『人民解放軍、徴兵検査「不合格率57%」の影 忍び寄る一人っ子政策と急成長の“後遺症”』(9/1日経ビジネスオンライン 北村豊)について

8/31宮崎正弘氏メルマガ<インドがベトナムへ「ブラモス・ミサイル」を供与へ マッハ2・8,射程290キロのスグレモノ、南シナ海へ投入か>の中に、阿南友亮氏の『中国はなぜ軍拡を続けるのか』(新潮撰書)についての書評がありました。中国軍の実力について学術的・客観的に書かれた良書とのことです。人民解放軍は「外敵」と言うよりは「国内平定」が主敵とあります。どこが人民を解放するのだか、天安門のように人民を虐殺する為の軍隊というべきでしょう。

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北村氏の記事を読んでも分かる通り、中共軍のひ弱さが浮き彫りになり、米軍に対抗する力は持ち合わせていないと阿南氏は見ているようです。勿論、軍事力を裏から支えるのは経済力で、ゴーストタウンしか作っていない国の真の経済力(GDPが437兆円とも言われる)が如何ほどのものか、大騒ぎすることはないとの見方もできるという事でしょう。でも、油断は大敵、習近平は革命を輸出すると言うよりは、中国の冊封体制を世界に広げようとしているのではと思われます。そのために、一党独裁ならぬ一人独裁を目指し、党主席の復活を狙っていると考えています。

習は「戦える軍隊。戦えば必ず勝つ精鋭部隊になれ」と豪語していました。嘘が得意な中国人であっても、リスク管理上はそれなりに計算して対応しませんと。また中国人は目先だけでなく、50年、100年先を考えて行動していきます。危険な芽は早めに摘んだ方が良いでしょう。共産主義と言う人権抑圧機構を世界に広げさせないために。

また中国の反日教育の影響も大きいでしょう。南京虐殺30万人説を信じ込まされていますので、日本人は何人殺しても良い、原爆を投下するのは当り前と思う人間がいてもおかしくありません。教育の恐ろしさです。今の日本人が腑抜けになったのも教育のせいですから。

記事

7月、中国人民解放軍の建軍90周年を祝うパレードが内モンゴル自治区で行われた。精鋭兵士たちの陰には「57%の不合格者」たちが…(写真:ロイター/アフロ)

中国の『兵役法』によれば、中国は徴兵制を敷いているが、志願者だけで新兵枠が満たされることから、1949年に中華人民共和国が成立してから今日まで強制的な徴兵は行われておらず、実質的には「募兵制」と変わりない。

徴兵に応じた若者たちは“体検(身体検査)”に合格することによって、“中国共産党”が創設して指導する“中国人民解放軍”(以下「人民解放軍」)の兵士になることができる。人民解放軍は中華人民共和国の武装兵力であり、「国防を強固にし、侵略に抵抗し、祖国を守り、国民の心安らかな労働を守り、国家の建設事業に参加する」ことを任務としている。

2017年4月時点における人民解放軍の兵員数は約230万人で、その内訳は、陸軍:160万人、海軍:23万人、空軍:40万⼈などであり、この他に“武装警察部隊”:66万⼈の存在があった。なお、陸軍は大幅な兵員削減が予定されており、近い将来に100万人を切るという。

“小鮮肉”は要らない

しかし、国の要と言える重要な任務を担う中国人民解放軍兵士になるための徴兵身体検査(以下「徴兵検査」)で志願者たちの合格率が大幅に低下しているという。中国のSNS“微信(Wechat)”の公式アカウント「“中国民兵”」は8月18日付で、「今年の徴兵検査の不合格率は計測不能、その十大問題を暴露する」と題する記事を掲載した。同記事は中国政府“国防部”のウェブサイトにも掲載されたことから、事態の深刻さが見て取れる。その概要は以下の通り。

【1】今日、軍人は精神、能力、気概、人徳を持っていなければならない。未来の戦場では風に吹き飛ばされるくらいひ弱な“小鮮肉(かっこいい若者)”は必要ない。必要なのは戦えば必勝し、体力・気力ともに頑強な不屈の硬骨漢であり、彼らがその使命を全うして初めて家を守り、国を守ることができる。各地で行われている徴兵検査が終わりに近付いているが、そこでは安閑としていられない困った状況が出現している。

【2】今年は徴兵検査を受ける⼈数が各地の検査所で平均して増⼤したが、困ったことに徴兵検査の不合格率が上昇している。調査によれば、某市では徴兵検査の不合格率が56.9%に達し、人々を驚かせた。18~19歳の若者が徴兵検査で次々と不合格になっている現実を見ると、その理由を考えざるを得ない。その問題は何なのか、また、その病根は一体どこにあるのか。

甘味料、膨化食品、スマホ、ソファー…

【3】某“地級市(二級行政単位)”で行われた徴兵検査のデータからは10項目の問題点が見て取れる。不合格となった理由の詳細は以下の通り。

(1)血液検査、尿検査による不合格:  アミノ基移転酵素(transaminase)の数値が基準値よりも高くて不合格となった人は不合格者全体の17%を占め、血小板凝集、尿酸、ケトン体の数値が基準値よりも高くて不合格になった人は不合格者全体の28%を占めた。これは肝臓・胆のう・腎臓の機能損傷、脂肪肝などが原因である。専門家によれば、飲水が少ない、あるいは長期にわたるサイダーやコーラ、甘味料などの化学製品を含んだ飲料、アルコール分を含む酒類の飲用、“火鍋(寄せ鍋)”や膨化食品(膨らませたスナック菓子)を⾷べ続けることによって引き起こされる。酒の飲みすぎや徹夜のし過ぎも原因になる。肝臓・胆のう・腎臓に問題が出ると、たとえば非ウイルス性肝炎でアミノ基移転酵素が基準値を超えると、伝染病ではないので他の戦友に影響することはないが、厳しい訓練の下では、容易に肝臓を損傷し、甚だしい場合は急性肝不全や急性肝昏睡を誘発する。

(2)視力による不合格:《基準値:右目=0.4、左目=0.3》  視力が基準値に達せず不合格になった人は不合格者全体の46%を占めた。その内訳は、両眼視力が0.4以下の人が3分の2を占め、乱視、斜視の人が3分の1を占めた。この原因は、目の衛生や疲労をおろそかにする、長時間スマホを見るなどである。視力が不合格では戦場で敵を正確に攻撃できず、最悪の場合は敵の標的になる。

(3)体重による不合格:《基準値:男=標準体重(身長-110)×30%を超さない、標準体重の15%を下回らない、女=標準体重×20%を超さない、標準体重の15%を下回らない》  体重が基準値に達せず不合格になった人は不合格者全体の20%を占めた。体重の基準は緩やかだが、体重が基準値超過の若者が増加している。この主要な原因は、不規則な生活、偏った飲食、身体鍛錬に対する非積極性などだが、肥満は高血脂、高血圧などをもたらし、余病の併発率を高める。肥満者は軍人になれない。青年が一度入隊すれば、祖国を守る重い任務を担い、軍人は任務を執行せねばならず、高い塀を乗り越えられない、走れない、武器を担げない、敵の急襲に耐えられないでは、どうやって戦いに勝利できようか。

(4)男性の精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)による不合格:  精索静脈瘤により不合格となった人は不合格者全体の8%を占めた。大部分が軽度であり、重度の者は少数であった。この原因は、長時間にわたり“葛優躺(ソファーに廃人のようにぼけっと座ること)”<注>を続ける、長時間座ってコンピューターゲームを行う、過度のマスターベーション、少ない運動量などである。精索静脈瘤は、潜水、空からの降下など冷熱の温度差が大きい場合に血管の破裂や損傷をもたらし、急性の炎症や腹痛などを引き起こす。最悪の場合は厳しい訓練により不妊症に至らしめ危険性がある。

<注>俳優の“葛優”が1993年に喜劇「私は我が家を愛する」の中で演じたソファーの座り方。非常に評判を呼び、“葛優躺(葛優座り)”と呼ばれるようになった。

血圧、入れ墨、腋臭、心理テストでも

(5)心臓、血圧による不合格:《血圧基準値:(上)90~140mmHg、(下)60~90mmHg》  心臓、血圧により不合格となった人は不合格者全体の13%を占めた。不整脈、心臓の早期収縮、高血圧などの多くは、徹夜、でたらめな運動などによって引き起こされる。潜在的な心臓病や高血圧などの病気を抱える人は激しい軍事活動には適さない。

(6)“文身(入れ墨)”による不合格:  顔や首の入れ墨、軍服やその他トレーニングウエアーを着て露出する部分に長さ3cmを超える入れ墨、その他の部分に長さ10cmを超える入れ墨、男性の眉・アイライン・唇の入れ墨、女性の唇の入れ墨は全て不合格である。入れ墨は我が軍の軍容や風采に影響するだけでなく、戦場で負傷した際に傷の状況を迅速に判断して処置するのを困難にする。

(7)耳鼻咽喉の炎症による不合格:  耳鼻咽喉の炎症により不合格となった人は不合格者全体の7%を占めたが、その主体は中耳炎、鼻炎(外鼻道炎、蝶形骨洞炎、上顎洞炎、篩骨洞炎など)、急性咽頭炎などであった。主たる原因は風邪や耳道に水が入ったのを軽視して治療をせずに放置して慢性的な炎症になったもので、治療は長引く。

(8)腋臭(わきが)、偏平足による不合格:  これらは遺伝性の疾患だが、わきがの人は集団生活への適応が難しく、さらに作戦中に目標を特定しやすくするので、軍隊には向かない。

(9)心理テストによる不合格:  心理テストにより不合格となった人は不合格者全体の1.6%であった。その多くはうつ病、自閉症、二重人格、強迫神経症、偏執症などであった。

(10)風土病(=地方病)による不合格:  風土病により不合格となった人は不合格者全体の3.4%であった。それは“大骨節病”、踝(くるぶし)や肘(ひじ)の外反、膝が45%以上曲がらない症状、肝臓・胆のう・腎臓の結石などで、地元の水質の悪い硬水を長期にわたって飲用したことに起因する。

中国では“兵役登記(兵役登録)”という規則があり、毎年12月31日までに満18歳になった男性国民は『兵役法』に基づき、兵役登録の義務を履行することが規定されている。なお、毎年12月31日までに満17歳で18歳になっていない男性で高校(中等専門学校、高等職業校、技術学校を含む)卒業生は本人の意思で兵役の志願登録ができる。兵役登録の期間は、翌年の1月1日から6月30日まで、志願登録は1月1日から8月5日までとなっている。また、女性については、必要に応じて男性に準じた形で徴兵を行うとある。

『兵役法』に基づいて制定された『徴兵工作条例』の第3条には、「毎年12月31日以前に満18歳の男性国民は招集されて兵役に服さねばならない。その年に招集されなかった者は22歳以前までは依然として招集されて兵役に服す可能性がある」とある。要するに兵役登録して自ら志願する人で新兵枠が埋まれば問題ないが、志願者だけでは足りない時には22歳までは招集される可能性があるということである。但し、現実には志願者だけで枠が埋まっているので、兵役登録は形式だけで志願しない限り兵役の義務からは免れる。

一人っ子政策下の“90后”

かつて解放軍兵士と言えば、苦しい環境で育った農村部出身者で構成されていたが、今やその主体となっているのは“90后(1990年代生まれ)”の都市部出身者であり、その多くが一人っ子である。今年、徴兵検査を受けたのは、昨年(2016年)12月31日までに満18歳になっていた1998年生まれの“90后”である。

中国は1992年の“春節(旧正月)”に“鄧小平”が行った“南巡講話”を契機として「社会主義市場経済」の構築を掲げて経済発展を進め、飛躍的な経済成長を遂げた。2004年には名目GDPでイタリアを抜き世界第6位の経済規模となり、2006年には英国、フランスを抜いて世界第4位、2007年にはドイツを抜いて世界第3位、2010年には日本を抜いて世界第2位の経済大国となった。

1998年生まれの若者は、中国が経済の躍進を遂げ、富裕化する中で成長した。彼らの大多数が“独生子女政策(一人っ子政策)”の強制を受けた一人っ子であり、両親のみならず、父方と母方の祖父母からも可愛がられ、甘やかされて育った。衣食に不自由はなく、何か欲しい物があれば買ってもらえる。そんな環境の下で育てられた彼らが人民解放軍の兵士を志願して、徴兵検査を受けた結果が不合格率56.9%につながったのだった。これは某市で行われた徴兵検査の結果であって、全国を総合した結果ではないが、恐らく各地の結果は似たり寄ったりではないだろうか。

親のすねをかじって怠惰な生活を送り、毎日パソコンやスマホでゲームに熱中し、好き嫌いが激しくて偏食し、大量の炭酸飲料を飲み、就寝は深夜で起床は昼前。こうした日々が続けば、自ずと肥満になって脂肪肝や高血圧になり、近視の度が進み、やることがないからオナニーにふける。流行だからと身体に入れ墨をいれる輩(やから)も出てくる。そんな彼らが徴兵検査を受けたところで、合格する可能性は高いはずがない。某市で合格した43.1%の若者たちにしても、全員が立派な人民解放軍の兵士になれるという保証はないのだ。

2013年に中国の軍関連メディアは、「“独生子女兵(一人っ子の兵士)”は闘志と苦労に耐える精神が欠乏している」と報じ、「26%の一人っ子の兵士が厳しい訓練に耐えられずに除隊を要求している」と伝えている。当然ながら、過去の農村部出身兵士に比べて、都市部出身兵士は教育や文化の水準が高く、人民解放軍の中で絶えず増加する新たな技術兵種に適応し、複雑な現代兵器を習得することも早いが、最も肝要な精神と忍耐の面で劣っているという。

上述した「中国民兵」に掲載された徴兵検査の記事を読んだネットユーザーからは次のようなコメントが書き込まれた。

(a)毎日ネットにアクセスしたり、スマホを操作して、夜までゲームとオナニーにふけっているような奴が健康であるはずがない。

(b)今の若者の生活は快適過ぎる。彼らは一日中“葛優躺(葛優座り)”をしているだけで、役に立つことは何もしない。

拒否の罰金、1万元

さて、ニュースサイト“中国網(ネット)”は2015年12月28日付で兵役拒否した5人の“90后”に関する記事を報じた。

12月24日、河南省“商丘市”の管轄下にある“虞城県”の徴兵事務所は兵役の服務を拒否した若者5人に対する処理公告を発表した。“90后”である5人は、2015年9月に兵役の志願登録を行い、徴兵検査に合格して晴れて兵士となって部隊に配属された。しかし、志願してなった兵士の生活は厳しく辛いものであったし、部隊の規律や約束事で束縛されたくなかったことから、除隊を申し出たのだった。部隊は5人に対して何度も説得を試みたが、彼らの思想(考え方)は変わらず、思想を理由とする除隊として処理された。

処理公告によれば、彼ら5人の行為は『兵役法』並びに『徴兵工作条例』およびその関連法律・法規に違反し、兵役服務拒否の違法行為を構成するとして、以下の処罰が下された。

1)経済処罰:罰金1万元(約16万円)を地元の鎮政府に納付すること。納付を拒否すれば、“虞城県人民法院(下級裁判所)”によって強制執行がなされる。

2)公務員および公務員が所管する労働者としての採用は不可。

3)2年間、公安機関による出国手続きを受けられない。

4)2年間、教育部門による進学手続きを受けられない。

5)共産党員(あるいは“共産主義青年団員”)の場合は当該組織の権限で厳粛に処分する。

6)『虞城県兵役服務拒否者ブラックリスト』にその名を載せて、メディアを通じて社会に公表する。

中国の人民解放軍は世界最大の軍容を誇るが、それを構成する若い兵士に闘志と忍耐の精神が乏しいことは上記の記事からもうかがい知ることができる。かつて日本でも「またも負けたか8連隊」という言葉があり、大阪出身者の部隊である8連隊は弱いとされた。これは8連隊には大阪商人や金持ちの子弟が多かったことに起因するというが、実際に弱かったかどうかは分からない。果たして、人民解放軍の主体である若い兵士はどうなのだろうか。

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