『金正恩氏「急遽作った極秘ルート」で最後はロシアに亡命か すでに「隠れ家」も用意されている…?』(9/29現代ビジネス)について

国際政治は奥が深いというか、言われていることで、何が真実かは良く見えません。本記事は「北の影にロシアあり」です。米国の一極支配を終わらせたいとロシアが思うのは自然ですが、それで国際世論を敵に回すようなことを敢えてするのかどうかです。金三胖のロシアへの亡命は戦争を避ける意味で国際世論も賛成するでしょうが、その後の北の政治を誰が仕切るのか、核の管理をどうするのか見えていません。北の核を残したままで誰かが統治するとなると日本への脅威も残ったままになるので賛成できません。米中露中心の国連軍管理として、核爆弾は廃棄処理するのが良いかと。米ロはSALTⅡで核爆弾を減らした実績がありますので。中国に引き渡すのはおかしいでしょう。日本への脅威は減りませんので。

9/13ブログ「みずきの女子知韓宣言」には<【韓国の反応】ロシア「サハリンと北海道を鉄道で繋ぎたい。日本とパイプライン事業をしたい。韓国は除外したい」>とありました。日本へのパイプラインの敷設には将来のエネルギーミックスの観点からずっと反対してきました。メタンハイドレートや核融合が実用化されると思っているからです。50年以内には商用化されるのではと思っています。韓国の邪魔を日本がしなくとも通貨スワップもできなくなりますので、滅ぶのは目に見えています。関わらないでいるのが一番。今度の衆院選では「通貨スワップに賛成」するのか「反対」するのか聞いて見るのが良いでしょう。保守の看板を掛けていても、本質が左翼リベラル派は賛成するでしょうから。良い踏み絵になります。

ただ、ロシアが北朝鮮経由で韓国にパイプラインを敷いても戦争のリスクがあるので、投資回収できなくなる恐れと韓国経済を見限ったことで、中止するのは合理的と思います。

http://oboega-01.blog.jp/archives/1067738216.html

金三胖の後ろ盾がロシアだとすれば、次の暴発は10/18中国共産党大会の日では?習近平の顔も潰せます。これで三度目となりますが。怒った習が瀋陽軍に金の討伐を命じるかもしれません。その時瀋陽軍はどう出るでしょう?北と一緒になって習に反旗を翻すかどうかです。中南海に北の核ミサイルが飛ぶかもしれません。中国は精度の高いミサイル防衛システムは持っていませんので、反撃して北を核攻撃するしかありません。「血で固められた友誼」の行く末がどうなるか楽しみです。太平洋に水爆を落とせば米軍が出動するかもしれませんが、ロシアに亡命するようなことを考えているようですので、流石に虎の尾は踏まないでしょう。

記事

水爆実験にミサイル発射と、もはや歯止めが利かなくなった北朝鮮の恫喝外交。国連総会も北朝鮮問題一色となった。そんな中、プーチン&金正恩政権の「密約」について、専門家が語り尽くした――。

北朝鮮はプーチンランド

中村 いまの北朝鮮は、言ってみれば「プーチンランド」と化してます。

近藤 プーチンランド? 何だかディズニーランドみたいですが。

中村 そう。ディズニーランドに行けばミッキーマウスに会えますが、北朝鮮に行けば、随所にロシアの「痕跡」が見られます。もはや金正恩政権は、ロシアの傀儡政権と言っても過言ではない。

近藤 たしかに、解放記念日(8月15日)の『労働新聞』に、金正恩委員長がプーチン大統領を称えた書簡が大きく掲載されていて驚きました。

中村 私もロシアの有力紙『モスコフスキー・コムソモーレツ』(9月7日付)を読んでいて、興味深い記事を発見しました。17kmあるロ朝国境近くに位置するハサン村のルポで、村の事務所には、金日成・金正日・プーチンの3人の写真が、並んで掲げられていたのです。

近藤 平壌最大の目抜き通り「栄光通り」が、「スターリン大通り」と呼ばれていた時代を髣髴させますね。そもそもソ連極東軍88旅団所属の金成柱を、ソ連が「金日成将軍」に仕立て上げて平壌に連れてきたのが、北朝鮮の始まりですからね。

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中村 70年近く経て、またもとに戻りつつある。ロシアの最新の世論調査によれば、米朝対立の原因が北朝鮮にあるという回答は、わずか12%。ロシアは北朝鮮の味方です。

3日の水爆実験も、プーチン政権の影を感じます。なぜなら5日前の8月29日に、ロシア政府がハサン村の住人約1500人に突然、避難命令を出しているのです。

羅先とウラジオストクを結ぶ北朝鮮の貨客船『万景峰号』も、8月24日に突然、運航中止となった。

日本のメディアは、「北朝鮮がウラジオストクの港湾使用料を未払いだったため、ロシア側が停泊を拒否した」と報じていましたが、とんでもない誤解です。あれも水爆実験の被害を避けようとした措置ですよ。

近藤 そうだとすると、3日の水爆実験は、北朝鮮とロシアによる「合作」のようなものですね。ちなみに実験場所からわずか100kmしか離れていない中国には、事前通告さえなかったそうで、習近平政権はカンカンです。

そもそも、広島型原爆の10倍規模の威力もある高度な水爆技術を、北朝鮮がこれほど短期間で独自に持てるはずがない。

中村 その通りです。カギを握るのは、ウラジオストクに本社がある「ロシア極東山岳建設」という会社です。元はソ連の国土交通省の一組織で、プーチンが大統領になって平壌を訪問した2000年に民営化されました。

近藤 まさに「プーチン系企業」ですね。

中村 そうです。この会社が、北朝鮮のインフラ整備にフル稼働しているのです。中でも、最も得意とするのが山岳地帯のトンネル建設なので、豊渓里の核実験場の工事を請け負ったのではないか。

近藤 坑道を800mも掘ったり、人間の大腸のような複雑な構造にさせたりして、放射能漏れを防いでいる。とても北朝鮮の技術とは思えません。

鉄道の地下にトンネルが

中村 このロシア極東山岳建設は、坑道建設ばかりか、ロ朝間の鉄道建設も請け負っていますよ。

近藤 羅先-ハサン間54kmの建設ですね。

この鉄路建設は、先代の金正日総書記が、’01年から’02年にかけて2年連続でロシアを訪問する中で決めたものです。

その後、建設が延期され、’08年に、ロシアが羅津港を49年間、租借することと引き換えに着工。’13年9月に、羅津港で開通式が行われています。

中村 開通式には、ロシア鉄道のヤクーニン社長も、モスクワから駆け付けました。

近藤 その際、一つ不可解なことがありました。計画から着工まで7年もかかったのは、北朝鮮側が建設費用の負担を渋ったからでした。かつて100億ドルも北朝鮮に債務不履行されたロシアが、二の足を踏んだ。

ところが、着工から竣工までも、丸5年もかかっているのです。もともと植民地時代に日本が敷いた鉄路があって、しかもわずか54kmなのに、長くかかりすぎです。

中村 フフフ……。

近藤 意味深な笑いですね。何か大事な訳でも?

中村 再度言いますが、ロシア極東山岳建設の最も得意な分野は、地下トンネルの建設です。おそらく鉄路の地下に、有事の際、金正恩一族が亡命するためのトンネルを建設したのだと思います。

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近藤 ナルホド!! それなら工事に5年かかっても不思議ではない。

加えて、両国を結ぶ鉄道建設という名目なので、アメリカのスパイ衛星も警戒心を抱かない。

中村 その通りです。この鉄路によってロシアとの貿易が急増すると同時に、トップの身の安全も図れる。北朝鮮にとっては、まさに一石二鳥です。

中国からは見捨てられた

近藤 これも金正日総書記時代の話ですが、ある高位の亡命者に、有事の際の金ファミリーの亡命ルートを教えてもらったことがあります。

平壌の金正日官邸の地下から、黄海の南浦まで、60km近く秘密の地下道が繋がっているそうです。南浦からは空路か海路で中国に亡命すると聞きました。

しかし、いまや習近平政権は、犬猿の仲の金正恩ファミリーを受け入れるはずもないので、このルートは使えません。

中村 それでロシアルートを作ったのでしょう。実は、この金正恩ファミリーの亡命ルートの話には続きがあるんですよ。

近藤 と言いますと?

中村 アメリカから攻撃されて、金ファミリーが、羅先から地下トンネルを伝ってハサンまで逃げたとします。そこから一路、軍港があるウラジオストクまで行くに違いない。

しかし極東にいたのでは、いつアメリカ軍に襲われるか気が気でないはずです。ロシアとしても、独裁者を匿っていると国際社会から非難を浴びる。

近藤 そうでしょうね。

実は中国政府も、かつて金正日ファミリーの亡命について、密かに内部で検討したことがありました。’02年にブッシュJr.大統領が、北朝鮮を「悪の枢軸」と非難して、米朝関係が悪化した頃です。

その時の結論は、「ファン・ジャンヨプ方式にする」というものでした。北朝鮮の序列26位だったファン・ジャンヨプ書記が、’97年に北京の韓国領事館に亡命を申請した時、中国政府は、3ヵ月以内に出国することと、米韓以外の第三国に向かうことを条件に、身の安全を保障しました。

同様に金正日ファミリーに対しても「3ヵ月以内の滞在」しか認めないとした。やはり厄介者扱いです。

中村 ロシアもそのあたりは熟考したはずです。

それでロシアの結論は、金正恩ファミリーを、ウラジオストクから北極海に面したムルマンスク軍港まで軍用機で運び、そこから約1000km離れたスヴァールバル諸島に、亡命先を用意してあげることだったのです。

この任務を担うロシア保安庁(旧KGB)の特殊部隊RSBが、すでに金ファミリーのボディガードを務めています。

北極海に浮かぶ島

近藤 スヴァールバル諸島?

中村 北極海に浮かぶ群島です。第一次世界大戦の頃、ロシア、ノルウェーなど、多くの国が領有権を争ったため、大戦終結後のパリ講和会議で、スヴァールバル諸島を、永久非武装地帯としました。

このスヴァールバル条約には、ロシアやアメリカなど40ヵ国以上が加盟していますが、島内にはロシア人居住地区があり、ロシアの法律が適用されています。

近藤 いまから100年近く前の条約ですね。

中村 そうです。1920年代から’30年代にかけて各国が加盟しました。

ところが昨年になって突然、このスヴァールバル条約に、ロシアの後押しを受けて、北朝鮮が加盟したのです。

近藤 北朝鮮は北極海になど、何の縁もないのに。金ファミリーの亡命目的としか思えない……。

中村 そうでしょう。しかも現在、島内のロシア人居住地区で、大邸宅の建設が始まっていることまで分かっているんです。

近藤 恐れ入りました!

金正恩委員長が強気、強気でいられる理由が、ようやく理解できました。いざとなればロシアが逃がしてくれるという「保険」があるんですね。

中村 そう思います。プーチン政権は、核の技術もミサイルの技術も提供したあげく、亡命先まで用意した。これほど頼もしい庇護者はいません。

しかもプーチン政権には、シリアがあれほど激烈な内戦のさなかにあっても、6年半にわたってアサド政権を守り続けてきたという実績がある。

近藤 プーチン政権がそこまで金正恩政権に肩入れする理由は何ですかね。やはり極東におけるアメリカと中国という両大国への剥き出しの牽制なのでしょうかね。

中村 それはあると思います。「3大国」とは言うものの、ロシアの経済力は米中に較べて圧倒的に脆弱です。極東には600万人くらいしかロシア人が住んでおらず、強い危機意識を抱いています。だから「東アジアのシリア」を作りたい。

もう一つは、天然ガスのパイプラインを、韓国まで引きたいという野望があります。

9月6日、7日にウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムに、プーチン大統領と韓国の文在寅大統領が揃って参加し、この話を詰めています。気をよくした文在寅大統領は、北朝鮮に800万ドルの人道支援を表明した。

これも、人道支援を大義名分にしてシリアを支配したプーチン大統領の入れ知恵でしょう。

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近藤 ロシアから韓国に天然ガスのパイプラインを引く計画は、’08年に李明博大統領がロシアを訪問した際に盛り上がった話です。ロシアのハバロフスク、ハサンから北朝鮮の元山を経て、韓国の仁川まで約2000kmを結ぶ壮大な計画です。

北朝鮮にはパイプラインの通行料として年間1億ドルを支払う予定でしたが、韓国の命脈を北朝鮮に握られるという懸念からご破算になりました。

中村 その計画を、9年ぶりにロシアと韓国、北朝鮮で復活させようというわけですね。

そんな「密談」が進んでいるところへ、安倍首相が出かけて行って、プーチン大統領に「北朝鮮への圧力」を説いた。本当に外交オンチです。

近藤 これだけ北朝鮮が日本に対する脅威になっていながら、日本だけが外交交渉でカヤの外に置かれている。厳しい現実ですね。

近藤大介(こんどう・だいすけ) (本誌編集次長)アジア取材をライフワークとする。新著『大国の暴走』(渡部恒雄氏、小泉悠氏との共著)他、24冊の著書がある 中村逸郎(なかむら・いつろう) (筑波大学教授)専門はロシア政治。『ろくでなしのロシア-プーチンとロシア正教』他、著書多数。テレビの名解説も人気を博している

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『金正恩の耳元でつぶやくトランプ 「イランとつるむな」「イスラエルに刃を向けるな」』(9/30日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

先ずは、昨日のブログに続き、「希望の党」の論評から。

9/29JBプレス池田信夫氏<なぜ民進党は小池百合子氏に「身売り」したのか 「吸収合併」で政党をリセットする政治的イノベーション>

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51212

9/29藤岡信勝氏のfacebookから。「9月28日は日本の政治にとって画期的な、記念すべき日だった。民進党という、反体制・容共政党が崩壊した日だったからだ。衆議院が解散すると同時に、野党第一党の民進党も事実上解散してしまった。前原代表だけは残務整理で残り、民進党は形式的にはまだなくなっていないかのようだが、それはただの移行過程にすぎない。菅直人、辻元清美も含む全議員が賛成し、つまり誰一人反対する者もなく、満場一致でみずから解党して消滅し去った。集団自殺のような光景だ。

これで米ソ冷戦期の産物で、負の遺産として日本政治のメインステージにデンと居座っていた容共政党がなくなる。これはまさに歴史的な、実に凄い出来事だ。こういう角度からの論評があまり見られないのは不思議だ。我々が目にする政治評論は、あまりに目の前の細々とした出来事に拘束されていて、大きな視野を見失っているように思える。

1990年代以降の日本政治を振り返ってみよう。そもそも民主党は鳩山由紀夫がつくった政党で、その機能は選挙互助会だった。綱領もない。つくろうとすると分裂するから長いことつくらなかった。その後民進党にかわったが、民主党も民進党もその客観的な役割は社会党と同じだった。その証拠に、2015年の安保法制騒動の中心になった。日本の政治の最大の課題は、国民の生命と財産の安全の確保だが、そのための政策に絶対に反対する政治的DNAを持った勢力が政界に根を張っていたのだ。

今回の小池新党もまさに選挙互助会だが、客観的機能は政界からの容共政治家の排除である。憲法と安全保障問題で左翼思想の人物は受け入れない、と小池は旧民進党議員受け入れの基準を明示している。昨夜(28日夜)前原から小池に、民進党から受け入れて欲しい立候補希望者の名簿を渡した。これを全部認めるというつもりは「さらさらない」と今朝のぶら下がり記者会見で小池は断言した。

今後のことはわからない。しかし、事態は、小池党首の国政選挙出馬を待望する声が大きくなり、10月5日の都議会終了後、立候補するという流れで進む可能性が高い。総理大臣になること以上に重要な案件はない。メディアは都政を放り出すのは無責任だと気違いのように批判するだろうが、その逆風が反対に有利に作用することもありうる。選挙結果は、希望の党だけで過半数をとることは難しい。他方、自民党も相当の議席を減らすだろうが、必死にがんばって、自公で過半数を維持するだろう。結果として、北朝鮮危機という国難に対処するために、大連立政権をつくるかもしれない。

結局、小池新党は、日本で初めて、保守二党体制が実現するきっかけになる。日本の政治は、自民党、希望の党、公明党、共産党の4つの政党に単純化されて行くだろう。北朝鮮危機を通して安全保障問題に国民が目覚めるように啓蒙すれば、戦力保持と交戦権を明記した憲法をつくる可能性が生まれる。一見、安倍首相と小池党首は対立し、互いに相手を批判することで選挙戦を盛り上げるだろうが、小池新党の登場は、自民党にとっても究極のセイフティ・ネットになっている。共産党と社民党は、小池新党を「自民党の補完勢力」と非難しているが、事実認識は私と全く同じである。真の敵こそが真実をより知っているのかも知れない。

今後、政局は激動し、予想外のことがおこり、紆余曲折を経るだろうが、大局は日本にとってよい方向に進んでいる、というのが私の観察である。政治的出来事の評価に当たっては、一切の感情論を排除して、政治的結果に着目し、大局的に観る必要があると改めて思う。」(以上)

藤岡氏は「希望の党」を評価しています。中山成彬氏が民進党の議員の選別をするとの話もあります。そうなれば左翼リベラルは連合の支援を受けなければ当選できません。無所属ですから比例復活もできません。良い傾向です。連合の神津里季生会長は篩い落とされた民進党議員は政策が一致すれば応援すると言っていますが、原発政策はどう考えるのでしょう?電力総連は当然アンチ反原発です。「希望の党」は小泉の影響を受けて反原発です。連合を離脱した化学総連は自民党支持です。連合も総評と同盟の2つに分かれた方が分かり易い。

9/27杉浦正章氏ブログ<米紙「金体制孤立化のターニングポイント」>には「サイバー攻撃によってミサイルや核開発を不可能とし、通信機能を麻痺させる作戦だ。次に「心理戦」だ。北の幹部はみな携帯を所有しているから、その携帯に向かって情報を流したり、“戦後の優遇”を保証して工作をさせる方式。さらには実験で発射するミサイルを片っ端から撃墜して、金正恩を心理的に追い込む。これらの作戦は既に机上で固まっており、後はトランプの指示を待つばかりであるようだ。」とあり、マテイス長官の「韓国の犠牲ない軍事選択肢はある」(当然日本もですが)との発言を裏付けるものです。

http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2017-09-27

9/29中国観察<金正恩走後門 找美專家探川普虛實(圖)=金正恩は別ルートでトランプの考えを探る>。でも北が当たった人間に拒絶されたとありました。金三胖もトランプに困り果てている様子が窺えます。時既に遅しでしょう。自分が助かりたいなら亡命しかありません。オバマと違い軍事力の行使も躊躇わないトランプだから外交ができると言うもの。NFLの黒人は国家・国旗に対し敬意を払わなければ、米国民を止めるべきです。昔のことを持ち出しても、進歩がないでしょう。人種差別と論理をすり替えるべきではありません。世界共通で左翼リベラルの得意とするところですが。日本の日教組・左翼教師も日本人を止めて中国人か北朝鮮人になればよい。愛する祖国の土を踏んだ途端スパイ容疑で射殺されるかもしれません。安全な日本で人権抑圧する共産主義活動をするなと言いたい。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/09/29/373320.htm%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E8%B5%B0%E5%BE%8C%E9%96%80-%E6%89%BE%E7%BE%8E%E5%B0%88%E5%AE%B6%E6%8E%A2%E5%B7%9D%E6%99%AE%E8%99%9B%E5%AF%A6%E5%9C%96.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

鈴置氏の記事を読みますと、北の包囲網は着々と敷かれている印象を受けます。中国への金融制裁の脅しが効いたため北との銀行取引取りやめ、イラン絡みでのイスラエルの反北、NATOもICBM開発で脅威が他人事でなくなって来た状況があります。それが上述の「中国観察」の記事となったのでしょう。

日本が気を付けるべきは戦争にならなくても「朝鮮総連」や「朝鮮学校」の存在があり、彼らがテロを起こす可能性があるという事です。国交がない国の組織に補助金を出すのは止めるべきですし、パチンコも球出し規制なんて甘い対策でなく、全面禁止すべきです。

記事

香港の地下鉄での広告でスマホをいじる偽委員長と、覗き込む偽大統領(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

トランプ(Donald Trump)大統領の激しい表現のツイッター。金正恩(キム・ジョンウン)委員長に直接、語りかける狙いもありそうだ。下からの情報に惑わされず、自分の目で世の中を見ろ、と。

ロケットマンへの直言

—トランプ大統領の「過激なツイート」が話題になりました。

鈴置: 9月23日につぶやいた「小さなロケットマンの先は長くない」が「金正恩氏を刺激する」と批判されました。

ロケットマンとはトランプ大統領が金正恩委員長に付けたあだ名です。そんな物言いは軍事的な衝突を起こしかねないから削除すべきだ、との声も起きました。原文は以下です。

Just heard Foreign Minister of North Korea speak at U.N. If he echoes thoughts of Little Rocket Man, they won’t be around much longer!

9月22日、金正恩委員長が声明を通じ「超強硬対応措置の断行」を宣言しました(日経・電子版「金正恩氏の21日の声明」参照)。

同日、それについてニューヨークに滞在中の李容浩(リ・ヨンホ)外相が「過去最大の水爆実験を太平洋上ですることではないか」と解説したのです(日経・電子版「太平洋で水爆実験なら国際法に違反」参照)。

さらに9月23日、李容浩外相は国連総会で「最終的な目標は米国と(核戦)力で均衡を作ること」などとも演説しました。

演説内容は聯合ニュースの「北の李容浩『斬首・攻撃の気配あれば、先制行動で予防措置』(総合2報)」(9月24日、韓国語版)で読めます。

この演説を受けて「小さなロケットマンの先は長くない」はつぶやかれたのです。

報告はちゃんと上がるか

—トランプ大統領はなぜ、北朝鮮に対し物議を醸すようなツイートをするのでしょうか。

鈴置:金正恩委員長に直接、語りかける目的もあると思います。大統領は9月19日の国連演説で「このまま行けば、ロケットマンもその政権も自殺行為になるぞ」と、核を放棄するよう警告しました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

Rocket Man is on a suicide mission for himself and for his regime.

でも、その演説がきちんと金正恩委員長に報告されたかは疑問です。部下が「国連で米国の老いた狂人が妄言を吐きました。核を持った我が国が恐ろしくて、口先で意気がっているのです。絶対に攻撃されません。予告通り、次は太平洋上で水爆を実験しましょう」などと具申した可能性が大きい。

もし「トランプが戦争のハラを固めたようです。ここは少し大人しくしましょう」とでも言おうものなら「腰抜け。お前は米国のスパイか」と、粛清されかねないからです。

ツイッターを使えば改竄されず、警告はそのまま金正恩氏に届きます。41分間もの長いトランプ演説を視聴しなくても、ツイッターくらいは覗くと思われます。金正恩氏は西側で教育を受けましたから。なお、普通の北朝鮮国民はツイッターにアクセスできません。

仮に本人がツイッターを見なくとも、部下は「ひょっとして親分がツイッターを見て『なぜ、報告しなかったのか』と怒り出すかもしれない」と恐れ、渋々「トランプが『先は長くない』とつぶやいています」と報告せざるを得ない。

小さなロケットマンの先は長くない」の中に「北朝鮮外相のスピーチが小さなロケットマンの意向を反映しているのなら」とあるのも、ツイッターによる「直接対話作戦」を思わせます。

北朝鮮のような国で、外相が最高指導者の意向と異なる発言はできません。なのに、最高指導者と周辺の間に外交方針に差があるかもしれないことを念頭にツイートする。少し変なのです。

やりたい放題やっても罰はな

—「部下に騙されているぞ。核の均衡など夢想するな」と耳元でつぶやいた……。

鈴置:部下も「騙す」というよりも「引っ込みがつかなくなっている」のだと思います。これまで北朝鮮はやりたい放題。それでも国際社会から罰を受けなかった。

アジア安保の専門家、ニューシャム(Grant Newsham)米海兵隊・退役大佐は「北朝鮮がなぜ、自殺行為に及ぶのか」との疑問に対し、以下のように答えています。

Asia Times の「North Korea: Doesn’t Kim Jong Un understand ‘suicidal’?」(9月2日)で読めます。

米国、日本、韓国など国際社会は、行いを改めるとの約束と引き換えに食糧、カネ、石油、果ては原子炉まで与えてきた。

(というのに)北朝鮮は、ラングーンで韓国の閣僚を爆弾で殺す。韓国の戦闘艦を潜水艦で撃沈する。日本人を拉致する。ミサイルを発射する。核兵器を作っては試験する。人で混み合う(マレーシアの)空港では白昼堂々と義理の兄弟を毒で殺す。

なぜか?(やりたい放題やっても)何も起きなかったからだ。

国全体がそんな「成功体験」に酔っている時に「いいかげんにしとかないと、そろそろ殴られますよ」と意見具申する部下はまず、いないのです。

日本からもお祝い

—会社も同じです。

鈴置:在日朝鮮人のグループが9月19日、建国69周年を祝う手紙を金正恩委員長に送っています。朝鮮中央通信の「在日本朝鮮人祝賀団メンバーによる手紙」(9月21日)が報じました。日本語版から、その一部を引用します。

世界を震撼させた大陸間弾道ロケット装着用水爆実験の大成功と9月の祝日をより意義深く輝かした各軍民慶祝大会を通じて共和国の強大無比の威力を全身で痛感しながら金正恩委員長が居て朝鮮革命の最後の勝利は確定的だという鉄の真理をいっそう心に深く刻み付けた。

北朝鮮の核ミサイルの標的となっている日本からも「水爆実験成功のお祝い」が寄せられるのです。金正恩氏ら指導部はさぞ、高揚した空気に包まれていることでしょう。

—北朝鮮の『「空気」の研究』ですね。

鈴置:こういう空気の下では、判断を誤り続けます。北朝鮮の指導層は「我が方が核で反撃するのを恐れ、米国は先制攻撃して来ない」と信じている、あるいは信じたがっているのです。

邪悪な存在にも警告はする

—でも米国が反撃を封じるために、核兵器も使って先制攻撃してきたらどうするのでしょうか。

鈴置:「米国は先制核攻撃しない」とも、なぜか信じ込んでいるのです。集団幻想です。

これまで北朝鮮のように外国に向かって「核で先制攻撃するぞ」と脅した国はありません。北朝鮮は2015年頃から、核による先制攻撃を何度も宣言しています(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

そんな国は、先制核攻撃されても文句は言えません。というのに、北朝鮮ではそこを読めなくなっている。だからいまだにやりたい放題なのです。

そこで最高指導者に直接「目を覚ませ」と……・

鈴置:大統領の国連演説で、北朝鮮は少し腰が引けました(「金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ」参照)。でも、核を放棄する気はもちろんない。

トランプ政権は「こっちは本気だ。戦争する覚悟はあるんだよ」と、畳みかけておこうと考えたのでしょう。

国連演説で大統領は北朝鮮を「邪悪(wicked)」な存在と決めつけました。でも、そんな国だって「完全に破壊(totally destroy)」する前に「完全な警告」はしておきたいものです。いくら悪漢でも、撃ち殺したら寝覚めが悪い。

イラン・コネクション

そして今は「ツイッター」という直接対話の道具がある……。

鈴置:そこです。新しくできた便利な道具を利用しない手はないのです。昔だったら敵の指導者に密書を送るところです。でも密書は途中で握り潰されることも、改竄されることもある。

ツイッターならそんな心配はない。それに文章の長さに制限はあるけれど、何本も送ることができる。

小さなロケットマンの先は長くない」と同じ日に、トランプ大統領は北朝鮮関連のツイッターをもう1本、発信しています。「イランがイスラエルに届く弾道弾を撃った」です。

Iran just test-fired a Ballistic Missile capable of reaching Israel. They are also working with North Korea. Not much of an agreement we have!

9月23日、イランが「射程2000キロの多弾頭の新型弾道弾『ホラムシャハル』の試射に成功した」と発表しました。米英仏はイランのミサイル開発は国連決議に違反すると批判しています。

このツイートは弾道弾の試射を非難したものです。3番目の文章をご覧下さい。これだけでは分かりにくいのですが、2015年にオバマ(Barack Obama)政権が結んだ、イランに核兵器開発を凍結させる合意は意味がないと指摘したのです。

トランプ政権はこの核合意を破棄したくてしょうがない。合意ではイランの核武装を食い止められないとの判断です。大統領は9月19日の国連演説でも北朝鮮に続き、イランを非難しました。以下です。

We face this decision not only in North Korea. It is far past time for the nations of the world to confront another reckless regime — one that speaks openly of mass murder, vowing death to America, destruction to Israel, and ruin for many leaders and nations in this room.

「邪悪(wicked)な存在」の2番目にイランを挙げました。「虐殺と米国の壊滅、イスラエルの破壊を公然と誓う向こう見ずな政権」と規定し、北朝鮮と同様に世界は対処を迫られていると訴えたのです。

イスラエルが強く批判

—なぜ、核合意の見直しを今になって言い出したのですか。

鈴置:もともと米国では、実効性が疑わしいこの合意を結ぶべきではないとの意見が根強かった。イスラエルが核合意を強く批判していたこともありました。

しかしオバマ政権はイスラエルを見捨てる格好でイランと妥協した。2017年1月に、イスラエルと近いトランプ政権が発足し、見直しの声が高まったのです。

もう1つ理由があります。安全保障専門家、あるいは北朝鮮や中東の専門家の間では、北朝鮮とイランは核・ミサイルを共同開発しているというのが常識でした。

ツイート「イランがイスラエルに届く弾道弾を撃った」の2番目の文章「イランは北朝鮮と一緒に働いている」はそれを指します。

北朝鮮が弾道弾を乱射するのを見て「よくカネが続くな」と首を傾げる人が多い。でもイランが北朝鮮に資金を提供していると考えれば納得できます。ことに核合意により、イランは経済制裁を解除されたのです。

そこに北朝鮮の「水爆実験」(9月3日)。イスラエルはもちろん、同国を支持する米国人も、さらには欧州各国も危機感を強めました。イランが北朝鮮と一緒に核武装する可能性が高まったからです。

「イラン・北朝鮮コネクション」に、ようやく注目が集まりました(日経・電子版「北朝鮮とイランに協力疑惑 核・ミサイル開発」参照)。北朝鮮とイランの2つの核問題は、一体のものとして検討されるようになったのです。

局面が変わった

—金正恩氏がトランプ大統領のツイートを見たら、どう考えるでしょうか。

鈴置:このツイートは米国民や世界の人々に「イラン・北朝鮮コネクション」の存在を認識させたうえ、北の核開発阻止に全力をあげるとの決意を示したものです。

金正恩氏が注意深く読んだら「局面が変わった。相当にまずいな」と思ったはずです。核武装してしまえば世界が追認するはずでした。米国はいざとなれば自分の核で均衡を作り、対抗できる。欧州にとって北朝鮮は遠い国で、直接的な脅威を感じないからです。あとは日本と韓国を脅して認めさせればいい。

でも、イランが北朝鮮製の核を持つ可能性が高まると、米政界で強い力を持つイスラエルが「北の核」潰しに動くのは目に見えています。

イランが開発に成功したという射程2000キロの「ホラムシャハル」に核弾頭を載せれば、イスラエルは日常的に核の威嚇にさらされます。

もし、イランが射程4000キロの弾道弾を持てば――北朝鮮の「火星14」は8000キロ以上の射程を持つとされています――英国までが攻撃範囲に入ります。

NATO(北太平洋条約機構)加盟国も安穏とはしていられません。結局、北朝鮮の核を巡り世界が妥協する可能性は急速に減ったのです。

米国の外交界には「米本土まで届く弾道弾は作らないと約束させたうえで、北の核は黙認しよう」とのアイデアもありました。が、それを受け入れる空気は急速にしぼむでしょう。

—北には「核兵器を輸出しないから核保有を認めてくれ」と言う手がありませんか?

鈴置:そんな妥協案が受け入れられるかは疑問です。北朝鮮は信用がありません。これまで約束を破り続けてきたからです。

もし北が誠実に約束を守ってきたら、今頃は米国や日本との国交も樹立し、朝鮮半島は核のない地域になっていた可能性が高い。

安倍晋三首相が9月20日の国連総会の一般演説で、北朝鮮の数々の約束違反を列挙しました。韓国や米欧に残る「対話で解決すべきだ」などという、現実を無視した主張を潰す目的もあったのでしょう。

ガソリンが足りなくなるぞ

—トランプ大統領は金正恩委員長の耳元でつぶやくことで、軍事的な圧迫の威力を増そうとしている……。

鈴置:経済制裁の威力を増す狙いと思えるツイッターもあります。9月17日の「北朝鮮のガソリンスタンドには列ができる」です。

I spoke with President Moon of South Korea last night. Asked him how Rocket Man is doing. Long gas lines forming in North Korea. Too bad!

北朝鮮が経済制裁の強化に対応するため、ガソリンの販売規制を始めたとの情報がありまして、それをもとにつぶやいたものと思われます。

9月11日に採択された制裁案では原油の全面禁輸は盛り込めず、現行水準で凍結するに留まりました。ただ、ガソリンなど石油精製品の輸出は年間200万バレルの上限を設けました(日経・電子版「国連安保理 北朝鮮追加制裁決議の要旨」参照)。

そこでトランプ大統領は「ガソリン不足に陥るぞ。さあ、どうする」とつぶやき、金正恩委員長に北の厳しい未来を思い起こさせたのです。

「ガソリンスタンドに列」との情報が金正恩氏に上がっていない可能性もあります。その際これを読めばさらに動揺するとも計算したのでしょう。

「世界」だけでなく「相手の統治する国」の情報も伝えることが独裁者の説得には有効なのです。

(次回に続く)

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『党代表名簿から消された「毛沢東の孫」の光と影 偉大な祖父には一度も会えなかった、との噂も』(9/29日経ビジネスオンライン 北村豊)について

“希望(xi1wang4)之党馬上就変成失望(shi1wang4)之党“。中国語普通話では「希望」と「失望」は似た発音です。日本人では聞き分けが難しいでしょう。今次選挙(衆議院&都知事?)で希望の党を選べば確実に失望に変わります。小池・前原は保守を標榜していますが真っ赤な嘘でしょう。二重国籍の蓮舫元代表も泥舟を捨てて乗り換えるのですからどうしようもない。参院議員ですが。この三人には責任感と言うものが微塵も感じられません。反安倍だけで集結するとか言っていますが、国民の生命を守る気概を持ったのはいません。インチキ政党です。人を批判するだけで仕事ができない無能の人の集団です。中山恭子氏も小池の野心の為に保守の看板として利用されているだけです。自民党に復党した方が良いでしょう。まあ、希望の党は本当に左翼・リベラルを加入させないというのであれば、それは歴史的意義のある存在となるでしょうけど。小沢・枝野・岡田・辻元・有田・白真勲・福山・小西・小川・赤松等は当然入れないのでしょうね?(今回の前原の決断は小沢がシナリオを描いたという説もありますが)。

本記事の毛新宇について福島香織氏も論評していましたので9/23本ブログでも取り上げました。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7248

習近平が毛新宇等太子党メンバーの名を共産党大会の名簿から外したのは、太子党は自分を守ってくれる味方だとは思わず、反旗を翻す力を持った存在と見ているという事でしょう。金三胖が実の兄である金正男を殺害したようなものです。一人独裁は猜疑心が強くなり、周りが総て敵に見えます。スターリンやヒットラー、毛沢東もそうでした。蒋介石も228事件を引き起こし、台湾人民に中国人に対する怨嗟の感情を持つようにさせました。

習の政敵を早めに粛清するやり方は相手の恨みを買い、どこかで高転びに転ぶ気がします。また、金三胖の相手が無能のオバマでなく、トランプである限り、殺害されるか亡命するかのどちらかでしょう。亡命するにしても世界の笑いものになってでも生きることを欲するかどうか。また亡命に成功しても暗殺の可能性もありますし。やはり米朝戦争まで行くのではと思っています。

9/28宮崎正弘氏メルマガに<「考えられないことを考える」と、中国が北朝鮮を攻撃するのではないか 米国の介入を事前妨害の動きなく、しかも米朝開戦なら「中立」と放言>とあります。この中で宮崎氏は「「掌握できていない旧瀋陽軍区を北朝鮮攻撃に際して先頭に立たす」とどうなるか。軍権を掌握できるから「一石三鳥」となるかもしれないではないか。」と書いています。朝鮮戦争時、毛沢東が投降した国民党軍を前線に立たせ壊滅させた故事を彷彿とさせます。

http://melma.com/backnumber_45206_6589058/

9/19本ブログでもEast Asia Forumに賈慶国(Jia Qingguo)北京大学教授が寄稿した記事を紹介しました。それによると北の難民の管理の為、PLA(人民解放軍)を北に派遣することが米軍攻撃の一条件でした。米軍と連携して、中国が北を攻撃することは充分あり得ます。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7218

習が毛新宇を大事にしないのは、毛沢東時代の北朝鮮との「血で固められた同盟」はありえないという意思表示なのかもしれません。

記事

中国共産党“中央軍事委員会”の機関紙「解放軍報」は9月6日付で、「“中国人民解放軍”(以下「解放軍」)と“武装警察部隊”(以下「武警部隊」)が中国共産党第19回全国代表大会に出席する代表を選挙で選出」と題する記事を掲載した。同記事は、「解放軍と武警部隊の31選挙単位が“党代表大会”あるいは“党代表会議”を招集して共産党の第19回全国代表大会に出席する代表303名を選挙で選出した」と報じ、選出された代表の名簿を姓の画数順で公表した。303名の内訳は、解放軍253名、武警部隊50名であり、そこには女性が前者に26名、後者に1名含まれていた。

中国共産党の全国代表大会とは、中国の政治を指導する中国共産党の最高指導機関であり、日本の国会に相当する“全国人民代表大会”より上位に位置付けられ、5年に1回開催される。今年はその開催年に当たり、中国共産党第19回全国代表大会(以下「第19回党大会」)が10月18日から約1週間の予定で挙行される。第19回党大会に出席する代表は合計2300名で、全国の40選挙単位から選挙によって選出される。代表は中央選出と地方選出の2つに区分されており、中央選出は(1)党直属機関、(2)国家機関、(3)企業系列、(4)金融系列、(5)解放軍と武警部隊からなり、地方選出は、(a)直轄市<4市>、(b)省級行政区<台湾省を含む23省>、(c)民族自治区<5自治区>からなる。

太子党優遇の常識、もはや通じず

さて、9月6日付の「解放軍報」が303名の解放軍と武警部隊の代表名簿を報じると、香港の日刊英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)」は「“太子党”<注1>の中で毛沢東の孫は第19回党大会に選出されず」と題する記事を掲載して次のように伝えた。

<注1>太子党とは、中国共産党の高級幹部の子弟たちで特権的地位にいる人たちを指す。

32歳の時、祖父・毛沢東について書いた自著を持つ毛新宇氏(写真:ロイター/アフロ)

毛沢東の孫である“毛新宇”少将、元国家副主席“朱徳”の孫で“空軍指揮学院”副院長の“朱和平”など、中国軍隊内部の太子党の看板と言える人物たちが、第19回党大会の代表に選出されなかった。解放軍と武警部隊が最近発表した303名の第19回党大会代表団の中に毛新宇と朱和平の外に、元国家主席“劉少奇”の息子で元“上将(大将と中将の間)”の“劉源”、元国家主席“李先念”の女婿で“国防大学”元政治委員の“劉亜洲”、元共産党総書記“胡耀邦”の女婿“劉暁江”の名前がなかった。彼ら5人は2012年11月に開催された第18回党大会では党代表であった。

彼らが“習近平”政権の第2期指導部の陣容と新たな指導部による中国最大の政治活動を決定する党大会の代表に選出されなかったことは、彼らが権力の中枢から排除され、事実上今後の軍隊内部における昇進対象から外されたことを意味する。今まで革命元老の子弟に党代表の資格を付与するのは当然の事とされていたが、習近平の政権掌握後は、この政治的背景が影響力を発揮しなくなった。この点について、マカオ国際軍事学会会長の“黄東”は「彼らがそろって党代表に選出されなかったのは、習近平が党元老の子弟の影響力を故意に抑制しているからではなく、習近平が彼らを信頼できない人物、あるいは軍隊を率いる能力がないと考えたからだろう」と述べた。

祖父の威光で最速出世も、陰では…

そこで、「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」紙が当該記事の表題にその名を挙げた毛沢東の孫である毛新宇に焦点を当てて、黄東の言葉を検証してみると以下の通り。

【1】毛新宇は1970年1月17日生まれの47歳。彼は毛沢東の次男“毛岸青(もうがんせい)”を父、その妻“邵華(しょうか)”を母として北京市に生まれた。“族譜(家系譜)”に登録する際の名前である“譜名”を“毛世新”という。後述するが、彼は毛沢東の唯一の“嫡孫(嫡子とその正妻の間に生まれた男子)”という運命を背負って生まれた。2014年3月にメディアの記者が目測したところによれば、毛新宇の体格は身長178cm、体重110kgというから巨漢である。写真で見る限り、彼は幼少期から肥満気味であったが、青年期になるとその体躯はますます肥満の度合を強め、30歳を過ぎる頃に相撲取り同様の体躯に成長して、現在に至っている。

【2】毛新宇は1988年7月に北京第六十七中学を卒業し、1992年7月に“中国人民大学”の“歴史系(歴史学部)”を卒業した。専攻は“明清史(明朝・清朝の歴史)”であったが、“不修辺幅(服装に頓着しない)”ので汚いことで知られ、巨体の彼はどこにいても分かるほどだった。実は、中学卒業時点で、母親の邵華が“北京大学”校長の“丁石孫”を訪ねて、⽑沢東の孫だから北京大学に⼊学させろとごり押ししたが、丁石孫に体よく断られた経緯があったという。その後の毛新宇は、1992年9月から1995年5月まで“中央党学校”の“理論部(理論学部)”修士課程で学び、1993年に中国共産党へ入党、2000年に“軍事科学院”の博士課程へ進学し、それと同時に解放軍へ入隊した。その後順調な軍隊生活を送った毛新宇は2008年7月には軍事科学院戦略部の副部長に抜擢され、2003年7月に博士学位を獲得したが、3500字の博士論文は2005年の全国優秀博士学位論文に選ばれた。2008年には“胡錦濤”総書記の推薦を受けて第11期全国政治協商会議全国委員に選出され、2009年に39歳でこの時点の解放軍内で最も若い少将に任命された。

【3】こう見てくると毛新宇の人生は順風満帆そのものだが、そこには隠された秘密があった。中国の庶民は毛新宇を陰で“猪八戒”と呼ぶ。そう、中国古典小説『西遊記』に登場する“猪八戒”である。西遊記の中で“猪八戒”は“猪臉人身,黒猪模様(豚の顔に人の身体で黒豚の様)”と形容され、“孫悟空”には常に“呆子(間抜け)”と呼ばれ、コミカルな人物として描かれている。毛新宇の写真を見れば分かると思うが、巨漢の彼は誰が見ても“猪八戒”そのものなのである。

【4】毛新宇はその不可解な言動がしばしば注目を集める。彼の揮毫(きごう)好きは有名で、頼まれると喜んで色紙などに様々な文句を書いて署名するのだが、その文字が余りにも幼稚かつ悪筆で、小学校低学年並みと人々から嘲笑されている。あるネットユーザーは毛新宇の文字を“果真, 字如其人(やっぱり、文字は人を表す)”と評している。人々は彼の体形や言動などを総合して、人民大学卒業や党学校修士課程と軍事科学院博士課程の修了は全て毛沢東の孫としての特別待遇によるものであり、全国優秀博士論文に選ばれた博士論文は他人が代筆したものと考えている。そんな彼に解放軍の少将が務まるとは誰も思っていないが、毛沢東の嫡孫であるために公然と文句を言う人間はいなかった。

毛家を絶やさぬために

【5】さて、毛沢東には4人の妻がいた。最初の妻、“羅氏”との間には子供はいなかった。2番目の妻、“楊開慧”との間には3人の息子、“毛岸英”、“毛岸青”、“毛岸龍”を授かったが、毛岸龍は4歳で死亡したため、成人したのは毛岸英と毛岸青の2人だった。3番目の妻、“賀子珍”との間には3人の息子と3人の娘が生まれた。しかし、5人を行方不明や病死で無くし、成人したのは3女の“李敏”だけだった。4番目の妻、“江青”との間には4女の“李訥(りとつ)”が生まれた。要するに、毛沢東には10人の子供がいたが、成人したのは毛岸英、毛岸青、李敏、李訥の4人だけであり、毛家を継げるのは毛岸英と毛岸青の2人だった。

【6】ところが、長男の毛岸英は朝鮮戦争中の1955年11月に解放軍部隊(中国人民志願軍)の司令部付ロシア語通訳として派遣されていた朝鮮で、米軍機の爆撃を受けて死亡した。これには諸説あるが、米軍機の襲撃時に毛岸英は悠然と卵入りの炒飯を作っていたが、米軍機はそこから立ち上る煙をめがけて爆撃を行ったのだという。とにかく、毛岸英は朝鮮戦争従軍中に28歳で戦死し、後に残されたのは次男の毛岸青であった。しかし、毛岸青は30歳頃から精神分裂症を患い、“中南海”<注2>内の医院に入院した後、大連市で療養生活を送っていた。このままでは毛家が絶えると考えた毛沢東は、1960年1月に毛岸英の妻“劉思斎”の妹の邵華(当時21歳)を毛岸青(当時37歳)の嫁として向かえ入れた。当時、邵華は北京大学の学生だった。

<注2>中南海は北京市中心部にある中国共産党や中国政府の重要機関や要人の住居がある場所。

孫に会わなかった理由は

【7】邵華と結婚はしたものの、精神分裂症が進行していた毛岸青には妻と性交渉を行うことができず、子供が生まれる可能性は絶望的だった。一説によれば、この状況を心配した“国務院総理”の“周恩来”が、解放軍301医院に命じて人工授精を行わせ、二回目で成功した結果、1970年1月に毛新宇が生まれたという。しかし、中国で最初の人口受精は1983年に“湖南医学院”で成功したとされており、この説には説得性がない。毛新宇誕生の報告を受けた毛沢東は、全く興味を示さずにこれを無視し、2回目の報告を聞くと読書中の手を休めて、他人事のように「ああ、世界に飯を食う口がまた一つ増えた」と述べたという。毛新宇という名前は毛沢東が命名したというが、不思議なことに、毛沢東は1976年9月9日に亡くなるまで、嫡孫である毛新宇と会うことはなかったという。一方、毛新宇は生前の毛沢東と何度も会ったと吹聴しているが、これは多くの人が嘘と断定している。

【8】毛沢東はどうして待ち望んだ跡取りである嫡孫の誕生を喜ばなかったのか、また、亡くなるまでの6年9カ月の間に毛新宇と会わなかったのか。その理由は不明だが、毛沢東は毛新宇を毛岸青の子供とは認めていなかった可能性がある。ある説によれば、以下の理由によるという。

(1)21歳で毛岸青の妻となった邵華には当時1歳違いの恋人がいた。それは解放軍大将“徐海東”の息子の“徐文伯”であった。しかし、邵華の母親の“張文秋”は2人の仲を引き離して、邵華を無理やり分裂症の毛岸青に嫁がせた。この結婚を邵華がどれほど嫌がっていたかは想像できる。邵華は毛岸青に嫁いだものの、若い身空で夫との性交渉もない生活を余儀なくされた。そして嫁して10年後の1970年に邵華は毛新宇を産んだ。上述の通り、当時の中国には人口受精の技術はなかったというのなら、邵華はどうやって身籠ったのか。

(2)肥満体である毛新宇の頬はパンパンに張っていて、毛沢東のように垂れ下がっていない。もし彼が毛一族の血を引くのならば、頬も垂れ下がっているはずである。これに対して邵華との仲を引き裂かれた徐文伯は肥満体であり、その頬は毛新宇と同様にパンパンに張っている。「これは徐家の太り方であって、毛家の太り方ではない」と情報筋は語っている。

(3)2008年に邵華が69歳で死亡すると、毛新宇は翌年(2009年)12月26日の毛沢東生誕116年式典に、母親が在世中と同様に叔母に当たる李敏と李訥および“堂叔(父のいとこ)”である“毛遠新”と一緒に参加しようとしたが、彼らから拒否されたという。ここから見えてくるのは、毛家では毛新宇を一族とは見なしていないと考えられるのである。

(4)なお、徐文伯は1937年生まれで、現在80歳。邵華とは北京大学で学部は違うが先輩後輩の関係にあった。1990年から1999年まで中国政府“文化部”副部長を務め、その後は全国政治協商会議全国委員を2期(10年)務めた。

【9】話は変わるが、毛新宇は2回結婚している。最初の結婚は1997年12月で、彼が27歳の時だった。相手は旅行の途中で立ち寄った山東省“泰安市”にあるホテルの食堂でウエイトレスをしていた“赫明莉”(当時25歳)であった。一介のウエイトレスと嫡孫の毛新宇とでは全く釣り合わないが、毛新宇が赫明莉に“一見鐘情(一目ぼれ)”して強引に押し切ったと言われている。しかし、この結婚は長く続かず2000年に離婚した。

【10】毛新宇の2回目の結婚は2002年で、相手は当時25歳で解放軍医療従事者の“劉濱”(当時25歳)であった。毛新宇は2000年に赫明莉と離婚したすぐ後に、友人の紹介で劉濱と知り合って恋に落ちたという。劉濱は毛新宇との間に2003年12月26日の毛沢東生誕110周年の記念日に男児“毛東東(もうとうとう)”を、2008年8月に第2子となる女児“毛甜懿(もうてんい)”を出産した。2005年2月には毛東東の満1歳を記念した郵便切手が発行された。なお、最初の妻であった赫明莉は2002年に毛新宇が劉濱と結婚した直後に、秘密裏に北京市内の“秦城監獄”へ収監されたという。そして、赫明莉は毛東東が誕生した2003年12月26日の3日後に同監獄内で突然死を遂げたと言われている。その原因は、赫明莉が毛新宇の性的不能という秘密を外部に漏らしたためという説があるが、これが正しければ、劉濱は2人の子供を人工授精で出産したことになる。

さらなる大鉈を

毛新宇が毛沢東の嫡孫かどうかはDNA鑑定を行えば、簡単に判定結果が出るだろうが、中国の国家としての面子に関わることだから、敢えてそれが行われることはないだろう。上記の諸点を考慮すれば、毛新宇が解放軍の少将として相応しいか否かは明らかであり、習近平が第19回党大会の解放軍代表名簿から毛新宇を外したのは言わずもがなの事と言えるのではないか。大した能力もなく、努力もしないのに太子党という特権階級にあぐらをかき、解放軍内でスピード出世を果たす輩(やから)を野放しにすれば、解放軍内に腐敗が蔓延するのは必定で、深刻な戦力低下を来すことは間違いない。それを防止するために、習近平は太子党からの激しい反発を覚悟で無能者や不満分子に大鉈(おおなた)を振るったのではないだろうか。

中国の古典『淮南子』に「“見一葉落, 而知歳之將暮(一葉落ちて天下の秋を知る)”」とあるが、これを前触れとして、習近平は太子党に対してさらなる大鉈を振るうことになるのだろうか。

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『共青団「偽ツイッター」は習政権への宣戦布告か 党大会目前、猛攻に晒されるエリート集団の反撃策は…』(9/27日経ビジネスオンライン 福島香織)について

9/28JBプレス 阿部純一<中国共産党「党大会」、注目すべき4つのポイント 第2期習近平政権が狙う「成果」は何か>の中で、習が狙うのは「台湾統一」で、而も米海軍艦艇が台湾寄港するのを口実にしてとのことです。中国のA2ADがどれだけのものか、プロパガンダに過ぎないと言う意見もあります。台湾海峡が不穏になれば、海上封鎖できる機雷を、日米合同で中国沿岸の沖合に敷設すれば良いのでは。魚釣島にオスプレイと自衛官も配備すべきです。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51156

その前に米国は中国に金融制裁を課して貿易で人民元しか使えなくすれば良いでしょう。ユーロは米国の脅しに遭い使えなくなるのではと思います。協力しなければ米国は「NATO脱退する」となるでしょうから。

9/28テイラーソン国務長官が訪中して、11月トランプ訪中の露払いをするとのこと。10/18共産党大会前だから習近平は騒ぎを起こしてほしくないと思っているので、米国の言うことをある程度聞くのでは。そうしないと制裁関税、悪くすれば二次的制裁でなく中国の銀行に金融制裁をかけられる可能性もありますから。

https://jp.reuters.com/article/usa-china-tillerson-idJPKCN1C2003

9/23宮崎正弘氏メルマガ<バノン、北京で王岐山と秘密会談>。王岐山は本当に経済担当になるのかどうか。またトランプがバノンを派遣したのかどうか。バノン単独での行動だとすれば狙いは何か、疑問点はいくらでもあります。まさかキッシンジャーの差し金ではないと思いますが。王岐山は郭文貴の引き渡しを要求したと思います。中国No1美人女優として名高い范冰冰との関係を郭文貴に暴露されましたので。

http://melma.com/backnumber_45206_6586904/#calendar

9/27CNN<アラバマ上院補選の共和党予備選、バノン氏擁立の候補が勝利>。共和党内の予備選の結果です。福音派の力が大きかったという事でしょう。

https://www.cnn.co.jp/usa/35107888.html

福島氏の記事は、習は団派も敵として追い詰めつつあるという事です。三国志同様、これにより団派+江派となるかどうか。お公家集団の団派は下放を経験した習の敵ではないでしょう。中国では毛沢東のように簡単に人を殺せる人間が英雄として祀られ、統治します。胆小な周恩来は毛の言いなりでした。躊躇いは自分がやられることを意味します。習の清華大学卒などは裏口入学でしょう。下放で勉強などできなかったと思います。胡錦濤が江沢民への恨みを晴らしたいという気持ちは分かりますが、自分の力では江沢民を押さえつけることができなかったのも事実。団派はこれから生き延びるにはたいへんでしょう。でも知的エリートを大事にしない習の性格は日米にとってはプラスです。中国経済の衰退に手を貸し、軍拡も勢いが止まるでしょうから。

記事

本物か、偽物か、反撃か、ひやかしか

9月15日、共産主義青年団(共青団)がツイッターにオフィシャルアカウントを持ったので、ツイッターユーザーたちが驚いた。Vマーク(本人認証)はついておらず、なんとなく疑わしいとは思いつつ、海外メディアも記事で取り上げた。9月18日に中国のSNS微博の共青団中央アカウントが「ツイッターでの共青団アカウントは偽物だ」と発表したのだが、それでも、ツイッター上でそのアカウントは取り消されていない。それどころか、本当に無関係なのか、なにか中国国内の権力闘争と関係あるのではないか、と今度は逆に疑われている。というのも現在、党大会を前に習近平派と共青団派の権力闘争が目に見えて、激化しているタイミングだからだ。

どちらが本物?

共青団のツイッター・オフィシャルアカウントを名乗るのは「共青団中央」@ccylchina。当初、ツイッターユーザーたちはこれを本物と思い込んで、一部華人ユーザーたちは、ツイッター社に「共青団の情報は“有害”だ」と凍結申請を出したという。彼らは、これは習近平政権の対外プロパガンダであり、国外のイデオロギー領域に対する中国の侵略行為だと考えたのだ。そもそも、一般市民に対し、ツイッターにアクセスすることを許可せず、共産党組織がツイッターを政治利用するなど、自由社会のツイッター民からすれば許せない。華人ユーザーたちは抗議の意味も含めて「共青団中央」の名前を騙った別アカウントをつくって、共青団の発信を妨害しようともした。

ところが、中国のSNS微博の共青団中央アカウントはその三日後に、ツイッター上の共青団中央を名乗るアカウントはすべて偽物、ねつ造だ、と発表した。こんどは微博ユーザーが、「共青団中央はなぜ、ツイッターにそんなアカウントがあることを知っているのだ」「違法に壁越えしたのか?」「ツイッターって何? 説明してごらん」「(ツイッターと微博)どっちのアカウントが偽物のなんだ?」といった皮肉コメントでかみついた。

ツイッターと微博、どっちのアカウントが偽物なんだ?というのは、けっこういい突っ込みだと思う。というのも、ツイッターの共青団中央アカウントは、当初は実に本物らしい、共産党プロパガンダを展開しているのだ。ほとんどが、人民日報記事の転載などの公式発表の内容で、型通りの習近平礼賛、中国礼賛を行い、フォロー先もいわゆる国連やTIMEといった外国の大手機関、大手メディアのアカウント、あるいは人民日報やCCTVなど同じ中国系公式アカウントである。元天安門事件の学生リーダーの周鋒鎖までが、ラジオフリーアジア(RFA)に「これは習近平の対外宣伝戦略だ。自由と専制の戦場であるツイッターに対し、“赤い旗を挿しに来た」とコメントを述べていたほどだ。

だが、だんだん、奇妙な発信を行うようになってきた。

政治アンケートに皮肉続々

たとえば、「米トランプ大統領が北朝鮮を殲滅せよと叫んでおり、これは世界平和秩序に対する挑戦行為であり、さらに中国の脅威に対する行為だとしている。もし、米国が北朝鮮に対して進軍を決め、わが国も出兵を決めたとき、君は国家の安全のために中国人民志願軍に参加するか?」というアンケート式のツイート。この返答は「ムリ」が93%、「志願する」が7%という結果になった。ツイッター上で、こういうアンケートを取るのは、きわめて政治的に敏感なことで、党機関のオフィシャルアカウントでは普通ありえない。やはりこのアカウントはおかしい、ということに、ネットユーザーも気づき始めた。だからこそ、なのか、この発信に対するイイネも結構多くて、360以上のコメントには「紅二代、紅三代(革命戦争参加者の子孫)から行け」「どうせ北京戸籍は免除だろう」「米軍が北朝鮮を攻めたあとは、中南海を攻めてほしい」といった辛辣な皮肉の効いたものが連なった。

ほかにも「君は香港独立を支持するか」というアンケートが発信されており、これも79%が「支持する」、13%が「支持しない」と、中国共産党にとっては大変残念な結果となっている。このツイートについても370以上のコメントがついており、「中国全省が独立して米国のような連邦国家になることを支持する」「香港だけでなく、台湾、チベット、新疆。内モンゴルの独立を支持する!最後に北京も独立せよと真面目にいいたい」「司法も独立すべきだ」といった、皮肉コメントが連続してついている。

ここまでくると、このアカウントの中の人は誰?と、多くの人が疑問に思うだろう。単なる、中国政治オタクの悪戯なのか。少なくとも、共産党的文法をよく熟知した人間であることは、うかがえる。発信やコメントの中に、中国語とくに共産党的文法、用語がよくわからない人には、意味が解りづらいものもある。

ツイッター上にはもともと、中国当局サイドの五毛(雇われオンラインコメンテーター)が大勢いる。また、海外のへの中国人留学生らの中には、海外に出たことにより、愛国心が強まり、習近平が目指す偉大で強大な祖国を素直に誇りに思い、外国からの中国批判に対して躍起になって反論する「小粉紅」と呼ばれるネットユーザーがいる。彼らはネット紅衛兵という名で呼ばれることもある通り、中国に批判的なコメントをすると、集団で執拗に絡んで、炎上させることもある。

アカウントの中の人は、そうした五毛や小粉紅だろうか。いや彼らは、比較的忠実な習近平支持者だ。だが、このアカウントは、中国共産党を礼賛しているようにみえて、巧妙に習近平政権の問題点や矛盾をあぶりだすような、発信をおこなっているようでもある。とすると、アンチ習近平派、本物の共青団派による場外権力暗闘ではないか。グレートファイヤーウォールの外から習近平政権を攻撃しているのではないか、あるいは共青団に濡れ衣を着せて、党内の立場を悪くさせようとしているのか、とも思えてくるのだ。

習近平のエリート潰し激化の中…

そのように思えるのは、アカウントが登場したタイミングもある。

党大会まで一か月前後のタイミングで、習近平の共青団に対する攻撃がますますあからさまになってきたのだ。まず9月6日に発表された党大会参加の党代表名簿から共青団第一書記の秦宜智が落選したことは、習近平が仕掛けた共青団への権力闘争の一つの結果だといわれている。

秦宜智は9月19日に、国家質量監督検査検疫総局副局長に任命され、共青団第一書記の任を解かれた。これは事実上の更迭だ。共青団第一書記は本来ならば、地方行政トップの経験を積み、胡錦涛や李克強や胡春華のように、党中央政治局入りし、指導者候補となるほどのエリートコースだった。そうならなかったのは習近平が、共青団そのものの権威をおとしめようとしているからだ。

9月10日に出版された「習近平の青少年と共青団の工作についての論述集」では、習近平の共青団に対する不満、批判がこれでもかと盛り込まれている。

この論述集は習近平政権5年間の共青団に関する講演、発言などをまとめたもので、一部は初めて公にされた内容も含まれる。この中で習近平は共青団のことを、「形骸化している」「スローガンを無駄に叫ぶだけ」などと批判している。2015年7月に共産党史上初めて、党中央が共青団や婦女連合会、紅十字会(赤十字)などの各共産党機関を招集して開催された「党の軍団国策会議」上で、習近平が共青団を「いかなる機能も発揮できない四肢マヒ状態」などと激しい文言で非難していることもこの論述集で明らかにされた。また習近平は一部共青団幹部に対しても、「科学についても話ができない、文芸についても話ができない、仕事についてもダメ、生活も正しくない、官僚的な発言を繰り返すだけだ」などと批判している。

思い出すのは、2016年4月、党中央規律検査委員会は公開で、共青団がシステム化、行政課、貴族化、娯楽化していると批判し、同年8月に「共青団中央改革法案」の実施が発表されて、共青団幹部のリストラ、整頓が着手されたことだ。これに伴い、共青団書記処の周長奎ら幹部が国務院の下部機関や地方の専門業種に格下げ異動となった。今回の共青団批判および人事は、習近平の共青団つぶしがいよいよ佳境に入ったということを示すものではないだろうか。

習近平がこのように、激しく共青団をこき下ろし、共青団のホープであった孫政才を失脚させ、秦宜智を党代表から落選させたのも、その最終的な狙いは、おそらく共青団エリートを党中央の最高指導部層から排除していくことである。確かに共青団出身の官僚は、あまりに官僚的であり、慎重でシステムに従って働くことに慣れており、間違いを犯すのがいやで積極性にかけ、進取の気概にかけている部分があるという欠点を指摘されることもある。だが、血統に関係なく、中国の主要大学を実力で卒業しており、親の七光りで清華大学を卒業させてもらい出世コースに乗せられたと陰口をたたかれている学歴コンプレックスが強い習近平にしてみれば、自分の権力の座を脅かす脅威のエリート集団ともいえる。そして、今、もっとも習近平が脅威を感じているのは、今度政治局常務委員会入りするかどうかが注目されている共青団派エース、広東省委書記の胡春華だろう。

反撃か、いたずらか

ツイッターに共青団中央アカウントが登場したのは、こうした習近平からの攻撃に対して、国外から微妙なロジックで批判することで反撃することではないか、というのが、たとえばラジオ・フリーアジアなどの当初の見立てであった。

ツイッターの件が、なにか政治的意味があるのか、あるいは単なるいたずらなのかは、ひとまず置いておくとして、習近平の共青団攻撃は、単なる権力闘争以上の意味があると思う。

共青団とは、本来、党中央ハイレベルの主要職を担えるだけのエリートを育成するための人材養成機関としてつくられた。血統や家柄に関係なく、高い学歴さえあれば、経験を優先的に積ませてもらえ、党中央最高指導部にも上り詰めることもできる。茶葉売りの息子の胡錦涛も、うだつの上がらない地方下級役人の息子の李克強も、貧困農村に育ち履く靴もなかった胡春華も、そうしてのし上がってきた。共青団というシステムがあったからこそ、太子党・紅二代のサラブレッドである習近平と肩を並べて仕事をすることができたわけである。だが、習近平はそうした、広く共産党に優秀な人材を供給するシステムを壊そうとしている。

真の破壊者は?

習近平の建前は、共青団はすでにエリート化し貴族化してしまったから、そんな形骸エリートではなく、もっとたたき上げの人材を登用するのだ、ということらしい。だが、それはあくまで建前だ。むしろ、毛沢東がその強いコンプレックスと自分の政敵予備軍を潰すために、徹底的に知識層を弾圧し、知識青年を農村に下放させ、大学入試をやめさせた文革に近いものを感じるのは私だけではないだろう。毛沢東が知識層を恐れ嫌ったように、習近平も知識層を恐れ嫌っているのだと思う。それが、人権弁護士迫害や共青団潰しに表れている。だが、文革時代の知識層弾圧がその後、どれほどの中国の知的停滞を招いたかを考えれば、エリート養成機関共青団弾圧が党の知的衰退を招くのは必至ではないだろうか。

ならば、習近平は中国の強国化をめざしているようでいて、真の意味での共産党体制の破壊者となる可能性もあるのではないか、と興味深い。

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『金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ 北朝鮮は「米国が核戦争を起こす」と世界に訴え反撃』(9/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

9/26money voice<投資家視点で考える「安倍総理は北朝鮮との戦争を決意したのか?」=伊藤智洋>

http://www.mag2.com/p/money/307595

安倍首相はトランプ大統領から確実に北朝鮮を攻撃する話を聞き、解散を早めたのではという気がします。上記の記事の内、「北朝鮮の核兵器を容認するシナリオ」は日本にとって最悪で、韓国人、日本人に被害者を出しても、「米国に北朝鮮の現在の体制を壊してもらうこと」を安倍首相は覚悟したと見ています。それが正しい見方かどうかは別として、今の犠牲を恐れ、将来自分達の子々孫々が中国や北朝鮮の奴隷として生きていくことを考えれば、当然の帰結であり、政治家たるものその覚悟が無ければ、政治家たる資格がないと言えます。

ここでは米軍の北に対するEMP(電磁パルス)攻撃が挙げられています。確かにこれを先にやれば、北のミサイル発射は防げるのではと思います。

9/27日経ビジネスオンライン The Economist<密売買天国アフリカで荒稼ぎする北朝鮮外交官 犀の角と象牙が金正恩体制を支える>

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/092500143/?n_cid=nbpnbo_ml

北は本当に「ならず者国家」です。北に「第二次大戦中に米国から原爆を落とされた日本の仇討ち」を見る人がいますが、あの当時の日本は白人列強から圧力を受け、先ずはレーベンスラウム(生存圏)を確立し、その副次的効果として「東亜の解放」を目指しました。今の北のどこにそんな気高さがありますか?況してや日本を核攻撃すると脅し、韓国と同じく朝鮮半島の日本統治を否定的に見ている国です。所謂従軍慰安婦問題も挺対協を使嗾して日韓を離間させようとしています。中国同様、世界に悪を広める国です。北への制裁もゆっくりとではありますが効いてくるでしょう。暴発して返り討ちのパターンになるかどうかです。

鈴置氏の記事は、「米国は北に核使用も覚悟した」というものです。本ブログでも何度も言ってきましたようにB61-11(バンカーバスター、小型水爆)で北の地下兵器廠を壊滅させるつもりでしょう。これですと非戦闘員の殺戮はないでしょうから。北の核を無力化するにはこれが一番良いと思います。ハーバード大学のサンドラ・サッチャー教授も戦争は避けることができないので、正しいルールの下で行うべきだという考えでした。それは「非戦闘員の保護」が最重要視される考えで、それを行うものこそが「モラルリーダー」として評価されるという事です。(8/23本ブログ)

http://dwellerinkashiwa.net/?p=6987

記事

9月23日夜、米B1B爆撃機が北朝鮮東方沖を飛行(提供:U.S. Air Force/AP/アフロ)

前回から読む)

核武装の阻止を目指し、米国が北朝鮮を追い詰める。国連演説、金融制裁、軍事力をフル動員して。

「完全に破壊」と「水爆実験」

—米国と北朝鮮の間で緊張が高まりました。

鈴置:確かに激しい言葉の応酬となっています。が、仔細に見ると米朝間で駆け引きが始まっているのが分かります。とりあえずは米国が北朝鮮を追い込んでいます。

まず、トランプ大統領が9月19日、国連で「核武装を放棄しないなら、北朝鮮を完全に破壊(totally destroy)する」と宣言しました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

これに対し北朝鮮は、国連総会に出席した李容浩(リ・ヨンホ)外相に「太平洋上で過去最大の水爆実験をする」と言わせました(日経・電子版「太平洋で水爆実験なら国際法に違反」参照)。

世界のメディアは「戦争になるかもしれない」と大騒ぎしました。ただ米朝双方は、相手を威嚇する際にも状況が悪化しないよう、考えて発言しています。

9月19日のトランプ大統領の国連演説は「北朝鮮を攻撃する際は核兵器も使う」と宣言したのも同様でした。核をちらつかせての最後通牒です。米国は、北朝鮮の挑発のエスカレートを抑え込むにはこの強烈な威嚇しかないと考えたと思います。

核の使用は米軍の専門家の間では当然の選択肢でした。北朝鮮のすべてのミサイル発射台の正確な位置を把握できない以上、一部には広い範囲の地域を叩ける戦術核も一部で使うしかない、との判断です(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

そうしなければ米国や韓国、日本は、北朝鮮に核ミサイルなどで反撃されてしまします。

核攻撃を辞さない

北朝鮮はすでに米国や韓国を先制核攻撃すると何度も宣言しています(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

米軍は、そうした国への先制核攻撃を躊躇しません。だから米国の安保関係者が口を揃えて「戦争になったら悲惨な目に遭うぞ」と北朝鮮に警告してきたのです。

9月3日にもマティス(James Mattis)国防長官が「米国やその同盟国を攻撃すると脅すなら、大量の軍事的対応で悪漢国家を全滅(total annihilation)させることもある」と語りました(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

もちろん、核を使うぞと示唆したのです。核兵器を使わなければ「北朝鮮は全滅」しません。

9月18日には「(ソウルへの反撃は)防げる。ただし、その方法には言及しない」と記者に語りました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

これまた「核を使用する」と言ったも同然です。それ以外に「ソウルへの反撃を完全に防ぐ方法」はないからです。

ただ、軍関係者以外には核攻撃――事実上の先制核攻撃になるのでしょうが――を実施すれば、国際的な非難を浴びると反対する向きも米国にはあります。

そうした声を増すため北朝鮮は首都、平壌の国際空港から弾道弾を発射するようになったと思われます。人口密集地にも弾道弾は配備している。そこに核を使う勇気はあるのか、と捨て身で威嚇したのです(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

そこでトランプ大統領が9月19日に……。

鈴置:世界の首脳が集まる国連総会で、米国の統帥権者として「完全に破壊(totally destroy)」との言葉を使って「核使用」への決意の確かさを示したのです。

北朝鮮に「次に核・ミサイル実験をすれば、戦争になるかもしれない」と考えさせるためです。トランプ発言は核放棄を迫るのが最終的な目的ですが、核開発を現状で止める効果も期待できるのです。

史上最高の超強硬措置

—でも、世界を騒がせました。

鈴置:この発言は一部から「戦争を引き起こす」と非難されました。でも現実を見ると、逆に北朝鮮を抑止する効果も発揮し始めました。

—「抑止効果」ですか? 北朝鮮は強く反発しました。

鈴置:9月22日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の「超強硬対応措置を断行する」との声明を発表しました。

「朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会 委員長声明」です。その部分を朝鮮中央通信・日本語版から引用します。

トランプが世界の面前で私と国家の存在自体を否定し、侮辱し、わが共和国をなくすという歴代最も暴悪な宣戦布告をした以上、われわれもそれに相応する史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮するであろう。

普通の人が聞いたら「北朝鮮はさらなる挑発に乗り出す」と思うでしょう。しかし「史上最高の超強硬対応措置の断行」の後に「慎重に考慮」とあるのです。北朝鮮が「慎重に」を使った場合、「やらない」か、「少なくとも当分はしない」ことが多いのです。

8月9日、北朝鮮が米領グアムの周辺にミサイル4発を撃ち込むと宣言しました(「ついに中立を宣言した文在寅」参照)。

この時の発表文にも「朝鮮人民軍戦略軍は……『火星12』型でグアム島周辺に対する包囲射撃を断行するための作戦方法を慎重に検討している」と「慎重」という言葉が入っていました。そして、今に至るまで、グアム周辺への弾道弾発射は実施していません。

腰が引けてきた北

—しかし、北朝鮮の李容浩外相は9月21日、「超強硬対応措置」について「私の考えだが、過去最大の水爆実験を太平洋上ですることではないか」と語りました。

鈴置:あくまで「外相の私見」として語ったのです。そこがポイントです。正式に発表したわけでなし、実行しなくとも面子は失わない。

北朝鮮の指導部は「核の使用も辞さない」とのトランプ演説を聞いて震え上がったと思います。米国がその気になれば、北朝鮮を「完全に破壊」するのは簡単なのです。もっとも「言われっぱなし」というわけにもいかない。

そこで史上初の「金正恩委員長声明」を発表して対抗したのでしょう。ただこの声明に「太平洋上での水爆実験」を盛り込めば、それを理由に米国から先制攻撃されかねない。そこで「外相の私見」として明かしたのだと思います。

—北朝鮮は腰が引けた、と……。

鈴置:その通りです。少なくとも今の局面では。そもそも、北朝鮮が本当にトランプ発言に対抗するつもりなら「史上最高の超強硬対応措置の断行」などという抽象的な言い方をしないはずです。

「北朝鮮を全面的に破壊する」と言われたのですから「米国全土を焦土化する」くらい言い返さないと、バランスがとれない。

個人攻撃で快哉叫ぶ

これまではそんな威勢のいいことを言ってきたのです。例えば、8月6日の労働新聞は「米国が核と制裁を振り回せば、本土が想像もつかぬ火の海になる」と宣言しました。

でも今や「トランプが本気になって潰しに来た」のです。米国を刺激するのは控えざるを得ない。ただ、罵倒し返さないと気が晴れないので「怖じ気づいた犬」「政治門外漢」「政治異端児」「老いぼれ狂人」などと、トランプの個人攻撃に力を入れたのでしょう。

もちろんこの部分は、トランプ大統領に「ロケットマン」(rocket man)と揶揄されたことへのお返しでもあるので、念を入れたのでしょうが。

—李容浩外相は9月23日の国連演説でも米国に凄んでみせました。

鈴置:「もし米国とその従属国が我々の本部への“斬首”作戦や我が国への軍事行動の兆しを見せたら、無慈悲な先取行動による予防措置を取る」と李容浩外相は述べました。

でも、あくまで「米国などが攻撃の姿勢を見せたら自衛措置をとる」と、当然のことを言っているに過ぎません。少し前までの「先制核攻撃するぞ」といった、米国に開戦の言質を与える発言とはかけ離れています。

ボディ・ブローとなる金融制裁

—要はトランプ大統領の威嚇により、北朝鮮は身をすくめたということですね。

鈴置:そうです。米国が使った威嚇の武器はトランプ演説だけはありません。米国は9月21日、独自の追加制裁を発表しました。

その柱が「北朝鮮と取引のある金融機関を米国の金融システムから排除する」です。中国を標的にしたもので、これは効果があると思います。

「米国の金融システムから排除」されたら外国為替取引はできなくなりますし、ドル調達も極めて不自由になります。そして中国の大手銀行で「北朝鮮と取引のない」銀行はないでしょう。

米国はいつでも中国の金融システムを破壊できる体制を整えたのです。もちろん、中国の大手銀行を制裁すれば米国も返り血を浴びます。

ただ、自国の安全保障のためならトランプ大統領は躊躇しないと思われます。だから中国政府も、直ちに自国の金融機関に北朝鮮との取引中止を命じたのです。

北朝鮮は貿易決済が相当に困難になる見込みです。この制裁の効果は今日明日に出るわけではありません。が、過去の制裁の抜け道をふさぐ効果もあり今後、北朝鮮経済はボディ・ブローを打たれ続けることになります。

暗殺用爆撃機が出撃

米国はこれに加え、軍事的にも対北圧力のレベルを上げました。9月23日夜、米国の爆撃機と戦闘機が朝鮮半島に沿って日本海を北上しました。国防総省は「21世紀に入ってから最も非武装地帯(DMZ)の北側に入った飛行だった」と発表しました。

爆撃機はグアムから飛び立った2機のB1B、戦闘機は沖縄を発進した6機のF15CだとWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)の「Tensions Rise as U.S. Warplanes Skirt North Korean Coast, Pyongyang’s Envoy Sharpens Threats」(9月23日)が伝えました。

B1Bは地下に潜む金正恩委員長を暗殺するためにも使われるとされています。海上とはいえ、軍事境界線の北まで進出され、金正恩氏はさぞ、肝を冷やしたことでしょう。

9月25日、李容浩外相がニュ―ヨークで「米国の戦略爆撃機が我が国の領空に入らなくとも撃ち落とす権利を持つ」と語ったのもその恐怖を示しています。

反米包囲網を呼び掛け

—北朝鮮は追い込まれた……。

鈴置:が、やられっ放しではありません。「米国が核戦争を始めようとしている」と世界に訴え始めました。トランプ大統領の「過激な国連演説」を逆手にとり、危機を訴えて反米包囲網を作る作戦です。

9月24日、最高人民会議は世界各国の国会に向けた書簡を発表しました。「最近、米大統領トランプの不法無道な妄言により朝鮮半島に核戦争の危険が刻一刻と迫っている」と主張しました。

—呼応する国はあるでしょうか。

鈴置:ロシアのラブロフ外相が9月24日、同国のテレビで「米国は絶対に北朝鮮を攻撃しない。核兵器を保有していることを確信しているためだ」と語りました。米星条旗紙のサイトで読めます。

核戦争になりかねない、と米国に自制を求めたのです。戦争になれば北朝鮮からロシアに難民がなだれ込むのは確実です。ロシアは北朝鮮の北東部の不凍港に利権も持っています。北朝鮮の宣伝がなくとも「軍事行動は止めよ」と米国に言い続けるでしょうが。

北朝鮮の宣伝に最も踊るのは韓国かもしれません。また「親北」の動きに出たのです。事実上の中立化宣言を発して米国から厳重注意を受けたばかりなのに(「韓国の無神経な『中立宣言』に米軍が怒った」参照)。

また裏切った韓国

—また、韓国がやらかしたのですか?

鈴置:9月21日、韓国統一部は北朝鮮への人道支援を正式に決めました。米国と日本が国連を舞台に北朝鮮と戦っている最中のことでした。

日米が「世界が力を合わせて北を圧迫する時に、いくら人道支援とはいえやめるべきだ」と繰り返し忠告したので最後には、援助の時期に関しては未定、と発表しました。しかし、対北包囲網を破ったことに変わりはありません。

人道支援を発表した9月21日、ニューヨークでの日米韓首脳会談で、文在寅大統領は北朝鮮への圧力を強めることに合意しました。その裏で韓国は北朝鮮にすり寄っていたのです。怒った米国は韓国の頭を小突きました。

(次回に続く)

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『空中戦のルールを変える最新鋭ステルス戦闘機 「F-35AライトニングII」の技術的優位性を解説』(9/25日経ビジネスオンライン 井上孝司)について

安倍首相の9/25記者会見の模様をNHKニュースでみました。<首相「消費税の使途や北朝鮮対応で信を問う」>。『国難突破解散』という割には、経済問題から入るのは違うのではと言う印象です。勿論、景気が上向いているという実感を国民が持てていないのはありますが。9/26朝のNHKニュースで小峰隆夫氏がその理由として「給料等の伸びがないため」と言っていましたが、その通りです。名目成長率が延びない限り景気が良くなったという実感を国民は持てません。9/23田村氏講演で「日本の企業はストックで内部留保を400兆円も貯めこんでいる」とのことでした。消費税2%増税が5兆円の収入見込みであるなら、麻生副総理の言う内部留保税を1%かければ良いのでは。その方が消費には全く影響を与えません。本来なら今次解散は北朝鮮との戦争対策解散でしょう。それをもっと前面に出さないと国民は何時まで経っても安全保障のことを考えません。まあ、国民のレベルからして反発を受け、票を減らしたくないという気持ちも分かりますが。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170925/k10011155671000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_056

http://www.sankei.com/politics/news/170926/plt1709260010-n1.html

9/26朝のNHKニュースでは北朝鮮のリ・ヨンホ外相が「アメリカが宣戦布告をした」と述べたのに対し、米国は否定、グテレス国連事務総長の仲介も成功していないとの報道です。いつ戦争が起きてもおかしくありません。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170926/k10011156071000.html?utm_int=all_side_ranking-social_001

9/26ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一氏記事<習近平は対北朝鮮政策の転換を国家主席就任前から考えていた>。加藤氏は相変わらず中国共産党の喉と舌の役割を果たしています。そもそもであれば外国人、特に日本人に大事な情報を共産党が流すはずがありません。プロパガンダかデイスインフォーメーションでしょう。無自覚なまま利用されているのか、分かったうえで工作員として活動しているのか。北を利用しているのは間違いなく中国です。たとえ瀋陽軍+江派であっても。習近平は慌てて人民銀行に北との金融取引をさせないようにしました。中国に対し米国の金融制裁がかけられるのを恐れたためです。如何に金融制裁が恐ろしいかを知っているからです。人民元では誰も取引してくれないでしょう。中国のことですから、米国とデイールするにしても高く売りつける筈です。裏では米国の一極支配を打破するため、北を利用しているというのに。米国は北の問題が解決したら、中国に彼らが軍事的野心を持って行動する限り、全面的に金融制裁をかけるべきです。

http://diamond.jp/articles/-/143453?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

井上氏の記事は、ステルス機に対する理解が深まりました。でも、電波でデータのやりとりをするとなると、ハッキングやEMP(電磁パルス)攻撃には脆弱ではと思われます。超音速機による攻撃だと迎撃ミサイルより早く飛べるから安全?技術的なことは分かりませんが。科学技術を大事にしていかないといけませんが、前川のような人間がいる文科省が牛耳っているようではだめでしょう。文科省から科学技術庁を独立させるべきです。

2016/3/21<ステルスはもう古い? 飛行機は「極超音速の時代」へ>

https://trafficnews.jp/post/49614/

記事

今年度から日本で本格的な配備が始まった最新鋭ステルス戦闘機「F-35AライトニングII」。「忍び」という意味のステルス性能を生かし、これまでの戦闘機とは異なる競争軸を打ち立てた。北朝鮮や中国の脅威が高まる中、F-35の技術的優位性を軍事研究家が解説する。

(日経ビジネス2017年7月17日号より転載)

(写真=米ロッキード・マーチン)

今年6月5日、三菱重工業・名古屋航空宇宙システム製作所(愛知県豊山町)で米ロッキード・マーチンのステルス戦闘機「F-35AライトニングII」が日本で初めて披露された。

日本政府がF-35の導入を決めたのは2011年の暮れ。発注は12年度から始まり、「次期防衛力整備計画(19年度以降が対象)」まで含めると全42機を配備する計画だ。最初の4機を除く、38機が三菱重工の小牧南工場で組み立てられることになっている。同工場は機体整備の拠点としても活用される。

戦闘機にステルス性能が備わる最大のポイントは「先制発見・先制攻撃」が容易となること。戦闘機同士の空中戦では、双方が相手の存在を認識して真正面からやり合うとは限らない。理想は、相手が自機を発見する前に死角に回り込んで撃墜することだ。

従来であれば、相手に気付かれないように死角に回り込むのは、パイロットの能力に依存する部分が多かった。それをもっとシステマチックに実現したのが、ステルス戦闘機である。

一般的にステルス技術とは対レーダーステルス、つまりレーダー探知を困難にする技術を指す。敵レーダーが発信した電波が、発信源の方に戻らないようにすれば、敵に居場所が知られることがない。ステルス技術も万能ではないが、少なくともレーダー探知を遅らせる効果は期待できる。

一方、自機が優れた探知能力を備えていれば、発見のタイミングが相対的に早まる。先制発見できれば、長射程の空対空ミサイルを撃ち込むなど先制攻撃につながる。つまり真正面から斬り付けるより、忍者のように忍び寄って必殺の一撃を放つのがF-35の理想とする戦い方だ。

となると、航空自衛隊が主力としてきた「F-15(通称:イーグル)」とはおのずと役割も変わってくる。F-15は「ドッグファイト」と呼ぶ空中戦を得意とする戦闘機だ。「日本の空を守る」という任務は不変でも、それを実現する手法は同じではない。

F-35はそのステルス性能を生かした敵基地攻撃能力にも注目が集まる。6月26日付の読売新聞は、日本政府がF-35に射程300kmの空対地ミサイルを配備する検討を始めたと報じた。

あくまでも国内の離島有事に備えるのが主目的であろうが、実現すれば自衛のために敵国の軍事拠点を攻撃する能力を持つことを意味する。ステルス戦闘機が敵の防空システムや戦闘機戦力を減殺できれば、後に続く攻撃作戦の遂行も容易となる。

こうした従来にない交戦形態や任務を実現するには、パイロットの訓練内容も変わっていく可能性が高い。そうなると、先輩格となる米国、あるいは同じF-35導入国である英国、オーストラリア、韓国などの国との間で、定期的に情報交換する場を設けて連携を密にしていく必要があるだろう。それは必然的に、共同作戦を円滑に進めるとか、相互運用性を向上させるとかいう話につながる。

反射波を散らすので見つかりにくい ●「F-35」のレーダーステルス性能

  1. 相手が発したレーダー電波が発信源に戻らなければ自機の居場所は捕捉されにくい。そのため主翼や水平尾翼は相似形にして角度をそろえることでレーダー電波の反射方向を限定したり、 2. 垂直尾翼や胴体側面を傾斜させて側方からのレーダー反射を抑え込んだりする。これらはレーダーステルス技術の基本といえる。 3. ミサイルなどの突起物が付いたまま飛行するとレーダーに探知されやすくなるため、飛行中は胴体下面の兵器倉に収容しておく。兵器倉には2000ポンド(約907kg)の爆弾が入る (写真=1. 2. 米ロッキード・マーチン、3. 米国防総省)

実際、今年3月にはアジア太平洋地域のF-35導入予定国(米日豪韓)の関係者がハワイに集まり、情報交換のための会合を開いた。今後も同様のイベントが開催されるだろう。

地上レーダーからの情報も統合

軍事の世界では、「状況認識(SA : Situation Awareness)」という言葉がある。敵や味方がどこにいて、何をしようとしていて、どんな状況にあるのかを把握するという意味だ。前述した「敵機が死角に回り込んできていたのに気が付かない」とは、状況認識ができていないと言い換えることができる。

状況認識を改善するには、信頼できる探知手段が必要である。戦闘機の場合、目視、レーダー、赤外線センサー、敵のレーダーが出した電波の方位や種類を知る逆探知装置などが挙げられる。最新鋭のF-35には、もちろんこれらの機材が標準で装備されている。

さらに近年では、外部の探知手段から情報を受け取る方法も一般化した。地上や艦上のレーダー、あるいは大型レーダーを搭載したまま飛行するAWACS( Airborne Warning And Control System、早期警戒管制機)が捉えた情報も戦闘機に送られる。

1991年の湾岸戦争の頃までは、AWACSに乗る管制員は無線機を使い、戦闘機のパイロットに口頭で情報を伝えていた。パイロットはそれを基に、自分の頭の中で状況を組み立てていた。しかし現在はデータリンクという便利な機能がある。AWACSなどから戦闘機の搭載コンピューターに、最新の情報が刻々と送信されるのだ。

情報が多くなると別の問題が生じる。スペースが限られたコックピットの中で「AWACSから来た情報を表示するディスプレー」「自機レーダーの探知情報を表示するディスプレー」「レーダー発信源の種類と方位を示すディスプレー」などをバラバラに設置するのは不可能だ。そもそも情報源が増えるほど、パイロットの負担は増す。音速を超える速さで飛ぶ戦闘機では、判断の遅れは致命傷となる。

そこで重要な要素となるのが、「センサー融合・データ融合」という概念だ。一言でいうと、「さまざまな探知手段で得たデータをひとまとめにして、単一の状況図を生成する」ということだ。

F-35が搭載するレーダーより、AWACSが装備するレーダーの方が探知距離は長く、識別能力にも優れている。だから、AWACSのレーダー情報を受け取って自機のレーダー情報と融合すれば、自機のレーダーだけを使って捜索するより遠方まで目が届くことになる。

また、F-35が装備する逆探知装置を使えば、敵機が発したレーダー電波を受信したときに、発信源の方位や種類を識別できる(ただし、逆探知装置が発信源の正体を知るには、事前に電子情報を収集してデータベースを作っておく必要がある)。

レーダーだけなら「誰か」がいることしか分からないが、電波発信源の逆探知と組み合わせることで機種まで分かる可能性が高まる。つまり、「どこに」「誰が」いるかが分かることにつながる。

こうした課題を解決するためにF-35に採用されたのが、パイロットの正面に配置されたタッチスクリーン式の大型液晶ディスプレーだ。複数の情報源からもたらされた情報を融合して一目で分かる「一枚の状況図」として表示する。タッチスクリーンや画面の大きさは、その状況図を見やすく、操作しやすくするための手段にすぎない。

人工複数の情報を統合して「一枚図」で表示 ●F-35のコックピット内部

  1. F-35はパイロットが1人で操縦する単座型戦闘機。米国以外の軍隊でも導入するため、大柄な男性でも小柄な女性でも座れるように配慮されている。 2. 大型レーダーを搭載したまま飛行するAWACS(早期警戒管制機)、 3. 地上の警戒管制レーダーなどからの情報も無線通信で刻々とF-35に送信される。 4. 複数の情報を「一枚図」として統合して表示するのが、操縦席前面の大型液晶ディスプレーだ。最新式の戦闘機では、アナログの機械式計器類はほとんど見当たらない。パイロットはタッチスクリーンを操作して、敵の戦闘機やレーダーの位置、自機の状況、地図、センサー映像などの情報を呼び出せる。燃料タンクごとの残量や燃料移送もタッチスクリーンで指示する。 5. パイロットがどちらを向いていても情報が見えるようヘルメット装着型ディスプレー装置(HMDS)を採用。 6. 機体周囲に設置された全周カメラの映像が滑らかにつながり、向いた方向の映像をバイザーに表示する (写真=1. 4. 6. ロッキード・マーチン、2. Roger-Viollet/アフロ、3. 読売新聞/アフロ、5. ロックウェル・コリンズ)

下を向いたら床が「素通し」

自動車教習所では、運転する際には「死角に注意するように」と教わる。戦闘機も事情は変わらない。機体の陰になる真後ろから後下方にかけての範囲は、特に用心する必要がある。

だからこそパイロットは「Check Six」を訓練中にたたき込まれる。この場合のSixとは6時の方向、つまり真後ろを指す。気付かない間に敵機が真後ろから忍び寄ってきて撃たれる危険性が高いので、警戒を促しているわけだ。

F-35にはこうした課題を解決する最新装備も搭載された。それが「EO-DAS(Electro-Optical Distributed Aperture System)」だ。従来の戦闘機にはない「全周視界」を実現している。

EO-DASは、機体の周囲6カ所に取り付けた赤外線センサーの映像を、ヘルメットの前面についているバイザーに投影するシステムだ。センサーがパイロットの頭の向きを常に検出しており、パイロットが見ている方向の映像を表示する。

例えばパイロットが真下を見ると機体の真下の映像が表示される。つまり床が素通しになったのと同じである。こんなことができる戦闘機は史上初めてだ。赤外線センサーを使用しているので、昼夜・天候を問わずに視界を確保できる利点は計り知れない。

EO-DASは、パイロットが見ていない方向を自動的に監視して警報を鳴らしてくれるわけではないので、「Check Six」の重要性は変わらない。しかし、従来にない全周視界を、しかも昼夜・天候に関係なく実現してくれるだけでも、空中戦における状況認識は大きく改善できるだろう。

なお日本向けのF-35で使用するレーダーとEO-DASは、一部の部品を三菱電機が製造している。またエンジン部品をIHIが提供しており、航空機産業の育成を目指す日本にとってF-35の存在は小さくない。

「鈍重」でも問題なし

冒頭で紹介した「相手に気付かれないように死角に回り込んで撃ち落とす」ことを、ベテランだけでなく新人や中堅のパイロットでも実現できるように、システムや環境を整備する。それがF-35の狙いである。

各種のレーダーやコンピューターなど電装部品を大量に積み込んだ結果、F-35の総重量は約35トン(燃料満タン時)と単発戦闘機としてはかなり重い。その結果、「速度」や「機動性」という指標で他の戦闘機と比べると、「鈍重」と酷評を受けることもある。

だが、F-35は俊敏さを極めるのではなく、情報面の優越を実現するところに注力した。「速度」「機動性」がモノをいう格闘戦にもつれ込む前に、先制発見・先制攻撃でケリをつけてしまうという、新しい空中戦のルールに書き換えてしまおうという考え方だ。

ビジネスの世界では、既存のルールで相手の土俵に乗って戦う代わりに、新しいルールを作って、そちらに相手を引き込んで勝利する事例がいくらでもある。スポーツの世界ならもっと露骨に、「誰かが一人勝ちしているときに、その誰かが不利になるようにルールを書き換えてしまう」ことは頻繁に起きる。それと同じことを航空戦の世界で実現しようとしているのがF-35だ。同機が「空のゲームチェンジャー」と呼ばれるゆえんである。

井上 孝司 テクニカルライター、軍事研究家

日本マイクロソフトを退職後、1999年にテクニカルライターとして独立。主に技術解説記事を手掛け、IT分野から鉄道・航空・軍事まで幅広くカバー。近著に 『日本のステルス機 F-35ライトニングII』、 『図解入門 最新 ミサイルがよ~くわかる本』がある。

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『スパイの実態も暴露!米ロが外交官追放合戦 大統領選への対抗干渉恐れるプーチン政権』(9/22日経ビジネスオンライン)について

「日本のこころ」が小池新党に吸収合併されるというニュースは驚きでした。共産シンパで反原発の小島敏郎元都顧問を新党の事務総長にするようなトップの所です。小池は鵺的存在で利用できるものは利用するといった日和見主義者です。右翼・左翼関係ありません。フェースブック上では中山恭子氏の「夫の為の新党参加」という意見もありました。自民党宮崎県連が彼を追い出したため、自民党には戻れないためです。思想上は自民党が一番ピッタリくるのでしょうけど。それで和田政宗議員だけ先に自民党へ移った訳が分かりました。勿論政治家ですから妥協も必要でしょう。特に地方で「日本のこころ」で議席を得ている人もいるでしょうから、此のままジリ貧でいたら党の消滅と考え、地方議員を慮っての決断だったのかもしれませんが。

安倍首相は2019年10月の消費税増税を、使途を変えることで法律通り実施するようです。間違いなく景気は悪化するでしょう。9/23講演会で田村秀男氏は「消費税増税には反対。(産経新聞社内でも増税反対は唯一人だそうで、如何に財務省の手が伸びているかです)。使途を教育にと言うのであれば教育国債を発行すれば良い。建設国債同様赤字国債ではないのだから」と仰っていました。財務省の天下り先確保のための増税には反対です。高橋洋一氏の論評では「統合政府の考えによれば日銀の国債買い入れによって国の借金は減っているし、官僚の天下り先の出資金、貸付金を組織解散して戻せば借金は大幅になくなる」というもの。国民だけが知らず、そうでなければ円がこれだけ買われることは無いでしょう。少し考えれば分かるはずです。また、2%のインフレ目標には達していないときに増税するのは経済の足を引っ張ることになると思います。

https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%B2%A1%E6%94%BF%E5%86%8D%E5%BB%BA%E3%81%AF%E3%80%8C%E7%B5%B1%E5%90%88%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%80%8D%E3%81%A7%E8%A6%8B%E3%82%8C%E3%81%B0%E3%82%82%E3%81%86%E9%81%94%E6%88%90%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B/ar-AAnelUP

米ロ関係が悪化したのはオバマのせいもありますが、共和党のマケインが議会を動かし、トランプにロシアと手を結ぶことをできなくしました。「対ロシア制裁法案」です。真の敵は中国と言うのが分かっていません。英雄も年をとればただの老害にしかならないのかと思いました。

http://www.bbc.com/japanese/40749366

中国は人民銀行経由で商業銀行に北との新規口座開設凍結と送金停止を命じましたが、果たしてその通り行くかどうか。「上に政策あれば下に対策あり」の国ですから。銀行経由せず、密輸で現物交換の約束で取引することはあると思います。

https://mainichi.jp/articles/20170923/k00/00m/020/154000c

金三胖が太平洋に花火を打ち上げると息巻いていますが、米国の全面的報復攻撃を受けることになり、どこで「やった振り」するかです。でも北の技術が優れていなければ日本に落ちる可能性もあり非常に危険です。9/19ダイヤモンドオンライン<元海将が指摘「北のミサイルは狙った所に飛ばない可能性がある」>とあります。

http://diamond.jp/articles/-/142570

9/25ダイヤモンドオンライン<北朝鮮への米「軍事オプション」の可能性は捨てきれない>。朝日新聞オピニオン編集部次長 兼 機動特派員 尾形聡彦氏の記事です。「日本の楽観の空気は危うい ミサイル防衛では守りきれない」と朝日にしては真面な論調です。自衛隊OBが、NEOがないから戦争にはならないなんて強調するより、国民に真剣に国防を考えるキッカケにする方が大事では。

http://diamond.jp/articles/-/143240

戦争になってもロシアは介入しないでしょうし、中国も地上部隊(斬首部隊を除く)を送り込まない限り介入しないでしょう。悪いのはどう見ても国際法違反を続ける北朝鮮ですから。助ける大義がありません。シンシアリー氏の『韓国人による北韓論』によれば、北の金日成憲法に九次目の改正(2009年)で「主体思想」と「先軍政治」が統治理念として追加されたとあります。(P.72)「核」こそが最強の「先軍」で、それによって「主体」が実行できる(P.79)と考えているようですから、世界を敵に回しても核開発は止めないでしょう。どこかで米軍とぶつかるのは間違いありません。

「戦争は起きない」と思わず、今できることは何か、避難訓練、テロ対策、偽装難民対策、総連や朝鮮学校のことなど沢山でてきます。準備してなければ慌てふためくだけです。

記事

米ロ関係が一段と冷え込んでいる。米政府が大統領選への干渉を理由に対ロ追加制裁を発動したのに対し、ロシアは米国人外交官の大量退去を要求。これに対抗して今度は米側が領事館閉鎖を求めるなど、外交官の事実上の追放合戦に発展した。

「人件費が減り、彼には心底から感謝している」――。プーチン政権が7月末、ロシアに駐在する米国人外交官の大幅な削減を求めたのに対し、米国のトランプ大統領が8月になって冗談とも、本気とも受け取れるような発言をした。感謝するとした相手は当然、プーチン大統領だ。

プーチン大統領は、中国のアモイで開かれたBRICS首脳会議閉幕後の記者会見で、米国への不満をぶちまけた(写真:代表撮影/Russian Look/アフロ)

プーチン政権が打ち出した措置は、ロシアに駐在する米外交官らの総数を9月1日までに、米国に駐在するロシア外交官と同数の455人に削減するよう求めたものだった。米外交官の大量退去を実質的に通告したもので、プーチン大統領は「755人がロシアでの活動を停止しなければならない」と述べていた。

ところがだ。トランプ大統領の本音はともかく、米政府もただでは引き下がらなかった。9月1日の退去期限を前にした8月下旬、モスクワの米大使館はロシア国内での米国入国ビザ(査証)の発給を8月中は停止するとともに、9月1日からはモスクワの大使館領事部でのみ発給すると表明したのだ。

米大使館は「我々のロシアでの主要な外交業務は米国市民の利益を守ることだ」とし、プーチン政権による米外交官の大規模な退去措置によって、ロシア人に対するビザ発給を含めた他の業務を縮小せざるを得なくなったと説明した。

米政府は従来、ロシア国内ではモスクワの大使館領事部と、サンクトペテルブルク、エカテリンブルク、ウラジオストクの各総領事館でビザを発給してきた。ロシア紙によれば、2016年にロシアで発給された米国入国ビザ(移民ビザを除く)は約18万3000件。このうち13万6000件超はモスクワでの発給だったが、サンクトペテルブルクで約2万7600件、エカテリンブルクで1万1500件、ウラジオストクでも7000件以上が発給されたという。

9月からはこうした地方での発給業務がなくなり、希望者はわざわざ首都モスクワまで出向いて手続きをしなければならなくなったわけだ。当然、ビザ申請から発給までにかかる期間も長引くとみられ、「半年ぐらいは待たなければならなくなる」(コメルサント紙)といった悲観的な見方さえ出ている。米国への渡航を計画する一般市民への影響は避けられそうにない。

堪忍袋の緒が切れたプーチン大統領

ロシアは当然、嫌がらせと受け止めた。ラブロフ外相は「こんな決定(ビザ発給の制限)をした米国の立案者のもくろみは、ロシア政権の行動をロシア市民の不満拡大に結びつけることにある。定番の試みであり、我々にとっては見え透いた論理だ」と非難した。

ロシア外務省情報局も「あたかも外交・領事業務に携わる米国人の陣容削減によって引き起こされた問題だと認識させ、ロシア市民の不満を募らせようとしているのは明白だ」と批判。昨年、イタリアは16人の領事関連の要員で47万8000件、スペインはわずか5人の要員で87万7000件のビザをロシア人に発給したのに、大規模な領事部を持つ米国はわずか18万数千件しか発給できなかったと指摘し、米国の対応を痛烈に皮肉った。

そんなロシアの反発をよそに、米国はさらなる措置に踏み切った。米国務省は8月末、米国内のロシアの総領事館など3つの外交施設を9月2日までに閉鎖するよう求めたと発表した。ロシア外務省の報道資料では触れていないが、閉鎖要求はティラーソン米国務長官が8月30日にラブロフ外相と電話会談した際に伝えたという。ロシアはこれにより、サンフランシスコ総領事館と首都ワシントンの大使館別館、ニューヨークの総領事館別館の閉鎖を余儀なくされた。

ロシアはこれまで、米国内ではサンフランシスコのほか、ニューヨーク、シアトル、ヒューストンに総領事館を置いていた。今回の措置で総領事館が3カ所に減ったが、米国が従来、ロシアで置いている総領事館もサンクトペテルブルク、エカテリンブルク、ウラジオストクの3カ所。外交官の数で「同等」を要求したロシアに対抗し、米国は領事館の数を「同等」に減らさせたわけだ。

あの手、この手で対抗策を繰り出してくる米国に、プーチン大統領もさすがに堪忍袋の緒が切れたようだ。9月5日、中国のアモイで開かれたBRICS首脳会議閉幕後の記者会見の場だった。

米国でのロシア外交施設の閉鎖問題を聞かれたプーチン大統領は先にロシア側が取った措置に触れ、「実はロシアも米国も外交官の数を同等にすることで合意していた」と説明。ロシアに駐在する米外交官が1300人に上り、米国駐在のロシア外交官が455人だったので455人に合わせただけだと述べ、米国に対する措置の正統性を主張した。さらに大統領は続けて、米国に駐在するロシア外交官455人の中には国連本部などで働く155人が含まれていると明かしたのだ。

プーチン大統領は「彼らは厳密に言えば、米国務省に登録する外交官ではなく国際機関で働く外交官だ」と強調。かつて米国が国連本部をニューヨークに誘致した際、国連での活動を保証すると確約した経緯まで持ち出したうえで、「同等」の原則を厳密に適用すれば、ロシアに駐在できる米外交官の数は「455人ではなく、155人がマイナスされる」。つまり300人まで減らせると脅したわけだ。

米ロは泥沼の外交官追放合戦に発展しかねない状況に陥ってしまった。

ロシアが米国に経済制裁を課すことができない事情

一連の経緯はそもそも、オバマ政権(当時)が昨年末、米大統領選へのサイバー攻撃を理由に米国に駐在していたロシアの情報機関職35人を追放したのが発端だ。だが、ロシアが米外交官の大幅な削減を要求したきっかけは、トランプ政権下で対ロ経済制裁の強化が打ち出されたことにあった。ロシアにしてみれば、同じく経済分野で対抗する方法もあったわけだ。

だが、いまやロシアの経済規模は米国の約15分の1に過ぎない。ロシアの今年上半期(1~6月)の国別の対外貿易をみても、米国との貿易額は、最大の貿易相手国である中国との貿易額の4分の1程度に過ぎない。経済分野で報復措置を打ち出そうとしても、その影響は極めて限定的と判断せざるを得なかった。政権内ではロシアと取引のある米国のエネルギー産業を制裁対象にする案が浮上したものの、自らの首を絞めかねないとして却下されたという。

こうした中、米国に大きな打撃を与える対抗策ということで米外交官の削減が浮上したようだ。もっとも、「同等」の原則まで持ち出して「755人」(プーチン大統領)もの大量削減を打ち出した裏には、来年3月の大統領選挙を見据えたクレムリンの強い意向が働いたとされる。どういうことか。

女装した男性の米外交官が公衆トイレで着替え?

今年6月、米国で「ザ・プーチン・インタビュー」という番組がテレビで放映された。米映画監督のオリバー・ストーン氏が複数にわたって重ねた大統領インタビューをもとに制作したものだ。この中でプーチン大統領は「2000年も、2012年も、米国はロシアの選挙に干渉してきた。干渉はいつもあった。特に2012年は激しい干渉があった」と述べている。いずれも自らが出馬した大統領選を指しているのは明らかだ。

大統領はさらに「(米国の)外交官がロシア国内の選挙戦に精力的に関与し、反体制勢力を結集させて財政支援し、反体制派のあらゆる集会を駆け回るという行動は、我々の想像を超える」と批判。「外交当局はもっと別のこと、つまり国家間の良好な関係づくりの調節に尽力すべきだ」と苦言を呈していた。

大統領に限らず、駐在する米外交官への不満はロシア国内で強まっていた。例えばラブロフ外相。今年1月の記者会見では、モスクワの米大使館に勤務する米外交官が「スパイ活動に加え、反政府集会などに何度も参加している」と非難し、その“活動”の実態までいくつか暴露していた。

いわく……

  • 変装しカツラ、付けヒゲ姿の米外交官が身分証明書を提示せずに米大使館内に入ろうとし、制止しようとしたロシアの保安職員を殴った
  • 女装した男性の米外交官が、公衆トイレで元の姿に戻るべく着替えをした
  • 米大使館付きの駐在武官が目立ちにくいロシアナンバーのレンタカーを使ってロシア国内の各地を飛び回っている もっとも、両国の外交官追放合戦が続くようなら、プーチン大統領のいう「良好な関係づくりの調節」もままならなくなる。米ロの冷たい関係をさらに決定的に悪化させかねない危うさが見え隠れしている。
  •  真偽の程は定かではない。いずれにせよ、米大統領選へのサイバー攻撃をプーチン政権が指示したとみる米国が、来年3月のロシア大統領選に積極介入してくる可能性は十分にある。そうした試みを未然に防ぎ、プーチン大統領の再選をより確実にするには、米外交官の大量退去が欠かせなかったというわけだ。

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『分娩直前に投身自殺、産婦に何が起こったのか 中国の因習に原因?飛び交う憶測、遺族と病院は一転和解』(9/22日経ビジネスオンライン 北村豊)について

9/23は「防人と歩む会」の講演会に出席しました。講師は産経新聞の田村秀男氏です。緊迫する朝鮮半島情勢について説明がありました。「国連制裁決議で石油輸出が200万バレル/年というのは尻抜け。今までも中国の最大輸出数量は200万バレル。中国が北への最大の輸出国であるので何も変わらない。また中国らしく足元を見て市場価格より2割も高く売って儲けている。石油代金の支払いは鉱物資源等」、「米軍情報将校に米中戦争について聞いて見た所、戦争はないだろうとのこと。マテイスは軍人だから兵士の命を奪う戦争を避けようとする」と。講演終了後の懇親会時に田村氏に「中国の北への経済支援のやり方はスリランカと同じ。阿片戦争で清国が列強から受けた仕打ちと同じことをしている」、「もし米国が北と戦争しなければ、中国は増長して(弱い北とも戦争できないのでは)東シナ海、南シナ海に出て来るでしょう」と意見を述べました。

9/23産経ニュース<「米は北の核保有認めない」 ペトレイアス元CIA長官インタビュー>

http://www.sankei.com/world/news/170923/wor1709230040-n2.html

9/24産経ニュース<【北朝鮮情勢】中国の対北輸出25%増 1~8月に石油関連拡大、制裁骨抜き>

http://www.sankei.com/world/photos/170924/wor1709240005-p1.html

9/23日経<米中、対北朝鮮の金融封鎖で足並み 制裁強化、過去には効果>

https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM22H2M_S7A920C1FF8000/

「戦争をしない」というのもカモフラージュかもしれません。勿論、その前に国際社会が結束して北に経済制裁を課し、武器に回る金を少なくする努力が大切です。でも、相手は国民を餓死させても平気な独裁者ですから。

9/20Newsweek日本版<「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」>

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/post-8489.php

大躍進・文革を通しての大虐殺者「毛沢東」と同じことをしています。李 志綏 著「毛沢東の私生活」を読むと分かります。

facebook記事<トランプの国連演説に中国ネットで称賛の嵐 20170921>

https://www.youtube.com/watch?v=D4ei0X3w0_Y&feature=share

新唐人电视台(=TV局)=New Tangren Dainshitaiは法輪功ですから江沢民派に厳しいので、どれだけ真実の声が上がっているかです。注意して見ませんと。共産党当局が許したかどうかは確認が取れません。

北村氏の記事で、病院と妊婦の遺族の主張は確かに『羅生門』の「藪の中」で真実はどこまで行っても分からないでしょう。何せ平気で嘘がつける民族で不信社会ですから。

でも、痛いからと言って5階から飛び降りることができる妊婦の気持ちは理解できません。日本では胎児を殺すことは殺人罪には該当しませんが、同等の重みがあると考えるべきでしょう。無理心中と同じです。

また夫が金のかかる帝王切開を嫌がったのだとしたら、妻が当てつけで飛び降りしたのかもしれません。でも中国人の発想では新しい妻を娶れば良いで終わりでしょう。ただ一人っ子政策で結婚適齢女性が少ない中国ではそんなに簡単に相手が見つかるかどうかです。

記事

陝西省の最北端に位置する“楡林市”は、省都の“西安市”から直線で445kmの距離に所在する。楡林市は隣接する内蒙古自治区と境を接し、“鬼城(ゴーストタウン)”で世界的に名高い同自治区の“鄂爾多斯(オルドス)市”までは“毛烏素(ムウス)砂漠”を跨いで直線で140kmしか離れていない。楡林市は石炭、石油、天然ガス、岩塩などの鉱物資源が豊富で、同市の経済発展は鉱物資源産業によって大きく支えられている。

自然分娩を断固要求

その楡林市を代表する“三甲医院(大型医院)”である“楡林市第一医院”の“綏徳院区”<注1>で、8月31日の20時過ぎに、出産間際の産婦が5階分娩室の窓から飛び降り、胎児を道連れに死亡する事件が発生した。子宮口が大きく開いて分娩直前の産婦が医院の分娩室から飛び降り自殺したという特異な事件は、中国メディアによって大きく報じられ、世論を沸騰させた。メディアが報じた事件の詳細を取りまとめると以下の通り。

<注1>楡林市第一医院は、楡林市内にある“楡林院区”と市に属する“綏徳県”にある“綏徳院区”から構成された「一院両区制」を採っている。なお、規模は“綏徳院区”の方が大きい。

【1】産婦の“馬茸茸(ばじょうじょう)”は綏徳院区が所在する綏徳県の“吉鎮鎮張家峰村”の村民で26歳。馬茸茸は夫の“延壮壮(えんそうそう)”と2年前に結婚し、最初の子供を出産しようとしていた。彼女は8月30日の15時半過ぎに綏徳院区を訪れ、「出産の目安となる妊娠41週を1週間過ぎたので入院して産気付くのを待ちたい」と表明して入院を希望した。初歩的な診断を行った結果、(1)初産の妊娠42週目であり、(2)胎児が巨大化していることが判明した。そこで入院前検査を行ったところ、胎児の頭部が大き過ぎて<注2>、自然分娩は危険性が高いと診断されたので、産婦と家族にその旨を説明し、“剖宮産(帝王切開)”を提案したが、産婦も家族も明確にこれを拒否した。

<注2>一般に臨月の胎児の頭の横幅は90mm前後だが、当該胎児は99mmであった。

【2】彼らは陣痛促進ホルモンで子宮収縮を促して自然分娩することを断固要求し、『産婦入院時のインフォームドコンセント』の書類に署名した後、同書類上に「自然分娩を要求する」と明記した。また、彼らは医院側の要求により委任者を馬茸茸、受任者を延壮壮とする“授権委托書(委任状)”に署名し、「治療に当たっては患者本人の同意書を優先し、患者が正常な判断ができない状況下では受任者が患者に代わり同意書に署名する」旨を確認した。

予備の出術室の窓から

【3】8月31日10時頃、馬茸茸は5階にある“婦産科(産婦人科)”の分娩待合室へ入った。分娩待合室で待機中に陣痛は始まったものの、刻一刻と時間が過ぎて行くだけで、一向に産気付かない。夕方になって陣痛が激しくなり、馬茸茸は痛みに耐えかねてじっとしていられない様子だった。5階の産婦人科のホールには監視カメラが設置されていたが、綏徳医区は事件後に当日の18時過ぎからの映像をメディアに公開した。そこに映っていたのは次のような映像だった。

18:05 馬茸茸が分娩待合室から苦しそうな様子でホールに出て来て、夫のいる方向へ歩いて画面から消える。
18:09 馬茸茸が夫に支えられて分娩待合室へ戻る。その直後に夫と姑(夫の母)と共に再びホールへ出て来た馬茸茸は、痛みに耐えかねて夫にすがって座り込む。
18:12 夫が馬茸茸を抱き起し、何かを言い聞かせてから、分娩待合室へ連れ戻す。
18:14 馬茸茸が夫と姑と一緒に分娩待合室からホールへ出てくる。数メートル歩いた所で激痛を感じたのか、馬茸茸は夫に支えられながら座り込む。これを見て数人の看護師が駆け寄るが、馬茸茸は涙を流して苦痛を訴える。
18:16 馬茸茸は看護師たちに支えられながら分娩待合室へ戻される。
19:19 馬茸茸は腹を抱えて痛みに耐えながら分娩待合室からホールへ出て来たが、医療スタッフに制止されて検査室へ連れて行かれる。
19:27 馬茸茸は夫と姑に伴われて分娩待合室へ戻る。

【4】一般に自然分娩の産婦は出産までの時間が長く、分娩待合室で待機する間にホールへ出て家族と話をしたり、歩き回って時間をつぶす。但し、馬茸茸の場合は上記からも分かるように陣痛の痛みを感じる度合が激しかったようで、短時間に何回も落ち着きなく分娩待機室を出たり入ったりして夫と姑に苦痛を訴えていた。これは馬茸茸が他の産婦と比べて痛みに対する忍耐力が不足していたということか。事件が発生した20時頃の分娩待機室には馬茸茸を含めて5人の産婦がいたし、当直の看護師および産婦の世話をする看護助手がそれぞれ1名いた。丁度この頃、産婦の1人が出血し、看護師が彼女を分娩室へ移動させたので、看護助手がこれを助けて動き回ったために、馬茸茸から目を離した。馬茸茸はその隙をついて密かに分娩待機室を抜け出し、廊下を隔てた向こう側にある予備の手術室へ入り込んだ。

【5】手術室に入った馬茸茸がその後の10分間程をどう過ごしたかは不明だが、最後には床から1.13mの高さにある窓を開けて飛び降りようとした。丁度その時、たまたま手術室に立ち寄った看護師が窓から身を乗り出している人影を発見して駆け寄ったが、一足遅く、その人は窓から墜落した。この時、時刻は20時13分だった。人が墜落するのを目撃して動転した彼女は頭の中が真っ白になり、手足がマヒして動けなかった。意識がはっきりしてから彼女は、「手術室の窓から人が落ちた」と叫び声を上げた。これを聞いた看護助手が分娩待機室の産婦を認した結果、馬茸茸がいないことが判明した。

【6】まさか出産直前の産婦が5階の窓から身を投げるとは誰も思わないから、産婦人科のスタッフと馬茸茸の家族は手分けをして馬茸茸を探し回ったが、どうしても見つからなかった。もしかすると窓から落ちたのは馬茸茸かもしれないという話になり、6名のスタッフが1階へ降りたのは20時30分頃、彼らは懐中電灯を手にして5階の予備手術室の下に到ると、駐輪中の三輪車の荷台に横たわっている馬茸茸を発見した。彼らが馬茸茸を発見したのは20時35分、そして呼ばれた救急車が馬茸茸を300m離れた救急センターへ運んだのは20時36分であった。救急センターで懸命の救命措置が施されたが、薬石効なく馬茸茸ならびに胎児の死亡が確認された。

馬茸茸の死亡は自殺と判断されたが、馬茸茸の家族は担当医師の対応が原因であると主張した。すなわち、馬茸茸が耐えがたい陣痛に苦しんでいたから帝王切開をしてくれるよう要請したのに、担当医師がこれを拒否したために、馬茸茸は苦痛に耐えられずに自殺したというのである。最初は自然分娩とするように要求したが、分娩待機室に入ってから長時間経っても分娩が始まらず、馬茸茸が陣痛で苦しむので医師に帝王切開に切り替えるよう依頼したが、医師はすでに子宮口が10cm開いているから間も無く分娩が始まるし、今から帝王切開を行うことはできないと拒否したのだという。

遺族と病院、互いに反論

これに対して綏徳医区は9月3日に発表した「状況説明書」の中で次のように反論した。

(1)入院時点で馬茸茸と夫の延壮壮が署名した『産婦入院時のインフォームドコンセント』には、産婦側が自然分娩を要求する旨が書かれていた。これは胎児の頭が大き過ぎるから危険性があるとして帝王切開を薦めたのに対して、産婦ならびに夫が拒否して自然分娩に固執したものである。

(2)監視カメラの映像には馬茸茸が夫にすがって座り込む場面が2回映っている。これは馬茸茸が痛みに耐えかねて帝王切開にして欲しいと要望していたものだが、夫はその都度自然分娩を主張して馬茸茸の依頼を拒否していた。この結果、産婦の診察結果を記入する「看護記録」には、馬茸茸から聴取した内容として3回にわたって家族が帝王切開を拒否した旨が明記されている。

(3)子宮口が10cm開けば、分娩は間もなく始まる。その時点で家族側から帝王切開に切り替えたいと言われても、対応は不可能である。さらに、委任状の受任者である夫からは書面による帝王切開への切り替え依頼は提出されなかった。

馬茸茸の夫と姑は取材に殺到したメディアの記者に、中国版のLINEである”微信(WeChat)”を通じた夫と馬茸茸の会話記録を公表して、夫が妻をいかに愛していたかを示すと同時に、綏徳医区が産婦側の意向を無視したと訴え続けた。さらに、馬茸茸が2回もひざまずいたのは、痛みに耐えかねただけで、帝王切開に切り替えるよう要求したものではないと言明した。

ネットには憶測が飛び交う

この陣痛の痛みに耐えかねた産婦が分娩直前に投身自殺したという前代未聞の事件がメディアによって報じられると、世論は沸騰して馬茸茸の自殺原因について論じ合った。それは次のような内容だった。

【1】夫と姑が帝王切開の費用を出し惜しんだ。  自然分娩と帝王切開の費用は地域や医院の等級によって異なるが、綏徳医区のような三甲医院では、前者が4000~5000元(約6万4000円~8万円)、後者が6000~7000元(約9万6000円~11万2000円)となっている。入院が長引けば費用はさらに増える。両者の差はたかが数千元の話だが、地元の農民と思われる延壮壮には帝王切開となった場合の出費増は大きな負担になる。

【2】“吉時未到(吉日が到来していない)”からだ。  中国では“黄道吉日(大安吉日)”は万事が順調に行く日とされ、この日に出産することは「吉(きち)」とされる。特に農村地帯ではこの考え方が依然として深く信奉されている。このため、2017年3月にも湖北省で5回目の人工授精で妊娠に成功した女性が不規則な子宮収縮が始まったにもかかわらず、4月2日の黄道吉日の出産を希望して、3月28日に帝王切開を行うことに同意せず、医院に来ることを拒否する事件があった。最終的には医師が十数回電話を入れて説得した結果、予定通り3月28日に手術を行って母子ともに無事で出産を終えたが、来院しなければ母子の生命に関わる問題が発生した可能性が高い。一方、馬茸茸が入院した8月30日は黄道吉日だったが、当日に出産できなかったので、次の黄道吉日である9月2日まで出産を延ばそうとした疑いがあり、延壮壮と姑がこの因習にとらわれていたことが馬茸茸の自殺につながった可能性は否定できない。

【3】馬茸茸が自殺を図った原因は何だったのか。  陣痛がどれほど痛いものなのかは女性にしか分からないが、馬茸茸の子宮口はすでに10cm開いていていたのだから、分娩は時間の問題だった。これは個人差があるのだろうけれど、馬茸茸は1~2時間痛みを耐えれば分娩が始まり、出産が終われば苦痛は消え失せたはずである。馬茸茸がそれを我慢できなかったのはどうしてなのか。その答は馬茸茸に聞くしかないが、馬茸茸が落ち着かない様子で、再三にわたって分娩待機室からホールへ出て来て夫に苦痛を訴えていたことを考えると、馬茸茸は何度も帝王切開にしてくれるよう頼んでも拒否し続ける夫と姑に憤り、頭に血が上った結果、衝動的に自殺を図ったのではなかろうか。中国人は感情を抑えるのが苦手だから、衝動的な行動を取った可能性は十分考えられる。

和解合意、真相不明

9月7日、楡林市政府はこの事件に関する初歩的な調査結果を公表した。そこには「産婦入院時の診断は明確、インフォームドコンセントの手続きも完全、診療措置も合理的、救命措置も診療基準に適合と判断された。但し、今回の事件を通じて、綏徳医区のスタッフに突発事件防止の意識が乏しく、患者の看護が不十分であることが露見した」と書かれていて、完全に綏徳医区に軍配を上げた内容であった。なお、事件関係者によれば、9月9日の夜に綏徳医区と馬茸茸家族の間で行われていた和解協議が合意に達したという。補償金額を含む和解内容の詳細は不明だが、馬茸茸の家族がメディアのインタビューを受けない旨が条件に含まれていた。

話しは変わるが、中国は帝王切開の比率が高いことで知られている。世界保健機関(WHO)の2010年報告には、中国の帝王切開率は46%で、WHOが警戒ラインとする15%を大きく上回っているとあった。一方、2017年1月に発表された“北京大学”の“劉建蒙”教授の研究論文によれば、「中国の帝王切開率は、2008年に28.8%だったものが年々上昇を続け、2014年には34.9%になった。これは米国の32.2%よりも若干高いだけで、世界一のブラジル(56.0%)より遥かに低い」と述べている。このいずれが正しいかは不明だが、中国政府は帝王切開率の高さを認識し、“順産指標(自然分娩指標)”を各医院に指示して、帝王切開の件数を抑制しようとしていることは事実のようである。

馬茸茸事件では、綏徳医区が“順産指標”に対応するため馬茸茸に対する帝王切開を拒否したとの見方も一部の人々から出ているが、これは誤りと考えてよいだろう。

ところで、一部のメディアは馬茸茸事件を報じる記事の表題に「陝西省産婦飛び降り事件 “羅生門” 医院と家族が互いに非難」と書いた。“羅生門”と言えば芥川龍之介の小説の題名だが、中国でも1951年にヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞した三船敏郎主演の映画『羅生門』を通じて多少は知られているようだ。この“羅生門”という言葉は、芥川の小説から転じて、現代の中国では「それぞれが自分に都合の良い話をして、真相不明で、何が何だか分からない」という意味で使われているという。馬茸茸事件は医院と家族の間で和解が成立して決着したが、医院も家族も自分に有利な主張を展開して相互に非難し合った。これこそ正に“羅生門”で、馬茸茸が自殺した真相は死んだ本人に聞かなければ分からない。

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『北朝鮮に「最後通牒」を発したトランプ 「斬首作戦」契機に韓国では左右対立が表面化』(9/22日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

9/22産経ニュース<金正恩氏が初の直々声明「米国のおいぼれを必ず火で罰する」 トランプ米大統領の「完全破壊」演説に対抗 米朝首脳が名指しで罵倒合戦>

http://www.sankei.com/world/news/170922/wor1709220014-n1.html

これにトランプがtwitterで応戦。<Kim Jong Un of North Korea, who is obviously a madman who doesn’t mind starving or killing his people, will be tested like never before! 3:28 – 2017年9月22日>

9/23北野幸伯氏メルマガソウルは火の海にならない論~犠牲者は100万人ではなく1000人?

先日、こんな記事をご紹介しました。

米国防長官「ソウル危険ない」軍事手段検討 対北朝鮮 朝日新聞 9/19(火) 12:10配信

マティス米国防長官は18日、核・ミサイル開発で挑発を続ける北朝鮮への対応について、「多くの軍事的選択肢がある」と語った。「選択肢」には、北朝鮮による報復攻撃で韓国の首都ソウルが危険にさらされない方法も含まれていることを強調した。>

<北朝鮮による報復攻撃で韓国の首都ソウルが危険にさらされない方法も含まれている>そうです。

この記事を読んだ読者のYH様から、メールをいただきました。興味深い内容でしたので、シェアさせていただきます。

【メール転載ここから▼】

<北野先生はもうお読みでしょうか。平成の天才軍師・軍事学者 兵頭二十八先生の所論です。YH。

2017年09月09日 09:05

〈北朝鮮軍は核を使わずとも38度線越しに京城[ソウル]市を砲撃しただけで100万人の死傷者が出るから、米国には北に対する軍事オプションはあり得ない〉といった根拠不明な論評を聞く。

典型的な、左傾韓国人と平壌政府の「政治的な合作」である。これに、退役後の年収に満足できていない元米軍高級将校らが加担して、米国向けの世論工作が成立する仕組みがある。

極東に関するマティスの知識レベルではこの嘘は見抜けない。

そこで、この場を使い、それがいかにデタラメな数値なのかをわたしが検証しておく。

まず北朝鮮軍砲兵部隊の装備品で、DMZ(38度線の非武装地帯。

幅5km)の北側に点在する硬化陣地(その場所はほぼ把握されている)から京城市(いちおう京城駅前が市心とみなされるが、市域は漢江[ハンガン]のはるか南までも拡がり、昼間の人口は900万人以上)を攻撃する任務が与えられているのは、「240mm自走多連装ロケット発射機」と「170mm自走砲」しかない。

北朝鮮軍には「300mm自走多連装ロケット発射機」もあるのだけれども、数が少なく貴重で、京城よりも100km ほど南に位置する米空軍の烏山[オサン]基地の運用を妨害するという重要任務が与えられている。

だからこれが京城[ソウル]に降ってくることはない。

また口径240mm未満のロケット弾だと京城市心に届かず、性能も情けないほど不良だ(2010年11月23日に韓国の延坪島を狙って122mmロケット砲弾が288発発射されたが、島の陸地部に着弾したのは80発のみで、損害も軽微)。

2014年3月4日に北朝鮮は海に向けて240mmロケット弾3発を発射し、それは55km飛翔した。既知の砲兵陣地で近いものは京城市心から北に45kmの位置にある。このロケット弾だけが「使い物になる」のである。

ではこの240mmロケット弾は 何発あるのか?トラックの荷台に発射機を載せた形状の発射車両には新旧の2タイプがあり、旧型は12連装、新型は22連装。新旧を合わせて総生産数は200台強ということであるが、ここではすべて新型だとし、かつまた、そのすべてが京城市攻撃用に集中されたと仮定する。すると4400発が斉射されるだろう。統計学的にはその数割がまともに飛翔せず、着弾したものの1割は不発となると信じられるが、全部がうまく着弾し、信管も正しく作動するとしよう。

240mmロケット弾には炸薬が45kg充填されている。4400発で198トンの炸薬だ。第二次大戦中、京城と同程度に不燃都市であったロンドンに向けて、ドイツは1358基の「V-2号」弾道ミサイルを発射し、うち517発が着弾し、それによる死者は2754人だった。「V-2号」の弾頭炸薬はちょうど1トン。その1トンで5人強が死んだ計算だ。198トンならば1000人くらいが死ぬであろう。ふつう、死者1名に対しては負傷者も5人くらい出るので、別に5000人も負傷する だろう。むろん現実にはこれよりずっと少ない着弾・爆発しかないはずである。

ロケット弾を発射機に再装填してまた射ってきたらどうなるかは、考えなくてよい。というのは、再装填には何十分もかかる。次の斉射が落下してくる前に、京城市民は最寄の地下避難所へ移動しているから、それ以上に死傷者が増えることはないのである。京城市の地下鉄には市民用のガスマスクまで用意されており、定期的に市民の防空訓練も反復演練されていることも周知だろう。日本の都市とは違うのだ。

次に「170mm自走砲」の破壊力を試算する。もともと第二次大戦中に鹵獲したドイツの173mm砲(弾重68kg、射程30km弱)をソ連が北朝鮮へ 贈与。それを参考に北朝鮮が自前で射程40kmの長距離砲をこしらえ、中共製戦車の車体に載せたという。1978年いらい、何門が製造されたのかは不明だ。現在DMZ沿いに配備されている数としての最多の推測値は「500門」である。

じつは米陸軍も1950年代に、ソ連軍の後方燃料貯蔵所を破壊できる射程32km以上の「175mm自走砲」(弾重65kg、充填炸薬14kg)を開発して1980年まで524門生産した経験があるので、このクラスの長距離砲を完成するのがいかに難しいかは熟知している。米国製175mm砲の場合、流線形砲弾は銅帯の他にナイロン緊塞帯も巻くことで、発射ガスを逃がさぬようにしてある。そうして砲身内にかかる圧力は3150バール。もし、圧延鋼の砲弾の底部に僅かなヒビ割れがあれば、そこからこの高圧ガスが入り込んで砲身内で砲弾が自爆した(砲弾の底にもう一枚、厚さ1.5ミリの金属ディスクを溶接して解決)。弾薬工場で溶填した炸薬が冷えるときに底部にごく微小な剥離空間でもできてしまうと、発射衝撃でそこが圧縮され、信管と関係なく炸薬が自燃し、腔発事故が起きた(そこでX線で砲弾を全数チェックするようになった)。鍛造砲身にも僅かでも疵ができると、砲身破裂事故が起きた。砲身命数(寿命)は初期にはたったの300発だった。焼蝕による擦り減りが早いのだ(終末ロットでは寿命を700発以上に延ばしている)。

北朝鮮 製の170mm自走砲は、イラン軍装備の1門をイラク軍経由で米軍が手に入れて調査している。その詳細(特に砲弾の諸元)は未公表ながら、最大射程が40kmというから、米軍の175mm砲よりも腔圧は大なのだろう。RAP弾(小型ロケットを取り付けた砲弾)を使えば射程が60kmに延びるというけれども、その精度は必ず通常弾よりも悪くなってしまう。

次弾の再装填には5分かかることも判明している。10分以上モタモタすると米軍からのお返しの誘導兵器が飛んで来る(DMZからロケット弾が飛んできた場合、米軍砲兵は4分後にはその射点に向けて返礼弾を集中できるように、訓練を積んでいる)ので、北朝鮮の自走砲はさっさと陣地を移動しなくてはならない。だから4発目のことは考えなくてよい。

170mm砲弾の炸薬量も公開されていない。が、米軍の175mm砲弾の炸薬量14kgより少ないことは確実。そのうえRAP弾は通常弾よりも炸薬量を減らさねばならぬ。ここでは多目に12kg充填されているものと仮定する。500門で最初の10分に1500発。タマがすべて届いてしかも炸裂したとしても、トータルの炸薬量は1800kgだから「V-2号」の2発分に足りない(砲弾も必ず1割は不発になるが、ここでは無視しよう)。

1973年の第四次中東戦争でイスラエル軍は米国製175mm自走砲を使い、シリアのダマスカス市を砲撃した。また「イランvsイラク戦争」終盤の1987年にイラ ンは北朝鮮から170mm自走砲を輸入して、射程60kmのRAP弾を使ってクウェート(当時イラクに戦費を援助していた)の油田に対してイヤガ

ラセ射撃を加えている。どちらも「砲撃で火の海になった」という報道はなかった。

そんなものなのだ。北朝鮮軍の170mm自走砲はじっさいには200門未満、ひょっとすると数十門しか使える状態にはないとも疑える。この火砲による京城市民の死傷者数は、誰もが意外に思うほど

に少ないであろう。

http://sorceress.raindrop.jp/blog/2017/09/#a001878

在韓米軍を日本その他へ引っ越しさせてしまえば北は核を放棄してくれるのではないか── という阿呆記事(があるが)。

※演習用の砲弾・銃弾すらなくなっている北鮮が、このうえ核兵器を放棄したなら、それこそ丸裸になっちまう。普通の弾薬とありふれた燃料が無いために「対抗演習」ができなくて負けてくやしいから、TV宣伝で米韓演習のたびにぎゃあぎゃあと わめいているのだ。

http://sorceress.raindrop.jp/blog/2017/09/#a001886

http://sorceress.raindrop.jp/blog/2017/09/#a001886  >

【転載ここまで▲】>(以上)

小生が2005年に中国・丹東市に行って、対岸の北朝鮮側を見ると遊園地の観覧車がありましたがエネルギー事情で動いておらず、その上を北朝鮮軍のプロペラ機が旋回していた状況でした。左翼の連中が北を大きく描いて米国と対話させようとしているのでは。でもここまで来れば米国、北共に後には引けなくなっています。

文在寅大統領は国際社会が大使召還、北の外交官追放をしている時に、人道援助として9億円を北にプレゼント、これは今までも国民に渡ったことはありません。それでなければ何で200~300万も餓死するのですか?完全な利敵行為です。韓国は10/10に中国との通貨スワップが切れれば、国では豪州のスワップしか残りません。部材を輸入、完成品を輸出で稼ぐ経済で輸入代金を豪$では受け取らないでしょう。日本も韓国に甘い顔をしてはダメです。10/22衆院選時に韓国のスワップはさせないように政治家に圧力をかけないと。

http://www.mag2.com/p/money/30943/2

鈴置氏の記事で青瓦台と軍の間がうまく行っていないようです。軍がクーデターを起こすかもしれません。それでも反日は続くでしょうから関わらないことです。文大統領もストレスの余りに円形脱毛症になっているようですが。

http://www.sankei.com/world/news/170920/wor1709200048-n1.html

記事

第72回国連総会でトランプ米大統領が初演説。北朝鮮に核放棄を厳しく迫った(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

トランプ大統領が国連演説で北朝鮮に対し事実上の「最後通牒」を発した。というのに韓国では、金正恩(キム・ジョンウン)暗殺計画を契機に軍と左派政権の対立が表面化した。

北を完全に破壊する

—9月19日のトランプ大統領の国連演説。「北朝鮮を完全に破壊する」とまで言うとは。驚きました。

鈴置:もちろん、発言には「北朝鮮の脅威により米国が自国や同盟国の防衛を迫られれば」との条件が付いていますから宣戦布告ではありません。が、最後通牒と言っていい。北朝鮮の核問題は極めて重大な局面に入りました。

原文は米政治誌「POLITICO」の「Full Text: Trump’s 2017 U.N. speech transcript」(9月19日、動画付き)で視聴できます。「完全に破壊」部分は以下です。

The United States has great strength and patience, but if it is forced to defend itself or its allies, we will have no choice but to totally destroy North Korea.

—条件を具体的に言えば?

鈴置:非核化です。核を早急に放棄しないと攻め滅ぼすぞ、とトランプ大統領は宣言したのです。米国が北に突きつけた選択肢は2つ。核を完全に廃棄するか、戦争か、です。「非核化」部分の原文は以下です。

It is time for North Korea to realize that the denuclearization is its only acceptable future.

イエスかノーか

—「第3者に核・ミサイルを売らなければ、北朝鮮の核武装は黙認する」といった妥協案は?

鈴置:専門家の間でそんなアイデアが語られたこともありました(「北朝鮮にはもう、対話など必要ない」参照)。あるいは、米国に届くICBM(大陸間弾道弾)さえ持たなければ核を認める――などの妥協案も。

しかし米国は中途半端な取引はしない姿勢を鮮明にしました。イエスかノーか、です。トランプ大統領は演説で北朝鮮を「邪悪」(wicked few)、「悪」(evil)と見なし、正義の側(righteous)に立って戦うよう世界に呼びかけました。

If the righteous many do not confront the wicked few, then evil will triumph.

演説では、北朝鮮を旅行中に拘束され死ぬ直前になって米国に戻された大学生や、日本から拉致された横田めぐみさんらにも触れました。金正恩体制の存在を許すべきではないと訴えたのです。

We were all witness to the regime’s deadly abuse when an innocent American college student, Otto Warmbier, was returned to America only to die a few days later. We saw it in the assassination of the dictator’s brother using banned nerve agents in an international airport. We know it kidnapped a sweet 13-year-old Japanese girl from a beach in her own country to enslave her as a language tutor for North Korea’s spies.

こんな演説をした以上、トランプ大統領は「米国まで届かない核なら持っていい」などと妥協できません。「あの演説は何だったのか」「邪悪な体制に核を持たせたままでいいのか」と、米国が非難されてしまいます。

トランプ政権は北朝鮮が核を完全に放棄しない限り、徹底的に戦うハラを固めたのです。演説に先立ち、幾人かの政府高官がテレビを通じ、同じメッセージを一斉に発しました。北朝鮮に米国の意思を間違いなく伝えるためでしょう。

北朝鮮も同様です。米国にまで届くICBMを手放せば、米国との核の均衡が作れません。核武装の意味がないし、下手したら攻め滅ばされてしまいます。もう、中途半端な取引はできないのです。

取引にはワナがある

—米政府高官とは?

鈴置:9月17日、マクマスター(H.R. McMaster)大統領補佐官(国家安全保障担当)はABCのインタビューで「金正恩が核兵器を手放さない時、トランプ大統領は攻撃するか」と聞かれ「トランプ大統領はこの点に関し大変に明快だ。すべての選択肢が机の上にある」と答えました。先制攻撃の可能性を示唆したのです。

「何らかの取引で解決すべきか」との質問には「交渉には大きなワナがある。北朝鮮は約束をしては破ることを繰り返してきた」とはっきりと否定しました。

同じ日、ティラーソン国務長官はCBSのインタビューに答え、米国の公約である「4つのNO」を改めて強調しました。それに加え「外交的な努力が失敗すると、ただ1つ残るのは軍事的な選択肢だ」と明言したのです。

「4つのNO」とは、北朝鮮が核開発を放棄するなら(1)体制変更は求めない(2)金正恩政権の崩壊を目指さない(3)朝鮮半島の統一を加速しない(4)38度線(軍事境界線)を越えて北進しない――です。

5月3日、国務省職員への演説で表明したものですが、8月1日の会見でもこれに言及し「平和的な解決」を北朝鮮に呼び掛けた経緯があります(「中国にも凄んで見せたトランプ」参照)

変容した「4つのNO」

—「4つのNO」は言い続けているのですね。

鈴置:ええ。しかし、その意味をガラリと変えました。9月17日のCBSとのインタビューでは「4つのNO」を「平和的な圧力作戦」(peaceful pressure campaign)と意義付けました。

これまでは「核実験を中断すれば対話を実施する」など、何らかの取引も念頭に置いていたので、北に対話を誘うため「4つのNO」を提示していた。

ところがもう、対話は期待できなくなった。そこで「核・ミサイルを放棄しないと攻撃するぞ。地上軍で侵攻はしないけれどな」との威嚇に使うようになったのです。もちろん中国とロシアに向けた、軍事攻撃の覚悟を示すメッセージでもあります。

さらに同じ9月17日、ヘイリー(Nikki Haley)国連大使はCNNのインタビューで「我々は外交的手段で解決する責務を負うが、うまく行かない時はマティス(James Mattis)国防長官の出番となる」「北朝鮮が邪悪な行動を続ける限り、破壊されることになる」と語りました。

そのマティス長官は翌9月18日、「(北朝鮮を先制攻撃した際)、ソウルへの反撃を防げるのか」との問いに「防げる。ただし、その方法には言及しない」と答えました。

「ソウルを火の海にする」といった北の脅しに屈するな、と韓国人に訴えたのです。ロイター通信の「Mattis hints at military options on North Korea but offers no details」(9月19日、英語版)が報じました。

攻撃はいつ?

—北朝鮮が核を放棄しない場合、米国はいつ攻撃に出ますか。

鈴置:「今すぐ」ではないと思います。なぜなら、トランプ大統領は国連演説で、金正恩が敵対的な姿勢をとるのを止めるまで国連加盟国は北朝鮮への経済制裁をより強めるべきだと訴えたからです。

But we must do much more. It is time for all nations to work together to isolate the Kim regime until it ceases its hostile behavior.

北朝鮮を圧迫する余地はまだある。徹底的に圧迫しよう。ただ、それでダメなら軍事力を使う――と言っているのです。

日本も安倍晋三首相がインドを訪問して北朝鮮との貿易を止めるよう頼みました。河野太郎外相もUAEに北朝鮮の労働者の数を減らすよう要望しました。米国と足並みを揃え、経済制裁を極限まで強化する方針です。

メディア含め国を2分

—韓国も各国に北朝鮮に対する制裁を強めるよう、頼んでいるのですか?

鈴置:それどころではありません。韓国では軍と青瓦台(大統領府)が対立し始めました。

北朝鮮問題が煮詰まるに連れ、米軍と一緒に北に強く出たい軍と、北朝鮮に近い人々が要所を押さえる青瓦台の関係がおかしくなっていました。

戦術核の再配備問題でも、宋永武(ソン・ヨンム)国防長官がマティス国防長官との会談でそれに触れたと説明すると、青瓦台が直ちに全面否定しました(「ミサイル乱射の中、『親北』に突き進む韓国」参照)。

その宋永武国防長官が9月19日、青瓦台から厳重注意処分を受けました。左派で北朝鮮と近い、大統領・統一外交安保特別補佐官の文正仁(ムン・ジョンイン)延世大学特任名誉教授との対立が原因です。

対立点は金正恩委員長ら北朝鮮首脳部の暗殺を実行する「斬首部隊」です。北朝鮮の6回目の核実験の翌9月4日、宋永武長官は国会で「今年12月1日付で斬首部隊を設立する」と語りました。これに対し「北朝鮮を刺激するな」と文正仁教授が反発したのです。

厳重処分の理由は「文正仁教授に対する言葉遣いが悪かった」ということです。が、文正仁教授の言葉も相当に乱暴なので、世間はそうは受け取りません。「大統領は『斬首部隊』など対北軍事作戦に反対する親北左派の手をあげたな」と思ったのです。

韓国は政党とメディアを含め、大きく2つに割れました。野党の自由韓国党と朝鮮日報など保守派は当然、軍の肩を持ちました。一方、与党「共に民主党」やハンギョレ、キョンヒャン新聞といった左派は文正仁教授――親北派を支持しました。

第2次朝鮮戦争がいつ起きるか、と世界が固唾を飲んでいる時に、韓国では世界とともに北朝鮮と戦うか、あるいは北の側に付くかで内輪もめが始まったのです。

(次回に続く)

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『中国・党代表名簿、「毛沢東の孫」落選の意味 英雄の子孫「紅二代」を警戒する習主席、軍権掌握へ大量排除』(9/20日経ビジネスオンライン)について

9/20中国観察<昨港媒放風王岐山退休 習中央今天就閃電回應了!?——還再點鐵帽子王>

これによると香港メデイアは①王岐山は19大後、退職②政治局常務委員7人の内5人は退職。5人の空席を7人で争う。名前は8月に日本のメデイアが流したものと違う③胡錦濤は政治拡大会議の中で江沢民の提唱した「三が代表」と胡錦濤が提唱した「科学発展観」を19大で削除、党章を変えるように提案した、最近の情報では④19大後、習は曽慶紅・周永康に握られて来た国家安全情報部門の入れ替えを中央規律委員会に行わせる⑤「習思想」が党章に盛り込まれるかは「江派追い出し」が成功するかにかかっている。⑥19大後、王岐山が残るにしても去るにしても、中央規律委員会書記にはならない。香港メデイアは栗戦書だろうと見ている。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/09/19/372216.htm%E3%80%90%E7%BF%BB%E7%89%86%E5%B0%8E%E8%AE%80%E3%80%91-%E6%98%A8%E6%B8%AF%E5%AA%92%E6%94%BE%E9%A2%A8%E7%8E%8B%E5%B2%90%E5%B1%B1%E9%80%80%E4%BC%91-%E7%BF%92%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E4%BB%8A.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

9/22日経<王岐山氏が退任の意向 中国の反腐敗指揮、習氏は慰留 

【北京=永井央紀、高橋哲史】中国の習近平国家主席の腹心で反腐敗運動を指揮してきた王岐山・中央規律検査委員会書記が、10月の共産党大会で退任したい意向を周囲に伝えていることが分かった。複数の党関係者が明らかにした。習氏は慰留しているもようだが、党内には留任に慎重な意見も多い。1カ月後に迫った党大会で選出する新たな指導部の人事が大詰めに入った。

中国共産党は5年に1度の党大会で指導部人事を入れ替える。69歳の王氏は党大会時点で68歳以上が退任するという定年ルールに従えば今回の党大会で引退する。習氏はこのルールは明文規定ではないとして王氏の留任を検討しているが、関係筋は「王氏自身は体調の問題があり、これまでの反腐敗運動の成果を花道にしたい考えのようだ」と語る。

王氏は習氏と半世紀近い付き合いとされ、習指導部が発足した2012年に党トップ7の政治局常務委員となった。当時、党内に強い影響力を持っていた江沢民・元国家主席に近い周永康・元政治局常務委員ら幹部の汚職を次々と摘発。汚れ役を一手に引き受け、政敵を排除し、習氏が短期間に権力基盤を固めるのを支えた。習氏が王氏にこだわるのはその手腕への期待からだ。留任で定年ルールが覆れば習氏自身の3期目も視野に入る。

王氏を巡っては米国に逃亡した中国の富豪、郭文貴氏が春先から王氏の妻ら親族と複合企業の海航集団との「癒着」を批判している。王氏の去就に影響するとの見方が出る中、王氏夫妻は今月7日、妻の父親である姚依林・元副首相の生誕100年記念座談会に出席。李克強首相ら4人の政治局常務委員も参加したことで、「習指導部は郭氏の主張する問題は党内情勢に影響しないとの立場を示した」(関係者)。

習氏はこうした状況を踏まえて慰留を図っているが、汚職を厳しく摘発してきた王氏の留任には反発も強く、党内調整は簡単ではないという。

ただ、仮に王氏が退任しても、習氏の政権基盤が大きく揺らぐことはないとの見方が多い。

党政治局は18日の会議で党大会で党規約を改正し、習氏が1期目の5年間に掲げてきた政治思想・理念を追加する方針を確認した。既に党内で別格の指導者であることを指す「核心」の称号を得ている習氏の権威が一層強化されるのは確実だ。

習氏は党大会での人事刷新によって胡錦濤・前国家主席や2代前の江氏に近い幹部を指導部から外し、自らに近い人材で過半数を固めて党運営の主導権を握る構え。反発の強い王氏の留任をあきらめる代わりに、側近の栗戦書・中央弁公庁主任や、重慶市トップの陳敏爾氏を最高指導部に引き上げられれば大勢には影響しない可能性が高い。

一方で、王氏が退任すれば、「習氏が人事を押し切れなかった」との認識が党内に広がるとの指摘もある。栗氏や陳氏は王氏に比べれば中央での経験や実績が乏しく、王氏の代わりが務まるかは不透明だ。習氏が期待するほどには求心力を高められない可能性がある。

こうした事態を避けるため、習氏は王氏の留任を探るとみられる。王氏はもともと中国人民銀行(中央銀行)の副総裁などを歴任した経済の専門家。08年秋の金融危機の際は金融担当の副首相として中国経済をV字回復に導いた。「習氏は2期目の課題を経済とみて、王氏を経済担当で使おうとしている」との見方も残る。>(以上)

王岐山が経済担当になっても中国のGDP神話は崩せないでしょう。それは取りも直さず、人民元を増刷して(普通はインフレになる所ですが、ならないとすれば政府が価格統制しているから?)、バブルの額を膨らますことしかできないでしょう。解決方法は戦争して勝利するか、中国の国土を売るくらい(それだけの価値があるかどうかですが)しかないのでは。

9/20中国観察<曾慶紅大秘玩“捧殺”被批?港媒:中南海禁十九大宣傳“搶跑”>では江派の大番頭で習を総書記に推した曽慶紅の秘書の施芝鴻が規律違反で批判されたと。7/26習の講話は記録も許されない講話であるにも拘らず、施は8/7「北京日報」に7/26の講話の精神である「4つの偉大」を発表、而も褒め殺しをして習への反感を煽ったもの。これは中央宣伝部がフライング禁止令を出した原因である。習は曽慶紅や劉雲山等の江派が中央宣伝部を利用し、褒め殺しの手に打って出るのを防ぐようにした。中央規律委員会は江派の家族を含めた腐敗問題を曽慶紅も含め、晒すつもりである。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/09/20/372290.htm%E6%9B%BE%E6%85%B6%E7%B4%85%E5%A4%A7%E7%A7%98%E7%8E%A9%E6%8D%A7%E6%AE%BA%E8%A2%AB%E6%89%B9%EF%BC%9F%E6%B8%AF%E5%AA%92%EF%BC%9A%E4%B8%AD%E5%8D%97%E6%B5%B7%E7%A6%81%E5%8D%81%E4%B9%9D.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

次はNHKニュースで安倍首相とトランプ大統領の国連演説を遠くから写したもの。まあ、撮り方だから仕方がないのでしょうけど、安倍首相の演説時には聴衆が少ないというのを見せるNHKの悪意を感じました。

次は国連主催の昼食会で、トランプ大統領は隣が安倍首相でなければ出席しないと要求したとのネット情報です。

世論調査の内閣支持率の推移です。盛り返したとはいえ内閣支持率+自民党支持率の青木率は100から遠いと思います。(1月は105%)それでもここで解散しなければならない理由があり、それは正しく北朝鮮問題です。12月以降の米軍の北朝鮮の攻撃に備えてでしょう。NEO(non-combatant evacuation operation)はやるとばれるのでやらずに全面攻撃すると思います。

福島氏の記事にありますように、習は「紅二代」(共産革命二世代目)を恐れているのは間違いないでしょう。9/20本ブログで何清漣の論考を紹介しました。「紅二代」はその血筋から、富を掠奪してきたものが多いという話でした。富=金で裏切り者がそれを利用して反旗を翻すことをなくそうとの思いでしょう。薄熙来や周永康のように習の暗殺を考えないとも限りません。

習の狙いは共産党一党独裁ではなく、共産党一人独裁でしょう。党のトップに歯向かうものは粛清する、北の金三胖とやっていることは一緒です。好戦的で国際ルールを守らない所も一緒です。北の制裁にかこつけて、米国は中国の銀行も金融制裁した方が良いでしょう。真の敵は中国ですから。

記事

第19回党大会に出席する党代表の名簿に毛沢東の孫・毛新宇の名前はなかった(写真:AP/アフロ)

10月18日から開かれる第19回党大会に出席する党代表名簿が出そろった。特に話題になったのは解放軍・武装警察選出の303人の代表名簿だ。前海軍司令の呉勝利が失脚と一時報道されたが、その呉勝利は名簿に名前が残っていた。前空軍司令の馬暁天も動静不明ではあるが、名簿に名前が残っており、どうやらこの二人の政治生命はつながっているもようだ。その一方で、聯合総参謀部総参謀長の房峰輝、政治工作部主任の張陽という胡錦涛の信任が高い二人の現役上将の名前がなかった。また、毛沢東の孫の毛新宇はじめ、解放軍内の紅二代・太子党がごっそりと落選していた。党大会前、軍内では、激しい人事更迭の嵐が吹き荒れており、毛沢東ファミリーですら、習近平の軍内粛清から逃げることができないようだ。

失脚説から一転否定が示す、大混乱

産経新聞、共同通信などが前海軍司令の呉勝利が党の規律違反で取調べを受けているとして、失脚説を報じたが、その後の9月6日に発表された党代表名簿には呉勝利と馬暁天の名前が残っており、この二人の”無事“が確認された。その後、9月8日に天津で行われた中国全国運動会の閉会式に呉勝利が登場し、自らの健在をアピールした。呉勝利は72歳で、すでに海軍司令職を引退、党中央軍事委員会に名前は連ねているが、次の党大会で円満引退する可能性はある。だが、どうやら政治生命が完全につぶされる事態は避けられたもようだ。ただ、過去二度ほど汚職の噂が出て取調べを受けたというのは本当らしく、今後も絶対安全というふうにも言いきれない。

空軍司令を解任されたばかりの馬暁天の名前も残っていた。岳父含めて三代にわたる軍人家系のサラブレッド、馬暁天が更迭された、という報道も産経新聞によるものだ。すでに68歳だから空軍司令引退は更迭というより円満退職とも言えるのだが、その動静が一時不明であったことで憶測を呼んだ。習近平から特に信任が厚いといわれた馬暁天と呉勝利が失脚したという説がいったん流布して、その後にそれが否定されるということは、それは軍内権力闘争が相当混乱しているということだろう。

呉勝利・馬暁天の習近平派二人の上将が“生き残った”こと自体よりも、軍・武装警察選出の名簿で話題になったのは、毛沢東の孫、毛新宇の名前がなかったことだ。

習近平が鄧小平よりも毛沢東を尊敬し、その演説やしぐさ、ファッションにいたるまで毛沢東を意識していることは周知のことだが、毛沢東の孫に対しては冷ややかな扱いであったということか。

毛沢東は大好きだが…

毛新宇は毛沢東の二男、毛岸青と女性カメラマン邵華の一人息子。一応、中国人民大学歴史系卒業で、修士号、博士号をもつが、インタビューなどの受け答えをみると、実際のところは知的に相当問題があるらしい。毛沢東の孫というだけで、最年少で少将に出世したといわれ、“祖父の七光り”極まれりという印象だが、インターネット・ユーザーの間では、ユーモラスで笑いを提供する存在として結構人気もあった。

だが習近平は、おそらく相当、彼を嫌っていたと思われる。たとえば軍のパーティで習近平が参加の将校たちと次々ワイングラスをあてて乾杯しているとき、目の前にいる毛新宇だけをすっと無視して立ち去るといった様子が動画でネットにあがっている。

もともと実力でのし上がったのではなく、毛沢東の名前だけで党代表になっていた毛新宇が党代表に落選した理由があるとしたら、習近平が嫌った、という理由しか思えない。しかし習近平は、毛沢東が大好きで、毛沢東の「実践論」「矛盾論」の勉強会を各省の党委員会で行うように指示するほどだ。

毛沢東が大好きな習近平はなぜ毛新宇が大嫌いなのか。考えられるのは尊敬する毛沢東の子孫が、毛新宇のような、メディア取材を受けながら鼻をほじるような人間であること自体に不快を感じている、という可能性。毛新宇はその立場上、いつも、公式の場にでれば、取材記者たちに囲まれるが、祖父・毛沢東の自慢話をよくする。我こそは毛沢東の唯一の後継者、といわんばかりの態度である。しかし、習近平は自分が我こそは毛沢東思想を受け継ぐ、毛沢東の後継者にならんとしているので、この見た目も中味も毛沢東の後継者にふさわしくない毛新宇が毛沢東の孫であることを鼻にかけるのが許せないのかもしれない。

もう一つは、毛新宇自身が、習近平の指導イデオロギーを「習近平思想」と呼ぶことに対して、反感をもっていることが習近平に伝わった可能性だ。毛新宇は軍事学院の研究職が本職であり、その研究テーマは「毛沢東思想」。彼の研究業績がどれほどのものかはさておき、農村革命から建国に至るまでの実践で裏付けられた毛沢東思想と、わずか5年、党と国家を指導しただけの習近平の指導イデオロギーが、同じ「思想」で並び称されるとしたら、おそらくはほとんどの「毛沢東思想」研究家は抵抗を感じるだろう。この毛沢東信奉者のトップ2であろう二人が、本音のところでは仲が悪いのは十分想像はできる。

だが、これが単に個人の好悪の結果だけでないと考えるならば、この党代表名簿から毛沢東の孫が落選したことが示す“サイン”は結構不穏だ。

実は、毛沢東だけでなく、今回、党代表名簿から落選した中には、紅二代、つまり革命戦争に参加した英雄の子孫たちがかなり含まれているのだ。

「怖い紅二代」を軒並み排除

具体的には、胡耀邦(元総書記)の女婿の劉暁江(退役上将)、張震(開国中将)の息子の張海陽(退役上将)、劉少奇(元国家主席)の息子の劉源(退役上将)、李先念(元国家主席)の女婿の劉亜洲(空軍上将)、建軍の父・朱徳の孫の朱和平(空軍指揮学院副院長)ら、軒並みビッグネームの紅二代たちが落選しているのだ。

代表名簿に名が残っている紅二代・太子党の高級将校は、王寧(武装警察部隊司令員、岳父が建国に功労のあった南京軍区指令員・杜平)、武装警察部隊参謀長の秦天(元国防部長・秦基偉の二男)、習近平ファミリーと深い関係の装備発展部長の張又侠(建国上将・張宗遜の息子)、それに失脚の噂もあった馬暁天。この四人はいずれも、習近平のお気に入りで知られる。

軍部の党代表からここまで徹底して紅二代・太子党を排除したのは、おそらく習近平の意思である。それはなぜなのか。

これはもう推測でしかないのだが、しかしながら私だけの推測ではない。結構多くの人がそう考えている。つまり、習近平は紅二代・太子党を恐れているのだ。

習近平自身が紅二代・太子党であり、習仲勲の息子として、かなりの高下駄を履かせてもらって出世してきた。

官僚としてのスタートラインは河北省正定県だが、このとき、習近平は当時の河北省の書記であった高揚から「親の七光り」をずいぶんいじられたことがある。正定県の書記になって間もなくのころ、習仲勲が、けっこう親ばかで、心配してわざわざ高揚に「息子のことをよろしく」と電話をしたそうだ。だが、高揚は親の七光りに甘んじる習近平の態度が気にくわないので、会議の場で、「習仲勲から電話を受けたが、たとえ政治局員(習仲勲)からの直々の頼みでも、えこひいきはしない」と発言して、習近平はえらく恥ずかしい思いをしたことがある。

このエピソードは、紅二代・太子党がいかに最初から特別扱いされているか、ということの証左でもある。高揚は特別潔癖で公正な人物であったから、習近平をえこひいきしなかったが、普通なら紅二代・太子党は特別扱いされて、取り巻きに恵まれるのである。そして、習近平自身、総書記になれたのは、八大元老の中でも最も尊敬された一人、習仲勲の息子であったという理由以外にない。

つまり、紅二代・太子党は、それだけで人脈があり、その人脈は軍内はもちろん、党中央から国有企業、民営企業など経済界にまで広がる。このことが、実は習近平には脅威に感じられたのではないだろうか。紅二代・太子党の軍人が、もし習近平のやり方に不満をもったならば、彼らの周りには、すぐ同調して力を貸す党内および経済界の人脈が集まるのだ。実力不足とささやかれた習近平が、太子党であるが故に総書記にまで出世できた。では、習近平よりも人望も実力もあり、兵力を動かせるような紅二代・太子党子弟が、習近平を批判しだしたらどうなるだろう。

「独裁の野望」阻む力を削ぐ

しかも、習近平の反腐敗キャンペーンは、紅二代・太子党にまで向かい始めている。たとえば鄧小平ファミリーが後ろ盾にいる安邦保険集団のCEO・呉小暉を失脚させた。このことは紅二代・太子党たちの不安と不満を誘ったことだろう。紅二代・太子党は、生まれながらの“貴族”として様々な利権にあずかるのが普通だったから、もちろん汚職・党規律違反など探せばいくらでもでてくる。紅二代・太子党同士には、家族同様の絆があるのだが、それも親の代に築かれたもので、習近平がその絆をきっちり受け継いでいるかというとそうでもないらしい。

たとえば胡耀邦と習仲勲はイデオロギー的にも似通っており、母親同士が親友であったため、習近平も胡耀邦ファミリーとはもともと家族ぐるみの付き合いがあった。だが、習近平が総書記になってからしばらくして、双方ファミリーは距離を置きはじめている。胡耀邦の妻・李昭が3月11日に死去してからは、習近平と胡耀邦ファミリーをつなぐものはもう、なくなった、という人もいる。

紅二代・太子党は、習近平がのぞむ独裁の野望を阻めるだけの政治実力、影響力をもっている。それを恐れた。だから軍という、兵力を動かせる部分から紅二代・太子党の排除を開始したのではないだろうか。

軍権掌握か、フルシチョフの轍か

実は房峰輝失脚の背景にも、きな臭い噂がある。今年6月中旬から2か月余り、中印国境で両軍がにらみ合って一側触発にまで高まった中印国境危機において中印両軍が「撤退協定」を結ぼうとしたとき房峰輝が反対した、という噂であり、それが原因で失脚させられたという話である。

裏の取りようもない話なのだが、もしも、この噂に多少の真実が含まれているとしたら、房輝峰が中印紛争再発の危機を党大会前にあえて招き、習近平政権の安定を崩そうとした、という可能性があるわけだ。確かに9月3日にBRICS首脳会議が予想されているのに、中印国境が緊張してインド首相が会議を欠席するような事態になれば、習近平のメンツは丸つぶれだ。軍人は、たとえ習近平に真向から刃向かわなくとも、こんな風に習近平政権の安定を揺るがすことはできる。

強軍化路線を進めている習近平にとって、軍のコントロールを失うことは、失脚の直接的な原因となる。フルシチョフも軍制改革によって軍権の掌握と強軍化を目指したはずが、逆に軍のコントロールを失い軍事的メンツを失って失脚に至った。

この軍・武装警察選出の党代表名簿から、習近平が今の段階では軍権掌握に自信をもっておらず、強い恐れを感じていることが、読み取れないだろうか。

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