『「懲りない韓国」に下す米国の鉄槌は「通貨」 日米の軍事情報を中朝に漏らす韓国』(10/19日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『急速に減少している北朝鮮のエネルギー消費量 工業部門は壊滅的な状況か』(10/16JBプレス 川島博之)

10/17小坪慎也氏ブログ<【国士烈伝③】偏向報道への解法、NHKとは別の新型国際放送の創設。原田義昭(福岡5区)の戦い【実現して欲しい人はシェア】>。小生が主張してきました、NHKとは別の国際放送設立の件です。何とか実現してほしいです。英仏ロ中西葡アラビア語の7ケ国語で放送できるのが理想です。それにNHKは民営化かBBCと同じくスクランブルをかけて見た分だけ払うようにすれば良いと思います。そうすれば反日報道制作も減ると思います。

https://samurai20.jp/2017/10/harada/

鈴置氏の記事を読んでの感想ですが、中国人も韓国人も平気で嘘をつき、平気で裏切る連中です。朝鮮半島の方が比較すればひどいでしょうけど。米国は通貨でお灸を据えて来て、今度の通貨危機にどうするつもりでしょうか?必ず危機は起きると思っています。文在寅大統領が経済を理解しているとは思えませんし、夜郎自大な韓国民は日本が助けるとでも思っているのかもしれませんが、今の日本人で韓国を救え何て思っているのは皆無に等しいでしょう。在日(朝鮮半島人)か共産党等左翼のみです。これは政治家の韓国への見方を厳しくします。間違っても「通貨スワップ」を日本は再開しないでしょう。世界各地に慰安婦像を建て、2015年末の慰安婦合意を無視しているのに、何故日本が韓国を助けなければならないのか、国民に説明がつきません。

文大統領は財閥虐めをして革命が起きることを期待しているのでは。日米のスワップがなければ、外貨がそんなにあるとも思えず、輸入ができなくなります。せいぜいチエンマイイニシアテイブの残の所まででしょう。軍部のクーデターも、平気で同盟軍を裏切るのであれば期待薄でしょう。大衆の反乱と言っても蝋燭デモでは何も変わりません。見えてくるのは韓国の亡国でしょう。いつのタイミングになるかだけです。北の核とICBMの問題が片付いたら、朝鮮半島は中国のモノになるかもしれません。日本にとっての緩衝国家がなくなる訳です。でも日本にいる在日は強制送還できるのでは。旗幟鮮明になって良いかも。スパイ防止法も作ってガードを固めないと。共産党は非合法化して中国か朝鮮半島に党員は帰って貰えば良いでしょう。

川島氏記事は、数字から読み解く北朝鮮の暮らしぶりです。エネルギー消費量が減っているという事は、庶民の生活は苦しいし、何より戦争が起きれば継戦能力がないことを表しています。だから通常兵器に依らない核兵器による攻撃を考えていると川島氏は解説しています。小生から見れば、中国も朝鮮半島も政治の目的は何かが分かっていない人間が為政者になっているように見えます。自分だけが良ければ他人はどうなっても良い、騙してでも勝てばよいという連中が為政者になっています。日本はそういう政治ならないように軍事を含めもっとしっかりしていきませんと。日本企業の不祥事がこの10年くらい相次いでいますが、「日本精神」を失った経営者が多くなったという事でしょう。彼らが後継者を選びますので、縮小再生産のパターンとなります。コンプライアンス何て口先だけで誤魔化せれば良いというのであれば、中北韓国人と何ら変わりません。真面目に働いている社員がキチンと報われるよう、少なくとも不祥事は起こさないようにしないと。社員が恥ずかしい思いをします。

鈴置記事

2015年12月、北京で中韓FTAの覚書を交換する金章洙駐中大使(左)。国防長官経験者が駐中大使に就くのは異例で、米国の軍事情報に関心を持つ「中国の期待」に応える人事だったと言われる(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

「韓国の裏切り」は20年以上前から始まった。それが激しくなるたびに米国は「通貨」でお仕置きしてきたのだ。

すべて中国に筒抜けだ

—1997年の通貨危機の際、米国はなぜ、韓国を助けなかったのでしょうか。

鈴置:「『14年前のムーディーズ』に再び怯える文在寅」で指摘した通り、米韓関係が悪化していたからです。米国は韓国にお灸をすえるため、IMF(国際通貨基金)による救済に追い込んだのです。

—関係悪化の原因は貿易摩擦ですか?

鈴置:それもありました。でも、韓国が軍事的に米国を裏切って中国に接近したことが大きかった。

1990年代半ば、米国の国防関係者が日本政府に警告が発しました。韓国が――当時は、金泳三(キム・ヨンサム)政権(1993―1998年)でしたが、日米の軍事機密を中国に漏らしているというのです。訪日した米国防族の大物が以下のように語りました。

米韓が高官級の軍事協議を実施すると、その直後に韓国の情報機関のトップが極秘訪中し、江沢民主席と面談、米韓協議の内容を伝えている。

それを我々は黙って見ているのだが、韓国は露見したことに気づいていない。

今後、日本は韓国に軍事機密を漏らしてはならない。漏らせば、すべて中国に筒抜けになる。

この話は自衛隊の第1線部隊の指揮官にも広まっていましたから「寝返った韓国に気をつけろ」との指示が下りたのかもしれません。

軍事機密を敵国に渡す、いわゆる「スパイ」は常にいます。しかし韓国の場合、個人ではなく、政府によるタレこみでした。

2006年に聞いた話ですが、中国の人民解放軍の幹部が自衛隊幹部の前で「なぜ、韓国の軍人は頼みもしないのにどんどん機密を持ってくるのだろうか」と首を傾げたそうです。中国人も驚いていたのです。

卑日も中国頼み

—なぜ、金泳三大統領は中国にゴマをすったのでしょうか。

鈴置:米国一辺倒だった外交の幅を広げる狙いでした。執権開始の前年の1992年、韓国は中国と国交を回復しました。金泳三政権はこれをテコに米国や日本を牽制しようとしたのです。

久しぶりの非軍人出身の大統領でしたから「民主化」を要求してきた米国に、気兼ねする必要がなくなったこともあったでしょう。

—そういえば、江沢民主席を後見人にして日本を批判しました。

鈴置:1995年11月14日にソウルで開いた中韓首脳会談後の会見で、金泳三大統領は「日本の腐った根性を叩き直す」と発言しました。

共同会見の場ですから、江沢民主席がすぐ横に立っていました。日本に対しては文字通り、トラの威を借りて凄んで見せた。一方、江沢民主席には「中国と組んで日本を叩きます」と媚を売ったわけです。金泳三政権は韓国の「離米従中」の元祖となりました。

—しかし、軍事機密を中国に漏らすとは。

鈴置:属国意識です。金泳三政権に限らず、韓国人は基本的に中国に「媚びる」姿勢で接します。

韓国人が中国と接する様を見ると「蛇に睨まれた蛙」を思い出します。反日デモや反米デモは年中起きますが、反中デモはまずありません。韓国人にとって、中国は怖い国なのです。

恐ろしい中国に睨まれたくない。何とか歓心を買いたい――。そんな韓国人の心の奥深くにある感情が機密漏洩を起こすのです。

井上靖の歴史小説『風濤』は「元」に侵攻された高麗を描きました。これを読むと、抗うことのできない地続きの巨人に対する小国の人々の精神状態がよく分かります。

強者の顔色をうかがうほか生き残る術がない、との絶望感です。島国の住人である日本人は「地続きの超大国」の圧迫感をなかなか理解できないのですが。

IMFに追い込む

—どんな情報が韓国経由で中国に渡ったのでしょうか。

鈴置:日本の政界では「日米が共有する潜水艦の音紋」との説が流れました。ただ実務家から、この情報の確認はとれていません。そこで記事にはせず、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(2010年11月刊)に盛り込んだのです。48―49ページです。

—いずれにせよ、米国は韓国の裏切りに怒り、通貨危機の際に助けなかったわけですね。

鈴置:「助けなかった」どころかIMFに行かせるために「追い込んだ」と言った方が正確です。IMFは米国の息がかかった組織です。その管理下に置けば自由自在に料理できる。実際、“GHQ”として振る舞ったわけです(「『14年前のムーディーズ』に再び怯える文在寅」参照)。

旧・東京銀行で長らくアジアを担当した愛知淑徳大学の真田幸光教授の発言が興味深い。「『人民元圏で生きる決意』を固めた韓国」で、話題が「米金融当局が日本の対韓スワップを止めた」ことに及んだ際、真田幸光教授はノータイムで以下のように語りました。

本当に止めたのは、ペンタゴン(国防総省)、あるいはホワイトハウスかもしれません。米韓関係は相当に悪化していましたから。

国際金融界も、韓国のIMF救済の背景には「米国に対する軍事的裏切り」があったと見ているのです。外交の相場観からも「貿易摩擦」の報復として、手術台に載せるほどの厳しいお仕置きをするとは考えにくい。

北の将軍も知っている

—韓国は「米国のお仕置き」に懲りたのでしょうか。

鈴置:全く懲りませんでした。左派政権が誕生すると、今度は北朝鮮に接近しました。金大中(キム・デジュン)政権(1998―2003年)と、それに続く盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(2003―2008年)は南北首脳会談を開いてもらう一方、北朝鮮には低姿勢で接しました。

金剛山観光や開城工業団地を通じ、外貨も送り続けました。北朝鮮の核武装を韓国が幇助したのです(「『14年前のムーディーズ』に再び怯える文在寅」参照)。

外貨だけではなく、軍事機密も送っていたのではないかと疑うのが韓国保守の論客、李度珩(イ・ドヒョン)氏です。

日本語だけで出版した『韓国は消滅への道にある』(2017年9月刊)の「1章 軍事同盟の崩壊が始まる」で、興味深いエピソードを紹介しています。

2005年春、ラポルテ(Leon J. LaPorte)在韓米軍司令官の離任パーティで李度珩氏は、司令官本人から「(米韓連合司令部の)副司令官の韓国陸軍大将は素晴らしい軍人で情報を共有できた。しかしもう1人のコリアンの将軍がいて、この人も米韓軍の情報を共有していることが後になって分かった」と聞かされたのです。

「もう1人のコリアンの将軍」とは北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記のことです。李度珩氏は以下のように嘆きました。20-21ページから要約します。

2000年に入ったころから、北朝鮮の諜報機関は間諜を南派する必要性を感じなくなっていただろう。外部から韓国軍内部に要員を浸透させなくとも、情報を容易に入手できるようになったからだ。

韓国の大統領の意向ひとつで、韓米連合軍の日々のトップ・シークレットも北朝鮮の最高責任者、当時は金正日国防委員長の机の上にすぐに置かれることになる。

ラポルテ在韓米軍司令官は離任にあたり、韓国の左派政権に「北と内通するな。お見通しだぞ」と警告を発したのです。

機密を渡せば問題解決

—韓国に警告は届いたでしょうか。

鈴置:届かなかったようです。朴槿恵(パク・クネ)政権(2013―2017年)時代に驚くべき記事を読みました。中央日報のチェ・ヒョンギュ北京総局長が書いた「金章洙を眺める中国の相反する視覚」(2015年2月17日、韓国語版)です。

在韓米軍基地にTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)が配備される前でしたが、すでに韓国は配備を要求する米国と、反対する中国の間で板挟みになっていました。

2015年2月、朴槿恵大統領は国防長官や青瓦台(大統領府)国家安保室長も務めた側近の金章洙(キム・ジャンス)氏を駐中大使に任命、問題の打開を図りました。チェ・ヒョンギュ総局長は金章洙氏にかける韓国政府の期待をこう、書いたのです。

中国が期待するのは韓国軍との協力を通じ、米国の作戦と武器体系に対する認知の強化だ。特に韓国海軍との協力を通じ、米海軍への認知度を上げようとしている。

韓米連合司令部の副司令官を務めた金章洙氏の経歴は米国の指揮のやり方を間接的に学ぶのに助けになる。

だから金章洙氏は中国の指導部が接触を望む史上初めての駐中大使になる可能性が高い。

米国の軍事情報を渡す見返りに中国指導部に食い込み、THAAD問題を韓国に有利に解決できる、とこの人選を褒めちぎったのです。

裏切りの自覚なし

チェ・ヒョンギュ総局長ほど露骨な書き方ではありませんでしたが、北京駐在の韓国記者は一斉に同じトーンで書きました。駐中韓国大使館が「米軍情報と引き換えに懸案を解決する方針」とレクチャーしたと思われます。

さらに驚いたのは、こうした記事に対し「米国との関係が悪化するぞ」と声をあげる韓国人が出なかったことです。

そもそも、国防長官経験者を駐中大使にする人事も異様です。米国はこの人事に関し、韓国に懸念を表明した模様です。

中央日報の後任の北京総局長、イェ・ヨンジュン記者が、人事発令の1年半後に「特命全権大使 金章洙」(2016年10月4日、韓国語版)で以下のように書いています。

金章洙駐中大使の赴任に米国が緊張したという。国防長官と青瓦台・国家安保室長を歴任した人を送ったということは、中国と安全保障戦略に関し、本格的に話し合うためではないか。もしかしたら米国抜きで朝鮮半島の未来を議論するつもりではないか、と疑ったのだ。

しかし赴任当時、この人事を批判する記事は見当たりませんでした。李明博政権末期から韓国では「米中等距離外交こそが正しい道である」との考え方が主流になっていたからです。韓国人は自らの裏切りに全く無神経になっていたのです(「もう、韓国人の3割が『中国に鞍替え』」参照)。

もう、小国ではない

—なぜ、これほど堂々と同盟国を裏切るのでしょうか。

鈴置:2010年ごろから韓国人は「自分たちはもはや小国ではない」と自信を深めました。中国との軍事交流を深めても、少々、米軍の機密を漏らしても米国からは怒られないし見捨てられない、と考えたのです(「オバマが帰ると即、習近平に秋波を送った朴槿恵」参照)。

民主党政権下の日本が米国との関係を悪化させていましたから、日本に代わりアジアを代表する米国の同盟国に昇格したとも、言い出していました(「日米の『同時格下げ宣言』に慌てる韓国」参照)。

—裏切りに米国人は怒ったでしょうね。

鈴置:怒りました。ことに尊い犠牲を払いながら韓国を守ってきた軍人は怒り心頭に発しました。この頃から「米韓同盟はもう長続きしない」と日本に漏らす米国の安保専門家が一気に増えました。「防衛線を日本海まで下げる可能性が出てきた。物心両面で準備せよ」との通告です。

2010会計年度をピークに、トランプ(Donald Trump)政権発足まで国防予算は減り続けてきましたから、米国は戦線を縮小する必要に迫られていたのです。そんな時に裏切り者を守るわけにはいかないのです。

友軍がいない

—韓国人は「見捨てられ」に気がついたのでしょうか。

鈴置:最近になって、そうした論調が韓国紙に登場するようになりました。ただ「見捨てられ」はトランプという自国中心主義の大統領が米国に登場したから、と決めつける記事が多いのです。要は「他人が悪い」との主張です。

典型が朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問の「韓国の安保をおもちゃにするな」(10月10日、韓国語版)です。書き出しは「大韓民国の危機がかかった北朝鮮危機の状況で、我々には友軍がいない」。ポイントを訳します。

問題は信じていた米国である。トランプは東北アジアでは日本だけうまく扱えばよしとし、中国とは和平を維持できればよい、北朝鮮がやりたい放題しなければいいと言っているようなものだ。韓国の未来はそれらの副産物程度に考えているようだ。

—「諸悪の根源はトランプ」ということですね。

鈴置:ええ、韓国が困っているのは米国のせい、との主張です。これをトランプ大統領や米国人が読んだら、ますます怒り出したでしょう。

金大中顧問は2013年、韓国言論界の先頭に立って「米中等距離外交」を声高に主張した人なのです。自分たちの裏切りはさっぱりと忘れて「米国が悪い」と言うのですから(「保守派も『米中二股外交』を唱え始めた韓国」参照)。

2日で3000億円の売り

—本当に、無神経ですね。

鈴置:だから米国は時々「通貨危機」のような痛撃を食らわせる必要があるのです。

文在寅(ムン・ジェイン)政権の発足直前、アジア専門家のマイケル・グリーン(Michael Green)CSIS上級副所長は「裏切ると14年前と同じようにムーディーズが韓国の信用に疑問符を付けるよ」と警告しました(「『14年前のムーディーズ』に再び怯える文在寅」参照)。

ところが世界が北朝鮮への制裁を強化する中、韓国は人道支援を発表するなど堂々と裏切り始めました(「怒るトランプは『米韓FTA破棄』を命じた」参照)。グリーン氏の警告を頭から無視したのです。

韓国債券市場では外国人投資家が9月26、27の2日間で3兆123億ウォン(約2985億円)の債券を売りました。8月1カ月間の市場全体の買い越し額に匹敵する金額でした。

韓国の金融当局は「利益確定売り」と説明しました。しかし、あまりの巨額さから「北朝鮮の核問題に加え、米韓関係の悪化から資本流出が起き始めたのではないか」と市場関係者は見ました。

証券市場でも8、9月連続で外国人の売り越しが続きました。8月は2兆4170億ウォン(2395億円)、9月は1兆1020億ウォン(1092億円)です。

同盟強化で「格下げ」防げ

資本逃避には朝鮮日報も懸念を表明しました。社説「国家の信用等級の下落を防げ」(9月27日、韓国語版)の結論部分を訳します。

何よりも韓米同盟が確固たるものであることを国際社会に知らしめねばならない。(格付けが下がりかけた盧武鉉政権当時の)2003年にも、結局は韓米同盟を明確にすることで信用等級の下落を防いだのだ。

金融に詳しい韓国人が読めば「盧武鉉政権と同様、今度も反米親北をやって米国から『通貨』で殴られる」と、暗然たる思いに陥ったことでしょう。

—韓国政府は「確固たる韓米同盟」を世界に示したのでしょうか。

鈴置:文在寅政権は反対方向に動いています。「同盟強化」どころか「有事の中立宣言」のそぶりを見せました(「『米韓同盟破棄』を青瓦台高官が語り始めた」参照)。

9月28日には大統領本人が「戦時作戦統制権を持ってこそ、北朝鮮は我々を恐れる」と、早期返還の必要性を改めて強調しました。戦時作戦統制権の返還は在韓米軍撤収につながると、保守派は強く批判しています。

韓国は大丈夫だ!

—文在寅政権は「通貨による揺さぶり」に対し……。

鈴置:もちろん警戒しています。10月13日、青瓦台(大統領府)の洪長杓(ホン・ジャンピョ)経済首席秘書官は記者会見を通じ、市場の不安を抑えようとしました。

聯合ニュースの「北朝鮮核リスクあるも『経済の基礎しっかり』韓国大統領府」(10月13日、日本語版)は会見をこう報じました。

一部で「第2の通貨危機」発生が懸念されていることについて、(洪長杓首席秘書官は)現在の経常収支や外貨準備高の数値はアジア通貨危機が起きた1997年より良好だとし、「経済危機の可能性はないだろう」と述べた。

青瓦台のホームページを開くと「韓国経済は大丈夫です!」との文言が目に飛び込んで来るようになりました。

このページを作らせた人は金融の知識に乏しいと思われます。信用を疑われている人が聞かれてもいないのに「自分は大丈夫だ」と言い出した時、市場は却って疑いを深めるものだからです。

謎の中韓スワップ

—中韓の通貨スワップが結ばれたそうですが。

鈴置:10月12日にワシントンで、李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁と金東兗(キム・ドンヨン)副首相兼企画財政相が「中国とスワップ延長で合意した」と記者らに語りました。

中央日報の「THAAD報復の中国が通貨スワップ延長に合意した理由は」(10月13日、日本語版)は、金東兗副首相が「11日に発効した。形式的には新規だが、延長と変わらない」と述べたと報じています。

東亜日報の「韓中スワップ延長、THAAD葛藤を解く契機となるか」(10月14日、日本語版)など韓国紙は「期間や規模は従来と同じ」と報じました。

しかし、詳細は明らかにされず、韓国銀行のサイト(韓国語版)に何の発表文も載っていません。記者から質問を受けた中国側も「韓国に聞け」と繰り返すだけで、沈黙を守っています。

10月10日が満期の中韓スワップをなぜ、10月12日(米国東部時間)になって発表したかも訳が分かりません。何とも奇妙な「延長」です。

市場は確報を待っています。ただ「従来と同じ」とすると、この中韓スワップは人民元ベース。韓国の通貨防衛にどれだけ寄与するかは疑問なのです。

韓国の通貨スワップ(2017年10月18日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約548億ドル)終了→再開? 2014年 10月11日 2017年 10月10日
豪州 100億豪ドル/9兆ウォン(約78億ドル) 2017年 2月8日 2020年 2月7日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約85億ドル) 2017年 3月6日 2020年 3月5日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約36億ドル) 2017年 1月25日 2020年 1月24日
CMI<注> 384億ドル 2014年 7月17日  

<注1>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。 <注2>カッコ内は最近の為替レートによる米ドル換算額 資料:韓国各紙

(次回に続く)

川島記事

北朝鮮・平壌で行われた軍事パレードで掲げられた国旗(2012年4月15日撮影)。(c)AFP/Ed Jones〔AFPBB News

北朝鮮のアキレス腱はエネルギーにある。多くの人がそう思うから、石油の禁輸が話題に上る。戦前の日本を見るまでもなく、軍艦、飛行機、戦車を動かすには石油が必要だから、石油の禁輸は制裁として有効な手段である。

ただ、マスコミの報道を聞いても北朝鮮のエネルギー事情は今一つよく分からない。前回、「ミサイル開発の一方で、暗くて寒い北朝鮮の暮らし」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51075)と題して、地方に住む人々が燃料を得るために山の木を伐採することによって森林面積が急減していることを述べたが、ここでは北朝鮮のエネルギー事情をより総合的に眺めてみたい。

エネルギー消費量が急速に減少

IEA(International Energy Agency: 国際エネルギー機関)が公表するデータを紹介するが、データを見る限り北朝鮮は危機的な状況にある。

図1に工業、輸送、その他(民生用)に分けたエネルギー消費量を示す。北朝鮮のエネルギー消費量は急速に減少している。

このようにエネルギー消費量が大きく減少している国は世界中どこにもない。北朝鮮と同様に共産党独裁が続く国にベトナムがあるが、ベトナムの2015年のエネルギー消費量は1990年の3.4倍にもなっている。

図1 北朝鮮の部門別エネルギー消費量 単位:100万トン(石油換算)、出典:IEA

通常、輸送部門のエネルギー消費量は全体の3割程度を占める。しかし、北朝鮮では輸送部門が消費するエネルギーは極端に少ない。北朝鮮の人々はあまり住んでいる所から移動しないのだろう。その生活は戦時中の日本に似ていると思えばよい。

多くのエネルギーが工業部門で消費されている。これは納得がゆくところである。ミサイルや核兵器は工業製品である。北朝鮮はその生産に力を注いでいる。しかし、その工業部門が消費するエネルギーが急減している。このような状況で十分な軍備を維持することが難しい。大砲の弾を作ったり戦車を修理したりするためには、大量のエネルギーが必要になるからだ。

石炭をなりふり構わずに輸出

なぜ、このように工業部門が使用するエネルギーが急減してしまったのであろうか。

その原因は石炭にある。図2に北朝鮮における石炭の生産量と貿易量を示す。北朝鮮の石炭生産量は約2000万トン/年である。その多くを工業部門に投入して来た。

図2 北朝鮮の石炭の生産量と交易量 単位:100万トン(石油換算)、マイナスは輸出を示す 出典:IEA

しかし、そのような状況は2010年代に入って大きく変化した。輸出量が急増したのだ。その結果、国内への供給量が急減した。

石炭を輸出に回したのは外貨が欲しいからだろう。北朝鮮の技術では輸出できるような工業製品を作ることはできない。しかし、ミサイルや核兵器を作るためには多くの部品を輸入する必要がある。その外貨を稼ぐために、石炭を直接輸出するようになった。

2015年の輸出量は1270万トンである。それは生産量の75%にも及ぶ。主な輸出先は中国だろう。その取引価格は不明だが、世界市場では21世紀に入ってから石炭の価格は1トン当たり60ドル~110ドル程度で推移しているから、北朝鮮が輸出する石炭の価格を90ドルと仮定すると、1270万トンを輸出することによって約11億ドル(1ドル110円として約1200億円)を得ている。

ミサイルや核兵器を開発するために、自国の重要なエネルギー源である石炭をなりふり構わずに輸出している。その結果、工業部門へのエネルギーの投入量は激減してしまった。エネルギー供給量がこれだけ減れば、北朝鮮の工業部門は壊滅的な状況になっていると思われる。

米国が挑発すると即座に核で反撃?

北朝鮮は核兵器やミサイルの生産に注力するあまり、通常兵器の生産をおろそかにしている。もはや、通常兵器である戦車や大砲が故障しても、それを補修する部品を生産することが難しい状況にある。そして、そのような状況にあるために、なお一層、核兵器とミサイルに注力しているのだろう。

これは恐ろしい事態を招くかもしれない。もし米国が挑発すると、北朝鮮は反撃のための大砲の弾を十分に用意できない。そのために、早い段階で核兵器の使用を決意する可能性がある。

いずれにせよ石炭の多くを外貨獲得に使ってしまったために、北朝鮮の社会、特に工業部門は疲弊している。人口が2500万人程度の貧しい開発途上国が核兵器とミサイルを作るには、多くのものを犠牲にしなければならない。

マスコミが流す平壌の画像は落ち着いた市民生活を伝えるが、データを素直に読み解けば、地方に住む人々の生活はマスコミの伝える画像とは大きく異なっている。

「欲しがりません勝つまでは」、これは太平洋戦争中に日本政府が打ち出した標語であるが、北朝鮮の一般人々はまさに昨今話題になった映画“この世界の片隅で”に描かれるような生活を強いられているのだろう。

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