『プーチンは錯乱している?その憶測は「正常性バイアス」かもしれない 独裁者プーチンに「常識」は通用しない』(3/21JBプレス 加谷 珪一)について

3/20The Gateway Pundit<China Claims US Destroyer Group’s Sail-Through of Taiwan Strait Behind Their Aircraft Carrier Was ‘Provocative’>

中国は自分のやってきたことを棚に上げて、他人に文句を言うのを常とする。

https://www.thegatewaypundit.com/2022/03/china-claims-us-destroyer-groups-sail-taiwan-strait-provocative/

3/20The Gateway Pundit<Pennsylvania Video Shows Ballot Trafficker Dumping Handfuls of Ballots into Ballot Drop Box in Montgomery County – Video Shows More than 100 People Dropping More than 1 Ballot into Drop Box in Just a Few Hours (VIDEO)>

これでも選挙で不正はなかったと?

https://www.thegatewaypundit.com/2022/03/pennsylvania-video-shows-ballot-trafficker-dumping-handfuls-ballots-ballot-drop-box-montgomery-county-video-shows-100-people-dropping-1-ballot-drop-box-just/

3/20The Gateway Pundit<OUTRAGE: To Date Not One Single Independent, Objective and Complete Audit of Dominion Voting Machines Used in the 2020 Election Has Taken Place>

ドミニオンは米国民主党と中共合作で不正した疑いあり。

https://www.thegatewaypundit.com/2022/03/outrage-date-not-one-single-independent-objective-complete-audit-dominion-voting-machines-used-2020-election-taken-place/

3/21阿波羅新聞網<马斯克深耕中国 华府不安=マスクは中国に深く傾斜している ワシントンは不安>米中の対立が激化する中、億万長者のマスクの中国との取引に、ワシントンは懸念を持ち、特に電気自動車会社のテスラと宇宙事業のスペースXに、下院議員は、中国がこれを利用して「議会が監視できない」企業秘密を入手する可能性があることを懸念している。

まあ、利用されるだけでしょうけど、マスクは見えていないのでは。

https://www.aboluowang.com/2022/0321/1723500.html

3/21阿波羅新聞網<习近平试图让G20峰会避谈乌克兰战争 免遭质疑=習近平は、質問を免れるために、G20サミットでウクライナ戦争について議論することを避けた>北京は先週、G20サミットの議題からウクライナ戦争を除くよう集中的に取り組み、G20は経済問題に対処するためのプラットフォームであると主張した。しかし、ロシアのウクライナ侵攻は大規模な制裁の対象となり、世界の経済構造に深刻な影響を及ぼした。ジャカルタがウクライナを迂回してどのように世界経済について話し合ったかを見てみよう.・・・。中共とロシアの緊密な関係が国際的にますます疑問視されているため、中共の立場は公に監視されており、外交上の頭痛の種であることが証明されている。アポロネットの王篤然評論員は、香港のサウスチャイナモーニングポストは江派の背景があり、従来から習近平を攻撃する機会を逃すことはなく、これは最新の例と述べた。しかし、この問題(内外の潜在的な混乱を回避)は真実である可能性が非常に高く、これは中共の一貫したスタイルに沿ったものである。

中共と言う自由のないシステムに与するのは自分の首を絞めるようなもの。

https://www.aboluowang.com/2022/0321/1723494.html

3/21阿波羅新聞網<拜习会再现僵局 中共忧“成为今日俄罗斯”= バイデン・習会議は再び行き詰まり、中共は「今日ロシアになる」ことを心配している>金曜日(3/18)の中国の習近平国家主席とのビデオ会議で、バイデン米国大統領は、中国がロシアに「物質的な支援」を提供した場合、中国は悪い結果に苦しむだろうと警告した。しかし、中国の学者は、習近平は米国の警告総てを受け入れるべきではないと普通に考えている。なぜなら、万一ロシアが戦争に敗れた場合、西側が中共に対して同様の制裁を発動する可能性があることを懸念しているからである。つまり、「今日のロシア、明日の中国」となり、全敗のフィナーレとなる。

是非そうなってほしいと思うがバイデンでは?

https://www.aboluowang.com/2022/0321/1723467.html

3/21阿波羅新聞網<俄乌停火6条款4易2难 土耳其:泽连斯基、普丁会面定夺=ロシア-ウクライナ停戦6条項のうち、4項目は簡単、2項目は難しい トルコ:ゼレンスキー、プーチン会議で決定>トルコメディアの報道で、エルドアン大統領の報道官であるカリンが、ロシアとウクライナ間の停戦協定の交渉には6つの条項があり、そのうちクリミアとドンバス地域の地位の問題は両国リーダーが会って決定される可能性があることを明らかにした。

プーチンが停戦条件に西側の経済制裁解除を入れれば、合意は難しくなるのでは。プーチンの和平交渉は形だけと言う人もいるし。

https://www.aboluowang.com/2022/0321/1723431.html

3/21阿波羅新聞網<乌军捷报!俄国海军 “黑海舰队副司令”传阵亡=ウクライナ軍の勝報!ロシア海軍の「黒海艦隊副司令官」が殺害されたと言われている>外国メディアの「daily mail」は、ウクライナ側がロシア黒海艦隊の51歳の副司令官であるパリを殺害したと延べたと以前に報じた。これまでのところ、これ以前に5人の上級将校が殺されたが、5人全員が陸軍で、今回初めて海軍の上級将校を殺害した。

https://www.aboluowang.com/2022/0321/1723429.html

3/21阿波羅新聞網<泽连斯基:我准备跟普丁谈 如和谈失败恐酿世界大战=ゼレンスキー:プーチンと話す準備ができている。和平交渉が失敗した場合、それは世界大戦につながる可能性がある>ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は20日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との和平交渉の準備ができていると述べ、交渉が失敗した場合、両国間の戦争は第三次世界大戦になると警告した。

下の何清漣のツイッターを読むと、バイデンにはその危機感が全然ない。

https://www.aboluowang.com/2022/0321/1723430.html

3/20阿波羅新聞網<中俄好朋友?中国在乌克兰90亿美元投资 遭俄罗斯狂炸=中国とロシアは仲良し?ウクライナへの中国の90億ドルの投資は、ロシアによって爆撃に遭う>ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、2/4の北京冬季オリンピックの開会式に出席するために北京まで長々と旅をし、中国の習近平首席と共同で、新時代の国際関係とグローバルな持続可能な開発に関する中露共同声明を発表した。中国当局は、中露関係は最善ではないが、より良い関係で、「天井はなく、絶えず新しい高みへと登り続けている」、「終点(駅)はなく、ガソリンスタンド(の駅)があるだけ」と。うまく給油しないと、火災が発生する可能性があり、中国のウクライナへの投資で重大な損失につながる可能性がある。

ウクライナで2番目に大きな都市であるハリコフの地下鉄システムでは、40台の地下鉄車両の最新の入札者は中国企業で、南部の黒海沿岸の重要な都市であるオデッサでは、中国国営企業である招商局が港を所有している。しかし、ロシアの無差別爆撃の下で、これらの投資は大きな損失を被り、さらには流れることさえある。

中共はロシア支持なのだから自業自得。

https://www.aboluowang.com/2022/0320/1723398.html

3/20阿波羅新聞網<英国倘若真出手,俄罗斯还能打多久=<英国が本当に行動を起こした場合、ロシアはどのくらい戦うことができるか>合同遠征軍(JEF)には、NATO諸国の一部と非NATO諸国が含まれ、英国(主動)、デンマーク、エストニア、フィンランド、アイスランド、ラトビア、リトアニア、オランダ、ノルウェー、スウェーデンで構成されている。

ボリス・ジョンソンがNATOの行動の力量に不満を持っているので、この動きになっているのでしょうけど、出動するかどうかは分からない。

https://www.aboluowang.com/2022/0320/1723365.html

何清漣 @HeQinglian 9h

言い換えれば、米国CNNはドイツのメディアよりもその土地に近いようであり、土地の熱気についても知っている。

今回、ドイツは惨めに敗北した。一つはグリーンエネルギーの破産、もう一つは道義の問題(自国経済のため、ウクライナの支援をしたがらない)と見込まれている。 三つ目は、負けたためEU指導者の地位はフランスに譲り渡される。

CNNの解説:中ロ協力を阻止しようとするバイデンの試みは機能しない。

https://rfi.my/8GWs.T

引用ツイート

DW中国語-ドイチェ・ヴェレ(ドイツの声) @dw_chinese  22h

習近平とバイデンの会談は、ドイツ語圏の主要新聞の注目を集めた。 「デイリーミラー」は、中国はすぐにロシアを非難する西側の仲間入りをするかもしれないと考えている:「エコノミックウィークリー」はドイツ首相に、北京を言いくるめてプーチンを阻止させる努力をするよう呼びかけた:「スタンダード」はこれを批判し、北京が本当にモスクワを阻止できたとしても、西側は中国との根本的な価値観の違いを念頭に置くべきだと主張した。 https://p.dw.com/p/48jRp

何清漣はリツイート

Zhix  @Wu_Zhi  17h

返信先:@ JXY66233、@Greatguo2と他の2人

トランプが引き摺り下ろされて以降、米帝は大怪物になった。三権分立の枠組みはまだ残っているが、基本的には役に立たず、殆ど権貴には対応せず、無責任な超大きな政府になっている。もちろん、デッドラインはなく、民主党がトランプを引き摺り下したことは、デッドラインがなく、メディアもデッドラインがないことを示している。

何清漣はリツイート

Zhix  @Wu_Zhi  9h

返信先:@HeQinglian、@dw_chinese

習の表現は正常であり、彼が表明した人道上の懸念は西側の各国政府を凌いでいる。

西側政府はすべて、興奮して弾薬と砲弾をウクライナ政府に送り、ウクライナ軍が強大で自慢しているのに知らないふりをし、男性民間人に残って大砲の餌食にすることを強制しているのはウクライナ大統領であることに知らないふりをしている。民間人がロシア軍の前進を遅らせる最大の武器であることを知らないふりをしている。

何清漣 @HeQinglian 9h

返信先:@HeQinglian

この数日間、海外の一部の人は、習近平が国内高層の集団的反対を恐れており、米国に従うだろうと推測している。

米国のSNSに加えて、中国政府には独自の発言チャネルがある。

「鈴を解くには鈴を結んだ人が必要である」というフレーズは、バイデンが強く反問されたことを示している。問題はあなたの国が作ったので、自分で解決してください。

何清漣 @HeQinglian 8h

多くの人がロシア・ウクライナ戦争の勝者を推測しているとき、私はこの国際情勢の大規模な再編成において、誰が敗者で何を敗かすかを観察してきた。

このようにして初めて、1990年代以降のグローバリゼーションの盛衰、普遍的な価値観を放棄したグレートリセットに変わった反省ができる。

我々は皆、この人為的な激動の中で一粒の砂であり、西側共産主義2.0の犠牲者である。

何清漣 @HeQinglian 9h

キエフは北京にロシアの野蛮行為を非難するよう呼びかける 北京の楽玉成副外相は間接的に答える https://rfi.my/8Gaz.T

キーポイント:「NATOは過去に約束をしたので、言行を一致させ、東方拡大し続けるべきではない。

第二に、我々は集団政治や陣営対立に与することはできない。軍事ブロックは冷戦の名残であり、ソビエト連邦の崩壊に伴い、NATOはワルシャワ条約機構と同時に歴史に組み入れすべきであった。しかし、解散する代わりに、NATOは強化と拡大を続けている。

rfi.fr

キエフは北京にロシアの野蛮行為を非難するよう呼びかける 北京の副外相は間接的に答える。

ウクライナ大統領の顧問であり、ロシアとウクライナの紛争の交渉担当者であるミハイロ・ポドリアックは土曜日にツイートし、中国に正しい決定を下すよう呼びかけ、文明国同盟を支持し、共同で非難する・・・。

何清漣 @HeQinglian 9h

皆さん、2020年の選挙以降、米中は何度も会談を行ってきたが、何回やれば選挙前にあった尊重と尊敬を持てるのか?

それ以降、米中対話の双方のプレスリリースはおかしなモデルになった:双方言い放しで、それぞれが勝ったと言う。

何清漣 @HeQinglian 7h

トランプの顔を貼ったツイートを含め、ツイート上で人気を集める自称メデイア人は米国の価値観を自慢している。

これらの人達は、独立戦争以降確立された民主憲政上の価値観が、進歩主義によって米国の歴史の1619年プロジェクトを空洞化して否定し、CRT理論に置き換えられたことに全く気づいていない。建国時のプロテスタントの倫理でさえ、LGBTQが伝統的な家庭の倫理を福福利主義に置き換え、否定している。

崑崙(=黒人を指す)は典型的な例である。

何清漣 @HeQinglian 8h

米国メディアはやっと我に返った。

バイデンは暫く、積極的に習近平との電話を要求しないことを勧める。そうすれば、習近平は電話を待ち、焦るだろう、転機が来るかもしれない。 😂

引用ツイート

VOA中国語ネット @VOAChinese 15h

バイデンと習の間の2回目のビデオ会議は行き詰まりを再現し、中国は「今日のロシア、明日の中国」となることを心配している。 http://dlvr.it/SM1my8

何清漣 @HeQinglian 3h

ゼレンスキーはCNNの記者とのインタビューで、「残念ながら、我々の尊厳というものは生命を守るものではない」と述べ、彼は現在プーチンとの交渉を模索しており、交渉が失敗した場合、第三次世界大戦が勃発するだろうと。

記者が彼にまだいくつかの要求を堅持しているかどうか尋ねたとき、彼の答えは「もはやこの状況を逆転させることはできない。…」であった。

クリックして、最後から2番目の段落をすべて見て。現実を尊重すれば、彼の選択を支持し、彼の成功を願う。

引用ツイート

The Hill  @thehill 8h

NEW:ゼレンスキーは、ロシアとの交渉が失敗した場合、第三次世界大戦が発生するだろうと述べた。 http://hill.cm/G0JF42q

何清漣 @HeQinglian 6h

習近平がビデオ会議で「鈴を解くには鈴を結んだ人が必要であると言ったのは、言うまでもなく、バイデンはこのイディオムを理解していないかもしれない。方偉さん、この記事を読んで見て。西側とウクライナが怒らないか?

実際、北京はとっくにその立場を表明したが、西側は知らないふりをした。

キエフは北京にロシアの野蛮行為を非難するよう呼びかける 北京の楽玉成副外相は間接的に答える。 https://rfi.my/8Gaz.T

引用ツイート

希望之声 方偉 @sohfangwei  14h

中共は現在、西側、ロシア、ウクライナを怒らせたくないので、誰にでも良い話やあいまいな言葉を言っている。結果は?それはどんな人の機嫌も取れず、ロシアの仲間がこの男は信頼できないと思うのを含め、すべての人を怒らせる。これは人間の最大の誤解である。すべての人を喜ばせようとするのは、すべての人を怒らせるだけである。ロシア・ウクライナ戦争における中共の広報活動は最も失敗に終わり、全世界が見ているが、話さないだけである。

何清漣 @HeQinglian 2h

中国外交のトップリーダーは習近平であるが、外交主管の国務委員、外交部部長、副部長と報道官の発言は公式声明とみなされ、秦剛の権限は米中関係に限定されるべきである。

実際、中国はすでにその立場を表明しているが、英国首相等が、中国政府がそれを誤った態度として直接非難するのではなく、別の態度を取らせる必要があると考える理由は明らかではない。このやり方は常に人々に中国は迷子になっていると感じさせ、我々はあなた=中国を必要としていると。

引用ツイート

WSJ中国語ウェブ @ChineseWSJ 2h

中国の楽玉成副外相は土曜日、ウクライナ危機の根本的な原因は西側の冷戦の考え方であると述べた。ソビエト連邦の崩壊とともに、NATOは歴史に入れるべきだったと彼は言った。NATOがさらに東に拡大するならば、間もなく「モスクワの郊外」まで行く。楽玉成は、「大国、特に核大国を追い詰めた結果は、想像を絶するものになる」と述べた。 https://on.wsj.com/34ZGuPQ

何清漣 @HeQinglian 6h

原文:ウクライナのゼレンスキー大統領が「第三次世界大戦」について警告しているとき、バイデンはビーチで自転車に乗る。

コメント:「風や波に関係なく、中庭を散歩するようなもの」、いい人柄で。「中国に対する経済制裁」はどうなっているのか?大衆は、明日の発表を待つ。

引用ツイート

Fox News  @FoxNews  7h

ウクライナ大統領が「第三次世界大戦」について警告している時に、バイデンはビーチで自転車に乗るhttps://foxnews.com/politics/biden-goes-for-bike-ride-at-the-beach-as-ukraine-president-warns-of-third-world-war

加谷氏の記事では、正常性バイアスでしかものを考えられない人は「平和ボケ」に馴れてしまっている人達でしょう。中国駐在を終わり、あらゆるところで、中国人の基本的価値観は「騙す人は賢く、騙される人は馬鹿」というのを言って回りましたが、誰も信じず、挙句は「人種差別主義者」扱いを受けました。自分で体験したことしか信じられないのでしょう。日本と言う狭い世界に住んでいるのに、自分の経験なんて如何ほどのものかと思ったほうが良いのでは。然も学校では左翼教師に習い、日常の情報収集は左翼オールドメデイア~だけでは、どうしても見方が狭くなります。

今度のロ・ウ戦争でもお花畑脳の人は現実を受け入れられないのでは。日本国憲法を守れば、他国から侵略されないなんて話はこれであり得ないことが証明されました。話し合いで解決できると言う人は、ロシアへ行って是非プーチンを説得してほしい。

20世紀は戦争と革命の世紀と言われますが、21世紀は侵略戦争をなくす世紀として努力すべきです。米ロともその点で自覚が足りず、中国は今正に爪を研いでいるところ。大国が自ら戦争を仕掛けるのは止めるべき。

日本には降参論を含め、ロシアに与する人がいます。米国のDSと戦っているロシアが正義と言うのは論点がずれているのでは。現実に戦っているのはウクライナ国民であり、ロシアはウクライナ領土に攻め入っている侵略国家です。米国のDSは米国の問題として捉えたほうが良いのでは。是々非々で物事を見ないと、共産主義同様無謬論に陥ります。

記事

政府関係者らとビデオ会議をするロシアのプーチン大統領(資料写真、2022年3月10日、写真:ロイター/アフロ)

 ロシアによるウクライナ侵攻が混迷の度合いを深めている。今後の展開を正確に予想するのは難しく、事態の推移を冷静に受け止める必要がある。だが、国内世論を見ると、現状認識という点において気になる現象が散見される。それは、平時の感覚や民主国家の常識や倫理観がロシアにもあてはまるはずだという、ある種の正常性バイアスである。正常性バイアスは、大きな判断ミスをもたらす可能性があり、有事の際には特に気をつける必要がある。(加谷 珪一:経済評論家)

プーチン氏に関するナマの情報はほとんどない

正常性バイアスとは、心理学の用語で、人が予期しない事態に対峙した時、「あり得ない」と先入観で全否定してしまったり、自身に都合の悪い情報を無視、あるいは過小評価する作用のことを指す。正常性バイアスが生じている状況では事態を正確に把握できないので、時として致命的な判断ミスにつながることがある。

ロシアによるウクライナ侵攻後の日本社会の反応を見ていると、正常性バイアスが作用していると思われるケースが散見される。典型的なのはプーチン大統領が「錯乱している」「正常な判断力を失っている」ことを前提にした議論だろう。

説明するまでもなくプーチン氏は独裁者であり、そうであるがゆえに事態が思うように進まず、「錯乱」する可能性はある。またプーチン氏の行為は、民主社会の常識では考えられないことばかりであり、「あり得ない」という気持ちでいっぱいになることも理解できる。

だが、相手は冷酷な独裁者であり、非人道的な手段を平気で用いてくる人物だ(プーチン氏は旧ソ連の諜報機関KGBの出身である)。日本人の感覚で「あり得ない」行為を繰り返すプーチン氏の行動を見て頭が混乱し、自身を納得させるため「錯乱している」と無意識的に思い込んでいるのだとすると、まさに正常性バイアスに支配されている。

ロシアという国は西側にとって事実上の敵国であり、しかもそのトップであるプーチン氏は核のボタンを握っている。こうした人物に対して「錯乱している」と、不十分な情報で決めつけてしまうのは、非常に危険な行為といえるだろう。

プーチン氏が錯乱状態にあると認定するためには、言動に関する多くの情報から心理学的な分析を行うか、錯乱状態にあるという直接的な情報を獲得することが必須条件となる。

だが、今は戦争中であり、プーチン氏は自身の情報について厳格に秘匿していると考えられる。平時のように大量の画像や音声を獲得できる状況ではなく、的確に心理分析を行うのは難しいだろう。同様に、情報統制が存在している状況では、プーチン氏の正しい近況が漏れ伝わってくるとは限らない。プーチン氏が錯乱した場合、どう対応するのか考えること自体は有益だが、錯乱している、あるいは暴走していることを前提に議論を進めるのは避けるべきだ。

ロシアがデフォルトさせるはずがないというのは平時の感覚

筆者の専門分野である経済や金融について言えば、現時点においてロシア側の対応はセオリー通りであり、少なくとも経済・金融面においてプーチン氏が錯乱している様子は今のところ見られない。

もう少し具体的に説明してみよう。3月16日時点において、ロシアは国債の利払いと元本の償還を行っておらず、ロシア国債は事実上デフォルトした状態にある(ロシア政府は外貨で支払ったと表明したが、16日時点で最終的な確認は取れていない)。日本国内では、「デフォルトすれば国家は終わりなので、ロシアは極限まで追い詰められている」といった論調で溢れている。西側としてはロシアが追い込まれることは望ましいことだが、願望と現実を混同するのは危険だ。確かにロシアはすでに事実上のデフォルト状態になっている。だからといって、それが直ちに致命的な状況を意味するとは限らない。

3月初旬、西側各国はロシア政府の外貨準備を凍結する経済制裁を実施した。これはロシア政府の外貨準備を使えなくするという措置なので、当然の結果としてロシア政府は、外貨での利払いや元本返済ができなくなる。つまり一連の制裁はロシア国債をデフォルトさせるためのものであり、その段階でロシアがデフォルト、あるいは事実上のデフォルトに陥ることは織り込み済みである。

ロシア側もこの状況をよく認識しており、ドルではなく価値がなくなったルーブルで支払うと表明するなど、ある種の嫌がらせを行っている。つまりロシア側の屁理屈としては、(あくまで一方的な理屈でしかないが)「制裁を加えてドルで払えなくしているのはお前たちの方であり、仕方なく紙切れ同然のルーブルで払うのだ」ということになるだろう。今は戦争状態であり、債務を払う、払わないというやり取りも、ロシアにとっては相手に対する揺さぶりのひとつでしかない。

西側は同時に「SWIFT」と呼ばれる国際送金ネットワークからのロシア排除も進めており、ロシア国内ではモノ不足が深刻となりつつある状況だ。生活必需品の輸入を継続するには、外貨を輸入事業者に集中的に割り当てる必要がある。ロシア政府は意図的に支払いを停止もしくは遅らせ、本来、外国人投資家に支払うべき外貨を、食品などの輸入に流用することもあり得る。

ロシアのデフォルトが確定すれば、さらに対外的な信用が低下するが、すでに国際的な信用をなくし、生きるか死ぬかの戦時経済に突入した同国にとって、対外的な信用はもはや大きな問題ではなくなっている。

日本人は借金を踏み倒せば、村八分に遭うという恐怖感を持っているので、借金の踏み倒しなど「絶対にあり得ない」と考える人が多い。だが国際社会はそうではなく、状況次第で平気で債務を踏み倒す国家というのは存在している。実際、旧ソ連はロマノフ王朝時代の対外債務を一方的に帳消しにするという暴挙に出ている。

戦争状態に入った専制国家ロシアに対して、「借金は誠実に返済してくれる」「ロシアは必死になって返済しようと奔走している」「相手は信用を落としたくないので約束を守るはずだ」という感覚も、正常性バイアスの一種ということになるだろう。第2次世界大戦前、英国のチェンバレン首相が、ナチスドイツに対して常識的な感覚を求めた結果、どうなったのかは説明するまでもない。

ロシアでしばしば行われる他人の資産を収奪する行為

ロシア政府による外資系企業の接収通告についても同じことが言える。ロシア政府は、西側に対する報復措置としてロシアから撤退した西側企業を接収するとほのめかしている。他国の資産を勝手に奪うというのは、当然あってはならないことであり、日本国内では「そんなことができるわけがない」「そのようなことをやっても事業を継続できるわけがない」といった声が大半である。

何度も繰り返しになるが、ロシア側の行為は絶対に許されないことであり、今後を考えれば、合理的な決断とはいえない。だが、戦争において相手国の資産を接収するというのは、よくある出来事であり、ロシアのような非道な国家と対峙する以上、「他人のモノを奪うことはできない」という、私たちの常識は一旦捨て去る必要がある。実際、旧ソ連は、敗戦国ドイツの自動車工場を勝手に接収し、その設備を使って国産車の生産に乗り出した過去がある。

ロシア政府は企業の設備に加えて、外国からリースしている航空機についても、リース代の支払いを拒否しており、機体も接収する可能性があると表明している。一般的に考えれば、いくら機体を接収しても、部品の供給が続かなければ航空機を運用していくのは難しい。だが、中古の部品を闇ルートで調達する方法や、模倣品を国内で製造する、あるいは中国に供給を要請するなど、抜け道はゼロではない。

民主国家では、十分に安全性が担保されない航空機を飛ばすことは違法だが、ロシアは今でも危険な旧ソ連製の航空機を飛ばしている。日本では、プーチン氏は西側のリーダーと同じく、自国民の安全を最優先する倫理的な人物と認識する人が多いようで、「整備がままならない危険な航空機を飛ばすことなどあり得ない」「ロシアが航空機を奪っても意味がない」といった意見が大半を占めている。

だが、冷酷な独裁者であるプーチン氏が、他の民主国家のトップと同様、国民の安全を最優先し、危険な航空機は絶対に飛ばさないと倫理的な判断を下す保証はどこにもない。旧ソ連のスターリンや中国の毛沢東、そしてカンボジアのポル・ポトも国民の命など歯牙にもかけなかった。専制国家の場合、私たちと同じ常識が通用するとは限らないのが現実である。

ちなみに、プーチン政権の協力者である「オリガルヒ」と呼ばれる新興財閥トップの多くは、旧ソ連時代、国営企業の幹部だった人たちである。つまり彼らは公務員だったわけだが、公務員をやめ、ゼロから企業を立ち上げて億万長者になったのではない。彼らの多くは旧ソ連崩壊後の混乱に乗じて、国営企業の所有権を違法に自分自身に変更し(つまり国営企業を乗っ取り)、一夜にして巨額の資産を持ったとされている。つまりロシアでは今でも、他人の資産を違法に奪うという行為が平然と行われているのだ。

日本でも、戦時中、中国大陸や満州で軍部が非合法に入手(強奪)した貴金属などを、終戦と同時に密かに国内に持ち帰り、それを事業基盤とした実業家はたくさんいる。日本人でも戦争となれば、他人の資産を平気で収奪する人がいたことを考えると、ロシア人がそのようなことをしないという保証はない。

「あり得ない」という前提で物事を判断すると、それが現実になるとある種のパニックを起こしてしまうリスクがある。非人道的なプーチン政権に対峙し、ロシアの行動を封じ込めるには、こちら側にも相応の胆力が必要である。

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