『中国建国70周年軍事パレードが示す本音と虚構 人民解放軍の狙いと弱点が見えた!』(10/4JBプレス 渡部悦和)について

10/3WSJ<The Whistleblower Executive Every call with a foreign leader is now subject to congressional review.>

https://www.wsj.com/articles/the-whistleblower-executive-11570056633

10/4阿波羅新聞網<川普呼吁中国乌克兰 调查民主党总统参选人拜登=トランプは中国とウクライナに民主党の大統領候補バイデンを調査するよう呼びかけた>トランプ米大統領は本日、「中国とウクライナは前副大統領で2020年民主党の大統領候補ジョー・バイデンを調査すべきだ」と述べた。 トランプは、ウクライナに圧力をかけて米国の選挙に干渉するようにしたと言われているため、議会によって弾劾されている。

トランプ大統領はWHからフロリダに向かうとき、記者団に「中国とウクライナはバイデンと彼の息子ハンター・バイデンを調査すべきだ」と述べた。

「ちなみに、中国はバイデンと彼の息子も調査すべきである。中国で起こったことはウクライナで起こったのと同じくらい悪いからだ」。

トランプは中国の習近平国家主席に調査を依頼したかどうかを尋ねられ、「いいえ、しかしこれは絶対考慮に入れるべきものである」と指摘した。

トランプと彼の個人弁護士であるルディ・ジュリアーニは、前副大統領で民主党の大統領候補であるバイデンが腐敗に関与しているという証拠をまだ提供できていない。

連邦下院の民主党員は、トランプがヴォロディミール・ゼレンスキーウクライナ大統領にバイデンのスキャンダルを掘り起こすよう不当に圧力をかけたかどうかを調査している。

トランプ大統領は7月25日にゼレンスキーに電話をかけ、ウクライナの司法当局がバイデンの息子ハンターのウクライナでの事業活動を調査するよう強く求めた。ハンターは、ウクライナの大手ガス会社であるBurismaの取締役を2014年4月から2019年初まで務めた。

バイデンはどう考えても職務上の地位を利用して、家族に特別待遇を与えた腐敗の構図としか見えません。韓国のタマネギ男と一緒でしょう。民主党は大統領を糾弾する前にやるべきことがあるはず。党利党略でしか動いていないということです。関西電力の経営陣の腐敗も相当なもので、相手の助役が怖いというならせめて簿外で一つの隠し金庫に全員分を保管し、彼が死んだら匿名の寄付でもすればまだ弁解の余地はあったでしょうに。精神が劣化しています。

https://www.aboluowang.com/2019/1004/1351025.html

10/4阿波羅新聞網<美中谈判风向转了?WSJ:弹劾恐让川普对中共更强硬=米中交渉の風向は変わる? WSJ:弾劾はトランプ大統領を中共に対して強硬にする>トランプ大統領は「電話ゲート」の弾劾の嵐に巻き込まれているが、WSJは弾劾案が米中交渉の風向を変えると予想されると報道した。トランプは中国との限定的な合意を求めるかもしれないが、中国は譲歩を望んでいないかもしれない。 中国の専門家はまた、「政治的成果を強調し、自らの選対の動機付けをするために、トランプは中共に対してさらに厳しい態度をとるかもしれない」と指摘した。

トランプは2日、米国株式市場の暴落を引き起こし、米国株式と国民の退職給付を引き下げた弾劾を非難し、弾劾の茶番は進行していないとツイッターに投稿した。WSJは「ワシントンと北京の専門家は、弾劾の調査はトランプに圧力をかけ、政治的支持を得るために、トランプは中国との限定的な合意を求めるかもしれない」と報道。

弾劾が中共との妥協を齎すのであれば、弾劾の裏に中共の存在があるのかも。民主党はパンダハガーが多いので。上院の多数を共和党が占めているので、どうせ弾劾はならないから、中共に妥協することなく、制裁を強化してほしい。

https://www.aboluowang.com/2019/1004/1351020.html

10/3希望之声<被启动弹劾后 川普的民调支持率升到2019年新高=弾劾開始後、トランプの世論調査の支持率は2019年の最高値に上昇>民主党によって開始された弾劾調査にもかかわらず、最近の世論調査では、トランプ大統領の支持率は今年最高のレベルに上昇した。

Harris Xが10/2に実施した調査によると、トランプの支持率は49%で、2019年の最高レベルであった。 9月中旬に実施された調査と比較して、2%増加した。

9/28から29に行われた調査は、下院民主党が、トランプ大統領のウクライナ大統領への電話についての弾劾調査の数日後に行われた世論調査である。

Harris Xの研究者は、米国全体で約1,000人の登録有権者を調査したが、±3.1パーセントの誤差の範囲である。

同時に、ラスムッセンの毎日のフォローアップ調査では、10/3のトランプの支持率は47%であったが、先週の木曜日(9/26)の支持率から2%低下した。 しかし、同時期のオバマ大統領の世論調査の数字よりも依然として高い。

2011年10月3日のオバマ大統領の支持率は44%で、これはオバマ大統領の第一任期の3年度の支持率である。

日本のメデイアの報道は、米国の左翼メデイア同様「トランプは悪い奴」と一所懸命刷り込もうとしています。しかし、賢明な米国人は騙されないということでしょう。

http://www.soundofhope.org/gb/2019/10/03/n3230861.html

10/3希望之声<习近平一身毛服阅兵实为何?=習近平が毛沢東服を纏って閲兵したが、その実力は?>「末尾9の年は必ず乱に遭う」の呪いで、経済成長の鈍化、米中貿易戦争の結果の予測不能、および香港での反「犯罪人引渡条例」運動の背景の中で、中共は執政70周年を記念して軍事パレードを開催した。習近平が一人、毛沢東服を纏って閲兵した軍事パレードの目的は何か? 多くの外部の人間によっていろいろ解釈されている。

軍事パレードの前日に、習近平は千人の中共政治局のメンバーを、タブーを破って、毛沢東記念館に連れて行き、礼拝した。 1日のパレードでは、軍の隊列に天安門広場の前で再び「東方紅」を流した。中央通信社は、これにより多くの中国人は吃驚したのではと報道した。「パレードは未来に向けてではないのか?どうして過去に戻るのか?」

実際、この当局の「戻る」ことを表す毛を称える歌は、執政当日の夜に再び歌われた。

台湾メディアは、「天安門の主要メンバーを従えて並んでいる習近平の権威は、彼の足下に掲げられている毛沢東の像に匹敵する。さらに、彼は今や、毛沢東の上に立っている」と報道した。

習近平の軍事パレードについて、香港TVは時事評論家の劉鋭紹の言葉を引用し、「習近平のスピーチでは、10年前のやり方とは異なり、前は元指導者の名前が1人ずつ呼ばれたが、その日は毛沢東一人だけで、多くの隊列は党の軍への指導を表し、習が核心であることを強固にする目的である」と。

劉鋭紹は、「過去、軍事パレードでは“書記長”と指導者を呼ばせたが、習近平は自身を「主席」と呼ばせ、習近平の核心的立場を強調した」と述べた。 さらに、軍事パレードの第1隊には、軍の上級幹部や将軍を参加させ、習の軍事委員会主席としての個人的地位を強調するために、すべての部隊が習近平に直接責任を負わなければならないことが示された。

中国当局が8月29日に史上最大の軍事パレードを実施すると発表すると、彼らの最初のテーマは「習の核心的立場を守るために努力する」ことであった。

清華大学政治学部の元講師である呉強は、ラジオ・フリー・アジアとのインタビューで、「北京での今回の大軍事パレードは、先ずは習の核心の権威を守ることであるが、実際には忠誠を誓わせるためだけである」と述べた。

政治評論家の唐靖遠は、「習近平の現在の権威と地位は不安定であり、ある程度まで攻撃の影響を受けている。習近平は、党内での政治的地位を強化し、軍事パレードやその他の手段を通じて政敵に衝撃を与える必要がある」と述べた。

米中とも内部の権力闘争が激しいですが、自由で民主主義の国であれば、争いが目に見えます。全体主義の専制政治の国では見えてきません。どちらを応援すべきかは自明でしょう。

http://www.soundofhope.org/gb/2019/10/02/n3228551.html

渡部氏の記事では、専門的な部分は分かりませんが、中国は嘘つきだから騙されないようにということと、情報宣伝戦を仕掛けてきているというのは良く分かりました。日本は自由主義国と一緒になって防衛に励み、相応の陣容を形作りませんと。心配だけしてもしょうがない。着々と整備していくだけです。そうすれば、朝鮮半島への備えにもなるでしょう。

記事

10月1日、北京で行われた中国建国70周年軍事パレード(写真:新華社/アフロ)

 中国は10月1日に建国70周年を迎え、北京の天安門広場で軍事パレードが行われた。兵員約1万5000人、戦車などの車両約580台、航空機約160機が参加し、最大規模のパレードであった。

 米国との貿易摩擦や香港問題など国内外で難しい問題を抱えるなか、一連の行事を盛大に行う目的は国内的には国威発揚だ。

 一方、国外的には米国をはじめとする諸国に、習近平主席が指導してきた人民解放軍改革の成果、特に核戦力の3本柱(ICBM、潜水艦発射弾道ミサイル=SLBM、核搭載戦略爆撃機)の威力を知らしめることだ。

 この種のパレードで肝に銘じたいことは「木を見て森を見ない状況に陥らない」ということだ。

 個々の兵器を詳細に分析することが「木を見ること」であり、そのこと自体は重要なことだ。しかし、もっと重要なことは「森を見ること」で、「パレード全体が意味することは何か」を考えることだ。

 本稿においては、この点に気を付けて軍事パレードを分析していきたい。なお、写真のほとんどは中国CCTVの中継放送から入手した。

習近平主席の野望 切り札は人民解放軍

 習近平主席の野望は、「中華民族の偉大なる復興」であり、2049年までに「社会主義現代化国家」を樹立し、「世界一流の軍隊」を建設することである。つまり、米国に追いつき追い越し、世界一の覇権国になることだ。

 習近平主席は、無類の軍事パレード好きで、この6年間で3回目の大規模な軍事パレードを今回実施したことになる。

 前任の江沢民氏や胡錦濤氏がそれぞれ10年間で1回しか軍事パレードを実施していないのとは対照的だ。

 そして、今回の軍事パレードでも明らかになったことは、習氏の野望を実現する切り札が人民解放軍であるという事実だ。

 習氏がパレードでの訓示で「中国は世界の東方にそびえ立ち、いかなる勢力も我々の偉大な祖国の地位を揺るがすことはできず、いかなる勢力も中華民族の前進を阻むことはできない」と主張した時に、その最終的な根拠が軍事力であることが明白になった。

 パレードの冒頭で国旗よりも先に共産党旗が登場したことが如実に示すように、国家よりも共産党が優先される中国において、共産党一党独裁が続く限り、共産党の軍隊である人民解放軍の増強が進むことを我々は覚悟すべきだ。

中国は世界一のミサイル大国 多種多様なミサイルを保有

 中国の戦力の中核は多種多様なミサイル戦力である。中国は過去数十年間、核および通常抑止力を強化するために軍事科学技術の窃取や開発に多くの資源を投入してきた。米国に対抗するためだ。

 中国は、米国が核戦略見直しによって「戦術核兵器使用の敷居を下げた」と認識し、「将来の戦闘で核兵器を使用する可能性さえある」と警戒している。

 今回のパレードは、中国の核および通常抑止力を米国などの諸国に誇示する良い機会であった。今回登場したミサイルは、「DF-41」、「DF-17」、「DF-100」、「DF-5B」、「DF-31AG」、「DF-26」、「HQ-6A」、「HQ-9B」、「HQ-12A」、「HQ-16」、「HQ-22」、「YJ-12B」、「YJ-18」などだ。

  • 米国のINF条約の破棄は合理的

 米国は、INF(中距離核戦力全廃)条約を破棄したが、その決定は妥当である*1

*1=Andrew S. Ericson, “Military Parade Shows Beijing is a Missile Superpower”, The National Interest

 なぜならば、米国とロシアが、INF条約の規定により地上発射の500キロから5500キロまでの核弾頭および通常弾頭を搭載したミサイルの破棄を求められている間に、INF条約の当事者ではない中国はINF条約に抵触する多種多様なミサイルを開発し装備化してきたからだ。

 その結果、インド太平洋地域において、中国が中距離核戦力において圧倒的な優位に立っている。

 また、中距離のミサイルを中核とした中国の接近阻止/領域拒否(A2/AD)戦略が非常に有効に機能し、米国の戦力特に海軍艦艇の西太平洋地域への接近を阻止している。

 米国がINF条約で禁止されてきたミサイルを開発・取得する可能性は高い。我が国は今後、米国の中距離ミサイルの配備候補地となることが容易に想像されるなど、今回の軍事パレードが日本に与える影響は大きいのだ。

  • 大陸間弾道ミサイル「東風41(DF-41)」

 新型のICBM「東風41」は、固体燃料で道路を機動可能であり、サイロから発射される固定的なICBMに比較して秘匿性と残存性に優れる。

 最大射距離は1万5000キロで、最大10発の核弾頭を搭載でき、中国本土から全米を射程に収めることができる。中国の対米核抑止力を大きく高める兵器である。

東風41(DF-41)

極超音速弾道ミサイル「東風17(DF-17)」

 今回登場した新兵器の中でも特に技術的に注目されたのがこの「東風17」だ。

 マッハ5以上で飛翔し、途中で軌道を不規則に変えることができる極超音速滑空兵器であり、日米の既存のミサイル防衛網では対処が難しいと言われている。

 この技術を確保するために米国、中国、ロシアがしのぎを削っているが、正式に実戦配備した国はなかった。

 もしも中国が東風17を実戦で使用できる兵器として完成していれば世界初の快挙となるが、実態はどうであろうか。

 東風17は、第2列島線に到達する射程(推定射距離1000キロ~2000キロ)を有するという説もあり、これが事実とすればグアムの米軍基地のみならず、日本の全体がその射程内に入る可能性がある。対抗を真剣に考えるべきだ。

東風17(DF-17)

  • 長距離巡航ミサイル「長剣100(CJ-100)」

 長剣100は、長剣10(CJ-10)(主として地対地巡航ミサイル、射程1500~2000キロ)の改良版で、射程2000~3000キロであり、第2列島線に到達する。

 「長剣10」に比較して精度と飛翔速度も向上し、これに対処することは難しくなっている。ターゲットは米国の空母機動打撃群特に空母などの大型艦艇である。

長剣100(CJ-100)

  • 潜水艦発射弾道ミサイル「巨浪-2」

「巨浪-2」は、相手からの第1撃から生き残り、第2撃能力を有する貴重な核戦力である。

 戦略ミサイル原潜から発射され、航続距離が7000キロと短い「JL-2」は、中国近海からだと米本土に届かない。米本土に近づいて射撃して初めて米本土に到達できる。

無人機

 無人機の重要性については、米軍がイラクやアフガニスタンにおける対テロ戦争において多用して得られた多大の成果を見ても明らかだ。

 最近では、サウジアラビアの石油精製施設が巡航ミサイルと無人機により破壊されて、世界中に大きな衝撃を与えた。

 中国は、米国に次ぐ世界第2位の無人機大国であり、人民解放軍が多様な無人機を導入しているだけでなく中東などにも輸出している。攻撃型の無人機の分野では米国を抜き世界一の輸出国になっている。

 今回の軍事パレードにおいても多様な無人機が登場したが、特に脚光を浴びたのは攻撃型の無人機の利剣(「CJ-11」、英語ではSharp Swordと呼ばれている)と無人偵察機「DR-8(WZ-8)」だ。

 これらの無人機と我が国は対峙しなければいけないが、現状では対処能力は限定されている。中国製無人機への対処は喫緊の課題であり、レーザー兵器、高出力マイクロ波兵器などの開発が急がれる。

  • ステルス無人攻撃機「利剣(GJ-11)」

X-47B

 利剣は、米国の「X-47B」、英国の 「タラニス」 、フランスの 「ニューロン」 などに似ているが、これらから技術を盗用した可能性がある。

利剣(GJ-11)

 ちなみに、米国のX-47B(ペガサス)は、空母離発着のステルスの無人戦闘攻撃機(UCAV)として開発され、レーザーと高出力マイクロ波で敵のミサイルや通信施設を破壊できる。

 米海軍は、X-47Bの開発計画を中止し、現在は無人偵察機であるMQ-25と空中給油機である「RAQ-25」の開発が計画されている。

 利剣は、中国初の国産空母 「001A型」 に無人偵察機として搭載されるという。空母などの大型艦艇に無人機を搭載することは世界中でトレンドになっていて、中国も例外ではない。

 一方で、利剣は、飛行中に他と航空機に燃料補給が可能な無人偵察機 「MQ-25」 ほど多用途ではなく、その主要任務は300キロから400キロ離れた目標にミサイルを正確に命中させることを補助するために、艦艇搭載ミサイルシステムの情報を収集することだという。

 また、敵の防空網が密集している地域の偵察や、外国の艦艇の追跡に利用できるという。

  • 無人偵察機「DR-8(WZ-8)」

 超音速偵察機DR-8は、米軍の高高度無人偵察機「D-21」に似ている。D-21は、偵察用の無人機として1962年に開発が開始された。

DR-8

 南シナ海や西太平洋で米空母打撃群と遭遇した場合、DR-8が重要な役割を果たすことが期待されている。

 DR-8は、40年以上前に引退した米国の超音速UAV 「D-21」 に似ている。

 米国はこの無人機を中国でのスパイ活動に使用し、活動中に多数の無人機が墜落し、その残骸は中国各地に散らばったままになっている。

 墜落したD-21の一つは、数年前に北京の軍事博物館で展示された。

 DR-8無人偵察機は、中国の「航空母艦キラー」である「DF-21D」対艦弾道ミサイル、「DF-26」弾道ミサイルの射撃を評価する任務も果たすことになる。

 DR-8は最大マッハ3.3のD-21よりも速く移動し、敵の防空網を突破し、情報を持って無事に戻ってくることができるという。

航空機

 今回登場した航空機は、「Y-20」、「KJ-2000」、「J-20」、「J-15」、「J-16」、「J-10B」、「H-6N」、「H-6U」などで、この分野でも多様さと質の向上が見られる。

  • 「H-6N」と「H-6U」

 戦略爆撃機 「H-6N」と「H-6U」が登場したが、「H-6U」は爆撃機「H-6」の空中給油型であり、パレードでは戦闘機に空中給油する姿勢で飛行していた。

H-6U

「H-6N」は、飛行中の燃料補給を行うことにより航続距離が1万キロへと大幅に向上したと報道されている。

  • 第5世代ステルス戦闘機と自称する「J-20」

 J-20は、今回のパレードでも注目を浴びた。J-20は2017年に空軍部隊に配置になり、ステルス戦闘機の量産は昨年末から始まったと報道されている。

 私はこの報道を信用していない。J-20が本当に量産体制に入るか否かは、今後人民解放軍が100機以上取得するか否かを見極めたい。

 J-20に関する最近の話題は、J-20が中国の次世代空母に対応するように改造され空母艦載機になるという。

 人民解放軍の最高意思決定機関である中央軍事委員会は現在、J-20を新しい空母に採用することを支持しているという。この根本原因は、現在の空母艦載機である「J-15」が欠陥機であるからだ。

 一方、J-20の最大の問題は重量ではなく長さであり、艦載機を目指すならもっと短くする必要がある。

 そのため、技術者たちが新しい発射システム(電磁式カタパルト)に対応するJ-20の短縮バージョンの開発に取り組んでいるらしい。

 J-20のもう一つの問題は、エンジンであり、J-20専用に設計された「WS-15」エンジンは数百時間のテストを経ているが、信頼性の目標をクリアしていない。

 そのため、中国製の「WS-10」とロシア製のエンジンを仮のエンジンとして搭載しているという。

 中国海軍は2030年までに少なくとも4個の空母戦闘群を編成する計画だ。中国が次世代の艦載戦闘機を開発するには少なくとも10年はかかるとみられ、欠陥機のJ-15を使い続けなければいけない運命にあるのが中国の空母だ。

情報戦関係装備・部隊

 人民解放軍は「情報戦環境下における局地戦に勝利する」を合言葉に訓練していて、情報戦を非常に重視している。

 普通の人には注目されないが、情報戦、サイバー戦、電子戦、宇宙戦を担当する戦略支援部隊の指揮下部隊もパレードに参加していた。

 戦略支援部隊は、習主席の人民解放軍改革の目玉であり、この点は注目されるべきだと思う。

最後に

  • 中国の宣伝戦に惑わされてはいけない

 中国の三戦は有名だが、軍事パレードにおいては宣伝戦に注意しなければいけない。

 本当にDF-17の滑空弾の能力やDF-26の対艦弾道ミサイルとしての能力が、実戦で本当に使用し得るレベルに達しているか否かは今後とも検証していかなければいけない。過度にこれらの兵器を恐れてしまう愚は避けなければいけない。

  • 軍事パレードは壮大な無駄使い

 結論的に言えば、中国の軍事パレードは壮大な無駄使いだ。

 軍事パレードが壮大であればあるほど、私はうれしくなる。なぜなら、軍事パレードをいくら見栄え良く整然と実施したとしても、それはあくまでもパレードであり、実戦的訓練とは程遠いからだ。

 このパレードのために長い人で数年前から、短い人でも半年以上前からただパレードのために時間を費やしているはずだ。その間、実戦的訓練を行っていない。

 軍事パレードを頻繁に行う軍隊は精強ではない。実戦的訓練を重視する米軍が大規模な軍事パレードを実施しない理由がここにある。

  • 言行不一致の中国に適切に対処せよ

 習近平主席は、「我々は平和発展の道を堅持し、ウィン・ウィンの開放戦略を実施する。引き続き、世界各国の人民と共に人類運命共同体を打ち建てることを推進していく」「世界の平和を断固として守らなければならない」と演説した。

 中国の非常にアグレッシブな姿勢とこの演説の中身との乖離は余りにも大きい。

 習近平体制化の中国の「言っていることと、やっていることの乖離」と軍事力の増強は今後とも変わりそうもない。

 我が国は、中国の軍事力の脅威に真剣に備え対処しなければいけない。

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