『米国はファーウェイの息の根を止めるのか?“準備済み”のファーウェイ、長期の消耗戦に突入する可能性も』(5/23JBプレス 福島香織)、『ファーウェイの息の根を止めかねない、米制裁「異次元の厳しさ」』(5/23ダイヤモンドオンライン)について

5/23阿波羅新聞網<反习势力杀气腾腾要煮鹤 习近平被迫应战高调行动 川普重启谈判有唯一条件=反習勢力は殺気沸々で劉鶴を煮る積り 習近平は応戦するため行動を迫られる トランプは交渉再開には唯一の条件がある>先日、習近平は江西省で査察していたときに、南昌軍歩兵学院を視察した。また、習近平は江西省の解放軍長征記念碑に献花までして、伝えたいことがあったとすれば、長征は“どこでも生きられる”、“敗者復活”の象徴的な意味を表したかったのだろう。 “今は新しい長征の時期で、我々は再び出発しなければならない”という呼びかけを出したと取れる。 香港のメディアによると、「習近平のこの動きは“マッチョ”ぶりを見せるためと解釈されるが、米国に見せるためではなく、国内のある種の勢力に見せるためである。何故なら反習勢力は“劉鶴”を煮ると宣言しているので」と報道。 外国メディアは、「米国は華為に加えて、海康威視を含む5つの監視機器会社をブラックリストに載せることを検討しており、米国の技術提供もやめることを検討している」と報道した。 ムーチン米財務長官は22日(水)、「米国と中国がこれまでの交渉に基づくのであれば、トランプ政権は中共との新たな協議を行う意思がある」と述べた。

福島氏の言うように習近平の足元も相当に危うくなっているようです。劉鶴を地方視察に同行させて、庇っているのでしょうが、今時長征を出すのはアナクロでしょう。一度豊かさを知った国民は毛沢東のような貧乏の時代と違い、貧困には我慢できなくなるのでは。反共革命が起きることを期待しています。

https://www.aboluowang.com/2019/0523/1292958.html

5/24阿波羅新聞網<福克斯女主播回击中共大外宣:你选错了对象=Fox ニュースの女性キャスターは中国共産党のプロパガンダに対して攻撃:中共は相手を間違えている>トリッシュ・レーガンは5/21(火)に番組の中で「中共は米国と全面的な情報戦を開始しており、最新の目標は私になった!私です!何と私です。あえて申し上げたいのですが、我々はこの経済戦争のために必要な金融手段を使用すべきです。中共は相手を間違えています」と発言した。

中国のCCTVが米国で設立した環球電視網(CTVN)の女性キャスターは番組の中でレーガンだけを批判し、“感情が激しやすく”且つ反中国宣伝を広めていることや、さらにはレーガンがトランプのスポークスマンとなってアメリカの視聴者をだましていると非難した。

中共は国際法が理解できていないか、理解していても無視しているかです。二か国の関係は“reciprocity”を尊重するのに、相変わらず中国本土には米国の報道機関設立は認められません。米国内の中共の手先の言うことを信じてはダメです。こんな放送局は閉鎖すべきです。

https://www.aboluowang.com/2019/0524/1293284.html

5/24阿波羅新聞網<川普亮出贸易战新武器 彭博:比关税还强大!=トランプは貿易戦争で新しい武器を出してきた ブルームバーグ:関税より強力!>米中貿易戦争交渉を進める上で、関税はずっと主要な手段であり、トランプ大統領は自分を繰り返し「関税マン」と呼んできた。関税は貿易赤字を削減し、且つ米国の収入を増やし、中共を脅かす最も直接的な手段であると考えている。《ブルームバーグ》は「トランプが関税よりも強力な武器を打ち出した。輸入に焦点を合わせるのではなく、輸出規制である」と指摘した。

日本も米国に倣い早く韓国に部品供給をストップしたら。日本政府は対応が遅すぎます。

https://www.aboluowang.com/2019/0524/1293370.html

福島氏の記事では、当然ながら日本企業も華為やこれから出て来るブラックリスト掲載企業に輸出ができなくなります。もし輸出したのが発覚したら、日本の銀行取引停止措置が待っているでしょう。日本の銀行もSWIFTから追い出されたくないでしょうから、米国が指示すれば取引停止となり、倒産となって引き受け手を探す破目に陥ります。危険すぎて誰もやれないでしょう。こういう日が来ることを日本企業のトップが見えていなかったとすれば無能の謗りは免れません。1年以上前から関税賦課したわけですから。

ダイヤモンド記事では、日本企業は「米中両国企業の間隙を突いて稼ぐぐらいの強かさがなければ部品大国のポジションは保てない」とありますが、具体的にどういう行動を採れば良いのか分かりません。不親切です。言うは易し、行うは難しではないかと思います。

福島記事

(福島 香織:ジャーナリスト)

貿易戦争のエスカレートに続いて、5月15日にトランプ米国大統領が打ち出した“華為技術(ファーウェイ)殺し”が世界を動揺させている。世界の企業と市場に「米国か中国か、どちらを選ぶのか」と踏み絵を迫る意味があるからだ。

ファーウェイと取引のある企業のみならず世界経済に当面ネガティブな影響を与えることは必至だが、それが泥沼消耗戦となるのか、新な国際秩序の起点となるのか。

市場の奪い合いを超えた「世界大戦」

米商務省が公開したエンティティリストに入っているファーウェイ関連企業は中国深センのファーウェイ本社や日本法人を含め69社。輸出者が輸出許可を取得しない限り、エンティティリストに入っている外国企業との取引は禁止される。つまりファーウェイは、米国企業から部品調達はもうできない。

米企業のみならず、日本企業を含む外国企業も、米企業の技術を25%以上使った部品をファーウェイ企業に売ることはできない。それどころかファーウェイはじめ中国企業と共同研究している企業や機関、大学などは、米国の国家安全を棄損する可能性があるとして米企業と取り引きできなくなるだろう。

米国は、ファーウェイを筆頭にした中国ハイテク企業をグローバルサプライチェーンから完全に締め出そうとしている。中興通訊(ZTE)が昨年(2018年)早々、同様の禁輸措置を課されて、あわや倒産というところまで追い込まれたが、巨額罰金や米国の監視チームの受け入れ、経営者刷新といった米国側の要求全面的に受け入れることで、昨年7月に禁輸措置を解いてもらった。だが、ZTEに対する“制裁”は、米国にとっては、ファーウェイを追いつめるためのプロセスみたいなものだ。今回の禁輸措置は、たぶん本気の“ファーウェイ帝国”潰しだ。なぜならファーウェイを潰し切れば、“中国製造2025”戦略を頓挫させ、中国の通信覇権の野望を打ち砕くことができる。それは米中ヘゲモニー争いの勝敗の決定的な要素となろう。

もはやこれは経済上の摩擦でも、市場の奪い合いでもなく、戦争である。それも世界を巻き込む“世界大戦”といった見方でよいのではないだろうか。ファーウェイも中国も徹底抗戦の構えで、中国国内の報道ではかなり勇ましいことを言っている。

華為技術(ファーウェイ)創業者の任正非最高経営責任者(CEO)。スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラムの年次総会で(2015年1月22日撮影)。(c)FABRICE COFFRINI / AFP〔AFPBB News

1年分の米国製部品を備蓄?

ではこの“戦争”はどちらが勝つのか。

この予測については、目下、だれも明確な答えを出すことができない。どちらかがきれいな勝利を収める、という結末にはならないかもしれない。米中の経済規模の力量から言えば、米国の方がパワーがあり、米国が勝つ見通しの方が高かろう。だが、米国が完全勝利を収められるほどの力量差かというと、なかなか意見の分かれるところだ。

このあたりをBBC、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズが報じている内容を総じて、見てみよう。

2018年末にファーウェイが発表した主要サプライヤー92社のうち33社がインテル、クアルコム、ブロードコムといった主に米国の半導体企業である。25社がBYDや京東方科技集団など中国の液晶、電池企業。11社が村田製作所や東芝ストレージ、ソニー、三菱電機など、主にカメラ、電子部品を供給する日本企業。10社が鴻海、TSMCなど半導体製造、スマートフォン組み立ての台湾企業。このように米国への依存度が突出し、しかもベースバンドチップ、無線チップ、ストレージといった核心的な部品を米国から調達しているのだから、そこを押さえられたらファーウェイは絶対絶命、という見方は当然ある。

ただ、ファーウェイは自前半導体を設計、生産できるメーカー、ハイシリコンを傘下に持っていることがZTEとは違う。問題は、すべてのファーウェイ製品に必要な半導体をカバーできるだけの生産ライン、生産規模をハイシリコンが目下もっていないということだ。2015年のファーウェイの半導体購入総額は140億ドル、うちクアルコム18億ドル、インテル6.8億ドル、ブロードコム6億ドル。ということは、短期的にはこれだけの額に相当する半導体が調達できず、生産に支障をきたすことになる。

ただ、はったりかもしれないが、ハイシリコン総裁の何庭波は社員に向けた公開書簡の中で、「数年前から今回のようなすべての米国の先進的半導体やその技術を得られない事態を想定して準備していた。・・・すでに“スペアタイヤ”を持っている」としている。

さらに第一財経によれば、ファーウェイはこの危機を予見して、核心的半導体の在庫が将来1年分くらいある、とか。つまり、米大統領選までの1年くらいは頑張るつもりで、在庫も代替技術もいろいろできることは準備していた、という話だ。

BBCの記事では、特許データ統計会社のIplyticsの見解が引用されている。いわく今年4月までに、5G標準に必要な特許総量は6万件以上、うち中国企業が申請している5G特許は35%、うちファーウェイの特許は15%でトップシェアを占める。さらにファーウェイが1年分の米国製部品の備蓄を整えているというのが本当なら、「ファーウェイは短期的影響を克服できると判断する。ファーウェイが自分でコントロールできるサプライチェーンを作り出せるかは1年以上の経過観察が必要」としている。

ファーウェイは「意外に健闘」か

さらにファーウェイは非上場企業。米国サプライヤー企業はほとんど上場しているので、株価が影響を受ける。クアルコム、ブロードコムは5月16日にそれぞれ4%、2.33%下落。ファーウェイに光学部品を提供するネオフォトニックの株価は20.63%暴落で、これは創業4年以来の1日における最大暴落幅を記録した。ファーウェイに言わせれば、このファーウェイ締め出しによって、米国企業は万単位の雇用が影響を受ける、らしい。

もう1つ、米国半導体企業にとっての懸念材料は、米国の半導体企業が中国人エンジニアを雇いにくくなっていることだ。米政府はハイテク分野の中国人企業スパイを懸念して、その雇用に必要な審査や手続きが厳格化されている。だがインテルやクアルコムのエンジニアの6割が中国人であり、米国半導体業界の人材不足が深刻化しつつある。同時に、米国企業から排除されたハイテク人材が中国企業に集中して、中国の自前サプライチェーン確立にむしろ利するのでは、という考え方もある。

そう考えると、ファーウェイは意外に健闘するのではないか、とも思えてくる。

米国サイドの最大の強みは、ファーウェイを含め中国企業の半導体設備装置および検査装置、材料などがまだ内製化に至っていないことである。ただ、当たり前だが、中国は自国の半導体産業の弱点については熟知しており、製造装置や検査装置の開発は最優先で資力人力を投じている。実際、すでに2018年秋の段階で、上海微電子装備がそれなりの露光装置を完成しており、日本の専門家たちに言わせれば5年から10年もあれば中国も自前の製造設備を完成できるのではないか、という。

この5年を長いと思うか、短いと思うか。5年といえばトランプがもう一期大統領になったとして丸々の任期である。この間、中国ハイテク企業が米国主導のサプライチェーンから締め出され、地を這う経済の中での大衆の不満を力で抑え込み、苦境を生き抜き、自国主導のグローバルサプライチェーンを築いて生き残るかどうか。

いずれにしろ、米半導体企業の売り上げは大きく鈍化し、その競争力は衰えるだろうし、中国ファーウェイ帝国の影響力は大きく縮小されることになる。何のかんの言っても中国14億市場は今ファーウェイ応援一色に煽動されているので、ファーウェイが短期内に倒産に追い込まれるという感じではなさそうだ。

米中のヘゲモニー争いが世界を二分する

今後の展開としてロンドン政経学院(LSE)の金刻羽教授や香港中文大学工程学院副院長の黄錦輝教授がBBCのインタビューに答えて言うのは、世界の通信システム・インフラが二分化される状況への突入だ。

金刻羽は「このようなシステムの二分化は強大な効率の損失だ」と批判するが、実はこの二分化は、単に通信システム・インフラが米国標準と中国標準に二分されるだけではなく、鉄のカーテンで隔てられた冷戦構造のように経済・貿易・金融のみならず価値観、安全保障、秩序、ルールでも世界を2つに分けることになる。それは効率の問題ではなく、新たな国際秩序の起点という意味を持つ。

問題はうまく世界が2つに分かれるか、どちらの世界がより発展するのか、日本は勝ち組に入るのか、という点だろう。

日本の取れる選択肢ははっきりいって米国サイドしかない。安全保障の観点からも価値観の観点からも、たとえ企業にとってはある程度のマイナス利益を飲むことになっても、「反日」を政権の正統性の根拠に置いている共産党体制の中国陣営に入ることはできない。だが、他の国はどうだろう。対中国に対する危機感の希薄なEUは足並みがそろえられないかもしれないし、中央アジアや中東、アフリカの部族社会は意外に中華独裁的価値観になびくかもしれない。中国秩序圏が膨張すれば、日本は米国秩序圏との境に位置する最前線にいる覚悟が問われよう。

米中のヘゲモニー争いは貿易戦争や通信覇権争いだけでなく、朝鮮半島、シリア・イラン、台湾、南シナ海あたりの様々な国際情勢の変化、双方の政権の安定性などの影響を受ける。政権の安定性からいえば、私は習近平の足元の方が、トランプよりも危ういと思っているのだが、欧米リベラルメディアの中にはトランプの足元を心配する声も少なくない。ひょっとすると新たな秩序が登場する前に、双方が消耗戦に入り、長期の混沌と消耗の世界的停滞時代を経験するかもしれない。中国の体制が経済の悪化に耐えかねて瓦解する、というシナリオだってないとはいえない。

まあ、トランプもころころ発言を変えるし、中国共産党も内部で揉めているらしい。一寸先も確定的なことは言えなくなってきた。そう遠くないタイミングで日本も選挙を迎えるのだとしたら、この難しい不確定要素の多い時代をうまく乗り越えるために必要な政治家を選ばなければいけない。

ダイヤモンド記事

Photo:UPI/AFLO Fusako Asashima

米中の技術覇権争いは別次元に突入した。米政府が、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への輸出などを禁止したのだ。民間の取引から同社を排除する“鉄拳制裁”の巻き添えを食う日本企業も出てきそうだ。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文、新井美江子、土本匡孝)

従来とは異次元の厳しさ

米国は、ファーウェイ攻撃の手を緩めるつもりはないらしい。5月15日、ファーウェイなど中国企業を想定した制裁を新たに発表したのだ。

かねて米国はファーウェイが「通信機器を悪用してスパイ行為をしている」と主張してきたものの、ファーウェイを米国の政府調達から締め出すレベルにとどまり、制裁の対象は限定的ではあった。

そのためか、米国は同盟国ら諸外国にもファーウェイ製品を通信ネットワークに使用しないよう求めてきたが、英国やドイツが同社製品の導入を容認するなど足並みはそろわなかった。

だが、今回の制裁措置は次元が違う。制裁の対象を、ファーウェイと企業との民間取引にも拡大。米国は企業に取引停止を迫ることで、グローバルに広がるファーウェイのサプライチェーンを断ち切る強硬手段に出たのだ。

そして、新たな制裁措置はファーウェイの息の根を止めかねないだけではなく、日系企業にも多大なインパクトを与えるものだ。

異次元制裁、二つのポイント

制裁のポイントは二つある。一つ目は、ファーウェイ製品が米国へ入り込むのを止める規制(インバウンド規制)だ。

ファーウェイが名指しされているわけではないが、米国にとって安全保障上の脅威となる外国企業の通信機器の使用を止めるというもの。具体的には、米通信キャリアがファーウェイ製の基地局を使うことなどを禁じる。ファーウェイから見れば、米国市場から締め出しを食らったも同然だ。

日本企業で影響を受けるのは、ソフトバンクなどの通信事業者、通信機器メーカーである。米企業への措置ではあるが、同盟国である日本に対して、「米国通信業界に倣い、ファーウェイ排除の方針をとるよう同調圧力が強まる」(経済産業省幹部)リスクがある。

二つ目は、ファーウェイ製品に米国の製品、技術が使われるのを止める規制だ。つまり、米国から技術が流出しないための輸出規制(アウトバウンド規制)である。

米産業安全保障局(BIS)が管理するエンティティリスト(EL。いわゆるブラックリスト)にファーウェイの日本法人を含む関連会社68社が追加された。

ファーウェイのスマートフォンや通信機器には、米国製の半導体やソフトウエアが多数使用されており、それらが調達不可能になる。

この輸出規制はすでに発効済みだ。ファーウェイに部品などを供給する米国企業(半導体のクアルコム、ソフトウエアのオラクル、マイクロソフトなど)が製品の出荷を見合わせているとみられる。

まず、日本企業で影響を受けるのは、ファーウェイに部材を納入するサプライヤー約100社だろう。その調達額の合計は、2018年で66億ドル(7300億円)、23年までに200億ドル(2.2兆円)に達する見込みだ。

例えば、日本企業がファーウェイのスマホ向けに電子部品モジュールを提供する場合、そのモジュールの付加価値の25%超が米国企業由来のものならば「再輸出」と見なされ、中国への輸出には米政府の許可が必要になる。

また、一つ目のインバウンド規制と同様で、ファーウェイへの輸出を増やす日本に対して米国から圧力がかからないともいえない。日本の部材メーカーは、中国へ輸出する際にも米国への“一定の配慮”が必要になるということだ。

しかも、BISのELには、ファーウェイ以外の「中国の懸念企業」が追加される公算が大きい。

日系サプライヤー苦悩続く

部品大国の日本にとって、米国による“ファーウェイ切り”は対岸の火事ではない。日本企業はファーウェイの主要サプライヤーとして「ファーウェイ経済圏」に完全に組み込まれているからだ。

昨年11月、ファーウェイは協力企業を表彰する「グローバルコアサプライヤー大会」を開催。中国現地報道によると、その場で主要サプライヤー92社のリストを明らかにした。それには、富士通、村田製作所、ソニー、住友電気工業など、実に11社もの日本企業が含まれている。そして、「基本的に、表彰企業は取引額が大きい企業」(ファーウェイ広報)である。

とりわけ、ファーウェイの「世界有数のスマホメーカー」という側面に翻弄されそうな企業の代表格がソニーだ。

ソニーはスマホのカメラ部分に使われる「イメージセンサー」で世界シェアトップを誇る(18年度、金額ベースで51%)。特に中高価格帯のスマホの多くにはメーカーを問わずソニー製が搭載されており、ファーウェイのスマホに搭載されているのも自然なことだ。

ソニー自身のモバイル事業は、米アップルや韓国サムスン電子に追いやられて振るわないが、技術力に裏打ちされたイメージセンサーを持つことで、スマホ業界で“おいしい思い”をしてきた形だ。実際に、イメージセンサー事業は、ソニーの2期連続過去最高益をけん引した稼ぎ頭の一つとなっている。ファーウェイへの納入が減少すれば影響は大きいはずだ。

「米中共に重要な市場。取引先についてはコメントしない」。吉田憲一郎・ソニー社長兼CEO(最高経営責任者)は5月21日、経営方針説明会で米国のファーウェイ切りに関する質問に対し、あいまいな回答に終始した。こう言葉を濁したこと自体が、事態の深刻さを物語っている。

日本企業からファーウェイへの納入は、米政府の制裁の対象にならなくとも、米国との同盟関係を重視する日本政府から自粛を求められるリスクが高いからだ。

通常、部品会社は「納入責任を負っており、合理的な説明なしに納入をストップさせることはできない」(住友電気工業関係者)ものの、国の圧力があれば話は別だ。

それに加え、ファーウェイ以外の中国企業についても、いつ米国に狙い撃ちされるか分からない。

ファーウェイが制裁対象になったのは、建て前上は安全保障上の理由からであって、日本と米国とでは安全保障環境も関連する規制も異なる。ある経産省幹部は、「だからこそ日本企業は米国の制裁に同調する必要はない」と強調する。だが、制裁の真相は、「中国の技術覇権を何としても阻止するため」(別の経産省幹部)とみる向きが専らだ。

産業界では早くも「監視カメラ大手のハイクビジョンか、スマホ大手のオッポか」と、“次のファーウェイ”の予想合戦が始まっている。中国企業との取引拡大へアクセルを踏みにくい状況になっているのは否定しようのない事実だ。

ファーウェイなどの中国企業への納入の可否の判断に苦慮している部材メーカーは多い。

そもそも、ファーウェイが米国から締め出されても、「ファーウェイの売り上げがなくなるわけではない」(古河電気工業関係者)。

まして、お膝元である中国市場は巨大だ。日本企業には、米国製部材ストップの“漁夫の利”を得るべく、代替需要を取り込む選択肢もあろう。その際にも米国に狙い撃ちされるリスクは否定できず、高度な経営判断が求められる。

基地局もファーウェイ排除

第5世代通信規格「5G」の巨額インフラ投資が始まる日本の通信キャリアにとっても、今回の制裁措置は一大事である。

ファーウェイの通信機器は性能が良く割安なため「本音では使いたい」(ソフトバンク幹部)と考える通信キャリアは多い。

ただ、これまでも米政府がファーウェイ排除の方針を示してきたため、米国の大手通信キャリアは同社の基地局を導入していない。今後本格化する5Gの投資は言わずもがなだ。

日本も5Gについては総務省が事実上、ファーウェイを排除した。

国内で唯一、既存の通信インフラにファーウェイ製品を使ってきたソフトバンクは、基幹部分に配置されたファーウェイ製品を他社製に置き換える工事を進めている。

部材メーカーと通信業界。今回の米国のファーウェイ切りにより、日本企業の事業リスクが格段に高まった。日本が米中の2大大国のはざまで揺れ動く姿は、かつての米ソ冷戦末期の姿とも重なる。日本には、1987年に発覚した東芝機械によるココム規制違反事件という苦い経験があるのだ。

同事件では、旧ソ連(現ロシア)に、軍事利用の恐れがある製品を輸出したとして東芝グループが批判の矢面に立たされ、米国で家電の不買運動が起きた。

だが、日本企業は過去のトラウマにおびえて萎縮している場合ではないだろう。米国の真意を理解し、米中両国企業の間隙を突いて稼ぐぐらいの強かさがなければ部品大国のポジションは保てない。

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