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『日本の将来に禍根を残す中国人へのビザ緩和 フィリピン人、ブラジル人とは全く異なる彼らの行動様式を直視せよ』(10/7JBプレス 森清勇)について

日本は外国に対して、本当に危機感の無い国だというのが分かります。反日教育をしている中国・韓国に対して自由に日本に入れるようヴィザ緩和し、かつ研修生名目や農業に対する外国人門戸開放とかセキュリテイに対する配慮が全然なされません。外国に暮らしたことが無い人間が政策を決めているのか、外国の侵略の手先として動いているのかが分かりませんけど。

タイのブミポン国王の容体が悪いようで、ここでもネパールと同じことが起こりうるかも知れません。タクシン(華僑の末裔)が中共の思惑通り動いていた可能性はあります。崩御後はタクシン・インラックVS国王派の戦いになるのかも。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161012/k10010726511000.html

中国は国防動員法ができてからは、国外にいる中国人に忠誠を誓わせることはおろか、中国国内の外資企業にも徴用を誓わせています。流石、一党独裁・共産主義国です。軍事独裁と言ってもいいでしょう。こんな国が日本を軍事国家呼ばわりし、それに手もなく乗せられてしまう多くの日本人がいることが残念です。平和ボケもいい加減に止めないと、と思うのですが、年寄りは刷り込まれたことがなかなか変えられません。小生のように中国に駐在し、中国人の腹黒さを目の当たりに見れば違うと思うのですが。世代交代しないと治らないのでしょう。昭和天皇は敗戦後「日本を立て直すのに300年かかる」と仰いましたが、そんな悠長なことは言っていられません。中国の毒牙にしてやられてしまいます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%98%B2%E5%8B%95%E5%93%A1%E6%B3%95

日本で買った不動産は戦争状態になれば資産接収すれば良いと思います。その代り、中国にある日本企業の資産(不動産は所有権を持たず、使用権のみ)は没収されるでしょうけど。早く撤退した方が良いでしょう。日本の経営者は先見の明がないですね。ただ、日本にいる中国人は送還するでしょうが、中国に居る日本人は人質にされる可能性が高いでしょう。ITが発達したこの時代にそんなことはできないと日本人は思いがちですが、中国人にとって都合の悪いことは隠し通すのが彼らの性癖ですから。また帰化した中国系日本人も大陸に親戚をのこしていますので監視が必要です。勿論石平氏のように日本人以上に日本人の方もいますので、総てではなく不断の言動で判断すべきです。

記事

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都内で日中韓外相会談を行った岸田外相(中)、中国の王毅外相(左)、韓国の尹炳世外相(右、2016年8月24日撮影)〔AFPBB News

始皇帝は日出る蓬莱島に不老長寿の仙薬を求めて徐福を遣わした。今日は共産党指導部が中国系資本で瑞穂の国にやって来て、水などを求めて山林などを買い漁っている。

活用されていない離島や、人手も足りず買い手もなくて困っていた土地や山林所有者にとっては、有り難い上客、それが中国系資本である。

買い漁られている土地や山林は、個々には何の関連もなさそうであるが、近々100年の中国の動きに照らして眺めると、後日内乱を誘発するための行動拠点であり、また下流域の住民の死活を制する水源など、国家挙げての戦略が隠されていると見るべきであろう。

対日工作文書が中日文化交流協会などに対し、「純然たる奉仕に終始し、いささかも政治工作、思想工作、宣伝工作、組織工作を行ってはならない」と念を押していた手法そのものである。

土地や山林の買収も、「買ってやる」恩義を感じさせる私人や企業の営業的意志もさることながら、スパイなども暗躍する国家意思によるところが大きいと見なければならない。

農業や企業が受け入れる技能実習や留学生に対しても、日本人は純粋に技能の習得・伝授や向学心の視点からしか見ないだろうが、中国の場合は、共産党や在日中国大使館の指令下で、日本革命を目指していると見なければならない。

日本とも交流の深いタイ王国であるが、2001年のタクシン政権発足を発端に、「体制を揺るがすほどの深刻な政治的混乱が絶えない」。「中国がタイ王国の内乱への関与を認めるわけがないが、タイの王制を揺るがす混乱は、どう見ても中国の影が濃厚」であり、「タイ工作の最終目標がもし万一、タイの王制を廃絶することにあるならことは重大」で、「これはわが国にとっても他人事ではない」(関岡英之『中国を拒否できない日本』)のである。

水の枯渇で砂漠化する中国

日本人がODA(政府開発援助)で中国において植林支援を行っているが、中国人自身が植林の必要性を理解し、日本の植樹祭のように国家プロジェクトとして努力しなければ何の効果もない。

余計なお世話だろうが、人民解放軍(200万人)だけでなく、予備兵力(50万人余)、武警(70万人弱)、民兵(800万人)などを動員すれば、かなりの植林ができよう。

これまでの中国(人)は植林以上に伐採するので、国土全体としてはどんどん山林面積が少なくなり砂漠化・乾燥化してきた。その揚げ句、水資源を外国に求め、あるいは、下流に恩恵に与るべき水源を抑えて、自国の欲求のみを満たそうという姑息が目立つ。

かつて杜甫は自国を「城春にして草木深し」と詠んだが、今では中国の森林率は21.9%(日本は68.52%、世界平均は30.3%)でしかない。

森林が遍在しているとされる四川省でも1950年代は3年に1度の旱魃が、70年代には10年間に8回も起き、近年はほぼ毎年起きていると報じられる。

千湖の省と言われた湖北省には、建国時(1946年)は正しく1066湖あったが、81年には309湖に減ってしまったという。近年の報道では洞庭湖の5分の3は干拓され、鄱陽湖も半分が干拓され、湖底は年々3メートルも上昇して消失が懸念されている。

中国政府は河南の揚子江から大運河で北部に水を流す「南水北調」の大プロジェクトを進めているが、上述のように南部自体が枯渇しつつある。

インドシナ半島のタイ、カンボジア、ラオス、ベトナムを潤すメコン川、および南アジアのインド、バングラデシュを流れるブラマプトラ川にダムを造ってせき止め、下流の国々から問題提起されている。

日本の水源が狙われても不思議ではない。人里離れた北海道や和歌山県の山奥の買収は、水源確保の目的があるに違いない。メコン川などの事例からは、途中でせき止められ、根こそぎ持って行かれるかもしれない。

そうなると、下流に生きる村々や田畑が荒廃し、あるいは寒村・廃村の憂き目に遭うこと必定ではないだろうか。

日本では水源は下流に住む皆を潤す共同の恵みであり、決して独占したりはしない。しかし、中国人は違う。ウイグルで中国が行ったこと、またチベットに源流を持つメコン川やブラマプトラ川で行っていることからは、下流域に枯渇をもたらしても、自分たちが独占する意識しかない。

チベットやウイグルの二の舞?

フランスで起きたテロを契機にして、中国はテロ撲滅で国際協力をすることを口実に、自治区や少数民族の監視を強化していると報道されている。

2016年1月来日したチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相は、近年、生体認証機能のあるIDカードの所持をチベット人に義務づけ、「中国当局が移動を厳しく管理して、政治活動を制限している」(「産経新聞」平成28.1.10)との認識を示している。

また、チベット高原の気温が世界平均の2~3倍のペースで上昇し、氷河消失が加速しており、「アジアの水源が深刻な危機に瀕している」と語り、原因は「中国政府によるインフラ整備や資源開発、人口流入」などであるという。

チベットは先述のメコン川とブラマプトラ川の水源である。中国がチベットを手放すはずがないとみられる大きな要因でもあろう。

中華人民共和国が成立して2年後に、中国は人民解放軍を進駐させる。その5年後に自治区準備委員会を発足させ、武力鎮圧を進めている。

中華人民共和国が成立する年に、東トルキスタン(現在の新疆ウイグル自治区)共和国政府の首脳陣が飛行機事故で死亡する。時を移さず人民解放軍が進駐し、共産党の実効支配がスタートする。

その5年後、進駐していた「西北野戦軍第一兵団」の退役軍人を中心に屯田軍事組織「新疆生産建設兵団」を発足させ、主要都市と主な水源地に配置する。

平時は役所や企業に勤務し、また農場を経営するが、いったん有事になると武器を取り、ウイグル人を鎮圧する予備役の大集団である。

南モンゴルでは1936年、毛沢東がモンゴル独自の国家・政府を樹立することを支持表明し、チンギス・ハーンの後裔である徳王の蒙古軍政府が、中華人民共和国成立後もやや距離を置いた状態で形を変えながら存続する。

しかし、1966年に徳王が死去すると、中国政府と中国人主導のモンゴル人ジェノサイドを開始する。69年、北京軍区が「内モンゴル生産兵団」を成立させ、草原開拓を推進し、環境破壊が進む。その半年後、モンゴル自治区は軍事管理下に置かれた。

研修生らはトロイの木馬?

「朝日新聞」(2010.4.26)に、中国の雲南省大理自治州から日本へ来る研修生(現在は特定活動と一体で技能実習というが、そのまま使用する)のルポがある。発展する中国沿岸部からの研修生は減る一方であるが、就職難の内陸部からの若者は増えているという。

研修生を求めて徳島県からやって来た農家の主人は、研修生約20人の中から最も好感を持った19歳の女性を選ぶ。山奥で暮らしているので足腰は強く、真面目な両親の娘だからしっかりしている、とべた褒めである。

派遣会社が労働者を海外派遣すると、国、省、地元州、それぞれの政府から会社に報奨金が出るという。社長は雲南省(人口約4500万人)からの派遣は始まったばかりで、研修生になる可能性がある人材は200万人おり、10~20年は続くとみている。

韓国や中東にも研修生を出すが日本の待遇が一番良いそうで、2003年に開業して以来、静岡や千葉などに約300人の研修生を派遣しているという。

このように、日本は農業や企業で中国の若者を研修生として受け入れ、労働力であると共に日本の理解者になってくれると単純に考えている。

しかし、こうした若者たちは中国共産党指導部の愛国心高揚策から、反日教育を受け、30万~40万人の市民を南京で大虐殺した、あるいは20万人の慰安婦を性奴隷にした悪徳な犯罪国家・日本というイメージを焼きつけられている。

個人個人は国家を感じさせる行動は取らないかもしれないが、北京オリンピック時の長野トーチ・リレーや福島原発事故で見せた集団行動のように、一朝ことがあるときは、日本に弊害をもたらしかねない若者でもある。

日本は農業や製造業で働く研修生を2008年は約10万2000人受け入れ、うち約7割の6万9000人が中国人であった。しかし、リーマン・ショックや福島原発事故が起きた時など、入国者が急減したり、一斉に引き上げたりするので日本は著しい影響を受けてきた。

ここ数年の中国人技能実習は4万人前後であるが、行方不明者が2012年度(1532人x0.7)1072人、13年度(2822人×0.7)1975人、14年度(3139人×0.7)2197人くらい出ているとみられる。

派遣会社社長は「日本に行けば、どんなに辛くてもやめられない。雇い主に服従する労働者の本分をしっかり理解させる」と強調し、出国前に3~4か月の合宿を行い、自己を厳しく律する訓練をするという。

礼儀作法や日本語も教えるが、合間には人民解放軍から派遣された教官の指導で、迷彩服を着て軍事訓練も受けている。

一地方の報道でしかないが、関岡英之氏は派遣事業が国策化し、軍事訓練までも受けていることから、「事実上、屯田兵すなわち『日本生産建設兵団』の要員の募集、養成、派兵制度ではないか」と訝り、「かつて東トルキスタンで起きたこと、そして王政が廃絶されたネパールや、王政が危殆に瀕するタイ王国で起きていることを思い起こせば、いくら警戒してもし過ぎることはない」と忠告する(『中国を拒否できない日本』)。

国防動員法公布直後の状況

2010年2月26日に国防動員法が成立し、7月1日に施行された。その間の3月1日には海島保護法を施行し、退役艦艇を漁業監視船に改造して無人島周辺の巡視を始めている。

この前後から、日本での山林等の買い漁りが目立つようになったと言われる。国防動員法公布後の中国の動きをざっと見ると以下の通りである。

4月8日:艦載ヘリコプターが海上自衛隊護衛艦に異常接近 4月10日:艦艇10隻が沖縄本島と宮古島間の公海を通過、潜水艦も浮上して示威行動 4月12日:鳩山由紀夫首相、ワシントンでの日中首脳会談で抗議せず 4月21日:艦載ヘリ、海自護衛艦を2周旋回して挑発行為をする 5月3日:海洋局監視船、奄美大島沖のEEZ内で海保の測量船に作業中止を要求して、4時間にわたり追跡

5月中旬:中国各地の外資系企業で賃上げ要求スト(広東省仏山のホンダ部品工場が皮切り) 7月1日:国防動員法施行、日本がビザを中流層まで緩和 9月7日:領海12カイリ内で操業中の中国漁船が、海保の巡視船に追突

このように、海自の護衛艦に示威・挑発行動を取り、領海侵入を警告する海保の巡視船に対して追突する行動に出たのである。

日本が船長を逮捕・拘留すると、事前に計画していたと思われるように、次から次に圧力をかけてきた。米国高官は「中国は日本を試した」と言ったそうである。

中国は国防動員法を補強する国防交通法を来年から施行する。「特殊な状況」と認定すれば、在中国日本企業の輸送手段も軍事目的に供出させられることになる。

おわりに

中国人へのビザはめまぐるしく緩和されてきた。ひとえに観光などで日本に来てもらいたいからである。しかし、富裕層が買い物でカネを落とすならばともかく、中流層の来日ではカネを落とすどころか、数次ビザを利用して、就職や永住権獲得目的で来日する者が増えていることが判明している。

来たる10月17日からは、商用目的や文化・知識人対象の数次ビザの有効期限が現行の5年から10年に延長される。同時に、学生らの個人観光ビザも申請手続きが簡略化される。只々入国者数の増加、3000万人目標を目指すビザの緩和である。

純粋に観光客などの増大に寄与するならば、取り立てて問題視することはない。

しかし、韓国人やフィリピン、ブラジル人などと違い、中国人の行動様式は全く異なり、日本の共産化を目指す中国共産党の意図が陰に陽に働いており、日本社会の安全・安定にかかわる大問題である。

中国大使館(東京)や名古屋・新潟総領事館の敷地が異常に広大であるばかりでなく、相互的である公館敷地は賃貸が基本であるが、中国に限って購入・所有している。

中国公館のある主要都市や、北海道や和歌山、その他全国にまたがる中国系資本で買い占めた山林の水源地を抑え、そうしたところに退役軍人や人民軍の教育・訓練を受けた技能実習や留学生、あるいは多数の行方不明者などが、「日本生産建設兵団」として活動すれば、ウイグルや内モンゴル、さらにはチベットの二の舞となること必定ではないだろうか。

まししてや、国防動員法の施行によって、平戦結合、軍民結合が可能になったときでもあり、内政・外交共に困難に直面しつつあるように思われる隣国である。

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『苦境の習主席、頻繁な軍視察の深い意味』(10/12日経)、『逮捕3回、服役23年「元・大富豪」の波乱万丈 3度目の釈放、75歳でなお捲土重来を期す』(10/7日経ビジネスオンライン 北村豊)について

10/10産経ニュースでは瀋陽軍区+北朝鮮VS習近平の構図で捉えています。中国が分裂した方が戦争は起こりにくいと思いますので、分裂に賛成ですが、中国の持つ債務や南シナ海の基地はどうなるのでしょうか?

http://www.sankei.com/premium/news/161010/prm1610100010-n1.html

また、北京の国防部前で元軍人がデモを行いました。軍規の乱れ、習近平に対する反感の表れと思います。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161012/k10010726471000.html

日経記事は、習近平は未だ軍権を確立していないという記事です。ですから冒険主義で臨む確率も高くなります。鄧小平が中越戦争を越したように、習近平も東シナ海か南シナ海で戦争を起こすかもしれません。油断大敵です。

北村氏記事は中国人のバイタリテイを垣間見せる記事です。政治と結びつかなければ、大きなビジネスができないのが中国です。でも足を引っ張る輩は必ずいて、落とし穴に嵌まる場合も多く、場合によっては命まで奪われてしまいます。それだけ生存競争が激しいという事です。大多数の日本人はこれが理解できません。賄賂を贈る方も受ける方も命懸けです。日本では社会的に非難される行為ですが、中国は社会にビルトインされている行為です。悪徳の栄える国に生まれなくて良かったとつくづく思います。

日経記事

最近、中国国家主席の習近平が、人民解放軍の視察を繰り返している。かなりの頻度だ。そこには今、習が置かれた厳しい環境も絡んでいる。

まず8月29日。習は、新設した「戦略支援部隊」の視察に訪れた。これは、杭州で開いた20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため北京を離れた9月3日の前だった。

戦略支援部隊は旧来の戦闘部隊ではなく、「未来の軍」といわれる。中国紙、環球時報のインターネット版などによると、戦略支援部隊は3つの部門で構成される。

(1)ハッキングに備えるインターネット軍=サイバー戦部隊

(2)偵察衛星や中国独自の衛星ナビゲーションシステム「北斗」を管轄する宇宙戦部隊

(3)敵のレーダーシステム・通信をかく乱する電子戦部隊

これらはすべて、南シナ海などで対峙する米国や、中国周辺部の局地戦において、きわめて需要な役割を果たすとみられる。

■戦略支援部隊、ロケット軍など次々

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新設した「戦略支援部隊」を視察し、幹部一人一人と握手する習近平国家主席(8月29日、国営中国中央テレビの映像から)

そして9月13日。習は中央軍事委員会の下に新設した「聯勤保障部隊」の設立大会に出席した。この組織と関係が深い旧総後勤部は伝統ある陸軍4総部の1つだったが、汚職の巣窟でもあった。すでに谷俊山・前副部長が断罪されている。

総後勤部は、習が推し進めた軍再編で後勤保障部に改編。その核心を担うのが聯勤保障部隊とされる。総合的に全軍を後方支援する兵站(へいたん)部門で、食糧供給や戦闘員の確保・投入のほか、軍事衛星・通信衛星と連動する衛星ナビゲーションシステム「北斗」の運用にも関わるという。

さらに9月26日。新設した「ロケット軍」を視察した。これは大陸間弾道弾を含む戦略・戦術ミサイル部隊だった「第2砲兵」を格上げし、陸海空の3軍と同格にしたものだ。ロケット軍は、近代戦の主役であるばかりではなく、戦略支援部隊と同じように宇宙戦の核心を担う。

10月11日。人民解放軍機関紙、解放軍報は1面で、前日に北京で全軍の重要会議が開かれたと報じた。「全軍大組織・軍事委員会機関各部門共産党委員会書記の専門会議」と称するものだ。習自身は出席しなかったが、軍事委主席として習が批准した会議であると、あえて冒頭で説明した。

会議のテーマは、前中央軍事委員会副主席で断罪された郭伯雄、徐才厚(故人)らが軍内に浸透させた腐敗という「毒」の流れを断つという、おどろおどろしいものだった。

■軍の足場固めの重要性認識

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習主席は軍再編で「ロケット軍」を新設した(2015年9月3日、北京の軍事パレードに登場した弾道ミサイル「東風21D」)

なぜ、こうも頻繁に習の軍視察や、習が指示した軍の会議があるのか。かつて毛沢東は「政権は銃口から生まれる」と説いた。苦しい場面で軍を視察し、みずからのバックに軍が控えているとアピールするのは、毛沢東以来のセオリーに沿った行動である。

習は、清華大学を出た後、国防相だった耿飆(こうひょう)の秘書として中央軍事委員会で働いた経験を持つ。“青年時代から軍歴がある”というのが、習の自慢だ。その自信もあってか、苦しい局面で、あえて軍を訪問してきた。

今年は、軍トップとして軍の一大再編も指揮した。しかも肝煎りの戦略支援部隊、ロケット軍などは、中国の将来の安全保障を担う核になる。習は、それを一気に作り上げた功績を掲げ、難局を乗り切り、来年の共産党大会に臨みたい。

これだけの仕事をしたのだから、本来、すでに足場は固まったはずだった。しかし、この中国で軍を完全に掌握するのはそう簡単ではない。なにせ無期懲役に追い込んだ郭伯雄、周永康(前最高指導部メンバー)の元部下や関係者は、なお軍や武装警察の組織内に潜んでいる。彼らは表向き習の命令を聞いたふりをしつつ抵抗している。

それだけではない。習の「反腐敗」で身動きが取りにくくなった官僚組織そのものが、裏であらがっている。その一端が、図らずも露呈した事件があった。

■抵抗の実相、赤裸々に語る学者ら

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無期懲役になった陸軍のボス、郭伯雄・前中央軍事委副主席(2012年11月の共産党大会で)

この夏から秋にかけて、著名な中国の国際政治学者が内部向けに語った講演内容が大きな話題になった。それは彼の専門領域の話ではなく、内政に関して指摘した部分だった。

「習近平は柔らかい抵抗にあっている」――。こう題した文章は、講演録を基に別の人物が書いて、中国の公式なインターネットサイト上に流布された。きわめて刺激的な内容だった。習がトップに就いた2012年から14年まで、苛烈な「反腐敗」運動の目新しさから大衆人気も盛り上がった。官僚らも文句を抱えながらも、従うしかなかった。

だが、15年に一変したという。「反腐敗」をはじめとする習の指示は、実際上無視された。聞くふりをして誰も聞いていない。そして誰も仕事をしないので、経済もどんどんおかしくなっている。こんな内容だ。それを「柔らかい抵抗」と表現している。門外漢の国際政治学者が赤裸々に述べただけに、迫真のルポのような面白さがある。

しかし、その内容は数時間以内に中国のインターネット、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)監視当局によって削除されてしまった。中国内の一般庶民に苦しい習を取り巻く実態が流布されてはまずい、との判断だった。講演内容はいくつかのサイト上で繰り返し流れたが、その都度削除されている。いたちごっこだ。

この2、3年、習はずっと胸突き八丁のつらい坂を上ってきたつもりだろう。そして「反腐敗」、軍再編など力業の結果、ようやく苦しい局面から抜けられるかと思っていたら、そうは問屋が卸さなかった。目の前に再び高い壁が現れたのだ。

動かぬ官僚、不透明な経済、口うるさい長老たち……。17年党大会の最高指導部人事に向けて、まだまだ楽はできない。習の頻繁な軍視察は、政治情勢の厳しさを認識する彼の危機感の表れだろう。

習は今後の権力闘争を優位に進めるためにも、軍の後ろ盾を必要としている。とすれば、どうしても中国の対外政策、安全保障戦略は強硬に傾きがちになる。この点にも注意を払う必要がある。(敬称略)

北村記事

湖北省の“洪山監獄”は省都“武漢市”に属する“江夏区”の“廟山開発区”にある。9月27日朝6時15分、洪山監獄の正門脇に1台のワゴン車が横付けされた。車から降り立った1人の中年女性が正門脇の守衛所で入構の手続きを行った。入構許可を取得した女性が車に戻ると、守衛によって電動で開閉する正門の柵が開けられ、車は監獄の構内へ走り去った。それから35分後の6時50分頃、正門の柵が開けられて女性の運転する車が出て来たが、車の助手席には16年の刑期を終えて釈放された“牟其中(むきちゅう)”の姿があった。

かつての大富豪、詐欺罪で懲役18年

牟其中とはどのような人物なのか。筆者が牟其中という名を初めて知ったのは2006年頃で、まだ現役で東京都中央区勝どきに所在する商社に勤めている時だった。当時、中国へ送る書類がある時は会社が所在するビル群の中に事務所を構えるFedEx(フェデックス)社の国際宅配便を利用することが多かった。ある時、送付する書類があるとFedEx社の事務所に連絡を入れた所、送付する書類を受け取りに来たのがFedEx社の事務所長である中国人のX氏であった。X氏は業務の関係で我が社の入館証を持っていたようで、その後は我が社の社員食堂で何度も顔を合わせるようになり親しくなった。

ある時、X氏が国際宅配便で送る書類を受け取りに来社したのに、書類がまだ整っておらず、10分程待ってもらう必要があった。その待ち時間を筆者はX氏と会議室で雑談したのだが、その時にX氏の前歴を聞いたところ、彼から出たのが日本へ来る前は牟其中の秘書だったという話だった。当時は牟其中などという人物を知らなかった筆者は、「牟其中っていうのは誰」とX氏に質問したが、X氏から出た言葉は「中国の大富豪だったが、詐欺罪で懲役18年の刑を受けて、今は刑務所に収容されている」とのことだった。この時、X氏はそれ以上のことを話したくなさそうだったし、筆者も己の無知を恥じて、詳しいことは聞かなかった。X氏が帰ってから慌てて牟其中について調べてみると、後述するように驚くべき人物であることが判明したのだった。

X氏がそんな異色の人物の秘書だったと知って、牟其中について詳しい話を聞こうと思っていた矢先、X氏が勝どきにある超高層マンションの自宅から飛び降り自殺して亡くなったという訃報を聞いた。X氏はFedExの輸送機で毎週金曜日の夜に上海へ行き、日曜日に東京へ戻る日程で、中国国内でも個人的にビジネスを行っていたようだから金回りは良かったと思うが、見るからに精力的であり、人懐こく笑顔の絶えないX氏に一体何が起こったのか。筆者にはX氏の死が信じられなかった。牟其中が刑期満了で釈放されたというニュースを知って、筆者はすでに死後10年になろうとするX氏を思い出したのだった。X氏には筆者の中国人の友人が中国政府“国家安全部”により国家機密漏洩の容疑で逮捕された時にも、FedExの国際宅配便で“国家安全部長”宛に日本の友人が作成した嘆願状を届けるのにも尽力してもらった。

それはさておき、牟其中とはどのような人物なのか。牟其中は1941年6月19日に四川省重慶市“万県”(現在の重慶市万州区)に生まれたから、現在の年齢は75歳である。小学校時代の牟其中は非常に活発な生徒で、ある教師は牟其中を評して、もし彼が大言壮語する性格を改めることができれば、将来必ず出世するだろうと述べたという。若い頃の牟其中の夢は将来新聞記者になることだったが、1959年に受験した“高考(全国統一大学入試)”に不合格となったことで大きな挫折を味わった。その後も何とか大学に合格しようと湖南省や新疆ウイグル自治区にまで足を伸ばしたが、結局大学生にはなれずに故郷の万県へ戻った。

政治活動で死刑判決、釈放後に投機商売で拘留

万県で牟其中は最初の仕事につき、地元のガラス工場でボイラー工になった。しかし、牟其中は他の工員たちとは異なって政治に情熱を燃やし、マルクス・レーニンや毛沢東の著作を読み漁り、法律や哲学の書物まで目を通し、いつの間にかガラス工場内で最もマルクス・レーニンや哲学に精通した人物となった。1974年の春、すでに万県の青年たちの中で信望を集めていた牟其中は、情熱の赴くままに気心の知れた仲間と『中国は何処へ向かうのか』と題する文章を書くと同時に個人で2編の過激な文章を書いて世間に発表し、大いに宣伝を行った。ところが、こうした行為が社会に混乱を招くとして問題になり、牟其中は逮捕されて監獄に収監され、死刑に処せられることが内定した。幸運にも死刑は執行されず、4年4か月を獄中で過ごした牟其中は1979年12月31日に釈放された。

釈放されたが無職となった牟其中は、1982年4月に借金して賄った300元(当時のレートで約4万円)を元手に“万県中徳商店”(以下「中徳商店」)を開業した。当時の万県では、商品の販売に“三包(返品・交換・修理の保証)”の習慣は無かったが、牟其中は中徳商店の顧客に“三包”を導入し、都市部の顧客には3日以内、農村部の顧客には7日以内の商品交換に応じるなどして商売を発展させ、1年目で8万元(当時のレートで約1050万円)もの驚異的な利益を上げた。これは牟其中が商売で天賦の才を発揮する契機となった。1983年初旬に牟其中は、重慶市の兵器工場から超安値で買い取った銅製の鐘を上海市の多数の商店に相当の高値で売りさばき、驚くほどの暴利を得た。その後も同様な手口で投機的な商売を行って金儲けに専念した。

1983年9月17日、牟其中は投機商売を行った罪で拘留されて取調べを受けた。ところが、留置所の中で牟其中は突然に政治への情熱を復活させ、拘留11日目に中国共産党への『入党申請書』を書き上げると、大胆にも当時の総書記“胡耀邦”宛てに発送した。また、『中国の特色ある社会主義と我々の歴史的使命を論ずる』と題する文書を書いて、胡耀邦総書記に宛てて発送した。これらの文書が四川省“成都市”から北京市の“中国共産党中央委員会”へ届き、関係部門が注目したことで、1984年初旬に牟其中は11か月間の拘留を経て釈放された。

1984年9月18日、牟其中は慌ただしく「中徳商店営業再開懇談会」を招集して、中徳商店から“中徳実業開発総公司”(以下「中徳実業」)への格上げを決定すると、速やかに営業許可を取り付け、正式に営業を開始した。牟其中はたゆまぬ努力の末に、“重慶市農業銀行”から創業資金として250万元(当時のレートで約2.6億円)を借り受けることに成功した。この250万元は後に大きな成功を収める牟其中にとって実質的な起業資金になった。しかし、この1980年代初頭の時期に、重慶市農業銀行が大したカネも無い牟其中に250万元もの大金をどうして貸し出したのかは大きな謎だが、恐らく何らかの政治的意図があったものと思われる。

ソ連のジェット旅客機、仲介に成功

中徳実業が本格的に動き出すと、牟其中は1984年の年末までに、観光資源開発の“小三峡旅游資源開発公司”を皮切りに、“中徳服装工業公司”、“中徳竹編工芸廠”、“中徳造船廠”など10社以上の会社を設立した。1985年には中徳実業の本社を故郷の万県から重慶市の中心にある“中華路”に移し、企業名も“南徳集団”に変更して本格的に国内および国際貿易に取り組むことになった。

1989年のある日、牟其中は北京市で竹・籐編製品の販売促進を行うために万県から北京行きの列車に乗った。牟其中は車中で知り合った1人の河南省出身の男ととりとめのないほら話に興じていたが、その男の口から耳寄りな話を聞いた。それは、解体の危機に直面しているソビエト連邦(以下「ソ連」)が3発ジェット旅客機Tu-154(ツボレフ154)を売りたがっているが、買い手が見つからないということだった。男と話すうちに牟其中の飛行機取引への興味は掻き立てられ、北京市へ到着すると竹・籐編製品の販売はそっちのけにして、ツボレフ154の買い手探しに奔走した。飛行機の知識が皆無な牟其中は、手当たり次第に買い手になりそうな相手を訪ねて打診していたが、そのうちに1988年の開業を予定する“四川航空公司”が国産のプロペラ機である“運‐7(Y-7)”と“運‐12(Y-12)”に替えて大型飛行機の購入を計画していることを知った。

すぐさま四川航空公司に連絡を入れた牟其中は、押っ取り刀で四川省成都市にある四川航空公司の本社を訪ねてツボレフ154に対する興味を打診すると、先方は渡りに船の話に大乗り気であった。当時ツボレフ154の販売価格は1機当たり5000~6000万元(当時のレートで約18.4~22億円)であるのに対して、米国のボーイングなら2~3億元(当時のレートで約73.4~110億円)したから、ツボレフは格安だった。四川航空公司は速やかに中国政府“国家計画委員会”の承認を取得し、“中国民用航空総局(略称:民航総局)”の同意を取り付けると、牟其中にツボレフ154を4機買い付けるよう正式に依頼した。

それからが牟其中の面目躍如たるところで、山東省、河北省、四川省など7省の300か所以上の工場から売れ残っていた軽工業品(シーツ、靴下、皮コートなど)や食品(缶詰など)を買い集めて貨車500両以上に乗せてソ連側へ供給し、その交換として4機のツボレフ154の引き渡しを受けることに成功した。この取引によって牟其中は8000万元(当時のレートで約29.4億円)から1億元(同約36.7億円)の利益を上げた。

1995年2月に米誌「フォーブス(Forbes)」が発表した「1994年版世界富豪番付」で、牟其中は番付入りした中国の民営企業家17人中の第4位にランクされ、富豪の仲間入りを果たした。当時の牟其中の個人資産は20億元(当時のレートで約226億円)を上回っていた。一方、南徳集団は1994年にロシアと投資協定を結び、BS放送用の直接放送衛星である「航向1号」をロシアのバイコヌール宇宙基地から発射して軌道に乗せることに成功し、1995年11月には「航向2号」の発射にも成功した。衛星発射には莫大な費用がかかるが、1995年から始まった中国政府による経済の緊急引締め政策は南徳集団の経営に大きな打撃を与えた。

オーストラリア企業との訴訟の末に

こうした金詰まりの中で南徳集団に資金提供を申し出たのがオーストラリア企業“澳華集団(Austway Group)”駐華代表の“何君”だった。何君の資金提供を受けて南徳集団は「航向3号」の打ち上げることができた。しかし、何君が資金提供をする条件には、澳華集団が担保を提供し、中国国内の輸入権を持つ企業(湖北省軽工業進出口公司)が銀行(中国銀行湖北支店)から香港の某企業宛ての「ユーザンス付信用状(Usance L/C)」を開設し、香港で某企業が現金を受領した上で、資金を南徳集団に貸与する形式をとることが含まれていた。これが後に中国銀行湖北支店が湖北省軽工業進出口公司や南徳集団などに対して信用状立替金および担保の返還を求める民事訴訟に発展した。

民事訴訟が進むうちに、南徳集団および牟其中が信用状詐欺を行った容疑が固まり、1999年2月8日に牟其中は“武漢市公安局”によって逮捕された。同年11月から審議が始まった南徳集団および牟其中などによる信用状詐欺事件の裁判は、翌2000年の5月30日に一審判決が下り、牟其中は信用状詐欺罪により無期懲役並びに政治的権利の終身剥奪が言い渡された。牟其中は判決を不服として控訴したが、2000年8月22日に“湖北省高級人民法院(高等裁判所)”は一審判決を維持する公訴棄却の判決を下し、牟其中の無期懲役が確定した。2000年9月1日、牟其中は武漢市第二看守所から市内の洪山監獄へ移送され、囚人として収監された。

2003年の秋に牟其中の無期懲役は懲役18年に減刑されたが、刑務所内の規則を守り、服役態度も良好であることからさらに減刑されて、収監から16年後の2016年9月27日に牟其中は刑期満了により釈放された。

長くなったが、以上が牟其中の人物紹介である。まさに波乱万丈の人生と言えるが、現在75歳の牟其中は合計3回の拘留・服役で23年間を社会から隔離されて過ごした。一時はフォーブス誌によって中国国内で第4位の富豪にランクされた牟其中だったが、監獄から出所した彼には資産と呼べるものは何もないだろう。

刑期を終え、なお再起に意欲

9月27日に洪山監獄へ車で乗り付けて釈放された牟其中を出迎えたのは、牟其中の妻の妹であり、彼の唯一の指定代理人である“夏宗偉”であった。27日の午前中に夏宗偉はメディアに対して「南徳集団理事会の牟其中氏刑期満了釈放に関する声明」を発表したが、その最後に記載されていた南徳集団理事会の署名欄には夏宗偉の名が明記されていた。

さて、その声明に記されていた内容の概要は以下の通り。

【1】信用状詐欺事件は偽造された証拠に基づき判決が出されたものであり、再審を要求する。牟其中は再審における必勝を確信している。

【2】再審に勝訴したら、南徳集団は直ちに「南徳試験(Ⅱ)」をスタートさせる。それは知恵を中心とする生産方式で、資本を中心とする生産方式に比べて全ての面で生産効率が高い。それを幅広い範囲で実践して証明し、全世界の新しい企業に普及させる。

【3】牟其中氏はすでに数えで76歳だが、健康にはまだ問題がない。最近、彼は「人生すでに齢(よわい)百歳を超えても、再び少年のように奮い立つ感情を持つのを妨げるものはない」という詩を作った。これは宋の詩人“蘇東坡(本名:“蘇軾”)”の詩『江城子・密州出猟』にある「老人である自分にしばし少年の奮い立つ感情を発揮させよ」という一節に相通じるものがあり、牟其中氏は精神的に若く、まだ老いてはいない。

【4】かつての南徳集団は廃墟と化し、何も残っていないが、我々は必ず“東山再起(失脚から再起する)”を果たし、南徳集団を再建してみせる。

壮年時の牟其中は、身長182cm、体重75kgの頑健な体躯で、押しが強く、怖いもの知らずであったと思われるが、満75歳の今となっては南徳集団を再興することは難しいだろう。しかし、中国に牟其中という波乱万丈な人生を送った人物がいたことは歴史の一コマに刻まれることだろう。天国にいるX氏も牟其中が刑期満了で釈放されたことを喜んでいるに違いない。最後に衷心よりX氏の冥福を祈ります。

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『米軍と共同FONOPに乗り出しても時すでに遅し 南沙諸島の中国基地群の存在を前提とした戦略が必要』(10/6JBプレス 北村淳)について

北村淳氏は「穏当なFONOPは手遅れだから、日本も米軍と南シナ海で共同作戦を取ることは意味がない」と考えているようですが、そんなことはないでしょう。尖閣防衛には大きな意味があります。一緒に行動すれば、尖閣防衛の共同作戦も展開でき、大きな抑止力となると思います。自分の都合だけ考えて行動するだけでは信用されません。

況してや「穏当なFONOP」であれば、無害通航権の行使だけで中国にとっては痛くもかゆくもないとのこと。しかしよく考えますと「穏当なFONOP」というのは南シナ海を公海ではなく中国の海に認めたようなものではありませんか。公海であれば準軍事行動を取っても(ヘリの発艦等)おかしくありません。オバマはそれでもなかなか認めないというのはおかしい。足元を見られているし、腹違いの兄弟が中国でビジネスしている影響があるのかもしれませんが。民主党は中国の金塗れで腐っているのでは。

http://ameblo.jp/chanu01/entry-12012480407.html

無害通航を言うので、頻繁に中国軍艦が日本領海内を通過するようになりました。日本政府は国際法上認められていると言って傍観しないで、敵が無害航行を主張するのであれば、今の黄海での米韓合同演習に参加すべきでは(これは公海上ですが)。まあ、韓国が嫌がるでしょうけど。相手は法の抜け穴を利用したり、都合の良い所をつまみ食いしたり、こズルイ行動を取ります。孫子以来の伝統です。国際仲裁裁判所の判決を「紙屑」と言う国です。都合が悪い部分はそう言って無視するでしょう。中国人の本性です。日本はもっと相手の嫌がることをせねば、やられ放しになります。石垣島にTHHADを配備したらどうでしょうか。

http://www.sankei.com/politics/news/160615/plt1606150068-n1.html

記事

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南シナ海スプラトリー諸島のミスチーフ礁(2015年5月11日撮影、資料写真)。(c)AFP/RITCHIE B. TONGO〔AFPBB News

9月中旬に訪米した稲田朋美防衛大臣が、中国による覇権主義的な南シナ海進出に関して、「アメリカが南シナ海で実施している『公海航行自由原則維持のための作戦(FONOP)』を支持する」旨を明言した。そのためアメリカ軍関係者などの間では、日本がアメリカとともにFONOPを実施するものと理解されている。一国の大臣が明言した以上、アメリカ側の反応は当然であろう。

これを受けて中国側は、日本がアメリカに追従して南シナ海での中国の活動に介入することに対して不快感を露わにしている。先週も中国国防当局は、「日本がアメリカと共同パトロールや共同訓練などを中国の管理する海域で実施するということは、まさに火遊びに手を出すようなものだ。中国軍が座視することはあり得ない」と強い口調で日本に“警告”を発した。

オバマ政権が渋々認めた中途半端なFONOP

だが、当のオバマ政権は中国に対して腰が引けた状態が続いており、FONOPの実施すらもなかなか認めようとはしていない。

アメリカ軍関係者の中でも対中強硬派の戦略家たちは、数年前から南シナ海でのFONOPを実施すべき旨を主張していた。2014年春には、南沙諸島のいくつかの環礁(ジョンソンサウス礁、ガベン礁、クアテロン礁)で中国が埋め立て工事を開始したことがフィリピン政府などによって確認されたため、中国側をある程度威嚇する程度のFONOPを実施すべきであるとの声が上がった。しかし、オバマ政権に対しては暖簾に腕押しであった。

そして、2014年6月になると、ファイアリークロス礁で、埋め立てというよりは人工島が建設される計画が進められていることが明らかになった(本コラム、2014年6月26日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41041)。当然、アメリカ国防当局や連邦議会などの対中強硬派の人々から、軍事的色彩の強い強硬なFONOPの早期実施の声は強まった。だが、オバマ政権によるゴーサインはなかなか発せらず、ファイアリークロス礁、ジョンソンサウス礁、ガベン礁、そしてクアテロン礁で人工島の建設が進められていった。

2015年の3月には、それらの4つの環礁に加えてヒューズ礁とミスチーフ礁でも人工島建設が進められていることが確認された。そして、埋め立て拡張工事の規模の大きさから、本コラムなどでも人工島には3000メートル級滑走路が建設されるに違いないと予測した(2015年3月12日「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43161)。

当然のことながら、アメリカ軍当局の対中強硬派の人々による“強硬なFONOP”実施の要求はますます強まった。それでもアメリカ政府は軍事力を使った対中牽制を許可しようとはしなかった。

そして2015年夏には、上記の6つの環礁にスービ礁を加えた7つの環礁での人工島建設が急ピッチで進んでいることが確認された。それだけではなく、ファイアリークロス礁、スービ礁、ミスチーフ礁には3000メートル級滑走路の建設が始められていることも明らかになった(本コラム、2015年9月24日「人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44833)。滑走路だけでなく、7つの人工島にはそれぞれ港湾施設が整備されつつある状況も航空写真に映し出された。

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南沙諸島の軍事バランス  この段階に至って、7つの人工島が3つの本格的滑走路を備えた海洋基地群となりつつあることが、誰の目にも明らかになった。さすがに対中牽制に極度に慎重であったオバマ政権といえども、しぶしぶ米海軍太平洋艦隊に南シナ海でのFONOPを許可せざるをえなくなった。

だがオバマ政権がアメリカ海軍に許可したFONOPは、かねてより対中強硬派が希求していた“強硬なFONOP”ではなく、ごくごく穏健な形式的FONOPであった。

すなわち「米海軍駆逐艦と米海軍哨戒機が中国が中国領と主張している島嶼や人工島の周辺12海里内領域を速やかに、かつ直線的に通航する」ことによって、「国際法で認められた『公海航行自由原則』を中国は尊重すべきである」ことを暗に要求する作戦である。

この“穏当なFONOP”は、2015年10月(人工島の1つ、スービ礁沿岸12海里内海域)、2016年1月(西沙諸島のトリトン島沿岸12海里内海域)、2016年5月(人工島の1つ、ファイアリークロス礁沿岸12海里内海域)の3回実施された。そして5月以降、4カ月以上たっても第4回目のFONOPは実施されていない。

(関連記事) ・本コラム2015年11月5日「遅すぎた米国『FON作戦』がもたらした副作用」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45163 ・本コラム2016年2月4日「それでも日本はアメリカべったりなのか?」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45947 ・本コラム2016年5月19日「米軍の南シナ海航行で中国がますます優位になる理由」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46862

メッセージにすらなっていない米国のFONOP

アメリカ側の考えでは、人工島やトリトン島などは中国が軍事的に実効支配をしているものの領有権紛争中の島々であり領有権が確定していない以上、その周辺海域は中国の領海ではなく公海である。したがって、公海をアメリカ軍艦が航行すること(その上空をアメリカ軍機が飛行すること)に対して、中国が異を唱えることは許されない。このような論理に基づいて、オバマ政権は、太平洋艦隊に軍艦と軍用機による“穏当なFONOP”を認めたのである。

しかしながら“穏当なFONOP”では、それらの島々に対して強固な実効支配体制を固めている中国にとっては、なんらの影響を与えることにはならなかった。なぜなら、トリトン島や人工島が中国の主張通り中国領だとしても、中国の領海内を軍艦が両国に対して軍事的脅威を与えない状態で通航することは、「無害通航権の行使」として国際法的に認められているからである。

オバマ政権が許可した“穏当なFONOP”は、まさに「無害通航権の行使の範囲内での軍艦による通過」そのもののため、FONOP実施海域が公海であろうが中国領海であろうが、いかなる軍艦にとっても合法な行為なのだ。

もしアメリカ側が「FONOP実施海域は公海である」ということを示したかったならば、“強硬なFONOP”を実施するしかなかった。つまり、12海里内海域で何らかの軍事的行動(たとえば艦載ヘリコプターを発進させる)を実施することによりアメリカの強い姿勢を見せつけなければ、中国に対する牽制には全くならないのである。このような行為は、公海上ならば問題はないが、他国領海内では無害通航権から逸脱した軍事行動そのものだからだ。

しかしながら、国際法的には「無害通航権の行使」にすぎない“穏当なFONOP”に対して、中国側は軍事的脅威を受けたとの姿勢を打ち出して、それを口実に、ますます南沙人工島や西沙諸島の“防衛措置”を強固にしつつある。

抜本的な戦略転換が必要

要するに、アメリカ側が実施したきわめて中途半端な形の“穏当なFONOP”は、単に「アメリカは中国に抗議している」というだけであり、“何もしないよりは少しはマシ”程度の状態なのである。そのような穏当なFONOPに日本が参加しても、南シナ海情勢を(日本にとって)好転させることにはなり得ない。

もっとも、日米共同でFONOPを実施することを契機として、かねてより対中強硬派が唱えている“強硬なFONOP”に切り替えれば、これまでとは違って強い対中姿勢を示すことになることは間違いない。

しかし、すでに7つの人工島がほぼ完成し、3つの3000メートル級滑走路も誕生した現在、いくら“強硬なFONOP”を実施したところで、中国が人工島を更地に戻す可能性は(中国が戦争により軍事的に撃破される以外は)ゼロと考えねばなるまい。

もちろん、アメリカも日本も、フィリピンなど南シナ海沿岸諸国も、中国との戦争などを望む国は存在しない。ということは、「アメリカに追随して共同FONOPを実施する」などという段階はもはや過ぎ去っており、中国の人工島軍事基地群の存在を大前提として南シナ海戦略を構築しなければならない段階に突入してしまっているということを認識しなければならない。

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『風前のTPP、米衰退映す』(10/9日経 FT)、『対中戦略で重要なTPPに反対』(10/8週刊ダイヤモンド 櫻井よしこ)について

日本の保守層はTPPに反対している人が多いですが、中国への経済的封じ込め政策と言うのが分かれば賛成に転じるのでは思います。しかし、オバマの政策をヒラリーが覆すとは、流石何でもありの政治家です。野心の為には節を折ることも厭はない、或は元々節なんて始めからなかったのかも。

Andy Chang氏の記事によると「米司法部が武器商人の訴訟を放棄

Fox NewsのCatherine Herridge とPamela Browne両記者が発表した10月5日の記事によると4日火曜日、米司法部は武器商人Marc Turi氏に対する告訴を放棄したと発表した。

この告訴は2012年に起きたベンガジ事件、スティーブンス大使ほか3名がリビアのベンガジ市においてアル・カイーダの攻撃にあって殺害された事件との関連で、オバマ大統領とヒラリー国務長官が深く関わっていた事件である。あと34日で11月8日の総選挙投票があり、この告訴がヒラリーとトランプの得票に大きな影響を及ぼすため告訴を取り下げたのである。

スティーブンス大使は2012年9月、リビアのトリポリ市からベンガジに赴いたが、この際に護衛を一人しかつけていなかった。ベンガジでテロ攻撃に逢った彼らに対しオバマとヒラリーはホワイトハウスで刻々と変わる状況を聞きながら救援を派遣しなかった。このため4名が死亡した事件である。

オバマとヒラリーはこの事件を反イスラムのビデオのせいで暴動が起きたとウソの発表をしたが、ヒラリーは事件直後に彼女の娘に事件がアルカイーダのテロ攻撃だったとメールしていた。オバマは事件後二週間たっても反イスラムビデオのために起きた暴動とウソを言いまくっていた。

その後の国会喚問でもヒラリーはスティーブンス大使を派遣した理由を述べず、重要人物を派遣してなぜ護衛を付けなかったのかという質問に答えていない。

オバマとヒラリーの嘘に拘らず今ではベンガジ事件はアルカイーダの攻撃だったとわかっている。しかもアルカイーダはアメリカの武器を使っていたのだ。アメリカは中東の独裁政権の反乱分子に極秘で武器を提供したが、この武器の大半が反米テロの手に入っていたのだ。オバマ政権、つまりオバマやヒラリーはこの失敗をMarc Turi氏の武器商人の責任として起訴したのである。

アラブの春と呼ばれる、2010年のチュニジア革命から中東各地に広がった暴動、革命運動などがリビア、エジプトの独裁者を打倒し、動乱がカタールやアラブ酋長国、イラクや現在のシリア革命などに及んだ6年来の中東動乱でアメリカは革命分子に極秘で武器を提供していたという。アメリカは数多い武器商人の名前を使って武器提供をしたが、実は国務院とCIAが影の主体であったという。

Turi氏によると、オバマは2011年に秘密の武器提供計画を許可し、カタールとアラブ酋長国がこれに加わった。つまりアメリカは革命軍に武器を提供するため、多くの武器商人の名を使って武器を「カタールに販売した形で」リビアに搬入したという。

Turi氏によると彼は実際に武器を扱っていない。それらは国務院に直属した政治と軍事局(Bureau of Political and Military Affairs)が 主体で、責任者はクリントン長官の直属部下Andrew Shapiroだったという。

だがTuri氏は、国務院のオペレーションが恐ろしく杜撰でリビアに到達した武器は「半分はあちら側、半分は向こう側に行ってしまった」と言う。

  • ベンガジ事件

Turi氏と彼のアドバイサー、Robert Strykによると、国務省はクリントンの失策を隠蔽するため彼を起訴したのであるという。クリントンの失策が2012年9月11日のベンガジ事件を引き起こし、スティーブンス大使など4名が殺害されたのだ。

事件が起きたのが2012年9月11日であるが、オバマは11月の総選挙でロムニーと争っていたので、ベンガジの大使殺害事件を反アラブのビデオのせいにしたが、すぐに嘘がばれて、攻撃はAl QaedaとAnsar al-Shariaの過激分子だったことが判明した。

Turi氏は2014年に武器輸出制限法違反と国務院の要員に虚偽の報告をした廉で起訴された。検察官はTuri氏が武器をカタールとアラブ酋長国に輸出すると虚の申告をしたという。だがTuri氏の弁護士によると武器輸出は政府が認可したリビアの反乱軍を援助するためだったという。

  • 秘密の武器輸出はオバマの政策だった

National Defense University のCelina Realuyo教授によれば、外部の武器商人を使って反乱分子に武器を提供することはオバマの政策の一部だったという。このためヒラリー国務長官時代には武器商人のライセンス許可が急激に増大した。Fox Newsの記事によると2011年に武器商人ライセンスの取得者が86000人で、武器輸出は前年の100億ドルから443億ドルに上がったという。

Fox Newsの記事によると2011年4月11日のヒラリーのメモにはFYI. The idea of using private security experts to arm the opposition should be considered,(参考までに;プライベートな専門家を使って反乱軍に武器を提供する事を考慮に入れるべきである)”と書いてあったという。

Turi氏は2011年5月に武器をカタールに輸出する許可を得た。ところが同年7月になったら武装した連邦警察がアリゾナの彼の住宅を急襲したという。つまり彼はベンガジ事件の生け贄にされたのだと言う。実際に起訴されたのは三年後の2014年であった。

ベンガジ事件が起きた後、2013年1月の国会喚問でPaul Ryan議員からベンガジの武器の行方について質問されたヒラリーは、「私は質問に関した情報は持っていませんが、どんな情報があるか探してみます」と答えたそうである。反乱軍に武器を提供するには外部の武器商人を使えとメモを書いた張本人のヒラリーが国会喚問で情報を持っていないとウソをついたのである。

オバマが反乱分子に武器を提供する許可を出した。ヒラリーは武器商人の名を借りて武器を輸出した。実際には国務省とCIAが関わっていた。計画が失敗して武器商人の責任にしたのであった。」(以上)

とありました。報道したのはやはり保守派のFOXだけと思われます。日本以上に左翼メデイアが多いと言われている米国ですから。「戦争嫌い」で有名なオバマが裏で戦争の種を撒いていたという事です。嘘つきヒラリーだけでなく、嘘つきオバマということで。日本の反日民進党の党首も嘘つきですが、やはり米国の二人と比べると「頭が悪い」印象は否めません。ヒラリーもオバマも弁護士上りで、三百代言ですから、嘘をつくことを何とも思っていないのかも。FOX記事がトランプ支持に回るようになれば良いのですが。

日本もRCEPなどに加盟するのでは「中国の経済的封じ込め」ができなくなります。日本が中心となり、シンガポールや他の参加国と協定を批准していって米国を急き立てるようにすれば良いでしょう。10/10日経朝刊に「パリ協定批准「見誤った」 官邸主導の盲点」という記事が載りましたが、官邸でなく外務省の無能が災いしたと思います。パリ協定は、参院では与野党とも賛成なので、今月下旬には衆院より先に通過、ただ衆院ではTPP法案に野党は反対するのでパリ協定は審議入りが遅れる可能性があるとのこと。パリ協定は外務省の失態でしょうが、批准は時間の問題です。それ程大きな問題ではありませんが、日経の書き方だと官邸が悪と思わせる内容です。メデイアに刷り込まれないようにしませんと。

http://www3.nhk.or.jp/news/imasaratpp/article15.html

FT記事

今後、米国の国力が衰退していく様子について歴史が書かれるとき、環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る大失敗はどう描かれるだろうか。丸1章を割くには値しないかもしれないが、間違いなく脚注よりは大きな紙幅を占めることになるだろう。

■大衆民主主義、危うさを示す

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ラストベルトではTPP反対の声が強い(写真はペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれた7月の民主党全国大会)=米紙ワシントンポスト提供・ゲッティ共同  TPPは太平洋地域12カ国が大筋合意した貿易協定で、参加国の合計人口は約8億人と、欧州連合(EU)単一市場の人口(約5億人)より6割多く、国際貿易に占めるシェアは40%に上る。また、TPPはアジアや世界における米国の指導力を示す最も重要な試金石の一つにもなった。

だが、残念ながら米大統領選挙の主要候補2人はどちらの方がTPPにより強く反対しているか競い合っており、オバマ大統領もTPP発効に必要な承認を議会から得られる見通しが全く立っていないため、TPPが米国によって批准される可能性は急速に薄れている。もし批准されなければ、中国がアジア地域の覇権国として米国に取って代わろうと積極的に動いている時だけに、米国の失態による影響はアジア全域におよぶだろう。

中国は太平洋国家にして世界最大の財の貿易国であるにもかかわらず、TPPからはあからさまに外された。そのため中国政府からすれば、TPPが今にも崩壊しそうなことは不思議に思えるかもしれないが、喜ばしいに違いない。

TPPが頓挫しかねない状況に陥っている事実は、大衆民主主義の危うさを表す最新の事例ともいえる。つまり、国家は国益にからむ問題を、無関心で内容を十分に知ろうとしない大衆の手に決して委ねてはならないことを立証している。最近でいえば、英国が国民投票でEU離脱を決めたこともその一例だ。

鉄鋼や石炭、自動車などの主要産業が衰退してしまった「ラストベルト」と呼ばれる激戦州(編集注、米国の中西部から北東部のミシガン州、オハイオ州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州などを指す)の少数の有権者がこれほど明白な形で国益を害するのを許す米国とは一体どんな超大国なのか――。中国の指導者たちは間違いなくこう首をかしげているだろう。

■オバマ政権が矛盾した説明

問題の一端は、オバマ政権が発する矛盾したメッセージにある。TPPは非公式には「中国以外ならどの国でも歓迎されるクラブ」「経済版の北大西洋条約機構(NATO)」と説明されてきた。しかし、公の場では米国は、TPPが中国を封じ込める策の一環であることを必死に否定している。このためオバマ政権は国内では、TPPを単なる自由貿易協定の一つとして売り込まざるを得なくなった。多くの国民が自由貿易協定への疑念を高めている時に、だ。

オバマ氏がTPPの背景にある本当の狙いを明かしかけたのは、2015年1月だった。それはまさにTPPについて米国民を説得できたかもしれない瞬間だった。「中国は世界で最も成長の速い地域のルールを作りたがっている」とオバマ氏は語った。「そうなれば米国の労働者と企業が不利な立場に立たされることになる。そんなことを我々は許せるだろうか。そうしたルールは我々が作るべきだ」と。

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来年1月の任期切れが近づくなか、オバマ大統領はTPPの議会承認をとりつけるのが厳しくなっている=ロイター

カーター国防長官は昨年4月にさらに踏み込んだ発言をした。「TPPを可決させることは、私にとって空母をもう1隻増やすのと同じくらい重要だ」と述べた。カーター氏は恐らく空母というものの価値を過大評価したと思われるが、2人の言葉はいずれも真実だ。TPPを巡り米議会から承認を得られなければ、米国は事実上、世界最速で成長する地域の貿易と経済のルールを定める権利を事実上、譲り渡すことになる。日本のある外務省高官の言葉を借りれば、「中国の指揮下でアジアの貿易制度を確立する絶好のチャンス」を中国に与えることになる、ということだ。

■多大な影響力、譲り渡す危機

アジアでの影響力拡大を狙う中国の台頭を最大の脅威ととらえる日本でさえ、米国がTPPを批准できない場合は、中国が支持する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に参加することを検討している。この交渉には東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国のほかオーストラリア、ニュージーランド、中国、インド、日本、韓国が参加する。RCEPは米国が加わらないだけでなく、知的財産やインターネットの自由、労働者の権利、野生生物と環境などに対する保護施策がTPPより不十分だ。

こうした分野に関しては、しかも米企業にとっては、TPPはクリントン氏がオバマ政権の一員だったときに評したように「ゴールドスタンダード(究極の協定)」だ。

中国がネットの自由や人権、環境保護を軽視するだけでなく、海外で事業展開する際も地元の違法行為を黙認するのを慣行としていることを考えれば、彼らはどんな貿易協定でもTPPほど高い基準を実現しようとは思わないに違いない。

米国やアジアでは、クリントン氏が大統領に選ばれたら、違う名称を付けてTPPを事実上復活させるのではないかという楽観的な観測も広がる。しかし、それには長い時間がかかるし、その頃には協定は恐らく意味をなさなくなっているだろう。その間も、中国は米国を参加させないような協定の締結を強く推進するはずだ。

米国がアジアでの影響力や地位を失わないようにするには、11月の選挙が終わってから来年1月に新大統領が就任するまでの「レームダック議会」で、オバマ氏が議会からTPPの承認を得るのが最も妥当なシナリオだ。

もしこれが実現しなければ米国はいわば墓穴を掘ることになる。つまり、中国に多大な影響力を譲り渡すこととなり、その結果、今後中国を中心に結ばれる貿易協定は企業や労働者、世界にとって、今より確実に悲惨なものになるということだ。

By Jamil Anderlini

(2016年10月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

櫻井記事

対中戦略で重要なTPPに反対 クリントン氏にも期待できない現実 

9月26日(日本時間27日)の米国大統領候補によるテレビ討論はあらためて、大変化に備えよという世界各国への警告になったのではないか。

討論の勝者は誰か。直後の世論調査ではクリントン氏の勝利とみた人が 62%、トランプ氏は27%だった。

一方、米国の保守派の論客、チャールズ・クラウトハマー氏は、「内容に関しては、どちらも相手を徹底的に追い詰められなかったという点で引き分け。その場合、挑戦者であるトランプ氏の勝利だ」と分析した。

現時点でクリントン氏がやや有利だが、最終的にどちらが勝利するかは、依然として分からない。しばらく前まで、私はどちらが次期大統領になるのか、非常に気になっていた。外交も安全保障も理解しているとは思えないトランプ氏よりも、親中派だが、経験を積み、中国の実態を冷静に見詰め、戦略的に思考できるクリントン氏の方が日本にとってふさわしいと考えていた。

しかし、今はそうは思わない。外交や安全保障でクリントン氏にも期待できないと感ずる。理由は環太平洋経済連携協定(TPP)についての彼女の変遷である。彼女は、第1期オバマ政権の国務長官としてTPPの戦略 性を認識し、支持したはずだ。TPPに込められた戦略とは、経済や価値 観を軸にして、中国と対峙する枠組みをつくるということだ。

対中関係で軍事と並んで重要なのが経済である。中国はアジアインフラ投 資銀行(AIIB)などを創設して中国主導の不透明な経済・金融の枠組みをつくった。だが、中国的価値観に主導される世界に、私たちは屈服するわけにはいかない。経済活動を支える透明性や法令順守などの価値観を重視したTPPは、21世紀の中華大帝国とでも呼ぶべき枠組みに対処する重要な役割を担っていくはずだ。

無論、TPPはそのような対中戦略の理念だけで成り立つものではない。 日本企業や農家の舞台を国内1億2700万人の市場から8億人のそれへと拡大 し、必ず、繁栄をもたらすはずだ。

こうした中で厳しい交渉を経て、TPPは12カ国間で合意された。それをクリントン氏は選挙キャンペーンの最中の8月11日、「今も反対だし、大統領選後も反対する。大統領としても反対だ」と言い切った。さらに、今 回の討論で、「あなたはTPPを貿易における黄金の切り札(gold standard)と言ったではないか」と詰め寄られて、彼女はこう切り返した。

「それは事実とは異なる。私はTPPが良い取引(deal)になることを願っていると言ったにすぎない。しかし、いざ交渉が始まると、ちなみに私はその交渉に何の責任もないが、全く期待に沿わない内容だった」

ここには、TPPを対中戦略の枠組みと捉える視点が全くない。何ということか。対中戦略の重要性など、彼女の念頭には全くないのである。であれば戦略的とは到底思えないののしり言葉で支持を広げるトランプ氏と、信念も戦略もないという点で、クリントン氏はどう違うのか。

日米同盟に関して、トランプ氏は「日本はカネを払っていない。他方で 100万台規模の車を米国に輸出し続けている」と強い不満を表明した。こ のような考え方は日米同盟の実質的変革につながる。クリントン氏は日米同盟重視だと語るが、TPPを認めない氏に期待するのも難しいだろう。

両氏の討論から、日本の唯一の同盟国が、頼れる相手でなくなりつつあることがより明確に見えてくる。安倍晋三首相は臨時国会の所信表明で、 TPPの早期成立と憲法改正に言及した。日本の地力を強化し、それを もってアジア・太平洋地域に貢献するのにTPPも憲法改正も必須の条件だ。国際社会の速い変化の前で、日本も急がなければならない。

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『「人民元、SDR入り」で何が変わるのか 「ドルに取って代わる」中国の野望の行く先は』(10/5日経ビジネスオンライン 福島香織)について

産経新聞が人民元について特集記事を配信しています。

http://www.sankei.com/world/news/161001/wor1610010007-n1.html

http://www.sankei.com/world/news/161002/wor1610020011-n1.html

http://www.sankei.com/premium/news/161003/prm1610030007-n1.html

http://www.sankei.com/premium/news/161004/prm1610040006-n1.html

http://www.sankei.com/column/news/161005/clm1610050002-n1.html

「日本円や米ドルで投資した中国でのプロジェクトで人民元ベースの収益を上げても、その資金を自由には持ち出せないため、「収益の大半は中国内で内部留保するか再投資に回すしかない」(同)のが実情だ。 さらに、SDR本来の目的であるIMFからの緊急融資の際、外貨不足に陥った国がSDRをIMFから受け取っても、中国当局の為替管理の壁で自由な交換ができなければ、人民元の構成比率10・9%分は使えないとの問題が生じる。」とあります。

市場経済認定国のせめぎ合い、欧州はドイツ経済を破綻させない限り、中国に大甘の政策が採られかねません。南シナ海での国際仲裁裁判所の判決を臆面もなく「紙屑」と言ってのける国なのに。

「「中国の不良債権規模は12・5兆元(約190兆円)と公式統計の10倍」。 今夏、大手シンクタンクの日本総合研究所が、中国経済が隠し持つ、金融危機を招きかねない“爆弾”の潜在規模をはじき出した。」とありますが、企業の持つ債務は2600兆円×156÷249=1628兆円で、隠れ不良債権はもっと多いのでは。不良在庫が多く、投げ売りしないといけない状況ですので、損切りすれば金融機関の持つ不良債権はもっと大きいと感じます。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160903/frn1609031530002-n1.htm

「だが、企業が撤退しようとしても、当局の規制が足かせとなる。日中経済協会など財界トップらで組織する訪中団は9月、商務省との会合で撤退ルールの整備などを求める要望書を手渡した。外資企業が進出する際は、一元化した窓口で迅速に手続きできる。だが、撤退時は行政府の複数の部署での認可が必要となり、長期にわたって撤退できないケースもあるという。」

後からゆうのは福助頭の典型でしょう。日本企業の横並び体質と経団連や日経があれだけ中国進出を煽り、「バスに乗り遅れる」感を持たせた罪は大きい。中国駐在員に聞けば一発でこんなことは分かるのに。騙されやすいのです。何時も言っています中国人の基本的価値観の「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」から言えば、日本人は典型的な馬鹿、カモです。

次は、10/7石平メルマガを見て見ましょう。

李首相の「外交復権」は「団派」の巻き返しだ   激化が予想される中国共産党の権力闘争」

先月21日、中国の李克強首相は国連総会で演説を行い、その前日にはオバマ米大統領との会談をこなした。中国首相には普通の外交活動のように見えるが、李首相自身にとって、それは記念すべき出来事となったのではないか。

2013年3月に首相に就任して以来、彼が国連の会議に出席したのもアメリカの土を踏んだのも、

それが初めてだからである。中国の首相として最重要の外交相手国、アメリカを公式に訪問したことは一度もない。今回も国連総会出席のためにニューヨークを訪れただけである。

一方の習近平国家主席はすでに2回にわたって訪米した。2015年9月の訪米は国賓としての訪問であり、その時は国連総会でも大演説をぶった。国家主席と首相との格差があるとはいえ、李首相の外交活動はかなり制限されていたことが分かる。

実は習主席は就任以来、首脳外交を自分の「専権事項」にして、国際舞台で「大国の強い指導者」

を演じてみせることで自らの権威上昇を図った。権力闘争の中で共産主義青年団派(団派)の現役リーダーである李首相とは対立し、本来なら首相の活躍分野である経済と外交の両方において

李氏の権限と活動をできるだけ抑え付けようとした。

その結果、今年の上半期、習主席自身は7カ国を訪問して核安全保障サミットや上海協力機構などの重要国際会議に出席したが、同じ時期、李首相は何と、一度も外国を訪問できなかった。状況が大きく変わったのは、今年9月に入ってからである。

同7日から、李首相はラオスを訪れ、中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)(10+1)首脳会議、

東アジアサミットなどの一連の国際会議に出席した。その中で李首相は、合従連衡の外交術を駆使し、中国のアキレス腱(けん)である「南シナ海問題」が焦点として浮上するのを封じ込めるのに成功した。

その直後から、中国国内では、新華社通信と中国政府の公式サイトを中心にして、李首相の「外交成果」に対する絶賛の声が上がってきた。「李首相は東アジアサミットをリード、中国は重大勝利を獲得」「首相外遊全回顧、外交的合従連衡の勝利」など、李首相の帰国を英雄の凱旋(がいせん)として迎えるかのような賛美一色の論調となった。

今まで、外交上の「成果」や「勝利」が賛美されるのは習主席だけの「特権」となっていたが、今夏までの数年間、首相としての外交活動すら自由にならなかった李氏がこのような待遇を受けるとはまさに隔世の感がある。

その間に一体何が起きたのか。

1つの可能性として推測されるのは、今年8月に開かれた恒例の「北戴河会議」において、

習主席の内政・外交政策が各方面からの批判にさらされ、習氏の勢いがかなり削(そ)がれたことではないか。

だからこそ、9月になると、習主席の腹心である天津市の黄興国党委員会書記代理が突如失脚させられ、同じ時期に李首相の外交的活躍がクローズアップされた。

そして9月21日から人民日報は、李首相の後ろ盾である共産党元総書記、胡錦濤氏の「文選」の刊行を記念して、胡氏を褒めたたえる文章を連続3日間、1面で掲載した。つまり、李首相の「外交復権」の背後には、今まで習主席との権力闘争においてやや劣勢に立たされた共産主義青年団派の勢力が、例の「北戴河会議」をへて再び勢いを巻き返してきたことがあったのではないか。

そうなると、来年開催予定の第19回党大会に向け、次期最高指導部の人事をめぐる権力闘争は

ますます激しさを増してくるだろう。この「最後の決戦」の行く末によって、中国の政治と外交の方向性は大きく変わっていくに違いない。>(以上)

習近平の力が「北戴河会議」によって削がれたという見立てでしょう。権力争いが益々激しくなるのでは。軍を巻き込んでの展開になれば暴発、あるいは功名争いで戦闘を仕掛けるかも知れず、要注意です。しかし、日本人の危機感のなさは絶望的です。危機に備えて準備しておかなければ、何も対応できないのは明らかなのに。

国慶節で無料のバイキングで食い散らかした映像がありましたので紹介します。自己中、民度が低いとしか言いようがありません。こういう民族が尖閣侵略を狙っているのを肝に銘ぜねば。何でもしゃぶりつくすという事です。

http://www.wenxuecity.com/news/2016/10/06/5659547.html

福島氏の記事はそのまま読んで戴ければと思います。

記事

中国の人民元がSDR(特別引出権)入りを無事に果たした。人民元のSDR入りは、為替市場の自由化、透明化など改革推進が交換条件だったはずだったが、実際のところその条件はまだ満たしていない。それでも加入させるとは、IMF(国際通貨基金)は中国に対しよほど寛容であるということなのか。それとも、その方が国際金融にとって“お得”なのか。

人民元SDR入りで、いったい何が変わるのかは気になる。中国内外で報じられている分析を少し整理してみたい。

「世界金融支配」への第一歩

IMFの加盟国に対し、出資額に比して配られ、通貨危機に陥った際には外貨に交換できる仮想通貨「SDR」。従来は米ドル、ユーロ、円、英ポンドが構成通貨であったが、ここに5番目の通貨として人民元が加わることになった。構成比率はドル、ユーロに続く10.92%で日本の8.33%を上回る。現実にはSDR入りしたからといって、各国中央銀行がすぐ外貨準備高として人民元保有を増やすようになるとか、人民元に対する信用が一気に上昇するというわけではないだろう。なぜなら、人民元は今なお、制限なく自由に外貨と兌換できる通貨ではないし、その相場は市場原理ではなく政府の介入によってなんとか安定しているからだ。

米国はこれまでも、たびたび、中国を為替操作国と批判してきた。大統領選共和党候補のトランプ氏は、当選の暁には中国を為替操作国認定する、と言明している。SDR通貨は5年に一度見直され、その時、もし資格がないと判断されれば、SDRから外される可能性もある。今後5年の間で、人民元が市場化されるのか。本当に自由化されるのかによっても、影響力は変わってくる。

一方、自由化市場についてあまり肯定的な姿勢ではない習近平政権にとっては、政治的な意味が大きい。人民元の国際通貨の仲間入りを政権として実現させた。ちなみに中国が長年、人民元のSDR入りに拘り続けてきたのは、米ドル基軸体制を切り崩し、人民元こそが国際基軸通貨として世界金融を支配するという遠大な野望の第一歩という位置づけだからだ。

米国が今、世界を牛耳る権力を握っているのは、ドル基軸体制を確立し、ドルを刷り、その強弱を使ってグローバル資本市場の盛衰を主導できるだけでなく、他国の内部の富の分配から政権の交代までに影響力を持てるからだ、と中国は考えている。

かつて金本位制だった時代は金の保有量が国家の対外購買実力、経済力を示す指標だったが、ドル基軸体制ではドルの保有量がそれとなる。一国の購買実力、経済実力はドルを通じて米国に支配されている。だからこそ、米国に世界の技術と人材が集まる。この米ドル貨幣覇権に立ち向かうものこそ、世界最大の(潜在的)市場を誇る中国の人民元であるべきだ、米ドルから貨幣覇権を奪うのは人民元だ、というのが中国の遠大すぎる野望である。

「資格に欠ける」「1兆ドル流入」「開放次第」…

中国の野望はひとまず置いておくとして、人民元SDR入りについて、各国の論評はけっこう差がある。米財務長官ジャック・ルーは「本当の意味での国際準備通貨の地位には程遠い。中国は引き続き人民元をさらに国際水準に近づける改革が必要だ」と話した。日本財務相の麻生太郎は「すぐ通貨の価格管理などをやることになると、SDRを維持する資格に欠ける」と牽制した。

ドイツフランクフルター・アルゲマイネ紙は「人民元がグローバル貿易、金融取引において大量に使われるようになり、今後5年以内に1兆ドルが中国市場に流入するだろう」と論評。スイス連邦銀行集団は「もし人民元が準備通貨としての潜在能力をさらに発揮するとなれば、全世界の外貨準備高の5%を占めるようになるだろう。つまり外国の中央銀行が保有する人民元資産は4250億ドル相当になる」と、各国で人民元資産を外貨準備高として保有するようになっていくという予想を示した。

逆に仏パリ銀行は「将来、国際投資家たちが人民元資産を持つようになるのかどうか、結局中国経済がどうなるかによる。SDRに入ったかどうかではなく、中国資本取引の開放がある程度進み、米MSCI指数などに、中国A株が組み入れられるかどうかの方が重要なのだ」と論評した。

新華社など中国公式メディアの反応はもちろん「人民元がついに国際通貨の天井を破った」「中国が世界経済の舞台の中心に近づいた」「これは中国と世界のウィンウィンだ」と大喜びだ。しかし中国人民銀行側はSDR入り後も引き続き人民元を管理していくべきだという姿勢を強調しているので、人民元が、自由な取引や市場原理で相場が動く透明性を備えた国際通貨にすぐなるわけではない。

人民日報の「人民元SDR入りがどのような影響を与えるか」という論評を見てみると、「人民元は対米ドルに対し下落速度が加速し、米ドルが今後利上げの方向に行けば、中国の相当の資金が米国に流れ込む」(中国欧州陸家嘴国際金融研究院院長・曹遠征)というのが喫緊の影響として、予想されているようだ。

投機筋と政府の攻防で不安定化

SDR入りすれば、やはり多少は人民元介入を減らしていこうと考えているのだろうか。そうなると、それまで実質の中国経済に比して人民元高に誘導されていた分、人民元安は急速に進む。だが、こうした人民元の下落によって、中国経済が強烈な影響を受けるとまでは言えない、という。

「論理上は、人民元がSDR入りしたことで、国際通貨としてのお墨付きを得たのだから、各国中央銀行が人民元を外貨準備として保有することができるようになる。そのことで人民元の信用が上がり、中国は人民元による対外貿易決済、対外投資を行えるようになっていく。そうなれば中国企業にとっては為替損益を減少させ、対外経済の効率改善を図る上でプラスの影響がある」(中欧国際工商学院金融学教授・張逸民)という見方もある。この期待どおりになれば中長期的には人民元は上がっていくことになる。

中国にとって予想されるリスクはなにか。政府の介入が減っていく一方で、外国投資家が投資できるような人民元商品が増える。外国の投機筋も人民元市場に参入していく。そうすると、人民元価格が下落するにしろ、上昇するにしろ、中国経済・金融実力に応じた水準に安定するまで、外国の投機筋とそれに対する政府の対策の攻防の間で不安定化する。外国のヘッジファンドにとっては、久しくなかった大博打場となる。これまで安定した人民元にしか慣れていない中国企業は阿鼻叫喚の目にあうかもしれない。

株式市場や不動産市場にはどういう影響があるだろうか。

資金を引き上げるのが難しい

「日本円がSDR入りした時、日本の株式市場は大高騰し、日経指数で7倍に膨れ上がった。ならば中国A株市場は? 今週の上海総合指数でいえば、0.96%の下落だ。牛市(全面高)とはいえない。当時の日本の市場にはいろいろからくりがあり、指数が低く処理されていた一方で、プラザ合意で円高が引き起こされた。30年前の日本のようにはいかない。世界経済の成長が減速し、米ドルの利上げ予測が人民元の下げ圧を増強しているので、いったんは中国からの資本流失現象が起きて、A株市場は悪化すると予想される」

「不動産市場は、人民元の兌換が開放されていくに従い、国内投資家たちは手持ちの不動産を投げ売りして、海外の不動産を購入するようになる。外国の不動産の中には、永久の所有権を保障されているところもあるからだ(中国は所有権に期限がある)」(南方財富)

いわゆる資金流出の加速によって、株式、不動産とも大幅な下げ圧にさらされる。特に不動産市場はバブルがこれでもかというほど膨れ上がっているので、SDR入りがバブル崩壊のきかっけをつくるかもしれない。長期的にみれば、外国の投資家が中国の不動産購入に参入できるという期待もあるようだが。

債券市場についていえば、「3、4年後には外国投資家が保持する中国国債は新興国政府債券よりも多くなっているはず。2020年までに累計投資は4兆元になる」(チャータード銀行)という予想もある。外国投資家が所持するオフショア人民元建て債券総額は今年3月から6月までに1000億元増加しており、この傾向が加速するというのだ。だが、中国の債券市場は外国投資家が投資するのは簡単だが、金を引き上げるのは難しい。この予測通り順調に増えるとは、私には思えないのだが。

中国の経済政策、とくにシーノミクス(習近平経済学)の柱であった一帯一路戦略(陸のシルクロードと海のシルクロード経済一体化構想)と、それを支える目的もかねて創設されたAIIBは、これを機に息を吹き返すのだろうか。

一帯一路戦略とは、中国と中央アジア、ヨーロッパを結ぶ地域、また東南アジアから海を通ってインド、アフリカにいたる海岸線に、中国の主導する投資と企業力によって交通インフラや産業パークなどを建設、そこでは人民元決済を中心にして、人民元経済圏を確立するという構想である。中国国内の生産過剰な建設資材を消費でき、中国企業の対外進出の足掛かりとなる。将来の夢である米ドルに対抗できる人民元基軸体制の経済圏を打ち立てる中国の壮大な野望に向けての実験みたいなものでもある。

覚悟なしで好転なし

人民元のSDR入りで、人民元の国際認知度と信用が高まり、人民元決済がやりやすくなれば当然、一帯一路戦略に弾みがつくし、中国産業と国際企業の協力や中国企業の対外進出もやりやすくなる。AIIBも人民元建て債券をどんどん発行して、うまく回る…のか? 一帯一路構想が事実上、停滞しているのは、資金ショートに陥っていること、どだい経済的利益度外視のプロジェクトを政治的目的優先で行っているので、現場でサボタージュも起きているという話だ。

人民元がSDR入りすれば、どんどん人民元を刷って、人民元で支払うので資金不足は解消、といいたいところだが、人民元を好きなだけ刷れば大暴落、信用も落ちてハイパーインフレ、国内が大変なことになってしまうだろう。リターンの見込めないプロジェクトそのものに無理があるのだから、人民元がSDRに入ろうがは入るまいが、あまり関係ないかもしれない。

人民元がSDR入りするほど成熟していないのに、SDR入りしたら成熟するんじゃないか、という期待が先行してSDRに入れてもらったが、実力不足の選手がメジャーリーグに入れば、強くなるというものではない。ちょうど国慶節連休に入ってからの発表で、マーケットの反応があまりないので、休みが明けてからの市場を見ないと何ともいえないのだが、意外に、あっさりと期待も懸念も流れてしまうのではないだろうか。SDR入りがどうのというより、習近平政権が、どのような痛みを伴っても人民元改革を進めるのだというような覚悟を、今のところこれっぽっちも見せていない以上、中国経済の何かが好転するという期待は持ちにくい。

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