援をしていく」と表明。制裁対象企業からの国家調達を増やす案などを検討していく方針を明らかにした。さらに極端な方策として、ルサールなどの一時的な国営化案も浮上している。ペスコフ大統領報道官によれば「制裁対象企業に対する支援策のひとつとして提案されている」という。

対米制裁に“二の足”を踏まざるを得ない事情

一方で、今後の焦点となるのは米国への報復制裁だろう。議会の上下両院は連休明けの5月中旬にも、具体的な決議案を採択させる方向で準備を進めている。ただし、経済分野の対米報復には大きな難点がある。「米国と違ってロシアには、米国のビジネスや政府に影響を与えるような方策がない」(国際政治学者のフョードル・ルキヤノフ氏)からだ。

現在、ロシア議会で検討中の主な報復制裁案は、米国産のウイスキーを含めたアルコール飲料やタバコ、医薬品などの輸入制限だ。ロシアはすでに米欧からの食肉、魚、乳製品、野菜等の輸入を禁止しているが、他の食料品やノンアルコール飲料なども含めて禁輸対象を拡大すべきだと主張する声も出ている。

ロシアには一時的にせよ、米国企業に深刻な打撃を与える報復措置が全くないわけではない。ロシアが今でも得意とする航空・宇宙、原子力分野の協力停止は有力な方策となり得る。例えば、米ボーイング社はチタンの約35%を、ロシア国営軍事企業傘下の世界有数のチタン製造会社「VSMPOアヴィスマ」からの調達に頼っている。国営原子力会社「ロスアトム」は濃縮ウランの供給も含めて米原子力会社との関係が深い。

ロシア議会関係者の間では、こうした航空・宇宙、原子力分野の報復制裁に踏み込むべきだとの強硬論も出ている。しかし、当の企業側は「契約をほごにすれば市場を失う。約2万人の従業員も危機的状況に陥る」(VSMPO)などと猛反発しているのが現状だ。VSMPOの場合は7割が輸出向けで、すでに世界49カ国の300社以上の企業と取引関係があるからだ。

プーチン政権も「我が国の企業自体が反対しているのに、なぜ(制裁を)発動しなければいけないのか」(マントゥロフ産業貿易相)と総じて否定的だ。原油や天然ガスなどの資源輸出に頼るロシアにとって、航空・宇宙、原子力産業は資源依存脱却を目指すうえでも、大事に育てていくべき数少ない有望分野でもある。下手に対米報復制裁に踏み込めば、逆に自分の首を絞めかねないジレンマを抱えているわけだ。

米トランプ政権は英国で起きた神経剤によるロシア人元情報機関員の襲撃事件を巡っては3月26日、英政府に同調した対ロ制裁措置として、ロシア外交官60人の国外追放とシアトルのロシア領事館の閉鎖を打ち出した。

対するプーチン政権は「反ロシアキャンペーンが急速に広がっていることに驚きを隠せない」としつつも、これに対する報復制裁の発動は極めて迅速だった。米国が制裁を発表したわずか3日後の3月29日、同じく60人の米国外交官の国外追放とサンクトペテルブルクの米総領事館の閉鎖を通告している。

ロシアの新興財閥などを標的にした米国の対ロ制裁に対しても、プーチン大統領は本来なら、速やかに報復措置を打ち出したかったのかもしれない。だが、ロシアの経済規模はいまや、米国のおよそ15分の1に過ぎない。米ロ間の圧倒的な経済レベルの差は否定しようがなく、プーチン政権もこと経済分野に関しては対米報復に慎重にならざるを得ないようだ。

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