『怒るトランプは「米韓FTA破棄」を命じた 対北人道支援が米国を逆なで』(10/7日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

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国内の記事から。Facebookにあったもの。先ず衆議院選挙の議席予測です。自民党の議席減は思ったほどでありません。10/10北朝鮮が建党記念日にロケットを打ち上げ、日本を脅せば、親北政党の日本共産党や立憲民主党は議席を減らすかも。社民党は固定票でこれ以上は減らないのでは。「日本のこころ」が増えてほしい。

10/5ニコニコニュース衆院選議席予測<自民党が単独過半数、自公政権継続の勢い>

http://originalnews.nico/51283

ネットで読んだ記事から。9/3Yahooニュース<最近、紙の新聞を読んでますか? 新聞は今、誰がどう読んでいるのか>。これによりますと、新聞の販売部数が減ってきてる上、購読層は50代以上が7割を占め、29歳以下の購読層はわずか0.7%とのこと。斜陽産業であることは間違いないでしょう。新聞社はネットとTVで生き残りを図るのかもしれませんが、ネットは課金が難しく、TVはインタラクテイブの時代にはネットより遅いし、報道の真贋を見抜かれて、今までのような偏向報道は出来にくくなるでしょう。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170903-00004033-toushin-bus_all&p=1

増田俊男氏記事<1199号(2017年10月7日号)米朝宣戦布告ゲームの真相

本誌で衆院選についてばかり述べてきたので今回は目を世界に移す。

トランプ大統領と金正恩総書記が口先で罵り合ったり、臨戦態勢を執ったりするのは本気ではない。「芝居」。では何の為の芝居なのか。

1980代から北朝鮮は核とミサイルの実験を繰り返し、長足の進歩を成し遂げ、ついに核弾頭搭載ミサイルをグアムや米国本土の一部を射程に入れるまで漕ぎ着けた。アメリカも又北朝鮮が夢を叶えるのを首を長くして待っていたのである。(北朝鮮の核とミサイルはスイス籍の複数のアメリカとイスラエルの軍産企業とユダヤ系金融機関の支援に支えられている:詳しくは「小冊子」Vol.92参照)北朝鮮の夢は、世界一の埋蔵量(2,600万トン)を誇る次世代のエネルギー源であるウラニュームで第二のサウジアラビアになること。アメリカの夢は、中国を排除してロシアと共に北朝鮮のウラニューム、その他豊富な鉱物資源を寡占すること。

9月28日から10月1日までティラーソン米国務長官の訪中の1日前にトランプは中国からの全輸入品が通商法301条に違反していないか調査するよう大統領令を出し、中国はティラーソン訪中1日前に北朝鮮と取引のある中国企業を摘発、銀行取引停止処分にしてティラーソンを待った。北朝鮮のエネルギー80%を担う原油は中国からのパイプラインに委ねられているからアメリカは中国に北朝鮮のコントロールを求めて来た。北朝鮮はすでにエネルギー源を中国からロシアに切り替え、中国からの産業、生活物資もマンギョンボン号(万景峰号)がロシアのウラジオストックと北朝鮮の羅先港を月8往復することでロシアに切り替えている。

11月のトランプ大統領・習近平会談までに習近平は恐ろしいアメリカの通商法301条発令を避ける為対北朝鮮との裏取引も一時止める。ところが金正恩は米中トップ会談の最中核実験かミサイル発射を行い習近平のメンツを丸潰れにすることになっている。結果はアメリカの対中通商法301条の発令で米中関係は悪化、一方中国は北朝鮮に軍事圧力を加えざるを得なくなり中朝関係は一触即発状態になる。トランプは中国が北朝鮮に無力であることが明らかになったのでプーチン大統領に北朝鮮の制御を求めることを正当化する。金正恩はプーチンの仲介で夢にまで見たトランプとのトップ会談に応じる。北朝鮮との合意の基本は、北朝鮮の安全保障と経済発展の保証と引き換えに北朝鮮が軍事目的の核実験・ミサイル発射を停止することである。しかし意図的に合意には時間をかける。合意で緊張が早く緩和されると日本の再軍備やアメリカの軍事予算増額に悪影響を与えるからである。だから交渉中に北朝鮮が再びミサイル発射し会合がお流れになったり、又再開されたり合意のタイミングを探ることになる。

対北朝鮮合意のタイミングは、中東戦争が長期化し、日本を含むアジア同盟国から米軍が撤退した後、南・東シナ海で中国と日本を含む利害関係国との間で軍事衝突が始まり、北朝鮮によるアジアの緊張の創造が不要になる時である。

北朝鮮のウラニューム開発は中国を排除した形で米ロ主導で行われるが日本の技術と資本が必要なので日本と北朝鮮の平和条約が先行する。ここで拉致家族という人質の値段が決まる。中東戦争でサウジ、その他湾岸産油国の石油施設を破壊し、原油価格を1バーレル200ドル以上にすることで低価格の北朝鮮産ウラニュームを次期エネルギーにすべく誘導する。以上は3年前からの我がシンクタンクの提案だがやっと実行する適任者(トランプ)が現れたというわけ。詳しくは「小冊子」Vol.92をご参照下さい。>(以上)とのことです。俄かには信じがたい内容です。中国封じ込めの為に米ロが手を結ぶのは賛成で、日本も協力するのはルトワックの構想通り。ただ米議会がスンナリ認めるかと言うことと、キッシンジャーの亡霊がまだ生きていて、ハニーや金で中国に転んでいる要人が沢山いますので、この通り行くかは難しく感じます。北が核・ミサイル放棄をするのも難しいでしょう。

10/7日経電子版米朝、サイバー攻撃が激化 封じ込めにかかる米 北朝鮮はロシアに活路 

【ワシントン=川合智之、モスクワ=古川英治】米国と北朝鮮のサイバー空間での攻防が激しさを増している。米メディアによると、トランプ米大統領の指示で、米軍は北朝鮮のインターネット接続の妨害工作を展開。北朝鮮は中国経由だったネット回線に、10月からロシア経由を加えて対抗し、米国の接続妨害を難しくした。米専門家の間では「北朝鮮のネット遮断は困難になった」との声もあり、北朝鮮を封じ込める米国のサイバー攻撃は決め手を欠いている。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、トランプ氏は政府各部門に北朝鮮への圧力強化を指示。その一環で、米軍サイバー司令部は北朝鮮の対外工作活動機関である人民武力省偵察総局に対し、多数のアクセスを仕掛けてネットをパンクさせる「DoS攻撃」を実行した。米軍のサイバー攻撃は指示期限の9月末で終了した。

北朝鮮はこれに対抗。米ジョンズ・ホプキンス大学の北朝鮮分析サイト「38ノース」によると、国営ロシア鉄道傘下の大手通信会社、トランステレコムのネット回線の利用を1日から始めたことが通信記録の解析で判明した。同社は鉄道沿いに光ファイバー回線を持つ。北朝鮮との国境の豆満江の鉄道橋を通じて接続したとみている。

「9月の国連安全保障理事会の(対北朝鮮制裁)決定で通信サービスは制限の対象ではない」。トランステレコムは3日、日本経済新聞の取材に北朝鮮との接続を認めたうえでこう指摘した。

核・ミサイルの開発資金を確保したり、各国の政府や軍、企業のサイトを破壊したりするために、北朝鮮はサイバー攻撃を繰り返す。偵察総局にサイバー部隊を抱え、中国にも拠点を展開する。

代表的なのはソニーの米映画子会社への攻撃(2014年)。金正恩委員長の暗殺をテーマとしたコメディー映画を製作した同社への報復として俳優らの個人情報を引き出した。16年にはバングラデシュ中央銀行に侵入し、8100万ドル(約91億円)を不正に送金。全世界に被害が出た5月の「ランサム(身代金)ウエア」攻撃への関与が疑われ、仮想通貨「ビットコイン」を盗んだともされている。

ロイター通信によると現状で北朝鮮のネット接続の6割がロシア経由。10年以降は中国国有通信大手の中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)を通じてネットに接続していたが、今は中国経由は4割に落ちた。北朝鮮への圧力を強めている中国の依存度を下げ、サイバー攻撃の選択肢を広げる狙いといえる。

一方、朝鮮半島の非核化をめざす米国は、国連安保理や米国の制裁で経済的に北朝鮮を追い込む。サイバー攻撃では外貨を不正に獲得する手段を断ち、核・ミサイル開発を阻む狙いだ。北朝鮮が許容できない一線を越えた場合の軍事的な選択肢とは違い、制裁を補完する意味合いもある。

「ミサイル発射実験は失敗が多い。技術力以外の失敗もある」。大統領副補佐官を8月25日に辞任したゴルカ氏は、辞任直後の米ニュース番組でこう語り、北朝鮮の核・ミサイル開発をサイバー攻撃で妨害していることを示唆した。

ただ、北朝鮮への制裁に消極的なロシアがネット接続で北朝鮮への支援を始め、北朝鮮のサイバー攻撃を抑え込むのは難しくなりそうだ。情報保安会社、米ファイア・アイの技術幹部は「米国は北朝鮮のネットを遮断するのが困難になった」と指摘した。>(以上)。ネットハッキングで北のミサイル攻撃が防止しにくいとなると電磁パルスによる攪乱しかなくなりますが、これも核を高高度で爆発させる必要があり、今度のI CANのノーベル平和賞で使いにくくなった感じです。選考委員会の裏で反米組織が暗躍したのかもしれません。無法者の核は放置され、抑止のための核が使えないというのであればおかしいでしょう。国際社会は北を孤立化させるべきです。対北には非戦闘員を殺さない方法での核の使用も認めるべきです。

10/7NHKニュース16時57分北朝鮮 米西海岸射程のミサイル発射準備か

北朝鮮を訪問したロシアの議員団が、北朝鮮が近く、アメリカ西海岸にも到達可能な、新たな長距離ミサイルの発射実験を計画していることを明らかにし、今月10日の朝鮮労働党の創立記念日を前に、各国は新たな軍事挑発の動きを警戒しています。

ロシア国営通信によりますと、ロシア議会下院の極右政党「ロシア自由民主党」の議員団は、今月2日から6日までの日程で北朝鮮を訪れ、政権の幹部らと会談しました。

訪問を終えた議員団のひとり、モロゾフ議員は6日、「北朝鮮は新たな長距離ミサイルの発射実験を準備している。計算式を用いて、ミサイルはアメリカ西海岸にも到達可能だと示した」と述べ、北朝鮮が近く、長距離ミサイルの発射実験を計画していることを明らかにしました。

モロゾフ議員によりますと、北朝鮮は、ミサイルの弾頭を大気圏に再突入させ、制御する技術を確立したと主張し、軍事的な士気も十分に高かったということです。

北朝鮮では、今月10日が、朝鮮労働党創立72年の記念日で、これに合わせて指導部が、核や弾道ミサイルの開発を進めるキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長をたたえ、さらなる権威づけを図ると見られていることから、各国は新たな軍事挑発の動きを警戒しています。>(以上)。ロシアが裏で北を支援しているのを匂わせています。北への制裁を強化している時に、わざわざロシアの国会議員が堂々と乗り込んで北のアピ-ルをするのですから。ベトナム戦争同様、ロシアは裏に回り、米国と北朝鮮を”proxy war”(代理戦争)させようとしているのでは。米国一極支配打破の為に。10/10の建党記念日に花火を打ち上げるか10/18中国共産党大会に打ち上げるか、その両方かも知れません。警戒を怠らないようにしましょう。

10/7産経ニュース<トランプ氏「嵐の前の静けさ」発言が波紋呼ぶ 軍事行動の前触れか>

http://www.sankei.com/world/news/171007/wor1710070011-n1.html

10/10には韓国は中国との通貨スワップが切れます。中国はTHAADの件があり、絶対更新しないでしょう。韓国は困った時の日本頼みで日本に擦り寄ってきていますが、麻生財務大臣が「(慰安婦合意の)約束も守れない国が、金を返すことは無い」と言ったことは正しいでしょう。都合の良いことに日本は選挙中です。親韓派議員も自分の選挙で韓国を顧みる余裕はないし、米国が韓国を見捨てようとしているのに日本が助けることもありません。「用日」なぞは出来ません。韓国民は自国が壊れるのを眺めて楽しめば良いのでは。

http://toriton.blog2.fc2.com/blog-entry-4644.html

記事

人道支援など“親北”が揺るがない文在寅大統領に、トランプ大統領の怒りは届くのか(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

北朝鮮包囲網を壊そうとする韓国。怒ったトランプ(Donald Trump)大統領は米韓FTA(自由貿易協定)破棄を言い出した。北朝鮮に続き、韓国に対しても「経済制裁」に乗り出したのだ。

国際社会を裏切った韓国

—10月4日(米国時間)、米韓がFTAの再交渉で合意しました。

鈴置:トランプ大統領は就任前から米韓FTAを「不公正な協定」(horrible deal)と非難し、改定に意欲を燃やしていました。

再交渉すれば当然、韓国に不利な改定となるので、韓国政府は逃げ回っていました。米国の中にも「北朝鮮の核武装を力を合わせ防がねばならぬ時に、米韓の間で波風を立てるべきではない」と再交渉に反対する声が根強かったのです。

しかし北朝鮮への人道支援を決めるなど、韓国は国際社会の結束を堂々と乱し始めました(「金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ」参照)。裏切りにトランプ大統領は激怒し、韓国に対し強く出るよう指示しました。

米政府は「FTA破棄も辞さず」との姿勢に転じました。FTAを破棄されたら経済的にも政治的にも韓国は大きな打撃を受けます。文在寅(ムン・ジェイン)政権は再交渉に応じるほかなくなったのです。

文在寅が混乱を生む

—人道支援がトランプ大統領の怒りに火を付け、それが再交渉につながった……。

鈴置:東亜日報がその“証拠”をすっぱ抜きました。「<特報>トランプ、文在寅政権の対北支援に不満……韓米FTA廃棄に影響』」(9月29日、韓国語版)です。

9月22日にロス(Wilbur Ross)商務長官がニューヨークでの非公開の会合で「人道支援が協定破棄論を呼んだ」と語りました。それを東亜日報が参加者から聞き出し、報じたのです。記事から商務長官の発言を拾います。

全世界が北朝鮮を経済的に孤立させるため圧迫している時に、北朝鮮への人道的支援をする韓国の政策を、トランプ大統領は苦々しく見ていた。こうした雰囲気が米韓FTAを破棄したいとのトランプ大統領の心情に影響を与えた。

文在寅政権が北朝鮮と対話し得ると考えることが混乱を呼んでいる。北朝鮮に対する韓国政府の立場は全く理解できない。より強硬にならねばならぬ時に、そうしない。こんな空気が米韓FTA破棄に対する変数になるだろう。

オフレコの会合だったためでしょう、この発言を報じた米国メディアは見当たりません。東亜日報はこの会合でロス商務長官がサラダを前に語る写真を主催者のBCIU(国際理解のためのビジネス協議会)から借りて載せています。写真が記事の迫真性を増しました。

「大統領が狂っている」と言え

「協定破棄」は突然の話ではありません。9月2日、ワシントン・ポスト(WP)が「トランプ、米韓FTA破棄を準備」と特ダネで報じました。「Trump preparing withdrawal from South Korea trade deal, a move opposed by top aides」です。

10月1日になって米オンラインメディアのAXIOSが、当時のトランプ大統領の発言をスクープしました。

大統領執務室で「30日以内に韓国が譲歩しないなら、FTAを破棄する」「大統領が狂っているから、今すぐにも協定を破棄すると(韓国政府に)言え」などとUSTRのライトハイザー(Robert Lighhtizer)代表に指示したというのです。

Scoop: Trump urges staff to portray him as “crazy guy”」で、生々しいやりとりを読めます。以下です。

“You’ve got 30 days, and if you don’t get concessions then I’m pulling out,” Trump told Lighthizer.

“Ok, well I’ll tell the Koreans they’ve got 30 days,” Lighthizer replied.

“No, no, no,” Trump interjected. “That’s not how you negotiate. You don’t tell them they’ve got 30 days. You tell them, ‘This guy’s so crazy he could pull out any minute.'”

“That’s what you tell them: Any minute,” Trump continued. “And by the way, I might. You guys all need to know I might. You don’t tell them 30 days. If they take 30 days they’ll stretch this out.”

ただこの時は「協定破棄」には至りませんでした。9月3日に北朝鮮が核実験するなど朝鮮半島情勢が緊迫化し、米韓同盟にヒビを入れるべきではないとの声が高まったからです。

当時の空気をウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の「Trump Administration Weighs Withdrawal From South Korea Trade Pact」(9月3日、英語版)が伝えています。

それによると、大きな影響力を持つマクマスター(”H. R.” McMaster)大統領補佐官(国家安全保障担当)が、協定破棄はタイミングを考え注意深く実行するよう注文しました。

この記事は「ホワイトハウスが本気で協定の破棄を考えているのか、再交渉の席に韓国を呼び戻すための戦術かは不明だ」とも解説していました。

甘く見ていた韓国

当時は韓国政府も「単なる脅し」と軽く見ていました。中央日報の「トランプ大統領の韓米FTA破棄言及、再交渉で優位に立つ狙いも」(9月4日、日本語版)は、韓国政府関係者を指すと見られる「ワシントン外交筋」の以下の発言を紹介しています。

先月(8月)22日にソウルで開かれたFTA改定特別会議で韓国側が米国側の主張を全く受け入れず、今後の日程も決められずに別れたことに怒ったトランプ大統領が、破棄の検討を参謀に指示したと把握している。

韓国の強硬姿勢にさらなる強硬姿勢で対抗すべきだというトランプ式の交渉術とみられる。

転機となったのが、韓国政府が9月21日に発表した対北支援です。日米両国政府が繰り返し思い留まるよう申し入れたのに、韓国政府は無視して援助を決めました。

同じ日にニューヨークでの日米韓首脳会談で北朝鮮への圧力強化に合意したというのに、です。韓国政府は援助の時期は未定とも発表しましたが、北朝鮮包囲網を破ったのに違いはありません。

米政府が運営するVOA(アメリカの声)は、韓国政府の決定を批判する国務省報道官の発言を報じました。報道官が同盟国をこれほどはっきりと批判するのも珍しい。

国務省、韓国政府の対北支援決定に『北には最大の圧迫を加えねば』」(9月23日、韓国語版、談話の一部は英語でも)で、東アジア太平洋局のアダムス(Katina Adams)報道官の発言を読めます。翻訳します。

これは韓国の決定だが、米国の立場は変わらない。我々は世界の国に対し、最大の圧力を加えるよう追加的な行動を呼びかけている。それには経済面、外交面で北との関係を断つことも含む。

自動車が焦点に

—韓国こそ最も厳しい制裁を実行すべきなのに……。

鈴置:「金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ」の最後で「怒った米国は韓国の頭を小突きました」と指摘しましたが、このことです。

米国は「このままじゃ、済まないぞ」と韓国に最後通牒を発した。しかし、普通の韓国人が米国の怒りに気がついたのは9月28日になってです。

中央日報の「韓国通商交渉本部長『米国の韓米FTA破棄の圧迫はいつでも現実化しうる』」(9月28日、日本語版)によると、金鉉宗(キム・ヒョンジョン)通商交渉本部長は9月27日、ワシントンで韓国特派員団に以下のように語りました。

米国の韓米FTA廃棄はただの「ブラフ(ハッタリ)」ではなく、実質的な威嚇であり、今後いつでも現実化しうるという判断を固めた。

最近10日間、ワシントンに滞在してホワイトハウス関係者や22人の上・下院議員および関連業界代表に広く会って話を聞いた結果、彼らは米政府が今後の協議過程でいつでも廃棄の圧迫をかけてくるという一致した意見を我々に伝えた。

—FTA再交渉はどんな展開になるでしょうか?

鈴置:自動車・同部品が焦点になると米韓双方のメディアが報じています。ありていに言えば「韓国は米国製の自動車をもっと買え」ということです。

米国は「協定破棄も辞さず」とハラをくくった。自分の期待する譲歩を韓国からすべて引き出さない限り、妥協しないでしょう。

—韓国も「破棄」でハラをくくればいいのでは?

鈴置:韓国は容易にハラをくくれません。米韓FTAは米韓軍事同盟の一部と韓国では認識されています。それが破棄となれば、ただでさえ北朝鮮の脅威に怯えている今、国民の安全保障に対する不安が一気に膨らむでしょう。資本逃避の加速材料となるのも間違いありません。

通貨危機か、反米親北か

—では、文在寅政権はどんどん譲歩する……。

鈴置:基本的にはその構図となると思います。ハラをくくった米国の方が強いに決まっています。

米国には韓国から譲歩を引き出すだけではなく、「破棄」を威嚇材料に「親北反米」路線を止めさせるかもしれません。

例えば、韓国が対北人道支援に実際に乗り出したら、途方もない要求――例えば「米国製自動車を年間100万台輸入しろ。飲まなければ協定を破棄する」と突きつけるのです。そして裏では「人道支援を止めたと宣言すれば、要求を50万台に下げてやろう」とささやく……。

—もし、追い詰められた文在寅政権が「破棄しよう」とハラをくくったら?

鈴置:その時はその時で米国には手があります。韓国を通貨危機に落とし入れればいいのです。米利上げと北朝鮮の核危機で、韓国からの資本逃避が始まっています。

10月10日には中国とのスワップが終了します(「韓国の通貨スワップ」参照)。中韓関係の悪化で延長は無理と韓国各紙は報じています。

■韓国の通貨スワップ(2017年10月6日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約560億ドル) 2014年 10月11日 2017年 10月10日
豪州 100億豪ドル/9兆ウォン(約76億ドル) 2017年 2月8日 2020年 2月7日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約93億ドル) 2017年 3月6日 2020年 3月5日
マレーシア 150億リンギ/5兆ウォン(約43億ドル) 2017年 1月25日 2020年 1月24日
CMI<注> 384億ドル 2014年 7月17日  

<注1>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。 <注2>カッコ内は締結・延長時の米ドル相当額 資料:韓国各紙

中国とのスワップは発動しても人民元しか貰えませんから、通貨危機対策にどれだけ効果があるかは疑問視されてきました。しかし、韓国にとって、2国間スワップ総額の70%を占めるのです。

これが消滅するとなれば精神的な打撃は大きい。韓国紙には通貨危機を懸念する記事が載り始めました。

そんな地合いですから、米国が韓国を追い込むのは難しくありません。そのうえで「通貨危機か、反米親北を止めるか」の二者択一を迫ればいいのです。

韓国は中国との交渉カードに

—トランプ大統領ならやりかねませんね。

鈴置:トランプ大統領に限りません。左派政権――金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)が誕生するたびに、米国は韓国を「通貨」で威嚇してきたのです。

—それにしても米国が同盟にも影響する「FTA破棄」までハラをくくるとは。思い切りましたね。

鈴置:韓国の裏切りがあまりにもひどいからです。朴槿恵(パク・クネ)政権は「離米従中」。次の文在寅政権は「反米親北」。米国兵士の命をかけてこんな国を守る義務はありません。もともと米国にとって韓国は「なくてもよい国」なのです。

それにトランプ大統領は韓国を中国との交渉カードに使う可能性が高い。核を放棄させるため北朝鮮を攻撃したら金正恩(キム・ジョンウン)政権は崩壊する可能性が高い。その後の北朝鮮を誰が支配するか米中、あるいは米中ロで話し合うことになります。

習近平主席はトランプ大統領に「韓国は歴史的に中国の一部」と説明したようです。トランプ大統領はそれをWSJとの会見で明かしました(「『韓国は中国の一部だった』と言うトランプ」参照)。

「北朝鮮処分」に先だって、米中が朝鮮半島全体の中立化で合意すると観測する専門家が増えています。当然、米韓同盟は消滅します。それを考えれば、米韓FTAの消滅など大した話ではないのです。

—韓国でも米韓軍事同盟の破棄が語られています(「『米韓同盟破棄』を青瓦台高官が語り始めた」参照)。

鈴置:北朝鮮の核問題がどう決着が付くかは読めません。1つ言えるのは、その陰で米韓同盟の崩壊が始まっていることです。

(次回に続く)

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