『脱中国を進めなければ日本企業は致命傷を負う理由 智財化戦争と軍民一体の中国産業界』(8/28JBプレス 日本戦略研究フォーラム)について

8/29WHよりのメール「

FIVE STORIES PRESIDENT TRUMP DOESN’T WANT YOU TO MISS

You Can’t Handle Rioting Radicals Like University Unrest
New York Post
“Since the 1960s, campus leaders have perfected a script. Student activists can take over administrative offices or the library. These violations are tolerated, as long as not too much is disrupted . . . In recent months, we have seen this script applied to city streets, where the costs are higher than having to bite your lip as inflamed 19-year-olds berate you,” R.R. Reno writes.

Justice Department Asks New York, New Jersey, Pennsylvania for COVID Data on Nursing Home Deaths
-Just the News
“The Justice Department on Wednesday requested COVID-19 data from four states it says required nursing homes to accept residents infected with the coronavirus, policies that may have rendered elderly Americans ‘unnecessarily put at risk’ . . . [and] ‘which may have resulted in the deaths of thousands of elderly nursing home residents,’” Daniel Payne reports.
MORE: President Trump takes action to further protect nursing homes

Trump Plan Would Cure School Re-Opening Chaos
RealClearPolitics
“From Los Angeles to New York, and many stops in between, America’s public school teachers’ unions have demanded that schools remain physically closed, that police forces be defunded, and that unrealistic COVID-testing policies be implemented . . . These unions do not seem to care that it is the most disadvantaged students in our nation who will be most negatively affected by their decisions,” Kevin Nicholson writes.

Enough Is Enough: Trump Gave Veterans Real and Permanent Choice
-The Hill
“It’s been more than a year since President Trump ushered in the greatest improvement to veteran health care since World War II, and the media still refuse to credit him with this accomplishment. Reporters are playing word games instead of reporting the facts, and are failing to tell the public what millions of veterans know: the Department of Veterans Affairs (VA) has never worked better,” VA Secretary Robert Wilkie writes.

White House Announces $750M Deal for Abbott Labs’ COVID-19 Rapid Test
-Fox Business
“The White House has announced a $750 million deal with Abbott Laboratories Thursday to buy 150 million of its new rapid coronavirus tests,” Lucas Manfredi writes. This major development in testing will save lives by further protecting America’s most vulnerable and will allow our country to get more Americans safely back to work and school.   」(以上)

8/29希望之声<专家:共和党大会大获成功 川普传达了令人信服的连任理由=専門家:共和党全国大会は大成功だった トランプは再選への説得力のある理由を伝えた>元ウォールストリートの投資会社パートナーであるリズ・ピークは、「共和党の大会は大成功であり、民主党の大会を完全に圧倒した。トランプは、大会で彼の再選の説得力のある理由を伝え、11月に有権者に非常に明確な選択肢を提供した。民主党の不満だらけの大会の後、バイデンの世論調査支持率は落ちた」と述べた。

ピークは8/28(金)のフォックスニュースネットに寄稿し、党大会の目的が党のメッセージを伝え、有権者を獲得して候補者の人気を高めることなら、2020年の共和党大会は間違いなく民主党大会を圧倒した。世論調査が示していると。

先週の民主党大会は不満とスローガンでいっぱいであった。大会後の世論調査によると、バイデンの支持率は上昇していないだけでなく、特にいくつかの鍵となるスイング州では低下している。

共和党大会がトランプ大統領の世論調査にどのように影響したかはまだわかっていないが、スイング州における彼の支持率は、特にコロナウイルス(中共肺炎)への対処の問題に関して、この1週間で上昇していることがわかる。これは相手に打撃を与えた。

民主党はバーチャル大会の間、米国人をウイルスから守れなかったとしてトランプ大統領を攻撃し続けた。大会後にCNBCが実施した世論調査によると、民主党がこのメッセージを伝えようとした試みは明らかに失敗した。

共和党は、大会中に民主党の政策を激しく批判しただけでなく、はるかに煌びやかさを演出した。

ソーシャルデイスタンスの制限により、共和党のスピーチのほとんどはワシントンDCの名所であるアンドリューWメロン講堂で開催され、その他のスピーチは歴史的場所で開催された。たとえば、指名を受け入れるペンス副大統領の演説は、マクヘンリー砦で開催された。

この差配は、米国の歴史を消し去り、我々の記念碑を破壊しようとした人々を微妙かつ効果的に非難した。

対照的に、民主党大会のイベントのほとんどは、会議場としての性格がはっきりしているウィスコンシンコンベンションセンターで華やぎもなく開催された。

さらに重要なことは、共和党は説得力のある議論を展開し、11月に有権者に非常に明確な選択肢を与えた。彼らはトランプを再選し、すべての米国人を保護し、利益をもたらす政策に投票することができる。また、バイデンに投票することもできる。その結果は、バイデンは我々の自由を犠牲にし、連邦政府をより肥大化させ、過去3年間の成果を無駄にすると。

民主党大会では、米国を「システム的人種差別」と「深刻な不平等の温床」として非難した。しかし、共和党員は、米国を絶好の機会の土地、つまり一生懸命に働き、私たちの法律に従うことをいとわないすべての人にとって希望の国として賞賛した。

民主党員は、バイデンはいい人だと自慢しており、彼の個人的な悲劇は彼に大きな同情を与えたが、彼は政策と成果についてほとんど言及しなかった。

それに反し、共和党員は過去3年間のトランプ大統領の多くの業績を振り返った。これには、海外で捕らわれた人質の救出、米国人労働者の利益のための貿易協定の改定、逼迫した軍隊の再建が含まれる。南部国境での不法移民の流れを阻止し、学校の選択肢を拡大し、中共に反撃し、900万人の新規雇用を創出し、面倒で法外な規制を取り消し、300人の保守派の連邦裁判官を任命し、人身売買と戦い、処方薬の価格を下げ、NATO諸国に防衛支出を増やさせ、働く過程への税金を減らすようにしたことなど。

共和党の大会では、ニューヨーク州下院議員のエリス・ステファニック、ノースカロライナ州の共和党議員候補のマディソン・コーソーン、テキサス州下院議員のダン・クレンショーなど、多くの新鮮、エネルギッシュ、魅力的な若い顔ぶれが見られた。

対照的に、民主党大会の話者は、ヒラリー、ビルクリントン、ゴア、ケリー、カーターなどの古い顔ぶれである。公平に言って、元ファーストレディーのミシェルとその夫のオバマ氏の演説は、民主党の大会に少々生気を与えた。

共和党大会では、民主党が、トランプは人種差別主義者であり、同情心がなく、女性を憎んでいると、トランプ大統領を非難したことに対抗して、数人の女性とアフリカ系米国人のスピーチがあった。

おそらく最も注目に値するのは、尊敬されている元アメフト・スターのハーシェルウォーカーによる演説であろう。彼は37年間人種差別主義者(トランプ大統領を指す)と呼ばれる人と友達であったことを示唆し、彼が人種差別主義者という発言は自分に対する侮辱であると述べた。

しかし、確かなことは、候補者本人ほど民主党と明確なコントラストを示すものは何もない。

バイデンは先週の民主党大会に一度だけ登場し、最後の夜にプロンプターを見ながら演説を行い、その夜の聴衆は前夜より35万人多かっただけ。通常は、候補者の演説を見ている人の数は400〜1000万人増加する。

対照的に、トランプ大統領は活気にあふれ、4日間の大会中に何度も登場した。

トランプは救出された米国人人質との励ましのチャットをした。彼はまた意外にも有罪判決を受けた銀行強盗を許した。彼は既に刑事司法の役立ちをしている。トランプはまた移民帰化セレモニーに参加した。これらはすべてゴールデンタイムに開催された。

共和党大会の最後の夜、トランプ大統領はWHのサウスローンで指名を正式に受け入れ、約1,000人が出席し、雰囲気は活気に満ちていた。

民主党は、集会は危険だと不平を言うだろう。しかし、間違いなく全員が事前にウイルスの検査を受けており、多くの人がマスクを着用していた。

トランプは彼の再選の説得力のある理由を提供し、我々の都市の秩序を回復し、米国人の安全を守り、我々の警察を支援し、我々の経済を再建するという彼の約束を強調した。

彼はバイデンの極左の綱領を強く批判し、バイデンの約束した4兆ドルの増税は我が国の経済成長を抑制し、彼の社会主義綱領は米国の自由を弱めるであろうと警告した。

しかし、大会全体を通して、普通の人が大きな困難を克服し、生き延びた話に聴衆は感動した。

アリスジョンソンのような人に、トランプ大統領は2018年に彼女を非暴力の麻薬密売で終身刑だったのを免除し、彼女に2回目のチャンスを与えた。

あるいは、ISISによって殺害されたアメリカ人道主義者労働者のKayla Muellerの両親も、トランプ大統領のスピーチは人を感動させると称賛した。

セントルイスのアフリカ系米国人警察署長デビッドドーンの未亡人、アンドーン。ドーンは友人の小さな商売を暴徒に略奪されないように保護しようとして射殺された。

これらの人々や他の人々の経験は、トランプ大統領の政策がいろんな方面であらゆる階層の米国人を助けてきたことを鮮明に示している。彼がさらに4年間勤める場合、彼はこれらの方針を追求し続ける。今の情勢では、これらの政策にエスタブリッシュメントは不安を感じている。

トランプの長女イヴァンカが父親を紹介したとき、「ワシントンはトランプを変えていない。トランプはワシントンを変えた。」

多くの米国人にとって、これが彼の最大の長所である。

やはり左翼の息の根を止めるにはトランプの再選しかありません。

https://twitter.com/i/status/1299165375830073344

https://www.soundofhope.org/post/416152

8/29阿波羅新聞網<川普:将对离开美国到海外创造就业的公司征关税 终结对中国的依赖=トランプ:米国を離れて海外で雇用を創出する企業には関税が課され、中国への依存は終結する>トランプ米大統領は28日の共和党全国大会で大統領候補の指名を正式に受け入れ、11月の大統領選挙で民主党大統領候補バイデンと対決する。トランプは、再選されれば、我が政府は米国を離れて海外で雇用を創出する企業に関税を課し、米国を「世界の製造大国」にし、「中国への依存を終わらせる」ことを約束した。

トランプは、「私は、米国大統領への立候補指名を心から受け入れる。新大統領になれば、我々は再び史上最高の経済を築き、急​​速に雇用を満たし、所得を急増させ、繁栄を記録する」と。

彼はまた、海外で雇用機会を創出するために米国を去る企業には関税が課されると述べ、「私は今まで通り、我々の企業と雇用が米国に留まることを確保する。私がずっとしてきたことだ」と。

トランプは、米国を「世界の製造業の超大国」にし、「中国への依存を終わらせる」ために、減税と10か月以内に1,000万人の雇用を創出するという約束を含む、2期目の政治見解を明確にするよう懸命に取り組んできた。彼はまた、月に最初の女性を送り込み、火星に米国国旗を掲げる最初の国とすることを約束した。

トランプ米大統領はバイデンを「米国の仕事の破壊者」であるとして非難した。

日本も日本を離れる企業には関税を課したら?

https://www.aboluowang.com/2020/0829/1494773.html

8/29希望之声<中国粮仓又出包!吉林爆玉米爬满“黑虫”= 中国の穀物倉庫がまたやらかす!吉林でトウモロコシに「黒い虫」がいっぱいついているのが明らかに>中国の食糧問題は知られざる問題が隠れている。先月黒竜江省で見つかったのは、食糧倉庫の中から酸っぱい臭いや水泡、アルコール、さらには砂と混じった捨てるべき穀物が大量にあった。昨日(28日)中国メディアが再び暴露したのは、穀物商人が吉林大安穀物センターからトウモロコシ4,000トンを購入したところ、トウモロコシの袋は「虫くい」になり、倉庫内を多数の「黒い虫」が這っていた。吉林大安穀物センターは先日、穀物倉庫では殺虫剤薬を噴霧していると主張し、「噴霧が終わった後、約半月後に倉庫から出荷される」と。

「新京報」によると、穀物商人は7/23に国家粮食取引所のホームページで、吉林大安穀物センターのトウモロコシがオークションしているというニュースを見、このトウモロコシの開始価格が低かったことを知り、最終的には、4,000トンのトウモロコシを1トンあたり2,100元の価格で落札に成功した。

ところが今月16日、穀物商人が穀倉からトラックにトウモロコシを積もうとしたところ、トウモロコシの袋が虫食いに覆われているのを発見し、倉庫に入ると床が「黒い虫」に覆われているのを見つけた。彼女は、これらの食糧は明らかに国家基準を満たしていないと痛罵した。

今年は、疫病、洪水、イナゴなどのさまざまな災害により、各界から中国は食糧危機が発生するのではと懸念されており、中共当局は安定性を維持するために繰り返し「噂」を否定している。

8/11、習近平は料飲店での浪費を禁止するための「重要な指示」を出した。料飲店での浪費に対する政治運動が全国で開始された。民衆は中国の食糧危機がどれほど深刻か疑問に思わざるを得ないのでは?

料飲店での浪費を禁じればGDPが下がるのが習は分からないらしい。どうせ数字は誤魔化せばよいと思っているのでしょうけど。

https://www.soundofhope.org/post/416188

安倍首相の辞任は、病気もさることながら、CSISレポートで二階と今井に操縦されて親中政策を採らされているといった指摘も影響したのでは。2015年には米国議会で『希望の同盟』演説までしたのに。米国から見放されたことが、病気をより一層深刻にしたのでは。次の首相は、親中政策を採るとこのように米国から警告が入ることに注意を払わねば。秋元の地検特捜部の逮捕も二階への米国の牽制かも。情報がCIA辺りから流れたのでは。

習近平の国賓待遇なぞもってのほか。安倍首相も昨年6月習近平の国賓待遇を認め、10月には消費税増税、本年1月の武漢コロナ対応は中国人入国禁止の遅れと救済措置の遅れ等、晩節を汚しました。病気のせいで判断能力が落ちたのか、長期政権による驕りが出たのか。

でも石破にだけは首相になってほしくない。党への裏切りと後ろから攻撃するような卑怯者が日本の代表になってほしくない。まあ、両院議員総会決議になれば国会議員に人気のない石破がなれるはずもないですが。河野太郎は女系天皇を認める発言を撤回しない限り、首相にはなれないでしょう。

平井宏治氏の記事は、殆ど納得できる指摘でした。要はこの指摘を日本企業のトップがどれだけ真剣に受け止め、実践していくかにかかります。アホな経営者の下では企業は生き延びられません。

記事

(平井 宏治:日本戦略研究フォーラム政策提言委員、株式会社アシスト代表取締役)

中国特有の産業構造

中国と一定の距離を置くことが必要な理由を理解するには、中国の産業政策や産業構造を知る事が必要だ。帝国データバンクによると、2020年1月時点で中国に進出する企業数は、1万3646社とされる。しかし、これら日本企業の内、中国独自の産業政策や産業構造を知るものはわずかだ。

中国は、軍事拡大と経済成長が一体化した国だ。中国の産業構造の特徴とは、人民解放軍と政府、いくつかの軍事企業コンツェルンが、政治・経済・軍事の連合体を形成している点である。米国防総省が、今年(2020年)6月24日付の議員宛て書簡で、人民解放軍管理下にある企業にファーウェイなど20社を指定した。当該リストの中に、この軍事企業コンツェルンが含まれている(表参照)。

表:「米国で活動している中国の軍事企業」
出典:米国防総省が、今年6月24日付に議員宛て書簡で明示した「中国軍と関係の深い企業」各種資料を基に筆者作成
これら軍事企業コンツェルンは、人民解放軍の兵器や武器装備品の研究開発・製造で中心的な役割を果たしている。そして、各軍事企業コンツェルンの傘下には、開発された軍事技術を民生部門へ転換するための企業が存在する。また、2005年以降は、民生部門企業の軍事産業への参入が解禁された事から、民生技術を軍事技術に応用する企業もある。

一見、民生品だけを扱うように見える中国企業の親会社が軍事産業企業の場合がある。民生品を扱う子会社を通じ、親会社へ軍民両用技術が筒抜けになる事がある。その結果、自社が、いつの間にか中国の軍民融合戦略に取り込まれてしまうリスクがあるのだ。

中国の産業政策である「軍民融合政策」とは、軍事技術の開発は民間利用を念頭に置いて行われる。軍事技術が開発された後、この軍事技術を転化した民生品を商品化して販売する事で経済成長を計るものだ。

メディアは、この一番重要な点を議論せず、日本企業は、中国の軍民融合政策に目をつぶり、中国での事業展開を行っている。

日本は、外国為替及び外国貿易法(以下、「外為法」)に基づく輸出貿易管理令と外国為替令で、軍民両用技術や軍民両用製品の移転を規制している。このため、日本の企業や大学、研究機関等には、中国による軍事転用を防ぐために技術管理の徹底が求められている。特に、昨年の大規模な外為法改正は、同法を2018年に成立した米国の2019年度国防権限法に含まれる「外国投資リスク審査近代化法(以下、FIRRMA)」に近付け、軍民両用技術の海外移転を厳格化した。

特に、外資規制の対象となった産業に属する企業は、細心の注意が必要だ。ところが、日本の中小企業には、その改正内容が十分に周知されていないのが現状だ。日本企業が中国の民間企業との間で軍民両用技術を伴う取引を行う場合、以下2つのリスクがあることは明らかだ。

(1)日本企業が、中国企業と取引や合弁会社設立、技術提携等をする際、中国側企業が日本の技術や日本から輸入した製品を兵器に転用するリスク。

(2)中国が安全保障上の懸念がある第三国に軍民両用製品を転売したり、軍民両用技術を移転したりするリスク。

「外為法を知りませんでした」は通用しない。輸出管理機能が不十分な中小企業が中国との取引をする場合、輸出管理の専門機関や外部専門家に相談することが肝要だ。

軍民両用技術の移転理由

パソコン、スマートフォン等を使う情報処理や通信技術の総称である情報通信技術が目覚ましい発展を遂げた。軍事でも、情報通信システムが各装備と指揮命令系統をつなぐ中心的役割を担う。中国はこれに着目し、2017年頃から「智能化戦争(intelligent warfare)」を言い始めた。中国の国防白書には、中国が西側先進国から移転する軍民両用技術の使用目的が記載されている。

「新しい科学技術革命と産業革命が進む中、人工知能、量子情報、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、IoT(Internet of Things)等、最先端の科学技術の軍事領域への応用が加速し、国際軍事競争の局面に歴史的な変化が発生している」

「国家の海洋権益を維持し保護し、国家の宇宙、電磁波、サイバー空間等における安全を維持し保護し、国家の海外における利益を維持し保護し、国家の持続可能な発展を支える」

また、AI(人工知能)発展計画には、「AI技術を軍民双方への転化を促進し、新たな世代のAI技術を指揮命令、軍事シミュレーション、国防装備等に対する有力な支柱へと強化し、国防領域のAI技術の成果を民生領域へ転化・応用を誘導する」と記載されている。

中国は、米国から覇権を奪うのに、戦争における制海権や制空権に加えて「制智権」が重要となると考えた。制智権を強化するため、様々な手段を駆使して、西側先進国から軍民両用技術を移転して軍事転用し兵器の近代化に利用している。国家の総合的な科学技術力が智能化戦争の勝敗を決めるからだ。その目的は、IoTに基づき知能化した武器装備を利用し、陸、海、空、宇宙、電磁波、サイバー及び認知領域で一体化戦争に対応した軍事装備品への転換を進めるためだ。

軍民両用技術や軍民両用製品は、核兵器、生物兵器、ミサイル、自動小銃、戦車、戦闘機等ほとんどの武器や兵器に転用されている。中国は、人民解放軍の主力である15式軽戦車、O052D型駆逐艦、第5世代ジェット戦闘機J20戦闘機、中距離弾道ミサイルDF26等を今後、智能化兵器の代表例として発展させていくであろう。

そのために中国政府は、先の全国人民代表大会でも2020年の国防費を前年比6.6%増の1兆2680億元(約19兆1799億円)とし、経済停滞の中でも軍備拡張路線を堅持する姿勢を明確にした。

中国製造2025と中国市場

2015年、中国は軍民融合と智能化戦争への準備が組み入れられた産業政策「中国製造2025」を公表し、2049年までに、米国に替わり世界一の製造強国となることを明らかにした。その「重点領域技術ロードマップ」にはこうある。

「2025年までに先進的な智能分野における核心的な情報機器に係る産業構造と技術イノベーションシステムを確立し、中国産の智能分野の核心的な情報機器が国内市場の60%以上を満たす供給能力を獲得すること」

対象分野は、(1)次世代情報通信技術(半導体を含む) (2)先端デジタル制御工作機械とロボット (3)航空・宇宙設備 (4)海洋建設機械・ハイテク船舶 (5)先進軌道交通設備 (6)省エネ・新エネルギー自動車 (7)電力設備 (8)農薬用機械設備 (9)新材料 (10)バイオ医薬・高性能医療器械だ。いずれも智能化戦争で米国に勝つために必要な産業である。

ところが、日本企業は、「中国は人口が多い」「需要が多い」という幻想からなかなか解き放たれない。尖閣諸島を国有化したとき、中国にある日本企業の工場や商業施設で起きたことを思い出すべきだ。中国市場は、製品の品質や価格と無関係の要素で市場占有率が決まる市場だ。中国市場は政府に統制され閉鎖的であり、欧米の市場と同じではない。米中対立が激しくなり、日本が米国側に立つことを鮮明にすれば、中国共産党の意思で、日本企業の市場シェアは劇的に低下するだろう。人口は多いが、政治体制が独裁の国で、欧米市場と同じような企業間競争ができるという前提に無理がないか。

中国は「中国製造2025」で、2049年までに、世界最強の製造強国となる目標を明言している。中国が世界一の製造強国になれば、中国にとり日本企業は必要がなくなる。日本企業が中国に技術移転を進め、中国にとり必要な技術が移転された後、日本企業が使い捨てになる可能性があることを企業経営陣、経済評論家の多くが無視、または軽視している。

日本企業は製造拠点の国内回帰にも消極的だ。中国の部品メーカーから、安くて色々な部品が調達できるようになっているので、中国製部品の比率を下げようと思っても、直ぐにはできないと考えている。しかし、中国政府の命令で、中国の部品会社が部品を供給しない場合、サプライチェーンは維持、対応できるのだろうか。

中国の産業構造、軍民両用技術移転の理由、産業政策について述べてきた。加えて、親中企業が米国から強烈な制裁を受ける可能性があること等を考えれば、日本企業が存続するためには、虎の子の技術開示を止め、競争優位を確保すること。国家安全保障の観点から、軍民両用技術の移転を阻止すること。グローバルサプライチェーンの見直しを行い、中国依存を希薄化することが必要だ。

ところが、各民間企業に脱中国を促しても、各企業内に様々な社内事情があり、自ら脱中国に向けての行動を起こしにくいのも現実だ。そこで、脱中国を進めるために、政府が強力なリーダーシップを発揮することが期待される。次の国会で、経済安全保障が議論され、政府が音頭をとって、日本企業、特に外為法で規制業種に指定されている産業分野の日本企業へ、国策としての脱中国を働きかけて行くことが必要になる。今年11月には、米国の大統領選挙も行われる。来年は、日本の産業界にとり非常に重要な年になるだろう。

[筆者プロフィール] 平井 宏治(Hirai Koji)
1958(昭和33)年、神奈川県生れ。1982年、キヤノン株式会社入社。UBS証券会社、株式会社レコフ、UFJつばさ証券、PWCアドバイザリー株式会社で勤務後、2016年、株式会社アシスト代表取締役社長。1991年から、一貫してM&A助言ならびに事業再生支援業務を手掛け、成約実績は100件を超える。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。日本の尊厳と国益を護る会、セイコーエプソン、キリンビール、日本生命他などで講演多数。月刊誌「正論」「WILL」や専門誌フジサンケイビジネスアイ他に寄稿の他、ブルームバーグなどでもコメント多数。

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