『四面楚歌のトランプ、弾劾は時間の問題か 全米で次々提訴され、ロシアゲート捜査は核心に迫る』(6/16JBプレス 堀田佳男)、『目の前に迫ったトランプ退任、ペンス大統領就任 予算教書で明らかになった”まさか”の無知無能ぶり』(6/15JBプレス伊藤乾)について

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6/16渡部亮次郎氏メルマガから杉浦正章氏のブログで、トランプの今後の行方について書かれたものがありました。トランプ対マスコミの対立は長丁場に FBIとCIAを敵に回して低空飛行 一時は特別検察官解任へと動く

CNNから初閣議を「まるで北朝鮮の閣議だ」と酷評されては、トランプも形無しだ。どうもトランプの打つ手は田舎芝居じみており、稚拙だ。

その原因を探れば、政権が素人集団だからだろう。ワシントンで昔から言 われている政権維持の要諦は3つある。「連邦捜査局(FBI)を敵に回すな」 「敵になりそうなものは抱え込め」「ばれるような隠ぺいはするな」である。

1つでも守らないと政権は危機に瀕するといわれ、歴代政権が重視してきたポイントだが、トランプは3つとも破っている。まさにハチャメチャ大統領による五里霧中の低空飛行だ。

政権発足以来5か月たってやっと23人の閣僚がそろって12日に開いた閣議がなぜ「北朝鮮の閣議」かといえば、見え透いたお追従強要閣議であった からだ。冒頭20分間をテレビに公開したが、まずトランプが「我々は驚異的なチームで、才気にあふれている」と自画自賛。次いで閣僚に発言を求めたが、根回し済みとみえて、ごますり発言が相次いだ。

史上初のゴマすり閣議だ。メディアが「賞賛の嵐」と形容したほどだ。 CNNが「賞賛度第1位」に挙げたのが副大統領ペンス。何と言ったかという と「大統領を支持するという国民への約束を守る。大統領に奉仕できるの は人生最高の特権です」と大ゴマをすった。

そして次から次へと歯の浮く ようなお追従を閣僚が繰り返した。まさに世界最強の民主主義国の閣僚 が、皇帝トランプにひれ伏すの図であった。

司法長官セッションズの議会証言もトランプの意向が強く働いたもので あった。もともとセッションズとトランプは不仲と言われており、一時は辞任説も流れた。ところが14日の議会証言では打って変わった“忠節”ぶり を示した。どのような忠節ぶりかと言えば、トランプが窮地に落ちいった ロシアゲートの全面否定である。

ロシアとの共謀を強く否定し、そのよう な主張は「おぞましく忌まわしい嘘」だと述べたのだ。

さらにトランプは身内を使ってすぐにばれるような芝居を続けた。親しい友人であるクリストファー・ラディに「大統領は特別検察官の解任を検討している」と発言させたのだ。ニューヨーク・タイムズは13日、トランプが実際にモラー解任に動き、夫人メラニアが止めたと報じている。

先月 特別検察官に任命されたモラーはワシントンで与野党を問わず信頼を集め ている人物だ。ニクソン政権のウォーターゲート事件やエネル ギー大手エンロンの粉飾決算事件を扱った経験者らを集め、強力なチームを編成して ロシアゲートの捜査任務に着手している。ラディ発言には反発が大きく、 ロシア介入疑惑を調べている下院情報特別委員会の民主党メンバーのトッ プ、シフ議員はツイッターで、「大統領がモラー氏を解任した場合は議会が直ちに独立検察官を設置し、そのポストにモラー氏を任命することにな る」と述べたほどだ。

慌てて報道官スパイサーに否定させたが、トランプ はマッチポンプでモ ラーとFBIをけん制したつもりなのであろう。

こうしてトランプは身内を固めようとしているが、最大の問題は敵に回 してはいけないFBIを敵に回していることだ。前長官のコミーは8日の証言 で「トランプからロシアゲートの捜査中止を求められた」と述べると共に、トランプとの会談のメモを明らかにした。捜査中止命令は大統領による司法妨害であり、ウオーターゲート事件の核心でもあったほどだ。

FBIだけではない中央情報局(CIA)まで敵に回した。前長官ブレナンは23 日に議会で「ロシアが昨年の大統領選挙にあからさまに介入し、非常に強引に米国の選挙に入ってきた」とロシアゲートの実態を明らかにしている。

議会証言はFBIとCIAの前長官が疑惑の存在を明らかにして、“忠犬”に戻ったような司法長官セッションズだけが否定するという構図である。

誰が見ても信用出来るのはFBIとCIAであって、司法長官ではあるまい。こう した捜査当局の資料を基に特別検察官が捜査するのだから、その結果は火を見るより明らかなものとなろう。

今後の展開としては①準レームダック化して来年の中間選挙までは続く②弾劾が早期に成立する③副大統領が大統領の執行不能を宣言する④いつかは不明だがモラーが政権直撃の捜査結果を公表してトランプが窮地に陥るー などが考えられる。

①についてはトランプの支持率が38.6、不支持率が 56.0であることが物語るように、下院が中間選挙で民主党優位に逆転する可能性が高い。従って過半数で弾劾を発議出来る可能性があるが、上院の3分の2の壁があり、共和党が弾劾に回らなければ困難だ。ニクソンの場合は民主・共和両党の合意で弾劾が可能となり、弾劾を待たずにニクソンは辞任している。そうした事態に発展するかどうかで決まる。従って②の弾劾早期成立は困難だろう。③の副大統領による解任も、トランプが精神的な異常を来すなどよほどのことがないと難しい。 アメリカ合衆国憲法修正第25条は副大統領が大統領の執行不能を宣言できるとしているが、まだ発動されたことはない。従ってトランプの低空飛行は継続するが、ホワイトハウスの記者団を中心とするマスコミとトランプの対立は衰えることなく 長丁場化して継続する方向だ。>(以上)

堀田氏の記事にありますように、利益相反問題が起きているならば、トランプは直ぐにでも解消すべきと思っています。日本には「李下に冠を正さず」、「瓜田に履を納れず」という諺もあります。トランプに誰か教えてやった方が良いでしょう。「強いアメリカの復活」を目指して大統領にまで上り詰めたのですから、こんなことで大統領を棒に振ることはないと思います。既に財は為したのだから、当初の目標実現に邁進して貰いたい。

大統領の免責特権の話を読むと、ビル・クリントンの女好きが浮き彫りになります。名前が出ているモニカ・ルインスキーやポーラ・ジョーンズは氷山の一角で、手を出したのはあまた居ると思われます。ケネデイも似たり寄ったり、FDRも、です。全部民主党です。まあ、日本の買春事務次官よりはスマートですが。金か権力の違いはあります。

FBIやCIAの言っていることが正しいかどうか分かりません。FBIのフーバー長官時代やCIAのダーテイ工作を思い浮かべればすぐに理解できるでしょう。彼らの発言を与件として考えるのではなく、証拠による事実の積み重ねで判断すべきでは。日本の森友・加計問題と同じく印象操作でマスメデイアが政権を貶める構図に似ています。日米共にメデイアは左翼かリベラルだから、でっち上げを恥じずにできるのでしょう。米国はそれに、国際金融資本が重なりますので、一層大変です。FBIやCIAにはオバマ民主党の残党が巣食っており、彼らがいろいろリークして、トランプを倒そうとしているのでしょうけど。そもそも大統領選にロシア介入疑惑があったとするならば、オバマは大統領として防御もできたはずです。ヒラリーが勝つことを疑っていなかったから、油断したのでしょう。負けてから蒸し返すのは卑怯者のやることです。

ただ予算教書の中で、中国に対抗するため軍事力強化には大賛成ですが、研究開発投資を減らすと全世界の研究者に対し米国の魅力を半減させるのではと危惧します。強いアメリカの復活は出来なくなるのでは。

伊藤氏の国連信仰は多数の日本人と同じです。リベラルな人間としか付き合ってないから、見えないのでしょう。国連で今まで何が起きて来たかを良く見た方が良い。P5の仕組みがうまく行っているのか?戦争のない世界が実現できているのか?国連の役人の腐敗ぶりを知っているのか?人権理事会の構成国を知っているのか?(一番人権弾圧している中国が理事国に入っています。ブラックジョークとしか言いようがない。だから中国は人権理事会を利用して、日本を貶めるプロパガンダを続ける訳です)。昨日の小生のブログに書きましたように、長谷川慶太郎氏の意見、「日本はG7メンバ-+NATOメンバーになる。機能不全の国連ではなく、新たな国際的な枠組みとしてそれを活用していけば良い」と考えます。NATOに入れば、当然相互扶助で、加盟国が侵攻されれば、当然出動義務は発生します。ただ、中国の日本侵攻にとって大きな抑止力となります。リスクよりメリットの方が大きいでしょう。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/12/index3.html

http://www.sankei.com/world/news/151007/wor1510070035-n1.html

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_003868.html

堀田記事

ドナルド・トランプ米大統領。ホワイトハウスで(2017年6月6日撮影)〔AFPBB News

過去1週間でドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が立て続けに提訴されている。

大統領を有罪にすることは可能なのか。今後の見通しと、5月15日に当欄で論じた弾劾の可能性(「トランプ大統領が弾劾される可能性は50%」)についても改めて述べていきたい。

まず提訴について記したい。

1つ目は米首都ワシントンとメリーランド州の両司法長官が12日に起こしたものだ。

すべての事業を息子に引き継いだと言うが・・・

トランプは昨年9月、ホワイトハウス近くに「トランプ・インターナショナル・ホテル」を開業。もともとはオールドポスト・オフィスという商業施設で、トランプがホテルに改装した建物である。1泊5万円超の高級ホテルだ。

大統領就任前、トランプは数百に及ぶ事業のすべてを息子2人に引き継ぎ、同ホテルの利益は国庫に納めると述べた。

だが両長官は、トランプがホテル事業などで依然として報酬を得ているばかりか、外国政府から多額の利益を上げていると指摘。サウジアラビア政府などはすでに同ホテルで数十万ドルを使途したという。

提訴の柱になっているのは「報酬条項(第1章第9条第8項)」という憲法のくだりである。大統領に限らず、連邦職員は連邦議会の同意なしに外国から「贈与、支払い、利益」を受けてはいけないというルールがある。

ただ1回20ドル(約2200円)までであれば許可される。手土産の範疇である。トランプは息子に任せたと言ったが、ホテル事業などで、いまだに利益を得ているというのだ。

もう1つの訴訟も「報酬条項」の違反である。ただ原告は連邦上下両院の約200議員で、民主党が議員団を結成して連名でトランプに反旗を翻した。

トランプが憲法違反を犯しているという主張は、状況を冷静に考察する限り、トランプを政権の座から引きずり下ろしたいという野党の願望の具現化である。筆者としては、トランプを政権の座から引きずり下ろすことに異論はないが、現実はそう簡単ではない。

メディアはあまり論じていないが、米大統領には免責特権がある。大統領が持つ広範な特権で、民間の訴訟から免れられるのだ。

理由は、大統領は日々の職責の遂行を最優先にすべきであり、個人の訴訟に時間と労力を割くべきではないとの判断である。そのため、今回のような司法長官や連邦議員による提訴であっても、裁判所(ここでは地方裁判所)は訴訟を却下できる。

訴訟となれば膨大な時間が取られる。トランプの顧問弁護士が実務をするとはいえ、トランプも証言をしたり、出廷したりする必要が生じてくる。仮に裁判所が提訴を受理したとしても、トランプの大統領任期中は審理を止め、任期を終えてから裁判に入ることも考えられる。

裁判で負けたビル・クリントン元大統領

ただ例外もある。ビル・クリントン元大統領のセクハラ訴訟である。

クリントン氏と言えばモニカ・ルインスキーさんとの情事が思い起こされるが、実はポーラ・ジョーンズさんというアーカンソー州職員からセクハラ訴訟を起こされていた。

訴えが起こされたのは、クリントン氏が大統領に就任した翌1994年。懲罰的損害賠償として85万ドル(約9350万円)の支払いを求められた。

だがアーカンソー州地裁は大統領特権を重視し、ジョーンズさんの訴えを却下。しかし、ジョーンズさんはすぐに控訴する。

連邦控訴裁では、大統領であっても法の下では平等であるとの理念から、審理が継続されることになった。つまり大統領特権はすべての訴訟で有効ではないということだ。

クリントン氏は最高裁に上訴申請をし、裁判は長引く。最終的には1998年になってクリントン氏側が折れて、ジョーンズさんに和解金として85万ドルを支払うことになった。結果的には大統領の負けである。

トランプ訴訟の今後の流れとしては、弁護団が裁判所に訴訟の却下を求めてくるはずだ。その時に裁判所がどう判断するか。却下するのか、審理を継続させるか、判事の判断に委ねられている。

それよりも、今後トランプがより大きな危機に見舞われると思われるのが、ロシア政府による昨年の大統領選へのサイバー攻撃とトランプ陣営の関係である。いわゆるロシアゲートだ。

6月8日の連邦上院情報特別委員会の公聴会で、実はジェームズ・コミー前FBI(連邦捜査局)長官が、今後のトランプ政権を揺るがしかねない発言をしている。ロシア政府による選挙介入があったと断言したのである。その場面の質疑応答を抜粋したい。

上院情報特別委員会での証言

リチャード・バー上院議員「(ロシアからの)サイバー攻撃に最初に気づいたのはいつですか」

コミー氏「最初のサイバー攻撃・・・、ロシア政府が主導した最初のサイバー攻撃は、覚えている限りでは2015年夏の終わりでした」

バー議員「民主党全国委員会(DNC)と民主党議会選挙対策委員会(DCCC)が標的でしたか」

コミー氏「その通りです。政府関係組織だけでなく、政府以外の団体も標的にされていました」

バー議員「どれくらいの個人・組織・団体が標的にされていたのですか」

コミー氏「たぶん数百です。1000以上かもしれません」

(中略)

バー議員「ロシア政府が州政府の有権者登録ファイルにサイバー攻撃をしかけたことに、疑いはありますか」

コミー氏「ないです」

バー議員「ロシア政府高官がサイバー攻撃を熟知していたことに疑いはありますか」

コミー氏「ないです」

この証言から分かることは、ロシア政府が昨年の大統領選に大々的に関与していたという事実だ。コミー氏は疑いようがないと明言した。

ただ、同氏はロシア政府とトランプ陣営がどう関わっていたかについての言及は避けた。それはロバート・モラー元FBIが特別検察官として現在捜査を進めている最中だからである。

ロシア政府が大統領選に介入していた件については、前CIA(中央情報局)長官のジョン・ブレナン氏も5月23日、連邦下院の公聴会で次のように証言している。

諜報機関のトップがロシアによる関与を断言

「ロシア政府は大統領選にあからさまに介入していました。さらにトランプ陣営に関わる複数の米国人との間にやりとりがありました。その証拠に遭遇しています」

すでに辞めた2人の諜報機関のトップがロシア政府による大統領選関与を断言したのだ。しかもウソをつけば偽証罪に問われる公聴会という場においてである。

しかし、現職のジェフ・セッションズ司法長官は13日の公聴会で、言葉を濁している。トランプはコミー長官の証言の直後、「我々は包囲された」と発言したが、顔には余裕の表情を浮かべていたところが不吉でさえある。

それでは前出の「報酬条項」違反によって、トランプは大統領職を追われるだろうか。可能性は低い。それよりも、ムラー氏によって少しずつロシア政府による選挙介入の実態が明らかにされ、トランプ陣営の不正な動きが立証されれば、弾劾裁判に進む可能性はある。

都議会と同じで、トランプの支持率がさらに低下して求心力を失い、共和党議員が来年11月の中間選挙で敗北が予想されるような政局になれば、「トランプ離れ」が始まるはずだ。ましてや米国には党議拘束がないため、投票時に党の決定に従う必要はない。

1か月前に弾劾の可能性を50%と述べたが、筆者の見立ては現在も変わっていない。

伊藤記事

ドナルド・トランプ大統領(2017年5月10日撮影)〔AFPBB News

愚かさとは何か、考えて見ましょう。

例えば、家を新築して災害保険に加入したとしましょう。そして1年経った。特段何事もなく、翌年の家計を家族会議で相談しているとします。

「いろいろ出物もあったから、がま口を引き締めて考えたい。ついては、火事とかは火の元を気をつけたりすれば起きないダロウから、保険加入はやめることにしよう。意味がない」

そこで無保険の状態になったと思ったら、突然地震が襲ってきて、せっかくの新居がガタガタに。もちろん保険はなく・・・。

実は、こんな状態を引き起こそうとしているのが、2018年米国予算教書(Budget Message of the President 2017.10-2018.9)で、5月末にその概要が発表されてから様々な波紋を投げかけているのは周知のとおりでしょう。

一言で言えば、末期的な企業経営における赤字削減のような性格が強い。

10年で3兆6000億ドルの歳出削減に取り組み、貧困層保護や開発援助、環境対策、基礎科学研究などの予算が大幅に削られる一方、軍事費などは大幅増額を提示しています。

例えばODA(政府開発援助)。国際開発庁を含む国務省予算は28%の大幅減、約375億ドルに対して、国防予算は約10%、540億ドル増額して6030億ドル、日本円にして約68兆円規模。

国防、治安維持、交通、退役軍人対策費などが各々10%程度増額される以外は、軒並み大幅の減額が提案されています。

具体的に項目を列挙してみると、教育研究開発(Education)、通商産業(Commerce)、労働対策(Labor)、都市住環境(Uran Development)、ヘルスケア(Health and Human Service)、農業(Agriculture)、環境(Environment Protection)・・・といった項目は軒並み10~30%近く削減。

当然ながら民主・共和両党から、大きな反発が出ており、個別の項目については議会をそのとおりに通過するとは限りませんが、大枠、このような方向性にあることは間違いないでしょう。

ここで3歩下がって改めて考えて見たいのです。この「損切り予算案」、トランプ“恐書”は何がいけないのか?

「かもしれない」運転から「だろう」運転へ

簡単に言えば、米国という国が長続きしなさそうである、国を滅ぼすリスク、つまり亡国の現実的な可能性が低くない。持続的(Sustainable)でないというのが、国際社会が現在の米国を憂慮する、端的なポイントと言っていいと私は思います。

軍事・警察・退役者の厚遇はしっかり守る。これをもって「強い米国を取り戻す」という、見るからにシンプルなセールスポイントが増額されますが、以下やや誇張して列挙すると、

教育・・・ 最低限の読み書きができればよい → 未知のリスク対処力低下 研究・・・ いまある程度の基礎で十分    → 未踏のイノベーション不可能 通商・・・ そこそこ回っていればいいでしょ → 流通・経済のリスク野放し

労働・・・ そんなものは経営の埒外     → ブラック企業ならぬ黒色国家化 健康・・・ ほっといてもどうにかなるよ   → 中流層以下で生命に影響 農業・・・ 適当に生えてくりゃいいでしょ  → 国際バランスの視野など全欠如

環境・・・ 湯も水も酸素も森も海も使い放題 → 高度成長期並みの環境破壊も平気

という、およそ人類が地球環境の中で長期持続的に発展存続しそうな重要ポイントを軒並み軽視、ないし無視、もっと言えば愚弄~侮辱するレベルのものだと憤る人も少なくありません。

よく分からないけど、素人目でちょっと見て、大丈夫そうだ、というところは、軒並みケアを外して「無駄を省いていい経営だ・・・」などと悦に入っている、二世三世のバカ社長、もとい、若社長のような了見を見るのは、決して少数ではないでしょう。

車の免許の書き換えなどで「だろう」運転から「かもしれない」運転へ、という標語を目や耳にされた方は少なくないと思います。

「見通しの悪い交差点に進入するけれど、どうせ誰もいないだろう」

ではなく

「見通しの悪い交差点の四角では、その先に高齢者が立っているかもしれないし、子供がボール遊びをしているかもしれない」

という、見えないリスクの可能性を予測し、未然に安全を確保しながらハンドルを握りましょう、というのがその意味で。「だろう」型のリスク軽視では、とてもではありませんが「想定の範囲外」のハザードが襲ってきたとき、対処のしようがありません。

泥棒がやって来てから縄を綯っていたのでは遅いのです。未然に、危機がある「かもしれない」と慎重果敢に事前の対策を打ちながら、5年10年とできる限りリスクを回避して、もし危ない兆候があれば早期に発見、対策を打って、長くサステイナブルな国際社会を作っていきましょう。

そのような機運が高まっていた最中、悪い冗談のように誕生してしまったのがドナルド・トランプ政権、いや、トラップ政権と呼ぶのがふさわしいかもしれません。

先日のパリ協定離脱は、

「地球温暖化なんて本当に起きるか分からないし(実際起きていますが)環境科学なんて都合の悪いデータが出てくるようなら、もみ消してしまえばよい(ポスト・トゥルース)。中国を筆頭に各国は何の責任も取っていないじゃないか。米国だけに負担を求めるなんて不平等だ(米国は1人当たりの環境負荷が世界ダントツ1位ですが)」

という、幼稚園児並みのやりたい放題、結局、大人の賢慮を持った各国が、現実的な対策を協議しているわけです。

「もしかしたら、本当にバカなのかもしれない」 各国の静かなどよめき

日本では国際社会のルールや国際機関の位置づけがまともに理解されていないようです。例えば、国連の特別報告者(special rapporteur)とは国際連合人権理事会から任命され、特定の国の人権問題状況について調査や報告、場合により監視や勧告を行う無給の専門家で「独立専門家(independent expert)」とも呼ばれ、人権委員会はもとより国連事務総長とも各国の思惑にも左右されず、また利害による偏向、お友達への利益供与などがないよう。職務に関して金銭的報酬を受けません。

この1週間ほどだけでも、デイビッド・ケイ(David Kaye)カリフォルニア大学アーバイン校教授(国際人権法、国際人道法)、ジョセフ・キャナタッチ(Joseph Cannataci)マルタ大学教授(IT法)など特別報告者の名前が、基本的な国際常識とかけ離れた形の日本語で取り沙汰されるのを目にしましたので、一応念のため記しておきます。

例えば、国連から委嘱を受けて、東京大学のI先生が何らかのアクションを取ったとしましょう。例えば講演を委嘱されるとして、交通費や宿泊、日当相当の費用は用意、負担があります。しかし講演そのものは無報酬で行います。

「なんでそんなこと、タダでやるの?」

と理解されないことも少なくありませんが、それが国際知識人のオブリージュ、道義的責任ということで、この20年来、私が国内外で手がけてきた学術外交のすべては無報酬ないし自腹を切って行う場合も少なくありません。

利害関係がないから公正とみなされ、信頼が確かなものとなりパートナーシップが永続します。給料や基本的な諸費用は国際機関や大学が持ちますが、動き自体は「公務」に編入され、エキストラの報酬は発生しません。

学会の会長や役員、大会の主催、論文誌の査読や指導添削・・・少なくとも私が関わるこうしたものについてはすべて手弁当で基本、俸給は出ません。

もし利害で手がけるなら、それで査読結果が左右されたりするリスクを免れないでしょう。そういう善意の公正性で成立している社会、何でも銭勘定というものの見方からは、決して理解され得ないと思います。しかし、そういう高い志があって、成立している水準があります。

これは、今まさに問題になっている、米国のロシアゲート調査を考えると分かりやすいでしょう。

2017年5月17日、米国司法省はジェームズ・コミー氏の罷免とロシア・ゲート疑惑についてロバート・モラー(Robert Swan Mueller II )(1944-) 前FBI長官(2001-2013)を特別捜査官(special counsel)に任命しました。

特別捜査官は別名特別検察官(special prosecutor)あるいは独立法曹捜査官(independent counsel)とも呼ばれ、とりわけ在職中の大統領(sitting President)ないし司法長官(Attorney general)を被疑者とする不正、犯罪、疑惑などの捜査の必要が生じた場合、第三者性を持って公正に検察活動が進むよう、大統領や司法長官と指揮系統的に完全に独立していなければ意味がありません。

私が在職している大学の中で、ある不祥事がありました。その調査の必要が出たとき、ルールでは第三者委員会を立ち上げねばならないのですが、目配せの利く身近なメンバーだけで特別委員会を作り、抹消しようとする試みがありました。

しかし、その試みはあえなく費え、責任を問われる方向に流れていきました。世の中はそのように動いて当然です。独立性のない調査や操作に、公正を期待することなどありません。

寡聞にして、大統領を捜査対象とするモラー特別検察官の俸給がどのように独立性を保障されているのか、詳細を認識していません。

しかし、一国の根幹に関わることで、俸給の多寡がどうこうという話ではなく、ノブレス・オブリージュ、つまり前FBI長官として、FBIの独立性が危機にさらされたという「長官への大統領忠誠の強要疑惑」などを徹底して調査せねばならない、道義的倫理的義務を、社会全体に対してモラー氏は追っていることになります。

ちなみに、国連の「独立調査官」を「あれは国連事務総長とも、加盟国の総意とも無関係に<個人が勝手にやっていること>と、あろうことか政府の極めて責任ある立場にある人がメディアで口走り、国際的な関係者の多くがまず「?」となり、次に「本当に、バカなのではないか」という静かな疑念とどよめきが生まれました。この旬日の動きです。

国連とSDGs・・・團藤思想の今日的展開

国連は2016年1月1日から「SDGs(Sustainable Development GoalS」という持続的発展目標を掲げており、私は故・團藤重光教授の思想と行動を大切に、大学教員としての公務ではこれに関わる問題を扱っています。

次回は東京大学のスタッフとして伊東研のSDGs展開にも触れたいと思いますが。一言で言うとトランプ2018年予算恐書は SDGsを軒並み踏みにじるような予算方針を打ち出しており、国連加盟国全体を敵に回すようなパフォーマンスが断続、パリ協定離脱もその1つとして。皆からあきれられ諦められているというのが実情と思います。

「もしかしたら、本当にバカなのかもしれない」

ちなみに、全くの私信ですが、トランプ大統領が「特別検察官の解任検討か?」という報道をめぐって、海外のある友人から先ほどメールを受け取りました。

申すまでもないことですが、モラー特別検察官の解任を、被疑者であるトランプ大統領が決定することはできません。

ルパンⅢ世が銭形警部を更迭できるわけがない。あまりに当たり前のことです。それがもし分かっていないとしたら、相当に頭のねじが緩んでいる。とてもではないが超大国を統治運営していく判断力があるなどと見なすことはできない。

モラー特別検察官を任命したのはロッド・ローゼンシュタイン司法副長官で、ローゼンシュタイン自身がそうそうにコメントを出しています。

セッションズ司法長官はトランプ大統領から任命されているので、トランプ大統領の捜査には関与しません。長官の自己忌避によって、ロシア・ゲートとFBI独立性疑惑の捜査指揮はローゼンシュタイン副司法長官に一任され、政治任用の埒外に置かれます。

要するに、事務次官が内閣の「政治主導」の不正疑惑と独立して、政権そのものの不正を正すというもので、どこかの国にも制度が必要だった可能性を冷静に思います。

そして、前回詳しく記したとおり、ほかならぬジェームズ・コミー氏自身が、ジョージ・W・ブッシュ政権下で大量破壊兵器情報操作のプレイム・ゲート事件で、ジョン・アシュクロフト司法長官が自己忌避した状態で捜査の総指揮を採った事務次官=副司法長官その人です。

当時のコミー次官は盟友のパトリック・フィッツジェラルド現連邦イリノイ州検事を独立検察官に任命、ブッシュ元大統領もチェイニー元副大統領もさすがにこれを罷免などと口にすることはなく、捜査は粛々と進められました。

「独立検察官」を「解任」検討・・・。

一瞬でもそんなことが脳裏をよぎったとすれば、それは緩み切ったCEO(最高経営責任者)体質でそんな思考しかできない人物が、間違って票を得てしまった不幸としか言いようがありません。

万が一そんな低見識を周囲に漏らすようなことがあれば、その時点で国事の判断能力がないと断定される水準と見切っています。

弁護士のマイク・ペンス政権では、いま大量空席の連邦公職が少しは埋まるだろうか・・・。

通常2月に出る予算教書を、素人が升目だけ埋めるのに余計に3か月かかった、あの枠組みで、本当に国を壊してしまうのだろうか・・・。

国際機関のプロフェッショナルは本気で心配し、持続的な対策を取り始めているのが2017年6月の裏表ない現実と思います。

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