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『ひそかに核戦力の強化に突き進む中国 大陸間弾道ミサイル発射実験で10発の核弾頭を積載
中国は騙すことを賢いと思っている民族ですから、口先で何を言おうとも気にせず、それと反対のことをします。南シナ海だって習近平は「軍事拠点化しない」と言っていましたが、今はどうなっていますか。同じように口先で「核兵器のない世界にするため、核兵器を全面的に禁止し、徐々に廃棄していくべきだ」とか言っているそばから、戦略核ミサイル実験をしているのですから。如何に中国人が嘘つきかは分かるでしょう。小生が会社勤めをしている時に、日本語のできる中国人から「中国人の基本的価値観は騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」ということを教えて貰いました。それを会社で言ったら、「人種差別主義者」とか「国粋主義者」とか貶められました。言った人は今の中国のやり方を見てどう感じるのでしょうか。
中国の主張する「南京虐殺」、「従軍慰安婦」というのも彼らの本性を理解すれば嘘だと分かるでしょう。何故我々の父祖を信ぜず、嘘つき中国人のいう事を信じるのか理解できません。日本人は戦前まで教育勅語により、しっかりした道徳教育を受けてきました。現在も為政者のトップが平気で嘘を吹きまくる中国人と比べたら、どちらを信じて良いか一目瞭然のはずです。友達との関係でもそうでしょう。自分の身に置き換えれば、嘘つきを友達に持ちたいなんて思わないはずですし、そんな連中とビジネスで取引したいとは思わないはずです。
朝日新聞等に多くの日本人が騙されて来ました。日本人は権威に弱いためです。でも、戦前の記事を読めば分かる通り、朝日は戦争を煽って販売部数を伸ばしてきた会社です。内部には尾崎秀美のようなスパイも養っていました。戦後になると立場を一転、GHQに擦り寄りました。売らんかな商法でしょう。「靖国」、「南京虐殺」、「従軍慰安婦」など朝日がデッチあげ、事を大きくした事件です。真実とは遠く離れて、センセーショナルに煽るだけ煽り、「イエローペーパー」と呼ぶのに相応しい新聞でしょう。それを未だ有難がって読む人がいるのですから、メデイアリテラシーに欠けているとしか言いようがありません。
何年か前に日高義樹氏のTV「ワシントン・レポート」で、多弾頭・小型核搭載可能なSLBMを配備した米原潜について見た記憶があります。多分日本海を遊弋していると思っていますが、当然軍事機密ですので分かりません。中国が怖いのは核の先制攻撃をしかねない所です。MADが通用しないmadな民族です。狂気の毛沢東のように大躍進、文化大革命で自国民を大量に殺戮できる政党が牛耳っていますので。日本もTHAAD、磁気レールガン、DEW(directed energy weapon)を米国と共に研究し、配備しませんと。
http://blog.livedoor.jp/corez18c24-mili777/archives/48780392.html
記事

中国・北京で行われた軍事パレードで天安門の前を通過する弾道ミサイル「東風26」(2015年9月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/ANDY WONG〔AFPBB News〕
2月12日、北朝鮮が新型中距離弾道ミサイル「北極星2号」を日本海に向け発射した。ミサイルは約500キロメートル飛翔し、実験は成功したと発表された。
公表されている映像を見ると、このミサイルは、トレーラー型車体に積載された発射筒から圧搾空気で射出され、空中で点火するという「コールド・ローンチ」による発射であることから、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の技術が取り入れられていると推測できる。
北朝鮮の技術水準では困難なミサイル発射技術であることから、直接ではなくとも第三国を経由したロシアあるいは中国からの間接的な技術移転があったことが疑われる。とりわけ中国の「巨浪(JL)1」SLBMに似ているという指摘もなされている。
ともあれ、このミサイル実験は、北朝鮮が事前の前触れなしに任意の場所から弾道ミサイルを発射できる能力を獲得したことを示している。北朝鮮のミサイル脅威は、今や格段に上昇したと言わざるをえない(ただし、この重大なニュースは、翌日にマレーシアで起きた金正男暗殺事件によって見事に霞んでしまった)。
10発の核弾頭を積載した大陸間弾道ミサイル
ミサイル実験で言うなら、わが国ではほとんど注目されなかったが、1月31日付けで、米国メディアが中国中央テレビ(CCTV)の画面影像を援用する形で中国のミサイル発射実験を報じている。中国が、10発の核弾頭を積載する、いわゆる「MIRV」(複数個別目標再突入弾頭)化された「東風(DF)5C」大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ったというのだ。
発射実験そのものは1月の早い段階で実施された模様とされている。中国当局はこの報道を否定しておらず、黙認した形だ。
もし本当に中国が「10発のMIRV弾頭を積んだICBM」の実験に成功したというならば、北挑戦のミサイル実験よりも国際的な戦略環境に与える影響が大きいのは言うまでもない。
その理由は第1に、それが米国の展開する弾道ミサイル防衛網への対抗姿勢を示すものだからである。MIRVによる多弾頭化は、弾道ミサイル防衛を困難にする有効な手段と考えられている。迎撃ミサイルの攻撃目標が増えれば迎撃が困難になることは、容易にお分かりいただけよう。
第2に、中国が、これまで堅持してきた「核の先制不使用(No First Use)」の原則から逸脱し、核ミサイルの「先制使用」の可能性を高めることを目指している可能性が指摘できるからだ。核兵器運用ドクトリンの変更に繋がる話である。
中国の戦略核ミサイルは地上に配備されてきたが、基本的に地上配備のミサイルは先制攻撃に対し脆弱であるという弱点を抱えてきた。その弱点を補うため、中国はミサイルを地下サイロに収納したり、山の斜面に洞窟を掘ってそこにミサイルを隠したりするなど隠蔽を図ってきた。しかし、どのような対策を施そうとも、地上配備である限り、敵ミサイルの攻撃にあえば破壊される。そうした状況にあって、いまさら地上配備の「東風5C」でMIRV化を図るとすれば、その効果を有効に発揮するためには「やられる前に撃て」という話になる。中国にとって、対米抑止力となるICBMは「虎の子」であり、わずかなICBMをむざむざ敵の攻撃で失うよりは、「先制攻撃」のオプションを確保すべきだという判断に傾く可能性が高いというわけだ。
核戦力の「増強」に取り組む唯一の国
中国の習近平主席は、今年1月18日に訪問先のジュネーブにある国連欧州本部で演説し、「核兵器のない世界にするため、核兵器を全面的に禁止し、徐々に廃棄していくべきだ」と述べていた。だが、この演説に前後して戦略核ミサイル実験を行ったことになる。
実は、中国は1964年10月の最初の核実験以来、同じことを言い続けている。つまり、中国の核兵器保有は他の核保有国(具体的には当時の米ソ)に対抗するためのものであり、必要に迫られた選択であったという主張を今日まで継続してきた。しかし、だからと言って、中国が核軍縮に積極的であった試しはない。先に述べた「先制不使用」に加えて、せいぜい「核軍拡競争に加わらない」という姿勢を現在も継続している程度であり、その「本気度」も、今回のミサイル実験に見られるように実は疑わしい。
あらためて指摘するまでもなく、中国は核不拡散条約(NPT)で公式に核兵器の保有を認められている5カ国、すなわち米ロ英仏とともに名を連ねる国である。その中でも、核戦力の近代化と拡充に熱心に取り組んでいる唯一の国と言っていいだろう。もちろん核兵器といえども老朽化はするわけで、どの国も“更新”という名の近代化作業は行っているが、中国のような核戦力の質・量の両面での増強にまで取り組んではいない。
「竹のカーテン」に隠された核戦力
人民解放軍の中で核戦力の運用を担ってきたのは、1966年創設の「第2砲兵部隊」であった。第2砲兵部隊はミサイル戦力の拡充にあわせ、戦略核ミサイル以外に通常弾頭の短距離や中距離の弾道ミサイルの運用も担当するようになり、2015年12月31日をもって「ロケット(火箭)軍」に改称され、「部隊」という「兵種」から、陸・海・空軍と同列の「軍種」に格上げされた。中国がミサイル戦力を重視しているのはこのことからも明白だ。
しかし、中国の核戦力の実態は極秘事項とされ、その配備状況について公式の公開情報は一切ない。西側メディアや研究機関がこれを取り上げたとしても、西側の公開情報に依拠したものであるから、いずれにしても推測の域を出るものではない。
弾道ミサイル実験にしても、北朝鮮のように海に向けて発射せざるを得ない場合、事前に日時と危険水域をアナウンスする必要があるから、外部から観察が可能だ。しかし、中国の場合は、東部地域から西部の砂漠地帯にミサイルを発射するという、国内で完結する実験が主体であり、外部からそれを観察することは難しい。米国などは、人工衛星からの偵察で中国のミサイル実験の情報を得ていると推測されるが、それが逐次公開されることはない。外部に情報が出ることがあるとすれば、米国防総省による中国の脅威をプレーアップするための意図的なリークにとどまるであろう。中国の核戦力は、このように、いわば「竹のカーテン」に隠されている。
その実態を公開情報から丹念に追いかけてそのデータを定点観測的に明らかにしているのが、『Bulletin of the Atomic Scientists』誌の “Nuclear Notebook” セクションでほぼ毎年掲載される “Chinese Nuclear Force” である。そこで示されているデータは、信憑性の薄弱な情報を排し、確度の高い情報に基づくため、きわめて控えめな数字が提示されている。2015年のデータと2016年のそれを確認してみると、中国の保有しているであろう核弾頭の総数はともに約260発であり変化はみられない。ただし、その前の2013年では約250発であり、また地上配備の弾道ミサイルに積載される核弾頭数は、2015年、2016年がともに163発であるのに対し、2013年は148発であったから、核ミサイル戦力は着実に増強されていることが分かる。
核弾頭の小型化を進める中国
ところで、中国が10発のMIRVを積む「東風5C」を実験したことの真偽について、2016年の “Chinese Nuclear Force” に興味深い記述があった(後述)。この記事が公表されたのは昨2016年7月3日だから、「東風5C」の実験以前のことである。
何をここで言及したいのかといえば、核弾頭の小型化である。
中国はすでに「東風21」に使用されている核弾頭を用いて、3発のMIRVを載せた「東風5B」を配備している。だが、さらに小型の核弾頭でなければ10発のMIRVを「東風5」に載せることはできない。中国は1996年夏以降、核実験を停止しているから、核弾頭の小型化のための実験はできない。では、どうやって小型の核弾頭を用意できたのだろうか。
前述の2016年の記事によれば、中国は、短距離弾道ミサイルである「東風15」用の小型核弾頭の開発を進めてきた経緯がある。記事の中で紹介されているCIAのレポートによれば、1990年8月に実施された核実験がそのためのものであり、1993年には「東風15」用の小型核弾頭が完成に近づいていたと評価している。
その後、核弾頭搭載型の「東風15」が配備されたことは確認されていないが、「将来的な核弾頭の小型化への努力を可能な選択肢とする能力を開発したのかもしれない(it might have developed the capability as possible option for future warhead miniaturization efforts)」、という回りくどい言い方で記事は締めくくられている。この記事が示唆しているように、「東風21」の核弾頭よりも小型の核弾頭を中国が開発していたとすれば、それが10発のMIRVを積む「東風5C」の実験に繋がったと見ることもできることになる。
そうだとすれば、いずれ中国はこの小型核弾頭を「東風31A」や「東風41」といった新世代の固体燃料で移動式のICBMや「巨浪2」SLBMにも応用し、MIRV化を進めることになる蓋然性は高い。中国が主導する新たな核軍拡の時代が始まろうとしている。
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『「ベトナム花嫁売り飛ばし」横行、5万人の悲劇 「国際結婚紹介業」繁盛の陰で止まらぬ中越「貧困の連鎖」』(3/3日経ビジネスオンライン 北村豊)について
3/6日経朝刊の記事<日本流の「草の根自治」を中国にも 筑波大学教授 辻中豊
日本と中国はいつも少し難しい関係にある。外交や安保政策ではいろいろな利害が絡み合うのでしかたないところもあるのだろう。ただ、私はまったく別の観点から日中関係をもっとよくできると思っている。それは日本が中国の「地域ガバナンス」を支援することだ。
中国では1980年代の経済市場化に伴って、生活を丸ごと面倒をみていた「単位」と呼ばれる、国家によって統制された社会組織が役割を果たさなくなった。90年代以降、それに変わる支え合いの組織として、公的な大自治会や公的NPOなどがつくられていったが、それらも原則として共産党の管理下に置かれている。
そうした環境下で、中国の人は本当の自立した市民社会のあり方を知りたいと強く願っている。その時、目標となっているのが実は日本の社会だ。日本と世界の社会組織を研究する私の所には北京大学など多くの大学から共同研究の申し入れがあり、留学生も毎年10人ほどやってくる。
特に若い世代はアニメやドラマを通じて日本を良く知っている。その背後に、中国とは違う日本の市民社会や人間関係を感じとり、憧れを持って日本にやってくるのだ。「一人っ子政策」による急速な少子高齢化も、市民同士が支え合う新しい社会を待望する理由の一つになっている。
日本には30万もの自治会や町内会があり、99%の市町村がそれらと連携している。最近は自治会離れがあるものの、なお参加率は5割を数え、世界にまれな住民団体大国であることには変わりがない。住民組織を通じて冠婚葬祭や災害時に助け合ったり、街の美化活動をしたりする生活文化が根づいている。
NPOやまちづくり団体などの新しい市民団体も増えてきている。私は既存の団体と新しい団体がもっと有機的に連携をすれば新しい「地域ガバナンス」が生まれると信じている。そしてそれを住民志向の社会モデルとして中国に提案していくことが日中関係の友好につながるのではないだろうか。
中国の政治体制では自由な市民社会活動は簡単ではない。しかし中国の市民も権利に目覚めている。留学生の目をみると、市民団体の草の根活動が中国社会の姿を変える時代は遠くないと感じる。そうでないと共産党も持たないのである。その時、日本モデルがガバナンス改革の一助となることは間違いない。>(以上)
とありましたが、余りに中国のことを知らなさすぎでは。楽観論に満ち溢れています。北村氏のような記事を読んでいるのかどうか。日本に来ている語学研修生や留学生は日本語が読めるのですから、中国と違い、日本の「言論の自由の制約のない書籍」にもアクセスすべきでは。中国人は、アパホテルの書籍に対し、反対のデモを日本でしましたが、彼らは日本の南京虐殺に関する書籍を読んで行動したのかどうかです。中共の命令でしただけでしょう。それでは、モンゴル・ウイグル・チベット人の弾圧も日本で書籍が発行されているので、それを読んで、中国で彼らを救うためにデモをかけて見てほしい。それは出来ないでしょう。彼らの行動の如何わしさを感じるのは小生だけではないはずです。
中国で将来にも自由な社会活動が認められると本気で思っているとしたら、余りにナンセンスです。共産党一党独裁の国家です。あらゆる機能が党の指導の下に行われる国家体制で自由なNPOが認められるはずがありません。宗教だってそうです。キリスト教の地下教会やチベット寺院の破壊行為など、基本的人権に触れることを平気で中共はやっているではないですか。辻中氏は「民主主義」が中国にも芽生えるとでも思っているのでしょうが、実態を知らない学者の戯言としか思えません。“wishful thinking”としては確かにそうでしょうけど、日本国民に期待を持たせるのは止めてほしい。中共の統治が続く限り、民主化なんて夢のまた夢でしょう。中共は経済制裁、軍事衝突という外圧でしか崩壊しませんので。
李克強首相は3/5全人代で偉そうに「脱グローバリズムや保護主義の傾向が強まり、不確定要素が明らかに増している」と述べて、トランプを牽制しました。そんなにグローバリズムが価値あるものでしょうか?少なくとも天賦の人権を守る方が、価値があるのでは。それすらできていない中共が文句をつけるのはおかしいでしょう。左翼リベラルが信じられないのは共産主義の人権抑圧に口を閉ざすことです。グローバリズムなんてユダヤ金融資本の世界統治のツールという見方もあります。米国が衰退したのは1%の人間が99%の富を保有するようになったからです。トランプはそれを直そうとしている訳ですが、敵の金の力が大きく、諜報機関やメデイアを使い、妨害している構図です。
本記事で、男女の構成比が歪なのは中国人の習俗で宗族を継げる(墓を守れる)のは男のみという所から来ています。長く一人っ子政策を採ってきたため、女性が生まれると間引いたためです。貧しい農村では胎児の男女識別検査など受けられるはずもありません。これを是正するために考え出したのが、外国人妻です。「結婚紹介所」は合法ですが、“human trafficking”の匂いを感じるのは小生だけではないでしょう。日本の国際結婚紹介所も胡散臭く感じます。中国も外形上豊かになったので、日本人と結婚したいと思う中国人女性は減っていると思いますが。
人権の概念の無い中国のすることですから、人を騙すのは当り前。韓国の所謂「従軍慰安婦」も朝鮮人の女衒が親や本人を騙したか、親を納得させて身売りしただけの話です。中朝韓とも平気で嘘がつける民族ですから。
今はベトナムでも男女の出生比率が男子に傾いているとのこと。ベトナム共産党が二人っ子政策をしているからではと思われますが、今は良くても将来に、中国と同じ問題を発生させます。一夫多婦制ならぬ、二夫一婦制という社会システムにしないとダメということにもなりかねません。
http://dulichvietnam.hatenablog.com/entry/2016/02/14/161135
悪辣な中国人は戦争をして、中国人男性を殺し、その代償として、領土・領海を奪うことを考えているかもしれません。それが心配です。
記事

北京紙「新京報」は2月24日付のコラム欄で「男女比率の不均衡、人為的関与は必ずしも有効ではない」と題する“中国人民大学”公共政策研究院の“毛寿龍”執行院長の文章を掲載した。その概要は以下のとおり。
外国女性で補填?
【1】ここ数年、男女比率の不均衡は“光棍(独り者)危機”を引き起こすという報道が度々なされ、世論を沸かせている。中国社会が男女比率の不均衡な社会に突入していることは確かだ。マクロ的に見て、30年後には3000万人の男性が女性配偶者の欠乏に直面する。“国家統計局”の2016年統計によれば、2015年における中国総人口の性比は105.02、出生人口の性比は113.51であった<注1>。また、“80后(1980年代生まれ)”の未婚人口の性比は136、“70后(1970年代生まれ)”の未婚人口の性比は206、過去30年で見るとある地方の人口性比は130を遥かに上回っていた。
<注1>性比は集団中の女性100に対する男性の比率で、国連が定めている性比の正常値は103~107である。
【2】国家政策による干渉で人口を抑制するのは比較的容易だが、子供の出産を奨励、特に女児の出産を奨励するのは技術的に不可能であるだけでなく、倫理上からも不可能である。従い、最近3~4年実施している“単独二孩(夫婦の一方が一人っ子なら2人目の子供を出産してもよい)”政策や“全面二孩(どの夫婦も子供を2人まで出産してよい)”政策は、すでに作り出された人口性比の不均衡という難題に対して相殺作用がなく、緩和作用しかない。
【3】多くの専門家が、偏った男女性比を解消するためには、男女不平等の習俗、たとえば、男が女を娶(めと)る、妻は夫の家に住む、子供は夫の姓になるなどの風習から変革に着手しなければならないと提起している。但し、これら古い風習は生活に深く根付いており、一朝一夕に変えることのできるものではない。国家が実行可能な有効的な政策は、婚姻に関わるサービスを強化して、結婚・出産の経費をできる限り少なくすることである。そうすれば、情報不足などにより独身を余儀なくされている問題なども解決することが可能となる。このほか、移民政策の改革を適度に推進し、より多くの外国女性に中国で働き生活してもらうことである。これは「“光棍(独り者)”危機」を減少させるための一種の良薬だと言える。
毛寿龍院長が移民政策の改革を適度に推進する方策の一つとして外国女性に言及したのは、将来的に3000万人が不足する中国女性を外国女性で補填しようと考えていることにほかならない。しかも、彼はそれを一種の特効薬だと述べているのである。外国女性が中国で働き生活したとしても、彼女たちが中国男性と結婚しない限り、それは“光棍”の解消にはつながらない。さらに言えば、“光棍”の多くが辺ぴな地域に住む貧しい農民であるという事実があり、自ら進んで彼らに嫁ごうという女性は皆無に近いというのが現実なのである。人里離れた地域に住む貧困な農民の“光棍”に妻をめとらせるにはどうしたら良いのか。何かよい方策はないものか。
2017年の年明けから2月末までのわずか2か月間に、中国メディアは“越南新娘(ベトナム花嫁)”に関わる事件を何度も報じた。それはベトナムで誘拐した若い女性たちを中国へ密入国させた上で、嫁の来手がない農村部の“光棍”の男たちに売り飛ばしていた事件だった。その例を挙げると以下の通り。
10万元で売り飛ばす
【例1】1月24日付の安徽省紙「安徽商報」は「2人の男が9人のベトナム花嫁を誘拐し、1人当たり10万元(約165万円)で売り飛ばした」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。
(1)河南省東部の“周口市”に属する“鄲城県”に住む“単磊”(男、60歳)は、息子が2014年に自動車運転中に不注意で事故を起こし、懲役刑になったばかりか、賠償問題で大きな借金を作ったことで、生活に困窮するようになった。お先真っ暗な状態の中で、単磊は何とかカネを稼ぎたいと考えていた。そうこうするうちに、単磊は河南省西北部の“界首市”の“芦村”にいる遠縁の従兄である“範大海”がベトナム人の嫁を国内にいる“大齢青年(結婚適齢期を過ぎた独身男性)”に世話して少なからぬカネを稼いでいることを聞きつけた。早速に範大海を訪ねた単磊は、「範大海が雲南省のベトナムとの国境地帯からベトナム人の娘を密入国させた上で、単磊が買い手に連絡を取り、ベトナム娘1人当たり10万元で売り飛ばす」ことで合意した。これを境に2人は悪事に手を染めることになった。
(2)2015年12月から2016年3月までの間に、単磊は“苗新騰”、“馬超群”、“李代山”など9人の買い手に連絡を取る一方、範大海は自分の関係者に連絡を取って、前後4回にわたって雲南省のベトナム国境沿いにある“麻栗坡県”へ出向き、ベトナム側のルートを経て9人のベトナム女性を密入国させた。単磊と範大海の2人は、9人のベトナム女性を密かに安徽省まで移動させた上で、省内の界首市、“阜陽市”に属する“太和県”、鄲城県などへ売り飛ばした。事件の発覚後、“界首市公安局”は迅速に出動して単磊および範大海を始めとする関係者を逮捕すると同時に、被害者であるベトナム女性を救出してベトナムへ送還した。
(3)最近、この事件の裁判が“界首市人民法院(地方裁判所)”で開廷されて審議が行われた。裁判所は被告人の単磊と範大海が、売り飛ばし目的で9人の婦女を販売、受け入れ・受け渡しを行ったとして、その行為は刑法の「婦女誘拐・売り飛ばし罪」を構成するとした。苗新騰、馬超群、李代山など被告人9人は、その行為が刑法第241条第1項規定の「誘拐・売り飛ばされた婦女の購入罪」を構成するとした。但し、被告人・苗新騰などの購入者が被害女性たちの意向に沿い、その原居住地へ帰るのを妨げないことに鑑み、法律の規定に基づき、処罰を軽減するとした。裁判所は単磊など9人の被告人に対してそれぞれ懲役12年から2年の判決を下した。
【例2】同じく「安徽商報」は2月22日付の記事で、前日の21日に安徽省南部に位置する“馬鞍山市”の“雨山区人民法院(地方裁判所)”で誘拐したベトナム女性を馬鞍山市内の独身男性に売り飛ばした事件の審議が行われ、被告人“呉某”、“張某”など6人に対し「婦女誘拐・売り飛ばし罪」により、それぞれ懲役10年6か月から2年の判決が言い渡されたと報じた。その概要は以下の通り。
6.8万元で買い付け
(1)2013年2月から4月の間に、被告人の呉某と張某の紹介を経て、ベトナムで誘拐された後に売り飛ばされて雲南省入りしたベトナム女性3人はそれぞれ6.2万元(約102万円)、6.3万元(約104万円)、6.3万元で、馬鞍山市の男性3人に妻として売られた。
(2)2013年12月、被告人の“盧某”は被告人の“袁某”から紹介を受けて、ベトナムで誘拐された後に売り飛ばされて雲南省入りしたベトナム女性を6.8万元(約112万円)で馬鞍山市の男性に妻として売り渡した。
(3)2015年4月、被告人の“徐某”は被告人の“孫某”から雲南省で結婚相手を紹介するよう依頼され、ずっと相応しい相手を物色したが見つからなかった。そこで、徐某は被告人の呉某と張某に連絡を取り、これを受けた呉某と張某が被告人の盧某を通じて被告人の“王某”に連絡を取った。王某はスマートフォンで依頼人の孫某へ多数の女性の写真を送り、その中から好ましい女性を選択するよう要求した。孫某はベトナムで誘拐されて雲南省東南部のベトナムとラオスとの国境沿いにある“河口瑶族自治県”へ売り飛ばされた女性を選択した。その後、孫某は呉某、張某、盧某、徐某と共に河口瑶族自治県へ向かい、徐某が主体となって6.8万元で当該女性を買い付けて孫某の妻とした。
(4)事件が発覚した後、被告人の呉某、張某、盧某、王某、徐某は逮捕され、被告人の袁某は電話で召喚されて出頭した。裁判所は審理を経て、被告人6人の行為は「婦女誘拐・売り飛ばし罪」を構成すると認定し、上述の判決を下したのだった。
誘拐されて売り飛ばされるベトナム女性は、“人販子(人買い)”に中国で働ける、勉強ができる、商売ができるなどの甘言で騙され、人買いに売られて中国へ不法入国する。中国へ一歩足を踏み入れた段階で、人買いは本性を表してベトナム女性を支配下に置き、彼女たちをベトナム花嫁として婚期を逃した“光棍”に売り飛ばすのである。密入国でパスポートも持たず、言葉も通じない彼女たちは、自分の身に何が起こっているか知らぬうちに見ず知らずの独身男に売られて、その妻にされるのである。
シンガポールに拠点を置く「第一海外婚姻紹介所(First Overseas International Matchmaker)」のウェブサイトには、“越南新娘精選(選り抜きのベトナム花嫁)”と題されたページがあり、国際結婚を望むベトナム女性1000人以上の写真が掲載されており、個々の写真をクリックすると、女性たちの姓、年齢、学歴、出生地、所在地が表示される。ベトナムは儒教思想の影響を受けて今なお男尊女卑の考え方が色濃く残っており、家庭内の女性の地位は非常に低い。このため、多くの女性たちが男女平等の生活に憧れ、国際結婚により祖国を離れて暮らすことを希望している。そうした姿勢が“越南新娘精選”に反映されているように思える。
「1年以内に逃げたら代替賠償」?
一方、ベトナムの田舎には中国語で“養媽”<注2>と呼ばれる結婚紹介業者がいて、結婚を希望する貧しい女性たちを集め、礼儀作法や教養を高めるための研修を行い、彼らを見た目、聡明で貞淑な女性に仕立て上げる。こうした“養媽”は中国の結婚紹介業者と提携していて、中国の同業者が連れてくる国際結婚希望の“光棍”と彼らが研修を行ったベトナム女性を見合わせ、結婚を成立させることで商売を行っている。
<注2>“養媽”の“媽”は母親を意味するので、“養媽”を直訳すると「養母」となるが、結婚紹介業者は女性だけでなく、男性もいる。
中国の農村部に行くと「ベトナム花嫁紹介」と書いた広告が壁や電柱に張られているのを目にすることがあるが、その代表的な例は以下のような内容になっている。

これを見た中国の“光棍”たちは親戚中から借金して広告に書かれている連絡先に電話を入れて申し込み、ベトナムへ向かうことになる。中国の“光棍”にしてみれば、中国女性を娶ろうとすれば必要となる高額な結納金も不要だし、車や住宅を購入する必要もなく、極めて安上がりに結婚できる。一方のベトナム女性は中国人と結婚すれば、貧しい生活から抜け出し、安楽な生活ができ、ベトナムの実家へ仕送りもできると夢を描いている。こうした2人が結婚に合意し、所定の手続きを経て婚姻を結び、花嫁が花婿の家に到着する。
しかし、そこで花嫁が見るのは、ベトナムの実家と同程度、あるいはそれ以下の生活水準で貧困にあえぐ花婿の家である。理想と現実の差に愕然としたベトナム花嫁は花婿の家から逃亡を図り、何度か連れ戻された末に逃亡に成功し、何とかベトナムへたどり着く。このため四大保証には「1年以内に逃げたら代替を1人賠償」と書かれているのである。
2015年4月28日付の週刊誌「中国新聞週刊」はベトナム花嫁に関する記事の中で次のように報じた。
【1】中国には不完全な統計でベトナム花嫁が10万人以上存在する。そのうち合法的な婚姻者は半数に満たず、彼女たちの大多数は農村で貧困にあえぎ、戸籍も持たない。1991年に中国とベトナムが国交を回復した後、両国の国際結婚は急速に増大し、貧困ライン上で生活にあえぐ大量の“光棍”たちと徐々に富裕化する中国に命運を託したベトナム女性の願望がはからずも一致した。
【2】2002年にはベトナム女性を紹介する結婚紹介所が続々と出現し、ベトナム花嫁紹介のウェブサイトは広西チワン族自治区と福建省から始まり、その後広東省、江西省、浙江省、湖北省、湖南省を経て東北三省(黒龍江省、吉林省、遼寧省)へと展開した。2010年以降はメディアの報道の中でも、本来“白衣柳身(白いアオザイを着て柳のように細身)”というイメージのベトナム花嫁には多くのレッテルが貼られるようになった。それは、「ベトナムの輸出特産品」、「“光棍節”ネットショッピングの人気商品」<注3>、「集団逃亡の常連」、「人買いの獲物」、「電柱広告の主役」などである。
<注3>中国では11月11日を“光棍節(独身者デー)”として盛大に祝う風習があり、この日のネットショッピングはヒートアップして莫大な売上高を記録する。
非合法5万人? 悲しい現実
2017年2月末時点で、中国国内にどれだけのベトナム花嫁が存在するのかは分からないが、たとえ10万人が正しいとしても、合法的婚姻者が半数の5万人なら、非合法に誘拐されて売り飛ばされた者が5万人存在することになる。これら10万人のベトナム花嫁の中で現状に満足している人は恐らく極少数であり、残りの大多数は極貧生活の中で悲運を嘆いていることだろう。
ベトナム花嫁に対する“光棍”の切実な需要があるから国際結婚紹介の商売が成り立つし、ベトナム女性を誘拐して売り飛ばす犯罪も横行する。その結果として当のベトナム女性たちが幸せになれるのであれば話は別だが、どう見ても彼女たちの多くは不幸な境遇にある。これでは毛寿龍院長が言う移民政策の改革による「“光棍”危機」の解消という提案は妥当性を欠いていると言わざるを得ないが、上述したようにベトナム花嫁の国際結婚紹介業は繁盛しているようだし、ベトナム女性の誘拐・売り飛ばし事件も多発している。悲しいかなそれが現実なのである。
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『米国の恫喝に欧州はどう反応するのか 新国務長官「防衛費を増額しないなら欧州の同盟を見直す」』(3/2日経ビジネスオンライン 熊谷徹)について
3/5日本経済新聞電子版によると<米中軍拡に現実味 中国国防費が初の1兆元超え
【北京=永井央紀】中国の2017年予算案の国防費が初めて1兆元(約16兆5千億円)を超えるのが確実となった。5日に開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の傅瑩報道官が記者会見で今年の伸び率が7%前後になると明らかにした。ふんだんな予算で海洋進出を支える海空軍の強化を急ぐ構えで、米トランプ政権との軍拡競争が現実味を帯びてきた。

傅氏は記者会見で「中国の国防費は国防の必要性と経済情勢から検討される」と説明した。中国の国防費はかつて21年連続で10%以上増えていたが、景気減速にともない16年から2年連続で伸び率が1ケタになった。ただ、規模はすでに日本(約5.1兆円)の3倍以上で、今年の増加分だけで650億元(約1兆円)となり、軍備拡張の基調は変わっていない。
国際社会の厳しい視線を意識してか、傅氏は北大西洋条約機構(NATO)が加盟国に国防費を国内総生産(GDP)の2%以上とするよう求めていると指摘したうえで「中国の国防費はGDP比1.3%の水準を保っている」と説明。「米国は中国に追い越されるのが心配かもしれないが、米国との力の差は非常に大きい」とも強調し、中国の国防費増の正当性を訴えた。
中国軍内では国防費の伸びを再び2ケタ台に戻すよう求める声は多い。「台湾問題は武力統一を目指す段階に入っている」(軍の元高官)などの強硬論も根強く、予算増への圧力となっている。こうした強軍路線に一層の拍車をかける可能性があるのは「米史上最大級の軍備増強」に決意を示すトランプ米大統領の存在だ。
トランプ政権は3月中旬に示す2018会計年度(17年10月~18年9月)予算案で、国防費を540億ドル(約6兆円)増額して6千億ドル規模とする方針。中心となるのは核戦力の拡大で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の更新などにあてるとみられる。トランプ氏は2日にも建設中の空母上で演説し、空母増強などの「海軍再建」に意欲を示した。
中国はこれまでも着々と海洋進出を進めてきた。全人代開幕を3日後に控えた2日、過去最多13機の軍用機が宮古島と沖縄本島の間の宮古海峡上空を抜けて西太平洋で遠洋演習を実施した。中国から離れた地域での演習は年々増加し、昨年12月には中国初の空母「遼寧」が太平洋から南シナ海に抜け、台湾を一周した。中国周辺への米軍の展開を阻む「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略の一環とされる。
海空軍の武器装備の充実も続く。関係者によると昨年末、ロシアの最新鋭戦闘機「スホイ35」4機が中国に初納入された。今後さらに20機が中国に到着する。大連や上海では国産空母を建造中だ。
国際社会からは中国の発表する国防費が不透明だとの懸念が強い。空母など武器装備の研究開発費は国防費とは別枠の予算に計上され、実際の軍事関連費は公表数字の2倍近いとかねて指摘されている。中国の公表数字への信ぴょう性の低さが周辺国や米国の警戒を強め、各国の軍拡を一段と招く構図となっている。>(以上)
中国の国防費は公表されていない方が多いと言われています。日経記事の2倍ではなく、3倍くらいと言われて来ました。総額が増えていますので、そこまで伸ばすことができなくなったのかもしれませんが。世界平和にとって最大の脅威は中国であることは間違いないでしょう。ロシアは飛び地のカリーニングラードに核弾頭搭載可能な弾道ミサイルを配備しましたが、領土的野心は見せていません。中国が日本に照準を合わせている核ミサイルを配備していることを考えますと、米国が核報復を確約していれば大騒ぎしなくても良いのでは。まして米国とベルギー、ドイツ、イタリア、オランダはニュークリアシエアリングしていて、日本より進んでいます。ただ、ポーランドの核武装したいという気持ちも頷ける話ですが。
米国のアジア回帰の為には、欧州は自力で防衛できるようにしてほしいと思います。米国も二正面作戦は取れないでしょう。中国と対峙する前に、北の問題を解決するようです。3/5の宮崎正弘氏のメルマガでもティラーソン国務長官の訪日でそのように書いています。いよいよ金正恩政権が打倒されようとしています。前にも書きましたが、攻撃は在韓米軍の家族を沖縄に移動させてからになると思います。朝鮮総連傘下の人間や、韓国籍の在日であってもスリーパーがいます。破壊工作を仕掛けてくるかもしれません。治安維持に市民も協力しないと。韓国からの難民が出て来たら、彼は「日本も韓国の領土」と言いだすに決まっています。済州島に押し返しましょう。ビザも復活させてほしいです。大使がいなくても領事業務はできるでしょう。
http://melma.com/backnumber_45206_6496194/
中国は経済拡大と共に軍拡をして来ました。独裁国家ですからできることですが、これを止めるためには経済崩壊させるしかありません。このままいくと、2045年を待たずに、米国の国防費を追い越します。盗みが得意ですので、技術的にも追いつく可能性があります。時間の利益を中国に与えてはなりません。南シナ海では基地の撤去はしないでしょう。確実に米中衝突はします。その前に経済制裁して、中国国内で国民の不満を共産党に向けることができれば。評論家は経済の面だけ見て米中両国に打撃になるとしかコメントしませんが、軍事を支える経済に打撃を与えませんと。中国に代わる外国企業を探す努力を米国企業にさせれば良いだけです。
記事

軍事演習を行うドイツ連邦軍の兵士たち。(撮影・熊谷 徹)
ミュンヘン中心部の高級ホテル「バイリッシャ―・ホーフ」。ここで毎年2月に開かれる「ミュンヘン安全保障会議(MSC)」は、民間団体が主催するイベントだが、ドイツ政府の首相をはじめ、主要国の外務大臣、国防大臣らが一堂に集うユニークな催しだ。比較的狭いホテルなので、通路は立錐の余地もないほど混み合うことがある。参加者は特定の条約、協定について合意しなくてはならないという、時間的なプレッシャーにさらされていないため、比較的自由に意見を交換できる利点もある。
注目されたペンス演説
今年2月17~19日に開かれたMSCは、内外のメディアや安全保障関係者から特に大きな注目を浴びた。昨年11月にトランプ政権が誕生してから初めてのMSCであり、同政権の副大統領マイク・ペンスが参加したからである。彼が米国外で演説するのは初めてのこと。
トランプは選挙期間中に、「NATOは時代遅れだ」と言い切っていた。「トランプの大統領就任とNATOの運命/atcl/opinion/15/219486/120600023/」でお伝えしたように、この発言は、欧州に強い不安と動揺をもたらしている。欧州諸国の指導者たちは、「米国は将来も欧州の防衛に関わるのか。それとも、欧州から徐々に手を引こうとしているのか」という問題に強い関心を示している。
特にロシアが2014年にクリミアに戦闘部隊を送って強制併合、ウクライナ東部の内戦にも介入するなど、不穏な動きを強めている。ロシアと国境を接するバルト3国やポーランドでは、80年代の東西冷戦の時代に似た不安感と緊張感が高まっている。MSCで、米新政権のナンバー2が、NATOの未来についてどのような方向性を示すのかが注目されたのは、そのためだ。
「欧州諸国は約束を守れ」
ペンスが2月18日にミュンヘンで発信したメッセージは、独首相アンゲラ・メルケルら会議場を埋めた欧州諸国の政治家たちの胸に、安堵と不安が混ざった感情を生じさせたに違いない。
ペンスは、トランプのような露骨な表現を避け、「米国はNATOを力強く支援する。大西洋を挟んだ軍事同盟への関与は揺るがない」と述べた。紋切り型の表現ではあるが、少なくとも米国は、欧州との軍事同盟に関わり続けるという言質を与えた。このことは、メルケルら欧州諸国からの参加者に、一抹の安堵感を与えただろう。
だがペンスは、彼のボスからのメッセージを伝えることも忘れなかった。それは、「米国は防衛ただのりをもはや許さない」という意思表示だ。
ペンスは「北大西洋条約は、加盟国が攻撃を受けた場合、他の国が結束して反撃するという集団的自衛権の原則に基づいている。この原則は、加盟国が応分の貢献をすることも義務付けている」と述べ、「NATO加盟国は、約束した防衛費をきちんと負担することを約束した」と欧州諸国に矛先を向けた。NATO加盟国は、2006年の会議で、「2024年までに、国内総生産(GDP)に対する防衛支出の比率を、2%に引き上げる」と合意している。
その上でペンスは「この約束は、あまりにも長い間、大半のNATO加盟国によって無視されてきた。この約束を達成したのは、まだ数か国にすぎない。欧州の大国の中にも、防衛費を本格的に増やす努力を始めていない国もある。この約束不履行は、軍事同盟の基盤を侵食している」と批判した。米国の本音は、「NATOへの関与を続ける」という外交辞令ではなく、むしろこちらの方だろう。
ドイツに向けられた矛先
ペンスは名指しを避けたが、「防衛費を増額するための真剣な努力を始めていない大国」とは、欧州最大の経済パワー・ドイツのことである。NATOの統計によると、2016年のドイツの防衛支出の対GDP比率は1.19%で、2%の目標から遠く離れている。英国(2.21%)やフランス(1.78%)にも水を開けられている。ペンスは「我々は、同盟諸国がこの目標を達成することを期待している。今や、本格的な行動を始める時だ。欧州の防衛には、米国だけでなく欧州の貢献も欠かせない」と釘を刺した。
ドイツの防衛支出

(出所:ドイツ連邦政府)
つまりペンスの発言は、「ドイツなどが応分の防衛負担を怠り、欧州の防衛について米国に過度に依存しているのは、もはや許せない。米国が将来NATOに関与し続けるのは、他のNATO加盟国が防衛費増額の約束を守った場合のみだ」というメッセージを含んでいるのだ。
MSCの会場でペンスの演説に対する拍手は、少なかった。彼の発言は、外交辞令のオブラートに包まれていたとはいえ、しょせんはトランプによる欧州批判の繰り返しである。このため欧州諸国の外務大臣や国防大臣たちは、喝采を送る気にならなかったのだろう。
MSCでメルケルは、「防衛支出の増額は、徐々に行うべきものであり、効率性についても配慮しなくてはならない。安全保障に貢献するのは、防衛支出の増額だけではない。発展途上国への援助や教育水準の改善、難民の援助も安全保障にとって重要だ」と反論。議論の焦点を防衛支出だけに絞り込むトランプ政権の姿勢を、間接的に批判した。
同時にメルケルは「対GDP比で2%」の目標達成に向けて努力する方針を強調するとともに、「欧州はイスラム過激派の脅威とロシアの野心に直面しており、米国の軍事力を必要とする」と述べ、欧州が独力ではこの2つの試練に対応しきれないという本音を漏らした。
集団的自衛権の原則から逸脱?
ペンスは3日後にブリュッセルのNATO本部で事務総長イェンス・ストルテンベルグと会談。その後の記者会見で、ミュンヘンでの演説よりも率直な表現を使い、「防衛支出の目標を達成しない同盟国に対する、米国市民の忍耐は、永遠には続かない」と述べている。彼は、そうした国に対して米国がどのような措置を取るかについては、明言を避けた。
ペンスに先駆けて、2月15日にNATO本部を訪れた米国の国防長官ジェームズ・マティスは、ペンスよりも単刀直入に「他のNATO加盟国が防衛費増額の努力を怠るならば、米国は欧州防衛への貢献を減らす」と語った。これは、欧州に対する「恫喝」もしくは脅迫とも取れる発言だ。
欧州の加盟国が最も強く懸念しているのは、北大西洋条約の第5条、つまり「NATO加盟国は、他の国に対して行われた軍事攻撃を、自国への攻撃とみなす」という原則が、トランプ政権によって揺るがされることだ。トランプがNATOを批判して以降、「欧州諸国は、対GDP比2%の目標を達成していない国が攻撃されても、米国は自国への攻撃と見なさず、反撃しないのではないか」という懸念を強めている。
この点について、NATOの事務総長ストルテンベルグは、ペンスとの共同記者会見で「北大西洋条約の第5条が定める集団的自衛権について、(防衛費負担などの)条件を全く付けていない」と釘を刺している。この発言は、ロシアからの脅威に最も直接的に曝されているバルト3国やポーランドが抱く不安を緩和するためだろう。
独の2024年までの目標達成は不可能
さてペンスに批判されたドイツにとって、2%の目標達成は容易なことではない。ドイツはロシアがクリミアを併合した2014年以来、防衛支出を毎年引き上げている。その増加率も、年々増えている。2017年には防衛支出を前年比で7.9%と大幅に増やした。その伸び率は、GDP成長率を上回る。
だがストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が2015年の各国の防衛支出を比較した統計によると、ドイツの支出は393億9300万ドルで、米国(5960億ドル)の約15分の1に過ぎない。
主要NATO加盟国の防衛支出の対GDP比率(2016年)

(出所:NATO)
NATOの統計によると、2016年のドイツの防衛支出の対GDP比は、NATO加盟国28カ国中で第16位(2%の目標に達しているのは、米国、ギリシャ、英国、エストニア、ポーランドの5カ国だけ)。つまりNATO加盟国の82%は、2%の目標に達していない。
ドイツの防衛支出の対GDP比率

(出所:ドイツ連邦政府・NATO)
ドイツの2%達成が難しい理由は、経済規模が大きいことだ。2017年のドイツの防衛支出は、370億ユーロ(約4兆4400億円)。2016年のドイツのGDPは、3兆1330億ユーロ(約375兆9600億円)。GDPの2%は、627億ユーロ(約7兆5192億円)である。
つまりドイツが米国に対する約束を果たそうとすると、防衛支出を現在より257億ユーロ(約3兆840億円)も増やす必要がある。約70%もの増額だ。欧州最大の経済パワーといえども、これは難題である。ドイツが7年以内、つまり2024年までに、2%の目標を達成するのは不可能であろう。
米国への依存からの脱皮を目指すドイツ
トランプの圧力は、欧州の安全保障地図を塗り替え、米国からの「乳離れ」を促す可能性がある。今欧州の安全保障関係者の間では、「米国がNATOへの関与を減らす場合に備えて、我々は防衛能力を高める可能性がある」という意見が強まっている。
ドイツのジグマー・ガブリエル外務大臣は、MSCの直前に行ったドイツの保守系日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ紙(FAZ)とのインタビューの中で「欧州諸国は、いつまでも米国に防衛してもらえばよい、自分たちは何もしなくてよいと長い間思い込んできた。だがそうした時代は、完全に終わった。我々は、強い欧州を作らなければならない。そうしなければ、トランプ、プーチン、中国から一人前のパートナーとして見られることはない」と断言している。
彼は「米国がリーダーとしての役割を果たさなくなるのであれば、欧州は防衛力の強化という、長年の課題を実行に移さなくてはならない」と述べ、米国との新たな関係を模索することになるだろうと指摘した。
さらに過激な意見も出ている。ポーランドの元首相ヤロスワフ・カチンスキーは、今年2月初めに「米国が欧州を防衛しないとしたら、欧州は独自の核抑止力を持つべきだ」と発言した。
かつてソ連の支配下に置かれた中東欧諸国は、米国に対して、ロシアの脅威から自分たちを守る守護者の役割を期待してきた。中東欧諸国が、独仏とは異なり、ブッシュ政権のイラク侵攻を支援したのは、そのためである。だが中東欧諸国の期待は、トランプ政権の誕生で大きく揺らいでいる。「米国の核の傘は、本当に頼りになるのか?」。カチンスキ―の発言の背景には、NATOの将来について不透明感が強まったことに対する、中東欧諸国の焦燥感がある。
平和の配当を享受できる時代は終わった
MSCの2日後、ドイツ連邦政府は連邦軍を増強すると発表した。連邦軍の将兵の数は現在17万8000人。これを2024年までに2万人増やして19万8000人とする。ドイツは東西冷戦の終結後、徴兵制を廃止した他、将兵の数を年々減らしていた。欧州の中央に位置するドイツは、冷戦終結による「平和の配当」を最も享受してきた国の1つである。
だがロシアだけではなく、大西洋の反対側の米国、そして中東や北アフリカでも、地政学的な不透明感が強まりつつある今、ドイツは「米国のいない西側陣営」の中で指導的な役割を果たすよう、EU諸国から求められる可能性がある。ドイツが平和の配当を享受していればよい、居心地の良い時代は、終わったのだ。
2017年は、ドイツそしてEU諸国が米国からの自立を目指し始める、重要な分水嶺となるかもしれない。
欧州の対米戦略に注目するべきだ
我々日本人は、米国の豹変に直面した欧州人たちの焦りと不安感を、対岸の火事として眺めているだけでよいのだろうか。SIPRIによると、日本の2015年の防衛支出はGDPの1.0%で、ドイツよりも低い。409億ドルも防衛に支出しているのに、対GDP比率が低いのは、経済規模が大きいためだ。つまり日本も、ドイツと同じ悩みを抱えている。
万一トランプ政権が、日本に対しても防衛費増額を要求してきた時、我が国はどう答えるのか。欧州とアジアの地政学的状況は大きく異なるとはいえ、欧州が考える対米戦略の中に、我々が学べる内容もあるはずだ。本シリーズでは、今後も欧州諸国の動きについてお伝えしていくつもりだ。
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『蕭建華失踪事件から読む「習近平vs曽慶紅」暗闘 「カネの流れを知る男」を巡る駆け引き、激化か』(3/1日経ビジネスオンライン 福島香織)について
蕭建華が正しいのか、肖建華(という中国語の記事がありましたので)が正しいのかwikiで調べましたら、戸籍登記は肖建華で、山東省の夏輝村の宗族の名前として蕭建華も依然として使っているとありました。
本記事で、蕭建華は神童だったと言われますが、天安門事件で中共側に立ったと言いますので、民主化に興味はなく、後に洗銭(マネロン)に手を染める程の拝金教信者だったわけです。典型的な中国人エリートと言う訳です。そもそも中国では政治の授業があり、中共のプロパガンダをしています。そこで良い成績を取らないと名門校には進学できません。
蕭建華逮捕の理由として①インサイダー取引防止②キャピタルフライト防止③習の面子を潰した報復④曽慶紅の力削ぎ⑤外貨国内還流促進といったところでしょうか。どれも当てはまる複合要因が絡み合っている気がします。秋の党大会人事がどうなるかでしょうけど。本記事中の①広東省党委書記の胡春華の進退、②党中央規律検査委員会の王岐山の進退、③国家副主席の李源潮の進退がポイントでしょう。
習近平の訪米がニュースになっています。3/4日経電子版には
<習主席4月にも訪米検討 G20前の関係安定狙う
【ワシントン=永沢毅、北京=永井央紀】中国の習近平国家主席は4月にも訪米し、トランプ米大統領と会談する検討に入った。今秋に新たな最高指導部を選ぶ共産党大会を控えるなか、両首脳が顔をそろえる7月のドイツでの20カ国・地域(G20)首脳会議よりも前に会談し、対米関係を早く安定させたい考えだ。米側が期待する経済面の譲歩などへの対応が焦点になりそうだ。
中国共産党関係者は日本経済新聞社の取材に「G20で会談するのは当然だが、それでは遅い。その前に訪米して会えるかどうかが焦点だ」と語った。党内ではトランプ米大統領と習氏が早く関係を構築すべきだとの意見が強まっている。訪米が実現する場合、4~5月となる可能性が高い。
トランプ氏は大統領就任前、中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」政策の見直しを示唆し、台湾統一を悲願とする中国側は強く警戒した。ただ、トランプ氏は2月上旬の習氏との電話協議では一転して「一つの中国」を尊重すると表明。習氏もこれを評価し、早期に会談することで一致した。
中国側はここからドイツでの外相会談や、外交担当トップ楊潔篪国務委員(副首相級)の訪米など関係修復へ急ピッチで動いた。外交筋によると楊氏は訪米時に首脳会談の早期実現を打診。その前段階としてティラーソン国務長官に中国訪問を招請しており、「近い将来の訪中に関心を示す」との言質を引き出した。この訪中が首脳会談を本格的に調整する場となる見通しだ。
習氏は2015年に米国を公式訪問しており、外交儀礼上は次は米大統領が訪中する番だ。首脳会談するからには中国側が成果とできるような合意も必要となる。台湾問題で手打ちしたとはいえ、中国による南シナ海の軍事拠点化をめぐる問題は妥協点が見えないまま。トランプ氏は通商・為替政策での対中批判も緩めていない。
中国側には日本の安倍晋三首相がフロリダ州のトランプ氏の別荘で歓待されたことを踏まえ、首都ワシントン以外の場所で非公式にゆっくり話す形式を求める声もある。ただ、トランプ氏が受け入れるかどうかは不透明だ。北京の外交筋は「米中間の条件が整わなければG20まで待つ選択肢もある」と指摘したうえで、「それでも早期訪米する可能性の方が高い」との見通しを示した。
中国は今秋、5年に1度の共産党大会を開き、最高指導部を大幅に入れ替える。習氏は自らに近い人間をなるべく登用して2期目を盤石の体制としたい考え。人事で主導権をとるためには、外交面の懸案を顕在化させたくない。対米関係の安定という外交成果を示せるような訪米にできるか否かを水面下で探っているもようだ。>(以上)
トランプと楊潔篪の面談時間は5~7分だったわけで顔立ててやっただけです。そんな突っ込んだ話し合いが出来たとは思えません。楊潔篪は英語ができるので、英語で会話したでしょうけど。習近平訪米に持ち帰らせるお土産があるのかどうか?習は秋の党大会前に訪米してアピールしたいと思っているのが、ミエミエです。水面下で交渉しているでしょけど、トランプはWTOの決定にも従わないことを明言しました。選挙公約通り、中国製品に大幅な関税をかけて、戦場を経済の場面に持ち込もうとしています。お土産無しでは、本来米国が訪中する番なので、習が膝を屈することはないでしょう。本記事は両日経記者が中国人だけから取材したのかも知れません。誘導記事かもしれませんが米国人に与える影響はないでしょう。
また、3/4日経電子版にはイエレンが3月利上げを示唆した記事が載っていました。蕭建華を逮捕したとしてもキャピタルフライトは止まらないでしょう。
<米、月内利上げ検討へ FRB議長が明言
【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は3日、シカゴ市での講演で「(14~15日の)次回会合で追加の政策金利の調節が適切か判断することになる」と述べ、月内の利上げを検討する方針を明言した。同氏は「経済指標が想定通りであれば、緩やかな利上げが適切だ」とも表明。10日に発表する2月の米雇用統計を見極めて、最終判断する考えだ。

イエレンFRB議長は月内の利上げを検討する方針を明言した(3日、シカゴ)=AP
イエレン氏は3日の講演で「労働市場は完全雇用に本質的には達した」と指摘し、米経済は緩やかな拡大が続くと自信を示した。1月の個人消費支出(PCE)物価指数が前年同月比1.9%上昇したことから「インフレ率も目標の2%に近づいている」と強調した。海外経済の下振れリスクも減退していると指摘した。
金融市場が注視する追加の金融引き締めについては「経済データが想定通りに推移すれば、我々は緩やかな利上げが適切だと現在判断している」と強調。そのうえで「今月の会合で、物価や雇用が想定通り改善したか、追加の政策金利の調節が適切かどうか、判断することになる」と明言した。
イエレン氏は2月中旬の議会証言で「今後数回の会合で、追加の利上げが適切か判断することになる」と述べ、3月、5月、6月のいずれかの会合で利上げに踏み切る考えを示唆していた。今回の講演では「次回会合で検討する」と明示し、14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする可能性を強く示唆した。
月内の利上げに向けた最後の関門は、米労働省が10日に発表する2月の雇用統計だ。雇用情勢は底堅く推移してきたものの、新規就業者数の伸びが大幅に鈍化すれば利上げ判断の逆風になる。イエレン氏は3日の講演で「長期的な傾向でみれば、雇用の伸びは月7万5千~12万5千人で整合性がとれる」と指摘。2月の統計で10万人前後の就業者の伸びが確保できれば、利上げの障壁にはならないとの見方を示唆した。
今後の利上げペースについては「FRBが後手に回っているとの証拠は現時点でない」と指摘。昨年12月に公表した年3回の利上げペースを引き続き想定していることを示唆した。>(以上)
福島氏も主張するように共産党の問題は、白昼堂々拉致が可能な社会という事です。中国語の記事では3人の女性ボデイガードに守られていたが、5人の公安or国安部の人間に連れ去られたとのこと。銅鑼湾書店だけでなく、これが日常茶飯事に行われているということです。法輪功やモンゴル・ウイグル・チベット人も同じ目に遭っています。やはり共産主義の悪い所は三権分立していない所でしょう。為政者をチエックするシステムがないため好き放題できます。司法は行政の一部ですし、メデイアは党の「喉と舌」です。日本でも左翼は同じ事を考えています。左翼メデイアの新聞は取らず、左翼議員にも投票しないことです。
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大富豪・蕭建華氏は香港の五つ星ホテル、フォーシーズンズホテルから行方不明に。この失踪の意味することとは?(写真:ロイター/アフロ)
今年の秋はいわずもがな、第19回党大会が控え、権力闘争が激化しているのだが、その第一ラウンドは、習近平VS曽慶紅ではないかという見方が出ている。一般に、第19回党大会前の権力闘争のみどころは三つあるといわれている。すなわち、①広東省党委書記の胡春華の進退、②党中央規律検査委員会の王岐山の進退、③国家副主席の李源潮の進退、がどうなるか、である。いずれも、権力闘争の軸は習近平VS共青団派の文脈で観察されている。
胡春華は共青団のホープで、ポスト習近平と目されている。李源潮は太子党かつ共青団(共産主義青年団)の実力派であり、このまま次の党大会で政治局常務委員会入りするとすれば、習近平に大いにプレッシャーを与える存在だ。習近平は党大会前に、彼らを失脚させて共青団の影響力を削ぎ、本来引退年齢となる王岐山を続投させ、習近平3期目に向けた布石を打って、習近平独裁体制確立に向けた道を開きたい、であろうと見られている。
香港から垣間見える中央の対立再燃
だが、その前に、太子党の影のラスボスと言われている曽慶紅らと習近平の対立が再燃してきた、というのである。春節イブ(除夕)に起きた、香港の大富豪にして、中国金融の裏ボス、ホワイトグローブス(白手袋、汚れた手を隠すために白手袋をする人、金融の裏仕事請負人)と呼ばれる蕭建華の失踪事件(おそらくは中国当局による拉致)の背景に、習近平vs曽慶紅の闘争があるらしい、というのだ。
蕭建華は、90年代から00年代にかけて曽慶紅ファミリーはじめ太子党子ファミリーの天文学的蓄財に貢献した人物であるだけでなく、2015年夏の上海株暴落をリモートコントロールしていたとささやかれている。また、2012年に、ブルームバーグが習近平ファミリーの不正蓄財疑惑を報じたあと、習近平の姉の持ち株を、習近平ファミリーを救済するという建前で購入するも、その件をニューヨークタイムズ紙にすっぱ抜かれたという因縁もある。さらに、今の習近平政権にとって最大の悩みの種であるキャピタルフライトに歯止めをかけるキーマンという指摘もあった。
果たして蕭建華失踪事件の背後にはどのような事情があるのか、それが秋の党大会にどのような影響力を与えるのか。久しぶりに香港ゴシップをネタにしてみたい。
蕭建華失踪事件について、軽く説明しておく。香港メディアがすでに詳しく報じているが、これは第二の銅鑼湾書店事件として、香港の司法の独立が完全に失われていることを示す事件でもあった。銅鑼湾書店事件については、過去のこのコラム欄を参照してほしい。
<参考> 香港銅鑼湾書店「失踪事件」の暗澹 銅鑼湾書店事件、「ノーと言える香港人」の告発
五つ星ホテルから白昼堂々
今年1月27日、香港セントラルの五つ星ホテル・フォーシーズンズホテルから、カナダ国籍ほかバルバドスの外交パスポートなど少なくとも三つのパスポートを保持している蕭建華が白昼堂々、拉致された。目撃者証言がいくつかあり、頭に布をかぶせられ、車いすに乗せられて午前10時頃、車二台で連れ去られとか。妻が翌日に、香港警察に捜索願いを出したが、その後、捜索願いが取り下げられた。有名ホテルから大富豪が失踪したというのに、ホテルサイドは何のコメントも出さず、蕭建華が創始者の投資企業集団・明天系の公式微博アカウントは「外国で病気療養中」とうそぶいた。消息筋によれば、すでに北京にいるらしい、という。つまり、中国当局によって拉致されたという見方が今のところ濃厚だ。ただし、中国当局は目下、沈黙を守っている。
この事件が銅鑼湾書店事件以上に恐ろしいのは、今回拉致された人物が、しがない書店関係者や民主化活動家といった庶民ではなく、太子党の大物をバックにつけ、中国金融界の裏ボスといわれている金と権力の両方を操る大物であったということだ。
香港のフォーシーズンズホテルは、反腐敗キャンペーンのターゲットになるやもしれないと不安に思う太子党や官僚の子弟や大企業幹部たちが、避風塘(漁船が台風をしのぐ湾岸)よろしく、一時身を寄せて、情報交換を行いながら、北京情勢をうかがう拠点として知られている。令計画が失脚する直前には、令計画の兄の利権の温床であった山西官僚らがみなこのホテルに逃げ込んだので、ホテル内の公用語は山西方言であったという冗談が流れたほどだった。
今回の事件は、党中央に強いコネを持っていても、金を持っていても香港は守ってくれない、という厳然とした事実を明らかにした。香港はもう誰も守れない。世界に名だたる高級ホテルで人が拉致されたとしても、香港警察は事件にすることすらできない。金融都市として必須条件の安全と信用はとことん地に落ちた。
1972年生まれの蕭建華は、15歳で北京大学法律系に入学した神童で、天安門事件のときは大学側の学生会主席として、民主化要求の学生たちと対峙した経験もあるらしい。卒業後は大学の党委員会の仕事をしながら起業、1999年に正式に「明天ホールディングス」を創設し、金融、証券、保険企業などに次々に買収。その中には長財証券、新時代証券などの大手もあった。現在、少なくとも明天系と呼ばれる企業集団は、9社以上の上場企業を傘下におき、30社以上の筆頭株主で、総資産1兆元以上とか。その市場に対するコントロール力は言わずもがなで、「明天金融帝国」との呼び名もある。
面子を傷つけた株購入事件
彼は2000年代に、自らの市場操作力を駆使し、曽慶紅や江沢民ら国家指導者ファミリーらの不正な蓄財に手を貸し、また蓄えた資金の洗浄も担ったといわれている。その額は、少なくとも2兆元を超えるとか。例えば、2007年に、曽慶紅の息子の曽偉が山東省最大のエネルギー国有企業で資産価値738億元相当の魯能集団を30億元あまりの格安で買収した“魯能事件”の黒幕も蕭だったという。太平洋証券の上場にからむ不正事件で、国家開発銀行副行長の王益が失脚し、やはり90年代に起業し飛ぶ鳥を落とす勢いであった投資企業・涌金集団のトップ、魏東が飛び降り自殺に追い込まれた2008年、この事件に関与したと噂される蕭建華も自分の身の安全を図るために出国。以降は、少しずつ持ち株をシャドーカンパニーに移し、できるだけ目立たないように動くが、それでも中国市場に対する影響力は厳然としていた。
香港に拠点をおくようになったのは5年ほど前からで、フォーシーズンズに幾部屋もアパートメントルームを借りていたとか。蕭には愛人が30人ほどいるといわれているが、最近は娘を生んだばかりの安徽省出身の愛人と生活を共にしていたという。
彼が中国当局に拉致された(と仮定して)その理由については、いくつか説があり、ニューヨークタイムズ(NYT 2月3日付)は、2013年に240万ドルで、習近平の姉夫婦の持つ投資会社の株を購入した件が関係あるとみている。蕭建華にすれば、習近平ファミリーのためを思ってという建前だったかもしれないが、この件は、NYTが2014年6月3日にすっぱ抜き、しかも蕭建華周辺筋がその事実を暗に認めるような発言をしたので、習近平のメンツをおおいに傷つける結果となった。ちなみに、NYT記事によれば、蕭建華が利益誘導した党中央幹部には、胡錦濤政権時代の序列4位の政治局常務委員の賈慶林の女婿・李伯潭や、元中国人民銀行行長の戴相龍の女婿・車峰の名前も出てきている。
蕭建華は多くの太子党、官二代、紅二代、つまり共産党の“紅色貴族”たちの不正蓄財を手助けし、その手法を熟知しており、よりによって現役党中央総書記ファミリーの蓄財の裏まで知っている。つまり習近平にとっても、スキャンダルを握る危険な人物と言える。このスキャンダル漏れを防ぐために、蕭建華の身柄を北京に取り戻す必要があったのではないか、という見立てだ。
市場操作説、キャピタルフライト抑止説も
もう一つの理由は、2015年の上海株大暴落、俗に言う「株災」に蕭建華がかかわっていたという見方である。蕭建華の資金力、影響力をもってすれば、市場をリモートコントロールすることはたやすい。習近平は2015年の株災がらみで、悪意ある市場操作を行ったとしてプライベートファンドの星、徐翔が逮捕され5年半の実刑を受けている。徐翔以上の市場操作能力を持つ蕭建華だけが逃げ切ることはできないのではないか、という見方だ。
さらに言えば、蕭建華の拉致は、習近平政権の金融政策立て直しと連動するものではないか、という説もある。目下の習近平政権の最大の悩みの一つは、外貨準備高が3兆ドルを割り込み、キャピタルフライトの歯止めが効かないという点だ。
この外貨準備高減少を食い止めるために、2017年の金融改革の柱の一つとして、国家外為管理局関係者が、外国市場で上場した国内企業に対して、そこで集めた外貨資金の一部を人民元にして国内に還流させるという方針を打ち出している。国内企業の香港上場を後押ししているのは、蕭建華のような巨大民営ファンド集団だ。さらに言えば、そうしてできた外貨資金を洗浄して、各地に分散させて、国内企業やあるいはその中核にいる紅色貴族たちの不正蓄財、キャピタルフライトを幇助してきたのも蕭建華のような巨大ファンド集団だ。
蕭建華を拘束したのは、こうしたキャピタルフライトをたくらむ紅色貴族や国内企業家の恐怖心をあおり、おとなしく外貨を国内に還流させることが目的ではないか。つまり、党中央の指導を聞かずに、キャピタルフライトに走れば、汚職容疑で拘束(たとえ身柄が香港にあっても逃げられない)、おとなしく外貨を国内に還流させれば、党中央が国内企業の香港および国外での上場を後押ししよう、ということだ、と。
ちなみに、この説を主張しているのは、元経済紙記者で、在米亡命学者でもある何清漣だが、香港、深圳金融の裏事情を知るだけあってその推測にはかなりの説得力がある。
だが、やはり国内外の中国政治ウォッチャーが興味深々なのは、蕭建華の取り調べによって、曽慶紅の失脚、あるいは失脚に至らなくても、党大会前に曽慶紅の影響力をけん制するだけの情報を習近平が得るためではないか、という説だ。
習近平と曽慶紅の関係も因縁が深い。曽慶紅は、老獪な政治手腕をもって、ダークホースであった習近平をまんまと総書記および国家主席の座につけた最大の功労者である。習近平にとっては恩人だ。だが、自分がコントロールされることを嫌う習近平は、権力トップの座についてからは曽慶紅を政敵とみなすようになった。そうして曽慶紅を追い落とすために仕掛けた権力闘争の象徴が、国家安全部副部長だった馬建の失脚(2015年1月)だった。
馬建は曽慶紅の懐刀として、その諜報能力を習近平はじめ党中央指導者に向けても発揮し、“習近平がらみのスキャンダル”を含む情報を、やはり曽慶紅のコマとして動いていた実業家・郭文貴に流したという噂もある。その郭文貴は、そうしたスキャンダル情報を持って米国に出国したまま、その行方が分からなくなっている。
ちなみに、すでに失脚していた周永康や令計画の汚職事件とも馬建はかかわっており、失脚は周永康、令計画事件に連座した格好となるのだが、馬建の最大の政治的庇護者が曽慶紅であることは公然の事実であったので、多くのジャーナリストたちが馬建失脚を習近平と曽慶紅の権力闘争の文脈で解釈していた。この権力闘争は、いちおう曽慶紅が逃げ切った形で収束していた。
「法秩序無視が当然」の恐ろしさ
もし蕭建華が北京で取り調べを受けているとすれば、魯能事件など曽慶紅ファミリーの過去の経済犯罪疑惑などについても蒸し返される可能性はある。習近平にしてみれば、かつて自分を政権トップの座を押し上げたあの鮮やかな政治手腕を、再び自分を引きずり下ろすために振るう可能性を恐れていて当然だろう。馬建事件で一度、その政治生命が危機に瀕したとはいえ、曽慶紅が政局を動かすだけの資金力と人脈と頭脳を維持している可能性は強く、秋の党大会を前に、少なくとも曽慶紅の動きは牽制しておきたいのではないか。
どの説も、あり得る話で、おそらくはいくつもの思惑が働いていることだろう。こうして想像力を膨らませて中国の権力闘争や政治の雲行きを眺めるのは、外国人にとっては知的好奇心をそそられるのだが、冷静に考えてみれば、こうした政治的思惑のためだけに、法秩序を無視していきなり香港から民間人を力づくで拉致するやり方を普通に行える共産党体制というのは、実に恐ろしい。中国が国際社会において覇権を拡大するということは、こういう行動基準が周辺国家にも広がっていくということなのだ。
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『日本の悪夢、中国の属国になる日はトランプ次第 米国が経済で譲歩を迫れば、「新型大国関係」で太平洋真っ二つも』(3/1JBプレス 織田邦男)について
3/3TV朝日の「モーニングショー」では朝から森友問題で安倍昭恵氏を叩いていました。メデイアがTVの中で、公人か私人かという愚にもつかない問題提起をしたのは、三木首相の靖国参拝を公人・私人に区別させて成功した事例からヒントを得たのだろうと思います。また、下記の写真にありますようにトランプ大統領と安倍首相が夫婦同伴で楽しく会話しているのを見て、朝日新聞は、トランプと安倍が意気投合したのはそれぞれNYTと朝日新聞に勝ったと話合った所からと思い、復讐のチャンスを窺っていたのだろうと思います。何とかして共謀罪を潰したいという一念(在日朝鮮人や在日中国人も当然対象。米北戦争や米中戦争が現実のものに近づきつつある中で、破壊工作の予防の法律が必要です)と、安倍首相本人には突っ込めるところが無いので、夫人を標的にしました。江戸の仇を長崎で討つ方式です。メデイアは「女性の活躍をもっと進めなければ」と言っているのに逆行するのでは。これで安倍昭恵氏が委縮しなければ良いですが。でも、相手を選んで付き合わないといけないと思います。相手は利用しようと思っている人間が多いですから。でもメデイアは朝鮮人と同じで、妬み・嫉みの塊なのでは。
鴻池議員も偉そうにインタビューを受けていましたが、地元秘書のノートが流出したとのこと。どういう経緯でそうなったか分かりませんが、機密保持ができていない議員事務所という印象です。そもそも共産党にどのようにして渡ったのか。中共に連なる敵性政党なのに。
籠池氏も強引なやり方が目につきます。小生も大阪勤務時代、自宅と言っても社宅ですが、新入社員の親が突然訪ねて来て、「お世話になります」と言ってギフトを置いて行きました。断るのも悪いと思い、一旦貰いました。帰ってからギフトを調べましたら、中にメロンと現金が入っており、手紙を添えて現金は書留で返し、メロンは戴いた記憶があります。関東と関西の文化の違いかと感じました。金を受けるような立場でもないですし、やはり現金を受け取ることにはアレルギーがあります。中国に赴任して中国の賄賂文化と関西の金文化と似ていると感じた次第です。
織田氏が言いますように「最悪を考えて準備をする」のはどんな組織であれ、危機管理の要諦でしょう。国、地方公共団体、会社、個人のレベルにおいても、です。大多数の日本人は平和ボケしていて、戦争忌避、「平和」という念仏を唱えていれば戦争は起きないという考えの持主のようです。戦争は人間的な営みで、違法ではありません。最終的な紛争解決手段です。それが証拠に人間の歴史は戦争の歴史ではありませんか。核兵器の出現により、地球が破壊される可能性があっても、通常兵器による戦争は今でも起きています。
トランプ大統領の敵は金の力(ウオールストリート)を持ち、なかなか思ったように事が運びません。今度はセッションズ司法長官の駐米ロシア大使とのコンタクトが問題になっています。CIA、FBIといった諜報機関を相手に戦うのですから、生半可な覚悟ではできません。一進一退を繰り返すと思います。
トランプ大統領はWTOの決定には従わずと宣言しました。思いは「中国はWTOのルールに従っていないのに、それを止められないのは無用の長物」との思いでは。中国が南シナ海の国際仲裁裁判所の判決を「紙屑」と呼んで従わないなら、米国もという事でしょう。多国間の組織は国連を含め、左翼・リベラルに乗っ取られていますので。二国間or有志連合という形で物事を進めて行くのでは。イエレン議長が利上げするような雰囲気ですので、中国からの外貨流出ももっと起きるのでは。良い傾向です。
但し、織田氏の言うようにトランプ大統領もいつ心変わりするかも分かりません。敵は強大ですから。そうならないように、いろんなルートを使い、自由が保障される社会の維持に向けて、日米双方が努力するようにしませんと。太平洋を二分するくらいで中国の野望は収まらないでしょう。世界が悪の共産主義に染まれば、人類にとってこの上ない不幸となります。
日本は防衛費を自主的に増額し、脅威に少しでも対抗できるようにしていかないと。安倍内閣はずっと増額してきたといいますが、金額的にはまだまだです。江崎道朗氏の『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』の中に、中曽根首相は、ロンヤスと謳われて良好な日米関係を演出していましたが、その実、米国の防衛費増額要求に応えず、不信感を持たれ、米国をもっと中国に近づけることになったとありました。中曽根は言われるほどには有能ではないでしょう。胡耀邦を助けるために靖国参拝中止をして、靖国を外交カードにしてしまったりして。
記事

米フロリダ州パームビーチにあるドナルド・トランプ大統領のリゾート施設「マーアーラゴ・クラブ」で食事を共にする安倍晋三首相(中央左)、トランプ大統領(中央右)、昭恵夫人(右)、メラニア夫人(左)、ニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフト氏(左下、2017年2月10日撮影)〔AFPBB News〕
2月10日、ドナルド・トランプ政権発足後、初の日米首脳会議がワシントンで実施された。3日のジョージ・マティス米国防長官訪日に続き、トランプ政権での日米関係は上々の滑り出しだ。特に安全保障に関しては、日本にとって予想を超える成果を得たと言っていい。
「尖閣諸島が安保条約5条の適用対象」であることが共同声明に初めて明文化され、核を含む「あらゆる種類の米国の軍事力」による対日防衛を確約させた。駐留経費問題は話題にも上らず、在日米軍の重要性を確認するだけでなく、米軍受け入れに「謝意」まで盛り込ませたのは安倍外交の勝利と評価できる。
東、南シナ海で挑発行為を繰り返す中国、そして安倍晋三首相の訪米中にもあった核・ミサイルの恫喝を繰り返す北朝鮮に対し、日米の蜜月振りを見せつけたのは両国に対する強いメッセージとなったことは確かだ。
だが、「安保は満額回答」といって手放しで喜ぶ日本の姿勢に、危うさを覚えるのは筆者だけではないだろう。
2月3日、マティス長官の「尖閣は5条の適用対象」発言を「ニュース速報」で報じるメディアの当事者意識を欠いた属国姿勢、そして打つべき「次の一手」に係わる思考停止状態に対し、2月8日の拙稿「マティス発言にぬか喜び禁物、強か中国次の一手」で警鐘を鳴らしたところである。
1200人の高級官僚が決まるまでは全くの白紙
日米首脳会談が大成功裏に終わったことは、率直に評価したい。だが国内に蔓延する安堵感、政府関係者までが「まるで宝くじが当たったよう」と舞い上がる姿には大いなる違和感を覚えるのだ。
トランプ政権主要閣僚の議会承認は異例の「薄氷」採決が相次いでいる。いまだ閣僚人事で綱渡り状態だ。外交の要である安全保障担当補佐官マイケル・フリン氏が対ロ制裁問題で事実上更迭された。後任には現役陸軍中将のヒューバート・レイモンド・マクマスター氏が指名されたが未知数である。
議会承認が必要な約1200人に及ぶ高級官僚が決まるには、少なくともあと数か月はかかるだろう。外交・軍事を含むトランプ政権の方向性は未だ不透明、不確定である。
外交政策に安易な楽観論は禁物である。政治的任用の主要ポストがすべて確定し、トランプ政権が実質的に動き出すまでは、米国の外交・軍事政策は白紙と見た方がいい。
今、日本に必要なのは、トランプ大統領の「ちゃぶ台返し」を防ぐ外交戦略の策定である。大成功裏に終わった日米首脳会談後の安堵感に浸っているときに、「ちゃぶ台返し」「手の平返し」は考えたくないものだ。だが、「考えたくないことを考え、考えられないことを考える」のが危機管理の鉄則である。
英国のパーマストン卿が語ったように「永遠の同盟も、永遠の敵もない。あるのは国益であり、これを追求するのが政治家の責務」である。
「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ大統領は、政治経験も外交経験もない。過去に縛られず政策方針を決定できるところは、新大統領の強みでもあり、弱みでもある。同時に同盟国にとっては危うさでもある。
日米首脳会談前日の9日、米中首脳の電話会談を行った。日米首脳会談に先立ち、「一つの中国政策」維持を表明するなど対中外交で配慮をみせた。
政権発足前、トランプ氏は従来の「一つの中国」政策を巡って疑問を呈した。また慣例を破って台湾の蔡英文総統とも電話会談をした。これが一転して「今後も『一つの中国』を尊重する」と述べ対話重視を表明した。
またトランプ氏は、これまでNATO(北大西洋条約機構)は「時代遅れ」だと発言してきた。だが、テリーザ・メイ英国首相との首脳会談では、一転して「100%」NATO支持を言明し、今後も重視していくと表明している。
ある評論家は、トランプ氏はビジネスマンであり、「取引の瞬間だけ親しいのは、ビジネスマンの常。本物の信頼関係かどうか分からない」と述べている。「最悪を予期して準備せよ」は危機管理の要諦である。まさに、首脳会談成功に浮かれている場合ではないのだ。
トランプ大統領と安倍首相との間で、これ以上ない緊密な個人的関係ができたことは喜ばしいことだ。だが、パーマストン卿の箴言が警告するように、国家間にあっては、いつ何時「手のひら返し」があってもおかしくはない。この警戒心は忘れず、先手を打って戦略を考え、あの手この手で実行に移していくことが求められている。
過去にも苦い経験がある。いわゆる「朝海の悪夢」である。
1971年7月、突然リチャード・ニクソン大統領が訪中を発表した。佐藤栄作首相には発表の5分前に電話連絡があったという。それまで中華人民共和国との国交を米国によって強く止められてきた日本にとっては、一夜にして「梯子を外された」形となり、まさに「寝耳に水」の出来事であった。
当時の駐米日本大使の朝海浩一郎氏は普段から、ある朝起きたら突然、米国と中国が手を結んでいた、こうなるのが日本にとっての悪夢だと語っていたが、それが現実となったことから「朝海の悪夢」と呼ばれるようになった。
現代版「朝海の悪夢」
現代版「朝海の悪夢」はあるのか。最悪のシナリオは、米国が勝手に中国と「安保と経済」を取引することだろう。
共同声明では、中国を名指しこそしないものの「威嚇、強制または力によって海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する」「拠点の軍事化を含め、南シナ海における緊張を高める行動を避け、国際法に従って行動することを求める」とある。
またホワイトハウスのスタッフたちは対中強硬派が占めている。だが、これで安心している場合ではない。
対中貿易赤字のドラスティックな改善、雇用の大幅な創出を中国が取引材料として出してきた場合、共同声明は一挙に死文化する可能性は排除できない。これまでのトランプ大統領の言動から見て、経済的利益のためには、安全保障をディールする可能性は十分あり得るのだ。
中国は経済で大幅に譲るとしたら、何を代わりに取りに来るだろう。「台湾関係法の廃止」「在韓米軍撤退」など考えられる。だが、日本にとって最も厳しいシナリオは「西太平洋の覇権移行」である。
これは別に目新しい話でもなければ、荒唐無稽な話でもない。中国はバラク・オバマ政権に対し「新型大国関係」という言葉で繰り返し「西太平洋の覇権」を求め続けてきた。
中国が主張する「新型大国関係」を簡単に言えばこうだ。
米中は核大国であり「米中が対抗すれば両国と世界に災難をもたらす」。従って「互いの主権と領土を尊重し、矛盾や摩擦をコントロールする必要」があり、「互いの『核心的利益』を尊重」しよう。「太平洋には2つの大国を受け入れる十分な空間」があり、それは十分可能だというものである。
もっともらしい言葉の下に、鎧が透けて見える。つまり太平洋を東西に分割し、米中それぞれの主導の下に国際秩序を構築しようとするものである。
戦後、太平洋からペルシャ湾まで米海軍の制海権の下に置かれてきた。この地域における国際秩序は事実上、米国主導で作られてきた。
この「パックス・アメリカーナ」を、西太平洋に限定して「パックス・シニカ」に置き換える、つまり西太平洋については、中国が主導する国際秩序に置き換えるというパラダイム・シフトを狙った「太平洋、覇権分割論」である。
もともと鄧小平の懐刀であった劉華清が提唱した海洋戦略があり、「太平洋、覇権分割論」の淵源となっている。2010年までに第1列島線以西の制海権を握り、2020年までには第2列島線までを、そして2040年にはハワイまで制海権を掌握して西太平洋の覇権を握るという戦略である。
中国はこの海洋戦略を正式な中国海軍戦略に格上げし、すでに着々と手を打ってきている。
中国は本気、太平洋分割論
2007年5月、ティモシー・キーティング米太平洋軍司令官が初めて訪中した際、中国海軍高官から「太平洋分割論」を持ちかけられたという。「最初は冗談かと思っていたが、本気だったので驚いた」と議会証言している。
2013年3月、李克強首相が全国人民代表大会で「新型大国関係」について報告し、中国の対米外交方針となった。
2013年6月、米中首脳会談で習近平がオバマに正式に提案している。同年9月、中国の「衣の下の鎧」が読めないオバマ大統領は、これを検討することで合意。以降、習近平国家主席は米中首脳会談のたびに、壊れたレコードのようにこれを繰り返し主張してきた。
他方、アジアにおける多国間会議では、別の名前で覇権分割論を持ち出している。
2014年5月、上海で実施された「アジア相互協力信頼醸成措置会議」(CICA)で、習近平主席は「アジア新安保構想」を提唱した。「アジア安全観」というアジアの人にとっては耳に優しい言葉を巧みに使い、アジアからの米国排除を訴えている。
つまり「アジア安全観」とは、「アジアの問題はアジアの人々が処理し、アジアの安全はアジアの人々が守る」ことを原則とし、平等な立場で安全に関する協力を推進するというものである。そして「互いの主張、領土保全を尊重し、内政不干渉」の下に「平等協力」をうたうものだと主張する。
アジアからの「米国外し」が見え見えであり、米国なき後のアジアで、中国主導による国際秩序を構築する。つまりアジアの国々向けの体の良い覇権分割論であり、「パックス・シニカ」そのものである。
2014年11月、北京で行われた「中央外事工作会議」で、習近平は「国際社会の制度改革を進め、わが国の発言力を強める」と述べ、国際社会の制度を中国主導で作り変えることの重要性を述べている。
米議会では、早くからこの発言に注視し、2014年度の「米中経済安保見直し委員会」議会報告では、「中国は米国が主導する東アジアの安全保障アーキテクチャーが自国の体制維持、経済、社会的発展、領土の一体性といった核心的利益を利するものではないと判断している」と報告している。
ポール・ケネディが名著「大国の興亡」で述べるように「台頭した大国はすべて、古くから根を下ろしている大国の既得権に沿うように作られた国際秩序の再編を望むもの」であり、台頭した中国にとっては至極当然のことかもしれない。
2014年11月の米中首脳会談では、オバマ大統領は習近平主席の「新型大国関係」についての執拗なアプローチに「同意する」と発言した。だが、さすがにアジア諸国からは懸念の声が即座に上がった。
驚いたオバマ大統領は「アジアでの効果的な安全秩序は、大国が小国をいじめるような影響、威圧、脅しではなく、相互安全保障、国際法、国際規範、平和的解決を基本にしなければならない」と軌道修正している。
中国の覇権分割の動きに対し、オバマ大統領が明確に拒否したのは「経済分野」だけだ。2015年10月、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉で参加国が大筋合意したことを受け、「中国のような国に世界経済のルールを書かせることはできない」と述べている。
その後、南シナ海での埋め立てなど、露骨で挑戦的な中国の動きが目立つようになり、警戒感を強めたオバマ大統領は、習近平主席が繰り返す「新型大国関係」に対しては、明確な意思表示を避け今日に至っている。
「新型大国関係」は、中国が周到な時間をかけ、繰り返し持ち出したものであり、中国の対米戦略上、特別な意味を持つ。
中国冊封体制下に置かれる危険性も
当然、習近平主席はトランプ大統領に対しても「新型大国関係」に名を借りた覇権分割論を要求してくるはずだ。今はその機会を伺っているときであろう。トランプ大統領が経済でディールを持ちかければ、これ幸いと、真っ先に打ち出してくる可能性は十分にある。
「新型大国関係」は日本やアジア諸国にとっては死活的意味を持つ。西太平洋が中国の覇権に組み込まれると、日本は中国が決めるルールに従わざるを得なくなる。当然、日米同盟は空洞化する。
最悪の場合、日本は事実上の中国冊封体制下に置かれ、日本のチベット化が始まる。これは悪夢に違いない。これが杞憂に過ぎるよう、日本はあらゆる手を尽くさねばならない。
「安保は満額回答」などと浮かれている場合ではなく、このための「次の一手」を考えるのが今求められているのだ。
今後のアジアの情勢を占う時、カギとなるのが米中関係であることは間違いない。この成り行きによっては、日本は死活的影響を受ける。
習近平主席は、この秋の党大会で発足させる2期目体制の盤石化に向け、いかなる失点も許されないという局面にある。トランプ政権への対応については、慎重に検討しつつ、様子見の状態と言っていいだろう。
トランプ政権には対中強硬派が多く入閣している。だからといって希望的観測や楽観的予断は許されない。米国の対中外交の成り行きにまかせるというこれまでのような受動的対応では覚束ない。手遅れになってからでは遅いのだ。
繰り返すが危機管理の要諦は「最悪に備えて準備せよ」である。最悪のシナリオにならぬよう、首脳会談で得た成果を梃に、「次の一手」を考え、能動的に行動することが必要である。
重要なポイントは、米中関係の緊張を保たせるよう努めつつ、さりとて武力衝突にはさせないことだ。この微妙なバランスをコントロールするイニシアティブが日本に求められている。
これまでのような受動的態度から脱皮し、米国の対中政策形成に積極的に関与することにより、日本に有利なアジア情勢を創成していく気構えと姿勢が求められている。
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