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1/5日経ビジネスオンライン 上野泰也『トランプ躍進に見る米国人の「復活」願望』について

今週の注目は米大統領選ではなくて台湾総統選+立法委選でしょう。蔡英文の勝利は揺るがないでしょうし、立法委選でも民進党+時代力量で過半数は超えそうです。宮崎正弘氏のメルマガにもそうありました。中共に擦り寄る国民党では日米の信頼は得られませんし、台湾国民の支持も得られないでしょう。

http://melma.com/backnumber_45206_6311539/

本文中の「ミザリー・インデックス」を見れば米景気は悪くなく、それで年末にFRBも利上げしたと思います。では何故共和党でトランプ現象が起きているのか?本文の「エリート政治家に舵取りを任せてきた結果、米国では中間所得層が崩壊し、所得格差(貧富の差)が拡大している。」というのは違うのでは。富の分配がうまく行っていないのかもしれませんが。でも金持ちトランプがそれで支持率を上げているとは考えにくい。やはりオバマの無能にホトホト嫌気がさしているのだろうと思います。レーガンの「強いアメリカ」に戻ってほしいという気持ちの為せるわざでしょう。ただレーガンはスタッフの意見を良く聞く耳を持っていましたが、トランプはワンマンタイプで、大統領になれば躓きを起こすのではと思われます。やはりマルコ・ルビオが良いかと。ただ1/10日経にバーナンキ(共和党支持)がルビオの「大統領になったらイエレン氏の再選は認めない」の発言を受けてか、「共和党をずっと支持してきたが、最近は愛想が尽きた」と自伝で歎いたとありました。

前にブログでも書きましたが、ヒラリーは大統領になる前に、人間的にどうしようもありません。でも米国民が選ぶのでどうしようもありませんが。トランプが「女性大統領はいつの日か出て来るだろう。ただ、ヒラリーではない」との発言をTVで見ました。今回は『ガラスの天井』があればよいのにと思います。

1/5日経には「米のアジア系移民 学歴高く世帯収入多め

 テロの潜在的脅威の中で移民規制を唱える声も出るものの、欧州からの移民中心に建国された米国は依然としてその受け入れ大国であることに変わりはない。

rate of Asian people in US

 中でも存在感が高まるのがアジア系だ。米国勢調査局の推計では2014年の米国の総人口(約3億1800万人)に占めるアジア系移民の比率は5.4%。50年前の1965年には1%に満たなかったが、その年の改正移民法施行で出身国別の移民数の制限が撤廃されたのを機に急増した。

 総人口に占める人種別比率では白人(62.1%)、ヒスパニック(17.4%)、アフリカ系(13.2%)に次ぐ4番目の規模。ただしこれは累計で、新たに入ってくる数ではアジア系が最も勢いがある。米シンクタンクのピュー研究所によると年間移民数に占めるアジア系比率は2000年時点の19%から10年に36%へと高まり、ヒスパニック(31%)を5ポイント上回る。

 同研究所はアジア系の特徴を「学歴と世帯収入の高さ」と指摘する。25歳以上で大学の学位以上を持つ割合は10年時点で49%と全体の28%を上回る。平均世帯収入も6万6千ドル(約800万円)と全体の4万9800ドルより3割強多い。

 アジア系は働く人の半分が企業役員や弁護士、医師といった専門職やその関連職で、この比率も全体の40%より高い。タクーン・パニクガル氏のようなデザイナーは全体ではまだ珍しいが、分母となる人口が膨らんでいけば、今後は多方面で才能を開花させる人たちが増えるだろう。」とありました。

アジア系の移民が2000年以降増えてきているのが分かります。勤勉・優秀な人材が多いので、そういう結果になったのでしょう。将来の大統領選に影響を与えます。中韓は米国で反日活動を活発化してきています。国際社会にアピールするには米国の世論を味方につけるのが手っ取り早いからです。中国は人口が多く、マンパワーを持って世界進出の強みとしています。中国系米国人を大統領にして世界を牛耳ろうと考えていますので、注意していかないと。日本の外務省は土下座外交するしか能がありません。キチンと戦略を立てろと言っても無駄なのが悲しい。

記事

Carson & Trump

2015年12月15日、米国の大統領選で、共和党候補の指名争いを繰り広げる元神経外科医のベン・カーソン氏(左)と不動産王ドナルド・トランプ氏(右) (写真=AP/アフロ)

 米国の共和党大統領候補指名争いで、不動産王ドナルド・トランプ氏の独走状態が長く続いてきた。イスラム教徒の米国への入国を禁止すべきだという発言が物議をかもした後、トランプ氏の支持率はむしろ上昇。モンマス大学が昨年12月14日に発表した調査結果では共和党内での支持率が41%に達し、同党の候補者で初めて4割を超えた。経済問題ではなくテロに対する不安が米国民にとって現在は最大の関心事になっているのが原因だと説明されている。

 2位に付けたのは、草の根の保守派運動「ティーパーティー(茶会)」に加え、キリスト教右派にも支持を広げているテッド・クルーズ上院議員(14%)。3位はマルコ・ルビオ上院議員(10%)。ともに40歳代のクルーズ氏かルビオ氏のどちらかが最終的に共和党の指名争いで勝つだろうという見方が専門家の間では根強い。経歴詐称などが問題視された元神経外科医のベン・カーソン氏はこの調査では9%にとどまり、4位に沈んだ。

 米ワシントンポストとABCテレビが共同実施して昨年12月15日に結果を発表した世論調査では、トランプ氏の支持率が38%に上昇。クルーズ氏は15%で4位から2位に浮上した。

クルーズ氏とトランプ氏がデッドヒート

 もっとも、大統領候補指名争いの皮切りとなる党員集会が2月1日に開かれるアイオワ州では、クルーズ氏がトランプ氏とのデッドヒートを繰り広げている。アイオワ州の地元有力紙が昨年12月7~10日に実施した州内の世論調査では、クルーズ氏が31%の支持を集め、トランプ氏の21%を上回った。

 過去の事例から、アイオワ州やニューハンプシャー州といった序盤の戦いで勝利するかそれなりの健闘を示さないと、支持率が急速に下がって、選挙戦からの撤退を余儀なくされる可能性がある。

 筆者を含む多くの日本人にとり、まさに予想外の「トランプ現象」。市場関係者の間では「トランプ・リスク」がささやかれ始めている。過激な発言で知られるトランプ氏が核のボタンを握ることになるようだと何が起こるのか予想がつかないというわけだ。

 では、型破りの発言を連発するトランプ氏を少なからぬ米国人が支持しているのはなぜだろうか。

多数説は、エスタブリッシュメントと呼ばれる伝統的エリート層による米国の政治支配への失望や強い不満がトランプ氏支持の原動力になっているという見方である。エリート政治家に舵取りを任せてきた結果、米国では中間所得層が崩壊し、所得格差(貧富の差)が拡大している。

 テロや銃撃事件への恐怖も以前より強まっている。そこで、これまでとは違う考え方・出自の人に政治を任せてみてはどうかというムードが広がっているのだという。トランプ氏の歯に衣着せぬ大胆な発言は人々のうっ積した不満のはけ口にもなっているようである。

 だが、本当にそれだけだろうか。筆者は、オバマ政権下で何度も明らかになった国際社会における米国の力や威信の低下に強い不満を抱いた米国人が、「強いアメリカ」復活願望を抱いてトランプ氏に期待している面が、少なからずあるのではないかとみている。

 1980年代に映画俳優出身のロナルド・レーガン氏が共和党から出馬して当選し、大統領を2期務めた。その1期目の前半にヨーロッパを長期フリー旅行していた際、たまたま出会った米国人の女子学生と語り合ったことがある。

 詳しい内容は忘れてしまったが、景気悪化に加えてイラン米大使館人質事件への対応(救出作戦)に失敗した民主党の前大統領カーター氏を徹底的にけなした上で、レーガン大統領の話になると彼女が目を輝かせながら「強いアメリカ」に絶対必要な人物だと熱弁していたことを、今でも記憶している。

本当に国を任せたらかなり危なっかしいが…

 トランプ氏はテレビの人気番組「アプレンティス」で、課題をこなせなかった脱落者に対する「おまえはクビだ!(You’re fired!)」という決めゼリフで人気を集めた人でもある。銃を手にして西部劇映画で活躍した俳優出身のレーガン氏に対する米国民の30数年前の心情と同じようなものが、今回はトランプ氏に寄せられているのではないか。

 昨年12月14日、シリアからの難民受け入れに対してトランプ氏は反対を改めて表明し、自分が大統領になれば「彼らは(シリアに)帰ることになる」と発言。パリ同時テロ事件で犠牲者が拡大したのはフランスの厳しい銃規制のためだという持論も展開した。

 もっとも、内政・外交の両面で経験がまったくないトランプ氏に米国という大国の先行きを本当に委ねることができるかどうかとなると、よく言えば未知数、悪く言えばかなり危なっかしいと言わざるを得ない。

 トランプ氏は、東部ウクライナの親ロシア派による分離運動を支援して国際社会から非難されたロシアのプーチン大統領とは、どうやら緊密な関係を築けそうである。プーチン大統領は昨年12月17日の記者会見で「トランプ氏には花があり、才能があることに疑問の余地はない」「ロシアとの関係を深めたいと(同氏は)発言しており、われわれはもちろん歓迎する」と述べた。

 これに対しトランプ氏は、「内外で尊敬されている人物からこうした賞賛を受けるのは常に大変な名誉だ」「米ロがもっと協力すればテロを根絶でき、世界平和を再構築することができると常に感じている。貿易のみならず、あらゆる恩恵が相互の信頼関係からもたらされる」と返答した。

 ソ連を「悪の帝国」と呼んで強硬姿勢をとったレーガン大統領は1980年代後半になると、重い軍事費負担や計画経済の行き詰まりから経済的に疲弊したソ連のゴルバチョフ書記長との間で、東西冷戦の終結に向けた動きを積極的に推し進めた。仮にトランプ氏が米国の大統領になれば、米ロ関係の改善が進む可能性は確かに高いだろう。米国が方針を転換してアサド政権の存続を認める形で、シリア問題の「交通整理」も進むと予想される。

レーガン時代と比べると

 だが、いまの世界情勢は、レーガン政権の頃とはだいぶ異なっている。中国の影響力が格段に大きくなったことに加え、欧州では統合の動きが進んだ。中東ではイスラム国家やイスラム組織の動向が重要になっており、米ロ2国だけで世界秩序をいかようにもできるわけではない。そうした中でトランプ氏が米国の外交をうまく操ることができるかどうか。筆者は懐疑的である。

 経済問題でも、トランプ氏の主張には危うさがつきまとう。日米などがTPP(環太平洋経済連携協定)で大筋合意に達した昨年10月5日、トランプ氏は「現政権の能力のなさは理解を超えている。TPPはひどい協定だ」と批判。11月10日のテレビ討論会では「恐ろしい合意だ」「承認されれば雇用がますます失われる」「私は自由貿易主義者だが、交渉には頭のいい人があたらなければならない。今の米政府には頭のいい人がいない」と述べた。だが、仮にTPPが再交渉となれば各国の利害が再び噴出することになり、まとめ上げるのは至難の業だろう。

 為替相場についてトランプ氏は、「ドルの競争力が弱い」ことを問題視する立場をとっている。「中国や日本など他の多くの国の通貨切り下げによって、米国の企業がわたりあっていくことが不可能になっている」と述べ、中国や日本の通貨下落を非難した。

 その一方で、FRB(連邦準備理事会)が利上げに動かないことについて、昨年12月の利上げ開始よりも前の11月上旬の時点で、「オバマ大統領が利上げをしないよう要請しているからだ」「オバマ大統領は在職中にバブル崩壊を目の当たりにしたくないためイエレンFRB議長に利上げしないよう要請した」という、明らかに根拠のない発言をした。

 12月19日のアイオワ州での集会では、「バブルが崩壊するなら、次の政権が発足してから2カ月後ではなく、今起きればいいと思う」「今はとんでもないバブルの状態かもしれない。もしそのバブルが崩壊すればやっかいだ」と、他人事のように述べていた。もしトランプ氏が本当に大統領になるようなら、崩壊の前か後かにかかわらず、バブルへの最善の対応策をとっていかなければならないのだが…。

 だが実際には、オバマ大統領が再選を果たした前回2012年の大統領選と同様に、内輪の争いの中で共和党は消耗してしまい、幅広い米国民の支持を得られる候補者を出せないという「負けパターン」に陥りつつあるように見える。今回の大統領選では民主党のヒラリー・クリントン氏が勝利するだろうというのが、筆者の予想である。

 ちなみに、大統領選(特に現職が再選を狙うケース)でその行方を占う際に注目される「悲惨指数(ミザリー・インデックス)」、すなわち失業率と消費者物価上昇率(前年同月比)を足した数字は、2015年11月時点で5.0+0.5=5.5という歴史的な低さである<図>。12月の数字は未発表だが、各年の12月の数字を遡ると1955年(4.6)以来の低水準になる。翌56年の大統領選挙ではアイゼンハワー大統領(共和)が再選を果たした。

■図:米国の「悲惨指数(ミザリー・インデックス)」

misery index

注:各年12月のデータのみ表示。ただし15年は11月のデータ(出所:米労働省資料より筆者作成)

 むろん、既に述べたように雇用の数は増えても賃金の伸びが鈍く、中間所得層が崩壊しつつあるという米国経済の厳しい実情も常に指摘されるのだが、このインデックスで見る限り、オバマ大統領と同じ民主党のクリントン氏には経済状況という面からも追い風が吹いていると言える。

1/5日経ビジネスオンライン 倉都康行『2016年に忍び寄る「ドル高変曲点」 ドル円100円時代は来るか?』について

本記事とははずれますが、昨年の慰安婦合意について「英霊に失礼」という意見がありますが、この表現はどうも軍人だけへのニュアンスが強い気がします。「従軍・慰安婦」という実態はなかったのにという気持ちからだと思います。しかし、戦ったのは軍人だけでなく、「進め一億総火の玉」となって国民全員が戦ったわけですから、「日本人の名誉を汚す」表現の方が良いかなあと思います。当時の総ての日本人の名誉を傷つけている訳ですから。中国が良く言う「日本国民も軍国主義者の被害者」のような二分論で、国民の軍嫌いを助長させる論理に、意図はなくても与する可能性もあります。ドイツのヒットラー、セルビアのカラジッチ等彼らを犠牲にして「国民は悪くなかった」というカタルシス(小生から言えば卑怯者の論理ですが)として利用されなくもないでしょう。

 

中国の人民元についての1/8ZAKZAK田村秀男『習政権にとって“人民元自由化”は自滅の道 日本としては大いに結構』の記事によれば

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「年明け早々から株式市場はチャイナ・リスクで大荒れである。世界最大水準の中国債務は今後さらに膨らむ情勢なのだから、不安がグローバルに伝播してしまう。  「中国、今年は改革の正念場に」(米ウォールストリート・ジャーナル1月4日付)であることには違いないが、習近平政権にとってはそれどころではない。  中国金融のどん詰まりぶりを端的に物語るのは、中国人民銀行による人民元資金発行残高である。昨年後半から急減している。前年比マイナスは実に16年ぶりだ。  人民銀行は2008年9月のリーマン・ショック後、元の増発に増発を重ね、国有商業銀行を通じて資金を地方政府や国有企業に流してきた。大半は不動産開発など固定資産投資に向けられ、国内総生産(GDP)の2ケタ成長を実現した。その結果、10年にはGDP規模で日本を抜き去ったばかりか、党中央は豊富な資金を背景に軍拡にもいそしんできた。東シナ海、南シナ海などでの海洋進出はマネーが支えてきた。党の意のままにできる元資金こそが「超大国中国」の原動力だ。  元膨張を支えてきたのはドルである。リーマン後の米連邦準備制度理事会(FRB)によるドルの増発(量的緩和=QE)に合わせて、人民銀行が元を刷る。グラフはQE開始後、元資金のドル換算値がドル資金発行増加額とほぼ一致していることを示す。偶然にしては、でき過ぎの感ありだ。  人民銀行は自らが定める基準レートで流入するドルをことごとく買い上げては元を発行する。買ったドルはゴールドマン・サックス、シティ・グループなど米金融資本大手に委託して米国債で運用するのだから、北京とウォール街の間には何らかの合意があったとしてもおかしくない。

 ところが、FRBは米景気の回復に合わせて14年初めごろから、世界に流れ出た余剰ドルの回収の模索を始めた。QEを14年10月末で打ち切った。さらに先月下旬には利上げした。バブル化していた中国の不動産市況は14年初めに急落、次いで上海株も15年6月に暴落した。

 中国からの資本逃避に拍車がかかり、人民銀行は外貨準備を取り崩して元を買い上げ、暴落を食い止める。それでも売り圧力は高まるばかりだ。元の先安予想がさらに上海株売りなどによる資本流出を助長する。

 一方で、ワシントンは昨年11月、習政権に対し「金融市場改革」を条件に、元の国際通貨基金(IMF)・特別引き出し権(SDR)入りを認めた。改革とは自由化のことである。すると資本はより一層逃げやすくなるし、元相場は暴落の自由を得る。そうなるなら平和を求める日本にとって大いに結構。中国膨張の方程式が成り立たなくなるからだ。

 ならばなおさらのこと、習政権にとって自滅の道だから、自由化約束を履行するはずはない。その場合、IMFは元のSDR入りを白紙撤回せよ、と安倍晋三首相は官僚に言わせる。それこそが今年の財務省の優先課題だ。 」とあります。倉都氏は「中国の人民元のSDR通貨バスケット入りは、元を緩やかに下落させて、各国から文句が出ないようにする」作戦との見方ですが、田村氏は「人民元のSDR通貨バスケット入りは、元を暴落させる」チャンスと見ています。

小生の考えは、中国経済の終わりの始まりです。中国は膨張主義を標榜して止まず、実際行動に移してきている「遅れて来た帝国主義国」です。21世紀には相応しくない行動です。干戈を交えるよりは平和的手段(経済崩壊)により、軍事拡張できないように「金」の面から締め付けた方が良いというのは大方賛成するでしょう。日本の経済界も自分の会社の利益のみを考えるのでなく、歴史観・世界観を持たないと。米国は「AIIB」事件で、中国は軍事・金融分野で米国に挑戦してきているというのが無能なオバマでも気が付いたでしょう。これから米中の情報戦となります。欧米メデイアはドンドン中国経済の悪化の記事を流すでしょうし、南シナ海だけでなく、アフリカ進出のあくどさの記事も流してくるでしょう。「AIIB」の債券格付も金立群が如何に喚こうとも「格付なし」=ジャンク債以下になりましたし。

本記事の後にサウジVSイラン断交のニュースが流れました。裏でプーチンが原油価格を上げるために動いたとの見方もあるようです。産油国にとっては今の低価格の状況は望んでいないでしょう。輸入国日本にとっては有難いことですが。

記事

2016年を迎え、市場は新たなリスク要因の吟味を始めようとしている。一般論としては、昨年遂に利上げに踏み切った米国がどこまで金利を引き上げるのか、に注目が集まりそうだが、筆者自身はこの点をそれほど警戒していない。FRBが目論むような今年4回の利上げはまず無理筋だ、と思っているからだ。

 既に何度か指摘したように、米国のコア・インフレ率や期待インフレ率の足取りは重く、雇用が改善中だからといって、何度も利上げする必要がある状況ではない。米国の金融市場も、せいぜい今年の利上げは2回程度と踏んでいる。筆者も同様に、来る3月に2回目の利上げを行った後、大統領選挙までにもう1回利上げ出来れば御の字だ、と考えている。

 勿論、米国にインフレ基調が戻ってくる可能性はゼロではなく、それをリスク・シナリオとして捉えておく必要はあるだろう。そうなれば長期金利は急上昇し、株価は急落し、ドルは一段高となる。だが「インフレの死」を告げる昨今の世界経済構造において、その確率は相当に低いように思われる。むしろ2016年に注目すべき点は、中国の人民元と原油価格のリスク・シナリオだろう。

厄介な存在になりそうな不透明材料

 2015年の国際資本市場では、大きなセンチメント変化が三つあった。一つ目は、中国経済の成長モデルの限界が明らかになったことである。上海株の暴落や人民元の急落は、過去何年にもわたって中国に対して指摘されてきた警報が「オオカミ少年の警告」ではなかったことを証明した。今年も成長率鈍化の傾向は変わらず、市場リスクの筆頭に位置することは誰にも異論はないだろう。

 二つ目は、原油価格の長期低迷である。昨年初の時点では、年末には70ドル近辺まで相場が戻るとの見方が大勢であったが、実際にはその半分の水準での越年となった。サウジが戦略を大胆に転換しない限り、この低水準が急速に切り上がる可能性は乏しいだろう。

 そして三つ目がジャンク債などクレジット市場の心理悪化である。これも昨年前半までは、エネルギー・セクターに限定された売りであったが、それが徐々に他産業へと拡大し、ジャンク債全体の利回りを大幅に押し上げてしまった。そして昨年12月には、幾つかのクレジット・ファンドが清算を余儀なくされている。

 市場には、このジャンク債の動揺に2007年の「パリバ・ショック」を思い浮かべる人もいる。当時、サブプライム・ローン関連の証券化商品に投資していたフランス大手銀行のBNPパリバの傘下にあったファンドが、投資家からの解約を凍結すると発表して市場に激震が走り、その後の金融危機の序曲となった事件である。

 今回はジャンク債が対象であり、サブプライム・ローンとは異なるが、同じ「クレジット市場」の仲間での現象であり、類似性は確かに高い。金融危機の引き金を引くのは株価の急落ではなくクレジット市場の崩壊である。利上げ時期と重なったこともあり、嫌な雰囲気が醸成されていることは否めない。

 但し、前回と違うのは金融システムにおけるレバレッジの水準が低いことである。仮にレバレッジの問題が深刻でなければ、悪影響の波及も限定的である。損失を被る投資家は間違いなく存在するが、ジャンク債市場はいわゆる「リプライシング」という一段の価格調整で収束するのではないかと思っている。

 それに比べれば、人民元と原油という二つの不透明材料は、昨年以上に厄介な存在になるかもしれない。ブラジルやロシア、インドネシアなど新興国問題もまだ燻ったままである。それらの材料が、我々にとって気になるドル円や株価動向などに意外な影響を及ぼす可能性は小さくない。

 中国経済に関してはほぼ世界中が「景気減速」を織り込んでおり、特に目新しい話題がある訳ではないが、資本流出や人民元の相場動向に関しては不透明感が強い。昨年8月に中国人民銀行が予想外の人民元切り下げを発表したことで世界の市場が動揺し、FRBは9月の利上げ断念に追い込まれたことは記憶に新しいが、今年もそんなサプライズが無いとは言えまい。

 為替市場では昨年秋に習主席が「8月と同じような切り下げは二度とやらない」と公言して相場が安定したことで、相場は落ち着きを見せている。だが低迷する中国経済と割高な人民元相場とを並べてみれば、更なる切り下げ以外の答えは出てこない。

 中国からの資本流出と人民元のじり安傾向は、依然として継続中だ。後者に関しては、オフショア人民元の下落につられるように、人民銀行が設定する基準値も既に8月の安値を通り越して約4年半ぶりの水準に低下している。中国政府の本音も一段の人民元安にあることは明らかだが、政府や人民銀行がそれを認めれば、収拾のつかない通貨急落を招きかねない。

 市場混乱は是非とも避けねばならない。だが割高な通貨を放置する訳にもいかない。各国や市場が認める形で人民元安を進めるにはどうすればよいか、と考えて出てきたのが、ドルではなく通貨バスケットを参照する、という案である。

人民元の二面作戦

 市場は通常、人民元を対ドル相場で見ている。昨年8月の人民元急落も、対ドルの実勢相場に基準値を近付けるという作業の中で起きたものだ。だが人民銀行は「ドルではなく通貨バスケットとの対比で通貨の適正価値を判断する」という手法に転換しようとしている。

 人民元は対ドルでやや低下しているが、通貨バスケットとの参照においては多少ながら上昇していると言える。従って、適正水準に戻すためには人民元の一層の下落が必要だ、と正当化することが出来るのである。つまり人民銀行は、人民元に切り下げ余地があることを世界にアピールし、通貨切り下げの贖宥状を受けようとしているのだろう。

 もっとも、中国が通貨バスケットに言及するのはこれが初めてではない。2005年7月に米ドルとの固定相場制から管理フロートに移行した際、ドルや円、ユーロ、ウォンなどに7通貨を加えた11通貨のバスケットに対して相場水準を設定する方法に切り替える、と発表した。だがその詳細は発表されないまま、今日まで事実上の対ドル管理相場が採用されている。恐らく対外的には通貨バスケットを強調しつつ、対内的には対ドルでの相場が参照され続けるものと推測される。

 こうした二面作戦がうまくいくのか、保証はない。いずれにせよ人民銀行と投機筋との駆け引きが続くことになるだろうが、悲願の「SDR採用」を果たした中国が、以前のように派手な介入策を採ることも難しいだろう。従って、人民元が対ドルで7.0超えといった水準にまで急落するリスクは存在する。人民元急落懸念は市場のリスクオフを生み、株価急落や円急上昇といった副次的な作用をもたらす可能性は高い。

 一方の原油市場に関しては、ゴールドマン・サックスなどが1バレル20ドル台までの下落を予想するなど、先安観が根強い。昨年末にWTI市場では期近物が34ドル台まで低下、ブレントは7年ぶりに36ドル台にまで下落した。ドバイ原油は11年ぶりとなる33ドル台を付けている。

 ブルームバーグに拠れば、メキシコ原油は既に28ドル台で取引されており、イラクのアジア向けバスラ重油は25ドル台という超安値が観測されている、という。もはや世界中で原油生産は採算割れの状況だ。だがサウジやイラクの増産体制だけでなく、今年は制裁解除でイランによる輸出増が見込まれており、供給過剰感は強まるばかりである。

 ファンド勢の原油先物市場における空売りポジションは、過去最高水準にまで積み上がっているが、先安観から新たなショート積み上げに向かう投機筋も居るようだ。確かに産油国が価格や需要水準を無視した生産を続ける限り、原油価格下落を止める力はない。

 こうした原油市場への警戒感にさほどサプライズは無さそうに見えるが、リスク・シナリオがあるとすれば、何らかの材料で起きる投機筋のパニック的な買い戻しであろう。原油も株価や為替と同様にオーバーシュートした後、どこかで急反転する傾向がある。それが来年中に起きないとは言えない。

 因みに原油市場のセンチメントをよりよく示すと言われる長期先物水準を眺めると、ブレント3年先物水準は既に2009年当時を下回っている。世界経済は現在も多々問題は抱えているが、底割れすら懸念された2009年とは比べ物にならない。それは、投機筋の弱気度がやや過剰になっている可能性を示唆しているようにも見える。買い戻しの契機となる一つの可能性があるとすれば、サウジアラビアの戦略転換だろう。

サウジアラビアとロシアに共通する「思い」

 IMFに拠れば、サウジアラビアの財政収支が均衡する原油価格の水準は、今年86ドルと推定されている。昨年の財政赤字はGDP比20%に達しており、歳出削減が進めにくい経済構造を考えれば、今年も同程度の赤字が続くことは避けられまい。同国は昨年8年ぶりとなる国債を発行、今年は史上初の外債を発行する予定である。また財政穴埋めのための資産取り崩しも行っており、米国債だけでなく日本株を含む先進国優良株の処分を始めている。

 同国の公的債務はGDP比7%程度に過ぎず、長期戦には耐えられるとの計算のようだが、いくら体力に余裕があるとはいえ、40ドル台の水準を長期間放置する訳にもいかない。財政均衡水準が100ドルを超えるリビア、アルジェリア、バーレーンなどからは悲鳴が上がっている。

 原油シェア死守を御旗に掲げるサウジも、生産調整に関して関心が無い訳ではない。先月のOPEC総会では生産目標で合意出来なかったが、それはOPEC外の生産増ペースが落ちないために、自分たちだけで調整しても意味がないからだ。OPECは既に価格維持機能を失っているのである。

 そこでサウジは水面下でロシアにOPEC参加を促している、とも言われている。中東情勢に関しては、シリアのアサド政権を支持するロシアと、同政権崩壊を願うサウジとは対立中であるが、原油に関しては市場支配力を回復させて価格を採算コストまで早期に戻したい、という共通の思いがある。

 ロシアのオレシュキン財務副大臣は「我々は2022年まで1バレル40ドルでの財政計画策定に着手した」と述べて、低価格の長期化にロシアが十分耐え得ることをアピールしている。ルーブル安も救いである。それは減産合意出来ないOPECに対する挑戦状のようにも見えるが、ロシアの財政状況がかなり疲弊していることも明らかである。

 ロシアの財政赤字はGDP比4%程度に拡大する見通しで、サウジに比べれば低水準だが、依然として欧米市場での資金調達は困難であり、石油基金も来年末には底を突くとの見方もある。サウジとロシアの消耗戦に、勝者は居ないのかもしれない。となれば両者がどこかで妥協する可能性もゼロではあるまい。

 サウジの早期戦略転換は無い、と確信する市場にパニック的な買い戻しが起きれば、原油価格の急反転は世界的金融緩和の終焉を想起させ、市場にはリスクオフの嵐が吹き荒れる。確率は低そうだが、それが原油に関するリスク・シナリオと見て良いだろう。

ドル円急落のリスクも

 そんな外部環境を想定しながら日本市場を見渡せば、メイン・シナリオである「日銀による追加緩和政策への期待、円安地合いの継続、日経平均の上昇基調維持」といったムードも、時々水を差されることになるだろう。

 日銀は、いずれ衆参ダブル選挙を目指す官邸からの圧力で追加緩和に踏み切る可能性が高そうだが、それが円安・株高基調を維持する力が残っているかどうか、筆者はやや疑問視している。昨年12月の補完措置は、日銀のコミュニケーション力を大きく低下させてしまったようにも見える。

 まず米国では、FRBは3月に利上げした後、暫く様子見を強いられる可能性が高い。インフレ期待が上昇しない中、景気のもたつき感が出始める可能性があるからだ。そして大統領選を控えて、何か問題が起きれば政治家は必ず利上げを悪者にして、利上げにブレーキを掛けようとするだろう。

 それは、ドルの上昇力を殺ぐことになる。過去のパターンから見てもドルは利上げ開始後3か月程度でピークを打つケースが多い。ドル円も125円程度を天井に、春あたりから徐々に下値を切り下げていくものと思われる。115円近辺までの下落はもはや想定内だろう。

 問題は、それ以上のドル円の下落即ち円高が有り得るかどうかであり、上述した人民元と原油のリスク・シナリオがそこに関わってくる。仮に人民元急落といった場面が来れば、リスクオフの嵐にドル円が100円近くまで急落するかもしれない。中国不安は日本売り材料だから円安だとの見方もあろうが、「リスクオフの円買い」という公式はまだ健在だ。人民元安が最終的に中国経済回復への材料となれば、日本買いにも説明が付く。

 また原油が急反発すれば、日銀の追加緩和シナリオは霞んでしまう。それは、2012年末以来の円安・株高モードの終焉を意味する。日本経済がそれで腰折れするとは思えないが、永続的な緩和期待で浮ついている市場には冷水が浴びせられるだろう。

 誤解しないで頂きたいが、人民元急落も原油急反発も飽くまで「リスク・シナリオ」でしかない。今年こそはメイン・シナリオ通りに平穏に過ごせるかもしれない。だが、コンセンサスが外れ気味の昨今の市場では、こうした材料をひとまず頭の隅に置いておいても損はあるまい。

『古森義久がオバマ・習近平・朴槿恵・金正恩を斬る』について

本年の国連事務総長選挙の候補にユネスコ事務局長で南京虐殺を記憶遺産に登録したブルガリアのボコバが入っています。共産党員です。日本と米国は(非)常任理事国で選挙権を持つので絶対阻止で動かないと。潘基文の二の舞にならないように。スケジュールは昨年12/22産経ニュースによれば「立候補は来年3月にも締め切られ、国連総会で公開ヒアリングが本格化。「能力に疑問符が付く人は、この時点で振り落とされる」(国連外交筋)。候補者が1人もしくは数人に絞られた後、安保理が7月中に本格選定に入り、10月にも国連総会に「勧告」、総会での採択を経て選出される。」とのこと。下の写真は抗日70周年戦勝記念閲兵式に参加したボコバです(天安門楼上。中央の女性)。中国が彼女に言うことを聞かせてありもしない「南京虐殺」を世界にアピールしようとしています。

これこそまさに「日本の悪魔化計画の一環」です。中国は着々とそのために手を打ってきているという事です。翻って日本は何もしていないように見えます。無能の外務省はさておき、安倍内閣が昨年末韓国と慰安婦合意を結んだのは早計・軽率の謗りを免れません。いくら米国の圧力があったにせよ、中国はほくそ笑み、これを最大限利用して日本を道徳的に劣った民族という刷り込みを世界に広めるでしょう。内閣の責任でキチンと反論していって貰いたい。それができないなら、合意すべきではなかったという事です。今年の参院選(「衆参同時選挙」と見ていますが)では保守派から手痛いシッペ返しを食らうかもしれません。でも憲法改正のこともあるので我慢かなとも思います。これ以上いい加減妥協はしないでほしいし、慰安婦の外務省の英文の説明も修正するように。

Bokova

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二階のような政治家は落とすべきだし、それに唯唯諾諾と従う業界と言うのも情けないと思います。日本人の誇りより所詮は「カネ」かと。日本人の劣化もここに極まれりという事です。安全保障を蔑ろにして富を追求して滅んだカルタゴそのものです。エリートと言われる人達が腐っているのと「朝日新聞」を購読して経営を支えている自覚なき日本人が問題でしょう。

内容

アメリ力の「対中政策」は大まちがいだった

米国の軍事研究家『100年のマラソン』によって明かされた衝撃

ヒルズべリー氏の「最新報告」

アメリ力の歴代政権の中国への「関与」政策はまちがっていた。関与すれば中国はアメリカ主導の国際秩序に協調的な一員として参加してくるという推定は幻想だった。中国はアメリカを排除して独自の世界覇権を一貫して目指しているのだ              —。

こんな大胆な新考察がアメリカの国防総省で長年、中国の軍事研究を任されてきた権威によってこの’15年2月、公表された。その中国の世界覇権への野望は「100年のマラソン」 と評され、中国が日本を世界の悪者に仕立てる「日本悪魔化」工作もその長期戦略の重要な一環なのだという。

この衝撃的なミスの自認はアメリカの1970年代のニクソン政権時代から一貫して国防総省の高官や顧問として中国の軍事動向を研究してきたマイケル・ピルズベリー氏により最新刊の書『100年のマラソン—アメリカと交替してグ口―パル超大国になろうとする中国の秘密戦略』のなかで明らかにされた。

ピルズベリー氏といえば、アメリカの中国研究者多数の間でも軍事分野での第一人者とされる。とくに中国語に堪能で共産党や人民解放軍の軍事戦略関連の文書を読みこなす一方、中国側の軍首脳との親密な交流を保ってきた実績で知られる。同氏は東西冷戦中のレーガン政権時代にはアメリカがソ連を牽制するために中国に軍事関連の支援をするという政策を提唱し、中国軍首脳と緊密な関係を築いて、中国側の信頼をも得てきた。そのピルズベリー氏がいまやその中国強化の政策はまちがいだったと告白したのである。だからその書はいまワシントンの外交政策形成の世界では衝撃的な波紋を広げている。

同氏の著書によると、アメリカ_には官民ともに中華人民共和国に対しては「欧米や日本の侵略の犠牲になった貧しく弱い国」という思いこみがあり、とくに1970年代のニクソ.ン政権や力ー夕―政権の時代から中国をより強く、より豊かにすることがソ連への牽制だけでなく、中国自体をアメリカ側に協調的、友好的な姿勢をとらせる最善の方法だと信じてきた、というのだ。つまりアメリカは「建設的関与」により中国を最大限に支援して、その根幹を強くし、豊かにすれば、中国は国際社への参加や協力を強め、西側に同調すると考えてきた、というのである。

だがピルズベリー氏はいまや自分自身のかつての思考をも含めてアメリカ側の年来の「中国に対する関与政策は中国の対米協カをもたらす」「中国は民主主義へと向かっている」「中国は国家としてまだ弱体」「中国はアメリカのようになりたいと願っている」・・・・といっ想定はみな錯誤だったとも断じるのだ。 そのうえで同氏は自書のなかで次のような重大な指摘をしていた。

中国「タカ派」指導者が主流に

▽中国は「平和的台頭」や「中国の夢」という偽装めいたスローガンの下に力の拡大を進め、アメリカを安心させ、対中関与政策をとらせてきた。だが実は建国から100年目の2049年を目標に経済、政治、軍事の各面でアメリカを完全に追い抜く超大国となり、 自国の価値観や思想に基づく国際秩序と覇権を確立しようとしているのだ。

▽中国共産党指導層はアメリカが実は中国の現体制を骨抜きにし、国際的にも封じ込めて変質させ、アメリカ主導の国際秩序に従属的に参加させる意図だと長年、判断してきた。だが表面はアメリカの主導と関与の策に従うふりをしながら、国力を強め、アメリカの覇権を奪い、中国主導の国際秩序を築く長期戦略を「100年のマラソン(馬拉松)」として進めてきた。

▽中国指導層のそうした真意は人民解放軍の最高幹部や共産党の幹部のうち「タカ派(白鷹)」とされる人たちの意見の発表で明示されてきたが、実はそのタカ派的な「100年のマラソン」の思考が指導層の主流であり、とくにいまの習近平主席の考えに近いことが明白なった。

▽ピルズべリー氏自身は中国が実際にはアメリカを圧して、自国が覇権を行使できる世界秩序を構築することを意図している事実を2010年ごろから認識するにいたった。アメリカ政府側でもCIA (中央情報局)などはその事実を認めるようになった。対中関与政策が中国をアメリカの好む方向へ変質させるというのは幻想だといえる。

「日本悪魔化」のブロパガンダ

以上のように、なにしろ中国軍事研究の最高の権威がこれまでの自分の認識が幻想だったと自認するのだからその余波は大きくなる。

しかし、ピルズべリー氏は日本についても重大な指摘をしていた。中国がアメリカを圧倒して世界最大の覇権国家になろうという野望「100年のマラソン」には日本を極端に敵視する戦術が組み込まれているというのだ。同氏によると、中国はその野望の主要手段として「現在の日本は戦前の軍国主義の復活を真剣に意図する危険な存在だ」とする「日本悪魔化」工作をすでに実行してきた。アジア諸国と日本国内をも対象とするこの反日工作は ロ本がアメリカの主要同盟国として安保と経済の大きな柱である現状を突き崩すことを目的にするという。つまり日本を悪魔のような悪の存在として描き、その負のイメージを国際的に、さらには日本国内に向けても投射する、というのである。つまりは日米分断の試みともいえよう。

ピルズベリー氏の指摘によると、中国側ではこの「日本悪魔化」戦術の一貫として次のようなプロパガンダをも内外に発信しているという。

「日本の首相の靖国参拝は中国への再度の侵略への精神的国家総動員のためなのだ」 「日本の宇宙ロケット打ち上げはすべて弾道ミサイル開発のため、プルトニゥム保有は核兵器製造のためだ」

このような日本非難が中国共産党指導層内部で堂々と操り返されているというのである。

その発信役はおもに「白鷹」と呼ばれる党や軍の強硬派だが、そのメッセージ自体は共産党全体の発信として重く受けとめられるという。

だからピルズベリー氏は日本側としてはこの種の有害なプロパガンダを取り上げて、正面から論争を挑み、正すべきだと提言するのだった。

(2 015年2月18日)

「態度軟化」の中国が腹の底で考えていること

二階俊博氏が3千人を引き連れて訪中した裏側には

15年前の訪中と多い「酷似点」

中国の習近平国家主席が日本の観光業界関係者約3千人に対日和解とも思える歓迎調の演説をした。だがその言葉の行間には日本国内で安倍政権への批判をあおるという計算が露骨ににじみ、背後には最近のアメリカの対中硬化への戦略的な対応の意図が影を広げていた。

15年5月23日の北京の人民大会堂での習主席の演説は一面、中国の対日政策の軟化をも

思わせた。だがこの種の演説は多角的な解釈が欠かせない。同主席の言葉をよく吟味すると、日本への従来の批判や圧力はまったく緩めず、むしろ日本国内の分断を図るような意図があらわなことがわかる。

それにしても人民大会堂に異様なほど多数の日本人が座って、中国の国家主席の壇上からの言葉に耳を傾けるという光景は私にとってデジャピユー(既視体験)だった。産経新聞中国総局長として北京に駐在していた’00年5月、日本からの観光交流使節団という日本人訪中のグループ約5千人がまったく同様にしていたのだ。私もその場にいて、一部始終を目撃していた。その15年前の光景と今回の展開とは気味の悪いほど酷似点が多ぃのである。

当時も現在も日本側の主役は二階俊博衆議院議員である。中国側の国家主席は江沢民氏から習近平氏へと代わっていた。二階氏の肩書は当時は現職の運輪大臣、現在は自民党総務会長だが、自分の管轄あるいは影響下にある日本側の業界に指示を出して訪中者を大量に動員するという手法も同じだった。 二階氏は各政党を見渡しても代表的な親中派である。中国側の理不尽な言動にも一切、 批判を述べないという点では二階氏は「媚中」と評されたこともあるが、日本の中国との関係をとにかく中国側が求めるような形で良好に保とうとする努力は長年、一貫している。 今回も人民大会堂の会場で習主席と会った際、習氏が単に片手で握手を求めたのに対し、二階氏は両手を添えて、相手の手を握り、しかもそのまま相手の手を高く持ち上げようとするという動きは、いかにも友好の強調、悪くいえば媚びてもみえる動作だった。

二階氏は会合での声明や習氏との挨拶でも、日中友好や民間レベルの交流の重要性をもっばら説いていた。両国間の緊張を高めている中国側による尖閣諸島日本領海への頻繁な侵入、そして核拡散防止条約(NPT)の軍縮会議での中国側による日本の「各国首脳の広島、長崎訪問」提案の削除など、目前の日中間の課題には二階氏はなにも触れなかった。要するになにがなんでも とにかく「友好」を唱えるという姿勢なのだ。

一方、習主席の言葉は対照的だった。「中日関係発展の重視」を語りながらも、「いまの日本で軍国主義を美化し、歪曲する言動は許されない」とか「日本国民も戦争の被害者であり、歴史の歪曲には(中国と日本国民が)ともに戦おう」などと述べたのだ。明らかに安倍晋三首相とその政権を日本国民から切り離して、安倍政権だけを非難するという「分断」のこの姿勢だった。

習主席は日本の遣唐使についても述べ、日本が中国への朝貢外交を続けていた歴史を現代の友好というオプラートに包むような形で語るのだった。

さて前述のように、今回の二階訪中団の動きと中国側の対応は00年5月の5千人規模の二階訪中団の展開とあまりに似た諸点が多い。

まず日中関係が基本的に冷えこんでいる状況である。しかも日本の訪中団との北京での会合で国家主席が登場するのは意外だった点である。’00年も江主席が出てくることは事前に.は予測されていなかった。だが江主席だけでなく、胡錦濤国家副主席(当時)までいっしょに登場したので、日本側はびっくりだった。もちろん喜ぶ方向でのびっくりである。 今回も習主席の出席は日本側の一般には事前まで予測されていなかった。やはり日本側としては喜ぶ方向へのびっくりだったのだ。

中国の国家主席が日本との基本的な関係を良好に保つことの重要性を強調する一方、日本側の「歴史」への態度などを非難し、叱責するという部分も今回、前回まったく同じである。

訪中団の動きと国家主度の歓迎の挨拶の内容を中国側の官営メディァが大々的に報道したことも00年と15年と同じだった。

日米同盟の強化がポイントに

類似点はさらにより重要な次元でも指摘できる。

私は00年5月の日本からの訪中団の動向と中国側の対応について当時、書いた記事のなかで以下の点を明記していた。中国側がその時点でなぜ軟化とも呼べる態度の変化をみせたのか。その原因についてだった。北京の日中関係に詳しい専門家たちの分析を聞いての記述だった。以下がその骨子である。

▽中国側が最近の日本国内での対中観の悪化を懸念するようになった。

▽米中関係が行き詰まりとなった。

▽日米関係が強化された。

当時の江沢民国家主席は’98年の訪日でも日本側に対して、歴史認識を「正しく持つ」ことを叱責するように要求し続け、日本国民一般の対中観をかつてなく悪化させていた。 またアメリカでは当時のクリントン政権が中国の台湾への軍事恫喝などを理由に中国への姿勢を険しくしていた。同時に日米関係が一段と強固になっていた。こんな要因が中国に日本への融和ともみえる姿勢をとらせたという分析だった。

現状をみてみよう。日本側の反中、嫌中の傾向は激しくなるばかりだといえよう。中国側としては、ここらでなんらかの予防策を講じておかないと、日本側の反中意識は日中両国間での経済交流にまで悪影響を及ぼしかねないと判断してもおかしくない。私自身のうがった見方だが、最近、日本で激増している中国人観光客たちの傍若無人の言動も日本側一般の対中認識のかなりの負の要因になっているようだ。

一方、アメリ力のオバマ政権は中国へのソフトな姿勢の保持に努めてきたが、中国側がそれに応じず、逆に強硬な手段をとる。南シナ海の紛争海域での一方的な埋め立て作業、更にはフィリピンやべトナムへの軍事威嚇の数々、東シナ海での一方的な防空識別圏(ADIZ)の宣言などがあいつぎ、オバマ政権をすっかり硬化させた。そして最新の米中関係の摩擦の最大要因として南シナ海での中国の無法な埋め立て作業にオバマ政権がついに軍事艦艇をその至近海域にまで送りこむ構えをみせ始めたのだ。

中国はアメリカとの関係が悪くなると、日本への非難や叱責を緩めるのが年来のパターンである。アメリカと日本と、両方を同時に敵に回すのは得策ではないという判断からだろう。今回の状況がまさにそんなパターンを浮き上がらせる。

さらに日本とアメリカの関係が最近、より緊密になったことも明白である。とくに安全保障面での日米同盟の強化が顏著だといえる。安倍首相の訪米がその例証であり、原因だともいえよう。

中国は日米同盟に反対である。日米両国の同盟のきずなを減らすこと、7なくすことは中国の国家戦略上の長期目標とさえいえよう。だから中国は日米共同のミサイル防衛や防衛ガイドライイン改定など、日米同盟強化策にはすべて反対する。その逆に日米両国が同盟を薄めることには賛成する。日米同盟の弱体化を実際に企図するわけだ。そのためには日米離反の諸策は可能な限り、推進する。ちなみに奇しくもこれにぴたりと合致するのが朝日新聞の論調である。

最近の日米関係が安倍首相の訪米などにより、また一段と強化されたことは明白である。中国からすれば、これ以上の日米連携強化を防ぐためにも、また日本にきつく当たり、日本をさらにアメリカの方向へと追いやることは当面、自制する。いまの中国指導部はそんな対外戦術を考えているといえよう。

いずれにしても中国首脳部のいまの対日軟化にみえる動きは決して対日政策の基本的な変化ではない。外交的な戦術としての一時的な強弱、緩急の調整なのだといえよう。その調整のメロディーに二階俊博氏が伴奏をしてみせる。そんな構図としてとらえるのが適切だろう。

(2 015年5月27日)

1/6日経ビジネスオンライン 鈴置高史『韓国も核武装か、中国に走るか 「北の核」に背を押される南』について

北の今回の爆発は水爆程の規模ではないので水爆ではないと思っていますが、原爆実験したことは間違いないと思います。日本は周りを核保有国に囲まれています。ロシア、中国、北朝鮮と。日本は非核三原則なるものを金科玉条としていますが、米軍基地に今は置かなくても、米軍の原潜に配備してあるから、日本の安全が守られて来たと言うだけ。リアリズムのない人間はそこに気が付かないだけです。

北は今度のサウジとイランの断交をみて、両方に核を売り込むつもりという記事も見ました。日本が思うほどに北は貧窮していないと。ただ日本海に北と思われる木造船が漂流してきた事件が続いているのは、それ程豊かにはなっていないと思いますが。TVで辺真一が「北の地下には鉱物資源が埋まっており、それを売れば財政は持つ」と言っていましたが、経済制裁を厳格化して密輸を認めなければ苦しくなります。中露がどれだけ真剣に取り組むかでしょうけど。

日本も早く核武装に動いて行かないと。周囲3ケ国以外に韓国も保有したら、「恨」の国だから本当に日本に復讐のために原爆を投下するかもしれません。本当は千年属国の中国に向けて発射すべきでしょうけど。北と言い、南と言い、中国もですが人民の生命は凄く軽く感じます。それを糊塗するために反日をしているのでしょう。自国政府に恨みを向けない為、日本を敵に祭り上げる訳です。ここを押えた上で特亜3ケ国とどう付き合うかを考えなければなりません。何せ韓国はまた約束を破る(口約束だけれど)可能性が高いと読んでいます。特亜3ケ国が約束を守るはずはありません。何せ「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」の文化ですので。日本は何事も善意で解決しようとし過ぎですし、対応が遅すぎです。朝日新聞等左翼メデイアに刷り込みを受け、現実を見ない平和ボケが余りに多すぎるせいです。彼らは中国か北朝鮮から核ミサイルが飛んで来たらどう思うのでしょう。ミサイル防衛だけでは中国の核ミサイルは防ぎきれません。米国にニュークリアシエアリングを要求すべきです。これであればNPTにも違反しないでしょう。欧州では既にやっていますので。その後、地道に核を持つステップを探っていかないと。そもそもで言えば、P5だけ核を保有できると言う論理がおかしいのでは。彼らはそれだけ善良なのか?歴史をみれば植民地経営や侵略してきた国家でしょう。それとレーザーの研究開発をして核を無効化できるようにできれば良いと思います。

記事

朝鮮が「1月6日10時(現地時間)、初の水爆実験を行った」と発表した。4回目の核実験となる。北朝鮮は“核保有国”への道をさらに一歩踏み出した。韓国も核武装に走るか、あるいは中国に急接近する可能性が出てきた。

「核選択権」を宣言しよう

 北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは日本時間1月6日12時半から「特別重大報道」として、「6日10時(現地時間)に北東部で初めての水爆の実験を行った」と発表した。

 韓国では、北朝鮮の核に対抗し自らも核武装すべきだとの意見が一気に高まるだろう。4回目の核実験の前から、保守派が核武装を主張し始めている(「ついに『核武装』を訴えた韓国の最大手紙」参照)。

 2015年5月21日には最大手の保守系紙、朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹が、署名コラム「金正恩も、恐れさせてこそ平和を守る」(韓国語版)で「核武装」を訴えた。

 厳密に言えば、米国の核で守られないことが確認された瞬間に韓国も即座に核武装すると宣言しておく「核選択権」の主張だ。宣言時期は「北が4回目の核実験を実施し、核ミサイルの実戦配置が確認された瞬間」を想定している。

 なお、「核選択権」に関しては拓殖大学の矢野義昭客員教授が詳しい(「米国も今度は許す?韓国の核武装」参照)。

若い独裁者に「核抑止」は働くか

 この記事が掲載される少し前の5月12日には保守運動の指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が同様の「核選択権」を唱える記事「核ミサイル実戦配備に対応する政策を国民投票に付せ!」(韓国語)を自らが主宰するネットメディアに掲載した。

 趙甲済氏は「国民投票にかけることで核選択権の権威を増そう」とも主張した。さらに「必要なら核拡散防止条約(NPT)を脱退する権限を政府に付与すべきだ」と訴えた。韓国の保守指導層は「核選択権」の合意を固め終えた感がある。

 韓国は米国の核により守られていることになっている。北朝鮮が韓国を核攻撃すれば、米国は直ちに北に核で反撃する、との約束だ。論理的には、米国の核による報復を恐れ、北朝鮮は韓国を核で攻撃しないと想定されている。

 しかし、若い独裁者に「核抑止力」は働かないのではないか、と韓国人は懸念する。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が正常な判断力を持つのか、あるいは彼が非合理的な判断を下した時に側近が止められるかは不明なのだ。

 金正恩率いる北朝鮮なら、米国から核攻撃を受ける可能性を無視して南を核攻撃するのではないかとの恐れである。

 となると、そんな非合理的な国からグアムや本土を核攻撃されるリスクを冒してまで、米国が韓国をちゃんと守ってくれるのか――と韓国人は疑う。

韓国はMDには参加できない

 具体的な懸念がある。北朝鮮が核兵器を「見せ金」にして通常戦力を行使するとのシナリオだ。

 北が通常戦力だけで韓国を奇襲攻撃し、ソウルまで占領する。米韓連合軍が反撃に出ようとした際に北朝鮮が「核を使うぞ」と脅したら、米国は核戦争に巻き込まれることを嫌がり、休戦に応じるかもしれない。韓国は首都であり、経済力の過半を占めるソウルを奪われてしまう――との悪夢である。

 米国も韓国人のこの悪夢を十分に承知している。4回目の核実験後、すぐにでも韓国に対する核の傘の保証を改めて宣言するであろう。ただ、韓国人がそれに納得するかは分からない。

 日本は米国の核の傘に加え米国と共同で、ミサイルを撃ち落とす仕組み、ミサイル防衛(MD)システムを構築中だ。これらにより中国や北朝鮮の核に対抗する。

 米国は韓国に対しても、米主導のMDシステムに参加するよう呼びかけてきた。しかし韓国はそれが「中国包囲網」の一環となることから、中国に遠慮し参加を断ってきた。

 MDの一部である終末高高度防衛ミサイル(THAAD)を、米国が在韓米軍に配備をしようとしたら、韓国はそれさえも拒否した。習近平主席が朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に直接「反対せよ」と申し渡しているためだ。

米国も韓国の核を許す

 韓国では、自分たちも核を持ってしまえば、米国もそれを認めるだろうとの本音が今後、公然と語られるかもしれない。また、今すぐに核は持たなくとも「核選択権」くらいは直ちに宣言すべきだとの世論が盛り上がり、政権をつき動かす可能性が高い。

 カーター(James Earl “Jimmy” Carter, Jr.)政権(1977-1981年)時代に大統領国家安全保障担当補佐官を務めたブレジンスキー(Zbigniew Kazimierz Brzeziński)氏が、2012年に「Strategic Vision: America and the Crisis of Global Power」を書いた。

 この本の114ページでブレジンスキー氏は「米国の力が弱まると、その核の傘の信頼性が落ちる。すると韓国や台湾、日本、トルコ、ひいてはイスラエルでさえ新たな核の傘を求めるか、自前の核武装を迫られる」と指摘している。

 安全保障の専門家として名高いブレジンスキー氏が、韓国の核武装を自然な流れと認識したうえで、食い止めるべき対象とは書かなかったのである。

 そしてこの本を、当時の韓国各紙は一斉に社説で取り上げている(「『中国に屈従か、核武装か』と韓国紙社説は問うた」参照)。

 韓国の核武装の可能性は、日本人が考える以上に高い。被爆国、日本とは大いに異なり、韓国人には核兵器への忌避感が薄いからだ。

 世論調査では3分の2の韓国人が核武装に賛成する。3回目の核実験(2013年2月12日)の直後、韓国ギャラップと、峨山政策研究院が国民に聞いている。

 核武装に賛成した人はそれぞれ64%と66.5%に上った(「今度こそ本気の韓国の『核武装論』」参照)。

北の抑制を中国に頼む

 韓国のもう1つの選択は中国による核抑止だ。米国の核による抑止が効かないなら、北朝鮮経済の生殺与奪の権を握る中国に頼もう、との発想だ。

 朴槿恵大統領は2015年9月4日、中国から帰国する飛行機の中で「中国と協力し統一を目指す」と語った(「統一は中国とスクラム組んで」参照)。

 9月2日に習近平主席と会談し、3日に天安門から軍事パレードを参観した直後の出来事だ。韓国の保守は「米韓同盟を破棄してでも統一に動くつもりか」とパニックに陥った。

 中国が韓国主導の統一に協力、つまり北朝鮮を捨てる以上、代わりに米韓同盟の破棄を要求するというのが常識だからだ。

 大統領の真意は不明だ。が、将来の統一問題で「スクラムを組む」ほどに中国を頼みとするのなら当然、差し迫った核問題で中国を頼みにするだろう。もちろんその時、中国は米韓同盟の破棄、あるいは事実上の無効化を韓国にのませるに違いない。

 2014年4月23日、朴槿恵大統領は突然、中国の習近平国家主席に電話し「北朝鮮のさらなる核実験は域内の軍備競争と核ドミノを引き起こす。(核実験を実施しないよう)北朝鮮に対する説得を一段と努力して欲しい」と要請した(韓国の通信社、ニュース1による)。

 北朝鮮の核武装阻止をも話し合う、米韓首脳会談の開催を2日後に控えての“事件”だった。朴槿恵政権がもはや同盟国の米国だけを頼みにするわけにはいかない、と考えている明確な証拠である。

4割弱が親中派

 韓国には3番目の選択肢もある。「現状維持」である。これは北の核への抑止を、現在の同盟国である米国に全面的に依存することを意味する。

 もっとも、米国と「完全なスクラム」を組むためにはTHAAD配備を容認したうえ、米主導のMDにも参加する必要がある。

 韓国の保守派の一部は、戦術核兵器の韓国への再配置を米国に要求しようと言い出すだろう。自前の核武装よりも手っ取り早く、かつ米国との摩擦も少ないからだ。

 だが、すっかり中国に取り込まれた朴槿恵政権が、中国が嫌がるそんな選択をとる可能性は低い(「『中国の尻馬』にしがみつく韓国」参照)。

 政権だけではない。4割近い韓国人が「落ち目の米国」ではなく「浮上する中国」とともに生きる決意を固めている。

 韓国の世論調査会社、リアルメーターの2015年7月29日の調査によると、「米中どちらが重要か」との問いに対し、韓国人の50.6%が米国と答え、37.9%が中国と答えている(「どうせ、中国の属国だったのだから」参照)。

韓国の動揺を待つ中国

 今現在は「北の核」への恐怖が韓国を支配している。しかし「米国を頼り続けるか」あるいは「中国を新たなパートナーに選ぶか」で、論争が起こる可能性が高い。

 いくら米国が頼りないからといって、傲慢な独裁国家に身を寄せるものだろうか――と日本人は思う。その答えは歴史にある。

 韓国の歴代王朝は19世紀末まで、中華王朝の冊封体制下にあった。外から見れば属国だが、韓国人の集団的な記憶では「中国に守られ、結構うまくやっていた」のである。

 中国も韓国人のそんな心情は知り尽くしている。中国と近い朴槿恵政権の時代、それも北の核への不安が一気に増した今、韓国を取り込んでおこうとするに違いない。

 “核保有国”となった北朝鮮に世界の目が注がれる。だが、極度の不安に陥った南の動きにも注意を払うことが必要だ。実はこの韓国の動揺こそを、中国は「待っていた」のかもしれない。

1/6日経『台湾の最大野党、初の過半数視野 立法院選が告示』について

1/16台湾総統選の記事です。国民党の立法委員の議席目標が113議席中の50議席とのこと、民進党+無所属で過半数は取れると思います。蔡英文は陳水扁時代と違い、台湾国民のための政治ができると思います。馬英九国民党政権は外省人(蒋介石が大陸から連れて来た中国人)で反日ばかりでなく、中国に擦り寄り過ぎたため、一昨年の太陽花学運と「九合一」統一地方選挙での惨敗を喫しました。国民党の終わりの始まりです。そもそも蒋介石が台湾統治の正統性を持っていたかも疑わしい。サンフランシスコ講和条約で日本は台湾の領有権は放棄しましたが、中華民国が統治するとは書いていません。台湾の法的地位は未確定です。ましてや、中共が台湾は中国の一部というのは中共得意の歴史の改竄でしょう。

外省人といえども3世以降になれば「自由のない」中共と一緒になりたいと思う人は少なくなっていくと思います。それでも中国とくっついていたいと思うのは、裏で金で結びついているからだと思います。それも中国経済が崩壊すると言われていますので、どこまで続くのか。金の切れ目が縁の切れ目になるのでは。香港の銅鑼湾書店の5人が失踪した事件は、蒋介石の白色テロを台湾国民に思い起こさせるのに充分です。蒋経国が戒厳令を解除して、李登輝総統が民主主義、自由を回復した台湾国民にとって後戻りする選択をするとは到底思えません。

安倍首相は蔡英文総統候補の望むように「産業同盟」を結び、TPPに加盟できるようにしていってほしい。また、南シナ海のように既成事実が出来上がらないように、尖閣を含めて中国の手出しができないような安全保障上の結びつきを深めていくようにしてほしい。米中密約も中国は米国の覇権に挑戦しているので反故にすれば良い。米国は台湾関係法、日米同盟を誠実に履行すべき。日本も当然膨張主義の中国を抑えるように法整備、運用していかないと。

昨日麗澤大学に行き、12/22「中国時報」を見ました。やはり自由時報以外は国民党を応援しているような印象の記事でしたが。「桃(桃園?)竹(新竹?)苗(ミヤオ族?)の客家人の住む地域で国民党の朱候補は7割の支持を固めた」と言うのと「蔡英文候補はその地域で4議席中2議席は有望」という内容です。台湾事情が分からないので正確かどうか分からないのが難点ですが。それでも日経記事を補強するものと考えます。

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記事

【台北=山下和成】16日の台湾総統選挙と同時に実施する立法院(国会、定数113)選が5日、告示された。総統選で独走する蔡英文主席(59)が率いる台湾独立志向の最大野党・民進党が、初の過半数獲得を視野に入れている。2000~08年の民進党政権は少数与党だったが、今回は議会でも多数派を握る「強い政権」になる見通しが強まっている。

 「立法院で過半数を取らなければ蔡氏は実力を発揮できない」。昨年12月30日の夕暮れ時、台湾中部、台中市の沙鹿区。民進党の立法委員(国会議員)候補、陳世凱氏(38)は、蔡氏と2人で撮影した写真を貼った選挙カーの前で約100人の支持者に訴えた。

 陳氏は14年末の台中市議選でトップ当選した若手の有望株。立法院選は2度目の挑戦だ。蔡氏をはじめ党内の大物も続々と応援に入っており、「有権者の関心が高まっている」と手応えを語る。

 迎え撃つ与党・国民党の現職、顔寛恒氏(38)は父親の地盤を譲り受けて13年1月の補選で初当選した。総統候補の朱立倫主席(54)が劣勢で逆風が吹くなか「個人の実力で勝つしかない」と覚悟する。「台中港に続く幹線道路を整備してきた」などと実績を訴え、地域をくまなく回る。

 台湾は地域で政党支持が分かれる傾向があり、外省人(中国大陸出身者とその子孫)が多い台北を中心とした北部では国民党が強い支持基盤を持つ。これに対し民進党は本省人(戦前からの台湾住民とその子孫)が多い南部で強い。中間に位置する中部の行方が、全体の選挙戦を占う重要なカギになるとされてきた。

 台中はここ十数年は国民党が優勢だったが、総統選の前哨戦とされた14年末の統一地方選で民進党の林佳龍市長(51)が誕生した。今回の立法院選でも、民進党は「中部の勝利は台湾全土の勝利だ」(台中市党部の劉文欽・主任委員)として最重点区と位置付ける。

 台中は8選挙区のうち現在は国民党が5議席、民進党が3議席だが、民進党が過半数を制する可能性が高まる。ある国民党候補の選対本部幹部は「総統選は民進党に投票しても、立法院は国民党候補を選んでもらう『分裂投票』に期待するしかない」と弱気だ。

 民進党は00~08年の陳水扁政権時代は少数与党にとどまり政治の停滞を招いた。過半数を取れば苦い過去を繰り返さずに済む。中国は独立志向の民進党へのけん制を繰り返しているが、議会で多数派を握れば「中国も蔡氏を揺さぶるのが難しくなる」との見方がある。

 国民党は昨年10月中旬に総統候補を、支持率が低迷する洪秀柱・立法院副院長(国会副議長、67)からエース格の朱氏に急きょ差し替えた。朱氏の出馬で「せめて立法院は過半数を確保したい」との狙いがあったが、台中では「混乱に失望した支持者が離反した」(顔・立法委員)との声も上がる。

 朱氏が市長を務める北部の新北市でも民進党の議席増が確実視される。国民党幹部も「現時点では50議席が目標」としており、過半数割れを覚悟しているのが実態だ。