オバマがイラクに地上軍を派遣しないのは、適齢期男性の兵士が少ないことが大きな理由ではありません。ブッシュを批判して大統領選に勝利したため、自縄自縛に陥っているだけです。空爆だけで戦争を終わらせることができると言いきれる人は世界に一人もいないでしょう。オバマもそれは分かっていても軌道修正できないのは自分の面子を立てるため、(アフガンの完全撤兵の公約は守れなかったので、イラク地上軍派遣は避けたいと思っているでしょう)それと基本的に軍事忌避の考えの持主であることの方が大きいでしょう。
オバマが「世界の警察官」を止めると言ったことが、ロシアと中国の領土・海・空侵犯を招きました。愚かな大統領です。何もできない人間にノーベル平和賞を与えたノルウエイの委員会は視る眼がなかったとしか言いようがない。
日本も11/26記事にありますように南シナ海と東シナ海同時に戦端が開かれる可能性もありますので防備をしっかりしておかないと。南シナ海で中国と領土係争中の国を米国と一緒に、資金・技術ともドンドン支援していかねば。一国平和主義こそ日本を滅ぼす元です。野田聖子は「南シナ海は日本と関係ない」と述べたそうですが、このような認識では総理大臣には絶対なれないでしょう。古賀や野中のパペットでは。
11/27の記事で、習が軍を押えたように書いてありますが、まだ押えきれずにいて、この改革で軍を一気に自分の思い通りにしようと考えたのでは。腐敗打倒運動で政敵を追い詰めていくやり方と同じで、やりながら自分の権力を高めていく方法です。7軍区を4軍区に減らすリストラはポストが減ることになり、権銭交易の人民解放軍に受け入れられるかです。何せ海軍・空軍の英語表記が”The People’s Liberation Army Navy” ”The People’s Liberation Army Air Force”ですので。Armyが取れるかどうかで習が軍を握れたかどうか見ることが出来ると思います。
11/26記事
今月22日にマレーシアで開催された東アジア首脳会議(EAS)では、中国による南シナ海での人工島造成の動きを批判する日米と、造成は合法とする中国の議論が案の定、平行線のまま終わった。日本やフィリピン、オーストラリアなど域内諸国は、米国が今後も南シナ海に海軍艦艇を派遣するなど地域のバランサーとしての役割を発揮することを期待する。ただ米国には、中国による一方的な国際秩序の変更は許さないとする一方で「できることなら今は中国とことを構えたくない」とも考えるいくつかの事情もある。
■4つの「戦線」と「疲れ」
新型兵器の配備などで復調するまで中国との衝突は回避したい米軍(写真は開発中の無人艦載機X47B)=AP
第一に、米国は現在、南シナ海での中国との対立に加え、中東での過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦、米国内外でのテロ防止、ウクライナ問題をめぐるロシアとの対立と4つも「戦線」を抱え、手が伸びきった状態にある。
第二に「米軍の疲れ」がある。日本ではあまり報じられないが、2000年代初め以降のアフガニスタンやイラクでの戦闘の結果、心身に傷を負った元兵士が米国内にはあふれている。健康を害したために働きたくても働けず、住む家もない元兵士まで現れたことは、米国社会において軍で働くことの魅力が著しく低下する原因にもなっている。近年の米軍内での女性兵士の活動の場が増えつつあるのは、「兵員適齢期」の男性を確保しにくくなっている今の米軍の苦境の表れと見ることもできるのだ。オバマ大統領がシリアへの地上部隊派遣に慎重なのも、米国の置かれた現況を彼なりに踏まえてのことなのだろう。
三つ目の理由は「懐事情」だ。米国防総省は、近年の米財政悪化と国防費圧縮を踏まえ、米軍に関しては「現在の強さ」より「将来の強さ」を優先する構えをとっている。つまり現在は軍事作戦を極力回避しながら、限られた財源を、各種無人機やレーザー砲、超音速攻撃兵器といった新型兵器の開発、戦闘機や爆撃機、空母、潜水艦、核兵器など主要装備の更新に振り向けているわけである。
筆者が注目した記事
・11月23日 読売新聞朝刊「日米中 南シナ海で平行線 東アジア首脳会議」
・11月4日 THE DIPLOMAT“Closest Encounter Since 2006: Chinese Submarine Tailed US Aircraft Carrier”
かつて1970年代のベトナム戦争で疲れ切った米軍が1991年の湾岸戦争で復活したように、今の「疲れた米軍」が自信を持って中国軍と対峙できるようになるのは、米国内で新たな世代が兵員適齢期を迎え、なおかつ新型兵器の配備が進む頃(大まかにみて10年後)になるのではないか。それまでの間、米軍としては今ある装備と部隊を使って中国軍が暴発しないよう精いっぱい抑止するしかない。
一方の中国はどうか。10月27日に米海軍のイージス駆逐艦ラッセンが南シナ海の中国の人工島に接近した際には荒っぽい動きは控えた中国海軍だったが、今後、米海軍による同様の航行が繰り返されるにつれ、中国海軍が共産党の統制を無視して米艦に戦いを仕掛ける偶発危機が起きるかもしれない。
米軍の本格復調の前に勢力圏を拡張しておきたい中国軍(写真は9月3日の北京での軍事パレードに登場した上陸用舟艇)=AP
中国軍には過去にもそうした共産党軽視の行動を繰り返してきた前歴があるし、現在の同軍内には米軍のメンツをつぶしたい空気があふれている。ラッセンの人工島接近に先立つ10月24日には、潜航していた中国潜水艦が日本沖合を航行中の米空母ロナルド・レーガンの近くに突如現れるという米海軍としてはあってはならない出来事が起きたとされる。
中国は現時点でも、南シナ海を担当区域とする南海艦隊だけで116隻もの軍艦を擁しているほか、さらに海警局(沿岸警備隊)の巡視船約200隻を配備し、「質の米軍」に対し物量で圧倒しようとしている。ただ、今後10年から20年かけて米軍が本格的に復調し、弾切れを心配せずに使えるレーザー砲を搭載した艦艇や攻撃機、人命損失のリスクのない無人機などを大量に配備すれば、南シナ海の軍事バランスは物量作戦に頼る中国軍に不利な方向へ傾く。
逆に言えば、中国軍としてはそうした不利な局面になる前に、人工島の造成や、米軍との限定的な戦闘での勝利を通じて勢力圏を拡大しておきたい衝動にかられる。当面、南シナ海で緊張が続きそうな理由はここにある。
■日本は「南シナ・東シナ同時紛争」に備えを
さらに日本にとって悩ましいことがある。「中国共産党首脳部には、危機が起きた場合、それを収束させるのではなく、起きた危機を利用して自らに有利な状況をつくる策をとっさに考える傾向がある」(日本の安保当局者)。つまり、中国が南シナ海での危機に便乗、あるいは「悪乗り」するケースが想定されるのである。
日本が心配すべきは、先々南シナ海で米中が偶発危機になった際に、中国が東シナ海などでも軍事行動を起こすシナリオだろう。ラッセンが人工島付近を航行する直前の10月24日に、中国海警局の公船2隻が久々に尖閣諸島周辺の日本領海に侵入し、日本の反応を試すような動きを見せていたが、日本の国内ニュースではほとんど報じられなかった。日本としては、米軍の本格復調の前に「南シナ海・東シナ海同時紛争」に遭遇し、尖閣などをめぐって不本意な結果を押しつけられないよう、周到な「自前」の備えが必要となる。「強かった米軍」の残像にすがっている場合ではない。
高坂哲郎(こうさか・てつろう)
国際部、政治部、証券部、ウィーン支局を経て2011年編集委員。05年、防衛省防衛研究所特別課程修了。12年より東北大学大学院非常勤講師を兼務。専門分野は安全保障、危機管理など。著書に「世界の軍事情勢と日本の危機」(日本経済新聞出版社)。
11/27記事
【北京=永井央紀】中国の習近平国家主席は24~26日に北京で開いた中央軍事委員会改革工作会議で、陸海空軍を一体的に運用するための統合作戦指揮機構の新設を柱とする大規模な軍改革を指示した。陸軍偏重の体制を見直し、海空軍やミサイル部隊との連携を強化する。地域ごとに国防を担う「7大軍区」も再編する。一連の改革は2020年までに成果を出すとした。
国営新華社通信が伝えた。現在の中国軍は最高意思決定機関である中央軍事委の下に「4総部」と呼ばれる中枢組織があり、その下に(1)7大軍区(陸軍主体)(2)海軍(3)空軍(4)第2砲兵(戦略ミサイル部隊)――が連なる。縦割りの弊害が大きかったため、中央軍事委と各軍区にそれぞれ統合作戦を担う組織を新設し、部隊運用の効率を高める。
習氏は北京、済南など7つの地域に分けている軍区の再編も指示した。党関係者によると内陸部の軍区を中心に統廃合し、4~5の軍区に減らす方向で調整している。
「総参謀部」「総政治部」などで構成する中枢組織「4総部」のあり方を見直し、従来はなかった陸軍の指導機構を新設する方針も示した。陸軍機構の設置により陸海空軍を組織上、並列の扱いとし、陸軍の特別扱いを是正する狙いとみられる。今後は作戦指揮については「中央軍事委→各戦区の統合作戦機構」、人事や予算の管理は「中央軍事委→陸海空の各軍」との形に分けて統率する。
軍内の汚職を摘発する軍規律委員会は、中央軍事委の直属組織とする。現行は総政治部の傘下に置かれているが、格上げして権限強化する。習氏の権力基盤固めを支えてきた「反腐敗運動」を軍内でさらに加速させる狙いだ。新たな軍規律委のトップには習氏の盟友である劉源・総後勤部政治委員が就くとの見方がある。
9月3日の軍事パレードの際に発表した現行230万人の軍人を200万人に減らす方針についても改めて確認。非戦闘部隊をスリム化するとしており、軍関係の病院や教育機関、文化芸術関連の団体が対象となるもようだ。陸軍の隊員を減らして海空軍の比重を高める狙いもある。
党関係者によると軍区再編など軍内の既得権益構造を一変させる改革には強い反対意見が出ていた。大規模な軍改革を表明したことは、習氏の権力基盤固めが一段と進み、抵抗勢力を抑えられていることを示す。
習氏は会議に集まった200人以上の軍幹部を前に演説し、「軍改革は中国の夢、強軍の夢を実現させる時代の要求だ」と強調。同時に、軍人の医療や住宅、給与などの福利厚生制度を強化する方針を示して求心力を高めることも忘れなかった。