『相次ぐ下院補選敗北、米民主党はどこへ行く 苦境に立つトランプ大統領を攻めあぐむ?』(6/27日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

6/28日経軍事研究と大学(下)政府調達てこに技術革新 常設の司令塔で機能強化 角南篤・政策研究大学院大学副学長 

2045年には人工知能(AI)が人間の能力を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れるとされる。それが現実になるかどうかは分からないが、すでにIoT(モノのインターネット)は私たちの生活環境を大きく変え、新たな産業構造への転換(第4次産業革命)による期待と不安が、経済社会から安全保障に至るまで様々な課題を突き付けている。

第4次産業革命は、宇宙、サイバー、海洋などの空間を一体化させる巨大な情報インフラだ。これらの空間はかつて人類が未踏だった領域で、科学技術の発展により、主要国の覇権争いが今後激しさを増すと予測される。また安全保障と民生の双方で必要とされるデュアルユース(軍民両用)技術のインパクトが最も顕著な空間であり、こうした技術を開発・獲得して「技術的優越」を確保することは、国際社会における新たな秩序の構築に大きな影響力を持つことになる。

それゆえ主要国は「核心的技術」の獲得に向けたイノベーション(技術革新)システムの構築に心血を注いでいる。AI、ロボット、無人機、3Dプリンター、脳波で機械などを動かすブレイン・マシン・インターフェース(BMI)といった核心的技術は、新しい産業構造を支える基盤であり、国家の安全保障においても重要な影響を与える技術群といえる。

最先端技術で技術的優越の確保を明確に重要視してきたのが米国だ。第2次世界大戦の直後は、航空、レーダー、暗号解読、原爆開発の成功で世界をリードした。ところが1957年にソ連が人類初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げ、技術分野でライバルに先を越されてしまった。その上、自分達の手の届かない上空から敵に見下ろされるという恐怖は、最先端技術で競争相手国に敗れることが直接の脅威につながるということを実感させた。

スプートニク・ショックを2度と繰り返してはならないとアイゼンハワー大統領が58年に設立したのが国防高等研究計画局(DARPA)だ。ここから誕生した技術がインターネットや全地球測位システム(GPS)などで、いずれも世の中の常識をひっくり返す斬新な「ゲームチェンジャー」だった。

米国は現在、次のゲームチェンジャーとなりうる最先端技術の研究開発で、敵の軍事的優位を相殺することを目的とした第3のオフセット(相殺)戦略を展開している。戦略のキーワードは外部の技術やアイデアを研究開発に生かす「オープンイノベーション」だ。情報通信技術(ICT)などの民生技術を安全保障にも使う「スピンオン」へのシフトを意味している。

一方、中国も建国当初から核心的技術の開発に力を入れ、改革開放が始まるまでは原子力や宇宙分野などの技術開発に取り組んだ。政府、人民解放軍、国有企業が連携し、例えば政府の宇宙・サイバー技術を国有企業にスピンオフして民生部門の競争力強化につなげていくあたりは米国のモデルに近い。

今後は先端技術で社会生活を豊かにする「超スマート社会」をリードするため、ロボット技術やAIなどを融合し宇宙空間を利用した情報通信インフラを広域経済圏「一帯一路」に展開する方針だ。習近平政権は宇宙、原子力、船舶のほか、量子通信、ロボット、バイオメディカルなどに重点投資する2兆円超の官製ファンドを立ち上げ、中華民族の偉大な復興という「中国の夢」を先端技術開発でも実現しようとしている。

日本も第4次産業革命を推進し、コネクテッドインダストリー(つながる産業)の創出を通じた超スマート社会「ソサエティー5.0」の実現を目指している。言うまでもなく、核心的技術の獲得による技術的優越の確保は重要な課題である。ただ、この取り組みで世界をリードしてきた米国とは、いくつかの重要な点で違いがある。

米国は国防総省が大きな役割を担っており、基礎研究から開発までを支援したり、中小企業技術革新制度(SBIR)などを活用した政府調達で需要サイドからイノベーションを引き起こしたりしている。一方、日本は防衛部門に同様の役割はそもそも存在せず、軍需工場も持たない。防衛関連の企業も収益などは民生事業に依存している。

こうした現実を前提として、ハイリスクだがゲームチェンジャーになるような核心的技術を創出するために、日本ならではのイノベーションのエコシステム(生態系)の構築が求められている。そこで、核心的技術の源泉となる長期的な基礎研究や基盤的研究を担う大学や国の研究開発法人への期待が大きい。

一方、大学や研究開発法人の先端性を確保するには、国際的にも開かれたオープンで研究者の自由な発想を引き出す研究環境が必要不可欠だ。そうした研究成果を企業との産学連携で実用化につなげていき、その過程においても大企業と中小ベンチャー企業との効果的なマッチングが常態的に発生するよう、大学、研究開発法人、産業界それぞれにかかわる制度改革を後退させてはならない。

今後とりわけ重要になるのは、政府が需要サイドからイノベーションをけん引するために調達制度を見直し、企業の予見可能性を高めてハイリスクな研究に産学で取り組みやすい環境を作ることである。我が国でも、DARPAを参考にした内閣府の「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」など、核心的技術に関して研究開発から産業化まで視野に入れた新しいエコシステムを構築する取り組みが始まっている。

2015年には防衛装備庁が基礎研究に資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」も創設された。こうした取り組みが我が国の基礎研究力の向上につながるように、課題領域の設定や運用について、国内外の専門的知見を最大限活用することが肝要だ。

今後は、核心的技術の動向を把握して技術開発戦略を展開する一方、新しいシステム全体を管理する司令塔機能の強化が求められる。例えば、多義性のある技術について調査・分析・評価や提言をする有識者委員会を政府内に設け、その上で時限のImPACTを発展させた真のDARPAのようなプログラムを常設する。さらに、情報収集・分析機能を担う本格的なシンクタンクも必要である。

技術的優越を確保する上で最も重要なのは、国際標準の獲得である。新しい核心的技術が社会に実装される過程で、それを規定するさまざまなルール形成に関わることは、産業競争力に大きな影響を与える。外生的に与えられたルールに適応するためのコストは大きく、グローバル経済における市場獲得戦略の一つとしてもルール形成を有利に動かすことが重要である。

戦略的な国際標準化活動の推進は、最先端技術が切り開く新たなサイバーや宇宙空間でのガバナンス(統治)の在り方にもつながる。イノベーションが経済活動や安全保障に与える影響が極めて高いことからも、規制も含めた国際的なルールやガバナンスのメカニズムの構築が急がれる。

新しい産業構造の創出による経済発展のためにも、技術的優越の確保は欠かせない。我が国でも核心的技術の開発を軸にしたイノベーションシステムの構築が急がれる。

〈ポイント〉 ○第4次産業革命で技術的優越の確保急務 ○米は安全保障で民生技術の活用にシフト ○新しい核心的技術の国際標準獲得が重要

すなみ・あつし 65年生まれ。コロンビア大博士。専門は科学・産業技術政策論>(以上)

軍産学の共同研究についての提言です。米中と言うか世界各国では当たり前のように行われていることが戦後の日本では行われてきませんでした。GHQの呪縛から脱し切れていないという事です。況してや日本学術会議はアカに乗っ取られて「大学の軍事研究反対」声明を出す始末。自分たちの生存を他者に依存するのでは奴隷と何ら変わりがありません。日教組や日弁連もノイジーマイノリテイに押されて、マジョリテイはサイレントの役を演じてきました。そろそろこういう態度は止めて、マトモに国防を考えるようにしないと。日経に本記事が載るようになったのも、メデイアの論調の変化の兆しかも知れません。政策研究大学院は左翼・リベラルが多い印象を持っていましたが、そうでもないようです。角南篤氏は米国の大学・大学院を出ていますので、イデオロギーではなく、現実を見据えた対応を考えることができる人物と思います。こういう人が学会で主流になってほしい。

トランプの勝利は選挙だけでなく、6/27ロイター<入国制限の米大統領令、最高裁が一部容認 秋以降に最終判断>という記事にありますように、トランプの大統領令の「6ケ国からの一部入国差し止め」を最高裁が認めました。 4/7にニール・ゴーサッチ氏が最高裁判事に選ばれ、保守派判事が9人中5人を占めた効果が出たためです。トランプを支援した故フィリス・シェラーフリー女史は正しかったと思います。

https://jp.reuters.com/article/usa-court-immigration-idJPKBN19H2AD

https://matome.naver.jp/odai/2147428507352178601?&page=1

本記事にありますように、共和党の岩盤はそう簡単に崩れないでしょう。ケント・ギルバート氏が言っていますように、米国メデイアはリベラルばかりですが、カリフォルニアやNYの論調だけ見ると、そうなります。去年の大統領選で日本のメデイア、評論家が読み間違えたのも、それが理由です。左翼リベラルは日米問わず、世論を誘導すれば政治家選出も何とでもなると言った驕りを感じさせます。民意はそんなに簡単には動きません。日本でも「一度民主党にやらせてみれば」とメデイアがキャンペーンをうって政権を取らせましたが、失敗の連続でした。国民も分かっていますので、反日民進党は、復活はおろか、解体の憂き目に遭うのでは。森友・加計・豊田・豊洲問題があっても反日民進党は低支持率なのが、それを暗示しています。

記事

—「ロシアゲート」疑惑の影響もあってドナルド・トランプ米大統領の支持率は30%台に低迷しています。にもかかわらず6月20日に行われた米下院の補選で、民主党は二つとも負けてしまいました。なぜですか。

高濱:理由は簡単です。サウスカロライナ州第5区とジョージア州第6区はともに共和党の金城湯池だったからです。

米ジョージア州の下院補選で当選したカレン・ハンデル氏。共和党の筋金入りの保守層に対象を絞った選挙戦が功を奏した(写真:ロイター/アフロ)

で、その選挙結果をどう見るか。二つの見方があります。

「6月20日に行われた補選の選挙区は共和党の牙城だから負けても当然なところを、よくここまで共和党候補を追い詰めた」(ニューヨーク・マガジンのジョナソン・チャイト記者)という見方。 (”This Might be the Worst Democratic Freak out Ever,” Jonathan Chait, New York Magazine, 6/21/2017)

もう一つは、「民主党は、ジョージア州第6区ではなんとしてでも勝って18年の中間選挙に向けて弾みをつけようと臨んだ。接戦だったが負けは負け。共和党は『トランプ・アレルギー』を超えて党勢を維持すべく、党主流とトランプ支持の反主流が連帯感を持ち始めたようだ」(ジ・アトランティックのデイビッド・フラム記者)という見方です。 (”It’s Trump’s Party Now,” David Frum, The Atlantic, 6/21/2017)

補選はトランプ政権の信任問うリトマス紙

トランプ政権が発足して以降に行われた下院補選はこれで5回(カンザス、モンタナ、カリフォルニア、ジョージア、サウスカロライナ)。共和党の4勝1敗*となりました。 *:民主党の1勝はカリフォルニア州第34区。民主党現職議員が州司法長官に就任したため補選が行われた。本選は民主党候補同士の一騎打ちとなり、ジミー・ゴメス州下院議員が当選した。

6月20日に下院補選が実施された2選挙区について詳しく見ます。

サウスカロライナ州第5区は、ミック・マルバニー議員が行政管理予算局長(OMB)に就任したため欠員となりました。

同区は同州北部の農村地帯で、人口の67%は白人、黒人は29%。白人の多くはトランプ氏を当初から支援していた「中流の下」の農民・労働者層です。草の根保守「ティーパーティ」(茶会)支持者の多い選挙区です。

一方のジョージア州6区はトム・プライス議員が厚生長官に転出したため欠員となった選挙区です。同区はアトランタ市の近郊で、日本流に言えば「ベッドタウン」です。人口の72%は白人、黒人13%、ラティーノ(中南米系)12%で、有権者の多くは「中流の中」です。16年の選挙では、プライス氏が投票総数の61%を得て当選しています。

—トランプ大統領が閣僚や連邦判事に指名した下院議員は選挙が強い人ばかりなのでは? そうしないと下院における共和党の議席が減ってしまうからですか。

高濱:その通りです。ただ問題なのは、大統領は支持率30%台に低迷しています。その大きな要因は「ロシアゲート」疑惑です。いくら共和党が強い選挙区でも、また強力な候補者を立てたとしても、大統領自身がネガティブ要因をばらまいているわけですから(笑)共和党候補が絶対勝つとは言えない状況にありました。

つまり今回の下院補選はトランプ大統領への信任を問うリトマス試験紙のような意味合いを持っていたのです。

共和党候補はトランプ天敵の保守強硬派

—サウスカロライナ州の補選にはどんな候補が立候補したのですか。

高濱:共和党は、地元不動産会社の経営者を経て、08年から州下院議員を務めているラフル・ノーマン氏(64)を立てました。保守強硬派で、当選すれば「フリーダム・コーカス」(自由議員連盟)*に入ると断言しています。つまり「親トランプ」でないことだけは確かです。

ノーマン氏は選挙戦中、トランプ大統領についてはほとんど触れず、「医療保険制度改革」(通称オバマケア)の破棄一本に焦点をしぼりました。

*:フリーダム・コーカスは共和党下院の保守強硬派40人前後からなる議員連盟。トランプ大統領が提案したオバマケアの代替法案に反対するなど「トランプの天敵」とされている。

民主党は、司法省の税担当検事や下院歳入委員会スタッフなどを歴任した中道派のアーチー・パーネル氏(66)を立てました。同氏は「ロシアゲート」追及をキャンペーンの軸に据えました。

5月中旬段階での世論調査では、共和党ノーマン氏(53%)がパーネル氏(36%)を大きく引き離していました。しかし終盤でパーネル氏が猛追。結果はノーマン氏が僅差で当選しました。同氏の得票率は51%、パーネル氏は49.9%。票差はわずか2836でした。

サウスカロライナ州民主党支部で働く幹部の一人は、筆者にこう語りました。

「わが民主党は、共和党の金城湯池であるこの選挙区でもこれだけやれた。いま中間選挙をやればば勝てる。『ロシアゲート』で国民の信頼を失った共和党は中間選挙で必ず打ち負かせる」

「『トランプ政権はめちゃくちゃで任しておけない。政権があと4年続くというなら、まず議会に<民主党政権>を作らねばダメだ』という有権者の声がはっきりと表れた。この声はいずれ全米で『ツナミ』を起こすはずだ」

民主党、ジョージア州補選に2250万ドルを投入

—ジョージア州第6区のほうはどうでしたか。

高濱:同区は、民主党がカネとエネルギーを最もたくさん投入して戦った補選でした。民主党の戦略チームは、やれば勝てると踏んだのでしょう。

この選挙区は、トランプ大統領の盟友、ニュート・ギングリッチ元下院議長の地盤です。ですから民主党、ここで勝つことは、16年大統領選で負けた屈辱を晴らす絶好のチャンスと掛け声をかけていました。

共和党の候補は、カレン・ハンデル氏(55)。40年間、共和党ジョージア州支部で党勢拡大のために働いてきた女性です。一方の民主党候補はジョン・オーフソ(33)という全く無名のドキュメンタリー作家兼ジャーナリスト。選挙区に住んだことが一度もない「落下傘候補」です。

二人の戦いぶりは対照的でした。ハンデル氏は、共和党支持者を集めた小規模な会合や、メディアをシャットアウトした個人集会に専念しました。確実に票を入れてくれる共和党支持者に標的を合わせた戦術でした。ハンデル氏の狙いは72%いる白人のうちの筋金入りの保守層だけを狙った捨て身の作戦だったわけです。かつて小沢一郎氏(現自由党代表)が自民党時代に盛んにやっていた徹底した「どぶ板作戦」に似ていますね。

一方、オーソフ氏は若さをいかして、票のあるところならどこへでも赴くキャンペーンを展開。共和党系の会合にまで顔を出して支持を訴えました。

これに対して民主党本部は、まさに全米規模のメガ作戦を展開し、大物を応援に送り込みました。民主党全国委員会、議員選挙対策委員会をはじめとする民主党系PAC(政治活動委員会)が一丸となって選挙資金を集め、2250万ドルの資金も集めた。下院選にこれだけの選挙資金を集めたのは史上初だと言われています。まさに「金権選挙」(と言ってもカネを不正に有権者にばらまくわけではありません)です。

オーソフ陣営は、潤沢な選挙資金を使って運動員100人を雇ったほか、全国各地から1万2000人のボランティアを集めました。テレビ、ラジオ、インターネットなどに掲出した政治広告の費用は1100万ドルに上ったそうです。

共和党のほうが「金持ち」のイメージが一般に強くあります。しかしハンデル氏が集めたカネは、オーソフ氏の13%、310万ドルにとどまりました。

—トランプ大統領の政治手法、とくに「ロシアゲート」疑惑は選挙にどの程度響きましたか。

高濱:ハンデル氏も、サウスカロライナ州のノーマン氏と同じようにトランプ大統領についてはほとんど触れずしまい。「真実の解明こそ国民の知る権利だ」との抽象論に終始しました。つまり勝つためには、「トランプ隠し」が一番と考えたのでしょう。あとは共和党主流が主張してきた伝統的な保守政治の推進と経済政策に絞りました。

一方の民主党のオーフソ氏の「錦の御旗」はトランプ攻撃でした。「私は、トランプの疑惑を解明する、皆さんのエージェント(代理人)になる」と宣言し、折からの「ロシアゲート」疑惑を追い風にして戦いました。

突き崩せない共和党の南部中西部の「岩盤」

—それでもオーソフ氏は勝てなかった。民主党内には失望感がひろがっているのではないですか。

高濱:オーソフ氏自身は選挙結果を受けてこう言っています。「運動員の皆さん、支持者の皆さん。皆さんは『希望のたいまつ』を高く掲げてくれました。そのたいまつは、ジョージア州民を照らすだけのものではありません。世界中の人々へ示したたいまつです。この戦いは今始まったばかりです。『希望のたいまつ』は燃え続けます」

これまでジョージア州第6区では、大統領選でも上下両院選でも、共和党候補が60%の票を獲得してきました。12年の大統領選では、ミット・ロムニー共和党候補(当時)がバラク・オバマ民主党候補(同)に23%差をつけました。

それが今回の補選では、民主党のオーフソ候補と共和党のハンデル候補との差は3.8%、得票数の差は1万と拮抗しました。

リベラル系オンラインメディア「デイリー・ビースト」のパトリシア・マーフィ記者はこう解説しています。

「ハンデル氏は、これまで40年間積み上げてきた地元保守層との絆と政治的実績をアピールすることでかろうじて勝利した。『トランプ政治』を切り離したことが奏功した。一方、民主党は全党を上げて総力戦を繰り広げたが、今一歩及ばなかった。民主党が18年の下院選挙で過半数をとるには、岩盤のように固い南部・中西部の共和党支持基盤を崩さねばならない。中間選挙に向けて民主党の課題は残った」 (”Jon Ossoff’s $23 Million Loss Shows Dems Have No Idea How to Win in the Age of Trump,” Patricia Murphy, The Daily Beast, 6/21/2017)

民主党若手から首脳部批判も

—トランプ政権が発足して以降に行われた補選で民主党は1勝4敗。党首脳部への批判などは出ていませんか。

高濱:出始めています。下院の若手議員は補選で連敗した理由についてこう言い出しています。

「旧態依然とした民主党のイメージがトランプのイメージよりも悪いからだ」(ティム・ライアン下院議員=オハイオ州第13区)

「イメージを変えるためには今の党首脳を刷新することが必要だ」(キャサリン・ライス下院議員=ニューヨーク州第4区)

下院議員にとって来年は、生きるか死ぬかを決める中間選挙です。それだけ神経質にならざるをえません。

これに対して、ナンシー・ペローシ下院院内総務は、声を荒げて弁明しています。「ジョージア州第6区という共和党地盤で数%差まで追い詰めることができたのは大成果だ。私は党内での支持基盤に自信を持っている。私がどれだけ院内総務のポストに留まるかどうかは、あなたたちが決めることではなく、私自身が決めることだ」

ノースカロライナとジョージアの補選が終わり、次の下院補選は11月7日に実施されるユタ第3区です。現職のジェイソン・チヤフィッツ共和党議員が6月30日に辞任するからです。健康上の理由とのうわさがもっぱらです。この選挙区も94年以降、共和党候補が圧勝してきました。

「ユタの補選は中間選挙まできっかり1年という区切りの時期に実施される。ここで民主党がどこまで戦えるか。中間選挙を占う上で極めてカギ」(米主要紙の政治担当論説記者)となりそうです。

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