『米朝首脳会談決裂でも、ご褒美を手にした金正恩米韓合同軍事演習の終了に大喜び、日韓関係はさらに悪化も』(3/7JBプレス 渡部悦和)、『大恥かいた金正恩、自暴自棄で不測の事態も 大きな期待が一転失望と恥辱に変った時、ボンボンは・・・』(3/7JBプレス 西村金一)、『北朝鮮、これから始まる「粛清の嵐」と「軍の台頭」 漂流する東アジアを撃つ(第3回) 』(3/7JBプレス 右田早希)について

3/8阿波羅新聞網<海航要求撤销对郭文贵的诉讼 郭文贵不同意=海南航空は郭文貴の訴訟取下げを求める 郭文貴は同意せず>海南航空グループは3/4米国裁判所に郭文貴の誹謗訴訟を取下げする申請を行った。郭文貴はこれに同意しなかった。彼は「何度も海南航空の取下げと和解を拒否して来た。今は裁判の結果を待つのみ」と。WSJは3/6「海南航空の弁護士はNY法廷に“郭文貴はもう世間の注目を集めていないし、エネルギーを別な鍵となるところに充てたい。重要でない資産を売りに出し、債務負担を減らしたいので”という理由で取下げ申請を行った」と。

郭文貴が2017年に述べたのは「王岐山の嫁の甥にあたる姚慶が海南航空の背後にいて真の持主である」と。それで海南航空は2017年8月に郭文貴を“虚偽・誹謗の言論”で、海南航空の業務と名誉に損害を与え、3億$の賠償を払うよう告発した。告発書には王岐山と姚慶は海南航空の株を持っていないと書いてある。勿論郭文貴は今まで通りこれに同意しなかった。米国の法律は裁判継続の権利を与えてくれていると。

中共が訴訟取下げしようとするのは、自分にとって都合が悪い展開になる事が予想されるからでしょう。まあ、郭文貴の言っていることがどこまで本当かは分かりません。何せ嘘を常套手段としている中国人ですから。郭文貴も中共もどちらも信用できないと思うのが正解でしょう。でも中共がスキャンダルまみれになる事は良いことです。世界に嘘や捏造を吹きまくっているので、信用を貶めることは良いことです。

朝日新聞も小川榮太郎氏を5000万円の損害賠償を求めた裁判を起こしました。結論は未だのようですが、左翼は民主主義の手続を利用して、個人を脅します。スラップ訴訟です。朝日新聞も捏造が得意と言うのは衆目の一致するところ。サンゴKY事件、従軍慰安婦事件、南京虐殺事件等、平気で嘘をつきます。流石尾崎秀実がいた会社、アカにドップリ浸っています。目的(革命)の為には手段(捏造)を選ばずです。

https://www.aboluowang.com/2019/0308/1256723.html

3/8阿波羅新聞網<捷克首都改变对华态度 中断四年后再升雪山狮子旗=チエコの首都は中国への態度を改める チベットの雪山獅子旗を4年の中断の後、掲揚>4年の中断を経て、チエコの首都プラハ市では再度チベット亡命政府の雪山獅子旗を掲げ、亡命チベット人を支持した。プラハの新市長は就任後北京と交渉、協議書中にある中国の一表現を取消そうとした。3/6、チベット中央行政府のルオサンソンゲはプラハ市長と他の議員を訪問、市長は彼にプラハの象徴である“鍵”を贈ってチベット人への支持を表明した。チベット蜂起60周年を記念してプラハ市に3/8~11まで掲揚される。チエコの多くの地域では1996年から毎年雪山獅子旗を掲げ、3/10のチベット蜂起を記念して来た。プラハも何年も前からこの活動に参加して来たが2014年~18年は中断した。海賊党のZdeněk Hřibが昨年11月に選挙で勝ち、対中共政策を変えた。彼は前任者の経済利益の為に中国の人権侵害を無視したことを批判した。

プラハTVによれば、プラハのコミュニテイと学校で3/10に748の箇所で雪山獅子旗を掲揚するとのこと。多くの現地並びに国際人権組織はプラハの中国大使館前で3/10デモをして亡命チベッツト人を支持する。ロシアの時事評論家は「プラハ市であってもチエコの民間であってもチベット人に対する同情は強い。譬えプラハ市がこうしなくても、チエコ全国で各種団体・機構が窓に雪山獅子旗を掲揚する。今度のプラハ市の件は何も驚くべきことではない。前プラハ市長の中国との関係樹立は多くの人を失望させた」と述べた。

チエコはソ連の弾圧に苦しみ、「プラハの春」を引き起こしましたが鎮圧されました。同じ共産党に苦しめられているチベット人に対する気持ちは痛いほど分かっているのでは。日本人も共産主義の恐ろしさを感じて、中共の自由・人権弾圧、エスニッククレンジングに反対の声を上げなければ。村田製作所は華為から通信部品について倍の受注を受けたなぞと喜んでいる場合ではありません。相手が中国人ですから技術も盗まれます。

https://www.aboluowang.com/2019/0308/1256722.html

渡部氏の記事では、トランプの韓国での軍事演習中止を非難していますが、金の問題だけでなく、韓国は同盟国として信用できない、北の使い走り=中国の手先と思いだした影響が大きいのでは。同盟国にあるまじき行動を文在寅はして来ましたので。そんな国を守るためにお金は使えないという事でしょう。

西村氏の記事では、トランプ・金会談の後、金が上の空の表情を見せた写真がニュースとして載ったとのこと。ショックはそれだけ大きかったのでしょう。独裁者・金を世界的に辱めることができたのですから、米国の作戦勝ちと言うものです。北の窮乏が進んで、北朝鮮国民による真の革命が望まれます。軍は国民を裏切らないように、金王朝を打倒しなければと願っています。

右田氏の記事は、金は会談の始末として誰を処刑するか、軍のクーデターを恐れていると言う記事です。まあ、朝鮮半島に生まれなくて良かったというのが偽らざる感想です。自由の無い世界が如何に恐ろしいか。貧乏は我慢できますが、自由がないのは我慢できません。政府を批判できる自由がない共産主義は人類にとって最も邪悪なシステムです。日本の左翼程、政権批判しますが、彼らが政権を取り、共産主義化すれば、今の中国や北と同じやり方をします。騙されないように。

渡部記事

元山の靴工場を視察する金正恩朝鮮労働党委員長。朝鮮中央通信配信(2018年12月3日配信、撮影日不明)。(c)AFP PHOTO/KCNA VIA KNS 〔AFPBB News

米朝首脳会談が終了した直後の3月2日、米国のパトリック・シャナハン国防長官代行と韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相が、毎年春に実施していた大規模な米韓合同軍事演習を終了すると発表した。

この米韓合同軍事演習は、実働演習(実際に部隊が行動する演習)である「フォールイーグル(Foal Eagle)」と指揮所演習(コンピューターや指揮統制通信システムを利用した指揮所の演習)「キーリゾルブ(Key Resolve)」である。

今後は規模を縮小した新たな訓練に衣替えすることになる。

これら2つの演習は米韓合同演習における最大の演習であり、昨年8月に予定されていた乙支(ウルチ)フリーダムガーディアンも中止されたので3つの大きな演習がすべて中止されることになる。

大規模演習すべての中止は、一般の人が考える以上に各方面に大きな影響を与えることになる。

当然、我が国も大きな影響を受けることになるので、今回の演習中止の影響について考察してみた。

トランプ大統領のツイート

ドナルド・トランプ大統領は3月4日、次のようにツイートした。

「軍事演習(私はウォーゲームと呼ぶ)については金正恩委員長との会談で話したことはない。フェイク・ニュース!」

「(米韓合同軍事演習の中止に関しては)ずっと前に決断していた。なぜなら、それらの“ゲーム”にはあまりにも多額の金がかかるし、膨大な経費は返済されないからだ」

米韓合同軍事演習でも最も大規模で最重要な演習を蔑むかのように「ゲーム」と呼び、そんな金食い虫のために多額の金は使えないというのだ。

トランプ大統領は、米国が70年以上の年月をかけて築き上げてきた米国の前方展開戦略に関する基本的な認識を欠いている。

米国の前方展開戦略は、米国の国益に基づき世界中で構築してきた同盟関係や友好関係の根拠になっている。

日本に在日米軍を配置しているのも、韓国に在韓米軍を配置しているのも、米国の国益に沿った措置であり、米国主導の世界秩序を支える貴重な存在だ。

しかし、トランプ大統領にとって、同盟関係は負担以外の何物でもないかのように振る舞っている。

米国にとっての金銭的な損得のみで同盟関係を判断することは、将来に禍根を残すように思えてならない。

米国の著名なシンクタンク「外交問題評議会(Council on Foreign Relations)」のリチャード・N・ハース会長は、3月4日付のツイッターで、次のように批判している。

「(演習費用の)計算は意味をなさない。米国の国防費7000億ドルの中の(米韓合同演習経費)1400万ドルを節約することにより次のような問題が発生する」

「米軍の即応性が低下する。米国の日本や韓国との同盟関係を弱体化させる。北朝鮮がリスクを取りやすくなる。韓国の北朝鮮に対する経済制裁破りに導く。日本が米国への依存を再考するようになる」

このハース会長の指摘は本質をついていると思う。

「フォールイーグル」と「キー・リゾルブ」の価値

そもそも、今回の中止の対象になったフォールイーグルとキーリゾルブとはいかなる意義を有する演習であろうか。

まず、フォールイーグルは、世界最大の実動演習と言われていて、後方地域の安全確保・安定作戦、前方地域への重要物資の推進、特殊作戦、地上機動、水陸両用作戦、戦闘航空作戦、海上作戦、特殊作戦部隊への対処作戦などの広範な作戦を実施する。

米軍の参加者は数万人、韓国軍の参加者は数十万人(最大で50万人参加)であり、いかに大規模な演習であるかが分かる。

次いで、キーリゾルブについて説明する。

キーリゾルブは、実動演習ではなく指揮所演習であり、韓国防衛を支援する米インド太平洋軍の作戦計画に基づいて行われている。

指揮所演習の主たる目的は、指揮官の指揮統制能力の向上、幕僚の幕僚活動の能力の向上、米軍と韓国軍の調整能力の向上などだ。

フォールイーグルは2001年以降、キーリゾルブの前身であるRSOI(Reception, Staging, Onward movement, and Integration)演習と一体となって実施されることになった。

RSOIの各段階を説明すると、米軍を韓国内に受け入れる(reception)段階、韓国内で部隊と兵器を合体させる(staging)段階、部隊を朝鮮半島内の所定の戦略的位置に移動させる(onward movement)段階、既に到着した部隊と新たに到着した部隊を統合する(integration)段階がある。

つまり、RSOI演習では、米国本土などから到着する米軍を受け入れてからすべての部隊を戦力発揮できる状態にする段階までを訓練する。

このRSOIは、2008年にキーリゾルブと名称変更になったために、それ以来フォールイーグルとキーリゾルブが一体となった大規模演習が行われてきた。

金正恩委員長が最も恐れた演習

北朝鮮との交渉の歴史を振り返って明らかなことは、「力を信奉する北朝鮮には、力を背景とした交渉しか機能しない。北朝鮮に対して融和的な交渉は機能しない」という事実だ。

トランプ大統領は2017年末まで、「北朝鮮に対する最大限の圧力をかける」と主張し、その通りに行動してきた。

その最大限の圧力路線こそが金正恩体制に大きな影響を与え、核実験の中断や弾道ミサイル発射実験の中断をもたらしたと思う。

最大限の圧力の中で最も重要な手段が「国連の経済制裁」と軍事的圧力であった。

軍事的圧力の中で大きな効果があったのは大規模演習フォールイーグルとキーリゾルブの実施である。

金正恩委員長が最も恐れた事態は、演習であるフォールイーグルとキーリゾルブがそのまま実戦に移行し、米韓連合軍が北朝鮮を攻撃する事態だった。

金正恩委員長は、自らが殺害される事態を恐れるからこそ、強硬にこの大規模演習に反対してきたのだ。この合同演習を中止することは、金正恩委員長に大いなる安心感を与えることになる。

北朝鮮の非核化がますます困難に

まず北朝鮮が核ミサイルを放棄することはないことを再認識すべきだ。

金正恩委員長は、核ミサイルの保有が自らの体制を維持する最も有効な手段であると確信している。だから今まで米国の軍事的圧力に抵抗し、国連の経済制裁を受けても核ミサイルの開発と保有を続けているのだ。

フォールイーグルとキーリゾルブが中止になり、大きな脅威がなくなった金正恩委員長が北朝鮮の完全な非核化に応じるとはとても思えない。

トランプ大統領が期待する「大規模演習中止が緊張緩和をもたらし、結果的に北朝鮮の非核化を推進する」とは私にはとても思えない。

米国の北朝鮮への対応は、「すべての選択肢がテーブルの上にある」という「北朝鮮に対する最大限の圧力路線」に戻るべきだと私は思う。

米韓連合軍への悪影響

  • 演習をしない軍隊は使い物にならない

訓練や演習をしない軍隊は、有事の際に使い物にならない。

私は自衛隊の現役時代、「練磨無限」を合言葉にして訓練や演習に励んできた。訓練に訓練を重ねることにより、有事に能力を発揮する精強な部隊が出来上がるという確信があった。

自衛隊での勤務が長くなり、階級が高くなって連隊(約1000人規模)、師団(数千名規模)、方面隊(数万規模)を指揮する立場になって初めて大部隊の演習の重要性が分かってきた。

若い小隊長や中隊長の時代にも確かに訓練に励み、その階級における訓練で多くのことを学んだが、大部隊を指揮統率するためには別の能力が必要だと痛感したものだ。

その能力を鍛えるのが大部隊の演習なのだ。

「フォールイーグル」や「キーリゾルブ」は、米韓合同演習で最大の演習であり、米軍と韓国軍の大部隊指揮官や幕僚の能力を高める非常に貴重な機会だ。

その演習の機会がなくなることは、間違いなく米軍や韓国軍、特に韓国軍の能力を低下させる。

  • 米韓合同の有事作戦計画の改善が難しくなる

米韓合同軍は、保有する有事作戦計画を常に改善し続けていかなければいけない。

その改善の有効な手段がフォールイーグルとキーリゾルブなどの大規模演習を実施し、そこから改善の教訓を得ることだ。

すべての大規模演習を中止する悪影響はあまりにも大きいと言わざるを得ない。

  • 米韓同盟の形骸化

米韓同盟を形骸化していく可能性がある。在韓米軍の存在意義を低下させ、将来的な撤退に導く可能性がある。

我が国が覚悟しなければいけないこと

  • キーリゾルブの前身のRSOIについて説明したが、キーリゾルブでも、米国本土などから来援する米軍を受け入れてから全ての部隊を戦力発揮できる状態にする段階までを訓練する。

実は、米本土から展開する米軍の一部は、日本の領土や領海を経由して朝鮮半島に展開する。

その際に、在日米軍がその作戦を支援することになる。つまり、大規模演習が中止になることは、在日米軍の任務役割にも影響を与えることになる。

  • トランプ大統領の日米同盟に関する言動には細心の注意を払わなければいけない。

日米同盟について、金銭的な損得勘定で様々な要求をしてくることを覚悟しなければいけない。

まず考えられるのが日米共同訓練についても「金がかかるから中止する」と言いかねないし、在日米軍の削減や在日米軍駐留経費の負担増額を要求してくる可能性もある。

さらに、日米貿易赤字の解消を強烈に求めてくることも覚悟しなければいけない。日米同盟の根幹が問われる事態を覚悟しておいた方がいいかもしれない。

  • 大規模合同演習の中止により米韓同盟の存在理由が希薄化し、在韓米軍の存在意義が減少してくると、いずれは在韓米軍撤退が現実のものとなってくる可能性がある。

在韓米軍が存在しているからこそ日米韓の軍事協力も可能である分野が存在する。

例えば、朝鮮半島の状況が悪化し、在韓日本人の避難が必要な場合、自衛隊はNEO(邦人避難作戦)を実施するが、日韓のみの二国間では韓国側の協力は難しい。

そこに在韓米軍がいると、米軍と協力してNEOを行うことが可能になる。在韓米軍がいなくなると自衛隊のNEOは非常に難しい作戦になるだろう。

また、在韓米軍が撤退した状況下では、現在日韓で締結している軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も破棄される可能性が高い。

いずれにしろ、日韓関係はさらにぎすぎすしたものになるだろう。

「今のままでは、北朝鮮の核兵器、弾道ミサイル、化学兵器、生物兵器が残ったままになり、拉致問題も解決しない厳しい状態が続く可能性が高い」

朝鮮半島の情勢は、我が国にとって望ましくない方向にどんどん進んでいる。

思い出すのは、英国の第3代パーマストン子爵ヘンリー・ジョン・テンプルの「永遠の同盟国もなければ、永遠の敵対国もない。あるのは永遠の利害関係のみだ」という有名な格言だ。

いまこそ我が国の本当の実力が試される時だ、国を挙げてこの厳しい状況を打破する以外にない。

西村記事



越北部ランソン省のドンダン駅で列車に乗り込む前に手を振る北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(2019年3月2日撮影、資料写真)。(c)Vietnam News Agency / AFP〔AFPBB News

ベトナムの首都ハノイで行われた米朝首脳会談では、北朝鮮の非核化とそれに見合うおみやげ(制裁解除、終戦宣言、支援)を決めるという合意ができず、したがって共同宣言に署名できなかった。

客観的に見れば、両国とも相手国の狙いが明確に分かったことは、交渉の2歩や3歩の前進だと言える。

今回、米朝が合意できなかった部分は、北朝鮮が非核化を完全に実施できるかどうかの核心部分である。

それは、北朝鮮が進めてきた大量破壊兵器すべてのリストを提供することである。特にウラン濃縮施設がリストに入っていることと、その査察と廃棄が問題だ。

このほかに私が注目しているのは、今回の会談で北朝鮮国家の期待に応えられず、金正恩委員長が人生で「初めての屈辱」を味わったことだ。

北朝鮮の今後の方向性や戦略は、「金正恩委員長が受けた屈辱に対する怒りが抑えられるのか」によって大きく異なるのではないかと考える。

どう転ぶにせよ、金正恩委員長の腹一つで決まるだろう。だから読めない。

1.北朝鮮は計り知れない期待を抱いていた

駅のホーム一面に真っ赤な絨毯を敷いて、盛大な見送りを受け、金正恩委員長は特別列車に乗り込んだ。

今回のような盛大な見送りの写真は、これまで朝鮮中央通信に掲載されなかったと、私は記憶している。

同通信は、「敬愛する最高指導者が第2回朝米首脳の対面と会談で立派な成果を収めて、無事に帰国することを心から願った」と期待を込めて書いた。

金正恩委員長はベトナムに向かう特別列車の中で、これから得られる成果を夢見ながら、列車から見える街並みや風景を見て、一駅一駅通過するたびに、北朝鮮はもうすぐ中国の都市や町のようになるだろうと思いを巡らせていたのだろう。

会談が始まると、朝鮮中央通信は、「新しく到来する平和・繁栄の時代」「みんなが喜ぶ立派な結果が出る」「成功を祈願する全世界の関心と期待」といった表現を使用して、会談で大きな成果が出ることを期待しているという風潮であった。

ドナルド・トランプ米大統領の「我々は極めて立派な関係を結んでおり、大いに成功した会談になると確信する」といった言葉も報じた。

労働新聞は、金正恩委員長の今回の外遊に「全国が沸き返っている」とも伝えた。

トランプ大統領も金正恩委員長に、ことあるごとに「あなたの国には、経済的にものすごい潜在力がある。あなたには、国の素晴らしい未来が待っているものと思う」と言ってきた。

金正恩委員長は会談前から、トランプ大統領のお世辞に完全に舞い上がってしまっていたようだ。

2.直接交渉で大胆な決断を期待

金正恩委員長は新年の辞で、「米朝関係が今年、良好な関係を築くことができる。双方の努力によって今後、必ずよい結果がもたらされると信じたい」と述べた。

会談の初日、金正恩委員長は「素晴らしい会談、素晴らしい再開が用意されることになったのは、トランプ大統領閣下の大胆な政治的決断によるものだと思います」と述べた。

北朝鮮はこれまで何度も、金英哲氏を特使としてワシントンまで行かせ、トランプ大統領へ直接、金正恩委員長の親書を渡してきた。それをトランプ大統領は至極喜んだ。

北朝鮮は、実務協議に参加するマイク・ポンペオ国務長官やジョン・ボルトン大統領補佐官を騙すことはできないが、直接トップ会談で、トランプ大統領と交渉すれば、騙せると考えていた。

そして、トランプ大統領が罠に嵌って大胆な決断をしてくれると期待したのだと思う。

会談初日の「自信はあるか」との記者の質問には「予断はしない、私の直感では良い結果が出ると信じている」と答えた。

制裁解除と終戦宣言の成果を欲しがり、前のめりになっていたのは金正恩委員長だった。

金正恩委員長の経験の少なさ、中国や韓国とは上手くいったという実績が、甘い期待を持たせることになったのではないだろうか。

3.会談が決裂した最大の理由は何か

トランプ大統領は会談後の記者会見で「北朝鮮は経済制裁の全面解除を要求してきた」と明かしたうえで、米国が寧辺の核施設や北朝鮮が公表していない核関連施設の査察や廃棄を求めたところ、金正恩委員長氏が難色を示したため「立ち去ることを決めた」と述べた。

米朝会談で合意に至らなかったのは、「北朝鮮の要求は全経済制裁解除だったから」とトランプ大統領やポンペオ国務長官が述べている。

私は、実質はウラン濃縮施設のリストアップと廃棄を求めたことが最大の理由だったと考えている。

ウランの濃縮については、遠心分離機を数千台揃えさえすれば、地下の施設だけでなく通常の工場でも発見されずに核物質を製造することができる。

北朝鮮は、ウラン濃縮施設について明確にリストに挙げて、隠蔽して核物質を製造することはないということを表明しなければならない。

かつて北朝鮮は、ウラン濃縮の兆候を数多く指摘されても「やっていない」と主張してきた。

だが、隠し通すことが不可能になり、あるいは主張した方が国益に繋がると判断した場合には、「うそ」を撤回して「事実」を表明してきたという経緯がある。

米国はウランの濃縮問題について、北朝鮮に隠され騙されてきた。今回も同じことが繰り返されれば、トランプ大統領は「能なし大統領」と呼ばれることになる。

トランプ氏はこれだけは避けたいところだ。

4.金正恩委員長の失望と今後の予測

北朝鮮メディアは会談直前、北朝鮮人民が経済再建を待ち望む大きな期待を報じたのだが、結果は予想に反して得るものは何もなかった。

会談後、ベトナム公式訪問の映像を見ると、金正恩委員長の魂が抜けたような、ぼーっとした無表情の写真が散見された。

このような写真が出たのは、父の金正日総書記の葬儀の時以来で、金正恩委員長が北朝鮮のトップに就いてからは初めてではないだろうか。

金正恩委員長にとってはそれほどの衝撃だったと見ていい。

金正恩委員長は、ベトナムから帰りの特別列車に戻ってから、怒り狂っていたかもしれない。

今回の会談では、これまで経験したことがないほどの屈辱を味わわされたものと思う。

金正恩委員長は、北朝鮮金一族の後継者として大事に育てられてきたから、これまで屈辱というものを受けたことがないのではないだろうか。

金正恩委員長は大きな恥をかかされたわけだから、今回米国の手の内を読み取れなかった者たちへの粛清は免れないだろう。

金正恩政権内部では、北朝鮮への経済制裁が継続されるという前提で、今後の対米戦略を大転換するほどの見直しをしているに違いない。

短期的な対米戦略としては、以下の3つのいずれかであろう。

①引き続き友好的な戦略を進めるのか

②再び2017年と同じような恫喝する瀬戸際戦略に逆戻りするのか

③2つの中間として友好的だが恫喝の兆候だけ見せる戦略を取るのか

対韓戦略としては、米国の動きを無視して友好関係を加速させる、南北関係を悪化させて韓国を動揺させる、ことなどが考えられる。

長期的に見ると、もしも交渉が進展しなければ、再び過激な挑発に進む可能性が高いとみるべきであろう。

予想を超える事態が起こる予感もしないわけではない。

右田記事



AFPBB News〕ベトナム・ランソン省のドンダン駅に到着して手を振る、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(中央、2019年3月2日撮影)。(c)YE AUNG THU/AFP

(右田早希:ジャーナリスト)

「パル オムヌンマル チョルリカンダ」(발 없는말 천리간다)

朝鮮半島に、昔から広く流布する諺だ。直訳すると、「足のない馬、千里を行く」。これだとチンプンカンプンだが、朝鮮語(韓国語)では、「マル(말)」には二つの意味があって、「馬」と「言葉」。つまりこの諺は、「人の噂話というものは、アッという間に千里も伝わってしまう」と諭しているのだ。換言すれば、朝鮮半島の人々は、噂話が大好きだということだ。それは、いくら北朝鮮のような閉鎖社会であっても、基本的に変わることはない。

会談決裂は北朝鮮国内で「周知の事実」

先週2月27日、28日に、トランプ大統領と金正恩委員長がハノイで行った米朝首脳会談の「世紀の決裂」は、一週間が経っても、北朝鮮国内では「成功裏に終わった」ことになっている。例えば、朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』(3月5日付)は、こう報じている。

<朝鮮労働党委員長でおられ、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長でおられるわれわれの党と国家、軍隊の最高領導者・金正恩同志におかれましては、ベトナム社会主義共和国に対する公式親善訪問を成果を持って終えられ、3月5日に専用列車で祖国に到着された。(中略)

明け方の3時に、歓迎曲が鳴り響く中で、敬愛する最高領導者同志が乗られた専用列車が平壌駅構内に静かに入ってくると、最高領導者同志を寝ても覚めても夢見ていて、ただお戻りになる日だけを日がな指折り待ちわびてきた全国人民の、烈火のような敬慕の情と立ち溢れる激情の噴出である「万歳!」の、爆風のような歓呼の声が、平壌の空を覆い満たし、こだましたのだった>

明け方の3時に、平壌市民たちが歓呼するはずもなく、また本当に歓呼させられたなら、いい迷惑だったろう。朝鮮中央テレビの映像で見る限り、駅のホームに居残りの幹部たちがズラリ整列し、平身低頭で迎えていた。

実際には、「金正恩委員長がトランプ大統領と決裂した」という事実は、すでに北朝鮮国内に流布しているという。

胸を撫でおろした居残り組

丹東で長く、北朝鮮への観光ビジネスを行っている中国人が証言する。

「中国と北朝鮮は、1400㎞もの国境を接していて、日々交流しているのだから、当然国境付近の北朝鮮人は知っている。われわれも中国のSNS上に載っている話を、北朝鮮人たちにしている。彼らは裏では、『3日もかけてハノイまで列車で往復して、いったい何をやっているんだ?』と呆れ顔だ。

そもそもいまの北朝鮮人は、父親の故・金正日総書記に抱いていたような敬愛の念を、金正恩委員長に対しては抱いていない。ただ従え、尊敬しろと命じられて、面従腹背で頭を下げているだけだ。

丹東で北朝鮮ビジネスをやっているわれわれは、今回の米朝会談後に、対北朝鮮ビジネスが本格的に復活できると期待していただけにガッカリだ。だが、私たち以上にショックを受けているのが、当の北朝鮮人たちだ。あと一年もいまの経済制裁が続けば、北朝鮮は潰れてしまうよ」

これから北朝鮮で起こってくるであろうことが、二つある。

一つ目は、今回の「ハノイの決裂」に対する朝鮮労働党内部での「総括」だ。すなわち、誰を「生贄(いけにえ)の羊」にし、責任をなすりつけて粛清するかということだ。今回、ここまで「最高権威」(金正恩委員長)に国際的な恥をかかせてしまったのだから、「プライドの国」と言われる北朝鮮で、金委員長の側近たちが無事で済むはずがない。

北朝鮮の国防科学院の試験場を視察する金正恩朝鮮労働党委員長。朝鮮中央通信配信(2018年11月16日配信、撮影日不明)。(c)AFP PHOTO/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

最も危険なのは、『労働新聞』などで、金正恩委員長に同行してハノイ入りしたと報じられた「側近11人組」である。北朝鮮メディアで紹介されている順に名を挙げると、朝鮮労働党中央委員会副委員長の金英哲、李洙墉、金平海、呉秀容、李容浩・外相、努光鉄・人民武力相、朝鮮労働党中央委員会第一副部長の金与正、李英植、金成男、崔善姫・外務副大臣、朝鮮労働党江原道委員会委員長・朴正男である。

少なくともこのうち何人かが、血祭りに上げられることが予想される。「無事」が保証されているのは、金正恩委員長の妹である金与正と、金委員長がスイスで過ごした少年時代に父親代わりとなった李洙墉くらいのものだ。李洙墉は今回、世界遺産のハロン湾の観光視察をやっていたくらいなので、アメリカとの交渉からは外されており、直接的な責任は問われないだろう。だが残り9人の幹部は、いつ誰が無惨な粛清に遭っても不思議ではない。

象徴的な映像があった。前述の朝鮮中央テレビが映し出した駅のホームで出迎える光景で、留守番役を担った幹部たちは、一様に明るい表情を見せていたのだ。朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会委員の金永南、崔龍海、朴奉珠らである。彼ら「居残り組」の心中を察するに、「ハノイに同行を命じられなくてよかった」と、ホッと胸を撫でおろしていることだろう。

密かに軍を恐れる金正恩

もう一つ、今後の北朝鮮で起こってくるだろうことは、120万朝鮮人民軍の再度の台頭である。

金正恩委員長は昨年4月、朝鮮労働党第7期中央委員会第3回総会を招集し、国家の重要決定を行った。それは、それまでの「核と経済」という「並進路線」をあっさり放棄し、「核開発は完了したので、今後は経済建設に専念する」と定めたのだ。

以後、金委員長は、朝鮮人民軍をあからさまに軽視してきた。北朝鮮の長年の「仮想敵国」であるアメリカと北朝鮮が、ともに敵国でなくなれば、これまでのような強大な軍事力を有している必要がない。というより、今後の経済開発にとって、軍はむしろ「お荷物」になってくる。

金正恩委員長は、これまで長く朝鮮人民軍が独占してきた軍需経済などの既得権益を剥ぎ取ることを、使命にしてきたのである。だから金委員長は、内心では軍を恐れている。恐れているから、空軍が管理している自分の専用機には乗らず、鉄道省が管理している専用列車に乗って、はるばるハノイまで出かけて行ったのである。

3月5日には韓国の国家情報院が国会で、「北朝鮮北西部・東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射場で、撤去した施設の一部を復旧する動きが把握された」と報告した。朝鮮人民軍は今後、核開発もミサイル開発も復活させるよう、金正恩委員長に強い圧力をかけていくだろう。

朝鮮人民軍にクーデターを起こされないためには、金委員長はある程度、軍の意向に沿った国家運営をしていかねばならない。一年数カ月の「平穏の時」を経て、北朝鮮が再びキナ臭くなってきた。

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