『デジタル人民元を本格導入する習近平の野望 国進民退・計画経済・監視社会を実現する方策なのか』(10/15JBプレス 福島香織)について

10/17WHよりのメール「

FIVE STORIES PRESIDENT TRUMP DOESN’T WANT YOU TO MISS

Twitter’s Partisan Censors
-The Wall Street Journal
“The political actions taken Wednesday by Twitter—and to a lesser extent Facebook—went far beyond normal content moderation,” The Wall Street Journal editorial board writes. “Silicon Valley’s partisan interference flies in the face of American instincts about democracy, fair play, and the spirit of the First Amendment.”

First Lady Melania Trump: ‘My Personal Experience with COVID-19’
-WhiteHouse.gov
“It was two weeks ago when I received the diagnosis that so many Americans across our country and the world had already received—I tested positive for COVID-19. To make matters worse, my husband, and our nation’s Commander-in-Chief, received the same news,” First Lady Melania Trump writes.
MORE: “Give focus to our next generation,” the First Lady says

The Senate Should Confirm Judge Amy Coney Barrett to the Supreme Court, and Quickly
The Hill
“The unfortunate vacancy left by the passing of Justice Ruth Bader Ginsburg must be filled in a timely manner to continue the important role of the judiciary. The Constitution is clear—the president has a solemn duty to make a nomination for the Senate’s consideration. President Trump fulfilled his duty by putting forward Barrett, and now the Senate must do its job,” Chase Martin writes.

WATCH: Why Amy Coney Barrett says she answered the call to serve

Trump Administration Announces Deal With CVS and Walgreens to Administer Coronavirus Vaccine to Seniors in Long-Term Care
CNBC
President Trump just announced “a deal with CVS Health and Walgreens to administer coronavirus vaccines to the elderly and staff in long-term care facilities,” Berkeley Lovelace Jr. writes. “The vaccine will be free and available for residents in all long-term care settings,” including nursing homes and assisted living facilities.
WATCH: Seniors will be first in line for a safe and effective vaccine!

Operation Legend: Over 5,000 Arrests Made to Reduce Violent Crimes After a 4-Year Old’s Murder
-The Daily Caller
“Since the start of the [Justice Department’s Operation Legend] in July there have been over 5,000 arrests including federal offenses, drug charges, and murder charges,” Kimberly Eade reports. Violent crime spiked across major U.S. cities following riots this summer. “Kansas City has a 40 percent increase of homicides compared to last year. President Donald Trump promised to protect cities that have high rates of violent crimes.”    」(以上)

10/16阿波羅新聞網<川普获胜率高达90%?媒体老总:川普将拿331张选举人票连任=トランプの勝率は90%にもなる?メディアのボス:トランプは331選挙人票を獲得して再選される>

メディアのボス、Kevin McCulloughが支持者に投票を呼びかけた。そうすればトランプが再選される。写真:ツイッターから取得

米国大統領選挙の投票日まであと3週間で、中共ウイルス肺炎に免疫があると自称しているトランプ大統領は積極的に勢いを盛り返している。 彼はすべての有権者にキスをすることを宣言しただけでなく、多くの忠実な「トランプファン」もそれに応えて「あと4年、あと4年」と叫んでいる。アナリストは、義烏指数はトランプファンの熱意が相対的に高く、選挙に勝つ可能性があると示しているだけでなく、米国の株式S&P 500インデックスは、大統領選挙の3か月前に上昇を示し、執政党の選挙に勝つ可能性が90%であると主張した。それに応えて、親共和党のメディアCEOは、世論調査の数字を無視し、スイング州の投票でトランプに投票すれば、トランプは331の選挙人を獲得し、再選することになるとツイートした。

小型商品の生産・販売で有名な浙江省義烏で、選挙用品の生産量を表す「義烏指数」は米国大統領選挙の観測指標とされている。メディアの報道を総合すると、現在のトランプ大統領のキャンペーン商品の生産量は、2016年と同じく民主党のライバルよりも多く、トランプ勝利を示す指標の1つと見なされている。金融ウェブサイトMarketWatchの報道によると、チーフストラテジストのエマニュエルは、ほぼ1世紀の間の選挙年の株式市場データを調査したところ、1928年以降、米国の株式S&P 500インデックスが大統領選挙の3か月前に上昇傾向を示している限り、執政党は90%の確率で選挙に勝つと分かった。

一方、民主党大統領候補のジョー・バイデンの息子の「ウクライナゲート」スキャンダルが再び蒸し返されている!元々容疑のあるハンターの1台のラップトップハードドライブは米国連邦捜査局(FBI)によって押収されていた。その中のメールは、ハンターが当時副大統領だった父親との関係を利用してウクライナに圧力をかけたことを明らかにし、バイデンが息子の海外事業について話し合ったことはないと嘘をついたので面子をなくし、そのラップトップにも多くの卑猥な写真が見つかった。米国上院は既に調査した。このニュースは既に長く伝わっており、近い内に、バイデンの暴露資料がさらに出てくる可能性がある。

これに対し、親共和党で、フォックスニュースで時折時事政談を話し、自分自身もライブ放送を持っているメディアのボスのKevin McCulloughは、有権者が投票に出かける限り、トランプはスイング州を押さえて、合計331の選挙人票を得て再選され、バイデンは4年前のヒラリーの大失敗のシナリオを繰り返すために207の選挙人票しか得ないだろうと以前ツイートした。

この通り進んでほしい。

https://www.aboluowang.com/2020/1016/1512638.html

10/16阿波羅新聞網<推特激起众怒!封杀拜登丑闻报道 推特CEO拟遭传唤=Twitterは大衆の怒りを引き起こした!バイデンのスキャンダルをブロックしているとの報道 Twitter CEOは召喚される予定>

共和党はDorsey(小さな写真)を召喚して上院で証言させるつもりである。

米国の選挙が残すところ2週間強となったが、SNSのTwitterは、民主党大統領候補のバイデンに対して不利なNYポストの報道をユーザーが転載することを制限した。共和党上院議員は、Twitterの最高経営責任者Jack Dorseyがこの問題を説明することを望んでいる。上院司法委員会の憲法小委員会は、Dorseyに召喚状を出し、来週金曜日に司法委員会で強制的に証言させるかどうかについて、来週火曜日に投票する。Twitterの広報官は、この報道へのコメントを拒否した。

保守派の新聞NYポストは水曜日(14日)に未確認の電子メールを引用し、民主党大統領候補のバイデンは副大統領時代に、次男ハンターが職を得たウクライナの天然ガス会社の幹部と会い、その後ウクライナ政府にガス会社の犯罪捜査を終了するよう圧力をかけたと報道した。報道が公開された後、Twitterはプラットフォームのプライバシーとハッカーの材料に対するポリシーに違反しているという理由で、ユーザーが「NYポスト」の報道を転載することを禁止した。別のSNSプラットフォームであるFacebookも、報道の正当性を判断するために事実確認をパートナーに審査させ、結論に達するまではプラットフォーム上での関連コンテンツの拡散を減らすと指摘した。

共和党上院議員のテッド・クルスは、Twitterが選挙に干渉したと非難し、Twitterは「企業の権力を濫用し、情報伝達に口を噤ませ、腐敗行為の非難を隠蔽した理由」を説明させるためにDorseyを召喚する必要があると述べた。上院共和党のリーダーであるマコーネルはまた、SNSプラットフォームが「NYポスト」の報道の転載を阻止したのは、「絶対に譴責される」べきで、米国はいかなる形式でも言論警察は持つべきではないと述べた。

一方、共和党上院議員ホリーはまた、司法委員会の下の犯罪・テロ小委員会で証言させるため、DorseyとFacebookの最高経営責任者ザッカーバーグに書簡を送ったと発表した。

https://www.aboluowang.com/2020/1016/1512743.html

10/17希望之声<川普:脸书推特若继续作恶 将取消其免责保护=トランプ:FacebookとTwitterは、悪を為し続けた場合、免責保護を取り消すだろう>10/14にNYポストが、民主党の大統領候補ジョー・バイデン前副大統領の息子であるハンター・バイデンの電子メールで、権銭交易の疑いを明らかにしてから、FacebookとTwitterは2日間連続でこの報道に関して審査し、転載が制限された。トランプは、この点に関して、バイデンは大手テクノロジー企業に贔屓されており、これらのソーシャルメディアは変わる必要がある。そうしなければ、関連法規で守られている保護が取り消されると述べた。

FacebookとTwitter は14日に続いて、15日も転載制限し、尚且つ下院共和党の公式ウェブサイトをユーザーが転載できないようにし、トランプ選対チームの公式ツイッターを制限し、WH報道官ケイリーマケナニーのツイッターアカウントを完全に閉鎖した。

共和党議会の公式ウェブサイトは、NYポストのハンタースキャンダルに関する報道を転載したため制限された。マッケナーニのアカウントが閉鎖されたのは、アカウントがNYポストの報道を転載したためである。 「一時的なシャットダウンではない。Twitterアカウントにログインしようとしたとき、(システム)は私が永久に(使用)禁止と言い渡された。彼らは基本的に私に銃をつきつけ、あの報道を削除しないとアカウントにアクセスできないと言った」とマッケナーニはフォックスニュースに語った。

有名な評論家のアドリアーナ・コーエンは「フォックス・ニュース」に次のように書いた。「この種のならず者の検閲と選挙への干渉が人々を震え上がらせれば、何ができるか?」 「現実には、シリコンバレーに蔓延するこの種の傲慢さが大統領のツイッターを検閲させ、(彼らはしばしばそうする)、選挙中に大統領候補に関するWHの官員や主要な新聞の報道を検閲することができれば、どんな米国人やメディアも同様に審査を受けることは免れない」

「フォックスニュース」は、トランプ大統領はノースカロライナ州のピットグリーンビル空港で、バイデンが嘘をついたことは逮捕されるべきであるが、今、彼はハイテク巨人によって保護されていると一般大衆に語ったと報じた。

1996年に施行された「通信品位法」(Communication Decency Act)第230条によれば、「インタラクティブコンピュータサービスの提供者または利用者は、他のコンテンツ提供者が提供する情報の出版者または発言者とはみなされないものとする」と。この規定は、Google、Facebook、Twitter、YouTubeなどの企業が第三者によって投稿されたコンテンツに対して責任を負わないように保護している。また、この規制により、これらの企業は巨大なテクノロジー企業に成長した。

「彼らが彼らの悪を正さない限り、我々は彼らのための第230条項を取消しする」 「あなたはそれを信じるかどうか?民主党は同意するだろう」とトランプは言った。

英文大紀元の編集局の評論は、SNS会社が米国の主要メディアのニュースに直接行動したのはこれが初めてだと述べた。さらに、FacebookとTwitterの行動は恣意的であり、何の口実もなく、行動に一貫性がない。その中で、TwitterはFacebookよりもさらに進んでおり、NYポストとWH報道官のTwitterアカウントを公然と閉鎖した。

英文大紀元によると、TwitterとFacebookのルールは非常に危険なほど曖昧であり、自分の感覚で審査の内容を決定することさえできる。それが出版社である場合、彼らはそうする権利を持っているが、彼らは彼らが恣意的であることを認識せず、通信品位法第230条によって保護されるべきオープンプラットフォームであると主張するだけである。しかし今回、彼らは非常に公然と一線を越えて出版社のように振舞ったので、出版社の規則に従う必要がある。

最近、多くの議員がFacebookとTwitterを非難しており、連邦上院司法委員会も来週の火曜日にTwitterのCEOを召喚するかどうかについて投票する予定である。上院司法委員会委員のジョシュ・ホーリー上院議員は10/16、2日前に連邦選挙委員会(FEC)にFacebookとTwitterが選挙法違反に関与しているかどうかを調査するよう要請したとツイートし、次のように述べた。トランプ大統領選挙チームは、これについて正式に訴訟を起こす必要があると。

確かに、民主的手続きで選ばれた大統領の発言や表現をstopするのは傲慢にもほどがある。SNS会社は民主的手続きを経て選ばれたのか?そうでないのだから、恣意的なアカウント削除や記事の転載禁止を防ぐため、通信品位法第230条の免責は廃止にすべきで、不利益を被った人や会社が訴訟を起こしやすくすべきである。NYTやWPのトランプへのフェイクニュース(ロシア疑惑やウクライナ疑惑)は転載禁止にしなかったでしょう。彼らとNYポストとどう違いがある?民主党を有利にするための政治的な動きとしか解釈できない。

https://www.soundofhope.org/post/432922

10/16希望之声<这是习近平紧急回京的原因?!广州发现感染病例!(视频)=これが、習近平が緊急に北京に戻った理由?!広州で感染例が見つかる!(ビデオ)>10/15昼に、習近平は突然広東の旅を短縮し、当初予定されていた6日間の視察で3日目に入ったが、緊急に北京に戻り、当初の広州への視察をキャンセルした。同日、広州市花都区芙蓉嶂リゾートでウイルス感染者が発見された。しかし、2日目の10/16になってやっと広州市は中共肺炎の疑いのある症例を公に発表した。広州市花都地区の芙蓉嶂リゾートとその周辺の獅齢鎮と花山鎮はすべて緊急封鎖され、すべての住民に対して核酸検査が実施される。

中国の公式メディアの報道によると、広州市花都地区の芙蓉嶂リゾートは隔離用のホテルである。感染者は、ホテルのスタッフで、王姓の40歳の男性である。 10/15、ホテルが隔離用ホテルとしてスタッフの定期検査を開始したとき、彼はウイルスを検出し、隔離のために病院に入院した。

報道によると、花都地区はその夜、68人の密接接触者を直ちに隔離した。現在、王某某が活動していた場所の全面的な調査が行われており、芙蓉嶂リゾートとその周辺でウイルス検査が行われる予定である。

ネチズンが投稿したビデオによると、広州花都地区の芙蓉嶂リゾート周辺の獅齢鎮と花山鎮は緊急封鎖され、居住区にはすべての住民を対象に核酸検査を行うための検査ポイントが設置されている。ビデオを撮った男は、核酸検査を待っている人が千人もいると言った。

隔離用ホテルがあるのだから、感染者がゼロであるはずがない。まあ、中共の嘘つきは今に始まったことではないですが。広州市が感染を発表したのはマシな方。国慶節の大移動で、これから益々感染者が増えて出てくると思います。中国の陰性証明なんて当てになるわけない。偽物大国であるし。政府や日本企業もいい加減中国に騙されないようにしないと。

https://twitter.com/i/status/1317016757811380225

https://www.soundofhope.org/post/432802

福島氏の記事で、デジタル人民元が自由世界の通貨の強敵になることは考えにくい。そもそも中共幹部がそれを望むかどうか?賄賂が全部デジタル人民元で受け取ることになったら、誰も受け取らないでしょう。足がつくし。

デジタル人民元も情報戦の一環でしょう。SWIFTから追放され、$基軸体制からも追い出されても大丈夫と世界に喧伝する効果を狙ったものと思います。SWIFTシステムを通じた決済における通貨別内訳でみると、2020 年 1 月現在で人民元のシェアは 1.65%となっているだけで、国際通貨として使い勝手が良いわけでない。デジタル人民元になれば使い勝手が良くなるかと言うと、自由世界から締め出された中共を想定すれば、貿易相手は後進国となり、相手国のIT化は進んでいないでしょうし、中共が相手国のIT化を担い、金融システムも中共の意のままになるとすれば、国家主権の侵害で、債務の罠以上の問題を引き起こすでしょう。

何でも早ければ良いというものでもない。人権侵害国で好戦的な中共は解体されるべきですので、政策が失敗したほうが良いとは思っていますが。

記事

深圳経済特区設立40周年を記念したイベントで演説する習近平国家主席のニュース映像(2020年10月14日、写真:ロイター/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

中国でデジタル人民元(DCEP:Digital Currency Electronic Payment)の導入が少しずつ始まっている。

10月11日、党中央弁校庁、国務院から「深圳における中国の特色ある社会主義先行模範総合改革テストケース実施方案(2020-2025)」が発表され、深圳の今後5年の目標の中に「人民銀行デジタル通貨研究所深圳下部組織をベースにした金融科学技術プラットフォームをつくり、デジタル人民元のテストを展開し、デジタル人民元の研究応用と国際協力を展開する」という項目が盛り込まれた。

同時に深圳の金融の対外開放を推進し、深圳を人民元国際化の先行テスト地として支援するという。また、外為管理システムをより完璧なものとして、条件に合う外資金融機関が深圳で証券企業やファンド管理企業を創設することも支持する。条件をクリアした外資機関が深圳で決済ビジネスを行うことも認める方針で、つまりデジタル人民元を使った国際決済業務モデルを深圳限定で構築していこう、ということらしい。

抽選でデジタル人民元を市民に配布

中でも人々の関心を呼んだのは、深圳市政府と人民銀行が共同して深圳市羅湖区で実施するデジタル人民元“紅包(ボーナス)”政策だろう。

8月14日、商務部は「貿易サービスイノベーション発展の全面的深化のためのテストケース総体方案」を発表し、「京津冀(北京・天津・河北)」地域、長江デルタ、広東香港マカオグレートベイエリア、中西部のそれぞれの地域でデジタル人民元導入テストを展開することを発表していた。人民銀行としては、まず深圳、成都、蘇州、雄安新区および冬季五輪の関連部門と協力して、状況をみながらデジタル人民元導入をその他の地域に拡大していきたいという。

今回の羅湖区の「紅包」政策は、こうした流れの中での深圳経済特区設立40周年のイベントである。デジタル人民元の実証実験であると同時に、デジタル人民元が実用化に向けたスタートを切ったという、世界に向けた宣伝の意味もあろう。

紅包政策では、広東・香港・マカオのグレートベイエリア建設と地元の消費拡大政策をリンクさせて推進するために、深圳市羅湖区が出資して、デジタル人民元200元(約3100円)分を市民5万人(総額1000万元)に配布するという。10月8日、深圳市の微博公式アカウントが紅包政策を発表して募集をかけ、抽選で選ばれた市民のスマートフォンの専用アプリを通じて配布された。配布されたデジタル人民元は10月12~18日の有効期限内に羅湖区の指定した3389店舗で使用できるという。10月11日の段階で、抽選作業は完了し、191万3847人が応募したというから、なかなかの倍率だ。

中国の経済紙「21世紀経済報道」が報じたところによると、使用開始の12日、羅湖の万象城やKKモールなどの大型ショッピングモールでは、「デジタル人民元」の統一標識が掲げられて、使用を促していた。だが、実際のところ、使用している人の姿は見かけなかったらしい。5万人が200元分しか使わないのだから、記者が現場に行っても遭遇率は低かろう。

だが話題性、宣伝性の面の効果は抜群で、世界各国のメディアが、深圳のデジタル人民元“紅包”政策を報じていた。

既存電子マネーと競合関係に

ただ、このデジタル人民元が中国の経済と金融の対外開放を促進するものなのか、という点については懐疑的な声が多い。

中国は電子マネーが相当普及しており、公共料金の振り込みから露店での買い物、物乞いへの投げ銭まで、アリペイ、ウィチャットペイなど民営企業が発行する電子マネーでの支払いが可能だ。アリババの公式サイトによれば、2018年の中国のモバイル決済額は4709兆円に上り、うちアリババのアリペイは54%を占めているそうだ。

2018年にアリペイ利用者の前払い金を人民銀行に供託することを義務付けるなど、習近平政権は電子マネーへのコントロールへの強化姿勢をみせていたが、英国紙「フィナンシャル・タイムズ」などは、デジタル人民元も民営企業が寡占している中国キャッシュレス決済市場の主導力を共産党政権が奪い返すための政策、という分析を今年8月に報じていた。中国紙「21世紀経済報道」も、この見方に触れており、デジタル人民元はアリペイやウィチャットペイなどのモバイル決済ツールと機能が重なりあう部分があり、民営電子マネーと競合関係にある、と解説している。

中関村ネット金融研究院の主席アナリスト、董希淼によれば、電子マネーとの大きな違いは、デジタル人民元は法定通貨であり、アリペイなどは支払い決済システムに過ぎない、ということだ。法人、個人、機関などがアリペイなどの受け入れを拒否しても法律上なんら問題はない。しかし現金やデジタル人民元の受け入れを拒否すれば違法となる。

また、デジタル人民元は現金(M0)を完全にデジタル化したもので、銀行口座を使わずデジタルウォレットを通じて流通するため、きわめて迅速に決済できる。同時にデジタルであるがゆえに資金移動を完全に追跡できるので、偽造を防ぎ、監督管理がしやすくなるという。

一方、銀行口座と紐づけされて利用されるアリペイやウィチャットペイは「M1(現金+要求払い預金)」をデジタル化したものにあたる。こうした電子マネーは企業化した決済システムであり、ユーザーは手数料を支払いQRコードの読み取り機を購入するなどの費用を負担することになる。個人情報の流出や、アカウントの乗っ取り、詐欺などのリスクもある。デジタル人民元は、使用に伴うコストは、目下のところゼロという話だ。とすると、市場競争すればデジタル人民元が圧倒的有利で、自然とアリペイ、ウィチャットペイは淘汰されていくだろう、ということになる。

習近平政権が民営企業に対して非常に厳しい管理強化政策を実施しているのは周知のとおり。「アリババ帝国などと形容される民営大企業のトップたちはそのリーダーシップ、外国への影響力、人望の高さ、財力のいずれをとっても、習近平個人よりも上で、そのうち民営企業家に権力を奪われるのではないかと恐れているから、習近平は民営企業家が嫌いらしい」と噂が立つほど、習近平政権になってからの大民営企業に対する圧力は理不尽なものがある。中国の経済発展を第一に考えるなら、こうした「国進民退」(国有企業を優遇し、民営企業を後退させる)の方向性は誤った政策ではないかと私は思うのだが、どうだろう。

計画経済に回帰する習近平政権

一見、ハイテクの粋を集め、SF的未来社会の構築を期待されるようなデジタル人民元が、実は習近平の「国進民退」政策、毛沢東回帰路線、計画経済回帰路線の流れにある、という見方は各方面から指摘されている。

アメリカの政府系放送局「ラジオ・フリー・アジア」は、そういう論評をいくつか紹介している。

中国の金融アナリスト、賀江兵は「デジタル人民元の発行責任者である中央銀行が、ユーザーの使用記録や資産状況を追跡するのかどうか、関心を呼んでいる」という。

香港人エコノミストの林浩波は、「米中貿易戦争勃発以降、北京は米国側の関税引き上げを相殺するために人民元を引き下げてきたが、そうすると資金が流出した。デジタル通貨はこうした資金流出を管理し防ぐために有利だろう」と語る。

中国経済状況は実のところ中国メディアが喧伝するほどには回復していない。失業問題はかなり深刻だ。だが、習近平政権はこの難局を、口では「改革開放」と言いながらも、実際のところは「計画経済」的手法で乗り切ろうとしている。マネーサプライの増加による流動性の確保や、消費券の発行による消費振興だ。管理がより厳密にできるデジタル通貨は、マネーサプライの妥当な増加とインフレ、債務増大のコントロールに役立ち、計画経済を推進しやすくなる、というのが林浩波の見方だ。

「極権国家が、デジタル通貨を持てば、民衆の消費モデルを操れるようになる。特定の民衆に特定の地域、領域で、決まった金額の消費をさせて経済を刺激させることもできる。消費券発行もその目的を達成していたが、デジタル人民元はさらに大々的に行政コストを節約しながらその目的を達成できる」というわけだ。

自由経済に立ちはだかる強敵登場か

デジタル人民元は対外的にはドル基軸体制に対抗しうる人民元基軸の経済圏を打ち立てる切り札、という見方もある。

米中対立の先鋭化により、西側グローバル経済チェーンから中国企業がデカップリングされているなか、中国は「大国内循環を主体とした双循環」という経済スキームを打ち立てるとしている。早い話が、中国国内需要を吸引力とした新しい中国を中心としたサプライチェーンの構築だ。中国国内だけの閉じられた経済圏にあらず、一帯一路周辺国を巻き込んだ、地球を米国ドル基軸と二分するようなブロック経済圏を打ち立てるつもりのようだ。

しかしすでに米国の対中制裁が金融制裁の段階に入っているなかで、中国国内経済がドル基軸に依存したままでは絶対不可能だ。中国は人民元の信用を上げるために、IMF(国際通貨基金)のSDR(特別引き出し権)構成通貨に採用してもらい、金の生産と購入も拡大し、人民元の国際通貨化を夢見てきた。そして今、透明性があり、より便利で信頼性の高い決済通貨としてのデジタル人民元を周辺国に広め、人民元基軸を構築しよう、ということだろう。

私としては、デジタル人民元の利便性や信頼度、普及スピードが今の段階では想像できないので何とも言えないが、ロシアが最近やたらと人民元保有を増やしているのをみると、人民元基軸への期待がゼロ、というわけでもないのかもしれない。

だが、ドルの支配力の中で日本も相応に苦労してきた経験を振り返れば、通貨支配はかなり凶暴な力だ。全体主義の独裁国家の人民元基軸に支配された経済圏は、きっと日本などにとっては一層、苦労させられる世界だろう。しかも中国が目指しているのは計画経済であり、共産党の完全なる経済コントロールなのだ。

たとえ、それが成功して、1つの成長する経済圏を構築できたとして、日本人はそこに仲間入りをしたいかどうかはよく考えるべきだ。そういう風に考えると、デジタル人民元は、新たな時代の扉を開くという夢の通貨というよりは、自由経済に立ちはだかる強敵登場という脅威の方を感じるのだ。

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