親日国家台湾にも外省人の反日教育が少しずつ効いてきて、学生は日本よりはアメリカへ向かうそうです。ただ、お年寄り世代から孫の代に日本統治時代の良さが口伝として伝わっているようでもあり、この財産を活かさねばなりません。11/29の6大市長選(閣僚級)では国民党は一市しか取れませんでした。宮崎氏の12/1メルマガによれば「6つの直轄市で中国国民党候補が勝ったのは新北市のみ。それも民進党候補に約2万4千票差に迫られる接戦だった。この直轄市6市を含む22の県・市で、中国国民党は15席から6席となり、民進党が6席から13席に倍増、無所属も1席から3席に増えた。中央選挙委員会によると、投票率は67.59%、有権者数は1851万1356人。29日夜11時25分にすべての開票作業が終わった。今回選挙の最大の特徴は台北市に現れている。組織に頼らない無所属の柯文哲候補が24万票もの大差をつけ、中国国民党の連勝文候補を下した。連候補は、中国国民党の正統を象徴する連戦・中国国民党名誉主席の御曹司。一方の柯候補は台湾大学医学部の外科医で無所属。いわゆる藍(ブルー)と緑(グリーン)という2大政党によるイデオロギーのぶつかり合いとはならなかった」とのこと。実は2010年の5大市長選(台北、新北、台中、台南、高雄)では辛うじて国民党が勝利したが、得票率では民進党が5%上回った。国民党は336万9052票(44.54%)に対して民進党は377万2373票(49.87%)であった。選挙区割りの妙と国民党の選挙テクニックのうまさが勝因とのこと。今年の選挙は流れから言って民進党系が勝つ方向であったということ。馬総統が余りに中国に近づきすぎたため、3月から4月には「太陽花運動」と呼ばれる国会の占拠を学生が中心になって行い、中国との「サービス貿易協定」に反対する「反服貿」集会が開かれました。この後の選挙であるから民進党系の勝利は動きませんでした。台湾のマスコミは日本以上にひどく、9割が国民党系とのこと。それでも民進党を選んでいるのですから。中国人ではなく台湾人という意識の人が増えているそうです。2016年の総統選では蔡英文女史(民進党)が勝つかも知れません。香港のデモも正しく「太陽花運動」に影響を受けていますが、悲しいかな一国二制度を認めたため、中国が将来分裂しない限り、香港の自治はあり得ないでしょう。宮崎氏によれば台湾独立も中国分裂のタイミングでと考えているようです。台湾は中国に近づけば近づくほど香港と同じ運命を辿ります。日本と台湾は運命共同体(中国の太平洋覇権の抑止という意味で)なのに、アメリカ・日本の政府とも台湾に優しくありません。中国のハニーと賄賂工作が実を結んでいると思われます。
本の内容紹介
中国崩壊が独立最大のチャンス
台湾独立論は奇矯な言論ではない。可能性としては中国そのものが将来、大分裂をおこすときが最大のチャンスになるだろう。 かつてソ連帝国が頑強な軍事力の下に外見的な「団結」を誇っていた頃、外交評論家の那須聖は『ソ連の崩壊』を予測してベストセラーとなった。同じ頃、フランスで本格的な社会学的研究によるソ連解体論、分裂予測がでた。エマニュエル・トッドというフランス人の人口学者の予測の基軸は軍事力の負担に耐えかねるという一般論ではなく、ソ連国内でロシア人の出生率が異様に低い反面でイスラム圏に人口爆発があり、いずれ民族間の軋櫟が統一国家の維持を難しくするという、データ重視の予想だった。最近、このトッドは「中国共産党は脳幹が腐り始めた」と中国を批判している。ニ〇〇八年には「アメリカが六つに分裂する」という衝撃的な文明論がロシア人学者からなされ、世界的評判を呼んだ。欧米や台湾・香港、シンガポールなどではハンチントンの『文明の衝突』並みに持て囃された。しかし日本ではさっぱり評判を呼んでいない。日米同盟を重視する余り、この論を黙殺するのだろうか。提唱者はパナリン(元KGBアナリスト)、現在ロシア外交学院長というれっきとした学者である。そんじょそこらのセンセーション狙いとは違い本格的研究なのだ。
趣旨は大多数の新移民に大不況の失業が重なり、社会からモラルが消える。2010年6月から7月にかけて米国に大規模な内戦が勃発し、 (もう過ぎていますが)
㈠アラスカはロシアの影響下に戻り、
(ニ)カリフォルニアから西海岸、ユタ州からアリゾナ州を含めての地域は中国の影響を受けた「カリフオルニア独立国」となる。
(三)北東部(メーン州からNY、ワシントンを経てサウスカロライナ州の、昔のコモンウェルズ)は「大西洋アメリカ」になる。
(四)中西部からモンタナ、ワイオミング、コロラド州は「中北アメリカ」となってカナダの数州を包摂する。
(五)テキサス、ルイジアナ、フロリダなど南部アメリカは旧メキシコ領をふくめて独立する。
(六)ハワイは中国と日本の影響下に入る
という壮大なシナリオである。
米国マスコミは「あまりにバカバカしい予言のたぐいで問題に値しない。こういう荒唐無稽のシナリオを大不況、株価低迷の米国に対してロシアがなすという、このタイミング はロシア国民の喝采受けを狙うもの」と冷ややかだった。当のパナリンは「資料は米国情報担当部署やFAPSI (ロシア政府通信情報局)のデータを使った。この予言的中率は四五~五五パーセントの間だ」と冷静である。また「連邦政府の予算配分が地域的に不平等であり不況対策、とりわけ地域振興の予算配分を巡る対立が生じ、アメリカ人の多くも『分裂が最適』と思うようになるだろう」という。台湾の『自由時報』が大きく取り上げて、「一九七六年にソ連崩壊を予言したフランス人学者エマニュエル・トツドの説を当時、誰もが笑ったように、このロシア人学者、じつはクレムリン宮殿にも呼ばれて講演し、テレビにも出演する、ロシア有数のアメリカ通。笑って済ませるだけで良いのか」とコメントしている。中国が分裂するというシナリオを本書で詳しく論ずる紙幅はないが(ご興味の向きは拙著『中国大分裂』(文春ネスコ刊)を参照)、歴史的に見ても歴史の空間の半分近くは中国は分裂していた。南北朝、三国志、群雄割拠、燕朝一六国等々。戦後もウィグル、チベット、南モンゴルなど不釣り合いな地域を無理矢理に地図に算入しているため、統合力がいったん失われ、放心力が加わると分裂は加速度的に、旧ソ連型のようになるだろう。そのときは自動的に台湾は独立を宣言するだけでよい。
激変する中国人女性の人生観
女性の人生観も凄まじいほどに荒んできた。ちょっと綺麗な女は外国人の伴侶を捜す努力を惜しまず、「たとえ禿げでもジジイでも構わない。海外へ出たい」というのが最大の人生目標である。このことは筆者が過去四〇年、合計二百回は渡航した中華圏で、カラオケに限らずホテルの従業員や売り子らとの会話からの結論である。「なぜ外国へ出たいか」という質問には公害、貧富の差、独裁という理由を挙げず、彼女らが鸚鵡返しに逆質間してきたのは「日本の女性もそうでしょ?」というものだった。「日本ほど外国に住みたがらない民族は珍しいですよ」と答えるとキョトンとしていた。 彼女らが目的とするのは、たとえば新聞王のルパート・マードックの三番目の後妻にまんまと納まったウェンデイ・デンである。彼女の波瀾万丈の上昇人生、その生々しくも野心的な生き方が彼女らの目標である。実際のテインは徐州生まれの貧乏娘、苦労してアメリカに渡り世話になったスポンサーの老人を寝取って戸籍を取得したらバイバイ。当時、マードックが世界の新聞王を目指して英国から米国へ進出し、FOXテレビ、ウオールストリート・ジャーナルなど次々と買収していた時期に香港のテレビに通訳で入るや、色仕掛けでマードックに近づいたと噂されたが三二年連れ添ったアンナ失人を離婚させ正妻の地位を得た。四○近い年齢差がある。前妻の子らとは新たに子供を作らないと誓約しながら、堂々と二人の子供を産んで、マードック死後の世界一のマスコミ帝国の財産相続を担保した。その凄まじいまでの腕前(性技?)、このデンこそが彼女らの人生目標の一つ、生き方の規範である。女性の勝ち組のなかには「愛人業」も盛んである。スポンサーがいくら小遣いをくれる、マンションを買ってくれた、私は名勝地にリゾ—トも買って貰ったわーなどとあからさまに自慢しあう。自家用飛行機でどこへ連れて行ってくれた、今度は日本の富士山と箱根にファ.―ストクラスでつれていってくれる、って。北京師範大学門前は「愛人」を週末に迎えにくる黒塗り高級車がならぶ。カリフォルニアにはれっきとした中国人だけの「妾村」がある。そして若い女性は権力者、金持ちなら愛人でも構わないというあっけらかんと割り切る人生観なのである。こういう短絡的、単細胞思考は中国人がいかにカネと権力を愛しても、純愛を信じていないかの証拠でもある。
しかし勝ち組など例外的で大方は負け組である。美貌にも恵まれず愛人として自分を高く売り込めなかった女性らは売春街へでて稼ぐ。カラオケ、マッサージ、怪しげなサウナ、曖昧宿。目的はカネだけである。「からだが売れるうちに金を得たい」と呻くような生き様は福島香織の『中国の女』(文藝春秋)に譲るとして、こうなると男性側も相手の遊び方は露骨でえげつなく、バアでの会話は「やるか、やらないか。 いくら」だけの世界だ。即物的、情緒がはいりこむ余地はない。のんびり文学論議などする銀座の文壇バーは中国では存在しない。手も握らないで会話を楽しんで数万円を支払う銀座紳士なんて中国人男性からみれば宇宙人だ。こうした状況下に渡辺淳一が切り込んだわけだから斬新、新鮮な衝撃と捉えられた。これまで考えられない世界が中国人の若者世代に提示されたのだ。なにしろ渡辺作品の主人たちと言えば、左遷された編集者とか、うだつの上がらない建設会社の部長とか、冴えない男たち。他方、女性主人公らは性愛で開発され男に惹かれる時期もあるが、 人生の姿勢に凜としたところがあり、そのうえ自己を確立した女性が多いのでカネとか 権力は興味の対象ですらない。言ってみれば中国的価値判断からは「落ちこぼれ」である。ところが全編、「愛」というテ ―マをめぐる心理の変化が克明に描かれ、人生始まってから経験をしたことのない世界だから、 若い中国人が読み始めたのだ。文革体験とその後遺症が残る習近平、李克強世代から上は読まない。青少年は圧倒的に日本のアニメ、二○代前半の中国人はゲームとスマホに狂うが。