『中国不動産大手・恒大集団の創業者連行、習近平の経済失政のスケープゴートに 海外への資金移動疑惑、政敵の排除に利用されたか』(10/6JBプレス 福島香織)について

10/5The Gateway Pundit<JUST IN: Trump Considers Trip to Capitol Ahead of Speaker Vote: Report=速報:トランプ大統領、下院議長投票の前に議会議事堂訪問を検討:レポート>

トランプは本気かどうか分からない。

ポリティコは次のように報じた

内部議論に詳しい共和党員によると、ドナルド・トランプ前大統領は来週議会議事堂を訪問し、議長候補として自らを売り込むことに前向きであると検討しているという。

同関係者によると、実現すればトランプ大統領は水曜日に予定されている院内議長選挙の前に下院共和党で演説することになるだろう。最終的な決定はまだ下されていない。共和党全党は火曜日に党内「候補者フォーラム」のために会合する。

2024年の大統領予備選の最有力候補であるトランプ氏が実際に議長に立候補するかどうかは不明だ。勝利には下院共和党のほぼ全会一致が必要となるが、物議をかもしている元大統領にとってはハードルが高い。彼に最も近い議会の盟友の一人であるジム・ジョーダン下院司法委員長はすでに選挙戦に参加している。(ジョーダンはNBCに対し、今週トランプ大統領と議長就任について話し合った、と語った。)

https://www.thegatewaypundit.com/2023/10/just-trump-considers-trip-capitol-ahead-speaker-vote/

10/5Fox News<DONALD TRUMP Trump would accept House speakership for a ‘short period’ while Republicans decide on a permanent replacement Trump told Fox News Digital he would serve as a ‘unifier’ until Republicans can rally around a new speaker=トランプ大統領は「短期間」の下院議長職を受け入れるだろう。一方、共和党は恒久的な交代を決定するだろう。トランプ大統領は FOXニュースデジタルに対し、共和党が新たな議長を擁立するまで「まとめ役」を果たすつもりだと語った。>

マッカーシー氏の追放以来、下院司法委員会委員長のジム・ジョーダン氏(共和党、オハイオ州)と下院院内総務のスティーブ・スカリス氏(共和党、オハイオ州)が議長に出馬を表明している。

トランプ大統領は、共和党が合意に達しない場合には、「30日、60日、または90日」 の短期間の任務に就くつもりだと強調した。

https://www.foxnews.com/politics/trump-accept-speakership-for-short-period-republicans-decide-permanent-replacement

10/5希望之声<有人提议川普参选众院议长 川普:注意力在竞选总统上=誰かはトランプが下院議長に立候補することを提案した トランプ:大統領に立候補することに集中>下院は現在、マッカーシーの盟友パトリック・マクヘンリーが暫定議長を務めている。ジョーダンに加えて、共和党院内総務スティーブ・スカリス、オクラホマ州下院議員ケビン・ハーン、ミネソタ州下院議員のトム・エマーも立候補を表明している。

注目すべきは、ジョーダンが所属する司法委員会は共和党の調査を推進する上で非常に重要な機関であり、バイデン一家に対する弾劾調査を行っている3つの委員会のうちの1つでもある。

ジョーダンは共和党の同僚に宛てた書簡で自身の主張を述べた。同氏は、「我々は国の歴史の中で重大な岐路に立たされている。我々『共和党会議』が団結して、米国民との約束を守る時が来た。我々が直面している問題は課題に満ちているが、克服できないものではない。我々はこの国をより良くするための変化に注力し、真の解決策を提供するために団結すべきである。何をするにしても、我々全員が一つになってそれをやらなければならない。私が下院議長になれるよう支援をお願いいたします」と語った。

ある分析では、ジョーダンは共和党の右派の保守派や他の人、マッカーシーの解任を推し進めたゲイツから支持を受ける可能性があると指摘した。 ゲイツは X上で「ジム・ジョーダンは素晴らしい!もしジョーダンが立候補すれば、彼は私の『第一候補』になるだろう」と返答した。しかし、ジョーダンが穏健派の支持を獲得できるかどうかはまだ不透明だ。

スカリスも人気のある候補者で、共和党の「ナンバー2」の人物であり、党内での人気も高い。しかし、スカリスは癌を患っており、その健康問題が障碍になっている。下院共和党は来週火曜日(10/10)に候補者フォーラムを開催し、翌日に議長選挙を実施する予定だ。

さらに、多くの共和党議員はトランプを次期下院議長に指名する予定である。トランプ自身もこの可能性を排除していない。トランプ大統領は4日朝、記者団に対し「多くの人が私に電話をかけて来た。言えることは、国、共和党、国民にとって最善のことは何でもするということだ」と語った。さらに、「私の全焦点は大統領に立候補することだ」。また、共和党にはこの仕事ができる「非常に優れた人材」が他にもいるとも述べた。

この点に関して、米国の常識の学者の方偉は、トランプが議長になることは理論的には可能だが、個人的にはトランプは立候補しないと考えていると述べた。「なぜなら、トランプを支持する人の数は現在、100%ではなく60%から70%だから。したがって、221票のうち、5票失うと当選できなくなる。そして、共和党内にはトランプでは我慢できない人がやはりいる。第二に、トランプは大統領になりたいと考えているが、この仕事でのエネルギーはないかもしれない」

https://www.soundofhope.org/post/759871

10/6阿波羅新聞網<危险!解放军报无意中透露3个重要信号=危険!解放軍報が意識せず 3つの重要なシグナルを明らかにした>解放軍報の「ここに三百両の銀はない」によれば、次のように要約できる:1) 習近平の軍部の大規模な粛清は戦争と関連している;2) 習近平はしっかりと軍部を統制していない。故に屡々絶対忠誠を強調する;3)習の軍の粛清は今回で最後ではない、虐め続けるほど軍内の恨みは深まり、軍はさらに不安定になって、彼はより多くの粛清をしなければならなくなる。

https://www.aboluowang.com/2023/1006/1962345.html

10/6阿波羅新聞網<习普生嫌隙?普里戈津与中国公司的一份合同…=習とプーチンの間に亀裂はあるのか? プリゴジンと中国企業との間の契約・・・>フランス通信社はついにワグナーと衛星情報を提供した中国企業との関係を明らかにした。ある欧州の安全保障関係者によると、画像の一部はプリゴジンが6月のクーデターに備えて使用したこともあったという。フランス通信社は、これは次の疑問を引き起こすと述べた:北京はプーチンに対するワーグナーの反乱についてどの程度事情を知っていたのか?

中ロ関係がおかしくなるのは良いこと。

https://www.aboluowang.com/2023/1006/1962334.html

10/6阿波羅新聞網<中国要开始戳破房地产泡沫了 从这两点看出已迈出第一步—中国要开始戳破房地产泡沫了 谢金河说从这两点看出已迈出第一=中国は不動産バブルを崩壊させようとしている。 この 2つの点から、最初の一歩を踏み出したことがわかる。–中国が不動産バブルを崩壊させようとしている。 謝金河はこの 2つの点から、最初の一歩を踏み出したという。>

財信メデイアの会長、謝金河はFacebookに投稿し、「Douyinはめったに見ないが、ここ数日はDouyinのスペースをほぼ見尽くしていることに気づいた。報道の注目点は2つだけだ。1つは恒大の許家印で、台頭から資産の空っぽ化、海外への資金移転が明確に説明されている。もう一つは、中植企業集団の爆雷であり、毛阿敏の台頭、夫・解直錕のヨガの練習中に突然の死、中植システム全体から、15万人の著名投資家の損失に至るまで、すべてが明確に述べられている」。彼は、「Douyinには政策推進の任務があり、これは中央政府がDouyinを通じて国民に重要なメッセージを伝えることに相当し、中央政府は不動産バブルに穴をあける取り組みの準備を進めている」と述べた。

中国経済に依存している日本企業の株価は急落するでしょう。

https://www.aboluowang.com/2023/1006/1962261.html

https://twitter.com/i/status/1708996209392717983

何清漣 @HeQinglian 10時間

調査結果は、ウクライナへの軍事援助に対する米国民の支持率が下っていることを示している https://rfi.my/9zex.X @RFI_Cn経由

ロイター/イプソスの世論調査によると、米国政府が「ウクライナに武器を供与すべきだ」という質問に同意したのは回答者のわずか41%で、35%が反対し、残りは確信がなかった。

5月の調査では、米国人の46%が武器輸送を支持し、29%が反対していた。 … もっと見る

何清漣が再投稿

全メディア日報/全メディアニュースチャンネル QM ニュース @cheyennexli 20h

ドキュメンタリー『警察国家』は10/23、25に米国の劇場で公開される。

この映画は、米国における連邦権力の急劇な拡大と市民の自由を荒々しく剥奪した記録を映している。我々が知っている米国は、我々の目の前で急速に消え去ろうとしている・・・

引用

Dinesh D’Souza @DineshDSouza 10月3日

「警察国家」の公式予告編はこちら。ぜひ視聴して共有してください。映画は 10 / 23 、 25に劇場公開される。バーチャルプレミアは 10/27(金)である。すべてのチケットは http://policestatefilm.net で。

https://twitter.com/i/status/1709539051345240155

何清漣 @HeQinglian 7分

首相は就任以来、ようやく常識的なことを言った。

【英国のスナク首相は、「男性は男性であり、女性は女性である。それは単なる常識だ」、「いじめられたり、人々がなりたい性別になれると信じ込ませたりすべきではない」と述べた。 】

AIではなくBBCである。 私の疑問は、英国は脱米するのかということである。

引用

BBC政治、@BBCPolitics、10月4日

「人はなりたい性別になれる」と信じ込まされて「いじめられるべきではない」

「男性は男性であり、女性は女性である、それは単なる常識である」とリシ・スナック首相は言う。

ライブをフォロー https://bbc.in/3rLuHjj

何清漣 @HeQinglian 8時間

民主党はカリフォルニア州で永久に権力を握り、連邦議会を支配することになる。

カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムは10/4、州内の郡で手作業での投票集計を制限する法案に署名した。 1年前にもならないときに、北部郡管理委員会はドミニオン・ボーティング・システムズとの契約を破棄し、手作業で票を数えることを決定した。

https://abcnews.go.com/Politics/bill-limiting-ballot-hand-counting-california-law-county/story?id=103741610… もっと見る

何清漣 @HeQinglian 3時間

米国では毎日いろんなことが起こり、それをタイムリーに報じる中国メディアもあれば、全く報じない中国メディアもある。

マッカーシーは議長から解任されたが、中国側はこれが混乱の始まりだと考えた。

ウクライナ大統領夫人がカルティエ店で110万ドル相当の宝飾品を購入したことを中国メディアが即座に報じた。

カリフォルニア州のニューサム知事は法律で手動計票を禁止しており、同州は依然としてドミニオンシステムを使用しているが、中国は報道していない。・・・もっと見る

これがInstagramユーザー “Gorgeous”が投稿した写真。9月NYのカルチエ店でオレナ・ゼレンスカヤが購入した明細の写真。中国発情報だから、本当かどうか分からない。

網易新聞<豪掷百万美元!乌克兰总统夫人在美国买珠宝,用了谁的钱?>

https://c.m.163.com/news/a/IGAPRCRV05149M1D.html

福島氏の記事で、「恒大帝国の崩壊は、まわりまわって習近平王朝、あるいは共産党帝国の崩壊につながることになるかもしれない」と。是非、邪悪な共産党が崩壊してくれることを望みます。ただ、死なばもろとも式で台湾侵攻されるのは困りますが。

中国の苦境は総て簡単に解決できるものではない。人事の粛清をすれば、躺平族が増えるし、軍のクーデターにもつながるでしょう。日本は逃れてくる人たちの対策を考えて準備しておかないと。泥縄になる。

記事

中国不動産大手・恒大集団の創業者が警察に連行された(写真:CFoto/アフロ)

  • 中国の不動産大手・恒大集団の創業者である許家印が9月27日、警察に連行された。これに前後して、幹部のほとんどが身柄を拘束されたという。
  • 金融システムに与える影響の大きさを懸念し「大きすぎて倒せない」と言われてきたが、創業者連行などの背景には海外への資金移動疑惑や、政敵の排除に利用されたとの説がある。
  • だが、不動産バブルの崩壊をはじめ中国経済は失策続きで、習近平が自らの失敗のスケープゴートにしようとしているという見方が妥当だろう。

(福島 香織:ジャーナリスト)

【関連記事】
「次は李強首相」との噂がにわかに拡散、中国・習近平の大粛清時代に突入か(9月30日付、JBpress)

中国の民営不動産デベロッパー大手である恒大集団の創業者・許家印が9月27日、警察に連行された。その後の米ウォールストリート・ジャーナルの報道によれば、資産を海外に移動した容疑がかけられているようだ。

許家印はパスポートと身分証を警察に提出させられ、出国禁止措置のうえ誰とも面会や連絡ができない状況にあるという。中国のポータルサイト「捜狐」のニュースでは、許家印が手錠をかけられて連行されたという目撃証言もある。許家印連行に前後して、恒大集団幹部のほとんどが相次いで身柄を拘束されている。国家主席の習近平はついに、恒大集団をつぶす決断をしたのだろうか。

恒大集団は、習近平が2020年に開始した過激な「不動産バブル退治政策・3つの紅線」で、2021年にデフォルトに直面した。しかし、破産することも許されなかった。

同社には、顧客から前金を受け取りながら資金ショートし、工事が中断したままの野ざらし状態で引き渡しができない未完成物件「爛尾楼」が大量にあった。許家印ら幹部は、これらをなんとしても完成させて3年以内に顧客に引き渡す「保交楼」任務の責任を負わされていた。それが今になって、ほぼ全員警察に身柄を拘束された理由は何だろうか。

かつてアジア第一の富豪とよばれた許家印が今陥っている真の苦境の背後について分析してみたい。

幹部の身柄拘束が相次ぐ

許家印拘束の直前にあたる9月24日に財新ネットが、恒大のナンバー2、前最高経営責任者(CEO)の夏海鈞と最高財務責任者(CFO)の潘大栄が連行されたと報じていた。今年1月には、恒大集団元総裁の柯鵬が警察に連行された。

警察に連行された中国の不動産大手・恒大集団の創業者である許家印氏(2017年3月資料写真:ロイター/アフロ)

また、許家印の金庫番とみなされていた、融資担当の恒大財富総経理の杜亮ら幹部も9月16日に深圳公安当局に連行された。恒大人寿元会長の朱加麟も同21日に連行された。許家印の二男で恒大財富元総経理の許騰鶴も身柄を拘束されているそうだ。

このことから恒大の融資ルートに何らかの疑惑があると当局からみなされていると想像されていた。恒大は約162万戸相当の未完成不動産を抱えていた。これを完成させて顧客に引き渡す「保交楼」の任務を全うするまで、習近平は恒大を倒産させないつもりであると言われていた。

不動産引き渡しを行えず恒大が倒産すれば、未完不動産購入のために顧客が銀行で組んだ不動産ローンが返済されず、銀行システムの破綻に広がり、大きな社会不安を引き起こす可能性があるからだった。これが「恒大は大きすぎて倒せない(倒産させると社会不安が起きる)」と言われた1つの背景だ。

だが、同時に恒大集団への融資については国内で依然として厳しい制限があり、資金調達ができないのにどうやって保交楼任務を完遂するのか、という点も注目されていた。

恒大は債務再編にむけて、負債を子会社の新株に転嫁し、中東の新エネ車企業に引き受けてもらう計画をたて、そのために8月には米国で破産保護申請を申し立てていた。

杜亮らが警察に連行されたので、9月22日に予定されていた債務再編会議が延期になり、恒大は同24日の公告で、新規の債券の発行資格を満たすことができなかったと発表。中国内外メディアはこの状況について「恒大の命脈が尽きたようだ」と分析していた。

9月27日、香港市場の恒大株は19%暴落。同28日には香港市場での恒大集団の株式取引がいったん停止となり、10月3日に取引が再開されたときは、「ペニー株」となっていたので、投機筋が買いあさり一時株価は42%上昇という現象も起きた。

疑問なのは、今まで恒大をつぶさず、延命を許してきたのに、なぜ今のタイミングで、習近平政権は恒大の息の根を止める判断に動いているのだろうか。恒大の保交楼が完遂できなければ社会不安が起きるから、恒大を破産させず許家印の延命を許してきたのではなかったのか。

マネーロンダリングのスキームを活用したか

ここで元経済記者で在米華人中国問題研究者でもある何清漣の分析が興味深い。

恒大が習近平の要請する『保交楼』政策を完遂するためには、銀行からさらに2500億元から3000億元を借りなければならなかった。そのカネはどこから引っ張るのかと考えたとき、許家印は海外で資金調達をする方法を、2014年から導入されている『内保外貸』(クロスボーダー保証外貨管理規定)を利用することで実現しようとしたのではないか、という。

内保外貸とは簡単にいえば、中国国内の不動産などを担保に、外国の金融機関から融資を受ける方法だ。中国の金融機関に不動産を担保にして、海外の銀行に対する担保保証を発行してもらう。外国の銀行が中国国内の不動産を抵当にして融資する場合、本来ならその融資が焦げ付いても、その担保清算の強制執行を行うことはできない。これを中国の銀行が責任をもってこの担保物件を清算することを保証し、中国の銀行が先に外国の金融機関に融資分の金額を返済し、あとで担保を強制差し押さえして清算する。

だが、この方法は実は、マネーロンダリングや資金移動の常套(じょうとう)手段に使われていた。

たとえばある人物が、上海の不動産3000万人民元相当を上海A銀行に抵当に入れ、その後上海A銀行が米国B銀行にクロスボーダー保証を発行する。A銀行はこの人物が抵当に入れた3000万人民元相当の不動産の7割の2100万人民元相当の外貨融資の保証を米国B銀行に対して行い、B銀行はその人物にドル建てで融資する。その人物が期日までに返済しなかった場合、上海A銀行が米国B銀行に2100万元相当ドルを支払うと同時に、担保の不動産清算の強制執行を求める訴訟を地元の裁判所に起こすことができる。

その不動産を清算すると約3割分の金が上海A銀行に入る。米国B銀行は元金を保証してもらえる。そして、上海にあった不動産は、事実上換金されて米国に移動したことになる。

創業者個人が海外に資金移動?

本来は、中国企業の海外進出を後押しする制度だが、融資を受ける人物と上海A銀行が結託すれば、国内の不動産資産を換金して海外に移動する手口にも利用できた。

ちなみに融資を受けた人物が米国で破産保護申請をすれば、担保とされた上海の不動産を上海A銀行が強制的に清算することもできなくなる。

もし許家印が、保交楼完遂のためにこのやり方を使おうとしたのだとしても、習近平の目には、許家印が個人資産を米国に移動したのではないか、と映ったのかもしれない。

折しも、許家印が秘密裏に離婚し、その妻・丁玉梅はすでに中国を脱出していると言われている。資産の海外移転をもくろんだと疑われる動きだ。

恒大は2022年末、その負債総額は2.44兆元にのぼり、新中国の経済史上、最大規模の負債総額を記録した。ウォール街の人々は、恒大がプライベートエクイティファンドで集めた190億ドルのドル建て債券がデフォルトの危機に直面するも、恒大は世界の銀行から中国国内にもつ不動産を担保にカネを借り続けることができ、株主にも配当を続けることができたことを不思議に思っていた。こうしたことが許されてきたのは、恒大をつぶすと社会不安が起きるという言い訳のほかに、許家印の政治的パトロンの影響力の大きさだという人もいる。

習近平の政敵排除のため、との見方も

許家印や恒大集団を「ホワイトグローブ」(資金洗浄代行者)に利用してきたのが、太子党の権貴族(資本を持った権力者、あるいは権力と結びついた資本家の総称)らとされる。その代表格が曽慶紅ファミリー、つまり習近平にとっての最大の政敵だというわけだ。

こう考えると、許家印連行が今行われた理由は以下のように想像される。

(1)許家印が表向き、習近平の指示に従って保交楼完遂を目指して努力しているふりをしていたが実はひそかに海外への資産移動をたくらんでいたことがばれた。

(2)長年続いていた習近平vs曽慶紅ファミリーの権力闘争がいよいよ大詰めとなり、曽慶紅ファミリーの最大の弱点となる許家印の身柄を押さえる段階に入った。

だが、さらになぜ今のタイミングなのか、ということに注目して考えると、やはり、今の中国の深刻な経済苦境が関与しているのではないか、と私は想像する。

習近平は8月の秘密会議、北戴河会議の場で、曽慶紅や遅浩田ら長老たちから、その失策の責任を問われて、側近部下たちに逆切れしたという話が伝わっている。今の中国党内では、誰の目から見ても明らかな経済政策の失敗、不動産市場救済の失敗について、その責任の押し付け合いが起きていると想像される。

長老の間でも、官僚の間でも、そして民間社会の間でもじわじわと、習近平の失敗ではないかという空気が濃くなっている。なぜなら習近平は唯一無二の独裁者であり、すべての政策の最終決定権は習近平一人が握っているのだ。

習近平の責任転嫁か

習近平は自分に矛先が向きつつあることを知って、誰かにその責任を転嫁させたい。そのスケープゴートが、アジアの大富豪として名の知れ渡った許家印と恒大集団幹部だということかもしれない。

許家印の資産は、かつて最高453億ドルといわれたが、2022年末の段階で43億ドルに縮小している。それでも43億ドルの資産とは、庶民からみれば目の飛び出るものだ。

許家印を経済犯罪で有罪にすれば、この資産は没収できる。さらには、長い拘束期間中に、脅し責めさいなみ、海外にすでに移転済みの資産の在りかを吐かせて国内に差し戻すこともできよう。うまくいけば、習近平の政敵の曽慶紅の海外資産やその移転プロセスの証拠を出させて、政敵を完全に潰すこともできるかもしれない。

保交楼完遂で162万世帯ていどの人民を喜ばせるよりも、こちらの方が習近平にとっては政治的利益が大きいかもしれない。

許家印は森林伐採従事の貧しい農民家庭に生まれ、早くに母を亡くし、孤独と極貧の中で苦学して大学に行き、国有鉄鋼企業に勤めたのち、改革開放の波に乗って起業。そこからアジア屈指の大富豪となり、全国政協委員を連続して務め、中国政商両界に幅広い人脈を持つようになった。

最盛期のときは、省レベルの書記や省長クラスの官僚より許家印のほうが党内では上位にあり、習近平の秘書にも直接電話できたとか。許家印は習近平におもねり、「恒大は党の恒大だ」「私と恒大のすべては党にささげている」などと発言していた。

そんなチャイナドリームの体現者、党員の鑑のような許家印が、党中央の経済失政のスケープゴートにされたということは、それは鄧小平以降、胡錦濤時代まで続いた、党中央と民営企業の蜜月時代の終わりを告げる晩鐘ではなかろうか。

権貴政治の終わり?

習近平の中国は、党中央の権力と民営企業が結びつく権貴政治を完全に終え、共同富裕社会という名の社会主義経済の原則に立ち戻るということかもしれない。

だが、その方向性は、中国が現在直面する経済低迷、地方財政問題、不動産市場の混乱を救済するものではなく、むしろ50年代、60年代、70年代の中国が味わった飢えによって人が死ぬレベルの貧しい時代への回帰を意味するものかもしれない。もし、そうなると思ったとき、多くの官僚、企業、人民はいくら恐怖政治下にあってもそれに黙って従うだろうか。

恒大帝国の崩壊は、まわりまわって習近平王朝、あるいは共産党帝国の崩壊につながることになるかもしれない。

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