『アメリカのイラン攻撃が中国の「台湾統一」に与える絶大な影響 「北京のランダム・ウォーカー」第826回』(3/3現代ビジネス 近藤大介)について

3/3The Gateway Pundit<Why the U.S. Strike on Iran Was an America First Strategy=米国のイラン攻撃がアメリカ・ファースト戦略だった理由>

似非平和主義者はすぐ対話とか外交でと言いますが、専制国家に時間の利益を与えるだけ。力による平和がなければ敵の策謀に乗せられるだけになる。

イランの軍事インフラを標的とした米国とイスラエルの共同作戦が必要な抑止行為であったかどうかについては、共和党と民主党の双方で活発な議論が交わされてきた。

一部の保守派は、この作戦はエスカレーションのリスクをはらみ、米国を再び長期的な中東紛争に巻き込む可能性があると主張している。一方、一部の民主党員は、攻撃は無謀あるいは無許可だったと主張している。

私はどちらの反対意見にも同意しません。イランの軍事態勢の戦略的現実と政権の長年にわたる行動に基づき、私は攻撃を支持します。

イランは地域の通常のアクターではない。イスラム共和国は数十年をかけて、アメリカ軍とその同盟国を標的とすることに特化した代理ネットワークを構築してきた。

レバノンのヒズボラ、ガザのハマス、イラクのシーア派民兵、イエメンのフーシ派は、テヘランによって武器や訓練、資金提供を受けている。

イランから供給された兵器によって、数千人のアメリカ軍人が命を落としました。何の責任も負わずにインフラの拡張を許せば、さらなる侵略を招くことになります。

核問題は軍事攻撃と切り離せない。イランは繰り返し濃縮制限の押し上げ、査察の制限、そして弾道ミサイル能力の向上を図ってきた。外交的関与を理論上支持する人々でさえ、外交には影響力が不可欠だ。

過去10年間、制裁解除や交渉による停戦はイランの戦略的野心を永久に阻止することはできなかった。

ミサイルの射程範囲を拡大しながら、公然と西側諸国の破壊を呼びかける政権は、抑制された脅威として扱うことはできない。

イランの高官らは繰り返し米国を「大悪魔」と呼び、米国への敵意を核心的なイデオロギー原則として西側諸国の影響の終焉を求めてきた。

私はアメリカ第一主義者です。いかなる外国よりもアメリカの利益を優先します。軍事行動は、それがアメリカの安全保障と国益に直接役立つ場合にのみ支持します。

ある政権が公然と「アメリカに死を」と叫び、米国を排除すべきだと宣言し、アメリカへの敵意をそのイデオロギーの中心に据える場合、それらの発言を空虚なレトリックとして片付けることはできない。

繰り返しの脅迫は、最終的には真剣に受け止めなければなりません。

議会が先に行動すべきだったと主張する人もいる。憲法上、議会は戦争を宣言する。歴史的に、党の大統領は、差し迫った脅威が確認された場合、正式な宣言なしに標的を絞った軍事作戦を承認してきた。

情報評価や作戦スケジュールにより、必ずしも長時間にわたる立法討論が許されないため、最高司令官に国家安全保障に関する決定が委ねられている。

これは、一つの政権に特有の権限の拡大ではなく、限定的な攻撃における長年の行政権を反映したものだ。

米国民は新たな紛争を望んでいないという議論もあります。その懸念は理解できます。イラクとアフガニスタンでの20年にわたる戦争の後では、懐疑的な見方は当然です。

しかし、戦略的抑止と本格的な占領は同じではありません。特定の能力を破壊することを目的とした標的攻撃は、体制転換を目的とした国家建設作戦とは根本的に異なります。

最終的に政権交代が起こった場合、イランの将来の政府は米国によって押し付けられるのではなく、イラン国民によって決定されるべきです。米国が外部から指導者を任命すると、政権交代は不安定化を招きます。

政権は、ベネズエラなどの事例を含め、自らの役割は政治的成果を演出することではなく、内部からの変化を求める国民を支援することだと主張してきた。

米国の国家安全保障を優先する保守派として、私は今回の攻撃を構造的な観点から見ている。

問題は紛争が望ましくないかどうかではない。紛争は常に望ましくない。重要なのは、行動を起こさなかった場合、敵対政権が米軍を脅かし、地域の同盟国を不安定化し、核兵器を獲得する能力を強化したかどうかである。

答えが「はい」の場合、行動するよりも抑制する方が危険になります。

イランの指導部は一貫して米国を敵対国として位置づけ、それに応じた行動をとってきた。

政権が数十年かけて対立に備えている場合、政策立案者は抑止力が自ら維持されるとは想定できません。抑止力には信頼性が必要です。信頼性を得るには、一線を越えた際に行動を起こす必要があります。

理性的な人であれば、範囲、監視、次のステップについて議論することができます。

立憲共和国においては、こうした議論は健全である。しかし、攻撃を無謀だと片付けることは、攻撃を引き起こした戦略的背景を無視することになる。

私が攻撃を支持するのは、戦争を支持するからではなく、中東におけるはるかに危険な力関係の均衡を阻止したいからです。イランに断固たる対応をせずに軍事力の拡大を許したら、紛争のリスクは軽減されなかったでしょう。むしろ、より悪い状況下での紛争の先送りになっていたでしょう。

国家安全保障の問題においては、遅延は時として最も危険な選択となる。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/03/why-u-s-strike-iran-was-america-first/

米海軍の護衛で困るのは中共とイラン。国際制裁かかっているのに密輸したら拿捕されるのでは。

3/3Rasmussen Reports<Midterms 2026: It’s Still ‘the Economy, Stupid’= 2026年中間選挙:依然として「経済だ、バカ」>

有権者のほぼ半数は、11月に行われる中間選挙では経済が最も重要な要素となり、移民問題と医療問題だけが他の重要な問題になると予想している。

ラスムセン・レポートによる最新の全国電話・オンライン調査によると、米国中間選挙の投票者候補の48%が、中間選挙で投票先を決める上で経済が最も重要な問題になると回答しています。17%は移民問題を最重要課題と見ており、11%は11月に医療問題が最も重要だと考えています。その他の課題はすべて1桁台で、国家安全保障(9%)、教育(4%)、税金(3%)、気候変動(2%)、エネルギー政策(1%)となっています。一方、4%は秋の投票先を決める上で他の課題が最も重要だと回答しています。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/midterms_2026_it_s_still_the_economy_stupid?utm_campaign=RR03032026DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

3/4阿波羅新聞網<川普反手杀习近平!中国变天大棋多点开花—专家:川普下围堵大棋 中共或步苏联后尘=トランプは返す刀で習近平を殺す!中国の政変大戦略は多方面に花開く―専門家:トランプの囲い込み戦略は中共をソ連の轍に導く可能性が>

米国は今年、1月のベネズエラ前大統領マドゥロの逮捕、2月のイラン攻撃と最高指導者ハメネイ師暗殺、パナマ運河港湾運営権問題への介入など、一連の重大行動をとってきた。西半球から中東、そしてインド太平洋戦略回廊へと、米国は着実に前進している。専門家は、これらは単発的な出来事ではなく、中共を間接的に囲い込もうとする大戦略であり、中共をソ連の轍に導く可能性があると分析している。

小生も以前から、トランプが中共を崩壊させることを願い、ノーベル平和賞より、歴史に名を残した方が良いと主張してきました。

https://www.aboluowang.com/2026/0304/2355398.html

3/3阿波羅新聞網<战略豪赌惨败!北京4000亿美金瞬间清零—比在委内瑞拉还惨!美以重创北京4000亿美金投资=戦略的賭けは失敗!北京の4000億ドルは瞬く間に消え去る――ベネズエラよりもさらにひどい!米国とイスラエルが北京の4000億ドルの投資に深刻な損害を与えた>

アポロネット王篤若の報道:2/28、米国とイスラエルは激しい空爆を開始し、イランを40年近く統治してきた最高指導者アリ・ハメネイ師を斬首した。トランプは、イランの指導者48人が殺害され、「48名の大物が一挙殲滅された」と述べ、当初想定されていた第2、第3の後継者も死亡したと報じた。

イランは中国の「一帯一路」構想における重要な拠点であり、2016年に協力協定が締結された。 2021年には「中国とイランの25年間の戦略協力協定」が締結され、中共国は銀行、通信、港湾、鉄道、医療、情報技術分野など、25年間で4,000億ドルの投資を約束した。しかし、これまでに投資されたのは約1億8,000万ドルに過ぎません。政治的混乱により、この4,000億ドルは紙くずになる可能性がある。

さらに、イランで建設中および操業中のプロジェクトへの中国の投資は約1兆1,000億台湾ドルと推定されるが、全額が失われる可能性がある。エネルギー分野では、中国石油天然気集団公司(CNOOC)の北アザデガン油田が2024年に生産開始し、シノペックはヤダバラン油田の49%の権益を保有している。また、中国海洋石油総公司(CNOOC)はレインボー油田の40%の権益を保有しており、中国の累計投資額は300億ドルを超えている。

鉄道には、テヘラン・ハマダン・サナンダジ鉄道(53億4,900万人民元)、シーラーズ・ブシール鉄道(50億人民元)、ケルマーンシャー・ホスラヴィ鉄道(35億3,000万人民元)が含まれる。高速道路には、テヘラン北部高速道路第1期(2億5,700万米ドル、2020年開通)、テヘラン・イマーム・ホメイニ国際空港拡張(27億米ドル、2023年に新滑走路2本と新ターミナル2つを建設)が含まれる。チャーバハル港関連のインフラ開発額は公表されていない。

ベネズエラのマドゥロ大統領は米軍に拘束されたが、依然として中共国に100億米ドルの債務を抱えており、不良債権化する可能性がある。

中共は、不良債権化した場合の借金のカタはあるのだろうか?あっても米国がいるので、強制執行できるかどうか?経済は益々ガタガタになる。

https://www.aboluowang.com/2026/0303/2355124.html

3/4阿波羅新聞網<习刚刚醒悟,那件130亿美元的礼物是川普的恩赐=習近平は、ついに悟った。130億ドルの贈り物はトランプの恩賜だった>

中国の盟友ハメネイ師の死は、両岸のゲームの構造を引っ繰り返す可能性も! 日経:トランプはレイムダックのイメージを払拭し、習近平との会談で力強く主導権を握る

米国とイスラエルの共同作戦「エピック・フューリー作戦」は、イランの最高指導者ハメネイ師を殺害しただけでなく、北京で予定されていたトランプ・習会談のわずか4週間前という微妙な時期なので、両大国間の交渉カードを完全に狂わせた。日経アジアは2日、この中東の嵐の真の震源地は、実際には台湾が位置する西太平洋沿岸という遥か彼方にあると指摘した。ワシントンと北京のシンクタンクは、この100年にわたるゲームにおいて、どちらがより良いカードを持っているのかを激しく議論している。カードはもっとある?元々危機管理を目的としたトランプ・習会談は、月末に予定通り開催されるのだろうか?

奇妙な沈黙:なぜ北京の反応はこれほど冷淡なのか?

ベネズエラから中東へ:トランプの最大限の圧力と反発のリスク

経済の不発弾:原油価格高騰が中国の両会に影響を与える

米国のイラン攻撃は中共の台湾侵攻阻止ということ。

https://www.aboluowang.com/2026/0304/2355450.html

3/4希望之声<军中大清洗突传急刹车 德黑兰惊雷与两会消失的七上将:习近平「防内贼」演习内幕=軍粛清が突然急ブレーキ:テヘランに雷鳴、両会で7人の将軍が姿を消す:習近平の「内部の賊防止」演習の内幕>

両会前夜、中南海の風向きが急変した。軍粛清は突然停止したかに見え、複数の大将が釈放された一方で、両会出席者リストからは一斉に姿を消した。両会欠席者リストは、一体何を意味するのだろうか?習近平は軍の士気を安定させようとしているのか、それとも「クーデター防止」のための演習を行っているのか?

一方、トランプは中国訪問前にイスラエルと合同で、習近平の親友であるハメネイ師を暗殺し、「精密追跡」の強力な抑止力を世界に示した。トランプは習近平に何を伝えようとしているのだろうか?

張又侠と劉振立を逮捕した後、中共は整風運動を開始した。1/30、中共中央弁公庁は、下位の「トップ」との監督協議と、軍部との同時実施を求める通知を出した。2/23、弁公庁は「正しい功績観」を確立するための通知を再度出した。21大の習の連任の路を開くため、軍と政界に残忍な粛清が繰り広げられようとしていると誰もが予想したまさにその時、中南海の風向きは一夜にして180度変わった。「屋根を吹き飛ばす」はずだったこの粛清は、突如として停止したのだ。

時事評論家の蔡慎坤は、最新の番組で、習近平が軍の大規模な粛清を中止し、「休息と療養」の時間を与え始めたと明らかにした。逮捕されていた多くの高官も釈放された。

釈放されたのはどの将軍たちなのか? なぜ釈放されたのか? 米イスラエルとイランの紛争と関係があるのだろうか?

https://www.soundofhope.org/post/923854

何清漣 @HeQinglian 4h

最新のデータと調査レポートによると、スペインと米国の貿易依存度は低いようである。

2023年、スペインの対米輸出はGDPのわずか1.3%で、他のユーロ圏諸国の対米輸出の平均シェアは3.1%にも達した。2025年には、米国はスペインとの貿易黒字を維持する見込みである。米国は約260億ドル相当の商品をスペインに輸出しており、黒字は50億ドルである。

引用

⧫ Alan Chen ⧫(alanchentsla.eth) @alanchen 6h

NATOは崩壊したばかりである。🛑

トランプはスペインとの貿易を全面的に停止するが、これは単なる関税紛争ではない。これは、米国が欧州の主要同盟国を、イランとの戦争への参加を拒否したというだけの理由で敵国扱いすることを意味する。

「友でなければ敵」という教義が、ステロイド注射によって全身にいきわたった。もし米国が一夜にしてスペインに対して金融核攻撃を仕掛けたいと思えば、いかなるサプライチェーンも同盟も安全ではなくなる。

近藤氏の記事では、氏はオバマがイランと核協議して、時間をかけて核保有させようとしたのを知らないのか?それでトランプは協議をご破算にした。テイム・バ-チェット米下院議員は、オバマは議会の承認なしに8回空爆したと。左翼のオバマの空爆は認めて、保守派のトランプの空爆は認められない?左翼人士の二重基準である。

氏は「「中国ウォッチャー」の私は、今回のような国際的な大事件が発生すると、「これは中国にとって吉事か、凶事か」と考える。「中国を利するのか、それとも害するのか」ということだ。」と述べていますが、先ずは日本ファーストで日本に対する影響を考えるのが、先では。中共の代理人としか思えない。冨坂聰と同じレベル。

「6ヵ国協議」は中共が北朝鮮に核を持たせるための時間稼ぎに使われただけ。米日の政治家が見抜けなかったのは痛い。

トランプの西半球重視(ドンロー主義)は目晦ましでしょう。でなければイランを攻撃できるはずがない。トランプの言うことをまともに聞いて、裏読みできないようでは、解説者失格。

中共の第一目標は台湾統一にあるというのはその通り。だからトランプはそうさせないために、ベネズエラとイランの中共の手足をもぎ取った。張又侠の件だけでなく、習の再任も危うくなるかもしれない。

記事

トランプは21世紀の暴君 

今年の世界は、1月3日にアメリカが、主権国家であるベネズエラを急襲して、ニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拉致、政権を転覆させるという国際法や国連憲章を無視した「暴挙」から始まった。

さらに今度は、先週末の2月28日、アメリカが主権国家であるイランを急襲して、最高指導者のアリー・ハメネイ師らを殺害、政権転覆を宣言するという、やはり国際法や国連憲章を無視した「暴挙」に出た。

「無理が通れば道理が引っ込む」とは、人間関係だけでなく、国際関係にも当てはまる。私は、「法の支配」を公言する民主国家に暮らす一市民として、ドナルド・トランプという「21世紀が生んだ暴君」に対して、強い憤りを覚える。

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この男は、人類が他の動物と異なる「文明の証(あかし)である理念」を、次々に踏みにじる。そして人類を「ジャングルの世界」へと押し戻す。後々の世に及ぼす悪影響など、とんと無頓着だ。

そもそも論で言うなら、1期目のトランプ政権の2018年5月に、トランプ大統領が「イラン核合意」からの離脱を発表したことから、いまの混乱が始まった。最初に「火」を放った張本人がトランプなのだ。

イラン核合意は、今世紀に入って妥結した数多くの国際協定の中でも、特筆すべきものだった。

各国がアメリカを恐れていた

2002年1月、アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領が一般教書演説で、「北朝鮮・イラン・イラクは悪の枢軸(axis of evil)」と名指しした。そして同年8月、イランの反体制派グループが、「ナタンズとアラークにウラン濃縮施設と重水製造施設を建設中」と暴露した。

翌2003年2月に、IAEA(国際原子力機関)のモハメド・エルバラダイ事務局長が現地視察に行った際、イランはあっさり認めた。そこから長い「イラン核交渉」が幕を開けたのだった。

その翌3月に、米ブッシュ政権は多国籍軍を従えて、イランの隣国でイラク戦争を開始、サダム・フセイン政権を転覆させた。これを見た中国(胡錦濤政権が発足したばかりだった)は、北朝鮮でも同様の事態が起こることを恐れた。

もとより当の北朝鮮は、「次は我が身」と恐怖に震えた。それで同年8月、中国が主導する形で、北朝鮮の核開発問題を話し合う「6ヵ国協議」(北朝鮮・アメリカ・中国・日本・韓国・ロシア)を北京で始めたのだ。

当時、私も北京で取材したが、中国のある外交官は「会議は踊る」と言っていた。これは19世紀初頭のナポレオン戦争を収拾するために行われた「ウィーン会議」(1814年9月〜1815年6月)をもじったものだった。各国首脳がウィーンに集結したものの、夜にダンスパーティばかりしていて、各国の交渉は一向にまとまらなかった。

「『会議は踊る』でもよいのだ。なぜなら北京で会議を行っている間は、アメリカは北朝鮮に空爆しないから」(中国の外交官)

当時はそれほど、どの国もアメリカを恐れていた。

中国にとって利か害か

イランに話を戻すと、7ヵ国(イラン・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・中国・ロシア)による核協議が始まった。交渉は紆余曲折を極めたが、ついに2015年7月に「イラン核合意」をまとめ上げたのである。アメリカは民主党のバラク・オバマ政権だった。

それはごく大まかに言えば、「15年間にわたってイランの核開発を制限し、監視も行う。その代わりに、国連や米欧がイランに科していた経済制裁を解除し、貿易を再開する」というものだ。私は当時の中国側担当者の一人に話を聞いたことがあったが、やや興奮気味に語った。

「イラン核合意は、今世紀に入って国際社会が行った外交合意の『最高傑作』だ。イラン及び利害関係の異なる関係各国が、それぞれの主張と譲歩を何百回も突き合わせながら、ついに合意に達したのだ。イラン核合意は、今後行なわれる多国間交渉の手本となり、今世紀の世界を平和に導いていくだろう」

オバマ政権やEUの首脳たちも、同様の見解を公言していた。わずか10年ほど前には、世界は楽観的な見通しを持っていたのだ。

だがいまや、世界をディストピア(暗黒世界)に導くトランプ時代である。楽観論と悲観論が飛び交うが、大概は後者が現実のものとなる。

今回のイラン攻撃も、つい前々日まで、ジュネーブで3度目の交渉をしていたのだ。それで持ち帰って、週明けの3月2日から再交渉に臨むことで合意した矢先のことだった。どこからどう見ても、非はトランプ政権にある。

「中国ウォッチャー」の私は、今回のような国際的な大事件が発生すると、「これは中国にとって吉事か、凶事か」と考える。「中国を利するのか、それとも害するのか」ということだ。

年初にアメリカ軍に「拉致」されたベネズエラのマドゥロ大統領/Photo by GettyImages

1月のベネズエラ急襲の時は、表向きは「凶事」だった。何せ中国が確保していたベネズエラの石油利権を、一夜にしてアメリカに乗っ取られたのである。

だがその一方で、アメリカが「西半球シフト」を明確にするなら、東半球は手薄になるから、台湾統一に有利に働くかもしれないという深謀遠慮も働いた。そのあたりの事情は、1月に本コラムで詳述した。

「トランプのベネズエラ攻撃」を非難する中国、だがその裏で描く深謀遠慮  「北京のランダム・ウォーカー」第818回(2026年1月6日)

https://gendai.media/articles/-/162333

「盟友」の中国とイラン

それでは、今回のイランについてはどうだろうか? やはりベネズエラと同様、イランにとって中国は、昨年まで13年連続で最大の貿易相手国である。

2024年の両国の貿易額は133億7000万ドル(中国からイランが89億3000万ドルで、イランから中国が44億4000万ドル)だった。昨年も9月までで、74億9000万ドル(同50億2000万ドル、24億7000万ドル)に達している(いずれも中国側統計による)。イランは軍事的にはロシアを、経済的には中国を頼ってきたのだ。

余談だが、私が北京駐在員をしていた15年ほど前、オフィスの近くに大型のイラン料理店があり、いつも大勢の客で賑わっていた。中国人にとってイランは「身近な友好国」であり、中国でイランや中東についてのニュースは、日本よりもはるかに多い。

そもそも中国とイランは、過去2000年にわたって友好関係を築いてきた。盛唐時代の西暦651年に、ササン朝ペルシャ(イラン)がイスラム教のアラブ勢力によって滅ぼされた際には、王侯貴族がこぞって長安に亡命したほどだ。その一部がさらに、遣唐使船に乗って日本に逃れ、彼らの日本での生活を描いたのが、日本最古の小説『竹取物語』だという有力な説もある(『かぐや姫誕生の謎』現代書館、2016年)。

話をイラン核合意に戻すと、これを受けて翌2016年1月、習近平主席がイランを訪問。両国は、全面的な戦略的パートナーシップ関係を結んだ。

2021年1月にジョー・バイデン政権がアメリカで発足したが、イラン核合意に復帰する意思を見せなかった。それでイランは失望し、ますます中国を頼った。

同年3月、王毅外相がイランを訪問。「中国・イランの25年間包括的協力プログラム」を締結した。要は、今後はイラン経済に関して、中国が25年間にわたって包括的に面倒を見ていくと保証したものだ。

イランと中国の共同声明

さらに、2023年2月には、イブラヒム・ライシ大統領が訪中。共同声明では、以下のように謳った。

<①    政治分野……双方は互いの核心的利益の問題で、固く支持し合うことを重ねて示した。

双方は互いの国家主権の維持と保護を、固く支持する。中国は外部勢力が、イランの内政に干渉し、安全と安定を破壊することに決然と反対する。イランは引き続き、一つの中国政策を重要視する。中国はイランが地域と国際的なことに、さらに大きな役割を発揮することを支持する。

②安全と防衛分野……双方は反テロ問題で、「ダブル・スタンダード」に反対する。テロリズムと特定の民族や宗教を一緒くたにすることに反対する。

③経済と発展活動分野……双方は中国・イランの全面的活動計画の実行に努力する。引き続き、貿易・農業・工業・再生可能エネルギー・インフラなどの分野での活動を深化させる。両国の農業協力行動計画(2023年~2030年)を実行していく。「工業・鉱業の産業能力及び投資協力強化に関する覚書」を実行していく。イラン全国のエネルギーシステムの中で、再生可能エネルギーの比重を増やし、特にイランの太陽光発電能力をアップしていく。

④教育と文化の協力分野……今後5年で中国はイランに、100個の国際中国語教師奨学金をイランに提供する。イランは中国人観光客にビザ免除を実施する。早期に「中国とイランの2023年から2026年の文化教育交流執行計画」に署名する。

⑤国際及び地域の問題……人権問題に関して、双方は各国の国情が同じでないことを指摘する。歴史文化、社会制度、経済社会発展レベルには差異が存在し、本国の国情や価値観、国民の人権を保護する要求に照らして、各国と実際に結合させていくべきである。人権の維持と保護を口実にして、人権や民主で政治を弄ぶこと、他国の内政に干渉すること、ひいては動乱を扇動し、分裂を作ることに反対する(以下略)>

昨年9月2日の北京での習近平主席とペゼシュキアン大統領の首脳会談/Photo by GettyImages

このときは、その一年前にロシアがウクライナに侵攻。ウクライナ戦争の長期化に伴い、それまでイランが軍事的に頼っていたロシアが、自国の戦争を優先するため、あまり頼りにならなくなってきた。

同様の不安を抱えていた近隣のシリアのバシャール・アサド政権が崩壊したのは、2024年12月のことだった。それでイランとしては、軍事的にも中国を頼ろうとしたのである。

中国の本命は「台湾統一」

同年7月に就任したマスード・ペゼシュキアン大統領も、やはり中国を頼った。昨年8月31日、9月1日に天津で開かれたSCO(上海協力機構)首脳会議と、9月3日に北京で開かれた中国人民抗日戦争・反ファシズム戦争勝利80周年軍事パレードに参加するために訪中。9月2日に北京で、習近平主席と会談した。その時、習主席はこう述べている。

「中国とイランの関係は、国際的な風雲や変化の試練に耐えて、平穏で健全な発展を保持している。昨年(2024年)にあなたと私は、(ロシアの)カザンで会談した後、両国の各部門が、双方が成し得た重要な共通認識を積極的に実行してきた。中国とイランの各分野での協力は、少なからぬ新たな成果を獲得してきたのだ。

中国は終始、イランとの関係発展を、中東外交の重要な位置に置いてきた。イランと友好を継続させ、相互信頼を深化させ、貿易・投資・エネルギーのクリーン化・相互通信などの分野での協力を強化していきたい。人文交流を増進させ、中国とイランの全面的な戦略的パートナーシップ関係の安定した長期進行を推進していく。

中国は全世界のガバナンスを提唱しており、イランを含む国際社会と共に、さらに公正で合理的な全世界のガバナンスシステムを推進し、手を携えて人類運命共同体を構築していく。

武力は意見の相違を解決する正しいやり方ではなく、交渉と対話こそが、長い平和を実現する正しい道なのだ。中国は、イランが何度も述べている核兵器を求めないという承諾を重視し、イランの原子力エネルギーの平和利用の権利を尊重する。イランの国家主権・領土保全・民族尊重、そして政治交渉を通じた自身の合法的権益の維持と保護を支持する。

中国は引き続き、正論を牽引し、各方にとっての合理的な懸念であるイラン核問題の解決方法で、うまく妥結するよう推進し、中東の末永い平和と、平和へのたゆまぬ努力を実現させていく」

習主席は正論をくどくど述べているが、いずれも「支持」「協力」「推進」である。イランが望む「アメリカの脅威から体制を保障する」とは言及していない。

昨年の10月30日に6年ぶりのトランプ・習近平会談を控えた中国側に、「アメリカへの配慮」が垣間見えるのである。極論すれば、中国にとって本当に大事なのは、「イラン防衛」よりも「台湾統一」である。そのため、イランへの大っぴらな武器輸出など、「トランプの尾」を踏むようなことは控えているのだ。

イラン攻撃情報を摑めなかった

2月28日のアメリカ(+イスラエル)によるイラン攻撃を受けて、中国外交部は直ちに「非難声明」を出した。

<中国はアメリカとイスラエルによるイランへの軍事的攻撃を、高度に懸念している。イランの国家主権、安全と領土保全は尊重されなければならない。中国は直ちに軍事行動を停止し、緊張事態をさらに一歩引き上げることを避け、対話と交渉を回復させ、中東地域の平和と安定を維持保護することを呼びかける>

こちらも1月のベネズエラの時と同様の対応である。つまり、単独で行うのは「懸念する」「呼びかける」ところまでで、あとは国連の場で非難決議などに持ち込もうとする。しかし国連では、当然ながらアメリカが拒否権を行使するので、経済制裁や武力を伴うような決議はできない。

中国人の退避勧告を出し続ける叢培武駐イラン中国大使

一方、テヘランの中国大使館は、2月28日以降、イラン在住の中国人に対して、「緊急通知」を連発している。

<駐イラン大使館のイラン在住中国公民への懸念強化、安全防犯への特別呼びかけ(2月28日午後2時48分): 現地時間2月28日、イランは軍事的な攻撃に遭い、イラン現地の安全状態は極度に厳しく複雑化している。駐イラン中国大使館は、イラン在住の中国公民に対して、情勢の進展を注視し、落ち着きを保ち、警戒を高め、安全防犯を強化し、緊急避難をうまく行い、間違って敏感な場所や人々の密集地へ行かないことを、特に呼びかける。もしも緊急の状況に遭遇した場合には、現地の警察を呼び、合わせて中国大使館・領事館に連絡してほしい>

<現在の一部のイランの陸地からの国境状況通報(2月28日午後11時18分): 現在、イランと周辺地域の安全状況は、ますます複雑で厳しくなってきている。駐イラン中国大使館は再度、イラン在住の中国公民が、現地情勢の進展を注視し、安全防犯を強化することを呼びかける。

こちらの情報によれば、現在、イランとアゼルバイジャン、アルメニア、トルコの陸地の国境は、開放されている。安全を確保した上で、自分で行ってほしい。トルクメニスタンの国境の情報は未確定だ。各国境の情報は以下の通り。(以下略)>

こうした状況を見ると、中国はアメリカによるイラン攻撃の情報を、事前に掴んでいなかったようである。これは、4年前のロシアによるウクライナ侵攻の時も同様だった。

習近平政権の今後の動向

中国は3月31日から4月2日まで、トランプ大統領を北京に迎える準備を進めている。こんな緊迫した状況下で、果たしてトランプ大統領が外遊するのかも、不確実になってきた。

だが、仮に予定通りに北京を訪問するとして、今回のイラン攻撃は米中首脳会談にどう影響するのか?

まず言えるのは、以前から持っている習近平政権の「トランプ恐怖心」が増しているということだ。「トランプの意に反する言動を取ると何をしでかすか分からない」という警戒感は、中国側の行動を慎重にさせる。例えば、「いま台湾に侵攻したら、アメリカのミサイルが北京に飛んでくるかもしれない」と思えば、それだけで中国の「蛮行」を抑止する力となる。

また、「イランの盟友」の顔をしていた中国が、イランの助けにならないことが分かれば、中国の外交能力にも疑問符がつく。他の中小の国々は、「中国はいざとなったら守ってくれない」と思うだろう。

だが、中国にもメリットがある。米トランプ政権は「西半球シフト」を公言し、かつウクライナと中東に深く関与した結果、東アジアにはますます目が行き届かなくなる。かつ、イランとの戦いが長期化すれば、アメリカの国力は疲弊していく。

次に、イランだけでなくアメリカもまた、イラン戦争を優位に終結させるため、イランの最大の貿易相手国である中国を頼ってくるだろう。その意味で、今月末のトランプ大統領の訪中は、大一番となる。

最後に、アメリカの同盟国であるEUなど西側諸国も、次第に米トランプ政権を、「プーチン政権下のロシアと同様の危険な国」とみなすようになるのではないだろうか。これは表向き「人類運命共同体」を唱えている中国に、求心力を与える要因になる。

ともあれ、今回のイラン有事が東アジア情勢にどんな影響を与えるのか、引き続き注視していく必要がある。

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