『党大会前の軍幹部粛清は、政敵排除か実戦準備か 後任に中越戦争経験者、火種は南シナ海かインドか北か』(9/6日経ビジネスオンライン 福島香織)について

トップページに外国人留学生に対し税金からの優遇措置を与えていることをアップしました。主に中国人対象です。尖閣を侵略しようとする国の学生に優遇措置を与えて知らん振りできる官僚の不甲斐なさ。税を使う以上、国益に資する国からの留学生に限定しなければ。数を追うのは間違いです。

8/16日本捜捜の記事阿里巴巴2018年推出“日本版支付宝”=アリババは2018年に日本版アリペイをスタート

讯(记者 尤锡川)8月16日,阿里巴巴公司宣布,将于2018年春季在日本推出手机支付服务。新服务的系统与机制和在中国国内普遍使用的网络结算方式“支付宝”完全一样,可看作“日本版支付宝”。有专门人士分析,此举或许会直接引爆在日本国内使用手机支付的潮流。 目前只有拥有中国银行账户的人才能使用“支付宝”,所以“日本版支付宝”将在日本用其他品牌名为拥有日本国内银行账户的人提供服务,阿里巴巴公司希望在3年以内赢得1千万日本用户。新业务将由蚂蚁金服日本分公司提供,利用店铺生成、或消费者的智能手机应用程序显示的二维码进行结算。 日本每年访问中国的人数大约在250万人次左右,得益于“日本版支付宝”的推出,日本人到中国出差或旅行时的便利性也将大幅提高。 “日本版支付宝”会以已经导入“支付宝”的罗森便利店、百货商店等为中心进行扩张,到2017年底,阿里巴巴计划将加盟店铺增加至约5万家。除此之外,其他生活相关功能,预订和购买电影票等也将逐步完善。 据野村综合研究所调查结果显示,日本国内2017年电子货币的结算市场仅为5.6万亿日元,而中国基于智能手机等移动终端的结算市场2017年有望达到15万亿人民币(约合250万亿日元)规模。因此该研究所分析称,日本国内手机支付市场还有巨大潜力可供挖掘。 中国是现在世界上手机结算业务最普及的国家。两大手机支付巨头,“支付宝”与腾迅控股的“微信支付”,几乎平分中国国内的手机结算市场。阿里巴巴之前认为,在以现金交易为主的日本社会,手机支付将有很大的上升空间。因此“支付宝”随着中国访日游客增加的大流而率先登陆日本市场。 “支付宝”最初是为了解决阿里巴巴公司旗下购物网站“淘宝网”的交易安全所设置的一个功能。该功能首先使用“第三方担保交易模式”。2004年年底“支付宝”从“淘宝网”脱离,成为一家独立公司。截止2012年12月的数据,“支付宝”注册用户突破8亿,日交易额峰值超过200亿人民币,日交易笔数峰值达到1亿零580万笔。在使用“支付宝”打款时,用户终端机与“支付宝”服务器之间的连接使用128位SSL加密通信,所以具有较高的安全保障。 (記者 尤锡川)アリババは8月16日、2018年春に日本でモバイル決済サービスを開始すると発表しました。 新しいサービスのシステムと機能は、中国で普通に使用されるネット決済 “アリペイ”とまったく同じで、”アリペイの日本版”と見ることができます。 専門家の分析によれば、これは日本にスマホでの支払いを爆発的に流行させる契機となるかもしれないと。

現在、中国の銀行口座を持つ人だけが”アリペイ”を使うことができるので、 “アリペイの日本版”は日本国内の銀行口座名義での商品購入のサービスを提供します。アリババは3年以内に1000万人の顧客を確保することを目指しています。新しいビジネスは、アント・フィナンシャルサービスグループ日本支店が提供し、店舗で買物した後、または消費者のスマホアプリのQRコードを使用して決済します。

日本から中国への年間訪問者数は約250万人で、 “アリペイの日本版”のスタートにより、日本人の中国への出張や旅行の利便性も大幅に改善されます。

“アリペイの日本版”は既にローソンで導入され、百貨店等を中心に拡張し、2017年末までにアリババは約50,000店舗まで数を増やす予定です。 これ以外にも、その他の生活関連や映画チケットの予約と購入等、徐々に手を広げる予定です。

野村総合研究所の調査結果によれば、2017年の国内の電子決済市場は5兆6000億円に過ぎず、中国の2017年のスマートフォンなどのモバイル決済市場規模は15兆元(約250兆日本円)になろうとしています。 このため、研究所の分析によれば、日本のモバイル決済市場は、掘り起しできる巨大な潜在力があるという事です。

中国は現在、世界でモバイル決済が最も普及した国です。 モバイル決済の両巨頭である “アリペイ”とテンセントの “WeChat決済”は、中国国内モバイル決済市場をほぼ二分します。アリババが進出する前には、日本では現金支払いが中心で、モバイル決済は成長の余地が非常に大きいです。 それ故 “アリペイ”は中国の訪日客の増加に伴い、日本市場に最初に進出を果たします。

“アリペイ”はもともとアリババのショッピングサイト “淘宝網”の取引の安全を確保するための子会社でした。このため、最初に「第三者保証による取引方式」を採用。 2004年末に、”アリペイ” “淘宝網”から独立しました。 2012年12月までのデータとして、 “アリペイ”の登録ユーザーは8億を超え、一日の売上高は200億元を超え、一日の売上件数は1億580万件に達しました。 “アリペイ”による支払い時に、ユーザーの端末と”アリペイ”サーバーの間で、128ビットのSSL暗号通信を使用、高いセキュリティを誇っています。

モバイル決済サービスは、米国で生まれ、中国へ導入されてより便利になりました。導入コストはもはや高くはありません。 今回は、中国外で正式に上陸した”アリペイ”にどのような変化が起こるか注目を集めています。>(以上)

https://japansoso.com/archives/634136

本件は、日経にも載っていましたが非常に危険と思われます。華為のスマホを使うよう誘導し、バックドアが仕込まれているため、個人情報が盗まれる恐れがあります。況してや銀行口座など使うとすれば、イザと言う時に、何をされてもおかしくないと思わないと。危機管理のイロハです。

9/11宮崎正弘氏メルマガには逆に中共はビッコイン市場を閉鎖する解説がありましたが。 <ビットコインが「第二の通貨」となると中央銀行は不要になる? 中国はなぜ仮想通貨の取引所を突然、閉鎖したのか

http://melma.com/backnumber_45206_6581722/

中国は人口の多さで外国人を引き付けようとしますが、道徳が最低な民族であることを忘れないようにしてほしいです。近頃は中国人旅行客のマナーの悪さを身近に見る機会が増えたので、理解されるようになったと思いますが。

黄文雄氏も『なぜ中国人・韓国人は「反日」を叫ぶのか』の中で、中国人とは「人口最多、資源最少、欲望最大、道徳最低」と書いています。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族です。中国駐在時代ですから、10年以上前になりますが、中国人は1元のものを買うのでも、使えるかどうか、動くかどうか調べてから買っていました。不信社会(偽物が多い、その場でチエックしなければ退貨(返品)して貰えないからです)の為せる業。信用をベースにした日本社会とは全然別でした。因みに小生の勤務していた会社ではキャッシュ&デリバリー方式を採って、取引先から入金確認後、出荷していました。そうしないと焦げ付くためです。人民元の流通する2割が偽札と言われ、以前に本ブログでも書きましたようにレンタル自転車も返さないでゴミの山になっているような国です。

GDPの数字も外貨準備の数字も上げ底と言われています。中国の国内債務は以前の数字で33兆$もあると言われています。何時バブルがはじけるかが問題です。アリペイは日本の銀行に負担を負わせる悪巧みがあるのかもしれません。中国人の底意は日本人には到底考え就きません。日本の銀行は広東国際信託投資公司で朱鎔基が行ったことを思い出す方が良いでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXNASGV05002_V00C14A2000000/

中国経済を外資が支えているのが見えていますので、外資がさっさと逃げれば良いと思うのですが、$の海外流出制限で難しくなっているのかも。こういう国には金融制裁を課すべきです。早く経済崩壊させ、民衆による共産党打倒を実現してほしい。屍の山になるでしょうけど。その前に北の問題を片づけなければ。

http://japanese.joins.com/article/559/226559.html

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170821/mcb1708210500014-n1.htm

http://www.thutmosev.com/archives/66048401.html

さて、福島氏の解放軍絡みの記事ですが、宮崎正弘氏メルマガにも関連記事がありましたので紹介します。

9/8<毛沢東の孫=毛新宇も、張震の子=張海陽もリストから外された 党大会参加者名簿から多数が「落馬」。とくに太子党の大物が五人。>

http://melma.com/backnumber_45206_6580203/#calendar

9/8<郭文貴が正式に政治亡命をアメリカに申請した 中国は郭を搾取など53億ドルの被害とNYで訴追>

http://melma.com/backnumber_45206_6580302/#calendar

これらの記事を読みますと、習近平は本気で戦争したがっているのではと思えます。米国と直接対決はないでしょうけど。福島氏の言うように瀋陽軍を北朝鮮懲罰で、相互に戦わせ、漁夫の利を得ようと言うもの。ただ、これは核ミサイルが北京に向けて発射される危険性があります。瀋陽軍+江沢民派+北朝鮮と言う構図が正しければ、瀋陽軍と北朝鮮が一体となって習近平に牙を向くでしょう。

日本は戦争に備えなければなりません。憲法改正も間に合いませんし、戦争勃発となれば、憲法・法律停止、戒厳令でしか国難は乗り切れません。その時初めて国民の多数は誰が味方で、誰が敵かハッキリ分かるはずです。自分が信じて来た権威やメデイアと言うものが外国の侵略の手助けをしてきたことを。愚民民主主義の咎めですが。

記事

「中越戦争」経験者登用の理由は…(写真:Bridgeman Images/アフロ)

いったい何が起きているのか。党大会前に党中央軍事委員会メンバー4人が一気に失脚、更迭された。王岐山が6月22日から8月23日まで動静が不明で、きっと誰か大物が失脚するのだろう、といわれていた。王岐山が“大虎”を失脚させる前は、必ず動静が不明になる、というのがこれまでの慣例であった。7月14日に孫政才が失脚したあとも、王岐山は姿を隠し続けていたので、次は誰か? ひょっとして江沢民か? みたいな噂が飛び交っていた、と思ったら、なんと解放軍の統合参謀本部参謀長(旧総参謀長)の房峰輝や、2017年1月に退任するまで10年以上海軍司令の地位にいた呉勝利を含むエース級の上将たちが、8月30日までに失脚していた。習近平が軍制改革に切り込んで以降、軍内には習近平に対する反感がくすぶっていたが、この反感の芽を党大会前に根こそぎ排除しようということだろうか。

誰が失脚したか。房峰輝、呉勝利、そして政治部主任の張陽。張陽の部下だった杜恆岩(退役上将)。また空軍司令の馬暁天もすでに更迭されている。いずれも上将、軍で一番高位であり200万兵士のなかで30人あまりしかいない実力者だ。しかも房、呉、張、馬の4人は党中央軍事委員会(11人)の現役メンバーである。

房峰輝、張陽は胡錦涛が特に信頼していた上将たちで、ひそやかに「国軍派=解放軍に国家の正規軍としての位置づけを望む派閥」であったと噂されるので、習近平の目指す解放軍掌握、党の私軍化にとっては邪魔な存在になりえた。しかし、習近平が全面的に支持していたとみられる海軍、空軍トップの呉勝利と馬暁天までが失脚、更迭されたというのはどういうことだろう。

まず軍内胡錦涛派を排除

RFI(フランス国際放送華字ニュース)によれば、房峰輝はすでに失脚した軍長老、郭伯雄と近しい仲であったことが理由とされたもようだ。房峰輝は一般に、2009年の建国60周年軍事パレードの総指揮を務め、中央軍事委主席・胡錦涛を補佐した胡錦涛派テクノクラート軍人として知られているが、90年代に蘭州軍区にいて、蘭州軍区指令員の郭伯雄の寵愛を受けていたといわれている。1998年には少将に昇進、蘭州軍区21集団軍軍長の重職に就き、その後、北京軍区指令に抜擢されるのだが、このときも郭伯雄の強い推薦があったとされる。香港明報紙の報道によれば、2014年に徐才厚が汚職容疑で取り調べを受けたのち、郭伯雄にも汚職の疑いが出てきたとき、房峰輝は北京民族飯店で郭伯雄の家族と一緒に食事をしながら、「誰が老首長(軍内で使われる上官への敬称)に手を出そうとも、私が守って見せますよ」というような発言をしていた、らしい。

張陽も、胡錦涛が気に入って広州軍区政治委員から総政治部主任に抜擢された胡錦涛派の上将とされる。長く軍の政治工作任務に就いてきたから、当然、徐才厚との関係はあったと思われる。

そう考えると、習近平としては徐才厚、郭伯雄らすでに排除した軍長老の残党狩りの名目で、胡錦涛派の軍内勢力の排除も開始したといえる。もっとも当時軍の出世コースにのっていた将校で、徐才厚、郭伯雄と無関係な人間などいなかっただろう。これは軍内胡錦涛派排除の動きとみてよいだろう。

呉勝利排除の理由は“空母ショック”?

では、呉勝利の排除はどのように背景があるのか。呉勝利はすでに72歳、黙っていても完全引退は間違いないのだが、あえて「双規」で拘束し、罪に問う、その意図はどこにあるのだろう。今年一月には海軍司令を引退、その後継に南海艦隊司令だった沈金龍が就任した。習近平が南シナ海の島々の軍事拠点化戦略において沈金龍の功績を高く評価したからだ。

呉勝利は胡錦涛が出世させたという意味では、胡錦涛派とも言えるが、もともとは前任の張定発とともに江沢民派と見られてきた。対日強硬姿勢やハワイあたりを中心線として太平洋を米中で二分して統治する太平洋二分割論など、過激な思想は、強軍化と海洋覇権を強く打ち出す習近平とも意気投合し、習近平たっての願いを聞いて2012年以降も海軍司令を続投することにした、といわれている。少なくとも2012年以降の南シナ海のスカボロー礁実効支配および軍事拠点化戦略は呉勝利の指揮のもと行われ、それを習近平が全面的に支持していたことは呉勝利自身が発言していた。その呉勝利が2017年1月突然解任され、後任は呉勝利がかわいがってきた孫建国の頭越しに、習近平が信頼する沈金龍を就けた。なので、この二人の関係にひびが入ったというのは、なんとなく察せられたが、その理由ははっきりとはしなかった。一説には、初の中国建造空母・遼寧の演習指揮があまりにもお粗末で、習近平が激怒したのが原因ともいわれた。

2017年1月、米トランプ大統領と台湾・蔡英文総統の直接電話会談に対して怒った習近平政権が、台湾に圧力をかけるために遼寧号に台湾海峡を通過させる演習があった。しかし、このとき、台湾側の軍機が遼寧号の上空を飛ぼうが、遼寧号は何の反応もできず、空母であるにもかかわらず、戦闘機の夜間発着機能がないなど、遼寧号の欠陥を国際社会に暴かれてしまった。習近平は台湾に牽制をかけたつもりが、むしろ恥をかかされる格好になり、この気まずさをすべて遼寧号の指揮をとった呉勝利の責任だとして、海軍司令を更迭した、という話である。4月26日の初の完全国産空母の進水式に習近平も呉勝利も出席しなかったという異常事態は、この“空母ショック”が原因ではなかったかと噂された。

真の理由は「張定発事件」か

だが、もしそれだけなら、汚職で完全失脚させるほどのものではなかろう。習近平が呉勝利の何かを恐れて排除したとしたら、確かに思い当たる理由はある。かつて中国を揺るがせた胡錦涛暗殺未遂事件こと「張定発事件」に、呉勝利はなんらかの関係があるかもしれない、ということだ。張定発事件とは、2006年5月1日、黄海での演習を胡錦涛がミサイル駆逐艦に乗船して視察中、両脇の駆逐艦が胡錦涛の乗艦にむかってミサイル誤射をした事件。胡錦涛は艦上ヘリで離脱し、一命を取り留めたが、5人の兵士が巻き添えになった。事件当時の海軍司令・張定発はその年の暮れ、謎の病で死亡。ミサイルを発射した兵士は胡錦涛を暗殺すれば昇進が約束されていたと取り調べで白状したらしいが、その命令がどこから来たのか真相は突き止められなかった。

そして事件後、呉勝利が正式に海軍司令に任命される。この事件は一般に、江沢民が胡錦涛を亡き者にしようと、江沢民派の海軍司令・張定発に命じて、事件をしくみ、張定発自身は病気を理由に現場におらず、無関係を装うとした、というストーリーが推測されている。呉勝利の出世は、胡錦涛は呉勝利が事件に直接かかわっていないと判断した結果とみられている。だが、冷静にみれば、この事件自体が迷宮入りになった以上、この事件で出世を遂げた呉勝利が完全にシロという確証もないのである。

何度も暗殺未遂を経験し、歴代総書記の中でもっとも暗殺を恐れているといわれる習近平にしてみれば、歴史に残る暗殺未遂事件にかかわっているかもしれない呉勝利のことは完全には信用できなかったのではないか。

また一説によれば、呉勝利が大連海軍艦艇学院院長だったころ、すでに失脚した薄熙来ときわめて親密な間柄であったことなどが、習近平の不信を呼んだともいわれている。

ちなみに呉勝利の汚職は2015年ごろからいろいろ噂に流れていた。郭伯雄の汚職に連座していたということが、劉暁江(退役上将、胡耀邦の女婿)によって2015年3月に内部告発されていた。具体的にいえば、呉勝利の妻が上海の天虹国際ホテルなどの不動産プロジェクトにおいて利益供与関係があるとか。元海軍中将の王登平の買官問題とか。

このときは、おそらく呉勝利は一度取調べを受けていた。だが、当時は習近平の信任を得ていたこともあり、また南シナ海戦略において重要な役割を担っていたこともあり、この件についてはいったん無罪で放免されたのだろう。あるいは習近平自身に、まだ海軍で強い影響力を持つ呉勝利の排除が可能なほど実力を持っていなかった。

馬暁天については、まだ汚職による失脚とは断定されていない。しかし、空軍司令を早々と解任され、その動静が途絶えていることから失脚説が流れ始めた。馬暁天はもともと胡錦涛派とみられていたが、習近平が軍事委主席になった後は、完全に習近平派とみられていた。徐才厚の電撃拘束も、習近平の密命を受けて、空軍主導で行われたといわれている。馬暁天の父は、馬載尭(大校=大佐に相当)元軍隊政治学院教育長、岳父が元党軍事委員会規律委員副書記の張少華(中将)という解放軍紅二代に属するサラブレット軍人。今年、定年年齢68歳なので単に年齢に伴う解任の可能性もまだ残るが、呉勝利、房峰輝、張陽の拘束情報が流れると、彼だけ無事なはずはあるまい、という気もする。

毛沢東以来の大粛清

習近平が江沢民派軍長老の徐才厚、郭伯雄を失脚させたのち、軍権掌握のために七大軍区を五大戦区に編成し直すなど、思い切った軍制改革を断行、それに伴い軍の少将以上60人以上を一期に徐・郭汚職に連座したとして失脚させたほか、追いつめられた少将15人以上が自殺(あるいは不審死)を遂げた。しかし、それでも習近平は軍権掌握に自信が持てず、2017年には、さらに中将および上将47人を更迭。そのうち現役上将は18人、現役中将は25人に上る。これに加えて今回、3上将の失脚、1上将の更迭。この穴を埋めに中央軍事委員会入りするのは、房峰輝の後任の李作成(前陸軍司令)、張陽の後任の苗華(海軍政治委員)、馬暁天の後任の丁来杭(前北部闘区指令)ら、習近平への忠誠を誓う子飼いの部下たちだ。

次の党大会では現在の党中央軍事委員会メンバーで主席の習近平をのぞく10人の上将全員が総入れ替えとなるという噂や、二人であった副主席を4人に増やし、制服組の権力を分散させるといった見方も流れている。いずれにしろ、毛沢東以来の軍内大粛清進行中だとみられている。

習近平はこれほどの軍の粛清を通じて、何を目指しているのか。単に軍権掌握だけが目的なのか。徐才厚・郭伯雄派残党一掃だけが目的なのか。だが、軍ハイレベルのこれほどの人事入れ替えを一気に行えば、当然軍内の不協和音は増大し、不安定化する。特に習近平に重用されていたように見えていた呉勝利や馬暁天の失脚、更迭はいかにも使い捨てといった印象で、むしろ最高司令官としての習近平への忠誠よりも、習近平に対する恐れや疑心を生む可能性があるのではないか。

中越戦争経験者を配し「実戦」準備か

フランス戦略研究基金会の研究員がRFIの取材に答えて、興味深い発言をしていた。「習近平の今の軍制改革および大粛清は、南シナ海、東シナ海および中印国境での戦闘準備を意識してのことだ」と。いわゆる年功序列ではなく、実戦向きの中越戦争経験者の抜擢などが目立ち、実際の戦争を意識している人事だという。

たとえば参謀長に抜擢された李作成などは中越戦争で実際の作戦経験がある。軍制改革によってつくられた五大戦区のうち、東部戦区、西部戦区、南部戦区の司令はいずれも中越戦争で前線にでている。もちろん、陸軍司令に大抜擢された韓衛国(上将)のように習近平となじみがある福建駐屯第31集団軍(通称アモイ軍)出身の“お友達人事”の側面も強いが、そうした人事で生じた不協和音は、“⼿ごろな戦争”をして、戦績をあげさせることで、なんとか解消しようということなのかもしれない。

RFIは南シナ海、東シナ海、中印国境の紛争懸念を具体的に上げたが、私はこれに加えて、徐才厚派が依然多い旧瀋陽軍区(北部戦区)の部隊を対北朝鮮作戦の前線に送り込む形で、北朝鮮懲罰戦争みたいなものをやらかす可能性なども、少し頭の片隅においている。徐才厚派残党の粛清と中国の手に負えなくなった北朝鮮への懲罰、そして強軍化アピール、内政問題に対する大衆や党内の不満の発散が同時に行え、しかも国際社会から評価されるやもしれない。これは決して日本にとって都合のよいシナリオだとは思えないので、そうならないように祈ってはいる。いずれにしろ、習近平政権が行っている党大会前の解放軍人事は、単なる内政問題、権力闘争を越えて、なにか国際社会も巻き込みそうな不気味なものを感じるのである。

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